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24回国会衆議院1956/02/14

予算委員会 第10号

発言数
340
登壇者
12
会派数
2
開催日
1956/02/14

会議録

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 これより会議を開きます。  昭和三十年度一般会計予算補正(第1号)、昭和三十年度特別会計予算補正(特第4号)、昭和三十年度政府関係機関予算補正(機第1号)の三案を一括して議題といたします。  まず政府より提案理由の説明を聴取いたします。大蔵大臣一萬田尚登君。     ―――――――――――――

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 政府は、昭和三十年度予算補正を行うため、本日、昭和三十年度一般会計予算補正(第1号)、昭和三十年度特別会計予算補正(特第4号)及び昭和三十年度政府関係機関予算補正(機第1号)を国会に提出いたしましたが、ここに予算委員会の御審議をお願いするに当りまして、その概要を御説明申し上げることにいたします。  一般会計予算の補正は、さきに実施した地方財政についての臨時措置に伴う財源の補てん、食糧管理特別会計の赤字補てん、義務教育費国庫負担金、生活保護費等の不足補てんその他必要最小限度の歳出の増加に限って行うことといたし、これに必要な財源は、租税等の増収のほかは、極力歳出の節約、繰り延べ等により捻出することといたしております。特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、右の一般会計予算の補正に伴うもののほか、必要最少限度のものにつき、補正を行うことといたしております。  以下、補正予算の内容につきまして御説明いたします。  一般会計予算の補正における歳出の追加額は、三百五十四億円でありまして、その財源としては、租税等の増収二百十八億円のほかは、公共事業系統費その他既定経費の節約繰り延べ等により、百三十六億円を捻出いたすこととしております。これによりまして、一般会計歳入歳出予算の総額は、二百十八億円増加し、一兆百三十三億円になる予定であります。  歳出の追加額のうち、おもなものにつき御説明いたします。地方財政につきましては、その窮状に対処し、さきに本年度限りの臨時の措置といたしまして、交付税及び譲与税配付金特別会計において百六十億円の借り入れを行い、これを地方団体に交付することとし、これに伴う同特別会計の補正を行なったのでありますが、今回は、この特別会計の借入金相当額百六十億円を一般会計から補てんすることといたしたのであります。なお、地方財源措置といたしましては、このほか、地方交付税交付金について、三十年度の所得税及び法人税の増収見込み九十五億円に対応いたしまして、その二二%に当る二十億九千万円を増額することといたしております。  食糧管理特別会計につきましては、三十年産米の買い入れ数量の増加に伴い、食糧買入費、食糧管理費等の歳出予算を増額する必要があるため、さきに予算の補正を行なったのでありますが、この特別会計は三十年度末におきまして、二十九年度末の損失三十億円を含めまして百六十七億円の損失を生ずる見込みであります。そのうち一般会計からのインベントリー・ファイナンス相当額百億円を除く六十七億円の損失を補てんするため、今回一般会計から繰り入れを行うことといたしました。  生活保護費につきましては、実績に基く所要見込額が予算を上回るに至りましたので、不足額二十三億円を追加計上をいたし、義務教育費国庫負担金につきましては、二十九年度の清算に基く不足額十二億円と三十年度の年末手当の〇・二五カ月分の増額に伴う不足見込み額十二億円と合せて二十四億円を追加計上いたしました。  国債費の追加額十二億五千万円は、三十年七月の特別円問題の解決に関する日本国とタイ国との間の協定の発効に伴いまする政府と日本銀行との間の債権債務の処理に関する取りきめに基きまして、戦時中政府が日本銀行から借り入れた金額を償還するためのものであります。なお、この取りきめにより、同時に日本銀行から旧タイ国特別円債権返償金といたしまして十六億千五百万円を歳入に受け入れることになっております。  旧軍人遺族等恩給費につきましては、受給見込み人員の増加に伴う本年度内の不足額十七億円を追加計上いたしました。  国際金融公社出資金約十億円は、別途今国会に提出して御審議を願っております国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律案に基きまして、国際復興開発銀行の活動を補足する目的で設立される国際金融公社に出資するため必要なものであります。  日本電信電話公社交付金約九億円は国際電信電話株式会社法に基き、政府が保有する国際電信電話会社の株式の一部の売り払い代金相当額を電々公社に交付するものでありまして、歳入歳出両建であります。  以上のほか、国会の会期延長等に伴う国会運営費の増加等、必要最小限度の経費の追加を計上いたしております。  以上の歳出の追加に必要な財源といたしましては、次の通り予定いたしております。  租税および印紙収入は百六十億円の増加を見込んでおりますが、これは経済の好転等に伴う所得の増加により、所得税が八十五億円・法人税が十億円増加いたしますほか、砂糖の輸入量の増加等に伴い砂糖消費税が十五億円、電気器具等の売上増加に伴い物品税が三十五億円、砂糖等の輸入量の増加に伴い関税が十五億円増加する見込みであるからであります。  砂糖等の特殊物資の輸入差益につきましては、当初予算においては、特殊物資納付金処理特別会計を新たに設け、これに吸収する予定でありましたが、関係法案の審議未了により、この特別会計は成立いたしませんでしたので、今回、これを一般会計の歳入に寄付金として受け入れることといたしました。その金額は三十億円を予定いたしております。  その他の歳入につきましては、国際電信電話会社の株式の売り払い代金約九億円、旧タイ国特別円債権返償金十六億千五百万円、金融機関調整勘定利益分配金十七億九千万円その他合せて七十八億円の増加を見込んでおります。  以上、歳入の追加額は、二百六十八億円になりますが、上級たばこの売行不振等によりまして、専売納付金が約五十億円減少する見込みでありますので、差引、歳入の増加額は二百十八億円と予定いたしております。  公共事業系統費につきましては、事業の執行状況等を勘案いたしまして、無理のない限度内において、節約繰り延べ等を行うこととし、六十四億円を減額することといたしました。  右のほか、賠償等特殊債務処理費におきまして三十億円、農業保険費において二十八億円、外航船舶建造融資利子補給その他において十四億円、合せて七十二億円の歳出の節約不用等を見込んでおります。  以上、歳入の増加二百十八億円と歳出の節約繰り延べ等百三十六億円、合せて三百五十四億円をもちまして、歳出の追加に必要な財源といたしている次第であります。  特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、一般会計の補正に伴い、交付税及び譲与税配付金特別会計、国債整理基金特別会計、専売公社等の予算の補正を行うほか、必要最小限度のものにつき補正を行うことといたしております。  以上、昭和三十年度補正予算につきまして、ごく概略を御説明申し上げましたが、なお詳細にわたりましては、政府委員をして補足して説明させることといたしたいと存じます。  何とぞ、政府の方針を了とせられまして、この予算補肥に対しまして、なるべくすみやかに御賛同あらんことをお願いいたす次第であります。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 次に補足説明を聴取いたします。主計局長森永貞一郎君。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 ただいまの大蔵大臣の説明を補足いたしますために、昭和三十年度予算補正の説明という印刷物がお配りしてございますが、詳細はこの資料にゆだねることにいたしまして、二、三の点につきまして補足申し上げたいと思います。  今回の補正は、一般会計、特別会計、政府関係機関の三つにわたっておりますが、まず一般会計の補正の規模でございます。三ページに書いてございますが、歳入歳出とも補正による純増加額は二百十八億五千六百万円でございます。すなわち歳入におきましては、歳入の追加二百六十八億三千七百万円、減少四十九億八千百万円、差引二百十八億五千六百万円、歳出におきましては、歳出の追加三百五十四億九千二百万円、減少百三十六億三千五百万円、補正後の予算規模は一兆百三十三億千四百万円ということに相なっております。この歳出の追加額三百五十四億九千二百万円の内訳がすぐ下の表に示してございますが、項目を申し上げますと、臨時地方財政特別交付金百六十億円、地方交付税交付金二十億九千万円、食糧管理特別会計へ繰り入れ六十七億円、生活保護費二十三億五千六百万円、義務教育費国庫負担金二十四億四千四百万円、国債費十二億五千万円、旧軍人遺族等恩給費十七億七千三百万円、国際金融公社出資金九億九千六百万円、三本電信電話公社交付金八億九千七百万円、その他九億八千二百万円、こういう内訳に相なっております。この財源といたしまして、歳出の節約、繰り延べ等によりまするものが百三十六億三千五百万円でございまして、その内訳は、公共事業系統費で六十四億三千七百万円、賠償等特殊債務処理費で三十億円、農業保険費二十八億円、その他十三億九千八百万円、歳入の増加いたしまするものが二百十八億五千六百万円でございまして、租税で百六十億円、専売納付金で、これは減少四十九億八千百万円、証券売払代八億九千七百万円、旧タイ国特別円債券返償金十六億千五百万円、特殊物資差益寄付金三十億円、その他五十三億二千四百万円、こういう内訳に相なっております。この各項目につきましてはただいま大蔵大臣の説明で触れましたので省略をいたしまして、特に申し上げておきたいことはまず国債費でございます。歳出の方で十二億五千万円の追加になりましたが、別に歳入の方で旧タイ国特別円債権返償金十六億千五百万円ございまして、いわば両建の関係に相なっております。これは昨年の七月にタイ国との間に特別円問題の解決に関する協定ができまして、その際、特別円に関連する政府と日銀との間の俵権債務につきましても同時にこれを処理することと相なりまして、政府が日本銀行に払いますものが十二億五千万円、日銀が政府に払いますものが十六億千五百万円、こういういわば両建の債権債務の整理を掲記したわけでございます。  歳出の追加でその他九億八千二百万円の内訳になっております項目を申し上げます。五ページにございます。国会運営費一億三千万円、国庫受入預託金等利子二億一千四百万円、国立学校運営費一億百万円、これは大学病院の関係でございまして、別に歳入の方でも収入が上っております。いわば両建の関係にあるものであります。漁船再保険特別会計へ繰り入れ追加が六千三百五十万円、減少が千五百万円、差引四千八百五十万円の追加、それから石油資源開発会社出資二億八千万円は、従来補助金として計上してございましたのを出資に振りかえたものでございます。科学研究所出資一億円、これも当初予算では補助金として計上いたしておりましたものを出資に振りかえたものでございます。  次に財源の方に参りまして、歳出の節約、繰延べ等百三十六億円のうち公共事業系統費でございますが、節約、繰延額は六十四億三千七百万円でございます。七ページにその内訳が出ております。すなわち公共事業関係費で五十六億千九百万円、この内訳は治山治水二十四億九千五百万円、道路港湾等八億一千八百万円、食糧増産十六億九千七百万円、災害復旧等五億六千六百万円、鉱害復旧四千百万円、その他の事業費といたしまして、公立文教施設費三億六千二百万円、厚生施設六千五百万円、住宅施設三億九千百万円、計八億千八百万円、かような内訳になっております。いずれも本年度における予算の執行状況を勘案いたしまして、事業の繰り延べ等の措置によりまして、年度内には支払いを必要としない金額を修正減少いたしまして、今回の補正財源に供したわけでございまして、これが実施に当りましては、事業の進捗状況等の実情に照らしまして、できるだけ無理のないように配慮することといたしております。  歳出の減少のその他十三億九千八百万円、その内訳について申し上げます。八ページにおもなものが書いてございます。  まず社会保険費一億六千七百万円の減少でございます。この減少のうち、一億五千万円は厚生年金保険の給付費が当初予定より減少いたしましたことに伴います国庫負担の当然の減少でございます。千七百万円は国民健康保険助成費のこれまた事務的な計算に基く当然の減少額でございます。そのほか先ほど歳出の項で申し上げました石油資源開発への補助金が落ちまして歳出の方の出資に振りかわり、科研についても同じでございます。また国債費につきまして歳出の追加で十二億五千万円を計上いたしましたが、別途大蔵省証券の利子の不用額、その他事務取扱い費の減少額等三億八千六百万円、その他各省各庁にわたりまして極力節約、不用を求めました結果、合計四億三千百万円の不用額を捻出いたしまして、その他の十三億九千八百万円に達しております。  次は歳入でございます。税収入百六十億円の税目別内訳が一〇ページの上の方にございます。先ほど大臣の説明で触れた通りでございまして、説明は詳略させていただきます。専売納付金、減少四十九億八千百万円でございますが、これは後に政府関係機関の説明の際に申し上げることにいたします。官業益金及び官業収入四億五百万円追加、これは先ほどちょっと触れました大学付属病院における入院及び外来患者の増加による収入の増加でございます。政府資産整理収入十一億四百万円の追加でございます。そのうち最も大きな部分を占めますものは、国有財産売り払い収入、証券売り払い代八億九千七百万円、これは一般会計が所有いたしておりました国際電信電話株式会社の株式の売り払い代金でございまして、実績でございます。この分は、歳出の方に日本電信電話公社への交付金を両建として立てておりますことは先ほどの大臣の説明で申し上げました通りでございます。これを主といたしまして、その他いろいろなものを計上いたしまして、合計十一億に達しております。雑収入追加九十三億二千七百万円でございます。この内訳は種々雑多にわたっておりますが、金額として一番大きいものは一一ページの表の一番下にございますように、特殊物資差益寄付金三十億円でございます。内訳につきましては、一々申し上げることを省略させていただきたいと思います。  次は特別会計でございます。特別会計で補正いたしましたものは、交付税及び譲与税配付金特別会計、資金運用部特別会計、国債整理基金特別会計、郵便貯金特別会計、この四つでございます。このうち交付税及び譲与税配付金特別会計は、一般会計の歳出との関連を主たる関係とするものでございますが、そのほか関係のないものといたしまして、入場税の収入が増加いたしまして、その分を入場譲与税として追加配付いたしますために十二億円を計上いたしております。国債整理基金特別会計は、これは一般会計に伴う事務的、機械的な補正でございまして、特に申し上げることはございません。郵便貯金特別会計と資金運用部特別会計の補正、これは相関連したものでございまして、その主体をなしまするものは、郵便貯金特別会計におきまして本年度歳入不足額が七億七千八百万円増加する見込みでございます。この不足は資金運用部特別会計から補てんいたすわけでございまして、その補てんのほか、資金運用部特別会計におきましては若干歳入歳出の補正をいたしております。  最後に政府関係機関といたしまして、専売公社の関係の補正をお願い申し上げております。専売公社におきましては、年初来ピース、光等の売れ行きがきわめて不振でございまして、結果といたしまして、益金において四十九億八千百万円の納付金の減少を余儀なくされることに相なりました。当初予算に対する売れ行きの減は、数量におきまして三十八億本、売り払い代金におきまして百二十六億の減でございます。かかる情勢に対しまして、公社といたしましては製造計画の変更をいたしまして極力経費の節約、不用に努めたのでございますが、他方におきまして豊作による葉タバコの増産等もございまして、結論といたしましては納付益金四十九億八千百万円の減収を免れなかったような次第でございます。  以上きわめて簡単でございましたが、補足説明を終らしていただきます。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 これにて提案理由の説明は終りました。これより質疑に入ります。成田知巳君。

成田知巳日本社会党

○成田委員 ただいま提案理由の説明のありました昭和三十年度の予算補正に関連しまして、特に鳩山総理に国政運用に関する基本的な問題についてお尋ねしたいと思います。従って、非常に常識的な質問をいたします。先般共産党の川上貫一議員が戦争せとぎわ政策というむずかしい質問をされて-総理は御存じなかったのですが、ああいう専門的な質問はいたしませんで、政治家であれば、また総理である以上当然御答弁願える問題について質問をいたしますから、私の質問に対しては総理御自身から御答弁願いたいと存じます。なお、委員長もそのおつもりで議事運営をやっていただきたい。お願いいたします。よろしゅうございますか。  今提案されました三十年度の補正予算を見ますと、総額で、補正の結果一兆百三十三億円となっております。従来鳩山内閣は、総理自身の口からも、また一萬田大蔵大臣の口からも、三十年度の予算は地固の予算である、従って、絶対に補正は組まない、兆円のワクは厳守する、ということを何回となく声明して来られたのであります。予算は申すまでもなく国の総合施策であり、時の内閣の政策の集中的な表現が予算になって現われるわけであります。この大切な予算、しかも政府の何回にもわたる言明にもかかわらず、今度の予算で一兆百三十三億円と一兆円のワクをみずからくずしてしまった。総理大臣は、言うまでもないと思いますが、憲法の定むるところによって、内閣を代表して予算案を国会に提出する、こういう重大責任がある。しかも自信を持って一兆円のワクはくずさない、こう言っておられたにもかかわらず、一兆円のワクが今回の補正でくずれたということは政府、総理の責任だと思いますが、総理は一体いかがお考えになりますか。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 総理大臣は着席のままお答えすることに御了承を得たいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 すわったまま答弁いたします。一兆円予算を堅持するという意味は、言いかえてみれば健全財政を保持したいという意味でありまして、健全財政を保持するというその根本の方針については変りはないと思いますので、一兆円が幾分か首を出しましても、決して健全財政をこわしたゆえんにはならないと考えております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 総理の予算に対する考え方はわかったのでありますが、三十年度の予算では一兆円のワクは厳守すると言っている。にもかかわらず、健全財政の範囲内ならば一兆円のワクはくずしてもよいのだ、こういう御答弁であります。そういうお考えなら、今度の昭和三十一年度の予算でありますが、この三十一年度の予算についても、私たち党の代表が質問したことに対して、絶対に補正は組まない、こういうことを言っておられるのですが、そういうお考え方ならば三十一年度の予算についても、補正ということが当然考えられると解釈してよろしゅうございましょうか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 原則を破らない範囲内において、われわれの主張を通していきたいという考え方をしております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 原則を破るか破らないかということは、解決の問題なんですが、三十年度の予算の取扱いぶりから見ましても、この調子では三十一年度の予算についても、政府が今言っておる補正を組まないということは、信用できないと私たちは思う。絶対に補正を組まないのか、天地神明に誓って補正は組まない御趣旨があるのかどうか一つ承わりたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 自然増収もございますので、幾分かの増減はあるものと私は思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そういたしますと、今までの予算委員会で、一萬田大蔵大臣は、絶対に補正は組まない、補正は考えていない、こう言っておられたのでありますが、今総理は幾分の増減があると言われた。答弁に食い違いがあるのですが、どうですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 大蔵大臣も同様な考え方をしておるものと私は考えております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 どうも総理の予算に対する考え方というのは、私たち納得がいかない。どうも総理大臣らしい、予算に対する考え方と申しますか、責任というものを総理は持っていらっしゃらほい。だからこそ今度の昭和三十一年度の予算案の原案を作るときに、あれほど政府与党が醜態をきわめた、紛糾に混乱を重ねたそのとき、鳩山総理は閣議には一回もお出にならなかった。川奈におられた。この問題について本委員会でも追及がありましたところ、下痢をして閣議に出られなかった、しかし根本官房長官と電話連絡だけは十分にした、従って責任を果した、こう言われておるのでありますが、御承知のように大蔵省の原案に対して、第一次修正で百四十二億、第二次修正で百五十五億、結局政府与党がみずからきめました一兆三百億円というワクを、党内の選挙に対する考慮から、一兆三百四十九億と、党自身がきめたワクがすでにくずされてしまった。あの紛糾と混乱があったときに、総理は電話連絡はしておった、報告は聞いておった、というのですが、あのときに総理らしく予算に対して何らかの具体的な意見を駒述べになったかどうか、単に電話連絡しただけであるか、それとも総理としての所見を強く表明されたかどうか、具体的に承わりたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私はなるべく大蔵大臣の理想が通るように、党と妥協をするように頼みました。

成田知巳日本社会党

○成田委員 大蔵大臣の理想が通るように党と妥協するというのは、どういう意味なのですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 先刻申しましたような意味でありまして、健全財政をくずさないという範囲内においてならば、幾分の融通は、予算の成立するときにはやむを得ないことだと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 どうもあの当時与党の諸君が、どういう立場から予算の復活を要求されたかということを、総理は御存じないらしい。御存じないのも当然だと思うのですが、大体今度の予算案の原案を作る過程を見ましても、総理は予算案を一度も見ようとしなかった、また内容を聞こうともしなかった、ましてや総理らしい意見は言わなかった。いわゆる見ざる言わざる、聞かざるなんです。ことしはサルの年ですが、三猿主義を総理はやってこられた。吉田総理はあれほど世間からいろいろ批判がありました。国会に出席する率も非常に悪かった。しかし事予算の問題に関しては、総理大臣らしい発言をして、問題が紛糾したときにはいわゆるツルの一声で押えた。ところが鳩山さんは、世間ではハトの一声も出さなかった、こういわれております。そこで健全財政をくずさない範囲内で、大蔵大臣の考え方を生かしたと言っておられるのでありますが、鳩山さんは、御記憶の通りこの前の総選挙のときに、政府は防衛分担金を削ってこれを社会保障の充実に充てるのだ、こういうことを公約して選挙戦を戦ってこられた。また今度の政府のお作りになりました経済五ヵ年計画を見ましても、経済自立と雇用の拡大、これが二本の柱になっております。このように防衛分担金を削って社会保障費の充実をはかるんだとか、あるいは雇用の拡大、経済自立をやるんだ、こういう御政策ならば、予算編成に当っては当然経済自立のための予算、雇用拡大のための予算、社会保障充実のための予算をまずとって、これらの予算をまず天引きして、そのあとで残った財源で防衛費その他を組むというのが筋でなければいかぬと思う。ところが今回の予算編成を見ますと、総理は御存じかどうか知りませんが、まず千四百七億円という防衛費がまず天引きされてしまって、そうしてその残りで社会保障を見ろ、あるいは文教を見ろ、こういう結果になったために、防衛費のしわ寄せが社会保障その他に寄ってきておるわけなんです。鳩山さんのお考えのようにまず防衛費、防衛分担金を削減して社会保障の充実をはかるんだとか、あるいは経済五ヵ年計画の二本の柱である雇用の拡大、経済自立をお考えになるとすれば、まずこれを天引きするのがほんとうだ。ところが防衛費をまず天引きした。逆じゃないかと思いますが、総理の御意見を承わりたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 大蔵大臣から答弁することにいたします。

成田知巳日本社会党

○成田委員 ちょっと待って下さい。こんなことは、もし総理が川奈からにしろ、電話連絡をしておれば当然わかっていることなんですよ。防衛費を削減して社会保障に回すのだとか、あるいは経済五ヵ年計画の雇用の拡大、経済自立をやるというなら、そのための費用をまず限られた財源から天引きすべきだ。それが逆なんです。防衛費をまず天引きしておる。これじゃ全く政府の方針と逆じゃないかということを聞いているのですから、総理からお答えを願いたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 防衛費はアメリカとの条約によりまして適当に減額せられておるものと思います。すべて総合的にいくものでありますからそのようにお考えを願いたいと思います。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 大蔵大臣より発言を求められております。これを許します。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今総理がお答えになりましたのでありますが、私から補足して答弁いたします。決して防衛庁費をまず天引きして、そうしてあとでほかの予算を組んだということは絶対にないのでありまして、防衛庁費その他の防衛に関係する費用につきましては――これはやはり防衛ということに対する根本的な考え方の相違によっていろいろと御意見があると思います。それらの御意見は私は悪いと言うのではありませんが、これは第一に基本的に考えなくてはならぬ。私どもはやはり国力に応じて防衛力を増強するという意味合いにおきまして、予算全体を総合して考えて、防衛費その他社会保障費等の配分を考えて予算を組んだわけであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 防衛に対するあなたの考え方を聞いているのではないのです。政府が選挙の際の公約として、防衛分担金を削減してそれをそのまま社会保障に回すのだ、これによって社会保障費の充実をはかるのだ、こういうことを選挙で公約して、選挙戦を戦ってこられた。ところが今鳩山さんは、防衛費は削減しましたと言っていますが、確かに防衛分担金の一部は削減されている。しかし削減された以上のものが防衛庁費に回されている。選挙の際の公約のように防衛分担金を削減して、それが社会保障費には回っていねい。今度の予算を見ましても、防衛関係費は八十億という、ほかの予算に比較して、最も増加の割合が多いのです。これじゃ防衛分担金を削減して、社会保障に回すという選挙の際の公約は、全く国民だましであった。こういう結論にならざるを得ほいじゃないですか。数字が示しておる。鳩山総理にお尋ねしたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 先刻申しました通りに、わが国は国力に応じて防衛力を漸増する義務を持っております。それが基本政策になっておるのであります。この防衛力の漸増のために必要な経費の増加に伴いまして、防衛分担金の減額を考慮することは、行政協定締結当時の日本とアメリカとの間の約束になっております。それに基いて適当の金額を減額をしてもらったのでありまして、適当の分担金の減額はあったものと私は考えております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 どうも私の聞いているととは、総理におわかりにならないようですが、防衛に関するものの考え方を聞いているのじゃない。選挙の際に総理はこう言っている。防衛分担金を削減して、削減したものはそのまま社会保障に回す、こう言っておられる。そこで国民はそうかなあと思って、皆さん方に投票したんです。ところが結果はそうなっていない。防衛分担金は削減しても、事実上防衛費の増額に回されているのです。今度の一般方式の取りきめによってもわかるように、防衛庁費と施設提供費、この増加額の半分だけ分担金を減らしましょうということは、結局分担金を一部減らしてもらっても、その倍以上のものが防衛費に回るということなのです。そして社会保障に回ったわけではない。そこを聞いておるのです。はっきり御答弁願いたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 先刻の答弁によって御了承願いたいと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 委員長もお聞きになっていてこれで了承できますか。私が聞いておるのは、選挙の際の公約はどのように果されたかということを聞いておるのです。総理はなかなかおわかりがおそいようですから何回も申し上げますが、選挙の際に鳩山さんは、防衛分担金を削減して、それを社会保障の増加に回す、こう言っておられる。それが今度の予算で出ているかどうか、出てないじゃないか。分担金の削減は全部防衛費の増額に回されている。社会保障にはいってない。そこを聞いているのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 昨年の選挙の際に申しましたことは、できるだけ私の言責を重んじまして、そのように努力をいたしたことは、たびたびここで申した通りであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 その結果が今度の三十一年度の予算に出ているかどうかということを聞いているのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 社会保障費は減っているわけではありません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 社会保障費がふえているということは、国の予算のワク全体がふえたから社会保障費が一応ふえた。しかもそれは実質的なふえ方じゃない。自然増なんだ。今度の予算を見ましても、たとえば社会保障関係は確かに百二十二億ふえております。教育関係も五十三億円ふえておる。   〔「法制局長官がうしろで何を言う必要があるか」「法律上の解釈のときに出てくればいいじゃないか」と呼びその他発言する者あり〕

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 静粛に願います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 確かに総理の言われますように社会保障費関係は百二十二億ふえておる。教育関係も五十三億ふえておる。合計百七十五億ふえておりますが、一方公共事業費は五十億削減なのだ。それから鳩山総理の一枚看枚であった住宅対策費も七十億減っておる。合計百二十億前年より減っておる。従って差引五十五億の増になっておりますが、防衛関係費は御承知のように八十億ふえておるのです。しかもこのふえた社会保障関係というのは、生活保護を要する人々あるいは失業者あるいは学童増に伴う教員の自然増なのです。決して社会保障の充実とは言えない。問題は百二十二億ふえても、それは実際の社会保障の充実じゃないと同時に、このふえた金額というのは予算のワクを一兆三百四十九億にふやしたからなんだ。何も防衛分担金を削ってその結果社会保障費がふえたわけじゃない。だから私は公約違反じゃないか、こう言っておるのですが、もう一度御答弁願いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 だいぶこまかいお話になったようでありますから私から御答弁申し上げます。  大体予算の編成につきましては、これは防衛庁費を削って、その金を直接他に持っていくというような考え方ではなくて、予算全体がバランスをとることが問題の点であるのでありまして、防衛庁費は御説のように八十億ふえました。ふえましたが、しかし先ほどお話がありましたように百二十二億社会保障費はふえておる。こういうふうに全体で今回の予算で約五百億の新しい財源のうち、いろいろそれは言いようもありましょう、原因もありましょうが、そのうち百二十二億とにかく社会保障費に回しておるということはわれわれは見のがしてはいけない、見のがさないようにお願いいたしたいのであります。防衛の点について意見があるのは、私はやむを得ぬと思うのです。私どもは国力に応じて防衛力はふやしていく。従って防衛庁費もふえるという立場をとるのでありますから、それを認めずということに触れば、これはどうしても議論は並行していくであろう、かように考えるわけであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 どうも大蔵大臣の答弁も答弁にならない。くどいようですが、鳩山さんは天下に公約されたのですよ。防衛分担金を削減してそれを社会保障の充実に回すということを公約されたのですよ。その結果になっていないじゃはいかということを私は言っているのです。(「なっているじゃないか」と呼ぶ者あり)あなたに聞いているのじゃないのです。鳩山さんに聞いているんだ。どうぞ御答弁願います。また言わざるですか。見ざる、聞かざる、言わざるですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 この前の予算編成のときにできるだけそういう点に努力したことはたびたび申した通りであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 これではっきりしたと思いますからこれ以上申し上げません。  それでは次に、今問題にほりました防衛分担金の削減問題についてお尋ねしたいと思うのですが、今回の防衛分担金に関する一般的な取りきめで、総理も御承知のように防衛庁費プラス施設提供費の増加分の半額だけを前年度の分担金から削減して、将来防衛分担金はゼロにする、こういうことになったはずであります。すなわち防衛庁費と施設提供費の増加額の半分なのです。だから防衛庁費はどんどんふえていくのですよ。そこで将来このような方式でゼロにするというのでありますが、この一般方式によりますと、防衛庁費と施設提供費の合計が三十一年度より六百億円増加しなければいかぬ。すなわち防衛庁費を六百億円さらに増加したならば駐留軍の分担金はゼロになる、こういうことになるのでありますが、この点は御承知でありますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 そういう約束のできておることは承知しております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこで防衛庁費を三十一年度よりも六百億増加しなければ駐留軍の分担金の責任は免れない、こうなりますと、政府は一体どのような速度で、どのような計画でこの分担金をゼロにするか、特に何カ年後にこの分担金をゼロにする御方針なのか承わりたい。構想でけっこうです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 お答えいたします。これは今後日本の防衛力をどういうふうに漸増さしていくかにかかるのでありますが、今のところ年度計画的にきまっておりません。従いまして、どういう年度になるか申し上げかねます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 総理にお尋ねしますが、こういう大切な防衛分担金の一般取りきめが、今まではその都度主義だった。一般的な取りきめをやる以上、大体国の財政と見合して、国の経済と見合して、どれくらいの年度でこの六百億円というものをまかなうことができるか、これくらいの構想はあってしかるべきなんです。これなくして一般方式をきめたとすれば、これは無責任並んだ。大蔵大臣はおわかりにならないかもしれませんが、鳩山さんならおわかりになっていると思います。一つ御答弁願いたい。   〔「大蔵大臣じゃだめだ」と呼ぶ者あり〕

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 お答えしますが、今度国防会議もできまして、むろん財政的見地からいえば、私としてはいろいろな見解があるにいたしましても、しかし実体は日本の防衛力をどういうふうに漸増していくかということが問題であります。むろんこれは国力に応じた、そういうふうな状況でいくのであります。こういうことは、おそらく私の考えでは今度は国防会議も設置されるでありましょうが、その上で十分検討される、かように考えます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 今大蔵大臣は、私の考えでは、この六百億円の処理方法についての考え方があるがと、こう言われたのですが、大蔵大臣のお考えを一つ承わりたい。大体何年ぐらいでこの六百億円をまかなうか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今私の申し上げたことは、さきの答弁でおわかり下さると思うのでありますが、大蔵大臣としては、今のところ毎年の財政状況を見てやるという以外にないのであります。しかし今回国防会議を持ちまして、こういうふうに日本の国防力を増したいというときには、財政当局の考えをそれに十分織り込むように努力いたすつもりであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そうしますと、この防衛分担金の削減の問題と防衛五ヵ年計画というものは、関係はございませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、防衛五ヵ年計画というものは存じておりません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 存じていない方に私答弁を願ったわけでは広いのです。少くとも基本的な方針として、一般的な取りきめをおきめになった以上、この六百億円というものをどうするか従って、防衛計画を政府はお持ち血のだから、防衛五ヵ年計画とどういう関係があるか。さらに政府は経済五ヵ年計画をお持ちなのですが、この経済五ヵ年計画とどういう関係があるか。大体の構想があって一般方式をお取りきめになったと思うのですが、総理の御答弁を願います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 お答えいたします。国防会議はこれからこしらえまして、そして防衛力漸増についての確定の意見をきめていくわけなんですから、今日においては確定したお話をするわけには参りません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 国防会議の問題を私はお聞きしているのではありません。今度の一般取りきめで六百億円防衛関係費をふやさなければ、分担金はゼロにならない。この一般方式をおきめになるときは、政府は経済五ヵ年計画もお持ちになっているし、防衛五ヵ年計画もお持ちになっているのだから、当然これらとの関連の上におきめになったと思いますから、その関連はどうなっているか、そこをお聞きしているのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 面接の担当者は外務大臣ですから、外務大臣からお答えさせます。   〔成田委員「委員長、委員長」と呼ぶ〕

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 重光外務大臣に発言を許しました。   〔「委員長横暴だ」と呼ぶ者あり〕

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私はこの問題の担当をいたしましたから、私の知る範囲内においてお答えいたします。お話の通りにこの方式によりますと、将来まだ三百億というものを負担するのでありますから、その倍額の六百億というものを増額しなければならぬことになります。しかしこの取りきめは、増額しなければならぬということをきめているのじゃございません。これは他日増額がある場合において、その半額を日本が負担する、他の半額を米国が負担する、こういう方式でございます。そうでありますから、今説明をされたように、将来国防会議等ができて、はっきりした国防計画ができると思いますが、その場合に、増額した部分について半額ずつ負担する、こういうことになっているわけでありますから、はっきりそれだけの負担分がきまるわけでございます。それは毎年そういう負担分について交渉をするという手数を省くことができておりますから、これは私は一つの進歩だと考えております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 私がお聞きしているのは、経済五ヵ年計画なりあるいは防衛五ヵ年計画と、この分担金の削減とはどういう関係があるか。この六百億とどう関係するか。これを織り込んだ上での防衛五ヵ年計画であり、経済五ヵ年計画であるかということを聞いているのです。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 防衛五ヵ年計画ということがいわれております。いわれておりますけれども、防衛五ヵ年計画というものが、はっきり年度割りにして存立していないということを防衛庁長官からお答えをいたしております。この計画は、国防会議等に諮って、最終的にきめるということを答弁されております。それまではありません。しかしながら、今後計画ができていきますならば・毎年の増加分について半額ずつ両方とも分担する、こういうことになっているのでありますから、形式としては差しつかえないと考えております。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 経済五ヵ年計画におきましては、防衛費というものは、大体国民の所得の二・二%ということに見ております。国民所得は三十五年を期しまして大体八兆円になりますから、八兆円ということから見ますと、その二・二%にしますと千七百億という数字になります。そこで防衛分担金と防衛費を合計いたしましたものを防衛関係費としてわれわれは見ておりますから、その数字の範囲内で押えるわけであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 この点は財政に非常に関係があるから、私からも言うておきますが、今きまっておりますことは五ヵ年計画なんです。しかもこの五ヵ年計画は、まだ年度計画はないのであります。従いまして、今後防衛を考える場合に、まず五ヵ年計画を考えてこれを基礎にして年次割にするでしょう。さらにまたそのときにおける財政状況というものを十分考慮してもらわなければならぬ。これが一つのベースに怒る。これをもとにして国防会議において今後の防衛力をどういうふうに漸増していくかということが初めてはっ選りする、こう私は思うのです。そこで一体何年かかれば六百億出すという問題が革まる、かように考えております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 今重光外務大臣は防衛五ヵ年計画というものはないということは、年次計画としての防衛五ヵ年計画はない、こういう御答弁だと思うのですが、しかし終局目標としての五ヵ年後の目標というものは、船田長官も言われた通りあるはずなんです。そこで重光さん、去年御足労にもアメリカにおいでになったのですが、そのときに日米共同声明を発表されましたが、そこでこういうことが書いてある。「外務大臣は、日本の防衛当局が最近作成した日本の防衛能力増強に関する諸計画を説明した。」こうあります。今防衛計画はないといわれたのですが、どの程度の御説明をなさったか、それを一つ明らかにしていただきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 この点については前にたびたび御質問がありまして、その点ははっきり私は御説明をしたと記憶いたしておりますが、繰り返します。私は防衛庁当局から聞きました大体の考え方を申しました。それはそこに「計画」とありますが、それは年度計画にはっきりなっておるという意味の計画という文字ではありません。大体のブランを説明しました。その大体のプランは、これは船田長官からもこの席で御説明をした通りであります。しかし私の聞いておったのは、あんなはっきりした数字は、そのときには伺っておりませんでした。しかし大体十八万ですかの地上軍というようなことで話をいたしました。それがそこに書かれておる防衛庁から私が聞いた計画ということでございます。そこで計画という文字は、そういう意味に使っておることをあらためて申し上げます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 陸上自衛隊を十八万人にする、それから海軍を十二万四千トン、航空自衛隊を千三百機ですか、こういう計画を御説明になったと思います。そこまで詳しく御説明になったかどうか知りませんが、大体そういうことを御説明になったと思います。これに対してアメリカはどう言いましたか。そんなことじゃだめだとおしかりを受けたのじゃないですか、それとも了承されたのですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は米国との関係におきましては、条約土の共同防衛の責任上から、日本は防衛力を増強するという義務を条約上負担しております。そしてその責任を必ず果すのだ、現に防衛庁当局もあらましこういうようなことも考えておる。それは防衛庁当局から米側にも説明しておったのでありますから、私からもとういうようなことを考えておる、かように熱心に条約上の義務を果す決意を持っておるということを私は説明いたしました。米側はその説明を了承されました。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこで総理にお尋ねしたいのですが、今防衛力増強の問題が出ましたが、従来政府並びに自民党、特に総理もよく御発言になっているのですが、自衛力を増強して、自衛力が整えば米軍は撤退するのだ、こういう説明をしてこられたわけです。国民の素朴な感情に訴えまして、再軍備熱をあおってきたのです。ところが今度の委員会で明らかになったことは、これは船田防衛庁長官の答弁ですが、こういっているのです。これは総理もお聞きになったと思いますが、「わが国の自衛体制が国力及び国情に沿うて漸増されて参りまして、それに両国の撤退についての合意が成立したときに米軍は撤退すると思います。」こう言っている。さらにまたこう言っております。「米軍が撤退するということは、これは日米の合意によって撤退するということになるのでありまして、防衛庁の試案が」すなわち防衛五ヵ年計画が「完成したら必ず撤退するということは申し上げかねる、」こう言っているのです。今まで政府は防衛力を増強すればアメリカ軍は撤退するのだ、こういう説明をしてこられたのですが、この答弁では、総理もお聞きに触ったはずですが、必ずしも防衛五ヵ年計画が完成して今アメリカが了承したような防衛力の増強があっても米軍は撤退しない、こういう結果になると思いますが、これじゃ全く国民をだましたことになる。総理はどうお考えになりますか。   〔「総理大臣だ」と呼ぶ者あり〕

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 対外関係でありますから私からお答えするのが順当だと思います。船田長官の説明はその通りだと私は考えます。しかし今船田長官も言われておる通りに撤退は合意によってしなければいかぬ。これは日米共同防衛の責任でありますから当然のことでございます。たとえば撤退するのでも全然こちらの承諾なしにどんどん撤退されるということもこれは困ります。十分合意の上で撤退してもらわなければなりません。しかしながらその撤退をする基礎になるのは何であるかというと、日本の防衛力が充実するということが基礎になります。それであるから自衛力を充実すれば撤退に話し合いを向けることができる、こういう理論は私は不自然な理論じゃないと考えます。さように私どもは進めておるわけでございます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 合意があれば撤退するということはこれは当然と重光さんは言われた。その通りなんです。合意があって初めて撤退するのです。問題は外務大臣が言われているような撤退の基礎になるもの、撤退の条件なんですね。この条件というものが防衛力の増強だと思うのです。ところがどうも船田さんの御答弁では、防衛力を増強して合意があれば撤退するというのは問題をごまかしていると思うのです。合意があれば撤退することは当然なんで、こんなことは要らないのです。そういう撤退の合意をやる条件である防衛力の増強というものはどういうものなんだ。そういう防衛力の増強があれば米軍は撤退するのかどうか、ここを聞いているのです。そこで今、日米共同声明その他にもそういうことをうたっておりますが、五ヵ年計画が完成された暁においては当然撤退の合意が行われると見ていいのか、それとも五ヵ年計画以外に何らか他の条件があるのかどうか。今まで自民党並びに政府は防衛力を増強すれば撤退するのだと言っておった。ところがだんだん怪しくなってきた。従って防衛力の増強以外の条件が必要なのかどうか。私はそこをお尋ねしておるのであります。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私はその問題はそうむずかしくないと考えます。というのは、米軍の撤退というのは、やはり米軍も共同責任を持っている以上は、日本の自衛力の増強ということが前提となることは当然に考えておることなんでございますから、しかしそれは一つの大きな撤退の基礎となるべきものであって、それならばたとえば十八万の地上軍ができたから地上軍が全部撤退する、こういうことを意味づけるものじゃないと思います。それはそのときに合意をもって、そのほかの原因もありましょう、国際関係も考えられなければなりますまい。いろいろなことを検討をして、そうしてそれならばそのうちのどれだけを撤退をすることが適当であるかということに合意が達して、初めて実現ができると思います。さようなことにしていって少しも差しつかえないのじゃないか、こういうふうに考えております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 ただいまの御答弁は日米共同声明の趣旨もそこにあると、そう解釈して差しつかえございませんか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 そうです。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこで総理にお尋ねいたします。今外務大臣の御答弁のように防衛力の増強その他の条件、このその他の条件は後ほどまた私の方からお尋ねしたいと思いますが、その他の条件の整ったときに米軍は撤退する、これが日本共同声明の趣旨だ、こう言われた。総理のお聞きの通りなんです。そこでその米軍というのは一体どういう軍隊なんですか、撤退する米軍とは何ですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 米軍というのは米国軍隊だと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 米軍というのは米国軍隊ということになれば、空軍、海軍それから陸軍これが入るわけですね。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 入ると思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 重光さんそれでよろしゅうございますか。今総理は防衛力が増強されて条件が整えば米軍が撤退する、これは日米共同声明の趣旨だ、その米軍というのは陸軍、海軍、空軍だ、軍隊は軍隊だ、こう言われたのですがそれでよろしゅうございますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 よろしゅうございます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 今総理もよろしい、それから重光さんもよろしいと言われましたが、日米共同声明にはこう書いてありますよ。重光さん全部御承知と思いますが、「さらに、このような条約を締結することを目標として、」この条約は相互性の強い条約なんですね。「目標として、東京において防衛問題に関する日米両国代表間の協議を行うべきこと、及びその協議に当っては、日本自体の防衛力が増大するに伴い、アジアにおける関連した事態を考慮しつつ、米国の地上部隊を漸進的に撤退させる計画を樹立することについて考慮を払うべきことに意見が一致した。」ということは防衛力を増強して、撤退する軍隊というのは地上部隊だというのです。総理大臣は今陸軍も海軍も空軍も撤退すると言われた。撤退するのは単に日米共同声明の地上部隊だけじゃないですか。これだって撤退するかどうかわからない。重光さんも今総理の答弁通り、米軍は撤退する、こう言われたのですが、日米共同声明には地上部隊だけが撤退する、こう書いてあるのです。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 いやいや、それは私は米軍というのは地上部隊だけじゃないと思います。しかしそこに書いてあるのは、日本の防衛力が漸増するに従って、その日本の防衛力の漸増ということは、常識から考えて日本の地上部隊が漸増するということがまず今問題になっておるのです。日本の自衛軍がどんどん増強されれば、まず地上部隊から引くということは常識であります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そんなものは常識で解決できませんよ。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 そう書いてあります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 特にこの共同声明では地上部隊ということと米軍というのを使い分けしていろのですよ。そのあとにこう書いてあります。「在日米軍の支持のための日本の財政的寄与の問題に関しては、今後数年間にわたる漸減に関する一般的方式を設定することが望ましいことについて意見の一致を見た。」すなわち防衛分担金の場合、これは陸海空軍を対象にした在日米軍とはっきり書いてある。ところが撤退するものについては地上部隊だけが撤退の対象になっている。従って空軍海軍は撤退しない、これが日米共同声明の趣旨じゃありませんか。はっきりそう響いてある。総理はどうお考えになりますか。総理大臣の御答弁を願います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は外務大臣と同じ考え方を持っております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 これはそんな簡単な問題じゃございません。今まで政府は防衛力を増強すればアメリカの軍隊は撤退するのだと言ってきた。ところがだんだんあやふやになってきた。防衛力の増強ではだめだ、その他の条件も必要だ、こう言い出してきた。しかむその撤退するという米軍は米国軍隊全体じゃない。共同声明ではっきり地上部隊だけだと書いてある。米軍とは書いてない。しかも同じ共同声明は防衛分担金の場合は米軍と書いてある。安全保障条約でも、重光さん御存じの通り、陸軍、海軍、空軍とはっきり書いてある。ところが漸次日本の防衛力が増強されて撤退するのは地上部隊だ、グラウンド・フォーセズと書いてある。これだけが撤退する。従って今も問題になっているような基地の拡張はどんどん行われている。だからこそ今の日本の防御計画というのは、三軍方式三軍方式と言っておりながら、消耗品である地上部隊だけは十八万、海軍空軍は非常に劣勢なんです。一方アメリカの日本における現有勢力、これは砂田さんが御答弁になりましたが、空軍が非常に多い。地上部隊が非常に少い。そういうねらいがあるのです。共同声明にもはっきり書いてあるのじゃないですか。これをどう説明されるのですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は、今言われることは非常に曲解をされておるように思います。そう曲解をされる必要は私はないと思う。地上部隊からどんどん撤退してもらえばいいので、その上に必要があれば、日本もたとえば空軍なり海軍なりが十分自衛力ができれば、さらにそれらの軍隊について撤退を要求すればいいのであります。何も今からそんなにあわてる必要はないのであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 それは単なる希望ではありませんか。日米共同声明にこうはっきり書いてあるではありませんか。もう一度読みましゃうか。撤退するのは地上部隊だということを書いてある。そのあとですよ。防衛分担金については米軍全体、陸軍、海軍、空軍のものを見なければならない。従って共同声明で言っている撤退というのは地上軍だけである。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 地上部隊のことは、ここにまず取り上げなければならぬから書いておるのであって、ほかの軍隊が撤退しないということは一つも書いていないのです。

成田知巳日本社会党

○成田委員 お説だったら、まず地上部隊を撤退させ、漸次空軍、海軍も撤退さすと書くのが当然じゃないですか。これほど重大な日米共同声明に当然のことは当然書くべきだ。これほど重大な共同声明には地上部隊だけしか撤退しないということが書いてある。総理大臣もう一度御答弁願いたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は私の申し上げることがほんとうに順当な解釈だと思う。そういう工合に地上部隊から撤退するという意味なんですが、ほかのものが撤退するということをなぜ書かないか、書く必要がないから書かないだけのことです。将来そういう必要がある場合においては書けばいいのです。そういうことを今言うのが一体外交上の共同声明のやり方でしょうか、私はそれを疑います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 今申しましたように、分担金の場合は米軍と書いてある、撤退は地上部隊だ。重光さんのような御趣旨ならなぜ米軍は漸次撤退すると書かないのです。当然そうあるべきだ。わざわざ地上部隊と米軍を使い分けしているじゃないか、これは曲解でも何でもない。正面解釈すればそうなるではないか。あなたの言われるようにまず地上部隊、それから空軍、海軍なら分担金と同じあるいは安保条約と同じように米軍と書けばいい。なぜことさらに使い分けするのです。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは、私はそう解釈されることは正当な解釈ではないということをさっきから申し上げておる。私はそういうつもりでこれをこしらえたわけでも何でもない。それは将来日本の自衛軍が陸軍も海軍も空軍も充実するようになったら必ず撤退しますよ。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そんな二十年、三十年将来の夢のようなことを聞いているのではない。日米共同声明でうたわれた趣旨というのはどこにあるかを聞いている。あなたのような考え方ならなぜ同じ共同声明の文書、二行も三行も行っていないのです。すぐ受けているのです。一方では米軍と書き、一方では地上部隊と書く必要があるのですか。あなたの言うような趣旨なら、あなたも共同声明を作られた責任者だが、なぜ米軍と書かないのです。なぜ米軍が漸次撤退すると書かないのです。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 防衛分担金の問題は、地上部隊が撤退するから防衛分担金も、撤退するということを書く必要はない。米軍の地上部隊、米軍の撤退なんてどこに書いてあります。(「何を寝言言っているんだ」と呼ぶ者あり〕それだから先ほど言った通りです。私はあなたの言われることをほんとうに了解したいと思って実は一生懸命にやっているのですが、どうも了解ができません。(笑声)それをまっすぐ解釈されることを私は希望します。

成田知巳日本社会党

○成田委員 私もあなたの答弁は了解できない。これは共同声明だけじゃないですよ。安全保障条約でも行政協定でも米軍全体をさすときには、米軍として陸軍、海軍、空軍と言っているのですよ。これは条約なんだから当然用語の正確を期さなければいけない。こんな解釈がどちらにでもなるような条約は作るべきではないのです。これは公文書ですよ。安保条約でも行政協定でも陸軍、海軍、空軍とはっきり分けているのです。ところが共同声明に限って、しかも同じ声明文のうちで、一方では米軍と書き、一方では地上部隊と書く。これはもう何か意味があるに違いないのです。もう少しよく読んでから御答弁下さい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は今申し上げた以上に説明はございません。それを繰り返す以外に道もございません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 これは一つの公文ですよ。だから、地上部隊を漸次撤退させ、そのあと空軍、海軍も撤退さすというのが共同声明の趣旨だ、こういう解釈はできないでしょう。地上部隊だけを撤退させると書いてある。(「だけというのはどこにあるか」と呼ぶ者あり)地上部隊を撤退さすと書いてある。なぜ米軍とお書きにならなかったのですか。あなたは重大な責任者ですよ。解釈でどうにでもなるようなことをしないで、なぜ米軍と書かなかったのですか。共同声明をされたときに…(「さしあたりと書いてあるじやないか」と呼ぶ者あり)さしあたりとは書いてないのです。あなたの御解釈ならなぜ米軍と書かなかったか。アメリカの方で、これは地上部隊だけだと言われたらどうですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 米軍と善く必要がなかったから書かねいのです。私はもちろん地上部隊から撤退してもらいたいのです。

成田知巳日本社会党

○成田委員 これは希望だけではだめなんです。条約とか法律とか、こういう共同声明というのがあるのです。希望だけではだめなのです。あなたの希望がそこにあるなら、なぜ文章の上にはっきり出るように書かなかったのですか。これはあなたの重大な責任ですよ。なぜ米軍と善かなかったか、その理由を言って下さい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 今申し上げた通り米軍と書く必要がないし、私はまず地上部隊から引いてもらいたい。そこで地上部隊と書いたのです。それが日本の利益だと私は思っております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 米軍と書かずに地上部隊と書いたことが日本の利益とは何のことですか。あなたの言われることは地上部隊だけの引き揚げじゃないんだ。空軍、海軍も含んでいるというならば、なぜ米軍と書かなかったか。こういう重大な声明に、地上部隊のみならず空軍、海軍の引き揚げも考えていらっしやるならば、なぜ米軍と書か低かったか。必要がないと言われるけれども、そのつもりならば必要があるじゃないですか。あなたの考え通り表現するのが当然じゃないですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは今お話した通りです。

成田知巳日本社会党

○成田委員 もう少しょくお読みになって外務委員会その他で御答弁願いたいと思います。それでは次にお尋ねしますが、今の問題に関連しまして重光外務大臣の御答弁――これば松浦さんの御質問に対する御答弁なんですが、「私は、安保条約並びにこれから出て参りました行政協定、これらの改訂を希望しておるものでございます。」こう言われております。それから鳩山総理も、わが党の西村議員の質問に対して、「行政協定やその他についての是正をしたい」こう言っておられます。また今問題になっております共同声明にも、こういうことが書いてある。「日本が、できるだけすみやかにその国土の防衛のための第一次的責任を執ることができ、かくて」この「かくて」というやつが例のインチキな訳です。「かくて西太、平洋における国際の平和と安全の維持に寄与することができるような諸条件を確立するため、実行可能なときはいつでも協力的な基礎にたって努力すべきことに意見が一致した。また、このような諸条件が実現された場合には、現行の安全保障条約をより相互性の強い条約に置き代えることを適当とすべきことについても意見が一致した。」こういう声明になっておりますが、この「より相互性の強い条約」というのは、一体どういう内容のものをお考えになっているのか、総理大臣の御答弁をお願いしたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 日本が国力を回復いたしまして自衛力が漸増いたして参りましたときには、安保条約といい、行政協、定といい、当然に改正すべきものだと考えております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 私のお尋ねしたのはそうではなしに、総理の安保条約、行政協定の改正をやらなければいけないということを当委員会でも答弁されておりますが、この日米共同声明にはより相互性の強い条約に切りかえる、こういうことを言っておる。従って総理の言われる安保条約、行政協定の改正も・より相互性の強い条約に切りかえる、こういう御趣旨だと思うのですが、この「より相互性の強い」というのは具体的に言えばどういう意味かということをお尋ねしておる。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私の申しましたのは、自主性の強い改正をする必要がある、こう申しました。相互性とかという言葉を私は用いません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 しかしながら共同声明には「より相互性の強い条約」と書いてある。鳩山さんは自主性の強いということを言って、相互性とは言っていないと言うのですが、政府の代表である重光国務大臣がアメリカへ行って、相互性の強い条約にするということを共同声明で言っているのです。これについてどうお考えですか。   〔「総理はどう考えている」と呼ぶ者あり〕

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私が主として関係したのでございますから私からお答えいたします。私は今の安保条約、行政協定は、内容においてある意味における一方的のものが多いと考えます。たとえば日本の防衛を米国に依頼するようなことになっております。私は、相互性を大いに強めて、でき得るならば日本の防衛は日本でやりたいのであります。しかしさらに相互性を強めて――日本の自主性を強めるというのも同じことになりますけれども、相互性を強めて条約を改訂するということは、これはわれわれだけじゃない、私は実は日本国の希望でなければならぬと考えてやったのでございます。そこでその時期が来るまでには、日本は自衛力を増強して、しっかりした国防をこしらえ上げなければならぬ、こういう国際上の状況になっておりますから、それを私はしたいと思って、この条項ができておるわけでございます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこでお尋ねしたいのですが、相互性の問題については後ほどまたお尋ねします。この日米共同南明では、自衛力の増強、それから今申しましたように相互性の強い条約を作るんだ。そこで今問題になったように、さらにこのような条約を締結することを目標としてお互いに努力して、米国の地上部隊を漸進的に撤退させる。この地上部隊を撤退させる意味からも、単に自衛力の増強だけではだめなんだ、より相互性の強い条約を締結しなければ、地上部隊の漸進的な撤退もできないのでは血いか、こういう解釈になると思いますが、いかがでしょう。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 そういうふうな解釈には、当然にはなりません。それはなぜならぬかというと、日本の自衛力を増強して漸次アメリカの地上軍も撤退してもらおう、こういう考え方なんです。しかしそのときの情勢に応じて安保条約、行政協定というものがさらに双務的――相互性というのは双務的ということです。一方だけが負担をしないで双務的にやろう、こういうことでありまして、そういう改訂をする時期に達すれば、私は改訂をした方がいいと思います。しかしそれはそのときの条件とかなんとかいうことじゃございません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 今の、安保条約は自主性がない、自主性はイコール相互的だ、こういうことを言われたのですが、今じゃ自主性がないというのはどこでございますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは非常に明瞭なことです。安保条約は御承知の通りに、国防はあげて米国に依頼しておるという建前で、できております。これは相互性がない。これは双務じゃありません。ですからそれは日本も一つ自主的に自衛力をこしらえていって、国防を分担するようになることが当然いいことだと私は考えました。

成田知巳日本社会党

○成田委員 確かに皆さん方の解釈では、アメリカから一方的に守ってもらっておる――私たちは守ってもらっておるとは思いませんが、守ってもらっておる、こう言われる。そして自主的に日本を守る力を作る、そういう条約にかえる、これが相互性だと言うのですが、相互性というのはそういうものじゃないでしょう。アメリカが日本を守ると同時に日本もアメリカを守るんだ、これが相互性だ。日本だけが日本の力で日本を守ったんじゃ相互性にならない。一方的にアメリカから守ってもらっておるというこの解釈、これが正しいかどうか知りませんが、正しいとしましても、日本がみづから守るというだけで相互性にならない。やはりアメリカが日本を守ると同時に、日本もアメリカが攻撃された場合には守るんだ、いわゆる相互援助条約、こういう形でなければ相互性ということにならないと思いますが、いかがでしょう。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 相互という意味は、そういうふうに解釈することも一つの相互でございましょう。しかし相互性というのはミェーチェアリティと書いてあります。ミューチュアル、両方ともお互にやろうと書いてある。それは何かというと、日本の国防を一方的に負担しておるのじゃない、それをさらに双方ともやろう、こういう考え方でこれができておるのであって、それで少しも差しつかえないと私は思う。そういう解釈ができぬということは、どこにも今までそういう反問が起ったことはほい。

成田知巳日本社会党

○成田委員 今まで反間は起きないけれども、これから起るおそれがあるから聞いておるのです。あなたの言われるようにアメリカも日本を守っておる、日本もみずからの力で守っておる、これは相互ではないのです。相互というのは、アメリカも日本を守るかわりに日本もアメリカを守る。そういう相互というのはお考えになっていないのですね。アメリカに対する日本の防衛義務、こういうことは考えていらっしゃらほい、こう考えてよろしゅうございますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 重要な問題ですから一言させていただきたいと思います。私はさような大きな意味で――アメリカが日本を守ってくれるかわりに、日本もアメリカを守りに行くというような大きな国際上の地位を日本が取り得ることは、ある意味において、大いに野心として希望するところかもしれませんが、しかし私は実際家としてそこまでは実は参らないのでございます。せめて日本の国防については、日本も十分な力をたくわえて、そうして自主的にこれをやりたい、アメリカだけにまかしておくという建前をはずしたい、こういう考えから出発しているのであります。実ははなはだ小さいところから出発しているのであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 非常に卑下されておりますが、では台湾、蒋介石政権のあの国と日本とどちらが国力が大きいと考えておりますか。台湾以下とお考えになっていますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 台湾と日本と、これはどういう比較でございましょうか。しかし何か次の何がありますれば……。  (笑声)   〔「名答々々」と呼ぶ者あり〕

成田知巳日本社会党

○成田委員 そんな私は落し穴を作っておりませんから安心して御答弁願いたい。実は蒋介石とアメリカの相互援助条約第五条に、各締約国、すなわちアメリカと蒋政権は、西太平洋区域においていずれかの締約国の領域に対して行われる武力攻撃に対してお互いに助け合うという規定がございます。この西太平洋地域におけるいずれかの締約国の領域というものについては、台湾については台湾、澎湖島その他となっており、アメリカの場合はアメリカの属領となっている。これは大体沖繩、琉球、こういう委任統治地域を言っているのだろうと思います。台湾とアメリカとの相互防衛条約にそういう規定があるのです。ところが今度の共同声明も同じように西太平洋における平和と安全に寄与するためにお互いに助け合おうという規定がある。そこで相互援助条約――今台湾とアメリカと結んでいる相互援助条約という形が出れば、日本も当然海外出兵という問題が起きるじゃないか、こういうことを私はお聞きしたいと思っているのです。この西太平洋というのは、この前の当委員会では、西太平洋は西太平洋でございますというあなたの御答弁があったのでございますが、台湾も澎湖島も、金門、馬祖、あるいは沖繩、琉球、こういうものも全部入ると思います。台湾でさえそういう相互援助条約を結んでいるのです。従って沖繩、琉球あるいは澎湖島、金門、馬祖、そういう西太平洋で戦闘行為が起った場合には、台湾は協力しなければいかぬ。従って台湾も海外出兵するでしょう。それと同じような今度の共同声明なんです。当然この相互援助条約という相互性の強い条約というものは、台湾とアメリカとの条約と同じような形に発展するのではないか、ここを私はお尋ねしているのです。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 台湾に関する限りは、お話の通りに私どもも了解をいたしております。台湾だけではございません。その他の国も、たしかフィリピンあたりも同じような意味のものがございます。しかし日本はまだそこ蚕で参っておりません。私は遠き将来どうなるかということは今申し上げるわけには参りませんが、この文書に関する限りは、そこまで参っておらないのであります。琉球の問題を今言われましたが、アメリカの統治のもとにある琉球を防御するために、日本が出兵をするということすら日本はまだ体制ができておりません。またアメリカもそれを希望してはおりません。そういうところまではまだ参っておりません。日本はようやく自衛力を増強する、国防を充実するというところに今いっておるだけのことであります。だからさようなところに、たとえば同じ西太平洋の中におっても、そこで互いにアメリカの領土、行政権を持っておるところまで日本がこれを守るという義務を負担するところまでいっておりません。だから書いておらないのであります。今は日本の防御をどうするか、日本の防御は日本自身でできないということなんです。それを日本自身でできるように進めていくことは、国内的な措置においても必要であり、対外的の外交上の措置においても必要である、私はこう考えて進めておるわけであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 今そういう情勢までいっていほいと言われるのですが、この日米共同声明はそういう条件を作るために努力するとうたっておるのでしょう。近い将来そうお考えになるのではないですか。現在はそう考えておらないけれども、共同声明によってそういう条件を作るということの約束はできておるのではないのですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは繰返して申し上げる通りに、何もそういう約束はできておりません。アメリカも早く日本は自衛力を充実してもらいたい、こういう希望を持っている。日本も自衛力を増強する、こういってその点に集中して、そういう両方の了解ができておるわけであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこで一つ問題を転じましてお尋ねしますが、この前船田長官は、党の伊藤好道氏の質問に対して、B57が日本に来ることについては通報を受けていない。詳細は知らぬ、こういう御答弁であったのですが、御答弁の趣旨は通報があることを前提にして、通報がないから来てないのだろう、こういう御答弁だったと思いますが、通報を受ける根拠は現在の条約ではあるのかどうか、これをまず承わりたい。

船田中自由民主党防衛庁長官

○船田国務大臣 行政協定の規定から申しましても、通報を受けるということにはなっておりません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 安保条約、行政協定にも通報を受けることになっていない。ところが船田さんの答弁は、通報を受けてないからB57は来てないだろう、こういう御答弁だった。ところが一方重光さんはこう言っていらっしゃる。私もその通報は受けておりません。そういうことがあれば通報を受けることになっておりますから、通報を受けないところを見るとどうもそういうことはないと思います。今、船田さんは安保条約、行政協定でも通報を受けることになっていないと言い、重光さんは通報を受けることになっておる、こう言われたのですが、その間の食い違いはどうですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは少し私の言ったことを――ほかにも言ったことがありはしないかと思いますが、たとえば原子爆弾を使うような……(「違う違う」と呼ぶ者あり)原子兵器のような問題で新たな兵器を持ち込むようなときには通常通報を受けておるからまだ通報を受けておらないと申し上げたのであります。これがはっきりと普通の兵器であるということになれば、またなっておるようでありますが、それなら通報を受けるようなことはない、普通の兵器を持ち込むのに通報を一々受けるような条約上の規定はございません。そういう意味でございます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 原子兵器の場合は通報を受けることになっておるということは、条約上の取りきめではないのですね。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 さような原子兵器のごときものを持ち込む場合においては、連絡していろいろ了解してやることが、向うも希望しておりますし、こっちもいいのでありますから、そういうふうにやっておるのでございます。しかしながらそれが自衛のために必要であるという判断になってきます場合においては、それはどんどん自衛の目的を達するために持ち込むことはでき得るわけであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 自衛の目的のために必要とあれば、了解も得ないで、通報もしないで、どんどん持ち込むことができるというのですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは前国会においても説明いたしました通りに、問題は自衛であるかないかということなんであります。しかし、自衛であるかないかをどう判断するかということは、やはり連絡をして話し合いをする必要がございます。そこで話し合いをした上で持ち込むということに相なるのであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこで船田さんにお尋ねしますが、この問題で船田さんは党の伊藤好道氏の質問に対して、ただいま御注意がありましたので、その御注意に基いて十分今後において注意したい、こういう御答弁をされておる。総理もこれをお聞きになっておると思う。B57が入ったかどうかということについては通報を受けていないからわからない、とこう言われたのですが、国会でこういう質問があって、国民は非常に不安と危惧の念を持っておる。新聞紙の報道によれば、B57は四機は入っておるだろうといわれておる。ところが船田さんは通報がないから知らないのだ、こう言っておられる。これに対する注意があったのですから、この国民の不安と危惧というものは、当然政府としては払わなければねらない。従って政府の責任ですでにもうアメリカの方へ、そういう事実があったかどうかということはお確かめになったと思いますがどうでございましょうか。

船田中自由民主党防衛庁長官

○船田国務大臣 B57につきましては、先ほど申しましたように安保条約あるいは行政協定の規定からいたしまして、当然通報を受くべき筋合いのものになっておらないのであります。しかし、制服関係におきましては、向うの好意によりまして通知をしてくることがございます。たとえば地上部隊がどれくらい撤退するというようなときには通報して参ります。B57につきましても、その後確かめたところによりますと、好意的に一応統幕の方に通知をしておるということを聞いております。しかし、B57というものは決して原子兵器のようなものではございません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 B57が原爆搭載機であるかどうかは別問題として、これは常識が大体決定すると思いますが、今の話では通知があったというのですが、どういう内容の通知があったか、ここで明らかにしていただきたい。

船田中自由民主党防衛庁長官

○船田国務大臣 これは、B57がいつどういうふうにして入ってきたというふうなことについて、私今日ことにおいて詳細を承知いたしておりませんが、非公式な通報は受けたということは聞いておりますので、なお確かめまして御答弁申し上げたいと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 まことに無責任だと思うのです。これはこの二月三日に党の伊藤好道氏が質問して、あなたは通知がないから多分来てないのだろう、こういう無責任な答弁をやっておられる。そうして伊藤氏の注意に従って十分今後は注意したい、こう言っておられる。それからもう二週間もたっておる。そして通告があったらしい、しかし、その内容は知りません。まことに無責任だと思う。鳩山さんはこれは一体どうお考えになりますか。こういう大臣の国会質問に対する答弁というものはどうお考えになりますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 防衛庁において調査することと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 調査することと思いますでは問題が片づかないと思う。もう二週間前にこの問題については質問があった。ところが船田さんは知らないと言っておられた。ところが実際は通知があった。国民はこの問題については不安と危惧を持っておる。それを防衛庁が調査するだろうと思いますじゃ片づかないと思う。政府としては当然調査の結果を国会を通して国民に知らすべきだ。それを今まで怠っておったということは、非常な怠慢だとお考えになりませんか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 防衛庁はその詳細を知っておりますから、安心をしておるのでしょう。(笑声)

成田知巳日本社会党

○成田委員 今船田さん自身も詳細を調べて御報告すると言った。問題は、今まで二週間もの期間過ごしておったところに問題がある。国会でこれだけ問題になったことですから、総理はすぐこの問題について公表さす、こういうことをここで御言明になってしかるべきだと思いますが、いかがでしょう。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 防衛庁は調査することと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 調査するだろうと思いますと言われましても、二週間前に注意があったにもかかわらず、今までほうっておいた、私の質問まで何も言はなかった。それで防衛庁が調査するという責任を持たれますか。総理大臣としては発表させますとことではっきり言明していただきたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 防衛庁はその判断する自由と責任とを持っておるものと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 防衛庁は判断する自由と責任を持っておられると言いますが、防衛庁長官自身、今調査して報告すると言っておるのです。総理としても当然これは詳細を報告すべきだ、こうお考えになるのが当然じゃないですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ただいま答弁した通りに、防衛庁は調査するものと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 調査するものと言われましたが、調査しなくて、そして国会で発表しなかったらどうされますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 そういうことについては答弁をいたさなくてもいいでしょう。

成田知巳日本社会党

○成田委員 それでは防衛庁長官にお尋ねいたします。今調査されると言いましたし、総理も調査されると思うと言われたが、これは国民の関心の的になっておるものですから、当然発表されるものと解釈していいと思うのですが、大体いつ詳細の発表があるか、ここで御言明願いたい。

船田中自由民主党防衛庁長官

○船田国務大臣 B57につきましては非公式な通報のあったということを私聞いておりますから、その機数や何かについてはここに詳細を私承知しておりませんので、それらのことを調査いたしまして、なおこれが米軍の機密にわたることかどうかということも確かめない上は、ここではっきり申し上げかねますから、それらのところを米軍側とも話し合いまして、そして詳細のことがわかり次第、なるべく早い機会にお知らせすることにいたしたいと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 それではできるだけ早く御調査の上発表をお願いしたいと思います。  次に総理にお尋ねしますが、近くアメリカの国務長官のダレス氏が日本を訪問する、こう伝えられております。当然総理はダレス氏にお会いになって、当面の重要問題についてお話し合いがあると思いますが、お会いになるでしょうね。まず承わっておきます。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ただいまその点について予定がありません。けれどもアメリカとの関係は非常に密接な関係にありますから、会っていろいろの事情を問い合す必要があるとは思っております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこでお会いになった場合に、ダレス氏も物見遊山に日本に来るのじゃないと思う。何か重大な問題をひっさげてこちらに来るのだと思いますが、一体どういう問題について総理はダレスさんと話し合いを進めていくお考えでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ダレス氏に対していろいろ頼みたいことを持っておりますけれども、ただいまここで言うことは遠慮いたしたいと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 頼みたいことがあるが、言うことは遠慮しておく――だんだん鳩山さんも吉田さんに似てこられて、ガラス張りの政治が曇ってきたような感じがするのですが、総理が言われなくても国民は非常に関心を持っております。そしてまた国民もこういう問題についてはぜひ鳩山総理からダレス氏に要望なりあるいは注文をつけてもらいたい、こういう気持を持っておると思います。  そこで私はそういう二、三の問題について総理の御意見あるいは決意を承わりたいのですが、まず第一は対米債務の問題であります。いわゆるガリオアでありますが、私たちはこれは債務とは考えておりません。しかしどうも政府は対米債務としてお取扱いになっているようなんですが、ガリオアの処理についての今日までの交渉経過、これは総理でなくてけっこうでございます。重光外務大臣からお知らせ願います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 ガリオアの問題はずいぶん前からの問題であることは御承知の通りであります。鳩山内閣になりましてもその交渉は続いてきたのでございます。そうしてガリオアの処理を急がなければならぬという議会に対する米国側の事情もございました。それで米国側はなるたけ早くこれを処理してもらいたいということを一再ならず申し込んできております。督促を受けております。また私が渡米したときもその問題は出ました。それは日米間に横たわっておるすべての問題を取り上げて話をしたのでございます。そしてその共同声明のうちに、債務の問題もなるべく早く東京で交渉を進めようということが書かれておるのは、主としてガリオアの問題でございます。そこでこの問題はその見地に立って交渉を進めなければならぬのでございます。その交渉を進めるためのわが方の考え方をまとめるために、今しきりに打ち合せをしておる段階でございます。間もなく交渉を始めることができるだろう、またそういたしたい、こういう方針のもとに進んでおるわけであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 それでは今までアメリカの方から、単に早く処理をしろというだけで止しに・具体的な数字を示されたことがありますかどうか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 アメリカ側の交渉の基礎としたいという数字は日本側に知らされております。しかしこれはまだ交渉中でございますから、私はここにはっきり申し上げることを差し控えます。申し上げられる時期がきましたならば、なるべくすみやかにかっまた詳細にお話をいたしたい、こう考えております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 今数字を発表されないと言われましたが、聞くところによりますと、アメリカから六億四千九百万ドルくらいの要求があるというように聞いております。これは過大な要求であるというふうに思うのですが、政府としては一そうの減額要請をなさる御意思はありませんか。特にその内容については鳩山総理も御承知と思いますが、ダレス氏にお会いになった場合、日本の国力からいって、とてもそういう過大な債務を支払いできない、できるだけ減額してもらいたい、こういう交渉をされてしかるべきだと思いますが、総理のお考えを承わりたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は先方がどういう要求をしておるか存じませんし、まだその問題について日本はどういう態度に出るかということも協議をしておりませんから、ただいまお答えをするわけには参りません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 すでに重光外務大臣の方にはアメリカからある程度の数字が示されている。こういう重大な問題について重光さんは総理に御報告なさってないのですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 今その問題については、関係閣僚との間に相談をしておる程度で、まだ総理のところには、私はそれを申し出ておらないのでございます。またいずれ総理の考え方をとくと伺って、その何によって動きたいと思っております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 具体的な数字は言わないと言われましたが、現在の日本の国力で支払い可能の数字だとお考えになっておりますかどうか。アメリカから示された数字では、とても日本の国力ではやっていけない、相当大幅な減額要求をしなければいけない、こういう御判断ですか、承わりたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 そういうことについて、今協議を続けておるわけでございます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 ぜひ総理大臣、重光さんとも御相談になって、ダレス氏が来られる機会をとらえて、減額要求をしていただきたいということを希望いたしておきます。  それから次にお願いしたいことは、御承知のように、最近アメリカは日本の輸出に対して相当大幅な制限を加えております。この委員会でも問題になりましたが、綿布だとか、ベニヤ板、陶器あるいはマグロのカソ詰――御承知のように、原綿の輸入と原綿を材料にしてアメリカに出す綿布との比率は、アメリカから買ってくるのを一〇とすれば、こちらは一くらいの割合なんです。  よく鳩山さんは、日本は自由主義国家群に立つのだ、特にその中心であるアメリカとは仲よくやっていかなければならぬと言っておられるのだが、協力というものは、一方的な協力では私はおかしいと思う。当然アメリカとしても、日本に協力しなければいかぬ。そこで、こういう対日貿易制限の撤去をやってもらうという要望をやるのが、総理として当然のお仕事だと思うのですが、ダレス氏が来られましたときに、この問題を取り上げられるかどうか、承わりたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 アメリカとは、ダレス氏とは特に了解しなくてはならない事項がたくさんあると思っております。あなたのおっしやるのもそのうちの一つだと考えております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 ぜひ一つお願いしたいと思います。  それから、これと同じような性格の問題と思いますが、御承知のようにアイゼンハワーとイーデンが会談いたしまして、ココム・リストの緩和の問題を取り上げております。最近聞くところによりますと、通産大臣も、ダレス米国務長官が来日する場合に、禁輸緩和は話題の一つになると思うが、どういうふうな持ち出し方をするのがよいか研究しておる、こういうことを言われておる。また最近のワシントン発のロイター報道によりましても、今アメリカと日本の間で、チンコム、対中共貿易の制限解除の問題について話を進めておる、大体十品目について話し合いが進められておるということなのですが、今度のダレス氏の来朝を機会に、当然総理はこの対中共貿易制限についての解除を要請してしかるべきだと思いますが、いかがございましょう。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 同じ希望を持っております。けれども、ダレス氏は、ただアジアの方を通るのに日本に寄るだけでありまして、日本とも何か相談したいというような、目的として来るわけではなさそうでありますから、どの程度の話ができるか、ちょっとお約束はできないと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 単に通りすがりに寄るだけで、大した問題がないだろうと言われるのですが、御承知のように、ロンドンの交渉は今重大段階に来ておる。そこで、対ソ強硬政策をとるダレス氏が日本に来て、ロンドン交渉はこの際打ち切るというような圧力がかかってくるのではないかということを、国民の一部では心配しております。もしそういうことがあった場合、鳩山さんとしては断固これをはねのけて、あくまでもロンドン交渉を成立させる、こういう決意でお臨みになるのかどうか、これを承わりたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 今日までのアメリカの態度から見ますと、そういうような気配は断じてありません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこで、新聞でも御承知のように、領土問題で交渉はデッド・ロックに乗り上げるのではないか、こういうような見通しも行われているのですが、総理がお取り消しにはなりましたが、まず日ソ国交回復をやるのだ、そのための戦争終結宣言、こういうことも考慮しておる、こういう構想でデッド・ロックに乗り上げることを回避して、まず国交の回復をはかる、こういう決意をする時期に今来ているのではないかと思いますが、総理の見通しはいかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は、日ソの交渉は・今日もなお成立させたいという希望を持っております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 成立させたい希望を持っておると言いますが、ソ連の方といたしましては、歯舞、色丹だけを譲渡するという線が打ち出されているのですが、もし自民党のような政策ならば、これは並行線になります。幾ら希望をお持ちにほっても、この問題は解決がつかないと思いますが、自信をお持ちでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 領土の問題については、ただいま妥協ができる域には達していないと思っております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 領土の問題について妥協できる城に達していないとすれば、この領土問題が一番難関になってくる。妥協できないとすれば、どのようにして交渉を成立させるのですか、承わりたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 今日まだ破裂することがきまっていない前に、その点についてお話をしない方がいいと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 破裂するかしないかまだわからないでしょうが、領土の問題については妥協ができない、こう総理は御答弁にほっている。この重大な領土問題についての話し合いがつかないということになれば、決裂も予想せざるを得ない。これに対する総理の見通しねり方針はいかがかということを聞いているのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 領土の問題について、ソ連が日本の要求を承知していないということを申したのでありまして、領土の問題について破裂してし、まったということを申したわけではありません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そうしますと、領土問題について妥結がつくというお見通しを持っておられるわけですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私にはわかりません。   〔「ふまじめだよ」「相手があるのだ」と呼ぶ者あり〕

成田知巳日本社会党

○成田委員 次に、鳩山総理に憲法改正の問題についてお尋ねしたいのですが、その前に、鳩山さんにお尋ねしますが、二十六年二月十五、十六日の毎日新聞、同じく二月十六日の朝日新聞、その他の各紙とも十六日でございますが、こういう報道をやっております。帝国ホテルで二月六日午後八時から約二時間、石橋湛山、石井光次郎氏同席の上で、鳩山氏がダレス氏に会った。当時来朝しておるダレス国務長官に鳩山さんがお会いになったという報道を、各紙やっておりますが、お会いになった事実があるかどうか承わりたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 日は忘れましたけれども、ダレス氏に面会はいたしました。

成田知巳日本社会党

○成田委員 その席上で、一体どういうことをお話しになったか。各紙の伝えるところによりますと、会談はほとんど鳩山氏が中心になって当った。同時に、政治、防衛、経済全般に関する日本再建の方途について意見書を提出した。こういうことになっておりますが、意見書をお出しになったかどうかをお尋ねいたします。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ダレス氏と会いましたことは会いましたけれども、その会ったときの模様は、先方の同意がなければ発表しない方が礼儀だと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 会った模様について、先方の同意がなければ発表しない方が礼儀だと言われたのですが、単なるお茶飲み話をやったことじゃないということですね。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 お茶飲み話くらいならば、何を話しても、自由に発表してもいいでしょうけれども……。

成田知巳日本社会党

○成田委員 それで、お茶飲み話でないということは、新聞紙の報道しているように、政治、防衛、経済全般にわたる日本再建の方途についての話をした、こういう結果になると思うのであります。非常に重要な政治問題、あるいは経済問題についてお話があったと思いますが、当時の鳩山さんは、御承知のように追放中の身であったわけです。従って政治問題についての発言はできなかったはずです。追放中のあなたが、ダレス氏に会って、日本の防衛、経済、政治、こういう重要問題について話したということは、これは追放令違反じゃないですか。みずから法律を犯されたことに触るのではないですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 内容についてお話しするわけには参りません。先刻申した通り。

成田知巳日本社会党

○成田委員 内容については、礼儀として言えないと言われたんですが、単なるお茶飲み話でなかった、相当重要な問題について話された、こういうことなんですから、これは当然政治、経済その他の問題にわたっていたんだ。追放されておったあなたが、そういう政治問題を論議できますか。追放令違反じゃないですか。良心を持って答えて下さい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は追放令違反には、ならぬと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 その追放令では、政治問題、こういう問題について、追放の該当者は関係してはいけないということになっている。ところがあなたは、その政治問題、防衛問題をやった。ダレス氏に会って、なぜ追放令違反になりませんか。根拠を言って下さい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 内容についてお話はできない。

成田知巳日本社会党

○成田委員 内容については話はできない。そこまで聞こうとしません。しかし茶飲み話でなくして、相当重要な政治問題について話し合ったことは事実なんだ。追放中の者がそういう政治問題について意見書を出したり、あるいは自分の意見を述べたりすることはできないはずだ。追放令違反であるとお考えになりませんか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は政治活動をしたつもりはない。政治活動にならなければ違反にはならないと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 政治家が政治についての意見を述べ、しかもダレス氏に会って日本の再建の方途について意見を述べる。これは政治活動でなくて何ですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私の意見を人に聞かれて言うことは、政治活動に必ずしもなるとは思いません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 政治活動というのは、単に代議士に立候補したり、大臣に触ることが政治活動じゃない。自分の政治的な見解というものを発表し、そして相手にこういう要望をすることは、当然政治活動です。これが政治活動でないというのは、どこを根拠にしているんですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 秘密に人がどういう考えを持っているかということを私に聞いて、私がそれに対して答えをするのは、直ちに政治活動になるとは思いません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 それは、あなたが内容を言わないからなんです。ここで、あなたがお話しになったことを公表できないと言いますが、世間では承知しております。まず第一に、あなたは憲法改正を約束されておる。それから日本の防衛産業に対して、アメリカの資金を導入してもらいたいということを言っておるはずです。しかも、このようにして育成された日本の防衛産業は、もし戦争になれば、アメリカの軍事動員体制に編入さしてもらいたい。こういうことをいっておるのです。これが政治活動でないのですか。御記憶を呼び起したら、当然そういうことをあなたは話されたと思う。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は何を話したか申し上げません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 私が今言ったようなことは、言った覚えがないと言われますか。責任を持って言われますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 何を言ったか、今日覚えていない。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこであなたがお約束になった憲法改正の問題なんですが、今度憲法調査会法が出ますが、ここで鳩山さんの御答弁を承わっておりますと、現行憲法は改正すべきである。従ってその改正点についての案を出すために調査会を作るんだ、こういう御答弁のようですが、そのように解釈してよろしゅうございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 憲法改正は、この前申しました通りに、日本の自主性に沿うような自主的な憲法を作りたいという希望を持っておりますので、どういうように改正がせらるるかということについては、憲法調査会の審議に待つという考え方です。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこで私が申し上げたいのは、自民党でも、今度小選挙区に関する選挙法改正の特別委員会をお作りになって、党内にいろいろ意見もあるというので、まず結論を出すのは早過ぎる、小選挙区制を採用することについての可否、こういう慎重な態度をおとりになって、選挙制度の調査会というものが今進められている。自民党において、選挙法改正についてもそれほど慎重な態度をおとりになって、まず小選挙区を議題にすることの可否を論じていらっしゃる。従って国の根本法規である憲法改正についても、初めから改正すべきであるという結論をお出しになって、どこを改正するかというような調査会のあり方は、私は間違っていると思う。むしろ現行憲法は改正すべきかすべからざるか、この問題についてまず調査会で調査をして、その結論に従って、もし改正すべきであるというならば、どこを改正する。その筋を通すのがほんとうじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 憲法調査会は、まず改正すべきか改正すべからざるかの調査をするものと思っております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 では、今の御答弁のように、憲法調査会は、まず現行憲法は改正すべきかすべからざるかを検討して、その結論を出す。その結論に従って、もし改正すべしという結論ならば、どこを改正する、改正すべきでないということになれば、それで話が済む、こう解釈してよろしゅうございますね。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 そう考えます。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 成田君に申し上げますが、お打ち合せの時間も差し迫って参りましたから、どうぞ簡潔にお願い申し上げます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 総理にお尋ねいたしますが、今問題になっている総評の春季闘争の問題でございます。今総評を中心にした春季闘争が展開されんとしておりますが、これについて、総理の見解をただしたいのであります。今度の春季闘争の中で、民間労組が賃上げのための要求を出している。これは、労働者が憲法で保障された団結権を行使して戦うということは、当然のことだろうと思います。ところが政府は、こういう問題について政府の権力を利用して、あたかもこれに介入するがごとく、たとえば、部分ストに対しては賃金カットをやれ、こういう示唆さえ与えているようでありますが、民間労働組合の賃上げ闘争というものは、憲法に保障された建前からいって、政府は介入すべきでない、こうお考えになると思いますが、いかがでございましょうか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私としては、労働組合が国民経済の実情をよく認識をいたしまして、経営者側とよく談合して、問題の解決に努力されることを希望しております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 それは、当然な御希望だと思いますが、政府は、民間労働組合の賃上げ闘争に対しては介入すべきでない。これは当然憲法の精神だと思いますが、その点だけはっきり御答弁願いたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 やむを得ない場合のほかは、介入しない方がいいと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 やむを得ない場合のほかは介入しない方がいいと言われるのですが、やむを得ない場合とは、どういう場合でございますか。純然たる経済闘争ですよ。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 とにかく政府の公務員が、政府の職務を……。   〔「公務員じゃない」「民間労組だ」と呼ぶ者あり〕

成田知巳日本社会党

○成田委員 私のお尋ねしているのは民間労働者が、事業主に対して賃上げ闘争をやる場合に、憲法で保障された団結権、罷業権を行使することは当然の権利です。これに対して、政府は、部分ストに対しては賃金カットをやろうなんてことは、憲法違反である。政府の権力による介入だ。当然これは自由だと解釈してしかるべきだ、こういう点を聞いておるのです。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 倉石労働大臣から発言を求められております。   〔「憲法の解釈だ」「総理総理」と呼ぶ者あり〕

倉石忠雄自由民主党労働大臣

○倉石国務大臣 政府の方針が決定いたしておりますから、私から政府の方針を申し上げます。  しばしばとこで申し上げております通り、このたびのいわゆる春季闘争については、官公労については違法のないように警告をいたしましたし、違法があれば断間取り締ります。ただいま御指摘の民間産業につきましては、政府を代表して、労働大臣からしばしば御説明申し上げていますように、個々の民間産業の争議に介入しようとは私は思いません。そこで、ただいま政府が賃金カットをやったらいいではないかというふうな示唆を与えているというお話でございましたが、政府がさようなことを命じた覚えはありません。ただ政府を代表して、参議院の質問においてこういうことは申しました。つまり、経営者側は政府や法律の改正などにたよらないで、現在の法律の範囲内で、自己の主張すべき権利を当然主張して話し合ったらいいではないか、卑屈な態度はよろしくないということを申しました。それだけでございます。そこで、民間産業についても、ただいま総理大臣のお話の最後にありましたように、民間産業といえども、違法なる行為が行われたときには、政府は法の建前からこれを取り締るという方針でございます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そうすると、純然たる賃上げ闘争、経済闘争については、政府は絶対に介入すべきではない、こう解釈してよろしゅうございますか。

倉石忠雄自由民主党労働大臣

○倉石国務大臣 純然たる賃上げ闘争と申しましても、その賃上げ闘争の過程において、成田さんも御承知のように、そこにいろいろ違法な行為が起きてくることもございましょう。そういうことをやらないようにということをわれわれは期待いたしておるのでありまして、政府は静観いたしておりますが、違法な行為があれば、民間産業といえども、断然これを取り締る決意であります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこで、政府並びに自民党のこういう争議に対する態度は、はっきりしたわけですが、鳩山さんは、自民党の代行委員でいらっしゃいますから、責任の大半があると思いますが、この問題で、八日の声明で自民党はこう言っていらっしゃる。いろいろな名文を並べておりますが、この総評の春季闘争に対する自民党の声明は、私たちは非常に度が過ぎた声明だと考えておる。世論もそう言っております。その一つとして、朝日新聞社の論説を申し上げたらはっきりすると思いますが、こう言っております。朝日新聞の論説に、この声明は、総評今回の闘争を「日本の経済、社会を混乱し、国民大衆の生活を犠牲にして自らの政治的野心と、革命的闘争の野望を満たそうとすろ暴挙にほかならない。」と断言しているが、いささか労働運動に対する常識的な見解をはずれている。こう言っておりますが、総理は一体どうお考えになりますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 労働大臣に答弁いたさせます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 これは、代行委員としての総理のお考えを聞いておるのです。

倉石忠雄自由民主党労働大臣

○倉石国務大臣 政府のお考えは一体になっておるのでございますから、私から政府を代表してお答えいたします。自由民主党の声明されました声明について、私どもとやこう申しておりませんが、アカハタという共産党中央機関紙に、総評副議長の太田君がお書きになりました論文を拝見いたしましても、それから京都の参議院補欠選挙の最中に、総評の役員会で発表せられました方針を拝見いたしましても、同一時期に産業別に違ったものを、しかもそれに官公労を入れてスケジュール闘争をやるということは、ゼネストではないかということで論議があったそうでありましたが、そのことについて、ゼネスト的なことであるということを新聞に発表されていることは、成田さんも御承知の通りであります。そういうことを自由民主党は憂えたであろうと私は解釈いたすのであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 今、新聞でゼネスト的だと書いてあった、だから僕も知ってるだろう、こういうことを言われましたが、今私の申し上げているのは、朝日新聞の論説です。朝日新聞の論説は、この問題をこう書いておる。総評のゼネスト説にしてもこれは総評みずから言い出したことではなく、昨年末、予算獲得のため倉石労相が放言したのに始まるという総評の反論は、事実に近いものがある。こう新聞にはっきり書いております。そこで論説は続けてこう言っております。問題は、かような常識はずれの声明を自民党がなぜ出したかというところにある。春季闘争の恐怖を誇大に宣伝することによって、来たるべき参議院選挙への伏線としたものではないかという疑いすら出てくる。これは朝日新聞の論説ですよ。鳩山さん、どうお考えにほりますか。

倉石忠雄自由民主党労働大臣

○倉石国務大臣 お答えいたします。ただいま朝日新聞の記事をお引きになりましたが、朝日新聞の論説について一々私どもは責任をとるわけにはいきません。私が予算獲得のためにゼネストという放言をいたしたというのは、朝日新聞の論説には、さようなことは断じて書いてありません。そういう無責任な問題をこういうところで論議されることは、私どもとしてははなはだ迷惑であります。今度の争議が非常に重要な争議であるということは、総評御自身が、二・一ストを上回る計画を立てているということを言われておるのでありまして、そういうことについて、八千万の国民を代表している政府としては、どういうことになるかということについて警戒をいたさなければならぬということでありまして、御心配のように、個々の一般産業の争議にわれわれは介入しようなどどということを考えてはおらないわけでございます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 朝日新聞の論説に書いてないと言われたが、はっきり書いてある。私は何も無責任なことを言っているわけではない。その通り書いてある。書いてあったらどうしますか。

倉石忠雄自由民主党労働大臣

○倉石国務大臣 どこか囲いものか何かで、そういうことは拝見しましたが、論説に書いてあったかどうかということは、私ちょっと記憶がないのであります。閣議の内容について、何人も発表しないものをもってさような誹謗をいたすことについて、私どもは相手にする価値を認めません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 だいぶ話が違ってきました。最初は論説にはない、無責任なことを言うなときめつけた。みずから無責任なことを言っているじゃありませんか。  そこで総理にお尋ねしますが、このような純然たる経済闘争を、政治闘争だとか、あるいはゼネストだとか、こういっておることが、朝日新聞の論説のように一参議院の選挙対策に利用したり、あるいは予算獲得に利用する、全くこれこそ政治的な取引なんです。特に今倉石労相の御答弁もありましたが、倉石労相は、みずからの労働政策の貧困をたなに上げて、労働政策を治安政策と混同してしまって、違法なことがあれば取り締る、こう言っておられるのですが、これほど違法違法といって順法精神をお説きになる倉石さんですが、果して順法精神をお説きになる資格があるかどうか。これは総理も御承知と思いますが、最近の新聞にこういう報道がある。昨年行われた衆議院選挙違反として、倉石労相関係でこういう報道が行われております。かねてから指名手配中の現労働大臣倉石忠雄代議士の元秘書大谷秀志氏は、七日午前七時三十分ごろ、長野県戸倉町の自宅へ舞い戻ったところを長野署員に逮捕された。長野署の調べによると、大谷は昨年二月二十七日行われた衆議院選挙の際、倉石候補の選挙参謀として、長野市の白木屋旅館で関塚義則外五名に五千円から一万円を現金で渡した疑いで逮捕された。しとうして受け取ったうち三名は、すでに有罪の判決を受けておる、こういう報道があります。しこうして当の元秘書の大谷秀志氏は、手配があってから一年間行方不明になっておった。御承直のように逃げ隠れすれば起訴の時効期間が来る。それを目標にして逃げ隠れしておった。倉石さん、労働大臣ともあろう者が、逃げ隠れを勧めたとは私は考えません。しかし世間ではそう言っております。どうも倉石氏が逃がしたのじゃないか、こういううわさもありますが、私はそうは考えない。しかしながら、いやしくむ労働大臣で、違法違法というなら、それほど順法精神を説く労働大臣ならば、なぜ自分の秘書に対して堂々自白せよ、自首して出ろ、こういう命令を秘書におやりにならなかったか。政界が腐敗しておる。鳩山さんも政界の粛正を説いておられますが、政界の腐敗というものの根本原因が選挙の腐敗にあることは、言うまでもない。閣僚のいすにおる倉石さんが、みずからの選挙の関係で選挙違反を惹起しておきながら、労働組合に対して、不当な行為に対しては取り締るなどということは、全く盗人たけだけしいと私は思います。総理大臣は、一体これについてどうお考えになるか、総理の所見を伺いたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 倉石君にそういうような事実があったとは私は信じません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 これは、私責任をもって申し上げますが、事実である。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 成田君、個人の誹誇にわたらぬように発言を願います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 個人の誹謗じゃない――あるとすれば、総理はどうしますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ただいまそういう事実は知りません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 ただいま知らないと言われますが、当然こういう問題は、お調べになってしかるべきだと思います。事実あったらどうされますか。

倉石忠雄自由民主党労働大臣

○倉石国務大臣 私のことに関しますので、私からお答えいたしますが、大谷秀志という者は、私の選挙区の者でございまして、しばしば私の長野の事務所に出入をいたしておりましたが、秘書でないことは――秘書という名前を使っておる者は、東京に一人おるだけでありまして、成田さんもすでに御承知のように、代議士はいろいろな人を連れ歩きますが、大体秘書ということを称しております。そういうものの一人であります。そこで、選挙のときにどういうことをいたしましたか、一切私は存じません。今新聞でお読み聞けのような事件もあったようであまりすが、そのことがどういうふうな結果になるか、これは私にも一向わからないところでございます。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そこで、朝日新聞の論説は、最後にこう言っております。鳩山さん、よくお聞きを願いたいのですが、こう言っている。「自民党や政府には、この際にも自らやるべき対策があるはずである。中小企業労働者や失業対策をふくめた社会保障の充実などにも、積極的態度が必要である。中小企業労働者との賃金格差の増大に対しては、この二、三年タナざらしになっている最低賃金の問題なども、改めて誠意をもって取上げてみることが、むしろこの春季闘争などに対する有効な対策であろう。」まことにいいことを言っております。これに対して、総理はどうお考えになりますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 朝日新聞のこの末段の論説には賛成であります。同時に、そういうような心持をもってこのたびの予算は編成せられたものと思っております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 最後に、鳩山総理にお尋ねしますが、政局担当に対する首相の信念をお尋ねしたいのですが、鳩山総理はこの委員会で、極力内閣の施策を実現するために政権を担当する。伊藤好道氏の質問に対してこう答えておられる。この「極力」というのは、一体どういう意味かというのです。鳩山内閣は、御承知のように三大政策を発表された。その三大政策というのは、憲法改正、行政機構の改革、それから税制の根本的改革なんです。ところが、憲法改正がこの一、二年のうちに行われるとはだれも考えておりません。また行政機構の改革、あるいは税制の根本約改革というのも、全部昭和三十二年度以降に繰り延べられたということは、予算を見てもわかるのです。そこで、三大政策の実現という約束は、当分不可能ねのだ。しかるに、一方世上では、鳩山総理の九月引退説が流布されております。極力施策をはかるために、自分は政権を担当すると言われた、この極力なんですが、とすれば、三大政策を実現するためには、明年度以降も政権を担当する、こういう御趣旨なのか、あるいは、今国会で提案されようとしている憲法調査会法、あるいは行政機構改革法案、あるいは税制改革法案、この程度のものが、日の目を見たら、そのときはもう極力政策の実現ができたのだから引退するという意味なのか、この点一つはっきりしていただきたい。というのは、現在の政局はやはり不明朗です。これは、かかって総理の政局担当に対する決意が明らかになっていないからなんです。英国のチャーチル首相は、はっきり自分の進退というものを天下に声明して、堂々引退しているのです。鳩山さんも、これが最後だろうと思いますから、英国のチャーチルにならって、自分はいつ政界を引退するのだということをはっきり天下に声明をして、政局を明るくする必要があると思いますが、総理の所見を承わりたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 あなたのお考えはよくわかりました。

成田知巳日本社会党

○成田委員 私の言うことがよくわかったならば、私の質問に対して、わかった範囲内で御答弁を願いたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ただいま答弁することはできないのであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 なぜできないのですか。総理の自分の政局担当に対する決意を答弁できないとは、何事ですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 行政機構の改革は、そう手間はとれないと思います。憲法の改正は、とても時期がかかると思います。とうてい私の健康において、憲法改正の成功を見るわけにはいくまいと思っております。

成田知巳日本社会党

○成田委員 行成機構の改革というものも、大体伝えられるところによりますと、そう根本的な改革はできない。税制の改革も、今度の予算書を見ましても、不均衡の一部是正というものにしかすぎない。従って、三大政策のうち三つとも今年はできないのです。そこで、極力自分の政策を実現しょうというのは、これをやろうとすれば三十二年度以降になる。そこで今申しましたように、憲法調査会法が通り、あるいは税制改革の一部改正が通り、あるいは行政機構の一部改正が行われたら引退される意味なのか、どちらかということを聞いているのですから、この際はっきりしていただきたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ただいま言明はできません。

成田知巳日本社会党

○成田委員 明言ができないというのは、なぜできないのですか、その理由を一言っていただきたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 自分の健康について自信がつけば、やっていくつもりであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 そうすると、健康に自信がつけば将来ともやる、三十二年度以降もやる。健康に自信がなければ九月引退、こう解釈してよろしゅうございますか。――いかがですか、もう最後、これだけです。御答弁願います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 御解釈はあなたの自由です。

成田知巳日本社会党

○成田委員 では、その通り解釈しておきます。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 午後は二時より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時十一分休憩      ―――――・―――――    午後二時四十分開議

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を継続いたします。門司亮君。

門司亮日本社会党

○門司委員 総理大臣がおいでになれば総理大臣からお聞きしたいと思いましたが、総理大臣がおいでになりませんので、一応大蔵大臣に聞いておきたいと思います。私はきょうは主として今度の補正予算の中心になっております地方財政関係についての御質問をいたしたいと思います。  まず最初に聞いておきたいと思いますことは、政府は地方財政と国家財政との規模の関係をどのくらいにすることが正しいというようにお考えになっておるか、構想があるなら、一つこの際はっきり聞かしていただきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 国の財政と地方財政との規模の関係ですが、これはやはり従来からの関係がありまして、この関係を急激に変動もいたしがたい事情もあり、大体今回は国の財政より地方はやや大きいというところに地方の財政がおさまっておるわけであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 今の答弁では一向にわからぬのですが、なおそれではつつ込んで聞いておきますが、地方財政の健全化の方向について何か政府はお考えになっている構想がございますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 地方財政の健全化については、政府としても格段の配慮をいたしておるわけでありまして、三十年度におきましては、すでに御承知のように百六十億、これは交付税及び譲与税配付金特別会計で借り入れ金を一たんしまして、地方公共団体に交付をしておる。これを今回一般会計からさらに繰り入れることになっておるのでありますが、さらに法人税、所得税等の自然増収からしまして、今回また二十億九千万の金も地方交付団体に入ることになっております。なお入場税等の増加による入場譲与税の増加も十二億程度見込まれる等、三十年度において相当な財源措置を講じて、三十年度における地方財政の窮迫はこれでしのぎ得ると、かように考えておるのであります。さらに三十一年度におきましては、これはただいま御審議を願っておるのでありますが、特に歳出面において、できるだけ歳出の節約を願う。これは行政機構の簡素化、その他いろいろな方途を講じての上でありますが、なおこの地方の財源を充実をする。さらにまた地方の財政上の負担を緩和する措置をとる。あるいはまた地方の税の偏在を若干ではあるが是正をする。さらにまた公債費の累増ということが、地方財政の非常な圧迫になっておりますが、これについては卒直に申しまして思うようにいきませんでしたが、若干減額ができました。さらに特に留意しましたのは、普通事業債を減額いたしまして、公営事業の起債を多くする、こういうような措置をとりまして、今回できるだけ地方財政再建についての措置をとったつもりをいたしておるわけでございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 私はそういうことを聞いているのではない。三十年度の予算の補正を見ましても、三十一年度の規模を見ましても、地方財政の再建にはならぬのであります。政府はしばしば地方財政の再建については、三十一年度から確然とした方針をとるということを言明されております。従って今の構想はどうかと聞いているのです。三十年度においても今のようなことで満足なものではありませんし、三十一年度はあれで赤字が出ないという保証はどこにもつけられない。私は政府の方針をあらためて聞いている。しばしばあなた方は言われている。歴代の自治庁長官も三十一年度の予算説明のときにも言われている。総理大臣の施政演説の中にも言われている。しばしば言明している。その構想はどうかと聞いているのです。一体どうなんですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 ただいま御説明申し上げたのでありますが、地方財政の再建については、基本的には将来においての行政機構の改革・さらにまた税制の根本的な改革等に待たなくちゃならぬ点もあるのでありますが、しかし当面今日の地方財政の赤字を解消するための措置は、今回とらんとする措置によって十分目的を達する、かように考えているわけであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 同じことを聞くんですが、われわれはそういうことを聞いているのではありません。今お話のような行政改革が必要であるとか、税制改革が必要であるというようなことは、だれでも一般に言うことであります。しかしそれについての構想がどこにあるかということです。一体どういう構想をお持ちになっているか。何にも構想がないのですか。そういうお題目を唱えているだけなんですか。税制改革をするならどこをどうするかということ、あるいは行政はどこをどう改革していけば直るかということ、その点について一体どういうお考えなんですか。それを聞いているのです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 その点はただいま私が説明した事柄から十分御了解が願えると思うのです。第一には、今日の地方におきましても行政機構等について改善を要する点は多々あるのでありますから、そういう点について今日なし得ることはしていただく、こういう方向をやはり打ち出していく。それから地方の財源について、地方税自体について、もう少し独立の税を与えるべきだ、こういう点もあります。そういう点についても今回地方の税の財源を充実するという措置をとったのであります。さらにまた従来とも言われておりました補助率の引き上げ、あるいはまた単価の適正化、こういうものについても措置をとりまして、地方財政の負担を軽くする、こういうことは当然考うべき方向だと思っております。さらに従来ともすると貧乏というと悪いかもしれませんが、財源に乏しい団体には起債を認めて、富裕の方は税がとれるから当然起債は必要としない、そういうふうな姿だけにとらわれて、そこに政策がなかったという点にも、私は今日考うべき点があるだろうと思う。そういう富裕県にはむしろ起債を認め、貧乏な方になるべく税収を与える、こういうふうにする方法も今回とっている。それでもなおかついかぬので、交付税を三%引き上げまして二五%にした。これは一貫して国と地方とを一体と見まして、地方の財政をいかに整うべきかという方針を打ち出している。私は方針はきわめてはっきりしていると思うのであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 大蔵大臣ははっきりしていると言われますが、それなら私の方からはっきり聞いて参りますから、明確にお答えを願いたいと思います。地方財政の悪化したのは、大臣も御承知の通り昭和二十五年以来がことにはなはだしいのであります。それ以前の地方財政というものは、そう赤字がなかった。ことに日本の地方財政関係からいいますと、昭和九――十一年の間は、ほとんど赤字はなかったはずであります。この当時の財政規模というのは、国の一〇〇に対して、地方は一二五であったはずであります。国の地方に対しまする補助金、分担金、いわゆる依存財源と称しておりまする地方財源というものは、わずかに地方財政計画の九・四%であったはずである。それが昭和二十四年になって依存財源が一八%になり、昭和三十一年度はさらに増して二八%です。この国と地方との財政の規模、同時に内容から見て、改革を加えない限りは、地方の財政が健全にはならぬのであります。これに対してどうお考えになっておりますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは終戦後における日本の財政の困難から来ておるのでありまして、どこもここも一時に非常にうまくいけば問題はないのですが、まず国の財政を整えるということが、一応基本になっておるだろうと思うのであります。そうして次第に地方財政を整えていく。それで国と地方を通じて一体として財政が健全化する。将来におきましては、お説のような方向に進みたい、かように私は考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 お説のような方向に進むといいますが、その構造は実ははっきりしていないのであります。それなら、なお突き進んで申し上げますが、今大蔵大臣は国家の財政が整って、というお話でございますが、国家の財政は大体赤字財政でもなければ、また公債も発行されておりません。ところが御承知のように、地方は三十一年度の起債の未償還額は、大体四千八百億をこえると思います。こういう形になって、地方は四千八百億の借金を背負っておる。ことしの地方の公債費は、六百二十三億か四億になっているはずである。こういうふうに国の財政を整えると言いますが、国の財政は一銭も赤字はない。一銭も国に公債は発行されておりますまい。地方にのみ赤字ができ、地方にのみ公債が累増になっている。これに対して大臣はどうお考えになっておりますか。もうぼつぼつ地方財政を充実させる時期ではございませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 その点につきましては、今御答弁申し上げまし一たように、好ましくない方向である。それで三十一年度におきましても、起債と前年度に比べてなるべく減額するように努力を払う。これは率直に申し上げて、思うようにいかなかったのでありますが、しかし減額にはなっている。特にその内容において、普通債を減らしまして、公営企業の起債を多くするというように、採算制に基く債券の発行をなるべくふやす、こういうふうな方向をとっておりまして、今後ぜひ努める覚悟をいたしております。

門司亮日本社会党

○門司委員 どうも私にははっきりわからぬのであります。国の財政と地方財政との関係をはっきりさせようとする意味は、どう考えても私どもにはまだ汲み取れない。うまくいかなかったというお話でありますが、どうして一体うまくいかないのか。国がはっきりした態度をとって、さっきの御答弁のように、われわれの考えていることと同じような方向に行かれるというならば、ことしできたはずだ。なぜ一体そういう方向に行くことができないのか、もう一度御答弁願いたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それはもう少し私は税における財源を充実してあげたい、そうして起債を減らしたい、かように考えて、努力をしたのでありますが、税制については三十二年度の根本改革のときにするのが適当であろうということになりまして、その分だけ起債を減額することができなかったのであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 そうすると、税の改正について念を押しておきたいと思うことは、政府の考えておるのは、今国税に持っておるものを地方税に委譲するというのか、どうなのですか。増税によるのですか、新しい税金をこしらえて、国民から税金を取り上げようというのか、どっちなのですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 当時私の頭にありましたのは、税の偏在を是正して、財源を充実していこう、かような考えであるのであります。しかしそれは取りやめになりまして、同時に今後地方にどういう税を新しくするか、あるいは今日国の持っておる税をどうするかということは、三十二年度の税制の改正の場合にとくと考えてやりたい、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 どうもはっきりしませんが、どうなんです。もう少しはっきりできませんか。新税を創設して、それによって地方財政をまかなっていくということになると、これは国民から見れば、増税であります。増税をしないで、税の調整をしていこうとすれば、国税で合持っておりまするもののどの部分かが地方に委譲されるということでなければ、つじつまが合わぬのであります。その点どっちかと私は聞いておるのであります。どうされるつもりですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 そういう点をとくと考えようといたしておるのであります。特に私やはり考えたいことは、むろん財源の充実ということは考えなければならぬと思っておりますが、同時に地方の今日のそれがいわゆる行政機構について考える必要があるのじゃないか、こういうふうに考えておるのであります。これは双方から十分改善をはかっていきたい、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 地方のあり方と言われておりますが、その地方のあり方は税制のあり方であるか、税財源のあり方であるのか、行政のあり方であるのか、どちらなんですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私が今申しましたあり方というのは、行政のあり方であります。むろんそれに伴って、あるいはそれと別にでも、税のあり方もあります。私が今申し上げたあり方というのは、行政のあり方というものについて検討をしておるのであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 それからもう一つ、この機会にはっきりしておきたいと思いますのは、先ほど大臣の答弁の中にも、税の調整という言葉がありましたが、これは大臣がしばしば言われておりますし、あるいは政府はときどきそんなことを言って、今度の三十一年度の予算編成でもうまくいかなかったというけれども、いわゆる地方における財源の偏在を是正しょうという考え方が政府の中にあるということであります。これは今でもお持ちになっておると思いますが、その通りですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それについては、今後十分検討を加えてみたい、かように今考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 どうも検討を加えるということでは、一向結論は出ませんが、政府は財源の偏在を是正するというようなことを考える前に、やはり政府は、私がさっきから申し上げておりますように、ほんとうに国と地方丁との財源関係をどうするということの確固とした方針がなければ、三十二年度になってもそれはできませんよ。これは非常に大きな問題でありますから、地方、国を通じて相当の心がまえが必要なんです。だから私はこの機会にはっきりしておいていただきたいと思うのでありまして、この点について十分の御答弁がないようでありますが、時間の制限もございますので、できるだけ要約して申し上げておきたいと思いますが、財政の十分な調整ができないということがどこから来ておるかということについて、なお二、三私これから聞いておきたいと思います。  それは三十年度に出されました計画書を見てみますと、また大臣の説明を聞いてみますと、いろいろ述べられてはおりますが、要約いたしますと、地方の財政に対して政府が財政処置をとりましたものは、大体公共事業の節約による部分が非常に多いようであります。この公共事業の節約を一体なぜしなければならなかったかということについての御説明を、願っておきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 公共事業は、これは実際の問題といたしまして、地方の大きな負担になっておることはいなめないと思います。それだから公共事業が面心いというのではございませんが、今日地方財政の改善をはかる上において、実際負担になっておるものについて、やはり検討を加えるということは必要なことである、かような見地からやっておるわけであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 これはただ議論をしておるわけではございません。三十年度の公共事業というものは政府の構想に基いて予算が出され、さらに現在与党でありまする当時の自由党、民主党の合同の修正が加えられて公共事業は膨張いたしております。政府の最初の構想より膨張をいたして国会を通っております。その政府原案に対して与党が修正してまでも通して参りました公共事業がどうも必要性がなかったというようなことになりますと、責任の所在は一体どこへいきます。だれがこの責任を負うべきなんです。少くとも国会に諮り、国会で修正されたそのものが、どうも間違っておったというようなことを、年度半ばで発表するという無責任な政府がどこにありますか。そういう無責任な政党がどこにありますか。もしそういうことだとすると、今審議いたしておりまする三十一年度の予算も一向わけがわからぬ、これは仮定だということになりますが、そういうことになると大へんですよ。だから私が聞いておりますのは、どこに理由があったかということを聞いておるのでありまして、ただいまのような無責任な答弁では私承認するわけには参りません。一体責任の所在はどこへ持っていけばいいのです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 あるいは言葉が足りなかったかもしれませんが、公共事業は、御承知のようにたびたび暫定予算の関係もありまして、実は事業の施行それ自体がおくれておりまして、いわゆる繰り延べになっておる。こういうふうな関係でありますから御了承願います。

門司亮日本社会党

○門司委員 繰り延べであるから一応やめて、そして新しい財源にこれを振りかえていくというようなことだと思いますが、これも実に妙な話であります。それならもう一つ突つ込んで聞きますが、今国の財政を見てみますと、必ずしも繰り延べなくても――たとえば自衛隊の費用のごときは去年もおととしも余っておるはずであります。現実に使い残りがあるはずである。片一方はいまだ事業が進行中なんです。事業の進行中にこれを削ろうということです。これは削るのですよ。余った金ではありませんよ。もし政府にそういう意図があるならば、一体なぜ自衛隊の費用の余っておるのをこれに充てられないのか。予算を決議して執行する責任があなた方にはありましょう。政府は責任を持っているはずだ。その予算を決議されて執行する責任を持っておる政府並びに与党が正慶半ばで公共事業費を削ってもいい、一方には去年、おととしから使い残りの自衛隊の費用がある、実につじつまが合わないじゃありませんか。政府は、こういう必要があるというのなら、自衛隊の費用の、使い残りとは言いませんが、年度で使い切れないではっきり残っている分を、一体なぜこれに振り向けられないか、この点の理由を一つはっきりしておいてもらいたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 その防衛関係費の繰り越し等については、できるだけその金額が少くなりますように努力をいたしております。累年これは減っていくだろうということを期待いたしおるのであります。防衛庁費については、いろいろな御意見のあることも了承いたすのでありますが、実はこれは防衛庁費、施設費、それから防衛分担金の減額というのが一連の関係になっておりますことは、昨年の共同声明でも明らかにしてある通りであります。従いましてこれは一体としてやはり動かしにくい事情にあるということを御了承願います。

門司亮日本社会党

○門司委員 一体として動かしにくいということでありますが、私どもから考えて参りますと、さっきからたびたび申し上げておりますように、政府が予算を執行する義務を持っておる。これを年度半ばで削るというようなことでなくして、やはり余っている財源をここに充てることが、私どもは正しいと思うのです。そこで私は念を押しておきたいと思いますが、そういたしますると、政府が考えて執行し上うとする予算は、ことに公共事業というものは、地方の自治体に非常にいろいろな問題を残すものでありますから、私は政府の考え方をこの際はっきり聞いておきたいと思いますが、地方の住民の生活に直接関係声持っておりまする国のいろいろな事業計画よりも、防衛計画の方が大事だというお考えの上にお立ちになっておるのですか。私どもはそうしか解釈できませんが……。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 決してそういう考えに立っておりません。

門司亮日本社会党

○門司委員 そういうお考えでないならば、公共事業というような地方の自治体あるいは地方の住民に直接生活に関係を持っておりまする事業を、年度半ばで削るというようなことをしないで、余っておる財源を、現実に使い残りの財源をここに持ってこられるということが、大臣の答弁としては当然なのです。それができないから、私はどっちに比重をたくさん置かれるかということを聞いておるのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 実は国民の生活に直接に関係のあるような事業を重んずるという意味におきまして、地方財政の今日の窮乏を何とかして救おうということも、そういう点にやはりあるのであります。それが急であります。ところがちょうどいろいろと苦心をいたしたのでありまするが、公共事業についていろいろな理由から繰り延べもいたします。従いまして実際において繰り延べられておるものを、無理がないという程度においてこれを財源にいたしまして、そしてこの地方財政自体をよくしよう、こういうような考え方にあるのであります。地方あるいはまた国民の生活を考えないということは毛頭ありません。防衛に関係する費用は、先ほど申したような理由から困難であります。どちらが重いか、どちらが軽いかというのじゃありません。これは私は国民生活としてやはり一様に重要性を持っておる、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 どうもその点ははっきりしませんが、私どもから解釈いたしますと、これははっきり国民の生活よりも防衛費に重点を置かれておる。言いかえまするならば、アメリカとの約束をよけい重要視されるというように解釈せざるを得ないのでありますが、この問答を長く続けておるわけにも参りませんので、次の質問をいたしたいと思います。  前々国会で補助金等の適正に関する法律というものが出ております。もちろん補助金が非常に乱脈に使われたり、あるいは目的以外のところに使われるということについてば、当然厳重に取り締るべきであるということについてはわれわれも異存はない。しかし補助金自体を見てみますると、国は十分な補助金を与えておるかということに一つの問題がある。地方の責任を追及されることはけっこうでありまするが、国が地方に出しておりまする補助金の実際の麦出額というものは、三十一年度の予算では多少直したということを、自治庁の長官は言われておりましたが、その計数がどのくらいかということを明らかにしてもらいたいという要求をいたしておりますが、まだ明らかになっておりません。しかし過去における補助金の率あるいは補助額というものは、実態に沿わないものが非常にたくさんあった。一例をあげて言いますならば、昭和二十八年の茨城県の実績を申しますると、国の補助金の金額が非常に少かったので、県が超過負担をいたしましたもが大体一億五千万円をこえております。昭和二十九年度は二億になるだろうということを知事ははっきり言っておる。そういたしますると、一方において補助金の適正化を叫びますならば、政府は当然適正な補助額、適正な単価で、地方の自治体に交付するということが、責任と権利を主張する上において、正しい一つの原則だと考えます。これに対して大蔵大臣はどうお考えになりますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 従来補助率あるいは補助金の単価等について適当でなかったというものがないと、私は全然否定するわけではありません。そういうこともあったかと思いますので、特に三十一年度はそういう点について是正を加えたわけでありす。

門司亮日本社会党

○門司委員 私は三十一年度の予算を聞いているわけじゃない。責任は一体だれが負うべきかということを聞いているのです。政府は当然責任を負うべきです。どうなんです。責任を負わなくてもいいと言われるのか。政府は責任を負うべきか負うべきでないかということを聞いている。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 当時といたしましては適当と十分考えて査定をいたしたわけでありますが、またしかしつぶさに考えると、あるいは適当でないというものもあるかもしれません。これが従来の状況であったと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 私はそんなことを聞いているのじゃないですよ。今日の地方の財政の非常に窮迫しておりまするのと、その赤字の原因は、こういうところにあるのであります。従って政府はやはり一方に適正化をしかも法律をもって革めて、それには刑罰で臨んでおります。それまで補助金を厳重にしようとするならば、政府もまた、補助金が実際の額に見合なかったものについては・この際みずから責任をとるべき義務があるというのです。その責任をおとりになるかどうかというのです。一体どうなんです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 補助金の適正化に関する法律の実施とともに、今申しましたように、国としても補助率あるいは補助単価等について適正を期することにいたしておるわけであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 私はその適正を期するということじゃないですよ。これが赤字の原因ですから、政府が責任を持っていただくというならば、それだけ政府はこれから先支出してもらわなければならない。これから先なくするというのじゃない。今まで累積された赤字の原因です。今までの赤字をなくするかどうかということを議論している。これが赤字を累積した一つの大きな原因です。超過負担というものがかりに一つの県で一億五千万円ないし三億あれば、全国を通じて百億くらいになりますよ。この百億というものは明らかに地方財政計画の中にはないはずです。財政計画の中には入ってない。いわゆる国の施策に基く府県の超過負担です。しかも地方は、国の施策を忠実に行おうとすれば、そういう超過負担をしなければならぬ。財政計画以外にも負担をしておる。これを政府が責任を持たないという理屈はないでしょう。私はその点、責任をお持ちになることが正しいと思う。お持ちになるなら、過去の累積した赤字については、政府はこういう三十年度の処置のようなことではいけない。はっきりした処置をおとりになるお考えがこの際必要だと思う。そのお考えはどうかということを聞いているのです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 国としてはそういうことは全然ないとも言い切れませんが、そういうことがあるから、あるいは赤字について、再建整備について利子の補給をするとか、あるいは財源を特に地方に回すとか、あるいはまた交付税をふやすとかいうような措置をとりまして、将来における赤字の面ばかりでなく、過去における赤字の解消の対策をも立てておるわけであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 そんなことでは仕事になりませんよ。再建整備法なんというのは、ただ借金の借りかえだけなんですから、国が実際に支出する金は何億あります。八年間、みなつなぎ合してみたって十億か二十億でしょう。財政が非常に逼迫しているのを、ただ一時の金繰りだけをあの法律でやろうというねらいだけなんです。過去何年間に、こうして累積された赤字の原因というものについては、私は地方財政に対する政府の実質的な、親切なあり方がなければならぬと思う。この政府の責任は、一体果されようとするお考えはもうないのですか。一体どうなんです。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 制度的な問題もからんでおりますので、まず私からお答いいたしたいと存じます。  補助にもいろいろございまして、たとえば精算補助というふうな、負担に近いような性質のものもございます。その場合には、かかりました実績に応じまして精算補助として負担をするわけであります。しからざるものは、たとえば予算補助でございます。これは補助の条件にもよることでございますが、たとえば人員の設置の補助でございますと、何級の職員を何人分として補助する、そういう補助がございます。その場合に、何級の人が得られなくて、それより高い俸給の人をお雇いになった、あるいはまた県の方で、政府が補助の対象といたしております人員をこえて採用されておる、さような場合には当然超過負担の問題が起るわけでございますが、その問題になりますと、精算補助の場合と違いまして、国の責任の度合いもだいぶ違ってくるわけでございますので、要するに各国のニュアンスによるわけでございます。そこで私どもといたしましては、この補助単価並びに対象員数等につきまして、実態に即して、極力適正化するように努力をいたして参ったのでございますが、なお不十分なところがございまして、かたがた適正化の法の施行もございましたので、われわれといたしましても、この際思い切ってこれを改善するという方針を立てたわけでございまして、来年度におきましては、たとえば人件費について申し上げますと、単価、期末手当等につきましても、よほど改善をいたしたつもりでございます。今後もそういう点につきましては、できるだけの努力をいたしたいと思っております。過去の責任問題を論ずるよりも、今後についての努力を誓うことで御了承いただきたいと存ずるわけであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 そんな事務的な質問をしておるわけじゃない。そんなことを言うなら、一々数字をあげてやりましょうか。国が二十八年度あるいは二十九年度に出しておる農業指導員の給料は、一体どのくらいに見積っておるか。地方の自治体は、これに超過勤務手当、さらに期末手当を支給しなければ実際に動かないのです。学校の単価はどうしております。去年までは一坪当り二万七千円しか見てない。ことしふやしたって、二万八千円にしかならない。東京で小学校を建てるには、二万八千円でできますか。こういうことで、私が申し上げておるのは、政府が単価を是正しなければならなかったということは、過去の単価が明らかに間違っておったという一つの証左でしょう。反省に基く一つの処置でしょう。そうするならば、今日までの赤字の累積した原因がここにあるとすれば、政府はいさぎよくこの際責任を負って、政府の分は、一応こういう公共事業というようなものの削減ではなくして、実質上の財政負担を地方にしてやるということが、私は正しい行き方である、こう考えておるのであります。過去の責任は一体どうするかということであって、これから先はむろん直してもらわなければならぬことはわかり切っておる。過去の責任をどうするかということなんです。一体どうなんです。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 予算補助の場合におきましては、予算の範囲内で補助することができるということでございまして、その場合にやはり画一的な基準を設けませんと、予算の積算ができないわけでございます。ただいま御指摘のございました学校の校舎、二万七千円、これは二十七、八年ごろの実績をとっておるわけでございますが、これは画一的な基準でございまして、それより高い校舎を建てておるところもございましょう。あるいはその程度でおさまっておるところもございましょう。あるいはもっと安いところもございましょう。しかしこれはその後の時間の推移を見ますと、安いという方がほんとうでありまして、そこで来年度から上げることにしたわけでございます。しかし二十九年あたりの実績をとってみましても、先ほど御指摘がございました茨城県でございましたか、実は二万七千円より安い建築費で校舎ができておるというようなところもあるわけでございまして、予算補助となりますと、どうしてもそうしたある基準でやらざるを得ない。そうしますと、それに対する超過あるいはそれより安いという事態がどうしても起りがちなんでございます。私どもといたしましても、この基準を実態に即して常に適正にするようにという努力をいたすということを申し上げたわけでございまして、今後におきましてもその努力を続けることを申し上げたわけでございます。超過をいたしました場合に、なるほどそれは赤字の原因になっております。それだからこそ実は政府の方で利子補給などをいたしまして、赤字をたな上げする再建整備の措置を講じておるわけでございまして、三十一年度における利子補給の金額も一年間で八、九十億に達しておるわけでございます。その両方の努力をすることによりまして、この問題の解決を期して参りたい、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 努力すろと言ったって、今までの赤字に対する責任はちっとも何とも言わぬじゃないですか。私の聞いておるのは、繰り返して言いますけれども、今までの赤字に対する責任をどう処置するかということです。これから先赤字が出ないようにするというのは当りまえですよ。あなたからよけいな説明を聞かなくてもよくわかっている。またそうでなければならぬ。しかし今日この赤字をどうするか、再建整備法があっても、御承知のように地方に一体どれだけの実質的の補助をしておるか、単なる一年の資金繰りだけでしょう。一体利息の補助はどれだけありますか。何億という数字しかありはしないでしょう。一年に百億何がしの地方に迷惑をかけておいて、そうして七年か八年の間に九億か十億の利子補給をするから、それで事が足りておるということで今日の地方財政が救えますか。私はそういう問題にはもう少し政府がはっきり答弁をしていただかぬと、地方ばこういうことでは実際上の問題としてどうにもならぬのでありますが、大蔵大臣はそれ以上答弁できませんか。過去の赤字について政府は責任を持ってやると言う……。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 いかにも地方財政の今日の赤字が、補助とかそういう国のやり方が悪かったばっかりのような御意見ですが、私は実は率直に申してそうも思えないのでありまして、これは地方においてもやはりいろいろとお考えを願わなくてはならぬ点が多々あると思う。しかしそれは地方の責任というのではありません。これは戦争に負けた結果、その後におけるいろいろな行政上の問題等から、やはり地方に赤字が出るような情勢が起っておると思うのです。そういうこともありますので、従ってこれはだれが責任をとるというのではなくして、国の方も地方も力を合して総合的にこの赤字をいかに解消するかということに、今日みなで努力苦心をいたしておるのでありまして、今後そういうふうな考え方で進んでいきたいと思っております。

門司亮日本社会党

○門司委員 そういうふうな考え方では問題の解決はつきません。それからもう一つ地方の赤字の大きな原因についての政府の責任をはっきりただしておきたいと思いますことは、しばしば言われております地方公債費の問題であります。これは国が健全財政をとるということで、財政の不足額を地方に債券として押しつけてきた一つの大きな原因だと思う。そうして年々これは百億ないし百二、三十億の増加をたどっております。従ってこの地方債に対して国はどういう責任のもとにこれの解決をはかられようとするのか、その構想を一応この際はっきりしておいていただきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 公債費の累増に対する対策でありますが、これは結局地方債の発行を適正の額以上に膨張させないようにするにはどうするかという問題に私は帰すると思います。これには私は二つのことを考えておるのでありまして、一つは起債を必要とならしむる理由ですが、これについてはできるだけ償還ができるような、いわゆる公営事業等の償還のできるものに起債を考える、そして普通の従来ともすると歳入というような面において措入金でもってやっておる、それがまた地方債に変っておるというような点については、今後税、いわゆる財源を充実して、これによってまかなわしめる、こういうふうな方向をとっていきたいと考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 いつまで問答しておってもどうにもなりません。今のように公営企業によけいつけるからといっても、公営企業は公営企業である。私は大蔵大臣に、最後に一つはっきり認識しておいていただきたいと思いますことは、地方自治体は国からくる事務を処理すればいいという過去の自治体ではございませんよ。憲法の九十三条で保障された自治体であります。従っておのおのの自治体はみずから躍動し、将来への発展と成長をしているということです。従ってそこには今日たくさんの仕事を持っております。これは決して地方だけの仕事ではございません。国の産業経済の発展をさせようとするならば、地方のいろいろな仕事というものがどうしても必要になってくる。どうしても行わなければならぬ、国と地方と一体のものの考え方でなければ今日は行えないはずだ、そう考えて参りますと、地方の自治体というものが、今のお考えのようになって参りますと、必然的に行われるのが行政の切り下げでありますが、政府は行政の切り下げをしようとお考えになっているかどうか、いわゆる仕事量を縮めようとお考えになっているかどうか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 国と地方との関係ですが、これは私はやはり今後十分検討を加えていかなくちゃならぬ問題であると思うのであります。たとえて申しますれば、国の財政から四割程度の四千億以上のものが地方に行くのでありますが、しかし国としては今おっしゃったように、地方自治という観点から、財政上についてはこれは当然監督も何もできない。こういうふうなあり方が果して適正かどうか、これは私はやはり考えてみなくちゃならぬ、言いかえれば、地方と国との関係がどういうふうに今後調整をされるか、むろん地方自治というものをとうとんでいかなければならぬが、しかし同時に国との関連が、そういうふうな財政的な非常な関係があって、常に国が五分、地方が五分といいながら、一方また地方自治自治でどうにもならぬ、こういうふうな形はどうかと思う。従いましてたとえば財政についても、どういうふうに独立をすろかということも、今後やはり検討されるかもしれません。根本において国と地方とは今後とくと考えてみなくては、なかなかすっきりした状況は、財政面においても、行政面においても出ないのではないか、こう考えております。これは私の一つの考え方でありますから、御意見もあるかもしれません。

門司亮日本社会党

○門司委員 それでは大蔵大臣に要約して聞いておきますが、地方財政の財源方途については、政府は十分な施策をいまだお持ちになっておらぬ、考究中だということに、今までの答弁を総合するとなりますが、そう解釈して差しつかえございませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 地方財政につきましてはへ政府としては確たる方針を持ってこれが実現を今はかっているわけであります。必ずしもこれでいいということばないのであります。常に新しい事態が起りますが、よりよき完全な状態、言いかえれば地方財政をほんとうに確たる根をおろした健全な財政に持っていくように、政府としてはやるつもりをいたしております。

門司亮日本社会党

○門司委員 やるつもりをいたしておりますでは答弁にはなりませんが、時間もあと幾らもございませんので、あらためてお聞きをすることといたしまして、自治庁長官にお伺いをしたいと思いますことは、三十年度の補正を要します地方の財政の不足額というのは、政府が持っております財政審議会の答申を見てみますと、大体五百億余りのものが必要だということが書いてあります。これは政府に答申されているはずでありますから、私は数字はこまかく申し上げませんが、この審議会の答申はそのままお認めになりますか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 審議会の答申は尊重する考えでずっと進んで参りましたが、全部受け入れることばできませんでした。先ほど大蔵大臣に対する御質問の中にもありましたが、大蔵大臣の言葉の中にも十分でなかったという意味のことがありました。大きい問題としては税制の中にもまだ手の定らぬところがある、地方債につきましてもなお考えたい。そういうような点は、たとえば農業事業税八十億円を見ておったものが今度入っておりません、などの関係も一つでございますが、これを政府の三大方針の一つである、中央地方を通ずる税制改革の方に持っていくというのでありまして、全部受け入れたわけではございません。しかし地方制度調査会で答申されたものを相当入れている、しかもその答申の中には建設的なものがありまして、今回あるいは自主財源のために、あるいは補助金のために、取り入れた分は少くないと私は存じております。

門司亮日本社会党

○門司委員 取り入れた分は少くないと言いましても、調査会が出して参りました数字と非常に大きくかけ離れておりますので、今一応伺ったわけであります。  それならその次にもう一つ責任ある御答弁を願いたいと思いますが、昨年の国会において期末手当の率の引き上げが行われましたが、これに伴う地方の財源処置を考え、さらに給与の実態調査に基きまする、いわゆる財源の所要額というものであります。それからその次に考えなければならないことは、地方税の交付税の増額補正の際における、いわゆる未処置の分があるのであります。政府が当然赤字公債として認めておりました十四億のもの、これを加えて参りますと大体二百三十八億という数字が出て参ります。これは財政審議会の答申からさらに離れた現実的の、これだけはどうしても三十年度の補正予算で行なっておかなければねらない、政府の規則になっておる数字であります。ところがこの数字に満たない数字しか補正されておりませんが、この点は自治庁の長官はどうお考えになっておりますか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 第一の年末手当の問題でございますが、大蔵大臣も私もその当時の国会の決議の趣意を尊重して実行に移したい。大体におきまして年末手当の交付団体分は三十二、三億と記憶しております。その三十二億円をどうして埋めたか。現に今日大蔵大臣から説明した予算補正の中にございます通り、所得税、法人税が両方増加いたしまして、所得税が八十一五億円、法人税が十億円、九十五億円国の方で増収になります。これに二割二分をかけますと、ここに誓いてあります通り二十億九、千万円になります。さらに十三ページのところに出ております通り入場譲与税剰余金が十二億ふえておりますので、との二つ入れましてすでに三十二億円余りになっておるのでございますから、年末手当の関係はこの意味におきまして充当し得ると申し上げる次第でございます。  さらに十四億円の問題でございますが、この問題につきましては、一体府県の起債といたしまして一応は財源にしておるのでございますが、これを一般財源に振りかえるかという問題でございます。ただいま――あすあたりまでにはできると思いますが、財政計画の中においてこれを処理しておりますので、ごらんを願いたい。その今作業にかかっておりますので、それがどういうふうになるかということは今申し上げられませんが、大体地方財政計画の中でやっていきたい。  それからもう一つの、順序が違って恐縮でございますが、地方財政の非常にむずかしい問題の一つは給与の問題でございます。その給与の問題につきましては、昨年末に実態調査が出ましたので、今回の財政計画の中におきましては給与の標準額も、また給与の人員につきましても、この意見を取り入れて処理しておるのございまして、私どもとしては、お約束申し上げたことば実行していると信じております。

門司亮日本社会党

○門司委員 約束しておることは実行しているというお話でありますが今のお話は、十四億の処置は当然起るべき自然の増収で埋めるというのでございますから、これは責任でも何でもない。また政府の手柄にも何にもならないのであります。与えるものがふえたのでありますから別段どうという問題にならない。私はこういうことは政府の責任において行われた以上は、政府の責任において解決されたいと思う。それから給与の実態調査につきましては非常に問題があるのでありまして、長い間地方財政計画の中で給与の実際の支出額と見合わした財政計画がずっと立てられておった。それに対して特に大蔵省は給与の実態調査が行われなければならないということで、今日まで伏せておったのであります。本来から言うならば実態調査がいかがであろうとも、実質上の地方の給与費というものは、これを一応の財政計画の中には計算すべきが私は順当だろうと考える。ところがこれが忘れられておった。そして隠れみのとして、実態調査実態調査ということで逃げておった。ところが実態調査をやりました結果は、多少高いところもあり、低いところもあった結果、財政上の未処置と考えられるものが百九十億あるという数字がはっきり出てきておる。そうすると過去にさかのぼって、これは問題になる一つの大きな問題であります。過去にさかのぼって、これだけの財政処置がしてなかったということです。従って政府の責任ある立場に当然あなた方はお立ちになっておりますから、今までの責任を果そうとなさるならば、せめて三十年度だけくらいは、この給与の実態調査に基く百九十億というものは、政府の責任においてこれを支出されることが当然だと私は考える。今までずっとこれで逃げてきておった。実態調査が明らかになったから、勇敢にやったらいいじゃないですか。これが十分に行われなかったということは一体どこに原因がありますか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 給与の実態調査が過去において誤まっておったということは、門司委員の御指摘の通りでございますが、これをどろ直すかという問題は、今お言葉にもありました通り、国家公務員と比べて高いところもありますが、総じて低いところが多いのでございます。従って国家公務員並みに直していくというところに、今度の財政計画の重点を置いております。また先ほど一万田大蔵大臣に対する御質問のときにもございましたが、昭和二十五年のときの基準であったから非常な間違いが出た、これもお言葉通りでございます。そこで私どもは二十九年の決算がわかりましたので、この決算を基準としてやっていく、物件費等についても手を加えていく、こういう考えで、今度は相当私自身としては改めたつもりでございます。さよう御了承を願います。

門司亮日本社会党

○門司委員 改められたということで一つ了承してくれということでありますが、どうもあまり改められておらぬようであります。たとえば二十九年度の実績を見てみましても、歳出総額は一兆千億をこえております。歳入との不足額は二百六十六億に上っております。これは二十九年度の決算からくる明らかな数字であります。従ってこれを基礎にしてもし三十年度の補正が行われ、あるいは三十一年度の財政計画が立てられようとするならば、少くとも――私どもはこの審議会が答申いたしておりまする五百億余りのものを、どうしても出せということは申し上げませんが、せめてこの程度の、当然政府が今日まで言われて参りましたことについての責任だけは、この際ぜひ一つ果してもらわなければ、実際上の三十年度の補正にはならなかったと思う。従って念を押しておきたいと思いますことは、三十年度の補正は地方財政に関しては不十分であったということに解釈して差しつかえがないかどうか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 十分、不十分の問題は、赤字炉出るか出ないかということになると思います。世にいわゆる財政計画なるものは、地方自治体のあるべき姿が、需要面から見てどうなるか、支出面から見てどうなるかという表でございまして、この数字を見て、赤字が出るか出ないかというところに初めて判断がつくと思います。私はこの意味におきまして、近く発表いたし、修正しなければならない三十年度の地方財政は、赤字が出ないと申し上げたいのでございます。また三十一年度の財政計画につきましても、地方自治体の財政のあるべき姿という面において、基準財政需要、基準財政収出、それから結論いたしましたところにおきまして、赤字は出ないというようにはっきり申し上げたいと思うのでございます。私があるいは勉強が足らず、わからぬ点があるかもしれませんが、私といたしましては、何としても赤字が出るか出ないかという標本は、財政計画以外のものはございませんので、これも国の予算と違って、あるべき自治体の姿、その財政がどうなるかという問題で、赤字が出るか出ないかの判断をするのには、これをとるよりほかないのでございますから、私はかように信じておる次第でございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 さらにこまかいことでありますが、地方財政にいろいろな政府の圧迫を加えておる一つの点があり、地方財政が不完全であるためにこういう事態が起るのでありまして、一応聞いておきたいと思いますが、それはごく最近、大蔵省の示唆に基くものと思いますが、自治庁は地方に持っております例の学校債といいますか、学校の建築をすることのために金が足りない、それでこれを地方住民から借りておる私債が私で行われておる。これは全国で七十七ヵ所かあるといっておりますが、その総額はかなり大きなものに上ると思います。そしてこれは好ましくない、法律違反であるからやめた方がいいという通達を出されたということを聞いておりますが、その通りですか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 門司委員の御質問は、たしか学校施設組合の問題かと思います。これは実は自治体自身の問題よりも法務省と申していいのでございましょうが、法律上から見て今やっていることが――私ちょっと法律の名前を忘れましたが、貸金業取締法とかいうのと自治法に違反するということで、法務省側からお言葉がございました。従ってこれを続けていくということはいかにも困る、けれども自治庁といたしましては善後処置もございますので、その点は十分注意してやっていきたいと思います。法律のことは私わかりませんが、ただ私はそういうように承知しております。

門司亮日本社会党

○門司委員 非常に政治的な御答弁でございまして、そういうことになるかとも思いますが、こういう問題の起るのも、実際の地方財政というものが完全でないから、こういう問題が実は起るのでありまして、特にこの問題等については一つ御留意を願っておきたいと考えます。  それから最後に建設大臣にちょっとお伺いしておきたいと思います。今度の補正予算の財源になっておりますものは、いわゆる公共事業費の削減が非常に多いということ、しかもその中では建設省関係が私は一番多いと思います。建設大臣としては、これらの費用が削られて参りますと、これが地方の公共団体に及ぼしまする影響をどの程度にお考えになっておるのか、全然影響はないとお考えになっておるのかどうか、その点をお聞きしておきたいと思います。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 御指摘のように公共事業費が削減されることになります。公共事業費のうち建設省の関係の分が相当の金額に上りますこともお話の通りであります。建設省関係において削減を受けます分が、北海道を含めまして三十億二千万円になります。そのうち地方の公共団体に関係いたしますもの、すなわち補助金の関係が十九億五千七百万円に上ると考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 私は数字を聞いているのではありませんで、これが地方の自治体にどういう影響を持つかということであります。それはなお詳しく申し上げますと、全然手をつけていない仕事もあるでありましょうし、手をつけている仕事もあるでありましょう、いろいろ複雑な問題が出てくる。それらに対する建設省側の意見を実は聞いたのでありまして、数字ではなくて、これが実際に地方の行政に及ぼす影響を建設大臣として一体どうお考えになっておるか。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 公共事業の費用が削減される、たとえば公営住宅の問題のごときは、直ちに地方の財政に関連を持っております。その他河川にいたしましても道路にいたしましても、公共事業が非常に多くなるということになりますれば、従って公共団体の負担もまた大きくなりますので、これが公共事業費の多寡によりまして、地方の財政もまた相当の影響を受けますことは御承知の通りであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 どうもはっきりしないので、もう一応聞いておきますが、今の大臣の御答弁のように地方の財政に影響を持つのであります。ところが地方の自治体というのは、国がこれだけ削ったからその仕事はやめなさいといっても、途中でやめるわけには参らぬのであります。あるだけの仕事はやはりやらなければならぬ。同時に地方住民の要求に応じて、地方の住民と直結いたしておりますから、どうしでもやはり仕事をしなければならぬものが出てくる。そこで国の方は財政の負担を少くしたからそれで済むのでありますが、地方は逆に国からそういうふうに削られて参りますと、その削られた負担分までも地方が負担しなければ、事業が完成しないというものが私は必ずあると思う。それらに対する影響を一体どういうふうにお考えになっておるか。事業は何でもかんでも途中でみなストップしてもいいというならば、別な話であります。地方自治体は実質上できないのであります。やりかけた仕事はやらなければならない、計画した仕事はやらなければならない。これに対して建設大臣はそれでもいいというお考えなら別であります炉、どうお考えになりますか。

馬場元治自由民主党建設大臣

○馬場国務大臣 今度の繰り延べにつきましては、事業の実態をよく調査をいたしまして、年度内に消化し切れないものについて繰り延べをいたして参りますので、今御指示のような問題はできるだけ少くいたしますように、実情に応じて繰り延べをいたして参っておるのであります。従いまして、地方によりましては、地方の財政の関係で従来計画をいたしておりましたのを、とりやめを申し出ておる分もありますような次第でありまして、いずれも事情に応じて繰り延べをいたしておりますので、大した支障なくして実行できるのである、かように考えておるのであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 これは大蔵大臣に聞いておきますが、今度の補正は公共事業費の繰り延べに大体主眼が置かれておるようでありますが、これは繰り延べでありまして、三十一年度の予算には当然これだけ加えて財政計画が立てられるのですが、これは繰り延べであって、金をとってしまった以上はその事業は残るのでありますから、その残った事業については、やはり財政処置をしなければなりません。三十一年度はこれを含めた財政計画と見て差しつかえございませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 この繰り延べ分につきましては、三十一年度の予算において優先的にとっておるわけであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 優先的という言葉でありますが、優先的という言葉は、念を押すようでありますが、当然三十一年度に入っておって、三十一年度の事業計画とは別な角度からこれを見てもいい、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 事業の遂行に支障のないように、三十一年度にとっておるのでありまして、特に三十年度で節約しても差しつかえないものは、これは節約になっております。

門司亮日本社会党

○門司委員 どうも今までの答弁でははっきりいたしませんが、時間もほとんどなくなりましたので、最後に私は地方財政再建の計画について、今まで政府の責任とさらにその実態について申し上げて参りましたが、私どもの考え方をちょっと申し上げて、これに対する当局の考え方があるなら御答弁願っておきたいと思います。  今日の地方財政の赤字あるいは窮迫をいかにして救うかということは、国と地方を通ずる一つの財政計画の立て方並びに財源の配分であります。これは非常に大きな問題であります。地方財政にどれだけ配分をするか、今の地方財政は、御存じのように、自主財源として四三%あるいは四六%しか持っておらない。残りの五七%ないし五四%は依存財源であります。補助金の二千八百億、さらに交付税の千六百億、交付税は自主財源といわれておりますが、これは国と地方の関係では自主財源かもしれませんが、個々の自治体に対しては、これは明らかに一つの補助財源であり、一つの調整財源であることに間違いありません。これを差し引いて参りますと、非常に大きなアンバランスを実は持っておる。従ってこの差をいかに縮めるかということが、一つの大きな問題であります。従って国と地方を通ずるいわゆる財源の配分関係について、どういう構想をお持ちになっておるか、もう一度念を押して聞いておきたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 国の財政と地方財政のからみ合いの問題でございますが、お言葉通り地方財政は自主財源としては非常に少い、半分以下である、その数字通りに、私も記憶しております。全体、自主財源と申しましても、国と同じ関係でございますが、税制においても直接税関係の方は非常に強く来ておりまして、ここに税制上の欠陥があるかと思います。こういう方面を強くするとともに、国の財政から地方財政へ回す問題、交付税もお言葉通り、私は直接の自主財源と思いません。補完的の性質を持っておるものと思います。そこで地方財政の側から申しますれば、非常に困っておる。あるいは先ほど責任論を申されました通りに、国の不親切ということについては、もうちょっと金を出さなければならぬという議論も立つと思います。同時に、大蔵大臣の言ったように、地方にもまた責任のある部分もあったかと思います。私は実は両方問題があるのではないかと思いますが、国の健全財政に対して、地方の財政はそうなっておらぬ。片一方は非募債主義、片一方は公債が依然としてあるじゃないか、四千八百億の過去の借金もまだあるじゃないか、この額は国の方も大体同じ額と私は記憶しておりますが、こういう意味におきまして、国は健全財政というが、ことしの地固めというものが、現状において非常な自信を持っていけるというようには、大蔵大臣の演説にも、総理の演説にもないように思います。従って国の方に非常に余裕財源があるというようには私にはとれません。ことしの交付税につめましても、私といたしましては、相当ほしい額がございましたが、すでに三大税――酒税、所得税、法人税、三つのうちの四分の一を占める、国から出している大きな一つの税――国から地方を救う税、地方へ渡す税が、三大税の総額の四分の一を占めているということは、将来の国の財政と地方の財政とのあり方につきましてよほど考えなければならぬ点と思います。門司委員の言うように、責任国にある、ゆえに地方のために出すべしという御議論も立つかと思うのでありますが、国の健全財政もまだ中途であると思います。その際におきまして、地方に渡す金が三大税の中で四分の一を占めておるということは、私は相当考えねばならぬ将来の問題かと思います。もちろんそれでいいという意味ではございませんが、地方が足らぬからといって、もう国家財政はりっぱになったから、さらに出せというような意味には、もちろん門司委員もお考えにならないでございましょうが、そこに日本の貧弱なる経済を基盤として、国家財政と地方財政の乗っかっておる問題があるかと考えます。もちろんこれにつきましては、地方財政の面からも直さねばならず、また国からも出していただかなければならぬ。先ほど学校の例を申されましたが、普通の借りる金よりも、高い利子を出して学校を建てるということそれ自身、私といたしても非常にいやな、国家としても考えなければならぬというような問題がございます。国の財政と地方財政はかような意味におきまして相ともに手を携えて、ことに地方の弱いところを助けていく余地があるならば、国の方の助力を頼みたい。ただ昨年は百四十億円ばかり地方財政に押しつけられて、その結果が昨年の暮れの臨時国会となり、百六十億円の交付税を出したわけでありますが、本年は前年度と比較いたしますれば、国から地方へ出している金もたしか第一位にあるかと思います。その中に百六十億円は入っておりますが、去年の三十年度の予算を作るときには、百四十億の赤字が出ることははっきりわかっておった。今度はそれが三十一年度におきましては、かような憂いはない、そこまで進んだと私は考えておる次第でございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 今の自治庁長官の御答弁は、御意見として拝聴いたしておきますが、時間が来ましたから、最後に大蔵大臣に聞いておきたいと思います。もう一つの問題で今問題になるのは、地方の公債の問題であります。公債につきましても、どういう形で行われておるかということは大臣よく御存じだと思います。地方の公債の中には政府の資金部資金がどのくらい出ているか。資金部資金の配分がどういう角度になっておるか。国と地方とが行政の共同の責任を負わなければならない形をとっておるということは、申すまでもございません。その財源処置について政府の持っておりまする資金部の資金の地方債に出ておりまする額は、総体の四二・三%に過ぎないと思います。あとの五七・八%はいわゆる事業関係に出されている。そういうことが行われまする関係から、地方債が十分にまかなえない。今日地方債を十分にまかない切れない分については、公募債として市中銀行から地方の自治体は高い利息で借りております。再建整備を受ける団体は補助をしてくれるが、再建整備を受けない団体は依然として八分五厘で借りなければならぬと思う、従って政府の持っておりまする資金部の資金の運用方法が、今のような状態においてよいとお考えになるかどうかということを、もう一応聞いておきたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 資金部の資金の運用等につきましては、地方公共企業体の事業も十分勘案しまして、善処いたしだいと考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 善処するというのですが、今までもそれをやっておる、ことしもやっておる。地方債については公募債が認められておりますが、私はその態度を一応改められるかということでありまして、いかにしてやるかというのではない。政府に金がないわけではない。政府は金を持っているんだが、事業債の方には金を出す炉、地方の公債には出す金がないから、市中銀行から借りておけということは、地方の自治体においてはそれだけ重荷であります。大臣は十分御承知ないかもしれませんが、公募債というものは、大体三月三十一日の年度末までに五〇%消化できればいい方であります。残りの五〇%は年度を越えて地方の自治体は消化するということが実情であります。従って資金繰りに非常に迷惑をしておる。迷惑をしているから、高い短期債-起債とは言わないで、いわゆる一時の借り入れをして、そうして資金繰りをしている。従って地方の自治体は雪だるまのようにどこまでも、ころ蘇ればころがるほど赤字炉出るような仕組みに今日なっておる。その一つの仕組みを切ろうとすれば、地方債については全額政府が資金部の手持ち資金を出してやることが、私は正しい一つの行き方だと思うが、これに対する御意見をもう一応お聞かせ願いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私がただいま善処すると申し上げた意味は、今お話のあった趣旨と同じであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 同じだというならば、三十一年度の財政計画の中にどうして一体あの公募債というものが入っておるか。もし大臣がそういう考えならば、そんなことはないはずである。三十一年度の予算を見てごらんなさい。公募債が入っておるのでしょう。これは一体どういうわけなんですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 資金部の資金源が思うように増加をいたしません結果、できるだけの配分をいたしたわけでありますが、足りないところが公募に回っておるわけであります。しかし公募に回りますが、今日の金融市場の情勢からいたしまして、これが消化をいたしますことは、従来に比してよほど容易であるのであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 消化することが容易であるからいいといっても、利息の高いことは事実です。政府は、行政上国と一体であるべき地方の自治体に、政府の手持ちの安い利息の金を貸さないで、そして商い利息を地方の自治体に払わせるという筋合いがどこにありますか。それを裏から返せば、政府は民間のいわゆる電源開発その他公共の事業と言われるのでありますけれども、民間企業であることには間違いない。その資本主義のもとにおける民間企業に、国の持っておりまする資金部の資金を導入するということのために、地方の自治体の要求するだけの額が払えないということになりますと、時間もございませんから明確に申し上げますが、政府は、地方の自治体の財政よりも、私企業のそういう資本家の方がかわいいんだということに、これはひがみではありませんが、事実上なると思いますが、一体どうなんですか。こういうふうに解釈せざるを得ないのですが、一体どうなんです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 決してそういうわけではありませんし、また資金部の資金は必ずしも地方債に持っていかなければならぬというととでもありませんが、しかし資金部資金はやはり地方からの資金の集まりも多いのでありますから、できるだけ地方債の引き受け等に回すことにいたしたいと考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 どうも大臣の答弁ははっきりしませんが、もう一つ起債について聞いておきます。公債費が年々ふえて侮りますが、これはどんなに公債費を押えようとされても、今の国と地方との財政の規模並びに財政の配分では、どうしても起債によらざるを得ない。これはもうどうにもならぬのであります。もし起債を抑制しようとするなら、配分を変えていただいて、地方の自治体が起債をしないで済むような財政支出上の処置がとられなければならない。これはお題目だけでは解決しない問題であります。同時に、過去の赤字についてこれをどう始末するかということが一つの大きな問題であります。これはあなたの方がよく御存じだと思いますが、三十一年度までは公債費は元金の方がやや少くて利息の方が多いのでありますが、三十二年になりますると、元金償還の方がふえてきて利息の方はだんだん減ってくるのであります。そこで、そういう減少がくるというのはどこに原因があるかというと、一つは日本の起債政策において償還年限が非常に短かいということ。はなはだしいのは、たとえばことし――時間がございませんから申し上げませんが、われわれが最も遺憾に考えておりまする、地方の公務員の首切りをするために保障いたしております六十億の起債のごときも、一年据え置いて二年で払えということになっておる。公募債は大体五年が償還の期限である。学校その他においては二十年が限度であります。地方財政が非常に逼迫いたしておりまするときに、政府は出した資金をできるだけ早く回収ずるということのためにきゅうきゅうとして、起債の償還年限を極度に縮められておる。これも起債からくる地方自治体への一つの大きな圧迫だと思いまするが、これについて何か政府は改善されるお考えがございますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 起債のそれらの点についても今後検討を加えてみることにいたしておりますが、私は、やはり地方の財政の再建のために、何としても財源を充実し、これを適正に持っていくことが必要であると思うのであります。同時に、どうしても今日の地方の行政のあり方についても――これは別に自治をどうするという意味ではありませんが、要するに規模の問題とかあるいは行政のあり方の問題、こういうものを根本的に考えないと容易じゃないのではないか。そういうものと相合せまして、今後地方財政の健全化へ総合的に施策を進めていきたいと考えております。そういう際にむろん地方財政等についても十分検討を加えていきだい、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 これだけでやめますが、今のような御答弁はこれは政治的な答弁でありまして、私は今そういうことを聞いているのではないのです。実際に起債で固っているのです。実際どうにもならぬのである。従って、これを何とかしなければ、ここに手をつけなければ、地方財政の健全化ということはあり得ないのであります。今年の公債費を見てごらんなさい。六百二十三億です。政府に返す金が去年よりも百二十億ばかりふえておりましょう。四つの新しい税金をきめて国民に対して押しつけられた額は百十二億でございます。国民の負担によってもなお今年現われて参ります公債費を補うことはできないのであります。片方で増税しても借金の利払いに追われている、この事実を大臣によく見てもらいたい。そうして、これらの問題を解決することに努力してもらわぬと……。今お話のような、地方にも悪いことがあるからこれを直す、私どももそれは承知しております。しかし、私は地方がどういうことをしているかということを話しているのではありません。政府の責任において解決すべきものをどう解決するかということを聞いているのであります。今のような御答弁では私ども満足するわけに参りません。もう一度お聞きをいたしますが、たとえば起債の償還期限にいたしましても、財政が豊かであり、地方の行政あるいは地方のなすべき仕事、都市のあり方等について、やや完成されておると考えられておりますアメリカあるいはイギリスの地方債の償還等を見て参りますと、イギリス等におきましてはほとんど無期限のようなものさえある、政府から金は借りているが、ほとんど無期限でよいようなものがある。鉄筋コンクリートの学校とかあるいは住宅等については六十年から八十年である。しかもその間繰り上げ償還は許さぬということになっている。日本は最大限度二十年でしょう。市中銀行から借りれば五年でしょう。地方は金繰りに非常に困っておりまして、どうにもならぬ。公債費は年々ふえている。これが地方の今日の財政を圧迫しております一つの大きな原因である。従って、この面に政府は考え方を及ぼさなければ、単に財源の配分の関係だけを考えても解決はしないのであります。だからこの地方の公債に対する考え方を改めて、そうして償還期限等について改善を加えられる御意思が今あるかどうかということをもう一応聞いておきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は御意見に反対るすわけでもなんでもないのでありますが、基本は、起債の額を減すことができる地方の財政状態に置くということがやはり一番よいことではないかと考える。単に起債がふえることはそのままにしておいて、――起債の条件等を容易に緩和するということについては異論がありません。そういうことができれば、国の財政も許し、ほかのいろいろな諸事情が許せばむろんそれもよいのですけれども、しかし私は、基本的には起債によらなければならぬという地方の財政状態を改めて、なるベく起債を少くして地方財政が行けるという方向に持っていくことに努力すべきではないか、かように考えている意味において申し上げたのであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 私はこれから先のことを聞いているのではない。今までそういうものが累積されて来て、地方を圧迫している。だから今までのそういう累積したいろいろの弊害をここで直さなければ立て直しは実はできぬのであります。これから先借金を一銭もしないという方針が立てられても、過去の四千八百億という金を返さなければならぬ。この四千八百億の金を利息をつけて、最大限度の年限が二十年であります。その間にこの金を返さなければならぬ。これは減らぬでしょう。こういうものをどうするかということなんです。今の大蔵大臣のお考えは、これから先は起債をできるだけ少くして健全財政をもっていくように処置した方がよいというお考え、これから先のことはそれでよい。今まで地方財政に積り積って参っておりますこの赤字を解消していくには、そういう処置がとられなければできぬのであります。今申し上げましたように増税をして、百十二億ばかり新しい税金をこしらえられて、国民から収奪する。しかしそれも今年の公債の総額に満たないものである。公債費の総額というものは年々そういう形でふえております。だからこれに一応メスを入れほい限り、地方財政は健全にはならぬということである。従って、その支払い等についてお考えになっているかどうかということであります。もう一度御答弁願っておきます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 赤字につきましては、これは再建整備債になって、利子も補給してやっていくわけであります。その的にむろんお説のように大きな地方債があります。これについてはすべて赤字の債務とも考えておりません。これはやはり償還のできる運用になっておるのでありますから、これらについては先ほど申し上げましたように、税のこともさらに総合会的に考えてみなければならぬので、そういう場合にさらに検討を加えていく、こういうように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 一向わからぬ。これ以上聞きませんが、答弁にはならぬのであります。それではもう一つ私はお考えを願いたいと思いますが、今の御答弁では、起債が、今日の窮迫した地方財政を圧迫しておる大きな原因である。だからこの起債の償還に対して、緩和の方法はないかという私の質問については、何ら触れられておらない。だから政府は無策だ、こういうふうに私は考えざるを得ないのでありまするが、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は考えていないというのではありません。先ほどからしばしば申し上げますように、これについては考えなくてはならぬが、まず起債をふやさないようにするということを考える、こういうことであります。そういうふうにしておいて、さらに現存たまっておる地方債の償還がどういうふうな状況になるかということを特に考えて、私は対策を考えていきたいと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 これで私はやめますが、どうなんです。これは大蔵大臣相談なんですがね。今のような答弁だけをのらりくらりされておったのでは、いつまでたっても解決がつかぬのです。ほんとうに地方財政の今日の赤字の原因が、今申し上げましたように政府の施策に基く分が多いのであります。これは地方の自治体にいろいろ問題はございましょう。冗費もあるし、あるいは無計画な仕事もあるでしょう。しかしたといそれがあるからといってもへそれ自体はそう大きな額にも上りません。同時に国が十分なる財政措置をして、適切なる方法をとっておれば、そういう問題が起らないのであります。起り得ようとしても、なかなか起りきれないのであります。同時に国はそれを強く地方に抑制を要求することもできるのでありますから、今申し上げましたようなことは、一々国の責任でこれを解決しなければならない。国の施策に基く地方財政の赤字の累積でありますので、まず国は責任を持ってこれをなくするということが私どもの考え方であります。  だから最後に一言だけ聞いておきたいと思いますが、われわれから考えて参りますと、どうしても今日の持っておりまする公債を、一時たな上げするということが一つ考えられる。今再建整備法はありまするが、これは単なる借りかえであります。一年据え置きであと七ヵ年で払わなければならない。一年の資金繰りには後立ちまするが、実際上のたな上げにはならぬのであります。計画を立てて払わなければならない。同時にこれは地方の行政の切り下げになって、今日成長し発展しようとする地方の自治体の将来に大きな影響を持つ一つの施策であります。そこで私は率直に聞いておきますが、償還の繰り延べもできない、年限の延長もできないというように私は拝聴したのでございまするが、私どもから考えますると、これよりもむしろ今日の地方財政の根本の策を建て直そうとするのには、今まで申し上げましたようなことを一々ほんとうに真剣に一体大蔵省はお考えになっておるかどうかということが疑わしいのであります。大蔵省はほんとうにこれを再建していこうというお考えがございますか。今までの責任を政府の責任だとしてお考えになりますのか。政府の責任であるかないかということのお考えがどうであるかということだけを最後に聞かしておいていただきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 政府としては真剣になって地方財政の再建を考えておることはもう申すまでもないのであります。従いましてこの税制についてもなお根本的なことも考えよう、行政等についてもさらに根本的に考えよう、それらをして総合的にほんとうに建て直そう、それまでできるだけのことをいたして赤字を出さないようにできるだけの措置をとる、こういうことでございます。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 明日及び明後日の二日間は午前十時より公聴会を開催いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十四分散会

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