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24回国会参議院1956/09/22

議院運営委員会 閉会後第4号

発言数
70
登壇者
10
会派数
3
開催日
1956/09/22

会議録

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を開会いたします。  まず、最初にちょっとお諮り申し上げたいと思いますることは、九州方面の台風の被害状況調査のための議員派遣に関する件であります。  先般の第九号及び第十二号台風によって九州方面に相当の被害を生じたことはすでに御承知と思いまするが、実は、去る九月十一日及び十二日の両日、理事の懇談会並びに理事会を開きまして、関係当局から状況の説明を聞き、協議いたしました結果、この際、本院から議員五名を派遣し、その構成は、自由民主党二名、社会党、緑風会、無所属クラブ各一名とし、派遣議員の指名その他はすべて議長に一任することに意見が一致したのでありまするが、理事会申し合せの通り決することに御異議ございませんか。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ただいまの派遣することについては、むしろおそきに失すると思いますので、早く派遣をすることに異議はありませんが、ただ、その構成について、従来参議院の運営は、各会派のそれぞれ勢力に応じた派遣をいたしてきたわけであります。ただいまの各会派の人数を見ますと、必ずしもさようになっていないように思いますが、この点はまことに遺憾だと思います。しかし、今回に限り一応その措置を認めて、これを先例としないことに今後の取り計らいをいたすことに皆さんの御賛成を得て、本派遣を決定していただきたいと思います。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ただいまお聞き及びの通り、藤田君の方から、今のようなお話があったのでありまするが、ごもっともと思われる点もありまするので、そういうことに将来まあよく気をつけまして、今回は一つ理事会申し合せの通り決することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めて、さよう決します。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) なお、富山県の魚津市の大火につきましても、右とあわせて検討いたしました結果、被害状況を調査して、今後の対策樹立に資するため議員三名を派遣し、その構成は、自由民主党、社会党、緑風会各一名とすることに意見が一致しましたが、これは急を要するため、閉会中における通常の取扱いとして、議長権限によって直ちに実施されましたので、ここに御報告をいたします。  なお、魚津市の災害調査は、すでに調査を終えて帰っておられるのでありまするが、これは後刻、杉山委員の方から御報告を聞くことにいたしたいと思います。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に、臨時国会の召集に関する件につきまして、御協議をいたしたいと思います。  去る七月二十五日の本委員会におきまして決定されました臨時国会の召集決定に関する申し入れは、あらためて委員長から内閣に対し文書をもって伝達しておいたのでございまするが、その後の経過等につきまして、この際、官房長官から御説明を願いたいと思います。  なお、申し入れました文書を参考のために朗読をいたしておきます。議運委員長より内閣総理大臣鳩山一郎あてにいたしまして、  本日根本官房長官から、憲法第五十  三条の規定に基く臨時国会召集要求  に対する内閣の所信を聴取したが、  本委員会は、参議院の構成が急施を  要することにもかんがみ、内閣が、  更に速やかな臨時国会の召集につい  て考慮するよう要望するものであ  る。  以上であります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 今の申し入れであれですが、従来議運で決定して政府なり他院に対する意思表示は、議長名においてなされてきたと思います。今回に限り議運委員長名でお出しになったことについては、何かそこに理由があろうかと思いますが、私はやはり議長名でおやりになるべきであったと思うわけですが、この点説明を伺いたい。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 私は別にこの委員長名で出したということについて、私の何はなかったのです。ただ、委員会で決定いたしましたことでありまするので、事務当局の方に、直ちに内閣に一つ今のことをまとめて要望書を出すようにと、こう命じておいたのでありまするが、その点ちょっと従来の何と違っておるようで、私も今、藤田君の申されたと同じような感じを持ったのでありますが、事務総長の方から、従来どうなっておるか、こういう形をとったという理由について説明を聞きたいと思います。

宮坂完孝委員部長

○参事(宮坂完孝君) 従来の例を申し上げますと、本委員会で内閣に申し入れるということが御決定になりますれば、委員長名で書類をもって通達するのが例になっております。ただし、本委員会で決定になって、議長にそういうことを御要望になって議長の名義をもちまして内閣の方に連絡するというふうになっておりますれば、議長が御承認になればまたその通りになる。今回は本委員会の御決定を内閣に連絡するということになっておりますので、委員長名でいたしました。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これはもう申し上げるまでもなく、委員会は議運にかかわらず、他の各種委員会においても同様ですが、少くとも臨時国会を早く、そういうウエートの問題を申し入れる場合に、院の代表者、われわれ議長の院の運営に対する補佐もあわせていたしておるわけであります。その点は議論は当然のことだからいたさなかったので、委員長名をもって申し入れるとか、議長名をもって申し入れるとか、その点は確かに明確には決定しなかった。これは従来より、問題のウエートにかんがみて議長名をもってなされるものということが、もう常識上われわれはそのように考えていたわけなんで、それは過ぎたことだけれども、官房長官もちょうど御同席なんで、これはおそらく議長においても、間違いなく全会一致の趣旨を尊重されると思うので……。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) これは私からも特に事務局に対して注意しなかったという点については残念に思っておりますが、その点は藤田君から発言がございましたように、そういう点、誤まりのないように改めて行きたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 臨時国会召集に関する要求につきましては、現在まで七つこれは出ております。一つは、七月十一日衆議院議員阿部五郎氏ほか百五十二名、淺沼稻次郎氏代表のものが、憲法第五十三条に基く成規の手続をもってなされたのが、これは議長を通じて出されております。要望事項は、日ソ国交回復、プライス報告に関する外交交渉の経過と方針、健康保険赤字対策、公務員給与改訂に関する方策、その他緊急事項となっております。越えて七月十九日、緑風会から、これは要望として出たものでございまして、参議院選挙後の院の構成を新たに確定するためということが主たる要求の項目でございます。次に、七月二十日、参議院阿具根登氏ほか八十名、右代表岡田宗司氏から、憲法第五十三条に基きまして、次の項目を添えまして要望がございました。参議院の構成に関する件、日ソ国交回復並びにプライス報告に関する経過と方針について、水害対策に関する件、健康保険赤字対策に関する件、公務員給与改訂に関する件でございます。そのほか緊急項目というふうになっております。なお七月二十五日、ただいま委員長からお話がありました参議院議院運営委員長の名をもちまして、これは参議院の構成その他について要望として出されてきたのでございます。同時に、このときは口頭でございましたが、参議院議長から政府に対して要望がございました。それから九月五日、これは社会党の淺沼書記長から、日ソ国交早期妥結の体制を整えるためというものが主たる要求項目でございまして要望がございました。なお九月十四日、参議院無所属クラブ、これは書類をもって、日ソ国交打開のためということが主たる目的で、それに院の構成ということで要望がございました。なお、昨日は緑風会から三名の代表の方が参りまして、院の構成その他日ソ国交問題等を議題として、すみやかに国会を開くべしという要望がございました。これにつきまして、すでに本委員会におきましても、先般申し上げました通り、政府といたしましては成規の手続をもって要求せられたことでありますので、当然これは国会は開く義務があるのでございます。しかしその時期について、政府といたしまして数次にわたって検討いたしましたが、現在のところ、今直ちに開くという結論になっておりませんので、大体の今の見当といたしましては、日ソの交渉が近く再開されると見られますので、その再開後、一応の結論が出た際に、それに基いてすみやかにやりたいというのが現在の態勢であります。なお院の構成のほかの水害対策、保険あるいは公務員給与改訂に関する諸件については、現在要望の趣旨に沿って、行政措置としてなし得るものはできるだけこれは措置をいたしまして、支障のないように配慮いたしておる次第でございます。  以上、簡単でございますが、今日までの経緯について御説明申し上げました。

藤田進日本社会党

○藤田進君 各方面から強い早期臨時国会召集の要求がある事情は、政府からも今御発表になって、伺いましたが、これに関連して私は若干質疑をいたしたいと思います。  先回、議運をもちまして官房長官にいろいろただし、かつ要望いたしましたわけですが、その際、私どもとして一応のめどというか、政府の開会の目標というものを察知し得た。これは官房長官の御発言によって、九月の下旬に開くようにしたい、こういうことであります。これに関連して、各会派それぞれの意味合いをもって、私から提案した九月下旬をさらに繰り上げて早期に開くようにという申し入れを、議運委員長からここに御報告があったように、申し入れをいたした次第ですが、しかしすでに今日九月二十二日に相なってしまった。ただいまの御説明によると、さらに先回のお約束がずれて、相当将来になるようなふうに承わるわけですが、この間の事情を具体的に説明をいただきたいと思います。それは日ソ交渉が漸次重大化して参って、松本全権に次いで、さらに外務大臣が全権となってモスクワに乗り込んで折衝せられて、重光全権はいよいよ国としての態度を決すべきである、むしろあの交渉の行き詰った平和条約方式というふうに伝えられているこれに調印をして、日ソ国交を打開すべきであるという考えを持たれたが、国内の与党なり、政府の方でこれに同調できなかったということで、いやしくも外務大臣であり、全権が一たび情勢判断をし、それに決断を下したにかかわらず、変ったところの方式で交渉されたりしなければならぬということは、これは否定できない事実であろうと思います。そうであればあるほど、国民は日本の将来を決する日ソ交渉、日ソ国交の打開について、議会を通じて少くともこの間の事情をただし、さらに今後の政府の決意や、その方針について確固たるものをつかまなければならないという状態にあると思っております。ですから、臨時国会はますますその重要性を加え、またそのすみやかなる開会を必要とする段階に追い込まれて来たと思うのです。にもかかわらず、それがだんだんと遷延せられて、昨日の岸幹事長の談話によると、十一月の十日党大会を開き、そこで鳩山引退がきまって、次期総裁が選出されると、その選挙の方法までにわたって説明されているようです。そして臨時国会を十一月十五日か開いて、そこで次期首班の指名をするという、かなり具体的な発言がなされております。今日の衆参両院の勢力から見て、与党の責任者である幹事長の言はこれを軽視するわけには参りません。しかもこれはそれぞれ日本の有力新聞が伝えているところでもありますしいたしまして、こういう点から見てもまことに遺憾に思う。しかしこれはあくまでも与党の見解である、与党の態度である。政府はまた別の見地からこの問題を考えておるというのであれば、その点もあわせてこの間の事情を明らかにせられると同時に、その上に立って政府としてもっと具体的な、いつごろしからば臨時国会召集の準備ありや、用意ありや、この点をまず最初にお伺いいたしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 岸幹事長が与党の責任者として言われたことについては私否定も肯定もいたしません。この問題については政府には何ら事前に今日まで連絡はございません。従いまして、これは与党の執行部の責任者としての幹事長の見解を示すものと存じておる次第であります。政府といたしましては、先ほど申し上げましたように、日ソ国交の正常化を目的とずる交渉再開が近く行われるものと期待し、そうしてその結果もおそらくそう長い時間かからないで結論が出るのではないかと思うのです。そこで再開後一応の結論が出た場合において、すみやかに臨時国会を開きたいという現在境地でございまして、その日にちを今はっきり申すことはできないのでございまするが、まあ御指摘のあったように、先般九月下旬には開くようにいたしたいという私の当時の心境をお話しておきましたが、現在その運びに至ってないのは遺憾でございまするが、現在の状況では九月中に開くことは困難な状況でございます。日ソ国交の今後の推移を見なければなりませんが、その推移を見てできるだけ早く開きたい、こういう気持でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうしますと、岸発言の十一月十五日説という、そういうことは政府としては考えないで、これとは別途に、鳩山総理がかりに今の説を一応借りて、そのまま日程を組んだといたしますと、鳩山総理がここを早晩出て、モスクワにおいでになると仮定した場合に、モスクワにおける折衝は長期を要しないとすれば、アメリカに回られるかどうかは別として、いずれにせよ、十月下旬には帰ってこれる状態にある。そうすれば、すでに並行して臨時国会召集の手はずは万端ととのえて行けばいいわけですから、これとあわせて、いよいよ最後の召集の期日をきめてさっと開くということになれば、そう日数を要しない。そうすれば、十一月十五日を待たずして十月中にも開くとすれば開き得る。もとより他の案件については、政府はすでに九月下旬を目標に準備を進めてきておるのですから、問題は、鳩山総理がモスクワから帰ってきた暁ということが一つの限界になる。そうすれば岸発言の十一月十五日というものでなくて、もっと早期にこれを開く用意があるという意味を持っているのかどうか。岸発言を肯定も否定もしない、連絡もないということだとすれば、政府の見解をここでただしたい。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 衆議院並びに参議院各方面から要望がございますので、できるだけ早く臨時国会を開くように努力したいということの本旨は変っておりません。ただし藤田さんから御指摘なされましたように、与党の方において強い要望がございますれば、これまたやはり政党政治として尊重しなければならぬということは当然でございます。しかし現在のところ、幹事長の方からも何らこれについて正式な連絡もございません。私的な連絡もございません。従いまして、与党の幹事長が一応立てている日程によって政府がどうするということは、今考えていないということを申し上げておきたいのでございます。しかし与党の方から党の運営上強い要望がございますれば、これは十分付度して期日をきめる場合の有力なる資料にしなければならぬとは考えている次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 非常にどうもから回りしているように、質疑と答弁との関係が無関係に展開しているように思われてなりませんが、あれほど重要な発言が、この時局からかんがみて岸幹事長からなされている。何派がどう言ったとかいうような問題に私はこだわっているのじゃない。れっきとした党の幹事長がそういう発言を具体的にしている以上、時の政府とされては、何ら連絡がないからというのでなくて、もし連絡がなければ、政府として、岸幹事長のかような要望があるが事の真相はどうだというぐらいなことは、これは反射的に、どちらと言わず、政府がおただしになるか、または与党とされても連絡があることは当然だと思います。かような重要な発言に当って、政府と何ら関係なしに、臨時国会の召集のことまで言及されている、岸幹事長が。これを政府が何にも知らないというのでは、政党政治を今引用されたけれども、政党政治を論議する資格はないと思う。全然無関係じゃないですか。絶縁状態に政府と与党がおるということを今あなたが証明したことになる。ということでなく、おそらくそれは連絡があったろうと私は思う。あったとすれば今それを聞きたい。なかったとすれば、これは重大な政府与党間の連絡の不行き届きというか、まことに私どもあぜんとする。さてそうだとすれば、これは無関係だとすれば、私のお尋ねしたいのは多々ありますが、今大事なところから言ったので、政府が独自のスケジュールというものがなければならぬと思う。出たとこ勝負というのが吉田さんの方針だったかもしれないが、これについては相当今の鳩山内閣の連中は非難されていたはずです。当時。そういう手放しのことではいかぬというので鳩山内閣は国民の信頼を当時は得た。しかしそうでないとすれば、すでに松本さんも出発された。そうして刻々情報があるでしょう。松本さんが行かれるまでに、すでに現地には人が残っているはずであるし、かような点から鳩山さんがいつごろおいでになる、そうして交渉はどの程度でどうなるというスケジュールがあると思うのだが、鳩山さんの行動まで今ただそうとは思わない。その終点というか、そのスケジュールの一環となっている臨時国会の政府としての目標を今こういうところに置いているのだ——私どもは今参議院の運営について重要なる段階に立っている。長期にわたり参議院が半身不随の状態で運営というものがきわめて不円滑だ。今でもこの社会党が二名しか出られない状態だ。差しかえもしていないし、八十一名となったといっても二人しかここへ出てこられない、民意の反映が半数以上あったにもかかわらず、旧態依然として国会に残っている半数のものがこんなことをやっているという現状で、この点から見てもどうか一つもっと親切というか、誠意があるというか、ほんとうの政府自体のスケジュールの臨時国会のことだけでもここで御答弁をいただきたい。何にもない、出たとこ勝負というならこれはいざ知らず……。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) いろいろとお叱りを受けて恐縮しておりまするが、非常に抽象的な形になって恐縮でございまするが、現在松本全権が参りまして、この前鳩山総理からブルガーニン首相にあてた書簡に対する答弁のうち不明確な点がございますので、これにどういうふうに向うから、松本君から返事がくるかによって、具体的に実は総理の行く日程が確定されることになると思います。その点がいまだ途中にありますので確定できない、それから交渉はこれはやってみなければわからぬことでありますので、今から私が責任をもっていつごろとは申し上げることは困難であります。しかしながら、一応考えられる点は、私の方に幹事長の方から連絡がありませんけれども、党の運営上、その他通常国会との関係からすれば、少くともおそくなっても、これはまた日ソ交渉それ自身との関係をこえても、党としては十一月十日ないし十五日の間にやりたいという、おそらくそうした計算のもとに私はそういう意見を発表したのではないかと思っております。しかし私に直接連絡がないので、お叱りは受けましたけれども、事実そうでありますから、その点を申し上げるのでありまするが、党の発表された意見は、これは最終的にはそういうふうなケースになる可能性が非常に強いのじゃないかという考えをいたしておりまするけれども、これは正式に党と政府との打合せの結果でありませんので、この権威ある委員会において、私がそれを具体的にお答えできないので残念でございますけれども、そういうようなケースになる可能性は非常に強いだろうという観測はいたすのであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 だとすれば、しからば政府のスケジュールの臨時国会対策はどう考えておるかという点についてのお答えがないのですね。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 先ほど話したように、日ソ交渉の今後の経緯という問題が相当強く影響されると思いますが、端的に言いかねている点が非常に大きな理由のようでございまするが、やはりどんなに短期間において日ソ交渉の結論が出るといたしましても、十月一ぱいはかかるのじゃないかというのが常識的な判断でございます。そうして帰って参りますれば、やはり十一月になってできるだけ早くといっても十一月になってからでなければ開けないという段階ではないか、この程度までは考えておる次第でございますけれども、その具体的な期日についてはいまだ明確に申し上げられ得ないのでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 勢い日ソ交渉の問題に言及せざるを得ないのですが、臨時国会が一にかかって日ソ交渉の経緯に関連があるということが、今、松本全権を派遣せられて、ソ連側との折衝を、到着早々松本全権が当るのでしょうが、その結果、鳩山総理がモスクワを訪問してこの折衝に当るか、あるいは調印だけになるのか、そういう右左がまだはっきりしない段階、従ってこの帰結は、日ソ交渉が政府の今考えられておる暫定方式というのか、そういうもので打開し得るか、あるいは具体的に押してみると、必ずしもブルガーニン回答のような、その中はわが方の解釈の通りではなかったというようなことに当面して、この日ソ交渉の打開というものは失敗に終るか、形は長期中断ということになるか、いずれにしてもここで妥結できないということになるか、これは五分五分のような状態なんでしょうか。これによって臨時国会が左右される。もし臨時国会の、今劈頭の発言によると、いずれかの結論が出た場合ということなんですから、妥結した結論もあるし、妥結ができない結論もある、これは当然だろうと思う。そういう非常に重要な段階にきているから、わが社会党だけではなくて、緑風会の議員総会の結論も、昨日社会党もその連絡を受けたわけですが、社会党と大同小異の結論になって、日ソ交渉の重要性にかんがみて、この際鳩山総理がモスクワに行くとすれば、かくかくの自分たちは意見を持っているが、さらに臨時国会は早急にそのためにも開くべきだということがあるし、無所属の皆さんも意思表示があるし、そうしてみると、私の知っている限りでは、参議院の自由民主党の皆さんも全員か、相当数といっていいか、表現は非常にむずかしいですが、相当数の方々が、要するに大多数の人がやはりこの際開けという意思になっておるわけであります。その点の政府の見解が、日ソ交渉をいずれかの、妥結なり不妥結なりどっちかにして、それから国会を開くということは、少し前後するのではないかという感じもするわけで、政府の考えられる、訪ソ前に開く必要なし、開くべきでない、あるいは開き得ないとか、そういう理由を明確にしてもらいたい。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 日ソ交渉に対するところの政府の態度は、すでに前国会においても、その後のいろいろな発表においても明らかにしておる通りでございます。問題は、具体的な折衝に入って、その結論について政府の責任において国会にその実情を示し御批判を受ける、こういう態度をとりたいと思っておる次第でございます。交渉前にさらにやるという議論も、これはりっぱな議論だと思いまするが、政府としては、非常に現在この交渉が微妙な段階にきておりまするので、政府が全責任をもって交渉いたした結果に基いて、国会の批准を得るなり、あるいは御批判を得るなりということをとることが、この重大な問題を措置するために最も適切だという判断のもとに、再開後において国会に諮る、こういう考えを持っておる次第であります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 私はただいま非常に重要な答弁をお聞きしたと思うのですが、それでは憲法の五十三条の解釈をお願いしたい。官房長官は憲法五十三条をどう解釈されておるか。——もう一度おわかりにくかったら私から申し上げますが、憲法五十三条によって臨時国会の召集を政府に要求しているその理由は那辺にあるか、憲法五十三条によって臨時国会を要求する場合には、その案件を政府には通知しておるはずです。それは日ソ交渉の調印後に再開してくれというのではない。それは要求しなくても、当然批准の形でも政府は国会を開かねばできないと、そういうお考えであったならば、五十三条の線によって要求する必要は何もないのです。そのために国会はそういうことがないために要求をしておるのです。ところがただいま官房長官の御説明では、五十三条のこの精神を踏みにじって、政府だけの解釈によって、そうして調印なり、あるいは中断なりしてから国会に諮るんだと、こういうことを言っておられるわけです。それならば、五十三条の精神によって要求したものは、全く政府によって踏みにじられておる、この前も官房長官と相当議論いたしましてこれは了解されたものと思っておりましたが、ただいまのお話では、全然了解されておらない、そうなると、先般の議運の会議におきまして、九月下旬だということは、当初から九月下旬にはすでに日ソとの交渉は終ってしまって、調印してしまって、そうして国会を開く意思であったかどうか、そういうことになるわけですね。また今度、先ほど藤田理事からも言われておりました岸幹事長の臨時国会に対する御意見などもございますが、これは意見としてはいいと思います。しかしそれと五十三条で要求したものとを、どちらをお考えになっておるか、この点も含めて一つ詳細に御答弁願いたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 私が申し上げたのは、藤田委員の方から、日ソ交渉と関連して現在非常に重大な段階であるから、国会を開いてその点を明らかにすべきだという御意見でございました。にもかかわらず、政府が今さらそれに応じないということの政府の態度について言われました。そこで政府といたしましては、日ソ交渉に関する政府の態度自身については、すでにこの点は明らかにいたしておるというつもりでございます。現在は非常に重要な段階に、微妙な段階になりましたので、重光全権が帰って後、政府与党も十分に研究した上、現在松本全権を先行せしめて、今後再開する場合において一つの前提条件になる項目についてただした上、総理が行くか行かぬかということにきまるのでございます。従いまして、現在の段階において、はっきりといつごろ結論がつくかということは、いたしかねるけれども、政府といたしましては、結論はいずれにつくにいたしましても、まあ十月一ぱいぐらいがいいのではないかと考えておるわけでございます。その前提に立って先ほど幹事長の方で、正式には連絡がありませんけれども、結局はああいう線に落ちつく可能性が強いのではないかという感想を述べたわけでございます。ところが五十三条との関係でございますが、五十三条は臨時国会を要求する場合における法的根拠を示しているものと思います。従いまして、われわれはこれに基いて臨時国会を開く準備をいたしておるのでございます。政府といたしましては、日ソ国交が結末ついて、それまでは一切国会に発言する機会を与えないという趣旨ではなく、先ほど申したような趣旨でございまして、従いまして、五十三条全体についてはもちろん政府が尊重して、これに基いて臨時国会の召集の手続をいたしたいと、こう考えておる次第でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、五十三条の解釈によって要求をしておるものは、早急に開けということになっておるはずでございますが、これを政府は日ソ交渉の結末がついたあとを考えておる、先ほど私が言った五十三条の精神というものは、一つの案件を出して、その結論がついてから開けというものじゃなくて、その前に開くべきである、結論がついてから開くのだったら五十三条は要りません。私はさように考えております。特に今度の問題については、日ソ交渉に特に鳩山総理が行くと、そういう重大なときであるから、その前に開けというのがこの精神である。そうするならば、この精神によって開かれなければできないはずだと思う。たとえば予算その他でやる場合には非常な資料が要るから、それについての期間が幾分政府にとられておって、そうして政府がその期間をきめることになっておるのです。ところが今度の問題は鳩山総理が向うに行く、調印でもする、妥結でもするという前に開けというのがこの真髄でございます。そうするならば、その線によって開かれない理由は何がございますか、それをはっきりと御答弁願います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 五十三条はこれは臨時国会を要求する法的根拠を示したものだと考えます。従ってこれに基いて政府が責任をもって臨時国会を召集する日にちをきめるということになっておりまして、従いまして、すなわち日ソ問題と五十三条と直接結びつきまして、直ちにこれが批准のための国会になるか、あるいはそうでないかも、これは今にわかに断定できない問題だと思うのでございます。ただ、ただいま言われた日ソ国交を再開するに当って、その先立ってやることがなぜできないかということの御質問でございまするが、先ほど若干触れたように、政府としては現在の段階において、いろいろ日ソ国交に関する具体的な審議になるよりも、現在政府の態度は明らかになっておりまするので、それに基いて交渉をいたして、そうして政府の責任においてこの交渉を進行する方が、現在の段階としては政府は望ましいと、こういう意味でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 わかりました。それならそれを、なぜこの五十三条の精神によって臨時国会を開いて、国会にそれを答弁しなさらないか、説明しなさらないか。なぜに国会を正式に開いて、そうして国民に政府の態度を明らかにしないのですか。政府は当初は平和交渉で行くということを言っておる。そうして自民党の線でも私が申し上げるまでもなく、領土の問題はあれだけのことを言っておられた。そうしてそれが二転三転して、平和交渉だ、あるいはアデナウアー交渉だということにやられておる。そういう点についても非常に微妙な問題もあり、重要な問題もあるからこそ、臨時国会の要求をしておるものであります。そうするならば、なぜ臨時国会を開いて、ただいま言われたようなことを政府の所信として明らかにしないか、することができないのか。それだったらば臨時国会を開かれない理由は何も私は成り立たないと思う。そうですね。だからそれは臨時国会を開かれない理由になりません。早急に開いて、それを国会を通じて言われて、どこに政府は困るところがあります。私はそれでは答弁になっておらないと思う。もっと政府が開けば非常に困るようなところがあるならば、その通り言ってもらって、私どもはこの憲法の精神を十分に考えて進んで行きたいと思う。憲法の精神は政府の勝手な解釈で、与党の勝手な解釈で変えることはできません。与党の幹事長にしろ、臨時国会を来月の十五日に開くとか、下旬に開くというようなことは、これは言うのは自由かもしれませんが、そういう権利はございません。その前に、五十三条の精神によってはっきりと開けということを要求されておる。それならばそれを開いて、あと大体やるべきことであって、一応開くべき私は義務があると思う。そういう点についてもう少し納得の行く御説明を願います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 先ほど申したように、五十三条を無視するという考えは一つも持っておりません。ただし先ほど申し上げたように、現在の段階において、政府としては総理が行くか行かないかが不確定であるし、もし行くということになりましても、その場合においては政府が責任を持って処置したのちに国会に臨みたい、その方が政府として好ましいということを申し上げたわけであります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 政府のその考えはわかる。政府としてはそう考えておられるでしょうけれども、政府がそう考えておられるから、それでは困るから、五十三条の精神を適用して臨時国会を開けといっているのがこの精神です。そうすると、五十三条の精神は踏みにじって、政府だけの感覚でやるということになるじゃありませんか。私どもが出しておるのは、政府がそういう考えを持っておられるから、妥結する前に国会を開いてもらいたい、こういうことで要求しておるのです。その問題について、行かれる前に国会を開かれるのがおそくなろうと早くなろうと、それは政府のいろいろの準備の都合もございましょうから、それはやむを得ないと私は思う。ところがそれを一つ切り離してしまって、そうして日ソ交渉が妥結あるいは中断したあとで開くというならば、五十三条の精神はもう踏みにじられておる、こういうことになるわけです。国会の召集を要求する場合には、一つの大きな問題を持ち上げて、これを要求するわけなんです。ところがその問題が解決してしまってから開くというなら、この精神は全く踏みにじられておる、私がいうのはそこなんです。あなたは政府のいうことだけいっておられるけれども、この憲法の精神はそうではないといっている。政府は総理が行く前に国会を開く義務がある。私はそれをお尋ねしているわけです。政府はそう考えておるけれども、憲法はそうじゃないのだと、かように考えておるのですが。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 憲法五十三条の制定の趣旨は、臨時国会を要求する場合における要件を列記しているものと思います。その精神は、今、阿具根さんが言われた精神はもちろんあると思いますけれども、その開催の時期について制約はいたしておりません。政府の責任においてこれはなすことになっておるのでございます。そこで政府としては、先ほど申し上げた立場において、これは現在、今直ちに開くということは政府としては好ましくないという態度をとっておるわけでございまして、そのことが直ちに五十三条そのものをじゅうりんしたというふうには考えていないのでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 堂々めぐりになって非常に困るので、私も憲法学者じゃないからわかりませんが、そうなれば五十三条は要らないです。政府が勝手に時期はいつでもきめていいのだというならば五十三条というのは要らない。私の考えが間違っておるならば指摘してもらいたい。それは五十三条で要求をしたら何月何日までに開かなければできないとか、何日間に開かなければできないということをやっておったならば、非常に政府は資料をそろえるのに期間がないから苦境に陥るので、その案件についてのそれだけの準備をする期間だと私は解釈しておる。そうしなければ五十三条は要らない。要求はした、それは聞きましょう、それでは通常国会の一日前に開いてもいいのです。そういう意味ではないと私は言っている。要求するからには大きな問題をひっさげておる、その問題が済んでしまってから開くようだったら五十三条は要らないと思います。ところがあなたは無理にそれを主張されておる。あなたの心の中ではわかっておる。あなたはこれはこれとして開いて、そして帰ってきたらまた批准国会を開くなり、あるいは臨時国会を開くなりされるでしょう。だから私が言っておるのはその前に開けという、七回もの政府に対する正式な要求になっておるのであるから、それを開かれない理由は政府の一方的なものであって、憲法の精神にもどっておるではないか、こういうことを言っているわけです。堂々めぐりのようですけれども、これははっきりしてもらいたい。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ちょっと関連して。要するに憲法第五十三条の解釈については、前回の本委員会においてもこまかく議論をしております。今その速記を見ますと、官房長官の答弁を要約しますと、政府としては、これは開かなければなりませんから開くが、それにはそれぞれ政府の態度もきめなければならぬし、手続上の準備も必要である。だから九月下旬まではどうしてもこういう準備等でかかるということでした。今、阿具根委員の指摘した点とそのまま同じような発言が出ております。私もそう思いますとあなたは答弁しておる。ところが事態がここまでき、九月下旬もすでに去らんとし、政府はあのときの態度として、九月下旬まで引き延ばす理由は、まず準備が必要だ、こうぶったが、そして準備もしてきたはずなのだが、さてここまでくると、その準備なんということでは通らなくなってしまって、日ソ交渉の結論も出て、こういうことに変ってきて、憲法解釈も変ってしまったようだが、今日の段階では、今のやりとりを聞いておると、憲法第五十三条はこれは法的根拠で、議院が開く場合の手がかりがあるだけの話で、それはいつ開くか開かないかは、これはいずれ開くことは開くけれども、いつ開くということはこっちの自由だというふうに聞えますが、しかしこれはそうでなくして、あのときに指摘もいたしましたように、憲法第五十三条には、内閣自体が臨時国会を開くことがまずきめられ、そしていずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣はその召集を決定しなければならないとあり、その決定するについては、法律にある種の具体的のものを規定し得る状態にある。すなわち従来の内閣はしばしばどうも開かなかった。しかし少くとも今の憲法になって民主政治なんといっておるのですけれども、三権分立の中で最高機関は立法府にあると憲法に規定してあるけれども、時の執行権が独裁専制に陥っておるというようなことから、三十日以内あるいは五十日以内とかと、日にちはやや差があったけれども、ここに一つ歯どめを法律で規定してやらなければならぬというので、国会法改正のときにこれは問題が出たわけです。これは現在の内閣の与党も何日という幅については、五十日説だったかと思いますが、参議院においては、そういうことで肯定されていて、しかも五十日なんというふうにきめないで、当然開くべきなのだから、この際は規定しないでおこうというので、鳩山内閣では少くとも吉田内閣のやったようなことは繰り返さないだろうし、繰り返すべきでないというので、そこでやはりお互いに信用というか、民主主義のほんとうの理念に立って改正を一応見送ったのです。だからそういう点に立脚し、議論を展開し、計画を立って行かなければならないわけです。その点が今の段階では解釈が変ってきておるように思われるので、その点は果して解釈をお変えになったのか、私はあとで速記をお見せしてもけっこうです。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 五十三条の解釈は私は解釈を変えておりません。政府は先ほどいったような立場で、今直ちに開くことは好ましくない、こういう意味のことを申し上げたのであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 あのときの御答弁を私繰り返しますと、私が日ソ交渉の問題で今開くことは、党内事情その他でちょっと困るのでしょうと言ったら、そういうことは困りません。そういうことは関係ないのだが、開くとすれば準備もしなければならないし、政府の意思をきめて開くということが建前であるという説明なのですよ。そのために九月下旬まではどうしても時間がかかるとおっしゃっていたのです。いいですか、九月下旬はもうきておる。準備もできておるはずです。日ソ交渉の政府の態度もきまっておるでしょう。相手次第ということになっているのです。それならば、ここで臨時国会を九月下旬にお約束いただいた、それを逃げることができなくなっているのですよ。これは憲法の解釈に何ら変更がないとすれば、そうすればここに立ち至っては、いや実は日ソ交渉があるので、これは今臨時国会を開くと、党内といわず、野党をあげていろいろやるだろうから困るのだということになり得るのですよ。あなたはそれを否定しておられるのですよ、この間の議運では。そういうことは全然関係がない。説明がつかなくなるんじゃないですか、そこのところが。それをはっきりやってもらいたいのです。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 法律にはもちろん会期の時期なんというのはきまっておりませんが、これはもう政府で決定するということになっておりますけれども、あの前回要望を出しましたときは、ちょうど日ソ交渉の進みつつあるときで、しかも早急にこれは妥結するものだというような関係から、九月下旬ごろにはやろうじゃないか、しかしながら、われわれは九月下旬じゃおそいぞ、それをもっと早くしてくれ、準備の都合もあるでしょうけれども、準備ができ次第やってもらいたい、早くしてもらいたいというのが、先ほどお話が出ましたように、ずるずるになっている。日ソ交渉だけが問題になって、これを大きな障害として、これを片づけてからというふうになっておりますけれども、日ソ交渉はこれはいつになって妥結するかわからない。目先がわからない。妥結するか妥結しないか、これもわからぬ。こういう状態でありまして、一方われわれの機構は半身不随、これはみな困っている。せっかくの半数の議員が、これは無為に過ごしておるわけです。かようなことが政党政治として通されるものか。おそらく与党においてももっと早くやったらよいだろう、このままではいかぬじゃないか、もっと早くやったらどうだろう、日ソ交渉にそう拘泥しなくてもいいんじゃないか、まず国民の意向を聞くためにも、またほかにも健康保険のあの予算の問題もありますし、水害対策、あるいは公務員の給与の改訂、こういうような問題もありまして、これは通常国会に延ばすならば、ますます四月下旬の通過がむずかしい。今のうちに少しでもやっておかなければならぬ、そういうような案件が残っている。しかも日ソ交渉はいつになって妥結するかわからぬ。ああいうような状態を見ますと、早いことわれわれの機構の整備、こういうようなことをやってもらわなければいかぬと思う。そういう点はどういう工合に考えておられますか。先ほどの日ソ交渉があの当時すぐ妥結するということで延びておったのが、いつになってこれが結末がつくかわからぬというようなことを考えるならば、早急にやらなければいかぬのじゃないかと思うのでありますが。この制度の問題について……。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) なるべく早く臨時国会を開くことについては最大の努力を今後いたしたいと思います。日ソ交渉がいつ妥結するかわからない、それを目当てにしてはいかぬという御要望もわかります。しかし政府は成規の手続をもって要請された以上、無制限に、先ほど聞かれたように、通常国会を開く数日前にやろうというような意思は毛頭持っておりません。もし日ソ交渉が非常に長引く、あるいはまた中断するということになりますれば、これはそれとは関係なく臨時国会を開くようになることは当然でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そこで、私の質問に関連して、今、上林さんの方からおやりいただいたわけですが、準備の必要で九月下旬という考えが、今その理由が変ったのかどうかという点が一つありますね。それからもう一つの点は、十月一ぱいかかるだろう、そうすればかれこれ十一月、岸幹事長が言ったか、おれは知らぬけれども、その辺になるだろうというようなことで、どうもこの委員会における発言としては物足りないような、適当でないような感じがしますが、十月一ぱいに、特に日ソ交渉というそのスケジュールは、鳩山総理がいつごろお立ちになって、モスクワにおける所要時間が何日で、帰りはまっすぐにお帰りになるのか、アメリカに一応寄って何分の了解をとりつけておいでになる計画なのか、その点のスケジュールを官房長官が一番詳しいはずですから、これは御本人が来ていただけば一番いいけれども、鳩山さんがすぐくるというわけに行かぬでしょうから、官房長官から一つ……。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 総理が訪ソすることになるかどうかは、松本全権が参りまして、所要の要件をコンファームしてから後に、正式にきめなければならぬと思っております。従いまして、現在のところ正式な日程というものはきまっておりません。けれども一応常識的に考えておることは、松本全権からの報告が、総理が行ってしかるべしということになったならば、これはすみやかに決定されると思います。それから飛行機の都合を見なければなりませんが、おそらく一週間そこらで手配ができると思います。そうしますれば、まあ早ければ十月の上旬に出発になるという可能性が出て参ります。そうして行きますれば、これは交渉してみなければわかりませんけれども、この前重光全権が行ったときの経過から一応の推測をいたしますれば、二週間ないし三週間が大体のめどではなかろうかと存じます。それから、今のところどこを回ってくるかについては、まっすぐに帰る予定でございますが、何か飛行機の関係、その他重光全権が行ったときの状況を見ますと、インドを回ると非常に疲労が多いのだそうであります。そのためにやはりアメリカ回り、あるいはカナダ回りの方が適当だ、またその方が飛行機の都合がいいというような状況が起れば、そっちに行くかもしれません。これはまだ確定いたしておらない次第でございます。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 関連いたしまして。先ほど上林さんからの御質問がございましたが、私など緑風会といたしましては、国会の召集を最初に要望いたしました際は、日ソ交渉の問題は持ち出しませんで、参議院の構成の問題ということを主として要望したわけであります。その後日ソ交渉の問題がだんだん進んで参りまして、そうして昨日はまたその問題も加えて開会を早くしてもらいたいということを要望したわけであります。先ほどからの御質問、お答えを伺っておりますというと、主として日ソ交渉に主力を置いての質問応答のように伺っておりますが、この構成の問題についても、やはりその問題が今消えているわけじゃないのでありまして、政府としては両方もとより考えていただかなければならないわけであります。日ソ交渉の問題につきましては、先ほどから長官の御説明を承わりましても、鳩山総理が向うにおいでになるか、おいでにならぬかも、まだはっきりきまっていないというような御説明でございましたが、その通りだと思っております。ごく何と申しますか、あっさり、すなおに考えてみるというと、日ソ交渉に関する政府の権限と申しますか、責任と申しますか、そのことだけを窮屈に法制的に考えまするというと、政府の責任においてまず交渉されて、それが一応済んだあとで国会を開いて意見を求めるということも言えるかと思っておりますけれども、その前に国会の意見を聞いて交渉にお当りになるということが、まずすなおな行き方じゃないか。ともかく国民を代表している国会でありますから、しかもこの重大な問題について、これから政府は交渉を、今までにもおやりになっていますけれども、続けておやりになる。われわれ国会議員として自分たちの考えを政府に聞いてもらう、それを参考にしてもらって交渉にも当ってもらうということを考えるのは、これは当然過ぎることであります。それをしなかったら、われわれは国民に対する義務を十分に果さなかったのだということを選挙民から責められても、これは言いわけがないだろうと思います。その点は政府の方でもよくおわかりのことだろうと思っております。もし外交交渉をやる場合において、国会を先に開いてその意見を求めるということが許されない、その法制になっておるというなら、これはやむを得ない。しかし全然そんな規定はありはしません。何かどういう意見が出るか知りませんけれども、とにかくそれを交渉の場合に取り入れて交渉なさるか、あるいはそれを取り入れないで交渉なさるか、それは政府の責任においておやりにならなければならぬことであります。しかし大ぜいの者が集まってやることでありまするから、おそらく何も参考にならぬような国会じゃなかろうとわれわれは確信して疑いません。それであるにもかかわらず、先ほどお言葉を承わるというと、政府は先にやることは好まないという御説明であります。好まないということについては、政府の方で何か理由がおありになるのだろうと思っております。ただ好まない、意見の相違だということで私ども聞きっ放しにするのは、あまり議員としての責任を果さないということになるだろうと思います。何ゆえにお好みにならぬか、あるいは準備がまだできていないからなのか、あるいは準備はできておるのだけれども、開くというと何かほかの関係で日ソ交渉にじゃまになるとか、もう聞く必要はないのだ、何か好まないという理由がおありになるはずだと思います。その点を一つ重ねてお伺いいたしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) ただいま仰せられたことについては十分研究いたします。今直ちに開く必要があるという意見には、十分これは政府も慎重に考慮を払っておるわけでございます。諸般の状況を考慮いたしまして、政府としましては、日ソ交渉問題についてはもう非常に微妙な段階になっておりまするので、この際総理が行くか行かぬかをきめて、しかる後にその日程をきめ、それから臨みたいと、こう考えておるわけでございます。現在どういう理由で好まないかということを明示せいと申しまするが、これはしばらく遠慮さしていただきたいと思います。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 日ソ交渉の問題についての気持は大体お察しすることができたと思っておりますが、もう一つの参議院の構成について、また別に考えることが必要だと思いますが、その問題については準備することができないとか、そのほかの理由があるのでございましょうか。お開きにならないことについて……。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 院の構成をすみやかにするということの必要は十分考えております。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 それならその問題を日ソ交渉の問題と切り離してでも早くお開きになる必要があるんじゃないかと思っておりますが、それをお開きにならぬのはどういう理由でございますか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 院の構成だけで臨時国会を開くということは実際上困難があるようでございまして、そのためにやはりこれは開くといたしますれば、院の構成、諸般の問題を一緒に御審議していただかなければならぬことになっております。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 院の構成だけの問題では、おっしゃる通りであるということも承知いたしておりますが、そのほかに、問題はスト規制法の問題もございますし、いろいろ一緒に、開くお気持がおありになりさえすれば、構成の問題に加えて一緒に審議される問題が幾つもあるだろうと思います。その点はいかがでございましょうか。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 開くとなりますれば、当然現在正式に要望書に書いているほかにも緊急の問題は当然審議されるものと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 しようがないから質問いたします。意見になるかもしれませんけれども、政府は、さきに政府からロンドンに松本全権という人を出された。これも私は全権だったと思います。その次には重光さんを全権でソビエトへ送る。これも全権であったということ。今度は鳩山総理を全権として出される。これも全権である。全権は同じ日本の政府を代表しておるものと私は思う。ところが今度は、一番最初全権で行った人がソ連まで今度は行って、そうして何か交渉をしてしまって、そうして調印するばかりになって鳩山さんを連れて行く。そうすると、鳩山さんの主治医が言われたように、鳩山さんは向うで心配するようなことがあったらこれは勤まらぬ、体は行けるけれども、心配するようなことがあったら勤まらぬとするならば、全権としてでなくて調印するだけに行かれる、こういうように私は考えるのです。そういう点お答えできるかどうかしれませんけれども、これは私どもも地方に出て参ります場合に、全権が三回もかわっておる。しかも今度は鳩山さんが行かれる場合には、行くのは行くけれども頭を使うようなことはしてくれるな、頭を使わぬという全権があるかどうか。頭を使わないために、その頭を松本さんにやったならば、松本さんはロンドンからソビエトまで行って十分にわかっておられるはずである。どういう意味であるか、それをお伺いしたい。  それからもう一つ極端にお伺いすると、臨時国会を、これは十日も十五日も、幾らになるか知らないけれども、そんなにわれわれは考えておらない、差し迫っておるならば……。そうすると、わずかな臨時国会を開いて何か支障があるのか。社会党が妨害するとか、緑風会が妨害するとか、そんなことはあり得ぬと思うのだな、今の状況は。そうしたならば開かない理由は何もないと思う。それからこの前のこの委員会で冗談にも出たが、先ほど緑風会さんからも盛んに言われましたように、すでに選挙が終って三カ月以上もたっておって参議院は半身不随だ。鳩山さんは半身不随だから、あなたはその大番頭として一番その不自由は御苦労なさっておると思う。これは冗談で、この前出たから言いますがね。これを、参議院をそのままにしておいて、これでいいのかどうか。先ほど理由は、向うから言われてもその理由は申し上げられぬと言われておる。その理由は言われぬはずはないと思う。この点をはっきり言ってもらいたい。この三点言ってもらいたい。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 総理が全権として行く場合に、頭を使うとか使わないということは、それは当然あり得ないことです。全権である限り、全面的にこれは国を代表してその交渉に臨むということでございます。  それから参議院が現在構成ができないために非常に御不自由なさっておる点については、先ほども言った通りわれわれも同感でございます。これはできる限りすみやかに院の構成をするようにいたすべきだと思います。ただ院の構成だけをやるわけにはいきませんので、従って臨時国会を開かれるといたしますれば、要求されたほか緊急の問題、全面的な国政の審議になると考えておる次第でございます。  今直ちに開かないということについての理由は、先ほど政府といたしましては、諸般の準備も一応は進んでおりますけれども、まだ完璧ではない。それから現在日ソ交渉の問題について意見は異にしておるでございましょうけれども、やはり政府の責任において、この微妙な段階においてこの際総理が行くか行かぬかをきめて、それから後にこれは考えるべき問題という意味でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 ただいま準備万端整っておるが完璧でない、こういうことを言われた。総理の訪ソ説は二十五日と確定しておるかのように再三流されておる。事態が変ってきたからおそくなっておるのであって、準備万端完璧でないのに一国の総理大臣を外国にやるなんということは思いもよらない。そうするならば、それは私は答弁にならないと思う。国会に報告もできないように準備ができていなくて行かれるわけがない、いつでも行かれるように準備ができておると私は思う、それが松本全権が向うに行っておられて、その帰って来てからでなければできない、その理由はあるでしょう、しかし私が最初から、この前の会議のときから言っておるように、五十三条の精神というものはそのためにそらされるものでないのだ、そうするならば、それは一つも国会を開かない理由にならない、私はこう思う。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 同じことを繰り返すことになりますが、総理が現在確定的にいつ行くかについてきまってないということを申しただけであって、それ以上の日程はまだきまっておりません。なおまた総理が行くに当って、交渉に臨むに当って、その交渉の準備ができないということは言っていないのでございます。交渉に当る場合においては、当然政府として交渉に当る準備は完全にしておいて交渉に臨むということになるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、それは臨時国会を開く資料が完璧にそろっておらないという理由になるんですか、それが。私は総理が外国に行くための資料がそろっておらないというのを聞いておるのではなくて、臨時国会を開くための資料が完璧にそろっておらないのかということを聞いたわけです。国会に報告するだけの資料もないのに総理が外国に行けるかということに私は結びつけておるんだから……。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 総理が行く場合には完璧な準備で臨むべきであるということは当然のことでございまして、全然準備なくして行くということは考えられません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 今の答弁はおかしい。根本さん、今のは臨時国会を開くについて諸般の準備が必要だ、従来そうしてもらえたが、その臨時国会を開くについて準備ができているのかどうか、諸般の準備がね、これを開いておる。そうすると、お答えはモスクワへ行くについては準備はやって行きますというようなことで、臨時国会のことがモスクワへ行く話になってしまっておる、御答弁が。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 臨時国会を開くについていろいろの準備が完璧でないということを申し上げたのでございます。しかし準備は一応進めておるということは事実でございます。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ちょっと速記をとめて。    午後零時五十六分速記中止      —————・—————    午後一時十七分速記開始

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて。  先ほどからいろいろ御発言がありまして、官房長官も大体の空気はおわかりになったことと思いますが、われわれといたしましても、参議院の院の構成をこのままいつまでもしておくということは非常に困ると思うのでありまして、政府の諸般の事情もいろいろあろうと思いますが、できるだけすみやかに臨時国会を開いて、院の構成ができるぐらいのことはやらなければならぬと思うのです。官房長官におかれても、一つ今後一そうの善処を願いたいと思います。この際、官房長官の発言を願います。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○説明員(根本龍太郎君) 臨時国会をすみやかに開けということは、段々の手続きをもちまして数次にわたって要請されているのでございまして、特に参議院の選挙後における院の構成の問題は特殊な重要性を持っておるわけでございます。なお、その他重要な案件が提示されておりまするので、政府としては、本日の本委員会の意を十分体しまして、できるだけすみやかに臨時国会を開催するように今後努力したいと存じます。(「了承」と呼ぶ者あり)

藤田進日本社会党

○藤田進君 私は、この際日本社会党の立場を明確にして、さらに再要請をいたしたいと思います。先刻来の質疑応答の中で明らかになったのは、政府として、この重大な日ソ交渉の段階に立ち、さらに緊急諸案件を持っているこの時局に当って、臨時国会の成規な要求はこれが無視されようとしている感を深めたわけであります。すなわち日ソ交渉の打開については、鳩山総理が訪ソするとすれば、その前に臨時国会を持つべしという具体的な時期を示して要求いたしておりますが、これについては、必ずしもそういう方向でないやに聞きます。従って、この際官房長官におかれては、閣議等にも報告せられ、そうでなくて、すみやかに臨時国会を開かれる、そのすみやかとは、鳩山訪ソ前に臨時国会を開き、国論の統一を見、強力なる外交の展開によって日本の将来に誤まりなきを期してもらいたい、その意味において、私どもは日ソ交渉に関してできる限りの協力を惜しまないという立場をすでに明らかにしているのでありますから、この上とも、日ソ交渉のために鳩山氏が訪ソせられるとすれば、その前に臨時国会を開いてもらいたいということを強く要望いたしておきます。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) それではこの問題はこの程度にいたします。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) だいぶ時間が過ぎましたが、あと魚津市の災害調査の報告と、それから雑件と言いますか、雑件といっては何ですが、一、二社会党の方から御質疑があるようですが、引き続きやりましょうか、休憩いたしましょうか……。(「続けて」と呼ぶ者あり)それでは引き続きやることにいたしまして、杉山君がだいぶ待っておられますので、魚津の災害調査報告をこの際聞くことにいたします。

杉山昌作緑風会

○委員外議員(杉山昌作君) 先般、院の御命令によりまして、佐野廣君と荒木正三郎君と、それから建設委員会の中島調査員と私との四人で魚津へ参りました。九月十三日の夜、東京を出て、十四日の朝魚津へ着いて、市役所あるいは消防署等におきましていろいろ話を聞きまして、直ちに現場を視察し、それからさらに県庁へ参りまして、県の方におきます対策あるいは復興計画というふうなものにつきまして、総務部長その他から事情を聴取いたしました。その晩富山へ泊りまして、翌日帰京をいたしたような次第であります。  被害状況等につきましては、新聞等でもすでに皆さん御承知と思いますが、旧市街の半分と申しますと、これはまあほんとうの中心の商業地でございます。町の被害は非常に大きいものがあります。住宅焼失戸数としても千四百五十五戸、あるいは罹災の損害額が四十七億円というような推定もあります。ことに非常に狭い町、狭い道、そこにひどい風というふうなことで、罹災者は何一つ……家財道具、商品全部を焼いてしまったという非常な困難な状況にあります。幸いに、さしあたりの避難収容の問題、あるいはたき出しの問題、防疫問題、さしあたりのことは手順よく運んでいるようでありますけれども、今後の復興は非常にそういうような関係で財政的に困るのではないかと思っております。ことにわれわれそれの現場を見て、また話を聞きまして、一番大切だと思うのは、やはり不燃郡市を建設すると言いますか、ああいうふうな狭いところにごちゃごちゃと元の町をそのままなんということでは、これはまた再び大火事を起すもとになりますので、よほど思い切った都市計画を立てて、不燃都市を作るというぐらいの意気込みでやらなければならないと思います。幸いに市の当局、県の当局もそういうようなことを考えておるようであります。われわれとしても、ぜひその方向に大いにおやりなさいと鞭撻もいたしましたし、またその半面、政府を鞭撻して、そういうふうなものにつきましては、費用その他国会としても大いにバック・アップしなければならぬのではないかということを考えております。  その他詳細なことは書類がございますので、いずれ御質問等でもありましたら申し上げますが、以上、ごく簡単に御報告申し上げます。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 杉山さんに一言ちょっと簡単に承わっておきたいのですが、台風に伴うフェーン現象と言いますか、ああいうことでしばしば大火があるのですが、消防対策とか、あるいはああいうときの対策として何か今後やらなければならぬということについて、現地で参考意見等も求めたことがありましたか、ありましたらちょっと……。

杉山昌作緑風会

○委員外議員(杉山昌作君) この問題は、ちょうどわれわれが出かける前の日ですが、衆議院の地方行政委員会で、国家消防庁長官ですか、呼ばれまして、いろいろ話があって、発火してから十分たってから初めてポンプが出動している。一体十分間なんという間、火事を見出さないようなのはべらぼうじゃないかというような話があったように新聞で承知しました。初期の防火というものが一番必要なものであるということをわれわれもかねて聞いておりますので、その点をいろいろ調べましたが、実はこれはその当時の消防関係の人の怠慢というよりも、施設類の不備と申しましょうか、小さい町でございますので、消防署はあっても望楼はない。従っていつも見ているわけに行かないのだ。それとああいう時期ですから、見回ればいいじゃないかということですが、町を見回っていると、消防士が全部で十何人ですが、それがこの町をぐるぐる回っていたら、その間消防ポンプが動かせない。それとまた町の方は、電話等は、唯一の知らせは発火の現場を見た人がさっそく近所の電話、自動電話をかけてくるだけしか方法がないということで、その自動電話が参りまして確知したのが十分後である。そういうような状況で、もしあのときの過失と言いますか、何かあるとすれば、これは平素の消防設備について金がないのか、心がけが悪いのか、消防設備が不十分であったということで、その当時の勤務者の怠慢ということではなさそうに見て参りました。

佐野廣自由民主党

○佐野廣君 私も一緒に参ったのですが、被害の状況とか、何かは今お話の通り、救済方法については、政府の自治庁も行っておりましょうし、建設省関係も行っておりましょうが、小さなようなことで私の気のついたことを一つ二つお伝えします。  消防が市町村にありますね、それの指揮命令が一つのところにまとまって行って、そこから組織的に、こうまた消防に対しての指揮命令の系統が悪いというのを感じたのと、それから地元のあれは何とかという工場でしたが、その私設消防がそれが消火に努めた。その消防に行く際に途中で負傷したときなんかは補償してもらいたい。消防法二十何条でしたか、何か忘れましたが、命令が出てやった分は傷害の手当なんかがありますが、私設消防でまだそこに入っていない、命令を受けないものに対しては、そういうふうな規定がないので、安心して積極的に消防に出るということについての裏づけがどうも悪いということで、今後考えてもらいたいということの要望がありました。これは消防法なんかを将来研究される際に私は参考になると思います。どうしても初期消防には、命令があるなしにかかわらずやらなくちゃいけない、それに対してはやはり負傷したときとか、死んだときとかいうことに対する手当はしてやらなくちゃいけないのじゃないか、こういうことを感じました。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ほかに御質問ございませんか。……それではこの程度にいたします。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) それでは藤田君。

藤田進日本社会党

○藤田進君 事務総長にお伺いするのですが、この前の議運で、沖繩に参議院として議員団を派遣し、プライス勧告以来、現地の模様が非常に悲惨な状態になっている点等もあるので、現地調査をして、さらに現地八十万の沖繩人の意向等も聞いてというので、その編成ができて、それぞれ会派の割り振りも終っているわけですが、これがその後遅々として進んでいない、いまだに出発をみていない。一方海外派遣等については着々と進んで出発するというような状態ですが、私は彼此勘案して、むしろ沖繩の議員派遣の方が急がなくちゃならぬ事態になっておる、かようにも思うのですが、事務総長はいかように事務的にこれを進めているのですか、現状を……。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) 沖繩派遣でありますが、議院運営委員会で御決定になりましたのが七月二十日でありまして、御承知のように自民党二、社会党二、緑風会一ということで、指名については議長一任、こういうことで御決定になった。その後、七月の二十五日ごろでありますが、社会党関係は名前の届けがございましたが、事務当局といたしましては、再三にわたって各会派に御連絡をいたしまして、緑風会におきましては八月二十四日に御決定のようでございました。その後も残っておりまする自民党関係にはいろいろ御連絡いたしておりましたが、いまだに正式のお届けはない段階であります。  なお、衆議院の模様でありますが、当初この話が起りましたのは、衆議院の方で派遣という話があるが、参議院でも同様に派遣をすべきであるということで御決定になったと承知いたしております。その後、衆議院関係におきましては、全然停止状態になっておりまして、何べん聞きましても、まだそのままになっておるということで、動いておりませんのであります。事務的には再三衆議院並びにお届けのない会派には御連絡いたしたわけでありますが、その後いまだに届け出がない、こういう状況であるということだけを申し上げておきます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 事務総長としては、衆議院が行かなければ行かない、衆議院が行けば行くという主従の関係にあるように聞えるのですが、参議院は独自の立場で事を決しているわけです。その間の動機あるいは賛成の理由なり、それはいろいろあったと思う。で、現在承わるところでは、何か沖繩軍政当局が受け入れない、だから行けないんだから、人選してもむだだというようなことも伝えられておる。もしそうだとすれば、これは重大な問題だと思うのです。アメリカ当局に対して問題を移さなければならない、議会として。しかし私はさような理解のない態度ではない、一部特定の政党なり何なりということでは若干難色があるという程度で、だめだとは言ってきていない、これはある政党に対しても。いわんや議会が成規に超党派の形で代表団を送れば、むしろアメリカとしても、その真相は現地でつかんでもらいたいのがほんとうだろうと思う。だとすれば、事務当局におかれては、他の海外派遣同様にこの点は早く促進して、もし今伝えられているように、これはデマだと思うが、アメリカの方が困るんだと言っているようならば、ああそうですかと言って引き下ってもらってはなおさら困る。これは問題があれば議運に出していただいてけっこうです。……了解ならばそれで黙っておればいいです。了解されたものと私は了解する。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ほかにございませんか。……それでは本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十四分散会

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