P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
24回国会衆議院1956/02/22

予算委員会第二分科会 第3号

発言数
192
登壇者
11
会派数
2
開催日
1956/02/22

会議録

藤本捨助自由民主党

○藤本主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  昭和三十一年度一般会計予算中、文部省所管を議題といたします。文部省所管に対する質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。八田君。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 学校給食問題について質問いたします。米国との間に第二次余剰農産物の協定が正式に調印となりまして、本年度学校給食用の小麦、脱脂ミルクの贈与がやっときまったわけであります。折も折、脱脂ミルクの横流し事件が摘発されたことは、一つの痛恨事といわなければなりません。これはわれわれ国民に衝撃を与えただけでなく、今後の外国の好意や信用に少からぬ影響を及ぼすものと見なければなりません。地方財政にとって、教育予算が大きな負担になっており、そのやりくりに追われるのが都道府県の実情かもしれませんが、児童の口に入るべきミルクを他に流用してしまうというのはあまりにもひど過ぎます。学校給食法には、給食用物資の横流しをしてはいけないとか、物資経理と業務経理との間においては、相互に資金の繰り入れをしてはならないとかの規定はありまするが、横流しなどの不正に対して、制裁の規定はありません。中毒事件の発生防止と今度のようなミルク横流しというような不祥事件を防止するため、監督方法の不備な点を改正すべきであります。大臣は学校給食法の一部改正をやる意思があるかどうか、お伺いいたします。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 ただいまの八田さんの意見と私どもば同じ感じを持ちます。文部省へ入ってから初めて給食法の問題を研究いたしましたが、横流しも、小麦と小麦粉だけに十一条の適用があるんですね。ミルクについては十一条の適用さえないのでございます。これを関税法の違反とか何とかいって持って回ったというのは、これは非常に間違ったことであります。これは法律の不備だと私も考えております。それからまた、近ごろしばらく遠のいたと思いまするが、数日前に東京都下で中森事件がございました。栄養士というものを使っておりまするけれども、必ずしも栄養士を使わないところもあるんです。学校の給仕、小使いがやっておるところまであるのでありますが、日本の文教においでは、学校給食は一つの大きな制度となり、ますます発達しておりまするから、十分に研究するように、部内に過日指示しておる次第でございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 脱脂ミルクの横流し事件の摘発の真相、経過等につきましては、自分らは新聞紙上等を通してのみ知っているわけでございますが、できますれば、その点につきまして詳しくお知らせ願いたいと思うのであります。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 文部省においても、一日も早く真相をきわめたいと思って、検察庁等に申し出ておりますけれども、捜査の必要とまた刑事訴訟法の関係で、起訴前であるというので、詳しい報告を得ておりません。過日長崎の脱脂粉乳の事件で、一件だけ起訴を見たものがあります。その起訴状だけは入手いたしておりますので、その内容を管理局長から説明させます。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 長崎県の給食用ミルクの横流しの事件の端緒と申しますか、これはことしの一月十四日にある業者から、日通の汐留倉庫に、かなり大量の学校給食用ミルクが入っているが、これは文部省が最近事故品として払い下げたものであるかどうかという質問を、実は受けたわけでありまして、文部省としては、日本学校給食会が払い下げをしたということは聞いておりませんので、そういうことはないというふうに答えたわけでございます。しかし実際そういう現実があるかどうかということを確かめるために、係官が汐留の倉庫に参りましたところ、確かに給食用ミルク約二百本がそこにあったということでありましたので、そのミルクが市中に転売されることを防止するために、文部省の方で東京税関と協議をして、一応差し押えをいたしました。これが今回の長崎県の給食用ミルクの横流し事件の発端であります。従って、もちろん文部省は初めからそういったミルクの横流し事件があろうということで、監察的な目でこういうものを探しておったというわけではございませんけれども、偶然ではございますか、文部省の方でこの事件に手をつけたような格好に実はなっているのでございます。この汐留倉庫に入っておりました二百本の給食用ミルクは、調べてみますと、昨年十二月に文部省の方から長崎県の給食会あてに送ったミルクであるということがわかったのでございます。それに基いて長崎県と連絡して、一応どういつた事情であるかということを調査したわけでございます。その結果、長崎県の給食会が事故品でないものを事故品として、これをブローカーの青木某という者に払い下げたということでございまして、それが汐留の倉庫に入っておったものでございます。事件の発端はそういったことでございますが、過日東京地方検察庁の方で、この事件について取り調べをして起訴をいたしておりますが、その起訴状によりますと、公訴の事実は、長崎県の給食係長、これはやはり長崎県学校給食会の事務担当者にもなっておりますが、それが体育保健課長の吉岡隆徳と、その他の係員の早田悟と、三名の共謀で、初めから横流しをする意図で文部省に対して給食用ミルクの需要申請をした、それが事情を知らない文部省管理局の係官をして誤まらせて、その申請が真実であると信じさせて、需要申請通りの数量を獲得した、そういう事実で、刑法二百四十六条の詐欺罪として起訴する、大体こういう概要のものであります。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 日本学校給食会と財団法人日本学校給食会との相互関係をお知らせ願いたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 御承知のようにただいまの学校給食は、終戦後に非常に大きくふくれ上って発達したものでございますが、初めのうちは食糧の事情も非常に窮迫しておりましたときでございますので、主として当時の進駐軍と文部省が直接の関係でやっておったのでございますが、昭和二十五年になりまして、政府が直接物資の配給をやるということはどうであろうかということから、民間団体である財団法人日本学校給食会というものが設立されまして、物資の配給と申しますか輸送関係、それからそれに伴う代金の回収関係を財団でやるということにしたわけでございます。ただし当時は政府の方ではこれに対して何ら経費の援助はしなかったのでございますが、昭和二十九年になりまして、少くとも財団法人の役職員の給与まで学童のミルク代としてかぶせるということはいかがであろうかということから、そういった面の経費につきましては政府の方で補助するということで、大体財団の全経費の半分に相当する約四百万円程度を二十九年、三十年と援助をして参っておったのであります。しかし給食の普及の状況から、学校給食会が取り扱っておりますところのミルクの数量が非常にふえて参りましたので、やはり民間の財団である給食会が扱うということについては問題があろう、先々給食の健全な発達を目標にする以上は、もっと国の大きな監督を受ける特殊法人としての性格を持った学校給食会にすべきであるという非常に強い世論がございまして、その世論の趣旨に従って、前前国会のときに日本学校給食会法という法案を政府の方から御提案いたしまして、御審議をいただいた結果この法案が成立いたしまして、昨年の十月一日から特殊法人に切りかわった。従って財団法人としての日本学校給食会がやっておりました仕事のすべては、特殊法人たる日本学校給食会に引ま継がれたわけでございます。そうして従来の民間団体である財団がやっておりましたのに比べまして、非常に強い監督を特殊法人として受けてやっていくということになったのでございます。  なお申し上げますが、その財団にいたしましても、特殊法人である学校給食会にいたしましても、これはミルクだけを取り扱っておるのでございまして、学校給食の重要な給食資材であるところの小麦につきましては、これは今までの関係もございますし、現在においては学校給食会では取り扱っておらないのでございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 ちょっとただいまの説明ではつきりしなかったところがあるのでありますが、財団法人日本学校給食会というものは特殊法人としての日本学校給食会にかわったというのではなくて、日本学校給食会というものは昭和三十年の十一月から発足し、さらにまた昭和二十五年八月から発足しているところの財団法人日本学校給食会は特殊法人に切りかわったと、こうおっしゃるのでございますか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 日本学校給食会法によりますと、財団法人である日本学校給食会は九月の末までその仕事をずっと続けておるわけでございまして、その現状のままで法律に基くところの特殊法人たる日本学校給食会にその債権債務とも引き継がれる、こういうふうに法律で規定しておるわけでございます。その通りに特殊法人が発足いたしたわけでございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 そうすると現在二つあるわけでございますね。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 財団法人日本学校給食会の方は、特殊法人が成立した日にもう解散いたしまして、その権利義務か特殊法人の方へ引き渡される、承継される、こういうふうになったのでございます。従って現在財団の方はないわけで、現在はもう特殊法人だけでございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 そこで今の日本学校給食会というものに役職員の定員が書いてありまするが、現在員は一体どれくらいおるのでございましょうか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 これは法律に規定がございまして、理事長一人、理事三人以上五人以内、監事二人、評議員十人以上十五人以内、こういうことなっておりますが、理事長は前任者が入っております。それから理事は現在五人入っておりますが、そのうちの一人だけが常勤理事でございます。それから監事は二人おりまして、一人だけか常勤でございます。評議員の定員は十五人以内ということになっておりますが、十四人だけ埋めてあるわけでございます。なお来年度の予算におきまして、常勤理事一人のほかにもう一人だけを常勤にするという予算を予算案に要求いたしておるわけでございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 全部で何人になりますか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 現在理事長一人、それから理事が五人、監事二人、評議員が十四人でございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 職員は……。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 職員は十七名でございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 日本学校給食会にこれまでに国の補助がありますが、一番初めは二十八年からでございましたか、補助がなされておったのでありまするけれども、その補助積算の基礎をお示し願いたいのと、補助する場合に一体何を対象にして補助をされたか、その点をちょっとお知らせ願いたいと思います。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 給食会に対する補助金は昭和二十八年度におきまして三百八十八万円、二十九年度が三百九十五万円、三十年度は九月一ぱいまでが財団でございまして、十月以降が特殊法人になったわけでございますが、前期におきましては三百九十五万円、後期におきまして六百九十九万円という補助額でございます。これは先ほどお答えの中に申しましたように、大体給食会の人件費と事務費の一部を国の方で見てやる、こういう趣旨で組まれたものでございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 大臣がお忙しいようですから、この問題についてはさらにあとで質問いたすことにしまして保留しておきます。  次いで大臣に質問いたしたいことは、大学付属研究所について大臣の御所見をお伺いいたしたいのでありますが、大臣の先ほどの御説明にもありますように、わが国には多数の大学研究所があります。中には研究課題の重複したものも見られております。一つの研究所を作ったり、あるいは維持したりするためには五億円くらいの金が要るものと考えられるのであります。この十分の一でもよいから、――有能な研究者が官民の研究所に多いのでありまするから、そういった人に補助するのがよいのではないかと考えられます。研究所を作って事務関係の人件費を増大させるよりも、研究者間の連絡を強化する方策の方が得策であるというふうに自分は考えられます。実際に研究所を回ってみまして、多数の研究費が重複しておるのが見られます。たとえば電子顕微鏡やチセリュウスの装置はどこの研究所にも置かれておりまするが、そのほとんどが眠って使われずにおるような状態にあるのであります。原子力研究所も新たに二つ設置されることになっておりまするが、物と人とが重複してむだにならねば幸いであります。特にこの原子力の研究は研究所同士の協力なしにはやっていけない。むしろ一つの大学に一つの研究所を作るよりは、連絡協力機関を設置するのが原子力研究をして円滑に運営せしむるものと考えるのであります。研究所は一度作ればなかなか廃止することができません。事務員もふえて雄大な人件費がかさんで参ります。わが国は国民財政の上から考えまして研究所を乱設すべきではないと思いまするが、この際大臣はむしろ勇断をもって整理統合をやるお考えはないかどうか。研究所とは名ばかりで施設も貧弱で、実際には四名くらいの研究員しかいないところがありますが、文部省が乱設研究所の整理をやれば、他の省もこれにまねいたしまして、その整理統合をはかってくるものと考えられます。たとえば今日各省におきまして、どのような研究所があるかということを参考までに申し上げてみますと、通産省工業技術院は機械試験所、東京工業試験所など十の研究所を持っております。厚生省は七つの研究所々持っております。全部の官庁では七十四の研究所があるわけであります。官庁の研究機関は幾つかの省に分れて属しておるわけであります。しかもこの間に研究の重複がないかあるいはあるかと申しますると、非常に人と物との重複が行われております。しかも補助金も各省がばらばらに出ております。国全体から見まして十分に効果的に使われておるものとは考えられません。現在全く自主的に行われている研究を、重複がないようにはっきりした分業の体系を作って能率的にやるために、文部省がまず率先いたしまして、現在大学に設置されておるところの研究所の内容等に対して検討を加え、ほとんど実績の上っていない研究所を整理統合されるお考えがあるかどうか、大臣の御所見をお伺いいたしたいのであります。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 今の八田さんの御意見は有力なる御意見並びに御批判として拝聴いたしました。文部省においても毎年整理統合の試みはいたしておるのでございます。また国立大学教員その他のものの共同研究施設ということも考えておるのでございます。しかしたがら何分学問は独立して、同じ問題でも違った方向から研究するという必要もございますので、ある場合には外見上重複のようなことも現われるのでございまするが、御意見を尊重して国家の経費を最も有力なる方向に使うようには努力いたします。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 ただいま八田先生のお話全くごもっともでございまして、本年こそ提案いたしておりませんけれども、例年提案いたしまする国立学校設置法の改正に、研究所の整理統合のなかった年はないと思っております。ただいま大臣の申されましたように、たとえば結核研究所なんと申しますものも――これはほかにもありますが、結核を研究する研究所も六大学あるわけでございます。しかし御承知のようにあるものはたとえばワクチンを中心にする、あるものは微生物の生態を中心にするというように、いろいろ主目的が違っておりますのと、そうした同種目的の研究所同士の相互連絡協議会というのをしょっちゅう持っております。なお御承知のように学術会議におきましては研究者の連絡協議会がございまするし、先ほど協力の重大なことをお述べになりましたが、その意味におきましてはわれわれの方で科学研究費を配分いたします場合に、総合研究費の配分において研究者の協力態勢というものを作っていただくことを努めております。それからごく最近におきましては、御指摘のように非常に大きな施設を擁しなければならない研究所が多いのでございます。原子核研究所を初めそういうものがございますので、国立学校設置法第四条第一項以外に第二項に特別の条文を設けまして、共同利用の研究所として創設しております。こういう形態が将来相当とられるのではなかろうかと思っております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 結核研究所の問題についてお話がありましたが、実際結核研究所におきましても、研究目的、課題は違っておりますけれども、研究を続けていくための研究施設というものは全く変らぬわけでございます。そういったことでものが重複する、実際に結核研究所なんかを回って見ましても、同じような機械が備えつけてある、ある研究に主力を注げば、ある研究装置は眠っておる。その研究装置がほしいというようなところに対しては、何らのサービスがなされないというようなことが現在行われておるわけであります。さらにまた研究所を乱設することによって人のぶんどりというようなことが起ってくる。相当にこの結核という問題についてはいろいろなふうにこまかい研究分担課目は分れて参ります。がしかしそのために使う装置は全く同じである。そこで物の重複が行われないような施策を講じてほしい、むしろ研究所を作るよりはその費用の何分の一かを優秀な研究者に充てて、そうして官民に相当りっぱな研究者がおられるのでありますから、そういった研究者の連絡を緊密にした方がよろしい、こういうふうに私は申し上げておるのです。  それからもう一つ大臣にお伺いいたしたいのは、こまかい点につきましてはあとで事務当局の方と論議いたしまするが、この科学研究費のあり方についてであります。先ほど出していただきました科学研究振興に関する必要な経費配分実積、二十九年度、三十年度に分かれておりまするが、この中で各個研究の部をごらんになっていただきますと、二十九年度の各個研究の採択比率は三〇・二%になっております。ところが三十年度になりますと、各個研究の採択の比率は一四%に低下しておるわけであります。三十年度になって一四%になっておる。ちょうど二十九年度の半分くらいに減ってしまったわけでありします。これにつきまして大臣はどのようにお考えになるか、各個研究に対して補助率が三十年度において半分にも減ったということについて、一つ大臣の御認識の程度をお知らせ願いたい。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 これは重点的に配分する結果、この通りになったのでございまするが、詳細は政府委員より答弁いたさせます。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 補足して申し上げることをお許しいただきたいと思います。御承知のように数年前までは各個研究が、平均単価二万円程度だったわけであります。それがごらんの通り平均十三、四万円になっておりますのは、先ほどもお話がございましたが、学界の要望が重点的の研究の推進という点にございますので、漸次無理をしないように件数を減らしながら一件単価を上げて参りました。そうなって参りますと、行き渡らないところの研究を阻害するということがございますので、数年前に講座研究費を倍にいたました。今御審議いただいております予算によりましては講座研究費を二割増しにいたしておりまして、行き渡らない方のいわゆる普通の研究費は講座研究費の充実、あるいは私立大学に対しまする設備の助成というようなことでまかなって参りまして、科学研究費の各個研究、機関研究、総合研究というものは、あくまでも研究費の本旨にのっとりまして重点配分にだんだん進めていきたいと考えておりますのが、私どもの考えでございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 各個研究の採択比率が減ったのは重点研究だ、こういうふうなお考えであるようでありますが、わが国ほど貧弱な研究機関と少い予算でやっておる国は他にはないのであります。しかもその中に働いておる研究員というものは非常に給料が安い、ですから自分の給料の中から出して参考書を買うというような余力はないわけであります。さらにまた各研究者間の連絡をはかるための交通費も捻出できないというふうな実情にあるわけであります。ですから重点的な研究費の配分を行なったと申されますけれども、その研究が果して重点であるかないかということをだれが判定するのです。むしろこの各個研究の今までのあり方を見ておりますと、ほとんど大部分がボス化された人がずっともらってきておるのであります。これに非常に不平不満があるのであります。しかもわが研究若の今日の実態を考えてみますると、各個研究者一人の人に多額の研究費を与えるよりは、むしろ前にやっておられたような交通費あるいは参考書を購入する費用として総花式にする方が、各個研究の場合には必要と私は考えるのであります。この点について大臣は三十一年度の科学振興研究費の配分を行うわけでありますが、各個研究費につきましてはどうか、わが国の研究者の実情をよく考えられまして、むしろ総花式にやるというのが今日の各個研究者を救う意味である、そういう観点から各個研究というものは助成していくべきだというふうにお考え願いたいのでありますが、大臣いかがでしょう。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 有力なる御意見として参考といたします。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 大臣どうか一つ参考でなく、それの実施に特段の御配慮をお願いいたします。  それから大学院の設置の問題について大臣のお考えをお聞きいたしたいのでありますが、大学院の設置につきましてはいろいろな点において問題を蔵しておるわけであります。まず問題点は、大学院の設置に関しまして理科系も文科系も一緒くたにして、均一化して大学院設置基準というものが立てられてきております。特に理科系では単位制による企画ということは制度上なかなかむずかしいと思うがどうでありましょう。文部省の担当局課におきましては、すでにこういった意見を聞かれておると思いますが、理科系の大学教授からは大学院設置基準に対しまして、どのような意見が出されておりますか、こういった点についてお伺いいたしたいのと、さらにまた大学院におけるところの教授内容でありますが、五十七条には「精深な程度において、特別の事項を教授し、その研究を指導する」とありまするが、同じ人間が講義する以上講義内容に大した進展も新味も盛れないというのが偽わらざる大学教授の心境でおりますが、一体文部当局は大学院における教授内容をどのように考えておられるか。  さらにまたこの大学院の設置によって、理科系では今までのいわゆる論文博士制度というものはなくなって参るわけでありますけれども、大多数の理科大学の教授の考えでは、この論文博士制度というものを続行していきたい、こういうふうな希望が述べられておるのであります。これについて文部大臣はどういうふうにお考えになりますか。さらにまた大学院設置のために今日私立大学の方面では多額の寄付を強要しておるようであります。大学院を設置しないとその大学の格差ができるというふうに考えて、無理をして大学院を設置しようとする動きがあります。こういったことに対しまして、一体大臣はどのようにお考えになられるか、御所見をお伺いいたします。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 大学のことについては、いろいろ問題もたくさんございまするので、臨時教育制度審議会において十分に研究していただくつもりでございます。現状に関しましては、大学学術局長が参っておりまするから、御説明申し上げたいと存じます。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 補足させていただきます。第一、理科系も文科系も同じ基準で認可しているじゃないかというお話でございまするが、これは学部といえども、理科、文科、それぞれ性質によって違う基準で認可いたしております。たとえば大学院におきましても、医学は二十何講座なければいかぬというような、相当詳細な各学科専攻別の別々の基準で認可しているのか現状でございます。  教育内容がいかがであるかという御質問でございますが、これはちょっと一言で申しにくいのでございますが、昔の大学院と違いますことは、細い主専攻ばかりをここで教授研究するのでなくて、相当広い基盤のもとに、五十単位というような幅において関連課目の広い基礎の上において高く深く専攻するというのが、新しい大学院の本旨であるように存じております。指導いたします者は、大学教授中、特に設置認可に際しまして審議せられました学力、識見の高い方が、特に大学院教授として指導せられることになっておるわけでございます。  それから論文博士という制度は御承知のように廃止するのではないのでございます。将来といえども、大学院と同等程度の学力ある方を、大学院において、学外の人でありましても、試験その他によりまして学位を与えることができる制度になっております。また経過的には旧制大学の学位審査権というものもなお数年存続いたします。その数年の経過を見ながら、これを廃止するか新しい制度に切りかえをするか考えまするけれども、つまるところ論文博士を将来ともたくす考えは、どなたも持っておられないのでございます。  それから私立大学等において、大学院設置の場合に相当金がかかるということ、あるいはその通りであろかもしれません。私立大学につきましては、比較的研究施設、研究室というようなものの設けがなくて、教育という面に重点を置かれておる大学等が多かったものですから、従来大学院認可に際して、多少建物を増強するということはあったのでございますけれども、おおよその大勢といたしまして、大学院を置かるべきものはすでに置き、置かないものは大体当分置かない、一応この大学院創設の問題も本年あたり落ちついたように私どもは見受けております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 大学院の設置基準につきましては、大学院設置審議会の答申に基いてお作りになったわけでございます。ところがこの大学院の設置審議会あるいは教育審議会と申しますか、こういった機関のあり方につきましては、相当に批判がなされております。というのは、いわゆる決議のしっぱなしであって、責任を持たないということが世人一般の批判の的になっているわけであります。こういった機関の運営に関しまして、大臣には特段の御配慮をお願いいたしたいのであります。決議のしっぱなしで、あとは全然責任を持たないということが、今日敗戦後のいろいろな問題を教育機関に投げておるわけであります。ですからこういった審議会の機関のあり方について、大臣は相当の御配慮とお考えをお持ち願いたいことをお願いしまして、お忙しいようでありますから、大臣に対する質問はこれで終ります。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 了承いたしました。

藤本捨助自由民主党

○藤本主査 纐纈君

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 私は二、三の点について、大臣に簡単に御質問を申し上げたいのでありますが、その第一点は、国旗と国歌に関する問題でございます。申すまでもなく、国旗は国のシンボルであり、特に国家国民の理想といってもいいのであります。また精神であり生命であると申してもいいかと思うのでございます。そこで国旗を尊重するということは国家に敬意を表することと思うのでありまするが、従来どうもわが国におきまして、この国旗に対する観念が、諸外国に比べまして非常に薄かったような感じがいたすのであります。もっとも従来天皇神格化、天皇主権の時代には、天皇一本にしぼられておったということもあるでありましょうが、今日国民が主権を持つことになりました場合におきましては、この国旗に対しまする観念をもっと高揚さしていかなければならぬじゃないかというふうに私は考えております。外国へ旅行いたしました時分でも、特に国旗国歌に対しまする尊敬の念が非常に強いことを私どもは見て参ったのであります。道を歩いている者でも、どこかで国旗が掲揚された場合とか、あるいは国歌を吹奏しておることを聞く場合には、その瞬間道路に起立してこれに敬意を表しておるというようなことを私どもは見せつけられてきたのであります。国旗に対しましては、明治三年の一月二十七日に、日の丸をわが国の国旗に制定するということが定められておるようでありまして、明治大正時代には非常にあれしたのでありまするが、戦争に負けまして、とたんにこの国旗の掲揚が非常におろそかにされて参った傾向がありまして、独立後だんだんこれを掲揚するようなことになって参りましたか、あの戦争に負けました後に、国旗掲揚に対しましては、国の方でこれを遠慮するというようなことを指示されたことがありまするか、あるいはまたほかの圧力によってああいうことになりましたか、あるいはまた国民の感情によって遠慮することになったのでありまするか。一応その点をお伺いしてみたいと思うのであります。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 国旗が国家民族の、それこそ象徴として重んずべきは当然でございます。わが国が戦いに敗れて、しかも敵国の占領まで受けたのでありまして、占領当時においては、国旗掲揚は一時占領軍の意志によって禁ぜられたのであります。日は私記憶しておりませんが、禁ぜられたのであります。その後それが解禁されましても、今日に至るまで、ややともすると国旗に対する崇敬の念は、一たん衰えた観念というものはなかなかもとに戻りませんので、どうかして背の通りわが国の国旗に対する観念を、一般国民、わけても学童には回復いたしたいと私は考えております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 進駐軍の方からそういうあれがあったというお話でありまするが、そのために、国旗を制定されておるということについては、何もこれをやめろという意味のことはございませんでしたか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 掲揚を禁ぜられたのでありまして、明治初年の同族制定の規則が廃止されたものじゃございません。今日に至るまで国旗でございます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 そこで、今日各学校の様子等を見ましても、また一般の様子でも、だんだんこの国旗掲揚がもとに戻りつつあるのでありますが、なお今日小学校、中学校等におきまして、国旗をことさらにいろいろの儀式等において掲揚しない例が相当あるように私は聞いておるのでありまするが、それらに対しましては、文部省としては、どういうお考えでこれを見ておられまするか、伺いたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 今後適当なる方法で指導勧告はいたしたいと思っております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 適当なる方法によって指導勧告をしたいというお話でございまするが、私はそれに対しまして一言意見を申し述べたいと思うのであります。  今新生活運動が非常に盛んに行われつつあるのでありまするが、この新生活運動の一端に国旗掲揚の問題を織り込んで、もっと国旗を尊重するような気持を進めまして――ことに私は世界各国の国旗を見ましても、日の丸というきわめて簡単な、しかも日本が日の本であり、また日いずる国であるというようなことを従来いっておりまして、実に私は世界でも一番りっぱな国旗だと実は信じておるのでございます。最近どうもあちこちの店等で聞いてみましても、国旗を買おうと思ってもなかなかないというようなことも聞いておるのでありまするが、こういうことでは私はまことに残念と思うのでありまして、この際新生活運動の一端にも織り込んで、この国旗の掲揚を奨励されるように一つお願いしたいと思っております。  なお国歌につきましても同様のことが言われるのでありまして、中、小学校におきましてもことさらに国歌を歌わせない、しかも一面うたごえ運動によりまするロシヤの民謡というようなものが相当歌われておる。こういうことを考えてみまして、あるいは国歌の文句がどうかこうかというようなことを言われておりまするが、私ども、国際競技におきまして優勝した際に、国旗が掲揚され君が代が吹奏をされまするときには、まことに非常な誇りと国に対する愛国心の気持を一そうそそり立てられるのであります。ことに学校等におきまして、君が代は知らないがロシヤの民謡はよく知っておるとか、あるいはまた国旗を掲揚しないということは、私はどうかと思うのでありまするが、これに対しまして、少くとも学校等に対しまして、国歌を歌わせ、国旗を揚揚することについてもう少し積極的に慫慂される御意思はないのでございますか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 世間でいう君が代の国歌につきましても、纐纈さんと私は全く同じ感じを持っております。これも占領初期においては禁じておったのでありまするが、その後天野文部大臣のころに、歌ってもいいといったような消極的の指令をいたしております。私は祝祭日等においては、これば歌うべきものだと思っております。十分研究いたしまして、実行されるようにいたしたいと思います。この歌詞につきましても、一部ではいろいろと論ずる者がありまするが、現行憲法でも天皇は国家の象徴であり、国民結合の象徴なんで、すなわち君が代をことほぐことは日本国をことほぐことであって、一向差しつかえないと思っております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 歌の文句についての大臣の御意見がありましたが、私も大体同感でございます。これはフランスの国歌のごときでも、イギリスでも、相当古くからできたものでありまして、文句をかれこれ言えば相当長いあれがありますが、とにかくこれは国の象徴であり、国民の愛国心を歌い、しかも国家の発展を期する意味においてのあれでありまするから、ロシヤの民謡は知っておるが、自分の国の君が代を知らないというような教育をさせることは、愛国心の上からいっても非常に私は遺憾にたえないのでありますから、ぜひとも一つ消極的でなく、もっと積極的に国旗の掲揚並びに国歌を齊唱するという問題について、文部省の御処置を希望する次第であります。  次に、これは大臣はほかのところでもちょっと申されておりますが、紀元節の問題でございます。今回は歴史、地理等も継続的に教科に織り込むというようなことを承わっておりますが、とにかく日本の歴史をひもときましても、建国の日というものが従来あったにもかかわりませず、――しかも今日その建国の日が最もわが国としては大事な日と私は思います。個人におきましても、御承知のように誕生日というものを近ごろは盛んにお祝いするのであります。そういうような意味合いにおきましても、独立国家に建国の日が全然ないということはないのであり、しかも従来紀元節として、これを建国の日としてお祝いをしておったのでありますが、それが今日国の祝祭日に入っておらないということは、私はどうもその理由を発見するに苦しむのであります。ただ昔の歴史がどうかこうかということで、日にちがどうかということを言っておりますけれども、これも御承知のように古事記あるいは日本書記等の古代の文献から出てその日がきめられておることでありまして、そうした古代のことか、今不合理であるかどうかということを論議いたしましても、私は水かけ論であると思うのであります。しかも長い間建国の日としての紀元節というものをやってきておったのでありますから、独立を獲得した以上は、すみやかに国祭日のうちに入れるべきであると思います。先般紀元節の奉祝国民大会が行われまして、非常な盛会であったように承わっておりますが、国民の間におきましては、紀元節復活は世論調査等においても相当多数の賛成表があるようでございまするが、一つ来年の二月十一日を国祭日として、国民がひとしくお祝いするようなふうに紀元節の復活をされる御意思はございませんでしょうか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 紀元節のことにつきましては、前の臨時国会以来他の機会においても私述べた通りでございます。この通り大きな日本国家というものがある以上は、建国はされたに相違ないのです。しかしながらどこの国の歴史でも、千年昔といいまするというと、その間に暦法も異なっておりまするし、必ずこの日だという証明のつく国はかえって少いのでございます。しかしながら日本では勅選の歴史たるところの日本書記に「辛酉年春正月庚辰朔」ということが書いてあるのでございますから、やはりこれにたよって、とりあえず、二月十一日ときめることは、決して非科学的でもないのであります。世の中のことは、今日科学々々と申しますけれども、しからばイエス・キリストが十二月二十五日に必ず生まれたかという証明はありゃしません。お釈迦さんが二千五百年前にお生まれになった。お生まれになった日に八歩歩いて、天上天下唯我独尊とおっしゃったということだって同じことであります。今の人間の体力として、生れた日に八歩も九歩も歩けるものではございません。けれどもそういう伝説をともかくも真なりとするところに信仰があるのであります。そこで日本国民は長い間、国家の起源としてこれを信じ来たっておるのでありますから、これをしいて破るということはそれこそ非科学的な考えであります。それを知りつつもこれを紀元節と見るのがいいのであります。祝祭日は今日では議員提出の法律として法律できまっております。このことは国民の権利義務にも関係するので、祝日の当日は法律上期限の末日でも翌日にいくという国民の権利にも影響いたしますから、一つ院外の輿論が起りまして、議員提案としてみやかに御提案下さるならば、政府としては直ちにこれに賛意を表そうと思っております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 次は青少年の犯罪の状況につきまして一応伺ってみたいと思いますが、最近の青少年の犯罪の動向は、すでに皆さんも御承知のことでございますが年々逓増いたしております。しかもその逓増の中には、初犯の犯罪の年令というものが非常に低下して参っております。だんだん小学校の児童までが犯罪を犯すようになる。最近の青少年の犯罪のうちで最も多いのが、学生で見まするならば、高等学校や中学校というような程度になっておりまして、これはいわゆる犯罪でありますが、またいわゆる桃色行為のような不良行為というものも非常に犯罪上に、統計を持っておりますが数が多い、そういうような趨勢でございます。しかも凶悪犯罪、殺人強盗とか強姦とかというような犯罪が青少年の間に非常な比率をもってふえてくるということは、実に憂うべき現象だと私は思っております。これはもちろん刑事政策の方面もありますが、特にこういう方面はおそらく一般に道義がすたれてきた社会情勢にもよりますが、そういうことによって青少年の犯罪が非常に多くなってきておる。最近も岐阜県の本巣高等学校におきましては集団的の犯罪が行われたということで、非常なセンセーションを起し、教育界にも大きな問題となっておるわけであります。そういうような傾向にありまして、青少年の不良化防止というような点について文部省としても御努力なさっておられるようでありますが、この傾向をどうしても私は矯正していかなければならぬと思うのでありますか、それにつきまして文部省としてのお考えを一度お伺いしたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 これは実に教育上ゆゆしき問題でございまして、青少年の犯罪を防止する、また道徳性を上げるということをどうしたらいいのでありましょうか。どうしたらいいのであるかを考える前に、何ゆえにこういう状態が起ったか、まずこれをせんさくしなければならぬと思います。終戦後、一時修身教科が禁ぜられたことがあります。修身という言葉にはいろいろの語感もあります。戦争前の修身は修身齊家という漢語をとったので、いわゆる朱子学からきておるのでありますから、えてして服従ということが主になっております。そういうことから、教え方の変更を、必要としたことは事実でありましょう。しかしながら一体学校というものに道徳、修身を禁じたといったようなのは、おかしな話なんです。しかしその後昭和二十六年から社会科というものをこしらえて、修身をやってもいいということになったのです。そういうふうな薄のろいことで一体道徳倫理は持維できるものではございません。外国のように、ことに西洋のようにキリスト教というものがある。キリスト教は宗教であると同時に道徳を含んでおるのです。十一戒というもの、山上の垂訓を持っておるのです。日本で修身をやめたら、ほかに道徳律はないのです。そういう時代が数年間続いて、今、前文部大臣以来小学校において社会科のうちに修身科目を入れることにいたしておりますけれども、私は非常に消極的だと思っておるのです。人間の本性はやはり動物であります。ほっておいたらやはり利己的になるのです。自分の物欲を捨てて人のためにも働く、社会のためにも働くということを教えるのには、きちんとした一つの教育がなければいけるものではございません。将来の教育はさらにそこに目安を置いて、まさに頽廃せんとする日本の倫理道徳を確立するということが非常に私は大きな任務だと思っております。私自身、任重くして道遠しで、その力の足らぬことをこれ憂えておる次第でございます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 国歌、国旗掲揚、今の道徳教育という点につきまして今日ほどその必要性を感ずることはないのでありますが、どうも文部省はいささか消極的の態度に出ておられるようでありますが、今後一つ大いにその方両に対しては積極的に御指導を願うように希望いたしておきます。  次に青年の犯罪の問題のみでありませんが、青年教育に対しまして、こまかい点につきましてはいずれ政府委員の方からお伺いしたいと思うのでありますが、大臣に一つお伺いしたいことは、青年学級制度が行われておりまして、相当各方面においてそれを実施はいたしておるのでありますが、最近は都会の方ではことに盛んになりつつあるようなふうに伺っておりますけれども、私ども農村の状況を見ますと、初めの間はある程度出席率も多かったようでありますが、ことに社会学級講座等におきましては、各もよりの大学のいわゆる進歩的の考えを持った先生たちが相当青年学級には各方面からやられておりまして、そのために勤労青年の諸君が相当左に片寄るというような傾向があって、これも相当問題にされておりますが、近ごろはどうもそうした進歩的の先生たちの講座というものが必ずしも前ほど歓迎されておらないような状態がある。もうあの話は聞き飽きたというようなことが一面ありまするし、どうもあの青年学級に対しましては、青年諸君がそのあり方に非常にあきたらないような傾向がありまして、非常に出席率が少いのであります。従って青年を集めるとすれば、映画をやるとか、芸能をやるとか、そういうようなほかのことをやれば非常にたくさん出てきますが、この青年学級だけの研究の状況は、実はきわめて出席率が少くて、実際の効果を上げていないように私は見ておるのでございます。これに対しまして文部大臣から伺っても局長から伺ってもよろしゅうございますが、文部省としては、この青年学級のあり方について、今日のような状態でいいかどうかということについてのお考えをちょっと承わっておきたいと思うのであります。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 お答あんする前に、前の答えで一つ落しましたが、纐纈さんは御郷里の岐阜県の本巣学校のことについて論及されましたが、あのことについても文部省は非常に心配しておりまして、今人をやりまして調査させております。何とぞいい始末がついて、災いを転じて福となすように学校が更生されんことを希望しております。  青年学級のこと及び進歩的教師のことでありまするが、これは今の現代語で進歩的先生というのは、経済理論を心得ておられる方で、人間の生活の一部分である経済面について研究されておるので、あのくらいのことは、数時間講義を聞けばみんなもうわかっておるというふうなことなんです。そこで世の中に今必要としておることは、実用職業に牽連した点が多いと思います。そういうことも加味いたしまして、全国一律というとかえっていろいろの差しさわりもありまするけれども、青年学級についてどういうことを学習すべきかを研究いたしまして、不日適当なる成案を得、皆さんにもお目にかけたい、こういう時期に到達いたしております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 御研究になって成案を得たいという大臣のお説でございますが、これにつきましては、私も文部省に御厄介になっております時分に、実は青年学校というものを育成して参ったのであります。学制改革の戦後の場合におきましても、私はぜひ青年学校だけは残していただいて、そうして勤労青年の勉学の道を開いていきたいという意見を実は申し述べたのでありますが、これが実現できなかったのであります。今日青年学級のあり方を見まして、私はどうしても昔の青年学校制度を復活させていただいて、そうして少くとも成年になるまではこの勤労青年が青年学校において学習をするというような形に持っていかれた方がいいのじゃないかということを、私は自分として考えておるわけでありまするが、青年学校の復活というような問題につきましては、文部大臣はまだ別に何ともお考えになっておりませんか。それについて何か御意見がありましたら、一応伺っておきたいと存じます。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 ただいまでは青年学校として、今の学校教育法にある学校以外の別途の学校を残てるような研究はいたしておりませんけれども、青年学級をもう少し実用的にして、人に好まれる学級にいたしたいとは努めておるのでございます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 青年の教育はほんとうに大事でございまして、ことにさきにもちょっと申しましたように、青年学級に対してはあきたらぬという点が非常にございます。そうして今定時制の高校が農村に相当ありますけれども、たとえば純農村であって、そこに定時制の高校を作る場合に、本校に農業科がないために、どうしても普通科ということで、農業科の科目が、先生の配置がなくてできないようなことになっておるところがおるのであります。そういうことで定時制の高等学校についても、その地方の事情にほんとうに即していない学校であるために、これにもあまり入りたくない。相当町村で建てておりますけれども、その点非常に負担が重い。しかもそれに就学する者がきわめて少いのであります。こういうことが、定時制の高校を作ったところではどこにもあって、嘆いておるような状態でありますが、これに対しましては、ことに純農村であれば、特にそれが本校になくても、やはりそういうところには農業科目の先生を配置するような方法をとるべきであり、またとってもらいたいと思うのであります。そういうことは規則でなかなかむずかしいようなことを伺ってもおりまするが、これはどうしても定時制の高校を奨励されておりまするならば、私は、その地方がほんとうに要求する、その地方々々の事情によりまする必要な学科に対する教師はやはり配置をさしていただくようにしてもらいたいと思うのであります。これはちょっと技術的な問題でありますから、政府委員からお願いしてもいいと思います。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 お説のように、農村におきまして、農業高等学校の本校がなくて、そこにあるのは普通高等学校の本校である。その分校だけに農業科を置くということにつきましては、前々から地方の事情もございましていろいろ要求を聞いておるわけでございますが、ただいま文部省の指導方針といたしましては、普通科課程の高等学校につきましては分校というものを認めない方針で、今まで指導してきております。ただ、ただいまのような御趣旨の点もございますので、今後十分検討いたしたいと存じますけれども、このたび高等学校の教育過程の内容の改訂もいたしまして、普通高等学校におきましても職業科目を中心とした教育課程を組むことも学校によってはできるようにいたしたわけでございまして、それらの活用によりまして、それは必ずしも農業高等学校の分校という形でなくとも、御趣旨のようなことができるかと存じておりますけれども、なお一つ根本的に検討いたしたいと思います。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 いわゆる勤労青年だとか定時制高校に行くような者は、大体ほとんど地元に落ちつくべきものでございます。だからそこの事情に適合した一番大事な学科がそこに設けられないという行き方では、定時制の問題も中途半端な問題になってしまうのではないか。そういう意味におきまして、青年学級と定時制の両校とを一緒にしたような青年学校を復活する方がいいような考え方を私は一応持っておりますが、その点について文部省当局としても一つ十分御研究を願いたいと思います。  一応私の大臣に対する質問ばこれで終ります。

藤本捨助自由民主党

○藤本主査 川崎君。

川崎秀二自由民主党

○川崎(秀)分科員 予算編成の際に要望のあった問題で、あまり大きな経費ではないのでありますが、最後に政策審議会と文部省あるいは大蔵省との折衡においてやや犠牲になった形になっておるのに、本年の四月に行われるピンポンの選手権大会の費用二百五十万円の削除という問題があるのであります。御承知のように、従来卓球の世界選手権大会において、わが国は数回優勝しておる。優勝しておるばかりでなく、日本の卓球というものの地位、また全国的な普及が認められて、オランダのユトレヒトという所で行われました前回の選手権大会において、東京開催という未曾有の事業がきまったわけであります。本年四月の二日からこれが実施されるというので準備を急いでおる卓球協会あるいは体育協会は、国費の協力がなかったため今日非常に苦境に陥っておるという状況であるそうであります。前のレスリングあるいはスケートの世界選手権大会が日本で行われた際にも、単一の選手権大会でも日本で行われる際には、世界選手権には世界の各国を招待するわけであるから、従って国家的事業として国がこれに協力するのは当然のことだと思うのであります。これは文部省においても今日もちろんお考えになっておることとは思いますけれども、その補助費というものは出るのでありますか、出ないのでありますか。もし出るならばどういう費用で捻出をされるか、この際承わっておきます。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 今川崎さんのお尋ねの経費は、やりくりで出すつもりでおります。やりくりですから、どの経費ということは言えませんが、文部省内の経費と御了承願いたいと思います。

藤本捨助自由民主党

○藤本主査 辻原君。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 少しこまかい点で二、三の問題を伺いたいと思います。  最初に負担金の問題についてお伺いいたしたいと思います。ずっと予算の編成の過程を見ますと、事務当局としては相当苦労ぜられた跡が、この部分に関する限りは私も認めざるを得ないのでありますが、ただ問題は編成の過程で一番重要な問題であった――大蔵省あるいは自治庁が前々からそういう計画を持っていることは私も知っておりますが、例のそれぞれの人件費の基礎を定員あるいは定額という形にするいわゆる定員定額制、本年度は制度としては一応採用せられておりませんが、しかし昨今の地方財政の状態等から考えてみますと、この問題は将来とも文教の予算にとっては非常に重要な問題にさらに発展するのじゃなかろうかという危倶を持っておるのであります。従いまして一応今後の見通しについて、また今後の文部省事務当局としての計画について、この点を承わっておきたいと思います。

竹尾弌自由民主党文部政務次官

○竹尾政府委員 事務当局へのお伺いでございましたが、前半少し政務にも関することでございますので、答弁さしていただきます。  辻原さん御承知の通り三十一年度の予算の獲得につきましては、特に今お尋ねの点につきましては、私どもも非常に微力を尽したつもりでございまして、これははっきり申し上げていいか、どうか存じませんが、大蔵省の方では定額実人員ということを非常に主張して参りました。その点につきまして私どもも強硬に反対をいたしまして、とにかく実員実額、現員現給という建前を固執いたしまして、その通り一応納得していただいたというような実情でございまして、この点については私どももかなり長い時間折衝を続けて参っておりまするし、また義務教育費国庫負担法の趣旨がそこにあるのでございますので、この趣旨だけは絶対に曲げない、こういうつもりで将来とも進んでいきたい、こういうかたい決意を持っております。あと事務的な詳しい点ば局長から答弁していただきます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 今政務次官から、将来とも大蔵省、自治庁が考えている定員定額あるいはそれに近い定員実額制というような形には文部省としては反対をしていきたい、こういうお話でありまするので、その点は、場合によれば本年度の補正予算を契機として、あるいは来年の予算編成期に入ってそのお考えでやっていただけるということに信をおきまして、さらに御努力をいただきたいと思います。  ただ、そのことばそれでいいのでありますが、中身を少しく見てみますと、制度としてはそういう形にはなっておりませんけれども、しかし事実上これはそれぞれ地方で実施の面を受け持つわけでありますから、結局国庫負担金の精算方式をとっておりましても、一応算定される総ワクが過小に見積られた場合には、勢いそれは事実上非常に影響するということは免れません。昨今のそれぞれの都道府県の状態を見ましても、すでに各都道府県とも予算の編成期に入っておりまするが、政令県はさておきまして、一般県等においては相当大幅な定員における減員ないしは定額における据え置き、こういうような事態が認められております。その一つの原因は、私はやはり本年度の予算もその一つの誇因になっておるのではないかということを想像するわけであります。もちろん全部がそうだとは申しません。地方財政の困窮がやはり根本問題であり、さらに再建整備法に関する都道府県の取扱い、こういう点からの実際以上の教育費への締めつけというととがからまって起きている問題だと思いますが、私の県などにおきましてもすでに五名の減員、こういう問題が発表せられて、非常に問題化いたしておるような事態でございます。すなわち前年度から一応増加をいたしておりますが、資料によりますると、大蔵省、文部省とも、生徒増は小学校三十九万、中学校十二万、こういうふうに査定をいたしまして、教員増を出されました予算のあれから見ると、小学校で五千九百七十二人、中学校千四百四十六名、こういうことになっておると思いますが、文部省の当初の要求を見ますれば小学校が九千四百、中学校が四千三百、こういう形になっておると思うのでありますが、大体文部省の当初要求のいわゆる学級当りの算定は去年並みにせられておったように思いますが、去年並みと申しますと、私の記憶するところでは小学校が十二分の十三、中学校が九分の十三ですか、そういう率だろうと思うのでありますが、そういたしますと、このひけてきた分だけはおそらく一学級当り定員というものを落していかなければならぬというような結果になりますが、それは文部省としては三十年度実績を負担金の中において十分確保せられるという見通しに立ってこの程度において了承したのか。あるいはこれは事務当局としては何ら責任のないいわゆる折衝の過程のバナナのたたき売りという形で結局おちついたのか、その辺のところが明確になりませんと、それぞれ都導府県においても一応の目安というものを失うと思いますので、前年度の実績から切り下げられるということであれば、そうおっしゃっていただいてけっこうでありますし、またその中で前年度三十年度の実績通りを確保できるということであれば、一つ声を大にしてその点を強調してもらいたい、こういうふうに考えるわけであります。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 ただいまお尋ねの三十一年度予算案におきまして教員増の算定のことでありますが、最初お話のございました、現に減員を各地方ではかっておるという関係もありますけれども、これは今度の予算とは私は直接に関係はないと思います。と申しますのは、現にただいまもお話がございましたように、小中学校合わせまして五十二万でございますか、この生徒増に対します教員増というものは一応三十一年度予算としまして確保いたしておるつもりであります。ただその算定におきまして昨年と比べてどうであるかということになりますと、ただいまお話のございましたように、若干昨年よりも算定基準の基礎を切り下げておる点ば事実でございます。と申しますのは昨年度のとり方は学級の増加見込み数に対しまして小学校が十二分の十三中学校におきましては九分の十三をとりましたけれども、この点は増加数に対しましてそれぞれ一という算定をいたしました。これは現地の地方財政の状況からみましても、また従来の実績から申しましても、増加学級に対しまして一名の確保ということをいたしますことが適当ではないか。これ以上切り下げてはいげませんけれども、増加学級に対しまして一名ということでまかないがつくのではないかというように考えまして、そういう算定をいたしたわけでございます。その結果が今御指摘のありました小中学校合わせまして、それに盲ろうを入れますと七千九百十九名、こういうことになるわけであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 分科会でございますので政治的発言は私もいたしませんし、一つ答弁も生でやっていただきたいと思います。修飾語は要りません。増加分について確保されておるということは数字で明らかでありますが、どの程度が確保されているかということが問題です。従って私はどの程度を切り下げたければならぬかということを数字上明らかにしておきたい。今お説のごとくどうもその点の数字が私ははっきりしないのですが、増加分に対しては一学級を確保したということは、たとえば小学校で五千九百七十二、この数を確保したことが、いわゆる五十人一学級定員とする増加学級に対して一名を確実に確保せられたということになるのか。それから当初要求の九千四百との間にはどういう差があるのか。九千四百というのは一体どういう根拠で要求したのか、その差を率で一つ説明していただきたい。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 その増加数の小学校で五千九百七十二、中学校で千四百四十六でございますが、この増加学級数に対しまして一名を確保した、こういう意味でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 、五千九百七十二、それから千四百四十六で一応確保した、だから新しく三十九万、十二万の増加に対して一学級当り一名を完全に確保した、これはそう承わりしました。  そういたしますと、次に、これは私もさだかではないのでありますが、従来の十二分の十三、九分の十三、この基準を適用して三十年度はやった、そういたしますと、これは今御答弁がございませんでしたが、今度は九千四百、それから四千三百、これは私の想像ではおそらく前年度の実績を確保し得る率だろうと思うのでありますが、そうしますと、増加分については一でありますが、全部つきならした場合に、新しい基準として、いわゆる学級当りの定員率というものはどういう尺度を考えられておるか、どういう尺度をあてがわれるのか、それが三十年度との比較においてどの程度の、これはいわゆるポイント以下になると思いますけれども、どの程度下げられるのか、これを一つ御説明願いたい。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 ただいまの一名を確保しようというのは増加学級に対しての場合でございまして、政令県ではございません。一般府県に対しましては御承知のように実績負担主義でございますから、三十年の実績の上に増加学級当り一名ずつを加えたものを三十一年度の予算人員として予算を組む、こういう意味でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 その実績負担ということは法律上当然なのですか、実績負担ということであればそれは別に算定の基準も要らないわけですが、従来文部省でも一応負担金を配分される基準として、ないしは一応予算の総ワクを要求される基準としてのいわゆる増加見込み額の算定をやっている、その数が先ほど申し上げた十二分の十三、九分の十三だろうと思うのですが、こういうものを全然度外視して各都道府県が支出したものに対する半額を完全に保障するという線を今後とも守っていくということですね。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 それはお話の通りでございます。これは予算といたしましてはそういう算定基準をとって増加数を見て、それを従来の実績に加えたものを人員にいたしますけれども、しかし地方におきまして実際にその数よりもたくさんの増加がありました場合には、もちろんこれは推算といたしましてその分を確保して参ります。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 それでは次に給与の点で少し伺いたいのですが、先ほどもらいましたこの資料に基きますと、今度の給与単価は小学校で二万六千二百六十五円、中学校が一万七千百十九円という本俸になっておるのでありますが、私は昨年の文部省が調査された資料を見たのですが、三十年四月の現給を調べたのによると一万六千六百十円、それから中学校が二万七千五百十一円となっております。昨年度は予算上昇給財源は五%見積っておったと思います。それと、本年度人事異動等もまだ行われておりませんし、その予想もにわかにはつきませんけれども、そう私は給与の上において、これはあるいは各都道府県が、また皆さんが相当のなにをやるという別の政策を立てておれば別でありますけれども、普通の状態であると、そう極端に平均市価というものは私は下らないと思う。むしろ普通の場合であれば、若干は人員の異動において下る、そのかわり昇給等の関係において少しは上るから、ほぼバランスがとれるのか普通じゃないかと思うのですが、相当これは引き下っておる。相当これは下っておりますね。一体その具体的な根拠というものは何か、ちょっとお示しを願いたい。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 三十一年度の予算単価でございますが、こればこういう算定をいたしました。これも実績主義でございますから、一般県について申し上げますと、一番近いところの実額、これは三十年度の十月一日の給与月額の実績をとりまして、それに対しまして、今お話のように四%年間昇給するということで、昇給財源といたしましては二%をつける、こういう算定をいたしました。その結果、小学校におきましては一万六千二百六十五円、中学校におきましては一万七千百十九円、これが出ております給与の単価でございます。繰り返して申し上げますと、実績に対しまして、それを基礎にいたしまして、そうして年間四%上る。従って昇給財源としてはその半額の二%、お話がございましたように昇給時期というものは一年一律ではございませんので、その半額、二分の一を昇給財源としてつける、これで計算をいたしました。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 計算の方法は特段問題にすべき点はないと思いますけれども、実績をとられたということであれば、そこで昇給財源を一応四%の半分、二%ですかを見込まれたわけですね。この資料は文部省でお持ちになっていらっしゃると思いますが、私どもは昨年中にいろいろ聞いたのは、ことしはこれは政府の一つの労働政策か何か知りませんけれども、昇給だけは確保する、こう当初からえらい大みえを切って言っておりますから、私はほぼその約束は果してもらえると思うのですが、去年は相当これは問題があった。従って各都道府県で法律条例通り昇給が実施せられたかどうか、それの各都道府県別の資料がありますか。私は去年の昇給の実施状況は、あまりよくなかったと考えております。それが実績に二%完全に加えた程度の昇給を確保しておったかどうか、その点の資料がありましたら一つ制説明願いたい。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 ただいま三十年度におきまする昇給の実績の詳細な資料を持ち合せておりませんが、お話のようにこれは地方財政の非常な逼迫の結果、昇給期に毎期円滑に実施されたという状況じゃないようでございます。ただこれは詳細な資料はただいま持ち合せておりませんが……。なお先ほどちょっとお答えを落しましたが、四%というのは国家公務員と同じ率でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 今の資料は私参考にいたしたいので、一つお出しを願いたいと思います。各府県の昇給の実施状況、三十年度の分を一つお示し願いたいと思います。今はけっこうでございますが……。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 これは調べなければなりませんので、そう急速に御要求のようなものがすぐ整うかどうかわかりませんが、労力いたしたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 ただ、私は文句を言うわけではありませんけれども、やはり実績に昇給財源を見込んでやったという計算であるならば、その当該年度中における昇給の実施状況はどうであったかということの基礎がなければ、これは私はそう軽々に計算するわけにはいかぬと思うのです。いわゆる単価というものが各都道府県で実施する場合の基礎になりますから、もちろん各都道府県の実績は違いますけれども、やはり総和、トータルというものは実績の上に成り立っておるのですから、そういう点に穴があれば、結局具体的の実施のときに困ってくるという問題が、そういうこまかいところから出てくるわけですから、この点は一つ今後注意して、資料が調査できていなければ、やはり早急に調査をされる方がいいだろうと思います。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 ちょっと私ここに資料を持ち合せておりませんでしたから、ただいまのようなお答えをいたしましたが、今財務課長から資料をここに出してもらいましたが、大体昨年の十月までの実施は済んでおるところが大部分でございまして、わずかの県は延びておるところがあるようでございます。一月の昇給につきましては、概括して申しまして、三分の一くらいが済んでおると申し上げてよかろうかと考えております。なおここにございますから、あとでお目にかけて……。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 今の点はあとで資料によって示していただくことにいたします。次に、その昇給率の御説明がありましたが、ちょっとこれも心配になる点ですが、国家公務員の四%と同じ率でとったというのですが、どうでしょうか。従来の実績で、四%で確実に昇給の財源がまかなえますか。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 四%の昇給ということは、私どもも実態をよく調査いたしまして、大体四%でまかなえるということで、この数をとったわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 これは意見の対立になりますが、私は非常にむずかしいと思うのです。従来の例から申しまして、非常にむずかしいのじゃないか。ですから今年は政府としても昇給だけは完全にやるということなんですから、従ってこの昇給率の確保については特別の注意を払っておくのが私は至当だと思う。しかしこれは割に簡単に四%を割り出されておる点は、おそらくこの範囲でもっては、将来まかなえなかったという結果が出るのじゃないか、しかし緒方さんはまかなえるとおっしゃいますから、後日、今度は数字でお目にかかることにいたしましょう。  次に、施設の関係について少しお伺いをいたします。配付されました説明資料をずっと見ましても、ほとんど三角じるしがついておることを見ましても、これは努力はされたのでありましょうけれども、あまりへ年度施設については大きな期待が持てないという証拠ではないかと私は思うのです。一番最初にちょっとお伺いしておきたいのは、前々から問題になりまして、昨年国会でも委員会で付帯決議までいたしました、例の町村合併の進捗に伴う校舎設備の整備費約二億円が確保されておるということですが、それは義務教育の年限延長に伴う建設費負担金の項に入っているのでしようか、どこでしょうか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 お答えいたします。義務教育年限延長に伴う建設費負担金という中に入れてございます。数字は三億円でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 そういたしますると、前年度十九億何がし、それから三十一年度が十九億六千なにがし、こう思います。その中に三億がぶち込まれているわけですか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 ただいまお答え申し上げましたように正規の予算要求書では公立文教施設整備費、すなわち公立学校等の施設整備に必要な経費の中に入っておるのでございますが、予算の御審議の参考資料として出しましたものの中では別ワクになっております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 説明の方では別ワクになっておることば承知しておったのです。そこでこの一億の使い方の問題と、予算額三億というものの基礎なんですが、私がいろいろ聞いたり調べたりした範囲では、昨年文教委員会等で非常にこの問題を取り上げまして、政府に配慮を願った結果、大体三千くらいの抽出調査をやられたということを聞くのでありますが、その三千くらいの調査の結果に基いて、言いかえますと、かかる助成を必要とするものがほぼ三千だったという点から積み上げられてきた、その基礎でこの三億を組まれたのか、その辺のところはどうなんでしょう。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 これは御承知のように、文部省では年々公立学校の施設につきましては五月一日現在で実態調査というものをやっております。この実態調査に出てきました関係の中で、いわゆる町村合併促進法による、町村合併新市町村計画を持っておる町村合併との関係等も調べたのでございまして、ただいまお尋ねのようないわゆるサンプルから引き上げたものではないのであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 サンプルから上げたのじゃないというのですが、それでは一体どの程度の必要度合いを考えられたか。ここに金額は三億と出ていますが、現在町村合併ももう一応法律上の終局に近づいておりますが、今であればこの必要な地域、必要な学校、また必要とする経費、こういうものは大体想定がつくと思うのです。総合的におやりになったということなんですが、総合的にやった場合に、必要とした学校はどのくらいありましたか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 文部省の調査によりますと、現在までに出ておりますところの町村合併促進法による新市町村建設計画に載っております学校統合は、小中学校合せて二千十六校が千百十五校になるという一応の数字でございます。これを全部、たとえば校舎のみならず、屋内体操場あるいは危険校舎、これは統合学校の危険校舎までも含めて計算いたしますと、大体三十五万坪分、約六十億の金がかかるという一応の計算でございますが、今年度の三億円では大体校舎だけをその補助の対象にしたいというふうに考えておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、三十年の五月一日現在の実態調査の結果に基きまして、その実態調査の数字から拾っていったわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 校舎だけを対象にするということであります。坪数を見ますと一万七千坪になっておりますが、かりに統合の場合でありますから、おそらくそうそう小さいのは少いんじゃないか。部分改修じゃありませんから、あるいは部分改築じゃありませんから、おそらく位置移転、こういうケースがほとんどだろうと思うのです。そうしてみますると、かりに一校当り三百坪と見積りましても一万七千坪では一五百数校、これはきわめて大ざっぱな考え方ですが、それが新市計画、これはいつ現在かわかりませんけれども、これによりましても約半分に減る、こういう計画だ、それにのっとって二千何かしが千何ぼになるということであれば、私はこの二万七千何かしで三億の予算でもって計上いたしましても、三百坪見積れば二年ないし三年あれば充足してくるというようなことが、これだけの資料で考えられるのですけれども、しかしそれはいささか実情とは違うのではないか。どこが違うかといえば、やはり今あなたが言われた新市計画に基く学校統合云々のそこの基礎が違うのじゃないか、この申し上げたわけです。どうでしょう。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 この文部省で調査しました数字は、私どもとしては間違っておらぬと思いますが、ただこの三億円というものが全体計画から見ますと、かなり低いものでございます。もちろんこの三億円が年々参りますということになれば、五ヵ年たっても一応新市計画に乗っておるところの学校統合すべてについて補助するというわけには参りませんけれども、この点につきましては来年度以降、できればこの統合助成費を大幅にふやしていきたい。文部省としては一応五ヵ年計画というようなことで計画を立てておるのでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 それでは数字は間違いですか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 いやこれは五ヵ年計画でやりたいと思っておりますが、この三億というものは文部省の計画から申しますと全体計画の十五分の一しか取っておらぬということであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 そこで今言われた全体計画というものをもう少し明らかにしてもらいたいのです。と申しますのは、私この間から国会の調査で実は東北の方にも参りました。その参りました県について、それ以前に文部省が調査をされておった必要な校数、これと現地でのその後の町村合併の進捗状況から止まれてきた必要度合い等を考えてみますと、問題にならないわけなのです。非常にふえてきておる。従って全体計画というものがどのときのどういう基礎から作り上げられたものか。まずこの予算を問題にする前に一応全体計画をわれわれもしっかり把握しなければ、予算についてものを申すことができません。従って全体計画、それをどういうような調査の結果立案されたかということをお聞かせ願いたいと思います。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 先ほど申し上げましたように、昭和三十年五月一日現在で実態調査を全国的にいたしておるのでございますが、そのときに取りました資料は――御承知のように町村合併促進法は二十八年十月から施行されたのでございます。従って二十八年十月から三十年五月一日までの間に建設計画に乗せられたそのすべてを拾い上げていったのでございます。一市町村ごとにすべてのものを調査いたしまして、それを全体的に積みしげたものでございますので、私どもといたしましては二千十六校から千百十五校になるという数字は間違っていないと思います。しかしその後に新たな計画が出ているということでありますならば、それは将来の予算積算の基礎には加えなければならぬと思っております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 御説明としては一応それでいいかもしれません。しかし私の知る範囲では、文部省でおやりなすった調査の当時は、そういう話は出ておったけれども、具体的に計画を持っていたかった。またそういういわゆる助成の方法がとられるかとられないかということで、現地の方ではひより見をしておったところが私は非常に多かったと思う。従ってあなたが言われる新市計画あるいは新町村建設計画という町村合併法に基くあれは、数字は間違いないでしょう。しかし実際の押え方としては、この点が要求の度合いよりもはるかに低いものであったと私は考えているわけなのです。そういう点を考慮に入れられて今後の計画をお立てなさらぬと、これは相当な食い違いが出て参ります。現にどこの府県に行きましてもそういうような助成をやってほしい、やってくれるならば一つこの際学校統合にいこう。しかしまるまる自分の方で自力でやらなければならぬということになれば、統合すれば相当経常経費は助かるけれども、そこまでは手が出ない、こういうのが実情だろうと思います。これは私は現地で相当突っ込んで聞いてみましたし、資料ももらってきましたが、どうもそういう傾向らしいのであります。従って来年度になりますればこの要求というものば相当大きなものになって、そのときに今立てられておる年次計画がそのままで来年の予算のあれに持っていくことはむずかしくなるのではないか。これはこういう席上で申し上げる言葉ではありませんけれども、そういった点が関係各省にけつをけられないように、私はしっかり腰を据えてやってもらいたい。ですから今からもう少し新しく出てきた要求度合いについてお考えを願っておればわれわれも推進できると思います。その点は一つ私の申し上げた真意をくみ取ってもらいたいと思います。  次に今の町村合併に関しまして、従来われわれが考えておりましたのは、でき得ればこの問題は他の施設建設と違って、やれば実際相当な負担を受けるそれぞれの町村でも、今は非常に”しいけれども、将来は相当助かる。これは非常にわかりやすいことでして、この際学校も新しくなるし、合併したほんとうの新町村の建設ということで、何といったって、いなかは学校が中心ですから、学校の位置も思い切ってこの際移転して、最も教育の便のあるところでやろうじゃないか、こういう意気込みがやはり先見越しで出てきているわけです。またその通りであるのです。これは数字上においても、今これに対する助成を相田注ぎ込んでおきましても、国家全体の経費から見れば逆におつりが来るくらいの勘定になる。だからその点われわれも大いに町村の協力を仰ぎますし、また一つ一般の方々にも理解を深めますが、文部省等も積極的にこの問題を取り上げて、この機会に今までやれなかった危険校舎その他についても、いわゆる校舎改修建築を進めるというような意気込みでやってもらいたい。それにはどうしても私たちとしては立法化が必要じゃないかと考えたわけなのです。ところがどうもあなた方のお考えとしてはそういうお考えに至っていないようなので、どうした理由なのかと考えているところなのですが、立法化の準備は進められていないのかどうか、この点を一つ伺っておきたいと思います。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 文部省といたしましては、まず町村合併に伴う統合の補助の予算を取ることが先決である。その裏づけとなるべき法律についてはその後において検討しよう、さしあたっては予算を取らなければならぬということで実は参ったのでございまして、不満ながら予算が取れた今日におきましては、その点についても研究いたしているのでございますが、御承知のように新市町村の建設育成ということにつきましては、自治庁の方で新市町村の育成に関する法律を立案されておりまして、その法律案に文部省の力の学校統合に対する特別助成の経費についての法文も載せたいということでございますので、文部省としては学校統合に対する特別助成費に関する単独立法を必ずしも必要としないという見地から、自治庁の方のこの新しい市町村の建設育成に関する法律の方にその一つの条文を含むことで同調しようと考えている次第でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 今の話では、文部省としては特別な立法措置は講じない、自治庁が現在立案中である新市建設の助成に関する法律ですか、法律の名前は正確ではないかもしれませんが、そういう中に一項目を加えていくというふうに承わったわけであります。しかしこれにはいろいろ意見がありまするし、私も意見がございます。果してそういう程度で相当ふくれ上っている経費を十全に確保していけるかどうか、この点は相当検討の余地があるかと思います。従いましてわれわれも研究いたしますが、これは予算確保の技術士、あるいはそういうことを逆に考えられているのかもわかりませんけれども、やはり相当大きな問題でありまするから、この際としては銘を打ってその助成の方針を明らかにした方がいいのではないか、これはむしろ大臣か政務次官あたりから方針をお聞きしなければならぬ問題でありますけれども、これも一つ検討をしておいていただきたいと思います。  それからこれはかって私も申し上げましたが、やはりこれはほとんど新しく建設することになる建築物でございますから、従って従来の助成の方法でしましては、かゆいところへ手が届かない、かゆいところへ手を届かせるようにするためには、どうしても従来の基準というものを変える必要があると思うのであります。かりに予算が少くとも、基準の改訂が行われれば、それぞれの実施の地域は非常に助かる。ところが従来のような基準でもってやられたのでは、せっかくの新しい助成の費目も生きては働けませんから、そこでどういうような基準の補助対象を考えておられるか、この点を明らかにしておいていただきたいと思います。もう一度申し上げますと、いわゆる新しく建設するものに対して一番いいのはまるまる対象にすることでありますが、そういう点について坪数を認証する場合に、その対象をどの辺まで認めていくかということなんです。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 町村合併に伴う学校統合の特別助成費の配分の基準につきましてはまだ現在具体的なことはできておりません。しかし従来からその基準につきましては、たとえばこの予算補助として行う場合にもできるだけ有利にしたい、ことに新しい市町村が合併に当って非常に財政的に困難なところが多いということでございますので、文部省としてはこの基準は、できるだけそういった市町村に有利になるように研究いたしたいと思っております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 できるだけ有利になるようにということでございますが、最も有利にたるのは、先ほど申しましたように、やはりゼロから出発するということが筋道でもあり、これはそうしなければ、おそらく新しい合理的な基準というものはないだろうと思います。予算額ば三億できわめて僅少でありますが、しかもこれに対する助成の希望数は相当出て参りますけれども、初年度実施については、やはり基準に重きを置いて実施をされるということに、これは事務当局の方での立案でもってある程度できることでありますから、ぜひ考えてもらいたいと思います。従来の施設補助を考えてみた場合に、それぞれの協力を得て年々予算額はふえているけれども、結局一つ一つをながめてみますと、いわゆる認証外工事とか、いろいろなことがその過程に生まれて、あとで補てんしなければならぬというような二重手間になるのです。だから少いものは少いとして一応やむを得ない、しかしその中で個々のものを完全に仕上げていく、こういうことを考えられることが、これは私は新市建設の趣旨にも合致するし、新しく町村合併の進められる意味にも合致するものだと思いますので、その点一つ強く要望して、中途半端なものを作らないように、これをお願いして午前の私の質問はこれで一応終ります。

藤本捨助自由民主党

○藤本主査 午前の会議はこの程度にとどめまして、午後は一時半より再開いたします。  暫時休憩いたします。    午後零時四十二分休憩      ―――――・―――――    午後二時八分開議

藤本捨助自由民主党

○藤本主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を継続いたします。午前の会議におきまして、辻原委員から市町村の合併に伴いまして義務教育諸学校が新設または合併された場合、その補助に関しての御質問がございましたが、これはきわめて重要なお尋ねでございます。つきましては私が関連いたしまして、この際文部当局の明確なる御答弁を要請いたします。文部省が市町村合併に伴います義務教育諸学校の統合に関しまして、特別の助成を三億とられましたことに対しましては、非常に敬意を表します。今後市町村合併に伴いまして、義務教育諸学校が新設合併される場合あるいは吸収合併等をされるような場合、文部省はいかなる基準においてその建築物等に対して補助されるか、明確なる御答弁を要請いたします。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 この市町村合併に伴う学校統合につきましては、従来も他の場合に比較いたしまして多少右利な取扱いはいたしておったのでございます。すなわち他の条件が大体同じならば、この町村合併のものは優先して取り扱う、それから不足坪数の算定につきましても、一応過去のものはゼロとして扱うというようなことできておったのでございます。しかしすでに合併に関係する学校が、過年度において補助金をもらっておるという場合には、これは差し引くということであったのでございます。しかしこれでは町村合併々促進する、新しい市町村を育成するということに沿わない場合がままあるのでございまして、そのために今回三十一年度の予算に特別助成費補助金を要求することになったわけでございます。この補助金の配分につきましては、ただいま申しましたような経緯がございますので、新たに新設合併をするというような場合には、当然過去に補助金をもらっておりましても、その坪数は全部ゼロとして計算するようになることと思います。また吸収合併の場合には、吸収される方の学校の校舎の坪数、これは当然ゼロになります。その校舎が過去に補助金を受けておりましても、ゼロとして計算されるということになろうと考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 ただいま文部当局の御説明で、先ほど私がただしました趣旨が、非常に明確となりましたので、その部分に関しては質問はいたしません。続きまして、今の町村合併に基く助成の経費が加わっておる義務教育年限延長に伴う建設費負担金でありますが、それを差し引きますると、実際いわゆる通俗言われますところの六・三建築費につきましては、前年度より相当減額になっております。従来文部省の総合全体計画を見て参りますると、まだまだこの助成については減額をするような段階には至っていないと思うのでありますが、その点全体計画が相当量進捗をして終息すべきような事態に至っておるかどうか。この点を一つ明らかにしておいていただきたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 年限延長に伴う補助金につきましては、これは相当であるかどうかという点については御意見があろうと思いますが、約二千六百万ばかり減少しております。これは現在までに整備が非常に進捗して、減額してよろしい事態になっておるというわけではございません。ただ文部省としては、もちろん年限延長に伴う中学校の校舎の建設については、極力努力をいたしたつもりでございますが、本年度は御承知のような公共事業費の削減というようなことが、一つの政府の予算編成方針の重点になっておったようでございまして、そういったことにからんで、ある程度減額されることはやむを得なかったと考えられるわけでございます。年限延長に伴う中学校の建設費ばかりではございませんで、公立文教施設の予算全体につきまして、そういった政府の予算編成上の大方針であるにもかかわらず、多少の減額で済んだことは、私どもとしては比較的よかった方ではないかというふうに考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 予算全体のあれから見ると、今局長の言った、よかったのではないか、こういうことですが、しかし校舎の進捗状況から見ると、必ずしもそういうことは言えない。一例を六・三建築にあげたのでありますが、ずっとほとんど減額になっております。従って新しい機軸のものとしては、先ほどの町村合併の問題だけが取り上げられて、芽を出しておるということなんですけれども、しかし懸案の校舎施設の問題はその他にもたくさんあります。今局長が言つたような、まあよかったのではないかというような消極的な考え方では、これは私は新しい問題を取り上げて処理していくということが、非常に困難になってくるのではないかと思うので、あまり自画自賛はやらない方がよろしかろうと思う。たとえばこれはどうしても文部当局としても解決をしてもらいたい、また解決しなければならぬ問題に、その六・三建築の項の中でも、説明の中の第三項に上っておる中学校の屋内運動場の問題、これも従来から積雪寒冷地帯が中心になってこの助成の方法がとられておるのでありますけれども、最近六・三建築も相当進んできておる。そういった事情から、校舎建築の重点が、やや一般校舎ないしは特別教室、こういうところから、集会場に目が向けられてきておることは事実だろうと思う。そういった点から自己負担で、現在適用地以外のところは相当無理をして講堂建設に当っておる。こういった事情から見ましても、やはり常識的に申して、今そういった点の解決に文部省自体が積極的に乗り出すということは大いに必要だと思うのです。どうしてもやらなければならぬ。従来持っておった実績すら圧縮されていくような現況においては、よほどこれは腹を固めてがんばらなければ、こういった問題についてもむずかしいのじゃないか。放擲せずに、これらの問題を私は積極的に取り上げてもらいたいと思います。具体的に準備を進めておられるかどうか。この点私はかつてもお尋ねしたことがあるのですが、方法としてはいろいろあろうと思います。一番いいことは、やはり現在の助成というものを、寒冷積雪と湿潤という形のワクを撤廃して、全国的に広めるということ、これが最良だろうと思うのでありますが、しかし私は先般東北地方の寒冷地帯を見ましたときに、私が暖地におって常識的に把握しておるのとはだいぶ様子が違いまして、まだ完全には充足ばしていないし、またその要求度合いというものは、むしろ全く義務的に必置をしなければならぬような事情に冬季はなっておると思う。そういう点からも、今の規定のワクの中で暖地に広めるということでは、これはやはり要求度合いの高い寒冷積雪地帯がまた非常に困ってくる事情も見受けられますので、そういう点については予算増額の措置も必要となりますが、最初はどの程度のものをどうするかということは、これは全体の予算編成のそのときの事情によりますけれども、しかしやはり何か牙を出す必要がある。従ってそういう根本的にワクを撤廃して及ぼすといった考え方の方針を文部省は考えておるのか、ないしは現在やっているような方法においても、たとえば暖地でありますると、主として要求地域は多雨湿潤地帯だろうと思いますが、その多雨湿潤の現在の基準と申しますものが、年間の降雨日数が百八十日であります。こういう点についてある程度切り下げられれば、相当量その地域に含まれてくる。現在の百八十日というこの基準を、たとえば百五十日ないしば百三十口まで切り下げれば、常識的に雨の多い地方と言われているところば、ほぼ該当してくるのではないか。こういうことも次善の手だろうと思うのですが、そういう方法を考えているかどうか。  いま一つは、これば地方財政に対する総合政策としては好ましい方法ではありませんけれども、しかし今やっている制度の中で、もしゃろうとすれば起債という措置もとれるのじゃないか。申し上げるまでもなく、補助をもらっている地域、言いかえてみれば指定された地域とそうでない地域との差は、こればゼロと百、こういう関係にあります。それで、多雨湿潤地帯等で指定されているところば、小さな村を境として、すでに隣村に行けばもうこれは該当しないということであります。その場合に、屋内運動場を建設しようとする場合には、指定されていなかったならばまるまる村の自己負担でやる。ところが一歩村境を越して指定された地域に至れば、半額の補助ないしはそれに伴う起債、これを認められて比較的容易に建設が可能になる。そういうところで、全体が寒冷積雪地域になっているところはあまりそういった問題は出ないと思いますけれども、多雨湿潤の地帯においては、現地において非常に不平等な結果が国の助成の方法によって現れれている最近の状況から見て、これはあまりはしご段のようにきわをつけるやり方は、助成のやり方としては適切ではない、こういうふうに考えるのでありまして、そこに指定されたところは百いくが、さもないそれに近い地域は何か起債だけでも認めるとかいったような次善の方法を考えるべきじゃないか。そうして比較的公平にやるということが最も望ましいと考えるのでありますが、今私がるる申しましたような、そういったような方法について具体的に検討を進められておるかどうか。必ずしもすべてが予算の問題だけではないと思うので、一つ事務当局としての見解、またこれについての御方針が政府におありになれば、政務次官からおっしゃっていただきたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 中学校の屋内運動場についてのお尋ねでございますが、従来は御承知のように、積雪寒冷、湿潤地帯だけを対象としてこの補助金をつけておったわけでございます。もちろんただいまお尋ねの中にもございましたように、こういった地域でも完全に要望を充足しておるというわけではございませんけれども、すでに積寒地帯に対する補助は二十五年からやっておりまして、かなりの状況にきておると思われます。一方またそれ以外の地域でも、屋内運動場ば、教育上から申しましても、また学童の保健上から申しましても、やはりどうしても必要な施設でございまして、非常に強い要望があるわけでございます。従来からもいわゆる積寒地帯とその他の地域との地域差を撤廃してくれという非常に強い要望がございましたので、三十一年度の予算要求におきましては、もちろん重点は積寒地帯に置くけれども、ある程度の弾力性を持たせて、それ以外の地域にも一部分は中学校の帰内運動場に対する補助金を支出することができるようにいたしております。ただいまお尋ねの中にもございましたように、たとえば湿潤地帯、これにつきましては、従来は御承知のように一年間の降水日数が百八十日以上の地域というような厳格な規定がありまして、これは大体気象台の実績を証明するような書類をもらって配分するというような非常に厳格な扱いをしておったのでありますが、今回の予算措置でそれ以外の地域にも配分することができるように改善されたわけでございます。ただ百八十日を百五十日にする、あるいは百三十日にするというようなことにつきましては、まだ私どもとしては検討しておりません。それ以下のものでも、必要な土地に対しては、そして希望の非常に強い場合には、補助してもいいのではないかと考えております。  なお起債の問題でございますが、従来は補助金のついたところにだけ起債を認められるというようなお話でございましたけれども、事実はそうではないと私どもは考えております。もちろん補助金の配分されましたところにはそれに伴う起債も出るわけでございますが、一面補助起債ばかりでなく、御承知のように単独起債がございまして、各市町村でどうしても自分の市町村の学校に屋内体操場を作りたいということで計画をお立てになれば、財政状況が許されれば単独起債を認められるということであったと思います。もちろん補助起債の場合には大体百、単独起債の場合にはもちろん自力でありますが、それとも財政力に応じて起債が認められておったと了解しております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 非常にこれも重要な御説明をいただきましたが、今の最後のお話でございますけれど、これは文部省の方で受け取っておられる受け取りと、私の受け取っている受け取りとは違います。というのは、今の起債の問題は補助起債の形で、また事実上行われているのは一〇〇%じゃなしに大体は八〇%くらいでとどまっているのが現況で、あとは自己負担になっている、こう私は考えております。そういう点についても改善の余地がたくさんあります。同時に今お話の、もし自力で建てようとすれば単独起債の手があるじゃないか、こういうことなんですが、それがあれば私は特にこの起債の問題を申し上げたいのですが、礁かに取扱いとしてはあなたの御説明のようにあるはずなんです。しかし実際はワクの関係で、私の実際見た範囲でも、校舎の建設についてはこれは確かに認められる。校舎の建設の中でも一般普通教室は優先的に認められている。次に特別教室が認められている。ところがこういった講堂等については、そこの基準が何によるものかは知りませんけれども、おそらくこれば文部省ではないでしょう、自治庁の取扱いであると思いますが、自治庁は出ておられませんのでお聞きすることができませんけれども、文部省がそういう見解をとっているのに、自治庁は事実上そういうことをやっていない。ということは起債をつける順位を非常に低いランクに置いている。私の聞いている範囲では、三番ないし四番で、実際認めているのは大体特別教室の範囲内である。これは今局長は、そういうふうに取り扱っておる、こう申されましたから、もし全国的に講堂について単独起債を認めている例があったならば、これは一つおっしゃっていただきたいと思うのです。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 この起債の関係でございますが、実情はただいま辻原さんにお尋ねの通りだと思っております。つまり起債のワクが十分でございませんから、まず校舎、ことに一般普通教室というものが最重点を置かれる。次に特別教室になり、屋内運動場というものは、順位をつける場合には、まあ三順位か四順位ということになろうかと思います。実際の扱い上はそうだろうかと思いますが、しかし私ども自治庁等と接触しておりまして、その接触の間には、そういった順位が国の方からはっきり指示されるというふうには聞いておりません。おそらく府県等でお分けになるような場合に、やはりこれは常識論からもそういうふうになるのではなかろうかと思っております。私どもの方に、今中学校の屋内運動場に単独起債が認められたというこまかい資料がございませんので、もし必要であれば調べて差し上げたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 これは局長にえらい失礼ですが、私注意を促しておきますが、この起債の順位は県がつけたものじゃないのです。私はかつて地方行政委員会でありましたかでこの問題を追及したことがあるのです。明らかに自治庁が考えている方針の中に、しかも私はこれば資料で見たのですが、自治庁、大蔵省協議の上でちゃんとランクづけをしてある。従って、都道府県が勝手に、これは認めてよろしかろう、この場合は認めない方がいいだろうといったようなしろものじゃない、もっと厳格なものです。だから、むしろ都道府県の財政当局が、言いかえれば教育委員会じゃなしに、知事側が、何とかこれば政策的にやりたいと思っても、その一つのランクづけのためにやれないというのが、今日までの現況なんです。それと、やった例があるということなんですが、これは私の記憶が誤まりであるかもわかりませんけれども、おそらくないんじゃないか。あれば私は非常にけっこうなことだと思うのですが、それはないんじゃないかと思います。しかしそれは私の記憶の問題ですから、これはまた後日一つお調べを願ってからお尋ねしたいと思います。

竹尾弌自由民主党文部政務次官

○竹尾政府委員 辻原委員の御質問は私どもまことに胸を刺されるような思いでありまして、この点については私どももずいぶん苦い経験を持っております。教育委員会で大体よろしいと言っても、県の方で財政当局が頑強にがんばりまして、とうとう当然つけるべきような起債もつけなかったというような例もございます。そのランクの問題ですが、こういうことはいわば折衝してもなかなか言いません。いずれにいたしましても学校関係の起債になると実にお互いに苦労して参った経験をもっておりますので、この点は私も常々そういうふうに考えておりました。何かこういう起債の問題も、こういうふうなタケノコが出ましたから、これを育てていくように、実は私も十分考えておりますので、まだ大臣と相談したわけではございませんが、これは私どもの問題ですから、当局ともとくと相談いたしまして、辻原さんの線に沿うように努力したいと思っでおります。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 竹尾さんから非常に御誠意のあるお話がございましたので、それでけっこうだと思います。実際問題として、個々の問題では困ることがありますので、起債のワクはワクといたししまして、何とか現実に起債の取り扱いが講堂建設等に行われるように、そのランクについての折衝を自治庁、大蔵省と真剣にお取り組み願いたいと思います。  そういたしますと、先ほど局長の御説明にありました降雨日数百八十日によって厳格に縛って、百八十日ということをきわめて厳密にやって、その差を一日も認めない、そこは実にはっきり線が引かれているわけです。だからその点をならす意味において、該当しない地域について起債の取り扱いができればこの問題は非常に公平に取り扱われる。皆さんも実地調査をおやりになればよくわかると思いますが、この問題では全く困っております。最近教育費の父兄負担が非常にかさむという問題の中でこれはおそらく最たるものではないかと思います。先般自治庁の問題にいたしました例の校舎建築に対する組合の違法措置云々というのも、実はこの講堂建設が一番多いのです。これは自己負担だから何年か備蓄して計画を立てなければならぬ。そこに何かの助成を与えてやればPTA負担といったような無理な方法はなくなるのではないか、こういう点においてこの問題を私も考えておるわけでございます。  そこで、こういう予算の分科委員会でありますから、もう一点お尋ねしたいのであります。またこの地域設定をどの程度に引き下げるということは検討していないというお話でありますが、すでにこうして予算も審議しており、やがて執行という段階に入りますので――これは、私の以前から調べた範囲によりますと、大蔵省との協定に基くものだと思います。何ら法律的根拠はなく、予算をつける基礎は大蔵省との話し合いによって百八十日ときめられている、こう理解しております。ですから、大蔵省側と折衝を要する問題だと思いますけれども、もうすでに般えられた予算案ですから、文部省側に主導権があってしかるべきものだと思います。百八十日をどの程度にするかということは予算との見合いの問題になりますけれども、しかし地域設定は町村合併の問題と同じように、似たりよったりの地域ではそう取り扱いに差のないようにすることが必要かと思います。私の県は大体多雨地帯でありますけれども、私はずっと測候所の五年間の記録を集めて検討したことがあります。それによりますと、やはり百二十日から大体百三十日くらいの県が非常に多かったように記憶しております。そういう点も私は考慮のあれになるではないかと思いますが、大体多雨と言っているところの降雨傾向を土台にせられて引き下げる折衝をおやりいただきたい。実情に見合うようなものに特に文部事務当局としてはやる必要があるではないかと思います。その点について検討をせられておるならば具体的にお話し願えませんか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 先ほどお答え申しましたことが、現在地域差と申しますか、地域設定について研究中であるというふうにお取られになりましたならば私の申し上げ方が悪かったのでありまして、三十一年度からはこの地域差の制限を設けない、こういうつもりでございます。御承知のように、従来は積雪地方、寒冷地方、湿潤地方それぞれ厳格な規定がありまして、これに該当する地方の学校の屋内運動場だけに補助金を出しておったのでありますが、先ほど申しましたように、これはもうすでに実施を始めてから五年たっておりまして、完全ではございませんけれども、だんだん充実されてきておりますのと、一面教育上から申しまして、それ以外の地域におきましても屋内体操場が非常に必要であるという見地から、大蔵省と折衝をいたしました結果、三十一年度の予算ではまだ完全でないので、積寒地帯に重点を置くけれども、それ以外の地域にも作ってよろしい、その場合に地域差というものを考えない、こういうことにいたしております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 これは非常に重要な問題なんです。と申しますのは、実は参議院の方でこれは超党派的に相当動いておると思うのでありますが、先国会にもその撤廃に関する議員立法を準備せられて、われわれも相談にあずかったことがあったのであります。今国会になりましてもその問題は非常に要求が強い、また必要だというので、撤廃をするための法律措置をとりたいという希望と動きが相当強いわけであります。もう具体的に準備されているようであります。今局長のお話によればそういった立法も必要がなくなるというふうな問題でもありますので、重ねて一つこの点ばはっきりここでもう一ぺん念を押して確認をしておきたいと思います。  中学校の屋内運動場の助成については、取扱い上従来のような寒冷積雪多雨湿潤地域とそうでない地域との間に形式的には差別を設けない。ただ実際配分の場合に、従来の寒冷積雪多雨湿潤地帯というものについてはその他の地域よりも重要度合いが高いとして考慮をするという程度である、こういうことなのですね。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 ただいまのお尋ねの通りでありまして、この積雪地方、寒冷地方、湿潤地方だけに従来限っておりました根拠は、御承知のように予算には説明が書いてございますが、その説明が根拠になっておるだけでございます。今回三十一年度の予算要求には積雪寒冷湿潤地帯を重点としてというふうに書いておるはずでございまして、その意味は、ただいまお尋ねのございましたように、形式上は差別を設けないけれども、予算の配分上重点を従来の積寒地帯に置くというだけの意味でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 屋内体操場につきましては今の御説明によりましてかねがねわれわれが主張いたして参りましたことが実現せられておりますので、予算の額は別としまして、取扱いとしては非情にけっこうである、かように考える次第であります。  今の屋体の問題もう一点だけちょっと申し上げておきたいのであります。それはここでの問題は中学校の講堂建設でありますが、小学校の講堂建設も中学校に劣らないくらい最近各地方においては計画されております。これはお調べになりましたたらばよくおわかりになると思いますが、むしろ私は中学校の場合よりも多いのじゃないか、私少い地域でありますけれども見てみた場合にそういう感じを持っておるのです。なぜ小学校の講堂建設が最近非常に進捗してきているか、また以前は小学校等に講堂が少かったというようなことを考えてみた場合に、昔は講堂なんというのは学校における一つのぜいたくなものだ、あるいは相当富裕な地域でなければ建てられない、しかも寄付その他の形によって生まれたものが多い、こういうことで自然に出て参りましたので、貧弱な町村等においてはあまりこれに関心を持たなかった。校合改築がせい一ぱい。ところがだんだんその後一般校舎に対する助成の方法が国としてとられて、特に二十八年に臨時立法が出まして以来割合と国の援助によって校舎建築が可能になったわけです。また一つの教育の取扱いとして機会均等を強調するという建前から、貧弱町村においても何とか町にできているような講堂を作りたい、また町であれば市にできているああいったりっぱなものを一つ作って、同じように施設だけは肩を並べてみたい、こういった機会均等の熱意がPTA等を中心にして起ってまているわけです。そこに今までなかった講堂建設という問題が、小学校でも大きな地方の問題として出てきておるところに、小学校における講堂建設についてもやはり何か方法を講じる必要があるのじゃないか、こういうことなのです。もちろん多々ますます弁ずでありますから、そうは欲を言ってもと財政を考えられる人は言うかもわかりませんが、多々ますます弁ずというばかりじゃなしに、熱心にやっておるが、先ほども申しましたように、そのやり方は助成の方法がないので、結局は寄付行為にすべてをゆだねなければならぬというところに、いうにいわれない父兄負担という問題があるわけです。そういった点から、どうしてもこれは慫慂しなければならぬし、さりとて負担がかかるといったような現実を取り上げてみれば、それを救うには結局国の助成以外にはないということになるのです。ですから一つの問題が全国学区に持っていったということで解決をしました次に手がけてもらいたいのは、ここで小学校の講堂をどうするか。一般校舎その他については危険校舎改築ということで措置がされます。しかし講堂については依然としてこれはエア・ポケットでありまして、何にもないというのでありますから、この際これも一歩前進せられて何かの方法をおとりになるなれば、先ほどから申し上げているような地方の状況が相当解決されていくのじゃないかと思いますので、この点もあわせ今後のお考えを承わっておきたいと思います。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 屋内体操場の問題でございますが、中学校の構内体操場を取り上げましたのは、御承知のように義務年限の延長に伴うものということでございまして、そこに非常に重要な意味を置いて国で補助をするという制度をこしらえたわけでございます。小学校につきましては戦前から、新学制以前からあるものでございますので、これに対して国が補助を出すということは、中学校の場合と違いましてそういった理由は実は立たないわけでございます。もちろん小学校でも屋内体操場が必要であることは申すまでもないわけでございまして、決して小学校では屋内体操場がぜいたくであるというものではございませんけれども、中学校の方の屋内体操場の普及がまだまだ十分でございません、ことに暖地につきましては三十一年度から国の補助を実施するということでございまして、今後この補助の要求というものは相当強く当分の間続いて起ってくることと思いますので、ただいまお尋ねの理由はもちろんあることと思いまするけれども、現在の財政状況から申せば当分の間はむずかしいのではないか、こういうふうに考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 そこでこれはちょっと政務次官にお伺いしておいた方がいいのじゃないかと思います。実はずっと施設関係をいろいろお聞きしたあとで、私はむしろ別の機会に大臣にでもお伺いしようかと思ったのですが、義務年限延長についての六・三建築に対する助成でも、また私がこれからお伺いしようとする危険校合の措置にしても、法律上措置しているものはみな臨時となっておりますし、また経費それ自体も臨時的なものという観念で従来盛られてぎたと思うのです。ところが実際やってみますと、危険校舎の問題でも決して臨時ではないわけなのです。耐用年数四十年と切ってみたって、年々その四十年に加わっていくものができてくるわけですから、いつこれが終るのか、おそらく今は文部省でも単なる臨時的経費とは考えられていないだろう、むしろこれは恒久的に進んでいくものだと思います。そういった事情を考えてみれば、適当な機会にそういういろいろな臨時立法、それから臨時的な助成という形に盛られたものを整理統合して、筋道の通ったものにしておく必要があるのじゃないかと思うのです。というのは、特に義務教育に関しては、いわゆる人件費というものは義務教育の建前で国の責任を明らかにする意味で、補助金じゃなしに、いわゆる国庫負担金というものが、特にこれは政務次官等が長く文教委員会で努力せられてでき上ったのでありますが、現在この国庫負担金があるために義務教育に対しては国は少くとも半分の責任を持たなくちゃならぬという大義名文を明らかにして、そこに国庫負担金という名をつけたゆえんもあると思うのですが、それと同時に義務教育の施設などというものはほんとうに地方だけにまかしていいものかどうか。ほんとうの教育の機会均等ということを考えるならば、国と地方との総合的な財政運営の大きな観点から考えてみたくてばなりませんけれども、どこの国も地方財政と国家財政と二つに分けているところはないと思う。必ずしも地方財政であるから地方にまかせる、国家財政であるから国だけが責任を持ってやればよろしいというようなことでなく、総合的に運営することが妙味でございますから、従って施設の経費についても管理責任、設置責任は現行のままでよろしいけれども、何かしかし国の責任をもう少し明らかにする必要があるのじゃないか。従ってたとえば人件費に対しては義務教育の国庫負担金という制度をとる。同時にまたいわゆる外側、からである施設面については、いわゆる義務教育の施設費についての国庫負担制度をとるという両建をもって考えてやるならば、私は義務教育の中身と外側、両々相待って国の責任というものを大きく明らかにして機会均等というものを保持できるということを考えるわけであります。そうした一つの構想のもとに法律を整理統合され、また補助金も整理統合されていくならば、これは単なる臨時のものじゃなしに、恒久的な一つの制度にしていくことができるのじゃないか。またそのこと自体が必要じゃないか、毎年々々法律的な根拠もなく、また法律的な根拠があっても、臨時的なものだというのですったもんだをやることは、行政上もあまりおもしろくない、そういうことをこの際政府としても構想を立てて考えてしかるべきものじゃないか、かように思うのでありますが、一つ竹尾政務次官あたりからそれらについての御見解を伺っておきたいと思います。

竹尾弌自由民主党文部政務次官

○竹尾政府委員 辻原委員のお尋ねはいつもながら非常に敬服をしておるのであります。非常にうんちくの深いところを述べられてまことにありがとう存じます。お説の通り負担と補助では考え方、気持が非常に違うのでありまして、私どもも今まで辻原委員の驥尾に付していろいろ立法事務に携わったときも、それに関係する法律につきましては、できるだけ補助を負担にしたい、こういうことで今までもやって参りましたが、現在国庫負担になっておるものは、災害、戦災に関するもの及び御承知の通り産振法、これは負担でございますが、やはり負担になっておるものはいろいろの意味において相当強い発言権を持たされておるので、できればそうしなければならぬと思っております。ただいまのお尋ねの点もできるだけ臨時でなく、やはり恒久的なものに乗りかえたいという気持は、私個人としては非常に強いのでございますが、やはり予算獲得等についてはいろいろと思惑もございましたので、なかなか思うように参りませんでしたが、できるだけお説のような線で進んで参りたい、こういう強い考えを、これはおざなりでなくほんとうにそういう気持を持っております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 そこで先ほどもちょっと私が申し上げました施設組合というのは、施設について何か一つの資金運用ができて、そのおかげで校舎施設が建つようにしたいという自然の間から考えついた一つの妙策だろうと思う。そういうことをなぜ考えついたかというと、結局多額の金が一時に要る、そのときにはにわかにばたばたしてやることはできないから、平素からその費金の備蓄について全体が協力してやれば非常にたやすくできる、こういった自然の要求に基くものたと思う。それが法律上違法か何かば知りませんけれども、私もそういう組合の実情をよく聞いたり調べたりしたことがありましたが、そのこと自体が何かを示唆しておると思うのです。かつて文部省の中で、あまり皆さんに賛成もなし、われわれも当時非常に危ぶんで結局でき上りませんでしたけれども、施設公団ですか、そういう構想を持たれたことがあったと思う。最近政府の方では非常に公団ばやりでいろいろ公団を作っておりますが、私は何かそういった施設について地方も一時に金を出さなくてもよろしい、しかしながら必ず三十年ないし四十年の間に建てかえなければいかぬのですから、それには平素から準備しておくといったような形で、いわゆる資金の確保ができるような方法が考えられれば、学校を建てたために山を売り放ったとか、財産を売り放ったとかいう問題がなくなり、一時に小さな村が貧乏になったというような地方財政の困窮は今後起さなくても済むだろうと思う。だから国の負担を明確にするとか、何か資金が恒常的に活用せられていくような方法をこの際考える。問題は公団がいけないとか何がいけないということは結局人の問題になるのです。話は余談にわたりますけれども、学校給食法の問題もずいぶん私は聞いて知っております。けれども結局要は人にある。どんなりっぱな制度を作ってみても、人の配置を誤まったならばとんでもないことになる。また人間の弱点が弱点の方向におもむくような――これは制度の研究の不十分さにももちろん基因しますけれども、大部分の原因は人の問題にある。そういった大きな金を運用するとかふるいは物資を扱うところには必ず問題が発生するのは結局人の問題である。だからそのことについて十分警戒をしなければなりませんけれども、しかし何か手が考えられそうに思うのです。しかしこの点については先ほど政務次官がお話しになりました点であわせて御研究願いますならば、将来にわたる学校施設の確保とまた均等化、公平化という問題に妙味を発揮するのじゃないかと思いますので、これらの点も御研究をわずらわしたく存じます。私の質問が非常に時間を食っておりますので、まだたくさんありますが、あとの御質問の方の関係上、施設の問題は以上で、次の機会に留保いたします。  そこで大学の問題で稻田さんに、これもいろいろ御構想を承わりたいと思いましたが、時間がありませんので、ごく簡単な問題を承わりたいと思います。第一に、特に最近大学制度の検討の問題についてあっちこっちで意見が出まして、実はどれが今後の方針なのかつかめない、相当それについての意見が区々になってきております。一つは短期大学を文部省は将来なくしていこうというお考えを持っているのじゃないか、あるいは逆にむしろ短期大学を制度化して恒久化しようという考えを持っておる。これはいろいろ説があるわけですが、一体どっちがほんとうなのか、これをこの機会に聞いておきたい。  それから俗に言われるタコ足大学、これはずいぶんひどいものです。この間私は東北大学を見ましたけれども、全くひどい。こういうような大学が日本の大学かと思えばいささかさびしくなりましたが、そういった大学についての学部、それから学科等の設置について何か取りまとめられるような構想があるのかどうか、この点を第二番目に承わっておきたいと思います。  いま一つは、戦後できました大学はすべて総合大学を基本にしてやっておりますので、地域のいろいろな産業と結びついた、特に技術教育を主体とするいわゆる専門大学というものば少いわけであります。ところがやはり土地の産業に結びついた大学設置を希望しているところも相当数われわれは聞いておるわけでありますが、そういう点について、大学制度を検討される中に、やはり総合大学を重視するとともに、そういった単科の大学で土地の産業に結びつけたような大学を新設されるようなお考えがあるかどうか、これを一つ承わっておきたい。  それからいま一つは、やはり地方で問題のある学芸大学、これは旧師範学校その他を統合して作ったのでありますが、これがまたいろいろ地方で意見か出て、分離して新しいものを作れというような希望が相当ありますが、どういうふうに処理されようとしているのか、一つこれも承わっておきたい。  それから次に、これは私はいいか悪いか知らないのですが、年々大学への入学志願者が激増してきております。昔以上に浪人というものがあって、はんらんしておる。最近の失業状況等から見てみましても、結局大学へ入ること自体が一極の失業救済じゃないか。どうせ高等学校を出たってしょうがないのだから、まあ大学にいって時勢を待てというふうな向きもあるのでしょうが、そういったために非常に大学の志願者がふえてきている。私立、国立を問わずふえてきております。ところがこれを入れるには大学は至って狭き門であります。そこで考えられることは、少し文部省にも骨を折ってもらって、こういうことができないかどうか。それは、現在国立大学では夜川というものはありません。私立学校でも、夜間を置いているところはありますけれども、それは夜間は夜間として別に設置している。そうじゃなしに、校舎は夜昼あるのでありますから、夜も昼もぶっ通しで校舎を使ったら、倍とば申しませんけれども、少くとも現在以上の収容力がある。夜といったって別に深夜にやる必要はありません。大体学校でやる授業というのは三時か四時には終るのでしょう。そのあと引き続いて、いわゆる夜間学部じゃなしに、ただ夜勉強するということだけ、暗くなってから勉強するということだけ、そういうようなことをもしやり得たならば、一つは相当量入学難を緩和することができる。もう一つは今夜間学生が一生懸命に昼働いて夜いっておりますけれども、さて卒業して会社の就職試験を受けてみましても、私のところなんかずいぶんやってくるわけなんですが、やはり夜間だというのでどうも雇ってれませんと言う。せっかく勤労学生が骨身を削って勉独した成果というものが、このむかずしい就職戦線にはほとんど効用をなしておらぬ。やはり会社が雇うなら昼間の正規の学部の方がいい、これを優先的にやっておる、これが実情じゃないか。学則を見ても何ら差別はない。また法律上夜間も昼間も同じなんだ。免状においてもただ夜と昼との違いだけだといいますけれどもへ実際は月とスッポンくらいの違いがある。それでは国が勤労青少年の教育について十分考えておるということは言われないと思う。しかしこれは社会通念でありますから、法律でもってどうこうということはできない。事実においてそういうことのないようにしていかなければならぬということなのであります。そうするためにはいわゆる夜間学部、たとえばどこどこの第二商学部とかいうものを、これは特に夜間として認めるということではなしに、そういうものを撤廃してしまって、ただその授業時間が単に夜間において開議されておる、それはまた昼行ってもよろしい、こういうような形態をとれないかどうか。ただ問題になるのは教授の配置とか定員問題になるだろうと思う。これは予算の問題で解決がつくと思う。それから手当等の問題。だからそれに対して相当額の金を必要とするという困難さよりも、この入学難を緩和するということの方が国家的に見ればより重要だと思うので、その点についての御見解があれば一つ承わっておきたいと思う。

竹尾弌自由民主党文部政務次官

○竹尾政府委員 詳しいことは大学局長から答弁いたさせますが、まず第一に短期大学の問題でありますが、これにつきましては御承知のように非常に議論がありまして、これをむしろ廃止したらどうかという考えの人さえもあるくらいなんで、文部省といたしましても、これを結論的にどうしようかというような結論にまでは達していないとお答えするよりないと思います。そこで近く設置されます。これも臨時という名前でありますが、教育審議会にもかけまして十分討議をして結論を出したい、こういう考えでおります。  それから次に産業に関係する単科大学の設置の件でございますが、国立大学をこれ以上設置しないというような線が文部省としては一応出ておるようでありまして、そういう点から考えましても、地方の産業と結びつくところの産業単科大学と申しましょうか、そういう意味の単科大学の設置は、理論としてはある意味で非常に正しいと思いますが、これもすぐ実現できるかどうかというようなことになると問題でございまして、ただいまのところ文部省としては、そういう大学を設置する考えは残念ながらない、こうお答えしなければならないかと存じております。  それから第三番目の学芸大学の件でありますが、これは私が文教委員であった当時から、むしろある意味における非常に強い首唱者の一人でありまして、御承知のように日本全国にそういう意味で解決を急がなければならない地域が――これは辻原委員とくと御承知でありますが、そういう地域が二つ、三つございます。それで私もこれはいろいろな関係でほかの大学や学部の増設設置についてはどうかと思っておりましたが、いろいろ地方の実情をつぶさに調べた結果によりますと、こうした旧師範学校の昇格による大学においては必要やむを得ないところだけは、せめて四年コースだけでも設けてあげたい、こういう気持が私自身にも非常に強いので、今文部省に入りましてもこの点だけば、大学局長あたりとはあるいは意見を異にするか知りませんが、地方からも非常に強い陳情がいろいろ参りまして、何とか解決をして差し上げなければならぬという責任を私自身も痛感しております。それで大学を設置しては相ならぬ、増設をしては相ならぬというような線が文部省の中にはあるようですけれども、この点は特に私も大臣と御相談をいたしまして、大臣自身も、関係局長その他にお話があったかどうか存じませんが、省議を開いてとくと御相談をいたしましょうと、こういう段階になっております。そこでこれは私の主張かもしれませんが、できるだけやむを得ない線だけは一つこわしていきまして、何とか地力の要望にこたえたい、こういう考えを秋月身は持っております。そこで大いに管内を説得いたしまして、できるだけ――これは私のある意味の約束でもございまするので、やはり政治人としては約束を守り、それに対する結末をつけるということが使命だと感じておりますので、この点は宅内の局長諸君とあるいは意見を異にしておるかしれませんが、その点はせっかく一つ大百にもお願いをいたしまして、よき結果を得るように努力したいと思っております。  それからその次の夜間の国立大学の件でございますが、現在御承知のように夜間で開いておる大学学部もございまするが、そういう学部の卒業生は、第一何々学部、第一何々学部と第一、第二をつけただけでも、これは今御指摘のように就職に非常に差がございますので、これはどうしたらよろしいか、私も非常に悩んでおります。辻原さんのところにも行って就職をお願いする人がたくさんおるでしょうが、私のところにもたくさん来ておりまして、これも非常に困った問題で、何とかしてこういう点も考えてみたいと考えておりますが、私学の方は御承知のように早稲田にもその他にも第一、第二の学部がありまして、これも第二の方はなかなか就職が困難なわけでありますので、それやこれやをひっくるめまして、一つ近く、教育審議会にでもかけて結論を得なけれ、ばならぬ、こう考えておりますが、なお詳しいことは一つ大学局長の方から答弁いたします。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 ただいま御質問の五つの問題のうち、政務次官が第二の問題以外につきましてはお答えになりましたので、私は第二の問題につきましてお答えを申し上げたいと思います。タコの足大学をどうするかという問題であります。御承知のように去る年大学設置審議会におきましては、各大学ごとにその大学の教授力なり施設をできるだけ活用する意味において、理想的なあるべき姿はどうであるかということを描いて示されたのであります。しかしながらそれにつきましては財政力の問題もございますし、地方のいろいろ感情その他の問題もございますので、できますものもあり、あるいはまた非常に困難なものもあるわけでありまして、御承知のようにわれわれといたしましては、地方と相談しながらなるべくこの線に沿うて実現するように努めて参りましたし、相当実現いたしました。今残っておりますものは相当困難たものばかりでございますけれども、ごく最近実現いたしましたものは、静岡大学あるいは九州大学の分校等がございまするし、また最近広島あるいは山口等におきましても考慮いたしておる問題等がございます。できればこういうことをなるべく早く実現いたしたいし、無理なく、実現いたしたいと考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 具体的に申し上げる時間がありませんので、抽象的に申し上げておりますが、タコの足大学の問題については、またいずれもう少し具体的に御意見を承わりたいと思います。  私が最後に申し上げました夜間の問題は、おそらく事務当局が相当検討されて、成案を持たれれば、ある程度私は解決のめどがつくのじゃないかと思います。たとえば私の調べた範囲では、都立大学が大体そういうような構想をやっておるのじゃないかということと、それからこれは私学でありますが、現在実施しておるかどうかは知りませんが、私の手元に取り寄せました教科編成表でありますか、授業計画表、これによりますと、商学部の方でそういう構想を持っておることも聞きました。しかし各大学での計画ではこれはやはり教授等の幾らか考え方があったにしましても、定員の問題、経費の問題がからみますので実施は困難であります。やろうとすれば文部省が本腰を入れてやる必要がある。規律の法理的なあれから見れば、私はそういうふうなやり方をやっても支障がないと思うのですが、文部省としてはこれは支障があるのでしょうか。いわゆる夜間学部というものを特別に設置しないで、夜間学校をやるということ、それはどうでしょう、そういうような一つのやり方は法律上抵触するのでしょうか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 法律またはそれに基きます規則には、もちろん直接抵触しないのでございますけれども、それぞれの大学を設立いたしますときには、教授力、施設設備、その他を見まして認可をいたしております。その認可を、いたしました状態と著しく違う状況において学校が運営されることになりますので、そうなりますと、やはりそうした計画の変更をまた大学設置審議会と御相談をして実現をしなければならないと思います。要するに二部とは申せ夜間と申しますのは、昼間部より少い教授定員なり、兼用の施設なり、非常に簡易な形でできておりますから、それをお話のごとく堂々と昼間部と同じようにこれを実施することになりますれば、相当いろいろな点を補強しなければならない問題があろうと考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 ちょっと私の話の受け取り方が違っておると思うのです。私は画然と夜間と昼間とを分けるなと言っておるのです。これは大学の講座内容であれば可能で、あると思う。かりに授業を朝八時から始めれば晩の九時までずっと通してやっていいのではないか、それに見合う教授のスタッフあるいは研究費、所要の経費、これをあてがっていけば、施設は昼夜とも使い得るだけのものがあるわけですから……。だからそういう区別を撤廃するためには、いわゆる昼間の学校として大学設置審議会で認められ、そうして文部省が認可した、そうして新しく夜やるとすれば夜間学部として認可しなければならない、そこに問題がある。ちょっと私が聞いた範囲によりますと、学校教育法の第五十六条ですか、大学には夜間の講座を置くことができるという条文があると思うのです。たから正常な状態は置かないことが原則だが、置く場合はそれは別に認可しなければならない、こういう建前になっておると思うのですが、そういうことがひっかかりであれば、これは単純に法律改正でもってやり得ると思うし、何か私はそこに方法があるように思うのですが、いかがですか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 私ただいまの御質疑を、学部という意味を、いわゆる用意すべき教授力とか学校の施設という意味で了解いたしたのであります。そうなれば夜間は昼間の施設に相当依存いたしておりますから、昼は昼、夜は夜、それぞれ認可を受けて作らなければならない。今御指摘の第五十六条から見ましても、一応夜間を作るためには特別の認可を受けて作るのだ、こういうように申したのであります。ただ次の御質疑の方は、学生が昼講義を受けても、夜講義を受けても、用意された講義をどっちを受けてもいいじゃないかと学生中心で言われたわけです。こうなるとこれは各大学における学生に対しまする対策の問題でございます。一つの学部に在籍しながら他の学部の講義を勝手に聞けるかどうか、それはやはり大学でけじめをつける問題であります。昼と夜と同様な入学試験でもって入れておりましたり、大学が全く平等に扱って、学生の取締り、その他いろいろ教室の配当その他にそういう任意を許すような学校でありますれば、それは許してもいいと思いますけれども、講義をどっちを聞いてもも、単位を認定するのは大学の権成でございます。他の大学の単位をすら認定するのですから、同じ大学の二学部のどっちの単位も一貫した単位として大学が認定すればいいのですが、現実の問題として、入学する場合は、これは言うことをはばかるわけでありますけれども、決して機会均等に昼も夜も入れているわけではないのでございますから、夜の者が昼も聞き、昼の者が夜も聞く、勝手にやってもいいということではおそらくどの大学としても扱いに困るだろうと思います。そういう運営の面においてちょっと難点があるだろうということを想像いたします。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 運営の問題は難点があります。しかし方法が講じ得られれば解決のつくこともあると思います。私もこの点については少しく研究をいたしておりますので、従ってこれはもう少し御研究をいただいて、これがとり得れば非常にけっこうだと思うのです。問題は単位の認定なんですよ。きょう晩に受けてあしたは昼受けたっていいはずですから、一つ御検討をわずらわしたく思います。従来の既成の概念にとらわれないで、新しくそういうものを描いて一つ御検討をいただければ何か解決の方法がつくのではないかということを、これはごく参考までに申し上げておきたいと思います。  それで大学の問題についてあと二つだけ簡単に伺っておきますが、一つは教官研究費の問題であります。これは昨年でありましたか、大学の研究費の非常な不足からようやく旧制国立大学にのみ適用されておりまするが、現在これは新制大学には至ってておりません。もちろん予算の問題があることは私も承知いたしておりますけれども、少くともこの教官研究費の問題については、そこらに停滞しないで、ことしもここに予算が二十五億でありますか出ておりますが、前進されるような方法を講ぜられておりますかどうか。その点を承わっておきたい。  それからもう一つは、先ほどもちょっと前に御顧問がありましたが、付置研究所の問題であります。これはすでに原子力委員会も発足し、また基本法等もでき、同時に近くまた科学技術の統合した行政部門についても政府は考えているようでありますが、この付置研究所のいわゆる研究体系というものが、従来のごとくいわゆる学問研究の立場においてそれぞれ自主性を保持できるかどうかという問題は、これは今日私は特に文部省傘下にある付置研究所の学者の方々の非常に懸念しておられる点だろうと思う。  今一つは、新しく、たとえば科学技術庁などというものか設置されてきた場合に、これについては相当量のいわゆる科学研究費というものを確保されるが、それ以外の部門については比較的冷遇視されるんじゃないかという問題が起きると思うのであります。そういう点について、もうすでに科学技術庁の構想ができ上っておるやに開いておりまするし、文部省としては、それに含まれざる大学各部に付置されるいわゆる研究所の取扱いは、これは科学技術庁のあれからも除外されるということにになっておると思うのですが、その点将来の取扱いはどういうふうにしていこうとせられるのか。いわゆる研究経費等に支障がない、また学問の自由の確保を文部省としても相当真剣に考えているか、どうか、この点を承わっておきたいと思います。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 御承知のごとく、大学における講座組織の教室につきましては講座研究費、それ以外のものにつきましては教官研究費を予算上計上いたしております。その講座研究費は、ただいま御審議いただいております予算におきましては前年度より二割増し程度になっております。これは付置研究所にも及ぶふものでありまして、付置研究所につきましては、それ以外に特別事業費あるいは大型のいろいろな機械設備の設置費等を計上いたしておりまして、現在の財政上十分なことばできませんけれども、文部省といたしましては、特に学術研究の振興というような点から見てこの付置研究所あたりの研究を非常に重視いたしておるような次第でございます。科学技術庁の関係におきましては、やはり今御審議願っております法律におきましては大学を除いております。大学に包含せられます付置研究所につきましては、これは文部省において将来とも予算上の配慮をいたす必要があるのでございますけれども、ただいま申しましたような点で文部省としても非常に努力をいたしております。その一つの例といたしまして、今日原子力関係あるいは原子核関係、これは別段原子力局の関係に包含せられておりませんけれども、今御審議願っております予算におきましては、原子核研究所の、二億四十万円、その他約四億程度の新しい事業計画費を文部省関係の付置研究所に投じておりますような点でも御了察をいただきたいと思います。今後とも努力いたしたいと思っております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 大学関係、特に学者関係が非常に懸念している点、今相当力強い御答弁wいただいて不安の感を去ることに非常に力があろだろうと思います。今後ともそういった点は具体的な問題になって参りますので十分配慮して、学者の研究に不安動揺を来たさないようにやっていただきたいと思います。  なお答殊教育の問題あるいは僻地教育の問題、社会教育ないしは新生活等まだ十幾つかありますが、いずれぼつぼつ伺っていくことにいたしまして、時間がありませんので本日は私の質問は終りたいと思います。

藤本捨助自由民主党

○藤本主査 纐纈君。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 ちょうど大学局長が来ておられますので伺いますが、学芸大学ができましてからの卒業生の就職の問題ですが、教職員に就職したのとほかの方へ就職したのとどんな割合になっておりますか、大体の見当を……。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 今日の学芸大学あるいは学芸学部、教育学部、これは中、小学校教員の計画養成でございますが、昔の師範学校等と違いまして、卒業生には別に就職の義務もなく、また就職したくもないので、ただいま御指摘のようにすべてがすべて本質上中、小学校に就職しなければならぬということはないのでございますが、ここ数年の傾向を調べてみますと、九五、六%は中、小学校に就職いたしております。ただ、四月直ちに就職するというようなことが困難な地域が相当ございますけれども、七月ぐらいまでの間には今申した程度の目的のところに就職いたしております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 やはり中、小学校の先生になるのが大体建前でもあるし、当然だと思っておりますが、これが非常に多いということであります。さて今年の卒業生は、承わってみますと相当就職難でありまして、前年、前々年度に比べまして非常に率が悪いということで困っているわけなんであります。ところが、一方学校の先生たちもなかなかやめる人が少いということでございます。戦時中から戦後臨時的に教育を受けた人で先生になっているのが多い。そこで、せっかく学芸大学を卒業した優秀な人が、そういうような人が場をふさいでいるために就職できないということになると、学芸大学の使命に対して一つの疑い々持つようなことになり、また教育の上においても問題だと思うのでありますが、今まで就職率を考えられまして入学の方面にある程度制限をされる、これだけのものは就職できるというような計画のもとに学芸大学の生徒を募集されているかどうか伺いたい。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 ただいま御指摘になりました無資格教員でございますが、無資格教員が多いので新卒の就職がはばまれるという傾向は私そう著しくないと思います。と申しますのは、昭和二十五年に無資格教員が小学校におきましては二六・四%でありましたのが、三十年におきましては二二・四%に減っております。中学校におきましても同年度一三%であったのが七%に減っておるというようなわけであります。ただ一面教育委員会制度の改正、人事権の変革、恩給制度の問題等で相当退職者が少いという傾向があろうと思うのであります。そこで調節の問題でありますが、われわれの方は年々都道府県教育委員会に対して、明年度教育学部、学芸学部に入学せしむべき人員は大体どのくらいがいいだろうという意見を聞いております。大体傾向といたしまして、さっき政務次官が言われましたように二年課程の需要がだんだん少くなりまして、ことに中学程度の二年課程の需要が少い傾向がありますので、先年来、年々二年課程を減らして四年課程の方をふやしております。今御審議いただいております予算におきましても、全体二万三千の定員のうち従来半分が二年課程、半分が大体四年課程でございましたが、本年度よりも明年度は二年課程において二千三百四十人を減じて、その半分の千百七十人を四年課程へ回すという配慮をしております。これは総体の数であります。それぞれの府県に当りまして増減してなるべく就職について無理のないような定員を募集しております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 ただいま無資格のパーセンテージが非常に減ったというのですが、これは講習だとかなんとかいうことで時にその資格をつけたためになくなっておるわけですか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 養成と再教育と両方だと思っております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 その養成、再教育が実際どの程度効来的であるかわかりませんか、とにかく大体学芸大学へ志願する人は先生になりたいということでやっておるのであります。ことしのように卒業期におきまして就職がむずかしい、大体夏ごろまでには人のやり繰り等で何とかなるだろうということでございますが、ことしも今まで非常に悪いのであります。大体今お話のような時期までには就職できるというお見込みでございますか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 一般の就職につきましても究極のところ去年も七八%まで参りながら今日のところまだ全体で四〇%にも上っていないというようなわけでございます。教員には特殊な問題がございましょうけれども、 やはりもっと差し迫りまして年度末の異動等が実現いたしませんとおそらく究極の数は出てこないだろうと思います。去年もおととしもこうだからことしもこうだろうと推察するのは少し簡単過ぎると思っておりますけれども、さっき申しましたように、従来県の教育委員へ会の責任者も申した数字によって募集した結果でございますから、おそらく都道府県教育委員会の当事者等も市町村教育委員会等と協力して相当努力していただけることだと期待しております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 そういう御方針を承わりましたが、どうも今の臨時で再教育を受けたような先生はあまり先生としていい資格がないと思うのですから、正規の教育を受けた者が入ってほんとうにいい教育をやるように、学芸大学の新卒業生が、希望者は全部学校に就職できるように、さらに府県の教育委員会等の方にも御指示をいただいて、お骨折りを願いたいと思います。  次は社会局長に伺います。午前中に大臣に御質問を申し上げましたが、青少年の不良化の防止の問題につきまして、大臣は修身科をあれしてその方面で大いに徳義を高揚して不良化を防止するというふうに抽象的のお話がありました。社会教育の部面に不良化防止の費用が計上されておるのでありますが、大まかでいいのですが、具体的に大体、どんな方法によってこの青少年の不良化防止をやっておられますか。

内藤譽三郎文部事務官(社会教育局長)

○内藤政府委員 文部省の方から通知を出しまして、青少年育成保護条例というものを大部分の県が作っておるようでございますので、それによって不良な映画とかあるいは出版物はなるべく見せないように、ことに映画の場合は青少年に不向きなものは入場を差し控えるように措置しておるような状態であります。なお文部省といたしましては、青少年向きにいい映画を推薦いたしまして、なるべくそれを見るように指導しておるのであります。そのほかに巡回文庫等によりまして、文部省の方で大体選定した目録によって青少年にいい書物を読むように指導いたしておるのであります。今やっておるような措置は大体そういうふうなことでございます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 いい映画を見せ、巡回文庫をやって、その方面の不良化防止をしようと考えられているというお話でありますが、ことしの予算では、青少年向きの映画、録音の教材というものの費用は減少しておるのではないですか。また巡回文庫でも削られているではありませんか。そういう点、相当種極的にいけるというお見込みでございますか。

内藤譽三郎文部事務官(社会教育局長)

○内藤政府委員 社会教育特別助成費の中で特に今お話しの映画、録音教材につきましては、一割程度減っていると思うのでございますけれども、それから巡回文庫も、ほんの少しで、前年と大差はないと思うのでございます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 私は、青少年の不良化、ことに凶悪犯罪が率として非常にふえてきておるというようなこと、これは刑事政策と関係しておることであると午前中も申しました。これは重要な問題でありますが、その不良化防止のただいま局長から指摘されたような問題が、多少ではあっても削られているということに、私は疑念を持つわけであります。この点についてはいろいろな方法があると思いますが、特に社会教育の面におきまして不良化防止の点についてはさらに一般の御努力をお願いいたしたいと存ずるのであります。  それから次に青年学級の問題でありますが、これにつきましては現在そのために特別の施設を持っているというところはございますか。大体公民館とか学校等を利用するのか多いと思いますか、特に青年中級の講座をいたすために特別の施設を持っているというところがございますか。

内藤譽三郎文部事務官(社会教育局長)

○内藤政府委員 ただいま私どもの調査では、ほとんど学校と公民館でございまして、公民館が大部分でございます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 公民館も相当利用されておるようでありますが、青年学級、ことに職業教育に関する問題なんかにいたしますと、実験あるいは実習等のために公民館、学校だけではおそらく不十分ではないかと思うのであります。そういう点についてはどういう考慮をされておりますか。

内藤譽三郎文部事務官(社会教育局長)

○内藤政府委員 公民館の方につきましては公民館の設備費補助が、わずかでございますが千八百万ほどございますので、その設備費を活用いたしたいと考えて、おるのであります。  なお青年学級につきましては運営費の六千万円の中からそういう経費も若干出すことになっております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 六千万円が昨年と同じ額でございまして、どうも文部省は社会教育にいささか力の入れ方が足らぬような気がいたします。なお今年度新しく婦人教育の振興について経費を設けられたようでございますが、これの内容はどんなものですか。

内藤譽三郎文部事務官(社会教育局長)

○内藤政府委員 婦人教育の振興費といたしまして約四百五十万円ほど三十一年度の予算に計上されておるのでございますが、これは婦人学級が全国で約一万五十学級ございますので、そのうち特に中心的な一県十学級程度をモデルとして育成強化してそれを普及させたい。そのねらいは育児とか保健とかあるいは生活改善とか、一般に婦人の地位を向上するような教育的な観点から育成をはかりたい、かように思います。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 婦人教育講座というものも一つあるようでございます。婦人教育講座は別の費目にあるように思いますが、この関係はどうなっておりますか。

内藤譽三郎文部事務官(社会教育局長)

○内藤政府委員 これは成人講座の一環で、大学に委嘱したりあるいは地方で行なっておるのでございます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 社会教育は大体市町村にまかせられてやっておりますが、その補助が非常に少いと、どうしても市町村の方でも重要性を認めながらなかなか十分なことができないところに、午前にも申しましたが、青年学級に対しまする青年の希望が満たされないという点があると思うんです。そこで今年一度はこれで予算がき一まったのですからやむを得ぬのでありまするが、一つ文部省がもう少しがんばって社会教育の徹底のために御努力を願いたい、こう考える次第でございます。  それから、先ほど屋体の問題で辻原先生から詳細に御質問があったわけでありますが、学校の鉄筋の建物の問題でございます。今までは大体火防地区というようなことに制限されておったようでありまするが、今年はそのワクがはずされたというふうに聞いておりますがさようでございますか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 工事の場合の構造比率は三十年度に比べまして明年度の予算では高めておりますけれども、やはり鉄筋あるいは木造の方を作ります場合の一応の配分の基準というものもございます。ただいまお尋ねがございましたように鉄筋は防火地帯あるいは災害の頻発するような地帯、あるいは構造上どうしても鉄筋にしなければならぬという特殊な事情がある場合に鉄筋の予算を配分するということでございまして、それが全国一律に全部撤廃されたということではございません。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 学校建築は各市町村で非常に苦労しておる問題でもありまするから、コンクリートにするといたしますと建設費が非常に多くなるということでありますが、大体こういう公共埋物は、ことに学校なんかはすべて鉄筋コンクリートでやるくらいのつもりで進めていくべきではないかと思うんです。従来から公共の建物、ことに宇検なんかの火災というものは、防火地帯であるとか繁華地帯だとかいうところで、もちろん類焼もありまするが、大体多くの場合は学校自体から発火しておる。しかもその原因というものはなかなかわからぬということが今までの実情なのでございまして、学校の管理の責任が、人の建物だというつもりであるかどうか、そこに一向十分な管理が行われていないというような結果のために火災が起るということがかなり多い。そういうふうに鉄筋コンクリートの地域を指定されず、むしろそれを建てたいというところがあれば、それに対して奨励しつつ補助をやられる方がいいのじゃないか、防火地区外でも危険校舎でどうしてもやむを得ずやらなければならぬという場合にはそういうことも起るかもしれませんが、ことに地方財政の困っている時代でございますから、むしろほかの地区でありましても、何とかして鉄筋でやりたいというような希望のあるところにはそういう補助をやるということは、今の規定の基準の間では許されないように承わりますが、そういうものについても特に許すというお考えは出ませんか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 ただいまお答え申し上げましたのは、これが絶対の基準であって、それ以外の地域では鉄筋コンクリートを建てられないというものではございません。ただ鉄筋のワクというものが需要に追いついておりませんものですから、実際に各府県等で市町村に配分いたします場合に、そういったものに一応のウエートをつけて認めていくということになろうかと思います。しかしそれにいたしましても市町村の方で非常に強い御希望があって、ぜひ鉄筋でやるという場合に、そういうものが認められないということではないと考えております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈分科員 震災戦災等におきましても鉄筋コンクリートの学校は大体難を免れておるということでございます。そこでこれはどうしても建てなければならぬ問題なのでございますが、私は文部省が進んでコンクリート建をするような方向に進んでいただきたいという希望を述べまして、私の質問を終ります。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 午前に引き続きまして学校給食の問題について質問いたしたいと思います。  午前中の質問に対しまして大臣から、このたびの粉ミルク横流しの不詳事件にかんがみまして、中毒防止対策も含めて学校給食法の一部改正を国会に提出したいというような御意見を伺ったのであります。そこでこのような不祥事件がどうして起ったかということについて少くし質問いたしたいのでありますが、まず第一に学校給食は法制化されてまだ日は浅いのでありまするが、発足は古くて昭和二十二年から米国の支援によって全国の小学校に普及して参りました。現在では給食児童数は八百万人を数えるというふうに日われておりまするが、財団法人日本学校給食会の設立以前はどのような機関を通して、あるいは委託して学校給食を行なっていたか、伺いたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 午前中にお答えいたしましたように、財団法人ができましたのは昭和二十五年でございますが、それ以前は学校衛生会の中の給食事業部でやっておったのでございます。終戦直後におきましては、これは先ほどのお答えの中にも申しましたように、学校給食が当時の非常に切迫した食糧事情に対する、いわば欠食児童に対する対策といたしまして大都市において発足したのでございますが、当時は政府自身が配分の事務を扱った時代がある程度あったのでございますが、財団ができます直前においては日本学校衛生会の給食事業部で扱っておったと記憶いたしております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 今の二十五年以前でもしもそういった経過記録がありましたならば、後ほどまたお知らせ願いたいと思います。  それから学校給食用粉ミルクは米国よりの好意による贈与品ということでありまするが、無慣で購入しているのか、有償であれば、一体ボンド当り、どれくらいの値段で買い入れておるか、この点を伺いたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 現在アメリカから入れております脱脂粉乳は無償でもらっておるわけではございません。非常に低廉な価格でございますけれども、外貨で購入をいたしておるわけでございます。現在におきましては、アメリカの岸渡しで一ポンド当り二セントの値段で購入いたしておりますが、これは最近の数字でございまして、それ以前におきましては非常に高い値段で買い入れておったことがございます。その前におきてましては、五セント、その前におきましては十三セントで買い入れておったというような事情もございます。いずれにいたしましてもアメリカの岸渡しで、そういったいわばアメリカの政府部内でやっております指示価格で、いわゆる低廉な、価格で日本にもらってくるわけでございますが、アメリカの岸から日本への輸送賃あるいは日本での保管料その他はすべて日本の方で負担するということになっております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 学校納会に関連しまして、給食代が今日徴収されておるのでありますが、これはいつから給食代をとるようになったか。また給食代が地域々々によって違う、またあるいは毎月々々まとめて給食代というものを徴収しておるのか、あるいは徴収した金は一体どこに納められていくのか、こういったことについて伺いたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 現在給会費に地方の差があるということでございますが、御承知のように、給食の大体の模様を申しますと、パン、脱脂粉乳、ミルクと副食ということになっておりまして、パンの一応の代金、ミルクの代金は大体全国一律でやっております。ただ副食代につきましては、各市町村、各学校それぞれ独自の計画でやっておりますので、その副食代に差があって、給食費全体に一応差が出ておるという結果になるわけでございます。従って、先ほど申しましたように、ミルクの代金とパンの代金にはほとんど差はありません。それから給食費の徴収でございますが、これは学校の方が県の給食会の方に払い込み、そうして県の給食会から日本学校給食会の方へ送ってくる、こういう筋道になっております。ただし県の給食会は日本校給食会の支部になっておるわけではございません。全無別個の団体でございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 いつから徴収を始めたんですか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 はっきりしたことはちょっと通えておりませんが、おそらく給食の始った当初から、給食資材を受けて配給したということはないと思いますので、物資の配給があった当時からだと思います。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 そうすると、二十二年ごろからだと解釈していいですね。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 そうです。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 そうすると、徴収された給食代金は県の給食会から日本学校給食会の方に払い込まれるわけですが、日本学校給食会の方は一体その金をどういう銀行に預金しているか、伺いたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 これは現在の脱脂粉乳の筋道を大体申しますと、日本学校給食会が政府の命によりまして、政府の代行機関としてアメリカから買うわけでございますが、その金は銀行から借金をして買っているわけでございまして、別に政府の金をもらって買っているわけじゃございません。銀行から借り入れをいたします金利も払っての借り入れでございます。そうして先ほどのお尋ねの中にございましたような学校からの給食費の払い込みが県の給食会を通じて、入って参りますと、日本学校給食会はこれを前の借入金に引き当てて銀行に返すわけでございます。そういった経路になっております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 その銀行名を教えていただきます。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 現在では富士銀行を使っております。これは御承知かとも存じますが、多分昭和二十六年ころまでアメリカの無償、ミルクが入ったことがございます。それがガリオア資金が打ち切られましたときに有償に切りかわったわけでございますが、そこで非常にたくさんの金がいることになったのでございます。そのときに各銀行にいろいろ融資方を懇請いたしましたけれども、当時の市中銀行では日本学校給食会を信用しないというようなことであったわけでございますが、富士銀行が特に率先してこの日本学校給食会に非常に多額の融資をしてくれたというような事情もあったのでございまして、それから現在では大体日本学校給食会では富士銀行を取引銀行としているようでございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 富士銀行一つだけが日本学校給食会との関係が結ばれているといわれるが、その日本学校給食会と富士銀行との間にどれくらいの金の動きがありますか、おわかりになっておりましょうか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 現在では大体年間二、三億でございますが、過去の実績で申しますと、昭和二十八、九年ころにはおそらく五、六億の金額の取引があったかと思っております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 金額にいたしますと相当多額なものでございます。私は、こういった問題について非常に疑惑と申せば語弊がありますけれども、五億とかあるいは三億とかいうような大きな金を動かす場合に、ただ単に一つの銀行だけに限られているということは、いろいろな点について疑惑を持たれてもいたし方ない、こういうふうに考えるわけです。今後の不祥事件を防いでいくためにも、こういったたった一つの銀行でなくて、もう少し銀行をふやされていくということも必要ではないかと私は考えるのでございますが、このたびの不祥事件にかんがみて、この金融方面についてどのような対策を考えておられるか、一つお聞かせ願いたい。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 富士銀行が日本学校給食会の取引銀行であるという現状につきましては、先ほどお答え申しましたような経過があったわけでございますが、しかし特殊法人として出発した今日におきましては、富士銀行一つだけに限らなければならぬ理由は、私どもも実はないのではなかろうかと思っておりますので、今後につきましてはある程度取引銀行をふやすべきではなかろうかと考えております。ただ、先ほどもお答え申しましたように、これは預金をするというよりも、むしろ借金をするということの方が大きいのでございまして、銀行の中には、必ずしも自分の方ではそれほど強く希望しないと申しているところも、実はあるような現状でございます。しかしいずれにいたしましても、一行だけに限らなければならぬ理由はございませんので、将来何とか門戸を開放させたいと思っております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 先ほどちょっと簡単に御説明があったようでありますが、輸入後、日本に陸揚げされたあとは、どこで買い入れ、どのような流通機関を経て学校給食に供されるか。教育庁と地区教育委員会は、この流通機構に関して、どのような権限を持っているか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 これは現在では日本学校給食会がアメリカの商品金融会社、すなわちCCCと契約をいたしまして、買うわけでございます。従って陸揚げしました後も、日本学校給食会が保管しておるわけでございます。それで文部省といたしましては、各府県からの需要申請書を四半期ごとにもらいまして、その申請を一応審査しまして、妥当と思われるものにつきましては、日本学校給食会に命令をいたしまして、何々県に何ポンド送ってもらいたい、送れという指示をするわけであります。その指示を受けますと、日本学校給食会では国内の輸送業者と契約をいたしまして、県の指定駅まで送る。そうしてその県の学校給食会に売り渡すわけでございます。その県の学校給食会は、件の教育委員会の指示を受けまして、市町村の方へ送る。これもやはり各学校の需要申請を県の力で取りまとめております関係から、県の教育庁の指示を受けて、各学校へ配付する、そうして学校で給食に供せられるということでございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 各地区からの需要申請によって、粉ミルクの割引が行われるということでありまするが、今まで見ますると、大島などにもミルクを配給されておったようであります。そういったふうに牛乳生産地にも、請求がおればどんどん、ミルクを無制限に送るということも問題になるわけであります。さらにまた、ミルクを好む生徒もそうあるわけではございませんので、中には非常にミルクをきらう生徒も相当あるわけでもります。そういうもので非常に余剰なものが残る。それが今度の横流し用に使われるというようなことも起ってくるわけであります。  もう一つ質問いたしたいのは、米国から来る粉ミルクの衛生学的な検査、これは一体やっているかどうか。やっておられるならば、どのようなサンプリングとか、どのような試験機関においてやっておられるか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 米国から輸入いたしますところの脱脂粉乳につきましては、全品御生法に末きまして、厚生省の方で検査をいたしております。これは抽出調査をいたしておるわけでございますが、大体を申しますと、輸入された各脱脂粉乳を生産地別、それから生産年月日別、あるいは生産工場別にグループ分けをいたしまして、その々介グループからサンプリングをとって、培養検査をいたしております。これは序小竹の係官が呼生省の衛生試験所の方で厳密に検査をしてくれておるわけでございまして、この検査の結果に基づきまして、不合格になるものが相当出るわけでございます。給食用として使用して差しつかえないものだけを学校給食の線に乗せるということをいたしております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 その不合格になったものは、これはあと処分はどうされておりますか。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 これはやはり、厚生省関係の食品衛生監視員の方から、不合格と申しても、中には加熱処理をすれば加工用にして差しつかえないものとか、あるいは全然飼料、肥料にしかならぬもの、またそれにもならぬものというような各分け方があるようでございまして、厚生省の方から指示がございますものですから、その指示に従って廃棄すべきものは廃棄し、飼料、肥料にすべきものは飼料、肥料にすろという建前のもとに、飼料、肥料業者に払い下げをいたしております。それから加熱処理をすれば食品として交えるものについては、そういった関係の業者に競争入札をいたしまして払い下げをいたしておりますが、いずれにいたしましても、食品原料に向ける場合には、正規の税金を学校給食会の方から払うようにいたしております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 今の説明で大体よろしいのでございますが、ただ私は不合格ときまったものはそういった処置をとっておられる御方針のように伺っておるのでありますが、実際にどのように処分されたかについては御答弁がないわけです。実際にどのように処分されたかということにつきましては、あとでよろしゅうございますから、お知らせ願いたい。実は私はこの粉ミルクにつきまして、国立研究機剛におった場合に検査を相当しておった。ところが処分先のことについては全然知らされていないわけです。それで関心を持っておるわけでありますから、あとで、この点についてお知らせ願いたい。  それから輸入小麦、これは一体どういうふうにして学校給食に回されておるのですか。この点ちょっと……。

小林行雄文部事務官(管理局長)

○小林(行)政府委員 輸入小麦は、これは文部省の方で実は直接扱いませんで、農林省の方で取り扱っておるわけでございますが、これは食管特別会計で貰い入れて、農林省の方で地方の食糧事務所を通じて学校に流すわけでございます。学校の方から府県を通じてやはり需要の申請が出て参りますと、文部省がそれを受け取って、農林省の方に連絡いたします。農林省の方ではそれをやはり各府県の食糧事務所に指示する。その指示の結果に基きまして、食料事務所では輸入小麦を製粉をさせて、教育庁に売り渡す。教育庁が学校に配給する、こういう形になっておるわけでございます。各府県とも、県の給食会では小麦粉は取り扱っておりません。県が独自の立場でやっておるわけでございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 いろいろたくさんあるのですが、時間もありませんので、最後に一つお願いしておきたいのは、給食会の収支決算の内容を知るに足る経理関係の書類を参考資料として御提出願いたい。というのは、国庫補助を与えておる機関でございますから、ぜひとも御提出願いたい。  それから大学局長に一つお願いいたしたい。先ほど大学の付置研究所の問題について、大臣並びに局長の御意見を伺ったのですが、わが国には研究所がある。しかも少い費用で運営がやられておる、こういう前提に立って考えてみますると、一体今後国立大学七十二のうち付置研究所をどれくらいふやしていかれる考えであるか。この予算書の説明を見ますると、五十六の付置研究所が現在あるわけであります。さらにまた京都大学にウィスル研究所が創設され、さらにまた東京大学及び京都大学付置研究所に原子力基礎研究所が新設または増設される、こういうことになって参りますと、国立大学の九割近くは付置研究所を持っておるということになってくるわけであります。ここで考えなけければならぬことは、先ほど申しましたようにわが国の付置研究所は非常に多くて、しかも一気弱な予算で動かされておるわけであります。しかも京都大学にウィルス研究所が創設されてくるわけであり、ますが、ウイルス研死所の規模とか内容について一つ説明をお願いいたしたいのであります。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 国立大学中付置研究所を付置いたしますのは、いわゆる大学院大学だけでございます。従来帝国大学あるいは官立大学でありました大学を基礎といたしました大学についてのみ設置するのを、ただいまのところ文部省の方針といたしております。  それから将来どうするかという点でございますが、御承知のように最近付置研究所を新設いたしましたのは、日本学術会議の方から政府に対して勧告のあった場合があります。たとえば宇宙線観測所だとかあるいは原子核研究所だとか、そういう日本学術会議から勧告のありました場合にはとくと考究いたしました上設置いたします。また文部省自体として将来の問題を考えます場合には、現在文部省には各方面の学者、経験者を集めました研究所協議会がありまして、わが国において急速に、能率的に、しかも基礎科学の領野において大学関係において研究を、どうしたら成就できるかということを種々検討していただいております。その検討の結果、ヴィールスにつきましてはああした研究所を作ることが答申せられましたが、同じ医学の分野におきましても、たとえば脳研究所につきましては現在の各大学の脳研究所を充実することにいたしまして、別に研究所を創設するということは当面考えない。あるいはまたガンにつきましては総合研究費を中心とする研究協力の新態勢を考えるということで、いわゆる付間研究所を創設しないのがよかろうというような結論に達したような次第で、そのほか医学以外の海洋学その他につきましてもそれぞれおよその見当は持っております。これらの見当からいたしますると、現在のところ文部省におきましてはさしあたり研究所を創設いたそうとしておりますのはヴィールスだけでございます。  それからウイルス研究所の規模でございますが、これは五部門を置く計画でございます。ヴィールスの主として病理的衛生学的の研究でございますが、ヴィールスそのものについての物理的化学的の性質を探究することもむろんでございます。大体経費といたしましては九百五十万円、うち五百万円は設備費、他は経常費ということに相なっております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 協議会の意見を聞いてウイルス研究所を創設することになったというようなお話であったのですが、この協議会にもこれ以上新設の研究所を作るということに対しては異議が相当に出ておるものと私は思うのでありますが、その点どうでしょうか。協議会が万場一致、全部の意見で京都大学ウィルス研究所の前段が認められたのか、どうか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 協議会としては万場一致でこの結論が出たのでございますが、御承知のごとく現在ヴィールスは大よそ医学部におきましては病理衛生その他で研究いたしております。そのうち特色のありますものは、伝染病研究所あるいは大阪大学の微生物病研究所、それから京都大学の医学部を中心とする研究、これがヴィールス学界における中心勢力だと思います。今御審議いただきます予算におきましては、阪大におきましては痲疹について特色がありますので微生物病研究所に痲疹部門の増設をいたしております。伝染病研究所につきましては、別段部門の増設あるいは研究施設の新設はいたしませんけれども、木村廉氏を中心とする京都大学にこの研究所を置いて、将来の構成としては、京都大学出身者に限らず、なるべく全国各地から適任者を得、しかもなるべく共同利用的の運営をするようにという結論を得た次第であります。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 ヴィールス研究は、常識として一病毒、一研究室ということになっておるわけです。ただいま大阪の微生物研究所のお話がございましたが、大阪大学で十分にヴィールス研究はやっておるわけでありまして、できるならばこの五十八万ですかの金を、大阪大学の既設の研究所あるいは既設の研究室の拡大強化に使った方が、もっとヴィールス研究の進展が期待できるのじゃないか、こう私は考えるのです。一たん作ってしまうと、これはなかなかつぶすわけにはいかないのです。現在の大学付置研究所を見ますと、先ほども申しましたけれども、実際は動いていないところが相当あるのです。それでは、こういう研究所をつぶしてしまうかということになりますと、なかなかつぶせない。それで私はこういった多額な補助を受けて新しい研究所を作るよりは、むしろ既設の研究所の強化に使った方が研究達成の上には正しい道じゃないか、しかもわが日本の経済から考えてみてそれが一番正しいのじゃないかと考えるのであります。その点どうですか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 御意見傾聴いたしますが、京都大学におきましても、全然何もないところに作るわけじゃない、研究者もあれば遠心分離機あるいは電子顕微鏡その他重要、研究施設で京都大学の施設を利用し得る点は十分活用いたしました上に、これをいたします。それからお話のように阪大の微研にも痳疹中心に非常に優秀な研究者がございますけれども、この微研は、御承知のようにヴィールスあるいはリケッチャーあるいはばい菌、寄生虫病に及ぶ非常に領野の広い研究所でありまして、そういう総合研究がこれの一つの特色だと伺っております。今度の京都のは、ヴィールスを中心的に指向いたしましたまとまりのある特色を出して、いきてたい。それぞれの研究におきましてそれぞれ特色を伸ばしたいという学界の意向がございましたので、こうしたことをいたした次第でございます。お話のように、せっかく伸びかかっております阪大の微研をこの上充実するという点につきましては、私ども今後十分留意いたしたいと思います。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 今後なるべく既設の研究所の強化に予算をお使い願いたいと思います。  それから、微生物研究所と腐敗研究所に研究部門の増設が載っております。ともに一部門ずつ増設されるようになっておりますが、一体どのような部門が増設されるのですか。

稻田清助文部事務官(大学学術局長)

○稻田政府委員 微生物研究所につきましては、ただいま申し上げました痳疹部門でございます。それから千葉大学の付置研究所であります腐敗研究所に増設いたしますのは中毒の研究部門でございます。食中毒の、食物に寄生いたします主として菌類の生じます毒性物質に関しまして、防腐あるいは殺菌等について研究したり、あるいは解毒作用というものを研究したい、こういう趣旨で一部門増設したいと思っております。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 今の御答弁では特別に一つの部門をふやさないでもいいように考えられますか、せっかくの予算でございますから、既存の研究施設を強化するという意味に了承いたします。  それから政務次官がおられますので、政務次富に御質問いたしたいのでありますが、新生活運動でございます。新生活運動に関する所要経費というものは、このたび文部省の予算には入っておりませんが、今度はどの部門に予算が組まれたか伺いたい。

竹尾弌自由民主党文部政務次官

○竹尾政府委員 三十一年度は文部省の予算には入っておりませんで、内閣の方に一億円計上してあるのでございます。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 松村前文部大臣は、新生活運動金として五千万円を社会教育特別助成費一億二千万円の中から引き出して、新生活運動というものに金を使われたわけです。この新生活運動がどのような形態をとって進んでいくかということについては非常な関心を持っていたわけであります。ところがその後の動きを見て参りますると、新生活運動協議会というような代行機関が創設されたのみで年を越してしまったというのが現在の状態のようであります。しかも新生活運動協議会というのは五千万円の予算を背景に、国中の新生活起動の中心となる向上的組織として必要な事業を行うという趣旨のようでございまするが、最近の新聞なんかを見ますると、新小派運動がどうあるべきかについていろいろなことが論議され、またその運動方法も決定されたように聞いております。その中で蚊とハエの撲滅運動というものが取り上げれられているようであります。この蚊とハエの撲滅運動は厚生省の方面で盛んに保健所を通して運動をいたしてきているわけであります。ところが実際的効果が上ったところは千葉件の増穂村が非常にその実績を上げたということでありまするが、これはほんとうに新生活運動という新生活運動協議会の仕事として、考えられるかどうか。私はむしろ新生活運動協議会の仕事ではなくて、保健所が非常なあっせん指導をしたための効果の現われであるというふうに考えているのでありまするが、五千万円の予算を三十年度に組まれて、そして新生活運動というものを強く打ち出されてこられたところの文部省関係でありますから、この点につきまして次官のお考えを伺いたい。

竹尾弌自由民主党文部政務次官

○竹尾政府委員 新生活運動につきましては前松村文相が非常に強くこれを主張されましたことは八田さんも御承知の通りでございます。これは私のことを申し上げて大へん恐縮ですが、私はその当時野党でございまして、この運動に極力、反対した者の一人でございます。そこで八田委員の御指摘のような点に私も非常に疑点を持ちましたので、この運動が果してどういう方向に進んでいくかということにつきましては、明るい見通しもあると同時に、これは昔の官製運動みたいになってしまって、能頭蛇尾に終ってしまうという例がたくさんございましたので、非常に心配したのでございますが、そういう点を官製運動にならないように政府としては直接その事業内容には干渉しない、こういう方針で進まざるを得ないと思います。従いまして今新生活運動として協議会でやられております蚊とハエの退治というようなことも、これは実際から見ればどうかと思われる点もないではないと思いますが、何しろ官製の運動にならないように努力をいたしたいという建前から、自主的な盛り上る運動に育てていきたい、こういう考えを持っておりますので、いろいろ御不満の点もございましょうが、政府としましてもせっかくやり出した以上は何かの成果を上げなければならぬということになって参りますので、かすにしばらく時日をもってして下さるようにお願い申し上げる次第であります。

八田貞義自由民主党

○八田分科員 次官の御説明によってわが意を得たような感じがするのですが、ただ昭和三十一年度の新生活運動の予算案を拝見いたしますと、全く人件費が大部分を占めております。そうしますと、昔の高級官吏のいわゆる隠居所というような感じを与えられないでもないのです。このようなことで果してほんとうの実のある運動ができるかどうかということに非常に懸念を持つのであります。せっかく昨年文部省においてこの新生活運動が立案され、内閣の方に予算が移ったというのですが、文部省における指導方法が、自主的に新生活運動協議会の運営にまかすということで、このような人件費の膨大化を招いたのでありますが、いわゆる新生活運動の効果の現われとして高らかにうたわれているのは、蚊とハエの撲滅であります。その蚊とハエの撲滅はほとんど厚生省の保健所が担当している。しかも三十一年度の厚生省の蚊とハエの撲滅運動費としては百四十万円しか組まれていないというような状態にあるわけであります。一体今後新生活運動が蚊とハエの撲滅運動を、熱心に提唱し、運動するという考えならば、この厚生省の予算が非常に微力でありまするから、その運動費を保健所の方に回すとかなんとかの便法を講じていただきたいのでございます。  次に産業教育についてお伺いいたしたいのでありまするが、産業教育の前年度の予算は七億七千四百八十万円ですね。産業教育振興ということで産業教育施設の国庫補助として打ち出されておる予算額でありまするが、昭和三十年度に比べまして七千五百六十五万円減額となっております。これは一体どうしたことであるかということについてお伺いいたしたいのと、しかもこの産業教育振興法によって一体いつまでこういった予算の処置が講ぜられていくか、この点についてお知らせ願いたいと思います。

竹尾弌自由民主党文部政務次官

○竹尾政府委員 この、予算の要求額の事項別表によりますと、七千五百六十九万一千円の減になっております。昨年度は、これは当初予算を組むときにもう少し少なかったのですが、あとで補正がありまして、増額になっております。これは補助金を一割一率に減らすというようなこともございましたので、そういう関係でこれだけの予算の減を見たのでございます。しかしこの法律は大体におきましてこれは負担金になっておるので、これは当然義務教育の小学校に対しては国庫負担をしなければならぬ、こういうような関係から、予算の減になりましたけれども、ほかの予算減の項目に比べましたならば、この程度でとにかく減額を食いとめたというようなことになろうと思っておりますので、私どももこの産業教育振興につきましては、非常な、努力をして参りまして、実施してから五年でございましょうか、五年間にこの法律こそ非常に産業関係の学校には喜ばれておりまして、相当多額の負担、及び県の関係からも出ておりますので、これは非常にりっぱな法律を私どもは作ったという一つの誇りを実は持っております。そこでこれから何年続くかということにたりますると、基準がございまして、基準の七〇%というところに達しますれば、一応この法律をやめにする、というと語弊があるかもしれませんが、大蔵省の方ではそういうような考えを持っておるようでございますけれども、私どもの考え方と大蔵省の考え方には基準の関係でいろいろ食い違いもございますので、そういう点を勘案いたしまして、これははっきりする。構想もはっきりした構想ということは申し上げられないかもしれませんが、できるだけこの法律を長く続かせて、産業教育の実績を上げたい、こういう考えを私は持っております。

藤本捨助自由民主党

○藤本主査 これにて文部省所管に対する質疑を一応終了いたしました。  明日は午前十時より開会し、厚生省所管に対する質疑に入ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗