予算委員会 第14号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/02/28
会議録
○三浦委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。本会期中におきましても、従前の通り予算の実施状況につきまして国政に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三浦委員長 御異議なしと認めます。つきましては、その手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三浦委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 —————————————
○三浦委員長 それでは昭和三十一年一般会計予算外二案を一括して議題といたします。 柳田秀一君外十六名より、昭和三十一年度一般会計予算外二案の編成替を求める動議が提出されておりますので、この際その趣旨説明を求めます。伊藤好道君。
○伊藤(好)委員 私は日本社会党を代表し、三十一年度の政府提出にかかる一般会計予算、特別会計予算及び政府関係機関予算の編成替を求めるの動議を提出する次第であります。 昭和三十一年度一般会計予算、同特別会計予算及び同政府関係機関予算については、政府はこれを撤回し、左記の要綱により、すみやかに組みかえをなし、再提出することを要求するものであります。(拍手) まず、私は本組みかえ動議を提出するわが党の基本的な立場について、御説明を申し上げます 本動議を提出する根本的な理由は、政府の予算案がいわゆる再軍備のための憲法改正に即応して、防衛関係費を最も優先的に充実していること、また財政投融資や民間資金の活用面においても、歳入、税制の面においても、いわゆる独占資本、大企業中心に考えられているばかりでなく、インフレの危機を内包しているからでありまして、われわれはこれに対し、平和憲法を守るという日本国民の当然の立場から、防衛関係費は最低限度に削減するとともに、当面緊急なる勤労者、農民、中小企業者等国民大衆の生活安定、特に社会保障の充実、すなわち医療保険の拡充と国民年金制度設立への準備的措置、雇用対策の強化、文教費の増加、地方財政の赤字克服に全力を注ぐことを主張するものであります。しかもこの際特に強調したいことは、国民の山積するこれら多くの要求を予算化すると同時に、われわれの組みかえ動議によれば、予算規模は政府原案よりもさらに九億円程度圧縮され、非生産的な再軍備費の削減による内容の改善と相待ちまして、インフレの危機を克服し、健全財政を堅持することができるという点であります。 このような根本的構想に基き、まず歳入面について申しますと、政府原案は国民の税負担の不公平を何ら是正せず、今日高い収益を上げている大企業に対する臨時的であるべき減免税措置を依然として続けております。われわれはまずこれら大企業に対する各種の特別減免税措置をできるだけ廃止すべきであります。たとえば価格変動準備金利子所得、貸し倒れ準備金引当金などでありまして、輸出の振興、その他真に日本経済にとってやむを得ないものを除いては、これをすべて廃止することにより五百九十四億円の財源を捻出すべきであると考えるものであります。 他方、低額所得者の減税につきましては、政府案ではわれわれは問題にならないと思う。戦前課税されなかった今日の月収三万円までを無税にすることを目標といたしまして、これを五カ年計画で行うために、まず本年度は標準家族五人所帯で総合月収二万五千円、年収三十万円までは無税とすべきであると考えます。 また中小零細企業に対しましては、青色申告提出者の専従者控除を十万円に引き上げ、事業所鶴者の所得金額計算に当っては、必要経費以外特別勤労控除を総所得額の一〇%とし、最高限度を四万円にいたしまして、合計して百三十億円程度の零細企業者所得の減免を行いたいと考えます。 さらに法人税収の面におきまして、資本金五百万円以下従業員三百人以下年間利益金が百万円以下のいわゆる中小法人に対しましては、特に税率を三五%に引き下げて、百億円の減税を行いたいと思います。 さらにわれわれは所得税率を累進的に改める方式をとるべきことを提案いたします。夫婦と子供二人で月収二万円のものが月わずか百五十円の軽減を見るにすぎないのに対し、月収十万円以上のものが月七百五十円の軽減になる不合理は、とうていわれわれとしては見のがすわけには参りません。 最後に歳入について特に政府に要求しておくことは、物品税は大衆の日用必需品に限ってこの十月からこれを廃止すること、後に述べますように、地方財政の赤字克服のためにたばこ消費税を百分の十九とすること、砂糖の過当な価格差益を食管特別会計に吸収すること、いたずらに砂糖消費者に負担を転嫁するような関税引き上げを中止することであります。 次に歳出の面におきましては、本動議が最も強調しておる問題は、第一に社会保障の拡充であります。政府案の社会保障関係費は、総額で三十年度に比較いたしまして百二十億円の増額を見ておりますが、これをしさいに検討いたしますと、人口の増加その他のいわゆる自然増によるものでありまして、実質的な内容においてはむしろ後退しておるのであります。たとえば健康保険の赤字対策として政府は健康保険使用者の自己負担をする方針をとっておるし、さらに新医療費体系をもって保険医を圧迫ぜんとして重大な政治問題を引き起しておることは、諸君の周知の事実であります。われわれはこれに対し、政府管掌分の医療給付額において二割の国庫負担をすることとし、また国民健康保険の運営を健全化するために、医療給付費の国庫負担金を一割引き上げて三割に改めますとともに、この際さらに進んで無医村を解消し、将来全国民に医療保険を普及すために、未加入国民三千万人と推定されるうち、さしあたり本年度一千万人に対する加入準備をはかるべきであると考えるものであります。 さらに健保制度の赤字の主要な原因であり、わが国の国民病ともいうべき結核対策を抜本的にするため、その経費を倍増し、予防措置及び予後の施設を充実すべきであると考えるのであります。 そのほか生活保護費もまた従来のデフレによる生活難、失業増大の今日特に増加する必要があります。さらに児童保護を初め社会福祉費の増額もまた、政府案がたとえば児童保育所の子供の食費を野犬狩りののら犬の食費六十一円よりも低く見積っておるような現状におきましては、われわれの提案する程度の増額は、最低限度必要であると信ずるものであります。従って児童保護費の増額のほか、保育所、母子寮、未亡人対策費、母子福祉貸付金、受胎調節、老人ホームの増設等、さらに売春禁止法の実施に伴う婦人対策費など、所要額の増額組みかえをここに提案する次第であります。 次に組みかえ要求の大きな柱として、われわれは雇用の拡大、失業対策費の充実に力を注ぎたいのであります。元来われわれは十年計画として約七百万と呼ばれる潜在失業者を完全雇用とし、日本の農業と中小企業を近代化すべきであると考えるものでありますが、本年度においても緊急失業対策事業の一旦平均吸収人員を二十五万人に増加し、この増加分の五万人分については、異常な大量失業を解消するものとして全額国庫負担、二十万人の分は労務費及び事務費の五分の四国庫負担を行いたいと考えるわけであります。 旧軍人恩給費につきましては、わが党は平和憲法下において戦争犠牲者を広く救済するという、真に社会保障の問題としてこれを取り上げ、政府案が企図する再軍備傾向を助長せんとするための防衛費的性格を一掃いたしたいと考えます。従ってこれを旧職業軍人と遺族、留守家族援護の二つに分け、適切に措置すべきであると考えるものであります。 第三に住宅建設につきましては、政府案が公称四十三万戸のうち公営住宅はわずか四万九千戸にすぎず、それも前年度より家賃の騰貴を見んとしておる現状に対しまして、われわれは公営九万戸建設を中心とする勤労者向け公営住宅の建設計画に切りかえるべきであると信じます。 文教費におきましても、政府はわれわれの主張する最低の増額を行うように提案いたしたいのであります。政府案においては小学校児童と中学校生徒五十一万人の増加に対して、教職員を七千九百人ほどといたしておりますが、これでは教員の労働をひどく強化させ、かつ教育の質的な低下をもたらすこと必定であります。文教施設費におきましても約十億円も前年度より削減しておりますので、三十年度校舎不足延べ二百七十八万坪を大体三カ年間で解消するために必要な経費等の増額、義務教育教科書無償給付の増額、さらに僻地教育の充実、私学振興費、児童災害補償費、盲ろう児童就学の費用あるいは教科書制度改正に伴う指導機構の確立等に、それぞれ予算増額は最低限必要であります。 第四の問題は地方財政であります。現在いかにして地方財政の赤字を克服し、立て直すかの問題は、大きな日本の財政経済に関連する重要問題であります。この問題に対し、政府は当初もっぱら公共事業費を削減して、これによって赤字を解消しようとしておりましたが、最近与党が次の迫った参議院選挙に対する思惑から、公共事業の大幅復活を要求して参りましたために、公共事業費の圧縮による従来の政府の政策は遂行不可能となりました。しかしながら地方財政の赤字の大きな原因は、公共事業費が多いか少いかによるのではありません。第一に国家が地方税源のうちから大きく吸い上げ、地方に十分の税源を残さず、吸い上げた分からスズメの涙ほどの地方返却を行なっているということが一つ。第二に現在の地方税体系のもとにおいても、地方財政の大きな税源となり得る大法人が、租税特別措置法その他の特別減免措置によって、租税を払わないでいいという事態にあるのであります。 従ってわれわれは、さしあたり地方財政の赤字を解消し、その立て直しの第一歩を踏み出すために、第一に公債費の累増を緩和するために、政府資金による地方債の元金支払いを五カ年間たな上げすること。 三公社課税その他新税に反対し、大法人に対する事業税の増収、地方交付税の引き上げ二七%実施、たばこ消費税の引き上げ百分の十九等により、地方財源の充実をはかる必要があります。 さらに社会保障関係費、公共事業費、失対事業費の増額と、国庫負担補助率の引き上げを行うことも必要であります。地方公務員の給与ベースを三十一年四月より二千円引き上げるための財源は、われわれの組みかえ動議のうちには確保しております。 過去の赤字を一掃するため、地方財政再建促進法を改正し、再建債のワクの拡大と利子補給の増額を行う。 さらに、われわれは地方団体の機構の縮小及び各種行政委員会の改廃に反対し、教育委員の公選制を堅持することを要求しております。 最後のわれわれの問題は、生産者米価の確保と公務員の給与引き上げであります。米価につきましては、政府は財政難を理由に、これを引き下げることのみを考えておりますが、生産者基本価格当り一万二千円は、米価審議会の答申を下回るむしろ低過ぎる線であります。従って消費者米価を現行通り一万七百四十四円に据え置いておいて、食管特別会計における砂糖その他の輸入物資の特別利益の吸収をはかるとともに、なお不足する百六十億円程度の金額は、一般会計より繰り入れることが必要であるとわれわれは考えます。 また毎年々々保守党政府が、憲法にそむき、非生産的な防衛力の増強をのみはかりまして、仲裁裁定、人事院勧告をじゅりんして参りました態度は、今日もはや許されない事態であるとわれわれは信じます。そこでわれわれはこの際、一カ年前の昨年七月の人事院の報告及び勧告を尊重し、来たる四月より公務員の給与ベースを平均二千円引き上げるべきだというのが、本動議の一つの根本態度であります。これは好調を示す日本経済の実情、民間給与との関係、その他あらゆる観点から見て、当然のことであると信ずるわけであります。従って実に日本国民経済及び社会をささえている基礎的な社会層である農民及び勤労者の正当な要求を満たすことによって、日本の生産、経済建設の基本線を打ち立てることは、現代政治の要諦であるとわれわれは信ずる次第であります。(拍手) われわれは以上申し上げました所要経費を求める財源を、主としていわゆる防衛関係費の削減に求めたいと思います。由来わが党は、平和憲法を守って現在の再軍備に反対しております。従って防衛関係費に徹底的にメスを加え、それによって浮く経費を社会保障、生活の安定、経済の建設、文教、地方財政の救済等に回せと要求することは、当然のわれわれの態度であると信じます。 わわれわれは防衛関係費のうち防衛支出金につきましては、昨年度のわが党の組みかえ動議同様、今日全額削除すべきであると要求いたします。これは防衛支出金の根拠となる日米行政協定は、国会を素通りして、審議されないまま今日に至っておりますし、その内容に至っては、日本の主権に重大な侵害を加えていると考えられるからであります。防衛庁費につきましては、われわれは当面自衛隊の拡大を阻止して、その漸減をはかるというわが党の方針に基きまして、自衛隊を昭和二十九年度の現勢を少しく下回るところまで引き戻すことを、この組みかえ案において要求しておる次第であります。 特にこの際われわれは、防衛庁が国民の血税をむだ使いする、だらしのない官庁のトップとして、毎年のごとく会計検査院からきびしい批判をこうむっているばかりか、膨大な繰越明許費を出していることを強く指摘しておきたいと存じます。(拍手)ところが政府は、この防衛関係費につきましては、昨年度に比べ八十億円増額しております上に、さらに昨年と同様、予算外契約として百四十二億円を計上しておるのであります。われわれはこの予算外契約に対しても、もちろん反対であります。 なお財政投融資ないし経済全般の関係について一言申し上げておきます。政府の予算原案では、財政投融資を一般会計のワクからはずすとともに、財政投融資からはみ出した資金は、民間資金に肩がわりさせて、そうして財政と金融の一体化であるなどと言っておりますが、民間資金の面では独占的金融機関、大市中銀行の無制限な支配を強化するばかりでなく、何ら民間資金の計画的な運用が具体化されておりません。しかも公団などの公募債は五百五十億円も無計画に乱発され、インフレの危機をはらんでおります。しかもかりにそれが消化されたといたしましても、財政投融資よりも利子は高く、そのため国鉄料金、電力、ガス料金、さらに住宅公団の家賃、固定資産税等の値上りを招き、物価騰貴をもたらすことは、今日すでに歴然たるものがあるのであります。(拍手) これに対しまして、われわれは従来政府が一般会計でやって参りました財政投融資は、やはり一般会計でこれを見るのが当然であるとして、公団の公募債に見られるようなインフレ的な措置をとるべきでないと考えるものであります。すなわち中小企業金融公庫、国民金融公庫、農林漁業金融公庫等、国民にとって必要であり、かつ、金融商業ベースに乗らないものは、当然国の財政から投融資すべきでありまして、政府案より、これがため百十億ばかり多く増額する必要をわれわれは主張するものであります。 またわれわれは政府のいわゆる食糧輸入、アメリカの余剰農産物に依存し、その農業恐慌のあたかも下請役を勤めておるがごとき現状を打破する必要があると考えまして、ひもつき的な余剰農産物の受け入れには反対いたします。そうしてこれにさきに述べました一般会計から繰り入れられたために浮いてくる資金運用部資金を回すべきであることを主張するものであります。 第三に、政府はいたずらに民間資金千二百億円の活用という抽象的な言葉をしきりに述べ立てておりますが、われわれは今日計画的な日本経済の建設と国民生活の向上安定のためには、資金を計画的に導入すべきであり、資金計画委員会制度の創設、これによる資金の適切有効なる活用について考えるべきであるということを提言いたしまして、私の提案理由の説明を終ります。(拍手)
○三浦委員長 これにて予算三案の編成がえを求める動議の趣旨説明は終りました。 これより予算三案の編成がえを求めるの動議に対する質疑を行います。質疑に対する答弁者としまして、委員長に対しまして次の諸君を指名して参りましたので、御報告いたします。伊藤好道君、西村榮一君、成田知巳君、小平忠君、足鹿覺君、門司亮君、赤松勇君、岡良一君、石村英雄君、以上九名であります。松野頼三君。
○松野委員 きょうは同僚社会党の皆さん方に、ただいま提案になりました予算組みかえ案に関しまして、自民党を代表いたしまして質問をいたします。同僚の皆さん方のことですから、あえて計数的なこまかいことばかりを意地悪に質問する気持はございません。基本論を中心に御答弁をお願いいたします。またあるいは言葉の行き違いで、多少乱暴なことがあるかもしれませんが、これもあらためて前もって御了承をお願いいたします。 ただいま御提案になりました提案理由の中には、ずいぶん欺慢的な言葉がたくあんある。端的に申しますれば、提案理由の中にありました、わが国の経済の自立と拡大及び雇用の増強をはかることを目的とする組みかえということは、これはまっかなうそです。私があえてまっかなうそという独断的なことを言わなくてもわかる。皆さん方が組みかえ動議をお出しになってから、いわゆる中央の新聞論調、報道の中に、一つでもあなた方に味方するような世論があったでございましょうか。あれば一つくらいお示しいただきたい。あえて名前は申しません。私が論破する前に、もう事前にあなた方は黒星なんだ。一つ二つ三つ四つ五つ代表的中央紙を拝見いたしますと、驚いたことに、社会党はもっと責任を感じなければならない。もう一つは、この状況では社会党の政権はほど遠い、もう一つは、これは極端なインフレ予算だ。もう一つは、いわゆる社会党としての真の責任感がない。どれを考えましても、私がここで論議する前に、もう世論であなた方は負けているのです、もしもあなた方に世論の味方がありますならば、一つくらいは示していただきたい。(「政府提案はどうした」と呼ぶ者あり)政府提案に対する世論はいろいろございましたが、少くとも中央紙において堂々として及第点だったということは御承知の通りなんです。私が申しますよりも、あなたの方で一つくらいあるならば一つお示しなさい。社会党新聞以外にこの補正予算を是なりという論調は一つでもありましたでしょうか。私個人が論破する前に、すでにもうあなた方の予算は論ずるほどの価値は今日ないのです。かつて政府提案の当時脱兎のごとき勢いの社会党も、今日は処女のことし。かつて勇将のごとき社会党の論戦も、本日は敗戦の将なんです。大体社会党は統一されまして以来、左派、右派の政策は相当に変りました。統一社会党になる前の社会党と今日は政策的に相当政党としての性格が変っておる。申しますならば、国民の前に皆さん方が選挙のときに公約された左派と右派との政策というものは、当時とは根本的に変っておる。これはあれでしょうか。果して選挙当時の世論を今日の統一社会党はつなぎ得る同じ性質のもので、ございましょうか。あるいは突然として生まれた合同の継ぎはぎ政党でございましょうか。まず第一にこの点をお伺いいたします。
○成田委員 御答弁申し上げます。政策審議会長が答弁するにはあまりに愚劣な質問だと私は思いますので、事務局長の私から事務的に御答弁申し上げます。 もちろんこれは社会党のりっぱな組みかえ案であり、統一した意見であるということを申し上げておきます。なお新聞論調を取り上げられましたが、人間というものは環境になれるものでして、新聞社の諸君も今まで自由党、民主党の組みかえ案あるいは予算案ばかり見ておるものですから、それになれているのです。そこで画期的な社会党の組みかえ案が出たものですから、少しうろたえた感じじゃないかと思います。従ってこれから社会党は大いに啓蒙して、蒙をひらきたいと考えておりますから御了承を願いたいと思います。
○松野委員 私があえてこの問題を提案の前にお聞きいたしましたのは、社会党の本日の提案の中に、相当に防衛の問題が入っておる。根本的にこれは政策として大きな問題です。ところが社会党の左派右派合同前のときにはだいぶ変っておった。また統一後も相当変っております。おそらくこれは社会党統一当時の政策綱領の決定でございましょうが、日米安全保障条約及び行政協定は、右の両陣営の加わった集団安全保障との見合いにおいて解消するということが書いてある。これは御決定だが、相当に社会党両派の統一前の状況と今日は変っております。従って政党が同じかどうかもお伺いしておかないと、あとの論議にも実は左右する。また憲法の問題につきましても、御承知のように、この憲法ができますときに、社会党は修正案をお出しになって━━━━━━━━━━━相当膨大な修正案であったことは御記憶の通りであります。━━━━━━━━━━━━━━━━━従ってこの統一前の基本的観念から聞いて参らないと、今日の補正予算の根本が狂う。(「野坂君一人じゃないか」と呼ぶ者あり)それは御疑問があれば、あえて名前を申し上げてもけっこうでございます。 それではこの組みかえ予算に入ります。第一に歳入の部から伺います。所得税のいわゆる特別措置の廃止によって、相当膨大な六百億に近いものを掲げておられます。しかし御承知のように、所得税、租税特別措置法というのは、個人にも法人にもずいぶん関係がある。お医者さんの例も、この中に特別措置によって免税されており、農業所得も免税されており、また個人の家屋、生命保険、すべてこういうものはどうしても国民生活上必要でありますから、租税特別措置によって実は免税されておる。ただいま皆さん方の提案によりますと、この中から最も大きな金額である貸し倒れ準備金約百億、輸出損失準備金、こういうものを除きますと、おそらく五百九十億というものは不可能なんだ。個人のお医者さんあるいは農家の所得、そういうものの臨時措置をはずすということは、とりもなおさずこれらに対する増税であります。従ってこの五百九十億という架空な数字の内容を御説明願いたい。
○成田委員 減税の面あるいは増税の面についての詳細は石村君から御答弁があると思いますが、今松野さんの言われたことで少し誤解があるので、訂正していただきたいと思います。社会党が━━━━━━━━━━━という事実はない。もしあったとしたら具体的に一つ言っていただきたい。 それから今度の左右社会党統一に当ってのソ連、米国の入った集団安全保障体制との見合いにおいて安保条約、行政協定を解消するということは書いてありますが、これと組みかえ案とは何ら関係ない、そういうことを御了承願いたいと思います。 なお税金の二面については、医者の免税措置ということを言っておられましたが、そういうことは考えておりません。まだ大きいのはたくさんあるのでございまして、たとえば利子所得の非課税あるいは外国人課税の特例あるいは増資配当の免税、配当控除の特例あるいは今言われました価格変動準備金あるいは貸し倒れ準備金、こういうものを詳細あげますと五百九十四億になることは事実相違ございませんから御了承願いたいと思います。
○石村委員 お答えいたします。租税特別措置法と簡単に申しておりますが、正確に申せば、法人税、所得税にも関連いたしてきております。しかし、政府が財政懇談会に提出しております資料によりましても、租税特別措置法関係の期限の定めのあるもので、政府の数字だけで九百八十五億に上っております。これは昨年の例でありまして、御承知のように、昨年の秋以来、法人は非常な高収益に恵まれておりますから、実質的にはこの九百八十五億以上の減税を受けておるとわれわれは推定いたしております。この中で、われわれとしても、輸出所得の特別控除とか、あるいは海外支店の施設の特別償却、あるいは新築家屋の登録税の軽減、あるいは新築家屋の特別償却、こういうようなものはもちろん入れておりません。千億以上に上るというものからこうした必要なものはおきまして、われわれが必要だと考えるものを抜き上げて、約六百億を計上いたしたわけでございます。法人税及び所得税に直接関係のあるものについて考えておりますのは、利子所得を、御承知のように現在では租税特別措置法で免税にいたしておりますが、これを廃止し、また一時分離課税をいたしておりましたが、この分離課税もやめたい、こう考えております。また配当所得につきまして、租税特別措置法では三〇%の税額控除をし、所得税法では二五%の税額控除になっておりますが、こうしたこともやめるという考えを持っております。一々の数字は、御必要があれば政府の資料によってお答えいたします。
○松野委員 内容と外見とは実は相当違っておりまして、とてもその問題はございません。 憲法は原彪君外提案の修正案をお出しになりまして、否決になりました。しかし修正案をお出しになったことは事実であるし、その意図は確かにあった。原彪君外三名のものがお出しになっておりまして……も 〔「答弁がある」と呼び、その他発言する者あり〕
○三浦委員長 お静かに願います。答弁があるようですから…。成田知巳君。 〔松野委員「あとでけっこうです、まだ質問をしておりませんから……。」と呼び、その他発言する者多し〕
○三浦委員長 答弁を許しました。お静かに願います。
○成田委員 ただいま松野委員は、社会党が━━━━━━━━━━━従って━━━━人の名前をあげてもいい、こう言われたのですが、松野君自身お認めのように、社会党が一部修正案を出して、これが否決された結果、満場一致、社会党は全員賛成したことは事実なんです。社会党は━━━━という論拠はどこにあるか。それを具体的に言っていただきたい。もし間違っておれば、この際訂正していただきたい。
○松野委員 皆さん方の方は、ただいまの論議が外に漏れましたが、修正案を堂々とお出しになった。堂々とお出しになった。こういうところはよくないというので、堂々と修正案をお出しになった事実はある。またあなた方の中には絶対反対の投票をされた方もあるのです。共産党とともに絶対反対の投票をされた方もある。従って修正案が否決された後においてこれは賛成されましたでしょうが、修正を出されたということは、あの憲法が全部全文よろしいというものではなかった。全部よかったというわけではなかったわけなんです。従って原彪君外三名の修正という意味は、全面的にこれがよかったというものではなかった。だから時期によっては当然修正の意思が現実にあった、あったのです。では修正案をお出しにならなかったのですか。
○成田委員 私が論議しておるのはそうじゃないのです。憲法の審議の過程においてはよりよくしょうという努力はした。しかしながらそれが否決された以上、現行憲法を支持する、こういう立場をとったことは明らかな事実であります。社会党が━━━━という根拠はどこにあるか、社会党の中に━━━━者がある━━━━社会党は全員一致賛成しておる。それを具体的に言ってもらいたい。
○松野委員 議題を進めます。修正案をお出しになったことはお認めのようでありますから……。 〔柳田委員「議事進行」と呼び、その他発言する者多し〕
○三浦委員長 静粛に願います。松野頼三君。 〔柳田委員「議事進行、議事進行。社会党を侮辱しておいて、しかもこちらが切り返したことに何ら言うていない、具体的に示しなさい。議事進行、議事進行。」と呼ぶ〕
○三浦委員長 静粛に願います。柳田君の議事進行の発言を許します。
○柳田委員 ただいま松野君は、現行憲法の採決に際して社会党が━━━━かのごとき言辞を弄されました。今も成田君が言うごとく、審議の過程においては、よりよき憲法を作るがために修正を出しましたが、これが一たん否決されましたから、社会党は……。 〔発言する者多し〕
○三浦委員長 静粛に願います。
○柳田委員 社会党は全員一致、社会党は満場一致現行憲法に賛成した。それに━━━━とは何事ですか。もしその事実があれば具体的にお示し下さい。お示しなかったら、あなたの発言を訂正しなさい。取り消ししなさい。氏名を明らかにして——社会党はだれが━━━━━━社会党は全員一致現行憲法に賛成したじゃないか。取り消しなさい。
○松野委員 いずれ速記録をお読みになればわかることと思います。いずれ速記録をお読みになればわかることだと思いますが、私がただいま申しましたのは、社会党は修正案をお出しになった、お出しになって現行憲法が完全無欠なものでないという意思表示はされた、こういうお話をしたわけであります。
○柳田委員 社会党は現行憲法を、社会党が現行憲法の採択に際して全員一致で賛成したことは事実なんです。その速記録をごらんなさい。あなたも速記録をごらんになったでしょう。では速記録を持ってきて黒白が明らかになるまで暫時休憩せられるように希望いたします。
○三浦委員長 ただいま柳田秀一君より暫時休憩せよとの動議が出ましたが、これを採決いたします。ただいまの動議に賛成の方は起立を願います。 〔賛成者起立〕 〔「速記録を調べろ」「退場、々々」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
○三浦委員長 起立少数。よって休憩の動議は否決されました。 〔拍手、「横暴だ」「退場々々」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
○三浦委員長 松野頼三君。 〔発言する者多く、議場騒然、退場する者あり〕
○三浦委員長 松野君より釈明の申し出があります。これを許します。
○松野委員 社会党が━━━━━━━━━との私の発言は事実に相違し、社会党が挙党一致賛成したことを認めるとともに、社会党に迷惑をかけたので私の発言を取り消します。(拍手) 補正予算案の内容の一、二についてお尋ねをいたします。一番大きな問題は二千円のベース・アップと、もう一つは防衛庁及び防衛支出金の約一千百億円の削減であります。この中で特に防衛支出金の問題、四百五億円を金額削除したということは、果して今日の状況においてできることができないことか、もしやるならば具体的にどういう方法でやるかをお尋ねいたしたい。
○伊藤(好)委員 防衛支出金の削減——これは行政協定によって要請されておる支出であります。行政協定は安保条約の中に締結すべき旨の条項はございますが、しかしこれはわれわれ国会に諮られないで政府がこれを取りきめたものであります。従って社会党といたしましては、行政協定については、行政協定の締結がわれわれの反対にもかかわらず国会を通過して——安保条約は成立しておりますが、安保条約にもわれわれ反対でありますが、行政協定の締結についてはあらためて先方と交渉して、こういう負担金のかからないような結果を外交交渉によって招来する、こういう前提のもとに、われわれとしては去年の予算の組みかえ動議においても全額これを削除しておりますから、本年度においても同じ立場を貫いたのであります。
○松野委員 ただいまのは答弁になっていない。それでは行政協定を廃棄するというのはどういう方法をおやりになるのか、これは双務協定でしょう。ことにあなた方が最もおっしゃっていらっしゃるところの憲法第九十八条には、国際条約は特に誠実に順守することを必要とするという明文がある。ではどういう方法でおやりになるのか、一方的廃棄というわけにはいきますまい。双務協定でしょう。あなたも交渉に行かれるのか。
○伊藤(好)委員 もちろんわれわれが内閣をとれば、われわれの代表が先方に行って交渉することは当然であります。(拍手)
○松野委員 あなた方のこの三十一年度の特別会計予算及び一般会計予算の補正は政府に求めるのでしょう。あなた方が行う予算をお出しになったのではない。これは政府に求めるのでしょう。あなた方がお出しになるならば全部お出しなさい。これは政府に求めるというあなた方の提案理由と違うじゃないか、単にあなた方の主張してきた……。 〔発言する者多し〕
○伊藤(好)委員 あなた方がやるかと言われれば、われわれが政府を組織した場合にはやるというお答えをしたのであります。またわれわれは野党としてよろしく政府がそういう外交折衝をやるべきであるという建前にのっとって、われわれの組みかえ動議を出したのであります。
○松野委員 あなた方のこの予算の提案は、いわゆる政府に求める動議案という提案なんです。予算ならもっと細目をお出しなさい。方針が違うじゃないか。あなた方はこういうものを求めるという動議案を出したのだ。もし予算案ならちゃんと明細書をつけてお出しなさい。そんなものは出ていない。政府に求めるのでしょう。架空なことを言って国民を惑わしてはいけない。こんなものは架空なものじゃないか。
○伊藤(好)委員 ただいまお聞きの通り、あなた方も行ってやるのですかと言ったから、われわれが政府をとれば喜んでやりましょう、こういうお答えをしたのです。しかし本案はお話しのように政府に編成替を求めるの動議でありますから、日本の国家と国民のために、政府はわれわれの予算組みかえの動議にのっとって外交交渉をやるべきものだという建前から、こういうものを出したのであります。
○松野委員 私は外交交渉をやらずに廃棄すると思ったが、外交交渉をやるということで、その点は多少進歩的だと存じます。あなた方は外交交渉を求めるのだが、今日の予算はあなた方はいつお出しになったのか。政府の予算が二日、三日おくれたといって緊急動議で大騒ぎをされたが、あなた方のこんなものはいつ出されたか。政府が出してから三十数日目でやっと昨日出した。そうしてこの大きな問題、まるでできないことをあなた方は押しつけられておる。どうしてもっと一カ月前から、外交交渉の常識的な余裕を認めて、政府案と同時に出さないで、わずかきょう一日ということになってこういうものを出されるか、こんなものは架空ですよ。
○伊藤(好)委員 組かえ予算を出せという動議は、私の記憶によれば、いつでも最終の予算委員会の段階において提出することになっておる、従ってわれわれはその例の通りに今日取り運んだわけでありまして、別に御指摘のような怠慢であったというようなものではありません。
○松野委員 それでは次にこの防衛分担金、いわゆる防衛支出金を全額削除されて、日本の国防にどういうお考えをお持ちになっていらっしゃいますか。これは防衛庁関係予算とあわせて、社会党両派のこの点の見解の相違であなた方の政策でももめてもめてもみ抜いた問題なんです。ある右派の方は堂々とこう言っておる。自衛力は武力として、そうして自衛力の再軍備が、どうしても生活安定の基調に必要だということを述べていらっしゃる。あなた方自身が一体日本の防衛をどういう感覚に置かれるのか、また今度の場合において防衛庁経費というものを約三百億に削られた。これで日本の防衛庁の今日の問題が解決できましょうか。ことに防衛庁設置法には、御承知のように、自衛隊はわが国の平和を独立を守り、公共の秩序の維持ということが書いてある。あなた方はこの問題を削除して、そうして果して日本の防衛問題をどういう形でおやりになるのか、お尋ねいたします。
○伊藤(好)委員 われわれは社会党の統一に当りまして、自衛力はこれが増強を防ぎ、そうして漸次これを減少するという線を出しておるのであります。この組みかえ動議でわれわれの要求するのは、その党の方針にのっとって漸減方針を実行すべしということを、政府に要求しておる次第であります。
○松野委員 それでは、これは統一後の平和と安全保障の確保というあなた方の方のいわゆる憲法でしょう。これにはこう書いてある。日本を中心とする関係諸国間の不可侵条約が結ばれて、その後においてこの安全保障条約というものはこれは漸次これは解消すべきものである——今日あなた方の出しておる予算の中に、そういう国際的情勢がありますか。日中、日ソというものの不可侵条約は今日できておるのですか。
○伊藤(好)委員 今お読みになったわれわれの外交政策は、それが完全に実行される際には自衛力は不用であるというのがわれわれの根本方針であります。従って、さしあたっての自衛力に対する考え方は、ただいま申し上げました私の方針の通りであります。そこで、われわれとしては、そういう特別の外交的な施策によって、日本の安全を保障する基本線を確保したいと思うから、従って、自衛力については漸減の線が出ておるのであります。
○松野委員 きわめてそれは空論で現実論は一つもない。将来の話ばかりで、まるで観念論である。今日のこの予算に対する組みかえとは何ら具体的な関係のないことです。これはあなた方の将来のことじゃないか。この問題の七百億の削減とは関係ない話じゃないか。それでは、この防衛庁費七百億の削減によって人員をどれだけ首切られるのですか。
○伊藤(好)委員 私どもは主計局を持っておらぬので、実は一々そういう御質問には応ずる必要はありませんが、われわれの想定によれば、ほぼ昭和二十九年から二十八年の間の線まで切り落したいというのが大体われわれの線であります。
○松野委員 私は別にこまかいことをお尋ねしているのじゃないのです。昭和二十九年程度の話ならば、大体本年は七百億円くらい要る。あなた方もついこの間は五百億というものをお認めになっている。だから、この数字の三百億ではとてもやれるものじゃない。かりに三百億とすれば、十万人ばかりの者が首切られる。あとの十万人の者の演習などということはとうていできません。従って演習もせずにじっとしておってやっと十万人の自衛隊の自活ができる、自衛隊本来の訓練も何もでできないで、十万人の失業者を出すことになる。あなたの方にはこれに対する失業対策は何もないじゃないか。今度の提案には雇用の増大をはかるということを書いてあるが、雇用どころではない、逆に首切りをどんどんやってしまうという結果が出てくる。こういうふうに、あなた方は失業対策費において五万人分ふやしたとおっしゃっているが、内容を見るとどうにもわからない。五万人の雇用とおっしゃっているけれども、十万人の自衛隊だけでももうこの雇用の中には入らないじゃありませんか。大体これは雇用対策ではなくて、あなた方のは首切り対策だ。しかも日本を累卵の危うきに置き、憲法に規定するところの日本の国際条約というものを無視されて、私から言えば、どれを考えても、これはまるで問題にならない。もし自衛隊の問題について正確にお答えが願えれば、お答え願いたい。なければけっこうです。
○成田委員 お答えいたします。松野さんは三百億という数字を言っておられますが、その数字に間違いがある。三百億プラス繰越金で、その繰越金というものは毎年自衛隊には二百億ある、これを合せて五百億ありましたら、あなたの心配されるような治安程度のものは完全に維持できるということを御了承願いたいと思います。 それから首切り、首切りと言われますが、私たちは首切りは考えておりません。今言っているように、失業対策ももちろんその一つの手でありますが、組みかえ案をよくお読みになっていただけばわかると思いますが、たとえば公共事業費は政府案よりも約二十億ふやしており、農林漁業対策費は三十八億、住宅対策費は約二十三億ふやしております。こういうところに自衛隊の諸君が国土開発隊として積極的に御協力願いたいと思うわけであります。
○松野委員 それは繰り越し二百億の内容をあなたが御存じなければそういう空論も出ましょうが、その二百億というものはすでに契約されているもので、人件費とは違う。 それから一つ大きな矛盾がある。防衛分担金をあなた方が全部削除されるならば、当然今日の基地というものは廃止になるでしょう。基地が廃止になってくるならば、これは当然民間のものは補償しなければならぬ。もとの者に返すならば、当然今の規定によって補償しなければならないが、その補償費は一銭もあなた方が組んでないのはどういうわけか。またもしもこれがなくなるなら、なぜ調査庁の経費をお削りにならないか。公安調達庁の経費はお削りになったが、今日駐留軍の奉仕をしている調達庁の経費は要らなくなるのにこれを削ってない。これは矛盾じゃないか。しかももしもあなた方が今日の防衛基地を全部返されるならば、今日の規定をそのまま実行したって、民間の補償はやはり百億くらいかかるが、それを上げてないじゃないか。そうすると、あなた方の方策は何もなってない。特別調達庁費も切ってなければ、民間に返す補償費もない。こういうものは、ただいまの答弁のように、現実に誠意を持ったあなた方の本心だとは私は考えていない。この辺は確かに予算の矛盾です。 時間もありませんが、もう一つ官公吏の二千円ベース・アップです。あなた方はかつては人事院というものを非常にバックにされ、政府を攻撃されておりながら、今日人事院の公正なる今度の勧告というものをあなた方は無視されておる。政府が圧力をかけておるという事実があるならば、お示しを願いたい。あなたの方が実はどっちかというと圧力をかけておる。つい先般人事院に勧告すべしということを、あなた方はたしか人事院に申しつけられた。いわゆる俸給ベース・アップを人事院は勧告すべしということが先般の報道では出ておる。あなた方の方が実は人事院に圧力をかけておって、われわれの方は人事院に圧力をかけたという事実はない。あるならば、お示しを願いたい。
○伊藤(好)委員 われわれの二千円アップは、去年の七月に人事院の報告されたものを実行しようというのでありまして、さらにわれわれはその後物価の騰貴、民間との給与の差があるかさ、その点さらに一そう実情に即して改めて、新たに勧告を出せという要求を先般来したわけであります。今日の予算の編成がえ動議に組み入れましたものは、去年の七月のものであるということを十分に御了承願いたい。
○赤松委員 人事院の問題が出ましたが、この際わが党の態度をば明らかにしておきたいと思います。 御承知のように、昭和二十三年七月マッカーサーの指令で国家公務員法ができました。その国家公務員法ができました際に、指令の中にもありますように、人事院というものはベース・ダウンをする機関でなくて、常に民間給与と見合って下回らないように注意をして、そうして一年一回必ず内閣及び国会に報告するか、勧告しなさい、こういう規定になっておる。これは松野さん十分御存じだと思う。従って人事院がその法律に規定された義務を怠った場合、当然われわれはその義務を履行せよ、こう言うのは当りまえのとこで、間違っておりません。それからもう一つ、あなたは勧告ということをおっしゃいましたけれども、昨年の七月勧告されましたのはベース・アップの勧告ではありま此ん。それは期末手当〇・二五の勧告です。従ってベース・アップは全然やってない。民間給与よりもはるかに下回っておるということを人事院は認めながら、政府の圧力で当然なすべき勧告が行われていない。それを勧告せよと主張することは何ら間違っておりません。
○松野委員 ただいま政府の圧力と言われましたが、具体的にどんな圧力ですか。
○赤松委員 淺井人事院総裁は、内閣委員会におきましてもあるいは社会労働委員会におきましても、民間給与よりも下回っているという事実を認めておる。そして勧告の意思があると言っておるのです。しかしながら政府の予算上の都合でどうしてもできないんだということを言っている。すなわち私が政府の圧力というのは、予算上の都合を理由にとって、国家公務員法で規定されておるところの当然勧告すべき勧告の義務を怠っておる、そのことが政府の圧力だ、こう言っておるのです。
○松野委員 その程度の問題ならば、あなたが声を大にして圧力というほどの圧力じゃないのです。あなたの方が人事院に対して賃金値上げの勧告の要求をするということが報道に載っておる。どっちが圧力なんです。それは交渉ですよ。それからただいまのは実は勧告ではなしに報告です。三十年の七月というのは勧告でなくて報告なんですが、三十年度の期末手当の昨年十二月に支給すべきものの勧告というものはここへ出まして、これは政府が完全に実施しております。それになおかつ二千円というのは人事院を無視し、しかも国家公務員法を無視している。あなた方が官公労の二千円ベース・アップというものを予算に計上される根拠は一体どこなんです。少くとも順法精神を守り、規定があり、ともに国会で作った法律の実行者お互い同士が、何ら根拠なしにいわゆる力ずくで二千円のものを上げようという。国家公務員に関してその根拠を一つお尋ねしたのです。
○赤松委員 昨年七月の人事院報告書をよくごらんになれば、そこにいわゆる合理的、科学的調査というところの人事院のちゃんとした根拠が出ておりますからあとでよく。ごらん下さい。 それからもう一つ言っておきますけれども、むろん人事院は勧告する義務を持っております。しかしながら人事院と離れて政府がベース・アップを同時にやるということは何ら差しつかえないことである。わが党が政府に対しまして、人事院とは別に政府の手によってベース・アップをしろということを予算の組みかえの中に入れることは、これは当りまえのことです。
○松野委員 私の手元にもありますけれども、二千円ベース・アップしろなんというものは報告にもなければ勧告にもないのです。しかもあなたのおっしゃるように政府と官公労というのは親子ですから、予算があり、日本経済全般を考えて必要ならば上げることは少しも差しつかえないと私は思います。しかし何も二千円上げろということは勧告にも報告にも出ていませんよ。どこにも出ていない。私は全部読んでみましたけれどもどこにも出てい、ない。これはあなたの方のお間違いなんです。そうして結局私たちが言うことは、ことに本年はまたこの給与の問題に関係して皆さん方が二万五千円まで引き上げられた、二万五千円ということは相当なものですが、一方私たちが考えまずのに、今日の給与実態というものは、大企業あるいは中小企業という民間ベースは相当の差が出ておる。官公労が二千円上げるというならば一般国民の血税から上げる、しかしわれわれの血税を考えるならば、当然やらなければならないところの予算がたくさんある。従って日本の経済全般をインフレに導く一つの導火点を作ることは、これはすなわち私から言うならば、あなた方の組みかえ案を完全に実施するならば、おそらく国民みな貧乏、皆貧政策という感じが私はする。すなわちインフレ政策です。しかも本年の予算の中には自衛隊、いわゆる防衛関係費全部を削除し、日本の治安を守るべき公安調査庁費もこれを全部削除し、しかも日本の国の内外の治安費というものを全部削除するならば、日本の産業、治安及び日本の国民生活は壊滅して、そうしてインフレ的要素を多分に持ち、そうして実施できないような国際協定をむやみに押しつけようとする、こんなものはのめるものでもなければ、ほんとうに良識を持つならば、こんな予算の組みかえは外部の圧力で、社会党自体よりも、他の影響を考えながらあなた方がお出しになったという感じが深い。(拍手)少くとも今日までこの予算委員会を通じて、あなた方の質疑には相当傾聴すべき建設的な意見もあった。しかしこの組みかえ動議によって、一朝にして実はせっかくの社会党の名をはずかしめる結果となった。内容を一々言う必要はありません。あなた方に言わせれば、自民党は党略で言うとおっしゃるでしょう。しかしながらすでに国民世論というものは、すべての新聞論調というものは、私が論破するまでもなく、詳細にあなた方の将来の責任を実は追及しております。従って私は内容いかんよりも、実行できない無謀な条約を含み、無謀な予算を組み、しかも日本の国民全部にインフレを与え、しかも国民皆貧政策を実施する以外に、この予算組みかえの動議の目的はございません。私は相当時間もとりましたけれども、はっきり申し上げて、もう少し社会党の諸君の良識をお願いして私の質疑を終ります。(拍手)
○伊藤(好)委員 私は予算委員会の貴重な時間をかりまして、別にちょうちょうと長くおしょべりは申し上げません。しかしながら松野君のお話は、われわれの組みかえ動議全体を批評して、インフレ的であり、しかも国民に貧乏をしているもの、こういうようなこと、あるいは国民経済を破壊する云々の内容についての御批判がありますが、これはそのまま私は政府原案の予算についてお返しをいたしたいと存ずるのであります。(拍手) われわれの考えるところによれば、公務員にしろあるいは農家にしろ、あるいは中小企業者にしろ、そういう方面に対して、できるだけの予算措置を講ずることは、国民生活の公正なる安定のために絶対に必要であり、その結果として生産の増強、あるいはインフレを克服すべき物質的条件ができ上ってくるものだとわれわれは確信するわけであります。従ってわれわれはその意味において、政府の原案よりも出投資においてもふやしていく。すなわち経済建設のための措置を講ずると同時に、経済建設に一番骨折って冷遇をされておる働く人たちのために措置を講ずることによって、一そう生産の増強、拡大、生活の安定をはからんとするものでございまして、私は政府の出された予算原案に対する編成林を求めるの動議として出されました結果、幾多の制約がございますが、でき上った現在の状態においては、われわれの編成替動議は、最も国民生活と日本経済その他に適応したものだという信念を持っております。一言お答え申し上げておきます。
○西村(榮)委員 ただいまの松野君の御質問の中にいろいろ誤解があったようでありますから、最後に簡潔にお答えいたしておきます。 あなたの御質問の中の誤解が、あなたの口を通じて国民に誤解を与えることを懸念して、一言私はお答えいたしておきます。 私の方の予算案について、これはインフレーションの要因になるのじゃないか、しかも国民を貧窮せしむるところのでたらめの予算であるというおしかりを受けましたけれども、私どもはそう考えておりません。と申しますことは、何と申しましても社会主義の進歩と成長の過程において提出いたしました予算案でありますから、神ならぬ身として万全なものではありませんけれども、可能な限り理想に近づけたつもりであります。 そこで、私どものねらったところは、第一に国民生活の安定に重点を置いております。しからば国民生活の安定というものを確保するために裏づけになるものは生産計画でないか、日本の産業計画でないかということをあなたが言わんと欲せられたと思うのでありますが、私どもが予算案に組んでおりませんことは、商業計画、日本の生産の発展の傾向というものは、行政的処置におきまして、金融操作あるいは手持ち外貨の活用において私はなし得るのだと、こう確信いたしておりまして、これは行政的処置にまかしたのであります。わが党に内閣をお預けいただきますならば、日本の産業は飛躍的に発展せしめます。(拍手) そこであなたから、インフレーションではないか、たとえば官公労の二千円ベース・アップに対して、予算の規模を無視したインフレ予算ではないかというおしかりをいただきました。私は簡単素朴に機械的に財政を見ますならば、その一番の官公労だけの給料を上げるということは、あるいはインフレーションの要素になるという懸念を与えるでありましょう。けれども財政並びに経済の全般を、進歩的立場からごらんいただきますならば、決してインフレーションの要因にはなりません。あなたが所属されておりまする保守党は、これはよかれあしかれやはり保守党の特色を持っておられます。そこで私はあなたに社会主義理論を押しつけようとはしないのでありますが、その保守党のよって立つ資本主義の骨格をなしてアメリカ経済の繁栄を招来したものは、これはフォード・システムであります。そのときにフォードは、かつて平均の労働賃金を…(発言する者多し)私はお答えしておるのですから、聞いて下さい。保守党の意見にも私は敬意を表している。——フォードが二ドル四十セントの平均賃金のときに、五ドルを採用いたしました。 〔発言する者多し〕
○三浦委員長 答弁は簡潔に願います。
○西村(榮)委員 フォードが、二ドル四十セントの平均賃金のときに五ドルを採用いたしました。労働時間は四十八時間を採用いたしました。これが資本主義発展の原動力でありますから、社会党が組みかえ案に提案いたしました賃金の上昇だけで、これはインフレーションにならない。インフレーションになるかならないかということは、その政治の強弱と緻密なる計画経済によるものであるということだけを御記憶願いたいのであります。
○三浦委員長 これにて編成替を求めるの動議に対する質疑は終了いたしました。 これより、予算三案の編成替を求めるの動議及び政府原案を一括して討論に付します。稻葉修君。
○稻葉委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の昭和三十一年度予算三案につきまして賛成の意を表し、社会党の提案による組みかえ動議に対し反対するものであります。 この予算案は、二大政党になってから初めての本予算で、第三次鳩山内閣としても、国民の期待にこたえる重大な使命を持つものであります。われわれが昨年十一月結党後直ちに三十一年度予算についての党としての基本方針を定め、これを国民に発表し、この方針に従って政府が予算編成に当るという政党政治の正道を踏み出したことは、大きな意義を持つものと思うのであります。この予算案が、第一、財政と金融の総合一体化、第二、財政の健全性の維持、第三、民間資金の活用、この三原則によって、インフレのない経済の拡大をはかり、五カ年計画の完成を期して、その初年度を踏み出すことをもって編成の基本方針としております点は、わが日本の財政史上特筆すべきことであります。 御承知の通り、二十九、三十年度と、両年度におけるいわゆる一兆円予算が、金融引き締め策と相待って、わが国経済の健全化、正常化に大きな役割を果して参りました。その結果、輸出は記録的に伸び、鉱工業生産もこれを中心として飛躍的な発展を遂げ、国民所得も二十九年度に比べ約九%と大幅に増加する見込みであります。しかも、物価の基調はくずれておりませんし、民間資金の蓄積も進み、金利も急速に低下いたしております。このように、インフレなき経済の発展が着々として行われているのでありますから、本年度におきましては、一兆円のワクを形式的に固執する意義はすでに乏しくなっております。従って、今回の予算案の規模一兆三百四十九億にしたことは妥当なところと言ってよいと思うのであります。一兆三百五十億円の国民所得に対する割合は一四・八%であり、三十年度補正後予算の規模と国民所得との割合一五・二%をも下回っており、戦後最も低い率となっております。しかも、今回の予算案におきましては、公債の発行を避け、租税その他普通歳入の確保に努力するとともに、歳出の重点化に努め、これによって収支の均衡をはかっているのであります。すなわち、あくまで健全財政を堅く維持したのでありまして、一兆を三百五十億こしたことに対し、国民の一部にあるインフレの心配はないのであります。 他方におきましては、これと全く逆に、今回の予算案はあまりにも消極的過ぎる、もっと積極的に経済の拡大をはかるべきではないかという批判があります。しかし、われわれは、今日のわが国経済の好況のよって来たるところを冷静に考えてみる必要があると思うのであります。すなわち、さきに申し述べましたとおり、現在のいわゆるインフレなき経済の拡大発展は、われわれが経済の健全化政策を推進し、国内経済態勢を整備して参ったことによるのでありますが、一つには海外における景気の好伝があずかって大いに力があるのであります。この好況は当分続くと見てよいけれども、決して手放しに楽観は許されないのであります。イギリスは御承知の通り、公定歩合の引き上げを行い、インフレを回避すべく積極的な努力を払っております。また、その他各国におきましても、信用抑制策に重点を置いて、景気調整に努めつつあるところが少くないのであります。このような海外経済の動向を勘案し、かつまた、現在なお底の浅いわが国経済の構造を顧みますと、もしこの際放漫な財政の拡大政策を安易に行うとすれば、やはりインフレの懸念は十分あるわけでありまして、二十八年度の国際収支三億ドルの赤字を出したことを思い起し、これを再び繰り返すことのないよう、慎重に配慮すべきであると考えております。今回の予算案は、以上各般の事情を深く洞察した結果、あくまで経済健全化政策の基調を堅持することが妥当であり、この程度の財政規模が適当であって、あまり大きくすることはなお警戒を要すると信ずるものであります。 さらにまた、この予算案に対し、相も変らず、総元的である、政策の重点がぼけている、と評する向きもあります。ややその向きもないではありませんけれども、このような批判にこたえますため、予算案の内容のうち、重要な点を二、主取り上げ、若干申し述べたいと存じます。 この予算案の重点は何であるかといえば、第一に貿易の振興、第二に地方財政の再建であります。 第一の貿易の振興は、日本経済の構造とその現況に照らしまして、今日貿易の振興が最優先に取り上げられるべき課題であることは言を待たないところであります。それで、いかなることをやるかというに、まず、金融面におきましては、輸出入銀行の貸付資金のワクを百四十億円拡大いたしまして、五百四十八億円を予定し、民間資金の活用と相待って、輸出金融の円滑化をはかることといたしております。次に、一般会計の貿易振興のための経費を増額して、海外市場の維持拡大をはかり、また輸出保険制度を改善し、特に海外投資保険を創設して、海外投資を積極化する等の措置を講じているのであります。さらに、外交関係につきましても、在外公館の拡充等、外交機能の充実に努め、賠償その他対外債務の処理に必要な予算を計上し、正常な通商関係を確立することといたしまして、この面からも、貿易の積極的推進を期しているのであります。われわれは、長い間懸案だった日比賠償の解決に異常な熱意を示し、妥結の見通しも濃くなりました。東南アジア貿易の進展に資するところ甚大であるというべきであります。 かくして、三十一年度におきまして、貿易は一段と躍進が期待されるのであります。しかしながら、貿易の正常な拡大発展のためには、なお産業の国際競争力を培養し、わが国の産業構造を改善強化することが必要でありますが、金融の正常化は急速に進展し、金融機関の資金量は豊富となり、金利は急速調に低下し、企業の資金調達は著しく順調となっているのであります。これはすなわち第一次鳩山内閣以来の施策のよろしきを得た結果であることは、何人も否定するわけには参らぬと存じます。 さらに、この金融正常化の趨勢に即し、三十一年度におきましては、開発銀行資金の重点的、効率的使用をはかり、電源開発事業を推進するとともに、石油資源の開発のために、産業投資特別会計から七億円を出資し、工業用水の確保のため新たに一億八千万円を計上するほか、生産性本部に対する資金を増額して、生産性向上運動の助成をはかる等、貿易拡大の条件たる産業基盤の強化のため所要の措置を講じているのであります。産業の発展は、驚くべき速度で進歩してやまない科学、発達しつつある技術の上に築かるべきものでありますが、今回の予算案におきましては、この科学技術の振興に特に重点を置くこととし、三十年度に比べ二十九億円を増額して百十四億円を計上しております。なかんずく、原子力の平和的利用の研究につきましては、その重要性にかんがみ、原子力研究所の改組、原子燃料公社の新設等を行うとともに、研究費を大幅に増額し、二十億円を計上しているのであります。いわゆる原子力三法の成立による原子力行政機構の整備と相待って、将来は一そう加速度的にこの方面に重点を置くべきことは論を待たぬところであります。私は、昭和二十九年度予算の修正の際、反対論もあったけれども、われわれの良心と責任において二億三千五百万円の原子炉築造のための基礎調査研究費を計上し、修正案の説明をこの委員会で行なったことを追憶し、本年度予算の二十億と比べてみて感を深うするものがある次第であります。 第二の重点たる地方財政の再建について一言いたします。この問題は昨年の臨時国会以来の懸案であって、地方財政の再建は本年度予算編成の中心課題の一つとして取り上げられていることは、諸般の施策からうかがい知ることができるのであります。たとえば、公共事業について国庫補助率を引き上げ、また補助単価の適正化をはかって地方負担を軽減し、教育委員会の改革を初めとする行政制度の改革による経費の合理化等々、地方団体の支出減となるべき方策を講ずるとともに、一方、入場譲与税の全額譲与、軽油引取税等目的税の拡充、三公社の固定資産からの税、または交付金、国有資産等の所在市町村に対する交付金の交付等、地方団体への新財源の賦与を講じられているのであります。さらに、交付税率の三%引き上げも多大の財源となることは申すまでもありません。特に、昭和二十六年度以来常に問題とされてきた地方公務員の給与費が、給与実態調査によって根本的に再検討され是正せられたのを初めとして、地方財政計画上のいわゆる財政規模が大幅に是正されたことは、地方財政の根本問題の一面を解決するに役立つものであります。 かくのごとく、地方財政の再建については相当重点を置いていることは認められるのであるが、なお、地方財政規模総額一兆四百五十六億円のうち、一般会計、財政再建債、公営企業債合せて千二百八十億の多額に上る起債によって地方財政をまかなわなければならぬという状態は、地方財政再建の根本的解決にはほど遠いものであると言わねばなりません。これらの点は、行政機構の改革、地方制度の改革及び税制の改革と相待って格段の努力を要する点で、多くの問題を残した予算であることを遺憾となす次第であります。 以上の通り、貿易の振興、地方財政の再建という重点はあげ得るのであって、総花、無性格予算とむげに言い去ることは不当であります。 民生の安定等社会政策的諸施策につきまして簡単にふれておきます。 まず、社会保障関係費につきまして、千百三十四億円を計上し、昨年より百二十二億増となっております。ここで一言しておきたいと思いますのは、本予算委員会の質疑中、常に社会党の諸君から攻撃されましたことは、鳩山内閣は防衛費を削減してそれを社会保障に回すと公約しておきながら、防衛費はふえているではないかということでありました。われわれは、防衛分担金の削減、防衛力の漸増、従って防衛庁費の漸増、社会保障の拡充と公約したのでありまして、分担金の削減は五十三億余、防衛力漸増は防衛庁費において百三十三億余を計上し、さらに社会保障費は百二十二億増と、三つとも公約は果しております。この点は三十年度補正予算の討論ですでに山本勝市委員の明確に指摘したところでありますが、社会党が常にしつこく繰り返して参りますから、念のため繰り返し強調しておきます。 三十一年度の住宅建設四十三万戸に要する資金といたしましては、民間資金の活用をも含め、公営住宅、住宅金融公庫及び日本住宅公団を合せて五百十二億円を予定し、昨年度に比し四十五億増となっていますが、これが実績をあげまするよう、その行政措置については政府の一そうの努力を要望しておきます。 次に、中小企業対策は、産業政策といたし面しても、また社会政策といたしましても、きわめて重要な問題でありますが、これにつきましては、国民金融公庫及び中小企業金融公庫の貸付資金のワクを三十年度に比べ約百億円拡大し、また、中小企業信用保険制度を改善する等、金融面において所要の措置をとりますとともに、一般会計におきましても、中小企業対策費を増額することとしているのであります。 なお、給与所得の税負担につきましては、過去数回にわたる減税にもかかわらず、なお他の所得の税負担に比して重いと認められますので三十一年度におきましては、間接税の一部の増徴、法人税の改正により財源を調達いたしまして、初年度百五十億円に及ぶ減税を実施することとしているのであります。 なお、物価につきましては、米の消費者価格、鉄道運賃等を据え置くこと等により、民生の安定のための諸般の政策実現のため、十分とは言い得ないながらも、限られた財源内での努力は国民にも了承してもらえると思うのであります。 このほか、新農村の建設、国力に応じた自主防衛体制の整備、国土の開発保全の促進、なかんずく北海道開発等につきましても、今回の予算案におきまして、それぞれ措置を講ずることといたしております。 一方、これらの公約を実現いたしますため、一般会計からの出投資を他の財政資金へ肩がわりし、公共事業の重点化、補助金等の整理合理化、人件費の適正化等に努め、極力財源を捻出することといたしましたことは、いずれも適切であると認めます。 以上をもって政府原案に対する賛成を終って、次に社会党の組みかえ動議について反対意見を述べます。 われわれは、形式的にもせよ二大政党時代に入った今日、尊敬する野党として社会党が責任ある行動をとり、真に建設的な意見を出されることを切望し、また、二大政党の政策の相違を予算をめぐって国民の前に明瞭に打ち出し、その批判を待つことは、民主主義的な態度でもあり、また国会の当然の責務だと信じ、その具体的審議形式として、この予算案審議の当初、いな昨年の補正予算のときから、川崎秀二委員のいわゆる中間討議の提案を支持し、野党も当初これに応じ、国会の内外、世論もこれに多大の期待を持っていたと思うのであります。しかるに、これが回避せられましたことは、はなはだ遺憾であります。また、諸君の政策を織り込む組みかえ動議の提出の時期もはなはだおくれまして、ぎりぎりにほうり込んでくるというようなやり方は、いかにもわが方の鋭い質疑を回避するように世間から誤解されるおそれがあるわけであって、いろいろ御事情はあろうけれども、感心できない態度であります。先ほど、短かい時間ではありましたが、松野委員の質疑に対する答弁を聞いておりますと、まことに心細い限りであります。昨年、臨時国会における社会党の組みかえ案に対する反対討論の際、私は社会党が真に政権担当の用意ありというならば、非現実的な空虚な数字の羅列をやめて、もっと責任ある態度に出られることを切望しておきました。覚えておられることと思います。と同時に、やがて来たる通常国会における組みかえ案は、十分準備期間もあることだから、社会党の現実的成長と政権担当能力を天下に示す機会をとらえて、十分国民を信頼せしめられるよう切望しておいたはずであります。しかるに、今回提案された組みかえ動議を見ますと、相も変らぬ現実性のない室虚な数字をもてあそんでいるとしか思われません。けれども、二大政党の一つの公党の出された組みかえ動議を無視するわけには参りません。のみならず、多数派は寛容をもって少数意見に傾聴するという民主主義の徳義を尊重いたしまして、煩をいとわず諸君の主張の誤まりなるゆえんを二、三あげ、以下これに準ずと御了解願います。 まず、組みかえ動議の歳入の部についてであります。所得税について、月収二万五千円までを非課税として、三百五十六億円減税することになっておりますが、賃上げの恩典にも浴し得ない中小企業の労働者には何の利益も与えられないことを考うべきであります。かかる多額の財源の減少には応ぜられない。 次に、法人税の増税六百二十四億円ということをやっては、わが党の最も重点とする輸出貿易の息の根がとまるから、従って、国民生活を非常に貧困に陥れるから賛成できないのであります。 歳出の部について、一カ月一律二千円を本年四月から上げるという公務員のベース・アップは、物価横ばいの現状においては理由に乏しいのであります。ベース・アップの瀬と時期については、社会党でも論議のあったところ、総評、なかんずく官公労に押し切られて、無理な要求をそのまま取り次いでこられたことは、はなはだ遺憾であります。 生産者米価の引き上げと消費者米価の据え置きによる財源措置もまたはなはだ無理であります。 社会保障関係費や地方交付税交付金や義務教育費の増額その他、すべて財源に無理を生ずる。ほんとにそうならうれしいというだけで、(笑声)すべてできない相談であります。どうせ少数で通らぬからとて、すてばちだとは思わないけれども、あまりかけ離れた夢ばかり追うていては、だれも信用しなくなるでしょう。 防衛支出金の四百五億円全額削除、防衛庁費七百億円削除で、防衛費の残りをわずか三百億円にして、一体どうするつもりです。公安調査庁費の全額削除などと照らし合せて考察するに、第二十回ソ連共産党大会におけるフルシチョフ、ミコヤン演説の意図するところの日本中立化政策にこたえようとでもいう考えなのでしょうか。それは日本の独立を危うくするものであって、われわれの了解するに苦しむところであります。また、見方を別にすれば、防衛力をほとんど皆無にし、わずか三百億の残務整理費だけ残して、一体米軍撤退の促進、自主自衛、独立の完成ができるか。いつまでも駐留軍の存在に甘んじ、不平等な安保条約、行政協定に甘んずる結果とならざるを得ない。これは統一社会党の掲げる民族独立の公約に反するようであるが、いかがですか。また、国際連合加盟は国論でもあり、社会党も主張するところでありますが、防衛力を皆無にしてしもうては、あなた方の言う集団安全保障方式すなわち国連憲章の命ずる共同防衛義務分担との関係で明白に矛盾を生ずるではありませんか。 まことに非論理、不合理が続出して煩にたえません。こちらの方の頭がしびれてくるから、この程度で、組みかえ動議に反対、政府原案賛成の討論を終ります。(拍手)
○三浦委員長 井手以誠君。
○井手委員 私は日本社会党を代表して、軍備偏重の政府提出昭和三十一年度予算三案に反対、福祉予算に編成がえを求める社会党の組みかえ動議に賛成の討論を行うものであります。(拍手) まず私は、一萬田財政の破綻を指摘しなくてはなりません。予算ぶんどりの無統制を天下にさらした一般会計は、一兆三百四十九億円となり、前年度予算に比べ、出投資を含んだ実質的増加は五百四十億円に上っておるのであります。きのうまで地固め一兆円をにしきの御旗とした予算としては、あまりにも急激、無方針な膨張といわねばなりません。当初の基本方針は一兆百四十億円のはずであります。それがアメリカの要求と与党の圧力に屈し、ついに三百億円以上の大幅増額になったことは、何人も否定できない事実であります。 そのため、歳入は減税して、なお五百二十億円の増収を見込み、罰金や科料まで七億円を水増し、授業料値上げ、健康保険の患者負担等、こまかく財源をあさり尽したのであります。また予備費を五十億円削減してもなお足らず、当然一般会計から行うべき中小企業、農林漁業、住宅建設等への出投資百八億円を削除して、利子のつく財政資金に切りかえ、さらに多くを民間資金に求め、あまつさえ、単年度予算の原則を破って、多額の予算外契約をはかったのであります。なおしかも、問題の旧朝鮮銀行と旧台湾銀行の清算剰余金三十五億円に手を伸ばし、一方賠償等債務処理費を五十億円減額し、辛うじて一兆三百五十億財政につじつまを合せるという実態であります。膨大な自然増収が限度を越えておるということは、わずか数日前の、ぎりぎり百六十億の自然増を見込んでようやくまかなった三十年度予算補正の税収より、さらに三百六十億円上回っているこの一事によっても明らかであります。 しかも、かように財源に無理算段した予算編成にかかわらず、膨大な軍事費が別格扱いに最優先され、軍人恩給その他の義務支出の増加に食われて、産業基盤の拡大、民生安定の施策を何ら行うことができず、わずか財政投融資計画によって一部の公約実行を装う醜態であります。すなわちこのことは、再軍備を増強する自民党財政の行き詰まりと、民生安定の限度を端的に表明するものと言えましょう。いかに国民所得の増大をうたい、財政金融の一体化を唱えても、もはや国民をごまかす隠れみのにも煙幕にもなりません。同時に、九百八十五億円に上る大法人等の減税特別措置にほとんど手を触れ得なかったところに、保守党内閣の正体を暴露するものがあります。(拍手) さらに、ここで看過できないことは、インフレの徴候であります。一般会計予算総額の実際は、一兆四千三百十八億円が正しいのであります。なぜなら、政府が力説する財政金融の一体化において、一般会計、財政投融資、民間資金動員の合計は、前年度より一千百二十二億円の膨張であります。しかも財政投融資は、資金運用部の水増し動員でも足らず、公団債、開発債を乱発し、前年度より三百八十億を増額したことは、財政政策の本末を転倒し、公債政策の第一歩を踏み出したものであります。従って一千百億円以上もふくらんだ無性格予算はインフレのおそれが多いのであります。現に物価横ばいを主張する経済企画庁が一昨日各商品軒並みのじり高を発表し、各新聞は、物価に警戒信号を報じたではありませんか。政府みずから料金運賃の値上げをやるからであります。 かようにして継いだり張ったりした予算案の無理は、全く弾力性を失い、一度災害に襲われるか、わずかの経済変動にあえば、運用部の原資不足、民間資金活用の無計画と相待って、たちまち一萬田財政は破綻するでありましょう。日比賠償問題の解決とあわせて、予算補正は必至であります。政府案は、まさに八方破れ、参議院選挙目当ての党利党略予算、無性格インフレ予算と断ぜざるを得ないのであります。(拍手) 次に、鳩山総理は、本会議における河上議員の質問に答え、軍事偏重の予算とは全くでたらめなうそであると反駁されておる。そこで、私はうそでない証拠を示すから、総理は飛耳張目してお聞き願いたい。この予算案によって、明年度は直接軍事費だけで千四百億円を突破し、それでもまかない切れず、航空機購入などのため予算外契約百四十三億円、潜水艦建造の継続費二十七億円を加えれば、実に一千五百五十七億円に達するのであります。しかも、防衛庁費は、今後防衛庁支出金削減額の倍額を増さねばならない義務を負っているではありませんか。そしてまた、アメリカ軍の要求には、その施設費を防衛庁費からどんどん回さねばならないではありませんか。問題を起すアメリカ兵を撤退してもらうためには、一日も早く自衛軍を増強せねばならないとは、総理、あなたの国民に対する公約ではなかったですか。よもやお忘れではありますまい。しかるに、かくまで犠牲を払っても、撤退するアメリカ軍は地上軍だけ、海空軍は逆にますます増強され、空軍は五万人に達していることが明らかにされておるのであります。これでも総理はうそとおっしゃるのか。自衛隊は前年より二万四千人を増員して二十一万四千四人に上るのであります。この十八個師団当時以上の軍隊に、月五千円近くの衣食住を与えて、なお月一万五千円平均の給料を支払い、ジェット機の国産、潜水艦の建造に着手し、誘導弾の研究には五億六千万円を計上、戦力ある軍隊は明年度末において陸上十六万、海上十万トン、航空機五百八十に達するでありましょう。すなわち、防衛と称して敵前上陸の演習を行い、攻撃用近代装備を進めているところに、軍事予算の性格がはっきりしているではありませんか。(拍手) 独立国に、みずから守る力は必要であると言いながら、防衛庁最近の発表によりますれば、アメリカの譲渡または貸与の兵器弾薬は、三千二百億円に上るというお仕着せ再軍備であります。飛行基地の拡張、原子兵器関係の持ち込み等々、ここにも総理のいう自衛のうそがあります。これら奇々怪怪な事実の上に、防衛庁予算は、アメリカの一喝にあってたちまち一千億円にはね上り、不正支出は跡を断たず、軍服は四年分をたくわえている防衛庁、この軍事費に、閣議は一言半句の文句もなくまかり通っておるのであります。すなわち、基地にも予算にもアメリカの天領ができ上っておる。かつての臨時軍事費をしのぐものがあります。この軍事費によって民生費は著しく圧迫され、鳩山内閣の公約が果せなかったではありませんか。これを軍事偏重予算といわずして何でありましょう。明らかに不生産的な軍事予算であり、アメリカヘの従属予算でございます。 昨年のきょうは、鳩山内閣が公約を山ほど並べて総選挙に大勝を博した日であります。それでは、その公約の実態はどうでございましょう。防衛分担金を削って内政費に回す公約が、とっくに御破産になったことは皆様御承知の通りであります。明年度予算において、まず減税は、なるほど政府が、勤労所得税に九カ月分百五十一億円の税法上の減税を行なったことは、事実であります。しかし実際には、間接税の増徴と所得の水増しによって、国税だけでも減税にはなりません。すなわち五百十九億円の増収を見込んでおるから、各家庭においては、何らかの名前の税金で一カ年二千八百九十円だけ税負担が重くなるのであります。たとえば月収二万円の夫婦子供二人のサラリーマン家庭にあって、明年度の所得軽減は年九百三十八円、まことにささやかな減税であります。これは、電車の値上げ年一千四百四十円にも足りないのであります。すでに国税庁は、傘下五百三の税務署に、諸税の捕捉率を進化せしむべしという指令を発しております。従って中小企業者、農民の所得には、仮借なく徴税が強化されて参るでありましょう。その上、各家庭は関税の引き上げによって平均年五百円の高い砂糖を買わせられ、さらに授業料は、大学は三千円、高校千二百円の値上げ、固定資産税や利子のつく公営住宅の建設をして、家賃はうんと上る、水道もガスも、地方では財政窮乏から増税が待ちかまえ、国鉄の運賃も、米の消費者価格も参議院選挙までだとの不安が強いのであります。 かくて明年度は、勤労所得税の見せかけ減税で、寝ても動いても、どちらを向いても鳩山内閣は値上げばかりであります。名実ともに減税となるのは、月収四万円以上の高額所得者だけである。これが一萬田ミルク財政の中身である、一萬田減税の魔術であります。大企業には、莫大な貸し倒れ準備金にまで免税しておきながら、かかる大衆課税は断じて許せません。 一方社会保障はどうでございましょう。減税の恩典にも浴しない病気と貧乏、失業と老齢、この多くの国民を守る社会保障費が著しく後退しておることは、公述人の公述を待つまでもありません。小林厚生大臣が弁解する百二十二億円の増加は、増大する生活要保護者、失業者及び健康保険の赤字等当然国が行うべき措置の一部にすぎないのであります。しかも要保護者数を過小に見積り、健康保険の赤字対策には、標準報酬を引き上げ、患者の一部負担を行い、結核予防費は大幅に削減して、法律を有名無実にしております。かように、気の毒な人々を医療保障、早期診療から遠ざけておきながら、健康保険を三千万国民に普及するということは、盗人たけだけしいのたぐいと言わなければなりません。ジェット機十機で患者負担二十三億円が救えることを御存じございませんか。 失業対策についても同様、特別失対事業は対象十万人の必要を認めながら、前年度より逆に一万人の減であります。二十三万人の対策では、登録失業者四十五万人、毎日六千人増加する登録失業者には焼け石に水である。労働力の増加年間八十八万人、加えて駐留軍労務者の整理、石炭合理化による五万数千人の新たな失業者を出そうとする今日、雇用の増大を中小企業と第三次産業に求め、その中小企業対策の予算にわずか七億八千万円しか計上できなかった鳩山内閣では、失業対策、雇用対策の能力なしと言わねばなりません。(拍手) 一方鳩山公約の大きな魅力であった住宅建設は、一万戸を増して四十三万戸、うち国の施策によるもの十七万八千戸、あと二十五万二千戸は民間の自力建設という前年以上の上げ底であります。今三百万人の大衆が求めておるのは、家賃の安い、頭金が少い、手続の簡単な庶民の家、すなわち公営住宅であります。しかるに明年度の公営住宅は、逆に二千戸減らされておる。政府は、一体一万五、六千円から二万円の勤労者に家賃四、五千円の家に住めるとでもお考えになっておるのかと言いたい。全く了解に苦しみます。 さらに三十一年度の重要課題であった地方財政はどうでしょう。鳩山総理は施政演説において、赤字の発生を見ない根本的対策を立てたと述べられておるが、今稲葉君は手前みそを並べられた。しかし明年度六百三十二億円、四十年度には千四百億円をこえる公債の元利償還がそのまま赤字になることは、自治庁長官自身がみずから認めるところであります。この公債費にメスを加えることなく、また必要な財源を与えず、依然として七百億円の起債を行わせておることは、ますます地方財政の窮乏を拡大させるばかりであります。経費の節減、事業の圧縮で仕事ができないようにする鳩山内閣のやり方では、地方自治を守る資格は断じてございません。(拍手) 以上、私は簡単に公約を検討いたしました。そうして鳩山内閣の公約が総くずれになったことが明らかになりました。明朗で、うそのないはずの鳩山政治が、実はうそで固められたようなものであることもわかりました。これを評して一流週刊誌は、鳩山内閣の公約と書いてうそと読むと報道していることを、政府与党諸君は御存じですか。(拍手)国民は公約に誘われてウナギ屋とてんぷら屋の前を行ったり来たりするばかり、これが鳩山総理の友愛精神です。 最後に、鳩山内閣は最近一兆円予算にかわる経済自立五カ年計画の一枚看板を掲げました。経済の自立と雇用の増大を鳴り物入りで宣伝いたしました。もとより五カ年計画けっこうである。吉田内閣の出たとこ勝負より若干の知性を認めるものであります。しかし問題は実行であります。予算の裏づけであります。政府の発表によれば、この五カ年計画を達成し、もろもろの公約を果すためには、一般会計の規模が今後五カ年間に五兆六千六百億円、従って一カ年一兆一千三百二十億円の歳出でなくてはならないはずであります。ところが明年度の予算には、前にも述べた通り、前年度より増加した金額は防衛関係費等に食われて、五カ年計画の施策はどこにも見当りません。しいて求めるなら、科学技術の振興三十億円のほか二、三億円程度でありましょう。経済基盤拡大の土台ともいうべき公共事業関係は、年平均一千八百億必要であるにかかわらず、逆に昨年より四十六億円減額して、一千四百億円にすぎない。これでどうして国土の保全開発が期せましょうか。ことに食糧増産のごときは、五年後に千三百万石の増産をうたいながら、二百四十数億円では、八十万石そこそこの増産でありまして、鳩山内閣の食糧増産は百年河清を待つにひとしい。河野農林大臣の政治力も、まかぬ種ははえないのであります。 申すまでもなく、予算は政策の集中的表現であり、経済の五カ年計画の原動力は一般会計にあります。高碕経済企画庁長官お得意の所得増大も、施策なくしては、しょせん机上の遊戯にすぎません。 それでは、三十二年度以降はどうなるでありましょう。軍事費はさきの一般方式によっても毎年二百億円程度膨張する。賠償関係等の対外支払いは、三百億円前後増大することは必至であります。その他義務支出の自然増は免れない。従って一兆一千三百二十億円の予算を編成するといたしましても、五カ年計画を予算化する余地はほとんどないのであります。もし所得増大程度の予算でありまするならば、逆に経済自立の経費は圧縮されるに至るでありましょう。(拍手) かように検討いたしますれば、防衛力を増強する保守党内閣では、五カ年計画は断じて実行できません。(拍手)もともと利潤追求の自由経済で完全雇用を求めたり、生産性向上で雇用増大をはかろうとすることそれ自体に無理がある。わが社会党だけが解決し得るこの政策を借用したところに、看板の偽わりがあります。(拍手)五カ年計画は単なる作文に終って、参議院選挙を待たず、きょうの淡雪の、ごとくたちまち消え去るでありましょう。 以上によって保守党内閣の組み得るものは、将来といえども軍事予算以外になく、民生安定はとうてい望み得ないことがはっきりといたしました。これに反し、社会党が提出いたしました組みかえ案は、国民大衆が真に待望していた福祉予算であります。社会党は、この組みかえによって年間三十万円までの所得には免税とするほか、全面的税制改革によって、六百億円をこえる大減税を断行するものであります。そして長らくがまんして参りました公務員諸君には、四月から二千円のベース・アップ、農民には再生産を保障する一万二千円の基本米価、中小企業には低利豊富な融資、社会保障は全面的に充実して、雇用対策は万全を期し、進んで農民、中小企業者にも、全国民に老後を保障する国民年金制度を、また労働者には、生活を守る最低賃金制度の準備を進めて参るのであります。この上文教を刷新し、地方の財政を充実し、国土の保全開発を急ぎ、庶民住宅をどんどん建設しようとするものでありますから、いかに明るい、住みよい社会が作られていくかは、自民党の諸君にもおそらく想像がつくでありましょう。社会党は断じて公約を守ります。しかも現実に実行し得るものだけを求めておるのであります。この政策こそ、真の友愛精神に基いて、民主主義と平和を守り、生活を向上さぜる福祉国家を目ざす絶対唯一のものであります。これも頭の切りかえ一つで、役に立たない再軍備をやめ、大企業に対する特別恩典をやめさえすればできることであります。 私は自民党の諸君の良心的な賛成を期待し、ここに政府提出予算三案にかわる、社会党の組みかえ動議に全面的に賛意を表しまして、討論を終る次第であります。(拍手)
○三浦委員長 川上貫一君。
○川上委員 私は、政府の提出の昭和三十一年度の予算三案に反対して、社会党の組みかえ動議に賛成の意見を述べます。(拍手) まず政府原案に反対の意見を述べます。 反対の第一の理由は、こういう予算、こういう政策では、日本の自主独立はますます失われるという、この一点であります。たとえて申しますと、防衛関係費でありますが、これは自主的に編成されておりません。もちろん日本の軍事費というものは、不平等と従属を根本性格とするところの日米安全保障条約、行政協定で一定のワクをはめられておるものでありますけれども、特にこれを三十一年度の予算について見ますれば、防衛費は大蔵省の意見でもなく、閣議による検討でもなく、実際には防御分担金の折衝をめぐって、アメリカの圧力と意思によって、一ぺん限りで一千四百七億と、5膨大な直接軍事費が、たった四日間にきまっておるのであります。そればかりではない。今後分担金を軽減する場合には、そのたびごとに軽減される金上額の二倍に当る軍事費をよけいに予算に計上しなければならぬということまで、文書によって約束をさせられておるのであります。これは一体、どういうことか。これは国家予算の中に国民の意思ではなく、アメリカの意思によって決定される部分があるということであります。あえて言うならば、事ここに至っては、日本は事実上予算編成の自主性を失っていると言っても過言ではありますまい。このように、アメリカの言いなりになっておるのは軍事費だけではありません。たとえば原子力平和利用に関する費用一つをとってみても、これは今回新規に、かつ無条件に三十六億を計上したのでありますが、それによるいわゆる平和利用の実態というものは、どこまでもアメリカ一国だけに縛りつけられておって、世界各国との協力のもとで、自由に、かつ自主的に発展する道を完全に閉ざされております。こういう予算は、日本の自主独立の道にかないません。これに逆行する予算であります。これが反対の第一の理由であります。 第二の反対の理由は、この予算案は日本の軍国主義を復活させ、日本をますますアメリカの原水爆の基地として提供をする予算だという点であります。周知のように、今日アメリカは原爆搭載長距離爆撃機B57をたくさん持ってきておる。オネスト・ジョンを備えつけておる。同時に台湾、韓国で行われている原爆兵器についての指導を、日本の在日軍事顧問団がこれを行うておるといわれておる事実があります。こうした事実は、幾ら政府がこれを否定されようとも、極東各地へ向けてのアメリカの原水爆攻撃態勢というものが、日本を中心として着々として進められておる証拠であると言わなければならぬ。ところがこの予算案を見ますると、こういう攻撃態勢のためにますます基地を提供し、拡張するというこの予算が、前年度に比べて二十六億もよけいに組まれておる。その上に、もしこの二十六億でも足りないときには、アメリカの要請で一般防衛費の中から幾らでも流用できるということを、予算総則に書いております。これでは、幾ら防衛分担金を削ったところで何にもなりません。しかも、こうして提供された軍事基地そのものが無期限であるばかりではない、将来この基地がどういうように帰属されるものかということについては、何一つの取りきめも行なっていないのであります。これはどうするのです。ことに最近アメリカがタイ、フィリピン、豪州などを強要して行いました東南アジアの軍事同盟の大演習には、アメリカの軍艦、飛行機、オネスト・ジョンまでが公然と日本の基地から出動しております。これは政府も御承知だろうと思う。このことは、日本、台湾、韓国をブロックにする共同作戦や、海外派兵を約束する西太平洋軍事同盟の構想までが今日すでに実現しておるのだといってもよろしい。こういう事実を前に見ながら、なおかつ日本は、アメリカの原水爆基地とはならない、こういうことを言うごときは、私はことわざにいう耳をおおうて鈴を盗むのたぐいである。国民を侮辱するものであると考えます。 第三の反対理由は、この予算案は、露骨な独占資本位のもので、しかもそれが経済軍事化の方向によって進められておる、この点であります。たとえば、ジェット機、戦車、潜水艦等の生産のために新たに百億を計上しておる。なるほど金は百億であります。けれどもこの百億という金こそは、予算全体の性格を如実に表わしておるとわれわれは考えます。 次に反対の第四の理由でありますが、この予算は民生無視である。国民の要求に沿いません。ここでは一々の事実をあげてこれを述べる時間がありません。しかし労働政策の一端だけを見ましても、公務員の賃金ベースはあくまで押えております。これはその口実の何たるにせよ、事実はアメリカと日本の大資本家の要求にこたえて、アメリカ式オートメーションをてことするいわゆる生産性向上運動と相待って、公務員だけではない、一般産業における賃下げ、労働強化、首切りを保障し、頭から労働者の福祉を投げ捨てる精神であるということは、今日すべての労働者の骨身にしみて感じておるところであります。 税金では、これまた積年にわたる税収奪を少しも緩和しておりません。なるほど口では減税を云々しております。しかし、これを予算面から見ても、数字にある五百億増収、これだけじゃありません。実際上は、九百三十億に相当する莫大な増収を計算に入れて、予算を編成しております。しかもその裏では、いわゆる受益者負担ということをいうて、道路を初め官公立病院に至るまで、政府の負担を国民の肩に転嫁しておる。社会保障に至ってはもう申すまでもありません。社会党の諸君のるる指摘されたところであります。 健康保険の改悪を見ましても、たった八十億あまりの赤字をたてにとって、患者負担の増額を一挙に強行しようとしておる。こういうやり方の政治では、とうてい国民の生活の保障はできるものではないと思う。 そこで私は、最後に政府の経済自立計画について一言述べておきたいと思う。この計画については、政府はたくさんのことを並べておられますが、その皮をむいてみれば、つまるところは東南アジア地域との経済的協力を強め、貿易を拡大するということであります。これがかなめであります。ところが一方政府の方では、内では憲法を改正して軍事力を強化し、軍事産業を育成し、日本全土の軍地基地化を推し進めておるのであります。それなら現地ではどうするのか、ここに高碕長官もおられますが、現地においては、いちずにアメリカの軍事的圧力と、ひもつき援助をあてにしておると言わなければならぬ。このような背景をもってする東南アジア地域への経済的進出というものは、一体どういうことになるでありましょうか。結局のところ、東南アジアを目ざす経済的、軍事的ブロックへ日本を組み込もう組み込もうとしておるアメリカの世界政策に、みずから進んで引きずり込まれることであるというて私は間違いないと思う。私は、政府がよく目を開いて、アジアの事態を見る必要があると思う。そこでは大国インドを先頭として、インドネシアからアフリカまで、植民地主義に対する猛然たる反対が巻き起っております。ソビエト同盟や新中国との友好は、ますます深まっております。経済や文化の交流は、日一日と発展しております。平和共存の思想と平等互恵の鍵は、今や全地域を風靡し、帝国主義、なかんずくアメリカの侵略政策とまっこうから対立しております。こいうわけで、帝国主義の多年にわたる植民地政策は、次から次へと打ち破られており、世界十六億の人口を擁する広大なる平和地域は、ますます発展の道をたどっておるのじゃありませんか。この現実を無視して、依然としてアメリカの政策依存し、経済貿易の進出をはかるという、そういうことがうまくいくことでありましょうか。 私は、これ以上多くを申しません。ただ一つのことを言うておきたいのは、政府は経済自立の方向と政策を誤まっておると思う。政府がこのような誤まった政策をやめて、国策の根本を各国との平等互恵に基く平和共存の方針に切りかえ、アメリカに対する不平等な立場を断ち切り、ソビエト同盟や新中国と国交を回復し、東南アジアを初めとする広い平和地域との友好を深める政策をとるならば、そのときこそ、正常な経済貿易関係は確立するでありましょう。そのときこそ、日本の繁栄の道は大きく開かれるのではありませんか。私の言いたいことは、これこそが、日本が戦争の危険を避ける道であり、世界の緊張緩和に貢献する道であり、自主独立を推し進める道であって、これによってこそ、国民の幸福と、日本経済の繁栄は保障されるというこの点、これを私は心から指摘しておきたい。本予算案は、この道にすべて逆行しております。 以上が、政府原案に、反対する理由の概略であります。 次に社会党の組みかえ動議でありますが、この組みかえ動議は、第一に、歳入においては、小額所得者の税を引き下げております。物品税をやめております。大資本の税を高めております。歳出においては、公務員に対する賃金一カ月一律二千円の引き上げを認め、米価は生産者価格を石当り一万二千円基準にしております。しかも消費者価格の引き上げはしないというのです。社会保障費は、合計四百億以上を増額し、公共事業関係費は、投出費を加えて百九十億円以上を増額し、おおむね国民の切実な要求を組み入れていると思います。第二に、この組替え案は、防衛支出金を全廃しております。防衛庁経費を大幅に削減しております。公安調査庁を廃止する。こういうことをして軍事力の増強を押え、平和を擁護し、戦争に反対する方向をはっきりと打ち出していると思う。この点は、政府の原案と全く違うところでありまして、私はこの社会党の組みかえ案に賛成の意を表するものであります。 以上で討論を終ります。(拍手)
○三浦委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 まず、柳田秀一君外十六名より提出されました昭和三十一年度一般会計予算外二案の編成替えを求めるの動議を採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三浦委員長 起立少数。よって柳田秀一君外十六名より提出されました昭和三十一年度一般会計予算外二案の編成替を求めるの動議は否決されました。 次に、昭和三十一年度一般会計予算、昭和三十一年度特別会計予算及び昭和三十一年度政府関係機関予算を一括して採決いたします。右三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三浦委員長 起立多数。よって昭和三十一年度一般会計予算、昭和三十一年度特別会計予算及び昭和三十一年度政府関係機関予算の三案は、いずれも原案の通り可決いたしました。(拍手) 委員会報告書の作成につきましては、先例によりまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三浦委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 これにて予算三案に関する議事は全部終了いたしました。 この際一言ごあいさつを申し上げます。(拍手)去る二月三日総予算の審査を開始いたしまして以来、終始真摯、活発なる論議を展開され、本日ここに審査を終了するに至りましたことは、ひとえに委員諸君の理解ある御協力によるもので、委員長といたしまして衷心より感謝の意を表する次第であります。連日審査に努められました委員諸君の御努力に対し、深く敬意を表し、ごあいさつを申し上げる次第であります。 これにて散会いたします。 午後二時散会