議院運営委員会 第53号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/05/21
会議録
○委員長(石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を開会いたします。 まず、本委員会の委員に異動がありましたので、御報告いたします。
○参事(宮坂完孝君) 本日付をもちまして田畑金光君、永岡光治君が辞任せられまして、その補欠として戸叶武君、久保等君がそれぞれ選任せられました。
○委員長(石原幹市郎君) 次に、緊急質問に関する件を議題に供します。
○事務総長(芥川治君) 日本社会党の佐多忠隆君から、日ソ漁業協定に関する緊急質問の御要求が出ております。所要時間は十五分、要求大臣は総理大臣と外務大臣であります。本日の本会議を希望しております。
○委員長(石原幹市郎君) 本緊急質問を行うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないものと認め、さよう決します。
○委員長(石原幹市郎君) 次に、土地調整委員会委員長及び同委員会委員任命につき本院の同意を求めるの件を議題に供します。前回保留となりましたが、本件の取扱いについて……。
○天田勝正君 とにかく私の質問に対して答弁が残っておるはずであります。なかんずく、同委員が五名になっておりますが、長い間三名をもって今日まで仕事が支障なくなされて云々という事柄については、どうも論理一貫いたしません。これに対して寺本委員からいろいろ言明がありましたが、それは寺本委員の私見であって、政府側の意見はいかがであるか、これらのことについて御答弁願いたいと思います。
○政府委員(田中榮一君) 前回の議運におきまして、私から、土地調整委員会としては適法に行われておる、言葉の使い方があるいは不適当であったかもしれませんが、支障なく行われておると申し上げましたのは、土地調整委員会としては適法に行われておるということを申し上げたのであります。ただ前回も申し上げましたごとく、委員長は当然これは法によって設置しなければならないことになっておりまして、委員長不在のために、やむを得ず他の委員が委員長代理として委員会の事務を処理いたしておりますが、現実の問題といたしまして、この土地調整委員会の職務の内容としまして、いろいろ国民の権利義務に関する事項が非常に多いのでありまして、特にそのためには、どうしても土地調整委員会として現地に出張いたしまして、現地の事実調査を十分にいたしまして、それを根拠として審議を進めるという場合が相当多いのでございまして、現実の問題としましては、調整委員が現地に出張いたしますと、委員会が開催されないというふうな事情もございますので、現在としましては、現地の実地調査は全部保留をされておるという状況でございまして、そういう意味におきましては非常に支障をきたしておるのでございまして、やはり五人制の委員会でございますので、一日も早く五人制にいたしまして、委員会の運営を常道に復させていただきたい、かように切に希望いたしておる次第でございます。
○委員長(石原幹市郎君) 質疑もないようでありまするから、それでは政府要求の通り、大池真君及び青沼亜喜三君をそれぞれ土地調整委員会の委員長及び委員に任命することにつき同意を与えることに賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石原幹市郎君) 多数と認めます。よって本件は同意を与うべきものと決しました。
○委員長(石原幹市郎君) 次に、中央更生保護審査会委員任命につき本院の同意を求めるの件を議題に供します。法務政務次官から御説明を願います。
○政府委員(松原一彦君) 中央更生保護審査会委員土田豊君は、本年一月二十四日退職いたしましたので、その後任として木内良胤君を、また、本月二十四日任期満了となります同審査会委員金沢次郎君の後任として久保田万太郎君をそれぞれ同審査会委員に任命いたしたく、犯罪者予防更生法第五条の規定により、両議院の同意を求めるため、本件を提出いたしました。お手元の履歴書で御承知の通り、木内君は大学卒業後、外務省に入り、領事官補、外交官補、大公使館書記官及び大使館参事官として、広東、伊国、仏国、スイス国及びトルコ国等に在勤し、その間、国際会議帝国事務局事務官の職にもありましたが、昭和二十一一年四月退官し、その後、同二十六年四月、財団法人日本文化放送協会常務理事となり、文化活動に従事いたしましたが、同二十九年十二月、その職を退き現在に至っているものであります。久保田君は、慶応義塾大学部文科を卒業後、数年間同義塾の嘱託をしており、現に同義塾評議員の職にありますが、特に昭和二年七月以来、多年日本放送協会の業務に従事し、また、東宝株式会社演劇部顧問等をいたし、かたがた文芸を通じて、社会に貢献した功績により、昭和二十二年、日本芸術院会員に推され、その後、文化財専門審議会専門委員及び日本ユネスコ国内委員会委員を命ぜられて現在に至っているものであります。 両君の経歴は以上の通りでありますが、ともに戦犯関係並びに刑余者保護の問題等に深き理解と熱意を有するので、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の実施について法務大臣に申し出をなし、並びに地方更生保護委員会がした決定につき審査、決定をする等の事務を行う同審査会委員として、きわめて適任であると存じます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに同意されるようお願いします。
○天田勝正君 この種の委員任命の同意について、恒例で会派へ持ち帰っておりますけれども、二、三質疑をこの際いたしたいと思います。 この中央更生審査会委員会も五名によって構成されておりますけれども、今御説明にもありましたように、土田委員はすでに本年一月二十四日に退職せられておる、今日まで空席であったわけです。また、過去においては横溝委員が、これは現委員ではありますけれども、昨年の七月三十一日に任期満了になって、それから後六カ月もたった十二月十六日に再任せられておる。こういうようなことでございまして、一人、二人の欠員は何らおかまいなしに放置されて、しかも一向差しつかえなく運営されたということは、私どもは了解に苦しむわけです。このことは、きょう決定されました土地調整委員会の委員についてもはっきりしたところでありますが、一体これらの事情、しかも放置されておって何ら中央更生保護審査会が、支障なく運営されておられる状況にあるのか、もし半年も放置しておっても差しつかえないとするならば、むしろ常任の必要がないとさえ結論ずけられると思うのでありますが、この辺のところはいかがでございましょうか。
○政府委員(松原一彦君) 実は怠慢のそしりを免れません。率直にそう思います。ただしかし、非常な激務でもございませんので、今日まで適任者を得るまでは若干のひまがかかっております。御承知の通りに、この後任には、かねて天田委員からの御意見もたびたび承わっております。民間から適当な人を得るようにということでございましたので、実はその選択に相当ひまがいったということも一つの事情でございます。民間から実情に通じ、社会の動きの上に立って更生の面をよく見てくれる人を得たい、良識の高い文化人がほしい、これはかねての御希望で、国会での御希望でもございますので、その人選には相当時間がかかったということをどうぞ御承知願っておきたい。今後怠らず補充するようにいたしたいと思います。
○藤田進君 松原政務次官にお伺いいたしますが、詳しい点については一応資料を検討さしていただきますが、とりあえず、この木内さんの場合を見ますと、現職は何もないような感じを履歴書から受けておるわけでありまして、現職はどういうものか、それから他の政府行政関係委員にどういうものにおなりになっているか、この二点。それから久保田万太郎君については、現職はここに特に羅列してありますが、これは主として芸術院の会員ということでありますが、このほかに、そういういわば会なり、委員会の委員だけでありますが、これだけなのかどうか、その三点をお伺いします。
○政府委員(松原一彦君) 木内氏は今日は何も職業を持っておられません。それから政府の方の委員をも持っていないのでございます。また、久保田万太郎氏は、御承知のような作家でございます。創作、文学上の作家として知名の人でございまして、私的には何があるか知りませんが、公的には私どもはこれ以外には存じていないのでございます。
○阿具根登君 一つだけお聞きしますが、久保田万太郎君については何ですが、金沢次郎君は本月の二十四日に任期満了になるようになっておりますが、この出席表には金沢次郎君のことがついておらない。私が承わるところによりますと、あまり出席がよくなかったと聞いておりますが、これを落しておられる理由、やはり後任者を得る場合には、いつもこの人以外にはないということで政府は持ってこられるので、どうしてこの金沢次郎が書いてなかったのか、ちょっと気づきましたので質問申し上げます。
○政府委員(松原一彦君) ちょっと政府委員の方から。
○政府委員(福原忠男君) 金沢委員につきましては、病気その他の御理由で、出席率があまりよろしくなかったように思いますが、実は私その点調査して参りませんでしたので、はなはだ恐縮でございます。さっそく調査いたします。
○阿具根登君 われわれはこういうものを、資料を請求して見せてもらう場合に、いつも悪いところは隠したやつが出てくるわけなんです。私が指摘いたしましたように、出席もあまりよくない人のやつは書いてない。私は故意に書かれなかつたとは思いませんが、やはりこういう人選をする場合には、悪いのは悪い、いいのはいい、率直な資料がほしいと思いますが、この次までに出していただきたいと思います。
○天田勝正君 それでは中央更生保護審査会委員の承認につきましては、恒例もございますので、一応会派に持ち帰りまして、検討しまして、次回以降に決定願いたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 天田君の発言通り、一たん会派にお持ち帰り願った上、次回以降に決定することに御異議がございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。
○委員長(石原幹市郎君) 次に、請願受理締切り期日に関する件を問題に供します。
○参事(河野義克君) 請願書の受理締め切りにつきましては、過日御決定をいただいたわけでありますが、その後十七日間会期延長に伴いまして、自動的に受理期間を延長しておったわけであります。この延長国会の会期も切迫して参りましたので、再びこの点についてお諮り願いたいと思いますが、前回の御決定の趣旨により、会期終了八日前の今月二十六日土曜日をもちまして、請願受理を締め切りたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
○藤田進君 これについて過日審議いたしました際に、十日説、八日説いろいろありましたが、あの際全会一致をもって八日前に、こういうことにいたしましたが、私どもとしては、あれを一つのいわばテストとして、必要があれば、さらに検討するにやぶさかではなかったわけでありますけれども、今回実施いたしまして、八日前に締め切って大きな支障がなかったのかどうか確かめておきたいと思います。事務的な処理について、大きな支障があったか、ないか。
○参事(河野義克君) 締め切りを八日前にいたしました点につきまして、請願が出て参りまして、文書表を作成し、これを印刷し、委員会に付託するという私どもの事務的な処理の上においては、あのとき申し上げましたように、十分間に合っています。ただ十日前に締め切り配付するに比すれば、委員会に付託する日が残り少なくなっておりますので、委員会の方の審議においてはやや窮屈な点があったかと思いますが、その点につきましても、委員会の方から、ああいうことであっては困るというような御意見等は、今のところ承わっておりません。
○藤田進君 委員会にどれくらいありますか。八日前に締め切りますね、それから事務的に今の請願文書表を作り、そうして委員会に回ったのが、ちょうど会期末当日だという極端なことはなかろうと思いますけれども、およそどれくらいで回るか。
○参事(河野義克君) 前回の締め切りは、その後最終日に至る前に会期が大幅に延長になりましたので、どういうふうにどうということについては、ちょっと申し上げにくいわけでございますが、今回六月三日を会期最終日といたします場合におきまして、八日前に締め切った場合については、三十日に委員会に付託したいと、かように存じているわけであります。
○藤田進君 異議ありません。
○委員長(石原幹市郎君) ただいま説明の通り決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。
○委員長(石原幹市郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) 速記をつけて。 次に、公聴会開会承認要求に関する件を議題に供します。
○参事(宮坂完孝君) 地方行政委員長松岡平市君から、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、公聴会開会承認要求書が提出されております。 公聴会の問題は、公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付案)(閣法第一三九号)について。 公聴会の月日は、昭和三十一年五月二十八日であります。以上。
○藤田進君 委員部長にただしますが、今の点は、地方行政委員会で非常にもんだ結果、今日まできている事情は皆様御承知の通りですが、地方行政 委員会においては、円滑に、かつ、全会円満にこれが決定されているのかどうか。 それから委員部長答えられなければ、松岡委員長に伺わなければならぬが、まず、委員部長が答えられるとするならば答えていただきたいのは、二十八日ということになれば、本日は二十一日、その後新聞広告その他ずっと日程というものがあるだろうと思う。それはどういう状況になって二十八日というものがきまったのか。
○参事(宮坂完孝君) 第一問の点につきましては、おっしゃる通り、全会一致、円満に御決定願って提出してきたのであります。 それから第二の点につきましては、われわれ事務的な点につきましては、約六日間か、七日間あれば、完全に今まで処理して参ったわけでありますから、明日の朝刊に出ますれば、万全を期せられると信じます。事務的には大丈夫と考えます。
○藤田進君 明日の朝刊に掲載し得るということになれば、本日申し込んでもなかなか問題だと思うが、委員部においては、さすがにちゃんと事前に手回しをして、一応二十八日にしてあったのですか。
○参事(宮坂完孝君) 公聴会の点につきましては、せっぱ詰まって御承認を願う機会が非常に多いのでありますから、広告業者と常に緊密な連絡をとっておりまして、無理を願うことがかなりきいている実例があります。
○藤田進君 いや、今回の場合は、僕の考えでは、明朝の朝刊に載るということは、よほど困難じゃないかと思うのだが、今まだきまっていないのですけれども、きまろうとしているわけですから、どうなの、自信があるのか、ないのか。
○参事(宮坂完孝君) ただいまの時刻でございますと、責任をもちまして明朝掲載いたします。
○藤田進君 その責任の裏づけとしては、多少その新聞広告社等については、当ってみて、それは何とかしようということになっておりますか、どうですか。
○参事(宮坂完孝君) その点については、前からそういうことは言っておりませんが、今までの経験に照らして大丈夫かと信じます。
○藤田進君 大丈夫かと思うと言うけれども、これは二十八日というせっぱ詰っているわけだが、どうなんです。
○参事(宮坂完孝君) 御信用願いたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 本要求を承認することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決します。
○藤田進君 本日、議長は登院せられておりますか。
○事務総長(芥川治君) 登院しておられます。
○藤田進君 これはどうですか、通常議運には、本会議が特にあるのだし、出られるわけですね。何かあったのですか。
○事務総長(芥川治君) 議長はちょっと御用事がございまして、この席は副議長が出ておられますが、議長はいつでも見えられます。
○藤田進君 議長、副議長が出席の上で議運は開かれておりますので、一つ自後、そういうふうにしていただくように、たまたまおいでなんだから直接お願いをし、かつは議運委員長においてもその手配をされたいと思います。 そこで、昨日議運理事会で若干の点についてはただし、そしてその事態をある程度つかんでおりますが、しかし、いまだ不十分でありまするので、この際ただしたいことがあります。 それは、昭和三十一年五月二十日、参議院議長松野鶴平、宛ては衆議院議長益谷秀次、申し入れという文書によって、衆議院議員が傍聴陳情に名をかって参議院に来て云々、衆議院議長においては、これらの衆議院議員の反省を促されたいという意味の他院に対する申し入れが議長によってなされております。この文書はいかなる性格のものか、国会法、国会規則に照らして、第何条にこれは相当するものになるのか、この点、議長にお伺いいたしたいと思います。
○議長(松野鶴平君) お答えいたします。 これは国会法の何条というようなことを、私は当るか当らぬか、それさえ研究する必要はないと考えております。それからその文書をやったのは、全くこれは個人松野鶴平にあらず、参議院議長松野鶴平としてやったのです。ただし参議院の機関のいずれにもこれは諮りません。私かやった趣意は、すなわちその文書に書いてある通り、また世間も周知の通り、十七日からああいう混乱を来たしており、これは参議院の秩序を保つゆえんにあらず、どうしたら参議院の秩序を保ち得るか、こういうことは、参議院議長の私としては当然このことには重大な関心を持たなければなりません。その後、ああいうように衆議院議員の諸君が多数来たことによって混乱しておる。参議院議員の人が秩序を乱しておるとは私は絶対にそれは認めなかった。そこで他院の人が来てああいう状態を続けておることに対して、参議院議長としては、当然私はその院の秩序を保つ方法として、その院の議長に、お前の方の議員の諸君が来てやっておる以上は、お前が何かこれに対して方法をとって、その秩序を保つようにしてくれないか、こういうことの申し入れをすることは、私はこれは当然過ぎるほど当然だと考えたのであります。 そこで、あるいは議運の委員会を開いて、議運でその相談をすることも、あるいは一つの方法かもわからなかったけれども、私の考えるところでは、議題の委員会を開いても、衆議院に対して私の申し入れしたようなことに対して、必ずしも一致しないと、私はこう見たのであります。 そこで、これは議長として参議院の秩序を保つためには、私単独で衆議院議長に申し入れることは、これはきわめて当然なことであろう。ただその場合に考えたのは、参議院議長として申し入れた場合に、衆議院議長がいかなる態度をこれに対してとるか、その場合に参議院議長の威信、これが果して保たれるかいなやということについては、少からず私はちゅうちょした。私のちゅうちょするのは、参議院議員として外部に行動した場合に、参議院の面目を傷つけるがごとき結果を生むことのみを、これはおそれなければならぬと私は考えた。それだから、参議院議長としての面目はすなわち参議院の面目だから、参議院議長としてとった場合に、その参議院の面目を傷つける、こういうおそれのあることに対して十二分の注意を払わなければならぬ、また責任も考えなければならぬ。しかしあの場合は、いずれにしても他の一院の議員があれだけ連続的にやっている以上は、これはどうしてもその院の議長に、私どもの立場も考え、そしてあなたは衆議院議長として、何か衆議院議員の諸君がそういうことをしないように、できるならば一つしてもらいたい。私はほんとうの私の真情を、いわゆる参議院議長として自分の面目、参議院の議長の面目を傷つけないようにして、このことが順調におさまるならばけっこうだ、こういう真心からやったのであります。 そこでこのことは、いずれにしても、一院といえども同じ国会議員という仲間のことであり、そして国会議員の資格において傍聴もできる、こういうことだから、できればなるべくそのことに対しても行動を起したくない、こう考えて、もう十八日から考えたけれども、これはどうしてもやらざるを得ない、またやることが効果的だろう、また、議長は何もせずにあの場合に手をこまねいておるべきものでもない。そこで、参議院の諸君がやっておることならば、これは各会派の領袖にお集まりを願う場合もあれば、議院運営委員会を開いて、議院のいわゆる秩序、こういう問題で話し合いがつくけれども、事衆議院議員の行動によって院の秩序が乱れているという以上は、これは必ずしも申し上げたように運営委員会を開いてやっても、それから各派の領袖にお集まりを願っても、なかなかこれに対しては、よろしいというような結論を出されることはきわめて困難だろうと、こう考えたわけです。 そういう意味において、私はすなわちこの議運にも諮らない、それから正武の文書じゃないけれども、これはやはり私の責任においてやった、そして副議長をして、一つ私のかわりに衆議院議長に会って、口頭で申し入れてもよろしいけれども、口上が行き違いをしてはいかぬから一つ書きをして、そしてこれを一つ衆議院議長に手渡してもよろしければ、口頭で話してもよろしい、こういう計らいをした次第であります。
○藤田進君 いや、私のたたしております点は、議題に諮ったとか、そういうところまで参っていないので、法規上どの条章に従っておやりになったかという質問をいたしましたところ、そういう法規に沿う必要はない、自分のいわば真心でやったということでありますが、議長の地位は、公法上のこれは地位だと私は思うのでありますが、議長はどのようにお考えでありましょうか。
○議長(松野鶴平君) それは公法上の地位でありますけれども、また院の代表者でありますから、院の秩序を保持することに対しては、これはいかなる場合も、できるだけのことを私単独でやることも、これは当然だと思います。私のやったことがかりに悪いと、こういう場合は、そのときは自分の責任はそれは当然とる、しかし一々そういうことを考えて、自分がああいう場合に、ただ何も施すことがないということ、そのものが私はまことによろしくないと考えます。ただし、その行動をとる上においても、まず私が衆議院の議長にそういうことを申し出たことは、私は参議院の諸君に、参議院に少しも迷惑をかけることにあらずと、こう確信しております。
○藤田進君 いや、私がお尋ねしているのは、その公法上の地位をお認めになる以上、議長という公法上の職権を行使する場合は、常に法規に照して、その例にのっていなければならぬと思うのです。私行上の問題はこれは別であります。ここにお尋ねいたしております点は、参議院議長対衆議院議長という、いわば院の代表者がそれぞれ干渉し合う問題であります。こうである以上、これはやはり憲法なり、国会法なり、参議院規則に照らして相談していかなければならぬ。それが要するに議長なり、副議長なり、一般議員なり、事務局なりのすべての点をここに規定をいたしておるわけであります。この線に沿うことについてお認めになるかどうか、まずお伺いいたしたい。
○議長(松野鶴平君) それは議長としては、そういうことに対しては十分に沿うことは当然であると思います。
○藤田進君 そこで今回のこの御処置は、国会法、参議院規則に照らして、どの条章に該当するのか、この点をお伺いいたします。
○議長(松野鶴平君) 私は、先刻から申し上げたように、これは国会法のどこに、どれによるからこれをやる、こういうのじゃない。ああいう情勢の、これは想像せない事態であります。想像せない事態が起きた場合に、私は決して……議員は、ああいう場合に他の院に行って、ああいう行動をして、他の一院のいわゆる議事の運営に支障を来たすがごとき行動はせないものなりとして、現行の各院の法律、規則はできておる。ところがそういうものが書いてないからというて、ああいう事態が起きたのを、議長が手をこまねいてみておらなければ、どの条項によってお前やったかというと、どの条項によらなくても私は差しつかえない。それはそういう非常な場合、しかも自分の院の議員の諸君の行動に対してならば、議長は十二分に、各派なり、議院運営委員会にはかって、そうしていやしくも議員の行動が、議員の諸君の面目に関することについては、これは十二分に注意しなければならぬ。けれども、他の院の人が来て、事実ああいうことで議事の運営ができないということを見た場合、議長が衆議院議長に対してその申し入れをすることは、私は当然過ぎるほど当然だと考えておる。しかし、できる限りその申し入れを差しひかえるというゆえんのものは、やはり両院という関係において、できればそのことが解消して、私の申し入れの必要がない、こういうことの起ることのみを実は念願して、ずっと待ったわけであります。 それからまたこの機会に、藤田君のお問い以外だけれども、私の心情を申し上げます。その間において、十八日の晩のごときは、ラジオから、この議場の現状に対して議長はどう考える、それを聞きたいと言って、機械を持ち込んでこられた。ところが私は、通信、新聞諸君は、そういうときには、いわゆるそういう行動をなさることもこれは自然なことだ。しかし私が考えたときに、あの状態をどうみるかと言われたときに、あの状態はよろしいとは言えない。悪いと言ったときには、これはいろいろな意味において影響しますから、やはりこれは院内に起っておることだから、議長はできる限り……、せっかくのお話だけれども、これはきょうはごめんこうむるといって、たびたびお断りした結果、了解して引き上げられた。私の心情は、いやしくとも起きた事件に対して、議長としてはできる限り関与せずに、そして皆さんの気持を、議長と対立にならないように、ならないようにということが議長としての私の気持です。しかし今度やったことは、私ははっきりやりました。
○藤田進君 結局あれですか、議長の公法上の職権を行う場合に、国会法あるいは参議院規則等に沿って公人は動くということについてお認めになったのだが、しかしあの場合は非常事態だから自分の考えでやった。その非常事態としての認識に立たれたのかどうか。
○議長(松野鶴平君) それは非常事態にも程度があるのです。非常という、言葉のみではっきりすることはやはり何ですか、非常ということは平常にあらず、非常には程度があります。平常ではないことは、これはすべて世間も認めておることであります。議長がこのことに対して、いわゆる議長の行動が紛糾に油をさすがごとき行動は絶対に議長としては控える。これがおさまることに対しては、これは当然過ぎるほど私は議長として尽すべきものだと、こう考えておる。
○寺本廣作君 先ほどから、議長の衆議院に対する申し入れが国会法、参議院規則等何らかの法規上の根拠があるかどうか、法規上の根拠がないのに議長が公人として行動されたのはどうか、こういう点に法律問題として主として質疑が行われておるようでありますが、私どももこの点は研究して行きたいと思いますので、事務当局にその先例、その他を伺いたい。と申しますのは、議長は、日常私どもの見るところでは、国会法にも産議院規則にもないことで、外部に向って公人として祝辞を述べたり、来訪者を接待したり、それから政党間のあっせんをしたり、この会議の運営についていろいろあっせんしたりしておられるようでありますが、もしその国会法ないし参議院規則等に根拠のないことで、議長が公人として動かれた先例なり、何なりあったらお知らせ下さい。
○参事(河野義克君) 今の寺本さんのお尋ねでありますが、寺本さんが例にあげられましたように、議長が外部の大会、その他に祝辞を述べたり、その他いろいろ賓客を接待されたり、そういうことを、参議院を代表して参議院議長の立場においてなさることは皆様よく御承知の通りであります。また衆議院議長等に対しましても、会期が切迫しているときに、法案が衆議院に渋滞して、参議院になかなか送付してこないことは議院の運営上はなはだ困るというようなことで申し入れをされたことも、皆様の御記憶に残っておることだと思います。今、議長が藤田さんのお尋ねに対しまして、法規上どの条項に基いたということではないというふうにお答えになっておりますが、あの場合に衆議院議長に申し入れされた行為自体が、国会法や参議院規則のどの条規によっているのじゃないということを言われているので、一般的には議長が参議院の秩序を保持する権限、参議院を代表する権限が国会法の十九条にございますので、そういう法規に基いて議長の権限なり、かつ議長の責任において処理せられる事柄があるわけでありますから、それに基いて外部に対しては、国会法や規則のどの条文にあるということでありませんが、議長として行動せられた、こういうことになろうかと思います。
○藤田進君 今、事務当局の答弁にもあるように、一応議長が行動される以上、それぞれの規定、法規に照して、これに矛盾しないことが必要なのであるが、今回の議長の措置は、議長の答弁からして、そういうものとは一応別個に、非常なる……非常な程度はあろうけれども、というセンスに立たされた行動だということがわかりました。 そこでこの申入書を見ますると、これは写しでありますから、原本がどのようになっているか知りませんが、通常行われる院の文書というものは、事務総長が副署し、それぞれの手続をなされておると思うわけでありますが、今回の申入書はその関連においてどういう立場になっているのか、この書類の性格をお尋ねしたい。そしてこの申入書については、どの範囲に御相談になったのか、ならないのか。たとえば事務総長、議院運営委員会の委員長あるいは副議長、この院の役員についてどのような連関をお持ちになったのか、ならないのか確かめたいのです。
○議長(松野鶴平君) それは私は、何も事務総長という意味において相談もしなければ、議院運営委員長にも相談しません。ただ文書を私が一、二書くときに、むだなことや何かを書かないように、私の口で言うことを、事務総長にその文字を手伝ってもらったわけであります。それから副議長に対しては、僕はこういう申し入れをしたいからということを見せまして、そうして副議長に、いって一つ、衆議院議長に口頭でもよろしい、しかしこの意味が間違わぬように、これを置いてきてもよろしい、口頭でもよろしい、まあこういう気持で申し入れた、こういうことであります。
○藤田進君 そこで十七、十八日両日にわたりということで、五月二十日、前日の十九日は何もなかった。いわば事態は過去の問題になっているように見えますし、実態においても十八日、十九日、昨日の二十日と、さして問題は実はなかった、現実における状況は、委員会室における状況は……。ところが十九日だけが抜けて二十日の日に申し入れになった。二十日の午前九時ごろでしょう。寺尾参議院副議長が釜谷衆議院議長の自宅を訪れ、これを手交したというふうに私は聞いておるわけでありますが、この間の事情を、なぜ十九日、二十日と、二十日午前九時でありましたならば、もちろんまだ委員会等も開かれておりませんが、十九日はすでに話し合いがつき、いよいよ軌道に乗るやにみえたところ、自由民主党の内部事情において、自治法は二十六日に質疑を終り、三十一日に選挙法は委員会をあげ、一日に本会議にかけるという自由民主党の全権をゆだねられた松岡平市地方行政委員長が提案をわが社会党にせられ、これを社会党は受諾するにおいて問題を解決しようとしたところ、自由民主党の党内事情によって、ついに十九日はまとまるに至らなかった。これは事実が違えば違う点をどなたからでもいいですから指摘していただきたい。これは公開の席上、議事録をとっておりますから、間違いがあれば指摘していただきたい。こういう経過に至るのには、われわれは直接関係いたしておりますから認識を持っております。それなのに二十日の日に、ことさらにこういうことをおやりにならなければならないということですね、事実認識と行動とに食い違いがあるのじゃないだろうか。想像すれば、政治的に、元来、今度のああいう問題は、来たるべき参議院議員選挙を控えて、与党の大きな選挙宣伝、社会党の暴力を浮き彫りにしたいということで伝えられていた。ところが参議院議員は暴力を一つもふるわないので、今度は、これに議長の名において裏づけをしたということが伝えられているわけなんです。議長の真意はそうではなかったとおっしゃるが、客観的にそう判断される面があるので……。十七、十八日と、こうなっていて、十九日に何もないところに二十日が入っている。この間の経過について一つ御答弁願いたい。
○議長(松野鶴平君) 私は平素の藤田君に似合わないほど、議長の行動を悪く悪くみて、そうして私の行動を全くじゅうりんして、お互いに議員としてばかりではなく、ほんとうに顔を合わして親しくしておる者としては、そういうことを私によく言えるものだと思う。 そこで申します。全く私はそういうことでも、衆議院議員に対しても、やはり衆議院の面目というものは、同じ国会議員だ、それだから衆議院議員に対して申し込むそのことさえ、衆議院議員の諸君がいかに失礼だという気持を持つかということに対して非由にちゅうちょしました。そこで私はこれを申し入れるということは、ほとんど常識的に考えても、私が十八日の朝登院したところが、報道機関の人は衆議院にもう議長は申し入れましたかということさえ私に問うた人が幾人もあるのです。(「そんなことは」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○委員長(石原幹市郎君) 静粛に願います。
○議長(松野鶴平君) いや、それは実際なのです。それは僕は僕の言うことを言います。はっきり責任のもとに諸君と話をします。それで私はもう困った。衆議院に対しても、こういうことを言って、やはりこれは衆議院の面目に関する。それからまた益谷衆議院議長は、そんなことを言ったって、参議院にきて議員としてやっておることは、いかんとも仕方がないと言われた場合にはこれも困る。それでどういうふうにしてこの問題を片づけるかといったら、とにかく議員の常識においてしばらく待てば、これは自然に解決するだろう、私はこう考えて、そしてただ待つのみをしておったわけです。実際が……。(笑声) それから、そこで十七日、十八日ということで、十八日の日に、一応これはどうしても仕方がないならば、これは衆議院議長に申し入れるかと思って実は書いたのです。それでもまだ出さなかった。それから十九日もまた待った。そこで日付は十九日の朝出すことにして、副議長にこのままやってもいいけれども、君の行くのは二十日になるから、十九日の横に二十日ということを書いて渡そう、私は二十日と別に書かないで、十九日の書類を二十日に渡すから、二十日という字を入れて渡そうということを相談して渡した。このことは、私はまだどこにどういう悪い影響がきたかしらないけれども、私はただ参議院の秩序が早く元に戻るように、しかも参議院の議員の諸君によって秩序は乱されていないから、衆議院という意味だから、それでどの党派の衆議院議員というのじゃない。全く衆議院から来てあの秩序が乱れていたということは、これは事実のことであります。まあそういうことをお伝えしておきますから……。
○藤田進君 今、議長が言われた通り、まさに日ごろの藤田は、議長の立場はまことに善意であると実は信じ込んでいたのですが、意外にも今度これなので、実は議長も観察されるように私も失望しつつある。この失望をできれば回復したいと思っているわけで、決して議長には従来とやかくは申し上げておりません。今回のこの件に関しては、ただいまの御答弁にもあるように、十七日、十八日、十九日がとんで、二十日の午前九時に申し入れた。これは十七日、十八日の事態に徴して、十九日に申し入れしようと思って原稿を作っておいたけれども、最後の昭和三十一年五月十九日というところを五月二十日と横にお書きになったということで、これは二十日になったのでこうなったという説明があったと思います。十九日だったのが横へ二十日とお書きになったでしょう。横へ二十日と書いた一それは十八日現在の事態に対して問題を処理しようとしたものが、今度日にちだけ二十日にしてお出しになっておるわけです。その二十日の午前九時は委員会自体も何もないときだ。衆議院議員が押しかけてきて、実際これが困るという認識をされてこれを処理しようとされたならば、そうだとするならば、その時点において手を打たれるということになれば、これは実態と行動が伴うわけだが、二十日午前九時といえばだれもいない。そして二十日、昨日はこういう事態があるかどうかということはだれも予想したことはない。現実にそういう事態はなかった。日曜日であるけれども、多少テレビやラジオを聞いていた人はあるけれども、委員会がごたごたしておることはない。この点は一つ事実認識において食い違いがあることを認めていただきたい。 それから事務次長が答弁をした河井議長時代に、当時は吉田内閣であったろうと思う。諸案が衆議院に停滞しているので、すみやかに参議院に送付されたいという趣旨の申し入れをしたということは私も記憶いたしております。しかし、それは議長が何らの院の機関に相談もなくおやりになったということで、事後問題になって、今後かような独断的な行動はしないという趣旨の弁明が河井議長から実はなされているのです、過去において……。これが議長がかわったからといっても、事務総長なり、これは今言うように筆をとったということが議長から言われておるわけで、その場合にやはり補佐する立場においては、法規上、また従来の慣行上、過去においての事例の有無等に徴して、議長の万全の補佐をしなければならぬ立場にあるのが、今度そういうことを……、弱い立場にあるとはいいながら、あまりにも怠慢ではないか、私はそう思う。この点は自後一つ注意していただきたいと思うのです。それから議長に続いてお伺いいたしたい一点は、これはかような公開の席でとやかく私は申し上げません。お互いの紳士的な協定というか、信義というか、議長におかれては今回の十七、八、そして十九、この間において、あるいは自由民主党の与党から、あるいは緑風会から、社会党から、それぞれの折衝があったと思います。いろんなまた角度の違った申し入れもあったと思う。思うが、議長とされては、私ども信頼をもってこれらの折衝にも当って参りましたし、その間には議長が特段の行動をとる場合には、これは抜き打ち的なことはしないという趣旨のやはり心がまえであったと私は信じております。それだけに私は今回ラジオを聞いておって、あるいは新聞の夕刊を見て、議長が大きな役割を演じられたということは、実は抜き打ちの感じを持ったわけであります。昨日、ラジオその他を聞いておりますので、この文書の写しを手に入れたという事態でありまして、このことは議長とされても、今後、院の運営を長くやって行かなければならぬ議運と議長の関係におきましても、また会派と議長の関係におきましても、かかるような、あえて不信行為とまで断言はいたしませんけれども、私どもの感じとしては、非常に遺憾なやはり議長の措置であったと思っているわけです。なぜ会派に対しても内々の、議長としてはかねての主張でありましたわれわれに対して披れきされた線に沿って事前にその行動がしていただけなかったのであろうか。この点について所信を伺っておきたいと思います。
○議長(松野鶴平君) 今私の所信をはっきり申し上げます。私は自由党の方からこられた人に対して、いわゆる私に対してこうしてくれということの申し入れを一つも受けておりません。それから藤田君とも顔を合わせました。その他の人とも顔を合わせましたけれども、話は、何も内容をみてはおりませんけれども、事柄は、なるべく紛糾せないようにおさめるということは、あなた方の気持もわかるし、私もそういう気持のもとに、自然に言わない間において、お互いにむしろそこに有無相通ずるくらいの私は気持でおったのであります。緑風会からは申し入れがたびたびありました。緑風会から、議長この状態をどうするか、これで議長としての責任が果せるかという申し込みが数回ありました。現に緑風会の議員、委員小林君のごときは、とにかくこういう院の秩序が保たれなければ委員会には出席できないという欠席届も出ていました。しかるにかかわらず、議長は何もしないということは、参議院の秩序を保つ議長として、どうするか、こういうことは、強い意味において申し入れよ。これに対しまして、議長はいかなるお答えをしたかというと、これは、ごもっともでございます。これに対しては、十分一つ考えておきます。しかし、考えておるだけで、これができるか、事態は刻々、こういう状態が起っておるから、議長としては、一刻も早く秩序を回復するのは当然じゃないか。こういう強い要望がありました。しかしながら、私はなるだけ、これは議院内のことだから議長は出ずに済むように、時間を稼ぐ間に、自然にこれが解決することが最上なりと、こうまあ考えて、その申し入れも、全く藤田君の言われる意味において私はしたことではない。むしろそれは、結果とか、何とかいうことをねらったり、それから私は自由民主党の党員であるから、この解決に対して、自由民主党をいわゆる有利に世論を扇動しよう、こういうことも絶対にないわけです。 そこで現に十八日の晩のごときは、機械をかつぎ込んで、この院の事態をいかに議長は見るかということさえ言って迫られたけれども、それはこの院内の微妙なときだから、議長がこれで話したならば、非常にどこかに悪い影響をするどころか、混乱の一因になるようなことにならぬとも限らぬ。それだから報道機関としても、僕を一つ迷惑かけぬように助けてくれ、こういうことさえ申し上げたのであります。私の心情は、一つこの際はっきりここで申し上げておきます。今回のことは、決して私は一党一派の利益のためにこういう行動をしたものでも何でもない。この後といえども、私は今、藤田君の言われたようなことは、あまり悪いようなふうに考えずに、今までのような率直に一つお話し合いができて、お互いに相信じ合って、一つ議院の運営をやって行きたい。今回のことに対しては、かりに気持の上において行き違いがあったならば、その点は一つあしからず了承して下さい。これをごあいさつにいたします。事務総長(芥川治君) お答えいたします。その書類は、議長が先ほどから申されました通り、口頭にかわるところの書類でありまして、いわゆる院と院との正式な文書であります事務総長がこれに署名して送るという性質のものではございません。
○藤田進君 ないのか、あるのか。
○事務総長(芥川治君) そうではない。
○委員長(石原幹市郎君) 阿具根君、時間もだいぶ来ておりますので、ごく簡単に……。
○阿具根登君 簡単に質問いたしますが、議長の今おっしゃられておることは、私はわからぬではないのですが、最後に言われたことも、十分話し合ってやるのだ、お互いに信頼してやるのだ、こういうことを言われておると思っておるのです。そうするならば、参議院で起った問題であるならば参議院で片づけるべきであったのを、参議院で片づけずに衆議院に持って行かれた。しかもそれによって片づいたというならいざ知らず、すでにそのときにはもう会派間の話もちらほら出かかっておった。その会派間の話、参議院内の話をまとめられたというなら、私は非常にわかる。またそれが、その手を打たれて、そうしてできないから他院までやられたというならわかるけれども、これがおさまったのは、何もこの文書によって、衆議院議長から何をしたからおさまったということではなしに、参議院の内部でおさまっておるわけであります。そうすれば、議長は、参議院でこういう問題が起ったけれども、衆議院に、他院から来ておるから他院にやったのだということでなくて、参議院内部においてまだ努力すべきところがあったのではないか。私が言っておるのは、参議院の内部でこれは片づいておる。そのところを、私は議長からはっきり伺っておきたいと思うのであります。
○議長(松野鶴平君) 私は、阿具根君の言われる気持はわかるけれども、私が参議院の議長として、衆議院議員があれだけ連日来ておった、そこでこいつは参議院の議員の内部ではおさまらぬと思う。それはやはり党派的に言うとそうだけれども、参議院の諸君は、参議院に対しての行動はみんな実にりっぱだと私は考えております。しかし衆議院から押し出て来たものだから、あなた方いかんとも仕方なくされておるというふうに、私はこう見ておるわけであります。そこであなた方にお集まりを願って、そうしてこのままでは秩序はいかぬから、衆議院に申し込むかどうかと私が諮った場合に、あなた方がよろしいということの御賛成のありやいなやということを、私はすこぶるその点に関しては苦慮した。それで私は、それだけを、私の何を申し上げておきます。
○委員長(石原幹市郎君) 戸叶君、時間ですから一点だけで……。これで戸叶君の発言で終ります。
○戸叶武君 発言がありますけれども、松野議長とは……。(発言する者多し)
○委員長(石原幹市郎君) 静粛に願います。
○戸叶武君 私は非公式に十八日も会っております。で、松野議長の心境は、最後に述べられたように、こういうことにあわてないで、そうして良識をもって問題の解決をはかろうという態度は、さすがに官僚出身者とは違って、党人としての苦労がやはりものをいっておると私は見ておったのです。それで、問題が起きたときに議長として行動する場合におきましても、やはり一応君たちにも話はかけて、そうしてやるからというふうなことまで、私だけでなくて、これは私の方の会長も二度までそういうお言葉をちょうだいしております。私たちは、そういうふうに相談がなかったとか、あったとかいうことを問題にするのじゃないのですが、相談をかけてからやると言われた人が、相談しても反対されるであろうからという想定のもとに、相談を一度もかけずに、そういう行動を起されるということは、やはり一方的な一つの考え方であると思います。議長としては、個人としての立場から、議長の責任としての立場から自分は行動したという議長の心境はわかるのですが、十八日にそういう心境になりましても、なおかつ、それを押えて、しかも平静に戻ったところの十九日、しかも二十日、私たちは両院にまたがるこの問題というものを、議長自身が、参議院の問題は参議院でお互いに解決つけようじゃないかという信念を体して、私たちも苦慮して、衆議院の人も参議院の人も、お互いの良識によって問題は実に解決されているわけです、そのときには……。私は二十日の日に、ラジオで聞いてびっくりした。われわれは、ラジオの統制ということはだいぶ問題になっていますが、十八日も一番最初にラジオがかけつけ、二十日にもまた最初にラジオがかけつけて、だれも知らないうちにラジオが全国に向かって議長の意思を伝達している。こういう形は、参議院の議運の理事の諸君でも、参議院の各派の代表的な人々でも、議長はわれわれを乗りこえて、直接ラジオと直結して、ものを言っているという感じがあるので、はなはだ私たちとしては、微力なところを、さらに議長から微力だということを認められたような形で、はなはだ残念しごくなんですが、やはり院の運営から行きましては、一党一派に偏しない、そしてみんなの気持を体して、院全体の総意を代表して、祝辞をやるとか、招待するというようなことは差しつかえないのですが、こういう重大な問題の場合には、一言ぐらい各派の代表なり、議運の人に言葉をかけるなり、院の運営全体に関係のある問題であるから、これをしてもらいたかったのであります。 もう一つは、衆議院の議長にも良識はあると思います。衆議院の議運を統率している人たちにも良識はおのずからあると思います。その人たちの判断によって、おのずから自主的に秩序が保たれていることは事実であるが、事実上そういうことが出されたわけです。それにもかかわらず、他院のことに対して、この参議院の議長というものが、参議院を代表して衆議院議長に申し入れをするということは容易ならないことであります。私は必ずしもこれは前例とは見られないわけです。議長はあくまでも参議院のことを守って行くという気持はわかりますが、参議院のことを守るためには、他のことに対しても、私はいたずらに干渉がましいことはしないで、他院の良識に待つという態度をもってしなければ、私は他の人も参議院に対する尊重の念を持たないと思います。今度は参議院に対しても、衆議院議長がつまらぬことでも、どしどしいろいろな申し込みをやられるということになると、その例は松野鶴平氏から開かれた。松野さんが、問題が起きたときにあわててさわがないで、待つのが大切であると、幾たびも自分からも心境を漏らせられていたわけですが、しかもそれが二十日にラジオで突発的に叫ばせたというところに、松野さんの周囲に奇々怪々な、何か議長を誤まらせるような圧力が加えられたんだという不安があるので、今後の議長を補佐すべきところの副議長並びに事務総長というものがついておられるのでありますから、その使いに当ったのが副議長でありますから、副議長は、議運のベテランととして非常に才能があり、策略もある方であります。(笑声)議長の補佐として少し出過ぎた面があるのじゃないかと思いますが、今度は議長というよりも、副議長から御心境をお聞きしたいと思います。今後の保証を得たいんです。
○副議長(寺尾豊君) お言葉を身につけまして、先に申し上げましたように、申立公正、この念をもって一意議長を補佐して、誤まりなきを期したいと思います。
○岡三郎君 私は、松野議長がとられた点については非常に敬服している点もある。それは、議長が先ほどから言っておることを聞いておると、議長の心境もよくわかります。その点で私はとがめることばかりはないと思いますが、しかし日曜日の朝九時、ここに副議長に書簡を持たせてやったということは、議長、いかにも私はエチケットがないと思う。(笑声)日曜日というのは外国にもその例がなく、日本においても、特に政治家なんというものは、日ごろ過労なんだから、日曜日に来訪するということ自体、私が衆議院議長だったら、まことに迷惑だったと思う。いかに参議院が緊急であろうと、日曜日に手紙を、しかも副議長に持たしてやる、しかも日曜日は衆議院議長は出られないでしょう、国会に。そうすれば当然月曜日になるわけです。だから、そういうふうな点で、ちょっと龍頭蛇尾の感なきにしもあらず、そういう点で、私は松野議長が慎重にやられた点については、一応敬意を表しますが、ただし、最終的に、日曜日にやづたということはなかなか納得できない。だからこの点については、私はこう思うわけです。 つまりそういうふうにやるときに、やはり最終的に、衆議院議長にそういう書簡を出すということになるならば最終的に、やはりわが会派の参議院議員会長がおるわけですから、やはりこういう段階になったから、君、出さざるを得ない、君がとめても、もうきめたんだから、こういうふうにやりたいと思うということを、議運じゃなくても、会長程度に言って、そうして、君、最終的に善処ができたらして、これを出さぬようにしてもらたいというふうに言って、会長がどういう返事をなされようとも、とにかくあらかじめいつごろ出すという程度は、議長が最終的にやられて、そうして、しかも向うがまだ、どうだ、こうだということになったら、それは日曜日でもやむを得ぬとしても、日曜日の朝九時、たれも知らぬころ、ぼやけて寝ぼけづらで出て来ているころ、ラジオがああこうといえば、議長がやはりこれは頭がいいから、つい計略をめぐらして、解決の方向をとろうとすることになって、あれを出したということで、非常に疑われていると思っているわけです。だから、そういうふうにやられることを、強く私は期待したいと思う。
○議長(松野鶴平君) 私、一言最後に申し上げておきたいと思います。 戸叶さんの先刻のお話、全く戸叶さんとも、会派を離れて、そうして何でも言って差しつかえない、こう考えます。もう戸叶さんはわかられておるわけであります。私は十八日に、すでにもうこれは何しなければならぬかと思ったときに、待て待て、やるまいと思って、戸叶さんにそのことも申し上げて、自分はやらない、またやるときは相談すると、(戸叶武君「そうです」と述ぶ)こうはっきり申しました。そうしてそれは事実です。決してお互いの間に何はない。 それから最後の方の、なぜやったかということは、全くどうも、議長がこの事件を全然手をこまねいて傍観するということも、やはり議長の立場としてはいけないんです。衆議院議長に言うことは、何もこれは他院と争うなら仕方ないと考えたわけです。参議院としてのことならば関係しない、他院が争うならば議長は仕方がないと腹をきめた、参議院議長はけしからぬといっても、私はけしからぬときには責任をとる腹をきめて、他の院との話であるから、確かに戸叶さんに十八日にはその話もしたことは事実で、少しも戸叶さんの話にうそはない。ただ最後におけることは、何か党派的に、いわゆる自分の党の利益の行動に一撃をそこに入れた、こういうふうに思われることは、これだけは、これはそうでないから、はっきり一つ私の心情だけ申し上げます。 それから岡君の言われたことも、一もっともですから、この後に対しては、私も自分のやったことを全部完全なりといって、あなた方の言うことは間違っておかしいというような気持は全然ない。ただ私は、今日はいわゆるはっきり私の心情を申し上げなければならぬから、それで言葉も自然に多くなったこともありますけれども、私の心情を誤解下さらぬように、それからこの後に対しては、ますます議長としては、皆さんの力を借りて、そうしてすべてのことを行き違いのないようにしたいということをはっきりここで申し上げます。
○藤田進君 それでは質疑は私としては終りましたが、この事態をずっと静かに考え、将来の運営等を検討いたしてみますると、これはそう簡単なものでないことを深く思うのです。われわれ議院運営委員会、そしてしばしば開かれる、これは、去る日曜日も、特に議運理事会は公報に載せて開いております。これらは、いわば議長名において、すべてその結果は行われているといっても過言ではないくらい、参議院議長松野鶴平という名において、その議運の決定の結果は実行されておるのであります。今回特にこの申し入れについて、議運なり、議運理事会等にお諮りにならなかったのは、意見が一致しないと思ったからというのが唯一の理由のように私は聞き取れるのであります。これは政党政治、ことに近来の議会の運営は、好むと好まざるとにかかわらず与野党のやはり意見の対立もしばしばありまするし、議運において、院の運営に対しても、それぞれその意見を異にすることはあるが、しかし意見を異にするがゆえに議運なり、理事会にかけないというのではなくして、意見を異にするがゆえに、むしろ議運に、あるいはまた理事会において特に議に上せて、話をお互いに円滑ならしめているのでありますから、この点については、まず将来において一つ議長としては、議長の名において諮問を受け、また答申をいたしまする議運なり、理事会には、ぜひそのような場合には御相談をしていただきたい。それはまたひいては国会の権威を高むるゆえんであろうと私は思います。 それからすでに河井議長時代に、内容は違うけれども、その形式その他については、共通の事案が出て問題になり、自今かような議長独断をもって事を運ぶことのないようにということは議論済みであります。これらの事情に徴されても、特に前段の点を将来お願いいたします。 それからこの十七、十八日当日、いろいろ衆議院議員が当参議院に参ったことは、これはもう否定できない事実であるしいたしますが、ややもすると、これが衆議院の社会党議員だけのように事が伝えられておりまするしいたしまするので、誤解をここに生じるわけでありますが、なるほど議長のメモと称される、事務総良から聞けば、正式な参議院議長の文書ではない。事務局は全然通っていない、いわば口上書、メモに値いするものだと言いますが、これをしも報道機関がとらえた場合には、そういう手続上の問題はほとんど没却されて、議長の地位という立場からして大きく取り上げられてくるわけですが、この中に、そのメモ、口上書、この中に衆議院議員と書いてある点については、昨日直接議長に私どもは天田理事とともに確かめたところ、衆議院議員であって、特定の政党所属の議員だけではないということでありましたので、この点は、必ずしも社会党議員だけではない。読売新聞の五月十九日に、これは中曽根康弘君が、まことに浮き彫りのごとくに紙上に出ておるわけであります。この点はどうか一つ、事実認識を誤まりなきようにしていただきたいと思います。 それから事務総長におかれては、芥川事務総長は、特に河井議長のときに、前段申し上げるような事案があったのでありまするから、今後の事務処理に当っては、単なるロボットのように、筆を持てと言えば筆を持つ、ペンを持てと言えばペンを持つと言われるくらいに事を運んで行くというようなことでは、あまりにも機械的だ。あなたは感情を持つ人間であるし、事務総長の役にあるんだ。そういうのであるから、議長に対する補佐進言についても誤まりのないようにしていただきたい。昨日のごときは、日曜日でも議運の委員長理事打合会を議運は持って、議長の諮問にこたえる用意ができていたのですから、このような事実を知らないはずはない。土曜日、十九日においてもしかり、深更まで、われわれは議運の委員長以下、理事、議運の委員は待機していたはずなんだ。この点は十分注意していただきたい。 それから石原議運委員長は、直接これは議長を補佐する立場におるのだから、これは理事会では相当申し上げておりますから、本日はごく絞って申し上げるが、この議長の申し入れを全然知らなかった、おれと一緒に、昨晩六時ごろ知ったのか、いや、ちょっと前に知ったと、こんなことで、世間が許すものですか。議院の運営の委員長を務めておられる石原委員長としては、議長の動きに対しては、しょっちゅう部屋に入りびたるようにしておられて、この問題だけわからなかったということでは、常識を疑いたくないけれども、どうもしっくりしないものがある。率直に議運か、理事会でもって相談をしていただきたい。 議長におかれても、事前に内々の話をするということを言われていた点で、まことに、実施されなかったのを私は遺憾と思うが、今後については、どうか一つ、かようなことのないようにしていただきたいことを要請いたします。
○天田勝正君 私も一つ要望しておきますが、これは議長が真心をもっておやりになられた。いやしくも当院の大議長でありますから、野心をもってやられたなどということを私は思いたくはございません。ただ、先ほど来わが党から質疑をしたことによって、議長も十分お気づきになっていると思いますが、わが党としましては、岡田会長、戸叶副会長等が会派の代表として議長に面会した際に、何かの処置をとる場合には、諸君にも話をする、こういうお話があったのが、何も話がなくて、ここに突如として申し入れが行われたということを昨夕方になって知りまして、実に私どもにそのことのために一つの疑点が大きく生じた、このことは間違いないのであります。 それから昨日も非公式に私と藤田委員と議長に面会した際にも申し上げましたが、どう考えても、十九日には、他の委員会の今までの例から見ましても、決して開かれないというような事態ではなかった。さらに昨日に至りましては、九時現在においては、何びとも委員会に押し込んで行くというような事態ではなかった。またその後におきましても全然、衆議院議員の諸君は傍聴席におったのであって、十八日のごとくに、委員長席のうしろに位置を占むるというようなことはなく、全部参議院のわれわれの同僚であった。なおそれも一時間くらいの間であった。この申し入れをわれわれが知ったのは夕方近くなってでありますが、それよりもはるか前の、午前中において総引き上げが行われている。こういうようなことで、平静になった状態の中においてこの申し入れが行われた。この二点が何としても私どもとしては刺激をされたと、こういう事情でございます。このことは、すでに重々、議長も質疑の中で御承知になったところであろうと存じます。 そこで私考えるのに、かような平静の状態の中で、議長がさらにこれは重大事態なりとして申し入れを行なったのについては、何かいわゆる助けるべき人方、言うなれば警務部長等の報告が誤まりがあったのではないか。でありますから、さような、他院に向ってまでかかる申入れを行う場合については、私は単に一、二の人の報告だけでなく、十分実態を調査された上でおやりいただきませんと、いかに議長が真心、邪心なしと言っても、反対と申しますか。野党の立場に立つわれわれとしては、以上あげた二点からしても、すらすらっと、こう受け取りにくくなる、こういう事情もありますので、十分一つ、この点は心にとめておいて、御注意賜わりたいと存じます。
○委員長(石原幹市郎君) それでは、一応これにて休憩し、御異議がなければ、本会議の散会とともに、休憩のまま散会といたしたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) それでは、休憩いたします。 午後零時三十九分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕