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24回国会衆議院1956/10/06

農林水産委員会台風等による農林漁業災害に関する小委員会 第7号

発言数
49
登壇者
8
会派数
2
開催日
1956/10/06

会議録

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 これより農林水産委員会台風等による農林漁業災害に関する小委員会を開会いたします。  昨日に引き続き、第十二号台風による農林漁業災害対策に関して調査を進めることにいたします。質疑の通告がございますからこれを許します。足鹿委員。

足鹿覺日本社会党

○足鹿小委員 自治庁にお尋ね申し上げたいのでありますが、台風九号並びに十二号、また近く調査に行くでありましょう第十五号等、本年は局部的でありますが、被害を受けた地域が非常に深刻な打撃を受けておることは自治庁においても御存じであろうと思うのであります。私ども第三班で山陰地方に参ったのでありますが、特に島根県の大社並びに出雲市周辺の農村を見た際に深刻な感じを受けたのでありますが、施設災害を受けてその災害復旧事業のあるところは、これはいつでも被害農民なり被害住民が現金収入を得る手段も見つかるわけでありますが、農作物被害のみ受けまして、施設があまりやられておらないというような地方におきましては、非常に因っておるのです。これらの因った市町村に対しまして、その被害農家に就業の機会を与えていく必要が痛切に感ぜられるわけでありますが、その際に地方税の特別交付税を早期に払っておやりになるか、あるいはこの起債の特別措置及び地方財政再建促進特別措置法の適用対象となっておる市町村に対しましては、公共事業費に対する制限を緩和をしてやるとか、とにかく再建計画を再検討されまして、いろいろと善処をしてやっていただかないと救えないという事情の町村が非常に多いのであります。また地方によっては、県庁自体あるいは布町村自体が、起債の特別措置さえ受ければ、現在計画しておるところの公共事業をやっていきたいと思っておるけれども、それが実際における制限があるために行えないというような実情で、これに対するところの緩和措置の切実な陳情を聞いたわけであります。これらに対しまして特別の対策を自治庁としてはどうお考えになっておりますか、この際伺いたいのであります。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 ただいまお話の今度の台風による被害地の話も、われわれの方にも耳に入っておりまして、われわれといたしましても、自治庁としての責任を果すために遺憾のない措置を講じたいと考えておるのでございます。問題は再建団体に関する場合と再建団体にかかわりのない全般の問題と両方あろうと思うのであります。再建団体につきましては災害に伴う始末で、当然これは再建計画で予想しておるわけではございませんから、再建計画は当然改訂をすべきものがあろうと思うのでございまして、これにつきましては、われわれは災害の始末に必要な再建規模の変更は当然やらざるを得ない、やってしかるべきものだと考えております。これはわれわれとして特別にどうこう抑制すべき筋合いのものではない、実情に合うようにやるべく変更措置も講じたい、こういう考えでおるのでございます。あとは再建団体、非再建団体を問わず結局まあ問題になりまして、これにつきましては自治庁といたしまして、今お話のように税の減免とか徴収猶予に伴う跡始末の問題もあるし、その他罹災地における公共施設の復旧などこれは国の負担も相当多額なものがありますが、単独で仕事をしなければならない問題もあろうと思うのでございまして、そういうものにつきましては単独債を実情に応じて求める。それから税の減免その他に基く穴埋めは特別交付税で当然措置をする。従来からもしておりますし、今度も実情に合うように措置をいたしたい、そういうふうに考えております。それでございますから、地方の正確な数字の決定がわかり次第自治庁として適当な措置を講じたい。また特別交付税の時期の問題が今お話のうちに出ておりましたけれども、それは法律に実はきまっておりまして、特別交付税は二月に交付するということが建前になっておるわけであります。それで実は自治庁といたしましては、特別交付税だけでなしに普通交付税も十一月に支給することになっているのを何か繰り上げて支給する方法がないものか、こういうので災害も、それは北海道の冷害の問題もありますし、全般的にそれができぬかということで実は大蔵省と折衝しておるんですけれども、大蔵省は資金その他の関係で、現在のところこれにはまだ応じておらぬのが実情であります。これは法律上にきまっておるのを特別扱いせぬといかぬのでございまして、法律上の制約の問題もございますが、資金の実情の問題もございまして、われわれといたしましては、一部繰り上げ支給したらどうだというので、なおこっちの考えを曲げておるわけではないのでありまして、大蔵省の方とも折衝いたしておりますが、現在のところまだ向うが消極的な態度でおることだけを御報告申し上げたいと思います。その他こちらとしてできます範囲内におきましては、実情に合う——幸いにして今までの災害の程度ならば、従来の規定のワク内でこれは始末がつくのではないか、こういう見当をつけておりまして、遺憾のない措置を講じたいと思っております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿小委員 非常によく御認識になっておってけっこうだと思いますが、現在自治庁の方で報告を聴取されて、公共事業に対するところの制限を緩和してもらいたいという要請だとか、いろいろなそういう災害に伴うところの各種の要請に基いて、具体的に対象となるような町村の御検討はできておりますか。  それから今おっしゃいますところによると、特別に予算措置を必要としない、起債のワクについてみても、従来のワク内で操作がつく、こういうことでありますが、まだ今後十五号台風もあるし、それからこれは当委員会の所管でございませんが、北海道の冷害もあるわけでありますが、冷害は非常にその範囲も内容も深刻のように聞いております。そうしますと、これはどうせワクをはみ出してくるということになると思う。私どものやっておるこの台風災害の方は比較的局部的でありまして、全体として見るというと規模は小さい、がしかし北海道の冷害その他を入れると、今部長がおっしゃったような措置では納まりきれぬのじゃないかとも思われるので、もう少しその辺をお聞かせ願いたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 今私の申し上げましたのは十二号台風なり十五号台風なりを前提に実は申し上げたのでございまして、十五号台風は今お話の通りまだ正確な数字がわかっておりませんのではっきりしたことは申し上げられません。ただこの台風だけを考えれば、何とかやっていけやせぬか、これは大見当でございますが、しかし問題は今お話のように北海道の冷害の問題でございまして、これはわれわれにまだ正確には実況がわかっておりませんが、これは規模のいかんがはっきりすれば、あるいは現在のワクではとうてい始末がつかぬという事態が出てくるのではないかと思います。これは自治庁だけの問題ではないのでございまして、各省ともそれぞれの規定の経費でまかないがつくかつかぬかという問題でございましてそういう事態がくればそれの裏づけになる自治庁の財源にもどうせ穴があくことはあり得ると思うのでございまして、そういう場合には関係各省とも相協力して、こちらとしても必要な措置を講ぜざるを得ない事態になろうかと存じます。これは今後の問題だと思います。  それからなお被災地の個々の団体から何か計画変更の申請でもきて、もう何かやっておるかというお話でございましたが、個々の団体からはまだ、一般的なそういう陳情は今まで出ておりますけれども、具体的の数字的な段階には個々の団体もまだ入っておらぬのじゃないかと思っております。こちらの方にもまだ具体的な数字として現われておりません。これはもうどうせ十五号台風もまとめて全部各団体について公平に扱うようにこっちとしても考えなければいかぬと思います。ただ考え方の基本は先ほど申し上げました通り、大体従来のワクで支障がないと思っておりますから、その支障のない範囲で実情に合うように出てくればみなさばきをつけたい、こういう考えであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿小委員 この際余分のことのようですがお尋ねしておきたい。財政再建法の適用を受けておる県市町村というものは大体どの程度でありますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 ちょっと今ここにこまかい数字はございませんが、府県は十八ございます。それを入れまして五百九十九でございます。ただ五百九十九ですが、最近所によってはそのうちの幾つかが取り消しをしようかというところがあるように聞いております。これはまだはっきりした数字はわかっておりません。一応自治庁で指定したのが五百九十九でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿小委員 私どもの承知しておるところによりますと、財政難法の適用を受けた自治体は、ちょうど農協が再建整備を受けると、信連なり中金の業務管理を受けるのと同じように、全く市町村は手も足も出やしない。公共事業なんかほとんどやれない、ただじっとしてその再建整備をやる以外には方法がない、こういうことになって、最初期待を持っておった町村も中止をする。また指定を受けたとしても取り消しをするというような空気も出てきておるのではないかというように仄聞しておるのです。それだけに相当きびしい制約があるわけですが、これを災害を受けた被害市町村がやろうというときには、思い切った再建計画をおやりにならないと今のような手きびしいものでは、実際御答弁になった趣旨に合致しないのではないかと私どもは思うのですが、そういうきらいはないでしょうか。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 再建団体が手も足も出ぬということはよく言われておるのでしございますが、われわれといたしましても、再建団体の再建計画を承認するにつきましては、過去の赤字はこれはきれいに始末をつけたい、それがためには各団体の財政上の構造だけは合理化したいと思っておりますが、必要な仕事はできるだけやらなくてはいかぬ、ういう前提でものを考えておるのでございます。特に町村なり、合併町村が多いので、新市町村の建設計画ができぬということになってはいかぬので、できるだけ建設計画なども入れたい。特に府県ではこれは皆さんのお耳に入っておるかどうかしれませんが、指定事業のワクをどうきめるかという問題で、私ども方のはこの間から大蔵省と再三折衝をやっておったのでありますが、大蔵省にもいろいろ意見がございましたが、われわれといたしましては、再建団体であろうが非再建団体であろうが、国としてやるべき仕事はやるべきだ、それでありますから、直轄事業にしろ補助事業にしろ、十八も府県が再建団体になっておる以上は、総ワクとして国の補助事業が公共事業全体として伸びれば、その部分は当然再建団体に確保してやるべきじゃないか。こういう考え方で折衝をいたしまして従来御承知だろうと思いますが、過去の三年間の七五%以下に公共事業を押えれば、二割補助金を上げてやる、こういう法律の建前になっておりまして、七五%で永久に押えられては再建団体にもう将来も足も出ぬことは明瞭でございます。それで七五%の数字というものに根本的に問題がありまして、その上に特殊な仕事をしてワクをはめれば、それまでは二割の補助率を上げていいという規定がありまして、その規定を十分実情に合うように定めたい、こういうので実はこの間から関係各省と折衝をしておったところでございます。われわれの基本的な考え方は、再建団体であろうが非再建団体であろうが平等に問題を考えていく。しかしながら再建団体は財政力がないのですから、それでその部分だけは仕事は多少押えて、その部分を補助金の二割引き上げに使うという考え方で再建団体としての仕事の分量を確保いたしたい。直轄事業は直轄事業として、特にこれは国の実定計画に基く仕事でございまして、再建団体だからといってそうなにすべきものではない。これも一部再建団体には地元負担がありますので、その負担割合はやはり軽減してやらなければいかぬ、こういうのでございますが、本来の仕事はもうできるだけやらせる建前でやらなくちゃいかぬというので努力しておりまして、大体もうそろそろ折衝が終末に近づいておりますが、われわれの考えているような方向に少くとも本年度はこの問題が解決つくのじゃないだろうか、そういうふうに考えております。自治庁といたしましては今申しました通り、要するにこの赤字さえ解決がつけばいいのであってそれ以上は余力のある限りはできるだけ積極的な仕事をやらせたい、やらすべきだというのが基本的な考え方であります。それとともに今度災害のような事態が起れば、災害に伴う始末はものによっては理屈なしにやらざるを得ないのでございますから、そういうものは必要に応じて再建計画を是正せざるを得ない。また再建計画の基本だけは動かすわけにはいきませんが、基本に支障のない限りは当然に弾力性を持ってこの計画の変更に応ずるべきものである、こういうふうに考えております。ですから現に扱いから申しましても、計画の変更は一々確認を得ることになっておりますが、この災害に伴うものは自治体で応急の措置をとっていい、あとからこっちへ報告してくれればいいという始末も起っておりまして、それは実情に合うように考えておるのでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿小委員 最後にもう一点伺っておきたいのですが、大体御答弁はきわめて合口理的正な御答弁でありますが、去年とことしの地方債のワクを比べてみると、大体去年よりことしは百五十億くらい減っておるようであります。その重圧はもう地方の各種の公共事業その他に大きなしわが寄っていることは御案内の通りです。私どもも山陰の小さな鳥取県におりますが、国の事業補助がきまる。ところが地方債が去年よりも百五十億も減っておるために実際起債がうまくいかない。結局補助の対象となってしまった事業が実施できないような実情になっているのです。そういった実情にありまして、全体としてやはりこの地方財政は非常に締めてある。いわんや再建法の適用を受けている地方自治体におきましては、今おっしゃったようにでき得る限りくぎづけになるような措置をとってありまして、今御答弁になったような趣旨が急速に徹底しないと、地方では萎縮したり、なかなか計画の変更というところにまではいかぬと思う。それでこれは一括して、今年の災害は冷害を含めて全国的なものでありますし、一々第何号台風、第何号台風、どの冷害、どの温害、どの風害ということを言っておってもしようがありませんから、本年度の災害対策について救農土木事業というような性格を持たして、全面的にその線に従って再建整備の適用を受けておる町村はもちろんのこと、その他のその適用すれすれのところで打撃を受けた町村に対しても、趣旨の徹底をはかってそういう趣旨で地方の財政ワクもこの際広げてやれるように、もう少し緩和をし、救農事業の性質にかなうような指導をされる必要がありはしないかと思うのですが、これはわれわれのやっておる九号、十二号の問題なら私はここまで多く言いませんが、当然これは次から次と問題が起きて、これを総合した場合には、もうそういう事態は現実に迫っておると私は思うのです。この前の東北の冷害の際あるいは関東の凍霜害の際のような事例より以上に深刻で規模は大きいのです。あの際も救農土木事業を起すことによって相当の成果が上っておるのです。ですからこの際はもうそういう措置に出るべきではないかと思う。それはやはり農林省なり建設省なり自治庁なりが、関係省の方へそれぞれ連絡をされて、自治庁が中心になられるかどうかよく存じませんが、この際そういう手を打ってもらいたいと私は思うのです。どういうものでしょうか。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 今救農土木事業の問題がお話に出たわけでございますが、これは特に北海道の冷害の実況のいかんによっては、積極的に問題を考えなくちゃいかぬ。これは結局既定の予算のワク内で始末がつくかつかぬかという問題になるのでございまして、予算の範囲内の執行ならば、私はそれぞれしかるべくやるだろうと思うが、それでないスケールのもので始末がつかぬということになれば、特別の措置をどうしても講ぜざるを得ないだろうと思います。そういうことになれば、自治庁も地方団体も財政を扱っておるわけでございますから、これは当然に地方の責任で始末のつく問題ではないのでありまして国の責任で問題を処理しなくちゃいかぬわけでございますので、そういう各省の仕事に応ずる受け入れの始末はこっちとしても当然考えなければいかぬ、基本的にはそういうふうに考えています。  それからなおその前に、つまり公共事業の執行が今度の起債の削減等で、自来困難になっておるのではないかという話が出ましたので、この点もいろいろ皆さんの方に御迷惑をかけておるかもしれませんから、実情だけを御報告申し上げたいと思います。起債は御承知の通り、ことしは減りました。それは御案内の通り、本来一般財源でやるべきものを全部起債へ起債へと従来押し込んできたために、今日の地方財政の窮迫を招いたのであります。それをできるだけ本筋に直したい。この際当然一般財源でやるべきものは一般財源でやり、起債でやるべきものは公営事業その他特別の仕事に原則として立ち返るという方向に持っていきたいというので、本年度の財政計画は一方で交付税をふやすとともに、起債のワクを減らしたのであります。交付税の配分につきましても、特に未開発、後進の地帯につきましては、積極的に仕事をやり得るように特別の措置をとりまして、そういう府県には交付税が相当多額に行くようにしたわけであります。そこで一般財源をからみ合せまして起債を配分いたしましたので、われわれといたしましては、普通の仕事はむしろ一般財源でやるという心組みを地方でも持ってもらいたい。公共事業といえばすぐ起債でやるのだという従来の考え方をやはりこの際一掃していかなかったら、当然健全な財政が運営できないと思うのであります。国自身も御承知の通り無債主義でやっているのでありますから、地方も大筋はそれに乗っかっていくような方向に持っていきたい。起債が減ったから当然公共事業ができぬじゃないかということにすぐなれば、地方の財政のあり方につきましても直ちに全部正しいということにはならないのでありまして、できるだけ一般財源に振りかえてやっていくという心組みを持っていただくことが基本的であろうと思います。それとともに従来の交付税のワクですぐできるかといえば、これは私も率直に申しまして、実は足らぬところがあると思うのでありまして、これにつきましてはなお自治庁に借りか、えというのがございまして、各府県が公債の償還に苦労しているので、その借りかえ債を実情に応じて配分すれば、それとともに特別交付税の問題も今後ありますし、全体としての見通しは、今各県の詳細な資・料をとってそのあとの借りかえ債の配分を早急にきめたいと思っておりますが、今までのところでは全体として借りかえ債を適当に配分すれば、おおむね公共事業は全体としては消化できるのじゃないか、こういう見通しをつけております。個々の府県では多少のでこぼこはあり得ると思いますけれども、全体としては問題なく事ができるだろう。その措置を早急にとりたい。それでかえって地方で誤解があってもいけませんし、せっかく努力をいたしておるわけであります。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 地方財政について自治庁長官の出席を求めたいと存じておりましたが、ここ二、三日の間は困難のようでありますから、財政部長にかわってお尋ねをいたします。先日災害に伴う地方財政の欠陥については財政課長にいろいろと質問をいたしましたが、再建団体に対しても、指定事業の七五%に押えるということではなくして支障なくやりたいというお答えがあったのであります。しかしこの災害に伴う地方財政については局部的ではありますけれども、その被害が大きいために、地方財政の大きな問題になっておりますので、この際足鹿委員の質問に関連してお尋ねをいたしたいと思います。再建団体に対しては、災害の場合は別ワクとするというお話でありますが、五カ年あるいは十カ年という期限内に再建しようという指定団体に対して、やはりそのきめられた期間内に災害があっても再建させねばならぬのが、私は再建特別措置法の趣旨ではないかと思うのであります。従って起債その他でやりましても地方債の償還がずっと延びるだけでありまして、そうなりますと期限内に再建することはできないのであります。そういうことをいろいろ考えて参りますと、どうしてもこの災害による公共土木事業、農林水産施設災害復旧などに対する地元負担あるいは県単事業については、私は国がこれを見る必要がありはしないかと思うのであります。聞くところによりますと、太田自治庁長官はそういう面については大丈夫国が引き受けるという太っ腹を見せられたということも私は承わっております。そういう意味で私はお尋ねいたしますが、国で地方負担を見るということを考えますならば、その見る方法は去る二十四国会で通りました特例法の国庫補助率を引き上げるという問題、これをさらに拡大いたしまして、今度の災害には特に修築改良工事と申しますかあるいは修築補強工事というものが非常に多いのであります。この修築改良工事あるいは補強工事というものの地元負担金は、大体半分であります。あるいは県単事業も非常に多いのであります。従って長崎県、佐賀県、鮮本県のごときは、地元負担額は相当巨額に上る見込みでございますので、そういう地元負担や県単事業の災害の負担については、国の補助率をうんと引き上げるか、あるいは特別交付税を全然別の方から持ってきて追加してもらうか私は二つに一つしかないと考えておるのであります。ただ特別交付税において考慮しようということでは、私どもは簡単に納得できないのでありまして、同じワクのうちからやりくり算段されただけでは、決して地方の交付税がふえるというわけには参っていないのであります。従ってどの道を自治庁はとられようとされるのか。近く開かれる臨時国会に提案されて、地元負担金あるいは災害関連事業などについての地元負担金については、補助率を九割か全額まで引き上げる御用意があるのか。あるいはその分を全然別の方面、予備費から交付税の方に持ってきて、そして特別交付税としてお流しになる御意思であるのか、その点を伺いたいと存じます。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 井手委員の今のお話の問題でございますが、これは再建団体に限る問題と非再建団体を通じて考えるべき問題とがやはり二つあろうと思います。現に先ほどの足鹿委員の鳥取県なども再建団体になっておらぬわけでございまして、そういうすれすれのところというか、そういうところも当然に考えなくてはならぬ問題でございます。それでございますから、これは基本的に災害につきましては相当高額の国庫負担をやっております。その国庫負担の特別の法律というものの範囲をさらに広げるか広げぬかという問題に基本的になろうと思うのでございます。小さなものは県単の仕事にもできます。それからなお災害に関連しての仕事は普通の補助金を取っているわけでございまして、そういうものにつきまして国として基本的にどういう態度をとっていくかということでこの問題を解決していくべきものでございまして、これは一つ基本的に国会の方の御検討並びに政府部内でも妥当な検討をするつもりでございますが、それとともに本年度内の始末をどうするか——今度の臨時国会で具体的にどういう措置をとるかということになれば、これは本年度内の具体的な始末の問題でございまして、具体的問題の始末につきましては、少くとも台風関係問題だけを前提にして考えれば、われわれといたしましては既定の交付税のワク、あるいは起債のワク内で始末がつくのではないかという見当をつけているのでございます。それでございますから、あとの北海道の冷害その他の今後の出方を見なくてはわかりませんが、今までの程度につきましては、従来の運用の方式を実情に合うように始末をすることによって、始末がつき得るというふうに存じているのでございます。それで再建団体につきましては、災害は従来の計画ではどうせこれは予想しておらぬ問題でございますから、災害に伴う最小限度の諸施策は当然やらなくてはならぬと思います。それにつきましては、必要なものは国庫負担で相当いけます。しかしあと足らぬものは、とりあえずのところはもちろん起債でやります。それから起債も元利は災害債につきましては、九五%まで交付税で見ておりまして、そういうようなことでやりますが、まあどうしてもやむを得ぬというようなものにつきましては、もちろん特別交付税の配分につきましても留意いたしますので、今年度の問題としては、今までのところは始末はつき得る、こういうのがわれわれの今の見当でございます。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 非常に親切な御答弁のようではありましたけれども、内容にはさっぱり新規なものはないようであります。始末をつけるとおっしゃいますけれども、借金の重圧に苦しんでおる再建団体の借金は一向減らぬのみか、かえって今度の災害でうんとふえて参るのであります。たとえば十カ年で再建をやろうという団体が、今度の災害だけについて考えても、私は一カ年か二カ年延びなくてはならぬと思うのです。借金がふえるから延びてくると思う。始末をつけるという意味ならば当然国庫の補助率を引き上げるか、あるいは別の方から特別交付税をそれに該当するものを持ってきて交付しなくては私は始末がつかぬと思う。あなたのおっしゃる始末とは、年限を延ばすことでございましょうか。将来その分を増税、首切りによって解決するお考えでございましょうか。そんなことではございませんでしょう。それではせっかくの再建団体の法の趣旨に沿わないと思いますが、いかがでございましょうか。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 これは結局個々の団体の具体的な計数の問題に帰着すると思うのでございますが、私が申し上げましたのは、井手委員もおっしゃいました通り、再建期間を延ばすことも考えておりませんし、それからその災害の始末を人員の整理とか何とかいうことによってつけるということも、もちろん全然考えておりません。災害は災害として始末をつけていく必要があろうと思います。でありますから、結局具体的の県、佐賀県なら佐賀県について今度起った災害による所要のケースの経費が具体的にどう処理できるか、こういう問題だろうと思います。それでございますから、われわれの今までの見通しでは、特別にこれがために補正予算を組んだりしてそういう始末をしなくても、既定のワク内におきまして佐賀県なら佐賀県だけの実情に合うようにはやっていけるだろう、こういうことを申し上げたのでございます。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 地方の実情に沿うような始末がつけられるということはどういうことでございましょうか。佐賀県、長崎県、熊本県などについて——おそらく佐賀県については地元負担一億円ぐらい要するのじゃないかと思う。長崎県はおそらく三倍ぐらいには上るだろうと思う。熊本県についても相当な金額が要ると思うのです。九五%はあとで交付税で見るとおっしゃいますけれども、それは県単事業には私はないだろうと思う。ところが災害が起きますと、十五万円以内とか十万円以内という小災害が非常に多いのであります。この工事をやる起債の負担というものは、将来地方公共団体にとって大きな重圧になってくると思うのです。だからもう少し具体的に、必ずやるという含みが別にあればいいのですけれども、増税はさせない、首切りもさせないで始末をつけるということは、地方債については今後、来年か再来年か知りませんけれども、国で見ようという基本方針があってのことでございましょうか。その点もう少し頭の悪い者にもわかりやすいようにお答え願いたいと思います。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 今のお話でございますが、その通りでございまして、ある程度地方債に再建はたよらざるを得ないと思います。その再建のための起債はここ数年後かにまた額がふえてくることも当然でありまして、それは結局将来の再建計画上、公債費というものを従来どう見積ってあるか、これにどういう影響がくるか、その影響がくるのを、一般財源の伸びによって、あるいはこちらのいろいろな特別交付税その他の算定によって、さばきがつくかつかぬか、こういう具体の問題だろうと思うのでございまして、われわれはそういう具体の問題として処理をいたしたいと考えておるわけでございます。公債費につきましては、何億か知りませんが、今度の災害に伴う公債費よりも、過去の公債費の重圧をどうするか、こういうことが実は最大の問題でございまして、まあ今お話になったような県もそうでしょうが、毎年々々一億以上の公債費がふえていくというところが現にあるわけでございまして、この問題は全国的に根本的に解決つけなかったら、地方財政はにっちもさっちもいかなくなる、これは明白だと思うのでございます。それで自治庁といたしましても、過去の公債費に対する始末を、ぜひ明年度において解決いたしたいというのが念願でございます。結局過去の公債費というのは、本来公共事業等で むしろ一般財源でやるべきものを無理に借金でやった、そのしりが来ておるわけでございまして、これにつきまして利子補給その他必要なら元利補給ということも考えて、ぜひ公債費問題を根本的に解決をいたしたい。この解決をはからなかったら、とうてい地方財政の立て直りはできないというのがわれわれの考え方でございます。それで自治庁といたしましては、そういう基本的な考え方で、ほんとうに残された問題は公債費問題でございまして、これにつきましてはいろいろ反対の理屈もたくさんございます。単に金の問題だけでなしに、理屈からいっても反対の理屈もたくさんあるのでございます。そういう反対論も克服してこの問題を解決するためには、相当大きく問題を考えて、政治的にもケリをつけなくちゃ始末がつかぬだろうとおもいまして、これにつきましては、われわれもあらゆる努力を尽したい考えでございます。皆さんにおかれましても一つ十分御協力をお願いしたい、こういうふうに思います。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 地方財政が公債費償環問題の一点にかかっていることは十分承知をいたしております。もうこれは早期に解決しなくてはならぬ大きな問題でございます。それを災害の方も何もかもこれにひっかけて解決するというお考えのようですが、今後も起るであろう災害の問題、再建のワク外になっている災害の問題については別個にお考えにならなくては、過去の公債費の解決だけでは私は解決にならぬと思います。また新たな災害の問題が出てくると思う。それはおわかりだろうと思います。過去のものについては一大英断をもってやりますならば解決するかもしれませんが、すでに起りつつある災害の問題は解決いたしません。従って、今度の九号、十二号台風を機会に再建の別ワクになっている災害に対する起債、地元の負担について別途にお考えになる必要がありはしないかと考える。だからそういう意味でお尋ねしているわけであります。先ほど来今年は別に特別な措置をしなくてもまかないがつくとおっしゃいますが、それは地方債にぶっかけてしまっておやりになるお考えだと思う。しかしそれでは解決ができないと思う。従って、関連事業の多い小災害については地元負担を十分お考えになって特別交付税を予備費から持ってきて交付なさる御意思か、あるいは特例法を拡充して国庫補助率を引き上げられる努力が必要だと考えておりますが、重ねてその点をお尋ねいたしたいと思います。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 井手委員のおっしゃいに伴う国庫負担の問題は別の問題として検討すべきものでございます。これは再建団体だけの問題ではない。要するに災害に伴う国庫負担というものはどの程度まで拡充すべきか、こういうことだろうと思うのであります。それにつきまして、われわれといたしましても、現在の制度について百パーセントよいという考えは必ずしも持っておりません。特に単独事業等の扱い、あるいは災害の関連事業と申しますか、そういうものの扱いにつきましては、なお検討しなければ、一般の災害団体全体としてあといろいろ問題があることであります。これも個々の災害の分量と申しますか、被害の程度ともからみ合ってくる問題でございますが、これは災害対策全般の制度としても検討すべき問題があろうと思います。これにつきましては、われわれとしてもなお研究を進め、各方面とも協議を進めて参りたい、こういうふうに存じております。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 今のような御答弁でありますと引きさがりよいのですが、先刻のように、今のやり方でまかないがつくというのでは困ると思って繰り返し申し上げたわけであります。それでは国庫補助率の引き上げか、あるいはそういう被害を受けた地方公共団体、特に再建団体には全然別から特別交付税を持ってきて交付なさるお考えかどれかを真剣に御検討なさる御用意があるかどうか、最後にこの点だけ承わっておきたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 特別交付税の別ワクか負担率の引き上げか、こういう問題でございますが、特別交付税の別ワクという考え方はもちろんありようがないのでございますし、交付税のワクでどうやるかという問題だろうと思います。ただ問題は、結局災害に伴う国庫負担制度を基本的にどうするか、こういう問題が一つと、もう一つ、たとえば災害に伴う起債につきまして特別立法でもやって、特別立法による起債については元利補給をやるか、こういう問題がいろいろあり得るのでございます。それは結局全般の問題としてどう考えるという大きな問題とともに、個々の府県の問題として今度の災害を前提としてさばきがつくかつかぬか、私は両方の問題があろうと思うのであります。それで基本的な制度の問題といたしましても、なお考えるべき問題があります。こういう問題は、特例々々でやっていくというやり方自体がやはりおかしいのでありまして、やはり災害制度は災害制度として基本的なものとして確立すべきだと思っておるのであります。そうした一貫した国の政策が立ってそれでやっていかなければ、個々の災害について一々ああだ、こうだと言っておっては、基本的な対策はなかなか立つはずはないのだ、こういう意味で、われわれといたしましても基本的に研究をいたしたい。目の前にあるものは、もちろん幸いにしてそれほどでもなかったという前提もございまして十分に実情に合うように考えたい、こういうのが私の気持でありますから、基本的な制度につきましては、これはわれわれといたしましてもなお検討したい。特にこれは災害だけでなく、公共事業の国庫負担全般につきましてもやはり問題があるのでございまして、そういうものもひっくるめてぜひこれは研究を進めていきたいと存じておるのでございます。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 最後にどうも奥歯に物のはさまったお答えでございます。基本的な問題は十分考えるけれども、今年の当面の問題については、何とかまかないをつけたいと、どうもうまく逃げられたようなかっこうですが、私はくどくど申しませんけれども、長崎県、佐賀県、熊本県あるいは鹿児島などという地帯、鳥取県も同様でありますが非常に困っておるのですよ。指定を受けた団体はぎゅうぎゅういっているのです。それは知事会からもおそらく御相談があっておるだろうと思うのですが、どうしてもやはり特別交付税の今の一定のワクの中で操作されたのでは、あまりありがた味がないのであります。その点についてはいま少し災害の実情をよく御調査になってこの上借金を背負ったのではどうにもなりませんから、今度の分についても御考慮をいただくように要望いたしまして質問を打ち切ります。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 どうも部長と井手君の話を聞いておりますと、回りくどいように思うので、私は事直に一つお伺いしたい。今の部長のお話は、再建団体の基本的な再建の問題に触れておるのでお尋ねいたしますが、井手君の言うのは、今度の災害で県負担分が再建団体はふえる。それだけが非常に大きなこぶになってくるわけです。現在の再建計画というものはすでに認可されて指定を受けておる。それと別に今度は災害の方の負担がふえてくるのだから、従ってズレてくるのではないか、こう井手君は言っておるのだと思う。部長の今の話では、問題点はやはり起債にある。要するに地方債をうんとかかえて、それの償還に困っておるというところに問題点があるから、これを根本的に自治庁としては検討して直していく。そうしてくると、今度の分に対しては特別交付税なりあるいは特別交付金なりその他でも手は打つが、基本的な面で是正されてくるから、その中で計画通りまかなえるのだ、こういうことになる、そういうふうにお開きしたのですが、ちょっと念を押しておきますがそうですが。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 これは個々の再建団体の計画の問題になれば、個々の団体の計画の中で具体的の数字の問題になるだろうと思います。だからそいつは災害の規模にもよりますし、それによってやる起債の措置にもよりますし、それからまた一般財源の今後の伸びにもよります。それですから今直ちにこの程度の災害で従来の計画がとても動きのつかぬようになるかといえば、われわれはそうでないだろうという一応の見当でそれは申し上げたわけであります。あとはこの辺の計画変更の相談によりまして、問題を具体的に進めたいと思っておるわけでございます。それとともにかりにそれのさばきがつきましても、問題といたしましては過去の公債の問題が非常に大きくのしかかっておりまして、現在の再建計画でさえもほっておいては一体動きがつくかという、実は基本問題があるわけでございます。この問題はどうしても別途さばきをつけなければいかぬだろう、こういうことを申し上げたのであります。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 それであなたのおっしゃることはわかるわけだけれども、今の問題だけでは解決つかぬ。基本的に地方財政の再建というものは過去の債券の面を何とかしなければならぬのだ、そうおっしゃるわけだ。それをしなければならないのでしょう。それをするというお気持があるわけですね。だからそうおっしゃったのでしょう。そこのところはどうです。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 ぜひ自治庁としてはその問題を解決いたしたい、そういうつもりでございます。これはぜひ御協力をお願いいたしたいと思っております。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 ちょっと私は申し落しておりましたので、もう一点自治庁に参考に申し上げておきたいと思いますが、今度の災害は海岸堤防・海岸線の決壊が非常にひどいのでありまして従来のように三、五、二の比率を三カ年でやっておくといっても、七年も八年もかかってやっておるのでは困る。これは単年度でやってもらいたいという要望が非常に強いのでありまして、地元市町村としては金をどうかしてでもやはり単年度、少くとも来年の夏ごろまでには仕上げなくちゃならぬ工事が非常に多いのであります。直接の施設災害復旧ばかりではなくして関連事業あるいは地方災などについてはやらなくてはならぬのであります。そういう時期に地元の負担をどうするかということがあるわけですから、今までの災害ではなくして、特に単年度で復旧しなければならぬ地方財政の問題を特に御考慮を願っておきたいと思います。  次に林野庁にお伺いをいたします。今度の九号、十二号の台風による被害、幸いにして豪雨を伴わなかったために、被害を一部地域を除いて最小限度に食いとめることができたわけでありますが、なおやはり一部には豪雨を伴いまして、林地の荒廃が非常にひどいようであります。特に本日お尋ねしたいと思いますことは、いわゆる地すべりの問題であります。長崎県の世知原地区、佐賀県におきまする伊万里市東山代、南波多、大川地区、いろいろ様相はそれぞれ地区によって異なっておりますけれども、人家の被害あるいは住民の被害、死亡等、相当ひどいのがあるのであります。特にひどいのは長崎県の世知原であります。この長崎県、佐賀県にわたる玄海に面する地区は御承知の通り第三紀成層と申しますか、地すべりを起しやすい地層でありましてすみやかにこれが予防措置を講じなくてはならぬことは各方面で強調されておるところでありますが、残念ながらその措置が十分でないために再び今回の災害を起しました。これに付する林野庁の災害復旧に関する御方針を承わりたいと存じます。

仰木重藏農林技官(林野庁指導部長)

○仰木説明員 御指摘のように長崎、佐賀等においては地すべりが起きておりますが、これらについては現地調査をいたしまして、今それぞれ対策を立てております。なおこの問題につきましては農地等との関係もありましてこれらとの関連を十分織り込みました対策を立てていきたい、かように考えております。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 もちろんおっしゃる通りに農地あるいは建設両面に関連があると思いますが、やはりあなたの方の関連は、どれ一つとして組まれたものがないのでございまして、それでお尋ねをいたしますが、世知原とか伊万里市地区における復旧対策は、どこが主管でやっておられるのか、また災害復旧をおやりになる場合にはどういう補助率をもっておやりになるのか、あるいは今後の災害防除の設備をどうお考えになっておるか、この点をあわせて承わりたいと存じます。

仰木重藏農林技官(林野庁指導部長)

○仰木説明員 一般の民有地につきましては、県の林務部でやっております。それで補助率は大体三分の二であります。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 そういたしますと、私が例をあげて申しました地区は、世知原地区も、伊万里市の各地区においても、全部そのような三分の二の補助率をもって実施なさるわけでございますか。

仰木重藏農林技官(林野庁指導部長)

○仰木説明員 今の率でやります。なお再建整備の該当県につきましては、二割増しの率であります。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 重ねてもう一ぺんお尋ねいたしますが、世知原地区も伊万里市市内の各地区も、それは何という名称でしょうか。山地荒廃復旧事業と申しますか何と申しますか知りませんが 全部その事業は三分の二の補助率をもっておやりになるのでございますか。主管省はどこになっておるのでございますか。

仰木重藏農林技官(林野庁指導部長)

○仰木説明員 地すべり防止施設という建前になっております。主管は林務課でやります。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 地すべり防止施設と申しますと、農地が埋没し道路が埋没したようなところは、それを排除する工事を含めたものでございますか。あるいはため池の問題、人家の問題、いろいろと要素が異なっておると思いますが、そういったものもすべて含めて、災害の土砂の排除あるいは防除の施設を含めたものを林務課で総合的に扱っておるのでございますか。

仰木重藏農林技官(林野庁指導部長)

○仰木説明員 林務で担当いたしておりますものは山地の問題だけでありますので、冒頭に申し上げましたように、それらのほかの問題とは密接に連絡をとって実施しなければならぬ、かように考えております。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 私は今までの御答弁では全部あなたの方が、主管ではなくしても共管みたいなことでおやりになっておるかと思いましたが、ただいまの御答弁では林務関係だけではというお言葉がありましたが、それでは世知原地区あるいは佐賀県伊万里市の東山代地区、大川地区、南波多地区はあなたの方の主管でございますか、どこの主管でございましょうか。

仰木重藏農林技官(林野庁指導部長)

○仰木説明員 長崎県の世知原ではわれわれの調査によりますと、大体三十町歩地すべりの対象地区がありますが、そのうち山林は五町歩ということになっております。なお国有林が非常に少いですけれども五段歩ありますが、この山林についてわれわれの方では対策をとっておる工事を施工する、かようなことになっております。佐賀県の分は今手元にちょっと資料を持ち合せませんが、現在対策を樹立いたしております。

中村英男日本社会党

○中村(英)小委員 今度の災害で施設災害があったところは、これは生活資金の獲得のためにそれぞれ公共事業があるわけですが、農作物の災害のところは現金収入がなくて因っておる。これは救農土木を起してこの点についても自治庁はいろいろ協力しようという御答弁でしたが、例の海岸砂防、これはあなたの方の所管ですね。

仰木重藏農林技官(林野庁指導部長)

○仰木説明員 そうです。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 海岸砂防で継続事業をやっておるが、繰り上げ施工をしてもらうと特に救農土木は起さなくてもいけるという地帯があると思うのです。これはもうすでに予算の配分がきまって、来年度分をことし繰り上げ施工するわけにはいきませんか。

仰木重藏農林技官(林野庁指導部長)

○仰木説明員 来年度分をことし繰り上げ施工することはちょっとむずかしい点がございます。

中村英男日本社会党

○中村(英)小委員 そうすると、これは起債を起してことしやっておいて、来年の調整でそれを穴埋めしていくというわけにはいきませんか。

仰木重藏農林技官(林野庁指導部長)

○仰木説明員 その点は可能だと思います。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 茅野治山課長に委員長からお尋ねしますが、治山事業として建設省と関係があるでしょうが、実は地すべり対策については役所の間で非常な不徹底な御意見で、大蔵省とあなた方と建設省とはどうも話がうまくいかないで、多くのことを地すべりについては投げやりにしておる。これを治山で取り扱うよりほかになかろうということで、治山で間に合わせたところが多いようです。世知原のようなのは治山で何とかやられませんか。

茅野一男農林技官(林野庁指導部治山課長)

○茅野説明員 世知原の方は先般来建設省それから農地の方の出先機関と林務課と三者が現地を調査いたしました結果、やはり原因が下部地帯の家屋のあります方の地帯が原因となって地すべりしつつあるものでありますから、建設省が主体になりまして計画いたしまして、農地それに合体し、林務もそれに合体して総合的な計画を立てまして実施をするということに世知原の場合は決定いたしたようでございます。それに対しまして私の方では県が実施いたします場合には優先的に災害復旧の補助金をつけようということにいたしております。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 それでは委員長からもう一ぺん茅野治山課長にお尋ねしますが、これはあなたの交渉をされた範囲に属することで専管には属しないかもしれぬが、どうも地すべりの原因対策について諸種の議論が生まれて統一がつかない。そのためにどうも大蔵省はうまいことだというようなことで予算を組まないという事態が現に二十八年災害に生まれたようです。あの問題は大体役所間で、地すべりに対する理論的な問題、実際上決定される原因とみられるもの、それからこれに対応する対策というもの、この両面が一致しておりますかどうか。

茅野一男農林技官(林野庁指導部治山課長)

○茅野説明員 地すべりの対策をいたしますのは、主管が建設省と農地と私の方と、おもなものは三つでございますが、農地の地すべりを起す場合、それから林地の地すべりを起す場合には大体原因は同じでございますけれども、その場所々々によりまして非常に技術的に見まして違う場合が多うございます。たとえば世知原のようにため池があったためにそれが漏水しまして大きな災害が起るという場合がございますし、それから単なる雨で上層の土壌と地下の岩盤の間を水が常時流れるために災害を起す場合がございます。いろいろ検討されておりますけれども、今、山の方の場合を申しますと、大体地下水を少しでも早く抜くというような脱水工事をいたしますと割合に効果を上げておりますものですから、そういうような技術的な方式をもってやっております。それから建設の方では、なおそれで足りない場合には、いろいろくいを打ったりいろいろな施設をいたしまして、いろいろな方法を用いまして地すべりを防止しておるようでございますが、建設省の方と私の方と農地といろいろ御相談いたしまして、技術的な検討をしながら仕事を進めているというような状況でございます。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 大体今までの経過から見ると、林野庁が一番よくやっておる。その次は農地がよくやっておる。建設省は、ほとんど地すべりについては砂防工事だとして、砂防工事の予算の一部を取って間に合わせておる。そのために勢い地すべりの予算はほとんど流れてしまっておる。地すべりに対する対策は非常に姑息である。これは公平に言って林野庁が一番よくやっておる。次に農地がいい。それから建設省が一番悪い。いつかぼくはここで徳草木に及んで人畜に及ばずという悪政ではないかということを主管課長に託したことがあるのですが、これはあなたの方は専管ではないけれども、よく注意していただきたいと思います。  それでは暫時休憩いたしまして懇談会に移します。    午前十一時五十三分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕

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