議院運営委員会 第41号
- 発言数
- 108 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/04/24
会議録
○委員長(石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を開会いたします。 まず委員会の委員に異動がありましたので、御報告いたします。
○参事(宮坂完孝君) 二十四日付で東隆君が辞任いたされまして、相馬助治君が選任せられました。 ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 次に委員派遣承認要求に関する件を議題に供します。
○参事(宮坂完孝君) 社会労働委員長の重盛壽治君から、委員派遣承認要求書が提出されております。 目的は、健康保健法等の一部を改正する法律案ほか二件の審査の上の参考に資するため地方の実情を調査する。 派遣委員は重盛壽治君、山下義信君、谷口弥三郎君、横山フク君、林田義衞君。 派遣地は大阪市。 期間は四月二十六日から三日間。 費用概算は三万円。 以上であります。
○委員長(石原幹市郎君) 本要求に対し承認を与えることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決します。 ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 次に、在外財産問題審議会委員任命につき本院の議決を求めるの件を議題に供します。 官房長官から御説明を願います。
○政府委員(根本龍太郎君) 今回、衆議院議員愛知揆一、同じく大平正芳、同じく古屋貞雄、及び参議院議員遠藤柳作、同じく小西秀雄、同じく田畑金光、同じく竹下豊次の七君を在外財産問題審議会委員に任命いたしたく、国会法第三十九条但し書の規定により、両院の一致の議決を求めるため本件を提出いたしました。 在外財産問題審議会は、総理府設置法第十五条の規定により、総理府の付属機関として設置され、内閣総理大臣の諮問に応じて、在外財産に関する基本問題その他在外財産関する重要事項を調査審議する機関でありまして、委員は、関係行政機関の職員及び学識経験のあるものにつき、内閣総理大臣が任命することになっております。-右七君は、その経歴については、お手元の履歴書で御承知願いたいと存じますが、いずれも右審議会の委員としてきわめて適任と存ぜられますので、今回政府において委員に任命しようとするものであります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに議決せられるようお願い申し上げます。
○藤田進君 今回この衆参両院の割り振りを見ますと、これは特別に衆参両議員に割り振ったとか、そういう性格のものでないことは理論的にわかりますが、従来の慣行から見ると、四百数十名、二百五十名の関連において、しばしば衆議院の方が人数が多かったわけですが、今回は何か特別な事情があるのですか、逆になっておりますね。
○政府委員(根本龍太郎君) これは特に衆議院と参議院との数による比例ということを考えずに、もっぱらこの問題に関して見識を持っている方々を実は各党に申し出まして、そうして選択を願ったのでございます。その結果、各党から御推薦して参りました方々が、総計してみますと参議院の方が偶然に多かった、こういうようなことでございまして、本件については、特に衆議院と参議院との比例を特別に考慮して作ったのではない次第でございます。
○天田勝正君 この審議会の委員は、二十一名以内ということになっておりますが、そのうち第四条で、内閣官房長官以下四名か、五名ですか、ございまして、これはすでにきまっておりまして、従って学識経験のある者は十六名以内。そこでただいま議決を求めて参りましたのが、それの学識経験のある者のうち七名はあげられておるわけですが、他の方たち、つまり最高を言えば九名でしょうが、その選考も大よそ進んでおり、かつ進んでおるならば、その人たちはどういう方をお選びになっておりましようか。
○政府委員(根本龍太郎君) 他の委員についても、現在選考中でございまして、まだ決定の段階に至っておらないのでございまして、大体は、関係政府機関の職員五名のほかは引揚団体の方から三名程度考えております。それからもう一つは、学識経験者といたしましては、あるいは日赤とか関係の方なんかも、非常に大きな関係を持たれておりますが、選考の方も、そういう方面でございます。それから弁護士会の方から一人入れたいと思っております。これは従来ともこういう関係の人になっていただいております。それから学者の方ですね、これは非常に法律上の問題もいろいろありまするので、学界の方の方もお願いする。それから言論界の方からも入れたいというようなことで現在委員選考を進めておる状況でございます。
○藤田進君 そういたしますと、この発足をするのはいつごろですか。つまり七名の方々以外の委員がきまるのは、大よそいつごろのめどになっておりますか。
○政府委員(根本龍太郎君) これは大体両院の御同意を得て、議院関係の方がきまりましてから、そちらの方の委員を最終的に決定いたしたいと考えております。
○藤田進君 それはどういう意味ですか。これは従来、通常こういう割り振り、そうして経過において、各会派から推薦した場合には、両院ともこれが承認に至らないということは、まあないと思われるのですね、実情としては。それなのに、これがきまらなければ、ほかがきまらないという、そういう関連はどういうわけですか。
○政府委員(根本龍太郎君) 私の申したのは、こっちがきまらなければきまらないということでなく、同時に発令したいためにそれまでの間に選考を終了したい、こういう考え方でございます。
○藤田進君 これは出された以上、すみやかに慎重審議の結果議決をすべきだと思いますが、しかし他の委員が当分きまらないという状況下にあるように今判断されるわけで、それだとするならば、また議院の運営として、そう火急に議決ということもしいて行う必要もないと思われるので、従って他の委員がいつごろおきまりになるのかということをお聞かせ願いたい、いつごろかというめどを……。
○政府委員(根本龍太郎君) 政府といたしましては、今お話のありましたとは逆でございまして、決して議院の方がきまらなければこっちの方がきまらないというような問題ではなく、できるだけ早くこちらで議決いただけますれば、それに応じて、いつでも発令できるように今連絡いたして、同意を求めなければならぬ性質のものでありまするので、若干時日はかかりまするけれども、今週一ぱいころには、政府関係以外の学識経験者については大体の見通しがつくものと、こう信じておる次第でございます。
○委員長(石原幹市郎君) 本件の取扱い、いかがいたしますか。
○天田勝正君 本件は恒例によりまして、一応各会派に持ち帰って審査の上、次回以降において決定いたしたいと思います。
○委委員長(石原幹市郎君) 天田君の発言通り、会派にお持ち帰りを願った上、次回以降において決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ―――――――――――――
○藤田進君 この際、官房長官にお伺いいたして、政府の立場として、本来ならば鳩山総理に来ていただくのが筋かと思いますが、お答えをいただきたい点が数点あります。 その第一は、過般衆議院公報並びに会議録を見ますると、重光外務大臣が、北洋漁業に関して発言を特に求められて、衆議院本会議においてその報告がなされております。で、これは御承知のように、国会法に定める手続に従って文書による発言を衆議院に求めておいでになり、衆議院はこれを許して発言をしておられる状況であります。これには質疑も通告され、それが行われたやに聞いておるわけであります。こういう種類の……、衆議院だけの問題で参議院にかかわりのないようなものについて、政府が特に重要であると認めて発言を求められる場合は別といたしまして、北洋漁業に関する当面の重要問題、これは特に政府とされては、政府代表を河野農林大臣をもって派遣せられ、これには大体随員その他を加えて、重要なやはり課題として特に政府でも有力な大臣を送られているということであるし、今国民的な関心の的になっている重要問題でありますが、そういう種類の案件について、参議院に対してはその中間報告を求めてこなかったということは、私どもまことに遺憾に思っているものであります。 これは従来の慣行、慣例から見ても、衆議院で重要なりと認めて政府が発言せられる以上は、当然並行的に参議院においてもこれが発言を求められて、中間報告をせられるのが至当であったであろうと思われるわけでありますが、これらの経過と所信について、この際伺っておきたいと思います。
○政府委員(根本龍太郎君) 日ソ交渉に関する外務大臣の中間報告を、衆議院で行なって参議院で行わなかった、これははなはだ手落ちであるというお叱りでございますが、実は政府は、他意があってやったのではございません。経過を申し上げますというと、実は衆議院におきましても参議院と同様、参議院においてはすでに緊急質問が行われまして、これに対しまして、外務大臣その他関係大臣からも御答弁申し上げておったのであります。と同様に、衆議院においても、実は日ソ問題、特に漁業問題について緊急質問の動議が社会党と自由党と両方から出たそうでございます。そこで、緊急質問であるから一方にしぼろうということで、いろいろもんだ結果、ここで第一党がやることが至当だとか、何とかということで少しもめたので、そこで国会対策の両党の話し合いの結果、それでは一つ政府から、一応中間報告という形をとって、そうして両党から質問をするということで、これは納めよべじゃないか、こういう経緯に基いて、政府に対して報告をするようにと、こういう連絡があったのです。従いまして、すでに参議院におきましては、緊急質問をやっておりますし、それから衆議院でも緊急質問に答える予定のところ、実質上は緊急質問と変らない方向で、いわゆる一つの便宜上、外務大臣の報告の形式をとった、こういうことで参りましたので、決してこれは衆議院に特別に報告をして、参議院においてはこれを省いたという、形式上の結果にはなりまするけれども、実質上は変りがないのであります。 またこの点については、特に中間報告において、緊急質問に対してお答えした以外に特別な説明事項もございませんでしたので、二重にやることもいかがかとも思われまして、実はそのままにしたのでございまするが、決してこれは前例として、衆議院に行なって参議院に行わないというような前例ということも考えておりませんし、やる場合には、必ず両院に報告をして御質疑を受けるという態度をとっておるわけでありますが、先般は、ただいま申し上げたような特殊な関係における両党の話し合いの結果やったことでございまするので、その点あしからず、どうぞ御了承していただきたいとお願い申し上げます。
○藤田進君 いずれそういうような経過があろうとも、最終的には両党の話し合いの責任において中間報告がなされたのではなくて、あくまでも国会法に従って、政府の責任においてこの問題は中間報告をする必要ありと認めて発言を求めてこられたと解さなければならない。そうであれば、そういう経過があろうとも、これは衆議院における両党の話し合いということであろうかと思うので、これが参議院の話し合いまで含めて、参議院ではやらなくてよろしいという話し合いがあったはずではないと思う。そうであれば、政府という行政府の立場において、議会に中間報告をする必要があると認めたとするならば、どういう話し合い、経過があろうとも、そうであれば、当然衆議院にやった中間報告と同様な報告は参議院においてもなされなければならぬのが、これは筋であろうと思う。これは今国会における日ソ国交調整の中間報告の際も緊急質問をわが党は出して、その際に、これは特に外務大臣から中間報告の形で発言を求めたいということであったので、これは中間報告という形において発言がなされ、これに質疑をいたしたという経過、これは同様衆議院においてもなされたわけです。これらの点からみて、いかに官房長官が言われようとも、参議院を軽視しているということは事実に現われているわけです。 この点は議論いたしましても尽きないことで、要は今後、今の政府、特に院との連絡を密にせられる責任の立場にある官房長官として、特に将来に対する方針なり所信もこの際伺っておきたいと思います。私の要望としては、将来かかることのないように、ぜひ衆参両院従来の慣例等に従って、国会法の線に従って、重要問題は両院ともにおやりになることを強くこの際要請いたしたい。
○政府委員(根本龍太郎君) ただいま藤田委員の言われるのは、まことにごもっともでございまするので、先ほど私が申し上げた経緯ではございましたけれども、やはりこれは従来の慣例に従って同様に行うべきものと考えます。この点については、政府として手落ちがございましたので、おわびを申し上げます。今後こういうことのないように十分留意いたしまして、万全の措置を講じたいと思います。御了承願います。
○藤田進君 次にもう一点、官房長官にこの際お伺いいたしたいのは、本院は昭和三十一年四月二十日、金曜日、午前十一時三十一分開議いたしまして、同日の日程に次の政府提出にかかる案件が議決せられました。 それは、当日の日程第四に相当いたしまする家事審判法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、これは御承知かと思いまするが、委員長報告は、衆議院送付のこれは政府提案に対する修正議決になっております案を参議院は原案として委員会で審議いたしました結果、その衆議院送付の原案、これをさらに修正をして政府提案に戻したわけであります。これは八対八という委員会の情勢で、委員長これを決したわけであります。しかしいずれにしても、委員会の議決は政府原案の議決になっています。 これはこの際順序を追ってお伺いいたしますが、政府提出であることは、これはお伺いするまでもなく間違いなかろうかと思いますが、この種法律案については、かねてお伺いをいたしておりまするように、閣議決定の上、両院に提出されたものと解するわけでありまするが、この閣議決定について間違いはございませんか。
○政府委員(根本龍太郎君) その通りでございます。
○藤田進君 そういう場合ですね、閣僚並びにこれにかわるべき行政府のいわゆる国務大臣なり政務次官ですね、こういう人々は閣議決定の線に沿って、委員会なり本会議においては、それぞれの法案に対する質議に応答をなさり、またこれが態度を決する場合においても、当然に閣議決定が変更されない限り、その線に沿うのが至当であろうと思われるわけでありまするが、この点は閣議決定は決定として、あとは任意にそれぞれの国務大臣がそれぞれの立場でとり得るかどうか、これらの点について一般的にお伺いをいたします。
○政府委員(根本龍太郎君) 閣議決定した法律案が議院に提出されて、これを審議する過程において閣僚が行動する場合において、この閣議決定に参与した閣僚が責任を同じくすることは当然のことであります。しかしながら、これが国会において修正されるべき十分の理由がございまして、それがなされる場合においては、これは政党政治でございまするから、与党においてこれを修正するということが合意ができますれば、それに従って、閣議決定にかかわらず、修正に対して賛意を表することも、それは決して間違いではないと考えます。
○藤田進君 そうすると、簡単に言えばですね。閣僚であり、あるいはこれにかわるべき政務次官であって、いわゆる行政府の席に連なっている責任者であっても、そうして鳩山総理のもとにおいて、一蓮托生、その責任を分担していても、一たび党議がきまれば、その党議に服するのであって、閣議なり、そういう行政府の意思に従う必要はないということなのですか。
○政府委員(根本龍太郎君) 従う必要がないということを私は申していないのでありまして、これは従来の内閣でも、二、三こういう問題がございました。特に顕著な問題については、提案したその主務閣僚が修正にあって、やはり与党の立場において、自分から提案したものの修正に賛意を表したということにおいて、いろいろ批判があったこともございますけれども、これが違法であるというふうには考えておりません。これは望ましいことではございませんけれども、国務大臣として、行政府の責任者として立っている場合における行動と、国会議員としてのあれは、これは人格は同じでございまするけれども、国会運営に当りましては、本来ならば、政府修正にしたらいいではないかという御議論が出るかもしれませんけれども、政府としては、それほどまでいっていないけれども、まあ議員修正で、これは大した支障なしというようなことにおいては、政府みずから修正しなくても、与党修正の場合にこれに同ずるということは従来あったことでございます。
○藤田進君 私お伺いをいたしましたのは、これが違法であるというところまで今の段階ではせんさくしようとはいたしておりません。それは政治道義において、その責任性において、どういう説明になるのかということを明らかにいたしたところ、これは与党として党議できまれば、原案が修正され、それに賛成しても、それはやむを得ないということであれば、これは党議が優先する、行政府の責任のポストにありながら、党議が優先するということだというふうに説明があったので、私が言葉をかえて、それは閣議決定があろうとも、それが自後修正されないで、委員会においての質疑応答は、原案つまり政府提出案是なりとして推進された人が、本会議となるや突如として党議に従うということは、政治節操、道義として、これは好ましいことではもちろんないと同時に、そういうことは許さるべきではないのではないか、そういう意味合いで、党議と閣議決定という行政府のポストというものとが、どういう説明においてそういう態度の変更ができるのか、こういう説明を求めているわけです。党議が優先するというように私には聞こえるのです。どういう説明でその態度が変り得るのかということをわかるように教えてもらいたい。
○政府委員(根本龍太郎君) これは法理論ではなく、一つの政治道義の御議論だと思います。自分が最善と信じて閣議決定では賛意を表したが、自後、さらに審議の過程において修正しかるべしというふうな意見が出て、それに同調したということが私は事実だろうと存じます。 そうした場合において、政治道義からすれば、しからば自分が節を変えたから、それじゃその政務次官をやめるとか、あるいは大臣をやめるというようなことまでのことではなかろうと、こう考えております。
○藤田進君 いや、私が求めているのは、責任をどの範囲にとり、その責任の範囲はどの程度考えているかという質問ではないので、先ほど来申し上げているように、委員会において原案を、政府提出を支持され、それはもう文書で提案理由の説明がなされて、すみやかに審議され、そして可決あらんことを願う意味のことが申されておる。自後の質疑応答等においてもそれがなされていて、閣議決定も、もちろん修正申し出もないのです。これはそういう際に、依然として原案を支持されるということならばわかる。あるいは道義的に棄権をするとか、あるいは出席をしないとか、それはいろいろ方法はあるかもしれないが、いずれにしても、記名投票において明確に政府原案を否定するという投票をするということ、これは好ましくない。それは好ましくないけれども、あえて行なったので、それは党議できまったからやむを得ないと言われるけれども、党議できまった以上は、党議が優先するということははっきり言えるものかどうか、どういう理由でそういう説明がつくのかということをあらためて伺いたい。その点だけでいいのです。
○政府委員(根本龍太郎君) 私は党議が優先するとは申しておりません。問題は、その当事者の政治的信念に基いて行なったことでありましょうから、私はその人の是非善悪を今申し上げることはできません。ただ、そういうことは好ましくないという皆さんの説については、傾聴に十分値いすることと考えております。
○藤田進君 私が好ましくないというのを傾聴されるのではなくて、あなたが先ほど来御答弁の中で、そういうことは好ましくない、過去においてもあったと、そうあなたが言われているけれども、私どもはもとより好ましくないし、そういうことについて政府はどういう、今後並びに今回のこの場合態度をとられるのかということを今ただしているわけです。 この二十日の会議においては、政務次官の白波瀬米吉君、それから法務委員会にかかり、当該牧野法務大臣の病欠によって、大臣にかわってこれが審議について推進せられた松原一彦君、さらに閣議に列せられた吉野信次君、この三名が政府原案に明確に記名投票において反対の態度をとった。これらの人々が具体的には今回この議案について投票したわけです。この点については、確かにそういう態度は好ましくなかったと言われると思うわけですが、その点はまず間違いありませんか、そういう態度をとったことについて……。
○政府委員(根本龍太郎君) これは先ほど申し上げましたように、私としては好ましいこととは存じません。しかしながら、先ほど申し上げましたように、この行動をとられた人の政治的信念が、自分が政府原案で閣議に参画したのであるけれども、よく検討してみたらば、その修正に同ずることがこの法律案をよりりつぱにするという信念と、それから党議と一致したから、党の決定したことと同一の行動をとったことであろう、こう考えている次第であります。
○藤田進君 そうすると、政府原案は一番いいものだとして出されたということで、いろいろ審議をされているわけだが、そうすると、提案者みずから、どうもあの原案がよろしくなかったということで、よりいいものにしたのであるから、閣議はどうあろうとも、それに賛成する、そういうことになってくるのか、もしそうだとすれば、政府においてそういうことを是認されるならば、政府みずからがこれを撤回をして、修正をされるというふうな国会法の道が開かれているわけです。そういう方法でやるのが至当ではありませんか。
○政府委員(根本龍太郎君) これは政府自体として修正すべきであるという信念に立ちますれば、政府みずからの修正があろうと思いますが、先ほど私が申し上げました通りに、この投票に参加した三名の閣僚もしくは政務次官が、政府としてこれは修正すべきだというところまでの決意はされずに、審議の過程で、与党においていろいろ研究の結果、修正した方がよりよいものと、自己の判断に基いてとられた行動であろう、こう申したのであります。
○藤田進君 そうすると、国務大臣やそれにかわるべき政務次官が、自分でこれはいいなと思えば、閣議の了承とか……、ほかの議員は別ですよ、これは議員としての単独なものですから、しかしたまたま行政府に列しているという特殊な地位にある人、これが提案者であって提案理由を説明し、いろいろやっているうちに、これならばいいと思えば、閣議と無関係のものが進められていいのか、そう聞こえるわけです。
○政府委員(根本龍太郎君) 私が申し上げましたのは、無関係にやっていいというのではありませんで、先ほど申したように、そういう事態が好ましいことではないということを最初から申し上げているわけでありまして、ただし、これらの人々は、これは私、事実その人の心境を聞いていないから申し上げることは困難でございますけれども、想像するに、私が先ほど申し上げたような心境で、そういう行動をとったのではなかろうかと想像する次第であります。
○天田勝正君 私、端的にお伺いしますが、私どもの考えからすれば、吉野運輸大臣、松原政務次官、白波瀬政務次官、これらの人たちは、政府の責任者であるとともに、議員という要するに同一人で立法府に列し、かつ行政府の責任の立場に置かれておる。そこでやはり三権分立でありますから、同一人が一面対立すべき機関の両方に足をかけておる、こういう状態の進退というものは非常に私はむずかしいと思いますけれども、われわれはこの政府提出にかかる法律案の取扱いが、国会におきまして政府の提出した趣旨と違った決定がなされる場合に、それに参加するかどうかという問題になれば、私は政府の代表者としては、あくまでも政府案是なり、こういう態度を堅持しなければならない。けれども一面、このところを官房長官は説明をしておらないと思いますけれども、一面、議員としては党議にやはり縛られてもやむを得ないのじゃないか。そこで一面は政府の態度に縛られ、一面は党議に縛られる、さような場合ならば、これは棄権というふうな方法がある、こう思うのです。それで割り切れば私はいいのじゃないかと私自身考えるのでありますけれども、しかるに、非常に私どもが奇異に感じましたことは、吉野国務大臣はもちろん閣議に列席されて、この法案提出の決定権を持っておられる。松原政務次官は、大臣の代理として終始委員会において答弁の衝に当っておられる。こういう特殊な人が、院の決定の場合は、党議で決定したからそれに従ったというのでは、どうも筋が私としては通らない。その場合には閣議ではっきりと決定をし直したと、こういうことがあれば別ですけれども、そういうことのないことは今までの御答弁で明らかでございます。 そういたしますならば、これは要するに棄権ということでなければならないと、これは私の意見ですけれども、そういうふうには官房長官お考えになりませんか。
○政府委員(根本龍太郎君) 私がこれをお答えするのは適当であるとは思いませんけれども、そういう方法は確かにあったと私は考えますけれども、本人としてどういう御心境であったか、まだ今ここでこの問題を聞かれて、本人の意思を代表するというわけには行きません。
○天田勝正君 私どももここで、当人を連れてきてつるし上げるほどの考えを持って、この問題を取り上げておるのではございません。ただ将来もあることでありますので、この閣議の決定が変更されないのに、この変更されない以上は、やっぱり前回の閣議の決定に政府委員としては依然として従う。一方やはり与党でありますから、普通の場合でありますならば、これは歩調が合って行かなければならない。けれども、必ずしも、院の審議の問題でありますから、そう希望通りにばかりうまく行くわけにもいかないのです。変った結論を党としては出さなければならない事態が出てくる。そういうときに当っては、やはり政治道義を守るために、政府委員としてはあくまで政府原案で、もし投票するというならば、党に従わなければならないというならば、欠席するか、棄権ということもあるが、そういう政府全体として大きく、どなたはどうということでなく、たまたまそこに例があったから、名前は実は出したくなくて、初め出さなかったわけですが、そういうことで、政府としては今後こうしたいという考えがあれば、それを私この際承わっておきたい。
○政府委員(根本龍太郎君) 十分関係閣僚並びに政務次官に御連絡をして、あやまちないようにいたしたいと思います。
○阿具根登君 これに関連してですが、こういうような場合はどういうようにお考えになるのですか。 提案の理由の説明者が説明をしておって、そうして、すみやかに御可決あらんことをということを全議員に訴えておって、しかもその原案を修正された案を出された場合、これは法的には長官の言われる通りかもしれません。しかし修正案に賛成したということは、全議員に対して、これはうそを言ったことになる。これが一番正しいということを初め言われておる。それに持ってきて、自分が提案したやつに反対をして、修正されたやつに賛成するということは、政治道徳から見て私は全く許せないものと思うのですが、その点どうお考えになりますか。政府原案に賛成した人は、政府原案が最もいいというような考え方でやっておるのじゃないか、だからそれはおかしい。
○政府委員(根本龍太郎君) 先ほど申した通りでございます。
○阿具根登君 先ほど申した通りというが、政治的に考えて、自分が提案して説明しているのですよ。その人が、修正案に賛成するというのはおかしいじゃないですか、どう考えても。そういうことはどう考えるかというのです。
○政府委員(根本龍太郎君) 先ほど申したように、好ましいことではないと私は存じております。
○阿具根登君 好ましいことではないというならば、今後どうするのだというようなことが言われてしかるべきだと私は思うのです。好ましいことではないということを官房長官がそう言われるならば、そういうことは今後やらないようにするとか、そういうことは考えるとかというような、今後の問題が御答弁あってしかるべきだと私思うのです。
○政府委員(根本龍太郎君) それで、これに関与した閣僚並びに政務次官にはよく連絡して、今後そういう場合においては慎重に行動をとってもらうように連絡いたします。
○河野謙三君 官房長官に伺いたいのですが、官房長官が個人の意見というようなことでしたが、今度の今言われた三氏の行動は、官房長官の見解からいけば好ましくない、その好ましくないというのは、どういうところが好ましくないのですか。党議優先というような立場から簡単に行動をされたことを好ましくないというのか、それ以外に、何か好ましくないというその論拠は、官房長官の見解はどういうことなんです。
○政府委員(根本龍太郎君) 私は党議優先すべきだという結論を出していないのであります。それで、先ほど藤田委員並びに他の委員から申されたように、そうした場合における態度には、まだ他の方法があったのではないかということについては、なるほどそういう方法があったのではなかろうかというような意味において、私の意見を申し上げた次第であります。
○河野謙三君 それじゃどういう点が好ましくなかったのです。それだけ伺いたい。官房長官の個人の見解として……。なお進んで簡単に伺いますが、官房長官がもし参議院議員であり、法務政務次官であった場合には、官房長官はあの場合どういう行動をとられたか。
○政府委員(根本龍太郎君) 私、仮定の題でございまするので、あれでございまするが、仮定の問題については、ここで申し上げることは差し控えたいと思います。
○河野謙三君 いや 仮定の問題じゃございませんよ。現実の問題ですよ。現実に、これこれこういう場合に官房長官はどうされるかというのです。
○政府委員(根本龍太郎君) 私は、参議院議員でございませんから、参議院議員であったならばという仮定の問題には、私申し上げられません。
○委員長(石原幹市郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) それでは速記を始めて。
○政府委員(根本龍太郎君) 今回の事態は、今いろいろ御論議のあった点については、これは遺憾の点があると思います。従いまして、今後は十分に慎重を期しまして、ただいま御論議になったような場合においては責任の所在を明らかにして、議員と政府委員としての間の関係が十分に筋の立つように、今後善処するように連絡して行きたいと思います。 ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) それでは次に移りまして、国立国会図書館の本館建築に関しまして、金森館長から御報告があります。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 国立国会図書館の本建築の工事の進捗状況につきまして、大体基本設計が完了いたしましたこの機会に、一言中間報告を申し上げたいと存じます。 かねがね御報告申し上げましたように、この国立国会図書館の建築の懸賞設計は一昨年行われまして、一等当せん者が決定いたしまして、これをもとにして設計を進める準備を進めておりましたが、いろいろの事情、つまり設計の当せん者とほかの方との関係におきまして、いろいろと研究を重ねておりまして、ついに昭和三十年度に入りまして、鋭意この設計の解決に努力をいたしまして、そこで設計者と大蔵省、建設省の当局ともいろいろと折衝をいたしまして、そうして解決をみて、昨年の十月に基本設計の請負契約を設計者といたしまして、それから関係者が接触を続けつつ、本年の三月二十日に、予定通りに基本設計図書の提出を受けることになったわけであります。そこで、その基本設計図書に基きまして、さらに万全を期しまするために、日本の建築専門家の重要なる方々によって構成されておりまするところの建築協議会の専門委員会にはかりまして、いろいろの検討を願いまして、その結果、この専門委員会で了承を得たわけであります。従いまして、専門技術的には一応差しつかえないというようなふうに思われてきたのでありまするが、この本委員会の御意向等もさらに伺った上に、もしも差しつかえがございませんければ、建設省の方にいよいよ施工を委託するようにしたいという考えでございまして、設計の詳細は、相当技術的なこまかきものでございまするので、建築部長から御報告いたさせたいとも思いまするし、また本年度の工事をどんなふうの工程によって進行いたしまするかも、建築部長から必要に応じまして御説明を申し上げるつもりでございまするが、その点を御了承下さいまして、何分の、この御報告に基きまして御意見等もお伺いいたしたいものと思っております。
○委員長(石原幹市郎君) ただいまの御報告に対し、御質疑、御意見がありましたならば御質問願います。それからなお、建築部長も見えておりますが、あまり専門的のことを聞きましてもどうかと思うのでありまして、特に御希望がありましたならば、そのときに御説明願うことにいたします。
○藤田進君 この三十一年度予算が成立して、この線に沿って鋭意、目下その工事計画を立て、一方事務的にもこれが処理をなされつつあるということでありますが、図書館には図書館建設についての特に設けられた委員会等もあるわけでありますが、これが活用状況等について、どのような経過になっておるか承わりたいと思います。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 設計を正式に進めまするには、図書館の建築委員会の議を経て進行する予定でございますけれども、今のところは、技術的な面が今日当面の問題になっておりまするからして、その専門家の下相談ということに近いもので、専門家の意見を聞きまして、大体の方向について相談をいたしたところでありまして、それからこの委員会等の御意見も伺うという趣旨で今日御報告を申し上げましたが、かような意見がだんだんまとまってきまするにつれて、ある程度の確信を得まして、正式の図書館建築協議会の方にまた御相談をいたしたいと思っております。
○天田勝正君 この際伺っておきますが、現在国会の敷地は、およそ三角形になっておりますけれども、今までいろいろ将来の新都市計画とでも言いますか、それを見せていただいたところによりますと、国会の敷地が四角形になる、こういうことで、この新しくできる国会図書館の周辺の道路も、はなはだしく変ってくるというふうに承知いたしておったわけですが、それはそれでまあ将来のことですから、よろしいのですけれども、そういうものも勘案してこの配置等はできておるのですか。そうでないと、とかくいわゆるお役所仕事というので、あとになると他のものを撤去しなければならないとか、何とかで、えらいまごつく事態が生ずるのを常といたしておりますけれども、将来にわたってそういう心配はないと、こういうことですか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今お話しになりました点におきまして、まあこの敷地は、ある程度までは合理的になっておるとは思いまするけれども、御指摘のように、ところどころ無理なところがございまして、これは順次合理的な形に直して、りっぱな図書館にしたいと考えております。今日までも始終そのつもりで努力はしておりますけれども、それが予算の関係がございまして、思うように土地を格好のよい姿にできないということと、これもまた、権力的に土地収用法というような形で行きますることも相当注意しなければ……。
○天田勝正君 そういうことを聞いているのじゃないのです。そういう強権発動みたいなことをしようというのではなくて、将来の都市計画というものがあることをかねがね私ども図面で見せられておるわけなんです。そういうような配慮をして、ちゃんと配置ができておるかと、こういうことを聞いておるのです。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 都市計画の方に関する部分は、よくその計画の方面と相談をいたしまして、現在のその計画をもとにすれば、図書館の建築に支障はないと、こういうふうの考えで行っております。ただ、今私がちょっと申し上げましたのは、実際理想的な図書館を作りますためには、まだ地形自身に遺憾な点があるということを申し上げたわけであります。
○委員長(石原幹市郎君) 次に、行政司法支部図書館の整備充実に関する件につきまして、先般非公式の懇談会において、支部図書館長から、それぞれ要望等を聞いたのでありますが、今回図書館側から、あらためて一つの具体案を提示して参りましたので、その説明を求めます。
○国立国会図書館参事(枝吉勇君) 行政司法各部に支部図書館が、この四月一日に警察庁と防衛庁が加わりまして二十八の支部図書館がございます。この支部図書館は、行政司法各部の業務にサービスいたしておりますのはもとよりでございまして、国会図書館につながりまして、国会側のいろいろの資料の面でのお調べのときの御要求等がありますれば、国会図書館側に備えつけてないものは、各支部図書館を通じて集めてお役に立てるというような仕組みになっております。現在この二十八の支部図書館は、まだ非常に整備されておらぬ状況でございまして、先般来、石原委員長にお願いいたしまして、理事会の懇談会を数度開いていただきまして、この整備についての、それでは案を提出するようにというお話がございましたので、実は懇談会の続きといたしまして、懇談会に御相談願う素案といたしまして、本日お手元に差し上げたような案を作った次第でございます。この案につきましては、結局各支部を充実して行くことになりますと、金の問題に帰着いたしますが、最初、各支部図書館から整備に対するそれぞれの要求を聴取いたしまして、それをわれわれの手元で、まず第一次にこれぐらいの整備が行われれば、われわれの念願する業務の第一歩がまあ確立できる、かように考えまして策定したものでございます。まだ理事会の懇談会では御検討いただいておりませんが、素案としてお手元に御参考までに提出した次第でございます。何ぶんわれわれの力だけでは、大蔵省との折衝なども非常に迫力がございませんので、国会側の御支援によりまして、この支部図書館の充実というものを、与えられた職務といたしまして期して行きたいと考えております。御了承願います。
○藤田進君 この資料は、いずれも支部図書館部の名において出されておるわけでありますが、これは国立国会図書館長の了解の上のものですか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 了解の上に提出いたしております。
○藤田進君 この扱いですが、先ほどの図書館長の説明についても、私は委員長が特にこまかい技術的の問題は、この際行わないようにという御注文もあったので、この支部図書館についても、これは明年度予算に直接関係を持つもので、しかも、そろそろ早手回しに、ものをつかんで行かなきゃならぬし、三十二年度の予算などについては、他の国立国会図書館のいわゆる本部というか、そういう、たとえば建設計画その他の問題とも関連してくるとも思われまするので、予算の形式としては、それぞれ支部図書館において処理するとしても、いずれこの質疑等をもっとこまかく行う機会をぜひ早急に議運も作って、そういう形においてみっちり審議さしていただきたい。
○委員長(石原幹市郎君) 本件につきましては、ただいま藤田君からも御発言があったのでありまするが、この資料を各委員におかれてもよく御検討願い、また理事会等でもさらに検討を重ねて行きたいと思うのでありまするが、きょうはこの程度でいかがでございましょうか。……それじゃ本日はこの問題はこの程度にいたします。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて。 それでは、一時半に再開いたします。休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ―――――・――――― 午後二時四十三分開会
○委員長(石原幹市郎君) 休憩前に引き続きまして、これより再開いたします。
○藤田進君 この際私は、教育二法案が衆議院で議決したと称して当院に送付されておりますが、これに関連して、衆議院のその審議、手続等において、重大なるそごがあって、あの議決は無効なりという立場をもちまして、これが善後措置について、本委員会において相談をいたしたいと思うわけであります。 まず、その初めといたしまして、松野議長のところに、社会党は党を代表して何らかの申し入れをしたやに聞きます。もっとも私も実は陪席いたしておりますが、これは、本委員会に御披露をいただきまして、あわせて本院としての態度を、議長も含めて、これから審議をなすべきであろうと思います。 事務局においては、つとに社会党の申し入れを印刷あるいはガリ版等によって作成せられているとも思いますので、その写しを手元にいただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○事務総長(芥川治君) 議長のお手元にございます通り、まだ印刷してございませんので、必要がありますれば私から御説明申し上げます。 一応私から、議長の手元に参りました社会党からの書面を朗読いたします。 以上であります。
○藤田進君 かような衆議院に席を置く人々を主体として審議され、社会党の党議としてきめられているということは、これは、貴重なる本二法案に対する異議の申し立てとして、これを正しく受けて、本院としては善後措置を講ずべきであろうと思うわけでありまして、現在二法案は文教委員会に本付託をされて調査の結果を待っておりますが、これはその内容のいかんにかかわらず、通常行われている手段方法によって、自動的に即日、本付託をしたに過ぎないのでありますから、私はこの際議院運営委員会に、ただいま朗読せられた社会党の申し入れと全く同趣旨において、この教育二法案は、衆議院議決において、その有効無効について疑義がある、すなわち無効であるという立場をとるものであります。この点、各委員におかれても慎重御検討をいただきたいと思うわけであります。そこで、この善処等についての方法でありますが、いろいろあろうかと思います。衆議院議長にお出向きをいただいて、あるいはわれわれが出向いて、その間の事情をただすこともあり得るでありましょう。あるいはまた予備的には衆議院事務総長を招いて、その間の事情を明らかにしていただく方法もありましょう。また速記録ができておりますならば、その速記録を取り寄せて、その真偽を明らかにする方法もあろうかと思います。あるいはまた、機関といたしましては議院運営委員会と衆議院の議院運営委員会と共同いたしまして、合同会議を開く、この規定はお手元に皆さんお持ちの参議院要覧(甲1)の中に書いてありまするが、その所定の手続に従ったところの合同会議を開くという方法もあろうかと思います。で、私はこの際、どういう方法がいいかということについて申し上げてみたいのでありますが、最初申し上げたように、衆議院の事務総長を招いて、この間の事情の聴取をまずいたしたい。これによって必ずしも明らかにならない場合も考え得るので、両院の議院運営委員会の合同会議をここに提案いたしまして、御賛成を得て、その席上において彼此検討をいたしまして、その事態を明らかにし、疑義を解明することに努力すべきではなかろうか、まあかように思うわけであります。議長におかれては、過去、河井議長時代に、会期延長に関連して同様趣旨の問題が起きましたわけでありますが、その際には、河井議長は、当時の無効を唱えた側の意見を尊重せられて、みずから議長の立場において衆議院議長に再度にわたってお会いになって確められたという先例もありまするので、これは一つ議長という公的な立場におかれて、慎重なる、そしてこれにふさわしい行動をとっていただくように、この際、要望いたす次第でございます。
○事務総長(芥川治君) ただいま藤田委員のお尋ね並びに御意見でありますが、衆議院議長あるいは事務総長をこの委員会に呼んで聞く、こういうことにつきましては、前例もなし、また他院に対する礼儀上もそういうことは穏当でないと思いますので……。速記録でありますが、速記録につきましては、まだ衆議院の速記録は全然でき上っておりませんので、私どもその内容は承知いたしておりません。なお、議運の合同審査会を開くという議運の問題は、これは法規上は、もちろん問題によりましてはできるわけでありますが、この問題を取り上げてやることがどうかという問題はあとに残ると思います。 以上でございます。
○藤田進君 できないことばかり、事務総長は、質問しないのに言ったわけですが、それはどういうわけですか。たとえば両院の合同会議なるものが、この問題ではできないかのような意向があったように思うわけですが、それは法律論としてどういうわけでできないとするのか。あるいはそれは会派の決定にゆだねられているので、法律論ではないんだということなら、また非常にあいまいだと思うのです。
○事務総長(芥川治君) 事務的に、あるいは法規的にはそれはできる問題と思いますが、これは議院運営委員会でおきめになって、衆議院と相談してやるようにいたしたいと考えております。従ってこういう問題について私が申し上げましたのは、前例がない、こういうことを申し上げたわけであります。
○藤田進君 前例がないのだとすれば、こういう無効なことの前例もないということも言えるわけです。その点については単独に事務総長を呼ぶとか、あるいは議長を呼ぶとかということについては、ただ会期延長に関連する先々国会でありましたか、おととしの国会でありましたか、御承知のように、会期延長中に、混乱、乱闘になったというあの時期においては、いろいろまあ論議はたしかにあったことは事実なんです。しかしそれが呼べないんだということを規定をして、それで呼べなかったのではなかった。あのときの措置としてただやっただけのことであって、この点は、私は呼べば呼び得るという見解を持っておるのであります。向うに、場合によっては行く方法とがありましょう。 なお一点だけつけ加えておきたいのは、今本付託になっておりまする文教委員会に、この教育関係二法案については、こういう会派を構成する院内野党第一党として社会党が異議を申し立てておりまする限り、暫時この問題が解決するまでは、文教委員会に対する本付託を議長におかれては留保を願いたい。このことをあわせてここに申し上げて、その善処をわずらわしたいと思います。
○事務総長(芥川治君) ただいまの藤田委員のお尋ねでありますが、すでにこの教育二法案につきましては、予備審査で、文教委員会に付託されております。四月二十日の十時前後と記憶いたしておりますが、衆議院から正式な書面が参りまして、「右の内閣提出案は本院においてこれを可決した。よって国会法第八十三条により送付する。」と、正式に送付して参りました。これはしかしすでに予備審査において文教委員会に付託されておりまして、衆議院が可決して、送付して参りました法案につきましては、直ちに委員会にすでに付託している、こういうことを申し上げます。
○藤田進君 だからこそ、本付託については暫時……一応、本付託にされた、これはノーマルな状態においての措置をとられたわけで、その点について責任をとやかくとは今申し上げていないのであって、野党第一党としてかように申し上げております以上は、その疑義が明らかになるまでは、本付託はされているけれども、これを議長の処理として留保する。それはいずれ早急に、引き続いて明らかにしなければならぬと思うので、そういう趣旨のことを申し上げているのであって、本付託されていることは承知しているからこそ、そういう提案を申し上げたので、かように、議長において善処をわずらわしたい。
○事務総長(芥川治君) ただいまのお尋ねと御意見でありますが、すでにこれは議長から文教委員会に付託されておりますので、あとは文教委員会が、これをその付託に基いて本審査をするかどうか、こういう問題であろうかと思いますが、議長といたされまして、本付託を留保すると、こういうことは事実上あり得ないわけであります。その点御了承を願います。
○藤田進君 それはどういうわけなのか。国会法その他何条にそれが書いてあるか、重大な疑義が出ている。根底からくつがえるような新しい事実が出た。そういう場合には、議長は付託される権限があるかわりに、その付託を取り消すなり、あるいは留保するなり、その措置は当然取り得る。そんなに、一方通行を、行ったら最後あとに戻れないということで何になるんですか。ことに、いまだ不勉強で私はその条文に触れたことはない。(「その条文はないよ」と呼ぶ者あり)なきやそういうことは言えない。たとえば政府が修正したい、撤回したいというときには、それに沿ってそれができるようになっている。出した限り絶体絶命、あとにさがれないという考え方はない。法案の扱いとして……。
○事務総長(芥川治君) ただいま大へん強いお言葉でありますが、藤田委員の言われますのは、そのもとが無効であるという立場に立っての御議論かと思うのであります。議長におかれましては、正式に衆議院から参りまして、送付された議案につきましては、もちろんこれは有効でありますので、その有効のもとに文教委員会に付託した、こういうわけであります。
○藤田進君 その有効であるという根拠、そこに書いてある、今あなたがその申し入れというものを読んで、なお、それでも有効であるということを事務総長が断定する。あなたにそれだけの権限があるかどうか僕は疑義を持っている。議運においてかような問題を出して、これが議論されている限り、事務総長として今の言葉は少し過ぎやしませんか。
○事務総長(芥川治君) 私どもは形式的に考えているわけであります。もちろん有効、無効につきましての御議論のあることは、ただいま拝聴いたしました。しかし、それは本院の問題ではないと私は考えます。
○藤田進君 それは有効無効ということは、それが明らかにならなければならないし、同時に衆参両院をもって国会としておるのが現行憲法なんだ、二院制で、衆議院においてやったことは、何をやろうとも、また有効であろうが、無効であろうが、ハンコを押して形式的に来さえすれば、それを扱うというのは事務的な立場にあるあなたの場合はそうであろうけれども、ことに新しく疑義が出て、それが提起された以上、その疑義は解明されなきやならないと思う。いずれかの帰結を見なければならないと思う。その点はどう思いますか。
○寺本広作君 関連して。 今、藤田委員から、衆議院から送付された文書の内容について疑義がある、それについて疑義が出されているのに付記したということを言われたのでありますが、付託の時期と疑義の提出はどうなっておりますか。
○事務総長(芥川治君) 付託の方は四月二十日十時前後と記憶しております。疑義の点を伺いましたのは四月二十一日、時間ははっきり記憶いたしておりませんが、翌日のことであります。
○藤田進君 寺本委員は、少し前後の私の申し上げておることを勘違いをしておられる、私は事務的に、ノーマルなものとして事務当局は即日送付され、それが本付託にされておることであって、これが事務当局の扱いとしてその責任を云々というようなことは言っておらない。さように本付託されておるがゆえに、かような疑義が出た以上は、議長におかれて本付託はしたけれども、野党第一党である社会党から、かような筋道を立てて疑義が出されておるのであるから、暫時この本付託については、かように付託はしたけれども暫時留保する、これはその疑義の解明されるまでは留保するという措置をとってもらいたいということで、付託したことを論議しているのではなく、これはすでに調査の結果、即日付託の形式を整えておる、ここの事務当局は。この点は何もない。 事務総長どうなんです、さっき僕があなたに質問した、そういう疑義が会派から出ておる以上は、お互いに会派を構成して院の運営に当り、事案を審議しておる、こういう性格の国会から見て、一方において公式に疑義が表明され、それが提案されておるのに、それを手放しで、おれの言うのがほんとうなんだ、お前の言うのが違うのだということをひとり言をするだけで、それが処理できると思うのかどうか。
○事務総長(芥川治君) 私といたしましては、事務的に運んだわけでありまして、なお、そういう問題につきましては、本委員会において御論議願うものであろうと、かように考えます。
○岡三郎君 形式的にいって、四月二十日午後十時受付をやられたということについては、一応向うから判を押してこっちに来て受け付けて、委員会に送付したという点は、時間的にいってそれをとやかく言っておるわけではない、つまりこちらの方に法案が来たけれども、われわれは主体的に、衆議院でやっておるということよりも、参議院自体として、こういうふうな法案の送付の仕方自体に疑問があるということを言っておるわけです。それは今、藤田さんも言われましたが、結局参議院の方としては、議案を送付されて、そうしてそれを受け付けるということにおいて、向うの方で衆議院議長の判が押してあれば一応受け付けることはやむを得ないと思う。やむを得ないけれども、一応その審議の仕方自体に、審議の内容自体に、やはり相当疑問があるというふうに参議院の議運自体で、議運の委員からそういうふうな提言があった場合に、それについては十分やはり聞くというふうな場でなければならぬと私は思うわけです。これは参議院の方で審議した場合に、衆議院の方で、審議の仕方がどうかというふうなことが来た場合に、参議院の方としては、やはり十分の審議の仕方というものに対しては権威を持たなきゃいかぬと思うのです。 だから衆議院において、一応送って来たが、やはり審議の仕方が問題があるということになれば、参議院議長としては、一応形として受け付けた。しかし内容的に疑義があるならば、やはり疑義を解明して、十分納得の行く点で、この法案が重要であればあるほど、やはり十分検討してみようというふうに私は松野議長もお考えになっておられると思うのです。だから私はこの問題について水かけ論をしようとは考えておらぬわけです。 私は一番問題は、この福永健司君ほか四名から、「右二法案を議事日程に追加し、直ちに一括議題となし、審議すべしとの動議が提出せられ、審議に入ったが、議長は議員に質疑を行わしめず、またその機会を与えず、質疑終局の宣言も行わず、」、こういうふうな形で進行したわけです。社会党の方としても、一応条理を立てれば落度があった、なぜ質疑をさせぬのかと言うべきでありますが、しかしこれは一応そういう話が出れば、なるほどそうだということになりまするけれども、しかし議長とか、委員会の委員長というものは、本会議を運営し、委員会を運営する立場からいえば、議員が疑義をはさもうが何しようが、とにかく一定の方式というものを、国会法にのっとった方式というものを確実に履行しなければ、私はやはり成り立たぬと思っているわけです。議員の方がどういうふうに疑義をはさもうが、はさむまいが、主体的に国会法にのっとって、本会議の議長なり、あるいは委員会の委員長というものが議事を運営する場合に、議員が疑義をはさもうが、はさむまいが、それは別として、とにかく国会法の方式にのっとって着実に運営せられてこそ、私は議院としてそれが正式なる発効をするというふうに考えるわけなんです。だから、そういう建前からいって私は社会党が手落ちだったことは認めます。認めますが、しかしそれは別にして、とにかくこの審議方式というものには疑義がある。これが直ちに無効であるかどうかということについては、私個人としてはなかなか問題が重要だと考えておりますから、ちょっと断言はいたしません。しかし私は無効と言っても差しつかえないほどの国会法手続上、これは簡単には省略できない大きな問題を含んでいるというふうに考えるわけなんです。ですから、そういう点でやはり前例がないといっても、こういうふうな議事取扱いをした衆議院議長並びにそれを補佐する総長というものに対して、一体こういうふうな審議の仕方をして、それが正当なりとして参議院に送って来た。それによって一応、形は受け付けた、参議院議長は受け付けたが、実情は国会法に照らして、これは確かに粗略に過ぎる手落ちがある。社会党の問題ではなくして、衆議院自体の議決方式として、これは重大なる手落ちがあるというふうにわれわれは考えるわけなんです。そういうふうな点で、私は事務総長が言うことについては、やはり首肯しがたいものがある。 そういうふうな議事の進行がどうしてもふに落ちないということになれば、一応衆議院議長並びにこれを補佐する総長に来てもらって、これが果して国会法にのっとって正当であるかどうかということについては、やっぱり十分議院運営委員会の委員から、そういうふうな疑義が提出された場合には、そういうふうに取り計らうことが私は順当な行き方であろうと、こう考えるわけなんです。私はこの点について、事務総長が先ほど否定しましたが、私の今の意見に対して、私は、それをなるほどそうだとお考えになっていると思うのだが、その点、ちょっとお聞きしたいと思う。私の言っていることは、毫末も間違っていないと私は考えておる。だから先ほど総長が言ったことで、そういう前例がないということで否定しましたが、私はやはり議長並びに総長を呼んで、あの審議の仕方はだれが考えても、とにかく本会議場を主宰するところの議長としては、これは手落ちがある。これは重大なる国会法にのっとった質疑終了の言葉も言わぬし、衆議院規則の百十八条もやっておらぬ、で、直ちに討論採決ということについては、これは飛躍ですよ。国会法においては、ちゃんと質疑をすべしと書いてある。それをやっていないわけなんだ。だから社会党の手落ちは別にしても、とにかくそれは別ですよ。本会議における議長というものは片っ方に手落ちがあったから、これはお互い様だというふうなことではとても私は納得できない。だからそういう点で、総長なり議長を呼ぶべきであるという主張に対して、藤田君の主張に対して、事務総長は、そういう先例がないということだけでは、これは私は納得できないと思う。この点どうですか。
○事務総長(芥川治君) 他院の議長並びに事務総長に来てもらって意見を聞くというような段階になりましたことは、二十九年の六月三日の会期延長の件につきまして、やはり同様な論議がかわされました。そのときには、議院運営委員会ではなかったと記憶いたしております。この席で、小委員会の席において、やはり他院の議長または事務総長を呼ぶべしという強い御意向も出ておったようであります。議院運営委員会全体としては、やはり他院に対する礼儀上、他院の議長、事務総長に来ていただくということは礼儀上おもしろくないし、前例ももちろんないことである。従って来ていただくということは、そのときもなかったわけであります。
○岡三郎君 しかし私は、今回の場合においては、失礼とか何とかという問題ではないと思うのです。とにかく明確に国会法並びに衆議院規則に照らして、これはとにかく略式過ぎるわけなんです。略式を通り越して、一応、その手続が終ってないわけなんです。それですから、そういうふうな問題について、やはり疑義があるならば、それも有効であるというふうならば、審議を尽すべしということですね、こういつた問題についても、今後は問題によっては、そういうことはやらぬでもいいということになると私は思います。だからそういった点に、十分参議院としては疑義があるので、そういうふうな問題について、やはり十分衆議院における本会議場における審議の仕方について、手落ちがあったなら手落ちがあったのだというふうなことを明快に私はしていく必要があると思う、義務上。だからその点で、やはりこの点について松野議長の方においても、一応議長として、向うの送付案を受け付けて委員会に付託したけれども、事実上やはり国会法上に照らして、これはやはり相当問題がある、疑義がある、だからこの問題については、一応受け付けたことについて、無効とかいうことでなしに、審議の仕方について重大なる疑義がある。だからその点については、参議院における議院運営委員会においてやっぱり問題化されておるから、一応その点についての経緯を十分お聞きしたいことがあるのでということでお呼び願えるのじゃないかと私は思うのですがね。
○寺本広作君 関連して。
○岡三郎君 いや、私は松野議長に聞いているんです。
○寺本広作君 それに関連して。 岡さんから、いろいろ意見が出ましたが、どうもこの意見になっている点が非常に多いと思います。そういうことになれば、私の方は、全く反対の立場に立っておりますので、私の方では、衆議院議長から正式に公文書で送付されて来た議案を参議院が受け付けて審議を始める、これは当然なことだろうと思っております。というのは、二院制をとっている今の国会法の国会の建前で、他院の審議の内容が有効であったか、無効であったかということをほかの院で審査するということは、これはきわめて不当なことだろうと思います。そういうことになれば、二院の関係というものは、決してこれはうまく行くものではないと思う。これは先ほどからたびたび例に出されております二十九年六月三日の会期延長後、会期延長が有効であったかどうかというあの問題について、やはり同じような問題が出て、衆議院で会期延長したことが有効であるか、無効であるか、そのことを参議院で審査すべきだという話がありましたが、先ほどから事務総長がたびたび言われる通り、これは他院の審議の内容については、ほかの院で審議すべきものではない。衆議院議長から正式に公文書で会期延長を議決したといって通知が来ておる以上は、その文書に基いて参議院の行動を起すのが当然であるというので、参議院は行動したと思います。そういう先例によって事務総長がこの問題を処理されたということは、私どもとしては是認し得る立場にあるわけなんです。 それで、もしこの問題で衆議院議長を呼ばれるとか、事務総長をここに呼ばれるということになると、私の方としては、両院関係をこれは根本から紛淆するというような問題になりますので、どうしても反対せざるを得ないという立場にあるから、その点御了承願いたいと思います。
○藤田進君 今の寺本さんのあげ足をとるわけじゃございませんが、非常に重要な意味の含まったことがあると思いますので、私どもの方の態度を明らかにしたいと思います。 それは、この前の会期延長が、当時堤議長のもとにおいて、廊下から本会議場に向って会期延長をしたという、大きな声を発したのだと、こういうことであったわけですね。そのときに廊下から、議場に向って廊下で大きな声をしたんだという、会期延長をしたという宣言をしたと、こういうわけです。しかし、さようなことがこれが混乱したためにできなかったということで、混乱の原因なり関係なりは、これは別に処理されるべきものであって、会期延長の有効無効については、もう明白である、こういうことで、あの問題は、われわれは決して有効なりという態度は今日とっておりません。自後のあの国会には出なかったので、いわば変則国会ということで、引き続き議会の解散があって、国民はしっかりとこれに審判した。当時のそういうふうに強行した会派は、おのずから結果に見られるように消長があった。社会党は飛躍的にこの議席を増大したというようなまあ過去の経過があるわけです。そこで今一院において、二院制の建前から見て、一院においてやったことを、わが参議院においてとやかく言うべきでないとおっしゃること自体が、これは二院制というこの制度を持ちながら、その二院制を否定した議論である。二院制の妙味は申すまでもなく、寺本さん御承知の通り、衆議院の行き過ぎ、あるいは足りないところ、誤まり、こういうものを是正することが一つの任務になっている、参議院は……。いいですか、この本則をはずれて、衆議院がやったものならばという論議を演繹するならば、およそ各種議案について、衆議院が議決した以上、これを尊重するという建前で、参議院において再びこれをくつがえすなり、あるいはまた行き過ぎなり、誤まりを是正するということ自体が失礼もはなはだしいことであると思います、衆議院に対して……。いいですか、委員長も、今私語で声援するごとく言われたが、それはまさに寺本さんの言われる二院制というものは、これは本末転倒した議論でありまして、この点はどうか御了解を……。基本問題ですからね、二院制の、これは。衆議院の行き過ぎなり、誤まりというものは、われわれ二院制度の参議院がこれをためるにやぶさかであってはならない。勇敢率直に、これは誤まりはむろん正して行くということは、われわれの態度でなければならぬと思います。 そこで具体的にどうです。これは同じことを演説しておっても仕方がないので、そんなことは聞きたくないので、私ども具体的に提案をいたしております。議院運営委員会でどうもまずいとおっしゃるならば、決してそれはまずくは私どもないと思いますが、これはやはり会議の進行をはかる意味で私ども協議いたしたいと思いますが、場合によって議運の理事会に最初呼んでみて、そこでいろいろ開いてみる手もありましょう。いずれにしても、両院の合同した形における会議において事情を明らかにするということだけは、これはぜひ賛成をいただきたいと思います。過去においては、しばしば会期延長の問題について、あるいはその他のこの間の国会法の改正等に関連して、従来しばしば両院の合同理事会なり、何なりというようなものが持たれているわけです。これをもって、その間の事情を明らかにすることにちゅうちょされるという態度については、われわれますます疑念を持つ。なぜその事態をはっきりすることをちゅうちょされるのか、ちゅうちょされるかどうか、まだはっきり意思表示は聞いておらぬけれども、さようにそんたくできるような気がする。これはお前の誤まりだと、即断もはなはだしいとおしかりを受ければ、甘んじてこの点について御意見を賜わりたいと思うのです。
○寺本広作君 二十九年の六月までさかのぼっての議決の有効無効論をやるつもりは私どもございませんが、しかしあの場合の衆議院から送付して来た公文書の内容も、今度の内容も、とにかく衆議院での議決は有効なものとして受け取っておるということは同じだと思います。私の方はあの会期延長は有効なものとして取扱い、その後臨時国会も開かれ、今日まで関係法案を有効なものとして世間に受け入れられておる、こう、今もあれと同じ立場をとっております。
○岡三郎君 寺本さんが質問をとって、へんなことを言い出したから……、私は、議長さんにお聞きしたわけなんです。それを寺本さんが、ずいぶん忠動的にやられておるわけですが、それは了とします。それは了としますが、純粋客観的に見て、たとえば参議院でああいうふうなことが起らぬと断言しますがね、しかし、かりにああいうふうなことが起った場合、議院としてやはりこれは考えなきゃならぬと思うのです。だからこの問題は衆院でおやりなさい、われわれも言っておりますよ。衆議院で十分審議解明せにゃいかぬと言っておりますがね。しかし形式的にこっちが受け付けて、議長が反対を押して委員会へ送付したから、それでいいんだという事務総長の言葉だけでは、事務総長たるものが、やはりそういうふうな形式論を言うことはやむを得ない点があるとしても、そこは話を割って、実はこういうふうな点については、参議院としても十分解明をしておかなければならぬということを私は言っておる。だから事実を集約していけば、意見ではなくして、議事手続上双方に手落ちがあったが、委員会の委員長というものなり、本会議の議長というものは、議事を国会法にのっとって正確に運営するという、そこの責任に照らしてみると、どうしてもこれは不備であるし、疑義が十分にある。だから、飛躍してすぐ無効有効というのではなくして、疑義、手落ちということが確かに認められる場合に、一応受け付けて、無効とか何とかということになれば、失礼だかわかりませんが、要するに疑義を一応ただして行く、この前例のない議決方式をやったわけですから、その前例のない議決方式をやった議長さんが、あれだったら、事務総長に来てもらって、この点参議院においては、衆議院のお株をもらってやっておるんではない。主体的に議決方式がやはり問題になっておるのだから、条理を尽して、やはり私は総長というものは、その点については解明する責任と言いますか、議案を送付した補助者としての立場というものを、私は疑義があるならば十分解明するという点についてフランクでなければいかないと私は思う。だからそういう点について、とにかく有効無効ということをすぐ飛躍して言うつもりはない。 要するに私は国会法に照らして、あの審議の仕方は、十分疑義がある。だから疑義の点について参議院の議院運営委員会が問題を起しておるのであるから、その点については、御足労だけれども、それに対して十分な答え願いたいということを私は要請しておるわけです。だからその程度のことくらいは、一歩譲ってやっても、これは絶対に、参議院の権威を高めればこそで、もう別段何はないと私は思う。
○委員長(石原幹市郎君) ちょっと速記をとめて下さい。 午後三時二十四分速記中止 ―――――・――――― 午後四時二十二分速記開始
○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて。 先刻来の御議論によりまして、各会派の意向も明白になりましたので、これで終ることとし、本日の会議は散会いたします。 午後四時二十三分散会