農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/01/12
会議録
○村松委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。理事稲富稜人君より理事を辞任いたしたい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認めます。つきましてはその補欠並びに委員異動に伴いまして、一名欠員を生じております。理事の補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認め、 中村 時雄君 芳賀 貴君を理事に指名いたします。 —————————————
○村松委員長 次にこの機会に委員の派遣承認申請の件についてお諮りをいたします。最近わが国森林資源の最も豊富な熊野地域の開発のため、種々な構想が論議されておりまするが、当委員会といたしましても、わが国森林の開発、資源維持等の見地から、この自然休会中を利用いたしまして、熊野川流域の林野の状況を調査するために、委員を派遣いたしたいと思いまするが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認めます。つきましては派遣委員の員数並びにその選定、派遣の期間、派遣地名等は委員長に御一任を願いまして、議長の承認を求めたいと思いまするが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認めさよう決定いたします。 —————————————
○村松委員長 引き続いてこれより公報をもってあらかじめ御通知を申し上げました通り、昨年十二月二十五日より二十七日にかけて、三陸一帯を襲いました暴風雨によりまして、漁港施設、漁船等に甚大な損害をこうむっておりまするので、その被害の状況について詳細を明らかにし、これが対策について議事を進めます。 まず本日の議事の進め方についてお諮りをいたします。先ほどの理事会において協議いたしましたところでありまするが、先ほど申し上げましたこの問題調査のために、関係県の当局者並びに漁業者の代表から、参考のために被害の実情を聴取し、あわせてこれが対策に関する意見を承わることにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認めます。なお参考人の選定につきましては、理事会でも一応御協議いたしたところでありまするが、宮城県副知事の早坂冬男君、宮城県の志津同時長田中完義君、岩手県漁連会長母藤佐十郎君、岩手県水産部長吉岡誠君、福島県水産課長佐藤啓三君、青森県漁連専務理事平井四郎君、青森県水産部長重田芳二君の諸君を参考人として決定いたしたいと思いまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認めてさように決定をいたします。 では参考人より事情を聴取いたすことにいたします。参考人宮城県副知事早坂冬男君より御発言を願います。
○早坂参考人 宮城県の副知事の早坂でございます。今回の災害につきまして直接被害の実情を申し上げて、これに対する対策について御要望を申し上げる機会に恵まれましたことをまず感謝申し上げます。 昨年の十二月の二十五日に三陸沖に停滞いたしました低気圧が、二十五日の夜半から急激に発達いたしまして暴風雨となりまして、それが進路は北東に進みまして、二十六、二十七日と海上は激浪と高潮となりまして、沿岸一帯を襲いまして甚大なる損害を与えたのであります。この最大風速は二二・八メーター、またその激浪の高さは三メーターないし三・五メーターというような激しさを加えたのであります。気象台の調査によりますと、かの昭和二十七年のカムチャッカ沖地震による津波はこれほどの激浪もなく、また波高も一・三メーターくらいないし一・八メーター、潮の高さは二・五メーメーでありまして、また襲来いたしました回数も、二日間にわたって大小合せて十二回というような程度であったのでありますが、今回は二昼夜半にわたりまして、この長時間に間断なく沿岸を荒したというところに特徴があるりであります。これがために海上、海中の漁船、定置漁業者に、あるいは養殖の施設はもちろんのこと、沿岸の漁港施設というものに多大の損害を与えたわけであります。その結果宮城県といたしましては、お手元に差し上げてありまするその被害の冊子でございますが、それに写真も被害額も載っておりますが、被害総額において約七億三千万円でありまして、そのうち水産関係の損害が六億六千万円というように一番大きな部面を占めているのであります。全国の新聞には、今回の三陸沿岸の災害というものはあまり大きく取り扱われていなかったのでありますが、これは御承知のように、今回の災害は家屋とかあるいは人畜に対する被害が比較的少くて、主として海上、海中の施設が壊滅をしたというような関係もありまするのと、あるいは年末、年始の予定記事というもののために、今回の災害が全国的にあまり報道されなかったということになっているわけであります。また宮城県といたしましては、昭和二十七年のあの津波のときの被害地域と今回の被害地域がほぼ一致いたしているのでありまして、しかも昭和二十七年のあの被害が経済的にまだ完全に回復をしていない、一億二千万円ほどの未償還額がまだあるというところに今回の災害が起ったということが大きな特徴でありまして、また宮城県から岩手県にかけまして盛んでありまする定置あるいは、ノリ、カキというような養殖施設が、これから収獲をしようとするその採取直前にこの災害があったのであります。しかも旧正月を控えているというような関係で、またこうしたノリ、カキの業者というものはほとんど大半が零細漁民であるというような関係からいたしまして、明日からでも生活に困るというような困窮者が出ているというような状況なのであります。 次に被害のおもなものだけを申し上げますが、お手元に差し上げてあります冊子の六ページにその総額表がございます。写真のあとに載っております。この調査は一月四日現在の調査でありまして、今後若干これはふえる見込みであります。水産の被害総額が六億六千万円、土木関係の被害が四千四百万円、農林関係の被害が二千百万円でありまして、合計七億二千七百万円であります。 被害のおもなるものをまず水産関係から申し上げますと、漁港であります。漁港の被害は六千五百万円ほどでありまして、その漁港の数にいたしまして六十であります。しかもこの漁港はいずれも第一種第二種の漁港であるのでありまして、零細漁民の利用しておる第一種第二種の漁港というものが大きな損害を受けたわけであります。 次に漁船でありますが、これは動力船並びに無動力船を合せまして二百七十隻であります。その損害額が三千三百万円でありまして、流失あるいは大破をこうむったものが非常に多いわけであります。 次には定置漁業の被害でありますが、百六十二カ統、金額にいたしまして約九千九百万円、この約半分のものが所在不明あるいは大破をいたしたわけであります。 次にカキでありますが、これの損害は一億六千万円であります。御承知のようにいかだ式の養殖法あるいはたな式の養殖法と両方あるのでありますが、これらの施設はほとんどばらばらになりまして、大半は流失をしてしまった、こういうような状況であります。施設そのものが流失をいたしたばかりでなくて、これから収穫をしようとしておるカキそのものもまた沖に流され、あるいはそのまま沈下いたしたものもあります。沈下いたしましたものはすでに土砂をかぶり、ほとんど役に立たないというような状況であるのでありまして、ほとんど壊滅的な打撃と申しても差しつかえないのであります。 次にノリでありますが、これの被害額が一番多いのでありまして、約三億を突破しております。これも網のものもあるいはしばにいるところのノリも、施設そのものはカキと同様にほとんど流失をいたしたのであります。またノリそのものも影も形もないというような状況になっておりますので、その損害額が三億を突破するというようなことになったわけであります。しかも先ほども申し上げましたように、このノリ、カキ業者はいずれも零細な漁民なのでありまして、しかも収穫直前にやられたというような関係になっております。 またこの表には載っておりませんが、今回の暴風浪によりまして、漁場、なかんずくいろんな養殖施設というものがすっかり荒廃に帰した、海底が洗われ、あるいはすでに刈り取ったところのワカメがすっかりちぎれてしまった、あるいはアワビとかホヤ、タコあるいはウニというようなものまでが陸上にはね上げられるというようなことで、漁場そのものがすっかり荒廃いたしておりますので、これがおそらく本年あるいは明年あるいは明後年におきましては、相当の損害額として現われてくるんじゃないか、かように考えておるわけであります。 次に土木関係でありますが、これは大体四千二百万円でありまして、その大半が護岸であります。非常に不完全な護岸が東北地方には多いのでありますが、その大半が、宮城県にありまして、その護岸がやられておるわけであります。 その次は農林関係の被害でありますが、これは二千百万円ほどであります。これは御承知の福島県寄りの、宮城県では亘理郡と呼んでいる一帯がおもな被災地であります。主として海岸林と耕地であります。海岸林におきましては、人工砂丘がほとんど全壊または半壊されまして、植えたばかりの防潮林がすっかり埋没をしている。あるいは塩水をかぶり、おそらくこれは全部枯れてしまうんじゃないかという憂いがあるわけであります。 次には耕地でありますが、あの辺一帯の、大体常磐沿線まで海水が押し寄せて参りまして、田畑合わせまして約一千二百町歩が塩水をかぶったというような被害状況に相なっておるわけであります。 以上宮城県における被害の概要について御報告を申し上げておきます。
○村松委員長 なお質問もあるはずですから、お残りを願って、あとで総括的にお願いいたします。 次は宮城県志津川町長田中完義君。
○田中参考人 私は宮城県志津川の町長でございますが、県下十五カ町村が今回の災害をこうむっているのでございます。志津川町は金華山と気仙沼との中間にある小漁港でありますが、私がこの目で直接見た当時の被害状況を簡単に申し上げます。旧臘二十五日より大波が寄せて参ったのでございますが、風と波を伴いまして、かつてこれほどの大きい海のしけを見たことがないと古老も言うほどの大きな波になったのでございまして、二十六日の朝に定置の網あるいはノリ、カキいかだ等に何らかの予防方途を講じようとした漁民も、ついに手をつけることができないほどの大波であったということでございます。そこでそのうち波が静まると思っておりましたところが、二十六日の夜から二十七日の朝にかけてさらに大きい波が押し寄せまして、漁民の住家は、床下、床上浸水はもちろんでございますが、屋根の上から波のしぶきをかぶったのでございます。屋根の上から浸水した住家があって、私の町では二軒か三軒は半壊の状態になったような大きな波だったのでございます。そのために、いまだかつていかなる大きな波が参りましても、全然形を変えたことのない小さな島が、形を変えたと言われております。このような大きな波とあらしと雨のために、非常に大きな災害をこうむりまして、二十六日の夜半から、町は消防団員約百名を動員いたしまして、空俵を寄せ集めて、それに石あるいは砂などを詰めまして、それによって応急の護岸防波工事をやったのでございます。それに費した空俵が約千二、三百でございまして、それでもなお堤防の決壊、道路の決壊等を完全に防ぐことができなかったのでございますが、二十七日の午後からは、ようやく干潮と波もいくらか静まりまして、どうやらその危機を脱したのでございます。約五十時間にわたります大波にたたかれました関係上、ノリ、カキは全滅いたしました。定置の網も全部流されました。わずかに残ったものはロープだけであります。そのロープさえも寸断されておるような惨状だったのでございます。ノリは網としばとによって採取するのでございますが、網は持ち主が区別ができないように一かたまりになりまして、海岸に打ち上げられ、しばは枝を全部取り払われ、ほとんど全部抜け去りまして、ノリをどうすることもできなかったのでございます。しかもこれは今収穫を始めたばかりでございます。ノリもカキもほんとうにこれからというときに、ことしは陸とともに養殖事業も非常に豊漁であるとっいて喜んでおったその寸前において、この惨害をこうむったのでございます。聞くところによりますると、岩の中に住んでおったタコが、頭と足とざくざくに裂けて、寸断されて岸に寄った。また岩の中に深く食いついておるアワビが、波のために寄せられまして、人によっては二貫目も三貫目もこの打ち寄せられて死んだアワビを拾ったという話があるのでございます。このような大きな波のために、先ほど副知事さんが申し上げましたような大きな被害をこうむったのでありまするが、特にわが本吉郡の唐桑町という岩手県との境の町がございますが、この町において三隻の漁船が、これは沿岸で遭難したのではございませんが、今度のあらしのために銚子沖で災害にあって、船もろとも四十三人の漁夫が命を捨てたのでありまして、去る七日に、死体も見つからない、何らの遺髪もない四十三名の合同葬儀をしたという、まことに悲惨な実例もわが宮城県にはあるのであります。 このような被害をこうむったことに対しまして、われわれ町村といたしましては、財政難に苦しんでおります。赤字に苦しんでおる今日、このような災害をこうむり、特に海岸地帯は旧正月を迎えておるのでございます。この零細なる漁民を一刻も早く救いたいと思いまして、われわれ町村としては現金収入を早く与える方法を講じていただきたい、こう思いまして県の方にもお願いいたしております。それにはまずこの決壊した護岸あるいは道路等に対して、失対事業について特別なる処置を講じていただきたい。また復旧対策事業は、町村に何割かの分担金などを要求することなく、全額国庫でやっていただきたい、こう思うのでございます。 さらに、先ほども副知事さんからも話がありましたように、去る二十七年のカムチャッカ沖の津波のときの災害に対する融資金は、今年中が返済期限となっておるのでございまするが、その返済金に非常に苦しんでおって、ことしのこのノリ、カキの豊漁によって返済しようと思っておったやさきの災害でございますので、この返金は相当長い期間、なるべくならば五年なり十年なり返済期間を延期していただきたい、こういうのが漁民の切実なる叫びでございます。 私はさらに、このように三陸の沿岸が毎年々々災害をこうむっておりますから、これに対する恒久的な対策を国家はやっていただきたいと思うのでございます。明治二十九年の三陸の大津波以来、幾たびかわれわれはこういう災害をこうむっているのでございます。特に三陸沿岸はいつ何どきまた重ねて津浪の被害をこうむらなくちゃならないかと、こういうような宿命をにのうている海岸地帯でございますので、わが三陸のために恒久的な防潮、防波の対策を講じていただきまして、将来このような高潮のごときものについては、絶対災害をこうむらないような地帯に、また津波が来ても、そう大きな被害をこうむらないような地帯に、恒久的な対策を講じていただきたい、こうお願い申し上げて私の話を終ります。
○村松委員長 次は岩手県漁連会長伊藤佐十郎君。
○伊藤参考人 岩手県の今回のしけの被害をまとめたものと、それに関連する私どもの今日までとって参りました善後措置及び今後の対策の要望について、簡単にお願い申し上げたいと思います。 御承知のように、三陸の沿岸地帯は寒の明けますまでは、いわゆるならい風と称する、陸の方から北西風が海の方へ吹き出す季節風がずっと吹いているわけでありまして、例年ならば二月ごろが、いなさじけと称する北東風のしけの季節になるわけです。ところがことしはどういうものでありますか、全く普通の季節風の状態が急に変化いたしまして、日本海でわずかに発達した低気圧と、金華山沖から北上、東北方に進んでおったものとが合体して、五十数時間にわたる異例の長時間のしけにさらされたわけであります。従いまして、従来の災害の記録にもあまり見ることのできないような異常の災害をこうむりました。つまりノリやカキのようなものは、一月までに大半の収穫を終れば、二月のしけ時期に入っても、波は高くとも大した被害はなくて済んだわけでございますけれども、今回は、全くこれから収穫しようとする時期に出っくわしましたので、予期しない大災害をこうむったような形に現われております。それで四県連合で同じような考え方で被害の調査をし、要望を申し上げておりますが、特に岩手の場合は、総体の被害が九億を突破しておりますけれども、そのうち水産の被害が大部分でありまして、いつもならば建設省関係あるいは運輸省関係の災害のウエートが非常に大きいのでございますけれども、今回のしけの特徴は、相当の降雨量がありましたにもかかわらず、あるいは雪となるというような関係もあって、いわゆる陸上の被害というものはさほど大きく目立っておりません。ほとんど農林省所管の仕事に集中的な災害をこうむったというのも、今回のしけの一つの特徴になって現われているようであります。 それで金額で申し上げますと、一番大きいのはノリとカキの養殖施設の被害であります。これは御承知の通り、いわゆるリアス海岸と称して、屈折した港湾形態をなしておりますが、おおむね東北方に港の口が開いております。その東北方に開いた港に北東風が吹き込んで波を高くしたわけでありますから、三日間のうちまる二日くらいは、沖の方から完全に吹き込まれて、そのために高潮がはなはだしくなりましたので、ノリ、カキ施設の全部が一番湾の奥の方に固まってしまったような被害をこうむったわけであります。ところが三日目になりまして、だんだん風向きが変ってくるときになりまして、西向きの風に変るころになると、二日間もまれた沖合いの定置が完全にゆるんだところを、今度は風が変って参りまして、波の方向も若干変化いかしましたから、定置漁具のごときものは沖の方へ吹き流されて、そのまま宮城県沖の方に持っていかれたというようなものも相当あるようでございます。それでノリ、カキの被害が三億を突破しておりますけれども、そのうち施設の被害は八千万台でありまして、生産の被害が二億七千万くらいになっているようであります。 その次に位いたしますものは漁港の災害でありますが、その漁港とカキ養殖の間に、数字から申せば定置漁具が、ノリ、カキに次ぐ二億四千万台を示しております。これは三陸のいわゆる秋場所と称する定置百数十カ統がほとんど根こそぎ持っていかれておりますし、定置のいたみ方を見ましても、従来と違いますのは、最近合成繊維で非常に強靱な網が一般に使われるようになりましたために、従来なら網だけがすぽっととられてがわが残るというような被害がありましたけれども、今度は網が丈夫なために、二日間もてたものが三日目のしけでもって根こそぎ持っていかれたという、ちょっと変った被害の状態を示しております。それが大体二億四千万円程度であります。 それから次には漁港の二億二千万台の被害でございます。これはこれから実査をお願いいたしますけれども、果して堤防なり何なりの基礎の方がどの程度のいたみになっているかということは、いまだ的確に把握されておりません。おそらく精査していただくならばその被害ももう少しふえるのではないか、かように考えられるわけであります。特に今度のしけは、今申し上げるような特徴がございますが、アワビなどでも、打ち上げられたものを一人で十貫匁ぐらい、しょいおけという漁獲物を運搬するわけに入れて拾った人もあるという状態であり、従来は海草とか貝類だけのそういう状態が、今度のしけに限りまして、岩手罐詰の工場の庭にメバルが一ぺんに何十匹も生きたまま打ち上げられたり、タコの群れが陸岸に上ったというきわめて妙なしけ方をしております。貝類や何かは気圧の変化には本能的に非常に敏感で、すぐ逃げるのでありますけれども、逃げても逃げ切れなかったと見えて、そういうような非常に目立った災害を呈しているようであります。 以上で大体九億に達するような水産の被害、そのほかに土木、農林関係等ございますが、これは後刻県の方からもお話があると思いますので省略いたします。 私どもは、こういう状態になったので、とりあえず緊急どういう措置を講じたらいいかということで協議いたしました結果、年末年始は役所も民間団体も全部休みを返上してもらいまして、四日までかかりまして一応の資料を整えてお願いに出てきたようなわけでありますが、とりあえず岩手県では本日臨時県会が招集されまして、県が罹災漁民に対するとりあえずの食いつなぎの資金を見てやるために、岩手県の信用漁業協同組合連合会に預託金を入れるということ、それからそれに対して私ども民間団体の方では、預託金と信連の自己資金とを合せまして、罹災養殖業者一戸当りとりあえず平均一万円くらいのつなぎをここ一週間くらいの間に何とか出したい。御承知の通り二月の十二日は旧の正月の元日に当ります。従ってこの緊急つなぎ資金の融資というものは、おそくも一月一ぱい、二月に越えても三日か五日ごろまでに流してやらなければ、年の瀬を越すには役に立たないわけでありまして、そういう意味で応急の措置は講じておりますけれども、何分にも団体、自治体ともにきわめて財政多端の折からでありまして、とても彼らの生計をつなぐような十分な措置を私どもだけではいたしかねるような状態になっているわけであります。これを根本的に救済していただくために、私どもは今度の災害をとりあえず資金融通に関する暫定措置法の指定災害として一日も早く御指定をお願いして、それに対して本資金を融通していただく見通しがつけば、本資金に対するつなぎ資金ならば、私ども抵当金融の農林中央金庫にお願いしても、あるいは個人の経営者の場合においては市中銀行の方へお願いをしても、何とか資金の融通の道が開けるのではないかというように考えますので、特にその点第一番にお願い申し上げているわけであります。暫定措置法の内容をもう少し被災者に都合のいいように、たとえば資金の償還年次を延ばしていただくというような要望が出ております。これはぜひ実現をお願いいたしたいのでありますけれども、もしこの期間を延ばす方の法律的な操作をなさるために時期を逸するようなことがあっては大へんでございまして、でき得るならば現行制度において可能なることは直ちに実施をお願いすると同時に、一日もすみやかにさらによりよき法律改正なり政令の制定なりというものをお願いするというふうに、二段構えでお進めを願えるならば大へん仕合せである、かように考えておるわけであります。カムチャッカ沖及びその他の従来の災害の未償還のものは、岩手県ではそれほど被害が少かったわけではありませんが、現在残額は二千数百万円でありまして、その二千数百万円の約二分の一は二月が今度の償還期日になっているわけであります。このことを顧みますというと、せっかく国の方からはおきめを願っても、金融機関のプロパ一の資金をもって災害融資をするということになりますと、幾ら利子補給といっても、損失補償と申しましても、政府資金を政策的に流していただく場合とは違いまして、やはり各金融機関が自主的な貸出しの審査を建前としておりますために、せっかくちょうだいしたワクが余りまして、末端の方へはなかなか事実上貸出しが進まないというような例が従来ありました。本県のカムチャッカ沖等における融資額及びその残額が少かったというのはそういう理由に基くものでありまして、できますならば今後の災害融資については、利子補給とかあるいは損害補償ということでなしに、たとえば資金運用部の資金のようなものが完全にワクつけされて、その裏づけをちょうだいするならば、政府なり議会なりの方の御意図の通り末端まで徹底した融資ができるではないだろうか、これはまことに身勝手なお願いのようでありますけれども、従来の経験からさように考えるわけであります。 なおいろいろ要望が出ておりますうちで、私ども漁業組合関係として特にこの際議会の方にお願い申し上げたいと思いますのは、漁業災害補償制度の確立の問題であります。今回の災害にいみしましても、もし農業共済のような制度が現存いたしますならば、私どもこれほどあわてもいたしませんし、何とかつなぎの方法もできるわけでありますが、今のところ全くこういう施設がございません。われわれ民間団体といたしまして、かねて議会の御配慮によって共済の方の団体が生まれてやっておりますが、まだ火災保険とか生命保険に類似するような共済が一部行われているだけでありまして、漁業そのものの災害共済というものはできておりません。ただ全水協が今日まで研究を重ね、水産庁方面とも寄り寄り御協議を申し上げておりますあれは、ノリ及びカキのようないわゆるフィッシュ・カルチュアと申しますか、海の農業部面と、それから定置漁業と、こういうような比較的捕捉しやすいようなものを対象といたしまして漁業組合の自営あるいは漁業組合の所有する漁業権によって共同購買、共同販売、そういう操作で完全に押え得るものを対象とした共済を自主的に始めたい。農業共済のように直ちに政府の再保険ということは望むべくしてなかなか容易でないようであるから、これにはある時間がかかるものとして、むしろ国の一定額の出資でもしていただくような形において、そこから共済制度を始めたいというのがわれわれ民間の方の多年の要望でございます。何とぞこういう問題についても、恒久対策の一環として特にお取り上げ願うならば、大へんわれわれ漁民としては仕合せに存ずる次第でございます。 それから先ほどもお話がございましたが、ほとんど二十メートルの線から岸に達するまで五十何時間も大荒れに荒れましたので、いその状態が非常に荒廃していることはうなずげますけれども、これを計数的に、海草はどのくらいあるいはコンブ、ワカメはどのくらい、アワビは何億というように被害額を数字的に計上するような調査はできておりません。従ってその被害額はほとんどこの表には現われておりませんばかりでなく、今後何年間にもわたってこの影響があるのではないだろうかと考えられます。従来私どもはいそつきの漁業の不作、豊作というようなことについて現象的に現われたときにばかり問題にいたしますけれども、従来の豊作、不作というようなものも、この種の災害が何年か後において現象として現われるというような因果関係が伏在するであろうことは想像するにかたくないわけでありまして、こういうものを調べるためには、国の方の水産庁なら調査研究部であるとか、地方ならば水産試験場であるとか、そういうところの関連においてこの調査なり研究というものをお取り上げを願うような政策をぜひ打ち出していただきたいということを念願する次第であります。 以上概略申し上げまして、今回の岩手県の災害に対する報告を終りたいと思います。
○村松委員長 次は岩手県水産部長吉岡誠君。
○吉岡参考人 特にお繰り合せをいただきましてこの委員会をお開きいただきましたことを感謝申し上げます。実は知事が出ましてお願いを申し上げる筋合いなのでありますが、さっき伊藤さんから申し上げましたように、本日この問題で臨時県議会を開いておりますために知事が都合がつきませんで、若輩上りましてはなはだ失礼いたしましたが、御了承願いたいと思います。 御承知のように、東北の沿岸方面の地方民の気質は非常にあきらめの強い性質を持っておりまして、いささかの被害でありますと大てい運が悪いということであきらめる風習があるのでありますが、今度の災害に関しましては、二十六、二十七日ごろ、ちょうど御用おさめの直前でありましたが、沿岸の町村から非常に電話その他人等が参りまして、爆発的な陳情を県に受けるような状況になりまして、私どももいささか最初はびっくりしたような次第であります。その後逐次、とても部分的なものではないということが明らかになりまして、先ほど伊藤会長も申し上げましたように、二十九日以降年末年始の休暇を全然取りやめまして水産関係団体と一緒に調査をいたした次第でありますが、最初にびっくりしたのよりもはるかに上回るような大被害になっておりますので、何とか国の方の御援助をいただきたいというお願いに出ておる次第であります。 詳細につきましては伊藤会長が申し上げましたので重複するようなことを申し上げることを避けますが、特に岩手県の沿岸の漁民が私どもの方に要望いたしております事柄は、今度の復旧というものを、公共事業の復旧につきましてもあるいは漁船、漁具の復旧につきましても、普通他の場合の公共事業の復旧や何かのような工合に原形に復旧するというようなことでなしに、ある程度の改良復旧をお願いしたいということを申しておるのであります。このことは現地へ参りますと、たとえばこの写真にあります釜石港の隣の吉里吉里港等におきまして、石積みの防波堤が完全にやられて、ばらばらになって湾内に散らばっておるというような状況であります。半分近いものは波の下にくずれ去っておるというような実情があります。それから従来あります築堤等で、若干鉄筋なりコンクリートなりを入れれば次の災害にはある程度たえられるのではないかと思われるような個所も少からずあるわけであります。 それから漁船漁具につきましては、これは御承知の事柄であると思いますけれども、一昨年のイカの大不漁、それからその前後のいそつき漁業の大不漁の経験から見ますと、従来湾内に入って参りましたイカ等が、暖流がだんだん勢力を増してくるに従いまして沖合いを通るというような傾向になりまして、従来のいわゆる無動力のサッバ船なんかでは、沖合いを通るイカの大群を見ながら手が出ないというような経験をいたしておるのであります。従ってこの無動力船、岩手県で主として小さなものでありますが、二百二十九隻が大破その他の損害を受けておるのでありますが、これを復旧いたします場合に、従来通りの、無動力の小型の船だから無動力のままで復旧をするというようなことになりますと、一昨年来経験いたしてきました、漁民が切歯扼腕した状況がそのまま再現するような状態になりますので、何とかこの際三隻なり四隻なり——復旧でありますから政府の資金等を当てにする場合には、たとえば百万円損をして一千万円何とかしていただきたいというようなお願いはできる話ではないとは存じますけれども、三隻なり四隻なり集めまして、その他自己資金あるいは金融機関から金を借りる等にいたしましても動力船に切りかえて、十マイル、二十マイルの沖合いを通るようなイカぐらいはとれるような態勢をとりたいというようなことを願望いたしておる次第であります。 それから湾内の小型の刺網等の定置につきましても、綿糸の網が損害を受けたのだから綿糸のままで復旧するというようなことでなしに、なるべく化繊等にかえて改良復旧をいたしていきたい、こういうことを非常に真剣にお願いをいたしております。伺いますところでは、法律ではそういう道は開けておるように伺いますので、今度の復旧の措置をとる場合に特にお考えをいただきたいと思う次第でございます。 それからただいま伊藤会長からも詳細に申し上げましたところでありますが、湾内の状況が非常に悪化をいたしておりますので、来年なり再来年なりあるいは四、五年あとなりに、相当いそつき漁業に大影響がくるのではないかという懸念、懸念というよりは確定的にそういう見通しを立ててよかろうと思うのでありますが、そういう事態に対処いたしますために浅海増殖について特段に国の御補助をいただきまして進めて参りたい、こういうことを特にお願いを申し上げておきたいと思います。 被害の状況等につきましてはここに写真を持ってきておりますが、率直に申しますと、ここに出しております罹災時の波浪の状況等につきましては、宮古、釜石等の比較的便宜な個所の写真を、県の水産事務所があります関係とかその他で手っとり早くとったのでありますが、下閉伊から九戸方面にかけまして、この写真に出ておるよりははるかにひどい状況であったのであります。 それからノリそだの被害状況が向うの方に出ておりますし、カキだなその他が打ち上げられておる状況等はとっておりますが、岩手県で非常に莫大な損害を受けました定置の網の状況につきましては、これは写真のとりようがないわけであります。流失あるいは沈下等をいたしましたために、写真の資料としてはお目にかけかねるのでありますが、この定置漁業についても、あるいは南の方の御出身の方々がお考えになりますと、何かしら今ごろまで網を揚げずに相当多数の定置がそのままあったというようなことを不思議にお考えになることがおありになるかと思いますが、本県といたしましては、ことしの定置ははなはだ成績が悪くて、昨年の半漁といわれるような不漁だったのでありますが、そういう状態を続けておりましたのに、十二月の中旬ごろになりまして、ちらほら何か入るという程度の漁があったのであります。それで、どだい漁が悪くて、未練たらたらにおりましたところを持っていかれたというような関係になっております。 それから、ノリとカキにつきましても、南の方の事情で申しますと、カキなんかもある程度の、二割や三割の収穫を上げる時期なのでありますけれども、本県では、気仙郡の一部を除きましては、全く今からというところを、全然揚げないうちにやられたというような状態になっております。これは北の方で成育が幾らかおくれるという関係、それから販売時期等の関係がありまして、そういう事情になっております。それからノリにつきましても、気仙郡方面の一部が一回くらいは若干とったという程度のところでありまして、釜石から北の方になりますと、施設をしたきりで全然無収穫になってしまったというふうな状態になっております。 そういうような特性がありますので、いろいろ国の方の措置ばかりお願いをするようで、はなはだ恐縮なのでありますけれども、私どもの県といたしましても、相当窮乏中でありますけれども、今度の臨時県会で相当な措置をしなければおさまりがつかないような状況になっておりますし、金のあるなしは言っておられないような事情に立ち至っておりますので、何分国の方の各般の御援助をいただきたいと思う次第であります。 はなはだまずいことを申し上げましたが……。
○村松委員長 次は福島県水産課長佐藤啓三君。
○佐藤参考人 福島県下の被害状況を御報告申し上げる機会を与えられましたことを厚くお礼を申し上げたいと思います。 今回の高潮は、前に宮城県並びに岩手県の当局の方々から御報告がございましたように、十二月の二十五日から二十七日まで三日間にわたりまして、三メートル余の高潮が間断なく沿岸に襲来したというような状況でございまして、おそらく福島県としても七、八十年来の高潮であったというふうにいわれておるわけでございます。被害の大部分は水産関係でございまして、漁船、漁具、漁港施設、さらに道路その他土木関係あるいは耕地、住宅というような被害になっておるのであります。 被害の内容を申し上げますと、漁船関係では動力船並びに無動力船を合せまして、九十六隻が流失あるいは大破、中破、小破というような被害を受けたのでありまして、この被害金額が約七百万円になっておるのであります。あるいは四県知事名をもちまして、皆様の方に陳情書が出ておるはずでございますが、それの被害調査とは若干数字が異なっておるかと思います。皆様の方にお出ししてある調査は一月四日に取りまとめた関係もございまして、その後判明した分について訂正をした数字を申し上げたいと思いますので、若干の数字の違いがあるかと存じますが、漁船につきましては九十六隻、七百万円の被害を受けておるのであります。さらに定置網、底びき網、刺網あるいはタコつぼというような、いわゆる漁具関係におきまして二千九百四十五万、約三千万近い被害をこうむっておるのでございます。さように漁船、漁具等の被害が非常に大きくございまして、これらを合計しますと三十六百四十八万二千円というような状況になっておるのでございます。 その次に漁港の施設でございまするが、被害を受けました漁港は五港でございまして’被害個所にいたしまして十五カ所になっておるのでございます。大計分かいわゆる防波堤の決壊でございまして、この被害が四千五百九十九万三千円というような状況になっておるのでございます。そのほか道路の決壊が三カ所、護岸の決壊が十九カ所、河川が三カ所というような、土木関係の被害も相当甚大なものがございまして、総額にしまして見積り総額が六千四百五十五万円。そのほかに耕地関係でございまするが、冠水した田が八十五町歩、畑が三十町歩、さらに住宅等について申し上げますと、全壊、半壊、流失あるいは床上浸水等の被害を見ますと、二百四十戸に及んでおるのでございまして、しかも被害の大部分を占めました水産関係の被害について申し上げますと、漁船等は大部分が小型船であるのでございます。動力船についてもみな小さなものであります。従って被害者は沿岸の零細漁民である。また漁具関係につきましても、刺網あるいはタコつぼ等につきましても、これは経営者はみな零細な沿岸漁民であるという点に問題があるのでありまして、これが復旧につきまして何分の御高配を願いたいと思う次第でございます。県としましても、これらの復旧につきましては、融資その他において着々準備はいたしておるのでありますが、何しろ零細な沿岸漁民でございますので、特別の御高配を願いたいと思う次第でございます。 根本的には、かような高潮に対する防潮対策が先決でございまして、今回の県内の護岸の決壊状況等を見ましても、今後国におきまして完全な防潮対策をとっていただくように、特にお願いを申し上げたいと思う次第でございます。 はなはだ簡単でございますが以上御報告申し上げます。
○村松委員長 次は青森県水産部長重田芳二君。
○重田参考人 貴重な時間を拝借いたしまして、青森県の被害状況並びに要望を申し上げます。 青森の場合には被害が若干時間的にずれまして、二十六日の午後から非常に強く北東風が吹き始め、波も高くなってきて、二十七日の朝において最高に達し、二十八日になってぼつぼつ引き始めた、こういうふうに非常に長時間沖合いに低気圧が停滞しましたために、長時間にわたって非常に大きな波が——これを数字で申し上げますと、八戸の測候所におきます観測によりますれば、波の高さは六メートル三十せンチに達する、しかもうねりの波長は百三十メートルに達する、こういう大きな波が次々と、実に二昼夜余にわたって連続打撃を与えたのでございます。 被害の総額につきましては、水産のみならず道路関係、それから林業、耕地、建物等の被害もございまして、現在判明しております数字では約一億四千万円程度でございます。そのうちやはり六割以上が水産で被害を受けておるのでございます。水産につきまして若干詳細に申し上げます。 まず漁港関係でございますが、被害を受けましたのが十三港でございます。この金額が三千四百万、金額としまして非常に小さいのは、御承知の通り青森県の東海岸及び今回被害を受けました下北半島、津軽海峡に面する方の漁港と申しますのは非常に施設が貧弱なのでございます。今回の漁港の災害は、やはり大部分が防波堤の決壊と護護岸の欠損というようなものでございますが、護岸と申しましてもきわめて貧弱な木棚等でもってやっているというようなところが非常に多いために、またそれほど貧困な漁村の漁港施設の被害であるわけでございます。その点またあとで要望申し上げます。 次に水産の漁船、漁具、漁場等の被害でございますが、漁船におきましては二百五十隻が流失、大破、中破、小破を受けておるのでございます。中破、小破というのはいたつて少くて、ほとんどが流失、大破でございます。しかもこの漁船は福島からも申し上げましたように、非常に小型な船でございまして、動力船におきましても非常に小さな動力船、大部分が無動力の漁船でございます。と申しますのは、今回被害を受けました漁村は非常に零細な漁民の打撃でございまして、そういったいそ船で、ごく近海で漁をやっておるというような連中が今回被害を特によけい受けたわけでございます。漁船の被害は約一億足らずの金額ではございますが、内容的には今申しました通り非常に零細な連中の持ち船であるということでございます。従いまして漁具の被害につきましても、小型の定置漁業であるとか、あるいはカレイやタコをとるところの底建網であるとか非常に小さな規模のもの、あるいはタコの延べなわ、タコ箱をつなぎましたあの延べなわ、そういうものを揚げるいとまもなくそのまま風浪の際にさらわれてしまったのでございます。またほかの県からも申し上げました通り、本県の沿岸一帯の海草、貝類の漁場が壊滅的な打撃をやはり受けておるのでございます。こういった零細な漁民が船を失い、漁具を失い、しかも漁場を失っておるのでございます。この漁場の復旧は、ほかの県からも申し上げましたように、今後の問題として私どもは——ここには被害の数字としてそういう目に見えない数子を計上しておりません。しかしながら今後の数年間の大きな沿岸漁民にとっての被害ではなかろうかと非常に憂慮しておる次第でございます。浅海増殖の場合と同じように、本県の場合には東海岸に沼がたくさんございまして、そこでいろいろな淡水魚関係が漁業として行われておるのでございます。コイとかフナとかの漁業が行われておるのでございますが、こういった海浜に接しました沼にも潮水がどっと人り込みまして、淡水魚が全部死滅したのでございます。これまたあまりにもつかみどころのない数字でございますので、被害調査の数字の中にはあげておりませんが、やはりこれも他からまた再び移植したりいたしましても、数年間コイやフナが育つまでの期間というものを、漁民は漁業上非常な苦しみをするのでございます。 そのほかいろいろな施設関係、製品の流失等もございますが、被害関係は大体以上でございます。 そこで要望でございますが、やはり今回の災害につきましては、緊急的な対策並びに恒久的な対策の二つが当然なされなければならないと思うのでございますが、まず漁港につきましては、先ほど申しましたように非常に貧弱な施設の漁港が青森県には多く、従いまして岩手さんでしたかお話がありました通り、これは何としても改良復旧の形で見ていただかなければ、いつまでもさいの川原を繰り返すことになると思うのでございます。改良復旧につきましては、もちろん原形復旧の関連として事務的には処理できるわけでございますけれども、いろいろ補助の率等において違うのでございまして、こういう点をどうか貧弱な漁港を改良復旧をする、しかも高率な補助を今後お考え願いたいと思うのでございます。 そのほか将来の防潮対策ないしは漁業災害補償制度という問題につきましても、青森県も同様恒久対策として切実にお願いしたいと考えているのでございます。 次に緊急対策の問題でございますが、何といっても先立つものは金でございます。県自体としましても、これにつきましては旧正月を前にしまして、すぐにでも漁船漁具を失った漁民の生活問題として取り上げなければなりませんので、いろいろ地元の信連並びに中金等とも連絡をとりまして、つなぎの資金が手当できるようにただいま急いでおります。明日も具体的な幾ら出すという打ち合せをするような段取りになっております。と申しましても、これはやはり国から将来利子補給の面なり、あるいは損失補償の裏打ちがあるという前提において私どもこういう措置を講じつつあるのでございます。どうか緊急対策の面におきましても国のあたたかい御措置を切望する次第でございます。
○村松委員長 最後に青森県漁連専務理事平井四郎君にお願いいたします。
○平井参考人 ただいま御指名の光栄に浴しました不肖平井でございます。今回の大暴風雨によります高潮の被害に関しましては、すでにその原因経過は、各県から諸先生方に漏れなく御報告されましたので、貴重な時間を私がそれに費すことを省かせていただきたいと存じます。 ただ諸先生方のお耳にまだ残っているあのおととしの九月の洞爺丸事件の十五号台風、これは三面海に囲まれております青森県の日本海岸を襲いまして莫大なる被害を与え、しかもその当時の国家のあたたかいお情によりまして漁具漁船に対する特別融資を得まして、漁民は復活の喜びをもって自営漁業に当っておったのでございますが、今度の台風は日本海でなくて太平洋岸を襲いまして、八戸から岩手の方に寄りましたいわゆる階上地区と申しますところ、それから八戸から本州の最僻遠の地でございます下北半島、これを襲ったわけでございます。しかも十二月の二十六日、七日と申しますると、都市なれば新正の前でございすが、あの方面は全部旧正であるということと、十二月になりましてやや漁が見えてきたというので漁民は大へん喜んでおったやさきでございました。そのために受けました金銭上の被害と糟神上の打撃というものは、まことに大きいものがあるのでございます。しかも先ほどから申し述べられておりまするごとく、今度の被害を受けました者は、零細なる目々の米を買うにすら事欠いておる漁民でございます。中大漁業者は海洋から遠洋へと出ておりますが、枯渇した沿岸のわれわれ漁民は、その日の飯に事欠きながら、生きんがために——あの敗戦前、その後におきます小型トロールによりました沿岸資源の枯渇、これによりましてその後お国のあるいはまた県当局のあたたかき援助によりこれが回復策として最も大きく取り上げられました浅海増殖事業、この浅海増殖を今度の高潮のためにめちゃくちゃにされたわけであります。この零細漁民が受けました大きな被害、今度の新正の直前であったということ、漁が見えてきたというので喜んでおったやさきであるということ、この三つがわれわれ漁民をしてぼう然自失させたのであります。このような災害で、しかも零細なる漁民は、先ほどから皆さんが申し上げておりますが、いわゆる動力でない、無動力を使っておるということが零細を証明する一つの原因、しかもまた定置とか大謀とかいうような大きな資本的な漁具、網を用いましてやります漁法でない、いわゆる小さな網をもって魚をとっておる連中、こういうことを諸先生方におきましては十分一つ御勘案願いたいと存じ上げる次第でございます。 今度の被害に対しましては、先ほど水産部長が御報告申し上げました通りでございまして、救援の方法としましては、どうしても国家におすがりするよりほかに道がない、当座のつなぎ資金は何とかして出してやらなくちゃならないのだ、しかしその基礎を裏づけるものは国家の御援助に待つのみでございます。ことに青森県は財政的に恵まれておりません貧乏県であります。どうか諸先生方は、どうしてもこの点も特に御勘案願いたいと存じ上げる次第でございます。旧正を控えまして、楽しき一年一度の喜びにひたらんとしておるこのやさきに、暗々として苦悶しております漁民に、どうかあたたかき国の思いやり、恵みを与えてやっていただきとうお願い申し上げます。また先ほども申されておりまする通り、こういう災害は、昨年下北半島を襲いました十五号、今度の災害、年々歳々同じことを繰り返しておりまするが、これが復旧に対しましては、いわゆる今日の科学の進歩、人の頭の進歩、漁具、漁法の進歩、こういうものを取り入れられた復旧にどうか導いていただくように御考慮を願いたいと存ずるものでございます。先ほど申し上げましたように、浅海増殖におきましても、ことに全面的な打撃を受けましたこの際、魚田としての陸奥湾も枯渇しておりますが、この被害による沿岸の大きな損失、漁民の痛手、これに対しましても、今後は浅海増殖に待つよりほかに方法は見出せない当座の急務でございます。どうか特別に浅海増殖の奨励費の増額、補助の増額、この点をも十分御勘案願いたいと存じ上げる次第であります。 どうかそういう意味におきまして、われわれは数字的に水産部長が報告申し上げておりますこの漁民の困っております内情をここに御報告申し上げまして、御同情にすがらんとしておる次第でございます。何分よろしくお願い申し上げます。
○村松委員長 これにて参考人の陳述は終ります。 なお政府側として、大石政務次官、檜垣官房総務課長、和田金融課長、岡井水産庁次長、藤波水産庁経済課長並びに金融及び税の免除あるいは徴収延期等に関して大蔵省も呼んでおります。この際参考人及び当局に対して一括の質疑を許します。鈴木善幸君。
○鈴木(善)委員 ただいままで参考人各位の詳細にわたる今次災害の御報告を承わったわけでございますが、カムチャッカ沖震災以来の甚大な被害でございまして、私どもこれが回復につきましては、特に農林水産関係の被害が大きいだけに、当委員会としてもこれに対する重大な責任を痛感いたしておる次第であります。 まず政府にお尋ねをいたしたいのであります。政府から御配付になっておりますところの災害の被害額につきまして、地元県の被害額と約四億程度の開きがあるようでございますが、農林当局の災害調査の結果につきまして、この県との被害額の開きのある点も考慮に入れられましてまず御説明をいただきたいと思います。
○大石(武)政府委員 お答えいたします。政府といたしましては各県より集まって参りまする被害の状況を集計いたしまして、それを御報告申し上げたのが差し上げました書類でございます。なおこれは一月十日現在のものでございまして、その後正確な資料が参り次第これを十分に精査し、さらに各県よりの申請がありましたならば、直ちに係官を派遣いたしまして十分なる被害の調査査定をいたしたいと考えております。
○鈴木(善)委員 政務次官の御答弁がございましたが、きょう青森県、岩手県、宮城県、福島県四県の関係者が仙台においてお打ち合せの結果、ここに御提出になりました被害調査の資料が最も新しい資料であると思いますが、この農林省の御調査の資料と四億ないし五億の差がございます。これは今政務次官のお話で、その後の判明した被害の額が加算されておる結果と思うのでありますが、政府におきましてもできるだけすみやかに現地の被害調査を実施されまして、つぶさに現地の被害農林漁業者の窮状、被害の実態を早急に把握をされまして、これに対して適切な対策をすみやかに講ぜられることをまず御要望申し上げたいと思うのであります。 次に具体的に政府のこれに対する対策をお尋ねして参りたいと思うのでありますが、まず第一は漁港関係に対する対策でございます。漁港関係の災害はきわめて甚大のようでございます。つきましては、三十年度の予算の中に予備費がまだ若干余裕があると思うのでありますが、この予備費を緊急に支出をいたしまして、そうして災害の公共事業に対して速急に応急の措置を講じていただきたい。特に漁港、港湾等の被害につきましては、増破が毎日なされておるわけでありますから、これを緊急に応急の手当をするということが、それたけ被害額を最小限度に防止する結果になり、国の財政資金の効率をよくする結果にも相なるわけでありますから、私はまず政府に予備費を緊急支出をしてそして応急の復旧対策を強力に進めてもらいたい、こういう希望を持っておるのでありますが、これに対して水産庁当局は、大蔵省に対してどのような御折衝をなさっておりますか、その折衝の経過を御報告願いたいと思います。
○大石(武)政府委員 昨日から四県の各知事さんより、その被害の状況並びに総計の報告がございましたので、今明日中にさっそく係官を派遣いたしまして現地を調査、査定させました上に、できるだけ早い機会に予備費からこれを支出する方針でございます。
○鈴木(善)委員 今予備費はどれぐらい残っておりますか。その点おわかりになりましたら一つお知らせを願いたいと思います。
○林説明員 補足的に御説明申し上げたいと思います。今回の災害は、われわれの漁港の面におきましては、千葉県から北海道にわたる間でありますが、査定の問題につきましては、ただいまの政務次官の御答弁のように、早急にこれを実施いたしまして、復旧対策を確立いたしたいと考えておるわけであります。実施に当りましては、各県の御当局と十分連絡をいたしましてやりたいと考えております。ただ緊急に問題となります本年度の予備金の問題でありますが、これは大蔵省の方で一応聞きましたのですが、はっきりしたことを私まだつかんでおりませんが、相当あるように聞いております。そういたしまして、大体被害報告でまとまりましたところによりまして、従前の査定の結果等を勘案いたしまして、一昨日一応大蔵省の方には連絡をいたしまして、特に水産関係の被害がひどいということで本年度相当額の予備費を支出していただくようにという予備交渉をいたしているわけでありますが、これは査定が確定いたしませんと具体的には進めかねますので、査定の問題を急ぎましてその処置をいたしたいと考えているわけであります。
○鈴木(善)委員 公共事業に対する予備費の緊急支出の問題につきましては、ぜひ一つ御尽力をわずらわしたいと思います。 次に被害農林漁業者に対する資金の融通の問題でございますが、これは去る二十二国会におきましてそれぞれ立法がなされておりまして、もとよりその内容につきまして、今次の災害の経験からして不十分であり、改正を要する点もあると思うのでありますが、とりあえず私はこの臨時措置法によりまして緊急に経営資金なり事業資金を融通するために、主務大臣の災害の指定、それに基く政令の公布を急がなければならない、こう思うわけであります。この政令公布の準備をお進めになっていると思うのでありますが、農林当局でお進めになっておりますところの内容——概要でけっこうでありますが、要点と、いつごろその政令を公布できるか、その見通しを承わりたいと存じます。
○和田説明員 ただいまの御質問にお答えを申し上げます。ただいまお話のございました暫定措置法によります金融措置につきましては、一昨々日大蔵省と事務的に話をつけましたので、指定及び政令公布につきましては事務的に話がついておりますが、現在水産庁当局で被害金額の調査の集計を急いでおりますので、その数字が今明日中にもしまとまりますれば、来週末にでも政令を出すという段取りにできると思いますが、被害の数字がきまり次第できるだけ早く政令公布の手続をいたしたい、かように考えております。内容につきましては、あの法律が、御承知のように着業資金と、それから漁具、養殖のいかだ、あるいはそだ等について融資の対象として認めておりますが、金額は一般的には最低五万円から十五万円まで、金利は六分五厘を原則として、特別の場合に三分五厘にするということ、それから漁網綱につきましては一千万円までの金融措置を認めているわけでありますが、個々の詳細な内容及び条件につきましては、水産庁当局の被害調査を待ちましてよく打ち合せをいたしまして、大蔵省当局と折衝いたしたい、かように考えております。
○鈴木(善)委員 ただいま金融課長からお話がありました政令案の内容につきましては、概要はわかったわけでございますが、これを適当な機会に当委員会に御内示を願いまして、それを私ども検討いたしたい、こう考えているわけでありますが、委員長においてしかるべくお取り計らいをお願いいたしたいと存じます。
○村松委員長 了承いたしました。
○鈴木(善)委員 次に先ほども伊藤参考人からお話がございました経営資金並びに事業資金につきまして、大体政府でも農林中金の系統金融を利用させるというお考えのようでございますが、今までの災害融資の経過から考えまして国たりあるいは都道府県、市町村等の団体が損失補償、利子補給をやりましても、中金のプロパ一の資金を出す関係から、非常に緊急を要し、災害を受けた気の毒な漁業者に対して、その財政事情が非常に悪くなっております関係もありまして、非常に出ししぶる傾向があるわけであります。もとより農林中金の現在の資金事情は、以前の状態よりも非常に改善をされておりまして、資金的には相当の余裕があるとは存じます。その点若干条件が違うと思いますけれども、中金プロパ一の金をこの災害融資に充てるということは、被害農林漁業者に対する融資として、必要な時期に必要な額を供給するという面に非常に不便を与えておるのは、いなみ得ない傾向でございます。そこでこれに対しまして政府資金の裏つけをやってやるということがこの臨時措置法を円滑に運営するポイントになってくると思うのでありますが、資金運用部の資金なりそういう面で政府は裏づけをしてやるというお考えがありますかどうか、この点を念のためお伺いしたいと思います。
○和田説明員 お答えを申し上げます。御承知のように非常に古く産業組合の中央金庫等の時代におきましては、この種の災害等の場合に、預金部資金等をここへ放り込みまして末端機構を通して貸し出すという制度がしばしばとられておりましたのでございますが、戦後農林漁業金融公庫の設立を見まして以後は、政府資金は主としてここを通して投資をいたすことにいたしておりまして、御承知のような制度に相なっておるわけであります。従って農林漁業金融公庫を通しての政府の財政投融資と系統の金融によりまするものと、両々相待ちながら農業政策の補完的な伸展を期待をいたしておる現状から考えまして、今回の災害の着業資金措置に預金部資金を中金等を通して流すという措置は、制度的な面からも原則論として若干困難であろうと思いますし、また郵便貯金の伸びが非常に悪いというようなことで、財政投融資の融資ワクも相当制限的に考えられております現状では、なかなか困難ではないかと思います。おっしゃいますように、系統の金では損失補償がついておってもなかなか末端に行きがたいというような難点もあるいはあろうかと思いますが、それらの点につきましては、損失補償もあることであり、また政策的な金融なのであるから、積極的に損失補償という制度を利用して、系統機関がほんとうにお固まりの方に貸し出しをいたしますように、極力努力をして指導をして参りたい、かように思います。 なお漁船の復旧と陸上施設等の復旧につきましては、農林漁業金融公庫によります主務大臣指定施設災害として全融の措置をとりますこととして、この方につきましても現在準備を進めておりますので、施設的なものは一応公庫の金で救われると思いますが、残りますものはそういう経営的な着業資金の面でございますが、この点につきましては、御主張はわからないでもございませんけれども、制度的にも今申しましたように非常に困難ではないかというふうに考えております。
○鈴木(善)委員 ただいまの金融課長の御説明で、預金部資金等で裏づけすることは制度的に非常に困難だというお話がございましたが、もしそうでありますれば、農林中金等の資金であっても、必要額が必要な時期に確実に被害農林漁業者に融通ができますように強力な行政指導がなされなければならない、こう考えるわけでありますが、この点につきまして、農林政務次官から責任を持ってこれを措置するということをはっきりしていただけば、被害者の諸君も非常に安心すると思うのでありますが、その点政務次官から政府の行政指導についての確信のあるところを一つお話を願いたいと思います。
○大石(武)政府委員 お答えいたします。でき得る限り懸命の努力をいたして、十分に末端にまでその措置ができますように指導いたす所存でございます。
○鈴木(善)委員 なお先ほど金融課長から農林漁業金融公庫の主務大臣指定災害の対策の件のお話がございましたが、この要綱を作ります場合におきまして、私二、三御注文を申し上げておきたいと思うのであります。それは漁網は先ほどの資金融通の暫定措置法の方で見ることに考えておられるようでありますが、農林漁業金融公庫の方の化学繊維漁網に対する融資が、漁業協同組合あるいは生産協同組合の自営の場合と個人の場合と、二つに分れているわけであります。定置関係の被害漁業者の諸君は、この機会に綿漁網から合成繊維漁網に切りかえたい、こういう希望を持っており、また漁業経営の安定の面からいたしましても、そのような方向で指導すべきだ、こう思うのであります。そこで山口県等の災害の際に出しました指定災害の農林漁業金融公庫の融資要綱の際には漁網は取り上げられていなかったわけでありますが、今回はその貸付要綱に漁網を加えられるお考えでございますかどうか。またもし漁網の関係は臨時措置法の方でいくとするならば、指定災害ではなくとも一般の公庫の漁網に対するところの融資のワクで優先的にこれをみるという特別な配慮をなさる御方針であるかどうか、この点をお伺いしたい。
○和田説明員 ただいまお尋ねの合成繊維漁網綱の問題につきましては、さきの山口県等の秋の台風の際に主務大臣の指定施設災害に特に加えませんでした理由は、合成繊維漁網綱につきましては、組合自営の場合も漁業者個人営の場合も、主務大臣指定施設というふうに特に指定をいたしませんでも、法律上金融の道が開かれておりますので指定を特にいたさなかったのでございます。従いまして今回の場合にも合成繊維漁網綱につきましては、組合自営の場合及び個人営につきましては公庫の融資の対象として当然取り上げるつもりでおります。
○鈴木(善)委員 公庫の融資ワクの中でこれをみるという御説明がございましたが、災害の際でございますから、特に優先的な配慮を持ってお取り上げを願いたいということが第一点。 第二点は、御承知のように組合の自営のワクが二億であり、一方農林大臣指定のワクがわずかに五千万円である、こういうような非常に僅少な合成繊維漁網のワクでは、今次の災害だけでも相当額に上りますから、ワクが当然足らなくなる、こう思われるのでありますが、これを公庫の年度末調整におきまして十分災害融資分を確保され、なお災害以外の一般の分を食っていったのではこれは関係漁業者に非常な迷惑をかけることになりますから、災害分をこれにプラスするような資金調整をぜひやっていただかなければならぬ、こう考えるわけでありますが、これに対する公庫資金の調整についての見通しをお伺いしたい。
○和田説明員 お話のように災害の復旧は非常に緊急を要することでもございますので、この災害によります合成繊維漁網綱の復旧の問題につきましては、当然別途に資金調整をいたしまして、追加ワクを考慮いたすつもりで現在検討いたしております。
○鈴木(善)委員 次に農林漁業金融公庫の指定災害の融資の中で、漁船の融資の問題をお尋ねしたいと思うのであります。 その第一は、今回の被害の一番大きい部分は十トン未満の動力船あるいは無動力船の零細な沿岸漁業者の被害が非常に大きいということが特徴でございます。そこでこれを指定災害として特別なワクで融資をされると思うのでありますが、これにつきまして融資の条件、つまり金利あるいは償還期間なり据置期間なり、こういうものが対象が非常に零細でありますだけに特別な配慮を必要とする、またワクにつきましても十分ワクを確保する必要があると私は考えております。 それからなお漁船についての第二の点は、先ほども岩手県の水産部長からお話がございましたが、沿岸漁業を、こういう災害を機会に、従来の小型の漁船から中型の漁船等に引き上げていくということが沿岸の漁業振興対策上も必要である、こう考えますから、原形復旧だけでなく増トン分もみてもらいたいというお話がございました。これはごもっともな御要望でございまして、従来私が経験をしておりますところによりますると、公庫では二十トンなら二十トンの船が災害を受ける、そうしてその機会に五十トンの船を代船建造したいということになりますと、二十トンの分につきましてはこの指定災害のワクで融資はいたしますが、あとの増トン分の三十トンにつきましては、自己資金なりあるいは中金等の一般金融機関の融資でまかなえ、こういうような方針で処理されております。従いまして、零細な漁業者の諸君が二十トンだけの公庫融資を受けて、他の増トン分を自己資金でまかなう、あるいは一般金融機関の融資に仰ごうとしましても、災害者でありますだけにそういうことができない。結局代船建造は自分らの考えておるところの代船建造ができないで、旧態依然たる現在の漁業事情に合わないような小型の漁船をそのまま原形復旧せざるを得ない、こういうような実情に追い込まれておるわけであります。それを強く公庫融資を要求いたしますと、それでは指定災害の融資の特典をはずして、一般の漁船の代船建造融資としてなら取り上げよう。こういうような取扱いになっておるわけであります。これは災害漁業者に対しては、そのような取扱いは私は不適当であり、これはすみやかに今回の災害融資を改善すべきである、こう考えておるわけでありますが、これに対して農林省金融課なりあるいは水産庁当局はどのようにお考えになり、どのように公庫融資を改善していかれる御方針であるか、その点を伺いたいと思います。
○和田説明員 第一点の主務大臣指定施設災害復旧の条件等につきましては、きょう実はあいにく資料を持って参りませんでしたので、記憶で申し上げまして間違えますといけませんので、あとで別途御連絡を申し上げたいと思いますが、災害は一般の場合には低利かつ長期に考えて、制度的にはそのようになっております。 第二点のお尋ねにつきましては、先ほど来各県の御報告にもそういう御要望がございましたわけでございますが、御承知のように災害復旧ということになりますと、たとい公庫といえども補助金の場合と同様に、やはり災害の被害額を基礎にいたしまして、それの復旧に要する資金ワクは幾らであるかという算定を必要といたしますので、御要望は十分わかりますが、金額の面でいろいろ困難さが出てくると思いますが、関係当局ともいろいろ交渉をいたしまして、できるだけ要望に沿えるような考慮を払ってみたいと考えております。
○鈴木(善)委員 今御答弁がございましたが、これは公共事業等の災害復旧に対する補助金とは違いまして、あくまで融資でございますから、その融資についての配慮、被害漁業者に同情あるような措置を講じていただけばよろしゅうございますから、これはぜひ一つやっていただきたい、こう思うのであります。もとより指定災害の融資のワクとして確保するものは原形の分の代船建造のワクでよろしいわけでありますけれども、その増トン分については一般の漁船ワクにこれを加えまして、ただ取り上げる優先順位を一般の場合よりも災害漁船でございますから、優先的に取り扱ってもらえば、ワクの関係は二つに分れておりましても、一体的に優先的な取扱いをしてもらうということでこれが解決される問題であると思いますから、一つそのようなお取り計らいを願いたい、こう思うわけであります。 その次に簡単にお尋ねしたいと思うのであります。先ほどの参考人のお話にも出ておりますが、沿岸のコンブ、ワカメ、あるいはアワビ等のいそつきの海草類が相当被害をこうむっております。これは打ち上げられました海草類の現地の状況から推察いたしましても、相当深刻な被害であったと私は考えております。そこで浅海増殖に対する投石あるいは岩面爆破等の積極的な増殖対策がこれはぜひ必要であると思うのでありまして、この点からいたしますと、二十九年度、三十年度の浅海増殖につきましてのこの投石、岩面爆破等の予算は、わずかに一千万円ないし一千二百万円というきわめて少額であります。こういうものをもってしてはとうてい浅海増殖の被害対策と、しての実行は困難でございます。今予算の編成時期でございますから、水産庁当局は十分この点を御考慮に入れられまして、一つ相当額の浅海増殖予算を確保するように特段の御努力をわずらわしたい、こう思うわけであります。この浅海増殖予算についての水産庁のお考えを一つお伺いしたいと思います。
○岡井説明員 お答えします。災害地区における浅海資源の復旧につきましてはお説の通りでございまして、一面国の機関も府県の機関と共同にこれが将来をどういうふうに考えるかという科学的な研究もさせたいと思うし、一方明年度予算につきましては、御注意もいただきました通り、これを加味いたしまして大蔵当局に強く折衝いたしたい、かように考えております。
○鈴木(善)委員 被害地の市町村なりあるいは地方団体の自治庁当局に対する特別交付税の増額の問題あるいは救農土木的な失業対策事業を早急に取り上げていただきたいという問題等もございますが、関係庁からお見えになっておりません。そこで政務次官の方から、関係庁に対しましてぜひ強く御要望、御連絡をお願いをいたしたい、こう思うわけであります。なお融資の際に、カムチャッカ沖等の災害を受けまして前に経営資金等融資を受けておるわけでありまして、これら未償還分がございます際にまたまたの災害でございますので、これらの償還延期の問題につきましても十分政府の方で御配慮をわずらわしたいことを指摘しまして、私の質疑を終りたいと思います。
○大石(武)政府委員 鈴木委員にお答えいたします。いろいろと鈴木委員よりあたたかい思いやりのある御質疑なり御方針を承わりまして非常にうれしく思っております。政府といたしましても、これだけの気の毒な人々に対しましては、法の解釈をできるだけ広げまして、許す範囲においてできるだけあたたかい気持をもって万全の対策を講ずるつもりでございます。
○村松委員長 この際休憩をいたします。二時半再開をいたします。参考人の方も御参集を願います。 午後一時二十六分休憩 ————◇————— 午後二時五十三分開議
○村松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を継続いたします。日野吉夫君。
○日野委員 参考人の志津川の町長さんが急がれるような話ですから、まず簡単に二、三伺っておきたいと思うのです。この間僕も現場を見てきたのですが、被害の跡片づけが済んでおりますか。それから、あそこの道路が決壊して交通杜絶の状態だったが、バスは復活していますか。これはあとで場合によれば委員会から現場視察に行かなければならぬかもしれぬ。そういうことも予定して伺っておくのですが、今どういう状況になっていますか。
○田中参考人 跡片づけが大体済んだといえば済んだようなものでございますが、カキの懸垂してない、からのいかだが湾内に浮かんでおります。その数も被害前の半数に満たないと思いますが、とにかくカキのいかだが残っているじゃないかと視察の方が思われるかもしれませんが、それはほとんどがからのいかだであって、カキが全然ついてないいかだでございます。それからノリの方は全滅したのでございますが、これはまだノリの季節があるものですから、三月までノリを採取することができるために、ノリの業者はいろいろのってを求めて、比較的被害の少なかった渡波方面から、ノリを一、二回とったあとの網を買い受けて、そうしてノリ網をまた入れております。このノリの方はだいぶ今見ると残っておるように見えますが、これも今申し上けた通り、新たに入れた網であって、はとんどすぐ採取することができないのであります。ですから今天気のいいときにあそこを通ってみますと、ノリのほし場がほとんど全部からなのでございます。ただ海の方には、ノリの網か入った跡が今見えております。しかし過般先生おいでのときのようないかだあるいはノリしばの惨害は、あの当時よりもすっかり片づきまして、ごくわずかだけ残っておる程度でございます。カキいかだに使いましたたるのようなものも、おのおの所有者が自分のうちの方へ運びましたから、ごくわずかそちこちに散在しておる程度であります。 それから道路の決壊につきましては、過般おいでのときは決壊してバスが運休しておったのであります。戸倉地区において、二カ所大きく決壊し、そのほかに小さな決壊が五、六カ所あったのですが、その大きいところ二ヵ所は、さしあたり土俵を積み重ねまして、そうしてバスが今から約五、六日先から通っております。これは海岸を回り、石巻に通ずる重要な路線なもので、これを急ぎまして、応急措置をやりまして、俵で積み重ねた道路をバスが辛うじて通っております。あの半分の波が来ても、すぐ壊れるような危険な状態になっておりますが、とにかくバスは通れるようになっている現状であります。
○日野委員 あなたは根本的な防潮、防波対策を強く要望されておられるが、この間志津川のあの市場の護岸の崩れたところへ行ってみると、砂上の楼閣という言葉があるけれども、カキ殻の上にコンクリートで工事をやっているようでありましたが、ああいうことから、あなたは強く根本的な対策を主張されるのでしょうが、数カ所見てきましたが、護岸とか築堤とかいうものは、全く基礎工事ができていないのですね。さっきから言われているように、今度の高潮の特徴は、ほんとうに海底からゆり動かした波のように聞かれるので、表はまだ倒れないように見えても、根はすっかり洗われて、もう一波来ると倒れる状況にある実情を僕ら見てきたのですが、あなたが根本的な防潮、防波の対策を強く主張されるのは、そういう基礎から根本的にやれ、こういう意味に伺ってよろしゅうございますね。
○田中参考人 その通りでございます。この間ごらんいただきましたように、防波堤が大きな亀裂を生じて、底の方がえぐられまして、もう一つ波が来るとがさりと落ちるような格好に今なっております。ですからむろん根本的な護岸工事をやっていただきたいということ、それからごらんいただきました松原前、これは護岸を作らなかったために、非常に大きな土量を一夜にして持ち運ばれてしまったのであります。せっかくあすこに埋立地を作ったにもかかわらず、護岸ができないためにああいうことになっておりますから、これは町にとりましても国にとりましてもむだなことになりますから、ああいうところは根本的な護岸を作っていただきたい、こうお願いしたいのです。それが津波対策の一つであろうと、私はいつも津波の恐怖心に襲われておりますから、こういうことを考えております。
○日野委員 よくわかりました。そこで宮城県の副知事さんにちょっと伺いたいのですが……。
○村松委員長 田中参考人はよろしゅうございますか。
○日野委員 よろしゅうございます。
○村松委員長 ほかに田中参考人に対する御質疑はございますか。三時までに帰りたいという申し出がございますがございませんか。——それでは田中さんけっこうです。御苦労さんでした。
○日野委員 それでは宮城県の副知事さんに伺いますが、二十二・八メートルの暴風雨だったと、こういうのですが、これは全然気象台から警報がなかったのですか。もしあったとすれば、もう暴風が襲来してからあったのですか、この関係はどうですか。実はデフレ予算の犠牲になって定点観測が廃止になって、気象の調査も非常に不十分であると思うので、やはり災害対策の一つとして定点観測の復活などが問題になるのです。これはあとで今度の予算に定点観測の予算復活の要求をしておるかどうか、政府から聞きますが、宮城県の副知事さん、その当時の警報関係はどうですか。
○早坂参考人 その当時はラジオでもって海上は波が荒くなる、航行に大分危険である、注意を要するというようなことがあって、その後またこれが穏やかになる模様だというような程度はかなかったわけです。これは岩手県も同じようなことを言っておるのでありますが、三陸沖に停滞しておった低気圧が急激に発達した、こういうような状況から、おそらく気象台の方でもあれほどになるものとは思っていなかったのではないか、かように私は考えております。
○日野委員 これは急激に発達したかもわかりませんが、しかしこのくらいな大被害をこうむった、八十年来だといわれるこの高潮が突如としてくるわけはないので、これは正確な気象観測をやっていれば当然こうなってくることが予知されるはずのものだと思うのです。あなたのラジオで聞かれたのは——ほかの参考にしてもいいのですが、襲来したのは二十五日の晩のようですが、警報らしいものを認められたのは大体いつごろですか。
○早坂参考人 異常災害のときの警報連絡は気象台からほとんどなかったのです。大きな暴風があるというようなときには、気象台の方から関係機関に事前に連絡があるのでありますが、今回はなかったわけです。
○日野委員 ついでに大石政務次官に聞いておきますが、定点観測の予算復活の要求を農林省から今大蔵省に出していますか。
○大石(武)政府委員 これははなはだ申しわけございませんが、運輸省の所管だそうでございます。
○日野委員 これはお調べ願って、もし出てないならば、運輸省と文部省にもこれは関係があったと僕らは記憶しておりますが、その関係を調べて、強くこれを要求するお考えがおありになりますか。
○大石(武)政府委員 これは所管が違うのでございますから、こちらから差し出口をすることはできないのでございますが、とにかく所管争いというようなことなしに、別な意味から御趣旨には賛成して、ぜひともそのようにわれわれも努力いたしたいと思います。
○日野委員 あまりなわ張りにとらわれずに、そういう必要なものであるならば、何らかの形で要求されるように御配慮願いたいと注文をいたしておきます。大体これは予報がもっと早ければ定置とかあるいは漁船やそうしたものは引き揚げてこの災難を免れるか、被害をもっと少くできるはずなので、こういう点はやはり十分今後考えておかなければならぬ問題でないか、こう思うのです。そういう意味から予算復活は国会に出てからもいろいろの形はありましょうけれども、やはり早いうちにやった方が楽ですから、それは一つそうお考え願いたいと思うのです。 それから宮城県の副知事さんにもう一つ伺っておきますが、人畜の被害が少い、こういうお話でありますが、宮城県は四十何名かあるはずであります。この表にもちゃんと出ているんですが、合同慰霊祭をやった、こう言いますけれども、この中には船員保険に入っている者があるでしょう、あるいは単独に生命保険に入っている者もあるでしょうが、大部分は入っていないのじゃないかと思いますが、その内訳がわかればよろしいし、わからなければ県としてはこれにどういう対策をやられたか、従来もこういう例がしばしばありましたが、何も見舞金以上のものはやってないようですが、今後もこういうことがしばしばあると思うのですが、こういう人命の喪失に対する何らか具体的な救済の方法、要求等があればちょっと聞かしておいてもらいたいと思います。
○早坂参考人 人畜の被害が比較的少かった関係で全国的な新聞に報道されなかったということは、私東北全体の関係として申し上げたので、宮城県自体から見れば四十六名というとうとい生命を失ったわけであります。これについてのお尋ねの生命保険に何名入っておるかどうかということはまだ調査しておりませんが、四十六名のとうとい魂を慰めることにつきましては、精神的にいろいろ考えてはおるのでありますが、この点について特にまだ政府にこうしてほしいというような対策、方法等は実はありません。
○日野委員 それではあと岩手県の伊藤佐十郎さんにちょっと伺っておきたいのですが、あなたはこの間の話では、災害の根本策で非常に権威のある意見を述べておられたようですが、きょうはあまりその御意見の開陳がなかったようですけれども、これはあとで伺います。そのうちにカムチャッカ沖津浪のときの借入金は非常に条件がめんどうで借りかねたというようなお話がありましたが、具体的にどういう点が障害になったか、まだ岩手県に行ったワクの全体の消化ができなかったと記憶しておるのですが、その難点はどこにあったか、今後の法律を作る参考にもなりますから、ちょっと伺っておきたい。
○伊藤参考人 ただいまのお尋ねの件は、岩手ばかりでなくよそも同様の悩みを持っておるのでありますが、借りかねた最大の原因というのは、災害融資のファンドが金融機関のプロパーでまかなわれるというところに最大の原因があると思います。というのは、たとい利子補給をいたしましょうとも、損失補償をいたしましょうとも、金融機関が自己資金を融資する場合には、そういう補償や何かに多くを期待しないで、自分の金融人の立場から普通のベースと同じような前提でまず審査をいたします。これが国の資金の裏づけによる文字通りの政策金融であれば、窓口を貸して事務的に扱うだけで済みますけれども、自己資金を融資するということになれば、さように簡単には参らないようであります。 それからもう一つの副次的な原因といたしましては、おおむね零細な漁民諸君の災害融資というものは、一人一人にすると、少いものは一万、二万、三万、四万というようなこまかいものもありますが、国で立法する場合に一々そういうものまで末端へ直結するような法律なり制度の制定ということは、技術的にもきわめて困難なようであります。従いまして運用される時分には、地域組合、漁業協同組合等が一括地区内のものを借り入れをいたしまして、これを転貸融資の形でもって復旧の資に充てるというのが常道であります。その際に漁業協同組合の起債能力というものが直ちに問題になって参ります。大体漁業経営そのものが一般に非常に不安定とされているのに、おまけに災害でいわば不生産的なカバーの部面を相当持っている融資でありますから、組合自体の起債能力ということが非常に大きく影響いたすわけであります。その面においても、政府資金をお貸し願うのと民間の金融に依存するのでは、根本的に違いが出てくるわけでありまして、主としてそういう一つの理由から、借り得る組合と借りにくい組合を生じたり、あるいはもつげら金融ベースで審査する態度を改められないために、思うように借り入れられなかったというような傾向があると存じております。
○日野委員 大体あの法律を作るときに私たちも参画しているのですが、災害融資というのは金融のベースに乗らないものを乗せていくところに利子補給の問題もあり、損失補償の問題もあるので、金融機関は当然そういう金融ベースに乗らないものを拒否しようという傾向はありますが、あなたも漁連の会長さんですから、これは漁連が指導しなければならなかったのであるし、今後作られる融資法といえども、金融機関の金融ベースに乗せてできるだけ安全な金融をやろうとするのと相当強く戦っていかないと、資金の融通は出ないと思うので、これは政治力もありますが、その点は十分お考えにならないとこの法律の利用ができないのじゃないか。私たちも今後の審議の上でこの点は十分考慮するつもりでおりますけれども、やはり漁連の会長さんなどはもっと政治性を発揮して、十分借りられるように御尽力、御努力を願わなければならぬと思うので、一つそういう心組みで対処していただきたいということを注文しておきます。 そのほか参考人の青森の部長さんに伺っておきたいのですが、被害調査の中に水産製品というのがありますが、これは具体的にどういうものなんですか。
○重田参考人 スルメ、イカ等が倉庫にあったが、これが水浸しになったというのが水産製品の被害であります。
○日野委員 わかりました。 この要求のうち鈴木委員から触れております点は除外いたしまして触れない点だけを政府当局から聞きたいと思うのですが、公共施設の復旧については全額国庫負担として早急に予算措置をせよという四県の知事会議からの要求があるのです。林さんにちょっと伺いたいのですが、水産関係では漁港が大部分ではないか、それに護岸やいろいろありますけれども、災害立法の論議の間に明確にされたところは、公共事業の災害復旧は全額国が負担する、これは大蔵省の査定の問題は残りますけれども、初年度は三、次年度は五、最終年度が二という比率で全額国庫負担でやる、こういうことに方針がきまっておりますが、漁港の復旧も当然それに入ると思うのですが、その辺はどうですか。
○林説明員 お答えいたします。災害復旧の国の負担の率の関係につきましては、御承知のように公共土木施設災害の関係と、漁港で申しますと農林水産の関係の暫定法の場合と二つあるわけでありますが、暫定法の方は、漁業協同組合が事業主体となりまして復旧いたします場合に暫定法が適用されまして、今までの実績から申し上げますと、漁港の場合におきましてはほとんど市町村あるいは府県の管理する港が多いわけでございますから、公共土木の方の災害によって約九割が処理されておるわけであります。これが今までの実績でございます。公共土木の災害におきましては、御承知のように国の負担率は例の俗にスライド・システムというふうになっておりますが、被害が多ければそれに従いまして国の負担率が増してくるという方式になっております。相当被害甚大な町村あるいは府県におきましては九割幾ら、ほとんど一〇〇%に近い率が出る場合もあるわけであります。最低が六割六分七厘というふうになっておるわけであります。それから農林水産の暫定法におきましては最低六割五分であります。これもやはりその後改正いたしまして、公共土木の災害に準じまして、被害の程度が高くなるにつれまして最高九割の国の補助率というものを出すように現在なっておるわけであります。今回の災害につきましても実地の調査をいたしまして、標準税収と見合いましてそういう額がきまることになるわけであります。相当被害の甚大な町村につきましては高率の負担金が参ることになるわけであります。 それから実施の面につきましては三、五、二ということで進んでおるわけでありますが、予算その他の関係で必ずしも初年度三ということには今までの実績はなっておりませんが、これは今後十分努力はいたすつもりでおります。ただ今回の場合につきましては発生時期の関係がございまして、本年度における予備金の支出で三をやるということについては、いろいろ検討いたしませんと具体的には問題があるかもしれません。十分検討いたしまして、実施の可能の面と見合いまして今後の処理を進めて参りたいと考えております。
○日野委員 今の説明で大体わかったのですが、先刻来から聞いておるように非常に窮迫しているということですね。漁村が常習災害地帯とみなさるべき地域なので、これはぜひ九割補助の対象にしてもらいたい。それから三年の復旧計画というけれども、これは海を相手にしている仕事であるだけに、三年も継続して復旧をやられたのでは、その間にまた大きい波でもくればみなこわされてしまうというような事情もあるので、これは緊急に実施完成するように一つ努力してもらわなければならないと思うのです。さっきから皆さんの要望は、原形復旧にとどまらず改良復旧で根本的なあれをやってもらいたいという意見が強く出ているのですが、原形復旧の場合は今のような九割補助とか三、五、二というようなものが出て参りますけれども、改良復旧になった場合、原形にさらにプラスしてやらなければならぬ場合の補助あるいはこの完成年次、こういうものに対するあなたの見通しはどうですか。
○林説明員 復旧に当りましての根本方針はお話のように原形復旧ということになっておるわけであります。しかしながらせっかく復旧いたしましたものがまた同程度の暴力に耐えかねるというようなことでは困るわけでありますから、災害復旧におきましても、機能の改良ということを含まない範囲におきまする施設そのものの補強をするということは考えられておるわけであります。その点は現地調査等によりまして、十分把握して処理をいたしたい。従来もいたしておるわけであります。ただ機能を増しますようなところまでは行けない規則になっておりますので、たとえばから積みの石垣がありまして、これを練り積みにかえますとか、あるいはコンクリートでやりますとか、そういうことは場所々々の実情を勘案して査定をいたすわけであります。そういう面におきまして、実際の査定に当って極力努力を払って参りたいと考えておるわけであります。 それから、それ以上に、まあ幾らか機能を増すことになるかと思いますが、さらにそれにプラスいたしまして復旧の関係の仕事をやりまするものは、いわゆる災害関連事業ということで、別の予算をもってやっておるわけでありますが、これは幾らか改良的な意味が含まれるということになりまする関係上、現在やっておりまするのは補助率五割であります。国の補助率五割をもって、その災害の起ります場所に直接関係がありまして、これと関連して改良を行えば非常に効果が多いというような仕事をやっておるわけであります。この面につきましても、今後一つできるだけ努力して予算を獲得いたして、進めて参りたいと考えております。
○日野委員 この問題は、今後作られる小委員会等で十分研究してみたいと思うのですが、問題はさっき参考人からもちょっと聞いたように、復旧と申しましても、根本的に根が洗われて、またまたここに現われた被害の程度よりひどいものになるという実情をわれわれよく見ているので、こういう点は特に一つ入念に調査されたい。大蔵省は、災害の査定に当っては、いつも現地は水増ししてきているというふうに、頭からそういうことを考えて、そうして厳重に査定をされると、全額国庫負担でやるといっても、被害総額で大きく削られると、これは何にもならないことになっているのが実情なので、一つこういう点はあなたの方で強く主張されて、われわれも今後これに協力しますが、一つそういう心がまえでやっていただきたいことを注文申し上げて、あとは次の小委員会等で十分協議いたします。 その次に、さっきからだいぶ問題になっておりますが、漁業災害補償制度ですね。水産庁の岡井次長さんに伺うが、これはオホーツク海の津波のときから水産委員会でだいぶ問題になって、遠洋漁業と沿岸漁業とに分けて、沿岸漁業ならば実施ができるということで、三年間鋭意研究した結果、過般この制度の形だけは出たはずなんであります。その後どう進行しているのか。一応は漁具を対象にして、漁獲はそのあとやるのだという話も聞いているのだが、今の進行状態がどこまで行っているのか、そしてこういう災害にかんがみて、今後この漁業災害補償制度というものをどう推し進めていくか、一つ次長から聞いておきたい。
○岡井説明員 岩手以東の海岸のことは、先ほど陳情の間に差しはさまれてお言葉がございましたが、現段階におきまして、国の方は、本年度も僅少の予算ではありますが、継続調査をやっております。明年もさらにそれを深めて調査をする予算要求を今いたしております。大体今までわれわれの方で調査した段階の結末をかいつまんで申し上げますと、オール漁業、一般の沿岸漁業の豊凶に順応するような保険制度あるいは共済制度ということは非常にこれはむずかしい。従いまして、せめて浅海の方を主としたノリ、カキもしくは定置漁業のようなものから拾い上げてみたらどうかという段階でございまするが、これも災害のようなときにはよく罹災者の側から、共済制度、保険制度があればこういうことはなかったという悲壮な叫びを聞くわけでございますが、平生われわれが調査して、今まで集まった資料によりますと、自分のところはあまり災害もなし、保険率はどのくらいになるか、共済掛金がどのくらいになるかという、金額によって考えてみたいというようなところもありまして、進んで加入するという空気がさほど濃厚でないというのが一つの悩みで、ございます。というのは、結局ノリだけを全国的に九州から東北まで一応保険対象にするといたしましても、保険金額というもの、共済制度でいきましても掛金が非常に高くなります。従いましてところによれば自己保険的な積み立てをした方がむしろ有利であるというような考え方を持つような地区もあるわけであります。従ってノリだけではだめだ、やはりカキのようなものも入れたらどうだろう、その上定置漁業のようなもののうちから、漁業生産組合もしくは協同組合形態でやっているようなものを入れたらどうだろうというふうに、相当拡大をして幅広く網羅したもので、業種別によって掛金を少しずつ考えていくとか、地区的に差をつけるとか、いろいろな方法を研究してやってみたらどうかというような考え方をわれわれはしておりますが、さりとて国の方がこれをどういうふうに持っていくかということは、なおもう一年調査をさしていただいて、その間に成算を得て、政府の方でもこれをカバーする方法を考えていきたい。さしあたりまず急いで手つ取り早くやっていくという民間の強力な御意思があるなら、われわれとしてもそれに基いて、国の方がそれを援助する方法をプラスするという考え方の方が実現としては早いというような気持でおります。今の段階は、まことに不満足かもしれませんが、かような状態でございます。
○日野委員 農業共済がちゃんと完全にできておるのに、漁業に、こういう危険な生業に携わるものに共済の制度がないということが、この共済を作ろうという一つの動機だったわけであります。先ほど来いろいろ問題になっています、当面の緊急対策として融資をやってくれ、ところが年々歳々災害がくるものだから、この融資を積み重ねていって、とうてい償還できないという事態が目前にきております。これは私が三年間災害とぶつかった経験でありますが、緊急を要する災害の復旧等に対しては、先ほど来言ったように、政府の予備金でぽんとこれを支出して復旧する。その次には、今の融資法でもって損失に対して融資をやる。それからこういう共済制度ができておって、貸した金を共済金で清算をしていくというところの方式、そうなれば完全に災害というものは救済ができると私たちは考える。こういう場合の手段としても、共済制度というものは絶対必要じゃないか、こういう考えをもつて漁業共済の推進をわれわれはやってきておるのでありますが、一面長い歴史をもってやって参った農業共済の方が、今政府の考えが、大蔵省の考え方によって予算の大削減にあっており、補助金の支出を会計検査院から調べられて、でたらめだからこれを廃止してしまう、あるいは骨抜きにしてしまうというような一つの傾向をわれわれは見るのでありますが、これは非常に重大なことでありまして、今国会における委員会の論争点にもなろうと思うのですが、そういう傾向のとき、調査調査というが、法案が通っても一つも着手しないものだからどうも熱意のほどか非常に疑われるのであります。水産片としては、この漁業共済制度の確立、早期実施に対して熱意を持ってやる、それによって漁業災害というものを根本的に解決していくという決意を持って一つこれに当っていただきたい、こう思うわけであります。これは一つ今の言明もありましたが、そういうつもりでおやり願いたいと思うのであります。そのほか、災害復旧の町村の事業ですが、これは生業を奪われた、収穫期に全部壊滅してしまったという事情で、何とかして生業を与えなければならぬ、そのための復旧事業で、今度は国も失対の経費を大幅にふやしているようでありますから、こういうところから一つ十分に事業を獲得して、災害地優先の立場で押し進めてもらいたい、こういう要求が出ておるし、われわれもそう思っているのですが、何か具体的に——さっき宮城の副知事さんですか、ある種の話し合いのついたところがあるということですが、そういうのはありますか。
○早坂参考人 これは今日野先生のおっしゃるようなそういう大幅な根本的なものではありませんが、本年三月末の分ですが、従来の一般失業対策事業のワクが、特に労働省の方から宮城県としては百六十名ほどとりあえず了解がついております。
○日野委員 おととしぼくは労働委員でだいぶ労働大臣とけんかしながら失業対策をやらしたので、ことしは失対事業の経費をよほどふやしているはずです。これは早いうちに災害対策の一つとして労働省とも打ち合せをし、相談をして、できるだけ災害地優先の方向に押し進めてもらいたい。これは大石政務次官に特にお願いしておくのですが、さっきと同じように何もなわ張りを気にしたくていいから、早いうちに手を回してこういう対策をやって、生業を奪われた諸君に若干の現金収入の道を開いてやる、こういう方向に努力してもらいたい。これを注文いたしておきます。その次はこれに出ていませんが、税の減免ということを政府は考えているようですが、当面の対象になるのは固定資産税だろと思うのです。ところが固定資産税は地方税ですから、固定資産税の免税、減税ということになれば地方財政が非常に窮迫する。李ラインの問題では大蔵省から通達が出て五〇%の減額を指令していますが、こういうことは政令で出る。ただこの場合はやはり大蔵省から交付税でこれをひもつきにしてやらないと地方財政がとても立っていけなくなるので、大蔵省の方が来てから一応聞いてもらいたいと思うのですが、そういう事情があることを一つ御了承願って早期対処願いたいと思います。 私の質問は、大蔵省の方が見えておりませんので一応この程度で保留しておきます。
○村松委員長 本名武君。
○本名委員 詳細なことは今後の審議にゆだねるとして、私はきょうは基本的なことを一つ二つ伺っておきたいと思います。 先ほど鈴木委員の質問に対して政務次官は、地方庁からの申請があり次第査定官を派遣するということでありましたが、道その他数県の災害に対して査定官派遣の状況及び査定の進捗状況等をちょっとお尋ねいたしたいと思います。
○大石(武)政府委員 今晩あるいは明日にも調査係員を派遣させる予定にいたしております。
○本名委員 そうしますと、申請はごく最近出たということでございますか。
○大石(武)政府委員 昨日各県から副知事あるいは水産部長さん方がお見えになりまして、最終的に申請が届いたわけでございます。
○本名委員 そこで先ほど来いろいろ御質問がありましたが、問題はこういう三十一年度の予算編成期で、大蔵省初め各省が言葉は非常に悪いが、混乱をいたしている状態であります。特に気の毒な罹災者の身を考え、また時期的に災害の復旧状況を考慮いたしますときに、これは年度内の普通の春とか、あるいは夏の災害と違って年度末の災害ですから、ぜひ査定を促進して、この工事あるいは救済措置に至急間に合うような御方針をとっていただきたいと思います。 そこでちょっと心配することがあるのですが、こういう時期ですと、ややもすると本年度の災害は本年度予算で当然復旧すべきにもかかわらず、たまたま三十一年度予算の査定時期であり、そうしてややもすると来年度に着工しなければならないような事情の場所もあるとすれば、当然災害復旧費として補助なりあるいは直轄でなされるべきものを三十一年度の予算にいわばごまかされて使われるということは、三十一年度の漁港その他の施設予算というものが軽減されることになるのです。そうでなくても大蔵省は七%から八%の事業費の削減を今日考えております。こういうときでありますので、これらのことに十分留意していただかなければなりませんが、それらに対するお考えをちょっと伺っておきたい。
○大石(武)政府委員 御趣旨はよくわかりますので、御趣旨の通り、三十年度にやらないで三十一年度に繰り延べするようなことは決していたしません。係員の説明によりましても、予備費も相当あるようでありますし、大蔵省もそのことは了解しておりますから、そういう不手ぎわのないように一つ努力をいたします。
○本名委員 主管の役所ですから、そうお答えになるのは当然で、またそのようにやっていただかなければなりませんが、ややもすると過去の災害対策の経験からいたしましても、いろいろ大蔵省あるいは会計検査院の圧力によってわれわれの期待するところまではもちろんのこと、農林省の御意向にも沿わないような結果が往々にして見られますので、この際重ねてそういうことのないように御善処方をお願いいたしておきます。 次に漁港の災害について先ほど来いろいろお話がございましたが、例の漁港の整備計画と災害復旧についてちょっと伺いたいのですが、まず今年度の整備計画に載っていない漁港で今回災害を受けた漁港は幾つくらいあるのですか。
○大石(武)政府委員 説明員よりお答えいたします。
○林説明員 詳細な数字は現地調査をいたしました結果によりませんとはっきり申し上げかねるのですが、被害報告に載っております箇所のうちで、整備計画に載っておりまして現在仕事をいたしております漁港はきわめて少数でございます。またかりに漁港といたしましては同一の漁港でございましても、整備計画によりまして修築事業として実施いたします事業と、災害復旧で行います事業とは全然別個の事業になるわけでありますから、予算的その他の面におきまして直接の関連はないということに相なるわけであります。御了承を願います。
○本名委員 予算的な関連はないことはわかっておりますが、そこで私が伺いたいのは、小さい漁港で、しかも整備計画に当初から載り得ない漁港、これらのものが災害の都度、他の整備された、あるいは整備しつつある漁港に比較して一そう悲惨な被害を受けるというこの事実を、私は見のがすことができないと思います。そこでこの機会に当局としては、まずこれは法律事項でありますからおそらくは考え及ばないところでありましょうが、漁港整備計画というものに再検討を加える気持がないか、同時に災害を受けた漁港に対して、何か整備計画にかわる原形復旧とかあるいは関連復旧以外の措置をとって、この機会に整備計画以外の対策あるいは施設、あるいは工事をすべきではないかというお考えを持たれないかどうか、伺いたいと思います。
○林説明員 お答えいたします。整備計画の問題につきましては、これは事業の実施上からいろいろ現在の整備計画というものを考えておるのでありまして、日本の漁港全体の現在の姿といたしましては、これをもってある程度満足ができるとは考えておるわけではありませんで、将来、現在考えております漁港整備計画の内容がある程度進捗いたしますれば、次の段階を考えて参りたいというふうには考えておるわけでありますが、昨年漁港整備計画につきましては追加改正をいたした関係もございますので、直ちに急にまた改正を行いますことは、なかなか困難な事情にあるのではないかと想像いたすわけであります。災害をこうむった小さい漁港等におきますプラスになる仕事の面につきましては、たとえば関連事業というようなものは直接的でございますが、そのほかに多少機能を増進するためにやっていい仕事、やるべき仕事というようなものは、局部改良事業の補助金につきましても、多年われわれは折衝いたしておりまして、ようやく本年度から予算化することができたのであります。その局部改良事業の予算をもちまして、特にこの災害をこうむりましたところ、ある程度の改良事業をやりますと、非常に効果があるというようなところには、努めてこういうふうな事業も追加いたすようにいたしまして、今後できるだけ御要望に沿えるようにしたいというふうに考えております。
○本名委員 私は日本の漁港全体が一日も早く整備されることを願ってやまないものですが、ただこの機会に申し上げることはどうかと思うのですが、どうも今度災害を受けた東北地方並びに北海道の漁港は、全国的に見て、今日までの当局の整備態勢がややおくれておるのではないか、そういうところがやられたような気がしてならないのであります。そこで私はさっきのようなことを伺って、今後この委員会においてまたあらためていろいろ検討したいと考えております。そこでせっかく査定が終りあるいは関係者の要望に沿って、いよいよ復旧工事にかかる——先ほど日野委員から御指摘がありましたように、いわゆる原形復旧とその予算のつけ方というものは非常にむずかしい問題が生まれてくると思っておるのであります。せっかくついた予算がむだにならないようにということ、これは大蔵省、会計法規その他からいってむずかしいことでございましょうけれども、この機会に、先ほどの日野委員に対する御答弁の中にもありましたように、この関連復旧と原形復旧の関係をもう少し突っ込んで考え方を変えなければいけないのでないか。これはひとり漁港あるいはその他施設災害の問題ばかりでありません。と申しますことは、大体大蔵省や会計検査院に言わせると、原形復旧はあくまでももとの形にするということ、もとの形にするために何がしの査定をし、何がしの予算が必要だということ、これは一つの例でありますが、かりに原形復旧とは全く形の変った、実にりっぱに改良される施設を想像あるいは計画しておる場合、これに対しては予算はつかない。そしてあくまでも古くさい昔の形をそのまま繰り返して復旧しろという極端な考えをもって大蔵省なりあるいは会計検査院なりは今日まで災害復旧に当っていたというように私は記憶するのであります。特に漁港というのは、最近建設されたものではなくして、おそらく何十年前からぼつぼつとやられたものであると思います。不幸ではありますけれども、災害を受けたこの機会に一つ改良したいという場合には、原形復旧、関連復旧以外にもう一つ全く新規の計画に対して、原形復旧と同様の予算措置、原形復旧にかわる予算措置をして、これらの施設を充足させてやるということはできないかどうか。そのことについてちょっとお伺いをいたします。
○林説明員 お話のように災害を受けました多くの小さい漁港は、極端に申し上げますと、昭和の初めころにおきまするいわゆる救農土木事業等でできましたのが相当多いわけであります。その後予算の関係でほとんど改良工事が加えられていないというようなものが相当あるわけであります。これらのものにつきましては、お話のように災害の復旧に当りましても、いわゆる超過工事というものも相当やれば相当な効果があることは私どもとしては考えておるわけでありまして、お話のように常にいろいろな関係機関と相談はいたしておるわけでありますが、これはひとり漁港の問題だけで解決できる問題でもございませんが、機会あるごとにこういう問題を有利に持って参りますように努力をいたしておるわけであります。今後ともこの面に向いましてはあらゆる機会をつかまえまして、正規の修築事業ではなくても、多少の改良工事ができますように十分努力をいたすつもりであります。
○本名委員 大体災害を受けて被害の大きいのは、老朽かあるいはその設計が幼稚であるか、いずれ昔の古い時代のものが多くやられるのが通例でありましょうが、そればかりではなく、要するに原形復旧にのみとらわれて、漁港なりあるいはその他の公共施設というものが一向進歩した施設ができないような今日までの災害復旧のやり方はどうしても改めなければならない。これはなかなか容易な問題ではありませんが、おっしゃるようにあらゆる角度から検討しなければならぬと考えております。 もう一つお伺いしたいのは、先ほど資料をいただきましたが、きょうは北海道の方が見えていないようでありますが、北海道の資料を拝見しますと、私の調べたところとだいぶ数字が違うようであります。もちろんこれは水産庁関係のことだけの資料のようですが、この現況においてこれだけの報告しか来ていないのでしょうか、あるいはその修正がありましたら、その修正を一つ正式にお聞かせ願いたい。
○林説明員 北海道の方としては、とりあえずという報告がございまして、追って出すということで全部出そろっているわけではありません。
○本名委員 そうしますと、今わかっている数字はこれでいいのですか。
○林説明員 そうです。県の事務所を通じての報告は、この程度の報告しか来ておらないのであります。
○本名委員 それでは正式に報告としてはっきりわかったら——いずれ査定されれば厳格なものが出ると思いますが、そのうち漁船の数がずいぶん違うのです。違うのは、おそらく私は発動機を持っていない小さい船の数なんかがわからないのではないかと思います。先ほども質問がありましたが、何といっても、融資の面からいってもその他困窮の実情からいっても、ぜひこの小さい船に対する対策というものを考えないと——今のところは農林省が悪いのじゃない。北海道庁が報告をよこさないから悪いのであって、決してとがめるわけではありませんけれども、これを対照してみると、小さい船が落ちているようであります。それから漁港の数なんかも少し違うようなんです。今の御答弁で報告が完了していないということでありますので、いずれ完了あり次第次の機会にまた御質問することにいたします。
○淡谷委員 前の委員の諸君から詳しく御質問がございましたから、簡単に二、三点要点に触れたいと思います。今本名委員のお話の調査資料でございますが、これは各県からの報告に基いて作られたものという御説明がございましたが、それにしても、やはり本名委員のおっしゃる通り、あまりに数字がずさんだと私は思う。一例を申し上げますと、これは宮城県の資料に基きますと、漁具の被害で百六十二統がはっきり報告されておりますが、水産庁の調査ではそれが百二十六統、六と二が取り違えてあるのです。簡単な数字ですが、これが数字の取り違えくらいならよろしいのですが、全体にわたって 何か府県の報告とまた違った面が出ているように思われますので、今度新しく実地調査に出られるそうでございますから、この資料等にこだわらずに、一つ十分徹底的な調査をお願いいたしたいと思います。なおこの状況の中にも、各県によって被害の見方がそれぞれ違っておる例がございまして、さっきの各参考人の意見に徴しましても、これは相当に違っておるわけであります。漁具とか漁港、公共施設の被害はあまり変りがございませんでも、特に浅海養殖のいろいろな被害、あるいはまた水産資源の損害に至りましては、これは見方によっては大へん違ってくると思います。私青森県の水産部長に伺いたいのですが、さっきの御報告では、淡水魚の養殖の被害も見ない部分がだいぶあるというように聞いておりますが、私考えましても、青森県の養殖の被害はわずか百万円程度では終るまいと思う。あれだけ大きな海岸線を持つております青森県の被害が百万ではあまり小さ過ぎる。これはやはり各県に比べまして、何か被害の見方に違いがあったのではないかと思いますが、あなたもさっきからいろいろ各県の報告を聞きまして、そういう点に気づかれているかどうか、もう一ぺんお答えを願いたいと思います。
○重田参考人 県の報告の中にあります養魚関係の施設百万円、これは私が先ほど申し上げましたが、各沼における淡水魚がほとんど全滅したという被害の分ではございませんので、その湖畔にあります個人の養魚場における養殖中の魚の被害だけでございます。そういうふうに御指摘のような大きな——淡水魚につきまして申しますと、湖沼関係の魚族が絶滅したという分はこれには計上してございません。
○淡谷委員 ただいまの御説明ではっきりいたしましたが、この百万円の中には、海山甲におけるさまざまな養殖資源の損害なども入っていないように思われます。これは水産庁においても新しい調査の場合には、各県共通の基準で御調査を願いたいと思いますが、そういう御準備がございますかどうか、お伺いしたい。
○大石(武)政府委員 おっしゃる通り、同じ基準で正しく判断いたす決意でございます。
○淡谷委員 なお大きく問題になりましたものに復旧の形がございますが、原形復旧でやりますと、今まで大へん立ちおくれました北海道、東北関係が非常に不合理な状態になって参ります。これは単に今の災害だけじゃなくて、前年、前々年、災害のあるたびにわれわれ実際の調査をいたしましたが、もうはっきり現地では、原形復旧をやったのではとうてい持てないということがわかっておりましても、予算上のさまざまな拘束によりまして、すぐこわれるのも承知で原形復旧している例がたくさんございます。これは官庁の方から申しますと、法律やあるいはさまざまな既定事実で縛られておるかもしれませんが、われわれ国会といたしまして、もしそういう不合理が行われるならば、この際はっきりこれを直しまして、各委員から要求がありました通り、改良復旧の形で徹底した復旧を行いたいという念願を持っておるのでございますが、農林次官その点何かお考えになっておりますかどうか。あるいは法律改正等もやられるような御意思がございますか、承わっておきたいと思います。
○大石(武)政府委員 お答えいたします。私は就任早々でございまして、ただいま御指摘の実例を存じておりませんので、何と申し上げていいかわかりませんが、そのようなことはあってはならないと思います。だれが考えても、原形復旧だけではまたやられてしまって、何の役に立たないので、そんなことに手をつけるのは国費の乱費でございます。従いましてそのようなことは当然県でも十分注意をして、農林省とも連絡をとって、そんなようなばかな、むだな費用は使わないようにしなければならぬ、またぜひそういうふうにさせたいと思っております。なお現在の法律の範囲内では原形復旧は原形の通りにするというのが建前でございまして、できる限り法の解釈を善意に広げまして、できる限り改良した修復を行いたいと思いますが、なおそのようないろいろな矛盾が多くありますならば、やはり国会の御同意を得て、正しい考えのもとに新しい法律に作り変えてもよろしかろうと考える次第でございます。
○淡谷委員 新農林政務次官の非常にはっきりした御決意は大へん感謝にたえない次第でございます。いろいろ当局に聞きますと、この原形復旧の問題はかなり困った問題だということでございますから、あなたの御決意を変えないように、それを強力に推進されるようにあらためてお願い申し上げておきます。 なお一点、これはむしろお願いでございますが、救済の対策は普通の対策と違いまして、時期的な要素が多分に加わっております。さっき参考人の力からお話がありました通り、もしいたかの旧正月に間に合わないような形で各種融資が行われるならば、非常な無理をして金策をする結果、高利に追われまして、せっかくの救済が高利貸のふところを肥やしていたという形になることがしばしばございますが、これはいろいろの予算の関係等においても、旧正月に間に合うように各種融資その他の関係が出せるようですかどうですか、その点の見込みを伺いたい。
○和田説明員 旧正月が間近に控えているということは、今回の災害の際にも地元の陳情等で伺っておりますので、それに間に合せるように措置をいたしたいと思っております。 なおあと、先ほどもお答えを申し上げましたように、政令指定の手続は、金額の問題なり、若干の条件をどうするかという問題だけで残しておりまして、政令そのものは被害の数字がきまればすぐにでも手続ができますから、できるだけ旧正までに間に合せるように金融機関を督促いたします。
○淡谷委員 あしたにでも出られるという実地調査の心がまえとして一つお願いしておきます。この水産庁の調査資料も、劈頭申し上げました通り、取り急いだためにまだ完全なものとは認められないようでございますし、かつまた被害の状況等につきましても、その後新しい発生があったり、あるいはまた査定の基準の違いがあったりして、非常に変ったものが出るだろうと思いますので、新しい観点から十分御調査を願い、同時に、今の政務次官のはっきりした御答弁にございました通り、不合理がわかっておっても原形復旧で押し出そうというようなことをしないで、一つ徹底的に、立ち遅れた東北地方、北海道の今回の災害については理解ある御処置をお願いしたいと思うのであります。なお、せっかく合理的な案をこちらで出しましても、大蔵省が予算措置上これを削るという事態もたびたび出ているようでございまして、きょう大蔵省が出ておりましたらその点をもっと追及したいのでありますが、まだいないようでございますから、きょうは保留しておきますが、その際にわれわれはあくまでも合理的な線を堅持いたしまして、あなた方のバックをなしてがんばるつもりでございますから、その点は一つ決意を持っておやりなさるように、特に調査に先だち要求して私の質問を終ります。
○村松委員長 質疑は終了いたしました。参考人の方は御苦労さまでございました。 —————————————
○村松委員長 この際お諮りいたします。ただいま問題になっております三陸沿岸における暴風浪による漁港等の被害の調査及びその対策樹立はもちろんでありますが、そのほか、農林水産業における過年度災害の復旧促進、並びに将来災害が発生した場合早急にその実情を調査し、対策を樹立するため、農業及び漁業災害に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認めましてさようにいたします。 なお小委員の員数、その選任及び小委員長の選任等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村松委員長 御異議なしと認めまして、その選任については公報をもって御通知申し上げることにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四分散会