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24回国会参議院1956/05/17

外務・農林水産委員会連合審査会 第2号

発言数
41
登壇者
13
会派数
3
開催日
1956/05/17

会議録

梶原茂嘉緑風会

○委員長(梶原茂嘉君) ただいまから外務、農林水産連合審査会を開会いたします。  慣例によりまして外務委員長としての私が本審査会の委員長の職を行わせていただきます。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 開会に当り一言お礼を申し上げます。ただいま議題になりました協定承認の件について、連合審査会をお願いいたしましたところ、外務委員会におかれましては、議案が輻湊して格別御多忙のところを御快諾いただき、本日その機会を与えられましたことを委員長並びに委員各位に対して厚くお礼申し上げます。  外国食糧に対する依存から脱却して、国民食糧の独立安定を期して、国内食糧の需給向上をはかるという意味合いにおいて、また零細脆弱なわが国農業を国際競争から擁護して、その育成発展をはかるという見解から、農業関係からはかねてこの協定に関して重大な関心が払われておりまして、農林水産委員会においては、この承認案件の審査に参画し、政府の所見を質し、その善処を求むる機会を得たいことを希望いたしておりましたところ、本日その機会を与えられました次第でありまして、これからお許しを得て各農林水産委員から順次発言があることと存じますが、お差しつかえない限り御便宜を与え下さりまするようお願い申し上げます。  重ねて今回の御厚情を感謝し、一言ごあいさつ申し上げます。     —————————————

梶原茂嘉緑風会

○委員長(梶原茂嘉君) 農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。本件につきまして御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 本協定に関する当連合審査においては、主として農林委員の皆さんの御発言を期待しておるわけでありますが、その前に議事進行上のことですが、今日この協定に関しては直接には外務大臣がその関係者ではありますが、実質的にはむしろ農林大臣なり企画庁長官なりがあるいは大蔵大臣なりが出られて、質疑をしなければ意味をなさないと思うのですが、政府委員の出席は非常に怠慢でこれでは困ると思います。しかしそうやっておっても議事が進みませんので、昨日私がお尋ねしたことに関して政府からお答えを得ることを先に許していただきたいと思いますが、もう一度繰り返して発言を許させていただきます。  昨日私が政府にお尋ねいたしたのは、農産物購入に関する日本とアメリカとの協定を結ぶについて、どういう意味合いで日本はこの協定を欲するのか。たとえばこの余剰農産物はアメリカ自身の御都合で日本へ売りさばくわけであります。このアメリカの過剰農産物は約八十億万ドルに相当するというので、本年もアイゼンハワー大統領が農業教書において、アメリカ農業問題の重要性をうたっておるわけでございます。そういう莫大な、アメリカ自身の国内問題として非常に大きなウエイトを占める、この過剰農産物を売りさばくということは、アメリカ自身の利益はあるわけですが、果してそれが日本の利益と合致するかどうか。この場合に日本において一般的な商業ベースで農産物を買う場合、それと別にこの協定を結んで余剰農産物として受け入れなければならない理由がそもそも那辺にあるか。これを考えてみますると、低利で長期にわたる借款として受け入れることができて、それを円資金として国内の農業開発その他に使用することができる、これがおそらくこの協定の利益と称せられるものだろうと思うのです。しかし昨日お尋ねしたことは、しかりとするならば、日本は六、七千万ドルの農産物を協定しなければやれないほどに、日本の外貨事情は悪いかというならば、とにかく日本の今手持ちドルは十二、三億万ドルあろうと思うのです。もちろんインドネシア、あるいは韓国等の焦げつきもその中にはありますが、とにかく十億ドル余をこす手持ちのドルを持っておるのです。しかも長期にわたる借款を今の日本のこの経済の現状で取り結んだ力が日本の利益になるかどうか、ということもなかなか疑わしいのです。だから私は、むしろ日本がこれだけのドルを持っているから、これは貿易事情によって一変することばないとは保証いたしかねますが、当面それだけのものを持っているのでありますから、長期にわたる借款をしてまで農産物を買い入れることより、むしろ普通の商業べースで必要があるならばやった方が日本の農業を圧迫することにもならないし、また日本の経済全体のためにもその方が好ましいと思うが、一体政府はどう考えるかということが問題の第一点であります。  それからもう一点は、これは昨年のやはり外務農林連合委員会で、特に農林委員各位の非常に熱心な御検討の結果、もし第二年度目の協定、つまり昨年度が第一年度で、本年度が第二年度になるわけですが、その第二年度目の協定が結ばれない場合、あるいは第三年度の協定が結ばれない場合には、この国内で使用し得る円を農業開発に投資することになって、それによって愛知用水その他の農業開発を政府は計画しておるが、この農産物協定を取り結ばない場合には、そういう農業関係投資は一体将来どうなるかという問題であります。私どもは、結論的に言えば、こういう協定は好ましくないと思っておりますが、他の方法で農業開発は可能であると考えておりますが、そのわれわれの立場は別としまして、政府の立場としてお考えになる場合に、この協定を明年度取り結ばない場合には、明年度においては協定を取り結ばなくてもよかろう、という意見もなかなか政府部内に強いと聞いておりますので、その場合には従来予定されておった農業開発に対しては、どういう財政投資あるいは融資を考慮されておるのか。この二点をこれは外務大臣にお伺いしても、はなはだ私どうかと思いますが、大蔵省なり企画庁なり責任ある方から答弁を求めたいと思うのです。今ここにおられなければ、とりあえずの答弁をなさって、あと大臣の出席をなるべく督促をして、私の質問のみならず、他の委員の方々も責任者の答弁をお求めになると思いますから、しかるべくお取り計らいを願いたいと思います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私から一般的のお答えを申し上げます。今お話の第一点、つまり、こういう借款をしてまで今、日本はやる必要があるかないか、もしくはそれが利益であるかどうかという判定でございます。これは、大きな見地からいろいろ御意見もございました。私はそういう角度を政府もよく考慮しての上であることをまず第一に申し上げたいと思います。御指摘のような点は、むろんこれは十分考慮しなければならない点であると思います。日本の農業の発達にこれが寄与することも十分するようにしなければなりません。また、そういうふうに持っていく計画でこの借款ができております。また、この借款をして、円資金を得て種々の計画を立てるということが日本に有利である、こういう一般的の点を考慮した上で、今日この余剰農産物を受け入れるということが利益である、こう判定したことには間違いはございません。それではどれだけの利益があるか、一々私は数字をもって具体的に御説明する資料は私自身遺憾ながら持ってはおりませんけれども、今日の日本の状況を大局から考えてみて、余剰農産物の契約をして、日本の農業及びその他の企業の発達をはかるもといを作るということは、その条件にかんがみましても、日本にとって利益である、こういう結論に達したことは間違いはないことを申し上げる次第でございます。私の答弁が詳細な数字を持った具体的なことに及びませんので、非常にその点は御満足を得にくいかと思いますけれども、お尋ねの点等を考慮してこれは今日進めていくことが適当である、こう考えたわけでございます。むろんこれは第二年度でございます。計画は大きな計画が進んでおるのでありますから、第二年度もそのような借款をもって計画を進めていきたい、こういうふうに考えたことはもちろんでございます。ただ、それじゃ今後も米国側の都合によってこれがきまるのか、こう申しますとそればそうではございません。米国において余剰農産物を非常に売りたいのがある。売りたいのがあるから買うということにはなりましょうけれども、これは米国の意向のみによって支配されるものではないということをはっきり申し上げておきます。そうでありますから、毎年度これは考慮しなければなりません。たとえ米国側に非常に売りたいという希望がありましても、日本側の要請また主張にかなわないときには、これは受け入れる必要はございません。従いまして、毎年そういう問題が起ればこれは検討しなければなりません。そこで毎年検討してこれをきめて参ります。しかしむろん、政府としては一般的に申し上げれば、たとえある年度においてそういう借款ができなくても、一度きめました既定計画は進行していき得るように財政的な処置をとらなければならない、またとると、こう申し上げてきておるわけでございます。そういうふうな点については、さらに私の説明以上に大蔵省側の説明を御要求になれば十分お答えする用意もあると私は思っております。大体以上であります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 大蔵省だれかおられますか。

石田正大蔵省為替局長

○政府委員(石田正君) 御質問二点ございまして、第二点の方の将来の財政資金の問題につきましては、これは理財局長が見えておりますので、理財局長から御答弁申し上げると思います。  第一点だけについて私からお答えいたします。大体日本の国際収支は、この二年間非常に好調でございまして、相当の外貨の蓄積ができましたことは御承知の通りでございます。従いまして、そういうふうに外貨の状況のいいときにおいては、むしろ余剰農産物について直接外貨の支払いをして、そうして借金をしない方がいいのではないか、こういう御趣旨かと存ずるのでございます。大体根本的な問題といたしまして、日本の農産物、特に問題になっておりますところのものにつきまして、遺憾ながらまだ日本で自給自足ができない。それに対しまして、アメリカにおきましてこれは余剰でありますからどうかという問題はありまするが、そういう場合におきまして、過去におきましても、アメリカから農産物を輸入するということはいたしております。それから国内の自給体制をなるべく早く完成することは望ましいことでございますが、やはり当分の間農産物を外国から入れなければならぬ、特にアメリカのものを入れなければならない。こういう必要のありますことは、事実の問題といたしまして疑いがないのではないかと思うのであります。従いましてその前提の上におきまして、そういう農産物をアメリカから入れる場合に、いわゆる長期の借款という形でやった方がよろしいか、それとも今のような状況のもとにおいては現金払いをしておいた方がよろしいか。こういう問題に尽きるのではないかと思う次第でございます。この点につきましては日本の国際収支は非常にこの一両年よくなっておりまするが、しかしほんとうにもう安心していいような状況であるかどうかということにつきましては、なかなか手放しにそういうふうな工合に考えるわけには遺憾ながらまだいっていないのではないか、というふうに実は考えておる次第でございます。御承知の通りに、特に昨年度におきまして日本の輸出は相当伸びまして、そして外貨の入りも二十一億ドルというふうに三十年度はなっております。しかしながら輸入の面を見ました場合におきましては、大体二十一億ドルぐらいの支払いになっておるのでございます。輸出入だけをとりました場合におきまして、まだ遺憾ながら貿易関係におきましてその外貨の出入りだけから見ましても、まだバランスがとれていない、かような状況に相なっておる次第でございます。なお輸入の面におきまして政府の外貨が二十一億ドル減りましたけれども、しかしながらそれが全部が全部金を日本側だけで払った、そういう形になっておるのではないのでございまして、これはユーザンスその他外国金融機関を通ずるところの、何と申しますか資金の供与等も、これはコマーシャル・ベースでございまするが、あるわけでございます。それからまた余剰農産物の問題につきましても、これは本年度入っておりますものは外貨が落ちていない。そういう前提のもとにおきまして今のような状況に相なっておるわけでございます。それから貿易以外の問題につきましては、どうも日本の将来を考えましても、当分の間、特需を除きました場合におきましては、貿易外においてはずっと赤字が続く。額につきましては変動がありますが、やはり赤字が続く。しからば日本の国際収支が黒字を示した、原因は何にあるかというと、どうも遺憾ながら特需収入に頼らざるを得ない。こういうふうな状況に相なっておる次第でございます。それから従いまして日本は国際収支がもうよろしいから、従ってあらゆる借款というものはしないでよろしいのだというふうな状況には、まだ言い切れないのではないかというふうな工合に感じておる次第でございます。それから農産物の輸入でございまするが、幸いにして昨年は御承知のような工合に豊作でございましたので、従いまして食糧につきましての外貨支払いというものは少くて済んだのでございまするが、しかしこれは農産物というものは天候の工合によって非常に左右されるものでございまして、天候が悪くなりまして不作になりました場合には、急に食糧の輸入をふやさなければならん、こういうふうなものでございます。それが為替の方に及ぼす影響というものも、作柄にもよりまするけれども、相当大きな外貨収支の面におきまして狂いを生じてくると申しますか、変動するものである、こういうふうに考えざるを得ない。さような国際収支もまだこれで手放しに楽観を許さぬ状況であり、農産物につきましては不作の場合においては、相当の影響があるのだということを考えます場合には、こういうふうな余剰農産物を長期に借りるというところの道というものは、これはまあ、もうこれはそういうものに頼らなくてもいいのだというふうな工合に言い切れない面があると私は思っておる次第でございます。具体的な問題につきましてそれじゃそういう協定なり何なり作って、どれだけのものをどれだけ入れたらよろしいかと、こういうことになりますれば、これはその年々の実情に即していろいろといろいろな方面から検討して判断しなければならぬものだと思います。われわれは為替の収支だけから見まするならば、なるべく国際収支をよくする、国際収支をよくしてそうしてなるべく借金は少くて済むようにやっていくということが堅実だと思いまするので、今後そういう方向に進まなければならぬと私は思っております。思いますけれども、しかしそれじゃもうこの余剰農産物の借款に頼らなくてもいいのだというふうに言い切る段階には今至っていないのだとかように思います。

河野通一大蔵省理財局長

○政府委員(河野通一君) 余剰農産物の受け入れに対しまして、国内の財政投融資計画との関連のお尋ねでございましたが、外務大臣からお答えがございましたように、来年度以降余剰農産物の受け入れをいたすかいたさないかを、ただいま決定いたすまだ段階になっておりません。しかしながらたとえば、愛知用水その他すでに着手をいたしております事業の運営あるいは遂行に、支障のないような資金の計画は、財政投融資の中で、余剰農産物を受け入れをいたしますといたしませんとにかかわらず、財政投融資の計画の中で調達できるように配慮いたす、かように考えておる次第でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 私は今の為替局長の御見解に対しては相当意見があります。意見がありますが、今日は御遠慮して他の機会に譲りたいと思います。  それから今の理財局長からお話がありましたが、これは一点だけ私は質問ではないが、御研究願いたいことは、それは必ず協定が結ばれなければ政府で適当な財政投融資計画を結ぶと思う。計画を立てると思う。立てると思うが、それがどういう部面を食うかというのです。どっか食うことなしに二百何千億の措置がそう簡単にできるとは思わないから、必ずどっかを食う。そういうところに問題が一つありますので、そういう場合にはどういう計画を立てるかを一つ御検討おき願いたいと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 今の問題とちょっと関連しておりますが、今年の五六年の第二次余剰農産物の受け入れば昨年の八月ごろかと思いますが、政府では一ぺん今年は入れないというような御意向が新聞等で発表を見ておりますし、また河野農林大臣が九月アメリカへ行かれる前にも、そういった意向を漏らしておられたことを承知しておりますが、それと向うへ行かれて急速に余剰農産物の受け入れをやってこられました。その間のいきさつをできるだけ明瞭に知らしていただきたい。非常な食い違いがありますので。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) それは食い違いはないつもりでございますが、というのは、政府といたしましてはですな、これはもう年々検討の上でやることなのでございます。従いまして河野農相でございますか、その決定のない前にいろいろ意見は言わなかったように思います。新聞にどういう記事があったか存じませんが、それは正確でないと思います。そうしてこれは受け入れることに決定をして、河野農相はその取り計らいを交渉いたしたわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 外務大臣がそう言われれば、ここに新聞記事も参考として持って参りませんから、はっきりしたことをわしも言われませんが、いずれかの機会に、そういう政府では今年の余剰農産物を受け入れない、こういう方向を一度出された記事がはっきり出ております。それと同時にあちらに行って、交渉中に初めのうちは綿花と葉タバコは除外するのだということでだいぶもみ合いをせられたことは、これは数日の記事等ではっきりわかっておるのでありますが、やむなく非常に数量を減らして、綿花とタバコも引き受けなければならなかった。こういうような事情が明らかになっておるのでありますが、そうしてみますとただいま為替局長ですか、理財局長ですかなどの大蔵省関係の方の御答弁の中にある、日本の国にどうしても必要である品物であるから、これを今受け入れた方がよろしいということと非常に食い違いをしておりますが、その点をもっとはっきり明らかにしていただきたい。何かしらん、この金を借りるためにあまり入り用でないが、ことに綿花のごときは、石橋通産大臣は非常にこれに対しては反対しておられたと思う。そういうようなものが急に受け入れられるようになった。その結果綿花がいかに日本の国に重荷になっているかということは、前年度の学童への飢餓条項によりまする学童給与の綿花などが、この新しい協定によってミルクや小麦に切りかえられたという点からはっきりわかっている。そういう点から見ましても、その当時の新聞を私どもは信じていいと思うが、それがどういうわけで綿花や葉タバコをこうやって引き受けなければならないかということになりましたのか、その交渉の経過における事情をはっきり一つ教えていただきたい。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) 綿花につきましては、毎年相当大量の綿花をアメリカから買っておりますので、この協定によって買うということは、やはり利益であるということで、別に綿花を買いたくないというようなことはございませんでした。葉タバコにつきましては、相当現在ストックがあるから、必ずしもこの協定によって買わなくてもいいという意見もございましたが、いろいろ折衝の結果買ったわけでございますが、しかしそれも別に不用というわけではございませんので、貯蔵しておいて使うということになっております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 入り用でないものということはないでしょうと思う。品物である限り、何かに使われるだろうと思うが、それほど緊急に入れなければならないかどうかということが問題です。ことに綿花のごときは、昨年来、石橋通産相は、もうアメリカの綿花は高いのだから安い方面から買ったほうがいい、こういう観点に立って、アメリカの綿花にあまり興味を持っておられない、こういう実情はしばしば言われておった。綿花は買わなければならないから買ったというが、前年度は三千五百万ドル、今年は約その半額に減らされた。そういう点を見ましても、そう重要性がないのだろうと、こうわしらは思うのです。今、葉タバコの問題で、余っているから要らないが、いろいろの事情でこれだけのものを買わなければならない。金額も数量も非常に少いけれども、その事情を聞きたいというのです、その事情が。そう入り用でないというものを買わなければならない事情が聞きたい、それが聞きたいのです。そういうものを取り入れなければこの協定ができないのかどうか、こういうことなんです。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) 綿花につきましては、どうしてもある程度の品質等の関係もあって、ある程度の米綿を買うことは必要でございますから入っているわけでございますが、しかしまあ値段が高いという点はその通りでございまして、この点については、もっと安くしてもらわないと買えないから安くしてほしいという要望を何回もいたしてきたわけでございます。その結果、アメリカでも、本年一月から短繊維の百万俵については国際入札によるということになり、また最近は、八月以降積み出しのものについては、短繊維も長繊維も国際入札によるという、輸出面についてはそういう政策をとるようになりました。現に最近ありました入札では、他のメキシコ綿等に比べて同じ価格にまで下っております。従って決してこれは高いものを無理やり買うというようなことはございませんし、また日本の産業のために必要でございます。それで協定して参ったのであります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 これは私はこうだと思うんです。この協定によりますと、余剰農産物で入ってきたものは輸出はできない。国内消費になるんです。従って非常に生活水準も低い、敗戦後のまだしっかりした生活状態も安定していないとき、何もこれほど高いものを国民が全部消費していかなければならぬかということは、これは私は重大問題だと思うんです。それを安いものがあるのに、何もこんな高いものを無理して買ってまで国民全体の上に負担をかけることは私は要らないんじゃないかと思うんです。これはだんだん減ってくるのは非常にいいことだろうと思いますし、場合によったら初期の考え方のように、こういうものは買わないで、安い所からどんどんと買っていただいた方がいいんだと思う。何か実際第二年度の、本年度の協定におきましては、しかも日本で使える金としては百八十億くらいの金じゃないかと思うんですが、それくらいなものは、先ほどもこの余剰農産物がなければそういった開発ができないのかといえば、大体できるという答弁なども、しばしば企画庁長官等からもお伺いしておるのでありますから、要らぬものはなるべく買わぬ方がいい。それをこうやって押しつけられてくるところに、何かこれを買わなければならないわけ合いがあるんじゃないか、こういうことを私ども考えるんです。ただ入り用だからというだけの、お話によれば、日本でとにかくなくて、よそから輸入しているのでありますから、要らぬとはわれわれも言い切れない、要るに違いない。同じ要るにしても、より安いものを入れた方が差しつかえないんじゃないかと思われる。そういう国内事情が出ているにかかわらず、こうやってどうしても買わせられていくところにおかしなものが出ているんじゃないか。どうもあなた方の言われる答弁を聞いておりますと、上っつらでうしろのほんとうのところが隠れていると、私はこう思うんです。何かしら私は押しつけられてこういうものを無理に買わせられているんじゃないか、こういうことが痛切に感ぜられる。もう一度はっきりそこのところを教えていただきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 御質問の趣旨が非常に明瞭にわかりました。つまり日本のこの独自の考え方でなくして、アメリカとの間においてこれを買う義務があるんじゃないかというお話に帰着するようでございます。これはございません。そういう何は書いたものでも、また口頭でもそういうことは少しもございません。従いましてこのことにつきましては、これは向うは売りたいから売る、こういうのは当りまえなことでございます。こっちはまたこういう条件ならば買いたいから買うということでこの協定ができておるのでありまして、日本側は日本側の立場によってこの協定を結んだわけでございます。そうでございますから、押しつけられたそういうような特に政治的の何がほかにありはしないか、それは少しもございません。その点は御安心を願いたいと思います。この前の御質問で、何か新聞記事にそういう買わないということがあったと、こうも言われました。今聞いてみますと、それはMSAの協定に基くものはもうそのときに行わないということが言われたことがございます、あるいはそれではないかと思います。これは余剰農産物の関係で少しなにが違っておるのでございます。そういう点もあわせてお答えいたします。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 この余剰農産物の受け入れにつきまして、昨年の六月二十三日だったと思いますが、農林委員会は外務委員長に、第一次の余剰農産物の受け入れに関して申し入れをいたしたのでございますが、その項目は五点あるのでございますが、日本は食糧の自給度の向上をするために、輸入食糧は最小限度の必要な範囲内でやるべきであると、余剰農産物の受け入れに関しては、品質に比べて価格が割高なんで、できるだけ安い値段で入れるようにということと、余剰農産物の受け入れに基いての借款は、これは受け入れの性質上農業開発の方面に優先的に配分をすべきである。少くとも借款の二分の一以上は農業開発に配分せらるべきことを申し入れてあるのでございますが、なおこの余剰農産物の受け入れに伴う借款に基いて、いわゆる外資導入に基く農地開発事業に着手したならば、着手の当初から具体的に年次計画を立てて完成を計画通りにするようにする努力をしてもらいたい。もう一点は、この外資導入の事業によって、国内の概定の食糧増産計画等に支障を絶対に及ぼしてはいけないのだ、という五項目の申し入れをいたしましたところ、外務委員会におきましてもその申し入れを全面的に受け入れていただいて、その通りに政府の方へ要望していただいたのでございますが、六月の終りに第一次の借款について国会で承認があった。それに続きまして農地開発のために愛知用水公団、農地開発機械公団が設立されて、世界銀行の借款と余剰農産物によって事業を開始することになったのでございますが、私はその当時におきまして、この申し入れの趣旨によって農地開発事業に着手したならば、年次計画に基いて、この事業は相当に多額な事業費が要るのだが、この事業資金計画についてどういう措置をとるか、たとえば引き続いて余剰農産物の借款を計画するのかどうか、ということを予算委員会等で質問いたしたのでございますが、その当時外務大臣も、大蔵大臣もいわゆる第二次の借款についてはまだ方針もきめていないのだ。将来農産物の作柄、内外の事情等に基いて慎重に考慮した上にきめるのだ、というようなお座なりの御答弁があったのでございます。  御配付になりました提案理由によりますと、私がそういう質問をしていたときに、私はそのときに新聞報道等で、アメリカが日本に第二次の借款については申し入れる希望があるのかどうか、ということをアメリカの大使館が日本の大使館に申し出た、というような報道があったから私は伺ったので、何らそういうときにはそういう交渉はないのだ、将来作柄等によって十分に審議したいというようなことだったのでございますが、この提案理由によりますと、もうすでにそのときそういう御答弁があったときに、七月ごろから東京でそういう交渉をしていたんだということが書いてある。そしてまもなく九月には河野農林大臣がアメリカに行かれて、そうして今度二月の十日に調印になったもとを協定をしてこられた。私は先ほど来伺っておるのでございますが、既定事業をやりましたものについて将来第三次の受け入れをするのかどうか、そして資金計画はどうなるのかということについて、農林委員会でも質問いたしたのでございますが、具体的にどうもはっきりしない。外務大臣もただいままでの御答弁では、慎重に考慮するようなお話でございますが、具体的に第三次の借款を至急に審議するような段階に今来ているのかどうか、いつごろにそういう審議を始めるのかということを具体的に御答弁をお願いしたい。  なお重ねて農林政務次官にもお伺いいたしますが、農林省ではこういう事業計画を始めた。先ほど大蔵省では余剰農産物の借款のあるなしにかかわらず既定事業は継続をして、所期の目的を達するように必ずするような御答弁がありましたが、従来こういう大規模な事業ができなかった、そうして借款に基いてようやく端緒を得てきた。私は、農林省がこういう事業をするについて、事業計画をはっきり立てて、愛知用水、機械公団、八郎潟等の計画を立てて、当初アメリカにこういう年次計画で外資導入の事項をやっていきたい、こういう方針を立てられたと思う。そうしたら第三次も一応そういう方針を立てて、そうしてこれを経済企画庁なり大蔵省、外務省に即刻具体的の案を申し出られないと、どこが中心になってこういう案をやっていくのかはなはだ不明朗なんです。外務大臣に具体的に即刻に将来検討しようというお考えがあるのかどうか。それについて農林省は、すみやかに既定計画を具体案を付して関係各省に御協議になるような方法をとっていただくか。その点をお伺いいたしたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 昨年の第一次の協定の審議のときには、第二次の協定はまだ何もなにしていないのだという答弁があったにもかかわらず、説明書の中にもすでにその話があっておるじゃないか、今年もそうじゃないかというようなお気持の御質問だったと思います。私はその説明書がそういうことになっておるかを今はっきり申し上げられませんが、記憶によりますと、昨年私どもが、次の年の第二次のことはこれから審議をするので、まだ問題が始まっていないと申し上げたことは、そのときは少しも、それは私どもが隠してそう申し上げたわけじゃございませんでした。そればこういうものの話は、向うはこの次も余剰農産物のなにが起るのだというようなことは、日米の間でいろいろ話し合いが出ることは相当あります。それは出ておったかもしれません。しかしそれが交渉ということで、そのときに御説明すべきものではなかったのでございます。決してこういうことを私どもは隠して言わなかったということはないつもりでございますから、その点は今申し上げます。それではこの次の第三次のなにも十分手回しよく検討をすべきではないか、その通りでございますが、実情を申し上げますと、第三次のことにつきましてまだ米国側との間には何も話し合いはございません。今も聞いてみましたがまだ下話もありません。もう少し先になってみなければ向うも言ってこないように考えます。その場合においてはそのときの世界市場のことはむろんのこと、またわが国の農産物の状況、外貨の状況等の見通し等も全部これは十分専門的にも検討してもらいまして、そして決定をいたさなければなりません。そういうことについてはまた事業計画はむろんのことでございます、十分詳細に検討を遂げて間違いのないようにいきたい、こう考えておるところでございます。

大石武一自由民主党農林政務次官

○政府委員(大石武一君) お答えいたします。一応見返り円資金を使いまして農林関係の、ことに食糧増産、土地改良、それ以外の農林関係の発展のためには、この見返り資金を使うことは一応計画を立ててございます。昭和三十五年度までに入ってくるものを見越しましていろいろ、愛知用水公団にいたしましても、たとえば農地開発機械公団にいたしましても、資金の計画を立てておるわけでございます。このような見返り円資金を使いますことによりましていろいろな農政の発展もありますし、また余剰農産物が入ることは、全体から考えまして日本の農村の経済に何らの影響も与えない、かえっていい結果を与えることになるので、われわれはこのような計画を持っておる次第でございます。従いまして国全体の面から考えまして第三次の余剰農産物の受け入れの話が進んで参りますれば、当然われわれも全体の計画を立てましていろいろ各省に交渉いたす所存でございます。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 ただいまお話でございましたが、繰り返すようでございますが、昨年はもう七月の初めから第二次の余剰農産物の受け入れについて日本側から要請をして、そして結論が利益と考えるから七月から引き続いて交渉に入ったのであります。そして九月には河野農林大臣が行って借款を取りきめてきた。贈与等の問題があって二月の十日までに、本調印はおくれたそうでございますが、こういう農林省としては当初から外資導入に基いての地区計画もあるのだから、これはすみやかに具体案を出して関係各省にお申し入れになる必要があると思うのでございます。  なおこの機会にお伺いしておきたいのですが、昨年の六月第一次借款のときに、これは愛知用水、機械開墾地区二地区が三十億円の借款をすることになったのでございますが、そのときの計画で八郎潟にも農林省は計画をもっていたのです。それは三十億で第一次の借款については、どうしても農林関係にはそれをそれ以上配分するわけにはいかない、第一次ではがまんしてもらいたい、必ず引き続いて八郎潟については第二次ではこれは余剰農産物の借款をするということも、かたく高碕経済審議庁長官も言明しておられた。ところが第二次の借款については、これは農林省で八郎潟の計画もまだ本格的にできていないからというので、自発的に引っ込めてしまった。これは私は、必ず第三次の借款計画の中に入れて至急に具体案を添えて御協議になっていく必要がある、と考えているのでございますが、そこまでの準備ができておるのかどうか。なお重ねてこの機会にお伺いしておきたい。私は、農林委員会におきまして……ただいま機械公団が北海道、青森県において機械開墾地区二地区を実施することになっておるが、まだ動いていない。それは世界銀行から十三億の機械を借りて、なおそのほかにこの第二次の借款によって余剰農産物から十一億本年度借入をして、それで国産の機械を買い入れて、二地区とそのほかに北海道の石狩川の沿岸篠津地区の道路工事もやっていくことになっておるが、まだ本年手がついていない。国産の機械を買ってやる。それから関税等の支払いに十  一億を予定しているのでありますが、いまだこれが国会の承認にもなっていないから、機械公団は何ら手をつけることができないのじゃないかと私は考えておるのです。昨年の九月頃これをきめて、そうしてその農地開発事業については四十七億を配分する、その他の農業開発については四十一億を配分するということがきまって、もうすでに予算編成当時にも、財政投融資で機械公団には十一億余剰農産物から配分になることもきまって準備はしてるが、まだ承認になっていない。なぜこんなにおくれておるのか。機械公団等は仕事は、もう入植者もきめておるが、機械が一つもない。買えないのだ。これはすみやかに国会の承認を得て、実際にもしこれが承認されて効力を発生したならば、機械公団等にはこの十一億の借款は、いつこれが積み立てになって日本銀行から支出ができるようになるかどうか、その点もお伺いしたいのであります。

大石武一自由民主党農林政務次官

○政府委員(大石武一君) 八郎潟につきましては、第二次の見返り円資金を使えなかりたことはまことに申しわけなく思っております。これはまだ徹底的な調査も済んでおりませんので、今年の秋までには調査を完了する予定でございます。そのためには九千七百万円の調査費を出して目下調査中であります。この秋まではその調査を完了するつもりであります 第三次は必ずこれを実施すると、こう考えております。  なお詳しい今の十一億の見返り円資金の使用に関しましては戸嶋参事官からお答えさせたいと思います。

戸嶋芳雄農林省農地局参事官

○説明員(戸嶋芳雄君) お答えいたします。昨年機械公団が発足いたしましたのがちょうど十月でございまして、その際第一次の余剰農産物見返り資金のうち、篠津の地区について四億五千万円、上北と根釧の機械開墾地区につきましておのおの五千万円ずつ予算として流すことにいたしたわけでありますが、御承知のようにこの二地区とも冬の作業ができない地帯でありますので、今年の雪解けを待ちまして建設工事を始めたようなわけで、非常におくれておることは御指摘の通りでございます。そこで第一次の余剰農産物のこの資金で、第二次の余剰農産物の資金が入るまでの手当ができるかどうか。大体私の方と大蔵省の方と相談をいたしまして、これだけの金で大体ここ三、四ヵ月の間の仕事は十分できる、こう考えて具体的に毎月々々の事業計画と、そうして資金面とを見合いながら実施をして参りたい、こう考えております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 今、戸嶋参事官の御説明ですが、今の第二次の借款の中から十一億を機械公団に配分しないと、機械公団は運用資金が全然ないのだと思う。この金額がいつ入るのか。これがないと機械を買うことができないというように考えるのでございますが、それはいつこの十一億の金額は入ることになるか、そのお見込みを伺いたいと思います。

戸嶋芳雄農林省農地局参事官

○説明員(戸嶋芳雄君) 昨年の第一次の配付分の五億五千万円のうち、実際に公団が現在までに使いました金額は一億一千万円ばかりでございます。従いましてあとの四億二、三千万円というものが現在公団の手持ちとして残っておるわけです。従ってその金で大体八月ないし九月、ころまでの事業実施の目鼻をつける。なお愛知用水の方に配付をいたしておりました二十四億五千万円、そのうち現在までに実際に使いましたものは三億ばかりでございます。そこでその愛知用水に割り当てられております資金ワクを、とりあえず機械公団の方に流すというような操作をやりまして、それで愛知用水の方も大体第二次の積立円ができるまでうまくいき、また機械公団の方の機械購入費等にも事欠かないようにするということで大体両公団との打ち合せも済ませ、なお大蔵当局との話し合いも済んでおるようなわけで、ございます。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 ただいまの問題は昨年五億五千万円機械公団に配付した分が一億何千万円かで、あと残っておるから、それを機械購入に流用するような御説明がありましたが、これは国営の建設工事の委託費用なんです。この事業ができないと、機械を持っていっても運転ができないからというので、昨年特に愛知用水の方からさいて五億五千万円を国営の事業費の委託費用として持っていったのです。それも今もってまだ国営事業の着手もしていない。機械が来ても道路がない。しかも道路をこしらえる金をそれを流用して機械を買うような御説明がありましたが、これはよく事業を円滑にできるように実地に即して御研究をお願いしたい。愛知用水がほとんど今もって事業に着手をしていない。愛知用水の積立金は相当あると思う。だからそれをできるだけ流用する。そして機械を早く買って、道路工事もすみやかに五価五千万円の道路工事はこれは国が責任を持ってやるはずなんです。こんなので機械を買うわけじゃないのですから、その点はよく間違いないように運営をして、本年入った人たちが必ず営農できるように御努力をお願いいたしたい。それから先ほど八郎潟についてはこの秋になれば実施計画ができる。そしてそれは第三次の借款に組み入れるような御答弁があった。私はこの機会にもう一言伺っておきたいのですが、先般農林委員会で、ただいま機械公団がやっております北海道と東北の二開墾地区が、この十一億円の機械でも早急に入って順調にいけば、一、二年のうちに済んでしまうのだ。機械の方は十数年間利用できるのだから、できるだけ早くこの次の機械開墾地区を選定すべきなんだが、どうなっているかということを質問をいたしたのですが、それに続いて北海道の根釧地区、岩手県の二戸等の候補地があるのだが、具体的にまだ調査を進めておるかどうかはっきりしないから、できるだけそれを具体的に早く実施計画を立てて、そうしてこの機械を将来遊ばせないようにすべきだということを御質問いたしたわけですが、これは私が勘違いしておったので、機械公団の方もみなそんなふうに考えておる、農林省もそういうふうに考えておるのですが、それは私は責任者もだいぶかわってきたからどうもみなうかつになっておるのじゃないか。昨年六月二十幾日だったかに連合委員会に配られた外資導入の資金計画には、表面上出ておるのは愛知用水、それからただいま申し上げた北海道とか青森の機械開墾地、八郎潟、その四地区だけが書いてあって、それだけが問題になっていたのだが、その備考欄に実は重要な問題がある。これは三十二年度から上記の機械開墾地区の三倍の規模をもって追加開墾地区を追加する予定だということが備考欄に書いてある。これは初めからの計画だったのです。この事業をやるについて世界銀行は現在の十三億円の機械のほかにもう三百万ドルの機械を日本政府に貸してもいいのだ、だから現在の二地区はこれは七千町歩ぐらいの開墾地区ですが、三十二年度からその三倍の、約二万町歩の開墾地区を始めるようにという勧告が出ておるはずだ。当初から農林省はどういう計画でか世界銀行からも新たに三十二年度は十億の機械を借款をするというおそらく議し合いがついておるのじゃないか。それに基づいて国内の円資金も必要になってくる。そういう準備は八郎潟については秋までに準備ができると言うが、現在やっておるその三倍の地区の追加開墾地区を三十二年度からやる。その準備は私はおそらくやっていないのじゃないか、うかつで、みなうかつでおるのじゃないかと思う。その点についてどういうふうに考えておられるか、お伺いしたい。

戸嶋芳雄農林省農地局参事官

○説明員(戸嶋芳雄君) 実は私うかつでその資料について、ここに持ち合せておりませんし、記憶もちょっとないのですが、私の聞いておる範囲では、当初、最初のころ二、三年前、最初に世銀の調査団が参りました時分には、そういうような話があったことは確かに聞いております。しかしながらいよいよ昨年度から公団という形式をとって、そうして実際の事業を実施しよう、こういうことになりました際には、まず何かの資料にも書いておりますように、パイロット・ファームという考え方で、初めからあまり大きな機械を使った経験のない日本ではあまりたくさんの事業を抱えてこれをやっていくということは非常に危険だ。従ってまず今度の実施をやろうといたします上北と根釧地区を手始めにして、これがある程度の目鼻がついてこういう方式でやれば十分こういった方式の農業も成り立つであろうということが見きわめがついて後に考えよう、こういうことになっておったわけでございます。  なおそれに加えてもう一つは、これは国会方面からもいろいろ御意見が出ましたように、現在の日本の財政事情から、あまり大きな上昇を一度にやるというととは、他のやはり土地改良事業なり、あるいは農地開発事業を圧迫するおそれがあるということになりますので、そういった面もあわせ考えながらこれを実施して参りたい、こう考えております。従いましてこの前の農林委員会で申し上げましたように、この三地区が大体目鼻がつくまでには、この機械の耐用年数がある限りは有効に使う必要がございますので、次の予定地区というものの実施設計額というものをはっきりさせたい。現在計画について調査をいたしております地区は、北海道では床丹第一地区、これは今の第二地区の隣の地区でございます。それからトライベツ地区というのがございます。これも現に計画調査中でございます。それから東北方面では岩手の岩手東北と言っておりますが、その調査を実施中でございまして、この三地区が済むまでには少くともこういった地区の調査は十分に完了できる、こう思っております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 簡単に伺っておきたいのですが、今、戸嶋参事官の御説明でも、責任者がうかつでいたのだ、だからどうもそいつは初めて聞いて考えてみれば昔そんな話があったかもしらんという程度なんですが、これは昨年の六月二十三日にここへ御配付になったこの資料が、農林省は外資導入の地区については、三十二年度から上記開墾の三倍の規模を持つ追加開墾事業を実施する予定だということがはっきり書いてある。そしてその三倍の中の追加開墾地区は百四十二億三千二百万円、そしてそのうち世界銀行から借りる予定は十二億六千万円、あと円資金という予定がはっきりしているのでございます。だからそれは今の十三億の世界銀行の機械を借りるのと、十一億の余剰農産物の資金で国産品を買うのと、それは今の現在地区が二、三年で終了すればあと十年ぐらい、一年におそらく二千町歩か三千町歩の規模の機械なんです、それを十年ぐらい続いてやることなんです。そのほかに現在の二地区については世界銀行は百万ドルの開墾機械を日本へ貸すことになっている。それを三百万ドル、三倍の機械を貸すから新しい地区をやるというので農林省はそういう計画を立ってきたんだと思う。今それは三十二年からやるというのはもうやらないような、差しあたりはそういうことを全然考えていないのかどうか、もう少し検討していただいて、既定計画があるならば一年繰り延べたのか、北海道根釧地区や上北地区のその済んだ機械をあと利用するのはどうするかという問題じゃないのです。機械開墾地区という規模をどういうふうにするかという根本問題があったのです。その地区を入れて世界銀行は五千頭のジャージーを、これも日本に世界銀行が金を出して、その当時は一億八千万円です、それを機械開墾地区へ入れてもいいのだということまで勧告を出しているのです。そうして昨日機械公団の法律改正が出たのですが、ジャージーは五千頭を約倍の値段で世界銀行から借りて入れることにしたのだが、それは機械開墾地区に入れるというのを全体の地区に入れる予定だった。差しあたり五千頭の分だけは金を借りた。やる所がないからあの周辺の酪農地帯に入れるのだ。そうしてその子供を機械開墾地区に入れるというような計画で、一応はあの法律案はきのう本会議を通ったのですが、根本問題がみんな狂ってきているのじゃないか。そのジャージーを五千頭入れ、そうして追加開墾地区を三十二年度から三倍の規模で始めるのだ、その計画は今まで進めていなかったのじゃないかと私は思うのです。だからできるだけ早く検討して、いけなければいけない、これは方針の決定なんですけれども、もし第三次の借款をする場合に、八郎潟と同時にこれが要望できるかどうか慎重な検討をしていただきたいと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 先ほど為替局長は、農作物の収穫に豊凶があって、凶作時の準備としてもできるだけ代りのものは持っていた方がよかろうということで買ったと、こう言われておりますが、凶作自身にもいろいろの度合の違ったものがありますので、従って大体現在の食糧、ことに主食です、米麦の安全を期するためにある量の繰り越し保有の、余剰の食糧を持つことはこれはいいことだと思いますが、従ってそういうものを考え出す際に何を基準にしてまず考えておられるか。凶作はこれから先に出てくる問題でありますが、そういうものにも備えるというが、大体どういう年度を中心にしてそれを考えられるか。非常な大凶作を中心にして常に考えて繰り越し保有米を持つのか、その大体基準を一つお伺いしたい。第二点はそういう基準に従って大体どれくらいのものを持ったらいいのか、こういう問題が出てくるのです。その点を一つ数字的に明らかにしていただきたい。

石田正大蔵省為替局長

○政府委員(石田正君) 私の説明が悪かったので、あるいは誤解を招いた点があるかと思うのでございますが、私が申し上げましたのは日本の国際収支の情勢から言って、手放しに楽観ができるかできないかというふうなことについては、まだそういう段階になっていないのじゃないかということを抽象的に申し上げました次第でございます。今御指摘の点は一体どういうふうな限度を基準にとってどのくらいの予備を持ったらいいのかというお話だと思うのでございます。この点につきましては私が申しましたのは、別に凶作のときに備えてこれだけのものを持った方がいいのじゃないかというふうなことを実は申し上げたのではないのでございまして、たとえて申しますると、昭和二十八年の不作の場合におきまして、われわれの方から見まするとこれはもとがどうであったかどうかということはなかなかむずかしい問題でございますが、大体その前の年あたりから比べまして、一億六千万ドルくらいの、食糧を輸入するためによけい外貨が必要であった、こういうことがあるのでございます。そういうことがございまするから国際収支というものが、豊凶によりまして相当影響があるだろう、かように考えられるということを申し上げた次第でございます。  なおたとえば、この協定の問題になっておりまするところの麦とか小麦とか大麦とか、あるいは通産省関係の品物であります綿花等につきまして、大体どれくらいの基準をとって、そうしてどのくらいの輸入をやるのがいいかということは、そのときどきの状況によりまして各通産省なり農林省がお考えになりまして、それでこれだけ外貨がほしいのだという相談が大蔵省にありまして、各省相談いたしまして外貨予算を作っておりますることは御承知の通りだと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 農林省の方から、大体何を基準にしてそういう計算を出されるのかということと、それを基準にして大体どれくらい持ったらいいか、こういう基準を一つ。

谷垣專一農林大臣官房長

○政府委員(谷垣專一君) この計画はやはり平年の状況を基礎にいたしまして計画を立てております。これはもちろんその後の豊凶の状況によりまして数字の訂正があるわけでありますが、当初の計画としましては平年度を考えておるわけであります。それからストックと申しますか、ランニング・ストックと申しますか、それは大体二ヵ月半くらいのストックを持つことを予定いたしております。今会計年度におきまする食糧の需給計画はそういう恰好で参りますと、小麦で二百二十三万トン、それから大麦、裸麦で八十四万トン程度の外麦を入れる。こういうような数字に大体なっておりまして、それを今年度の食管の計画に現在いたしております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 今こちらにもらっております資料の内外麦の需給計画のこれと、この輸入計画と、余剰農産物の関係はどうなっておりますかということと、この外麦の輸入の中に小麦協定等によりまする輸入等の関係、この三つどもえになっておりますが、それを一つはっきりしてもらいたい。

丹羽雅次郎食糧庁業務第二部輸入計画課長

○説明員(丹羽雅次郎君) お手元に行っております資料がちょっとわかりませんのでございますが、ただいま御説明いたしました通り、本会計年度におきましては、三百二十数万トンの小麦を計画しておるわけでございますが、これをわが国の小麦について申し上げますれば、軟質小麦の需要あるいは硬質小麦の需要、そういうものから輸入の計画を分けまして、軟質小麦を大体百数十万トン入れるということに相成りますと、そのうちからアメリカから通常の方式で輸入いたしまする分を除いた部分、これを円貨買付で余剰農産物を受け入れると、こういう建前に相なっております。

梶原茂嘉緑風会

○委員長(梶原茂嘉君) ちょっとこの際申し上げますが、外務大臣は衆議院の本会議で実は日比賠償の問題がかかるので、この際外務大臣に対する御質問の方を先に一つお願いしたいと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 まことになんで……。この第二次の協定によりますと、飢餓条項による児童の給与、贈与ですか、どういう分が本条項に乗っかっているのか、別の協定で来年度まできめてありますが、そこで二つの点をお伺いしたいのでありますが、これを昨年のごとく第三条に入れて千百二十五万ドル、この分を品別割に出さなかった理由と、それから、第二点は来年度、五十七年度のものまでも含んでおりますことについて、何か来年度もこの協定を継続するというお約束のもとに、来年度の、五十七年度の協定ができているのでありますか。その点をお伺いいたします。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 特にこの点につきましては経済局長から御説明申し上げます。その方がよいと思いますので。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) 別に贈与の分は本年度のは交換公文になっておりますが、これは格別の意味があるわけでございませんので、初めに本協定の方がきまりその後いろいろ交渉をしまして話がきまったので、交換公文ということになっております。  それから明年度第一年度の分については小麦、脱脂粉乳の数量や金額はきまっておりますが、次年度以降につきましては、先のことでございますので、そのときの物のアヴェイラビリティ、あるいは日本の方で国内措置とかそういうものの関係で、はっきりした具体的な数量まではさまっておりません。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 五十七年度もやはり協定になっておりますが、これには五十七年度も引き続いて余剰農産物の協定をせられる約束で、五十七年度の協定ができたのですか。

湯川盛夫外務省経済局長

○政府委員(湯川盛夫君) この贈与の分はこれだけで独立しておりまして、来年度また余剰農産物を買うかどうかという協定とは無関係でございます。

梶原茂嘉緑風会

○委員長(梶原茂嘉君) ほかに御質問はないですか……。それではこれで連合審査会を終了したいと思います。    午後零時三十八分散会

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