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24回国会衆議院1956/09/10

農林水産委員会台風等による農林漁業災害に関する小委員会 第2号

発言数
75
登壇者
17
会派数
2
開催日
1956/09/10

会議録

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 昨日に引き続きまして農林水産委員会台風等による農林漁業災害に関する小委員会を開会いたし、調査を進めることにいたします。質疑の通告がありますので、まずこれを許します。田口委員。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 この小委員会は第九号台風に対する被害対策を講じておったわけでございますが、その途中において第十二号台風が出現をいたしたのでございます。まだ詳細はわかりませんけれども、九号台風以上の台風である、こういうようにラジオ放送その他で承知をしておるわけでございますが、九号台風は特徴といたしまして大体海岸地帯が、堤防にいたしましても、あるいは漁港、港湾にいたしましても、漁船あるいは漁具方面の損害にいたしましても、非常に大きかったのでございまして、この方面を主としてわれわれは考えておったのでございますが、今回の十二号台風はちょうど稲の開花期でもございますし、その方面の被害が非常に大きいことと、それから海岸堤防その他が九号台風で著しく弱体化されておる、そこに今回の台風でございますから、この方面の被害も相当甚大であるやに考えるのでございます。従ってこの九号台風と十二号台風との関連でございますが、損害を受けておる種類によりましては、九号と十二号と不可分の関係にある、おそらく九号の査定をされておられるものも新たに十二号台風と関連した査定に変わるようなことになるとは思いますけれども、しかしまた損害を受けておるほかの方面を考えてみますると、九号台風によって船あるいは漁具をなくしておる連中は、今仕事も何もできないで生活に苦しむという状態になっておるのでございますから、この九号と十二号全体の災害関係の結論が出るまで九号台風の被害者に対して待たせるということができないような、さような方面も非常にたくさんあると思うのでございます。こういう点から考えまして、私は公共事業その他のものにつきましては、これは九号と十二号と総合いたしまして災害対策を立てる、漁船その他の直ちに着手しなければならぬ、こういう問題につきましては、つなぎ融資を至急支出になりまして、そうして直ちに仕事に着手ができるというような処置を講ずることがこの際きわめて必要でないか、こういうふうに考える次第でございますが、この点につきまして大蔵省及び農林省におきましてはどういうお考えでございますか、御意向をお伺いいたしたいと思うのであります。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 しばしば災害の惨禍に見舞われましたこの方々には深く御同情を申し上げる次第でございます。おっしゃるように十二号台風、これはまだ実際の被害の実情が私どもの手元で全然わかっておりません。至急実情を調査いたしまして、できるだけ早く対策を講じなければならぬと思いますが、公共土木施設関係の被害につきましては、やはりお話のように同じところをやられておるというような問題もございましょうし、十二号の状況もつぶさに検討いたしました上でないと、金額が固まってこないという関係になろうと思いますが、その他の問題、十二号と無関係に処置ができる事項につきましては、できるだけ早く処置をして参ることにつきましては私どもも同感でございます。  例としてお示しのありました漁船等の関係、これは農林漁業金融公庫等の資金関係がどうなっておりますか、ただいま私つまびらかにいたしておりませんが、できるものはできるだけ早く処置をして参りたいと思います。御意見につきましては私どもも同感でございます。

和田正明農林事務官(農林経済局金融課長)

○和田説明員 私からお答えを申し上げます。今大蔵省の方から御答弁がございましたように、田口委員の御指摘ございました漁船漁具につきましては、公庫融資の方で十二号と無関係に処理ができますので、申請の出次第融資をして参りたい、かように考えております。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 至急処置を要する問題につきましては、公庫融資その他によって至急処置をする、こういうようなお話でございますが、こういうような処置をする必要のある、現在農林省に集まっておりますところのつなぎ融資の申し込み金額はどの程度になっておりますか、その点お伺いいたします。

和田正明農林事務官(農林経済局金融課長)

○和田説明員 現在各県に連絡をいたしまして、融資希望額と被害の基礎数字をとっておりますけれども、現在まだ三分の一程度の県しか集まっておりませんので、全体の総数ははっきりいたしておりませんけれども、出てきたところから処置をするようにしたい、かように考えております。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 つなぎ融資の処置をされる場合、前当小委員会で申し上げましたように、今回の、ことに水産関係におきましては、零細漁業者の漁船の流失沈没あるいは漁具をなくした、そういうようなことが非常に大多数を占めておるのでございまして、かかる点から申してこの零細漁業者に対しましては、一日も早く船を作り、漁具を供給する、こういうようなことで生活させるよりほかに道がないようでございますから、きわめて急ぐ必要がある、こう考えるわけでございますが、この申請の出ておる部分につきましては、さような処置が一体いつごろまでにできるお見込みでございますか。おおよその見当でよろしゅうございますから、一つお知らせを願いたいと思います。

和田正明農林事務官(農林経済局金融課長)

○和田説明員 正式に金融機関を通して申請書が出て参りますから、そのつどできるだけ早く処理をいたしますけれども。いつごろというふうにおっしゃられましても、金融機関の審査その他でいつごろ申請書が上へ上ってくるかちょっとわかりませんので、何月の何日ごろまでというはっきりしたお答えはできませんが、申請の上り次第なるべく早く処理をするようにいたします。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 その点は了承をいたしたのでございますが、この種の申請につきまして、当委員会あるいはたとえば中央の農林金融公庫あるいは中金、こういう方面では貸そうと思っておられるにかかわらず、書類が中央まで上ってくることがどうもむずかしいために、とかく実際の融資は所要額の何分の一、こういうようなことで終りますために、漁業者なんかの立場からいたしますと、どうしても漁船は作らなければならぬ、やむを得ないから町の高利の金を借りてでもみんなが作ってしまう、この金利の重圧のためにその後ずっと困る、こういうようなことを繰り返しておることが今日までの実際のようでございます。この点につきましてちょうど、大部分の漁業者が窓口金融機関としては農中を使う関係もございますし、楠見理事長がここにおいでになっておるようでございますから、中央と地方との連絡、金融機関の立場からいたしますと多少無理な点もあると思うのでございますけれども、しかし中金の第一線があまりに金融機関のみの観点から書類を見ますために、その書類がなかなか中央まで上ってこない、これが普通の状態でございます。この点、理事長から支所に対しまして、こういう災害の場合はある程度大目に、という言葉は当らないかもしれませんけれども、同情的な見方で中央に書類を送達する、こういうことを厳重に御指示願えませんかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 速記を始めて。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 山添総裁にお伺いいたしたいと思うのでございますが、この公庫融資で現在漁船のワクがどの程度に残っておるかという問題が一つと、それから今公庫の漁網に対する融資は化繊に限られておるようでございますが、主務大臣の指定に綿漁網ということを入れたらどうかと思いますが、この方面の資金ワクの関係を一つお伺いいたしたいのであります。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○山添説明員 災害に関する漁船漁具のワクは、主務大臣指定災害として三億、これはすべて他のものも含んでおりますが、計上をいたしておるのでありまして、当面それから出していくつもりでございます。これは本年はまだ使っておりません。この災害に関しましては、漁網におきましてもあえて化繊の漁網と限る必要はないのでございまして、その他のものでもけっこうでございます。化繊と限定しておりますのは、これは別のワクから出しておるものであります。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 森永主計局長にお伺いいたしますが、いずれにいたしましても、このつなぎ融資その他の金の問題が非常に急ぐわけでございますが、今予備費としては相当金額が残っておると思いますが、どの程度に使い残しの予備費がありますか。あわせて、やむを得ないこういう関係については、結局予備費の流用という形で処置してもらうよりほかに方法はないと思いますが、この点について現在の状態をお伺いいたしたいと思います。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森末説明員 ただいま問題になっておりました漁船関係の融資、これはつなぎ融資ということでありましたが、つなぎ融資ではないわけでございまして、むしろ各金融機関からの本来の融資になるわけでございます。その方の資金のワクは、農林漁業金融公庫には漁船関係あるいは災害関係というようなことでワクが設けられておりまして、それが今日どの程度使われておるか、私ちょっとつまびらかにいたしておりませんが、この方の問題になるだろうと思います。  それからお尋ねのありました予備費総額は八十億ありまして、大体の見込みとして五十億くらいを災害関係の予備費、三十億を一般の予備費というふうに考えて予算を御承認いただいておるわけであります。この全体の八十億のうちで今日までに支出をいたしました金額は、大体十五億くらいで、六十五億くらい使用残がある。今までに決定いたしました災害関係のものは、大体六億くらいでありまして、五十億といたしますと、使い残りが四十四億になります。ただし今日までにすでに災害の起りましたもので目下査定の進行中のものももちろん相当ございますので、それらを集計いたしました場合、すでにイヤマーク済みのものが出ました場合にどのくらいになるか、これは今のところちょっとはっきり見当がついておりませんが、いずれにしましてもまだ相当使用残があるというふうにお考えいただいてけっこうだと思います。

稲富稜人日本社会党

○稲富小委員 森永主計局長並びに農林省に、ただいまの田口委員の質問に関連いたしまして、つなぎ融資の問題でお尋ねいたしたいと思います。  第九号台風というものが相当な被害を与えましたことは、現地調査の報告なり、あるいは一昨日の当委員会での質疑等によって政府当局に十分おわかりだろうと思うのであります。第九号台風そのものにも今日融資の問題を当然考慮しなければいけないということは、政府当局も考えられておることだと思うのでありますが、さらに今月十二号台風が襲ってきておる。しかも本日のラジオ新聞等を見ますと、十二号台風は九号台風よりももっと広範囲な、もっと大きな被害を与えるという状態に置かれておるのでありまして、しかも九号台風で被害を受けた個所が今度はさらに十二号台風によって被害をこうむっておる、しかもこれが大きくこうむっておる、こういう状態になっておると思う。ところが先刻森永主計局長のお話を聞きますと、この九号台風に対する被害の融資に対しては十二号台風の調査を待って考慮するというような御答弁があったようでございますが、もちろん九号台風の被害の対策は十二号台風の結果を見て、それと同時に根本的な対策をやることも、これはやむを得ないと思うのであります。しかしながら今日から十二号台風の調査を待って融資を考えておるということになりますと、九号台風で被害をこうむったものは、期間的に非常に苦しい時期を費やさなければいけないことになってくるわけです。それでとりあえず、九号台風に対しては、つなぎ融資の方法をもって時期的に何とかこれに対処していく、そうして十二号台風の結果を見て、これに対して考慮する、こういうことならともかくも、九号台風の被害をそのまま放任しておいて十二号台風の被害とともにやるということは、これは九号台風の被害者に対してあまりにも酷ではないか、これに対してどういう考えがあるか、その点を承わっておきたいと思います。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森末説明員 九号台風でやられておったところへさらに十二号台風が起ってきて、たとえば同じ個所がさらにやられたというものについては、当然十二号の方も調査をしないと完全な対策ができないわけでございまして、そういう意味で申し上げたのですが、緊急を要するものにつきましては、従来預金部資金からつなぎ融資をいたして参っております。九月五日現在ですでにつなぎ融資を見ましたものが、対象になる工事約四億に対しまして約一億ぐらいをつなぎ融資として出しております。これは一部分でございまして、目下調査中のところが相当ございますので、まだこれは明日、明後日という工合になりますと、またふえていくわけでありますが、その方の緊急を要する部面に対するつなぎ融資を、十二号台風があるからといって、いたずらにそれを遷延するということは毛頭考えておりませんから、この点は御安心いただきたいと思います。

稲富稜人日本社会党

○稲富小委員 それは一応わかります。それで私は政府に、あなた方に一つ言明していただきたいと思うことは、九号台風に対して当然融資をやらなければいけない点があるのだから、これに対してはすみやかに一つ十二号台風の結末を待つ前に、つなぎ融資の方途を講ずるということを決意していただきたい、このことなのであります。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 つなぎ融資は、補助金がいずれ出るまでに緊急に工事をしなければならぬ、たとえば潮どめをするとか、仮橋をかけるとかそういう要請がございますので、それに対して一定の基準をもちましてつなぎ融資をいたすことにいたしておるわけでございますが、これはその基準に照らしまて緊急に措置しなければならぬものにつきましては、私どももできるだけ緊急に措置をしたい。目下たとえば佐賀、長崎等につきましてはすでに一部出ておりますが、その他の県、あるいはこれらの県につきましてもさらにいろいろ追加の問題もございましょう、これらの点につきましては、目下地方機関も動員いたしまして調査をいたしておるところでございます。調査の完了し次第、できるだけ早く出すということにつきましては、そのつもりでおりますから、御了承願います。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 この中央で決定をいたしまして、末梢に金が通じない、この問題につきまして先ほど農中理事長に御配慮を煩わしたのでございますが、いま一つの原因は、この小さい漁業者が金を借りるということに対しまして、金融機関としても一人々々を相手にして融資をするということは実際においてできないと思います。今回の災害に対しまして、これらの融資を末梢まで徹底させるためには、ここに新しく一つ構想を練らなければならぬ、こういうふうに考えまして、どう考えましても零細漁業者が一人々々で金融機関と相手になるということはできないのでございますら、これは漁業協合組合に借りさせて、組合から転貸をさせる。また協同組合で力のない協同組合の場合におきましては、市町村で保証をする、こういうようなことでもしなければ実際に漁業者に金が達しないのじゃないか、こういうふうに考えるのでありますが、この点について水産庁長官は何か構想を練っておられるかどうか、どういう処置をされるつもりか、御意見を伺いたい。

岡井正男水産庁長官

○岡井説明員 ただいまの田口小委員の御質問ですが、お説のように金融ベースに乗りにくいというような業者につきましては、やはり地元の漁業協同組合の転貸方式でいくということが、金融関係から見ても、借りる業者の方からいいましても一番けっこうだと思います。ただ受信力を高める便宜上から、地方の市町村の方から何らかそれに対して裏打ちをするということは、行政指導としては好ましいとは思いますが、それぞれ地元にけおる議会の関係もありしょうので、その点をどういうふうに持っていくかということは、気持としてはお説の通りでございますが、ただいま具体的な案としてはまだ私の方に持ち合せございません。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 非常に金融の対象としてはむずかしい連中でございますけれども、とにかくいかなる者にでも生産設備を与えなければ、生活の道のない連中でございまして、今日までの災害で中央でいろんなことを決定いたしましても、末梢にはさっぱり金が回らない。この原因は受け入れ態勢の方でも不十分である点もありましたし、また金融機関その他でももう少し血の通った処置をしてもらったら、こういうことにはならなかったろうというふうに考えられる節も相当あるのでございますから、この点は一つ役所としても、金融機関としても、ほんとうに同情的に何とか処置しなければいけない問題だ。相手にするのにはむずかしい連中だから相手にしないということでは済まないことでございますから、特にお願いをいたしておく次第でございます。どうかつなぎ融資だけ一つできるだけ早く出るような処置を講じられるように要望しておきます。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 石坂小委員。

石坂繁自由民主党

○石坂小委員 私は自作農維持創設資金融通について、台風九号と関連してお伺いいたしたいのですが、私はこの制度は大へんいい制度だと思っております。しかるに従来の融資の金額というものが、実は地方の希望に比較いたしますと大へんに少いのであります。一例を私の県の熊本県にとってみますと、昭和三十年度の希望者は六百八十名であります。そのうちに決定いたしましたのが三百四十四名、なお貸付の未決定者が三百三十四名残っております。二人だけ辞退いたしましたけれども、三百三十四名がまだ残っておるような状況であります。それで昭和三十一年度のワクは、私の承知しておる範囲では二十五億円ということでありますが、「公庫月報」の六月号によりますと十六億二千二百万円だけすでに決定いたしております。あと九億円だけ残っておるわけでありますが、今回の台風九号によりまして、なおそのために希望を申し出ておる県、従いましてその金額というものも相当に上っておると思います。一昨日の安田局長のお話と、農林省から配付された資料によりますと、北海道外七県、合計約五億円の下半期の追加増ワクの希望があるということが出ております。ところが私の調査いたしておるところによりますと、とうていこの五億円だけではきかないのであります。なお申し出をしておる個所も北海道外十三府県からありまして、その合計は十八億八千二百万円になっておるようであります。そういたしますと本年度の残りのワク九億円の大体二倍になっておるようでありますが、罹災府県といたしましては、この別ワクをもって災害者に対する資金の融通をしていただきたい、こういう希望が大へん強いのであります。もっともな希望であると思いますが、これにつきまして関係当局におかれましては、ただいまどういう考えをもってこれに対処しようとしておられるのか、それを伺っておきたいと思います。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田説明員 御指摘の問題は、昨日及び一昨日同種の御質問がございましたときにお答え申し上げました通り、本年度の農林漁業公庫に預かってある自作農資金のワクは、前国会で年間分御承認をいただきました二十五億であります。昨年以前の例にならいまして、年の前半、年の後半とに分けて県別の割当をいたすことにいたしまして、前半といたしましては、本年は緊急を要してワクが足りない性質のものであるから、半分でなしに十六億まずやる。後半年という分で手続をとるものが九億という意味である。しかし御指摘のような事情でございまして、前半年は過ぎた時期でございますので、九億につきましては、災害に対する部分、正確に言いますと、災害を受けたために農地を手放さなければならないような経済状態にある自作農に対しまして、残りの九億の全国都道府県別配分の中に、被害県の被害状況を、前年度等を加味しまして、配分を早急にいたしたいと思っております。  なお御指摘のように、本来この資金は、災害がなくても需要に満たざることはなはだしいものでございますので、来年度はなお一そうのワクの拡大をはかりたいと申し上げたのは、すでにお答え申し上げた通りでありますが、とりあえず本年度の問題としては、農林漁業公庫の二百九十億のワクは、計画としてはそのままにすべきものであって、繰り上げ償還その他の処置で、資金に弾力性がある分の一部をこれに充当してもらう方式のもとに、九億以上に若干の部分をつけ加える、と申しますのは、自作農維持資金というのは、本来災害に対する金融そのものではございませんので、融資すべき事項のうちの一事項として、災害を受けたために農地を手放すほどの困窮状態にある最下層をねらった融資でございます。そういう農家を県別にワクの中で優先せしめるようにという農林省の方針を末端まで徹底したいと思っております。

石坂繁自由民主党

○石坂小委員 ただいまの安田局長の御答弁を伺いまして、私も大へん力強く感じますが、元来今のお話のように、最下層の農家を対象として融資したい、大へんけっこうなことであります。この零細農に対する農業政策というものを今後力強く取り上げなければならないと存じますが、これは別途に論じます。ところで一昨日配布を受けました資料によりましても、三十年度の回収実績は予定額よりもはるかに上回りまして、八十五億五千三百万円ということになっております。こういう事情がありますので、できるだけ今回災害を受けました地域、従いましてその災害を受けた農家に対しましては、速急にワクをふやしまして融資せられんことを強く要望いたしましてこれで終りたいと思います。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 赤路君。

赤路友藏日本社会党

○赤路小委員 ちょっと公庫の方と金庫の方へお尋ねしておきたいのですが、今度の災害に対する融資問題ですが、公共施設を除くほかは、大体天災による被害農林漁業者に対する資金の融通に関する暫定措置法というものの上に立った災害融資だと思う。先ほど来田口委員からるる述べられたのでありますが、とにかく速急に立て直しをやらなければならぬということは御同感願えると思う。今までの災害融資等の経過を見てくると相当時日を要しておる。特に今回の場合は非常に零細な諸君が多いので、できるだけ早く立ち直るような措置をとってやらなければならぬと思うのです。従って手続の問題として、一々本所の方なり、あるいは金庫の方へ決済を得て融資をするというような形で、非常に長くなるということでなく、この際は罹災者の方と出先機関を信頼して、出先で一応決定さす、そしてすぐ金を流す、こういうような措置はとれないものかどうか、この点を一つ総裁と理事長の方にお聞きしたいと思う。  それからもう一つ。先ほど水産長官の御答弁がございましたが、まだ金融ベースに乗らないものに対する対策というものが立っておらないようであります。地元漁協ないし、あるいは農協なりというものからの転貸ということが一番望ましい姿であります。そういう形にやるのが当然だと思う。ところがこの地元の漁協なら漁協というもの自体が、大体リストに載っておるような悪い状態である漁協だということになると、本体の漁協がいけないのだから全然金融べースに乗らない。そうなってくると、その漁協の下にある罹災者は全然立ち上りがきかない。こういうものが今回の場合は相当あるのじゃないか。特に西日本の場合、水産界を見ますと、そのケースが相当量あると見なければならぬ。こういうものに対してどういう措置をとるか問題だと思う。もちろん地方公共団体の方でこれに対して損害保証をするとか、何か保証措置をとればけっこうですが、そういうようなこともそれぞれのそうした漁協等をかかえておる団体はあまりよくないのが常識であります。従ってそういうような措置もとれない、こういう場合は一体どうなるか。これは真剣になって考えておいてもらわなければいかぬと思う。この点何か一つ考えがあるかどうか。これは金融機関の方と水産庁の方から御答弁願えればけっこうだと思う。この二点だけお尋ねしておきます。

山添利作農林漁業金融公庫総裁

○山添説明員 最初に、手っとり早く融通するために地元にまかせたらどうか、こういう御意見でございますけれども、農林公庫の融資は法律上委託機関に決定まではまかせ得ないのであります。従って正式の貸付としましてはどうしても東京に参る。もっとも緊急を要するというので、それこそ本来の意味のつなぎということを農林中央金庫でお取り計らいになりますれば、これはまた別でございます。法律関係としてはそういう関係になっております。しかし実際問題として書類がくることになってからの日にちはそんなにかかりません。むしろその前に段階があるわけであります。

岡井正男水産庁長官

○岡井説明員 赤路先生の御質問は、おそらく小さな漁船を持っている零細漁民についてのお話と考えます。これはわれわれ平素から頭痛はち巻の種でございます。だから私は災害のたびに関係府県なり関係の指導者である団体長なりに、全船この種のものは保険制度を適用するように平素からお願いしたい。これは口をすっぱくして申し上げておると同時に書面も再三出しております。家と同じように船が大事だ、こういうふうに言われるのであれば、保険制度はぜひ活用してほしいと言いますが、しかし今さらきょうそんなことを言ったってだめだ、こう言われると思いますが、事災害でございますので、特に金融機関の理事長なりあるいは総裁なりとよく懇談を申し上げて、特にこういう場合だから受信力が足らぬでも何かいい方法はないかというて、至急に相談するつもりでございます。しかし今後のあり方につきましては、全船加入する制度を強力に推し進めるように先生方からもお力添えをいただきたい。なお組合が非常に弱いから、組合の受信の裏うちでは足らぬのだという組合そのものをさらに強化坪するための再建整備の方法も考えたい、かように思っております。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 関連して。今長官からの話で、まだどうもはっきり核心をつかめない点があるのでございますが、有力なる協同組合は転貸けっこうだと思います。のみならず今回の災害を利用して組合の共同販売なんかがそれでつながりができますから、一つこれは強力にそういう方向に進んでもらいたい。それから力のない組合員の問題でございますが、この問題についてもその組合の事務員なりが、日掛貯金か何かそういうような点までもめんどうを見てくれるようになっておれば、いかなる零細な漁業者といえども、自分の船を作ったその金につきましては、あらゆる犠牲を払っても返すという気持があるのでございますから、それを無理がないようにどうして集めるかということ、その点だけでうまく解決すると思いますから、力のない組合といえどもその点を考慮になって、やっぱり組合相手にやる。そのかわりに日掛貯金その他は組合に責任を持たせる。こういうことをはっきり念をおしてやられると、こういう組合も十分使えると思いしますから、その点もお含みになって、この力のない組合員というものもほっておくわけにいきませんからぜひ考慮してもらいたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿小委員 新たに台風第十二号問題が出ておりますが、当小委員会としては、先日示された三十一年度六−八月水害及び台風第九号に伴う所要措置というものを政府が一応示しておるのでありますから、これをよく審査して、追加すべきものは追加し、あるいは増額を要求すべきものは増額を要求して、台風第九号並びに六−八月の水害被害に対する所要措置に対する一応の決議なり結論をつけて、そうして台風第十二号の被害の実情が判明すれば、これは先ほど主計局長からも予備費問題で御説明がありましたが、あるいは臨時国会の必要が出てくるような場合もあり得ると思います。ですからこれはよく調査することとして委員会の議をとりまとめてもらいたいと思うのです。  そこでこの示された所要措置について問題になる点が二、三ありますので、結論を出す前に明白にしておきたいと思います。それは先ほど来つなぎ融資のことが問題になっておりますが、私の常識的に理解したところでは、農林水産業施設災害復旧と公共土木施設災害復旧国庫負担のきまったものに対して一応のつなぎ融資が現在の法律においては認められているわけなんです。当委員会で寄り寄り話し合っておったことは、天災法等によってこれが政令になって下から上って実際に金を受けるという場合でも相当の日時がかかるから、その間を農林中金あたりでつなぎ融資といいますか、緊急融資をして、そうしてなるべく間が切れないようにしていく。われわれの言っておるつなぎ融資という意味は、そういう意味も含んでいる。そういう点についてぜひ中金の方でも御善処を願いたいというのが一点であります。これはあとで一つ御所信を聞かせていただきたいのであります。  それから一昨日の私の質問に対して農林経済局の森さんから、融資総額の十六億について内訳を承わった。それによりますと旧債の借りかえが五億で、六−八月の水害が二億、台風九号が九億で、その九億の中には水産関係が三億五千万、そうすると農林関係のものは五億五千ということになるわけですね。そんなことで、いかに九号台風の内容がまだわからないにしてみても、上ってくる要求にこたえられるはずはないと思うのです。この点もう少し検討してもらわねばならぬのですが、そこで問題になるのは、その五億の旧債の借りかえの問題ですが、先日来私は数回もくどく申し上げておるのですが、漁業関係にしてみても、李承晩ラインの問題でいろいろ旧債の返還に苦しんでおるものが、またこの災害を受けてうまくいかないというような事例も漁業関係にはあるそうです。それから開拓関係にしてみても、先日来申し上げておりますように、昭和三十一年、二年、三年と、昭和二十八年前後の災害に伴う融資の償還が一番ピークにきて、これはとうてい返済ができない。こういう災害を受けなくても返済ができないというところへまたこいつを食っておるという点で、とうてい今の状態では返済ができないという明らかな事態があるのです。そこで五億というものが一応ここへ組まれておりますが、一体この内容は、どういうふうに計算をされてこういう数字が出ておるか、これをもう少し明らかにしてもらいたいのです。それから所要措置の二項の「農林漁業の主務大臣指定災害復旧資金の指定」というところにいろいろなものが指定されておる。特に今度は水産加工施設の点や、十トン未満の漁船、あるいは蚕室というようなものが新しく追加されておるが、これは六−八月の水害関係だけであって、今当委員会が一番力こぶを入れておる九号台風関係は調査中というので、ここへ明記されておらぬ。それではこの小委員会を設けて検討した意味が少し薄らぐと思うのです。これもやはりある程度明らかにして、そうしてここで一つの推定を加えて、第九号関係については、拙速でもかまわぬからまず手を打っておく、こういうことが私は必要になるのではないかと思うのです。先日来の田口さんあたりのお話を聞いておると、この漁船関係の十トン未満のもの、水産加工施設のものというような、新しく加えられた点は非常にけっこうですが、その被害の度合いが非常に深刻をきわめておるようにわれわれは聞くのです。ところがそれについてはわれわれ知る由もない。まだここに台風九号分としては載っておらないから、あとで懇談の際でも、議員なり当局もまじえて、そうして推定を加えてここに一応出して、天災融資法については、十六億で不足であるならば大体この程度がよかろう、二項の農林漁業の主務大臣指定災害復旧資金の指定問題についても、九号台風を含めた所要額の見込みを出して、この問題については一応この委員会としての意見をまとめたい、そういうふうに私は思うのです。そうしないと、これは幾ら議論しておってもきりもありませんし、十二号の問題がもうすでにまゆに火がついておりますから、私がお尋ねしたその点を明らかにしていただいて、でき得ればすみやかに決議案とかにして、結論を急いでいきたい、こう思うのです。自治庁と関係当局の御答弁をお願いいたします。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 速記を始めて。

渡部伍良農林事務官(農林経済局長)

○渡部説明員 ただいま足鹿小委員のお話でありますが、十六億の計算の基礎は、六−八月までの分はこの前御説明申し上げましたように五億、実は五億までは要らないのでありますけれども、あとから出てくるのもあるかもしれないからというので、余裕を見て五億見ておったわけであります。そうしてそのほかのものは先般御説明申し上げました府県からの報告をもとにしまして、それをばらして推定を加えておるわけです。私の方で、従来の経験に徴しますと、府県の——これは県によっても何ですが、大体この県なら何割くらいかけておる、この県なら何割くらいかけておるということが従来の実績でわかるのです。そういうことを勘案しまして、十六億ありますれば十分であろう、こういうふうな考えで組んでおる。これは天災融資法の関係からいって、政令を出す法律上のテクニックもありまして、たびたび政令を出すということも一つの方法であるが、もう政令を出す準備ができて、いろいろな条件がきまっておるものに、そこに金額だけ増せばいいのなら一緒にやった方がいいじゃないか、こういう拙速主義のつもりもあるわけです。なお私どもの方としては、一応十六億やっておるけれども、府県にさらに照会し、そのほかの機関を通じて調べております。もしこれが不足であればすぐ追加する。そういうふうにして、先に県に内示を与えて用意をさせた方がいいのではないか、こういう考え方からやっておるわけです。十六億にこだわるというつもりはありません。これは春の資金などは余裕があり過ぎたような格好でありましたが、しかしこれはそのときどきの状況で違いますから、よく県と打ち合せいたしまして遺憾のないようにしたいと考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿小委員 御答弁に関連してもう一つだけ聞いておきたいのですが、政令を出される予定——これは今度の十二号台風との関連もあるのですが、六−八月の分は、六月からかかると、九月でもう三カ月も経過しておる。台風九号にしてみてももう一月以上経過しておる。これがかりに速急に、今週中にでも出されるめどがありますか。ないなら、大体今言われたように、下から上ってきたものについてすでに事実は進めておいて、そうして手間の要るものは、先ほど農林中金の理事長も言われるように、十分善処するということであるから、その間をつなぎでまず処理しておく、そうして十二号台風も加えて、規模が大きくなれば相当時間をかけてもやっていける、その辺もう少し弾力性のある措置が私は必要だと思うが、とりあえずは出されるものは出しておくということはいいのではないかと思うが、どうですか。

渡部伍良農林事務官(農林経済局長)

○渡部説明員 お説の通り、私どもも法制局との打ち合せも先週中に済みましたから、最近の機会の閣議にかけて今週中に施行したいと思っております。おそくとも金曜の閣議にはかけたいと思っております。従って十二号台風の分は、これはやはり今度は大体ダブった地域になりますので、先に流しておいて、あとで多少日はかかっても、早急を要するものは、今度もダブっておるのですから、今度のワクとあとのワクとわからない分が出てくるけれども、応急の手が打ちやすいのではないかと思います。政令は政令で先に出していく、十二号台風はあとでやる、こういうふうにしようと思います。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 ではこの際、十二号台風の情報を聞くために警察庁の警備部警ら交通課の星田警視が見えておりますから、この際報告を受けることにいたします。星田警視。

星田守警察庁警視

○星田説明員 星田でございます。ただいまお手元にお配りいたしました資料が、現在までの私の方に入っております各県の被害の状況でございます。今回の台風は、この前の九号台風と同じようなコースをたどっておりまして、今後の見通しといたしましては、大体日本海の裏の方を通って参るのではないか、こう考えられております。幸い九号の経験がございました関係でございましょうか、各県とも避難誘導というのが非常に円滑に行われまして、人的な被害の方は、現在まで死者が八名、それから負傷者が二十三名ということになっております。  それで現在長崎の方が警察署と駐在の方の連絡がとだえておりますので、今後調査の判明いたしますとともに、長崎につきましては被害が若干増大いたすのではないかと思っております。現在のところ、九州の方では各県とも暴風雨警報が解除されておりまして、漸次中国、それから近畿の方に警報が出されて参っております。現在までに出動いたしました警察官の数は、一万七千八百四十名出動いたしております。九州の全般の状況につきまして、かなり雨が降ったのでございますが、いずれも局地的な雨でございまして、現在のところ洪水による被害の新しい発生というのは考えられない、こういうような報告が参っております。  以上概略を申し上げました。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 何か御質問がございましたら……。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 警察の方にお尋ねいたしますが、この災害報告は九月の十日ですから、ほんとうの直後の報告と思うわけでございます。九号その他の場合、直後の報告とあとの報告とどういうふうにずれていったか、それによって十二号のこの報告をこの程度だということに考えていいものか、あるいはごく一部分だけの調査で、あとからどんどん追加される、これが災害の報告の状態であるということであれば、またこれにずっと追加されるということになるわけでありますが、それについては九号の報告は、九号のあの暴風雨が九州西岸を通過した、その直後の報告と実際の報告と違っておる状態、これを一つ参考のために伺っておきたいと思います。

星田守警察庁警視

○星田説明員 お答えいたします。九号の被害発生の報告と自後の調査の報告とは、検討いたしましたところそう大して変りはございません。おそらく今回の長崎のような特異な例を除きまして、現在までの報告が大体、若干の数字の変化はあると思いますが、被害の大要といたしましては変りないのではないかと思っております。  なおこの席で今回の台風につきましてつけ加えさしていただきたいことでございますが、先般の台風九号に際しまして、大館で大火が発生いたしております。裏日本を通ります台風につきましては、フェーン現象と申しまして、非常に乾燥の度が高くなりまして、火災の発生が非常に予想されるわけでございまして、今回の十二号台風につきましても、気象庁の見解によりますと、この前の九号台風と同じフェーン現象の発生が予想される、各府県とも火災についても特に注意してほしい、こういうふうな申し入れがございましたので、直接の責任のことではございませんが、警備に当ります警察といたしまして、この点につきましても異常な事態のないように指示をいたしております。

田口長治郎自由民主党

○田口小委員 この数字を見ますと、九号台風と比べて大したことがないような数字になっておりますが、そういうふうに解釈していいかどうか。国会としては、ほかに調査に行く予定もあるのですが、それをやめてでもこっちの方に行かなければならぬというような気持も多分に委員間にあるようでございますが、ただいまの調査そのものからいうと、そこまで考えぬでもというような気もしますが、どうなんですか。

星田守警察庁警視

○星田説明員 現在までのところ九州の被害につきましては、比較的といいますか、私たちの当初予想いたしておりました被害よりはかなり下回っておることは事実でございます。ただしこれにつきましても今後また明確な調査をさらにあわせて行いますが、いずれにいたしましても、この報告は当面の、現在まで入っておる報告であるというふうに御了解をお願いしたいと思います。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 ちょっと委員長からお尋ねします。流失、埋没の水田面積が、総面積百五十二町歩のうち百四十六町歩が長崎県でございますが、これは特別にひどい雨でも降ったわけでしょうか。

星田守警察庁警視

○星田説明員 そこのところはちょっと明確ではございません。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 井出小委員。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 厚生省にちょっとお尋ねをいたします。先般の九号台風は、特に開拓者、干拓地における入植者、有明海における養殖業者などの比較的零細な農漁民が非常に大きな災害を受けておるのであります。しかも施設災害はもちろん法規によって復旧をお願いすることになりますが、自分の住宅も全壊し、あるいけ朝夕潮に洗われている現在の状況、さらに十二号台風によって惨害はさらに加わることと存じますが、こういう悲惨な零細農漁民が、従来農地を若干持っておる、あるいは住宅を悪いながらも持っておるということで生活保護の対象になりかねていたのであります。一昨日までの本委員会における審議では、堤塘工事などの人夫賃によって当面の生活対策を講じてもらいたいというような御答弁もございましたが、それでははなはだ不十分である。家も流され全壊され、農地は壊滅しておる状態に人夫賃をかせぐというような現地の状態ではないのであります。従ってどうしても生活保護を適用さしてもらわなければならぬと思っております。もし従来の法規で支障がありますならば、これを改めて、非常に困っておる零細農漁民に対して生活保護の適用を特にこの際発動していただくという御用意がおありになるかどうか、その点をお尋ねいたします。

尾崎重毅厚生事務官(社会局保護課長)

○尾崎説明員 お答え申し上げます。災害に当りまして、私どもが対処する措置といたしましては、まず第一は、これは災害の規模にもよりますが、災害救助法を発動いたしましてそれで必要な措置をとる。この中にはたしか生業資金の貸付等の措置も含まれておったというように記憶しております。その措置をとりまして、なおかつ生活に困る、救助法の発動は大体一時的のものでございまして、それ以外に本格的な困った方の生活に対する措置としましては、当然それぞれ必要な政府なりあるいは関係機関なりのいろいろな措置が講ぜられるというふうにわれわれは考えておりますが、その中には政府なり関係機関なり、あるいは現地の府県当局、あるいは現地の関係のいろいろな機関、団体、そういうものを含めまして農民、漁民に対する災害復旧の必要な措置がとられるというふうに考えております。そこで生活保護法の建前からいたしますと、まず第一には、そういうような措置をおとり願って、なおかつその網から漏れるという方々に対しまして、どうしても生活できない、本人の資産とかあるいは能力とかいうものを活用する余地もないという場合に、そういうような条件が重なった場合に、初めて最低生活を保障する措置をとっておるわけであります。従いまして、もしたとえば日雇いで働くとかいうような就労の機会がございますれば、われわれが算定しております最低生活費の基準に不足の額だけを一応差し上げるというような建前をとっておりますので、問題がむしろそういうふうな最低生活費の算定の具体的な金額が全般的に高いとかあるいは低いとかそういう問題がございますれば、それはそれとして問題がございますが、一応各地でとられております保護法の適用の一般原則はそういうことになっております。今回の場合もそういうような方針で、できるだけ実態に即するように処置していきたいと考えております。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 一般的な御説明を承わりましたが、従来の災害対策では必要な対策を講じておるというお答えにもかかわらず、実際は行き届いていないのであります。やはり今日から振り返ると何とか生き延びてはおりますけれども、本人は方々から借金したり何かしてようやく今日に至っておるのが災害者の実情であります。ところが生活保護の面から申しますと、若干の資産がある、それが活用できなくても所有権があるとかいうようなことのために零細の農漁民にはなかなか適格者になり得ないのであります。それは課長さんも御存じだろうと思います。また健全な肉体を持っている人は就労の機会があるかもしれませんが、しかし不幸にして病気をしたりあるいは婦人の母子家庭であったりというような場合には、実際にはそれに該当しないのであります。就労の機会がないのであります。特に私は災害地の者でありますので、従来の幾多の災害の実績に見て、特に今回はそういう零細農漁民の被害が多かったという点から、生活保護をお願いしなければならない人がかなりあろうかと思いますので、地元の要望もありまして、お尋ねしておるわけであります。ただ従来法規がこうであるからというのではなくて、この際法規の解釈を広げて、もしそれが多少でも支障があるというならば、法律でない場合は政令または告示をもってかえるという行き方をしてもらいたいと思います。今直ちにここでその条文はこうするということはできないかもしれませんが、それだけ御用意があるかどうかその点だけを重ねてお尋ねいたします。

尾崎重毅厚生事務官(社会局保護課長)

○尾崎説明員 たしかに御指摘のように、実際問題としまして、現地におきまして保護法の適用をする、保護にかけるという場合には、災害時以外においても実はいろいろ問題があるわけであります。それが特にこういう突発的な天災によりまして、いろいろ困窮する家庭がたくさん出てくるという場合におきます保護法の運用というものも、法律の問題ではなしに、法律運営の問題としまして、御指摘のような不十分な、あるいは妥当でない運営があるいはあるということは、十分予想されるわけであります。従いまして私どもといたしましては、実はこの前にもある県の災害の場合に同じような御指摘を現地の町村長の方々から受けまして、それは十分本省としても運用に注意するし、また現地の県庁の所管部局あるいはその仕事を実際に担当いたします福祉事務所の事務担当員、そういう人たちの実際活動が適確に行くように、そういう不十分な、あるいは不合理な取り扱いということにならないようにということは、お約束申し上げ、特にそういう措置をいたしたこともございます。従いまして私どもといたしましては、現在の生活保護法の建前は、そう機械的な窮屈なものばかりでもございません。その世帯の必要の程度によって保護をするというような原則も法律の中にございますし、私どもといたしましては、今御要望の法律なり政令なりを改正するということは、この災害を機会には考えてはおりません。むしろ御要望の趣旨を十分尊重いたしまして、その運営につきまして遺憾のないように特別指示をいたして参りたいというふうに考えております。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 その程度で私も了承いたしますが、今せっかくの御答弁がありました諸点について災害府県に対して実情に沿うようにという通牒をお出し願う御意思があるかどうか、またぜひそうしてもらいたいと思いますが、いかがでございましょうか。

尾崎重毅厚生事務官(社会局保護課長)

○尾崎説明員 御要望の趣旨は、帰りまして社会局長にも申し上げまして、なるべくその趣旨に沿うように努力していきたいと思います。

石坂繁自由民主党

○石坂小委員 ただいま井手委員の御発言中に、従来の生活保護法の規定を拡張して、できるだけ罹災者に適用していただきたい、こういうように希望を入れての御発言がありましたが、私も全く同感であります。ところで住宅の問題でありますが、申すまでもなく人間の住居というものは人の生活の最低限度の問題であります。台風九号で吹き倒されるほどの家でありますから、失礼な申し分ですけれども大へん貧弱な家です。そこで生活保護法を受ける程度の人たちが仮設住宅を建ててもらって住んでいるようでありますけれども、ちょうどそのすれすれの人がだいぶたくさんあります。これは罹災をいたしましたが住むに家なしという大へん困った状況にあるわけでありますが、さればとて直ちに生活保護法が適用を受けられない状況になっております。そこで問題は、そういう人は早急に家を建てる必要があるのでありますけれども、自力をもっては家が建築できないというような境遇の人たちでありますので、そのすれすれにあってかつ罹災をして家がなくなったという人たちに対しまして、厚生省関係で建築資金の融通というようなことは考えられないであろうか、あるいはそういうことに対して何らかの御用意がおありかどうか、それを伺いたい。

尾崎重毅厚生事務官(社会局保護課長)

○尾崎説明員 実際問題といたしまして、住の問題というのは、御指摘のように庶民生活にとりましては非常に重要な問題でございます。現在生活保護法の中におきましても、生活扶助と並びまして住宅扶助という項目が別個に設けられております。大体その趣旨内容は家賃——これは六大都市でしたか、一級地で月千百円というのが限度でございます。そういう意味合いにおける住宅問題に対する態度というものは、生活保護法の中でも考えておるわけでございます。ただ、今お話のむしろ生活保護を現在受けていない、何といいますかわれわれはボーダー・ライン階層といっておりますが、そういう方々がこういう天災によって住宅の障害を受けた、それに対する措置というものはどうかという御質問に対しましては、さっきのお話とも関連いたしまして、その方々が全般的にどうしても生活保護法の適用を受けなければならないという場合には当然その中の住宅扶助——この内容といたしましては家屋補修をする金の給与というものも含まれておりますが、それは生活保護法の適用を受けるような人についてそういう措置が考えられるわけであります。しかしむしろ問題は、生活保護法の適用を受けるまでには至っていないが、とにかく非常に低所得で貧乏な方々というものに対する住宅扶助に対しましては、遺憾ながら社会局としましては、従来やっておる住宅政策というものはまだないわけであります。これをどうするかという問題はありますが、従来は社会局としてはやっておりません。

石坂繁自由民主党

○石坂小委員 ただいまの御説明、御答弁は一応ごもっともでございますけれども、ただそのすれすれの人、すなわちボーダー・ラインの人たちで、家が全壊しておる罹災者が相当あるのです。ボーダー・ラインですから生活保護法の適用を受けない、しかるに家はなくなっておる、こういうことです。さればと申しまして、自分の力では家を建築するだけの資力はない。そういう人が、むしろ生活保護を受けて仮設住宅を作ってもらった人よりも数が多いのです。これが大都会でなしに、いなかの農村あるいは漁村にそういうふうなものがありますから、生活が非常に貧しい人たちなんですが、何らかの方法を講じてそういう人たちに建築資金の融通をするということが私は非常に必要だと思いますが、何とかそれに分別をつけるようなことはできませんかね。

尾崎重毅厚生事務官(社会局保護課長)

○尾崎説明員 今のお話に対します解決措置というものは、とにかくそういう天災によって家屋が全壊したり半壊したりした、それに対して自力ではそれを元に返すという力を持っていない人に対する措置ということにつきましては、まずさしあたり考えられますのは、全壊あるいは半壊家屋の修理改築に必要な資金の融通を受けるというようなことになると思います。ちょっと形式ばった話で恐縮でございますが、生活保護法の建前から申し上げますと、実は金を貸してあとから返してもらうことを期待するというような形の保護ではございませんで、むしろこれは社会局のほかの施策の一環といたしまして、実は本年度から実施されておりますが、世帯更生資金というものを貸付するというような措置がとられております。あるいは来年度の計画としましては、そういうボーダー・ライン階層の方々は、現在非常に困ってはいるが、将来にわたって資金を返還し得る能力というものは相当ある人があるのであります。そういう意味合いから、こういう資金融通によっていろいろ困った面を打開するというようなことを考えておりますが、今のところは世帯更生資金だけがございまして、これの運営で解決いたしますかどうか、その辺はまだこれからでございますのでわかりませんが、以上の通りであります。

石坂繁自由民主党

○石坂小委員 建築資金の融通という問題で伺っておりますが、これはあなたの所管事項ではないかもしれませんが、つまり生活保護法の適用を受けられない、しかしそれに非常に近い人たちが困っているということは間違いない。従いまして何とかこの際お考えを願いまして、あなたの課の所管ではないかもしれませんが、社会局の所管事項に入るのではないかと思いますので、きょうは担当の方がお見えになっておりませんけれども、局長にお話願いまして、何とか臨機適応な処置を急速に講じていただくように、明年度の措置を待っていたら間に合いませんから、特に一つこの点お願い申し上げておきます。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 主計局長に伺います。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 もう結論を出したいと思いますから、簡単に願います。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 小委員長の御注意もありますから、簡単に主計局長にお尋ねをいたします。  ただいま入りました情報によりますと、九号で壊滅的な打撃を受けました有明海の海岸堤防が、ところによりますと第一線堤防の決壊個所から八朔の高潮による海水が流入いたしまして、第二線堤防を越えてさらに第三堤防にまで入って、第三堤防近くにあった住家もかなり流れたようであります。国警本部の被害発生状況の報告にあります二十三戸の流失もそれに該当するのではなかろうかと私は考えておるのであります。御存じのように海岸堤防は一般の災害と違いまして、これが復旧は一日もゆるがせにすることはできないのであります。前回公共土木事業あるいは農林水産施設の災害復旧については、緊要なものは三カ年以内に復旧するということが立てられましたけれども、この海岸堤防については、三カ年といわず二カ年あるいは一カ年も待てないような非常に緊要な問題であります。現在でも干拓地におきましては、佐賀県においても二百戸内外の住宅が毎日二回海水に洗われておるのでありまして、住居の用は全然なさないのであります。そういうことを考えますと、海岸堤防の復旧は一日もすみやかに完成すべきでありまして、従って建設省においても農林省においてもその実情をよく承知されておりますので、地元からの単年度復旧という、そういう要望に沿いたいということで今日復旧工事を進められておる実情でございます。第十二号台風の被害が判明いたしますれば、干拓地における被害は私は相当ふえて参るであろうと存じております。そこで海岸堤防の復旧について、この際、災害ではいつも重要な役割を持っておられまする主計局長から、海岸堤防の復旧に関する御所信を承わりたい。できればこの際主務省がお考えになっておりますように、単年度復旧、これをぜひ御言明いただきたいと存じます。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 海岸堤防の問題につきましては、ただいまお話のような事情もあるわけでございまして、従来も少くとも最小限度の緊急締め切りと申しますか潮どめは、これは遷延を許さないわけでございますので、できるだけ早く一応の手当が終るようにというようなことで運用いたして参っております。本年度の問題につきましても、具体的な個々の実情にもよるわけでございますが、万一潮の流出があって被害がますます拡大するというような地点につきましては、三カ年というようなことではなくて、その年度に大体大まかに予定いたしておりまする総資金のワク内で、できるだけ重点的に工事を施行いたしまして、ものによりましては単年度に、全部の完全な復旧ではないかもしれませんが、一応の潮どめの目的は達するというくらいのところまではできるだけ持っていきたい、さように考えております。これはもちろん工事の施行ないしは補助金の運用に当られる建設省、農林省の方の実際の運用の問題になるわけでございますが、そういう気持でわれわれも予算の運用に努力をいたすつもりであります。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 建設、農林両主管省からの御相隣に基いておやりになると存じます。ただ、今御答弁の中に潮どめをやりたいということですが、けっこうな話ですけれども、潮どめじゃいけないのでありまして、やはり水面から六メートル以上の堤防を構築してもらわなくては困る。河川のように来年の出水期までには、なんというなまやさしいものではないということは、一つ十分お考えを願いたい。あなたも災害地の宮崎出身でございますから、災害のことは御存じであろうと思います。お帰りになりますとまだ二十八年度災害の大きな穴があいておるわけであります。ときどき墓参にお帰りを願いたい、親孝行にもなりますから。そこで農林省、建設省ではすみやかに復旧することを公約されておりますので、ぜひ主管省の要望通りに予算措置についても御配慮いただきますよう、切にお願い申し上げます。  さらにいま一点あなたにお願いいたしたいことは、一昨日、金曜、土曜にかけて、私はここで何回も農林省当局に御相談いたしましたが、従来大蔵省の要請によって、開拓者住宅が災害を受けた場合は、営農類型によりまして大体五年以内のものに限定をされておるようでございます。これはあなたの方の要請でございます。農林省の方ではもっと長い期間という要求でありますが、大蔵省がこれを押えて五年以内になっております。ところが実際現地に当って参りますると、開拓者に対しては資金は十八万五千円やろうとかあるいはこういう政策を実施してやろうとかいういろいろな公約があるわけでありますが、もうすでに十年をこえました開拓者に対しての政府の施策は、約束の半ばにしか達していないのであります。金融においては四割くらいでございます。従って五年をこえ十年にも達している入植者はまだ自営の域にはほとんど達していません。しかも山の中腹に多くの家を持っている開拓者は例年災害を受けましてあるときには全壊にあう、あるときには半壊大破を受ける。特に前回の九号台風におきましては、私の方の藤津郡の大浦開拓団のごときは、一集団十戸のうちに九戸までは全壊している、そのような悲惨な状態。ところが実際はもう入植後七年も八年も十年もたっている、こういう状態である。先回農林省のお答えでは、干拓地における入植者に対して、今なお海水に洗われている入植者に対しては特別の措置をとろうというあたたかいお言葉がございました。しかしさらに私は範囲を広げて、一般開拓者の、この困っている、自営のできない、あるいは早期に二十一年ごろ入植した者は、わずか三千円の助成しかもらってない入植者開拓者もあるわけであります。そのような気の毒な開拓者に対しましては、この五カ年という無理な短期間の制限をやめて、少くとも十年ぐらい私は延長してもらわなくてはならぬと思うのであります。自分が開拓者の身になってみると大体想像がつくと思う。ほとんど収穫もないのに営々として今日まで築き上げた開拓者、国の要請によって入植した開拓者が、相次ぐ災害を受けてなお自営ができない、政府の施策も半ばに達していない、この開拓者の災害住宅の復旧には、従来の五年以内というのを改めて、無制限とはいきますまいけれども、十年までは新規入植と同様な取扱いをこの際していただきたい。私はその点を切に全開拓者の要請に基いてあなたに御要望いたしたいのであります。この衷情に対して主計局長の温情ある御答弁を願いたいのであります。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 開拓者が何年ぐらいたてば自営できるか、これはいろいろ考え方があるわけです。私どもは五年もたてば自営していただきたいというような気持で、開拓者の住宅資金について国がめんどう見ます期間もやはり五年未満というような考え方を原則として考えているわけであります。これに対する例外的なしんしゃくと申しますか、終戦直後昭和二十二、三年ころまでは政府の開拓者に対する施策も十分でなかったというようなこともございましょうし、いわゆる不振地域というようなものもあるわけであります。そういうところにおきましては、十年たってもまだ困っておられるというような方もないではないわけでございまして、そういう政府の施策が十分でなかったために非常に不振な状況にある開拓地に対しましては、五年という原則と離れまして、また別にいろいろと政府があたたかい手を差し伸べる必要がある場合もわれわれといえども否定するものではございません。そういうような観点から現実にその開拓地区の状況に即して考えなくてはならぬのであります。原則の五年ということは、私どもはあくまでも五年程度で自営するように持っていくのが理想であり、またこの五年という原則をこの際十年にするというふうな考え方には私どもにわかに同意できないわけでございますが、具体的な不振の状況に即して、現実に即して考えるということについてはやぶさかでないわけです。そういう意味で別々に実態に即してこの問題を考えていかなければならぬじゃないか、そういうように思います。

井手以誠日本社会党

○井手小委員 ただいまの御答弁では、不振地区については必ずしも五年を固執するものではないというお答えであります。なるほど五年を自営自立の目標にすることは、私もわかります。やはりなるべくすみやかに自営できるように政府の施策を実行することが望ましいことでありますが、それは希望であり、現実にはそれができていないのでありますから、一つきょうあなたが御確約できなければ、私は何度でも御相談をいたしますが、ぜひこの機会に開拓者の惨状に対しては、五年という制限を改めて、十年くらいには延長できるように一つ頭の切りかえを願いたいと存じます。きょう御言明ができなければまたお尋ねをいたしたいと思います。

大森玉木自由民主党

○大森小委員 私はこの九号台風による災害の資料につきまして一言お尋ねをいたしたいと思います。この資料に基きましてずっと委員会さらに小委員会において検討いたして参ったのでありますが、しかしこの資料では十分でないという点があると思う。私どもの石川県、富山県は大体農林省、水産庁あたりから調査に出かけておられる。でありますから、先ほど同僚委員から、もう十二号台風がきたのだから九号台風はもはやここで結論を出そうというお話でありますが、もしも結論を出されるといたしますならば、私はこの資料に基いて結論を出してもらうことは困る。現在私どもの資料から見れば、非常に大きな差があるというので調査に出かけておられるとき、この資料より少くなるか多くなるかは知りませんが、せっかく調査に行っておられるのでありますから、この決定に当りましてもそこに幅を持たせていただきたい。こういう要求であります。  さらに私の方の果樹などの問題でありますが、ブドウ畑でありますが、すでにブドウはブドウだけが落されたのではなくて、ブドウはたなで作りますから、そのたなに風が入ったのでありますから根こそぎ持っていかれた。年に一億数千万円ずつ入るものがすでに根からなくなってしまったという実情である。これがこれまでに一人前になるにはどうしても十数年かかる。こういう点もあわせて御調査を願っておるのでありますが、この決定に当りましても余裕というか、幅を持たせていただきたいということを申し上げておきます。そういう点に対しまして経済局長はどういう考えを持っておられますか。

渡部伍良農林事務官(農林経済局長)

○渡部説明員 ただいま大森委員のお話、先ほどどなたかの御質問にもございましたが、一応今までの手持ちの資料から推定をしたのでありまして、調査の結果修正をすべきところがあれば修正をいたします。ですからお話のように私の方はこれで最終的という考えではございません。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 午前中の質疑はこれをもって終了いたし、小委員会は一応休憩をいたします。取りまとめの都合等もございますので、三時より再開をいたします。  三時からは主計局長、それから農林省の経済、農地両局長、金融課長、水産庁は長官もしくは次長、振興局の植物防疫課長、これだけに御出席を願います。    午後零時三十八分休憩      ————◇—————    午後三時五十二分開議

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 午前に引き続き会議を開きます。調査を進めます。  この際、本委員会の大体の意思が取りまとまりましたので、結論をとりまとめ、これを委員会に報告いたしたいと存じますので、委員長から原案を読み上げることにいたしますが、いかがでございましょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 では読み上げることにいたします。    昭和三十一年台風第九号(八月二十七日豪雨を含む)による農林水産業被害対策要綱(案)       台風等による農林漁業災害に関する小委員会  一、「天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法」に基き、すみやかに政令による災害指定を行い、経営資金及び事業資金の貸付を行う。    被害激甚な地域並に開拓地に対しては、貸付利率年三分五厘とする。    累年災害を受けた農林漁業者に対しては、本法により償還延期を講じ又は借換資金の貸付けを行う。    融資総額はとりあえず十二億円を下らざるものとする。  二、農舎、畜舎、蚕室、堆肥舎、水産加工施設(魚干場を含む)、水産倉庫、養殖施設、網干場、漁船(十屯未満又は無動力のもの)等の個人施設の被害については、農林漁業金融公庫の主務大臣指定災害の枠より復旧資金を融通する。    融資枠は、希望に応じ増加する。  三、農林漁業金融公庫から前項の復旧資金及び一般の代船建造等に必要な資金を融通するに当っては、別の融資要綱を制定し、融資率は所要資金の八割以内、貸付利率年七分、償還期限は十五年(据置一年)以内でできるだけ長期とする。  四、災害を受けて困窮が著しく、自作農の維持困難となった者に対しては、「自作農維持創設資金融通法」による第二条第四号資金を、農林漁業金融公庫の自作農維持創設資金枠を拡大し、被害の実態に即応して、優先的に貸付ける。    資金枠の拡大は、五億円を下らざるものとする。    貸付利率年五分、償還期限二十年(据置三年)とする。  五、最も急を要する農地及び農林水産業施設又は公共土木施設の災害復旧事業のうち、遷延を許さないものについては地方公共団体営のものにあっては、簡易生命保険及び郵便年金の積立金又は資金運用部資金よりつなぎ融資又は短期融資を行い、団体営のものにあっては、農林漁業金融公庫又は農林中金より早急に融資措置を講ずる。  六、入植農家であって潰滅的打撃を受けたものに対する生活援護については、関係県と密接に連繋の上、万全を期するものとする。  七、なお、爾余の対策については、台風第十二号による被害結果の判明を俟ちこれと併行して所要の措置を講ずるものとする。  右の案を本小委員会の結論とし、委員会に報告いたしたいと存じますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 御異議なしと認め、さように取り計らいます。  この際政府の御所見を伺います。

渡部伍良農林事務官(農林経済局長)

○渡部説明員 ただいま御決議になりました各条項につきましては、いずれも適切でありますから、私の方ではできるだけ早くこれを実施いたすことに努める所存であります。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 なお大蔵省の御意見を一つ。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川説明員 ただいま御決議になりました事案につきましては、農林省の経済局長の答弁しました通り、各事項ともいずれも趣旨ごもっともなことと存じます。中には金額等におきまして、この席におきまして必ずそういうふうにいたすとお約束いたしかねる点もありますが、できるだけのことはいたすようにいたしたいと存じます。

綱島正興自由民主党

○綱島小委員長 それでは今日の小委員会はこれをもって終了いたします。    午後四時二分散会

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