法務委員会閉会中審査小委員会 第4号
- 発言数
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- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/09/24
会議録
○池田(清)小委員長代理 ただいまから会議を開きます。 委員長不在のため、理事池田清志が代行いたします。 法務行政に関し調査を進めます。質疑の通告があります。佐竹晴記君。
○佐竹(晴)小委員 本日は昭和二十六年法律第二百四号高圧ガス取締法並びにその施行規則関係についてお尋ねをいたしたいと思います。当法務委員会で特にお尋ねいたしますゆえんは、本日質問しようとする案件が、罰則に関係のある右法規の解釈並びにその取締りの当否に関することであり、かつその被害が甚大で、人権問題にまでなっていると思われるからであります。従いまして、通産省の方のみならず、法務省におかれましても十分お聞き取り願いまして、適当の御答弁を伺いたいと存じます。 まず高圧ガス取締法施行規則第十一条の解釈について通産省の説明員の方にお尋ねをいたします。 同規則十一条には、「製造施設(冷凍のためのものを除く。)は、その危険施設および内容積五立方メートル以上のガス溜(第一種可燃性ガス、酸素または毒性ガスにかかわるものに限る。)の外壁から保安施設(事業所内にあるものを除く。)に対し百メートル以上、家屋に対し二十メートル以上の制限距離をとり、」云々とあります。そこで、この全体の解釈を一時に承わりますと徹底を欠くおそれがありますから、それを区分をいたしまして、その一方からお尋ねをいたして参りたいと思いますから、お尋ねを申し上げる点からお答えをいただきたいと思います。 まず、製造施設と冒頭にありますが、これはどういうものでございましょうか。これを一つ御説明いただきたいと思います。
○菊池説明員 お答え申し上げます。製造施設と申しますのは、高圧ガスを製造するための施設でございます。設備といたしましてはそういうことに相なります。
○佐竹(晴)小委員 そうすると、機械それからそれに付属する器具その他すべて製造に関係ありますもの全部ですか。製造に直接関係しないで——やはり製造施設といえば、たとえば、事務所があって事務所で経営をして、機械があって機械を動かしておる、その機械のみをいうのでありましょうか、その機械を運転するすべての事務を運営しておる事務所も製造施設の中に入るものでございましょうか。
○菊池説明員 いろいろの施設の中で高圧ガスを作るための機械並びにそれの納められております建物を製造施設と申しております。
○佐竹(晴)小委員 建物が含まれておるというのは、工場だけでございますか、それに連なっておる事務所の建物をも含んでおりますか。
○菊池説明員 事務所は入りませんで、直接高圧ガスを作ります機械の入っております工場の建物でございます。
○佐竹(晴)小委員 その次に、「内容積五立方メートル以上のガス溜」とございますが、これはどのようなものでございましょうか。
○菊池説明員 これは普通の一般にありますガスだめでございます。
○佐竹(晴)小委員 それでは、次いで、保安施設に対し百メートル以上の制限距離を置くこととございますが、保安施設というのはどのようなものでございましょうか。
○菊池説明員 保安施設と申しますのは、取締法施行規則の第一条にございますように、「学校、病院その他人を収容する建築物であって、延面積千平方メートル以上のもの」ということになっております。
○佐竹(晴)小委員 それでは、その次、家屋に対し二十メートル以上の制限距離を置くこととありますが、その家屋というのはどのようなものでございましょうか。
○菊池説明員 家屋と申しますのは、建物でありまして、人のそこにおるという建物を言ったわけです。
○佐竹(晴)小委員 それでは、工場があって、そこに人がその事業に従事いたしております場合、その工場も家屋の中に入りましょうか。
○菊池説明員 家屋と申しますのは、先ほど申しましたように、大体そこに人がおるということを前提にしておりますので、工場の建物というものはこの家屋には含めて考えておりません。
○佐竹(晴)小委員 人のいない工場などということは予想されませんが、人のいる建物といえば、工場もそれに含まれると思われますが、いかがでございましょう。この規則には明らかに家屋に対してとあります。家屋は建物であります。そして、人のいるものということになれば、工場に人のいない工場がありっこありません。これはやはり、人がいて、そしてそこで仕事をしておる工場はやはり家屋ではないでしょうか、建物ではないでしょうか。
○菊池説明員 先ほど家屋には人が住むと申しましたが、これは常時人を収容する建物、たとえばそこに住んでおる——人家と申しますか、居宅あるいは事務所のように、そこに一日人が勤務しておるというような、常時人を収容する建物を家屋と申しております。
○佐竹(晴)小委員 人を収容するというのは、普通の住居に使用するという意味でありますか。たとえば、常時そこで仕事に従事する、つまり常時工場に人を収容して仕事に従事せしめておる場合、あなたの今の定義から言っても、常時その工場であるところの建物に人を収容して仕事をさせておるのでありますれば、やはり工場もこれに当るのでありますが、これを区別する理由はどこにございましょうか。
○菊池説明員 工場でありましても、常時そこに人がおるというような建物であれば家屋に入ると解釈いたしております。ただ、倉庫のように、たとえば物だけが置いてある、ときたま人が入るというような建物は家屋といううちに入らないと解釈しております。
○佐竹(晴)小委員 それでは、その倉庫の中に留守番がいるとか、空気の転換をやるとか、また常に物品を管理しているとか、常時朝から晩まで出し入れがあるとかで、その倉庫には常に五人なり十人の常時勤務する勤務員がいて、その倉庫の中で働いておらねばその倉庫の経営ができないような場合においては、倉庫もいわゆるあなたの言う家屋に当るでございましょうか。
○菊池説明員 ご質問の点は、認定する場合に具体的によって判断しなければならない点があると思いますので、一言に簡単に見解がきめにくいかもわかりませんが、たとえば、自動車の車庫に付属して運転手の詰所と申しますか住居があるというような場合には、これを含めて一つの家屋というふうに考えられるわけであります。倉庫におきましても、たとえば、倉庫番のいるところが離れておって、その倉庫の中には品物だけがあって、ときたま巡回するとか、出し入れのときだけ出入りするというものであれば、家屋に入らない。倉庫の中に常時勤務しておりますような格好であれば家屋になるかと存じます。これは具体的なその形態と申しますか事情によりまして判断するほかないと存ずるわけであります。
○佐竹(晴)小委員 それでは少し具体的に一つ申し上げることにいたしましょう。これはあとでさらに具体的に申し上げますが、一つここに冷凍工場があるといたします。その冷凍工場はそれならばあなたの定義からすれば工場ですかまたは倉庫ですか。倉庫と工場の区別すらもあなたの答弁ではわからないのです。御承知のごとく冷凍所はその中に勤務して冷凍装置の機械をあやつっております。アンモニアを転回し、空気の転換をはかって始終冷却しております。その中で作業をしなければその冷却作業ができない。しこうしてそこには数人、数十人の人が常時収容されてその機械の運転をし、そこで冷凍作業を行なって、その冷凍作業のもとに冷たい場所に一定の物件を保存する、こういったときに、これは一体工場と言えるのでしょうか、倉庫と言えるのでしょうか。また、あなたの言う家屋に当たるでしょうか、当らぬでしょうか。
○菊池説明員 御質問の冷凍施設の場合におきましては、冷凍のガスを作る機械のあります部分、これは工場でございます。それから品物を保存しておく置き場の方は倉庫業法の適用になっております。機械の運転をする部分には常時人がおるという場合には家屋になります。冷たい場所には常時人が入っておるというわけに参りませんので、その部分は倉庫ということで家屋にならないように考えます。
○佐竹(晴)小委員 それでは、翻って一つ問いを変えてお尋ねいたしましょう。一体この規則で百メートル以上の制限距離を置かなければならぬとか二十メートル以上の制限距離を置かなければならぬというのは、危険防止、災害予防のためと思われますが、その点はいかがでございましょうか。
○菊池説明員 その通りでございます。
○佐竹(晴)小委員 そうだといたしますならば、今の冷凍装置をいたしております機械を運転しておる場所は工場としてそれは家屋のうちに入る、ところが倉庫はそれに入らぬ、こうおっしゃるのでございますが、その倉庫には常に朝から晩まで数十人の者が出入りし、かつそこは、あたかも金でありますれば金庫のようなものでありまして始終出し入れをいたします。そうしてその保存と出し入れを扱う常時その倉庫の中に収容されておる者がなければその業務が行われぬ場合に、その倉庫の中に入って仕事をしておる人の危険については眼中に置かない、ところが機械をあやつっている人の身辺が危険であるとこれは保護してやらなければならぬ、これを区別する理由がどこにございましょうか。
○菊池説明員 この規定は仰せのごとく高圧ガスによる危険を防止するという目的でございますが、この危険を防止する対象によりまして区別をつけておりまして、たとえば大ぜい人が集まります学校とか病院とか、そういうものについては一番慎重に百メートルという制限距離を設けております。そのほかの家屋に対しては二十メートルというふうに、程度の差がございますのも、その人畜に対する被害の危険性というものから区別がついておるわけでございまして常時人の居住しておる建物あるいは工場、事務所におきましても、常時機械を運転、あるいは執務のために人がおりますところは、人畜に対する被害、危険という点から二十メートルの制限距離をとることになっております。倉庫の方は、倉庫そのほか単なる物置とか建物と申しますのは、もちろん時たま人が出入りするかもしれませんが、そこにおります人は非常に数少い、あるいは時間的に申しましても出入りするということで常時そこにおるということでございませんので、その区別がつけられておるわけであります。
○佐竹(晴)小委員 御答弁でやや明らかになって参りましたが、あとで詳しく申し上げます。 この問題の起りましたのは、大阪における冷凍工場及び倉庫に関する関係であります。私がその当該事務を扱っております大阪府庁に出頭いたしましてお尋ねをいたしましたところ、工場のごときは家屋ではない、こういう答えをせられたので、そんなばかなことはあるまいと反問いたしましたところ、本省からこうこうしかじかの通達が出ていて、本省の解釈に従っておるのだということでありました。ところが、ただいま御答弁によりますと、それは本省の解釈と異なっておることが工場に関する限りは明らかにされました。私はこれを納得いたします。すなわち、ただいま御答弁のごとく、危険防止災害を予防するためであって、お隣に高圧ガスを製造しておるところの会社がある、その隣にある工場についても、これは人畜に及ぼす被害を考えて、ただいま仰せのごとく、それは家屋として二十メートル以上の制限距離を置かなければならぬということにした、こういうことであります。ところが、大阪府庁では工場は家屋でないと言うので、私は、工場の場合においても、常に数十人、数百人、多い工場には数千人もいる、たとえばお隣に夫婦暮しの家屋があって二人だけが住んでおる、それは家屋には相違ない、その危険を予防するためにこの規定の適用があるか、お隣の工場に数十人、数百人仕事に従事しておっても、それは工場だから関係がないと言うのは、それはとんでもないことだと言って争ったのであります。ところが、その点については、ただいま御説明によりますと、工場であっても常にそこに人を収容して常時勤務しておるような場合においては、それもやはり家屋の中に入るんだ、こういう御説明をいただきましたので、その点は了承をいたします。ところが、倉庫について申しますならば、今申しますごとく、倉庫業者、ことにこの冷凍工場に付置いたしております倉庫のごときは、朝から晩まで品物の出し入れをいたしております。またそれを扱うところの常時勤務しておる者が倉庫の中に数人いなければ仕事にならぬ。また、その冷凍をするがために、その倉庫の中において作業をしなければならぬ。それから空気の転換もやらなければならぬ。それから常に品物の出入りがある。常に五人か十人はおります。それは、そういったようにその倉庫の中に五人や十人や人が常時勤務していても、その人の危険予防のためには考慮を払う必要がない、しかしお隣に夫婦暮しの家庭があるとするならば、その夫婦暮しの二人の人の住まっておるものも家屋として保護しなければならぬといって、それを区別する根拠というものは、とうてい私は見出すことができないと思う。先ほど御説明のごとく、お隣に高圧ガス製造という危険な工場があって、その危険がお隣に及んではならぬ、また災害ができてはならぬ、それがために一定の距離を置かなければならぬということでありましたならば、お隣に夫婦暮しで住まっておりまする人家についても、またお隣に十人、数十人の人がいて常時その場所において働いている建物についても、これを区別する必要はごうまつもないと考えますが、どういうわけでそれを区別なさったのでございましょうか。
○菊池説明員 御質問の点につきましては、結局は具体的な限界の認定の問題になると存じます。たとえば純然たる物置で品物が置いてある、もちろん品物の出し入れにときたま人が出入りするというような建物につきましては、これは人畜の被害ということがほとんど考えられない、単に一つの建物であるというふうに考える例もございます。それから、もう少し人が出入りする、だんだんその程度が多くなって常時そこに勤務するというように、限界が一言のもとにははっきり申し上げられないと存じますが、一方の極端におきましてはこれを単なる物件と考えてよろしい部面と、一方の極端においては常時人が住んでおるというような性質の建物と、その間にいろいろ段階があると存じます。従いまして趣旨といたしましては、ときたま人が出入りするというだけの建物のために、高圧ガスというこれも一つの生産事業でございますので、その運転に支障が起ることは産業の見地からも好ましくない、しかし人間に危害を与えるということは避けなければならないという点で一つの区別がつけられておるわけでございます。具体的に人がどのくらい出入りするかというようなことにつきましては、同じ倉庫とかあるいは工場とかと申しましても、いろいろ実態が違っておるかと存じますが、趣旨といたしましては、人畜に対する被害の危険ということでやはり区別をすべきであろうと存ずる次第であります。
○佐竹(晴)小委員 具体的に考えなければならぬという点は了承いたします。そして御説明の御趣旨による常時その場所において勤務しておる場合にその人畜に被害を及ぼす場合においてはやはりそれを保護するの必要のあることは、その御説明の全趣旨によってこれをうかがうことができます。といたしまするならば、今回問題となっておりまする冷凍工場についてもやはり家屋というべきだと私は信ずるものでありますが、大阪府庁におけるところの解釈はこれと異なっておりまするので、私はこの点を究明いたしたいために、具体的事実よりも一般的にまず抽象的に法の解釈を定めてもらいたいと存じましてただいまのような御説明を承わったのであります。 それでは、これから今少しく具体的に申し上げてみたいと思いまするが、昭和三十一年の三月九日付で、大阪府堺市南島町三の一四三、土居冷凍株式会社代表者土居緑から、隣接の大同酸素株式会社の液体酸素製造用圧縮機運転操業による被害並びに危険について内閣に対し請願書を出しておりますが、これは参考資料として過日事務局を通じてお届けをいたしておいたのでありまするが、そのような請願書を内閣がお受け取りになりましたことがございましょうか。
○菊池説明員 内閣から通産省に回送されて参っております。
○佐竹(晴)小委員 それでは、それについて逐一お尋ねをいたしてみたいと思います。 その大同酸素株式会社の業務は高圧ガス取締法及びその施行規則の適用を受ける会社でございましょうか。
○菊池説明員 その通りでございます。
○佐竹(晴)小委員 同会社のすぐ隣に土居冷凍株式会社がございますが、それとの距離が二十メートル以上置かれていないことを御存じでありましょうか。何ほどの距離が置かれてありましょうか。また、その距離がないのに大同酸素の製造施設の建設を許可なさいました理由は何に基くものでございましょうか。このことはすでにずいぶんと問題になっておりまして、ちょうど大阪におられた方であなたの方の課長をなさっている方がありますので、きょうお越しを願いたいと御連絡をいたしておいたのでありますが、もしお越しいただいておりますならばよく御存じのことであろうと存じます。それのみでなしに、すでに具体的にその請願書の内容に書いてありますから、本省としてもそれに対して知らぬとは私は思われませぬ。その関係を御説明いただきたいと思います。
○菊池説明員 大同酸素の許可につきましては、府県庁に権限が委譲してございますので、大阪府がとりました措置でございます。大阪府がこれを許可いたしました理由は、従前から、ある家屋に対してとります距離は、いわゆる家屋と考えられまする部分に対しまして十九メートル、すなわち二十メートルない部分が実はございますが、これは二十六年の改正前の旧法におきまして許可いたしましたものでございまして、この当時の規定におきましてはこれは適法である、そして法律が変りました現在におきましても旧法において得ました許可は依然有効であるということになっております。その他の、たとえば倉庫というような建物からの距離につきましては、これはいわゆる家屋でないという判定のもとに許可いたしたものと考えます。
○佐竹(晴)小委員 それでは、まず倉庫でありますが、倉庫は私が先ほど申し上げております通り、冷凍並びに預かっている物件の出し入れをしなければならないために、その倉庫内に常時数人の者が勤務することを要する、そこは作業場になっておりますが、それはいかがお認めでございましょうか。
○菊池説明員 これは、大阪府におきましてその倉庫の部分におきまして常時人が勤務しておりまして家屋とみなされるほどの状態でないと判断したからであると考えるわけでございます。
○佐竹(晴)小委員 それではなしに、私が参りましたら、大阪府では、本省から工場とか倉庫とかいうものは家屋に該当しないと解釈をしてきたから、本省の言うなりになっておるのだ、こう言うのです。本省の命の通り解釈しているのだ—。ところが、今の御答弁によると、大体工場のごときは該当する、倉庫といえどもそれは具体的に物事を決しなければならぬというところにまであなたは掘り下げて御答弁なさった。そこで、それならば、今言う土居冷凍というものはその家屋に該当するかどうか、これを具体的に一つ御判定願いたい。本省としてはどう解釈するか、これを聞きたいのであります。
○菊池説明員 ……。
○池田(清)小委員長代理 政府御当局に願います。質問に対して即答できるように勉強しておいて下さい。
○菊池説明員 実はこの法律は昭和二十六年に改正になっておりましてそれまではこの規定に該当する条文は実は「人家」ということになっておりました。それが「家屋」というふうに改正になっておりまして、いわゆる住宅、人家という概念よりはちょっと家屋の方が広く解釈されるわけでございますが、従来実はこういう具体的な問題が起っておりませんので、具体的にどこどこまでが家屋であり、どこからは家屋でないというような判定につきまして、特に指示もいたしておりませんので、あるいは人家というような狭い概念によって扱われておるというような状態にあるものと存ずるわけであります。
○佐竹(晴)小委員 私も三十五、六年弁護士をやっておりまして、家屋であるとか人家であるとか建物であるとかいったような定義については多少の心得があるわけです。ただいま御答弁を伺ってもあいまいもこです。そしてその解釈で実に何億という資産を投じたものが一ぺんにぺしゃんこになって、そこへ勤めておる数十人の者が今日路頭に迷っておる。それを、本省の解釈と大阪府の解釈いかんによって切り捨てごめんです。こんなことが一体こういう聖代にあり得ることであるか。もう少し解釈をはっきりして、そして、その法の解釈に触れておるものについては、あなた方においてどしどし行政処分をして権利の保全をしてあげなければ、国民は一体だれにたよるか。国民は本省にたより法律にたより規則にたよっておる。その法律を曲げ、規則を曲げて、変な解釈をして切り捨てごめんとは一体何事であるか。以下だんだん申し上げますが、私が大阪府庁に行ってお尋ねをいたしましたときに、工場に該当しない、倉庫も該当しない、こんなことを言って、頭から門前払いであります。今お尋ねをいたしますると、局長代理はさすがに良心的に、工場といえども、人が常時出入りをして、そして人畜に被害を及ぼす場合においてはやはり家屋に該当する、元「人家」であったものが「家屋」に直っておると説明されました。家屋というのは建物です。建物といえば文字通り建物なんです。工場を建物でないと言う人がどこにありますか。その建物の中に多数の人が出入し、常時勤務していて、危険についてこれを保護しないでもよろしいという解釈はどこにも成り立ちません。学校、病院を保護するためには百メートルを置けとなっている。工場に働く人については、それが百人であろうが千人であろうが、この場合は二十メートルでよいということになっておりますが、そのことさえも私は不思議に思う。工場のような多数の人が出入りするときはやはり保護しなければならぬことは今局長代理のおっしゃる通りである。倉庫におきましては、朝から晩まで常時多数の人が出入りし、かつ常時そこに勤務しなければ作業ができないという場合、これは明らかにいわゆる家屋である。建物の中に人畜が常に出入りをし、危険である。だから、これを保護しなければならぬことは当然である。あなたが具体的にこれを保護しなければならぬと御説明になったのは良心的説明である。だが、この土居冷凍はどうなんだ、こうお尋ねをいたしますと、今度はこれと違うように結論をいたしたいかのように見える。が、しかし、抽象的にお聞きいたしましたときと具体的にお聞きいたしましたときとの間に道理に二つあるわけはございません。この土居冷凍のごときは明らかに家屋であり、そしてそれは建物である。そうしてそこに人が常時勤務するのでなければ仕事ができない場所でありまして、この法律の保護を受けるものと確信をいたしておるが、どうやら、ただいまの御答弁の状況を拝見いたしてみますと、御協議なさいませんければ御答弁ができない状態でありますから、とくと御検討願っておきたい。これだけでは済まされません。もっと責任のある人に出てもらって質疑応答を重ねなければなりませんが、一つよく御研究を願っておきたいと同時に、大阪府庁においてとった解釈とその態度についても御連絡おきを願いたいと思います。 そこで、いま一つ承わっておきたいのは、ただいまの御説明によりましても——その土居冷凍の中に土居氏の家族が住まっております。その請願書にあります土居の夫妻及び家族が住まっております。ここは、どなたがどう解釈いたしましても明らかに家屋です。それは府庁もこれを認めている。ところが、それは二十メートルないのです。二十メートルないのにどうしてそれを許したのでしょうか、その許した根拠を承わりたい。
○菊池説明員 ただいま御質問のいわゆる住居から二十メートルないという点につきましては、これは先ほど申し上げましたように、旧法のときに知事の権限において許可したものでございます。
○佐竹(晴)小委員 この施行規則第十一条但書に、「ただし、地形その他の関係により通商産業大臣が危険のおそれがないと認めた場合に限り、その程度に応じて認めた距離をもって制限距離または保安距離とする。」、こうあります。これと同一の規定は前の規定にもあったと思いますが、旧法とこの規定とただし書きが違いましょうか。
○菊池説明員 ただいまお読み上げになりましたのは新法の規定でありまして、旧法の規定でこれに相応するという条文は施行令の二十条にございます。それによりますと、「地方長官ハ所在地又ハ設備ノ状況ニ依リ危険ノ虞ナシト認ムルトキハ申請ニ依リ前条一定ムル距離ノ減少ヲ許可スルコトヲ得前項ノ許可ハ状況ノ変更ニ依リ必要アリト認ムルトキハ之ヲ取消スコトヲ得」という条文がありまして、地方長官がこの行政措置をいたしたわけでございます。
○佐竹(晴)小委員 しかし、私が府庁をたずねて聞いてみましたが、その処分がなされておらぬのです。いつ、何年何月何日だれが決裁してなされておりますか。
○菊池説明員 この処置は単独にそれ自体を取り上げた行政措置ではございませんで、ほかの設備の変更というようなものの一環として扱われてございます。
○佐竹(晴)小委員 それは具体的に御説明を願いたい。どういうときにどういう申請書が出たので、それにどういう許可を与えたからこれがそれに該当する、こういう御説明を承わりたい。
○菊池説明員 二十条の問題は当初設備の変更許可を受ける中の一環として申請してございますので、この分について単独に取り上げての手続はございませんです。
○佐竹(晴)小委員 それでは答弁になっておりません。それは何年何月ごろでございますか。
○菊池説明員 ただいま何月何日かということの記憶がございませんので、調査いたしますが、昭和十九年、ごろでございます。
○佐竹(晴)小委員 その内容を承わらなければよくわかりませんが、私の解釈するところによれば、こういう距離を短縮する場合には、短縮するなりの明確な意思表示をしなければならぬと考えます。そのまた申請があってなければならぬと思います。それはあってないことは私が確かめております。従いまして、ただいまの御答弁には承服することができません。なおあとで十分に一つ私の方でも調査をいたします。 進んでお尋ねをいたしたいのは、この大同酸素がいかに危険であって事故を起しておるかということを御存じでございましょうか。お手元に届けてあります事故発生日時表によりましても明らかであります通り、昭和二十七年夏ごろエア洗滌タンク(苛性ソーダにてエアを洗滌するタンク)が大音響を発して爆発し屋根を吹き抜く、二、昭和二十九年春ごろ夜間酸素加圧機が大音響とともに爆発し、南側窓二カ所より火を吹き出す、三、昭和三十年十二月十二日ごろ夜間酸素ボンベ百本近くを立ててあるものが大きな音をたてて横倒しに倒れたるも、三回とも工員にはけがはなかったのでありますが、隣接の土居冷凍では驚き、そのつど即時大同酸素に見舞いに行きたれども、一回も謝罪に来たりたることなし、四、昭和三十一年一月二十三日午前十時十分ごろ大きな爆発音がしたので、驚きさっそく見舞いに行ったが、いかなるわけか真実は語らなかった、五、昭和三十一年二月二日、これは読売新聞の記事に、「頭に鉄の破片・即死、一日午後九時二十分ごろ堺市南島町三ノ一四四、大同酸素株式会社(藤井満彦社長)堺工場東隅の機械室で当直の工員十二名が作業中、エンジンのプーリー(はずみ車)が突然分解して、付近にいた機械工土谷種次さん(三九)—大阪市住吉区山の内町三の三七六—の頭に重さ約一トンの鉄の破片が当り即死した。プーリーのキズが回転の震動で分解したものらしい」、その他三十一年四月二十二日午前九時ころ安全弁作動せず爆発す、三十一年六月三日午前十一時五分ころ酸素ボンベ爆発す、三十一年八月十日午後八時五分安全弁爆発、爆発個所より土居の住宅まで距離十八メートル、昭和二十七年より八回の爆発をなすといって、その差し上げた資料にもあります通り、付近の人がみんな証明をして出しております。近所の人々は戦々きょうきょうとして住まわれません。そこで電話をかけて問い合すと、なに、これくらいのことは当りまえです。ガチャンと電話を切られてしまう。そうして毎日毎晩の作業で、あのシャーという音のために住まっておる付近の人は寝られないのです。本日は騒音防止に関する条例、それから横浜市騒音防止条例などを別の件でこの法務委員会で審議しようといたしておりますが、騒音がやかましい程度でも、これは実に重大な問題です。それが今言うように付近でどんどんやられていて、しかもそのシャーという音が毎晩で、ほとんど寝られない。そういったものをよく許可したことだと思いますが、それがただいまの距離とかかっております。私は、これだけの今言ったような事故を起しておりますのに、当局が漫然と放置をいたしておりまするということが不思議でならぬと思いまするが、このことについて請願書の中にも詳しくそのことを訴えております。いかがでございましょう。これは御調査なさいましたでございましょうか。
○菊池説明員 大阪府を通じてこの事故につきまして調査いたしました結果は、三十一年の二月一日の夜九時半に膨張機のプーリーが一部破損、棄損いたしまして 一名死亡の事故がございました。それから、三十一年八月十日の夜一時十分にエアーコムプレッサーの一号機の安全弁が作動いたしましたために作業を中止いたしましたという事故の報告がございました。
○佐竹(晴)小委員 この危険状態については、なおあとでゆっくり究明いたしたいと思いまするが、時間が足りませんので、進めて参ります。 先ほどお手元に着いておるという土居から出した請願書、これは一体調査なさいましたかどうか。この請願書によれば、大同酸素株式会社は昭和十九年九月四日付許可を受け、酸素製造を営むもので、昭和二十九年九月十五日付許可を得て工場を増設し、これに液体酸素製造用の強力なる圧縮機を備え一つけ運転操業を開始したもので、その——運転振動が右土居冷凍倉庫に波及し、一土居冷凍株式会社ではついに顧客を失い、休業のやむなきに至り、かつその壁に亀裂、膨隆、傾斜を生じ、倒壊の危険に瀕し、冷凍用アンモニア漏出の寸前の状況にあるとございますが、まず、その中の、振動のために土居冷凍株式会社が顧客を失いついに休業している事実は調査確認なさいましたか、いかがでございましょう。
○菊池説明員 御質問の点につきましては、たとえば振動の影響があるかどうかというような点につきましては、高圧ガス取締法の実は範囲外の問題でございまして私どもの方といたしまして直接その調査はいたしておりません。
○佐竹(晴)小委員 私が聞こうとするのはそれでなしに、高圧ガス取締法を設けて最初許可をするときに厳重にやらなければならぬのであるが、そのことをしておらぬ、そこに欠陥があるために、こういう事故が起っておるということにお気づきにならないのか、その点について本省としても御考慮なさったことがないか、こういうのであります。今私が、これは参考にお手元へ届けてあります通り、大阪地方裁判所第十民事部の裁・判官岡野幸之助判事が証拠保全に行っております。その証拠保全調書によりますれば、土居冷凍の振動並びに被害状況が十分に確認されております。しこうして、請願書の一〇の4によれば、請願者、すなわち土居冷・凍は、大同酸素を相手取って大阪地一方裁判所堺支部に妨害排除の仮処分申請をいたしております。それが事件番号昭和三十年(有)の第四十七号、その申請をし、昭和三十年九月の初旬に、保証金五百万円と決定されましたが、土居さんがとうてい納められないので、ついに取り下げのやむなきに至っております。これは担当弁護士が言明いたしているところでもありますし、そしてただいまの証拠保全調書に照らしても事実が符合いたしております。従って、この事実をごらんいただきますならば、振動の結果多大の被害をお隣の土居冷凍に及ぼして、土居冷凍は仕事ができなくなって休業して、もうそれきりです。もう二年も三年も休業して、従業員は今日食うに困って路頭に迷っております。一体、それが、一番最初許可をする際に、いま少しくその高圧ガス取締法の内容に合致するところの厳格なる条件を付して許可を与えておいたならば、かような結果になるのではなかったと私は思いますが、そのような点について何ら御調査なさっておりませんでしょうか。
○菊池説明員 私どもの本省におきましては、先ほども申し上げましたように、振動というような性質の問題につきましては、これは公害と申しますか、そういう性質の問題でありまして、私どもの方として直接処置する案件でございませんので、私の方で直接に調査はいたしておりません。
○佐竹(晴)小委員 直接その事務をお扱いにならぬことはわかりますしかし、請願書が出たならば、その請願に対して調査し適当な監督をするのは、これは本省の任務ではないでしょうか。私の見るところでは、その振動は基礎工事不十分の結果であると思います。許可に際して、何しろそれだけの大がかりの機械を据えるのでございますし、そして今度増設のときには大へん大きな機械を作っております。この仮処分にも書いてありますが、大へん大きな機械を据えている。そういう大へん大きな機械を——それは高圧ガスを製造するのには必然的にそういう機械が据わるのです。据えなければできないのです。とすれば、その機械によってお隣の家がひっくりかえるような振害が起きても、それは公害だから本省は知らないといったようなことでよいでございましょうか。いやしくも高圧ガスというもののお隣に及ぼす影響をおそれて取締法というものができて、そして許可条件というものが定まっている。許可条件には公安を中心とした条項がちゃんとできております。してみれば、その振動と周囲に及ぼす影響などについては十分御考慮なされなければならぬと同時に、そのことについて大阪府庁のやり方が悪ければ、本省といたしましてもこれは監督し、いわんや請願書が出て参りましたならば、これに対して適当な行政措置を講ずべきは本省の任務であると思いますが、いかがでございましょう。
○菊池説明員 この法律の執行という点につきましては直接の監督の関係にございますので、こちらが直接調べなければならないのでありますが、ただいま質問の点につきましては、直接監督という関係にはございません。そういう実情につきましては、大阪府庁がいろいろ研究して措置をとろうとしていると存じますので、大阪府庁ともよく話し合ってみたいと存じます。
○佐竹(晴)小委員 お手元に差し上げてあります参考書に、これは土居冷凍の社長から出しております説明書でありますが、大同酸素株式会社対土居冷凍株式会社の関係についての詳細説明書、これによれば、大同酸素株式会社工場長大谷敏雄氏が、昭和二十九年一月に、私の工場、すなわち土居冷凍の工場に来まして、機械の基礎工事が土砂がくずれてきてできぬから、一度見合ってくれと言いますから、さっそく現場に行きまして見てやりまして大谷工場長に左記のような注意を与えて帰りました、すなわち、この現場では長さ三十尺より五十良のくいを三百本打たなければ八百馬力のこの機械の据えつけは絶対にできぬ、右のごとく申してあるのにかかわらず、私に無断にてわずか九十本のくいを打って機械を据えつけたから、現在のような地下振動が隣の工場にまで及ぶものでありますと、こうございます。これは、当初こういった大きな工場を許可する際に、しかも八百馬力といったような大きな機械を据えつけて隣に振動を及ぼすような影響のある場合については、これは許可条件にはっきりお隣へ振害を加えてはならぬことを明示しなければならぬと思います。ほかの人にどのような被害が及ぼうとも、いわばそれは勝手にやりたまえなどということは、これは監督庁のやるべきことではありますまい。そこで、それが大阪村庁においてやるべきことだといたしましても、そのことのために仕事を休まなければならぬ、廃業をしなければならぬようになった人がわざわざ本省に訴え出て請願書を出したときに、本官がそれをほうりっぱなしにしておくという手は私はあるまいと思います。私は、少くともこういった基礎工事等については、監督官庁としても厳にすべきことを命ずべきものであると思いますが、そんな大きな機械を据え付けても、お隣にどんな振動が行ってお隣がそれがために廃業しなければならぬようなことになってもかまわぬというような事業を高圧ガス会社がやろうとするときに、これをお許しになろうとする精神でございますか。本省の精神を一つ承わっておきたい。
○菊池説明員 ただいまお話がございましたような一つの産業設備をすることに伴って起ります被害と申しますのは、これはいろいろほかの産業につきましても、ガスが出るとか水をよごすとかいろいろ問題がございます。どの程度まで被害の方を考えるか、あるいはこの程度まで産業の設備から必然的に出て参ります被害をがまんするというような全般的な問題がございますので、これはまたよく検討しなければならぬと存じますが、ただいまの具体的な問題につきましては、大阪府とさらに連絡いたしまして、一応調べて、できるだけこれが円満に解決することを希望する次第でございます。
○佐竹(晴)小委員 その請願書の理由の五項には、こう書いてあります。「更に本件増設工場の建設を始めた処無許可の為め昭和二十八年十一月十六日一旦之れが増設の停止を命ぜられ次で昭和二十九年九月十五日に至って漸くが増設許可を受けたものの由であるが、元来該増設工場は大和川堤防の保護区域内に位置するので斯る地域内には斯る震動を発し堤防に害を及ぼす恐れある施設は一切許されない筈のところ、大同酸素は無許可のまま該増設工場の建設に着手し事後に至って所管官庁に運動して之が許可を受けたという事である。」とあります。ただに隣家やお隣の工場をやめさせたのみならず、こうした公の施設にまでも影響するようなことが平然として行われており、またこれが認められておるというがごときは、とうてい私どもは理解することができません。少くともこれを防止する適当な方策が講ぜられなければならぬし、大同酸素などといったようなその会社が大きな機械を据え付けてそこで仕事をすれば必然的に起る結果について、当該監督庁が、たとえば大阪府なら大阪府が適切なる措置を講ずべきはもちろん、それに対して適切な方法をとらないために、本省に対して申請をしてきて高圧ガスの製造を許してそうしてただいま申し上げますところの実に八百馬力というような大きな機械などを据え付けてそのような被害をあたり周囲一面に及ぼしておるということになれば、これは本省としても捨ておきがたいこととして調査しておかなければならぬことと思います。この堤防関係については何かお調べになったのでございましょうか。
○菊池説明員 この問題につきましては、本省といたしましては直接まだ調査をいたしておりません。
○佐竹(晴)小委員 それでは、時間もあまり食いますので、ただいまはこの振動関係を承わりました。今度は、次いでお隣の土居冷凍工場の壁に「亀裂、膨隆、傾斜を生じ、倒壊の危険に瀕し冷凍用アンモニア漏出寸前の状況に在る。」とありますが、これについて何かお調べになりましたでしょうか。
○菊池説明員 この建物の状況につきましては、大阪府が調査いたしまして、大阪府の調査によりますと、今重大なる支障は生じていないというふうに認定しておるようでございます。
○佐竹(晴)小委員 それにしても、大阪府の商工部長から、そのアンモニアについて危険だから適当の措置をしろと言って土居冷凍の方へ通達をしてきておりますが、これは本省としては何とお考えでございましょうか。
○菊池説明員 ただいま御質問の問題は、高圧ガス取締法三十六条の規定によりまして土居冷凍株式会社の方から府庁に申し出がありましたので、大阪府はそういう危険があるならば適当の措置を講じなさいという意味の指導的な回答を出したというのであります。
○佐竹(晴)小委員 それでなしに、お隣の大同酸素の方から大阪府庁に申し出て、そこで大阪府庁の方から土居冷凍の方に催告をしてきた。土居さんの方ではそれに対して大阪府の方へこうもしたいああもしたいという相談をいたしておる。そこで、問題は、一体だれがそういう危険を生ぜしめたかという問題であります。大同酸素の方がどんどん振動を起す。そうして、先ほど申し上げました判事の証拠保全処分調書によって明確な通り、その保全処分調書には明らかにこういうふうに書いてある。冷凍工場の壁の亀裂、膨隆、傾斜を生じ倒壊のおそれがある、明らかにこう書いてある。そうして、参考資料に差し上げてありますいろいろな資料をごらんいただきましても、冷凍用アンモニアが漏出する寸前にある。アンモニアが漏出をいたしましたならば、これは大へんな結果になることは私が申し上げるまでもございません。産業経済新聞の九月十九日の記事でありますが、これによりましても、三名死亡、七名重軽傷、修理中の漁船でアンモニアガスが噴出、この記事はごく最近であります。この一例のみならず、これはアンモニアガスの爆発によって大へんな災害を起しておりますことは私の申し上げるまでもございません。その災害の寸前にあります。その寸前にあります災害はどこから来ておるかという問題であります。これは判事の保全処分調書にあります通りに、お隣の振動のために冷凍工場の壁に亀裂ができ、膨隆——それがふくれ上り、傾斜を生じて、倒壊のおそれがある。そうしてその天井へ冷凍用のアンモニアの管が通っておる。もしその工場が倒壊すれば、一ぺんにそれがふき出す。数トンに近いものを保存しておりますから、あれが噴出いたしましたならば、お隣の大同酸素なんか、これは一ぺんに総なめにやられるでしょう。だから大同酸素の訴えていくのも当然でありますが、それでは一体だれがそうさせたかということです。それは大同酸素がやった。そうしてこちらは仕事ができぬ、飯が食えぬ、一家離散して工場はつぶれて、しようがないから退散している。それを土居の方に何かせよと言っている。ところが土居の方では仕事を再開したいから、それを取ってのけようとはいたしません。仕事をしたい。仕事をしたいけれども、お隣の振動か激しいから、仕事の、再開ができません。しかるに今度は仕事をやめるように取ってのけてしまえと言う。こちらは冷凍会社です。アンモニアを取ってのけてしまってどうして再開できますか。お隣が振害を与えて仕事をやめさせるようにしておいて、そして危険だから取ってのけてしまえ。そうしてそれっきり仕事を休止させてすでに三年です。多数の労務者は路頭に迷っている。それをほうってある。何と訴えて行っても相手にしない。本省に請願してみても、ただいまの局長代理も一向調査なさったようでありません。これは、ほんとにきょうは、何と申しますか、局長代理はほんの答弁だけに出ておいでになったとしか思えません。もっと責任を感じた局長が出てきて、課長も大阪府におった人ですから、堂々ときょうは出てきて対決すべきです。みんなが責任を回避している。こんなことで、国民を切り捨てごめん、法の解釈によって切り捨てごめんをして路頭に迷っておっても知らぬ、そういうことが昭和の聖代にあり得ることでしょうか。この壁に亀裂、膨隆、傾斜を生じ、倒壊のおそれがある、そしてアンモニアの漏出寸前にあってきわめて危険な状態にあること、しかもそのことはお隣の大同酸素の増設を許可したことから出ておる、これは取締りの警察といたしましてもほうっておくことかできないことだろうと思います。また、法の解釈について法務省の意見を承わりたいと思いましたが、局長代理から大体答弁があり、具体的の問題でないとわからぬということでありましたので、他日に留保して、法務省にはさらにお尋ねいたしませんでした。ともかく、振動のために一方は仕事をやめてしまって、再開したいができない、食うに食えないで離散をしておる。それを取ってのけてしまえ、こういったことが今日正しいこととして法律上正当なりとして認められることであろうかどうか。私は、少くとも請願書を出して通産省に対してこれをどうしてくれると言ったときには、それに対する調査と措置、並びにこれが直接に高圧ガス取締法の三十六条に該当する事項でありますから、適当な措置は講ぜられておらねばならぬと思います。本省はいかなる調査と、それに対する取締りをなさいましたか、これを承わりたい。
○菊池説明員 土居冷凍株式会社の工場におきまして、アンモニアがふき出すおそれがあるという連絡が土居冷凍の方からございまして、大阪府はもしそういうことならば適当な措置をなさいということを土居冷凍に返事をしたわけであります。こういう措置をすることは工場の責任者がする建前でございます。ただ、先ほどからるるお話がございましたように、この原因がお隣の大同酸素の工場の設備から起っておるというお話でございますが、この具体的な振動の程度とか、こちらの建物がその振動にどれくらい耐え得るかという具体的な問題を調査しないとはっきりわかりませんが、いずれにいたしましても、この問題はその隣の大同酸素の工場の設備に原因が認められるのでありますならば、これはただいま民事訴訟の問題にもなっているということを承わりましたが、これは公平な第三者が、納得できるような、社会常識上適正な解決をはかることが最も妥当である、法律上の直接の問題には関係がありませんが、円満な両者間の解決ができますことが、社会常識上最も適当であろうと考えられるわけでございますが、この問題につきましては、従来大阪府も大阪地区の問題としていろいろ扱って研究しておりますので、さらに大阪府とも連絡をとりまして、円満な解決ができますように希望するわけでございます。
○佐竹(晴)小委員 何か民事上の補償の問題などを持ち出されておりますけれども、民事の裁判を起しても五年も十年もかかる。そのうちにこちらはもう野たれ死にいたします。しかもアンモニアはふき出しそうになっている。それを取って持っていけと言ったって、こちらもうつぶれてしまっております。取って持っていくその力さえもないじゃありませんか。それはだれがやっているか。それはお隣の大同酸素がやっている。大同酸素に一体何を命じたか。請願書を出し、本省に対して訴えているのにかかわらず、本省がいかにも関係のなきがごとき態度をとるとは、もってのほかであると私は思います。土居冷凍株式会社の代表の土居緑は、元今の大同酸素の敷地並びに建物、あすこを約三千坪所有いたしておりまして、盛大にやっておったのでありますが、昭和十七年、大東亜戦争になった翌年でありますが、警察と憲兵がやって参りまして、その干渉のもとに、現在実に時価二億円に相当する資産をわずか六万円で取り上げているじゃありませんか。すなわち、当時土居冷凍は日産五十トンの製氷機を備えつけております。機械だけでも一億円いたします。それと鉄筋コンクリート建の建物二百坪、土地千坪、これを大同酸素に譲れと言う。譲らなければこうすると言って、半ば威嚇いたしまして、憲兵と労務課の警部がやってきて、強硬談判でその土地、建物等を取り上げてしまった。実は価格は十八万円ときめたのでありますが、中に変な者があって、向うにくっついて、土居さんの手元へ入ったのはわずか六万円。時価二億円ないし二億五千万円に相当するものを官憲干渉のもとに取り上げてしまった。だから土居冷凍はその場を退いて隣の今の冷凍のところへ引き下った。そこで、仕方がないものだから、興業銀行から千五百万円の金を借りまして、新しく冷凍工場を起した。すると、今度は大同酸素がやってきて、大きな機械を据えて、こちらの冷凍もできぬようにつぶしてしまった。三千坪のうち、二億円ないし二億五千万円のものは官憲干渉のもとに取り上げた。仕方がないから、興銀から千五百万円借りて、冷凍工場を中の千坪へ移した。すると大同酸素がそこでどんちゃんどんちゃん仕事をして、こちらの冷凍もつぶれてしまう。どうにもならなくなって、もう二年も三年も休んでおります。しかし、何とか復活したい。復活すればそのアンモニアは要るのです。それを取りのけろと言うのです。一体法律というものはだれのためにできておるのでしょう。国民保護のためにできておるのじゃないでしょうか。問題がここまで行きますると、これはもう人権問題になってきます。人権局長の御足労をわずらわしましたゆえんはここにあります。この問題はもはや一個人の単に恨み骨髄に徹しておるという問題じゃありません。こういう法律の解釈によってそんなことができて、切り捨てごめんで、廃業して泣いておろうとも、それからそれを当該お役人に訴えて行っても取り上げぬということになったならば、一体国民は何によって生きていくのでしょう。これはもうどうにもなりません。裁判所へ訴えると供託金五百万円とられる。その五百万円もない。しかし、裁判所も、積めば大同酸素の仕事は停止しておったのです。金がないからできないのです。しかし、金がないからこちらの主張が悪かったということにはなりません。正しいのです。正義です。正義の主張は認められて、ただ金がないために主張が通らない。そこで、今度は本省へ請願書を出すと、知らぬ顔。一体この調子で行ってしまいはどうなるのです。あたかも直接行動でやったらいいじゃないかと当局は教えておるとしか思われません。一体法治国のもとにおいてこんなことが許されることでありましょうか。本省としても知らぬ顔でほうっておける事項でありましょうか。私は当局のほんとうの気持を承わりたい。
○菊池説明員 この事件は、法律上の問題といたしましては法律の限界がございますが、今のように事故の原因が隣の工場にある、それがどの程度因果関係があるかということは、やはり具体的な問題になりますので、現地で当事者同士満に解決することが最も望ましいと存じます。この点につきましては、従来大阪府が直接の関係官庁でもございますし、それを抜きにして私どもが直接やるという筋合いも穏当でないかと存じますので、さらに大阪府庁とも連絡をとりまして、円満なる解決に達するように努力いたしたいと存じます。
○佐竹(晴)小委員 私は決して本省で直接にやれとは申しておりません。請願書を出して訴えてきたならば調査ぐらいをなさったらどうでありますかと言うておるのです。いかに調査をしていかに対策を講じたかというのです。何一つなさっておらぬじゃありませんか。関係者が行政当局に対し一生懸命請願しても相手にされず、そこで裁判所に訴えると、前の言うことは正しい、許してやろう、しかし共託金を積みなさい—。ところがその資力がない。保証金がなかったために正しいと認められた正義の主張が不当な要求に変るわけはないことはただいま申し上げた通りであります。正義はどこまでも正義です。正義でなければ裁判所が許すわけがないんです。金を積めば許す、これは正義でなかったら許しません。本省といたしましても、調査なさいましたならば、裁判所がこれは正しいと認定するくらいのことは認定なさらなければならぬ。請願書が出て、調査をして、これに対する対策を講じようとするならば、今までちゃんと対策の道はあいておったと思います。そこでやむなく今や衆議院にまで訴えて参りました。何らかの合法的手段でこの正義を認めてもらいたいと切なる訴えをいたしております。もしも衆議院でも取り上げられないでうやむやになったならば、将来一体どうなるでしょう。正義の主張も金がなければ取り上げられない、民衆の代表である国会でも問題にしてくれないとなったら、正義の主張は一体何によって保護されていくでありましょう。行政機関たよるに足らず、法もまたわれを助けず、民衆の代表者も相手にしてくれないとなると、泣き寝入って倒れていくか、それとも直接行動に出るか、それよりほかにはないでしょう。だが、このまま泣き寝入りせよと言われても、官憲干渉のもとに時価二億のものをわずかに六万円で取り上げられて、その上自分自身の業務までついに廃止のやむなきに陥らしめられて多数労務者も従業員も路頭に迷わされておりまして、これはまさに人権問題であり、泣き寝入りをするがためにはその犠牲のあまりにも大き過ぎることを私は肯定せざるを得ないと思います。だからといって、やけになって非合法的行動を考えるようにさせてはなりません。私がここに声をしぼって行政当局に適切なる措置を求めておるゆえんはここにあります。これでも当局は捨てておけと言われるでありましょうか。私は当局の熱意を伺いたい。と同時に、ちょうど人権局長もお越しいただいております。この点については多数の労務者が路頭に迷って将来どうするかということで実は困っております。最後の最後まで合法的手段に今訴えておりまするが、最後の道がとだえたときに一体どうなるであろうか。この問題は単なる法規解釈の問題にあらずして、人間を殺すか生かすかの問題になってきております。しかも裁判所がその主張は正しいと認めておるのです。ただ、ないのは金だけであります。当局といたしましても、もう少しこれに意を用いて十分せんさくいたしましたならば、当初そんな不当なる業務の許可をしなかったはずです。それをしたところに根源があるのです。当局は常に土居だけを責めておるようでありまするが、今のアンモニアにいたしましても、土居にのけろと言っている。しかし、お隣の振動でこっちの仕事がやまっており、一家離散、食うことができない。どうして何トンかのアンモニアを今掘ることができますか。ほうったら事業が再開できない。なんじ死すべしと言うに等しいことです。そういったことが一体監督の立場にある人から言われることでありましょうか。 これ以上ここで申し上げましても、とうていこの席で結論を求むることはできないと思いまするので、先ほど大阪府当局とも十分相談の上にと申しておられまするが、この法律を施行監督する当の責任者本省の建前といたしましても、もっと積極的にこの事案に対する相当の解決の方法を見出していただきたい。同時に、人権局長にもお願いしたい。この問題はもう人道院の問題になっております。この危害の状態も捨ておけません。だから警察当局にも訴えたい。もし捨ておいて少し地震でもあってごらんなさい。あの二トン、三トンが一ぺんにふきましたならば、あの付近の何百人も一ぺんに死んでしまいますよ。警察当局においてもそれきりにしておられぬ問題であると思います。そして、こういった取締りの衝に当りまするところの法務当局においても、十分お耳にとどめておいていただきたいと存じます。 私はこれを希望いたしまして本日の質問は打ち切ります。
○池田(清)小委員長代理 政府当局に申し上げます。井上局長、戸田局長、山口警備部長にお残り願いまして、あとはお帰りになってよろしゅうございます。御苦労さまでした。 猪俣浩三君。
○猪俣小委員 実は文部省の宗務課の方々にお尋ねしたいことがあったのですが、宗務課長が参られまして、明日にしてもらいたいというぜひなる願いがありましたので、私はそれを了といたしまして、先ほど理事会できめました順序を変更さしていただいて、明日に回したいと思います。
○池田(清)小委員長代理 よろしゅうございます。
○猪俣小委員 それから、いま一つ、沖縄問題について質問したいと存じましたところが、外務省から一課長の出席通告があっただけで、大臣も次官も局長もお見えにならない。沖縄問題は事重大な問題でありまして、外務省の男系は多いし、これは法務省だけにお聞きしてもいたし方ありませんし、法務大臣は昨日私に電話がありましてきょうはどうしても都合があって出られないというお断わりがありましたので、私も了といたしました。おそらく名古屋の選挙応援か何かに行ったのではないかと思いますが、これはお互いにあることですからやむを得ないことと思いますが、明日お帰りになったらお出席いただきたいと思います。それで、その方面も明日に延ばしたいと思います。そのかわり、委員長から、明日は外務省の相当の方々、局長なり次官なり大臣なりに御出席を願っていただきたいと思います。それから、法務大臣もお帰りになりましたら、明日は出ていただきたい、それを希望いたしておきます。
○池田(清)小委員長代理 さよう要求いたします。
○猪俣小委員 それで、きょうは、一つは、これは各新聞に報道せられたことでありますが、時局にからみまして、すなわち、鳩山さんがソ連へ交渉に出かけるというようなことが伝わりますと、いわゆる右翼団体と称せられるものが一斉に上京してきて、不穏な空気があるということが新聞に見えておるのであります。私は、わが日本の終戦前に起きました右翼団体のテロ行為、これは文化国家といたしまして実に最大の恥辱だと考えておるのであります。幸い終戦後民主的になりましたし、また占領中右翼団体に対しまして徹底的な粛清、撲滅が行われまして、なおまた軍部というような彼らの財的背景をなすものがなくなりましたために、いわゆる右翼暴力団体というものが相当消滅したと思うのでありますが、世の中の反動化に乗じましてこういう団体がまた盛んになったようであります。もしこの団体が政府の要路にある方々に乱暴なことをやる——、彼らはほとんど売名的に考えている。もしそういうことがここで行われますと、連鎖反応を呼びまして、またそういうことが続出しないとも限りません。そこで、私は、これは非常に深憂にたえないのでありますが、もちろん当局も十二分なる布陣をなさっていると思いまするけれども、委員会といたしましても、治安確保のため、ことに政治的テロ行為を絶対に撃滅する意味におきまして、当局の御決心のほどを承わりたい、また方針を承わりたいと思いまして、その点に対しましてお尋ねしたいと思うのであります。 そこで、これは直接その取締りの衝に当っておられまする警察関係の方々から、今右翼の動きというものがどうなっておるか、そうしてそれに対して警察はいかなる取締りの方針を堅持せられておるか、その点についての御報告を願いたいと思います。
○山口説明員 お尋ねの日ソ交渉の問題に関連しまして最近いわゆる右翼といわれておりまする方面で、いろいろと動きが出て参っておりますのは事実でございます。御承知のように、今基本的な考え方としましては、領土の返還あるいは抑留されておりまする同胞の即時帰国、漁業その他のいろいろの権益の確保ということを強く要望いたしておるのであります。これがもし実現しなければ交渉の決裂もやむを得ないというような考え方に立っておるわけであります。なお、鳩山総理がソビエトを訪問されまして交渉に当られるということに対しましても、これに反対の態度を表明いたしております。そこで、われわれといたしましては、何といたしましても、そういう大きな政治的な問題に関連をいたしまして暴力を行使する、あるいはいろいろな不法な行為を行うというようなことは、これは断固としてないように厳重に取締りをいたすつもりであります。今日におきましても、いろいろとそういう方面の動向につきましては厳重に視察を続けておる状況であります。大体以上のような現在の状況でございます。
○猪俣小委員 そこで、警察当局のお見込みでは、さような暴力的な政治活動をやるというような団体が、皆さんのリストに載っておるものは幾つくらいであって、そうしてそういうものに対しまして一体どういうふうな取締りの方法をおとりになっておるのか。数年前に暴力行為処罰法という特別法を作ろうといたしましたとき、参議院の法務委員会で調査いたしましたときには、四千団体もあるというふうな調査が出ておるのであります。現在そういう過激な暴力行動に出るような団体とおぼしきものが幾つぐらいあって、その所属の過激分子といわれる者は何人くらいあるのであるか、そうして、一体それらの背後には政治家が関係しているのかいないのか、こういうことに対して一体どの程度の情報を皆さんはつかんでおられるか、それを承わりたい。
○山口説明員 いわゆる右翼団体あるいはその構成員の数ということでございますが、これは、右翼というものをどういうふうに考えるかによって、おのずから範囲あるいは数等にも違いを生ずると思うのであります。一応われわれとしましては、現在団体について約五、六百、その構成員七万人ばかりを右翼団体ということで、その動向を注意いたしておるのであります。しかし、この団体あるいは構成員の全部が先ほどお話がございましたような不法事案を起すおそれがある、あるいは暴力を行使するおそれがあるというのではございません。これらの団体のうちの、数から言いましてもごく少数のものであります。その中にそういう危険な言動をしている者がある。それから、相当な組織を持ちました団体等でありますと、団体の責任者あるいは幹部等で団員に対して過激な行動に出ないように慎重に押えておる面も相当あるのであります。ただ、そういうまとまった団体でなしに、やや一人一党的な、きわめて衝動的に過激な行動に出るおそれのある者が若干名おるわけでありまして、むしろそういう者の方にわれわれとしましては間違いのないように注意を向けておる状況でございます。先ほど申しました団体の数及び構成員の数は、右翼といわれる者の全般の数でございます。数からいたしますとその中のごく一部の者に、今日お話のような事態に関連をいたしましてわれわれは視察を続けておるということでございます。
○猪俣小委員 過去のテロ行為を見ますと、刑法の教唆扇動に至らぬ程度において実はそういうテロをやるやつをあやつっている政治家が多くある。今日大きな国策上の問題でありますが、この日ソ交渉を快しとせざる一派もあるようでありまして、そういう政治家たちが思慮分別の乏しい者をおだてあげて、実につまらない行動に出ぬとも限らない。警察はどの程度そういうことに対して真剣に調査をなさっておるのであるか。事が政治家とのつながりになりますと、どうも警察庁も警視庁もやりにくい点があるらしく、どうもその辺のつながりの調査に不十分な点があるんじゃないか。そういうところから思わぬことが起ってくると思う。私は警察当局としてここで言明してもらいたい。そういう政治上の意見が違うことのために過激分子みたいな者に扇動的な言辞を弄した者は、破壊活動防止法あるいは刑法の共犯理論からも、徹底的に、有罪無罪になるのは別としても、私は調査あるいは場合によっては検挙もできるのじゃなかろうかと思うのです。そこで、そういう過激な連中の背後にあって、そういう連中と交際したり、扇動したりするようなことが少しでも見受けられる者に対しては、仮借なく検挙の手を伸ばすべきものであることを私は天下に声明しておいていただきたいと思います。刑法犯罪にならぬとしても、一応の嫌疑をかけて捜査することは当然のことであります。そういう決心のほどを示していただきたい。これは、私ども、党派のいかんにかかわらず、政治上の意見の違うことによって政治家が身に危険を感ずるということは実に恥かしいことだと思います。民主政治の敵だと思います。これに対しては私は警察機能の全力をあげても戦わなければならぬと思いますが、それに対する警察当局の御意見を私は承わりたいと思います。
○山口説明員 お話のようなことがもしあるといたしますならば、申すまでもなく警察といたしましてはどこまでもその暴力事案を追及いたしまして事態を明らかにするということをここではっきりと申し上げます。
○猪俣小委員 先般衆議院の警務課内に火炎ビンを投げ込んだ事件がございましたが、あの人物及びその背景をなすもの、連累者、そしてその動機、そういうものについて御説明をいただきたいと思います。
○山口説明員 九月十八日のお昼過ぎに衆議院の警務部の第二分室に石油ビンに火をつけて投げ入れた事件が起ったのであります。放火未遂罪現行犯として留置して取り調べておるのであります。ただいままでわかっておりますところのあらましを申し上げますと、本人は四十五才、兄が宮崎で小料理屋を経営しておりますが、そこで板前のような仕事をしておったのであります。ふだんは非常に無口で、何というか孤独感を持つような性格があり、方におきまして非常に激するという性格もあるのであります。ほかの人との交際もあまりなくて、魚釣りをやったり本を読んだりしておったのでありますが、政治には関心を持っておったようであります。新聞雑誌の中からこれに関する事柄を手帳に若干書き抜いたものを持っておったのであります。上京しましたのは、自分の兄の妻とふだんからよく口げんかをしておったので、九月十三日の日にやはりそのことから兄とけんかをしまして、出て行けと言われて家を飛び出したというのが、どうも直接の家を飛び出した動機のようであります。本人のそういういろいろな経歴、それから特に背後関係につきまして厳重に調べておるのでありますが、本人は、現在までのところ、右翼団体はもちろん、そのほかのいろいろな団体などには全く関係がありませんし、背後関係につきましても現在のところは認められない、大体ないのではないかと考えております。家人も多少本人に精神異常があるのではないかということを言っておりますが、そういう面につきましてはもう少しよく調べて参りたい、かように思っております。ただいままでわかりましたところでは、いわゆる右翼団体というような背後関係はないものとわれわれの方では考えております。なおこの点につきましてはよく調査いたしたいと思います。
○猪俣小委員 衆議院に火災びんを投げ込みました動機、心情はどういう点にあるのでしょうか。
○山口説明員 先ほど申しました本人の手帳の書き抜き等を見ましても、政治に関心を持ち、鳩山総理に対してあまりいい感じを持っておらない、あるいは国会議員さんに対しましてもあまりいい感じを持っておらない。事件を起しました動機といいますか、そういうものについて詳細に調べておるのでありますが、先ほど言いましたように、どうも少し精神の方に問題があるのじゃないかと思います。はっきりこれだということがただいまのところ申し上げるまでになっておらないのであります。現在の政治あるいは国会というようなものについて多少不満を持っておったということは事実のようでありますが、しかし、いろいろな状況を調べてみますと、どうも少し精神に異常があるのじゃないかというように思っております。
○猪俣小委員 なお、朝日新聞の報道によりますと、九州地方からひそかに上京した某戦前右翼の一人は、死に花を咲かせるときが来た、身命を賭して日ソ交渉阻止のために戦うと言い、また関西地方から二、三日前に上京した都内に潜行中の若い男は、鳩山訪ソを阻止するためには実力行動も辞さないと公言している。こういう者について検察庁なり警視庁はちゃんとその人間を突きとめて監視されておるのかどうか。これは新聞記者が探知したので、警察では知らぬことであるかどうか。
○山口説明員 何人であるか存じております。なお、その行動は厳重に監視いたしております。
○猪俣小委員 それから、公安調査庁の方、お見えになっておりますか。
○池田(清)小委員長代理 見えておりません。
○猪俣小委員 私はきょうは出席を要求しておったはずなんだが、それでは公安調査庁長官なり次長をお願いしたいのですが、法務省の刑事局長がお見えになっておりますけれども、これはお尋ねするのも筋が違うと思いますが、私の言わんとするところは、公安調査庁は共産党ばかりの取締りの庁じゃない。これは公安調査庁設置法にちゃんと明記されておって、破壊活動防止法そのものの実施、調査ということが主眼である庁であるに違いない。しかるに、近ごろは共産党員に対してはその戸籍謄本まで取るようなことをやっておる。しかし、破壊活動防止法を見ますと、りっぱに「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに交付する目的をもって、左に掲げる行為の一をなすこと。」として、それには刑法百九十九条の殺人行為が上っておる。ですから、今回の日ソ交渉なんかに関しまして不穏な行動をする者については、それが団体に所属するならなおさら、所属しないでも、一応それは公安調査庁が共産主義を取り締るより以上に今逼迫した問題ですから、——共産主義者なんというものは今はおとなしくなってしまった。そんなものに神経をとがらして戸籍謄本を取るなんという精力があったら、今差し迫った危険な状態の問題に対して十二分なる機能をあぐべきだと僕は思う。しかるに、公安調査庁というと、ほとんど左翼の共産主義者の取締りばかりのように考えておるのじゃなかろうか。法務当局はどうごらんになっておるのか。公安調査庁というのは一体左翼ばかりを取り締るのですか。破壊活動防止法の第四条第一項第二号にイロハニと書いてあるへのところに、刑法第百九十九条のこういう行為を政治上の主義または施策を推進するために、あるいはこれに反対するためにやった場合は破壊活動とみなされるとある。そうすれば、これは当然公安調査庁の調査範囲、取締り範囲でなければならない。一体公安調査庁はどれだけ右翼活動に対し準備をし、調査をし、それに備えておるのであるか、これを聞きたかったのです。井本さんはどうもちょっと係が違うのでしようがないのでありますが、私は明日答弁をしてもらいたいと思いますから、やはり法務省所管の一つの庁ですから、あなたから連絡をとってそれに対する詳細な御報告を承わりたい。あまりに左の取締りに走り過ぎておる。それもやってもいいでしょう。しかし、並行してやはりこういう右翼のテロ団体に対する調査というものは平素からやっておかなければならない。平素からどの程度の準備をされておるか、おもなやつの戸籍謄本を取るなんということをやっておられるかどうか、それをお尋ねしたい。それをやっておらぬとなると、そこに不公平なことが出てきて、一政党を弾圧する意味の国家機関であるというふうにとられてしまうのです。ですから、私はその点をお尋ねしたかったのですが、それは明日に譲ることにいたします。 そこで、法務省にお尋ねをいたしたいことはこれは実は各新聞、特に神戸新聞なんかには数回にわたりまして詳細な報道をされておるのでありますし、なおまた全港湾労働組合の中央執行委員会で決議をされて声明が出ておるのであります。法務省でもおわかりになっておると思うのでありますが、これは根本は労働省の問題であり、労働基準局の問題でありましょうが、当法務委員会としては人権侵害の意味においてお尋ねをするわけであります。それは、神戸の港におきます沖仲仕、これは姜寿晟という人ですが、この人がことしの五月二十一日けがをして死んでおる。ところが、これは事故を起して砂糖か何かを盗みに入って、砂糖袋の下へ入って死んでしまったというような届出で済ましておる。ところが、これは実は、この監督というか何というか、この男の上に労務管理みたいなことをやっているような男がいてこれがなぐりつけて殺したのであるということがたくさんの証人によって出てきた。現場監督の花本義一という男がバットでなぐり殺したということが出てきた。ところがこれはもう事故死としてすでに処分されてしまって火葬になってしまったという事件があるわけであります。これは実は事が簡単なようでありましても、これはアメリカ映画なんかによくあることでありまして、港におきます暴力行為、港の人夫などに対してその監督といわれるようなやつの暴力行為ということは世界の共通の問題でありましょうが、日本の神戸あたりにも盛んに行われておることがあったのですが、これが明るみに出てきたのです。暴力団退治、暴力行為撃滅の意味におきましても、こういうまるっきり十九世紀時代のような封建的な労働関係、その最も濃いのが港なんかの労務関係にあるわけですが、この際これを徹底的に究明しなければならない。その意味において全港湾労働組合も立ち上っておるわけでありますが、これに対して法務省検察庁はどういう活動をなさっておるか、それをお尋ねしたいと思うのであります。
○井本説明員 けさほど新聞紙を拝見しまして、さっそく役所の方に問い合せたのでございますが、この事件についてはまだ私どもの方に報告が参っておりません。しかしながら、新聞紙を拝見いたしますと、労働基準法違反に関係する点もございまするし、また目下厳重に暴力を取り締っておる際にかような傷害致死事件が起きたのでございますから、さような点をにらみ合せまして、この事件につきましては報告を求むるかたがた厳重に捜査をするように命じたいと考えております。
○猪俣小委員 私は、これは法務委員会でも場合によっては神戸へ調査に行っていただきたいくらいに考えておるのでありますが、こういう港における港湾労務者なんかに対しまする手配師とかいうのだそうですが、こういう者の暴状というものは話にならぬ。これはアメリカ映画の波止場なんかにもよく出てくる情景でございますが、これは文化国家としては許しがたいことであります。そうして、こういう現場監督などのボスの背後にはいろいろまた大きなボスというものがくっついておって、これが警察や検察庁と連絡をとっておらぬ限りでもないのであります。ぞうぞ法務省は検察庁を督促してこの真相を徹底的に究明していただきたい。そして当法務委員会に報告していただきたい。私はこれはまた理事会でもお願いいたしますが、当法務委員会としてもこれを根こそぎ一つ調査をしてもらいたいと思っておるのでありますが、何をおいても法務省から詳細な調査報告をいただきたいと思うのであります。いつごろ調査報告をいただけますか、いつごろになりますか、ちょっとお知らせ願いたいと思います。
○井本説明員 なるべく早くやりたいと思いますが、ちょっと何月何日までと申し上げかねますけれども、おそくも今月中ぐらいには何とかいたしたいと考えております。
○猪俣小委員 それから、明日の問題にしたいということを先ほど申しました沖縄の問題ですが、なお法務省としても御研究願っておきたい。なお、前もってお願いしておきますことは、私どものところへ沖縄の人権問題として相当のことを訴えてきております。これが一体どういうふうに取り扱われたのであるか、法律的及び実務的の意味において私ども承知したいと思うのです。たとえば相当の女が強姦されている。なおまた幼女が殺されている。そういう犯人が一体どういう処分をされているか、それに対して日本政府はどういうことになっているか、一切くちばしが入れられないのであるか、あるいは何かの報告を受けておるのであるか、沖縄における被害、民事上の損害なんかは一体どういうふうに賠償されるのか、またそれが裁判上どういうふうに運行せられておるのであるか。どうも彼らの訴えを聞きますと、何らの救済の手段がない訴えになっておるのであります。これにつきまして法務省は人権擁護の立場から一つその真相を私どもに示してもらいたいと思います。明日の宿題として申し上げておきます。最後に、委員長に申し上げることは、きょうは私は、先ほど申し上げましたように、立正交成会の問題につきまして、これは私一個人に関係するようになりますけれども、事が容易ならぬ問題であるので、文部省に質問するつもりでありましたが、文部省の宗務課長が参られまして、とにかくあすにしてもらいたいという切なる懇請がありましたので、私も役所の立場も考えまして、明日質問することになりましたから、それで、きょうは文部大臣は御都合が悪い様子ですが、明日は文部大臣も来ていただきたいと思うのです。これは大局的なことをお尋ねしなければならぬ。それから、今申し上げました沖縄の問題についても、私、明日質問したいから、外務省から外務大臣なり次官なり局長なりを法務委員会の名において御出席を求められるよう願っておきたい。私ども何も地位の低い人を軽蔑するわけでありませんけれども、大局的なことを聞くにはやはり上位の人でないと、事務的な報告になりますので、ただ一アジア課長さんだけでは真相はわかりません。だから、それを法務委員長の名において催促しておいていただきたい。私はこれで終ります。
○池田(清)小委員長代理 午前中の理事会できょうの日程をきめたのでありますが、質問が残りましたので、残余の問題は明日の会合に移したいと思います。明日は午前十時から開会いたします。 猪俣君御要求の法務、外務、文部各大臣並びに幹部の出席は、委員長の名前において要求いたします。 本日はこれで散会いたします。 午後一時七分散会