予算委員会第二分科会 第4号
- 発言数
- 135 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/02/23
会議録
○藤本主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 昭和三十一年度一般会計予算及び昭和三十一年度特別会計予算中、厚生省所管を議題といたします。これより質疑に入ります。質疑の通告がありますから、順次これを許します。岡本隆一君。
○岡本分科員 最初にらい対策費についてお伺いいたします。らいの患者さんが、収容所の中でもって長い間不自由な暮しをしていられるのは御承知でもありましょうが、そういう患者さんたちに対して、軽症者はある程度の作業をしていられるんですね。いろいろやはり中でお小づかいもいることだろうと思うんですが、それに対してどの程度の待遇をしていられるか、伺いたいと思います。
○堀岡政府委員 作業の程度によりまして、一日四十円あるいは五十円を等級別に支払っておりますが、詳細は手元に資料を持ち合せておりませんので、後ほど御報告申し上げます。
○岡本分科員 一日五十円というのはどういう作業をさしているのですか。
○曾田政府委員 ただいまのところらい療養所で患者にお願いしております一番厄介な仕事といいますのは、原則といたましては患者さんのお世話というようなことは、所の職員がやるということになっているのでありますが、非常に特別な事情のときには患者さんにも手伝っていただくというようなことがある。それから病室の中に入った人たちは、所の職員が全部をお世話するという建前ですが、いわゆる平生暮しをしておられますところに相当不自由な人たちがおられる、こういうような方々の世話をしていただくというようなことが一番責任も重いのでありまして、さような仕事をしていただきますときに手当をよけい差上げるということにしております。
○岡本分科員 その手当の金額をお伺いしているのですが……。
○曾田政府委員 ただいまのところ甲乙丙の三種類に分れております。それから今申しましたように患者の世話をしていただきます仕事、これがいわゆるつき添いの仕事なのでございますが、これを大体甲に準ずると申しますか、実は甲よりも少し厚くお礼はいたしている次第でございます。
○岡本分科員 甲に準ずるというのはどれくらいの金額ですかということを聞いているのです。甲乙丙それぞれの金額を一つ……。
○曾田政府委員 甲が三十五円、乙が三十円、丙が二十五円、そしてつき添いは——妙な言葉を使って恐縮なのでございますけれども、大体三十五円を予定しているのでありますけれども、実行上それよりも厚く、大体五十円程度差し上げるというようにいたしている次第であります。
○岡本分科員 もちろん不自由な人でありますが、しかしらい患者といえどもすべての人がそう不自由な人でない、ほとんど常人と変らない人もたくさんいると思います。そういうふうな方を所内でいろいろ血仕事にお使いにほる場合に、五十円あるいは最低二十五円というのは、賃金という形にしてはあまりにかけ離れ過ぎていると思うのですが、少くも人一人をある程度の仕事につかせる、もしもその人を使わなければ、健全数人を外部から雇い入れて使わなければならないのです。そしてそれだけのことを十分やっていくだけの義務を政府は持っているのです。半ば強制的に収容してきているのです。だからそこに収容した人に対しては完全な看護をやるというだけの義務を政府は持っている。その患者さんの世話をさせるのに、所内の人を流用するのはいいでしょう。所内の人もやはりお小づかいがほしいだろうし、そういうふうな人に対してある程度の報酬を出して、所内の仕事を手伝ってもらうということはいいと思います。しかしながらこれではあまりひどいと思います。これは常識以下だと思いますが、一つ厚生大臣、あなたのお考えを承わらせていただきたいと思います。
○小林国務大臣 今の岡本さんの御質問に対しまする医務局長の御答弁、さらに岡本さんのそれに対します御意見を拝聴いたしておりまして、これは私といたしましてはその金額というものはきわめて時世に合わないように思いますから、今後その点につきましては十分考慮いたしたいと考えております。
○曾田政府委員 はなはだ相済みませんが、大臣のお答えに私もちょっとつけ加えさせていただきたいと思うのでありますが、ただいま岡本先生の御意見で五十円とか、最低は二十五円というようなのは、賃金と考えたらおそろしく非常識なものだということをおっしゃいましたが、実は私どもはこれは賃金相当のこととは考えておりませんので、大体食費というもの、それから住居、それにきわめて不十分ではございますけれども、若干の被服費、こういうようなもの一切、他に現物あるいは多少慰安金等として金額を支給いたしておりますので、この謝金というのは決して生活費というふうには考えていないのであります。ただこの問題につきまして先生の御意見のように、かりに今度逆に外から一人雇うとすれば、かなり金が余るはずではないか、この御意見は一つの考え方であります。しかし一方から見ますと、患者としましてもおっしゃったように達者な人たちもおりますので、自分たちは何もしないでいいと言われるのもかえってある程度退屈のようなものでもあり、何か自分たちにもほどほどの仕事をさせてもらいたいというような、何と申しますか、言葉によっては患者さんにまたしかられると思いますけれども、多少精神的に一つの慰め的な要素も若干入っております。こういうような意味で私どもできるだけよけい差し上げれば患者さんに喜んでいただけると思うのですが、さようないろいろの点を考慮いたしまして、この程度で一つやってみてもらうというような状況であります。
○岡本分科員 今の曾田さんのお言葉ですと、住み込みでお仕着せだから、涙金でいいんだというような意味にとれるのです。なるほどそれは封建時代の考えならば、それはそうあっていいと思う。しかしながら少くとも本人の意思に反して収容所に連れてきているのです。しかもそれが何か罪とがのある人ならそういうところに収容されてもいいでしょうが、何にも悪いことをしないのに自分のからだに病気が出てきた、そういう人が強制的に連れてこられたのです。そういう人々に、お前たちは住み込みでお仕着せを着せてやる、だから働いたときにはスズメの涙ほどの賃金でしんぼうしろというようなことでは、あんまり人情がなさ過ぎると思う。あたたかい心というものがその中にこもっておらないと思うのです。ですから、今厚生大臣は何とか考慮したいということをおっしゃったのですが、少くとも今年はもう少しこれを上げてやっていただきたいと思うのでありますが、厚生大臣、一つここで上げましょうということは言えませんか。
○小林国務大臣 私の先ほどの答弁に対しまして、さらに医務局長からいろいろ補足的の言葉や所見を申し上げましたが、今の岡本さんの御質問に対し達しては今後一つ考慮してみたいと思います。
○岡本分科員 なお留守宅に残っておられるところの家族の生活の問題でありますが、これは生活保護法にゆだねられるのでしょうか、あるいは何かその他特別の措置が講ぜられているのか、その辺のところを伺いたいと思います。
○山口(正)政府委員 入所している患者の留守家族の生活援護につきましては、生活保護法とは別建で、らい予防法によりまして援護を実施いたしておりますが、ただその費用の基準は、一応生活保護法に準じて行なっております。
○岡本分科員 先年私瀬戸内海の長島愛生園、邑久の光明園へ参ったことがあるのです。それは今から数年前のことですが、らいの患者さんに会っていろいろ慰問をしたのです。そのときに患者さんの言うのには、自分たちはこういう病気が出たからここに来た、これは国民をらいから守るために、国民の健康を保持するために、犠牲になって自分はここへ来ているのだ、許されるなら今すぐでむ国へ帰りたい、いわば自分らは国民の健康のためにここへ来ている、応召の兵士のようなものである、ところが自分たちに対しては慰問文も来なければ慰問の品物も来ない、全くおば捨て山へ捨てられたようなものだ、しかも自分がここにいるときに、自分の故郷では、あれはらいの家内だ、あれはらい患者の子供だというふうに世の中から白眼視され、冷たい目をもって見られてやしないか、どんなふうにして暮しているかと思って自分は絶えず心配しておる、そういうことを考えると居ても立ってもいられないような気になる、すぐでも妻子のところに帰って不遇を慰め合って一緒に暮したいと思う、けれどもそれができない、何で自分はこんな情けないからだになったかと思うとそれが悲しい、こう言って、ぼろぼろ涙をこぼして私に訴えられたのを私は今でも覚えているのです。そういうふうな境遇の人に対して、生活保護と同じ基準だ、そこに国民の犠牲となって島に送られているという悲しい島人の運命に対する補償は何らないということは、私はちっと不合理だと思うのです。国民の犠牲になって応召した者に対しては特別の措置があったでしょうし、また今も援護法というものがある。さらにまた公務員の場合なんぞに至っては、長い間公僕としてお役に立ったのだからと、恩給制度であるとかあるいは公務扶助料の制度がある。だから国民の健康のために犠牲となってそういうところに行っている人に対しては、やはりそれ相応の処遇がなければならぬと思うのですが、一つこの問題についても大臣のお考えを承わらしていただきたいと思うのです。
○小林国務大臣 今岡本さんの御質問のような、らい病に冒されて、自分のいとしい家族の者を残して孤島に収容されているという御境遇に対しましては、われわれも非常に同情いたさなければならぬと思います。ただ社会保障の建前というものが、今日におきましては、やはり御承知のように、生活ができないという人を対象として生活保護をいたしておるのであります。今岡本さんのお話のように、たとえば応召されたとかあるいは戦争によって公けの傷病をしたとか、あるいは戦没された人に対する扶助と一緒に考えるべきかどうかという問題につきましては、なお今後大いに研究を要するところがあると思いますが、ただいまのところではやはり生活保護法等によって律するほかはないと思います。
○山口(正)政府委員 ただいまの岡本先生のお話、ごもっともでございまして、先年らい予防法を改正されますときにその問題が非常に大きな論点の一つとなったのであります。当初の案は純然たる生活保護法そのもので家族の援護をやっていきたいという考えであったのでございますが、しかし患者といたしましては、生活の内容、金額というようなことと同時に、やはり家族が秘密を保たれるということに非常に大きな関心を持っておりまして、国会でも付帯決議をつけられました。その後またらい予防法を改正いたしまして、生活保護法とは別建にいわゆる生活保護法の臨時テストをやるとか、あるいは支給の方法も、福祉事務所を経由してやるといろいろ差しさわりも出てくることでございますので——数もそうたくさんでございません。現在支給しているのは全国で九百名足らず、八百何名でございます。全国に府県直属のそういう特別の職員を配置いたしまして、秘密保持とう点につきましては十分考慮を払い、またその認定につきましても、ただいま岡本先生の御指摘のような点はできるだけ考慮してやる。ただ金額につきましては、一応基準は生活保護法と同じようなことでやっておりまして、その認定の際の取扱いにつきましては、特殊事情を十分考慮してやるというような方法を講じているわけでございます。
○岡本分科員 時間が一時間という約束でありますので、もっと食い下りたいと思うのですけれどもこの程度にしておきますが、なるほど秘密を守っていただくということ、これはもちろんけっこうですし、そういう心づかいも非常にけっこうであります。しかし今大臣の言われる、社会保障でという考えでいっている、だから生活困窮者にだけ出すのだ、そしてその最低生活が維持できるだけのことよりできないのだというのは、温情がなさ過ぎると思うのです。戦争によるのも国民全体のための犠牲者ですが、たまたまそういう伝染病を国民にうつしてはいかぬというので離れ小島へ送られた者も大きな犠牲者です。まだ応召の兵隊さんであると二年、三年後には生きて再び妻子のところへ帰れるという希望があるのですが、らい患者には自分の家族と同じに暮すという希望はないのです。いわば一生牢獄に送られたと同じです。そういう大きな犠牲を払っているのです。今死刑廃止論が出ているが、中には、むしろ死刑の方がありがたいのだ、終身懲役なんぞそれほどつらいものはないぞということすら言っている人もあるのです。私は必ずしも死刑に賛成するのではありませんが、終生自分のふるさと、また自分の家庭へ帰れないということは非常に大きな苦しみなんです。その苦しみに耐えて国民の健康を守るのです。そういう大きな犠牲を払っている人に対して、留守家族がどうにか食べられたらいいじゃないか、これはちょっと厚生大臣、暴言だと思うのです。一つもう一ぺんそういうことが言えるかどうかはっきり言ってみて下ざい。
○小林国務大臣 私が先ほど申し上げたのは、今日のそういう家族に対する処遇は生活保護法によってやるよりほかないと思う、こういうことを申し上げたのでありまして、今岡本さんのおっしゃるように、そういう観点からまことに心情はお気の毒でございますし、こういう問題に対しましては国家としてなお検討を要する点があると思います。
○岡本分科員 将来大いに考えていきたいということでございますので、とくとその辺のことをお願いいたしまして、次に健康保険の問題に移っていきたいと思います。 健康保険法の案はまだ出て参りませんが、一体いつ出て参るのでしょうか。
○高田(正)政府委員 来週の早々ぐらいには御提出申し上げられる運びになると思います。
○岡本分科員 そうすると幾日にという御予定ですか。
○高田(正)政府委員 二十七、八日ぐらいには御提出申し上げられると思います。
○岡本分科員 この健康保険法は予算案と非常に密接な関係がある、予算を伴う法案であります。本来ならば、この法律が通って、その通過した法律に従って予算案というものが組まれるべきなんです。ところが、その予算の審議が終ってから後に法律案が出てくるということは、これはどういうことですか、その意味を聞かしていただきたい。
○高田(正)政府委員 できるだけ早く御提出を申し上げて御審議をいただきたいと思っておったのでございますが、諸般の関係上今日まで延引をいたしましたことは、はなはだ遺憾でございます。
○岡本分科員 その諸般の理由というのをここで一つ御説明願いたい。
○高田(正)政府委員 いろいろ事務的な条文の整理その他に日を要したわけであります。
○岡本分科員 健康保険の財政が赤字であり、これを立て直さなければならないということは二十二国会から言われておる。しかも二十二国会で法案が出て審議未了になった。だからその跡始末は来年必ずやらなければならない、臨時国会、さらにはこの二十四国会で必ずやらなければならないというのは大きな課題なんです。 この健康保険の問題が厚生省にとって本国会の一番大きな課題だと思います。その課題にあなた方は一年間真剣に取り組んできておられると思う。しかも国会が始まっておる。予算の審議がどんどん進んでおる。にもかかわらずまだ法案が出てこない。それには条文の整理——どんな条文整理をしていられるのですか。そんな話じゃちょっと説明がつかないと思うのですが、ほんとうの理由を一つ言って下さい。
○高田(正)政府委員 どんな条文の整理かと仰せになりましたが、いろいろ条文の整理等に日を要することは当然でございます。また岡本先生も御存じのように、健康保険法の改正につきましては、いろいろ政府の審議会等を経なければならぬ関係もございます。それでこの審議会に諮問をいたしますのにつきましては、予算との関連がございますので、予算案が決定をいたしませんと正式は諮問ができない、こういうふうな事情もございまして、政府の予算案がきまりましてから審議会に諮問をいたし、そうして二つほど審議会を経まして、審議会の答申をにらんで、さらに政府のいろいろな考え方と審議会の考え方とを調整いたしまして、そうして提出を申し上げたい、かような段取りになりますので、御質問のお気持全く私よくわかるのでございますが、今日まで提出がおくれておることはまことに申しわけないことだと存じます。できるだけ早く提出をいたしたいと思っております。
○岡本分科員 予算案がきまらぬと審議会にかけられぬ。予算がきまってから審議会にかけたのでは、審議するということの意味にならない。審議会にかけ審議をし、それに基いて国会でもって法律案を通し、それに基いて予算が組まれるというのが順序なんです。違うのですか。
○高田(正)政府委員 私の申し上げました予算案という意味は、政府が作ります予算案でございます。それができませんと、実は最終的な政府の健康保険法改正についての方針がきまらないことになるわけであります。従って正式な諮問といたしましては、予算案ができましてから諮問をいたした、こういう段取りでございますが、今仰せのようにそれでは審議がなかねかうまくいかぬじゃないかというふうな意味の御説もございましたので、予算案の決定をいたします前に、実は厚生省としてはこういうことを考えておるということを審議会にだいぶ前からお示しをしまして、そうして予算がきまりましたならばまた変更があるかもしれない、現実に変更がありましたが、変更があるかもしれないということを前提に予備的な審査は相当長きにわたってやっていただいたのであります。それで予算案がきまりましてから正式に諮問をいたしまして、御審議を願っておる、こういうふうな段取りでございます。
○岡本分科員 私は、どうも順序を転倒しておられると思うのです。私がこういうことを申しますのは、予算の審議が終ってから法案が出てくるのでは、われわれは何のために法律案の審議をするのかわからないことになるから申すのです。時間的に間に合わないというなれば、少くも並行的に審議ができるように法律案を出してこられるべきであります。順序は、私が言うように、法律案を先に審議して、その後に予算を審議すべきでしょう。しかしながらそういうことが事務的に困難であるなら、少くも出してこられる案というものは、予算と並行して審議できるような形でもってあなた方は出してくる責任があると思う。だからあなた方はその責任を果しているか、あるいは果していないとお思いになるか、これは一つ厚生大臣から御答弁を願いたいと思います。
○小林国務大臣 内閣におきましても、予算を伴いまする各省のすべての法律案は、大体この十五日までには出したい、こういうことでやって参ったのであります。今保険局長から御答弁申し上げましたように、健保の改正案はなかなか重大な意味を持っておりまするし、これを出しますまでには十分な検討を要しましたが、先ほど申し上げましたようにできるだけ早く、近く提出する運びになっておりますから御了承願いたいと思います。
○岡本分科員 重大であるから慎重に取り扱っておくれた、こういう御答弁のようでありますが、こっちは、重大であるから慎重に審議さしてもらいたいのです。予算の審議が終ってから法律案として出てくるというふうなことでは、われわれの審議権というものは全く無視されておる、こう思うのです。だから私は、重大な法律案であればあるほど早く国会へ持ってきて、審議のレールに乗せるべきであると思う。従って厚生大臣は、そのために万全の努力をされるべきであったと思うのでありますが、その努力をされたかどうか。さらにまた自分は厚生大臣として国会に対してなされなければならない義務を完全に果していると思っているかどうかということをお伺いしたいと思います。
○小林国務大臣 大臣といたしまして、あの法案の提案の経過につきましても、果し得たと考えております。
○岡本分科員 果し得たということは、審議する期間を十分われわれに与え得たということにとってようございますか。それでもってあなたは食言はないとおっしやいますか。
○小林国務大臣 私は今果し得たと申し上げましたのは、健康保険法の提案につきまして、最善の努力をするという意味でございます。しかしながら先ほど保険局長からいろいろ申し上げましたように、できるだけ早く、少くとも私どもが予定いたしておりました十五日ごろまでに提案をできなかったことは遺憾に思っておりますけれども、これも今経過を申し上げました通りでございまして、できるだけ早くこれを提案いたしまして、予算に並行して御審議を願いたいと思っておりますが、私が果し得たと申し上げましたのは、健康保険法の一部改正法律案は非常に重大でございますので、提案が多少おくれましたけれども、その提案がおくれました過程におきましては、いろいろの努力をいたしておるということにつきまして、申し上げたのであります。
○岡本分科員 一生懸命努力したけれども、おくれて間に合わなかった、こういう御答弁で、それで自分は責任を果したというふうな考えを持っておられるようだが、そういうことになりますと、たとえば私なら私があそこにある花びんを取ってきてくれと頼まれました場合に、はい、よろしゅうございますといって、水の入っておる重い花びんを一生懸命持ってきた、ところがつまずいてころんでばんと割ってしまった。それでも一生懸命持ってきた、責任を果したという論法は成り立つと思うかもしれないが、それでは私は責任を果したとは思わない。やはり間に合うように、ちゃんと持ってきてもらわなければならぬ。そういう意味であなたは責任を果したかということを聞いておるのです。それでは果していない。これは国会の審議権を大きくそこなった。だからそういう意味において、これは諸君には済まない、こうここでおっしゃるなら私はこれ以上追及しない、その点について、どういうふうにお考えですか。これは非常にわれわれにとって迷惑しごくな話ですが、どういう考えをお持ちですか。
○小林国務大臣 健康保険の改正案につきましては、その内容等につきましても、御承知のように、これが国庫の負担ということを法文化いたします。いろいろその間におきまして、努力をいたしたのであります。私は提案の期日がおくれましたことにつきましては、岡本さんに対しましても、遺憾に思っております。ただ私の考えといたしまして、先ほど職責を全うし得たと申し上げましたのは、この健康保険の一部改正法律案の中におきまして、従来は私どもが希望いたしておりましたような、いわゆる国庫負担の法制化ができていなかったのであります。そういう問題につきまして、相当の期日を要したので、そういうことにつきまして私が努力をいたしたということを申し上げたのでありまして、提案がそのためにおくれましたことにつきましては、私といたしましても非常に遺憾には存じておるのであります。
○岡本分科員 法案が出て参りませんと、私どもには憶測によってどういうところを改正しようとしておられるかということを考える以外に道がないのでありますが、ここに社会保障新報という新聞がありまして、この新聞にある程度内容が出ておりますので、これについていろいろお尋ねしておきたいと思います。しかしながらまず大臣にお尋ねいたしたいことは、この健康保険というものが、前の川崎国務大臣の時代には、健康保険制度は社会保障の根幹だというふうな表現が用いられていた。ところがこの間から予算の審議を聞いておりますと、だんだん社会保障の方に進化しつつある、こういうふうな御答弁を大蔵大臣はしておられるし、あなたもだんだん社会保障へ進化しているというふうなことをおっしゃっておるのですが、私はここであなたの真意をお伺いしたいと思うのです。健康保険というものが少くとも社会保障の一環であり、しかも現在の日本の社会保障制度の根幹であるべきだと思うのでありますが、その点について厚生大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○小林国務大臣 お説の通りだと存じます。
○岡本分科員 そこで社会保障制度へどんどん推し進めていきたいというお考えがはっきりとうかがわれたのでございます。まことにそうしていただきたいと思うのでありますが、今度の改正案のどこに社会保障制度へ一歩押し進めているという足跡があるかという点を一つ御説明願いたいと思います。
○小林国務大臣 ただいまの岡本さんの御質問でございますが、今の御質問は社会保障としてのにおいがどこにあるかという御質問なんですか。
○岡本分科員 それじゃ予定の時間も狂いますから、そういう問答は抜きにして、直接具体的な問題で伺っていきます。まず第一に、今度の改正案の中で大きな問題になるのは標準報酬の引き上げだと思う。標準報酬の引き上げにつきまして、昨年の予算では、免税点以下の低額賃金をもらっている者は、減税の恩典は受けておらない。しかも保険料は値上りになっている。そういう人にとっては、逆に税金をよけい取られておるようなものです。見捨てられた存在になっておる。しかも今度はそういう免税点以下の人の標準報酬まで引き上げることになりますと、より一そうそういう人の生活を圧迫することになると思うのです。そういう人が日本にはたくさんあるということをあなたは御承知の上で標準報酬を引き上げられたかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○高田(正)政府委員 私どもが一応予定をいたしておりまする標準報酬の引き上げは、最低三千円、最高三万六千円というのを、最低四千円、最高五万二千円というつもりで、これらの法案の整理をしておるわけであります。岡本先生の引き上げと仰せになる意味は、最低の意味であろうと思いますが……。
○岡本分科員 そうであります。
○高田(正)政府委員 保険の標準報酬というものは、医療保険におきましては給付がいわばフラットでございます。従って賃金の実態としては、いろいろな実態があるわけでございますが、それを大体一定のところにきめまして、一口に言えば、下は少し背伸びをしてもらって、上はあるところで押える、そういうシステムでやっておりますのが、保険の標準報酬の思想でございます。そういうふうな思想から申しますと、今仰せのように、現在の三千円を四千円に引き上げますので、三千円の標準報酬の人も現実にございます。しかしこれは全般から申しますと、比較的数が少いのでございます。過去におきまして、標準報酬の改訂を終戦後二回やっておりますが、さようなときにも、その最低に満たない人が相当あった。たとえば二十四年の改正でございますか、年度ははっきりいたしませんが、たしか七、八%くらいあったのであります。今回は四千円に満たない人が二%程度でございます。そういうふうなわけで、一方給付の方は御存じのように、一人頭年間一万円にもなっておるわけでございまして、さようなことから申しまして、三千円を四千円に引き上げるということは、保険の標準報酬の理論から申しましても、また実態から申しましても、あまり無理がないのではほいかという私どもの考え方から、さようなことで今法律案も整理をいたしておるわけであります。
○岡本分科員 免税点以下の低賃金労働者の中には、相当婦人があると思います。主人だけの一本の収入では、どうにも子だくさんで暮していけない。そういう人が子供を家庭に置いて、わずかながらの賃金でも、何とかせめて子供のおやつでも、あるいはちょっとでもいい副食物を食べさせたい、こういう母親の愛情が、低い賃金で働きに行っていると思います。そういう人が、やはり保険料の料率が上ってくる、免税の恩恵はなくて、保険料はどんどん上っていくということは、そういう苦しい家計を切り盛りしている主婦にとって、非常に過酷なことだと思うのです。そういう心やりというものが、やはり政治の中にはなくてはならないと思う。そこで私はこういうことを考える。税金だって免税点があるのですから、健康保険の保険料だって、一定の基礎控除というものは当然あって、その基礎控除の上に立った料率でもって保険料をかけていく、こういうあり方であるべきだと思います。将来そういう方針をとっていく方がよいとお思いになるか、必要がないとお思いになるか、一つ厚生大臣と保険局長と、両方からそれぞれの御意見をお聞かせ願いたい。
○高田(正)政府委員 お気持はわからぬわけでもございませんが、税というものと保険料というものは、おのずからそこに区別があろうかと思います。今仰せになりましたような場合、その家庭はその奥さんが勤めておるということで、御主人も子供さんも、そこのうちにいる者は病気になれば、その奥さんがたった三千円なり四千円なりで、それに応じた保険料を納めておいでになるということで……。
○岡本分科員 主人も働いておりますよ。
○高田(正)政府委員 御主人がお働きになっておりましても、その奥さんが被保険者であるという理由で、家族の方も奥さんも全部保険給付は受けられるわけです。しかもその保険給付というものは、先ほど申し上げましたように、三万円、五万円の標準報酬で保険料を納めておる人からは、相当高い令をとっておるわけでございますが、それらと同じように給付の方は受けられる。いわば保険給付というものはフラットでございます。従って現在の保険料のとり方の建前は、報酬に応じてとるけれども、そこに所得の再配分的な要素に入っておらない。これは税金の方になりますとまた別ね理屈になって参りますけれども、保険の建前といたしましては、報酬に応じて保険料はとる、そうして給付の方はフラットだ、この辺が保険として一番妥当加線ではあるまいか。従って今岡本先生の仰せになりましたように、私どもの今日の考え方におきましては、税金の場合におきまする基礎控除とかなんとかいうようなことは、保険料の標準については考えておりません。
○岡本分科員 私は考え方が違うのです。あなたは保険というものは、お互いに金を出し合って、そして給付を受けるためのものだというふうなお考えのようで、保険制度はやはり被保険者が寄ってやっておるのだというお考えがしみ込んでおるから、そういうふうな理解が出てくると思う。しかし健康保険というものは社会保障制度の一環である。社会保障制度の一環として保険制度を考える限り、保険料というものは保険税なんです。国民が全部保険税を出して、そしてその出し合ったところの金により、それに対して足りないところは他の財源をもって補給していって、それでもって国民全体の健康を守るというところに、社会保障制度の一環としての保険の制度のあり方があると思う。そういう考え方からいったならば、負担能力に応じて出していく、その負担能力に応じて出していって、完全な保険給付を受けるというところに、保険制度の理想があると思う。そういう観点からいったら、あなたの今のようなお考えというものは出てこないと思う。だからもう一ぺんそういう問題について一つ研究してみていただきたい。 次に、今度の制度の中に織りこまれておるところの官給請求書でございますが、診療報酬についてお伺いしたいと思うのでありますが、これは非常な受診率の低下を来たすと思います。ところが先日の社会労働委員会での御答弁では、大臣は、今度の健康保険の改正の趣旨の中には、受診率の低下というものは絶対に考えておらないということを言明なさったのであります。しかしながらこの官給請求書は明らかな受診率の低下を来たすと思うのであります。大臣のお考えを承わりたいと思います。
○高田(正)政府委員 請求書の保険者交付様式につきましては、これはたがいま研究中でございまして、今必ず実施をするということにきめておるわけでもございません。ただ社会保険審議会におきましても、現在の保険運営が、保険官署、事業主、被保険者、医療相当者、それから支払う保険者、これらに一貫したつながりがなくばらばらに運営されておる。これを何とか有機的につながりを持つような方法を考えたらどうかというふうな意見具申が、これは三者構成でありまする保険審議会からも出てきておるわけであります。それでさようね意味合いで私どもは、この七人委員会等でも示唆しておられまするただいま仰せのような請求明細書の保険者交付様式というふうなことを研究したらどうであろうか、かようなつもりでおります。大臣の仰せになりましたように、正当な受診率をチェックすろことをねらってかようなことをやる意味合いではございません。
○岡本分科員 七人委員会の報告では、今度の健保の赤字の原因の一番大きなものとしては、受診率が非常に増大した、その次には結核対策が行われてない、そのしわ寄せが保険財政にきているという二点を一番大牽く取り上げているのです。それに対する赤字対策として、受診率を下げる一つのきめ手として、官給請求書という案が出てきているのです。七人委員会の報告をお読みになれば、あの中にははっきりとそういう流れが汲みとれるのです。それを今度いい知恵つけて出してきた。大体七人委員会の中の工会のいいところだけ、都合のいいところだけ今度のは引っぱり出して看ている。しかもその中の一番これとこれというので、根っこ入れて引っぱり出してきているがこれはんです。これは明らかに受診率の低下を起してくるのです。しかも低下だけでなしに、保険制度の運営の中に大きな支障を持ち込んでくる。これは撤回してもらわなければはらぬと思うのです。どうです。一つ撤回できませんかね。
○小林国務大臣 この問題につきましては、今保険局長から答弁申し上げましたように、目下研究中でございます。これをさらに研究いたしまして、今あなたの御心配になっているようなことがねければ、あるいはこれもあわせて提案いたしたいと思います。十分研究してみたいと思います。
○岡本分科員 これはもうすでに試験済みなんです。どういうところで試験済みかと申しますと、生活保護で試験済みなんです。生活保護法の受診券というのは官給請求書なんですが、これが集まらないのです。なかなか持ってこないのです。だから非常に困るのです。たとえばかぜを引いて熱が出ます。そうすると受診券をもらってやってきます。そして一回、二回治療を受ける。その間に直ったらもう持ってこないのです。そういうようなお流れが毎年私らのところにこんなに積るのです。みんなそれは生活保護法への私たちのサービスなんです。しかし生活保護法の受診というのは少いですからね。ところが健康保険のこれがどんどん出てきて、ものすごい未収入というものが出てくれば、医療経済というものは成り立たないのです。健康保険の現在の保険証ですらそういうことが幾らもあるのです。子供が急に熱を出しました、あるいは急におなかを痛がります。先生見ていただけませんか、保険証は歯医者さんに行っております。目医者さんに行っております。こうなんです。そこで診察をする。直ります。保険証を持って参りません。一々会社に電話をかけて保険番号を聞きます。電話のない小さな事業場でありますと、今度はこっちから被保険者の家に行くなり会社へ行くなりして番号を整えなければ請求ができないのです。今ですらその不自由を耐え忍んで保険をやっているのです。ところが官給証明書になると持ってきませんよ。熱が出た、事業場へは半時間も一時間も電車に乗っていかなければ行けない。そこへ行って証明書はもらってきません。必ずそのまま証明書なしに医療機関へ来ます。そして一回、一回でよくなればそのまま悪意なしに忘れるのです。それを集めるための努力ばだれがするのですか。医療機関がやらなければなりません。七人委員会の報告の中には、医療機関の負担を軽減しなければならない、ことに事務の負担を軽減しなければならないということを大きく強調されているのです。また療養担当者の処遇の改善というものは、ただ一つ事務の簡素化というととだけでうたわれているにすぎない。それすら今度はより以上の事務量を押しつけている。しかも未払金はどんどんふえるというふうな形になってくるのです。果して厚生大臣どうお思いになりますか。そういうことは絶対にない、今までよりより以上うまくいくだろうという自信がおありになりますか。これは一つ厚生大臣から聞かせていただきたいです。
○小林国務大臣 この問題は、先ほど私が御答弁申し上げましたように、十分に検討いたしまして、今あなたの御心配のようなことがないようにいたしたいと思います。十分検討いたしたいと思います。
○岡本分科員 私は今は療養担当者の立場からの考えを申し失した。今度は被保険者の立場からも一つ申し上げなければならぬ。豪族に病人が発生します。ことに被保険者本人、主人が病気になったと仮定いたします。今までですと、保険証を持っているからすぐに医者に行けました。ところが主人が病気になった。家族であればきょうまたはあした会社に行って証明書をもらってきて下さいと、主人にことずけることができる。ところが主人が寝ついたら、今度は奥さんが会社にもらいにいかなければほらない。主人は病気である。いろいろ看病しなければならない。しかも一時間、一時間半かかるところへ高い電車賃を払って請求書をもらいにいかなければならないのです。それは非常な苦痛なんです。かといってそれじゃその請求書を持たずに医者のところに行ってごらんなさい。初め一月、二月は割合に医療機関の方でも持っていかなくても見ているでしょう。しかしそういう制度になりまして三月、四月半年たってごらんなさい。それによる未収というものが膨大なものになって参りますから、医療機関が成り立っていきません。そういうことになって参りますと、全度は医療機関の方で、証明書を持ってこない場合には、現金を払いなさいと言うでしょう。少くも現金を預りましょう、持ってくればその金は返しましょうと、保証金を取られますよ。健康保険というものは金がなくても医者にかかれるというところに妙味があるのです。ところが金を一応持っていかなければ医者にかかれない、こういうことに必ずなってきます。もしそういうことをやらなければ、今度は医療機関の方が、請求書が集まらないために、膨大な未収のためにぶっ倒れていくのです。しかもその未収というものは一応税法の建前ではみんな収入金になるのです。貸金になるのです。貸倒れになろうとも一応貸金になるのです。だからそれに対して所得税がかかるのです。だから医療機関というものは、金は入らないわ、税金は取られるわ、しかも医は仁術なりです。米屋や酒屋のようにびんびん取り立てできないのです。やかましく言えないのです。今までは医療機関というものは、医は仁術である、武士は食わねど高楊子、こういう気持でもって歯を食いしばってでもがんばってきているのです。しかも今の低い診療報酬にがまんして、健康保険を盛り育てるために協力してきているのです。にもかかわらず、この段階になってそれほどの迷惑を療養担当者にかける。被保険者の方では、今度は自分は当然無料でもって、お金を持たなくとも医療機関に行けるところの権利がありながら、証明書がないために、請求書を持たないために、おずおずと遠慮しながら、きょうは忘れてきたんですが、こう言って診療を受けなければならない。こういう現象が出てくるのです。そういう現象が起っても、なおかつこういうものは出さなければならない、やらなければならない制度だとお思いになりますか。その辺のところを一つ伺いたいと思います。これは大臣にお伺いしたいと思います。
○小林国務大臣 先ほどから私がこの問題に対してはあなたに申し上げている通りでございますが、なお今お聞きのような問題につきましては、保険局長から一応答弁させます。
○高田(正)政府委員 医療機関が保険の運営につきまして御協力をいただいておりますことは事実でございまして、この際私は感謝の意を表したいと思います。 はお今の診療報酬請求明細書を保険者が交付するという様式をとりますると、今御指摘のようね問題がいろいろ起ることはある程度考えられるわけです。それで私どもとしては、これを実施するといたしましても、今御指摘のような不都合な点をなるべく避けられるような方式で実施したい、こういうことで実は検討しているわけであります。今の岡本先生の御質問の中に、いろいろ実例の場合が出て参りましたが、現在でも被保険者証というのは、やはり持っていかなければ工合が悪いということになっているわけです。それで今回かりに実施するとしましても、私どもは、かぜをひいて職場まで取りに行かなければならぬというような制度にはしたくないと思います。少くとも被保険考証だけでかかれるようにしたいと思っております。ただ被保険考証を転帰までに届けて、そうして被保険考証はそのときに返してもらうという制度にしたい。先ほど先生の御質問の中に、家族がどこそとの医者にかかっておるから、自分は被保険者なんだけれども、被保険考証を持ってお宅には上れないというお話がありましたが、これは現在の制度の欠陥です。ところがもしこういう制度をやるとすれば、転帰までに一軒のお医者さんに明細書を渡して、そして被保険者証を仮していただければ、今度は家族なり自分ほりがよそのお医者さんに同時にかかる場合に、被保険者証を出せるわけです。そういう利点もあるわけです。従って御指摘のように、必ずしも欠点ばかりではないと思います。利点もあると思いますが、しかし実際の運用に当っていろいろ欠点が伴うと、今御指摘のように医療機関にも非常に御迷惑のかかるような結果にもなりかねないので、私どもとしては、その辺のところは実際問題としてやるとしましても、十分検討を加えてやっていきたい、こういうつもりでおるわけであります。
○中川分科員 関連して……。今岡本君から御質問のあったように、官給証明書の問題ですね。これは私むこのたびの改正について、与党の立場からいってやむを得ないと思っておりますが、この官給証明書の問題だけはもっと研究してもらいたいと思う。私はあなたと岡本君とのやりとりを先ほど来聞いておりますが、そのほかにも私がちょっと聞いた範囲でもなかなか不都合な点が多いと思う。これは医療機関で非常に困る点がある。たとえば行路病者など交番から医者のところへ持ち込まれる。これに対してどういう請求をしていいか、交番へ何回も何回も通う。そうすると交番では、これは郷里の方へ聞き合せなければならぬというようなことで、すぐに二カ月や三カ月かかってしまう。そのうちに医者の方では忘れちまって、結局とれないいうような事態が起きる。だからとの点は大臣もできるだけ研究するというのだが、月並み的な、ここでただ研究するということでなく、これは一つやめてもらうべき問題じゃないか。研究しておいて下さい。
○藤本主査 岡本さん、時間がきましたから、あとはごく簡単に願います。
○岡本分科員 もう一点、重票な問題だけ片づけさして下さい。今の保険局長の御答弁ですが、大臣がそういうことを言わしれるのなら、しろうとだからいいと思うんです。だが、くろうとのあなたとしては間が抜け過ぎていると思う。従来の健康保険証というものは呈示式だった。一通あれば、どこの医者にでも何どきでもその場で呈示しては、記入してもらって、始終ポヶツトに持っていたわけです。だから何べんでもかかれた。それでは二重三重に医者にかかる、どうも患者がかかり過ぎて困るというので現在の預かり式に変った。そこで転帰まで預かって病名から治療の期間から、しかも請求するところの費用まで記入することとになっているのは、あなたは御承知でしょう。それで被保険者が、初めて自分は何ぼの給付を受けた、おれは五百円の給付を受けた、おれは一万円の給付を受けたのだということが、ちゃんと保険証を返してもらうときにわかることになっているのです。そこでそれとにらみ合せたら、医者がべらぼうな請求もできないし、また患者も保険証を医者に預けているから、次々と医者にかかれない。いわば質にとっているのです。カタにとっているのですよ。それでもって医者にかからさむようにしているのです。受診率を抑制するために今の保管主義というのが出てきた。それは御承知だと思う。ところが今度官給請求書になったら、保険証を何どきでも返してもらえるからいいじゃないかというお話ですが、それでは保管主義というのはお捨てになるのですか。やはり保管はしなければならぬ。そうしてしまいには記入しなければ返せませんよ。被保険者証の扱い方というものは従来と同じであって、その上に今度はもう一枚要らぬ紙っぺらまでついてくろというところに問題があるのです。被保険考証だけでは通用しない。そこに請求書をもう一枚持って来なければ通用しないというところに問題があるのです。だからこれは受診率の非常な抑制です。健康保険制度の非常な退歩です。こういうことをあなた方がなさろうとするなら、それは角をためて牛を殺すようなものです。そういうばかなことはしないようにしてもらいたい。大臣、どうですか。しかし、もう御答弁を求める必要はないですね、お考えはよくわかっていますから。 そこで、もう一点、今度は融資の問題について私はお伺いしたいと思うんですが、最近京都でこういう実例があったのです。ある歯医者さんについて調査があった。ところが患者さんを役場であるとか公民館であるとかいうところへ二・三十人ずつ呼び集めているのです。患者は何人もたむろして待っている。何のことできたのや、だれそれの歯医者さんのことやな、ははあ、と言いながら半日タバコをくゆらしながら待っていて、そこで、お前は、きさまは、という調子で受診のときの状態を聞かれているのです。そうなって参りますと、患者の方が憤慨するのです。忙しいところを半日手間食って、えらそうにぼろくそに言われて、何のために出て来たんだというわけです。そしてみなその歯医者さんのところへ行って、先生、ひどい目におうてきました、手間ひまつぶしてこんなばからしい目にあったことはございません、こう意っているんです。これは被保険者自体に対する非常な人権のじゅうりんです。事は医療内容の調査なんです。それにもかかわらず被保険者を一カ所に集めて非常な時間的な犠牲を払わした上に暴言を吐いて人権じゅうりんをやっておる。その上に今度は当該の療養担当者にとって——これはまた大きな名誉毀損です。かりに少々のことが、そういうことがあったかなかったか私は存じません。しかし何も出てこなかったらしい。泰山鳴動ネズミ一匹だったらしい。これはその人にとっては大きな名誉毀損です。こんなことまでして調べる限り、あの人は保険でうんと悪いことをしてはるのやろう、つけ込みをうんとしてはるだろうということになるんです。まるでどろぼう扱いです。そういうふうなことを療養担当者がやられて泣き寝入りにならなければならないのかということなんです。今度は監査を今までよりも厳重にやる、そういう制度を設けろというんです。そういうことになるとこれは気違いに刃物です。そういうふうなばかなことをやられて療養担当者は黙っていることはありません。なるほど不正な診療行為に対してはどんどん処罰したらよろしい。私はそんなことについて一言うのじゃありません。しかしながらわずかな疑いをもってそのような大きな犠牲を療養担当者にも、あるいはまた被保険者にも与えておきながら、しかもてん然としておるといろお役人のあり方というものに対して私は憤慨にたえぬ、保険局長はそういう事実をお聞きになっていますか。そのときの責任者は今本庁に帰っていますよ。
○高田(正)政府委員 その調査の具体的な事実は私は承知いたしておりませんが、御指摘のようにいろいろ調査をいたしまするについて人権じゅうりんにわたるようなことがございましてはもちろん行き過ぎでございます。従いましてやり方につきましては私どもも十分自戒をし、第一線にもこれを徹底させなければはらない、ただそれかといって監査をやらないわけにはいきません。なおまた監査をいたしまする際にはいろいろ問題がありまするので、簡単に言えば被保険者についていろいろ聞いてその地固めはしなければならぬのは当然なんです。従って監査をやるということは今後とも十分にやっていかなければねらぬと思います。また監査についての規定をえらく厳重にするんじゃないかという仰せでございますが、特別に厳重にするつもりもございません。古い法律でございますので従来法律の条文が非常に不明確でございました。従ってこれを明らかにするというつもりで法律の改正を考えておるわけであります。従いまして従来より特にやかましくするんだというつもりでさような法律改正を企図しておるわけではございません。繰り返して申し上げますように、方法については十分戒心を要する、しかしながらやるべきものはどんどんやっていかなければならない、これが私どもの既定方針でございます。
○藤本主査 ただいま岡本委員、中川分科員の官給請求書及び監査についての御質疑は医療保険の円滑なる推進に非常に大切なことと思いますから、大臣及び高田政府委員の御答弁のごとく慎重に大いに御研究願いたいと思います。
○岡本分科員 私は監査をやられるのは当然だと思うんです。しかしながら監査は今でも行われているんです。それを明文化してどんどんやるんだ、やるべしというふうな叱咤激励の態度がとられるというふうなことになれば、今ですらとういうふうな事件が頻発しておるのに、至るところでこういうふうな紛争が起ってくると私は思うんです。だからそういうふうなことの場合にはあまでも監査をやるというのなら、今度は監査に対して人権じゅうりんのことをやった場合には、少くともそれを査察するところの査察の制度というものができなければ、被保険者は泣き寝入りにならなければならない、療養担当者も泣き寝入りにならなければならない、だからどうしたってそういう何の罪とがもない者に対して、お前はとか貴様とかいう言葉を吐く者に対しては、厳重な処罰というものがついて回らなければ、いまだにそういうふうな不遜な官尊民卑の気持から出発するところの取り調べの態度というものは絶えないのです。そういうことをやられたのでは医療担当者はがまんできない、その本人は私のところに来て、ばからしい、先生もう保険医はやめます。私は辞表を持ってきましたと言うのです。私は、君それは短気だ、これに対しては僕は厳重な抗議を君のかわりにでも言うてあげるから、君はそんなことを言わずにやりたまえと言って、今でも診療を続けております。本人はそのときに、私はこんな目にあわされてまでまだ保険医でありたいとは思いません、私は保険医をやめます。しかし保険医をやめて今いなかでは生活の道はない、私は商売を変えます。幸い京都に家があるから宿屋でもしょうかしらんと思いますと言うているのす。そういう気持に療養担当者をさせるということは、大きな行政上の行きすぎであり、大きな誤まりであると思うのです。絶対にそういうことがないようにできるという自信がおありでありますか、同時に査察の制度というものをお設けになる御意思がありますか、その辺を一つ承わりたい。
○高田(正)政府委員 監査をやりまするにつきまして、十分やり方について乱にわたらないようにしなければならないということは御指摘の通りでございます。従ってどこまでが許される範囲かということを、逆に申せば監査の根拠規定を明らかにするということは、どこまでが許される範囲かということを明らかにすることにもなるわけでございます。従って私どもとしましては規定を明確にいたしまして、やるべきものはやる、しかしこれ以上に出たらいけないぞという、両面からはっきりさせるために規定を設けたいと考えておるわけでございます。ただいま診療担当者についてさようなお気持を起させるようなことはどうかというお話でございますが、これはそのケース、をよく具体的に調べてみませんと、果してその人が大して悪いこともしてないのにそういう気持が起こるようにまでやったか、あるいは実際に悪いことをしておる、それでそういう気持に触ったのか、私には今この席で何とも申し上げられないと思います。 なお立ちましたついでに、先ほど請求書の保険者交付様式と被保険考証保管・主義あるいは記入主義の御指摘がございましたが、もし保険者交付様式をやるとしますれば、今の被保険考証の扱いというものは当然変えていかなければならぬと思います。従ってさようないろいろな事務的なことにつきまして、現実に即したことをどうしたら支障なくやれるか、やるかやらないかの利点と欠点とを比較考慮して、御指摘の通り十分に検討していきたいと考えております。
○岡本分科員 最後に一つだめを押しておきたい。この官給請求書、これは行政措置でやれる。健康保険法の改正の中には入っていない。ただ予算の問題だと思うのです。予算が通ればあなた方はやろうと思ったら何どきでもやれる。そこで大臣にお伺いいたしておきますが、この予算の通過とは問題を別にいたしまして、官給証明書の発行というような制度への改変は、国会の同意を得た後におやりになりますか。国会の同意というものはお考えになっていませんか。それを大臣にお伺いしたいと思います。それによって私は予算に臨む態度が違うのです。もしもどこまでもやっていこう。国会の同意がなくても、予算さえ通ればやれるのだという気であれば、どんなことがあっても予算は現状のままで通すわけにはいかない。どうしても与党の方と話をつけて、この一点だけでもわれわれが修正しないでそのまま予算を通したら、われわれの同意なしにぱっぱとすぐやるのです。そういうような手を今まで何度も食っいる。この前の例のつき添い婦の問題でもああいうような決議までできているのに平気でわれわれとの約束を破るのです。それが厚生省のやったことなんです。だから今度はその手は食わない。大胆にその辺のことをお伺いしておきたいのです。
○小林国務大臣 先ほど申し上げましたように、この問題に対しましては、十分に一つ慎重に検討してやりたいと思っております。
○岡本分科員 慎重に検討するだけではいかぬ。慎重に検討した結果、相談なしにやりましたということになったら、これは何もならぬ。慎重に検討した結果国会に諮ります。皆さん方の同意を得ますということをここで言明していただきたい。
○小林国務大臣 今御答弁申し上げました通りでございますが、今のところこれを国会に諮って承認を得るとか得ないとかいうような問題は考えておりません。この問題につきましては、たびたび先ほどからお話し申し上げております通り、慎重を期したいと思います。あなたのお説のような問題もあるだろうと思いますが、すべての問題を検討いたしましてやっていきたいと思います。
○岡本分科員 それではちょっと困る。そういうことだと、これは予算を通すわけにはいかない。あなたは今日本医師会の中にどういう動きが出ているかということは御存じだろうと思う。保険医総辞退の動きが出ておる。保険医総辞退の動きが出ているだけじゃないのです。一月の下旬から始まって、全国に一日休診が出ておる。そして健康保険改悪反対大会というものが催されておる。そのときには医者は職場放棄をしておる。この動きはだんだん大きくなります。もしも今の形で予算が通り、健康保険法の改悪が通過しそうな状態が出て参りしまたならば、全国的にこの火はどんどん燃え上る。そしてあるいは二、三日医者をカン詰にして職場放棄をやらせるという動きになって発展するかもしれない形勢がある。そこまで今全国の療養担当者、医療機関というものは、生活の窮迫だけでなしに、健康保険が政府の手で改悪されるということに対する憤怒の念に燃えておる。社会保障制度と逆行させていくということに対する人間的な怒りに燃えておる。この動きを俊敏なあなたはお見のがしになってはなりませんよ。これによってどのような社会不安が起ってくるか、先日も滋賀県で一日休診があったときに、医者にかかれずに死んだ患者が二人も出ている。これが全国的に広がって、そういう大きな波がどんどん起ってきたときに、その責任は厚生大臣あなた自身の上にかかるのです。そういうことを十分お考えになってこの問題に対処してもらわなければならないと思うのです。私はきょうは委員長に何べんも督促を受けておりますので、この程度で質問を打ち切りまして、また社会労働委員会でもう一度大臣に質問いたしたいと思います。今日本にこういう大きな動きが出てきておる、しかもこれは労働者も医者もあるいは患者も、みな弱い社会保障制度の中でようやく生きていかれるという立場にある者がみな猛然と立ち上っている、そして何とかして日本の社会保障制度の逆行を防ごうというので燃え上ってきておるということを、厚生大臣におかれましても十分お考えの上善処いただかんことをお願いいたしたいと思います。これで終ります。
○藤本主査 午前の会議はこの程度にとどめまして、午後一時まで休憩いたしいます。 午前十一時五十五分休憩 —————・————— 午後一時三十六分開議
○藤本主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中川君。
○中川分科員 まず北海道引揚者の集団収容施設の補修費の補助費についてお尋ねしたいと思います。これは申し上げるまでもなく旧軍用施設等があった特定町村のみが、これらの老朽集団施設の補修のための財政支出を強要されておる現況でございますが、北海道は御承知の通り樺太、千島等からの引揚者が大半でございまして、しかもこれらの入居する人というのは多くは要保護者であるとか、あるいは失対関係者とか教育保護を受けておるとかいう者が多い。従ってこの施設をやります上において、国からの補助費が相当ないととうてい北海道の財政状態ではできないと思うのですが、こういう町村の財政負担上非常に支障を来たすというものに対しましては、補修費の補助率を三分の二に引き上げる意思はあるかないかということをまずお伺いいたしたいと思います。
○瀬戸説明員 ただいまお話のように引揚者の集団収容施設は、本来住居としては適当でない兵舎等を応急的に補修いたしまして引揚者を収容いたしました関係上、今日では相当腐朽して参っているわけであります。そこで出話のように特にこれらの施設が特定の町村に偏在しているということ、それから一つにはそういう粗悪な建物であります関係上、家賃もきわめて少額であります。補修費は一般的には家賃でまかなうべき筋合いのものであるというふうに考えられておるわけでございますが、調べてみますると、大体家賃収入はガラスでありますとか、そういった小修理というような管理費でありますが、そういう必要経費の四〇%にしかなっておらない状況であります。そこでそういう人たちを引き受けたことによりまして、その引き受け市町村の財政支出というものは、そろいう住宅ばかりでなく、いろいろな面で支出がかさんでいる状態であります。従って私どもも地方財政の現状からいたしましても、できるだけ高率の補助をいたしたい、かように考えているわけでありますが、三分の二という問題につきましては、いろいろ他との均衡もございまするし、それぞれ関係の市町村との話し合いもしなければならぬということもありますので、できるだけ高率の補助をするように十分検討いたしたいと思います。
○中川分科員 この予算書を見ますと、国庫補助の問題は十分の二とか、三分の二とか、二分の一を補助するとか、大がい補助額を明記してあるが、引揚者団体の施設の補修費にはこれが明記されていほい。それで私がただいま取り上げました北海道というのは、御承知の通り千島や樺太の方から引き揚げた者がここには大半収容されております現況であるだけに、できるだけ補助してやらないと、北海道地方では財政負担上非常に困るだろうと思う。ですからこれは書いてなくてもかまいませんが、要するに三分の二の補助をいろいろ御研究になって、ぜひやってもらいたいと思う。これはできる見込独があるのですか、どうですか。
○瀬戸説明員 これは直接の相手は大蔵省ということになるわけでありますが、従来三分の一でやって参ったという事情もございますので、強力にそういう話し合いを進めたいとは考えておりますが、やってみませんと、今のところ三分の二がいけるということはちょっと申し上げかねる状況であります。
○中川分科員 全国で八千万円足らずだったと思うのですが、そのうち北海道がたしか七百万円くらいですが、できるだけ一つお力添えを願いたいと思います。 それから大臣にお尋ねをしたいのですが、先般来私はしばしば言っておりますが、御案内の通り昨日も決算委員会で、総理を初め大蔵大臣、会計検査院長も御出席を願って、ああいうふうな経費の節減、乱費の問題について話を進められておるわけであります。それで二十九年度の不正支出だけでも七十三億円に達しておるということでございます。これはこの間も申し上げました通り、ほんの氷山の一角だろうと思うのです。これは国民の貴重ねる血税でございますから、十分に各官庁とも経費の不正なる支出をしないように心がけていただかなければならぬことは申し上げるまでもございません。私は常々考えるのですが、日本人くらい税金を出すときに文句を言う国民はございません。また、一たん出した税金がどんなに使われようと、日本人くらいむとんちやくな国民は世界にない。従って役所の方でも役人の方でも、とにかく拝み倒して予算をとってしまえばいいんだ、とつちゃったら使い方はこっちの自由なんだという観念が日本の役人の中にある。これはよほど是正しませんと、日本の経済は立ち行かなくなるだろうという考えを実は持っておるわけでございます。従って厚生省の中におきましても、今日まで不正な支出が非常に多かったとは私は申しませんが、つぶさに検討をしてみられたならば、私はかなり不正な面もあるんじゃないかと思うのでございます。先般来お尋ねしております問題について、まだ何らの御回答に接しておりませんが、私がお尋ねをいたしました点につきまして、この機会に御答弁を願いたいと思います。
○小林国務大臣 今の中川さんのお説はごもっともだと思います。国民から徴収いたします非常に貴重な国費でございますので、これの使用につきましては十分に注意していきたいと思います。今後厚生省所管の問題につきましても、十分注意して参りたいと思います。
○中川分科員 先般来私がお尋ねしておる問題について、具体的な答弁を会計課長から願います。
○堀岡政府委員 たしかお尋ねの点は、雑誌の点と国民健康保険の関係のあれでございますか。
○中川分科員 ええ。
○堀岡政府委員 まだ私詳細なことを聞いておりませんけれども、それぞれ担当の部局からいずれ御連絡申し上げたいと思います。
○中川分科員 そういうことではまことに困るのですが、とりあえずこの間お聞きした——これは会計課長の手元でわかるだろうと思いますが、この厚生広報の、百九十万円の支出でこの雑誌を出しておるということでございましたが、厚生広報宣伝に七百八十万円ですか出ておったのですが、広報宣伝費の内訳を御説明願います。
○堀岡政府委員 これは広報宣伝というのに七百五十二万七千円を計上いたしておりますが、事務局を建てまして、厚生広報の雑誌でありますので、事項をきめまして、たとえば里親の宣伝をやりますとか、あるいは身体不自由児のいろいろの宣伝をやる、そういうときのそれぞれのパンフレットあるいはリーフレットを作る、そういう費用に充てるつもりであります。
○中川分科員 子供の不具者なんかの宣伝をやるときには、そのときの費用でまかなっているのじゃないのですか。
○堀岡政府委員 広報宣伝費と申しますのは、厚生省の関係行政の広報に当りますために、一括いたしましてここへ計上いたしておるのが七百五十二万七千円の金額でございまして、特別のものに限りましてその他の所要経費を計上しておるということになっております。全般的にこの経費によっていろいろの宣伝をまかなっておるということにいたしております。
○中川分科員 こういうものは必要ですか。
○堀岡政府委員 私、主管ではございませんが、現在までのところ、地方の部局、官庁方面に主としてこれは配っておりますので、その関係上必要じゃないかと現在思っております。
○中川分科員 しかし、これに載っておるようなことは、今おっしゃる通り、主として地方の府県であるとか市町村へ行っておるということですが、府県にはいろいろな問題ができるつど通牒なり公報なりでやっていらっしゃるでしょう。これはそれをまどめて載せただけのものであります。これに七百万円というような相当な金をかける必要があるかどうか。これは係はどなたですか。
○堀岡政府委員 所管は官房総務課において取り扱っております。これは広報宣伝費の七百五十二万七千円のうちの百何十万円くらいと思いますが、金額の方は明確に承知しておりません。
○中川分科員 それからこの間お尋ねした保険関係の雑誌ですね、あの厚生省の中に置かれてあるのは、会計課長、どういう取扱いをしておるのか御存じですか。これは保険局長が後日調べて返答するということでございましたが、返答がないのです。
○堀岡政府委員 雑誌の発行団体の内部の経理のことは、私直接タッチしておりませんので存じておりません。ただその種の団体が厚生省の中に幾つかございます。そういうものについては、行政上の必要上やむを得ぬものだけ事実上存続を認めておるという事実でございます。
○中川分科員 行政上の必要上とおっしゃるが、この厚生問題研究会とかあるいは健康保険調査会、これは行政上どういう必要があるのです。
○堀岡政府委員 それぞれの行政に関連しまして、こういう広報宣伝をやっておるということでその団体が作られておることと思います。団体をどういうふうに作って、どういうふうに関係しておるかということは、私主管部局でありませんので、実はつまびらかにいたしておりませんが、おそらく机が一つある程度のものじゃないかと思います。中におりましても、そういうことで場所の……。
○中川分科員 保険課長来ておりますか、ちょっとこれを詳しく説明して下さい。国民健康保険調査会なるもの、厚生問題研究会……。
○堀岡政府委員 それは国民健康保険でございますので、国民健康保険課長をこちらに至急呼びまして、お答えさせることにいたします。
○中川分科員 これは早急に調べてもらわぬと困る、私は回数にわたって質問をしておるのですから……。おそらくこれは厚生省から何らかの形で補助しておるだろうと思う。どういう形で補助しておるかわかりませんが、いやしくも厚生省の中にこういうものを置いておるということになりますれば、何らかの形で厚生省は補助しているだろうと思う。委員長、それではすぐ国民健康保険課長を呼んで下さい。聞いてからでなければ話が進まない。毎たび主管でないからとかどうかいうことでながれられたのでは困る。
○小山説明員 おくれて参りまして大へん恐縮でございますが、「厚生」のを発行しておりますのは厚生問題研究会という団体でございます。これは前会先生御指摘のように、現在事務所を厚生省の中に置いております。具体的に申しますと、第二クラブの中に置いておるわけであります。それからここで出しております雑誌の「厚生」は、調べましたところ現在部数は毎月六千部ぐらい出しておるようでございます。このうち二千部程度厚生省において買い上げをいたしております。それからもう一つ、これは厚生省自身が編集しておるものでございますが、「厚生広報」というものを広報関係で出しております。これは前会ややあいまいに申し上げましたが、発行部数は毎月八千部でございます。これは全部厚生省で出しまして、各府県、保健所、福祉事務所、それからおもなる市町村というところに配布しております。
○中川分科員 今の「厚生」の二千部買い上げというのは、この予算書ではどこに出ているのですか。
○小山説明員 お手元の十八ぺ−ジの上から三分の二ぐらいのところに、九、広報宣伝費というのがございますが、この広報宣伝費のうちの一部がこれに充てられております。
○中川分科員 広報宣伝費に合計七百五十二万七千円ですね。この内訳はその下ですか。
○堀岡政府委員 広報宣伝費は別に内訳はございませんで、先ほど私申し上げましたように、いろいろの催しでございますとか、そういうときのパンフレットとかリーフレットとかそういうものを一切含めまして七百五十二万七千円ということになっております。
○中川分科員 それから先般大臣にお尋ねしました保育所の問題はどうですか。
○高田(浩)政府委員 先般三十年度の保育所の設備費の配分についてお話がございました。これについて少し御説明さしていただきたいと思います。 前年度の二十九年度におきましては、新設約三百五十カ所が補助されたのでございます。三十年度におきましては、新設二百二十カ所の補助金が計上されておりまして、これを配分することになっております。今申し上げましたように、二十九年度と三十年度と比べますと百カ所以上も減るようなことになっております。一方保育所の設置の要望は非常に熾烈でございまして、各県とも五カ所や十カ所でなくて、二十カ所、三十カ所、あるいは五十カ所というように、そういうものを作りたいという要望が非常に強い。そういう状況に対しまして、今申し上げました三十年度の保育所の減りました設備の補助を配分するということにつきましては、私どもも非常に苦心をいたしましたし、それから各県でも非常に苦心をされたことと推察をしております。そういうように二十九年度と三十年度との間には相当の差異がありましたので、私どもとしましては、それまでにおきまする実際の配分された実績でございますとか、あるいは実際の人口との関係におきまする保育所の設置の密度でありますとか、そういったものを勘案をいたしまして、一応の推察をして各県と打ち合せを遂げたのでございまけれども、先ほど申し上げましたように、非常に要望が強くて、しかもこれにこたえる補助の額が少うございますので、その間の実情に応じて適正慮る配分を実施いたしますためには、先ほど申し上げましたような趣旨で各県の大体の数をきめましたほかに、ある程度実情に応じた配分というものを考えなければならないことは、これは私ども当然考えておりましたし、従いましてそれらの実際の配分に当りまして、その後におきまする過不足の状況等を勘案をいたしまして、配分の適正を実現をするようにいたしたのでございます。何を申しましても先ほど申し上げましたように非常に要望が強いのに対しまして、補助の額あるいは配分すべき保育所の個所というものが少うございますので、各地方とも非常に不満なりあるいは多少の摩擦なりがあったということは、私どもも非常に残念に思っておりますけれども、これはある意味においては予算との関連もございますので、やむを得なかった点があろうと思います。
○中川分科員 適正な配分ということは、けっこうなことでございます。これを適正にやってもらわなかったら大へんなことである。そこで私が先般お聞きをしたのは、局長が数十のものをポケットに持っているということ、これが一体どういうことであるということを私は第一にお尋ねをしたのです。ただいま局長の答弁を聞いておりますというと、実情に応じた配分をしなければならないために、あとから過不足をうまく勘案してやるために、自分はそういうものを持っていなければならぬというような趣旨に私は今拝聴したのですが、これはまことにおかしな話でございまして、それだけあとから勘案しなければならないほど複雑なものであるならば、なおさら慎重を期して、年度内に配分すればよろしいのでございますから、慎重を期してやらなければならないのにもかかわらず、配分はさっさとしておいて、そしてあとから自分がポケットに持っておるやつをあっちへ一つこっちへ一つというふうにやられる。これは極端に言えば、私はなくてもいいものだと思う。そういうものを持って、局長が自分のポケット・マネーでも出すような気持でやられるというようなことをされるから、そごにいろいろな情実関係が起きて、厚生行政の私は円滑な運営ができないのだろうと思う。大臣お聞きの通りの局長の答弁でございます。今年も大臣は、二百五十個申請されておると思うのですが、この二百五十個の配分に当って、ただいま局長が述べましたような趣旨で配分をさす御意思であるかどうか。一応大臣の御所見を承わりたいと思います。
○高田(浩)政府委員 大臣からお答えになります前に、私からちょっと申し上げたいと思います。今のお話からいたしますというと、私がいかにも個人の金でもポケットにつっ込んでおいて、これを個人的な恣意に基いてやるようなふうに聞えないこともなきにしもあらずでありますけれども、私はかような考えは毛頭ないということを申し上げさしていただきたいと思います。
○小林国務大臣 今のお尋ねの件でありますが、今年度の問題につきましても、十分に全国の御要望に応じ、しかも適正な補助の割当をいたしたいと思っておりますが、ただ今中川さんのお尋ねになりました・従来局長が手元に持っているものを前もって一諾に全部割り当てればいいじゃないかという御意見がございました。これは局長が今までやっておりますことがいいか悪いかは別といたしまして、やはりほんとうに適正を期するために、一たん割り当てましたものが、さらにそれよりもより以上の必要度がある、あるいは人口その他のいろんな関係からいたしまして、必要度があったという場合におきましては、これはやはり一たん割り当てして内示したものを取りかえすというようなことも、なかなかできないことでございますので、さらに慎重を期する意味におきまして、ある程度の余裕を持っておって、最後にこれを再配分するということは、やはりそういう意味からいたしたものと思います。しかし従来やっておりますことがいいか悪いかは別問題であります。将来適正を期するという意味におきまして、十分に一つ検討いたしたいと思います。
○中川分科員 御趣旨の点、わからぬことはないのですが、三個や五個持っているのならよろしいけれども、二十個、三十個というものを局長のポケットに持っておって適正な配分をやる。今大臣のお答のように、人口の問題等であとから出さなければならぬ場合もあるから、多少持っておらなければならぬというのとは、ちょっと意味が違うのです。そういう場合には三個や五個ならよろしゅうございますけれども、二十個から三十個、もし持っているとすれば、これは少し持ち過ぎだろうと思う。二十個も三十個もあるとすれば、先ほど局長が述べた通りに、全国から保育所の熾烈な要求があるのでありますから、できるだけ十分に検討して、手元には大して残さぬでもいいようにまで検討して配分をして、それでもなおかつ三個や五個は今大臣のおっしゃるように持っていなければならぬというのならば話はわかります。あまりに持ち過ぎていやしまいかということについて、大臣はやはり今年もそうさすつもりであるかどうか。今年からは、この問題がこうして問題になった以上は、さらに考えて善処するというお考えであるかどうか。もう一度承わりたい。
○小林国務大臣 私はいずれにいたしましても、それらの問題の適正配給を期するということが根本問題だと思います。ただ今までのやり方は、私はよく存じませんけれども、とにかく適正を期するために一応第一回の配給をする。さらにその次の割当をする。最後にはいよいよ全国的に調べてみて、手持ちのものを出して緩急をはかって最後の決定をするというようなことも、ある程度まで必要じゃないかと思います。いずれにいたしましても、中川さんの御質問のようにこれが適正に割り当てされることに努力いたしたいと思います。
○中川分科員 それでは局長にお尋ねしますが、今年度は二百五十個ですか、二百五十カ所の予定ですか。
○高田(浩)政府委員 全体で二百五十カ所を予定いたしておりますが、そのうち三十カ所は増改築でございまして、新規のものは一応二百二十カ所という予定でございます。
○中川分科員 二百二十カ所を三府四十三県にどういうふうに配分をされる御予定ですか。
○高田(浩)政府委員 もちろん各府県の要望する通りに配分できればこれに越したことはございませんけれども、それに対しては非常に寡少の数でございますので、来年度の予算の実施に当りましては、各府県の申請書を取りまして、これに基いて十分慎重に検討いたしまして配分いたしたいと考えております。その場合に各府県の人口と保育所の分布状況、すなわち人口に対して保育所の保育児童の密度が濃いか薄いかということは、最も重要はるポイントとして考えております。
○中川分科員 とにかく今大臣の御説明を承わりましても、どうもピンと来ません。これだけに限ったわけではございませんが、これを配分なさる前には、一応国会に配分の個所なり県なり、あるいは県の個所触りを申告していただくようなことにほるかもしれませんから、この点は御了承おきを願いたいと思います。 それから、これは会計課長か総務課長から伺いたいのですが、この予算書を見ますと、まことに調査費、調査費というのが多い。どこを見ても調査費なのですが、こういうのは一体どうなんです。厚生省には何人かの公務員がいて、それぞれの仕事を毎日やっている。これらの人が月給を取って、その月給の範囲内でこういう調査をすればいいと思うのです。もちろん出張した旅費は別ですが、あんまり調査費というのが多いと思うのです。私も実は経済団体を主宰していて、予備費ということでよけい取ることはできないから、何とか調査費ということで取れということで、入れさしたことがあるのですが、どうもどのページを見ても調査費というのが多いのです。何か一括するとか、あるいはこんなに調査費を実際必要とするのかどうか、納得のいくように説明してもらいたい。
○堀岡政府委員 お説の通り、調査費はずいぶんございます。実は予算の要求にはもっとよけい調査費の要求をやっております。御案内のように、ますます行政が科学的といいますか、技術的なものになればなるほど調査費は必要になって参ります。そこで調査費の中身ですが、大体今御指摘になりました旅費と、調査要項の印刷費、集計費、それが大部分であります。漠然と調査費を組んでおるというふうなことはございませんで、一つの調査事項をきめますと、それについて紙が何枚要る、調査要項はどうなるということから積算して、計上しているのであります。事項の多いのは御指摘の通りでありますが、これらの事項につきましては、御案内のように厚生省の官房に統計調査部というのが設けてございます。そこと官房の企画室というのが合体いたしまして、各局の要求した調査の事項、内容等につきましては統括してやる、無理がないようにいたしております。調査の個々の内容につきましては、もし御質問でございましたら、それぞれ所管の者からお答えいたします。
○中川分科員 そうするとこの調査費というのは、企画室に統合してあるわけですか。
○堀岡政府委員 予算としては統轄はいたしておりませんが、執行についてはさようにいたしております。
○中川分科員 とにかくわれわれしろうとがこれだけの予算書を見て、これが適正に配分されておるかどうかということに対しては、おそらく判断できないと思う。できないのだが、しかし私は冒頭にも申し上げた通り、毎年丸々この会計検査院が出してくる報告書を見ましても、非常に不正支出が多いということで、昨日も決算委員会で問題になったような次第でありますから、予算の執行については一つ厳重に大臣の御監督を願いたい。これはどの大臣も同じようなことを言われる。ここに前の川崎厚生大臣がおられますが、どの大臣も、とにかくこういう質問があると、慎重に研究します。慎重に検討しますということはおっしゃる。ところが慎重に検討しておれば、そういう問題が起きないはずでありますけれども、なかなかこれが起きてくる。どうか一つ、この経費の問題につきましては、将来大きな問題になりはしないかと思うので、この次からは特にこれらの問題について十分に調査もさせていただきたいと思います。場合によりましては、管理上の責任を問うようなことに止るかもしれませんから、この点もあらかじめ御承知おきを願いたいと思います。私どもこういう問題については重大なる関心を持たざるを得ないのですが、なお予算の目、節にわたっては、私は多少流用できる点がまだあると思います。項の点については、もちろん流用、移動はことに与党の立場としてできません。しかし目、節の点については、相当流用の余地があると思う。これらを厚生省だけでできなければ、もちろん大蔵省と折衝しなければならぬという場合があるだろうと思いますが、それらの点については、会計課長はそういうことは専門家なんですから、なお十分に御検討願いたいと思います。 ほお、私先ほど聞かんとしておりまする国民健康保険の方が見えたようですから、お尋ねをします。先般私は局長にお尋ねしたところが、局長はよくわからないから、調べて答弁するということであったのですが、こちらから催促をしなければ厚生省は今まで私に対して答弁がなかった。従って私はここで重ねてお尋ねをするのですが、国民健康保険課に国民健康保険調査会というものがあるようですが、これはどういう性質のもので、しかも厚生省とどういう関係のものであるか、あるいはこういう雑誌を発行しておるのだけれども、厚生省はどういう名目で補助をしておるか、この雑誌を買い取るとか、別途に援助をしておるとか、そういうようなことにつきまして、御存じの点をお示し願いたいと思います。
○菅野説明員 御返事がおくれまして申しわけがございません。国民健康保険調査会というのは、国民健康保険という雑誌を発行するための団体でございまして、ただ内容的に非常にいろいろ国民健康保険の行政事務その他私どもに直接関係の深いことを記事とし、内容といたします関係上、監修という関係を課としてとっております。ただ先生の御質問の補助等の関係は一つもございませんで、記事の内容についての指導協力ということだけを行なっておる関係でございます。
○中川分科員 どうして厚生省の中にこれを置いてあるのですか。
○菅野説明員 これは今申し上げましたように、記事内容についてそういうことが一つ、それからこれをやっておる責任者の人が、厚生省の私どもの関係に非常に密接な関係がございますので、そういう関係で、特に課の中に置いてある方が非常に便利だということから、こういう形をとっておるわけでございます。
○中川分科員 しかしこれは拝見しますと、私などしろうとが見ても、新聞に出ておることの切り抜きみたいなものが多い。別に参考にならぬことはないかもしれませんが、これを特に厚生省の中に置いて育成しなければならぬというようにも私は考えないのですが、どうなんですか。
○菅野説明員 どうも先生は専門家で、この方面の知識をお持ちですから、あまり参考にならぬと、今おしかりを受けたのじゃないかと思いますが、実はこれは非常に喜ばれておるものでございます。たまたま先生のお持ちのものはどうかわかりませんが、私どもが承わっておるところでは、これは非常に参考になっておると喜ばれております。
○中川分科員 そうするとそんなに喜ばれるものなら、厚生省が買い上げて、この厚生広報のように、各府県なり町村に配るだけの広報宣伝費があるのだからやったらどうですか。ただ厚生省の中に置いておいて、配送人はどっちかわからない、国民健康保険と密接な関係があるから置いておるのだというだけでは意味がない。
○菅野説明員 そういうことも私ども考えまして、努力したこともございますけれども、予算上その措置がつきませんので、そこまでやっておりません。この単価にいたしましても、無料配付というところまでは実はいっておらない状態でございます。
○中川分科員 ただ厚生省の中へ置いておるだけですか。別に部屋を貸して家賃をとっておるというような問題はないのですか、どうですか。
○堀岡政府委員 ただいま国民健康保険課長からお答えしましたように、国民健康保険課の中に机が一つある、その程度のものだと思います。それで家賃の話は、これは大へん痛いところをおつきになられたので、あるいは厳格にいえばとらなければならぬのかもしれませんが、現在のところはそのまま放任してあるということでございます。金銭上、別段予算の歳出といたしまして、補助はいたしておるわけではございません。
○中川分科員 これはこれとして、厚生問題研究会というのでも、これは厚生省で二千部か買い上げているのですが、厚生省に直接の関係のないものを厚生省の中にどんどん置いておかれるということになりますと、これはだんだんふえていくのではないか。私も浪人すれば雑誌をやって、厚生省の中に部屋を借りるかもしれませんが、そういうことになると大へんなことになると思います。国民健康保険に関係があるからといって、別に国民健康保険課の中に置かなくても、東京であれば外部に置いておっても、この交通の至便なところであるから不便はない。厚生省に必ず置かなければ連絡がとれないということはないと思います。問題はまだ起っていないでしょうが、疑われなくてもいいような問題が私は必ず生ずるきざしが出てくると思う。厚生省が直接やっているのなら別でございます。しかし直接やっておられないものを役所の中にどんどん入れるということについては、そうでなくても厚生省は部屋が少くて、困っているということではありませんか、部屋がなくて困っている、あそこを何とか改造してもらわなければならぬというような御希望もあったのであります。だからできるだけ今おられる皆さんが自由に使えるだけの部屋に、こういうものにあてがわれる余裕があったならば、そういう方面にあてがわれるのが至当ではないかと思います。そういう点を一つ御注意を願いたいと思います。私は大体この程度で終りますが、私の今質問せんとした点はとにかく経理上の点でございまして、これをよほど厳格にやっていただきませんと、この次の国会におきましては大臣に対して、先ほども申し上げました通り管理法上の責任を問わなければならぬような立場になるかもしれません。これを御了承願いたいと思います。
○堀岡政府委員 最後に一言申し上げておきたいと思います。ただいまのお話の庁舎使用の件でございますが、お説の通りであります。庁舎管理人の私といたしましては、なるべくこれを出すように今までもやっております。本日せっかくの御発言をいただきましたので、一つそういう御趣旨に沿いまして、直接的に厚生省と関係のないものにつきましてはなるべく出てもらうようにいたしたいと思います。
○藤本主査 ほかに御発言はございませんか。なければこれにて文部省、厚生省及び労働省所管に対する質疑は全部終了いたしました。 この際お諮りいたします。本分科会所管の予算両案に対する討論採決は、先例によりまして予算委員会に譲るものといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤本主査 御異議なしと認めます。よってさように決しました。 これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。この際本分科会各位の御協力に対しまして厚く御礼申し上げます。 これにて散会いたします。 午後二時二十六分散会