農林水産委員会 第16号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/03/07
会議録
○村松委員長 これより会議を開きます。 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案を議題といたし審査を進めます。質疑を続けます。 〔中村(時)委員「議事進行」と呼び発言を求む〕
○村松委員長 議事進行ですか。中村時雄君。
○中村(時)委員 議事進行について。まず第一に定足数の御確認と、委員の変更ができ上っているかどうかということを事務局にお尋ねをしたい。これを調査の結果、もしもそういうことの手続ができてないとするならば、当然これは非常な問題になるので、一応御調査の上で正確にその的確なる員数をお知らせを願いたい。
○村松委員長 計算をいたさせます。——計算の結果を御報告いたします。ただいま御着席の御人数は二十名をこえております。なおそのうち先ほど委員長において異動の署名をしたものもありますが、これはただいま委員の異動に関する手続が完了いたしましたので、そのままお認めを願いたいと思います。
○中村(時)委員 一応委員長の識見においてそういうお考えを持っておるということに対しては了といたしますが、しかし今後の問題もあることなので、当然定足数に対する問題は、厳に委員長が一応責任をとってやっていただきたい。少くともこれは与野党を問わず過半数ということになっておるわけです。ここで言いにくいことではありますけれども、野党の方はほとんどいつも来ているわけなんです。ところが与党の方で、たとえばここに臨時に雇い入れてみたり、あらゆる行動をとっているけれども、なかなか集まらない、そのために常に時間が一時間ないし二時間というものおくれているわけです。こういうことはお互い党というよりも委員会としての当然なる責任なんですから、十分その点を御考慮また御高配を願いたいと思います。
○村松委員長 委員長においては運営に関しては十分に順法いたします。 川俣清音君。
○川俣委員 きのうに引き続いて質問いたしたいと存じます。 本法の提出理由によりますと、償還条件について改正せられたのでございますが、機械公団による機械開発地域にはどんな農産物を植えられるというような規定をなされておるのか。機械開墾地というのは、御承知のように天然条件が非常に悪いところで、開墾が残されておるわけであります。条件が悪いから今まで放任されておったのでありまして、これを対象にするわけでありますが、どんな農作物を植えさせて、償還を期せられるのであるか、伺いたい。
○立川説明員 まず北海道の根釧について申し上げますが、そこで一番作付面積の大きいものから申し上げて参りますと、牧草、赤クローバー、チモシー、それからラデノ・クローバー、次に燕麦、それからルタパカ・デントコーン、下りましてバレイショ、テンサイ、大麦、かようなものであります。そこでこの内容で明らかな通り、主として家畜飼料をもって、それで完成時において十頭の乳牛を経営いたしまして、そこで畜産を主とする経営を始めよう、こういう形でございます。 それから上北について申し上げます。上北におきましては、やはり一番大きな作付面積を持ちますものは、牧草その他の飼料でありますが、そのほかにソバでありますとか、ヒエでありますとか、大麦でありますとか、そういう自家用の食糧、それから若干のバレイショ、大豆、こういう食用作物も作付けることになります。
○川俣委員 そういたしますと、北海道はおもに農産物でありましても農産加工品ということになるわけですね。私が農産物と聞いておるのは、酪農製品も農産加工品であり、製品は農産物という考え方でお尋ねしておる。そこで北海道は生乳並びに加工いたしました酪農製品、こういうことになるわけですね。今の生乳または酪農製品はどんな価格構成をしておるか、将来この酪農製品が生産コストを割るようなことがないようになっていく見込みなのかどうか。
○立川説明員 ただいま御指摘の北海道について申しますと、お話のように、開拓農家がとりますものは牛乳を主体といたすものになりますので、そこで当然牛乳の価格が問題になろうかと思いますが、この点はただいまの営農計画では、大体三十五円程度というものを前提にいたしまして想定をいたしておるわけであります。
○川俣委員 そこでお尋ねしますが、大体生乳三十五円、そこに加工設備なんか持たなければだめだ、並びにこの導入資金——機械開墾は短期間の間に完成することが目的であることは説明で明らかであります。同時に固定するところの家畜の導入資金というものがここに一緒に資金計画されなければならないことになる。従って資金量が非常に大きいということになるわけです。それだけ早く回収されるのだということは予想されないわけではないけれども、今の資金ワクの総体から見て懸念なしとはされない。有畜農家の創設あるいは集団酪農地帯の設定等がありますが、いずれも法律がありますけれども十分な裏づけがない。一方においていろいろ法律は作っているけれども予算の裏づけがない。あなた方はあるものとして計算されているのではないですか。それでは有畜農家の資金が来年度からどれだけ増大される見込みなのか、または集団酪農地域に対する予算がどれだけ増大されるという見込みなのか、この点をお尋ねしたい。
○立川説明員 この機械開墾地区の家畜資金につきましては、昨日も申し上げておりました開拓者資金融通法によりまして、開拓者資金融通特別会計の中から政府資金を貸し出す、こういう計画でございます。そこで初年度におきましては、北海道については、家畜はまだ入りませんが八十四万円という資金を予定いたしております。二年目、三年目になりますとだんだん家畜が入って参ります。これにつきましては、政府の内部において来年度の資金ワクについて確定をしたわけではございませんが、初年度の資金等の折衝経過から見ますと、従来の開拓地に比べますと相当多額の、われわれの構想にほぼ近い資金量を政府の資金として確保できることになっております。 そこでただいま御指摘のように、中金の資金あるいは有畜農家の創設の資金というようなことになりますと、なかなかこの資金が実際に入らぬということになりますので、その点は御指摘の通りかと思いますが、現在の私どもの進め方では、これは政府資金の中で、開拓者資金融通法の運用としてやっていくということになりますので、大体ことしの政府部内の折衝経過から見ますと、所要の開拓資金は確保し得られるだろうというような工合に考えておる次第であります。
○川俣委員 それではお尋ねします。おそらく余剰農産物の見返り特別会計からの融資を考えておられると思うのだが、これは一体何年続くと思うのですか。今外務委員会に出ております五五年から五七年のアメリカ年度における余剰農産物処理法は五七年で終ることになっておる。その間の契約です。見通しがあるというのはどうなんですか。おかしいじゃないですか。今政府の出しておるのは五七年度までの見通しです。それ以上は見通しが立たないとこう言う。あなたの方の見通しがつくというのは、どういうわけですか。提携するところの外務省が見通しがつかないというのに、実施官庁が見通しがつくというのはどういうわけですか。
○立川説明員 余剰農産物の問題の推移につきましては、私どもきわめて一部門を担当しておる一事務当局といたしましては、お話の通りなかなか判断が困難であるのであります。その点は正直に申し上げられると思います。ただ今年度は政府の内部の検討におきまして、まず十分な資金量を確保し得たと思うのでありますが、将来見返り資金の関係の資金源が、あるいはいろいろそのときの状況に応じて変化をいたすかもしれませんが、その際にはやはり機械開墾の確保ということについては、特に重点を置きまして、政府の内部の資金操作によりまして必要な資金量は確保して参りたい。予算の表でもごらんの通りに、なるほど一戸当りの資金額は相当多うございますけれども、戸数が限られておりますので、総資金量としましてはそう莫大なものではございません。その辺の確保につきましては、政府の内部におきまして十分努力し得る範囲ではないか、こういう工合に私どもは考えている次第でございます。
○川俣委員 私はそれは非常に甘いと思うのです。なぜかというと、機械開墾地は天然条件に非常に恵まれていないところだと思います。従って乳牛を入れると同時に、乳牛の牧舎はもちろんのこと、同時にサイロも建てなければならぬ、また加工場を持たなければならないという地帯であると思います。比較的交通の悪い、消費地と離れたところにあるために加工設備を持たなければならぬ。これが相待たなければ一度投入いたしました乳牛も手離さなければならない結果になる。従ってサイロの設備も必要である。牧舎が必要である。これは一頭や二頭では——大きい面積に対して牧草等の飼料作物を植えましても、乳牛を持たなければ意味をなさない。多数の乳牛を持つということがこの地域に適しているということになり、従って多くの固定する乳牛を持たなければならない、固定するサイロを設備しなければならぬ、牧舎を設備しなければなぬ、加工場を持たなければならないということです。これは大きな乳業会社においてすらなかなか採算が合わないで、政府資金をときどき導入いたしましたのもこういう点にあると思う。資本力の微弱な、負担力の微弱な、担保能力の簿い開拓農家に、一時的にこうした資金量を果して出し得るのであるか。どうもあなた方の計画を見ると、間違って作った機械公団を破産させないために無理に資金繰りを考えているような感じがないとは言えない。誤まったものを、これを擁護していかなければならない、こういうところから償還条件の整わないものに、償還条件が整ったと仮定してこういう計画をされているような感じがする。従って機械公団に払うことが主であって、一体ほんとうに親切に開拓を進めていくのかどうかということについて、条件が整っていないという感じがしますが、いかがですか。
○立川説明員 この機械開墾の将来の推移につきましては、これからいわばテスト・パイロット・プランとしてやるのでありりますが、非常に多くの問題があると思います。そして乗り越えていかなければならない困難な条件もいろいろあると思う。御指摘のように、機械公団も設立当初でありまして、まだ必ずしも軌道に乗っておるというところまで参っておらぬような点もあります。そこで、これはいろいろと努力をしなければならないのでありますが、機械公団の存立を確保するために、無理に無理を重ねるという考えではないのでございまして、これはやはりこの上北なり根釧なりの地区の地理的条件、気象的条件その他を相当検討して参りまして、従来の試験の成績、既農家の状態も検討いたしまして、根釧でいいますと、合計十八町歩、上北でいいますと七町歩という土地を確保しまして、それに完成時において申しますと、根釧では乳牛一戸当り十頭、上北では三頭、そのほかに工場その他が入りますが、そのような形でもって、しかもごく初年度の三年間に開墾は終えてしまう、こういう格好で、土壌改良もやり、地力もつけてやっていくならば、従来のいろいろなデータの集積の判断から申しましても、成功しないということはないだろう。もちろん手放しで成功するとは申せません。今後むずかしい問題がたくさんありますけれども、しかしその見通しはあり得るという考えでございます そこでその間に処しまして いろいろと特に注意を払って開拓者にもやっていただき、政府の側でも指導するといったことをやらなければなりませんが、今お話の乳牛や馬の導入の資金を確保いたしますほかに、それに必要な畜舎、サイロというような付帯施設の費用も見込んでおるわけであります。もちろん初年度は一部でありますが、初年度につきまして上北は六十万円、北海道は八十万円という資金をちゃんと確保いたしております。そのほかに補助金それぞれがつきまして、百万円以上の金がいくわけであります。そこでこのような形で逐次着実に進めて参りますならば成功し得る、また成功させなければならないという工合に考えておる次第であります。
○川俣委員 どうもあなたの言うことは逆なんです。開墾計画というものが立てられて、それが可能だというところから機械公団が生まれてくるというのがほんとうなんです。その必要から生まれてくるところの機械公団を作って、公団の運営上機械開墾をやらせる、こういった工合なんです。だから機械公団を呼んでごらんなさい。上北が可能であり、北海道が可能であれば機械公団が成り立つ、こう説明される。逆じゃないですか。開墾が成り立つから機械公団が必要だ、こういうのなら別です。機械公団にやれるかと聞くと、いや上北に機械開墾ができれば成り立つ。逆じゃないですか。開墾が目的でない。機械公団が目的である。従って、いろいろ困難な問題もあるでしょうけれども、うまくやるでありましょう。冗談じゃありません。そっちがうまくいくから機械公団が必要だ、これなら別です。片一方は非常に不安定だ。非常に困難を伴います、こう言う。それは困難を伴わないように成り立つ、従って機械公団をやってこれを助長しょう、これならわかる。機械公団を作ってみたものの、この運営は機械開墾をやってもらわなければ運営できません。あれだけの陣容を整えておって、何とか政府が仕事を作ってくれなければ何にもやれませんと言って、今手を上げているじゃないですか。逆じゃないですか。だからこの改正は、機械公団擁護法とでも名前をつければ別です。全く機械公団擁護法である。開拓者のための資金融通の一部改正ではありません。機械公団擁護法です。 もう一つお尋ねいたしますが、下北の方は大豆や大麦を入れるのだそうですが、大麦などは外麦の方が高いんじゃありませんか。どうして日本の大麦をもっと値上げしないのですか。わざわざ高い大麦を買ってこなくても、日本の大麦を上げるという方針があるなら、開拓者も成り立ちます。大豆など何ですか。早く価格安定法に入れたらいい。入れもしないで、大豆を作っている開拓者を今日のような窮境に陥れておいて、これで成り立ちますというのは、おかしいじゃないですか。大豆の価格政策はどうなんですか。きのう資料を求めたのはその点なんです。農産物価格の見通しがない間は、償還なんというものはできません。作ったものはみな暴落して、経営が赤字になるようなことでは、償還なんというものはできはしません。だから、作られた大豆なり、大麦なり、燕麦なりが生産コストに合うという価格でなければならぬ。今北海道の燕麦が安くなったのはなぜかと言うと、酪農製品が安くなっている。従って飼料が下ってくる、こういうことなんです。いろいろな家畜を導入するなんと言うけれども、飼料が下ることが必要なんです。いかに飼料を下げても、その畜産製品の価格が維持されてなければ、いかに酪農を奨励いたしましても、あるいは家畜の導入を考えましても、成り立たなければ、償還どころではありません、手放してしまいます。これをお尋ねしたい。
○立川説明員 少し控え目に申し上げましたことがかえって誤解を生じたかもしれませんので、申し上げたいと存じますが、機械公団の構想は、従来の開拓の状態のいろいろな分析、それから十年の一つの実績の反省というものに、やはり一つは立っているわけでございます。今既入植の多くの地域で非常にすばらしい成績を上げているところもありますけれども、非常に苦しんでいるところの大きな原因の一つは、やはりせっかく土地は買収をして開拓者に確保しておきながら、その開墾が進んでいない。ひどいところは、確保した面積のたった一割ぐらいしか取っておりません。それでよその山かせぎや何かやっている。山に木がなくなってくれば、経営が立っていかぬことは火を見るよりも明らかであります。しかも一町歩や一町五反歩の耕地でありますれば、人力で十分開墾ができますから、そのようなところは開墾が非常に進んでおります。北海道や東北の一部あたりで大きな面積のあるところは、その開墾が非常に伸びておらないわけであります。農業経営の基盤に立って前進をするというところまで参っておりません。そこでその経験にもかんがみまして、今回は経営規模はかなり大きく予定をしておりますので、そこはまず短期間に機械力で開墾をする、そして耕地の造成をいたします。炭カル、燐酸肥料等もほうり込みまして、しかもそのあとへ牧草の種子までまいて土地の条件をよくするということをやっております。そのためにはやはり機械力を装備いたしましたどこかのものがやらなければならないということで、機械開墾をやる公団というものが出て参るわけであります。ただいままでの経過では、いろいろ公団の法律が先にできまして、公団が先に発足をしております関係上、あるいは非常にさか立ちをした印象があろうかと思いますが、やはりものの考え方なり、基礎なり、今後の進め方というものは、あくまで成功し得る営農形態をどういうような時期と方法でやるかということを前提にいたしまして、そのために必要な道具としての機械公団あるいは機械開墾の方法ということであろうと思います。この点はそのように考えておりますので、あるいは誤解を生じました点がありますといけませんので、繰り返して申し上げておきたいと思います。 しかもなかなか困難があるということを申し上げましたのは、先ほど御指摘のような経済事情の変動ということもありましょうし、それから人の問題、天候の問題、その他いろいろなことがありましょう。ですから手放しで、もうここは、この資金を確保して、人が入ればどんどんうまくいくというものではないと思います。これは開拓の一般原則であります。あくまでいろいろな問題と取り組んで解決していくという意味において、困難があるということを申し上げましたので、困難があるといっても、不成功だ、あるいはここはだめだということを申し上げたつもりは全然ございません。むしろぜひとも成功させなければならないし、その見通しがあるから、慎重にその困難は乗り越えていくということを申し上げたつもりでございますので、その辺をもう一ぺん述べさせていただいたわけであります。 さて、ただいまお話の大麦あるいは大豆という問題でございますが、将来の経済情勢の推移はほんとうに予断を許しません。そこでこれについてはやはり本気になって考えておるわけでありますが、大麦について申しますと、これは販売用は考えておりません。自家用の食糧と飼料であります。これは商品化はいたしません。大豆はもちろん販売に回ります。大豆の価格の問題は現在すでに非常にやかましいのでありますが、この点についてどうだということになりますと、一農地局におきまして明確な、ぴしっとした答えを出しかねますので、政府の内部の一員として、この問題は努力をして参るということを申し上げるほかはないだろうと思います。
○川俣委員 困難だということは、私はあなたは正直だと思うのです。困難でないというならおかしいじゃないですか、大豆なんか価格維持政策がきまっておるなら、これは困難じゃないということは弁解になる。その検討がまだ十分してないのに、見通しがありますというのはどういうわけです。見通しというからには、大豆価格が安定しておるということが、見通しの中に重要な要素として入らなければならぬはずです、あるいは生乳も同じでありまして、安定するということがなければならないはずです。確かに機械開墾というものは、早期に農地を造成するというところに長所があることは明らかだ。今までは早期に造成できなかったところに失敗があったというのは、どういうことをさすかというと、あなたの言うことは実際は違うので、物価の変動です。早期に、物価の変動のない間にやれば農地が造成できるというところに長所がある。長年かかって土地を造成してみたが、そこへ植え付けられる作物が値下りするというところに今の開墾者の苦痛がある。ですからインフレ時代に土地が造成されて、そこで作り上げたもので一定の償却を終ったものは困難でない。インフレは市場の距離を近くする、デフレになると市場の距離が遠くなる。そして遠距離にものを運ばなければならないので、輸送費を生産者が負担しなければならないのがデフレ経済下における開拓者の地位なんです。インフレになってものを奪い合うという時代になりますと、山へ上ってきて買ってくれるから市場の距離が近づいてくるわけです。こんなことは私が説明しなくったって大ていわかっているでしょう。短期にできる、長期にできるといっても、物価の変動のない間に作り上げるというところにこの目的がある、それだけなんです。だから貨幣価値の変動が二十五年以降にどういうふうに現われたかという資料をあなたに求めたのはその点なんです。もしもデフレへ入っていくということが政府の計画にあるならば、企画庁のように年々デフレの方向へ、貨幣価値を高めて行くという方向に持っていって、年々一割なり五分ずつ上ってずっとデフレの状態が進行していくということになってくると、開拓者というものは、今よりももっと苦痛な経済条件のもとに置かれなければならないということが想像される。貨幣価値のない百円と貨幣価値が高まったところの百円では、負担する農民からいうと、同じ百円といっても違いがある。あなたは百円は百円だというかもしれぬが、そうではない。急激にデフレ下に入ったために、開拓者は非常に苦痛な経済条件のもとに置かれておる、昔は作りっぱなしでいいかげんな俵であっても大豆は米より高く売れた。アズキだって少しくらい虫食いがあっても飛ぶように売れた、しかも買い出しに来て売れた。そういうところで開墾したものはそこに償却が終り、あるいは貯蓄が幾らか生まれてきたから、変動に耐え得る状態になっている。だから貨幣の変動がどうなっているかということが、開拓者にとって重要なことなんです。既墾農家は幾分でも、貯蓄があれば、そういう危険を乗り越えることができるが、開拓者は乗り越えることができないので、それに耐え得る十分な栄養を与えでおかなければならない、それには相当の余裕を持たしておかなければならない。それなのに、大豆の見通しは一農地局じゃわかりませんということでは、一体どこに見通しがありますかということなんです。そういう見通しがつかないから困難だというあなたの説明なら、私は承服する。弁解せられるならば大豆の見通しはどうなんですか、もう一ぺん御説明願いたい。これが基礎にならなければ、安全です、見通しがありますということは言えないはずだ。大麦は販売用じゃないというが、物が高くなれば販売する、安くなればえさとして食わせる。あなたが食わせまいと思っても、安くなればえさとして食わせますよ。価値が高まっていけば、それを売って別な安い飼料を買います。これは常識ですよ。大麦は売るために作ったって、安くなれば食わせなければならぬ。これは農林省が食わせまいと思ったって、あるいは売らせまいと思ったって、高くなれば売りますよ。安くなればこれは飼料として、別に他の生産物に還元して生産を上げていく、こういうことになる。こんなことは常識ですよ。もう一ぺん御答弁を願いたい。
○小倉政府委員 お話の筋はまことにごもっともな点が多うございますのですが、立川管理部長からも申しましたように、いろいろな困難があろうかと存じます。困難なんていう意味になりますと、またいろいろ意味の取り方があるかと思いますが、とにかくむずかしい。このむずかしいという問題は、開拓農家の問題もございますけれども、御承知のように自然条件あるいは経済条件といったような外の関係の条件が非常に、これこそほんとにむずかしい問題だ、こう思うのであります。自然条件あるいは経済条件の非常な変動によります開拓農家についての経済的な損失をカバーする方法は実は現在完備いたしておりません。既存農家と比べましてもむしろ見劣りがするという状態でございまして、そういう意味では特に困難であるというふうに申し上げなければならぬと思います。私どもも現在のままが満足すべき、あるいはそれでがまんしなければならぬ状態だとは決して思っておりませんので、農産物の価格安定ということが、これは農業全体についても基本的な方針でございますが、開拓営農ということも考慮いたしました上での農産物価格安定政策の充実ということにつきましては、ただいまもいろいろ努力いたしておるわけでございますが、将来ともそういう方面で努力いたしたい。ただ開墾発足のときに当りまして、そういう条件が十分実現されませんのは私どもまことに遺憾でございますが、長い間の問題でございますので、今回、今直ちに成立しなくても、近き将来にそういうことが実現されるように十分努力するつもりであります。
○川俣委員 そういうふうに努力するというなら、あえてそういう努力をしながらこの法案を出されたのなら、私は理解する。これは省議にかけたときに、食糧庁などに、あなた方はこの法案を出されたのだがへ価格安定についてはこれを裏づけるような政策を出してくれるかどうかということは、これは当然部内において、会議において問題になったと思いますが、問題になったことはありませんか。無関心でこの法案を出されたのですか。ただ異議なし、こういうことで通ったのですか。この償還には、バレイショにしても、麦にしても、裸麦もそれぞれ売られるでしょう。これは販売——販売よりも、開墾者の主食となるかもしれません。あるいは販売用にもなるでしょう。おそらくこれは面積も大きいでしょうから、主食だけを作るというわけにはいきますまい。販売用も必ずかねていると思う。大麦にしてもバレイショにしても、同様一部は主食になるでありましょう。主食の代替をするでありましょう。しかしながら償還をしていくには、商品として売らなければ償還はできないでしょう。みな主食になったら償還できない。商品化されなければならないはずです。いい悪いは別にして、商品化されなければ償還の基礎ができないはずだ。だからほんとうに親切なら、償還なんというのは、これは金で償還しないで、バレイショ幾ら、大麦幾ら、大豆幾らというふうに、現在の価格で、融資されたときの価格で引き取るというようなところまでいくならば、これは完璧ですよ。融資を受けるときはバレイショの値段が幾らであっても、これは来年安くなったならば償還できなくなってくる。あるいは大豆の値段が下ってごらんなさい。今一俵で済むところを二俵出さなければならなくなったら、これは償還不可能になってきます。不可能でなく、開墾が成り立たなくなる。だから農産物価格安定法の中に、少くとも大豆は入れる、あるいは開拓者のバレイショなどは特別価格を支持していくというようなことを考えて買い上げ価格を決定していく。そうして優先的にバレイショは買い上げていく、大豆は買い上げていく。これなら必ず償還ができるという見通しが立ちます、こういうことは言えると思う。小倉局長だってこのくらいのことはわかるでしょう。価格政策のときは、それはまた諸般の事情だというんでは困る。それだけの覚悟がなければこの法案は良心的にも出されなかったはずだと思う。御答弁願いたい。
○小倉政府委員 御説ごもっともでございまして、私どもも、農産物の価格安定政策の中に開拓営農が成り立つような工夫をいたして参りたいと思っております。今回の法案を提案する場合には、特に大豆の関係が問題になっておったようでございますけれども、大豆の価格安定については、関係局に会議などで強く要望いたしておった次第であります。
○川俣委員 日本の農家にとりまして、雑穀類とかイモ類というものは米に次ぐ重要な農産物なんです。従って先般来農林委員会は、超党派的にバレイショ、カンショの価格支持政策をとるべきだということを要望しておるにもかかわらず——これは野党だけじゃありませんよ。与党の諸君も熱心に主張された。伊東岩男君にしろ小枝君にしろ綱島君にしろ、熱心に主張されたのに、通っていないじゃないか。野党だけ言って通らなかったというなら別です。与野党あげてやかましく言っても、この価格政策が十分とられていない。そこが問題なんです。これだけ農林委員会がやかましく言っても支持政策をとらないでおって、開墾者の見通しがつくなんということを言うから問題なんです。方向だけではこれは空なんです。だからもう一度省議を開いて、そうしてその政策をとられるならば私は賛成します。ただこれを出して、いいものだ——いいものだと言う裏には、そのいいものだということの裏づけがなければならぬ。裏づけがなければこれは空なんです。いいものならいいだけの裏づけを持ってきてほしい。裏づけを持ってこられる用意があるかどうか。
○小倉政府委員 価格安定政策など開拓農家の経済安定のための施策につきましては、さらに一段と努力いたしたいつもりであります。
○川俣委員 農地局に対する質問はこの程度にしまして、あと食糧庁に対する質問は留保しておきたいと思います。
○村松委員長 川俣君、業務第二部長が来ておりますが、よろしいですか。
○川俣委員 では第二部長にお尋ねしますが、今までお聞きになっておったでしょうが、大豆の価格支持政策を行う用意があるかどうか。並びに、農林委員会があげて決議をいたしましたカンショ、バレイショ等の価格支持政策を強めていかれる意思が食糧庁にあるのかどうか。もう一つは、この法案が出された場合、関係局として当然相談にあずかったと思うが、何か裏づける用意があって賛成されておるのだと思うので、この点もあわせてお伺いしたい。
○桑原説明員 大豆につきましては一昨年、昨年と非常に変動して参っておりますので、たとえば一昨年は当初輸入大豆を四十万トン計画いたしまして、それが実際には国内の不作もありまして五十万トンの輸入をいたしたわけであります。さようなことで、製品価格も非常に振れたわけであります。三十年度においては六十四万トンの大豆の輸入計画を進めて参ったのでありますが、前年度からの繰り越しもありますし、中共大豆も輸入方式をグローバルにかえて七月ごろ買いまして、それが下期にだぶついて参った。それに国内の大豆が豊作であったこともからみまして、大豆の価格あるいはそれを原料とする製品価格が非常に振れて参ったわけであります。来たるべき年につきましては、まだ輸入数量の確定を見ておりませんけれども、大体国内産の大豆が二十一万トンほど出回るのではないかと想定いたしております。一方これと関係があります菜種油につきましては、これも昨年は豊作であったわけでありますので、これも大体昨年を上回る生産が上るのじゃなかろうかという想定をいたしております。一方大豆油は、食用油の消費が非常にふえて参っておりますので、昨年は大体二十四万トンの食用油の供給を見込んでおりますが、それが今年は二十六万トンくらいの需要量になるのじゃなかろうかというふうに押えますと、私の方で見込んでおります油の価格なり、かすの価格なりというものは、油では二千八百円ないしそれ以下、大豆かすにしても千四百五十円から千五百円を割るという程度で推移するのじゃなかろうかということで、国内産の出回りと輸入計画を見ております。大体今のところではさような線に落ちついていくのが妥当じゃなかろうかということで作業を進めて参っております。 それから澱粉の問題につきましては、今五百九十万貫の買い上げを実行いたしておりますけれども、これもさらに買い上げの便宜をはかるというようなことで、進捗の早くなるように運んで参りたいということをいたしておる最中であります。
○川俣委員 私の尋ねておるのは、そういうことじゃないのです。あなた方はいろいろ計画しておるが、価格はどの程度にしようということで考えておられるのか、これを聞いておるのです。あなたの今の説明を聞くと、油業者の運動に身が入り過ぎておって、まるで油業者に答弁するような答弁をしておる。私は油業者じゃない。私の聞いておるのは、大豆の価格をどの程度に押えるか、どの程度に支持するか、これを聞いておる。
○桑原説明員 今大体の需給計画を申し上げたのでありますが、私たちの考えておりますのは、国内産大豆が大体三千円を割らない程度のところに推移するのではなかろうか。あるいは輸入大豆につきましても、大体二、三年前よりは下って参っておりますけれども、やはりシフで百十ドルをちょっと越える程度じゃなかろうかと思っております。多少上る傾向も見えておりますけれども、結局需要供給の面からいって、今のような数字を押えてきますと、大豆も三千円を割らない程度にいくのではなかろうかというようなことを考えております。
○川俣委員 私の聞いておるのはそうじゃない。今議題になっておるのは、開括者資金融通法の一部を改正する法律案で、償還条件を変更しよう、こういうことなんです。従って償還が可能かどうかということが問題になっておる点なんです。あなた方の提案されているのはそうなんです。これは開拓者に融資したものが償還できるかできないかということが議題なんです。この条件を改正しよう、こういうことで出されてきておる。そこでこの法律が出されたときに、その裏づけになるような大豆価格あるいはバレイショの価格がどんなところに落ちつくかということの見通しがつかなければ、償還できないのです。そうでしょう。今融資を受けたけれども、将来バレイショの値段が下り、大豆の値段が下ったならば、償還ができなくなるのではないかということが問題なんです。そこで大豆の価格はどの程度に支持していくつもりか、あるいは農産物価格安定法の中に大豆を入れて、そうして価格を維持し、安定していく、これならば償還できる。毎年償還の金額はきまっておるけれども、その金額を捻出するところの生産物の価格が変動しては、償還できなくなる危険性があるのではないか、こう聞いておる。あなたの価格のきめ方いかんによって、できないということになります。今の説明だとできませんという説明と同じですよ。大豆価格がどこにきまるかわからない、バレイショ価格がどこにきまるかわからないということになると、この基礎条件が満たされないことになる。その意味で答弁願いたい、あなたができなければ食糧庁長官から答弁を願う。
○桑原説明員 私の方で大豆に関係いたしますのは、油の関係とかあるいはかすの関係もあるのでありますが、国産大豆につきましては、一応私たちの関係からいたますと、三千円を割らないことが好ましいということで進めております。
○久保田(豊)委員 関連して。一つ政府の方にお願いと同時にお尋ねしておきますが、今川俣委員からいろいろ質問が出ておりますが、やはり一番大事な点をついておると思います。そこでお伺いしたいのは、根釧にしても、上北にしても、政府が開拓計画をする場合には、農家の立場から見て、これがどういう採算になり、同時にこれはいわゆる資金なり、利子なりの返還計画がはっきり立っておらなければならぬ。これはもちろん営農計画とも連関をし、いろいろな問題とも連関をするわけです。私どもは現地で開拓を多少やって参りましたが、最初開拓民は、入りたいときはそういうことはあまり考えない。やっているうちに自然条件が非常に変ってくる、経済条件が変ってきて、とうとうできなくなるという場合が非常に多いわけです。特にこの場合は、機械でもって早期に開拓するこいうことは非常にいいアイデアだと思う。それだけに計画が大きくて内容か違うから、資金量も非常に多い。政府の計画で見ましても、大体において根釧の方では一戸当りの借金だけが八十二万三千円になる、あるいは上北の方でも六十四万一千円である、しかもそれに到達するまでには相当に多くの開拓者の手持ち資金というものを要求しておる、こういうようなことになっておる。そこで政府はこういうことを計画される場合には、開墾が一応安定するまで——その条件は変るでしょうけれども、大体大きく変る条件のもとでどういう採算になって、償還は実際可能かどうか、こういうことを相当余裕を見たものを立ててやらないと、資金計画も助成計画もむだになってしまう。そうしておいて経済上のいろいろな事情が非常に変動したり、特に開拓地ではときどき大きな自然的な災害を受けるということになると、計画が狂ってしまうということが多々出て参ります。百万円近くの借金をしょって、果して今農林省で考えておられるような営農計画で償還が可能であるのかどうか。こういう点は具体的な計画を立てておられると思う。その資料をわれわれの手元に早急にいただきたい。そうすれば今、川俣委員の言われたような乳牛の採算が立つか立たないかの問題、あるいは大豆にしましても大麦にしましても、そういう問題がもう少し明確になってくる。ただ口頭だけでいろいろやっておっても、はっきりしたことはわからない。入る人は、当初は何とか入りたいというので、先先の採算関係や何かはなかなか考える余裕がない人が大部分です。ここにいろいろ基本的な問題があると思うが、こういう資料があると思うから早急にわれわれに配付してもらいたい。農家の採算ということです。特に前の例を引いてはおかしいですけれども、たとえば愛知用水の場合においても一反当りの水田農家が、愛知用水の農地だけが二千六百円ずつ払っている、あるいは畑地においては六千九十円もある、こういう高い水利費なり管理費をかけては農業経営は成り立ちません。これだけの資金を入れる以上、これに相応するだけのものがあると思うが、あったら早急に資料として出してもらいたい。それほどまでにして具体的な検討をした方がいいと思う。そうでないとむだになってしまいます。
○小倉政府委員 上北、根釧に入植いたします開拓農家の収支のバランスの問題でございますが、上北の方は耕地収入と畜産収入とございまして、分けますと大体半々ぐらい、若干畜産収入が多いということになっております。支出の方におきましては農業経営費、生計費、諸負担というものを見まして、なおそのほかに特別の問題といたしましては融資金に対する償還でございますが、そういうものを見て参りますと、当初の四年ぐらいは非常に苦しいのでございますが、四年ない五年目から若干の余剰が出て参る、こういうバランスを立てております。 それから根釧の方につきましては、これは耕地の収入はわずかでございまして、九割程度までは畜産の収入でございます。それから経営費、家計費等を引きまして、なお償還を見ますと、これも四年ないし五年目から若干の余剰が出て参る、こういう計算をいたしております。
○久保田(豊)委員 もう一点だけ。その点はそういう抽象的な説明ではわからぬわけです。だからもっと具体的なちゃんとはっきりした数字を入れた計画書なり予定があるでしょうから、それを出してもらいたい、こう言っておるわけです。
○小倉政府委員 はい。
○川俣委員 時間がないかな、私は食糧庁に端的に答弁を願いたいのです。この法案が出るときに、今のように大豆価格はどの程度にしなければならない、あるいはバレイショの価格はどの程度で償還できるということが予想されてできておる、それを支持していく考えであるかどうか。私はこれに賛成されたのはそのくらいのことをのみ込んで賛成されたと思うがどうか、それだけを聞いておるのです。あなたの言うことは、油脂業者やなんかにどうして大豆を配給するかとかいうことばかり答弁しておる。一体大豆が安くなったって、油脂業者は油をちっとも安くしていないじゃありませんか。なめられているじゃありませんか。油の資源を供給していながら油が少しも下っていない。そんな業者に一生懸命ものを供給することばかり考えて、日本の農家のことを考えないような食糧庁があるものじゃありませんよ。この法案についてお尋ねしておるのだから正確に一つ御答弁を願いたい。あなたが答弁できないなら長官からしていただきたい。
○桑原説明員 今申し上げたような計算を私の方でいたしてはおりますけれども、その輸入関係を申し上げたようなわけですが、国内産の問題がもちろんからむわけでありまして、国内産の価格をどの程度に置くかということにつきましては、やはりあまりに不当に下ってしまうようなことを考えておるわけではございませんので、反対の方向に走っておるということにはなっておらぬと思います。
○川俣委員 何べん聞いても、これは委員長におきまして、もう少し答弁ができる人を呼ばなければだめです。
○村松委員長 この点は留保しておいて、午後から食糧庁長官を呼びましょう。 石田宥全君。
○石田(宥)委員 この開拓入植者等の事情はきわめて困難な事情でありまして、かつて満州の開拓等におきましてもずいぶん苦杯をなめておるわけでありますが、日本におきましては、特に条件の整ったところはすでに開拓も終っておる。戦後食糧難と人口問題から、相当無理な僻遠の地にまで開拓の事業が進められて参っておるのでありますから、現在行われておるような開拓事業というものは一通りならない悪条件がそろっておると見なければならないわけであります。 そこで私は端的に御質問を申し上なたいのでありますが、新潟県の糸魚川市に見滝という入植開拓部落がございます。昭和二十二年に二十四戸が入植をいたしまして、国から総面積四十四町六反余の売り渡しを受けて、開拓を始めておったわけでありますが、その後非常な困難に耐えて続けて参りましたが、昭和二十九年に千葉県にありますところの開拓公社、これは株式会社のようでありますが、これに委嘱してブルドーザーなどを借り受けて、二十九年、三十年で相当な成績をあげているのです。水田が十五町六反歩、畑が二十七町歩とほぼ予定の開墾開拓を終ったわけでありますが、資金難から去る二月十五日に開拓公社から山林、採草地、立木等を含む十六町歩ほどの差し押えを受け、その開墾費用の請求の訴訟を起されておるわけであります。これは単に一事例を今あげておりますけれども、一事例の問題ではない。先刻来川俣委員からも追及されておりますように、当時の国家事情から非常に無理な条件のもとにおいて計画を立てて入植はしたけれども、あとはほったらかしてかまはない、こういうことでありますと、今全国に膨大な入植地があり、その開拓に従事しておる人たちが、やがて非常な行き詰まりを来たして、せっかく開拓をした田畑を手離してまた分散しなければならないようなことになるのではないか。こういうことを考えたときに、これは一新潟県の事例ということでなしに、私は全国に同じような事情の開拓地が散在しているんじやないかと考えまして、重要であると存じますが、この問題について局長は一体どういうところに隘路があったと考えておるか、そしてまた今開拓農協の総会を開いて、今後融資が思うようにいがなければ一体どうするか、もう田畑を売り放して入植部落が解散するかどうかというせっぱ詰まった段階にきておるのですが、これに対しておよそいかなる措置を講ずべきであると考えておられるか、これを一つ承わっておきたいと思います。
○小倉政府委員 今お尋ねの新潟県糸魚川見滝開拓農協の問題でございますが、これはお話のように一昨年でございましたか、開墾作業につきまして開拓公社と称する会社からいわば機械開墾をしてもらったのであります。その金の問題でございますが、当初農林漁業金融公庫から借り受けて作業する計画であったようでございます。ところがいろんな事情で、いろんな事情でと申しますのは、一つは保証の問題について手続が円滑に進まなかったというような関係で、三十年度の資金のワクから借り受けをすることができなかった、こういうことであります。従いまして開拓公社といたしましては資金の回収という観点から、開拓地の付帯地でございます仰せの十六町歩を差し押えておる、こういうことのようであります。従いまして問題の解決は早く資金を供給するという以外にはないかと思うのでありますが、間もなく三十一年度にもなりますので、三十一年度の資金ワクから当該開拓農協に融資をするように、私どもといたしましてもあっせんいたしまして、一日も早く解決のつくようにしたい、かように考えております。
○石田(宥)委員 この融資の隘路が保証の点にあるというお話、これは県信連が二割の保証をしなければならないということになっておるようでありますが、しかし一面から申しますと、この申し入れば二十九年の秋に融資の申し入れをしておるわけであります。ところが二十九年の秋に申し入れをした後に、今年の二月になって融資ができないということが確定した。二割の保証をして融資をするに当っても、県信連は、その土地の条件が開墾後の水田なり畑なりの状態においてこれを評価することが手続上できなくて、開墾前の水田や畑になる前の原野の状態のもとに評価をしなければならないような規定があって、それでできないのではないか、水田になり、畑になった状態で評価をすれば必ずしも不可能ではないのではないのではないかと思うのでありますが、どうですか。
○小倉政府委員 土地の担保というよりも、私ども、承知しております事情によりますと、信連が地元の町の保証を求めているということのようであります。ところが地元の町の保証が、手違いで計画のように進まなかったということのようでありまして、こういう事態になったかと思うのでありますが、必ずしも土地を担保としなくとも融資ができるのであります。今の土地の価格をどう評価するかということは、おそらく開墾をしましてから成功検査を受けて、三年の間農林大臣の許可を受けなければ他に処分ができないといったような条件が農地法上ございますので、おそらくそういうことから評価の問題もあるのではないかと思います。必ずしも土地を担保にしなくとも、たとえば付帯地といったようなものもございますし、そういうものを担保にするということも可能であります。あるいは幸いにして町が保証するということができますればそれでもけっこうでありますけれども、どういう方法かで融資ができるようにあっせんしたい、かように思いますが、実はこれはまだ信連の段階で、公庫の段階でありませんので、十分事情がわかりませんが、なお詳細調べまして、適宜な処置をとって、土地が差し押えられて競売になり、開拓上に非常に困るという事態は避けるつもりであります。
○石田(宥)委員 信連との関係とおっしゃるけれども、信連は市の保証が得られない、こういうことですが、糸魚川市は市議会の議決をもちまして、昭和三十年、三十一年度の二ヵ年にわたりまして百五十万円の保証の議決をしてある、借り入れの申し入れば四百二十万円でありますが、市は百五十万円を二ヵ年にわたって保証をするということの議決をしておるのでありますから、それは何かの間違いじゃないかと思うのです。 なお千葉の稲毛にあります開拓公社と農林省との関係、それからその他いろいろ御質問申し上げたいのでありますが、時間がないそうでありますから、留保いたしておきまして、もう少し実情を明らかにしたいと思います。
○村松委員長 一時半再開のことにして、休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 午後一時五十七分開議
○村松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産業の基本問題について質疑を行います。通告順にこれを許します。赤路友藏君。
○赤路委員 私は水産関係について大臣にお尋ねいたしたいと思います。議論にわたる点はできるだけ避けまして、具体的な基本構想の面でお尋ねをいたしたいと思います。 まず第一点は、施政演説の中で大臣は価格対策について述べられております。水産物の価格対策については、現下の経済情勢に適応した価格対策を実施する、こういうふうに述べられておりますが、具体的にどういうふうにされようとおっしゃるのか、この点を御説明願いたい。
○河野国務大臣 御承知の通り、わが国の水産のうちで企業形態をなしておりますいわゆる資本漁業につきましては、私はそれぞれ自治的にある程度のことをやっていると思うのでありますが、何分にも沿岸漁業、中小漁業者になりますと、魚が海岸へ来た、大漁だということになると、せっかく千載一遇の好機が、かえって肥料にしなければならぬということが間々あるわけであります。こういうことについて、これの利用の道を十分講じ、すなわち冷凍の設備をいたしますとか、ないしはまたこれを取引所つまり魚市場の設備と流通の面を改善するというようなことが最も必要であると思うのであります。そこで今回取引所法の改正をいずれお願いするつもりでございますが、こういう点については格段の処置をしなければならない。取引所、魚市場、生果物市場の改善をいたしますために、今回見返り円で大体四、五億円を出して、大市場にはこれで設備をさしてやりたいというように考えているわけでありますが、その他今申し上げましたように基本の方針といたしましては、中小魚業者の取引きの改善に重点を置いて考えていくことに主眼を置いていかなければならぬと考えております。 つけ加えて申し上げておきますが、水産物の輸出の奨励については、マグロの対米輸出等につきましてはいろいろ問題もあることでございますが、昨年来日米の間にマグロの協会を作って対米消費宣伝をやっていきたいというようなことで、アメリカ政府とも実は話をしておるわけでございます。その他新しい欧州方面の市場についても相当考慮の余地がある。インド洋でとれましたマグロを、直接イタリアあたりに持っていったらどうだというようなことについても考えていきたいというふうに考えておるわけであります。
○赤路委員 大臣の魚価対策に対するお考え方は一応ごもっともであろうと思うのです。特にこの施政演説の中で価格対策として、今申しましたように流通面の改善ということを強く取り上げられておりますが、もちろんこれも一つの支柱であろうと思います。特に私大臣にお聞きしたいことは、現在のような自由経済下において魚価の安定をはかっていくということは、単なるコマーシャル・ベースの上に乗った形で放任したのでは、魚価対策というものはむずかしいのではなかろうか、こういうことを非常に考えるわけです。農作物につきましては農作物価格安定法がございますが、魚につきましては農作物価格安定法と同一な扱いは、これは新鮮をもととするものですからおそらくできがたいと思う。しかしながら農作物価格安定法とこれに近い程度の、コマーシャル・ベースでない形のものが考えられませんと、この流通面だけの改善であっては魚価の維持はできない。大臣も御承知と思いますが、昨年のサンマ漁の場合、豊漁貧乏という形、一貫目当り三円五十銭まで値段が下げられた。満船して帰りましても、大仲経費を引いたあとは一銭も残らない。漁業労働者はそれのために、満船をしながら日常生活を補っていくために借金をして生活をしなければならぬというような現状があったことは御承知と思うのですが、こういうような形のものがその他の魚価にも大きな影響を及ぼしておる。当然これに対しては、単なるコマーシャル・ベースに乗った形でなしに、変った角度からこれに対する対策というものをお考え願わなければならぬと思うのですが、その点についてどういうふうにお考えになっておるか。
○河野国務大臣 終戦前と後の急激な変化もございますが、何分わが国の魚市場、特に産地の市場等には、当然私は冷凍の設備と加工の設備がなければならぬと思うのでございますが、その加工の設備が非常に不足しております。たとえば東京の手近で考えましても、日本でも有数な三崎の市場へ行ってみましても、加工設備をする陸地さえないというような現状でございまして、この点によほどこれから意を用いていかなければなるまいということを考えておるわけであります。
○赤路委員 大臣はよくお考え願っておると思います。そこで一点だけ御希望を申し上げておきますが、この冷凍設備をやるということは、これは最も重要な点だと思います。そこで冷凍設備が現在のような形における採算ベースに乗ったやり方では、私は魚価の維持をすることはむずかしいのじゃないか。この点自後の研究課題として、採算ベースをある程度度外視した形で、どうして冷凍設備をふやし魚価の安定をはかっていくかということについてお考え置きを願いたい。これは御希望でございます。 それから第二点にお尋ね申し上げたいのは生産資材対策でありますが、大臣の施政演説の中で、「漁業用資材対策といたしましては、漁業用燃油については、その所要量の確保と価格の引き下げに努力するとともに、系統団体による共同購入組織の育成をはかる」こういうふうに言っておられるのでありますが、これを具体的に御説明をお願いしたいのであります。
○河野国務大臣 先般来水産用の重油の共同購入を、全漁連を通じてぜひいたしたいという御要望が皆さんからありましたことは御承知の通りでございまして、私もこれには大いに考慮を払いまして、ある程度のものはそういう方法にいたしたのでありますが、何分にも取引の実体から考えまして、全漁連の組合一本というわけには資金関係からにわかにいきにくい。これは御承知の通り遠洋漁業等が、自己資金が油屋さんの制約を受けているものが相当あるというような観点から、どうしても資金の充実をはかって、そして、あえて申しますれば、現在の全漁連に対して切符をわけるというだけでなしに、金をまず十分にして、そして資金の面で融通を十分できるようにして、そして各重油の商人から組合に、資金的に切りかえをすることが先決問題である、油屋から油を借りて出ておるのでなしに、組合の方から十分それだけの協力ができるようなことにまで、各県の漁連が力を持つということが必要であろう。そこまでいきませんと、現在油屋さんと取引しております船元が、すぐ漁連の方の油を買うといっても、それがなかなか行き渡らない面があるというふうに考えます。一応漁業用の重油といたしましては、年間百万トンといい百二十万トンと申しますけれども、しかしその中で資金的裏付を自己で持っておりまして、組合の油を自由に買い得る者は一体どれくらいあるかというような点から考えまして、直ちに多量の油を漁連でやるということは危険であろうというようなこと等も考えまして、まだ完全に踏みきれずにおるのでございますが、この状態をこのままにしておいてよろしいとは決して私は考えておりません。前の木下会長も非常に御努力を賜わりましたが、先般ああいうことになりまして、新しく近日のうちに全漁連の会長その他全漁連の組織もできようと思いますが、私はこういう機会にぜひ組合の方々が協力一致なさいまして、漁連の会長の地位で意見の食い違いができるとか何とかいうことなしに、一体となって組織を強化されて、そして資金的裏付を持ち、しこうして重油についても漁連の重油一本で全日本の水産の重油を流すというような方にいくことを私は期待してやまないものであります。できるならばそういうふうに組織、機構というものがますます強化されることに、私もできるだけ御協力を申し上げたいと思っておる次第でございまして、それができますれば、おそらくこれによってトン当り少くとも二千円くらい重油は下るだろうと思っておるのでありまして、ぜひ実現の運びに至りたい、こう考えておるわけであります。その他漁網につきましても、最近ナイロン等化学繊維による漁網を使うことがけっこうだということも承知しておりますが、何分これも資金の面においてなかなか思うにまかせないところがあるようでございます。これらにつきましても十分考えてみなければならぬということはわかっておりますけれども、何分言うだけで実行が伴わないということでおこごとをちょうだいするかもしれませんが、私の方といたしましては、できるだけ事務当局を督励いたしまして、そういう方向に行くように仕向けて参りたいと思っておる次第でございます。
○赤路委員 大臣の御意見もっともだと思います。非常に妥当なお考えを持っておられると思うのでありますが、これは将来そういうふうに大臣は持っていくということを今承わったのでありますけれども、では本年はどういうふうにいたされますか。今すでに漁連の方から外貨割当に対する要望が出ておるようでございますが、本年の分に対する大臣のお考えはいかがでしょうか。
○河野国務大臣 現在やっておりますのは十万トン程度でやっておると考えますが、これはもちろんその通り続けていってけっこうだと思うのであります。しかし将来これをますます拡充強化して参りますには、組合の組織、機構もしくは県連との関係等が私は非常に融和的に、一本になって、政治上の意見は意見といたしまして、この組合の活動は活動として、ぜひこの際全国の漁連と県連の方々が一本になって、全漁連の幹部とお話し合いの上で、有能な方、信頼される方を一つ円満のうちにおきめ願いたいものだ、こう考えておるわけでございます。
○赤路委員 この際、大臣に一つ考えの中に入れておいていただきたいことは、この燃油の漁連に対する外貨割当が、単に漁業者用の燃油の値下りだけでないということです。これは、今までほとんど元売り業者の考え方によって、日本全体の使用燃油の価格決定がされておったということは私は事実だと思う。現に昨年十二月石油業者の方からA重油、B重油、C重油に対する運賃値上げによる値上げの要求が出ております。通産省の方では、これを現在までたしかまだ拒否し続けておると思う、価格の値上げをのんでいないと私は思う。この石油業者からの値上げの要求を見てみますと、A重油でトン当り千三百円、B重油で二千百十一円、C重油で千九百八十八円です。ところが通産省で昨年四月から実施することにきまりましたA重油の協定価格を考えてみますと、わずか漁業用燃油の十分の一にも足らない十万キロリッターを漁連に扱わしめただけで、その協定価格との差がひどいところになりますと四千三百円もの差が出てきておる。従って今石油業者から運賃が上ったから直ちにそれだけ値段を上げよということを言ってきても、およそこの協定価格よりも差が二千円から三千円にわたってあるというこの事実から、従ってこれは簡単には上げられないというのが通産省の考え方であろうと思うのです。これは私は当然のことだと思います。単にこれは、漁業用燃油の全使用量が百万キロリッターといたしまして、それに対する問題だけでなしに、全産業の使用重油に対する大きな問題点だと思うからです。現在の燃油の全使用量はおそらく一千万キロリッターに達すると思いますが、これがかりに一千円ずつ値上げが阻止されたといたしますならば、百億の金が現に値上げされないで、そのまま各産業の面に大きなプラスをするということになると思うのです。今日製油の方でも企業の合理化、生産の合理化あるいは資本の蓄積、生産コストを下げるというようなことについて非常に努力をなさっておる、これが実に大きな影響をもたらしておるし、効果を表わしておると私は思う。単に漁業用燃油の問題だけではない、基礎産業である、日本の使っておる燃油全体の大きな問題として考えていかなければならぬ。こういうような意味からも、こうしたアウトサイダーに対する燃油の外貨割当の必要性というものを十分この際御承知おき願いたいと思うのであります。ただいままでの大臣の御答弁によりまして、私は安心して、この漁業用燃油につきましては大臣におまかせできると思います。私はその点でなおそういうような面もあるということを一つお考えの中に入れておいていただきたい、こういうふうに考える次第であります。これは答弁を求めません。 次に漁港の問題でありますが、御承知の通り日本の漁船の被害の状態を見てみますと、もちろん沖においてそれぞれ遭難をする面もありますが、漁船自体の被害の多いのは、何と申しましても漁港整備ができていないために、小型の船が災害によってやられる率が相当大きい。ところがこの漁港予算はなかなか伸びてこないわけです。それで非常に困っておる。大臣は施政演説の中でも、第二十二国会において承認を得ました漁港整備計画の実現を推進する、こういうふうに力強く言っていただいておるわけなんですが、現実には二十九年度は全部新規事業を取りやめられている、こういうような形で、本年も一体新規事業の着工をやるのかどうか、この点がどうもはなはだ不明確になっておりますが、この点について大臣の御意見を承わりたい。
○河野国務大臣 漁港の重要でありますことはお示しになりました通りでありまして、私といたしましても、漁港の整備拡充にはできるだけ努力をいたしたいと考えておるのでございますが、何分新たに指定をいたしましたけれどもその予算がこれに伴いませんで、御期待に沿うことのできませんことははなはだ遺憾でございますが、わずかばかりでも実は前年度よりふやしておるわけでございまして、新規のものはむろんやって参るつもりでございます。なおこれも大きなものについては見返り円をもちまして整備を進めていく、小さな方は国内の方でやっていくというようにしてやって参りたいと考えておるのでありますが、何分財政も思わしくないので、十分な整備ができませんのははなはだ残念でございますけれども、新規はやらないということは全然考えておりません。十分やって参るつもりでおります。
○赤路委員 それから変なことを申し上げるようですが、施政演説の中で漁業災害補償については一言も触れておられない。これはどういうことでしょうか。漁業災害補償について大臣はどういうふうにお考えになっておるか、その点をお聞きしたい。
○河野国務大臣 御承知の通り災害補償の問題は非常にむずかしい問題でございまして、現に実施しております一般農業の災害補償にいたしましても、案としてはできますし、一応理論としてはりっぱに立ちますけれども、いよいよ実施いたしてみますとなかなかうまくいきかねておる次第でございます。そういうことでございますので、これから着手していこうとする水産につきましては十分の調査をいたしまして、実施した以上はすぐにうまくいかなくなるということのないようにしていきたいということで、御承知の通り調査費の方におきましてはわずかではございますけれども多少の増額をいたしまして、調査は十分にしていきたい、こう考えておるわけでございます。
○赤路委員 調査をされるというお話、ごもっともだと思います。これは農業災害と違いますので非常にむずかしいということはわかるわけなのです。むずかしいゆえにどちらかといえば軽視されたというわけでもないでしょうが、むしろ今日までそのまま放任されてきた形にあると思うのです。この際こそ真剣にこれと取り組んでいただかなければならぬと思います。これも希望でございますので、大臣もそうおっしゃっていただいておるのだから、ぜひできる面からでもこれに着手していくという決意を一つお固め願って、これらの面についても十分な御協力を一つお願いしたいと思います。 それから大臣にもう一つお尋ねしたい具体的な問題は、農林金融の問題であります。やはり施政演説の中で「農林中央金庫等の組合系統金融につきましては、昨年度の豊作によりその資金量も著しく増加を見ましたので、これを農林水産業振興に活用いたすとともに、その貸出金利の低下等合理化について指導を行なっているのでありますが、今後一そうその融資活動を活発化して農林漁業の生産力の発展を促進し得るよう検討をいたす所存であります。」こういうふうにおっしゃっておられるので、まことにけっこうなことだと思います。 そこでお尋ね申し上げたいことは、この農林中金の三十年十二月末における貸し出し高を見てみますと、千百二十六億七千二百万円に達しております。そのうち、要するに系統機関——これは系統金融の本質を持ったものでありますが、その系統機関である所属の団体に対する貸し出し高は五百四十九億七千七百万円、ところが系統外機関に対しては五百七十六億九千五百万円である。そういたしますと、系統金融機関としての農林中金が、系統外の団体に対して系統機関よりも二十七億千八百万円も余分に融資しておるということになる。これは一体どういうことなのです。私はこのことは系統金融機関としての正常な資金散布の姿ではないと思いますが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○河野国務大臣 お示しの点、お示しの数字は私はまことにその通り遺憾の点が多いと思います。おそらく年末に一時に米の代金等が入ってきました関係等からいたしまして、融資の点においてそういう結果が出ておると思うのであります。御承知の通り昨年末におきましては市中金利よりもむしろ中金の融資する金利が上回るというようなことになりまして、変調を来たしましたような状態でございました。決してその数字が正常なものではないというふうに考えておりますので、これにつきましては金融のことでありますから、後刻調査をいたしました上で正確にお答えをいたしたいと思います。
○赤路委員 こまかい数字の面については事務当局からよくお聞きしたいと思います。ただ今大臣のおっしゃられましたのは、大臣も、これは正常な姿ではないと思う、こういうような御答弁です。ところが大臣も法律を御承知の通り、この法律によりますと、系統外機関に対する融資は大臣の認可がなければできないことになっておる。これが正常なものでないとするならば、みずからがおやりになった、そういうことになります。法律上ではそうなっておるのですから。過去三ヵ年間の金融の情勢を見てみますと、確かに年末にまとまっていっております。これは何か金融のやりくりでございましょうか。これは短期であることもわかるわけなのです。だから三ヵ月くらいいたしますと、漸次系統外機関の金額が少くなってきておる。だといたしましても、私はこれは正常な形ではないと思います。ところがこれらの資料は私たちの手に入らない。そこで私はお願いいたしたいのですが、この融資をした資料を大臣の命令で出させていただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○河野国務大臣 私がお答えいたしましたのは、おそらく上期におきましては資金が枯渇いたしますが、下期におきましては一般に米の売上代金が一ぺんに入ってきますから、そこでだぶつく、だぶつく融資先が見当りませんので、これを市中に回すというようなことでこういう数字が出ておるので、これは決して中金の正常な姿ではなかろう、こういうふうに考えたわけでありますが、正確なことは追ってお答えいたしたいということは先ほどお答えした通りであります。 もう一つは、お前が認可しておきながら困るじゃないかということでございますが、大臣はそういうところに貸すことを、総ワクを認可するのでありまして、一々どこへこれだけの金を貸していいか悪いかという認可は私のところではないわけであります。融資先は、こういうふうなものに融資をすることはいいか悪いかということを総ワクで——私が大臣になりましてから一ぺんもそういうことはございませんが、おそらくすでにこれこれこういう業種のものにはやってもいいか悪いかということは中金に対して総括的に認可してあるものと思います。そういうふうにいっておると考えますが、これはよく取調べいたしまして、ただいまの御質問に対しましても、よく事情を調査いたしました上でお答えいたしたいと思います。
○赤路委員 大臣のおっしゃることはわかります。もちろん個々のこまかい計数まで大臣が一々五百何十億出ておるのを決裁しているわけじゃないでしょう。従って農業に関連する団体あるいは漁業に関連する団体あるいはその他金融機関、こういうような面で大ワクとして大臣はお認めになった、それにしても私はやはり責任者として報告を取って、そういう内容の大まかな点は握っておかれる必要があるんじゃないかと思う。そこで先ほど申しますように、これの資料を、これは普通じゃ出さない。はっきり申しますが、大臣の命令がないと出さないのですが、この資料を出させていただけますか。
○河野国務大臣 よく調査をいたしまして、善処いたします。
○赤路委員 調査しまして善処でなしに……。
○河野国務大臣 もう一ぺん答えさしていただきます。それを一ぺん調べまして、それは出していいか悪いか、そういうものを出すことが不適当であれば、特別に私が見て、よろしいならば私の見たものをまた特定の人に私からお話するなり、お見せするなりという方法はどうかというようなことを、善処という言葉で申し上げたのであります。
○赤路委員 大臣のおっしゃることはわかるのです。もしそのことがわかって、何か経済界に混乱が起るとか何とかいうことがあれば困るという、多分お心組みだと思うのです。しかし、一面これを考えてみますと、そうだけでなしに、出せないような何かもやもやしたものがあるのじゃないかという考え方もまた出てくるのです。だから私は、大臣が命令をして、そうしてこれを少くとも、私は長い期間のものとは言いません、ここ二、三年来の系統外団体に出した資料をお出し願うということこそが、むしろ私はすっきりしたやり方でないか。おそらく大臣が今おっしゃるように、農中なら農中の理事なり理事長なり呼んでも、そうおっしゃってもそれは困りますと、おそらく言うかもしれない。その場合大臣は、一つ責任をもってこれをおやり願いたい。なおできるかできぬかはお考え願いますが、私の要望しますのは、まず第一は貸出先の名前、それから社長名と住所、それから第二は貸出先の事業の内容、第三は貸し出しの理由、第四は貸し出しの年月日、第五は貸し出しの金額、第六は償還期日、第七は償還の状況、第八は金利、これだけのものをそろえてお出し願いたい。これは、今やはり農林中金の金融全体に対していろいろ問題があるというようなうわさが出たりしているときなんです。しかも現実に、たとい一時の操作であったとしましても、系統金融機関が、全国の系統機関に出す金よりも上回った金額を非系統団体に出しておるということは、これはどうにもそのままでは納得できません。この点、大臣、つらいかもしれませんが、ぜひ一つこれは出していただきたい、出すということをここで御答弁願いたい。
○河野国務大臣 これは私が出すとか出さぬとか言うのではないのでありまして、初めてのことでございますから、よくいろいろと調査いたさなければ、そういうものは一体出さすべきものか、出さしていいものか悪いものかもわかりません。私は故意にこれをかばおうという気持はございません。ございませんけれども、とにかく金融機関のそういうものは、たとえば大蔵大臣に日銀その他系統銀行のものを調べて出せというても、私も経験ございませんので、それが一体できるかできぬか、ちょっと見当がつきませんから、できぬことを、またそういうことをやるべきでないことを、ここで出させますと答えて、あとで引っ込みがつかなくなると困りますから、よくそれを調べまして研究をして、先ほど申し上げますように善処をいたしますと申しておるのでございまして、決してそれをやらさぬというわけではございません。ただもう一点、私は決して弁護するのではありませんが、毎年の慣例が下期に非常に資金がダブつきまして、上期に枯渇いたします。だからやはり上期に備えるために、短期融資を相当しているのではないかと思うのであります。短期融資をして、上期の枯渇時に備えるようにしていかないと、中金としての運用がつかぬのではないかという気持でやっているのではないかと思いますが、何分私の不注意でこれに全然気を配っておりませんでした。今こういう御指摘を受けまして、さっそくよく事情を調査いたしまして、あらためての機会にお答え申し上げることにいたします。
○赤路委員 大臣のは通常の考え方として答弁されているので、通常の場合そうだと思う。ところが過去三ヵ年間のものを見てみますと、必ずしも大臣のおっしゃるように下期だけに集中しているというものでない。やはり上期においても上回った貸し出しをやっている姿が出ておりますから、これらの点を十分御注意願って、大臣の御答弁は追ってまたお願いすることにします。そこで委員長にお願いしておきますが、大臣も今ああいうような答弁の仕方なんです。しかしながら資料だけは、私申し上げますように、委員会として提出するように要求していただきたいと思います。これは委員長にお願いをいたします。
○村松委員長 委員長といたしましては、大臣の権限の問題、法規その他をよく調査の上に政府に要求いたします。
○赤路委員 次にお尋ねいたしますが、御承知の通りこの二月十日、ソ連の閣僚会議でサケの乱獲に対する何か声明のようなものが出されましたが、このことについてやはり水産業界では非常なショックを受けて、いろいろ善後策等について協議をしているようでございますが、これらに対して大臣はどういうふうにお考えになり、どう対処されようとするのか、その点についてお聞きしたいと思います。
○河野国務大臣 御指摘のようにソ連側におきまして、北洋の鮭鱒の漁獲について意見を発表いたしましたことはあるようでございます。しかし、その意見は一方的の意見でございまして、われわれといたしましては全然反対でございます。意見は全く同意しかねるのでございまして、われわれとしては、まだ現在の漁獲量程度とったところで、それによって資源が枯渇するというようなことはない、しかし各国がそれぞれ十二分に漁獲し、各国の漁獲のトータルが非常に多くなるということになれば、それぞれ関係国の間においてしかるべく漁獲制限、もしくは魚族の保護もしくは繁殖奨励というようなことについて、国際間において話し合うときはあるだろう。これにはわれわれとしても喜んで応ずる用意がなければいけないと、こう考えております。
○赤路委員 大臣は簡単に一方的な意見だ、こういうふうにおっしゃったわけであります。私はそう簡単に一方的の意見だというだけで片ずけられるものではないのじゃなかろうか、と申しますのは、大臣に昨年の三月二十八日当委員会で、私は特に一九五四年の十二月ソ連の海洋学術調査研究所で発表したことを申し述べて、善処されるようにという御希望を申し上げておいたのです。この一九五四年十二月に出されましたものも、やはりこれは資源に対する一つのソ連側の方の見解の発表である。特にこの際は日本ということは全然一言も触れておりません。むしろこれはソ連自体の国内的な乱獲に対する一つの示唆であったろう、私はこういうふうに考えます。しかしながら、そのことが当然考えの中に入れられなければならないから、昨年の三月二十八日の当委員会でも、この実例を引いて善処方をお願いしたわけなんです。今回この二月十日の発表をタス通信等の関連から見ますると、相当極端な言葉でこれが表われておる。そこで私はこの問題を、ただそれはあるいは巷間伝えられるような、ロンドン会議に対する政治的なゼスチァであるということ、あるいはこれは多分にそういうような面もあると思います。しかしそれだけでこれは放擲すべき問題ではない、こういうふうに私は考えるわけなんです。そこで大臣にお尋ねしたいのは、今大臣も、各国との協定において資源を維持するためになすなればやろう、こういう話なんです。これはその通りだと思います。私が特にお聞きいたしておきたいことは、この資源の問題は、政治問題とは切り離して考えるべきでないか。これは政治の問題ではないと思う。ロンドン会議が成立しようとしなかろうと、それとは切り離してこの問題は考えていかなければならぬ。また北洋における資源というものは、これはソ連だけのものでもない。なくなれば、ソ連も困りましょう。あるいはアメリカもカナダも困るかもしれない。より以上に日本自体も、これは困る問題ではないかと思う。そういうような立場の上に立つならば、政治問題としてこれを取り扱うことなく、ほんとうに日本の水産の、あるいはもっと大きく国際漁場における資源の保護、維持という面から、真剣になって考えていかなければならぬのじゃないか、こういうふうに私は思う。そうするとおのずからそこに、政府として当然打つべき手が出てくると私は考える。そうした一歩前進された形をとることなしに、単にこれは一方的な見解である、意見であるというようなことで放任しておいて、そのままでほおかむりをするということは、私は少くとも今後とも国際漁業を志す日本の政府としては、とるべき方策ではないと思う。この点はどういうふうにお考えになりますか。
○河野国務大臣 御意見全く同感でございます。現にオットセイに関する会議をワシントンにおいて四国の間に開いておりまするのも、そういう意味合いからやっておるのでございまして、われわれといたしましても欣然参加をいたしまして、できるだけ協調的な態度を示しております。しかし遺憾ながら双方の意見に非常に食い違いがあるので、わが方もソ連側の言う通りに譲ることができませんので、長期にわたって折衝を続けておるのでございますが、なかなか所期の目的を達することができません。この鮭鱒につきましても、当然私はそういう時期のくることを信じております。ただ、今お話のように、その指導性をわが国においてとってこれをやるべきかどうかという問題になると思うのであります。そこで、ロンドン会議の成否は別でございます。別でございますが、これがうまく解決すれば、それに続いて当然そういうことは出てくるでございましょうし、これがまとまらぬにしても、日米加三国の間において年々会議を開いておるのでございますから、これにソ連の参加を求めてやるということも、むろん出てくると私は思うのでございます。ただ私が申し上げましたのは、先のソ連の声明はわれわれの方の考えとあまりにも違う。われわれの方は、ソ連の言われるようにそんなに乱獲をしておるのじゃないということを考えております。戦前にはあれだけ長期にわたって、あれだけの漁獲を続けて参ったものでございますから、この事実を参考にいたしまして、その後ソ連側においてどの程度の漁獲をしておるかという詳報を持っておりませんけれども、これらと思い合わせて考えることだろうと考えますので、当然遠からぬ将来にその時期がくることを私信じておりますが、しからば今それをわが方から緊急に提案しなければならぬかどうかということについては、まだその時期ではないというふうに考えます。しかしこれを他の適当な国から招請があれば、喜んで参加しなければいけない、これは決して拒否すべき問題じゃない、しかしわれわれの方からこれを今提唱する時期かといえば、その時期ではないというふうに考えております。それは決して政治問題ではございませんが、ロンドン会議の結果もありましょうし、その他米加との関係もございましょうししますので、日本としましてはその中間にありまする関係から、いずれこれら四国の間に相談をすべき問題と考えますので、これらの関係等をにらみ合わせて、他の適当な国からそういうお話があれば、われわれ喜んでこれに参加すべきものであろうというふうに考えております。
○赤路委員 この問題はこれ以上深く突っ込んでは申しません。なお突っ込むとするなれば、いろいろ資料上の問題その他の問題が出て参りましょうから突っ込みませんが、今その時期でないというお言葉、これも一応私肯定いたしておきましょう。大臣と申しますか政府が、今ロンドン会議をやっておる過程にあるのですから、それも肯定いたしますが、少くとも積極性を持った考え方を基本的に置いておいていただきたい。これは予算を見てもらったらわかります。あそこの資源調査を一生懸命やってるんだというようなことは、この予算措置では言えません。その点だけ一つお考えの中に入れておいていただきたいということと、それからこれはやはり重大な問題でありますから、かりにアカデミーの諸君がやるというなら、むしろ政府はこれを強力にやらしめるような方向へ持っていく、民間の諸君が会って話し合うということなら、やはりまた政府は、それも一つの方法として積極的に——積極性はなくともいいが、少くとも少しはこの事態をよく見通した形において、これに対して協力するという態勢をとっていただきたい。このことだけを御希望申し上げておきます。 それから次に私はもう一点お聞きしたいし、大臣にぜひお聞き願わなければならない点を申し上げますが、この前芳賀委員の質問に大臣が御答弁になったのですが、芳賀委員は当時、アイゼンハワー大統領の農業教書を持ち出して大臣にお尋ねしたことがあった。大臣は、そういうことは当然のことであって、日本の歴代の農林大臣はやっておる。河野農林大臣も当然その範疇の中に入ると思いますので、私は非常に敬意を表したものでありますが、そこでぜひ一つ、この芳賀委員におっしゃったような、やっておるということをぜひおやり願いたいと思って、大臣にお願いするわけですが、その前に少しおわかりでない点があると思いますから、説明を申し上げます。 御承知と思いますが、これは長官もおられますが、一九四六年の十月から一九五二年の八月十八日に至る間に、アルゼンチン、チリー、ペルー、エクアドル、ホンジュラス等南米の諸国が、自己の隣接する公海、大陸だなに対する主権宣言をしたことがございます。これはもう御承知だと思います。その結果、米国の漁船が操業することに対して、これらの国から干渉が行われ、拿捕事件が起ったのであります。この拿捕事件が起ったときに、米国政府は一九五四年八月二十七日に次のような規定をいたしております。「米国旗を掲げた船が米国の認めない領海すなわち公海上で、前記の主張に基き、外国により拿捕された場合及び船及び乗組員を釈放してもらうための罰金を支払わねばならぬ場合、国務長官の証明により財務省は所有者に賠償することを規定する。」こういうような規定がアメリカにおいてなされておる。 日本政府は李承晩ラインを認めておりません。また大臣もお認めにならないと思います。公海上において日本の国旗を掲げて操業をし、あるいは航海をしておる船が拿捕されたというのが今までのケースにあるわけであります。農民のためにアイゼンハワー大統領以上に温情と熱意を持っておいでになる農林大臣は、この漁民の実態についてどういうふうに処置されようといたしますか。日本国旗を掲げて拿捕された船——アメリカでは、アメリカの国旗を掲げて、アメリカ政府が認めない、公海において拿捕されたものに対してはちゃんと補償している。アイゼンハワー以上の温情を持っておる大臣の御答弁を承わりたい。
○河野国務大臣 御承知の通りわが国におきましても、李承晩ラインの問題から不当な拿捕干渉を受けましたものにつきましては、皆様の御協力によりまして、わが財政上の許す範囲におきまして、最大限の施策はしておると私は思うのでございます。決してこれに遅滞のないように、あるいは遺憾の点がないように、皆様の御要望もございますし、政府といたしましてもできるだけのことをしているということは御了承願えると思います。これは国の貧富その他によって多少の違いはございます。しかしわが国におきまして、これについては十二分の努力をいたしておるということは御了解願えるのじゃなかろうかと思うのでございます。
○赤路委員 しごく簡単に答弁をされましたが、一応それで了承いたします。できるだけのことをやっていただきたいと思います。こういうような処置をとっておるということを私は提示したのですから、可能な範囲の救済措置はとっていただきたい。 一言ここで大臣にお願いしておきたいことは、この前のビキニ水爆の七億二千万円のことですが、あれに課税しておりますね。これは御承知でしょう。
○河野国務大臣 これは実質上は課税をしないということになっておるように私は承知しております。
○赤路委員 今のは変な答弁ですね。実質上ではなしに、これはいろいろと段階をとっていますが、所得として課税している。大臣は当面の所管大臣として十分一つお考え願いたい。
○河野国務大臣 これは国税庁とも厳重に話をいたしまして、私は国税庁長官からじきじきに話を聞いておりますから、今申したように申したのでございまして、それは実際に税金のかからないように、現行税法にいろいろ規定がございますから、——要するにこれをもらって税金を払った人はおそらくないだろうと思います。
○赤路委員 それはそういうふうにはっきりと確認してよろしゅうございますか、この七億二千万円に対しては絶対かからないと確認していいですか、それだけです。
○河野国務大臣 七億二千万円に対して所得税はかからぬという答弁はできないのであります。かからぬという答弁はできませんが、しかしそれは大蔵省とわれわれの方との話し合い、もしくは当業者の方々との話し合いで実質上は税金をお払いになる人はないということになると確信しております。
○赤路委員 大臣の答弁はおかしいですよ。七億二千万円に実質上はかからないようにとおっしゃるが、七億二千万円にかからないようにしてもらわなければ困る。困るものを取るというならやらずぶったくりです。これはならず者のすることです。当然政府が補償すべきものを補償しないで、七億二千万円をおっぱなしておる、そのおっぱなしておる七億二千万円にこれは所得なりとして税をかけるということは言語道断です。そういう事実があるから、大臣はその点で所管大臣なんだから、十分腹を据えて大蔵大臣と交渉していただきたい、これだけです。
○河野国務大臣 十分腹を据えて交渉してございますから、だれか税金を取られた人があったならば一つ私のところにお示し願いたい。この七億二千万円を分けて、分けた金のうちで漁業者で税金を取られた人がありましたら、私のところに申し出ていただきますれば私のところで交渉いたします。
○村松委員長 稲富稜人君。
○稲富委員 私は農政の基本的な問題につきまして二、三お尋ねしたいと思います。時間もあまりないようでございますので、私は簡略にお尋ねいたします。特に私は、大臣の答弁に対して言葉じりをとろうという考えはございませんので、将来の日本の農政をどうするかということを十分話し合うというような立場でお尋ねしたいと思うのであります。 私最初に大臣にお尋ねいたしたいと思いますことは、大臣の最近の日本農政に対する考え方等に対しましては、大体施政方針の演説でも承わっておりますし、先般の答弁等でも私たちは承知をいたしております。ただ私は、今日の日本の農政というものが非常に重大な危機に遭遇していると考えておるのでございますが、大臣の御意見の発表等を見ますると、その点私たちの考えといささか開きがあるような感もいたしますので、現在の日本の農業及び将来の農業に対して、私は今申し上げますように非常に危機が到来しておると思っておりますが、これに対して大臣はどういうふうにお考えになっておるか、まずこの点を承わりたいと思うのであります。
○河野国務大臣 私全く同感であります。
○稲富委員 大臣も日本農業に危機が来ているということは同感だとおっしゃいます。それならば、その原因はどこにあるという見当をおつけになっているのですか、その点承わりたい。
○河野国務大臣 生産条件がすべて悪い、農民の置かれておりまする立場がすべて恵まれていないということでございます。
○稲富委員 私は今日日本の農業が非常に危険性があるということは、ただ大臣のおっしゃったような国内的な生産条件が恵まれていないということに起因するのではなくして、もっと国際的な大きな影響がある。ここに日本農業の危機が非常にあると私は思っておる。大臣の施政方針の演説のときもいささかそのことは言われているのであって、私たちが今日日本農業が非常に危険性があるということは、すなわち国際的な農業下において日本農業が圧迫を受ける。ここに大きな日本農業の危機がある、ここに大きな原因があると私たちは考えるのでございますが、これに対して大臣はどういうお考えを持っているか承わりたい。
○河野国務大臣 同感でございます。
○稲富委員 同感ということになりますと張り合いがない話でありますが、しからばそこに日本農業の危機があるとするならば、その危機を除去することが日本の農政でなければいけないと思う。その点でございます。今日の日本農業というものが世界の過剰農産物の影響によって圧縮される。これをいかにして圧縮されないような農政をやるかということに、日本農業の今日危機を脱しようという基本的なものがあらなければいけないと思うのであります。その点を私はまず承わって、さらに今日の予算等の問題に対しても承わりたいと思うのでありますが、その点を大臣は単なる同感というようなことではなくして、もっと具体的に、どういうお考えを持っているか承わりたいと思うのであります。
○河野国務大臣 簡単にお答えをするために簡単に申したのでございます。稲富さんのおっしゃることは、すべて私はその通りと考えておるのでございます。その通りと考えた結果施策を講じておるのであります。
○稲富委員 そうしますると、この日本農業が圧迫されているわけで、要は私は、日本の農業が圧迫されないようにするためには、常にあなたのおっしゃるような日本の食糧の自給度を増大するということも一つの方法でなければならないと思う。これはあなたがいつも言われることなんだ。ところが現に、これはもう御承知の通り、余剰農産物を日本が受け入れることになって、すなわちMSA協定以来日本が余剰農産物を受け入れることになって、日本の農林予算というものが大幅に削減されておる。これはあなたの前の保利農林大臣の二十九年度から顕著に現われてきておるのでありますが、これをあなたも今日踏襲した予算編成によって、年々日本の農林予算というものが削減されているという結果になってきている。これは今大臣がおっしゃいますように、ほんとうに日本農業が危機であって、この日本農業の危機を何とか脱しなければいけないというならば、私はそういうような予算編成方針で果して日本農業がほんとうに立ち上ることができるか、ますますそれに拍車を加えておるというのが今日の予算編成の方針ではないかと思う。ここに口では同感である、同じ意見だとおっしゃいますけれども、予算上においては決して具体的にこれが現われていないということを私は最も遺憾に思う。これに対して大臣はどうお考えになって予算編成に当られたか、その点承わりたい。
○河野国務大臣 そこまでは同じだったけれども、今のお話になると多少違うのであります。私は考えますのに、先ほど生産条件等と申し上げたのでありますが、第一は農村の与えられましたる生産条件において努力が過剰である、人口が多いということが言えると思うのであります。この耕地を利用して営農いたして参りまする場合に、今申されまするような食糧の増産を意図いたしまして、農家経営を維持していくということであれば、そこに私は非常な危機があると思う。たとえば外国の豊富な食糧が日本の食糧を圧迫する、それが日本農民の圧迫になる、私はそうならぬと思う。なぜならば食糧につきましては完全に政府は輸入を管理いたしております。でございますから必要以上のものは買って参りません。でございますから政府が外国食糧を管理いたしております以上は、外国食糧の圧迫がないということは言い切ることができると思うのであります。ただし外国の食糧がどんどん低落いたして参ります際に、外国の労働者の食糧と、日本の労働者諸君の食糧との間に価格差があまり出て参りますと、日本の労働者諸君を圧迫することになる。これは日本の国民生活を圧迫することになりますから、この圧迫はひいては食糧管理もしくは日本の主食に対して、農業の生産者価格に対して——そこに稲富さんは二重価格を提唱せられますが、わが国の財政が果してこの二重価格にどの程度たえることができるかという問題が起って参り、ひいてはその結果、これが農村を圧迫する場合が起りやしないかと思います。ただここに、今農林省予算、しいて申せば土地改良費その他が、従来のように急激な膨脹をしていけないという点についてのお話だと思うのであります。確かにそういう理由なしとは私決して申しません。ふやすことは必要であります。必要でありますけれども、土地改良の予算が減ったから、もしくはふえないから、これによって非常に大きな打撃を与えておるというわけには参らぬだろうと思うのでありまして、これはもちろんふえる方がよろしい、ふやさなければいけない。そこで私は先般来申し上げますように、自給度を向上するということは必要であります。要は生産費を低下するということが一番今日の農村に必要であって、いかにして農業生産費、主食その他の食糧の生産費を引き下げていくかということが、基本的な日本農業に課せられたる宿題である。これを解決しなければいけない。これを解決するために土地改良をして、反当収獲量を引き上げて、そして生産費を下げる、ないしは耕作地面を広くして農業規模を拡大して、生産費を引き下げるというような方面においては、いやしくもこれは看過してはいけないと思いますが、しかしこれもたびたび申すことでございますけれども、生産条件の悪いところに主食の生産を計画いたしまして、生産費の高くなるような要因を作るということは、必ずしもとるべき態度ではないというふうに考えておるのでありまして、土地改良費が少くなったということが正しい行き方である、これはいいことであるというふうには私は絶対に考えておりませんが、さればと申して、これだけが日本農業に対して非常な圧迫を加えておるというものではなかろうと思うのであります。これはあくまでも今日の農家に対してましては、農家の販売価格を十分に考慮いたしまして、いやしくも米麦その他主食の農村の販売価格は、生産費を補えるようにしていくということに重点があるというふうに考えるのでございまして、今お話になりました点は決して頭から反対するものではございませんけれども、それだけをもって私は要因と考えておるのではないということを御了承いただきたいと思います。
○稲富委員 今の大臣の御説明を承わりますと、それでは国際的な食糧が日本の食糧よりも安いときには、食糧というものは外国食糧依存の方式をとった方がいい、こういう結論のように承わるのでございますが、そうじゃないのですか。
○河野国務大臣 そういうふうに申し上げたのではないのでありまして、食糧の自給度を向上していくということは、先ほど申し上げましたように、たとえば農業経営の規模を拡大していけば、これによって生産費は下ります。問題は生産費を下げるということが、農家経済を安定する一番のゆえんでございます。そういう意味において土地改良も必要であります。土地改良をすることによって、反当収獲量を増すということも必要であります。そういうことによって国内の自給度を増すということと、生産費が下るということと一致する場合には、ぜひやらなければいけないことであります。しかし自給度を向上する意味合いにおいて、生産費の高いところでも、あえてこれをやらなければいけないかということになりますと、多少の考慮しなければならぬ点があるというのでございます。外国食糧が下れば、外国食糧でいいじゃないかというのではない。私は先ほど申し上げた通りに、外国食糧につきましてはあくまでもこれは管理いたしまして、そして向うが下ったからといって直ちにこれを、とって、もってわが国の食糧を圧迫するという政策はとるべきべきじゃない。現に明年度の食管特別会計におきましても、外国食糧の差益金をもって内地の食糧の一部に二百億程度のものを充てておりますのもそのためでありまして、外国食糧が下ったからどんどんそれを買って、内地の食糧はほっておいてよろしいというふうには考えないのであります。
○稲富委員 もちろん農業対策として生産費を下げることも——これはあとでまた聞きますけれども、下げることもけっこうであります。それから土地改良等によって増産をやることもいい。ところがさらに私たちは、やはり日本の食糧対策というものはできるだけ日本の食糧の自給態勢によって、一日も早く国外からの食糧を日本に輸入せぬでもいいような態勢に持っていくことが最も必要だと思うのです。これに対しては、この間の質問等に対しても、できるだけそういう方向に持っている。そうおっしゃってはいるが、予算書を見るとそれが現われていない。もっと増産対策について積極性がなければいけないと思うのですが、このおっしゃることと予算面に現われていることが合致しない点を私たちは遺憾に思うので、この点を大臣はどう思っているか、率直に伺いたい。
○河野国務大臣 先般来申し上げました通りに食糧の自給度を向上するという一つの宿命がある。それと別途農家経済を確立し、安定せしめるということも第一義的にむしろ考えなければならぬ問題だと私は思う。でありますから、その意味において、農家経済を安定させる営農形態をここで確立して参るということが別にあって、この二つのものをどう調整していくかというところに今後の農政の基本があるだろう、こう申し上げておるのであります。でありますから、私は明年度予算におきましても、従来よりも土地改良その他の点を軽く考えましてその費用を削って営農の方面に回すというふうには考えませんけれども、一面土地改良その他の費用を——これはあまり多くなっておりませんからお小言をちょうだいするかもしれませんが、現状維持、もしくは多少これを増加する程度でありますけれども、それはそれで考えつつ、今申し上げますように営農の改善に資していきたい、こう考えております。
○稲富委員 大臣は実にりっぱなことをおっしゃっております。食糧増産対策につきまして、それほど大臣が思っておられるのならば、もっと積極性がなければいけない。ところが予算面において積極性がないということを私は大臣に言うているのです。なぜそういうような結果になったか。大臣がおっしゃっていることを事実ほとんうに政治上に現わすならば、予算面において現わしてもらわなければいけない。そほれど熱意を持っていながら、実際に予算面に現われていなかったというのはどこに原因があるかということをあなたに承わりたい。
○河野国務大臣 それは先ほど来ひたすら陳弁いたしておりますように、漁港の修築にいたしましても必要性は十分私は考えております。その他各般の農政におきまして、金さえあればもっとやらなければいかぬところはたくさんございますけれども、いずれも思うばかりでこれがなかなか実行できませんのは、御承知の通り予算編成の基本方針といたしまして、今一兆三百億、四百億程度の予算でやっております。これは一兆三百億、四百億と申しましても、人口の増加に伴う当然増の経費が大体三、四百億かかります。そういう現状でございますので、この方面に十分予算の措置が回りませんことははなはだ遺憾でございますが、乏しき中においてこれを均分してやって参るということでございますから、今稲富さんのお話のように、そういう考えならもっとちゃんとやったらいいじゃないかということは、私もやりたい気持は少しも変りませんけれども、思うにまかせない点ははなはだ遺憾であります。いずれ国の財政に余力でも出て参りましたら、そのときはぜひやらなければならぬ、かように考えております。
○稲富委員 そうしますと、大臣は本年度の予算というものは遺憾だとおっしゃっておるので、おそらくあなたの御意思に十分沿わない予算が編成されたことは、あなたの御説明で了解ができました。そこで私のお聞きしたいのは、あなたは農林大臣として予算を編成したかったのでありましょうが、鳩山内閣全体の予算編成として、あなたは外国食糧に依存しようという気持はお持ちにならないかもしれないが、鳩山内閣としての大きな政治的な立場から、やはり食糧というものは外国食糧に依存した方がよいのじゃないかということで一本になって、しこうしてその予算編成があなたの意に沿わないような予算編成になったのだというように私は考えるわけです。あなたの立場は非常にお気の毒でありますけれども、結果はそういう結果になってきておる。これを農林大臣はどう思われるか。
○河野国務大臣 それは全然違うのでありまして、鳩山内閣として外国食糧に依存していこうというような方針を持っておるのではない。結果がそういう結果になるというのであって、これはなるべく自給度を高めてそれを除去して参るというのが方針でございます。これは五ヵ年計画にも示してある通りでございますが、何分一面におきまして人口増加もありましょうし、いろいろな条件もございますので、なかなかそうそういうことになりませんでしょうけれども、最小限度において、人口は増加しても外国の食糧の輸入は増加せぬようにしていこうというところに目標を立ててやっておるわけであります。
○稲富委員 あなたの答弁では鳩山内閣にはそういう方針はないとおっしゃいますが、現在の内閣の最も実力者といわれておるあなたが、農林予算の編成に対して遺憾だという意思を表されておる。もしもあなたに外国食糧に依存するという具体的な考えがなかったとするならば、やはり鳩山内閣の一角に農業対策を軽んずるような傾向があった結果、あなたの意に沿わないような、遺憾の意を表さなければならないような予算編成がなされたのだ、こういうことはいなめないだろうと私は思います。別にあなたを追及しようとするのではないが、その事実があるならば、率直におっしゃって下さることが日本の将来のために私はよいと思います。その点を一つ率直に御答弁いただききたいと思います。
○河野国務大臣 今日の農村の現状から見まして、農業政策を軽んじてよろしいというようなことを考える人は、おそらくこの国会に籍を持っておられる人には一人もなかろうと思います。鳩山内閣においてもまたそういう意見を持っておる者は一人もございません。この点は先ほど申し上げました通り、予算総額におきましては一兆三、四百億になっておりますが、これは当然増がそういう数字になりますので、結果は農林予算におきましても昨年よりもわずかふやしておりますが、そう思い切って増額することもできなかった。このふえた数字を見ましても、決して私は農林予算を軽んじておるということになっていないことを御了解願いたいと思うのであります。
○稲富委員 その点をあなたの方でも弁解されますが、これは水かけ論みたいになるのでありますが、もちろん農林予算、農村を軽んずるというようなことがあったらとんだことになるので、言葉には軽んずる精神はないとおっしゃるでしょう。しかしながら、実際の予算上に現われておる結果から見ると、農林関係が軽んぜられたという事実は否定することができない。現に二十八年度から二十九年度においてはNSA協定による余剰農産物を受け入れておる。二十八年度から二十九年度にかけては、この農林関係の予算が百五十四億円減額になっておることは事実です。さらに二十九年度から三十年度においてはまた減額されておる。こういうように余剰農産物を受け入れることが積極化してから農林予算というものが現実に年々減額してきておるという事実は、そういうような農政を軽んずるというような意味ではなかったとおっしゃるかもしれないが、実際上は結果になってこういうように現われてきておる。ここに日本の農業というものがこの余剰農産物に対して少からず圧迫を受けているという事実がここに現われてきているということを、事実として否定できないと思う。言葉のあやとしてはそういうことはないとおっしゃるかもしれないでしょう。こういう点をわれわれはどうしなければならないかを考えるからお尋ねするのであって、私はこの点は何も言葉じりをとろうというのではありません。実際、事実上予算面に現われてきておる。これで果して日本の将来の農業対策というものがいいのか、この点を、私はあなたの腹を聞くために承わっておるのです。この事実をどうお考えになるのかということなのです。
○河野国務大臣 これは稲富さんにも少しお考え願いたいと思うのですが、余剰農産物、余剰農産物というような言葉をお使いになりますけれども、外国から輸入いたします全体の食糧の中で余剰農産物の食糧はわずかなものでございます。そうしてみれば、食糧を輸入するということで御議論をなさるならば私もそれでいろいろ話がありますけれども、その中の、余剰農産物を入れるからそれによってこうだろう、ああだろうということではないと思うのです。これは食糧の輸入の問題が今言うようなことだろうということで御推測になって一つ議論をするということにいたしませんと——余剰農産物ということになると、私も余剰農産物はそうじゃありませんというふうに簡単にお答えすることになりますから、一つそういうことに議論の根拠を持っていきたいと思うのであります。 そこで私も考えますのに、確かに一面においては、従来国際的に食糧の足りなかったとき、いかに輸入しようとしても物がなかったとき、それからどういう米でも、どんなものでも集めてきてでも食わなければいけなかったとき、その緊急度の、非常に緊迫感を持っておったときと、それから今日のように、外国から十分なる、低廉な食糧が取り入れられるようになってきたとき、そのときとは、おのずから予算を編成する人の考え方に多少の違いがあるということは、これはあり得ることだと私は思います。さればというて、それがあるから土地改良をしなくてよろしいという議論にはなりません。それがあるからしなくてよろしいというのではないのであって、そのようなものが求めれば求められるのであるから、明年やらなければならぬものを二年間でやろうじゃないか、三年でやるものを五年でやろうじゃないかという気持になることは、これは私は予算編成上、やはり忙しいものから先にやれ、まず第一に緊急なものからやれということになるだろうと思います。そういうことが、災害がなかったから災害のないときに、まず二十八年九年の災害はこれを一つ、もう当然今年度あたり全部できるようにしておかなければいかぬ、またことしの災害に備えて万一支障があってはいかぬということになるものを、まあこっちの方の社会政策の点、もしくは医療体系の点が忙しいから、その方に一つ重点を置いてやろうじゃないかというようなときに、その方に金を回すというようなことは、これは予算編成上多少考えることがあるかもしれないと思います。そういうことはあるかもしれないと思いますが、今おっしゃいますように、農村問題を軽んじて、そうして食糧増産はもう必要がないという気持でこれを減らしたというようなことは、これは絶対ないことでございまして、あくまでも食糧の自給度を高めつつ、しこうして農家経営を安定さすというこの二大眼目に向って農業政策が推進せられておるというこの現実の事実は、私は何人も否定する人はなかろうし、これに反対する人もなかろうし、これを軽んずる気持の人はないと確信いたします。私も自分で及ばずながら、微力ではございますが、この地位にありまする以上は、この点に向って精進して参るつもりであります。
○稲富委員 それで、現在世界の国際情勢というものが非常な農産物の過剰状態にある。この事実はわかっているのであって、やはりこれはあなたも今否定されていない。そういうような国際情勢下において、日本の割に効果の少い農村に対するいろいろな金を投資することよりも、いざとなった場合は安易な外国食糧に求めた方がいいんじゃないかというような、予算編成上にやはりこういうような一つの考え方が浮んだであろうことはこれはだれしも否定できないとおっしゃっている。日本の食糧政策の百年の大計を立てなくちゃいけない場合に、そういうような一時的な現象によって安易な政策をやっていくというような考え方を持つことは誤まりじゃないか、この点を私たちは非常に遺憾に思うのであって、もしそういうような事情であるならば、私たちはあらためて、日本の農業政策というものはやはり食糧の自給態勢に持っていくように転換する必要があると思うが、その点どうか、お聞きしているわけです。
○河野国務大臣 その点は、わが党におきましても、わが鳩山内閣におきましても、五ヶ年計画を立てまして、五年間の目標はちゃんときめております。ただ初年度におきましては、今私が申し上げましたように、他に予算の面において緊急なものがありますために多少ずれておるものがございますけれども、五年間の目標としてはちゃんと——今稲富さんのおっしゃるように不十分かもしれませんが、わが党はわが党としての施策を十分にきめて、そうして五年の後には、われわれは農業政策の上において、かくかくしかじかに拡充して参りますということを約束しておるわけでございます。これは先ほど申し上げましたように、その緊急の度によって、その年その年から見れば多少の軽重があるかもしれません。あるかもしれませんが、目標としてはきちっときめてありますから、その到達点におきましては、期待するような結果が出ることを私は信じて疑いません。
○稲富委員 計画はだれでもできることなんで、計画なさっていることに対して、それが実際上、あなたは政府の方でございますから、与党でこれを計画してそれが予算に載らなかったというなら、これは文句の言うところはないでしょう。ほんとうに熱意があるならば、予算に組むということが計画に忠実なゆえんなんです。予算において不十分だということは、計画に対して非常に不忠実なゆえんであって、そういうことに対して私たちは遺憾の意を表しておる。この問題をいろいろ議論しましても、あなたは、計画しているが、ただ予算に現われなかったのは、ほかの方に緊急な問題があったからで、非常に遺憾である、こればかりでは議論しても同じことと思いますので、私はその点は実に遺憾だという意思を表示しまして、さらに次の問題に移りたいと思うのであります。 先刻農林大臣は、生産費を安くすることは必要だとおっしゃっている。もっともです。ところが生産費を安くするためには、これもやはり生産費を安くするような方途をとらなければいけない。これに対しましては、従来ありました補助等も一つの方法だと思う。具体的に申し上げますならば、たとえば従来農村に対して病虫害防除費の補助をやっておった。ところがこれがあなたが農林大臣になられましてからは、予算面から影をひそめている。ほんとうに農民の負担を少くして、農業経済をよくしなくちゃいけないというならば、こういうような問題に対しましては、従来のように、もっともっと積極的に補助をやることが必要じゃないかと思う。あなたの農林大臣前まではあったのでございます。ところが、あなたが農林大臣になって予算を編成されるようになってから、これは影をひそめておるように私たちは見るのでございますが、この点はどうもあなたのおっしゃることと予算上に現われる事実とは合致してないように思うのでございますが、これは大臣、どうお考えになっておるか、承わりたい。
○河野国務大臣 生産費を下げるということと生産費の一部を政府が持つということとは別だと思うのであります。生産費を下げるということは、生産費が下がらなければいかぬのであって、その一部を政府が負担したのでは、生産費を下げるということにはならないと思うのであります。ただいま農薬についてお話でございますが、農薬のごときは当然これは生産上の条件でございます。従って、こういうりっぱな農薬があるからこれを使ってみんか。初めてのことであるから政府が奨励費を出して、その農薬が有効適切なものであるということを農民諸君が十分お考えになりましたならば、そのあとは当然自分の負担においておやりになることが正しい行き方だと私は思うのであります。ただし、それであるからもう補助はしなくてもよろしいかというと、そうじゃない。新しいものに対してまた別に考えて、こういういいものがあるから、この方面もやらなければならぬ、この方面をやらんかということで、順に新しく変ってくるべきものだというふうに考えますので、私は、今申しますように補助を打ち切ってしまうということを申しておるのではないのであります。
○石田(宥)委員 関連して。農薬の補助の問題について、昨年から農薬補助を全面的に廃止された。そのときに大臣は、昨年予算編成に当って、病害虫の異常発生に対しては別途に予備金等から支出をする、こういう言明をした。しかるに昨年は数十年来かつてなかったようなウンカ、ツマグロヨコバイ等の異常発生を見た。それに対して農林省は二億幾らという計数を出して、これは補助すべきであるという結論を事務当局は出したはずなんです。これに対して農林大臣は、一体これを知っておるのか知っていないのか、いまだにそれに対しては予算措置をなされていないのだが、一体出す意思があるのかないのか。大臣はこの委員会で、異常災害に対しては出しますと確約したことなんだが、いまだにめどがついていない。一体出す用意があるのかないのか、この点について承わっておきたい。
○河野国務大臣 その点は今大蔵省と話し合っておりますが、できるだけ努力します。
○稲富委員 今の農薬の問題ですが、予算編成の場合には、農林省は大蔵省に予算要求をなさったのですかなさらないのですか、その点承わっておきたい。
○河野国務大臣 農薬の補助は今のような点もありますので、事務的に一応そういう要求をしたそうでありますが、これは予算の上におきましては削除されております。
○稲富委員 そうすると先刻の農林大臣の御答弁では、農薬のごときは当然農民が負担すべきである、国家がこれを出すべきものじやないという建前をとっていらっしゃる。農林省は予算要求の場合は、これは国家がやるべきであるということを予算編成のときに要求をされたというのですが、そこに矛盾があるのではないですか。
○河野国務大臣 矛盾はございません。私の申しましたのは、新しいものに対しては新しく農家に使用の奨励をする必要があるということを申したのでありまして、前の分については農家に行き渡りましたからそこで一応やめておるのが現状であります。近年またそういうふうな新しい農薬ができて、これを奨励した方がよろしいという場合には予算措置をしてこれをやる、こういうつもりでおります。
○稲富委員 そんな小さい話を聞くつもりでなかったのですが、あまり大臣が詭弁な答弁をするから聞きたいと思うのだが、そうすると農林省が予算編成当時大蔵省に要求されたというのは、新しい農薬をやろうと思って補助の要求をなされたのでありますか。今の大臣の御答弁を承わっていると、新しい方は、補助はやるとおっしゃる。
○河野国務大臣 農薬の補助ということも考えられますけれども、農薬を散布する器具を十分に備えつけさすことの方が農家の御要望が多いものでございますから、その方に対して補助をしていこうということに方針を変えておるわけでございます。
○稲富委員 農薬に対しては国が補助をやるべきであるという考えはさっきはないとおっしゃったけれども、やはり何かの形でもってこれは国家が助成しなければできないという考えをお持ちになっておるわけですね。そういう意味で大蔵省の方に要求されたけれども、大蔵省の方ではねられたという結果になった、こう解釈して差しつかえないのですね。
○河野国務大臣 これは予算の編成上、御承知の通り一応は事務当局は第一に予算の要求をするわけであります。それをあとから大臣が調整をするわけでございます。調整をする際に私が今申し上げたような方針でやった、こういうことでございます。
○中村(時)委員 関連して。農林大臣にお尋ねしますけれども、農機具がそれほど必要であるということになって、それに使用される農薬も同様程度のお考えをもって重大視されておるかどうか。もしそうだと仮定すれば、あなたはそのようなことをおっしゃるけれども、私はちょっと意見が違う。どういうふうに違うかというと、農機具協会なるものがあなた方の政党の中の一部を動かして、その補助金をとるためにどのくらい活動したかということは御存じですか。しかもその結果がどういうふうな現われ方をしたかということを十分御承知の上でそれをやっておるのかどうか。もしもあなたがそうでないとおっしゃるならば幾らでもその内容のお話はして上げます。
○河野国務大臣 そういう事実は全然ないと思います。
○中村(時)委員 あなたはないとおっしゃいますが、私はここで名前までは申し上げませんが、農機具協会を通じてどういう行為を行なっているかということを十分御調査の上で、それでもわからなかったら聞きにいらっしゃい教えて上げますから。
○河野国務大臣 十分調査いたします。
○稲富委員 農薬の問題は、どうも大臣もあいまいな答弁ではっきりしないのですが、最後に集約しまして農薬の問題でお聞きしたいことは、それでは昨年のよりに異常災害が発生した場合は何とか方法をとるお考えはあるのであるか、この点だけは結論として承わっておきたい。
○河野国務大臣 さようでございます。
○稲富委員 ただいま農業の基本的な問題に対していろいろお尋ねしたのでございますが、私たちの見るところ、日本の農業は確かに最近非常に後退しているというこの事実。ことにいろいろ問題になっております農村に対する補助等がだんだん減らされてきておる。もちろん補助によって農村はよくなるものじゃないとおっしゃるかしらぬけれども、やはり農村に対しては保護政策をやって、その保護を十分しながら育てていくということが必要であると思うのであります。この点は予算上から見ますと、私たちは実に遺憾に思うのであって、この点に対しては将来もっと農村対策としての積極性——河野農林大臣は非常に積極的な考えを持っていらっしゃるようで、もっと積極的な方法を立てていただきたい。積極的な方法というと、新農村建設運動があるとおっしゃるかわかりませんが、この点は私たちの考えと沿わないのでまたあとからお聞きすることにいたしますが、こういう点からつい迫られたので何とかして後退する農村対策に対して手を打ちたいというので農村団体再編成等の考えもあったんじゃないかと思う。すなわち農業団体を持っていこうというところに非常にねらいがあったと思うのであります。そこで先般来農業団体再編成の問題がずいぶんこの委員会でも問題になったので、この問題でさらにお聞きしたいと思いますが、以前農業団体再編成の問題で農民解放というものが平野三郎君の私案として発表された。これは農林大臣は自分は関係ないとおっしゃるが、私たちの知っておる範囲によりますと、これは関係がないでは通すわけには参らぬのでございますけれども、ここでこの問題をいろいろ進めたところでしかたありませんので、あなたのおっしゃるように関係がないとおっしゃるならば、一応関係がないとしてこれを据え置きます。最近朝日新聞を通じて農業会というものの農林省案というものが発表されました。これは政府としての意図であるかどうか、この点最初に承わりたい。
○河野国務大臣 それも全然違います。
○稲富委員 農林大臣はアドバルーンをお上げになるというのがなかなか評判でございまして、農民会というアドバルーンをお上げになって、それはあなたに関係ないということで、アドバルーンを上げて様子を見られた。関係がないということで、今度はまた農業会というアドバルーンを上げられた。しかもきょうの日経なんかによりますと、またこれが一歩後退だということをいっておる。アドバルーンの上げ方がだんだん細まっていく、こういうようなことで、農業に関係ある者は、細まることはけっこうなことでありますが、こういうものが出るたびにはらはらするわけです。ほんとうに農林大臣の腹はどの点にあるのか、この点本委員会を通じて承わっておきたいと思います。
○河野国務大臣 大体成案を得ておりますので、来週の初めに要綱を申し上げて御意見を拝聴いたしたいと考えております。しばらく御猶予を願いたいと思います。今の新聞に出ましたのは、全然農林省はこれを取り上げないということにいたしておりますものが、どうしたはずみか市中の新聞に漏れましたので……(「漏れたというのでは、あったのか」と呼ぶ者あり)いや全然取り上げないものを、私が取り上げないとしたものが、すでに捨てたものが新聞に載った、こういうことでございます。その経緯は別の機会に詳細申し上げてもよろしゅうございますが、これは今申すように、最も慎重にいたしておりますから、そういうものを世間に出して、また世間を誤解せしめるようなことはしたくないということで、厳重にいたしております。私がそれはとらないといって、廃案にいたしましたものが後日新聞に出た、こういうことでございます。
○村松委員長 稲富君に申し上げますが、大臣との約束の時間が経過しておりますので、簡単にお願いいたします。
○河野国務大臣 まことに申しわけありませんが、ほんとうのことを申し上げますと……。
○村松委員長 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○村松委員長 速記を始めて下さい。 では、本日の大臣に対する質疑の予定はこれで終局いたしておきます。稲富君の発言は次会に継続いたします。 —————————————
○村松委員長 次に開拓者資金融通法に関する質疑を継続いたします。石田宥全君。長官以外の方に御質問を続けていただきます。
○石田(宥)委員 農地局長に伺いますが、午前中の質疑で、見滝の開拓農場の問題で、金融の問題は私が申し上げたように、保証の点がひっかかっておるという話ですけれども、市の方では市議会の議決を経ておるわけでありますし、さらに開拓前の原野の評価と開拓後の評価では、評価の基準が変ってくると思いますので、この点については、なおお調べの上に、融資については特段の御配慮をお願いしたいと思います。 そこで次に伺いたいことは、全国各地における——今度の公団によるものは別でありますけれども、一般の小規模の開拓事業は、先刻申しましたような千葉県の稲毛にあります開拓公社が請負のような形でこれを行なっておるようでありますが、開拓公社は株式会社ということになっておりますけれども、その内容は農地局との特別な開通のもとに事業を行なっておるようであります。そこでお尋ねいたしたいことは、開拓公社というものはどういう性格で、どういう構成で、どういう規模で事業をやっておるか、この点を一つお伺いしたい。
○小倉政府委員 開墾作業につきましては、国が一部補助をいたします。一部は自家の労力でやっております。従って建前としましては、機械開墾で会社に請け負わせてやるということは、むしろどちらかというと、例は少いと思います。しかしそういうことをやって開墾作業を開拓農協等で請け負ってやっておる会社も若干あるようであります。正確な数字はありませんけれども、若干ございます。 それから今お尋ねの千葉県の開拓公社でございますが、これは建設機械を数十台持っておりまして、資本金はたしか一千万円でございます。そういった普通の民間会社でございます。農林省との特別の関係と申しますと、特にはございませんけれども、国有の建設機械が農林省にございます。そういうものを一部貸し付けるということはやっておるようであります。
○石田(宥)委員 特別な関係はないが、開拓用の機械の貸付をしておる、こういうお話ですが、ブルドーザーなどの貸付はどういう条件で貸付をしておられますか。
○小倉政府委員 国有の機械を貸し付けますのは、国営事業を請け負う建設業者でございますとか、あるいは府県でございますとか、あるいは土地改良あるいは開拓農協といったようなものが主になっております。国営事業に従事している請負業者に貸す場合とそうでない場合とでは条件が違うのでございます。国営事業の場合は貸付料を請負の金額から差し引く、貸付料に相当するものを差し引いて貸し付けるということで、貸付料をとるということにはなっておりませんが、その他のものについては貸付料をとっておるのであります。大体そういうことになっております。
○石田(宥)委員 開拓公社の場合は、機械は四十台くらいは自分のものを持っておる、農林省からはどの程度の台数を貸しておられるか。それから国、県営の場合の条件と、営利団体である開拓公社に対しての貸付の条件とを承わっておきたい。
○小倉政府委員 開拓公社に貸しております分は特殊なものでございまして、終戦後アメリカ軍が使っておりましたブルドーザーでございますとかの払い下げを国が受けたのでございます。しかし当時は、払い下げを受けたブルドーザーを動かすオペレーターがなかったのでありまして、そういうオペレーターの適格者を持っているところ、また農林省としてもそういう者の養成ということにもある程度努力いたしましたが、数社のものにそれを建設計画の仕事に協力させるということで貸付いたしておりまして、これはいわば特別の場合になっております。
○石田(宥)委員 先ほど伺いましたように、一般の国営や県営の工事に貸し付ける貸付条件と、営利団体である開拓公社に貸し付ける貸付条件を伺っておる。どういう条件でやっておるか、それを承わりたい。
○小倉政府委員 先ほど申しましたように、国営の場合については貸付料というものをとらずに、それに相当するものを請負の金額から差し引いております。その他のものについては、しかるべく貸付料をとるということになっております。貸付料につきましては、これは償却といったようなものをおもに見まして、また修理といったようなことも考慮してきめておりまして、その間に特別の差異はございませんが、今申しました開拓公社の分は、何しろいわば中古品と申しますか払い下げ品で、価格もたしか安かったと思いますので、比較的割安になっておろうかと思います。
○石田(宥)委員 償却や修理の関係もございましょうけれども、四十台もあればその中には相当修理を施したりいろいろやっている面もあると思いますけれども、たとえば一時間幾らとか一日幾らとか一ヵ月幾らとか、何かそういう標準があると思うのです。一体それはどういう標準で貸付しておられるかということです。
○小倉政府委員 今具体的な貸付料を決定する場合の基準と申しますか、具体的な例としての公社に対する貸付料の状況については、資料を持ち合せませんので、後刻用意いたしまして御提示するということにいたしたいと思います。
○石田(宥)委員 実はこんなこまかな点をお伺いするのも、払い下げの際に、本省がアメリカの払い下げだということで、普通の評価よりも非常に安い価格で払い下げをあっせんされたというこを承わっておるわけです。ところがそういう特別に安い機械を払い下げられて、これを今度開拓農協に貸し付ける際には、どうも妥当でないと考えられるような高い賃貸しをやっておる。私どもの調べたところでは、農林省が直接やった場合の一時間の使用料は、運転手もついて八百円から千円くらいだということを聞いているのです。ところが、午前中に私が指摘いたしました開拓農協の場合は、一時間四千円で借りておる、農林省が直接やれば八百円か千円程度で開拓ができるものを、株式会社開拓公社を通じてやった場合にその四倍ないし五倍の賃借りをしなければならないというところに私は問題があると思うから、その点を聞いておるのです。 そこでその次に伺いたいことは、これは株式会社であるから、農地局としては全然関係がないとおっしゃるかもしれませんが、これはほんとうの開拓事業だけをやっておる会社なんで、ことに農林省が特別安い機械をあっせんし、そうしてそれぞれ政府の計画に基く開拓事業に関与しておる会社なのであるが、その会社に対する指導監督というものは一体どこがこれに当っておるか、この点を一つ聞かしていただきたい。
○小倉政府委員 開拓公社は御指摘のように普通の民間会社でございますので、法律に基く特別の監督権というものは農林省にはございません。ただ建設業法がございますが、そういう関係で建設業者として、あるいは建設省所管の監督下に入っておるのかもしれませんが、その辺詳しく私存じません。農林省としては法的な監督権というものは持ちませんけれども、御指摘のように、実際問題としては関係がございますし、また機械を貸付しておるのでございますので、実質上の指導と申しますか、監督といっては言葉が固くなりますけれども、そういうことは、程度の問題はございますが、実際問題としてはできるべき性質のものであるというふうに了解していただいてけっこうだと思います。
○石田(宥)委員 そういたしますと、法的には監督権というようなものはないが、農地局関係の機械を特別にあっせんをし、また貸付をするというような関係があるから、その面について発言権は十分ある、こう考えてよろしいかどうか。
○小倉政府委員 発言権の意味のいかんによりますけれども、大体そういうような趣旨でお考えになっていただいてよろしいと思います。
○石田(宥)委員 この点はこれ以上申し上げても、肝心なところを局長は答弁されない。私はこの問題は相当重要だと思うのです。農地局が直接動かされれば四分の一か五分の一でもってできるものを、株式会社の方に機械を安い料金で貸し付けて、そうしてそこにもうけ口をこさえてやるというようなことは、今巷間に伝えられておるように、農地局のこれは一つの外郭団体であって、農林省の古手役人などを入れて、そうして特別に農林当局と連繋をとってもうけておるんだというようなことが伝えられておるので、そういうことははなはだ遺憾なことであるから、将来その機械の貸付の場合の条件とか、いろいろな点で、直接の指導監督権がないにしても、事実上やはり私が指摘するような——しかも開拓地に対して不動産等の差し押えをするというようなことは、高利貸しにもひとしい、高利貸しだって私はそんなことはやらないと思う。二月の中旬までの資金借り入れの期間というようなことであったのが、中旬になったからといって、二月の十五日にぴたっと仮差し押えをしてしまって、そして千葉の地方裁判所に対して、今正規の訴訟を提起しておる。全く高利貸しにもひとしいようなことをやっておる会社に対して、政府が特別にそれに便宜を与えるというようなことは、われわれは聞き捨てならない問題だ。ですから、この点は一つこの点できちんと今後やっていただきたい。
○小倉政府委員 実はそういう具体的な問題について、十分事情の調査が足りない点がございまして、お示しのような遺憾の点がございますれば、私どもの力の及ぶ範囲において必ず是正をするということにいたしたい、かように思っております。
○石田(宥)委員 次にもう一つ伺いたいのは、今申し上げたのは開拓公社に対する問題ですが、開拓農協に対してどういうふうな指導的な処置をなさっておるか。やはり開拓農協も農業協同組合であるから、農業協同組合としての系統機関を通じて指導をされていると思いますけれども、御承知の通り、やはり一般の農協とは全然趣きを異にしまして、これは耕地の開拓が中心なのでありますから、開拓を終った後は、一般農協と同じ取扱いでよろしいと思いますけれども、開拓の段階においては、もっと別個の計画、開拓の段階においては、もっと別個の計画、開拓の指導をなさらなければならないと思うのですが、そういう点はどういうふうにお取り扱いになっておりますか。
○小倉政府委員 開拓農協と申しましても、これはやはり農業協同組合の一種でございますので、そういう意味合いにおいては、指導機関として、たとえば中央会でございますとか、県で申しますれば協同組合所管課が、それぞれ指導をするということは十分やっていただかなければならぬのですけれども、またそういう意味において、当初は必ずしも特別の指導ということはなかったわけですが、どうもそれでは不十分であるということで、最近は開拓行政の一環といたしまして、開拓農協の指導を心要とするということで、そういう面の工夫をいたしておりまして、予算的にも普通の協同組合とは別の予算措置をわずかながら講じております。指導あるいは整備ということについて、だんだんと強化して参っているような実情であります。
○石田(宥)委員 系統農協を通じてはもちろんであるけれども、農地局としても指導はやっている、こういうことであるが、私ども午前中に指摘したように、いろいろ開拓農協を見ておりますけれども、開拓事情の指導がきわめて不徹底です。その計画などについても、県の開拓課などで当っておるけれども、これもきわめて消極的な態度のように見受けられるのです。最初に私が申しましたように、農地の開拓というものは、条件のいいところはずっと前から開拓が終っておって、戦後食糧事情や人口等の関係でやっているところは、きわめて条件の悪いところなんです。しかしながら、そういう条件の悪いところをやらなければならないという国家的な要請に基いて行われているのですが、それだけに一般農協などとはまた異なった面での計画であるとか、あるいは開発も、事情の指導も積極的にやらなければならない。にもかかわらず、きわめてこれは消極的であって、この点に大きな欠陥がありはせぬか。もう少し積極的な指導をやられるのには、これは予算の関係もあると思いますけれども、もっとこれをやっていただかなければ困る。そういう点について局長の御所見を伺っておきたい。予算の関係だけなのか。やろうと思ってもやれなのいか。また系統農協との関係などもあってやれないのか。どういうところに隘路があって積極的にやれないのか。
○小倉政府委員 予算の関係はもちろんございますが、やっぱり開拓農協の基盤が、何しろ経済力のまだしっかりしてない入植者でございますので、そういう点がおのずから反映するわけでございます。ただ協同組合だけの問題として考えますと、やはりそうたくさん入植者のおらない開拓地につきまして、一つ一つの組合が独立している。そこではりっぱな経営指導者もなかなか得にくい、また事務処理の人も得にくいということで効率が上らないというようなことが、いわば開拓農協の不振の一つの大きな原因になっております。根本の開拓自体がうまく進まぬという点につきましては、三十一年度から不振開拓地の開拓対策につきまして診断調査費用を要求いたしております。そういうものが結果がわかって参りますれば、資金の面なりあるいは建設工事の面なりについて、だんだんと必要な予算を要求して参りたい、かようなつもりでおります。また農協の中心になる人物の養成といったようなことにつきましては、これも三十一年度から新しく多少計上しているのでございますけれども、やはり何と申しましても中心の人物がしっかりしていなくちゃなりませんので、そうかといってそれをいつまでも待っているわけにも参りませんので、既存の農協の有力な指導者でありますとか、有為な事務職員を長期に開拓地に来てもらいまして、開拓地農協の実地について指導してもらう。またあまり小さなものにつきましては、具体的な実情に応じて組合の統合をはかってもらうというようなことを差しあたり来年度から実施して参りたいと考えております。
○石田(宥)委員 いろいろ隘路もありますが、もう一つ大きな隘路としては用地買収の問題があると思うのです。この点は私は非常に大きな問題だと思うので、資料も要求いたしましたところが、一応の資料も出て参っているようでありますが、四条、五条、二十条の数字上の問題だげしか出ておらないのですが、最近の農地法が全面的にほとんど空文化している。これはもう周知の事実であって、やみ小作料がどんどん横行するし、土地取り上げが集団的に行われていることは、先般の委員会において久保田委員からも指摘されておりますように、われわれの周辺においても非常にたくさん出ているのです。もちろんそれには旧地主である、かつての農政連盟、今の開放農地国家補償連盟というようなものの動きが左右していると思いますが、特に私はここで農地局長に伺いたいことは、開拓農協などが一つの開拓の計画を立てた場合に、とかく開拓の予定地に指定し計画を立てている農地が、地主団体などがこれを妨害いたしまして、遂にそれが買収不能になり、開墾不能になってしまっている。こういうことはまた至るところにあるのです。私のすぐ身辺にも実はあるのですが、新潟県の北浦原郡で笹岡村というところ、これは新農村建設計画をやって指定町村になっている。それで百六十何町歩という予定地をちゃんと作っておいて、そうして私もそれは現地を見たのですが、かつてはこれは水田であって水田の形がそっくり残っている。畑地のあぜがそっくり残っている。もうすぐそれは水田になり畑地になるところである。それでそこが買収予定地になっておったところがいつの間にやらそれを森林組合が造林計画を立てちゃった。政府が買収をして、開墾の予定にちゃんと指定してあったところが、開墾予定地であっても造林計画が立つとだめになってしまう。こういうことで予定の原野が買収できない、阻止されてしまう、そこで計画が挫折をする、中途半ばに打ってしまう、こういう点が至るところに出ておるのですが、そういうものに対しては、これは農地局と林野庁との関係もあると思いますが、一体林野庁と農地局で話し合いをされるようなことがあるかどうか。
○小倉政府委員 未墾地の買収につきましては、もちろん御趣旨のように農林省、府県の段階におきまして、林野当局とも十分打ち合せをやっております。また開拓適地の選定につきましては基準もございまするし、また特別の委員会もございまして、そういうところの審議を経て選定をいたしますので、制度としてはうまくいくはずになっておるのでございますが、現実の問題としては、これはお話のようないろいろな状況で、ことに最近になりまして買収が思わしくはかどらない、これもまた事実でございまして、否定し得ないところでございます。それだけに関係の役所の機関はより緊密な連絡をとらなければならぬというお示しもその通りだと思います。なお一つのそういうことに対する対策といたしまして、私どもの従来やっておりましたのは、ただ用地を買収して開墾をする、入植者を外から連れてくるということだけでは、どうも地元の認識が簿いということがございまするので、そういう開墾建設等を中心にしまして、その村全体がよくなるといったような計画にまで及ぼして、地元から買収の要望が出てくるようにといったような仕組みもできないかということで、先ほどもお尋ねの中にございましたけれども、そういった趣旨でやっておるのでございまして、実はいろいろ工夫はいたしておるのでございますが、なかなかむずかしい問題がだんだんとむしろ積み重なってくるような状態でございます。しかし今のところまでの経過を申しますと、大体買収の予定面積は、面積といたしましては確保ができておるのでございますが、できるだけ一そう努力いたしまして所期の目的を達成したい、かように思っております。
○石田(宥)委員 買収がうまくいかないというところの根本は、農地法を適正に守っておらないというところからきておると私は思う。先ほども申しましたように、四条五条で農地を他に転換するような場合もほとんど正規の手続を踏まないのにどんどんやっておる。二十条違反で小作地の取り上げをじゃんじゃんやっておっても、何ら取締りはやっておらない。また小作料にいたしましても、現物で、米で小作料を取っておる。われわれの地方では米の小作料を小作人はよそからやみ米を買って納めておる地方すらあるのです。そういうような事実があるのにもかかわらず、そういうような違反事実をほとんど摘発しておらない、これは取り上げておらないのです。ほとんどこれを見のがしておる。だから用地買収だって思うようにいくはずがありません。農地法というものが今日厳存する以上は、それに対する違反事実というものに対しては、やはりこれをぴしぴし取り上げて、違反行為を処断していくようでなければ用地買収がうまくいくはずがないのです。この点については、最近ほとんど農地局としても何らの処置をなさっておらないようですが、早急に違反事実に対する摘発等の措置をするお考えはございませんか。
○小倉政府委員 農林省におきまして直接に村々の違反事件を的確、すみやかに把握するということはなかなかむずかしゅうございます。しかし目立った事件については、やはり直接農林省から指示をするということも必要な場合がございますので、そういう場合には、やはりお説のように農地法を遵守するという精神でもって、厳正な処置をして参るという方針でおりますけれども、一そうそういう点は留意いたしたいと思います。
○石田(宥)委員 もう一点伺っておきたいのですが、昭和二十九年の七月ですか、農地法の改正、それに関連する法律の改正に伴いまして、政府で買収した土地を払い下げする、譲渡する場合の価格の標準が変りましたね。これで政府が買収する場合の価格と、今度譲渡する場合の価格に相当大きな開きが出て参っているわけです。これがために、これは全国各地にある問題でありますが、政府が相当中間利潤を取るような形になっている。これは局長よく御存じだと思うのですが、こういう場合に特別なケース、たとえば公共の施設である学校の敷地であるとかいうような場合には、これは政府が中間利潤を取らなければならないというりくつはないと思うので、特定の場合には買収価格でこれを譲渡するというような取扱いはできるかできないか。これは農地の場合も同じことですけれども、一つ伺っておきたいのです。
○立川説明員 農地の買収価格と未墾地の買収価格並びに売り渡し価格は、今まで合計いたしますと四度くらい改訂をいたしております。法律で政府の買収、売り渡し価格を改訂いたしますために、しょっちゅう改正をするというわけにはなかなか参りませんので、ある一定の間を置いて諸般の情勢の判断の結果きめますために、階段状になるわけであります。そこで建前といたしましては、その時々の価格が変りますために、売り渡し価格と買収する価格とは同じ標準でものを見るというために、たまたまある特定の、AならAという土地が改訂前の価格で買収されて、改訂後の新価格で売り渡されるということが出ますのは、そういう制度の建前上からやむを得ないという工合に考えております。そこで中間利潤云云というお話がございましたが、これは特別会計の全体の計算で申しますと、ある開拓地なら開拓地をとりますと、その開拓地について買収をした土地を新しい対価で売り渡しましても、そのほか開拓者の負担とせずに全然国の負担になるものがあるわけであります。たとえばその土地に幼齢林が立っており、その木は除去しなければ開拓ができない——普通の成木でありますとこれは土地の所有者に収去してもらうのでありますが、伐期に達しません幼齢木等はこれは切っても何にもならないということで、政府に補償してくれということになります。それは自作農創設の特別会計で補償いたしますが、その金額がやはり相当の額になります。いろいろそういうことで計算をいたしますと、現在のところは、特別会計といたしましては中間利潤でプラスが出るということにはなっておりません。むしろ若干将来の推移を見ますと、そういう支出の関係で赤字が出るか、あるいはとんとんという状態であります。これはいわば特定の開墾者に背負わせないで、全体の会計の中でプールされるということになっているわけであります。しかしながらある買収をされまして、価格が改訂をされる前に開墾者が一時借り受けるというような場合には、改訂後に売り渡す場合にもすでに開墾者が予定をされて、そうして借り受けをし、一時無料で使用しているわけですが、そういう場合には旧価格で売るという特例は開いておりますが、一般原則としては、買収価格と売り渡し価格はその時の価格において同じということにいたしております。 それからただいまお尋ねの公共用の施設の用地の売り渡し価格につきましては、これは国有財産の一般の管理の建前になりまして、農地の場合は特別の農地法上の価格を立てますけれども、宅地になります場合は宅地の価格を標準にして、別に鑑定委員会で評定をした価格というものが法律で定まっておるわけであります。それでそちらの方へ参ります。ただ特例の理由のあります学校というようなものは、また別に法律がございまして、その学校の敷地等のものについては、一定の割引率をかけまして、安い割引した価格で売るという法律がございますが、そういう特例法がありませんものは、一般の国有財産の売り渡しの基準に従いまして、宅地の価格を評定をしてきめるということになっておるわけでございます。
○石田(宥)委員 もう一点部長さんに承わっておきますが、宅地等になる場合は今御説明の通りであるが、たとえば部落共有の場合にこれが買収になる、それを今度個人が売り渡しを受けるというような場合は、実際は自分のものを売ったり買ったりするような形になる。その場合、わずかの法律の改訂があったので非常な差額ができる、これは非常に不合理じゃないかという声をよく聞くのですが、そういう場合、何か特例でやるわけに参らぬのですか。
○立川説明員 確かにそういう問題がございまして、いろいろ研究をいたしたのでございますが、政府部内の検討の結果は、どうも買収価格と売り渡し価格を違えるというわけに参らぬということになりまして、先ほどのすでに無償使用している人の除外例だけは、これは特に認めたのですが、それ以外のものにはどうも認められぬという結論に相なりまして、今御指摘のような場合は、人情上まことにお気の毒だという場合が出るわけでございますが、現在のところやむを得ないということになっております。
○村松委員長 小川豊明君。
○小川(豊)委員 今お尋ねしようと思った点は、大体石田委員によって明らかにされたので、それに関係のない点だけお尋ねしておきたいと思います。 住宅公団が設立されて、住宅公団は土地に対する収用をかける権限を持っているわけです。住宅公団の発足に当って、農林省の方あるいは農地局等でこの相談を受けて、この設立に参加しておりますか。何か協議を受けたことがございますか。
○小倉政府委員 法律が制定されるときには、これはもちろん関係者に相談があるわけでございまして、今のお尋ねの場合も相談がございました。ただ公団を設立するという段階になりましては、特別に相談というようなことはなかったかと思います。
○小川(豊)委員 都市の周辺、たとえば神奈川とか、埼玉とか、千葉、こういう所では土地が住宅公団の指定を受けると、ここは当然買収に応じなければならない、こういうことで農民が非常に不安を持ってきておる。農地を買収して農地を宅地にすること自体にも問題がありますが、農地で買収して、これを宅地に売っていくわけです。そういうことによってだんだん農地が住宅公団の宅地に取り上げられていくということに対して、農地局としてはどういう見解を持ち、どういう対策を立てておられますか、この点を伺いたい。
○立川説明員 ちょっと経緯を簡単に申し上げたいと思います。初め住宅公団法の原案におきましては、住宅公団が宅地を造成いたしますときには、その所は農地法をはずす、農地法の除外を規定するというような原案がございました。つまり住宅公団は自由に、農地法の規定にかかわらず宅地造成ができるということであったのでありますが、これは政府の内部でいろいろ研究をいたしまして、やはり住宅公団といえども農地法の適用はある、従って農地法の土地をつぶす許可が要りますということに現在の法律はなっております。そこでただいまお話のように、住宅公団が宅地にするからといって、そこは農民は何でも応じなくちゃならないということにはなっておりません。ただ私どもの方から申しましても、やたらに農地をつぶされるのは困りますけれども、しかし必要な土地は今の住宅問題のためには提供しなければならないということで、関係のところとも相談の上、適切な許可事務をやっておるつもりでございます。 そこで今の、農民が農地として取られて、それを住宅公団が宅地として売るという問題でございますが、その場合にもちろん農地法では農地の価格は統制しておりません。従ってかりにその農民がその土地を他に十万円で売ろうと、百万円で売ろうとそれは住宅公団とその農民との相対の話でございまして、それがつけばよろしい、こういうことでございまして、特例に統制をしておりませんものですから、農地としての価格がどうだ、宅地としての価格がどうだということにはならないと存じます。ただ繰り返して申し上げるようですが、私どもといたしましては、農地がどんどん野放図につぶれていくということについては、これはどうしても押えなければならないと思いますが、あるやむを得ざる部分につきましては宅地として提供するのもやむを得ない、こういう考えでおるわけでございます。
○小川(豊)委員 そうすると、農民がその土地を住宅公団に売ることに対して反対の場合は売らなくてもよろしい、こう解釈してもいいですか。この点はどうなんですか。
○立川説明員 これは相対の場合であります限りはけっこうでございます。ただその土地が都市計画法によって一団地の宅地造成ということになりますと、現在の土地収用法でも土地収用がはかれることになっております。従ってあの土地収用法の非常にむずかしい手続を経まして、土地収用法がそこに適用されますとやむを得ない、収用されるという運びになろうかと存じます。
○小川(豊)委員 そうすると、それは土地収用法が適用されれば、そこはやむを得ない、こういうことになると、その五十戸なり百戸なりの農民に土地を与えることは、あなたの方で心配をするわけですか。そういうことは何らなしに、それはやむを得ないとして放棄されるのか、その点はどうなんですか。
○立川説明員 そういう際に、もしその農家が新しくどこかに移転をして農業を営もうということになりますと、農林省の方で、その農民の行くべきどこか適当なところをごあっせんをせねばならぬと考えております。
○小川(豊)委員 最後に一点だけお尋ねしますが、そういうふうに農民が、その土地を放したのではあとどうにもならぬから売りたくないという者がたくさんこの近郊に出てきたような際には、それをあなたの方で守ってやるという、法規上の何らの措置もないわけですか。
○立川説明員 それはやはり一番根本になるのは農地法だと思います。農地法で、農地がつぶれます場合には政府の許可にかかわることになっておりますから、どうも不当な申請の場合にはそれで押えるということになろうかと思います。
○村松委員長 淡谷悠藏君。
○淡谷委員 畜産局長に一つお伺いいたしますが、今度ジャージーの輸入が大分大幅に行われるようですけれども、ジャージーという牛は二子を産みますか。
○渡部(伍)政府委員 たまには産みます。
○淡谷委員 実は本日御配付を受けた資料の中に、どうも二子をふんだんに産まなければ納得できないような数字があるのです。これはジャージー種の繁殖率と死亡率についての調査の必要からお願いした資料でありますが、これを見ますと、その点がどうもはっきりいたしません。私たいへん興味がある算術というふうに拝見したのでありますが、きょう配付になった畜産局畜産課の表の中に二十八年度の輸入頭数が五百五十五頭になっておりまして、生産頭数が六百六十八頭になっておりますが、これは全部が子を産みましても、二子を産まなければ数字が合わないようになっている。これはどういうわけですか。
○渡部(伍)政府委員 これは説明が不足なのであります。つまり二十八年度に五百四十八頭の貸付をしまして、その中には子をはらんだのを輸入しておるものもありましてそれが今度——三十一年一月三十一日現在までの成績表でありますから、つまり二回産んだやつがあるわけであります。その関係でそういうことになっております。ですからこれは私資料を作ったとき、これではわかりにくいぞ、もっと詳しく説明を書け、と言ってちょっと注意したのですが、そういうことであります。
○淡谷委員 そうするとこれは五百五十五頭の頭数のものが二十八年度にも二十九年度にも三十年度にも産んだ、そういう集計でございますか。
○渡部(伍)政府委員 大体ジャージーは四年三産が原則でありますので、その計算から出てきている。これは実績てありますが、平均すると大体四年三産になるわけであります。従って二回産んだやつが相当あるわけでございます。
○淡谷委員 そうしますとこれは年度を経るたびに二十八年度の生産頭数がふえていくわけですか。どうも間違いなら間違いだということをはっきり言ってくれなければ、そちらでかってにこじつけて出したのでは、今後の資料の作成上困りましょうから、納得のいく御説明をお願いいたします。
○渡部(伍)政府委員 だから説明が不十分なのでありまして、表をそのまま見れば間違ってはいないのであります。つまりこれは貸付年度の輸入頭数と貸付頭数とそれに相応する生産頭数を出してあるわけでありますから、表それ自体は間違っていないのでありますが、備考でもう少し詳しく説明をつけてお配りすればよかったわけであります。
○淡谷委員 どうも私は頭が悪いからのみ込めないのですが、二十八年度に入ったのは五百五十五頭ですね、そのうち貸しつけたのが五百四十八頭、雌が三百十六頭、雄が三百五十二頭で、普通の表ならば、この頭数はこの年度に限る頭数が出てくると思うのですが、来年この資料を求めた場合は、二十八年度はまた変っておるわけですか。
○渡部(伍)政府委員 もっと詳しく申し上げますと、生産頭数のところに内訳の欄を作りまして、二十八年度出生頭数、二十九年度出生頭数、三十年度出生頭数の内訳をつけてその合計を出せば誤解がないと思いますが、これは資料をあまり簡単にし過ぎまして御迷惑をかけておるのじゃないかと思います。
○淡谷委員 その点は了解いたしましたが、もう一つは二月二十一日にいただきました資料と三月七日付の資料が、同じ畜産局畜産課の資料でございますが、一方は二十八年度はジャージーの入荷が、五百七十五頭から十六頭減りまして五百五十九頭になっております。二十九年度は千七百六十八頭というのが十五頭減りまして千七百五十三頭となっております。最後の三十年度は二頭減りまして千三百五十四頭となっておりまして、数が合わないのです。これは足りない分は海へ落ちたのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○渡部(伍)政府委員 二月二十一日の表というのは、「最近の乳用牛輸出入現況について」という表題のものですか。
○淡谷委員 そうです。
○渡部(伍)政府委員 これはたしか入っておるわけです。こちらにあげておりますのは、貸付用として入れたジャージー、こういうことであります。従いましてその差額は種として種畜牧場等に保留しておるものであります。
○淡谷委員 それは変じゃありませんか。そうしますと、七日の表で輸入頭数と貸付頭数が違っていますね、貸付頭数と合わないのは当りまえですけれども、輸入頭数が合わない、これはなぜですか。
○渡部(伍)政府委員 これは貸し付けるやつは完全なものを貸さなければいかぬわけであります。従ってこれは家畜伝染病予防法の資料の中にジャージーの病気についての詳しい資料を差し上げておりますが、殺処分にしたもの、あるいは不妊の病気や持っておるもの、そういうものがありまして、それは試験用に回したりして貸付の対象にならないというものがこの差額であります。ですからこれは政府の負担において処置したのであります。
○淡谷委員 もっと落ちついて御答弁願いたのですが、この二つの表を比較して見ますと、さきの表では二十八年度は差し引いたあとが五百五十九頭の輸入になっております。それが今度は五百五十五頭の輸入頭数になっておるのです。貸付頭数は五百四十八頭です。貸付頭数が少くなるのはふしぎないのです、御説明でよろしいのですが、輸入頭数がすでにここで四頭不足になっております。だからこれは海へ落ちたのかどうかと聞いておるのです。これは一頭六万円でも大したものですからね。
○渡部(伍)政府委員 私の方の現実のあれを申し上げますが、要するに農家に貸し付けるやつは……。
○淡谷委員 輸入頭数が違っておるのです。説明申し上げます。昭和二十八年という欄をごらんになれば、米国のホルスタインが雄が十二頭入っております。それから雌が三頭入っております。それから同じくショートホーンが一頭入っております。この総計十六頭を五百七十五頭から差し引きますと、われわれの算術では五百五十九頭になります。ところが今度持ってきました表の中では、二十八年度のジャージーの輸入頭数は五百五十五頭になっておる。あとの四頭はどこへいったかということになる。
○渡部(伍)政府委員 米国のホルスタインの雄が十二頭、雌が三頭で十五頭、ショートホーンが一頭、これは間違いありません、ですから今の表を見ていただきまして、米国ホルスタンの雄十二頭、雌三頭、ジャージーの雄四頭、ショートホーン一頭で、合計すると二十頭になります。
○淡谷委員 いや、ジャージーは引かなくてもいいのでしょう。輸入ですから。(「計算違いだ」と呼ぶ者あり)
○渡部(伍)政府委員 いや、計算違いではないのです。種の雄が四頭あがっておりますが、これは貸し付けないのですから、五百七十五頭から二十頭を引いた五百五十五頭になるわけです。
○淡谷委員 私の言っているのは貸付のことではないのです。輸入頭数が雇っているというのですよ。今差し引きましたのは、ホルスタインの雄が十二頭、同じく雌が三頭、これで十五頭になります。それからジャージーの雄は貸し付けないだろうが輸入頭数には入っているでしょう。これは引かない。そのほかにショートホーン、これは私の理解するところでは、ジャージーではありませんから、これも一頭引きまして、差し引くのは十六頭になりますから、五百七十五頭から十六頭引いたら五百五十九頭になるのじゃないですか。
○渡部(伍)政府委員 ですから、三月七日付の表では、輸入増殖計画として年度の貸付の対象になる牛をやっておるだけなんです。従って貸付の対象にしない種のものは輸入頭数から差し引いているわけなんです。
○淡谷委員 そうすると、この雄の四頭というのは、輸入はしたんだが、貸し付けないから輸入頭数には入らぬというのですか。
○渡部(伍)政府委員 今の二十頭は貸付用として輸入したのではないということなんです。貸付用として輸入したのは五百五十五頭です。
○淡谷委員 そうすれば、二十九年度は千七百二十二頭が輸入頭数になっておりますが、こちらの方は千七百五十三頭です。これは貸し付けないで相当手持ちするのがあるのですか。
○渡部(伍)政府委員 これはやはり対象の頭数が多くなれば種もよけい要るわけですから、どうしても輸入頭数に応じた種を入れなければいかぬのです。
○淡谷委員 それでは伺いますが、現在あなたの方で入れましたこのジャーシーの雌は三千六百四十三頭です。これに対して種牛が何頭要るのですか。計画はどうです。私は三千六百四十三頭、つまり四千近い頭数がある場合に、このジャージーをほんとうに繁殖させるのには何頭の雄が要るか。これは一つ畜産の学問の上からお答え願いたいのです。
○渡部(伍)政府委員 雄一頭当り二百頭の計算で種付けを行います。
○淡谷委員 それでは本筋に入りますが、少くとも二百頭を要するが、二十五頭しか入っておりません。このジャージーを入れるというのは非常に新しい英断なんです。これを開墾地だけにお入れになるつもりか、それとも日本全体にジャージーを繁殖させようというのか、この点をあわせまして、二十五頭しか雄を入れなかった理由を一つ御説明願いたいと思います。
○渡部(伍)政府委員 一頭の雄で二百頭の雌の極付に使うわけであります。従って二十五頭おれば五千頭の措置ができるわけであります。それから将来の計画としては、どうしてもジャージーは、原料乳地帯、つまり市乳として処理することのできにくい地帯は、脂肪率が高くて、そして草で飼えるという利点がありますから、そういうところに重点的に入れたい。開拓地のみならずそういう地帯に入れたいということであります。それで将来の目標としましては、まだ最終的には資金の点等で検討しなければならぬが、一応私の方で出しているのは、約二万頭の輸入をしまして、約十年後には十万頭ぐらいまでにしたい。そうしますれば、大体昔のホルスタインと同じようにある程度の優良なる種を入れれば、日本の中でもっと繁殖ができることになるのではないか。第一に目標としては、十年後に十万頭に達せしめるということで、雄の計画、あるいは餌料の計画、そういうことを考えております。
○淡谷委員 この十万頭を目ざすという構想は大へんたやすいように思われるのです。けれども二十五頭しか種を特たないで二百頭に種付をするのがいいと申しますが、そうなったら人工授精ができないでしょう。
○渡部(伍)政府委員 現助持っている二十五頭で済ますつもりはありません。今後輸入するにつれて、来年度の予算にも種ジャージーを入れるについての計画はあります。それから種付は大体人工授精でやろうと思っております。
○淡谷委員 そうすると、従来のホルスタイン種はこの後は増殖もしないし対策も立てない、こういうおつもりですか。
○渡部(伍)政府委員 とんでもないことでして、私の方では大体乳牛は現在の倍くらいにしたいと思います。それは大体百万頭近くまで持っていきたいと思います。その中で大体一割余りは、山地、草地の利用からいって、どうしてもジャージーにした方がいい、こういう考え方であります。
○淡谷委員 私あとはくどくは申し上げませんが、ホルスタイン種で今小牛が幾らしておるか、親牛が幾らしておるか、畜産局長御存じかどうかお伺いしたい。
○渡部(伍)政府委員 これは三十一年の一月の平均をとりますと、四ヵ月ないし六ヵ月のものが三万四、五千円、それから成牛になりますと、平均しまして九万八千円くらいになっております。それから成牛でいきますと、雑種が八万円弱、それから純粋種が十一万六、七千円というところであります。最近ちょっと値が出てきております。
○淡谷委員 ホルスタイン種の小牛が三万円から一万円まで下ってきておる。買い取ろうというジャージーが、米国の現地で八万九千円、あるいは五万四千円、五万五千円、六万三千円、豪州、ニュージージーランド等ではこうなっておりますが、日本のホルスタインがジャージーの小牛よりも安くなった。こういうことを一体畜産局長はどう考えておるか。
○渡部(伍)政府委員 成牛で申しますと、雑種が八万円弱になります。それから純粋極で十一万六、七千円になります。これは私どもの農産物価賃金調べによりますと、九月が平均で小牛が四万二千円、親牛が九万九千円、十月が小牛で四万円、親牛で九万九千円、十一月が小牛で四万円、それから親牛が九万八千円、十二月は三万九千九百円と九万九千円、一月は四万円と九万八千円、こうなっておりまして、一時に比べますと下っておりますけれども、多少乳価が落ちついてきたので、平常に返ってきておると思います。
○淡谷委員 ジャージーとホルスタイン種の性能の比較については、配付を受けました資料につきましていろいろ疑点はございまするが、きょうは追究いたしません。ただこの表の中に見落してならないのは、廃牛になった場合、廃牛の価格がない。これは酪農経営の上では、廃牛の処置が非常に大きな経済的要因になると考えなければならぬ。これで見ましても、必ずしもジャージーがホルスタインに比べまして、有利であるという実証にはなりません。しかも現地の開拓者が、アメリカ産のジャージーの小牛をどうしても六万円で入れなければならず、幾ら希望しても、内地のホルスタインで三万円の小牛を入れてはならないという気持は、畜産局長は変りありませんか。現地の希望によりまして、ホルスタインの小牛が安く手に入るならば、現地の希望によっては、ジャージーじゃなくて、安い内地産の、しかも能率の高いホルスタイン種の小牛を入れてもいいという考えになりませんか。
○渡部(伍)政府委員 ジャージーの六万円というのは、農地局から出ている資料に出ていると思いますが、開拓者地域に対する資金計画としては、相当安全をとって入れた方がいいじゃないか。しかしそんなに高くなることを私どもは予想しておりません。やはりせいぜい三、四万円じゃないかと思います。しかし、そのときになって金が足りなくなると困るから、六万円ということでやっている、こういうわけであります。 それから第二点の、その地域の状況によって、ジャージーでなくしてホルスタインを希望すればホルスタインでいいか、こういうことですが、これはやむを得ぬと思います。しかし私の方の指導方針としては、今までの成績から見ますと、やはり草地を主とし、市場から遠いところでは、ジャージーの方がいいじゃないか、こういうふうに考えております。二十八年に入れたのは岩手山ろくと八ヶ岳でありますが、初めはいろいろ問題がありましたけれども、最近は八ヶ岳、岩手山ろくでは、あとどうしてもジャージーを入れてくれという非常に烈熾な希望が出てきておりますので、そこから見ましても——なるほどこの表で見ますと、一応は比較の計算は出るけれども、それは一つの目安であります。しかしジャージーが劣るということは私ども考えておりません。やはりそういうところには、農家の経営状況から見て、都市近郊のホルスタイン種とは、違った考え方をした方がいいじゃないか、こういうふうに考えております。
○淡谷委員 実は質疑応答の際に、農林省の方から六万円だという御答弁があったのですが、今の畜産局長のお話によりますと、もっと安くなるわけで、その点はわかりました。それから、実際に現地が希望すれば、ホルスタイン種を入れてもいいというようなお考えでもあるようだし、特にジャージー種を熱望するのは、農林省が、ジャージー種を入れなければ集約酪農の許可はしないといったよっな方針に基く、政治的なかけ引きも多分にあるようでございますか、県体的に、地元か安いホルスタインをほしいという場合には、それではホルスタインに切りかえてもいいというゆとりはお持ちですか、その点はっきりお答え願いたい。
○渡部(伍)政府委員 これは、そのときの事情で十分討議してきめたいと思いますけれども、具体的に申しますと、たとえば私の方では、信州の小諸付近、あの辺はジャージーがいいじゃないか、こういうことでいっておったけれども、地元ではどうしてもホルスタインがいいということで、ホルスタインにしてもらっております。しかしある程度ジャージーが入っておれば、その地区はジャージーの一つの集団になるので、私の方では二千五百頭ないし五千頭はジャージーがなければ、原料乳としては処理がむずかしいのですから、そういう指導はいたしますけれども、何が何でもとにかくジャージーでなければいかぬということは、これは言えないと思います。
○淡谷委員 なお酪農につきまして、乳価の問題やあるいはホルスタインの価格の点について質問申し上げたいのですが、今日は直接の関係がないのでございますから、これだけにとどめます。
○村松委員長 川俣清音君。
○川俣委員 この際畜産局長にお尋ねをしておきますが、今議題になっております機械開墾地区開拓者に対する貸付金の償還条件が問題になっておりますが、この計画によりますと、家畜を導入して営農成績を上げていこう、そしてこの営農成績によって償還を期せよ、こういうことでありますが、そこでこの法案を出されるときに、畜産局といろいろ打ち合せがあったと思うのですが、畜産局は償還可能なりと考えられたかどうかということが一点と、可能なりと考えられたのには、おそらく乳価対策に自信があったのだと思うのですが、乳価を一体どの程度に見るか。これはおもにジャージー種らしいのですが、ジャージー種は幾ら、ホルスタイン種の乳価は幾ら、これならば採算が合う、つまり農民が家畜を導入した場合に、一体乳価がどの程度であれば採算が合うと考えておられるか。償還に応ずることができるか。単に導入した牛の償還じゃありませんよ。その他の設備に要する費用も償還して参らなければならないのであります。そういうものを満たすだけの乳価対策ができるものと考えておられるかどうか。
○渡部(伍)政府委員 乳価は、私どもの計算ではホルスタイン三十五円、それに対する脂肪率から考えてジャージーの乳は一升五十円で計算しております。そうしまして政府助成金あるいは政府資金の融通等を見て償還可能なりという結論からやっておるわけであります。それを前提として、そういう乳価を維持できるような対策あるいは自信があるかどうかというお話でありますが、これはどうしてもやらなければいかぬ。今盛んに案を練っておりますが、現在は乳価対策として何らの措置がないわけであります。しかしこれはどうしても措置をしなければいけない、ほっておけない問題であるというので、詳細に検討しつつあります。残念でありますがまだ案になっておりません。しかし来年度の予算時期までには成案を得て、場合によれば補正的措置も考えなければいかぬのじゃないかという一つの輪郭は考えておりますから、それをもとにしまして問題点を関係府県及び関係の乳業者等と検討しておる段階であります。
○川俣委員 そうすると小倉局長、どうもおかしいですね。原局の乳価対策はまだ十分に手を打っていない、今後打たねばならない、不安だ、大いに乳価維持政策をとらなければならないという説明を今聞いた。そうするとあなたの方が、償還は可能だというのはおかしい。原局の方はまだ不安で対策を講じなければならないという。乳価対策を講ずるということは決して私は非難しません。講じなければならないといって努力しているときに、償還可能だという計算はどこから出てくるか。畜産局の答弁は、導入した家畜に対しての償還は可能である、ホルスタインは三十五円、ジャージーは五十円であれば、導入した家畜の償還は可能であるという答弁だ。そうして機械開墾その他において設備をしたサイロとか道路とか施設その他のものを含めた償還は必ずしも可能であるとは言っておりません。少くとも導入した家畜の償還ができるのがこの価格だ、こう言っておる。あなたの方はこれよりもっと安い計算です。ジャージー三十五円はどこから出したかわからぬけれども、おかしいじゃないですか。
○渡部(伍)政府委員 ただいまの川俣委員のお話ですが、私の説明が不十分でありました。乳牛だけの償還ができるとは私申し上げていないのであります。全体の経営に必要な資金を出しましてそれの償還に要する費用、それから経営の内容、乳牛だけじゃなしに一般の家畜もやりますから、それを合せまして全体として見ていく。そうして不足する分は低利資金から助成金を出していくというのでありまして、畜産局の方としては導入した乳牛だけの資金が償還可能というふうには考えておりません。
○小倉政府委員 これはたしか午前中も御同様の趣旨の御質問がございました。そのときもお答えをいたしたのでございますが、機械開墾を初めとして、開拓地の営農がりっぱに育つためにはいろいろの条件が必要でございます。特に価格安定といったような意味での経済的な条件が必要であるということについては、全くお説の通りでございます。ただその条件が現在のところ必ずしも十分でない。それにつきましては今後私ども一そうの努力をいたしまして、開拓営農が十分確立し得るような条件を整えたいと思っております。畜産局の方でも、開拓関係だけではございませんが、そういうことも頭に入れていただいて、酪農製品の価格安定にせっかく努力を願っておる次第であります。
○川俣委員 それでは畜産局長にお尋ねしますが、導入した家畜だけではなく、その他までも満たすために一体コストをどのくらいに見ておられるか。今ホルスタイン三十五円、ジャージー五十円に見ておられますが、どのくらいの利益が上げられると見ておられますか、それが出てこなければほかのものまで満たすだけの償還能力があるという計算が出てきませんよ。
○渡部(伍)政府委員 私の方ではジャージーの場合で申し上げますと、大体搾乳開始時期は生後二十六ヵ月、経済年令が十一ヵ年、産乳供用期間を九ヵ年に見まして、牛乳を年間平均十五石、子牛は十一年の間に七回生まれる出生率を七五%、それから飼料の必要量、減価償却費、そういうような相当しっかりした安全性をとったものから見まして、今のような計算でいきますと年間二万円あまりの収益が出てくる、こういうふうに見ております。従ってその分からほかの償却に回せる分が相当に出てくる、こういうように見ております。
○川俣委員 どうも困った答弁です。あなたの計算は導入した家畜がどうして償還されるかという償還の方法になっておる。営農としてやった場合の償還の方法ではないのです。導入した牛に対する償還の方法として算出されたものであることはあなたの説明で私は了承する。導入した家畜の償還と開拓者の償還とは違う。しかもこれは三年で機械開墾をなし遂げるのでありますから、農地造成はすみやかにいきますけれども、家畜の導入によって得られる償還と短期に造成される土地の償還とはおのずから違うのです。そこでそれらのことが一応計算されたかどうか、こういうことなんですし時間がないからあなたをあまり苦しめようとは思いません。農地局長きょうはだいぶ疲れておるようだから、これ以上苦しめようとは思わないけれども、今後ほんとうにこの機械開墾の成績を上げようとするならば、この生産される農産物、農産加工品に対して、相当な支持価格を作って参らなければ償還が不可能になり、計異が挫折をするということになるんです。そこで畜産局長にお尋ねをしますか、ホルスタインか三十五円以下になるようなことのないよう方法を講ぜられるかどうか、ジャージーが五十円を下ることのないように処置せられる準備があるのかどうか、もし下った場合には、一体責任をどこで負うのか。それだけで営農をやれというのですか。今度はそれ以下に下ると、償還ができなかった場合に、一体入植者の責任なのか、政府の責任なのかという問題が起きてきますよ、そこでお尋ねしているのです。
○渡部(伍)政府委員 初めの方の乳牛の減価償却だけを見ているじゃないか、こういうのですが、そうじゃないのでありまして、畜産その他の減価償却も当然見ております。その上で二万四千円見当の収益が三十五円で出てくる、こういうことなのであります。それからほかのものにどれだけ回せるか、かりに乳牛だけやった場合にそういう問題が一つ起ってくるだろうと思います。それから三十五円を下った場合にはどこで責任を持つかというのでありますが、現在の飼料の状況なり物価の状況から、条件が同じとすれば、三十五円はどうしても確保するような施策を講じていきたいと考えております。しかし飼料の価格を下げたいと思っておりますし、そのほかいろいろな合理化をはかっていきたいというふうな考えもありますので、そういうものが、かりにコストを下げるものが出てくれば、それに相応した乳価を比例的に考えなければいけない、こういうふうに考えております。
○川俣委員 大体機械開墾によるところの飼料は、自己生産によるということになりまするから、いわゆる一般の乳牛に対する飼料よりもコストに与える影響は少いとみてもよろしいと思うのです。その点は私も必ずしもやかましく言うのではない。要するに機械開墾というのは、地域的条件の非常に恵まれないところなんです。それだけに一番価格の影響を受けやすいところなんです。大消費地でありまするならば、これはまたいろいろと方法もあり得るのですが、比較的遠隔地でありまするから、打撃が一番大きいのです。それだけに問題が大きい、こういう意味であります。 ところで飼料よりも今考えなければならぬのは、余剰農産物等によって入ってくるところの農産加工品である。これらももちろん消費者のために必要でありましょうが、日本の農産物、農産加工品の上に影響を与えないような措置を考えていただかなければ、今度支持政策をとり、飼料の対策を講ずるといいましても、それではとうてい及びがたいのです。今度の乳製品の暴落等も、これは余剰農産物で入ってくるあの打撃が一番大きいことは、しろうとでもわかることなんです。特に横流しなんて行われるために、えらい打撃を受けて不安を生じており、手放す者が出てくる、この状態を生じておる。だから余剰農産物は別だというような考え方で分裂しておったのでは、一つの政策がなり立たないのです。ですから一つ法案を出すからには、農林省全体として、みんな共同責任を持っていただかなければならぬと思うのです。いつも省議を開いておりますが、他局のものはおれの局に関係がないのだというようなことでおるところに問題があるのです。農林省が責任を持って出すからには、他の局にどれだけの影響を与え、どれだけの自信があるかというところが出てこなければならぬ。開拓者の問題は農地局で、おれの方は関係がないという。冗談じゃありませんよ。むしろ開拓者の問題、機械開墾の問題は、畜産局も大いに擁護しなければできない問題なんです。たまたま所管が農地局だというだけなんです。本体はむしろ畜産局にあるんです。ところが畜産局は、いや余剰農産物の受け入れはおれのところでないと考えておったら、日本の農政は立っていきませんよ。飼料対策なんというけれども、飼料対策じゃありません。この点についての見解を伺いたい。
○渡部(伍)政府委員 私の方で、機械開墾はおれの方の所管でないという考え方では全然やっておりません。外でそういうふうに見えることははなはだ残念でありますが……。機械開墾地区の中に、今度の場合は乳牛の導入ということが非常に大きいウエートを占めますから、ほとんど私の方で案を作りまして、それを全体的な経営として見る場合には農地局でやってもらう、こういうふうにやっておりますので、その御心配の場合はないと思います。ただいろいろな制度を作るときに、簡単に割り切った答えが出ないので、あるいはそういう御批判を受けるようなことになるのじゃないかと思いますが、今後とも気をつけますから、よろしく願いたいと思います。
○川俣委員 まだ問題がありまするけれども、あしたに保留いたしまして、きょうはこの程度にしておきます。
○村松委員長 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案については、川俣君の明日に保留したる部分を除いては質疑を終局するのに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 川俣君の保留の分を除きましては質疑は終局いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十八分散会