農林水産委員会 第24号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/03/27
会議録
○村松委員長 これより会議を開きます。 この際小委員会の設置についてお諮りいたします。韓国ノリの輸入に関する問題、公海における漁業の確保に関する問題、その他水産業に関する諸般の事情を調査するために・水産に関する小委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認めます。 よって、ただいま設置することに決定いたしました小委員会の小委員の員数、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認め、各小委員及び小委員長は委員長において指名の上、追って公報をもってお知らせいたします。 —————————————
○村松委員長 次に、飼料需給安定法の一部を改正する法律案及び飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を一括議題といたし、審査を進めます。 両案につきましては前会すでに質疑を終了いたしておりますので、これより両案を一括して討論に付します。討論の通告があります。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 この両案については提案の趣旨にはあえて反対をいたしませんが、これは非常に重大な問題をはらんでおりますので、日本社会党を代表して警告的賛成討論をいたします。 これからの日本の農業は畜産に非常に大きな比重がかかると思いますが、今の酪農その他の畜産の状態は、経営上において非常に大きな赤字の出る公算が大きい。せっかくやろうと思いましても、そのためにほとんどやりかけた仕事をやめろという状態が全国にひんぴんと現われてきております。これは主として飼料高、生産品安という憂うべきところの傾向によるのでございますが、特に今度の法案等によりまして飼料の根本対策をながめますと、どうも基本的な問題で非常に行き足らぬところ、同時にまた行き過ぎている点があると思います。先般も当委員会で長い質疑応答がございましたが、国内の農業で飼料を生産すべき基本的な方策が立っておりません。小麦にいたしましましても、トウモロコシにいたしましても、その他国内の飼料生産にはまだまだ打つべき手があると思います。 小麦を輸入いたしますと、飼料にしたマニトバ小麦が途中で横流しをされまして、それが食料小麦粉となって中間の会社に大きな利益を与え、その結果またふすまがばかに高くなり、小麦粉と相ひとしいくらいの高値になっております。これをなくしようという今度のさまざまな法案を見ましても、この目的達成には非常に不安を感ぜざるを得ないものがある。たとえばふすまの輸入を見ましても、この計画書によりますと輸入総額が二十一億七千四百七十万円、それから内国産は六億四千六百二十六万円と予定されておりますが、この売買に伴う損益の中で、ふすまだけで十一億五千六百五十六万一千円という損失が見込まれております。これは高い外国産のふすまを入れ、同時に保管料その他の損失を見ておるのでありますが、ほとんど輸入総額の半分に近いものが損失として見られておるという点は、もう一ぺん慎重に考慮すべきものがあると思うのであります。特に品質が変るという名目で払い下げをするに当りましては、この取扱いいかんによっては損をしなくともいいふすまを、品質が悪くなるということだけで非常に安く払い下げをする、払い下げを受けた者が、これを高い価格でさまざまな混合飼料にしたり、あるいはふすまとして出して利益を上げるというような中間の会社並びに商人に利益をさせて、末端の農家には安い飼料が出せないというようなことも、これは運営上考えられる。こういう点なども運営上に十分に注意をされなければ、ただ飼料の価格が安定できないとか、需要供給がうまくいかないということだけではなくて、最近ひんぴんとして起っておりまするところの、農林省を中心とする疑獄などがこの安定法を中心にして巻き起ってこないとも限らない。トウモロコシなども、国内産がまだまだ出ますのに、一向具体的な国内生産の方法が立っていない。少くともこの両方合せた十五億に近い損失、これが生産方面に向けられるならば、国内の農業生産に与える影響も非常に大きいと思いますので、この法案を出すと同時に、もっと基本的な問題にさかのぼっても十分なる配慮を願わしいと思います。 特に、マニトバ小麦の横流しを防ぐために、魚油等を用いて人間の食用に耐えないような悪臭をつけて鶏等の飼料に回すというようなお話もございましたが、飼料に悪臭をつけることは、できた卵にもあるいは牛乳にも非常な悪臭を残しまして、これが酪農生産品として、あるいは養鶏の生産品として、非常に市価を落すおそれがあるということに対しても十分な配慮がなされていない。特に国内における飼料の生産、これはもっと力を入れまするとまだまだたくさんございます。たとえば酪農の振興とともに生じて参りまする廃血、すなわち牛等の屠殺によりましてできる血、これは全国で全く投げ捨てられておりますけれども、これなども加工しましたならば、現にアメリカ等においても見られるように、養鶏あるいは酪農の飼料に用いて、非常に安価で栄養価の高い蛋白質飼料もできるのであります。こういう基本的な線に然配慮がなされませんで、ただ外国産のふすまを入れ、あるいは小麦を入れる。農家がこれを需要するからやむを得ないということも言っておりますけれども、農家の需要は畜産局その他の指導によって変るものであります。その農家の指導はちっともなされないで、これに伴う国内の生産も十分に配慮されない。ただ輸入並びにこの輸入品の配給によって、多大な損失を見ながらあえてなすというこの法案には大きな警告をせざるを得ない。 この運営に当りましては、あとの例もございますから、汚職、疑獄を生ぜず、あるいはさまざまな不当利益を得る者がないように、返す返すも十分なる配慮をもって運用されんことを警告いたしまして賛成討論といたします。(拍手)
○村松委員長 久保田豊君。
○久保田(豊)委員 私は本法案に対して反対の討論をしようとするものであります。 第一に、ただいまも一部触れましたけれども、政府の畜産計画、増産計画の基礎には何らはっきりしたところの飼料計画というものがありません。こういう基礎の上に行われる本法の運用というものは、結果はほぼわかっておるといっても差しつかえないと思います。政府の五ケ年計画によりますと、牛を非常にたくんさふやす、大体において牛を七十六万頭ないしは当局の腹によれば百万頭までふやすということですが、それに対して五ケ年計画に盛られましたところの濃厚飼料の計画はどうかということになれば、大体政府のいうところを信用いたしましても、輸入の濃厚飼料が八十万トン、それから国内産の麦類並びに雑穀を全体合せまして三十一年度だけでもって八十四万トン、人間の食う物、麦類や雑穀を牛に食わせて、その不足をさらに輸入でカバーするというようなばかな飼料政策の上に立っての畜産政策というものは、長続きするものではありません。またこれは農家の利益にも、国民の利益にもなりません。さらに輸入の八十万トンといえども、今後におきますいわゆる日本の輸出入事情、特に外貨事情等を考えますならば、この八十万トンの輸入が確保せられるという見通しはありません。もしこの八十万トンの輸入が外貨事情等でくずれるということになれば、日本の畜産全体、また畜産農家全体が非常に大きな危機に直面することは明らかであります。こういう不安定な、何ら確信のない上に立っておる計画は非常に危ないと思います。さらにもう一つは、国内の自給飼料用としての現在の約三十五万町歩の飼料田畑を、六十六万町歩にふやすことは、これとてもどれだけ実行の可能性があるかというと、私はほとんど怪しいと思う。現に畑や田は、ことに田畑の増反というものは、年々のいわゆる資金の減少によりましてむしろ行き詰まっておる。またこれをやりましても、採算が立たぬという事情が一般的に現われてきておる。こういう事情の上に立って濃厚飼料の計画を立てておられる。さらに草地の改良等について大きなことを考えておられるようでありますが、今全国的に現われおるのは、個人並びに公営を問わず、いわゆる小作料が非常に高くなって、土地のない農民はこういう草地の利用がだんだんはばまれてきておるというのが今日の実情であります。こういう点から見ても、政府は畜産、特に酪農の大増強計画を立てておりますが、これらはくずれて、結局におきましてはアメリカを初めとする外国の農業への日本農業の依存性、その上に立ったいわゆる畜産の非常に不安定な状況を拡大するだけであって、こういう基礎の上に立ったところの畜産計画、その一環として今度主として外国のふすまを買ってきてこれを国内の方に切りかえるというふうなことは、全く小手先細工にしかすぎないと私は思う。これによっては飼料需給の安定なりあるいは酪農農家の安定はとうてい期し得ないものであると私は考える。 第二の大きな理由は、私は過日も質問いたしましたけれども、政府の飼料並びに輸入の原麦に対する価格政策が根本から間違っておると私は思う。今政府は、いわゆる食糧統制に対する一般会計からの繰り入れを、軍事費に回すためにやめておる。その結果どうなっておるかというと、御承知の通り外国から安い米麦を入れて、これを非常に高く売って、そうしてそれによって内国産の価格の穴埋めをしておる。小麦について見ましても、本年度の二百十七億の外国食糧の余剰益のうち一トンについて六千三百円ずつの高売りをしておる。この結果はどうかといいますと、政府の出した資料によりましても、小麦粉の価格は、指定価格といいますか、これをすでに下回っておる、そのしわ寄せが結局においてふすまに来て、ふすまが高くなる、こういうことになっておる。今日の状況のように、粉もふすまも両方とも、いわゆる織り込み価格を下回るような状況になってくれば、製粉が非常な危機に直面することは明らかであります。こういうような価格政策そのものが間違っておると私は思う。政府は、外国から入れたところの原麦の価格をある程度下げて、少くとも両方の織り込み価格が正当に維持されるような政策をとることが一番根本であると思う。この点について何らの配慮を払うことなしに、いわゆる飼料の輸入、ふすまの切りかえ等で小手先を弄しても、これによって飼料価格の安定なりあるいは全体の調整のとれた飼料政策というものはとうてい実行ができないものと思う。こういう点から見ても、私は今度の法案には反対せざるを得ない。 第三に申し上げたいことは、特に外国から高いふすまをあっちこっちで買い集めてきて、それを保管しておいて、品質が下るというので安く売って、そうして内地のものを高く買おうというようなばかな飼料政策はないと思う。すべからくそういうことはやめて、むしろ割安のマニトバその他の飼料小麦をふすまのかわりに入れるべきである。これさえ入れればこんな切りかえなんというようなことはする必要はありません。少くともマニトバにおきましては、ふすまの歩どまりは五〇%程度には行くので、これを使った方か、数量的にはある程度増しても、現在のふすまの程度入れるならば、マニトバをさらにもう少しよけい入れることによって、国民経済的に見ても対外的に見ても十分に採算が合い、しかも優秀な飼料を安く農家に払い下げられて、しかも国庫が損をしないということがで送ると思います。こういう点についてほとんど配慮されていないといり点から見ても、私は今度の法案には賛成ができない。もう一つは、今の飼料需給安定法は、こういう部分的な改正をするより、もっと基本的な改正をする必要があると思う。第一に、現在の指名入札制度対して根本的な改訂をすることが最必要であると思う。特にこの問題の要点は、いわゆる第二次取扱い業者が横流しをしても何をしても、これに対して罰則の適用が全然行われないというふうなことで、特に政府の提出した見料を見ても、いわゆる個人的な飼料会社が多量の払い下げを受けておる。これが第二次、第三次に行けばどこにしても差しつかえないというようなことになっては、いわゆる酪農農家の手元に、政府がせっかく損をして安くしたところの飼料というものを確実に手渡すような状況にはなってこないと思う。この点について何らの考慮も払わずにそのままにしておいて、ただ単に飼料の切りかえというような小手先を弄しても意味がないと思います。第二には、何としてもこの実需者団体の問題です。中央における実需者団体のみならず、地方の府県や町村における実需者団体までの組織的整備と、これの資金的な充実と、これに対する取締りなり何なりというものを明確に打ち出し、これを強めていくということが根本の要件であり、これなくしては、中央においてどんな飼料操作をいたしましても、結局酪農農家に対して安い飼料が確実に行くことにならない。この点に対してほとんど何らの手を触れることなく、いわゆるしり抜けにしておいて、ただ今のような需給上の政策をやっても大した意味がないように私は考えるのであります。 さらに、さっきも指摘されましたように、こういうふうな支離滅裂な飼料政策や飼料態勢の上に今回行われるところのこの飼料需給安定法の一部改正、つまり外国から買った飼料の品質がいたむ保管がえその他によって国内のものと切りかえるということには、今までの経験その他から見れば、必ずこの間において各種の汚職ないし不正が発生する一つのきっかけになる、あるいは手炉かりになることは明らかであります。こういうふうな諸点から見まして、私はこの法案に遺憾ながら賛成をすることができないのであります。 以上をもちまして、反対の討論を終ります。
○村松委員長 これにて討論は終局いたしました。 引き続いて採決をいたします。まず飼料需給安定法の一部を改正する法律案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○村松委員長 起立多数。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 次に飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○村松委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 なおお諮りいたします。 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。 —————————————
○村松委員長 引き続きこれより農業協同組合整備特別措置法案を議題といたし、審査を進めます。 本案は、前会質疑を終了いたしておりますので、これより討論に入ります。討論はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 討論がなければ、これより採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○村松委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 なお伊瀬幸太郎君より本案に対する付帯決議の提案がなされておりますので発言を許します。伊瀬幸太郎君。
○伊瀬委員 本案に対して付帯決議の動機を提出いたします。 朗読いたします。 農業協同組合整備特別措置法案に対する付帯決議 政府は、従来、農林漁業組合又は同連合会の再建整備又は整備促進のための法的措置を講ずるに当っては、森林組合および漁業協同組合をも農業協同組合と全く同列に取扱ってきたのである。 しかるに、本法案においては単に不振農協の整備にとどめ、これとおおむね同一の事情にある森林組合および漁業協同組合を特別措置の対象外としているが、政府は、今回の措置に洩れたこれらの組合に対しても、経営の刷新を促進し、もって、林業者および漁業者の地位の安定向上と国民経済の発展に寄与せしめるため、今後速かなる機会において、諸般の特別整備措置を講ずべきである。 以上動機を提出いたします。何とぞ満場御賛成を願います。
○村松委員長 お諮りいたします。ただいま伊瀬君より提案されました通り付帯決議を付するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なおお諮りいたします。本案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 午後一時再開のことにして休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕 ————◇—————