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24回国会参議院1956/04/25

外務委員会 第9号

発言数
122
登壇者
10
会派数
3
開催日
1956/04/25

会議録

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず委員の異動について御報告いたします。去る十九日、宮澤喜一君、小滝彬君及び佐多忠隆君が委員を辞任され、その補欠として池田宇右衞門君、長谷山行毅君及び若木勝藏君が委員になられましたが、翌二十日長谷山君及び池田君が辞任され、小滝君及び宮澤君がそれぞれ委員に戻り、二十三日に若木君が辞任され、佐多君が委員に戻りました。また二十四日岡田宗司君及び佐藤尚武君が辞任され、補欠として木下源吾君及び野田俊作君が委員になられましたが、本日本下君及び野田君が辞任され、岡田君及び佐藤君が委員に戻りました。なお本日宮澤喜一君が辞任され、その補欠として堀木鎌三君が委員になられました。     —————————————

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 次にただいま御報告申しました通り宮澤理事が委員を辞任せられましたので理事が一人欠員になったわけでありますが、その補欠互選は成規の手続を省略いたしまして、この際委員長において小滝君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。     —————————————

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) そこで国際情勢等に関する調査を議題といたしたいと存じますけれども、大臣が見えますまでちょっと時間があると思いますから、これをあと回しにいたしまして、大臣が出席されたらこちらに移ることにしまして、その間まず日本国とカナダとの間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。本件について御質疑のおありの方は順次御発言を願います。  なお念のために申し上げておきますが、外務省当局のほかに郵政省から郵務局の松井郵務局長及び渡辺次長が見えておりますので、御参考までに申し上げておきます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この種の小包郵便協定でどこかこのカナダ以外の国と協定を結んだ例はあるのでありますか。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) お答えいたします。大体世界の大多数の国は万国郵便条約に基く小包約定というものに署名いたしまして加入いたしまして、多数国の間で共通の規模にのっとってやっておるのであります。主として英米系統、それからソビエト・ロシヤといったようなところは従来からこの小包約定には入っておりません、万国郵便条約に基く。そこでこうした国はそれぞれの相互の間に約定を結ぶことによって初めて小包の交換をするという建前になっておりまして、戦争前におきましては日本とソビエト、日本・アメリカ、日本・カナダ、日本・マレー、日本・イギリス、日本・海峡植民地香港といったような小包約定がございまして、戦争後ソビエト・ロシヤにつきましては約定の効力を停止したままになっております。フィリピンが新しくできて参りましたが、これとはまだ正式に入っておりません。ただいずれも小包約定それ自身が相当古いものでありまして、終戦後の状況に必ずしも合っておらぬというので、私どもそれぞれの国とこれを新しくやり直すということを始めておりますが、終戦後でき上ったものとしては、これはカナダとの間のものが初めてでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 まず、共産圏諸国のことは別として、いわゆる万国郵便条約ですかに加盟しておる諸国との間の戦前と戦後との関係を見た場合に、戦後はカナダとのものが初めての例になるようですが、そのカナダ以外の諸国等はやっぱり戦前の例でやっておるのですか、その辺はどうですか。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) カナダ諸国とは大体戦前の例を現在そのままに一応は踏襲しておりますが、いずれも不便がありますので近くこれを改訂したいという話し合いを進めておる状況でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これは大臣が来られたらまたあらためてお尋ねするかもしれませんが、けさのどの新聞かに日本と中国、この場合中共のことですが、との間に郵便協定、協定といいますか何か話し合いが進むかもしれぬというような報道をなされておったわけですが、これはもう私たちも、当然むずかしい国交回復上の諸問題は別としても、そういうことは必要だろうと思うし、非常に望ましいと思うのですが、外務省それから郵政省はどういうふうにお考えになっておるか、その辺をお伺いします。

下田武三外務省条約局長

○政府委員(下田武三君) 御承知のように、国際協定の中で郵便関係の協定取りきめというものは特殊なものでございまして、戦争中でも極端な場合には敵味方の間にも実際上郵便がやりとりされており、あるいは大東亜戦争中、注政権側と蒋介石側との間にも郵便だけは流通しておる。水や空気が流れるごとく郵便物というものは政治的の関係に関係はく流れておる特殊な事情でございまして、日本と中共の間にも今までも非公式な書簡の往復等によりまして、あるいは救恤小包の送付を依頼いたしましたりしたことはあるのでございまするが、全面的な郵便取りきめというものは、郵政省におかれましては当然前から御検討されておられることと存じまするが、ただいま政府部内全体としての方針はまだ決定いたしておるわけではございません。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) 外務省の下田局長からお話がありましたように、まあ郵便というものについてはいろいろな各国の政治的な立場ということを度外視しても、ともかくお互いに交換したいということがこれはまあ郵便の持っておる本質的なものでございまして、この場合には大体におきまして、たとえ戦争中といえども相互に郵便の交換が必要だから必要な所で協力しようじゃないかというような提案すらなされたような状況でございます。中共との間につきましては、現在のところ香港というものを仲継いたしまして郵便が通っております。ただ従ってどの国も中共あてに送る場合には香港郵政庁あてに送っている。香港郵政庁がその自己の責任において中共に送っている。こういう格好をとっているわけであります。ところが香港側の立場としましてはこの輸送路というものが非常に狭い。そこであまりかさばったものをこちらへ送られちゃ困るというような見解を持っているわけであります。ところが日本側としましても、一般問題は別としましても抑留者あての小包といったようなものは、これは個々のそういうことを離れても人道的な立場からもなんとかして送る道をつけたいというので、いろいろと私ども考えているわけでありますが、さしあたりその香港ルートの使えないという状況で、しからばこれはほかのルートが使えないかどうかということについての検討を続けているわけであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それで郵便については特別の差別は設けないように、なるべく中共のような国についてもすみやかに道の開けることを期待している旨が外務省、郵便省両方からお話があったわけですが、それがきまらないということはいろいろ問題もあるでしょうが、近くそういうようにきめるように話しをまとめる意思があるのでありますか、その辺はどうですか。まとめようという御努力をなさっているができないのですか、その辺どうですか。

下田武三外務省条約局長

○政府委員(下田武三君) この点につきましては、郵便物の交換の問題でございまするから、主として郵政当局のお考え、その必要性等は政府部内におきましては優先すべき問題だと存じます。外務省といたしましては、郵政当局の御希望をどういうようにしたら、現在の日本と中共の関係で日本の建前をくずすことなく実現し得るかというような点は問題でございまして、その点は実は政府としての御決定を願わなければならない問題だと存じます。外務省の事務当局といたしましては、ただいままだ政府の御決定を願うところまで運ぶというようには考えておりません。もう少し郵政当局といろいろお話を申し上げたいと思っていたわけなんであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それに関連して政務次官に。大臣は来られるでしょう、もちろん。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○政府委員(森下國雄君) ただいま食事しておりますからすぐ参ります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 じゃ後に保留しておきます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 ちょっと今のに関連して。実績として小包を向うに送るとか、あるいは郵便を送っているとか、あるいは電信電話の交流、そういうものを実績としては現にどれくらいあるのですか。そうしてそれが最近相当ふえてきているのか。そうして小包は若干支障があるようなお話しですが、郵便なり、電信電話はほとんど支障ない状況なのかどうか、その点の御説明を願いたいと思います。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) 一通々々をとっているわけではございませんが、香港経由で送っているものは大体に月四、五千通くらいにのぼりはしないかと、私どもは一応予想いたしております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 向うに行くのが。向うからこっちに来るのは。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) 通常郵便のことでございますから、やはりこちらからもある程度行く場合に向うからもそれに近いものが来ているじゃないかと思います。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 その増加の趨勢は。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) こまかく毎月増加の趨勢をとっているわけではありませんので、私どもここでもって責任を持って申し上げるわけには参りませんが、いろいろなほかの郵便物の全般的な趨勢から見れば逐次ふえているのじゃないかと思っております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 その程度だと現在支障はないんですか。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) 支障とおっしゃると。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 約定を結んでいなくても香港経由でほとんど……。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) これは郵便の条約におきましては、要するに香港で引き継ぎをして行くということで、日本と香港との間にぶっつけまして、あるいは香港郵政庁の郵便物という格好で入っておるわけであります。従ってこれは万国郵便連合の基本原則といたしまして、継ぎ越しの自由ある国がどこかとの間に一つのルートを持っておれば、ほかの国はここへ送れない場合においては仲介国が責任をもって送る建前になっておりますので、香港経由で送っておる分についてはどうこうという問題は起らないと思います。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 中共との間に約定を結んだ場合と、今の経由で行く場合と、時間、料金、そういうものはどうなるのですか。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) 香港経由で参りますれば、もとよりこれは遅れます。日本から直接現在船が参っておるようでございますが、月に二、三回。こういうものを利用した方が時間的にはおそらく早くなるであろうということはこれは言えると思います。  それともう一点は、香港を経由して行く場合は、香港郵政庁が先ほど申しましたような関係で、小包やかさばったものは絶対に困ると言うので、制限を受けておるわけでございます。直接交換の道ができ上ればそういうものも自由に送れる、こういうことでございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 時間の問題とか料金の問題、もう少し郵政当局として専門的な……。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) 料金につきましてはどちらのルートをとろうと普通郵便については同じであります。小包郵便につきましては現在やっておりません。しかしかりに香港経由が認められた場合におきましては香港に中継料を払わなければならない関係上直接やった方がやすくなります。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 時間の問題はたとえば北京向けのやつを香港経由でやる場合にはどれくらいかかっているのか、それからその約定に基いて直接にやるとすればどれくらいでいくと考えられるのか、その辺の……。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) これは航空郵便で送った場合と通常の場合と大分考え方が違うと思いますが、航空で送りましたならば、香港経由でやった場合におきましても相当早い短時日の間に到着していると思います。しかし船で送った場合におきましては、これは北京方面に行くには南回りすればこれは相当な日時が必要となってくるのではないかと思います。現在のところ大体一週間ないし十日くらい通常郵便が香港経由の場合にかかっておると私ども承知しておりますが、おそらくこれが北の秦皇島あたりは行く郵便でも利用できるというようなことになれば、これが四、五日あたりは少くとも短縮されるのではないかと考えております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 電信、電話、そういうものについて。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) 私ども電信、電話のことは直接やっておりませんので……。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 ちょっと事実問題について、非常に幼稚な問題かもしれないが教えていただきたいのですが、フィリピンとの間は小包郵便についての何らか従来の取りきめか何か残存しているのですか、全然ないのですか。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) 戦争前は実は日本とアメリカとの間の小包約定というものを一応あそこへ適用しておったわけであります。終戦後フィリピンが完全に独立いたしまして、フィリピンにそのままそれを適用するわけにはいかない。そこで私どもといたしましては、フィリピンに対してこういう種類の約定を締結したいという申し出をいたしまして、フィリピン側としても事務的には一応検討したのでありますが、御承知のように賠償協定その他をめぐって、正式な国交関係を回復するまでは、一切こういうものにも応じられないというフィリピン側の態度がきまりましたので、そのまま今行き悩みになっておりますが、最近フィリピンとの間の諸般の交渉が軌道に乗ってきたので、フィリピン側からはもう一度あの話を続け、一般の国交関係が円滑に触ると同時にやはりこういう約定を作りたい、かような申し出を受けております。そこで現在はフィリピンあての小包は全然行く道はございません。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 これは実際の経験によるとフィリピンから相当友人が物を送ってくる、それはサンフランシスコ経由で来ているように思いますが、その辺はどういう関係になるかちょっとお伺いしたいと思います。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) 多分さようにしているのだと思います。一たんサンフランシスコに行ってそれからアメリカの仲介という格好で日本に来ているのじゃないかと、かように考えます。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 まあ、これからできるということになれば非常に便利になるでしょうが、フィリピンと日本との間こは相当友好関係のある人がたくさんいる。私なんかも現にそういう手続を取るので個人的にも相当長い期間で弱らされるのですが、ぜひこちらの方でもそういうように促進していただきたいと思いますと、希望を述べて私の質問を一応これで終ります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この日本とカナダとの約定が戦後のものとしては最初の例にねるようですが、その他の国は昔の戦前の形でやっている。そうするとずいぶん戦後長い期間であるのに、わずかに戦後の新例としてはこれ一件だということになると、そんなに長い間どうしてほうっておいたのか、他の諸国もどうして長い間ほうっておくのか、その間何らの障害がねくて戦前の例をそのまま踏襲しておれば一向差しつかえ血いのか、その辺はどうなんですか。

松井一郎常任委員会専門員

○政府委員(松井一郎君) おっしゃる通り、ちょっと戦後十何年にねって新しくこういうものが出たということは、時間的には遅れたというお話があると思います。実は一九五二年にブラッセル大会議が開かれまして、その当時までわれわれとしては、おそらく今度のブラッセル大会議においては、従来の英米系統も万国郵便連合の小包約定に加入するのではなかろうかというような実は観測をいたしておったわけでございます。もしもそうなればこういう個別条約は要らないというので、おそらくその方向にいくのじゃないかと思っておりましたところ、やはり依然としてそれには加入しねいというようなことがはっきりといたしましたので、それでは従来のままでは時代に合わないからこれを一つ合うように直そうじゃないか、という話し合いを実は五十二年以後に始めたのでございまして、現にアメリカとも進んでおりますし、イギリスとも進んでおりますし、ただ調印になりました段階としてはカナダが一等最初になったわけであります。フィリピンなんかにつきましては、先ほど申し上げましたような技術的な問題よりも政治的な影響からやれないといったような部面がございますが、近くセイロン、ビルマについても大体交渉が終る段階であります。

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) それではほかに本件は御質疑がないようでございますから一応この議題を中断いたします。     —————————————

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 次に、日本国における英連邦戦死者墓地に関する協定の締結について承認を求めるの件を議題に供します。本件について御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 一つお伺いしたいことは、普通日本で戦死者という場合は、遺骨を引取って自国の墓地に埋葬するというのが通例であると思うのですが、この英連邦戦死者の場合は日本に墓地を求めてそこに埋葬する、しかもこれは三十年の一応期限を限ってあるけれども、永続的な効果を持つように規定をされておる。それはそれで別に問題はないと思うのですが、どうして英連邦諸国では遺骨を祖国へ引き取らないで相手国で埋葬して、そこに永久的な墓地を作るというような慣例になっておるのか。これはきわめて常識的な質問なんですが、その間の事情を御説明願いたいと思います。

下田武三外務省条約局長

○政府委員(下田武三君) 仰せのように英連邦関係の国だけなのでございまして、日本はもちろん遺骨は早く故国へ引き取りたいということでございますが、アメリカも戦死者をほとんどかりに原地に埋葬することがありましても、結局はアーリントンとかあるいはハワイの国に引き取るわけでございますが、英連邦だけは昔から海外に雄飛するというイギリスの伝統的の精神の現われかもしれませんが、世界でどこで死んでもその土地の土になるという気があるのかもしれません。とにかく死んだ所で墓地を作っておりまして、日本のみねらず今次大戦後はオランダ、ベルギー、フランス、イタリアにそれぞれ英連邦の墓地を設定いたしまして同じような協定を結んでおるのであります。これは伝統的な英連邦国民のスピリットからくるのではないかというように存ぜられるのであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この場合、日本の領域内で戦時中捕虜の待遇を受けておってなくねった人という場合はよくわかるのですが、日本の領域内における戦死者という場合には、英連邦の場合はどういうことになるのですか。領域内の戦死者というとどこで戦闘があってどういう形でなくなられたのか、本土以外の所でねくられても日本の近くにおって引き取るというようなことになってこういう形をとるのか、その辺はどうでありますか。

下田武三外務省条約局長

○政府委員(下田武三君) 実は日本内地で死んだというのはむしろ少いのでございまして、飛行機が撃墜されたために日本へ落ちて死んだというのはその一例でありますが、大部分は日本付近の戦闘、沖繩その他の島々でアメリカ軍と一緒に戦った戦死者、あるいは日本近海で海戦で船が沈んで死んだものとか、日本付近のものが多いのでございます。

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 他に御質疑ございませんか。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 どれくらいの人が葬られて、そうして墓地としてはどれくらいのものを今設けているのですか。あるいは記念碑その他はどういうものがあるのですか。

下田武三外務省条約局長

○政府委員(下田武三君) 墓地の面積は二万坪でございまして、そこに埋葬されております人間の数は千八百四十九人でございます。内訳を申しますとイギリスが一番多くでございまして、英国兵が千四十四人、豪州兵が二百七十八人、カナダ兵が百三十八人、ニュージーランド兵が十三人、インド兵が四十三人というのが特別の内訳でございます。その他三百三十三人というものでございます。中にあるおもな施設は、この協定の末尾に地図を入れてございますので詳しくはそれでもって御承知を願いたいのでありまするが、個々人の墓標のほかには、中央に礼拝堂、記念碑等がございます。その他物置でございますとか、作業員の詰所等の付帯施設がございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この場合管理の費用というようなものはどうなるのでしょうか。

下田武三外務省条約局長

○政府委員(下田武三君) 管理の費用は一切英連邦側で支弁するわけでございます。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 管理の費用が出たからちょっとお伺いしますがね、第七条にある例の地方税の免除がありますね。あれは横浜の市の関係だと思うんだけれども、国家から出してやるんですか、これは大蔵省の関係だけれども、どういうふうに地方と国との関係、税に関する関係をちょっと御説明願いたい。

下田武三外務省条約局長

○政府委員(下田武三君) 神奈川県及び横浜市等の地方税につきましては、地方団体の好意で免除されておるわけでございまして、その免除した埋め合せを国庫から補助するという措置は別にとらないことに相なっております。

小滝彬自由民主党

○小滝彬君 交付税でも何でもみないのですね、これは全然みない。

下田武三外務省条約局長

○政府委員(下田武三君) その通りでございます。     —————————————

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) それでは委員の異動がございましたので御報告申し上げます。郡君が委員を辞任されまして上原正吉君が委員になられました。また野村君が辞任をされまして、古池信三君が委員になられましたので御報告申し上げます。     —————————————

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) ほかに御発言もないようでございますが、質疑は尽きたものと認め御異議ございませんですか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 御異議ないと認めますのでこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ござ  いませんですか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入り、日本国における英連邦戦死者墓地に関する協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。  本件を承認すろことに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 全会一致でございます。よって本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりましてこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 御異議ないと認めさように決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりまするから本件を承認された方は順次御署名願います。   多数意見者署名    小滝  彬  古池 信三    上原 正吉  大谷 瑩潤    梶原 茂嘉  黒川 武雄    佐多 忠隆  羽生 三七    鶴見 祐輔

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) それでは速記を始めて下さい。  次に、日本国とカナダとの間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件を議題に供します。質疑のある方は御発言を願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 大臣にお尋ねしたいのですが、今議題になっておる日本国とカナダとの小包約定で今質疑中なんですが、一応事務的な質問は済んだわけですが、一つお伺いしたいことは、たまたま今質問中に中共との小包協定をやってはどうかという話も出たわけです。本日のところは日本と中共との国交回復問題とかそんなことに触れるのではないので、純粋に小包郵便の約定ということに限定して今承わると、郵政省でもなるべく早くやった方が非常に好都合だというし、外務省でも事務当局の話を承われば、政府の意思はまだきまっておらぬが、きまればいつでもということでありますが、一応国交問題ということは別にして、純粋に郵便問題に限定をして、なるべく早くそういう協定をお結びになる意思はあるかないか、この点をお伺いしたいと思います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) それは私もけっこうだと思っております。例もあることですし、政治問題ではございませんから、そういう考え方をいたしてります。非常に検討した何ではございませんが、それでよかろうと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これで質問を打ち切ります。

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) それでは本件につきましてはほかに御質問もないようですから、質疑はこの程度にして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 御異議なしと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この協定というのはもちろん異議はありませんが、まだ協定を結ばれておらない諸国ともすみやかに協定を結ぶことを政府が促進することを希望して、本件に賛成をいたします。

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) ほかに御発言ございませんか。——ほかに御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。日本国とカナダとの間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 全会一致でございます。よって本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他事後の手続につきましては慣例によりましてこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本件を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名    小滝  彬  古池 信三    上原 正吉  大谷 瑩潤    黒川 武雄  佐多 忠隆    羽生 三七  鶴見 祐輔    梶原 茂嘉     —————————————

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) それでは次に、国際情勢等に関する調査を議題にいたします。御質疑のおありの方は順次御発言願います。なお大臣は実は二時半から衆議院の方に約束されておりますから、はなはだ時間がないと思いますが、できるだけ大臣にも残っていただきないと思います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 速記を始めて下さい。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 新聞にイスラエルあるいはシリアに向けて武器を輸出するというような問題がいろいろ報ぜられておるのですが、大臣にお尋ねする前に外務省あるいは、通産省事務当局にこれらの問題の経緯、実情、そういうものについて一応御説明願いたいと思います。

高橋通敏外務参事官

○説明員(高橋通敏君) それでは私から問題の経緯をお話し、お答え申し上げます。現在問題になっておりますのは、シリアから日本側に対しまして武器の買付を求めて参ったわけでございます。ところがシリアから要求しております武器につきましては特定の砲弾でありますので、これは米国の規格品でありますので、米国の許可の取付けが必要であるということに血っておりますので、商社としては米国の許可を取付けた上で、政府に対しまして正式に輸出の許可を申請してくるというふうな手はずになっておりますので、まだ現在具体的に問題になっているというところではございませんけれども、大体そういうふうな注文が参っておる。これに対しまして、商社側から米国へ方に許可と申しますか、そういうことを申請しているというふうな状況でございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 許可申請をして、それの返事はまだアメリカから来てないのですか。

高橋通敏外務参事官

○説明員(高橋通敏君) まだ正式に参っていないのです。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 大臣にお尋ねしますが、今まあそういうような話があって、商社としては出したいというような意向を相当持っているやに聞くのですが、あるいはまあアメリカがどういう態度をとるかそれらもわかりませんけれども、少くとも日本としては、外務大臣としては、こういう問題に対して、単にシリアの問題だけでなく、前にはイスラエルの問題もあったと思うのですが、そういう問題に対して外務大臣としてはどういう見解、どういう態度をおとりになるつもりか、御説明願いたいと思います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) この問題は商社の商談に上っておるいろんな武器の問題は、全体から比べてみるとごく少量であるようでございます。そこであまり大きな問題とはなっていないようではございます。ございますが、この中近東方面における武器の輸出ということは、御承知の通りに微妙な国際問題となっている状況でございます。そうでありますから、日本としても単純な貿易関係としてこれに対処するわけには参らないと思います。従いまして、十分事情を検討して慎重にこれに処していかなければならぬ、こういうふうに概括的に考えております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 その慎重に対処しなければならぬということはわかるのですが、今大臣もお話の通りに、中近東、特に中東の問題は非常にデリケートな問題になっていると思うのですが、従ってそれに対する武器あるいは弾薬の輸出という問題は軍拡競争をさらに激化する契機になる。少くとも契機になると思うのですが、そういうことは日本としては、特に平和憲法を持っておる日本としては、そういうことは絶対にやるべきでないと思うのでありますが、そういう態度を堅持されるおつもりはないのかどうか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 今私の述べました趣旨も、今御質問の中に述べられたこととほとんど一致した意見だと思います。さようなことで十分慎重にこれはやらなければねらぬ、こう思っております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 大臣はまあ慎重にしなければならぬと。さらに私は一般的にもこの武器輸出の問題というようなものは、日本の国策なり国是としてこれは絶対的にといっていいほどに禁止すべきだと思いますが、一般的な問題としてのみならず、中近東の問題としては特に非常にデリケートな時期、段階であるから、絶対に出さないということをはっきりされる必要があるのじゃないかと思うのですが、大臣はそういうふうな、まあ慎重にと、従ってそれはさらに私の言う出してはいけないということにも通ずるのだというような御答弁のようですけれども、新聞その他の報ずるところによると、外務省はむしろ量、質から考えて大した問題じゃないから、この際は日本の兵器産業育成のためにむしろ出してやってもいいじゃないかというような意見だし、それによって最近の情勢によって、外務大臣自身も先に国会で言明された点も相当修正をされるであろうというようなことまで伝えられておるのですが、どうも今の御答弁だとそうでもなさそうだし、その辺はどういうふうにお考えですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私の考えは今申しました通りであります。それだからといって武器の外国に対する取引は全面的にこれは禁止すべきものであるとまで申し上げたわけではございませんが、個々の取引については十分にこれは慎重に取引以外の点をも考慮においてやるべきである、こう申し上げておるのであります。そこで個々の問題につきましては、他の関係の向きとも十分に協議をいたしまして、そうしてその大体の方針のもとに進んで行きたい、こう思っております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 個々の問題についてと言われる場合に、中近東、特に中東の問題に対しては、今の時期、段階においては個別判定をなす場合でも、一般的に出すべきでないという態度をとられることが、日本の外交方針なり何なりとしてしかるべきだと思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) それがどう違いますか、中近東に行くものであるから全然禁止する、こういうふうに明確に方針をきめる必要もなかろうかと考えております。十分に弊害のないように慎重に取り扱わなければならぬということは申し上げられるのであります。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 それならもっと基本的に中近東の問題に対する見通しをお聞きしたいのですが、たとえば、今国連の事務総長があちらこちらをかけ回ってエジプトとイスラエルとの間の停戦が成立した、あるいは二、三日前にはシリアとの間でも成立したというようなことが報ぜられておりますし、それらに関連してもっとそれが全般的な休戦、あるいはさらには平和回復のいろいろな措置が出て参るだろうと思いますが、それらの問題を外務大臣はどういうふうにお考えになっており、どういうふうに見通しておられるか。それとの関連において今の武器輸出の問題をどうお考えになるか御説明願いたいと思います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 中近東の情勢は、当方面つまり日本方面あたりで普通に考えられておるよりも、はるかに緊張した情勢が続いたと判断されます。ヨーロッパ及びアメリカ方面からの情報を検討してみますのに、ずいぶんイスラエル、エジプトの関係、イスラエルとシリア、ヨルダンの関係等は非常に緊張したものであって、それに関連をいたしましてバクダッド条約というようね、イギリスの関係ということがこんがらがってしまって、アメリカの関係もむろんあります。直接の場面はイスラエルとエジプトとの間の戦争状態であります。これがほとんど国境において戦争が行われておる。ただこれは国境の重要な衝突問題でありますが、しかしそれがいつ何どき戦争状態にならぬとも限らぬというので非常に心配をしておったのであります。それがイギリス、英、米、仏のいろいろ意見の交換にもなりますし、さらにまたソ連の中近東に対する武器の売り込み等による積極政策に刺激をされて、さらに大きな問題としてこれが取り扱われておるというのが今日の国際情勢でありまして、決して、中近東を中心とする国際情勢が、非常に安定をした平穏な状態であるとは今日まだ申すわけに参らぬと思います。その結果その情勢を緩和するために、平和を回復するために国際連合における英国側の提案となりまして、そして事務総長のハマーショルド氏を直接中近東に派遣して、調停と申しますか平和状態回復の道に当らしめたということになったと思います。それには今幸いにもソ連の協力を受けたのでありますが、大へん都合がよくなった。そうしてハマーショルドのエジプト及びシリアに対する仲介は、今のところでは成功したように情報を受けております。その成功をしたというのは双方とも敵対行為をやめて、そうして平和状態の回復に努力をするという約束を取りつけたということであります。その報告が国際連合本部その他に参りまして、みんな大国は非常に安心をしたという状況であるようでございます。さようなわけでありますから、私は中近東において緊張した状態はこれらの国との間になお続くと思います。続くと思いますが、しかしそれが戦争状態に発展をし、さらにまた大きな大国との間の戦争ということにこれが発展をしてくるということはないと思います。将来は今の国際連合の事務総長の努力による平和維持の方向がだんだん進んでくると思いますので、中近東の形勢は緩和すると、こういうふうに大体観測をいたしております。しかしながら武器の問題でありますが、さような状態でありますので、こういう地域に対する武器の供給ということは、たとえ非常に大がかりなものでなくとも、よほど慎重にやらないというと日本の対外政策の大局と申しますか、平和外交を進めていく、経済外交を進めていくということにすぐ支障を来たす状況でありますから、武器の取扱いの問題も全局面を考慮して慎重にやらなければならないという結論に達しておるわけでございます。大体以上のような状況になっております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 今お話の通りに、中東の問題は日本から考えていたよりも非常に緊迫したものだったし、場合によっては戦争になりかねないような状態だった。しかしその後平和の方向にいきつつあるし、しかもこういう方向にもっと積極的に進めなければならないという決意のほども示されたのですが、その予想以上にひどいものであるということと同時に、しかし平和の方向は積極的に進めなければならないし、その可能性も出てきたという認識のもとに立つならば、今おっしゃったような武器輸出の問題は非常にデリケートな問題でありますし、従ってここでは慎重に考えなければならぬという以上に、少くとも中近東に対しては武器を絶対に出してはならぬという決意なり何なりをして、強くそれを主張されることが非常に必要なのじゃないか。そのことが今の大臣の認識なり、あるいはさらに希望を満たすゆえんだと私は思うのですが、そこをもう少しはっきり再考されないのはどういうことに原因しているのか。あるいは新聞その他が報ずるところによると、日本の兵器産業を育成をしなければならないというような見地から、外務省ではやはり武器輸出を場合によっては認めてもいいのだ、というような考え方に傾きつつあるというようなことすら報じられておりますが、兵器産業をどうするというような問題は、むしろこれは国内の産業政策の問題として、もっと通産省なり何なりに考えてもらったらいいと思うのですが、少くとも世界の諸情勢を考え、あるいは今大臣が言われたように平和政策を、特に日本としては平和政策を主張をしなければならぬし、非常に重要な段階だから、中近東においては特にそれを強く望むというような態度をとられる外務省としては、かりに通産省が兵器産業の育成のために若干は許してもいいのじゃないかという考え方を持っていたにしても、外交的な見地からそれは絶対にやるべきでないということを強く主張されるのが至当であろうと思うのですが、どうも新聞に伝えられているところでは、それが逆なようなことになっている。その辺も大臣はどういうふうに思っておりますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) その辺の新聞情報は実情を伝えていないと私は思います。外務省が幹部会でどうしたとかいうようなことがあったそうですが、私はよく見なかったものですが、そうでございますが、外務省の幹部会で特にそういう武器を売った方がいいのだというようなことを積極的に議論があったということも、事実に反するようでございます。いずれにいたしましても、外務省としては、また外務大臣としては、先ほどから申すような考え方をもって進んでおります。そうしてそれは各個の場合についてはやはりこれは関係の当局とよく協議をしていかなければなりませんから、概括的に割り切ったことを申し上げるよりも、大体の方針として先ほども申しました御趣旨にも沿うことだ私は考えております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 そうしたら少くとも外務大臣としては、日本の兵器産業育成のためにこの際海外市場を開くことが必要だし、その一つとして中東向けの武器輸出その他も判断するのだというような考え方は、外務省としては絶対にないというふうに了解をしていいのですね。そうしてまたそういうことだと。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) そう言われるならば、私ははっきり申しましょう。兵器産業は発達させるべきだと思います。兵器産業は発達さすべきだと思いますが、それが日本の平和外交に反するような結果をもたらす兵器の販売ということは、これは大いに慎重にやらなければならぬことで、それは考えなければならぬ。こういうことだということを申し上げてよかろうと思います。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 だから、その兵器産業をどうするかという問題は、さらにのちほど通産省にも聞きたいと思いますが、少くともその兵器産業育成のために、輸出海外市場を開くことを考えなければならぬ。しかし、その一環として、中東の問題を考えなければならぬというようなことには少くとも考えていない。非常にデリケートな時期だし、デリケートな段階だから、そして地域的にいって非常に重要な問題だから、そういうふうには少くとも中近東に今現在問題になっているようなことに関しては考えていないと、大臣はこういうことだ、外務省はこういうことだというふうに考えていいのですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私、先ほどから申し上げる通りに、中近東のごとき国際情勢のもとにおいては、武器の売り込みということは、これはよほど慎重にも慎重を加えなければならんと、こういうことを申し上げておるわけであります。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 どうもはっきりしませんが、しかし、先ほどから繰り返し申しておりますように、中近東の問題は、今非常にデリケートな問題になっておるし、直接の関係諸国において非常に重大な問題であるだけでなく、イギリスにとっても、あるいはまたアメリカにとっても、フランスにとっても、さらにはソ連にとっても非常な重要問題として、今まで非常に対立していた諸国がこの際何か話し合いによって平和な方向に進めようとするし、しかもそのためには、武器の競争、軍拡競争をやめなければならぬということで話し合いを進めようとしているんだから、その線に沿った判断は、ぜひ明確にされるべきだということを私は特に主張をして、この質問は一応打ち切りたいと思います。  次に、もう一つちょっとお尋ねしておきたい点は、きょうのニュースによりますと、何か日ソ交渉、特に漁業交渉について、ソ連側から西大使に対して、漁業交渉に入る前に、日本にある狸穴のソ連の代表部ですか、それの地位なり性格について、日本政府の見解なり意見をはっきりしてくれなければ交渉に入れないというようなことが西大使に通ぜられて、そのために、河野代表は途中でとまって、向うへ出発できない状況だというようなことが入っているようですが、これの真相はどういうことですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) そういうことではないようでございます。そういうことはないようでございます。いろいろ往復はございます。往復はございますけれども、特に交渉前に、どうしてくれとかこうしてくれとかいう条件的なものは少しもございませんので、漁業の問題をモスクワで交渉するということは、向うでも快く承諾してくれたことなんで、こちらも申し出たことなんで、それは進め得ると考えます。  いろいろ宣伝的なことは耳にしますけれども、きょうも衆議院の外務委員会でその話が出ました。私はそれについて、モスクワに行つて交渉を開くについて、故障になるようなことは少しもないと申しておきました。向うとの往復等については、向うの意思もどういう意向とか何とか、また、こちらはどういうつもりであるとか、抑留者の問題はさらにどう取り扱ってくれとかということは往復いたしておりますけれども、結論的に申し上げて、漁業問題をなるべく早く既定の通りにひとつ交渉を開いて、これを打開いたしたいと、こう思っておるわけでございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 いや、今まではそうだったんでしょうが、特にきのうきょうになって、そういう申し出があったというニュースがあるんですが、それの真相はどうなんですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) だから、そういうことを今含めて申し上げました。漁業問題の交渉を進めていくにも、何も支障はないと申し上げます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 それならば、支障がない、従って、代表は予定の通りにもうすでに向うへ行ったと言うんですか、それとも、何か行けなくて立往生しているというニュースなんですが、その点はどうなんですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) そういうことは、私の方では何も耳にいたしておりません。そういうことはないと思います。また、そういうことについて、何か代表の方で希望があるなら希望も聞きますし、すぐすみやかに予定の通りに進み得るように取り計らっていきますから、何も支障は私は今のところはないと、こう考えております。

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) 今、ちょっと衆議院からしきりに催促が来ておりまして、ほかに急に処理されなければならぬことが起ったようでありますから、また機会を持つことにして、きょうはこの程度で大臣に帰ってもらってよろしいかと思いますが、どうですか。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 私はありますがね。

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) では、またの機会にいたします。それでは、大臣以外の当局に御質問がありましたら……。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 通産省にお尋ねしますが、中近東に対する武器輸出のいろいろなこれまでの経緯、そういうものはどういうふうになっておりますか。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) ただいま、外務省の当局から初めに御説明した通りでございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 シリアの問題はそれでいいんですが、イスラエルからの話は……。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) イスラエルの問題につきましても、民間等に若干引き合いは来ているというように話は聞いておりますが、通産省として、具体的にどうこうという、許可の申請とか、そういう具体的な問題として聞いておる問題はまだございません。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 現在の日本の軍需産業といいますか、兵器産業といいますか、それの特に弾薬その他については、一体製造の設備その他としてどれくらいのものになっているのか、それから、これまでにどういう需要があって、それの需給の関係として、今後そういう兵器産業をどういうふうにしようとしておられるのか、そこいらの実情を少し説明を願いたいと思います。特にそれに関連して、海外市場への輸出の問題をどういうふうに考えておられますか。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) 御質問の兵器産業の問題でございますが、大体兵器産業は、従来米軍の特需として伸びて参ったわけでございます。昭和二十七年以来そういうふうな状況になっております。それで、従来でございますと、特に銃砲弾関係が大体それの九〇%以上の数量になっておりますが、大体この二、三年前でございますと、年々大体六千万ドル程度の注文を受ける、こういうふうな状況でございます。しかしながら、最近はほとんどこれが新しい注文がない、こういうふうな状況でございます。今後これをいかに維持するかという問題が出ておるわけでございます。しかし、これにつきましては、将来の防衛計画、そういうものとにらみ合せて、いかにこれらの事業を維持育成するかというような問題でございまして、これにつきましてはまだ結論を得ず、慎重に研究しておる段階でございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 その特需としてですね。そういうものが、兵器関係が過去数年間にどれくらいの需要があったのか、それに対する設備がどういう関係になつているのか、最近はそれがどういうふうに減ってきているのか、それ以外に海外輸出としてどうなっているのか、それらの関係において海外輸出をどう考えておられるか、そこいらの説明を一つ。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) 申し上げますと、昭和二十七年から三十一年の一月まで合計いたしまして、武器関係特需の注文は四百七十八億円になっております。二十七年の六月までが五十五億円、それから二十七年の七月から二十八年の六月までが百八十四億円、それから二十八年七月から二十九年の六月までが二百十六億円、二十九年の七月から三十年の六月までが十五億円、それから三十年七月から三十一年の一月までが六億円、合計いたしましてただいまの四百七十八億、こういうような数字になっております。このうち納入されました数字は、大体これはちょっと正確でございませんが、三百四十億程度でございまして、一月現在は、残がまだ百二十億というふうな数字が残っております。これが今後大体納入される数字でございます。いろいろ当ってみますと、そのうち相当兵器関係の製造業者におきましては、あるものは四月、五月、あるいはあるものは七月、八月、あるものは十二月で注文がなくなるというような状況でございます。  兵器の輸出の問題につきましては、これも従来ほとんど大した数字はございませんで、先ほど外務大臣からもお話がございましたように、兵器の輸出の問題につきましては、通産省といたしましても、これは噂に普通の輸出というわけでもございませんので、国際情勢あるいは通商関係、あるいは産業関係一般を見て、よく個々の場合を検討した上で、慎重に関係各省と相談してきめていきたい、こういうように考えております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 兵器の輸出について、非常に慎重な態度をとらなければならないというお話、もっともだと思いますが、慎重の態度をとる以上に、兵器というようなものを輸出産業として伸ばす可能性、その他もほとんどないのじゃないかと私たちは思いますが、その辺をどうお考えになるのか。  それから、かりに兵器を輸出産業として若干は見込み得ても、そのために相手国側からは必ず反対が出てくるだろうし、従って、その他の一般輸出に対しては逆な効果を生じてきて、全体の輸出としては、むしろマイナスになることの方が非常に多いのじゃないか。特に今度のシリアの問題、あるいはイスラエル、どっちに供給しても、そういう問題が出てくると思いますが、それらの点を通産省としてはどういうようにお考えになっているのか。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) 兵器の輸出については、ただいま申し上げましたように、過去においてはそう大した数字がございません。まあ今後の問題はどうかということでございますが、これについても、われわれとしては、確たる見通しは現在ではわかっておりません。個々の判断は、やはり兵器として出す場合、もちろんこれは輸出ができますれば、日本の産業を潤わすわけになりますが、しかしながら、先ほどから申し上げております通りに、やはり一段の国際情勢、あるいは通商関係、あるいは産業関係、そういうところを全般的に考慮して、通産省としては関係各省と打ち合せた上で、個々のケースについては判断をしてやっていきたい、こう考えております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 何か新聞の報ずるところによると、稲垣氏を団長にして出された経団連の親善使節ですか、経済使節ですか、これはパキスタンとビルマと、どこでしたか、タイに行かれて、特にパキスタンとタイについては、そういう兵器輸出の問題を主要任務として、その市場強化なり何なりに行かれた。それに対して、政府から相当な支持なり補助をしておるというふうなことが言われておりますが、それらの実相はどういう工合になっているのですか。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) 私よく、稲垣団長がどういう使命で行かれたか、新聞にいろいろ報道されておりますが、民間の団長として行かれたものでございまして、われわれとしては、事前にどういうふうなことであるかということを伺っておりませんので、どういうことを交渉されたか、また帰った結果については、まだ伺っておりませんので、何とも申し上げかねるわけでございますが、やはり親善使節というからには、そういうふうな目的で行かれたので、そのときに、いろいろの機械の輸出とか、あるいはいろいろな輸出についても話があったのかと、こういうふうに考えておりまして、詳細な事情は存じておりません。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 新聞には少くともそういうふうに報ぜられておるのですが、それならば、兵器産業を主管しておられる通産省なり、あなたとしては、いやそういうことは絶対になかったのだとか、あるいはこれこれのことについては調査もしたようだし、あるいは調査を依頼したとか、あるいはこれこれの資料なり何なりは渡したとか、そういうことは、所管の責任者としてわかっているはずだと思いますが、そういうことはどういうふうになっておりますか。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) いろいろまあ日本の民間の方があるいはグループをなして、あるいは個々に各方面に出かけられているわけでありますが、われわれも、そういうふうな一つのグループとしておいでになった、こういうふうに考えておるわけでございまして、まあいろいろ私の所管しておるものにつきましても、これは広い範囲でございまして、鉄の関係もございますれば、機械の関係、いろいございますので、具体的にどういうふうな問題を持って行かれたか、私実はよくお伺いしておらないわけでございまして、さような点で、何とも今ここでお答えできないわけであります。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 少くともそれでは、通産省のあなたの関知する限りでは、兵器産業の輸出の話を主要目的として行かれたということはないということは、あなたの方で断言できますか。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) 内容を私、どういう話を具体的に行ってされたか、存じませんので、おそらくお話の通り、そういうふうな主要な目的で行かれたのではないと、こういうふうに存じます。

山川良一緑風会

○委員長(山川良一君) それでは、国際情勢の調査につきましては、本日はこの程度で終ることにいたします。  それでは、本日の委員会はこれにて閉会いたします。    午後二時五十九分散会      —————・—————

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