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24回国会衆議院1956/02/21

予算委員会第三分科会 第2号

発言数
227
登壇者
20
会派数
3
開催日
1956/02/21

会議録

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 それではこれより予算委員会第一二分科会を開会いたします。  本日は、まず昭和三十一年度一般会計予算中、経済企画庁所管について質疑を行います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。井手以誠君。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 予算に関連して一、二お尋をいたしたいと思います。あなたの方の五カ年計画の参考付表の末尾にあります財政投融資のことをお尋ねをいたしたいと思います。  財政投融資の原資の関係におきまして、昭和三十五年度には資金運用部簡保年金の原資が二千八百十億円に、今日より六百七十億円ふえることになっておりますが、最近生命保険の保険料率も引き下げになっているようでありますし、この簡保年金のふえていく具体的な根拠をお知らせいただきたいと思います。それが第一点。  第二には、民間への資金供給、これまた今日よりも大幅に、三十五年度には増加になっているようであります。財政投融資の民間産業への資金供給については、最近いろいろと論議されている折柄でもございますが、どういう御構想で今日よりも三十五年度には数割の増額になさっているのか。この二点、お尋ねいたしたいと存じます。

上野幸七総理府事務官(経済企画庁次長)

○上野説明員 三十五年度の原資の増でございますが、大体これを見積りましたのは、前々御説明申し上げておりますように、国民総生産の伸びを、大体年率にいたしまして、五%くらい伸びることを考えております。そういたしますと、これに伴いまして、国民所得の伸びがほぼこれに並行して伸びるわけでございますが、その国民所得の増加に対応いたします貯蓄性向も、大体通貨価値の安定等によりまして、少し伸びる形に見込んでおりますので、今ちょっと厳密に数字的に御説明いたしかねますが、国民所得の伸びと、貯蓄性向の伸び、これを見まして、この原資の増を見込んでおるわけでございます。これに対して、運用面もやはり民間への資金供給がそれに伴いまして若干ふえている次第でございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 簡易保険年金、郵便年金の増加は、決して国民所得の伸びばかりでははかれないのでございます。これはよく企画庁も御存じであろうと思います。そこには保険料率の問題、その他多くの要素があると思う。単に所得の増加だけでは期待はできないと思います。民間の生命保険の料率が高いために、最近簡易保険の方が伸びている。昨年の改正によって伸びたわけですが、先刻も申し上げますように、一般生命保険の料率引き下げに伴って、簡易保険も相当影響を受けることと思います。これだけ数字的に明確に出ておりますので、何かそこにあなたの方の政策の裏づけ、こういう場合にはこうするという裏づけがありはしないかと思うのですが、単にただいまおっしゃたような事柄だけでございますか。  また第二点の民間への資金供給については、大企業の業績が最近非常に上向いている、配当も高率になっている今日、大事な財政資金を民間企業に供給することの可否が非常に論議されております。先般予算委員会においても大蔵大臣は、民間への資金供給は相当切りかえなくてはならないと、こういうことをおっしゃっておりましたが、企画庁では依然として財政投融資中民間へも大幅に供給なさる御意思でありますか、重ねてお伺いたします。

上野幸七総理府事務官(経済企画庁次長)

○上野説明員 御指摘のごとく簡保なり預貯金の伸びがどうなるかということは、これはそれ自体の利率の問題もありますし、生命保険なんかの料率の変更も影響することはお説の通りだろうと思いますが、この五ヵ年計画では、実はそういう料率変更なり利率変更がどういうふうに影響してくるかということは、率直に申し上げましてあまりしさいに検討いたしておりません。それは料率変更だとか利率の変更というものは、非常に短期的な現象でありまして、しばしば変るわけでございます。あまり短期的に頻繁に変りますので、それを克明にトレースするということは、なかほか実際問題としてむずかしいものでございますから、この五カ年計画では、大体先ほど申し上げたように、国民所得の伸びとそれから貯蓄性向の動き、その観点から計算をいたしている次第でございます。それから民間への資金供給でありますが、これも大体の考え方としましては少し固く押えぎみにいたしているのでございまして、お話のようにできるだけ民間資金は民間で調達すべきのを筋合いとするわけでございまして、政府資金というものは必要最小限度といますか、どうしても政府資金に依存せねばならぬその面に限るべきであろうと考えますので、その考え方はこの五ケ年計画でもとっておりますが、この五カ年計画はかなり産業基盤の整備拡充というようなこと、あるいは新技術の積極的推進というようなことを考えておりますので、どうしてもある程度は財政資金に依存せざるを得ない次第でありますので固めに押えましたけれども、やはり数字といたしまして、こういうふうにふえた数字が出ている次第であります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 本日は五カ年計画の根本問題については、私はお尋ねはいたしませんが、何を申しましても五カ年計画を達成するには、その前についております一般会計の規模なり内容あるいは財政投融資という政府施策が、根本でなくてはならぬのであります。いろいろ技術振興その他の努力はあるかもしれませんけれども、ともかくも国の予算によって方向がきまっていくのであります。従って財政の規模なり財政投融資ということについては、基本になるこの問題についてやはり確固たる基礎を持ってもらわなくてはならぬと思います。先般来聞きますと、あまり確たる基礎もないようでありますが、なお一、二念のためにお伺いをしておきたいと存じます。財政投融資についてはこれ以上多くは申し上げませんが、ともかく昭和三十五年度には三千百三十億円を調達しなくては五カ年計画は達成で逆ないはずであります。そうなればやはり原資を確保するだけの用意がなくてはならぬ、こういう場合にはこうする、ああいう場合にはこういう処置をとるという大体の心構えがなくてはならぬと思います。その点を希望いたしまして、原資についてはこれ以上申し上げません。  ただなおお聞きしておきたいことは、民間への資金供給について、なるほど新産業の育成ということはいいかもしれませんけれども、今好況をうたわれておる民間の大企業に、依然として政府の資金を投入することに私どもは反対であります。あなたは若干のとおっしゃいましたけれども、昭和二十九年度の千四百四十五億から三十五年度には二千百七十五億円にふえておる。どういう方面に今後財政投融資をなさるつもりであるのか、仰せの通り財政資金は補完的な作用を持つものでありますけれども、二千百七十五億というこれだけの金を投資なさる以上は、相当の用意がなくてはならぬと思いますので、念のために今後どういう方面にどういうふうに貴重な財政投融資を行おうとなさるのであるか、具体的に承わりたいと存じます。

上野幸七総理府事務官(経済企画庁次長)

○上野説明員 財政資金の民間に対する放出につきましては、三十五年度は、御指摘の通りに、二十九年度よりふえておりますが、三十一年度の予算におきましてはできるだけ民間資金に切りかえていくという方針で、減っておるはずでございまして、この財政投融資を各部門にどういうふうに割り振っていくかということは具体的にはまだ現在決定いたしておりません。新しい年度に入りますまでにはきまるわけでありますが、大体の方針といたしましては、抽象的に申しますと、民間資金に移行しにくいものを財政資金に依存するということになるわけでございますが、大体市中の金融ベースに乗らない産業、先ほど申し上げました新規産業、あるいは新技術、そういうものでございますが、そういった部門とかあるいは特にコスト引き下げ等の関係から、金利負担を特別に軽減する措置を講ずる必要のあるもの、これは主として現在でも問題になっております石炭でありますとか、あるいは造船でありますとか、そういった基幹的な産業でございまして、特に金利負担を軽減することがすぐ他の諸産業のコスト引き下げに、非常に重大な寄与をするといったものについてやるということでございます。具体的にはまだ数字を決定する段階になっておりませんが、大体の方針といたしましては、去年よりも非常に大幅に民間資金に移行することにいたまして、財政資金を向けます部面というのは、対象といたしましても非常にしぼっていこうということになっております。なお財政資金の投融資の関係で、特に今年は中小企業対策と住宅対策、こういうものに非常に重点を置いております。一般産業部門につきましては、先ほど申し上げた通りであります。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 民間への資金供給が昨年より減っておるというお答えでございましたが、三十五年度にはうんとふえている、こういうことに数字は出ておるのであります。正直に申しまして、あまり確固たる計画もないようでございますから、あまり多くは追及いたしません。あまり申し上げますと議論になりますから、この程度にとどめておきますが、せっかく企画庁のそれだけのりっぱな人員をお持ちになっておるならば、もっとりっぱなものを一つ作っていただきたいと思います。数字はなるほどきれいだけれども基礎がないのです。

上野幸七総理府事務官(経済企画庁次長)

○上野説明員 御指摘の点は、確かにわれわれも問題点であるということを承知いたしております。と申しますのは、五カ年計画の作業過程におきまして、この金融財政部門における作業が、他の諸部門の作業に比べまして非常に未検討でございまして、その点がこの五カ年計画全体の一つの弱い面になっておることは、御指摘の通りにわれわれも承知いたしておりますので、この面は今後さらにエラボレートしまして、できるだけりっぱなものにしたい、こういうふうに思っておりますので、御了承願いたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 ただいまのお答えは正直なところであろうと思います。一般国民に景気のいいところを見せるために、住宅であるとか何であるとかいうものの五年先の目標を掲げるために、かんじんな点炉末尾になってしまった。先刻も申しました通り、私は何と申しましても五カ年計画の中心になるものは、政府施策の集中的表現である一般会計予算並びに財政投融資にあると思います。五カ年計画をお作りになるのには、まず一般会計の規模なり内容及び財政投融資を確定してからやらなくては、いかなる計画も私は砂上の検閲であると考えるのであります。一つ一そう御研究のほどをお願い申し上げる次第であります。  なおもう一つ関連してお尋ねいたしておきますが、その前のページにありまする一般会計の規模及び内容の点であります。食糧増産に今後五カ年間千六百九十五億円を投じて千三百万石を増産なさる御予定のようであります。そのくらいの金額で大丈夫でしょうか。去る二十七年でありましたか、二十八年でありましたか、広川農相当時に立てられた計画によると、千五百万石を増産するために四千百九十七億円を要するということがいわれておったのであります。農地局の調査計画並びに私どもの計画によりますれば、二千五百万石を増産するにはどうしても一兆円なくてはならぬのであります。この数字はあまりお粗末ではないかと思うのでお尋ねをいたしますが、果して千六百九十五億円をもって千三百万石が増産で送るか——五カ年間に千三百万石が増産できないとは私は申し上げません。先般も聞きましたから申し上げませんが、千六百九十五億円の費用をもって千三百万石が増産できるか、その点であります。

上野幸七総理府事務官(経済企画庁次長)

○上野説明員 これは農林部会におきましても、五カ年計画の作業の過程におきまして、かなり精細な積み上げ計算をいたしまして、できるだけ資金を効率的に使うことによって、大体この程度はで送るであろうという結論でございまして、それを受けておるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 せっかくの機会でございますので、担当の人がいらっしやったら、その方からでもけっこうです。効率的といっても、食糧増産はそう簡単にはいかないのですが、いかがでございますか。今よりも物価は安くはなかったはずの昭和二十七、八年ごろに、千五百万石の増産に四千二百億円要るものが、こんなに安上りでできるものかどうか、鳩山内閣ではそんなに安く増産ができるものかどうか、一つこの機会に承わっておきたいと思います。

細田茂三郎経済企画庁審議官

○細田政府委員 この増産計画をきめまずには、御承知のように、われわれとしましては、農林省当局とも密接に連絡をとりまして推算をいたしたのでありまして、その結果、千六百九十五億円をもっていたしますれば、千三百万石の増産は一応可能であるというふうな結果に相なったのであります。そのある程度の内訳を申し上げてみますと、農地の拡張改良事業によりますものが約八百万石、耕種改善事業によりますものが約五百万石、こういうふうな計算に相なっております。これをさらにブレーク・ダウンしました年次別の計画というものは、昭和三十一年度は予算が決定いたしましたので、大体予定をされておりますけれども、それ以後の年次計画というものは、目下具体的に検討中でございまして、はっきりしたものはありません。ただそのトータルを申しますと、たとえば今申しました約八百万石の農地の拡張改良によるものは、そのうち何によるものは幾ら、何によるものは幾らという、従来の御承知の大体の計画がございまして、それを踏襲いたしまして検討いたしておりますので、一応数学的にこれで千三百万石ができないということはないと存じております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 それでできますならば、お手拍子かっさいでしょう。大体本年度予算の食糧増産対策費くらいでは、年間八十何万石しか増産できないはずです。そこで千三百万石できるとしまして、その五カ年後には、農地の壊廃による減収並びに人口の自然増による必要量はどのくらい見積っておられますか。

細田茂三郎経済企画庁審議官

○細田政府委員 この千三百万石のうち、ほうっておきますと、農地の壊廃でありますとか、あるいは災害でありますとか、あるいは土地施設の老朽化というようなことで減産をいたしますものを、大体年間八十万石と見たのでありまして、そうして千三百万石というのは六カ年間の数字でございますから、それで六カ年見ますと、四百八十万石というものが、そのいわゆる減産分に相当するものでありまして、あと純増としてほんとうに増産しなければなりませんのは、それを引きました八百三十万石、これが人口増に伴いましてどうしても増産しなければならぬという量になると思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 人口増でどのくらい見てありますか。

細田茂三郎経済企画庁審議官

○細田政府委員 この計画で見ております人口増、それから一人当りの消費量は、昭和二十九年度の水準にほぼ横ばいする。若干米麦量の取り方は減りまして、畜産物とか、水産物とか、そういう蛋白質的な食料をよりよけいにとり、全体のカロリー量なり、あるいは蛋白質の摂取量等は現在よりも向上する、そういう想定をいたしておりますが、大体米麦の摂取量はほとんど横ばいというふうに見ているわけです。そういたしますと、足らない部分を今申しました八百三十万石程度増産をいたしますれば、あとは大体最近の三百二、三十万トンという米麦の輸入量を維持することによって、それ以上ふやさなくてもまかなっていける、こういう計算になっております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 本庄度の食糧増産対策の二百五十億でどれくらい増産になる計画になっておりますか。——よろしゅうございます。私承知しております。八十数万石でしよう。農地の壊廃と同じ数量になるわけです。検討して参りますと、せっかくお作りになって計画も、これはよくいわれる机上のものであって、そうそう簡単に増産はできないのでございます。  そこで次長さんにお伺いいたします。せっかくあなたの方の優秀な頭脳を動員して作られた五ケ年計画が、本年度の予算にはほとんど盛られていないのであります。今日は数字は申し上げません。しいて申しますならば何十億円か、そんなものでしょう。おそらく企画庁では残念がっておられるだろうと思うのです。これで果していつも言われるような国民所得の増大ができるかどうか、その辺について次長の御感想を承わっておきたいと存じます。

上野幸七総理府事務官(経済企画庁次長)

○上野説明員 感想でございますので、そのつもりで聞いていただきたいのですが、食糧増産につきまして、三十一年度の予算が、五ケ年計画の感覚から言いますと、非常に窮屈なものであることは、われわれもそういう感じを、持っております。しかし五ケ年計画は五年間の計画でございますので、あまり三十一年だけで勝負をきめるということでなく、五ケ年間で勝負をきめるということで御了承願ったらいかがなものかと思っております。  なお作業等につきましてはいろいろ御納得いきかねる点もあろうかと思いますが、さような点は実は食糧増産に限りませず、他の部門につきましても、なお堀り下げて検討を要すべき問題が多々ございますので、さような作業は今後引き続いてこれを精細にしようという考え方をいたしておりますので、御了承願いたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 私が申し上げたのは、食糧増産ばかりではなくて、数十億円と申しましたのは全般的なことであります。昨年は経済六カ年計画があったと思います。今年は五カ年計画、来年はまた四カ年計画でもお作りになるお考えでございますか、五カ年先のことを見てくれということでございましたので、重ねてお尋ねをいたします。

上野幸七総理府事務官(経済企画庁次長)

○上野説明員 ただいまの考え方といたしましては、三十五年の目標は三十五年の目標といたしまして、これを尊重して達成するように五カ年間に努力するという方針は変らないわけでございますが、しかし来年になればどうなるかということになりますと、三十五年だけをにらんでおりましたのでは、実は不十分でございますので、さらにもう一年先をにらむ、それはどういう形になりますか、まだ今申し上げかねるのでありますが、やはり今年の計画を三十五年の計画に何らかの形で結びつけていきたいというふうに考えております。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 五カ年計画をずっと一年ずつずっていけばいいわけですね。昭和四十年度になっても三十五年度の目標を達するようにずっとずっていけばいいことになるわけです。先日おいでにならなかったから参考のために申し上げておきますが、あなたの方の五カ年計画の財政規模は、一カ年平均一兆一千三百二十億円、一兆一千三百二十億円なくてはあなたの方の五カ年計画は達成できないわけです。ところが今年の予算はどうでしょう、そのふえた分はほとんど防衛費と地方財政費である。今後おそらく賠償費や防衛費がふえてくるでありましょうから、いつまでたっても五カ年計画を計上する予算処置ができないのであります。従って五カ年計画はずっと先に延ばさざるを得ないということになります。私はきゃうはこれ以上は申し上げませんが、一つ次長以下当局の方はうんとふんどしを締めて自分たちの作ったものは必ず実行させるという強い決意をもって当りますように私は希望を申し上げておきます。

上野幸七総理府事務官(経済企画庁次長)

○上野説明員 その御希望はまたわれわれの気持でございますので、それは重々尊重いたしまして、さように努力をいたしますが、先ほどの一兆一千という御計算でございますけれども、これは単純に算術で割りまして一年平均をとりますと、そういうことになるわけでございますが、五カ年計画の一つの考え方といたしまして、いわゆる前期は地固め、あとの方の期は拡大にいくのだ、こういう形になっておりますので、単純に算術平均されますと、この作業の考え方と必ずしもぴったりと合わないのでありまして、ことに経済のスケールが末広がりに広がるということをこの計画は考えておりますので、もしこういうふうに経済のスケールが広がっていきますと、先の財政規模は三十一年度の財政計画とはいま少しく違ったものができるわけでございますので、まあ五で割って一兆一千億ということでないというふうに一つ御了解を願いたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手分科員 次長の苦心のほどはわかりますけれども、それじゃやはり小学校の生徒でも納得しないですよ。まかぬ種ははえぬということがいわれておりますけれども、一般会計なり、あるいは財政投融資によって産業基盤を広げていく、そうすれば国民所得も伸びていく、そしてそれが積み重なって三十五年度の計画が達成できるわけです。そうしてそれには五カ年間にどうしても五兆六千六百億円という予算がなければできないということをあなたの方は書いておる。それで昭和三十五年度に一度にやりますというのでは、その予算が果して、組めるかどうかということは、これはしろうとでもできないことははっきりいたします。国民を引きずる場合でも、あまり見えすいたことではなしに、地固めでございます、地固めでございますといつまで地固めが続くものか、一つ答弁にしても、国民に対する発表にしても、なるほどと思うようなものを発表していただきますようにお願いします。きょうは、もうこれ以上申し上げません。五で割ってという御答弁があったから、そういうことでは私ども承知できませんので、申し上げた次第でございます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 速記を始めて下さい。  それでは質疑を続行いたします。川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 この際経済企画庁に二、三お尋ねいたしたいと思います。日本の経済計画を策定する上に最も基本となりますものは、動態調査であると同時に、日本を形成しております動かざるものの調査を相加えて調査を完備しなければ策定ができない、こう思うわけです。動態の調査というものは非常に困難でありますけれども、この点については各庁が計画策定の上からかなり調査を進めておるようですが、経済企画庁としては、今度は、不動態であります土地調査を初め資源調査に乗り出されたわけであります。ところが日本のような領土の狭い地域における調査というものはいまだ十分でないようであります。海域を含めましての不動態の調査が十分でないということは、日本の経済計画策定の上にいろいろ非常に大きな障害になるんではないかと思うのです。そこで今度はこれに幾分でも予算をつけられたようですけれども、これは日本として最も的確にすみやかにつかむ必要があるじゃないか。たとえば森林資源などを見ましても、戦前四千六百二十三万町歩かあった森林地域が、戦後二千五百万町歩ばかり減っておるわけですが、この蓄積なども、戦前が約九十億石といわれ、戦後六十億石ともいわれておるわけであります炉、これなどもどうも正確に把握はしていないようです。またさらに雨量であるとか、あるいは気候であるとかいうものについての調査も、必ずしも十分ではないようです。日本の領土は山岳が非常に多いために、気候においても非常に変化が多いのを、ある地点だけでこれを把握しようといたしておりますために、ときどき洪水等を招くおそれも出てきておるわけであります。これに対してもっと実態を把握するというために、もう一段の努力をする必要があるのではないかと思いますが、これに対する御所見をお伺いしたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 お説はまことに同感でございまして、経済六カ年計画を昨年策定いたしましたと遂に、私一番先に感じたことは、日本の国富というものがまだ調べられていない。昭和十年に調べたのが最後であって、それ以来何ら調べていない。こういうふうなことでもって五カ年計画をやろうというのは大きな間違いだろう。まずこれを先にやらなければならぬというので、三十年度にわずかばかり予算をちょうだいいたしまして、それを本年もさらに引き続いて調査をいたしましたのですが、これは何しろ非常に大きな仕事でございまして、多分この三十一年度末に大体完成すると思いますが、これを仕上げますのには三十二年度の中ごろになるだろう、こういうふうな考えでございます。国富だけでもそうでありますが、特に今の資源関係、雨量関係、こういものをどういうふうな方法で調べておるんだということをさらに検討いたしますと、きわめて非科学的なものが多いのでございまして、雨量のごときものは、山の上の雨量と山のふもとの雨量とは大へんな違いがある。それがふもとの雨量をもって山の上の雨量を測定しておる。こういうふうなことでは治山治水の上に大きなあやまちを来たすのであるから、どうしても自動的の雨量測定器をもって各地に、特に高山等にすえてこれをやっていく必要があるだろう、こういうふうなことも痛感しておるのでございます。これはどうしても経済長期計画を立てます上におきましての、そういった方面の検討はもちろん必要でありますと同時に、地下資源の方もまだ存外今日の現状では調べられていないということがだんだんわかってくるわけでありまして、これは最近の探鉱技術、つまり鉱物の地下資源の探鉱をする技術も進歩して参りましたものでありますから、これに付随して北海道特に東北地方の方については力を注いでやっていきたい、こういう所存でおるわけでごいざまして、ただいまのお話しのごときことは全く同感でございますから、よろしく御協力願いたいと存じます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 高碕長官は同感だということです。同感だとしますれば、今の日本の貧弱な財政の中においてこの予算の効率をねらうということになりますならば、基礎調査を完備しなければ予算の効率的な適用なんていうことはできないと思う。御承知の通り、年年災害が起きまして、日本のような予算規模の小さいところで、これだけの大きな災害のために多くの国費を浪費しなければならないというような事態、これはやはり基本調査が十分できてなかったために起ってくるところの政治的欠陥であるとも見なければならないと思う。この点を一番認識しておるのは各省よりも経済企画庁でなければならない。各省の現実官庁は目前のことにとらわれまして基本を忘れがちであります。それを指導していくといいますか、国の全体の経済計画を基本に置いて、ここにめどを置いて予算を組み立たせるということが、経済企画庁の基本でなければならぬじゃないか。全体の経済規模から見ましてこのくらいな予算を取りまして、これで予算の効率を上げるなんていうことはいかないと思う。同感でありますならば、まず初年度においても二年におきましても、もっとしっかりしたものを把握させることが現在の経済企画庁の使命でなければならないと思うのですが、これで十分だとお考えですか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 十分だとは感じておらないのでございますが、各方面の予算審議に当りましてできるだけこれをよけい回してもらおう、こういうことで努力いたしましたけれども、ほかの方の関係上今日はこれだけの予算しか取れなかったことはまことに遺憾でありますが、お話のごとく今後十分この方につきましては予算をもらうように努力いたしたいと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 もう一点は、時の政府がみんな五カ年計画とか十カ年計画とかというものを立てられます、立てられて一年二年は地固めだということで将来を目ざして計画を立てられる。ところがこれが二年三年たつというといつも内閣がかわる、あるいは行政府のいろいろな変更によりまして、せっかく立てられた策定が常に変更されて、何も効果を上げてない、かなりの労力を使い人件費を使い国費を使って策定されたものが、二年三年後にはもうこれを利用しない、こういうようなことが行われがちなのです。これはどうしても、五カ年計画を立てられ十カ年計画を立てられても、必ずこれを予算上からいえば継続費的なものに、あるいは政党がかわりましても、次の内閣もある程度引き続いて行わせるような方策を立てなければ、基本的には意味がないのじゃないか、この点いかがですか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 まことにその点も私ごもっともだと存じます。特に長期の計画等につきまして、かりに現内閣がやっておっても、内閣がかわるとそれを捨ててしまうということになれば——私この経済企画庁長官をやりまして一年三カ月になりますが、一年三カ月かかってようやく緒についたというところで、これでまだまだ五カ年計画が完璧なものとは存じておりません、十分これを完成いたしたいという所存でやっておりますが、これがかりに内閣がかわって方針が変ったということになれば過去において使った努力とそれだけの国費というものがむだになってしまうということを、非常に私は心配する一人でございまして、それがために政府だけでやるべきものではなくて、できるだけ民間の意見を十分取り入れて、経済審議会というものを中心に置いて計画を立てるようにすべきだ。かりに政府がかわっても、どうしてもこれを持続していくような方針で、経済計画、特に長期経済計画というものは政党政派を超然として立った国本位のものをもっていかなければならぬ。これについてどうすればいいかということに、ただいま苦心いたしておるようなわけでございまして、今の御説は全く御同感でございまして、それに向くように持っていきたい所存でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 高崎長官の答弁は実際りっぱなんです。内閣がかわってもあるいは政党がかわっても、基本的には変らないものを作り出すために努力したい、全くりっぱですよ。ところがそうではないらしい。時の予算規模から見ましても、時の政府の意向をあまりにもしんしゃくし過ぎるというか、動かし過ぎた計画ではないか。地固めだというけれどもほんとうの地固めより、今度の予算規模からして地固めという形をとらざるを得なかったのではないか。これは一内閣がかわってもあるいは保守党から革新政党へかわっても、基本的には動かないのだという自信のものとは思われない。少くとも一定の計画というものは、非常に国際的ないろいろな変化炉ございますから、その臨時的な変化については別ですけれども、今の見通しとしては五カ年はこのつもりでいけろというようなものをほんとうに作り出しておかなければ、経済企画庁の意味はないじゃないか、こう思うのです。この点もう一度……。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 少くとも国民の生活を安定せしめ、失業者を少くするということについて、経済の基本的の考え方につきましては、これはどうしても政党政派を超越した一つの計画を立てていかなければならぬ、これにわれわれは今邁進してやっておるのであります。この計画を実行いたしますにつきましては、やはりその時の政府の方針というものが相当加味されなければならぬ。つまり拡大経済をもっていくとかあるいは緊縮政策をもっていくとかということによってそれは左右されなければならぬ。しかし、されてもこれは一時的のものであって、根本の方針についてはだれが何と言っても変えることができないという方針があるべきものだと思います。それを立てるのが経済の長期計画だ、私はそう考えております。本年のごときは予算編成に当りましても、やはり昨年同様緊縮予算をもってやろうじゃないかという政府の根本の方針がきまった以上、この一年二年の間は地固めの方針でやっていくより方法がないだろう、こういうことにわれわれは同意したわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこで長官は私と全く考え方が違うのです。策定されたものをどう活用していくか、あるいはどう利用していくかということは、時の政府がやらざるを得ないでしょう。その経済計画を曲げて策定してはならないということを、私は申し上げているのです。基本的にはやはり毅然とした一つの計画でなければならないのではないか。むしろ第三者的と申しますか、そういうものを策定しておいて、この利用と申しますか、その活用はその時の予算の編成によって左右されることも、これは必ずしも反対でない、やむを得ない場合もある。しかし計画自体に時の内閣の意向をくんで五カ年計画を立てることについて大きな不満があるという感じがいたすのであります。事務当局は別にいたしましても、どうも長官は時の内閣の閣僚であろために、むしろ曲げて策定をしたきらいがあるのではないか。この点をあなたにお尋ねしたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 経済の計画というものにつきましての基本的計画というものは、これは万人認めるところの、政党政派を超然として立つべきもので、これは動かすべからざる計画であります。これが実行に当りましては、とにかくこの計画を立てるためには、経済の基盤を動揺せしめてはいかぬ。もっと簡単にいえば、インフレーションが起ってはすべてがこわれるのだ、これを防ぎつつやっていかなければならぬ。この見方は人々によってみな違うのでありまして、この人々によって違う見方を、そのときの政府は各方面の意見を検討した結果、この程度のものはインフレーションを防止するゆえんだ、これによって予算を編成すべきものだということがきまったときには、それに従ってそのときの実行予算をきめていくわけでありますが、根本的の経済計画の基盤・標準というものは、これは断じて変更することはしていないわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこでお尋ねしますが、ここにちょうど資料がありますから一つの例を申し上げますが、たとえば治山治水計画なるものが、一九四八年から五二年までを第一次治山計画として四八年に立てられた。それがさらに四九年になって、四九年から五三年までの改訂治山計画というものを立てた。さらにまた治山の全体計画として五五年から六〇年までを計画する、こういうふうに常に変更せられておる。これではならないということで、審議会まで作って、治山治水基本対策要綱なるものを作って、民間の有識者も入れて、そして五四年から六三年までの間に完成しなければ日本に災害が起きるから、この間に基本的治山治水工事をしておこう、こういう計画を立てられた。ところが、これは吉田内閣の最後のときですが、この内閣になると、この基本計画をどんどん変更されておる。五四年から六三年までの十カ年計画でやろうとする計画を変更すると、山くずれが起ってくる、当然手当をしなければならぬところに手当がおくれてくる、災害が拡大されてくるのです。拡大されてくると、これは十カ年計画が二十カ年計画でやってもなお償いがつかないような結果になってくる。こういうふうにせっかく立てられた計画をどんどん変更するようでは、今あなたのようにりっぱなことを言いましても、何もならないのじゃないかという一例として指摘したいと思う。この点どうです。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 昨年立てました経済カ年計画と本年の経済五カ年計画というものは、総合的な意味から立てておるわけでありまして、以前に各方面ではいろいろな計画が立てられておりましたが、それを総合的に考えて、国家全体として見てどの程度にやるか、こういうことをきめたのが経済六カ年計画であるわけでありますから、そこでつまり従前の長期計画等をそこに総合いたしまして考え上げたのが六カ年計画であります。ただ今年度におきまして、今治山治水の例をお引きになったようでありますけれども、これはなるほどいかにも三十一年度の予算では少いという感じはいたしますが、これは御承知のような工合に、昨年が存外に恵まれた年でございまして、ほとんど風水害がなかったというふうなことのために、いろいろほかの必要な方面に支出が必要であるというふうなことから、これが幾らかためられて少くなったということは事実でございます炉、根本的にはやはりその方針は五カ年計画、六カ年計画をもって立てていきたい、こう思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それはとんでもない間違いですよ。災害が起きないというが、災害復旧費の減ったことじゃないですよ。災害が起きないように治山工事をするという費用が減ったと、こういうことです。災害復旧費が減ることは、災害がなかったらこれは減ることは当然なんです。そうじゃないのです。災害を起すおそれのある地帯をどうして防ぐかということの費用が減っておると、こういうことなんです。このことと災害が起きないということと違いますよ。災害を起さないような処置をしようという計画なんですよ。災害復旧費じゃないです。災害復旧費ならその年度内に災害がなければ、これは費用が減るのは当然なことです。しかし年々乱伐が行われていく、必要量以上の、日本の持っておる国富以上のものが伐採されてくるために、災害の起るおそれがある地帯というものは、ある程度調べられておる。さらに拡大するおそれがあるから、まず第一にこの拡大を防がなければならぬ。だんだん拡大をされてくるような状態を見のがしにしているような予算の組み方は、計画には合はないのじゃないか、こういう点を指摘したのですよ。この点どうです。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 お話のごとく、治山治水というものはまず災害を防止するためにやるべきものだということは、まさにその通りだと存じておりますが、災害復旧というものとはやはりおのずからその間につながりを持っていくようなことに相なるわけなんでありまして、同じ河川を改修いたしますにつきましても、まず治水という方面から申しますれば、災害が現在あった方面から早くこれをやっていくというふうなことにも考えなければならぬというふうな、実際の施行上の方法もございますものですから、必然、目の前に災害が少くなったときには、ついそれが忘れがちになるというのは、これははなはだ間違いだと思っております。今のお説のごとく間違っておると思いますが、そういうふうなことに陥りやすい弊害があるのであります。しかし根本につきましては、いかにも災害が起ってから災害を復旧するよりも、災害が起らないうちにやった方が、これに要する経費も少く、これによる効果も多いという事実はわかっておりますから、その方針をもって進んでいきたいと存じます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 何人もわかることをこれは長官でなくても大体一般の常識なんです。災害が起きてから費用をかけることよりも、そこに大きな損害を与えて日本の経済に大きな打撃を与え、また個人的なものに打撃を与えるよりも、基本的に災害を防ぐといろ施策をとることが望ましいことは何人もわかっておる。この何人もわかっておることを、去年その災害がなかったということで減らすことについてどう考えるか、こういうことを聞いているのですよ。何人もわからないことを無理にしいるのじゃありません。長官も言われる通り、もっともなことをなぜ実行しなかったか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 本年の予算におきまして治山治水について幾らか減っております炉、河川総合開発という方面ですね、これには相当昨年よりも余分の予算をもってやっていっておるようなわけなんでございますが、どうも私ども、災害というものが目の前にくるというと、火事が起ってくるとすぐにこれは火の粉がかかるのですが、火事が起ってこないとつい火事を忘れがちになりまして、これはまことにあさはかな考えと存じておりますけれども、ついそういうふうになりがちでありますから、これはできるだけ注意して、今後その方針をもって根本方針を考えていきたい、こう思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そこで問題が二つになってくる。一つは今年度三十年度の公共事業費です。これは大蔵省で一割保留をいたしたのです。なぜ保留したかというと、災害が起る場合の予備費に回そうということで一割保留した。従ってある面では災害が起きるかもしれないという予想をしておるのですよ。一体国会できめたところの予算を勝手に一割保留するということについても、これは問題なんです。別のときに問題にいたしますが、これは問題なんです。一万においては少くとも災害が起きるかもしれないということで、そういう非常手段をとっておる、非合法的非常手段をとっておる。だから起きないとはだれも見ていない。起きるおそれがあるということを認めておるのですよ。一方においては認めておりながら、一方においては予算上は認めないのです。予算面においては、災害が起きるかもしれぬということで、しかも形式予算の上では認めないけれども、実際の予算を組むとき、実行に移すときには、災害が起きるおそれがあるからということで、一割を保留しているじゃありませんか。保留したために不用額をわざわざ出さして、三十一年度に盛り込ましておる。起きないで幸いだった。災害が起きるおそれが日本の実態にあるということなんです。従って、なぜ減らさなければならなかったかということについては、企画庁としては大いに御不満がなければならぬはずだと思う。御不満が出てこないから聞いておるのです。どうですか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 御指摘の御意見につきましては、私は予算措置としてはよくないことだ、こう思っておりますが、ほかの方の関係上、やむを得ずそういうことになったわけでありますから、御了承を願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 やむを得ぬというけれども、災害が起きるということは予想したからでしょう。予想しないでやったとすれば、これは非常に不都合な話だ。予想してやったとしても不都合ですが、予想しないで節減したということになると、これは最も許すべからざることなんです。一歩譲歩して、おそらく予想したからだろうと思う。そうすると、災害が年々起きるであろうということを予想するならば、それを防ぐということに力が入らなければならぬはずです。もう一度三十年度予算を振り返ってみて、補正の仕直しでもするだけの熱意を持たれるかどうか、もう一つこの点をお尋ねしたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 なかなかむずかしい問題に相なりましてどうも……(笑声)やはり災害があるということは予想したからとったわけでしょうから、その意味から言えば、この災害というものについての根本方針を立てなかったのじゃないか、こういう御意見なんでしょう。これは見方によればそういう御意見もあるだろうと思いますが、そこのところはみんなの考えを総合した結果、そういうふうになっておるわけなのでありますから、今さらまた補正予算をやり直すということまでは考えておりません。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういたしますと、これは経済企画庁が大いに中心となって計画されたものです。みずから立てたものを、来年一年は地固めだ、再来年は計画の仕直しだ、取りやめだ、こういうおそれがあるのじゃないかということを指摘しておるのです。やはり思い切って補正予算を組むほどの熱意をあらためて持ちますならば、今後は経済企画庁の策定された計画というものについては、信頼度が高まってくると思う。無理であろうけれども、補正予算を組んでもやるというだけの熱意があれば、あなた方の策定されたものは、国民的に非常に信頼が高まってくると思う。年々これだったら信用しなくなります。この点いかがですか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 だんだんと、そういうふうな問題、またその他いろいろの点につきまして、できるだけ各方面の意見をよく聞いて、そうしてこの計画に取り入れて信用し得るものに持っていきたい、こう存ずるわけでありまして、ようやく昨年発足したばかりでもありますから、その点はよろしく御了承願いたいと存じます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科委員 時間がないからその程度にしておきます。  次に、通産省でも、日本の化学工業の発展に備えて、工業用水が初めて取り上げられたようであります。これは機械工業と違いまして、化学工業になりますと、用水と廃水の問題が起ってくることは当然なことであります。従って今ごろ通産省が工業用水に気がつかれたというようなことはおそいんです。これは経済企画庁あたりが早くから指摘しておかなければならぬ点です。ようやく水調査に幾らかの予算をつけて、これに対応するようなことを考えられておるように見受けますが、そこで問題をさらに発展してお尋ねいたしたいのですが、一体工業用水の完璧を期するような——完璧とはいかなくとも、年度計画で工業用水をどういうふうにして確保するかというような計画を立てられたことがありますかどうか。おそらくこれからおやりになるのだろうと思いますが、今まで立てられたことがあるかどうか。事務当局からでもけっこうです。

上野幸七総理府事務官(経済企画庁次長)

○上野説明員 私から先に答弁しまして、もし足りないところはあとで開発部長から補足いたしますが、御指摘の工業立地条件の整備の問題は、まさに重大な問題でありまして、ことに五カ年計画というものが今後だんだん進んでいくということになりますと、現在各地で工業立地的に行き詰まっているところが随所に見受けられるので、今までそういうことを企画庁が問題にしなかったのはけしからぬじゃないかというおしかりは、全くごもっともでございますが、この五カ年計画の策定のときにも、実はこの問題があるということはわかっていたのでございますけれども、計画にそれを織り込むということになりますと、計画作業というものが非常にむずかしくなりまして、時間的に間に合わないというふうな事情のために、この問題は割愛しております。しかし問題は御指摘の通りに非常にありますので、先ほどの御答弁に申し上げましたように、この五カ年計画の足らざるところは実はこのほかにもずいぶんたくさんございます。それらの問題の一つの重要なアイテムといたしまして、もう少し掘り下げて作業をしたいというので、今せっかくどういうやり方でやるかを内部で検討を加えているのでございまして、とりあえず通産省の工業用水の問題が頭だけ出しておりますけれども、だんだんこの問題をもう少し深くかつ広く掘り下げてみたいと存じております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これはあなた方の研究よりも産業構造の方がどんどん進んでいっているのです。無計画に産業構造が変化していっている。これに対応できないようだったら、経済企画庁でございますなんということは言われませんよ。

上野幸七総理府事務官(経済企画庁次長)

○上野説明員 その通りでございまして、産業構造の変化が、経済のいろいろな変数に及ぼす影響は非常に深くかつ複雑でありまして、どうしても構造問題というものを大きく取り入れなければほんものにならないという点は、今川俣先生がおっしゃる通りでございます。そういう角度から、やはり今の立地問題も重要なその一つとして研究したいと存じております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 従ってこの、五カ年計画に動揺を来たすようなことになるのだと思います。この点はやはり重要です。せっかく立てられた計画が、この産業構造のつかみ方が悪いと、空論になってしまうおそれが出てくる。その一つとして私は今工業用水の問題を提起したのであります。  時間がないから次に進みますが、一体こういうふうに日本の工業用水の把握がおくれておりますのも、やはり基本的な日本の風土、気候、地勢等に対する調査が十分でなかったために、こうした結果が出てきたと思うのであります。そこでさらにお尋ねいたしますが、何といっても日本の工業の原動力になっておりますのは電力でございます。将来水力電気よりもさらに原子力の電気に変って参りますならば・これは別でございますが、まだ日本ではそこまでいかないと思うわけです。従いましてこの水力電気、いわゆる水力電源をどうして開発するかということが一つ問題になると同時に、もう一つは一体どうしてコストを引き下げていくかということについて、検討が加えられておるはずだと思いますが、長官はどのようにお考えになっておりますか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 電力のコストというものは、大体建設費に対する金利の負担が多いのでありまして、六〇%といい、あるいは七〇%といわれておるわけであります。従前の電力会社が開発いたしますにつきましては、少くとも一割から一割二分の金を使っておる。従いまして、これの電力コストが高くつく。水力電気のような工合に、大規模であって多額の資本を要する今後の開発については、補償関係等のために相当開発費用も高まるわけでありまして、そういうふうなものはできるだけ電源開発会社にこれをやらそうじゃないか、電源開発会社の大体の金は四分程度で上るようにしようじゃないか、こういう方針でやっておるわけであります。今年のごときも、幾らか民間資本にこれをかえるという方針でいっておりますが、幸いに民間資本も幾らか安くなっておることと、従前の電源開発会社の資本金等も比較的安い金利のものがいっておるようですし、現在では平均四分くらいの程度にいっておるわけでありますから、できるだけ電源開発会社をして経営せしめ、かつ電源開発会社の金利を安く下げるという方針をもってやっていきたいと存じております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 高碕長官の答弁は、きのうの石橋通産大臣の答弁と同じなんです。電源開発の建設費が非常にかかって、しかもその金利が割高であったために、それでコスト高になっておるということであります。しかし建設費というのは何ですか。おそらく発電力のための建設費だろうと思うのです。発電能力のないような建設費ならば非常にむだな建設費だということになると思います。莫大な費用をかけてもいいということは、それだけの出力があるものを作り出そうというところに建設費がかかるんだろうと思うのです。そうじゃないのですか。だから出力が問題だと思うのです。建設炉問題ではなくて、建設されたことによって生まれてくる出力が問題だと思うのです。そうじゃないのですか。この点をお答え願いたいと思います。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 もちろん一つの河川についてながめましたときには、これを電力方面から見れば電源の出力ということも考えなければなりませんが、しかし一応また水というものについて考えたときに、電力の出力ということだけではなくて、その水はどういうふうに利用されるか、あるいは灌漑に使うとか、工業用水に使うとか、そういった方面も考えなければならぬということも一つ考慮しなければならぬというわけでありますから、出力だけをもってこれを論ずることはむずかしかろうと存じます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 その通りです。それは出力といいましても、電源の出力、あるいは工業用水、あるいは農業用水におのおの別個に負担がかかるでしょう。その負担率についてはあなたもいろいろ研究されておる。その結果、この出力では合うということでおそらく建設費はかかっておると思うのです。ところが建設されて間もなく、農業用水でも同じことですし、電源につきましても同様ですが、わずか五年か六年で出力の非常に降下するような、ダム効率の上らないような土砂の堆積が出て参りまして、ダムの効率からいうと半分にも達しないというようなところが出てくる。そうすると、建設費に対する出力の割合が非常に低下して参る。これが一つ。もう一つは、いわゆる渇水時ということで非常に問題を起しておりますのは、渇水を防ぐためにダムを作っておるのに、ダムの効率が下るから渇水時には利用できないという結果を招かしているようなこの電源開発については、あなたはどんな見解を持っておられますか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 従前の営利本位でやっておりましたダムの建設につきましては、できるだけ流水式の流れている川を簡単に仕切って、できるだけダムに金をかけずにそこの出力をよけい取ろう、こういう考えであったわけでありますから、水を貯蔵するということにも欠けており、またダムの作り方も、流れのまん中を仕切っておるから、一年、二年、三年とたつ間にその効率がなくなるというわけになっております。しかしこの建設費はきわめて安かったのであります。一つの川をながめましたときに、今後やはりそういうふうなことをやって流れているのを単にとめるというだけのやり方ならば、これはすぐにまた——かりに始めたのがコストが高くついても、これは将来のためではない。将来のためを考えれば貯水式にしなければならぬというので、電源開発会社ができまして、初めて貯水式の大きなダムを考えてやったわけでありまして、その以前には木曽川の上流の朝日ダムに初めて貯水式ができた。それ以外のものは大体からいって流れ式が多かったわけでありますから、御説のごとくだんだん建設費は安くなったけれども、出力が少くなったということは免れなかったということができるわけであります。今後のものにつきましては、大きなダムを作って、できるだけ流域を多くして、そうして水量をそこに蓄積するということが目的でありますから、従いまして、電力の質をよくして、渇水時期に対応するために豊水期に水をたたえる、こういうことになるわけでありますが、その結果だんだん埋没の地域が多くなり、そこに住んでいる人たちを移転させなければならぬ。そうすると、いわゆる補償費というものがかさむわけでありますから、従いまして、建設費よりもその補償ということの方が今日は大きな問題になってきているようなわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それでは、従来のような流れ式のダムは失敗であったということになるのですか。それともまた、設計が悪かったということになるのですか、指導が悪かったということになるのですか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 指導が悪かったといえば悪いといえるでしょうが、しかしその当時として、電力が非常に必要であったというときだったならば、できるだけ安い費用をもってそこに電力を作るということも、必要欠くべからざるものとしてやられたことと存じます。しかし、これをどういうふうにして永久のものにし、できるだけ効率をふやして建設出力を保つかということは、これはやはりできないことはないわけでありまして、これはどういうふうにすればいいかといえば、どうしても治山の問題をよく考えていかなければならぬ。一応山に木を植えて、山の木によってダムを作り、山の木によって水を保留させる、こういう方法をもってやっていって土砂の流入を防ぐということにすれば、この生命を長く持たすということはできると思いますから、その方法をもって進んでいくより方法はないと存じます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私の尋ねているのは、その問題もございますけれども、大体建設費が安くつくということは、出力に相応して安くつくということであったと思うのです。従って、今各所にある流れ式のダムの、特に土砂の堆積の多い地帯では、出力が半減している、あるいはほとんど能力を失っていろというところもございます。特に、きのうも指摘いたしたのですが、愛知用水のちょうど三浦ダムのそばにあります濁川という川ですね。これは関西電力ですか、ここに四ケ所あるのです。これは飛行機で写真をとったのを見ますと、一つも水がたまっておりません。石ころがずっと出ている。水の流れというものは川の流れよりもっと少い。そこで一番豊富な三浦ダムに、いわゆる湖に目をつけたのだと思います。そのことは別として、これはやはり設計がずさんではなかったか、計画がずさんではなかったかと思う。設計というのは設計技術ではない。広範な調査の資料が不十分であったからこういった結果が起きたのではねいかと思うのです。これは指導が悪いのですか、会社が悪いのですかどっちでしょう、この点一つ伺いたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 これは両方が悪いでしょう。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣は両方悪い、半分半分だというわけですね。そうすると設計の誤まりと申しますか、見積りのそごは一般の常識でいって会社が負わねばならぬ。半分は政府の指導が悪いから、これは政府が負うか国民が負うかは別として、半分は国民かまたは政府が負わなければならぬ。そうすると今のコスト計算では、こういうところは国民が負うという計算で電力のコスト計算ができております。これはおかしいじゃないですか。あなたの説によると会社は半分負わねばならぬというのですから、この設計の誤まりを電力の消費者が負わねばならぬということにはならねい。あなたの説によると半分くらいは会社と政府と国民が負わねばならぬということになるかもしれませんが、こういった設計の誤まり、計画の誤まりの損害は会社自体が負うべきが一般の常識ですが、そうお考えになりませんか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 自由主義の経済のもとに、会社が自分の責任を持ってこれを実行して、その前途を見誤まったということになれば、当然これは会社がその責任を負うべきものでありまして、政府はこれに対して責任があるといえば、そういうところに許したのがいいか悪いかというだけの問題でありますが、業者が自分の責任でやるといった以上は、政府はほかに迷惑を来さないということを考えたときは、これは許すべきものだろうと存じますから、当然これは会社が責任を負うべきものだと存じます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういたしますと、渇水時の電力料金の格差などというものはやめさせるということになる。また今のコスト計算は現在の建設費、現在の出力で計算をいたしておりますから、これもまたコスト計算上大きな間違いがある、こういうことになると思うのです。それでは今後電力のコストにつきましては、再検討して電力料金を値下げされる用意があるというふうにお聞きしてよろしいかどうか、この点お伺いしたいと思います。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 この渇水期についてはダムがよかったとか悪かったとかいら問題ではなくて、渇水期は水が少いのですから、水が少いときは石炭をもって補っていかなければならないわけですから、渇水期については水が豊富であるというときよりも、幾らか高くつくというのは当然だと私は思います。しかし電力料金そのものにつきましては、時の変化により検討を要すべきもので、いつまでも現在の料金制度がいいか悪いかといろごとは問題だと思いますから、だんだん情勢の変化によって考慮すべきものだと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 私のお尋ねしておるのは、特に流水ダムですけれども、これは常時流れているときはその水があるから役に立っておるのです。わずかながら発電しておるのですよ。渇水時に備えるために貯水をするととがダムの目的ではないですか。これは飛行機でごらんなさい、わかりますよ。流れてくる水よりも出力が出ないような状態になっている。従ってちょっと旱天が続くと、これがすぐ出力に影響してくる。ここに十数日間あるいは数週間または何ヵ月間使えるような貯水量を持つことが目的なのです。で作られたものがその機能を果していない。機能を果さ広い損害を消費者が負担をし欺ければならないということにはならないじゃないか、こう指摘しているのです。その建設費は、それだけの出力あるものとしての建設費ならば認めますよ。効力のない建設費をかけられて、それをコストに見ようと言われても、これは消費者の負担すべきものじゃないじゃないか。これを政府が自分で失敗したからして国民にかぶせるというのなら別ですよ。会社が失敗した、こう言われるならば政府が責任を負わなくてもいい。半分責任を負っても半分だけは会社に負わせるような計算方式をとらなければならないじゃないか、ごう指摘したのです。あなたはその通りだと言われるのですから計算をし直される用意があるか、こういうのです。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 これは一がいに全体を律するわけには参りませんですが、ただいま川俣さんのおっしゃったような例もあるでしょうけれども、大体から見まして、私の申しましたことは、水が豊富なときには水力でいくんだ、渇水のときには全体に水が足らぬから、それは石炭でいかなければならぬということは考えなければなりません。こういうことも常識だと私は存じます。従いまして、そういうような点を考慮されて電力料金はよほど十分に検討を要することは——私は現在の電力料金がこれまでいいとは決して認めておりません。これは慎重に検討を要すべきものと存じますが、ケース・バイ・ケースについて検討する必要があると思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 あなたも通産大臣も、建設費の金利が、あるいはその建設費が非常に高くついておるからしてコストが高いのだ、こうおっしゃる。私は建設費じゃないというのです。建設費じゃなくて、むだな建設費ならば認めないという立場をとるならば、出力に相応した建設費でなければならぬ。それだけの貯水量しかないならば、それだけの建設費しか認められないじゃないか、あとの金利といい、建設費といい、それはコストの中に入らない、こういう計算をすべきじゃないか、こういうのです。これは私がこんなことを言わなくても通産省でお調べになればわかるのです。ことに次長なんかよく知っておられるはずです。これは各発電所ごとに一応の計算をしてある。全部調べてある。日発時代に十分調査されたのです。総合したコストは幾らとなっておる。おのおの非常な大きな差がある。同じ年代、たとえば昭和十八年度にできたのでも、ほとんど能力がなくなってしまって、非常に大きな欠損になっておる発電所もあります。こちらには能力がまだあって割安になっておるところもある。それを総合しておるのです。従って作り方、状態把握が悪かったために起った出力の低下、あるいは渇水時といっても混水時じゃない、常に渇水なのです。流れてくるだけよりつかんでないのですから貯水量がない。従って発電所へ行って見るとそのような職員よりおりません。能力ないものとして見ている。渇水時じゃないのですよ。常にそれだけしか能力ないものとして経営をしておる。各発電所ごとにコストをつくっております。これを見ても大きな差があります。これは今日は資料を持って来ませんが、きのうは持って来た。全部出そうと思ったが、時間がないからやめておいたのです。われわれでさえこれだけのものを把握できるのに、経済企画庁がこれを一つも把握してないなんてことでは、五カ年計画でございますとか日本の国民経済の基本になっております料金の問題についてそう無関心でおったのじゃ、ざるに水を入れたのと同じで、計画なんてみんな流れてしまうと思うのですが、長官、どうお考えですか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 流れ式のダムの建設につきましては、現在の情勢におきましてはいろいろな批評があることでありまして、これをやった当時はそんなことを考えずにやったのだろうと思いますが、しかしこれによってやり方が間違っておったということを感じた結果、今後の電源開発はダム式、貯水式でやっていくという方針でありますから、過去のものにつきましてはよく検討いたしまして、御方針に沿うように努力いたしたいと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 川俣君、林野庁の人が来ております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 間違ったということを気がついたというのですが、間違った分だけは会社が負担すべきだ。これは消費者が負担すべきじゃない、間違ったものが負担すべきだ。誤まったものが負担しないで半分以上も一般の消費者が負担をしなければならぬ、一般の産業人が負担しなければならぬ、そのつもりで日本の産業を考えていかなければならないというような計算の仕方は、私はほんとの計画ではないと思う。これが一点です。もう一つは、先ほど長官から話があったように、やはり非常に危険なことを起しておるのは黒部ダムです。二十四年に堆積土砂が七二%かありました。ところがあの洪水で約六十何%まで堆積土砂を、土砂口をあけて下流に流してしまった。それでダム効率を上げておる。今はあまり下ってない。こういうのですから、あの二十六年のときよりまた流したと思います。これが大きな洪水の原因になっております。そこで常に電源開発会社が土砂堆積量を秘密にしておるのはなぜか。年々違ってくるのです。年年違うなんてばかな話はないのです。だんだんふえてくるというのならわかりますけれども、洪水の翌年になると貯水量が非常にふえるということは、中にたまっておるところの土砂を下流に流出したからです。これで災害が起きていますよ。この災害の補償金の要求が各地に起りつつあるものですから、これをなるべく秘密にするという方法をとり、その秘密をまた官庁が守っております。これはやめさせなければならぬと思いますが、その点どうですか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 佐久間あたりのダムについてはまだそういうことを設計いたしておりませんが、イギリスのスコットランドあたりのダムは全部底にゲートをつけまして、沈下した土砂をある程度期限を切って流すというようなことをやっておりますが、私はまだ実際を、今お話のような黒部の状態を見ておりませんから、何とも申し上げかねますが、とにかくどっちにしても今日は川の中に土砂を流さないということ、つまり木を植えてそれをとめるということが根本問題でありまして、今の問題は枝葉末節の問題なのでございます。だから政府はどこまでも根本問題と取り組んでいきたい、こう考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それならば了承するのです、その通りなのです。初めからそう聞けば何も問題にしなかった、長ったらしく言う必要はなかったのです。ところが一方においては治山治水が必要だ、根本だとおっしゃっておるが、予算を削ったのはどういうわけですか。これはどうもおかしいじゃないか。この点に対してどうですか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 先ほどるる申し上げましたような工合で、いろいろな状態からそうなったのでありますから、今後はできるだけ治山治水の方に、私が現職にある間は取りますから、どうぞよろしく御了承願います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 根本だとおっしゃるが、根本を解決することが必要だ、こうお認めになるならば、予算を削ったのはおかしいじゃないか。しかもあなた方が作られた十カ年計画ですよ。治山治水対策要綱、これはおそらく超党派的に作られたものです。その基本を変更するようなことでは、今立てられたあなた方の計画はまた変更されるおそれが出てくる。こういう超党派で作られたものすら変更するのですから、その時の内閣の勝手に作ったようなものはなお変更するおそれが出てくる。従って私が一番最初に申し上げたように、こういうものは超党派的に、国民的に策定をしなければならぬじゃないか。その策定を実行しないような内閣なら、その内閣の閣僚としていさぎよしとしないという覚悟を持たなければ、あなた方の計画は信用されないということになりはしないか。治山治水の基本がそこにあるということを高碕長官はお認め、でありますなら、三十年度予算はまだでき上っておりません、今編成中でありますから、みずから治山治水の費用だけでもふやすように考慮していただきたいと思います。それによってわれわれの考え方が変ります。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 治山治水の方は昭和二十八年度に立てたものでありまして、これを経済六カ年計画に織り込みますときには、その連絡をとってやったわけでありますが、昭和二十八年度当時に立てましたものは、やはり総合的の計画になっていない、こういうところで今度の六カ年計画に引き続いて五カ年計画では総合的にやるということになったわけであります。三十一年、度の予算につきましては、これはいろいろ検討した結果こういう結論に相なっておるわけでありまして、治山治水を五カ年間にわれわれの計画通りに実行するのに差しつかえない程度に組んでおるわけであります。さよう御承知願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それはおかしいですよ。十カ年計画よりも減らしておいて五カ年ででき上るということはない。十カ年計画ですら実行できないものが、五カ年計画で実行いたしますというのはおかしいじゃないですか。こういうものは資材におきましても、あるいは能力におきましても、十カ年計画を五年でやれるというようなものではございません。だから十カ年に着々と、初年度は地固めでもよろしい、二年度はこれでもよろしいが、こうした計画がなければならない。こうした計画のもとに十カ年計画が立っている。地固めをやって、やめてしまって、新しく五カ年計画でまた地固めをやる。十カ年計画で困難だというのに五カ年計画を立てて完成いたしますなんて言ったって、一方で山の崩壊が起きており、一方で伐採がどんどん進んでおる。これを五カ年で完成するというのはおかしいじゃないですか。十カ年計画を策定したときより状態が悪化しているのですよ。これは林野庁の人が見えておるから説明を願ってもいい。十カ年計画を立てたときより悪化しておる。それを五カ年で完成できますなんていうのはおかしいですよ。林野庁の人から説明を願います。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 十カ年という長期の計画は立っておりますが五カ年計画をもって十カ年計画を縮めて完成するということは決して考えておりません。十カ年計画はありますが、その一部分として五カ年計画をとっているわけであります。さよう御承知を願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そうじゃないのです。これは十カ年に完成しなければさらに事業量が増大するおそれがあるから十カ年で完成しようという計画なんです。年々山の崩壊が行われ、年々伐採量が造林よりも増してきて、山の状態が悪化してきたから、少くとも十カ年でこの計画を達成させようという計画なんです。従って地固めが必要なわけで、これは認めますが、あなた方は去年災害がないと言ったって、山の崩壊はどんどん行われておる。幸い天候に恵まれて、それが下流に影響がなかったというだけです。だから三十一年度にもう一度考慮し直す必要があるのではないか。どうです。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 大体先ほどから何べんも答弁されておるから……。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 いや、はっきりしなければいかぬ。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 先ほどお答え申し上げました通りに、各種の状態から三十一年度の予算が一番いい、こう信じてやっておりますから、今再検討することは考えておりません。但しお説の問題につきましては、十分私どもも同感の点がありますから、治山治水については決して等閑に付しておるものではないということだけは申し上げておきます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そういたしますと、こういうことなんですね。外国の例のように水を電力会社に売るということになりますと、こんなばかなことはしておきません。また発電所があり、そのダムの経営者が別にあるというような場合は、当然貯水者は売った水だけの料金よりもとれないということになるでしょう。そうして計算をしてくると、ここに明らかなコストが出てくるのです。それをごまかしておるところに問題がある。さらに言うと、これは発電所ができるとりっぱな建設道路ができる、ここに道路ができると、今まで山の奥地で不便であったところが便利になるために、伐採量がふえてきて山が坊主になってくるのです。さらにまた上から木を運んできて、何か土場を築いたために、小さな道を作る、これがまた崩壊の原因になってくる。従って元から治めていくという方法をとっていかなければ、さらにこれが効率の悪いダムになるおそれがあるのです。現になりつつあるのですから、急速にここに手をつけなければならないということは、私は幾つも写真を持っておりますが、例を述べると時間がかかりますからやめますが、せっかくここまで話したのに、わからなければもう一ぺんお聞きいたしますよ。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 繰返して申しますが、先ほど申し上げたと同様に、三十一年度で考慮することはできませんが、しかしながらできるだけ御趣旨に沿う方針で進んでいきたいと存じております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 三十一年度は変更できないと言うが、あなた方また変更するのじゃないですか。去年は災害を受けるかもしれぬというので、一割保留したのでしょう。そういうことをやりかねない。それは災害を予想するからなんです。変えられないということはないはずです。国会できまったものでさえ勝手に変えているのです。まだきまらないのだから、変えることはできるでしょう。どうしてで逆ないのです。それじゃ去年はどうして変えたのですか。あなた方はどうしてそれに同意したのです。閣議で一割保留なんてどうしてきめたのですか。大蔵省でやったばかりじゃありませんよ。国会できめたものを勝手に一割保留なんて、一体どこに権限があるのですか。国会法からも憲法からも、権限はありませんよ。ないものさえやっているのですから、まだ国会で審議中なんだから変えたらどうですかと言うのです。どうしてこれに応じられないのです。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 先ほどお答え申しました通りに、いろいろ各方面から検討した結果この結論を得たわけでありますから、それ以上はお答えすることはできません。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 川俣さん、北澤さんがやはり午前中にやりたいということですから……。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それではこれでよろしい、かんべんしておきます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 北澤さん、大蔵省から来ておられますからどうぞ。

北澤直吉自由民主党

○北澤分科員 私は外資導入問題についてお伺いいたしたいと思いますが、その前にまず高碕長官に伺いたいことは、いわゆる経済五カ年計画ですが、この計画が達成されますためには、日本の輸出、貿易がやはり計画通り伸びるということにだいぶかかっているというふうに思うのでありますが、その日本の輸出の増進につきましては、長官も過般の施政方針演説におきまして、大いに海外投資を積極化したいというふうに述べられておるのであります。新聞などの報道によりましても、長官は何か日本の海外投資の増進についてある種の構想を持っておられるようなことが伝えられておるのでありますが、その点一つ伺いたいと思います。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 輸出貿易の振興をしなければ日本の経済は立っていかないということは、政府の根本方針でございます。ところが現在輸出するということになりますと、コストを引き下げなければならぬとか、いろいろな問題がありまして、従前やっておった方法だけでは輸出を十分伸ばすことはできない。どうしてもある程度未開発の地域を開発して日本の持っておる余力を投資をし、そうしてその経営にある程度参加しつつその国の産業を開発するということにいかなければ、それは日本が立ちおくれるわけであります。と申しますことは、現在ヨーロッパ方面におきましても、ドイツを初めといたしまして、フランス、イタリー等が中南米方面に輸出市場を拡大するために、相当長期にわたるプラント輸出をし、場合によると投資をしておる、こういうわけであります。さらにその余力を持っていって東南アジア方面にも同じような方法で進出してきておるわけであります。従いましてわが国といたしましても、従前わが国の投資先であったあるいは大きな商品の需要先であった中国あるいは満州あるいは朝鮮、台湾等の投資等を考えましたときに、相当大きな投資をする力を持っておったのであります。これは大体三十カ年間に百億ドル近くの投資をしたという経験もある。その点から考えましたときに、これは日本民族が持っておるところの投資する力を海外に伸ばしていって、そしてそこで事業を営む、それは従前やったような方針では間違いが起る。ということは日本の将来のために、日本本位で考えた投資ならばこれはどの国も喜ばない。どうしても相手国が喜んで日本の投資を迎え、そしてその相手国の産業を開発する。そうしてその余恵を幾らか日本が受ける、この方針で進んでいくことが根本の方針であります。こう思っております。

北澤直吉自由民主党

○北澤分科員 大臣の御答弁のように、日本の輸出の増進のためには海外投資をして購買力を与えるということが必要でありますが、そのためには限られた政府資金——もちろんこれは必要でありますが、結局問題は日本の民間資金をどういうような方法で東南アジアなり中近東なりあるいは中南米にこれを出すかという点だろうと思うのでありますが、長官は何か民間投資に関する会社を作るとかいうふうな構想を持っておられるように新聞には伝えられておるのであります。何かそういうふうな具体的な考えがありますかどうか伺っておきたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 政府としてはまだ具体的な案を持っていないわけであります。そこまで検討を加えておりませんけれども、先ほど申しました根本方針で進みますときに、すぐに障害になる問題は何かといえば、相手国の政情の変化によってどのような損害を来たすだろうか、こういうようなことが民間資金を動員する場合においては心配が起ってくるわけであります。民間の資金を動員するにつきましては、相手国に投資をした場合に、これが経営さえうまくやれば損害が起るとか利益があるとかいうことは民間の人たちは十分自分の責任でやり得ると私は思っております。しかしその国の政情が変化するとかあるいは大きな革命が起るとかいった場合には、これは民間の力ではどうにもできないわけであります。それを非常におそれておるわけであります。と申しますことは、つまりその国の法律が変ってしまって、外国人の投資を認めないとかあるいは為替法が変って、利益を持ち出すことはできないとかいうふうなことになったときには、これは民間の力ではどうにもならない。しかし従前日本がやっておりました台湾だとか朝鮮あるいは満洲等はそういう心配がなかったわけです。この心配を取り除くということが必要だと思います。それがためには、海外に投資したものに対しては、経済上の欠損を補う責任を政府が持つ必要はないと思いますが、政情の変化によって起る欠損に対しては相当の補償をするという保険制度を設ける必要があると思います。さしあたり海外の投資に対する保険制度をもつと強化していきたい、こういう程度で進んでいきたいと思います。

北澤直吉自由民主党

○北澤分科員 きのうも通産大臣から御説明があったのでありますが、今度の輸出信用保険の中に、海外に投資するものに対する投資保険の制度を新しく取り入れられたのでありますが、今回提案されたあの制度を見ますと、まだ十分でないようであります。あるいは保険料が高過ぎるとか、損害の填補の率が少いとか、業界にそういう声がだいぶあるようでありますが、ぜひ投資保険というものによって民間資本家が安心して海外市場に——先ほど申しましたような、中南米とか東南アジアとか中近東方面に安心して投資するように政府の万で、もせっかく御努力を願いたいと思います。  それからもう一つお考え願いたいことは、課税の問題でありまして、日本の民間資本家が海外に投資をする場合に、現地の政府と日本の方で二重課税の問題が起きますと、これまた非常な障害になると思うのであります。政府はこの二重課税の障害を取り除く方法について、何か具体的にお考えがありますかどうか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 今のお説はごもっともでありまして、現在アメリカあたりでも二重課税の問題が日本に対してあるようですから、今後当然起る問題だと思います。この点につきましてはなるべく海外に出やすいように、課税問題についても考慮していきたいと思います。

北澤直吉自由民主党

○北澤分科員 政府におかれましても、輸出増進の見地から海外投資を積極的に推進するというお考えを承わったのでありますが、そこで問題は、そういう場合の資金であります。せっかく政府がそういうふうに日本の海外投資を推進すると申しましても、そのもとになる資本がなければ、なかなか出ていかないと私は思うのであります。そこで問題は、外資導入の問題に入ってきたのでありますが、日本の状態を見ておりますと、一番の欠点はやはり資本が少いということじゃないかと思います。御承知のように、労力は非常にあるのでありますが、問題は労力に見合う資本がないために、なかなか日本の産業というものは発展しない。特に終戦後そういう状態がありましたために、政府は外資の導入ということに非常に熱を入れて、あるいは外国の政府資金あるいは民間資金の導入ということに非常に努力して参ったわけでございます。そこで伺いたいのでございますが、今回政府が作られました経済自立五ケ年計画の内容を見ますと、国内においては大いに資本を蓄積するようにいろいろの措置をとると書いてありますが、この外資の導入については、私の見るところでは、そう積極的ではない、どうも消極的であると思うのであります。この経済五カ年計画によります外資に関する部分でありますが、これに対する政府のお考えを一つ伺わせていただきたいと思います。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 この外資の導入ということにつきましては、現在のところいろいろな方法があるのでございまして、たとえば世界銀行から借りるとか、外国銀行から借りるとか、あるいは外国で証券を売り出すとか、いろいろな方法があるのでありますが、日本といたしましては、現在持っております外貨の手持ちであるとか、あるいは金融の情勢等を勘考いたしまして、インパクト・ローン、つまり外貨そのものを持ってきて日本の円貨に直すということにつきましては、インフレーションを起さないということの方針が根本基礎になっておりますから、その意味から、よほど慎重に検討をいたさなければならぬ、こう存じておるわけでございます。経済五カ年計画といたしましても、さしあたり外貨に大きな移動をせずにやっていこうではないか、こういうふうな計画を立てておりますが、実際計画と実行上におきましては、もっとこれを拡大するということに相なりますれば、自然ある程度の外資を入れなければならぬ、いつでも外資は入れられるようにしておく必要はあるだろう、こう思っておるわけであります。さしあたり今のところインパクト・ローンを入れるについては、そう考慮いたしておりません。ただ外国の技術を導入するとか、あるいは外国の機械を購入するといったような場合に限りましては、ある程度世界銀行等をわずらわして外資を入れる、こういうふうな方針でおるわけであります。

北澤直吉自由民主党

○北澤分科員 この経済自立五カ年計画を見ますと、これを達成するためには相当の資金量が要る。しかも先ほど大臣のお答えのように、日本の貿易増進のためには、日本の海外投資を推進する、こういうふうな方針で参りますならば、国内におきます資本の蓄積だけではともかく足りはせぬ。中南米、東南アジア、中近東と近い日本が相当多額の投資をやっていこうというためには、私はむしろ利用し得る外資があるならばこれを利用して、日本の手によって東南アジアなり中近東なり、そういう方面に投資をする必要がある、こういうふうに思うのでありますが、政府の五カ年計画を見ますと、国内資本の蓄積という点については非常に積極的にお考えのようでありますが、外資の導入につきましては、ただいまお話のようなインパクト・ローンというふうなことから、従来と違って政府の態度は外資導入についてはどうも消極的になったと見られるのでありますが、これについて重ねて伺いたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 必ずしも消極的になったというわけではありませんが、現在におきまして日本の輸出は存外ふえております。外貨の手持ちが思ったよりふえておるというふうなことのために、一番おそれておりますインフレーションを防止するということを考えておるわけであります これがたとえば南米において使われる金のためにアメリカ等から借金をするといったふうな場合は、進んでますます実行に移したい、こう存じております。また東南アジアあるいは品近東等にプラント輸出をするような場合に、単にアメリカだけによらず、スイス、イギリス、フランス等の外貨がそれに結びついて使われる場合は大いに利用していきたい。ただ国内といたしまして、現在インフレーションということをおそれてやっておるということは事実でありますが、対外的の投資、これに伴う外国等の資金の導入というふうなことにつきましては、ますます積極的にやるべきではないかと思っております。

北澤直吉自由民主党

○北澤分科員 私どもの考えによりましても、外資を入れても、その外資を今度は日本の手によって東南アジア、中近東に出すということになれば、必ず上も日本の国内のインフレーションにはそう大きな影響はないと思うのであります。外資の導入につきまして、日本の金融界あたりの考えの一部にあるようでありますが、外国から安い金利の資金を入れると、日本の国内の金融情勢に非常に影響がある。世界銀行あたりは大体四分二厘でしょう。また最近日本の民間業者がアメリカから借りた資金の利息は大体四分五厘、日本の国内の金利は大体七分くらいと思うのでありますが、そういう関係で、日本の国内金利体系から見て、そういう安い利息の外資が入ってくるということは、日本の金融界を動揺させるというふうなことから、日本の国内の金融業者は安い利息の外資に対して必ずしも賛成ではない、こういうふうにも聞いておるのでありますが、政府はそういうふうなことから、日本の国内の金利体系を乱すというふうなことも考えられて、この外資の導入に対しまして抑制的な、消極的な態度をとっておるのじゃないか、こういうふうにも考えられるのでありますが、その点いかがでございますか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 ちょうど大蔵省から見えておりますから、大蔵省の方にお答え願います。

佐々木庸一大蔵事務官(為替局総務課長)

○佐々木説明員 国内金融体系を乱すという議論をいたします際に、大蔵省が関心を持っております面は、違う面にある。それは、今までの国際取引においては、日本の為替銀行は政府のうしろだてによって為替取引をしておりました。具体的に申しますと、政府の保証状によって、日本の銀行が借りた金を外国の銀行に返せない場合においては、政府の勘定から金を引いてよろしゅございます、そのために政府は、政府がお宅に開いております勘定に十分資金を送ります。これに基いて為替取引が行われた。外国が金を貸す場合に、これを引き当てにして貸す場合が非常に多かったわけであります。こういうことでは、借り入れる企業の方の信用ないしは借り入れるときに保証に立ちます日本側の銀行の信用といいますよりも、政府の信用によって過大な外資の導入が行われる危険があるのであります。従ってこれは制限すべきではないかというのが、今の大蔵省の考え方であります。金利問題については、安い金利なるがゆえにすべて排撃すべきであるというほど固い考えを持っておるわけではございません。しかし安い金利を入れた方がいつもいいんだというふうにも必ずしも考えておらぬわけでございますが、金利問題よりもむしろ、政府の保証のもとに外資の借り入れがしやすくなっておる、この問題の方を強く見て警戒しておるわけであります。

北澤直吉自由民主党

○北澤分科員 例のLUAの問題でありますが、LUAがなければ外国銀行は日本に資金を持ってこない、現在そういう情勢でありますか。

佐々木庸一大蔵事務官(為替局総務課長)

○佐々木説明員 今のところ、LUAの適用について制限をしたのは、十二月からでございます。従ってその後の動きはあまりはっきり現われておると申し上げにくいのでございますけれども、長期の金を借り入れなくちゃならぬといろ事態が起きました場合には、外銀側としてLUAの適用を認めてくれという事例がまだ多いのでありまして、LUAをはずしていいというふうに全面的に踏み切っているとは、必ずしも見られないのでございます。

北澤直吉自由民主党

○北澤分科員 今のLUAの問題は一応わかったのでありますが、そこでついでにお聞きしたいのは、インパクト・ローンでございます。日本における円資金調達だけの目的のために外資を入れるというふうなことは、いわゆるインパクト・ローンはいかぬ。外国から機械なり何なりを買う場合の代金に使う外資はいいが、いわゆるインパクト・ローンはいかぬ、こういうふうなお話のようでありますが、先ほど申し上げましたように、日本の国内の経済自立の達成あるいは海外投資というようなことを考えたら、どうしても日本の資金が足りないのでございますから、インパクト・ローンであっても、日本国内のインフレに影響しないような形において入れるならば、インパクト・ローン必ずしも悪くはない、こういうふうに考えておるのでありますが、これについて大蔵省はどう考えておりますか。

佐々木庸一大蔵事務官(為替局総務課長)

○佐々木説明員 お話のように、私どもインパクト・ローンすべてが悪いというふうには、必ずも結論を出しておらぬわけでございますけれども、しかし中心になる考え方は、こう申し上げていいかと思います。さしあたり日本の保有外貨はふえつつあといいますが、ふえつつあるといううちに、借金をして金を支払っていないためにふえている部分もあると思います。従いまして、バランス・シート式に貸借を合せてみます場合に、ほんとうにどんどんふえているかどうかは問題であろうと思います。最近の傾向は、どうも年年外貨の借り入れが多くなって、将来に外貨負担を残すという傾向が強くなりつつあるのではないかと思われる次第でございます。将来を考えます場合に、今は日本の国際収支がいいものですから、各外国銀行などなるべく借そうという態度を示すわけでございますけれども、外貨収支が悪くなった場合には、借りかえも認めないでありましょうし、新しい貸付もしないかもしれないというふうに考えられるわけであります。国際収支が悪くなったときに、あわせて今まで借りていた金も返さなくちゃならないというふうに追い込まれます事態を想定しますと、これはあらかじめ警戒的な態度をとっておくべきではないかというふうに考えておる次第でございます。借り入れます外貨が使われます用途によりまして、いろいろ検討すべき問題であると思われますけれども、およそ外貨を借り入れるという事柄につきましては、先を考えます場合に、どうも問題がなかなかあるというふうに考える次第でございます。

北澤直吉自由民主党

○北澤分科委員 日本の輸出の増進ということを考えますと、どうしても輸入をしていかなければならぬということから、私は外貨予算の運用についてはもっと日本の外貨を使って輸入を増大することが、やはり日本の輸出の増大の基礎になると思うのであります。昨日通産大臣にお聞きしたときも、通産大臣もそのようにお考えになっておるというようなお話だったのでありますが、そういうふうに手持ち外貨を輸入増加の方に向けて、外貨予算の運営にもっと弾力性を持たせるということになりますと、そういう点から考えましても、もし外国が、LUAの問題もありますが、そういうものをなくしても日本に外貨を借す、外貨を導入するというならば、あまり神経質にならずに、もっとそれを使って、もし日本国内のインフレ関係の心配があるとするならば、これを東南アジアなり中近東なり中南米というふうに使ったらどうか。この前吉田総理が行かれたとき、いわゆる移民借款と称しまして、アメリカの三銀行から千五百万ドルの外貨を借りて、これを主として中南米移民の事業費に充てるということになったのでありますが、ああいうような形によって、もし外国の金融業者が日本に外貨を借すというならば、これをあまり警戒的でなく借りたらどうかというのが私の考えでありますが、この点についてもう一度伺いたいと思います。

佐々木庸一大蔵事務官(為替局総務課長)

○佐々木説明員 すべて借り入れを排撃するという態度をとるべきでないというお説、ごもっともでございます。また外貨関係に関連しましてもお話しの通りでございますが、東南アジアの投資につきましては、今国会に国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律案を提出してございますが、そういう機関と共同の投資ないしは出資によりまして、東南アジアの開発のために、日本の企業が進出できるような方途を考えておるという次第でございます。北澤委員のお話のような点につきましては、今後十分に考究して参りたいと考えます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 関連して。先ほどの川俣委員の質問に関連いたしましてお伺いしたかったのですが、北澤委員の前になっては失礼なのでお待ちしたわけです。簡単でありますから時間をとりません。昨日長官から経済企画庁所管の予算の内容につきましての御説明を拝聴いたしたわけであります。その中で特に三十一年度は本年度よりも、冒頭の説明にありますように、大体五億六千四百九十五万八千円の増額を見ておりますが、そのおもなものは、国土総合開発事業調整費として五億円がふえたのであるという説明を受けたのであります。この五億円につきましては、細部の説明にございますように、国土総合開発の調査を促進する場合に、経済企画庁が各省各庁で実施いたしますものを調整するために、必要に応じて各省に予算の経費をいわゆる移しかえて調整をはかる、こういう御説明であります。具体的に若干のものは経済企画庁という立場においてそういう調整は理解できるのでありますが、ここでいいます移しかえというのは、一体どの程度のことを考えておるのか、あるいは計画としまして全額あるいは各省について現在考えております内容をちょっとお伺いしたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 大体今の御趣旨のように各省においてずいぶんちぐはぐがありまして、各省の予算が切れているとかなんとかいうことのために・全面的に考えてすこぶるまずい点がたくさん見受けられるわけなんでありますが、その具体的な案につきましては開発部長から一応御説明申し上げます。

植田俊雄総理府事務官(経済企画庁開発部長)

○植田政府委員 五億円の国土総合開発調整費でありますが、これはただいまの私どもの予定におきましては、二つに分けて使う予定にしております。そのうち四億七千万円程度の金は事業の調整に使いたいと思っております。三千万円程度は調査の調整に使いたいと考えております。  四億七千万円の事業の調整は、各省が国土総合開発の特定の地域の中で各種の事業をいたしておりますが、計画を立てます際におきましては、相互の調整をはかっております。予算が各省の標準によって配賦されます関係で、とかくアンバランスが出て参りまして、その間に総合効果を発揮できないということがあり得るわけでございます。たとえて申しますれば、林道と一般道路との関連を考えた国土総合開発ができておりましても、林道の方は完全にできたといたしまして、それに接続する道路が一定区間まだできていないために、林道としての効用を発揮できないというふうな場合もあろうかと思うのであります。こういった場合におきましてその林道を生かすためには、道路局の方が予算をつければいいわけでございますが、これが十分つけていないということが年度開始後にわかりましたならば、その金を企画庁で保留しております四億七千万円の中から各省に移しかえてその計画を完結させたい、こういう考え方でございます。もう一つ、これはあまり具体的になるのでちょっとまずいかと存じますが、たとえば干拓の堤防と有料道路が共同でやっている例があります。有料道路の予算がふえたときに補助干拓の予算の方もつけばよろしいのでありますけれども、こういった小さな補助干拓まで大蔵省が一々査定して予算をつけないといたしますと、農林省として有料道路の計画に見合うように、補助干拓の予算をつけることができない場合が生じて参ると思います。こういった場合には、補助干拓に私どもの予算を移しがえいたしたいと考えておるのであります。従いまして私どもといたしましては、ただいま四億七千万円の金をどの事業にどれだけ配賦するという予定は全然ありません。もちろんこの予算を要求いたしました以上、どの地方でどういう事業についてアンバランスが出てくるのじゃないかということの見当はついておりますけれども、しかし初めから各省がこれを予定されて、予算を減らすということがありましては大へんでございますから、各省といたしましてはその省の予算の許す限りそれにつけるように要求いたします。そして年度開始後にアンバランスが出ました際におきまして、そのアンバランスを三十一年度において放置することができないということが判明いたしますれば、それに予算を流して参りたい。移しがえの手続から申しますれば、大蔵省と交渉いたしまして、国土総合開発調整費という費目を各省に新たに設置いたしまして、企画庁の予算を、その仕事が林道でございますれば林道の補助に使うようにいたしたい。直轄工事でありましたならば、全額補助事業に使いたい、こういうふうに考えております。  次に調整費の中で考えている調査の調整でございますが、これも同様でありまして、各種の各省の調査がございますが、この調査の段階におきまして、いろいろ調整をうまくやっておきませんと、各省が事業に着手しましても思わざる障害が出てくることになろうと思います。河川の工事で計画いたしましたのが農業水利との関係について十分調査がしてなかったために、せっかくやり始めた工事が、工事ストップにならないまでも、工事費の増高を来したり、あるいは補償費をうんと出さなければならぬということになって参ると思うのであります。こういうふうに、調査の段階においても各省が共同作業をやるべきだというような向きもございますが、こういう個所につきましては、各省の調査費の足らずまいのところを、私どもの方が関係省に移しかえをいたしまして、従いまして、私どもの万も予算を出します以上は、その計画にもある程度タッチいたしまして、調査段階におきましても各省の総合効果が出るように計画をまとめに参りたい、かように考えております。従いまして、調査の調整費につきましては、個々の小さな事業の調査には出さないで、むしろ大きな事業の調査の調整に使いたいかように考えておる次第でございます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 ただいまの御説を伺いますと、私はここにも根本的に考え方を再検討してもらう余地が多分にあるのではなかろうかと思うのであります。それは、国土総合開発という面から見るならば、未開発資源の調査等において各省あるいは各庁の切実に要望しておる面があるのであります。今の御説を伺いますと、四億七千万円は大体事業調整、調査の方の調整には三千万円、その調整も小さなものをやらないで大きなものをやるというのですが、一体三千万円で間に合いますか。とうてい間に合わないですから、そういう議論は別といたしまして、国土総合開発という見地に立って、資源調査といった実態調査について、もっと経済企画庁みずから乗り出してやる必要があるのではないかと思うのであります。  それで、この機会に高碕長官にお伺いしたいのですが、いろいろ国会において、一体計画と予算が伴わないのではなかろうかという議論があります。私は経済企画庁という役所それ自体の機能、権限、立場等についてすでに根本的な検討を要すべき段階にきておると思う。現に行管においても、あるいは行政制度調査会においても、その結論が一応出されております。そこで、この機会に長官は、経済企画庁というものを現状のままでいい、あるいはもっと機構を拡大強化して権限のある役所にした方がいいとお考えですか、お伺いしておきます。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 一国の経済に計画性を持たせていくということは、私は絶対に必要だと思っております。ただこれをやりません点につきましては、昨年から経済六カ年計画をやりまして、実ははなはだ申しわけないのですが、いろいろな仕事をやって、これをよく見ることができなかったのですが、昨年国会が済んで八月以来これをおもむろに検討いたしますと、ますますその重要性が判明いたしますと同時に、いかにこれが困難があるかということが非常に大きく私の頭に入ったのであります。それで八月以来経済審議会というものを開きまして、各方面の権威者の意見を聞き、前後七十回にわたっていろいろ会合を重ねました結果、今日ようやく経済五カ年計画というものができております。しかしながらこれは必ずしも完璧なものとは信じておりません。まだまだやるべき仕事はたくさんあるわけでありまして、これを完成して、そうして日本の経済に計画性を持たせていくという仕事は、これは経済企画庁の第一の使命としてやるべきであると思います。しかしそれにつきましても、まだ現状のままではいけない点がたくさんあるのであります。まず第一に申しますれば、日本の経済は国内の経済だけではどうにも自立はできない。対外依存度が多いということになれば、外国の経済の動きというものをよく把握しなければならぬということも考えねばならぬ。また同じ一つの産業を検討いたしますについても、基礎産業等についてはもっと具体的に積み立て式にやっていかなければならない。また社会保障の関係につきましても、住宅関係のごときはりっぱな計画を立てて、それに対する資金の裏づけ等も考慮していかなければならぬ、こういうふうなことを考えましたときに、この経済企画庁の進むべき道というものは非常に大きな仕事がある、こう思うわけなのであります。これにはいかにそれだけの頭を持っておっても手先がそろわなければならぬ。それだけの人間を作らなければならぬ。人がなくてこれを計画したならばこれは何にもならない。まず一応人を作る必要炉ある。それにはもっと皆が勉強しなければならぬということを私は非常に痛切に感じたのでありますが、そういうような点をよく考慮いたしまして、そうしてこの経済企画庁というものについては、将来もっと大きなりっぱなものに仕上げていくということにいたしたい。それにはおのずから順序がある。その経済企画庁のやっている仕事というものについて、国民全体によく知っていただかなければならぬということが先決問題だろうと思うのでありまして、まず最初われわれが計画いたしましたこの五カ年計画等も、できるだけ民間にわかるように、国民にわかるような方法をとっていきたい、こういうふうに考えておるわけなんでございます。将来につきましては小平さんのおっしゃったように、私はこの仕事については非常な重要性を認めると同時に、非常な困難性があるということも考えておるわけなんでございます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 だいぶ時間が過ぎておりますから、御説明はよくわかっておりますので結論をお聞きしたかったのですが、経済企画庁といろ現状のままでよろしいのか、今日の段階ではこれを経済企画省に昇格した方がよろしいのか、どういうふうにお考えですかということを結論としてお伺いしたいのです。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 さしあたって経済企画省とするだけの内容までまだ参っておりませんと思いますが、内容を充実して適当の時期には経済企画省にでも持っていきたい、こういう所存でございます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 戦後安本時代から経済審議庁、いわゆる終審の経過をたどって今日経済企画庁になっております炉、必要性はもう国民はわかっております。それをその準備々々といって何年準備にかかるのか、そういう段階もある程度経なければならぬと思いますけれども、私は実は先般蝋山政道氏を招いて、わが党ではいろいろ意見を聞いてみました。どうしても現在の経済企画庁というものを大きくしなければだめだ。経済企画庁は国務大臣が担当すればいいというけれども、やはり経済企画省にしてもっと強力にしなければだめだという意見が実際強く述べられましたが、私も全くその意見には同感であります。従いまして予算委員会の総括質問あるいは一般質問等を通じまして、経済企画庁長官に対する質問の重点は、計画と予算と一体これは違うじゃないか。それはそのまま計画ですから全く同一とは言えない。若干の開きは当然あるが、こんなに開きがあってはどうにもならぬじゃないかという質問に終始しているのです。そういうことから私はその結論をお聞きしたかったのでありますが、あなたの御意見はわかりました。  最後にもう一つ、たまたま予算について予算局を内閣に持ってくるべきであるという意見あるいは経済企画庁にある程度の権限を持たすべきだというような意見がいろいろありますが、この国家予算については現在大蔵省の主計局においてやっております。これは歳入歳出と両方の面がありますが、かつては安本において予算の編成をいたしました。ああいうような方法をとったことがありますが、そこで長官にお伺いするのでありますが、現状において予算局を内閣に置いた方がいいとお思いになりますか、あるいは経済企画庁において、かつて安本時代のように、予算の編成に関与するという方がいいと思いますか、いかがでございましょうか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 予算というものは、やはり歳入というものを持っておるところ、つまり金を持ってくるという歳入を握っておる人が支出のことを考えていくということが必要だと思うのです。従いまして予算を作る根本の政策の方針というものは、これは経済企画庁が立てました方針によって、そのときの歳入の状態を見て歳出を考えていく、予算編成の根本基礎というものは、私は経済企画庁が立てるべきものであると思う。しかしその実行については、大蔵省がやるのがほんとうだろうと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 それでは川上君。川上君にちょっと申し上げますが、大分時間が過ぎておりますから簡潔にお願いします。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 私の質問は簡単なことで、お聞きすればいいのであります。初めにアメリカに対する債務、あれはどういう工合に話が進んでおりますか、これが一つ。それからあれはアメリカに対する債務なのであるか、また債務ということは今までの状況できまっておらぬのか、債務としても取り扱われておるのか、そこはまだ未確定の状況であるのか、これが第二点。  第三点は、アメリカの方ではどのくらいの金額を債務として日本が認めることを要求しておるのか、これに対してどういう話し合いが現在進んでおるのか、まずこれだけをお聞きします。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 今のはガリオアの問題ですね。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 そうです。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 ガリオアの問題につきましては、これは外務大臣がお答えするのが当然だと思いますが、経済を見ておりますわれわれの関係といたしましてお答え申し上げたいと思います。これは国民としては非常に大逆な問題だと思っております。これを全額債務として払うということになると二十億ドルになる、こういうふうな大きな金額になります。ところがこのことにつきましては、すでに前内閣におきましても、借りたものは返さなければならぬということを言明しております関係上、全然債務でないということは認められない、債務であるということは認めなければならぬと存じておりますが、この債務をどれだけに減額するかということが問題だと思っております。私どもが今言っておりますことは、あれだけのものをもらったと思っておったのであるが、向うは売ったのだと言っている。売ったものとすれば注文書があるかないかという問題もあり、いろいろな点に折衝いたしまして、大体これは三分の一という程度にアメリカ側は負けようじゃないか、私は正確な数字は存じ捜せんが、大体三分の一ということになっておりますが、これはアメリカといたしますれば、ドイツに対しての債務というものと見合って日本の債務をきめたいということで、なるべく早くこれを取りきめてくれという申し出があるわけであります。しかし日本といたしますれば、この問題以外に賠償問題とかいろいろ対外債務の問題がありますから、これは日本の経済の負担力によってきめなければならぬ。たとえばかりに三分の一に負けてもらっても、これを一ぺんに払うようなことはできない、これを十年にするか、二十年、三十年にするかというようなこともあるものですから、対外債務の問題とからんで一緒にこの問題は解決していきたい、こういう考えでございます。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 そうすると、こういうことになるのでありますか。アメリカの方では債務金額は約二十億、日本の方でも二十億は認める。やっぱり借金なんだ。しかしいろいろ経済上の事情があったりするので、それを負けてもらいたい、しかし二十億が債務ではあるということになるのでありますか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 日本は二十億というものを認めたわけじゃありません。二十億は債務として認めていないわけなのであります。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 そこのところが聞きたいところなんですが、あれは一体最初から債務だったのか、どうだったのかというととは、あやふやのものであったわけです。国民はあれは援助してもらったものだと思っていた。ところがいつの間にか債務という形になっておるわけですが、そうすると、これからその六億なら六億に負けてやる、負けてもらおうという話し合いが済んで、それからその六億が債務になるのですか。そうすると、二十億のうちの六億の残り十四億ですね。これは債務であったのを負けてもらったのですか。債務でも何でもないのにそこに負け引きが出てくるのか、そこのところがお聞きしたいところなんです。二十億の債務というものの責任が日本にないなら、負けてくれという理屈はない。債務だから六億にしてもらいたい、こういうことになるわけじゃないんですか。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 その前後の事情につきましては、酒井官房長から答弁いたさせます。

酒井俊彦総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○酒井政府委員 先ほど大臣がお答えしましたように、これから交渉いたしまして、きまりました金額が債務に確定するわけでございます。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 そうすると今は債務じゃないんだから、六億に負けてくれということはどういうことになるわけですか。払わなければならぬのが二十億あるんだから、それを六億に負けてくれというのでしょう。そうしたら六億にしてくれというのは、何をしてくれということですか。

酒井俊彦総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○酒井政府委員 戦後にアメリカから援助を受けました総額が約二十億ドルございます。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 援助でしょう。

酒井俊彦総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○酒井政府委員 援助です。その援助につきまして、日本側がどの程度返済の責任を負うかということを今話し合っているわけでございます。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 返済というて、貸したんじゃないでしょう。返済するといったって、最初は援助で、貸したんじゃないんでしょう。いつ貸したということになったんですか。

酒井俊彦総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○酒井政府委員 これは先ほども大臣からお話がありましたように、戦後二十億ドルばかり援助を受けましたが、これは正式の債務であるか、貸付であるかというような、いろいろな御意見はあろうと思います。もちろんはっきりした貸付もございますけれども、結局正確に日本が債務として確定をいたしますのが、話し合いがついた額ということになるわけでございます。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 ここは分科一会ですから、かけ引きのような形じゃなくて、ほんとうのところを聞かしておいてもらいたいと思うのです。何も、政府はひどいととをしておるじゃないかというようなことを言おうと思っておるんじゃない。そとが非常にあいまい並んです。六億にしてもろうたら債務というのですか。してもらうというそのことがわからぬのです。債務でないものなら、何で六億にしてくれとか七億にしてくれというととが起ってくるか。二十億の債務なら、それを六億に負けてくれということはありましょうけれども、債務でも何でもないものを六億に負けてもらいたいということは、国際関係上出発せぬと思う。そこのところなんです。それはどういうことになるんでしょう。

酒井俊彦総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○酒井政府委員 これは前の内閣におきまして、二十億の性格につきまして債務と心得るという御返事があったと思います。ドイツ等の例におきましても、そういう戦後の……。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 時間がかかりますからけっこうです。そうしたら債務になってるんですね、心得たんだから。

酒井俊彦総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○酒井政府委員 法律上の観念では、話がきまった額が債務に確定いたすわけであります。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 大よそわかりました。前の内閣が、債務と認めます、日本から払いますと、こう言うたものだから、法律的には、債務関係は国会の承認を経ますから、手続は済んでおらぬけれども、実際は国際信義の上で、日本政府としては債務のように取り扱わなければもう仕方がないことになっておるという意味なんですか、そこを正直に言うてもらいたいのです。それだけのことなんですが……。

酒井俊彦総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○酒井政府委員 それはおっしゃるような点がございますが、戦後受けました援助につきまして、それを日本側としてもただでもらうということでなしに、もらったものはやはりあとで返すというような精神からそれが出ておると思います。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 もうたくさんは時間もありませんから聞きませんが、それで大よそわかりました。こう解釈してけっこうだと思うんです。援助をするというてアメリカから来た、日本の方はまるまる援助をしてもろうたのでは相済まぬから、払いますということを意思表示をした。それで債務関係を生ずるようになったという以外には解釈のしょうがない。アメリカが請求するのなら、債務で広ければ請求はできない。だからこれを債務と認めたいという交渉があって、それなら債務と認めますとか、こういうことになら広ければ六億交渉というものは始まらぬのですから、これ以上聞きませんけれども、どうもそこのところは非常にあいまいですな。

酒井俊彦総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○酒井政府委員 おっしゃるように、援助が行われましたときに、これははっきりした債務であるとか、あるいははっきりした贈与であるとかいうことでなしに、その辺はあいまいのままに援助が行われまして、ドイツ、イタリアなんかの場合にも、アメリカとしましては事後にそれをどういうふうに処理するかということをきめたわけでありまして、日本に対しても同様な処理方針で向うが出てきておるわけでございます。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 これは長官にお聞きしたいのですが、時間の関係上全部まとめて聞きます。五カ年計画ですかのいろいろ計画がありますけれども、その計画の非常に大きなかなめになる一つとしては貿易だと思うのです。この問題をどけてしもうたら、計画のか止めは非常に薄弱なものになってしまう。ところがその貿易の中に五カ年もの計画が立っているんですが、中国との貿易、それからソビエトとの貿易というものは、計画の中へ重要なものとしては織り込まれてないのです。一方においては、日本と中国との貿易という問題はどうしても進めなければならぬ形にほっておるし、ソビエトとは平和交渉も行われておるのに、これが五カ年計画の中にはほとんど眼中に置かれてないというような点については、長官としてはこれはちょっと矛盾だというふうにお考えになるのでしょうか、どうだろうかということが一つ。  いま一点は、貿易の一番中心的なものは主として東南アジアだと思うのです。ことに日本の輸出市場としては東南アジアというものを非常に重点が置いてあると思われる。東南アジア貿易というものを抜きにしてしまえば、五カ年計画というものはほとんどその内容が空虚なものになる。ところがこの東南アジアなんですが、東南アジアというものにアメリカが軍事援助その他をやる。それが日本の、ことに貿易には大きな当てになっておると思うのです。ところがこれは長官お行きになってよく御承知の通り、東南アジアから中近東、アフリカヘかけては、今植民地主義に非常に反対しておりますし、中国やソビエトとの経済交流がどんどん進んでおるし、それから軍国主義的なものに対しては非常に反感を持っておる。日本の賠償問題がまだ進んでおらぬ、賠償問題さえ片づいておらぬということに対してもいい気持は持っておらぬと思う。ことに国連加盟が実現できなかった時分のアジア諸国の日本に対する感情を考えてみても、そんなによくはないと思うのです。そこのところへほんとうに経済進出ができるのですかということです。これは追及したりするのじゃない。高碕長官は頭が非常によろしいという評判になっておるのですから、腹の中ではおわかりだと私は思うのですが、一体この計画はかなり危険な、なかなかうまくいかない計画ではないのだろうか、無理ではあるまいかということなんです。しかし経済計画の内容が日本の立て直しについては一番大きな問題だと思うのです。そこで正直なお考えを一つ長官から聞かしておいてもらえれば大へん参考になる。この二点です。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 第一の経済五カ年計画におきましては、五カ年後に二十六億六千万ドルといろ輸出をしなければならない。これには当然中国及びソビエト関係は逐次緩和されるというものを見込んでおるわけでありまして、これを等閑に付してはおりません。従いまして、われわれはできるだけ中国及びソ連との関係が一日も早く正常関係になることを希望しておるわけであります。  それから第二の東南アジア問題につきましては、これはお説のごとく東南アジア諸国におきましては、ようやく植民地というところの気分を脱却したととろであります。その中には米英に対し植民地的の位置から今日独立したということのために、いい感じを持っていないの炉事実であります。また一部分では、日本の従前における侵略政策についても、相当警戒をしている人たちであります。これをわれわれは十分心の底に入れて、今後の政策を講じていかなければならぬと存じておりますが、いずれにいたしましても、賠償問題がまず解決するということが一番重要な点だと私は思っておりますが、賠償問題が解決し、そうして日本は侵略的の意向がないのであって、相手の国の経済を開発するということについて協力するということの立場がはっきりわかる、わからしめるということが最も重要だと思っております。そうなったときに、現在のあの全体の人たちの生活程度が、一年の収入が大体米金に直して五十ドルを欠けて細る、こういう状態でありますが、日本の状態から見ますと、まず三分の一という状態であります。この生活程度さえ向上するということになってくれば、あれだけのたくさんの人口があり、あれだけの天然資源を持っておるのでありますから、日本の将来のマーケットとし、日本の将来の提携者として一番いい相手方がこの近くにおると存じておりますが、これは日本としては一番重要視していかなければならぬことだと存じております。

川上貫一小会派クラブ

○川上分科員 もう少しその問題については聞きたい点が実はあるのですが、時間も一時半になりますので、それ以上はけっこうであります。賠償問題だけではなくて、長官等はわかると思うが、やはり日本の国策の問題が非常に大きく影響をしてくる。もちろんその一つとして賠償問題を解決するということはありますけれども、軍国日本の方法というものが非常に大きな影響を来してくろということを考えなければいかぬだろうということであります。  それで最後に資料をいただきたいと思うのです。これは事務の当局にお願いしておきます。外資関係で、技術援助契約が一つ、それから外資の株式持ち分の収得状況、それから第三が、貸付金、債権の収得の状況、この三つ一を、対象企業、金額、種類、条件、国籍別にして出していただきたいというお願いであります。これは外資の関係だけであります。  これで私の質問は終ります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 ほかに御質疑はありませんか。——御質疑がないようでありますから、経済企画庁所管に対する質疑は一応終了いたします。  午前の会議はこの程度にとどめまして、午後二時半より外務省所管に関する質疑に入りたいと思います。  暫時休憩いたします。     午後一時三十八分休憩      ————◇—————     午後二時五十九分開議

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和三十一年度一般会計予算中、外務省所管について質疑に入ります。質疑の通告があります。須磨弥吉郎君。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 たくさんお伺いいたしたいことがございますが、順次思いつきのまま申し上げます。  第一に、最近の外交上の慣例が新しくなりつつあるととは、機密保持の都合からでもありましょうが、一般に電信等を利用せずして、ローヴィング・アンバサダーとか、あるいはクーリエ制度を非常に高度に利用しておるということが、私は世界の大勢だと思うのであります。わが国の外交においても、さようなことを考えたこともあったかに私は記憶はいたしておりますが、まだこれを時局に合うようにはやっておらないと思います。これは多くの旅費を要しますばかりでなくて、常にいろいろな準備も必要であるが、ローヴィング・アンバサダーというようなことで、住所を持たない、無住所の者を、重要性のあることが起ったたびごとに出すというような計画があるか、これをまず第一にお伺いいたしたい。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 特派大使の制度を設けて、一つここに新しい一線を画して、これから出て参ります。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 特派大使の制度が今考えられつつあることはいいことでございますが、私はそれとは別に申しておるのであります。普通の住所を得た外交官のほかに、住所をどこときまって持たないで、常時用意をしておって、たとえば今回のようにソビエトの非常な宣伝展開がある、そのときには、欧洲における反響をどういうように見たらよろしいか、さようなことを一つの使命として欧洲方面に特派される者があるというようなわけで、年に二人、三人は必ずやれるというような使節を設けて、それに当る費用を用意しておくことが私は必要じゃなかろうかと思うのであります。とれによって事務の円滑を何とかするということ以外に、機宜に適する措置がとれますためには、どうしてもこういうことをやらなければならぬと思うのでありまして、そういうような費用が一つも予算面に現われてきておらないが、こういうものを特に用意をする必要はないか、私はこれをお尋ねしておるのであります。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 官房長からこまかい説明をいたします。

島津久大外務事務官(大臣官房長)

○島津政府委員 ローヴィング・アンバサダーというような確定した制度は、まだ確立はいたしておりませんが、大公使を必要な場合吉にそのつど派遣することは、現に実行いたしております。たとえは荒川大使をコロンボ会議に出席させましたり、最近は朝海公使をガットの会議に派遣をいたしたこともあるわけでありまして、予算的に申しますと、外国旅費一億一千三百万円ございますが、そのうちでこういうような経費をまかなっております。必要のある際には、機動的に大公使を派遣できるわけであります。ただ、制度として確立いたしておりませんので、実際には東京におります待命の大公使を派遣するような形になるのが現状でございます。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科委員 現状はよくわかりましたが、これからの国際情勢の変転きわまりない情勢に対応するために、そういうことを制度として設けることはどうか、そのための費用を見積って、特にそういうような人を待機をさせておくことがいいのではないかと思うのであります。ただいまお話のような、たとえば朝海君がエカフェに行ったとか荒川君がどちらへ行ったというようなことは今までもよくあったことで、手当りばったりにそこらにおる者を利用するということでありますが、そういうことでなくして、私の申すのは特派でない、遊動外交官、使節、それに対する旅費何ぼというような項目をとっておくことが必要ではないか。それくらいの元気を持たないと私は外交はできないと思う。そういうことを申しておるのであります。それでありますから、そういうことの必要性をお感じになるかならないか、それを私は特にお伺いをいたしたいのでございます。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 仰せの通りでございまして、やりくりではございますが、せいぜい苦労しながらこれからよくやって参りたいと存じます。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 はなはだ熱のない御答弁でありまして、そんなことでは私は外交はできぬと思う。何事もそうでございますが、外交というものは熱を持って行わなければいかぬのであって、私ども議員が気づく前に、さようなことを組み立てておいでになることがむしろ順序であって、私どもの方からさような示唆を与えるにかかわらず、せいぜいそういたしましょうくらいのことでは私は不満に思うのであります。これは私は一つのアイテムとして申し上げただけでありますが、こういうようなことを一つ時勢に応じてお考えになりまして、そういうアイテムをおこしらえになって、それに要する費用をお考えになることが必要である。私どもが衆議院の委員会等におきまして予算を当ってみますと、外務省の予算なんというものは九牛の一毛であります。国家の予算の〇・〇何ぼというようなものであります。しかるに外交というものは国民、民族の運命を決するものでございますから、これについてはもう少し元気を出して、創意のあるプラン等をお立てになることが必要である。そういうことが一つも現われていないことは、本年度の予算を見たときからそういう感を深くいたしておるのでありますから、これは今年度の予算に関連いたしますと同時に、これからの予算の一つの気がまえでありますから、申し上げておきたいのであります。  そこで私はさらに突っ込んで伺いたいのは、クーリエであります。これは最近アメリカ等のやり方を見ておりますと、きわめてひんぱんにただ人をやるクーリエではなくて、これには相当の旅費及び活動費を与えて、外交活動の相当部分を担当しておるということを私は聞いておるし、また見ておるのでありますが、そういうような制度を特におこしらえになって、別に費用を要求されるというようなことがこれと関連して必要のように私は思いますが、それはいかがでございましょうか。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 ただいま須磨先生からおしかりをこうむりましたが、私は実は言葉の表現を慎しみ過ぎましたので、大へん恐縮でございます。御承知の通り、私は外務省に参りまして、この予算の意外に少いのを見て、こんなことで一国の外交が行えるのであるかということをびっくりいたした次第でございまして、御承知のように、三十一年度予算につきまして、須磨先生初め皆様の多大の御支援を受けながら努力いたした次第でございます。むろんこれは今後も各党内のそれぞれの先輩また外交に対する理解者の理解を求めまして、さらに一段の努力をして参りたい、かように考えております。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 ただいまのクーリエの制度についてはどうですか。

島津久大外務事務官(大臣官房長)

○島津政府委員 クーリエ関係の予算は九百二十二万円になっております。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 そこで私はこれに多少関係を持つのでありますが、今回報償費というものをおとりにたっておられます。私は報償費も非常に少な過ぎるくらいの額であると思うのでありますが、これの用途等について、実は先ほどお小言を申し上げたのではない、私どもは念願を申し上げておるのでありますが、もっと創意を出して報償費というようなものに使用さるべき用途というものが幾多外務省にはあると思いますが、今まではきわめてばく然としておるものでありますから、これからは順次に報償費の費目、用途というようなものをお考えになるということが必要ではないかと思うのであります。そこでその使用の一つとして、外交というものは機密保持ということが非常に大切なことだと思われるのでありますが、今各国における情勢というものをいろいろラジオその他によって聞いておりますと、どこの国も機密保持に対しては特別な施設を設けまして、また研究のためにも非常な金を使っておる様子であると思うのであります。こういうようなことはもちろん御存じだと思いますが、そういうこととも勘案いたしまして、今後報償費というものの中に入るべきものでございますが特に機密保持に関する施設、そういうものを御考案になって、その費目をお見込みになるというような御抱負はないものでございましょうか、伺いたいのであります。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 一国の外交が機密の保持をしなければならないことは当然であります。のみならず最近のごとき国際情勢におきましてはさらに一段の努力を必要とし、その機密を保持しなければならないのであります。この点につきまして本年度の報償費の方は御承知のように予想いたしたほどでなく、こちらから常に努力をいたして皆様方の御支持を受けたにもかかわらず、はなはだ少うございました。しかしながら各省と比較するとお前の方はそれでもあれだけ多いじゃないかといわれるような始末でございます。ことに今のようにああいう機密を保持するのには、たな借り世帯をいたして、そうして各国の使臣が参りましたり大公使が参りましても、外務省の玄関はどちらでございましょうなんて聞いて歩くような始末ではまことに残念で、七十円のタクシーに妨害されて大公使の入る品がわからないようなみじめな姿を一日も早く解消するために、これはどうしても早く庁舎を作らなければならぬ、この庁舎を作ることがやはり機密保持の一つだ、かように考えまして御審議をいただいて、ようやく本年度一億円を計上いたしまして庁舎の基礎工事に入り、現在のところを引き払うことが機密保持の一つと、さように考えるような次第でございます。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 庁舎については別に私はお尋ねをいたしたいと思っておるのでありますが、今申し上げておるのは、機密の保持のために使う費用というものは大へんなものなのです。これも私は実は多少の経験を持っておりますので特に伺って陥る次第であります。そういうものを国家の予算で取る場合においては、費目にきちんとうたわないと取りにくいものでございますから、今から御用意に相なって、ただばく然と報償費や何かの間に入れないで、そういうものを特に納得させ得るようなことを、今からお考えになることは必要のように思うのでございますから、そういうような御抱負がないのかということを伺っておる。ちょっと今次官からは顧みて他を言うがごとき、庁舎の問題に入ったのですが、庁舎がその二つの方法であることはもちろんであります。これは他にあらためて私はお伺いをいたしますが、まずそういう費用をこれからお取りになるか、また今どうしておられるかということをちょっと御説明を願いたいと思います。

島津久大外務事務官(大臣官房長)

○島津政府委員 ただいまお話がございました関係の一部になると思いますが、外交用器県警購入費という費目がございまして、一千三百七十八万円計上してございます。この中には文書関係及び電信関係の器具という範疇に入るような品物の購入費が入っております。これはお話がございました計画の一部が経営化された面であると考えます。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 驚き入った少額でありまして、こういうようなものの考え方が私は違っていると思う。千三百万円くらいで機密保持の一部分に充てられるなんていうことは、そもそもきもっ玉が小さくていかぬと思う。でもやせぬですよ。そんなことをやろうと思っておること自体が、やる意思がないと認めていいくらいだと思う。私は何もものを大きく出せというのでありませんが、もっと抱負を持ってもらいたい。ほんとうに機密保持等に当るためにはそんなことではできるものでございません。今の千三百万円というのは元の金にしますと十万円くらいのものでしょう。そういうものではとてもできるものでないわけでございますから、一つこの機会に、来年度からはもっと器具をたくさんお買いになるようなつもりで、器具の使い方を今から設計しておいていただきたいということを申し上げる次第であります。  そこで先ほど次官からお答えがあったことでございますが、外務省の庁舎でございます。庁舎が三年来いろいろ御計画相なっておっていまだにできておりません。他の各省では幾多新しい庁舎ができているのでございますが、この庁舎が三年も延びておるということも、やはり熱意が足らなかったことを証明するものであるということを一つ覚えていただきたいと思うのであります。私自分のつたない経験から申しましても、最近の予算折衝等によってみますと、私も外務省から出てきた古手の一人でありますが、どうも押しが足らぬのでいかぬのであります。三年間も延び延びになって、しかもすずめの涙みたいなものでごまかされてくるというところは、やはり熱意が足らない、押しが足らないというところにあるのであります。何も外務省のことを言っておるのではありません、日本国家のことをやっておるのであります、しかも国家の重大な外交事務を扱うためには、かようなことでは責任を持てません、こういう気持になればもっと強く押していけると思うのでありまして、それが足らなかったために庁舎がまだ工合が悪くなっておると私は思わざるを得ないのでありますが、さてその庁舎の工合はいかような次第になっておるか、御説明願いたいのでございます。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 これは御承知のようにまことにその実現がおそくて残念でございます。これは元の霞ケ関の跡に建てることにいたしまして、二十八年度におきまして千五百万円計上されまして、敷地の地質調査とか建築の障害となる建物の移転等を行いまして、本格的な地ならし工事をいたしまして、ちょうど二十九年度及び三十年度に総額十九億、三カ年計画でこれを要求いたした次第でございます。本年に入りまして三カ年計画で、どうも危うかったのでありますが、ようやく一億円計上せられまして、そこでこの一億円でコンクリートの土台に今入りまして、来年は一つこれに力づけてできるだけの予算を要求して、二年もしくは三年で、四年かからないで作っていきたい、それには一段の御支援もいただかなければなりませんが、その計画で今進めておる次第であります。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 それに関連いたしまして在外公館でありますが、今年は五つおとりになったようでありますけれども、まだまだ日本の国交というものはだんだん開かれていかなければならぬのでありますから、これに対していろいろな御計画がおありだろうと思うのであります。その御計画と同時に、この在外公館が建てられました場合において、今まで外務省はよく間に合せで、スペイン語ができれば二十一カ国に通ずるからスペイン語をやるというようなことで、非常に間に合せをやるのでありますが、在外公館によっては今から心がけて館員になる者を養成しておくという気がまえがなければならぬと思うのでありますが、そういうことに関する御計画等がおありでございましょうか、お伺いをいたします。

島津久大外務事務官(大臣官房長)

○島津政府委員 語学の関係から申しますと、現在中国語関係者が六十二名、ロシヤ語関係者が四十二名、インドネシア語が八、カンボジア語が一、タイ語が四、ヒンドスタンが四、アラビアが五、トルコが五、イランが二、スペインが三十一、ポルトガルが十六、大体このくらいな人員が語学関係で養成されておるわけでございます。以上のほかに留学中の者がそれぞれの言葉について数名ずつございます。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 最近ことに経済外交ということが非常に唱道されております。外務省におかれましても経済外交を新しい政策の一つとして打ち出されておるようでありますが、経済外交等が問題になって参りますと、単に言葉のみならず、一つの特殊な技能、経験が必要になってくるわけでありますが、これについては今お話の語学もほかに、こういうことも考慮して経済外交をおやりになるための人員、スタッフ等について、何かお考えがあるでありましょうか、そのことをお伺いいたしたいと思います。

島津久大外務事務官(大臣官房長)

○島津政府委員 外務省員の訓練・研修につきましては、御承知の通り研修所を設けまして、新たに外務省に入る者、また外務省に入って中途で再教育をいたす者、そういう者に努めてこの経済問題に関する知識を与えまして、まだお互いに研さんもし合っておるような次第であります。そのほか他省と交流をいたしまして、今一番多いのは通産省でありますが、外務省と通産省との間に三十名にわたる人事の交流をやっております。外務省から通産省の本省通商局、それ以外の原局にも人が入っておりまして、また通産省の人も外務省に入って参りまして、主として在外公館で勤務いたします本来の外務省員と一緒になって仕事をする。最近は、この経済外交問題に関する訓練は相当程度進んだものと、考えておりますが、この上ともこれについては重点を置いて考えていきたいと思っております。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 この点はわれわれが予算を考えるときに他の委員からもしょっちゅう出る問題でありますが、外務省はどうも門が狭くて困る、他省の人間を入れたがらないで困る、これだからわれわれ同情ができないのだという言葉をひんぱんにといっていいくらい私は聞くのであります。今のお話では通産省の例をお出しになりましたが、これから文化交流等をおやりになるのでありますから、たとえば文部省のごときからも入れていいだろうと思いますが、そういうようなことをおやりになる御計画はありましょうか、伺いたいと思います。

島津久大外務事務官(大臣官房長)

○島津政府委員 外務省以外の官庁から外務省に出向して、主として在外公館で勤務いたしております人数が、ちょうど階級から申しまして同様の外務省員の数と比較いたしますと、大体三分の一くらいは他省から外務省に出向した人で構成されておるのが実情でございます。通産省から在外公館に来ておりますのが二十三名でございます。大蔵省が十二名、農林省が八名、運輸省四名、労働省二名、防衛庁二名、警察二名、文部省一名、郵政省一名・科学技術行政協議会一名・国鉄一名、こういうような状況でございまして、来年度は十二名を予算上予定いたしております。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 それから外務省はたとえばイタリアとか方々の国と文化協定を作っておられる。文化協定は私は飾りものでないと思う。その文化協定を作っておりながら、文化のことは一つもやっておらぬ。協定を実行した国は一体幾つあるのかという疑いを私は常に持っておるのであります。外務委員会等においても質問したいのでありますが、ひまもないからそういうことはほうってあるのでありますけれども、あの文化協定を生かすためには、やはり文化使節というものを作らなければいかぬ。そういうような費用の御要求は一つもないのです。僕は一番先に申しました。小言を申し上げたくないが、予算を作るに当って無計画予算を組んでおられるということを私どもはほんとうに感じておるのでありますが、特に文化協定というものを作って、そして文化交流のために一体何をしているか、たとえば芸能人を送り出すのも一つでありましょう、美術の交換をやるのも一つでありましょう、技術の交換を、やるのも一つでありましょう、そういった計画を持った予算の要求は一つもないのですが、文化協定というのは飾りにお作りになっておられるのか、今までの動静を大体御説明願うとともに、御抱負を伺いたい。

田中三男外務事務官(情報文化局長)

○田中(三)政府委員 今の御質問にお答えいたします。ただいまのところ日本は文化協定を五カ国と結んでおるのでございますが、フランスとの協定は一九五三年の十月に発効いたしましたので、発効後約二年でございます。ブラジルは戦前の文化協定の効力を復活いたしましたので、同じく約二年前から効力を復活いたしております。イタリア、メキシコ、タイは協定を結びましたが、発効はごく最近のことでございます。  なお文化協定を作ったが実際に何もやっておらないじゃないかという御趣旨の御質問でございますが、正直に申し上げまして十分なことは予算との関係で今のところできておらないのでありますが、しかし毎年予算には相当額を要求いたしてきておるのでございます。これも熱意が足りないといっておしかりを受けるかもしれないのでありますが、今までのところ予算折衝する上に十分の効果はおさめておらないのであります。しかし効果をおさめてきたものもあるわけでございまして、たとえば今度御審議を願います予算の中に、メキシコに文化会館を作る予算が約二千三百万円計上せられておるのであります。これはこの国会で予算が通りますれば、来年度から直ちにこの文化会館の建築に着手することになると思うのでございます。それから先般新聞にも出ましたイタリアのヴェニスの日本館、これも民間の篤志家の寄付がございまして、それにまた今御審議中の予算の中に三百万円の予算がついておるわけでありますが、これでヴェニスの日本館ができることになっておるのであります。なお戦前の関係といたしまして、フランスの日仏文化会館は戦前に引き続きましてその目的のために活動をいたしておるわけであります。それから松方コレクションの美術館の建築につきましても、文部省方面と緊密に連絡をとりまして着々進んでおるわけでございまして、はなはだ手ぬるいのでありますが、それぞれ多少の成績はおさめておるわけでございますが、なお一そう努力いたしまして、特に今年は報償費の額なども多少ふえる見込みでありますので、これらの点を考慮していただきまして、文化関係の活動を一そう強化していきたい、かように考えておるわけであります。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 ただいまの御説明で明らかになりまして、大いに労を多とするわけでありますが、私の申し上げたいのは、今後報償費を離れてやはり文化の関係の費用として新しい費目で抱負を持ってお出しいただきたい。われわれも助力が足りなくてはなはだ汗顔の至りでありますが、そういうふうな一つの手だてをしていただきたい、こういうことを御希望申し上げます。  次に私は、これは一つの大きな問題でありますが、外務省にいろいろな施設のある中で、宿舎という問題があるわけであります。私がかつて中国に在勤しておりましたときには、中国は文化程度がおくれておるとか、気候風土がどうとかいうことがありましてなんでございますが、ただいまはそれ以上に敗戦という事実によって引き起されたいろいろな障害があって、館員がそのままでは住めないようなことがあるかもしれませんので、この宿舎についてはどういう施設を計画されておるか、あるいは計画する見込みであるか、それを伺いたいものであります。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 お答え申し上げます。東南アジアからアフリカ所在の在外公館職員の有料宿舎の設置について、三十一年度においてぜひとも実現すべく、宿舎借り上げ費として一億八千万円ほどを要求いたしましたが、大蔵当局より毎年度多額の宿舎借り上げ費を予算に計上するより、むしろ適当な金融機関から長期資金を借り入れて宿舎を建設しろ、そして所期の目的を達成する方途を講ずるよう示唆を受けましたので、目下関係の向きとこれらについて折衝をいたしております。三十一年度においては寄舎事情が最も窮迫しているカラチ、ジャカルタ、プノンペン、サイゴン等に急速に宿舎の建設を企図しておる次第でございます。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 先ほど私は機密保持の問題についてお尋ねをいたしたのでありますが、それにも関連が出てくるのですが、だんだん外交炉複雑になって参りまして、外務省省員の内外における活動に当って、これが機密の漏洩あるいは国家に反する行動等もあり得ないとは申されないのであります。すでに英国においてマックリーンとかバージェス、こういうような人がソビエトにのがれ出たことによって起しておる波紋は御承知の通りであります。かようなこともわが国にはあり得ないということは、私は断言できないと思うのであります。すでにラストボロフ事件に関連いたしまして、三人でありましたか外務省員が容疑者としてあがって、一人は自殺を遂げたようなことがあったのでありますが、こういうことについては、非常に重大なことでありますので、外務省においては内外における外交官の活動に対して、特に査察を行うというような制度を持っておることが必要だと思うのでありますが、そういう制度をお持ちでありましょうか。あるいは先ほどの建物等を買う費用の中に隠れておるのかもしれませんが、そういうことがないのならば、今後そういう企画をお立てになって、費用は幾らのことでもないのでありますから、機密保持とも相関連をいたして、特に費用の多寡にかかわらず大きく取り上げていただきたい。この点御質問する次第であります。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 ただいまの仰せほんとうにごもっともなことでございまして、一つの制度としてやはり査察使を強化活用することが大切と考えております。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 査察使というのはわれわれが外務省におる当時もやったことでありますが、ああいう思いつきで、だれそれが遊んでおるからあれをアフガニスタンヘやろうじゃないかということでやる。内情はみなそうだと思います。そういうことを要求しているのでも、言っているのでもない。そんなことはふざけ切っている。外務省の中に査察の使命を持ったオルガナイゼーションをなぜ作らないのかということを要求している。冷たい戦争のさなかにある日本の外交にとっては、一番先にそれを用意しなければならぬので、今までまだ用意してないということは怠慢の限りだ、そういう意味において私は申し上げておるのであります。そういうものを作っておらないのなら、報償費からでもおまかないになってお作りになることを要請いたしますが、特に来年度からは査察に関する経費として新たに費用をとってこれはどうしても作っておいていただきたい。これはほんとうの常時のルーティンの仕事としておやりになることを申すのであります。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 ただいまのお説の通りでございます。内外の情勢いろいろと研究しております。さらにこれに拍車をかけまして熟慮鞭撻してやらせることにいたします。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 どうも長く時間をとってはなはだ相済みませんが、もう一つ。きょうは重要な問題だけを摘出して申しておるのでありますが、最後に閑話休題、自動車についてお伺いいたします。今東京あたりでもほんとうにげたをはくように必要欠くべからざるものになっておるのでありますが、私の聞いておるところでは、在外公館は大へんに自動車が少いとか、いろいろなことを聞くのでありますが、どういう状態になっておるか、それを向いたいのであります。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 これはまことに遺憾なことでございまして、国内から有力な方が視察に参りましても、在外公館はその視察のお方の便宜をはかることもできないというようなことで、現地からそのことを訴えてきておる状態でございます。全体としまして在外公館における自動車の数は、大公使館には二台、総領事館及び領事館には各一台の予算が認められまして、三十年度現在百二十六台しか配車されておらないのでございます。最近若干の老朽車を買いかえました。しかしながらほとんどが開館当時のもので、約五カ年にわたって使用しておるのであります。従って各自動車は相当にくたびれております。各館一ないしは二台程度であるために、必要のつど自動車を借り上げる等によって、外交活動に支障のないよう措置して参りましたが、外務省としては、今後ますます事務の量が増大することでもあり、また諸外国に対する体面もありますので、大幅な自動車の買いかえ、あるいは増車の必要を痛感しております。諸経費節約の趣旨により、明年度においても、新設公館におのおの一台、既設公館に合計六台の買いかえが計上されたのみでありますが、合せて百三十一台をもって、あらゆる方法を講じ、外交活動に支障を来たさぬよう極力努力する考えでございまして、まことに残念な次第であります。それにいたしましても、不足であることは事実でありますから、今後ともこの増車については一そうの御協力をお願いして、十分世界に向って日本の活動ができますようにお願いしたい、かように考えます。  なお自動車一台当りの単価はわずかに二千三百ドルほどでありまして、外交官の体面を維持するに足る車の手入れはとうてい望み得ないところでありますので、これが経費の増額について今後ともせっかく努力いたす考えである次第でございます。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 事情はわかりましたが、まことに蚊の鳴くような声で、はなはだしく私は失望にたえないことを伺ったのだが、車がとても単価が少いから御助力下さいというのですが、私がきょう聞いている全体の質問の趣旨は、どうしても外交にもう少し力を入れてやらなければならぬ、国威を発揚するためにもっとがんばって下さい、そのためにはとの予算の〇・なんぼというような予算しか使っていないような外務省を私はふがいなく思うから、もっと使って下さいということを言っておるので、そんな少いからどうしてくれというようなことではいかぬと思いますから、自動車について私は一つの御提案を申し上げたい。  それは、英国のごときはロールス・ロイスなんというりっぱなものを持っているから、どこの国へ行っても在外公館で自国の車を使っておる。私が最近見たところでは、ソビエトの方でもそういう自動車を使っておる。アメリカに至っては、世界各国にわたってアメリカの自動車を使っておる。わが日本でも、貧弱なりといえども日本の国産車があるわけでございます。私は今思い起すのでございますが、なくなられました秩父宮さんのごときは、国産車でなければ使われなかった。私は何も国粋論を言うのでも何でもありません。日本の国産車の能率を上げ、それを世界的によくするというための一つの任務を外交官が持ったらどうだ。私は各在外公館で一車や二車くらいああいうものを持って、日本から行った代議士なんかを乗せるにはあれでけっこうです。けっこうと言っては悪いけれども、そのくらいな気宇を持ってやることが、日本の自動車業界に対しても一つの覚醒になる、また宣伝並びに売上げの効果を上げる機会をも提供するわけでございますから、私はどうしてもこの国産車を少し特製にして、金をかけたって、今の二千何百ドルなんか要りはしません。そういうことから言いましても、かつは節約になりますが、一方においては日本の製品の海外に対する一つの広告にもなるわけであります。来年度の予算に私どもはお手伝いをいたしますから、私はこの分科会において皆さんに苦言を申し上げるのではありません。ほんとうに使ってもらいたいということを思って言っておるのであるから、この際そろっておられる外務省のお歴々は、使いましょうということを決心してもらいたい、こういうふうに私は思うのでありますが、御答弁をちょうだいいたします。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 いろいろ大へん力強い御支持をいただいたのでございます。今の自動車につきましても、外務省は他の省に率先して現在外務大臣は国産車に乗ってそれで活動いたしております。国産車もだんだんよくなって参ることですが、何しろ去年あたりまではピーピーガラガラで、半年も乗ったら参ってしまうような車だったのですが、このごろはよくなって参っております。海を渡って行ってピーピーガラガラではどうにもならない。今日ではだんだんよくなって、今外務大臣が乗って率先範をたれております国産車は非常にいいようでございます。仰せの言葉の通りできるだけ実現いたしたい、かように考えております。

須磨彌吉郎自由民主党

○須磨分科員 だいぶ長いこと、私は何も突き当ったのではありませんが、あふれるがごとき熱情をもって皆さんの御活躍をお願いしたのであります。  最後に一言申し上げておきたいことは、予算作りに当ってみますと、外交と申すけれども、これは内交がほんとうに必要なんだ。それで予算がよくできるのは、ふだんから外務省が、大蔵省を筆頭とする他の省ともっと連絡を密にして、国内の事情のみならず、国外の事情をもほんとうに丁寧懇切によく御説明に相なって、これからまんべんなく国内の各省及び実業界等の人々と折衝を遂げられてやりますことが、予算をしでかす上に非常に力になることでございまして、予算作りをやっていると、こわされるのはみなそこからこわされて、だめだ、そう言ったって外務省はこうじゃないかということを言う人が多いのでありますから、外交は内交です。内交がよくいかなければ、外交がよくいくはずはない。そういう意味を特に御勘考あらんことを苦言として申し上げまして私の質問を終ります。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 いろいろと理解ある御支援のお言葉をいただきましてまことにありがとうございました。せいぜいわれわれはみな心を一にいたしまして——まさに外交であり、内交でございます。われわれは今日の日本の国際情勢、外交の情勢を国民にあらゆる機会にもっと知ってもらうととが必要でございますので、今後は外務省幹部、あらゆる各機関をあげまして、一面外交、一面また内交という意味で、国民に日本の外交のあり方をより以上に徹底的に知らしめて国民の理解と協力を求めたい、かように考えます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 小平忠君。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 本日は分科会でありますから、なるべく外務省所管の予算の具体的な内容についてお伺いいたしたいと思うのでありますが、時間等の都合がありますから、私はごく重点的に若干御質問いたしたいと思います。実は従来の慣例から参りまして、分科会といえども各省とも大臣がお見えになって、大臣みずから答弁されるのでございますが、本日は大臣がお見えになっておりません。大臣にかわられた政務次官その他局長の方から率直な御意見を承わりたいと思うのであります。  第一、日ソ交渉の見通しでありますが、どのようなお考えでございますか。見通しといいましても、そう長い将来のことでなく、少くとも年度内における日ソ交渉の見通しでございます。

法眼晋作外務省参事官

○法眼政府委員 これは御承知のごとく、昨年の六月一日から双方が双方に満足なる解決がつくように、双方に満足なる条件をもって国交を回復するために鋭意努力をいたしているのであります。日本にも日本の自分の主張がございますし、先方もまた同様に強く自分の主張を持ってくる、こういうわけでありますので、現在のところは、果していつごろこれができるかということの推測は、はなはだ困難な状況でございます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 案は昨日いただきました国会に対する予算説明の中で外務本省と在外公館の予算について述べておりますが、その中に在外公館の予算として三十九億八千七百六十六万四千円計上されております。その中を見ると第二十七として説明されておりますが、新たに在外公館を設置される予定地あるいは領事館及び総領事館に昇格する予定の予算等が計上されております。これによると、頭から年度内は日ソ交渉の妥結の見通しなし、在外公館事務所は設置しない、こう見ているように見受けられるのでありますが、やはり見通しとしては、法眼参事官はわからぬとおっしゃるのですか、わかっておるのじゃありませんか。

法眼晋作外務省参事官

○法眼政府委員 これはむろん年度内に成立いたしますれば、そのときはまずもって予備金等で必要最小限度の金を出していただく、こういうふうな建前で実は予算を組んでおるのでありまして、予算の面に載っていないからといいまして、これはもう予算を組むときから年度内にはできぬ、こうきめてかかっておるわけでは毛頭ございません。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 わが国としては日ソ交渉をやっておるのですから、万難を排して日ソ交渉の問題を妥結する。少くとも年度内に在外公館を設置するといった考え方を持つくらいの意気込みでやってもらわなければならぬ。予算というのはみな千差ですから、そのよう積極的な考え方がほしいものだと私は思ったのであります。皮肉ってお伺いしたわけではないのであります。  そうすると、かりに日ソ交渉が妥結いたしまして、とりあえず年度内に双方に在外公館を置くという場合においては、予備金から流用するということでありますが、その際には対ソ連でありますから、結局在モスクワだけの大使館というわけにも参らぬでしょう。大体どれくらいの予算がかかるものでしょうか。

法眼晋作外務省参事官

○法眼政府委員 これは予算のことでありますから、詳しくそろばんをはじいてみなければならぬのでありますけれども、今のところ人員その他も最初はそうたくさん出すということにはならぬのじゃないか、こういう見込みを持っております。繰り返して申しますけれども、この予算に載っけてないからといって、われわれのところは熱意がないということでは毛頭ございません。むしろ逆にこの予算にあらかじめ載っけておきますと、日本はいかなる条件を譲っても年内に妥結するつもりであるのではないかという誤解を先方に与えますと、わが国の正当なる主張を貫徹する上において若干損な点がある、こういった高い立場からの考慮によりましてこれを削った、こういうふうにお考えを願いたいと思います。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 もちろん外交上の作戦はいろいろありましょう。そういうあなたの見方もあろうと思うのです。ただ年度内に妥結いたしまして、実際に公館を置くというような場合に、設置個所とかあるいは人員、それに対する予算とかいうようなものは全然お考えになっておりませんか。

法眼晋作外務省参事官

○法眼政府委員 これはわれわれの省内限りの問題といたしましては、いろいろ協議をしております。たとえば領事館についてはウラジオストックに置く必要があるとか、そういうことを考えております。またソ連側の領事館も、実はその財産が函館にあるわけでありまして、われわれは、決してその詳細は手続をいたすことを等閑視しておるわけではございません。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 私はこの予算書を拝見いたしますと、この年度内の計画の中にはそういうものは何ら入っていないというふうに率直に言える。だから、日ソ交渉は三十一年度中には解決できないというふうにも見受けられる。これは、おっしゃる通り戦略といった面からすれば、いろいろな見方もありましょうが、ただこの予算書の面から見たのでは、日ソ交渉に対する熱意のほどはどうしても私にはうかがわれないのです。  私は、昨年の夏から秋にかけましてロンドンで開催の第四回のインター大会に党を代表して出席いたしまして、その機会に欧米を一回りして参りました。そして各国の在日本大使館、総領事館、領事館等にも寄って参りまして、いろいろお世話になりました。それで在外公館に伺って第一線で活躍しておる在外公館の人たちと接し、いろいろ話もし、相手国との話し合いにもいろいろ便宜をはかっていただきました炉、その際率直に受けた私の感じを二、三指摘して、関係それぞれの方の御回答をいただきたいと思います。  それで在外公館の三十九億八千七百六十六万四千円というこの予算の費目は、第二十七で五行くらいで説明されておるのでありますが、具体的な内容はない。これについて、現在日本は対外的にいろいろなさなければならない重要なる問題が山積しておるのでありますが、これだけの予算とわずか三公使館の設置という計画だけをもって十分であるとお考えでございますか。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 お答え申し上げます。これで十分などとは毛頭考えておりません。何とかしてこれをふやしたい。そうしてごらん願った現地で活動するところのそれぞれの機関の人々に十分な活動をしていただけるように、一生懸命予算折衝等も続けて参っておる次第でございまして、さらに一段の努力をして現地の強化をはかって、現地の活動のできるようにしたいと心がけておる次第でございます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 まことに通り一ぺんのおきまりの御答弁なんですが、そういうことではなくて、私の伺ったのは、在外公館の事務運営に必要な経費として別途渡された予算書に計上してありますが、私はこの機会に具体的にどういう面を改善したいのであるか、希望としてはどういう面を伸ばしたいのか。今政務次官はこれで決して満足でないと言われるなら、どういう点を伸ばしたいとお考えであるか、率直にお伺いいたしたいのであります。

中川進外務事務官(大臣官房会計課長)

○中川(進)政府委員 先ほど須磨先生からも御発言がございましたが、やはり在外公館で非常に困っておりますものは報償費と申しますか、外交工作費、活動費でございます。それからもう少し低いレベルにおきまして困っておりますものは、何と申しましても庁費であります。庁費に関しまして一番多く足りなかったものは、従来は電信料でありますが、電信料は今年はおかげさまで約倍になりまして二億六千万円になりましたので、まあまあ何とかこれでいけるのではないかと思うのでありますが、先ほど政務次官からも御説明がありましたように、たとえば自動車でありますとか、いす、テーブル、机といったような備品でございますとか、こういった自動車の維持費、かりに自動車を買うというだけでなくて、これの維持費でございますとか、いわゆる庁費の面が一番在外公館といたしましてはきついのではないかと思います。それからまた先ほど申しました外交工作費に若干関連がありますが、交際費、これが約六、七十万ドルあるのでありますが、これではやはり少い、もう少しないと困る、こういうふうに思うのであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 大体会計課長から御説明のような点は、各在外公館でいろいろ指摘しておりました。さっき須磨さんからも自動車の問題等も触れられておりました。確かにそれは切実な問題だろうと思います。ただ終戦直後から見るとずいぶんよくなりました。逐次改善されつつありますし、だいぶ強化されて参りましたが、やはり日本が一応独立国家として国際社会に復帰し、対外的ないろいろな折衝をいたします場合にも——ただいまもいわゆる工作費といったような問題が出ましたが、私が率直に感じてきたことは、現地の第一線で働いている人たちは、われわれ国会議員の肩書きで参りましたからまことに親切である。特に私のように野党の立場である人間に対しましてもとても親切なのであります。ですから与党の人が行けばさぞかし親切であろうと私想像して帰ってきたのであります。ところが一般民間人が他国に行くと言葉も十分通じない、いろいろ用事を持って出かけるのですが、それは実は高飛車に、そしてこうもしてほしい、ああもしてほしいと思うが、われわれは民間人だというのでおそれをなしておるのです。同じ日本人同士でどうしてああいうふうにがんこなのか、もう少し親切な点もあっていいのではないかということを感じました。中にはそういうことを言う人もあったのです。ところがせんじ詰めてみれば、まず一番必要な足の自動車もない、それから事務所も貧弱で、休憩するところも十分にない、そういったすべてのことがやはり影響しまして、中にはうるさく言われればつらく当る、こういうような結果になるのだということを結果として私は考えてきたのであります。ですから私は、この在外公館全体の事務運営に必要な経費は、これでけっこうでありますかということをあえて伺ったのです。ところがわれわれは、議員だからといって決して歓待は望んでおらない。それよりも、いろいろ諸外国の見聞を広めるために重要な任務を帯びて行った民間人に対して、ほんとうに親切にやってもらいたいということを私は率直に申し上げた。そうしたら、いやまことにそういうことを率直におっしゃっていただいて感謝にたえない、ただついでに、こういう不自由をしておる点があるのだから、国会議員である立場を云々するわけではありませんが、一つこういう機会に十分に聞いてもらいたいということから私承わって参ったのでありますが、反面、この対外的な在外公館としてその国のあらゆる問題について折衝しております場合に、これはどうか率直に——私は外国政府のいわゆる相当な高官連中とも特に大公使館の通訳をわずらわしていろいろ話をして参りました。ところが全般的に受ける感じは、やはりまだ日本が敗戦国であるのだという感じなんです。何と言うか、非常に卑下しておるような面なんかも率直に感ずる。この点も私冷静にいろいろ考えてみたのですが、やはり日本よりももっと小さな経済的にも恵まれていないような国々の在外公館のすべての条件や立場というものを考えてみたとき、そこに優劣の差がある。日本人は自立経済とかあるいは日本の自主独立外交というようなことをよく言われるのでありますが、日本という立場において、日本の外交、日本の国際的な対外進出がいかに重要であるかということを考えてみた場合に、やはり一つのプライド、日本という立場を十分に宣伝して、そうして相手国に認識してもらう仕事をしているのは何といっても第一線に働いておる在外公館の職員です。ところがいろいろ話を聞いてみると、どうもすべての面においてわれわれの気持が本省には通じていない、こういう点がだめだということを具体的に話をしてくれました。そういうことも日本の国家財政の現状からいって限度もありましょうが、少くとも日本の在外公館の職員としてあるいは外交官として、やはり一つのプライドを持って事ごとに処するという一つの堂々たる態度、また行動ができ得るような御配慮を、本省においてなさるべきではなかろうかと私は考えておるのであります。これは私の率直に感じて申す意見でございます。非常に具体的な問題に触れて大へん恐縮いたしましたが、この機会に政務次官なりあるいは担当の局長から承われれば幸いだと思います。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 ただいま小平さんから出先機関に関する非常に理解あるお言葉を承わりまして大へん恐縮いたしております。御承知のように終戦後だんだんと日本も復興いたして参りまして、今や七十何カ所という公館を世界に持って活動に入っておるのでございますが、外務省の予算がなかなか思うように入りません。従って出先機関のそれぞれの日本の代表者が、最低の体面を維持して、ほんとうに国のために働いてくれる人々を後顧の憂いなくして働かしめるということに、万全の努力を払っていくのが私どもの役目でございまして、三十一年度の予算におきましても大方の皆さんの支持を受けまして、この予算の配分を要求いたしたのでありますが、何分にも日本の現状の予算のワクがかくの通りだというので、われわれの要求した予算のほとんど志と違うような予算でありましたために、まことに心を痛めながらこの予算の編成を終った次第であります。それでも昨年度よりはいろいろお骨折りをいただきましてふえて参った分もございますので、との点で本年は一つしんぼうしながら、来年はさらにいろいろと御支援をいただいて、ことに外交官の生命とする報償費を来年はどうしてもふやしていただきまして、日本の外交陣を強化して、出先において体面を保ちながら仕事をしていくようにしたい、かように考えております。まことにありがとうございました。

小平忠日本社会党

○小平(忠)分科員 最後にもう一点お伺いいたしまして私の質問を終りたいと思います。ただいまの政務次官の御答弁、どうぞ一つ——われわれは現在野党の立場にありますけれども、正しい日本の外交を推進するためには決してわれわれは協力を惜しむものではないのであります。ですから堂々の陣を張ってやっていただきたい。それから私は北欧三国に参りまして、在スエーデンの公使館に参りましたときに、デンマークそれからノルウェーに対しまして、在外公館のないことについて非常に現地で不便を感じておるのを見たのであります。特にデンマークのごときは、農林省から優秀な農村青年が、現地において育成するために派遣されて行っておりました。こういった非常に優秀な、日本の将来を背負って立つ農村青年の教育というような見地から、現地に行っておる連中が、なにせスウェーデンに公使館があるものですから非常に不自由しておる。それでぜひデンマークには在外公館を置いてもらいたいという強い希望がありまして、大江公使とも向うで話をして、それは私は本省の方に連絡するが、私も帰ったならば大臣にも次官にもお話をしお伝えをする。幸いにして本年度の計画で、デンマークには公使館ができるという計画については、まことに時宜を得た計画であろうと思う。日本の農業といいましても、特に東北あるいは北海道というような日本の酪農機械化農業という面において十分進出する面においては、非常に参考となり、日本の農業振興あるいは産業、あるいは文化、その他の開発の面において、きわめて大事なところでありますから、そのような方向に今後も十分に御留意願うと同時に、私はデンマークはそのような計画になってけっこうだと思いますが、ノルウェーはこの計画に入っていないのですが、ノルウェーの関係はどう処理されてやるのであるか。これはスウェーデン、デンマーク、ノルウェーは、重要さといい、位置といい、大体同じような関係にあるのではなかろうかと思って見て参りましだ。特に日本の今後原子力の平和利用というような見地においては、御承知のように、ノルウェーとオランダは協力してノルウェーの首都オスロの郊外に、りっぱな原子炉の研究所があるわけでございます。こういった面においても、ノルウェーというのは決して軽視できないというように私は考える。その点についてはどういう関係において現地と折衝なりあるいはノルウェー国との折衝をいたしているのかという点についてお伺いいたしたいことが第一点。  第二点は、デンマークに参りまして、特にミスター・ソンノゴーという人ですが、この人は日本語もできるので、非常に日本から参ります人を世話しておる。それから向うに行っておる現地の農村青年のめんどうを見ておる非常にりっぱな人なのでありまして、これは県の農業協同組合の連合会長をいたしておりますが、自己の職責なり自分の立場を度外視してやっておる。そうして自費でスウェーデンの公使館まで出かけていって連絡をやっておるというような、非常に見上げた人がおったということについて、本年度デンマークに公使館ができた場合において、そういった日本のためにも貢献というか、非常に努力してくれておる人については十分に御考慮をいただいてはどうかということが第二点。  次は、ノルウェーに参りまして、そこにはミスター・オルセンという人がおりましたが、これはやはり大江公使からの紹介で私はその人の案内を受けて便宜をはかってもらいましたが、この人は日本に長くおって、特に北海道にも長くおった人で、これは日本で育った人ですから、ミスター・ソンノゴー以上に日本語が非常に上手であります。そのために日本の立場をノルウェー国に対して十分に宣伝して、非常に親切に世話してくれました。こういう二人の人の立場を、今後も外務省としてはああいう北欧三国で北の国でありますから、なかなか行き渡らないと思うのでありますが、御配慮をいただきたい。これは私現地に参って率直に感じたことをこの機会に御配慮いただくことを期待いたしたいと思います。  時間もだいぶ経過いたしておりますし、次の質問者の時間もありますが、どうぞ日本の外交は、今や単なる日ソ交渉という問題だけでなくて、対中共問題や、さらに今後一日も早く国交を回復して正常な姿に復帰しなければならぬ国々がまだあるのでありますから、そういう見地において、どうぞ外交だけは党利党略でなく、真剣にがんばっていただきたいと思うのであります。何分の御答弁を願いまして私の質問を終ります。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 ただいま非常に御理解あるお言葉をいただきまして感謝いたす次第でございます。御承知の通り・北欧三国におきましては、今日までスウェーデン公使が中心となってノルウェーとデンマークは兼轄をいたしておったのでございますが、三十一年度十数カ所の新公館の設置を要求いたしたのでございます炉、予算の都合上どうしても入ることができません。北欧におきましてただいま仰せの通りデンマークは入りました。さらにデンマークを開くと同時に、御承知のように、ああいう北海道と同じような立場にある世界一の酪農の土地でございまして、農林省からも一名常駐させるためにデンマークヘやることになっております。デンマークの方はそういう点味でこれから開設をいたしますが、ノルウェーの方は、残念ながら本年配置ができませんでした。従ってノルウェーの方は、スウェーデンの公使をもってとこのところ兼轄いたさせまして、次に譲りまして、明年なり、できるだけ早くここを開きたい、かような考えでおります。  それと同時に、第二の点で、デンマークにおいでになり、ノルウェーにおいでになりまして、仰せのように非常に理解ある親日者がここにおりまして、日本とデンマークなり、ノルウェーなりの親善のくさびになっていただくのでございますから、日本といたしましては、できるだけの方法をもってこれらの好意ある親日家の人々に謝意を表さなければならぬと、せっかくその方法について研究中でございます。これをもって答弁といたします。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 松平忠久君。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 私は、きわめて事務的な問題になるかもしれませんが、若干の点について、平素質問したいと思っていることをかいつまんで質問したいと思います。  最近、国際情勢と申しますか、外国との関係がきわめて複雑になってきているのじゃないか。つまり、原子力といわず、学術といわず、あらゆる面で複雑になってきております。従ってその方面の会議、国際連合等のいろいろな分科会等が非常に多いように思うのでありますが、そういった意味の会議が、日本つまり東京においても相当開催される機会も私は出てきておると思う。また将来も、いろいろな会合が、これはただ単に外務省が関係しているのでなく、あるいは関係がないような会議もあるでありましょうけれども、そういった国際的な会合が、日本つまり東京を中心にして非常に行われる可能性があると思うのであります。これらの今までありましたところのいろいろな学術やその他の会合について、一体外務省で予算を幾らか、補助をするのか、あるいはそういうものは関係各省でそういう費目があるのか、あるいはそういう会合については、全然何らの政府の助成金というか、そういうものがないのか。過去たとえば昨年度におけるいろいろな国際会議について、どういうような予算的措置を政府はこれに対してとっているか、一応その点をお伺いしたいのであります。

河崎一郎外務事務官(国際協力局長)

○河崎政府委員 お答え申し上げます。国際会議も多種多様のものがございまして、まず第一に政府間の国際会議におきましては、これは大体外務省で予算をとりまして、正式に日本で開かれる場合には招請いたしておるわけであります。それ以外の国連主催の会議におきましては、日本で開きます場合においても、国連が負担するのでありますが、その会議場の提供とか、事務費等は、あらかじめ日本政府の方に予算を準備いたしまして、その程度の便宜は供与しておるわけでございます。できるだけこの種の会議を日本に招致することは、日本の国際的地位向上にも有利でございますから、外務省としましては、前もって開催炉予定されている国際会議につきましては、できるだけ予算措置をいたしまして、東京招請に努力いたしているわけでございます。昨年開かれましたエカフェの総会のごときも、これは従来東京で開かれました国際会議のうちで一番大きなものでございましたが、これには数千万円の予算的措置をいたしまして、会議を成功裏に東京で行なったわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 ただいまのお話で、日本においてなるべく機会があるならば招請して、国際的地位も上げたい、こういう御答弁であったわけでありますが、私もまさにその通りではないかと思います。またことに東南アジア方面の外交を積極的にやっていくということになりますと、自然そういう機会もやはり出てくるのじゃないか。そこでなるべく日本を中心として、そういう一つのファシリティというか便宜を与えるという意味を持ちながら、こういう会議の招集に当っていく必要があると思うのであります。ところで国際会議を開催するのに適当な建物が日本に一体あるかどうか。そこでこの国際会議場というものをもう少し、外国の人が来ても会議ができるような工合の会議場を作るために・外務省が一はだ脱ぐおつもりがあるかどうか。もちろん外務省だけの予算ではできないだろうと思いますが、何か肝いりをして、そういう一部の予算を計上してやっていくということが、今後非常に必要になってくるのじゃないかと思いますが、その点に対して政務次官どうお考えになっているか、お伺いしたい。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 ただいま仰せのごとく、戦後非常に情勢が変ってきて、東南アジアというようなところが非常な中心になって参りましたときには、やはり国際会議は日本で開くのが一番いい、そういう点からして今の会議場というものを日本にどうしても作らなければならない。私はいろいろそういう点は外務省にまだ行かない前から考えておったのでございますが、外務省に参りましてから、ことさらにそういう点は痛感いたしております。従って新庁舎に少し金をよけいかけまして、新庁舎の中でそういう会議が開かれるような方法を講ずべきだ、かように考えまして、省内及び大蔵大臣にも実はそのことをすでに申し上げて、今折衝いたしている次第であります。むしろ計画を広げまして、もっと大きな庁舎にしたいという考えでいる次第でございます。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 この際お伺いしたいのは、外務大臣は別荘を持っておられますか。持っているとすれば、どことどこに持っておられますか。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 実は湯河原に小さな別荘と名づけるものを——六畳の間一つでも別荘でございますが、とにかく湯河原に別荘と申しましょうか、ほんの小さな所がありますが、そこだけ私は存じております。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 在日大使館、大公使はどことどこに日本で別荘を持っておりますか。

河崎一郎外務事務官(国際協力局長)

○河崎政府委員 在日大公使館では常設的に持っておりますのが日光中禅寺湖畔でございます。これはイギリス、ベルギーその他が戦前から持っております。それ以外は軽井沢にたくさん夏季に避暑いたしますが、これは豪州以外はあまり自分の別荘を持っているところはございません。大てい夏場だけ民家を借りるというのが多く、それから最近は葉山にだいぶ大公使館の別荘がございます。これは距離が近いから、それからまた海水浴場として適当だというので、葉山の先に数軒の外国公館の別荘がございます。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 夏は日本における大公使は、ビジネスをやりますか、それとも別荘に行って遊んでおるということになるのですか、あるいは別荘に行くのは家族だけであって、東京でやはり執務をしておる、こういうようなことになっておりますか、その辺どうですか。

河崎一郎外務事務官(国際協力局長)

○河崎政府委員 お答え申し上げます。これは国によってさまざまでございまして、非常に忙しい国は別荘に行くどころか、夏でもずっと東京にがんばって執務をいたしております。たとえばアメリカ大使のごときは、ほとんど一夏東京に滞在したままで執務いたしております。大体避暑に出かけるのはあまり忙しくないところです。それから最近の傾向といたしましては、戦後東南アジアの公館が非常にふえまして、これらの国々で大公使がおるところもございますが、こういう連中は東京の夏は涼しい、避暑の必要はないと申して、ほとんど避暑はやっておりません。概して東京に踏みとどまって夏中執務する国が大部分でございます。これは日本の外務省とまたぺ−スを合わす関係もございますようです。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 国によってさまざまだろうと思うのでありますが、南方の万の人も東京で夏を過ごすのじゃなくてやはり涼しいところに行くだろうと思います。そこで葉山なり日光なりあるいは箱根なりというところへ外務大臣がそれらの家族をパーティに呼ぶくらいの予算があるのですか、どうですか、この中に……。

中川進外務事務官(大臣官房会計課長)

○中川(進)政府委員 それは規模にもよりますが、可能でございます。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 私はなぜそういうことを聞くかというと、東京においては国際会議場もないのです。そこで会議をやるというような場合には、どうしてもそういう国際会議場を持たなければならぬということが一つありますと同時に、暑い東京では困るので、箱根とかどこかへみんな行くのだ、たとえば学術会議なんかにしても涼しいところでやる、こういうようなことになっておるわけであります。従ってそういう面でもう少し画期的なことを一つ考えて、大蔵省に対して交渉されたらどうか。これは東京で角突き合して談判しておってもしょうがないのであって、涼しいところに行って外務大臣が家族でも呼んでやるという考え方を持ってもらったらどうか。そしてもしこれが大蔵省で聞かぬというなら、よくそれは政務次官あたりが説いて聞かしてみたらどうか。そういうふうなことをやはりそろそろやっていく必要があるのではないかというように思いますので、この点は特に御要望申し上げておきたい点であります。  それから第二の点でお伺いしたいのは、この予算書を見ますと、各種の分担金というものが非常に多いのであります。そうしてその分担金はこれこれの分担金があるが、その分担金についてどの程度の効果が日本にあるのかということを検討した上で、分担金というものは各国でどのようにきめるのか、あるいは割当みたいにきまってきておるのか、その点がはっきりしません。かなりの分担金がありますが、一体分担金の総額はどのくらいあるかということ・それからもう一つは、これをきめるのはだれがきめるのか、その場合に日本はこれに対してどういう発言をし得るのか、それから最後にこの分担金はいかなる効果を日本にもたらしておるのか、このことをお伺いしたい。

河崎一郎外務事務官(国際協力局長)

○河崎政府委員 ただいまの松平委員の御質問は、主として国連関係の機関に対する日本の分担金の問題だと思います。大体日本は国連自体には御承知の通りまだ加盟いたしておりませんが、それ以外の専門機関、たとえばILOであるとか国際農業機構FAOであるとかユネスコであるとかエカフェであるとか、そういう機関に約十ばかり全部加盟いたしております。国連で大体各国の分担金の率はきまっておりまして、それは各国の国民所得とか国富を基礎といたしまして算出いたしたものでありまして、国連の基準が一〇〇の中で日本は二%程度の分担金の率を一応査定されておるのであります。アメリカは一〇〇のうち約三三%、三割であります。ソ連が一五%、イギリスが一〇%、インドが三・五%、日本が二%というのが大体の率でありまして、これは国連に日本が入りました場合でもこの率で国連の分担金を支払うことに相なるわけであります。専門機関によりましては多少相違はございますが、ユネスコでもILOでも大体二%、ある専門機関の総経費の中の二%を日本が支払うということになって事実支払っておるわけであります。今の専門機関の分掛金は各機関で大体二十万ドル程度になっております。  国連諸機関に参加いたしまして分担金を支払うとどういう利益があるかと申しますと、まず第一にフル・メンバーとしてその機関の活動に参加し得ることはもちろんでありますが、それ以外にその機関に日本人が職員として参加し得るということがあげられております。たとえばユネスコに日本が入って活溌に活動いたします結果・今日では課長級以下五名のスタッフが国際官吏としてユネスコに入っております。との日本人職員のこれら機関への就職もやはり分担金と同じ率、大体地域的に各国が分担金を支払った額に比例した限度で職員の雇用が認められるわけであります。従って日本人が積極的にこれらの機関に参加いたしますと、これらの職員の受ける俸給、給与だけでも相当分担金が回収し得ると申しますか、そういう点はございます。それからまたこれらの機関に加入します結果、たとえばユネスコが日本で講習会をやるとか、国際農業機関が日本でゼミナールをやるとか、それからまた日本の技師、専門家を招聘するとか——もちろんこれは旅費、給与を国連で支弁するのでありますが、そういう点を考えますと、現在でもこれら国連関連の諸機関に入っております結果、はね返りは相当あるのでありまして、その点で分担金を払うことが一方的に日本の負担になって損をするということは決してないわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 そういうはね返りが若干あるようなお話があったのでありますが、これは国民はあまり知らぬと思うのです。そこでこれは負けてもらうというようことができるのかどうか。それからまた課長クラスというようなものがおるという話ですが、私はこの分担金を払うなというわけではないが、とにかく払う限りにおいては、これは日本に相当有利にするようなふうに持っていかなければいかぬのじゃないか。それは結局人間の問題じゃないかと思うのです。そこに入り込む人間なり何なりが優秀なものがおるならば、これは有利に日本のために利用というか、あるいは委員会の活動というものを日本側に有利ならしめることができるのではないか。そうでなければこれは普通の分担金みたいなものになってしまって、発言権がないということになると、非常に損をしてしまうということになるわけですが、ここでお伺いしたいのは、負けてもらうことができるかどうかということと、それからもう一つは、優秀な連中というものはどの程度のものが国際連合の下部機構なりにおいて日本人として活躍しておるのか、またそういう人間を人選して入れるのは、だれが一体それを一入れるのか、この三つをお聞きしたい。

河崎一郎外務事務官(国際協力局長)

○河崎政府委員 国連専門機関その他に対する分担金を負けてもらえるかどうか、これは負けてもらった例がございます。たとえば朝鮮などは、国際農業機関でございましたが、財政が窮乏してとても払えぬからというので、だいぶ負けてもらった例もございます。それからまた国によりますると、この二、三年財政不如意だから少し待ってくれとか、あるいはもうとても未払い金がたまって困るから少し負けてくれとかいうことを言い出す国がときどきございますが、これは非常な国辱であり醜態でございまして、そういうことは日本としてはやるべきじゃないと思います。  これらの機関に日本人をふやす問題は、御承知の通り日本は敗戦で、しかも占領後講和発効まではとにかくこれらの機関には参加を許されなかったのでありまして、非常な立ちおくれでございました。この二、三年の間になりまして、やっとこれらの機関に積極的に参加する情勢になったのでありまして、われわれとしましては、極力これらの機関に優秀な人材を送り込むことに努力いたしております。これらの機関に現在入っておりますのは、大体課長級が最高でございます。先ほど申しましたユネスコにも、課長級以下五角、それからエカフェ機関にも課長級以下二、三名入っております。それから今度ローマに本部がございまするFAOにも、課長級が近く就職する予定でございますが、これらの人選は外務省が主になりまして、厳重にその資格を審査いたしますばかりでなくて、先方への売り込みは非常にむずかしい仕事でございまして、ただ日本人だから雇えといっても向うは聞かないのでございます。これらの機関におきます国際間の競争は非常に激甚でございまして、各国は一人でもこういう機関によけい入れて自己の地位を高めようというので、虎視たんたんでございますから、立ちおくれの日本が割り込むのは並み大ていの努力ではございません。これには出先の外務関係その他われわれが極力あらゆる機会をつかまえまして、日本人の優秀な者を売り込む工作をして、やっと最近幾らかの成績を上げておる状態でございます。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 こういうことはやはり有能なる人材を送り込むということに尽きると思うのです。そこで、人材のことに先ほど須磨さんも触れたのですが、私も最後にこの点に触れてみたいと思うのでございます。  外務省の職員と申しますか人材が、とかく世間から見られておる点は、何というか、かたわのようなところがあるのじゃないか、こういうふうに見られておるのであります。今の日本の外交としては金もない、国力もないから、せめて人材だけでもしっかりした者を派遣するよりほかに方法はない、こう思うわけだけれども、そのときにかたわが行ったのではだめだということになるわけです。そこでどうして一体かたわのような工合になるかというと、私は今までの外交官の養成の仕方がまずいのではないかと思うのです。そこでかたわになってしまって、国内においても予算がなかなかとりにくいということになっておる。それからほかの各省の役人ともなじまない。いわんや一般の民間の人は、外交官というと、何だかお上品ぶつておるというようなことでなじまない、こういうところに私は欠陥があると思うのです。そこでその欠陥を直さなくちゃいかぬわけだが、研修所等においてもそういうことをあるいはやっておるかどうか私知りませんけれども、もう少しかたわにしないような養成方法を一体おとりになるかどうか。たとえて言えば、早い話が、ゴルフはやるけれども碁はだめだというような人が多いと思うのです。これではやはりだめなんだと思う。ゴルフもやるが碁もやる、マージャンもやれば将棋もやるというようなことでないと、うまくいかぬと思うのです。そこで碁も将棋もできないから日本人同士のつき合いはできない。そうかといって、毛唐と一緒になってやるくらいのあれがあるかと思うと、そういう人も割合少いというので、外国でゴルフをやるったって、毛唐とやることはできぬで、日本人同士でやっておる。そういう状態が多いのです。  そこで一体人材の養成ということを根本的にどういうように考えておられるか、この点を政務次官なり官房長なり、ほんとうにしっかりした考えを持ってやっていただきたいと思うが、どういろ考えを持っておるか伺いたい。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 これはどうも外務省は人材が集まる場所で、かつては松平さんのごとき人材が外務省から輩出しておるのでございます、言っておるのでございます。何しろ金がないから人材くらいは行けということはなかなかむずかしいことでございまして、人材だから金もやはりかかるということで、一つこれから仕事をやっていただかなければならぬ。そういう点は国民がやはりがんばっていくという意味で、私ども働いてもらう外交官を大いに鞭撻し、そうして激励しなければならぬ、かように考えております。ゴルフの問題でも、これは御承知の通り、近年ゴルフをやる者もあるし、碁をやる者もある、将棋をやる者もあるというように、外務省の中にも、ゴルフの好きな方もあるし、碁の好きな方もだいぶいるようです。マージャンの好きな人もだいぶいるようであります。そういうことは一向御心配にならないでいただきたい思います。しかし何といったととろで、語学を覚えるということは、われわれやはり中学以来、日本語を使ったら、竹ずっぽうの中へ罰金をとると言われてやってきても、われわれは語学を覚えるのに苦労したのですが、その中でみんな外務省は苦労してきておるのですから、若い時代にいろいろ苦労するような努力をしたでありましょうけれども、みんな選ばれた人でございます。また今までの時代と時代が変ってきまして、外交官だから語学ができていればいいんだじゃない。国内でも日々の生活に語学炉必要になってくるほど、日本は変ってきた、そういうわけでありますので、人材はいろいろな形においてりっぱな人材が出てもらい、またこれらの人々が外国に参りましても、ほんとうにその使いをはずかしめないというようなことは、やはり背後でがんばって、これを助けなければならぬ、こういう気持で私どもこれからやっていきたい、かように考えております。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 趣味の問題は別といたしまして、その人材の養成についてでありますけれども、それで考えられることは、先ほど須磨さんからも触れられましたが、一番必要なことはやはり経済外交であろうと思うのであります。そこで私は実は現在経済外交を推進する人材が日本にはないんだろうと思っておるのです。通産省の連中が行っても言葉がわからぬ、外務省の人は経済のことはわからぬというようなことで、二人連れていって、ようやく一人前ということになるのではないかと思うのです。そこで先ほど島津君の答弁によりますと、通産省との間に人事の交流をやっているという話でありますが、私は経済外交を推進していくための一つの行き方としては、相当民間人も入れていかなければならぬだろうと思いますし、同時にまた外交官自身に経済的訓練を与えていかなければならない。その経済的訓練というのは、やはり日本の国内の経済状態というものをよく把握するということなんです。その把握をせずして外国にふらふら行ってみたところで、結局通訳をやるということになってしまうと思うのです。そこでそれらの点について相当留意をしなければならぬわけでありますけれども、第一の点つまり民間人の登用ということと、それから第二の点、現在の外交官に経済的訓練を与えていくということについて、何らか一つ御処置をとっておられるかどうか、あるいは予算面についてそういうような費目があるのかどうか、そういうことをお伺いしたい。

森下國雄自由民主党外務政務次官

○森下政府委員 仰せの通りでございまして、これはどうしても経済外交に主力を置いて参らなければなりません。現在通産省とは人事の交流をいたしまして、三十人くらいまず入ってやっておる次第でございます。それからやはり仰せの通り民間の経済人を登用していかなければならぬ。またワシントにいる渡辺公使のように財政、経済両方に精通いたしておる人などもああやっておる次第でございます。ことに経済外交を打ち出しておりまする政府としましては、今後世界はもちろんでございますが、東南アジアに主力を注いで経済外交に全力を傾けていきたい、かように考えておる次第でございます。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 最後に一点お伺いしたいと思います。それは情報に関してであります。外務省の情報が一方的になる傾向があるのではないか、私はそういう印象を持っております。つまり地球の一方の面、ソ連圏における情報というものがめくらが象をなでるというような程度のものでしかない。そこでそのために非常に大きな外交の失敗を来たすことがある。これは国連加入の問題等についても、ややそういう感をわれわれはいたしておるのであります。そこでソビエト並びに中共つまりソ連圏の正確なる情報を知るということが、まとまな外交をやっていく前提条件であろうと私は思うのでありますが、このソ連圏の情報の収集についてどういうようなことをやっておられるのか。機密にわたることを何もこの席上で聞く要求はいたしませんけれども、一体どういうような構想でそういう方面の情報の収集をやっておられるのかということを聞いておきたい。

田中三男外務事務官(情報文化局長)

○田中(三)政府委員 国交の開けておりません共産圏関係の情報の収集というものは、御承知の通りに非常にむずかしいのでございますが、しかし現在は新聞その他の刊行物も多少時間はかかりますが、いずれも入手が可能でございます。さらにラジオ等の放送も傍受ができるわけでございますし、さらに国交を開いております欧米各国の通信社、新聞社その他の情報もかなりひんぱんに参っておりますので、大体共産圏の内部の情報も材料は主として今申し上げたようなものが中心になっておるわけでございます。ソ連なり中共なりのエキスパート、内情に通じておる者の情報も多少とっておりますが、しかしこれは別に申し上げるほどのものではないわけであります。ただ、こういう国はそれぞれ国内におきましても非常に機密が厳守されておりますので、外交の開けております国の新聞通信社の職員並びに外交官といえども、必ずしも正確な情報をとることには成功しておらないようであります。しかし、外交が開けますれば多少現在よりかも情報の入手は便利になると思うのであります。現在のところでは今申し上げましたような出版物あるいはラジオ放送並びに第三国の報道員あるいは外交官の情報、そういうものが主になっておるわけであります。

松平忠久日本社会党

○松平分科員 その通りだろうと思うのであります。そこで、ソ連圏のみならず、収集した情報なり調査の資料の処理というか利用というものに割合に重きを置かれておらないのじゃないか。つまり、ただとるだけで、パンフレットなんかにして出す程度であって、それが日本の経済なり何なりに相当貢献をしておるというふうに私どもは見ておらぬのであります。そこで、これも結局先ほどの経済知識ということになるわけだけれども、そういうものを日本の自立経済その他に役立たせるためには、これをそしゃくして出していくということにならなければならないと思うのであって、なまのままただパンフレットにして出すというのも一つの方法かもしれませんが、もう少しこれを掘り下げて分析して日本経済の自立に役立たせていく、こういう点が欠けておるのじゃないか、その方面の人間もいないのじゃないかと見ておるのであります。そういう点について、一体資料なり調査したものはどういう方針をもって発表なさっておるのかということを最後に聞きまして、私の質問を終ります。

田中三男外務事務官(情報文化局長)

○田中(三)政府委員 いろいろの国際情勢の判断、見通しというものは、情報が非常に完全に備わっておる場合にもむずかしいのでございます。そこで、われわれは大体各国の情報を集めまして——これは新聞社等でありますれば敏速を第一とするのでありますが、われわれは職場が違いますので、なるべく正確を期しております。そこで、正確だ、これは間違いないと思われるものにつきましては、われわれの方の刊行物、大体一般大衆向けの印刷物その他でこれを発表いたしております。ただその以前の材料につきましては、なるべくなまのままのものを関係方面特に国会議員の方々などに利用していただく方がよろしい、こう考えまして、情報、その他に対しまして大きな、はっきりした判断を加えずに材料のまま提供するようにいたしておるのであります。将来におきましては私の方でも外国通信社のニュース等を毎日とりまして、それをそのままそのつど各局課に回しましてそれぞれその参考にいたしたいと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦主査 他に御質疑はございませんか。——御質疑がないようでありますから、外務省所管につきましての質疑は一応終了いたします。  本日はこの程度にとどめまして、次会は明二十二日午後一時より開会し、農林省所管についての質疑に入ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時散会

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