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24回国会参議院1956/05/16

外務委員会 第12号

発言数
60
登壇者
9
会派数
4
開催日
1956/05/16

会議録

梶原茂嘉緑風会

○委員長(梶原茂嘉君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  ちょっとごあいさつを申し上げます。本日私当外務委員長に選任ぜられたのでありますが、不敏でありまして、その責任を果し得るや否や実はおそれておる次第であります。微力を尽しまして努力をいたしたい念願でございますので、何とぞ御支援を賜わりますようお願いをいたします。(拍手)

山川良一緑風会

○山川良一君 ちょっとお許しを得まして退任のごあいさつを申し上げたいと思います。前議会にまだ一度も外務委員さえつとめたこともない私が突如として委員長をお引き受けしまして、なるべく早く退任いたすことが皆様のおためと思っておりましたが、今日まで不敏の身をもって委員長を勤めまして、この間いろいろ不行き届き等ありまして御審議にも非常に御迷惑をきたし、また御支障があったように思えておりますけれども、その間皆様方の御寛容によりまして何とか委員長を勤めて参りましたことにつきまして深く御礼を申し上げます。  なお私通産委員会の方に回ることになりましたので、外務委員として皆様方の心からの御支援につきまして厚く御礼申し上げます。簡単でございますが、御礼を申し上げます。(拍手)     —————————————

梶原茂嘉緑風会

○委員長(梶原茂嘉君) 千九百五十五年五月三十一日に東京で署名された農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定第三条を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。両件について御質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 この農産物に関する日米間の協定の第一条を見ると、綿花が相当量ここに入っているのですが、これは相当疑問がありやせぬかと思うのは、メキシコ綿なんかが安いのに、これを買い入れるということにされると日本としてかえって不利になりやせぬか。しかも通常輸入量にかてて加えてこれだけの量を買うという趣旨だと私は了解している。その点について多少疑問を持っておりますが、政府側ではどういうふうにお考えになっておりますか、説明をお願いいたします。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) お説のように現在におきましては、米綿は他の綿花より割高になっております。ただこの高くてなかなかアメリカの綿花を買えない、もう少し安くしてもらわなければいかぬということにつきまして、政府とてもしばしば米国政府に申し入れをしてきておったのでございますが、それでことしの一月だったと思いますが、米国では短繊維のものにつきましては、百万俵を限って輸出用のものには国際入札させるということになったのでありますが、その後になりましてさらに短繊維、輸出量を問わず全部、それから長繊維につきましても八月以降の積み出しのものにつきましては同様国際入札による。こういうようになりましたので、そういうことになれば先行きは値下りをしまして、大体国際価格になると考えますので、ここに書いております、協定にあります千八百万ドルについては国際価格で買い得ることと思います。ただお話にありました通常輸入の分につきましては、現在はまだ高いので、果してこの額通り買えるかどうかという点については懸念がないわけではございません。万一そういう場合にはそういった実情に基いてよく話をして、なるべくこの協定量の買付も可能となるように話をつけたいと、そういうふうに考えております。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 一体、今メキシコ綿なんかと、アメリカの支持価格によって維持されている価格を基準として買う場合と、一俵についてどれぐらい違いがあるかということを知りたい。それからもう一つは、これは平常の輸入量に加うるにこの程度買おうということになれば、一体アメリカの綿花のノーマルな輸入量というものはどれだけにみてこれだけをそれ以上に買わなければならぬか、その辺をもう少ししろうとなんで詳しく伺いたい。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) 現在は米綿と品質の繊維の長さを同じくするメキシコ綿、パキスタン綿との価格を比べてみますと、米綿のストリクト・ミッドリング一インチ十六分の一というのについては、メキシコ綿に比べて三十年平均では一〇%高、三十一年一月にはもう少しそれより高くなって一五%高ぐらいとなっております。それから米綿のミッドリング十六分の十五インチは、これを同格と見られるパキスタス綿MPRGというのに対して、三十年平均では一一%高ということになっております。この程度の差額が現在ございます。  それから通常輸入及びこの協定というものでどのくらいのものを買うかという御質疑につきましては、大体ここに協定に掲げております金額で十万俵くらい。それから通常輸入量としては六十七万五千俵というふうに考えております。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 この協定は日本側で議会が承認すれば向うへ通知してやって、そこでこれが実際的効力が発生するわけなんですね。そうすると、積み出しの時期については綿花などはだいぶずれる。麦などはそれより早いですが、そういう際にはこの輸入割当、外貨の割当に際して、それだけを別個に新しく割当量として告示するのですか。それとも日本で輸入するのは、これはこの協定に基く資金であるか、普通の外貨割当かは知らないが、政府の方で適当に操作して、アメリカと話し合ってノーマルな輸入量以上のものはこの協定に基く操作をするように仕向けるのか、その辺の実際的の扱いはどういうふうにするか、これは農林省の方が見えていたら農林省の方でけっこうですが、その点を御説明願いたいと思います。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) これは一般の外貨割当と別個に特別の措置でやります。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 別個に割り当てるということは、普通のノーマルの輸入に対する外貨割当以上にこれをつけ加えるということだろうと思うのです。ところが、そのエクスチェーンジ・アロケーションはしたけれども、まだ残っておる量というものがあるだろうと思う。その際にたとえばカナダの方が安いとか、あるいはアルゼンチは高いのだけれども、まあほかの方が安いという場合には、グローバル・アロケーションの場合において、ほかの輸入は相当進捗するけれども、アメリカの方は予定量よりも少い量しか入っていないということも想定し得るのじゃないか。その場合においても平穏無事にアメリカとごたごたした交渉なんかしないで、ただこの協定があるからというので協定による輸入だけは完全に実行される、残りのものはアメリカからの普通の輸入量よりも少くてもこのままでいいというようなことになるのですか。その辺は食管関係の方がいらっしゃったら御説明願いたいと思います。

丹羽雅次郎食糧庁業務第二部輸入計画課長

○説明員(丹羽雅次郎君) 食管関係の御質疑について申し上げますと、御承の通り、カナダものとアメリカものとはプロテインの含有量その他が違いますから、最初からカナダものを何トン、アメリカものを何トン買うという計画が別に立っておるわけであります。従いまして、一般の買付公示は、今度はアメリカのものを買う、今度はカナダのものを買うというふうに、予算はグローバルに相なっておりますが、買付の方法としては国別に買付公示をやっております。従って、アメリカから買う場合だけ通常の買付だという形で買い付けます場合と、余剰農産物の手続によって買うのだという公示の仕方を変えるだけでございまして、一ぺんの輸入交渉によりましてアメリカの分がカナダを食う、あるいはアルゼンチンのものを食うという事態には相ならぬように分けてやっておるわけであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ただいまの小瀧さんの質問に関連してですが、念を押して承わりたいことは、アメリカのものとかカナダものという品種による区別は別として、日本の食糧需給計画全体に対してこのアメリカからの余剰農産物というものがプラスして輸入されるのか、全体の計画の一環であるのか、この点を明確にしていただきたいと思うのです。

丹羽雅次郎食糧庁業務第二部輸入計画課長

○説明員(丹羽雅次郎君) 食糧に関して申し上げますと、食糧の需給推算から見まして、年間二百二十万トン程度のものがかりに要るという結論を得られますと、これを先ほど申しました通り、プロテインの高いカナダもので何割、それからアメリカの軟質小麦と申しておりますが、軟質小麦を何割というように大きく分けまして、そのワクの中のものを通常輸入について幾ら、余剰の方で幾らというふうに、こういうふうに分けた買い方をいたすわけでございます。食糧需給全体から必要とぜられます輸入量の内数として余剰農産物を受け入れることに相なるのです。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 そうするとあれですね。実は通常輸入量よりもそれだけ多く買うというのでなしに、もしこの援助なかりせば、あるいは日本は食管として最少限必要なもりも、最少限以下こ買うであろうから、これだけをつけ加えて日本が満足できる程度に入れるのだ、こういうことになるのですね、今の説明。それじゃ今おっしゃった二百二十万トンというのは小麦だけのことですか、もう一度。

丹羽雅次郎食糧庁業務第二部輸入計画課長

○説明員(丹羽雅次郎君) 申し上げます。三十一会計年度、ただいま執行中でございますが、の輸入計画といたしましては、小麦は二百二十三万トンを計画いたしております。外国からの大麦につきましては、八十四万トンを計画いたしております。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 米は。

丹羽雅次郎食糧庁業務第二部輸入計画課長

○説明員(丹羽雅次郎君) 米は百二十万トンを計画いたしております。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 この問題について、今カナダを例にとられたのだが、カナダとの通商条約によるというと、通貨別の差別をしちゃいかぬということになっているはずだと思うのです。いわんや同じドルの方において、これはまあ品質で差別するのだと言われればそれまでかもしれませんが、そういうように国別に貸付けるということは、これは食管という一つの需要者が決定することだから、条約の違反にはならないかもしれないのですが、どうもその辺が多少私のわからないところなんです。というのは、特に値段が安ければどこからでも入れるような仕組みにしてもらわなければならぬということはあると思う。その際硬質と軟質と違うのだからというので事実上分れるということはやむを得ないにしても、さっきの御説明だと、カナダから幾らというふうにきめてかかるのだとおっしゃると、今のお話のように、質が違うのだからというりで、説明はつくかもしれませんが、多少その点に誤解を生ずるおそれがありやせぬかと思うのですが、これは条約局長でもどなたでもいいんですが、御説明願いたい。

丹羽雅次郎食糧庁業務第二部輸入計画課長

○説明員(丹羽雅次郎君) 外務省からお答えになります前に、ちょっと補足さしていただきます。カナダの小麦がほかの国の小麦より安い場合、にもかかわらずほかの国から買う、これはちょっと問題があるわけでございます。ただ現状におきましては、カナダの小麦はCアンドF八十二ドル程度でございまして、御承知の通り日本で買っております最も高い小麦でございます。ただ安いものだけを買うという立場からいたしますと、実はカナダの小麦は買えないわけなんでございますが、どうしてもパンを作りますのにカナダの小麦が要るというわけで、パンを作ります必要最少限度は高くてもカナダの小麦を買う、こういう運営をいたしておりますわけでございまするので、値段の関係で、カナダの小麦が非常に高いものでございますが、今御指摘のような意味の批判は受けないと私どもは解釈をいたしております。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 そのアロケーションの場合は、カナダとしてするのですか、硬質小麦というようにしてするのですか。

丹羽雅次郎食糧庁業務第二部輸入計画課長

○説明員(丹羽雅次郎君) 硬質小麦としてやりまして、買付地域は結果的にはカナダだけになるわけでございます。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 アルゼンチンの貿易じりというものがずいぶん問題になっているのですが、まあ小麦の方は非常に高いので買えないという事情のようですけれども、これは何かスイッチとかほかのいろんな操作でこのアルゼンチンの農産物についても何か手を講じようとしておられるのか、これはもうだめだから、羊毛とか何かほの方の輸入によって日本の債権をだんだん回収していこうというようなやり方をされるのか。その辺はどうなっておりますか。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) アルゼンチンの小麦につきましては、やはり値段がコムペティティヴと言える範囲でとにかく買えるだけ買おうとこういう考えでおります。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 今年の大体のアルゼンチンの小麦の輸入の見通しはどういうようになっておりますか。

丹羽雅次郎食糧庁業務第二部輸入計画課長

○説明員(丹羽雅次郎君) アルゼンチンの小麦は、こちらから人が行きまして、値段がコムペティティヴで話し合いがつきましたもので約五万トン買ったわけでございます。そういたしましたところ、アルゼンチン側におきまして売りどめをいたしましたもので、わが方といたしましてはもっと買う意思をもっておりましたのですが、ただ現在まのところ売りどめをいたしておりますので買えない、かような格好になっております。ただ、クロップがこの秋になりまして出て参りますれば、また、向うが売りどめを解きますればまた相当買い進める、かように考えておるわけでございます。一応外貨予算面におきましては、年間十五万トン程度のものを積算の基礎として計上いたしたわけでございます。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 その売りどめしたというのは、ヨーロッパあたりで輸出入均衡のためにどこかへ出ていったというためか、それとも去年のクロップがわかったからですか。どういう関係ですか。

丹羽雅次郎食糧庁業務第二部輸入計画課長

○説明員(丹羽雅次郎君) 事情はあまりはっきりいたしませんが、アルゼンチンがその他の国と供給の保証をいたしております分があるわけでございます。その分をやはりとっておかねばならん関係で日本その他のスポット買いを停止したものと、私どもはそういうふうに考えております。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 一体この余剰農産物、余剰という言葉は今度とられたようですが、これについては相当批判もある。われわれの選挙区なんかに対しても、農林省としては相当PR連動を開始してもらわねばならぬ点が多々あると思います。非常に農村を圧迫するように考えられたりする。これは食管会計で遮断されているんだということを議会あたりで説明されてもわからないので、ずいぶんいろいろと調子のはずれた質問も受けるので、この点はぜひ農林省としても考えておいてもらわなければならぬわけです。一体これにはいろいろな批判もあるので、来年度ですか、この次は大体やらないようにするというようなふうな説明をされる向きもあるようですが、一体政府の方ではどういうふうに考えておられるか。特にこれは農林省かもしれませんが、その点の見通し、まあこれで二度こういう協定を作ったのですが、この先一体どういうふうにするお考えか、大体の事務当局あたりでの御検討の状況でも説明していただきたいと思います。

松岡亮農林大臣官房企画室長

○説明員(松岡亮君) ただいまお話のございました、若干地方におきまして余剰農産物の買付が国内の農業に好ましからぬ影響を与えるのではないかというようなことが伝えられておるようでございますが、その件につきましては農林省といたしましても、できるだけ機会あるたびにそういうことはない、さらに今回の協定におきましては見返り円等を農林水産業の方面に従来より多く回していただいて、さらに日本の農業の発展にも寄与するようにしたいという趣旨のことを説明いたしておるのでございます。  この次の協定についてはどうであるかという御質問でございますが、それにつきましては第二回の協定につきまして、まだ実行の段階にも入っていない状況でございますから、第三回の協定をどうするかということについて具体的な検討はまだいたしてないのでございます。しかしながらアメリカの国内の事情、特に最近におきまして余剰農産物処理政策に相当な変更を加えようという動きもございまするので、それらも十分研究いたしまして、できるだけ次の機会にまたこういう協定を結ぶとすれば、一そう日本側にとっても有利な形で結ぶように研究していきたいとかように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ちょっと関連して。これは、この余剰農産物の協定二本を審議するに際して、根本的な問題を一つ政府からお伺いしておかんならんと思いましたが、あした、いずれ連合審査があるので、自分なりどなたか関係の方が御質問下さればそれでいいのですが、とりあえず、ただいま政務次官がおいでですから、政務次官に一つ今の小瀧さんの質問に関連した問題として前提条件になるものをお聞きしたいと思う。  それはなぜかと言いますと、農林省の御見解は、あとからわれわれの見解を述べるとして、アメリカにおける余剰農産物というものは非常な膨大な量になって、総額は約八十億万ドルに上ろうとしておるわけで、アイゼンハワーの農業教書にもあるように、アメリカの非常に大きな問題になっておるわけです。そこでアメリカとしてはアメリカ自身の利益のために、この農産物の処理をやるわけで、最初のMSAの協定当時の余剰農産物の処理の方式とは漸次変りつつありますが、しかしいずれにしてもアメリカの国内事情からこれを外国へ余剰農産物としてさばこうということについては、全然変りがない。そこで日本としてはこの農産物を受け入れることによってどういう利益があるのか。おつき合いで買うわけでもないでしょうし、利益があるとして政府がお買いになるに違いない。今小瀧さんが言われたように、農民は圧迫があると考えておる、政府では大した影響がないとこういうように言われておる。だから私はそうではなしに、積極的にこの協定を結ぶことによって日本が利益があるのなら何であるが、これを明らかにしなければ、この協定の末梢を議論しても始まらないと思う。どういう利益があるか。そこで私ども考えてみると、この協定によって得られる利益と想像されるものは、長期にわたる借款のような形になって年賦払いで支払いをやればいい、その国内円を自由に使用できる、そういうことだろうと思う。ところが実際日本の経済を見れば私はドルは必ずしも最近そう不足しておらないと思う。あえて何もこういう協定を結んで、外国から数千万ドルの借款相当の農産物協定をやらなければ日本経済が維持できないという性質のものでは全然ないと思う。そういうふうに考えてみますと、しかも無利子でも何でない、これは円の場合には四分、ドル払いの場合には三分の利息がつくわけでありますから、決して単なる贈与とかあるいは利息の要らない援助というものとは性質を異にしている。そうであるところの協定を結ぶことによって、一体日本経済にどういう寄与をするのか。それから農業に対する圧迫のことは、また別の問題として申し上げるとして、実質上日本経済にどういう寄与をするのか。そういう積極面がなければ、私はこの枝葉末節の議論をしておってもはじまらぬと思うのですが、政府はどういう御見解を持っておいでになるのか、まずこの点をお伺いいたしたいと思います。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) 日本は食糧はどうしてもある程度輸入しなければなりませんが、この協定によってその食糧をば円で輸入することができる。それからただいまお話のありましたように、大きな借款を低利でもって借りて、そうしてそれでもって日本の産業の開発を助けることができる。それからこれは学童給食その他について贈与の部分がある。まあこういった点が大きな協定の利益と考えられるところであると思います。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 今の問題に関連して。実は羽生さんもおっしゃったんですが、大蔵当局にこの次の委員会にでも来てもらいまして、私も実は政府を弁護してやる意味においても、今羽生さんの質問された点を言いたかったところなんです。ただ専門家も来ていないようですから、これ以上入っていきたくないんですが、円で輸入ができる、あるいは低利だと申しましても、今十五億ドルあるドル資金、その中にはもちろんなかなか回収できないような債権もあることは私もよく知っておる。またポンドの資金もある。しかし少くとも外為勘定の現金ドルが七億なり八億あるとすれば、それがノーマルな場合に、一体どの程度まで保持していなければ普通の貿易上の決済に差しつかえが出てくるか。これについては学説によっても違う、いろいろ人によって言うところも違うのですが、あの外国為替特別会計にある金の一部は、たとえばこの協定というものは六千五百万ドルばかりだ、それをセット・アサイドして、それを日本銀行の方に出して活用さしていくということになれば、これは私の方の仕事なのかもしらんが、実はそこでわずかの金利を特別会計に払ってもよろしい、それを利用する方が外国から借りるよりもいいということは、私は羽生さんと同じように感ずるものです。だから、それもやはり円であります。特別会計を利用してやれば、ちょうど新たに国から借りるというようなことなしに、遊んでいる金を利用するということにもなる。そういうことになれば、ドルを支払わんで円で買えるから、これが有利なんだという弁護論がどうも十分立ちにくいんじゃないか。この辺はもう一度次の機会によくわれわれに了解できるような説明をしてもらいたい。そうせぬと、今言われたような点で、贈与くらいはわかるけれども、贈与についてもいろいろ議論があるが、しかし円で輸入ができるとか、低利であるというだけの簡単な説明では納得できないのです。しかしこれはこれたけにしておきますが、今贈与の話が出たんですけれども……。

梶原茂嘉緑風会

○委員長(梶原茂嘉君) 大蔵省理財局資金課の竹内説明員が見えておりますけれども……。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 そうですが、それではその点説明してもらいたい。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 議事進行で説明の前に今の小瀧さんのお話は単に一余剰農産物の関連だけではない、私は日本の経済の動かし方について、自余のいろいろな外国との関係も相当あると思うので、相当責任ある人がやはり日本のドル保有と関連して、今後の日本の経済のあり方と対外関係との相関性を十分考慮の上、一つ確たる御見解を承わりたいと思うのです。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 それじゃとりあえず、今、大蔵省の係りの方が見えておりましたら御説明を。

梶原茂嘉緑風会

○委員長(梶原茂嘉君) 今の話は為替局関係の方でなければやはり無理じゃないかと思いますので、この次の機会に。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 それでは今の贈与の点について、簡単な点をお尋ねしたいのですが、ここにアメリカ側書簡というのが出ております。本年の二月十日に往復されたアメリカ側の書簡及び日本側の書簡があるのですが、これは大体今後学童給食を続けていくという考え方のもとにできた文書のように了解いたします。で、この方はもちろんこの第三条の改正に伴う付属文書であって、新しい両国間の約束じゃないという、ただ説明的な書簡だと思うのですが、これは大体法律的にはどういう性質のものなんですか。

下田武三外務省条約局長

○政府委員(下田武三君) 仰せのように細目取りきめでございまして、昨年の協定の第三条を修正いたしました議定書と、それから今年新たに作りました本元の交換公女と、その両方に対する実施細目の取りきめでございます。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 この書簡を見ると、大体今後も四年間くらいにわたって学童給食を続けていこうという希望を、少くとも政府が持っておるというように了解されます。また日本の方もだんだんアメリカからの贈与を少くして、日本側でそれにかわるべき措置をするのだという気持が現われておる文書だと思うのですが、これはそうした点について、大体の政府における計画がはっきりとできているわけなんですか。それともアメリカとの話し合いの都合上、こういう計画が形式的に盛り込まれたのか、相当なる見通しを持ち確信を持ってやろうとしておられる計画か、その辺はどうなんですか。文部省が中心かもしれませんが、どなたかわかりませんか。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) これは現在の学童給食を継続する、これをさらに小さくするというようなことは現在考えておりませんです。今の計画を続ける、そのためにはこういったことがあるいはいいということでできておるわけでございます。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 いや私が申し上げたのは、アメリカから入ってくる贈与物資の量が年々歳々減っていく、千五百万ドルが千百二十五万ドル、七百五十万ドル、三百七十五万ドルというように漸減している。それに対しては日本側で今度かわってやるという趣旨だろうと思うのですが、そこでこういう案というものは、アメリカとの話し合いでできたのだから、アメリカは大体これを継続してやろうという、少くとも政府としては、まあ議会の関係なんかもあるのですが、政府としてはこれをやっていこうという方針のもとにこの文書を作ったのだろうと思いますが、そういうふうになっているのですか。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) その通りでございまして、アメリカ政府としてはもちろん、そのときその数量がアヴェイラブルであるかどうかといったような問題がございますし、日本としてもまた、必要な経費をばその年に調達できるかどうかという問題はありますが、そういうことを条件として、お互いの政府としてはこういう贈与の計画をばやっていこうということでできております。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 そうするとまたさっきの問題に帰るのですが、そういうように贈与の分については、大体、やろうという双方の気持が合致しているようです。一方また日本の方でも、見返り円と申しますか、アメリカの名義において積み立てた円をいろんな事業に投資するという計画ができている。現に愛知用水その他に使われているわけなんですが、こういう事業というものは継続してやらなければならぬ。ところが日本の財政というものは、そう急に大きくふくれ上るだけの経済力の背景もないという関係から考えますと、この贈与の点及び現在この日米間の農産物に関する協定に基く事業の継続性というような面からみると、どうしても今後もこうした協定は何らかの格好で続けていかなければならぬというところに追い込まれやせぬか。ところが一方高碕さんですかどなたですか、あるいはやめた方がいいんじゃないかというような意見も表明しておられる。そのへんに多少矛盾がありゃせぬかと思うわけです。これはまあ今この席で事務局に聞いてもしょうのない話かもしれませんが、それについては一体この贈与についてこういう書き物が交換されているのですが、これは大体農産物についての協定が一方でできるということを前提として考えられたものなのか。かりにそういう協定は今後できないでも、贈与に関するものだけはそれを引っ張り出して、シングルアウトしてそれだけでやっていこうという気持で書かれたものか、そのへんおわかりだったら一つ。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) ただいまの贈与に関するものと、それからこの一般の農産物の購入に関する問題とはこれは独立しておりまして、農産物協定を来年やるかやらないかということと全然切り離して、贈与の分だけはこの約束に従ってやれるようになっております。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 けっこうです。

須藤五郎無所属クラブ

○須藤五郎君 一点だけ聞きますが、今農林省の方ですか、今度の余剰農産物の輸入は日本の農民に何ら被害を与えていない、こういう意見だったように思うのですが、私この間岡山県へ行って岡山県の農民から聞いてきたことなんですが、岡山県の専売局ですね、あそこで葉タバコ輸入のために非常にみな困っているということを、岡山県農民の困っているという問題が出ておるのですね。三年分のストックができてしまってそうして非常に困っておる。岡山県では農村がタバコ増産のためにいろいろな設備をした、ところが急に増産計画中止の命令がきたので非常に困っているということを聞いているのですが、その実情はどういうことなのですか。

松岡亮農林大臣官房企画室長

○説明員(松岡亮君) タバコの問題につきましては、大蔵省あるいは専売公社からお聞きを願った方がいいかと思いますが、私の方で承知いたしておりますのは、アメリカから輸入いたします葉は国内の葉とは競合しない。味付け用に使われる葉でございまして、従ってたとえばピースとかそのほかのタバコについて一定の割合でミックスすることになります。従って国内葉とはその限りにおいては競合しないものでございます。そこで今お話のもの、専売公社の岡山の支局でございますか、のストックがふえたというのは、おそらく昨年の豊作等の関係、国内葉がふえたといたしますならば、昨年の豊作の関係があってふえたのではないか。なお作付の許可の運用について聞いておりますところによりますと、別段最近におきまして、米葉を輸入しましたために国内の葉の作付を減らす、というような方針はとっていないようでございます。

須藤五郎無所属クラブ

○須藤五郎君 これはタバコの葉は通常輸入で二千九百トンでしょう。それからこの協定、第一次協定で上積みとして二千七百トン輸入しておりますね。それから今度また第二次協定で入れようというので岡山専売局ではストックが三年分できちゃっているというのです。このやはりアメリカから来るのは黄色いピースや光に使う葉でしょう、その葉がもう三年分のストックが専売局にできてしまっている。それで岡山県の農民は今年度増産計画を中止したということが事実なんです。これは岡山県の農民は非常におこっております、実は自分たちの増産計画まで中止させなくてもと。われわれは乾燥場の設備までしているのに増産計画を中止しなければならないと、そんなばかなことはあるかと農民はおこっております。あなたの方では農村には被害を与えていないということを発言しておりますが、僕は現地で聞いたが岡山の農民がおこっているということは事実でございます。

松岡亮農林大臣官房企画室長

○説明員(松岡亮君) 米葉を若干、今度の通常輸入と余剰農産物の輸入とによりまして、米葉のストックが若干ふえることは事実でございます。ただしこれに対しましては専売公社の考え方によりますと、今後の輸入によって適当なストックに調節していくことができる。大体米葉のストックは二年程度を維持するのがいいと、二年程度ストックしたものが非常に味がいいそうであります。それをちょっとこえる程度のストックになるわけでありますが、それについては今後の輸入によって調節すれば可能である、ということを専売公社の方では申しているのであります。ところでその米葉のストックがふえたために、国内の葉たばこの生産を押えなければならないかということは、これはその限りにおいては生じないのでございます。米葉と国内葉との混合割合というものは一定にきまっておりますので、需要が一定である限り国内葉の生産も同じ割合で続けなければならない。そういう関係になっているわけでございます。

須藤五郎無所属クラブ

○須藤五郎君 専売公社の人がいないから……、僕は岡山の専売局のことだけしか今わかっていない。で、全国的な専売局の状態を一度報告していただきたいと思います。  それから、あなたは増産によってこういう結果、昨年の増産によって今年の増産計画を中止しなければならないような状態になったのだろうとおっしやるが、日本でどんどん増産するならばそれは非常にいいことで、日本で物ができるならば外国の物は買わないようにするのが筋道だと私は思う。ですからやはりこういうところに無理がある、そうしてそれらがすべて日本の農民の犠牲によってこういうことがなされているというところにやはり問題があるのじゃないか、そういうように思いますね。ですから、こういう点やはり考えていかなければならない、そういうふうに私は考えております。これはまたこの次にいろいろ詳しく聞いてからにいたします。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 一つお伺いしたいことは、私は結論的に言ってこういう形の余剰農産物の協定を結ばない方がいいと思いますが、それはそれとして、昨年度この協定を結ぶ際にこの積立円を使用して日本の農業開発をやる。たとえば愛知用水なんかそれに当るわけでありますが、そういう場合に一定の年次計画を持っているわけです。ところがこの協定をやめた場合、私はやめる側に賛成なんですが、やめた場合には一体この農業開発計画はどうするのか。こういうことで昨年は連合委員会に大蔵大臣それから農林大臣、外務大臣ですか、それから当時の経審長官、皆さんがそろって列席をされて、そうしてそうした場合には別途の措置を考えるということで、たしか連合委員会としても一応の了承をして審議を了したと思うのでありますが、そこで私はこの協定が継続される場合、されない場合を想定して、かりにされないとするならば、あるいは来年度場合によったら協定は結ばないとしたならば、そういう意見が政府部内にすらあるのですから、そういう場合には一体農業開発計画の継続的な投融資にはどういう処置をするのか。これをはっきりさせておかないと、農業開発関係者も非常に迷惑をするし、政府としたって非常に政治的責任が私はあると思うのですが、これを一つきょうお聞きしておいて、また都合によって連合審査の際に十分大臣の御見解も承わりたいと思いますが、とりあえずこれは政務次官がお答え下さっても……これはどなたですか。

松岡亮農林大臣官房企画室長

○説明員(松岡亮君) 農業開発に対する見返り円の投資について、この次にもしもこういう協定ができなかった場合にはどうするかという御質問でございますが、この点につきましては、五カ年計画等におきましても政府部内におきましても検討いたしたのでございます。もっとも五カ年計画におきましては年次計画を作っておりませんので、具体的にそういう場合の対策ということはどうなるというところまではっきり結論は出さなかったのでありますが、大体におきまして、国内において調達し得る同様の資金をもってできるだけカバーしていくというような考え方で、愛知用水に対しましてもその他の農業開発に対しましてもできるだけ所期の計画を続けていくようにしたい、かように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 その答えは、多分そういうお答えになるだろうと思うのですが、問題はそこにあるのでなしに、私はできれば大蔵当局の責任者が来て説明する必要があると思うのですが、昨年の審議の際の重点はそこにあったのじゃないのです。そういう場合に、いわゆる政府の当初の財政投融資計画に食い込みはしないか。協定文の円が、中止によって起るマイナスを所定の財政投融資計画に食い込んで、たとえば農業開発は継続できるにしても、他の面でそれが削減されるのではないか。そういアンバランスが至る所に起るのではないかということで一つは問題になっているのでありますから、この点については、やはり大蔵当局が出席されて少し確たる御答弁を願いたいと思いますが、この次は一つずっと政府委員をそろえて御出席を願いたいと思います。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 もう私もこれでやめますが、一応わからんところを尋ねておきたいと思います。学校給食の計画の中に、付属書に国内産分二千トンというのが粉乳の項に出ております。この二千トンというのはこれは日本の北海道あたりでできたものという意味なんですね。

松岡亮農林大臣官房企画室長

○説明員(松岡亮君) 国内で生産されます。従って北海道等も含んだものでございます。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 この問題については、たしか議会でもいろいろ論議されたと思うのですが、二千トンをここで大体見ておけば、国内の方の脱脂粉乳の方は圧迫しない。これは大体アヴェイラブルな、利用し得るものをほとんどここへ利用することができるという計算のもとに二千トンというものが出ているのですか、その点を教えて下さい。

松岡亮農林大臣官房企画室長

○説明員(松岡亮君) 大体国内の需給を考えましての数字でございますが、実は昨年の実情等から申し上げますと、二千トンというものを国内で調達することは困難である。その面ではむしろ圧迫ではなくして若干よい影響、よいという言葉は適当でないかもしれませんが、そういうような影響があるように思います。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 ありがとうございました。

梶原茂嘉緑風会

○委員長(梶原茂嘉君) それでは本日はこの程度にいたしまして散会することにいたします。    午後四時十五分散会

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