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24回国会衆議院1956/04/26

農林水産委員会 第34号

発言数
54
登壇者
7
会派数
2
開催日
1956/04/26

会議録

村松久義自由民主党

○村松委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。先般来調査を進めて参りました馬匹輸入に関する事情調査のため、参考人の出頭を求め、来たる二十八日の委員会においてその意見等を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村松久義自由民主党

○村松委員長 御異議なしと認めます。  なお、参考人の選定につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村松久義自由民主党

○村松委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。

村松久義自由民主党

○村松委員長 次に乳価に関する問題について調査を進めます。質疑を行います。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 横田公取委員長にお尋ねしますが、当委員会においては、昭和二十九年の国会において、酪農振興及び乳価問題の件に関しまして、たまたま国内における乳価紛争に関連して、内地の乳業会社が乳価引き下げの協定を結んで、いわゆるカルテル行為を行なったという節が各地に非常に多く発見せられておりますので、これに対しましては、公取委員会としてもこれが独禁法違反としての事案になるかどうかということを、当然厳重に審査して、すみやかに結論を出すべきであるという問題を中心にして、数度にわたって委員会を開催したということは、委員長におかれても記憶にあることと思うのであります。すなわち昭和二十九年の第十九国会におきましては、九月一日、十月十二日、十月二十二日、十一月十三日、十一月十九日の五たびにわたってこの問題の調査を行なったわけでありますが、その後公取委員会におかれましては、当時の委員会の問題となりましたことに対しましては、何ら明確なる結論が出ておらぬようにわれわれは承知しておるわけであります。それでこの際横田公取委員長から、これらの問題に対するその後の審査の結末等についてはどういうことになっておるかという点に対しての経過を、一応お伺いしたわけであります。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 ただいま仰せになりました乳価の問題につきまして、二十九年でございましたか、当委員会でいろいろお話がございましたことはよく存じておりますが、実はその後この乳価の問題につきましていろいろ調査はいたしておったのでございますが、最近にどれだけの調査が進んでおりますか、本日その問題についての御質疑があることを予想しておりませんでしたので、ここではっきり申し上げるような資料を持っておりません。この点はさっそく最近の資料について、調査の結果を調べましてお答えいたしたいと思います。毎年夏近くになりまして、この乳価の問題につきましては、御承知の通りいろいろ問題が起りますので、夏近くになりますと一応この乳価問題は取り上げる形になっております。今年はどういうことになりまするか、ただいまここで詳細なことを存じておりませんので、さっそく調べましてお答え申し上げたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 横田さん、私の聞いておるのは、これは昭和二十九年ですよ、一昨年の当委員会において、数度委員長初め公取委員会の責任者に出席を求めて、当時行われたところの、いわゆる森永、明治等を中心とする乳業資本が一連の協定を結んで、そうして二十九年の六月から九月に至るまでの間において、漸次計画的に乳価の引き下げを行なって、九月の上旬には全国的にこれを四十円以下の乳価に引き下げるというような、そういう策謀が行われておったというこの点、この協定行為が独禁法上の違反になるのではないかという問題が一つと、もう一つは、森永が関東地方の各府県の中において一方的に乳価の引き下げを通告して、この価格に応諾しない場合においては牛乳の受け入れを拒否する、いわゆる受乳拒絶というような通告をした。この点に対しましては、これは生産者に対して一方的に不利益をしいる行為であって、明らかに独禁法違反の事実ではないか。こういうような二点に対して、公取委員会においては、これらは提訴を待つまでもなく、公取自身の自主制の上に立って、すみやかに公取としての責任ある機能を発揮して、この問題の内容を審査して、結論をつけて、そうして報告せられたいということを、五度にわたってわれわれは調査の中において要請しておったわけです。この議事録等によっても、委員長は当時審判官をきめて、何らかのこれに対する具体的な結論を出すように努力中であるというような責任のある答弁さえ行なっておるわけなのです。その後二カ年たった今日において、それらの問題に対して何ら誠意のある具体的な問題の処理を行なっておらぬではないかというふうにわれわれは考えておるわけであります。これは毎年夏季の乳価に対しては、やはりそれに類似したような行為が行われておるということは事実でありますけれども、そういうような独禁法上の不正あるいは違反と見られるような問題に対しては、これは公取の立場において一日も早くそういう問題を処理して、そして酪農の振興あるいは乳価の安定等に対しても、公取委員会の機能は権威を持って寄与できるのだというような安心感を与える必要がどうしてもあると思う。ですからその点に対する御説明をぜひこの際お願いしたいのです。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 今お話になりました二十九年度のいろいろな問題、これは申しわけないのでございますが、私詳細なことをただいま記憶しておりません。横浜、千葉その他の地区におきまして、今おっしゃいましたような問題がございまして、当時事務局でかなり詳細に調べまして、一応の結論は出ておるのでございますが、この事件は結局いわゆる正式の審判手続ということに至らずして済んでおるわけでございます。その結末につきましては、こまかな詳細な記録もあることと存じますので、この点も最近の機会に、どういう結末をつけたかということを御報告申し上げたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今の答弁によると、あの当時の問題は、これは調査の結果審判手続をする必要がない問題であったというようなことになったのですか、そういうことでなくて、まだ審判を開始するに至らぬ過程にあるという意味ですか、その点明確にしてもらいたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 私の記憶によりますと、当時あそこに具体的に起っておりました事件につきましては、審判の必要はないという結論に到達したように記憶しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは変じゃないですか。当時の委員会においては、明らかに独禁法違反の疑いがあるというようなことを公取自身もたびたび指摘して、やや明確に説明をしておった。しかも審判官まで任命してやることになっておりますということを、委員長自身も言われたはずなんです。それが今の説明を聞くと、全然そういうことの必要がない問題であったということは、これはわれわれとしては非常に疑義を持たざるを得ないわけです。しかもその後、それと前後して当時国会においては、わが国の酪農を振興する意味において酪農振興法なる法律を成立さして、この酪農振興法を中心にして、今後農業経営上の基盤をなす安定方策として、農業経営の中に酪農を加味してその経営を発展さしていくためには、どうしても一つの要件として、国内における乳価の安定を確立しなければならぬということが本旨になっているわけです。そういうことと関連した場合においても、この国内における乳業資本があるいは協定を結び、あるいは一方的に生産者に対して乳価の引き下げを通告して、それに応諾しない場合においては受乳を拒否するというような態度は、これはだれが考えても明らかに独禁法上の不公正な取引行為であるということが指摘できると思うわけです。それを、いろいろ調査した結果、そういう疑いがなかったんだというようなことで、簡単に片づけることがなぜできたかという内容について御説明を聞かなければ、われわれとしては了承することができないわけです。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 先ほども申し上げましたように 当時の記録にいろいろ残っていると存じますので、それを詳細に調べましてお答えいたしたいと思います。それから先ほど、審判官を選んでというふうに申し上げたかのようでございますが、たしか私の記憶では、審査官を選んで調査させる——審判開始決定後になりますれば審判官ということになりますが、たしか審査官、担当官を決定して調査させるというように申し上げたと記憶しておりますが、詳細は記録を調査いたしましてお答えいたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ではこの問題については、委員長といたしましてこの席で直ちに具体的な内容の御説明が願えないとすれば、これはごく近い機会に再び当委員会に御出席願って、詳細な経過の説明等をお伺いしたいと思います。  あわせてお伺いしたい点は、三月三十日と思いますが、昭和二十九年の十一月二十二日付で審判開始を行なったところの、やはり乳業問題でありますが、北海道における雪印乳業、北海道バター、それから農林中央金庫並びに北海道信用協同組合連合会、これらを被審人としての審査が進められまして、そして審決案が発表になったわけでありますが、この審決案の内容をわれわれが一応瞥見した場合において、この審決の内容が今後わが国の農政上に及ぼす影響は非常に重大であるというような点をわれわれは数点感ずるわけであります。これは非常に重大な点であると思いますので、この際審決案の主文に記載されておるところの五項目のおもなる点にわたって、一応大筋だけでけっこうでありますから、一つぜひ委員長から概略の説明をお願いしたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 この事件は二十八年の十一月に審判を開始いたしまして、その後審判官を任命いたしまして、それによって翌二十九年の二月上旬ごろでございますが、自主的に調査に入りまして、昨年の暮れにただいま仰せられましたような審決案ができたわけでございます。しかしこの審決案はただいま申しましたように、われわれでなく審判官が調査いたしました結果に基いて、審判官の意見がそこに出たわけでございます。その意見につきまして、ただいまわれわれ委員会におきましてその詳細な調査を進めております。この審決案それから相当膨大になっております記録、それからその審決案に対しまする被審人側の異議の申し立て、これは中金側と会社側と両方から出ております。その異議の申し立て、それらを詳細にただいま検討中でございます。従いましてこの審決案の主文なるものは審判官の考え方でございまして、私がその内容についてどういうつもりでそういうものができておるかということをここでお答えするのは少しどうかと思いますが、大体私の了解いたしましたところを申し上げますれば、要するにあの事件は、大体取り上げました動機と申しますかいきさつを簡単に申し上げますると、北海道の酪農に対しまする乳牛導入資金の融資が、いわゆる北海道バター、雪印、この両会社に牛乳を供給する酪農あるいはその単協に対しては中金の融資がなされることになっておりまするのに反しまして、この両会社以外のものに牛乳を供給するものに対しては融資が行われない、こういうきわめて差別的な取扱いがなされておるという点がこの事件の骨子でございまして、この資金の供給という問題を通じまして、結局雪印、北海道バターというものがいわば独占的地位をますます確保していくという点、それからいわゆる信連はやはりそれに関連いたしまして、中金と大体同様の立場にありましてそういう点を助成しておるというような点がこの骨子でございます。従いましてこの審決案と主文も、第一項におきましてはそういう金融機関とこの雪印、北海道バター両会社が一つの共同操作と申しますかによって、北海道地区におきまする生産人の取引における独占をくわだてておるというような点、そういう差別的な融資がなされるようなことのないようにというのが第一点でございます。それから中金に対してもそういう差別的な融資をしないこと、それから北海道農業信用協同組合につきましても、保証についてそういうような差別的な扱いを前提とする保証をしてはならないということ、それから第四項におきまして、そういう趣旨に基いて行われておりまする協同組合と両会社との間の契約の廃棄、第五項におきましてそういうことの原因を与えておると思われるところの北海道バター並びに北信連の役員の兼任を解かせることというようなことが大体この審決案の骨子になっているように了解いたします。ただしこれは先ほども申し上げましたように審判官の意見でございまして、これが妥当であるかどうかということは詳細に記録を調査いたしまして、かつこの審決案の内容などを審査いたしまして、かつ異議の申し立ても詳細にこれを検討いたしまして、委員会としての最後の審決を下す、ただいまそういうような段階にあるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただいまの御説明によると、私の質問が審決案の主文等の内容に対して委員長の意見を求めるというところに若干の無理があるということが言えるわけでありますが、問題は公取委員会の立場において、この協同組合のいわゆる経済行為というものと、それから商業資本によるところの経済行為というものの性格の差異といいますか、特殊性というものがそこに必ずあるという認識は持たれておるわけでありますが、この点に対する御意見はいかがですか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 この事件を開始します際には、もちろんただいま仰せられましたような点は十分に考慮いたしたわけでございまして、従いましてこの事件におきましても、いわゆる系統利用の問題、つまり農業協同組合の本来の使命でございますところの、いわゆる系統利用というような問題につきましては十分に考えました上で——ただしこの問題はいわゆる系統利用という問題ではなく、特定の乳業会社に対し牛乳を供給するということを理由といたしまして、へんぱな融資が行われ、それがひいてこの牛乳取引の公正を害しておる、こういう点が考えられました結果、協同組合の生命と申しますか使命というものについては、かなり十分な認識を持ちながらこの事件を取り上げたわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこでお伺いしたい点は、系統組織の性格等に対しては相当認識されておるようでありますが、系統内における金融、いわゆる系統金融あるいは系統によるところの販売の形態、これはやはり単位農協から都道府県の連合会さらに中央段階においては中金であるとか全販であるとか、こういう全国的規模における一連のそういう系統組織というものが確立されなければ、協同組合本来の組合員の利益を守って、それが日本の農業の発展向上のためにも寄与するというようなねらいの上に立った、いわゆる協同組合法等を基礎にしたそういう行為というものは、国の政策の中においても今日までいろいろな方法をもって助長、育成されてきておるわけであります。たとえば販売事業のような場合においても、今日の段階においては、国内における独占資本あるいはそれに類する商業資本の農民に対する収奪をいかにして排除するかというところに、協同組合としての一つの事業面における目的も所在すると思うわけです。それは商業資本と対決するというだけの力はないとしても、収奪をできるだけ阻止するとか、あるいはそれに抵抗するというような自己防衛的な経済行為というものは、やはり今日の協同組合の中においても非常に重要な点であるというふうに考えるわけです。ですから、たとえばこの共販の体制を確立する場合においても、これは単協、都道府県の連合会あるいは全販というような全国的な規模のもとにおける強力なる共販体制を確立するということは当然望ましいことでもあるし、そういう方向に行くことをいろいろな角度から助長すべきものであるというふうに考えるわけでありますが、委員長においては、この点に対してどういう見解を持っておりますか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 この点に関しましては、御承知のようにこの事件を起しましたのは、何も農協系統の共販体系というようなものを無視するという意思は毛頭ないのでございます。またわれわれの判断の対象になっておりますこの審決案は、あるいは多少理解しがたい面もないではないと思いますが、私どもが見ました範囲におきましても、ただいま申しました共販体系を否定するような趣旨は、これに盛られておらないように考えます。どうも説明の十分でないような面も見られるようでございますが、そういう点は私どもとしてはないように思われるのでございます。今仰せられましたように、経済力の弱小な農家が、その農産物を販売あるいは購買いたしますに関しまして、共同出荷あるいは購入というような方法によりまして、経済的に強力な販売者あるいは購買者に対抗するということは、もっともなことでございまして、望ましいことでもございます。従いまして御承知のように独占禁止法におきましても、協同組合の共同行為につきまして非常に広い適用除外の措置が講ぜられておるわけでございます。もっともこれはその協同組合が一定の要件を備えておることが必要でございますことと、その共同行為の結果対価が引き上げられる、あるいは不公正な取引方法が用いられるというような特殊な場合を除きましては、特にこの協同組合の行為を適用除外をしておりますゆえんも全くここにあるように私は了解いたすわけでございます。従いましてこの独占禁止法にも出ておりますそういう精神を無視してこういう事件を起しておるわけではもちろんないわけでございます。ただ問題は、そういう共販体制を利用することはもちろん望ましいことではございますが、その共同体制にもいろいろな型があり得ることと存じますし、またその一つの型を利用しなかったということをもちまして、そこにこの事件に取り上げておりますような酪農の死命を制するとでも申しますか、最も必要といたします乳牛の導入資金について、同じ酪農でありながら非常な差別的な扱いを受けるということは、独占禁止法の観点からいたしましてどうしても許すべからざることである、ここにわれわれのこの事件を取り上げました重点があるわけでございまして、この点は決してそういう酪農本来の、あるいは農業協同組合本来の精神を無視しておるものではないということは十分御了解いただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただいま横田さんは、農林金融上の差別の措置を講じて一方の会社に対して非常な不利益を与えたということにも言及されましたが、私のお尋ねしているのは協同組合のいわゆる共販体制——共同行為あるいは単協が連合会等に販売委託を行うという行為の純粋性というものをあなたは是認されると思う。ところがたまたまこの審決案の内容等を見ると、北海道のいわゆる経済連合会が行なった牛乳の共販の行為は、共販自体を目途としての経済行為ではなくて、これはたとえば雪印、道バター等の依頼を受けて擬装して行なった共販の行為であるということを断じておるわけです。これは実に重大な点であると思う。単位農業協同組合が生産者である組合員の意思に基いて収入を行なって、系統である連合会に販売を委託する、連合会はその委託された単協あるいは、組合員の利益を最大に考えて、相手方の会社を選定して、そこに契約を締結して売り渡しを行う、こういうことは、だれが考えても、正常な行為であるというふうに考えるわけです。それに対して、北海道経済連合会の行なった牛乳の共販行為というものは本物ではない、擬装された行為であるということになると、この点は、全国における共販を非常に奨励しておる今の農産物等の共販体制に対して、何か一つの抑圧を加えるような意図があるのではないかというふうな疑点がここから生じて参るわけでありますが、この点に対しては、特に北海道経済連合会のみがこうなんだということでなく、本質的な問題としてさらに横田委員長の賢明な見解を明らかにしてもらいたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 先ほども申し上げましたように、実はこの記録の内容をただいま調査中でございますので、果して審判官がここに認定をいたしましたような事実関係になりますものかどうかという点につきましては、ここでどうもはっきり申し上げることができないのでございます。しかし先ほどから申し上げておりますように、そもそもこの事件を取り上げました趣旨は、先ほど申し上げました通りでございまして、これは率直に申し上げますと、今度われわれが最終的に決定いたします公正取引委員会の正式の意見と申しますか、最後の審決の内容を見ていただかなければならぬと思います。審査官、審判官がどういうふうに考えましたか、ここで私は想像を申し上げてもいかぬと思いますが、われわれが取り上げました趣旨は、ただいま御心配になるような、そういう間違った認識のもとに取り上げたものでないということは、十分御了承いただきたいと考えます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、この牛乳問題は、非常にほかの農産物とは取扱いが異なっておることは、その日その日に生産した牛乳を適正に処理していかなければならぬ。これを貯蔵して、もっと有利な価格で処分するということは、当然できないわけです。ですからやはり安定した価格の上に立って、恒久性のある売り渡し先の会社を選定して、長期的な契約を締結して、それによって一つの安定感を得るというような問題になってくる。そういうことは当然これに付随して行われる行為になると思うわけですが、昭和二十九年に成立した酪農振興法が、衆参両院を通過した場合においても、両院においてはその点をおもんぱかりまして、それぞれ酷農振興法に対する附帯決議を付してこの法律が成立しているわけです。これを参考までに申し上げますと、当衆議院においては、当時は農林委員会でありましたが、附帯決議の六項に「政府は、生乳等の不公正取引の防止に資する目的をもって地方の実情に即し、都道府県農業協同組合連合会が取引契約の当事者の一方となるよう指導すること。」この意味は、先ほども申した通り、生産者の立場の上から協同組合あるいは連合会が生産者を代表する立場に立って、相手方の乳業会社と契約を締結して正常な、正当な価格で取引を行うという形に持っていかなければならぬ。これをさらに具体化するためには、どうしてもこの牛乳の共同販売の組織を系統機関の中で確立しなければ、こういうような期待された行為はできないと思うわけです。次に参議院においても附帯決議の三には、「生乳等の取引契約に当って、生乳生産者の自主性(生産者団体による共同販売の徹底、生産者による自己検査の確立、生乳の集団飲用の促進等)を確保し、更に進んでは生乳生産者の資本による乳業施設を育成するよう、政府において適切な措置を講ずること。」これはさらに牛乳の共同販売より一歩前進して、このような牛乳の処理加工に当っては、できるだけ農民資本によるところの乳業の企業を興して、この農民資本によるところの、農民が中心になった乳業の一つの企業体の中で、生産された牛乳を処理すべきであるというような、こういう一つの期待を持った議決も行われておるわけです。この二つの衆参両院におけるところの附帯決議の内容を見ても、今後の牛乳の処理の一つの経済上の形態、あるいはこれをさらに加工するための製酪事業等のあり方についてはかくあらねばならぬということが指向されておるわけです。これを具体的な事例にとりますと、たとえば今問題になっておるところの北海道の雪印あるいは道バター等においても、この資本構成は委員長において御検討になっておると思いますが、北海道バターの場合は、その資本構成の九〇%は単位協同組合あるいは農民の資本によって構成されておるわけです。雪印乳業の場合においても、七〇%の資本構成は、これはやはり農民資本であるということになっておりまして、これの資本形態は、たとえば森永、明治の資本形態と対比して考えた場合には、やはりこの雪印、あるいは道バターは協同組合の系統の範疇に——正確には系統はないとしても、やはり協同組合の系統の範疇に入り得る企業であるというふうにもわれわれ判断できるのじゃないかと思いますが、委員長はこの諸点に対してどのような考えを持っておられますか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 雪印並びに北海道バターが、いわゆる系統に属する一つの企業体というふうに見られるのではないかというお話でございますが、これはなるほど明治、森永等とは非常に性格の違った面のあることは仰せられる通りでございます。ただ私も正確な数字的な資料等持ち合わせておりませんが、今お言葉のございました通り、これはいわゆる正当なる系統でないことは、これはやはり協同組合でない点が指摘できるであろうと思います。これは先ほどもちょっと申しましたように、協同組合につきましては独占禁止法の適用なり、それに対する独禁法的な考え方が非常にほかのものとは違っておるわけでございますが、その点て参りますと、雪印乳業、北海道バターは、なるほど資本の相当部分が酪農あるいは単協等によって占められておるというような事情がございましても、いかんせんやはりこれは営利会社でございまして、なお実際のこの会社の動きというようなものも十分考慮いたさなければならなぬわけでございまして、従いましてその点におきましては、純然たる系統というふうには私どもは見ておらないわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点に対しては、われわれが自主的な判断の上に立った場合に、これは系統に準ずるというようなことになりますし、公取の立場から見れば、これはそういう準ずるというような解釈は適正でないというふうに理解しておりますが、ただ判断の資料としては、資本構成がどういうふうになっておるかということは、これは自主的の判断の資料としては相当貴重なものであるというふうに考えておるわけです。これはもちろん株式会社の形態をとっておるので、協同組合の形式とは違いますが、これに関連して昨年の二十二国会において横田委員長は、当時大蔵委員会に出席されて、この問題等についての発言をされたことがあるわけです。その場合にわが党の横路委員の質問に答えられて、今の段階においては、北海道における雪印並びに北海道バターが統合されて、いわゆる協同組合化された組織に一本化することに対しては、今の段階においてはそれは不可能なことではない。そのことは、今までは独禁法上の疑義があるから、雪印あるいは道バターの統合はうまくないという見解を示してこられたのですが、昨年の大蔵委員会において、は、現在の段階においては、この二社が統合して協同組合組織の企業体としてやっていくことに対しては、積極的ではありませんけれども、そのことは可能であるというような御発言をされたように私は記憶しておりますが、その点はいかがですか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 はなはだ申訳ないことでございますが、正確に、どういうふうに申し上げましたか記憶がございませんが、多分協同組合組織になれば問題は別であるというふうに申し上げたのではないかと思うのでございます。これは従来しばしばこの両会社の合併というようなことが この会社の当局あるいは酪農の側等からもそういう声が聞えて参りまして、それに対しましては、いわゆる、バターの生産量のパーセンテージがきわめて高いということを理由といたしまして、現在の段階では合併は独禁法上むずかしいということをずっと申し上げて参ったわけでございますが、たしかあのときに横路委員から、協同組合になったらどうかというようなお話があったように思います。この場合はまた考え方を変えなければならぬのじゃないかというふうにたしかお答えしたというふうに記憶しております。

村松久義自由民主党

○村松委員長 芳賀君、約束の時間が近づいてきたようでありますから、どうぞ簡単に願います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は今後非常に重大な点だと思いますが、これは今日までは北海道の中においても、同じ農民資本によるところの両会社が目的を同一にしておるのであるからして、やはりすみやかに先に統合して、一つの企業形態をとってやることが一番望ましいという論議が過去数年間にわたって行われてきておる。しかしこれは戦後におけるいわゆる集中排除法によって、これは一つの権力によってこういうふうに分断されてしまったわけですね。だからして農民の希望とか指向する方向と全く逆な形でこの分断が行われたわけです。それに対しましては昨年の大蔵委員会における横田さんの見解は、今まではこれは独禁法上から見てこの両会社が一緒になるとまた北海道におけるいわゆる乳業の支配的な勢力を増大することになるからして疑点があるけれども、そうなればそのバターの生産面における七〇%を占めることになるので幾分の問題はあるけれども、しかし全体の情勢から見ると、もうすでに今の段階においてはこれは統合して、それが協同組合の企業形態に組織化されるということは可能であるというような意味の発言をされたことが当時伝わっておったわけであります。これに対しては北海道の農民も大きな期待を持っているわけです。今まではうまくなかったけれども、今後はやる気であればやれるのだというような一つの自信を高めておるときにこのような審決案が生れたわけです。これは今後この問題を処理される場合においても非常に重大な点であるということを指摘しておると同時に、さらにつけ加えたい点は、この審判が開始された場合の審判開始決定の補足説明の要旨の中に、私が指摘したような点が末尾に付加されておるわけです。それを申し上げますと「もし、かかる事態を放任するならば、遠からずして北海道全道の原乳取引は雪印乳業及び北海道バターの独占するところとなり、独占の弊害は顕著となるであろう。雪印乳業及び北海道バターが会社組織をとっている限り、酪農民の利益が収奪されないという法的保証はどこにも存在しないのである。」という点で結んでおるわけであります。ですからこれからこれを引き延ばしていけば、今のような株式会社としての雪印あるいは北海道バターがこのような企業形態をとっている限り、それ以上にこの酪農民の利益が守られるということにはならぬ。しかしこの形態が変り組織形態が変った場合においては、さらにこの酪農民の利益が保証されるというような意味にもこれは受け取られるわけなんです。ですからこれは決して関連がないとは言えないと思うのです。こういうものを一つの含みとして、この審判開始の説明の要旨というものはつづられておると思いますし、審判開始決定のこの文の内容は、公取委員長の責任においてお出しになったというふうに私は理解しておるわけですが、これから考えてももう少し具体的な、今後の北海道のこの両会社のあり方というものは、実質的には農民資本において形成されておるのであるからして、これが正常な形をとって、ほんとうの系統組織としての乳業企業に発展することは、委員長としても望ましいということが言えると思うのですが、いかがですか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 この問題はなかなか複雑な問題でございまして、そう簡単に結論的なことを申し上げることはできないと思いますが、要するに問題は株式会社の形態におきまして、現在の形で合併できるかどうかということでございますが、それには先ほど申しましたようなバターの生産量の問題とか、それから今回問題になりましたいわゆる乳原料の問題、しかもそれにへんぱ的な融資ということが裏づけになりまして、これがもしこのままでいったといたしますと、先ほどお読みになりました補足説明でございますが、これは審査官の陳述したものであると思いますが、そういうところにあるような結論に到達するおそれがないではないわけでありまして、その意味におきまして、この二つの会社の合併ということにはいろいろな問題、独禁法上の問題があるわけでございます。ただし補足説明にもございますように、多少その雰囲気は出ておると思いますが、協同組合というようなことになれば問題はまた考え直さなければならぬ。こういう点がおそらく今お読みになりましたところに多少にじみ出ておるのではないかと考えます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 議事進行。実はただいま委員長が時間がありませんということを言われたのですが、実はきのうから機械公団の問題を審議しておったわけです。昨日は参考人を呼びまして、そして参考人という建前から、一応参考人の質疑を打ち切って、そして機械公団の継続を今やっておる最中です。本日は私たちの聞くところによりますと、大体機械公団を先に質疑を行うということが予定されておったので、そのように了承しましたところが、当初どういう都合か、いきなり公取の問題が出てきたわけです。酪農に関する件として……。そこでその件は、おそらく私は各委員も全然御存じないと思う。これは各委員に了解を求めるということが第一点。  それからもし酪農の方を先決するということになればけっこうです。そうなればそれで各委員おのおの考え方があると思う。非常に重要な問題です。たとえば協同組合におけるところの共販態勢がどうなるかというような基本的な問題になってくる。それを時間を制限されてこれを行うということになると、非常な問題が起ってくると思う。だからこれを取り上げるなら取り上げるでけっこうでありますから、十分な審議の過程の時間を与えていただきたい。このことをお願いしておいて一応審議を進めてもらいたいと思います。

村松久義自由民主党

○村松委員長 ただいま議長進行の御発言がありましたので、私より今回のこのことになりました事情を一応全委員にも御説明いたして、御了解を得たいと思います。これは昨日理事会においてさようの取り計らいにすることに決定をいたしたのあります。その際おっしゃる通り、わが党の理事におい ては、機械公団を先決すべしという議論もありました。ただし社会党の芳賀理事の御発言でありますので、私もその間かなりちゅうちょはいたしましたけれども、党の御発言、かように解釈いたしまして、何か党において特殊の事情があるものと考えましたので、わが党の理事諸君の反対を押し切って、いわばそのような処置にいたしたのであります。昨日の決定は、午前中にこれを取り上げるということであったのです。その際に午前中に政府委員がだれが先に来るかと見ておったのでありますが、ところが農地局長があとに来ましたので、従ってこれがあと回しになった、かような事情でございます。どうぞ御了承を願います。  なお申し残しましたが、そのときの芳賀理事の御要求は、まず最初に公取委員長に対して、今後の審議を続ける前提として質疑を行いたい、こういう申し出がありました。従って、これは根本問題でありますので、詳細な質疑は今後継続いたしたいと思いますが、とりあえずかような処置をとったことを御了承願いたいと思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それであったら、片方ではもうすでに審決案ができ上っているのです。そうすると、今後においてというと、時間的余裕はないのです。だから、やるならばやるで、今言ったように時間を与えていただいて、はっきりとこの問題を解決させていただきたい、このように願うわけです。

村松久義自由民主党

○村松委員長 今の点でありますが、これは質疑をいたした結果はっきりしておりますので、今後の取扱いについてはさらに御協議いたします。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員 本件については、申し合せがありますので、できるだけ近い機会において続行していただきたいと思いますが、私は資料の要求だけをいたしておきます。  公取委員会の本件に対する態度について、私ども相当疑義を持っております。そこで一昨年の夏の乳価の問題で、本委員会において数度にわたって質疑をいたしたのでございますが、ただいまの公取委員長のお話では、審査の結果が出ているような言葉でございましたので、そのときの審査の結果を、文書をもって本委員会に資料として御提出を願いたいと思います。それだけをお願いしておきます。

村松久義自由民主党

○村松委員長 吉川君より文書による資料を要求されましたが、文書による要求をするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村松久義自由民主党

○村松委員長 公取委員長も今お聞きの通りですから、文書による資料を求めます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 ちょっともう一点。今吉川先生のおっしゃったのは、該当しなかった審査の決定、それに対する資料要求ですね。それが一点。それから、審決案が出ておるということが先ほどからお話がありましたが、おそらく各委員はその審決案を持っていらっしゃらないと思います。ですから、審決案は全部各委員に配付していただきたい。

村松久義自由民主党

○村松委員長 審決案も配っていただきます。よろしいですね。さようにお願いいたします。  ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

村松久義自由民主党

○村松委員長 速記を始めて。小川豊明君。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 関連して一つお尋ねしますが、今委員長と芳賀委員との問答を拝聴しておりまして私考えたのですが、今北海道バターと雪印の統合なり合併なりというのはよくない、こういうふうに聞いておったのです。ところが一方において、私ども酪農地帯に行ってみますと、今盛んに酪農が奨励されておるわけです。そこに行ってみると、雪印が明治なりあるいは森永なりの債務奴隷になってきつつある傾向が看取されるのです。このことは、かつて片倉製糸が製紙をやっておって、こういう種紙を使わなければいけないというので種紙を供給した、その次には、こういう桑苗を植えなければいけないといって桑苗を供給した、そしてそこで特約組合を作って、なお農家に支払いの余った金があれば、それは片倉生命に入らなければいけない、こういうふうにして一切を片倉のもとでなければ仕事ができないようになった。片倉製糸の債務奴隷になったような傾向があった。ところが今度の乳業の場合を見ても、森永や明治の債務奴隷になりつつある傾向が、非常に顕著に出てきておる。子牛をそこから供給を受ける、従って牛乳はそこへ持っていかなければならない。その牛乳の値段はみな向うできめておる。だんだん森永や明治から借金ができてくる、森永や明治から離れることができないというような形が今日畜産農家に現出しつつある。従ってそういうことを防止するために、今お聞きしておる雪印といえども、北海道バターといえども、それが生産者の資本によって作られておるものならば、そういうものをさらに強化して、資本主義市場の中でそれら森永や明治と対立できるような力を養うことが公正な取引になるゆえんじゃないか、こういうふうに考えられます。この点についてあなたの御見解を承わりたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 乳業会社に対して隷属化するということは望ましくないことでございますことは、仰せの通りでございまして、なるほど雪印、北海道バターにつきましての性格につきましてはいろいろな御批判がございましょうが、われわれが取り上げました理由の一つも、乳業会社に対する金融を通じての隷属ということを断ち切って、この際酪農としまして自主的にどういう形が最も自分たちのために望ましいものであるか、いわゆる下から盛り上った酪農の態勢というものが確立されることが望ましいという念願でございまして、これはやはり明治、森永に対してもそういうことが言えるわけであります。こういう融資等を通じての隷属からこの酪農が切り離され、自分の足で立ち上る、こういう気運ができれば、私ども最も望ましいことであります。たまたま雪印と北海道バターを対象にいたしましてこの事件は起っておりますので、私どもの考え方は、根本的にはそういうところにあることを御了解を願いたいと思います。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 私は別に雪印あるいは北海道バター等の関係あるところではありませんけれども、現に森永や明治に対する債務奴隷的金融支配の形がどんどん顕著に進んでおる。ことに北海道のような酪農地帯ではそういうことが顕著に出てきておるのではないか。それを防止するためには、生産者資本である雪印あるいは北海道バタ一等を強化していくことの方が、それは防止できるのじゃないか、こう考えるのです。そこで雪印や北海道バターの統合なりあるいは合併なりによる強化というものをいけないといって押えることは、逆な面から言うならば、かえって森永や明治の資本の独占収奪を援助する形が出てきてしまうのではないか、こういうふうに考えられる。そこで今要求された資料を一つ急速にお出し願って、私どもに検討の時間を与えていただきたい。

村松久義自由民主党

○村松委員長 今の要求の資料をお出し願います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 きょうは十分な質疑ができませんので、基本的な問題に関係する点だけ、公取委員長の御見解を伺っておきたいと思います。お尋ねしたい点は、審決案の主文の五にも載っておりますが、被審人の北海道バターが、北海道バター株式会社の最近の株主総会において、会長であり取締役であるところの三井武光君は、彼が北海道信用協同組合連合会の役員の地位にあるからして、この兼職は不当であるというような点を指摘されておるわけなのですが、これは一つの事例になるわけです。今後、協同組合の役員と他の事業団体の役員の兼職というものの禁止規定は、これはいろいろな法律等にも準拠されると思いますが、独禁法上から見た場合においては、たとえば事業団体の役員が協同組合の役員の地位にある場合において、その株式会社の総会等の意思によって他の、兼職の地位であるところの協同組合連合会の役員の地位を退かせるというような、そういう強制が果して行われる根拠があるのかどうかという点を、一つお尋ねしたいわけです。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 この趣旨は、想像いたしますのに、こういうような問題が発生いたします原因の一つが、北海道バターの役員が北信連の副会長を兼ねておるという点にあるという認識の下に、この兼任を解くことによってこういう不公正な取引関係が生じないようにということがねらいになっておることと存じます。ただこの主文の書き方といたしまして、北海道バター株式会社に対して、こういう他の協同組合の役員を退かせるというような表現を用いることが妥当、であるかどうかというような点、あるいはこういうことを命ずるまでの必要があるかどうかというような点は、これは審決において十分私どもは検討いたしたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は、今後協同組合系統の役員が他の事業団体の役員を兼務するという場合において、もし今後正式にこういう審決がこの通り行われるような場合は、非常に波及するところが大きいと思うわけです。これは私が言うまでもないことでありますが、特に委員長は、先ほど申した昨年の大 蔵委員会に出席されたときも、やはり横路君の質問にでありますけれども、北海道信用協同組合連合会の会長であるところの岡村文四郎君が、やはり被審人になっておるところの雪印乳業の取締役の地位についておる、三井君の 場合は今言った通り北信連の副会長で あると同時に、北海道バターの取締役 の地位にあるのです。このときもあな たは横路委員の質問に答えて、岡村、三井両氏がかかる北信連と雪印、あるいは道バターの役員の地位を兼ねておることに対しては、これは望ましくないということをあなたは表明されたわけです。これは望ましくないということであるとすれば、そういうような望ましくないという行為はこれは就任の当初からわかるわけです。こういう点に対しては、これは独禁法上の違反行為ということでなくて、むしろこれは政府等の行政的な指導の面を通じて——この兼職は独禁法上の不正あるいは違反行為であるということが、これは明白な事実の上に立っておるわけですから、こういうことが、いろいろな法律上の見地から見てもこの兼職は適法でないという場合においては、当然事前に、その地位に彼らが就任する前に注意を喚起し、あるいは行政的な指導を加えて非違なからしむるというのが親心ではないかというふうに考えるわけなんですが、そういう点に対してはどういう見解をとっておるのですか。ことさらにこの場合にこれを引き合いに出して、これが独禁法上の違反行為であるということを指摘しなければならぬものであるか。そういうことを事前に、信連とあるいは他の事業団体との役員兼職は、これは違法行為であるということが明確であるならば、その就任あるいは選任される当時、あるいはその事前にこれは注意を喚起しておくべき問題でなかったかというふうに考えるわけですが、この点に対しては公取委員長並びに農林省当局の見解をあわせてお尋ねしておきたいわけなんです。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 私がかって大蔵委員会でどういう御質疑に対してどういうふうに答えましたか、これも正確に記憶しておりませんが、要するに雪、北海道の独占というような問題がもしあるとすれば、そこに役員兼任というような問題が一連の関係を持つということをおそらく申し上げたのではないかと思いますが、この審決案の趣旨は、先ほどから御心配になりますように、何もこれは一般的に協同組合とある会社との兼任というものがけしからぬといっておるのではもちろんないのでございまして、この特別の場合につきまして、これはおそらくいろいろな——これを出しますまでには、ことに三井を取り上げたというような点につきましてはしかるべき具体的な証拠、事情があったことではないかと察しますが、こういう特殊の、この場合の、しかも特に三井という人の地位なり勢力なり、そういうものが相当問題になってこういうものが出ておるのじゃないかと思いますが、それはそれでございまして、それだからといいまして、すべての場合においてこの兼任が問題になるものではないというふうに私は考えております。これは当然のことでございます。

安田善一郎農林経済局長

○安田(善)政府委員 ただいまの芳賀委員の御質問の点につきましては、いわゆる独禁法に関しまする限りは、公取委員会は司法的な事務も機能も持っておると思いますので、公正取引委員会なり、そこにおける審判なりの、特に事実の認定を基礎にして、法の目的を達するためにはいかなる審判をするか、また法の目的を達するために必要な措置をどの程度まで出すかということについては、違法不法の分れ目に関しましては、この際私は意見を申し上げないようにしたいと思いますが、農林省といたしましては、農業協同組合の役員が他の農業協同組合または関係の多い、たとえば出資をしておるような会社の役員を兼ねますことにつきましては、場合によりましては適当でないという場合もあるやに思いますけれども、それが直ちにもって違法であるとは考えておらないのでございます。農業協同組合法と独禁法と両者あわせて考えまする場合には、事実の認定をいかにするかということが第一でありますが、やはり本件の場合のごとく、両法に基く団体及び取引ということに関係いたします場合には、農協法上における法律規定をも参考にされるのがいいのじゃないかという考えを持っておるわけであります。と申しますのは、農協法第三十三条におきましては、組合の役員がある会社の代表であり、かつ農協の役員であるという場合、たとえばその会社が金融を受けるようなとき、その会社の代表である組合役員が、その役員の地位のままで金融を受ける、その場合は弊害を防止いたしますために理事が契約の当事者となることを禁止いたしまして、監事が組合を代表して契約をすべしという規定になっていると思います。さらに一段前のことにさかのぼりますと、独禁法違反になるような事実がその兼職のために必ずしもない場合、あるいは兼職であっても独禁法違反の事実をなくしたり、そういうおそれをなくすることができる場合は、そういうふうにしてはいけないので、そういう場合は直ちに役員間の兼任をやめなさいと言う前に、兼ねていても、そういう事実をするようなことか、するおそれがあることをやめなさい、その次には監事が代表になりまして契約をすることを、法においても規定してあるのですからそれをやりなさいと言って、それでもなおだめなときには、そういうおそれが多分にあるから、これは兼職を解いてどっちか一方になった方がいい、こう言うこともあり得るかと思います。もしこれが契約の当事者である場合におきましては、競争関係に立つものという意味でありますが、この場合は農協の方の役員は兼職を禁止する、しかしこの場合はそれではないのではないか、こういうふうに解しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に一点だけでとどめておきますが、今度問題になっているこの資金導入は、結局雪印と北海道バターが農林中金並びに北信連と通諜して、そうして両会社だけに一方的な利益を与えたということになっておりますが、この発端は、私が考えるのに、これは昭和二十七年五月十九日農林省の畜産局長の通達として、農林中金の理事長にあてて有畜農家創設用以外の家畜導入資金の融資あっせん依頼状が出ているわけです。これはもちろん有畜農家特別措置法がありまして、有畜農家創設要綱に基く資金導入ということが全国において行われておるのですが、これは予算の都合等もあって、農家の要請に十分こたえるに足りないわけです。ですからそれ以外の資金需要も各地に非常に多いと思うので、そういう場合においては金融金庫の資金を十分流して、有畜農家の創設に努めてもらいたいという要請からこれは生まれた問題であるというふうに考える。そういう国家的な要請に基いて中金を初め系統金融機関はこのことに重点的に資金措置を行なったというふうに解釈しなければならぬと思う。しかし中金においても系統機関に融資をする場合においては、担保を提供さしての融資形態でなくて、生産物の出荷形態の中において、その信用を対象として融資を行うというのが通常の融資の形だと思うのです。ですからこの間においては、もちろん当該都道府県等においてもこの受け入れ態勢なるものが完璧なものでなかったという経過的の時期は、われわれは認めなければならぬと思うのです。それでこれらの会社が自主的にそういうような要綱等を策定して、あるいは都道府県あるいは国の要請にこたえながら、地域の酪農民の利益を擁護するという計画の上に立ってこれらの資金を導入するということは、何も中金や北信連がこの両会社と通謀して、あるいは両会社の支配のもとにこういうような適法でない金融措置を講じたとということにはならないのではないかというふうにも考えることができると思うわけです。それを一方的に押しつけて、こういうことをやるから雪印あるいは道バター以外のいわゆる商業資本の森永、明治等は、北海道において手足を伸ばすことができない、これはけしからぬことであるというような点においては、今後委員長においても十分検討する必要があるのじゃないかと思う。何のためにこの資金措置が講ぜられたかという原因を究明して、それが善意に行われたものであるかどうかということは十分判断する必要があると思う。もう一つは、これは有畜農家の資金、つまり農民資本による乳牛資本に対して、明治、森永のごとき牛乳資本だけ一方が不利益をこうむることにはならぬと思うのです。たとえば酪農振興法に基いて全国各地に高度集約の指定地区が昨年から設定されておる。これは一地域の中において基幹工場を一つ設けて、その周辺の酪農地域を高度な集約的なものにして、そこに牛乳を集めて、そしてコストを引き下げてその製品を国民に低廉に提供するという意図から出ておる。ところが一つの傾向として、北海道においてもこういうような高度集約の地域の中に、たとえば異なった会社がことさらにまた工場を設置するような動きが出ておるわけです。こういうことになると、これはただ資金導入によって競争相手を不利益に追い込むというふうに断ずるわけにはいかない。農民の意思によってその集約的な地域ができたとたんに、他の資本系列からそこに工場をどんどん建てていくというようなことは、これはやはり相手方には非常に不利な競争が行われるということにもなると思う。しかも高度集約の指定地区の中にことさらに工場を建設するというような動きが、最近北海道において随所に生まれておる。これらの競争の形を酪農振興法から見た場合においては、そういうことは好ましい形態ではありません。しかし独禁法の解釈から見ると、そこにどの会社か来て工場を建てることも一向差しつかえないという解釈が生まれてくるわけです。今後農林省が指導していく地域における文書契約の問題にしても、こういう事例が出てきておる。ですから国が定めておるところの独禁法あるいは酪農振興法という二つの法律の対峙の中においても、いろんな矛盾をはらんでおるというふうに私は考えておるわけです。そこでそれらの調整とか判断を今後いかにするかということも十分お考えを願いたいと思うわけでありますが、これらに対する委員長の御見解があればお尋ねして、この次の機会に、昭和二十九年におけるいろいろな問題に対する経過の御説明、あるいは最近問題になっておる諸点についてはさらに詳しく御質問をいたしたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 特に申し上げるほどのものも持っておりませんが、この酪農の問題はいわば過渡的な状態にございまして、いろいろな難問が控えておりますことは私にもよくわかります。この事件を契機といたしまして、実は農林省と公取との関係がきわめて密接になって参りまして、その後引き続きいろんな問題につきまして隔意なき意見の交換というようなことが行われておるように私は了解いたします。今後そういう困難な面に対する独禁法の適用と酪農振興というような問題の調整というようなことにつきましては、格段の注意を払って参りたいと考えております。

村松久義自由民主党

○村松委員長 中村君、午後一時から連合審査がありますから、きわめて簡単に願います。中村君。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 いずれ詳しいことは次の機会に譲ることといたしまして、第一点は資料要求をしておきたいと思うのです。それは何かといいますと、現在の中金から雪印バター並びに北海道バターへの貸付金額の一覧表、できましたらこの系統外の貸付の一覧表を。中金には以前から赤路委員も要求しておりますが、まだ資料ができ上っておりませんので、これを一つ要求しておきます。ということは、なぜかといいますと、たとえば雪印などにおきましても、今まで中金の理事であった者が雪印の方に転職いたしまして、その職を奉じ、その関係からいろいろな金融機構を通じた有利な点が出ているといううわさすらあるような状態でありますので、これは当然私たちとしてもほうっておくわけにはいかないし、十分その点を調査してみたい、このように考えるから、この資料要求をいたします。これが第一点。  それから一つお尋ねしておきたいのは、先ほど芳賀委員からいろいろな観点に対しまして質疑があり、まだ今後に継続をされることになりますが、私たちの考えていることは、現在ある独占資本に対するところの生産者が、協同組合を通じて自己を守るために、この協同組合法のたとえば事業の中において、その第十条の六項に「組合員の生産する物資の運搬、加工、貯蔵又は販売」、すなわちこれは共販体制、共同販売ということを原則的に確認をしておる状態なんであります。ところがこの審決案を見てみますと、この共販体制というものにおいて非常に問題が出てくる。今後このような審決案が出されるならば、共販という問題に対して大きな制約が加わるのではないか、このように考えられるわけなのであります。そこで私たちは当然そういう意味において、たとえば以前の酪農振興法案に対する附帯決議の際におきましても、当農林委員会において、先ほど芳賀委員が読み上げました第六項で、はっきりとその共販ができ得るという体制を確立しようという意味において、こういうことを作り上げているわけです。ところがこの審決案におきましては、この共販には私はいろいろな制約が加わってくるであろうという推察が出てくるのですが、そうなると、法的根拠の問題が出てくるわけです。いずれ詳しいことは後ほど話しするといたしまして、それに対してあなたは、それを認められるか認められないかということを一つお聞きしたい。同時にこれは経済局長にもお聞きしておきたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 この共販体制につきましての公取の考え方につきましては、先ほど不十分ながら申し上げたわけでございますが、これをもう少し掘り下げていろいろ考えてみますと、共販体制にどれだけの強制力と申しますか、力を持たせるかどうかという点に関連があるかと思います。われわれといたしましては、大体ただいまの農業協同組合の精神なり独禁法の観点からいたしまして、共販体制そのものは、もしこれが下から盛り上った自然のものでございますれば、これはもちろんきわめて望ましいものでございますが、しかしこれをあくまでも組合員に強制をいたすというような面がございますれば、ここにやはり内容にもよりますが、一つの問題があるのじゃないか。この点はなおよくいろいろな点を考慮いたしまして、個々の場合々々について十分に検討をいたしたいと考えております。共販体制そのものはけっこうなものであるが、それをもし強制するということになりますと、そこにその場合により、またその内容によりまして、いろいろの問題があるのでは ないかというふうに私は考えます。

安田善一郎農林経済局長

○安田(善)政府委員 第一の資料の点でございますが、中金の雪印、北海道 バターへの融資の一覧表は、問題になっておりまする本件に直接関係がある、こう存じますので、そのまま提出を申し上げたいと思います。  第二の系統外融資の一覧表は、時期によって違う、中金の余裕金運用の制限内において行なっておることでありまして、御承知のように時期的に差もございますので、もしお許しを願えましたら、その一覧表を資料にして配付しないで、ごらんを願うということでお許しを願いたいと思います。なるべく後者の方にお願いいたしたいと思います。  たれから農協の共販体制ということございますが、御質問をいただくまでもなく、農業協同組合は協同組織を 通じまして、農業生産力の発展と農民 の経済的地位の向上をはかるものでございまして、その事業上においても法的に認められておるものでございまして、本来の性質からも出てくること と思いますので、いわゆる共販体制を することもよければ、農林省も農協自 身としましても、共販体制の強力なる 推進をはかるようにしておるのが方針 であり、適法であると思っております。その場合、共販の体制という言葉の中には、組合員と組合、また組合同 士、単位組合と組合の連合会、言いか えますと、連合会を含めました組合内 部の共販のことと、それから最後は組 合による共販を通じまして、組合でない第三者に販売する場合との関係は、多少の趣が違う場合があるかと思いま す。また共販の実施のいたし方もさることながら、共販の契約の仕方、取りきめの仕方とこれを実施に移す場合の 強制の場合につきましては、農業協同 組合が組合員の平等を原則といたしまして、その組合が行いまする各種の事業のおのおのについて、平等の受益をし、利用をするという建前で法もできておりますし、あわせまして、任意加入と団体協約、あるいは専属利用契約と申しますか、その十九条等に関しまする規定の適用についても、おのおの念のため、組合が行いまする事業についても、かりに従わないという意思を表示してその措置をとった組合員は、組合が不平等な扱いを組合員に対してとってはいけない。こういうことを保障していることを考えて組合は実行していただき、農林省は、その範囲においては一そう強力にその推進をしていただきたい、こういう見解でございます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 今はっきり範囲とその内容との問題に関しておっしゃったのですが、その通り共販に対しては、協同組合内部の問題と第三者との問題があるわけですが、今現在問題になっそいる問題は、この附帯決議におきましての第六項に、これが第三者の行為として、そのために一方を都道府県連合会を当事者にすると、こういうふうにうたっているわけです。だからこの問題に関しても、基本的には共販制度を拡張すべきであるという結論がここではっきり出てきているわけです。だからこの問題は頭に十分入れておいていただきたい。いずれこの次のときにこの問題が問題になって参りますから、なおかつ念を押しておきたいと思います。それから一つは注意であります。これは公取委員長の方でありますが、実はあなたのところの職員が、どういう勘違いをするのか、とかく刑事上りのような感覚になりやすい。そのためにそういう行為が諸所方々に現われる。以前におきましても私はあなたに御注意をしたことがある。その結果についてああいう事件にまで持ち上ったのは御存じの通りであります。内容は深く申しませんけれども、同様にこういうような場合においても、うわさであろうと思いますけれども、たとえば明治の自動車を使ってみたとか、あるいは森永の自動車を使って調査に行ったとか、中にはこういう審決案が出たらあなたのところにお礼に飛び込んできたとか、はやすでにいろいろうわさを呼んでおるので、十分慎重な行動をとってもらいたい。これは御注意までに申し上げておきたいと思うのであります。  あと部分的な問題に関しましてはいずれ次の機会に譲りまして質疑をしていきたいと思います。

村松久義自由民主党

○村松委員長 本会議及び連合審査会終了後において再開することとして、休憩いたします。    午後零時五十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕

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