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24回国会衆議院1956/05/16

農林水産委員会凍霜害による農業災害に関する小委員会 第1号

発言数
26
登壇者
10
会派数
3
開催日
1956/05/16

会議録

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 それではこれより凍霜害による農業災害に関する小委員会を開会いたします。  凍霜害による農業災害について調査を進めます。前回の委員会におきまして留保いたしました第一班の派遣委員より調査報告を求めます。中馬君。

中馬辰猪自由民主党

○中馬小委員 凍霜害国政調査第一班の調査報告を簡単に申し上げます。  派遣委員は石田宥全委員と私の二名で、調査室より門口調査主事、ほかに全国知事会から高畑行政部長も同行されました。  まず日程でございますが、第一日の十日は、午後二時福島県庁に到着、被害概況の説明を受け、その後、被害のはなはだしい桑園地帯の石川郡石同時旧沢田村地区、白河市旧金山村地区、果樹の被害地たる白河市旧五箇村地区、同久田野地区。第二日目の十一日は、栃木県に入り、午前中那須郡黒磯町の果樹園、西那須野町の桑、塩谷郡喜連同時の麦を見て、午後は県庁にて概況の説明を受け、次いで真岡市内の麦、上三川町の桑、小山市付近の麦、果樹、下都賀郡静和村の麦。第三日の十二日は、群馬県に入り、午前中被害激甚地区たる新田郡強戸村、佐波郡東村、赤堀村、勢多郡荒砥村等の桑と麦、午後県庁で概況の説明を受け、その後高崎市旧長野村地区、碓氷郡安中町、甘楽郡丹生村、富岡市小野地区、多野郡八幡村等の桑及び麦。第四日の十三日は、埼玉県でありまして、午前中は本庄市で県全的の説明を受けたる後、児玉郡美里村、共和村、児玉町、神川村、秩父郡皆野町、野上町の桑と麦、午後は大里郡花園村、深谷市藤沢地区、比企郡小川町八和田地区、鳩山村亀井地区、入間郡鶴ヶ島村等の桑と麦、さらに入間郡豊岡町の県茶業研究所でいわゆる狭山茶の被害状況の説明を受け、これをもって、四日間の調査を終りましたが、至るところで、関係県市町村農業団体、農民より陳情を受けました。  次に、各県における被害の概況について御報告いたします。  まず福島県。五月一日現在において、植付面積桑園八千三百七十六町歩のうち収穫皆無換算面積二千二百六十八町、被害見込み金額二億六千五百余万円、苗しろ、麦、菜種、バレイショ等七千二百余万円、果樹一億六千百余万円、合計四億九千九百余万円の被害見込み金額を示しておるのでありまして、二十八年の十六億三千九百余万円に比較いたしますと、被害額は少くなっております。しかし麦類は最近被害の漸増の徴候を示し、特に小麦は出穂期に霜にかかりましたため、穂及び茎が損傷を受け、その被害が刻々深刻となりつつあるのでありまして、農民自身が驚愕いたしているありさまであります。従って麦の被害は今後ますます増加いたし、被害額は巨額になるものと思われます。県当局並びに関係者は鋭意調査を続けており、近日中に明確な数字が出るものと思います。  栃木県においては、五月十日現在において、被害金額十五億一千六百余万円、そのおもなるもの麦七億三千六百余万円、バレイショ一億五千六百余万円、菜種一億四千六百余万円、桑一億三千三百余万円、果樹一億五千八百余万円、タバコ一億二千三百余万円、その他となっております。二十八年の被害は八億六千七百余万円でありますから、福島県と同様今後増加を予想される麦の被害が明確になれば、今回の被害は二十八年よりはるかに甚大なるものがあると想像されるのであります。  群馬県における被害はまことに甚大なるものがありまして、五月十日現在におけるその金額は二十二億七千余万円、そのうち桑二十億八百余万円、バレイショ一億二千四百万円、果樹一億三千七百余万円が一応の調査を済ましたものであります。麦類は今なお全力をあげて調査中であり、この金額の中に含まれていないのでありまして、その推定額は十余億円を突破するのではないかと思います。二十八年の被害は約二十億円でありますから、いかに本年の被害が甚大であるかが想像にかたくないのであります。今回の被害は最も大きく、作付面積六万六千町歩のうち二万二千町歩が激甚な被害を受けているのであります。事実県東部に当る東毛地方一帯の現地に参りましたとき、見渡す限りの麦が全滅に近い被害を受け、これがえんえんと続き、惨たんたる有様であります。また桑につきましても同様、枯れ木の林を行くようなものでありまして、農民は、自失ぼう然なすところを知らず、ただただわれわれに救済措置を要求いたした次第であります。埼玉県における被害の概況は、五月八日現在において、総額十二億三千百万円、うち桑七億五千万円、茶二億円、蔬菜一億円、その他でありまして、本県も他の県と同様麦類の被害調査が完了せず、最近その甚大な被害にようやく驚きの声を上げているような次第で、鋭意調査を進めている状況であります。二十八年には二十三億五千万円の被害をこうむり、県当局等は今回も同様ではないかと推定している状況であります。  以上が各県の被害の現況でありますが、各県は今回の凍霜害に対処するため、それぞれ県対策本部、地方対策本部、市町村対策本部等のごときものを設け、あるいは事前に気象情報の伝達、チラシの配布、防除方法の指導等を行なったようでありますが、自然の猛威に抗し得ず、かかる惨害を招いたものであります。また被害発生するや、これらの機関を動員し、適切な指導、国及び地方公共団体に対する善処方の要望等を行なって被害農民救済の措置をとっております。特に福島県にあっては、四月十三日、早くもこれが防除のための要綱を定め、県下に配置するとともに、終夜NHK福島放送局と提携し、気象官署の情報を時々刻々に流して一朝有事に備え、あわせて技術対策を定めて、指導の適切を期するなど、今回の活躍はまことに目ざましいものがありた認められるのであります。かくて二十八年の災害より少くして済んだものと思えるのであります。また群馬県においては、被害発生後直ちに救農県会を開き、十二日三億三千四百余万円に上る凍霜害対策所要経費たる予算を可決いたし、早くもその対策を推進せんとしているような次第であります。  最後に各県における要望事項について申し上げます。  まず第一に、国の助成についてであります。応急措置として、被害作物たる桑、果樹、茶等の樹勢回復用の速効肥料、病虫害防除薬剤の無償交付、稚蚕共同飼育及び施設、掃き立て不能蚕種代金、夏秋蚕種購入、種子購入、技術指導、団体活動等に対して助成をされたいというのであります。また恒久対策として、稚蚕共同飼育所、共同桑園の設置、品種栽植、凍霜害予防資材等について助成されたいというのであります。  第二に、融資関係についてであります。長期低利資金の貸付は、すでに貸し付けられた農林漁業資金の延納、農業桑園手形の延納と利子補給、開拓資金の延納、二十八年冷害資金の償還延期等について措置されたいというのであります。  第三に、共済金についてであります。共済金を即時概算払いし、この借り入れの利子は国で負担されたいというのであります。  第四に、所得税等の減免についであります。被害農家に対し、特別に軽減または免除の措置を講ぜられたいというのであります。  第五に、地方交付税交付金の増額及び起債について特別措置されたいというのであります。  以上のような要望について、被害農民の多くは特に早急に実施されるよう希望し、また県、市町村等は国の凍霜害対策要綱を早急に決定し、これがすみやかなる下達を要求いたしておるのでありまして、一刻も早く対策を樹立することが窮状にあえぐ農民を救済する道であると考えるのであります。  以上第一班の調査結果の概要でありますが、委員派遣の前には、二十八年のそれより被害甚大とは想像もしてなかったのでありますが、福島県に参り被害の大なるに驚き、栃木県に参りまして福島県よりも、群馬、埼玉両県は栃木県よりもと、その甚大なる被害を見まして、その惨状目をおおわんばかりであります。そのうちでも特に開拓地にあっては桑、麦その他全部が壊滅の被害を受け、加えて共済の対象にもならず、開拓資金の返済は済まず、もちろん営農資金とてなく、飯用にも事欠くという切々たる懇願の声を聞いたのであります。群馬県新田郡のこれらの地帯は麦、養蚕によって生活しているのでありますが、桑は冬の枯木のごとく林立し、麦穂は白く変色して、何一つ収獲するものがなく、すみやかなる救済措置を講ずべきことを痛感いたしたのであります。従って私は被害農民の切切たる要望事項をすみやかに実現して、これらを救済し得るよう希望いたして、私の報告を終りたいと思います。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 次に今回の被害状況につきまして政府から全般的な説明がまだされておりませんので、この際説明を求めたいと思います。野田統計調査部長。

野田哲五郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○野田説明員 御存じのようにこのたびの凍霜害は四月二十九日、三十日、五月一日と、この三日間にわたりまして起ったのでございますが、降霜の地域は東北、関東、北陸、東山、東海、近畿、中国、四国、九州のほとんど全国各位にわたって起ったのであります。そのうち特に降霜凍害のひどい発生を見ましたのは東北の一部と北関東と東山と東海の各地であります。凍霜害を受けました農作物は桑、茶、果樹、麦、バレイショ、菜種、蔬菜、雑穀、工芸作物等でございまして、苗しろにおきます水稲の苗につきましても若干の被害を出したのであります。この作物の中で特に被害のひどく発生いたしましたものは桑、茶、果樹、麦、蔬菜等でございまして、これを二十八年と比較いたしますと、降霜地域もほとんど同一地域でございますし、また降霜の時期も大体接近しておりますが、二十八年度におきましては降霜が四月十三日から十八日、二十三日から二十五日、五月三日というふうに広く分布しておりますのが、このたびは四月の末から五月の初め集中しておったというような差異がありますとともに、二十八年が若干最低気温が低かったようにも見えるのでございます。私の方では、被害の発生がありました直後に、現場の出張所の職員が現地の市町村の報告を受けまして、見回りました結果を取りまとめたのが、先般来お手元に差し上げました数字でございます。これは御存じの通り被害発生直後の見回りでございますので、その後の推移を示すのでございますが、その状況につきましては大体一週間後の調査ということを目標としておりますので、五月の十日前後にもう一回調査をすることにしておりまして、ただいまこの調査を取りまとめ中でございます。これにつきましては五月の二十日を目標に集計を進めるつもりでございます。  お手元に差し上げておりますのが被害面積と被害量でありますが、便宜これを金に換算して表示いたしますと、大体この被害金額は九十六億円に達すると思います。なおこの中には雑穀と工芸作物の関係のものを除いております。これはまだ調査が不十分でありますけれども、一、二億程度の金額になるのではないかと思っております。これを二十八年の被害と対照いたしますために単価を同一にいたしまして計算いたしますと、二十八年の被害直後の調査におきまして百二億円見当の被害になっております。また収穫期におきまして凍霜害の被害を見積りますと、これは百五億円ということになっておるのでございます。この時期におきまして被害が最も大きいのは桑の関係でございますが、この桑は、今度の被害におきまして、桑の減収をそのまま繭の減収に換算いたしますれば、五十三億という被害の金額になるのでございます。簡単でありますが一応御説明申し上げます。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 次にきのうの懇談会におきまして各委員の方からそれぞれ御意見が出ましたが、その意見をまとめまして、凍霜害対策要綱というようなことではありませんが、対策の一応の試案が一つの審議の材料としてできておりますので、この際足立委員からこの点について御説明を受けたいと思います。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員 御指名によりまして、昨日の懇談会の際、私ほか関係の方々から御意見のありました点を、一応大ざっぱに取りまとめました要綱案なるものを読み上げまして御参考に供してみたいと存じます。それでは朗読いたします。   昭和三十一年四月及び五月の凍霜害対策要綱(案)     (五・十六、衆議院農林水産委員会凍霜害対策小委員会)  一、被災農家に対しては、「天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法」の適用により、速に経営資金の貸付を行い、併せて利子補給、損失補償等の措置を講ずる。ただし、被害の特に著しい農家に対しては、政令による地域指定を行い、貸付利率を三分五厘とし、償還期限は五年の範囲内で出来るだけ長期とする。   尚、累年災害を受けた農家に対しては、本法により借替資金を貸付ける。  二、被害をうけた開拓農家に対しては、前項による経営資金の融通措置を講ずるほか、生産資金の貸付等特別の措置を講ずる。  三、再生産確保のため、次の如く予備金より支出する。   (1) 樹勢回復用肥料代    イ 桑及び茶に対しては被害程度七割以上については反当硫安十貫、三割以上については五貫を標準とし、その二分の一(開拓地に対しては三分の二)を助成する。    ロ 果樹に対しては燐酸質及び加里質肥料の所要量に対し二分の一を助成する。   (2) 病虫害防除用農薬代桑、茶、麦、馬鈴薯及び果樹に対する農薬所要量の二分の一を助成する。   (3) 病虫害防除用動力噴霧機に対し時価の二分の一を標準として少くも千五百台を助成する。   (4) 蚕種については夏秋蚕掃立卵量の蚕種代の二分の一を助成する。   (5) 稚蚕共同飼育及びその施設(共同桑園を含む)に必要な経費に対し助成する。   (6) 水稲苗代に対しては追播用種もみ代又は購入苗の輸送費に対し助成する。   (7) 凍霜害予防のため消費した重油等燃料に対しその購入費の二分の一を助成する。     尚、そさいについては災害対策用予備貯蔵種子を速かに放出させる。  四、技術指導強化に要する経費として次の如く予備金より支出する。   イ 蚕業技術員及び農業改良普及員に対し特別指導手当を助成する。   ロ 繭の減産により給料の支払の困難となった組合等に対し蚕業技術員の給料を補助する。  五、統計調査職員に対し災害調査活動費を予備金中より支出して増額する。  六、農作物、及び蚕絲の凍霜害に対する試験研究調査費を予備金中より支出して増額し又は助成する。  七、被害農家であって食糧の不足するものに対し、外米及び飯用麦を売渡し、その代金の延納措置を講ずる。  八、被害農家に対し速かに共済金の仮払いを行はせるため農業共済基金より農業共済組合連合会に対し仮払資金を融資するに必要な財源措置を講ずるとともに所要の利子補給を行う。尚、秋蚕掃立不能の場合については速かに所定の共済金支払いを完了するとともに九割以上の被害農家に対しては農業共済再保険特別会計より早期に概算払いを行う。  九、凍霜害予防対策として、農業気象通報連絡員の設置及び気象観測器具の購入に必要な経費の補助並びに重油等燃料の燃焼装置及び重油予備貯蔵に要する経費の助成を行う。  十、桑、茶、麦等の専業地帯にあって潰滅的打撃をうけ他に現金収入のとぼしい農家に対しては救農土木事業を実施しこれを救済する。  十一、災害農家については申請による予定納税額の減額等所得税の減免措置を購ずる。  十二、被害都府県及び市町村の今次災害による税収入の激減と支出増加に対処し、地方特別交付税及び起債の特別措置を購ずる。地方財政再建促進特別措置法による地方公共団体は別途対策を樹立する。 以上であります。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 ただいま足立委員から説明のありました点につきまして、もし政府の方で何かこれに対しまして御意見がございますれば一つ述べてもらいたいと思います。

永野正二農林事務官(蚕糸局長)

○永野政府委員 ちょっと速記をとめていただきたい。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕

足立篤郎自由民主党

○足立小委員 ただ今蚕糸局長から御意見がありました、被害程度別に分けて肥料の補助をすることは技術的に非常にむずかしい点もあるし、会計検査院等の審査を受けた場合、また問題が起きやすいというような御意見でございました。きのうの懇談会の際に、私がこういった内容のものを提案いたしました理由は、昭和二十八年の災害の際に、御承知の通り反当硫安七貫五百匁、その三分の一補助、言いかえれば二貫五百匁の肥料が農家にただでいくというような形でやったわけであります。あの当時その要綱を発表いたしまして、被害農家には少くとも二貫五百匁に該当するものは国からただ来るのだというような印象を与えたわけでございますが、いかんせん、国から支出する総額というものがきまっておりましたために、結果は非常に二月当りの被害農家に対する補助金は薄くなりました。これは裏から見れば便乗的な被害が出てきたということも言えると思います。これが会計検査院あたりの批難事項の原因になっておると思うのでありますが、また農家にとってみれば、せっかく手形は切ってもらったけれども、実質的には来ない、これでは政府及び政党はうそをつくではないかというような、逆に非難を受けた苦い経験があるわけでございます。一般的に共済制度の適用を受けていないものに対してまで、こういう段階をつけて査定をするということは、非常に困難だということはよくわかるわけでありますが、しかし国民の税金によってまかなわれる補助金に対して、いやしくもそれが便乗被害が出ておったとか、あるいは取扱いにずさんな点があったとかいうような非難を受けることになりますと、これはゆゆしき問題でございますので、今回の凍霜害に対しまして、かような補助対策をとる以上は、この間厳格に取り計らっていただきまして、的確の処置をとるべきであると私どもは信じておるわけであります。その場合に、たとえば一律に一反歩当り七貫五百とかいうような数字ではじき出しました場合、その被害反別がふえればふえるほど、自動的に予備金からの支出がふえて、総額が手当てされるならばこれは農家に対しては、いやしくもうそをついたということにはならないと思います。ところが実際問題として、こういう処置が行われる場合に、農林省でまとめられた数字に基いてはじき出して、総額は幾らとまず押えてしまって、それから支払いが行われるわけでございまして、そうなりますと、その後の実際に支給する場合の反別等が増加して参りますと、勢いただいま私が申し上げました通り、二十八年の経験の通り、農家個々にとってみればうそをつかれたというような結果が起ってくるわけであります。こういうことのないようにある程度査定を厳格にいたしまして、事前に数字をはっきりきめて支払いをしていく、補助金を出していくという行き方をとるためにも、この段階を設けまして、三割以上の被害、七割以上の被害というふうにいたしまして、七割以上の被害を受けたものに対しては、より以上厚く見てやるという行き方の方がよいのではないかというふうに考えたわけであります。しかし今蚕糸局長のお話の中に、私は傾聴しなければならぬと思います点は、三割被害を受けたものであっても七割被害を受けたものであっても、樹勢挽回のために要する肥料の量については、技術的に変りはないのだ、同じようなものをやらなければならないのだということは、これは傾聴すべきものであります。しかし農家の負担力の点からいいますと、三割被害を受けて七割はものになったというものと、七割以上被害を受けてほとんどものにならなかったというものと、これは経済的な負担力が違いますから、補助金は違って当然じゃないかというふうにも考えるわけでございますので、こういう点も委員の各位に御考慮願いまして御決定をいただきたい。私、老婆心ながら提案しました責任上自分の見解を申し上げたわけであります。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 ただいま足立委員から示されました試案に対しまして、質疑なり、あるいはまた意見があればこれを進めたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 樹勢回復用肥料代の中の口でございますが、「果樹に対しては燐酸質及び加里質肥料の所要量に対し二分の一を助成する。」この果樹の中でもブドウの木は新芽がなくなっておりますと、新たに樹勢回復用の肥料を必要といたしますし、その場合に燐酸質とカリ質とに肥料を限ることは適当でない、こう考えられます。さらにその他の桃、ナシ、リンゴ等の被害は実に対する被害が多いので、葉の部分はあまりいたんでおらないと思いますので、実がならないために果樹の勢いがむしろ強くなりまして、本年度においては回復は必要ない。花芽の形成等も盛んになりますので、むしろ来年度の肥料代の処置が大事だろうと思いますので、樹勢回復と限定せずに時期的に果樹に対する肥料代の助成あるいは営農資金の融通などが大事であろうと思うのであります。特に最近果樹に対しても速効肥料等をやる例がたくさんございますので、これは来年度まで影響するということはちょっとむずかしい。来年度の準備としてはおそらく来年の春にこの肥料を必要とするようになりますがその際に営農資金等に対する配慮がほしいと思うのでありますが、その点について足立委員のお考えをお聞きしたいと思います。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 ただいま質疑なり意見と申し上げたのは、質疑というのは政府に対する質疑であって、意見というのは皆さんの御意見の意味でありますから、淡谷さんの質問も政府の方に対する質疑というふうにされたらどうですか。

永野正二農林事務官(蚕糸局長)

○永野政府委員 私の聞いておりますところで、農林省全体の考え方をちょっと御参考のために申し上げておきたいと思います。先ほども触れましたように、今回の凍霜害対策として農民の要望を取り上げまして、いろいろな助成を講じたいということで、今政府部内で協議をいたしておるわけでございまするが、その実際のやり方につきましては、二十八年の経験にかんがみまして、またその後補助金等規制法等の関係も考慮いたしまして、これは相当工夫をして実施いたさなければならぬのじゃないかということで、その点を部内で協議をいたしておるのでございまするが、その際における全体的な考え方としては、個々の項目によって算出の基礎は相当はっきりしておきたいけれども、これは各県々々の事情によって実施する場合に、あるいはその後の被害状況の推移等によりまして、農薬の項目から肥料の項目に回すとか、肥料の項目から農薬の項目に回すという必要が、県によっては出てくるかもしれない。そういう場合には農林省とよく協議をいたしまして、そういう項目ごとの融通をやるというのが、一番実際上適切じゃないかという考え方を持っておるわけでございます。でございますので、今お話のような点は確かに問題になる点でありまするので、肥料としてどれだけのものを取り上げるか、それを実際どの範囲で助成をするかということは、補助金の総額のワク内におきまして十分現地の実情を反映できるようにいたすことがいいのじゃないか、こう考えておりますので、これで御了承いただけたらと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)小委員 今蚕糸局長は被害の基礎的なものを明らかにしておきたいが、対策については若干融通性を持たせたいというお話ですが、被害の基礎的な問題ですが、ここにある桑及び茶で、茶は別として、桑については蚕糸局長の担任ですが、ここに書いてあるところの被害の程度、七割以上とか五割以上というようなことについて先ほどお話があったわけです。今回の凍霜害で完全に全滅してしまった、春蚕用としてはもう副芽までやられておるから、完全に全滅で、一〇〇%ということになります。しかしながらそういう場合に、桑は春蚕にとって、また夏秋蚕にもとるということになりますが、春蚕用の根刈り桑が全滅してしまったあとは、夏秋蚕用との関連で、春蚕の全滅というものは年間を通じてどの程度に見ることになるのですか。そういう点をちょっと伺っておきたい。これはあとで問題が起るおそれがありますから……。

永野正二農林事務官(蚕糸局長)

○永野政府委員 桑につきましては、ただいま石田委員から御指摘のように、蚕期別の被害との関係がございまして、春蚕の被害程度を年間に直してみると三割になるか二割五分になるかという問題があるのでございまするか、この点は共済の制度にも同様にいたしておるのでございまするが、春蚕こそれ以外の夏秋蚕と二つに分けて、この被害程度というものをはっきり分けて考えております。従って春蚕について三割以上の被害があれば、共済でも取り上げるし、またわれわれのこの凍霜害対策の補助の問題でも、春蚕について何割以上の被害という標準でこれを対象に取り上げていきたい、こう考えております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)小委員 それから先ほどの御報告で明らかになりましたが、本年の凍霜害はいつもと違いまして、桑の場合などは一週間もたつと副芽がふくらんできまして、すぐ元の通りのような状況になっておったのですが、ことしは特別に副芽までやられてしまっておる。それに対しまして私ども第一班が回った地域を見ましても、それほど深刻な打撃でないように見受けられるところでも、さっそく刈り取ってしまって、春蚕用をあきらめて夏秋蚕用に回わすという計画に変更したところがあり、群馬県のように、もう十日以上たってもまだ青い木がないようなところでも、そのままにして、農民がぼう然自失なすところを知らずということもあるかもしれないけれども、こういうところに対しては、私どもの見たところではさっそく刈り取る方が非常に経済的、効率的だと思われる点がたくさんあるのですが、いまだにほとんど刈り取っておらない。そういうところに対するところの指導が適切でなかったのじゃないかと思う。ことに群馬で聞いたところによると、蚕糸局のある技官などは、昭和二十八年度よりは軽微ではないかというような非常に誤まった認識のもとに話をしていかれたということで、地元は憤慨しておるんですが、そういう認識の相違などもあって、指導の適切を欠いたんじゃないかということを痛切に感じてきておるのですが、今ではどうお考えになっておりますか。

永野正二農林事務官(蚕糸局長)

○永野政府委員 桑の被害の程度によりまして、これをさっそく索条を伐採いたしまして夏秋蚕用に向けるか、あるいはしばらく放置いたしまして、あこの芽立ちの模様を見るかという問題ほ、技術的に非常に指導を要する大事な点であると思います。この関係は実は掃き立ての時期がその地帯においていつを予定しておったか、その掃き立ての予定時日を催青の抑制等によりまして、幾日間くらい延ばせるであろうか、それから掃き立てを延ばした場合に次の農作業の労力関係等どうなるであろうかというような、いろいろな問題がからんでおるのでございます。また被害の程度によりましては、隣の桑園はその後すぐ芽が出てきたので早く切ってどうも早まったというような感じを与える場合もございますので、実はこれは指導する末端の技術者といたしましては、非常に苦労いたしておるこ思っております。私が見ましたとこりでも、埼玉県の入間郡のように、ふだんから夏秋蚕の専用桑園を使うといり慣行が非常に行われております地帯とは、いち早く被害の程度を見ましてこれを夏秋蚕専用に切りかえようということで、桑条を伐採いたしております。ただ今お話のように、群馬県の南部の地方、これは相当養蚕としては経営が大きいのでございます。春蚕の現金収入というものが、その農家にとっては非常に大きなウエートを占めておりますので、実はそう簡単にあきらめきれないような農家の心情があると思います。末端の指導者といたしましても、これは一週間くらい桑条の伐採をおくらせましても、そう致命的に樹勢回復がおくれることもないというような試験の結果もございますので、そこはできるだけ慎重に考えて、ほとんどほかに現金収入の考えられない農家のことでございますから、できるだけ春蚕の減産を防止するというふうな指導をとったのではないかと思うのでございます。しかしながら、今御指摘のように、その後の桑条の発芽が非常に悪いということも聞いておりますので、この点は非常に同情にたえないような結果に相なったかと思います。またそういう地方におきましても、やや離れたところにおきましては桑園の被害のなかった地帯もままある場合もあるのでございます。そういう場合には、そういう地帯で稚蚕の共同飼育をいたしまして、ゆっくりその本桑園の回復を待つという方法もないではないのであります。もちろんあとの麦の刈り取りその他の農作業と非常にかち合うということになりますと、そういう方法もとれないのでございますが、私どもといたしましては、春蚕の減産防止も、実はそういう方法でできるだけ防止するようにいたしたいと思いますので、そのため、やや離れた土地において稚蚕の共同飼育をやって、本桑園が回復してから自分のうちで壮蚕を飼育するというような方法で春蚕の減産を防止することもできるだけ指導を徹底してやりたいと考えて、それのための助成も考慮いたしておるようなわけでございます。被害を受けた直後に担当官と一緒に私も実は現場を回ったのでございますが、そう軽率な判断のもとに事を処理しておるつもりでは決してございませんので、この点は御了承をいただきたいと思います。

久保田豊小会派クラブ

○久保田(豊)小委員 係の方がおいでにならぬので、これはちょっと無理かとも思うのですが、お茶について伺いたい。ここで樹勢回復三割と七割というふうに分けておるわけですが、樹勢回復から見るとこういう区別が一応の意味を持つと思うのです。ところが御承知のように、茶の方についてはいろいろの方法がありますけれども、大体静岡のように大量にやっている地帯は、みんなはさみ刈り取りなんです。そうすると、三割であっても、要するに被害を受けた葉が混入したものは売れないのです。作っても全く味が違いますし、結局経済的にはゼロということです。三割でも七割でも実際には同じだということです。それをあと手づみでやったらどうかというと、これは経済的に成り立たぬという問題がある。これは三割以下程度のものだったら、経済的にもある程度成り立つだろうと思うが、大体において三割以上のものはほとんど全面的に被害を受けたと同じ経済的な結果になるわけです。従って、今の農林省の調査の基準になっておる何割以上、何割以上というあのこと自体が、もう茶については意味を持たなくなってきておると思うのですが、こういう点についてはどのように考えておるか。かりに樹勢回復なりあるいは農薬の補助をするについても、この点を考慮しなければ意味がないと思われる。この点をどう考えられておるかということが第一点。  それから昨日も打合会で問題が出ましたが、茶や菜種のようなものは当然農業共済の対象作物にすべきだということが昨日出ておった。これがきょうは除かれておるわけだが、この点について、どういう事情か実は説明がほしいわけです。これが第二点。これは非常に大きな問題です。農林省としては、茶や菜種を共済の対象作物にするということについてどのように考えているかという点をきょうお聞きいたしておきたい。  それから、これはあるいは全般的でないかもしれませんが、私どもが回りました愛知県の一部では、山林の被害が相当多いわけです。雑木もある程度あるとしましても、特に杉、ヒノキ等の植えたものがほとんど枯死しているというのが実情です。これはどの程度になるか。これは現地においても、林野庁関係の現場機関もまだほとんど調査をしていないし、それから統計関係の方もまだ十分調査はしていないようです。現地の方でもまだ十分調査していないというので、全般的にどの程度の被害か実はわからないのですが、私ども見た地域は相当大きいです。これについてもやはりある程度何らかの助成方策を考えてもらいたいと思うのです。  こういうような点についてはどんなふうに考えられておるか、一つ御答弁をいただきたいと思います。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 久保田君に申し上げますが、茶等を共済の対象にするという問題については、ただいま担当の政府委員が見えておりませんからあとに譲りまして、幼齢木保護ですか、この点については野田統計調査部長から一つ……。野田君、そういう報告があなたの方に来ているかどうか。

野田哲五郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○野田説明員 山林の苗木の被害につきましては、私どもの方の山林調査の中から除外してありますので、私の方には来ていないわけです。しかし、この間の当委員会におきましての御報告の中に山林被害の問題がありましたので、林野庁に尋ねてみたわけでございますが、林野庁にはたしか愛知県の方から速報が入っておる、こういう状態でございます。

神田大作日本社会党

○神田(大)小委員 一問だけお尋ねしますが、タバコの被害に対する対策については、政府側としてはどういうふうにお考えになっているか、その点をお尋ねいたします。

野田哲五郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○野田説明員 タバコの被害につきましても調査は私の方でやっておりますけれども、これは、従来専売局の方でこちらの対策に準じていつも対策を立てておられますので、農林省の対策から除外することになっております。

伊瀬幸太郎日本社会党

○伊瀬小委員 杉苗とか、ああいうふうなものの被害が相当岐阜県に出ておりますが、これはどういうふうな対策をとられますか。

野田哲五郎農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○野田説明員 苗圃の被害につきましては、これは大体被害警報が出ますと当然対策を講じなければならぬ問題でありまして、やはり被害者の方に相当責任もありますので、従来あまり問題にならなかったわけであります。しかし、二十八年度の凍霜害のときにおきましては、それがあとになって問題になりまして、既定経費の中から若干の対策を講ずるということになったかと思います。

笹山茂太郎自由民主党

○笹山小委員長 暫時休憩いたします。    午前十一時四十九分休憩      ————◇—————

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