予算委員会 第11号
- 発言数
- 195 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/02/17
会議録
○三浦委員長 これより会議を開きます。 この際御報告を申し上げます。先日委員長に御一任々願いました分科会の区分及び主査の選任につきましては次の通り決定いたしました。 第一分科会、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(経済企画庁を除く)、法務省及び大蔵省所管並びに他の分科会の所管以外の事項、主査山本勝市君。 第二分科会、文部省、厚生省及び労働省所管、主査藤本捨助君。 第三分科会、経済企画庁、外務省、農林省及び通商産業省所管、主査松浦周太郎君。 第四分科会、運輸省、郵政省及び建設省所管、主査河野金昇君。 以上の通りであります。 なお分科員の配置は公報をもってお知らせいたします。 —————————————
○三浦委員長 それでは昭和三十一年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。柳田秀一君より質疑の申し出があります。この際これを許します。柳田秀一君。
○柳田委員 私は社会党の立場から先般のこの予算委員会の審議を見ておりますと、国の経済にもあるいは物価体系にも国民の生活にも非常に重大な関係のある国鉄運賃の問題に対して、どうも政府閣僚の答弁が一致しておらぬように思うのです。ましてや担当大臣である吉野運輸大臣の答弁のごときは何か奥歯にもののはさまったような言い方をしておるのです。そこで私は端的にお尋ねしますが、三十一会計年度においては国鉄運賃は絶対に値上げをいたしませんという言明をここでなさいますか。その言明はできませんか。どちらか結論だけを一つ聞きたいのです。
○吉野国務大臣 お答え申し上げますが、三十一年度の予算には運賃は考えないで計上したということだけ申し上げました。けれども三十一年度に絶対やるかやらぬかということの将来の問題については、私はまだ何も申し上げてはおらぬのです。
○柳田委員 私は従来の予算委員会におけるあなたの発言は全部速記録を持ってきております。だから大体あなたの御説明の趣旨は了承しております。内容は承知しております。従ってこれから一切の講釈抜きにして御答弁願いたいと思うのですが、たとえばあなたの方では国鉄運賃に関しては、これは非常に重要な問題だとか、あるいはこれは心理的に政治的にあるいは社会的に影響が非常に大きいとか、そういうようなことを抜きにしてお答え願いたいのですが、今大臣の御答弁のように、先般わが党の伊藤好道君の質問にも、あなたは、この際運賃の値上げはしない、それを追及していくとあなたは、三十一年度予算には運賃値上げは考慮していない、こうおつしゃるのです。よろしゅうございますか。そこでおよそ予算というものは政府が国会に年度の計画を出される。だから三十一年度予算に運賃値上げが計上されておらぬということは、三十一年度においては国鉄は運賃値上げはしませんということと同じ言葉でなくてはならないと思うのです。ところがあなたのは、私の言うように三十一年度中は国鉄運賃は値上げしないということと、予算案には国鉄運賃の値上げは計上しておりませんということとは、必ずしも同じものじゃないというような御答弁をされる。そのようなあいまいな、ちゃらんぽらんの予算案を出されることは、私は政府の責任において許しません。予算案に出たものがすなわち三十一年度の方針でなければならぬ。予算案には計上しておらぬ。そういうような言いのがれは私は一切許しません。従って政府の責任者として三十一会計年度においては巡賃値上げはいたしませんという言明ができるかできぬかを聞きたい。予算案のことは知っております。
○吉野国務大臣 たびたび申し上げました通り、現在のところはそういうはっきりした言明はできませんです。
○柳田委員 そうして参りますと、大蔵大臣の二月三日の三十一年度予算に関する本委員会の提案理由の説明に何と書いてあるか、国有鉄道の運費は物価の安定をはかるための据え置くと言っておられるじゃないか。大蔵大臣はこの予算委員会に出てこられて三十一年度予算案を提案するときに、国有鉄道運賃は物価に非常に響くし、物価の安定をはかるために据え置くと言っておる。高碕経企長官は、三十一年度は運賃値上げしませんと言っておる。また山花君の質問に対して倉石労働大臣は、本三十一年度中は運賃値上げはいたしませんと言っておる。ところが今吉野運輸大臣の答弁では、現在のところ三十一年度中に運賃値上げしないという言明はできない、これは政府内部において意見が統一しておらぬじゃないか、はっきりと答弁して下さい。
○吉野国務大臣 私の申し上げましたことは、先ほど申し上げました通りでございます。
○柳田委員 それじゃ本年度中においては運賃値上げのこともあり得ると解釈してよろしゅうございますか。
○吉野国務大臣 その点は先ほど申し上げました通り、何ともはっきりしたことを申し上げられないのです。と申しますのは、私が申し上げますまでもなく、運賃はいろいろな関係がございます。私もほかの閣僚と同じように、三十一年度の予算を組む場合には、いろいろ影響が大きいから運賃値上げということは考慮しないで組んでおります。しかし国鉄の責任者として、国鉄の現状はどうかということは、柳田さん御承知の通りです。そういう現状においてこのまま放置するということは責任者としてはできない。そういう複雑な問題がいろいろありますから、今簡単に三十一年度やるかやらぬかということを翻り切ってこの際答弁することはできない、こういう趣旨でございます。
○柳田委員 それじゃ大蔵大臣に聞きます。三十一年二月三日衆議院予算委員会の三十一年度予算についての大蔵大臣の説明要旨にこう書いてある「次に国有鉄道につきましては、物価の安定をばかるため、運賃を据え置くことといたしておりますが、」。それじゃ今の運輸大臣の答弁と違うじゃないですか。このときになぜこういうような断定をするのですか、大蔵大臣答弁をしなさい。
○一萬田国務大臣 これは私運輸大臣と違わないと思うのであります。私どもは三十一年度には運賃を上げない方針をとっておる、言葉は運輸大臣はいろいろ御説明になっておりますが、上げない方針という点においては一致しておるると思っております。
○柳田委員 もとより政府が国民生活に響くような、国民の歓迎せぬようなものを、そういたしますということを言うはずがないのです。だから河野農林大臣でも消費者米価は本年は据え置くと言っておる。しかし河野農林大臣はまだ男らしい、三十一年度中は消費者米価は上げませんと、はっきりここで言っておる。いいですか、消費者米価は据え置く方針だ、運賃は上げない方針だ、税金はこうこうする方針だ、何でもかんでも方針でいって、しかもその方針が途中でひっくり返るのでは、予算案というものは権威のないものになってくる。いやしくも内閣は責任を持って予算を出さなければならない。しかも運賃は据え置くことにいたしておりますと大蔵大臣が言っておる。それならば運輸大臣はその方針で答弁をされたらよろしいが、答弁を見てくるとはなはだおかしい。現に楯君が先般ここで追及して参りますと、あなたは、ここで運賃をこの年度上げるか上げないかというような結論を出すにはあまりにも複雑だ、慎重に考慮中だと言っておる。採算の問題からいえば運賃は上げなければならない、今ここで慎重に考慮中だと言っておるのに対して大蔵大臣は、国有鉄道についてば物価の、安定をはかるため運賃を据え置く、高碕経企長官は、山花君の質問に対して、運賃は上げないと言い、倉石労働大臣は、山花君の質問に対して、三十一年慶は運賃を上げないと言っておる。それじゃどっちがほんとうか、閣内不統一じゃありませんか。もっとはっきり答えて下さい。
○吉野国務大臣 私の答弁もほかの閣僚とは違ってないつもりです。(「違っている」と呼ぶ者あり)違ってないと存じます。私も運賃の抑制というようなことは、国民生活にいろいろ関係がございますから、抑制するという方針であるということは各閣僚と同じなのです。
○柳田委員 くどいようですが、それではあなたはどうしても本年度中は運賃を上げないという言明はここでできませんね。それをはっきり、イエスかノーだけでよろしい、上げるか上げないかという言明ができませんか。
○吉野国務大臣 それは先ほど申しました通り、非常に複雑な問題でありますから、今この際時を切って上げるとか上げないとかいうことの言明はできません。こういうことです。
○柳田委員 それではもし上げるとすれば補正予算を出すのですか。あなたははっきり上げないということを言明できない、上げるとすれば補正予算を出すのですか。
○吉野国務大臣 上げるか上げないかということはわからぬから、今補正予算を出すとか出さぬとかいうことを、この際割り切って御答弁することばできません。
○柳田委員 およそ責任ある内閣が国会に対して年度予算を提出するときに、そのようなあいまいなことで予算が提出できますか。運賃のごときは物価体系に響く、経済六ヵ年計画、経済五ヵ年計画の当年度の三十一年度も、物価は三十年度水準の横ばいを維持するものとする、運賃のごときば三十一年度の計画の最も大宗になる。これをはっきり上げるか上げないか、これもわからぬようなあいまいなことで、どうして責任ある政府の態度と言えますか。政府は上げるなら上げる、上げないなら上げない、あるいは本年度中には上げるようになるかもしれない、それらのことがどうしてあなたは責任ある答弁ができないのですか。そのようなちゃらんぽらんな答弁で、まるで上げるか上げないか言明できませんということで時を過ごしておいて、参議院選挙が済んでそれから後にこっそり上げてくるとか、あるいは国鉄の運賃法を改正して、運輸大臣が運輸審議会という諮問機関の答申を経て、今度は運賃を改正して、国会にかけなくて上げるというような線が出ておるのじゃありませんか。もうみんな知っておる。現に運輸当局に聞いてみても、事務当局は運賃を上げなければやっていけないということをみな言っておる。おそらくその時期は九月になるでしょうとも言っておる。あなたはそれじゃ今年度中は上げないということは、どうしてもここで言明できませんか。
○吉野国務大臣 たびたび申し上げました通りです。方針は、上げないということば各閣僚と同じでありまして、その先のことを今ここで割り切ってどうするこうするということは、私はここでお答えいたしかねます。
○柳田委員 予算というものは年度計画で出すのです。よろしいですか。それに今から少々先のことまでも自信を持って言えないような、そのようなあやふやな責任のない予算を出してもわれわれ審議できませんよ。あなた方は国会を軽視するもはなはだしい。われわれは憲法によって国会法によって、衆議院規則によって、当然のわれわれに与えられた審議権として、国民の代表として慎重にこの問題を検討し、そしてこの問題を慎重に審議しておるではないですか。その国会へ出てきて上げるか上げないかわかりません、そのような答弁で国会が過ごせますか。
○吉野国務大臣 私は上げるか上げないかわからぬと申し上げたので、上げない方針で三十一年度予算を組んであるということははっきり申し上げております。
○柳田委員 上げない方針なら、三十一会計年度中は上げないとなぜ言明できないのですか。
○吉野国務大臣 それですからたびたび申し上げました通りです。上げない方針で私は今努力しておる。
○柳田委員 運賃値上げを希望する者は、国民八千九百万だれもいない。当りまえのことなんで、税金を上げない方針で進みます。運賃は上げない方針で進みます。消費者米価は据え置く方針で進みます。このことはきまり切ったことなんで、わざわざ言わなくてもわかり切っている。だれが初めから上げる方針で進みますと言う者があるか。だから、予算案ではっきり出ているのだから、三十一会計年度中は上げないとなぜ言明できないか。それが方針だけでは、われわれば方針で予算案を審議するわけにはいかない。かような方針でございます。ああそうでございますかといって、われわれがその予算案をどうして審議できますか。そのような方針だからといってわれわれが予算を審議しておったのでは、あとになってから全部ひっくり返ってしまう。いやその当時はその方針でございました、いやそのときはその方針でございました。ただいまはちょっと情勢が変りましたというのでは、予算案は空にひとしい。だから政府が責任を持って予算案を出すからには、やはり年度の計画を立てて、この年度中は運賃を上げないの、だということをやって、その前提のもとに国会において御審議を願いますと、こうなぜ出てこないのか。
○吉野国務大臣 たびたび申し上げたのですが、つまり三十一年度の予算を組むときまであらゆる情勢を考えまして、それでこれは上げない、こういう方針で予算案は組んだ。これ以上のこととはどうも幾らお尋ねがございましても、お答えいたしかねます。 〔「運輸大臣の今の答弁とさっきの答弁は違うぞ」と呼び、その他発言する者あり〕
○柳田委員 それではもう一ぺん申し上げますが、吉野運輸大臣はこういうような答弁を二月十三日の楯君の質問に対してやっておられる。「今ここで運賃をこの年度上げるとか上げないとかいう結論を出すには、あまりにも複雑な問題ではないかと思います。今慎重にその問題を考慮している」。だからここでは上、げるか上げないかはわからない。慎重に考慮しておるというのです。こういうふうな答弁と今の答弁は全然食い違っておるではありませんか。どうなんですか。上げない方針とこれば違うじゃありませんか。
○吉野国務大臣 あるいは私の言葉が足らない点もあったかと思いますが、三十一年度の国鉄の予算には運賃値上げということは考慮しないでやっておった、こういうことです。ただ楯さんのお話で、いろいろ国鉄というものの経営についてのしさいなお話がございましたから、国鉄をこのままにほうっておいていいかどうか、こういう根本の問題についての私の考えを申し上げたので、未来永劫運賃を上げるとか上げないとか、あるいは時を切っていつになったら上げるとか、いつになったら上げないとかいうことは、ここではお話しできない、こういう意味で申し上げたのです。
○柳田委員 吉野さん、あなたも音に聞えた作造博士の御令弟なんですよ。未来永劫上げない、そんなばかなことを国会でわざわざしゃべるものではありません。おにいさんが泣かれますよ。そうしてもう一つあなたはこういうことを言っておられる。「問題が非常に複雑でございますから、私の答弁につきましても、解釈がいろいろ生まれるだろうと思いますが、」。およそこの国鉄の運賃のごとき国民経済にとって非常に大事な問題を、国会が慎重に審議する場において、その委員に対して、問題は複雑でありますから、私の答弁について解釈がいろいろ生まれる、そのような無責任な答弁をどうしてあなたはぬけぬけとやられるのですか。もっと明確にお答え願いたい。私はあなたの言われるように、未来永劫のことを言っているのではない。三十一年度中においては、上げないなら上げないとはっきり言明して下さい。方針じゃだめなんです。われわれは方針では審議できない。予算書はちゃんと出ておる。政府関係機関の予算においては、三十一年度は運賃を上げないという方針が出ておる。われわれはこれを一年度のものとして今ここで審議しておる。これは暫定予算じゃない。九月までのものとして審議しておるのではない。来年の三月三十一日までのものとして審議しておる。だから来年の三月三十一日までは、運賃の値上げはしませんと当然言えるはずなんだ。そうでなければこの予算書は無意味なものだ。なぜここで運賃を上げないとはっきり言明できないのですか。
○吉野国務大臣 それですから、三十一年度の国鉄の予算を組むときには上げない方針ですから……。
○柳田委員 方針はわかっている。だれも上げる方針ではいない。そんな国民がいやがることをだれもやる人はないです。上げる方針で進むものはだれもない。だれも上げない方針だ。そんなことはわかっている。そんなことは三月三十一日であろうが未来永劫であろうが、それこそあなたの言われる未来永劫、上げない方針でいきたい。当りまえだ。だから三十一年度は上げるか上げないか言ってごらんなさいと言うのだ。
○吉野国務大臣 たびたび繰り返しました通りでございまして、その上にさらにつけ加えることはございません。
○柳田委員 それではわれわれ社会党としては、あなた方運輸大臣並びに政府の答弁の中からしぼってみると、本年度は予算書においては、とにかく運賃値上げを考えずに編成しておるが、三十一年度中においては、運賃値上げをすることもあるだろうと解釈してよろしゅうございますか。
○吉野国務大臣 それですから、先ほども申し上げました遮り、解釈はいろいろそこにあるでしょうけれども、ただ私としては、三十一年度の予算はそういうことは考えてない、これだけをはっきり申し上げておきます。
○柳田委員 だから三十一年度予算は考えていないが、しかしながら事と次第によっては値上げをするときがくるだろうということもあり得る、こういうふうに解釈してよろしゅうございますかと言うのです。解釈してよいか悪いか。
○吉野国務大臣 そういう解釈はあなた方がそうやるとおっしゃれば、あなた方の方の解釈でしょうけれども、それはあなた方の方でそういう解釈をするとおっしゃれば仕方がございませんけれども、私はそういうことは考えておりません。
○柳田委員 委員長、これは私は驚き入った答弁を聞くものだ。たとえばきょうの新聞を見ても、アイゼンハワーが新聞記者に問われて、あなたはこの次の大統領選挙に出られる、出馬される、そういうふうに解釈してよろしゅうございますか。解釈は御自由でございます。そういう答弁はできるでしょう。鳩山さんも自分の出所進退については、解釈は御自由でございますと答弁をしておられる。ところが国民経済に響くような運賃の問題を、われわれ野党の方から、本年度においては予算書には盛られておらぬが、これをあるいは年度中に上げるようなことがあるかもしれない、こう解釈してもよろしゅうございますかと言われて、その解釈は御自由でございます。そのような無責任な答弁は、この予算委員会においては絶対に許されませんよ。(「無責任なことを聞くからだ」と呼ぶ者あり)無責任じゃない。そういうことは絶対に許されませんよ。解釈の自由なんて言ったら、何が予算審議の権威がありますか。あなた方の御自由というなら、予算委員会に何の権威がありますか。そのような権威のない予算委員会ではないでしょう。解釈は自由とは何ですか。
○吉野国務大臣 たびたびのお尋ねでございますけれども、私の答弁は先ほど来繰り返した通りでございまして、別に新しく申し上げることはございません。
○柳田委員 大蔵大臣の提案理由の説明ば、運賃ば据え置くとはっきり言っておる。高碕経企長官も運賃は上げないと言っている。倉石国務大臣の山花君に対する答弁もそうなっております。三十一年度においては運賃ば上げないと言っておる。あなたの方は上げるか上げぬか今考慮中だと言う。今考慮中のものを、なぜ大蔵大臣は、運賃を据え置くと言うのですか。考慮中なら据え置くということは言えないじゃないか。腰間をはっきりと通してごらんなさい。君らも腹の中では知っているのだ。参議院選挙まではこのままにしておいて、六月が済んだならばそろそろ上げようということば、君らはみなよく知っているのだ。それが方針なら、上げないなら上げないと、はっきり言ってごらんなさい。
○吉野国務大臣 私の言葉が足りないために、運賃を上げるか上げないかを考慮するのだというふうに、もしおとりになったら……。
○柳田委員 速記録を見てごらんなさい。
○吉野国務大臣 だから私は三十一年度予算では、運賃は上げないと、そういう方針で組んだのです。それですから。三十一年度の予算を組むときに、運賃を上げるとか上げないとかいうことがわからずに考慮中だということはないのでございます。
○柳田委員 それじゃ、三十一年度中は巡覧は上げないという言明はできないのですね。そうですね。言明はできないのでしょう。上げないという言明はできないのでしょう。そこだけ聞きたいのだ、三十一年度中は運賃を上げないという言明はできるかできないか。
○吉野国務大臣 ですから、ただいままでのところは、上げないというつもりで……(発言する者あり)しかし三十一年度先のことは、どういうことが起るか、今ここでそういうことを……。 〔発言する者あり〕
○柳田委員 三十一年度中のことが言えなくて、三十一年度予算がどうして審議できるか。そのような権威のない予算では審議できない。三十一年度中のことがわからないで……。
○吉野国務大臣 三十一年度の予算では、運賃を上げません。
○柳田委員 三十一年度予算というものは、三十一年の四月一日から三十二年の三月三十一日までだ。その年度中においては上げないということを、あなた言明できますかというのです。言明できますか。三十一年の四月一日から三十二年の三月三十一日までにおいては運賃は値上げしないと言明できますか、できませんか。イエスかノーだけ……。
○吉野国務大臣 それですから、現在のところは上げない……。
○柳田委員 現在のところではない。私は言いますよ。三十一年の四月一日から三十二年の三月三十一日までの三百六十五日間において、運賃値上げをしないと言明ができますか。現在のところではない。
○吉野国務大臣 それですから、値上げはしないというので……。
○柳田委員 それじゃ確認します。三十一年の四月一日から三十二年の三月三十一日に至る三百六十五日間においては——よろしいか、現在のところというのはそういうふうに解釈する。その三百六十五日の間においては運賃値上げはしない、もう一度ここで確認願います。そういう意味ですね。値を上げないのですね。もう一ぺん確認して下さい。
○吉野国務大臣 ですから先ほど申し上げた通りであります。
○柳田委員 もう一ぺんそれじゃ言います。三十一年の四月一日から三十二年の三月三十一日の三百六十五日間において、運輸大臣は国鉄運賃は値上げしませんということをここで言明できますか、できませんか。もう一ぺんはっきりして下さい。(発言する者あり)君たちはやかましいからわからぬじゃないか。もう一ぺん言明して下さい。
○吉野国務大臣 先ほどお答えした通りでございます。
○柳田委員 私は国務大臣がそういうような実質的の黙秘権をこの予算委員会で使うとは驚き入ったことだ。黙秘権でなかったら答弁しなさい。三十一年の四月一日から三十二年の三月三十一日まで国鉄運賃は値上げをしないとはっきりここで言明しなさい。言明できるかできぬか、どうですか、もう一ぺん。
○吉野国務大臣 別にお答えをしないというわけではございませんので、それですから、先ほどから申し上げました通り、三十一年度の予算においては、考慮はしていない……。
○柳田委員 予算じゃない。(「予算の審議だからあたりまえじゃないか」と呼ぶ者あり)予算には一応そうなっておるが、はっきり私が問うておるのは、要するにあなたは、この三十一年度会計年度中においては運賃値上げをしないという言明を、ここでできるかできぬかということなんだ。予算じゃない。
○吉野国務大臣 たびたび申し上げました通り、三十一年度の予算……。 〔発言する者多く、議場騒然〕
○三浦委員長 静粛に願います。
○吉野国務大臣 三十一年度の国鉄の予算では運賃値上げというものは考えておりません。
○柳田委員 およそ運輸大臣が担当大臣として国会に責任を持って予算書をお出しになる。従って三十一会計年度の国鉄予算には運賃値上げをしない方針だけば今聞いた。今のあなたの答弁は三十一年度国鉄予算においては運賃値上げはいたしません、こうなっておる。よろしいですか。担当大臣が年度予算として責任を持って国会に出された予算ですから、従ってその言葉は同時に三十一年の四月一日から三十二年の三月三十一日までは、運輸大臣は運賃値上げをしないということとイコールの言葉であると解釈していいですか。それは違うのですかどうですか、もう一ぺん答弁を願いたい。
○吉野国務大臣 その通りであります。
○柳田委員 わかりました。それではもう一ぺん確認いたします。 〔「何回同じことを聞くんだ」と呼び、その他発言する者多し〕
○柳田委員 われわれは国会法によって当然審議権があるじゃないか。 〔発言する者多く、議場騒然〕
○三浦委員長 静粛に願います。
○柳田委員 確認することが何が悪いか。 〔「そんな愚昧なことをいつまでもやっていると議事が進行しない」と呼び、その他発言する者多し〕
○柳田委員 何を言うか、何が愚昧だ……。 〔発言する者多く、議場騒然〕
○三浦委員長 静粛に願います。
○柳田委員 だから今ここで速記録にはっきりなったことは、三十一年度の予算において価上げはいたしません、こういうことである。その言葉は三十一年の四月一日から三十二年三月三十一日に至る三百六十五日の間において運賃値上げをしないということとイコールになる、同じ意味の言葉でありますかと問うたらその通りでありますと運輸大臣は答えましたから、それならばこれをもって私はこの質問を終ります。それでもしも違ったらあなたはもう一ぺん今ここで発言しなさいよ。とんでもないことになりますよ。 —————————————
○三浦委員長 この際お諮りいたします。ただいまより昭和三十年度補正予算三案の審査をいたしたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三浦委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 それでは昭和三十年度一般会計予算補正(第1号)外二案を一括して議題といたします。質疑を継続いたします。小松幹君。
○小松委員 建設大臣が見えておりませんから質問の順位をかえまして質問いたします。 先般門司委員からおおむね補正予算の地方財政計画、地方財政の問題を質問いたしましたので、私は本日はそれを抜きまして他の方の質問をいたしたいと思います。 大蔵大臣にお尋ねしますが、日タイ国の特別円債権の返済金の問題でございますが、これは一時金でございますかあるいは何年聞か続けて入る見込みがあるわけでございますか。それをまずお伺いします。大蔵大臣です。日タイ国の特別円債権の返済金、これが今度の補正の歳入に入っているわけです。
○一萬田国務大臣 これは一回限りで済むのであります。
○小松委員 それでは歳出の方の国債費と歳入の方のいわゆる日タイ国の特別円債権の返済金との関係と、さらに賠償等特殊債務、今度三十一年度は特別会計を設けてやるそうですが、それとの三者の関係はどうなりますか。賠償等特殊債務処理の問題と、歳出のいわゆる国債費の中のあれはもとの臨時軍嘉賓の問題だと思います。それと歳入の方の日タイ国特別円債権の返済金との三者の関係でございます。
○森永政府委員 昨年七月タイ国との間に特別円の処理に関する協定ができまして、日本国はタイ国に五十億円を支払うことに協定ができたわけでございます。その五十億円はこれは年賦払いでございまして、毎年十億ずつ払うことにいたしております。その十億円は本年度の当初予算に計上いたしてございました、あるいは前年度から繰り越しました平和回復善後処理費あるいは賠償等特殊債務処理費、その方の系統の金で決済済みでございます。今回現われて参りましたのは、タイに対する特別円の処理に伴って国内関係で債務の処理を必要とするものについての処理でございます。タイ国に対しまして全額で五十億、初年度十億払うことになりました機会に、このタイ特別円の関係で日本銀行と政府との間に貸し借りの関係がございましたのをこれも同時に整理をいたしたい。これはもちろん国内関係でございます。そういうことで日銀との岡に取りきめができまして、政府は日銀に対しその関係で借りております臨時軍事費関係の十二億円を払う、またタイ国特別円を政府が払ったことによりまして、いわば立てかえ払いをいたしたことにもなるわけでありますが、その関係で日銀が政府に対しまして十六億円を返償金として支払う、そういう別途の国内処理の取りきめができたわけでございます。今回補正予算に計上いたしました分は、その国内処理に伴う日銀との間の債権債務の処理を済ませるためのもの、さように御承知を願いたいと思います。タイに対する特別円は今後も毎年十億円ずつ四年間払っていくわけであります。
○小松委員 それでは日タイ間の特別円債権の問題といわゆる国債費の臨時軍事費の問題は、勘定科目は別であって賠償等特殊債務とは全然関係はない、こうおつしゃるだろうと思うのです。そこで関係がなければ、私は賠償等特殊債務処理費の内訳について質問いたします。 三十年度当初のいわゆる賠償等債務処理費は、繰り越しが百九十一億七千五百万円、さらに三十年度新予算に百億を計上いたしております。合せて賠償等特殊債務処理費が二百九十一億円、ところが昭和三十一年慶の繰り越された賠償等特殊債務処理費は百二十億円を計上してあります。そこでその間一体どういうことにお使いになったのか、そのお使いになった費途を賠償等特殊債務について詳細に承わりたい。
○森永政府委員 三十年度の賠償等特殊債務処理費の支出状況でございます。年度初以来一月三十一日までに支出済みになりました金額が百十四億二千九百万円でございます。その内訳は賠償関係が二十二億五百万円、うちビルマ五億五千六百万円、フィリピンは沈船引き揚げの関係でございますが、十六億四千九百万円、それから赤十字国際委員会に対しまして平和条約の関係で支払いました金額が四十五億二千六百万円、いわゆる戦時クレームの実行として支払いました金額が十四億三千四百万円、この大部分はスイスの関係でございまして、デンマークも一部は入っております。タイ特別門の関係が今申し上げましたように十億円、それから連合国財産補償これも平和条約の関係によるものでございますが、一月末までに支払い済みが八億二千七百万円、その他十四億三千七百万円、この中にはいろいろなものが入っております。BCOFあるいはSPの関係、あるいは接収国有財産についての原状回復等の費用、そういうものが全部この項目で入っておりまして、この合計が百十四億二千九百万円であります。今年度の予算現額は二十九年度から繰り越しました平和回復善後処理費が百六十五億七千四百万円、同じく二十九年度から繰り越しました連合国財産補償費が二十六億円、新たに三十年度に計上いたしました金額が賠償等特殊債務処理費として百億円であります。合計二百九十一億円の予算現額でございましたが、その分からただいま申し上げました一月末までに支払い済みのもの百十四億円、一月末以後年度内に支払いますもの二十七億円、さらに今回の補正によりまして賠償等特殊債務処理費を三十億円減額補正いたしておりますが、その三十億円を控除いたしますと、来年度に繰り越しますものが百二十億ということでございまして、この分を来年度は新設の賠償等特殊債務処理特別会計に受け入れまして、来年度の繰り入れ百億円と合せて来年度以降の賠償等特殊債務処理の実行に備えておる、さようないきさつになっております。
○小松委員 少し計算が合わないように思いますが、一月から三月までの二十七億円という金はどこに充てる金を予想しておりますか。
○森永政府委員 ビルマの賠償の本年度予定額は約五十五億と考えておりましたが、先ほど申し上げましたように、一月末までに実行いたしましたものは五億円見当でございます。今後年内に五十億の全額が出ることはちょっと期待できませんが、二十億見当のものは、今どんどん契約が進んでおるわけでございますので出るであろうと存じます。また連合国財産補償の関係も、これは日々処理をいたしておるわけでございまして、その関係で七、八億円の金は年度内に出るのではないかというふうに考えておるわけでございまして、合せて二十七億見当のものが二月以後三月までの間に出る、さような予定をいたしております。
○小松委員 これは外務大臣がおらないのではっきりした答弁の責任者もいないと思いますが、ビルマ賠償の問題とフィリピン賠償の問題を大蔵大臣に質問いたします。 三十年度当初の予想においてはあまり考えていなかった、途中でフィリピン賠償等も御破算になってきておるのですが、それに少々ずつ小切り小切り出しておる。そういう意図は一体どこにあるのか、ビルマ賠償にしても当初はそういう計画はなし、あるいはフィリピンの賠償等も行き詰まっておるにもかかわらず、支出においては少しずつ五億とかあるいは二十億とか出しておるし、また出す予想を持っておるが、その辺のところは大蔵大臣はどういう考えなのですか。
○一萬田国務大臣 ビルマ、フィリピンその他日本が賠償しなくてはならぬ国があるのですが、これは相手のあることでありまして、いろいろな事情で、こちらとしてはできるだけ早く賠償を解決いたしたいのでありますが、思うように参っておりません。別に小切り小切り出すというような考えを持っておりません。
○小松委員 私の希望としては、これはずっと例年百億計上してきておるのですが、賠償等特殊債務の支出についてはやはり外交交渉とまってはっきりした——外交でビルマの賠償は一応妥結しておりますが、そういうことではっきりした立場で出していくようにしていただきたい。同時にフィリピンの賠償もまだ山に乗り上げておる。その山に乗り上げておりながら少しずついわゆる賠償等の債務を支出しておるところに、外交的にはっきりしていない金が出ておるわけです。そこでこういう点については一つ外交においてもう少し積極的政策をとっていただくようにお願いしなければしょうがないというように考えておりますが、外務大臣も来ておりませんので、その質問はこれまでにしておきます。 その次に建設大臣もお見えでありますから伺います。今度の補正で公共事業費が農林あるいは建設等で大へん削減されておりますが、補正予算は三十一年度予算が編成されてから後に作られた。そこでいわゆる補正して落されたものについて残事業量というのが出ると思う。この残事業量というのはどういう御処置を願うのか、建設大臣に特にお伺いいたしたい。
○馬場国務大臣 今回の削減措置は事業の繰り越しとなるものを対象としておるものでございますので、削減された事業は、事実上今年度内には消化ができないということに相なります。
○小松委員 そこで大蔵大臣に質問いたしますが、今重要なことを建設大臣は申したのです。ある一つの河川改修にしても、砂防工事にしても、途中までしかけてあと財源が切れた、しかもそれは削減されたので継続できないということになれば、事業を中止せねばならぬということになるわけですが、その辺のところはどういう考えですか。
○馬場国務大臣 ちょっと……。事実上消化のできないものが繰り越しの対象になりますので、今お話のように、たくさんあります事業箇所のうちには、特別の場合には残事業を生ずるということもあり得ますので、かようなことの起らないように、たくさんの事業場の間で全体の調整をはかって参りたい、かように考えておるのであります。
○小松委員 そこで、特に道路事業の財源はガソリン税を充てて、昨年来それを全面的にやっておるのですが、これは道路以外の財源に使ってはならぬという当初の考えであった。ところが、今度は道路事業費を一億三千万円削減しておる。一体このガソリン税徴収の趣旨と、道路事業費の削減の趣旨とはどういうような観点に考えますか。
○馬場国務大臣 ガソリン税の関係を他に流用しておるということはございません。ガソリン税は道路の整備に使っております。
○小松委員 そういうことはおかしいと思うのです。三十年度予算を審議したときに道路局長もはっきり言っておる。道路財源は全部ガソリン税から持ってきて、他の財源は見ていないはずなんです。そうなれば道路財源というものはガソリン税から入った財源だと思う。その辺のところはどうなんですか。
○馬場国務大臣 道路予算の中には、ガソリン税収入以外にも三億何千万円でしたかの予算が計上してありますので、道路費の中から削減いたしましたものは約一億七千万円であったと思います。それでガソリン税を他に流用したとか削減したということにはならない、かように考えます。
○小松委員 ガソリン税徴収のいわゆる道路財源を他に流用していないとおっしゃるならば、道路整備五ヵ年計画とこの削減との関係はどうなりますか。道路整備五ヵ年計画もやはり事業量を落していくという考えですか。
○馬場国務大臣 ただいま申し上げましたように、ガソリン税は削減はいたしておりません。ガソリン税を主として道路の予算が組まれておることは申すまでもありませんが、一般財政から三億余の財源が出ておりますので、ガソリン税自体には関係がないのであります。ただ、今お尋ねの道路整備五カ年計画、その補正減額が約一億七千万円となっております。三十年度末の進捗率が、当初の予定では二七・七%という計画になっておりましたのが、この減額補正のために二七・五%、すなわち〇・二%だけ減少する、こういう結果になっております。
○小松委員 私の聞いたのは道路整備五カ年計画を落すのか落さないのかということなんです。あなたは、それはガソリン税を使ってやるのだから整備五ヵ年計画を落さない、削減されたのは他の財源だから五ヵ年計画には響かない、こうおっしゃるわけなんですが、そこをはっきりしていただきたい。
○馬場国務大臣 計画ば変更いたさないのでありまして、三十二年度以降決算の結果による整理によりまして処置ができる。かように考えております。五ヵ年計画には変更ございません。
○小松委員 本年削減で道路整備五ヵ年計画を落さないということになれば、来年かあるいは再来年これに見合うだけ予算をふやさねばならぬということになるのですが、そういうお約束ができておるのですかどうですか。大蔵大臣にもお伺いしますが、そのお約束が成立の上で五ヵ年計画は落さない、しかし本年は削減する、将来追加してやるのだ、そういうお約束の上かどうか。
○馬場国務大臣 ただいま申し上げました通り、三十二年度におきまして三十年度のガソリン税の清算、それでこの程度のものは十分見込める、かような考えをもって計画いたしております。
○小松委員 そこで大蔵大臣にお伺いします。昨年建設委員会で大蔵大臣は、公共事業費は総花的でいかぬから重点的にやるのだと言い、あなたはいつでも重点的にやるのだと抽象的なことをおっしゃるわけです。ところが公共事業費、特に建設関係の予算は落されるから残事業量が年々ふえていく。それがこま切れでふえていくから、結局次に繰り越されたときには残事業の種類が各種各様に多くなっていく。そうなれば勢い総花にならざるを得ない。今日建設関係あるいは公共事業関係が総花的になっている最大の要因は、残事業量があるということなんである。事業をいつも食いかけにして残していくから、その残したものの集積がこっちもこっちも総花的になっていく。そういうことから考えたならば、大蔵大臣が常に重点的にやると言うのと残事業量を残すということは、およそやること考えていることが反対である。それをあなたはどうとりますか。
○一萬田国務大臣 これはまあ根本的におきまして、重点的という意味は、やり方、方法にもあると思うのでありますが、それはしばらくおきまして、今回のこの公共事業を切ったから残事業がふえるというような考えはちょっと違うのでありまして、今回はいろいろな関係から事業を繰り延べて——これはこっちの意思でいくよりも繰り延べざるを得ないので繰り越していきました。繰り越していくのだから、そこでこれを財源にする事業それ自体を翌年度に継続していく。そうしますと、お説のように残事業がそれだけでもふえていくでありましよう。従いまして、どうしても五ヵ年である仕事をするということになっておれば、あとピッチを上げてやる、こういうことはやむを得ないことであります。こういうふうに思っております。
○小松委員 あなたはいつも重点的にやると言うが、こういう建設関係の予算に関する限りは、重点的にやれないような方針をあなたはとっておられるのです。ただ口では重点的にやると言うのです。ある金をもってここにどんとやるというような考え方を常に言われておるが、それとあなたのやることは違っておる。実際やれば削減を行なって、一ところずっと落すのではなくてどの項目からも少しずつ落していく、そういうやり方をするから残事業量が残って、その結果来年なり再来年度からそれを補給していかなければならぬから総花的にならざるを得ないというのです。そこであなたは今後建設関係の予算に関する限りは、そういう重点的にやるなんということを言わないようにしなければならない。そういうことは抽象論にすぎない。自分自身が残事業量を作ってあっちこっちを何ぼでも食いかけにして落しておいて、そうして総花的になりましたなんて、それはあなたの責任です。これは建設関係の責任じゃないのです。大蔵省がそこここ食い落していくからいわゆる残事業量が出てくる。これは本年度だけじゃないのです。例年残事業量というものが残っていくのです。そのために総花予算にならざるを得ないという一つの必然性を持っておるわけです。そこであなたは重点的にやるというようなことは今後建設関係については通らない論理になるということを御承知おき願いたい。
○一萬田国務大臣 せっかくでありますが、ただいまの御意見には私承服できないのでありまして、残事業がたまっておる、これは前からの累年のやり方にもよっておるのでありますが、それであるからそのままこれを踏襲していいという理由にはならないのであります。私はやはり公共事業のやり方については根本的に考えを持って、方針としては最も必要なるものから重点的に取り上げてやるというのが日本の国力から私はやむを得ない。しかもそれが経済効果を最も上げるゆえんでもあると考えておるわけであります。なお具体的には今後十分考えてみますが、重点的なやり方はやめろという御意見には私なお保留いたしておきます。
○小松委員 そこであなたは重点的ということをくずさないというのですが、私の見るところでは、あなたのやっていることは重点的からこま切れ的な総花的にみずから作っておるということ、さらにあなたがそれを固執されて重点的にやるならば、本年の公共事業費の新たな要求計画によりますと、これは建設省なりあるいは関係者がお作りになった案なんです。河川改修の総事業量は四千二百五億、ことしの予算、去年の予算速度で進めば二十六年間かかる。一番おくれているのは河川改修、その次は漁港改修費で総事業量が二百七十九億円で、今日の予算速度でいけば十年九ヵ月かかる。農林大臣もおられるが、干拓計画の総事業量が大体四百四十二億で、今の予算速度でいくとこれは十一年間かかる。それを経済五ヵ年計画でまとめておる。これは経企長官に一つお尋ねしますが、他の面で見れば今の予算速度でいけば四年あるいは四年九ヵ月とか八年とかかかる総事業量を持っておる。特に今あげた河川改修費と漁港と土地改良費とそれから干拓事業は、今の予算速度でいけばおおむね十年以上を経過しなければ総事業量を消化できない。そうなれば経済五ヵ年計画はアンバランスになる。経企長官これはどういうことになりますか。片方では開発事業とかあるいは道路とかあるいは港湾関係、都市計画は大体五ヵ年計画の中に入っていくのです。ところが今私のあげたのは十年以上はみ出る。片方は五ヵ年計画に入りそうだが片方は十年でなければできない。これは五ヵ年計画との関係はどうなりますか、経企長官にお尋ねいたします。
○高碕国務大臣 今私ここに正確な数字は持っておりませんが、大体はそういう干拓事業あるいは農地の改良あるいは河川というものにつきましては、御説のごとく今までの計画からいきますと、これだけの予算措置では相当の時間がかかるだろう、こういう感じは私も持っておるわけでありまして、これはできるだけ後半期においてこれを取り返していきたい、こういう方針で進んでおるわけであります。
○小松委員 そこで大蔵大臣、あなたが重点的というのをくずさないというならば、いわゆる公共事業費関係を重点的に配分するというならば、この河川改修と土地改良と干拓事業に重点が向かなければならないと私は思う。あなたはそういう意味において予算を編成したかどうか。同時に予算削減の場合に、そういうところを落さないでほかのところを落したかどうか、その辺の実績を聞かしていただだきたい。重点的にそういう点をやったかどうか、いわゆる計画量とのバランスが、五年も開きがあるのです。五ヵ年でやりこなすことを二十六年かからなければ河川改修はできないという、重点的にと言うならば河川改修に重点的にぶち込んでいくのが重点的じゃないですか。あなたは重点的ということを固執されれば、まず河川改修に金を入れて、そこの予算をびた一文削減しなければ二十六年が十年に下るわけだ、その辺はどうなるのです。
○河野国務大臣 土地改良、干拓等について御意見がございましたからお答えいたします。お説の通り全部を平均いたしますとそういうことになります。しかし私は御指摘のような事情を勘案いたしまして、その事業の中で非常に長期にわたるものと、これを三年未満、五年未満に仕上げるというものとに区別いたしまして、その面で重点的に早期完成を期するようにしてやっておるわけでございますから、今お話のように全部を平均すれば十年かかる数字になります。しかしその中には非常に大規模のものあり非常に長期にいく事業もございますので、そういうものはあと回しにしまして、さしあたり早急にできるもの、三年以内でできるもの、五年以内でできるものというふうに仕分けをいたしまして、鋭意努力いたしている次第ございますから、全部そういうことにならぬようにするつもりであります。
○小松委員 大蔵大臣の答弁をもう一度求めたいのですが、あなたが重点的にやるというのは言葉はいい、しかしやることは聞違った点が二つある。一つは毎年々々残事業量を残しておるというのが一つのワク外になる。もう一つは重点的にやるというならば今言ったように河川改修あるいは土地改良、干拓というようなところに重点的に持っていかねばあなたの言う重点的は成立しない。ところが落すときにはそこからもここからも落しておる。予算を組むときには重点的に組んでいない、そして口では重点的に組みましたとか重点的にと言う。そこのところの矛盾が二つある。その矛盾に対してあなたはどういうふうにお考えであるか。
○一萬田国務大臣 ごもっともの御意見でありますが、残事業が多いから新規事業については取り上げる場合重点的にならざるを得ない。重点的に取り上げないとますます残事業がふえる、また残事業の処理についてもやはりこれを早く完成させる必要もありますので、これもやはり最も適当なところから早く重点的に取り上げる、重点的という意味はそういう意味に御解釈願いたい。さらにまた三十一年度の予算について治山治水あるいはまた食糧増産について、私はやはり乏しい予算のうちから重点的に取り上げておるのでありまして、大体今申し上げたことで私の重点的ということに対する考え方はおわかり願えると思います。
○小松委員 どうも重点的が平行線になりそうでありますからその点はそのくらいにして、建設大臣にお伺いしますが、例を砂防計画にとります。治水治山五ヵ年計画というのを建設省は出しておりますけれども、それによりますと昭和三十五年には直轄工事が百七億九千万円、都道府県の補助河川工事が五百三十五億三千万円を予定しております。これを三十一年度から平均年度割にして五で割ってみると平均は直轄で二十一億、補助工事で大体百七億が平均予算ボリュームなんだ。ところがあなたが本年組んでおる——あなたが組んだというより大蔵大臣が組んだのでしょうが、三十一年に組んだ予算ははなはだ微量であって、治山治水五ヵ年計画の平均速度よりも直轄において二分の一、補助において三分の一の速度である。これはどういうことなんですか。あなたは治山治水五ヵ年計画をわざわざ作ったのだが、速度は三分の一になっている、どういうわけですか。
○馬場国務大臣 治山治水の五ヵ年計画を実は立ててみたのでありますが、財政の関係でそれを直ちに実行するというわけには参りませんでしたので、さらに計画を今検討中なのであります。砂防につきまして予算が少いという御意見でありますが、御承知の通り戦時中の乱伐その他の事情で砂防は特に力を入れなければならぬ、かように考えておりますることは小松さんと同様であると思います。ただ財政の関係で工事が意にまかせない点もあるのでありますが、国会に提出をいたしました予算がその御審議を経ましたならば、その範囲内においてできるだけの効率的な実施をやっていきたい、かように考えておる次第であります。
○小松委員 建設大臣のそういう意見というものは、一応予算がとれなかったからこらえてくれという意見だろうと思うが、砂防計画に至っては昭和二十四年に第一次五ヵ年計画が生まれた。さらに二十八年の大災害のあとに治山治水対策協議会なるものが内閣に設立されておる。しかも九ヵ年計画を立ててやっておる。さらにその九ヵ年計画の中にあなたは、今年度の建設省として治山治水五ヵ年計画というものを経済五ヵ年計画と合せて並行的に作っておる。作っておるその口の下から本年度の予算というものは、補助において三分の一、直轄において二分の一しか組めなかったということは、この治山治水五ヵ年計画は、過去の第二次までの治山治水五ヵ年計画なり八ヵ年計画と同じように、空文の治山治水五ヵ年計画をお作りになったのかどうか。これはもう意味のない治山治水五ヵ年計画であるかどうか。それをお尋ねします。
○馬場国務大臣 もちろん架空なものを作ったということではありません。さような実施をいたしたいという希望をもちまして計画を一応検討してみたのでありますが、先ほども申し上げました通り、その計画は直ちに今実施することが事実上不可能な面もありますので、さらに検討を加えて御審議を願いたい、かように考えておる次第であります。
○小松委員 治山治水五ヵ年計画は室文ではないけれどもやれない、だから根本的にまたやり直す、こういう御趣旨のようでありますが、それでは大蔵大臣にお尋ねします。経済五ヵ年計画を作ったり、あるいは治山治水五ヵ年計画を作ったり、最近はいろいろな意味の五ヵ年計画を盛んにお作りになる。ところがあなたはつんぼさじきに置かれておるのか、御相談にあずからぬのか知らぬが、一向予算が計画とマッチしていかない。今言うたように治山治水計画では、あなたの組まれた予算は、計画の平均速度から言うて三分の一である。これは今後どうなさるおつもりか。五ヵ年計画は五ヵ年計画で勝手にやれ、予算は勝手に組む、そういうお考えか。経済五ヵ年計画を治山治水計画に合せていくお考えか、その辺をはっきりしておきたい。
○一萬田国務大臣 むろん合せていくつもりだけではありません。実際に合せていかなくてはならぬと考えております。
○小松委員 実際に合せていくというお考えでしょうが、一つも合っておらぬのです。治山治水の砂防計画でも合っていないのです。今後これを建設省の要求通りにお合せになる御所存があるかどうか、それを伺いたい。
○一萬田国務大臣 私がくどくど申し上げるまでもないのでありまして、国の財政力というものはやはり国民負担の上から限界がありまして、従いまして予算の裏づけを必要とする計画については、やはりこの国の力と申しますか財政力とマッチした計画であることが必要でありましょう。そうありますと同時に、また財政面からも、できるだけその計画が実現するように編成を巧みにするということも必要でありましょう。この両方が相待ちまして、計画と予算の裏づけというものが相一致いたしまして所期の目的が達成できる、かようにいたしたいと考えております。
○小松委員 そこで経企長官にお尋ねします。あなたは五ヵ年計画の総本山だろうと思うのです。そこで各省ごとにいろいろの五ヵ年計画が雨後のタケノコのように生まれておるが、これをあなたの経済計画に合ったように変える御意思があるかどうか。さらにもう一つはあなたの経済計画に合わせるだけでなく、大蔵大臣の言われる予算の規模に応じて計画変更をする意思がおありかどうか。今私の聞いておるところは、結局五ヵ年計画は、五ヵ年計画、予算は予算、しかもばらばらの五ヵ年計画がみな統一性がないからそれを聞いておるわけなんです。
○高碕国務大臣 経済五ヵ年計画は各省の事務当局が寄り、その上に民間の学識経験者が寄ってそうしてあの五ヵ年計画を立てておりますから、各省とも十分連絡をつけてあの計画を作ったわけであります。従いましてこの予算を作ります上におきましても、この経済計画に基いて、その年の予算が作られるわけでありますが、ただいま大蔵大臣がお答えいたしました通りに、財政の全般的の状況から見て、予算をきめるわけでありますが、もちろんこの予算は経済五ヵ年計画が基本的の方針となって立っておるわけであります。
○小松委員 それではこういうように了解してよいですか、経済五ヵ年計画なりあるいはそのほかの各省でやっておる五ヵ年計画は、予算とマッチせないところのいわゆる独自の計画である。予算は予算で別だというように了解してようございますか。
○高碕国務大臣 そうではありません。ただいま申し上げました通りに、各省の長期計画というものは、経済五ヵ年計画にマッチしてこれを織り込んで考えておるわけでありますから、これは各省別々にやっておるわけではありません。従いまして予算というものは経済五ヵ年計画というものを基本として組むわけでありますから、当然経済五ヵ年計画と予算とはつながっておるものと、こう御解釈を願いたいと思います。
○小松委員 災害復旧の進捗状態を承わりますが、建設大臣、過年度災害二十五災、二十六災、二十七災、二十八災、二十九災の残事業量あるいは現在までの災害復旧状況をパーセンテージでお示しを願いたい。
○馬場国務大臣 たしかお手元に資料を差し上げたつもりでありますが、ありませんか。
○小松委員 災害のはもらっていません。
○馬場国務大臣 それでは数字は資料で差し上げることにいたしましょう。
○小松委員 私は資料をもらっていませんが、まだ二十五災が七〇%、二十六災が六八%、二十七災が六六%、二十八災が三十何パーセントで二十八災が一番片づいておる。大体二十八災以前の二十五、二十六、二十七の災害というものが非常に多分に残っておるのですが、このいわゆる災害復旧というものはどういう形でやろうと考えておるのか。今度の補正予算においてはやはり災害復旧というものは削られておる。片一方ではどんどん削られ、しかも予算はとれないのに過年度災害の二十五年の災害がまだ残っておるということを、一体建設計画としてどうお考えになりますか。
○馬場国務大臣 過年度災害の復旧がおくれておりますことは遺憾でありますが、三十一年度以降三ヵ年で大体過年災は完了いたしたいと考えております。それから三十年の災害は、緊要の工事は、御承知の通り昭和三十年から三十二年まで、この三ヵ年、それからその他の工事は約四ヵ年程度で完成をいたしたい、かように考えております。
○小松委員 はっきりわからないのですが、三・五・二の比率は、これは法律上はっきりしたのですが、三・五・二の比率によって災害復旧をやろうとする予算を、実際のところ編成していないのです。そこで私は、二十五年災からの過年度災害をどういうように三・五・二の比率で解消するかということを具体的に聞いておる。
○馬場国務大臣 緊要工事につきましては、三・五・二の比率になっておるはずであります。
○森永政府委員 三十一年度の予算で予定いたしておりまする各年別の災害の復旧予定を申し上げてみますと、二十七年災までは九一%、二十八年災は七五%、二十九年災は七〇%、三十年災は六五%、大体こういう予定で予算を編成いたしております。なおただいまお話のございました三・五・二の問題でございますが、これは緊要工事につきましては三・五・二ということで考えておりまして、その緊要工事をどの程度の割合に見るかという、そこで計算が違ってくるわけでございますが、三十年災につきましては、大体約七割を緊要事業と見まして、緊要事業につきましては三・五・二の比率を守って、この予算の積算をいたしておるつもりでございます。なお先ほどちょっと御質問のございました今回の補正で災害復旧費を削っているではないかということでございますが、災害復旧事業費は削っておりません。災害関連の中のある部分につきまして、繰り延べ等の事情で削りましたものはございますが、本体の復旧事業費そのものは手を触れておりませんので、その点御了承いただきたいと思います。
○小松委員 そこで、今災害関連工事を削っちゃったというのですが、これは一番大事なことなんですね。災害復旧というのは、いわゆる原形復旧なんです。ところが原形復旧しても意味のないところの工事というものは、災害関連工事としてとっておるのです。それを削られるということは、今後災害の復旧ができないのと同じ結果になるわけです。あなたは災害関連と災害と別個に考えておりますけれども、私は別個に考えないのです。この点どうなんですか。建設大臣の方はどうなんですか。災害関連と災害とは別個に考えても、結局災害復旧は成るというお考えなんですか。
○馬場国務大臣 災害復旧と災害関連とが密接な関係のありますことは御承知の通りであります。災害復旧とあわせて災害関連事業というものを施行いたしますので、その点お説の通りでありますが、この与えられたる範囲内におきまして、災害と関連せしむべきものは関連せしめて遺憾なきを期していきたい、こう考えております。
○小松委員 先ほど政府委員は災害関連だから削ってしまったのだ、災害を削ったのではないと言うのだけれども、災害関連も災害もつまるところ同じだ、こういう観点で結局災害を削ったのではないか、私はこう言っておるが、あなたはどういうお考えですか。
○森永政府委員 先ほど少し言葉が足りませんでしたが、災害関連工事にもいろいろありまして、災害復旧事業の本体と密接不可分で分けられないようなものもあります。そういうものにつきましてはできるだけ削らないことでいたしたい。しからずして比較的単独工事的な性格の意味合いのもの、そういうもので現実に工事がおくれておるもの、繰り延べの可能なもの、そういうものについて二、三億でありましたか、一、二億でありましたか、そのくらいの繰り延べを見込みまして、今回の補正財源にしたわけでありまして、災害復旧そのものにそう悪影響がくるというふうには考えていないわけであります。現実の工事の状況を見て考えたわけでありまして、その点は何とぞ御了承いただきたい。
○小松委員 新事業費を落したのだから災害にはあまり影響はない、こういう言い方をなさっておりますけれども、私の調べた、また現地あたりの実情から見ますと、やはり過年度災害というものを三・五・二で早く解消してしまわなければいかぬ。だから少くとも補正にまでこの災害関連工事費を落していくということばもってのほかのことであると思う。いわゆる新規事業を落すというならば、それはあるいは話もわかる。しかしながら過年度災害をやるといいながら、関連工事であろうが、災害工事であろうが、過年度災害としてはっきり組んであるものを、いわゆる補正予算に落していくという考えは理が通っていないと考えるわけです。もちろん災害がなきに越したことはないわけですが、実際災害があって、過年度災害が要求されておればこれは落すべきではない、かように考えておる。それをやはり落しておるところに私は問題があると思う。建設大臣の所見を承わりたい。
○馬場国務大臣 削減いたしましたのは諸種の事情で本年度に繰り延べせざるを得ないものもありまして、その部分をわずかばかり繰り延べいたしたのであります。災害復旧の事業と災害関連の事業と結び合せて、あるいはそれぞれ単独に両事業を促進いたしまして、先ほどから御心配の過年度災害並びに三十年度の災害、それらについてできるだけ効率的な事業実施によりまして、災害復旧の全体的な事業を促進して参りたい。そうして来たることあるべき災害にできるだけ備えて参りたい、かように考えております。
○小松委員 災害関連の関連質問があるそうでありますから、一応そちらに譲ることといたしまして、最後に一点建設省関係をお尋ねいたします。 いわゆる今度の補正で幸か不幸か削られなかった予算で、道路関係特別失対費の八千万円が削られなかった。河川関係で二千万円が削られなかったのですけれども、これは現在なお未着工で、三月、四月まで見てもこの工事は着工する見込みがないと私は見ておる。なぜならば建設省だけの考えでない、大蔵省、労働省並びに建設省の三つどもえの考え方がずれておるために、この道路関係特別失対八千万円、河川関係特別失対二千万円が未着工のまま放置されておる。これは一体どうなさるおつもりなんですか。
○馬場国務大臣 特別失対八千万円が未着工で放置されておる、こういう御意見でありますが、決して放置いたしておるわけではありません。御説の通りに労働省とも非常に関係が深いことは申し上げるまでもありませんので、労働省とも協議をいたしまして、これを消化するように、年度内に実施いたすようにせっかく努力をいたしておるところであります。
○小松委員 これば合せて一億円ですが、本年も二月、三月になろうというのにまだ未着工のまま放置されておる。しかもこれは大蔵省、労働省、建設省の間で関係があるわけなんですが、一番このさしがねをしておるのは大蔵省がさしがねをしているらしいのですが、これは大蔵大臣、一体どういうわけなんですか。ここを削らぬで放置されておる。削らぬのはいいですよ。ところが放置されておる。河川とそれから道路で一億円、これはどういうように処置をするのですか。特に大蔵省が一番問題だと思うのです。
○一萬田国務大臣 御承知のように特別失対は非常にいい政治的目標であります。それで大蔵省としても各省と話し合いをいたしまして、年度内に着工するように労働問題に寄与するように考えております。
○小松委員 大臣はそういう逃げ答弁をしてはだめななんです。年度内にこれを着工すると言ったって、一体どういう着工をするのですか。私どもが見るところ、技術的に着工する見込みなしと見ているのです。具体的に着工する計画を言って下さい。
○一萬田国務大臣 大蔵省としてはさような考えを持っておるということを申し上げておるのであります。
○小松委員 建設大臣、具体的にあなたはどういうふうにやりますか。
○馬場国務大臣 現に鹿児傷の思川の工事につきまして、今せっかく協議をいたしており、これは直ちに着工できると考えております。
○小松委員 直ちに着工するというようなことをここで気安く言われるのですけれども、しかし今までやれないのでしょう。実際のところ大蔵省とどういうところが一番やれない原因か、はっきりあけすけに打ちあけ話をしてみて下さい。どこが悪いから、これで未着工のまま放置されているのか、そこをはっきり出して下さい。ここが行き詰まっているのだと、その行き詰まっているところを言ってみて下さい。
○森永政府委員 特別失対事業につきましては、何分にも本年度初めての企画でございましたので、その実施に関連いたしまして、建設省、労働省の間で具体的な工事の個所その他につきまして、意見の一致を見るのに時間がかかったというようなこともあったわけでございます。それで今日まで若干の残りのあることも事実でございますが、それにつきましては最近労働省の方からも話がございまして、個所別等につきましてもたんだん話し合いがついて参りました。残っておりますものにつきましても、年度内に着工をいたすような運びになって参りまして、せっかく今その協議をいたしておるところでございますので、その点御了承いただきたいと思います。
○小松委員 なぜ行き詰まったのかというのがはっきりお教えが——わかったようなわからないような答弁なのですが、もう一度未着工のまま放置されているところで、特に大蔵省はこれをどういうような格好で使おうと考えているのか、あなたのほんとうの腹をここに出してみていただきたい。それでなければこれは三つどもえ、三すくみになって、金だけ余って仕事が進まない。それで未着工のまま放置されている。あなたが一番災いをなしているのです。それをはっきり言っていただきたい。
○森永政府委員 私どもの立場はできるだけ早く建設省と労働省とでお話し合いと申しますか、意見の一致を見まして、この予算が一日も早く活用されることを期待をしておる、そういう立場でございまして、使われることを阻害いたしておるというような立場では全然ございませんので、その点はどうぞ誤解がないようにお願いしたいと思います。なぜ今までおくれたか、これはやはり失業多発地帯と具体的な工事の存在場所、その二つがなかなかぴたっと合わなかった。それらの点につきましてはいいもの、ぴたっと合ったものから先に着工していくわけですが、だんだんそういうものが進んで参りますと、そう両省の思惑が必ずしもぴたっと合わないということでおくれて参ったということだと思いますが、それにつきましても、先ほど申し上げましたようにおそらく両方百パーセントの御満足は願っていないかもしれませんが、大体こういう地点ならばいいのじゃないかというようなことで、話し合いがつきつつあるような状態にあるのでございまして、その点御了承いただきたいと思います。
○小松委員 それでは特別失対道路八千万円と河川の二千万円は、早急に具体的な計画を出して本年度中に早く着手しなければ、一萬田大蔵大臣は削減したいのでしょうから……。 そこで特別失対問題は今大蔵省も考えて下さっている。ところが公営住宅の問題に至ってはきわめて考えていないのです。本年も三億幾らの削減が来ておりますが、いわゆる公営住宅が今日削減対象になった最大の要因は一体何でございますか、建設大臣にお伺いします。
○馬場国務大臣 公営住宅は御承知の通り三十年度は百二億円をもって五万戸を建設する計画を立てております。三十一年度は四万八千戸という計画を立てていることは御承知の通りであります。公営住宅につきましては民間の要望も強いことでございますし、なるべく多く建設いたしたいのでありますが、御承知の通り公営住宅の建設につきましては、地方の負担も当然これを考えなければなりません。申し上げるまでもなく地方財政の現状からいたしまして、その負担にたえない面も見られますので、やむを得ずそこばくの戸数の減少をいたした、かような事情でございます。
○小松委員 これは昨年竹山建設大臣のときだったのですが、公営住宅は完全に消化するとお約束し、また現実に消化する能力がある。今あなたは地方の財源がどうだと言われたが、三十年度の地方財政計画の中にちゃんとそれを消化するだけ組んである。そこで私は要因は別にあると思うが、大臣、その辺はどうなんですか。財政計画が最初から狂っておったのですか、三十年度の財政計画が狂っていて最初からできもせぬものを二千戸も予算を別に課しておったのかどうかお伺いいたしたい。できないものを公営住宅に置いておくはずはないわけです。
○馬場国務大臣 当初さような計画になっておりましたが、ただいまも申し上げました通り地方の財政の関係等もありまして、この程度を減額することが適当であろうということで減額することになったのであります。公営住宅はなるべく多く作る。これは庶民性を持った住宅でありますから、これに力を入れたいという考えもありますけれども、財政の都合上この程度の削減はやむを得ざるものと考えた次第であります。
○小松委員 大蔵大臣にお尋ねしますが、公営住宅というのは、これは四十二万戸建設のうちの一番おもな住宅である、いわゆる庶民住宅なんです。その柱ともなるべき公営住宅にひびを入れているのですが、同じ削るなら住宅金融公庫の継続分の十二億五千万円が残っている。なぜこれを削らなかったか。これを削らないで、一番柱の庶民住宅、公営住宅を削っているということはどういうわけか。言いかえたならば、あなたは八合目ミルクだとか言って、盛んにあのときに住宅々々と言った記憶がある。その一番住宅々々と言った張本人が庶民住宅をすっぱりやって、あとの金を残しているのはどういうわけか。
○一萬田国務大臣 御説のように公営住宅をふやすことは非常にけっこうで、それを考えておるのでありますが、一つには今回地方財政が御承知のように非常な窮迫状態で、公営住宅の中でも第一種の方は補助率も小さいので、地方団体の負担が多いのであります。そうしてこれは少し高級になる。従いましてこの分を実は住宅公団の方に回しまして作るようにしたい。そうして庶民向けの第二種住宅はなるべくふやしていく。これは補助率が三分の二で、一方は二分の一である、こういうようなことをいろいろ考えまして、庶民階級の住宅にはできるだけ力を入れている方針には変りないのであります。
○小松委員 公営住宅を削減して庶民の住宅に力を入れて、公団住宅に回したなんと言っても、庶民ではありませんよ。公団住宅の借り賃は四千五百円でしょう。本年度は財政投融資で民間融資を入れるから、計算では八千円以上になる。それだったら、庶民の方に力を入れたのじゃない。高い家賃の方に力を入れたことになって、庶民住宅をばっさり切っておる。これは言うこととすることとだいぶ違っておる。その辺どうなんですか。
○馬場国務大臣 公営住宅工事が思うように進捗しない部面がありまして、年度内に完成を見ないものを見込んでそういうことになっておるのであります。その分につきましては、来年度の予算で措置をすることになりますので、事実においては、工事の進捗にも建設にも支障はないのであります。従いまして、公営住宅を軽視しておるという考えは毛頭持っておりません。
○小松委員 公営住宅を軽視しないと言いながら、公営住宅を削って、住宅金融公庫の十二億五千万円の残りを残しておる。だから同じやるならば、住宅金融公庫の十二億五千万円のところから二億なり三億なり切って、公営住宅に残すべきなんです。ところが公営住宅ができないのは、あなたは地方財政のことを言いましたけれども、そうじゃない。起債のおくれなんです。ずれなんです。一体去年住宅起債を地方にやったのは、何月に割り当てたのか、それを言って下さい。
○馬場国務大臣 公営住宅の起債は、いつきまったか、こういう御質問であろうと思います。これは府県と市町村によってちょっと違いますが、実はずいぶんおくれました。何しろ予算の成立が御承知の通りにずっとおくれました関係で、起債の決定もそれに伴っておくれたという結果になっております。そこで府県の分は十二月二日、市町村の分は十二月十四日に決定をいたしたのであります。
○小松委員 そこが問題なんです。いいですか、八月一日にはもう国会が終ったのですよ。暫定予算を二回作って、しかも予算は三月に上らぬで、幾らおくれたって五月か、六月に上ったでしょう。しかし起債の割当は十二月です。年末でしょう。この間遊んでおったかともいわれるのだが、遊んだんじゃあるまいが、起債を十二月に割り当てて、一月には公営住宅をばっさり切っておる。こういう起債の割当がおくれておるということが最大の要因なんです。公営住宅が毎年切られる要因というのは、いわゆる起債のボリュームが少いということです。高が少いということと同時に起債がおくれるということなんです。年々おくれておる。ことしあたりは十二月の節季になって起債を割り当てて、そうしてそれからやあやあ言うて、もうできないから一月には予算で削減をします。こうきておる。こういう不親切なやり方をして、公営住宅が建たないのは当りまえじゃないですか。なぜ八月か九月に、おくれても九月の上旬に起債の割当をしないのか。これは特に自治庁の勘が悪いかもしれぬ。しかし建設省関係なり、大蔵省関係というものは、これを座視しておったかどうか。その辺をはっきりしておいてもらいたい。
○馬場国務大臣 起債が早く決定することは、一番望ましいことなのであります。それがおくれますことが、工事遅延の一つの原因であることも、これはいなめないと思います。そこでこの起債の決定の処理でありますが、大蔵省並びに自治庁ともよく協議をいたし、これが早期に決定をいたしまして、工事遅延の原因の一部にならないように努力をするつもりであります。
○小松委員 これは毎年あなたのおっしゃるようなことを建設省は言っているのですが、起債が今年くらいおくれたことはないでしょう。ないでしょうけれども、十二月の何日かに起債を割り当てて、そうして地方に公営住宅が建たない責任を負わせるというようなことをして、公営住宅を落すということはあり得ないはずなんです。これは大蔵大臣、自分の責任じゃないですか。地方起債をそう割り当てて、そうして地方に責任を着せて、公営住宅を削減の対象にしたというのは、これはどっちが悪いのですか。あなた方は地方が悪いようなことを言っているが……。
○一萬田国務大臣 先ほど私がちょっと答弁いたしましたが、質問の要旨を取り違えまして、三十一年度の公営住宅について申し上げましたが、そうじゃなくて、今度の補正予算の財源についての公営住宅のようでありますが、これは今お話のようにずれているわけです。従って、やはりほかの公共事業と同じように繰り越しになっている。これは事実そうなっているのです。今それについていろいろと御注意がありましたが、その御注意は十分守りまして、今後公営住宅については、違算のないようにいたしたいと思っております。そうして今度繰り延べました二千戸につきましては、これは三十一年度予算におきまして四十三万二千戸分について補助する、かようにいたしております。なお、御注意の点は十分注意をいたします。
○小松委員 これは将来の問題なんでしょうけれども、公営住宅を柱に四十二万戸をやっていくならば、四十二万戸を完全にやらなければいけない。これは詐欺をやっているわけです。実際国民に四十二万戸を建てますと言うて、その中の二十四万戸は民間に依存して、まず大きな詐欺を一つした。国民を一つだました。そうして今度は、公営住宅七万戸を建てると言うて、起債をおくらかして、一月の間に早く建てろ、こう言うて、しまいにはまた公営住宅を切り落してしまった。しかも三十一年度にはその分は入っていない。三十一年度にそれが完全に回れば別ですが、回っていないということは、鳩山内閣は、四十二万戸建設が民間に二十何万戸を依存して、まず少しいいかげんなことを言っている。最後に公営住宅を削ることによって、四十二万戸に穴があいたということなんです。そこにまた詐欺行為があるわけです。詐欺はおかしいですが、うそを言っている。これは国民の前にはっきり建設大臣はおわびをしていただきたい。悪かったなら悪かったと……。
○馬場国務大臣 四十二万戸の建設計画というものは、決して詐欺でも何でもありません。詐欺とはいささかお言葉が過ぎるだろうと私は思う。そこで列国の例を見ましても、住宅不足の状況を勘案して、何ヵ年でこの住宅難を解決できるかという根本の計画を立てまして、その根本の計画に基いて、たとえば四十二万戸の計画というようなものが立てられるのであります。従いまして、発表いたしまする場合にも、四十二万戸政府が建てるのだという発表をいたしたことは、いまだかつてありません。(「選挙で公約したじゃないか」と呼ぶ者あり)公営住宅何万戸、公団幾ら、公庫が幾らということを、はっきり数字をもって示しており、しこうして民間自力は幾らということをうたってありますが、四十二万戸ことごとくを政府で建てるのだということを、いまだかつて申したことはないと思います。しこうして公営住宅につきましては、先ほど来申し上げる通りであって、何ら支障なくこれを進めて参りたいのが、私どもの念願であることを御了承願いたいと思います。
○小松委員 今さらに四十二万戸をやかましく言うてもしようがないが、言わぬなんというようなことは、大臣人柄が悪いわけじゃないでしょうが、そういうことをあまりこういう席で言わぬ方がいいと思うのです。四十二万戸建設ということは言っていないというようなことは、これは言い過ぎです。実際四十二万戸建設は……。
○馬場国務大臣 私の言っているのは、政府が四十二万戸を建てるのだということは言ったことはない、こういうことです。四十二万戸の計画というものは、住宅全体の計画が四十二万戸というのであって、政府の建てるのは公営幾ら、公庫幾ら、公団幾らと、明確に数字をもって公表いたしておりますので、決してごまかしを言っておるわけではない、かように申し上げたつもりであります。
○三浦委員長 小松委員にちょっと申し上げますが、だいぶお打ち合せの時間も過ぎておりますから簡潔に願います。
○小松委員 それではそのことはもう言わないことにして、もう一つ、砂糖問題だけ伺います。 これは農林省関係だろうと思いますが、特殊物資の差益金の吸収が三十億計上されております。これは当初パイナップルだとかバナナだとかを入れて七十億と見ておるのがどうして三十億に下ったか、そのところを説明していただきたい。
○石橋国務大臣 私からお答えいたします。御承知のように砂糖の差益吸収、価格安定をはかる法律はこの前の国会で残念ながら審議未了になりましたが、そのままにほうっておけば確かに砂糖を輸入すれば現状においては特別の差益が出るわけであります。しかしそれを法律が流れたからといって、ただほうっておくことは業者としても世間に申しわけないし、政府としてもそのままに置くわけにはいかない、そこで業者と話し合いをして、昨年の八月以降はちょうど法律にありますような方式で計算をして、その差益は政府へ何かの機会に寄付するなり、あるいはあらためて法律ができれば、その法律によって処理するならするという約束ができた、それで八月以降の分は現に積み立てております。しかしそれは、初め七十六円という程度の計算でありましたが、昨年の十月中ごろから砂糖がだいぶ下りましたのでその差益が減って参りました。でありますから、この三月末日までのものは予想がはっきりできませんが、八月以降の積み立てによりましては大体十億ないし十五億円くらいの差益が出るという計算になります。しかしながら実は八月以前の分もある、これは約束になっておりませんが、砂糖業者としてはその分その他を入れまして、とにかく三十年度の分として三十億円程度の寄付をしよう——法律はありませんが寄付をしょということになって、ただいまそれを各会社でどういうふうに分配して寄付するかということを糖業者が検討をしているわけであります。
○小松委員 昨年その法律を生む前に、法律ができるかできぬかわからぬので、あなたたちの方としては外貨割当をしたでしょう。そのときに暫定措置として寄付金をはっきり受け合せているはずです。付則に規定してあるはずです。だから砂糖業界としては、法律案が流産になろうがなるまいが、一応外貨割当のときにすでにちゃんとそれを打ってあるはずなんです。それはどうなんですか。
○石橋国務大臣 だから今申し上げましたように——八月以降の分は確かにお話のように念書が入っておりますが、それ以前の分は、法律ができればむろん法律によって行うべきものでありますが、それ以前の分については法律を国会に提出する前に政府と糖業者の間に別段何ら話し合いはありません。
○小松委員 それはあなたはここでごまかしておるのです。あなたたちが業界と話し合いをしたときに、政府は少くとも四月以降七月以前までを二十二億と見込んで業界に話をつけている。しかも八月以降三月までを低くして七月以前の方を高く取っておるはずです。その交渉をやっておるはずです。業界の方は七月以前は知らぬといって押し返してきたけれども、今になってそういうことを言う。実際外貨割当のときにちゃんとそれが打ってある。だからあなたの方も二十二億というものを業界に割り当てているはずです。その真相を言って下さい。
○石橋国務大臣 八月以降やりましたと同じような計算で八月以前七月までの分を計算すれば確かに二十億円くらいのものが出るという計算になります。しかしながらこれは法律もなければ約束も何もないのであります。今度の分は業界の寄付なのですから、法律によって取り立てるというものではない。従って八月以降の分に念書を業者がわれわれに入れて参ったときにも、現に国会においては商工委員会等においてむしろそれと反対の、何の法律でそういうことをやるのか、行政上の越権行為じゃないかという意味の御質問が社会党からあったのでありますが、何も法律がない、だからそれ以前のものは念書はありません。
○小松委員 これは法律が流れたのですから法律がないことはわかっている。外貨割当のときにちゃんとそういう意見が出ているはずなのです。そういう違約をしている。それならばその以後の寄付というものは意味がないじゃないか。一番問題は四月から七月までの、特に昭和二十九年のいわゆるリンク制によって砂糖を輸入したときから、三月にリンク制をやめて、そこに非常に差益金が出た、それから以後の問題なのです。そうするならば四月以降の差益金というものは完全に業者に分け与えてしまって——今あなたはそういうことを言っておりますけれども、寄付ならば四月以降の寄付を取るべきだ、それを八月以降となぜ割り切ったか。
○石橋国務大臣 ですから今申しましたように、八月以降は確かに業者と役所の間に寄付いたしますという契約、計算の方法までもはっきりしております。七月までの分はそういうものがない、ないけれども業者としては彼らの責任としてもいろいろ計算した上で、とにかく全額として三十年度において三十億円程度の寄付をいたしましょう。それは八月以降の分まで含めて——こういうことを申し出て来たわけであります。
○小松委員 八月以降計算が成り立っているというと、どういう計算になさっているか、その計算を言っていただきたい。
○石橋国務大臣 それはあの法律に考えましたように、大体砂糖の値段を一斤七十六円と考えてそれと輸入価格との差を計算した、これはあなたがおっしゃるように、外貨割当のときに念書が入る、これは八月以降です。
○小松委員 通産省でそういう計算をしたとすればそれはそろばんのはじき違いじゃないですか。七十六円というのは予算単価であって、その後八月以降あなたの方が砂糖を十万トンだけ特別輸入しておるはずです。そのために一時砂糖がぐんと下っておる。八、九月には砂糖は急に上ったけれども。十一月ごろに十万トンのいわゆるワク外の輸入をしているじゃないですか。そうしたときに七十一円から六十何円に下った。そうすると七十六円が六十八、九円まで下げなければならぬという計算になる。一体どういう計算をやっておりますか。
○石橋国務大臣 こまかい計算は必要ならば事務当局に申させますが、それはその通りであります。十万トン追加輸入をしたために砂糖が下った。従って差益というものは減ってきたことはもちろんであります。七十六円は頭で、とにかく差益があるからといってどこまでも取るというのは——計算はなかなかむずかしいですから、一応その間にあるかんぬきをきめて計算をしている、それが計算の方法です。
○小松委員 あなたの言う八月以降の寄付というものは論拠薄弱である。それならば四月以降をとるべきだ。法律か何かの規定があるならば八月以降ということは成り立つ。七十六円の計算も成り立つ。けれどもそういう計算が成り立たなければ、どうせ山勘でいくならばどうして四月以降でいかないか。
○石橋国務大臣 ですから先ほどから繰り返し申し上げているように、八月以降ときめているのではない、三十年度の四月以降の分について三十億円の寄付をする、こういうことです。
○三浦委員長 小松君、細目は他の機会に譲って最後に一間どうぞ。
○小松委員 もう一つバナナの点で、海外貿易振興会というのはどういう意味でお作りになったのですか。これをちょっとお聞きいたしたい。
○石橋国務大臣 これはずっと古いものでありますが、やはり読んで宇のごとく海外貿易振興のために作ったのです。
○小松委員 そこでこの海外貿易振興会なるものがバナナの差益金を吸収するのですか、あるいは政府はそこから吸収するのですか、どうなんですか。
○石橋国務大臣 これは砂糖と同じように、砂糖とおつき合いをしたといいますか、昨年の国会でバナナ、パイナップル等の特殊差益を吸収するという法案が流れました。そうしてこれもやはり砂糖と同じように、そのまま流すということは不都合でありますから、そこでバナナ等の割当を今の海外貿易振興会へやりまして、そこから一手でもって差益を吸収するようにしたのです。これはやはり政府に寄付することになっております。
○小松委員 そこであなたの貿易の方針を聞きたいのですが、大体今度の貿易はいわゆる手持ち外貨をやって大蔵省も自由貿易のような格好に見せかけておるのです。過去における貿易は、輸入のときにそういう中間機関において非常に差益というものを多く取ったから、無理をして、いわゆる出血輸出をして、その見返りに輸入するという、これは統制輸出や輸入をしておる。その統制輸出や輸入のときに、問題は海外貿易振興会とかあるいは何とか工業会というものが仲立ち機関になってその利潤の差益金、いわゆるその輸入の格差の中間搾取をしておるのです。だから飛ばっちりを受けるのは国民である。実際今度でも台湾の砂糖は下っております。きのう、おとといから台湾と日本との交渉でも下っておるはずなんです。ところがどっこい、向うの単価は下る、世界市場は下るけれども、日本に受け入れてきたときには一向下らぬ。そして国民にみなしわ寄せがくる。一体だれがその間におってもうけたりあるいは中間搾取をしているかというと、あなたの貿易方針からくるところの中間搾取機関というものがあるわけです。完全に自由貿易なら、世界市場が下れば日本の市場も下るはずです。それを下げないように食いとめておるのがあなたの貿易政策です。口では自由貿易を言いながら食いとめておる。その食いとめた分をあなたが政府に取るならばそれはなおいいでしょうが、それを取らないでいわゆる出血輸出をしてリンク糖にしわ寄せした結果、相当の乱脈が生じておる。どこかではただの肝油会社ができておるとも聞くが、あなたの方が二億円も金を出して肝油会社をお作りになったのであろう。そういうように中間搾取会社やあるいはこういうジェトロとかいうような海外貿易振興会というものができてきて、そこの中間格差というものを吸い上げている。そうして国民は迷惑をしておるのですが、この点あなたはどういう考えを持っておられるのか、最後にお伺いします。
○石橋国務大臣 プラント輸出と砂糖とのリンク制のことは、皆さん御承知の通りこれはずっと前にやったので、私になりましてからやめたのです。しかしながら、これも説明するまでもなくよく御存じのことだが、砂糖とかバナナとかいうものは自然に差益金が出る。なぜかいうと、砂糖というものは農産物の関係である。バナナは少し違います。バナナはああいう不要不急の一種の食糧だというようなことと、それから産地が台湾だけに限られているというようなことから、これはもし自由にしましてもおそらく差益が出るだろうと思いますが、私としては砂糖も自由にしたいしバナナも自由にしていいと思います。けれどもこれは自由にできない理由がほかにあるのです。たとえば砂糖を入れれば国内のあめ屋が困る、澱粉が下る、あるいはテンサイ糖がどうとか、こういうような農産物の関係から自由にできない。またもし自由にすればキューバから入ってきて台湾から入りません。そうすると台湾との貿易がまた差しつかえるということになります。そういうようなわけで、国際関係においても国内の生産費の関係においても、残念ながら今のところでは全く手放しにできないというような悩みがありますので、やむを得ず制限をしておる。制限をすると差益が出る。そこでその場合にはできるだけ合理的に国家へ吸収するような方法を講ずるよりほかないのです。それで今のような差益の寄付金を求めるとか、もしそれが間に合わなかったらジェトロへ吸収さすとか−ジェトロは決してあなたの言うようにもうける仕事ではございませんから御了承願います。
○小松委員 貿易についていろいろありますけれども、これで質問は終ります。
○三浦委員長 これにて昭和三十年度一般会計予算補正(第1号)外二案に対する質疑は終局いたしました。 午後二時三十分より再開し、討論採決を行うことといたします。 暫時休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 —————・————— 午後二時五十四分開議
○三浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際お諮りいたします。委員の異動に伴いまして、理事一名欠員となっておりますので、その補欠を選任いたしたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三浦委員長 御異議なしと認めます。それでは理事に北澤直吉君を指名いたします。
○三浦委員長 昭和三十年度一般会計予算補正(第1号)外二案を一括し議題といたします。 これより討論に入ります。山本勝市君。
○山本(勝)委員 ただいま議題となりました昭和三十年度一般会計予算補正(第1号)外二案について、私は自由民主党を代表して賛成するものであります。 これらの予算の内容は、政府の説明された通り、第一に第二十三国会において、地方財政の窮状に対処して、交付税及び譲与税配付金特別会計において百六十億円の借り入れを行い、これを臨時地方財政特別交付金として地方団体へ交付する措置をとったので、その財源として一般会計から同特別会計へ借入金相当額の繰り入れを行なったことであります。このことは、政府がすでに第二十三国会において明らかに約束したところであって、今日補正を行うのはもとより当然の措置であります。第二に、食糧管理特別会計の三十年度末の欠損百六十七億円の処理のため、一般会計からのインベントリー・ファイナンス相当額百億円をこえる六十七億円について、一般会計から同特別会計へ繰り入れるものでありますが、この欠損は、大体において与党、野党ともに強く要請いたしました、生産者価格を引き下げないこと、消費者価格を引き上げないことの結果として生じたものと認められるので、一般会計からの繰り入ればやむを得ないものと考えます。その他生活保護費、義務教育費国庫負担額、旧軍人遺族等恩給費等の不足額の補填等のためのものでありますが、いずれも万やむを得ざる歳出の追加であります。右の財源を租税等の自然増のほか、公共事業系統費の不用経費の節約、繰り延べ等に求めたのも、おおむね妥当と考えます。 ただ私はこの機会において、社会党の質疑に関連して一言いたしておきたいと思います。まず内容についてでありますが、予算審議を通じての社会党諸君の言論には、正直のところわれわれを傾聴せしめたものが少くありません。ことに門司亮君の地方財政に関する実際的建設的な意見のごときは、まことにりっぱであったと思いました。しかしながら諸君の多くの方々の言論の中に、相変らず自衛軍否定の思想を前提とする立論が多いのは、まことに遺憾に思いました。そのためにしばしば国民生活と防衛費と本質的に矛盾対立するごとき印象を受けましたが、自衛の限度に限られる防衛費は国民生活の前提であること、いわば国民生活安定のための一種の保険費であると私は思うのであります。 また社会党の質疑の中に現われましたが、防衛分担金を減らして社会保障費をふやすと選挙の前に言ったのに、それを約束を実行しなかったという議論がたびたび現われましたが、しかしわれわれの党では、防衛分担金を減らすとは申しましたけれども、防衛費を減らすとは約束していないのであります。むしろ防衛費は国力に応じて漸増すると言っておるのであります。防衛分担金を減らすという約束も実行いたしましたし、また社会保障費をふやすという約束も実行いたしましたし、また防衛費を国力に応じて漸増するということも約束を果したように私は考えておるのであります。 なお質疑の態度について一言申し上げます。これは野党としてはまことにやむを得ない点もあると思いますけれども、しかし程度問題でありまして、あまりにばりざんぼうと聞えるような言葉とか、あるいは—————————————————な態度で(「——とは何だ」と呼び、その他発言する者多し)あたかも昔のわからずやのおやじが女中か下男をしかりつけるような態度で、政府へ質問されるということは、私は反省していただきたいと思うのであります。重ねて申しますけれども、私は一がいにその態度を無理と申すのではありません。けれども程度を越えてやることは、二大政党が対立をした今後において、国会の審議をほんとうに充実させ、意義あらしめるためには、われわれの方でも反省しなければなりませんけれども、野党の方でもう少し気をつけてもらえば非常にうまくいくんじゃないかと思います。 以上をもって私の賛成討論といたします。
○三浦委員長 ただいまの山本岩の御発言中、速記録によって見まして、不穏当の点がありましたならば、適宜の措置をとりたいと思います。 次に田原春次君。
○田原委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま政府から提出されております次の三つの議案、すなわち昭和三十年度一般会計予算補正(第1号)、昭和三十年度特別会計予算補正(特第4号)、昭和三十年度政府関係機関予算補正(機第1号)、このいずれに対しても反対の意思を表明するものであります。 今回の補正予算を見ますと、第一に一般会計予算補正は地方財政赤字補てんに伴うものといたしまして百六十億円を計上しております。第二に食糧管理特別会計の損失補てんに六十七億円を充てております。第三に国際金融公社出資金、日本電信電話公社交付金、旧軍人遺族等恩給費、臨時軍事費の跡始末等に対しまして、合せて三百五十四億九千二百万円の歳出増加になっておるのでございます。しこうして政府がその財源としまして予定せるものは、第一が公共事業系統費の節約、繰り延べで六十四億三千七百万円を捻出する。第二が賠償等特殊債務処理費において三十億円、農業保険費において二十八億円、その他の不用分等々の節約で十三億九千八百万円を捻出する、第三、別に歳入としては三百十八億五千六百万円を見込む、この中には所得税の増徴八十五億円、法人税の増徴十億円、砂糖消費税その他を合せて百六十億円の税収を見込んでおるのでございます。これで昭和三十年度の一般会計が補正を加えて確定いたしますと、実に一兆百三十三億一千四百万円に上るのでありまして、政府が公約いたしました一兆円を政府みずから被る結果となるのでございます。 われわれの反対理由は次の三点に要約せられます。第一は歳出増額の面でございます。第二は歳出減額の面でございます。第三は歳入増額の面でございます。 第一の歳出増額として見ております項目は、いずれも昨年十二月の臨時国会に提出しました昭和三十年度の特別会計予算補正(特第2号)に対しまして、当時わが社会党がこの編成がえを要求し、その案に計上すべきことを要請しました項目が中心となっておるのでございます。すなわち地方財政の赤字対策といたしまして、また生活保護費の赤字対策といたしまして、私どもがその対策を要求したわけでございますが、この二点のうち地方財政につきましては、昨年の短期融資百六十億円を一般会計へ振りかえただけのことでありまして、これでは足らないのでございます。その理由は第一、給与実態調査に基きまして、地方公務員の給与のうち必要支出といたしまして百九十億円を期末手当の率の引き上げにおいて必要だということをわれわれは主張いたしました。それとその残りの約二十四億円を合計いたしまして今回の補てんをいたしましても、なお二百二十四億円の赤字が残ることになるのでございます。これに振り向けます交付金は、主税の自然増収に伴う交付金の増加分二十億九千万円だけが計上されているにすぎません。これでは依然として地方財政は窮乏の苦悶の中に追い込まれるのでありまして、昭和三十年度で最低二百三億一千万円の赤字が残るということになるのでありまして、何ら地方財政窮乏対策としての方策ではないということを私どもは断定するのであります。 次に食糧管理特別会計の点でございます。政府はこれへの繰入金といたしまして六十七億円を計上しておりますが、これは三十年度の損失が百三十六億円、二十九年度の未決算の損失が三十億八千万円、合せまして百六十七億円の中のわずかに六十七億円を充てるというのでございます。しかもこの百六十七億円の赤字の中には去る二月三日のこの委員会におきまして、わが党の足鹿委員が明らかに指摘いたしましたように、昭和二十九年度のバックペイ、すなわち追加払いに十億四千五百万円を充てるべきところ、これを含んでおらないのであります。ここにも自由民主党並びに現政府の明らかなる公約違反をわれわれ発見するのでありま干す。 第二、生活保護費と義務教育費国庫負担金の赤字補てんでございます。元来これば三十一年度の予算に計上すべきものであったのでありますが、新聞等で御承知の通り、昨年の暮れからこの一月の休会中にかけまして、もっぱら参議院選挙における自由民主党の有利な宣伝政策に使うと見られております各種の政策の予算を自由民主党側からめちゃめちゃに押しまくられまして、その結果この生活保護費と義務教育費国庫負担の赤字は、三十年度の補正予算という格好で持ってきておるのでありまして、まことに誠意のない組み入れ方であるというのか、われわれの賛成しがたい理由であります。 第二に、歳入面を見ましょう。歳入増額を租税と印紙収入等から合計百六十億円を計上しておるのであります。わが党は昨年の末の臨時国会におきまして補正予算組みかえ案の中にこの二つの租税と印紙収入で百億を見積って提出したのでございますけれども、当時の自由民主党はその財源は不確実なりと称してこれに反対したのであります。わずかに二ヵ月たちました今日におきまして、このわが党の指摘いたしました百億の財源よりも六十億を上回る百六十億円の自然増収ありと見込むということはまことに無定見ではないか、これを指摘したいのであります。 なお歳入面でわれわれが賛成しがたい他の理由ば、歳出の節約、繰り延べの点でございます。公共興業費六十四億円の繰り延べの理由といたしましてあげております二つの点、すなわち第一は、三十年度暫定予算の影響、第二は、地方財政の窮乏よりくる事業の繰り延べという二点でございますが、われわれは次の二つの観点から、この政府の説明を了承するわけには参りません。 第一の観点は、暫定予算が四月、五月、六月の三ヵ月続いたので、支出が繰り延べになった項目をあげますと、第一は公共事業費であります。しかしながら公共事業費だけではございません。防衛庁の経費もあるのであります。昨年九月末の予算使用状況の報告を拝見いたしますと、防衛庁の予算八百六十八億のうちで、昨年九月までに未使用の分が実に八百二十七億あったのでございます。要するにこのようなはなはだしい未使用の残額があるということは、防衛庁予算がずさんであり、そうして防衛庁予算こそ歳出の繰り延べに充ててよいのではないかという結論に当然到達するのでございます。政府は、これらの点についてば全く説明ができないのであります。 次の第二の観点は、地方財政の窮状が事業の繰り延べや遅延の理由だと政府は言っておりますけれども、政府の地方に対する特別交付金の額が不当に低く見積られておるのでございまして、地方の窮乏を知りつつこれに対する手を差し伸べず、責任を地方当局に転嫁しようという誠意のない組み方であるという点でございます。 先ほど山本委員は私ども社会党の論議を批評いたしまして、防衛費を否定する、自衛隊を否定する態度であるというように指摘されておるようでございまするが、私どもは次の観点からそういう批評をしておるのでございます。防衛の、今日われわれが見まする世界の状況は、戦争は起らないという観点に立っておるのでございます。これは今から十数年前に、元の陸軍中将でございました石原莞爾氏が世界最終戦論という本を書いておりました。その中に、武器の高度なる発達は戦争を不可能ならしめると言っておったのでございますが、十五年後の今日、米ソ両陣営とも高度なる武器を所有するに至りまして、もはや戦争が相互に不可能な時代になっておるとわれわは見るのでございます。 次は、これらの戦争不可能になりました米国及びソ連は、二面において憎み合っておりまするが、また二面においていつの間にか相互いに影響されつつあるのであります。昨年のライフの特別号に、米国資本主義の変貌という総合された記事を私は記憶しております。また、終戦後日本にも来ましたが、ニューヨーク大学のジェームズ・バーナンという教授がマネージリアル・リボリューション——支配者革命論という本でありますけれども、その中で触れておるように、両方の陣営がお互いに憎み合いながら、また相手に影響されつつあるのでございます。第一ばアメリカの態度でありまするが、なるほどアメリカは資本主義に立っておりますけれども、なお配当制限でありますとか、あるいは株主と労働者との中間の専門支配人層というものの台頭というような傾向もございまして、基本的には利潤生産を目標としておりますけれども、かなり修正的な傾向になりつつあることは、何となしにやはりソ連というものが世界の一角に存在しておることに対するそれからの影響であると見てもよいと思う。一面またソ連は、なるほど共産主義に立っておりますけれども、これは北村さん、川崎さん、あるいは稲葉さん等は出張して御調査になったので同感と想像いたしますが、やはり手工業的なものは残してある。なるほど資本は国有国営でありますけれども、まだそのほかの小さな工業というものには多少の余地を与えておる。あるいは例としては少しおかしいのでありますが、国歌としてインタナショナルを歌っておったが、それが今度国歌でなくて国民歌になりまして、新たにわがソ連、われらの祖国大ロシヤといったような歌になりつつある。あるいは宗教を否定しておったが、結局宗教は復活しつつあるというふうで、ソ連はソ連なりにやっておりますけれども、やはりアメリカ的な民主主義の影響というものが何となしにそこに見られる。これが東ヨーロッパに行きますと、たとえばポーランドにおきましては、五十ヘクタール以下の地主の所有を認める。あるいはチェコスロバキアにおきましては小売商と国営小売店とが併存しておる。あるいはハンガリー等においては十五人以下の常務者を持つ小工場の存在を認めるとか、これらは中国におきましても何様でありまして、私営と公私合営とがやはり併存しておる。こういうふうで、両大勢力は互いにその勢力を競いつつもいつの間にか少しずつ影響されつつある、かようにわれわれは見るのであります。かようなわけで、今日の段階におきましては大戦争というものば不可能になっておる。そういう時期に使いもしない八百六十八億の予算で、昨年九月には八百二十七億も使い切れないで残すというずさんな防衛庁費というものは、削るのが当然であるという結論に立っておるのでありまして、私ども社会党は一切無防備で行けというのではない。かつて警察予備隊として出発いたしました七万人程度の国内治安警察というものは認めていこう。予算においても、全体の予算の五%以下の予算なら認めようという気持は十分あるのでありまして、一切の自衛を否定しようという意味ではない。ただあなた方があまりにもアメリカの勢力に押されまして、無批判、無修正で千四百七億も昭和三十一年度予算に計上する、あるいは昨年の予算に見られるごとく八百六十八億も計上する、そのことにわれわれは矛盾を感ずるのであります。 こういう意味におきまして、どうぞ皆さんはわれわれがこの委員会において主張しておりますように、生活保障費あるいは義務教育国庫負担の方面に力を注ぎまして、あらためてこれを編成しれして出していただきたい。それまではこの三法案に対して賛成するわけに参らぬというのが、われわれの反対の理由でございます。(拍手)
○三浦委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。昭和三十年度一般会計予算補正(第1号)、昭和三十年度特別会計予算補正(特第4号)、及び昭和三十年度政府関係機関予算補正(機第1号)を一括して採決いたします。右の二案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三浦委員長 起立多数。よって昭和三十年度一般会計予算補正(第1号)、昭和三十年度特別会計予算補正(特第4号)及び昭和三十年度政府関係機関予算補正(機第1号)は、いずれも原案の通り可決いたしました。(拍手) 委員会報告書の作成は、先例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三浦委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 それでは明十八日は休みまして、来る二十日月曜日より分科会の審査に入ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十八分散会