農林水産委員会 第49号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/08/01
会議録
○村松委員長 これより会議を開きます。 東北、北陸地方における七月中旬の水害対策について調査を進めます。 まず派遣委員より調査の報告を承わることにいたします。順序は各班について順次これを承わることにいたします。第一班笹山茂太郎君。
○笹山委員 それではただいま委員長から指示がありましたので、先般の水害調査の状況について御報告申し上げます。 先般の七月十四日ないし十七日の水害調査のために、私と神田委員は第一班としまして、宮城県と山形県に参ったのでございます。七月二十一日に出発をいたしまして、二十二日におきましては宮城県下、二十三日と二十四日には山形県下をそれぞれ調査したのでございますが、今度の水害は梅雨前線性の豪雨によるものでございまして、宮城県の仙台におきましては百三十三ミリ、大河原地区におきましては百七十一ミリというふうな非常な豪雨でございまして、山形県におきましては、さらにその豪雨の程度がひどく、二百五十ミリないし三百ミリに達しておるのでございます。 まず宮城県について申し上げますが、宮城県に参りまして、県庁、農地事務局、統計調査事務所よりそれぞれ説明を聞き取りまして、そうして被害中心地の岩沼町、玉浦町、亘理町、荒浜町、山元町、丸森町、角田町等の付近一帯にわたって調査を行なったのでございます。今回の水害によるところの宮城県全体の被害は約七億五千万円でございますが、農業被害は冠水によるものが大部分でございまして、長いのになりますと約一週間近くも浸水が引かないでおるありさまでございまして、そのために水稲等におきましては非常に被害が多きいのでございます。水路等の公共施設の被害等につきましては、まだ水が引かないので、詳細な被害状況は判明しない地方もあるのでございますが、県におきましては約八千万円程度被害があるのではないかというように申しておる状況であります。その冠水被害によるところの状況でございますが、これは一面にまだ水が引かない状態でございます。この水田の状況を見ますと、稲はちょうどわずかに葉を出しておるような部分も見受けられるのでございまして、これは一見するとあとで回復するのではないかというふうな考えも抱くかもしれませんけれども、その根を抜いてみますと、水面下の部分は非常に徒長しておるのでありまして、そうして今は幼穂形成期であります関係上、水が引きますと全部これらの稲が倒伏するということは確かだと思うのでございます。そういった関係におきまして、冠水によるところの被害が非常に大きく、面積としては七千四百町歩、減収は一万四千石に達するといわれておるのでございます。その他桑園の被害が八百六町歩であります。 農業用施設の災害については、先ほど申し上げましたように、約八千万円くらいの被害があるということでございます。堤防の決壊ということはあまり見受けられませんが、海岸寄りの地方におきましては、水田と海岸地帯との落差がほとんどないために、水はけ不良によるものでありまして、阿武隈川堤防につきましては、決壊はなかったが、決壊寸前というような状態の危険な場所も相当あったのでございます。それは堤防の下部からの漏水、湧出でございまして、堤防の背後がこわれたものが上下流とも相当あったのでございますが、これは直ちに補修の要がもると考えるのでございます。阿武隈川の増水のために、堤外地の農地はほとんど壊滅に帰したのでございますが、この中において、堤外地の農地保護のために小さな堤防を持っておったのでございますが、これを土取り場として売り払ったためにひどい損害をこうむった地区もあるのでございまして、この例を見ましても、堤外地の農地の保護及び政府買収の済まない民有地の処理等につきましては、急速に措置を講ずる要があると観察したのでございます。 排水不良の地区、すなわち名取郡とか柴田郡、伊具郡一帯の土地改良事業については、これは早く実施しなければ、これらの災害を再び繰り返すことになるのではないかということを懸念されると考えるのでございます。地元民としましては国営としましてこの排水事業を大規模に実行してもらいたいという要望がございました。現に排水機場の整備されておりますところの角田町付近におきましては、あれほどの豪雨にかかわらず、水田の湛水も二日くらいで済んでおったような状況でございます。この排水機の設備を完備するということが、将来の問題としてきわめて重大な問題だということを考える次第でございます。災害の対象としまして県から要望がありましたが、これはあとで一括して申し上げたいと存ずるのでございます。 次に山形県下の災害の状況でございます。山形県下の水害は、宮城県と同じく七月十四日ないし十七日の豪雨によるものでございますが、それが県を南から北にかけて縦断するところの最上川の本流及び支流のはんらんが中心をなすものでございまして、最上川上流から大石田付近一帯にわたるところの非常に広大な地域にまたがって、四十数年来未曾有の災害ということでございます。従って被害も大きく、死者四名、行方不明一名、家屋流失全壊三十戸等いろいろの物的な損害がはなはだしく、中にはある都市におきましては、商品が水につかったために、その損失だけでも一つの町で一億にも達するというような非常に激甚な状況でございました。橋梁とか堤防の決壊も、宮城県と違いまして非常にその程度が甚大でございまして、総被害が十五億以上にも達するということでございます。この破壊的災害と宮城県の湛水災害と比較すると、この山形県の方は、むしろ最上川が急流であるために、排水の方はうまくいったけれども、この破壊力が非常に強かったという状況を目のあたり示しておるのでございます。農業関係の被害は、目下詳細については調査中であるが、大体農地の流失埋没地二百五十三町歩、公共施設の被害等が約一億六千万円、水稲その他の農作物については、流失、埋没、冠水等によるもの約四億円に達するということであります。われわれ現地の調査に当りましては、ちょうど松浦代議士が山形におられましたので、松浦代議士と一緒に、第一日は山形市以北及び西部の最上川中流、上流の沿岸を調査いたしました。第二日は東置賜郡の激甚地及び上の山市の被害を調査し、さらに東村山郡に入りましてつぶさに災害の実態を見たのでございますが、その深刻な被害については、いまだかつて見ざる非常な激甚さを示しておるところでございます。 流失埋没農地の復旧費は、反当り所によりましては数十万円も要するという関係でありまして、これを従来のように単に補助事業でこの農地の復旧をはかるということはとうてい困難と思われるのでございまして、これらの対策については、従来の例にかかわらず別個の対策を立てなければならぬと存ずるのでございます。 また山形県におきましても、これは宮城県と同様でございますが、堤外地及び遊水地帯におけるところにおいては、まだ多くの民有農地が残されておるのでございます。今度の水害ではこれらの堤外地の農地は徹底的に損害をこうむっておる状況でございます。また農地関係ではございませんが、不思議なことに、堤外地に二十数軒の民家が一団となってまだ平然としてあるというようなことでございますが、今回の水害の経験から考えまして、これらの堤外地に存在するところの農地及び民有地、民家の取扱いについては、できる限り早く解決をつけなければならぬと痛感する次第でございます。また山形県におきましては、所によりまして養鱒、養鯉事業が盛んでございましたので、今度の水害によりまして、魚の流失等によりまして約三千万円の被害があるということでございます。 県からの要望におきましては宮城県及び山形県それぞれ大同小異でございますが、この両県とも現在地財再建促進特別措置法の適用を受けておるのでございまして、県自体の財政は非常に困難な状況にあるのでございます。従って今度の災害の復旧に当りましても、従来のような補助率におきましては、県財政の負担能力の関係から考えて困難でありますので、特に格別の高率補助をいただきたいという要望が強かったのでございます。さらに災害復旧資金の早期の融資——緊急工事の必要もありますので、でき得る限り融資を早くしてもらいたい。それから今までの橋梁の流失の復旧については、原形復旧が主であるから、木造橋が流れるとまた木造橋を作らなければならぬために災害を繰り返さなければならぬということで、今度の災害からは復旧関係におきましては、木造橋を永久橋に復旧させるような措置を特別に講じてもらいたいという要望が強かったのでございます。 なお水害後に発生するところの病害虫防除用農薬についても、これまた農家負担の現状から考えて助成の措置を講じてもらいたい。ことに桑園についてはいわゆる根刈りの桑はほとんどやられておるような状況でございますので、これらの改植のための助成も要望しておるのでございます。さらにまた樹勢の回復すなわち桑の樹勢の回復の肥料代についてもこれまた国庫の助成をお願いしているような要望もあるのでございます。また被害農家のこれらの営農問題についてでございますが、何せ非常にひどいところの災害でございますので、自己資金をもって立ち上ることは困難であります。従って営農資金の融通を今までよりもワクを広げて早くしてもらいたいという問題とともに、本年度の返済金すなわち公庫その他から借りておりますところの返済金の一部延期を認めてもらいたいというような要望もあったわけでございます。さらにまた非補助災害に対するところの分については、これは農林漁業公庫資金を早く融通しまして、そうして災害復旧の促進に当られたい。さらにまた農業災害共済金の早期支払い、または仮払いについても、でき得る限りの措置を講じてもらいたいというような要望もあったのでございます。特に両県におきましては、何としましても阿武隈川、最上川の治水事業の早期完成が重大な問題でありますが、これらの両河川の現在の状況はまだ遅々として進まない状況にありまするので、これらの治水事業の早期完成をぜひとも実現してもらいたいということを強く要望されておった次第でございます。 以上簡単でございますが、今回の調査に当りました状況につきまして申し上げる次第でございます。
○村松委員長 次に第二班、安藤覺君にお願いいたします。
○安藤委員 今回東北、北陸地方に発生いたしました水害の現地調査派遣第二班として、七月二十五日より二十九日まで、福島県及び新潟県の被害地を調査いたしました状況を簡単に御報告申し上げます。 第二班は磐越西線不通のため、他の班より数日おくれまして出発いたした次第でありますが、参加委員は私のほか石田、助川両委員と、新潟県の現地において大野委員が参加せられ、調査室からは尾崎調査員が随行いたした次第であります。 まず調査の順路に従いまして、その都度調査いたしましたことを中心に御報告申し上げます。 最初、福島県において今回最も被害の激甚でありました会津盆地の中心地会津若松市に参りまして、県経済部長、農林省統計調査事務所長、仙台農地事務局建設部長、県会議員の方々より県下の被害状況の全般並びにそれに対する対策、要望事項等を聴取いたしたのであります。 福島県におきましては、七月二十五日午前十時現在までに集計いたされました被害は、人的被害といたしまして死者二十九名、行方不明七名、負傷者八名、計四十四名となっており、住居の被害は全壊七十二戸、半壊百十六戸、流失八十八一尺一部破壊は多数となっております。浸水は床上二千百七十九戸、床下七千四百八十九戸、さらに非住家被害百十七戸、以上合計一万六十戸と相なっております。 次に農作物、水産関係の被害を見ますと、被害総額は八億五百余万円以上と予想され、その内訳は農作物関係、すなわち水稲、畑作物、桑園筆が八億三百余万円、畜産関係四十七万円、水産物関係七十九万円、さらに保管肥料関係等百二十万円となっております。 なお農地林務関係の被害は農地の埋没一千五個所、一億一千余万円、頭首工、ため池、水路等の農業施設の被害は七百六個所、二億九千三百余万円、以上の合計四億三百余万円となっております。また開拓地の被害といたしましては、農作物の冠水、埋没及び倒伏等の百二十町歩、八百九十余万円、開拓地、住宅の被害五十万円これらを含めまして、開拓地関係の被害は九百四十万円余りであります。 さらに林野関係の被害では、治山治水関係の災害三億四千余万円、林道、林産物、林業施設の被害六千六百余万円、農林水産関係の被害総額は実に莫大な数字となっておるのであります。なお交通の途絶いたしましたところも多く、実際の数字は、交通の復旧とともにその実情調査の結果はさらに数字を増加いたすことと考えられるのであります。 これを地域別に見ますと、県北西部の会津盆地の被害がおもでありまして、すなわち北会津、河沼、大沼、耶麻の四郡が最も被害が激甚でありまして、河沼郡柳津町、耶麻郡西会津町、河沼郡会津坂下町、大沼郡新鶴村、会津高田町、これらが最も被害多く、災害救助法の適用を受けた次第であります。そのほか相馬郡の干拓地、福島市、平市、これらの付近にも相当の被害を見たのであります。 今回の被害の原因として考えられますことは、福島測候所提出の資料に示されております通り、六月下旬から七月にかけて低温、多雨の梅雨模様の天気が連日続き、多量の水分が土壌中に浸入し、土壌の保水力が過飽和に達して、きわめて膨軟、脆弱な状態に置かれておりましたところへ、十六日から雷雨を伴う平坦地では二百ミリ以上、山間部では四百ミリをこえる記録的な豪雨が襲来いたしたため、軟弱なる土壌が森林伐採跡地、開拓地等を起点に山くずれとなって崩壊し、谷川をはんらんさせ、ため池に土砂を搬入、温水し、堤を決壊させて、未曾有の大被害を招いた結果となったのであります。 福島県下の今回の被害は、普通の水害に見られるような大中河川の堤の決壊に伴う河川の流域に沿っての被害というよりも、小河川のはんらん、山くずれ、すなわち山津波、地すべり、ため池の決壊による被害が大部分であり、従って部分的ではありますが、その惨状は現地でなければとうてい想像のつかないありさまでありまして、この点は福島県の今回の水害の一つの特徴と考えられるのであります。 このような激甚な被害に対し、県並びに県議会、関係市町村等では早急に水害に対する災害対策本部を設け、日夜対策を講じておりますが、県として国に対し次の諸事項を要望しておられるのであります。 一、病虫害防除薬剤購入費の助成 二、転作種子購入費助成 三、転作用肥料購入費助成 四、水害対策調査指導費に対する助成 五、桑園、土壌改良用石灰購入費助成 六、畜舎消毒及び家畜伝染病予防薬購入の助成 七、共済金の概算払いとこれが利子補給 八、営農資金の貸し出し及び災害資金の償還延期 九、農業倉庫等共同利用施設に対する公庫融資 十、水害による昭和三十一年産米の事前売り渡し申し込みに基く概算金の金利免除及び概算金の延納 十一、気象事務の整備強化 十二、災害復旧に要するつなぎ融資 十三、災害復旧に要する補助金の高率補助 十四、災害対象工事の採択基準の引き下げをなし、補助金交付対象工事のワクの拡大 十五、自作農維持資金、伐採調整資金ワクの拡大以上のような事情の聴取を終り、経済部長、関係課長、県会議員、県農業関係団体役員等の案内を得まして現地視察を行いました。 最初若松市外湯川放水路に参りました。政府の予算が十分でなく、橋をかけたりまた築堤することもできず、十五年間も遅々として工事が進行いたしませずしておりましてこのたびの洪水の原因となっているため、水害恒久対策として善処方を強く現地において要望されました。このような事例はほかにも幾多見られますことで、なお詳細調査の上、早急対策を講ずる必要があろうかと存ぜられます。 次いで塩川、坂下、柳津、高田、新鶴、西会津等の各町村において被害現地を調査し、それぞれ陳情を受けましたので、そのつど弔慰見舞を兼ねて激励の言葉を送りました次第であります。炎暑の中に田畑、家屋、肉親等を失いながらも、天地の無情も恨まず、たくましくも復旧に立ち上る農民の姿の前には思わず涙を禁じ得ないものがありました。これらの方々に対し一刻も早くあたたかい救済の手を差し伸べる必要のあることを一しお強く感じさせられた次第であります。 なかんずく耶麻郡西会津町のある農民の方のごときは、山くずれのため住家倒壊し、水田畑地はことごとく流失し、さらに妻子三人を失いながらも更生再起を誓い、汗にまみれ率先復旧に努力せられておりましたその姿はおのずから頭が下り、今なお私の眼底に強く強く焼きついている次第であります。また高田町の一被害現地のごときは、わずかに家屋土台の一部が残っている以外、実に直径一メートルから五メートル以上もあろうと思われる大石が累々として流れ込み、およそこれが水田の跡とは想像だにつかないような状態であります。西会津町では、現在なお行方不明でその姿を発見しない方が四名、そのうち一消防班長は防水作業に出たまま行方不明となり、死体は遂に発見されず、わずかに捜査中に足のかかとの皮一片を発見いたしました。そのかかとの皮膚の表面にある水虫の穴の模様から年令その他を推定いたしまして、多分これが消防班長であったであろうということで埋葬いたしたというがごとき悲惨な例もあるのでございます。 以上をもって福島県の被害の概況を終りますが、全般に見ますと塩川町周辺の被害は堤防の決壊を主として農作物の冠水被害がおもであり、その他はおおむね地すべり、山くずれを伴った、先ほど申し述べましたような被害でありまして、局部的には田畑に復旧できない程度の被害も多く見受けられたところであります。要望事項といたしましては、各地区とも県から国に対し要望されたものと大同小異でありますが、交通途絶のため迂回してこれらの災害地区に食糧の緊急輸送をいたさねばならず、その輸送費が莫大なものとなるのでありまして、この輸送費の助成に対しては強く強く要望せらるるものがあったのでございます。なお猪苗代の放水の問題は東京電力を中心といたしましてこの周辺地区と下流地区との間において利害相伴わないものがございます。この点におけるところの補償の問題等も含めて、将来とも客観的判断に基く解決策が必要であろうかと考えられるのでございます。 以上で福島県下の水害調査を終り、県の関係者に別れを告げまして新潟県に向い、東蒲原郡津川町に参りました。県の耕地課長、農業改良課長その他関係官より、県内の農林関係の被害状況の大略を聴取いたし、直ちに津川町平堀地区に参りまして、阿賀野川水域、常浪川、これらの堤防の流失温水による農地の被害現状を視察いたしました。 当地区は郡下の穀倉地帯で、川岸は五十年生の杉の立木が根こそぎ流失されるほどで、田畑の流失は言語に絶するものがあったのであります。ことにと田の流失が多く、農民の中におきましては、牛馬を売り、あすの生活のかてにしようとする姿がしばしば伝えられ、暗影ひとしお深いものがあったのであります。 新潟県におきましての被害の形態は、先ほど申し述べました通り、福島県の場合とは少し趣きを異にしておりまして、阿賀野川、姫川水域等の大河川の流域の農耕地及び森林、農業施設の被害がおもであります。被害面積は、連続集中的で、きわめて広範にわたっております。東蒲原郡の郡下では、橋梁、道路の決壊が多いため、オート三輪、小型トラック等の乗り継ぎで、ときには小舟に乗り、上川村の九島、西郷、栃堀、これらの付近及び三川村の各被害地を調査いたしました。当地では、水田、畑地、桑園の被害のほか、特に杉の立木の被害が目立っております。林道、農業用施設の早期復旧等を強く要望されたところであります。 調査を終りまして、今回の最終目的地であるところの中蒲原郡及び北蒲原郡下の被害状況調査のため新津市に向いました。たまたま両郡下の関係町村長、五泉市長、新津市長等が市の公会堂に参集せられ、対策を協議しておられましたので、ここにおいて被害状況の全般並びに要望事項等を詳細聴取いたした次第であります。 当地方といたしまして特別に要望いたされました事項は、木炭の製造により生計を立てている零細農家が数多いため、林道及び炭焼きかまどの復旧を早急に実施せられたい旨のことであります。またバレイショが収穫直前に冠水しましたため被害が大きく、格別の対策を講じてもらいたいとのことであり、予約米の件につきましても、数量の変更を認めるとともに、受領済みの予約代金返済延納について考慮していただきたいとのことで、特に信濃川流域の輸出用球根栽培地帯において、チューリップは幸いにも水害を免れましたが、ユリの球根の被害が約二千万円以上にも上り、営農資金の面で考慮を払ってほしいとの特別なる要望であったわけであります。 以上のような事情を聴取いたしました後、直ちに現地の調査にかかり、まず信濃川流域の被害状況と球根栽培地をおもに調査いたしました。ごくわせのすでに出穂した緑色の広ぼうたる水田地帯を両側にながめながら、越後平野を北上し、豊浦村から福島潟周辺にかけての水田冠水の被害状況を調査いたしました。この福島潟を中心といたしまして、亀田郡、北蒲原郡南部及び新潟市にかけて、この辺一帯は低湿水田地帯でありましたが、農林省直営による阿賀野川国営灌漑排水事業が行われて、新井郷ポンプ場を設置し、排水不良による耕地の被害を根本的に除去いたしまして、一部用水を確保して補水の円滑をはかったため、農業経営は安定し、加えて今回の被害も比較的軽少であったことは、まことに仕合せでありました。 排水ポンプは九基設置の予定になっておりますが、現在六基だけが終ったので、豊浦地区の恒久的水害防止対策として残りの二基の設置方等も強く要望いたされたところであります。 以上をももまして新潟県下の水害現地調査を終り、新潟市におもむきます途上、新井郷川大排水機場に立ち寄りまして、阿賀野川国営潅排水事業の概略を視察し、排水機を見学いたした次第であります。 新井郷ポンプ場をあとにわれわれは新潟市に参りまして、副知事、農林部長、農林省統計調査事務所長等より、県下の被害状況全般及び県としての要望事項を聴取いたしました。七月十四日より十七日にかけて新潟県を襲った豪雨は、近来まれな急激な豪雨の様相を呈し、ために県内各地の河川は相次いで増水し、ことに阿賀野川、信濃川、姫川の増水ははなはだしく、その激流はついに大小八十七カ所において堤防等を破壊する結果と相なり、あらゆる努力にもかかわらず、耕地四百五十八町歩を流失埋没し、冠水は約一万四百二十町歩、浸水約七千五百六十二町歩に及び、その被害は実に九億円を突破いたしました。また農業用施設の損壊は二百七十四カ所に及び、被害河川三百三十二カ所、橋梁損壊七十四カ所、道路損壊二百八十五カ所、林業用施設の損壊約一万一千八百三十七メートル、浸水約二千三百戸と、その被害はまことに大なるものがございまして、その被害総額は二十五億円に達する見込みであります。 このような未曾有の被害に対し、県では官民一体となって炎熱のうち日夜対策復旧に挺身されておりましたが、県として国に対し次の諸事項を要望いたしているのであります。すなわち 一、病虫害防除用農薬購入費の補助 二、代作用種子購入費の補助 三、樹勢回復用肥料購入費の補助 四、被害農家に対する保温折衷苗しろ補助 五、花卉類の種苗購入資金に対する融資の措置 六、昭和三十二年度種子確保に対する補助 七、災害復旧事業の早期着工と長期資金融通 八、自作農創設維持資金のワクの拡大 九、被害林道の早期復旧 十、被害桑園に対する薬剤散布費用及び一部改植桑苗代の助成 十一、三十一年産米の売渡数量の減額補正についての特別措置 十二、転落農家等に対する飯米対策について特別の措置 十三、農業共済金の早期仮払い 十四、営農資金貸付等であります。 以上が福島県並びに新潟県下の水害現地調査の概略でありましたが、今回の両県の被害の実情はまことに筆舌には尽しがたい惨たんたるものがあるのであります。両県とも単作地帯であり、被害農家の多数が零細経営であるため、その影響するところは特に大きく、再生産はもとより、明日の衣食住に事欠く人々が決して少くないのであります。わけても一町数反の耕作地一坪残らず、ことごとくを流失埋没せしめまして、とうてい復旧の見込みもなく、果してこれからの生計の立て方いかんにとほうにくれておる農家が少くないのであります。われわれといたしましては、でき得る限りすみやかにその対策を樹立し、処置する必要を痛感いたしますとともに、被害地が一日もすみやかに復旧し、農民の笑顔とともに青田の調査のできる日の一日も早からんことを祈念しておるものであります。 特に最後に数言をつけ加えまして御報告申し上げるとともに、各位の御注意を喚起申し上げたいことは、今回私の視察いたしました被害地は、土地改良及び河川改修等の面においてきわめて立ちおくれておることであります。水利の面を見ましても、地形的条件に拘束されておることもさることながら、幕末あるいは明治初年に構築したそのままのものを、現在まで何ら手入れさるることもなく、改良せらるることもなく、放置せられてきた状態であります。私どもは、しばしば耳にいたしましたる東北地区は西南地区のおよそ半世紀以前の姿にあるのだとの言葉を如実に見せつけられました。このままに放置いたしまするならば、今回のごとき災害が二度ならず累年到来するのであろうことを思うとき、まことにはだえにあわの生ずる思いがいたすのでございます。土地改良、河川の改修整理等を主とした恒久的なる水害防止対策、治山治水対策等についての樹立こそ、望まれてならないのであります。 終りに臨みまして、これら現地の気の毒なる犠牲者の方々の御冥福を祈りますとともに、この災害にくじけず、さらに勇気をふるい立たせられまして、われわれの差し伸べるお手伝いの手とともに、これら災害地の復興を見ることを切に祈ってやまないのであります。 御報告を終ります。(拍手)
○村松委員長 次は第三班吉川久衛君。
○吉川(久)委員 七月中句の東北、北陸地方水害調査の委員派遣第三班として、私は伊瀬幸太郎委員とともに、七月二十三日より二十七日に至る五日間において富山県及び石川県奥能登地方の調査をいたしました結果につきまして、簡単に御報告申し上げます。 まず第一に富山県について申し上げます。七月二十四日富山県下の調査のため富山県庁に参りまして、知事を初めとする県当局、金沢農地事務局、農林省富山統計調査事務所、同じく富山食糧事務所等の各当事者より被害状況の概要及び陳情を聴取いたした後、黒部地方の現地調査を行なったのであります。 富山県下における被害状況は、七月十五日から十七日までにおいて、おおむね二百ないし三百ミリ程度の降雨が部分的かつ集中的にありまして、土質の軟弱な山地において、山地の崩壊、林道の決壊、中小河川の温水はんらんによって農耕地に被害を及ぼしたのでありますが、総体的には甚大なる被害を及ぼすに至らず、全県下に小規模なる被害をもたらしたにすぎない状況にあります。 すなわち農林関係の被害の概況といたしましては、七月十七日現在において、耕地関係は、農地の流失埋没三町四反、水路一千百二十九メートル、頭首工四カ所、その他橋梁、道路等々の被害見込額約一千二百万円、水稲作関係は流失埋没、土砂流入、冠水等約二千町歩、その減収石数約百十七石、約一千百七十万円、山林関係は山地林道の崩壊等十五カ所六百二十万円、計約三千万円でありまして、これに土木関係を入れますと、富山県下における被害総額は約二億となるのであります。 以上の被害に対しまして富山県における要望事項は、山間部における比較的小規模経営の農家が被害を受けましたので、これが営農資金の融資による救済並びに農林水産業施設、災害復旧事業国庫補助の暫定措置に関する法律の適用を得るよう措置されたいことや、冠水田の農薬撒布に要する経費及びその器具の助成をされたい等の要望を受けたのであります。 以上の県当局等より説明聴取後、水橋町、魚津市、黒部市等にある常願寺川、早見川、片貝川、黒部川等の小規模災害が散在している状況を調査いたしますとともに、これら災害防除のための施設として、小中河川の河口に設けられました満潮時及び洪水時に温水を防止する施設たる海岸突破工事の状況を視察したのであります。 前に申し上げました通り、二百ないし三百ミリの降雨に対し被害が少かった点を思いますとき、これら海岸突破工事があずかって力あるものと考えられるのであります。 なお今次水害に関係はないのでありますが、黒部川の低収穫地帯約六十町歩に対する県営黒部川沿岸冷水温障害改良事業たるいわゆる流水客土の状況を視察いたし、関係者の並々ならぬ努力を激励して富山県下の水害調査を終ったのであります。 次に石川県の調査について申し上げます。石川県における被害概況の説明は、二十四日夕刻県当局、金沢農地事務局、農林省石川統計調査事務所等の関係者出席の上説明を聴取いたしますとともに陳情を受けたのであります。 すなわち当時の気象状況についての輪島測候所の観測は、七月十五日夕刻より降り始めた雨は、十六日早朝雷鳴とともに猛烈に強くなり、しかも局地的、集中的に降り出したために、輪島では十六日五時三十分から十時三十分までの五時間に百三十ミリ、三井では九時までの前二十四時間に百四十二・六ミリという雨量であったというのであります。この雨は能登沖にあった低気圧から伸びる閉塞前線が通過する際強雨をもたらしたというのでありまして、輪島における過去累年の記録と比較するとき、二十四時間量で第二位、四時間量で第二位、一時間量で第三位を示しておりまして、今次災害をひき起したのは上中流に強雨が降り、山林の過伐、乱伐に伴う保水力のないことや小中河川の河床高等によって河川が荒廃したためにもたらされたものと観測結果を出しているのであります。このように今回の災害は能登半島に集中いたし、そのうち奥能登と言われる輪島市、珠洲市、鳳至郡、珠洲郡及び羽咋郡の地帯でありますが、特に輪島市及び鳳至郡の能都町、鵜川町、穴水町、町野町、柳田村、松波町等が甚大な被害をこうむりまして、他の地域は比較的少かったのであります。 かくてその結果は、死者八名、重軽傷者十七名、道路堤防の決壊、橋梁田畑の流失埋没、家屋の流失、山くずれ、交通通信機関の途絶等をもたらし、大正五年以来四十年目の大水害を来たしたと言われるのであります。その被害見込額は七月二十一日現在において二十億八千三百余万円、罹災者約三万二千人に達すると報告されたのであります。このような災害に対し、県当局は、十六日直ちに輪島市、鳳至郡、珠洲市及び珠洲郡に対し災害救助法を発動するとともに、あわせて県庁内に対策本部を設け、医療班の派遣、救助用物資、食糧の供給等を行い、十七日には防疫消毒班の派遣を行い、流木、崩土、橋梁材等の取り除き作業を実施し、自衛隊員の力を貸りて応急復旧に当ったのであります。 次いで応急対策を定め、緊急救助を必要とする者に給食、住宅の供与、生活必需品の支給、農作物については農林改良普及員の動員及び農薬の急送、営農資金融通の暫定措置として県信連よりの融通、公共施設の応急復旧、その他必要な緊急措置を行い、全機能をあげで対処いたしているのであります。 次に農林水産業関係についての被害でありますが、七月十九日現在農作物において、流出埋没千四百七十町歩、冠水六千二百七十七町歩、その被害額三億七千五百八十余万円、うち主として水稲流失埋没千八十四町歩、冠水五千七百五十二町歩、二億七千百余万円、その他カンショ、雑穀、蔬菜等であります。 山林関係につきましては林産物の流失二千余万円、施設として林道の決壊百四十カ所、橋梁流失二十七、被害額二千八百万円、炭がま崩壊三百基、千二百万円、林地崩壊八十カ所、七百五十万円、計六千七百二十余万円であります。 耕地関係については田八百九十町歩、畑百四十二町歩の流失埋没、その額一億五千四百万円。農業施設としてため池決壊五十一カ所、千二百九十余万円、頭首工流失二百十二カ所三千六百万円、用水路決壊四百二十三カ所、四千九、官四十余万円、堤塘決壊二百八カ所、八千百九十余万円、農道決壊三百九十八カ所、二千二百余万円、橋梁決壊二百四カ所、二千六百余万円、揚水機決壊十三カ所、百三十余万円、計三億八千四百四十万円であります。 畜産関係につきましては、家畜の流失及び斃死は牛二十一頭、豚四十九、ヤギ、綿羊五十七、鶏六千四十五羽、その額四百三十余万円、施設の流失及び全半壊五十七棟並びに浸水千八百六十六棟、その額七百七十七万円、その他飼料の流失、採草地冠水等合せて千五百余万円となっております。 水産関係におきましては、漁船の流失大破十五隻、二百五十五万円、冷凍工場破壊五百万円、倉庫二百万円、養増殖施設三百三十五万円、計千二百九十万円であります。 開拓地の被害は水稲、カンショ、蔬菜、雑穀、タバコ等の流失及び冠水、施設の決壊流失等を合せて千百七十余万円であります。その他麻、桑園等の流失埋没及び冠水等により五百八十万円の被害を受け、農林水産業関係の被害額を総計して八億七千四百二十余万円に達し、県下全体の被害額二十億八千三百万の四割強を占めている状況であります。 以上のように概況の説明を聴取いたし、翌二十五日早朝金沢を出発、現地調査を行なったのであります。 まず二十五日正午七尾線、市ノ瀬駅下車、鉄道の不通のため小型自動車にて輪島市の被害激甚な河原田川流域の河原田地区を調査しつつ輪島市に参り、次いで鳳至川流域の大屋地区の被害状況を調査いたし、再び輪島市に返しまして、石川県輪島事務所、輪島市の各当局、その他関係者より被害概況及び対策並びに陳情を受け、なみなみならぬ労苦を激励して当日の現地調査の日程を終ったのであります。 二十六日には鳳至郡町野町の町野川流域、柳田付の町野川上流、能都町、鵜川町の山田川の流域、穴水町の小又川の流域をそれぞれ調査いたし、水害のなまなましい跡をまのあたり見まして、関係町村当局及び農民の切々たる声を聞き、被害の概況を聴取いたし、陳情を受け、かつ旺盛な復旧意欲及び措置に対し激励いたしたのであります。 なお現地調査の詳細につきましては、時間を要しますので省略いたすことといたします。 今回の現地調査により特に一言申し上げたいことは、冠水田においてはいもち病、ウンカ等の発生が見られ、これが防除のため農業改良普及員、技術指導員、共済組合職員その他第一線に活躍する諸君は寝食も忘れて奮闘いたしております。また農林省統計調査事務所の諸君も同様でありまして、これら諸君の労苦に報ゆるべきことを痛感いたしたのであります。 最後に県及び被害地農民の今回の災害に対する要望はおおむね次の通りであります。 一、本災害復旧工事については、緊急を要するので、現地査定の早期実施及び国庫負担金の早期交付 一、能登地域の特殊性より考慮し、災害対象事業費制約の一件当り引き下げ 一、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用 一、農業災害補償法による保険金の概算払い 一、林道災害復旧費の高率助成 一、山地崩壊復旧費の高率助成 一、罹災者に対する所得税の減免措置 一、本復旧工事については、相当多額の経費を必要とするので、災害つなぎ融資 一、農薬及び農薬散布器具に対する助成 一、木炭がま復旧費の助成 一、救農土木事業の実施による農家の救済 一、地方特別交付税及び起債の特別措置 等であります。 以上によって第三班の調査報告を終るのでありますが、これら関係地区の耕地面積はきわめて少く、日本海及び七尾湾に流入する小河川の流域に小面積の耕地が開け、大小約七千に及ぶため池によって耕作されているのでありまして、森林の面積が多くを占め、従って林業、漁業の兼業農家が多く、婦女子による農業、男子による林漁業の出かせぎによって生計をたてているという特性を持っておりますので、今回のごとき災害を受けた場合には、その打撃はきわめて深刻であり、国及び地方公共団体の援助がなければ立ち直り困難といわれているのであります。従って要望事項の各項についていずれも早急に措置するよう希望いたしまして、私の報告を終る次第であります。(拍手)
○村松委員長 以上によって調査の報告は終了いたしました。 この際お諮りいたします。対策樹立のため、関係県当局及び関係団体の代表から実情を述べてもらいまして、さらにその対策についての意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。 なお、先ほど理事会においてお諮りをいたしました通りに選定をいたしたいと思いまするが、第一に宮城県副知事の早坂冬男君、新潟県の津川町長平田八次君、福島県議会副議長田原徳君、秋田県耕地課長河部春義君、石川県農林部長野間收君、全国農業会議所幹事土屋春樹君及び全国農業協同組合中央会代表山田安隆君、以上七名を参考人といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。 なお、以上のほかに、山形県の県会議員白岩石雄君を追加いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認めて、さように決定いたします。 では参考人より事情を聴取いたしますが、参考人に申し上げます。委員の御報告によりまして詳細の点はもう判明をいたしております。そこで補完する意味において御発言を願いたいと思いますが、その時間を大体五、六分程度にお願いをいたしたいと思います。発言の順序は今お並びの通りにいたします。第一番目に宮城県副知事早坂冬男君。
○早坂参考人 酷暑のみぎり、水害対策につきましていろいろ御心配をいただいておりまする諸先生方にまずもって感謝申し上げます。 ついては、先般は笹山先生並びに神田先生が親しく水害を調査いたされまして、ただいま水害状況並びに私どもが要望いたしておりますことにつきまして詳細御報告になりましたことを心から感謝を申し上げます。被害の状況につきましてはお手元に御配付申し上げました冊子並びに議員笹山先生から詳しく御報告がありましたので省略いたしまするが、本県における今回の水害の特徴というものをまずもって申し上げます。 宮城県は御承知のごとく南は阿武隅川あり、北には北上川がありまして、そのいずれもが福島県あるいは岩手県の上流地域において集成をいたす水というものが下流に流れて、その下流の宮城県においてこれをのむというような状況であります。今回の水害におきましては、特に阿武限の流域においてひどいのでありまして、県内において百四十ミリ内外の雨にもかかわりませず、上流の福島県の会津には大きな降雨がありましたために、その関係から宮城県内において非常に増水氾濫する、従いまして阿武隈川の堤防を維持するということに勢い力を注ぎまして、自衛隊百三十名の出動となり、五百何名の水防団員をもってようやくこれを食いとめたというような状況に立ち至ったのであります。こうした関係というものは、宮城県の地域は川の底よりも耕地が低い、あるいは海よりも耕地が低いというのが特徴でありまして、従って非常に排水が悪いのであります。全県下にわたりまして、排水不良地は十万町歩の水田のうち大体四七%というのが排水不良地でありますので、一たび大きな降雨がありますと今回のような水害がたびたびあるのであります。でありますから、今回の水害の特徴は、先般笹山先生からお話がありました通り、本県においては湛水期間が非常に長かった、一週間以上も水が引かないというような関係から、水稲におきましても、畑作におきましても、はたまた桑園におきましても非常なる損害になったわけであります。こうした五億数千万円の災害というものは、これまた先年の末に皆さん方の御高配をわずらわしました高潮の災害に匹敵するところの被害の限度であるのでございます。 これが本県の水害の特徴でありますが、対策につきまして、これまた笹山先生あるいは安藤先生等から私どもが特に要望したことについてお話がございましたのでその点は避けますが、特に私はこの機会に、先ほど安藤先生からちょっと触れられたようでありまするが、災害と土地改良の問題であります。河川改修と土地改良というものは非常に密接の関係があり、宮城県においては特に深いのでありますが、それが遅々として進まない。特にこの機会にお願いを申し上げたいことは、例の財政再建特別措置法であります。東北各県は青森県を除いてはいずれも赤字の指定団体になっておりまして、土地改良にいたしましても河川改修にいたしましても、昭和二十七、八、九年度三カ年平均の七五%に押えられた、これは非常な矛盾であります。私どもはどうしてもこれはいわゆる特殊の事情、緊急の度合いというものを認めて、そうして各地方の特殊性に応じた法の運用をやってもらいたいということを再三再四自治庁当局あるいは大蔵省当局にお話を申し上げているのでありまするが、何せなかなか機械的な運用でありますのでこの問題の解決はできない。これは土地改良と河川改修というものはどうしても切っても切れない問題でありますので、農林当局の御配意によりまして財産再建特別措置法の特別の取り扱いということに御配意をお願いいたしたいと思います。 もう一つは、災害が起きてからの問題ということよりも、洪水が出た場合にいかにして防ぐかの問題であります。もちろんこれは治山治水の根本的な対策があるでありましょうけれども、一たん洪水が起ったときの応急的な予防活動というものは水防活動以外にはないのであります。今回阿武隈川の堤防において、五百名内外の水防団員とそれから百三十名の自衛隊員とが必死の朝の五時までかかっての水防作業で数万俵の俵を費し、あるいはくいを使い、あるいは土砂を使うというように非常な水防器具器材というものを費したのであります。このことは何と申しましても、農林当局の方からも、ひとり建設省のみにまかしておかずに、例の水防法というものを改正されまして、この水防関係の資材あるいは器具等につきまして全面的な国庫補助というように、水防活動という場合にもっと刮目をしていただくように建設当局を御鞭撻お願い申し上げたい。かような点を補足申し上げまして、宮城県の実情を御報告申し上げ、かたがたお願いを申し上げた次第であります。(拍子)
○村松委員長 次は新潟県津川町長平田八次君。
○平田参考人 私は新潟県東蒲原郡津川町長の平田八次でございます。 まず第一番に、このたびの災害に当りましていち早くこの農林委員会からかけつけて下さいまして調査をいただき、激励の言葉を賜わりましたことをほんとうにありがたく御礼を申し上げます。またただいま拝聴をいたしまするに、安藤先生より丁重なしかも情のこもった御報告をいただきまして、おのずからまぶたの熱くなるのを感じた次第でございます。ほんとうにありがとうございました。 私はここに新潟県の代表として出たのでございますけれども、詳細に知っておりますことは先ほども安藤先生のお話にありました東蒲原郡の話でございます。由来新潟県は非常に川が多く、水害ということがありますとはなはだ広範囲にわたるのが常なのでございます。このたびにおきましても、あの膨大なる面積が冠水し災害をこうむったということは、この川が多いということにほかならないと思うのでございます。ただいま申し上げました通り、一例を私どもの東蒲原郡にとりますならば——なおこの東蒲原郡は新潟県といたしましては山間の地にございますので、はんらんの状況と災害の惨状等に多少の特異性があることはまぬかれないのでございます。去る七月の十四日から降り続いた豪雨のために、十六日の夜半から十七日未明にわたって四十数年来の大洪水となったのでございます。ために私どもの郡を横断します阿賀野川、常浪川を初め各小河川及び沢々のはんらんによって被害状況はまことに未曾有のものでありました。常浪川筋の橋梁はほとんど流失し、護岸堤防が決壊してはんらん、田畑は押し流されて山林は根こそぎ持っていかれた、かような状態でございました。なおその跡を見ますると、桑田変じて全く文字通りに川になったというような状態でございまして、このような状態のために生活の基礎をなす田畑は流失または埋没、はなはだしい部落にありましては、その耕地の九割五分にも及ぶという惨状でございます。従って復旧の見通しというものが全くつかないというのが実情でございます。なお道路、橋梁の破壊等によりまして飯米の欠乏を来たし、飢餓に直面しつつある部落もあるような状態でございます。このたびの災害をこうむった人たちは全く生色なく、ぼう然自失、そのなすところを知らない状態でございます。このありさまは本郡内全般にわたっての実情と申しても差しつかえなく、今回の災害の影響するところ、まことに広範囲にしてかつ甚大なものがあるのでございます。被害による切実さは甘を追うに従ってますますその深さを増し、あらゆる方面に対して適切なる対策を必要とすることが痛感されておりますが、具体的にこの対策については、微力な私どもではいまだその確たる成案も持ち合しておりません。ここに至りまして諸先生方の何分のあたたかい手を差し伸べていただきまして、幸いにして、まことに体験としては高価に過ぎる体験でございますけれども、これを体験といたしまして将来の災害に備え、わざわいを転じて福となすことがあるならばまことに幸いになるようにしたい考えであります。 なお被害の状況等につきましてはお手元にも差し上げておりますし、県よりも詳細御報告があり、しかもただいま安藤先生から詳しいお話もあったので省略さしていただきますが、とにかく直接中心になりますのはもちろん私どもでございますけれども、全部お願いするというようなそういう他力本願ではなく、私どもも立ち上る覚悟でごさいますから、力の足りないところ——具体的に申し上げますならば補助のワクの拡大あるいはその他できるだけの御援助をいただきまして、再生できますようお願いしたい考えでございます。 まことにとりとめない順序になりましたけれども、貴重な時間をおかりいたしまして御礼を申し上げ、かつお願い申し上げる次第でございます。ほんとうにありがとうございました。(拍手)
○村松委員長 御苦労さまでした。 次は福島県県会副議長田原徳君に願います。
○田原参考人 福島県の県会副議長田原徳でございます。農業会議の会長をいたしておりますので私からお願いを申し上げるのでございますが、私の県では御承知の通り昭和二十八年から打ち続く冷害、凍霜害の災害がございまして、その都度農林委員会におきましては適切なる御援助を賜わりましたことを厚くお礼を申し上げますとともに、今回の災害につきましては、いち早く調査員を御派遣下さいまして詳細御調査をいただきましたこと、委員長並びに比前様方に厚くお礼を申し上げます。ことにおいでをいただきました調査一員の皆様方には炎天の中、泥棒の中を越えて現地をつぶさに御調査をいただきました。なおまたあまりの被害はなはだしさにぼう然自失をいたしております被災農民に対しまして、非常にあたたかい激励の言葉を賜わりました。これらの人々は今再生ぜんがために立ち上っております。このことにつきましては罹災民一同にかわりまして、重ねてお礼を申し上げるわけでございます。 災害の状況につきましては先ほど安藤先生からお話もございましたように、現地の調査が交通途絶その他のためまとまりが非常におくれておりまして、その後におきまして出て参りました被害の実況は、人命の被害死者三十二名ほか合せて百七十六名、家屋の被害全壊五十五戸、浸水その他一万二千二百七十六戸というようになっております。従いましてこれが被害につきましては、推定二十七億八千万となっております。そのうちに農地、農作物、農林水産の施設、この被害が十七億七千万円と推定されております。なお日がたつに従いまして、その被害が大きくなって参りますことをこの際申し添えておきたいと存じます。 その対策につきましては、ただいま安藤先生から御報告をいただきましたことをもってわれわれのお願いはほとんど尽きておるのでございますが、特に二、三申し上げたいことは現地の実情でございます。御報告にもありましたように、現地には二つの災害が今非常にみじめな姿になって出ております。一つは冠水による被害、今日十数日を経ましてもいまだに水の底に残っております反別が数百町歩ございます。あるいは日中出て参りますが、夜間冠水するというような、先ほどお話がございましたような猪苗代の湖水からの水の関係でございます。また一面におきましては水路の破壊あるいはため池の決壊によりまして、この水害のために早害でございます。目の前に非常にことしは作柄がよく青々と茂っておりましたものが、一日々々水がないために枯死して参ります。流失あるいは埋没等による被害が外傷とこれを見まするならば、今申し上げましたような内部の疾患とでも申しましょうか、丹精を込めました稲が一日々々と枯れていく姿を見ておる農民の気持は、全く自分の子供が死期迫って倒れていくのを施すすべなく見ているような実情でございまして、人心はまさに悪化いたしおります。今日まででございますと、知事はこれらのものに対しまして議会の協力を求め、適切なる処置を講じて参ったのでございますが、御承知の通り地財法の適用を受けまして、しかもまた農民は打ち続く災害のために自分の資金というものはございません。肥料、農薬を購入し、あるいはまた適切なる処置も、あるいはお金でもたくさんありますればあるかもしれませんが、今日まで続いた何年間の災害のためにそれもなし得ません。知事も今全員協議会を招集いたしまして、県会にそれぞれのことを協力を求めております。また今県会も開会中でございますが、これらに対しまして一日も早く国よりの援助の手を差し伸べていただきたい、かようにお願いを申し上げる次第でございます。 お願いを申し上げます項目といたしましては、補助金の増額と早期交付でございまして、ことに病虫害防除等につきましては一日も早くお願いをいたしたいと同時に、営農資金等金融対策の強化をお願いいたしたいのでございます。ことにこの地帯におきましては穀倉地帯でございまして、米の平均売り渡し数量が非常に多くございます。従いまして仮受金をたくさんいただいたのでございますが、ただいま申し上げました通り収穫皆無という地帯が多数ございまして、これらにつきましてはこのお願いをいたしました陳情書には一年とございますが、とても三年や五年では、打ち続く災害でございますので見込みがないと考えますから、これらに対しましては自作農維持資金のワクの拡大等によりまして、何とかこれをやっていただきたいと同時に、耕地災害の復旧に対しましてはどうか短年度でこれをやっていただいて、来年から何とか作付をなし得るようにお願いをいたしたいと思います。また特別立法でございますが、この特別立法措置につきましてはいろいろとここに書いてございますのでこれによって一つ御了承を願いたいと存じますが、何と申しましても今日までの災害においていろいろと農民の負担が重なって参ります。全国一率の補助でありましたが、東北地帯におきましては御承知のごとく単作でございます。ようやく年一回の収入によってこれらの災害を、あるいは県において三割、四割というものを負担して参りましたから、とても農家は——おそらく今回の壊滅地帯におきましては離農者というものが多数出るのではないかということが予想されます。かような状態でございますので、どうか高率補助の適用ということに、特に御配慮をお願いいたしたいと存じます。 いろいろ申し上げたいのでございますが、先ほど安藤先生から詳細に御報告を願いましたので、一日も早くこれが完全実施方をお願いいたしまして、私の県の説明を終ります。
○村松委員長 次に秋田県耕地課長河部春義君に願います。
○河部参考人 秋田県の水害の状況を報告しますとともに、お願いを申し上げます。小さい数字的なことはすでに先生方の手元に差し上げてあると思いますので、省略させていただきます。 秋田県では去る七月二十二日から二十三日にかけまして、八郎潟の北の能代というところがありますが、その能代から東西に、岩手県境にかけまして大豪雨がありまして、熊沢川とか小猿部川とか、こういう中小河川が急激に増水いたしまして、堤防の決壊、橋梁、道路等の流失、水田の流失など、こういうものが相次ぎまして、土木関係、農林、耕地関係にわたりまして甚大な被害を見たのでございます。その概略の内訳を申しますと、土木が約三億五千万円、農政、林務関係で一億三千万円、耕地課関係で二億三千七百万円、その他を含めまして、県全体としまして七億六千万円という数字が出ております。これは七月三十日現在でございまして、さらにもう少しふえるのではないか、こういうように予想いたしております。 以上の点から申しますと、秋田市では自動車が走ると砂ぼこりが立っておるというのにかかわらず、北の今申しました地方では非常にひどい雨でございまして、ひどいところでは、北秋田郡のある鉱山で計ったところが、連続雨量三百二十二ミリ、またすぐ隣では二百十七ミリというような大きな数字でございまして、本県としましては、きわめて大きな雨でございました。今回の災害は、秋田県としましても、七億六千万円と申しますと数字的にはあまり大きな災害ではないのじゃないかというふうに考えられますが、被害地域が二十カ町村くらいにしかわたっていないわけでございます。しかもそのうちからひどいと思われるのはわずか四カ町村、こういうふうな形でございまして、非常に局部的に集中した、しかも御承知のように秋田県には二十六年災害というのがございましたが、これが北の方にあったのでございまして、まだその痛手がなおっていないところに持ってきまして、この大きな災害がありましたので、非常な痛手を受けておるわけでございます。 いろいろ補助金関係とか融資関係という面でお願いしたいことがございますが、これは先ほどからほかの県でいろいろお願いしておりますし、それと大体似たり寄ったりでございますので省略させていただきますが、私の方の災害はほかの県に比べまして、災害の発生時期がずれておくれておりましたので、皆さんにお願いするのもずっとおくれたわけでございますが、ぜひこの水害対策委員会で取り上げていただきまして、できるだけ早い機会に現地調査をお願いいたしたいということであります。 以上であります。
○村松委員長 御苦労さまでございました。 次に石川県農林部長野間收君。
○野間参考人 石川県の農林部長でございます。 先般奥能登に水害が起りましたときに、そのあとでさっそく常任委員会の方から吉川先生並びに伊勢先生両先生に親しく御視察願いまして、またただいまは十分にして詳細な御報告をいただきましたので、われわれといたしましてこれにつけ加える何ものもないのでございます。ただ私たちが今度の奥能登の水害につきまして感じました点について二、三申し上げまして、今後いろいろ御対策になります点にもしも参考になりましたらと思うのでございます。 奥能登についての特徴と申しますと、結論的に奥能登は非常に貧乏な地帯であるというて過言でないかと思います。奥能登の人たちは、おもな産業といたしまして農業関係はもちろんでございますが、水産関係、林野関係その他各種出かせぎ産業でもってようやく生活を営んでおるといったような、非常に未開発的な地域でございます。こういう人たちの農業経営形態でございますが、いわゆる単作地帯の、しかもその農業経営面積が非常に限られた小さな基盤のもとにようやくその日の生活を過しておる、小さい地域の農業経営形態をもって生活しておるというような特殊な地帯でございます。この奥能登の災害の計数につきましては、ただいま吉川先生から御説明がございましたのであらためて申し上げる必要はないのでございますが、要するに災害の計数はその災害の実態を広くとらえたということでございまして、この災害がいかに農家に深刻な打撃を与えたか与えないかという点につきましては、非常に問題があろうかと思います。奥能登の今度の水害につきまして、私の方で一つのデータとして鵜川町の一部落につきまして、災害状況を農家個々について当ってみたのでございます。その戸数は十五戸でございますが、その十五戸の農家の総所得が平年作の場合におきましてはわずかに四百三十万円程度の総所得しかないわけでございます。これにつきまして今回の農業損害が大体二百万円の損害をこうむっております。しかもこの部落におきますところの農地復旧あるいは農業施設その他につきましての復旧的な経費が、先ほどの営農的な二百万円のほかにさらに四百万円ないし五百万円かかるのじゃないかということが想定されるのでございます。そうしますとこの部落の四百何万円の所得に対しまして、受けた被害が非常に大きな計数をなしておるということが現実に現われて参るのであります。従いましてこういった地域の災害復旧についての問題といたしましては、とにかく非常に困難な災害復旧をやらなければならないということが中心問題になって参ります。従いまして政府並びに県におきまして、これらの災害復旧につきましては相当十分な建前のことを講じてやらなければ、先ほどちょっとお話になりましたようにこの地帯におきましては大家畜が五頭おりますが、この五頭の保持はもちろん、その保有をしております農地につきましても手放さなければならないような運命にも立ち至るのじゃないかということも心配いたすのであります。こういった環境から考えてみましても、われわれが政府にお願いいたしますことは、特に私は申し上げたいのでございますが、こういう地帯の地方的な農業協同組合とかあるいは市町村の地方自治体の財政力、またそういった各種の力が弱いということでございまして、こういった自治体あるいは団体が非常に弱体なるがゆえに、また産業が微弱なゆえに弱体なのでございますが、こういうものを中心としていろいろ仕事をして参りますところに非常にむずかしさがあると思います。こういった地方のそういった組織面、並びに今申し上げますような農家の実態に触れて、どうか十分な御施策をこの上賜わりますように、石川県としては特に奥能登のためにお願い申し上げたいと思うのでございます。簡単でございますが……。
○村松委員長 次に、全国農業会議所幹事土屋春樹君に願います。
○土屋参考人 私、土屋でございます。災害のたびにお願いに出ましていろいろと御配慮をいただいておりますことを、厚くお礼を申し上げたいと思います。 今回の水害に対しましては、昨日関係県が会議所に寄りまして、いろいろ実情の話し合い等もありまして、ここにまとめて要請を申し上げてあるわけでありまして、どうぞよろしく御配慮をいただきたいと思うのであります。 応急対策について一から十一の項目にわたってお願いいたしてあるわけでございますが、その中で特に御心配をいただきたいというような声の強かった点は、ことしの米の予約契約になっていますその予約米が、お約束が果せない、まことにその点遺憾であるが、なおその上、前渡金としていただいておるその前渡金を期限通りにお返しすることかできない。期限通りにお返しできないばかりでなしに、実際にお返しすることが不可能の状態にある農家もある、こういう点については格別の御処置、御心配をいただきたいという声が非常に強いのでございます。 それから災害の復旧について、国庫補助の暫定措置による法律で、一カ所の工事費十万円以下のところが対象外になっておるのでありますが、これもぜひ一カ所五万でも三万でも補助対象になるように特別の御処置を願いたい、こういう点が強く要請されたのであります。そういうように応急処置についてはこれを整理し、各県の御意向をまとめてみますと、応急処置で一の営農資金の融通から、十一の地方税交付金の交付額の増額、こういう十一項目になったわけであります。いずれにしても速急にやってもらいたい、急速に一つお願いしたい、こういう点が非常に強い要請でありますから、よろしくお願いいたしたいのであります。 それから恒久対策としては、これは防災ため池並びに河川改修工事促進のための予算を増額してもらいたい、これが恒久対策として強く要請された意見のあった点でありますから、どうぞそういう点について格別の御配慮をいただきたいと思うのであります。 なおこの機会に、今度の水害対策についていろいろ御審議いただけるわけでありますが、それにあわせて一つ御審議、御決定を願いたいのは、六月の十日、十五日、二十一日に千葉県、茨城県、愛知県、岐阜県でひょう害があったわけであります。このひょう害についてのいろいろ御救済の施設あるいは助成金等について、営農資金約一億だけが決定を見ているのでありまして、その他についてはまだ御審議をいただいておらないのでありまして、この機会に、一つのひょう害の問題についても、水害対策とあわせて御審議をいただいて決定をいただくようにお願いを申し上げたいと思います。要請書を差し上げておきましたので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
○村松委員長 次に、全国農業協同組合中央会代表、山田安隆君に願います。
○山田参考人 私は全国農協中央会代表、石川県農協中央会長山田安隆であります。 去る七月水害に対しましては、御懇篤なるお見舞並びに御調査、御激励等をいただきまして、心から感謝する次第でございます。 全国中央会といたしましては、さっそくこの被害地いわゆる八県に対しまして調査をいたし、それと同時に、この八県をもって東北北陸地区農協水害対策協議会というものを結成いたしまして、あらゆる対策を講じたのでございます。昨日私たち八県が寄りまして、とりあえずこれらに対する対策といたしまして十八項目にわたってお願いすることにいたしたのでございます。そのお願いする内容は、先ほど来諸先生方並びに各県の代表者からるるお話がありましたので、私からお話することをやめまして、委員長さんのところまで陳情書を提出いたしてあるのでございます。特に私からお願いいたしたいことは、委員会において御決議いただき、それと同時に、早くこれらのものを緊急に実施していただきたいということをお願いいたしたいのでございます。また被害農家といたしましては、一日も早く救助の手を待っているのでございまして、どうかその点をお含みの上、御決議と同時に実施の方まで皆様方に見ていただきたいということをお願いいたしまして、私の中央会の陳情にかえる次第でございます。どうかよろしくお願いいたします。
○村松委員長 次に山形県県会議員白岩石雄君に願います。
○白岩参考人 私、山形県会議員農林常任委員長の白岩石雄でございます。 先ほど来笹山班長から詳細わが山形県について御報告になられましたので、私から省略いたしたいと思いますが、その前に一言農林委員会に対しましてお礼の言葉を申し上げたいと存じます。 わが山形県の水害は、十四日の夜半から豪雨によりまして上流地帯である上山市以南、置賜地方は十五、十六日の水魔に侵されまして、中流地帯である大石田付近は十七、十八日の両日に水魔に侵されたのでございます。しかるところ、農林委員会の方々におかれまして早くも二十三日の日にわが山形県においでになりまして、被害地を詳細御視察、御調査下されましたことに対しまして、わが山形県民は心から感謝感激をしている次第でございます。なお先ほど笹山班長から詳細にわが山形県の実情が農林委員会に報告されましたが、その内容をお聞きいたしますと、われわれ山形県民が要望する全貌を詳細御報告になられましたので、私自体も随喜の涙を流してお聞きいたしたような次第であります。この点につきまして、山形県民を代表いたしまして、私から厚く御礼を申し上ぐる次第でございます。 今申しましたごとく、笹山班長から詳細御報告になりましたので、私から省略いたしますが、今回の水害の特徴を申し上げ、ことに三点に対して特に一お願い申し上げたい点がありますので、皆様方に陳情申し上げることにいたします。 御承知の通り、今回のわが山形県の水害は、最上川上流地帯の水害でございます。あらゆる支川の一大はんらんによりまして一大水魔に侵されたわけでございますが、この地方の農家は、わが山形県といたしましていずれも貧弱な農家でございます。いわば過小農でございまして、一戸平均五反歩内外の農家でございますので、今回の水害によるこの損害を見る場合、この農家の自立経済はまことに憂慮すべき現実の状態にあるのでございます。どうかこの事態をよく御理解、御認識下されまして、万全な対策を樹立いただくよう特にお願い申し上げたいと思います。 それから、先ほどどなたかからも申し上げましたが、現在の法律によりますと、耕地関係におきましては十万円以上が災害の対象になりまするが、今申し上げましたような観点から、わが山形県の実情を考えますとき、少くとも三万円以上の災害個所に対しましては、特別立法を設けていただきまして、これを救済していただかなければ、この貧弱な過小農家の自立経済はまことに憂慮すべき事態と考えられますので、この点特にお願い申し上げたいと思います。 第二点は、わが山形県の耕作面積は十万町歩ありますが、水魔に侵された町歩は一万三千町歩でございます。これに対しまして、県議会におきましては、先月二十三日急遽県議会を招集いたしまして、六日間災害県会を開催いたしまして、とりあえず対策を樹立いたしたのでございまするが、この一万三千町歩を完全に防除するには、約六千万円の農薬代が必要であるということになるのでございます。しかるにわが山形県も地財法適用というような観点から、経済まことに不如意な現実の事態でありますので、わずか三百八十万円程度の補助を計上いたしまして、農家を激励、鞭撻いたしまして防除対策をしておる現況でございます。いろいろ新聞報道によりますと、個人農家に対する補助政策は、政府において打ち切りすべきものであるというようなことも報道されておりまするが、私考えるに、かような水魔に侵されたような場合は、今申し上げたようなまことに憂慮すべき農家に対しましては、やはり国でこれは救済すべきものであると私は強く考えるものでございます。どうかかような点も農林委員会の皆様方が十二分に御配慮いただきまして、お助け下さるよう、私から切にお願い申し上げます。 第三点は営農資金の貸付でございまするが、わが山形県の最上川上流、中流のはんらんの相当大きな部面は、専業畑作農家であるということでございます。畑作農家が多いのでありまするが、この方々の一カ年の収入を申し上げますと、一毛作、二毛作ということに耕作しておりまするが、一毛作の収穫は年間の七割を収め、二毛作は後半になりまするが、あとの三割を収めているというのが、この畑作農家の現況でございます。この畑作農家の方々の七割を占める収入が、今回の水害によって全部流失に相なったという実情から考えまするとき、これも重要な問題であるのでございます。しかるにこれに対する現在の助成策といたしましては、営農資金の貸付のほかにはありません。ことに、農家の共済制度の設けがありますが、桑園並びに麦のほかは、全部共済制度の適用は受けていないのであります。かような観点から考えましても、でき得るならば、わが山形県が皆様のお手元にお上げした内容の通りの助成策を徹底的に御考慮下さるよう、私から切にお願い申し上げる次第でございます。 以上簡単でございますが、お願いの言葉を申し上げた次第でございます。ありがとうございました。
○村松委員長 以上をもって参考人の意見の聴取を終りました。 参考人諸君に申し上げます。十分に御意見を拝聴いたしました。大いに参考になりました。御苦労さまに存じます。 なお安藤覺君より報告の補充を申し出ておりますので、これを許します。安藤覺君。
○安藤委員 きわめて簡単に、先ほどの御報告につきましてまことに重要であると思う点を落しましたので、一言つけ加えさせていただきます。 それは、ほかでもございませんが、この度の災害の発生に当りまして、食糧の不足を初め各種の人心を動揺せしめるごとき事態の発生を見ました。これに対しまして現地県市町村当局初め農林その他の各関係出先機関におきましては、それぞれ臨機の応急処置をとり、人心の鎮静をはかりまするとともに、あるいは災害復興、再生産等についての適切なことを期した次第でありましたが、これらのうちには、しばしば相当額の経費の支出を伴っておるものがございます。これらにつきまして、災害による多くの臨時出費を余儀なくされておりまする県市町村当局の負担においては耐えられないものもあるのであります。こうしたことについての処置を、県市町村当局が国の指令を待たず、勝手にやったことであるとして国が放置いたします限りにおいては、これは市町村当局の財政の窮乏な折柄、さらにさらにその負担の困難を伴いまするのみならず、今後においてこういった緊急事態の発生いたしましたときに、人心の動揺と不測の事態の重ねて発生することに対して、現地当局が独断をもって事を処していくの勇気を欠くことに相なろうかと存ぜられますので、先ほど来いろいろ御要望事項の中にも含まれておりました諸般の高率補助等の問題につきまして、特に今日の日本の治山治水、河川改修、土地改良等の現状におきましては、予期し得られない不測の事態が発生するでありましょうことを思いますときに、この場合われわれといたしまして、国としてこれらの処置を誤まりなきを期せしめられますよう特段の御配慮を願いたく、ここに御報告をつけ加えておく次第であります。
○村松委員長 政府より災害状況についての報告をいたしたい旨の申し出があります。これを許します。野田統計調査部長。
○野田説明員 この度の七月の中旬におきます東北、北陸地方の災害状況につきましては、現地御調査の委員の方々の詳細な御説明がありましたので、私どもといたしましては、現在までの、われわれの機構を通じまして取りまとめた数字を概括的に述べさせていただきたいと思います。それによりますと、皆様のお手元に簡単な資料をお届けしておると思いまするが、一番被害の大きくございましたのは、何と申しましても水稲でございまして、水陸稲合せますと、被害面積は三万七千町歩でございます。被害量は十三万三千石、かように推定されるわけでございます。そのほかにイモ類、雑穀、蔬菜、果樹並びに桑というようなものが相当の被害を受けておりまして、被害の総面積におきましては四万四千町歩というふうになるわけでございまして、この被害量を価額に換算いたしますると、約十九億ということになるのでございます。これは各府県からわれわれのところに御報告いただいております被害量が十九億ということでございますので、もちろんこれは作物の被害でございますが、大体見合っておるというような状況であるかと思います。私どもの方におきましては、水害の被害と伊うのは時の経過に従いまして確定いたすわけでございますので、被害が変動いたしますので、大体もう一回詳細な調査をいたしまして、八月十日前後にこれを取りまとめるつもりでおります。
○村松委員長 質疑の通告があります。これを許します。川俣清音君。
○川俣委員 政府に三点だけお尋ねいたしたいと思います。 第一点は、現状把握の調査が遅々として進まない傾きがございます。従いまして県の報告と国の調査との間に相当の相違があるのであります。これは国の調査が十分行き届かなかったということと、もう一つは、進行状態がまことにおくれておるというところからくる相違ではないかと思うのです。これにつきまして、今の農林省の調査機構では機動力を持った調査ができないという欠陥がこの状態を現わしておるのではないかと思うのです。 もう一つは、農林予算の中で調査のための旅費及び費用等が十分確保されておらない。災害が発生した場合における臨時措置としての予算的な裏づけを中央で十分なされないというところから日帰り調査をやるというような結果が出て参りまして、従いまして十分な調査がなし遂げられないということを往々耳にするのでございます。こんな状態では、今わが調査班が調査して参りました報告に基いて現実に対策を立てる上に大きな障害となるおそれがあると思うので、これについて政府の所見を伺いたいのであります。
○大石説明員 お答えいたします。ただいま政府の調査が非常におそいではないかという御意見でございます。われわれもできるだけこの被害を正確に、早急に調査いたしまして、できるだけ早く対策を立てたいと念願いたしております。ただいま統計調査部長より中間報告をいたさせましたが、できるだけ督促いたしまして、大体今の見通しでは、今月の十日ごろには間違いのない被害の総計が集まるという見通しでございますので、これを土台として、でき得る限り正しいりっぱな応急対策を立てたいと念願いたしております。統計調査員の活動力が鈍いではないかというおしかりでございますが、十分にこれを督促いたしまして、その全機能を発揮せしめるように指導いたす所存でございます。なお費用につきましても、現在農林統計部で持っております費用を十分に使わせまして、あらゆる活動に阻害のないようにいたす所存でございます。
○川俣委員 政務次官は大いに熱意は持っておられるように見受けます。あなたがそれだけ熱意を持っておるならば、統計調査部に予備費から臨時支出をするような配慮を講ぜられる決意であるかどうか、または講ぜられたかどうか、これが一点。 さらに全機能をあげて調査を完了するというのでございますけれども、この統計調査部の機動力というものは自転車なんです。これで機動力ある調査をいたしますなんて言ったって、大体道具がないじゃありませんか。これに機動力あるジープなりあるいはバイクなりを回すなどして、すみやかにこういうものの予算的処置を講じて、それで応急的に機動力を増すというならばこれはわかる。こわれたような自転車で回って調査をせいという自体が無理なんです。その予算的な裏づけもしてやらないで、十分な旅費も与えないでおいて、宿泊費もなしにしておいて、毎日朝出ていっては日帰りしなければならないような状態でおって、十分な調査をしろということ自体が無理じゃないか。そんなことで調査漏れが出て参りましたりいたしますならば、いかにあなたが熱意を持っても、十分実態が把握できなかったというそしりを免れないであろうと思う。いかに農林委員会が熱心になりましても、具体的な裏づけをしてやらなければできないのでありますから、ここに予備費からどのくらいをさいて調査の方に回そうとする決意を持っておられるか、この際明らかにしていただきたいと思います。
○大石説明員 お答えいたします。調査員の活動が十分できるようにいたさせたいと思いまして、普通の統計調査は日帰りでございますけれども、ことに水害の場合には、交通が途絶したり、非常に難渋をきわめる場合が大多数でございますので、その場合には日帰りなどでなく十分な旅費を支給して、できるだけの調査のできるようにいたしております。そして現在持っております統計調査の予算を十分に使わせるようにいたしております。それで不足を生じた場合には、もちろん予備費から十分な額を要求いたす所存でございますし、今までも予備費からそれぞれの予算をさいてもらっている次第でございます。なおジープその他の機動力が必要ではないかという御意見でございますが、ごもっともでございます。私どもも毎年そのような予算を獲得すべく努力いたして参りましたが、本年はまだ十分に参らなかったうらみがございます。来年度は、十分にその機動力を得るように、今予算を準備いたしておるような次第でございます。
○川俣委員 時間がありませんから、御注意だけを申し上げておきます。 さらにもう一つは、統計調査部は被害調査が主なんです。ところが農林省としては応急対策をいかに講ずるかという調査もなさらなければならない。これは被害調査ができると同時に応急対策の調査ができておらなければならないと思う。また応急対策の調査ができると同時に、根本対策の調査もできなければならない。たとえば老朽貯水池のための被害であるか、あるいは河川の上床による被害であるかどうか。従ってそういう調査が十分なされての根本対策が当然講じられなければならないと思う。今わずかに農林省がやっておられますのは、被害調査、その被害調査も、被害民との間に大きな懸隔のあるような調査、あるいは五日間の冠水をこうむりましてもなお被害がないというようなことが調査の上に現われてきておるような状況なのです。これはごくわずかの機動力しかないので、見回り調査をいたしまして、粗漏のあった結果ではないかということなのです。現にその後出穂をいたしましたところを見ますと、すっかり花がついておらないということがあるわけなのです。こういう点は秋にならなければわからないということでなしに、これらは今からもうすでに想定されるところのものであります。またもう一つは、頭首工の破壊で水がないということからして、旱魃の被害を受ける。水害のあとの旱魃の被害は、今までは間接被害ということであった。私どもはこれは間接被害だと見るべきものではないと思う。少くとも当然応急処置をとらしめるような対策を今までなしておるならば、間接被害ということは言えると思う。ところが自己負担で応急処置をやりましても、それを認めないというような従来の政府の態度からいたしまして、査定があるまでは応急処置をとらない結果くるところの被害でありますから、これは政府の施策の貧窮からくる直接被害であると見なければならないと思うのです。そこでこれらもあわせて直接被害として査定をする意思があるかどうか、この点をお尋ねしたい。 前の点は応急処置をとるための調査が十分なされておらない、根本的対策をとるための調査が何らとられておらない、これに対してどういう処置をとられるつもりであるかということ、並びに頭首工による直接被害か、間接被害か、この点をお聞きしたい。ちょっと政務次官にはむずかしいかもしれないけれども……。
○大石説明員 お答えいたします。応急措置と精密な調査、たとえばため池の不良個所であるとか、それらのものを精密に調べること、あるいは水稲の発生状況を見ますということなどはみな必要なことでございます。従いまして応急の被害はもちろん急いで調べまして、それに対する応急の手当をしなければならぬと思いますけれども、なお水稲の被害状況というものはやはり相当の日数を要しますので、その順を追うて、ある一定の期間を置いて調べなければなりませんので、被害の状況は今月十日ごろでなければ出ないだろうというわれわれの見通しでございます。なお十分に念を入れまして、できるだけ早く調べる所存でございます。 なお次の問題につきましては非常に技術的なむずかしい問題でございますので、農地局の建設部長よりお答えさせたいと思います。
○清野説明員 水害の応急措置につきましては、農地局が各事務局の機械管理所に保有しておりますところの災害復旧応急措置用の機械を直ちに現地に派遣する準備を整えております。現在すでに福島県に対しまして、東京事務局並びに東北事務局から百ミリのポンプ、七十五ミリのポンプをそれぞれ数台現地に派遣いたしましておのおの活動いたしております。その他の府県の災害につきましては、各府県に応急措置の必要なるポンプあるいは土工用機械の要求等を取り調べておりますが、現在のところ直ちに要求のあり次第配置いたすように考えております。
○川俣委員 今の応急処置について農地局が一部機械を回して応急対策を講じたことは、私ども現地において幾分認める。しかしながら要望があったから全部満たしたという御意見でしたが、おそらく要望の十分の一、二十分の一にも達しないと思う。それ自体が、応急処置をとる場所がどこだかという把握が十分じゃないのです。問題はそこから始まる。応急対策をとるべき調査が粗漏であるから十分要求に満ちたような御答弁になると思うのです。把握が十分でないのです。応急対策をとるべき調査が十分じゃないのです。従ってそこに大きな欠陥があるということを今指摘したのです。 第三の点では、根本対策を講ずべき調査が十分なされておらないということ、農地局は、ほんとうからいうならば、各ため池の保有量の状態、その背景をなすところの山相の状態等を当然把握していなければならないはずである。あるいはため池等においてもオーバーフローする場合に、これなら危険であるかどうか、あるいは排水溝をつけたらどうかというような調査を一つもやっておらないのじゃないか。やっておればお聞きしますけれども、今時間がないから聞かない。根本対策を立つべき調査がちっとも行き届いておらない。大きな事業をやるような場合においては、かなり熱心にいきますけれども、山間僻地におけるこうした中小河川についての調査が十分に行き届いておらないのではないか。役所の機構というものは、調査ということについては相当熱心であるべきはずであるにかかわらず、これらが放任されておった結果、天罰的な——これは農林省に対する天罰で、農民に対する天罰じゃない。農林省に深く反省を求める意味の災害であると思いますから、この災害を福となす対策を立てる必要があるのじゃないか、こうお聞きしておるのです。もう一度答弁を願います。
○清野説明員 災害の現状把握の調査が不十分ではないか、またそれに対する事前の調査も十分ではないというようなおしかりでございます。先ほど申しおくれましたが、全国のため池につきましては、すでにため池のいわば戸籍簿というものができております。その中で特に老朽化のひどいものから、順次老朽ため池の予算をもって、現在漏水の防止、取水設備の改修、樋管の問題等につきまして、本年度においてはすでに各府県に割当を行いまして応急措置を現在講じております。その他の、ため池以外の事業につきましては、御承知のように増産五カ年計画によりまして、すでに一部の調査を終りまして、漸次土地改良によってこれらの災害を未然に防ぐ、いわゆる減産防止の事業をすでに実施いたしておる次第でございます。なお災害復旧の応急調査がおくれておるというようなおしかりでございますが、現在のところ各府県から災害状況の報告をもらいまして、それに対しましてできるだけ急速に措置をとるというような方針をとっております。復旧はあくまでも県から上ってきたものをこちらが受け取る、こういうような態勢でありますので、まことに遺憾ではございますが、農地局当局といたしましては、そういう場台にはできるだけ急速な措置をとるように、各事務局に対してポンプあるいは機械類の直ちに配置がえのできるような措置を講じておると、前に申し上げた次第であります。
○川俣委員 もう一点だけで省略いたします。私は遠慮して調査が十分じゃないのじゃないかと申し上げた。老朽した危険ため池がたくさんありと知りながらもしもやらなかったとするならば、責任なお重大である。目が届かなかったためにやむを得なかったというなら、今後の施策に待つという点があるけれども、危険なため池が幾つもあることを知っておった。それをやらなかったとするならば、これはまことに責任重大なんじゃないですか。危険な状態を放任したという責任は免れないでしょう。そこで私はそこまでいくと建設部長が気の毒であろうと思って、目が届かなかったのだろうというふうに遠慮してあなたにお尋ねしたのだが、十分知っておったと言う。危険状態を十分知っておりながら、これに対して施策をしなかったというならば、これは重大な責任だと思う。政務次官並びに建設部長からもう一度御答弁願います。 これで質問を終ります。
○大石説明員 お答えいたします。おしかりをこうむりましたが、建設部長の発言が多少不明確であったために、そのようなおしかりをいただいたと思うのでございます。実際老朽ため池はいろいろあると思います。それはでき得る限り予算をさいて復旧いたしまして、相当の被害に十分耐え得ないものは全部手当をいたしまして、耐え得るもののみを順次改良していくという方針でやっておると思います。その点言葉の不十分の点をおわび申し上げる次第でございます。
○村松委員長 石田君。
○石田(宥)委員 最初に湛水被害の問題ですが、さっき川俣君も触れられたようでありますけれども、実はこの湛水地の被害の状況については、目測程度でいたしておりましては正確な被害の状況が把握できないのです。幼穂形成期にちょっとやられておりますと、稲そのものはきわめて健全に立て直っておるようであっても、それが出穂いたしますと全くから穂が出るというような状態でありますが、そういうものの調査については、一体どの程度にまで調査ができるようになっておるか。統計調査事務所では、そういう微細な点については、一応顕微鏡等によってこれを観察いたしますれば、大体の実情が把握できると考えるのでありますが、そういうふうな設備が今のところないように見受けられるのです。一体そういうような点についての調査が現在の機構で可能なのか不可能なのか、この点をちょっと伺っておきたいと思うのです。
○庄野説明員 お答えいたします。今のところ振興局の試験研究関係では、そういう末端におきまする被害状況として稲の枯死状態、あるいは現在におきまする穂ばらみ期における水害、そういったものにつきまして、試験場を中心にいたしました調査というものはやっております。ただ統計調査部の機構のような常設的な組織というもので調査して、被害があったらすぐやる、そういうふうにはなっておらないのでございますが、水害等が起りますれば、普及員及び試験場の技術者、そういうものが被害地に出かけまして、具体的に調査して、そうして具体的な問題として農民に技術指導をやる、そういった程度でございまして、ケース・バイ・ケースでその場で農民を指導する、そういうふうな状態になっております。
○石田(宥)委員 そうしますと、やはりきわめて不完全なものだということなのでありますが、将来、やはり相当末端までそういう被害の実態を把握して、直ちに適切な措置がとれるような機構を整備しなければならないと考えるのでありますが、これは一つあとの問題として御研究を願いたいと思います。 それからもう一つ農薬と防除機具の問題ですが、今度の被害は、全国的に見ればきわめて部分的な災害のようでありますけれども、福島県にしても、新潟県にしても、農薬の手当または特に防除機具が非常に不足を告げておりまして、雨の降っておる間はもちろんできませんが、お天気になって急にやり出そうとしても、機具がなくてできないという状態であります。ことしは予算が相当とられておって、だいぶたくさん各県に配分されたようでありますけれども、まだ十分ではないのです。これについての振興局としてのお考えと、今後の方針を承わっておきたいと思います。
○庄野説明員 農薬につきてましては、県の備蓄並びに国の段階におきまする備蓄として、こういう異常発生対策といたしまして従来から農薬を備蓄いたしておる次第でありますが、現物につきましては早急にこれを放出するように手はずをとったわけでございます。特に福島県等につきましては、県からの連絡もありまして、県の備蓄並びに全購連で備蓄いたしておりますものを緊急輸送して間に合わせている、こういう状況でございます。なお新潟県等につきましても、そういう状況がありますれば県の備蓄なりを放出していると思いますが、不足すれば中央からも早急に送る、こういう手を打ちたい、こう考えております。なお噴霧器につきましては、従来県段階の防除機具というものを整備してことしまでやってきたわけでございまして、なおことしから皆さん方の非常な御協力もありまして、市町村段階におきます噴霧器の整備をやっているわけでございます。これはわれわれといたしまして、将来も継続してこういった災害時におきまする適時早急の防除ができますように整備をしていきたい、こう考えております。本年の分につきましてはただいま配分をいたしておる段階でございまして、緊急にこれを現物化して今度の災害に間に合うように手配いたしたい、こう考えております。
○石田(宥)委員 次に農地の災害復旧について建設部長に伺っておきたいと思います。今回の水害は、平場地帯の湛水地は別といたしまして、おおむね山間部の小面積地帯にきわめて深刻な被害が多いのであります。すなわち流失、埋没等がきわめて多いのでありますが、流失、埋没と称せられるような田畑はほとんど復旧不可能に近い。こういう場合の災害復旧の対象となるものは、大体その反当についてどれくらいの程度を標準とするお考えであるか。非常に高額の復旧費を要するがために復旧はしないというようなことになりますと、山間部の保有農家の多いような地方においては非常に問題になると思うので、大体の標準をどの程度にお考えになっておるか、承わっておきます。
○清野説明員 山間地におきますところの流失、埋没による耕地の復旧につきましては、一応通常開拓に要する経費というものを限度にいたしまして、その程度のもの以下のものを復旧対象額としております。反当の経費はちょっと覚えておりませんので、調べてから申し上げます。
○石田(宥)委員 さらにさっき陳情の中にもあったわけでありますが、十万円以内の被害は災害復旧の対象にしない、こういうことになっておるわけでありますけれども、今申し上げたようなことで、山間部等におきましては、きわめて小面積であっても、復旧いたしませんと保有米の確保ができないというようなことになるわけでありますが、この点は法律の改正でなくても政令の改正でできるのではないかと考えますが、これは政令の改正等によって必ずしも十万円という単位にこだわらずにおやりになれるかどうか。それからもう一つは、十万円単位といたしまして、かりに七万円とか八万円とかいうような被害が一つの水路、一つの路線で連続的にずっとある。その場合に、五十メートル以上離れたものは一つの災害とみなさないということであるが、五十一メートルだけ離れたところにまた七万円の被害がある、また五十一メートル離れたところに九万円の被害があるというようなことが実際たくさんある。そういうような点は、今の政令ですか、これに基いて、やはり現地に参りました災害調査官は厳重にこれを守っておりまするので、事実上災害復旧ができないのです。こういう状況でありますが、これは私は法律の改正でなくとも、政令の改正でできると考えるのですが、政令の改正でできるかできないか、それからこれは政令の改正でおやりになる意思があるかどうか、これを一つ建設部長と政務次官等から承わりたいのです。
○大石説明員 お答えいたします。ただいまの問題は、仰せの通りよくあることのようでありますし、実際このような問題は皆様お因りのことであると思います。政令の改正はできません。ただもちろんこれを調査に参りました役人は厳重に法律を守りまして、精密に調査することは最も望ましいと思っておりますが、やはり政治はあたたかみがなければなりませんので、十分にそのような面を参酌して被害を算定することと私は考える次第であります。
○清野説明員 お答えいたします。五十メートル以内ということと、一個所十万円という二つの条件によって、災害復旧の農業用施設に対する一つの限度になっております。ただしこれには例外がございます。例外といいますのは、その施設が五十メートルをこえる場合にありますところの災害復旧を行います場合に、その工事を切り離して行うことが効用上困難である。あるいは不適当である。たとえば一つの水路が五十メートルをこえて掘られております場合に、その水路を同時に施工しなければその水路の効用を発揮できない。十万円以下の一個所の工事でも、二個所、三個所を合併いたしまして十万円以上になる、こういう場合に災害の法律の適用を受けることになっております。従いまして今お話しになりましたような点につきましては、今申し上げました法律の適用の範囲におきまして極力検討をいたして、御質問のような場合に適用いたしたい、こう考えております。
○石田(宥)委員 それからもう一つ伺いたいのでありますが、それは災害復旧は、原形復旧の範囲を越えてはならない、こういうようなことが一つの原則的な取扱いになっておるようでありますが、今度の災害で、福島県のある地方の、これは農林関係でありませんが、建設省の関係ですけれども、一億円ほどの工事をやらなかったために、一億五千万円ほどの被害を受けたという事実があるのです。これは農林関係でも、やはりそういうことがしばしばあるわけでありまして、従来の状況がきわめて不完全な状態であって、ちょっとした洪水でも被害が起ることがきわめて明瞭であっても、今度の被害が起った災害復旧では、やはり前の通りにしなければならないという考え方で、末端に参りまする調査員などはいっておる。そういう考え方で調査をしておるのです。これについては大蔵省との関係もありましょうから、あとでまた大蔵省とも話をしたいと思いまするけれども、追っかけてまたすぐ洪水が出たような場合に被害を受ける。これは完全なものにすることが災害復旧でなければならないと思うのですが、これに対する政府の考え方を伺っておきたいと思うのであります。
○清野説明員 お答えいたします。お話のように、災害復旧は原形に戻すということが一応の原則になっておりますが、原形に戻すことが困難な場合には、当該施設の効用を復旧するに必要な経費は災害復旧にとっております。ただし改良を加える場合、たとえば当該施設を従前の効用に復することそれだけでは、将来災害を起すような場合には、土地改良事業を加味しまして、関連事業としてそういうような災害が再び起らないような措置を講じております。
○石田(宥)委員 先ほどの政務次官の答弁はあまりにも政治的な答弁で、法規にはこういうふうに出ておるけれども親心を持って云々というようなことは、かえって下部に混乱を起させるのです。ですからできないことはやっぱりできない。また法律を改正しなければできないということは、法律を改正してできるようにする。われわれは法律の改正について努力しなければならない。ところが法律はこういうふうにきまっておるけれども実情に即してやるように親心を加えていくということは、かえって至るところに混乱を起すばかりなのであります。この点は明らかにしておいて、そうしてわれわれはあとで法令の改正によって実情に即するようにしなければならないと思うので、そういいかげんな答弁をしないように御忠告を申し上げまして私の質問を終ります。
○淡谷委員 二点ほど簡単に御質問申したいと思います。今石田委員からも質問がございましたが、災害復旧に関して他の省との連関性の問題であります。確かに原形復旧などで相当困っておる例は、今度の水害、特に東北地方に起りました水害については、その持っております後進性のゆえに方々に出て参りまして、宮城県下の角田橋のごときは、五里という流域に一つしかない橋なのであります。その四百メートルの長い橋が原形復旧のために、工事ができ上るとすぐ流されてしまう。また原形に復旧するとまたすぐ流されてしまう。これでは何回やりましても無意味な工事になっておりますし、特にこれは建設省関係でございましょうが、川を差しはさんだ耕地に通う農民が非常に困難をしておる。渡し船を出して危険を冒しながら辛うじて水害の跡始末をつけておるというような状態がございます。さらに同じ宮城県下の例でございますが、阿武隈川の土手が辛うじて水防隊員その他の活動によって決壊を免れ、幸いに大過なきを得たのであります。この堤防が年々かさ上げしまして高くなっておりますために、先ほども安藤委員、笹山委員等によって御報告がありました通り、川床が高くなっておりまして、特に宮城県のこの地方におけるように、排水の悪い耕地の高さが低いところでは、この阿武隈川の土手にさえぎられて、内側の水が温水を起しておる。そのために大きな水害を見ておる、こういう例もあるのであります。これは防災ため池その他アップ・ポンプ等による施設が大へん重大な事後の対策となっておりますが、こういうふうにたくさんございます。他の省との関連性を勘案しまして総合的に今度の水害対策を立てられる準備ができておられるかどうか、お伺いしたいと思うのでもります。
○大石説明員 お答えいたします。全く仰せの通りであります。今までも十分に他省との緊密な関連において仕事をいたしておるとは考えておりますが、なおのことただいまの御説の通りに十分にその正しい機能が発揮されますように、他の省とのセクショナリズムを排しまして、十分に他との連絡をとってその効果を上げなければならぬ、こう考えておる次第でございます。
○淡谷委員 特に阿武隈川につきましては川床が大へん高くなりまして、耕地よりも川床の方が高いという場所も方々にあるようでございますが、河川改修等も建設省関係だけではなく、農林省からも十分意見を出しまして、この堤防外の耕地内側の関係の温水につきましても打ち合せをして、ただ堰堤を高くするだけでなくて、浚渫等の方法もとらなければ、かえって逆にそれによって農耕地が大へんな迷惑を受けるだろうと思う。 それからさらに一点、先ほどの各地方の陳情にも出て参りましたが、地財法の適用を受けております県などにおきまして、今度の水害等の融資を受ける場合、あるいはつなぎ融資などを申請する場合、地財法に縛られまして応急措置ができないといったような不自由さが随時現われて参っておるようでありますが、これについて何か適当な措置をとられておるかどうか、あるいはとられる見込みがございますかどうか、伺っておきたい。
○渡部説明員 地方公共団体が実施するものにつきましては、地方公共団体の負担がいつでも問題になるわけであります。これは地財法の関係から、府県の再建整備がやかましい問題になって、自治庁の方では非常にやかましく言っております。われわれが事務同士で話しても、何といいますか、相当しゃくし定木なあいさつになっております。しかし、これは、われわれ事務当局でできるだけ実情に合うように相互に相談してやらなければならない問題だと思います。これは御承知のように二十八年の災害のときに、先ほど御質問にあったのに関連いたしますけれども、ある個所で農林省に査定を頼み、建設省に査定を頼む、同じ個所について二つ出てきている。これは参議院の決算委員会で両当局が呼ばれておりますが、そういう問題もありますので、相当やかましくなっております。しかし、これはちょっと気をつけて事務当局がやればはっきりする問題だと思いますので、それ以来は緊密な連絡をとりまして、やらなければいかぬものまでできないのはおかしいじゃないかという理詰めで交渉をやっているのが実情であります。
○淡谷委員 どうも御答弁はまだ十分だとは思いませんが、地財法の適用につきましても、除外例を作らなければならない点は大胆に除外例を作り、つなぎ融資等においても応急の措置を直ちにとれるようにしなければ、地方を生かすつもりで作った地財法というものが、逆にこれがためにますます地方を殺していくというような矛盾を露呈していると思いますので、その点は早急に処置願いたいと思います。 さらに予約米の前渡金の問題でありますが、これはすでにああいうふうな大きな構想を持たれたのでありますから、こういう災害が起った場合に、前渡しした金の処置なども一応考えておられたと思うのでありますが、こういう点はどうでありますか。予約米を売り渡しまして、前渡金をもらった、その予約米が出せなくなるような災害にあった場合に、これは一体どうなりますか。あらかじめお考えになっておられたと思いますが、その点はいかがでありますか。
○大石説明員 まことに恐縮でございますが、後刻御答弁申し上げたいと思います。
○淡谷委員 それではこの質問はまたあとで聞きますけれども、さらに、これから再々起って参ります災害につきまして、共済制度の問題が大きく出てくると思いますが、幸か不幸か、この前の国会が終った直後において、いわゆる多久島事件なるものが出て参りまして、大へんな疑惑が生まれたのであります。この共済制度の改革なども考えられておりますが、こうした災害が起った場合に、あの問題が直接現地に響いて非常に不安動揺を起しておるという例もあると思います。一体多久島事件なるものは本質がどういうものか、まだわれわれ一回も説明を聞いておりません。これは国会閉会後で私どもとしては非常に不幸であり、政府としてははなはだ幸福であったと思いますが、この機会に多久島事件なるものの全貌をはっきり御説明願いたいと思います。
○村松委員長 淡谷君に申し上げますが、この問題については刑に御要求もありますので、他の機会において究明をいたしたいと存じております。なお本件に直接の関係がないことでありますので、これは後日に譲っていただきたいと存じます。
○淡谷委員 後日に譲ることは私も同意いたしますが、しかし災害に関係がないという見方であるならば、私は同意できません。共済制度は災害を自主的に救済する立場から非常に大きな意味を持っておると思う。この災害に対しては非常に直接な関係がありますから、この後日というものをなるべく早く、あしたにもさっそく開きまして、国民の疑惑を招いておりますこの事件の全貌を、はっきり政府の責任において宣明されるように私希望して質疑を終ります。
○村松委員長 後に小委員会の設置についてお諮りいたしますからその機会に申し上げます。
○神田(大)委員 簡単に二つばかりお尋ね申し上げます。 私たちはこの間宮城と山形を視察してきたのでありますが、この災害を見まして非常に考えなくちゃならぬと思われることは、河川の敷地内に民有地がありまして、これが今度の災害でもって非常な痛手をこうむっておる。この河川敷地内でもって全生活を営んでおるような農民もまたたくさんある。こういう場合になぜこの河川敷地を民有地のまま放置して、しかも水害が起れば必ず災害をこうむるというような状態にしておくのか、この処置に対しまして建設省と農林省の間においてはどのような話し合いが行われ、今後河川敷地内におけるところの民有地の問題に対しまして、当局はどう考えておられるかをお尋ね申し上げます。
○大石説明員 お答えいたします。これはなぜ河川敷地内に、堤内地に民有地がありて畑や何かあるかという御質問でありますが、これは元来建設省が主管でございまして、当然提防を作る場合には、そのような民有地は買収して畑やなんかの民有地がないようにするのが建前でございます。私どもも、私の郷里の方の問題でありますが、そういうことを極力推進いたさせまして、今では、私どもの郷里の宮城県の北の方でありますが、割合にそのような問題が少くなっておる状態でありますが、残念ながら先日神田委員がごらんになりましたところに、そのような堤内地の畑がありましたことはまことに不手ぎわだったと思う次第であります。今までの私どもの経験では、このような問題に関しまして建設省と打ち合せをいたしたことはございません。当然これは建設省の所管において国家でこれを買い上げるべきであろうとわれわれは考える次第でございます。
○神田(大)委員 まだ建設省とこの問題について話し合っていないということは非常に遺憾であると思うのでございますが、これは今度の水害の大きな部分が堤内地の災害であると思う。堤内地のこれらの農作物は水害が少しでも起れば必ず水がかぶるという状態になっておる。常時災害を受けるという状態になっておる。こういう問題に対しましても農業災害の立場からもこれを考えないと、普通の状態では、あるいは少しぐらいの水害や災害では被害をこうむらないところの農作物の人たちが、ともに常時そういう水害をこうむり、少しの水量でもって災害をこうむるというところのために犠牲を払わなければならぬと思う。またそういう堤内地において全耕地を持って耕作しておるというようなことでありますならば、そういう農家は非常に危険な農業経営をやっておらなければならぬ状態になっておる。まことに遺憾なことでありますから、この問題につきましては、抜本的な解決を農林省は建設省その他の関係庁と話し合いをして、その堤内地における農業経営を安全化し、あるいはわれわれ一般農業者がこれらの農業者のために犠牲を払うようなことを避けなければならぬ、こう考えるので、その点緊急に御手配を願いたい。 それからいま一つ、これはそれに関連しますけれども、今次官は、宮城県においてはほとんどないと言っておりましたけれども、われわれがこの間見た阿武隈川の一番どんじりのところは、去年もわざわざ堤防を築いた。堤防を築いたときに、古い堤塘をくずして、それを新しい堤塘に持っていったために——もしこの古い堤塘をくずさなければ災害をこうむらないのに、古い堤塘をくずして新しい堤塘に持っていったために大災害をこうむって、一部落が全滅したのはあなたもごらんになっておると思う。しかも農民はこの堤塘を一反歩二万円で売り渡した。自分の屋根を売るようなばかなことをしたものだと思うけれども、そういう農地に対する指導といいますか、そういうことに対して適切なる指導をしていないのじゃなかろうか、かように考えるので、この点を根本的に解決するように御配慮願いたい。 それからいま一つ、緊急災害と普通災害ということでございますけれども、これは一体どういう場合にこれを区分けしてやるか。あるいは緊急災害等において、三年間において災害の復旧をやると言っておりますけれども、どうも三年間のうちに災害復旧を完成してない。四年も五年も六年もかかっておる。これはこの委員会等においても再々質疑されておると思うのでございますけれども、このようなことでは、農民は安心して政府の施策にたよることができないので、今度の災害等につきましても、短期間にこれが完成するように御努力願いたいと思います。それについての御答弁を願います。
○大石説明員 お答えいたします。災害復旧は三年以内にこれをなすことになっておる次第でございますが、御指摘の通り、そのうちの一部分はなお四年も五年もかかって復旧が完成しておらないことは、まことに申しわけない次第でございます。今後もできる限りその予算を十分とるように努力いたしまして、御期待に沿うように一生懸命努力いたしたいと念願いたしております。
○清野説明員 前国会で御承認いただきました災害臨時措置法の改正法律、つまり緊急災害に関しては三カ年間で予算の範囲内において行うことができるという問題に関する御質問だと思います。この法律の適用は政令の公布にかかっていると思いますが、現在政令の公布手続を行いつつありますので、今次災害からこの改正法律による精神を十分織り込んでやるつもりであります。
○村松委員長 お諮りいたします。ただいま調査いたしております東北、北陸地方の水害による農林被害状況の調査及びその対策樹立のため、水害による農林災害に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。 なお小委員会の員数は十一名とし、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認め、直ちに小委員を指名いたします。 安藤 覺君 吉川 久衛君 小枝 一雄君 笹山茂太郎君 大森 玉木君 助川 良平君 松浦 東介君 平田 ヒデ君 石田 宥全君 川俣 清音君 神田 大作君 なお小委員長には松浦東介君をそれぞれ指名いたします。 以上をもって本日は散会いたします。 午後四時四十五分散会