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24回国会衆議院1956/02/07

予算委員会 第4号

発言数
197
登壇者
9
会派数
3
開催日
1956/02/07

会議録

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 これより会議を開きます。  昭和三十一年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。質疑を継続いたします。川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私はこの機会に、鳩山内閣の施政方針中、なかんずく日本産業の幕盤となってきました農業政策を中心として質疑を進めたいと思います。まず質疑の前提となるものを申し述べまして答弁に備えたいと思うのであります。  今日行われておりまする激しい国際競争は、完全雇用の達成、不完全就業の解消、就労の拡大を目標とした政治競争であると思うのであります。従って、資本主義初期の幼稚な財政原則でありました政府の支出の縮小、公債の否定、価格体制を乱さない税制制度、こうした三原則なるものはすでに今日の国際競争の激しさの前には抹消しておるものという前提に立って質疑を進めて参りたいと思うのであります。  そこで、第一にお尋ねいたしたいのは、農林水産業の発展と農山漁村経済の向上を長期にわたって計画し、それを具体的に実施することによって農山漁村経済の向上とその所得の増進を期することが農業政策すなわち農林政策の基本でなければならぬはずだが、鳩山内閣の現実政策にこれと非常に異なっておるように思われまするので、鳩山首相の御意見を伺いたいのであります。あわせて、立法的予算的裏づけのない政策は祭文にひとしいと思うのでありまして、二大政党の新しい政治態勢のもとにおける鳩山内閣は農政の基本をどこに置くのかということも、総理の所信をただしたいのであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 農林大臣から答弁をいたさせます。   〔「総理だ、総理だ」と呼ぶ者あり〕

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 私から便宜かわってお答えいたします。  お尋ねでございますが、御承知の通り、わが国の農業政策につきましては、終戦後のきびしい変化の時代におきまして、議員立法に、政府の提案による法律に、非常にこまかな点まで法律的にいろいろ施策が行われておるように私は思うのでございます。ただ、この際われわれとして考えなければならぬと思いますことは、これらの間に処して、これをどういうふうに十分にその効果をあげるかということにあると思うのであります。また、しいて申せば、これを総合的にどういうふうに裏づけをしていくかというところにあると思うのであります。これは、他の産業に比較いたしまして、先輩諸君、同僚諸君の非常な御努力によりまして、戦前に比べて画期的に各般の施策が法律的にはできておる。ただ、予算的にこの裏づけが多少遺憾の点があることは、私もこれは認めざるを得ぬのであります。と申しますのは、大蔵大臣からお話のありました通り、今の国際経済に処して日本の経済施策——これは一昨日でしたか社会党の西村さんからもお話がありました通り、極力経済を緊縮といいますか、これを強固なものにする今基礎時代だということにおいて、われわれも、そういう意において、農村の予算においてむろん十分でない点があるのでございますけれども、しばらくの間その点についてはがまんをしていただかなければなるまいというふうに考えているわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これは総理にお尋ねしておるのですから、そのつもりで御答弁願いたいと思います。  今の農林大臣の説明は、わかったようでわからないような説明なんです。農林大臣は、昨年の臨時国会で、鳩山内閣はできて早々であり、本格的な予算を組むような通常国会に面していないから、もしも国民の信頼を得て内閣を再び作るようになりますならば、そのときこそ本格的な鳩山内閣の性格を打ち出した予算を通常国会に出すものであるということを言明しておられるのです。ところが、その言明を一体どこに実現されているのか、具体化しておるのか、この点を総理にお聞きしたいのであります。そこで、本来でありますならば、国の財政計画が立てられ、それが実現のために法制化と予算編成が生まれてくるのであって、この財政計画の基本的なあり方が党の政策でなければならぬと思うのです。これは内閣が財政の基本計画を立てるものじゃないと私は思うのです。政党が財政の基本計画を立てて、その基本政策というものは党の基本政策から生まれてこなければならぬ。生まれてきたものを、その実現を、その具体化をその内閣が受け持つというのが、政党内閣の本質でなければならないと思うのですが、この点、総理どうですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 農林大臣にかわって答弁してもらいます。   〔「総理だ、総理大臣に聞いているのだ」と呼ぶ者あり〕

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 お説の通りでございまして、われわれといたしましても、御承知の通り、吉田内閣以来、われわれ自由、民主間党の政策は、農業政策におきましてこの間一貫して流れておるわけであります。従って、その間に多少の消長、変動はございますけれども、これは川俣さんにも御了解願えると思うのであります。でございますから、今あらためてこの明年度の予算の編成に当ってどういう性格を打ち出したか——性格はすでに数年来、性格として打ち出され、これば食糧の増産対策として御承知の通り相当に重点的にやって参ったわけでございます。それを、明年度の予算におきましては、確かに今お話しの通り、昨年私は明年度予算においてはこれこれということを申しました。これは、御承知の通り、予算を編成して参ります上において、明年度においてはもう少し財源も十分に使えるというふうに考えておりましたが、二面におきまして、勤労所得税の軽減をするとか、その他早急な社会政策の方面に考慮しなければならぬ点があるというような点がございまして、そこで、私といたしましては、農業政策におきましては、まずここらで基本的に一ぺん考え直していこうじゃないかというようなことを党の政調の諸君ともお話をいたしまして、そうして、まず第一には、技術の振興について、従来の農業関係の技術をこれを一本化いたしまして、そして試験場、研究所の経費を拡充し、そしてこれが述常について画期的な施策を講ずることを予定しておるわけでございます。これによって農業技術を飛躍的に強力なものにいたしまして、その技術の強化を裏づけといたしまして、ここに農村振興の基盤を持っていきたいというふうふうに考え、一方において、今申しますように試験場、研究所の充実とあわせて、新農村の計画と表裏一体としてこれを推進して参りたいというふうに考えておるわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 総理にお尋ねしますが、あなたは政党内閣の首班なんだ、従って、党の政策を具現するのが政党内閣の使命だというふうにお考えになりませんかどうか。党の基本政策を具体化するというような計画を党で立て、その政策の実現に当るのが政党内閣首班の使命だとお考えにならないかどうか、この点が一点。党の政策と内閣が今提出をしております予算並びに用意いたしております法律案とは隔たりがあるように思うが、ないと思っているかどうか。この二点であります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 政党内閣でありますから、基盤をなす政党の意見を尊重して政府で施策をするということは当然であります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 言葉じりをとらえるようだけれども、単に尊重するだけですか。その政策を基本にして財政計画を立て、その立てられた財政計画を予算化し法制化することがあなたの使命だと私は思うが、あなたはそういうお考えじゃないのですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 財政の余裕があれば、むろん党の政策通りにやっていきたいと思いますが、諸般の政策をあんばいして参らなければなりませんから、尊重をしてやっていくという程度でいきたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 財政計画というものは必ずしも予算というものにかかわりありませんことは御承知の通りです。財政計画を立てて、その財政計画を年度制にして、あるいはそこに重心を置いてそれを具体化していくということが予算になって現われ、その実行を法制化し、制度化していくということがあなたの任務だ、私はそう思うんだが、そうでないかどうか、こういうことをお尋ねしているんです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 財政の一般を観察いたしまして、党の政策を尊重し、あんばいしていくというほかに道はありません。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そこで、大蔵大臣にお尋ねいたしたい。党の財政基本計画に基いて今度は予算を編成されたんですかどうですか。どうも、党とあなたの計画とはだいぶ食い違っておるように思うんです。あなたは、大蔵省の、いわゆる官僚の意見を尊重し予算を組まれたのか、党の基本政策を打し出すために予算を組まれたのか、この点をお尋ねいたしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 党の政策をできるだけ取り入れて私は予算を組んだのであります。若干申し上げますれば、むろん本年の予算は昨年に比べますと、本年は百八億で、去年は百八十億ですから、七十二、三億少くなっております。しかし、同時に、災害なんかの関係から自然減もあります。これが八十億以上あるように思っております。大体、農林省の予算の規模といたしましては、今回の予算の全体の規模から見て、そう少いものではないと考えておるわけであります。特に今回は、やはり党その他の政策を取り入れまして、農山漁村の総合建設事業、こういうものによって総合的に農村の今後の振興をはかる、あるいはまた補助金について、また特に農業改良の資金制度を持つ、あるいはまた農業についての、特に最近においては科学技術、こういうものが農業に導入されることが非常に大切だ、そういうふうな主張もいれまして、この方面にも予算を相当入れております。また、農業関係の金庫、農林漁業金庫等の資金については、特に資金上できるだけ配慮を加えて、党の意向並びに政府の考え方も予算に現わすようにいたしました。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 次に、農林大臣と経企長官にお尋ねします。農山漁民の所得水準の向上をはかることを目途として、新たな高度の農業構造を作り出すために、今年度計画が企図されていなければならないと思う。それがいわゆる党の言う五カ年計画、政府の言う五カ年計画であると思うんです。ところが、農業は御承知のように他の部門に比較いたしまして非常に低い所得水準であることは何人もこれは認めておるところだと思うんです。従って、他の部門と同様なテンポで農村漁民の所得の水準向上をはからなければならないことが目標でなければならないと思うんです。そういうような計画のもとに今度の予算が出ておるとお考えになっておるかどうか。計画をされた五カ年計画を具体化されました、あるいは作り上げられました企画庁として、どのようにお考えになっているか、あわせて農林大臣の所信を伺いたい。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 お答え申し上げます。大体、五カ年計画におきましては、農業生産は二〇%増していこう、そのほかの第二次、第三次——第二次産業は五三%、第三次産業は二九%、こういう数字になっております。これに対して、人間を収容する、労働者を収容するという方面から参りますと、農業の方は四・四しか収容していません。それから第二次の方は一七・九、第三次は二〇%、こういうことになっておりまして、生産をふやして、できるだけそちらの方に行く人を少くしよう、従いまして、各自の農村の収入をよくしよう、こういうのが計画の根本基礎になっております。それを基礎といたしまして、この三十一年度の予算を組んだわけであります。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 お説の通り考えますので、生産費の引き下げ、流通の改善ないしは農業課税の点について十分なる留意を払いまして、実は努めて農村所得を高度化するようにいたしているわけでございます。この点は、いろいろ御意見もございましょうけれども、私といたしましては、相当に努力をしているつもりでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 経企長官は、五カ年計画を今度の予算の上に実現するために努力を払った、農林大臣もまた、努力を払った、こういう答弁でございます。しかし、努力を払ったということが現実に現われてきて、初めて努力の効果というものがある。あなた方としては、常に経済効果をねらうと同時に、努力の効果が現われてこなければ、努力したことが認められないと思うのです。おそらく五カ年計画も党で打ち立てられ、政府もこれを認めて、これを具現すると、こういうわけですけれども、一体どこにそれだけの熱意が現われておると思っておりますか。むしろ、そうではなくして、今日においては、この所得の低下していく状態をどうして阻止するかということに一番の主力がなければならぬはずです。所得の水準の下ってくる条件を、阻害している条件を、これを排除していくことが第一でなければならないと思うのです。時間を節約して私の方から申し上げますが、何といっても農村には膨大な過剰人口を持っております。あなた方は雇用を五十万とか六十万と見ているようでありますけれども、農村のいわゆる潜在失業者というべきもの、あるいは潜在失業者以上の、いわゆる失業者と見るべきものの数は、あなた方の数よりもずっと大きくなっている。今の農業所得をもって家計費をまかない得ない農家はどのくらいあるかということは、もうすでに政府において明らかだと思う。これはおそらく百五十万とも言われ、二百二、三十万とも数えられている。農家の家計費に満たない農業所得者というものが非常に多いこと、これ自体ば、やはり潜在失業者でなくして完全な失業者である。従って、就労の機会を望み、完全雇用の立場に立てば、一般の失業者と何ら変りのない立場に置かれている。これはどこからくるか。今日の農村の膨大な過剰人口を、政府の手でなくしてお互い農民自身の間において苦労をともにして養っているのです。従って、あなた方の失業対策にはこれが入ってきていない。みんな低所得の農民の相互扶助の立場において生活を切り詰めて養っている膨大な人口が農村にある。これを解決する意図がなくして、何で一体財政計画であるとかあるいは農村所得の向上をはかるのだということが言えるか。この点、農林大臣と経企長官にお尋ねします。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 私もさように考えますので、今回特に財政の苦しい中から新農村計画を打ち出しまして、農民自身の計画によって、それぞれの村において新たなる構造のもとにこういうものを解消していくように農民自身の創意と工夫に待つ、これに政府は協力援助していこうということで、これを全国的に及ぼすことによって新しい農村の生産構成が変るようにしていきたい、こう考えておるわけであります。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 ただいま河野農林大臣がお答えいたしましたと同様でありますが、農村においては完全失業というよりも潜在失業の方が非常に多いということは全くお説の通りでございまして、私どもそれを非常に心配をしておるわけであります。それを解決する方策といたしましては、農村の収入を増加するよりほかにないと思う。農村自体の収入が多くなれば、この問題はある程度緩和してくるだろう、こう存じますが、それにつきましては、どうしても農村の経営を多角的にしていかなければならぬ。こういうふうな意味から、少い予算のうちからでも、あるいは裕産の振興とか、あるいは漁村の漁港を作るとか、そういう面に政策を講じて努力しておるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 一体、農村の就業時間を人口で割ってみますと、確かに一週三十四時間を割っているのが三七%くらいあると思うのです。このこと自体は、もう潜在失業じゃないのですね。お互いに仕事を食い合っている状態なんです。従って、政府の援助で助け合って暮しておるのではない。政治の手が伸びていない証拠なんだ。普通の失業者というと政府の手が伸びるけれども、このお互いに食い合って、一週三十四時間以内の就業時間しか持てない、働きたいけれども働けないという現状を打開することなくしては、農業政策の立たないことはもう十分わかっている。そこで、それを阻害している条件は何かということなんだ。これは、日本の気候、風土の上から言って、非常に災害が多いということも一つでしょう。何と言っても災害によるところの農業所得の減少はおびただしい。これは言うまでもない。さらにまた、耕地壊廃が最近増大しております。時間がないから統計は申し上げませんが、すなわち熟田がだんだん減っていって、生産条件の悪いところが面積としてふえてきておる。最も生産条件のいいところが壊滅していっておる。災害の場合は一様でありますけれども、普通の宅地に変るというところは生産条件の一番いいところです。いわゆる耕土としての利用度の一番高いところが減っていって、低生産、いわゆるだんだん山の奥へ追いやられて、最も条件の惑いところで働いておる。このことを阻止することなくして、農業生産を高めていく、あるいは農業所得をふやしていくなんということはできるわけがないじゃないですか。今東京の近郊を見てごらんなさい。大都市の近郊を見てごらんなさい。みんな住宅や工場の敷地に変っていっているではありませんか。これはおびただしい。二万数千件という地目変更の申請が出て、その七割か八割が許可になっている。あるいは成規の手続を経ない地目の変換はおびただしい。しかもそこには——大蔵大臣よく聞いてもらいたい。そこには政府が助成をして耕地にした土地が宅地に編入されていっている。地目がえになっていっている。せっかく国費を使って耕地整理を行なったものが、耕地整理ができると、すぐ地目交換によって宅地になっていっているではないか。一方住宅政策なんてやかましく言いまするけれども、耕地の壊廃などを無視した住宅政策なんかを立てるから問題なんだ。この日本の狭い領土、狭い地域において、建築なら上へ伸びるほかないのです。それに狭い耕土を侵していくところに問題があることを十分にわかっていなければならぬはずだと思うが、この点について考えたことがあるかどうか、大蔵大臣にお伺いをいたしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私も今の御説には賛成なのでありまして、特に耕地をつぶして宅地にする、これはやはり、日本みたいなところは、ずいぶん面積をとる住宅政策でなくして、やはり空間を利用していく、従いまして、たとえばアパート式のようなものにしていく、そうして耕地をなるべく侵さなくしていく、こういうようにすると非常によいのではないか。そういうような考え方で常に考えております。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 お説のような現象が多いのでございますが、農林省といたしましては、なるべくそういうことにならないように、御承知の通り法律もございますので、これを規制はいたしておりますけれども、人口の増加に伴いまして、住宅地、工場がふえていく現状にあります。これは、二面において、新しい産業が興って就労の機会を与えますという上におきましては、どうしても日本のような人口稠密のところではそういうことになる。従って、二面においてやはり農地の造成にできるだけ力を入れていくということよりほかに仕方がないのではなかろうか。仕方がないと言うと、またしかられるかもしれませんけれども、そういう条件に置かれておる。そこで、農業政策の上におきまして、今非常に補助金、助成等が少い。私としましては、実は米価の決定等についても一つ御留意願いたいと思うのでありますが、今後の米麦価の決定に当りまして、社会党の方では二重価格制度を採用しておられるようでありますが、私たちの方の考えとしましては、やっぱりこの面において相当の留意を実はいたしておるわけであります。現に、明年度の特別会計を編成いたしますにいたしましても、消費者価格は引き上げをいたしません。これは先般来たびたび御了解をいただいておるようなわけでありますが、二曲において、生産者価格は従来通りの方式によって算定いたしますから、まずまずもって一万円前後、一万円米価ということになると私は思います。そういたしますと、この面だけでも少くとも二百億に近い金を生産農民に加えていかなければ、そういうことにならないわけであります。でありますから、農産物の価格の決定、主要農産物、すなわち米価の決定には、二百億以上の金を一般消費者の負担において農民の生産助成のために回すことになると私は思うのであります。でありますから、ただ手放しに農村が非常に圧迫を受けておるということにはならないのではないかというので、今生産条件がだんだん悪くなるとおっしゃいますけれども、そういう点には特に留意いたさなければなりませんが、一がいにそればかりではいけないと実は思いつつ施策を講じておるわけですから、どうか御了承を願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 一体、河野農林大臣ともあろうものが、思いつつなんというような表現で今の農業政策をごまかそうと思っても、なかなか農民はごまかされない。これはあなた方の党だってそうはごまかされませんよ。そういう表現だけではなかなかごまかされないと思う。これはだんだん土地の造成をはからなければならない。これはその通りですよ。これはだれも異論がない。異論があれば大蔵大臣ぐらいだろうと思う。あるいは大蔵大臣も異論がないにしても主計局が異論があるかもしれません。しかし土地を造成するというが、造成したり改良したりする予算をだんだん削っていっているじゃないか。あなたは今造成に力を入れるという。おそらく高碕国務大臣も造成に力を入れると答弁するだろうと思う。大蔵大臣も力を入れるというだろうと思う。ところが土地造成の公共事業費はだんだん減らしているじゃないですか。減らしているというのは造成しないということ、率を下げていくということです。一方熟田の改廃面積は——熟畑の面積はだんだん減っていっている。悪いところはその二倍、三倍にして回復していかなければならないのに、その造成費、改良費がだんだん減っていっているから、ここに農業生産の減退が来、そこに農業としての不完全就業事態が起ってきている。そう思わないですか。大蔵大臣、どうです。思いませんか。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 これはお答えすると、またお小言が出るかもしれませんが、実は今の予算の面の数字についてはいろいろ御意見もありましょうけれども、昨年来企画いたしておりまする見返り資金等につきましても、たとえば調査の完了いたしましたるものにつきましては、八郎潟等についても新しくこれがもうそろそろ着手できる、それから印旛沼の干拓にいたしましても、従来は、いつ完成するかわからなかったものを今後少くとも三年、五年の間におきましては必ず印旛沼の干拓問題も解決いたします。八郎潟についても必ず近き将来に、りっぱに飛躍的な大きな面積を加えることができるというふうに思いますので、そういう面もお考えをいただきますならば、相当に努力しておるあとは御了承願えるのじゃないか、決してほうっておくわけじゃない、できる時期がくれば必ずやらなければならぬことでございまして、ただ先にやるか少しおくれるかということで、今私といたしましては従来着手いたしておりまするものの完成年度を早めることに極力重点を置きましてやっておるわけでございまして、それに重点的に今の予算を入れて、すみやかに完成するのに支障のないように持っていきたいというように、運用において努力をしておるわけでございますから、どうか一つ御了承をいただきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私としてもできるだけ造地については努力を払っておるのですが、特にそういう意については灌漑排水、たとえば愛知用水とかあるいはその他の干拓あるいは今回は特に北海道の開発というようないろいろの点について私は単に予算面だけでなくて、いろいろな手を打って、そういうものの拡大をはかっておるのであります。そういう点一つ御了承いただきたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 予算の面において拡大をはかっておるということは、どこにそれが現われておるのです。だんだん減ってきておることは何人も否定していない。あなたの所管の予算書の中のどこにふえてきておるか。三十年度と三十一年度とを比較してみると減っておる、二十九年度と三十年度と比較してみると減っておる、年々減ってきておるじゃないですか。土地造成と表現されるものは、おそらく土地改良も灌漑排水も含んでおるでしょうが、こういう土地に関する公共事業費は年々減ってきております。減っていないつもりで組んでいるのですか。あれは間違いなのですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今私が申し上げましたのはひとり予算面、いわゆる税金によってやるばかりではないということを申し上げて、いろいろ外資の導入とか、あるいは農林漁業金融公庫の資金面をふやすというような関係から、努力を払っておるということを申し上げたのです。特に公共事業費につきましては、近来ずっとふえて緊縮予算になりましてから、だいぶこれが縮小を余儀なくされたようでありますが、しかし公共事業費は前に比べると、ずっとふえておるように考えますが、これはまた特に三十一年度におきましては地方財政との関係もあります。あるいはまた災害が非常に少かった、いろいろな関係から減っても参りますが、特にこれを必要以上にふやすということも、これはやはり全体的な財政上のバランスからも考えなければなりませんので、そういう意も苦心いたしておるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 大蔵大臣はふえてきておるというのですね。あなたの時代と前の時代と比較してふえたというふうにお考えになるのですか。大蔵大臣になってから年々土地造成の費用は減ってきておるじゃありませんか。ふえてきておるというふうにお考えですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私が大蔵大臣になってからふえておると申すのではありません。これはいずれ数字的に調べてみますが、私が大蔵大臣になる前に比較して相当ふえておる、膨張率がかなり高かったように思う。そういうことを申し上げておるのです。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 川俣さんの先ほどお話しになりましたように、農村におきましては一週の就業時間が非常に少い方もある。同様に中小工業においてもそういうことが非常に多いのであります。国全体として考えますと、全体をこう見ていかなければならない。農業の方にいたしますと、農業に比較的忙しい農繁期、植付あるいは取り入れのときは忙しい、そのかわり、その間はひまだということになりますから、どうしても農閑期に何か仕事を得なければならぬ。これが農村の収入を多くすることである、そういうことから農産加工というようなことに農林省の予算を特に取ってもらって、これをふやすというような方針で進んでおるわけであります。国家全体から考えますと、農地の造成等の予算が減ったということでありますが、これは辛うじて維持しておるわけで、非常に増加したということは私も認めませんが、辛うじて増加しておるわけであります。予算が許せば第一にこれをふやしていきたい、こういう所存であります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 高碕国務大臣は辛うじて保っておる、大蔵大臣はふえておる、ここに食い違いが出ます。われわれの見解からいたしますれば、二〇%程度減っておる。農林大臣は減らないというお考えでおられますか、あなたは減ったということでやかましいのではないですか、ふやそうと努力しておられるのではないですか。減らないようにしようというお考え方でおられるのか、はっきり御答弁を願いたい。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、大体一般予算におきましては前年度と同額くらいでありまして、それに公庫等の融資を幾らかふやしておるということでございます。そのほか見返り円資金においてふやすこういうことでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 農林大臣がいろいろ予算で暮れからもめたのは、一体何なんです。あるいは三十一年度の予算削減についてこれに異議を唱えておるのは、何なんです。ふえておるという考え方ではおそらくない。私も時間があれば数字をあげてこれを申し上げます。ひまがかかるからやらぬけれども、そんなに一体どこにふえておるのか、ふえているという考え方で予算修正に応じられますかどうか。誤謬ということで予算修正に応じられるかどうか、この点を大蔵大臣に一つお伺いしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 ふえておるという点が問題なっておるようですが、私が、先ほどから申し上げるのは、あるいは不十分な点があったかもしらぬが、この二十六年、二十七年、こういうところはずっとカーブが高く出ておると考えております。それで最近比べるとぐっと落ちるようになっておるが、高いところもありますという意味で、ごく概括的に申し上げました。また一部をそれだけ見ると、あるいは高碕経企長官の答弁のようになるだろうと私は思います。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 正確な数字を申し上げます。三十年度予算が二百四十五億であります。三十一年度の今御審議願っております予算が、二百四十七億でございます。これに私が申し上げました通りに公庫等の融資でたしか十五億ある。それに見返り資金で前年度に比べて相当ふえているという、こういうつもりでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 時間がないからその数字の争いはいずれ分科会あるいは他の機会に譲ります。ところでお聞きしますが、今年度予算から公共事業費の不用額がどのくらい出ると予定しておりますか、あるいは今年度予算——三十一年度の公共事業費からどのくらい節約を見込んでおりますか、答弁願いたい。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 農林省所管の分について申し上げます。大体公共事業費のうちで、これは前特別国会でもお答え申し上げました通りに、予算の編成、成立の時期がおくれましたこと、それからその後の雨の工合等からいたしまして、大体三十億前後出るのではなかろうか、鋭意努力はしておりますが、大体二十五億ないし三十億くらい出るのではなかろうかという見当をいたしておるわけであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 どれだけあるかただいま検討させております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 三十年度の不用額は検討中だ、こういうことですね。そうすると、公共事業費から八十八億の節約あるいは節減をはかるという以外に、もっと不用額が出るというわけですか。この点が一点。それから先ほど私がお尋ねしたのはそうじやない、三十一年度予算、今新しくあなた方が提出されている予算から不用額や節約額を出す考えじゃないか、表面は三十一年度予算は、あなた方の主張によれば、りっぱに作っておっても、これからまた節約あるいは不用額を出すのではないか、こう聞いておるのです。前とあとの答弁が違うのです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 三十一年度につきましては、自然に事実上繰り越されるものはあるかと思いますが、特に今節約をこうするということは考えておりません。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そういたしますと、農林関係の予算から申しますと、あなた方か主計局かわからぬけれども、一割の節減を目途として、事業の縮小を指示したのはどういうわけですか。昨年の春に一割の節約を目途として事業量を減らさせておるのではないか。これはどういうわけなんですか。いずれ解除するであろうけれども、一応はいつも節減しておる、三十年度です。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 三十年度にそういうことがありましたのは、御承知のように予備費が非常に少かった。それで非常な天災でもあった場合に弾力性を若干持たせたいということであったと考えます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それはあなた重大な発言ですよ。初めから予算を変えるつもりで表向きと裏と違うのですか。かってば実行予算としてそういうことがあり得た。しかしながら今日においてはこれは許されないでしょう。あなたはそういうことを平気でおやりになるつもりですか。それで三十一年度の予算を出されたのじゃないかと私は聞いておる。国会にかけられた予算と実行予算と全く別だという考え方で予算を出されたのじゃないかという疑いがあるから私は尋ねたのです。これは予算制度の上からいって、国会の審議権に対する大きな冒涜ですよ。これは重大な発言ですよ。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私その通牒の文書は見ておりませんが、おそらく大蔵省としても一割どうしろというふうには言うておらないだろうと思うのです。やはり災害等がありますれば、一応成立した予算の範囲内においてなるべく運用はよろしきを得なくてはならぬ。そういう場合にそういう意もお考え下さって、災害があった場合も御協力が願えるようにお願いをしたい、こういう意味のものであると私は考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 憲法に基いて国の予算は忠実に実行しなければならないと同様に、これを怠ってはならないはずだ。憲法八十三条ないし八十五条で財政民主主義の確立がこの憲法の基本になっておる。そのためにわざわざ予算審議をしておるじゃないですか。初めから予備費が不足ならばこれをなぜ組まないのです。予備費というものは不時に備えるための予備費でしょう。従ってこの予備費の範囲内における使途については政府が責任を負っておる。予備費を一般経費から捻出するということは、一体いつそういう国会の決定をされたのですか。予算総則にもありませんよ。あなたの承認を求められた予算総則にもない。国の財政を処理する権限は国会にあることはお認めでし、一う。鳩山さん、どうなんです。予算審議を経た内容を勝手に変更するようなことをあなたはおやりになるお考えですかどうか。もしもそれをやられるような公務員、国務大臣があった場合は、あなたはいかに処分されるか、これだけお尋ねします。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 さようなことはいたしません。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 鳩山総理は明瞭にさようなことはいたしませんという答弁です。もしもやられるような公務員があった場合にはこれをどう処分されるか。あるいは国務大臣があった場合はどのような処置をおとりになるつもりか。この点だけはっきり答弁願いたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 大蔵大臣との問答をあまりよく聞いておりませんでしたから……。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 聞いておられようとおられまいと、あなたの答弁によりますと、ここで議決した予算通りに忠実に実行することが任務だというのでしょう。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 そうです。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それに違反するような国務大臣や公務員があった場合においては、どのような処置をおとりになりますかということを聞いておるのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 法律に基く国会の審議権というものはできるだけ尊重して参る覚悟をしております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これは尊重では不十分です。国会の議決を順守しなければならぬわけです。(「不必要になったら国会にかけるよ。」と呼ぶ者あり)黙っておれ。それだからなめられるの、だ。  あなた方の予算審議権を無視されて、与党はこれでいいというなら問題は別です。総理はどうなんです。予算が確定したならば、それを忠実に実行することが内閣の任務であると思う。憲法において明らかだ。財政法において明らかだ。八十三条は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」とある。変更が許されない。議決なしには変更ができない。これは憲法八十二条、八十五条に明記するところです。これは憲法改正の用意があるために、これを無視されるというお考えですか。どうです。この点は。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 大蔵大臣が国会の決議を尊重するということは、当然だと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これは尊重じゃないのです。順守する責任があると私は思う。従って憲法改正なんて下手なことを言うものだから、こんなところも改正するのじゃないかという考えから問題が起ってくるのです。(笑声)これは順守しなければならぬのですよ。順守するのでなければ、予算審議は必要ないのです。これだけの時間をかけて、ここにあなたの老体をわずらわしておるのは、順守させるという考え方なんです。総理どうですか、もう一ぺん。尊重じゃなくて順守させるのです。守らせるのでなければいかぬ。守らせるのと尊重とではだいぶ違いますよ。義務なんです。義務づけておるのですから……。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 尊重するから順守をするわけです。(笑声)矛盾はしておりません。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 一萬田大蔵大臣が発言を求められておりますから、一萬田大蔵大臣。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 もし順序しない者がおれば、総理はどのような措置をとられるかということを聞いている。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 大蔵大臣は尊重をするものと私は確信をしております。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 一萬田大蔵大臣から発言を求められておりますから……。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 もしも順守しないような……。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 さっきからあなたに警告しておる……。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私は質問しておる。警告なんという必要はない。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 答弁の必要がありますから……。大蔵大臣の発言がありますから……。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 答弁をもう少しはっきりします。三十年度において減らせとか切れとか、そういう指令をしておるのではないのでありまして、そういうような災害等の場合を考えて、弾力的に一つ運営をして下さるようにというふうに、御相談を申し上げたということなんで、事実それをまた切るとかいうことになれば、これは国会の御承認を受けなければならぬということは申すまでもないので、そういう意味において、国会の審議権とかあるいは法律に違っておるというふうに私はは考えておらぬわけです。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 公務興は財政法に基いて、憲法に基いて、予算を忠実に執行する義務を負っておる。その義務を負っておるものに対して、義務を負うなという通牒や通達はどこで出せるのです。服務違反のようなことを天蔵省が指示できるのですか——大蔵大臣に聞いておる。大蔵大臣の答弁に対する質問なんです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それはそのやり方の問題なんでありまして、本質的にやるなとかどうとかいうのじゃない。お受けになる方で、これはそうはいかない、これはこうするのだ、そういうような心がまえのただ相談でありまして、何も審議権がどうとか法律違反とか、そういうところには触れてないはずであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 その省の公務員の心がまえはその所管大臣が責任を負っておるはずなんだ。大蔵省から服務規程を他の省に通知するわけがない。忠実に履行しようとするものをさせないのは大蔵省じゃないのですか。年度末になって、だんだん不用額を出させるように仕向けていったのはだれなんです。事業量をだんだん減らされていったのはだれなんです。従って失業救済なんという大きなことをいうけれども、失業を作るように予算をだんだん減らしていっておるのじゃないですか。これは単に予算を減らしたことじゃありませんよ。一定の人々に就業を与えよう、事業を与えようという失対事業だ、失対事業を削減していっておるじゃないですか。雇用の拡大——公共事業費を削れば雇用の縮減、国と国民の義務づけられておりまするこの予算を、勝手に事業量を縮小するということは許されないはずだと、こういうのですよ。年度々々、その年間は別ですがだんだん奥まっていきますならば、事業ができないことは当りまえのことだ、予算の配賦がおくれていけばおくれていくほど、不用額が出ることは当りまえのことなんだ。意識的に作られた不用額だとこういうのです。意識的に作られた不用額か、あるいは削減を目途として初めから予算執行を、この程度予備費が不足だからどこかで、予備費を埋め出そうとする謀略かどうか。これは事務官僚の謀略ならあるいはときには許されるでしょう。しかしながら今目下予算審議中に、私がお尋ねしておるのは、おそらく三十一年度のある程度の不用額を見込んで、予備費にかえようという考え方があるのじゃないかと思う。年々不用額というものはできておる。ことしの三十一年度には、繰越額も明瞭ではありません。三十一年度に三十年度からどれだけ繰り越しするつもりですか。これも明瞭じゃないのですか。三十年度の不用額を初めから見込み、三十一年度も見込んでおるというような予算編成を平気でやられることに問題がある。これは全くけしからぬことなんです。従来の予算制度を見ますと、こうしたことが行われてきた、ちょうどそれが官僚的な予算制度だといわれて、大蔵省から予算局に移らなければならないというような議論が、河野行政管理庁長官から起った原因がここにあるのじゃないかと思うが、河野行政管理庁長官、いかがですか。(笑声)

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 予算局の問題につきましては、目下鋭意行政改革審議会において検討されておりまして、不日案を具してお願いをすることになるだろうと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 多分こういう官僚的な予算制度を黙視できないというところに根拠があるのだということが明らかになりましたから、将来は気をつけられるだろうと思う。しかしながら三十一年度の予算審議に当りましては、この点が非常に重要だと思います。いずれ別な機会にこの意をまた追及いたします。  次に、日本の、国民経済は農業に依存し過ぎておるのではないかと思う。これは日本の工業の発達を見ますと、特に戦後の工業は化学工業が中心になって発展を遂げておる。この化学工業の中心は肥料であります。さらにまた農薬であります。この農薬の膨大な章を購入いたしておりますのが農村であります。最近病虫害が異常な発生を見ております。国際的に農作物の移動が行われ、輸入輸出が行われておるのに伴いまして、日本にいまだかってない病虫害の発生が非常に多くなってきております。また化学肥料を多量に投施するために起ってくる病虫害の発生も出てきております。この病虫害の発生がありますことが、農業所得の低下しておることの非常に大きな原因になっております。農作物のコスト高になっておるのもこの意に原因がありますが、それをあえてしてまで、農民は農薬を買っております。二十九年で、卸価格だけで百十八億くらい生産されているといわれています。これは農民の手取りになりますと、もっとふえて参ります。しかしこれは生産者の言うことでありますので、税金の関係もあってもう少し実は多いようでありますけれども一応生産者側は、農薬の生産は年間官十八億ぐらいと、こう言っておる、これは三年前と比較いたしますと、約三倍になっている。あるいは肥料は、御承知の通り膨大な肥料を作っております。窒素換算にしまして、おそらく二百万トンを越えるだろう。輸出を含めて、窒素換算で二百四十余万トン、これが日本工業の基礎になっている。貧弱な、戦後痛めつけられた肥料工業が、今日輸出にまで発展を遂げたのは、日本の農民の購買力によって助けられた。政府などは、それに対して融資をするとかなんとかやっておったが、その融資の力は一つもありません。肥料工業の今日の発展は、確かに農民の購買力に依存してきた。ことに小さい肥料会社が今日のような隆盛を来たしたのは、農業協同組合の力によつで、今日の発展を遂げておると見なければならぬ。この工業の基盤でありまする農業が、もしも衰微するようなことがありましたならば、日本工業に与える影響は非常に大きいとお思いにならないかどうか。この点を高碕長官並びに大蔵大臣にお尋ねしたい。  それから農機具です。農機具最近の輸出というものは、内地農民の犠牲において輸出ができておる。農機具の購買力も非常に旺盛です。内地農民に購買力があるから、その上に乗って、さらに輸出することができる状態に進んでおるはずなんです。大蔵大臣はすぐ工業の発展は考えるというけれども、工業の発展の基盤になっておりますのは、財政でもなければ日本銀行でもありませんですよ。農民がみずからの家計費をさいて農業投資を行なった、その力によってできているのだというふうにお考えになりませんかどうか、この点をお尋ねいたします。

高碕達之助自由民主党経済企画庁長官

○高碕国務大臣 お説のごとく、日本の人口の四五%を占める農村の経済状態が、いかに工業に影響するかということは当然でありまして、ことに農薬のごとき、あるいは肥料のごとき、あるいは肥料だけでなく綿布のごときも、農村の消費があって、これらの日本の工業が伸びたということは、お説の通りであります。従いまして、農村の恐慌というものが日本の全体の工業に及ぼすことは非常に重大であるということはよく考えておりますが、同様に農村をまたよくするためには、工業全体も引き伸ばしていかなければならぬ。こういうふうに相ともに依存しているわけでありますから、両方とも相まって進めていきたい、こういうように考えております。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 日本の農家が肥料に対して大きな購買主であるということは、これは申すまでもありません。従いまして、農家の購買力が肥料工業に大きな影響を与えるということも、これまた当然のことであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 もしも認識がそれほど深ければ、農業所得が減ずるということになりますと購買力が低下します。今家計費を割っておる。家計費を割るにも限度が出てきておる、限度が出てくるということは、生産資材に投入される資本が不足をしてくる。生産資材に投入する資本が不足をしてくると工業に非常な影響を与える。今のところは家計費に食い込んでおる程度で農民ががまんしておるところにまだ工業の維持されておるところの原因がありますが、今後これ以上農業所得が減って参りますと、就業時間が減少して参りますと、とうてい再生産のために投資する余力がなくなって参りますと、日本工業に一大影響を来たすであろうと思う。何といいましても国内の需給の大きな消費者は、農機具であれ、農薬であれ、繊維工業であれ、これは膨大な人口を持っております農村の購買力に依存しておるということが大きい。従いまして農村の破綻というものは、農であろうことが予想せられます。この予想をするならば、今の政府は安閑としてその職にあることができない、じくじたるものがなければならないと思いますが、その点はさらにあとに進めます。  そこで外務大臣がお見えになりましたのでお尋ねいたしますが、いわゆるアメリカからの余剰農産物の受け入れば、日本農業にどんな影響を与えておるとお思いになっておりますか。おそらく前のMSA協定から発展いたしました新しい協定であります余剰農産物受け入れの協定を結ばれた際、日本の農業にどんな影響を与えるかということをお考えになって調印されたかどうか、無関心で調印されたのか、日本の農業がわからないから判をついたのか、わからなければわからないでけっこうです。わかって協定を結ばれたのか、わからずに結ばれたのか、わかって結んだとすれば、どんな影響があるだろうかということを予想せられましたかどうか、この点外務大臣にお尋ねいたします。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私が農業について多くの知識を持っていないということはお話の通りであります。しかしながらいやしくもこの協定を締結する場合におきましては、十分それらのことを閣内においても検討いたしまして、担当閣僚の意見も十分に徴しまして、日本の農産物、日本の農業に対して悪影響を持たないという結論に達しましたので、この調印をいたしたわけであります。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 余剰農産物の受け入れは、日本農業に悪影響なしという考あります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 もしも悪影響がある場合においては、協定を破棄される用意がありますかどうか、外務大臣にお尋ねしたい、あなたば影響がないと言う……。農林大臣ではない、外務大臣だ。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 ただいまのお答えで不十分のようですからつけ加えさせていただきます。今回の余剰農産物の受け入れにつきましては、特に慎重に検討いたしまして、わが農産物に悪影響は絶対にありませんという限度において受け入れをいたしたわけでありまして、実はさらに飼料等につきましては、もう少し要求をいたしたのでありますけれども、これは先方に余剰農産物としてございませんので、受け入れることのできなかったものはございますが、現在受け入れることに決定いたしましたものにつきましては、この程度が一番適当であるという認定でやったわけでありまして、ただいま川俣さんのお話しになりましたように、悪影響があったらどうするか——悪影響があるとは考えておりません。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私も今河野農林大臣のお説の通りに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 悪影響がないということで協定を結ばれた、こういうのですね、さようですか。——そういたしますと、悪影響が出て参りますならば、あるいは予測しない悪影響ということになるかもしれぬが、われわれからいえば、初めから予測できる。予見できる。現に現われておる。この悪影響、あなた方から言えば予見できない悪影響であろうけれども、出て参りましたえですか。悪影響なしとして結んだのだから、出てくればという当然な考えが出てこなければならぬはずです。あわせて総理大臣にもお尋ねしておきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 今日さような悪影響がないとわれわれは認定しております。問題が起らないと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 外務大臣と同様な考え方であります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 余剰農産物というものをあなた方は甘く考えておられるのですが、これはどうもおかしいですね。大蔵大出も経企長官も世界の農産物の動向というものは十分おわかりになっておるはずです。どこから余剰農産物が発生してくるかという問題、これはもう常識でしょう、世界的な農産物の過剰です。世界的な農産物の過剰の結果余ってくるから、余剰農産物と言うのです。大切な農産物とは言わない、あり余った農産物と、こういうことになる。あり余ったものを引き受けなければならないほど、日本の産業の基盤、日本の農業の基盤が確立しておるならば、これは問題ありませんよ。最も底の浅い日本の産業、先ほどからるる述べられたような日本の農村の状態、農業所得の状態、不完全な就業状態にあります日本の農業に、外国の人が働いたものをなぜ持ってこなければならぬか。一体食糧を輸入するということは、経済的には外国人を連れてきて日本で農業をさせることと同じことなんですよ。そんな余剰農産物を一体なぜ受けなければならないか。余剰農産物があればこそ世界的に価格が下ってきておる。これは需要国の問題ではなく国の施策が世界的に行われておる。日本がアメリカの属国であり植民地であるならば、これは別問題である。アメリカの命令によって買わなければならぬ義務も生ずるだろうが、従属しておるのではないでしょう、あるいは従属させようという考えでもないでしょう。鳩山さんは盛んに日本の独立をこいねがうと言いながら、こういう食糧の問題では、従属の関係にある、従属の関係に置くような協定をあえて結ばれておるのじゃないですか。この点をもう一点。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 どうも川俣さんの今のお話を承わっておりますと、余るものを外国へ売る、足りないところは買う、これは当りまえと思うのであります日本で余っておるものを買ってくるなら、それはいけないと思います。足りないもの、当然わきから買わなければならぬものを買っておるのであって、日本で買わなくてもよろしいものを買う、不必要なものを買うと政府は思っておりません。またそれが非常に日本で過剰になれば、中途において買うことをやめるということは当りまえでありまして、何もこちらで不要無間のものを買わなければならぬと考えておりません。要るものだけを買うのであります。アメリカでは余るでしょう、しかし日本では足りないのであります。これは他の国から——カナダから麦を買う、タイ、仏印から米を買う、みな買っておるものをアメリカからも買うということでありまして、向うでは余っているけれども、こちらは足らぬので、向うで余っているものをこちらで買うのであります。演説会ではその通り税明してもいいのですけれども、今予算を審議しているんですよ。どれだけ国内に食糧を増産するかしないか、予算をどうするかということをきめるこの予算委員会なんですよ。なるべく予算を減らしておいて外国から買う、その都合で予算を組みましたというならば、これは別問題。あなたの、土地を造成して食糧の増産をはからなければならない、農業の生産物を上げなければならない、こういう方向と、不足にして外国から買ってくるという方向は違うじゃないですか。だからして予算を減らしてきておるのではないかと、こういうのです。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 お答え申し上げますが、自給度の向上をはかるということは言っております。自給度の向上ははからなければなりません。自給度の向上をはかりましても、完全な自給自足を可能ならしめるということは、五カ年計画の最終においてもわれわれはできるとは思っておりません。でありますから、その過程において引き続き買ってくるということは当りまえであります。一方においてふやさないということは考えておりませんが、これは五カ年計画の推移をお考えいただけばよくおわかりいただけると思うのでありまして、一方において人口がふえます。でありますから五カ年計画の最終においても、現状よりも外国の米麦への依存度は低めるように、自給度を向上するようにということを祈念して、予算を組み、施策を講じていくということにいたしておりますけれども、これをにわかに外国の米麦は一切入れなくてもよろしいというわけには参らぬのでありまして、私はおそらく社会党が今後内閣をおとりになっても、外国の米麦に依存せずに国内でやるというようなことは不可能であろうという考えを持っております。急激に人口構成が変ってくるということであればともかくといたしまして、なかなかそういうことはできるものではない。昨年のように天候に非常に恵まれて未曾有の好条件だというときでも八千万石でございます。そういう諸般の点から考えまして、なかなかそういうことは困難だというふうに考えますから、これは当然必要なものを受け入れるという建前でやっているわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 一般の食糧の輸入、日本の需要から起ってきた食糧の輸入と余剰農産物とは本質的に違いますよ。違わないと言うのなら、日本の農業の中でようやく伸張してきているのは酪農だけですが、これに打撃を与えたのは何ですか。明らかに酪農に対して打撃を与え、その発展を阻害してきているではありませんか。学校給食の横流し、あるいは森永の不正事件なども、安い酪農品によって圧迫を受けた姿が森永の不正事件になって現われてきているのだし、あるいは学校給食の横流しがいかに日本の酪農に大きな打撃を与えているかということを知っているはずではないか。知って手を打たれておらなければならぬはずではないか。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 森永の事件もはなはだ遺憾なことでございます。学校給食の横流しも遺憾なことでございます。しかしこれは横流し自体が悪いのでありまして、学校給食が完全に行われるということならば、それによって私はさしたる影響はないと思っております。現に日本の酪農は一時窮状に陥りましたが、最近は酪農は決して悪いとは私は考えておりません。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これは農林大臣として以外な答弁です。森永の不正というのは、日本の酪農品が外国に圧倒され、それをカバーするために起った不正事件なのです。やったこと自体は悪いにきまっております。私はこれを擁護するなどという考えはありません。あれだけの人命をそこねて、それでいいとは思いません。しかしながら外国の不必要な、日本の酪農界にとって大きな痛手になるような、余剰農産物を入れた結果、窮鼠ネコをかむような不正事件です。(「そんなばかなことがあるか」と呼ぶ者あり)現にそうなんです。採算が合わないためにやられたことなんです。あるいは学校給食だってそうですよ。(「牽強付会だよ」と呼ぶ者あり)何が牽強付会だ。日本の酪農を進展させるために学校給食をやるならば、これは酪農の伸展になるけれども、ただ学校のやる給食を、できるだけ安い金で給食させたいという考え方だけであれば、これは問題はない。ところがいかに日本の酪農界に影響を与えるかという問題が起ってきているということなのです。予算の上からいえば安い物を食わせることは、その通りいいのです。そのこと自体が日本の酪農界、日本の農業にどれだけ影響を与えるかということの考えなしに、余剰農産物を入れてくるところに問題がある。わかったか。(笑声)

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 これは御承知の通り日本の食生活改善の面からいきまして、学校の給食が非常に寄与しておるパン食の奨励がわが国の食生活の改善にいかに大きな好影響を与えておるかということは、川俣さんもお認め願えると思うのであります。そういたしますれば、それと関連いたしまして、パン食を奨励する反面において、動物蛋白を補給していかなければならないという面から学校に給食を奨励し、また粉ミルクを配給するということは、当然私はやらなければならぬことだと思うのであります。それが横流れをした、その横流れが一時非常に影響を与えた、これは確かに悪いことであります。しかしそういう悪いことがあるからといって、日本の国民の食生活改善にこれだけ大きないい影響のあるものをやめてしまうということは、とるべきではないのであって、その横流れをいかにして防除するかということに専念すべきだと思うのであります。してみれば、こういうふうに学校給食をやり、それに低廉なる動物蛋白を補給するという道を選ぶということも、決して今御指摘のように、ひどくそれがどうこうとおっしゃることではないのであって、これによって一般の国民が、だんだん少年の成長することによって、動物蛋白を食生活の上において慣らされる、そこに消費が増大していくということになりますから、将来の日本の畜産の発展の上にも大いに寄与することができるというふうに私は考えております。悪い面ばかり今のようにああだこうだ言われれば、それは悪い面も確かにあるかもしれませんが、いい方の面を考えて悪い面を極力防除しつつ伸ばしていくことにわれわれ努力していくことが一番いい政治のやり方だと思うのであります。ただ悪い面ばかりを頭から攻撃されて——これは社会党にも、三宅さんのように熱心にこの点でわれわれに御協力いただいておる方もおありでありまして、決して悪い面ばかりおっしゃらずに、いい方の面も大いに宣伝していただきたい、こう思うのであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 三宅君のいう学校給食は、日本の酪農発展のために両立させたいというのが主張なんです。安いあり余ったものを押しつけて、それでありがたがらして子供を育てていくよりも、日本の酪農の発展のために、日本の食糧の自給度を高めていくために、しかも不足である動物蛋白質あるいは農産物の植物蛋白質、あるいは魚類の蛋白質にいたしましても、国内の自給度を高めていく、そのことが日本の独立発展への道であるという考え方で、しかも今日世界的に見て最も栄養分の足りないところを補っていきながら、日本の農業の発展を企図いたしておるところに意味がある。それでなければ意味がないのです。まあ議論はあと回しにいたします。その考え方が整理されていないから、今度の予算計画全体から見ましても、五カ年計画を立てておるのだけれども、一体自給度を高めていくのか、あるいは外国の食糧に依存するのかということの調和というか、調整というか、その解決がつかないままに出されたのが今日の予算だと見ていいのです。どっちつかです。はっきりした方針がないではないですか。この矛盾撞着のために——今日の予算の性格が非常に明瞭を欠くゆえんのものもここにあると思うのです。高碕さん、これを割り切っておれば、もっとはっきりした計画ができたはずです。どっちつかずであることはみずからお認めであろうと思います。ですからこれは議論いたしません。  次に農産物の価格安定が必要でありますことは私が申し上げるまでもないと思います。日本の農業生産力が曲りなりにもわずかに上昇し、あるいは下降しないで済んでおるのは、価格支持政策をとっておるものだけです。ここにやはり問題があるのです。余剰農産物を入れて参りますならば、日本の農産物は価格が低落していきますことは申し上げるまでもない。価格が低落して参りますならば、日本の農業生産力が縮小して参りますことは明瞭であります。そこで私は価格支持政策をとるべきだと思うのですが、これはおそらく農林大臣もとるべきだと言うであろうと思うのですが、どうなんですか。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 現在の世界の農産物の傾向からいたしまして、御指摘のように生産は非常に過剰になりつつある状態であります。当然これとわが国内の農産物の価格との間に調整をしていかなければなりませんことはお説の通りであります。しかし、政府は一方において為替の面である程度これを押えておりますから、この点で是正できるもの、調整のできるものは、まずこの点で第一に考えて参ります。それからさらに広範にわたるものにつきましては、特に別途の方法を講ずる必要があるということを総括的な考えとしておるわけであります。この機会に当然お尋ねがあると思いますから、申し上げておきたいと思いますが、大豆の問題であります。大豆につきましては、国内生産で、これが市販に回りますものは約二十万トン、外国から入れますのが、六十万トンということになっておりますから、この外国から入って参ります外国産の大豆の価格と国内産の大豆の価格との間に、今いろいろ考えなければならない問題があるわけであります。これを国内産並みに外国産の輸入する大豆の値段を維持していくとすれば、やはり砂糖と同じような傾向が出てくる。そこでにわかに国内産の大豆について、これに価格支持政策をとることのよしあしについては考慮する必要があるというので、せっかく今検討中でございます。これをもしやります場合には、今言った通りわが国内産の二十万トンの大豆の価格を維持することに努力をするあまり、全面的に油もしくは豆かす等の価格が高くなり、そして農家に悪影響を来たす、その結果一部の商社が利益を壟断するということはとるべき施策ではない。さればと申してこれを自由にいたしますれば、国内産の二十万トンの大豆が非常に圧迫を受けるということになりますので、これを両面から十分検討を加えまして結論を見出さなければならないということでせっかく検討中でございます。もし価格支持政策によって、農産物価格安定法にこれを加えるということにいたしますれば、反面において今申すような点について、どういう施策を講ずるかということを考えつつ臨まなければならない。万一大豆をAAにいたしまして自由に輸入いたしますれば、国内産の大豆が暴落いたしまして、それによって生ずる影響をまた別途考えなければならないということになりますから、その取捨、いずれを最終決定とするか検討中でありますが、大体の傾向といたしましては、国内産の大豆の価格を一定限度に保持することができるような施策をとることができ、しかして今申しましたように、豆かすその他があまり高騰しないで落ちつくようにするには、どういう方法によってできるか、せっかく今検討中で、しかもこれはあまりおくらすわけにはいかない問題だと考えておるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 その答弁で次に移りたいと思う。世間でいわれておるように、河野農林大臣は豆の下ることを消費者が喜ぶのじゃないかということで下ることを期待しておるような印象を受けております。ところが生産価格は下っておりますが、とうふの値段も納豆の値段も下っていないのですよ。これは投機の対象になって下っておる。一体今の穀物取引所がいかぬのです。この問題は鳩山首相にも関係のある問題ですから、いずれ別な機会にこれをゆっくりやりますが、一体今日の取引所は− 本来から行けば取引所の使命というものは、流通を円滑にして価格を安定させるというところに取引所の価値があるのです。ところが現物価格はそれほど安くないのに、取引所の値段は安い。消費価格が安くなっていないのに、取引所の価格だけが安くなっておるような、この取引所のあり方については、十分検討しなければならぬと思うのです。こういうことをかりに許しておくと、いろいろな疑惑が出てくることになると思う。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 御指摘の通り、現在の雑穀の取引所につきましては、十分に検討を加えて何らかの改善をしなければならぬということは、私も同感でございます。国内産のごく少量を対象にした思惑売買が行われており、それによって不測の事態を起しておりますことははなはだ遺憾でございます。また大豆等につきましても、ただいま御指摘の通りでございます。でありますから取引所、特に雑穀の取引所の改善につきましては、早急に何らかの改善策を講じなければいけない。今川俣さんのおっしゃるように、これが一般農産物の価格、国民生活の安定にいい結果を生んでおるような場合が少いということについては、私も実は肯定しておるわけでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 次に、農林大臣はたびたび米の統制撤廃はやらないように答弁になっております。しかし別な言葉で言うと、統制撤廃あるいは統制を続けるだけが能じゃない、そのほかのものもあるだろう、こういうようなことも答弁されております。おそらくそのほかのものというのは間接統制だろうと思う。現物統制も困難であるけれども、間接統制はさらに困難であることは今までの歴史で明らかなのです。なぜかと申しますと、間接統制というのは物そのものを統制しないで、価格操作によって物の動きを規制するところに間接統制があると思うのです。価格操作によって物の動きを規制するだけの財政余力を日本が持てば別でありますけれども、持てない現状でありますから、そこに問題があると思います一体統制撤廃をしないというのですが、三十一年度は現行通り食糧管理法は改正しないという意味でございますか、この点をお尋ねしたい。  続いて、どうも夏ごろには食管の赤字が出てくるから、参議院の選挙が終れば消費者価格が上げられるのではないかというような不安が世間にございます。あなたが何と弁解しようとも、そういう不安がある。本来でありまするならば、実力大臣でありますから、河野君の言明によって一掃されなければならぬはずだけれども、不安の存在するところは、あなたの実力をもってしてもなお不安があるというところに問題があるのですから、明瞭に御答弁願いたい。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 米の消費者価格は絶対に値上げをいたしません。これは川俣さんのような有力な方が心配して、上げるだろう上げるだろうとおっしゃるから、世間が疑惑を持つのであります。もし上げることに反対ならば、われわれと同様に、絶対に政府に上げさせない、こうおっしゃっていただけば、一般の疑問は直ちに氷解して、上げないということになるのでありますから、この点は御協力をいただきたい。われわれの方は上げる考えは持っておりません。しかも上げずに食管の操作ができるようにちゃんと予算を立てておりますし、しかも先ほど来御指摘の通り、国際的な米麦価は、われわれの予想以上に下る傾向にありますから、これをわれわれは十二分に安く買いまして、そうして一般の消費者には、外米についてはある程度これを下げます。それらの操作によって、内地米の価格も上げずに現行通りでやっていかれるというふうに考えておるのでございますから、その点は決して値上げはいたしませんということと、統制撤廃の問題でございますが、これは参議院でも社会党の方からいろいろ御議論がありましたが、統制は撤廃すべきものなり、これは自分の考えであります。しかし統制を撤廃するには順序がある、これには用意がある、それを十分に済まさなければしてはいけない。食糧に対して不安を持たせるということは絶対に避けなければなりませんから、一般の消費者も生産者も、これならば心配がない、これならばやってもよろしいという共鳴と協力と安心感ができるまでは、やるべきものじゃないというのでありまして、私がやるがごとく、やらざるがごとく、始終ぐらぐらでたらめを計うておるようにおっしゃるのは迷惑でございまして、私ははっきり申しておるのであります。やるべきものなり。やる方向にいろいろ施策はいたします。施策はいたしますが、その施策は一朝一夕にしてできるものではない。でありますから、これらの一切の施策を整えまして、そうしてできるという段階が来たらばやるということにいきたい。そういう考えのもとに、今申しますように、内地米につきましてはあくまでも消費者価格はこれを上げない、生産者価格につきましては、従来やっておりますような方向で価格の決定をして参ります。その間の操作ば外米、外麦で操作をして参ります。しかも今間接統制について御意見でありましたが、その御意見は遺憾ながら違います。私は間接統制でいけると思う。なぜいけるかと申しますと、これは内地米の操作が外米でできないはずはない。しかも外米も、今日では台湾米といい中共米といい、その他内地米と同質のものが相当にあるのでございますから、これらをもってすれば、決して不可能なことではないという考えでございます。しかしそれはただ私の考えでございまして、それに対して国民諸君の信頼感、安心感が生まれてこなければできるものではないという考えでございます。その点は議論になりますから、この程度で御了承願います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私も今のところ消費者価格を上げる考えは持っておりません。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私がどういうわけでこういう疑惑を持つかということです。私も河野君の言う通りやらしたいと思う。消費者価格を上ぐべきじゃないと思う。少くとも三十一年度は統制撤廃すべきものじゃないと思う。なぜ一体私が疑うかということなんです。この点が解消されれば疑いを一掃しますよ。そこでお尋ねしたいのだが、一体去年の秋に豊作を見通して、当然米の買い入れ価格での買い入れをするだけの準備をしなければならなかったはずなんです。なぜこの準備をしなかったか。あわてて今年になって、この国会が再開されてから補正予算など出したのか、この点非常にあいまいなんです。食糧証券三千五百億発行のときに、大蔵委員会で井上君の質問に対してどう答えておるか。不足を来たすことが昨年度において明らかなのです。しかも食糧証券の発行を三千五百億にしていただけますならば、十分それに備えることができるという答弁をしておる。そのときには歳出権を問題にはしていないのです。しかも食糧証券の発行に七十億の食い込みをして、中金に考慮を払っているのはどういうわけだと聞いておる。これはどうです。この間足鹿委員の答弁に法制局長打は、歳出権のないものに歳出を与えることはいけないということだが、歳出権がないばかりでなく、食糧証券の限度以上に中金をして買わしておる。この点どうです。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 関係団体が代理でこの事務を行いましたことは御承知の通りでございます。従って委任事務を行なっておるうちに、そういうふうな結果が出たということでございまして、計数を整理した結果、そのときたまたまそういうことになった。これは委任事務をしておるのでありますから、そういう結果が出るのは私はあり得ることだと思うのでありまして、それは決して政府が限度を越えて、そして命令をして買わしたというのじゃないのであって、そういうふうな事態——委任事務を受けておるものがある、それをさらに単協までずっとやっていったならば、いっどういう数字になっていくかということはわからぬわけでございますから、これはそういう点で御了承いただきたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私はそういうことを聞いておるのじゃないのです。もしもほんとうに食糧管理法そのものを順守していくつもりでありますならば、臨時国会のときに当然補正予算を組むべきであったのです。なぜ組まなかったかということです。食糧証券の発行高を上げただけでは買えないというならば、もしも法制局長官の言うように、大蔵大臣の言うように買い入れの歳出権を持たなければ買えないというならば、当然それに伴って食糧証券の発行高を上げたと同時に補正予算を出さなければならなかったはずです。なぜ出さなかったかというと、来年の一月あたりから、統制撤廃論者と大蔵省は統制撤廃をするという、あるいはさせないという議論があったために、去年買うだけの予算の用意をしなかったのじゃないですか、そういう疑惑が出てくるのです。もしもほんとうに買うつもりであったら、発行限度を七十億こえておるし、大蔵省は歳出権もないという議論であったとすれば、来年の一月一日から統制を撤廃するのでなければ、当然臨時国会において補正予算を組んでいなければならなかったはずです。この点どうですか。大蔵大臣もあわせて答弁して下さい。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 ことしの一月一日から統制撤廃をするというような議論は、閣内には全然ありませんでした。今川俣さんはそういうことのために、そういう結果が出ただろうというようなことをおっしゃいますけれども、われわれは閣内において統制撤廃をいつからやるというようなことを、大蔵大臣と話し合ったことも絶対ありませんし、大蔵大臣から近日統制撤廃をしたい、統制撤廃をしたらどうだというような忠告もしくは御相談を受けたことは絶対にございません。従って今のようなことと統制撤廃との間には全然関係がございません。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今のお話のように統制撤廃がどうだ、そういうことは全然ありません。私からもはっきり申し上げておきます。ただなぜ当時出さなかったかといえば、歳出権が大体二月の中ごろまであるだろうという考えで準備も十分進んでおりませんのでおくれたわけでありまして、事柄はごくそういうことであります。(笑声)

川俣清音日本社会党

○川俣委員 この食糧証券発行高の限度を引き上げる法律は大蔵委員会にかかっておるのです。そして大蔵政務次官は何と説明しておるのです。十二月の末にピーク時が来るからその必要があるという説明をしておるじゃないですか。すでに十一月の末に二千八百六十万石、買い入れ限度を突破しそうである、十二月の末には三千百万石に至るかもしれないから、これに備える用意のために必要だという説明をしておるじゃないですか。予測されなかったというのはどうなんですか。あの大蔵政務次穴の提案説明は間違いですか。食糧庁もその必要を認め、大蔵省も認めておったんじゃないですか、それで法律が提案になったのじゃないですか。大蔵大臣にかわって政務次官が提案説明をしておる。政務次官の提案説明と大蔵大臣の説明は違うなんということはあり得ないはずです。大蔵省を代表したあなたの説明じゃないですか。十二月の末にはピークが来る、十一月にすでに豊作の影響が現われて予算を修正して、二千八百六十万石も買い付けなければならぬ状態になってきた、予約も進んでおる、十二月はさらに進むかもしれない、三千百万石を目標としなければならないということが明らかに説明されておるのじゃないですか。しかも食管法の四条に基いて全部買わなければならない義務をあなたは負っておるのですよ。買っても買わないでもいいのではない。法律に従って買わなければならない義務が負わされておる。来年撤廃するのでもなければ必ず買わなければならないはずです。買わなければ怠慢になる。せっかく増産になったものを買わないということができるわけはないはずなんです。どういうわけです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 当時食糧証券の発行限度はもう切れておったのでありますが、歳出権の方はまだ買うゆとりがあった。それでそういうふうに言ったのです。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それはあなた詭弁ですよ。食糧証券の発行高を七十億も割っておる。すでに割っておるということは、予想以上の買い入れをしなければならないことが明瞭ではないですか。これを法制局に聞くと、法律が先行して先にそういう用意をして、あとから歳出権をつけるのが常道だと言う。これが普通だと言う。衆議院の法制局では法律が先議されてあとで、予算がそれに従行するのが法律の建前だとこう言う。これは常識であり、それが断りまえなことであり、それが事ましいことだというのが法制局の考えであるのだそうです。みなそうなっていれば問題はない。ところが今度の予算を見てごらんなさい。法律の方があとになって、予算の方が先になっている。今日の予算編成を見ると逆なんです。みな常識はずれです。常道ではない。わずかにこれだけが常道をやった。それで手おくれになっている。法制局に言わせると、法律が先議されてそれに予算がついてくるのが常識だそうです。それが普通のやり方です。ところがほかのやつはみな予算が先議されてあとで法律がついている。並行してくるなら別です。一体どうしてここに手を打たなかったか。なぜ食糧管理法というものを遵守する考え方がなかったのですか。せっかく農民が売りたいという米に金の手当がでまてないということをさせておったら、これは統制撤廃になるのではないかという考えを持つのが当りまえなことではないですか。ワクがないのですから買えないということが起きてきておるから——しかもワクを七十億も突破しておる、歳出権がないから買えないというような考え方であるなら、撤廃になるのではないかという疑いを持って悪いということが、一体どこにあるのですか。りっぱなことをやっておるなら、疑いを持って悪いということがあるけれども、こんな手落ちをしておいて、やりませんと言ったってだれが開くか、こういうことになると思うのです。もう一ぺん答弁して下さい。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 お話の通り何ら他意はございません。例年の慣行から見まして、あなたも御承知の通りこんなに早く米が出てくるとは予想しません。これはもう従来でございますれば正月になり、二月の旧正月の後に米の受け渡しができるということが慣例だと私は思っております。でありますから、われわれとしては今この通常国会の再開の劈頭にこれを提案して御審議をお願いすれば、十分間に合っていけるものなりという考えでおったのであります。ところが予想外に昨年末から今年の初めにかけて米の受け渡しが早まってきた。こういう関係で非常に協力をしていただく結果、こういうことになってきたというので、あわてて提案をし御審議を願っておるようなわけでございます。これが今川俣さんのお話のように、統制撤廃をする気だからやらないのだろう、そういうことを考えておる人は、私は農村を方々歩きましたがあまり聞きませんでした。もしそれが悪かったら私たちの方がそういう誤解を生むようなことにしたのは悪いかもしれませんが、そういう意図は毛頭ございません。こういうことで米の統制撤廃をするとかなんとかいうこととからめて御議論下さることは、一つ御了承願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これはまだあなた誤解がありますよ。これは実際金が窮屈であった。手控えになっている、支払いが延びているのはたくさんあります。私は時間がないからあえて指摘しません。十一月の末に予約申し込みはさせましたよ。しかし、どんどん現物が入ってくるに従って手当をしなければならぬのだけれども、手当がおくれている。一つは今度問題になるところの農業団体の再編成の問題です。農協あたりに盛んにこういうことをやらしておいて、再編成するぞと打ち出すものだから、農林大臣の言うことをどこまで信用したらいいかというような疑惑が出てきて、こういうことになってくる。  そこで団体再編成の問題を聞きたいと思うのであります。河野君は農業団体の再編成の方向を明らかにしたようなパンフレットを出しておられるようです。しかし党は再編成に反対だという、河野氏は賛成だ、あるいはその構想なるものを持っておられるようです。農林大臣は農林大臣であると同時に、政府と党との連絡員になっておられる。従って団体再編成をしないという党の決定がほんとうなのか、あるいはあなたの構想をどこまでも遂行される意味なのか、また団体再編成についての構想がありましたならば、これを明らかにしていただきたい。なければないでよろしい。あればその編成の内容を明らかにしてもらいたい。あるいは党との食い違いの点を将来どう調整されるつもりであるか、その点も明らかにしていただきたい。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 団体再編成の問題につきましては、いろいろ誤解もあるようでございますから、この機会をちょうだいいたしまして、明確にいたしたいと思います。世上伝えられております団体再編成案なるものは、決してこれば政府の最終案でもありませんし、同時にわが党の最終案でもないということを、ここに明確にいたしておきたいと思うのであります。しからば党の方で、今御指摘のように団体再編成は反対であるとおっしゃいましたけれども、これは決してわが党の党議は、団体再編成はやっちゃいけないという党議の決定は私はあるとは労えておりません。指摘されましたような単位農協の信用部を独立するということについては、やってはいけないという決定はあります。それはやるという決定はまだどこでもいたしてないわけであります。この点も一つ明瞭に御了承いただきたいと思います。  それから農業協同組合の一貫した系統の組織を、私はかねがね申しますように、農産物の集荷、販売もしくは生産資材の配給等において、これはますます改善強化しなければいけないということは、一貫したわが党の政策でございまするし、私としてもこの施策に乗って、これを強化することに努力いたさなければいけない。たとえば米の統制を撤廃するその一つの大きな要素として、販売購買組合もしくは全購連、これらの協同組合を強化して、そしてこれによって平均売りのできるようにしなければなりませんから、協同組合の強化こそ、統制撤廃がもしできる段階においては、その第一前提である。私はしばしば言っております通り、条件としては協同組合の整備強化ということを絶対いたさなければいけませんということは、われわれの主張であります。ただこれとは別個に、御承知の通り、農業委員会その他農村にあります各種の団体をこの際整備統合して、農村に強力なる団体を作る必要がある。農村の政治的意欲を高揚し、もしくは農村の各種の政治運動を起す母体となる、もしくは農村に対して着手せられておらないいろいろな施策を講ずるというような点から、これが必要である。この点についての十分の考慮を払う必要があるということを考えておると同時に、早急に必要性を私が認めまするゆえんのものは、現在進行いたしておりまする町村合併のために町村の区画の変更がございました結果、われわれ農林行政を遂行いたします上において、この行政区画と農村の規模との間に考えなければならぬ点があります。でございますから、従来の協同組合の規模もしくは新しく規模をどうするかというような点等につきましても、ここに農村団体については、全体の上において考慮を払う必要があるだろう、これが第二の意であります。  第三の点といたしましては、現在の農村金融の上におきまして、農村から預金いたしますものと、借り出すものとの間の金利の関係、この金利を、現在の三段階を三段階制に改善しなければいかぬという点は、強く農村で要望されておる点であります。これらについてすみやかに適当な研究、配点をする必要があるという意から発足いたしまして、適当な案を具して再編成を御審議願いたいということを現在も考えておる次第であります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 再編成の構想があまりはっきりしておらぬようであります。確かに私どもも今日の農協の運用状態から見て、これを非難する点がないわけじゃないと思う。農協自体において多くの不備欠陥を持っておることは認めます。しかしながらこういう民主団体というものは、末長く育てていくという考え方をしなければならない。ところがこれには農林官僚の天下りのものが頭になって、農林省とひそかなる取引をしたり、あるいは予算獲得が自分の能だというような考え方でやっておるところに確かに問題はあります。ほんとうの民生的な団体であるかどうかというようなことは怪しい点があります。運輸省の外郭団体のような考え方で、中央の幹部が運営しておる点の欠陥も私は認めます。従って米の集荷につきましても、いかに農民のために考えるかということよりも、団体の運営に主力を置くというような団体屋になり切っている点の非難もないわけではございません。しかしながらそれは本来の姿でなくして、やはり農協は生産共同体として生きていけるように導いていくのが本来のものだと思うし、また農業委員会につきましても、これはわれわれの見解とは異なるにいたしましても、目下の間は行政の補助機関となっておる。土地の紛争に対しては行政の補助機関的役割を持っておる。従ってあらゆる法律に農業委員会の決定を待たなければならないようないわゆる行政補助機関としての任務を与えておる。これをあなたの構想と結びつけることは無理な性質のものなのです。結びつかないものなのです。また農業共済にいたしましてもそうです。今日の農業共済も多くの欠点は持っております。時間がないから欠点は述べませんが、持っております。持っておるけれども、あなたの構想の中にこの共済を持って参りまするならば、さらにこの弊害が助長されることこそあれ、縮小されるようなことにはならないと思う。今日のような農業共済が農民の支持を受けないというところもこれはあります。あることはあるのだが、この制度の根本はこの制度の根本として考えていかなければならないのであって、この共済という独立会計をもってやるべき、経理を明白にしなければならないようなものを、民間団体にやらせるということについては、これは今日の欠陥をさらに助長するようなことになるであろうと思う。さらに青年運動と結びつけておりますが、今日の農村で、青年は何を求めておるかといえば、おそらく就職だろうと思う。保守党の有力な地盤であるところの農村、そこですら就職運動が盛んなのです。そうすると今日の青年の求めているのは、わずかな補助金ではなくしてむしろ就労の機会を与えてくれということなのです。大蔵大臣にお尋ねしますが、いろいろな予算を削減して——あなたのは補助金を削減したいという考え方なのです。そうしてこのあいまいな団体にやる方が、補助金の能率が上るというふうにお考えになっていますかどうか、こういうあいまいな団体にやる方が補助金を切る意味があると思っておられるかどうか、その点をお尋ねしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 決してあいまいな団体に出すのでなく、あいまいでないりっぱな団体に出すのであります。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 川俣君に申し上げますが、お打ち合せの時間も迫っておりますから、簡潔にお願いいたします。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 あなたは積寒法の予算の委員長のときに、ああいう総合的なものは効率的な効果をおさめないから、なるべく積寒法などは上さぬ方がいいというのが大蔵当局の意見だった。ああいう総合したようなものでは補助金の効率が上らない、だからむしろ縦割で土地改良なら土地改良、耕種改善なら耕種改善というふうに使途が明瞭な方がより効率的だという考え方をかつて発表されている。予算の効率化の上からかくあるべきだという御意見だった。それは予算が非常に多ければ別です。予算が多ければ総合開発のようなものは相当効果がある。しかしわずかなものであれば、何も経済効果が上らないことは高碕長官も御承知の通りだ。従って積寒法のような、いろいろなものに予算がつくということでなく、重点的に予算を配分してはどうかというのが大蔵省の意見だ。その意見と今の意見とは違う。あなたはりっぱな団体だと言う。まだ構想がはっきりまとまっていないのにりっぱな団体だというのはどういうわけですか。りっぱな団体だとはどこを認めてあなたは言うのですか。まだまとまっていないし片方が言うのに、あなたがりっぱな団体だと言うのはおかしい。言難じりをとらえるわけではありません。予算の責任を持っておられるからお尋ねするのです。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 川俣さんにお答えいたします。団体の予算は従来の団体に予算をとってあるのでございまして、新しい団体に予算はとってはございません。これからできるとか、構想がまとまっていない団体へ予算をとるというようなことは決してしておりません。農業関係団体の予算は従来通りで出しております。今の新農村建設計画は、団体とどういう関係を持つべきかということについては、まだそういうつもりで考えておるのではございませんから、どうかその点は一つ御了承願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 大蔵大臣のりっぱな団体だというのは、農業協同組合、農業五八済組合あるいは農業委員会がりっぱな団体だから予算を組んだ、こういうふうに了解してよろしいですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私はりっぱな団体ができる、かように考えておるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 今あなたは、予算をなぜ出されたかと聞いたら、りっぱな団体だから予算を編成いたしましたと言う。そういうことなんでしょう。そこなんです。今予算を組んでおるのはいずれもりっぱな団体だからだ、これでよろしいかと聞いているのです。いいならいい、簡単でいいのです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 先ほど私が答弁したのは、お前はりっぱでない団体に出すかと言うから、りっぱでない団体には出さない、こういう意味で申し上げたので、りっぱな団体ができるというわけです。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 予算を組んだのは、りっぱな団体だから継続すべき団体として予算を組んだのだ、こう理解してよろしいかと聞いているのです。簡単に答弁して下さい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 先ほどから繰り返し申しますように、いろいろな理由があってむろん組んでおりますが、農村の再編成もある、りっぱな団体もできる、こういう確信があります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 問題は、農業委員会のような行政補助機関の予算をとっておいて、性格の異なる方へ予算を流用したり転用することは許されないということを御承知ですか、こういうことなのです。予算総則にはございません。行政の補助機関としてつけられた予算を、行政の補助機関でないものに流用するようなおそれが昨年も出てきた。予算の流用転用は予算総則にないのだから、おそらくやらないおつもりだろうけれども、念を押しておきます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 お答えします。これば財政法その他会計法ですか、そういうような範囲内においてやり得るが、限度以上にはむろんやることはありません。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 性格の変ったものにやるということは、予算総則にない以上これはできないというのが原則でなければならないと思います。これを大蔵省は往々にしてやりたがるから、私は注意をしているのです。問題は効率を上げるために削減をしたと言いながら、効率のないようなものに予算をやられるのはどうかということです。  たとえば積寒法に命ずるように、積寒地帯の計画を立てなければならぬ、計画は立ててある、あるいは治山治水にいたしましても十カ年計画などを立てている。あるいは特殊土壌地帯についてもいろいろな計画が策定されている。せっかく膨大な調査費をかけて計画を作りながら、実行になりますと一年か二年でみなやめている。急傾斜の問題もそうです。一番最初に急傾斜の立法が出ますと、まず十分な調査をやり、策定ができてこれが一年か二年すると予算が減ってきて実行ができないという段階になる。積寒法もそうです。りっぱな計画策定はできている。それをただ予算が削減されていって実行されていない。今度のものも協議会など作って策定はするのだけれども、これまた一年か二年でやめられるならば、これは無意味になってくるのではないか。治山治水十カ年計画にしても、必要だということで、せっかくあれだけの膨大な経費をかけて策定をしても、結局効果の上らないようなことなってしまう。そういうようなことをもう一ぺんやられる気はないのではないか、こうお尋ねしているのです。どうなのですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 その事柄自体が重要な事柄で、当然継続してやるべき事柄を、さらに予算を削減してやるというようなことはいたさないつもりであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 時間がないからもっとはっきり答弁して下さい。経費をかけてみな計画倒れになるようなことは、予算行使の上において悪いとお考えになりませんかと聞いているのです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 一ぺん計画したことについて、予算の関係からいろいろ変更を加えぬようにしろということは、私、考え方としてはそれでいいと思います。なるべくそういたすべきであろうと考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 どうも大蔵大臣、あなた聞き違いをしていらっしゃるのではないですか。いろいろ計画を策定して、一年か二年で予算を打ち切る、あるいは削減をして、ほとんど効果のないようなことは今計画すべきではないのではないか、こうお尋ねしているのですよ。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 そういうことがはっきりしておれば、むろんそういうことは計画することはないでしょう。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そういたしますれば、積寒法にいたしましても、特殊土壌地帯にいたしましても、土地改良事業にいたしましても、法律ではこういうことを五カ無間に実行するということを明らかにしておかなければならぬ。時限立法というものは、その期間において完成することが目的で法律ができているのですよ。それが国会の意思になって現われておるんですよ。その意思を実行しないで、また別なものに食いつくというようなことではだめではないか、こう聞いておるのです。その方がいいというお考えですか。それならまた別な議論になる。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私の考えでは、それは具体的に十分検討を加えた上で考えるべきことだろうと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これから検討を加える、こういう御答弁ですか。そうすると、さっきとだいぶ違っている。さっきは、いいものができればやる、こう言った。今度は検討するというんだから、そこで問題になる。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 同じような答弁になりますが、これはむろん予算編成のときに、いいものはいい、悪いものは悪い、これは具体的に考えることは当然であろうと思います。そういうことを考えてやるということであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 河野農林大臣は、今後団体の再編成、新しい団体を作るかもしれないし、あるいは内容を変えるかもしれない、まだ構想が十分できていない、こうなっているでしょう。たから、できたとすれば補正予算を組まれるのかどうかということです。

河野一郎自由民主党農林大臣・行政管理庁長官

○河野国務大臣 大蔵大臣にお尋ねですが、私に関係あることですから、便宜私からお答えいたします。おそらく川俣さんは、今の農業委員会の予算を新しく作る団体へそのまま流用するというようなことをしたらけしからぬ、こういう御趣旨でしょうと思います。それは、予算の中で流用のできるものは流用する場合が——同じ使命で新しく団体を作って、予算の総則にくっついておりますもので流用できるものがあれば、流用するかもしれませんが、大部分は流用できないと思います。これは、その使命によって予算が組んであるのでございます。しかし、それはそのときに大蔵省にあらためて私の方からお願いをする場合がある、こういうことで御了承を願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 もう一点。そういたしますると、補正予算をその場合は組まなければならぬ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは具体的になったときの問題で、今から仮定について答弁するわけにはいきません。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 それでは次に川上貫一君。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 私の質問時間は申し合せで一時間であります。非常に時間がありませんので、多岐にわたる質問ができません。主として鳩山総理大臣にお聞きしたいのでありますが、あらかじめ、その質問の骨子を申しておきますと、今日日本の国策、外交、すべてが対米依存に基礎を置いておって、いわゆる対米一辺倒であって、これが事実上対米従属の結果になっておるので、どうしてもこの政策を世界各国との平和的な共存の政策に転換せぬというと、総理の言われる平和外交あるいは自主独立というような政策はしょせん行われ得ないのではないかというこの問題が私の質問の骨子になるのでありますから、御了承の上でお答えを願いたいと思うのであります。   〔委員長退席、西村(直)委員長代理着席〕  まず第一に、これはもう明らかなことでありますけれども、今日の日本では、たとえば外国の軍艦が勝手に出入りをしておる、外国の飛行機が無断で入って来る、外国の軍人が日本で軍事訓練を受けておる、しかもそういうことが国民の耳に入って、新聞などで報道されるというと、政府の方では、何とかの処置をあとからとっておられる。これは一つの例でありまするがもし新聞にもこういうことが書かれず、国民の耳にも人らなかったとしたならば、これはいつまでもこういう形が続けられたに違いないと思う。してみると、日本では、われわれが知らないでこういうことがどんどん行われておる、こう疑わざるを得ないのであって、こういうことでは、とても鳩山さんの言われる自由独立とか、あるいは不動の方針であるという平和外交はなかなか実行できないじゃないか。そこで総理は、この一貫した対米依存、ほかの言葉でいえば、一辺倒という言葉がよく使われますが、こういう政策をどうしても転換しなければいかぬのじゃないか、こういう点であります。この点で、まず総理の所信のあるところを率直に答えていただきたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 自生独立の外交には賛成であります。対米依存の外交とおっしゃいますが、アメリカに依存した外交をやっておるつもりはありません。ただアメリカは自由主義国家であり、日本も自由主義国家であり、自由主義国家は互いに相提携をして、緊密な関係において世界の平和のために努力をしたいという基本的考えを持っておりますので、アメリカと親善関係を結んでいくということは当然のことだと思っております。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 アメリカとの親善関係はわかりますが、対米依存一方の政治、実際上は対米依存の政策になっておるとはお考えになりませんか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 占領政治以来、日本の独立性が幾分か傷ついておるというような形がありますので、そういうような形は直していきたいと考えております。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 ちょっとそこがあいまいなんですが、対米従属になっておるから直していきたいとおっしゃるのでしょうか。対米従属なんかはしておらぬとおっしゃるのでありましょうか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 対米従属の関係には断じてなっておらないと思っております。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 防衛分担金の問題でありますが、三十一年度には八十億を減額された、こういうことになっておるのです。ところが日本は、この八十億を減額してもろうたかわりに百六十億という防衛費を増さなければならぬ。これは条件なんです。しかもこの百六十億の防衛費の増額というものは、実はその中から二十六億というアメリカの軍事基地拡張の費用を出すことになっておる。つまりアメリカのために八十億を減額して、その裏では同じアメリカのために三十六億をふやしておる。さらにその上に、予算総則を見ますというと、防衛庁の施設費は必要に応じて幾らでもアメリカ軍のための支出金にふり向ける、つまり移用することができる、こうなっておるのであります。そうすると、一方で八十億を負けてもろうたが、他方では膨大な軍事基地の拡張費を支出することを承諾させられてしもうた。これでは、事実上はアメリカに対して国民が支払う分担金の削減にはなりません。言いかえてみれば、国民に対しては、アメリカに支払う金を負けてもろうたという形にして、その裏では、アメリカの軍事基地の費用を何ぼでも支出する、こういうひどい仕組みをのまされてしもうたと思うのです。もし日本がアメリカに従属してはおらぬ、アメリカに押えられてはおらぬということであるならば、こういうことはできないと思うので、す。こういう意は、総理はどうお考えになるのでありましょうか。これをお伺いしたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 外務大臣から答弁をしてもらいます。私はその意よく知りません。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 外務大臣に質問しておるのではありません。総理大臣がお知りにならぬというなら、そのお答えでけっこうです。これはいけないと思う。この重大な問題を総理がお知りにならぬ。私は金額のことを聞いておるのじゃないのです。この仕組みがひどい仕組みではないかということを聞いておるのであって、なるほど総理は、場合によっては金額がどうなったかというような点まではお知りにならぬかしりませんけれども、この防衛分担金削減の仕組み、これはわしは何にも知らぬのだという総理の御答弁というものはないと思う。(「不見識だ」と呼ぶ者あり)もし総理がお知りにならぬというのなら、私はそれでよろしい。外務大臣にお聞きしておるのじゃないのです。お知りにならぬのですか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 ……。   〔「総理大臣総理大臣」と呼ぶ者あり〕

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 外務大臣の答弁は求めておりません。

西村直己自由民主党

○西村(直)委員長代理 しかし発言を許しました。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 今の御説明は事実に反します。防衛分担金の減少を交渉して、相当額の分担金の減少を得たことは事実でございます。これは、日本の自衛力の漸増ということが条約上関連をいたしますので、一本の防衛費の漸増ということにも相なっております。これは仕組みといえば仕組みでございます。しかし軍事基地の問題は、そのこと自身はこれは日本の問題で、日本の軍事基地の拡張でございます。そうして、それは米国と共同の防衛責任を持ってやるわけでありますから、ともに共通の利用をいたしております。そこで、米国側もこれに利害関係を持っておることは当然でございます。それで、軍事基地を増すことが米国の軍事力の増強である、その引きかえに防衛分担金軽減の問題があるのだ、こういう関係にはございません。いずれにしましても、軍事基地の拡張整備ということは、防衛分担金にかかわらず、これは日本の義務でございます。その義務を遂行する場合において、その費用を防衛費の費用の一部分として計算をして、今回の防衛分担金の減少ということになったことは事実でございます。しかし、それは米国の軍事力を増すがためにそれだけ防衛分担金を減す、こういう関連を持った問題ではないことをはっきりお答えをいたしておきます。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 これはひどい答弁なんですが、そうすれば、アメリカのあの軍事基地、今拡張したりしておる軍事基地は、あれは日本の軍事基地でありますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 むろん何時にそうでございます。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 日本の軍事基地なら、あの軍事基地をアメリカ軍が使う時分に、日本に一々相談をしますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 いかにしてこれを使用するかということは、共同防衛の関係上、双方において話し合いをして使用しておるわけでございます。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 いいからかげんのことを言うてはいけません。B57は黙って持ってきたとはっきり言うておる。ちっとも相談してはおらぬ。どの軍事基地をどう使うかということについて、一つも相談しておりません。アメリカの軍事基地です。これは外務大臣が何と言われても、世界の諸国が、日本にアメリカの軍事基地があるということははっきり承知しておる。国民もそう思うておる。八十億の減額をしたように見せかけてはおるが、事実は軍事基地の拡張費の方にそれを回したにすぎぬのです。これを私は言うておる。そればっかりではないのです。今後の減額について見ましても、そのりど防衛分担金を減額される金の二倍に相当する防衛費をどうしても日本は置かなければならぬ。これはワクです。ところがさきに述べましたように、この防衛費は、必要があれば軍事基地の費用に回すことができるという予算総則になっておるのでありますから、詰まるところは、分担金の削減は、アメリカの兵隊のために出しておった金を、今度は軍事基地の方へ出すことにすりかえたというだけなんです。分担金は削減されてはおらぬのです。これは私はひどいやり方だと思うのです。こういうことがどんどんできるということは、そもそも日本がアメリカに押えつけられておるからではないか、こういうことをすら甘んじなければならぬのじゃないか。これを、私は総理にさっきから聞いておる、こういう点はどうお考えになりましょうか。  さらに、時間が十分ありませんからつけ加えて質問しますが、その結果どういうことが起ったかというと、日本の予算の編成権が、事実上自主を失うております。世界どこの国でも、予算編成の場合に最も重大な問題は、軍事費であります。これが議論の中心にもなり、国民の関心にもなるのです。ところが日本の防衛費というものは、ワクをはめられてしもうた。これは事実上、日本の予算の編成権が自主を失うたと私は言わなければならぬと思う。これほどのことまでやられておるのです。これは日本が独立をして、自走を持っている国のありさまでは決してない、こう考えるのでありますが、この点は、総理大臣の御答弁をお願いいたしたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は、日本の予算は独立性を失っているとは思いません。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 私は、この問題で議論をしようと思わぬ。さきに申しましたような、私の質問の骨子について、政府とわれわれの考え方を十分に明らかにしたいと、こういう建前でありますので、私はそう思いませんというような答弁は、非常におもしろうないのです。なぜそう思わぬかということがないと、はっきりしない。一つの例を言いますと、自主を失ってはいないとおっしゃいますが、三十一年度の予算編成に当って、どういうことが起きましたか。防衛費についてはどれだけ審議をしましたか。ほとんどしてないのです。ほかの費目については、連日にわたって閣議が開かれ、なかなか容易にきまらなかった費目もあるのです。容易に予算もきまらなかった。防衛費のみは、ほとんど審議らしい審議が行われておらぬ。防衛費について閣議を何べん開きましたか、一挙にして片づいておる。アメリカとの交渉だけで、実は右から左にきまってしもうた。これがいわゆる編成に自主性を持たぬという私の意見なんです。アメリカにワクをはめられてしもうて、日本の防衛費、すなわち軍事費については、政府は編成上の自由を失うたのじゃないか、これを言うておる。ところが、それを失ったとは思いませんという返事なのである。全くのれんにすね押しといいますか、のれんでもあればけっこうですが、のれんさえなくなっておる。こういう答弁ではない答弁をしていただきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 防衛分担金の問題は、先ほど申しました通りに、条約上の義務である。自衛力増強の問題にも関係をいたしておりますから、防衛費の問題がおのずから関係をいたしております。条約上の規定に基いて外国と相談しなければならぬということが、何も主権の制限ではないと私は思います。すべての条約は、さようなふうに運営をいたしております。従いまして、この問題は、予算編成権の問題とは関係のないことと私どもは考えております。またそうでなければ、条約などというものは締結することができぬことになるのであります。なお前に、防衛庁費を米軍用の施設費に流用することになっているから——米軍用施設費はなるほど項目はございます。それを基地の拡張、基地の拡張というように、宣伝的に言われますけれども、これはそれだけの問題ではないのでございます。そのほかにいろいろな内容がございます。その内容を一括して、かような名称でこれを言っておるわけなのでございます。決して基地の拡張をするから防衛分担金をそれだけ減す、こういうような関連性を持ったものでないことを、さらに説明を付加しておきます。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 外務大臣のおっしゃることは事実でないのだから、これを議論すれば切りがないのです。ただ一点、基地のことだけではないと言われる点があるのですが、予算総則にはこうあるのです。「総理府所管防衛庁に計上した防衛庁施設費の項の金額を大蔵省所管大蔵本省に計上した防衛支出金の項の金額へ移用することができる。」とある。防衛支出金というものの大部分は、軍事基地の拡張費であります。三十一年度予算でも明らかである。もちろんこのほかに、顧問団の費用等もありますが、これは微々たるものであって、その大部分、ほとんど全部というてもいいくらいは基地の拡張費である。この方へ回せるのです。つまり私の言うたのは、八十億を減額したが、そのかわり基地の拡張費の方へ何ぼでも回せるような予算仕組みをしてしもうたではないか。これは国民の目にはなるほど分担金を削減したと見せかけておるけれども、事実は、アメリカのための軍事基地の拡張費を裏でどんどん出せる仕組みにしてしもうた。これは分担金の削減ではない。名目上分担金であるが、対米支出金の削減には一つもなっておらない。これはごまかしだ。こういうことを言うておる。しかし、この点を私はついておるのではない。こういうことができるというのも、日本がやはりアメリカに押えられてしまって、自主的なものを失っておる結果、甘んじてこのようなことさえも受けなければならぬのじゃないか。その結果として、防衛分担金の削減の場合には、その倍額の軍事費をどうしても置かなければならぬ。それを置きますということを約束してしもうた。してみれば、今日の防衛費が事実上できておるものを、なかなか政府は削れぬでしょう。その上に、増額する分は、もうこの約束で減すわけにはいかぬのです。これが自主性の喪失だと私は言うておるのです。しかし、この点で私はあまり長く議論をしようとは思いません。  政府は太平洋でのアメリカの原水爆実験の問題について、これを中止してくれという申し入れば困難であるということを、議員の腰間に対して答弁しておられるのでありますが、この申し入れが困難である、できないというわけはどういうわけなんでありましょうか、この点をお聞きしたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 この問題に対して、私は国会においてこう説明を申し上げました。わが国としては、原水爆の使用はむろんのこと、実験をも主義としてしてもらいたくない、反対するのだという態度をとって、これまで機会あるごとに国際会議等にそういう態度を表示をいたしました。しかしながら、今日まで遺憾ながら、原水爆の使用はもちろんのこと、実験をも禁止するという国際的の規約は成立していない。国際的に成立していないだけでなく、国際法としてこれを認められているものがない。これが今日の現状であります。おそらく将来は、そういうものを禁止するという国際法の少くとも慣例ができるのじゃないかと思って、その方向に今努力をしておるわけであります。すなわち立法的の努力をいたしておるわけである。しかし今日までその立法はできておらぬのでありますから、そこでその実験を禁止する、中止するということは、これを要求しても、その実現を見ることが困難であろうという見通しであります。見通しであっても、こちらの考え方を言うことは当然でございますから、私はそれを言って——たとえば米国にはそれを言ったのであります。しかしながら米国は実験を中止する模様はございませんから、しからばその実験に対しては、十分の被害の予防措置をとってもらいたい、あらゆる注意をしてもらいたい、そそういうことを数項目にわたって厳重に申し入れをしておるのでございます。それが現状でありますことを他の機会においても説明したのでありますが、重ねて繰り返して申し上げます。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 実験を中止してもらいたいということは、いつごろ、どういう文書でアメリカヘお出しになったのでありますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは外交交渉の形においてやりました。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 外務交渉の形はわかりますが、何月何日に、どういう外交文書でお出しになったのでありますかということを承わっておきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは日付は今記憶にございませんが、口頭で、東京及びワシントンでいたしました。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 私はこういう問題を口頭でちょろっと言うておいて、それはだめだと言われたら、そらですかというようなところに対米従属の姿があると思う。重光さんは国際法で水爆を禁止していないからというようなことを言われますが、この申し出をするという問題は、水爆実験が国際法で禁止されておるのだから中止してもらいたいというのではない。申し出るのはそうではなくて、日本にとって重大な危険があるから太平洋上での実験を中止してもらいたい、こういう申し出なんです。これは当然しなければならぬことである。これを口でいっか知らぬが、一ぺん言うたことがある、これじゃ外交というものじゃないと思う。なぜ文書で日本の国民の意思を代表して、太平洋上における実験を中止してもらいたいということを言わないのか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 その御議論は伺っておくことにいたします。しかし私は今国際法上で禁止されていないから言わないということは申し上げたつもりはございません。国際法上禁止されてなくても、こちらの意思は十分徹底するようにした方がいいからその手段をとった、こう申し上げているわけでございます。しかしながらそれは国際法上禁止されておる場合と比較しますと、論拠が非常に弱いのであります。こちらの利害関係に関係することは、何でもかんでもいい、申し出をする。それが全部通るというようなふうに考えられるのは、これは非常な誤まりであります。そこでこちらのこういう問題について十分な意思表示をすべきだ、それを私は口頭で交渉することが一番適当である、こう考えたのであります。その御批評は勝手にしてもらいたいと思います。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 アメリカの水爆実験は危険はないのですか。これを聞いておる。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 第三国の利益を害さないようにあらゆる措置をとることを申し入れたのでございます。それはでき得ることであると言うておるのでございますから、その手段をとってもらいたい、こう言うておるのであります。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 太平洋上でやる。そうしてそこの公海を他国は航海しておる。アメリカは、こういうものにちっとも被害を及ぼさない、危険はない、また信託統治の中におる人民にも危険はない、こう言うておりますか。   〔「ソ連でもやってるじゃないか」と呼ぶ者あり〕

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 非常にこんがらがってきますが、信託統治の中でさような実験をやるということは、信託統治の性質上今日まで許されておることなんでありますから、やったことなんであります。それでやっておるわけであります。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 質問が違うのです。危険はないのか、危険は伴わないのかというのです。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は、原水爆はどこまで危険があるかということをそこまでは研究はいたしておりません。しかし危険があればそれに対して十分の予防措置を講ずる、こういうことはあくまで言わなければならぬ、こう考えて言うておるわけであります。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 そういう考えだから外交はできない。危険があるから太平洋に来てやるんでしょう。危険が防げるならアメリカの国内でなぜやらぬか。自分の国内ではやれないでしょう。それだから太平洋に来てやるんでしょう。被害を受けるのは主として日本人でしょう。ソ連がやる、ソ連がやるとおっしゃるが、ソビエトは、私は事実については深く知りませんけれども、伝うるところによれば国内でやっておる。アメリカが太平洋に来てやるというのは、危なくてしょうがないから来てやる。これはわかっておる。こういう問題は国際法上なんかの問題ではない。人道問題だ。国民の生命に関する問題なんだ。人道上の問題は、国際法の規定いかんにかかわらず申し入れをすることは当然だ。これが外交というものだ。これができぬような外交では、外務大臣でもなければ外交でもない。重光さんは一体何を外交しておる。あなたは外交をしてないではないか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 今のお話のような工合であるから、人道問題として最善の予防措置を講ずるように向うに申し込んでおるのであります。私は日本の外交をやっております。日本以外の国の外交はやっておりません。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 日本の外交をやっておられるならば、当然これは文書をもって申し入れなければならぬ。このくらいのことは総理でも御承知だと思う。重光さんは外交官出身なんだ。日本の国民はこぞってこれに反対しておるのです。三千三百万という国民が署名をして反対の意思を表示しておるのです。日本の国民の総数は八千七百万、そのうち三千三百万が署名をしておる。そうして国会においても、この水爆の実験の中止方を申し出てもらうように政府に要請する決議をかってしておるのです。しかもこの実験は公海の上の航海に危険がある。日本人の生命に危険がある。それゆえ、太平洋上における水爆の実験の中止方をアメリカに申し出ることは、ほんとうに日本としては当然のことです。これが外交で、これは口先で外務大臣がちょろりと言うておけばよろしいというような問題ではないと私は思う。当然文書をもって国民の意思を伝えて、この中止方を要請しなければ、外交権を使ったということは言えないと思う。外務大臣は日本の外務大臣だとおっしゃっておられるが、日本の外務大臣なら当然正式な文書をもって国民の意思をアメリカへ表示をする。外務大臣が会うたついでにちょろっと言うておるようなものと違う。しかも、それで言うておって、どうもそういうことはだめだと言われたら、さようでござりまするかといって、それでは一つ危なくないようにして下さい、——保証も一つもつきやしない。そういうことは、総理大臣に私は主として聞いておるのですが、そういうことしかできぬような状態に日本はなっておるのじゃないか。これが対米従属ではないのか。この政策を、ほんとうに今こそ鳩山内閣は、各国との平等互恵を基礎とし、平和的に共存をしましょうという政策に切りかえなければ、一歩も前進はできないのじゃないのか。これを総理大臣はどうお考えになるかという点を私は聞いておるのです。この点については総理大臣のお考えを聞きたいのです。私はあげ足をつかまえて何とか言おうということを考えておるのじゃないのです。総理はこれに対してお考えがありましょうか。率直な答弁をしていただきたいと思う。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 原爆と水爆につきましては、ただいま非常に米国においてもソ連においても研究をしておりまして、その被害、その被害の及ぶ範囲等については非常な研究をやっておりますから、必ず日本の言うこともアメリカは了承をして、その被害の及ばないようにはしてくれるものと私は思っております。ただいまはソ連においてもアメリカにおいても水爆、原爆は非常な発達をしておりまして、この数年の間に非常な発達をして、イーデンだとかなんかに言わせれば、原爆、水爆は、戦争の脅威であったけれども、現在は世界の戦争をとめるものになっておる、水爆、原爆のその威力のために世界戦争というものはめったにできなくなったから、ある意味において水爆と原爆とは戦争をとめる作用をするようになったというようなことを演説をしておりますが、私もそういうような考えを持っております。   〔西村(直)委員長代理退席、委員長着席〕 原爆、水爆というものは事実として非常な進歩をしておりまして、太平洋における演習などもそのうちには当然に発達の結果被害をとめるというようなことは可能なことだ、そういう点、まだ発達するものと私は考えておりまして、外務大臣の言うことは決して虚言にはならない、実効を持つもののように私は考えます。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 そうすると、原爆、水爆というものは戦争をなくする、こういうものだから、これは場合によってはよろしい、こういうことになるのですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 原爆も水爆も研究は両方ともに非常にやっておるのでありまして、研究をやることをとめるわけにもいきますまい。自由だと思います。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 総理大臣は、そんな、とぼけてはいかぬ。水爆の実験をとめたらいいじゃないかということは一つも言っておらぬ。私の夜間しておるのは、最初は太平洋上での水爆実験の問題で、今あなたに聞いておるのは、今度は水爆、原爆は戦争をとめる作用があるのだから、こう総理が言われましたから、水爆、原爆は戦争をとめるものなのだから必要に応じてはこれはやむを得ない、こうお考えになるのですかということを聞いておるのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 研究はとめるわけにはいきますまい。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 これは総理に聞きますが、そうしたら、総理大臣は、最近にダレスの意見を発表したいわゆる戦争せとぎわ政策、これには反対でありますか、賛成なのでありますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ダレスの何ですか、もう一度おっしゃって下さい。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 今日世界で非常にやかましい問題になっておる、いわゆる新聞などでも報道されておる戦争せとぎわ政策、これに御反対なのであるか、賛成なさるのであるかということを聞いておる。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 せとぎわ政策、せとぎわ政策というものは、あなたはどういうように解釈されておるのか。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 これは総理大臣は新聞を読んでおらぬのだ。何を読んだのですか。外国の新聞も日本の新聞も読んでおらぬ。ほんとうはせとぎわ政策という言葉も知らぬのでしょう。これはどうも驚き入ったことではないか。せとぎわ政策とは、アメリカの政策で、ダレスが最近において世界に向って公言したとも言っていいこういう政策で、戦争へ戦争へと緊張を挑発しておいて、せとぎわに持っていって原水爆を振りかざす、これを一貫した政策としておる政策、一口に言えばこれがせとぎわ政策なんです。このダレスの事実上公表した政策に反対なさるのか賛成なのかということを聞いておる。——いや、首相に聞いておる。答弁して……。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は、今の御説明によって、ダレスの、米国の政策がこうであるということを言われたことに対して、私としてそのままこれを了承するわけには参りません。ダレスが言っておるあなたの言われるせとぎわ政策というのは、ダレスが過去において経験をしたことにかんがみ——それは第一は朝鮮の戦争でございます。北鮮が南鮮に侵略をしてきたこの戦争、その次は、ヴェトナム、インドシナにおける南北の戦争でございます。その次は台湾海峡の危機であります。この三つの場合において、米国が非常に努力をして戦争を防いだ。そのときにはほんとうにせとぎわまで来た危険をなめた。しかし、それにもかかわらず戦争を防ぐことができた。そういうように、今の国際情勢は危険があるのであるということを過去の事実について説明したのが、ダレスがライフの記者に対して説明をしたところであるのであります。それで、それは何も今原子爆弾を持って、アメリカがすべて脅迫をして戦争をとめたということには何人も理解をしておらないのであります。しかしながらそういうせとぎわまで危機が来たというようなことを米国の責任者が言うことは、少しく言い過ぎだ、あまり今の情勢に危険が辿っておるように感じさせておるといって非難があったことは事実でございます。しかしそれは批評でありまして、ダレスがそういうことを言ったわけではないのであります。それを共産党が主になって妙に宣伝をしておることは、これは全世界共通のことでありますから、私はそれだけの客観的の解釈を下しておきます。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 よからぬことを言うちゃだめです。共産党と、なぜそんなことを言う。イギリスにおいて、このダレスのせとぎわ政策はどんなに悪評かということを知っているか。インドはどう言うておるか。アメリカの国内においてさえも、ダレスのこの政策に対しては一大反撃が起っておる。ダレス罷免の声さえ起っておるじゃないか。こんなことを何にも知らないで、共産党が言うておるのだ……、何を言うておるのだ。(笑声)こんなことしか言えないような外務大臣——今のあなたの話の中で、アメリカ一辺倒依存が明らかに出てきておる。ダレスの政策はいいんだとあなたは言っておる。イギリスでもインドでも、アメリカの国内でさえも、世界の各国でこれほど悪評を買うておるあの意見、これをあなたはまことに弁解して、事実上よいのだということを言うておる。だからあなたはこんなことを言うておる。アメリカとは、国防についてはもちろん、全面的に協力するのである。アメリカとの協力を国策の根本とするというて、施政方針で言うておる。アメリカとの協力を国策の根本、これは鳩山首相は言うておらぬ。自由諸国との協力、これは言うておる。アメリカとの協力を国策の根本、国防に関してのみならず、すべてのことで全面的に協力するのである。これは日本の外務大臣じゃない。アメリカの外務大臣のような態度を持っておられる。しかしこれは議論になりましょうから、私はこれ以上申しませんが、そういうことでは、鳩山首相の不動の方針だといわれる平和外交や、常に言葉に出る自主独立などはとても一できぬのではないかということを、終始一貫私は質問しておるのです。何にもあげ足をとっておるのじゃないのです。  そこで次に聞きますが、総理大臣は日本に仮想敵国があるとお考えになっておりますか、どうでありましょうか。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 外務大甲から発言を求められております。許します。電光外務大臣。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は、先ほどからの御議論に対して、しいて議論をもって報いるわけでは決してございません。ダレスの言葉に対して、各方面において相当な批判が行われておるということは、私も先ほど申し上げました。イギリスもその通りであります。しかし共産党がこれを取り上げて、強烈な批判と申しますか、宣伝をいたしておることも、これは争われぬことであります。これはあなたが一番よく御存じであろうと思います。  それから、アメリカに対して協力をすることが、日本の将来の建設に対して必要である、私は決してアメリカのためにそれを言っておるのじゃない。日本の将来をあくまでもりっぱに建設していきたいというその信念から、私はそれを申しておるのであってそれは御批判は私は伺います。共産党はおそらく正反対のことを言われると思いますが、それはそれでよろしい。しかし私は、アメリカとの協力を言うから、それでアメリカに従属しておるということは、これはそういう事実を否定されなければならぬと思うのであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は日本の現在の仮想敵国を考える必要はないと思っております。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 仮想敵国を考えられておらぬ。ところが実際に日本では今アメリカの原水爆基地がどんどん大きになっておる。これはどういう関係になるのでありますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 チャーチルがたびたび言いました通りに、とにかく現在の世界の平和というものは、力による平和、力の平均による平和ということになっているのでありますから、力を持っていなければ、平和の維持ができないのです。それで自由主義諸国と日本とが協力関係において共同防衛に立つということは当然なことだと思っております。さればといって、米国と共同防衛に立っておるから、ソ連を敵として戦うつもりなんだというようなことを考える必要ばない。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 そういうことを聞いておるのではないのです。仮想しておる敵国もない、考えられないと言われるのに、日本をアメリカの原水爆の基地にどんどんしておるが、これはどういう関係なのか、どういうことなのか、これを聞いておるのです。——総理がよくわからぬらしいので、もう一ぺん言いましょう。原水爆の基地というものは、原水爆で他国を爆撃する基地なんです。それを日本にどんどん拡大し、作っておるが、仮想敵国はないとおっしゃるのに、これはどういう関係になるのですかということを聞いておるのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 日本は自国防衛、守る権利を持っておるのであります。防衛のために日本はやっておるのです。その範囲は出ていないと思っております。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 原水爆の基地が防衛だ。仮想敵国はない。日本にあるアメリカの軍事基地に、たとえば原爆搭載の長距離爆撃機B57が来ておる。しかも日本には何の相談もなく勝手に来ておるんだ、こういう答弁をこの委員会でもなさっているのです。長距離爆撃機です。原爆搭載です。これを出さなければならぬから、今回は板付その他の飛行場も二万二百フィートの大きにしなければならぬ。この前の国会では、総理大臣は、ジェット機が来るのであるから、基地を拡張するんだと言われた。ところがジェット機ではなく、B57が来た。このB57が来るについては、何か話がありましたかという議員の質問に対して、何にも話はない、黙って来た、こういうことをこの委員会で答えておられる。原爆搭載長距離爆撃機が待機しておる原爆基地というものを、防衛だ、防衛だと言うたでは、私は済まないと思う。これは言いのがれでありましょうけれども、そういうことを言うたのでは、委員会での言いのがれはできるかもしれません。しかし国民及びアジア諸国の人々が納得しますか。これがアメリカの爆撃基地で日本にどんどんこれを大きにしておる。これは外国に向っての基地でも何でもなこに、日本が守ろうとしておるだけなん、だ、こういうことをおっしゃって、言いのがれはできても、私は世界諸国民を納得させることはできないと思う。そういう言いのがれを国会でせなければならぬというところに問題があるのじゃないか。こういうところに日本の政治が、国策が、外交が、対米従属、アメリカの隷属の形になっておるから、こういう無理なことさえも総理はここで言わなければならぬのではないか。これを総理はほんとうに勇気をふるうて政策転換をする決心はないのか。これをやらなかったら日本の将来に一歩を踏み出すことはできぬのじゃないか、自主独立はできぬのじゃないか、これを私は終始一貫私の質問で聞いておるのです。総理はどうお考えになりますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 日本は現在の憲法によりまして、自衛のために国力に沿う最小の限度の兵力を持つ以外には兵力は持てないのでございます。そのためにアメリカと協力をしまして自己の防衛の目的を達成しているわけであります。その範囲内においてアメリカに対しては基地の提供も必要であろうし、そういうような専門家の意見によって日本の防御に十分なだけの設備を協議の結果やっておるものと推測をしておるのであります。日本の国を守る上から当然な措置だと私は労えています。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 総理大臣は一つ考えられたらどうか。防衛ということは国の平和と独立を守るということであります。これが防衛なんです。その防衛の第一義というのは、アメリカの原爆基地を日本に作ることじゃないのじゃないですか。資本主義国のみならず社会主義国や中立国、特にアジア諸国との友好関係をどんどん深めて、主権を尊重して、帝国主義の植民政策には反対して、平和を目ざす工作をどんどん進めて、日本の国際的地位を高めるということが防御の第一義じゃないですか。これをせずして防衛はできない。時間もありませんから私は繰り返して言いますけれども、決してあげ足などをとっておるのじゃない。今日、インドやビルマやその他アジア譲国の動向を見ましても、アラブ諸国のあの立ち上りの姿を見ても、またダレスのいわゆるせとぎわ政策に対するイギリスやフランスやアジア諸国の反対を見ても、世界の情勢というものは、今一大変化の曲りかどにきておる。これは事実です。力の政策は破綻しつつあります。これも事実です。こういう時分に総理大臣がただアメリカの袖にすがって、軍事基地を広げて、原子兵器を持ち込んで、憲法を改正して、兵隊を作りさえすりゃあ、それが防衛であると、私は静かにお考えになったら考えぬだろうと思う。今日中国やソビエト、これに背中を向け、中立諸国の緊張緩和の努力を白い目で見て、ただアメリカの言いなりになっておる国は、おそらくアジアだけでありません、西欧諸国からも必ずひんしゅくされるでありましょう。これは総理大臣にはわかると思う。私は正直に言うが、アメリカ一辺倒でほんにこり固まっておられるような重光さんは、この人ならち一つとわからぬが、(笑声)総理大臣は政党政治家として長い経験を積んでおられると思う。長い経歴の方だと思うのだ。この人がこれほど道理にかなうことが私はわからぬことはないと思うのだ。ただ憲法を改正して兵隊を作りゃあ、それで防衛になるんだ、これは腹の中で思うておるのではないが、こういうことをやっぱり言わなければならぬのも、ほんとうのところを言えば、あなたがアメリカ依存、一辺倒の政策を変えることができない、アメリカ隷属を断ち切ることができない。だから日ソ交渉でももたもたしておるのです。非常に動揺をあなたはしておるのです。これはどっかやっぱり日本がアメリカに従属しておる、この政策に対して、でき得る限りの努力を払って平和的共存の方向に日本の国策を切りかえようというここの踏み切りがっかぬ限りは、いつまでもこのような情ない答弁にあなたの答弁はならざるを得ない。私は時間がないと言われるからこれでやめますが、あなたも一世一代の仕事として今総理になられ、日ソ交渉を進めておられる。人間の命はわかりません。(笑声)今早い間に国策を転換し、日ソ交捗をどんどん進められる、こういうことを私は総理に申し上げて、時間を厳守して私の質問を終ります。

三浦一雄自由民主党

○三浦委員長 明日は午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十七分散会

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