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24回国会衆議院1956/10/12

法務委員会閉会中審査小委員会 第7号

発言数
100
登壇者
6
会派数
2
開催日
1956/10/12

会議録

高橋禎一自由民主党

○高橋小委員長 これより法務委員会閉会中審査小委員会を開会いたします。  本日は法務行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。  これより大同酸素株式会社による人権侵害事件について参考人より意見を聴取いたすこととなっております。出席参考人は、大阪府商工部次長田中巧君、大同酸素株式会社専務取締役半田忠雄君の両名であります。  この際参考人にごあいさつを申し上げます。参考人には御多忙中にもかかわらず当小委員会の調査のため御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。小委員よりの質問に応じ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  それでは、これより質疑に入ります。質疑は通告によりこれを許します。佐竹晴記君。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 それでは、質問をいたしました事項について逐次お答えを願いたいと思います。  まず田中大阪商府工部次長にお尋ねを申し上げます。  大阪府では、大同酸素株式会社に対して、堺市南島町にあります土居冷凍株式会社に隣接をいたしております大同酸素の工場を許可なさったそうでありますが、それはいつごろでございましょうか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 お答え申し上げます。大同酸素の工場の許可につきましては、二件ございまして、最初に許可をいたしましたのは昭和十九年の九月でございます。それから、あとから大同酸素株式会社の工場の増設に伴います許可は昭和二十六年の八月でございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 昭和二十六年八月の増設拡張に関します許可については、どういう規模の申請で、どういう許可が与えられたのでございましょうか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 昭和二十六年の増設の許可申請の内容は、高圧ガスの製造設備の増設でございます。具体的に申し上げますと、大同酸素株式会社が西独から輸入いたしました高圧ガスの製造機械の施設の据付の許可でございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 だいぶん大きな機械のようでありますが、何馬力の機械でございましょう。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 コンプレッサーは七百四十馬力と記憶いたしております。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 大同酸素株式会社は、昭和二十六年法律第二百四号高圧ガス取締法の適用を受ける会社でありますか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 さようでございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 それでは、同法施行規則第十一条によれば、製造施設の外壁から家屋に対しては二十メートル以上の制限距離を置かなければならぬことになっておりますが、その許可についてはその条件を満たしておりますか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 その条件を満たしております。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 お隣の土居冷凍株式会社の機械工場及び冷凍倉庫との間は二十メートル以内でありますが、それは家屋とはごらんにならなかったのでございますか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 お説のように、隣接の土居冷凍株式会社の冷凍倉庫及び機械室がその付近にございまして、その間の距離は二十メートルに達しておりませんのでございますが、高圧ガス取締法施行規則第十一条第一号に書いてございます、家屋に対し二十メートル以上の制限距離云々と申しますのは、ここに書いてあります家屋は、いわゆる人家と申しますか、常時人が居住する家の意味でございまして、この家屋の中には倉庫とかあるいは機械室、工場といった種類のものは包含されないというふうに解釈いたしておったのでございます。  〔小委員長退席、椎名(隆)小委員長代理着席〕

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 その解釈は今日も間違いないと断定されますか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 現在でもさように解釈いたしております。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 前回当委員会において通産省の菊池局長代理が出て参りまして、人が常時出入りをいたしておる場所については、機械室といえども、また工場であっても、いわゆる家屋であると、はっきりこの委員会において明言されたのでありますが、本省の解釈と反する御解釈をとります根拠はどこにありますか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 今お述べになりましたように、去る九月二十四日の当小委員会におきまして、通産省の菊池説明員がさようの趣旨のことを申し述べられましたことは、私も議事録を読みまして承知いたしておるのでございますが、私ども現在まで高圧ガス取締法の関係の仕事を処理いたします場合は、従来からもこの家屋の解釈につきましては、先ほど申し上げましたように常時人が居住する家屋、つまり人家の意味に解釈して参ったのでございまして、その根拠は、従来通産省なりとわれわれ地方庁との事務連絡の場合にもそういう解釈のもとに仕事をやって参りましたし、従いまして、おそらく全国の関係の工場もそういう解釈、そういう制限のもとで現在まで許可が行われて参ったものと確信いたしております。さらにまた、根拠の一つといたしましては、昭和二十七年に発行されております高圧ガス取締法の解説という文献がありますが、これは通商産業省の通商化学局の著書でございまして、それの二百三ページに、家屋とは人家の意味であるということがはっきり書かれておるのでございます。そういうふうな事情で、われわれも従来から家屋の解釈につきましては常時人が居住する人家の意味に解釈して参っておるのでございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 旧法当時人家と書いてあったものを、法律改正に伴って建物と改めたのであります。しかるに、改めない以前の人家と同様に解釈するということは、これはいわれのないことと思います。何がゆえに人家を建物と改正したのか。改正をしたのにもかかわらず、従来通り人家と同一の解釈をする根拠はどこにあるか。わずかにどっかの人がどういう本を書いたという文献によってこういう重大な問題を左右するわけには参りません。そこにはもっとより重大なる根拠がなければならぬと思います。あなたにその根拠を承わりたい。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 旧法に書いてありました人家を、新法の際に家屋と改められましたその事情は、私もまだ承知いたしておりませんですが、われわれは、旧法時代に使っておりました人家という言葉は、法律上の用語例として少し古いので、最近の新しい法令の用語といたしましては、家屋あるいは建築物というふうな用語を使っておるのが多いのでございますので、新法の際に人家を家屋に置きかえましたのもそういった新しい用語例に従って変えられたものというふうに解釈いたしておったのでございます。それから、新法施行後におきましても、従来から、通産省との事務連絡の場合には、常に先ほど申しましたような狭い意味の人家の意味に解釈して現在に至っておる次第で、ございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 それでは、翻って承わりますが、一体何で二十メートルという制限距離を置かなければならないことにしたのか、その根拠はどこにありましようか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 二十メートル以上の保安距離を設けました趣旨は、やはり当該製造施設の事故によりまして付近にある人命あるいは身体というものに危害を及ぼすことを極力防止するというふうな趣旨で、最低限度二十メートル以上の制限距離をとるというふうにきめられておるものと解釈いたしております。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 それでは、さらに承わりますが、たとえば学校、病院など、これは保安施設として百メートル以上を置かなければならぬことになっておる。学校とか病院などには多くの人が集まるので、その人命、身体等を保護しようというのでございましょう。それならば、お隣に大きな工場があって、そこに数百名、数千名の者が常時仕事をしておる。その常時仕事をしておる職工の人命や身体はどのような危険にさらされようとも、それは工場内にいるのだから、工場は人家でないのだ、だから保護する必要はないという解釈を立てる根拠はどこにございましょうか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 お説のように、付近に相当の人たちが常時勤務するような工場あるいは事務所がありました場合に、これを災害から保護しなくてもよいという根拠はどこにもないわけであります。にもかかわらず、従来は、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、この条文における家屋の字句の解釈といたしましては、非常に狭い人家の意味に解釈して今まで処理をして参ったのでございまして、その家屋という字句を人家と解するのがよいのか、あるいは工場、事業場その他人が常時ありますような建物もこれに含めて家屋に解釈すべきかという字句の解釈の適否の問題は、これはおのずから別だと思いますが、行政実務といたしましては、従来からそういった狭義にこれを解釈して参ったのでございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 これはまるきり理解ができませんが、あなたの趣旨からすれば、二十メートルを置かなければならぬというのは、お隣の家の人命、そこに住まっております人の人命及び身体を保護するために必要だ、こういうのです。そうするなら、お隣がそれが学校であろうが病院であろうが同じであると同時に、学校に児童がたくさん通ってきて、昼間だけそこで勉強する、それを保護しなければならぬ。ところが、お隣が工場であって、学校の生徒より以上に人が集まっておる、職工が仕事をしておる、それを捨てて一向顧みないでいいという根拠が一体どこに出て参りましょうか。およそ距離を置けと命令した以上は、その距離を置けと命令した事由というものがなくてはなりません。法律はその必要があって生まれております。その必要のために生まれた法律はその社会の実相に適するように解釈するのが適当であることは、これは申し上げるまでもございません。よって、当初人家としてあったけれども、人家に夫婦暮しの者がいるとする、その二人だけ住まっておる夫婦者を保護しなければならぬのに、お隣の工場に数百人、数千人いても、それは工場だから人家ではないのだ、保護する必要がないというのでは適当でないというので、初めてそこに家屋と改正をした。家屋と規定すれば、人が常時そこに出入りして、やはり人命及び身体を保護しなければならない実情にあるところの建物は、高圧ガス取締法によって保護を受ける対象となるべき建物としてこれを規定したものでありますことは、一見明瞭であり、かつ、そう解釈しなければこの法の意義をなしません。もし御解釈の通りであるといたしまするならば、こんなばかげた法律はありません。必ずやこれは改正案を出さなければならない。政府当局の本省の方もお見えになっておりますが、そんなものは捨てておいていいというわけではございません。私はその実情に適する解釈をしてこそ初めて法は生きていくものと思う。しかるに、旧法にあった人家という文字を固執し、これに限るんだというような解釈をして、自分のとった行政措置の不当をおおおうとするがごときは、もってのほかであると私は思う。あなたは今でもなお良心的に家屋というもののうちには工場も事業所も含んでいないとはっきり確信を持って今日といえどもお答えなさるのでございましょうか、いま一応確かめておきます。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 先ほど申し上げましたように、家屋の字句の解釈が、人家に限定するのがよいか、あるいは人家以外に、相当数人が集りますような工場、事務所といったふうな建物もこれに含めて解釈するのが妥当であるかというふうな解釈の適否の問題、これは別でございまして、私は家屋を人家の意味に解釈するのが妥当であるということを申しておるのではないのでございます。ただ、従来、この法律施行後現在に至るまでの間に、家屋の字句の解釈は、先ほどから繰り返して申し上げておりまするように、人家の意味に解釈するんだというふうな事務の連絡も受け、また通産省からの指導も受けてそういう実務をやって参ったという事実を申し上げておるのでございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 しからば、本省は、その改正の根拠が、人家とあったものを家屋と直すことは、これは広い意味であると、速記録にもあります通り、はっきり申しておりますし、工場、事業場等についてもこれを適用しなければならぬ、そうして土居冷凍の場合においては、これを二つに分けて考えなければならぬ、一つは職人が機械を動かしてそこで仕事をするいわゆる工場と見らるべき部分と、倉庫と見られる部分、すなわち常時人がおるとは思われない部分とを区別して解釈すべきであり、冷凍工場における機械場のごときは、これは職人が常時そこにいて仕事をしておるものと思うから、それはいわゆる家屋のうちに入るものと思うと、かように当委員会において回答いたしております。本省のこの解釈に反して、なお大阪府といたしましては本省と違った解釈に基いてこの法を施行していこうというお考えでございますか、これを承わっておきたい。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 通産省の菊池説明員の御答弁は、先ほど申し上げましたように議事録で私も承知しておりますが、通産省当局の家屋の解釈について、従来われわれがとっておりましたような人家の意味より広げまして、場合によっては倉庫あるいは工場も家屋に入るんだというふうな意味合いは、あの議事録によりまして私初めて承知いたしたのでございまして、もし、先ほど佐竹委員がお話しになりましたように、新法施行の当時、従来の人家を家屋に改正したのは、旧法時代の人家よりも意味を広げて、普通の人家よりもその範囲が大きくなったというふうな趣旨であったといたしましたならば、新法施行の際それに相当する指導を通産省当局はやるべきであったと思います。果して通産省当局はその当時どういう指導をわれわれ地方庁に対しておやりになったかということもお伺いをいたしたいと思います。おそらく、当初に申し上げましたように、全国各府県は従来の狭い意味でこの事務を処理して参っておるはずでございます。  さらに、お尋ねの、本省の解釈が変ったのに、あくまで大阪府は従来の解釈に固執するのかというふうな御質問でございましたが、これは、今後通産省が新しい字句の解釈をされまして、それで事務を処理するということにきまりましたならば、その通産省の解釈はわれわれにとりましては有権解釈でございますので、今後はその解釈の内容を改めて参るということは、大阪府としても当然やるつもりでございます。ただ、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、従来の扱いは決してそうではなかったということを申し上げておるのでございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 一説明員の説明と申しますが、決してさようではございません。政府委員として、軽工業局長の代理として、局長にかわって来て有権解釈をなさっておるのであります。従いまして、この解釈は私ども信頼できると思います。局長の解釈によれば、明らかに、旧法当時人家とあったものが今度改正されて家屋となったのは意味が広い、そうしていわゆる常時人の出入りする箇所については、工場であろうともまた事務所であろうとも、みないわゆる家屋中に含まれる、本件土居冷凍の場合においては、機械場はやはり家屋の一部と解釈することができる、土居冷凍に関する部分については、特に具体的に名を示しているわけではありませんけれども、私が具体的に聞いた場合に、二つに分けて答えなければならぬと前提し、しこうしてその機械場は常時人がそこにいて操業しなければならぬ箇所であるから、そこは工場であっていわゆる家屋であるといわなければならぬ、かように有権解釈をなさっておるのであります。しからば、この当局の有権解釈は、大阪府といたしましても将来に向ってやはりこれに従うの御意図のありますことはただいま承わりましたが、しからば、過去においてなされた行政措置に関して、誤まった解釈のもとにいろいろと権利の侵害を受けた者に対して、これを救済するためには、この法の解釈の誤まりを是正して、現に通産省当局が有権解釈をしておる通りの正しい姿に返すのが正当であると考えますが、大阪府といたしましては、その正しい姿に返すだけの御決意がここにございましょうか、承わりたいのであります。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 もしも通産省当局が家屋の字句の解釈を今後改めまして新しい解釈のもとにこの仕事を処理するということにきまりました場合は、先ほど申し上げましたように、われわれ府県といたしましても、その方針に従って事務を処理して参ることは当然でございます。ただ、解釈の誤まりから一部の人が不当に権利を侵害されておるというふうな事態を、今後法の解釈が変りました場合にこれを是正するだけの意思があるかどうかというふうなお尋ねでございましたが、むろん、われわれは、法の解釈の適否の問題を離れましても、管下の産業の育成振興ということにつきましては十分の努力をしなければならないのでございまして、ただ、懸念いたしますことは、今急に解釈を通産省当局が変えられるということになりますと、大阪府の大同酸素と土居冷凍との事件だけでなくて、全国に従来から存在いたしておりますこの種の措置につきましても非常に大きい影響を来たすのではないかというふうに考えるのであります。私たち大阪府当局といたしましては、府下の産業の育成振興につきましては、従来からいろいろ努力をいたして参っておりまして、法規の解釈のみならず、そういうことを離れましても、そのことには努力しなければならぬ立場にございますので、先ほどの御質問の趣旨とはやや違うかもしれませんが、解釈の問題を離れても、今後はそういう面に十分の努力をいたして参りたいというふうに考えておるのでこざます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 お隣の土居冷凍株式会社が廃業同様になっておりますことは御存じでございましょうか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 承知いたしております。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 どうしてそういうことになったのでございましょうか、これを承わりたい。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 土居冷凍株式会社が休業状態になりました事情に対する考え方でございますが、私どもはその経営の当事者ではございませんので、真相はつかめないのでございますけれども、今までのいろいろな調査の資料を総合してかりに推定するといたしましたならば、これはいろいろな事情があると存じます。たとえば、土居冷凍株式会社が主張しておりますような大同酸素のコンプレッサーからの振動が非常に大きな原因であるというふうな線も、われわれの調査から申し上げますと、その振動は有感限界以下の微動でございまして、冷凍倉庫内の保管物を損傷する程度とは考えておらぬのでございます。それから、ほかの二、三の冷凍会社について調査をいたしました結果によりましても、振動によって保管中の物品が損傷するというふうな事例は従来もなかったのでございます。それから、土居冷凍の倉庫内のコルク粒でございますが、防熱壁の膨張が問題になっておりますが、これもおそらく、土居冷凍株式会社は昭和十七年、まだ戦争のさなかの時代に建設されました関係から、当時コルク資材も不十分でありましたために、通常はコルクの板を使いますところを、資材の不足の関係からコルク粒を使ったものだと思っておるのであります。そういうふうな関係で、コルク粒は、御承知かと存じますが、非常に耐用年数が短くて、せいぜい十年前後しか持たないのであります。そういうコルク粒の防熱壁を作りました関係から、現在ではすでにかなり老朽化しているのじゃないかと見ておるのであります。さらに、もう一つの考え方としましては、最近タマネギなどの生産地の生産者が自分で金融機関から金を借りまして冷蔵庫を設置して自分で冷凍保管をしておる事例が相当多いのでございます。さらに戦後はまた大阪市内にも優秀な冷凍施設がたくさんできましたので、ちょうど大阪市と生産地の中間にあります堺市は冷凍施設の立地条件としてはかなり価値が低下いたしておるのでございます。そういうふうないろいろな事情を総合して考えてみまするに、土居冷凍株式会社が現在休業状態になりましたことは、私どもの考えでは、大同酸素のコンプレッサーの振動が原因して今日に至ったというふうには見ておらないのでございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 大同酸素のコンプレッサーの振動の結果ではないと断ぜられるのでありますが、しかし、裁判所の証拠保全手続による調書によれば、明らかにその影響のあることが認められており、かつ、仮処分の申請をしたときに、保証金を積めばその仮処分すなわち大同酸素の業務を一時停止する、つまり、その機械の操作をとめるだけの仮処分を許すことになっていたのでありますが、保証金ができないためにそれは一時やまっておりますけれども、この点を考えてみて、公平なる第三者たる裁判所において、振動が影響あるものと認め、かつ保証金を積めば大同酸素の機械をとめましょうとまで裁判所において決意されたところによれば、ただいまの御答弁のようではないと私どもは思うのであります。裁判所のやっておることは公平無私、私は何の根拠もなき決意ではないと思っております。また、優秀なる冷凍会社がほかにもできて、あるいは生産地において自己資金で生産者みずからが冷凍装置を講ずるといったようなことをあげられたのでありますが、御承知の通り、この土居冷凍は数種の特許を持っておりまして、大阪府内でも他のどこにも劣らない優秀なる冷凍工場でございました、そして、この土居冷凍には他の場所よりも料金を高く預けてくる者が押すな押すなの状態であったことは明確であります。しかるに、お隣の大同酸素ができて以来、タマネギやリンゴのごときものが損傷をいたしまして、その結果損害賠償の要求をしてくる者などが出てくるありさまで、内容証明をたたきつけられ、そして預けておる品物を取っていくというような事実がだんだん重なって、ついに業務がやまったものでありますことは、さきに私が当委員会に提出いたしました各資料によって一応お認め願ったものと私どもは思っておるのであります。従いまして、大同酸素がお隣にできなかったならば、おそらく今日も栄えておるであろうことは、これは疑いございません。といたしまするならば、先ほどお尋ねをいたしました法の解釈いかんによってこの土居冷凍がつぶれたということになりまするならば、その責任はやはり行政府においてもこれを分担しなければならぬと私どもは考える。私は、この際、この裁判所の証拠保全や仮処分に対し決定を与えようとしたところの事実にかんがみましても、大阪府当局としても慈愛ある気持をもって、同情の目をもってこれを救おうという気持をもって対処すべき案件ではないかと思います。しかるに、そのなさるところの発言やその行動のすべてが、大同酸素のあたかも顧問であるかのごとき感じを起す態度に出られることが、公平なる第三者をして批判の余地を与えておるのであります。当委員会においても、両当事者にいま少しく公平なる見地に立ってこの問題を解決すべくお骨折りを願わなければならぬ立場にありまする当局といたしまして、ただいまのごとき、大同酸素の側に何の責任もない、いかにも土居冷凍の側にのみ欠陥があるかのごとき御答弁をなさいますということは、このままではとうてい受け取ることができません。私は、もしこの点について私の言い分が間違っておるということならば、さらに根拠をお示しおき願いたいと思います。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 いろいろ御所見をお伺いいたしたのでありますが、まず第一点の、裁判所の証拠保全調書によれば大同酸素株式会社の振動が影響してそれの被害の事実を認めておるやに伺ったのでありますが、私ども裁判所の証拠保全調書を見ておりませんので内容はわかりませんが、土居冷凍株式会社の方に、たとえば壁の一部がこわれたとかいうふうな、そういう事実は裁判所も認めたのでありましょうが、しかしながら、それがはたして大同酸素のコンプレッサーの運転による振動によってできたものというふうに裁判所が認定されたのかどうか、その辺は私も調書を読んでおりませんので判定いたしかねておるのでございます。  それから、土居冷凍工場は非常に優秀な、他に例を見ないような優秀な工場であるというお説でございますが、私どもはさようには考えておりません。他に優秀な工場はまだたくさんあるように考えております。  それから、先ほどの御意見では、大同酸素ができるまでは土居冷凍会社は営々と盛大に営業をやっておったのが、大同酸素ができてから休業状態になったというお話でございますが、私どもの方で調べたところによりますと、堺税務署の調べでございますが、土居冷凍は、昭和二十七年には二百三十七万八千円、二十八年には百六十二万円、二十九年には百九十一万円と、それぞれ欠損になっております。従いまして、大同酸素ができたから休業状態になったというふうには考えられないのでございまして、すでに大同酸素会社ができる前から土居冷凍株式会社の方は営業が不振であったというふうに見ているのでございます。  それから、法の解釈で土居冷凍会社が休業したことについて行政庁としても責任を感ぜよというお話でございますが、私ども、法の解釈を誤まったために土居冷凍会社がつぶれたというふうには実は見ておりません。しかし、先ほどから申し上げておりますように、大阪府といたしましても、管下の産業につきましては、これの育成振興をはかるという気持のあることは、先ほど繰り返して申し上げた通りでございます。あたかも私どもが申し上げましたことが大同酸素株式会社の肩を持つかのごとくお聞き取りになったかとも思うのでございますが、そういう気持はわれわれの方には毛頭ございませんので、それが証拠に、従来大阪府といたしましても、土居冷凍株式会社の設備近代化につきましては、かなりのあっせん努力もいたしておったのでございます。土居冷凍株式会社が融資を受けました融資額につきましては、府の方でも損失補償の契約をやってまでその設備の新設と申しますか拡充に今まで御協力をいたしたのであります。さらにまた、今回のこの事案ができましたあとでも、堺商工会議所と協議をいたしまして、両者間の仲裁あっせんにしばしば努力をいたしたのでございまして、決してお説のようにわれわれは大同酸素の肩を持ったような立場で事を運んでいるものでは毛頭ないことを、この際御了承いただきたいと存じます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 まず、証拠保全の点でありますが、前回資料として当委員会に出したものでございますから、あるいは参考人の方にもお手元へお回わし願っていたではないかと考えていたわけであります。これによりますれば、実地に参りまして、箱をたくさん積み上げて、そして常時起っております振動状態を調べて、こういう振動状態の結果であればこういう結果になるであろうと推断のできる、その実情を証拠保全として証拠にとっているのであります。私はこれに基いて先ほど申し上げるような質問をいたしたのであって、裁判所が認定をしたというのではありません。仮処分調書によるものは、現地に参りまして、その実情を調査しましたその状況を書いたものであります。それから、仮処分事件は、別途堺の支部に出したものでありまして、これに対しましては、保証金を積めばこういう決定をする旨を申請者に言い渡されたのでありますが、これに対し保証金を積むことができなかったためにそのままになっているのであります。しかして、大同酸素ができたので土居冷凍が不振になったものとは思われぬということで、その一例として堺税務署の例をおあげになりました。そして欠損になっておることが示されたのであります。ところが、御承知のごとく、この土居冷凍というものは、大同酸素があすこにお越しになりますまでは一銭の借金もなかったのであります。前回の会議録に明らかになっておりまする通り、実際この大同酸素の今敷地になっております分、そこにありました機械、時価二億円に相当するものを、土居さんのところへはわずかに六万円しか手に入らぬ。そして終戦まぎわでありますが、憲兵と警察官がやって来て、これは実は無理やりに取り上げられておるのです。それがために新しい工場を建てなければならぬことになった。そこで、土居冷凍としては千数百万円をまた新しく興銀から借りて、そのときに初めて新しく借金ができたのです。それによって現在のところへ新しい冷凍工場を設けた。ところが、前の冷蔵装置をそのまま使用ができたら大へん好都合でありましたけれども、その分を取り上げられてしまったものでありますから、そのときまで一銭の借金もない土居が、新しく千数百万円の借金をして新しい工場を作った。ところが、お隣がどんちゃんどんちゃんおやりになり始めて、その振動のために、保管をしておったところのくだものや野菜類が傷つき湯げが出た。内容証明を突きつけられ、訴訟を起される寸前になる。そして解約せられる。預けてある荷物は取っていかれる。だんだんお得意を失って、ついにどうにもならぬことになって今日は廃業状態になっております。堺税務署におけるところの欠損のごときは、けだし当然であります。これをおあげになるならば、それ以前に土居に一銭の借金もなかったこと、そして盛んにやっていたこと、それが、一つの機械だけでも二億円以上するものを、あそこを千坪もさいて大同酸素にお渡しして、手元に入ったものはわずかに六万円、それで仕方がないから千数百万円新しく銀行から借金をして、それによって始めたところが、またつぶされてしまった、こういう状態のもとに欠損のできるのはけだし当然です。あなたは土居冷凍の不利益なことのみをお調べになっておっしゃるけれども、そういった土居冷凍に利益な点は一向おっしゃらぬのみか、そのおっしゃることが全部大同酸素の利益のためのお言葉としか受けとれぬのです。現実にそう受けとるよりほかないところの御説明をなさるので、もっと公平無私な見地に立って涙を加えた御措置を講じていただいたらどうかということを聞いておるのであります。  進んでお尋ねをいたしたいのは、高圧ガス取締法第八条第三号には、許可基準として、「製造又は販売が公共の安全の維持又は災害の発生の防止に支障を及ぼすおそれがないものであること。」と規定いたしております。この公共の安全の維持というのはどういう意味でございましょうか。また、本件許可に際してこのことを十分御考察になり御調査になっての御許可でございましょうか。これを承わりたいと思います。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 高圧ガス取締法八条の第三号に書いてございます公共の安全の維持云々の字句でございますが、公共の安全と申しますのは、これは社会通念上明らかに公共の安全が確保されて災害の防止に支障がない装置をつけるという意味でございますので、それ以外には特段の意味はないというふうに解釈いたしておるのでございます。それから、この大同酸素株式会社の増設の許可につきましても、この法第八条に掲げております要件は全部調査いたしました結果、どの事項にも支障はないと認めまして許可をいたしたのでございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 それでは、その次の「災害」でございますが、この災害というのは、事業自体の危険性から来るものだけを意味するのでございましょうか。それとも、事業に伴ういろんな損害を他に与える場合を総称するのでございましょうか。これを承わりたいと思います。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 第三号の「災害」の意味は、その事業、たとえば製造の機械設備、そういった事業自体から発生する場合の災害の意味に解釈いたしております。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 そうすると、たとえば、大きな機械を据え付けて、それが振動してお隣の仕事に影響し、損害を与えても、これはこの法にいうところの災害ではないという御解釈でございましょうか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 設備いたしました機械が振動いたしまして、その振動が隣の工場に影響を及ぼすというふうな場合は、ここにいわゆる災害ではないと解釈いたしております。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 どうでございましょうか。たとえば、ある事業をやるときに、その工場から非常に臭気が発散する、周囲の人は生活にたえない、あるいは非常な騒音が出る、だから安んじて生活ができない、こういったような場合、これは事業自体の危険性から来るものではない。たとえば、ただいまのガスでありましたならば、ガスの爆発といったような危険性自体から来るものではないが、その施設の操業途中において大きな音を出すとか、あるいは臭気を発するとか、こういうことによって周囲の人に生活の不安を与えるといったような場合には、公共に安全維持に影響のないもの、また災害でもない、こう言うことができましょうか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 事業を行います場合に、その事業の執行に伴って当然に派生するような場合、たとえば、ただいま例にお引きになりましたような音でありますとか振動でありますとか、あるいは臭気というふうなものは——ここにいう災害は、事業を執行する場合でもあらかじめ予見できないようないわば不測の事態が起ることをここに災害と申しておるというふうに解釈いたしておるので、ございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 災害は不測の場合のみを意味するということは理解ができません。私にはそう限局する根拠を理解することができないのでありますが、少くとも公共の安全を乱るものである、たとえば、今申し上げました非常に臭気を発するとか非常に大きな騒音を立てる、そういうことではとても安んじて周囲の人が生活できない、そういうものは公共の安全を維持することができないとして、そこへそういう工場を建てることは適当でないとして許可すべきものでないと考えますが、いかがでございましょう。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 御承知のように、この法八条の規定は高圧ガス取締法の条文でありまして、ここに書いてございますような公共の安全の維持とかあるいは災害の発生の防止とかいうようなことも、高圧ガスなるがゆえにそれに伴ういろんな事故防止ということを考えたのでございまして、単に事業が行われて、その結果派生したような音でありますとか臭いでありますとか、あるいは振動といったようなものは、この災害の意味にも入っておりませんし、また、そういう事業を行います場合は若干の臭気あるいは音というふうなものも当然これは起って参るのでありまして、そういうものはここにいわれる公共の安全の維持ということには関係がないというふうに解釈いたしております。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 ガスの爆発という直接の危険性のみに限定して解釈することの当否については、ただいまの御説明によっては納得することができません。たとえばここに銅なら銅の精練をする。そのときに鉱害が出る。これは、その精練所なら精練所を許すときに、その鉱害がいかなる範囲に及び、そのことが国民の生活にどのように影響するか、公共の安全にどれだけの関係を持つかということは当然調べなければならぬことであるし、その影響力を調べてこそ初めて、公共の安全にどれだけの関係を持って、安全であるか安全でないかといったような見分けがつくことになろうと思います。単にガスの爆発なら爆発、あるいは銅なら銅を溶かして、そしてまたその分析をやる、そういったようなことについて、かまが破裂するとかあるいは直接の危険だけでなしに、その機械の操作に伴って派生するような鉱害などのことは一向おかまいなしに市のまん中に精練所なんかを作られたのでは、これはたまったものではございません。高圧ガスを許すということになれば、その高圧ガスを許すために相当大きな機械を据え付けなければなりません。七百何十馬力という大きな機械を据え付ける。そうすれば、それがどんどん大きな音を立てて振動をして、その機械が回るでありましょう。地盤のゆるいところにそういう機械を据え付けたときには一般住家にどれだけの影響を及ぼすかということは当然見なければならぬと同時に、そこに住まっておりまする一般住民に損害を与えないようにという配慮をしなければならぬことも当然この規定の中に含まれなければならぬと私は思います。公共の安全のために、またその鉱害なら鉱害のために多数の人命をいためてはならぬといったような、そういった災害等についてもこれを考慮しなければならぬと同様に、この高圧ガスの場合においても、ガスの爆発とかいったような直接の危険性のみならず、この事業を操作する上において必然に伴うところの公共に対する不安、損害、これを考慮して、できるだけこれを防止するような方法を講じて、もって許可をせよという趣旨であるものと、私どもはさように見ざるを得ないのであります。いかがでございましょうか、いま一度承わりたいと思います。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 高圧ガス取締法第一条に高圧ガス取締法の目的が書いてございますが、その条文を読み上げてみますと、「この法律は、高圧ガスの製造、販売、貯蔵、移動その他の取扱乃び消費並びに容器の製造及び取扱を規制することにより、高圧ガスによる災害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする。」というふうに規定されておりまして、この条文には高圧ガスによる災害を防止し公共の安全云々という字句になっております。従いまして、八条の規定の解釈に当りましても、災害の防止でありますとか公共の安全という字句も、あくまで高圧ガスによる災害を防止する、事故発生を防止するというふうにこれを解釈し、そう処置するのが法の解釈としては当然ではないかというふうに解釈いたすのでございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 時間がないようでありますから、もう一、二点簡潔にお尋ねいたしまして、この参考人に対する質疑を終ることにいたしましょう。  大同酸素がしばしばいろんな事故を起しておるようでありますが、その御調査はできておりますか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 大同酸素の事故に対する調査はわれわれの方でもいたしたのでございます。去る九月二十四日の当小委員会におきまする議事録を読んでみますと、土居冷凍の方から八つばかり事故例として述べられておるのがあるようでありますが、私どもの方で調べましたところによりますと、本年の二月一日の午後九時二十分に膨張器のフライ・ホイールの一部が折損いたしまして、たまたまその下を通行しておりました工員にそれが当りまして即死した事故がございます。届出によりまして、職員をして原因を調査さした結果、高圧部分とは直接の関係がなくて、鋳物でできておりますフライ・ホイール内部の欠陥であるということが判明いたしたのでありますが、なお、鋳物内部の欠陥の事前発見について府の方で専門家に照会してみたのでございますが、厚物は、——厚物と申しますと、事故がありましたフライ・ホイ一ルの厚さは約一尺弱に当るのでございますが、そういった厚物はアイソトープによる以外にきずを発見することが不可能でございまして、この事故がありましたフライ・ホイールの製造がなされた当時は、そういうアイソトープによる瑕疵の発見という方法がなかったのでございます。それから、それ以外の事故につきましても職員をして立ち入り検査をやったのでございますが、大同酸素へ参りまして、運転日誌あるいは生産日誌等を調査いたしますとともに、地元の堺北警察署につきましても調査いたしたのでございます。しかし、土居氏の申し出のありましたような事故の発生は認められず、また定期の分解掃除以外工場の休止の形跡はなかったのでございます。なお、高圧施設や容器には爆発防止のための安全弁をつけておるのでございますが、これが作動いたしますと非常に大きな音を発します。こういった大きな音を発することが爆発と誤認されたのではないかというふうなこともありますし、さらにまた、酸素のボンベは御承知のように非常に分厚い鋼鉄でできておりまして、細長いために、取扱い中にこれを倒すようなことが間々あるのでございますが、この際もまた当然に大きな音を発しますので、こういう大きな音を発したことの事例はございますが、まず事故といったほどのものではないというふうに見ておるのでございます。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 この事故につきましては、さらに私の方でも検討を加えることにいたしましょう。  ここで、私が最後に伺っておきたいのは、土居冷凍工場は壁の亀裂、膨隆、傾斜等が生じて倒壊のおそれのありますることは、参考書類によって明らかであります。しこうして冷凍用のアンモニアが漏出する危険のあることも明らかであります。大阪商工部長名義をもって土居冷凍に対しましても催告をしてこられたようでありますが、しかし、先ほどから私申しておりまする通り、土居冷凍は今日廃業同様の状態にありまして、どうにもならない実情にあります。従いまして、これをそのままにほうっておきましたのでは、公共の安全のために憂慮すべき事態が起るではないかと心配をするのでありますが、しかし、そのままに行くならばこれは別に問題ではありません。もし大同酸素の方において何か事故があって、土居冷凍の倉庫のどこか一角をくずすようなことがあるといたしますならば、その屋根の下に引いてあるアンモニアのパイプが破裂をいたしまして、多数の人命に損傷を及ぼすおそれが大であるといわなければなりません。先ほど申しておりまするコンプレッサーによる振動がなく、またただいま訴えておりまする大同酸素の方において事故等がなくて、そのままに置いておきますならば、このままの状態においては危険がございませんが、今申し上げまするような事態が起るといたしまするときは、はなはだ危険であるといわなければなりません。土居冷凍のつぶれたことも、アンモニアの漏出危険等も、みな大同酸素から受けた被害の結果であると私どもは思うのであります。法三十九条を適用いたしまして、施設の使用停止を命ずべきではないかと思いますが、いかがでございましょう。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 休業中の土居冷凍株式会社に保管中のアンモニアが、万一外壁の倒壊その他によりまして事故が起った場合に、外に漏れて、多くの人に迷惑を及ぼすような場合、これは、われわれの方の今までの調査では、現在の状況では、地震その他の特別の天災地変がありました場合は別でありますが、そういう事故がない限り、今お述べになりましたような心配はないのであります。しかしながら、土居冷凍の方から、昨年の十二月の末でありましたが、府に対しまして、アンモニアがふき出す心配があるからという連絡がございましたので、そういう心配があるのであれば、高圧ガス取締法三十六条並びに同法施行令九十二条に定める危険時の措置を講ぜられておかれたらよかろうという意味合いの回答をしたのでありまして、今のところでは、先ほど申しましたような実情でございますので、法三十九条で定める緊急事態の措置はやる必要はないというふうに考えておるのであります。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 相当時間も要しましたので、それでは大同酸素の半田専務取締役に伺いたいと思いますが、ただいま田中商工部次長のおっしゃられたことは大同酸素にかわって御答弁なさったのとほとんど同様であります。さらに繰り返して多くの時間を要するの必要はないと思いまするが、この際私承わりたいことは、ともかく、大同酸素といたしましても、土居さんの地所の一部をさいてもらってあそこへ引っ越してきて、今は盛んにおやりになっておるし、それから、土居冷凍はあの通りのみじめな姿である。そうしてそこに仕えておった労務者も路頭に迷うところの状態にあります。この状態を見て、お隣りの大同酸素として、おれは許可を得たんだから何一つ関係がないと、かようにおっしゃっておるふうに聞くのでありますが、果してそれが真意かどうか。また、この問題について何か適当な解決をなさるところのお考えはないであろうか、この点を一つ承わっておきたいと思います。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 先ほどから佐竹委員のお話を承わっておりまして、今御質問の点に非常に影響がありますが、私の方が土居冷凍から現在の敷地あるいは建物を奪取いたしたような感じを受けるように承わりました。この問題につきましては、私の方は当時昭和十九年に堺冷蔵から正規の取引をいたしまして買い入れたものでありまして、これは堺冷蔵の取締役社長の赤田広直氏から買い受けたものであります。従って、ただいまお話しになったような、直接土居さん個人から私の方が買い受けたものでないということをこの際申し上げたいと思います。しかも、この取引につきましては、正式に公正な価格をもって買い入れたものでありまして、この価格は、当時の価格といたしまして、相当の金額に現在なるわけであります。私の記憶によりますれば二十八万円、三十万円足らずの金額で買収したものと記憶しております。従って、現在の価格にしますれば相当の時価に相なるわけでありまして、決しておっしゃるような不当なものでなく、また土居さん自体から買ったものでないということを申し添えたいと思います。さらに、今、土居さんのおっしゃっておる問題につきまして、これは土居さんと赤田氏あるいはその他の当時の役員との問題でありまして、ごうも大同酸素がこの問題について関係があるものでないということを申し上げたいと思います。  それから、私の方は、この問題について現在訴訟を土居さんの方から提訴せられまして受けておるわけであります。これらの進行状況は、今大阪地方裁判所において妨害排除仮処分申請がなされております。また、本年の春は、土居さんの方から私の方の常務取締役である水上清二氏に対しまして営業妨害の告訴をなさっておるような状態である。ところが、これらの訴訟手続については、本訴の方は、現在私の承知いたしておりますところでは、担任弁護士が応待いたしまして、なお法理構成が十分でないというようなことで、その後一向に進捗しておらないというような状態に承知いたしております。  なお、仮処分の申請につきましては、最近に、去る六月現場検証がございまして、担任判事三人が合議の結果検証をいたされまして、その結果によりますれば、振動は全然人体に感じない、土居冷凍の倉庫内は静粛であるという意味の字句をもって検証の結果を示されておるようなわけであります。これに対しては、私の方は検証の証拠の写しを持参いたしております。なお、この仮処分につきましては、証人尋問が行われ、近く私の考えでは結審の事態に立ち至るのではないかと思っておる次第であります。なお、前段に申し上げました告訴につきましては、これはこのまま現在に至るも何ら取り上げられず経過いたしておるような状況でございます。  以上のようなわけで、この問題につきましては、隣人といたしまして、もし私どもの方の責任に帰すべきものがある場合は、もちろんこれは私の方が十分いたすべきであり、また、そういうことを除きましても、隣人として私の方は十分の考えを持ちまして現在までこれに接しております。また、土居さんの言うべきときについては、いつ何どきでも私の方はお会いいたしまして、私の方の立場から十分にお話を承わって参ったわけでありますが、ただいま申し上げましたような状況で、現に訴訟は土居さん自体の方から提訴せられまして係属中であり、これも近く結審せられるような状態であります。また、この両者間の言い分につきましては、ただいまいろいろと御質疑があって大略おわかりであろうと思いますが、委員のお手元に出しました上申書その他諸参考資料によって十分に御了察ができるように、決して、私の方が土居さんの言われるような大なる振害を起しまして、そのために土居さんが営業ができないというような状態に至ったことでないという根本の問題について、すなわち、私の方の振動自体が何ら土居さんの休業あるいは常業不振に因果関係が全然ないということにつきまして、御理解がつくものと私は思っているわけでございます。従って、現在の状態におきまして、私の方としては、この話につきまして、何らこれ以上お話を申し上げるという考えは全然持っておりません。  なお、先ほど御例示になりましたことに関して、大阪地方裁判所堺支部に対する仮処分の問題について、保証金五百万を決定いたして、いかにもその事実において土居の申し出が正当であるというように承わったのでございますが、これは、私の方も全然承知しておらない状態において、私の方の答弁書の提出を待たずして決定をいたしたような話でございまして、私の方は直ちに班のあるところを説明いたしまして判事に対しまして御考慮を願っている最中にお取り下げになったものでありまして、その結果については、私の方は、どういうわけでそういうことになったか、これは現在十分のことは承知いたしておりませんが、私の方の意外な決定であったと思っております。

椎名隆自由民主党

○椎名(隆)小委員長代理 半田参考人に申し上げますが、答弁は質問の要旨にだけ答えて下さればよろしゅうございますから……。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 長い時間をいただきましたから、もうあまり重ねては申しません。一言だけいたしたいことは、土居冷凍から大同酸素へ土地及びその機械をお譲りしたというのは、実質上のことを申し上げたのであります。名義上他人が介在しておったかもわかりませんが、これは実際当事の実情を御存じの方はよくわかる。これは土居さんの実権に属しておりましたものでありますことは疑いございません。しかし、ここでその点を明らかにしようとは思いません。これは全部土居のものであったのです。ところが、中に入った人のためにごまかされてしまって、二十八万円ということを承わりましたのですが、そのうちわずかに六万円しか土居の手元にくれませんでした。これが重大な問題を起しておるのでありますけれども、その内容をここでとやかく申し上げるのではございません。土居の実権でありましたことは、これは間違いないのであります。しこうして、当委員会において最も問題となっておる点は、何といっても高圧ガス取締法の施行規則十一条の距離を置いていないというところにある。これが、今の本省の解釈によれば、明らかにあの機械場等は、またさらにあの冷凍倉庫の中には十数人の者が常時出入りをいたしておりまして、前の菊池局長代理の御答弁をそれに当てはめますならば、明らかにあそこも家屋といわなければなりません。その土居冷凍との間に二十メートルの制限距離を置くことなしに新しい増設が許されたということが間違いである、こういう見地に立っておるのでありまして、田中次長のお話によれば、今まで実は大阪府としての見解がこうであったのでその通りやってきたのであるというのであった。しかし、そのことは今日本省の有権的解釈と異なっておるし、間違った見解であったことがこの委員会において明らかにされたのでございます。従いまして、もし間違いのないところの見解に基いてやったならば、おそらくあそこに二十メートル以上の距離を置かなければならぬので、あの増設は許されなかったであろうということです。許されなかったであろうところの工場があそこにできて、それがために土居の方において被害をこうむったということであるならば、それは違法なる許可のためにそうした不当なる結果が生まれたものであるから、この点については相当にこの問題を救済すべき適当な方策がなければならぬではないかというのが論点であります。従いまして、この点を十分にお含み置きを願いまして、府当局といたしましても、大同酸素におかれましても、適当なる解決を望んでやみません。  私はこの程度にいたします。

椎名隆自由民主党

○椎名(隆)小委員長代理 松岡君。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 参考人の田中さんにちょっとお尋ねしたいのでありますけれども、今ほど佐竹さんからかなり繰り返して御質問になりましたことは距離の点でありますけれども、この現在の施行規則第十一条にこういうことがあるのです。二十メートルの保安距離のことはわかりますが、「通商産業大臣が危険のおそれがないと認めた場合に限り、その程度に応じて認めた距離をもって制限距離または保安距離とする。」、この建前の前の規則ですね、それにはどうなっておったでしょう。改正前はやはりそういうただし書きがあったのですか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 お答え申し上げます。旧法であります圧縮瓦斯及液化瓦斯取締法施行令の第二十条にこれに相当する条文がございまして、その条文を申し上げますと、「地方長官ハ所在地又ハ設備ノ状況ニ依リ危険ノ虞ナシト認ムルトキハ申請ニヨリ前条ニ定ムル距離ノ減少ヲ許可スルコトヲ得」というのが第一項でございます。これがただいまの新法の施行規則第十一条第一号のただし書きの条文に相当する条文だというふうに考えます。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 そうしますと、この新しい取締法施行規則というのは、この増設の許可になったときに新しい法規によってなされたのでしょうか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 さようでございます。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 先ほど伺っておりますと、大阪府ではこの解釈について、つまり家屋というのは狭義の意味の人家と解釈しておった。それの根拠は何か本省の次官通達かあるいは何か具体的な指令というものが本省から回されておったのか、その点を伺いたいのです。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 家屋の解釈に対する次官通牒その他更新による解釈例は当方に参っておらないように記憶いたしておるのでありますが、ただ、従来長い間この条文につきましてもいろいろ通産省と事務の打ち合せを遂げておりますが、その例によりましても、先ほど申し上げましたように狭い意味の人家というふうに解釈して参ったのでございますし、さらに、これも佐竹議員の御質問に対してお答え申し上げました通り、通商産業省の通商化学局の著になります「高圧ガス取締法の解説」という文献がございますが、その解説にも、家屋とは人家の意味であるということもはっきり書いてあるのであります。私どもはこうした事由に従いまして今まで事務の処理を行なって参った次第でございます。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 前回御出席になりました説明員である菊池さんの解釈をお読みになったはずだが、それについて、本省に対して、今後本省はそういう基準で解釈を持っていくということについての何か問い合せをなすったことがありますか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 解釈の変更につきましてはまだ本省から何らの通知を受けておりませんし、先ほども申し上げましたように、私は九月二十四日の当小委員会における菊池説明員の御答弁を読みまして初めて今後は解釈が変るのであるかというふうに感じたのでございまして、その間に通産省と事務の連絡は遂げておらないのであります。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 もし大阪府が今後解釈を変更する場合には、菊池説明員の法務委員会における解釈の説明のみにて一体変更できるものですか、それとも、正式な本省の次官の通達を受けるとか、あるいは正式なる問い合せに対する回答を求めるとか、そういうようなことをやるのですかどうですか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 菊池説明員の御解釈は単に議事録で私知りました程度でございまして、さらにまた菊池さんの御答弁の意味も今後さらに敷衍していろいろと検討しなければならぬような問題も含まれておると存じますので、今後解釈を変えてやるというふうな場合は事前に通産省と十分に事務の打ち合せをいたしまして、しかも、先ほど申し上げましたように、本問題は全国各地の関係工場にも非常に大きい影響のある事案でございますので、その解釈の変更その他につきましては公文でもって通産省の有権解釈をもらった上で施行して参りたいというふうに考えます。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 もし通産省の意見が変った場合に、大阪府管内だけでどのくらいの数の酸素工場に影響を及ぼしますか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 その影響まで現在調査できておりませんが、大体大阪府下に酸素工場は十九ございますのですが、おそらく半分以上の工場がこれによって影響を受けるのではないかというふうに推定いたすのでございます。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 この半田参考人から提出されております大同酸素に関するコンプレッサーの振動測定報告というのが、大阪大学工学部の鷲尾教授から出されておるのであります。こういう鷲尾教授が調査をしておられたということについて、大阪府のあなたの方で何か知っておられることはありますか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 鷲尾教授の測定は、大同酸素の方から提出されておる資料にもございますが、大同酸素とは別に、府独自の立場で大阪大学工学部の鷲尾教授並びに鳥海助教授の測定をお願いいたしまして、その結果も出ておる次第でございます。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 そうしますと、大阪府といたしましても、阪大並びに鳥海助教授に依頼したその結果の報告書でも府にございましょうか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 報告書は府に参っております。内容は非常に専門技術上のこまかい表でございますので今申し上げることは差し控えますが、要は、先ほど申しましたような、有感限界以下の微動と申しますか、非常にわずかな振動であるという結論でございます。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 もしお差しつかえなければ、その報告書の写しを本委員会に御提出願うことができますか。

田中巧大阪府商工部次長

○田中参考人 後ほど刷りものにいたしまして提出申し上げたいと思います。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 田中さんに対する質問はこれで終わりまして、半田参考人にお伺いしたいのですが、半田参考人から提出されておる売買書というのがあるのですけれども、この書類によりますと。堺冷蔵株式会社代表取締役赤田広直の最初の売り渡し契約証、これは売り渡し金額が十八万円、その次の書類には七万八千円、これだけあるのです。先ほど二十八万円とおっしゃったが、問題の土居さんは、この堺冷蔵株式会社の大株主でもあったのか、あるいはなかったのか、その点に対するあなたの当時の認識はどうでありますか。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 お答えいたします。当時何分十九年のことでありまして私は二十一年から参っておるのでありますから、詳しい事情は十分に記憶いたしておりませんが、土居さんと若干の関係はあったように記憶いたしております。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 この新しいドイツからの輸入機械の据付に関して、土居冷凍の方へ何か三百万円という金額を話し合いで払われたそうですが、それは一体どういう話し合いで何のために使用するものであったか、御説明願いたい。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 お答えいたします。昭和二十八年の十二月、当時私の方は、ただいまお話の西独のリンデ社から、液体酸素、液体窒素、アルゴン製造装置一式を輸入いたしまして、鋭意工場の建設をはかっておった最中であります。そのとき突如、隣接いたします土居冷凍の方から、工場、工事場内立ち入り禁止並びに物件取り除きの廃止の仮処分の申請が行われた。その理由とせられるところを後ほど私の方で調査いたしてみたところによりますと、本件は、先ほども申し上げました堺冷蔵の以前、土居セルロイド、土居冷凍というものがありまして、その間に何らか賃貸契約があり、たまたま私の方の建設に着手いたしました敷地の一部が池になっておりまして、その池が工事の結果埋没する場合は、土居冷凍の冷却用水に使用いたします井戸が枯渇するということによって、前述の、その当時すでにない賃貸借の契約を利用いたしまして、あたかもそこに権利があるような方法によりまして、突如として仮処分が決定したわけであります。私の方は、当時、先ほども申し上げましたように、何分とも、どんどん機械は入ってくる、また外人技術者はすでに到着せんとしているというような状況で、しかも工事の中間でございました。従って、工事をたとい十日でも停止するということは、あとの建設に対する重大なる支障を生じまして、単に金銭に見積れない損害を生ずるに至るわけでありましたので、われわれの方といたしましては、直ちに法的な手段によってこれが排除をいたしたいと思ったのでありますが、何分ただいま申し上げたような状況に置かれておりましたので、個々話し合いによりまして、土居の要求に対して井戸の掘りかえ費用といたしまして——というのは、土居冷凍は、私の方がそこに工事をいたしました場合は、もはや自分の方が冷凍事業を営んでいくのについての冷却水が枯渇してできないということを盛んに主張せられるものでありますから、私の方はその井戸の掘りかえ費として三百万円を土居に渡したわけであります。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 そうしますと、その井戸の掘り返しに三百万円を示談して払うときには、機械を据え付けることを前提にしてその金銭が授受されたというふうに私どもは解釈しなければならぬのです。問題は井戸の掘り返しであるが、井戸の掘り返しは機械の据付を前提とするものである。だから、そのときには、機械が据え付けられることに対して、井戸の掘り返し料をもらって一応おさめたんじゃないですか。この点はどうでしょうか。簡単にお答え願います。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 おっしゃるように、当時この機械を装置することにつきましては十分に土居さんが承知いたしておったわけであります。従って、この井戸の掘りかえ費を渡しますときには、当然その場所にただいまの装置が建設せられるということについては承知いたしておったわけであります。なお、参考に申し上げますが、ただいまの支払いました井戸の掘りかえ費については、現在に至るまで土居冷凍においては井戸を新しく掘られたということは、私の承知いたしている範囲では聞いておりません。なお、井戸の掘りかえ費を払いました後において、これは偶然かどうかわかりませんが、クライスラーの高級乗用車を土居さんの方で入手せられたという事実を承知いたしております。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 そこでお尋ねしますが、七百八十馬力もするようなエア・コンプレッサーを据え付けるにつきましては、あなたの方の機械買い入れ先であるドイツのリンデ社の据付に関する設計書というものは当然ついてくるものである。また、これについての他人に及ぼす影響、危険、振動その他についてのあなたの方の調査はどういうふうにしてなさったのですか。そのなされた趣意、準備についてお答えを願いたいと思う。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 私の方は、コムプレッサーを据え付けますにつきまして、隣の土居冷凍等に及ぼす影響ということについてももちろん十分に考慮いたしまして、二つの面からこの設計並びに工事施行を決定いたしたわけであります。まず、学理的には、大阪大学工学部構築工学教室の御研究と御指導を依頼いたしまして、なお、実際的には、こういう大きい機械についてたびたび据付の経験があり、また実際的データを非常に多くお持ちになっておる住友金属並びに非常に大きい馬力のモーターの設計あるいは据付、そういう面について経験のあります日立製作所、これらの技術陣に十分学理的、技術的並びに実際的の状態について検討を願い、さらに、先ほどのお話のございました西独リンデ社より参りましたコムプレッサーの資料によりまして、私の方の技術陣がこれに参加いたしまして、中西六郎建築士事務所によってこの設計を決定いたしたようなわけであります。なお、この構造につきましては、上部機械の重量に対して普通基礎の重量は五・六倍のもので十分とせられておるのでありますが、諸般の事情を十分勘案いたしまして、また先ほど申し上げましたそれぞれの学界、技術各方面の意見を徴しまして、これを十・五倍、すなわち普通一般にこういう機械を据え付けます場合の常識からいきますものに比べて実に二倍に近い強力な基礎を決定いたしまして施工をいたしたようなわけであります。しかも、施工に当りましては、われわれ自体が連日現場に参りまして十分監督のもとに瑕疵なき施工をいたしたものであることをここにはっきり申し上げたいと思います。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 それでは、土居冷凍が昭和二十九年の十一月ごろに事実上休業をされて、その後現在問題になっている訴訟はいつごろ起されたのですか。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 三十年四月に妨害排除の請求訴訟を大阪地方裁判所に提起せられて、三十年十二月に妨害排除の仮処分申請を大阪地方裁判所に提起せられたわけであります。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 そうすると、この仮処分を求められたときには事実上廃業せられておるわけですね。この点はどうでしょう。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 そういうことになるわけであります。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 それでは、私のお聞きしたいことは、土居さんが昭和二十九年の十一月に休業され、その前にあなたの方の大型の新式コンプレッサーが据え付けられ、何か一見因果関係があるようにも思われるのですが、あなたのところが増設される前の土居冷凍の営業状態というものは、あなたの方から見て——中身を御存じあるわけはないと思うが、しかしながら、産業のことですから、盛んであるかあるいは不振であるかということはわかるわけです。一体あなた方が見て土居冷凍は不振であったと思っておられたか、盛んであったと思っておられたか、収支が成り立っておると考えておられたか、その点どうですか。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 私らの方が外面から見ます場合は、何分冷凍業はトラックで冷凍物の出し入れがひんぱんに行われるかどうかということによって外見的にはこの仕事が殷盛にいっておるかどうかということがわかるわけでありますが、この問題につきましては、当時従来と比べまして非常に車の出し入れは少かった。さらに、これを私の方がいろいろ決算報告その他聞き得ました状況によって調査いたしましたところ、二十七年から二十八年、二十九年にわたりまして、一カ年に約百五十万ないし二百万の欠損を続けておった、そういう状態であったということを承知したように記憶いたしております。なお、私自体といたしましては、当時土居さんから月に二十万円程度欠損だということを承知したように記憶いたしておりますので、ただいま申し上げました決算報告その他によって承知した営業状況とほぼ合致しておるのではないか、こう考えておるのであります。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 そこで、あなたの方にお尋ねしたいのですが、土居さんの方からあなたの方に訴訟が提起されておる。仮処分も出されておる。しかるに、以前には、仮処分を解いてもらって、機械を据え付けるときには三百万円も払っておる。その後訴訟が起きておる。具体的に一体どういう要求をしておるのですか。土居さんがあなたの方の会社に何ほど支払えと言っておるのですか。あるいは据え付けた機械を移転して行けと言っておるのですか。その辺具体的に事実に即してお話し願いたい。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 何分長い間の交渉が何度にもわたっておりますが、大体ただいままでの記憶を総合いたしますと、土居冷凍の方では一時タマネギの買付資金に必要だから一千万円の金を貸してもらいたいという要求があり、またそのほかに話が非常に大きくなりまして、大同酸素の株式を十万株提供してもらいたい、自分が死んだ場合は返すというような、ちょっと私の方で考えられないような条件が出ました。さらに、大同酸素の役員にしてもらいたいというような話があり、あるいは、自分の方が営業を解いてやっていくのについて終生十分食えるようにやってもらいたい、こういうものが聞いてもらえなければ自分の方はお前の方に送風機でアンモニアガスを送ってやる、あるいはいろいろな要求がその後出て参ったのであります。どの程度まで真意があったかわかりませんが、もうこうなれば自分の方もしまいだからダイナマイトをお前の方へ撃ってやるというようなお話も実はあったように記憶いたしておるわけであります。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 そうすると、土居さんという方は、先ほど聞いてみるとクライスラーの新しい車も購入になっておる、とすれば相当の生活をしておられると思うが、ほかに何か仕事をしておられるのですか。それを御存じありませんか。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 私の承知いたしております範囲では、他にこれという事業をお持ちになっておるようには承知いたしておりません。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 大同酸素では、本件で現在も争っておられるわけで、その判決の結果の来るのを待っておられるわけですな。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 ただいまそういう状態であります。私の方で十分にいろいろ事を分けて話をいたし、またこれの説明をいたしましても、ただいまのような争いになっておるわけであります。土居さんの方から仕掛けられました訴訟の結果をただいま私の方も待っておるわけでございます。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 そうすると、土居さんの関係はこれで大体わかりましたが、他の人からこの新設機械に対する何らかの苦情というものは、お宅の会社にどこかから申し出がありましたか。

半田忠雄大同酸素株式会社専務取締役

○半田参考人 現在までそういう苦情は全然受けておりません。

松岡松平自由民主党

○松岡(松)小委員 これで終ります。ありがとうございました。

椎名隆自由民主党

○椎名(隆)小委員長代理 佐竹委員に一点だけお伺いいたしますが、これは現在係争中なんでございますね。

佐竹晴記日本社会党

○佐竹(晴)小委員 係争の関係は存じませんが、資料として持って参りました書類中には、訴訟になっておったことが記載されておるのでありますから、おそらくそうだろうと思います。私はこの委員会にかかるまで存じませんでございましたが、いろいろの参考書類が出ております。きょういただきました書類等にもそれが明らかにされておりますから、そうだろうと思います。

椎名隆自由民主党

○椎名(隆)小委員長代理 他に御質疑はありませんか。——なければ、この程度にいたします。  参考人には長時間にわたりまして当委員会の調査にご協力下さいまして、ありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時十三分散会

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