議院運営委員会 第52号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/05/18
会議録
○委員長(石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を開会いたします。 まず、土地調整委員会委員長及び同委員会委員任命につき本院の同意を求めるの件を議題に供します。 本件は、さきに政府から説明を聞いた後、保留となっていたのでありまするが、この取扱いはいかがいたしましょうか。
○天田勝正君 官房長官はお見えになっているのですか。
○委員長(石原幹市郎君) 官房副長官がお見えになっております。
○藤田進君 これは本委員会に上程せられて質疑を継続中に、衆議院の審議が停滞しているという情報もあり、そういう点からこれが一時審議を保留をしていた案件だろうと思いますが、その後、衆議院その他の事情から待っていたかと思いますが、この際それらの事情を承わりたいと存じます。また、資料等について変更部分があれば、その変更部分をお示しをいただきたい。
○政府委員(田中榮一君) 私から御説明申し上げます。 私どもも本件につきましては、一月三十一日に、前委員長の我妻榮君が任期満了になりましたので、一月中に両院の同意を得る案件を提出したのであります。しかるところ、衆議院の議院運営委員会におきまして、本件を審議するに当りまして、たまたま昨年の、時日のことは私もはっきりいたしておりませんが、新聞紙上で拝見したのでありますが、衆議院の事務局内におきまして、下級の事務局員の中で公金を一部横領いたしまして、費消した事件がございます。そこで本件が司直の手によって捜査されたのでございます。たまたまそういうような事件が一方に起りまして、当時、大池事務総長が事務総長としての最高の責任者になっておりまして、万が一本件がその前事務総長の大池氏に何らか関係があるのじゃないか、あるいはまた、大池事務総長自体としても何らかこれに関係があるのじゃないか、もし関係があるとしますれば、土地調整委員長に任命することについては適当ではないというような考えからいたしまして、本件の処理を警視庁、検察庁等に確かめたのでございますが、その当時といたしましては、十分な結論を得ていないからということで、それならば委員長でありまするので、きわめて重大な人事でございますので、衆議院の運営委員会としましても、本件処理が十分に一つ見通しがつき、結末がつくまで、一応本件の取扱いについては留保したらよかろう、こういうような御意見で留保されたのでございます。 その後、さらにもう一つ、何か衆議院の中で特許権の侵害事件か何かが起りまして、これも名義上はやはり衆睦会の責任者になっておりましたので、特許権の侵害というものに対して、やはり事務総長として責任があるのではないか、法律上の責任があるかどうかということの点がまた出て参りまして、これも大体事件が最近に至りまして、ほぼ解決いたしまして、事務総長には何も責任がない、また、何もかかわり合いがないということが一応判明いたしまして、そこで本件を進めても何ら支障はないということになって、おそらく議運におかれましても本件を正式に取り上げて議決されたのだろうと、かように私は考えております。その詳しいことにつきましては、実は私どもも十分承知しておりませんので、具体的な詳細なことを申し上げることができませんので、この点だけはまことに残念でございますが、大体私どもの聞いた範囲においては、さような事柄で、今日まで、人事でございますので、慎重に取扱いたい、こういう御趣旨のもとに今日までこの議決がおくれたように拝承いたしておりますので、この点だけ一つ申し上げておきます。
○天田勝正君 本件は、ただいま官房副長官が言われましたように、両院に提示されてからあまり長い日数がかかっております。留保になったのは、特に本院におきましては大池君が衆議院の前の事務総長、すなわち衆議院の役員であった、こういうことからいたしますれば、大体承認案件については、衆議院議員に関するものは、まず衆議院側の意向を先におきめいただいた後に、参議院においてはきめるという長い慣習がございますし、そこで大池君は議員ではないけれども、院の役員であったわけで、議員に準ずるやはり扱いがしかるべきではないか、こういう考え方があったところへ、今御説明になったように、衆議院側で汚職事件等々の問題がたまたま発生した、こういうことから、おのずから衆議院側においても大池君の調整委員会委員の任命の留保がなされて、本院の当委員会においても留保した、こういういきさつ、そこで私これから聞きたいのは、吾妻榮君がやめられて、その後任は自然にこれは委員長になられるということになっておったはずであります。ところが、数日前にも法律に基く土地調整委員会の年報がわれわれの手元に配られたわけでありますが、この権限はなかなか強大であり、重要な職務でございます。しかるにもかかわらず、この委員が一人欠けておって一向差しつかえなしに今日まで一体来たということは、私どもにはまことに了解できない。で、どうなるかわからないものをいつまでも待って、大池君の任命についてあくまでもこれを固執して、空席のままでおいて他の者を任命せずに今日まで来た、こういうことは、どうもその職務の重大性にかんがみて了解いたしがたいわけです。このように長い間、同委員の空席が一体差しつかえなしに運営できるものかどうか、この点をまず官房副長官に伺います。
○政府委員(田中榮一君) ごもっともな御質問でございまして、政府側におきましても、この土地調整委員会というものは、お話のように国民の権利義務に関する非常に重要な事項を審議いたします機関でありますので、さような意味から、委員長が長く欠員であるということは、非常に支障を来たすのでございます。ことに今回、政府からお願いいたしますることは、この大池委員長のほかに、青沼委員も同様なことで同時にまた同意をお願いしておるというような状況でございますので、五人のうち二人が、委員長のほか一名の欠員、こういうような状況で、委員会の運営にも相当支障を来たしますので、実は政府といたしましても、この衆議院の議運の方に、見通しはどうだろうか、もしどうしても絶対にこれがいかぬものならば、政府としても他に人を切りかえなければならぬような事態になる、どうしたものだろうかと相談をいたしたのでありまするが、これは議運といたしましても、せっかくここまで今やっておるから、事件ももうじき見通しがつくことであるから、なるべく早く議運の審議もやりたいと思うからという御返事でございまして、議運の方におかれましても、相当この審議の途中に御努力を願っておった次第でございます。さような次第でございますので、政府側も一日待ちで今日まで参ったのでありまして、この点は非常にこちら側も努力の足りなかった点はございますが、まあ衆議院の議運といたしましても、せっかく出されたものであるからして、何とか事件を早く解決させるようにする、またそれが期待できると思うから、もうしばらくこのままにしておいてはどうだろうか、こういうようなせっかくのお話もございますし、また私の方からも、政府として出した以上、なるべくなら、人事でございますので、それが途中においていろいろと変更されるということも、いろいろ他にも影響いたしますので、できれば大池委員長の件を、なるべく一つ皆さんの十分なる御了解を得て御同意を願うようにお願いをいたしたい、こういうことで議運の方にも私どもからもお願いいたしておる次第でございまして、いろいろさような事情から今日までおくれましたことは申しわけないと思います。ただ、委員長不在の場合におきましては、土地調整委員会の設置法の十一条に基きまして、「委員会は、あらかじめ委員のうちから、委員長に故障があるときに委員長を代理する者を定めておかなければならない。」、こういう規定で、ただいまでは諸橋委員が委員長代理として十分に職務をとつていらっしゃいますので、委員会としてはまあ故障もなく一応任務を遂行いたしておる状況でございます。ただ、やはり委員長というものは責任者でございますので、一日も早く委員長の就任方を政府としても希望いたしておりますので、今回ようやく事件も解決いたしたようでございますので、なるべく早く一つ御了承いただければ幸いであると、かように考えてお願いいたす次第でございます。
○天田勝正君 もう答弁の中身がまことに矛盾きわまるんで、土地調整委員会の委員が、一体昨年どういうことをされたか、失礼ながらあまり御存じないかと思う。ああいう仕事の内容からして、わずか五人の委員、そのわずか五人の委員のうち四割が欠けるという状態の中で、もし大池君の問題が停滞しておるならば、少くとも青沼委員は再任であります。かつて本委員会でももう承認した人なんです。せめてこの人を任命しているならば、五人の委員のうち四名はその職務につけるということになるんでありますが、それくらいの処置をとるべきがしかるべきであって、今の説明によると、諸橋委員が委員長代理をされて、二名の人が欠員であって、三名で何ら支障なくやっている、どうしても重大な職務であるから五人必要だと言いながら、二名欠けても支障なくやっているなどという説明は、とてもそれはロジックからしてわれわれを納得させるものではない。これはいかように説明されようとも、これはどの委員といえども、どうも話がおかしいという感じに陥るのも仕方がないと思う。 それから次の質問は、私はあらゆる機構の中で、長に立つ者の責務の一番大きな点は、何といっても監督権の行使が一番大きなウエートを持つんではないか、大池さんがいかに有能な人材であろうとも、通常事務を執行するに、他のいかなる職員よりも達者であるなどということはあり得ない。しかし、何としてもその長として大まかにすべての事柄に目が通るし、そうして部下の監督も十分なし得る人物、こういうところに院の事務総長という、職員の中では最高の役につき得たのだろうと思うのです。ところがここには、今御説明のような汚職的な事件が起きて、そうしてとにかく部下が不始末をしでかした、そういう場合には、やはり監督権を怠ったということは、何としても否定できないのであって、私は少年のころの記憶を呼び起すならば、昔の官庁政治家、これらがごく末端の職員等の不始末であっても直ちに責任をとる。そういうかなりかたい慣行があったと思う。そういうときは、とやかくの政治でも批判を受けなかったのだけれども、近ごろは自分が直接関係しなければ知らぬ顔である。こういう状態では綱紀の粛正などはとうてい行い得るものではないと存じます。そこで、私、大池君も長い間衆議院の事務総長をして苦労された、その点は多といたすにいたしましても、何としてもあれだけの事件を起して、ついにそのおかげで衆議院の方では一つの部をふやす、管理部などという一つの部をふやして、この種の事件が再び起きることを防ごうという。ここで部をふやすと言うのは簡単だけれども、それだけ国民の税負担がふえて行くことは、これは必至なんです。で、そういうことならば、私は長としての一番責任を感じなければならない監督権を十分行使いたさなかったというような、この怠りについて一体政府はどう考えておるか、そうした人であるにかかわらず、さらに重要な職務に、この人以外ではなし得ないという根拠は一体どこにありますか。
○政府委員(田中榮一君) ちょっと速記をとめさせていただきたい。
○委員長(石原幹市郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) それじゃ速記をつけて。
○藤田進君 私の質問に対する官房制長官の御答弁によりますと、長期にわたり保留停滞いたしておりました本案、特に大池君に対する衆議院の事務局内における汚職等について、その事実はよくわかっていないということのようでありまするが、本日のところ、これを保留せられて、次回以後に審議を継続されるように願います。
○寺本広作君 先ほど天田委員の御質問に対して官房副長官が答えられた中に、土地調整委員の五人のうち二人が長期にわたって欠員があった。しかし何ら支障がなかったという御答弁がございましたが、おそらく言葉の不足だろうと思いますが、このままでは二人が、いかにもわれわれがよけいな人を任命するために骨折っているように思われるので、われわれとしても苦しい立場になりますので、なお官房副長官に補足的に御説明を願いたい。 私が伺ったところでは、五人でやる仕事を三人でやっている。諸橋さんが委員長代理でやっておられて、仕事の結果的には、その欠員の間まあ支障がなくやれた。しかし五人分の仕事を三人でやったのであるから、その間非常にお三人の方には無理がかかっている。そういう無理な状態は長期にわたっては続けてならぬ状態である。二人を早く補充しなければならぬ状況にあるのではなかろうか。仕事の結果にだけ差しつかえがなかったということを言われたのであって、三人の人に非常に無理だったという点の説明が抜けておったのだろうと、こう思うのでございますが、いかがでございましょう。
○政府委員(田中榮一君) 私の説明の言葉が不足で非常に恐縮でございます。この土地調整委員会は、委員長ほか四人、総計五人の委員会で審議をいたしております。「委員長は、委員会の会務を総理し、委員会を代表する。」となっておりまして、これは当然委員長がなくてはならないものでございます。さらにその第十二条には、「委員長及び二人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。」ということになっております。現在辛うじて三人ございまして、これで幸いにして今の三人の委員の方が恪勤精励していただいておりますので、どうやら委員会は開催できるわけでありますが、かりに一人病気その他の事故で欠員になりますると、委員会というものは開かれないということになります。さような意味から、今までにおきましては、幸いにしまして委員会はどうやら開催できておったわけでございますが、こういう際、ぜひやはり委員長ほか一名の委員の方を早急に一つ任命していただかなければ、将来こうした問題が起ったときに、委員会が実際問題としてストップしてしまう、こういう状況でございます。私が支障がないと申し上げたのは、今日までようやく辛うじて委員会の開催をいたして、ようやく議決をして参った状態だけを申し上げたのでございますが、三人でよろしいのだという意味では絶対ございませんから、その点誤解のないようにしていただきたいと思います。
○寺本広作君 官房副長官のただいまの補足的説明を伺いますと、やはりそう長期にわたって欠員にしておくわけにもいかぬ地位のように思いますので、できるだけ早く本件を当委員会で処理していただいて、無理をなくしていただくようにお願いをしたい、こう思います。
○天田勝正君 先ほどの藤田委員の発言等で、今日は留保されることに一つお願いしたいと思いますが、ついては、次の機会の答弁に私は用意してもらいたいために申し上げておきますが、三人でどうにも窮屈で、一人欠けたならば、さっそくその委員会の会議が停止するということなのだから、問題のない、しかも本院においても衆議院においても、すでにかつて審査の結果承認されておる青沼委員を切り離して、さっそく任命されるという措置こそ第一にしかるべきことである。なぜこれを抱き合せに何カ月もおくらせてきたか、こういうことは明瞭に答弁してもらいたい。 それから、今会議の構成云々という答弁がありましたけれども、それは法律上のことなんです。この仕事の内容を知っているならば、この委員諸君の仕事がどこにウエートがあるかと言えば、現地へ参りまして、そうして公聴会もしくは裁判的なものである。公聴会と裁判との中間のようなものを開いて、それぞれ関係者あるいは大学の教授等を呼んで、いわば一つの裁決をいたす、それで帰って来て別に本委員会できめる、こういう仕組みですよ。あの年報を見ればわかる。そういう事柄だ、内容が。ですから、そういうことも頭に入れて次に御答弁願いたい。
○委員長(石原幹市郎君) それでは藤田君の発言通り、本日は保留することとし、次回にさらに審議することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて暫時休憩いたします。 午前十時四十五分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕