P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
24回国会参議院1956/10/22

議院運営委員会 閉会後第5号

発言数
111
登壇者
19
会派数
3
開催日
1956/10/22

会議録

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を開会いたします。  まず本委員会の委員に異動がありましたので御報告いたします。

海保勇三議事課長

○参事(海保勇三君) 自由民主党から、議院運営委員の佐野廣君が辞任されまして、後任として藤野繁雄君。  社会党から、田畑金光君が辞任されまして、後任として戸叶武君を指名されました。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に、議員小野義夫君並びに重成格君が逝去されましたことにつきまして、事務総長から御報告がございます。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) すでに公報でお知らせいたしましたように、議員小野義夫君が十月十三日に死去されました。議員重成格君は十月十六日に死去されました。弔詞は、閉会中の前例によりまして、議長において起草の上贈呈いたしました。  以上、御報告申し上げます。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に、参議院予備金の支出に関する件を議題に供します。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) お手元にお配りしてあります資料でごらんいただきたいと思いますが、昭和三十一年度の国会予備金支出承認の件。  永年勤続議員表彰の銅版ができ上りましたので、これに要する費用を十万円、議員死亡に伴います遺族に支給する弔慰金百八十七万二千円、計百九十七万二千円の支出を御承認願いたいと思います。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 本件について、事後の承認を与えることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決します。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に、閉会中における小委員の辞任及び補欠に関する件を議題にいたします。  庶務関係小委員の中で、先般来海外派遣等のために出席できない方が数名に上りまして、小委員会の開会に支障を来たすおそれがありましたので、十月四日の理事会の御了承を得て、昨年の本委員会における先例によりまして、委員長において会派の申し出に基いて、小委員の辞任を許可し、その補欠を指名いたしました。すなわち宮田重文君が木島虎藏君に、榊原亨君が石原幹市郎君に変ったわけであります。  以上、御報告申し上げますとともに、今後とも閉会中は、小委員変更のためにわざわざ委員会を開会する煩を避けるために、委員長において会派の申し出に基いて処理することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に、委員長として報告いたすことが二件ございますが、その一つは、北海道における冷害状況調査のための議員派遣の件であります。すなわち去る十月四日の理事会において冷害の状況について農林省の係官から説明を聴取した上、協議いたしました結果、自由民主党、社会党各二名、緑風会一名の構成によって、議員五名を派遣することとし、かつ緊急を要するため、往路は航空機を利用することに意見が一致いたしました。なお本件は、先般の魚津市の火災被害状況調査の場合と同様、閉会中の取扱いによって、直ちに議長において実施されました。御報告いたします。  次に、地方制度調査会委員の推薦に関する件でありますが、これはさきに任期満了となった委員七名の補欠を議長から内閣に対して推薦するものであります。去る十月四日の理事会において、その会派に対する割当について協議いたしました結果、一応暫定的に七名を半数改選後の会派勢力に按分して、自由民主党四名、社会党二名、緑風会一名とし、臨時国会招集の際にあらためて総合的に調整することに意見が一致したのであります。これまた閉会中の取扱いによって、議長が割当会派の申し出に基き、伊能芳雄君、小幡治和君、小林武治君、佐野廣君、森下政一君、加瀬完君及び杉山昌作君を推薦せられました。これまた報告いたします。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に、派遣議員の報告でありまするが、これは半数改選後、他の常任委員会の構成が整備されていない等の事情により、議長派遣の形式によって実施せられましたので、先般の魚津市火災被害状況調査の場合の先例によって、特に本委員会において報告を聴取いたすわけであります。  まず九州地方における第九号及び第十二号台風の被害状況調査のため派遣せられました議員を代表いたしまして、私から御報告いたしたいと思います。  今般、台風第九号及び台風第十二号による被害状況調査のため、院議により佐賀県及び長崎県に派遣せられましたことにつきまして御報告いたします。  派遣せられました議員は、自由民主党の寺本広作君、社会党の阿具根登君、緑風会の常岡一郎君、無所属クラブの北條雋八君並びに自由民主党から私の五名であります。  一行は九月二十三日東京を出発いたし、八日間の日程をもって、まず佐賀県に参り、参議院としての慰問見舞を申しますとともに、県当局並びに関係機関団体の代表者から、詳細な説明、陳情を聞きました後、佐賀郡川副町杵島郡福富村、有明村及び鹿島市等被害の特に甚大な有明海沿岸の市町村を中心に被害状況の現地視察を行い、地元代表者並びに罹災者との懇談を行いました。次いで長崎県に入り、まず北松浦郡世知原町一帯の地すべりによる被害状況を視察いたし、佐世保市、大村市、諫早市等の被害地を経て長崎市に参り、さらに県当局並びに関係機関から詳細な説明を聞きました後、西彼杵郡の野茂崎町、茂木町、長与村、高島町、さらに五島の福江市、若松村、奈良尾町、有川町のほか、平戸市壱岐郡郷ノ浦町を初め、長崎県下の被害市町村を日程の許す限り詳細に現地視察を行い、また慰問見舞を行いました。  両台風の気象概況を申し上げますと、台風第九号は、佐賀県においては八月十七日午前一時ごろから午前十一時ごろにかけ、約十時間の暴風雨となり、佐賀では最低気圧九百六十八・四ミリバール、最大風速二十七メートル、瞬間最大風速は午前四時三十四分、南南東風三十五メートルが測定されており、最大風速は、昭和十七年八月二十七日の台風に次ぐもので、また雨は午前九時ごろまでに佐賀において九十二ミリ、山麓地帯は二百ミリの雨量を突破いたしております。長崎県では八月十六日十九時、台風の圏内に入り、長崎海洋気象台の観測によりますと、十七日午前四時から六時まで最も強く、最大風速南西の風二十六・一メートル、最大瞬間風速は五十メートルを突破したと言われております。今回の台風は、大正三年八月の台風に次ぐものとのことであります。  また台風第十二号は、台風第九号とほぼ同じコースをもって両県を襲っておりますが、佐賀県では九月九日午前十一時、風速十メートル、十日午前四時三十分ころ、南南西の風二十四・一メートル、瞬間最大風速は三十二メートルでありますが、雨量は意外に少く百ミリに達したところはないとのことであります。長崎県では九月九日十三時ころから、南西海上に波高三メートルくらいのうねりが現われ、風速は次第に強まり、五島列島の富江測候所では十五時四十八分、瞬間最大風速東南東二十六・五メートルとなり、九月十日十時に警報が解除されるまで長時間暴風が吹きまくっております。一方、長崎海洋気象台元町分室の観測によりますと、最大風速三十一・一メートル、瞬間最大風速四十八・二メートルとなっており、昭和二十四年七月のジュディス台風以来、規模と激烈さは最大級の台風であったとのことであります。  なおこの九号、十二号の両台風の間に、八月二十七日から三十日にわたって、豪雨が襲来いたし、両県とも相当の被害をこうむっております。  次に、被害の概況について申し上げます。  この両台風が相次いで襲来し、長時間にわたって暴威を振い、佐賀県においては再度とも満潮時と重なり、風浪、高潮等のため、有明海沿岸全域にわたって、堤防、護岸等の被害を初め各種の災害を引き起し、しかも両台風が重なったため、一そう災害を甚大にいたしております。長崎県においても、暴風雨による風浪、高潮等のため、各地に被害をもたらしております。現地視察を行いました佐賀県有明海沿岸の市町村の干拓施設、大浦の漁港施設及び長崎県の高島町及び五島列島の福江、若松、奈良尾、有川等の市町村を初め、海岸線や離島の災害は特に大きく、堤防、護岸は決壊いたし、堅固なコンクリート道路も怒濤に砕かれて寸断され、防波堤、漁港施設も潰滅、流失いたし、漁業施設も跡形もなく流失するなど、海岸の諸施設は、原形本想像が困難なほどの破壊状況でありまして、五島列島のごときも、いたずらに砂浜の海岸と化し、三、四十年以前の未開発状態になったところが随所にあります。家屋、建物、漁船の流失、破壊、田畑、養殖漁場の埋没、さらに農林水産物の損害等、実に惨たんたる状況でありました。ことに気の毒なのは佐賀県杵島郡福富村の干拓地など、引揚者の入植地で、営々の努力により築いた美田も、収穫直前に海水に流され、家屋も大半は流失いたし、残るものもいたずらに海中に形骸をとどめるに過ぎないものが多く、文字通り着のみ着のまま、路頭に投げ出された姿は、まことに悲惨なありさまでありました。また両県とも多くの犠牲者を初め人的被害を出しておりますことは同情にたえません。避難した罹災者は応急仮設住宅や公共建物に一時収容されておりますが、一日も早き救済を待望いたしております。  被害状況の詳細につきましては別途資料によってごらん願いたいと存じますが、今、時間の都合上、総括的に額を申し上げますと、佐賀県におきましては、九月十七日現在、人的被害は、両台風を合せて死者二、行方不明二、重傷五、軽傷三十となっており、物的被害は、台風第九号、二十七億八千八百八十九万円。八月末豪雨、五億八千九百三十六万三千円。台風第十二号、二十八億一千六十万七千円。合計六十一億八千八百八十六万円となっております。  この合計の内訳を部門別に申しますと、  一、厚生部門は、住家、非住家等八億八千六百九十六万円。  二、経済部門は、漁港施設、漁船、共同、非共同施設、漁具、漁網、養殖等の水産関係、製造業、商業、炭鉱等の商工関係を合して二億七千六百三十九万五千円。  三、農林部門は、主要農作物、蔬菜果樹、工芸作物、桑園、林業、畜産、共同施設、建物、農地、農業用施設、開拓、干拓関係等、二十四億七千四百六十二万二千円。  四、土木部門は、河川、海岸、道路、橋梁、砂防、港湾等六億五千七百七十八万八千円。  五、教育部門、小中学校、高等学校等、三千百三十一万円。  六、県有施設、一千六百三万円。  七、公益事業は、鉄道、電力、通信等一億二千二百三十五万三千円となつております。  次に、長崎県の被害は、県の調査によりますと、両台風及び豪雨災害を合計しまして、人的被害は死者二十二、行方不明八、重傷六十三、軽傷二百八、合計三百二十四となっております。物的被害額は、台風第九号、百二十二億三万四千円。八月末豪雨、五億四千四百三十九万九千円。台風第十二号、百十五億二千四百十七万五千円。合計二百四十二億六千八百六十万八千円に達し、これを部門別に見ますと、被害の内容は、ほぼ佐賀県の場合と同様でありますが、  一、建物関係、百三十七億四千三百十三万七千円。  二、学校関係、一億九千九百三十五万七千円。  三、農産関係、三十六億四千八百四十九万七千円。  四、開拓関係、二億五千九百二十二万九千円。  五、耕地関係、三億四千五百万円。  六、畜産関係、一億二千五百六十九万三千円。  七、山林関係、一億六千三百十一万円。  八、水産関係、十二億三千六百十六万九千円。  九、土木関係、二十億一千百六万八千円。  十、商工関係、二十二億五千三百二十九万六千円となっております。  次に、復旧対策について申し上げます。  両県とも台風の進展と被害の甚大となるにつれまして、県に災害対策本部を設け、長崎県では一部に陸上自衛隊の出動を要請して避難措置を講じております。被害の最も甚大な市町村に対し、台風第九号の場合は、佐賀県四カ町村、長崎県二十三カ町村、八月末豪雨は、佐賀県一市一町。台風第十二号は、佐賀県一町一村。長崎県は、三十四カ市町村に災害救助法を適用いたし救助に当るほか、各種被害に対しては、県、地元市町村、関係機関一体となり、復旧に不眠の努力を続けております。  復旧対策について県当局及び地元関係者から、政府の強力なる援助を求めて種々要望がありました。そのうち主要のものを申し上げますと、次の通りであります。  一、公共施設関係。  (1)公共土木施設、農林水産業施設、学校施設等の災害復旧について、今回の災害が主として道路、海岸、港湾、漁港、河川、干拓堤塘、農地、農業用施設等に被害が多いのであるが、早急に復旧工事を実施し、特に緊急を要する個所の復旧については、本年度中に緊急に本工事を完了し得るよう予備金支出、その他の予算措置等格別の措置を講じられたい。  (2)普通の原形復旧では危険であって災害復旧の意味をなさないので、原形復旧の観念にとらわれず、抜本的な計画設計により関連災害復旧事業として施工せられたい。  (3)道路、港湾、漁港その他緊急復旧工事に要する経費をつなぎ資金として緊急に融資せられたい。  二、住宅関係。  (1)第二種公営住宅の建設については、国庫補助外の地元負担分(三分の一)は全額起債を承認すること。  (2)住宅金融公庫の融資ワクを増設し、罹災者に優先的に融資の割当を行い、融資率の七割五分を八割に引き上げること。  (3)一般個人住宅復旧費、補修費に対しても融資するよう特別措置をとり、その額は復旧費の八割とし、融資の方法、償還等は、市町村長の責任において処理することにすること。  三、農林水産業関係。  (1)農林水産業施設災害復旧については、高率補助の適用を希望する。  (2)被害農林漁業者に対し、「天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法」の適用によりすみやかに経営資金及び事業資金の貸付、利子補給、損失補償の措置を講ずること。  (3)右の「天災法」に基く政令による地域指定をすみやかに行い、かつ地域指定に当っては、全県を指定対象とせられたい。  (4)農林水産業関係の設備資金については、農林漁業金融公庫の大臣指定災害復旧資金のワクを増額し、緊急融資を行い、なお動力船、製氷施設等については、公庫の特別ワクを設けられたい。  (5)自作農維持創設資金の繰り上げ、かつ増額割当を行われたい。  (6)罹災者に対しては、昭和二十八年以後の災害融資の償還を延期せられたい。  (7)予約米の売渡概算金を受領している者で、予約米の売り渡しが不可能になったものについては、返納延期と延滞利子の免除、または特別の融資を行われたい。また、被害農家の食糧確保のため食糧の廉価販売及び代金徴収猶予に関する特別立法を行われたい。  (8)収穫皆無の農民に対し、種子購入資金の助成を行い、被害養殖漁業者に種苗購入費を全額補助せられたい。  (9)漁業災害補償制度を早期に確立せられたい。  (10)開拓地の住宅についても、補助率の引き上げ、補助対象の拡張、入植年次の制限緩和等の特別措置を行うこと。  (11)開拓地の入植者で年次の新しいものは、農業災害補償法による共済保険の対象となっていないので、特別に補償等の措置を講じられたい。これは、さきに申し述べました有明海岸福富村干拓地において、特にその悲惨な事例を生じております。  四、商工関係。  (1)国民金融公庫、商工中金、中小企業金融公庫その他関係金融機関の資金ワクの設定と低利長期、利子補給、損失補償等の措置を中小企業金融として実施せられたい。  (2)中小企業災害補償法(仮称)を制定せられたい。  五、地方財政関係。  (1)補助外の地方負担分については、全額特別交付税を交付するか、または起債を認め、この場合、利子は全額国庫負担とせられたい。  (2)両県とも再建整備団体であるから、国庫の負担率を増額せられたい。  (3)市町村民税、固定資産税の減免額は、特別交付税を交付せられたい。  (4)補助金の早期交付を希望する。  その他詳細は資料によって御覧いただきたいと存じます。  以上、台風関係について申し上げましたが、このほかに長崎県北松浦郡世知原町字長田代の地域が、去る九月十九日以来地すべりを始め、中心地は水田が多い高地でありますが、九月二十四日現在、田畑流失、埋没、山林崩壊、道路、農作物等、被害額は一億六千三百十万円に上っております。本格的な地すべりを始めた時には、全町全滅の危険さえあり、救済対策とともに、地質調査、排水工事等、緊急実施を要望いたしておりますことを申し添えます。  今次災害の復旧につきまして、これら地元の要望は、いずれも緊要かつ痛切なものでありまして、私たちとしましても各省の関係当局と対策につき協議懇談を行なって参りましたが、何分にも、国会、政府、地元関係当局一体となり、強力な施策が行われて、初めて復旧が可能なものでありますから、すみやかに政府の強力適切な施策を要望いたしますとともに、何とぞ各位の御協力をお願いする次第であります。ことに本院は、目下のところ他の委員会が開かれておりませんので、議院運営委員会を通じて特に要望する次第であります。  以上、御報告申し上げます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 速記をつけて。  次に、北海道における冷害状況調査のための派遣議員を代表いたしまして、戸叶武君から御報告を聴取したいと思います。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 北海道における冷害状況について、現地調査の概要を御報告申し上げます。  今回現地に参りましたのは、農林水産委員長のほか、自由民主党から藤野、雨森の両議員、緑風会から森議員、社会党の藤田議員の五名でありまして、地元の西田、東両議員の協力を得ました。  十月十日第一便で羽田を出発、午前十一時三十分札幌に到着、直ちに田中北海道知事や冷害対策委員の各位から、本年度の冷害の特質並びにこれが対策についての説明を聴取いたしました。  御承知のように、もともと自然条件に恵まれない北海道におきましては、通例四年に一回の冷害凶作をこうむっているのでありますが、今年の凶作は、大正二年以来の大凶作と言われ、単に水稲のみならず多くの畑作物が全道に亘って著しい被害を受けているのであります。昭和二十八年、二十九年も大凶作でありましたが、本年の冷害凶作は、それよりもはるかに広範囲で、被害の程度も深刻なのであります。このような本年冷害の特質は、札幌農業試験場の係官の説明によりますと、昭和二十八年のごとき遅延型冷害と異なり、いわゆる障害型冷害でありまして、開花受精障害により広範な穀菽作物の結実不能となったところに致命的な原因があったようであります。すなわち五月から六月の初旬までは、珍しいよい天気で、一部には風害もありましたが、田畑作とも生育がよく、二年続きの豊作を思わせる高温が続き、冷害型の気温低下がくるという長期予報が発せられたにもかかわらず、農民は窒素肥料を多く施した傾きがあるのであります。しかるに六月、七月、八月は気温著しく低下し、梅雨型の霧雨が連続し、晴天の日僅か十日、気温十五度以上の日も十日足らずという状況である。こういうわけで、特に水稲は開花が遅れた上、花粉受精に一番重要な八月下旬に摂氏十五度以下という受精不能の低温寡照が続き、結実しない稲になってしまったのであります。このように本年凶作の特質は、受精障害による結実不能でありますので、天候不順でも稲の株張りはいいし、遅ればせながら穂も出たので、農家自身も気がつかない傾きがあり、昨年と同じ供出予約を行い、概算金も受け取ったのであります。ところが九月に入って天候がやや回復しても、穂が立ったまま実が入らず、殆ど収穫皆無ということがわかって、大騒ぎとなったというのが真相のようであります。  このようにして九月に入ってから、急に北海道の冷害が大きく表面化したのでありまして、府県で二年続きの豊作と言われているこのときに、まことに気の毒であります。特に水稲の被害は大きく、九月十五日現在で、道庁の調査によりますと、全道平均で平年作の六〇%の被害率で、十四万八千町歩の水田のうち、三分作以下収穫皆無の面積は五万二千町歩、三分作以上五分作のもの四万八千町歩に達し、その減収は百七十五万石に上るものと見られております。畑作地帯の被害も著しく、北海道農業の大宗である豆類のほか、トウモロコシ、飼料作物など、軒並みに登熟が悪く、畑面積五十二万町歩の五割が半作以下収穫皆無というありさま、比較的平年作に近い作物は亜麻だけでありまして、亜麻の種子対策は、輸入の関係上特に考慮する必要があり、バレイショ、テンサイ、 ハッカ等も、一部の地帯を除いて減収と言われております。このような被害の広さと、被害率の大きさによって大正二年以来の凶作と言われるに至ったのであります。従って全道七十四万町歩のうち六十八万町歩が被害を受け、その被害の総額は農林省の調査でも三百二十億、道庁の推計では三百九十六億となっているのであります。まことに実るはずの農作物が実らなかった農家も悲惨でありまして、昨年並みに予約して受け取った供出予約金や肥料代が返せないのみか、保有米もようやくなくなり、さっそく食糧に困るわけであります。特に戦後入植した開拓者は、毎年冷害や水害を受け、来年の再生産資金がなくなっております。従って北海道では、去る九月二十一日救農道議会を開き例外対策本部を設け、全道関係諸団体、諸機関を打って一丸とした冷害対策協議会を結成し、冷害応急対策と同時に恒久対策を立て、被害農民の救済に全力を注いでいるのであります。すでに田中知事も述べておりますが、応急対策としては何よりも飯米を確保し、主食の代金延納による安売りを行い、また被害農家に、さしあたって現金収入の道を与えるため、救農土木事業を起し、また北海道の作物の種子は、内地の暖地の種子では代用できず、どうしても道内で入手する必要があり、少くとも一俵三千円くらいで買い上げ、半額で配布するよう処置してほしいとの要望があり、その他、生産資材対策、再生産資金対策を絶対必要とするというのであります。これらは、いずれも国の施策として具体化する必要がありますので、さしあたって取り上げる必要のあると思われる要望事項のみを列挙してみますと、およそ次のようであります。第一、食糧対策として、  一、政府食糧の買入れ価格による売渡しと代金延納措置。  二、学校給食用物資の拡い下げ。  第二、・生活資金対策として、  一、救農土木事業、失業対策事業の実施。  二、薪炭材の払い下げ。  三、炭焼きがまの構築費補助。  第三、営農資材対策としては、  一、種もみ初め種子、飼料の確保措置並びに購入補助。  二、病害防除費に対する国庫補助。  第四、農業金融対策としては、  一、営農再生産資金、土地改良事業資金の融通、自作農維持資金及び伐採調整資金の増額。  二、各種資金の償還延期または借りかえ。  第五、地方財政対策としては、  一、救農土木事業に対する起債、その他地方債の特別措置。  二、既往債の低利借りかえ。  三、特別交付税の増額配付、普通交付税の繰り上げ交付等でありますが、特に農業共済金の年内支払い、過年度災害復旧費補助金の早期交付、供出予約金の返納延期等が要望されました。  また冷害にかかった下層農家を転落から救済し、農業生産振興のための唯一の長期資金である自作農創設維持資金のワクは、特別に二十五億円以上を確保されたいという点、また全道にわたってようやく普及した国民健康保険について、冷害による収入の道がなくなり、保険税の納付が不可能となり、保険者たる町村は、租税収入が激減し、一般会計から特別会計への繰り入れが困難となり、制度の危機を招来しておりますので、国は、保険税の減免あるいは徴収延期、減免に伴う収入減を補足するための補助、徴収延期分に相当する融資及び利子補給、町村の一般会計から特別会計への繰入金の融資及びその利子補給、既往の凶作対策によって受けた融資の償還延期等について、強い要望がありました。  さらに救農土木事業として行う土地改良事業には、特に小団地、小面積の事業を対象として行い得るよう、特別の措置を講ずる要あり、町村財政窮迫の折柄、特別高率の補助を行う必要があります。また農業共済金の支払いと関連して、家畜共済の保険の更新期に当面しておりますが、現金収入不足のため、被害農家の掛金に融資の道を開いてほしいという要望もありました。なお従来の開拓営農指導員及び改良普及員制度を一そう拡充し、特に面積の広い北海道では、オートバイ等の機動力を強化するための政府の施策を一そう徹底する必要があることを強調されました。  このような本年の冷害対策なり要望事項を二十八年、二十九年のそれと比較してみますと、第一に、被害農家が各種の融資の返済に困っており、融資限度に達している点もあって、新たな融資よりも、低利長期の資金への借りかえ、ないし償還延期を強く要望している点であります。また打ち続く冷害凶作のため、応急対策に限界があり、この際、同時に恒久対策をあわせ考えて、再びこのような冷害をこうむらないよう、根本的な営農方式を再検討すべきであるという機運に向っていることであります。従って応急対策と直結した恒久対策としては、排水、客土、酸性中和等の土地改良事業を、救農土木事業として早急に実施し、耕地の土性改良、防風防霧林の造成等、土地条件を整備すること、穀作中心主義から有畜農業中心主義への転換、農業機械化の促進、農業試験研究機関の整備、改良普及事業の強化、負債整理、農畜産物価格安定、災害補償制度の拡充等による農業経済の安定等が強調されている点であります。  このように札幌で北海道全体の冷害状況や、道としての対策、要望事項を聴取した後、函館本線に沿って石狩平野の水稲作を視察し、美唄市の茶志内部落の冷害水田を調査しました。北海道の穀倉とされているこの地帯も、水稲の株張りがよく、見渡す限り稲の穂が突っ立っているのですが、穂を手に取って見ると、無結実のもみが多く、この地帯で半作以下とのこと、まことに惜しい限りで、これに実が入っておれば豊作なのですが、受精障害のため、今さら何ともならない状態であります。しかし、この半作以下のもみは、来年の種もみとして確保する必要のある貴重なものであると説明されて、あらためて稲穂を見直した次第であります。その日、旭川に到着、管内の市町村長初め各種団体等から、上川支庁における冷害の概要と、その対策並びに要望事項等を聴取しました。この地区は水田四〇%、畑作七〇%の作況で、北部地帯の一万三千町歩は収穫皆無と言われております。水田が多いので、供出の予約金だけで十四億円に達し、田畑作をあわせ七十億の減収であるが、各種資金を七十億円借りており、そのうち、今年返済を要するものが四十億と言われております。冷害のため、とうてい返せないので、自作農維持資金に肩がわりしてほしいという真剣な要望がありました。また冷害により土地改良区の歳入欠陥一億円が予想されるので、運営資金の融通を望むとの陳情もありました。また、この地区は戦後の開拓農家が多いが、その三分の一は転落の危機に直面しており、さしあたってこれらの開拓農民に現金収入の道を与えるためにも、早急に救農土木事業を実施する必要があることを強調されました。また、ここに留萌支庁長も出席され、管内の冷害状況を報告されるとともに、昨年の天塩川の水害、今年の冷害による管内の農民の窮状を訴えられました。この地帯は今年は、にしんの漁獲も少く、特に開拓者は二十八年の水害凶作、二十九年の台風冷害、三十年の水害、今年の冷害凶作と、連続四年の被害の連続で、極度に疲弊しており、天塩川の災害復旧工事、土地改良事業等、救農土木事業に唯一の期待をかけている旨訴えられたのであります。  翌十一日は、永山町にある道立の農業試験場で冷害に耐え得る水稲の品種改良について桑原場長から説明を聞き、折柄の冷雨の中、当麻、愛別、比布等の町村の冷害状況を視察しました。小雨の中実らぬ稲を刈っている付近の農民諸氏が参集し、中には、ことし調製した米の見本を持参し、これがことしの米だから見てくれと差し出しましたが、全くの青米で、到底検査の対象にならないひどい米でありました。和寒で昼食をとり、上川北部町村長から陳情を受けましたが、この地方は国有林が多く、今なお風倒木がそのままになっているので、被害農民の薪炭材に無償で採取させてほしいという申し出もありました。また原木の払下価格が商人払下価格より高い実情にあるので、この点もぜひ林野庁で考慮していただきたいと思われます。またバレイショの価格安定のため澱粉の政府買上げと適正価格の決定が、特に畑作地帯の声とし要望されました。  剣淵から士別に参りますと水稲はほとんど収穫皆無で、農民はその稲を刈り、穂の方をゆわえてさかさに稲架にかけて、いました。穂よりもわらの方が重いからであります。冷雨の中に力なく実らぬ稲を刈っている剣淵原野の農民諸君が道ばたに集って窮状を訴えるありさまは、まことに哀れでありましたし、士別では出稼ぎに出るにも旅費がないから、救農土木事業に出る支度金を貸してほしいという声がありました。また下川町では戦時中の東京の疎開者が緊急開拓で入植した開拓村の主婦連が、実らないアズキの枝等を持参して参集、「四年続きの凶作で子供たちに弁当を持たすこともできません。学校に行く子供に、お母さん、きょうも弁当がないのかと言われるのがほんとうにつらい。どうぞ完全給食ができるよう学校給食を充実して下さい」と訴えてきたのには、一同涙を誘われました。同様二の橋部落でも開拓農民の待伏せ陳情を受けた次第であります。同夜紋別市に到着、網走、宗谷管内の冷害状況と対策について説明を聞きました。この両地帯とも、水稲はほとんど収穫皆無、畑作も平均して三分五厘作といわれており、特に西紋地区は水害と冷害のため極度に疲弊、負債も一戸当り三十万、四十万に達しているようであります。特に重粘土地帯では排水が悪く、酸性土壌で有畜農業や酪農中心農業に転換しようにも、飼料作物が栽培できぬ地帯であり、いずれも暗渠排水と砂客土を必要とするが、その費用は反三万五千円を要し、到底個人の力ではできないので、国の力で土地改良を行い、営農の基礎を与えてほしい。まずさしあたり救農土木事業として事業化してほしいという要望がありました。  翌十二日は、その重粘土地帯の小向の開拓民から道端で陳情を聞きました。いずれも緊急開拓で入植した人たちで「私たちは東京の者です」と短いデントコーンや実らぬアズキなどを持参し、窮状を訴えるのでした。後、小向の重粘地農業試験場で、この地帯の特質と、技術的な土地改良の方法について説明を聞きましたが、これらの地帯の開拓者は、国が何らの土地条件を整備せず、ただ機械的に入植させたものが多いので、その点からしても、国の責任において土地改良を実施してやる責任があることを痛感した次第であります。  続いて上湧別南兵村の水稲を視察しましたが、もうこの地帯では早生稲も晩生稲も、品種のいかんにかかわらず収穫皆無でした。また遠軽町では土地改良区の事業、国民健康保険事業の運営に対し陳情があり、この地区としてはビート、ハッカ、除虫菊等の試験場がほしいし、採草地、放牧地を加えて有畜農業を確立するため国有林を開放してほしいという意見もありました。後、上遠軽四十九号部落の冷害水田を視察、この地帯の特殊作物として特殊な存在となっている北見のハッカ工場を見学、北見市役所で常呂郡ブロックの市町村長から冷害凶作の状況や対策要望事項等について説明を聞きました。オホーツク海沿岸の農村としては、この冷害を期に高度集約酪農とテンサイ栽培を結びつけた安定農業を確立したいという注目すべき意見が述べられました。  十三日は、端野村、美幌、女満別を経て東藻琴村に至り、この村の青年村長から村内の冷害の状況を聞きました。この付近は、戦前はハッカの主要産地で、農業は安定していたが、戦時中穀作中心に転換し、冷害に弾力性のない営農形態になったので、今後はハッカ、ビート等、安定作物と酪農に重点をおき、安定した農業を確立したいという意見を述べられ、冷害に対する基本的対策として大いに教えられた次第であります。この日、一行はこの村の役場で、カボチャとバレイショだけの昼食をとりましたが、きわめて印象的でした。後、小清水村役場で斜里三カ町村の冷害状況を聴取し、斜里山麓の東京開拓団常盤部落に至り、風害による表土飛散地帯の被害状況を視察、防風林の必要を痛感しました。  次いで弟子屈町に入り釧路支庁長弟子屈町長等より管内の状況を聞きました。いわゆる根釧原野の農業は、草生の改良による有畜農業の確立よりほかに道がなく、少くとも一戸当り五頭の乳牛を飼養しないと安定しないし、そのためには少くとも十町歩の農用地が必要であることを痛感しましたが、平均反別は、一戸当り四町歩と聞いて増反の必要があることを知りました。  十四日は、根釧原野を横断、標別町荻野村の農場視察、さらに中標別北中部落の酪農経営を視察しましたが、根釧の酪農経営はもっと増反し、少くとも五頭以上の乳牛を飼養する必要があり、その意味でなお問題が残されているようであります。ここで根室支庁の冷害状況と対策を聞きましたが、越冬資金の獲得のため早急に救農土木事業を起してほしいことと、国民健康保険の危機に対処する措置を強く要望されたことが印象的でありました。同夜釧路に到着、釧路支庁の状況を聴取しましたが、酪農中心の営農を確立すべき点と、年積算温度二千四百度以下の特殊気象地帯振興法の制定が強く要望され、防風林、防霧林の造成が冷害対策として強調されました。  翌十五日は、池田町に至り、さらに帯広市千代田部落、音更町万年部落の不稔水田を視察、上士幌の澱粉工場視察、帯広支庁に到着し管内の状況を聴取、市外のテンサイ糖製造工場を視察、畑作地帯における原料作物の加工による価格安定が必要な事実を強く印象づけられた次第であります。  十六日は十勝平野を南下、大樹、広尾等畑作地帯における豆類の被害状況を視察しました。この地帯は、耕地の六〇%が大小豆、菜豆の栽培に向けられておりますが、大豆は五〇%、アズキは七六%、菜豆は四一%という被害率で、豆のさやはついておりますが実が入っていないものが多く、相当の減収と思われます。従って従来の投機的の雑穀中心の農業から、ビートを取り入れた酪農中心の安定経営に転換する必要があり、このため標準経営として一戸当り自家用作物五町歩、販売作物五町歩、酪農飼料作物五町歩、計十五町歩持たないと畑作農家は安定しないという地元の意見や、現在乳価一升三十九円で不安定であるから、乳価安定政策等を要望されました。次いで黄金道路を南下、襟裳岬を迂回して浦河町に出て、町役場で日高地区の冷害状況について報告を聞き、これが対策について話し合いました。日高地区は、福岡県くらいの大きさの支庁ですが、農家戸数は六千五百八十八戸しかなく、主として農林水産業で生活しており、連年地震、水害、冷害をこうむっていますが、交通不便のため現地調査に来られる機会が少く、北海道の盲点になっているとして一行の視察を大へん喜んでいただきました。ことしの水稲被害七三%で畑作物も悪く、また開拓地が多いので、開拓者負債の低利長期の肩がわり、供出予約金の延納、冷温床、苗代補助の継続、共済金の年内支払い等が強く要望されました。また、胆振支庁については、苫小牧において、管内における冷害の状況を聴取しました。この地区では、水稲は平年作の六九%で、畑作物を加え、管内七千八百九戸の農家が約十二億の被害をこうむっております。この地帯はいわゆる火山灰地帯でありまして、苫小牧市内の水稲の被害率は七〇%、早来村では八〇%、追分町では八二%と、いずれも大きく、土地改良に伴う救農土木事業の実施と飼料作物の不作に伴う政府手持ち飼料の払い下げを要望する陳情がありました。なお苫小牧市では、工業港建設に関する予算について熱心な要望がありました。  このようにして、十六日夜札幌に帰着、延々千七百キロにわたる現地調査を終ったのでありますが、後志、檜山、渡島の三支庁を除いて全道の各支庁を訪れ、または直接被害状況を聞き、大正二年以来の冷害に見舞われて途方にくれている村々、開拓地を訪問し、現地の声を聞くと同時にお見舞を申し上げて参った次第であります。  現地調査の結論としましては、すでに述べた現地関係者の対策要望事項を早急に取り上げ、検討を加え、政府を促してこれが具体的施策を実施せしめるとともに、早急に立法処置や追加予算を必要とするものについては、臨時国会を開いて成案を得る必要があると思います。ただこの際、特に申し上げておきたいことは、これらの対策が早急に実施されることが必要でありまして、すでに社会福祉団体から、開拓地被害農民に対する救援米が届いて、大へん感謝されていましたが、救農土木事業にいたしましても、早急に行われないと北海道では雪が降って参りますし、特に北部地帯では、地下三尺も凍って土木事業ができなくなる危険があります。また種子もみなども早く価格をきめて買い上げないと、内地のもみでは種子にならず、飯米に困って食糧にされるおそれがあります。応急対策としては飯米を払い下げ、早急に開拓地や被害地の学校給食を完全実施し、欠食児童を救済する必要があります。また共済金の年内支払いは、どうしても実施する必要がありますし、家畜飼料の払い下げ、国有林風倒木の払い下げ、炭がま資金の貸し出し等、一日も早く実施する必要があります。再生産資金に対しても、近時融資立法が多くなった関係上、農家は借金で首が回らなくなっております。被害農家自身も、従来の穀作中心農業からビート、ハッカ等を加味した有畜、酪農業中心に転換する必要があり、この際、安定した北方農業の新しい営農方式を確立する必要があります。今年の冷害が早中晩種と、品種のいかんを問わず結実障害を起している実情は、従来の稲作穀作中心経営反省のよい時期であり、この禍いを転じて福としなければならないと思います。このような穀作中心に導いた責任の一端は、戦時中からの国の施策方針によるのでありますから、国の責任において有畜資金を融通し、再び凶作に見舞われない安定農業を打ち出す必要があります。このための融資は、五年償還ではやや短期に失しますので、十年償還ぐらいにしてほしいという要望が強く主張されました。また土地を整備せずして緊急開拓民を入植せしめたことは、政府の責任であります。急速に根本的な土地改良事業を起し、農民の賃金収入を得せしめ、営農の基礎条件を確立する必要があります。いずれにしてもこのように年々冷害を受ける北海道の冷害対策は、このような恒久対策と結合せずしては、もはや説得力を持たないと思われるのであります。  以上で報告を終りますが、最後に、現地の議員諸君が超党派的に冷害対策に奔走されていることと、選挙によって選出された若い市町村長、議員さんが、行政を担当し、新しい北海道の建設に尽力されている姿に敬意を表するとともに、今後の御活躍を期待して、この報告を終ります。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 以上で、九州並びに北海道の報告を終ったわけでありまするが、これよりただいままでの報告に対する質疑並びに政府の対策、所見等に対する質疑を許します。  なお本日は、政府より内閣を代表して内閣官房長官、それから関係各省よりは、政務次官あるいは次長、官房長、関係局部長が出席されておることを申し添えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ただいま九州を襲った台風十二号後における被害状況と、これに対する緊急あるいは恒久対策について報告あるいは意見の具申がありました。続いて北海道冷害対策についても、同様それぞれ具体的施策の具申をして、ここに調査報告がなされたわけでありますが、私もただいまの報告の内容にあった特に具体的かつ緊急な施策については、全く同感でありまして、これらのそれぞれについて、まず官房長官から政府を代表せられて、現在の政府のこれに対する措置、あるいは今後の見通し等について、総括的にお答えをいただきたいと思います。  なお各省所管については、引き続きそれぞれの所管事項について質したいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 本年は、夏分まではあまり災害がないので、国民とともに喜んでおりましたのですが、ただいま御報告がありましたように九州の一部並びに北海道におきましては、非常に深刻な風水害並びに冷害がありまして、まことに遺憾とするところでございます。政府としましては、この災害が起りますや、直ちに関係各省の係官を現地に派遣いたしまして詳細に実情調査をいたさしておるのでありまするが、なおまた現地からは、それぞれ地方自治体の首長並びに議員の方々が参りまして、つぶさに陳情も聴取している次第でございます。  政府としましては、こういう災害はでき得るだけすみやかに処置することが一番必要である。こういう見地に基きまして、すでに先々週の閣議におきまして私の方から提言をいたしまして、従来ややもしますれば個々に災害の陳情を受けて、それを各省でまたおのおの関係部局で、一つ一つこれを取り上げて、最後には大蔵省の主計局との連絡というような例でありましたが、でき得るだけすみやかに処理するという見地に立ちまして、今回は内閣に関係の各省庁の部課長あるいは局長級の連絡協議会を設けまして、内閣の田中副長官をその主宰者としまして、総合的な施策をいたすことにいたしました。  九州方面の災害の報告は、割合に早く参りましたので、すでにこれに対する当面の措置としての予備金支出も決定しておる次第でございます。北海道の方は、非常に広範囲であり、しかも冷害という災害の特殊性に基きまして、特にこれは農民の方々の影響が大きいのでございます。従いまして公共土木費のような概括的な、しかも早く掴みやすいような情勢でありませんので、資料の提出が少し遅れております。政府としましては、なるべく早くそうした資料を得たいので、現地の知事並びに関係当局の上京を求めまして、これに基いて今せっかく措置を講じておる次第でございます。  いずれにいたしましても、現在のところまだ全貌についての結論は出ておりません。しかしこういうものは解決し得る問題から、行政措置としてやり得るもの、あるいは予備金支出なり、金融措置等をやり得るものは、即刻やるような方針の下に進めておる次第でございます。  なおただいまの御意見の中に、立法措置についての問題はございまするが、これはいずれ臨時国会の場合においては、当然取り上げられるだろうと考えておる次第でございます。  各専門別の状況につきましては、ただいま各関係省庁の職員の諸君も出ておりまするので、そちらの方から御報告することにしていただきまして、まず概括的に政府のとりました措置について御報告申し上げます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まだ北海道においては、その実態の数字を掴みつつあるということであるので、具体的な予算措置その他まだ結論に達していないと思われるわけですが、しかし最近農林省を中心に行われている予算を中心とする作業等を見ると、九州、北海道を一緒にして、その他の予備金支出も、もちろんこれを総合して、要するに予備金の範囲内で事を解決しようというふうに見てとれるわけであります。九州のただいまの報告について見ても、佐賀、長崎だけをとっても、四百億を超えるような被害である。北海道についても同様な状態、こうなって来ますと、勢い予備金のワク内ということをまずきめて、この前提のもとに、その他の救済をするということは、非常に問題があろうと思われる。ことに不徹底な措置になろうと思われるのですが、この点について予備金の必ずしも範囲内にこだわってはいないというのか、あるいは一般の予算上の見地から、予備金の範囲内でという大前提で事に処するのか、この点についてお答え願いたい。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) ただいまの報告によりますると、非常に膨大なあれでありまするが、それは災害総額と考えております。しかし国として措置すべき、予算的に措置すべきものと、あるいは金融でなし得るものと、それからまた、御承知のように従来の農業災害におきましても、個人的な補償の点はこれはやっておらないのであります。あるいは融資の面でしておる場合もございますし、そういう観点からいたしまして、今、はっきりと具体的数字は掴み得ないのでございまするが、政府としては、従来の、今までの報告によりますると、このために、予備金支出で大体いけるじゃないかというような報告を受けておるのでございます。しかしこれは、正確なまだまとまったものが来ておりませんから、これは何とも言えませんけれども、九州方面については、そういうふうにわれわれの方では聞いております。従いまして、政府としては、絶対に予備金以外に出さないとかなんとかという固定した考えを持っておるわけではございません。問題は、実態に即応したところの対策を講じ、それに必要な経費をどういうふうに捻出し、あるいはどういうふうに配分するかという問題は、まだ今後に残っておる、こういうふうに考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 しからば今の、必要があれば予算補正もやむなしということも考え得るということですか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 先ほど申し上げましたように、まだ具体的に結論が出ておりませんので、予算補正をやるかどうかについては、まだ結論が出ておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 臨時国会における関連として立法措置ということで言及されておりますが、相当広範にわたる立法的措置が必要であろうと思われるわけですが、現在の政府とされての立場は、それらのそれぞれの立法措置については、鋭意検討し、この臨時国会に提出するという方針であるのか、ある程度政府としては議員の立法なり、あるいは改正案なり、そういうことに期待せられる立場なのか、この点について。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 災害の措置については、従来もいろいろ災害の経験にかんがみまして、災害関係の立法が相当ございます。しかし今回の災害に関連して、新たなる立法措置を講ずべきかどうかについては、いまだ関係の各省庁において検討中でございますので、政府として今直ちにこれを措置するということの結論は出ておりません。なお議院関係において、議員立法するかどうか、これは院のことでございますので、政府はそれについては特に意見を申し述べ得ないわけでございますが、現在の段階において、広範なる立法措置をとるという結論には達しておりません。現在の連絡協議会における検討の結果並びに関係各省が、これは立法の必要ありと認めて政府に要請された場合に、具体的に検討したいと考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いずれにしても、臨時国会をこれは通常国会がせまってきている今日ですから、その間に憲法第五十三条による要求がある以上臨時国会を召集しなければならないわけですが、通常国会との間に、もう日数も非常に少いことだし、この間に臨時国会をはさむとすれば、遠からず臨時国会が開かれるものとみなければならない。そういたしますと、これら九州並びに北海道の災害、これに対する措置、なかんずく立法措置については、もうそろそろ結論に到達しなければならぬ時期だと私は思うわけです。その際にこの種問題については、予算を伴う立法になり、あるいは改正案になる可能性が強いのであるから、できるだけ政府提出の形をとってお出しになることの方が望ましいと思うわけでありますが、しかしこれも、ただいま即答できない、検討中ということになればやむを得ないとしても、これに関連して臨時国会を、かねていつ頃開くのか。早期に開けというのが、わが参議院の挙げての主張であります。この臨時国会が、鳩山総理の帰国等のスケジュールとの関連において、政府はいつ頃臨時国会を召集する意図なるや。それと関連して、今の災害に関する立法について、どういうめどをもって今作業を進めようと政府はされているのか。各省から出てきたものを閣議決定するということでしょうが、しかし各省においては、すでに三十二年度予算に取っ組んでいる時期であるし、そこにもつてきて冷災害があるわけで、これの立法もしなければならないという輻湊した今日、作業があるわけでありまして、おのずからそこに優先順位ということも考えなければならぬと思います。これが三十二年度にどう予算化するかということも、直接、この救済については関連を持つというような状況でありますから、この際、臨時国会はいつ頃召集するめどであるか。これに関連して立法措置については、各省を督励して、いつ頃までに政府提出の形において立法措置を災害についてはするのか、そうして臨時国会には、日ソ共同宣言の批准と、ほかにかくかくの法案を政府は提出する、こういう一つの内容を、具体的に私ども議運としては伺わなければなりませぬ。これらについて、現在お答えし得る範囲内ではどういうことになっているのか、重ねてお伺いしたい。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 臨時国会は、先般来たびたびの御要請により政府も鋭意検討して参りました。日ソ交渉につきましても、御承知のような状況で調印はできたのでありまするが、これはでき得るだけすみやかに国会の御承認を得たいものと考えております。総理の帰国までの日程、さらにその後の諸般の状況を考えまして、現在政府としては、まだ閣議で決定しておらないので確たる御返事はいたしかねますけれども、一番短期間をとりましてすみやかにやっても、大体十一月の十二日か十五日、大体この見当で準備を進めておる次第でございます。  なお臨時国会における政府提案の法律その他の見通しということでございますが、どういう法律案を出すかということについては、まだこれは具体的にきまっておりません。批准というか、国会の承認を経る日ソ交渉の宣言案並びに議定書、これは当然出す予定でございます。  それから、臨時国会において冷災害に関係する立法をするかどうかは、先ほどお答え申した通り、まだ各省から、これに関連して新たなる政府立法の必要性についての要請がございませんので、これにはまだ結論は出ておりません。なおまた三十二年度予算編成の時期にダブっておるので、三十二年予算と現在の冷災害に関連する取扱いの問題でございまするが、冷災害の方は、御承知のように緊急の問題でございまするので、これは各省庁を督励いたしまして、こちらの方にすみやかなる措置が講じ得るように指導して参りたいと考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ですから、十一月の十二日ないし十五日だとすれば、あと二十日、まあ約三週間しかないわけで、そうなると官房長官、政府とされては、各省を督励して、いつころまでに臨時国会に対する諸提案は整備しろならしろ、よって閣議は大体いつころに、それらの各省から出てきたものに対して、政府の態度をきめるということがもうきまらないと、十一月の十二日といっても、あとわずかですから、その点について私は今お伺いしたいので、各省庁におかれても、すぐ臨時国会を開いて、それからあと、出そうか出すまいかということでは、今度の臨時国会が相当長期な期間が取り得る臨時国会ならばいざ知らず、おそくとも十二月二十日には、臨時国会ではなくて通常国会が開かれなくてはならぬ。その間に、若干の休会ということになるとすれば、どうしても本日あたり政府の一応のスケジュールというものがきまっていなければならぬように思う。まだ出ていないからということだとすれば、出るか出ないか出たとこ勝負なのか、何だか従来の政府の非常に手ぎわよくおやりになった官房長官とされては、今度の臨時国会は軽視されているのかどうか、どうもつかみどころがないようですが、そういう措置をとられないのですか。各省庁に対して一応のめどを官房長官が示してやるのじゃないのですか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 臨時国会は、ただいま申し上げたような見通しで準備をさしておりまするが、臨時国会に対処する各省の準備については、できるだけすみやかであることを必要としまするが、おそくとも十一月の上旬には、各省におけるところの一切の準備を終ることができるように指導いたしたい、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうすると、従ってわれわれの所で政府の提出予定案件というものを知るためには、これは、開かれてみればより明確だが、臨時国会は相当短期だと思うのです。そうだとすれば、十二月の上旬に各省が出し終った。それから閣議で、さあどうしようか、あれは、ということになりますと、十一月の十五日ごろ、十二日に開かれても、従来の日子からずっと勘案してみると、一週間やそこらはかかるから、それに開会後開店休業というようなこと、こういうようなことから議員提出というような事態になりはしないかどうか、こう思われるのですが、それとも臨時国会については、十二月の二十日が通常国会開会だから十九日だけ休んで十八日までやってもらいたいというような長期臨時国会を考えておるのか、そこらはどうなんですか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 先ほど申し上げたように、各省庁における臨時国会に提出すべき案件その他の時期はできるだけすみやかなることを私は要求いたしまするが、少くとも臨時国会が開かれる前に完了することが絶対に必要だと考えておりまして、ただいま申し上げたのでありまするが、なお臨時国会を軽視しておるということは全然ございません。  なおまた臨時国会の会期の問題でありまするが、これは国会の方でおきめになることでありますから、しかもまた御承知のように、今回は通常国会との間に限定されておりますので、非常に長期の国会になるとは想像しておりません。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 会期は今、官房長官が言うように、国会できめる問題でしょうが、それはやはり提出される案件によってきめなければならぬことだと思います。今、官房長官の話を聞きますと、どういう法律案を出すかもまだきめておらない、こういうことをいわれておるわけですが、これでは非常に困ると思うのです。すでにきょうは十月二十二日、かりに十一月中旬に開くとすれば、法律案その他の補正予算も含むということになりますれば相当の準備もございます。もう内定程度のことは論議されておらなければいかぬと思いますが、そういうことすら全然されていないのですか。されておるとすればどういうものが論議されておるか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 法律案については、いまだ内定いたしておりません。日ソ交渉に関する国会の承認の件は、当然これは出さなければなりませぬ。他の法律案につきましては、先ほど申したようにいまだ正式にきまっておりませんから、私から今申し上げる限りでございません。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 最終決定はされないとしても、論議はされておると思いますが、どういうものが大体論議されてきたでしょうか、全然そういうものも一切触れられていなかったのですか。もしそうだとすれば、政府はきわめて怠慢、不誠意きわまるものと思いますが、その点はどうですか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 各省においては、いろいろ検討はしておるようでありますが、まだこれが各省においても最後の意思決定はきまっていないのであります。従いまして内閣といたしましても、各省から御承知のように、今度の国会にはこれこれのものを出したいということになって議題になるわけでありますが、その段階には至っておりません。しかし各省においては検討が内々において進められておるようでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 各省において内々進められておるということでありますが、それは閣議では大体こういう方針ということは、一切まだ論議されたことはないのでしょうか、その大綱に対する政府の方針は。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 閣議の状況を一々申し上げるわけには参りませんけれども、先般来御要請があった場合において、社会党その他の方から、これこれの案件についてというような御指示がございましたので、それについての検討はいたし、また議論したことはございます。しかしこれに伴うところの立法措置をどうするかという具体的なことについてはいまだお話しする段階にまで至っていないという次第であります。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 どうも、あまりはっきりしないようですが、そこまで論議されて、各省で一応内々進められていると思うのですが、出すとすればいつごろの閣議で……閣議は週に二度と承わっておりますが、いつの閣議で大体のめどをつける御方針でございましょうか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 先ほど申し上げましたように十一月上旬の閣議においては、これはできるだけ確定したい、促進したいと思っております。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 とりわけ私は、この臨時国会で問題になります予算の補正の問題ですが、さきには健康保険法の改正をめぐっての問題があり、すでに人事院からは、公務員に対するところの給与改訂の勧告があり、あるいはまた九州及び北海道、とりわけ北海道における災害の状況などを承わりますると、これは補正を組まずしてやれるなまやさしいものではないということは、十分わかるわけでありますが、そういう次第でありますので、特に補正について、予算の問題について、政府において早急に検討を進めなければ、十一月の初めになって、さてどうしようなんというような、そういうのんびりした事態では私はないと思うのでありますが、北海道の災害の状況は、これはすでに起りましてから相当長期にわたっております。その間、おそらく政府は拱手傍観をしてこのまま見送っておったわけではないと思うのでありますが、その検討すらできておらないのでしょうか。特にこれは予算の問題について、どういう見通しでありますか、補正を組まずにいけそうだという考えでありますか、それとも、これはまあ補正を組まなければとうてい乗り切れないという考えなのか、大まかなところでけっこうでありますから…。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 北海道の冷害の問題はただいま戸叶さんから御報告がありましたように、前からいろいろ報告がございましたけれども、これはいわゆる稔実障害に基くあれでありまして、結局収穫期がはっきりわかってからの問題であります。それまでのところは、まあ相当ひどいようだけれども、四分作、五分作というような報告すら聞いておりまして、しかも御承知のように冷害というものは、ほんとうに収穫期になってみなければわからない性質のものでありまして、風水害のように現実にすぐに、直感的にもわかるようなものとも違ったもので、今日までその報告に基くところの検討と、実際面との食い違いが出てきたものと考えております。  そこで先般は与党、野党の強い要求もございましたので、特に高碕国務大臣を現地に派遣いたしまして、詳細に現地における状況も視察して参ったわけでございます。あすの閣議においては、これは国務大臣から報告があると思います。また事務当局としての農林省、その他関係省庁においても、いろいろ検討しておりまするので、その結果に基いて補正予算を必要とするかどうかということが出て参るのでございます。それに基いて政府としては対策をきめなければならぬ。こういうふうに考えておるのでございまして、決して拱手傍観しているということはございません。なお、すみやかであることは必要でありまするけれども、同時にまたこうした災害対策というものは非常に広範にわたるものでございまするので、さらに慎重にかつ具体的であらねばならぬと思います。  こういう観点からいたしまして、政府としては臨時国会までには総合的に諸般の問題を検討の上、必要なる措置を講じていきたい、こう考えておる次第であります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 今の点で、私も一応答弁を求めたわけでありますが、要するに補正予算ということは毛頭考えないで、予備費の範囲内ということにこだわるのか。しかし調査の結果、明日の高碕農林大臣代理が閣議で実情報告をなさる、水害については、より正確なものがつかまれているということであれば、被害の全貌とこれに対して国庫の必要性というものの額のめどがつくわけです。そういう際に、あくまでも補正予算は組まない、予備費の範囲内にこだわるのかこだわらないのか、これは立法府としても十分聞いておかなければならぬことなので、この点については、どうもお答えがあいまいというか、つかみ得ないので、この点は、調査の結果必要とあらば予算補正もやむなしという態度かどうかをお聞かせ願いたい。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) これは、観念的な問題ではないと思います。観念的に、政府は予備金支出であとはできませんというような態度で臨んでいるのではございません。ただし今日までの各省からのお話、あるいは現地からのいろいろのお話もありまするけれども、いまだ各省においてはこのために補正予算を組まなければならないという要請が閣議に来ておりません。従って現在のところ、補正予算を組まなければならないという気にはなっておらないのでありまするが、関係大臣が、おのおのその所管事項について検討の上に、これが意見が出されるものと考えている次第でございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 臨時国会で、今の予算の問題をあわせて聞きたいのですが、大体、最終決定をどうするかということを、私はあえて追及はいたしませんが、閣議で問題になりそうな事項ですね、論議されそうな事項は、どういうことを考えられますか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) これは、各省の方から報告に基いて出てくると思います。また本日、御報告のありましたいろいろの御意見なり、そうしたものも研究の対象になることは当然だと思います。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 それでは、項目別にどういうふうに大体論議されるか、たとえば日ソ交渉の問題であるとか、あるいはスト規制法の問題であるとか、あるいは救農問題であるとか、あるいは災害対策の問題であるとか、いろいろ私はあろうかと思います。今各省から集めるのは別といたしまして、官房長官として予想され得る事項ですね、それはどう結論が出るかは別といたしまして、論議されそうな事項というものは、どういうものであるかということを私はお聞きしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 先ほど申し上げましたように、政府として提案するものについてはまだ検討中で、今秋から、政府を代表して申し上げる段階ではないと思います。  それから論議される問題はどれどれかというと、論議するのは国会でございますから……。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 政府が提案する場合に……。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 提案するものについては、先ほど申し上げましたように、検討中でございます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 今、根本さんからこの補正予算については、各省からの要請がないと言われておりますが、北海道の冷害は、四十三年ぶりの大冷害であるということをみな認めているんですが、農林省その他におけるその要請ができなかった主たる理由は、担当大臣であった河野農林大臣が、日ソ交渉などという外交問題の方に専念しておって、高碕さんがこれを代理して、ちょうど今になってから視察に行って、明日閣議で相談しなければならないというような、手落ちの結果遅延しているのかどうかを一つ承わりたいことと、もう一つは、報告の中で述べておきましたが、この北海道の救農土木事業というものは、十一月から十二月に行わなければだめになるんです。そういうことをおかまいなしに、今までの内地における救農土木事業のような考えで北海道のことを議しておられるのかどうか、その点、もっと具体的に明瞭に、政府の態度を明らかにされないと、北海道の人たちは、ほんとうにとほうにくれてしまうと思うのです。  これは、大正二年以後における最大の被害であるし、御承知のように二十七年のあの地震、二十八年、二十九年の冷害、三十年の風水害という、北海道としてはいまだなかったような連続の大災害を受けているんです。これに対して政府の施策が迅速に行われないと、私はとんでもないことが起ると思うのです。特に救農土木事業によるところの農民の手に直接現金収入の道が、十一月、十二月に講ぜられるなり、また開拓民その他の困っている人たちに飯米の確保なり、学校給食の強化というものがなされないと、この年末までには、とんでもない事態が私は起きると思うのですが、それに対して、政府はそういう楽観的な考え方をやっていていいのかどうか。それからどういう対策を迅速に講じようとしているか。その点だけでも明らかにしないと、私は不安を醸成すると思うのですが、一つ、根本官房長官に率直な御答弁を願いたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 北海道の冷害の深刻である点については、私、地元の災害を受けた方々からも数次にわたって陳情を受け、あるいはまた与党野党の議員の方々から、数次にわたって陳情を受けて、非常に心を痛めている次第でございます。現在行政措置としてなし得る、既定予算でなし得るものは着々北海道開発庁を初め、関係省をもってやらしておるのでありまするけれども、今、戸叶さんから御指摘の通り、これは非常に広範でございます。広範であり、かつ深刻でありまするために、これに対するところの臨時応急の施策といいましても、非常に複雑多岐にわたっておるようでございます。従いまして今関係各省だけでなく、実は冒頭に申し上げましたように関係各省間の連絡協議会において、これは十分なる検討をさせているのでございます。たとえば農林省の仕事だけでこれはできない場合もある。建設省との関係もある。あるいはまた労働省の失対関係の仕事とも関係がある。ところが従来は、これが個々にやられておるために、その間の調整のために時間がかかった。これをなくするために、現在協議会を開いておるというような現状でございます。  それから河野農林大臣が日ソ交渉に行ったために、北海道の冷害対策に対して非常な手落ちがあったじゃないかと、こういうように御疑問を持たれたようでありますが、そういうことはございません。これは事務当局が随時にわたって、調査もし研究も進めておるわけでございますし、なおまた高碕代理大臣も事務当局と密接なる連絡をとってやっておるわけでございます。  それから北海道の天候の特殊性に基いて、すみやかに措置を講じなければ、せっかく予算措置なり、あるいはまたいろいろの具体的施策をしても効果が上らない。であるから、できるだけすみやかであるべきだという点については、全く同感でございます。その趣旨によって各省を督励したいと存じております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 二十八年の凍霜害のときは、特に近県におけるところの長野や群馬や新潟、栃木というようなところが非常に被害を受けて、強力に臨時国会の要求があり、政府も臨時国会を開き、しかもそれに対処することが、きわめてずさんであった内田農林大臣が辞職を余儀なくされたような事態まで起きているのですが、あのときに私は凍霜害の視察に行きましたが、八カ岳や軽井沢やあるいは赤倉、妙高付近の最大の被害地の状況よりも、北海道の今度の被害というものは深刻です。遠隔の地であるがゆえに、広範であるという理由のもとに、急速にこの臨時国会を開いてそれに対処することもできず、内田農林大臣が問題を起したような政治上の大きな衝撃をも与えたような事態すら過去において生んでおるのですけれども、こういう経験があるのですから、政府として急速にこの問題に対して電撃的な措置を講じないと、ほんとうにあとになってから、これは収拾つかないような事態が生れないとも限らないと思うのです。それで根本さんの答弁は、一応理屈としては通りますが、理屈として通るだけで、結果的には、政府がやる施策というものが非常におくれたということになると、その結果から、問題はやはり発化すると思うのです。そういう点において、もっとたとえば、具体的に言うならば十一月、十二月における緊急の土木事業なり何なりというものを、こうこういうふうな形において、とりあえずやるというような形にやらないと、これは被害地に与える影響というものは、どうも遠いから北海道は冷淡にされているのじゃないか、われわれがもっともっと立ち上って押しかけないから、こういうことになっているのじゃないか、二十八年、二十九年の例があるのですから、それより深刻だというこの事実は、何人も認めざるを得ないのに、それを遅延しているということは、それに対して適当なる、やはり私は政府の誠意ある御答弁がないと困ると思うのですが、根本さん、それに対して、一つ具体的に……。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 先ほど申し上げました点に尽きると思いますけれども、明日の定例閣議におきまして、担当の高碕大臣が報告されますので、これに関連して早急に関係各省の実際的な措置について推進したいと考えております。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) いかがですか。官房長官当初から、ちょっと所用を持っておられたのを来てもらったのですが、官房長官に対する御質疑はないでしょうか。

藤田進日本社会党

○藤田進君 政局問題について、一つ聞きたいと思います。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 官房長官だけの問題、ほかの各省はまだおりますから、官房長官に……。

藤田進日本社会党

○藤田進君 前回の議運において、官房長官に当時、岸自由民主党幹事長が記者会見の席において、十一月の十五日ごろ臨時国会を召集し、その間党大会を開き、総裁の公選を終って政局の転換をはかる、こういう談話がありまして、これを引用して尋ねたところ、政府とは無関係である、承知していない、しかし政党政治であるから、臨時国会についても、およそ十一月十五日ごろに結果的にはなるでしょうと、つかず離れずの御答弁がなされているわけです。ところで最近の新聞の報道等を総合いたしますと、そういう構想が変って、臨時国会を開き、その後通常国会との間に鳩山総理は辞職されて、新しき首班指名は通常国会でするんだというようなことが、政府与党間に話し合いが進んでいるやに報道されております。当院としても時の首班の更迭ということは、重大なことであると思いますが、本委員会を通じてこの間の事情を明らかにすると同時に、鳩山総理の引退だとすれば、その時期を、いつごろにお考えになっているか。これについては、すでに、あるいはサンフランシスコに、あるいはハワイに人を派して、万端の手はずは整えられつつあるようであります。われわれは新聞を見て、真偽は別として、おそらく新聞がうそを書くことはないと思いますが、しかし公式に、しかも直接的にお尋ねすることは今までなかった、この際、かかる重大な問題は明確にしていただきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 総理の引退その他については、党にもいろいろ御意見があるようでございますが、政府としてはいまだ、鳩山内閣がいつどういうふうな段階において総理が引退するかどうかについては具体化いたしておりません。従って政府を代表して、私から総理の引退問題について触れることは、私は一切申し上げることはいたさないつもりでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 根本官房長官談話としては、この際、日ソ交渉も終了したことであるし、引きぎわであるから、日ソ交渉終了後は引退してもらうんだ、河野農林大臣もしかり。こういう報道が実はなされているわけです。この点は、真偽を明らかにしていただきたい。新聞がうそを書いたのか、それともそういう官房長官の意見であったのか。官房長官の御発言は、かなり重要視しておりますからね。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 私は新聞記者団に対して、総理がいつ引退するとか、そういうことは申したことはございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、何月何日という意味でなくて、日ソ交渉が終ったならば、この際、引退さるべきであるという意思は述べられたのではありませんか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 私は、記者会見において、総理は引退すべきであるという明言はいたしておりません。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 官房長官に私より最後に、一つ希望しておきますが、災害対策は、時を得なければいかぬことはわかったことで、ことに九州の災害の干拓地、有明海等は、やはり年内に締め切らぬと、これは来年の植付けその他に非常に困る。それから原形復旧ではいかぬというようなことは、大体みな常識になっております。それから北海道では、もうすでに雪が来たというふうな報道も出ておるのでありますから、土木にしろ何にしろ、早急にやらなければならぬ。  それらの点、各省を一つ督励していただいて、緊急に適切なる対策が立つように特に要望しておきます。

田畑金光日本社会党

○田畑金光君 ちょっと一つだけ。  先ほど官房長官の御答弁を伺っておりますと、臨時国会を開く日取りは、大体予定されておるようでありますが、会期の問題について、どの程度の会期を予定されておるのか不明確のようでありました。通常国会が十二月二十日以降に開かれるとしますと、当然臨時国会の会期の問題も予測はつきますが、しかし臨時国会で取り上げられる政府の考えておられる条約、法案についても、日ソ共同宣言あるいは議定書については、はっきりしているが、その他の法案については、まだ準備中である。こういうわけで、会期については、非常に不明確であります。で、私のお尋ねしたいことは、次の通常国会の会期という関係も、当然予定されて臨時国会の会期ということも考えられましょうが、政府としては、大よそどの程度の会期であるならば政府の考えておる条約案その他を措置し得るとお考えになっておられるのか、その点伺いたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 先ほど申し上げましたが、臨時国会に、政府として提案すべき法律その他の案件がまだ確定しておりません。従いまして今から、大体どれくらいということを予測することも困難であるのみならず、国会の会期は、国会御自身において御決定になることでございまするので、国会が召集になりまして、政府提案された諸案件並びに各党において御準備なすっておるところの議案等がございますれば、それらを総合判断して国会において結論を出していただきたいものと思います。

田畑金光日本社会党

○田畑金光君 まあ、具体的な法案の内容については御答弁になられませんが、たとえば一例を申しますと、倉石労働大臣が、大阪の関西経営者協会の集りにおいて、たとえば次の臨時国会においては、現在の労働情勢の推移にかんがみてスト規制法案を提案する、延長の決議案を出す、こういうことを明確にあいさつの中に言われておるわけであります。こういうようなことは、先ほど来のお話によりますると、閣議においては何も話し合いがなされていない、こういうお答えでありますけれども、担当大臣は、明確に次の臨時国会にこれを出すのだということを言い切っているわけです。閣議というものと、大臣の個々の発言というものと、どういう関係にあるのか。個々の担当大臣がいやしくも、次の通常国会には出すのだ、事務当局において、その準備を進めているのだ。こういうはっきりしためどをつけられているならば、当然これは閣議の話し合い等もあって、そのような発言がなされていると考えるわけですが、今の藤田君からの質問にあった政局問題に対する官房長官の談話等についても、こういう重大な問題が、いやしくも新聞を通じて報道されている、それは、私の知らないところで書かれた記事だろうというような工合にはすまされんと思いますが、この点について、官房長官のお考え方を承わっておきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 各国務大臣が抱負経綸を語るということは、これは今まであったのでございます。ただしスト規制法を臨時国会において案として出すという閣議決定はまだいたしておりません。しかしながら労働大臣の従来の主張として、そういうふうな意見があったことは承知しております。  それから政局の問題について、総理の引退云々については先ほどお答えした通りであります。

田畑金光日本社会党

○田畑金光君 私のお尋ねしていることは、各大臣がそれぞれ自己の抱負経綸を述べることは御随意でありましょうし、大いにこれは国民に対する政治的な啓発の意味においても歓迎するところでありますが、いやしくも閣議においてなんらの話し合いもなされていないといたしますならば、すべての政策が、閣議を通じて最後決定をなされるとするならば、個々の大臣が国会に対して明確な立法提案の所信を明らかにするということと閣議との関係において、当然これは問題となり得ると思うのです。そういうようなことが野放図に国会に対して立法提案する問題においても、個々の大臣が自由に発言でき得るものかどうか、閣議というものの規制はないのかどうか。この点を私はお尋ねしているわけです。その点についての御答弁をお願いするとともに、もう一つお尋ねすることは、先ほどのこれまた藤田君の質問に関連いたしますが、どうせ臨時国会を中心として政局の変動があることは、公知の事実であり、これは侵すべからざる事実だろうと思うのです。もしそうでないとするならば、自民党は内部崩壊して割れることも周知の事実であるわけです。そういうことを考えて参りましたときに、これは当然……。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 田畑君に申し上げますが、あまり横に入らんように。だいぶ横に入っているようですから。

田畑金光日本社会党

○田畑金光君 いや、横には入りません。心配ない。  そこで当然、これはわれわれの判断といたしまして、今度の臨時国会の重要な問題が日ソ共同宣言あるいは議定書の問題であるとするならば、政局の変動もおそらく臨時国会が終った後、次の通常国会に移る間、特に与党のごたごたも予想されるわけであります。この点について、これは党務であると言って逃げられたらまた困るわけでありますが、これは党大会あるいは総裁の更迭、こういう問題がいずれ通常国会までにはあり得ると思いますが、この問題について政府と党との間においては、どういう工合な話し合いがなされているか。これまた逃げることも明らかでありますが、臨時国会から通常国会に至る間について、会期の問題と関連いたしまして、官房長官に伺っておきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) どうも御意見のようで、私から答弁する筋じゃないと思いますけれども、せっかくの御質問ですから申し上げますが、まず臨時国会から通常国会に至る間の政局の動きについては、私は今意見を申し上げる立場じゃないと思います。  ただ政府といたしましては、臨時国会が終了して、大体十二月の二十日頃には通常国会が開かれなければならない。その間に三十二年度予算の準備、あるいはまた通常国会に対する諸準備にもっぱら推進する、こういうことは言えるわけです。  それから国務大臣の言動と閣議との関係でございまするが、政府としての総合的な意思決定は閣議でございます。しかし各大臣はおのおのの所管の行政の権限内においては、行政権のあれとしてやり得ることは当然だと思います。しかしこれに関連して、政府全体の意思決定に際して各閣僚が有力なるこれは発言権を持っていることも事実です。それに関連して自己の抱負経論を申し上げることもこれまた許されているわけでございます。御了承願います。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ほかに官房長官に……。  各省からずいぶん見えておりまするから、この九州災害、北海道冷害について、各省に御質問がありましたら御質問願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 速記をつけて。  それではこれより、各省でも、この九州災害並びに北海道冷害について対策を打ち、実行もされ、計画も立てていられることと思いますので、簡略でよろしいと思いまするが、順次これから今までとられた施策について述へていただきたいと思います。  順序は建設省から、建設政務次官堀川恭平君。

堀川恭平自由民主党建設政務次官

○説明員(堀川恭平君) では建設省関係のまず九州の台風災害について申し上げますと、九州の方におきまして、本年度の災害は七県のうち五県が、大体大きな災害を受けておるのでございます。大分、宮崎をのけた五県が大きな災害を受けておるのですが、災害の九州の総額は二十八億七千六百万円です。これに対しまして大体本年の九月中に緊急査定を済ましたのでありまするが、海岸とそれから海岸に沿っておる道路が一番多い災害でありまして、この緊急査定を済ましましたものに対しましては、いわゆる原形復旧費の差額に対する国費の五割をまず出しておるのであります。そこで本査定はどういたしましても十二月の中旬ごろになるこ思いまするが、この本査定が済みまして、あとの処置をいたしたいと、かように考えておるのであります。  それから住宅につきましては、台風によりまする全壊戸数は、国警報告によれば九号におきましては二千四百六十八戸であります。十二号におきましては二千四百二月、十五号において四百七十八戸、こういうふうになっておるのであります。これに対しましては、公営住宅において査定を行い、滅失、流失戸数の三割を限度として建設を行う、それから住宅金融公庫におきましては特別融資を三割行う、こういうことになっておるのであります。そこで今年度の九州全般に対して、九号に対しては、木造を七百五十戸建てる、それから十二号におきましては六百七十五戸建てる、産労住宅を三百三十七、こういう予定をいたしておるのであります。本年度の予算を要求するに当りましては、いわゆる半壊分に対しましては、来年度は半壊に対する予算も請求をいたしておるのでありますが、現在ではそれがないのでありまして、これに対しましてはちょっと困っておるというのが現状でありますが、各町村に対して預金部資金の貸付を考慮したい、こういうつもりでおるのであります。  それから今御報告になりました災害住宅に対しましては七割五分で、約八割ということになっておるのであります。その点御了承願います。  そこで災害の緊急工事といたしまして、本年度中にどうしても完了したいという分であります。災害復旧個所のうち、海岸堤防のごとく、一日も放置できない個所につきましては、来年度の台風時期までに復旧完了をはかりたい方針であります。特に査定個所につきましては十一月中に締め切りを完了し、満潮面の高さまでは復旧をいたしたい、こういう計画で目下鋭意工事を遂行中であります。なお原形復旧以外に、再度災害のおそれのあるような所に対しましては、いわゆる関連事業としてこれをやりたい、こういうつもりでおるのであります。  それから世知原の地すべり等につきましては、被害の直後係官を派遣いたしまして調査を行なったその結果といたしまして、地下水の排除、そうして鍋田川への山くずれの堰堤を早急に作りたい。予算措置といたしましては、建設省といたしまして保留中の緊急砂防事業費を補助して充て、緊急にやりたいと、かように考えておるのであります。  それから北海道の冷害対策につきましては、私の方の建設省といたしましては、いわゆる救農事業の土木工事の件だけだと考えておるのであります。大体北海道が要求しておる救農事業の土木費は三十五億五千四百万円になっておるのであります。そうしてそのうちで北海道の民間事業によって賃金収入がある額が一〇%だと、こういうことを言うてきておりますので、国の直轄事業あるいは補助事業として処置をする賃金収入の額は約九〇%になるわけであります。そこでその九〇%は三十一億九千九百万円、約三十二億であります。現在はそういう報告になっておるのでありまして、まだはっきりしたことは高碕長官が今北海道へ行っておられますので、戻ってきたらはっきりすると存ずるのであります。そういう意味におきまして、建設省がそのうち分担する額は、九億八千六百万円がいわゆる建設省がやる救農事業費であるのであります。そこで補正予算が、十月からの既定予算が九億三千三百万円あります。そこで約九億の建設省の負担から逆算していきますと、事業費にいたしますと二十六億二千九百万円、こういうことになりますが、十月から既定予算としてやる金が九億三千三百万円ありますので、これを差し引きますと、いわゆる十六億九千六百万円になる。これを予備金を請求いたしまして早急にやりたい、かように考えておるのであります。  以上、現在われわれといたしまして、一応考えておる次第であります。こまかいことはまた係から、御質問がありましたらお答えいたします。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に農林省官房長。

保坂信男農林省農林経済局農政課長

○説明員(保坂信男君) 官房長が、急用で大臣のところへ帰りましたので、農政課長でございますけれども、私から申し上げます。  九号、十二号関係の台風災害につきましては、農林水産関係の施設災害につきましては、それぞれ建設省と同様に、緊急査定を実施をいたしまして、査定の完了をいたしましたものから逐次予備金の支出をお願いをして参っております。すでに六千三百万円の農地、農業施設の災害復旧その他漁港等につきましても、若干の予備金支出をみたわけでありますが、さらに査定の完了次第、大蔵当局とも協議を進めまして、すみやかに予備金支出をいたしまして、特に干拓地等の海水の浸入しております面につきましては、すみやかに年内に締め切りが完了できますと同時に、来年の水稲植付期前までにおきまして八割程度の災害復旧ができることを目途として努力を進めて参る考えでございます。  なお金融関係につきましては、農林漁業者の災害による経営資金の融資に関する暫定措置法に基きまして、九号台風までにつきましては、それ以前の東北、北陸等の水害分も含めまして、十六億の経営資金のワクの設定をいたしまして、すでに災害県に対しては配分を指示いたしておるわけでございます。十二号台風につきましては、その後さらに資金ワクを追加いたしまして、前の九号等に関する政令を改正する等の方法によりまして、近くこれも資金ワクを追加をいたしまして配分をする計画を進めております。  なお先ほど来、いろいろ御報告にもございました個人施設の災害等につきましては、九号までの分につきましては、すでに主務大臣の指定の告示をいたしまして、それぞれの施設、網ほし場、加工場等々につきまして、これは農林漁業金融公庫の主務大臣指定のワクから融資をするように措置をいたしております。  自作農維持資金の増額の問題につきましては、九号十二号までの台風関係につきましては、これは当初二十五億の本年度の農林漁業金融公庫のワクがございましたが、上半期におきまして十六億も配分済でございまして、九億の残がございましたが、これにさらに公庫の資金繰りから二億程度を増加いたしまして、そのうち四億程度は災害関係に重点をおいて配賦する計画で進めております。旧債の猶予等の問題につきましては、先ほど申し上げました経営資金のワクの設定の際に、償還期にきております過去の災害による経営資金の借りかえができますように、ワクを設けまして措置をいたしました。さらにその他種子の問題、開拓地の住宅の補助の問題等につきましては、それぞれ関係局におきまして、従来の方針等について再検討の必要もあり、大蔵当局といろいろ協議を進めておるわけでございますが、これらの点については、先週末に予算要求書として各局において取りまとめて、今、省内において検討を進めておるわけでございますが、それの査定の済み次第、大蔵省と協議を進めて、なるべく早く結論を求めて災害者のためにすみやかな措置をいたしたいと考えておる次第でございます。  なお冷害につきましては、九月下旬に私どもの方の局長初の関係課長が冷害の視察に参りましたり、北海道庁とも密接な連絡をとりまして、その実情の把握に努めてまいっておるわけでございますが、さらに先ほどお話のございました内閣審議室に設けられました各省連絡会議におきましても、それぞれの対策について相互の連絡の協議が進められてまいりましたので、それらの協議の結果をもあわせまして、北海道の要望いたします緊急な対策につきましては、いろいろと検討を進めてそれぞれ予算要求その他の措置について、取り進めておるわけでございますが、お話のございました北海道の季節の関係上緊急実施を要します。また北海道といたしまして、特に要望の高い救農土木事業等につきましては、関係各省、特に北海道開発庁等とは密接な連絡をとりまして、農林省といたしましても、土地改良、漁港あるいは民有林、国有林等の関係におきまして、本年度、三十一年度予算の残事業としてこれら北海道に賃金を落すことができます事業をまず早急に実施するようにいたしますと同時に、さらに既定計画で来年度施行予定になっております事業につきましても、繰り上げ施行をいたすほか、所要に応じて新たに冬期間でも実施できますような的確な事業について、予算要求を取りまとめまして、農林省といたしまして開発庁の調整のもとに二十億前後の賃金が北海道に落ちることを目途とした計画をそれぞれ立てまして、大蔵省ともいろいろお話を申し上げておる段階でございます。営農資金につきましても同様北海道庁とも密接な連絡を取りまして、ただいまその資金を算定いたしまして、大蔵省と協議を進めておる次第でございます。  その他資材対策等につきましても、北海道の要望の点をも勘案いたしまして、特に種もみ等の来年度再生産のために必要な資材につきましてはこれが手当に万遺憾なきを期するように道庁と密接な連絡をとりまして、その対策を講じておるわけでございますが、特にこれの購入価格の問題、冷害でございますので飯米に回すのを押えても種もみを確保しなければならないというような点から、これが価格の面における措置等につきましても、財政当局と鋭意すみやかに結論が求められますようにただいま交渉、検討をいたしておる次第でございます。その他共済金の支払い等につきましては、北海道の冷害の激甚なお気の毒な実情もあり、また冷害の程度も先ほど来お話がございましたように、きわめて深刻で、地方によりましては、米等の作況指数がゼロに近いというようなところにおきましては、すみやかにその支払いができますように、年内に清算払いができるように極力努力いたすつもりで、関係機関を督励をいたしております。  なお問題のございます米の概算金、石当り二千円程度の予約に応じた概算金が北海道におきましては四十二億程度支払われたわけでございます。これが返納の延期と、その間における金利の減免等のことが要望されておるわけでございます。これにつきましては返納の延期なり、その間における金利の減免の効果が得られるような方向におきまして、そういう趣旨のもとに、方法論といたしましてはいろいろな方法が考えられますので、それにつきましては、今大体の素案をもちまして、これも大蔵省等と御協議を申し上げておる段階でございます。  その他の自作農維持資金の問題、伐調資金のワクの拡大等の問題につきましては、公庫の繰り上げ償還分等、そのワクの可能性をただいま検討中でございます。  おもな項目につきましては、以上申し上げたような措置をとり、また検討しつつあるわけでございます。その他の営農資材等につきましては、予算要求書をすでに取りまとめまして、大蔵省にも説明を完了をいたしておるわけでございます。なるべく早く結論を求めたいと考えておるわけであります。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 建設、農林両省から、いろいろ施策が述べられたわけでありますが、これに関連して大蔵省、一つ主計局長から。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○説明員(森永貞一郎君) 一般の災害対策と冷害対策に分けて申し上げたいと思います。  一般の災害が、先ほど官房長官からも御披露になりましたように、今年は幸いにして被害が軽微でございます。今までにすでに予算措置を講じましたものが第十二号台風までに十六億、これは十二号まで全部網羅的のものではございません。十二号以前のまだ査定が残っておるものもございます。その残っておりますものないしはその後の災害につきまして、各省から予備金支出の要請が出次第、できるだけ早く査定をいたしたいと存じております。なお予備費が出ますまでの間のつなぎ資金、緊急復旧に要する資金につきましても、例年通り預金部資金から融資をいたしまして、応急の復旧のための資金需要に応じておる次第であります。なお先ほど一例として海岸堤防の締め切りのお話がございましたが、私どもといたしましても、できるだけ現地の要請に沿えるようにというような考え方から検討をいたしておりますことをつけ加えて申し上げておきたいと存じます。  次は冷害の関係でございますが、私どもといたしましても、北海道の冷害につきましては非常に関心を持っております。すでに大蔵省から二度にわたりまして、現地視察に派遣いたしまして、そのうち一人は、昨夜高碕農林大臣代理と一緒に帰って参りまして、目下その説明を聞いておったところに、この会議に出て参ったわけでございます。これの対策につきましては、先ほど農林、建設両省からお話がございましたように、すでに予備費支出の要請が出ておりまして、目下現地派遣官の説明も聞きながら鋭意これを審議いたしておる現状でございます。もちろん先ほど官房長官からもお話がございましたように、災害関係の連絡協議会等で十分調整をはかりまして、総合的な対策に移るという観点からも審議を加えられることと存じます。  財源といたしましては、予備費のほかに既定予算の活用、生活保護費その他につきましては、すでに措置をいたしたものもございます。できるだけ既定予算の活用もはかりたいというふうに考えております。工事の施行時期の関係からのお話がしばしばございましたが、それにはこの予備費の査定をできるだけ早く終えまして、現地に資金を配賦するという、これを一刻も急ぐわけでございますので、これも今日帰りまして早速、その問題の検討をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 自治庁としては、特別交付税であるとか、起債に関連して……。

小林与三次自治庁財政部長

○説明員(小林与三次君) 自治庁といたしましては、委員長のお話がありましたように、起債の問題と特別交付税の問題を責任を持っておるわけでございまして、起債の問題におきましては、各省の災害査定がすみやかに終れば、それに見合うものは当然につけることにいたしております。ただいまわれわれといたしましては、むしろその方が先に済むことを期待いたしておるわけでございます。なお交付税の問題は、税の減免とかその他災害に関連して国の経費が要るわけでございまして、これにつきましては、特別交付税配分の際、当然に考慮いたしまして、実情に合うように措置いたしたい、こういうように存じておるわけでございます。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ほかにも見えておりますが、主計局長が急いでおられるようでございますので、主計局長に対する御質疑を先に……。

藤田進日本社会党

○藤田進君 私ども一般の政務を見ていて、政府の大蔵省関係で言えば、既定の三十一年度予算執行が年度末に迫ってきてかなり輻湊している。ことに施設費などの執行については、各省に所管別に割当てしてあっても、実際にこれを執行する場合には、あらためて大蔵省主計局あたりと相談をしてきめて、県その他に指令をするというような実情なので、非常にそういう問題が停滞して、もう十二月、かれこれ今年も終るわけですが、補助金の、わずかな補助金で、三分の二程度が地方でまかなうというような場合、三月三十一日までに予算の完成をみないということになって、年度繰越の手続とか何とかいうことになったりしているようですが、この際、九州や北海道のような突発的なというか、相当仕事量もふえている実情から、何とかまず一般の予算あるいは今度の予備金支出に関連するといったようなものについて、人的にこれは臨時雇をちょっとやっておってはできないと思うが、何か工夫がないものだろうか。非常に全体が遅れてきているのが、そういう人的な不足といいますか、という点もたしかにあると思うが、何か考えられぬものだろうか。これが一つ。  それからお急ぎのようだと思いますが、農林省関係から約十六億余りと開発庁から、新規要求としては四十六億ですか、そういうものが要求されているように思うのですが、それらはどうですか、今連合協議されているとはいいながら、大体、いつごろめどがつきますか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○説明員(森永貞一郎君) 前段の予算執行の問題でございますが、予算は成立いたしますと、すぐに各省に配賦いたします。配賦に大蔵省が関与いたしますのは、毎四半期の支払い予算、これは大体四分の一なら四分の一、あるいは事業の進行状況を見哀して、若干それに季節的な変動を加える場合もありますが、しかし大きな見当で処理せられますので、そう時間はかかっていないと思います。  それからもう一つ、支出負担行為の承認、これも計画が出て参りますれば、私どもの方もできるだけ早くということで処理をいたしておるつもりでございまして、一般的に執行が遅延をしておるその責めを私どもに帰せられるのは、私どもといたしましては、いささか言い分があるわけでございまして、ただ問題は、こういうところじゃないかと思います。予算できまりました事業につきまして、いわゆる新規の、これは予算の際に、個所別がきまっていない場合が多いわけでございます。そこでその個所別を年度開始後に相談をしてきめる、それにはいろいろな見方があるわけでございまして、その新規の個所づけ等に、若干手間どったというようなことがあるかもしれません。しかしことしは、予算も年度前に成立いたしましたので、比較的早く新規の個所づけの相談ができたと思っておるわけでございます。従いまして昨年に比べますれば、その点も円滑にいっているのじゃないかと思っております。  もう一つ、あるいはこの問題をおっしゃっているのかもしれないのでございますが、補助金は、これは原則として清算払いといっては言い過ぎでございますが、あと払いが法律の建前になっております。しかし必要がある場合に、これを前払い、あるいは概算払いができるという会計法上規定がございます。そこでその問題がわれわれの方に協議が参るわけでございますが、その協議に、従来若干手間どっておったというような事実がわかりましたので、二、三カ月前に私どもの方の部内の取扱いを変えまして、私どもの今まで法規課で取り扱っておりましたが、主計課で扱わせることによりまして、その事務的な関係を調整いたしまして、概算払い、前払いの協議も、できるだけ早く応じられるようにという態勢を整えましたので、その関係でも、そう遅れるというようなことはない仕組みになっておると思います。いましばらく実行状況もよく一つ見ました上で、さらに要すれば、またいろいろと考えようと思います。  それから農林省から四十六億、建設省から十六億、この農林省の四十六億の中には、系統資金金融関係の方の資金需要も入っておるようでございまして、予備費の要求といたしましては、それよりずっと両省を通じましても内輪な金額になっておりますが、それにつきましてどの程度が認められるか、これは今ちょっと私、まだせっかく内容を検討中でございまして、この席で申し上げられる準備がございません。先ほど申し上げましたように、今明日ずっと話を聞きまして、できるだけ早い時期に、今週の末ないし来週の初めまでには結論を出したいというふうに考えております。できるだけ急いでやるつもりでございますから、御了承いただきたいと存じます。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 主計局長にお尋ねしますが、これは小さい問題ですけれども、農業共済ですが、どうも共済金をもらう連中、その零細なる経営から考えますと、税金には関係がない人が多いと思いますけれども、農業共済による共済金なんか、ああいうような特に災害に対する金を、所得を、あれを所得税の対象にしている、今のところ所得の対象にしている、こういうようなことは、何とかこの際、免除できないものかしら、これはこの今回の災害区域のみならず、ほかの区域にも、相当そういうようなことができるならば、喜ぶ連中が多いと思うのです。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○説明員(森永貞一郎君) 税のことは私にはよくわかりませんが、しかしちょっと今考えましたのですが、共済金なるがゆえの免税ということにはなっていないと思いますが、しかしおそらく共済金を受け取るような場合には、経費を償わんとか、あるいは免税点以下という場合が多いのではないか、所得税はもちろん所得がなければ課税しないのですから、おそらく事実上御指摘のような問題はないのではないか、免税点以上の共済金を受けておる場合には、かかるかもしれませんが、これはやはり所得税の均衡上やむを得ないのではないか。しかし事実上は少いのではないかと思います。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 しかしながら、今回でも北海道の災害は、主食、豆類、こういうような点が多いので、ビートを作る、あるいは除虫菊を作っておるところは災害が少い、その地域でも、一家の経営として考えますとき、米を作っておる、豆も作っておる、バレイショも作っておる、かような人間が苦しんでおる、かような者がこの共済金を受けても、今回の地域だけではなしに、ほかの地域、あらゆる災害の際に、共済金に税金がかかるということになると、相当経営が苦しくなるので、この際、北海道の災害と同じように、同時に、九州の災害も一般の年々の局部的な共済金をもらうような連中のために、変えてもらったらどうか、そういうような今回の税制の改革のときに、改正してもらいたいと思います。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○説明員(森永貞一郎君) 所算外の問題でございまして、ちょっとお答えするのもいかがかと思いますが、まあ所得の、税の建前から申しますと、おそらく理論的にいろいろ難点があるのではないか。先ほど申し上げましたように、ほかの所得と合算せられる場合にも、おそらく共済金を受け取るような場合には、支出のほうが収入を上回るということでございますから、それたけで大体、おっしゃるような趣旨が達成せられるのではないか。その上に共済金を、共済金として非課税の対象にすることは、おそらく所得税の理論構成から申しますと、むずかしいのではないかと思います。  御趣旨はよく主税局長に伝えます。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) それでは通産省から、災害地の中小企業金融について御説明を願います。

今井善衛中小企業庁振興部長

○説明員(今井善衛君) 私の方で担当しておりますのは、被害を受けました中小企業者に対する金融問題でございますが、台風が起りまして、早速現地の方から連絡がございまして、いろいろ調査いたしました結果、現在までにとっております措置といたしましては、一つは国民金融公庫を通じまして特ワクとして復旧資金を流しております。約九号台風で五千万円ほど特ワクを作りまして、その後十二号台風でワクを追加しております。そのほかできるだけ期間も長期にいたしまして五年程度の長期資金にいたしましたことと、それから今まで貸し付けましたものにつきましても回収がむずかしいということで、回収期間を延期するというふうな措置を講じております。  それから中小企業金融公庫の問題でございますが、この公庫は長期資金を扱っております。従いまして本格的に復旧するためには、多少計画に時間を要するという関係で、今までそれほど資金の需要申し込みというものは大きくまだなっておりませんけれども、いずれ本格的な復旧に従いまして、資金需要が出てくると思いますが、その点につきましては、現地とも打ち合せまして、代理店その他を通じまして資金需要が出て参りましたときには、これに至急に金融をつけるようにということで打ち合せ済みでございます。  それから商工中金につきましては、これは組合金融をやっておりますけれども、現地から資金の申し出のあり次第、中央の方からワクを設定いたしまして遺憾のないようにいたしております。  それから北海道の冷害の問題でございますが、中小企業自体、直接には関係はないわけでございますけれども、中小企業者が被害農家に対して、たとえば農機具とか肥料とかあるいは雑貨を売っておる。で、農家に現金がございませんために、回収が不可能になる、まあ中小企業自体が非常に困っておるという事態がございまして、現地からも連絡がございますので、現在国民金融公庫から、あるいは中小企業金融公庫の方から、現地に照会いたしましてよく調査しております。調査ができますれば、これに対しても適切な金融措置を講じたい、かように思っております。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 港湾の災害状況対策などについて、運輸省の方から伊能政務次官。

伊能繁次郎自由民主党運輸政務次官

○説明員(伊能繁次郎君) 第九号並びに第十二号台風につきましては、大体大蔵省との事務的折衝を終えまして、近く最後的決定を見て関係各省に配賦しようと思っておりますのは一億八千五百万円程度であります。災害復旧についてはそれだけでございますが、北海道の冷害対策につきましては、御承知のように米が非常な不作でありますので、北海道民に米穀等の不安を与えてはいけないということで、政府としてもこの十月から来年の十月までに三十万トンの米を北海道へ輸送してやるということで、本月が二万七千トン、来月が四万トンということで、大体平均三万トン程度北海道へ米を輸送することにいたしております。その内容は、非常に国鉄輸送繁忙期ではありまするが、主として国鉄でこれを輸送する、その他のものは海運、もしくは北海道の道南海運に継送させようということで目下計画中でございます。  またアメリカの社会福祉団体から寄贈を受けました加州米七百トンにつきましては、いろいろ五割引とか七割引とか議論がございましたが、こういう特殊なものでありまするので、これだけに限っては国鉄で無賃輸送をしてやろうということで、目下輸送を開始しておる状況でございます。  その他北海道の冷害対策に対する失業救済に関する問題につきましては、恒例の国鉄の冬の輸送を円滑にするための除雪の問題でございまするが、これについては十万人程度は、この冬についてできるだけ今回の冷害罹災者を採用して、失業救済の一部に当ててくれという希望が出ておりますので、この点は、その趣旨でやらせようと思っております。また港湾等についても、熟練を要しない救済を要する者の失業救済について、既定経費のほか、来年度の繰り上げ使用として三千万円程度、今大蔵省の方と折衝中でありまして、これらの措置によって、冷害対策の一助にも資したい、かような条件で、目下計画並びに実施中でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 運輸省関係でお伺いいたしますが、北海道は輸送関係の協力、ことに社会福祉事業団体の話を現地で私ども聞いて、非常にけっこうだと思ったのですが、今度の国の救農土木事業の中に、いささか都市の部分にわたるけれども、たとえば苫小牧、あるいは釧路といったような港湾施設を継続してやっているわけでございますが、これは本年度は、少し計画を繰り上げてでも、失業救済という救農土木事業の一環としてやりたいという、非常に強い希望があったわけであります。こういう点はどういうふうに考えておりますか。

伊能繁次郎自由民主党運輸政務次官

○説明員(伊能繁次郎君) ただいま、その点については触れましたように、既定経費のほかに、来年度の仕事を繰り上げて、できる限りのことをやろう、目下それらの問題でわれわれが折衝しておりますのは約三千万円強、ことにこれは、あまり大した金額でもありませんから、それよりは国鉄の除雪に関する人夫を、できるだけその方面に吸収しようという方が例年多いと思います。そういった点を総合して、できる限り救済の一助に資したい、かように思っております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 鉄道の災害復旧については、どういうふうなことをやっておられますか。

伊能繁次郎自由民主党運輸政務次官

○説明員(伊能繁次郎君) 聞えませんでしたが……。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 たとえば、長崎県の島原鉄道のようなものが今年の九号台風、十二号台風で、非常な災害を受けまして、そういうふうなものに対する対策……。

伊能繁次郎自由民主党運輸政務次官

○説明員(伊能繁次郎君) 地方鉄道につきましては、さしあたりの問題について従来関係法令もないのでありますが、地方鉄道整備法の適用によって、その救済ができ得ればわれわれやってやりたいと思っております。ことに島原鉄道は御承知のようにバス関係は収益を上げておりますが、鉄道関係は非常に収益の少い赤字の鉄道でありまするので、その点で私、御指摘の点については、島原鉄道の実情をまだ承知もいたしておりませんから、さっそく取調べまして、地方鉄道整備法の適用が得られればその面で救済をしたい、かように考えております。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 厚生省、何か言うことがありましたら。

高田正巳厚生省保険局長

○説明員(高田正巳君) 特別に申し上げるほどのこともございませんが、先ほどの御報告にありましたように、国保の問題といたしまして、保険税が取れなくなった。あるいは取りにくくなった分についての手当をどうするかという問題があるわけでございます。ただいま北海道庁と、実は基礎的な数字を固めておる段階でございます。しかしいずれにいたしましても、そういう問題でございまするので、金額が非常に多くなるというようなことはございません。北海道庁が要望いたしておりまする数字そのままを取りましても一億六、七千万。それからなお事柄といたしまして、早急に飯米対策をどうするかというような性格の問題でもございます。ただ問題は、北海道で要望しておりますることは、従来の災害の場合に、一般的に措置をいたしておりましたことと、それからもう少し広く深い措置をとってくれという要望があるわけであります。それをいれまして、今の金額を出しております。で、この点をどうするかということにつきましては。私どもまだ十分に態度を決定いたしておりません。基礎数字を固めました上で、内閣の連絡会議であるとか、あるいは財政当局とも話し合って態度を決定いたしたい、かように考えておるわけであります。

伊能繁次郎自由民主党運輸政務次官

○説明員(伊能繁次郎君) ただいま藤野先生のお尋ねについて、さっそく関係者に聞きましたら、さしあたりの問題として島鉄に対しては三千五百万の融資あっせんだけは済ましたそうでございます。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 文部省…。

齋藤正文部省総務参事官

○説明員(齋藤正君) 九州各県の風水害によります公立文教施設の復旧に対しましては、県からの申請が二億三千九百万円に上っておりますが、現在この災害に対しましては、すでに、法律によりまして国庫の負担の範囲というものが定められておりますので、現在大蔵省と立ち会いの上で現地を見ておりまして、近くその額が決定になると思います。  北海道の冷害対策といたしましては、御報告の中にありましたように冷害地の困窮した児童、欠食児童に対します給食ということが第一だろうと思っております。現在ユニセフに対しまして、百五十万ポンド、二百日分のミルクの贈与を受けるように今折衝中でございます。なおこの配給に要します経費その他学校給食用の施設、設備の補助あるいはその他の学校給食用の資材の配給等に関する問題につきましては、資料のできましたものから順々に大蔵省当局に要求中でございます。  なお現地からの要求といたしましては、教科書、学用品の問題、あるいは罹災地の児童、生徒に対しますところの育英資金の問題等がありますので、現在検討中でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 今の点はちょっと聞き漏らしたのですが、九州、北海道共通のあれですか、内容は。

齋藤正文部省総務参事官

○説明員(齋藤正君) 九州の問題は、公立文教施設の災害だけの問題でございますので、これは現地大蔵省と立ち合いの上で、額を決定するために参っております。  それから給食等の問題は、北海道の問題でございます。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 開発庁次長の方から、北海道について何か発言があれば……。

田上辰雄北海道開発庁次長

○説明員(田上辰雄君) 北海道の冷害対策としましては、大体お聞き取りのように、農林省が主で、各省からもそれぞれ御説明になりました。北海道は開発庁としましては、開発公共事業につきまして、関係各省との間の調整をはかりながら、大蔵省の方にまとめて要求しておる、こういうわけでございます。  大体お話も出ましたが、公共事業としまして一応既定予算の関係で、できるだけ捻出して、救農に充てたいというので、既定予算の関係から、関係各省の、あるいは河川、砂防、道路とかあるいは治山、林道、漁港もございます。それから農林省関係で、土地改良のような、あるいは開拓、港湾なども含めまして、大体既定予算の関係では、事業費としまして十八億くらいの事業費の捻出をいたしております。これは国費の関係では、これが十二億ほどになります。  それからこのほかに新規要求としまして、大蔵省の方に目下予備費を要求しておりすまるが、先ほど藤田委員のお話にありました四十六億というのは、これは事業費でございます。それを国費の額にいたしますと三十四億になります。約三十五億。これを目下、大蔵省の方から予備費でやってもらいたいというわけで、説明をいたして折衝過程にはいっております。合計しまして、総事業費としましては六十四億になりますが、国費の額にいたしますと四十七億程度になるのであります。これを実施いたしまして、被害農家の、賃金の形で手取りになります収入として、先ほど建設省政務次官のお話にありましたように、約三十二億になるわけでございます。被害農家は大体十二万という見当がついておりますので、これに一戸当りにしますと、大体手取りが二万八千円程度になろうかと思います。これによって、救農土木の実をあげていきたい、こう思っております。  ちょっと申し添えておきますが、北海道開発庁としましては、北海道の冷害につきましては、相当早くから非常に関心を持ちまして、ことに北海道開発審議会で、これが重大問題として取り上げられたのであります。従って、八月の末には既定予算の範囲内において実施できるような救農土木事業は、すでに始めさしておるのであります。しかしながらそれでは非常に不十分でございます。できるだけ早く新規の事業を加えまして、救農の徹底をはかりたい、こう考えて、急いで大蔵省こ……。  なお北海道開発庁として、特に北海道の冷害について考えておりますことは、恒久対策でございます。これがむろんきわめて重要な点であると思いまして、それにつきましては、北海道開発審議会でこれを取り上げて、近くこれの具体的な計画を樹立いたすつもりでおりますが、なお開発庁としましては、三十二年度の予算要求をします際に、すでに冷害対策を十分取り入れまして要求をいたしております。  これらにつきましては、有力な諸先生方の御支援によりまして、ぜひ貫徹いたしたい、こう思う次第であります。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 農林省と厚生省に、ちょっと一、二伺いたいのですが、北海道が非常な冷害ですが、東北方面の山間の高冷地にも、やはり相当冷害が現れておりますがそこらに対して、大体似たような、たとえば予約代金の返納だとか、こういうような措置がとられるのかどうかということを一つ。それから国保税の問題で、まあこれは北海道でえらい問題になっておるようですが、九州の災害地であるとか、その他の災害地にも、やはり国保税の納められぬとかいうような問題も大分ある。こういうところに対しても、やはり同じような考えを持って進められるかどうか。その二点。

保坂信男農林省農林経済局農政課長

○説明員(保坂信男君) 北海道以外の内地の面につきましても、青森県なり、岩手県の北部なり、長野県の高冷地なり、その他の若干の方面におきましても、冷害の様相があるわけでございまして、その程度が、北海道と差があり、様相が異なるかと思いますけれども、それらの面につきましては、農林省関係の出先機関であります統計調査事務所におきましても調査中でございまして、これは、各県全体としてとらえますと、たとえば稲作にいたしましても指数が一〇〇を上回っておるというような状況でございましても、地域別に把握いたしますと、そういう状況がございますので、ただいま吏で統計調査事務所で出ましたものは、県段階の集計でございますので、さらに地域別に郡別等の数字が、下旬に、二十五日過ぎごろにはまとまるかと考えておるわけでございます。それらの状況等をも勘案をいたしまして、対策を必要があれば検討を進めるようにいたしたいと考えておるわけでございますが、お尋ねの米の予約金の問題等につきましては、先ほど、まだ結論が具体的にまとまっておりませんので、詳しくは申し上げかねたわけでございますが、地域を、何割程度以上の被害地域について、それらの適用をするというような方法も、検討の中には含まれておりますので、被害程度が低ければ該当しないかもしれませんし、大きければ同様なことが行われるのではないかと私は考えます。水害等についても、その面につきましては同様であろうと考えております。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 厚生省、高田君。

高田正巳厚生省保険局長

○説明員(高田正巳君) 同じような問題が他の部分にもあるとしますれば、当然同じように考えていかなきゃならんと思います。  ただいまのところ、実は九州並びに東北等からは、国保の問題について、私どものところにはまだ何とも言って参っておりません。しかしさようなところありとしますれば、扱いとしては区別をするわけにも参りません。かように私ども考えております。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) それから、先ほど委員の変更の報告をいたしましたが、ちょっと間違いがありまして、この際、訂正しておきたいと思います。

海保勇三議事課長

○参事(海保勇三君) 先ほどの委員の変更について、社会党から田畑金光君の辞任を天田勝正君の辞任と訂正されたいとの申し出がございました。議長もこれを認めまして、取り計らいましたことを御報告いたします。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) では、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗