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24回国会衆議院1956/06/01

本会議 第60号

発言数
29
登壇者
6
会派数
3
開催日
1956/06/01

会議録

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) お諮りいたします。内閣から、日本放送協会経営委員会委員に阿部真之助君及び村上巧児君を任命するため、放送法第十六条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 起立多数。よって、同意を与えるに決しました。      ————◇—————

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 日程第一は提出者より委員会の審査省略の申し出があります。右申し出の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  日程第一、鳩山内閣不信任決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。淺沼稻次郎君。     —————————————     〔淺沼稻次郎君登壇〕

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼稻次郎君 ただいま議題となりました鳩山内閣不信任決議案の趣旨弁明を、社会党を代表していたします。(拍手)  まず第一に、主文及び理由のおもなるものを朗読いたします。     主 文  衆議院は、鳩山内閣を信任せず、即時退陣すべし。  右決議する。     〔拍手〕     理 由  一 内閣の首班たる鳩山一郎君は、身心共に国政担当の限界に達し、加えて閣内不統一と与党内の混乱は、もはや鳩山内閣が国政担当の資格に欠くものといわなければならない。一 鳩山内閣は民主主義、平和主義に立つ日本国憲法を擁護すべき立場にありながら、国の憲法と秩序を全面的に変革せんとしている。これは、明らかに反革命を意図しているものである。  一 鳩山内閣は憲法改悪と保守永久政権を企図し、小選挙区法案を提出し来つたが、世論の総反撃に会うや、与党自ら骨抜きにひとしい大修正を行うに至った。これは与党自ら政府の政策を否定し、政府への不信任の態度を明らかにしたものである。  一 鳩山内閣の公約たる日ソ国交回復のためのロンドン交渉は本年三月、事実上の決裂となり、抑留者は依然として帰還できず、北洋漁業は危機に直面した。しかもその後におけるモスクワ交渉の経過について政府は国会に何ら内容の報告を行わず、かつ、本国会は六月三日に終了するにもかかわらず、対ソ平和回復のための具体的方針はついに明らかにされていない。  また、依然として対米追随外交をとり、日韓外交は行詰り、日比賠償においては軽々にもわが国経済力を無視した過大の賠償を約し、更に日中国交調整、日中貿易振興には何ら見るべきものがない。  一 鳩山内閣はその内政において、インフレを包含する軍事予算を組み、いたずらに巨大資本のために奉仕して、国民生活の破壊をかえりみない。また、憲法改悪の精神的支柱を作らんとして教育関係三法案を提出し、世論を無視して強引に通過を図らんとしているが、これはわが国の平和主義と民主主義の教育を根底から破壊せんとするものである。  一 鳩山内閣は綱紀のびん乱、その極に達し、内閣の有力閣僚の身辺は疑惑に包まれ、防衛庁、大蔵省始め、各省における国民血税の乱費は目に余るものがある。  一 鳩山内閣は政党の生命ともいうべき公約を無視し、政策は常に政権維持のため犠牲となっている。以上、要するに鳩山内閣はその公約を裏切り、内政、外政において失敗したばかりでなく、わが国の政治を封建的、軍国的、官僚主義の昔に返えそうとしているものであり、日本の独立と平和と民主主義を守り、国民生活の安定を願うわれわれの断じて許すことのできないところである。  これが、鳩山内閣不信任決議案を提出する理由である。     〔拍手〕  以下、不信任の理由について若干の説明を加えて参りたいと思うのであります。  第一は、鳩山内閣は、民主平和日本の基礎たるべき日本国憲法を擁護すべき立場にありながら、憲法調査会法案を提案、日本国憲法を全面的に改悪し、憲法と憲法を源泉として出ている諸法令によって維持されておるところの日本の秩序を根本的に変革せんとしております。明らかに反動革命であり、反革命であります。(拍手)国家民族の将来のために、まことに憂慮にたえません。(拍手)これ不信任案を提出する理由であります。(拍手)  諸君、日本は戦いに敗れて民主的な変革を遂げたのであります。すなわち、それは、戦争に敗れた結果、ポツダム宣言の受諾、無条件降伏という客観的な事実と、戦争はなぜ起きたか、戦争はなぜ敗れたかという戦争に対する国民の鋭い批判の上に、政府の行動によって二度と再び戦争を起さない国家体制を作つたのであります。すなわち、封建的な、専制的な、軍国的な国家体制に大変革を加えて、民主的な、平和的な文化国家たらしむることになり、この方向は日本憲法によって定まつておるのであります。日本国憲法は、その前文において、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言」としたのであります。(拍手)その結果、第一には、主権在民の大原則が打ち立てられたのであります。天皇の持っておりました統治権の大部分は国民がこれを掌握し、絶対天皇制は象徴天皇制となり、天皇は君臨はすれど統治はしないという立場に立ち、政治上の責任は内閣が国会を通じて国民に負うということになつたのであります。第二には、言論、集会、結社の自由はもちろん、労働者の団結権、団体交渉権、ストライキ権が憲法で保障されることになつたのであります。第三には、憲法第九条において、国際紛争を解決する手段としての戦争は永久にこれを放棄する、従って、陸海空軍及び一切の戦力はこれを保有しない、国の交戦権は行使しないと規定したのであります。(拍手)しかも、昭和二十一年八月、これが本会議場を通過するに当つては、共産党を除く各党各派は、この憲法の改正の最大の特色は、国会が国権の最高の機関となつたことであり、大胆率直に戦争の放棄を宣言したことである、そして、これこそ数百万の人命を犠牲にした大戦争に対する鋭い批判であり、世界平和への大道であり、これこそ人類の理想に通ずるものであると高調して(拍手)選ばれたる代議士が賛成をして、この議場を通過し、しかも、それは、日本国憲法として、新しき日本の基礎として、その任務を果しつつあるのであります。  しかるに、鳩山内閣は、本国会に憲法調査会法案を提出し、さらに、憲法を根本的にかつ全面的に改正を意図しておるのであります。日本国憲法は、日本国家活動の源泉であります。あらゆる法令は憲法を基準として生まれておるのであります。日本の秩序は、この憲法と、これに基く法令によって組み立てられているのであります。(拍手)重ねて申し上げるが、鳩山内閣は、この憲法を全面的に改悪し、秩序の変革をせんとしておるのであります。まさに重大事といわなければなりません。(拍手)  現在、憲法改正に関する保守党側の成案に三つあります。一つは、自由党時代の岸案であります。一つは、改進党時代の清瀬案であります。一つは、最近発表された自主憲法期成同盟の廣瀬案であります。また、最近は、自由民主党憲法調査会で、その問題点を取り上げております。それらの共通点は、第一には、主権在民の大原則に制限を加え、象徴天皇制を改革して、天皇を日本の元首として、明治憲法時代の天皇制への復帰を意図しております。(拍手)第二には、憲法で保障された国民の基本的人権である言論、集会、結社の自由はもちろん、労働者の団結権、団体交渉権、ストライキ権を法律によって制限せんとしております。第三は、家族制度の復活であり、婦人の家への隷属であります。第四は、再軍備、徴兵制度、海外派兵を意図しておるのであります。第五は、国会の権限を縮小して内閣の権限の拡大をはかつております。(拍手)参議院制度の改革であります。第六は、地方自治制度の官僚的改革であります。全体を通じて考察されることは、日本国憲法を全面的に改正して明治憲法への復帰を意図しております。(拍手)昭和三十一年を明治、大正の時代に返さんとしておるのであります。(拍手)しかも、憲法の改正は、これより出たる諸法令全般の改正が約束されます。明らかに革命であります。(発言する者多し)ただ、保守勢力が中心となっての明治、大正時代への復帰でありますから、その革命はほんとうに反動革命であり、反革命であります。(拍手)まさに危険なるかなといわなければなりません。すなわち、日本の秩序とその秩序の根源たる憲法を守るのが日本社会党を中心とする進歩勢力であり、その秩序とその根源たる憲法を破壊せんとするものが鳩山総理を筆頭とする保守勢力であります。(拍手)世はまさに吉田内閣時代よりの逆コースといわなければなりません。(拍手)憲法九十六条には、この憲法の改正は、各議院の三分二以上の賛成で国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない、こういう規定をしておるのでありまするが、全面的改正は手続上困難とされております。憲法七十二条に、内閣総理大臣は内閣を代表して議案を国会に提出するという規定があるにもかかわらず、この九十六条の規定のあることは、国会以外には憲法改正の発案権並びに発議権のないことを示すものであつて、行政府たる内閣が全面的改正のための憲法調査会を内閣に設置し、憲法改正を発案することは、明らかに国家最高の機関たる国会の権限を侵犯する行政府の行動であつて、明らかに憲法違反の行為といわなければなりません。(拍手)  特に申し上げておきたいことは、憲法改正に当つては、いずれの国においてもしばしば擾乱が伴つておることを忘れてはなりません。わが国帝国憲法が制定をされるに当りましても、明治維新が行われて以来二十二年の年月を費し、その中には、われわれの先輩である自由民権の先輩は幾多の血を流しているのであります。また、日本国憲法が制定をせられるまでには、それは日本国憲法制定のために血は流されておらないけれども、戦争のために、お互いの親兄弟二百五十万は血を流しておるのであります。(拍手)この二百五十万の血の犠牲の上に日本国憲法は生まれたのであります。しかし、日本国憲法は、制定されて十年、日本国民の生活の中に生きております。日本国民の血となり肉となって、その生命の中に生きておるのであります。鳩山内閣は、この国民の血となり肉となり、その生命の中に生きておる憲法を全面的に改正せんとしておるのであります。血となり肉となっておるものにメスを加えんとしておるのであります。そこには血が流れることを知らなければなりません。(拍手)私は、日本国においても他国の歴史を繰り返しはしないかという心配を持ち、憂えておるものであります。鳩山総理、日本の秩序維持の基本たる憲法、国家活動の源泉たる憲法、国家の基本組織法について、天下の世論が二分し、お互いにしのぎを削って戦うようになったら、ついに日本は憲法改正の問題を通じて事実上の三十八度線ができるということを知らなければなりません。(拍手)私は心からこれを憂えるものであります。  第二は、鳩山内閣は、憲法改悪のために、さらに保守永久政権を意図して、公職選挙法を改悪し、党利党略の小選挙区法案を提出して参りましたが、世論の反撃と社会党の正論の前に屈し、政府原案に大修正を加えて、これを政府は承認をいたしました。政府原案に対する与党修正は、明らかに、政府の政策の否定であり、与党の政府に対する不信任の現われであると私は思うのであります。(拍手)政府は、さきに内閣の選挙制度調査会の答申を無視して党利党略案を提出し、これがまた骨抜き修正になったのでありまするから、担当大臣たる太田国務大臣がその責任をとって退陣することは当りまえであり、さらに加えて、鳩山総理もその進退について考えるのが当然でなければならぬと私は思うのであります。(拍手)  政府は、小選挙区制を採用する理由として、政局の安定、政界の刷新という二つの理由を、もっともらしくあげております。二大政党による政局安宗というが、日本における二大政党は、社会党が昨年十月十三日その統一を完成したところ、これに応ずるがごとく保守合同が行われたのでありまして、これは、日本の政治の必要性がかくせしめたのであって、小選挙区制が生み出したわけではありません。二大政党によって運営されておるイギリス、アメリカにおいても、二大政党の対立は、何ら選挙区制とは関係なく発達してきておるのであります。日本の現状において小選挙区制を採用すれば、かえって小党分立の時代を招来する危険性なしといたしません。(拍手)ことに、政府の言う政局安定とは、保守党による独裁、自由民主党による政局安定を意味するものであって、真の意味における政局安定ではありません。真の意味における政局安定の背景には、国民生活の安定がなければなりません。(拍手)さらに、政界の刷新浄化ということでありまするが、疑獄、汚職の相次ぐ保守政界の現状においては、小選挙区になったからといって、決して実現できるものではありません。小選挙区制になれば、日常不断に選挙区を培養しなければなりませんから、常時選挙運動を行うことになり、かえって選挙費が倍加されることは必然であります。  さらに、小選挙区制の重大なる欠陥というべきものは、第一は死票が多いということであります。その結果、総得票において負けた方の政党が、かえって議席の数では多数を得て勝つということが起るのであります。現に、イギリスの一九五一年の総選挙では、労働党が二十三万票も多いのに、保守党の方が議員数において二十五名も多く、労働党が敗れておるのであります。これは死票が多いからであって、死票が多いということは、小選挙区制の防ぐことのできない大きな欠点であります。これでは、国民の意思を選挙によって正しく反映せしめるという民主主義の重要なる原則がじゅうりんされるという結果になるのであります。しかも、党利党略の区制に至っては世論の総攻撃にあったが、あまりにも露骨なる案であったということは、今さら私が申し上げる必要はないと思うのであります。(拍手)およそ、国会議員は、選ばれるときは選挙民の国会議員であるが、選ばれれば日本の国会議員であって、国家民族、国民、さらには世界人類のために働くという矜恃を持たなければなりません。(拍手)しかるに、小選挙区制になれば、選挙区のめんどうを見なければならす、当選がおぼつかないから、選挙は政策と政策との争いどころか、全く金と金の争いになり、その結果、政界は果てしない汚職と腐敗の泥沼と化し、造船疑獄のような事件が再び現われないと、だれが保証できるでありましょうか。(拍手)これを防ぐには、社会党が提案したような連座制の強化による悪質選挙違反の徹底的な取締りと公営選挙の拡大以外にはないのでありますが、これには一顧も与えず、立会演説会までも廃止しようという無謀な案を出して参ったのでありますが、世論の反撃、良心の苛責に耐えず、これを改正したのであります。しかし、小選挙区制の原則が守られているということは見のがしてはなりません。  いずれにしても、政治は現実を離れては存在をしないのであります。自由民主党並びに政府が小選挙区制を行わんとするのは憲法改正のためであることは言を待たざるところであります。自由民主党の所属議員は二百九十九名、それに吉田茂君と佐藤榮作君の二名を加えても、衆議院の定員四百六十七名の三分の二、三百十二名には十一名不足であります。この現実はいかんともなしがたきものがあるのであります。(拍手)そこで考え出されたのが小選挙区制であります。さらに、社会党の躍進は目ざましきものがあります。かりに、ただいま直ちに衆議院が解散されれば、わが党が過半数を得るということは当然だと私は思うのであります。(拍手)二大政党対立となった今日、自由民主党が政策的に行き詰まり、また事故を起した場合には、社会党が政権を担当する結果となることも当然であります。保守党並びにその背後にある日本資本主義、さらにその背後にある国際的な大きな力は、真の日本の独立と平和のために、勤労階級のために戦う社会党に政権を渡したくない。これが保守永久政権を夢み、それが小選挙区制法案となり、鳩山総理の社会党減殺という演説になって現われてくるのであります。(拍手)イタリアにおいてムソリー二が、ドイツにおいてヒトラーが、その独裁を完成したのも、暴力ではありません。これは、選挙法を改正し、選挙を通じて行われていることを忘れてはなりません。また、日本においても、東条独裁は、大政翼賛会の推薦制の選挙が東条独裁を作っておるということも、われわれは忘れてはならぬと思うのであります。(拍手)この区制を強行せんとする鳩山内閣を不信任するのは当然と思うのであります。(拍手)  この小選挙区法案については、痛烈なる批判が行われております。その中でも、わが国の良識を代表する「中央公論」の巻頭言は、実に痛烈なものがあります。それを紹介しておきます。「こんどの小選挙区案は、当の責任者である岸幹事長すらやむなく自認したごとく、まったく党利党略で歪められている。公正なる筈の選挙区割は、自民党員の地盤にしたがって、無慙にも分離され、あるいは不自然に接合されている。その意味において、この案が作成される経過は、あたかも、夜盗の一群が、襲うべき家宅の財産を、いかに配分すべきか、事前に謀議している奇怪な様に似たものといえよう。いうまでもなく、ここで奪われるべき貴重な財産とは、ほかならぬ国民の選挙権である。なぜなら、あらかじめ勝敗の定まっている選挙であれば、それはデンスケ賭博に類する詐欺であり、たとい、投票の現場で、なんらの妨害や干渉を受けなくとも、そこで行使される選挙権は、決して、国民の自由な意思の表明とはならないからである。鳩山首相は、この案を上程したあとになって、公明選挙を云々しているが、その弁辞と実態との背離は、まことに白々しいものがある。」(拍手)そして、最後に「問題は、一社会党の利害を越えた国民の選挙権の生死に関することであり、ひいては、今後におけるわが国の政党政治の運命にかかわっているのである。わずか数年後の断頭台に思いいたらずして、開戦の暴挙を敢えてした東条一派の轍を諸君は二度とくりかえしてはならない。国民の眼は、この暴案を処理しつつある自民党議員の手許を、いまじっと見詰めている。」と結んでおる。まさに適切なる批判であります。(拍手)今からでもおそくはありません。その罪を天下に謝して退陣すべきであると私は思うのであります。(発言する者あり、拍手)第三には、祖国日本の完全独立と平和のために、現行憲法をじゅうりんし、傭兵的再軍備を押し進めつつある鳩山内閣の再軍備政策を徹底的に糾弾し、たび重なる鳩山内閣の外交政策を批判し、その退陣を要求せんといたします。これ不信任の理由であります。(拍手)  日本は、昭和二十七年四月二十八日、対日平和条約がその効力を発し、独立国家として国際場裏に再出発したのでありまするが、独立日本の姿を静かにながめてみなければなりません。鳩山総理も、一日本人となって静かにながめていただきたいと思うのであります。日本はアメリカ軍隊によってその安全が保障されておるのであります。それは日米安全保障条約、行政協定に基くのでありまするが、およそ、一国が他国の軍隊によってその安全が保障され、その期間が長くなれば、日本の独立は変じて隷属になりはしないかということを憂えるのであります。さらに、日本にはアメリカの軍事基地が七百三十ある。その全地域は全領土の四・五%に及ぶのであります。軍事基地はアメリカの飛び地のようなもので、日本の裁判権は及びません。日本の国内に日本の裁判権の及ばない場所か七百有余もあって、これを完全なる独立国家ということが言えるでありましょうか。(拍手)ことに、この基地内に働いておりまする、特需産業で働く労働者の工場へ行ってみてごらんなさい。彼ら軍事基地で働いておる労働者の胸には自己の写真が飾られておる。その下には番号がついて、名前が載っておらない。五人一組くらいにいたしまして、アメリカの兵隊の監視の中に働いておるのであります。刑務所で働いておりまするところの囚人は胸に番号がつけてあり、ちょうど、われわれの同胞は、軍事基地において敗戦国民、奴隷の姿が現われておるということを、われわれは知らなければなりません。(拍手)  防衛分担金制度はアメリカの日本内政干渉の余地を残しておることは、鳩山内閣みずから自認しておることである。すなわち、昨年、防衛分担金を減額して、社会保障制度の確立をやると約束した。それが行い得ずして、四、五、六は暫定予算になったのであります。日本の予算編成に対するアメリカの内政干渉の余地が残されておるということを、われわれは見なければなりません。(拍手)アメリカの経済的援助並びに借款に対しても種々のひもが付せられ、日本は独立したけれども、軍事的に、経済的に、さらにアメリカに急所々々を押えられておるということを忘れてはならないのであります、また、ソ連並びに中共との間には戦争の状態が残っており、戦争が済んで十一牛、ポツダム宣言によって当然帰らるべきところのわれわれの同胞が、いまだ抑留されて帰ってこないのであります。完全なる独立国家とは言えません。かかる祖国日本を完全独立国家たらしむるため、世界平和に寄与することこそ、日本外交の基本でなければなりません。(拍手)鳩山内閣は、昨年一月、総選挙に臨む際、日ソ国交調整、日中貿易振興を唱え、あたかも自主独立の外交を展開するがごとく見えたが、その後重光外相のアメリカ訪問が行われ、依然としてアメリカ追従の外交を展開し、アメリカ軍事基地拡大のためには、日本官憲をして土地を守る農民に断圧を加え、日本人同士に血を流させておるのであります。(拍手)日米安全保障条約、行政協定があるからやむを得ないと思われるかもしれませんが、日米安全保障条約並びに行政協定を根本的に改革して参らなければなりません。そうして、自主独立の外交を展開して参ることこそ日本外交の基本でなければならぬと思うのであります。(拍手)保守党は、日本の安全は再軍備によってこれを保障すべきであるとなして、現に、鳩山内閣は、憲法をじゅうりんして、再軍備を推進しつつあります。しかし、孤立的、傭兵的再軍備によっては、日本の安全は保障されないのであります。  最近の戦争の形態が地上軍時代から空軍時代、原水爆時代と発展していることは事実でありましょう。日本は、昭和二十年八月の六日広島に、八月の十一日長崎に、昭和二十九年三月一日南太平洋ビキ二島において第三福龍丸にと、三たび原水爆の試練を受けて、その残虐性は身をもって味わっておるのであります。その強烈なものであることは、昨年八月ジュネーヴに集まった世界各国の原子学者が、それぞれの国の原子力の研究報告をなし、異口同音に、原子力は戦争に使用されれば、まさに人類の滅亡であると叫んだとのことであるが、まさにその通りであると思うのであります。(拍手)しかも、世界において水素爆弾を持つ国はアメリカとソビエトとイギリスであります。日本は、北は北海道から本州、四国、九州、長い島でありますが、東には太平洋を隔ててアメリカがあり、西には日本海を隔ててソビエトがある。アメリカの水素爆弾とソビエトの水素爆弾の谷間に生活をしておるようなものであります。水素爆弾の谷間に生活しながら、孤立的再軍備によって日本が守られようとは考えられません。(拍手)二つの陣営のいずれかにつけば、二つの陣営が衝突した際は大きな犠牲を負担しなければなりません。しかも、再軍備には日本の国民生活が耐えられません。従って、わが国は新たなる安全保障体制を求めなければなりません。それには、国際連合に加盟し、その集団保障を求めるのが一番いいのであります。しかるに、鳩山、重光外交の失敗は、ついに昨年国際連合加盟の時期を失いました。このほか、外交政策の失敗は多く糾弾をされなければなりません。日米安全保障条約、これに対する中ソ友好条約がありまするが、それは、日米中ソ四ヵ国の間に、平和共存の立場から、新たなる安全保障体制を作らなければならないと思うのであります。(拍手)これが何ら考慮されておらないことは糾弾されなければなりません。鳩山、重光外交は、日本国憲法が、国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄し、陸海空軍並びに一切の戦力を保有しないと規定してあることを忘れ、旧来の武力を背景とする外交を展開しているところに、時代錯誤があり、その失敗があるといわなければなりません。(拍手)原水爆の製造禁止、使用禁止、実験禁止は、衆参両院の会議場において院議をもって決定しておるにもかかわらず、何ら具体的外交交渉に訴えず、最近アメリカが南太平洋において実験を行なっておるということは、政府の怠慢といわなければならぬと私は思うのであります。(拍手)さらに、日ソ交渉に見るに、日ソ国交回復は、鳩山内閣選挙公約の重大なるものの一つであり、国民の鳩山内閣に期待するところでもあったのであります。政府は、この国民的要求にこたえて、昨年八月以来ロンドンで交渉が行われ、本年三月交渉が無期延期となり、戦争が済んで十一年、抑留者はまだ帰れず、北洋漁業は危機にさらされておるのであります。これ、鳩山、重光二元外交の失敗といわなければなりません。(拍手)その後、河野農相等によるモスクワ交渉によって、漁業交渉から平和交渉へと国交回復への道が開かれるようになっておるのでありますが、政府はその報告を完全にいたしません。議会は六月三日に終るのでありまするが、何ら具体的性格を明示しておらない。秘密外交、国会軽視と言われても、言うべき言葉はないであろうと私は思うのであります。(拍手)  次に、日比賠償について政府の責任を糾弾いたします。敗戦後各国の要求している対外債務は莫大な額に達しておるのであります。誤まれる戦争によって損害を与えた相手国に対し賠償を支払い債務を弁済することは当然のことでありまするが、わが国の財政を離れ、国民の負担能力を無視して考えることはできないのであります。政府は、賠償その他の対外債務の支払いを、国の財政、国民の負担能力との関係において、全体として一体どれくらいなし得るか、どれだけ支払おうとするのか、これは一番肝心な問題でありまするが、一度も明らかにされておりません。さらに、このままに推移すれば、日本の財政は賠償で破綻し、国民は幾ら働いても、片っ端から外国に支払われていくというような姿になって、生活は改善されないのであります。重大な事態を引き起す危険があるといわなければなりません。(拍手)ことに、フィリピン賠償は、大野・ガルシア会談では四億ドルであったのが、鳩山総理の軽はずみな思いつき発言から、一挙に八億ドルの賠償にせり上げられたのである。この次にはインドネシアの賠償も控えているし、これほど膨大な賠償をフィリピンに支払って、一体あとをどうするつもりであるか。問題はここにあると思うのであります。(拍手)さらに、フィリピンとの智易拡大の問題について確たる保証を見ておらず、フィリピンとの貿易は四千万ドルに近い赤字を続けておるのであります。これをそのままにしておいて、賠償をそのつど思いつきでやることは、一方においては貿易の赤字はますますふえていくという結果になって、将来は国民の経済は絶えず重苦に悩まされなければなりません。(拍手)加えて、日韓交渉は行き詰まっております。また、日ソ、日中関係は依然たる状態であります。こういうような意味合いより、私は、外交の面より鳩山内閣を糾弾せんとするものであります。(拍手)第四に、私は、内政の面よりする鳩山内閣弾劾不信任の理由を申し上げます。昭和三十一年度の予算は、多数をもって通過、現に執行中でありますが、この予算の中にも日本の自主独立は失われんとしております。それは防衛費でありますが、アメリカの圧力と意思によって決定され、今後分担金を軽減されるごとに、その二倍に当る防衛費を組むという文書を交換しておることは、事実上日本の予算編成上の自主性を失っている姿であります。しかも、この予算は、労働者、農民、中小企業者を犠牲とする巨大資本家のための予算であり、経済軍事化の方向を示しておるものであります。  鳩山内閣は、昨年、総選挙に臨むに当り、完全雇用を約束したのでありますが、失業者は何ら減少することなく、かえって増大の傾向にあり、その数は百六万に達しております。失業者とは、働く意思と働く能力を持ちながら働く場所のない人々であります。失業は断じて個人の責任ではないのであります。それは、政府の政策の犠牲であり、資本主義そのものの犠牲であります。従って、失業問題の解決は当然政府の責任といわなければなりません。(拍手)春季賃上げ闘争に現われておるように、政府は、労働争議に権力を介入せしめ、労働争議を弾圧しつつあります。これ、われらの断固糾弾せんとするところであります。(拍手)特に、公務員の賃上げに対し、人事院に不当な政治的圧力を加え、故意にこれをおくらしめ、官庁労働者の賃金ベースはストップされております。税金は、減税といっておりまするが、直接税を減税し、間接税でこれを取り上げ、五百億有余の増収を見込んでおるので、何ら大衆収奪の姿は変りません。健康保険の改悪に見るに、八十億余りの赤字をたてにとって、患者の負担を一挙に増額を行わんとしております。かくて、国民生活は次から次へと破壊されていっております。この国民生活を守るために鳩山内閣の退陣を要求するものであります。(拍手)  特に指摘しなければならないことは、教育の反動化であり、教育を保守党権力維持に使わんとしていることであります。今国会に提出している臨時教育制度審議会法案は、憲法改正に伴う教育基本法改正を意図するものであり、教育委員の公選ないし任命制の採用、教科書法案は、教育の自由を奪い、その中立性をじゅうりんせんとして、教育を権力維持のために使わんとしておるのであります。(拍手)まさに明治憲法、教育勅語の時代に戻さんとするものであって、断固反対、その責任を追及するものであります。(発言する者多し、拍手)  さらに、国内政治の面で責任を問わなければならないことは、この内閣の疑獄、汚職の続出であります。(拍手)鳩山内閣は、疑獄、汚職のあとを受けて、綱紀粛正を一つの看板としたのでありまするが、疑獄は山をなしております。わが党は、党内に綱紀粛正委員会を作って、その内容を糾明中でありまするが、現内閣下における疑獄、汚職事件は、保全経済会事件、バナナ、レモン輸入にからむ事件、競走馬輸入事件、北洋漁業出漁許可にからむ事件、朝鮮ノリ密輸入事件、印刷局、財務局国有財産払い下げ事件、佐久間ダム事件、防衛庁中古エンジン事件等々、あげ来たれば枚挙にいとまがありません。(拍手)特に防衛庁に関する事件は、中古エンジン購入事件、くつの納入に当って、左右の大きさが異なり、ことに、底に紙が入っておるくつを購入しており、砲弾は腐って使用できず、ガソリンは地中に漏れているといったような状態であります。税金の行方、まさにわれわれの想像のつかないものがあると思うのであります。中古エンジン事件は、七万五千円で米軍が放出したものが、めぐりめぐって、防衛庁では千二百五十万円で買い上げておるという事件であります。これに対し、船田防衛庁長官は、何ら不正、不当はないと言っておりますが、あまりにも白々しいといわなければなりません。(拍手)七万五千円の品物を千二百五十万円で購入することは、明らかに国に対する担当行政官の背任であるといわなければなりません。(拍手)しかも、これには、多くのブローカー、中には政治家が関係しているといわれておるのであります。かかる事件は徹底的に究明され、防衛庁長官はもちろん、政府またその責任を負わねばなりません。(発言する者多し、拍手)かくのごとく多額の損失を国に与え、血と汗の結晶たる税金が不当に使用されて、それで世の中が通るというなら、世はまさにやみであるといわなければなりません。(拍手)われらは、綱紀粛正の面よりして、鳩山内閣の退陣を迫るものであります。(拍手)  第五に、私は鳩山内閣の公約無視を指摘しなければなりません。政府並びに政党にとって必要なことは、その公約を守るということであり、公約に対して責任を持つということであります。(拍手)鳩山内閣は、吉田内閣崩壊のあとを受けて、左右社会党の協力を得て成立をしたのでありますが、その際、われわれは、衆議院の解散を条件として鳩山総理に投票したのであります。その際、鳩山総理は、社会党の解散要求の声はまさに天の声である、(拍手)わが日本民主党は、さきの総選挙には日本自由党、自由党、改進党で当選した者の寄り合い世帯であるから、これが政権を担当することは僭越しごくであります、(拍手)従って一度議会を解散をして総選挙の洗礼を受けます、と言って、衆議院を解散し、政権移動のルールを作り上げたのであります。しかるに、昨年民主党と自由党が合同をして自由民主党が結成されるや、第二次鳩山内閣は総辞職をして臨んだのであります。かかることは前例のないことであり、パンを求める国民に石を与えたものであるといわなければなりません。(拍手)第三次鳩山内閣は、日本民主党政権から自由民主党政権へと移動したのであり、その政策の転換も行なったのでありますから、従って、第一次鳩山内閣当時と同様、第三次鳩山内閣の成立と同時に、政権移動のルールを守って国会を解散することが当然であるといわなければなりません。(拍手)しかるに、政権を取るときには衆議院を解散、一度政権を取るや、選挙の結果を人為的に変えて顧みないということは、断固糾弾されなければなりません。(拍手)  さらに、野党時代は、現行憲法でも軍隊は保有できない、憲法違反であると言いながら、一たび政権を取れば、憲法を改正せずとも軍隊の保有ができると言うがごときは、変節改論もはなはだしいといわなければなりません。(拍手)その信念なきは、緒方竹虎氏が、この壇上において、出たり、入ったり、また出たりと表現した言葉の中によく現われておると思うのであります。(拍手)かくのごとく、信念の相違とまで言って、選挙にはしのぎを削って戦った総理大臣が、政権を取るや、これは当りまえだと言うことは、われわれにはどうしても理解のできないことであります。(拍手)総理大臣の失言、取消し、訂正をあげれば、枚挙にいとまがありません。  特に、政策面から見れば、大臣公邸の廃止の公約、国産自動車愛用の公約、住宅四十二万戸建設の公約、平日の競馬と競輪の禁止の公約は、一体どうなっておるのでありましょうか。依然として大臣公邸は残り、国産自動車に乗る大臣は一、二名を数えるのみであります。しかも、勤労者のための住宅建設は一向に進捗しない。勤労者の家賃が値上げせられておるのが現実の事実であります。さらに、平日の競馬、競輪禁止の実現は何ら行われず、提唱大臣は、為替違反の疑いを受けながら、競争馬を輸入しておるといったような状態であります。さらに、昨年の臨時国会において公約した憲法改正、税制の根本的改革、行政機構改革の三大政策は、ただ憲法改正を具体化したのみであります。税制改革、行政改革はたな上げされております。さきに申し上げました通りに、日ソ、日中国交調整も依然として行き悩んでおります。公約は何ら実行されておりません。(拍手)かくのごとく、公約、政策の実行できないのは鳩山内閣の欺瞞性にもかるのでありますが、総理の統率力の欠除と、閣内不統一、自民党内部の対立からであります。(拍手)責任を感ずる総理でありまするならば、やめるのが当然であります。(拍手)  さらに、最後に申し上げたいことは、この内閣の暫定性であります。第一次鳩山内閣は、吉田内閣崩壊のあとを受けて、百二十一名の少数をもって内閣を組織したのであります。それは、総選挙を行い、総選挙を通じて政権移動の形式を決定するため、選挙管理暫定政権としてでき上ったのであります。(拍手)その後総選挙が行われ、日本民主党は百八十五名の第一党となったのでありますが、過半数を得ず、少数暫定政権として第二次鳩山内閣が成立をいたしました。その後、昨年十一月十七日自由民主党が成立したが、しかし、その際は、三木武吉君の言をかりれば、画龍点睛を欠き、総裁をきめ得ず、四人の総裁代行委員をもって総裁を代行、鳩山総理は四分の一総裁として決定されたのであります。その後第三次鳩山内閣が成立をいたしました。しかし、これまた総裁決定までの暫定政権であり、その後不幸にも鳩山総理の競争相手であった緒方氏が逝去されまして、まことに哀悼にたえませんが、鳩山氏にはこれが幸いとなって、四月の五日には総裁選挙が行われて当選をしたのであります。しかし、その退陣は六月といい十月といわれておるのであります。従って、鳩山内閣は、六月か十月までの暫定政権であります。鳩山内閣も約一年半続いておるのであります。権力の座にある本人としては非常に愉快であろうと思うのでありまするが、国民にとっては、これほどの不幸はございません。(拍手)一年の間に三たび内閣を組織したが、いずれも暫定政権であります。しかも、それは鳩山総理の健康に由来しておるといわなければなりません。鳩山総理がそのからだで国政掌理に当っておることは、人間としてはまことに同情をいたします。(拍手)しかしながら、国家のためには不幸であり、民族にとっては一大悲劇であるといわなければならないのであります。(拍手)政治は政治家の好みでやるのではありません。国民の福利のためにやるのであります。政治家が失言をたび重ね、一たん発言したことを取り消し、内閣総理大臣の談話、言明を官房長官が訂正補強するがごときは、いまだかつて前例を見ざるところであります。(拍手)これらは鳩山総理が任務にたえざるゆえんであり、為山総理は、その政治担当者としては不適格であるといわなければなりません。(拍手)鳩山総理は心身ともに政治的には限界が来ておると思うのであります。鳩山内閣成立して以来、第一次、第二次、第三次と一年六ヵ月を経ておるのでありますが、これという功績を残しておりません。内政、外交失政続きであります。(拍手)鳩山内閣成立の当時は、吉田内閣のあとを受け、その反動として、幾分支持の声もあったのでありますが、今や、ようやく、鳩山内閣退陣すべしという声が、野にも山にも町にて満ち満ちておる。(拍手)さらに与党内部にも充満しておるということを知らなければなりません。  鳩山総理は、政治家として、その出所進退を誤まってはなりません。天下の世論は、鳩山内閣退陣すべきであり、鳩山総理に対しては、あのからだではこれ以上は無理だというのが、天下の声であります。(拍手)私は、吉田内閣の当時において、この壇上より、吉田総理に対して、政治家はその進退を誤まってはならぬということを申し上げました。そうして、今こそあなたのやめるときであると言ったのでありまするが、吉田内閣は、議会を解散して、われわれに対して参りました。そのあとは疑獄、汚職、ついには、少数政権として成立したけれども、内閣総理大臣をやめ、今はただ一人さびしくなっておる現状を見失ってはならないと私は思うのであります。(拍手)このことを私は鳩山総理にもう一ぺん要求するのであります。鳩山総理、今こそあなたはやめるべきときであり、政治家はその進退を誤まってはなりません。日ソ交渉によって、あなたの公約の一部は実現せんとしておる。これを置きみやげとして退陣するのが、あなたの歴史を輝かしくするものであるといって過言ではないと思うのであります。(拍手)  以上申し上げまして、鳩山内閣不信任決議案の趣旨弁明を終りますが、与党の方々も、やはり、鳩山総理退陣のときを選ぶ意味合いにおいて、われわれの決議案に賛成され、満場一致可決確定あらんことを切望いたしまして、私の趣旨弁明を終ります。(拍手)

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) これより討論に入ります。宮澤胤勇君。     〔議長退席、副議長着席〕     〔宮澤胤勇君登壇〕

宮澤胤勇自由民主党

○宮澤胤勇君 ただいま議題となりました社会党提案の鳩山内閣不信任案に対し、私は、ここに、自由民主党を代表いたしまして反対の見解を述べんとするものであります。(拍手)  内閣不信任案は、内閣の総辞職または衆議院の解散という政局に重大なる変化をもたらすべきものでありまして、たといそれが数において本議場において葬り去られるとしても、本案がここに提出せられました政治的の意味はきわめて重大なるものがあるはずであります(拍手)与野党とも慎重にしてかつ厳粛なる態度をもってこれに臨まなければならぬと思うのであります。(拍手)社会党は、本案をここに提出せらるるからには、内閣総辞職により次期政権を担当せられるか、または、衆議院の解散による総選挙において多数をかち得て社会党内閣を組織するかの覚悟を持つものでなければなりません。しかしながら、これは諸君の希望と覚悟だけでできるものではありません。(拍手)社会党に次期政局を担当せしむべしという国論の支持がなければできません。それが重点であります。すなわち、社会党が現下のわが国再建の内治、外交を担当し得る実力を備えておるということと、現に、鳩山内閣並びに自由民主党が国民の信頼を失って。とうてい引き続いて政局を担当し得ない状態に立ち至ったという、この二つの条件が備わらなければならないのであります。  しかしながら、諸君、すなおに考えまして、果して今日この二つの条件が備わっておりましょうか。私は、以下、これらの点に関する事実の二、三を述べまして、私どもがとうてい本不信任案に賛成することのできない点を明らかにしたいと思います。(拍手)  まず第一に申し述べたいことは、社会党が年来主張さるる政策が、再建途上のわが国の政治、経済、教育、国民生活等々の現在の実情に適応し得るものであるやいなや。(拍手)また、本国会を通じてなされたる社会党の主張と行動とに、果して国民を納得せしむるものがあったでしょうか。(拍手)私どもは、これに関し大なる疑いを抱かざるを得ないのであります。  ただいま、淺沼君は、内閣不信任の理由の一つとして、鳩山内閣は憲法改悪と保守永久政権を企図し、小選挙区法案を提出したが、世論の反撃にあい、与党みずから大修正を加え、政府の政策を否定したと述べられております。憲法改正反対についての社会党諸君の論議を聞きますと、憲法改正があたかも戦争の準備でもするかのごとく、しいて曲解をし、平和憲法を守れ、民主主義と基本的人権を擁護せよと叫んでおられます。私どものこれに関する主張は、現行憲法は、占領当初混乱のときにおいて、全く占領軍司令部がわが国弱体化の一環として作らせたものでありますから、独立後の今日、国民みずからの手によって不都合の点を改むるがために、慎重な検討を加えようというにあるのであります。(拍手)しかも、現行憲法の基本的の精神である平和主義、民主主義、基本的人権はあくまでも根本原則として守ろうというのでありまして、きわめて穏当なる常識的な考え方であります。小選挙区制によって保守永久政権を築こうなどとは、夢想だもしないところであります。国民もこの点はよく了解しておることと思うのであります。  永久政権という言葉は、かつて社会党左派の政策政綱に対して世間から与えられたものであります。(拍手)社会党が一たび政権を握れば、その社会主義政治を実行するために、三十年、五十年の政局担当を必要とする、これがためには、言論、出版、教育等々に弾圧、統制を加えて、社会主義独裁政治をわが国に立てようと企てるものであるといわれておったのであります。(拍手)社会党政権に対する国民の疑惑はこの一点に集中されておりまして、社会党としては、これが一番痛いところであったようであります。(拍手)そこで、小選挙区にからんで、社会党は、これを運用して、保守永久政権論を展開し来たったようであります。さすがに、世論はこれにはついてきません。何となれば、わが自由民主党の基本的な立場は、民主主義であり、議会政治の擁護であります。国民もよくこれを理解しております。民主主義、議会主義の基盤に立つ政権は、常に自由選挙によって作られるものでありまして、これはいわゆる永久政権でもなければ独裁政治でもありません。(拍手)米国においても、共和党のリンカーン大統領からガーフィルドに至る五代で二十年間、フランクリン・ルーズヴェルトからトルーマンに至る十九年間、同一政権でありました。カナダにおいても十五年、三十年と同一政権が過去においてあり、現在のカナダ自由党内閣もすでに十八年続いております。北欧から西欧にかけては、十年、二十年、二十五年にわたり同一政権を持続する国は現在多々あるのであります。しかしながら、何人もこれを永久政権とか独裁政治とは申しません。(拍手)これは、申すまでもなく、民主政治による自由選挙で国民多数の支持を得ている政権だからであります。(拍手)従って、国民多数の支持があれば、わが党が今後十年、二十年にわたって政局を担当いたしましても、それは永久政権ではありません。(拍手)独裁政治でもありません。社会党一部の主張するところとして伝えられるところの、言論、出版、教育を統制し、社会主義翼賛選挙によってこそ、ほんとうの永久政権というべきであります。諸君は、小選挙区制にからんで、保守永久政権論をしきりに振り回しておられますが、小選挙区であろうと、中選挙区であろうと、われわれはどこまでも自由選挙による国民多数の意思によって進退しようとするものであります。(拍手)社会党がその性格、綱領及び政策において自信を持たるるならば、区々たる選挙区制の問題などにこだわらず、一人一区の自由選挙において、われわれと堂々と争うべきではないでしょうか。(拍手)そこにおいてこそ、初めて私どもは社会党政権に期待することができると思うのであります。  次に、淺沼君は、鳩山内閣は内政においてインフレを包含する軍事予算を組み、いたずらに巨大資本に奉仕して、国民生活の破壊を顧みないと言われております。私は、これに対して、昭和三十一年度予算案に対する社会党の組みかえ案につき一言してこたえたいと思います。(拍手)社会党組みかえ案によりますれば、防衛庁費一千億円から七百億円を縮減するとか、防衛支出金はこれを全額削除するとか、公務員の給与を一律月額二千円増額するとか、三十一年度産米の供出価格を一石当り一万二千円とするとか、また、歳入面におきましては、一挙に六百二十四億円の法人税の増額をするとか等々、現実を無視し——ただいま、淺沼君は、現実を無視して政治はないと言われましたが、この現実を無視して、とうてい実行しあたわざる予算の組みかえ案を出されたのであります。(拍手)当時、言論界を初め、世論は、これに対し、社会党政権なおほど遠しという言葉をもって痛烈なる批判を浴びせたのであります。(拍手)歳入においても、歳出においても、社会党組みかえ案のごときものを、かりに真に実行するとせば、一体わが国はどうなるのでありましょう。(拍手)防衛関係費一千四百七億円から一千百七億円を削って三百億円に縮減するというのであります。これを実行するとせば、日米安全保障条約と行政協定を一方的に破棄することであります。そうして、わが国が、自由国家群から離れて、世界の孤児となるということであります。(拍手)共産国家群のえじきとなるかならないかは別として、それでわが国が独立国家として立ち行きまししょうか。公務員その他組織労働者の給与を年額三万円近く増額しようとするのであります。中央、地方の公務員及び国鉄その他政府関係機関だけでも年額八百億円の経費を要するのであります。供出米価を石当り二千円上げることによって、二千五百万石を集荷するとして、新たに五百億円を負担しなければなりません。法人に対して六百二十四億円の増税は、現段階において、わが産業界が果してこれを負担し得るでありましょうか。もし、しいてこれを行わんとするならば、わが産業、経済、国民生活の基盤はくずれ、社会党の諸君が望むところの六百余億円の増税のごときはもちろんできません。公務員その他の月額二千円の増給及び供出米価二千円増額等々の財源は出どころを失うのであります。(拍手)悪性インフレは進み、物資は欠乏し、国民生活は窮迫する、まことに自己崩壊の予算といわなければなりません。(拍手)淺沼君の言わるるインフレを包含する軍事予算どころのお話ではありません。また、淺沼君は、政府は教育関係三法案を提出して、憲法改正の精神的支柱を作らんとすると言われております。われわれは、戦後の左翼偏向の非国民的教育を根本的に改めて、将来に向って国家民族の精神的支柱を作らんとしておるのであります。(拍手)今の偏向教育をこのままに放任して、一体日本はどこに行くのでありましょう。心ある者の憂慮にたえなかったところであります。(拍手)これがために、教育二法案の提出せられるや、全国市町村長を初め、有力なる世論の支持がきゆう然として集まり、憲法改正にも劣らざる独立国家育成の基礎的法案として期待されておるのであります。(拍手)しかるに、これが日教組の露骨なる反対運動に押され、社会党諸君の阻止行動、ことに参議院における阻止行動を見ますれば、日教組の出先機関ではないかを思わしめるのであります。(拍手)社会党は、その統一に当って、階級的国民政党であるとかいわれております。私、不敏にして、階級的国民政党とはいかなるものかを存じません。(拍手)二大政党による民主国会の円満なる運営からして、私どもは、社会党に完全なる国民政党に踏み切ってもらいたいと思います。(拍手)しかるに、予算組みかえ案の二千円ベース・アップの問題に動く総評及び今回の教育法案に関する日教組等との関係を見ますれば、社会党は、階級政党、組合代表政党と化したかの槻があります。農民、中小企業者、未組織労働大衆及び自由職業者等の国民大多数は全く忘れ去られたかの観があります。(拍手)  また、社会党の諸君は、内閣不信任の、また他の一つの理由として、日ソ国交回復の問題並びに日比賠償問題等を取り上げておられます。戦後の緊迫せる国際情勢下にあっては、世界いずれの国においても、共産国家群は言うまでもなく、自由諸国においても、外交とか国防とか教育とかいう国家存立の基本問題について、わが国のごとく国論が分裂しておるところはありません。(拍手)米国における共和、民主両党の間は申すまでもなく、英国における保守、労働両党の間においても、外交、国防の点については基本的に相違するところはありません。北大西洋条約を結んで英米合作の欧州防衛体制を作り上げたのは、イギリスの労働党であります。フランスのごとく、政局安定を欠き、内閣の更迭ひんぱんなる国にあっても、いかなる内閣ができても、外交、国防の基本線に変りはありません。しかるに、わが国はどうでありますか。社会党の諸君が言わるる、無防備こそ平和だ、中立政策によってのみ国家の独立がある。——かくのごとき、現代人の世界的常識から全く離れ去った議論の上に立って、実際政治が行えるでありましょうか。(拍手)われわれ国民の事業と生活ができるでありましょうか。私は、社会党の諸君の中にも、尊敬すべき多くの友人を持ち、また、学殖、識見の高き人々のあることを承知しております。これらの人々と個々にお話をいたしますれば、われわれの考えておるところと大してかけ隔てはないようであります。ところが、これら良識のある諸君が、一たび社会党というワクの中に入られますると、自己の信念を曲げ、意見を伏せて、党従来の立場に直ちに同ぜられるのを見受けまして、私は、社会党の将来について、ひそかに憂慮するものでございます。(拍手)戦争前における日本の軍部が全くこの形をとってきたのであります。鳩山内閣が、米国及び自由主義諸国との緊密なる関係を外交の基本とし、ソ連を初め共産国家群との間に、その事情の許す範囲において、漸次国交の回復をはからんとするのに、何の異論がありましょう。(拍手)ソ連との困難なる交渉を忍耐をもって続けつつある努力を、社会党の諸君は妨害せんとするのでありますか。(拍手)日比賠償に関しても、社会党の本議場における反対討論を伺いますと、陳弁これ努める弁解論ばかりでありまして、少しも納得のいく堂々たる理由を見出しかねたのであります。(拍手)わが国際的立場の現実と照らし合せまして、社会党の外交方針が那辺にあるかを、われわれは了解するのに苦しむのであります。(拍手)  かく、内閣不信任の理由を通観いたしまするに、議会戦術の一つとして出されたという以外の何ものでもありません。(拍手)現在の国会のありさまは、かかる不信任案の論議を重ねる前に、いかにして国会の秩序を維持し、いかにして国民の信頼を得るかに心をいたすべきときではありませんか。(拍手)今や、わが国の民主議会政治は、諸君の議会行動によって暴力のもとに屈服するか、わが党懸命の努力によってこれを守り抜き得るかの、せとぎわにあると思うのであります。(拍手)教育委員会法案が、参議院において、旬日にわたって、集団暴力によって妨害を受け、審議不能に陥っております。ことに、昨日、本日の参議院の暴状は、諸君は国民の前に何と説明されますか。(拍手)最近の重要法案審議に対する諸君の議会行動を見るに及んで、私どもは社会党の基本的なあり方について考え直さなければならぬと思うのであります。(拍手)  社会党の諸君は、平和を守り、戦争を排して、恒久的平和の建設を常に口にせられております。二回にわたる大戦の惨たる結果を見せつけられた全世界の人々が、第三次大戦の勃発を極力防止し、世界平和の建設に懸命の努力をいたしつつある今日、われわれは、社会党の平和論に対しても敬意を払うものでありましたが、今国会における社会党の諸君の議会行動を見るに及んで、その平生唱えられつつある平和論に対して疑惑を差しはさまざるを得ないのであります。(拍手)暴力による闘争は、これが国家の間に現われれば戦争であります。(拍手)いかなる場合においても、暴力闘争は平和の否定であります。多数党がその数を頼んで押し切らんとするを見て、少数党がこれを多数の横暴なりと論難することは許されるとしても、これを阻止する手段として、暴力を、ことに集団暴力を用いることは、民主政治の破壊であります。(拍手)民主主義の否定であります。民主主義は各人の立場を相互に尊重する秩序の維持によってのみ成り立つべきものであります。(拍手)国会の秩序を破り、暴力によってこれを左右せんとするところに、どうして民主政治が成り立ちましょうか。(拍手、発言する者多し)この点からして、第二十四国会は、残念ながら、わが国議会史上に一大汚点を印したものであります。(拍手)その責任の大部分は社会党の負うべきものでありましょう。(拍手)国会に席を有する者、御同様、この責任を痛感しなければならないと思います。世間の批判は、これに対して、すこぶる峻厳であります。予算案成立後の六十日間、国会は何をしたか、暴力と混乱、まじめな審議はほとんどなかったではないかと、世論は指摘しております。(拍手)国民の選良たる議員が国会の秩序を守り得ないところに、何の民主政治がありましょう。(拍手)今にして改むるところがなければ、国会は国民から置き去りにされてしまいます。(拍手、発言する者多し)社会党は、その政策においても、その行動においても、私は、ベヴァン氏の言葉をかりるまでもなく、もっとおとなになっていただきたい。(拍手)これは社会党に好意を寄せる多くの識者の言い分であります。  私は、ここに、社会党の反省を強く求むるとともに、社会党昨今の暴状に対して不信任の意を強く表明いたします。(拍手)本鳩山内閣不信任案に対しては反対をするものであります。(拍手)

杉山元治郎日本社会党副議長

○副議長(杉山元治郎君) 正木清君。     〔正木清君登壇〕

正木清日本社会党

○正木清君 ただいま議題となりました鳩山内閣不信任決議案に対しまして、私は日本社会党を代表いたしまして満腔の賛意を表するものであります。(拍手)  鳩山内閣不信任の理由は、ただいま淺沼君の提案説明にもございましたように、数多くのものが累積いたしておるのでございまするが、私は、この際、特に次の諸点を強調いたしたいのであります。  まず第一は、鳩山内閣はアメリカの要求に屈従いたしまして、既成事実としての再軍備を押し進めておるのみならず、さらに一歩を進めまして憲法を改悪せんとし、このため、議会政治をみずから破壊せんとする行動に出たことであります。第二は、鳩山内閣は、日ソ、日中国交回復、日比賠償等の外交問題の処理に際して混乱と動揺とを繰り返し、内外に対して日本国の権威と利益を著しく傷つけたことでございます。(拍手)第三には、再軍備費の重荷によって国民生活を依然として苦しめているという点を、私は特にこの際強調いたしたいのでございます。(拍手)  まず第一の点でございまするが、鳩山内閣の防衛力増強政策は以前の吉田内閣をもはるかに上回るテンポで進められておるということでありまして、防衛分担金の削減分を住宅建設に回すという公約を全く無視し、かえって防衛庁費の増額及び米軍基地、施設の拡張をもたらし、自衛隊員は着々と増員され、わが国を米軍の原子戦略の基地化へと追いやっておるのでございます。(拍手)このため、社会保障、公共事業、地方財政関係の予算は圧迫され、国民生活は重大なる脅威を受けておるではありませんか。(拍手)  鳩山内閣は、さらに徴兵制の施行と、アメリカの要求による海外派兵を可能ならしめるために、憲法改悪を実現化ようとして、この目的のために手段を選ばない暴挙をあえてしたのであります。(拍手)小選挙区制の提案が、すなわちこれでございます。(拍手)一切の良識ある世論を無視いたしまして、無理、非道を承知の上で小選挙区制を強引に押し通そうとしたことは、自民党の一党独裁確立と、憲法改悪を目的としたものであることは、火を見るより明らかでございましょう。(拍手)  このようなやり方は、議会政治を破壊し、ひいては、将来おそるべき事態を惹起する危険性をはらんでいるのでありまして、果してわが党の指摘いたしました通りに、このような政府の暴挙は痛烈なる世論の反撃をこうむり、ついに与党は骨抜きにひとしい大修正を行なったではありませんか。(拍手)会期迫った参議院においては、まさに葬り去られんとしているではありませんか。(拍手)これは、明らかに、与党みずからが政府の政策を否定し、政府への不信任の態度を明らかにしたものでありましょう。(拍手)  また、鳩山内閣は、日本の再軍備を求めるアメリカの要求を至上命令として受け入れておるのであります。(拍手)私は、この点につきましては、二、三の事実を指摘するだけで十分であろうと存じます。すなわち、本年一月二十八日、神田の共立講堂における自主憲法期成議員同盟の演説会で、からだの不自由な総理鳩山さんは、強くテーブルをたたきながら、憲法改正のためには社会党の勢力を減殺しなければならないと強調したではありませんか。(拍手)もちろん、社会党は、鳩山総理の期待に反して、今後ますます国民の支持を受け、勢力発展の道を前進しますことは明らかでございましょう。(拍手)しかし、鳩山総理がこのような悲壮な叫びを上げたということは、いかに総理が憲法を改悪させようとするアメリカの要求を忠実に迎えているかを証明するものでございましょう。(拍手)総理は、あまりにも憲法改悪を熱望するの余りに、すでに憲法改悪が実現されたかのごとき錯覚に実は陥っております。(拍手)あなたは、自衛のためには敵の基地を侵略してもよいと言明するありさまであります。鳩山さん、憲法第九十九条は、国務大臣に対して憲法を尊重し擁護する義務を課しているにもかかわらず、総理は陸軍も持たない、海軍も持たない、飛行機も持たないという憲法には反対なのであります、と言っております。(拍手)法治国の首相としてあるまじき言葉を吐いておるのでありまして、以上のような事実は、鳩山内閣の意図する憲法改悪が、すなわち、アメリカの要求する徴兵、再軍備、海外派兵を目ざしておるものといわざるを得ません。(拍手)  今日、世界の情勢は平和共存へと大きく進展しております。中でも、米ソ両陣営の対立の間にあって、中立を守ろうとする平和地域は日とともに広がっております。今日では、すでに二十三ヵ国、人口六億数千万人の力に達しました。現に、軍備のないアイスランドの議会では、過日米軍基地の撤去を求める決議案を可決したではありませんか。(拍手)ソ連の両首脳の英国訪問に際しての英ソ共同コミュニケでは、事実上平和五原則を確認し、また、フランス首相、外相もソ連を訪問して、その結果は欧州政局をさらに大きく平和の方向へ押し進めるような成果をおさめることと期待されております。軍事目的を持った北大西洋条約は、もはや、このような事態に即応しなくなり、新しき政治的、経済的な性格のものに発展せらるべきだと論じられておるではありませんか。(拍手)チャーチル前英国首相は、ソ連を北大西洋条約に加入させて欧州の両陣営対立を解消させることを提唱し、世界的な反響を呼び起しております。かかる機運の中で、再軍備を進め、憲法改悪を強行しようとする政府の方針に対して、すでに国民は強い抗議の意思を表明いたしております。すなわち、基地拡張に反対する立川、新潟、木更津、小牧等の住民の悲痛なる抵抗は申すに及ばず、いわゆる教育二法案に対する全国の大学総長、教育関係者、教育委員等の猛烈なる反対、健康保険法の改悪に対する全国医師会の怒りと抗議等は、すべて究極は政府の再軍備に対する弾劾の声にほかならないのであります。(拍手)この国民の心を心としない鳩山内閣の存在は、これ以上一日たりといえども許されないというのが、不信任案賛成の第一の理由でございます。(拍手)  第二は外交問題でございまするが、鳩山内閣の外交方針が、いわゆる二元外交であり、動揺常なきものであることは、すでに当初からの定評でございました。ロンドンにおける日ソ交渉の進行につれて、この動揺はいよいよはなはだしくなりました。松本全権をしてしばしば去就に迷わしめ、あげくの果てに、ロンドン交渉を事実上決裂の状態に陥れ、留守家族はもちろん、国民を深い失望に突き落したのであります。(拍手)このたび、切迫した北洋漁業問題との関連で、急遽漁業協定が調印され、国交回復の話し合いが再開されることになりましたことは、かねてのわが党の主張の正しさを証明したものであります。事ここに至った経過を顧みれば、これは何ら政府の自主的努力によってもたらされたものでなく、もっぱら客観的事態の切迫と国民世論の圧力によってもたらされたものであります。今日このような日ソ間の協定に達することができたならば、何ゆえに、さきのロンドン交渉によって、この協定を行わなかったのでありましょうか。(拍手)政府はいたずらに無用の混乱を重ねて、そのために、わが国の水産業界に過大なる制限と不当なる損害と不安を与え、その上、また、わが国の権威を内外に失墜せしめたことにつき、その責任はまことに重大といわなければなりません。(拍手)  これに関連して、日中国交回復の問題につきましても、中国側では、すでにしばしば日本政府の責任者との会談を呼びかけているにもかかわらず、政府はこれを黙殺し続けようといたしております。言うまでもなく、日中国交回復によってわが国の受ける利益が日ソ国交の場合よりもはるかに大きいことを考えるならば、この政府の怠慢はまことに許しがたいものであるといわなければならぬのであります。(拍手)  日比賠償にいたしましても、鳩山総理が、国会及び内閣の意向を全く顧みることなく、卒然としてフィリピン側の提出した八億ドル賠償案を内諾したことから、その後の一切の混乱を生み出したではありませんか。(拍手)このたびの日比賠償のその総額が、わが国の支払い能力を越えることになり、また、その内容の実施方法において、わが国民に不当な負担を背負わせる結果となったことは、明白なる事実であります。さらに、ビルマ賠償、インドネシア賠償との関連において、今後困難な問題を引き起すことも、これまた明らかでございましょう。  以上のごとく、鳩山内閣の外交方針は、混乱と動揺を限りなく重ねつつ、わが国の威信と利益を害し、もはや国民世論を統一する能力を全く失っていると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  このような、内閣の外交政策の動揺と混乱の真の原因はどこにあるかと考えるならば、申すまでもなく、アメリカの政策に対する追従政策のためでありましょう。鳩山内閣は、その成立に当り、従来の吉田内閣の対米一辺倒政策を若干修正し、わが国の自主権を回復するために努力するかのごときゼスチュアを示し、これによって国民の支持を獲得しようといたしました。ところが、その実際の行動におきましては、吉田内閣を上回る対米一辺倒政策であることは、その憲法改悪の熱意、米軍基地拡張のやり方を見ても明らかであります。(拍手)今や、内外の情勢の急速なる変化に照らしてみましても、アメリカ一辺倒の政策を根本的に断ち切ることなしには、国民世論を統一する正しい政策を打ち立てることは断じて不可能でございます。(拍手)なぜならば、アメリカヘの従属から脱却し、真に日本の独立と自主性を強化することこそが、今や一致した国民の世論であるからであります。(拍手)この国民世論に背を向けて、いかなる外交政策も成功し得ないことは、十分に証明されたのであります。この観点から、すでに鳩山内閣はわが国の外交政策を担当する資格を完全に喪失したというのが、不信任案に対して賛成する第二の理由でございます。(拍手)     〔副議長退席、議長着席〕  第三は、鳩山内閣の再軍備経済政策が、いかに世界の大勢について無知であり、かつまた、国民生活をいかに圧迫しているかを、具体的な事実に即して指摘したいと思うのでございます。(拍手)  すなわち、予算に例をとれば、昭和三十一年度一般会計予算の増額余裕分は軍事費、恩給費、地方財政の赤字補てん等の増額に充てられて、これがために、産業、貿易の振興対策の経費、社会保障、文教、住宅建設など、国民生活安定対策の経費がむざんにも圧縮されておるのでございます。(拍手)また、わが国の経済自立にとって最も必要である食糧増産対策を含む公共事業費は五十億円削減され、住宅対策費は七十億円も削減されておるのでございます。さらに、農業、中小企業振興に対する政策投資に欠くべからざる産業建設省は。本年度は全然計上されておらないではありませんか。(拍手)鳩山総理は、しばしば、本年度予算では社会保障費を大幅に増額したと、大みえを切っておられるのでございまするが、これは、総理官邸の奥まった総理室と、世間で一口に言っておる音羽御殿の間を高級車で往復しているだけの鳩山さんの、単なる表面のみを見ただけのものであって、国民生活の貧苦に悩んでいる実態を御存じない空論であるといわなければなりません。(拍手)一体、総理は、こういう実情を御存じないのでありましょうか。鳩山内閣の計上しておる生活保護費では、実際に対象人員九百万人必要であるにかかわらず、延べにしてわずか二百万人程度しか救済の網の目は張られておらないのであります。  また、現在の都会地における最も深刻な住宅難の解決に対しましても、鳩山内閣は公約通り実行いたしておらないではありませんか。(拍手)現在の住宅不足二百七十二万戸と、毎年の新規需要分二十五万戸の建設とを満たしていくには、驚くなかれ、十五年もかかるのであります。(拍手)銀座や丸の内に建っている大ビルディングやデパートは、あれは決して住宅にはならないのでございます。あのような高層建築の建設には銀行融資を無制限に許しながら、国民の住宅難の解決には、あと二十年たっても見当がつきそうもないのが、鳩山内閣の住宅政策であることを、鳩山さんは御存じないのでありましょうか。(拍手)これは、鳩山総理が、先代鳩山先生の御曹子であり、何らの生活苦を知らないお坊っちゃんであるとか、お孫さんと一緒に、あなたは賛美歌がお好きであるとかという、甘い言葉で許されてよい問題では決してないのであります。(拍手)現実に、毎日毎日生活苦のために一家心中があったりする国民の苦労を思えば、かかる内閣の存在がこれ以上一日たりといえども許さるべきでは断じてございません。  また、鳩山内閣の財政政策によって、予算編成の面で、もう一つおそるべき汚点を残しておることを考えなければならぬのであります。すなわち、本年一月三十一日に日米共同声明の形で発表された防衛費増額の約束こそは、日米共同声明といいながら、実は、アメリカの言いなりに、優先的に防衛庁予算を増額するということなのであります。(拍手)アメリカが日本国内に持ち込むジェット爆撃機の発着や、オネスト・ジョンの演習をさせるために、駐留米軍に対する施設提供費を増額することになるのであります。(拍手)かくして、鳩山内閣の手によって、わが国の予算編成は、戦争の火つけ役となる攻撃的軍備のための経費を他国より強制されることになるという、おそるべき事態を招いておるのでございます。(拍手)われわれは、もはや、過去の悲劇をこれ以上繰り返したくはありません。  私は、淺沼議員の提案された鳩山内閣の不信任案の成立こそが現在のわが国にとって最も緊要かつ急がねばならぬことであることを思い、正義と平和を守り、憲法擁護と国民の名において、八千万国民の命を守るために、鳩山内閣不信任案に全面的に賛成であるということを強調いたし、私の賛成の意見を終るものでございます。(拍手)

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 久保田豊君。     〔久保田豊君登壇〕

久保田豊小会派クラブ

○久保田豊君 私は、ただいま議題になりました鳩山内閣不信任決議案に対しまして、労農党、共産党並びに無所属を含めまする小会派を代表いたしまして賛成の討論を行わんとするものであります。(拍手)  私の鳩山内閣不信任案の賛成理由の第一といたしまするところは、そのあいまいな二元的対外政策の完全な行き詰まりであります。  まず第一に、当面の日ソ関係でございますが、今や事態はまことに明白でございます。千島、特に南千島の領土の問題は、沖縄、小笠原の完全復帰が実現いたします将来の時点において、わが国は主として政治的立場からソ連に対してこれを主張し得るし、また堂々と主張すべきでありますが、現在の時点において、これを主張し得る政治的条件がございません。また、国際法上の根拠もきわめて薄弱でございます。それを無視いたしまして、この問題に固執いたしまする限り、日ソ国交正常化の早期妥結は、いかなる方式によりましても絶対に不可能であり、また、この段階で早期妥結を実現しないならば、次の段階におきまして、わが国は今より一そう困難にして不利な立場に追い込まれることが、今度の交渉ではっきりいたしたのであります。(拍手)政府は今こそ決断をいたすべき時期でございます。しかるに、政府は、この期に及びましても、なお依然として右顧左眄するのみで、何ら決するところがございません。そのために、この国会に対しましても、また、これに大きな関心を持っております国民大衆に対しましても、何ら明確なる方針を今日まで示し得ないのであります。一体、これは何ということでございましょうか。(拍手)  私は、政府、特に鳩山首相に、はっきりと申し上げたいと思います。もし、過般の河野・ダレス会談等を通じまして、アメリカが依然たる妨害、牽制を加えているならば、よろしくこの真相を国民の前に打ち明けまして、国民とともに手を携えて、この不当なる干渉、圧迫をはねのけて進むべきであります。また、同時に、閣内におきまして、重光外相が依然たる対米媚態の立場から、なお反対を続けておるといたしますれば、首相はよろしく重光外相の首を切って進むべきであります。(拍手)さらに、また、与党たる自民党の内部におきまするいわゆる慎重派の諸君が、その派閥的利害から、相変らず反対の策謀を続けておるといたしますれば、これもまた断固切り捨てて進むべきであります。もし政府にこの勇気と決断なしとするならば、政府みずからよろしくこの際退陣をして責任を明らかにすべきであります。(拍手)  さらに、日中関係についても、ほぼ同様のことがいわれるのであります。首相も、外相も、相変らず、日中貿易だけはやりたいが、日中国交回復の方は、わが国が台湾の政府を認めている関係上やれない、と繰り返しているだけでありまして、約二年にわたる施政の間、何一つやっておりませんし、やろうともいたしておりません。(拍手)ただ、わずかに、近づく参議院選挙を目当てにいたしまして、石橋通産大臣をして、最近、口先だけで、いわゆる懸案の両国貿易民間使節国の交換とか、あるいは為替決済の問題の解決などを語らしめて、当面をごまかしているだけでございます。  私は政府の諸公にお聞きいたしますが、一体、政府並びに与党の諸君は、今日の毛沢東政権と蒋介石政権のいずれが中国の正統なる政府であるか、また、いずれが日本にとって価値のある政府であるかということの見分けがつかないのでございましょうか。私があらためて申し上げるまでもなく、台湾政権は、わずか八百万の人口を持つ中国の領土の一部に逃げ込んで、人民の熾烈なる反抗を武力で押えつけ、かつ、アメリカの完全なるかいらい政権になることによって辛うじて生き長らえておりますところの亡命政権であります。しかも、その存在理由は、ただ一つ、アジアにおきますアメリカの手先になって、戦争火つけ人になることだけであります。それでありますがゆえに、今や、全世界は、台湾の蒋介石政権を完全に見捨てております。しかるに、北京の政権は、これまた皆さんが御承知の通り、はつらつたる新興の精神に燃える六億の人民の絶対の支持のもとに、驚くべきテンポと規模をもって社会主義の大建設に邁進いたしている。そうして、いわゆる平和五原則に基きます……。     〔「時間々々」と呼ぶ者あり〕

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 久保田君、結論を急いで下さい。

久保田豊小会派クラブ

○久保田豊君(続) 世界的な活動によりまして、はっきりとアジア外交上の主導権を確立いたし、さらに明日におきましては、世界の主導権にはっきり参加いたすこと明らかなる政府であります。また、その対日態度を見ましても、御承知の通り、蒋介石政権は、アメリカのトラの威をかるキツネのごとき態度をもって日本に対しております。

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)……下さい。

久保田豊小会派クラブ

○久保田豊君(続) しかるに、毛沢東政権は、過去におきまする日本に対する一切の恨みを捨てて、もっぱら平和共存の見地から、幾たびか……。

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) ……。     〔「時間々々」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然、聴取不能〕

久保田豊小会派クラブ

○久保田豊君(続) 日本との旧交を求めて参って来ておるのが実情でございます。(拍手)  さらに、また、経済的に見ましても、わずか年額七、八千万ドルどまりで、全然伸びのない日台貿易と、日本のやりようによりましては、ほとんど無限ともいうべき伸びを持っております中国と、そのいずれをとるべきかは、明らかではありませんか。これらの諸点から見ますならば、今日、日本といたしまして、毛沢東政権をとるべきか、あるいは蒋介石政権をとるべきかは、小学校の子供でも明白であります。(拍手)この明白なことが、これだけおられます政府並びに与党の諸君にはわからないのでありますか。(「わからぬ、わからぬ」と呼び、その他発言する者あり、拍手)なぜわからぬか。諸君は焦点の狂ったアメリカ製のめがねをかけているからであります。(発言する者多し)いち早く皆さんはこのアメリカ製のめがねをとって、曇りのない日本製のめがねをかけて、新しい中国並びにこれをめぐるアジアの情勢をはっきり見直すことがまず第一でございます。(拍手)これをしもあえてしない今の鳩山内閣に、国政担当の資格はございません。まず第一に、この点を申し上げたいのであります。(発言する者多し、拍手)  さらに、日韓関係についてはどうでありましょう。これまた、この二年間、鳩山内閣は何一つやらず、全くの無為に過ごしておりますために、李承晩ラインもそのままであります。(「時間時間」と呼び、その他発言する者多し)多数の不法抑留された漁民もまた、何ら救われることなく放置されております。しかも、この問題を解決いたしまする根本は、米韓相互防衛条約その他の条文に明らかな通り、李承晩政権、特にその解決に対して絶対の指導力を持っておりますアメリカの……。     〔「時間だ、時間だ」と呼び、その他発言する者多し〕

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 久保田君、時間ですから、簡単に願います。

久保田豊小会派クラブ

○久保田豊君(続) アメリカの暴力的な政策に対しまして、日本政府は断固たる態度をもって強く問題の解決に臨むべきであります。(拍手)その点についても、鳩山内閣は全く無能といわざるを得ません。  さらに……。     〔「議長、時間だ」と呼び、その他発言する者多し〕

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 久保田君——久保田君、結論を急いで下さい。

久保田豊小会派クラブ

○久保田豊君(続) 対フィリピン賠償の問題であります。(「やめろ」「ゆっくりやれ」と呼び、その他発言する者多し)日本は、いわゆる当時の帝国主義者にごまかされまして、あの太平洋戦争を起しまして、フィリピン——アジアに損害を与えたのでございますから……(発言する者多く、聴取不能)誠意を持って賠償に臨むことは当然であります。従いまして、鳩山内閣によりまして、いわゆる賠償の正式交渉ができ上ったことは、まことにけっこうでございます。しかしながら、鳩山首相の軽率なる行動によりまして、大野・ガルシア仮協定……(「時間々々」と呼び、その他発言する者多く、聴取不能)賠償問題が……(発言する者多く、聴取不能)直ちに……(発言する者多く、聴取不能)国民はたまらないのであります。(拍手)  私どもは……(「時間だ」「議長注意しろ」と呼び、その他発言する者多く、聴取不能)しかも、この問題は、これだけにとどまらない。皆さんもよく御承知の通り、この問題ね、必ず、次の段階におきましては、ビルマとの賠償の増額再修正を呼び起し……。     〔「時間片々」と呼び、その他発言する者多し〕

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 久保田君——久保田君、結論を急いで下さい。

久保田豊小会派クラブ

○久保田豊君(続) さらに、対インドネシアの賠償におきましても、その金額を増大せしめる原因になることは明らかであります。  私は、時間がございませんから、以下を省きまして、結論だけを申し上げますが、鳩山内閣の外交政策は、今日世界の大道でございます平和共存からはずれて、依然たる対米一辺倒にぶら下っている、ここに根本の原因がございます。この点をぶち破らない限り、日本の外交の行き詰まりは日一日と強くなりましょうし、また、そのために、日本の国際的孤立と国難はますます大きくなるのでしょう。その見地から、鳩山内閣に対しまして退陣を要求いたすものでございます。(拍手)

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。本決議案につき採決いたします。この採決は記名投票をもって行います。鳩山内閣不信任決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。氏名点呼を命じます。     〔参事氏名を点呼〕     〔各員投票〕

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。閉鎖。投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長朗読〕 投票総数 四百九   可とする者(白票)  百五十一     〔拍手〕   否とする者(青票)  二百五十八     〔拍手〕

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 右の結果、鳩山内閣不信任決議案は否決されました。     ————————————— 淺沼稻次郎君外三名提出鳩山内閣不信任決議案を可とする議員の氏名    阿部 五郎君  青野 武一君    赤路 友藏君  赤松  勇君   茜ケ久保重光君  淺沼稻次郎君    足鹿  覺君  飛鳥田一雄君    有馬 輝武君  淡谷 悠藏君    井岡 大治君  井手 以誠君    井上 良二君  井堀 繁雄君    伊瀬幸太郎君  伊藤卯四郎君    伊藤 好道君  猪俣 浩三君    池田 禎治君  石田 宥全君    石橋 政嗣君  石村 英雄君    石山 權作君  稲富 稜人君    稻村 隆一君  今澄  勇君    今村  等君  受田 新吉君    小川 豊明君  大西 正道君    大矢 省三君  岡  良一君    岡本 隆一君  加賀田 進君    加藤 清二君  風見  章君    春日 一幸君  片島  港君    片山  哲君  勝間田清一君    上林與市郎君  神近 市子君    神田 大作君  川俣 清音君    川村 継義君  河上丈太郎君    河野  正君  木原津與志君    菊地養之輔君  北山 愛郎君    久保田鶴松君  栗原 俊夫君    小平  忠君  小牧 次生君    小松  幹君  五島 虎雄君    河野  密君  佐々木更三君    佐竹 新市君  佐竹 晴記君    佐藤觀次郎君  坂本 泰良君    櫻井 奎夫君  志村 茂治君    島上善五郎君  下川儀太郎君    下平 正一君  杉山元治郎君    鈴木茂三郎君  鈴木 義男君    田中幾三郎君  田中織之進君    田中 武夫君  田中 利勝君    田中 稔男君  田原 春次君    田万 廣文君  多賀谷真稔君    高津 正道君  滝井 義高君    竹谷源太郎君  楯 兼次郎君    辻原 弘市君  戸叶 里子君    堂森 芳夫君  中井徳次郎君    中居英太郎君  中崎  敏君    中島  巖君  中村 高一君    中村 時雄君  中村 英男君    永井勝次郎君  成田 知巳君    西村 榮一君  西村 彰一君    西村 力弥君  野原  覺君    芳賀  貢君  長谷川 保君    原   茂君  原   彪君    日野 吉夫君  平岡忠次郎君    平田 ヒデ君  福田 昌子君    古屋 貞雄君  帆足  計君    穗積 七郎君  細迫 兼光君    細田 綱吉君  前田榮之助君    正木  清君  松井 政吉君    松尾トシ子君  松岡 駒吉君    松平 忠久君  松原喜之次君    松前 重義君  松本 七郎君    三鍋 義三君  三宅 正一君    三輪 壽壯君  水谷長三郎君    武藤運十郎君  門司  亮君    森 三樹二君  森島 守人君    森本  靖君  八百板 正君    八木 一男君  八木  昇君    矢尾喜三郎君  安平 鹿一君    柳田 秀一君  山口シヅエ君    山口丈太郎君  山崎 始男君    山下 榮二君  山田 長司君    山花 秀雄君  山本 幸一君    横錢 重吉君  横路 節雄君    横山 利秋君  吉田 賢一君    和田 博雄君  渡辺 惣蔵君    石野 久男君  岡田 春夫君    久保田 豊君  否とする議員の氏名    阿左美廣治君  相川 勝六君    逢澤  寛君  愛知 揆一君    青木  正君  赤城 宗徳君    赤澤 正道君  秋田 大助君    淺香 忠雄君  足立 篤郎君    荒舩清十郎君  有田 喜一君    有馬 英治君  安藤  覺君    五十嵐吉藏君  井出一太郎君    伊東 岩男君  伊東 隆治君    伊藤 郷一君  生田 宏一君    池田 勇人君  池田正之輔君    石井光次郎君  石坂  繁君    石橋 湛山君  一萬田尚登君    稻葉  修君  犬養  健君    今井  耕君  今松 治郎君    宇田 耕一君  宇都宮徳馬君    植木庚子郎君  植原悦二郎君    植村 武一君  臼井 莊一君    内田 常雄君  内海 安吉君    江崎 真澄君  小笠 公韶君   小笠原三九郎君  小川 半次君    小澤佐重喜君  大麻 唯男君    大石 武一君 大久保留次郎君    大倉 三郎君  大高  康君    大坪 保雄君  大橋 武夫君    大橋 忠一君  大村 清一君    大森 玉木君  太田 正孝君    岡崎 英城君  荻野 豊平君    奧村又十郎君  加藤 精三君    加藤 高藏君  加藤常太郎君    加藤鐐五郎君  鹿野 彦吉君    上林山榮吉君  神田  博君    亀山 孝一君  唐澤 俊樹君    川崎末五郎君  川崎 秀二君    川島正次郎君  川野 芳滿君    川村善八郎君  菅  太郎君    菅野和太郎君  木崎 茂男君    木村 文男君  菊池 義郎君    岸  信介君  北澤 直吉君    北村徳太郎君  吉川 久衛君    清瀬 一郎君  久野 忠治君    草野一郎平君  楠美 省吾君    熊谷 憲一君  倉石 忠雄君    黒金 泰美君  小泉 純也君    小枝 一雄君  小坂善太郎君    小島 徹三君  小平 久雄君    小西 寅松君  小林  郁君    小林かなえ君  小山 長規君    河野 一郎君  河野 金昇君    河本 敏夫君  高村 坂彦君    纐纈 彌三君  佐々木秀世君    齋藤 憲三君  櫻内 義堆君    笹本 一雄君  笹山茂太郎君    薩摩 雄次君  志賀健次郎君    椎熊 三郎君  椎名悦三郎君    椎名  隆君  重政 誠之君    重光  葵君  島村 一郎君    首藤 新八君  正力松太郎君    白浜 仁吉君  周東 英雄君    須磨彌吉郎君  杉浦 武雄君    助川 良平君  鈴木周次郎君    鈴木 直人君  薄田 美朝君    砂田 重政君  世耕 弘一君    瀬戸山三男君  關谷 勝利君    園田  直君  田口長治郎君    田子 一民君  田中伊三次君    田中 角榮君  田中 彰治君    田中 龍夫君  田中 久雄君    田中 正巳君  田村  元君    高岡 大輔君  高木 松吉君    高碕達之助君  高瀬  傳君    高橋 禎一君  高橋  等君    高見 三郎君  竹内 俊吉君    竹山祐太郎君  千葉 三郎君    中馬 辰猪君  塚田十一郎君    塚原 俊郎君  辻  政信君    堤 康次郎君  渡海元三郎君    徳田與吉郎君  徳安 實藏君    床次 徳二君  内藤 友明君    中垣 國男君  中川 俊思君    中嶋 太郎君  中村 梅吉君    中村三之丞君  中村 寅太君    中村庸一郎君  中山 榮一君    中山 マサ君  仲川房次郎君    永田 亮一君  永山 忠則君    長井  源君  灘尾 弘吉君    夏堀源三郎君  楢橋  渡君    二階堂 進君  丹羽 兵助君    西村 直己君  野澤 清人君    野田 卯一君  野田 武夫君    野依 秀市君  馬場 元治君   橋本登美三郎君  橋本 龍伍君    長谷川四郎君  畠山 鶴吉君    八田 貞義君  鳩山 一郎君    花村 四郎君  濱地 文平君    濱野 清吾君  早川  崇君    林  讓治君  林  唯義君    林   博君  原 健三郎君    原  捨思君  平野 三郎君    廣川 弘禪君  福井 順一君    福井 盛太君  福田 赳夫君    福田 篤泰君  福永 健司君    藤枝 泉介君  藤本 捨助君    淵上房太郎君  船田  中君    古井 喜實君  古川 丈吉君    保利  茂君  保科善四郎君    坊  秀男君  星島 二郎君    堀内 一雄君  堀川 恭平君    本名  武君  眞崎 勝次君    眞鍋 儀十君  前尾繁三郎君    前田 正男君  町村 金五君    松浦周太郎君  松浦 東介君    松澤 雄藏君  松田竹千代君    松村 謙三君  松本 俊一君    松本 瀧藏君  松山 義雄君    三浦 一雄君  三木 武夫君    三田村武夫君  水田三喜男君    南  好推君  宮澤 胤勇君    村上  勇君  村松 久義君    森下 國雄君  八木 一郎君   山口喜久一郎君  山口 好一君    山崎  巖君  山下 春江君    山手 滿男君  山中 貞則君    山本 勝市君  山本 粂吉君    山本 正一君  山本 猛夫君    山本 友一君  横井 太郎君    横川 重次君  吉田 重延君   米田 吉盛君 早稻田柳右エ門君    渡邊 良夫君  亘  四郎君      ————◇—————

益谷秀次自由民主党議長

○議長(益谷秀次君) 本日はこれにて散会いたします。     午後十一時四十二分散会

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