予算委員会第一分科会 第2号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/02/21
会議録
○山本主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 昭和三十一年度一般会計予算中裁判所、内閣及び経済企画庁を除く総理府所管、昭和三十一年度特別計予算中総理府所管を一括して議題といたします。これより質疑を行います。吉田賢一君。
○吉田(賢)分科員 昭和三十一年度の防衛庁関係の予算の内容、その実行の関係等につきまして、少し質疑をいたしてみたいと存じます。 第一に伺いたいことは、昭和三十一年度における繰り越し明許費は総額何ほどになりますか。——委員長、答弁を求める政府委員などは、なるべく長官にしたいと思いますけれども、長官が見えるまでは、適当にそちらから名ざしたり、もしくは政府委員の方にお願いしていただきたいと思います。
○北島政府委員 各費目にわたっておりますので、合計がなかなか出ませんで申しわけありませんでした。器材費、施設費、艦船受け取り外国旅費及び運送費を合せまして、五百十四億円程度に相なる見込みであります。
○吉田(賢)分科員 それから昭和三十年度一般会計の海上施設費のうちの艦船建造費の総計、これは、現在何ほど支出しておりますか。
○北島政府委員 昭和三十年度の艦船憲三費の執行状況につきましてお尋ねでございますが、昭和三十年度におきましては、予算額が艦船建造費五十四億大千六百万円、それに前年度からの繰り越しいたしましたのが九十一億三十万円でございますので、合せまして百四十五億九千六百万円の予算現額があるわけでございます。これに対しまして、ただいままで契約済みでありますものが百億五千七百万円、支出済みが四十億六百万円程度でございます。
○吉田(賢)分科員 私の伺ったのは、ただいまあなたのお述べになった昭和三十年度の予算額の五十四億円のその使途であります。前年からの繰り越し百四十五億のうち、契約が百億円とおっしゃるが、伺った趣旨は、三十年度の予算の消化を伺ったのです。
○北島政府委員 ただいままで支出いたしましたのは、難船関係の四千八百万円でございます。
○吉田(賢)分科員 そうしますると、さきの繰り越しの九十一億円というのは、前年度ということであるが、それは二十九年度のみであるのか、二十八年度にもまたがっておるのか、その数額の内訳を述べて下さい。
○北島政府委員 三十年度の予算現制中、前印度よりの繰り越しが九十一億三千万円であります。この内訳は、三十八年度の計画の分が七十四億九千三百万円、二十九年度の分が十六億四千七百万円、こう相なっております。
○吉田(賢)分科員 そうしますと、三十年度の艦船建造計画を確認しておきたいと思いますが、警備船手六百トン甲型が四ばい、それから掃海艇が二はいですか、三ばいですか、その合計七隻になりますか。そのトン数が合計七千六百六十トン。それから難船が三ばい。これは予算にして一億三千四百万円。三十年度の艦船建造計画は、これに間違いありませんか。
○北島政府委員 昭和三十年度に計画いたしましたものは、警備艦甲型千六百トンが四隻、掃海艇三百二十トン型のもの三隻でございます。
○吉田(賢)分科員 予算の金額も間違いありませんか。
○北島政府委員 先ほど申しましたほかに、雑船が三隻ございまして、予算額といたしましては二十四億九千六百万円が歳出予算でございまして、国庫債務負担行為に六十億五百万円計上しております。
○吉田(賢)分科員 引き続いてあなたに確認しておきたいのですが、二十八年度の繰り越しが七十四億円、二十九年度が十六億円という御説明でありましたが、そういたしますと、二十八年度の建造の計画、二十九年度の計画のうち、どれが残って、どの分が完了しておるのですか、それだけを御指摘願っておきたい。
○久保(龜)政府委員 お答え申し上げます。二十八年度で残っております分は、甲型警備艦二隻、乙型警備艦二隻、それから千トンのケーブル敷設艦一隻、六百トンの敷設艦一隻、この分が大体年度末近くに竣工いたします。その分がもちろん今日まで支出済みもございますが、また年度内にいたすものも合せまして、大体七十四億ということになります。二十九年度の分は、駆潜艇三百トン型が八隻であります。
○吉田(賢)分科員 全部残っておるものをお述べになっておるのですか。
○久保(龜)政府委員 そうでございます。全部三十年度にかかっております。それから掃海艇の甲型三隻、魚雷艇三隻、これが全部三十年度の予算に残っております。
○吉田(賢)分科員 ちょっと今の御説明がはっきり理解しにくかったのですが、駆潜艇、掃海艇、魚雷艇が八、三、三隻、いずれも残っておるという意味は、現に建造中という意味なのですか。
○久保(龜)政府委員 お答えします。現に建造中のものと、年度内にすでに完成いたしまして支出済みのものと、両方ございます。
○吉田(賢)分科員 未発注のものはございませんか。
○久保(龜)政府委員 二十九年度分に関しましては、未発注はございません。
○吉田(賢)分科員 そこで伺いますが、今度は長官にお尋ねいたします。一体予算を編成されて、重要な艦船の建造計画をなさって、国会の承認をお受けになったのだが、いろいろな事情もあるかと思いますが、三十年度に艦船建造費が全く使われていない。ただ雑船が四千八百万円のみ支出されておる。これはもう間もなく年度は終りますが、どういうわけでお使いにならないのですか。
○船田国務大臣 三十年度につきましては、御承知の通り、最初に年度初め三カ月暫定予算で毎月分を三カ月続けてとっていったというようなことで、本予算が確定いたしましたのは七月の末のことであります。さようなことで非常に予算の施行がおくれておりますが、なお艦船の建造につきましては、御承知の通り、戦後十年全くこういう経験を持っておりません。従いまして、これを予算がきまってからいよいよ企画し、注文書を作る、それには設計その他いろいろな予備的な仕事がございます。さようなことで非常におくれておるような状況でございますが、しかしこれはおそらく経理局長、装備局長からお答え申し上げておると思いますが、三十年度分のおもなものについては、もう注文が出してありますから、これは注文に従いまして、相当時間はかかりますけれども、艦艇はできることと信じております。
○吉田(賢)分科員 経理局長、装備局長いずれかの御答弁を願います。そのおもなものの発注の内容をお伺いいたします。
○久保(龜)政府委員 お答えします。三十年度の艦船につきましては、正式の契約は実は未済でございますが、内示をいたしております。それを申し上げますと、それが四隻、これは十月の末でございますが、それを四社に発注の内示をいたしました。その四隻発注の内示をいたしました相手方を申し上げますと、三菱造船、新三菱電工、川崎重工、三井造船、この四社でございます。それからそれよりやや時期を早くいたしまして、その三艦に乗せまする主機関、エンジンをこれも内示いたしました。その相手方を申し上げますと、日立製作所、川崎軍工、新三菱重工、三菱造船、この四社に発注の内示をやはり十月の中ごろにはいたしております。それで正式契約は大体年度内にはまず主機関、それから船体を完了する見込みをもって、具体的設計を進めております。
○吉田(賢)分科員 内示というのは、どういう趣旨のものでありますか、もっと具体的に述べてもらいたい。
○久保(龜)政府委員 内示と申しますと、ただま艦船の建造につきましては、私どもの方で基本設計をいたしまして、さらに詳細設計をいたしまして、初めて建造にかかるわけであります。詳細設計につきましては、相当会社側の手を借りるといったような事態もございまして、できるだけ早く相手方をきめまして、詳細設計等について会社側にも協力させるという必要もありますので、長官の決裁を受けまして随意契約するということと、随意契約の相手方としてこうこういう会社を予定するという長行決裁を受けまして、私どもから事務的に随意契約の相手方として予定しておる、ついては設計の進行について協力してもらいたいということを、私どもの口から各社の責任者に申し伝えてあるわけでございます。
○吉田(賢)分科員 基本設計がなり、さらに詳細なる設計が行われる段階において、会社のいろいろな協力を要するというのだが、一体どういうことが協力の内容になるのでありますか。
○久保(龜)政府委員 基本設計の段階においては、ほとんど会社の協力は受けません。詳細設計の点につきまして、私どもの方で基本設計に基きます大体図を書きまして、造船所に交付する。造船所がさらに非常にこまかい図面を作りまして、私どもの方でさらにそれをもう一度検討いたしまして、長官が承認するという形をとっているわけです。
○吉田(賢)分科員 それは長官の決裁も経ておるのでありますが、そうすると、いつ正式な随意契約を取り結ぶことになるのでありますか。
○久保(龜)政府委員 大体年度末まぎわになるかと存じますが、三月の中旬ないし下旬というふうに予定いたしております。主機関は三月の上旬か中旬ぐらいと考えております。
○吉田(賢)分科員 お話によりますと、それぞれ雑船を除いた艦艇は、いずれも本年三月中に契約が終る様子であります、そこで契約をいたしますと側ほど代金を払うのですか。
○久保(龜)政府委員 艦船本体につきましては、契約と同時に契約金額の四分の一、主機関については半額ということに相なっております。
○吉田(賢)分科員 三十一年度の艦船の建造経費は、総額幾らになっておりますか。
○北島政府委員 三十一年度に計上をいたしました艦船の建造費は七十八億千六百万円であります。
○吉田(賢)分科員 そういたしますると、こまかくなりまするが、四分の一を支払うもの、二分の一を支払うもり、それは総計すると幾らになりましょうか。
○北島政府委員 昭和三十一年度に計画しております警備艦につきましては、歳出予算で十一億四千四百万円、潜水艦で四億五千六百万円、小型掃海艇で一億二千四百万円、「梨」の武器の機装費一億八千万円、高速救命艇で八千八百万円、油バージで二千五百万円でありますが、これにつきましては、ただいま装備局長から説明がございましたように、それぞれ船体につきましては総額の約三分の一、機関は三分の一、搭載武器につきましては約一三%を計上いたしております。このような積算に相なっております。
○吉田(賢)分科員 装備府民のお話では、船体については四分の一ということでしたが、どちらが違っているのでか。
○久保(龜)政府委員 私が四分の一と申し上げましたのは、契約と同時に支払う額は四分の一であります。これは間違いございません。ただ起工いたしますと、さらに四分の一払うことがあります。起工は大体契約から二月ないし三月というのがありまして、艦船によってはあるいは起工の段階に入るのもあるかもしれぬということで、その辺を含めまして、予算に入れましたのは、本体については三分の一を入れております。
○吉田(賢)分科員 私の確かめておきたいのは、あなたが今お述べになりました、三月中に正式に随意契約が終ると同時に四分の一支払う分、二分の一支払う分、そのおのおのの集計した合計が幾らになるか、その数字を聞いたのであります。
○久保(龜)政府委員 概数で申し上げますと、甲型警備船と中型掃海船二つに対しまして、約十七億でございます。
○吉田(賢)分科員 それは概数といえば概数ですが、随意契約締結と同時に四分の一支払う分についてはこれこれ、二分の一支払う分についてはこれこれ、その合計これこれというふうにお述べ願いたいのです。
○久保(龜)政府委員 少しお時間をいただきまして、今数字を整理してお答えいたします。
○吉田(賢)分科員 そうしますと総計大体十六億円と聞いておりますが、それでいいのですか。こまかい数字はあとで訂正してもらってもけっこうですから、伺いたい。
○久保(龜)政府委員 ただいま申し上げましたのは、甲型警備船と中型掃海船の両方を含めまして約十七億、そのほかに射撃装置、それに難船がございますから、本年度の支出見込額は大体二十億になるわけであります。
○吉田(賢)分科員 本年度の支出見込み額が二十億といたしますと、予算が七十八億一千五百八十万円ということになっておりますから約四分の一、約六十億の残ということになります。そこで長官に一つ伺いたいのですが、あなたの方では、毎年々々膨大な繰り越しがございますことは、御承知の通りであります。繰り越しの大きいということは、国会といたしましては、十分に審議をしなければならぬ問題であることは申し上げるまでもないのであります。現に繰り越し明許の制度がございますので、あれもこれも繰り越すというて、ずいぶんと大きな金額が繰り誠されていきますと、われわれとしては一応検討しなければならぬと考えております。それで、防衛庁予算の関係の施設費のうち、艦船建造費なり繰り越し明許の経費に一応限定いたしましても、これだけで本年度に七十八億円の予算のうち五十八億円が残ってしまうのであります。毎年こういうことが締り返されておるのがあなたの方の実情なんです。そういうようなものは、むしろ最初から要求しない方がいいのじゃないかと思うのです。最初から要求をしないでこれだけ予算を減額すれば、国民の税金も助かるのです。最初から見込みがないものをどうしてこんなに要求なさるのか、これに対する長官の御意見を聞きたい。
○船田国務大臣 ただいま吉田委員の仰せられたことは、一応ごもっともと存じますが、防衛庁の予算につきましては、先ほども申し上げましたように、艦船の建造、あるいは飛行機その他につきましても、装備を整えるについてアメリカ側の供与を受けなければならぬものもあり、また船につきましても、御承知の通り十年間の空白があったというようなことでございまして、その予算をとりましてから大体の設計をし、そして注文をし、造船会社とさらに詳細な設計をやるというようなことのために、実際に注文をし、また金を払うということになりますと、ただいま政府委員から御説明申し上げましたように、非常に時期がおくれるということになるのであります。その他いろいろの施設、器材費につきましても、あるいはその他の方面におきましても、かなりそういうめんどうがありますためにおくれております。それと、何と申しましても、過去五年の間にようやくここまで防衛体制を整備してきたというようなことがございますので、それらのことについて、ほかの仕事のようにてきぱきいかないということがございます。しかし、さらばといってあまりに拙速に予算を使うということは、こういう重大な防衛問題につきましてはとるべきことでございませんので、慎重に検討を加えてやっておりますが、何分にも毎年相当額の繰り越しが出るということは、これはまことに遺憾でございますので、予算の経理の上につきましては十分慎重に検討を加えまして、今年度の予算の執行につきましても、誤まりのないようにいたしていきたい。また三十一年度の予算の編成につきましては、それらの事情を十分勘案いたしまして、最小限度の要求をいたしておるような次第でございますから、本年度及び三十一年度、ことに三十一年度以降におきましては、今までのような多くの繰り越しを見るということはなかろうかと思います。
○吉田(賢)分科員 あなたは、予算の経理について適切な考慮を払うというようなことをおっしゃっておるんだが、一体予算を作成して大蔵大臣に送付なさるのはあなたの責任だろうと思う。予算を作成して大蔵大臣に送付するときに、この艦船の建造費の七十八億円についての積算の内容は、一体どういうふうになさったのですか、それを伺いましょう。
○船田国務大臣 この積算の内容につきましては、経理局長から御説明申し上げます。
○吉田(賢)分科員 各省の大臣及び省庁の長官は、予算の編成に当っては、一億円の金額といえども夜を日に継いで折衝をしておられる事実は、衆目の一致するところであります。あなたの方においても、こういう重要な費目について、ことに前年の分の予算が大部分残り、前々年の予算も相当残るといったような艦船建造の計画については、担当の長官であるあなたがこれを知らないはずはない。やはり厳密に検討をして大蔵省と折衝をなさったはずであります。それなら、その内容をあなたの部下のみにまかしておくということはなかろうと思う。部下だけが答弁できるのじゃなしに、こういう点については相当重要な責任を持って、あなた自身の知識としておらるべきはずであります。あなたはこれを御承知でないのでありますか。
○船田国務大臣 防衛費につきましては、一銭一厘たりといえども、慎重にこれに検討を加えて計上いたしております。しかしその積算のトン当りが幾らであるか、あるいはただいま御指摘になりました七十八億円の積算の基礎がどこにあるか、こういうようなことになりますと、一々私がそろばんを入れておるのではありませんから、もちろん私は全体としては十分に責任を負いますが、しかしその積算のこまかい部分につきましては、事務当局の方がより詳細に知っておりますので、政府委員から御説明申し上げます、こう申し上げたのであります。
○吉田(賢)分科員 それでは政府委員から詳細お述べ下さい。
○北島政府委員 三十一年度に計画いたしております船舶につきまして、その大体の積算の根拠を申し上げます。 千六百トン型の警備艦甲型、これは一隻十七億二千四百万品という見積りであります。それから千トン型潜水艦は、総額におきまして二十七億千八百万円、小型掃海艇が六千二百万円、「型」の武器の艤装費が一億八千万円、難船におきまして、三百トン型の油バージが二千五百万円、高速救命艇が八千八百万円、こういうふうに一応一隻当り幾らと見積りまして、それらの三十一年中におけるところの契約、あるいは起工の状況等を見まして予算を積算いたしておるわけであります。
○吉田(賢)分科員 その艦船の器材は、いつの鋼鉄の相場を基準にしたのですか。
○北島政府委員 すでに二十八年度以降造船いたしておりますので、その実績等を参酌いたしておりますが、甲型警備艦につきましては、二十八年度船の実績をもととして算定いたしております。
○吉田(賢)分科員 そうではなしに、私の聞かんとするのは、具体的に新しい資材を使うのであるから、鉄鋼等の材料の値上りということもあろうし、あるいは相場の値下りということもあろうし、いろいろありますので、いつの時価を標準にしたか聞いておるのです。一体そういうことについてどこが基準を決定するのですか。それからまず述べてもらいましょう。
○久保(龜)政府委員 ただいま経理局長から申し上げましたように、二十八年度建造船の実績と申しますと、二十八年契約時の年の十一月でありますが、実際に入手しておりますのは昨年の春から夏にかけてでございます。大体それで精算をいたすわけ百であります。昨年の春から夏にかけてころの鋼材その他の実績をもって三十一年度の予算編成の基礎といたしております。この計算をいたしますのは、まず海上幕僚監部でそういった実績をもって検討の上積算いたしまして、それを経理局において再確認して査定いたしておるわけであります。
○吉田(賢)分科員 そういたしますと、昨年の春から夏にかけての材料の相場で最初お述べになりまた甲型の千六百トンの十七億二千四百万円ですか、これは鋼材は何トン要るのですか。
○久保(龜)政府委員 鋼材の所要量は、千六百トン型につきましては、普通鋼と高張力鋼と両方合せまして、今ちょっと正確に覚えておりませんが、六百トン前後であったと思います。
○吉田(賢)分科員 そうしますと、鋼材その他各般の材料はいずれも昨年の春から夏にかけての相場を標準にしておる、こう聞いていいですか。
○久保(龜)政府委員 さようでございます。
○吉田(賢)分科員 そういたしますと、そうこまかい積算ができておるならば、どういう形のどういう設計ということがなければ、積算ができないようにわれわれ常識で考えるのですが、そういうことを無にして、積算ができますか、つまり材料、鋼材が千トンなら千トン、あるいはしんちゅうが十トンなら十トン、銅が十トンなら十トン、こういうようなものはどこへつけるか、外側に張るのか、あるいは内側にするのかといったようなものは、いずれも設計を基準にするのではないでしょうか。例をあげれば、建築物にしてもそうだが、設計ができてから初めて鋼材、鉄が幾ら要る、あるいは石が幾ら要る、セメントが何俵要るといったようなことができるのであります。設計がなしに各種の材料の数量がどうして出るのですか。それを開きましょう。
○久保(龜)政府委員 お答えします。もちろん全体としては、基本設計ができまして、これによって概算計画をいたすわけであります。鋼材の大体の所要量、あるいはアルミの大体の所要量等についてはわかっておりまして、それをもって積算をいたす、ところがごくこまかいもの、器材等につきまして、あるいは装備等につきましては、必ずしもそうでなく、たとえば隊員の居住関係の施設等につきましては、相当こまかい問題がたくさんございますので、そういった部分については概算いたします。二十八年度船の実績で申しますと、船の本体が一艦十億程度の契約でございますが、そのうち概算部分というものはほんの一割五分、一億五千万円程度でありまして、あとの八億強というものは、全部契約の当初きめておりまして、残りの一割五分程度のものがどうしても契約の当時きめ切れないということで、概算にいたしているわけであります。今吉田委員のおっしゃったような問題につきましては、大部分確定した契約をいたしております。
○吉田(賢)分科員 二十八年についてどういうことをおやりになったかということを聞くのではないので、私は三十一年の予算を問うのであります。あなたは、契約の当時には基本的な設計内容がきまり、その他搭載物、あるいは付加する施設なんぞについては別の機会に——あるいは供与物資などの関係もあるということはわかるのですが、資材のトン数をきめ、資材の品種をきめなければ価格は出てこない。資材一切の種類、トン数、形が出てこねば価格は出ないものである。延べ棒が必要なのか、板が必要なのか、延べ棒はどこに使うのか、板はどこに使うのかということが明らかにならなければならない。家を建てるにしてもそうでしょう。天井に何を使うのか、外には何を張るのか、土台は何にするのか、鉄は何に使って、コンクリートはどこに使うのかという設計が明らかにならなければ、この建物の建築費というものは出てこない。そうしてあなたの方では、すでにそのこまかい積弊ができて、その設計ができておらぬ、その矛盾をどうお解きになるか、常識ではわからぬ。あなたは事務的なお立場からだが、やはりこういうような問題については、長官はどういうふうにお考えになるのか。あなたは、予算が通ってからいろいろな設計もするというようにおっしゃっているのだが、設計なしに積算ができるというのは、常識上考えられない、一体これはどういうことになっておるのか。
○船田国務大臣 ただいま吉田委員の仰せられましたことは、こういうことだと思うのです。予算を要求するときには、各幕僚から、こういうものがほしいという大体の希望を述べまして、それを内局において検討いたしまして、そして船はどういうものを作る、あるいは飛行機についてはどうする、あるいは自動車についてはどうというようなことで、これを予算に計上いたします。しかしそのときに、これを直ちに実現し得るだけの明細な実施設計というものは、まだできておりませんから、従いまして、予算を御決議願った後においてさらにさらに実施設計をいたしまして、そして注文を出す、こういうことでございますから、そこに若干の開きができてくるということもあり得ると存じます。予算に計上しましたものが、そのまま一寸一分違わずに実現するということはなかなかむずかしいし、また予算が通過いたしました後において、さらにその経費のうちにおいてできるだけりっぱなものを作りたい、こういうことになりますから、従って先ほど装備局長が御説明申し上げておりますように、船会社に注文をした後に、なおこさいの点につきましては、さらに船会社の協力を得て実施設計をして、そして本注文をする、こういうことになる次第であります。
○吉田(賢)分科員 それは説明にならぬのです。たとい千万円の金といえども国民の税金でありますから、予算要求をされるときには、詳細な積算の内容がなければならぬと思います。いいかげんなもので大蔵省がこれを承認するということは なおさらあり得ない。われわれは、補助費等につきまして、ずいぶんこまかい計算を述べて、そして大蔵省の方と折衝しておる実情を存じております。防衛庁だけ特別扱いすべき筋ではない。でありまするので、すでにこのこまかい材料費の積算もあり、そして予算に積み上げて予算が通る。こういうことでなければならぬ。ところが、一方におきまして、あなたは予算が遮ってから設計すると言い、また装備局長などの話によれば、それは明確を若干欠いたけれども、基本設計というものが最近できる。どうもそういうことでは、ほんとうは設計も何もなしに、つかみ取りに予算の要求をして、大蔵省はこれをのんでいくというのがほんとじゃないんだろうか。もしそうでなければ、こまかい計算の積み上げがやがて予算要求額となって、そうして大蔵省はこれを予算に作成する。国会に提出する。いずれがほんとなのかということも——ほんとかうそかという言葉は適切でないかもしれませんが、どっちなのかということもはっきりしませんと、あなたの今の御説明ではどうも御説明にならぬ。若干の時期にずれがあるとか、あるいは大体の概算でとかいうようなお考え方のようだが、お話のつじつまが合わぬ。予算を作成して大蔵省に提出をなさるときに、すでに私は、防衛庁は防衛庁なりにこまかい計算がなければならぬと思います。鋼材一トン何がし、あるいはしんちゅう一トン何がしいという金額が明確になって、それが積み上って予算というものができ上ると思う。それをしておらぬのですか。それをしたとすれば、しかるべき設計がなければならぬと思う。設計なしに、三角の船を作るやら、まるい船を作るやら、それもわからずに予算というものがでたらめにできるはずがないのです。やはりそこは、長さも深さも広さも、それぞれの重要な部分につきましてはぴしっとした計数が出て、その総計が予算要求となっていかねばならぬと思う。そんならば相当な設計がなければならぬと思う。それもなしにやるということは考えられぬ。やはり積算をして予算要求をする以上は、しかるべき設計があると見なければならぬ。設計なしに予算要求をするとするならば、これはでたらめ予算を組んだといわなければならぬ。どちらか一つはっきりとしてもらいたい。
○船田国務大臣 重ねて答弁申し上げますが、予算を要求するときには、もちろん今吉田委員の御指摘になりましたように、設計をいたしまして、そしてそれに基く資材、あるいはその他の諸般の資料をしっかり握って、そして予算の要求をいたしておるのであります。しかしその予算が通りました後に、今度はこれを実施する計画を立てる。そしてさらにしさいな検討を加えまして、注文をする。こういうことになりまして、しかもその間に相当な時期がずれますから、従って予算通りの寸分違わないものが注文になるということにはならぬのであります。最初に予算要求をいたしまするときに、相当な積算をしてやってはおりますけれども、しかしそれが実施をいたしますときに多少のずれがあるということは、私やむを得ぬと思います。これはほかの建築やその他の問題につきましても、私は同様なことが起り得ると考えるのでありまして、防衛庁だけが特に予算の要求について大ざっぱな予算の要求をして、そしてあとでそれと違ったものを注文しておるというようなことではないのであります。その点は誤解のないように御了承を願いたいと思います。
○吉田(賢)分科員 だけれども、他の省と違って、あなたの方ではすべてが直営的な関係になっております。ほかの省でありますと、同じ省とはいい、他の部局に配分をいたしまして予算の執行をやりますけれども、あなたの方は、やはり幕僚会議もあり、海上自衛隊の艦船の建造にいたしましても、ほとんど直接おやりになっている。だからその辺につきましては、しかるべき設計というものがなければならぬと思う。なければ予算の要求は私はできないと思う。実際の設計は今年一月になって、さらにそれもできずして、年度末になって、あわててある程度の設計を進めるというようなことにでもなっているのでしょうか。時期のずれが相当ある。また十年の空白があったとは、おっしゃるけれども、もうすでに数年経過して、年々技術は累積してみがかれてきているはずだと思うのです。またいろいろな計画設計にいたしましても、それはほかからの影響によっていろいろと変化を来たす、進歩するということは別でありますけれども、あなたの方としては、もう相当な進歩を見ておらねばならぬと思うのです。そういう点から考えてみても、最初に設計を持っているのか、さもなければ、年度末になってからあわてて設計を完了するようなことでもするのか。それとも、その辺については顧慮することなしに、時間の経過はかまうことなしに予算を執行するというのであろうか、どうもその辺がはっきりいたしません。装備局長に聞きますが、あなたの基本設計というのやら詳細設計というのは、いつやったんですか。
○久保(龜)政府委員 大体設計の段取りは、一番初めに基本設計のもう一つもとになります、私ども基本計画概案と称しておりますが、たとえば二十何ノットの船、何トンのもの、何人乗りで、どういう砲を積む、どういう装備をするといったような性能要求をもとにしました計画概案というものを作りまして、それをもとにしてその次に基本設計を作る。基本設計は、当初は実は半年近くもかかりました。しかし最近では、やや艦種も似て参りましたが、それでもやはり二月ないしは三月はかかります。それから契約いたしまして、それと並行して詳細設計をいたすわけであります。これは大体進水日に事実上終るということで、従って半年くらいかかるということで、ただいまお話の出ております三十一年度の予算の積算につきましては、ただいま申しました基本設計の前提となります基本計画概案で性能要求をやって、具体化したものをもって実ははじいております。若干トン数など移動する、搭載兵器も、たとえば前に二十八年度の船は五インチを積んでおりましたが、今度は、たとえば三インチ速射砲を積みたいといったような——これは果して供与を受け得るかどうか問題はありまして、たとえの話でございますが、一応供与を受けることにして基本計画概案を作った。これは、場合によっては変ることがあるかもしれませんが、そういった意味で搭載武器等の変更ということも、実はかなり少くなかったわけであります。大きなものにつきましては、この結果相当トン数にまで場合によっては変更を生ずる、それから搭載武器の種類が変りますと、それまで十五人乗ったものが十八人、あるいは逆に十三人で済むといったようないろいろな問題が、その後基本設計ないしは詳細計画をいたしますと現実に起って参りまして——もちろん私どもは、予算の範囲内でやるということは当然でございますが、いろいろ具体的内容につきましては、やはりある程度の変更は避けられぬというふうに考えております。
○吉田(賢)分科員 少し方面を変えまして、他の方面から伺ってみたい。本年、昭和三十一年度の防衛庁予算の国庫債務負担行為、これは総計航空機購入、装備品の購入、施設整備、艦船の建造など、うち艦船の建造は二十四億四千三百万円、これらを合計いたしまして百四十二億八千二百万円、こういうことになるようでありますが、これは間違いありませんか。
○北島政府委員 百四十二億八千三百万円、間違いございません。
○吉田(賢)分科員 そこで伺いまするが、今述べましたこの艦船建造の積算の内容はどういうふうになっておりますか。概要でよろしい。
○北島政府委員 三十一年度におきまして、艦船建造費で国庫債務負担行為二十四億四千三百万円を計上して、御承認方をお願いいたしております。その内訳といたしましては、これは警備艦甲型二隻建造をいたしまするに、総額におきまして三十四億四千八百万円かかりますが、このうち歳出予算に十一億四千四百万円計上し、国庫債務負担行為に二十三億四百万円計上いたしております。なお二十四億四千三百万円からただいまの三十三億四百万円を引きました一億三千九百万円、これは三十年度で計画いたしました警備艦の艤装関係の経費でございます。米国よりの搭載武器の供与が若干おくれますので、これは予算に計上する要なく、国庫債務負担行為で御承認願う、こういう建前で一億三千九百万円をお願いいたしております。
○吉田(賢)分科員 こまかい計算が出ておるようでありますが、この資材の価格の時価はいつを標準としたものですか。
○久保(龜)政府委員 お答えを申し上げます。先ほど申し上げましたように、昨年の春から夏、大体予算編成期、すなわち二十八年度建造船の建造のころの実績をとったものでございます。
○吉田(賢)分科員 長官に伺いますが、この国庫債務負担行為として契約の授権の要求をしておらるるのであります。これはいずれもこまかい積算の内容をお持ちのことと思うのですが、これは大体間違いないので、ございましょうね。
○船田国務大臣 吉田委員の仰せられる通りに、積算の基礎を持っております。
○吉田(賢)分科員 多くの機会がありませんのですが、この国会に提出した昭和三十一年度一般会計予算第五十六ページ、五十七ページに記載されておりまするただいまの防衛庁の国庫債務負担行為の防衛庁に関する部分につきまして、積算の内容を具体的に記載いたしました数字、これを国庫債務負担行為として必要といたしまする理由、そういうものは一つ書面でもらおうかと思いますが、ぜひそれは御配慮願います。 そこで、それはそうといたしまして、この艦船の建造の二十四億四千三百万円を国庫債務負担行為となさったのはどういうわけでありますか。これを予算要求にしなかったのはどういうわけでありますか。その点を一つはっきりしておいていただきたい。
○北島政府委員 国庫債務負担行為は、もちろん先生御承知の通りでございますが、当該年度におきましては歳出に支出されることがございません。後年度におきまして歳出予算化をする必要がある場合に、一括して初年度におきまして契約いたさなければならぬというような必要が生じましたときに、その後年度分を国庫債務負担行為として御承認をお願いする、こういう趣旨でございます。
○吉田(賢)分科員 そういたしますると、三十一年度に契約をするという内容らしいのでありますが、もう少しその具体的なところを述べてもらいたい。
○北島政府委員 たとえば、先ほどの艦船につきまして例をとってみますと、警備艦甲型一隻十七億二千四百万円と想定いたしておりますが、昭和三十一年度におきまして警備艦甲型一隻を契約するという行為がまず必要でございます。契約いたしましても、先ほどから御説明いたしましたように、本体につきましては契約のときに四分の一、起工のときに四分の一、進水のときに四分の一、竣工のときに四分の一、機関につきましては、契約のときに二分の一、竣工のときに二分の一、こんなふうに支払いが契約いたされます。たとい初年度におきまして全体の契約をいたしましても、歳出といたしましては、全部当該年度に計上する必要はない。後年度におきまして歳出化される必要があるものだけを国庫債務負担行為としてお願いし、そのほか、現実に当該年度において歳出化する必要があるものを当該年度の予算としてお願いする、こういう筋合いであります。
○吉田(賢)分科員 私の聞かんとするところは、当該年度において支出の見通しが立たぬ、当該年度においては契約のみを結ぶ、その契約を結ぶのか、あるいは支出するかということは、これはやはり当初の契約に基いておるものと思うのでありますが、今過去を振り返ってみると、三年越しに契約が完了しておらぬ、軍艦が完成しておらぬというのが実情なのであります。そういたしますと、やはり現実に支払うという予算については、できる限り制約をするということに、あなた方の増勢計画にかりに同調する場合においても、やはり過去の実績と現状を照らし合せて、支出を規制するという根本立場は私はとらなくちゃならぬものと思うのでございます。そこで、そういうふうに考えて参りますると、国庫債務負担行為というものと現実に支出を伴っております予算というものとには、特に防衛庁予算におきましては、両者を兼ね合せ考えて、いずれをとるべきかということは、非常に重要な事柄になるのじゃないかと思うのであります。今の三十一年度の計画につきましても、三十一年度支出の予算の編成をして、その年に発注をするという計画が一応なっておるけれども、これとても従来の実績によると、また年度末になってあわててやるか、あるいは翌年に繰り越していくかもわからないというのがどうも実情らしいのであります。そうであるならば、国庫債務負担行為というものをもっと拡大してお考えになってもよいのではないか。すなわち現実の支出を伴うという予算をなるべく切っていくということが困難ならば、あなた方のこの計画を是認する場合においても、私はそうあるべきではないかと思うのですが、それについて根本的なお考えをどう考えておられるか、一つ伺っておきたいのです。
○船田国務大臣 先ほど来政府委員から御説明申し上げておりまする通り、艦船の建造のようなものは相当時日を要しますので、これを三十一年度の予算において要求しておるような形式によりまして、現実に支払う分を現金予算の方に計上をいたし、他の後年度に残ります分を債務負担行為として要求申し上げるというこの形が最も適当であろうと考えます。
○吉田(賢)分科員 そこで問題は戻りまして、あなたの方の過去の繰り越しを一瞥してみたいと思うのです。防衛庁の繰り越し予算というものは、年々あまりにも目にとまり過ぎる。たとえばこれを二十六年についてみますると、歳出予算に対しまして繰り越し決算を見ると、四九%に上っております。二十七年度は四八%、二十八年度は四二%、二十九年度は三二%、こういうふうになっておるのであります。また歳出予算と繰り越し明許費の比率についてみましても、本年度におきましては、これを五百十四億円とするならば、歳出予算を千二億円といたしますと五割強になります。こういうふうに膨大な繰り越しが年々なされておるのであります。のみならず、この中からはまた莫大な不用額というものを、あなたの方としては出されているのであります。これは、ただに防衛庁のみならず、国の予算全体といたしまして今の大きな課題であると考えております。よって前々国会以来、大蔵大臣にも繰り越し予算、剰余金等につきましていささか質疑応答を繰り返してきたのでありますが、依然として何ら政府の予算編成の方針に改める跡を見ない、特に防衛庁におきましては全然その跡を見ないというのが、私の質疑せんとする理由なのであります。 そこで長官に聞きたいのでありますが、以上述べましたような防衛庁の予算、決算の実情から見ましても、二十六年から本年度へかけまして五割に近いものから最低で三割二分といったような繰り越しが行われているという実情を見ますると、これは当然反省を加えなければならぬと思うのです。あなたの方では、予算は使い過ぎては悪いが、使わないことはあるいはけっこうじゃないかというような議論もなさるかもわからぬ。もっとも賢明な船田さんですから、そんなむちゃなことはおっしゃるまいと思うけれども、そう言った国務大臣があるのですから……。私はほかの方面には触れておりませんが、今の三十年度の艦船の計画だけを見ても、年度末にならんとしてほとんど使われずに今日まで来ておるのであります。雑船の四千八百万円以外は何も使われておらぬというような実情であります。過去数年間、二十六年以降の事実に徴してみましても、こんなにむだな予算はお組みなさるな、こう言いたいのです。特に艦船の建造については、あなたの言うごとくに十年の空白もあるし、技術あるいは他のいろいろな事情も伴うし、相当の時間のずれがあるということを言明しておられる。相当の時間のずれがあるということ、年々莫大な繰り越しがあるということ 年度内に四分の一の消化しかできないような見通しといったようなことは、これは国会をばかにしたものといわなければならぬ。およそ予算が国会を通過して、使わないということは厳重に究明されなければならぬ。怠慢で使わないということであるならば行政府の大責任であります。もし事故によって使わないということであるならば、事故を尋ねていかなければならぬ。国民の税金は、要求だけ出しているのではありません。やはり一億円の予算を組んだならば、一億円の予算は執行してもらわなければならない。一億円の予算を組んで二千五百万円しか使わない。年々歳々そんなことを繰り返しておるということは、国会の議決権を何と思っておられるかと言わなければならぬ、国民の税金を何と思っておられるかと言わなければならぬ、防衛庁において最もはなはだしい。年々こんな膨大な繰り越しを繰り返していくということはもってのほかなんだ。私は、今艦船建造だけを取り上げているので、ほかの問題は取り上げておらないのです。本年度においてもわずか二十億円しか使えない。約六十億円が使い残りで、また来年に繰り越されていくということは、何としても大きな反省をしなければならぬ。反省をせぬで便々だらだらでいくということは、もってのほかのことだ、国会の審議はそういうことについてもっと厳密でなければならぬと私は思う。いいかげんに通って、ほおかぶりしてのんでいくというような習慣がついておるから、そんなことをなさるんでしょうか。そういうような事績にかんがみて、一定の割合は思い切って返上するというくらいにしなければならぬと思う。相当な金額がまた来年も繰り越し、再来年も繰り越し、当然そうなる。それでいいでしょうか。全然そうではなくして、百パーセント使用する見通しありというなら——あなたの今までの御説明では全然そういうことは得られません。時間もずれるし、供与の関係もあるし等々幾多の事情が述べられておる。設計にも手間取るし、ことに詳細設計になると造船屋の協力を求めなければならぬということを告白しておる。そういう事態であると、当然三十一年度の予算においても、相当額の繰り越しが事実される。繰り越しの明許ということは、法律に規定してあるのだから、法律によって許されておるのだからかまわんじゃないか、そういうことを予定しておるのだから、この繰り越し明許費というものに計上したのであると言うかもしれない。それだったら、国庫債務負担行為にしなさい。それなら、国民は税金を払わないでも済むのです。振りかえなさい。国庫債務負担行為ならば——契約すれば四分の一を支払わなければならぬけれども、それでも四分の三は助かる。使いもしないものを当然支出の伴う予算に編成していくということは、あまりにも筋の通らない予算の組み方ではないかと思うのです。どうお考えになりますか。
○船田国務大臣 ただいま吉田委員の御指摘になりました点につきましては、われわれも十分過去を反省いたしまして、予算の計上、予算の執行に万遺憾なきを期して参りたいと思います。ことに防衛庁の予算につきまして従来繰越額が多かったということにつきましては、私どもはまことに遺憾に存じ、その適正なる執行を期待し、また努力をいたしておるわけでありますが、過去の繰り越しの多かったということにつきましては、次に申し上げるような事情のあることも一つ御了承をいただきたいと存じます。 先ほども申し上げたことでございますが、防衛庁の予算の大宗は器材施設費でございます。器材費について申し上げますと、自衛隊の装備品で調達を要するものの大部分は、一般の市販の製品と異なりまして特殊の規格性能が要求されており、従来わが国で製作経験が乏しいために、これが調達に際しては規格の決定、仕様書の調整に慎重を期するとともに、少数の試作による性能試験の結果を見て発注するよう努めてきておるのであります。従って、これらの一括発注までの準備段階に相当の日時を要するため契約が遅延しておるというものが多いのであります。 次に、購入器材の中には輸入に依存するもの、たとえば航空機の修理部品、電子関係の部品、計器類等でありますが、これがたくさんありまして、これらは輸出国側の生産事情、輸入手続等のために不測の日時を要したという場合が多くございます。 それから艦船燃料及び航空機用油につきましては、その貯著施設の整備が用地の選定難のためおくれ、燃料油の貯蔵に間に合わぬために、契約はしたものの受け入れが遅延したというような場合が多いのでございます。 次に、技術研究所の試作品につきましては、その性質上、わが国においては未開拓の研究分野が多いために、その要求性能の決定及び設計に相当の長期間を要し、かつ試作過程においても、技術的困難が伴うため勢いその完成がおくれ、繰り越しを生じたというような場合がございます。 以上の要素に加えて、従来調達業務を担当する機関は各自衛隊に分散しておりまして、調達を一元的に行う調達実施本部はようやく一昨年七月に発足したような状況でありまして、このために調達担当職員の充実もおくれ、契約業務がややもすると円滞を欠くという傾向であったのでございます。 次に、施設費について申し上げますと、そのうちの施設整備費でありますが、演習場、航空基地、弾薬庫の用地選定にあたって、地元民の納得を得ることが困難な場合がたまたまありまして、また地元民の納得を得ても補償額、たとえば漁業補償等を含むものでございますが、それらの折衝に長間期を要したものが非常に多かった、また米軍施設の返還を受けてその活用を計画しておるものが、米軍側の事情によって返還がおくれ、従って工事の着手も遅延するというようなものがかなり多いのであります。 施設費の第二の、先ほど来御指摘になりました艦船建造費の場合でございますが、これもあらためて申し上げますと、第一には、防衛庁の艦船の発注は戦後の空白期間を置いて初めて開始されたものでありまして、このために要求性能の決定及び基本設計の作成に意外の日時を要したということがございます。 次に、新造艦の搭載武器の大部分は、米軍供与に期待しておるのでありますが、その引き渡しがおくれたために、船体等の細目設計が確定せず、契約が遅延しておるものが多いのであります。 なお艦船の建造費は相当多額の予算でありますので、業者の選定及び契約価格の決定に慎重を期したために、予想外の日時を要した、かようなことが過去の事実として指摘される次第ございますが、ただいま吉田委員も仰せられる通り、一銭一厘、これは国民の負担に待つものでありますから、今後におきましては、十分その点も検討いたしまして、誤まりなきを期して参りたいと考えておる次第であります。
○吉田(賢)分科員 ただいまのそういう抽象的なお話には、あまり役に立たぬのであります。装備局長にちょっと伺いますが、受注会社の造船所に詳細設計を協力せしむるという場合には、何らかの報酬を払うのですか、ただですか。
○久保(龜)政府委員 格別そのために報酬を払うということではございませんが、艦船建造の直接経費にいろいろ図面を作ったりする経費を見ておりますから、そういった中に人工として含めては考えております。
○吉田(賢)分科員 ある造船所の話によれば、一年前後も協力を要請せられて、ついに発注を受けなくなったので莫大な損害を受けたという会社もあるやに聞いているのであります。そこで会社に協力せしむるようなときに、何の代価も支払うことなくして、後日これを精算するとかいうようなことで民間営利会社を利用することは、穏当を欠くと思うのですが、いかがです。たとえば人間の労力、その他の物資などの経費が相当の負担になると思う。そういうものを支払うことなくして協力させるのですか。
○久保(龜)政府委員 ただいま御指摘がございましたように、私どもといたしましてはそういう事態の起りませんように、造船業者をできるだけ早く随意契約の方針のもとに指定いたしまして、その後協力させるということでございまして、随意契約の相手方にならない前に会社が便宜、早く申せば売り込みと申しますか、そういうことでカタログでも作って持ってくる、こういうようなことは、私どもとしては対象とする限りではなのじゃないか、私どもは、随意契約の相手方ときめました後に、特に会社側が特別の労力、資材を使うという場合には、その範囲内において適正に見る、こういうことに考えております。
○吉田(賢)分科員 随意契約の相手方にきめるということは、契約が成立したときじゃないですか。これは会計法の二十九条によって契約ができるのじゃないですか。どうです。
○久保(龜)政府委員 繰り返して申し上げます。内示いたしまして、そして数カ月後に随意契約をいたすわけでありますが、主として会社に協力を得ておりますのは詳細設計の部面でありまして、基本設計につきましては、ほとんど全部研究所でいたしております。詳細設計の段階はすべて契約ができまして後、主として協力を得ておるわけであります。
○吉田(賢)分科員 だけれども、あなたの当初の説明は、まず基本的な計画の概要があり、そして基本設計があり、しかる後詳細設計の段階においては、当該相手方になるべき造船会社の協力を得て行う、この段階においてはすでに長官の決裁を経ておる、そして契約の相手方に予定されておるものとの随意契約は、その後正式にする、こういうふうな順序に伺ったのではありませんか。それならば、あなたの方では詳細設計の段階で、意随契約の以前に詳細設計の段階があって、その段階において当該会社の協力を得ておるというふうに理解せねばならぬと思うのだが、どうなんですか。
○久保(龜)政府委員 会社の協力を受けるのは、主として詳細設計の段階であるというふうに申し上げたのでございます。基本設計の間でも、もちろん会社の違憲なり——図面を作らせるというよりも、製造工程について意見なりを聞くということはかなりあります。
○吉田(賢)分科員 随意契約はまだやっておらぬのでしょう。
○久保(龜)政府委員 内示しましただけで、随意契約は、正式には契約書はかわしておりません。
○吉田(賢)分科員 私の伺うのは、詳細設計において会社にいろいろと協力をさすということは、会社をただで使うのかというのです。
○久保(龜)政府委員 詳細設計の段階におきましては、契約はすでに正式に成立しております。
○吉田(賢)分科員 そうしますと、まだ詳細設計で会社の協力を得ておらぬというのですか、どっちなんです、はっきりして下さい。
○久保(龜)政府委員 吉田先生のおっしゃいましたのは、どの年度のものか私よくわかりませんが……。
○吉田(賢)分科員 三十年度のものです。
○久保(龜)政府委員 三十年度のものにつきましては、先ほど申し上げましたように、詳細設計の段階にまだ至っておりません。現在基本設計が完了に近い状態でございます。これについては、先ほど申し上げました会社の全般的な意見とか、そういったものはいろいろと開いております。
○吉田(賢)分科員 そうしますと、この基本設計は、いつ始めていつ終るのですか。
○久保(龜)政府委員 三十年度船につきましては、もちろん基本設計を始めましたのは予算通過直後ということになりますが、相当の人数をかけまして実施しましたのは昨年の秋の初め、九月ないし十月、そうして今日大体完了に近い段階にあるわけでございます。
○吉田(賢)分科員 あなたのさっきの説明では、詳細設計があって、しかる後契約をするのである、こういうふうに言ったので、私はあなたに、その詳細設計後の会社協力の状況を伺ったのであります。それは、随意契約が正式にできてからでないと詳細設計がないというのですか。
○久保(龜)政府委員 私の言葉が足りなかったと思いますが、基本設計の段階におきましても、できるだけ工程等についての会社の意見を聞きたいということと、一つには材料準備等の関係もありまして、私ども先ほどおしかりを受けましたように、できるだけ工程を進捗させたいという気持もありまして、なるべく早く会社を内定し、そして内示する、そうして基本設計の段階におきましては会社の意見を求める、そうして基本設計ができますれば、それに基いて概算契約をする。少くとも基本設計ができないと、概算契約といえどもできないわけであります。概算契約をいたしまして、それに引き続いて、こちらが主として会社の協力を受けて詳細設計をする、それについては会社に協力させる、こういうことでございます。
○吉田(賢)分科員 そうしますと、その概算契約というものは、相手方の造船所との間の造船契約の内容をなすわけですか。
○久保(龜)政府委員 さようでございます。
○吉田(賢)分科員 三十年度の分はいつできるのですか。
○久保(龜)政府委員 先ほど申し上げましたように、三月の中旬ないし下旬になるかと思います。
○吉田(賢)分科員 だんだん伺いましたが、大臣はいろいろ理由をお述べになりまして、繰り越しについては今後も規制するようなお話もあるのでありますが、本三十一年度の予算に繰り越し明許費として計上せられておりますものは、これは法律の根拠は何によるのですか。
○北島政府委員 財政法第四十二条におきまして、「繰越明許費の金額を除く外、毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用することができない。」とありまして、この四十二条の本文に根拠がございます。
○吉田(賢)分科員 ちょっと大臣に伺いますが、一体財政法の四十三条というのは、これはいろいろな障害がありまして、事故があったときに繰り越しを許されるべき規定なんです。こんなもので繰り越し明許費はないはずなんだが、この点どういうふうにお考えになったのでしょう。
○船田国務大臣 これは、財政法の規定によってそういう繰越明許費というものが設け得ることになっておるのですから、さようなことは差しつかえないと思います。
○吉田(賢)分科員 そうじゃないのです。私の聞いているのは、今聞けば四十二条だとおっしゃるが、四十二条の規定には、どこを見てもこの繰越明許費の根拠は出てこないのです。だからあなたに聞いておるのです、御承知でなければないでいいのです。
○北島政府委員 財政法第四十二条に繰越明許費というのがはっきり明定してありまして、それに基きまして、予算におきまして繰越関許費として御承認を願う、繰り越し得る費目につきましては、繰越明許費のところにはっきり明定して、その理由も書いてあるわけでございます。
○吉田(賢)分科員 そうではなしに、私が何ゆえにという根拠を聞いておりますのは、ここには「繰越明許費の金額を除く外、毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用することができない。」ということを明記してあるわけです。ただし書におきまして、年度内に措置をして、そしてやむを得ない事故があるならば、繰り越してもよい、こういう規定にすぎない。こんなものによってこの予算の、要求はできないはずなんです。
○北島政府委員 ただいまの先生のお話は、ちょっと私ども了解しかねる点があるのですが、財政法第四十三条におきまして、「繰越明許費の金額を除く外、毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用することができない。」こう書いてあります。繰越明許費は、逆にいえば、いいということになるのです。その財政法の規定が根拠になりまして、予算におきまして、繰越明許費として御承認になる、こういうのです。
○吉田(賢)分科員 そうじゃない、おわかりにならなければならぬでもいいのですが、そういうような繰越明許費というものについて、法律の精神を軽視せられて、幾らでも出したらいいというので予算を要求せられておるので、こういうようなずさんな結果を来たすのだろうと思う。財政法第四十二条が繰越明許費の根拠法であるというようなことは、どこを見たら出てくるのですか。このただし書きは、事故繰り越しの規定なんです。前段の繰越明許費以外は、年度独立の原則を守らなければならないという規定なんです。
○北島政府委員 先ほどの説明がちょっと足りませんので、補足申し上げます。財政法第十四条の三に「歳出予算の経費のうち、その性質上文は予算成立後の事由に基き年度内にその支出を終らない見込のあるものについては、予め国会の議決を経て、翌年度に繰り越して使用することができる。」「前項の規定により翌年度に繰り越して使用することができる経費は、これを繰越明許費という。」これが第一の根拠法規でございまして、それをあげまして、さっきの四十二条は、多少これはわきのものであります。この十四条の三に基きまして、三十一年度一般会計予算総則の第3条におきまして、「財政法第14条の3の規定によって、翌年度に繰り越して使用することができる経費は、別冊丙号繰越明許費による。」こういうふうに国会におきまして御審議を願うことになっております。
○吉田(賢)分科員 十四条の三のどの根拠によってこの繰越明許費を御要求になるのですか。
○北島政府委員 財政法第十四条の三におきましては、「その性質上又は予算成立後の事由に基き年度内にその支出を終らない見込みのあるものについては、」とありまして、こういう条件のもとに、大体そういうおそれのある経費につきまして、繰越明許費として国会に御審議を願うわけです。
○吉田(賢)分科員 そうすると、年度内に支出が終らないおそれがあるので、繰越明許費として要求した、こういう御答弁なんですか。
○北島政府委員 さようでございます。
○吉田(賢)分科員 年度内に支出が終らないおそれがあるというのは、最初からそういうことを考えて、予算を要求する当初から、年度内に支出が終らないおそれがあるということを織り込んで考えられておるのですか。
○北島政府委員 予算の建前といたしましては、会計年度独立の原則によりまして、当該年度において計上いたしました歳出予算は、当該年度において使用するのが原則でございますが、この原則だけでは国政の運用の全きを期することができませんので、経費の性質上、翌年度に繰り越ししなければならないようなおそれを生ずる経費がございます。そういうものにつきましては、あらかじめ繰越明許費として国会において御承認願う。そういうあらかじめ繰越明許費として御承認願ってないものにつきましては、財政法の事故繰り越し等の規定に基き翌年度に繰り越し使用する、こういう建前でございます。
○吉田(賢)分科員 それでは、あなたの答弁が混雑してしまっている。一体これは、その年度内に使用することのできないおそれがあるということが根拠なのか、それとも何か事故があったら繰り越しますというつもりなのか、あるいは本来この予算自体が年度内に使用できないという性質を持っておるというのか、そこをはっきり言うて下さい。
○北島政府委員 あらかじめ当然その年度内に使用することができないと見積られるものにつきましては、場合によりましては、国庫債務の負担行為によりまして、財政負担行為だけを当該年度において行う方がいいのでありますが、大体当該年度において支出予算として必要であろうという金額を一応見積りましても、しかしその中におきましては、場合によりまして、先ほど来御説明いたしましたように、器材費等につきましては、当初の規格、要求性能の決定には相当ひまどるということも考えられますので、繰り越し明許の承認を経ておかなければならぬ必要が生ずるわけです。そういうおそれのあるものにつきまして、繰趣明許費として国会の御承認を願うというわけであります。
○吉田(賢)分科員 どうもわからぬのですが、最初は四十二条でできると言い、次に言葉が足りなかったからと、十四条の三によると言い、そしてその説明として、年度内に支出を終らない見込みがあるからと言い、あるいは予算の性質上繰り越し明許を必要として計上したと言うのだが、あなたがおっしゃろうとする根拠は一体どこにあるか。法律はちゃんとあるのですから、法律によらずして予算は編成できないのです。何によって繰越明許費を計上せられておるのかということを一つお答え願いたい。
○北島政府委員 繰越明許費の根拠につきましては、先ほど来御説明いたした通りでありまして、もちろん法律で「歳出予算の経費のうち その性質に又は予算成立後の事由に基き年度内にその支出を終らない見込のあるものについては、」という条件がございます。今回昭和三十一年度の予算におきまして、防衛庁関係において繰越明許費として御承認をお願いいたしておりますのは、器材費、運搬費及び艦船受取外国旅費で、器材費につきましては、先ほど来申しましたように非常に多くの内容を含んでおります。運搬費につきましては、これは主としてMDAPによりまして米国から供与される資材等の運搬費であります。これは、一応当該年度にくるとは見込んでおりましても、MDAPの供与がおくれることも往々ございまして、その場合におきましては、やはり繰り越し明許費として御承認願っておかないと工合が悪いので、運搬費もお願いしております。艦船受取外国旅費、これも艦船の受け取りのために必要な経費でありますが、MDAPの供与の遅延によりまして、場合によってその年度内におきまして使用しないおそれがあるという場合もございますので、この三つの経費につきまして、さらに防衛庁の施設費、先ほどの艦船建造施設整備費、こういう防衛庁関係の施設につきまして、性質上どうしても当該年度に支出することができないおそれがあるというので、繰り越し明許費としてお願いいたしてあるのでございます。
○吉田(賢)分科員 問答を明確にするために、施設費に限定しますが、一体これは、第十四条の三の予算経費の性質上というのか、あるいはまた年度内に支出を終らない見込みがあるというのか、いずれによってこれをなさろうとするのかを一つはっきりしてもらいたい。
○北島政府委員 艦船建造費につきましては「その性質上又は予算成立後の事由」両方がその根拠になるかと思います。これも先ほど来御説明いたしましたように、十年の空白がございますので、設計がなかなか予定通りいかない場合があります。それはあるいは性質上といえるかもしれません。それから設計せられておっても、またあとで当初の見込みが食い違ってきたというような場合におきましては、予算成立後の事由に基くということがいえるかもしれませんが、これについては、両方の意味があるかと存じます。
○山本主査 ちょっと吉田委員に相談します。まだ長いようでしょうか。だいぶおなかがすいてきたので、休憩して午後に譲りたいと思いますが、いかがでしょう。
○吉田(賢)分科員 今の質問は施設費に一応限定しますが、防衛施設費は、予算経費の性質上並びに年度内に支出が終らない見込みがある、両方だということでいいのですね。そういたしましたら、なおさら、これは、支出を伴う予算に編成することは穏当を欠くと思うのです。ここは一つ大臣にはっきりしてもらいたいのです。あなたの方は、国庫債務負担行為に上し、あるいはまた支出を伴う予算として、ことに予算の繰越明許費に計上したのには、両方相当明確な根拠を持って区別されておるものと思う。今の経理局長のお話によりますと、年度内に支出ができないおそれがあることは明らかです。そんなものを、支出を伴うことを必至として予算をとるのはどういうわけですか。支出の終らない見込みがあるものを、支出を必至とするとして予算を要求するのはどういうわけですか。そんなものは契約だけでいいではないか、こういうのでありますが、ここは一つこまかい技術的な問題と考えずに、やはり国会に対して予算の審議を求めておる長官の立場として、国務大臣として、一つしっかりとした答弁をしておいてもらいたい。
○船田国務大臣 財政法の第十四条の三に「歳出予算の経費のうち、その性質上又は予算成立後の事由に基き年度内にその支出を終らない見込のあるものについては、予め国会の議決を経て、翌年度に繰り越して使用することができる。」こういうことになっておりまして、ただいま吉田委員の御指摘になりましたような点は、結局国会の議決を経てということでございますから、国会の御判断によって御決定を願う、こういうことになると思います。
○吉田(賢)分科員 予算が国会の議決を経ることは、国会の議決を経ずに予算が成立することはないのですから、そんなことはわかっている。私の聞いているのはそうではなしに、どういう理由による繰り越し明許費かということです。この予算が施設費に限定した場合、その予算の性質上並びに年度内に支出ができないから要求した、これが理由だというように経理局長がお述べになるから、あなたの方は、予算の支出を伴うことのないものについては、国庫債務負担行為によって、百五十数億円の国庫債務負担行為をなし得るところの権限の付与を要求せられているから、それでいいではないかというのです。年度内に支払う見込みがないものを、何ゆえ膨大な現実の支出を伴う予算要求ををなさるか、こういう意味です。だから、この法律によって、予算が国会を通過して初めて繰り越し明許費になるのだなどということはわかり切っているのであって、法律の解釈並びに予算審議権が国会にあるかないかということを聞いているのではない。この要求せられている経費の予算繰り越し明許の根拠が、性質上並びに年度内に支払いの終らない見込みがあるとおっしゃるから、年度内に支払う見込みがないものについては、これは国庫債務負担行為で契約権だけをお持ちになったらよいのではないか、現実の支出を伴う予算は必要ないではないか、これを聞いておるのです。
○船田国務大臣 先ほどから経理局長の御説明申し上げていることではっきりしていると思います。十四条の三というものを根拠にして提出しておるのでありまして、それが適当か不適当かということについては、国会の御判断に待つ以外にないと思います。
○吉田(賢)分科員 法律上の解釈を求めておるのではないのであって、事由の適正やいなやについて御答弁を求めておるのです。年度内に支出を終らない見込みのあるものならば、国庫債務負担行為でよいのではないか。国庫債務負担行為というのはそういうものですから、なぜ現実の支出を伴う予算を要求なさるのかということを聞いておるのです。
○北島政府委員 もちろん年度内に支払う見込みのとうていございませんものは、歳出予算として計上すべきものではございません。防衛庁におきましても、計画を立てまして、艦船につきましては、大体こういうような進行状況でいくであろうという想定を立てまして、当該年度内において支出の見込みがあるものを歳出予算として計上する。当初から歳出予算化する必要のないものは、国庫債務負担行為としてお願いしておるわけです。しかしそうは申しましても、一応当該年度において歳出されると思いましても、事柄の性質上、あるいは予算成立その他の事情に基きまして、何らか遅延することもあり得るわけであります。そういう場合におきましては、繰り越し明許費といたしまして、国会の御承認を得ました費用は、その規定によりまして翌年度において使用いたしたいのでございます。当初から全然支出する見込みがないものにつきましては、防衛庁におきましても、もちろんこれを予算として計上はいたしておりません。
○吉田(賢)分科員 それならば、あなたは予算成立後の事由に基いて、年度内に支出が終らない見込みのあるものという、そういう理由は撤回されるのですか。
○北島政府委員 私は先ほど申し上げたことを、撤回する必要はないと考えております。
○山本主査 どうですか、だいぶ議論になったように思うのですが、もう一時になりますから、昼飯でも食って、休んでからやったらどうですか。
○吉田(賢)分科員 けっこうです。
○山本主査 それでは二時から再開することにいたしまして、暫時休憩いたします。 午後零時五十二分休憩 ————◇————— 午後二時二十分開議
○山本主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を継続いたします。吉田賢一君。
○吉田(賢)分科員 午前中の質疑の点について結末をつけたいと思いますが、財政法十四条の三の「その性質上又は予算成立後の事由に基き年度内にその支出を終らない見込のあるもの」という問題につきましては、結局繰越明許費はどの理由によるということになるわけですか。
○北島政府委員 午前中の御質問を拝承いたしますと、どうもよく読みますと、財政法第十四条の三の読み方の問題であろうと思います。「歳出予算の経費のうち、その性質上又は予算成立後の事由に基き年度内にその支出を終らない見込のあるものについては、」とありますが、これを正確に読みます場合には、おそらく終らないおそれのあるものと、こういうふうに読むべきであろうかと思います。そうでないと、支出を終らないものについて繰り越し明許というのはおかしいわけです。支出を終らない部分につきましては、その当該年度の予算に計上する必要はないわけであります。その性質上または予算成立後の事由に基き、年度内にその支出を終らないおそれのあるもの、こんなふうにお考えいただきますと、御了解願えるのではないかと存じます。一応予算的には、順調に参りますれば、当該年度内に支出を終るというふうに計画いたしましても、あるいは経費の性質上、たとえば米国からの供与のMDAPの兵器がおくれましたために、艦船の竣工がおくれるというようなことは、こちらの方としては何ともいたし方がないのでございまして、経費の性質上そういうことがあり得るわけであります。普通はよく打ち合せをいたしまして、いつごろ来るという予定は立てまして、それに基いて竣工計画を立てるのでありますけれども、MDAPそのものにつきましては、時期が往々にして当初の見込みと食い違いがあることが多いのです。そんな事情によりまして、一応当該年度におきまして支出を終るという見込みがありましても、経費の性質から申しまして、支出を終ること必ず確実であるとは言いがたい、場合によっては繰り越しを生ずるおそれがあるかもしれない、こういうものにつきまして繰越明許費という制度が設けられておるのでありまして、そういう趣旨でお読みいただきますと、この法律の解釈がわかるのではないかと思います。
○吉田(賢)分科員 法律の解釈を聞くんじゃなくて、繰越明許費として国会に議決を認めておるその法的根拠を聞くことになるんです。あなたの御説明によると、当初は四十二条によりと言い、それからさらに十四条の三ということになりました。これは十四条の三が正しいのでありますが、そこで十四条の三のうちで、この「経費のうち、その性質上又は予算成立後の事由に基き年度内にその支出を終らない見込のあるもの」だから繰越明許費として計上したという御説明なんです。そこで、それならば年度内に支出の終らない見込みがあるという理由がある以上は、何を好んで現金支出の伴う予算に組みなさるのか。年度内に支出の終らない見込みのあるものは、この第十五条の一項によりまして、国会の議決を経べき国庫債務負担行為になるわけですから、どうしてそれをしないのか、これが私の質疑の要点なんです。
○北島政府委員 その点につきましても、午前中御説明申し上げたかと存じますが、画計を立てまして、当該三十一年度において支出を終る見込みのないものにつきましては、もちろんこれは、厳密に申しまして国庫債務負担行為に計上すべきものでございますから、内容を念査いたしまして、三十一年度にはとうてい支出に至らないというものにつきましては、国庫債務負担行為で御承認をお願いしている。しかしただいまのところ、計画を立てまして、この程度ならば支出ができるであろうというものにつきましては、予算として御承認をお願いするわけでありますが、ただ経費の性質上から申しまして、場合によりますと年度内に支出を終らないことがあり得ると予想される性質の経費でございますので、こういうものにつきましては、あらかじめ繰越明許費として、費目を指定して御承認をお願いしておるわけであります。もちろん予算の計上に当りまして、とうてい支出されないであろうところのものをみだりに予算に計上しておるわけではございません。
○吉田(賢)分科員 これは一応この程度にとどめておきます。あなたとは議論がぐるぐる回りをいたしますから、議論はしたくないのです。 そこで、これは予算編成の責任者に問わなければいかぬので、事務当局では困りますから、永山さんに一ぺん聞きたいのですが、予算を作成されるのに、あなたの庁においては、ある費目を項にし、ある費目を目にするということは、どこでおきめになるのでございますか。
○永山政府委員 経理局長から答弁さしていただきます。
○北島政府委員 予算の編成に当りましては、もちろんあらかじめ大蔵省当局とよく打ち合せまして、政府としてただいま御提案いたしておりますような項でお願いいたしておるわけでございます。お尋ねはおそらく、防衛庁におきましては、大きな予算であるにかかわらず、項が二つだ、防衛庁という項と防衛庁施設費という二つの項になっておりますが……。
○吉田(賢)分科員 それはわかっておるのです。行き過ぎた答弁をしなくてもよろしい。まだ問題はほかにありますから、まずあなたの方の内部機構から聞きたいのです。予算作成について、大蔵省へ予算の要求を、財政法の第十七条の二項により、各省大臣が毎会計年度、その所掌にかかる歳出の見積りに関する書類を作って大蔵大臣に送付するとなっておりますが、内部機構はどうなっておるのですか。
○北島政府委員 大体各省と同じでございます。予算編成の時期になりますと、各原局からそれぞれ要求が出て参ります。もちろん原局から要求が出ます前に、防衛庁といたしましては、来年度の業務をいかに計画すべきかという点につきまして、大どころの庁議を開きまして、その方針にのっとりまして、陸上幕僚監部、海上幕僚監部、航空幕僚監部等、それぞれの幕僚監部付属機関におきまして、長官の決定いたしました業務計画にのっとりまして、その経費の積算を経理局に出して参ります。経理局におきましては、さらにこれを念査いたしまして、全体の体系を整えてこれを大蔵省に提出いたしておるわけでございます。もちろん各省と防衛庁長官が……。
○吉田(賢)分科員 項はどこできめるかを言ってもらえばいいのです。
○北島政府委員 項は、結局政府提案の予算案でございますので、最後的には政府で御決定になって、そして国会に提案になるわけであります。経理担当の省でありますところの大蔵省と防衛庁においてよく打ち合せまして、科目をきめるわけであります。
○吉田(賢)分科員 そうじゃなしに、まず第十七条によって、防衛庁は大蔵大臣に見積りに関する歳出の書類を作らなければならぬ。その場合に、項はどこでおきめになるのか。つまりあなたの方の長官がきめるのか、あなたがきめるのか、それともあなたのほかの部下がきめるのか、幕僚会議がきめるのか、それはどこがきめるのかというのです。あなたの方自身として、大蔵大臣が何をするかを聞くのじゃないのですよ。
○北島政府委員 科目の問題につきましては、もちろん防衛庁限りできまるべきものではございません。大蔵省に予算を要求いたしまして、大蔵省とよく打ち合せた上で政府原案ができるわけでございます。もちろんそれにつきましては、私の方からも希望を出しまして、科目につきましてのいろいろな考え方を大蔵省に申し入れます。結局は、大蔵省とよく協議をいたしまして、そうして政府原案ができ上るわけであります。
○吉田(賢)分科員 政府原案ができ上ることを聞くのじゃないのです。まず政府の内部においての予算作成の作業の順序を聞くのであります。そうすると、防衛庁みずからはその所掌にかかる歳出について、項も目も予定することなしに大蔵省へ書類を送付するのですか。
○北島政府委員 それは、一応防衛庁としての考え方をもとにいたしまして大蔵大臣に送付いたしております。
○吉田(賢)分科員 その防衛庁の考え方をもとにすると、その考え方の内容、趣旨としまして項を作るのですか。それともないのですか。
○北島政府委員 予算書には、ごらんの通りに防衛庁と防衛庁施設費と二つの項がございます。
○吉田(賢)分科員 そうしますと、こう伺えばいいのですね。防衛庁の予算に上っておりまする防衛庁、それから防衛庁施設費の項は、防衛庁みずからが一応きめて、そして書類にして大蔵大臣に送付する、こういうふうに了解していいのですか。
○北島政府委員 御理解の通りでございます。
○吉田(賢)分科員 そこで聞きますが、それならあなたの庁で、これは一応責任をもって区別してもらえるのだが、この予算の区別について、項と目がありますが、この項と目との区別は何を基準にされるのでありますか。
○北島政府委員 財政法の規定にございますように、項間におきましては費目の流用はできません。ですから、費目を全然流用させない場合におきましては、それは項に分けるべきであります。それから目につきましては、財政法に規定がありまして、大蔵大臣の承認を経るにあらざれば流用することができないというふうになっております。一応は目として何がしかの金を計上いたしましても、目間におきましては、大蔵大臣の承認を経まして流用することが可能であるわけであります。項につきましては、これはいかなる処置を講じましても、流用ということはできないわけであります。
○吉田(賢)分科員 それは項と目との財政法上における可能の問題で、項と目とについて流用の可能、不可能の働き方、作用をお話しになっているのですが、私が聞くのはそうじゃないのです。実質的に項と目とを区別なさるのは何を根拠にして、何を基準にしてなさるのですか、実質的にそれを聞いておるのです。おわかりになりませんか。大臣がお見えになりましたが、こういう問題について質疑をしているのです。今経理局長の御答弁によりますと、大蔵省に予算要求の書類を送付する、その際にあなたの庁内においてある費目を項にする、ある費目を目にするということを決定して大蔵省へ送付する、こういうことをお伺いしているのです。 そこで続いてお伺いしたいのは、しからば項と目との区別の基準を何に置きなさるか、こう質問している、今の答弁は、それは目なら流用ができるので、項なら流用ができないのでということですが、その作用を聞くのではない。区別の基準を何に置くのか、やはり区別の基準をみずからきめておかなければ、庁内において目と定め、項と定めることができないのでありますから、その実質的基準を明らかにしていただきたい。
○北島政府委員 防衛庁におきまして、項を防衛庁、防衛庁施設費の二つに分けておりますが、その大体の考え方といたしましては、ごらん下さるとわかるように、防衛庁施設費の方は、固定資産的なものにつきましてこれを施設費として計上いたしております。人件費、あるいは普通の庁費、あるいは動産的な経費につきましては、防衛庁の項に計上いたすことにいたしております。
○吉田(賢)分科員 今の政府の御答弁は、ちょっと理解しにくかったのですが、固定資産的な経費を防衛庁施設費にし、人件費的なものを防衛庁、そうおっしゃるのですか。
○北島政府委員 防衛庁施設費は、この説明にございますように、「防衛庁の任務の遂行に必要な営舎、学校、倉庫等の新設および改修、港湾施設、燃料貯蔵施設、通信施設、飛行場施設等の整備ならびに訓練場等の取得に必要な経費」といたしまして、大体におきまして原則として固定資産的なものであります。これに反しまして防衛庁に計上いたしましたのは、ここにもございますように、ただいま人件費とおっしゃいましたが、人件費だけではございません。人件費及び事務費のはか、ただいま申しました固定資産的なもの以外のものにつきましての項を防衛庁に計上いたしております。財政法二十三条にもございますが、「歳入歳出予算は、その収入又は支出に関係のある部局等の組織の別に区分し、その部局等内においては、更に歳入にあっては、その性質に従って部に大別し、且つ各部中においてはこれを款項に区分し、歳出にあっては、その目的に従ってこれを項に区分しなければならない。」こういう規定がございます。この考え方によりまして二つの項に分けております。
○吉田(賢)分科員 二十三条には必ずしも明確に出ておらぬのでありますが、私が伺いたい点は、項と目との区別の標準はどこに置くか、そういうことであります。今の固定資産的なものが施設費となるというのならば、それは施設費は項でありますから、目は何をさすのか、こういうことであります。
○北島政府委員 項は大別でございまして目はその細別でございます。
○吉田(賢)分科員 大別とか細別とかいうような、そういう抽象的なことでもちょっとわかりかねる、何からが大になるのですか、たとえば金額で大になるのですか、何からが細というのですか、それがはっきりしない。
○北島政府委員 その点につきましては、主として経費の性質及び目的によりまして、目の区分がされておるわけです。たとえば防衛庁施設費という項におきまして、それが施設旅費、施設事務費、それから施設整備費、艦船建造費というふうに、その目的、性質によってさらに区分されておるわけであります。
○吉田(賢)分科員 目的、性質によってさらに区分する、その前に、目的、性質によってさらに区分する以前の大と細とはどこに標準があるのか、大が項で細が目、だから大は金額でいくのかどうするのか、こういう疑問が起ってくるわけです。これは何でもないような、つまらぬ問答のようにお考えになっちゃいけません。やはり予算の執行上重要な関連を持つ点なんですから、これは相当はっきりと、あなた自身もこの問題についてはつかんでおいてもらわなければいかぬと思うのです。大と細をはっきりして下さい。
○北島政府委員 先ほどから御説明いたしましたように、項の全体の金額をさらにその目的に従って目に分けて細分いたしております、これは必ずしも金額の大小ということじゃなくて、支出の目的、性質による区分が主でございます。
○吉田(賢)分科員 もう少し問題に対して的確に御答弁願いたいのですよ、あなたは、私が項と目との区別の基準をどこに置きますかと言ったときに、大は項とし細は目とする、こうおっしゃった。しかし大といい細といい、それでははっきりしませんから、大とは何ぞや、金額で大をきめるのか、金額で大をきめるとしたら、およそ何ほどが大となり何ほどが小となるのか、一円が小で百億円が大というのか、どこかそこらに目安がなければならぬ、目安を聞くのです。項をさらに細分して目にしますという、それは答弁にならぬ。それは当りまえのことだ。項を細分して目にします。月を割って日にします、日を割って時間にします、それと同じことで、そんなことを聞くのじゃない。何を項とし何を目とするか、大を項とし細を目とするとおっしゃったから、大小の基準はどこに線を引くのか、どこに目安を置くのですか、こういうのです。そこをはっきりして下さい。
○北島政府委員 それは今まで御説明申し上げたことで御了承願えないかと思うのでございますが、もう一ぺん繰り返して申し上げます。 防衛庁におきましては、先ほど申しましように、固定資産の取得等固定資産的な経費を防衛庁施設費においてまず大別いたします。その他の経費を防衛庁の項に分けております。そしてその項の内容を、さらに申し上げましたように、経費の性質、目的に従って目に分けてあるわけであります。
○吉田(賢)分科員 そうすると、あとの御答弁の大とか細は、もうなくなったのですか。
○北島政府委員 大とか細とか申しましたのは、項の細分が目だ、こう申し上げたのでありまして、項の下に目という科目があるわけであります。金額の大小ということは、私先ほどから申し上げたことがないように思っておりますが、もし申し上げましたら、それは間違いでございます。経費の目的、性質に従いましてまず項に分けて、その項の金額をさらに経費の目的、性質に従って、各自に分けておるわけでございます。
○吉田(賢)分科員 これは一つ大臣に聞きますが、項とか目とかを区別するということは、別にあなたは関与せず、下僚にまかせておいて、えらい大事なことじゃないというふうになっておるのでしょうか、それはどうなんですか。
○船田国務大臣 ただいま経理局長がたびたび御説明申し上げている通り、大臣もこれを認めて予算要求を提出いたした次第であります。
○吉田(賢)分科員 それでは伺いますが、以前の日本の海軍時代には、艦船建造というものは、重大な費目として項になっておりましたことは御承知と思います。百億円に近い艦船の建造費を細分の目にするということは、どういうわけですか。目にいたしますると、御承知の通りに財政法の三十三条によりまして、流用ができるわけなんであります。彼此流用ができまして、言いかえると、防衛庁内部でどうでもできるのです。自在に金を使えるのです。百億円に近い大きな予算を、そういうような扱いをされるような中に入れるとは一体どういうわけなんでしょう。今概念的に、固定資産的なものとかいうような御説明になっておったが、それでは説明にはならぬ。やはりこのところはもっと性格を明らかにして、流用あるいは移用などを厳禁しておりますような、そういう法律の趣旨を十分にくまなければいかぬと思う。何ゆえこれを項に引き上げることをしなかったのですか。これを一つ大臣に伺っておきたいと思います。
○船田国務大臣 現在の予算書に出ておりますのが、私は適当と考えております。それのいい悪いの御判断は、国会において十分御審議を願いたいと思います。
○吉田(賢)分科員 いい悪いの判断をすることは当然でありますけれども、やはりあなたの方として、これを項にすることをあえてせずして目に落しておる。目は自由に流用ができるような費目になっておる。なぜこんなに軽視なさるのかということについて、あなたの御意見を聞くのであります。国会の審議で可否を決する、そんなことはあなたに教えていただかぬでもわかっておるのであります。あなたの御意見を聞くのです。目にすれば自由に流用ができるということは、財政法が認めておる。八十億円もの金を目に落しておるということは、実に財政の編成について、こういう費目を軽視するゆえんでないかと思うのですが……。
○船田国務大臣 予算書のうちにありまする項が大切で、目が大切でないなどということを考えておりません。私はたびたび申し上げておりまする通り、一銭一厘たりとも、これは国民の血税による大切なお金でありますから、これを十分に効果的に使うという頭で予算も編成をし、そうして国会に御説明を申し上げておる次第であります。それ以上のことにつきましては、国会において自由に御審議を願うという以外に私も言いようはございません。
○吉田(賢)分科員 これはまた大へんな御発言になるのでありますが、あなたはよく御承知の通り、国会に審議を求めておるのは項だけなんですよ。目は審議を求めないのです。でありまするから、この項につきましては議決科目と称しておるし、目は行政科目であることは、私が申し上げるまでもないことなんです。だから項が大切であり、目が大切であるかいなやというような、そんなことではなしに、国会に審議を求めておるのは項なんであります。国会の議決を求めておるのは項でありまするから、従って重要な費目につきましては、国会の議決を求めるということをしなければならぬ。もっと極端に言いまするならば、目については、あなたの方においては、ある程度まで国会において明らかにする義務はないのであります。それは項が明らかになっておればいいということなんでありまするが、今のところいろいろな参照の書として必要なものをお出しになっておるだけでありますけれども、要するに国会の議決を求めるのは硬なんです。だから重要な費目は項にしなければならぬということは当然なのです。一銭一厘たりとも適正に使うことを期しておりますことは当然なことであります。こんなことを聞くのじゃないのであります。予算というものがやはり項と目と区別して、項以外には、目についてはあえて国会の議決が要らないという観点からすれば、重要な費目については、当然項に上せて国会の審議にゆだねていかなければならぬと思います。議決の対象にならぬ目に重大な経費がひそんでおって、流用可能なものになっていくというようなことは、予算乱用の危険があるわけです。そこを私は申し上げるのです。これに対して、あなたは御見解がなければならぬと思う。何ゆえこれを項になさらぬか、こういうことなんですよ。理由を一つ述べて下さい。
○船田国務大臣 私は現在提出しておりまする予算の項目の分け方が適当であると考えます。また艦船建造費をよそから流用したりするようなことはございませんし、目であるから勝手に使ってよろしいというようなことは毛頭考えておりません。またこの艦船建造費等につきまして、従来流用したこともありませんし、またこれを流用するような場合におきましても、もちろん大蔵大臣の承認も得なければなりませんので、決してそれを軽く見ておるという趣旨ではございません。
○吉田(賢)分科員 それならば、これらの施設費のうちの艦船建造費をやはり進んで項にあげて、その内容を十分に国会において検討するということが私は正しいのではないかと思う。幾ら目にあげておありになっても、それは資料を要求すれば出さなければならないし、説明を求められればしなければならないし、問われれば答えなければならぬということになるのでありますから、これはやはり一歩進めて、項に引き上げて、そして十分に国会の審議の対象にするというふうに前進しなければいかぬと思うのです。長官はいかがにお考えになりますか。
○船田国務大臣 現在の予算の提出項目が適当であると私は考えております。
○吉田(賢)分科員 それはそれくらいにしておきましょう、ぐるぐる回りになりますから。 別の問題に移ります。事務当局にまず伺っておきますが、あなたの方の全体の予算計画におきまして、人件費についてでありますが、増勢計画等についても、陸海空自衛隊、いずれも人員の増加が行われるようでありますが、平均いたしまして、一人当り何ほどということが基準になって積算されたのでありますか。一人当り一日、一カ月もしくは一年、どちらでもよろしゅうございますから、お答え願いたいと思います。
○北島政府委員 まず昭和三十一年度予算をそれぞれ陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊に分けまして、これを一人当りに割ってみますと、どのくらいの金になるかというお尋ねであろうと思いますが、まず陸上自衛隊につきましては、一人当り維持費は、三十一年度予算におきましては二十八万九千七百円でございます。これは年間でございます。海上自衛隊におきましては二十九万四千九百三十三円、これに艦船に伴う器材費を入れまして一人当りで割りますと、五十四万三千九百円ということに相なります。それから航空自衛隊におきましては、航空自衛官一人当りの維持費が、器材費を除きますと二十八万五千九百円、器材費を入れますと六十九万七千六百円、大体こういう金額になっております。
○吉田(賢)分科員 器材費と申しますると、もう少し具体的に言えば何と了解すればいいのでしょうか。
○北島政府委員 海上自衛隊におきましてかりに器材費を加算いたしまして割りますと、五十四万三千九百円と申しましたが、その器材費とは、艦船の修理費、運航費、航空機関係の修理費、燃料等であります。それから航空自衛隊におきましては、器材費を加算して六十九万七千六百円、その加算いたします器材費は、航空機の維持費を一人当りで割ったのであります。
○吉田(賢)分科員 それぞれ陸海空の計算が出ておりますが、これは物価はいつを基準にした計算になっておりますか。
○北島政府委員 人件費につきましては、御承知の通り一人当りの単価はそれぞれきまっております。それから維持費につきましても、一人当りの維持費がきまっておりますが、大体におきまして、昨年予算編成当時の物価をもととしまして、三十一年度は物価が横ばいという想定のもとに予算が編成されているわけであります。
○吉田(賢)分科員 その単価を言って下さい。
○北島政府委員 単価と申しましても、実に多くのものがございますが、御質問によりまして、どの単価はどうなっているかということでございますれば、さらにお答えいたしたいと存じます。
○吉田(賢)分科員 その点は、時間を省略するため書類にして詳細に当委員会にお出し願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○北島政府委員 できるだけ御趣旨に沿いまして、資料を提出いたしたいと思います。
○吉田(賢)分科員 できるだけ早くして下さい。 それから次に、需品の調達問題について少し伺ってみたいのですが、概数でよろしいのですが、需品調達について随契、競争入札等の金額の割合、去年と本年の昭和三十一年度予算につきましては、大体どのくらいの積算がされているか、それをまずお伺いいたします。
○久保(龜)政府委員 ただいま正確な資料を持ち合せておりますのは二十九年度ですから、その契約の方法で申し上げますと、一般競争と指名競争と随意契約、こういうことになるのでございます。総契約件数は、二十九年度で四千四百八十件、そのうち一般競争にいたしましたのが四百六十一件、指名競争千九百五十三件、随意契約二千六十六件、ただしこの随意契約のうちには、当初一般競争もしくは指宿競争でやりまして、不調のために最後に随意契約になりましたのが八百二十九件ございます。三十一年度につきましては、大体契約の方針について特別変った事情もございませんので、今のところ数字的に申し上げるわけには参らぬと思いますが、大体同じような割合をたどるのではないかと考えております。ただ金額的に申し上げますと、三十年度、三十一年度は航空機の生産、ことにジェット機生産の開始の段階に至りましたので、これが随意契約として、件数では大したことはございませんが、金額としては、かなり前年度よりは随意契約の割合が上回るのではないかと思っております。
○吉田(賢)分科員 二十九年の件数はすでに明らかになっておるのだから、大体の概数でよろしいが、三十一年の随意契約の総額、これらの裏づけの金額はどれくらいになるでしょうか。
○久保(龜)政府委員 二十九年度の金額でもって申し上げますと、一般競争——これはお断わり申し上げておきますが、中央調達のものに限っておりますが、一般競争は七億九千九百万、それから指名競争は五十一億九千万、それから随意契約は百七十六億三百万、合計いたしまして二百三十六億、かように相なっております。そのうち、先ほど申し上げました指名競争から不調のために随意契約になりましたのが三十四億ございます。三十一年度の数字につきましては、先ほど申し上げましたように、契約別に具体的に数字を申し上げる資料は、現在持ち合せておりません。
○吉田(賢)分科員 三十一年度は三十九年度と同様に、一般競争入札、指名競争入札、随意契約と区別して推計でき得る数字を、なるべく早く資料として、これを当委員会にお出し願いたいと思います。これは、一つ御依頼申し上げておきます。 それから随意契約になすことは、これはあなたの方で、すでに数年間の実績に徴してみても大体はわかるはずです。昭和三十一年に随契によって需品を調達するものは、どれくらいの金額になるかということは、大体おわかりになるだろうと思いますが、これはぜひ申していただきたい。
○久保(龜)政府委員 今吉田委員の仰せになりました、三十一年度の大体の随意契約はどのくらいになるかという数字は、件数のこまかい点は別といたしまして、推算はできると思いますから、推定でお許しを願いまして、できるだけ早く作って参ります。
○吉田(賢)分科員 今述べられませんでしょうか。これは別に数字を取り上げてどうこうというのじゃありませんが、私自身の意見を立てる判断の資料にしたいと思いますので、およそあなたの方でお考えになっている数字を、正確じゃなくてもよろしいから、大体述べていただけませんか。
○久保(龜)政府委員 大体今日の考え方といたしましては、一般論としては、一般競争ということで考えております。それからものによっては指名競争ということでありますが、当庁では、非常に試作品、あるいはその次の段階というような装備品が多いというようなことで、ある程度随意契約もございます。これを五三十一年度で考えてみますと、一件として金額を申し上げられるのは、先ほど来お話の出ております艦船関係、それからもう一つは航空機、それから陸の装備品——器材費の総額は、三十一年度で合計が約三百三十五億、それに船舶建造費が約七十七億になるので、約四百億強、そのうちで建は造費は、難船の一部を除きまして大体随意契約になります。それから航空機の購入費が、そのうち約五十億を占めております。これは大部分は随意契約になるかと思います。それから陸上の装備のうち、器材費が約百三、四十債かと思いますが、このうちの相当部分を占めております一般自動車、二トン半のトラックでありますとか、そういうものは、系列をきめて随意契約にいたしております。その金額をちょっと今持ちませんが、その他の器材につきましては、通信機等は全部大体入札であります。それから修理等は、かなり指名競争をいたしております。それから今申し上げましたほかに、三十数億の被服費がございます。被服はほとんど全額指名競争でございます。大体概観して申し上げるとそういうことであります。数字は、追って可能な範囲で整理いたしてみたいと思っております。
○吉田(賢)分科員 そうしますと、これは器材費に一応限定して質疑をしてみたいと思いますが、器材費につきまして、随契と競争入札との区別は、何を標準にしておられますか。
○久保(龜)政府委員 随意契約と競争入札の区分は、私どもとしては、差しつかえない限りは一般競争、少くとも指名競争という一つの原則がございます。しかしながら器材費の中でも、たとえば自動車——トラックについて申し上げますと、各メーカーがそれぞれ、たとえば日産であれば二トン半が得意であるとか、あるいは三菱の場合は、これはジープ専門にやっているとか、日野自動車は四トン糸、あるいは三菱重工では六トン以上と、それぞれ特徴のある技術を生かしているといったようなこともございまして、全部系列を立てて随意契約にいたしております。これが割合に金額が多くなっているのであります。それから建設器材、たとえばブルトーザーでありますとか、そういったものは、なるべく指名競争で、やむを得ない場合以外は随意契約といったようなことにいたしておりません。通信機の類は、大体指名競争を生といたしております。航空機に搭載いたしますとか、よほど特殊なもの以外は大体指名競争で——一般競争は、これはむしろ弊害があるのじゃないかということで、指名競争にいたしております。被服等につきましては、これはもっぱら指名競争、あるいは銘柄指定の一般競争、こういうようにいたしております。
○吉田(賢)分科員 指名競争にする場合には、これは指名競争の実例は数個のメーカー、商社を指定することになると思うのだが、やはりあらかじめあなたの方に登録しておるものから指名することになるのですか。それともそうではなくて、もう少し簡易に指名する方法でもこしらえておるのかどうか。
○久保(龜)政府委員 あらかじめ登録したものの中から指名いたしております。ただしこの登録は非常に簡易でありまして、比較的簡単に、申し出によりまして、大体申し出の通りに、ある程度資力等を持っておりますれば簡単に登録できるということにいたしております。
○吉田(賢)分科員 一般にあなたの方では中小企業をきらって、大企業を偏重しておるといううわさが高いのでありまするが、需品の購入については、膨大な予算をあなたの方は要求しておる次第でありまするので、その点について相当厳重な取り締りをしていくべきだと思うのだが、規定は規定といたしまして、現実には中小企業対象ということは考慮に入れておりますか。
○久保(龜)政府委員 私どもとしましても、その点には実は十分意を用いておるつもりでございまして、中小企業なるがゆえに排除するということはございませんで、むしろ技術的な能力、あるいは資力、信用というものがあって、こちらの要求するものができる範囲ということで、そういった方面には特に気を使いながら指名をやっておるということでございますが、やはり現実の姿としては、特に最近調達いたしまするものは非常に技術水準の高いもの、ことにだんだんいわゆる兵器というものが出て参りますと、非常に高い技術水準を要することもありまして、新しい装備については、非常にむずかしくなっておる面が現実として出て参るのは事実あると思うのでありますが、その他のものにつきましては、できるだけそういった面について意を用いておるつもりでございますし、今後もそうして参りたいと思っております。
○吉田(賢)分科員 そうすると、もっと問題の範囲を狭めまして、防衛庁の庁員が身につけるような物件については——被服とか、あるいはくつとか、そういったものになるでしょうが、そういうものはどういう方法で購入の契約をするのですか、契約の種類ですね。さっき申した競争入札、指名及び随契、いずれに属することになるのか、あるいはならないのか、それはどうですか。
○久保(龜)政府委員 被服のたぐいにつきましては、冬服、夏服といったような大きなもので申し上げますと、現在とっておる方法は、原反、染色までを紡績業者を相手に指名競争しております。それからその原反を支給しまして縫製加工する、これを別の請負契約にしております。これにはある程度、と申しますよりは、かなり中企業が入っております。実は二十九年度までは、全製品を半製品として調達しておったのでありますが今申し上げたような、あるいは先生からお話の出ましたような点も頭に入れまして、縫製加工を別に請負契約を締結することにいたしたのであります。これも指名競争でございます。
○吉田(賢)分科員 そうしますと、くつも同じように伺っていいのでしょうか、すなわち指名競争によって購入する。
○久保(龜)政府委員 さようでございます。
○吉田(賢)分科員 それは数量は限定するのですか、数量の限界はないのですか。
○久保(龜)政府委員 くつの場合、具体的に今ちょっと記憶にございませんが、ある一定の期間に、数量の多いときには会計法の特例がございまして、指名いたしまして普通入札、たとえば十万なら十万一ぺんに契約するときには、三万ずつに分けて入札するといったような方法をかなり広く用いております。
○吉田(賢)分科員 そうしますると、ただいまの被服、くつに限定しますると、これは随契はない、いずれも指名競争によるものである、こういうふうに了解していいんですね。
○久保(龜)政府委員 原則としてはさようでございます。たとえばナイロンを使うとか、あるいは特殊のビニールを使うとかいうような場合に、相手方が一つしかないというような場合には、これは随契でございますが、原則としては指名競争、もしくは場合によっては、銘柄指定の一般競争という一段と広範囲の契約もいたしております。
○吉田(賢)分科員 それならばもっと具体的に、ただ一つのメーカーしかないようなもの、その実例はどういうものがあるんですか。
○久保(龜)政府委員 今正確に覚えておりますのは、たとえばナイロン、これは東洋レーヨンしかございません。もう少し例があるかと思いますが、私ちょっと今記憶いたしておりません。 〔主査退席、椎名(隆)主査代理着席〕
○吉田(賢)分科員 それで伺いますが、そうすると納入者が一つしかないような、かけがえのないような特殊な場合には随契による、そうでない場合は指名競争による。しかし指名競争というのは特定された商社、特定された人が指名されるのでありまするから、やはり一般競争よりもずっと範囲は狭められるわけであります。そこで、原則はやはり競争入札でなければならぬと思うが、原則を競争入札にしないというのは、一体どういうわけでございますか。
○久保(龜)政府委員 吉田委員の競争とおっしゃいますのは、一般競争のことだと存じますが、実は防衛庁、つまり警察予備隊が始まりました当時は、文字通り広範囲に一般競争をいたしたのであります。そのためにかなり質の悪いものが入って、かえっておしかりを受けるといったような事例もかなりあったわけであります。そこであまりに一般競争、値段本位でやりますと、中小企業の中にはむろん資力、信用の不十分なものもございます。そういったようなことで、やはりいいものを確保するには十分でないのではないかということで、指名競争をする。資力、信用その他技術等について信用の置ける——これは中小企業はいかぬということではございませんで、そういった観点から指名競争による。ということは、最もいい品を確保できるというふうに考えられるものについては指名競争による。しかし、先ほど申し上げました銘柄指定の一般競争といったようなものもかなりいたしておるのでございます。たとえば下着類であります、ワイシャツとか、そういったものは、銘柄通り、どういう番手のものをどういうふうに使ったものであればいいということで、公開一般競争といったような方法も講じております。
○吉田(賢)分科員 今の指名競争が原則となっております被服等については、それは法律上どこに根拠がありますか。
○久保(龜)政府委員 予決令の九十二条第一号によっております。
○吉田(賢)分科員 これは「契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で一般の競争に付する必要のないとき」だから「契約の性質又は」以下になるのだろうと思いまするが、競争者が少いような場合であります。ところが被服のようなものやら、くつのようなものまで特定した商人から買わなければならぬという理由にはならぬ。九十二条の第一号というのは、今述べたような趣旨でありますから、この被服やらくつが、契約の性質上どうしても指名競争にせなければならぬという根拠は出てこない。またこれが競争に加わるべき者が少数であるという——被服であるとか、くつであるとかいうものが少数だという議論はどこからも出ません。何ゆえそれをこういうふうに指名競争にするのか、こういうふうにさらに尋ねざるを得ないのです。
○久保(龜)政府委員 私の申し上げたことが不十分だったかと思いますが、第九十二条の不利と認める場合及び第一号、かように存じます。
○吉田(賢)分科員 一般競争に付することが不利と認める場合、有利と認める場合、これは一体だれがきめるのです。もちろん主管者である長官、従ってそれの代理権限を持っているあなたがやるかと思いまするが、これは断じて懇意をもって不利と主観的にのみ判定することは許されません。やはり国家財政の執行でありますから、その辺は法御の精神も十分に生かしていくべきものであると思います。今の被服とか、くつとかいうようなものは、多数の生産者があるし、多数の納入希望者もあるし、またその多数の中には、信用があり、あるいはしかるべき資産もあり、あるいは誠実に義務を履行するべき人があるに違いない。第一号は、今のような趣旨から見るならば、競争者少数ということは当てはまらない。契約の性質ということも当てはまらない。しいて言えば、あなたが言う第一項の不利と認める場合、こういうことになるだろうと思うのだけれども、しかし、これはやはり客観性がなければならぬ。客観性は、一般の市場性のある商品、被服市場性あり、くつ市場性あり、だれからも適当に納入し得るもの、こういうものを特定した数名に限定して競争入札をさす。一体この競争入札というようなものは随意契約と変りないのでありますから、一般競争とは全然性質が違うのであります。よって会計法二十九条は、一般競争入札ということを厳に原則として規定しておる。ところが戦後経済の混乱、あるいは占領軍の各般の需給関係の経緯からかんがみまして、この原則が乱れてしまって、信用があるの、検収に便利だの、何とかかんとかいって、特定した商人とのみ売買をするという習慣が根を張ってしまった。ここにまた日本の財政執行上の紊乱の大きな原因があるのであります。あなたも御承知の通りに、昭和二十九年度の会計検査院の検査報告によれば、同じく被服についても、随契または指名競争によって、日本毛織その他八社から要らざる被服を四万着も購入いたしまして、莫大な損害を国にかけておるという事実があるわけであります。でありまするので、今おっしゃったようなそういう理由だけで、被服とか、くつとかいうようなものを指名競争にしなければならぬという積極的な理由はないと思うのです。なぜ一体これをもっと公開して、われと思わん誠実な商人に政府へ物を販売する機会を与えないのか、数名の特定な商人だけに永久に利益を独占さすということはもってのほかです。政府が今一番いいお得意なんです。何となれば貸し倒れがない、あるいは値切られることはない等々、従って数年間の先に至るまで生産計画が立てられる。政府に納入する資格を得るということは大きな資産なんです。というほどの実情にもかんがみまして、今の被服、くつなどをなぜ一体指名競争にするのか。抽象的に不利と認める場合、そんなことをおっしゃっても、それは理解しにくい。なぜもっと積極的に原則に立ち戻らないのか、こんな市場性の豊富な物件を……。どうですか。
○久保(龜)政府委員 ただいまお話の指名競争なり随意契約なりを厳正にやるべきだということは、まことにごもっともでありまして、私ども内部といたしましても、直接判断するのは調達実施本部の契約担当官でございます。しかしながら、部内に指名随意契約審査委員会というものを作りまして、調達実施本部のほか、私ども内局、それから各幕僚監部も全部加わりまして、相当に論議をして是否をきめる。またある定金額以上のものにつきましては、長官の決裁を受けるということにいたしまして、私どもとしてはできるだけ慎重な扱いで、いやしくも間違いないようにということは考えております。ただ指名競争契約自身の問題でございますが、初めに申し上げましたように、当初一般公開競争でかなり不良のものも入ったというような事態も一ありまして、やはりある程度の——必ずしもそれは中小企業を排除する意味ではなくて、優良なる業者に限らなければならぬ。そうしないと、いいものを確保できないということでありまして、現にそういった指名の中に入ったものでも、実はおととし不良なものが入って、検査院のおしかりを受けるというようなことにもなったくらいでございます。もちろん私ども、現在の指名業者で永久不変だとは思っておりませんが、現に被服、紡績関係についても、この三年間に数社追加いたしておりますし、また縫製加工を別にするということで、かなり広範に指名競争をいたしました。その点につきましては、私どもかたい考え方を持っておりませんが、しかしながら、やはりいいものを確かに手に入れるということは、責任を持って考えなければならぬ。これをにらみ合せながら考えていくべきではないかと考えます。それから指名競争と随意契約の場合ですが、これは、かりに十数社が入って競争いたす場合と、あるいは契約の相手方が単独の場合と、契約の方法としては値段の競争その他においてかなり相違があるもの、かように考えております。
○吉田(賢)分科員 あなたは公開した一般競争の場合に不良なものを納入せられたので、指名競争になったかのようなこともお述べになっておる。あるいはそういう例もありましょうけれども、実績によれば、政府が会計検査院の報告をそのまま認めておる、ごとくに、指名競争によってずいぶん莫大な国損をかけておる。だから、指名競争はなるほど手数のかからぬ、信用のある相手をあなたの方で選ぶことができるということもあるけれども、同時にまた腐れ縁もできるんですよ。その腐れ縁がこういうことになるおそれがあるのです。そういうことも考えるならば、今日もう終戦後十年以上経過するのだから、需品の調達は原則に遮らなければならぬ。それにもかかわらず、被服、くつを指名競争にしておるというようなことは、とんでもない話なんです。一体なぜそういうことをしなければならぬのか、積極的にしなければならぬ理由はどこにあるのです。市場性があるのみならず、これはやはり、度に調達する必要のあるものもあろうし、あるいはまた数回に区分して調達をすれば事足りるものもあろう、こういうふうにいろいろな面から区切って調達も可能でありまするから、必ずしも全量一度に納入し得るもののみを選ぶべきではございません。こういう点を考えなければ、この需品会計というものはいつまでたっても乱脈の跡を断たぬ。一体、長官はお読みになっておるかどうか知りませんが、会計検査院が指摘して政府はこれを認めておるところの、この被服なんかについて莫大な国損をかけておるという事実があるわけです。しこうしてこれは指名競争によっておる。今装備局長のお話によれば、被服、くつは依然として指名競争である、しかも年間莫大な需品がそれに該当しておる、こういうことを考えましたならば、やはりここは国民全体の公けの自由な競争にまかすというふうに、制度の原則に立ち戻るべきものであろうと思う。なぜこんなものを数名の商社に縛っておく必要があるか、限定しておく必要がありましょうか。一体長官はこれについてどうお考えになりますか。 〔椎名(隆)主査代理退席、主査着席〕
○船田国務大臣 従来の調達につきまして、もし悪いところがあれば十分改めて参りますけれども、今御指摘のありましたものを直ちに一般競争にしていいかどうかということは、今日のところまだ的確なお答えを申し上げるわけには参りません。十分今後実情を調査いたしまして、間違いのないようにやって参りたいと思います。
○吉田(賢)分科員 それでは、これは直ちにどうするについての御判断と御意見が得られないことは、私も了といたします。ただ防衛庁予算のうちに器材費がきわめて重大な部分を占めている。このような市場性のあるものを依然として指名競争にしておるということは、まことに不可解でありますので、これは一つすみやかに再検討して、別の機会にその状況を御報告していただきたい、こういうふうにお願いしておきますが、どうでございましょうか。
○久保(龜)政府委員 ただいま長官のお話しのありましたごとく、どういうふうにすることがよいか、あるいは改善方法があるかという点について十分に検討して御報告いたしたいと思います。
○吉田(賢)分科員 それからあなたの方は、一切の所有するこの種の物件——この種といいますのは、動産と見るべき物件につきましては、これは全部いずれにか登録してあるわけでありますか。
○久保(龜)政府委員 お答えを申します。主要器材につきましては、各幕僚監部で登録いたしております。それから補給処、各部隊において登録いたしております。
○吉田(賢)分科員 もちろんそれはたなおろしなど毎年定時にされるのでありまょうが、その実情はどうなっておりますか
○久保(龜)政府委員 大体四月ないし五月の候にたなおろしをいたすようにしてあります。
○吉田(賢)分科員 かって問題になっておりましたが、この機会になおその後の状況を一度承わっておくことも無意味ではないと思います。たとえば消耗品でありますガソリンのような物件でありますが、こういう兵員を輸送するガソリン、その他の物資を輸送するガソリン、トラックのガソリンないしは純然たるあなたの方の幹部の使用する車の消費物、こういうものはそれぞれ区別して登録されておりますか。
○久保(龜)政府委員 消費の実績はそれぞれ区別されております。
○吉田(賢)分科員 私は消費の実績というのではなく、管理の実情を聞いておるのです。
○久保(龜)政府委員 それはそれぞれ管理者別に、たとえば中央にありましては内局、あるいは各幕僚監部、あるいは各それぞれの部隊、あるいは学校、補給処というふうに区別されております。
○吉田(賢)分科員 大体私の今日の質問はこの程度にして終ります。
○山本主査 他に質疑はございませんか——それでは明日は午前十時より開会することとして、本日はこれにて散会いたします。 なお明日は大蔵省関係、それに自治庁を呼んでおりますから、御承知おきを願います。 午後三時三十七分散会