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24回国会参議院1956/03/06

決算委員会 第7号

発言数
150
登壇者
18
会派数
3
開催日
1956/03/06

会議録

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) ただいまから第七回の決算委員会を開会いたします。  議題に入る前に委員の変更を御報告申し上げます。  去る三月二日、委員西川弥平治君、久保等君、湯山勇君の辞任に伴いまして、宮田重文君、相馬助治君、矢嶋三義君が補欠として選任されました。次いで三月三日には、白川一雄君の辞任に伴いまして、木島虎藏君が補欠として選任されました。さらに三月五日、木島虎藏君、宮田重文君が辞任せられ、補欠として西川弥平治君、白川一雄君が辞任せられ、補欠として大和與一君、安部キミ子君が選任されました。   —————————————

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 次にお諮りしたいことがございます。本日の議題は、去る二月二十三日及び三月一日の理事会並びに委員会で決定いたしました日程によれば、昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為総調書、昭和三十年度一般会計予備費使用総調書、昭和三十年度特別会計予備費使用総調書(その1)の質疑及び昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の説明聴取でありますが、このほかに前回の委員会で延期いたしました昭和二十九年度決算書の裁判所の部を日程に追加いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 御異議なければさように決定いたします。   —————————————

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) では本日の議題に入ることにいたします。  昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の二件を議題にいたします。まず山手大蔵政務次官から提案理由の説明を願います。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(山手滿男君) ただいま議題となりました昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書についてその大要を御説明いたします。  まず、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書の内容について御説明申し上げます。  昭和二十九年度中に増加しました国有財産は行政財産六千六百一億七千三百九十七万円余、普通財産六百七十四億千四百六十一万円余、総額七千二百七十五億八千八百五十九万円余であり、また本年度中に減少しました国有財産は、行政財産三百六十八億四千八百十一万円余、普通財産百九十七億五千二百四十七万円余、総額五百六十六億五十九万円余でありまして、差し引き総額において六千七百九億八千八百万円余の増加となっております。これを前年度末現在額七千五百九十三億六千八百十八万円余に加算いたしますと、一兆四千三百三億五千六百十九万円余となり、これが昭和二十九年度末現在の国有財産の総額であります。  この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては公用財産九百九十一億三千三百三十三万円余、公共用財産一億五千百二十五万円余、皇室用財産三億二百九十四万円余、企業用財産六千六百七十億九千二十八万円余、合計七千六百六十六億七千七百八十三万円余となっており、普通財産におきましては六千六百三十六億七千八百三十五万円余となっております。  また、国有財産の総額を区分別に申し上げますと、土地五百五十七億千四十五万円余、立木竹五千五百七十二億九千八百四十四万円余、建物千八十二億二千四十二万円余、工作物七百十六億六百三十七万円余、機械器具九十五億九千九百九十一万円余、船舶二百二十一億九千三百三十八万円余、地上権、地役権、鉱業権等の権利一億百五十六万円余、特許権、著作権等の権利一億八千四百九十五万円余、有価証券及び出資六千五十四億四千六十六万円余、合計一兆四千三百三億五千六百十九万円余となっております。  次に、国有財産の増減の事由について、その概略を申し上げます。  まず昭和二十九年度中における増加額を申し上げますと、その総額は七千二百七十五億八千八百万円余でありますが、この内訳は第一に、当該年度中に新規に収得した財産は八百三十一億三千四百万円余でありまして、この内容のおもなるものは、購入、新営工事等により収得したもの三百四十七億二千六百万円余、出資により取得したもの三百七十四億五千三百万円、代物弁済を受けたもの八十四億五千五百万円余、寄附、国庫に帰属、租税物納等によるもの二十四億九千九百万円余となっております。第二に、価格改定によるものは五千八百六十七億四千四百万円余でありまして、このうち国有林野事業特別会計所属の財産について昭和二十九年四月一日現在で行なった価格改定による増は五千八百六十七億三千四百万円余となっております。第三に、所管換、所属替、用途変更、種目変更等国の内部の間で生じた異動によるものは四百二十九億四百万円余であります。第四に、新規登載その他の事由によるものは百四十八億五百万円余であります。  次に減少額について申し上げますと、その総額は五百六十六億円余でありまして、この内訳は、第一に、売払、譲与、財産の減耗等による国有財産の減少額は百六億三百万円余でありまして、この内容のおもなものは、売払によるもの四十七億六千三百万円余、譲与によるもの三十八億二千八百万円余、収こわし、移築等によるもの二十億千百万円余となっております。第二に、所管換、所属替、用途変更、種目変更等国の内部の間で生じた異動によるものは四百二十八億五千五百万円余であります。第三に、伐採その他の事由によるものは三十一億四千百万円余であります。  以上が昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。  次に、昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書について、その大要を御説明いたします。  国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条及び第二十六条の規定により地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は一億三千四百五十五万円余であります。また減少した総額は一億二千三百十八万円余でありますので、差し引き千百三十六万円余の純増加となっております。これを前年度末現在額一億八千九百十四万円余に加算しますと、二億五十万円余となり、これが昭和二十九年度末現在において無償貸付をしている国有財産の総額であります。  この増減のおもなるものを申し上げますと、増加したものは、公園の用に供するもの千五百十八万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億一千六百六十七万円余等でありまして、減少したものは公園の用に供するもの六百三十二万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億一千六百六十七万円余事であります。  以上が昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。  なお、これら国有財産の各総計算書には、各省各庁から提出されたそれぞれの報告書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。  以上、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書の大要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御承認下さいますようお願いを申し上げます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 次に、昭和二十九年度国有財産検査報告に関しまして、会計検査院の概要の説明をお願いいたします。

大澤實会計検査院事務総局第一局長

○説明員(大澤實君) 昭和二十九年度国有財産検査報告について簡単に概要を申し上げます。  昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況総計算書は、国有財産法第三十三条及び第三十六条の規定に基きまして、内閣から昭和三十年十月二十九日会計検査院に送付ありまして、会計検査院におきましてはこれを検査を了しまして、同年の十二月七日内閣に回付した次第であります。  その増減及び現在額の計数につきましては、ただいま大蔵政務次官の方から詳細に御説明がありましたので省略いたしまして、その検査の結果を申し上げます。  国有財産の検査、つまり国有財産の収得、処分及び管理につきまして、会計検査院が調べました結果、不当と認めた事項は、収得に関するものにつきまして十一件、これは主として総理府の防衛庁関係が多くありました。管理に関するものにつきましては二十二件、これは主として大蔵省財務局関係が多くありました。それから処分に関するものは十二件、これは主として農林省の林野庁及び大蔵省関係があったわけであります。  これらの不当と認めました事項につきましては、従来の例によりまして、別途本委員会において現在御審議中の昭和二十九年度決算検査報告にそれぞれ所管々々の欄において掲げてありますので、ただいまは説明を省略いたしまして、その御審議の際にそれぞれ担当の局長の方から御説明することに、従来の例によってそういたしたいと存じます。  以上、簡単でございますが、昭和二十九年度国有財産検査報告の概要を御説明申し上げます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 本日は本件に関しましてはこの程度にとどめたいと存じます。   —————————————

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 次に、昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為総調書  昭和三十年度一般会計予備費使用総調書(その1)  昭和三十年度特別会計予備費使用総調書(その1)  を議題といたします。  本件に関しましては、去る二月二十三日に説明を聴取いたしておりますので、本日は質疑を行いたいと思います。  ただいま出席中の政府委員及び説明員は、関係各省の会計課長及び関係の局長、部課長であります。  質疑に先立ちまして、前回の質疑に対する補足説明がありましたならば大蔵省側から御説明願います。

宮川新一郎大蔵省主計局次長

○政府委員(宮川新一郎君) 特に補足して御説明申し上げることはございません。御了承願います。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) それでは質疑に入ります。  なお、本日は政府側からも多数出席しておりますので、議事整理の都合上、政府側の発言は発言席で御発言願います。  質疑のおありの方は順次御発言下さい。——では私から一応御質問いたしますが、昭和三十年度予備費使用額のうち、災害復旧補助費の分は、使用額四十四億一千三百万のうち二十一億一千万でありまして、農林省関係が七億百万円、建設省関係が十三億百万円、運輸省関係、主としてこれは港湾災害復旧補助費ですが、一億七百万円ありまして、この公共事業費の補助の不当の経理は毎年検査院から指摘されております。半面必要な事業費が査定を受けて補助金の交付がおくれ、事実主体の事業遂行をはばんでおる実情というのが多いと思いますが、このような関係の事業に対しまして関係各省及び大蔵省は予備費使用について特段の合理性ある方法を持たなければならぬと思います。そこで各省並びに大蔵省は、妥当なる時期に妥当なる金額を妥当なる方法で支出しておったかどうかという点について各省の御意見を、具体策について大蔵省並びに各省の御意見を伺いたい。

宮川新一郎大蔵省主計局次長

○政府委員(宮川新一郎君) 委員長御指摘の通り、予備費の使用によりまして災害復旧工事を施行いたします場合に、検査院等が指摘されますようなむだな使用をいたしますとか、時期を誤まることのないように、災害復旧工事につきまして各省より予備費の使用の要求がありました場合は、厳密に各省並びに大蔵省出先機関でありまする財務局立ち会いの下に査定をいたしまして、これに大体当該年度といたしましては四割程度を支出することにいたしまして、残余は次年度においてこれを使用することにいたしまして、工事が年度中にできるだけ円滑に施行されまするように予備費使用の閣議決定等につきましては所要の配慮を加えておる次第でございます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 農林省側から、私が今質問したような点につきまして、あなたの方の要求に対して直ちに非常に協力的に大蔵省が予備費の支出をしておったかどうかという点について、実情を一つ御説明願います。  御発言の方は前の発言台においで願いたい。農林省家治経理課長。

家治清一農林大臣官房経理課長

○政府委員(家治清一君) 予備費要求及び予備費の使用につきましては、たとえば前金払いを要するものについては大蔵省にすぐ協議をいたしまして、大蔵省方面の御協力を得て参っております。ただ私どもの方で、実は金の支出は若干おくれておるのでございまするが、それはやはり経費の適正使用の意味をもちまして、補助申請者の、たとえば補助申請者において予算手続を完全にやっておるかどうか等、そういった点を正確にできるだけ確めまして支出をいたします関係上、実は手続的には若干おくれておる点は遺憾でございますが、目下すみやかに支出をいたしますように、大部分は都道府県を通じまする補助金でございますので、都道府県当局と連絡及び督促中でございます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) ほかに御質疑ございませんか、農林省に関して。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 大蔵省にお伺いしますけれども、昨年の十二月二十七日までにきまった分以降、現在まで各省の要求がどれほどありますか。

宮川新一郎大蔵省主計局次長

○政府委員(宮川新一郎君) 昨年十二月二十七日までの予備費使用額は、御承知の通り四十四億一千三百二十四万二千円、その後一月十七日以降三月二日までの使用額は三十億八千三十九万円になっておりまして、使用残額は五億六百三十六万八千円に相なっております。そのうち各省からの要求によりまして、今後おおむね確実に使用しなければならないと予定しております額が三億四千三百五十万ございまして、差引一億六千二百八十六万八千円が残額となる見込みでございますが、これもおそらくその後の事情によりまして年度内におそらく支出を要することになるのじゃないかと考えております。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) では今の問題について建設省から御説明願いたいのは、災害復旧土木事業の補助費の、先ほど申し上げたような、大蔵省が非協力のために、工事に支障を来たしたという事例があれば御説明願いたいと思います。またそういう点があった場合にどうすればいいかという点、方法をお考えなのか、その点を御説明願いたい。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 災害は御承知のようにあらかじめ予定ができないので、当該年に入って雨季に入ると災害を発生して参るのでありまして、そのつど予備費で支出をして、当該年の復旧分を完成するという方式をとっております。予備費の支出については、御承知のように、災害の査定を行いまして、その集計を待って正式の閣議決定の上支出することになっておりますので、災害復旧ではそれではすぐに間に合わないというような事情にありますので、緊急のものに関しましては融資をいたしまして、一時融資の方法でとりあえずの仕事をしておく、自後災害査定の完了に伴いまして正確な数字の取りまとめができた上で、そのつど閣議決定をして予備費を支出してもらっておる実情であります。大蔵省には大へん協力をいただいております。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 米田河川局長に質問いたします。  過年度災の仕越し工事等に対してはもちろん起債その他の便宜は政府としてはかっておるでしょうけれども、そういう面の支払い未済の分が残ったことがあると思うのですが、そういう事例を一つあげて御説明願えませんでしょうか。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 今日現在の数字ははっきりいたしませんが、今年度の中途におきましては、大体七十億程度の仕越し工事がございます。これは今年度の災害復旧費の予算によって解決をできるだけいたしましたのと、同時に起債等も返還を要するものを延期してもらうというような措置を講じて参ったのであります。しかしまだ今日仕越し工事の相当の金額がなお残っておるのは事実でございます。ただいま正確な数字は持っておりませんが、相当な額はある実情であります。しかしこれは来年度の予算で仕越し工事の処置を優先的に講じたいと、こう考えております。実は本年度も年度当初において本年度予算に優先的に仕越し工事の解決をしたいという方針で進みましたが、地方の実情でどうしても仕越しの方に予算を回すということは困難だ、やはり今後の復旧事業の方に振り向けたいというような意見が非常に強かったために、今年度の仕越しが十分な解決をみないでおりますが、来年度に入っては極力その解決に努力をいたしたいと思っております。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 大蔵省に伺いますが、今河川局長からの説明があったように現在でもなお仕越し工事が、あるいは県が市中銀行などの融資によってやっておるものもあるでしょうし、あるいは短期融資で国が援助しておるものもあると思う。しかしこういうものの金利を考えた場合には、非常に赤字続きの地方財政の上にその上の負担をかけるということになると思うのです。そこで昨年度は予備費が相当余っておるというような場合、いろいろな立法その他でもって地方財政を救おうという方法を国会が講じておるにもかかわらず、今言う七十億に対する手当を大蔵省はどのように考えておるのか、またそれを救うような方法が行政措置でなされんものかどうかという点、御説明願いたいと思います。

宮川新一郎大蔵省主計局次長

○政府委員(宮川新一郎君) できるだけ地方財政の負担を軽減いたしまして、委員長御指摘の通り地方債を発行いたしましても、あるいは当座の金で運用いたしましても、金利がかさみまして地方財政の負担になると思いますので、できるだけそういう事態の生じないようにしたいと思うのでありますが、まあ今年度の予備費も御承知のように八十億ございまして、今年度は例年に比較いたしまして災害が少なかったのでありますが、先ほど御説明申し上げましたような金額に相なっております。それ以外にも、災害以外にもどうしても緊急やむを得ざる理由によりまして予備費を使用せざるを得ないような事態がありまするので、仕越工事が一切起らないような範囲まで予備費を特定の災害工事につきまして出して参るということはなかなか実際問題として困難ではないか考えております。従いまして財政資金でありまする予備費でまかなえないところはやはり一時金融によって最小限度の仕越工事をしていただく、こういうふうにしてもらうよりほかにいたし方がないんじゃないか、かように考える次第であります。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 河川局長に伺いますが、当然国の補助と決定しておる金がその支払いがおくれたというような事例は、私はよくその事実を知っておりますが、そこでそういう点については今まで大蔵省がどうしておくれるかということ、これはあるならば御説明願いたいと思うのです。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 今の御質問は、年度の予算が確定しておるのに金をおくらかしておるという御質問でございますが、それは御承知のように支払い予算が現地に行きますのは期日を区切って、年間四回に区切って支払い予算を出しております。従いまして年度当初に予算は確定いたしておりますけれども、現金が初めから全部あるわけではございませんので、おっしゃられるような事態が、あるいは現地においてまだ金がこないので仕事ができないというような実情が起きることがあって、その点御指摘かと思います。ただ私どもとしては、個々の仕事について申しますと、たくさん工事がございますが、その個々のものについてはできるだけ完成主義をとって、二、三カ月でできるような工事についてはそういう工事について資金を集中的に回すというような方法をとりますからして、わずかな仕事が一年間もかかるというような事態の起らないように努力をいたしたいと思います。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 建設省の方は仕事は早くやれればさせるのですが、ところが金がたまらないために、その仕事の状況によってはその分の支払いを延ばして別のものにいってしまうというような融通を地方公共団体がやっているような場合はありませんか。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) そういう事例ははっきり私ども承知をいたしませんが、工事費を他の方に回すというようなことでございますが、私どもそういううわさの程度の話は聞いたことはございますが、事実私どもがはっきりそういう問題を確認しているものはございません。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 ちょっとお伺いいたしますが、八十億の予備費のうち、十二月二十七日までに四十四億一千何百万円、それからただいまの御説明で一億余円を残して、あとはもう予備費を支出されることが間違いないというようなことを伺ったのでありますが、三十一年度の予備費が八十億ということになっておりますが、昨年といいますか、三十年度は災害等もきわめて少なかったので非常にありがたい年だったと思うのでありますが、もしこれが三十一年もこういうふうにいけばけっこうでありますけれども、そうでない普通の場合というか、それを考えると三十一年度の予備費というのは少いのではないかという気もするわけであります。もちろん予備費でありますから、できるだけ厳格にして、むやみに予備費が多いからと言って不急な経費を支出することはつつしむべきだと思いますが、ただ予算編成の全体の建前からいいまして、八十億の予備費というものが果して合理的かどうかという点についてのお考えを政府次官からでも伺えればけっこうなんですが……。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(山手滿男君) 御指摘の点につきましては、大蔵省でもいろいろ議論をいたしたことは事実でございます。もう少し予備費を増額をしたらというふうなことも考えましたが、予算の全般のつり合い、そのほかもございましたし、まあ前年度等のことも勘案をいたしまして、まあまあこの程度あれば何とかやりくりもできていくであろう、こういうふうな考えでああいうふうに決定をいたしたわけでございます。もちろん昭和二十八年度のような大災害でもございますれば、やはりそれに対する応急的な処置はそれは当然考えなければ、とてもこの予備費の額では十分ではないと考えますけれども、まあ普通でございまするならば、予備費の性質からも、できるだけこれはあらかじめ予算を組んで国会の御承認を得たものを支出するのが建前でございますから、できるだけ予備費等には頼らないように切り詰めたものでやっていきたいと、こういう考えでいるわけでございます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 災害復旧事業補助金の中の、運輸省側で何か御説明ございますか、今の決定と支出ですね。こういう点について大蔵省側との間にもう少しこういう方法をとってくれればいいのだというような点が、御指摘になる点があれば御発言を願います。

梶本保邦運輸大臣官房会計課長

○政府委員(梶本保邦君) ただいまそれぞれ関係の方からお述べになりました以外に取り立てて運輸省としては申し上げることはございません。ただお手元の方へ参っていると思いますこの資料につきまして、運輸省の方で補助工事につきまして残額の多いものがございますが、運輸省の公共事業費は御承知のように港湾関係だけでございまして、この中には直轄と補助工事の二種類ございます。この残額の多いのは補助工事の残額でございます。直轄につきましてはございません。従ってなぜ補助についてこういうふうに残額が多いのかという問題があるわけでございますが、これにつきましては府県の予算の議決関係の手続等がおくれておる場合がございますので、むしろ中央において大蔵省関係というふうな理由は毛頭ございません。むしろ問題は府県関係の予算の議決関係の手続のおくれていることに原因するものが多いと、かように考えております。  以上でございます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) ほかに御質疑ございませんか。——文部省の方にちょっと伺いますが、三十年度の災害復旧補助費のうち相当金が余っているように思うのです。またことしも次年度へ、三十一年度に繰り越しをするという金がございますけれども、現在の学校建物等、少しの災害で崩壊とか事故が起るというような建物がどのくらいあるのですか。また二十九年度の場合でもこれが余っているということから照らして、予備費の不用額はどのくらいになっておりますか。本年度も今までの支出額と、それから残っている額という点を二つ御説明願いたいと思います。これは文部省にお願いします。

天城勲文部大臣官房会計課長

○政府委員(天城勲君) 文部省関係の施設の災害復旧でございますけれども、三十年度の予備費で考えておりますものが、国立が約二千万、それから公立が一億六千万でございますが、国立の方は先ほど運輸省でもお話がございましたように、直轄工事で全部三十年災は済んでおりますが、公立につきまして金の支払いが現在のところ若干おくれておりますが、それも時間的な経過をたどって、特に特別な問題があっておくれているというわけじゃございませんで、大体二月中に決定はいたしまして、目下補助金の交付申請書の手続を進めている段階でございますので、予備費の一億六千万は不日指令いたす、こういう考えでおります。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 高額の繰り越が余るようになると、不用額が多いと思うのですが、これを繰り越しせずに、財政法第十五条第二項による国庫債務負担行為によっての支払いをするというようにした方がいいんじゃないんですか、そういう点はどうですか。

天城勲文部大臣官房会計課長

○政府委員(天城勲君) 今まで過去の例で、繰り越しの分が出てきた事実はございますけれども、やはり災害復旧をできるだけ後年度で解消したいと、こう考えておりまして、特に三十年度につきましても、短期間に完成可能な整備とか、あるいは原型復旧の問題を優先的に取り上げまして、改良、復旧等につきましては明年度の問題と分けて、予定の期間内に工事が完成するように努めております。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) ほかに御質疑ございませんか。——なければ本件に関する質疑は一応この程度で終了したいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) では御異議なければ、本件に関する質疑は終了いたします。   —————————————

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 次に昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十九年度国税収納金整備資金受払計算書  昭和二十九年度政府関係機関決算書  国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査  を議題といたします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 速記を始めて下さい。  本日は裁判所の部を審査いたしたいと思います。  ただいま最高裁判所事務総局事務総長五鬼上君、鈴本人事局長、上野主計課長並びに会計検査院から保岡第二局長が出席されております。  御質疑のおありの方は順次発言を願います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私は裁判所は人をさばく裁判所で、ここに指摘されたようなこういう不正行為が行われたということは驚かざるを得ないのでございます。そこでいろいろと現在まだ審理中の方もあるわけでございまするが、この報告を見ますると、結局一番まあ処罰をされておりまするところの方々は比較的もう下級官吏の方が多い。上級責任者の方はそれぞれほとんど審理中でございますが、この審理中になっているこれらの上級責任者といいますか、こういう方々が現在それぞれのまだ現職におられる方もございますし、さらに転勤された方もあるようでございますが、一体どういう理由でこの審理がおくれているか、この点を一つ明らかにしていただきたいと思います。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) 私の方でこの神戸地方裁判所の伊丹支部、それから大阪地方裁判所におきまして、検査院の検査報告にあります通り職員の不正行為により国に損害を与えたことに対してはまことに遺憾なことに存じております。ただいま御質疑のありました点は、私の方といたしましてはまず、ことに裁判所といたしましてこういう不正事件があるということは実に遺憾にたえない、全般的にいろいろな監査、査察というような方法を考究いたしたい、あるいはまた会同、研修等においてかような不正事件をあらかじめ防止するような方法等をいろいろ検討いたしているのであります。詳細なことについては上野主計課長から説明を申し上げますが、ただいま御質疑にあるように、なるほどすでに処分した、国家公務員法によって免職あるいはその他の処分をしたものもございますが、なおそのほかに処分を審理中のものもございまして、と申しますのは、御承知の通り裁判官に関しましては別に裁判所法で分限の規定がございまして、その分限手続によってやはり処分をきめていくというのが大体原則になっているのでございまして、この分限手続をするためには、それぞれの裁判所において裁判官会議においてあるいは分限手続をとるかどうかということを調査し、審理し、そうして決定されることなのでありまして、そのために処分が非常におくれているのでありますけれども、決してこれがただなおざりにしておくれているのじゃないのでありますから、さようなわけで時期がおくれている次第であります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 一体現在審理中の方々はこの事件の責任者ということでまあ審理にかかっているわけですが、こういう疑惑を抱かれている人が現職でおられるということは、国民からも私は疑惑を持たれる、こう私は思うのですが、この審理中の方々に対するいつごろ一体この結論が出るか、そういう見通しについてお聞かせ願いたいと思います。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) 御承知の通り一般国家公務員と違いまして、裁判官については、先ほども申しましたが、分限手続という複雑な手続をもってその懲戒なりあるいはいろいろ手続を進めておりますために、当該裁判所の司法行政が当該裁判所の裁判官会議によって行われる、裁判官会議がそれぞれその責任者を監督するというような立場におるために、普通のこの公務員のいわゆる事務官等を処分するような方法をもっては処分できないものですからして、それぞれ各庁において目下審理中なのであります。なお詳しいことについては人事局長から答弁いたします。   〔委員長退席、理事青柳秀夫君着席〕

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 人事局長の鈴木でございます。  大阪地裁の事件は、発覚いたしましたのが二十九年の十一月二十五日であったと思います。で、その前の前の所長の小原所長は二十九年の三月の四日に高松の高裁の長官に転任されておるのであります。つまり発覚以前に転任されておる。それからその発覚いたしました二十九年の十一月二十五日の前日小原所長の次に所長になられた村田所長は仙台の高裁の長官に転じておるわけなのであります。そういう関係からいたしまして、発覚した以前の所長の転任は決してそういう事実があったのがわかっておりながら転任したわけではないわけでございます。それからその後任の村田所長が転任されましたのも、事件の発覚の前日の日付になっておりますから、発覚後の転任というわけではないのでございます。そういうこまかい日取りのことを申し上げますと、日取りのことがわかりませんと、何かそういう不正事件があるのにもかかわらず、それぞれの責任者たる所長が高裁長官に転じたような形にはなっておりますけれども、日取りの点から申し上げますと、そういうような結果になっておるわけでございます。そういう点で前の所長、それからその前の所長に対する責任ということを当然分限の問題として結論を出さなければならないわけでございますが、さいぜんも事務総長から申し上げましたように、手続上いろいろ委員会を構成したり、委員会の仕事も、民事、刑事の事件のいわば合間に調査を進めるというような形になりますものですから、確かに今までに結論が、二十九年の十一月の事件が今までに結論がつかないということはおそいという非難を受けるのは当然でございますけれども、いずれ最近のうちに、これも現在の両長官に対する責任の有無というようなことも最近のうちには片がつくと予想されますので、以上申し上げます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今の御答弁によりまするというと、まあ発覚する前にそれぞれ昇格してそれぞれ転勤に回しておられるわけなのですが、発覚前だからいいということには私はならないと思います。そういう結果で現在審理中にもかかっておるとも思うのでございますが、それは発覚後であろうと前であろうと、やはり当時の責任者としての責任上、私はこれらの方々に対してはもっと裁判所は厳格に一つその責任をすみやかに解決する方向に進んでいくのがほんとうでなかろうかと思うのです。そういう意味からいきましても、私は現在審理中の方々が、いろいろと複雑な事情でなかなか審理が進まない、こういう御答弁でございましたが、こういう、いかなる複雑な事情があるかもしれませんが、もっとすみやかにやることを考えるべきではなかろうかと思うのですが、この点どのようにお考えですか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) もちろん御意見の通り転任以前の行為であるからそれについて責任がないとか薄いとかいう意味で申し上げたわけではなくて、十分監督者としては転任以前、発覚以前の責任者でございますから、法律上監督者としての責任が二人とも形の上であることはもちろんでございます。いずれか、あるいは両方二人ともあるか、単独でどちらかがあるかということは別といたしまして、責任があるということはこれは疑いのないことだと存じます。従って裁判所としてもできるだけ早くこの責任の所在をはっきりして、その結論を早く出すべきであるということは御意見の通りだと存じます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 会計検査院に伺いますが、この事件を調査されたのはいつごろでございますか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 大阪裁判所の方は実地検査の三十年八月三十日、神戸の方は、同じ実地検査で神戸に参りましたのですが、これは会計検査院で検査の結果発見したものではありませんで、大阪の方は内部で、その支払い支給済みの名義の、同一人の名義の住所が違っていた、これは架空の住所を言ったものですから、そういう住所が違ったということを照会いたしまして裁判所の方で発覚したわけです。それから次の方は、伊丹支部の事務査察を裁判所の方でやられまして、その結果わかったものであります。会計検査院の方で実地検査の結果わかったものではありません。詳細の事実を今申し上げました。実地検査のときに調べたわけでございます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そうしますると、先ほどの人事局長のお話によりますと、発覚は二十九年の十一月ということのようでしたが、この二件の発覚の動機というものはどういうところにあったのですか。

上野宏最高裁判所事務総局経理局長事務取扱

○説明員(上野宏君) まず神戸の方から申し上げますと、神戸の事件は、神戸の地方裁判所の民事主席書記官及び刑事主席書記官及び会計課長三名が伊丹支部及び伊丹簡易裁判所の訴訟関係の事務を査察に参りました。そのときに本人がその日出勤しておりませんでした。行方不明になりましたもので、書類を調べました結果この不正事件が発覚されたのであります。それは昭和三十年三月十日でございます。  それから大阪の地方裁判所の分は、これは先ほど鈴本人事局長から説明いたしました通り、昭和二十九年十一月二十五日、これはやはり不正行為者が証人や鑑定人の旅費等の請求書を偽造して金銭を詐取しておったのでありますが、このうち一件は前出したのと同じ人間で住所が変っておった。そこで会計課の方で職員が調べた結果この不正事件が発覚された、こういう動機でございます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 この調書によりますと、神戸の事件は、いずれも大阪の方も本人は免職になり、刑罰を受けて一人は確定し、一人は控訴されておるようでありますが、神戸の伊丹の簡易裁判所の説明によりますと、行政上の処分として監督者のうちの一人を配置がえとしてありますが、どなたが配置がえになったか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) それは伊丹の支部の庶務課長と申しますのは、その支部での裁判以外の普通の事務の方の一番上の責任者でございますから、その庶務課長の小山というのが篠山の支部の庶務課長に転任しております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 それは先ほどの説明によりますと、大阪の方の問題に対しての監督者の転勤のお話がありましたが、ただいまお話しの小山浦二郎ですか、この人は発覚後に転勤されたのですか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) そうであります。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そうしますと、監督官の責任があるというので配置転換をされました理由はどうなんですか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 配置転換をいたしました理由は刑事上の処分を受けました小田格という者に対して、庶務課長は伊丹支部の一番上の監督者であるのにその責任を十分尽さなかった、不注意であったという意味で配置転換されたのであります。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 庶務課長はおそらくこれは事務官で裁判官ではないと思いますが、普通の事務官と同様に、これと違って分限にかかるんですか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 庶務課長と事務官、書記官等は裁判官ではありませんが、裁判官に対する分限法によって処分することはもちろんできないはずであります。これらは結局は国家公務員法の準用によって、裁判所職員臨時措置法というのが国家公務員法を準用いたしておりますから、国家公務員法の一般の懲戒等の規定によって処分をされるわけであります。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこであなたの方から説明書として出ておりまする第九ページの説明によりますと、これは前例がこの程度で、きわめて簡単に書いてあるようでありますが、いやしくも裁判所で相当調査を、普通の裁判であれば調書も非常に広範にわたってそれをお出しになっていると思いますが、この回答書ではきめわて不十分だと思いますが、さようにお考えになりませんか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) この説明書の中に書いてあります文言は、従前同じような場合に国会に対する説明書の文言としてこういう形をとっておったと思いますので、同じような形、従前の形を踏襲して、きわめて簡単に書きましたのでありますけれども、裁判所といたしましてはとにかく国民から信頼をされて、そうして最も不正というようなことには遠ざかっている国家機関、また不正があればそれを裁判しなければならない役所でありながら、自分の組織の中からこういう不正事実を出して、国民に対して非常な迷惑、負担をかけているということについては、裁判所といたしましても、最高裁判所としましても、現地の裁判所といたしましても非常に残念に思い、まことに申しわけないことだと思っております。言葉は「まことに遺憾である」というような御指摘の通りで、「まことに遺憾である」ということで簡単でございますが、それは先ほど申し上げましたように、前例の文言を踏襲しただけで、決してそう簡単に考えているわけではないわけであります。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 会計検査院に伺いますが、各省からのいわゆる説明書は、これはいずれも十分御審査の上で会計検査院でこれは印刷されたものですか。   〔理事青柳秀夫君退席、委員長着席〕

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) それは会計検査院とは無関係に各省からお出しになったものであります。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そうしますると、これに対する不当不正事項の指摘に対しては、この国会に報告される説明書というものは会計検査院では目をお通しにならぬですか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 目を通します。しかしそこに書いてございますことくらいのことは、それより前の照会、回答なりで重複しておりまするので、大体趣旨はわかっております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこで私の聞きたいと思いますのは、要するにこの指摘に対して各省なり最高裁判所が責任を持って、これは国会に対する説明なんですから、これは毎年の決算におきまして常にわれわれの指摘するところなんですが、ほとんどこの回答書によるというと、まことに遺憾である、今後このようなことのないように注意する、こういうことで、これが国民に公開されたものと見て果して適当であるかということは、非常にわれわれ疑問に思うわけです。特にそのための決算委員会の審査であるといわれるかもしらぬが、しかし少くともその責任の帰属を明らかにすべきじゃないか。ことに時間の関係からいきますと、会計検査院が御調査になったのが三十年の八月だと思う。すでにこの時分には神戸の事件のごときは裁判がすでに確定をしておったようでありますから、従って会計検査院自身はその内容が数回の往復によって御承知になったとはいえ、実際の事実というものはまことに遺憾である、今後注意するだけの事項じゃないと私は思います。案件によりますと、指摘だけでなくしてその後の調査による処分事項等も書き上げてあるのもこの中にはあるようでありますが、こういうものは指摘事項の中で、たとえば最後にあります決算の未確認といううちに入っているのかどうか、それとは別なんですか、その点はどうですか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) それには入っておりません。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこでこれは一般の問題ですが、たまたま裁判所の問題がここに出まして、今申し上げたような点がわれわれから見れば毎年すこぶる遺憾だと思うのでありますが、これは将来会計検査院においても一つこの点に関して御研究を願うと同時に、二十九年度の決算審査に当りまして、裁判所がスタートであって、しかもそういうわれわれが多年に考えておった、毎年指摘するような事項があることに対しては、今後裁判所の御回答なり説明書なりについてももっと十分な御注意を願うと同時に、これは委員長におかせられても将来この審査について、この報告に対してあとで十分な検討を私は加える必要があると思うのであります。スタートでありますから一言さような意見を申し上げて私の質問を終ることにいたします。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 私はただいま議題に上りました裁判所の不当不正の行為につきまして、まことに驚くとともに遺憾の意を表するもので、裁判所というものは最も正しいところを主張するところであって、いわばものさしだと思うのですが、そのものさしが曲ってしまったりあるいは折れていたのでは、もちろん国の政治が悪いということにも結論的にはなるかもしれませんけれども、これは日本の国の将来が思いやられると思うのであります。そういう観点から今、大阪地方裁判所の三名と、それから神戸地方裁判所の四名が問題になっておりますが、これらの疑惑の点、今までの過程について裁判所の方で相当詳しい情報もあることかと思いますので、一々の方の今までの問題の点を御説明いただきたいと思います。どういうふうになっていたかの経過を御報告してもらいたいと思います。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) まことにおっしゃる通り、裁判所にこういう事件が起ったということは、われわれは実に遺憾とするところでございます。御質問の御趣旨を何したのですが、この今の当該事件のつまり責任者についての今までの経過を御説明するのですか。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 ええ、何をしてこういうふうな疑惑を受けるようになったかをはっきり知らせてもらいたいと思います。ここにも報告は出ておりますけれども、こんな報告くらいでは実際のことが詳しくわかりませんので……。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) それでは人事局長が人事担当でございますから御説明申し上げます。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 神戸の方から申し上げますと、神戸の伊丹支部の小田事務官は歳入歳出外現金出納官吏というのをしておったのであります。歳入歳出外現金と申しますと、大体裁判所に対してはいろいろな保釈のための保証金であるとかそのほかの費用であるとか、たとえば破産を申し立てる場合には費用の予納をするとかというような、裁判上の手続のためにする事件関係人から予納を受ける現金がございますが、その現金は裁判所の内部の手続としては日本銀行に払い込むことを命じてあるわけでございますが、小田事務官は二十九年の三月から三十年の一月までの間に自分が、ただいま申し上げましたように受け取った保釈保証金その他の金、合計八十三万円ばかりを横領をして、その用途は飲酒その他自分の私用に使った、こういうのがその事件の概要でございます。  それをさいぜん上野主計課長から申し上げましたように三十年の三月になってから神戸地方裁判所の民事及び刑事の主席書記官と会計課長が事務の査察に伊丹へ参った。そのことをあらかじめ査察に行くということを連絡してありましたものですから、本人はおそらく発見するであろうということを覚悟いたしたのでしょう、出勤をしないで行方をくらましたわけなんです。その査察の結果、今申し上げましたような事柄がわかりまして、そして三十年の三月三十日に行政処分としては懲戒免職をいたしまして、それから刑事の方の手続が進められて、三十年の八月の十八日に懲役一年六月ということでこれは確定をいたしました。その八十万何がしのうち十九万円ばかりが本人から弁償がなされ、それから三十年の七月には本人と国との間に調停が成立をして、刑を受けて釈放されたら六年間で月賦弁済をするということになっておるわけであります。  御承知のようにここに掲げてある神戸地裁の所長、それから事務局長、これは神戸におるわけです。そして支部でございますから支部には支部長があり、そうしてその支部長の下に庶務課長という者があり、庶務課長の下にただいま申し上げましたような出納官吏、そのほかの事務官があるわけです。でありますから形の上の責任者といたしましては神戸の地裁の所長が最高の責任者ではありますけれども、自分のひざ元におるとは異なりまして、法律上は神戸地裁の、まあ俗に申せば支店というような形になりましょうが、そういうところで起った事件でありますから、責任はもちろんございますけれども、直接自分のところの職員に対して目が届かなかったのとは若干やはり趣きを異にするものがあるのじゃないかと存じますので、そういう点でやはりその処罰等について大阪高裁の方でもいろいろ考慮しておるのじゃないかと存じます。  それから次は大阪の方の事件でございますが、これは裁判所の書記官補というのをいたしておって、そうして書記官の仕事をしておったわけであります。そして刑事の第十二部というのに配属されておったわけです。そうして御承知のように刑事事件には、事件によりましては被告人から領置をしました、つまり押収をいたしました証拠品とか、そのほかの犯罪の目的になった品物とか、そういうようなものを取り扱うわけであります。そういう証拠品の中から保管中の腕時計を持ち出したり、それから鑑定人や証人に対する旅費、日当等の請求書を偽造をしてそうして会計課へそれを差し出して、金を詐取してそれを自分のために使ったというようなことで、金額は合計して十万円ばかりだと思います。それから時計が、これは腕時計ですが、六十個ばかりあったわけであります。現地時計は十七個、それから現金は一万八千円ばかり弁済になっております。そしてこれも三十年の十月に和解が成立しまして、昭和三十年の十月から三十五年の十月までに月賦で弁済をするということになっております。これは本来ならば国が原告になって、こういう不正をした者に対して訴えを提起して、そして確定の判決を得ておくべきでありますけれども、その手続を省いて、裁判所の和解にしても判決と同じ効力があるから、かえってその方が国家のためにも費用が省けるというので、訴訟上の和解というような形にしておるわけですけれども、これは判決を得たのと同様なわけであります。判決を得ておかないと、会計検査院の方からまたさらにおしかりを受けるものですから、事務当局としてはそういうような手続をとっておったわけであります。  大阪の方は、これは部に配属されておる書記官補の行為でありますから、その部の裁判官がやはり監督者としての責任があるわけであります。それから所長は一般職員、裁判官も含めての行政面においての監督者でありますから、所長も一番上の監督者としての責任があるわけでございます。しかし何分、これは部において起った事件でありますから、これも形の上では所長が責任者、監督者ということに一応はなると思いますけれども、正確な法律論をすれば、裁判官会議が、裁判官で構成する裁判官会議が監督者だということの方がむしろ正しいので、その裁判官会議できめたところを所長が実行に移すということの方が、むしろただいまの裁判所法の建前からすれば正当な考え方ではないかと存じます。そういう面でも、これは神戸の方も同様でありますけれども、所長の地位にある人そのものに直ちに責任を持っていけるかどうかということも若干の問題があるものですから、大阪あたりでも調査に相当手間取っている面もあるんじゃないかと推測をされるわけであります。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 どちらの事件も、これは裁判ざたになったことは検事の起訴によるものですか。あるいは先の神戸の問題は、伊丹の問題はこちらでお調べになって、監督官が行って、その結果直ちに手続をとったのか、その経過だけを簡単に……。

上野宏最高裁判所事務総局経理局長事務取扱

○説明員(上野宏君) まず刑事処分の方から申し上げますと、神戸の事件は発覚して後すぐ神戸地方検察庁に逮捕を依頼しまして、そしてその事件になったのであります。それで賠償の問題は、不正行為者の方から調停の申し立てをいたしました。それでそういうふうに今申し上げましたような結果になったのであります。  それで大阪の方の事件は、裁判所の方から発覚後告発を、今ちょっと正確にわかりませんが、要するに検察庁の方に連絡をいたしまして逮捕したのであります。これはやはり裁判所の方からいろいろ弁償について了解して、そして和解が確定、判決の事項になったのであります。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 ただいまの説明で、大体犯罪の内容というものがはっきりしてきました。詳しく聞けば聞くほど、普通の犯罪とは性質が違うように思うのです。どろぼうがとったものをまたとるというのですから、よほどこれは悪質だと思うのですが、しかしここにあがっているのは、何といいますか、根源になっているものは、二つがあがっているだけでありますけれども、そのほかに会計検査院の目が届かなかったり、あるいは裁判所の目が届かなかったりして、まだ漏れているのがほかにもあるのじゃないか。と申しますのは、このごろ新聞を見ましても、この不正不当なる事件があらゆる形で次々と出ている。これはただ裁判所だけでなくて、文部省でも農林省でも大蔵省でも、何しろこんなにたくさんの不正事件が起っているのでありますから、目の届かないのがこの陰に幾らあるだろうかということが、また私どもにとっては心配なんですが、その点あなたの方では、もうこれよりほかにこういう不正な事件はないと、こう言い切られるだけの自信と、それからそれだけの監督がなし得られているかどうか。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) 実は私どもの方といたしましては、特に裁判所といたしましてこの会計事務、ことに金銭問題については非常に間違いがあってはいけないということについて、いろいろな点から注意をいたしまして、私はいつも会計課長に会合のときに、いつも繰り返して申していることは、裁判所職員からして不正を追放してくれということを、懇々と会合で申しておるのでありますが、ただいま、このほかにまだ漏れているのがあるのじゃないかと、こうおっしゃられましたが、それはなるほど私どもの目の届かぬところにないとは言い切れませんが、しかしながら、最近においては相当いろいろこの監督方法も技術的にいろいろ検討をいたしまして、経理の面においてもいたしておる関係上、まあ私どもとしては割合に最近はよくなってきたのじゃないか、こういうふうに考えております。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そうしますと今あなたは、もうあとこういうことがないであろうというある程度の確信を持っておられるようでありますが、この二つの事件をとってみましても、ではどういう原因でこういう事件が起ったかという原因の所在というものをつかんでおられますか。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) むろんいろいろ、それは本人がこういうことになったところの動機とか原因とかというものはいろいろございましょうが、まあ私どもとしては、やはりその直属の長、たとえば庶務課長とかあるいは事務局長というようなところ、さらにはその上の監督者というようなものの監督がやはり行き届かなかったのだと、かように考えております。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 今あなた自身が申されたように、監督の不行届きだということを認められたわけであります。そういう点、私の要望なんですけれども、初めて私は決算委員会に出まして、裁判所にこういうふうなことがあろうということは夢にも思いませんでしたから大へん驚いているわけなんですが、こういうことを内々にしておくということはできないので、やがては国民にも知れるでありましょうし、ことに私は教育の面からいいましても大へん残念だと思うのです。日本の教育も政治も、こういう形では根本的に成り立たないと思うのです。でありますから、あなたが認められましたように、今後こういうことがないように強く要望いたします。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 二、三聞き漏らした点がございます。重ねてお尋ねしますが、この時計の方の問題ですが、先ほど御答弁がございましたように、証拠品として領置した時計なのでございますが、時計を六十個売ってしまったのか消えてしまったのかわかりませんが、そのうち十七個が回収になった、こういうふうに報告書にもございますが、そうするとあとの残りの時計がない場合に、今後の裁判で、これはどろぼうが盗んだ時計のことでございますから、これの先の裁判をやる場合に、証拠物件がない場合に、裁判所の方は証拠物件として領置してあった時計がさらになくなってしまったというような場合、裁判の証拠品としてどのように考えておられますか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) この事件はちょっと結果を調べておりません。刑事事件そのものの結果は調べておりませんが、証拠品がなくなった、理論的に考えれば証拠品がなくなったために、物的証拠は全然なくなってしまったために、ほかの証拠がないということになれば、その事件は無罪というような結果にもなろうかと存じます。本件においてどうなったかはちょっと調べておりません。それから証拠品が不正の品物であれば、つまり犯罪の供与物件であるとか犯罪を組成した物件であるとかというようなことになれば、これは刑事判決において没収ということはもちろん可能であります。しかし没収にならない以前においても国家はその証拠品を押収品として占有をしておるわけでありますから、その占有をこの犯人に奪われたということで、国家がその証拠品の価格を本人に対して弁償を求めるということは民事上可能だと思います。つまりその証拠品が将来刑事判決によって国家に帰属するか、帰属しないかを問わず、現在の状態において国家の持っていたものを奪われたということで、本人に対してその価格を請求するということは可能であります。おそらくこの和解をいたしましたが、その和解の内容としては、失われて戻らなかった時計に対する価格というものの算定をして、本人に支払わせるという和解をおそらくしておるのだろうと私は想像いたします。というのは、過去においてそういう例が裁判上あったことがありますから、それからして、おそらく裁判所としてはそういう態度をとっておるのではないかと私は想像いたします。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今の御説明でいきますると、国家に没収したものであるか、また裁判中のものであるかという限界の点ではまだはっきりとしておらないわけですが、これは国家の没収品としてあるのであればよろしいが、ない場合には、まずこれが裁判を開くための証拠品として領置してあった分でありますると、裁判を行う上に大きな支障があると私は思うのですが、それのみか実際にとられた人、盗まれた人が、それを証拠品が裁判所の吏員によってまたよそに没収されてしまった、こういうことになって、実際上裁判が開かれても、盗まれた現実はあるが、結局証拠品がないために、今の御答弁のように無罪というような結果を招くこともあると思うのです。そうした場合にその責任というものは非常に裁判所が大きな責任を負わなければならないものである、こういうふうに私は思うのですが、それについてどのように考えておられますか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 内容がよくわからなかったものですから、理論的な問題として答弁をいたしましたけれども、本件においての時計は、いわゆる密輸入品なんです。盗んできたものじゃなくて、密輸入品なんでございます。そうして実際においても時計は二十八年の四月四日の大阪地裁の判決で全部没収になっております。ですから御心配の点は、その判決で一応解決されたのじゃないかと存じます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ここに大阪の地方裁判所の方の下の方にあるのです。先ほどのいわゆる弁償和解成立、それから神戸の方の弁償調停成立ですか、この二つのあれが、もうこれは判決の前にこういう弁償和解と弁償調停、この二つが成立しておる。だからこれは支払うところの責任があると先ほど言われましたが、今度刑事上の問題で、これが刑がきまってしまえば、この刑事上の刑がきまるのは、たとえば神戸の問題で見ますると、一年六カ月という判決がきまってしまった。そうして刑はもう確定して刑事上の処分は受けておるわけなんです。そうしてこれは刑事上の処分で一年六カ月という刑がきまってしまっておるのだから、これによって今までの自分の不正を行なったのは全部帳消しにされるから、ここに弁償調停を裁判所とやっておっても、これに負うところの義務は私は持たなくていいんじゃないかと、こういうふうに思うのですが、その点はいかがですか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) それは結論としては反対でございます。つまり民事上の責任と刑事上の責任ということは、法律の内部では別個に考えておるわけです。つまり横領をしたということは、国家社会の秩序を守る面からして当人の責任を追及いたしますし、それから民事上の責任として賠償を求める方は、国家が損害をこうむった、金銭的な損害をこうむったからその損害を賠償しろという意味での責任を追及するわけでありますから、刑事の方が、神戸の方はもう確定をしておりますから問題はありませんけれども、大阪の方は控訴中でありますから、あるいは第一審の刑が変るというようなこともあろうかと存じます。軽くなっても、だから自分の責任は、民事の方の責任はないのだということは言えないと思います。ただきわめて希有な例として考えられることは、控訴した場合に無罪になった、無罪になった場合に、初めに国家との間に締結した和解が一体有効か無効か、無効だということを主張できるかというようなことは、理屈の上では考えられます。つまり有罪だと信じたから和解をしたのだというならば、そのときには和解の無効というようなことが問題になり得ましょうけれども、そうでない限りは控訴の判決がどうなろうと、民事の方の和解が無効になるというようなことは理論上あり得ませんです。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 この神戸の方でございますが、先ほどの御答弁によりますると、八十三万五千円ばかりのうちから約二十万ほど回収されまして、あとの残額の六十四万五千円というものを月賦で本人から弁償するようになっておる、こういう御答弁でございましたが、一体この六十四万五千円について月賦でどれくらい、何年の見通しで契約がなされておるか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) どうも現地で、実際の衝に当っておりませんから、はっきりわかりかねると思いますけれども、責任者としては、本人が刑務所から出てきた後、六カ年間に月賦で弁済をするという内容になっておりますので、刑務所から出てきた場合の本人の弁済能力というようなものを的確にあるかどうかということを突き詰めて御質問を受けますと、これは私の想像でございますけれども、おそらくこの衝に当って、実際上国家を代表して和解を締結した者も必ずしもそうはっきりした見通しはないんじゃないか。ただ形の上で、とにかく国家に対して迷惑をかけているから、形の上でそういうように判決を受けたと同じような和解をしておかなければ申しわけがないというような意味でやはりやったのではないかと、これは私の想像でございます。もっとも想像に反して、確実に月賦弁済ができるという見通しがございますればそれにこしたことはございませんが、おそらくそうじゃないんじゃないかと私は想像いたします。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ただいまの御答弁によりますると、本人が刑を終ってから向う六カ年間の月賦でこれを支払わせる、こういう和解でこういう弁償調停が成り立っておる。ところが刑が終って出てくれば、それでなくても今日非常に就職に困るというような現状で、もし刑を終って社会へ出てきても仕事をするところがない、働きたくても働くところがない、こういうことになれば、弁償したくても弁償はできない、こういう結果を招くわけなんですが、国家とこういう弁償調停をやったのだからこれは義務があると先ほど言われましたが、義務が果したくても果せない場合も起ると思うのです。そうした場合にまた本人に対して何かの処分というようなものがまたここに生れてきますか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) この調停の内容を詳しく申し上げますと、出てきた初年度が、毎月の末六千円ずつ、それから二年目には毎月八千円ずつ、三年目には毎月一万円ずつ、四年目には一万円ずつ、五年目、六年目にも毎月一万円ずつと、こういうようなことになっておるのです。それで払えるか払えないかということは第二といたしまして、まあ払えるならなるべく払いやすいようにというような工夫をしてきめたのだろうと思いますが、これが払えない場合には、結局払えないからそれならもう一度処罰をするというようなことは、もちろん法律上考えられませんが、払えない場合には結局払えといって国家が、この金の取り立てのために強制執行をするということが残るだけでございます。払わなかったからさらにどうするということは、これは法律上まあ不可能であります。払えない金を取り立てる以外に、取り立ててみて取れなかったらもうそれまでということにならざるを得ないのです。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ただいまの御答弁でいきますると、釈放されてからその年一年間は六千円、これは毎月六千円ずつなんですか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 毎月です。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 それから二年目が八千円、それから三年目からずっとしまいまでは毎月一万円ずつ、非常に大きな負担だと思うのです。出てからよほどいい就職でも裁判所の方で見つけてやればこれは別問題でございますが、今日の状態からいくと、そういうことはなかなか困難であろうと私思うのです。出てきてすぐ毎月六千円ずつ翌月から払うということは私はできないと思う。そうすると八千円、一万円ずつ払うということは、非常に見通しとしては、本人にとっては過重な負担だと思うのです。そうしてこれが支払いができなくても、今度支払いができない場合には、国家はこれに対して強制処分ですか、それができると言われるのですけれどもが、からだ一つで何もない場合には、これも強制処分をしようとしたって処分のしようもない。そうした場合に依然としてここに出てくる問題は、この六十三万五千円というものは残っていくわけなんです。そういうような先の見通しのないことを調停成立したといって、ただ字句の上だけでこういうところに報告されるということは、私ははなはだ責任がないのではなかろうか、こういうふうに考えるのですが、その点いかがですか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 先の見通しのことを言われますと、確かに取り立てが可能であるかという点になりますと、可能とは言えないと思います。しかしそれならばこれをやる必要はないじゃないかということになりますと、やらなければ、裁判所としてはさらに怠慢だといって責任を追及されるわけでございます。おそらくこの委員会でも、もし確定判決なり和解調書なりができておらなければ、取り立てについてはどういうことを裁判所はやったのかといって必ず反問されるに違いないと存じます。でありますから責任者としましては、自分の管轄内からこういう不祥事ができて申しわけない、取り立ての見込みも、ほんとうに客観的に考えるとあるかないかわからないとかりに考えましても、とにかく責任としては形を整えておく必要がある、形を整えておかなければ、さらに別の責任を追及されるというので、こういうことをするのが、私は例と申し上げてもいいのじゃないかと存じます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 法律は法律、罪は罪で、やはり法によって裁かれていく、しかしこの人がこれだけの負担を、六十何万円という負担を持って、刑を終って出てくるわけですが、出てきて仕事を見つけようにも見つけられない、世話してもらうにも、まだ裁判所からも世話をしてもらえない。そういう場合にしょっちゅうこの六十三万円というものが目にちらちらして、それでこれを弁済しなければならぬ、こういうことで破れかぶれになって、再びこの人が悪の道に入ることは、これは今までのいろんな経験からいっても往々にしてあると思うのです。私はそういう点を考えるならば、こういういついつまでも大きな負担を本人にかけるということは、本人自身を苦しめることであり、本人が再び悪の道へ入る、こういう一つの動機にも私なるのではなかろうかというふうに考えるのです。ただ裁判所は裁くだけが能じゃなくして、やはり一人の悪に落ちた人間を導いていく、こういうことも考えてやるべきではなかろうかと私は思うのです。そういう点についてももっと裁判所は、法は法で曲げられないけれども、本人の将来立っていくような方法を講じてやってこそ私は正しい道ではなかろうかというふうに考えますが、そういうふうにして一つ善導してやっていただきたいということを私はお願いいたしまして質問を終ります。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) ちょっと私伺いますが、現在裁判所は今のような証拠物件とかあるいは予納金とか、あるいは没収すべきものとかいうもので保管している物件と金は総額どれくらいございますか。

上野宏最高裁判所事務総局経理局長事務取扱

○説明員(上野宏君) 最近の保管金の総額につきてましては、手元に報告されておりまするのが二十九年度末でございますが、その保管金の総額は十億八千九百九十二万七千七百八十円、これがいわゆる保管金の二十九年度末残高でございます。証拠物件の方はそういうようなものは全国から報告を受けておりませんので、今手元に資料がございません。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 会計検査院はこの十億八千九百九十二万円余の保管金に対して定期的にどのような検査をしておりますか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 書面検査と実地検査でやっておりまして、実地検査のパーセンテージは、二十九年度は今申されました残高の三六%、三億九千万円ばかりを実地検査を施行いたしました。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) こういう物件はまとまってあるのですし、裁判所はそう何百とあるわけではないでしょう。こういう三〇%程度の検査でもってそうした不正が防止されるとお考えになりますか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) この検査する個所は千カ所ばかりあります。それは最高裁判所から一番下の家庭裁判所、同支部に至るまで申しますと、今申し上げました千百三十四カ所ございます。そのうちで二十九年度に対して施行いたしましたものは八十七カ所ございます。そこでこういうものの突合なり何なりを時間のある限りやっておりますのでありますが、私どもの検査では別に不正不当はありませんでした。そういうわけです。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 裁判所の方はこれをどういう工合に定期的な検査をやっておりますか。

上野宏最高裁判所事務総局経理局長事務取扱

○説明員(上野宏君) 裁判所の事務当局に、経理局に監査課というものがありまして、そこの監査課員の者が計画を立てまして、全国的に監査しております。それから次長で監査しております。次長と申しますのは、各高等裁判所、地方裁判所で独自に監査をすることになっております。それから年に一ぺん、先ほどから申しました主席書記官と会計課長が連合いたしまして監査をしております。そういう方法をとっております。そのほかもう一つはチェック・システムと申しまして、命令系統と現金支出系統と分けまして、お互いにチェックさせて不正を防止しております。そういう方法をとっております。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) そうしますと二十九年度末の十億というものは、事件が解決した場合には本人に返す場合もあるしあるいは国庫に収納になる場合もあると思うのですが、それはどういう形で随時やっておるのですか、事件が終ったら当然国に帰属すべきものは、物件であったり金が来る場合があったりする。あるいはそれを半年か一年かにまとめて国庫の雑収入に入るのか、その点はどういう形で国が収納しているのですか。

上野宏最高裁判所事務総局経理局長事務取扱

○説明員(上野宏君) 大体この保管金等は全部会計課において保管してございます。それで事件の方はいわゆる部と申しますか、裁判部の方でやっております。それでその事件が終結いたしまして、返すものは返す、国の方へ支払うものは支払うということで、一々裁判部の方から事件の終了と同時に会計の方へ通知がございます。この通知に従いまして措置しております。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) そうすると国に帰属すべきといわれておるものはどういう形でもって収納されておるのですか。

上野宏最高裁判所事務総局経理局長事務取扱

○説明員(上野宏君) たとえば証拠品の場合は没収になるのでございます。それはこれがきまりますと、刑事事件でございますので、検察庁の方へ連絡いたしまして検察庁の方で没収処分をいたします。ですから裁判所の会計か検察庁の係の方へ移すわけでございます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 総長にちょっと伺いますが、先ほど安部さんからもそういう御質問がありましたときに、昨年もこういうような類似の事件があった。一体裁判官並びに裁判所職員、それぞれの職員というものの日常生活、それから交友関係、収入あるいは諸手事を含みまして、そういう点は一般国家公務員と同じような基準でやっているでしょうけれども、一般の国家公務員は夜勤した場合に、今の制度では超過勤務手当というものは実質給与していないのです。事件の緊要性とか緊急性があれば、それこそ徹夜しても調書の調製をしなければならぬとか、あるいはいろいろの困難があると思うのです。で、一般公務員の場合は割当制で、月何時間というものをくれるだけで、それを全部平均して同じベースでもって給与されておるのが実態なんです。裁判所のような場合は、何かそういう給与の点でもって非常に妥当でないという支給方法があるのじゃないかと思うのです。で、今申し上げたように超過勤務手当というものは一般の官庁と同じように、同じベースでもって全部の職員に均霑させるという趣旨で、超過勤務をしようがしまいが手当を与えているという現状が通例なわけなんです。裁判所の方もそういうような行き方でもって超過勤務手当をやっているのですか。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) 御承知の通り、裁判官の給与につきましては別に特別法があります。裁判官の報酬に関する法律がございます。これには超過勤務というものは、手当というものはございません。これは支給されておりません。従って夜の十二時までかりに公判があったとしても、裁判官に対してはこれは超過勤務手当は支給されない建前になっております。一般事務官、書記官につきてましては一般公務員と同じように超過勤務手当の制度がございます。私の方では特殊的なことは、裁判所においては、普通の官庁と違いまして、八時半から五時まで以外にいろいろの夜の事件を取り扱うような場合がございます。たとえば夜間調停をやるとか、あるいは公判が延びて夜に及ぶというようなことがしばしばございます。さようなものに対しては超過勤務手当を一般的にアベレージしないで、超過勤務に対して、なるべくその勤務に合するようにいろいろ計画を立てておりますが、何分予算の範囲でやるべきことでございますからして、それはあるいは勤務の拡張によっては勤務した時間に必ずしもマッチした金が支払えない場合があると存じます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 私は裁判官が何時間やろうとも一定の特殊の報酬をもらっている、給与をもらっているという実態からいって、それに従って事務を扱うところの職員というものは一般国家公務員と同じような形でもってきまった、実質給与でなくて割当給与というような形でもってやったなら、結局労働強化になるのは当然だと思うのですよ。ことに犯罪というものは、今日ではもう戦後十年間にますますふえておるというような傾向にあるというような現実から見ても、実質給与をしないというところに一つの大きな要因があるのじゃないかと思います。そこで伺うのは、この石井君と小田君という二人の事件を犯した人たちはどういう給与を受け取り、またどういう勤務状態か。そうしてまた家庭生活はどの程度のものをやっておるかということをわれわれ決算委員会としても知りたいわけです。私はむろん、先ほど近藤君も言っておるように、罪を憎んでその人を憎まず、少くともわれわれ国民の信頼にこたえられるだけの裁判官であり職員でなくてはならぬと思うのです。そういう点をただ罰すればいいのだというのではなくて、われわれ決算委員会におきましては実際二人の犯罪を犯した人間の全貌を明らかにする必要があると思うのです。もしもやむを得ないのだ、これはもうまるで自分の限界をこえた勤務をしておって給与も少い、特別な慰安も持たれていないのだという点があるならば、そういう点をやっぱりこの機会に裁判所は、率直に給与が悪い、あるいは勤務時間が不均衡で長過ぎるというような点を率直に訴えてもいいと思うのです。それでこの二人の実態はどうなっているか。勤務状態、給与、それから今の生活というものがどの程度のものかということを裁判所は一つこちらの方にはっきりと、資料でも何でもいいですから提出していただきたいと思うのです。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) ただいまの御質問に対してあるいは詳細な資料は持ってございませんために、十分直ちにお答えはできないかもしれないと思いますが、なおあとで人事局長からわかる範囲において御答弁申し上げたいと思います。  総体に申しまして、御承知の通りこの種の職員は相当低い給与であることはこれは間違いないところであります。ただ私どもの方といたしましては、御承知の通り裁判というものは絶えず毎日々々流れてくるものでありまして、ことに最近においては非常な交通事件だとか、いろいろな事件が予想以上に回ってくる。しかし裁判所の定員というものはなかなかそう予算上増すことは困難であるというようなことからして、ことに都会の裁判所等においては相当繁雑な事務に従事しておる者がございます。従って超勤をしなければならぬ場合もしばしば数多くございます。しかしながら、それだからといってこの二人が特に勤務が忙しかったとは私どもはそう考えていない、忙しかったがゆえに犯罪を犯したとは言えないと思うのであります。この二人にいろいろな事情はあるかもしれませんが、私どもといたしましては、まあ今日の給与全体からいいますと、何とかしてもう少し裁判所の職員を何とか考えなくちゃならぬというふうに考えておりまして、絶えず私どもは予算の面についても大蔵省と折衝をいたしておるのでありますけれども、その点は別といたしまして、この二人の特別にこういう低い給与なるがゆえに犯罪を犯すというふうな事情ではないのではないかと、かように考えております。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) もう一点伺います。こういう事例は今日までございますか。従ってそういう場合にこの上級監督者と申しますか、この処分というものが、同じケースのものが今まであったと思うのです。数あったと思うのです。そうするとこのように本人が刑事上の刑も確定し、民事上の何といいますか、和解調停もできたというにかかわらず、監督上級官吏で、これがこのように審議中というような点でもって延び延びになっているという事例は今までございましたかどうか。また通常今まであっ問題も、何年くらいたったらそれを上級官吏に対する懲戒なり戒告なり、あるいは無罪なら無罪の判決が下ったか、その事例をお示し願いたいと思います。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) ちょっとここで御了解願いたいのは、裁判所の司法行政というものは裁判所法によりまして、特に当該裁判所の裁判官会議で司法行政を行う、かようになっております。日常の事務については委員会その他で運営はしておりますけれども、法的にはその裁判官会議で行う。そうして裁判官の懲戒につきましては、御承知の通り分限手続というものがございまして、そうしてその処分いたしますには裁判でなければ懲戒はできない、かような建前になっておるのであります。従って懲戒裁判の申し立てをするというまでには相当その裁判官会議でいろいろ論議し、そうしていろいろ調査委員会等を作って詳細に調査いたすがために、従って他の行政官庁よりもこういうものの処分方法については確かにおくれて時期が長くなる思います。で、これがいいか悪いかは別問題でありますが、現在の裁判所法の建前からいきますと、どうもそういう結果にならざるを得ない。従来の具体的な例についてはちょっと資料を持ち合わせてありませんが、二十七年度までのこういう事件については全部処分がきまっております。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) そうしますと、判決までには優に三年はかかるということですね。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) この処分の手続が三年かかるというのは、あるいは三年かかったものもあるかもしれませんが、そう全部が三年かかるというようなわけじゃございませんのでして、割合に、実は最近には不正事件の数が減って参りました。もっと前にあった時分には多分——私はなはだ記憶だけで申し上げて失礼ですが、二十三、四年ごろにはそういう不正事件についてありましたのは割合に、一年以内くらいで大体全部処理できたと思っております。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) この裁判官会議でもってお互いがお互いを判定下すのですから、なかなかやりにくい点もあると思いますが、こんなケースは今までも実際あるのですか、従ってどういう点が問題点になるのですか。刑法上の判決が下り、それから民事事件としては和解ができて、そうして上級監督官の判決を下すということが延びるという理由はどこにあるのか。手続の問題ですか、それともいろいろな委員会や何かの形式を踏むから時間がかかるというのですか。これは三年もかかれば——むろん刑が確定しなければ、これは無罪なんですからそれまでです。だから今言ったようにどんどん出世する人もあるでしょう、昇格する人もあるでしょう、あるいはやめる人もあるでしょう。これはこの程度のものはわれわれの常識ではまあ減俸とか何とかという軽微な判決の下るのが通例だと思うのであります。そういうような裁判官自身でもって、これこそあるいは委員会も急速に開いて、連日開いてもかまわない、早くこの判決を下すことがやはり責任をとることであって、その間にだんだん給料も上り地位も上るということであってはならないと思うのであります。従ってかりに一つの例をとると、大阪のことにしても、所長さんが現在高松の高裁長官になった小原さん、そうするとこれは今度小原さんは高松の高裁の長官として懲戒され、判決を受けるのか、それとも前の所長時代のものに立ち返って受けるのか。同じ減俸幾らといっても、高裁長官としての減法を受けるのか、所長時代の減俸を受けるのか、またこれが日を経て月給が上ってくれば、何も少しの金ばかり減俸を受けても自分には影響しないということになるでありましょうし、どうもその点が普通の国家公務員に対する懲戒処分その他の問題と非常な差異があると思います。従って、もしも裁判官というものが神聖なものなら、なるべく早く判決を下すことが当然だと思うのです。その点はどういうことになっておりますか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 手続のおくれることは、実際裁判所としても申しわけないと思っておりますが、おくれる理由はただいま総長からも申し上げましたように、裁判所の内部で、たとえば地方裁判所の裁判官を懲戒いたそうとする場合には、まず地方裁判所の裁判官会議で懲戒の申し立てをすべきかどうかということについて前提の調査をするわけであります。そうして地方裁判所の裁判官を懲戒をする懲戒裁判所はどこかというと、上の高等裁判所が懲戒をするのです。高等裁判所の裁判官を懲戒する場合には、高等裁判所でいたしますけれども、地方裁判所の裁判官をする場合には高等裁判所がやはり管轄権を持ってするわけです。そうして地方裁判所で懲戒の申し立てをするのが至当だという結論が出るまでに、やはりどうしても日数がかかるわけです。さらに懲戒の申し立てをすると、高裁の方でまたそれを調べる。それも高裁もほかの本来裁判所としてなすべき事件がたくさんございますから、どうもあと回しにならざるを得ない。そういうようなやはり傾向がある。これは決してほめた傾向ではありませんけれども、実際はそういうためにおくれるわけです。  それからここで今問題にされております二件は、昨年の八月あるいは昨年の十月というように、大体一方は八月に確定をし、片方は十月に判決があって、現に控訴中でありますけれども、まあ裁判所は念に念を入れるというような考え方もありまして、控訴、つまり刑事の方の判決が未確定の間はよほどのことがなければ懲戒をいたさないわけです。よほど明白な事情があるならば、もちろん横領し詐欺をしたようなその本人に対しては、懲戒ということで、刑事とは別個にいたしますけれども、その者に対する監督者の責任を問う場合には、その犯罪者の刑が判決できまらない前は、なかなか手を下さないというようなのが今までの実際なんです。そのために刑事の方の判決がおくれる。従ってそれの結果を見て懲戒をしようという、手続がおくれるというのが実際なんです。これは一方からいえば、慎重を期している面がありますけれども、外部の人から見れば裁判所は何をしているのだ、おそ過ぎるという御非難を受けるのはごもっともと思いますけれども、実際はそういうためにおくれておるのであります。でありますから、その面からいいますと、伊丹支部の方はとにかく昨年の八月確定をいたしておるのですから、これはおそ過ぎるじゃないか、こう言われると確かにおそ過ぎる。これは文句なしにおそ過ぎると言わざるを得ないと思いますが、実情は今申し上げましたようなわけであります。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) そこで伺っているのは、先ほど総長は二十七年度分までは終っていますというのですが、三年も経過するのでは、一体今言う通り減俸処分にするにしても、はなはだ懲戒するという本旨ですね、これがどっか飛んでいってしまうわけですね。そうでしょう。所長の給料は幾らか知らんけれども、所長と高裁の長官とはおのずから給料が違います。その場合ですね、懲戒をするという目的は、やはり苦しめることなんです、反省させることなんですから、それが二万円も三万円も給料が上ってから五千円の懲戒減俸なんていったところで、そんなものはこたえませんよ。それでは何も懲戒の意味がないのです、事実において。従って三年もかからなければ同じ裁判官同士の判決が下らないなんということは、これはあなた方自身が反省しなければならぬのです。もしもそういうことが常に行われておるものならば、これは国民が迷惑な話なんですよ。こういう点は三年たたなければ判決が下らんということであってはならぬと思う。ことに今人事局長のお話の、神戸の事件なんかのはもう半年もたっている。ですからこの事件はいつごろになれば通常その判決が下るのかということを伺っていると、二十七年度までは終ったけれども、そのあとはわかりませんというのじゃ、三年もかかるということもあり得るということなんですね。そうすると、今の神戸の地方裁判所の所長さんは、今現職にいるけれども、いずれこの人はあるいは退職するかもしれません。あるいはまたどこかへ栄転するかもしれん。それでは懲戒の趣旨にもとるわけです。目的が達せられないのです。総長は裁判所として今後どのような形で判決の、あえて簡素化じゃないのです、敏速化をはかるかという点をはっきりと御答弁願いたいと思います。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) まことにごもっともな御意見なんでありますが、いろいろおくれる事情については、先ほど来申し上げたようなわけですが、それにしてもおくれ過ぎているという御意見はごもっともと存じます。私どもの方としては、なるべくこういう不正事件に対する責任の処分ということについては、できるだけ早くするように今までもいろいろ常に唱えてきたところですが、今後一そうこういうことについて十分慎重であると同時に、一つ促進いたすような方法を講じまして、そして御質問の趣旨に沿うようにおこたえをいたしたいと考えます。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) もう一点お尋ねしたいのですが、こうして判決が下って服役した刑余者が、非常に前非を悔いている。で、これは優秀な人間であった。何かのある間違いで、ほんとうの間違いでこういう犯罪を犯したというような場合には、それを再び現職に復させた例はございますか。またそういうことを考えようとなさいませんか。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) 有罪の判決を受けて確定した者に対して、現職に復さしたのはちょっと例がございませんと思います。無罪になったので復職したのは最近でもございましたです。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 無罪は当然ですよ。そんなことはかえって検挙したのが間違いだったのです。無罪の者は当然のことです。検挙したのが間違いだということが言えると思うのですよ。しかし有罪の者でも、さっきも近藤君もわれわれも言っているように、反省をしてほんとうの人間になった場合には、やはりその道を開くことも一つの考え方だと思うのです。これはおれの方の分野じゃない。それは刑余者の保護をする方の分野だから、おれの方はごめんだと言うかもしれないけれども、こういう点もやはり事実あなた方自身の問題なんですから、そういう点も相当考えなければならぬ、こう思うのです。  ほかに御質問ございませんか。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 この問題と関連して質問を申し上げますが、現在国会の訴追委員会に対しまして、裁判官の訴追事件が百数十件もあるわけです。この中には一執行上の問題として却下される事件もたくさんあるわけです。その場合にお伺いしたいことは、裁判官というものは、不正事件だけじゃなくて、不正事件でなくてやはり徳義上のいろいろな事象というようなものに対しましても、非常に大きな問題として取り扱われなければならぬと思うのです。しかしこれは法的にどうということは私はないと思う。そこであなた方の方で裁判官会議を開かれていろいろおやりになるのですが、こういういわゆる法的に問題にはならんが、しかしながら、徳義上裁判官としての地位に妥当ではないという、こういうものに対して、何か今まで裁判所として御処分なされた例がありますか。あるいはそういうような取り扱いはどういうようにされておりますか。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) まことに最近新聞にも出ますし、あるいは訴追の問題もあることは認めざるを得ないのであります。おっしゃる通り、裁判官は人を裁く身であります。特にほかの公務員よりも、やはり徳義的にも要請される責任は重大であるということは私ども考えておりまして、こういう点については、絶えず所長会同及び長官会同、ブロック会同等において、裁判官の品位ということについて、内部的には絶えずわれわれはそういう会同等においてはお互いに反省するように申し合せをいたしております。そういうようなわけでありますが、今後もそういう方針に向かっては、一そう引き締めていきたい、かように考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 何かその具体的な実例がございますか。たとえば、そういう私行上の問題が、裁判官としての地位に不適当であるというようなことから罷免されるとか、あるいはその他の行政処分をされたというような事例がございますか。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) まあ具体的の例と申しましては、ごく最近に和歌山の判事で新聞に出た事例がございます。これは自分でその進退伺いを出して謹慎いたしております。やがて最近のうちに処分が発表されることと思います。そのほか訴追にかかっている高井判事なんかについても、裁判所としてはすでに二回も懲戒処分によっております。御承知の通り、裁判官をやめさすのには、どうしても弾劾裁判所かなんかでなければやめさすことはできません。身分の保障がありますので、裁判所としては懲戒をするのが、結局処分する方法としてはこれ以外にはないのでございます。そういう実例は従来でもございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうしますと、たとえば一般の公務員あるいは一般の会社の職員にしましても、私行上これは適当ではない、やめさせなければならぬ、こういう者がおるはずなんですね。そういう場合に、裁判官なるがゆえに、これは弾劾裁判所にかけなければならぬ、ですから裁判所としては、これは罷免ということはできないからということでもって、懲戒なり何なりという手続でもって過されるということでなく、裁判所みずからが、そういう場合に訴追委員会なり、あるいは弾劾裁判所なりにかけるということはできないのですか。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) これは御承知の通り、弾劾法におきまして、訴追の請求は裁判所からもできることになっております。従前多分一、二件でしたか、そういう事例もございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 現在訴追委員会にかかっているのは百数十件であり、そうして最近これをふり戻そうということになっておるのですが、その場合に、やはり弾劾裁判所としてかけるまでもないが、しかしやはりこれは裁判官として非常に適性を欠くものだという事例がたくさんあるのです。そういうような場合に、訴追委員会が却下した場合に、裁判所の方としてはノー・コメントとしていかれるわけであるのか。やはり裁判所としても、そういうものについては一応は調査をされ、何らかの結論を出される、こういうような慣例になっておるのですか、その点はどうですか。

五鬼上堅磐最高裁判所事務総長

○説明員(五鬼上堅磐君) いろいろな私行に対しまして、ごく軽い非行に対しては、裁判所事務処理規則というのがございまして、その二十一条だったと思いますが、によって所長が注意することができることになっております。そういう内部的の取扱いは、これは始終いたしております。その次には、分限法による懲戒手続をいたしております。たとえば非常に長い間判決をやらないとか、あるいは非行があったというような場合はやります。私どもの方は、かりに訴追に持ちこんで訴追されなかったとしても、それはノー・コメントだとは考えておりません。弾劾で訴追するに足りないといっても、やはり分限、懲戒に値するという場合には、分限手続をとっております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 今までそういう事例はございますか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 過去において最高裁判所から訴追委員会に対して、罷免の疑いがあるからといって通告した事件がございます。その事件は、弾劾裁判所の方では罷免をしないというので、けりがついた事件がございます。しかし弾劾裁判所で罷免をしないから、あるいは訴追委員会で訴追しないからといった事件が、すべて何も非難に値しない場合だということは、これはいえないことなんです。訴追されなくとも、弾劾されなくとも、それから、さらには裁判所みずからの手で懲戒はしなくとも、その間にやはり裁判官の人間としての、社会人としての良心に訴えて、みずから善処すべき場面というか、余地があるんじゃないかと私どもは思います。つまり不適格として罷免にはならないけれども、裁判官が自分の意思からして善処すべき場合というものは、やはり残されているとわれわれは考えております。そういう具体的な場合に、最高裁判所なり高等裁判所が、当該裁判官に対して、君やめたらどうだといって勧めるか勧めないかは、やはりその具体的な場合場合に応じて判断をすべきだろうと私どもは思います。そういう場合を一律的にきめてしまって、そうしてそういう場合には必ず裁判所として、本人に対してやめた方がいいだろうといって勧告をするというように原則的にきめてしまうわけにはいかないんじゃないか、そういう場合があると同時に、どういう場合がやめろといって勧告に値する場合に該当するかというと、やはり原則的にはきめられない、具体的な事情に応じて、その場合々々によって判断しなければならない事柄ではないかと存じます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 私の質問と少し答弁が違うと思うんですが、今の御答弁でいくというと、裁判官は絶対良識の持主であって、これは絶対信頼していいという考え方に立っておられると思います。そうしてまた具体的な事件に従ってやらなければならぬ、これは当然のことなんです。私の申し上げたのは、たとえ弾劾裁判所でもって罷免にならなくても、あるいは訴追委員会において訴追として取り扱われなくても、その個人的な行為、私行なりというものが、当然裁判官として不適当である、何らかの懲戒処分なり、あるいは退任勧告なりをしなければならぬという、そういう事態がたくさんあったと思います。その場合に裁判所としてそういう勧告をし、あるいはまた懲戒をする、こういうようなケースが今まであったかどうか、私のお尋ねしているのはこういうことなんです。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 訴追委員会では訴追しなかったけれども、最高裁判所なり、他の高等裁判所でその事件を見て、これは懲戒すべきであるといって、訴追されなかったことが、決定された後に懲戒をしたというような事例は、今まで私の知る限りでは、ないと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それで、その訴追せられなかった事件、あるいは弾劾せられなかった事件の中で、裁判所としてはそういうものに対しては、懲戒ないしはその他の行政処分に値するような内容を持った者はなかった、こういうふうに解釈していいわけですか。あってもやらなかったのか、あるいは調べられなかったのか、あるいは全然なかったのか。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 私の知る限りでは訴追委員会で訴追をしないのに、最高裁判所側がこれは懲戒に値するものだと認めた例はなかったと思います。ただこれはあるいは訴追をしないときめて、きめられたのちにしたのか、きめられない以前にしたのか、本人と現地の所長、長官との話し合いで任地が変った例が一度あると思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは非常に答弁がぴんと来ぬのです。たとえば最近の起った例を見ましても、和歌山県の例を言われましたけれども、そのほかに山口県の例もありますがね。ああいうふうなものが、もしこれは家庭上の問題の延長であるとか、私行上の延長であるとかいうことでもって訴追されないという場台においても、あの内容を私はずっと見ておりましても、これはもう明らかに裁判官としての人格を疑わざるを得ない。しかもこれは世間一般に知れ渡っておる。こういう場合に裁判官が裁判所においてこれは訴追されなかったからということで不問に付することは私はないと思う。おそらく今までにそういう例はあったと思うのです。訴追されなかった事件であって、これは法的に根拠はないが、しかしなにはあるというのがあったと思いますが、そういうようなものはなかったか、あるいは調査しなかったのか、あるいはあっても不問に付したのかということを私は聞いておるわけです。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 訴追委員会に申し立てがあって訴追委員会から連絡があれば、その内容を聞いて、これは捨てておけないというものはこれは必ず調査いたしております。そういう事例の中で、今まで訴追委員会がどういうような処置をとろうと、これは懲戒をすべきものだといってきめた事件は、私の知る限りではないのです。ただ私が人事局に入る前のことですが、訴追委員会で多分天野という浜松の判事を懲戒をしなくてもいいということになった場合に、その判事はやめられた事例があります。退職した例があります。そのときに裁判所側は訴追はなかったけれども懲戒をするという腹でおられたかどうか、そこは私はわかりません。  それから今の山口の事件でございますが、これは現に最高裁判所で調査しておりますれけども、今あなたが御発言なすったように、新聞の記事通りが真実とすれば、議論の余地がありましょうけれども、新聞の記事の通りかどうかが、最高裁判所としては現にわからないのでございます。だからその場合に事実がはっきりいたした場合に、訴追になるとならないとにかかわらず、最高裁判所としてはこれは裁判官として不適格だということになれば、場合によっては訴追の通知をすることもございましょうし、それほどでないとしても、とにかく懲戒はすべきものだということになれば、懲戒をすべき問題も起り得るかと思いますけれども、そこはまだ具体的に事実がはっきり私どもの方ではわかっておりませんから、何とも言えないのです。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 山口県の問題はこれは一つの例として言ったので、もし内容がその通りだとすれば、こうだということを申し上げただけで、むろん調査してもらわなければならぬ、それは何度言っても同じことなんだが、今までそういう例は私はあったと思うのです。今のお話だというと、裁判所においては、訴追委員会で訴追にならなかったか、あるいは弾劾裁判所において弾劾されなかった、こういうものについては、自発的にやめた者以外は、裁判所みずからこれを懲戒に付するとか何とかいう事例はなかった、こういう工合に私は聞くのですが、私はそういうような場合がたくさんあったと思うので、私どももこれは調査したわけではありませんから確言はできませんが、そういうような感じがするわけなんです。それをお伺いしておるわけなんです。あるいはそういうような具体的に問題になるような事例がなかったならなかった、あったけれども不問に付した、あるいは調査しなかったなら調査しなかった、こういうような端的な御答弁を承わりたかった、こういうつもりでお尋ねしているわけです。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) つまりあったけれども不問に付したというようなことは絶対ないと存じます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 調査はしておる……。

鈴木忠一最高裁判所事務総局人事局長

○説明員(鈴木忠一君) 調査はいたします。調査は、訴追委員会は御承知のように単なる中傷というような問題で訴追委員会に申し出る事件もずい分あります。ですから訴追委員会に申し出られたからといって、われわれは一々調査はいたしません。しかし訴追委員会に連絡して、これは調査してみる必要があると思うものは調査いたしております。そういう事例の中に、これはけしからぬと最高裁判所が認めておりながら、訴追をされなかったという点で不問に付したというような例は、私はないと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それでは質問はこの程度にしまして、最近人を裁き、人を検査する側に、いろいろな問題が次から次へ発生してきておる。そうすると、不正事件、不当事件、あるいは腐敗なんていうことが裁く方にも裁かれる方にも、検査する方にもされる方にも、みんな日本国中普遍的に出てきておるという格好で、非常に関心が高まっておる。特にわれわれの国会においてこういう問題については注意しなければならぬ。裁判所においては特に人を裁く人間の立場にあられるのですから、かりに訴追委員会に提訴されない問題でも、部内においてそういう者があるということに対しては、厳重にこれは注視をしていただいて、みずからこれを剔抉をするという気概をもってやっていただきたいと思います。私も訴追委員の一人として、そういうような問題にぶつかって非常に慨歎にたえぬ状態が展開されておるので、非常に憂慮にたえませんので、それはぜひとも裁判所の権威にかけても、そういうものは巌重に一つやってもらいたい。今の委員長のいろいろの質問にも、審議中なんて、そんな長い審議中なんてものはありません。特に一つ御注意願いたいと思います。  そこで、実はきょうの新聞には会計検査院の問題が非常に大きく取り扱われている。会計検査院は内閣から独立したものであって、検査官はこれは国会の同意を得て任命しておる。こういうことからこの記事、こういうような問題に対しては、私は決算委員会としましては看過することができないと思います。それできょうは総長がおいでになりません。検査院長もおいでになりませんので、この問題に対する質問は一応終りますが、この取扱いについて、次回に何らかの方法によって取り扱ってもらうように理事会において協議していただきたい。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 承知いたしました。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そこで検査院の方がおいでになりますので、資料を御提出願いたいと思います。  その一つは、検査官が出張する場合の出張旅費関係、いわゆる手当、宿泊、あるいは交通費、特に出先でもって自動車を使ったりなんかする場合の、そういう特別な交通費が支給されるならば、そういうような規程、そういうのと、それから次に、会計検査院の方が特に格安に宿泊できるような寮なり、あるいは指定旅館なり、そういうようなものがある場所を一つ出してもらう。次に、会計検査院の方が各省の、各官庁の外廓団体等に転任をされた例があれば、その時期と、それから会計検査院当時の役職とその氏名、転任先を一つお調べ願いたい。四番目には会計検査院の首脳部の方でいろいろ刊行物を出しておられますが、これはその刊行物を発行せられる方と、刊行物の名前と発行部数、一部の価格というようなものを参考のために出してもらいたいと思います。以上資料をいただきまして、この問題に対する取扱いについては、理事会において一つお願いいたしたいと思います。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 今の大倉委員の要求資料はいつまでに出ますか。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) 私の方で、官房の総務課でこれをまとめますので、私の局ではございませんけれども、これは明らかなことでありますから、そう時間はかからないと思います。それでやはり出しますにつきましては、相当見せるところまで見せまして、それで出しますですから、ちょっとすぐにはあれですが、むろん今週中には差し上げることができると思います。もう少し早くということであればなんでございますけれども……。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 できればこの次の委員会に間に合うように、全部そろわなくてもよろしゅうございますから、間に合う資料だけでも、この次の委員会までにお出しを願います。

保岡豊会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豊君) そういうふうに努力いたします。

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) では、ただいま大倉君の資料の要求は調整できたら委員会に上程するように理事会で諮ります。  ほかに御質疑ございませんか。——なければ裁判所の部検査報告批難事項第一号は、質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中一日本社会党

○委員長(田中一君) 御異議なければ、さよう決定いたします。  本日これをもって散会いたします。    午後五時二分散会

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