予算委員会 第12号
- 発言数
- 302 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/02/24
会議録
○西村(直)委員長代理 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。委員の異動によりまして理事一名欠員となっておりますので、その補欠を選任いたしたいと存じます。先例によりまして委員長において指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村(直)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、理事に川崎秀二君を指名いたします。
○西村(直)委員長代理 それでは昭和三十一年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。 この際各分科会主査よりそれぞれ分科会の審査の結果について報告を求めることといたします。 まず第一分科会主査山本勝市君より報告を求めます。山本勝市君。
○山本(勝)委員 第一分科会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済企画庁を除く総理府、法務省及び大蔵省所管並びに他の分科会の所管以外の事項に関する予算でありますが、予算の内容の説明はここには省略いたします。 質疑応答は二十日以来四日間にわたって行われ、分科員と政府側との間に慎重審議がかわされました。そのおもなるものについて申し上げることといたします。 まず防衛庁予算について、本年度の艦船建造費は予算額四十五億円、前年度よりの繰り越しは九十一億円に達しております。また本年度予算のうち現在まで支出済みのものは難船四千八百万円であり、年度末までには二十億円の支出が予定されておるとのことで年々巨額の繰り越しを生じておるのであります。なお三十一年度防衛庁の繰越明許費のワクは五百十五億円となっております。かかる多額の繰り越しを生ずる事由、及び繰越明許費を大幅に要求する理由、また予算、債務負担行為、繰越明許費の防衛庁予算の立て方に対し、設計、契約、現金の支払い、予算積算の方法等、法律的、技術的にあらゆる点からただされたのでありますが、その要旨を掲げますと、 一、防衛庁の増勢計画、またこれに基く予算はきわめてずさんではないか、年々かかる巨額の繰り越しを生ずる理由いかん。 二、現金予算は極力押え、繰越明許費を要求するよりも、むしろ債務負担行為によって国民負担の軽減をはかるべきではないか。 三、艦船建造費は行政科目たる目に立てているが、議決科目たる項に引き上げて乱費の危険を防ぐべきではないか。 四、調達用品、ことに衣服、くつ等の市場性の豊富な物品は、中小企業対策の意味合いからしても、会計法の原則に徹して競争入札によるべきではないか。 これらの質疑に対する政府の答弁は、 一、今まで多額の繰り越しを出したことは遺憾であるが、しかし予算は明細な実施計画を立てて要求している。若干のズレを生じたが、その理由は防衛体制の急速なる整備と、戦後の技術的空白、またMDAP兵器供与の当初予定に変更を生ずる等の特殊事情による。しかし三十一年度以降は多くの繰り越しを出すことはない。 二、防衛庁予算の立て方は固定資産的なものを施設費とし、その他を防衛庁費として項とすることとしてある。目であるからとて流用乱費したこともなく、政府としては現在の立て方を適当であるのと信ずるで国会の決定に待ちたい。 三、契約方式は、調達庁実施本部契約担当官、また部内には指名、随意契約審査委員会があり、各幕僚監部を加え、慎重を期しているとの答弁でありました。 次に、財政投融資、金融の関係におきましては、民間資金の活用と資金委員会、東南アジア貿易振興資金、その他につきまして、質疑応答がかわされましたが、一、二点紹介いたしますと、まず外貨の活用に対する政府の見解は、手持ち外貨の活用には異論はないが、外貨ポジシヨンが現状で安心できるか、今後賠償の影響が出てくることも考慮し、またその活用が単なる補助金となる危険を避けるためにも、もうしばらく検討を要するということでありました。また長期の貸出金利の引き下げに対する政府側の見解は、社債については発行者の支払い利息八%ならば国際競争に耐えられるので、現行九・五%を引き下げるよう努力するとのことでありました。 次に、歳入関係については、租税、たばこ、塩の専売事業の内容、台銀、鮮銀の旧発券銀行特別納付金、懲罰及び没収金、税務職員の待遇問題等についてのかなり突っ込んだ質疑応答がありました。 その他、地方財政に関する問題、会計検査報告、皇室費、法務省関係等各般にわたり質疑応答が行われたのでありますが、その詳細は速記録に譲ることにいたしました。 質疑終了後、本分科会における討論、採決はこれを本委員会に譲ることにいたしました。 以上をもちまして第一分科会における報告といたします。 ―――――――――――――
○西村(直)委員長代理 次に第二分科会主査藤本捨助君。
○藤本委員 第二分科会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本分科会は去る二十日から昨二十三日まで四日間にわたり、昭和三十一年度一般会計予算中、労働省、文部省及び厚生省所管並びに昭和三十一年度特別会計予算中、厚生省及び労働省所管について慎重審査いたしました。 まず、政府側よりそれぞれ所管の説明を聴取いたし質疑に入ったのであります。各委員におかれましては、政府側に対して終始熱心かつ、きわめて建設的な質疑が行われたのでありますが、その詳細につきましては、会議録をごらん願うことといたし、ここでは、そのおもなるものの若干につきまして簡単に御報告申し上げます。 まず第一に労働省所管の中で、失業対策と失業保険の問題について、委員から三十一年度予算に計上されている失業対策費をもってしては、この問題の解決は期せられない、もっと大幅の対策を講ずべきではないか、失業保険負担金にしても減額しており、いかにも失業者が減りつつあるがごとき印象を与えているのは、はなはだ遺憾であるとの質疑がございました。 これに対して政府側は、失業対策としては、本年度予算に比べて約六十三億円を増額して三百五十一億余万円を計上し、その吸収人員を本年度の二十二万人から二十五万人として、三万人を増加することとした。その中には新たに老齢者、女子等に対する簡易失業事業一万人分を新規に計上するとともに、一般失業対策事業費のうち、七億四千万円をもって、日雇い労務者に対する九日分、すなわちお盆に三日分、年末に六日分の特別予算措置を講じている。また、失業保険給付負担金約三十億円の減少は、最近における失業保険の給付が減少しており、三十一年度においても現在の経済予測では、雇用労務者の職を離れる者が相当に減る見通しに立っているからであるとの答弁がございました。 次に中小企業における労働対策についての質疑に対して、政府は中小企業の問題は、ひとり労働の問題ばかりでなく、きわめて重要なものと考え、政府としては諸般の施策を行なっているのであるが、労働省においてもその一環として、三十一年度予算で新たに中小企業労資関係指導費三百余が円を計上して、労資相互の理解を深めることに意を注ぎ、その円滑なる育成に努力しているとの答弁がございました。 その他、労働衛生研究所設置の問題、職業補導施設の拡充強化、人口問題と労働政策、駐留軍労務者の解雇問題とその保護対策等、各般にわたって質疑が行われました。 次に、文部省所管につきましては、町村合併に伴う学校統合の問題に関して、その助成策いかん、また、中学校の屋内運動場の拡充策についての質疑が行われました。これに対して政府は、町村合併に伴う学校施設に必要な経費として三億円を予定し、これによる施設整備校は、現在の二千十六校が、一千百十五校となるが、特にこれが整備には、現在のところ単独立法は考えていないが、今国会に提出を予定している新市町村建設整備法に基いて、その助成基準を優先的にかつ有利に措置して参りたい。中学校の屋内運動場の拡充については、従来積雪寒冷湿潤地域のみに補助金を出していたのであるが、三十一年度からは、地域差を撤廃し、地方の新設要望に応じて補助金を配分できる道を講じ、予算の配分に当っては重点的に実施するとともに、起債についても従来の補助起債だけでなく、単独起債も認めることとしたとの答弁でありました。 また、国旗並びに国歌に対する国民の関心を積極的に高揚すべきではないかとの質疑に対しましては、文部大臣から、国旗並びに国歌はともに国家民族の象徴的なものとしてもぜひ必要なものであるから、現在国民の薄らいでいる観念を回復復させたいとの御答弁がございました。 次に、大学に付属して設置する研究所の整理統合の問題について、研究所があまりにも多く、予算の配分が総花的であり、また研究課題の重複したものも相当にあるのではないか、従ってこの際、これらの内容機構等について、深く検討を加える考えはないかとの質疑があり、政府側から、大学付属研究所の整理統合については、毎年国立大学の共同研究所を設置する等のことを考えているのであるが、何分にも学問が独立しており、同じ研究問題も角度を変えて研究するというようは事情もあって、外見上重複しているように見えるのもごもっともであるが、文部省としてはこれらについてとくと研究の上、予算については効率的に使って参りたいとの答弁がありました。 その他、紀元節復活の問題、青少年犯罪の防止と道義の向上、義務教育費国庫負担と教職員昇給の問題、学校給食用粉ミルクの不正事件、及びこれが配給ルートの適正化等・予算に関係の深い行政諸般にわたる論議がかわされたのであります。 さらに厚生省所管については、健康保険法の改正に伴って、政府は、官給証明書制度の全面的な実施を考えていると伝えられ、これに必要な予算三千五百万円を予定しているが、この制度は、被保険者の受診率の低下をねらいとしたものではないか、またこれが実施に伴う弊害についていかなる対策を考えているかとの質疑がございました。これに対して、厚生省当局から、この制度については目下慎重に研究を進めている段階であって、必ず実施することにきめたものではない。かりに実施いたすとしても、現実に即してその長所及び欠点等を十分に考慮し、医療機関や患者等に迷惑を与えないよう万令一の措置を講ずる考えであるとの答弁でありました。 その他行政一般に関して質疑が行われたのでありますが、特に委員から予算の執行に当っては、厳正に執行するようにとの警告があり、第二分科会における審査を全部終了いたしました。 討論採決は先例により、異議なく、予算委員会に譲ることといたしまして、散会した次第であります。 以上、御報告申し上げます。 ―――――――――――――
○西村(直)委員長代理 次に第三分科会主査松浦周太郎君。
○松浦(周)委員 第三分科会の審査の経過並びに結果ついて簡単に御報告いたします。 本分科会の審査事項は、経済企画庁、外務省、通商産業省及び農林省所管の予算でありまして、二月二十日から昨日まで四日間連日慎重審査いたしました。まず初めに各省各庁よりそれぞれ所管予算の説明を聴取し、続いて質疑を行いましたが、これらの詳細は会議録でごらんを願うこととし、ここでは質疑応答のうち、二、三点を御報告するにとどめます。 まず最初に電力料金の問題に関連して、戦前のおもな発電方法である水路式にはその計画にずさんなものが多く、完成後数年にして土砂の堆積のため使用不能になるものが相当あるが、このように電力会社の計画の不手ぎわによるロスをも、電力料金算定の中に織り込んでいるのは不当ではないかという疑がありましたが、これに対しては、確かに水路式には幾多の欠陥があるため、最近では原則として貯水池式によることとしている。戦前に取得された固定資産については再評価が不十分であるから、電力のコスト計算にどの程度の償却費を織り込むべきかははなはだむずかしいが、料金改訂の場合には十分検討していきたい。また土砂の堆積に対しては、根本的には治山工事を完全にしていくよりほかないとの答弁がありました。 次に財政投融資の問題に関して、商工中金へ流れる資金のうち、余剰農産物円資金から生産性本部を経てまた貸しされる金が十億円あるが、生産性本部の利息のさやとりによって、四分の利息が六分五厘にはね上っている。これは資金のコスト高に悩む中小企業金融にとって、はなはだ好ましからぬことではないか、余剰農産物資金から直接商工中金へ貸し付け得るようにしたらどうかという質疑がありましたが、政府の答弁は、生産性本部の経費のうち、事業費的なものは一般会計から補助金を出しているが、人件費、一般事務費等の財政的基礎を与えるため、このような措置をとることにした。六分五厘という利子は、直接出資の場合を除けば、政府資金としては一番低いものであり、商工中金としてももちろん文句の広いところである。直接貸付は今のところは無理であるが、今後十分研究してみたいというのでありました。 次に食糧管理特別会計に関して、昨年末の食糧証券発行限度引き上げ以前に、農林中金に対して七十億円もの超過借り入れを行なっていたが、これは特別会計法違反ではないか、またたとい法律違反でないとしても、そのような状態を二十日間も続けていったということは、不当な措置ではほいかとの質疑がありましたが、これに対する答弁は、これは決して特別会計法にいう借り入れ限度額の超過ではなくして、別個に農林中金との間に結んでいる契約による立てかえ払いであり、従来も認められてきた。しかしながらこういう状態が長く続いたことは、決して好ましいことではなかったが、借り入れ限度額の引き上げが認められるまでの暫定的措置としてやむを得なかったというのでありました。 次に、硫安の価格と労働者の賃上げに関する農林省の通達に関して、この通達は、いかにも賃上げを認めるなといわんばかりの内容であり、従って労使の紛争に対する政府の干渉を意味し、将来に悪例を残すものでは広いかとの質疑がなされましたが、政府の答弁は、これは決して労働条件の適正な改善に反対しているわけのものではない。ただ最近において経営者からいろいろ血ことを理由にして、硫安の価格を引き上げてくれという要望があるので、そういう動きにくぎをさしたまでのことであって、これは農民の利益を守る農林省としては当然の措置であるというのでありました。 最後に、分科会の討論採決は本委員会に譲るととに決定いたしました。 以上簡単に御報告申し上げます。 ―――――――――――――
○西村(直)委員長代理 次に第四分科会主査河野金昇君にお願いいたします。
○河野(金)委員 第四分科会は、運輸省、郵政省及び建設省所管の昭和三十一年度予算について審議をいたしたのでありますが、審議の経過並びに結果について御報告いたします。 まず運輸省所管について申し上げます。 第一に、外航船舶建造融資利子補給について、委員より、海運界好況のため、船会社四十数社についていえば、三十年九月末決算においては百四十億円の利益が推定され、三十一年三月末には百八十億円の利益見込であり、借入金の返済、配当の復活の気配も強いようであるが、これらに対し、政府は依然として利子補給を継続していく意思であるのか、また船会社の経理監査はどの程度にやっておるのかとの質疑がありましたが、政府は、利子補給はできるだけ早くやめたいと思っておるが、船会社にはまだ欠損もあり、償却未済もあるので、海運界の景気について見きわめがつくまでは、利子補給を打ち切ることができない。ただし、金利低下の趨勢にかんがみ、三十一年度予算においては、一般融資利率を日歩三厘引き下げるとともに、第十二次造船分に対しては、利子の補給を一般融資利率と五分との差の二分の一としている。また利子補給に関する監査は海運監査官等においては行なっておるが、個々の利子補給の実行に当っては、遺憾なきを期するつもりであるとの答弁でありました。 第二に、日本国有鉄道につきましては、運輸収入は前年度に比して相当増加を見込んでおるのにかかわらず、これに対する人件費の増加を見込んでいないが、運営上支障ないのかどうか、また所要資金のうち、前任度に比し運用部資金が減少し、公募債が増加して利子負担が増し、さらに公社資産に対しては、固定資産税にひとしいものが課せられることになっておるが、運賃の値上げをしないで運営が満足にできるかどうかとの質疑がなされたのでありますが、これに対し政府は、人件費は削減せられたが、人員の配置転換等経営の合理化によって支障を生ぜしめないことを期している。自主独立の採算制を建前にしておるからには、一般企業ベースに立って経営するのが本筋であるが、この立場からすれば、経費の増高に対しては運賃を上げてカバーすることも考えられるが、運賃の値上げは影響するところが大きいから、三十一年度予算においては考慮していないという答弁をされたのであります。 次に郵政省所管について申し上げます。第一、日本放送協会の国際放送に対する交付金について、放送法第三十三条ないし第三十五条によれば、日本放送協会に対し、国より命じたる国際放送に要する費用は、国の負担とすることになっておるにもかかわらず、国は費用の一部を負担しているにすぎない。この費用の不足は国内放送のサービスに影響を来たすこととなる。また放送協会の予算についても国の監督を強化すべきではないかとの質疑に対して、政府は、国は財政の都合上、国際放送に要する費用の最小限度すなわち直接必要なる経費を負担している。また放送協会の予算については、政府において意見を付し、国会の承認を得ることになっているので、政府において検討をしたものであるとの答弁でありました。 なお、郵便貯金特別会計、簡易生命保険及び郵便年金特別会計につきましては、年金及び簡保の目標額は前年度に比していずれも増加しているが、郵貯の目標は三十年度の千百億円に対して、三十一年度は九百九十億円と減少している。政府は郵便貯金の利子及び郵便貯金の制限額の引き上げ等の措置を講じて貯金の増加をはかるべきではないかとの質疑があり、これに対して政府は、利子の引き上げ等については、金融全体に関連する問題でもあるので、金融の情勢を見定めてから財政当局と協議の上善処するが、郵便貯金の目標達成には努力すると答弁せられました。そのほか郵便貯金または簡易保険の募集及び奨励手当、外国統計機械借り入れ等についても意見が述べられました。 また日本電信電話公社については、電信、電話事業の収益状況より見て、国際電信電話株式会社との業務の分担金をいかにするのが適当であるか等、両事業のあり方について根本的な討論がなされました。 最後に建設省所管について申し上げます。 まず災害復旧事業の促進についての質疑に対しましては、政府より、三十年災害よりは新法の趣旨により、大幅の復旧を予算化している、過年度災の復旧については、二十五年災より二十九年災までは、三十年末で六三%復旧する見込みである旨の答弁がありましだ。 特別失業対策事業費の建設省所管分が前年度に比し減額されたことについての質疑に対しては、三十年度は特別失対一本であったが、三十一年度より臨時就労対策事業と二本建となり、両者を通ずれば増加したのであって、三十年度には一日平均三万人吸収を目標としたのに対し、三十一年度においては、一日平均四万人吸収を目標とし、その賃金も一日三百二十円より、三百三十七円に改善しているとの答弁がありました。 また住宅関係につきましては、三十年度における目標達成が可能であるかどうかとの質疑に対し、現在公営住宅は九九%着工、住宅金融公庫の関係は増築の分はいまだ消化し切れないが、他の分は融資決定し着工、住宅公団分は六〇%着工しているが、三十年十二月以来入札も連日行なっておるため、三月中旬ごろまでには、全部着工の予定である、しこうして民間建築分も動態統計によれば、四月から十月間五六%着工しているゆえに、年度末までには全部においてほぼ見込み達成の予定であるとの答弁でありました。さらに住宅用の土地造成・土地収用等についての質疑に対しては、市内既存宅地を高度に利用するとともに、衛星都市をも育成して造成をはかる、土地収用は法規上可能と思われるが、土地所有者との間には極力円満に話を進めるつもりであるとの政府の説明でありました。 なお道路関係では、現在参議院で継続審議中の国土開発縦貫自動車建設法案による道路と道路公団の道路との関係につき、また国土総合開発計画の遂行と河川対策との関連等についても質疑がなされ、政府よりそれぞれ答弁がありました。 かくして討論採決は予算委員会に譲ることとし、全部の討論を終了いたしました。 以上を以て報告を終ります。 ―――――――――――――
○西村(直)委員長代理 以上をもって各分科会の主査の報告は終りました。 午後一時より再開することといたしまして、暫時休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ――――◇――――― 午後二時四分開議
○三浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和三十一年度一般会計予算外二案を一括して議題とし、質疑を継続することといたします。須磨彌吉郎君。
○須磨委員 当予算委員会はだんだん終りに近づいて参ったのでございますが、きょうはわが日本の外交問題を中心として二、三お尋ねをいたしたいと思うのでございます。 外交は、これから新しく条約を作る場合ももちろん国交に非常にいい影響を与えるのでございますが、同時に過去におけるいろいろな約束を実施するということもまた欠くべからざることでございます。 第一に私がお尋ねをいたしたいことは、日本はインドとの間に昭和二十七年に平和条約を締結いたしておるのでございます。その条約の第四条によりますと、インドは戦争の開始のときにおいてインド国内にあり、またその条約の効力発生の当時においてインド政府の管理下にあります日本国または日本国民のすべての有体、無体の財産及び権利は、これを現状のままにおいて日本政府に返還をいたし、または回復をするということになっておるのでございます。ただしその財産の保存でございますとか管理のために要する費用がありましたときにおきましては、日本国または関係日本国民がこれを支払わなければならないのでありして、そのいずれかの財産が清算されていまするときは、その売上金からその費用を引いた上で全部これを日本国または日本人に返還いたすことに規定が相なっておるのでございます。元来インドはわが日本との友好国である中でも、特に同じアジアに位をいたしておりまして、非常に密接な関係があるのでございますから、かような規定は早く実施されることが自然であるわけでございます。このインドにおきまする日本人の財産というものは、一体どのくらいに当るものであるかということにつきましては、昭和二十八年の九月三十日に日本経済新聞に対しましてインド政府筋から入りました通報の数字といたしましては、総計十六億五千万円となっておるのでございます。これはわが日本の銀行でございますとかあるいは商社その他個人の資産になっておるのでございまして、でき得ればかような財産は、早く解決をせられておることが望ましかったのでございます。ことにこれに対しては引き渡しまたは返還を開始する期限が過ぎておるのでございますから、その当時でもすでに直ちに実行をいたしてもいいわけであったのでございます。その後三年の時が飛んでいっておるのでございますが、その間にいまだこれについては何らの解決を見ておらない様子でございます。これに対しましては、関係の向きはもちろんでございますが、日本のインドとの国交の関係からいたしましても、ぜひともこれはすみやかに解決をすべきものだと思うのでありますが、まずその経過を承わりたいのであります。きょうは外務大臣がおいでにならないようでございますが、外務政務次官からでも詳しく報告をいただきたい。
○森下政府委員 お答え申し上げます。御承知のように、在インド日本資産は、現在の円価に評価いたしまして、約十六億五千万円ほどであります。目下ボンベイのインド政府の敵産監理局に管理されたまま今日に及んでおります。日印平和条約第四条によれば、インドは在インド日本資産を、保管費用を差し引いて返還する旨の規定になっております。日本政府はしばしば返還をインド政府に申し入れておるのでありますが、いまだ実施されておりません。インド政府が在日インド財産の補償問題及びインドの対日請求権問題について、わが方のとりつつある処置にいささか不満を有するためと思うのでございます。すなわち在日インド財産の補償は目印平和条約第五条に規定されておりまして、日本政府としては連合国財産補償法に基いて補償措置を進めております。インド関係の処理状況は、本年一月現在左の通りでございます。請求権数九十八件、金額合計九億円、その内容、補償の支払いを終り完全に解決したもの十二件、六千万円に及んでおりますが、未解決の件数は八十六件でございますが、これらは審査に必要な立証書類が欠除あるいはきわめて不完全なためでありますので、目下直接請求者に対しまして、あるいは在京インド大使館を通じて、それぞれ請求者に立証書類の提出を要求中でありまして、政府といたしましては、一日も早く本件の相互解決をしたいと考えておる次第でございます。
○須磨委員 大体の経過は承知いたしたのでございますが、三年の長い間、この解決をし得なかったということにつきましては、私はここに事例を申し上げたいのでございますが、いずれの国におきましても、そのようなものはきわめてすみやかに解決いたしておるのであります。今承わりますれば、わが日本の方においてなすべきことも滞りがあるやの点があるそうでございますから、なるべくこれをすみやかに処置をいたしてもらいたいと思いますが、いつごろまでにこれを取りきめられるようお見込みがありますか、それを承わりたいものでございます。
○森下政府委員 これはできるだけ早く進めたい、かように考えております。
○須磨委員 続いて、当委員会におきましても、また各種の委員会におきましても、常に強調されましたことは、日本の東南アジア貿易についてであったのでございます。この東南アジア貿易の振興につきましては、いろいろな方法があるわけでございましょうけれども、一番最初に考えられなければなりませんことは、もちろんとの賠償問題の解決であるわけでございます。しかもその問題について今当面の問題となっておりますのは、フィリピンに対する問題でございますが、これについては、自由民主党の緊急政策の中にも大体の筋道はうたわれておる次第でございますから、諸般の点を御考慮相なりまして、政府に訪いては一日もすみやかにこの問題の終局的解決を急がれるととが得策と信ずるのでございますが、これに対してまず総理大臣から御見解を承わりたいのでございます。
○鳩山国務大臣 ただいま須磨君のお説には全く同感であります。東南アジア諸国との交際を密にして、貿易を増進するのには、どうしてもまずもって賠償問題の解決をしなくてはなら広いと思っております。フィリピンとの条件も大体において近づいて参りましたので、遠からざる期間において賠償の問題は解決するものと考えております。続いて他の諸国とも賠償問題を解決するつもりでございます。
○須磨委員 最近の国際情勢のうちで、何と申しましても一番大きく私どもに印象されておりますことは、第二十回の共産党大会がモスクワに幸いて行われた前後の事態でございます。この前後の事態を見ますと、私どもは今にわかにとれを判断すべきものでは低いと思いますが、わが日本の外交全体についても相当の影響を思わなければならぬものでございますから、きょうは概略についてお伺いいたしたいのであります。たとえばフルシチョフ氏の演説でありましても、あるいはミコヤン副首相の演説でありましても、どうも今までのスターリン前首相がやっておりました政策から相当離れた政策がだんだん行われるのじやなかろうか、さようなことがずいぶんと出て参りまして、前英国首相でありますチャーチル氏のごときは、これをソビエト外交のニュー、ルックである、新生面であるというような一言をもっておおているのでございますが、なるほどニュー・ルック、新生面であるかもしれません。これについて政府におかれまして、いかなる御見解に御解釈相なっておりますかを、これはまず外務関係からお伺いをいたしまして、だんだんと私はお教えを願いたいと思うのでございます。
○森下政府委員 御承知のように、三十年近い長い間にわたって独裁政治を行なってきておりますスターリンの死後に、ソ連の動向は対内、対外ともに幾多の変化を来たしているのであります。たとえばスターリン死後、マレンコフにより消費生産財を第一主義に唱えて参りましたと思うと、またまた今度は、重工業第一主義に変ったりしております。フルシチョフの対ユーゴ関係の改善がはかられるという顕著な動きも起っております。今回のスターリンの批判のごときも、詳細は目下検討中でありますが、特に意外の現象ともいうべきものではないのでありまして、ミコヤンの演説のごときも資本主義の強靱なることを端的に認めざるを得ないということでございます。この点も自由諸国家の一員としては、その基本的立場を堅持しつつ、対共産圏と、の国交調整に努力をする従来の政府の一方針に変りはないのでございます。
○須磨委員 ただいま御説明がありましたことに関連いたすのでありますが、この第二十回共産党大会の直前に当りまして、まことに不可思議なことがモスクワで行われたのであります。それは一九五一年でありますから約五年前に、英国の外務省に籍を置きました二人の外交官が失踪した事件がありましたが、その人たちは一人は、バージェスという人で、一人はマックリーンという人であるようでございます。この二人ともきわめて重要な職を英国外務省に持っている。それが五年以前に失踪をいたし、五年後のつい先般共産党大会の直前にモスクワのホテルに現われ出まして、二人して共同の声明を発したのであります。その声明の趣旨といたしましては、われわれは両陣営の相近づくことをこいねがってきたのであって、今まではそれを妨げる分子があったというようなことを内容といたしているのでありますが、これがただいま御説明のような共産党大会の直前に行われておりますことにつきましては、いろいろな揣摩憶説が行われているようであります。たとえば一つにおいてはこれは米国と英国との間をさくためであるとかいうことを申しているのでありますが、このことはわが日本といたしましても今後の外交政策のみならず、いろいろ国政の万般についても参酌しておくべきことだと思いますから、これについて外務当局はいかなる御見解をもっておられますか。まずそれを承わりたいと思うのであります。
○森下政府委員 イギリスの外交官の二人がソ連に入りまして、そうして突如今度はこの二人がソ連側に立ちましてああいう態度をとりましたということは、共産党本来の政策だと私どもは考えております。
○須磨委員 ただいまの御答弁はきわめて明瞭を欠くのであります。私が承わりたいと思っております点はあとからだんだんと申し上げることによってお気づき下さると思いますから補足を願いたいのでありますが、昭和二十九年の一月二十四日にソ連の元の大使館でありました通商部におりました二等書記官のラストボロフという人が失踪いたした事件がございます。これはすでに二年前になっておるわけでありますが、この人がきわめて最近米国の上院国内治安分科委員会におきまして一つの注意すべき証言をいたしておるのであります。これはわが日本におった一人でありますから、当然日本に関係があるわけでございますが、その証言によりますと、実にわれわれに切々たる思いをいたさぜることが書いてあるのであります。ソ連という国が公けにスパイを使っておるというようなことを主題としたものでありますが、大体を申し上げてみますならば、その証書のうちにおいて、日本において自分はスパイの手先をずいぶんと持っておった、東京においては常に数人の者を手先に持っておった、この手先は日本の外務省にもおったし、あるいはまた当時あった連合国総司令部、GHQのG2と申します、いわゆる参謀第二部でありますか、それにもたくさんあった、また新聞記者の間にもあったのでありますが、中にはこういうことまで申しております。日本の一外交官はロシヤ人の婦人を通じてりっぱなスパイになっておった、またその外交官はソ連から日本に帰りました後においてもソ連のスパイとして働いておったと証言をいたしておりますが、ソ連が手先に使います場合においての手段についても申していわく、あるいは脅迫をいたし、あるいはあらゆる手段を用いたと申しております。ソ連の共産党並びに内務省には、それぞれ日本のかような主義者との関係を持つところの連絡部があったとも申しておるのであります。これらの手先のうちには、日本の地方の有力者もございますればまた実業家もある、あらゆる階級の人たちが含まれておると申しておるのでありまして、はなはだしきに至っては、名前をあげて、タス通信員であります人たちの八割か九割までが事実上スパイを働いておったのであるが、そのうちにはサモイロフとかエゴロフというように、はっきり名前をあげてこれは実在をしておったスパイであると申しておるのであります。その最後に持って参りまして、東京における通商代表部のドムニッキー氏もスパイ行動を行なっておるということであります。なおまたラストボロフの申すところによりますと、これらの日本関係者の名前は今は明らかにしておらないが、そのうちに上院治安分科委員会当局者の要請によっては、ラストボロフ氏は将来これらの人たちの名前を出すであろうと通信をされたのでございます。これは実におそるべき証言であります。ラストボロフ氏が失跡いたしました後でありますが、昭和二十九年の六月二十七日に外務省の事務官が三名容疑者として取調べを受けたのであります。これは庄司宏君と高毛利茂君、もう一人の日暮君のごときは死亡いたしております。こういうことが相次いで起ったのはわれわれの記憶に新たなところでございます。私はこれはたった一つのことであることをほんとうに希望をいたすのでございますが、東西両陣営の冷たい戦争がたけなわである今日、しかも謀略戦術と申しましょうか、思想戦が全く世界的に蔓延をいたしておる今日でございますから、この事件のごときはあるいは氷山の一角にすぎないかもしれ広い。まだまだこういうことがこれからぞろぞろと出てくるかもしれない。そして先年のゾルゲ、尾崎秀実事件のごとき忌まわしきものを私は感ぜざるを得ないのであります。これにつきましては政府当局におかれては、きわめて厳密なる御調査とあるいは背後関係等についてもお取調べがあってしかるべきでございますから、きょうは一つこの予算委員会におきまして、そのお取調べの経過等について承わりたいのでありますが、でき得る限り事実を明らかにしていただきたいと思います。
○根本政府委員 お答え申し上げます。ただいま御指摘になりましたラストボロフの問題につきましては、政府当局も重大なる関心を持ちましてあらゆる方面から調査をいたしておるのでございます。なおただいま名前を御指摘になりました元外務省経済局第二課の高毛利君と通産省の通商局市場第一課におりました庄司君の二名が現在国家公務員法違反並びに外国為替取締法違反という罪名をもちまして取調べを受け、かつ起訴されており、現在公判中でございます。従いまして公判の進行の過程において明らかになると思いまするので、現在係争中のことでもございますから、内容については申し上げる時期ではないと思います。なお死亡せられました日暮君のことについても、これは本人が死亡したためにその内容の全貌はわかりかねております。しかし傍証と申しますか、同時に検挙された人々によって大体の実情はわかっております。なおまた現在日本におきましては、御承知の通り防諜関係の法律がございません。従いましてこういうように他国の諜報機関の手先丁となって活動いたしましても、官吏でありますれば公務員法違反、あるいは為替等の問題の違反がありますればそれで取り締ることができますが、そうで広い限りは現在のところは取締り規定がないのでございます。ただ日米安全保障条約に基く刑事特別法に基いてアメリカの基地内における施設の諜報をした者については取締り規定がございますが、その他はございません。従いましてラストボロフがアメリカの上院の国内委員会において証言した中に、あるいは今後されるであろう中に民間人が出ましても、これが為替法違反とかそういう特別の問題あるいは刑事上の罪がない限り、これは非常に困難な問題でございます。しかしそれらの諸君についても政府に賄いてはいろいろ調べをいたしておりまして、もし防諜法規が制定されておるならば、十数名の人間がとれに関連して処分せられなければならなかったであろうというところまでは申し上げられるのでありますが、現在現実に法律違反でないものを、こちらの方に若干情報があるからといって、個人の名前を申し上げることは慎しまなければならぬと思います。この程度において、現在政府はいろいろの調査並びに情報を集めて慎重にそういう方面の配慮をしておるということだけを申し上げておきます。
○須磨委員 ただいまのご説明によりまして、私はいよいよ憂いを深くするのでございますが、これは日本が自主独立をいたしたなどと申しましても、まずもって自分の国をかようなものから守るだけの施設及び法制がなくて、かようなから言葉を申しても私は始まらぬと思うのであります。これは前の臨時国会の十二月二日の本会議におきまして、私は総理大臣に対して特にこの点を強く御質問を申し上げ、共産主義というものに対するわれわれの警戒というものは、まことにゆるいものであるから、お題目だけではだめでございます、何とかこれは実効ある方法をおとりにならなければいけないということを申し上げまして、総理大臣は須磨君の意見には全く賛成であると申されたのでありますが、ただ賛成のお言葉を聞いただけでは安心はいたされません。ただいま官房長官の申された通り、何も法律がないから仕方がありませんと言って、黙って指をくわえておったら、わが日本は思想戦において大敗北をこうむらざるを、得ないのであります。そういうことをお考えになりますならば、この際私は総理大臣にはっきりとお考えを願いたいのでありますが、そういう関係の、最小限度でもよろしゅうございますから、治安関係の立法をいたすお覚悟がございますかどうか、まずそれを伺いたいのでございます。
○鳩山国務大臣 慎重に検討しまして、できるだけの手配をいたしたいと思います。
○須磨委員 この機会におきまして法務大臣から、この点に関係いたしますことは、法務大臣においても重大なことでありますと同時に、また大麻国務大臣におかれましても重大な関係のある問題でございますから、お二方からぜひとも御見解を承わっておきたいと思うのであります。まさにこれは国民が最も心配しておるところであると私は信じて疑わない。そういう点においてきわめてまっすぐに、そしてこれからやるという決意をもってお答えを願いたいと思うのであります。
○牧野国務大臣 須磨君の言われること、まことにごもっともでありまして、この点につきましては、すでに関係閣僚の間に対策を考究中でございます。遠からざるうちに何らかの具体的な御返事をすることができるかと存じます。
○大麻国務大臣 須磨君に申し上げます。全く総理大臣のお話、あるいは牧野法務大臣の御意見と同意見でございます。よく注意をいたすつもりでございます。
○須磨委員 今のことにも関連はありますが、二月十三日付の読売新聞紙の朝刊にきわめて長文なる「中共分析」というものが載っておったのであります。すなわち中共の政治状態、軍事状態、経済状態、貿易その他一般にわたる記述があらたのでございます。これに対しては、外務委員会におきましても質疑がございまして、重光外務大臣は、あれは何も発表をいたしたものではないというような趣旨のお話がありました。ところがその後におきまして、私どもの同僚の間からでも、きょうこの委員会においても私は質問を受けたのでありますが、ああいう君、りっぱな書物が出ているそうだが、あの書物を君持っているかという話を受けたのであります。私も驚きにたえたわけでありますが、それどころか外国と申しましても、台湾政府等の方面におきましては、あれは外務省が発表した中共外交白書である、こういろ名前までつけられて流布されておる様子でございますが、あれが果して発表する意図がないことである、またああいうことをお考えになっておらないことであるかどうか、こういう際においてきわめてはっきりさしておかないと、種々な誤解を生むことにもなり、ことに台湾と中共との関係が今なお機微なるときでございますから、私はこれに対してのはっきりしたお考えを承わりたいのであります。
○森下政府委員 お答え申し上げます。外務省はこの中共の実情等を研究するために、部内におきましていろいろな実情の調査をいたしております。そこで中共の実情を調査して、それぞれ部内で分けるものを印刷に付しただけでございまして、謄写にかえたものでありまして、これを部外に出して白書などと申すわけではございません。あくまでこれは調査資料でございますので、誤まりを正すためにこれを明確に、白書でございません、ただ部内において調査研究の資料として使っているのでございますということをお答え申し上げます。
○須磨委員 それでは、あの「中共分析」というものは調査資料と申されましたが、あれはあのままが、ほんとうの資料そのままでございますか。そうだとすれば、それがいかなるわけで、あれだけが一新聞に漏れたのであるか、それを承わりたいのでございます。
○森下政府委員 いかなる形で漏れましたか、これは新聞記事そのものに対して責任を負うわけには参りません。
○須磨委員 まったく不得要領であります。あれは外務省の、今おっしゃいました資料そのものでありますかどうかを一番先に聞いているのです。それをまずお答え願わなければ……。私は外務省が新聞記事に責任があるかどうかを聞いているのではありません。あのままが資料そのものであるかどうかを聞いているのです。
○森下政府委員 新聞に出たもの全体が資料そのものであるとはどうかと思います。これはおそらく抜粋か何かの形だと、かように存じます。これは部内で資料にしているだけでございます。
○須磨委員 まことに不満足な御答弁でございますが、これにつきましてはさらにまたあらためてお尋ねをいたすといたしまして、いま一つ、ここにどうしても私はお尋ねをしなければなりませんことが一つ起らんとしつつあるのであります。それは今月の二月二十八日に台湾独立政府というものが日本において成立するという運びになり、そこで大統領も廖文毅という人がきまるはずであり、その他閣僚の名前までが印刷されました文書を添えた招待状が有力なる筋に回っている様子でございます。これは長く申し上げる必要もなく、言いかえれば、台湾を台湾人の手に返せということが標傍されている標語でございまして、いま一つは戦争挑発者蒋介石を葬れということが、これの大きな標語であります。わが日本は蒋介石の代表しておられますところのあの台湾政府を中国の政府として認めている条約を持っていることはもちろんであります。また中共との間には今何らの法律的関係を持っておらないのであります。そのときにおいて、かような政府がわが日本のしかも東京の中でこの二十八日に成立をいたし、大統領から総理大臣、閣僚ができるということになりますと、このことは一つの注意すべき事件でありますばかりでなく、かつて第二次世界大戦中において、ロンドンに一番先にド・ゴール政府、何と申しましたか、自由フランス政府というものができたことがございます。あのときはほんとうに連合国の一員であったにかかわらず、多くの問題を連合国側においても生んだことは、私どもの記憶に新たなるところでございますが、これに明らかにわれわれの友好国である蒋介石打倒を目的とする政府がわが国の中にできるわけでございますから、これに対して政府におかれましてはいかなる処置をおとりになるおつもりでありますか、それを承わりたいのであります。
○森下政府委員 お答え申し上げます。二月二十八日にこの独立記念日を東京で行うということでございますが、こういうことは、中華民国に対する友好的関係の上から見ましても、はなはだ好ましくないことでありまして、いろいろこういう点で法令の許す限りにおいて、できるだけその処置を講じ、わが国と国民政府との関係に支障を来たさないように方法をとりたい、かように考えております。
○須磨委員 今わが日本の持っておる問題のうちで、最も大きなものの一つと思われる日韓の関係でございます。ことに漁業関係を中心として、これはきびしくわれわれ国民生活の中にも響いてきておることでございます。一日も早くこの問題が何かの緒について、いわゆる日韓会談が行われることは、これは国民の要望するところであるわけでございますが、先般の外務委員会において、この問題についての質疑応答の際に、重光外務大臣は、この日韓会談の開始の大きな障害となっておりますところの久保田発言なるものを取り消してもいいと思っておるという重要な発言をしたのであります。もしこれが韓国に伝わったならば、私は何らかの大きな反響があるに相違ない、またもうすでにあるのかむしれません。あることを私は希望いたしておるのでありますが、この発言以来、これと前後するところの日韓関係に関する動きがいかなる工合になっておりますか、これを御説明願いたいのであります。
○中川(融)政府委員 お答えいたします。日韓会談に関係して、韓国側が従来主張しております一つの会談再開の前提条件として、ただいま申されました久保田全権の発言の撤回ということを前から言っておるのであります。それにつきましては、日本側は前から同全権の発言というものは、会談の過程においてほんとうの非公式に、しかも前後の関係からいわば久保田代表のほんとうの私的な意見として言っただけのことであって、決してこれは政府の公式数見解を表明するものでないという意味合いから、これがもし会談再開の支障となるようであるなら、これを撤回することは考慮してもよいということは、前から言っておるのでありまして、重光外相が先般外務委員会で申されましたのも、その趣旨にほかならないのであります。これだけでは韓国側はまだなかほか満足しないのでありまして、もう一つの条件として財産請求権問題、これを日本が放棄するということを、会談再開のもう一つの前提としておるのでありまして、従ってこの間の重光外相の委員会での御発言それのみで、韓国から今までと変った反響、反応があったということは、まだその事実が出ていないのであります。
○須磨委員 大蔵大臣にお伺いをいたしたいのであります。わが国の貿易が非常な展開をしたことは御同慶にたえないわけでありますが、これは相手があっての仕事でございます。御承知のごとく、英国は最近・去年までの非常な大きな繁栄の一つのリアクションと申しますか、インフレーションがだんだん続いて起つてきやせぬかというような懸念があるために、新しい蔵相の政策は、輸入を極度に引き締める、市場の転換をはかりたいということが、これは公式にも非公式にも十分練られておる様子であります。またわが国と英国との間には、近く通商会談も行われるような様子であるのでございますが、このことと関連することは、日本の大きな貿易の場面でありますところのスターリング地域の貿易に対して大きは影響がきやせぬか、またこれに対して、もし予想し得べくんば、何らかの対策がとられ得るものではなかろうか、こういうことを私ども考えるわけでございますが、そういうことにお考え及びになった結果等について承わりたいのであります。これは大蔵大臣と、高碕大臣からも御見解を承わりたいと思うのであります。
○一萬田国務大臣 イギリスの国際収支が悪くなりまして、保有の金ドルの減少に対応しまして、ただいまお話のように財政、金融、経済にわたって引き締めの政策をとっておることは、その通りであるのであります。これがどういう影響をわが国の今後の貿易に与えるかということでありますが、一つは私の考えでは国際貿易、ことにポンド地域1ポンド地域のみではありませんが、ポンド地域を中心にして国際貿易が非常に競争が激しくなるということは当然予想されます。従いまして、これに対応する経済政策を日本がとらなくちゃならぬことは申すまでもありません。これはやはり今日財政面においてもきわめて健全な予算を編成したゆえんも、ここにあるのでありますが、しからばイギリスが直接自己の貿易政策をどういうふうにするか、言いかえれば輸入を非常に制限するような措置をとるであろうかといえば、私どもとしてはそういうことを希望いたしません。貿易といろものは相対的なもので、自己が輸入を制限すれば、自己の輸出も伸びないのでございます。私はそういう措置は必ずしもとらぬであろうと思うのでありますが、かりにとりましても、今日英本国に対する貿易は、ボンド圏全体の貿易の約一割でありまして、それほど大きなものではありません。しからばポンド圏全体がどういう影響を受けるかということでありますが、これは私必ずしも――イギリス本国並びに属領をのけた他の国々になるのでありますが、今日の日本との貿易関係は、そう悪化はしないだろう。ただ先ほども申しました一般的に貿易競争が非常に激しくなるという意味において、日本としては十分な注意をしなければならない。しょせん私どもといたしましては、イギリスに対しましてもお互に正当な競争を展開することはいといませんが、貿易量を互いに縮小し合っていくよう血方向は厳に慎しんで、競争は競争として、お互いに貿易量をふやすような方向でいこうじゃないかというように話し合いをしていきたい、かように考えております。
○高碕国務大臣 ただいま大蔵大臣からお答えいたしましたところで大体尽きおりましょうと存じますが、英本国に対する貿易とスターリング地域全体に対する貿易は、やはり別に考えていかなければならぬと思っております。英本国が今日インフレーションを防止するために、輸入を制限し、輸出の方に力を注いでおるということは事実でありますが、それにつきましては、わが国といたしましては、できるだけドル地域から買うものを、英本国なりスターリング地域から買うという方針をとっていくことが大事だと存じております。またその他のスターリング地域のことにつきましては、同様やはりものを買う。これからの貿易はどうしても買ってくれたところに売るということが原則のようでありますから、逐次スターリング地域からの輸入をふやして、そうしてこちらのむのを売るという方針で進めたいと思っております。
○須磨委員 さらに私はいま一つ経済閣僚にお伺いしたいのでありますが、私は日本の現状において一番大きな不平を聞くことは、中小企業の問題であると思うのであります。これは今まで当委員会においても幾多の質問があったのでありまして、蒸し返すわけではございませんが、その質問を通じて私の受けております印象は、経済閣僚におかれましては、今後これについて大いに注意を払って、大銀行の協力を得て中小企業に対する金融の調整に当るというようなお話をしておるのでありますが、きょうは一つ具体的に申して、金融的な調整をとるといううちには、金利の引き下げということが一番大きなことであると思うのであります。私が申し上げるまでもなく、日本は世界で最も金利の高い国でありまして、そうでなくても下げなければいかぬのではございますが、ただいまの中小企業の窮状から申しますならば、これはまさに刻下の急務である、そういうふうに考えておりますから、きょうは一つ大蔵大臣からこの金利引き下げの御用意ありや、あるとすればどこからお下げになるつもりであるかを承わりたいのであります。
○一萬田国務大臣 お答えします。むろん金利については金利を引き下げるという政策面もあるのでありますが、やはり金利が下る経済情勢あるいは社会情勢が必要であるのであります。それには日本としては何としても物価を安定させて、輸出を増大して経済の規模を拡大していく、利潤も多い、国民所得もふえる、こういう形で資本の蓄積をはかって、ここで金利が下る。今日ややそういうふうな考え方が実現しておるのであります。そういう意味におきまして、金利も一時に比べますとずっと下ってきております。今後さらにこの情勢を一そう促進する、言いかえれば日本の貿易を、あるいはまた今日の経済のよさを、さらにすなおに拡大さして、資本の蓄積をはかって金利をますます下げていくというのが今後の見通しであります。 なおこの機会に、今中小企業というお話がありましたので、私は中小企業金融についてごくばく然と考えておるのではないどういうこと、中小企業に対しては内閣またわが党としても最も力を入れておるのでありますから、こういうことをしておるということをここで申し上げておきます。 第一、中小企業金融につきましては、今回は国民金融公庫、中小企業金融公庫に対する融資を著しく増大しておるのでありまして、国民金融公庫につきましては昨年度に比べて約四十億くらいふやしておる。中小企業金融公庫についても貸付総額は昨年に比べて三十億くらいふやしておる。なお商工中金の金利が従来高かったのでありますが、この金利も年にしまして二分五厘程度下げることにしまして、約一割を若干切るという程度まで下げることに今回成功いたしておるわけであります。なお中小企業信用保険及び信用保証制度を整備強化いたしております。また地方にあります信用保証協会も、その保証能力を著しく増大さしておるのであります。 なお私といたしましては、普通銀行の中小企業向け融資を円滑にし、その資金をふやしたいと考えておりまして、ただいま大銀行を中心といたしまして、これらをいかにするかということを話し合っておるわけでありましてこれによって新しい一つの機構として中小企業金融機関ができるだろうと考えます。私は特にそういう機関については、不動産を中心とする金融を考えていきたい、かように思っております。なお大企業が中小企業に対しての従来の資金の疎通と申しますか、物の買い入れの代金の支払い等が円滑にいかなかったのを、今後においては円滑にいくように措置いたしたいといろいろやっておるわけであります。
○須磨委員 私は最近の日本の経済政策を見ておりますと、農業関係の施策に対しては非常な力が入っておる。勤労階級についてもこれまた非常に力が入っておる。何となしに勤労階級と農民階級に対しては相当手厚いところのいろいろな世話が行われておる様子であると思うのでありますが、取り残されたのが中小企業――中小企業という言葉そのものがいかにもよそよそしい言葉であって、どこかすみっこに置けば広くなるようなつもりで取り扱われることを非常に遺憾とするのであります。ことに貿易をもって立国とするわが日本は、勤労階級また農民階級と相並んで、言葉は悪いのでございますが、商人のグループというものとして――あるいは金利のごとくはその一つにすぎませんが、同じような意味でのいろいろな世話がやかれなければならぬと思うのであります。こういうことについて大蔵大臣並びに高碕長官は商人対策というような大きな意味での対策を、これからお立てになられることを御賛成下さいますかどうかを、承わっておきたいと思うのであります。
○一萬田国務大臣 お答えいたします。私ども全くお考えの通りの考えを持っておりまして、特に中小企業につきましては、ともすると単に金融面で何か借金をしやすくすれば中小企業は助かるような非常に安易な考えのあるのを私は非常に遺憾にしておる。それで特に中小企業の企業面におきましては、これは大企業との関係をどういうふうにするかというようなこと、それから商業面、流通面におきましては、たとえば百貨店との関係をどうするのか、こういうようなやはり事業自体の本体に触れての対策を考えまして、その上製品が売れていく、いわゆるマーケット、販売、あるいは流通の面でお得意先を与えるという意味において、格段の配慮を加えていくべきである、そしてそれを助けるのが金融である、こういうふうに考えていった方がよかろうと思います。
○高碕国務大臣 御質問のごとく、農業方面におきましては団体の力が相当発揮されておりますし、また勤労階級の団体におきましても力が発揮されておりますが、中小企業に対しては団体の力というものがきわめて薄弱でありまして、特に中小企業とご申しましても、これは中小工業、中小商業とおのずから非常に違う立場にあるわけであります。こういうような実態の把握等も今日まで等閑に付されておったことは事実でありますが、経済企画庁といたしましても、その実態の把握をよくいたしまして、その対策を講じたいと考えております。
○須磨委員 最後に私は農林大臣にちょっとお確かめをしたいと思うのでありますが、先般十八日のわが党の総務会におきましては、農業団体の再編成というようなこと、すなわち今までの農協の弱体化というような措置はとらないという一応の決定があったのでございます。それで、その後のことにつきまして伺いたいのでありますが、農林委員会等における農林大臣の御発言によりますと、新農村の建設推進法案という名前をつければつけられるでございましょうが、そういうものを整備して、新農村建設の問題についてはそのうち成案を得るつもりであるというふうに承わっておるのでありますが、この両者の決定並びに申し合せとの関連をこの際明らかにして賄いていただきたいと思うのであります。
○河野国務大臣 ただいまのお尋ねでございますが、世上この問題を混淆して御議論になる方がだいぶ多いのでございます。あらためて申し上げますと、政府において企画いたしております新農村建設運動もしくは計画は、全国の農村を全く新しく再編成していこう、再編成という言葉が少し強過ぎますれば、今回の町村合併によって行成機構が都市を中心にして行われ、もしくは大少千差万別、農村の施策を運営して参りますのに適当でない姿になりつつあるわけでありまして、この事実にかんがみまして、あらためて全国の四百五十万戸前後の農家を再配分いたしまして、農業経営に適当な数、すなわちわれわれは、これを大体八百ないし千戸くらいを標準といたしておりますが、その程度の生産規模のものを一つ求めまして、それにその土地における農家の諸君の創意工夫によって新しい営農施設を一つ考えてもらいたい、これに対して政府は補助、助成をしていきたいという一つの行政施策をやって参ることにいたしておるわけでございます。これはこの予算の中に政府が直接出しますものは、初年度におきまして約十五億、以下五年間にこれを続けて全農村に及ぼしていきたいという施策を持っておるわけであります。 これと全然別個に農業団体の問題があるわけでございます。この農業団体の問題につきましては、世上農業協同組合を弱体化するかのごとき印象を与え、もしくはそういうふうな計画があるやに懸念を持たれたことは事実でございます。しかし今われわれのこれから実施して参ろうと考えておりますものは、明確に申し上げますと、第一は協同組合系統の一連の機関がございます。この機関につきましてはすでに法案を国会に提出いたしておりまして、これはあくまでも育成強化をして参るという方針でございます。これについては何ら手を染める意思は持って為りません。くどいようでございますが、すでに法案は提出いたしておるのでございます。これとは全然別に農業委員会というものがあります。この農業委員会はその仕事の内容等順次設立の当時と変って参りまして、非常に仕事の分量が減って参った、やることが変ってきたというようなことになっておりますので、これは何らか適当に考えなければならぬじゃなかろうかという段階に立ち至っておるわけであります。別に農業災害保険に関する組合がございます。この組合につきましてもいろいろな角度から検討せられまして、何らか処置を考えなければいけない段階にすでになっておるわけでございます。その他農村にあらゆる任意組合等がございますから、これらのすべてのものについて再検討をいたしたい。そうしてただいま申し上げます通り、農業協同組合一連のものを育成強化する行為と全然別個に、今申し上げます農業災害保険の問題を処理する、そのいずれにも属せないものについて検討を加えて、案ができたならばいずれこれを十分各方面の御批判の上に実施して参りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。御了承いただきたいと思います。
○須磨委員 これをもって私は質問を終るのでありますが、労働大臣にきわめて簡単に伺いたいことは、今やこの春季闘争はわれわれ国民の生活に関係する重大問題として憂慮おくあたわざるものでございますが、とりわけ第二波に入りました今日において、最も私どもが重要視いたしますることは、官公労の問題でありまして、すわり込みでございますとが、さような問題についての経過は最近においてどうなっておりますかを御説明を願いたいと思います。
○倉石国務大臣 いわゆる総評の春季闘争の第二波は本日からということでございますが、いわゆる第一波は予定通りには、行なっておるところもありますし、行なっておらぬところもありますが、国鉄及び全逓は本日から時間中の職場大会をやるというふうなことを申して陥ります。また実際には明確になっておりませんが、地方では国鉄はすでにそういうことをいたしておるところもあります。私ども政府は当初決定いたしました方針に基いて、違法にわたる行為であると存じましたならば、厳にこれを取り締るという方針でやりますが、なお私労働省の立場からは、そういうことのないようにさらに相談をして、平和裏に解決をいたしていくようにいたしていきたいと思っております。
○須磨委員 この官公労の問題はひとり労働問題としてのみならず、われわれ国民が最も重要視いたしております綱紀の粛正ということについても大なる関係を持つものでございますから、特にこの点については、今の御説明で明らかになりましたが、御注意を願い上げますることを申し添えまして、私の質疑を終る次第でございます。
○三浦委員長 八百板正君。 〔委員長退席、重政委員長代理着席〕
○八百板委員 鳩山さん、どうも御苦労さんです。私の方の鈴木さんが会いたいという話を申し上げたのですが、なぜお会いにならなかったのでしょうか。
○鳩山国務大臣 私は鈴木君から直接に会いたいという話は聞きません。
○八百板委員 直接であると間接であるとを問わず、会いたいというお話を通したはずなんですが、お耳に入らなかったのですか。
○鳩山国務大臣 いや入っております。直接にお話があったならば必ず会ったろうがというような考えを持つものだから、そう言ったのであります。だから私は、今官房長官に聞こうと思ったのですが、官房長官いませんが、官房長官からでしたと思うのですが、そういう話を聞きました。けれども新聞に書いてあるような、小選挙区制の問題と春季労働争議という二つの問題に限られるのならば、それならば党において会ってもらいたいということを、私官房長官に話をした。そしたらば結局会わないように結果においてなったのであります。
○八百板委員 私は、鳩山さんという方は非常に常識にたけた方だと思っておったのでありますが、そういう意味で、いやしくも一党の委員長たるわが鈴木委員長が、何人を介すにせよ、あなたに対して会いたいという申し入れをした際に、会わない、会う必要がないというふうな、結果において回答に持っていくということは、私は政党と政党との間の考え方と、社会の常識というものと一致しないと思うのです。そうお考えになりませんか。
○鳩山国務大臣 先ほど申しました通りに、鈴木委員長からお話があれば、必ず会ったろうと思うのです。
○八百板委員 そうしますと、鈴木委員長から直接に電話なりお話でもあれば、いつでもお会いにになる、こういうお考えでございますか。
○鳩山国務大臣 いつでもそういう気分でおります。
○八百板委員 話せばわかるという言葉がありますが、ぜひ一つすなおに、気楽にお会いになって、何かと話をするような慣行を二大政党の今後の運営の上に作っていただきたいと思います。話せばわかるという言葉が出ると、五・一五事件などを思い出して、拒まれるというと何か問答無用、実力で来いというような感じが伴ってくるのでありまして、響きが悪いのであります。これは決して緊張緩和のやり方でないのでありまして、国際的にも外交の上に緊張緩和の方法をとっておるというときに、国内において党と党との話し合いにおいて、そういうふうな、ことさらに緊張を高めていくような態度をとられるということは、それが鳩山さんの意思でなかったとするならば、その点若干了とするのでありますが、今後の党の運営のためにもよくお考えおき願いたいと思うのであります。
○鳩山国務大臣 承知いたしました。
○八百板委員 そういうふうにすなおにお考えになっておられますならば、当然に何かにつけて、数が多いから多い方についてこい、こういうふうな考え方はお持ちにならないと思うのでありますが、そういうことになりまして、数が多ければ数の多い方についてこい、つべこべ言う必要がないということになりますならば、これはもうすでに議会制度というものは、一ぺん選挙をやって数のきまったときにきまってしまいますから、国会などの意味はなくなろうと思うのでありまして、そういうお考えを持っておやりになるということとはございませんでしょうと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○鳩山国務大臣 よく意味がわかりませんでしたが……。
○八百板委員 それではなるたけ簡単に申し上げますが、数が多いから多い方の言うことは結局において聞かなければならないのだ、だから有無を言わずについてこい、こういうふうな考え方で政治が運営せられるならば、選挙が終って数がきまったときにはそれでもうきまってしまうのであって、あと国会などは要らなくなる、こういう考え方につながってくると思うのでありまして、そういうふうな点、どうお考えになりますかとお尋ねいたしました。
○鳩山国務大臣 国会の意思の決定は、多数によって決定するよりいたし方がございません。けれども、少数の意見を軽んじていいかということになりますれば、そういうことは誤まりだと思います。
○八百板委員 反対党でも、たとい少数党でも、筋の通ったもっともな話ならば、これをすなおに聞かなくちゃ二大政党の健全なる運営はできない、こういうふうにお考えになっておられると解してよろしゅうございますか。
○鳩国務大臣 少数の意見も謙虚なる気持で取り扱わなくてはならない。でありますから、立憲政治の理想は何だと言えば、多数政治ではあるけれども、少数を尊重するところに立憲政治の理想があるのだ。これはよく人の言うところでありますが、私もそうだと思います。
○八百板委員 そうしますと、少数者の意見といえども、もっともなものは謙虚な気持で聞いて下さる、こういう意味でございますね。
○鳩山国務大臣 そうです。
○八百板委員 ではこれから少しもっともな話を伺いますから、一ついろいろお話をいただきたいと思います。だれにでもやれることとやれないことはあるのでありまして、鳩山内閣にもやはりやれることとやれないことがあるだろうと私は思うのであります。それを振り分けて筋道を立てていきますためには、鳩山内閣の成立の過程というものを顧みなければならないと思うのであります。 大体鳩山さん、あなたの内閣は、一昨年の十一月吉田内閣が総辞職したときに、あとの内閣をだれにしてよいかわからない、こういうありさまでありましたので、これはあなたの党ばかりではありません。みんなで相談をして、私の方の党も賛成をいたしまして、間もなく選挙をやりましょう、その間だけちょっとやってもらおうということで、第一次の鳩山内閣さんはでき上ったわけであります。そこで二月に選挙をやった。ところがその選挙の結果は、吉田さんのやり方や自由党の汚職などがいろいろございましたので、評判が非常に悪かった。そこで鳩山さんの方の民主党が第一党になられた。そこで鳩山さんが二度目の内閣をこしらえることになったのであります。ところがこの選挙は御承知のように、民主党は自由党を敵に回して攻めてやった選挙であります。国民の票をそういうふうにして集めたのであります。社会党は左右合同をするということを選挙の際の旗じるしにして、そういう意味で国民の票を求めております。ところが民主党と自由党は、かたき同志の立場で争って票を求めたのであります。それが今度は、社会党の統一のあとを受けて、つい二、三カ月前に民主、自由が合同せられた。その合同政党の上に居すわって政治をやっておられるのが鳩山内閣、こういうことになっておるのは、これは事実であります。経過であります。これは決して古いことじゃないのであります。忘れては困るのです。反対し合って争って選挙をした、お互いにかたき同志の党が、十カ月かそこいらで一緒になって、ちょっと申しわけに辞表を出して、だまって前のままに鳩山内閣でまかり通ろうなどということは、ちょっと私は筋が通らない話ではないかと思うのであります。国民はそんなつもりで自由党並びに民主党に対して投票はしていないのであります。そういう意味では欺く結果になるのではないか。既成事実も、やはりよくないことは早く改めた方がいいのでありまして、これはきょう、あすというわけにも今さらいかぬでございましょうが、一応常識といたしまして、この予算が通ったならばすみやかに解散をして、国民に信をあらためて問うべきだと私は思うのです。そうして有権者に聞くべきだと思うのです。この点、鳩山さん、どうお考えでしょうか。
○鳩山国務大臣 ただいまのお話には解散のお話がありました。解散ということは国民の意思を聞くことですから、これはたびたびやった方がいいとは思うのです。国民がどういう考え方を持っているかということは聞いた方がいいと思いますけれども、今度のは保守合同の世にいわれているように、大体政見の同じ者が一緒になりまして、保守合同をする前には全国を遊説いたしまして、全国の空気を検査しましたら、非常な熱望を持っていたので、それで保守合同に進んだのであります。国民の意思を無視したことはないのです。
○八百板委員 解散のお話について御意見を承わりたいのですが、解散をせられますか。いつせられますか。今の問題に関連しまして……。
○鳩山国務大臣 ただいまは考えておりませんが、解散した方がよいというような情勢がくれば、解散はたびたびした方がいいと思っております。
○八百板委員 そうしますと、なるたけ解散はたびたびやった方がよろしい、情勢がくればやる。従って、今鳩山さんはその情勢を作るために努力中、こういうことでございますか。
○鳩山国務大臣 ただいまは、解散を希望して、解散の情勢を作るのに努力しておるということはありません。ただ主権在民だといっても、それでは国民がいつ政治に参与するのだといえば、選挙以外に参与する機会がないのですから、それで、民主政治においては解散というものを回避するというのは、民主政治の本義に反する、こういうように思うという私の政治的理念をお話ししたのであります。
○八百板委員 自由党、民主党それぞれ反対の立場に立って国民の投票を受けて、今度は一緒になって内閣を作って、そのままほおかぶりで通すということになれば、これは国民から委任せられないことをやるところの、いわば政治的な背任行為だと私は思うのです。そういう意味で、選挙制度を常道に戻すためには、すみやかに国会を解放すべきだと思うのでありますが、その解散については、参議院の選挙と関係もございますから、いろいろ事務的に問題もございましょうが、参議院の選挙と一緒にやる御意思はございませんか。
○鳩山国務大臣 ただいま持っておりません。
○八百板委員 こういうふうな性格の内閣が、憲法の改正を打ち出すとか、あるいは選挙法の改正をするとか、あるいはまた国防会議法の問題を持ち出すとか、そういうことをやれる権限のないところの内閣が打ち出すのでありますから、そういう点についてはこれは無理というものでありまして、選挙が済めば、どんな政策の違う政党でも合体して、そしてどんなことをやってもよいということになりますと、これは今後の日本の議会政治の、二大政党対立の新しい形が打ち出されようとする今日、そういうお手本には私はならないと思う。私は、いろいろ好みはございまし上うけれども、一応あなたは日本に残されたところの唯一の政党政治家として、将来の議会政治のあり方、二大政党の方向というものに対して、一つの手本ともいう、べきものを打ち出すべきところのそういう立場の方だと私は思うのであります。そういう意味合いにおいて、そういうやるべからざるむのをも無理にやるというやり方をとって、果して今後長きにわたって日本の政党政治をりっぱにやっていけるでありましょうか。これがいいお手本でございましょうか。この点御意見を伺いたいと思います。
○鳩山国務大臣 やるべからざるものとやるべきものとの意見は、各人がおのおの違った考え方を持っております。たとえば、保守党においては憲法改正をやるべきものと思っております。それで憲法改正をやりたい。しかしながら、社会党の意見を聞かずに憲法改正にいくというのは好ましくないから、社会党とも相談をして協力して憲法改正にいきたいと思ったからこそ、調査会をも設けるし、その前に社会党に対して共同調査に入ってくれという申し込みをしたわけです。
○八百板委員 社会党にも協力を願いたいというようお御意見でございますが、そういうほどの広いお気持ならば、やはりこの内閣の成立の過程にかんがみて、これはそんなに無理をすべき内閣ではないというような点を当然にお考えになってしかるべきものだろうと私は思うのであります。そういう意味で、憲法改正であるとかあるいは憲法調査会の問題であるとか、そういう重要案件を出す前に当然に私は解散すべきむのだと思うのです。鳩山さんはやはり憲法調査会というようなものを作って、憲法のある程度の案でもできなければ解散できない、こういうふうにすべきではない、こういうふうにお考えになっておるのでありましょうか。
○鳩山国務大臣 先刻申し上げました通り、ただいまは解散の時期ではないと思っております。
○八百板委員 ただいまはとおっしゃるのでありますが、そうすれば、いつかはということに触るだろうと思いますが、政権を担当しておやりになっておられますからには、どういうふうな順序を通して、どういうふうにあなたの意図する憲法改正なり諸般の政策なりをやっていくか、こういうふうな若干の順序というものはおありだろうと思います。そこで鳩山内閣の憲法改正のスケジュール闘争の日程をお示しいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 世界の政治情勢を見ますると、たびたび解散があり過ぎますと、長期の計画というものは政府では少しもできないのです。それでありますから、大体においては、四年間ぐらいの間に一ぺんずつぐらいというのが最もいい時期だろうと思っております。
○重政委員長代理 今澄君より関連質疑の申し出があります。この際これを許します。今澄君。
○今澄委員 総理にお伺いしますが、今解散についてあなたからいろいろお答えがありましたが、私は具体的に聞きたいのです。チャーチルからイーデンに総裁がかわったときに、イギリスはイーデンの総裁のもとに解散をいたしました。そこで私は鳩山さんにお聞きしたいのですが、あなた方の保守党が、あなたのおからだの都合なりあるいはいろいろのことで、総裁を更迭する場合があります。将来自民党の総裁がかわった際は、あなたは総裁を交代せられてもなお総理として内閣にとどまられるか、解散をされるか、総辞職をされるかという三つの考え方があります。日本の議院内閣制度のむとにおいて、時の内閣を構成しておる与党の総裁がかわった際は、あなたはいかなる措置をおとりになることを正しいとお思いでございますか。
○鳩山国務大臣 あなたの説は道理があると思います。最近に出たイギリスで有名な何とかという本の中にも、選挙といろものは総理を目ざして選挙をするのが多い、だから総理がかわる場合においては総選挙に持っていくのが適当だということを明瞭に書いてあるくらいでありますから、あなたの御議論は賛成者が世界にあると思います。
○今澄委員 そこで鳩山総理は、総裁がかわった際は、あなたは総選挙をもって次の政権を担当せしめられますか。現在の総理大臣として、日本の憲法が示す議院内閣制度の上におけるあなたの信念と考え方はどうですか。
○鳩山国務大臣 大体においてあなたの論が正しいと思いますが、そのときの情勢というものがありますから、あなたの意見に従いたくても従えない場合もあります。
○今澄委員 総理に聞きますが、これは情勢や何かの問題ではないのです。日本の憲法はいわゆる議院内閣制度をとって、おるのであるから、その与党たる政党の総裁が内閣を担当することが日本憲法の示す意味において正しいのです。しかりとするならば、その政党の総裁がかわった際は、その次になるべき政党の総裁は解散をもって内閣を構成することが正しいのか、それとも鳩山内閣は政党の総裁がかわっても内閣をずっと続けてやっておるのかどうかということは、日本の憲法運営の責任者になる鳩山内閣総理大臣が信念を持って国会に答うべき重大な問題です。あなたは何を言っておりますか。
○鳩山国務大臣 あなたの言うのは正しいと思います。
○今澄委員 あなたは健康上の問題もあるし、自民党の総裁が将来かわり得ることがあることは、あなたが自民党の代議士会においてもいろいろ健康上の問題で述べておられる通りです。だから国民は鳩山総裁がかわってほかの総裁ができたときは、鳩山内閣は解散をもって国民に次の内閣を訴えるのか、あるいは鳩山内閣が総辞職をして、次の二代目の総裁が一応選挙管理内閣を作って、それが総選挙をやって、鳩山さんが今回おやりになったような形で進むのか。今回あなたが内閣をお作りになったときは、いわゆる吉田内閣が総辞職をして、あなたは選挙管理内閣を作られて総選挙になったのです。しかしこれは自民党の総裁から緒方総裁へというケースでなかった。今回はあなたの方の保守政党においては総裁から二代目の総裁にかわって、そういう憲法の示す政権授受の一つの大きなルールを残そうとしておるときでありますから、内閣総理大臣は日本の議院再建の憲法のもとにおいてこういう考え方であるということを国民に示さずして一体どうしますか。
○鳩山国務大臣 私はあなたの論が正しいと思います。
○今澄委員 私の論が正しいということを認めたということは、あなたは総理としてはそういう方針でやりたい、こういうお考えですね。
○鳩山国務大臣 やりたいと思います。
○今澄委員 今の総理のお答えは、今私が申したように、与党の総裁がかわったならば内閣は総辞職をして、次の総裁が選挙管理内閣を作り、それが総選挙に訴えて内閣を作ることが、今の日本の憲法の上からすれば正しい意見であるというふうに了解しますが、もう一度御答弁願います。
○鳩山国務大臣 あなたが先ほど例に引きました通り、イーデンはチャーチルから受け取って、総理大臣になって、そして解散をしました。この方法も決していい方法ではないと思います。一つの方法だと思いますから、ただいまあなたが念を押すためにおっしゃった一つの道を歩むとは私は申しません。
○今澄委員 くどいようですが、私があなたに聞くのは、日本の総理大臣が政権授受の場合において――保守党の総裁が二代目とかわった際に、いかなる方針によってその政権の授受が行われるかということは、今代行委員の一人として、内閣を担当していらっしゃるあなたが、国民にその信念を明らかにすべき責任があるのです。もし二代目の総裁ができた際は、日本の憲法の示す議院内閣制の趣旨からいくと、平素鳩山さん自体が、自分はやはり政党の総裁がかわれば総辞職をして選挙をやるべき、であるということを、機会あるにごとにおしゃっておられるのです。だから、ふだんあなたが野にあっておっしやられておるのに、総理にあるときになぜおっしやいませんか。あなたの信念は従来の信念と変らず、やはり政党の総裁がかわれば総辞職をして総選挙をいたすべきものであるかどうかという、あなたの信念を聞いておるのです。明白にこれを答えてもらわなければなりません。国民を代表して私はこの問題をあなたにあくまでも問いただします。
○鳩山国務大臣 先刻申しました通り、総理大臣ができて選挙をする方がいいだろうと私は言ったのです。それ以上に答弁することはできません。
○今澄委員 私は総理大臣が今の日本の憲法のもとにおける議院内閣制の内閣の責任者として、あなたの与党の総裁が一代目から二代目にかわったときに、どういうやり方であなたの方がこの憲法のもとにおいては政権の異動をするかということについての総理大臣の信念も政策も発表できないということは、まことに私はでたらめだと思います。私は、少くとも日本憲法の精神は議院内閣制であるから、憲法の精神からいけば断じて総裁がかわった際は総辞職をして、そして総選挙に訴えるということが日本憲法の精神であると思うが、これについて、(「憲法を勉強しろ」と呼び、その他発言する者あり)だまりなさい。これは重大なところなのです。だまりなさい。これについて処理としてのあなたの見解を聞きたいといろのです。
○鳩山国務大臣 憲法の上から、あるいは議会の運営の上から、それは必然的なものとは私は言いません、必然的に総選挙をしなくてはならないというような憲法はなし、そういうような慣習もないと思います。ただ私がやめて次の総裁ができましたときに、総理大臣にその人が指名されたる場合に、その人は多分総選挙をするだろうというように私は推測するだけです。
○今澄委員 あなたは推測をするが、総理大臣としての所信も信念もないのですか、成り行きまかせですか、総理としての信念があるのですかどうですか。信念を聞きたい。総理としての信念はどうです。
○鳩山国務大臣 私はそういう方向をとるのがいいと思うのです。
○八百板委員 憲法の問題は、鳩山内閣の今掲げております非常に大きな問題でありますが、今までとかく憲法の問題については、鳩山さんから気楽な、すなおな意思表示がなかったようでありますが、一つきょうは憲法改正について、どういうふうに改正したいと思うかというふうな点を少しお話をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 大体におきまして、憲法においては改正すべき点は各章にあると思うのでありますが、これは憲法調査会において慎重に審議してもらう以外に道はないと思います。
○八百板委員 少しお話がかたいと思うのでありますが、やはり今度の国会は、私から申し上げますまでもなく、憲法改正が客観的に見ましたところの最大の問題だといってもよろしいので、あります。従ってこの問題に対して、ここに憲法調査会というようなものを打ち出してスタートを切りました限りにおいては、やはり総理大臣として、当然にその憲法改正の内容について、大臣はこのように考えておるというふうな一応の筋道をお立てになって話をせられるのが、私は国会審議の筋道だと思うのであります。そういう意味でぜひ一つ、ただ調査会で何とか考えててれるだろう、こういうふうなお話ではなくて、その改正への主要点について、少し総理大臣の御見解を予算委員会においても一つお話し願いたいと思います。
○鳩山国務大臣 具体的にお話があればそれについての意見はあとう限り申し上げますけれども、大体においてどういう憲法改正をするかというようなことは、これは学識経験者も入れて、そして多数によって決定してもらった方がいいと思います。たびたびこの席において申しました通りに、これは急いで憲法を改正したいというわけではないのですから、完全な改正をしたいのでありますから、そんなに早く私の意見を言う必要はないと思います。
○八百板委員 具体的に言い出してくればあとう限りの返事はする、こういろ御意見でございますから少しばかり伺いたいと思いますが、よくいわれております、山崎さんや何かからいわれております点を伺いますと、たとえば徴兵はしないとかあるいは旧家族制度の復活は考えないとか、いろいろと民主主義逆行の方向をとるものでは広いというような意味のお話があるわけでありますが、しかし一般的には今度の憲法の改正は、やはり民主義の後退を意味するものだというふうに見られておりますことは、大体これは無理のない考え方だろうと思うのであります。そこで総理大臣はこの憲法第九条の点について、それから天皇制の問題について、それから旧家族制度の、家長制度の復活というふうな問題について、あるいはまた基本的人権の尊重というような問題について、これを制限するというふうな考え方、こんなふうな点について御意見を述べていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 主権在民というこの制度を変更する意思は持っておりません。
○八百板委員 それでは先ほど申し上げましたように一つずつ伺いますが、第九条についてはどういうふうにお考えになっておられますか。
○鳩山国務大臣 第九条については、ただいまでは日本は最小限度の自衛軍を持ってもいいといろ解釈になって、陸軍なり海軍なり幾分かの空軍を持っているわけでありますが、これは表面から見ますれば、憲法にはそういうものを持つちゃいかぬと書いてあります。幾らか自衛のために軍隊を持ってもいいということにも憲法上疑義をはさみ得るのでありますから、そういうような問題のなくなるように憲法を改正をして、現在自衛のためには自衛軍を持ってもいいという解釈に日本ははっているのでありますから、その通りに憲法もしたいと思っており致す。
○八百板委員 現に現在の憲法第九条のもとにおいても今の程度の自衛力は持てる、こういう見解でおやりになっているとすれば、これはさらに明確に持てるというふうに改正して何をなさろうとするのでありますか。
○鳩山国務大臣 自衛を全うするのにはその方がいいと思うのです。
○八百板委員 今やっていることでも現行憲法においてもできるが、さらに改正をやりたいというからには、今と何か変ったものをこの点についても当然お考えになるべきだと思うのですが、その点はどういろふうに考えていますか。
○鳩山国務大臣 自衛隊法に書いてあると同じような文句を憲法に用いても一向に差しつかえないと思うのです。それだから社会党によく相談すれば社会党も反対する理由はないと考えています。
○八百板委員 そうしますと憲法九条は改正する、そして自衛力が堂々と持てるようにする、こういうことを希望する、こういうことでございますね。
○鳩山国務大臣 そうです。
○八百板委員 内容の点であまり論議しても、この委員会の時間の制限もございますから、それでは天皇制についてはどのようにお考えになっておられますか。
○鳩山国務大臣 主権在民については変更する意思のないことは先刻申した通りであります。天皇を主権者にするという意思は持っておりません。 〔重政委員長代理退席・委員長着席〕
○八百板委員 そうすると天皇元首制というふうにいわれております天皇制に関する考え方については、改正の御意思がないということでございますね。
○鳩山国務大臣 今の憲法においては天皇は日本国の象徴だという文字が使ってあります。それでありますから、そういう文字を使う方がいいか、もり少し違った文字を使う方がいいかは、これは憲法調査会において審議すべきものと思います。
○八百板委員 文字というよりも内容を私は伺っておるのでありますが、天皇制を、名称を変えるなり何なりによって天皇の地位を変更する、あるいは何らかの変化を与えるようなことを考えておる、こういうことでございますか。
○鳩山国務大臣 天皇を統治権の主体にするという意思は持っておりません。
○八百板委員 そうしますと、現在の天皇の権限というものではございませんが、天皇の役割と申しますか考え方に、何かプラスするものがおありだ、こういうことでございますか。
○鳩山国務大臣 その点は、やはりよく文字を考えてもらった方がいいと思う。
○八百板委員 いや、文字ではないのです、内容なんです。
○鳩山国務大臣 それは、たとえば天皇は象徴だということですが、これは日本を代表する場合に象徴だというのがいいか、あるいは日本の代表者は天皇だ、天皇は元首だと言った方がいいかは……(「それは主権在民じゃないじゃないか」と呼ぶ者あり)いいえ、私天皇は元首だということは主権者だという意味ではございません。そういうことはイギリスでもちゃんときまっているのですから、そんなことを心配することは要らないと思う。
○八百板委員 天皇を元首とするという考え方があるのですね。
○鳩山国務大臣 私は天皇を主権者とするという考えは持っていない。
○八百板委員 あまりこまかいお話しをしても、何か鳩山さんの御意思によって答えられておるかどうかということも怪しいようでありますから次に移りますが、現行憲法のいわゆる民主憲法の平和主義の原則、それから民主主義、人権尊重の基本的考え方については何らの後退を意味するものではない、こういうふうな意味にも解されるような山崎さんの発言などもあったのでございますが、この点については総理大臣も、この基本的な平和憲法の精神と人権尊重の考え方に対しては、これを後退せしめる何らの意思はない、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○鳩山国務大臣 山崎君の言われた通りで私もいいと思います。
○八百板委員 これは一般的な考え方として鳩山さんに少し伺って恥きたいと思うのでありますが、法律というものは、破っておいてだれも守りやしないじゃないかというふうにしておいて、それから実情に合せて改正をするというふうなものではないと思うのですが、今の憲法がそんなふうな格好で進んできておるのですけれども、こういう点はどういうふうにお考えになりますか。
○鳩山国務大臣 法律を破っておいてから、破った通りに改正していくということでありますか。
○八百板委員 これは、憲法第九条が現実において実質的にじゅうりんせられておるということは、おそらく何人といえども異論のないところであろうと思います。さらにまた選挙法の改正についても後ほど伺いますが、選挙法にいたしましても今日まで私の知る限りにおいては、選挙法の行われております実態というものは、選挙法を完全に守っておると言い切ることは私はできないと思います。そういう意味で私は憲法の改正というようなことを問題にし、あるいは選挙法の改正というようなことを問題にするよりも、まず、憲法を守るということ、選挙法を守るということについて力を入れるというのが、良心ある政治家のするべき順序ではないか、こういうことを伺いたいのです。
○鳩山国務大臣 自衛隊を持たなければ一国というものは存立できないということを国民は知っているのです。それで自衛隊のためには兵力を持ってもいいということになったのです。
○八百板委員 いろいろ承わってみますと、憲法改正を急がなくちゃいかぬという理由はないのじゃないですか。
○鳩山国務大臣 大して急いでおりません。
○八百板委員 そういう意味では、日本の独立の完成ということを自由党も言っておりますし、民主党も言っておるのでありますから、独立の完成のためにまず努力をせられて、その上であなたたちの言う自主憲法、独立憲法というようなものをお考えになる。こういうふうな筋をとられた方が、お急ぎにならないねらば私は筋だろうと思うのですが、いかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 日本が完全に独立をしていきましたならば、それにふさわしい憲法の改正に着手をするということは適当なことだと思うのです。着手をするだけであります。
○八百板委員 従って鳩山さんは、憲法改正の前に日本の完全独立のために着々と努力せらるべきものだと私は思うのですが、その点御賛成ですか。
○鳩山国務大臣 その通りです。
○八百板委員 同じようお話になりますが、現在の憲法は、実際において第九条についてもおよそ最大限の、われわれから見れば明らかに憲法違反だと考えられるような拡張解釈と申しますか、無理な運用をいたしておりまして今憲法の改正については、徴兵制度でもしくのでない限り、九条の改正をしなければならないという緊急なる必要はどこにも見つからないと私は思うのであります。さらにまた九条の改正に対しましては、よくアメリカの圧力によってできた憲法であるからというふうなことを言われますけれども、また九条の改正に対して直接的にアメリカが日本政府に圧力を加えておるということが皆さんの言葉からすればあるいは言え広いといたしましても、現実にアメリカがそれを期待しておるということも、これまた何人も否定できない事実だろうと思うのであります。そういう意味で、今日の憲法改正の動きというものは、日本国民の自主的な独立の意思の動きであるというふうには決して私は考えることができないと思うのでありまして、こういうふうな点について、まず独立の完成ということに主眼を置いて諸般の政策を進められんことを、私は切に鳩山さんに希望いたす次第であります。 次に、さきに御承知のように国会の原水爆実験の禁止に関する決議がほされまして、それぞれ米ソ英に処置せられたはずだと思うのでありますが、これはその国々に対してそれぞれ通告をやって下さいましたね、返事はどうなっていますか。
○鳩山国務大臣 むろん通知したものと思いますが、外務当局から御返事をいたします。
○森下政府委員 仰せの通りそれぞれの国に対しまして機関を通して申し入れました。
○八百板委員 返事は来ましたか。
○森下政府委員 返事は来ております。
○八百板委員 どことどこから返事が来ているか、教えて下さい。
○森下政府委員 それぞれの出先大使をして通達をしたという返事が参りました。あちらからの返事はまだないということでございます。
○八百板委員 私はそういう漫才のような返事を聞くために質問をしておるのではないのです。とにかく日本の運命を決する重大なる原水爆の問題に対して、原水爆の実験禁止は、やがて原水爆の戦争使用への禁止、こういうようにこの問題をわれわれは押し上げなければならぬ。しかも押し上げるための最大の責任がわれわれ日本にある。人類の明日の平和のために、そういう責務がある。われわれはこの問題を真剣に考えていかなければならないのでありまして、そういう意味で、この国会の決定を行政府として、もう少し具体的に執行する義務がある。こういう点について、責任のある推進を私はやってもらいたいと思うのです。それでは返事がこないならば、こないところに対して催促をする処置をとったのですか。
○森下政府委員 国民の要望を向うに伝達をさせて、そうしてその返事がくるように申し入れてありますから、近くその返事は参ることと存じます。
○八百板委員 これは国民の要望には違いありませんけれども、形式的には国会が議決して、外交はこの方向をもって進むべきことを決定したものと私は考えるべきだと思います。従って行政府は、これを忠実に執行して、この目的を達成するために日本の国の運動を起す義務があると私は思うのです。そういう意味で、具体的にどういう計画を立てられておりますか、お示しを願いたいと思います。ただ電報や手紙だけでは済みません。
○森下政府委員 近く回答のあることを期待しております。
○八百板委員 どうも熱意がないようですから、少し事務的に明らかにしてむらいたいと思います。こういうような国会の決定があったからには、これを現案に実現させるための努力が当然に政府においてあるものと私は考えます。この点について、総理大臣はどうお考えになりますか。
○鳩山国務大臣 努力はすべきものと考えております。
○八百板委員 その努力を具体的に実現するための案をそれぞれで立ててもらいたいと思います。たとえば、どういう相手方に対してはどういうふうな処置をする。人間を動かすとか、あるいはこのための国民の世論を起し、世界の世論を高めるための文化活動をするとか、あるいは宣伝の文書をどんどん出すとか、あるいは使節を送ったり、ときには映画を作ったり、いろいろとそういうふうな企画を立てて、必要とあらばそのための予算も組む、こういうふうにして日本全国民の、衆参をあげて決議したこの問題を実現するという熱意のある運動体として、これを具体化する方法を考えていくのが日本の当然の立場だと思うのです。こういう点について総理大臣、御意見を一つ述べていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 いかなる運動をどういう方法においてするかということは、ただいま考えておりませんが、それらの向うを説得する方法については、外務省が適当ねことを考えておるものと思います。
○八百板委員 これは単なる外務省の事務的な問題ではないと私は思うのです。これは皆さん方、あるいはわれわれのところに町村長さんや町村会議員さん方が村の決議を持っておいでにほりますが、おいでになったからといって、ただ決議を置いてしゃべって、すっと帰るという程度の陳情というものは、国会にだって現在ありません。やはりその結果を聞き、具体的にどこを押せばどうなるかというようなことで、陳情の実が上るように努力をして、そうしてお考えになるのが、町村議会の議決を持ってくる町村会議員さんのやり方じゃないですか。そういう意味において、いやしくも日本の衆参両院において決議したからには、この決議が実行せられるために、いかなる処置をとり、どういうふうな裏打ちをするかということは、当然に誠意をもって考えらるべきものだと思うのであります。私はそういう点で単に外務省の事務当局において適当に考えるだろうというようなことではなくて、やはり総理大臣が熱意をもってこの問題を具体化するために、具体的な案を立てなさい、こういう立場を外務当局に対して示すようにこの際明らかにしていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 外務当局とよく相談をいたします。
○八百板委員 相談をいたしますではなくて、相談をしてやる。これは国会の決議でありますから、そういう努力“をする、こういうふうに一つお答えを希望いたします。
○鳩山国務大臣 どういう方法で列国を説いたらいいかというようなことは、外務省の方がよく知っておるのでありますから、外務省によく相談をいたしまして、外務省からそういう道をとってもらいます。
○八百板委員 これは単なる決議をおざなりにして、そうして電報や文書で送ったというだけでは済ますべきものではないのでありまして、やはり一つの国の運動体として、運動形式としてとの実現のために努力する、こういう方向に内閣の責任においてお進めをいただくように願いたいと思います。 それでは日比賠償の問題でちょっと伺いたいと思うのですが、外務大臣はおりませんが、これは経過を見ますと、鳩山さんがだいぶ深く関係しておられるようであります。私も外交のしろうとだし、私よりは鳩山さんの方がずっとくろうとの方に近いのでありますから、いろいろ直接お話し願いたいのです。これはキリノ政府の時代から、マグサイサイの時代からずっと経過をとりまして、あとで鳩山さんとマグサイサイの書簡でもって落着がつく、こういうふうな方向に進んでおるように伺っておるのですが、この辺のところを一つ鳩山さんお聞かせ願います。
○鳩山国務大臣 私も直接関係は少しもしておりませんし、外務大臣にこういうようにしてくれと言ったこともないのですが、とにかく党内において意見が一致しておりませんでした。党内の意見が一致することに努力をしてもらいまして、大体において党内がまとまり、党内の言うことをフィリピンの方で承知をして参りましたから、近いうちにフィリピンとの賠償問題は片づくだろうという推測をしております。
○八百板委員 そうすると、いつごろまでに、どのくらいの条件できまる、こういうふうにお見込みでございましょうか。
○鳩山国務大臣 それは私はちょっと言えないと思います。
○八百板委員 言えない人を相手にして話をしても始まらないのですが、それではこの日比賠償の進行状態とにらみ合せまして、当然に賠償の予算の上の計上ということも考えられるのだろうと思うのでありますが、これがきまりました場合には、どこからお金を出しますか。
○一萬田国務大臣 賠償につきましては賠償等特別会計になりますが、これに二百二十億計上いたしてあります。使途のはっきりしたもので百五十億、あと七十億予備費にとってあります。この予備費で払う予定をいたしております。
○八百板委員 昨年の繰り越しは幾らありますか。
○一萬田国務大臣 百二十億です。
○森永政府委員 二十九年度から繰り越したもの、並びに本年度の当初予算で百億を計上いたしておりましたが、これは補正で三十億減額いたしまして七十億残っておるわけでございますが、この両方の金額が二百六十億くらいになるわけでございまして、そのうち本年度内に使用されませんで来年度に繰り越されましてこの新特別会計に繰り入れられます金額は百二十億くらいになる、その百二十億を新設の賠償等特別会計へ受け入れまして、来年度予算に計上してございます百億と合せて二百二十億を歳入とし、百五十億を賠償等特殊債務処理費、七十億を予備費として歳出に充てておるわけであります。
○八百板委員 フィリピンの賠償、ビルマの賠償その他の面からフィリピンとの条約の成立とともに補正予算を必要とするというふうな問題は起って参りませんか。それと同時にまたこの際には当然臨時国会をお開きになるだろうと思うのでありますが、この点について総理大臣から伺います。
○鳩山国務大臣 私にはその点はっきりしておりません。
○一萬田国務大臣 フィリピンの賠償はなお今交渉中でありますから、どういうふうに妥協しますか今何とも申し上げかねますが、しかし今考えられるところでは、大体この予備費をもって支払いができるので、今のところ補正予算を組む考えは持っておりません。
○八百板委員 補正予算は組まないというようなことを前にも述べられておりますが、今度の予算を見ますと、賠償関係についても不確定なものがあるし、あるいはまたその他いろいろ予算のクッションはみなつぶされて弾力がなくなっておりますし、予測できない災害のために補正を組むということはやむを得ないことでありますが、そうでなくとも現実において補正予算を組まざるを得ないというような問題が起ってくるように私には考えられるのでありますが、こういうふうな点について予測できない不可抗力、災害等によって補正を組まざるを得ない場合は別といたしまして、補正を組まないという方針にはお変りございませんね。
○一萬田国務大臣 変りありません。
○八百板委員 その際に、思いがけない災害に便乗して、ついでにほかのものを加えてくるというようなこともおとりになりませんね。
○一萬田国務大臣 便乗という意味ですが、普通に言う便乗、いわゆる安易に事を運ぶということは毛頭考えておりません。ただしかし何さま人間社会のことでありまして、どういう事態が招来するかわかりませんから、国政運用においてどうしても必要となれば、これは私そうこだわることはなかろうと思います。
○八百板委員 私が便乗というのは、たとえばよく大蔵省あたりでおやりになったように、一定の予算を立てて税金をとろうとする際に、少し山をかけてよけいにとったりして、基本的な税金に便乗して自然増収をはかったりする、そういうふうなことを間々やっておりますので、そういう点についても若干懸念せられる節がありますし、さらにまた鳩山内閣総理大臣は当然自然増収などもあり得るというふうなことも、別の機会において述べておられますので、私はそういうふうな点から補正というものが予測されないことのためにではなくて、当然予測されておることを伏せておいて、あとで補正を組むというようなことが今まで行われておりますから、そういうことについて今後戒める意味合いにおいてそういうことがないかということを念を押しておるわけでありまして、こういう点についてはないということに伺ってよろしゅうございますね。
○一萬田国務大臣 さようでございます。
○八百板委員 次に総理大臣にお伺いしますが、ダレスさんが来られるということが伝えられておりますが、これはいつおいでになるのでしょうか。大体国際慣行上相当前にちゃんと連絡があるのだろうと思うのです、正式にあったと思いますが、また目的などはどういうことでございましょうか、何の用で来られるか。
○鳩山国務大臣 外務当局から御返事申し上げます。
○森下政府委員 お答え申し上げます。ダレス氏は三月六日から向う三日間カラチに訪いてSEATOの会議がございまして、それに出席のため参りまして、その帰途アジア諸国を訪問せられると承わっております。
○八百板委員 日程はどのくらいですか。
○森下政府委員 日本に参りますのはその帰りに寄るのでございまして、一日しかないそうでございます。
○八百板委員 さきにわが成田委員からの質問に対しても総理大臣は、ダレスさんに会ったときには成田さんのお話のようなことも一つ話そうということを述べられておりますが、また同時に外務当局は、次に読み上げますような点について、ダレスさんと日本のいわば協議事項というべきものの打合せの準備をしていられるということが報道せられております。その中には日米両国間の基本問題として、日米安保条約及びこれに基く行政協定であるとかこの改訂、それからアメリカ関係戦犯釈放の問題、小笠原諸島の返還、原住民の帰島またはこれに対する補償の問題、対米債務、ガリオア、イロアなどの問題あるいは東南アジア諸国との経済協力、コロンボ計画との関連など、あるいはまた対中共禁輸緩和の問題、日ソ交渉の問題・日韓関係調整の問題それから防衛問題、アメリカの対日諸援助の問題、日本の国連加入などの具体的な諸問題、これらの問題を協議事項ごしてそれぞれ御検討をせられるということがございますが、こんなふうなことをお考えになっておりますか。総理大臣からちょっと簡単に述べていただいてあとまた……。
○鳩山国務大臣 簡単に申し上げます。ただいまあなたがお読みになった、のが新聞に出た日に、ちょうど谷君がアメリカに行くのであいさつに見えまして、一体君の方じゃ、こんなことをしたのかね、いや全然そういうことはない、私は知りませんということで、われわれ何にも知らないで、一日きりない人にずいぶんいろいろなものを注文するんだねと言ったのですが、外務省においてはダレスに会うことについて全く何も特別の会議はしていないようです。
○八百板委員 総理大臣の御存じない間に事務の方でいろいろおやりになっておることはございませんか。
○森下政府委員 さようなことはありません。
○八百板委員 しかしいやしくも日米関係について重大なる影響を与える立場にあられる方が、たといついでとはいえ日本にお寄りなのでありますから、この機会をつかまえて何らかの話し合いをするなり計画を立てるということについて、何らの事務的打ち合せも準備もしないということは常識上あり得ないことであり、また一面に幸いては怠慢なる態度ともいうべきであって、やはり何らかの御準備はせられておるものと私は思うのでありますが、この点についてはどのようにお考えになりますか。
○鳩山国務大臣 私からお答えをいたします。ダレスが来たときにダレスに話したいと思うことはないわけじゃないのです。けれどもそれはここで申し上げるわけには参りません。
○八百板委員 ダレスさんが来ます場合には当然に鳩山さんもお会いになっていろいろと述べられるだろうと思います。その際には今読み上げましたような日米関係の懸案の事項については、このことについて協議をしたとしないとにかかわらず、こういうことが問題になり得るということは事実であります。従ってこれらの問題に関連するそれぞれの問題について、あるいは重点を拾って御相談になるだろうと思うのでありますが、その際には当然に鳩山さんがお会いになると同時に、社会党の代表にも会うようにあっせんせられる方がよいのじゃないかと私は思うのでありますが、この点について鳩山さんはどういうふうにお考えになっておられますか。
○鳩山国務大臣 ダレスがそういうような希望を持っておりますれば、あっせんをすることは辞すべきことではないと思います。
○八百板委員 やはり日米関係については、日本のわけても社会党の外交的立場をじかにダレスの耳に入れて、きびしい日本の世論というものを耳に入れておくということは、あなたが外交をおやりになる上にも私はよいことだと思いますので、こういう意味合いに訪いて、単に儀礼的にお会いになってお茶飲み話をするよりも、むしろそういうふうな形において日本の正しい世論、それを聞かしてやる、こういう意味合いにおいては私は適切なる企画だろうと思いますので、そういう意味合いにおいては社会党の申し入れにいたしましても――まだ申し入ればいたしておりませんけれども、あるいはまた総評も会いたいなどと言っておる情報も流れておりますが、そういうふうな点についてはやはり御努力せられるのが、私は格好なあなたのとらるべき態度だと思いますが、この点についてそういうふうにお考えになっていただけますか。
○鳩山国務大臣 社会党の方でダレスにさように会いたければ、アメリカの大使館があるのですから、要求なすったらいいでしょう。
○八百板委員 それはあなたから言われるまでもなく、会いたいと思えばそういう方法で会うことについてはできるわけでありますが、せっかくそういう機会でありますから、その機会を積極的にそういうふうに利用せられるということが、あなたのこの際にとっていただく好ましい態度である、こういう意味で私は申し上げたのでありまして、そうつっけんどんにおなりにならなくてもよろしかろうと思うのであります。 それから同時に、私はこの際にこれらの懸案になっておることが、それぞれ具体的に出ておるということは、準備なすっておらないといたしましても、今後いろいろと懸案の事項があるのでありますから、この参りました機会に、単にアメリカの通常のルートであるところの出先の大使と話し合いをするというだけでなくて、日米の問題について今後継続的に話を進めていくというふうな話し合いの取次をする、こういう努力をせられる時期ではないかと私は思うのでありますが、こういう点について総理はどうお考えになりますか。
○鳩山国務大臣 ただいまダレスに会ったときにどういう話をしようかというふうなことは考え中であります。
○八百板委員 そこで、いろいろ重要なるお話を考えておられると思うのでありますが、そのお話をせられました場合には、単にその話を耳に入れたというだけではなくて、その結果が継続的に実現せられるような今後の処置についても、単に出先の大使館だけではなくて、アメリカとの間にいろいろ話し合いを進めていく道を、糸口を作っていく、こういうふうな御努力を私はせらるべきであると思いますが、そういう点はいかがでございましょう。
○鳩山国務大臣 ダレスと会って、どうにかして重要な問題の解決の端緒を得たいと考えております。
○八百板委員 鳩山さんに伺いますが、鳩山さんは原子兵器などを日本に入れるということはない、持ち込んでもらっては困る、こういうふうほお話をされましたが、そういうお考えでございますか。
○鳩山国務大臣 私は原子兵器というのはよく知らないのですけれども、何だかこわいもののように思うのです。原子兵器を日本に貯蔵すれば、日本を攻撃するというような場合もふえるだろうし、あるいはまた原子兵器というものの何というか自然的な爆発性もありはしないかということを考えまして、ああいう原子兵器というものにはなるべく遠ざかっていたいと思います。そういうようなわけで、原子兵器を日本に持ってくる場合においては、日本に知らせてもらわなくちゃ困るということを、アメリカ大使にたびたび話をしたことがあります。それを重光君もよく了承して、アメリカとは交渉したということをたびたび言っているわけであります。
○八百板委員 鳩山さんは原子兵器を日本に持ち込むことをさせないようにする、こういうお考えのように伺っておったのですが、危ないものだから、よくはわからぬがそういうふうにしたい、こういうことでございますか。
○鳩山国務大臣 日本を攻撃する材料にもなりましょうし、それ自身がどういうふうな性質のものかもよくは知りませんから、なるべくそういうものには遠ざかっていたいという考え方を持っております。
○八百板委員 なるべくでなくて、原子兵器は日本に入れさせるべきではない、こういうふうな考え方にはっきりお立ちになっておられるように、私は今までの話で伺っておったのですが、この点は……。
○鳩山国務大臣 そういうわけです。
○八百板委員 ただいまそういうわけでもという鳩山さんのお話でありますから、原子兵器を持ち込むことには賛成できない、こういうふうに伺ってよろしゅうございますね。
○鳩山国務大臣 ええ、けっこうです。
○八百板委員 そうしますと、この間重光さんが申しました言葉によると、少し違っておる点がありますから、この点は一つ鳩山さんの方から、重光さんの考えは違っておるから改めなさいということを、きょうはおいでになっておりませんが、はっきりお伝えいただきたいと思います。つまり私の方の成田委員の質問に対しまして、「自衛のために必要であるという判断になってきます場合においては、それはどんどん自衛の目的を達するために持ち込むことはでき得るわけであります。」こういうふうに原子兵器の持ち込みについて重光さんは言っておるのであります。これは明らかに今鳩山さんが明言せられました趣旨に反する考え方でありますから、重光外務大臣に対しまして、原子兵器を持ち込むということに対して、たとい自衛の目的である場合といえども、これに賛成するような態度はとるべきでないということをきびしくお示しをいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 よく聞いてみます。
○八百板委員 さらにそれに関連いたしまして、成田委員の発言中残っております点について、一つはB57について、これは原子兵器のようなものではないという船田長官の御答弁があり、また船田答弁で、いろいろと確かめてわかり次第なるべく早い機会にお知らせするというふうに明言せられておりますが、それからもうかれこれ十日以上たっておるわけであります。まだお知らせがないようでありますが、この際に約束でございますから、お知らせいただきたいと思います。
○船田国務大臣 B57のわが国に飛来いたしまする前に通告があったということは、この前に申し上げましたが、それは非公式な通告でございます。それによりますと多分八機か九機来ておると存じます。それから近日数機また参ることになっております。今手元にはっきりした数字を持っておりませんが、大体その程度のものが現在日本に、置いてあるのでございます。
○八百板委員 これは原子兵器のようなものではないのですか。
○船田国務大臣 原子兵器とは全く違います。
○八百板委員 どういう点が違うか、私もよく見ておりませんが、あなたごらんになっておるでしょうから……。
○船田国務大臣 B57は飛行機でございまして、これは爆撃機でございます。従来ありましたプロペラ爆撃機にかわってB57が置かれるということになっただけのことでございまして、原子兵器の問題につきましては先ほど来総理大臣の御答弁に触った通りでございます。
○八百板委員 それからこの問題につきまして重光さんも言っているのでありますが、連絡をしていろいろ了解してやることが、向うも希望をしておりますし、こっちもいいことでありますというふうなことを述べておりますが、これは単に希望的な意味合いにおいて、原子兵器のようなものを持ち込む場合には、向うも連絡してやる、それを向こうも希望しておりますし、こっちもいいのでありますというのでありますが、これはどういう話し合いを基礎にして、こういう考え方に立っておられるか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○船田国務大臣 ただいまの御質問の御趣旨がよく聞きとれませんでしたが……。
○八百板委員 原子兵器のようなものを持ち込む場合は、連絡していろいろと了解してやることが、向う――向うというのはアメリカであります。向うも希望しております。こっちもいいことでありますから、というふうなことを言われておるのでありますが、つまり向うも希望しておるということは、単なる言葉の上でそういうふうなことを言っておるのか、それとも日米共同声明の解釈の上で、こういうふうにこの部分を理解する、こういう意味で言っておられるのか、この点を明らかにしてもらいたい。そうでないと、単なる希望的な話だけでは、これは重大問題でありますから、はっきりしていただきたい、こういうことであります。
○船田国務大臣 原子兵器の持ち込みにつきましては、先ほど来総理から御答弁があり、なおこの委員会におきまして外務大臣が答弁申し上げておりますように、事前に了解がなければ持ち込まないことになっておるのであります。
○八百板委員 そのなっておるというのが、どこでなっておるかということを私は伺いたいのであります。
○船田国務大臣 これは先ほど総理が御答弁になりました趣旨によりまして御了解のいくことと存じます。
○八百板委員 その点は総理大臣のお話とは直接関係はないのでありまして、私の尋ねておりますのは、アメリカと日本との話合いにおいて向うも希望しておる、こっちもいいんだからお互いに連絡をしてやる、こういうことになっておるというのは、それはいつどこでだれとの話し合いにおいてそういう取りきめができておるかということを私は伺っておるのであります。
○船田国務大臣 この問題につきましては、先般外務大臣から御答弁申し上げておりますので、私からそれについてとやかく申し上げる必要はないと思います。外務大臣がすでにそのことについて申し上げておりますから、なお外務大臣が出席いたしましたときに、適当なる機会を得て答弁申し上げることと存じます。
○八百板委員 私は質問の日があすになるというように伺っておりましたものですから、きょうはその記録を持ってこないのでありますが、ちょっとメモ程度のものはあるのでありますので、これによりますと、日米共同声明の中に、先の文句は覚えておりませんが、いわゆる両国の計画を絶えず検討していくことに両国の意見が一致した、こういう内容があるのでありますが、私はこの両国の計画を絶えず検討していくという内容が、具体的には兵器の内容なり規模なり量なりについてお互いに話し合ってこれを検討していく、こういうことについて両国の意見が一致した、こういう意味であって、その意味に基いて、これらの原子兵器の持ち込みについては双方の検討の上に行われる、こういうものだと私は考えるのでありますが、この点はそういうふうにお考えになっておられるのでしょうか、それとも別の角度からそういうお話しが出ておるのでしょうか、この点をちょっと述べていただきたい。
○船田国務大臣 この問題につきましても外務大臣から御答弁することが適当と存じますが、私の承知いたしておりますところでは、その計画というのは防衛計画が主たるものでございます。
○八百板委員 日米共同声明は防衛計画に関するものでありますから、その点はそういうふうに考えるべきだと私は思うのでありますが、と同時に責任のある相手がおられなくて話になりませんが、この両国の計画を絶えず検討するということが、すなわち原子兵器の持ち込みなどの場合によく連絡してやるということであり、同時に先ほど鳩山さんが言われましたところの、原子兵器の持ち込みには賛成できないという考え方から、当然この検討の場合において、あちら側では持ち込みたいと言う、こちら側はいやだと言う、こういう意味合いにおいて両国の計画を絶えず検討するということが、検討の内容として考えるべきものであって、当然その検討の過程において日本はいやだと言う、そういう不一致の場合には、この日米共同声明の趣旨からいって持ち込まれないものだ、こういうふうに解すべきだと思うのでありますが、こういうような点について見解を述べ得る自信がありましたならば述べていただきたいと思います。
○船田国務大臣 原子兵器の問題につきましては、先ほど来総理からたびたび御答弁がありましたので、それで御了承を願いたいと思います。
○八百板委員 それではこの問題はまた別の機会に明らかにするように、政府においてもお考えおきをいただきたいと思います。 次にこれは新聞に出ておったことでありますが、在外資産と農地改革についての補償を自民党で研究することに一致したという報道でございます。これは党の方に伺えばいいのでありますが、しかし党によって組織せられております政府でありますから、重大な問題でありますので、出ました機会にこれについての御見解を承わっておきたいと思います。どなたでもけっこうです。
○根本政府委員 お答え申し上げます。党の方においてそういうふうな意向があるということは聞いております。しかしながら正式に党議決定の上は政府に持ち込んではおらないのであります。われわれが聞いておるところによりますれば、在外資産の問題、あるいは農地改革その他占領中においてとられたいろいろの不公平というか、それのまだ未処置のものもありますので、そういう問題を検討する委員会を党内に設けるとともに、政府にもそういう審議会を設けて、これらの諸問題を検討すべきであるとの意向のようであります。
○八百板委員 一つの機関を作って検討するということは、ちょうど憲法調査会が憲法改正を意図して調査すると同じように、当然やはり一つの方向なり、意図を持っておるものだと私は思うのであります。でなければやる必要はないのであります。そういう意味でこの際根本さんにもう少しお答えを願いたいと思うのでありますが、在外資産について補償せられるという根拠については私もこれを支持いたします。しかしながら農地改革で地主が被害を受けたと考えること、いわゆる農地法によって、農地解放によって解放せられた農地、このために地主が被害を受けた、その被害を国家が補償する、こういうような考え方は、法律できめられたものであります限り成り成たないものと私は考えるのでありますが、こういうふうな点についてちらちらと出た際に政府としては明確な線を打ち出しておきませんことには、やがていろいろの困難なる問題に追い込まれていくのでありますから、この際態度を明確にせられることが必要であろうと思います。根本さんついでにお答え願いたい。
○根本政府委員 政府は農地改革に対して、その善後処理をどうするというようなことまでは考えておりません。ただし現在そういうふうな農地改革のみならず、戦争あるいはまた占領下においていろいろの不平、不満がありますので、そうした問題を一括してどう処置すべきかという問題を検討すべきだという党の意見でございます。従ってその申し入れがありましたときに、政府はその審議機関を設けるかどうかということを考えなければならぬと思っております。現在そのために、政府が審議機関を設けると決定しておるわけではございません。今後検討すべき問題と思っております。
○八百板委員 それらの検討の中には、農地改革の問題を含むということになりますならば、当然に農地改革と並行して、同一趣旨において行われましたところの財閥の解体も含まれてくるし、当然にまた。パージの問題も含まれて参りますし、そういう点において戦犯の補償という問題にまでも発展するでありましょう。そういうふうな点については農地改革と財閥の解体というものは同一の性質のものだと私は思うのでありますが、この点について振り分けをつけてお考えになっておりますか。
○根本政府委員 今補償するとかなんとかという問題ではなく、戦争中あるいは戦後における占領政策中において、いろいろの不平不満がいろいろの団体から非常に熾烈な陳情があっておるのでありまして、こういう問題をどう処理すべきかという意味において、党でも機関を設けるし、また政府もそういう機関を設けるべきだという意見があるということでございます。これを今財閥解体をどうするとか、あるいはまた追放された者をどうするかという具体的な問題は、まだ話を聞いておりません。
○八百板委員 伺ってみますと、占領政策の結果起った被害について何らかの処置をとりたいということは、当然にポツダム宣言の受諾に基いて民主主義的傾向を復活、強化するために障害となっておるものを除去すべきだ、こういう立場に立って打ち出されましたものが、言うまでもなく農地解放であり、財閥の解体であり、パージであります。これらの問題を一切含めて占領政策の結果として起った被害について何らかの処置をとるということになりますと、これは範囲がきわめて重大であります。単に家屋の燃焼とか、あるいはそういう不可抗力によって、自分の意思によらざるものによって受けたところの庶民の戦争災害の補償とか、あるいは、お見舞とかいうようなものとは、全然性質を異にするのであります。こういうふうな点について、混同してお考えになっては問題は非常に重大だと思いますので、この点もう一ぺん明らかに答弁願いたいと思います。なお農地改革の問題も関連しておりますから河野さんも一つお願いします。
○根本政府委員 お答え申し上げます。八百板さんの御意見は十分に拝聴いたしました。今後そういう問題が出たときに、十分考慮して政府は善処したいと思います。現在政府はこれをどうするという結論ではなくして、そういう機関を設けて、現在こういう問題につい熾烈なる陳情あるいは請願等がたくさんございますので、民主主義の今日、そういう問題を十分に審議する機関を設けるのは政府として考えていいことではないか、こういうことでございます。
○河野国務大臣 ただいま御指摘になりました、農地改革の結果地主の農地が解放せられて、それについての善後処置を云々というお話でございますが、これは明確に私は割り切って考えてよろしいと思います。最高裁判所の判決もあることでございますから、これは正しい行政措置であった、これはこれでよろしいと思うのであります。ただし政治として、社会問題が起ってくれば、その社会問題については善処するということは当然のことであります。でありますから今根本官房長官がお答えしましたように、政府としてこれについて必要があれば考えるということは、当然のとるべき処置であろう。ただし前提は今申し上げましたように、政府としては割り切って陥りますから、その点は今八百板さんのお尋ねのような方向ではないのであります。
○八百板委員 戦争の犠牲者に対しましては、その償いをする処置をとるべきだという点については、私どもも考えておりますし、党としてもいろいろ法律的な準備もいたしておるわけであります。しかしそれはあくまでも戦争の犠牲者に対して、あるいは家屋の燃焼、人命を失った者、そういうふうな戦争の犠牲に対する考え方であって、いわば戦争責任者ともいうべき、あるいはまた戦争の根源になったものを除去する、こういう意味合いにおいてとられましたととろの、ポツダム宣言の精神を受諾したことに伴ってとられましたる占領政策の結果によるものとは、これは全然性質が違うのでありますからして、この点についてはよく縦分けをつけるように御判断を願いたい。同時にまたそういうふうな問題についてははっきりしておるが、ただし社会問題として、などと言われますと、そのただし書きの方が非常に大きな間違いを起す危険がありますからして、こういう点も十分に御警戒をいただきたいと思います。なおこの際に大蔵大臣も、財閥の解体の問題がありますから一言だけお答えを願います。
○一萬田国務大臣 ただいまの点につきましては、この前の国会でも参議院等ではっきりお答えしておるつもりでありますが、先ほど農林大臣から答弁された通りであります。
○八百板委員 話は飛びますが、大蔵大臣は定期取引の再開については、あまり賛成しておらないように世上伺っておりますが、これについての大蔵大臣の見解をこの際明らかにして、まぎらわしいことのないように一つにしていただきたいと思います。
○一萬田国務大臣 株の定期取引の再開の問題でありますが、別にこれはどうということで今あるわけでもありません。いろいろと意見もあり、研究もしておるというのが今の段階であります。従って今ここで私一人の見解を言うほどでもないのでありますが、しかし一応私の考え方を申せということでありますれば申し上げますが、私は株式の定期の清算取引の再開ということは、やはり株式の取引の基本といいますか、あるいは資本市場というもののあり方に対する基本に触れるという点から、重大視するのでありまして、ちょうど資本市場が金融市場に対応する、たとえば銀行なんか、あるいは銀行取引がどうあるべきかというようなことに相対応するものだと思います。今日の取引状況は、占領下におきまして非常な力をもって、投機的なところを非常に除去した実物取引丁というものになっております。これはやはりあの当時ああいう力がなければやれなかったということも一つであります。またそれが投機的な要素を取り除いて価格の形成をより公正にするという考えも、これは私としては見のがすことはできぬと思います。こういう点についてはまた見解の相違があるかと思います。従いまして、これをまた先物取引といいますか、いわゆる長期の清算取引に返すということは、やはり大きな変革を意味する、こういうふうな考え方をいたしておるのであります。従いまして国民の貯蓄心というようなものに関すること、資本の蓄積、あるいは今後における特に長期資金の供給等、いろいろな要素を含んでおるから、私は審議会でも作って国民経済的に、かつ社会的に公正な人々が十分な判断をして、そうして変えるものなら変える。それがいいから変えるんだ、いや変えるべきじゃない、こういうふうな意見を十分私は聞きたいのです。聞いて、そして私自身は私自身の意見を持っておりますけれども、そう早く打ち出すことも私はないと思います。十分意見を聞いて、そうして断を下していく、これが私の今の見解であります。
○八百板委員 少しだれかに遠慮しておるような話でありますが、私はこれらの問題については、単に投機的な面を助長するというだけの結果であって、何ら価格形成を公正にするというふうな働きをなす生産的なプラスの面があるものとは、私は考えられないのでありまして、そのような方向に打ち出されることを私は反対し、大蔵大臣もそういう方向に早く意見を出してもらうことを希望いたします。 それからちょっとこれも断片的な話になりますが、紀元節の問題について、建国記念日を置こうというお話をあなたしておられるように伺っておるのですが、これはやはり置くという考えですか、置くべきであるというお考えですか。
○清瀬国務大臣 国民の祝祭日は、ただいまでは法律できまつておるのであります。もし議員立法として提案されるならば、私は賛成したいと思っております。
○八百板委員 この点は議論をいたしますと際限がない問題でありますが、おそらく紀元節の復活というふうな考え方については、少くとも心ある人々は苦々しく思っておるように私は伺っております。この点については、すでに文献によっても明らかなように、さきにきめられました二月十一日という点につきましても非常にあいまいなものでありまして、あるいはまた日本の古来のものを尊重するというふうな点にも何ら結びついておらないものでありまして、いろいろの意見はあるにいたしましても、これまた中国の思想を受け継いだものだという説もかなりはっきりと出ておるのでありまして、私はこの際に紀元節の復活というような形において反動的傾向を助長するような形を打ち出すことには賛成できないのであります。同時に清瀬さんは、教育基本法の中に何か足りないとかいうこと――伺っておりますと、何か忠君愛国、父母に孝に、一たん緩急あればまで出てきそうなお話でありまして、非常に逆戻りの感を深ういたすのでありますが、こういうふうな点については、一つの現われともなる問題でありますから、鳩山さんにも御意見を述べていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 文部大臣と同様な考え方を持っております。
○八百板委員 次に農林大臣に少し明らかにしていただきたいと存じます点は、先ほども出ましたように、農業団体の再編成という問題が絶えず繰り返し論議せられております。これは協同組合の信用部門をとるということをやめるということ以外には、大体において今まで出されております河野さんの考え方は大同小異のようでありますが、協同組合の信用部門をとるということをとりやめにする以外は、どんなふうなことをお考えになっておられますか。あまり長い話でなく、時間もございませんから、簡潔に、名前と要点だけを一つ願います。
○河野国務大臣 たびたび申し上げておるのでありまして、この予算委員会で社会党の方にすでに申し上げました。ところが簡潔に申しますことが下手でございまして、誤解をされてばかりおるわけでございますが、先ほど須磨さんに申し上げました通りに、これを要約すれば、一連の協同組合系統のものに対してはそのまま育成強化して参ります。これが第一であります。 第二は、農業災害保険の組合の関係のものにつきましては、これを整備し、さらに必要があればこれについても多少の手を入れなければならぬような情勢にあるのじゃなかろうかと考えております。第三は、この両方に属せざるものにつきましては、これを整備強化するために一つのものを統合して作らなければいかぬのじゃなかろうか。これらにつきましては、目下せっかく案を検討中でございます。 以上でございます。
○八百板委員 何か農業委員会のようなものを、農業委員会本法の改正というような形において、これを中心の団体にして、そうして予定された十何億の金をここに使うということですか。
○河野国務大臣 それらについて研究を今いたしておるところでございます。
○八百板委員 大体の方向はどうですか。
○河野国務大臣 研究中でございますから、結論は私が今申しました三つの原則の中にあってやるつもりでございます。
○八百板委員 そうしますと、その団体なり機関というものの性格だけ一応述べてもらいたいと思うのですが、行政的な施策の浸透機関として、上の方からの機関として作っていくお考えなのか、それとも下の方からの農政団体というような形において作っていくのか、その考え方はどうですか。
○河野国務大臣 下の方から盛り上る団体にしたいという方向で考えております。
○八百板委員 下の方から盛り上る団体に対して金を出すのですか。
○河野国務大臣 下から盛り上る団体でも、これは農村振興上必要なものでありますれば、農村振興費として使う場合はあると思います。
○八百板委員 下から盛り上る団体に上から金を出したのでは、これは上からものを押しつける団体になるのです。このくらいのことはおわかりだと思うのですが、その辺どうです。
○河野国務大臣 言葉を返すようで恐縮でございますが、協同組合はあれは下から盛り上ったんですか、上から作ったんですか。私は協同組合の一連のものは下から盛り上ったと思うのであります。これに対して政府は年々多額の整備強化費を出しておるわけであります。みな同様であります。
○八百板委員 あなたが言葉を返すようで恐縮だと言いますが、私も言葉を返すようで恐縮ですが、農業協同組合と、いわゆる下からの団体というものはこれは全然性質が違うのでありまして、これは縦分けをつけてお答えを願わなくちゃいかぬのでありますが、農業協同組合というものは一つの事業体であります。あなたの言ういわゆる農民組織というものは、そういう事業体をさして言うのか、それとも運動体をさして習うのか、この点どちらですか。
○河野国務大臣 先ほど申し上げましたように、いろいろな仕事をそこでやることになります。明確に分けましたのは、協同組合関係のことは協同組合関係でやります。保険関係のことは保険の方で一つ考えます。その他いろいろな問題がありますから、政府にかわって政府の施策を浸透するようにしてもらうこともお願いする場合もございましょうし、それから下の農民の意思を上に反映させるように動く場合もございましょうし、いろいろございます。
○八百板委員 そういう点についていわゆる明確を欠くと思うのですが、行政の補助的機関としてお考えになるならば、これは決して下から盛り上ったものではないのでありまして、そういう団体に対して金を出すということならばわかりますが、それならば、それは当然にいわゆる政策を浸透させるための機関であって、いわゆる農政的な、下からの農民の声を持ち込む機関にはならないのであります。この点は、事業体と運動体は別個であると同時に、行政機関の付属機関としての運動体もこれまた当然に別個の問題でありますから、この点についての混同をあえてしながらわけのわからない形において農民団体を作っていく、こういうふうに解せざるを得ないのでありますが、そういうことでございましょうか。
○河野国務大臣 農村の問題は非常に複雑でありますから、しかも今申しましたように、すっきりとしたものは両方に分けて、そのまん中のごまごましたものを合せるのでありますから、どうしても割り切ったものになりにくいと思います。
○八百板委員 私は、政治というものはそうごまごまされては困ると思うのです。ごまごまやるのが当りまえのようにお考えにほっておりますが、そういう点を明確にして、とにかく国のお金を十何億というものを出されるのでありますから、それらの点については、この新農村建設対策費の割り振りを明確にして、どういうことのために、どういう目的で、どれだけを出すのだということを明らかにしていただくことが、これは当然に予算審議の建前として、農林大臣の霊示しになる態度だろうと思うのです。私はただごまごまとお使いになるというだけでは、これはちょっと通らない話だろうと思うのです。
○河野国務大臣 それは少々誤解がおありだと思うのでありまして、今予算にお願いいたしておりますのは、農業委員会の予算をお願いしておるでございます。それで今別に考慮しておりますものが、案がまとまりまして、そうしてできましたらば、議会の御承認を得まして、それでよろしいということになれば、またその予算を使うことが妥当であるという場合に、これを使うということへ振りかえをするということになるのでございまして、ただ今ここでお話しておるものに、今ここに計上しております予算を、そのまま振りかえて十五億使うというふうには考えていないのであります。くどいようですが、今の予算は農業委員会の予算として計上してあるわけでございます。
○八百板委員 農業委員会の予算として組んであるが、あとで割り振りをこまかくきめて別個の使い方を考える、こういうふうなお話のように伺えるのでありますが、それならば、あとでやるということは筋が通らないのでありまして、予算審議の今日、あとでこういうふうに直すのだというふうなことでは、話がちょっとおかしいと思うのであります。やはりここで、やがて変貌することが予想されておりますものならば、明確にその割り振りを決定して、これはこうこうこういうふうにするのだということを、はっきりしていただきたい。今すぐにここでということが無理ならば、当然いつまでにこれらの問題についての具体策を立てるということを明言していただきたいと思います。
○河野国務大臣 案ができたらこれを議会の御承認を得てやるのでございまして、決して予算が通ってしまったらば、任意団体にむやみに補助をして金を使うということを考えているわけじやございません。別途その成案を得ました際には、これを議会に提案をいたしまして、それを御審議願って、御決定があれば、その方に振りかえて使う場合がある、こういうことでございます。
○三浦委員長 八百板君に申し上げますが、だんだん時間も迫って参りましたから、簡潔にお願いいたします。
○八百板委員 それでは簡潔に伺いますが、一方において協同組合というものを、やがてお米の自由販売の暁においては、米の平均売りができるように高めて参りたいというふうな協同組合の育成と強化の策をとりながら、一方において協同組合の大きな経済的根拠になっておりますお米の方の仕事について、片一方特別集荷の方法をおとりになるということは、矛盾するように思えるのでありますが、どういうお考えでこういう対策をとりつつあるか。
○河野国務大臣 御承知の通りに、協同組合を育成強化して参りまして、食糧問題、特に農村との関係の問題を完全に運用して参りたいということは、私年来の主張でございます。ところが政治でございますから、しかも食糧問題と申しましても、御承知の通りに、具体的に申しますれば、今日現在全国で米のやみ価格が百円以下になっております県が六県ございます。その六つの県は明らかに農家が公定価格以下で米を売っておるのでございます。そういう事実があるのでございます。そういう事実があります以上は、農家の経済を助成いたしますのに必要な処置をとらなければならぬのでございまして、協同組合と申しましても、理想は全部の協同組合を育成強化するところにございますけれども、間に合はないで、協同組合がまだ十分活発な行動のできないところもございますから、便宜これに補助的な施策を講じて参るということは、私は正しい行き方だと思っているわけでございます。
○八百板委員 米の問題については従来厳格に百パーセント軌道に乗って法律的に運用せられたという実例はないのでありまして、いつの場合でも、相当部分はいわゆる規制を離れて別個の動きをしておることは、実績であります。たまたま六県の事例をつかまえて、これを理由にして全国的な特別集荷の措置をとるということは、当を得たるものではなくて、これは当然に協同組合の育成の方向と矛盾し、自由販売への布石として打ち出したところの策略的なものである。同時にまた大口の米商人を育成して、そのための――大口米商人の地盤を確保するための、地盤確保の事前運動に対して、政府が協力するものだ、こういうふうに私は解せざるを得ないのでありますが、この点についてお答え願いたいと思います。
○河野国務大臣 それらの点につきましては、細心な注意を払いまして、決してそういうことにならないように施策をいたしたつもりでございます。たとえば、その村で集荷いたしました特別集荷の米は、その村の協同組合に納めるように、その村の協同組合の倉庫が預らない、拒否いたしました場合には、もよりの倉庫に入れるように、決してその現物に特集人はさわってはいけないというようなことを、全部制限をつけまして、従来のに比べて制限をつけてやってまりますから、そういう処置にはならない、おおむね――全国的にとおっしゃいますけれども、おそらく私は、全国的にそういう動きは起らぬだろう、今申し上げますように、農家の方も、ただ商人が参ったからといって売るものではございません。しかもその商人が買ったところで、そのもよりの協同組合に預けてしまうのでございますから、買う人はなかろうと思います。ただ、今申しましたような、現にやみ米が非常に下っておるところ、非常に集荷の不円滑なところ、こういうところについて、私は補強の施策が講ぜられるものなりというふうに考えております。
○八百板委員 河野さんには問題がたくさんあるのでございますが、時間もございませんから、少し端折って申し上げますが、次に、河野農林大臣は硫安工業会に対して、賃金の引き上げに使うようなお金があるならば、硫安の値下げにこれを使いなさい、そういう意味で、硫安工業会に対して警告を出したということが明確になっておるのでありますが、この通り違いございませんか。
○河野国務大臣 私は今回の硫安工業関係労働組合の硫安各製造会社に対する賃上げの要求に対しまして、実は昨年末、硫安工業関係労働組合の年末手当が非常に高額でございましたので、これが新聞の報ずるところとなり、全国農民がひとしくこれに対して非常に遺憾の意を表したわけでございます。非常に不満を持ったわけでございます。そこで再びこういうことが繰り返されたのでは、農民がせっかく硫安製造に協力していただいておる労働者諸君との間に非常に意思の疎通を欠くというようになりますることははなはだ遺憾と考えまして、この点について特に注意をいたしまして、妥当なる賃金の是正は、決してわれわれはそれについてとやかく考えるものではありませんけれども、しかし万一、前例のあることでありますから、今回の処置において当を得ない処置がとられ、それを理由にして硫安の価格を上げてくれとか、もしくは当然下げる要因があるにもかかわらず、値下げを拒否するというような態度を経営者がとることは、われわれの非常に遺憾とするところであります、という趣きの手紙を、これらの代表者に出したのでございます。
○八百板委員 硫安の値下げをするということは、われわれもそうあるべきものだと思いますが、しかし私の指摘したいことは、同時に河野さんは、いつも選挙間近になると肥料の値下げを言い出すという点、これもすなおに聞けない問題も含んでおるということをあわせて申し上げておきます。硫安の値下げを希望するということは私どもも賛成でありますが、しかしそれと賃金の問題に対して、農林大臣が企業の賃金に対して干渉がましいことをするということとは、全然別個の問題だろうと私は思うのでありまして、そういう意味合いにおいて、民間の賃金に対して不当に干渉したという農林大臣の責任は、これは当然に糾弾せらるべきものだと思うのです。この点について、あなたは適切なる時期において適切なる文書を出したとお考えになっておりますか。
○河野国務大臣 私は不当に干渉したという気持は持っておりません。試みにここに読み上げてみます。私は硫安工業関係労働組合の労働賃金が適正にあってほしい。もちろんこれは、これによって増産がで奉ることでありますから、けっこうと思います。けれども、たとえば昨年年末の賞与にいたしましても、一般の製造会社が二万五千円平均、それから化学会社が四万一千円、それに対して硫安関係が六万五千円ということになっております。こういう数字が新聞に報道せられますと、これと直接の関係を持ちます農村の側におきましては、御承知の通り、米について配給価格は引き上げをいたさない。この配給価格を引き上げをいたしません反面において、米の買い入れ価格についても、御承知のような措置をとって、生産費の計算外についても十分苦心をしてこれをやっておるのであります。そういう関係で、従来占領中ずっと今日まで農民諸君に協力をしてもらってきておるのでありますから、この点については深く留意をしてほしいということでございます。硫安の製造会社においては、去年の暮れにそういう事態があった、これが全国に報道された、今まで月々の給与でも、他のものに比べて非常に硫安工業関係労働組合は高くなっております。そこで今回の争議において、私は今のを決して不公正とは申しませんが、これを公正にやっていただきたいということを申すことは、一方においてこれの消費について、非常に関心を持っております多数の農村を控えております私といたしましては、当然の処置をとったと考えております。
○八百板委員 農村の問題にからみまして、いかにもこの問題を利用しようというふうな考え方があるように答弁が繰り回されていって、まことに遺憾にたえないのであります。私はそういうことを聞いておるのではないのでありまして、肥料価格を下げるという点については、あなたも御承知のように、われわれ社会党は肥料の購入に対しては、あるいは国営なり国家管理という形を当然に今日の食糧管理制度のもとにおいてとらるべきであるということは、あなた以上にわれわれは肥料の価格の引き下げということについては、重大なる関心を持っておるのでありまして、私はその問題とからませて、この問題を考えるべきではない。安い商いというふうな労使の間の賃金の問題に対して、いやしくも農林大臣がその業務に若干の関係のある立場を利用いたしまして、これに対して適正であれということは、一方において肥料代を上げる要因になってはならないというようなことを含ませながら、適正にしなさいということ、並びに賃金を上げてはいけないということを、あなたの権力を乱用して押しつけたことになるのである。こういう点については、つべこべおっしゃっても、その責任をのがれることはできないと私は思う。もし労使の間で賃金の問題について何らかの、干渉を必要とするような事態があるとしますならば、それは当然に労働大臣の所管においてやるべき事項であって、農林大臣がこの際に横合いからそういう公文書を出すべき筋合いでは断じてないと思う。こういう点について私は当然取り消すべきものだと思う。取り消してもらいたい。
○河野国務大臣 私はさよう考えておりません。なぜなれば、昨年末の手当が多かったことについて、私は非常に農村の不平を聞いております。聞いておりますがゆえに、今回は適正にやっていただきたい。しかも私の申すことは、適正な労銀をおきめになることについてとやかく申そうとは考えない。けっこうであります。しかし値上げをしたこと、それを要因にして肥料の値段を上げろといっても、それは困る。それを要因にして下るべきものを下げないというようなことは困るから、そういうことについて、適正妥当な処置を考えてもらいたい、こういうことを申しておるのであります。これを決して干渉だとかなんとかいうことに考えておりません。
○八百板委員 結果において、いわゆる硫安の労働者の労働賃金の適正化に対して、圧力を加えたという結果を否定することはできないのでありまして、この点については当然にその訂正をいたすなり、取り消しをせらるべきものだと私は思うのであります。そういう御意思はございませんか。
○河野国務大臣 私は私の出しました全部の文書を硫安の経営者がお読みになれば、正しく解釈し、正しく判断をして、そうして正しい方向にこれを運用されるものと思うのでございまして、これによって適正な硫安工業関係労働組合の賃金の決定に支障を与えるとは考えておりません。万一これを悪用して、これが悪い影響を及ぼすというような場合には、私は必要な処置をとることにやぶさかでありません。
○八百板委員 お尋ねしなければならない問題がまだたくさんあるのでありますが、委員長も注意もございますので、しぼってお伺いいたしたいと思います。 日ソ交渉の問題については、外務大臣もおりませんから、次の機会にするといたしまして、選挙法の改正につきまして、総理大臣に伺っておきたいと思います。 御承知のように、選挙法の改正については、それぞれ案などが出ておりまして、あるいはまた自民党の方でも自党に有利なようにこれを直したいというような考え方なども、一人一区制とからんで問題があるように伺っております。しかし、私は選挙法について問題にする前に、従来の選挙法が果して守られておったかどうか、こういう点について明確なる認識を前提にしてお考えをいただきたいと思うのです。この点は鳩山さん、賛成でございましょうね。
○鳩山国務大臣 何ですか、もう一度……。
○八百板委員 従来の選挙法が守られておったか、守られなかったかということを、検討するということを前提にして、選挙法の改正は考えられなければならない、私はこう思うのですが、この点いかがですか。
○鳩山国務大臣 守られておるか、守られていないかは程度の問題でありまして、大体において守られておると思います。
○八百板委員 小選挙区にすることは、費用がかからないようにするためということが、絶えず言われておりますが、私は寡聞にして、今までの選挙法によって規制せられておりました法定費用を越えたがために、いわゆる失格をしたという例を聞かないのでありますが、この点について関係大臣の今までの、実績をちょっと簡単にお答えをいただきます。
○太田国務大臣 八百板さんにお答え申し上げます。従来の法定費用が守られておるか、こういうことでございますが、法定費用は守られているとお答えするよりほかございません。
○八百板委員 これはおそらく国会議員の常識といたしまして、法定費用が守られておらないという事実は、お認めになっておるだろうと思います。従ってただいまの答弁の中にも、用心深く、と言わざるを得ないのでありますというふうな言い回しをしておるところからも察せられるのでありまして、これは今日万人の認めるところであります。私はそういう意味に恥いて、選挙法の改正は、あくまでも守らるべき選挙法を作るという点に、重点が置かれなければならないのでありまして、今までのように選挙費用の定めがありながら守られない、こういう状態のもとにおいて、さらにまた選挙法の改正をいたしましても、それは決して選挙を浄化し、民主主義の成長をはかるために役立つ選挙法の改正には断じてならないと思うのであります。こういう点について鳩山総理大臣の決意を伺っておきたいと思います。
○鳩山国務大臣 小選挙区の方が、国民に理解を与えるのに便利だと私は思うのです。民主主義の目的を達するには、小選挙区がよいということは、根本に私が考えておるところであります。
○八百板委員 私の尋ねておることとお答えの趣旨が合っておりませんが、 〔発言する者多し〕
○三浦委員長 静粛に願います。
○八百板委員 お金のかからない公正な選挙をするために、選挙法の改正をするというならば、当然に費用の超過に対し、あるいは連座制の強化に対して、あるいはその他の政治資金に対して十分なる規制の上に立って行われ、それが実行されるという状態を前提にして、選挙法の改正が考えられ広ければならぬ、こう思うのですが、そういう点についての御決意を私は伺いたいのであります。
○鳩山国務大臣 私は小選挙区の方がいろいろの点から見まして、法律の励行についても、国民の意志を代表せしむる上においても便利な方法だと考えております。
○八百板委員 どうも私のお尋ねしていることにお答えしていただけないようでありますが、お疲れのようでございますから――私は最初にも申し上げましたように、鳩山さんの内閣は、いわば町村合併をしたばかりのようなものでありまして、まだ村長さんもおきめになっておらないのであります。そういういわば事務管理的な党の立場において、総力に選挙法の改正をするとか、憲法の改正をするとかいうようなことは、鳩山さんらしい政治の味の出し方ではないと私は思うのでありますが、こういう点について、あくまでも無理をしても押し切るというお考えでございましょうか。
○鳩山国務大臣 私は小選挙区制に対して、あなたが考えられるように熱意を持っていないのです。これは党にまかせてあるのです。党の方で小選挙区制をとってここまで持ってきたのであります。私はそれに対して関与はしておりません。
○八百板委員 それでは少し具体的にお尋ねをいたしますが、鳩山さんは民主主義を守り、国民の意思が国会に正しく反映せられることを期待しておられると思います。そういうことになりますれば、かりに小選挙区を履行いたしますならば、たとえば社会党が今日まで三五%前後の国民の得票と支持を受けておったと仮定いたしますならば、小選挙区を施行することによって、やがて社会党が四〇%前後の票をとるということがあり得るわけであります。そういう場合にも代議士の数が減ったからということを理由にして、国民の支持はそれだけ下ったというふうにお考えになって次の施策を進められるかどうですか。
○鳩山国務大臣 そういうことを考えたことはございません。
○三浦委員長 八百板君、いかがですか。だいぶ時間も過ぎましたから、一つ重要な点を簡潔にお願いいたします。
○八百板委員 鳩山さんは選挙法の改正に関係して政局の安定ということをちらちら言っておられますが、おっしやる政局の安定ということは、どういうことでございましょうか。
○鳩山国務大臣 政局の安定というのは、言いかえてみれば、政変があまりないということです。
○八百板委員 政変があまりないということは、時々刻々に変っていく国民の世論が押えつけられて反映しないで、一方の意思だけがあぐらをかいていくという状態があり得るのでありますが、こういうふうな点についてはどうお考えですか。
○鳩山国務大臣 そんなことを考えたことはありません。
○八百板委員 お疲れのようでありますし、時間もありませんから話を結びますが、どうも伺っておりますと、吉田さんにだんだん鳩山さんは似てきたような感じがいたすのであります。このごろは旧自由党さんの中に、吉田さんの方がいいというような郷愁みたいなものをお持ちの方もあるやにちらちら聞くのでありますが、それは一つは鳩山さんが吉田さんのまねをするような態度がちらちら出てくるというところにもあるだろうと思うのでありまして、これは鳩山さんの持ち味を生かす上において、今後政治的な持ち味を日本の政治の上に生かすように持っていっていただきたいと思うのであります。あなたはこの日本の政党政治家としては残されたりっぱな方の一人でございますから、当然に七十年の人生をお顧みになって、無理をしても結局において能率は上るものではないということは、御体験を通じてよくおわかりになっておられることであろうと思うのであります。えこじになって無理を押し切るというような態度が出てきますことは、今後の二大政党の運営の上にきわめて重大なる一つの型を作ることになる、こういう意味合いにおいて用心をいたすのでありますが、鳩山さんはそういう点について、今後の党なり、政府の総理大臣としての施策の上に、将来に禍根を残さないように十分の配慮を願いたいということを私は特に希望いたしまして、この点について総理大臣の御見解を承わって質問を終りたいと思います。
○鳩山国務大臣 私は無理をするのはきらいであります。
○三浦委員長 河野農林大臣より発言を求められておりますからこれを許します。河野農林大臣。
○河野国務大臣 先ほど私が朗読いたしました硫安工業関係労働組合の手当の数字に間違いがございますから、これを訂正させていただきます。毎月の収入が一般の製造会社の場合には一万四千余円、それが化学工業の場合には一万六千余円、硫安関係の場合には二万一千四百余円ということになっております。しこうして手当は年間を通じまして一般の製造会社は二万五千円、化学会社は四万一千円、硫安関係は六万五千円ということになっておりますので、御訂正を申し上げます。
○三浦委員長 次会は来たる二十七日月曜日午前十時より開会して質疑を続行することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十二分散会