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24回国会衆議院1956/05/17

農林水産委員会 第39号

発言数
56
登壇者
7
会派数
2
開催日
1956/05/17

会議録

村松久義自由民主党

○村松委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたします。委員の異動に伴い、凍霜害による農業災害に関する小委員に欠員を生じておりますので、その補欠を委員長において指名いたしたいと存じますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村松久義自由民主党

○村松委員長 御異議なしと認め、中馬辰猪君を小委員に指名いたします。     —————————————

村松久義自由民主党

○村松委員長 次に漁港法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。  質疑に入ります。質疑があればこれを許します。赤路友蔵君。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 漁港法の一部改正に対する法律案の提案理由の説明を承わると、手続の簡素化をやっておられるということで、これはまことにけっこうだと思います。ただ二、三点ふに落ちない点がありますので、御質問申し上げたいと思います。現行法の十八条がそのまま残されておるのでありますが、この二十五条の改正によって、漁港管理者は漁港所在地の地方公共団体に限定されております。従って、修築事業は国または地方公共団体が施行者であるべきだと私たちは考えるので、どういう意味でこの十八条をそのままに水産業協同組合を施行者として残されたのか、その理由をお聞きしておきたい。

大石武一自由民主党農林政務次官

○大石(武)政府委員 具体的なことは、岡井次長からお答えいたさせます。

岡井正男農林技官(水産庁次長)

○岡井政府委員 お説のような方向で、だんだん指導してやっていきたいと思いますが、現に施行中のものもあるししますので、この際はこういうふうにお願いすることが妥当だと考えております。  なお具体的な事例は、何でしたら主務課長から少し詳しく申し上げさせたいと思います。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 ただいま次長の方から、施行中のものもあるからこの法文を残すのだ、こういうことでございましたが、そういたしますと施行中のものが完了いたしました場合は、この法文は再度削除されるなり改正されるということになるのかどうか。これは担当課長から御説明願っていいと思います。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 漁港管理者と修築事業の施行者との関係でございますが、ただいま次長から御説明があったのでありますが、お説の通り原則といたしましては、漁港管理者が修築事業の施行者になるということが、最も好ましいことであるとわれわれも考えまして、いろいろ研究したわけであります。しかし今御説明がありましたように、現段階においては、直ちにこれを切りかえるということに、多少実際上の無理があるということで、まず指導をいたしまして、だんだんそういうように実体を持って参りまして、しかる後に法律の方も改正をいたして参る、こういうふうに考えております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 十八条の点は了解いたしました。  次に二十四条ですが、この二十四条は負担金または補助金の還付条項になっておるのであります。この条項から参りますと、二十二条の一項の規定による変更ということは、事業の一部の縮小のみを指しているように受け取れるのでありまして、還付条項だけが規定されておる。ところが二十二条第一項の省令によりますと、工種別の工事費または数量の増減ということがうたわれております。従って、省令によれば工事の増ということも考えられ、減だけではないわけです。ところがこの二十四条の四は、これは工事量が削減されたときの負担金及び補助金の還付条項であって、工事量が増加された場合は何ら規定されていない。この点はどういうふうになるのか、御説明を願いたい。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 お答えいたします。事業計画の変更の場合でございますが、お説のように増減があるわけであります。しかしながら計画の変更及び設計の変更につきましては、農林大臣の認可を受けることが原則になっておるわけであります。今回の改正で取り上げましたのは、一言で申しますならば、軽微なものについては、そういう手続を省略しようということを考えたのであります。これはただいまお話のございましたように、工種別の間の出入りもございますが、全体としてつまり工事費が増すという場合には、当然国の予算にも影響してくるわけであります。これは必ず手続をとりてやってもらわなければならぬということになるわけであります。従いまして、これは手続をとってもらいまして、国の予算の範囲においてできるならば、実情に即してやる場合がありますが、ここに規定してありますのは、余った場合のことであります。これは当然返してもらうということになるわけであります。くどいようでありますが、当然農林大臣に変更の申請をしていただいて、それを予算とにらみ合せて、変更を認めるならば、認めるということになるわけであります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 予算との関連において、こういうようなものができた、だから従って工事費が余ったときには、当然この条項によって還代しなければならない。増加の場合は予算との関係上、農林大臣の許可を得て、その場合は当然工事量の増加、従って補助金なり負担金の増額というようなことが考えられる。こういうように確認してよろしゅうございますか。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 筋といたしましては、そういうことでございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 それから二十五条によって水産業協同組合が管理者でなくなって、そうして地方公共団体が管理者ということになったわけであります。この第二十五条の面で、法律改正の面ではないのでありますが、漁港管理者が取り消された場合——ここではやはり漁港管理者の指定を取り消すという条文が残っておりますが、漁港管理者が取り消された場合の管理は一体どこがやるかということが、ちょっと不明確なようですが、その点はどうですか。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 漁港管理者の指定の取り消しにつきましては、今まで事例はございませんが、漁港管理者に一度指定されましたものが、取り消しを受けるということは、この法律の条文にもございますように、非常に極端な場合のみに限られております。指定を取り消しますという場合をたとえば想像いたしてみますならば、市町村が管理者になって、一応の管理をいたしておった漁港につきまして、その漁港の重要性が非常に増し、発展をして参ります。そういういろいろな関係からいたしまして、都道府県管理者になる方が妥当であるという線が出た場合が考えられるのであります。そういう場合におきましては同時に管理者の取り消し、及び新しき管理者の指定ということをやれるようになると考えております。従いまして取り消しをやったあとに、そこに何らかの問題が残るということはわれわれとしては想像はいたしておりません。そういう場合にのみ大体漁港管理者の指定の取り消しという問題が起ると思いますので、そういった手続、事務処理をいたしますならば、そこに問題は起らないであろうというふうに考えておるわけでございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 同じく二十五条では、先ほども申しましたように、ここでは水産業協同組合の管理漁港というものは、改正によって全然なくなるわけでありますが、そういたしますと昭和二十五年五月の十日、号外法律第百六十九号、によって出されておりまする、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、この第二条の三項に「この法律で「漁港施設」とは、漁業の根拠地となる水域及び陸域内にあり、水産業協同組合の維持管理に属する施設であって、左に掲げるもの」云々と、こういうようなことになっておりますが、水産業協同組合の管理は全然なくなってしまうことになるわけであります。従ってこの法律第百六十九号の一部を改正する必要が生じてくるのではないかと思いますが、この点に対する御説明をお願い申し上げます。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 ただいまの御質問でございまするが、今回の改正におきましてはいわゆる漁港管理者といたしましては、水産業協同組合を除きまして地方公共団体に限定をいたすことになっておるわけでありますが、このいわゆる漁港の管理者は、これは公法上の管理権に基いていろいろの規制をいたしまする漁港の管理者であります。災害復旧の暫定法に関連しての問題といたしましては、ただいまもお話がございましたように、暫定法におきまする災害復旧の関係は、水産業協同組合が維持管理しておりまする施設について災害があったならばこれでやる、こういうことになっておるわけですが、この施設に関する維持管理という問題は、何と申しますか、その施設の財産的な管理ということになるわけであります。所有し管理しておるということになるわけであります。それらのものにつきましては暫定法によりまして、災害がありましたならば復旧をいたす、こういう規定でございます。それで、これをやめてもいいではないかというお話でございまするが、これにつきましては一般的に考えまするならば、漁港管理者が水産業協同組合から市町村等に変りまする場合におきまして、いわゆる漁港施設については管理の委託をするであろうというふうに考えておりまするし、またそうあることが漁港全体の公法上の管理からいたしまするならば都合がよろしいということで、そういった指導もいたしたいと考えておりまするが、何と申しましても所有し販産上の管理をいたして参りたいという水産業協同組合所有の施設が残るかもしれないということは考えられるわけでありますから、そういったものにつきましては依然として、もし災害が不幸にしてありました場合には、暫定法によりましてその復旧について国がめんどうを見る、大部分のものにつきましてはいわゆる災害がありました場合には、公共土木の災害によりまして復旧に努めて参る、こういうことになると思います。まあ指導もいたし、ほとんど実態といたしましてはそういう場合は少いとは考えまするが、絶無ということに参らない建前でございまするので、この暫定法も今後働いて参る、こういうことに考えております。以上御説明申し上げました。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 今の御説明で、いきますと、この管理ということは公法上の規定によってのみ地方公共団体が管理する、財産上の維持管理というものは依然として水産業協同組合の手でなされていく、こういう二分された形で考えていかれるのですが、現在水産業協同組合の管理しております漁港はたしか九十四港であったと思います。この九十四港については公法上は管理者は地方公共団体になるが、実質的には財産上のものはこれは水産業協同組合が依然として維持管理していく、こういうようなことになるわけですか。そういうことになりますか。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 説明が足りなかったと思いますが、そういうことになるわけであります。片っ方は漁港という水域、陸域及び施設を含めました総合体である漁港の公法上の管理を管理者がいたすのでありますが、災害復旧の暫定法にあります部分は、個々の施設についてここには規定をされているわけであります。水産業協同組合が施設を作りまして、みずから財産上の管理をいたしておるというものは特定なものであります。たとえば漁港の中に協同組合の前に自分が作りましたさん橋がある、こういう場合があるわけであります。従いまして防波堤その他大部分の施設は管理者が維持管理するということになりましても、組合の事務所のすぐ前にあります一つのさん橋というようなものについては、これは自分であくまでもやりたいというような場合が起るわけであります。そういう場合には管理者に管理の委託をしませんで、みずからやるわけであります。しかしそれが先ほど申し上げましたように、もしも不幸にして災害がありました場合にはこの暫定法によりまして処置をする、こういうことになるわけであります。これは全然この法律を殺してしまいますと、そういう場合に対処できないということになるわけであります。まあ実態としては非常に少いと思いますが、やめてしまわなければならないという理由はないと考えますので、従前通り存置いたしておきたいと考えます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 どうもそこのところが少しやっかいなんです。この号外法律百六十九号によりますと、内容としては外かく施設、けい留施設、水域施設、この三点だけが一応指定されているわけなんです。この三点は基本的な漁港施設だと思います。今課長の説明によると、個々の件についてという言葉がありましたが、全体としてのものは個々のものの積み上げであることはもちろんなので、そうすると今まで水産業協同組合が管理者として維持管理をやってきたということは、それらのもの全体をやはり含んでいるのではないか。単に一つのさん橋であるとかあるいは水揚場であるとかということでなしに、この外かく施設、けい留施設等をも当然含まれておったものじゃないかと私は思うのです。今後それらのものは一体どうなるのかという不審が、やはり依然として残るのじゃないかと思いますが、その点はどうでしようか。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 漁港管理者が変りましても所有権というものは変らない。そこで先ほど申し上げましたように、われわれの指導の方針といたしましては、施設の管理についても、管理者が変りました後におきまして、組合から町村に管理の委託という形になると思いますが、そういう形になることが望ましい、そういう指導はいたすつもりでおります。この方が非常にすっきりいたすと思います。しかし組合によりましては、くどいようでございますが、組合がみずからやはりやっていきたいというものが残るのではないかというふうなことが想像されるわけでございます。その残りましたものについて、この法律を殺しますと、災害がありました場合に処理ができないということになりまするし、この法律を今すぐ殺さなければならないという理由はないわけでありますから、そういうまれな場合でありましても起り得るであろうということは考えられます。そこでこれはそのままにいたしておる、こういうことにしておるわけであります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 大体御説明でやや納得するわけでありますが、そこでこれは一つの水産業協同組合から地方公共団体の方へ管理を移管するということ、これは今まで水産業協同組合が管理しておったので、その間における経過手続としてやむを得ない、こういうふうに考えます。十八条の水産業協同組合が残るというのもやや関連性があるかと思う。しかし本来先ほども申しましたように考えていただかなければならないことは、水産業協同組合から管理をはずして、地方公共団体に管理を全部限定する限りにおいては、将来はこれら漁港施設の全般にわたっては国または地方公共団体の万ですべてのものが維持なされ、管理されるのが当然ではないかと思う。ある面で公法上の面だけは地方公共団体に管理をさせておく、ところが一切のいろいろな施設は水産業協同組合がやってもよろしいのだということでは、いささか私は筋が通らぬじゃないか、こういうふうに思うわけであります。これは一応将来の問題としてお考えおき願いたい。これはどうしても筋として、そうしたような漁港の施設あるいは維持にしましても、水産業協同組合にやらすというのではなく、やはり地方公共団体が管理する限りにおいては、地方公共団体なり国の手においてこれを一切まかなっていくということでなければ、私はいけないかと思います。まあ現在のところは経過的な過程にありますからこれ以上は申し上げませんが、その点は十分に一つお考えおき願いたいと思います。  次に二十七条なんですが、ここでは漁港管理会の設置は第三種漁港のみが義務づけされております。その他は任意設置にされておりますが、この理由はどういう理由でしょうか、お聞きをいたします。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 漁港管理会につきましては、改正前におきましては全部必置になっておるわけであります。漁港管理会の使命というものは御存じのように重要なものだと思いますが、いろいろな面から、たとえば管理上の経費その他いろいろな面から見まして特に重要であります。いわゆる大漁港の第三種漁港におきましてはいろいろな内部的管理の面におきます内部事項としていろいろな問題がございますので、ぜひこれはこの際設置していただいて事をはかっていくのが妥当であろう、第二種、第一種等につきましては、まあどちらかといいますと、管理上の内部事項が割合に複雑ではないであろう、従いまして管理者の判断において事を処理いたしましてもあまり問題が起らぬであろう、なおかつそういった一種、二種等の漁港におきましては、漁業者の意向といいますか、意思は、十分平たく考えまして達し得るわけであります。大きくなればなるほどいろいろな問題が入ってくる。そこで規定の通りの漁港管理会を置きまして、これをすべて諮ってやっていくという方式がいいのじゃないか、そういう点から今回は三種だけを残しまして、あとは任意設置にして置きたいところはもちろん置いていただく、こういうふうにしておるのであります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 次に三十五条の利用対価の徴収ということですが、これは料率は三十八条に規定されておりまして、農林大臣の認可によらなければ料率決定はできない、こういうことになっておるようですが、そういうことになりますと、利用対価の徴収についての基準をお示しになりますか。各漁港によってそれぞれの地域別な特殊な条件等がありますから、この利用対価というものはそれぞれ違ってこようかと思う。その場合農林大臣がこれを認可するということになりますと、やはり一定の利用の対価徴収の基準というようなものがなければならないかと思いますが、その点はどうでしょう。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 三十五条の利用対価の徴収でございますが、これはここにございますように、漁港の維持管理に必要な経費を生み出すために利用者から利用料をとるわけであります。こういうものは今度の改正によりまして管理規程一本になりましたが、管理規程によりまして、ちゃんと条例で定めてとることになるわけであります。それから第三十八条との関連についてお話がございましたが、第三十八条は国あるいは漁港管理者以外の第三者が基本施設を持っておりまして、これを他人に利用させる場合には、これは特殊な場合でありますから特にいろいろな問題が起りますので、農林大臣の認可を受けてやってもらいたい、そういう規定になっておるわけであります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 大体この法律上の疑問点につきましてはそれで了承いたしまして終りますが、最後に私は漁港審議会の委員のことでちょっとお尋ねしておきたいと思います。これは一つ次長の方から御答弁を願います。漁港審議会の委員は欠員になっておるはずなんですが、その後一体これがどうなっておるか、五月十九日以降は水産庁長官を残したほか、あとは全委員が任期満了で終りになっておるはずだと思うのですが、どういうふうに考えておられるか、その点をお伺いいたします。

岡井正男農林技官(水産庁次長)

○岡井政府委員 お説のように相なっておる現況でございまして、われわれといたしましても、すでに漁港法の施行以来もう年月も経て、よかれあしかれいろいろな経験を踏みました関係もありますので、従来の漁港審議会が地区別割当によって各該当府県の知事の適任者の推轂をまって選考したというような行き万がいいか悪いかということも、基本的にもう一ぺん再検討するかたわら、全国的にどういう人たちがいいだろうかというようなことも、内部的にいろいろと検討を加えつつある時期でございますので、決して職をおろそかにしておるわけではございませんので、あしからず御了承願いたいと思います。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 今の次長の御答弁、ごもっともと思います。その点は了解いたしますが、これは国会の承認を得なければならぬはずです。そうすると、今国会は本来から申しますなれば、本日で終了だ。それが延長されたわけですが、これはやはり今国会中に承認を求めておきませんと、漁港審議会というものはブランクになってしまう。たとい半数でもこの際承認を求めるという方向をおとりになる必要があるのではないかと思いますから、御注意までに——これはやはりブランクにして置いておくというわけにはいかない。できるだけ速急に、本国会中に処理できるようなふうにやっていただきたい、こういうふうに御希望申し上げておきます。  以上で私の質問を終らしていただきます。

村松久義自由民主党

○村松委員長 小川豊明君。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 私は漁港施設の問題と漁業移民の問題とについてお尋ねしたいと思っているわけですが、きょうは次官も金融課長も見えておられませんのでどこかと思いますが、お尋ねいたします。  まず第一に、漁港の問題についてでありますが、これは第三条の漁港の施設のことと関連してくる問題ですが、漁港等に冷蔵庫、製氷場等を作る、これに対しては融資等が行われるわけであります。そういうものも融資をする場合には、その利用の計画とかあるいは設計とかその金額などについて農林省の金融課の方なりあなたの方なりで、それぞれ調査して適切な指導と指示を与えてやっておるものだ、こういうふうに考えているわけですが、それは間違いありませんか、どうなさっておりますか。

岡井正男農林技官(水産庁次長)

○岡井政府委員 ただいまの御質問、ごもっともでございまして漁港に不可欠の施設につきましての金融措置は、農林漁業金融公庫の方でめんどうを見る建前にいたしております。従いまして金融ワクもおぼろげながら、大体においてそういうものについては相なるべく優先的に見たいというような連絡を、事務段階においてはいたしておる次第であります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 ここにこういう問題があるのです。室蘭に室蘭漁業協同組合というものがあって、これが二十九年の九月に製氷、冷蔵の設備をすることになって、それに総工費四千百九十四万という資金が要るというので、このうち三千八百八十四万円融資を受けることになって、これが順次貸し出されておるわけです。ところが、これが決定を受けて、農林漁業金融公庫か中金か——中金だと思いますが、ここから三千三百万円という金が出されておるにもかかわらず、この工事は一つもできておらない。そうして、この借り入れた資金をめぐっていろいろな問題が起って、組合長は辞職してしまっておるわけです。しかもこの工事を引き受けた共和冷蔵という会社は、どういう関係か一つも工事に着手しておらないという問題があるのですが、この経過はどんなようでこういうふうになったか、お知りの範囲内でけっこうですから御答弁願いたい。

岡井正男農林技官(水産庁次長)

○岡井政府委員 これは漁港と直接つながりを持つわけではなく、室蘭の地元の漁業協同組合が必要ありとして申請した冷蔵庫に対して、農林漁業金融公庫から貸し出しをいたしましたにもかかわらず、工事が遅々として進まないというような関係で、公庫の方でもそれを非常に苦慮いたしまして、調査もし、あるいはまたこの見通しいかんによってその結末として、未着工分のもので見通しのないものについては適当な償還、繰り上げ償還をするとかいうような措置をたしか運んでいるようにまで聞いておりますが、詳しく私の方でも現在のところ資料も持ち合せておりませんので、適当な時期に、この件につきましては解明できるように資料を整えて一つ御説明いたしたいと思いますので、本日のところは御猶予をいただきたいと思います。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 これは適当な時期に回収するという——すでに回収は不可能になっておるわけであります。この金が、どういう形で三千三百万円という金がめちゃめちゃになってしまったのか。この問題をめぐって訴訟が起り、組合長は辞職をするというような、非常に深刻な様相を呈しておりますので、あなたの方でこの点についてはぜひ——私としてはこの問題はもっと早くお尋ねしたいと思っておったのですが、いろいろ審議の都合から今日にまでなっておりますので、会期も残すところきわめて少い。この点について一つ、金融課の方とも打ち合せてこの点の御答弁を願いたいと思います。さらにもう一つお尋ねしたいのは、これも漁港と直接の関連はありませんが、パタゴニアの漁業移民計画が立てられて、これに対して十一隻の船で、百万円の所要資金のうち八千八百万円が、三十年の九月の期限で二十九年度末に、これも農林漁業金融公庫から貸し出されておるわけです。しかしこの公庫法を見ても公庫の業務方法書を見ても、漁業移民に対して公庫の金を貸し出し得るという規定は一つもないわけなんです。これはあなたの方に答弁を求めるのはどうかと思いますので、きょうどなたかそういう点についてのあれはおられないかと思いますが、公庫法にはこういう規定がないにもかかわらず貸し出しできたというのはどういうことか、この点ちょっとお尋ねしたい。

岡井正男農林技官(水産庁次長)

○岡井政府委員 これはたしか前内閣時代と思いますが、特に南米諸国における漁民の移民並びにこれに伴う不可欠の漁船を持っていくという件につきましての融資は、特に閣議了解をもって、従来のケースにはないが、許す限り、金融のゆとりがあればいいというようなたしか意味じゃなかったかと思いますが、そういう了解事項もありまして、特に若干の融資をされたのは事実でございます。その後パタゴニアの方は、向うの政変がありまして、急速にそれらの実施はまだ見ておりませんが、その面での融資についての跡始末はたしかできているのではあるまいか、かように思っております。この点も、さきの室蘭の冷蔵庫融資関係とともに、私の方で再び調査して、適当なときに御報告申し上げるようにしたいと思います。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 これは業務方法書にも何にも、公庫のあれにはありません。ないのに八千八百万円という膨大な金が公庫から融資されている。融資するについては、ないがゆえに閣議でわざわざこれを融資の決定をしたということなのです。そこで閣議でそういうことまで決定させるにもかかわらず、パタゴニアの移民は、政変とはいえ不可能になってきている。そこにも非常に調査なり、準備なりというものが欠けておったのではないか、こういうことが一つ考えられるわけです。さらにこの漁業移民のパタゴニア開発漁業協同組合というのは、そうして船はできたが、とうとう移民ができなくなったので、その融資を返済する、その他の意味から、北洋漁業の方へ転換せざるを得なくなった。ところがこれは時期がすでにおくれているのです。そこで無理をして北海道長官から申請されておるワクの中からそれを四隻かを押し込めてやめさせて、強引にこの中に割り込んでいく、こういうことを聞いておるのですけれども、そういう事実はありましたか。

岡井正男農林技官(水産庁次長)

○岡井政府委員 パタゴニアの船を、特別にひもつきで公正妥当な許可をすべきものに、特に注意をしてそれだけは例外的に見ろ、そういうふうなよこしまな行政は、私の方ではいたしておりません。従って北海道庁の適船としての候補船を出してきた場合には、よくわれわれ中央の企画官庁としてのあり方については、正しい方向に従いまして、適船のものについてはランクをつけさして、そしてそういうパタゴニアとかなんとかいうことでなく、適当な船である場合には見る。しからざる場合には全然落すというような選定の結果、偶然に四隻入ったというのが事実でございますので、その点は誤解があって、非常に恐縮でございますのでお答え申し上げておきます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 偶然にそうなったという御答弁ですけれども、北海道長官からは、これこれの船が適当であると申請されておった。そうすると一方においては十一ぱいという船は遊休になってしまう。そのことからどういう運動がなされたかは知らぬけれども、北海道から申請してきた船を、四はいをやめさせて、四はいが入った、こういうことを私は聞いておるのです。そこで今の御答弁では、厳密な調査の結果偶然にそうなったのだという御答弁であるが、私はそれでは納得いかない。また幾多のこれに対する材料も持っているわけです。パタゴニアの漁業移民の問題といい、室蘭の冷凍設備といい、この冷凍設備三千三百万円の金がいまだもって返済されない。しかも何らこの工事ができておらない。しかもこの工事の金をめぐって、融資についてあっせんをした人は百万円の金を受け取っておる、謝礼としてもらっておるということまでが問題になっておる。きょうは時間がありませんので、また御答弁の適当な人もおりませんので、私はきょうはこの程度にしておきますけれども、この点について委員長にお願い申し上げたいのは、ぜひもう少しくこの問題をはっきりしていきたいと思いますので、本会期中に、それぞれ係の御答弁のできる方の御出席を一つ私は求めたいと思いますので、お取り計らいを願います。

村松久義自由民主党

○村松委員長 この会期中ということで了承いたします。なお資料の提供も、この法案の審議中でなく、会期中に一つ提出を求めます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 資料の提供も、ごく大ざっぱに私は質問したわけですから、これに対する資料はあなたの方で一つ御提出願いたいと思います。

日野吉夫日本社会党

○日野委員 この法律改正の方向についてどうもおもしろくない点がたくさんあると思うので、ちょっとこの点を聞きたいと思います。赤路君から手続の簡素化がされて非常にけっこうだという意見もありますが、けっこうな面とけっこうでない面とある。それは手続が簡素化されて、それによって漁港を利用する者が非常に利益を得るという場合は、手続は簡素化されるのもよろしいが、そうすることによって権利侵害が行われる、不便を感ずる、権限が縮小される、こういうようなことになると、非常にこれを逆コースの行き方になる。今の政府の法律改正の方面を見ていますと、大体そうであります。占領政策の行き過ぎの是正という名において、簡素化するという名目のもとに人民の権利の侵害が行われる方向にある。この法律にも出ているのです。非常にそういう点に気づくのであります。たとえば漁港審議会の権限が縮小されている。そうして農林大臣の権限が非常に大きくなり、従来その地区の漁業協同組合等が管理者に指定されることになっているのをはずされる、こういうようなことになると、何か民主主義の方針に反するようなにおいがするのであります。こういう点は過去五年間の実施の結果簡素化する必要が起ったといわれるのだが、こういう点をどうお考えになっておられるのか、一つ次長からこの点を伺っておきたい。

岡井正男農林技官(水産庁次長)

○岡井政府委員 日野先生にお言葉を返すのも恐縮ですが、実施以来漁港審議会の意見はもちろんのこと、全国の関係の漁港に携わっている市町村長の意見、並びに利用組合長関係の意見、これらを十二分に翫味いたしました結果、本日お願いしているような方向で行ってくれることが一番よろしいという世論にこたえるために、内部的に事務的にいろいろ検討を加えまして、本日の御審議をわずらわすところの段階に立ち至ったのでございまして、この点はお仲のいいお二人で御意見が違うようですが、赤路先生の方からは簡素化けっこうだ…(「要らぬこと言わぬでよろしい」と呼ぶ者あり)悪いところは取り消します。見方によってそういう御議論の出る向きもありますが、先ほど漁港審議会の権能を取り上げて大臣の権限を拡大するとおっしゃいましたか、そういうところは、この字句にはないわけでございまして、先ほど私は言葉が足りなかったかもしれませんが、漁港審議会の委員の選考については、従来の府県ブロックのやり方を全国地区にまとめて、一ペんで適当な人を一つ御足労をわずらわす方がいいのではあるまいかというような意見は、内部的に出ておるだけでございまして、まだ固まっておるわけではないのであります。審議会の方の権能をたな上げして大臣に移行するというようなことは、今回は盛り込んではいないつもりであります。

日野吉夫日本社会党

○日野委員 言葉を返すようですが、二十五条の漁港管理者の関係の意見でも、赤路君もそう言っておられますかり、その点は意見は一つも食い違っておりません。そこで今審議会の権限を侵害しないと言うが、従来審議会にかかる案件が農林大臣の専決でやられるというようなことになれば、これは当然権限の縮小ということになると思う。あなたはそうおっしゃるけれども、侵害行為が行われる。こう理解すべきではないか。私は二十四条の改正は非常に重大であろうと思うのです。二十四条の改正、これは農林大臣の権限を非常に強化する。第二十四条の五を追加しまして、この規定によると、第三項では「農林大臣が第一項の土地又は工作物を漁港管理者に譲渡する場合の譲渡の対価は、」云々といって、一項では「政令で定めるところにより管理し、又は処分する。」ということが規定されております。御承知のように、漁港修築の事業は公共事業ですから、これは土地収用法が適用されますよ。過般農林委員会と建設委員会と合同審査をやった土地収用法の改正が行われています。ここでは土地収用審議会というものの権限が大幅に縮小侵害されて、審議会の手続簡素化という名目のもとに、土地が簡単に収用されるような法律改正が行われておる。ここで漁港修築のために、この改正の中には野積場というのが加えられておる。これは考えようによれば広い地域を要するような場合もある。こういうことで収用された土地が、政令でどう規定するか知らぬけれども、農林大臣の権限でもって勝手に処分されては、これはたまったものではない。ここにおいて一つの大きな侵害行為が行われないと保証できるか。こういう点を私は指摘しておるのですが、非常に重大なことである。今いろいろの問題が起ってるが、勝手に専決でやれるというようなことにすると、それをめぐっていろいろ業者の運動が起ったり、極端な例をいいますと、今決算委員会で中古エンヂンなどの問題が盛んに追及されておりますが、こういう独善的な権利侵害行為をやることを容易にする道を開くことになる。こういうことがこの二十四条の関係の改正では非常に重大だとわれわれは考えるが、この改正に当って、こういうところを予想しておったのかどうか。一つ当面の林漁港課長からでも、この改正に当ってそういう重大なことが行はれ、そしてもしそういうことがありとするならば、政令でこれをいかに措置しようとする考えを持っておられるか、この点を一つ承わりたい。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 お答え申し上げます。漁港審議会の権限といいますか、そういうものについては、次長からお答えがございましたが、今回の改正においてはごく小さい問題を取り上げております。それはたとえば漁港指定には名称がつくわけでありますが、その名前を市町村の合併等によって変えたいという御希望がありました場合に、これは一々漁港審議会に諮るまでもないであろうということで、そういう名称の変更のような小さい問題については、あらかじめ漁港審議会におきまして、そういうものは一々漁港審港審議会にかけなくてもよろしいというような基準のようなものを御決定を願っておいて処理をするということにしておるわけであります。別に権限を今までよりも変えるとか、もぎ取るとかいう問題ではございませんので、御了解を得たいと思います。  それから二十四条でございますが、ここにございますことは、国が直轄によりまして修築事業を施行いたしましたものについて竣工の問題が、つまりでき上ったところがございましたので、それらの港におきます今後のいろいろな処分が必要になって参りましたので、こういう規定を入れたいということでございます。ご承知のように、漁港修築事業によりまして国が直轄でやります場合にも、作りますものはほとんど漁港施設になるわけであります。大部分漁港施設になるわけでありますが、たとえば修築の実施中におきます、こまかい問題でありまするが、事務所というようなものがあるわけであります。そういうものは管理の委託ということになりませんで、これは処分ということになるわけであります。管理者に払い下げをしますか、あるいはどういう方法になりますか、そういう問題が起るわけであります。そういう問題がここにあります処分という問題でございまして、防波堤とか岸壁とか、そういうものは二項にございます漁港管理者に管理を委託する、こういうことで処分したい。これは、こういう規定がございませんと、一応国有財産の指定を受けまして、大蔵大臣の方で処理をされることになるわけであります。そこの手続を間素化いたしますために、農林大臣の方でこういう手続をするという規定を定めておるわけであります。他の公共事業の直轄によりまして従来から他の事業においてやっております関係においても、大体こういうことで処分しておるわけであります。処分という言葉が、お話によりますると、土地収用法にひっかけて取り上げるんだというふうなお話でございましたが、ここはそういう問題ではないのであります。土地収用法は適用されることになっておりますが、今までこれを実際に適用いたしました例もございませんし、今後もそういう問題はなるべくやらないという方針ではございますが、少くともここに改正をいたしまして追加いたしたいという問題は、土地収用法等に関連をもってこういうことをやるということでありませんで、国の直轄事業によって作りましたものの管理の関係を明らかにするために、こういう規定を設けたい、こういうことでございますので御了承願いたいと思います。

日野吉夫日本社会党

○日野委員 今の土地収用法の関係ですが、従来あなた方は漁港修築に土地収用法を適用した例がないと言われるが、今度土地収用法が改正になって、従来は収用をかけるのに非常に手続がめんどうであったから、かける方でも、かけられる方でも不利だというので、協議で進めてきた。ところが今度は非常に手続が簡素化されて、簡単に収用法がかけられるように改正されたのだから、やはり業者等がいろいろ国家権力を利用しようというおそれも出てくるし、今後は土地収用法をかけなければならぬようなケースが出てくる。そうすると土地収用法にかけて取った土地が利用され、最後には処分されるということになれば、非常に危険が伴う。これを何をもって防止するつもりなのか。今までのように漁港審議会というものがあれば、そこが一つの防波堤になるのだけれども、今度は専決でやられるということになると、政令でどういう規定をしようと考えておるのかということを承わっておきたい。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 ここにございまする政令で定める事項は、農林大臣が管理者に管理を委託します問題であります。それから先ほど申し上げました直接漁港施設とならない、たとえば小あい事務所、そういうものの管理の委託なり処分なりの方法等について政令で定めるということになるわけであります。こういうことに関連をいたしました政令を出す予定に実はしておるわけであります。ここにありまする政令はそういう内容だけであります。

日野吉夫日本社会党

○日野委員 そうすると管理だけの政令で、処分に対しては手放しで、勝手に処分をやらせてよろしいという考え方ですか。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 勝手に処分するということは、これは国がみずから直轄工事で作りました修築事業についてのことを書いておるわけでございますから、勝手にという、まあ国が勝手でございますが、国がやる関係については、管理の委託なりあるいは多少の物件につきましての処分については、政令でこういう場合はこうだということをきめるわけでありますから、いろいろな関係を勝手に処分するということはあまりないように考えるのであります。土地収用法と関連を持ちましてそういうことをやるということとは違うように考えておりまするが、ここではただ国が直轄で作りました漁港のいろいろな施設の関係をこういうふうにやるのだというふうに規定いたしたい、こういうふうに考えておるのであります。

日野吉夫日本社会党

○日野委員 そのことはそういう危険が予想されるという注意を喚起して、そういう危険のないような配慮のもとにこの適用に当ってもらいたいという注文をつけておくのですが、そのほかにさっきの二十五条の関係で、あなた方の調査では貧弱な漁協等の公共団体一本にしてくれという要求ばかりを聞いておった結果それを世論だと称しておられると思うが、ほんとうに漁港が民主的に運営されるために、力のある漁協等は、管理者に加わって漁港の運営をやりたいという希望を持っておる協同組合等もある。われわれはそういう実情を知っておる。これを一律に全部公共団体に取り上げるという改正であるか。もしそういう希望要求等があれば、これを管理者の中に加えるという任意にすべきでないかと思うが、そういうことはこの法律の改正ではできないのか。将来もしそういう漁港の民主的運営のために積極的に参加してやりたいという漁協等があれば、これを入れることに何かの道を開くというお考えがおありですかどうですか。

林眞治農林技官(水産庁生産部漁港課長)

○林説明員 漁港の管理者の問題につきましては、漁港法実施以来いろいろ検討を加え、地方の状況も聞いてわれわれも検討を加えたわけであります。力ほどから御説明がありまするように、漁港管理者がいわゆる公法上におきまする管理をいたすというような点と、さらに具体的な実際問題としてのいろいろの御意向等、いろいろ研究をいたしまして、今回の改正におきましては地方公共団体にいたしたいというふうに考えておるわけであります。お話のような問題につきましては、われわれといたしましては今後十分研究をいたしてみたいと考えます。

日野吉夫日本社会党

○日野委員 なお二、三点残っておりますが、大石政務次官が来ないから、このことはあとに残して……。それでは岡井次長にお聞きしますが、漁港法改正に当って、もっと本質的に漁港運営をやらせようとするならば、改正点はこれだけにとどまらずまだまだあると思うが、今後さらにもっと民主的な運営のできるように改正する点があるとすれば、どういう点があると考えておられるか。

岡井正男農林技官(水産庁次長)

○岡井政府委員 今回御提案申し上げておる本件につきましては、当初御説明申し上げましたように、きわめて事務的な問題を含んでおるのでございまして、御承知の通り漁港並びに漁船は、漁業を将来伸ばすべき基盤の唯一のものでございますので、将来この漁港法を中心にしての伸ばし方につきましては、必ずしもこうした事務的な改正だけで済まされないというような問題もなお幾多含んでおります。しかし今急にという段階にも至りませんので、この点は将来適当な時期に、再度基本的な考え方についてお願いする時期もあろうかと思いますが、まず漁港というものの一例をあげますと、ローカル的な一種、二種の漁港から、国際的な大きな漁港までを含んで一律に漁港法で運営いたしております。これは予算との関連もございまして、今急にそういうような形はとり得ないかもしれませんが、ある場合には、いわゆる特殊漁港とでも申しますか、大規模な相当多額に金をつぎ込まなければ機能を発揮できないような漁港につきましてのあり方、並びにローカル的なものについてのあり方、こういうものを一本でたたんでおくことがどうかというような点は、今内部的に検討を加えております。こういうものは将来大きいものに重点を置いて、沿岸の漁村にふんまんの情の盛り上るようなことをいたしましても、これはわれわれとしては漁村の平和を乱すものだと考えますので、このかみ合せを最もバランスのいいような調整をしながら、そういうことも将来は考えてみたい、かように考えております。

日野吉夫日本社会党

○日野委員 僕が今聞かんとしたのは、沿岸漁業の衰退、沿岸漁民の貧窮の状況というものは、漁港修築がおくれていることに大きな原因がある。これは従来の大漁港中心の考え方——今日本の水産政策は資本漁業中心になっていて沿岸漁業が顧みられない。その結果、沿岸漁民の貧窮の度合いは、日本の国民構成の層のうちの一番低位にあると思う。私この間銚子の外川という一漁村、朝日新聞等で書き立てられているあの漁港を見に参ったのですが、第一の条件は、やはり漁港修築が思うようにいかない。従って沖取りの沿岸の漁船が入ってこれないというような状態で、第一の要求は漁港を早く修築してほしいということであります。ああした漁港は計画だけ立てて計画倒れになって、予算がつかなくて、工事に着手しても何年かそのままほっておくというような状態では、私は完全な漁港の利用、運営はできないと思う。今の漁港予算獲得のためには、本委員会等は全力をあげてやっておるのであるが、あの予算ではとうてい計画を完全に遂行することができない。こういう面、漁港法を改正するならもっと沿岸の小漁港に重点を置いて、あれをすみやかに解決できるような道を開いてやることがやはり改正の中に考慮さるべきだった。そうしたことが一つも配慮されていないという点では、われわれは非常に遺憾である。今後こうした面に向って計画をしなければなるまいと思うし、このことは今後こうした道を開くための十分な計画、もし漁港法にその隘路がありとするならば、その点こそ改正の重点にとられなければならぬと私たち考えるのです。この点は次の問題として十分一つ考えてもらいたいと思うのであります。その注文をつけておきます。大石次官が来ましたからお伺いいたしますが、実はあんたのいないうちに、この法律は非常に逆コースの法律改正だ、民主主義の時代に手続の簡素化ということで何もかも簡略にする結果は、たとえばここに改正の中に盛り込まれておる漁港審議会の権限を縮小したり、農林大臣の権限だけをどんどん強化していく。結局審議会を経ないで農林大臣が勝手なことをやれる。今ここで伺ったのですが、土地収用法などが適用されるのですが、収用法の改正が行われて簡単に土地収用等ができる。そして国家権力で買い上げた土地等が勝手に農林大臣の専決で処分される。しかも政令にもこの用意がない。こういうことであるならば、いろいろな行き過ぎが起って、今決算委員会等で騒がれている問題もこういうところに根本的に原因する。こういう場合にこの法の施行に当っては、十分こういう危険のないように配慮しなければならないが、今、林君の答弁では、政令では別に規定する用意がない。しかも漁港審議会にかけると各党の代表が入っておるから、そこで審議することはめんどうであろうけれども、それが一つの違法行為をチェックする、そういう権利侵害の防波堤になる。それを飛び越えて農林大臣の専決でやるというようなことになれば、当然いろいろ業者等から運動も起る危険が予想されるはずです。当然このことは予想していなければならない。立法の場合は、起り得るあらゆる場合を予想して、それを防止する伏線を用意していなければならぬのに、手放しでこういう法律改正をやって、得手勝手なことをやられるようなことになっては困る。これに対しては政令等でそういうことのないような用意をして、慎重に実施するという御言明を次官から伺って質問を私は終ることにします。

大石武一自由民主党農林政務次官

○大石(武)政府委員 ただいまは参議院の外務、農林委員会の合同委員会に行っておりまして、はなはだ失礼いたしました。この改正案は、できるだけ手続を簡素化して、民主的にしようという考えから出したのでございますけれども、ただいま御発言のありましたような不審の点がありましたことは残念でございます。御趣旨を十分に体しまして、でき得る限り行政面の運用を正しくいたしまして、十分にその御意思を具現するように努力いたす所存でございます。

村松久義自由民主党

○村松委員長 ほかに質疑はありませんか。——なければ、これにて質疑は終局いたしました。  次に討論に入ります。討論はありませんか。——なければ、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

村松久義自由民主党

○村松委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なお、本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり」

村松久義自由民主党

○村松委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。  二時まで休憩いたします。    午後零時三十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕      ————◇—————

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