農林水産委員会 第31号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/04/19
会議録
○村松委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。ただいま建設委員会で審査中の土地収用法の一部を改正する法律案は、一の都道府県の区域をこえ、または道の区域の全部にわたり利害の影響を及ぼす事業その他一定の事業についても、事業認定の権限を建設大臣の所管に属せしめることとし、また収用委員会の審理を円滑にするため所要の規定を整備いたそうとするものでありまして、農地、林野等の収用とも密接な関係を有しますので、この際建設委員会に連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、開会の日時につきましては両委員長協議の上、公報をもってお知らせいたしますので、さよう御了承願いたいと存じます。 —————————————
○村松委員長 次に農地開発機械公団法の一部を改正する法律案を議題といたし審査を進めます。 質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 本法律案は非常に簡単なように思われますけれども、内容を種々検討いたしますると、大きな問題が二つほど入っております。一つは、体日本の酪農行政をどういうふうに持っていくかという基本的な問題。もう一つは、このジャージー種の輸入を公団をして行わしめるという方針が果して適正であるかどうか、この二つの問題について質問をいたします。 第一に、ジャージー種につきましては、先般来種々この委員会で討議いたしましたが、ホルスタイン種とジャージー種との優劣については、まだはっきりした結論が出て参っておりません。特に国内のホルスタイン種は、漸次増殖いたしまして、海外に輸出するほどの状態になっておりまするし、特にホルスタイン種の値下りの状態、これはおそらく政府の方針がジャージー種の導入をするという方に傾いておりますので、その影響を受けて、ジャージー種に比べますと、はるかに子牛の価格さえも安いという状態になって、酪農家が大へん困っている、こういう点について、一体今後の日本の酪農をどの方向へ指導するのか、特にジャージー種の繁殖はどういうふうな方針のもとになされるのか、その点を御説明願いたいと思います。これは次官でも政府委員でもけっこうでございますから、お答え願いたい。
○大石(武)政府委員 お答えいたします。ただいまの最初の御質問は非常に専門的な問題でございまして、畜産局長に答弁いたさせたいと思いますけれども、日本では仰せの通りホルスタイン種が乳牛として大半を占めているわけでございますが、ジャージー種は今のところ一応試みとして入れているわけでございます。そのホルスタイン種との優劣だとか、あるいは日本に果して向くかどうかということは、すぐには見当がつきませんので、当分試験的な輸入を行なっておりまして、三年なり五年の間試験期間を過ぎたそのあとにおいて、根本的な、ホルスタイン種を中心とするか、あるいはもっとジャージー種を入れるかということが決定される、こう考えているわけでございます。
○淡谷委員 今の次官の御答弁だと、ジャージー種は試験的に入れる、こういうお話でございますが、試験的に入れるならば、すでに経営も固まり、十分に生活の基礎も立っている地区に入れるならばわかる。けれどもジャージー種を新しく開発する開拓地に入れるということになれば、さなきだに経営の上で非常に不安を持っております開拓地が、試験的なジャージー種の導入によって万一大きな経営上の欠陥でもありました場合は、政府は相当の補償をするようなお考えはございますかどうか。はっきり方針がきまったものであればよろしいが、試験的に行うものである以上は危険が伴うと思いますので、その危険を政府が負担するような用意がございますかどうか、お伺いいたしたい。
○大石(武)政府委員 試験と申しましたが、これは全然成功するかしないかという、そういうことを初めから試験するという意味ではございませんで、われわれが実際に乳牛を入れてこれを試験的に飼養するということは、大体において十分な計算をして、やり得るだろうという見地からこれをやるわけでございます。果してこれをホルスタイン種にかえるだけの発展ができるものであるかどうか、そのようなことで試験的な意味があるだろうと考えるわけであります。大体ホルスタイン種をたくさん飼っている土地では、これを入れるほどの余地もないでありましょうし、これから新しくやるというところには、まだ酪農に対する経験も浅いでありましょうし、むしろジャージー種のような、粗食にたえる扱いやすいものの方が、かえって経験の浅い、新しく開墾をされる土地においては扱いやすいだろうと考えるわけでございまして、そのために非常な重い負担にならないでも十分に養い得るような条件でやりたいと考えておるわけでございます。なお詳しいことは畜産局長が参りました上で答弁いたさせます。
○淡谷委員 一番重大な点のお答えがございませんが、まだ初めて行われますジャージー種の経済的な効果についてははっきりした計数はないだろうと思う。それについてもしも開拓地などで、農家の経営上このために大きな欠陥が生じました場合に、政府は一体危険負担をされる御意思、準備があるかどうか、この点のお答えがないようでございますから、お伺いいたしたい。
○渡部(伍)政府委員 ジャージーにつきましては、昭和二十八年から岩手山麓及び八ヶ岳山麓にそれぞれ三百頭ずつ入れ、一地区六百頭にするということで現在までそのほかの地区にも及んできておるのであります。なるほどお話のように、最初のときにはジャージーの種類が粗食に耐える、それから体格がホルスタイン等に比べて小さい、そういうふうな関係から、これの飼育につきまして、たとえばホルスタイン式に飼うか、和牛式に飼うか、いろいろ指導上の問題があったのであります。そこでこれらの地区におきましては特に念入りに指導をいたしまして、たとえば普通の畜産品評会あるいは共進会では、その個体の性能それ自身を共進することにしておったのでありますが、この地区では最初に導入したときの個体の性能、それから一年ごとにどういうふうに変化しているか、精細な飼育の状況をあわせた品評会を開催することによりまして、たとえば当初入れたのが案外伸びなかったとか、当初はこんなものだったが、いいものになっているというようなことでありまして、最初入れました八ケ岳と岩手山麓等では、ジャージーについて自信を得まして、さらに集団の密度を増したい、ほかの新しい地区に入れるよりもここへ入れてくれというような希望も出ているような状況であります。私の方では、大体三カ年の計画の中で市乳として販売できる地帯から非常に遠い、しかし牛を飼う利便があるというところでは、原料乳の牛としてジャージーがいい、こういうふうにきめているのであります。従いましてただいまお話のありましたジャージーの成果について、今までの経験によって——これはまた外国でいろんな経験を経ておるのでありますが、それらをあわせまして、農家に不測の損害が起るということがないように指導したいと考えますけれども、なお十分念を入れまして、現地の指導については特別の工夫をしていきたいと考えております。
○淡谷委員 畜産局長はおくれて来られましたので、私の質問の骨子をのみ込んでおられないらしい。開拓地の営農の状況は実はおもしろくないのです。二十二万戸の創設農家のうち三分の一は離脱しておる。離脱したあとの経営のためには、あとに入った者は大へん困難をしている。この開拓営農の基本の線を何とかこの辺で変えなければ日本の開拓は成功しないという岐路に立っている。局長は新しい構想によって、この機会に機械による開発をされようということでございますが、この成果いかんは日本農民が非常な注意をもって見ているのです。その際にジャージー種によるはっきりした成果のきまらないものを大量に入れた場合に、万一そのために欠陥が生じたら、政府はこの欠陥に対して何らかの補償措置を講ずるかどうか、これが今の質問要旨なのであります。先般来の論議で、ジャージー種も必ずしもだめでないこともわかっておる。けれども試験の範囲を出ないという次官の答弁でありますから、その危険に対しては負担される用意があるかどうか、これを答弁になっておらない。その点を伺いたい。
○渡部(伍)政府委員 それは当然政府の方としては先ほど説明いたしましたように、試験の結果間違いないと考えておりますけれども、順々に新しいところに入れるのでありますから、万全の措置を講じて、もし不測の損害が起った場合には当然政府の方でそれのダメージを考えていかなければならない、こういうふうに考えております。しかし私どもとしては、そういうことが起らないように万全の措置をやりたい。こういうのであります。
○淡谷委員 万全の措置を講ずるのはむろんでございます。けれどもやはり新しい種類の導入でございますし、同じ粗食と申しましてもその粗食の観念が違っておる。ジャージーに対する魅力は粗食に耐えると言われておりますが、一体アメリカにおける粗飼料と日本における粗飼料というものは違っていないかどうか、漫然と粗飼料に耐えるという考えでやるならば、非常に違ってくるように思います。これを局長はどうお考えになりますか。
○渡部(伍)政府委員 お話のように、日本のいわゆる乳牛に対する粗飼料の考え方は、これは稲わら、あるいは野草が相当大きいウェートを占めております。そのために十分な能力が出せないという部面があることは事実だと思います。われわれの方では、そういったものをもっと有効な、種類の草に変えていきたい、これは集約酪農地域の指定をしましたときにも、その中でよい種類の草、悪い種類の草と分けて、よい草をとり入れる。それからまた同じ草でも刈り取りの時期によって非常に効果が違いますから、そういう点も注意していく、こういう考え方であります。機械開墾の地区は、集約酪農地区よりさらにもっと念入りに草の改良をはかっていきたい、こういうふうに考えております。
○淡谷委員 さっき畜産局長は万全の措置を講ずると申されましたが、今年から牛を入れようというのに、これから草の改良をしたのでは間に合いますか、おそらく牧草の栽培というものは一年か二年経過しなければ、十分に飼料としての生長を遂げない。それを飼料が十分に改良される前に牛を入れてしまう、そうなりましたならば、あなたの言う万全の措置にもかかわらず、開墾の第一歩において大きな欠陥を生ずる。もしこれに対して政府が何とか救済をし、あるいは欠陥に耐えるような補助をせんとするならば、その予算措置をされておりますか。本年度の予算にそういうふうな危険に対するさまざまの負担の予算措置をされているかどうか、伺いたい。
○渡部(伍)政府委員 今度の機械開墾地区にジャージーを入れる計画は、実際に開墾地区に入る時期は二年後になっておるのであります。ことし入れるのはその周辺の既農家に預けるのであります。その子を順次機械開墾地区の新規入植者の方に回す、こういうふうに考えておるのであります。従いましてその間においても、新規入植者が開墾を整備し、あるいは自分の営農を整備する間において、周辺の既存の農家のジャージーの飼い方について、相当期間の予備知識を持つ期間を置いておるのであります。いきなりジャージーをすぐ開墾地区の入植者に渡す、こういうのはお話のように非常に問題があると思いますので、そういう方法をとっております。
○淡谷委員 開墾地区にはやらない、周辺の農家にやる、こういう場合に、先般の局長の答弁では、農家が希望しないならばジャージーはやらないのだというように承わっておりますが、農家がジャージー種を希望するのは、実際についてお調べになればわかりますが、ジャージー種を入れなければいろいろの資金融通もしない、開墾の指導もしない、こういうふうな強い農林省の態度がありますから、それじゃしかたがないからジャージー種でもという意向が強いのであります。これは私の想像ではない。現地で聞いて参りました。ホルスタインでも、同じように補助金を出し営農資金を要求できるのならば、ホルスタインがほしいのだが、実はジャージーでなければこういうことをやってくれないから、やむなくジャージーを希望しておるということを言っております。具体的にホルスタインでなくどうしてもジャージーがほしいという地区があるならば、一つ名前をあげて御説明願いたいと思います。
○渡部(伍)政府委員 これはジャージーを入れる場合、いわゆる機械開墾地区とその他の集約酪農地区とではちょっと変って参ります。機械開墾地区では入植を選定する農家に、これはいわゆるパイロット・ファームでありまして新しい試みでありますので、入植者の数も非常に限定されておるし、これに対して資金融通とかあるいは施設の補助等も相当一般の入植者よりよけいやっております。これが一たび失敗しますれば、あとに与える影響が大きいので非常に慎重にやっておりまして、その入植者の選考の際に、ジャージーを飼う意欲があり、飼う能力があるかということが選考の一つの大きいポイントになってくると思います。従いまして新規入植の場合には、ホルスタインをとるか、ジャージーをとるかという問題は、この機械開墾の入植者については起らないと思います。起らないというのは、今言ったような選考でふるいにかけられることがあるからであります。ところがその他の一般の地区の集約酪農地域におきましては、お話のようにその地域の中においてホルスタインを飼いたい、ジャージーは、ごめんだという人がおります。これはたとえば信州の北佐久地方では、草資源からいってジャージーがいいじゃないかということを言っておるけれども、従来ホルスタインを飼っておるからどうしてもホルスタインでなければいかぬということで、ジャージー党とホルスタイン党が分れております。それから先ほど申し上げましたように、岩手山麓あるいは八ケ岳山麓では、これはもうジャージーがいい。早く集荷あるいは原料牛としての経済単位になるまでの頭数を入れてもらいたい。ことに御説のように、一頭飼っておっただけでは農家の経営がうまくいかない。少くとも、二頭、三頭持って農家経営としても一定の単位に持っていきたい、こういう希望がありまして、非常に強い意見であります。そのほか新しい地区といたしましては九州阿蘇方面、これは私の方では、もう少しあとにジャージーを入れたらいいじゃないかという考えを持っておりましたけれども、どうしてもことし入れてくれなければ困る。それから岩手県の岩手山麓より北の方面、二戸、九戸の草原地帯ではやはりジャージーがほしい、こういうふうな声が非常に強いのであります。ジャージーの種類は、体格が小さくて割に骨張っておるので、一見見かけはあまりよくないので、外から見るとあまり見ばえがよくないのでありますが、私どもが考えておるのは、市場から離れて、どうしても酪農を入れなければいかぬ、その場合に飼いやすい、それから手間のかからない、こういうものを選定しておるのでありまして、今までのところでは間違っていないと思います。いろいろな批判があるのも、それも具体的にいろいろ現地に行って実際に説明をすれば了解をしていただけるものと考えております。しかしあくまでも長年の経験によりて、おれはジャージーはいやだ、ホルスタインでなければいかぬ、こういう人があればこれはそれを強制するわけにはいかぬと思います。現に今度青森の十和田から東南地区に集約酪農地区を拡大しますが、こういう地域てはやはりホルスタインがいいという声も出てきております。これらの地域については、ホルスタインとジャージーとの混入もやむを得ない、こういうふうに考えております。
○淡谷委員 御答弁の中にちょっと不明瞭な点がございますのでお伺いしますが、そういたしますと機械開発公団が行います入植地、ここではあらかじめジャージーを希望しない者はこれに乗っけないというふうに解釈していいか。入植の資格としてはどうしてもジャージーをやるんだ、こういう要求があったかどうか、これがはっきりいたしませんので……。
○渡部(伍)政府委員 私どもの方では、機械開墾地の新規入植者はジャージーを飼ってもらいたい、これを一つの選考条件にしたい、こういうふうに考えております。
○淡谷委員 ジャージーを飼うことが選考条件に入るならば、これが万一誤まった場合には、どうしてもこれは政府が責任をもってやらなければならぬ。その予算措置をされておりますかということに対する御答弁がない。
○渡部(伍)政府委員 これは先ほど御説明申し上げましたように、上北地区では三年目に入れ、それから根釧地区では二年目、三年目と二カ年にわたって入れるのでありますから、現在のところは予算措置を講じておりませんが、必要に応じて予算措置は当然考えなければいけないと私の方は考えております。
○淡谷委員 二、三年後に入植地に入れる牛を、一般の農家にことしは飼わせる、こういう御答弁でございますが、この農家は希望して飼うのですか、それとも何か増殖計画があって飼わせるのですか、どちらですか。
○渡部(伍)政府委員 ちょっと意味がよくわからないのですが、集約酪農地域では、この地方はジャージーがいい、この地方はホルスタインがいい、こういうふうに仕分けしております。その中の地区の牛を飼う人の希望によってジャージーあるいはホルスタインときめておるのでありますので、それに従って入れるのであります。お話のようにジャージーを取らなかったら何もほかの施設を考えない、こういうことはやっていないのであります。しかし一般的に申しましてジャージー地区はやはり続いてジャージーがほしい、こう言っております。従って私の方では一応の計画としては、先般御説明申し上げましたように、日本の乳牛のある姿が百万頭内外、そのうちの一割程度まではジャージーでやらなければならない。またやる余地がある。現在出ております各地区の希望からいうと、あるいはもっとふえるのではないか、こう思っておりますけれども、一応十万頭目標で、今後引き続いて昭和三十六年まで毎年二千頭余り入れまして順次ジャージー地区を作っていきたい。そしてそのジャージー地区の一つのブロックとしては、十年後には一地区五千頭内外が飼われるというふうな目標で今は考えておるのであります。
○淡谷委員 私の質問があるいははっきりしなかったかもしれませんが、ことし入るこの法案の目的になっておりますジャージーが貸し付けられる農家は、機械開発公団のいろいろ作業を進めますのに直接関係があるのですかないのですか、その点なんです。
○渡部(伍)政府委員 これは直接関係がない。その機械開発地域の周辺の農家です。従いましてその子供を機械開墾地区に入れるという意味においては、この機械開墾地区の援助をしてもらう、こういうふうに考えております。
○淡谷委員 それでは機械開発公団は、牛の導入によって従来の開発の仕事よりももう一歩仕事を進めるのですね、拡張するのですな。つまり新しく農地を開発する以外に、導入いたしましたジャージー種の貸付並びに償還の事務を行うというふうに業務拡張をするのですね、開拓開墾以外にも。その点を伺いたい。
○渡部(伍)政府委員 これは機械開墾地区の事業を推進するに必要な限度において仕事を拡充しておるのであります。
○石田(宥)委員 関連して。ちょっと答弁を聞いているとだんだんわからなくなるのですが、一体ジャージーの導入の基本的な考え方は、集団酪農地域というものが酪農振興法で指定されて、指定地区を中心にして導入されておった。今度は機械開発公団にこれをやらせる、こういうことなんですが、一体機械開発公団法の一部法律改正までやって、これを機械開発公団で導入させるということは、畜産行政上から考えられたのですか、あるいは農地の開発という見地から考えられたのですか、どっちなんです。どっちが中心にこれが考えられたのですか。
○渡部(伍)政府委員 今度の機械開発公団の事業は酪農を中心にした開発ということになっておるのであります。その酪農を中心にした新規開拓地の効果を上げるためには、これに関連する事業はこの公団でやった方が便利である、こういう考え方から、この公団にジャージーの扱いをさせようとしておるのであります。それでもう一つ説明が落ちるところは、それでは機械公団ではなくて国なら国が直接やったらいいじゃないか、こういうことが従来指摘されておったのでありますが、それはなぜかといいますと、ジャージーの従来の入れ方では、予算上の措置等で一定の限度がある。すなわちわれわれが先ほど申し上げましたような目標で年々相当の牛を入れたいといいましても、大蔵省との折衝において必要な頭数が確保できない。そこへたまたま世界銀行の方からジャージーの輸入についても金を貸してやるという話が出ましたので、世界銀行の金を借りてやるということになったのであります。世界銀行の金を借るに際しては、機械公団のその他の事業についても世界銀行の金を借りるのでありますから、この機械公団を使ってやった方が手続上便利である、こういうことから機械公団をしてジャージーの導入の事務をやらせる。すなわち世界銀行から借りた金でジャージーの導入をやるから、機械公団でやらす、こういうことであります。
○石田(宥)委員 そうしますと、今度は機械開発公団は従来のような開墾という行政的な仕事から事業面に手を出して、しかも開墾地以外のところにもやるということになりますと、ジャージーの導入というものについて、は、そういうふうな面にも仕事を広げよう、こういうことなのですね。開墾地以外にもやる、こういうことなのですね。そうするとジャージーを中心とする酪農という事業は、今度は公団がやるということなのですか。
○渡部(伍)政府委員 世界銀行の関係では、機械公団の開発するパイロット・ファームに関連するジャージーの導入だけについて今話が出ておるわけであります。しかしわれわれの方の希望といたしましては、引き続いて先ほど申しましたように、昭和三十六年まで毎年二千頭ないし三千五百頭を入れたいという考えを持っておるのです。もし世界銀行でその金を貸してくれるならば、機械開墾地区以外の地区でも便宜機械公団を使ってジャージー地区の集約度を上げるというふうに使いたいと考えております。しかしこの点は今後日本政府と世銀との交渉に待たなければならないし、あるいはこれをやってみて手続上いろいろな問題がありますれば、数は少くとも従来のような大蔵省から金を出すという方法になるかもしれませんが、われわれの現在の希望といたしましては、できるだけ早い機会にジャージー種を一定の経済単位まで上げるためには、できるだけ早く金を借りられる世界銀行にたよりたいというふうに現在のところは考えております。
○石田(宥)委員 私どもが考えておるところによると、一体これはどこからの要望、畜産行政の見地から考えられたのか、あるいは農地の開墾開発という問題を中心にして考えられたのか、開拓農民の要望によったのか、一体 どっちなのかということに大きな疑いを実は持つ。ところがたまたま世界銀行から三億一千七百万円の金を借りてやる、こういうところに実は一つの疑惑を持っておった。今の局長の答弁からいうと、世界銀行からジャージーの導入なれば金を貸してもいいというような話があったのでということになると、農民の要望でもなければ、畜産行政の見地からでもなければ、あるいは開拓農民の要望でもないけれども、世界銀行の方からジャージーを導入するなら金を貸してもいいというような話があったので計画をしたというふうに受け取れるのですが、そうなると、日本の農政の上において非常に重大な問題なんで、実は私どもはそうじゃないかと考えておった。なぜかというと、日本の農政の面を、こらんになるとおわかりになるように、食糧対策費という予算を年々減額をしておいて、そうして余剰農産物をどんどん押しつけてくる。余剰農産物の大部分は小麦である小麦の粉食をどんどん奨励するのに は、どうしても牛乳や酪農製品が必要である。アメリカは余剰農産物を日本にどんどん押しつけるためには、やはり牛乳や酪農製品がないというと思うように余剰農産物である小麦を日本に押しつけることができないので、世界銀行あたりが、大きな国際的な見地から日本に押しつけるのではないかという疑いを実は持っておったのですが、今の局長の答弁からいうと、まさにその通りの答弁になっていると思うのです。この点は、そういう面において国策上きわめて重大な問題だと思うので、これからの真相をもう少し明らかにしてもらいたい。
○渡部(伍)政府委員 ジョージーを導入するということは、もう数年前から、日本の風土に合う、それから日本の酪農をどうしても伸ばさなければいかぬというのに対して、どういう種類の牛がホルスタイン以外にいいかということについて、非常な議論があったのであります。最後に残ったのがジャージーとブラウンスイスという二つの種類になったのです。ところがブラウンスイスの方は、この種の種源が少いので、それからまたヨーロッパあるいはアメリカから入れなければならないので、コストが非常に高くなるそこでジュージーに落ち着いたのであります。このジャージーに落ちついてジャージーをやってみると、初めはいろいろ問題があったけれども、ジャージーは日本のある地域には非常に好適であるというふうにわれわれの方では結論を出しまして、先ほど申し上げましたように、できるだけ早い機会ににそういうジャージーの適地にジャージーを入れたい、こういう考えを持っているのであります。これはたとえば昭和三十年度においても三千頭入れたい、こういう当初の要求に対して、大蔵省との折衝の結果すったもんだして、やっと千九百頭しか入らなかったのであります。従って大体ジャージーがいい、早く広めたいということになれば、それの必要な金をできるだけ広範囲に入れた方がいい、こういうふうに思っておったところ、機械開発公団ができ、そこにはジャージーを入れる方がいいという結論を出し、そのジャージーを入れるについては、これはむしろ私の方から世界銀行の方に話を出したのであります。せっかく機械公団について世銀からいろいろな示唆を受け、金を借りているのに、その際中に入れるべき牛について、現在のような予算の都合によって頭数が変動するということでは計画の進捗か確保できない、これも一つ金を貸さないかという話を出したところが、いろいろ検討の結果、それならば貸してもよろしいということになったのであります。お話のように、向うからいろいろな意図をもって売りつけるというようななには全然ないのであります。去年の春ちょうど私農地局におりまして、畜産局と討議をする場合に、一体どうするのだ、早くきめろというので非常に議論をした結果、それでは世銀から借りて数を早くまとめた方がよろしい、こういう結論になったのでありまして、何ら変なところはないのであります。
○石田(宥)委員 どうも畜産局長、専門の担当官なんですが、ジャージーについてはまだ十分調査もされておらない、また経験もしていないのじゃないですか。従来の触れ込みとは趣きを異にしまして、ホルスタインなんかと違って食欲は非常に旺盛であり、粗食でいいというけれども、一般の日本の山野にあるところの雑草では、やはりその乳量が問題にならない。まず牧草の改良、牧野改良をやらないでおいて、これをただ機械的に導入するというようなことは、非常に乱暴な仕事だと思うのです。現にもう入っているところは、非常に飼いやすいというつもりなのが、案外神経質で手に負えない。粗食でいいというけれども、必ずしも粗食では問題にならない。食欲はしかも旺盛である。これは従来のホルスタインを中心とする日本の酪農農家に対して、あなた方がいろいろな宣伝をされて飛びついてきたものの、実は今手を焼いている。そこへまた機械的にこういう、世界銀行からの融資があるからといって、多量な導入をするということは、私は日本の酪農家の心構えを誤らしめるものと思う。どうも従来の畜産行政というものは奨励のしっ放しで、確信もないのに盛んに奨励をする。そしてまた農民もその点には責任がありますけれども、ちょっと何か利子の補給でもあると、どんどんどんどん採算を度外視して導入する。その結果としては非常に乳価の暴落があったりいたしますけれども、それに対する何らの対策も行われておらない。ましてや今度のように非常に経験の浅い、そうして果して日本の酪農として取り入れていいのか悪いのか、まだ結論も出ないうちにこういうものを入れるということについて、私は一つの疑いを持つ。 それからもう一つは、これは農地局長に伺いたいのですが、農地開発機械公団というものは大機械を中心にして特定地域の開発を始めた。ところが今度はその大規模な従来の予定地以外にもこの機械を利用しよう。こういうことで、この仕事はそれでよろしいと思うのですが、一体機械開発公団のような行政的な仕事をする団体がこういう事業団体のような仕事をやらなければならないということに対して私は疑問を持つのです。この点は一体将来に、しかも長い年限にわたる償還金を抱えて、さっき淡谷委員が質疑されたように、もし万一今私が述べたような悲観的な見方をするとすれば、将来の見通しが立たないような問題で、損失補償なども講じなければならない、そういうような問題を機械開発公団が引き受けなければならないという理由は一体どこにあるか。農地局長からはっきり一つ承わっておきたい。
○渡部(伍)政府委員 ジャージーがまだ確立していないというお話、それからジャージーは看板に偽わりがあるというお話でありますが、少くとも私どもの方で調べたのでは初年度、二年度、三年度と非常によくなってきているのであります。初めのうちはそういう非難もあったのであります。そこでこれは先般も申し上げましたが、そういうお話があれば具体的に、どこの個所がどうだということを指摘していただいて、そこには必ず私の方は人をやって調べております。そこでどういう事情でそうなっているかということを調べております。しかし全体的に見れば、今のようなお話のことは私初耳でありまして、具体的にどこの地区でどういうふうということをお示し願いますれば、私の方は根本的にきめなければならない問題であると思いますので、これは私の方でもどこがどうだということを親切に教えていただきたいと思う。少くとも私の方で調べているのでは、最初に行った山梨、岩手では、ホルスタインに比べまして遜色のないあれが出ております。従ってジャージー地区を今度引き続き作るということについては確信を変える必要はない、こういうふうに考えております。
○小倉政府委員 ジャージー種の導入につきまして機械開発公団が取り扱うということについてのお尋ねでございますが、機械開発公団といたしましてどうしてもこれを取り扱わなければならぬという趣旨では必ずしもございませんで、従来財政資金でもって導入して参りましたジャージー種の乳牛を、今後は主として世銀から借款でもって導入を行うということになりますと、やはりそのための特殊の機関が必要になってくるのでありまして、そこで非常に自由に考えれば、乳牛の導入のための何らかの独立の機関ということも考えられますけれども、そのために特別の公団その他の法人を作るということもいかがかと存じまして、畜産局とも御相談の上、便宜機械開発公団で取り扱う方が適当ではないか、また機械開発公団にそのまま乳牛が導入されるわけではありませんけれども、今後の機械開発地帯は主として酪農を加味してやっていくといったようなこともありますので、全く無関係でもない、こういう関係で機械開発公団を活用することにいたした次第でございます。
○稲富委員 関連してお尋ねしたいのですが、どうも機械開発公団が酪農公団に変ったような感があるのでございまして、これは農地局長にお尋ねしたいと思いますが、昨年の国会に政府は機械公団を提案なさったときに、これは機械ばかりのように承わっておったのでありますが、急にしかも基本的な問題が改革されてきた。名目はいかにも一部改正案でございますけれども、これは根本的な目的というものが非常に変更されたような感を深くするのであります。そういうふうに変更しなければならないようになった公団の実情等が、昨年の立法のときと今日の間に変化が生じたというような事情があるなら、その点を一つ承わっておきたいと思います。
○小倉政府委員 お尋ねでございますが、形の上と申しますか、実質的にもそうでございますが、お尋ねのように機械開発公団は現在の法律で申し上げますと、高能率の機械を導入してこれを保有し、これを活用するということが目的でございまして、そのほかに目的はございません。従いまして今回の改正によりまして、お尋ねのように目的が二つになります。そのほかにもう一つ輸入乳牛を取り扱うということでございまして、お尋ねのように目的が二つになりまして、仕事も大きく分ければ二つになるわけでございます。そうしなければならぬという、理由は別に公団の運営からきておるわけではございません。先ほど申し上げましたよう に、乳牛導入ということを外資でもって、やるということになりますれば、どうしても特別の機関、独立の機関が必要になって参りますが、そういう機関を、たまたま農地開発機械公団もございますので、これにあわせて行わせるということにした方が適当じゃない か。しかもこの機械開発公団の仕事の中心をなす開墾地帯は、根釧はもともと酪農を主といたしますし、また上北も酪農を加味した経営でございます関係もございますので、さようにいたした次第でございます。
○稲富委員 そうすると、昨年の国会に開発機械公団を設立される法案をお出しになった当時は、今日この乳牛等を導入するというように改正になっておりますような、こういう点が将来起るであろうということは予期されなかったのでございますか。それともその後の情勢においてこういうような酪農導入等が必要だというふうな情勢に転換になったのであるか。一つその基本的な問題をお聞きしたいと思います。
○小倉政府委員 お尋ねのように、先般公団法が成立いたしますまでには、世銀の借款によりましてジャージー種を導入し、この公団に取り扱わせるといったような考え方はなかったのでございまして、公団が成立後そういう考え方が出て参って、だんだんと具体化して参った、かようなことでございます。
○淡谷委員 まず資料を要求しておきたいと思います。ジャージー種の日本へ入ったものは子牛なども生んでいると思いますが、これの国内における分譲の際の現実の価格をお調べを願いたい。 もう一つは、ジャージー種の輸入先における、つまり外国の生産地における現在の生産状態、この資料をまず二つお出しを願いたいと思います。今各委員からいろいろ御質問があり、御答弁があったようでありますが、この法案は非常に簡単なように思われますが、一つは日本の酪農行政の上における基本的な変革の問題、もう一つは、発足いたしました公団が、発足後一年にして重大な性格変更をしなければならぬという事情がある。従って慎重にこれを研究討議したいと思いますので、次会において公団の関係者の御出席を願いたい。その上で私の質問をさらに継続いたします。本日はこれで保留しておきます。
○村松委員長 二時半再開として休憩いたします。 午後零時七分休憩 ————◇—————