決算委員会 第5号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/02/23
会議録
○委員長(田中一君) ただいまから第五回決算委員会を開会いたします。 議題に入る前にお諮りすることがございます。委員の変更のことでございますが、去る二月二十日に白井勇君の辞任に伴いまして、高野一夫君が補欠として選任されましたが、翌二十一日にはさらに高野一夫君が辞任され、白井勇君が決算委員に補欠選任されました。 次に理事補欠の件でございます。理事白井勇君は一時決算委員を辞任され、これに伴い理事も辞任されたこととなり、従って理事に一名の減員を生じました。よって理事補欠互選を行いたいと存じます。同君の補欠に再び白井勇君を委員長から指名選任することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中一君) 御異議ないものと認めまして、白井勇君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(田中一君) 次に本日の理事会において申し合せました事項について御報告申し上げます。 前回の委員会から一応保留いたしておきましたところの総括質問は、次回の理事会において日程を御相談申し上げまして、河野行政管理長官に対しますところの質疑は三月二十二日に行い、国費の不当使用に関する件は三月一日に郵政大臣、内閣官房長官、入江人事官、運輸大臣、国鉄総裁の出席を求めまして行います。 なお黄変米に関する件は、委員会といたしまして農林、厚生両省に協議の上、この価格、配給方法、配給する団体と申しますか、等の報告書を求めることにいたします。その他調達庁、裁判所の審議は三月一日午後いたすことにいたします。 なお委員派遣報告は三月八日から行います。 本日は、ただいま山手大蔵政務次官が参っておりますので、予備費使用総調書、国庫債務負担行為総調書の提案理由の説明を行いまして、一月六日にこれに対する質疑、三月十三日に討論採決をいたしたいと存じますが、以上のように理事会でも申し合せいたしました。さよう決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中一君) 御異議ないと認めまして、理事会申し合せ通り決定することにいたします。 —————————————
○委員長(田中一君) 次に参考人に関する件でございますが、本日、日本輸出入銀行の昭和二十九年度決算を審査いたしますが、この説明を求めるため、総裁山際正道君、理事高橋一君、総務部次長藤波路忠君、以上の諸君を参考人とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中一君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたしました。 なお決算審査のため、参考人として政府関係機関及び会計検査院法に基き会計検査院が検査の権限を有する機関の役職員の出席を求める必要のある場合には、随時委員長からその出席を求めることとし、あらかじめその取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中一君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(田中一君) では、議題に入ることにいたします。 まず、昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為総調書 昭和三十年度一般会計予備費使用総調書(その1) 昭和三十年度特別会計予備費使用総調書(その1) を議題といたします。 山手大蔵政務次官から提案の説明を求めます。
○政府委員(山手滿男君) ただいま議題となりました昭和三十年度一般会計予備費使用外一件について、財政法第三十六条第三項の規定に基き、国会の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。 昭和三十年度一般会計予備費予算額は八十億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十年四月十五日から同年十二月二十七日までの間において、使用を決定いたしました金額は四十四億一千三百二十余万円であります。 そのおもなる事項は、河川等災害復旧事業に必要な経費、農業施設災害復旧事業に必要な経費、港湾災害復旧事業に必要な経費、文教施設災害復旧事業に必要な経費、災害救助に必要な経費、租税還付加算金に必要な経費、南極観測用船「宗谷」の代船購入に必要な経費、帰還輸送に必要な経費、拿捕漁船乗組員救済に必要な経費等であります。 次に、昭和三十年度各特別会計の予備費の予算総額は、五百五十三億一千五百九十余万円でありまして、このうち、昭和三十年九月十三日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました総額は、三百四億八千八百万円余であります。 そのおもなる事項は、食糧管理特別会計における昭和三十年産米の買い入れ数量増加に伴い必要な経費、国有林野事業特別会計における東北及び北海道地方の災害復旧に必要な経費、漁船再保険特別会計における給与再保険金支払並びに再保険料還付に必要な経費等であります。 以上、昭和三十年度一般会計予備費使用総調書外一件について事後承諾を求める件の説明をいたしました。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御承諾下さるようお願いいたします。 次に昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為に関する報告につきまして御説明申し上げます。 昭和三十年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定に基き、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる金額は三十億円でありまして、このうち南極観測用船「宗谷」を改装することにつきまして、昭和三十年十二月二十七日閣議の決定を経て、総額四億六千七百十三万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました次第であります。 以上をもちまして、昭和三十年度国庫債務負担行為に関する報告を申し上げました。
○委員長(田中一君) 本日は本件に関しましてはこれだけにとどめまして、来たる三月六日午後に質疑を行うことにいたします。 —————————————
○委員長(田中一君) では、次に昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書 昭和二十九年度政府関係機関決算書 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を議題といたします。 まず、北海道開発庁の部を審査いたします。検査報告批難事項は第五号及び六号であります。本件に関しましては、ただいま北海道開発庁次長田上君が出席いたしております。 まず石渡第三局長に説明を求めます。
○説明員(石渡達夫君) では御説明申し上げます。二十九年度の検査報告の三十四ページに載っております第五号、第六号について御説明申し上げます。 本件は、北海道開発局で北海道庁に委託しました開墾建設事業の工事の施工が設計通りにできておりませんで、出来高が不足しているという事案であります。 五号の方は、北海道忍路郡塩谷村五助沢地区農道新設工事でありますが、これは設計によりますと五百四十八立米の砂利を敷くようになっておりますが、現場に行きまして実際に検査をしました結果、この半分程度の二百五十九立米しか施行していない。またそこで作りました土橋の敷成木も設計では末口径三寸のものを四十七本使用するようになっておりますが、実際には三十三本しか使っておりませんで、そのうちの十三本は末口径の寸法が足りないものを使っておる。こうした結果出来高不足の分を計算しますると三十七万四千ばかりの出来商不足になっております。 それから六号の北海道虻田郡留寿都村黒田地区農道新設工事、これにつきまして検査をしました結果、これも砂利を四百六十九立米敷くように設計にはなっておりますが、実際には二百八十一立米でありまして、出来高が不足している。この不足分が二十二万五千円ばかりになります。 検査院で実地に検査しまして、実地検査を三十年六月に施行しておりますが、実地検査の結果注意しましたところ、北海道開発局ではさっそく手直しをするように手配をされまして、北海道開発局におきまして五号の方は三十年七月、六号の方は三十年六月末に手直し工事を完了しまして、その完了したことを北海道開発局でも確認したという報告に接しております。 以上でございます。
○委員長(田中一君) 次に北海道開発庁側からの説明を求めます。
○政府委員(田上辰雄君) ただいま会計検査院からの御説明があり、北海道開発局の開墾建設委託工事につきまして不良なものとして御指摘を受けました二件につきましては、ただいま御説明のありました通り、監督及び検収が不十分でありましたため出来高不足のまま支払いをいたした件でありまして、まことに遺憾に存ずる次第でございます。 ただいまも御説明のありましたように、御指摘を受けました二件の代行工事は、いずれも道庁におきまして後志支庁管内の農業協同組合に工事を請負わせたものでありまして、設計通りの完成したものと認めて工事費をすでに支払っておったものでございます。出来高不足の工事につきましては、ただいまもお話がありました通りに、会計検査院の御指摘を受けました直後、直ちに手直しをいたしまして工事を完了いたしております。 実は本委員会におきまして昨年も相当数にわたる不良工事の御指摘を受けまして、自来いろいろ工夫もいたし、十分監督指導に努力をいたしたのでありまするけれども、しかしながらここに本件のような事件を二十九年度におきましても二件も出しましたことはまことに申しわけないと存ずるのであります。これらの事件に関しましては、北海道開発局長から道知事にあてまして厳重な注意書を与えたのであります。道庁におきましてもそれぞれ責任を追及いたしまして、懲罰的な部内の配置かえ等も行いまして、今後この種の事例の発生を見ないように一そうの努力をいたしておるような次第でございます。今後私ども監督官庁といたしましては遺憾のないことを期したいと存じておる次第でございます。
○委員長(田中一君) 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○青柳秀夫君 ちょっとお伺いいたしますが、この北海道開発局関係で会計検査院で検査をされた件数といいますか、どのくらいになっておりますか。
○説明員(石渡達夫君) 代行工事について申し上げますが、北海道開発局の代行工事の全体の金額、支出金額が二十九年度七億四百万円ばかりになっております。工事の個所にしまして四百六十三個所になっておりますが、その四百六十三個所のうちの七十八個所を検査をしております。工事の個所に対しまして一六・八%になっておりますが、この七十八個所の検査をいたしました結果、ここにあがっております二件が不当事項としてあがっておるわけでございます。
○青柳秀夫君 会計検査院からごらんになって、北海道の開発局関係の工事は、経費の出し方は、他の全般の各省、政府機関関係と比べていい方でございましょうか、あるいは悪い方でございますか、その御感想というか、その成績についての御意見を伺います。
○説明員(石渡達夫君) 本年度の検査報告にはここに二件あがっているだけでありまして、前年度はもっと架空経理とかあるいは直轄の工事、それからここにあがっておりますような代行工事についていろいろバラエティに富んだ検査報告が出ているのでありますが、二十九年度はそのお手元にありますような二件だけがあがっております。そういう事実から見まして、北海道開発庁におかれましても非常に努力をされて改善されているように見受けられます。ただ北海道開発局、北海道の検査は、非常に場所的に申しましても検査をする工事個所が距離も遠くありまして、なかなか日程、旅費の関係で十分な検査ができないうらみがありまして、ここにあがっておりますように、さっき申しましたように全体の工事個所の一六%程度しか検査ができなかったのでありますが、そのほかの個所についてどうかという議論もございまして、さっき申し上げました七億の代行工事のうち二億円ばかりを未確認におきまして、なおこの二億円分につきましては本年度におきまして検査を続行したいと、こういうふうに考えております。
○青柳秀夫君 私がお伺いいたしましたのは、この検査はここに御報告の通りであり、今のでよくわかりましたけれど、北海道というものの開発がきわめて国家的にも重要でございまして、今後ますます国家としても経費を投入していくべきことと思います。そういう土地柄でございますので、極力一つ関係の開発庁なり北海道庁なり、あらゆる方がいい習慣を厳密に一つお作り願って、これは国家全般でございまして、特に北海道においては工事が間違いないというふうに進めていただきたい。そういう意味をもちましてお伺いしたわけでございますが、私は二件出ているということは、もちろん喜ぶべきことではございませんけれど、全体からいえば何となし成績はいいんじゃないかという気がいたしましたので、会計検査院にもお伺いいたしたわけでございますが、どうかこういう問題が一切起らぬように極力今後も意を尽されんことを希望いたしまして、質問を打ち切ります。
○委員長(田中一君) ちょっと私伺いたいのですが、この二つの組合が工事の請負いをしたということになっておりますが、ことにそれが両方とも相当多額の百九十三万か百九十二万ということになっておりますが、建設業法という法律がありまして、請負いをするには登録しなければならぬということになって、許可を受けることになっている。そこでこの二つの協同組合は建設業法の登録をしておるかどうか、これは会計検査院か、開発庁の方に伺いたい、どちらでもいいのですが。
○説明員(戸嶋芳雄君) 今のお話でございますが、大部の考え方としましては、できるだけ開拓協同組合の労力を活用して、そうしてこういった簡単な仕事は例外的に協同組合にまかしてもいいと、こういう考え方で実行の面ではやっております。その場合に御指摘のような、こういう仕事は建設業法にいう建設業ではないというような考え方で今まで内地の方も同様にやっております。
○委員長(田中一君) 戸嶋君に伺いますが、建設業法のどこにそういうものが請負ではないという規定がございますか。法案がありますから見て下さい。
○三浦辰雄君 会計検査院にお伺いしたいのですけれども、北海道の開発庁開発局というものができる際に、この国会でもずいぶん問題になったのは、一体ああいうものを新たに作って、ああいう行政機関といいますか、作った方がいいのか、そうでないで単純な、他の一般の道庁県といいますか、府県並みに行った方がいいのかということがだいぶ問題になった。しかし今青柳君も御指摘されたように、北海道は特殊的な、いわゆる後進性を持っているところだから、至急その開発を急がなければならないということであり、同時に北海道関係の選出された議員諸君も、北海道庁というものに頼るのみよりは、北海道の開発庁といったものができて開発局というものができれば、自然そんな力こぶを入れるならば予算もうんとつくだろう、従って期待している後進性の開発も至急にその開発の目的を達するだろうといったような一つの希望から、いろんな議論があったけれども、開発庁ができたように私は思うのです。ところで検査などをされておりまして、この成績を見ますと、検査された限りにおきまして、成績を見ますというと逐次上っておるということはお互いに同慶なんですけれども、こういった特別な制度があって、そうして認証の関係が違う。実施はまた道庁が一般としては指導する団体に工事を委託するというような、やや複雑な姿が北海道に関してはあるようなんですが、こういったことによる会計検査院から見ての難点と申しますか、機構上気のついたようなことはございませんか、その点をお聞きしたい。
○説明員(石渡達夫君) 会計検査院という立場から、きわめて限られた範囲から見るのでありますが、今おっしゃるように、各省庁もまた違ったような機構になっておりまして、本件のような場合におきましても、内地におきましては農林大臣がこうした場合に事業を請負った町村に対して監督権を持つというふうになっておりますが、北海道の場合におきましては、実際の仕事は北海道開発局でやるのでありますが、こうした代行工事の場合に、北海道開発局におきましても北海道開発庁にしましても、これが北海道庁を指揮監督する権限はない。そこで結局農林大臣が北海道庁に対して監督権を持っておるというふうになるのですが、しかし工事の実際の様子を見ますると、やはり北海道開発局が全責任をもって工事をやっている。しかし工事の実際の様子を見ますると、やはり北海道開発局が全責任をもって工事をやっておる。それに対して北海道開発局が北海道庁を監督する権限はない。この件の場合におきましても、北海道開発局が北海道庁に工事を委任した場合に、委任の注文者としまして、いろいろ設計をいたしたものを見せてもらったり、あるいは工事中に行って、その工事がどんなふうに進行しているかを見る、あるいは工事ができ上ったあとに、うまくできたかどうか検査をする、こういうのが注文者といいますか、委託をした、対等の立場に立ってやっていくほかに方法がない。上からの監督権でやる方法がないというような、内地の代行工事と非常に違った仕組みになっておりまして、こうした場合には北海道開発局がさぞやりにくいだろうというふうに感じております。
○説明員(戸嶋芳雄君) 先ほどちょっと説明が足らなかったと思いますが、こういう開拓協同組合は、本来利益を得てこういう仕事を営業としてやるものでない、こういう趣旨で、建設業法の適用を受けないのだ、こういう考え方でございます。その趣旨はちょっと申し上げましたように……。従って個々の組合員があいている労力をできるだけ自分の開拓地に関係のあるような仕事で、しかもそう専門的な技術の要らないというようなものに活用して、少しでも組合員に賃金収入を得させたい、こういう趣旨で、会計検査院の方ともお打ち合せをしまして、厳重な制限のもとにやらしておる、こういう実情でございます。
○委員長(田中一君) 石渡局長に伺いますが、あなたの方の批難事項には請け負わしたと書いてあるのです。従って利益を対象にしない請負というものと、利益を求める請負というものとについて、どういう見解を持っていらっしゃるのか。もしも今の戸嶋参事官のような、請負というものがやはり国がきめますところの法律と背反しているという場合、どういう見解を持っておりますか。
○説明員(石渡達夫君) 請け負わせるというのは、民法の請負契約によるところの請負である。この相手方は、今、農林省の方からも御説明がありましたように、ここにあります開拓農業協同組合というのは本来業者ではない、これを業とするものではない。しかし民法上の契約によって請け負わせることは差しつかえない、こういうふうに考えております。
○委員長(田中一君) ではあなたは、はっきりと請負行為を、民法上の請負契約を結んでおるものでも、利潤を目的としないものは建設業法以外においてもかまわないということを確信を持っておっしゃるのですね。
○説明員(石渡達夫君) 建設業法の勉強を十分しておりませんので、この組合が建設業法にいう業者かどうかということは、ちょっとはっきり申し上げられませんけれども、今、農林省の御説明によりますというと、この協同組合は業者ではないという御見解をとっておられるようでございますから、一応それはそれとしまして、ここにあります請負というのは、必ずしも相手が業者でなくちゃならないとか、あるいは業者でなくてもよろしいとか、こういうこととは別個に、この請負というのは民法上の請負契約を指しているので、相手が業者であると、あるいは業者でないとにかかわらず、請け負わせることは民法によってできる、こういうような見解を持っております。
○委員長(田中一君) ではこれ以上ここで押し問答してもしようがないから、次回までに石渡局長は、かかる請負行為をしておるところの団体というものが建設業法の登録をしないでもよろしい、いわゆる請負業者の登録をしないでもよろしいという、それに対する法律的な解釈を持っておいでを願いたい。 私どもも、もしそういう考え方であるならば、だからこそこういう批難事項が起きるんです。少くとも、建設業法には罰則がある。私はあえて、遊休労力といいますか、それを活用することは大いに奨励すべきものと思っておりますけれども、少くとも一方においてこういう法律がありながら、この法律によらないで請負契約をしている。だからそれを批難するということは、会計検査院の立場としてはあり得ないと思う。その請負でなくて、直営工事をしていてそうしてこれを批難するならば当ります。請負という別の法律に規定しているところの業務であろうと、その行為を怠っている、こういう場合は、その請負を登録しておりますならばもう少しこういうことはないと思いますが、これについてあなたの研究が足りないと思う。従ってこの問題は会計検査院としての意思をまとめて御答弁願いたいと思う。同時に農林省もこれに対する見解をはっきりまとめまして御提出願いたい。同時に、北海道開発庁の方もーーこういう行為が私は悪いと言うのではない。大いに奨励すべきものであるけれども、一方においてその行為というものを、あるいは身分というものを法律できめておりながら、そうして請負わして、こういう批難事項が起きたということに対しては、やはり今申し上げたような法律に対する解釈というものをお出し願いたい。ーーほかに御質疑はございませんか。ただいま正力国務大臣が出席しております。
○島村軍次君 大臣が御出席でございますから、この機会に北海道開発計画及びその遂行に対するその後の概要を一つ……。今後の見通しについて大臣の御抱負を一つこの際御披瀝をしていただきたい。
○国務大臣(正力松太郎君) お答えいたします。 本年度は予算が昨年より十九億ふえました。約百九十億ばかりの予算を取りました。昨年よりずっと仕事は進むと、こう思っておりますが、さらにそのほかに公庫の法案を提出することになっておりますから、それに対する予算も八十億取りましたようなわけでありまして、北海道の開発に一段の発展を見ることができると思っております。 なお、そのほか党の方におきまして、北海道開発庁の制度そのものを改善したいという案があるのでありまして、これは私も同感であります。今日の北海道開発庁というものは、先ほどいろいろな不祥事件について御質問もありましたように、開発庁は調査立案をしましたり、また事業の遂行の総合調査をやりますけれども、直接の監督機関でないためにいろいろの不都合がたくさんあるのでありますので、これについては何とか考慮しなくちゃならぬと思います。ことに党の方におきまして、これについていろいろ考えておるようであります。開発庁としても何かこれについて考案中でありますが、しかし党の方で熱心にやっておりますので、その党の計画と相待ってやりたいという考えを持っております。
○島村軍次君 正力国務大臣は原子力関係には非常に御熱心なようであるし、また非常に知識も御豊富のようでありますが、北海道開発の問題に関してもさぞかし御熱心なことと拝察いたします。そこでただいまお話しになった開発に関して本年度の予算を増額した結果により、どういう点に重点を置いて計画されておるか。また、従来の北海道開発五カ年計画の遂行率はあまりよくなかったと思いますが、それを促進するという意味であるかどうか。それから別途北海道開発庁に関連をしまして、本年度の予算遂行と将来の開発のために公団をお作りになる、あるいは内閣委員会にこの機構改正等の問題を国会に別途出される、こういうような御意見のようでありますが、それのアウト・ラインについて一つ聞かしていただきたい。
○政府委員(田上辰雄君) 島村委員のただいまの御質問に対して私からお答えいたしたいと思います。本年度の北海道開発庁関係の予算は、先ほど正力大臣からお話がありました通り、約百九十億でございますが、その内容につきましては、すでに御承知の北海道開発第一次五カ年計画の線に沿いまして大蔵省に要求をし、その線に沿うて新たな計上がなされたのであります。この北海道開発の五カ年計画は、すでに御承知でもございましょうが、北海道開発についての基本的な諸施設、電気、道路、港湾等の公共施設を主体としておりまして、昭和二十七年に出発したのでありまして、その当時の金額にいたしまして千三百億を一応計上して、その目的達成に出発をいたしたのであります。しかしながら今日まで達成しておりまする実施率は約四O%でありますが、しかし五カ年計画の最終年次はこれは昭和三十一年度でございますので、三十一年度、今日出しておりまする予算が承認されまして、順調に実施して参るとするならば、その実施率は約五四%くらいな実現になるだろうというふうに期待をいたしておるのであります。成績は半分あまりでございますが、しかしながら、今日国家財政の非常に多難な際にここまで北海道の開発の実現がされるようになりましたのは、ひとえに各方面の御支援、御協力のたまものだと感謝いたしている次第であります。この残った約半分のものにつきましては、さらに第二次五カ年計画を本年度中に計画いたしまして進めていかなければならぬと存じておるのであります。 第一次五カ年計画の最終年次でありまする三十一年度におきましては、第一次五カ年計画には経済開発の線には触れておらずに、ただ基本的な公共施設の拡充を目ざして参ったのでありますが、今回国会に提案になりまする北海道開発公庫案が実現いたしますならば、これによってその投融資をいたし得る金額が八十億ございますので、これは経済産業の開発に三十一年度にしてすでに一歩乗り出すというふうなことにもなるのでございます。従ってこの北海道開発公庫が本年度できましたならば、従来いろいろ問題になっておりまする北海道開発上重要なる諸産業に投融資をいたしまして、これによっての北海道開発の成果は相当見るべきものがあるのではなかろうかと期待をいたしておるような次第でございます。こういう線に沿いまして、三十一年度の北海道開発庁予算を通じて開発ができ、相当な成果をあげるものと存じておる次第でございます。
○島村軍次君 会計検査院のこの検査報告にあがっておる事項は、全体の上から見ますときわめて少い件数のようでありますが、しかし将来開発計画を遂行される上においてはおのずから責任の所属を明らかにする必要があるのじゃないかと思うのであります。何となれば、大体開発局がその責任を持っておられるようでありますが、実際の執行は道庁に委託されて、そうして道庁が仕事をするという建前をとっておられるんだろうと思います。従って道庁に対する監督はどういうふうな考え方でおいでになるか。あるいはまた各省でいろいろ予算関係で北海道開発に要する経費の計上があって、この責任はその責任官庁それぞれの衝においてこれに当られるだろうと思いますが、その場合にやはり道庁に委託するというようなこともあり得る関係になると思うのですが、それの監督等に関する、国費の効率的使用というような問題についてどういうふうなお考えでありますか。さらにまた今後の開発公庫案の際におけるその問題、これらの工事執行に関する責任区分等についての考え方はどうであるか。なおあわせて、農林省関係であったと思いますが、昨年余剰農産物から受けた財源をもって機械公団ができたと思いますが、この機械公団との実際の仕事の今の遂行状態はどういうような進行状態であり、そうして開発庁との関係及び今後の開発公庫との関係はどうなるか、その関係を一つ明らかにしていただきたい。
○政府委員(田上辰雄君) 開発局が直接直轄事業としていたしておりまする仕事と、それからいま一つ、会計検査院の御指摘を受けましたようないわゆる代行工事と両種あるわけでございます。この代行工事につきましては、国の費用で北海道庁が仕事をいたしますのでありますが、しかしその責任は直接北海道庁が負うだけではなくて、開発局が当然監督指導の責任を負うておるのでありまして、これらは代行をいたしますについての約束によりまして実施をされておるのでございます。この代行の場合と、あるいは直轄の場合とを問わず、農林省関係の事業といたしましては、実施上の第一次責任は農林大臣が持っておられるのでありまして、その指導監督をされまする北海道開発庁といたしましても、推進をいたしまする責任上、あるいは最初に企画をいたしまする責任上、当然に責任があるものとして監督をいたしておるのでございます。この種の代行事業も非常にたくさんあるのでありまして、たとえば二十九年度におきまして本代行工事が約三百六十あるというふうな事情でございまして、数が多いために、ある程度北海道庁に責任を持たせ、持たせるほかはないのでありますが、しかしその実施につきましては十分監督をいたすべきであり、ことに経理の面につきましては、この種のような不良行為は一件といえども許すことができないのであります。この監督につきましては、道庁自身の監督にまかせるだけでなくて、開発庁には昨年特に監督班を設けまして、そうしてその方の専門家を呼び、七名の人員をもっていろいろ具体的な指導監督を特にこの経理の面を通じていたさしておるのであります。本年は絶無を期したのでありますが、二件こういうものが出まして、まことに申しわけないと存じておりますが、そういうふうな具体的な方法を講じまして、監督に遺憾なきを期しておるのでありまして、さらに一そうの努力を続けたいと思うのでございます。 なお開発公庫の監督につきましてもお話がございましたが、これは北海道開発公庫はただいま提出いたしておりまする案では、主務大臣としまして、内閣総理大臣及び大蔵大臣が主務大臣となっておるのでございます。従って内閣総理大臣と申しますのは、北海道開発庁を担当されまする国務大臣が、委任によりまして責任を持った監督をされるのでありまして、言葉をかえますならば、北海道開発長官と大蔵大臣との監督と申し上げてよかろうと思うのであります。公庫の具体的な監督の方法といたしましては、まず幹部の任免につきましてそれぞれ主務大臣の許可を受ける、あるいは主務大臣が任命するという規定がございます。それから事業を始めます際には業務方法書というものをきめるのでありますが、それに運営上あるいは貸付上の重要な諸条件を具体的にきめられるのであります。さらに今後運営を続けていきます際には、四半期ごとに具体的な事業計画及び資金計画というのを出すのでありまして、それにつきまして主務大臣が十分具体的な監督を続けてやっていくのであります。そのほか一般的な監督上の措置をいたすことができるのでありまして、まあこういう法的な基礎の上に十分公庫の運営につきまして政府の監督がなし得るものだと信じておるのでございます。
○説明員(戸嶋芳雄君) お尋ねのございました農地開発機械公団のその後の経過を簡単に御説明申し上げたいと思います。 去る国会で法案が通りまして、さっそく準備にかかりまして、十月の十日付で設立の登記をいたしまして、同時に理事長以下の役員の指名なり任命がございました。その後世銀の借款についての事務的な交渉を続けて参っておるわけでございますが、近く二十六日に世銀のドールという極東部長が参りまして、大体の正式借款ができる程度のところまでの話し合いを進めるという準備ができて参りました。従いまして大体予定通り来年の五月ころから根釧と上北地区に開墾用の機械を入れまして、入植者を入れるという準備を進めております。
○島村軍次君 正力国務大臣にお伺いいたしますが、北海道開発によって将来何年間にどのくらいの人口増加を予定されておりますか、御計画がおありになれば、この際それを御発表願いたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) ただいまのことに対して答えますが、大体六百万くらいのことを予定しておるようですが、しかし私はこれにつきましては私は別にもう少し根本的に考えなくちゃならぬという考えを持っております。これは審議会とよく相談いたしまして、私は現在のやり方ではなかなかいかぬと思っております。もう少し根本的に問題を考えなくちゃいかぬということでありますので、今その案を練っておりますので、いずれ北海道開発審議会にかけましてよく相談の上で、そうしなければ、なかなか人口というものは基礎を固めなければそういくものではございません。そう考えております。
○青柳秀夫君 今大臣からお言葉がありましたので簡単に伺いますけれども、北海道開発ということに政府が非常に力を入れ、真剣にやるという行き方をすれば、今ではただ府県並みに扱っておる。この観念を改めて、むしろ植民地と言っちゃはなはだ失礼でありますが、朝鮮なり台湾がなくなった日本としては、あれだけ膨大なところを府県並みという考えでなしにいく、この根本観念を大臣がお持ちになって、明治の初めには西郷従道という人が開拓使というような一つの形で徹底的におやりになった。ああいう熱をもう一回お入れになるような気持があるのか。それとも現状にただ甘んじて、府県並みの行き方にいろいろの細工をしていくというお考えであるか、この点を伺いたいのであります。
○国務大臣(正力松太郎君) お答えいたします。私はもちろん今お話の通りに、北海道には特別の事情があるからそれについて特別の考慮をしなくちゃならぬ。このことは北海道の審議会の方でも非常に考えておるようで、私はこれには同感いたします。しかしそれだけじゃいけない。私はこれはまだ審議中でありますから、どうしても開発の基礎は交通運輸をよくすること、それが北海道には欠けています。その根本問題を解決しなければ、私は北海道の振興はむずかしいと思っております。
○三浦辰雄君 まあだんだんお話ですが、私の一つ聞きたいのは、北海道の特徴である山林資源の問題があるのです。あそこの開発はずいぶん山林資源関係の開発によって相当に工業が起きている現実であることはまさにそうなんです。今後はもっと広く開発されていかなければなりませんけれども、あの開発をされてきて、現在の産業に関する——ことにパルプは御承知の通りにほとんど北海道に現在依存しているわけです。率が多い。それらの資源としての山林が一昨年の九月二十五、二十六日の台風で——洞爺丸の事件のあの日ですが、非常な災害を受けて、北海道の現在開発されています、利用されております針葉樹、北海道では青木と言うようでありますが、針葉樹というと七年間ぐらいの成長量、七年をこえる成長量何千万石というものが一挙にして風倒木となった今日、その善後策に国をあげ、あるいは道の関係住民をあげての大騒ぎをやっているのでありますが、あの問題はしょせん今の道路交通網、運輸関係を開発すると同時に、植林にまでいかなければ、とうていあの産業を維持していくということはできないのです。ところが今日の政府の態度を見ているというと、とにかくあの虫害が心配だ、あるいはあの山火事が心配だという当面のことだけにどうもあくせくしておって、根本の植林の問題というものにまで手が及ばない形がある。御承知の通りに北海道の針葉樹の苗木は、種をまいてから四年間かからなければ最小限度いかないという形がある。私は本年あたり、今日あの水産に匹敵するだけの北海道住民の所得の部分を占めている山林の問題を、ぜひ本年から立ち上らなければいけないだろうと思うのです。根本の植林まで考えた、いわゆる災いを転じて福となすという林政上の北海道の刷新をしなければならぬだろう。これは大問題です。おそらく大臣、北海道の識者からはすでに指摘されて御心配のことだとは存じますが、この点についての考えはどうでしょうか。
○国務大臣(正力松太郎君) ただいまのお話、まことにごもっとものことでございます。今後造林も行わなければなりませんが、またその他再興の点も必要だと思いますが、私はしかし、何としてもですな、北海道の鉄道を改めろ、道路を改める、交通を根本的に思い切ってやらなければならない。それを今までやった方はみんな、鉄道は国家がやってくれると思い、道路を国家がやってくれると思った。それはいかんです。私は北海道はどうしても自分の手でやらなければならぬと自分でも思っております。そうして北海道に思い切った金をやらなければならぬ。国家の予算だけを当てにしてはいかぬ。やはり国家の予算以外に北海道へたくさん金を入れる方法を考えなければならぬ。それを今考究しているのでありまして、いずれにしても思い切ってやるつもりでおります。先ほどの熱意は十分持っておりますから、どうぞ何分の御支援をお願いいたします。
○久保等君 ちょっと今関連して大臣にお伺いしたいのですが、まあ北海道開発について非常な特別な熱意と、いろいろ構想を持っておられます点は、私は従来からの北海道開発の問題が問題になっておりますだけに、熱意はきわめてけっこうだと思うのですが、ただいま特に資金問題で、国家がもちろん最大限の資金的な援助をし、あるいはまた協力をするということは、これは当然だと思います。そういう点で特に正力大臣は、当面の最高責任者の私は御努力は非常に問題だと思うのですが、さらにそのほか資金をとにかく思い切ってというお話なんですが、その方法の一つが、まあ先ほど言われた公庫の問題もそうだと思うのですが、何かそれ以外に特別に資金源を大臣はお考えになっておるかどうか、具体的な構想がおありでしたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) 具体的に構想を言えというお話でありますが、これは一つまだ練っておりますし、また審議会に、ああいう法律できまった機関がありますので、それにもかけてから申し上げたいと思いますが、ただここで私が申し上げられますのは、資金は国家の金だけではいかぬ、そうして今の公庫のような金ではいかぬ、私はやはり民間の資金が必要である。また必要ならば世界銀行といわず、アメリカの民間の資本も入れる。しかるにそれにはその民間の資本を入れたり、外国の資本も入れやすいような仕組みでしなければならぬので、その仕組みを考えております。いずれにしても国家の予算だけでは、各県がみんな予算を取ろうとしておるのに、北海道だけそうむちゃに取れるものではありません。だからどうしてもこれは民間の資本が必要だと思っております。いずれにしても開発の根本は金、金がなければなりません。それと繰り返して申し上げますと、どうしても鉄道、道路の改革、運輸機関の改良、これがあってこそ初めて開発ができると、こう思っておるわけであります。
○久保等君 ただいま言われたことは、いろいろ重要な問題を含んでおると思いますが、しかし構想の範囲を出ないお話ですから、あまり私質問をいたしたくないのですが、ただしかし、一言今言われた中で、外資をやはり入れるということについても真剣に考えられていると思いますが、外資の入れ方についても、これはいろいろ方法があろうと思いますが、私はただ北海道の開発というものは、非常に当面重要な問題ではありながら、しかし外資を入れる問題についてはよほどこれは考えなければならぬと思います。大臣がどの程度の具体的な構想をお持ちか知りませんしするので、あまりそういった問題について深くお尋ねいたそうとは思いませんが、民間の資本、できるだけこれの協力と吸収をはかってやらなければならぬということも、これもけっこうだと思いますが、考え方としては。しかし、少くとも外国資本の導入するという問題については、先ほどの特に運輸あるいは交通という問題について非常に重点的な施策をお考えのようですが、それらの問題との関連性において私はおそらく正力さんもお考えじゃないかと思いますが、しかしそういう問題については、開発問題を離れて、国家的な立場から非常にいろいろ議論があろうと思いますが、そういう点については、特に正力さんは外資導入問題も、あらゆる問題について非常に熱心にお考えになっているようですが、私は少くとも、せっかく北海道開発をするという考え方、それからまた具体的な施策を推進することはけっこうなんですが、少くとも危惧されるような形の外国資本の導入という問題については一つ十分慎重にお考え願わなければならぬとまあ思うので、そのことだけ一言申し上げまして、あまり具体的なお話ではございませんので、さらにこまかい御質問を申し上げることは遠慮したいと思いますが、その点は特に一つ慎重にお考えを願いたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) ただいまの御心配ごもっともだと思います。外国の資本を入れるなんということは、これは慎重にやらなければならぬと思います。その点は十分注意いたしますが、ただ私はそれを申し上げましたのは、現に北海道なりその他日本には外部の、世界銀行から金を借りておりますが、私はこれにはあまり賛成じゃないのですが、世界銀行から金を借りるということはなかなかいろいろな手続等めんどうです。であるのみならず、私はあれよりももっといい方法はないであろうかと考えておるのでありまして、そうして借りても、どこまでも日本の自主性、日本の自尊心を害するようなことは絶対にいけません。われわれはりっぱな日本の立場を明らかにして入れなければならぬと思っております。しかし御注意はごもっともですから、十分注意はいたしていきます。
○委員長(田中一君) ちょっと私一点伺いたいのですが、鳩山内閣ができましてから、住宅公団、機械公団、愛知用水公団、今度また道路公団が出るそうです。こうした公団は、その大きな事業のある一点だけをまかなおうというような構想なんです。こうした構想は、これは鳩山内閣の特異性ですが、そこで今お話しにあった北海道開発公庫を今度作ろうという案が今提案されておりますけれども、これもまあ鳩山内閣の性格の一つの現われだろうと思いますが、日本開発銀行というものでなぜ御不満なのか、日本開発銀行というものが現在あるんです。これはおそらく北海道開発庁が目途としているところの事業の資金源をなしておるものじゃないかと思うんです。あらためて八十億の金を財政投資をしてこれにやらせるということになりますと、これはどうして北海道開発公庫を作らなければならないかという理由を国民の間において納得しなければならぬと思うのです。それでどうしてしなければならないかということを一つ正力さん御説明願いたいと思います。これは正力さんにお願いしたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) 実は今度の公庫と申しますのは、北海道の事業開発振興のために、長期かつ低利の資金の融通、いま一つは、民間からの事業を振興する誘い水的の資金の融通ということになっておるのでありまして、北海道には元来の拓殖銀行がなくなりましたので、そういう種類の銀行があるのがいいと思いますから、私はごくこれには賛成であります。しかし私はこれは小さいと思います。あれができたことは非常にけっこうです。しかしあれで北海道の開発ができるということは小さ過ぎます。もっと大きく——お前妄想だと言われるかもしれませんが、私は真剣に考えております。そうしてこれは先ほども申し上げましたが、北海道審議会というのがありますから、あそこでよく相談いたしまして、そうして考えます。ただ私はさっき鳩山内閣とおっしゃいましたが、大体今日公団とか、いろいろな公社とかできるのは、仕事は皆単一です。仕事が総合的になっておりません。だから私の趣旨からいうと、仕事は総合的にしなければならない。ああいうものは単一じゃなくて総合的でなければならない。総合経営をやらなければならない。それでこそ初めて事業は伸びる。ところがこれはすべてが道路なら道路だけ、あるいは鉄道なら鉄道だけ、あるいは鉱山なら鉱山だけ、皆一つだけ進んでおります。これは私はほんとうの事業経営じゃないと思う。私は総合経営でいきたい。今度北海道で大きく考えているのは総合経営です。そうして私は民間の会社よりも、開発はどうしても公けの手がいい。率直に言いますならば、私は官民合同の会社を作りたいと思っておるわけであります。
○田中一君 御構想はけっこうです。けっこうですが、八十億程度のものじゃ何にもならぬ。もっとほしいというなら、日本開発銀行は三千六百億の資金を持っているでしょう。そこであなたの御構想を実施するには、北海道開発公庫を作るよりも、八十億というものを呼び水として日本開発銀行の方に投資をして、そうしてそこから五百億でも八百億でも持ってくる方があなたの目的は達せられるんです。なぜ八十億程度の財政投資をして北海道開発公庫を作らなければならないかという御答弁にはなっておらないと思うのです。それから、なぜそうしなければならないかを、一つこれは政治的な答弁でけっこうです。内容はどこに違いがあるかということです。日本開発銀行の貸付内容と北海道開発公庫の貸付内容とどう違うか。
○政府委員(田上辰雄君) 私からその点をお答えいたしたいと思うのでありますが、開発銀行も北海道に対しまして今日まで炭鉱を初め、相当な融資をしてきておる。のみならず、商工中金にしましてもあるいは農業中央金庫にしましても、あるいは農林漁業金融公庫にいたしましても、今日まで相当な貸付をいたしております。ただ北海道の側から申しますと、その金融が不十分であるということなのでございます。ことに、ただいま正力大臣からお話もありました通りに、二十八年に北海道拓殖銀行が特殊銀行の性格を失いまして、市中銀行になってしまったということから、北海道におきましては一そう長期の低利の金融に悩んでおる。しかも北海道が寒いことだとか、あるいは地理的に遠いとか、諸条件のために、企業家がいろいろな企業をいたしましてもなかなか成り立たないという難点がございまして、ほかの地方と違って、北海道においては一そう低利長期の融資を希望いたすわけであります。開発銀行を初め諸銀行が今日まで相当貸しておるのでございますが、しかし今ここに資料は持っておりませんですが、大体昨年、一昨年あたりの貸付の金額が、全国の貸付に比較しまして大体七%程度だったと思います。北海道の予算を通じての公共事業の費用が、大体今年は少しふえましたが、昨年、一昨年あたりの率は大体一五%余りである。せめて公共事業費の程度くらいまで北海道に投融資をしてもらう必要があるんじゃないか。これは北海道にとりまして数年前からの非常に深刻な問題であったわけでございまして、その声が実を結びまして、今度北海道開発公庫案になったわけでございます。しかしながら、北海道開発公庫ができましても、決してこれは開発銀行の融資、そのほかの農中、商中、農漁金融公庫あたりの融資を妨げるものであってはならないのであります。むしろ新たに公庫ができたから開発銀行の方で、おれのところの金融は手を引くというようなことがあったら、これは大へんなことなんでございまして、その点につきましては関係各省といろいろ協議をいたしておるのでありまして、公庫ができましても、従来通りそれぞれの金融機関に活動してもらう。その上に今度できました公庫がプラスになっていくようにする、こういうことでございまして、このほかに各銀行の貸付の範囲を侵さない。特に必要があった場合には十分協議をいたすというような申し合せも実はいたしておるような次第でございます。貸付の条件等は、今後まあ具体的にこの法案が成立いたし、予算が実施されるようになりましてから研究されるべきでありますが、ただいまのところでは大体開発銀行と同じような条件になりはしないかという見通しをいたしておりますが、ただいま申しました通りに、開発銀行と並んで行き届かないところをさらにやるのであって、従来の金融の活動は従来通り、あるいはますます一つ北海道のために活動を願いたい、そういうような方針で運営をいたすことになっております。御了承をいただきたいと思います。
○委員長(田中一君) ちっとも答弁になっておらないんですがね。私は今の日本の開発銀行というものは、三千六百億の資金を持っている。そのうちから七%程度は北海道に投資されているんだという御説明ですが、では、なぜ日本開発銀行に八十億の投資をして、そうしてこの金を使わないか。なぜ北海道開発公庫を作らなければならない理由があるのかというんです。私はあなたに聞きたくないんです。次長からは聞きたくないんです。あなたは政治家じゃないんだから、政治家からその含みを聞きたいんです。正力さんから聞きたいんです。そんな理由はだれも納得しません。日本開発銀行と同じ事業を営んで、同じような貸付をしているなら、日本開発銀行にさしたらいいんです。日本開発銀行の貸付先は閣議で決定して、経済企画庁が大綱をきめて、そうしてその融資先に対して各官庁の、外省から指名をして、どの何々会社にどのくらいという指名をして融資をさせるのが現状なのですよ。従って八十億程度のものよりは、三千六百億という資金を持っている日本開発銀行に八十億入れた方がもっと有利にいくのじゃないかというのです。もし有利にいかないとするならば、なぜそうした形のものを作るかという理由を説明してくれと言っているのです。こいつは、正力さん申し上げますけれども、今言ったように愛知用水公団とか機械公団、住宅公団、道路公団、おそらくこれから幾つかの公団とか公庫ができるでしょう。こういうものが鳩山内閣の一つの性格なのです。そこでその方が利益だという理由が国民は納得しない。納得するのだ、納得させるのだというなら、納得させる御答弁を短かくてけっこうなのです。おっしゃっていただければいいのです。
○国務大臣(正力松太郎君) 先ほども申しましたが、今度の公庫を作ったということは、拓殖銀行というのがなくなりまして、長期かつ低利の銀行がないものでありますから、その意味で私は公庫というものを考えております。それから日本開発銀行から借りれば一番いいのですが、これがまたなかなか借りられないのです。これは実際の話、借りられないのです。それだから私はやはりわれわれの考えで方向を変えて、そして広く民間の資本も集め、そうしてさらに、外国の資本というものは御承知の通りに非常に金利が安いのです。今、今日すぐというと公債です。公債でやりますとどうしても実質的に一側の金が要ります。なかなか日本の事業の進まないのは金利が高いからです。だから私は今そんな高い金は使っちゃいかぬ。そうして一つ長期で低利の金を借りたい。そういうと何か、世界銀行になるのです。これがなかなかめんどうなのです。考えが小さいのですよ、世界銀行を相手にするのには。だから私はこっちの仕組みさえこれは大丈夫なものだ、大丈夫な会社だというのなら外国人は投資します。何も条件をつけません。つけたってこっちは受けません。ただ外国は金利が安いからそれでできるのです。外国の金というけれども、ひもはつきません。つけては大へんです。従って日本は金利が安いから投資するのです。ただ投資しないのは、日本を不安に思うのです。その会社を不安に思うのです。だからわれわれは外国人が見ても大丈夫な会社だ、大丈夫な団体だということを思わせなくてはならない。そうして金を借りる。それが私は一番で、日本の北海道振興をはかるのにいいと、こう考えておりますので、しかしこれも先ほども、なかなか外国人がそう簡単に金を貸すものではありませんから、それを彼らが信用するだけの方法を考えなくてはならぬ、こう思っていますので、場合によっては私が直接外国に交渉に行くことも計画をいたしておるというような考えまで持っております。
○委員長(田中一君) 私はそんなことを質問しているのじゃないのです。同じ条件で貸すならば、たくさんな資本金を持っている日本開発銀行から借りたらいいのです。貸してくれないというのは、結局あなたの政治力が足りないのだから……もう聞きません。そんなのは答弁にならぬ。国民は納得しません、そんな答弁では。
○国務大臣(正力松太郎君) 繰り返すようでありますけれども、開発銀行からはなかなかこれ以上の金は……。私の政治力が足らぬとおっしゃればそれまでです。とにかくこれはなかなか事実上大きな金はむずかしいような状態になっておりますから、その意味で……。
○委員長(田中一君) ほかに御発言ございませんか。ーーなければ北海道開発庁の部、検査報告批難事項第五号及び第六号は質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中一君) 御異議なければさよう決定いたします。 —————————————
○委員長(田中一君) 次に日本輸出入銀行の部を審査いたします。検査報告第三百九十九ページ目でございます。本件に関しましては、日本輸出入銀行総裁山際正道君、理事高橋一君、総務部次長藤波路忠君、並びに会計検査院第五局長上村昭昌君が出席いたしております。まず検査院側からの説明を求めます。
○説明員(上村照昌君) 検査報告の三百九十九ページから四百一ページまでに日本輸出入銀行の業務の概況等が簡単に記述してございますが、特に補足して説明することはなかろうかと、かように考えております。 なお、二十九年度につきてましては、検査の結果不当等の事項はございませんでしたので、さような事態は検査報告に記述してないわけでございます。この点を御報告申し上げます。
○委員長(田中一君) 次に日本輸出入銀行の方から説明を伺います。
○参考人(山際正道君) 御指名によりまして日本輸出入銀行の近況につきまして御説明を申し上げたいと思います。 輸出入銀行は御承知の通り昭和二十五年の十二月に設立いたされまして、翌二十六年の二月から業務を開始いたしました。本日まで約満五カ年を経過いたしたわけでございます。設立後一両年の間は遺憾ながらわが国のプラント輸出があまり伸張を見ませんでしたために、本行の業務もそれほどの活況を呈することができなかったのでございます。昭和二十八年度の下半期以降、いわゆる輸出船建造を中心といたしまして急激な業務の進展をみるに至っております。 これをお手元に差し出しました資料について御説明申し上げますると、「融資状況の推移」というのがございます。その表の第一に「融資状況推移総括表」というのがございます。それによりますると、融資承諾をいたしました金額、これは左から三段目でございますが、昭和二十五年度は十五億九千百万円でございます。翌二十六年度は百七億七百万円、二十七年度は七十一億七百万の程度でございましたが、二十八年度に至りまして百八十二億三千六百万円となり、引き続き二十九年度は三百五十七億八千百万円、さらに三十年度に入りまして、十二月末日までにすでに四百八億七千九百万円という数字にまで伸展をみておるのでございます。おそらくは本年度末、すなわち三月末におきましては、この融資承諾の金額並びに引き続いて融資残高とございますが——それはなおさらに四つ右に寄りました融資残高の表がございますが、このうち、三十年度の十二月末において三百九十一億七千八百万円とございます数字が、本年度末におきましてはおそらくは四百九十七億円くらいに到達する見込みでございまして、すなわち三十年度におきましては、二十九年度末に比べましてその約倍額の残高を見るに至るであろうと思われるのでございます。 さらにこの融資の内容を御説明申し上げますると、以下のページにその計数が載っております。これは融資を承諾いたしました件数を品目別並びに仕向地別にまとめました表でございます。その(イ)とございますのは、先ほど申し上げました昭和二十六年二月の業務開始以来の累計でございます。 品目別に御説明申し上げますると、まず一番多いのは船舶でございます。船舶は一番左の欄にございますが、これが開行以来の累計におきまして、次のページに合計の欄がございます。七百九億一千九百万円、総体の融資承諾額の六二%は船舶によって占められているわけでございます。これに次いで多いのは車両でございまして、車両は鉄道車両、自動車などのたぐいでございますが、これがただいまの表の第二の欄でございまして、百四十九億六千百万円、輸出金融の融資全額の一三・一%ということになっております。その次に多いのは繊維機械でございます。右の方へ三つ目の数字でございますが、繊維機械の累計は百三十八億三千四百万円でございまして、全体の一二%余りでございます。この全体の貸出の伸張は、ただいまも申し上げました通り、一にこの船舶に対する外国からの注文が急増をいたして参りました結果がこの計数を見ておる次第でございまして、たとえばこれを輸出承認の輸出契約について御説明申し上げますると、この数字はちょっとこの計表には載っておりませんが、二十九年度におきましては輸出を政府が承認いたしました船舶の建造額は、契約金額で一億五千七百万ドルでございましたが、三十年度に入りましてからは十二月末ですでに三億八千八百万ドルに及んでおるのであります。従いましてこれを受けまして、本行の融資も三十年度におきましては全融資額の七七%が船舶の融資に充てられておるのでございます。最近の傾向といたしましては、繊維機械が一時非常に出たのでございますが、これはパキスタン向けが主でございましたが、パキスタンの需要がやや一巡をいたした形になっておりますので、それに次ぎまして自動車車両、鉄道車両が増加いたしまして、三十年度の十二月末現在におきましては、三十年度中に承諾をいたしました輸出金融額の一五%余に相なっておるのでございます。すなわちこの船舶と車両で全体の九二%を占めておる趨勢でございまして、この品種別の内容から申しますと、私どもはもう少しほかの種類についても数字が伸びるように期待をいたしておるのでありますが、遺憾ながら電気機械、通信機械等、その他の製品につきましてはまだ十分なる伸張をみるに至っておりません。 なお、この融資の状況を仕向地別で申し上げますると、極東地区、すなわち一番上の欄でございますが、極東地区に対するものと、その次の欄にございます東南アジア向け、この合計が全合計の三二・四%、それからその次に多いのは中南米地域に対しまして二三・八%ということになっておるのでございます。すなわちいわゆる未開発地域ないし経済後進国の経済建設に対しまして、わが国が相当プラント輸出によってその発展に寄与することができておるということになろうかと考えておるのであります。今申し上げましたように極東、東南アジアが三二%、中南米が二三%余というのでございますが、これは先ほど申し上げました船舶の輸出が、仕向地別がパナマ、アフリカのリベリアというのが多いためにこういう数字になっておるのでございますけれども、かりに船舶の部分をどけて計算をいたしますると、極東及び東南アジア地域に対する融資は全体の七五%余に達しておる状況でございまして、特にわが国のプラント輸出がこれらの地域に対して相当に有効に行われつつあるということが考えられるのでございます。 なお、この機会に一言申し添えますると、資金融通の平均の期間が、昭和二十七年度におきましては一年二カ月弱でございましたが、二十八年度に入りましては二年七カ月強になっておりまするし、二十九年度においては三年四カ月、三十年度は四年というふうに漸次長期化いたして参っております。従いまして資金の回転が漸次鈍化いたしておるのでありまするが、幸いに約定期限におきまするいわゆる分割償還の輸出はきわめて順調裏に回収が行われておりまするので、現在のところではそれらの資金の回転は大体予定通りに参っておるわけでございます。なお、最近の船舶輸出契約が、全世界の造船界における一種の特別の繁栄によりまして、条件が漸次改善されておりまして、船舶輸出契約も現金決済、引き渡しのときに全額を決済するというものがだんだん増加して参っておりますので、ただいま申し上げました資金の回転状況は来年度は幾分かは改善されるのではないかと期待いたしておるわけでございます。 なお御承知のように、まだ実績の方にはあがって参りませんけれども、賠償並びにこれに伴う経済協力関係におきまして輸出入銀行がある程度の分担をするということも予定されておるのでございまするから、それらが回転を始めまするならば、おそらくこれらの業務分野につきましても漸次活発な活動が期待されるであろうと考えておる次第でございます。 なお昭和二十八年度におきまして本行の法律が改正を見まして、単に輸出入の金融のみならず、海外に対する投資の金融につきましても本行がその業務を扱い得ることになって参っております。ただいま申し上げましたお手元の計表におきまして、最後の欄に投資という欄がございます。これにございます通り、実は金額はあまりまだ伸びておりません。それは一番最後の欄でございますが、今日までの累計におきまして、件数で九件、金額で九億三千三百万円、全体の融資からいたしますると〇・八%にしか当っておりませんが、しかしながら、漸次海外投資関係の相談も軌道に乗って参っておるようでありまするし、また日本の輸出市場の確保から申しますると、この種事業の進出についてはできるだけ応援をする必要も考えられるわけでございまして、今後はこの方面におきまする活動も漸次盛んになって参るのではないかと期待をしておるような次第でございます。 ただいまお手元に差し上げました計表に関しまして、きわめて概略でありまするが、一応御説明を申し上げたのでありますが、お尋ねをいただけばまたお答えをいたしたいと思います。
○委員長(田中一君) 御質疑のある方は順次御発言を願います。——では一言お伺いいたしますが、この融資先というものは輸出入銀行独自の見解で融資をするのか、あるいは国の何らかの機関からこの種別だけにやれ、またこの種別の業者のうちのこの会社にやったらどうかというような指図があっての融資かどうかお伺いしたい。
○参考人(山際正道君) ただいまお尋ねの点に関しましては、産業の種類別並びに各個の企業別に関しましても何ら政府から指示は受けておりません。企業家側の申し出に応じまして銀行独自の判断で融資を行なっております。
○委員長(田中一君) 次に伺いたいのは、創立以来クレームの問題は何件ございましたか。そうしてあったならばその解決方法はどういう機関あるいはどういう話し合いのもとにやっておるのか、事例を伺いたいと思うのです。
○参考人(山際正道君) 日本のプラント輸出という仕事は、どちらかと申しますると、戦後に始めました新らしい分野の仕事でございますので、出しました製品についていろいろとクレームが起るのではないかということは、関係する各方面とも非常に心配をいたしまして、万遺憾なきように慎重に行われておるわけでございます。むろん絶無とは申しかねるのでありまして、出しました機械あるいは船舶その他について、通常世界各地で行われておりまする程度のきわめて部分的なクレームはその事例がないではないようでございます。しかしながら、これはその製造会社が直ちに人を派遣するなり、部品の取りかえをするなり、すみやかにその機能の回復に努力をいたして参りました結果、それが相当大きな問題になり、もしくはその結果として本行融資の回収に影響を及ぼすというような問題は幸いにして今まで起っておりません。今後むろん注意をいたしまして、なるべくその種のものがありませんように、日本の製品の信用を引き上げることについて各方面に努力を続けておる次第でございます。
○委員長(田中一君) もう一点。融資先に対する資金の動き方ですね。こういうものはあなたの方にそれを監督と申しますか、そこまでの監査をする、あるいは状況を見守っているという機関はあるのですか。
○参考人(山際正道君) 法律の規定するところによりまして、銀行は融資をいたします際に、通常必ず市中銀行と協調融資ということをいたしております。それでその協調融資団のうちで、取引のある有力な市中銀行を特にその融資の幹事にお願いをいたします。これが本行のためにも、またその他の参加いたしておる融資銀行のためにも、定期的にあるいは随時債権者としての立場からの監査、監督を行なっております。むろん私の方といたしましても独自に、あるいは特定の事項について特に書向上報告を求めてそれを審査する。場合によりましては行員を派遣いたしまして、実地にその調査を行うといったような方法も併用いたしておりますので、非常に大事な点でございまするので、それらいろいろの方法を遺憾なく運用いたしまして、回収上懸念のないように努力をいたしております。
○委員長(田中一君) 融資の申し込みは第一に市中銀行に参るのですか、あるいは輸出入銀行に先に参って、そうして市中銀行との話し合いをするのか、それが一点と、それから融資の条件というものは市中銀行と輸出入銀行とはおそらく違うと思うのです。たとえば今御説明のあったように、三十年度は平均の貸付融資期間が四年になっているということをおっしゃっているので、その貸付条件、これも含めた条件というものはどういう違いを持っているかを御説明願いたい。
○参考人(山際正道君) 借り受けの申し込みは必ず市中銀行を経由して受け付けることになっております。私どもの方といたしましては、市中銀行がその書類を取り次ぎますときに、市中銀行としての本件に対する意見というものを添付いたしてもらうことになっております。ただ実際問題といたしましては、申し込み先の方は市中銀行に話しをいたしますと同時に、私どもの方に対しても説明をし、その事情についての資料を提出する等の措置をとっておりまするので、その意味においては審査は並行いたしますけれども、正式のルートといたしましては、必ず市中銀行を経由して申し込みをしてもらうことにいたしております。 それから条件の点でございますが、これはお話しの通り、市中銀行は多く長期資金を持ちません。従いまして輸出入銀行の融資割合の方が多くなって参りまするのはやむを得ざるところでございまするが、しかし債権者としての万全の注意を継続する意味から、また融資団としての一致した行動を必要とする点からいたしまして、いかにその期間が長くなりましても、少くとも一定部分は必ず市中銀行が最後まで債権者たる立場を保持するということで、まあいわば最後まで付き合ってもらっている実績になっておりますが、むろんあまり長期のものにつきましては市中銀行に長く全額について負担をさせますことも事情にそぐわぬ点がございまするので、それらのものにつきましては比較的その融資の回収の途上におきまして、市中銀行の方に償還の歩合を多くするという措置をあらかじめ相談の上で契約して実行いたしておるようなわけでございます。 なお金利の点につきましても、これはどうも資金の源が違いますために、本行の金利に比べますれば市中銀行の金利はまだまだはるかに高いのでございます。ものにもよりまするけれども、場合によりますると、本行金利の倍くらいの金利を市中銀行は要求せざるを得ない、こういう事情になるのでございますが、本行の金利の低いのと、市中銀行の金利と合わせまして、業者が実質上金利を負担する、こういう関係になります。
○委員長(田中一君) こういう問題はありませんか。市中銀行が約束された貸付期限を経てもなお回収がないという場合に、輸出入銀行等に泣きついて肩がわりをしてもらうというようなケースはあるのじゃないかと予想されるのですが、そういうことはたくさんございますか。
○参考人(山際正道君) 貸付の当初からきちんと償還について約束をいたしまして、それはもう最後まで守ってもらうということで、今日までさような要求を受けましたことは一件もございませんで経過いたしました。
○委員長(田中一君) 会計検査院に伺うのでありますが、会計検査院としては、本年度においては三億五千三百余万円を国庫に納入したということになっておりますが、もう少し、あなたの方では確実に金が入ったかどうかの問題を考えればいいのでしょうけれども、金利を……これはあなたに聞いても無理でしょう。総裁の方へ伺いますが、現在の金利よりもう少し下げてやるような方が、かえって健全でいいのじゃないかという見解をお持ちかどうか伺いたいのですが、どうすればもっといい条件で国全体がよくなるかという観点から、希望ですけれども、これを伺います。
○参考人(山際正道君) 私どもの銀行は、御承知の通りプラント輸出の振興を金融の面から促進することを本務とする銀行でございます。従いまして、なるべく安い利子を適用いたしますことが輸出の増進には役立つと考えるのでございます。しかしながら、一面におきまして国際競争の見地から申しますると、国際水準上、他国の不当競争の非難を招く程度の低金利にいたしますことも、長い眼で見ました輸出振興上はいかがかと考えます。私どもの方は低利にはいたしますけれども、常に国際水準に注意をいたしまして、それ以下に下げることは考えておりません。しかしお話のように金利負担を低下することが輸出振興上非常に役に立ちますことは申し上げるまでもないことでございまして、私どもといたしましては、この協調銀行である市中銀行の金利が漸次これも低下しつつあるのでございますけれども、今後なお一そう低下することによりまして、わが国の輸出業者の金利負担が軽くなり、自然競争上優位な立場に立つ、こういう事態に持っていってもらいたいものと希望いたしております。
○委員長(田中一君) 最後に一つはなはだ御迷惑でございましょうけれども、資料を出していただきたいのですが、二十九年度、三十年度におきまして、あるいは二十八年度を含んでもかまいませんが、合計した金額が一番大きい分から二十位ぐらいまでの商社の名前と、それから融資の金額、それから取扱いの商品名、こういうものを書き込んだ資料をお出し願いたいと思うのですが、いかがですか。
○参考人(山際正道君) きわめて簡単にできることでございますから、用意いたしまして御連絡するようにいたします。
○委員長(田中一君) ほかに御質疑の方はありませんか。
○梶原茂嘉君 簡単に伺いたいのですが、融資の回転率は毎年長くなってきているというお話ですけれども、その原因は主としてどこにあるのでしょうか。
○参考人(山際正道君) ただいまお尋ねの点は、国際輸出競争が非常に激しくなりつつございますので、そのためにもおのおの長期延べ払いの条件で物を売るということがだんだん強まってくる。で、初めは三年の年賦で売れたものが、次のともには四年でないと向うが買わないというようなことになれば、だんだん延びて参ります結果、輸出条件がだんだん悪くなりまして、自然に資金の回転が延びる、こういう状況になります。
○梶原茂嘉君 市中銀行との協調融資ですけれども、海外投資の場合もやはり協調融資になっておるのですか。
○参考人(山際正道君) 投資資金の場合におきましては、ただいまやっておりますのは、たとえば海外で合弁会社を作りますような場合に、日本側が払込金が必要になってくるわけです。その出資金の七割までを私どもの方で単独に融通いたしまして、あとの三割相当の部分は自己資金で充当するなり、あるいは市中銀行等から融資を受けるなりということで、限度としては七割でとめておる。その他の部分は自然市中銀行その他の負担になっているかと思います。
○梶原茂嘉君 海外投資が、全体の融資額から見るというときわめて現在少いわけですけれども、金融の性質から見て、三割程度でも市中銀行に負担さすということが、海外投資の伸びるのに対してチェックをしておるというようなことはないでしょうか。
○参考人(山際正道君) むろん全額なり、それに近い額を輸出入銀行が負担いたしますれば、企業進出が容易であることは明らかであると考えるのであります。しかしながら一面、企業のリスクを背負いながら進出をするという場合において、財政資金を使う本行がその程度まで踏みこむことがいいか悪いかということを実は懸念いたすのでございまして、彼此勘案いたしました結果、七割程度は輸出入銀行が財政資金によって援助しても、あとの三割程度は自分自身でその金融を調達する。またそのくらいの熱意、努力、力のある者に企業進出をしてもらおう、そうすれば自然企業進出も成功するだろうという見地からそこにとどめておるわけでございまして、この点は非常にむずかしい点でございますけれども、やはりおのずからその限度を守るべきじゃないかと考えております。
○梶原茂嘉君 いま一点お伺いしたいのですけれども、最近南米方面に対する企業移民の動きが非常に盛んであることは御承知の通りであります。先般海外移住についての会社もできたのです。企業移民の関係における海外投資、これについて銀行の方では特別お考えなり御計画があるのかどうか、お伺いしてみたいと思います。
○参考人(山際正道君) 企業移民の分につきましては、過般できました移住振興の会社の方の法律上の規定にもございます通り、企業移民を送ります場合において、輸出入銀行が取り扱い得るものについては輸出入銀行が行う。振興会社の方はそれ以外の分について活動するという明文が掲げてございます。私どもの方しいたしましては、日本に存在する輸出入銀行が十分その監督もでき、またその法律上の規定にぴったり合うような種類のものについては、むろんできるだけお手伝いをするつもりでおります。 ただどういう姿で今後の企業移民が具体的に計画されまするか、その態様によりまして、あるいは私の方で受け持つ場合もございましょうし、その他移民振興会社の方でお取り扱いになる部分も出て参ろうかと思います。それは今後の具体的な計画によりまして判断をいたしたいと考えております。
○島村軍次君 会計検査院に伺いますが、輸出入銀行の調査に関する報告が出ておりますが、会計検査院として輸出入銀行に対して、三十年度においてはどれだけの人員でそうして何日間、しかもどういう方面についての会計検査をされましたか、それを簡単に一つ。
○説明員(上村照昌君) 二十九年度の検出に関しましては、書類が一部銀行から出て参りますので、それを調査しますことと、実地に行きましたのは一回だけで、実は三日か四日、三人か四人編成ぐらいしか行っておりません。それで非常に苦労したということでございまして、見ました方面は貸付が適当であるかどうか、あるいは経費の使途がどうであるかということについて全般について見ておるわけでありますが、実は何分にも日数等が少なかったというようなこともございますので、少しはその点も考慮して今後見ていきたい、かように考えております。
○参考人(山際正道君) ただいま人員構成の点に触れてのお尋ねがございましたので、御参考までにその点も申し上げておきたいと思います。 現在私どもの方は何と申しまするか、少数精鋭主義と申しまするか、極度に少い、そのかわりすぐれた人たちによって運用いたしたいという根本方針にいたしておりますので、現在の定員は、全員すべて合わせまして百二十二名で運用をいたしております。 それから先ほどちょっと申し上げました融資先に関する計表の資料の提出でございますが、実は御承知のように具体的の計表は一応営業関係の機密事項ということになっておりますので、むろん私どもは何でもなく用意できることでございますから、差し出したいと思いますけれども、どうか委員長のお計らいで、何と申しますか、取扱い上の御注意と申しますか、さような営業関係があるということを一つお含みを願いましてお取扱いを願いたいと考えます。
○委員長(田中一君) 承知いたしました。 ほかに御質疑はございませんか。ーーなければ日本輸出入銀行のは質疑を一応終了したものと認めまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中一君) 御異議ないものと認めます。さよう決定いたします。 以上をもって本日の議事は終了いたしました。 では、これをもって散会いたします。 午後四時三十二分散会