内閣委員会 第62号
- 発言数
- 135 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/11/05
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 駐留軍、立川基地拡張問題について審査を進めます。 この際政府に希望したいことがあります。本日はすでに一時間近く全委員が持っている状態で、審査上非常に困りますので、委員会開会の際はできるだけ開会予定時間に御出席あるよう、特に切望いたします。 質疑の通告がありますので順次これを許します。なおその前にお断わり申し上げておきますが、理事会の決定に基きまして、各委員の質問時間は一人大体三十分以内となっておりますので、時間をお守り下さるようお願い申し上げます。大平君。
○大平委員 砂川基地問題につきましては、具体的に各同僚委員の諸君から御質疑があることと思いますが、それより前に二、三重要と思われることにつきまして、政府の所信を伺っておきたいと思います。 どうも最近わが国の風潮を見ておりますと、非常に大事なことが案外閑却されたり、あるいはぞんざいに取り扱われたり、場合によっては非常に大事なことが冷笑、罵倒の対象になっておるような懸念がありまして、私ども心を痛めておるわけでございます。国の安全、防衛というような問題は、政治の根本にかかわる大問題でございます。この問題は最近のわが国におきましては、何というか、非常に閑却された取り扱いを受けておるのではないかということを非常に心配いたしておりますのは、おそらく私一人ではないだろうと思います、昭和二十五年に朝鮮事変が起りまして、北鮮軍が破竹の勢いで南鮮を席巻して釜山に迫ったとき、われわれ国民といたしましては、次に壱岐、対馬がどうなるのだ。北九州がどういう脅威を受けるかというようなことについて、非常に心を痛めておったのでございますが、これが国連軍の要撃によりまして、半島の脅威が除去されて以来、わが国は泰平無事な時代が続いておりますが、その間にわれわれは知らず知らずの間に、防衛の問題、安全の問題につきまして非常にぞんざいなる考え方に陥っておるような感じがするのでございます。世界の各国はその国の政治体制がどうであろうとも、例外なく安全と防衛の問題には全力を尽しておるように私ども見ておるわけでございますが、また中立国におきましても、スイスやインドにいたしましても、その国費の四割ないし五割を防衛費に投入いたしまして、安全を確保するに懸命な努力を払っておる、こういう状況でございますが、ひとりわが国だけはどうしたかげんかこういった問題をぞんざいに取り扱う風潮が一部に見られるということは、非常に遺憾に思うわけでございます。そこで私は政府に所信を伺っておきたいのは、こういう時代こそ非常に政府の責任が重いと思うわけでございますし、また防衛庁や調達庁の仕事をやられる上におきまして、非常な困難がございますが、困難があればあるほど非常に責任が重いということを自覚していただかなければならぬと思うわけでございます。こういうときにこそ不退転の決意をもって職責に邁進していただきたい。これは声なき民の声であり、同時に国民の良識の期待であろうと思うのでございます。そういう見地から、私はこの際あらためて政府のこういう段階に処する決意のほどを伺っておきたいと思います。
○船田国務大臣 ただいま御質問の御趣旨は私どもまことにその通りと了承いたします。さればこそ私は先般の第二十四国会の終りにおきましても、いろいろ御質問がありましたときに、防衛は絶対に必要である。いやしくも独立国になりました以上においては、自分の愛する祖国は自分たちの手で守るというかたい決意と、その用心がなければならぬ。なるほど一面においては東西の対立の緩和、軍縮問題あるいはヨーロッパの安定というようなことで巨頭会談も行われ、またその後におきましても、平和の風は吹いておるがごとくでありますが、そのときも申したように、北アフリカの状況あるいは中近来の事情を考えましたときに、また極東における台湾海峡の半旗を見て参りましたときに、やはり独立国といたしましては、防衛体制を持つということは絶対に必要である、かように考えまして第三次鳩山内閣が成立して以来その政綱においても、国力国情に相応する最小限度の自衛軍備を終えて、外国駐留軍隊の撤退に備えていく、こういう政綱を掲げ、またその政策に従って着々防衛体制を整備いたしつつある次第でございまして、ただいま御質問のございました通りの趣旨において、われわれも努力をいたし、政府としては、もちろんその方針に従って今までやってきておりますが、その宣伝広報の方法につきまして、十分に国民の皆さん方に御理解と御協力を得るように積極的に努めなければならぬという点におきまして、従来足らなかった点は多々あるように私も考えます。そういう点については、十分政府の所信を述べまして、大方諸君の御理解と御協力を得るように、今後最善の努力をして参りたいと考えておる次第でございます。
○大平委員 安全の問題、防衛の問題が比較的閑却されておる風潮を来たしましたもう一つの原因は、どうもこのように感じられて仕方がないのでございます。と申しますのは、最近わが国の経済が比較的順調な足取りを遂げて、生産も貿易も雇用もあるいは国民所得、国民生活水準、そういうものが非常に順調な前進の過程をたどってきたということに加えまして、世界の景気があるいは植民地から独立することによって非常な投資量がふえてきたとか、さらには労働組合勢力が各国とも非常に強大になりまして、賃金の形で出るところの購買力が非常に安定性を持ってきたというようなこと、さらには第二次の産業革命ともいうべきような形において安定的な投資財の需要がふえてきたというようなことで、わが国がその余波を非常に受けまして、非常に経済が好調を続けておるという状況の中にありますると、自然人間というものはこれが当りまえの状態であるというふうに感じやすい傾向が見られるわけでございます。実際はわが国のメリットではなくて、外界がそのように好転したにすぎないわけでございます。さらにこの渕源をさかのぼって見ますれば、サンフランシスコ条約ができ、日米安全保障条約が締結されたというわが国の安全保障体制が確立して、自由主義国家群との貿易が非常に活発になってきたということに根拠があるわけでございますが、そういう根本の約束を忘れまして、現状の好転に酔うというようなことが、財界はもとより、一般国民も安全な問題、あるいはその根底にある条約改正の問題について、比較的関心が薄い結果を招来しているのではないだろうか、このように思われるわけでございます。従ってひとり防衛の問題、安全の問題は、その基盤の上に国民の生活、経済があるわけでございますから、考えてみれば非常に深い大事な問題だろうと思うのでございます。従ってこれに処する政府の態度といたしましては、技術的なさまつな点につきましては、いろいろの要請を虚心に聞き、あるいはこれを改善していくための努力を怠らないでおられることは、もちろん非常に必要でございますけれども、根本は日本の防衛体制、安全保障体制をどうして守り抜くかという深い決断がなければ私は日本の国民生活をになっていくことはできないと思うのでございます。そういう御認識の上に、十分立たれておると思うのでありますが、防衛の問題、安全の問題はひとりそういう狭い領域の問題ではないという御認識に立たれて、努力、研鑚を希望いたしたいのでございますが、重ねて長官の御所見を伺いたいと思います。
○船田国務大臣 経済の関係においての御所論は私やはりその通りと考えます。最近日本の経済が非常によくなってきておるということにつきましては、日本の多くの評論家よりもむしろ外国の経済評論大家の方がこれを高く評価いたしておるような次第でございます。これは私専門外でございますから、このことにつきまして十分研究はいたしておりませんけれども、しかし外国の評論家の方がむしろ日本の実情をよく正しく批評しておるのじゃないかという感じを持っております。そしてしかも経済が安定をし、発展しつつあるという根本におきまして、わが国が自由主義国家群との緊密な提携協力、ことに国家の安全保障の問題につきまして、日米安保条約、行政協定等によりまして、わが国の平和と独立を守り、直接または間接の侵略に対しましても、国土の防衛体制が一応これでできつつあるというところにその基礎があるものであろうことは、私も全く大平委員の所論と同じような考えを持っております。その基礎観念の上に立って今後も自由主義国家群との協力関係を緊密にいたしまして、それを枢軸としてさらにできるだけ他の諸国とも友好関係を回復し、正常関係を回復することに努めていきたいというのが、今回対ソ交渉において政府のとった態度であると思います。このことについてはいずれ臨時国会において詳細なる報告があると存じますが、私はこの日ソ交渉の問題が妥結いたしましても、日米の親善関係、協力関係というものはさらに強力にこれを推進して参ることが国策として必要であり、日本の経済安定のためにもそれが基礎づけになっておるというふうに考え、日本の安全保障の問題、防衛の問題につきましても、その考え方の上に立って参りたいと考えております。
○大平委員 この間の委員会であなたは砂川の問題の御報告をなされたのでありますが、その御報告を承わっておりますと、今度の砂川問題の一つの特徴は、政府と土地を所有されておる方々——当事者以外の第三者的勢力が前面に出て参りまして、話し合いをしようと迫られた、こういうことが一つの特徴であるというように伺ったのでございます。その第三者勢力の中にはもとより社会党並びに社会党所属の議員の諸君も問題に上ったように記憶いたしておりますし、またその議員がどうされたというようなことも話題に上ったように記憶いたしておりますが、私は社会党は私ども国会民主政治にお互いに切磋琢磨してやっていく友党だと心得えております。従いまして社会党としては、公党としておそらくあの問題について、めどのない闘争はやられるはずがないと、私自身はまだ今なお考えておるわけでございます。ストライキの応援をやられるというようなことは合法的な活動であるわけでございまして、これは許されたことであるわけでございますが、砂川問題というのは若干どころか非常に性格を異にいたしておると思います。もし基地問題に反対の態度をあくまでも社会党がとられるのでございますならば、国会勢力として当然講和条約やら日米安全保障条約そのものの廃棄とか改訂とかいう所定の手続を踏まれてやられるのが、公党としての当然の筋であろうと思っております。今もそう思っております。社会党の方々があの場面に出られたということを好意的に私ども考えてみますると、ことしの総評の大会で支持政党をどこにするかということで議論が戦わされ、共産党は支持政党にしないということにきまったと伺っておりますが、しかし共産党との共闘という線は総評の大会においてどうにか貫かれたということも伺っております。またあの砂川の現場に全学連その他の諸君や共産党も出られてやっておる、これにあまり冷淡な態度をとることは——社会党として選挙母体の一つと目されておる総評の大会においてきまった共闘の線をくずしちゃならぬということで、やむなく出られたのではなかろうか、こう想像いたすわけでございます。私はそうであることを期待いたしておりますが、そうでないというのでございますならば、社会党の御説も伺わなければならぬと思いますが、そこで私はこの砂川問題については、これはきまった行政の執行なんでございますから、第三者勢力がこれに干渉して参るという場合に、おのずから限度がなければならぬと思うわけでございます。長官の御報告にございましたように、クッション的存在になって円満に事態を解決しよう、こういうことを浅沼書記長以下が、言われておる。政府側もそういう話し合いの場を持たれたということでございます。これは浅沼さんにいたしましても、また社会党といたしましても、おのずから限界を守られて円満に事態を解決しようという御意図であったと思うのでありますが、遺憾ながら解決のめどを持っておられなかったように伺ったわけでございます。基地問題は砂川問題だけでなく、ほかにもまだ陸続としてあるわけであります。この問題はストライキの応援ではないのだ、行政の厳正しな執行なんだという基本の線をあくまでも堅持していただき、私は友党たる社会党も、おそらく今後基地問題につきましては、そういう限界を守っていただけるだろうと期待いたしておりますが、技術的な巧拙の問題についての批判は謙虚に伺わなければならぬと思いますけれども、基本の線はあくまでも堅持していくということにならないと、秩序は守られないと思うのでございます。従って、今後基地問題を処理していく場合におきましても、そういった厳たる見解は政府側において堅持していただくことが何より大事なことではないかと思うわけでございます。その点につきましての長官の決意を伺っておきたいと思います。
○船田国務大臣 砂川基地の問題についてこの前御報告申し上げましたが、砂川の基地の問題について、ああいう流血の惨を見たことは、まことに遺憾千万に存じます。もちろんわれわれの方のやり方がどうであったかということについての御批判は十分受けますし、また私はその責任を回避するものではございません。しかし、ただいま大平委員のお話もございましたように、この問題は先般御報告申し上げましたように、一昨年三月以来日米間において十分折衝をいたしまして、われわれといたしましては最小限度の拡張にとどめたいということで、これが日米間において話し合いがついたものでありまして、砂川の基地を——しかもあれは決して攻撃あるいは進攻作戦をやるものではなくして、補給と修理のための基地でございます。しかも滑走路の五千五百フィートというのは、何と申しましても短か過ぎるのでございまして、そのために米側としても困っておりまするが、率直に申せば、滑走路が短かいために隣近所にも不安を与えておるということも事実でございますので、これを最小限度七千フィートに拡張することは、日本の防衛のためにやむを得ない、こういう見地に立ちまして、昨年すでにその方針と計画を辞め、その一部はすでに測量を終った。従って、今回の測量は、誘導路の部分についての測量を終って、そうして土地収用委員会に持ち込みまして、これを法的に処理をつけよう、こういう考え方で進めたものでございます。しかるにかかわらず第三者がこれに干渉されたということは、私といたしましてはまことに遺憾に存じます。しかしたびたびお話がございまして、何とかこれを円満にやっていきたいというお話でございましたので、私といたしましても円満に事を解決するということは望むところであり、またそうしなければなりませんので、その具体案を伺ったのでありますが、不幸にして具体案の御提出がなく、またそれについて考慮すべき要素もございませんでしたので、やむを得ず調達局といたしましては強制測量をするというようなことにまでいかざるを得なかった。その間の社会党の代表の諸君と折衝いたしましたときに、私もたびたび申し上げておるのでありますが、私は決してできることをわざわざやらないというのではございませんで、今後におきましても基地の拡張の問題につきましては、できるだけ地元の方々と円満に話し合いをし、また第三者としてお立ちになられた方々との話し合いもお互いに十分つけて、そうしてなるべく摩擦のないようにしていきたい、この方針はどこまでもやっていくつもりでございます。しかし一方政府の政策としてきめ、しかもそれが合法的に行われるということに対して、もしじゃまが入るということでありまするならば、そのじゃまを排除して最小限度の実力の行使ということは、どうしても避けるわけには参らぬと存じますので、今回の問題につきましても、これは全く行政執行の一過程の問題でございますので、やむを得ずあの手段に出た、こういうことでございます。今後におきましては、できるだけああいう事態の起らないように最善の努力をして参るつもりでございます。
○大平委員 安全の問題、防衛の問題は、決して安価にあがなうことのできる問題ではないのでございますけれども、どうぞ今言ったような決意で、今後とも周到な用意と決心をもって当られたいと希望いたします。 私に与えられた時間は大体終りましたので、同僚諸君の御質問がございましょうから、私の質疑は一応これで終りたいと思います。
○山本委員長 西ヶ久保君。
○茜ケ久保委員 与党の委員から防衛問題が出ましたけれども、この問題につきましては、私どもは次の臨時国会で船田防衛庁長官にはみっちり御質問したいと思うのであります。本日は許されました時間が少いので、一つ端的に砂川の問題についてお伺いしたいと思うのであります。先般も防衛庁長官としてでなくて、調達庁担当の国務大臣としての御説明があったのでありますが、その際説明に関連して若干お聞きしたのであります。遺憾ながらその際徹底的にお伺いすることのできなかった点につきまして二、三お伺いしておきます。 私どもが先般船田国務大臣と砂川問題でお会いした際に、私どもは、国民の基地問題に対する世論が非常に反対の方向に強いと思う、従ってその国民の世論の反対が強いという動向が砂川に集約的に現われてああいう事態を現出したのであるが、こういった事態に対して船田国務大臣が、国を守るためという名のもとではあるけれども、アメリカの軍事基地を拡張ないしは造成することに対して、いま一度政府としてお考え願えないかというとことを申し上げたと思うのであります。そのたびに船田国務大臣は多少の抵抗はあると思うけれども、これは政府としてどうしても遂行しなければならぬ、従って多少の抵抗はやむを得ぬというお話をなすったのであります。船田国務大臣は砂川問題に集約された国民のアメリカの軍事基地に対する感情を今でも多少の抵抗があるというふうに御理解であるか。あの砂川の問題というものは、やはりあそこに現われたあの現象は、国民の非常に多くの部分が、アメリカの軍事基地がこの国内にあのように多数あり、しかもさらにこれが重要な東京の都心に、将来まことに日本民族にゆゆしい事態が想起されるような飛行場の拡張があるということに対する、全く民族的な良心をかけての反対の機運が出ておると思います。それを政府が一方的に力をもって抑圧しようとするところに、私は砂川問題のあのような最後の場面が起ったと、こう理解いたしますが、船田調達庁担当国務大臣は、今もなお、この国民のアメリカの軍事基地に対する感情は、多少の抵抗はある程度にお考えか、またその当時のお考えと違って、国民の世論というものは、国民の感情というものは、アメリカの軍事基地ないしはこの拡張に対して、相当のあるいは非常に重大化する可能性があるような反対の感情が内攻しているというふうにお考えか、この点を一つ政府の答弁として伺いたいと思うのであります。
○船田国務大臣 砂川基地の問題につきまして、国民の一部の方々の間に誤解があり、その誤解に基く反米思想があることは事実でございましょう。しかしこれは大部分私は誤解に基いておるものじゃないかと考えます。砂川基地の問題を解決することは、むしろ日米間のいろいろな感情をやわらげる上において大切なことでありまして、さような誤解が一部にあり、その誤解に基く抵抗があるからといって、それをただ、これが世論なりとして、政府が従来きめたことを実行しない、ことに日米間でもって約束したこともこれによって実行ができないようになりますことは、さらに大きな国際信義を裏切ることになると思いますので、私はそういう誤解があり、あるいは誤解に基く抵抗がありまするならば、そういう方々にはどこまでも真相をはっきり説明をいたして誤解を一掃し、また抵抗がありますならば、その抵抗をやめるように最善の努力をして参りまして、そして十分国民の理解と協力を得るように今後努めて参りたいと思います。
○茜ケ久保委員 船田国務大臣は、国民の一部に誤解による障害があるとおっしゃいますけれども、私どもは決して誤解とは考えません。もはや日本の国民は、日本におけるアメリカの軍事基地がいかような役割を持ち、アメリカが日米親善という名のもとに、日本の国をいかように将来処置しようとするかということは知っております。決して誤解じゃない。しかも一部とおっしゃいますが、少くとも社会党は、現在の日本の政情下、国民の三分の一以上の世論を代表し、総評四百万、学生あるいはその他文化人、あらゆる階層の諸君の、私に言わしめるならば、ほとんど国民の大多数の者の、砂川に集約されたアメリカの態度、それに対する鳩山内閣のただアメリカ一辺倒の追随外交に対するふんまんというものは大きなものがあると思う。これは船田さん、あなたが誤解とおっしゃって一蹴されるには、あまりにも大きな問題であります。中近東の問題を出すまでもなく、あの問題も、要は弱小民族の、国内における軍事基地ないしは外国のあらゆるそういったものに対する民族的な反発の現われが根源と思う。あなた方がアメリカのごきげんとりのために、もしも今後もなおこういったことを強行されようとするならば、日本においてあなた方がアメリカのきげんをとるために軍事基地を拡張されるそのこと自身が、かえってアメリカに対する今後の日本の立場を重大化する根源になるということも十分にお考え願いたいと思う。私どもは決して反米でああいうことをしたと思わない。日本社会党も決して反米のためにああいう運動を支援しておるのではないと思う。もう一回私は念を押してお伺いしますが、今度の砂川問題に現われたあの国民感情と——なお具体的に申し上げますれば、あなた方は私どもが何回か相談に行ったにもかかわらず、必ずあの測量はやるんだといって、一歩もお引きにならなかった。しかも日米親善上、日米の約束上、国際信義上絶対にやるとおっしゃった測量を、十二、十三両日のあの騒動の結果、あなた方は誘導路並びに滑走路の一部の測量を終ったからという理由でおやめになった。もちろんまだやるとおっしゃっておる。事前にあのような決意をお示しになった政府当局が、あくまでもやるんなら、なぜあの後にもその測量を御強行にならぬか。十二、十三日のあまりにも政府当局の横暴というか、国民をないがしろにした警察力行使のあの惨状が、あなた方が予期した以上に国民の中に浸潤して、新聞もラジオもニュースも、あらゆるものが、あげて政府を一方的に攻撃したあの実情にびっくりして、あわてて理由をくっつけておやめになったこのことが、明らかに政府自身が、具体的には国民の砂川問題に現われた政府の態度に、大きな反発を与えたということを自覚した結果だと思う。ただ残念ながらあなた方はいつも口を左右に振って、自分たちの自己反省のあとをはっきり表に現わさない。実に遺憾である。悪かったら悪かったと国民の前に敬虔に頭を下げるべきだと思う。あの測量を中止したという事実は、明らかに政府自身も、いわゆるあの問題に対する責任を感じたのだと思うのであります、にもかかわらず、やはり一部の誤解と反米思想のために、ああいうことが起ったとなおここで御答弁なさるか。船田国務大臣は先ほど責任を感ずるとおっしゃったが、やはりここで一度国民の前に、あの事態に対する政府の不明をはっきり謝し、そしてまた別の立場から事の真相はこれをあくまでも究明して、やはり黒白をはっきりすべきだと私は思う。そこで私は重ねてお伺いするが、船田国務大臣はあの事態をまのあたりに見て、なお今日も、先ほど御答弁なさったように、一部の国民の中における反米思想と誤解による現象であるとお考えか、この点をもう一ぺん念を押してお尋ねしたいと思う。
○船田国務大臣 砂川基地の問題につきまして、土地の所有者あるいは土地の面接の利害関係者、そういうものとわれわれとがほんとうに率直に話し合いをすれば、適当な結論は得られたであろうと存じます。しかしそれを過去一年間努めたのでありますが、なかなかそれができない。それでやむを得ずして強制測量をするというような事態になりまして、ついに警察の出勤を見るということになったのでございます。かような事態になりましたことは、まことに遺憾でございますが、しかし私は終始一貫、民主主義の政治におきましては、法と秩序を守るということが根本でなければならぬと思うのであります。ですから、政策に関する論議といたしましては、これは徹底的にやることがいいと思います。そして国民の代表の府である国会、あるいは地方でありまするならば府県議会、市町村議会というような議会を通じて徹底的に論議をいたすことは、民主主義政治として当然やらなければならぬことと存じます。しかしその国会なり地方議会において決定をいたし、そしてこれが政府という執行機関によって執行されるときには、憲法、諸法律に従ってこれが合法的に行われるということが必要であり、これを妨害するものに対しては、法と秩序を守るために国次権力がこれに介入をしてその妨害を排除するということは、私は当然でなければならぬと思います。(「その通り」)もし法と秩序が守られないということであったならば、ハンガリーや中東の二の舞をすることになるのでありまして、私どもはあの東欧や中東の現状にかんがみましても、どこまでも民主政治は法と秩序を守るというところに根本の建前がなければならぬと思います。
○茜ケ久保委員 私の質問と少し答弁がはずれておりますが、あなたは現地の諸君と政府とじっくり話し合いをしたいということでありましたが、では果して船田国務大臣は現地の代表と、あの重大事態を前にして、ひざを突き合わしてお話になったことがあるかどうか、また今井調達庁長官にしてもしかり。政府の責任者が果してあの重大事態を前にして、ほんとうに政府の腹を割って現地の諸君の納骨のできるような話し合いをなさったかどうか。私の知る限りにおいては、そういった努力は全然と言っていいほどなされていない。特にあの重大段階に立ち至った場合に、警視総監もそうでありますが、その最高責任者が現地の実情を全然目をおおうて見ようとしなかった。こういう点も私は責任を追及したいと思う。しかし今私は、船田国務大臣の答弁の中に、現地の、何か第三者がおってじゃまをするからいけないのだ、政府と現地の諸君と話し合えば話はわかるのだという御答弁がありましたが、しからば船田国務大臣はそのような努力をみずからなさったかどうか。またもし国務大臣ができなかったら、今井調達庁長官がこれにかわって、それだけの親心のある、十分現地民の納得できる話し合いを政府としてはなさったことがあるかどうか。しかも今度の強制測量を前にであります。この点について御答弁を願いたいと思う。
○船田国務大臣 私は直接現地に参りません。(「そんなことじゃだめじゃないか」と呼ぶ者あり)担当大臣が何でもかんでも現地に出なければならぬというようなことは、その時と場合によることでありまして、必要があれば出ないとは申しません。決して避けておるわけじゃございません。さればこそ社会党議員の代表の諸君とはたびたびお目にかかって、もしクッションの役割をされるというならば、具体的な案をお示しを願いたいということを申し上げておるのでありまして、私は担当大臣として決して職責を放棄いたしておりません。十分に現地の意向も聞き、また直接交渉のできるように最善の努力を過去一年にわたってやってきておるのであります。しかし遺憾ながらあの事態がこれを許さない。そこでやむを得ずして強制測量をしなければならぬということになったのございまして、もしそれについて責任があるというならば、私は決して責任を回避するものではございません。
○今井説明員 お答え申し上げます。砂川の問題につきましては、私が着任いたしましたのは五月の末でございますが、すでに昨年以来御承知の通りの事態でございまして、私といたしましては、当時まですでに相当、ああいう状態でありまして、大臣その他東京都知事のあっせんあるいはまた私どもの方の調達庁、調達局におきまして、たびたび話し合いをいたしておるのでございますが、すでに耳をかさないというような状況でありまして、すみやかにこれの強制措置をする必要があるという状況であったのでございます。しかしながら私といたしましては、できる限りそれらの点につきまして、円滑に話し合いをしたいということでございまして、そのときはすでに地元の方と私どもの方の調達庁と話し合いに耳をかさないというような状況でありましたが、私といたしましてはいろいろ努力いたしまして、地元の方々にぜひ会ってお話をしたいということでございまして、私東京都にもお願いをいたしまして、東京都のあっせんで、当時ひそかに砂川の有力なる方々に来ていただきまして、私数時間にわたっていろいろお話を申し上げたのでございます。しかしながら私と都との話し合いでは、いろいろな話し合いをいたしましたけれども、遂に結論を得られませんで、そこで、もしあなた方の方でさらに何らかお話がございますならば、私の方ではこれをお持ちするということでございましたけれども、ついにこれについての返事を得られません状況でありまして、当時第一次の認定の場所につきまして、私どもの方では強制収用になっていかなければならぬという状況になったのでございます。しかしながら私どもといたしましては、できる限りそれらの点を円滑に遊びたいと思いまして、東京調達局をさらに督励いたしまして、地元ともいろいろ話し合いをいたし、すでに御承知の通り第二次の認定をいたしましたところの誘導路に当ります点については、相当地元の協力を得まして、すでに北側の部分につきましては、私どもの方の協力に応じていただいておりましたが、今回の場所につきましては、どうしても協力に応じていただけないというようなことになりまして、やむを得ず今日の状況になった次第でございます。
○茜ケ久保委員 船田国務大臣に重ねてお伺いしますが、あなたはたびたび話し合いをしたい、話し合いに応ずるとおっしゃっておる。ところが私どもが中に入ったりあるいは現地の諸君が話し合いをする場合に、話し合いというものは、お互いの立場を固執して全然一歩も歩み寄らぬという形ではこれは話し合いになりません。ところが政府は話し合いをしようとするけれども、現地の諸君が測量をすることに応じないから話し合いができぬとおっしゃる。ところが政府の方では自分たちはやるんだ。これは日米安保条約、行政協定によってアメリカと約束したんだからやるんだということをきめていらっしゃる。あなた方は、地元の状態によっては変更することがあり得るとか、あるいは一部を削るとか、あるいは時期をどうするといった御答弁は一度もされない、自分の方はあくまでも、アメリカとの約束だからやるんだという前提のもとに立っておる。ほんとうの話し合いというものは、現地の諸君を自分たちのいうように納得させることが話し合いだ。これでは話し合いではない、あなたは少くとも話し合いをする場合には、地元の諸君にある程度の譲歩をさせるという場合には、自分たちもまたある程度ないしは相当のその問題に対する譲歩なり、考え方を変えるという前提でなければ話し合いはできない。いかにも政府の答弁を開いておると、これを何か自分たちの力は現地の諸君と話合いをしたいのだけれども、現地の諸君が応じないといった印象を与えていらっしゃる。これは大きな間違いである。政府は一度も自分たちのやろうときめたことを、考えたことを反省しないで、変えようともしないで、一方的に法内々々、といって、合法という言葉の裏に隠れて、そのことを国民の前に押しつけていらっしゃる。不届き千万であります。あなた方は法治国とか何とかおっしゃる。自分たちは生命財産を奪う。先般の御答弁であなたは、公益の前にはとおっしゃった。もちろん公益もよろしいでしょう。しかしアメリカの軍事基地を広げるために……(「日本の基地じゃないか」と呼ぶ者あり)しかも一回じゃない。砂川の場合は十何回拡張されておる。それを国民に犠牲だけ一方的に強要して、法という言葉に隠れてなさっておる。ここに問題があると思う。この際政府当局はそういう点も考えて、あるいは鳩山内閣もそう長い生命でないでしょう、あなたは鳩山内閣の国務大臣としておやめになるいい時期だ。一つその置きみやげに砂川の問題をきれいさっぱり打ち直してやったら、国民は船田国務大臣の政治的な有終の美を非常に買うでしょう。私はやはりこのような事態に政府は今後もあります。まだ小牧、木更津、新潟、横田その他こういう問題がたくさん残っておりますから、砂川の問題はこれで終ったとしても、そういう態度で今後軍事基地の拡張に当られるのか、依然として一方的な押しつけ以外に方法はないのか、この点を一つ明確にお示し願いたい。
○船田国務大臣 ただいまのお話を聞いておりますと、何か私の力だけが一方的に押しつけているようでございますが、そういうことはございません。立川の基地をあのまま拡張するがいいか、あるいはこれを他に移転するがいいかというようなことにつきましては、もう一昨年以来すでに予算委員会その他の機会において十分論議をいたしました結果、立川基地はよそに移すことはできない、何となれば、あそこは補給と修繕の基地でありまして、これを全部よそに持っていくといたしますれば何十億、おそらくは百数十億かかるのではないか、そういうことは日本の財政の現状からしてとてもできない。そこであの現場において最小限度の拡張をしようということで、これは国会においても十分御論議の末、あの問題が決定をいたしまして、そのきまった方針と計画に従ってそれを測量をする、その他の行政措置をとるということだけが今日まで残されておるのであります。従いまして、このことは私はっきり代表の皆さんにも申し上げたのでありますが、米軍側に交渉して多少なりとも向うの譲歩を求めることのできる問題と、すでに日本政府として決定をいたし、日本政府部内の行政執行としてやらなければならぬ問題とは、おのずからそこに区別がございます。この立川の基地の問題は、米軍に交渉してあれをやめさせるとか、あるいはよそに持っていくという問題じゃないので、これはすでに政府部内の行政執行の問題に、そこに段階が進んでおるのであるからして、その測量の時期とか方法とかそういう具体的な問題について御希望がありますならば十分伺って、できるならば御希望に沿うようにもいたしましょう、こういうことはお話をいたしたのであります。そのときに、皆さん方の代表の方々がお見えになってのお話では、どうしても測量をやめろ、日ソ交渉中は少くともやめた方がいい、こういうようなお話でございました。そこで私は、あなた方はよくわれわれを対米媚態外交をやる、向米一辺倒だと言われるけれども、日ソ交渉とこの問題は何も関係ないじゃありませんか。この問題のために日ソ交渉が日本側に非常に不利益になるなどというようなことはないからして、日ソ交渉とこれをからませるということは、これは私としては承知はできません。しかしそのほかに、どういうふうにしたならば円満に測量ができるか、あるいは一カ月待ったならば必ず測量をさせてもいいというような保証があるのか。昨年の例もございますので、それらの点について、私はもうほんとうにざっくばらんに申し上げます。決して私らはできないことを引き受けたり、あるいはやれることをやらないと申しておるのではございません。お互いにこうやって国会において論議をしておるのでありますから、十分意を尽して、そうしていかにしたならば摩擦を少くすることができるか。こういうことについて真剣に皆さん方とお話をいたしたのであります。しかしついに先ほど来申しておりまするように、具体的にどうしたらいいかという具体案のお示しがなかった。しかも公示をいたしました十月一日から十六日までの間に測量をする、これは法的手続が要るのでありますから、これを改訂するということになりますれば、また別の行政措置をとらなければならぬ、いろいろめんどうが起ります。そこで測量の期日も切迫をしてきておる。そうして一方話し合いということについても、具体的に何にも案をお派しにならない。そこでやむを得ずして測量を強行する、こういうことになったのでありまして、私どもは決して皆さん方のその話し合いをしようということを初めか拒否しておるのではございませんし、また一方的にこれをもう動かせないからといってきめつけて、しまったというのじゃありません。ここにきまるまでにずいぶん長い間論議もし、米側とも折衝をいたしたのでありまして、この段階に進んだときにおいては、これは政府部内の行政措置としてこれを実行するという以外に、もう道はないのでありますから、そこで私は、先ほど来申しましたように、法と秩序を守るという建前においてあの措置をとった。その措置をとったことについて不祥事態が起ったということは、これはまことに遺憾でございますので、将来さような不祥事態の起らぬように努めて参りたい、こういうことを申しておる次第でございます。
○茜ケ久保委員 最後にもう一点お伺いします。お伺いする前に一つ。自民党の同僚諸君は、アメリカの軍事基地が日本の軍事基地のような錯覚を持っておいでのようでありますが、この点は十二分に御研究になって、今後の日本のために、安全保障に対する共同の責任と、これに対して私は善処を願いたいと思うのであります。 お伺いしたいのは、砂川のほかに新潟、木更津その他の幾つかの飛行場がまだ米拡張になっております。この砂川以外の残された飛行場に対する処置を、船田国務大臣は、政府は、砂川のような態度をもってさらに押し進めになる予定であるか、あるいは砂川の事態にかんがみて、何か別側な対策をお立てになる用意があるかどうか、この残された飛行場の拡張に対する今後の処置に対し、この政府の所信を承わって私の質問を終ります。
○船田国務大臣 横田の基地の問題につきましては、これは先般御報告申し上げましたように、すでに地元との円満な話し合いがつきまして、八月の初めに東京都知事の立ち会いのもとに調達庁と地元町長との間の契約が取りかわされまして、政府はその約束に従って基地の拡張も円満にやっていくことができると信じております。小牧の問題についても、なお一部に反対される方もございますが、しかし大部分はすでに愛知県知事のごあっせんによりまして円満に話し合いがつき、買収が目下進行中でございます。新潟、木更津につきましても、今後地元の知事初め関係市町村長との間に十分話し合いをいたしまして、円満な妥結を得たいと考えております。大体今問題になっております基地については以上のような現状でございます。
○山本委員長 床次君。
○床次委員 この機会に数点御質問いたしまして将来の参考にいたしたいと思います。 第一に、今回の砂川の問題につきましては、これはいわゆる土地収用法と同じような特別措置法に関する問題であります。元来公益あるいは国家目的のために個人の権利が制約を受けるという事態はまことに遺憾であります。できるならば土地収用法あるいは特別措置法によるところの土地収用は避けるのが建前で、やむを得ずこれを適用するという場合に対しましては、国家といたしましての十二分な対策を講ずるということが原則であるわけです。今回特別措置法によりまして収用を受ける地主の方にはまことにお気の毒ではありますが、気の毒に考えるだけに国家としても十分な措置を講じてもらいたいというのが私どもの考え方なのであります。政府は今日まで適法の処置をとってこられたと思うのでありますが、大勢の地主の中には、この政府の適法なる処置によりまして満足をいたしまして、土地を譲渡しておる者も相当あると思っておるのであります。これらの人がいかような生活を今日やっておるか、ということについて、この機会にお話をいただきたいと思うのであります。われわれ新聞等を見ますと、どうも地主の不平であるとか、生活ができないということばかり非常に強調されておりますが、政府が適正な措置をとったために適正に土地を明け渡して他に移転し、業を得ておる者があるはずでありますが、その状態につきまして簡単に御質問いたしたいと思います。
○丸山説明員 今お話のございました立川の関係で、調達庁の施策に協力いただきまして、すでに賃貸契約等をいたされた方は、坪数で約七千坪ほどあるのでございます。これらの方のことにつきまして、政府といたしましてできる限り補償その他土地を提供されてもその後の生活にお困りにならないようにということで、いろいろの施策をいたしております。建物をお持ちの方の数件もすでに補償の移転料を支払いまして、移転を始めた方もございます。その行き先等は東京都とも連絡をして十分にできる限り協力をいたしておるわけでございます。ただ問題の点は、土地が反対者の方のものであり、建物が自分のものである、あるいは建物は反対者のものであるが、自分がそこに賃貸借をしておる方で政府の協力のもとに契約もいたしたい、こういう御希望の方がございます。この権利関係が重複しております方につきましては、それぞれ補償あるいは移転ということの実行上むずかしい点がございます。そのために、協力するという御意思がありながらもまだそのままの状況でおられる、かような方は非常な苦しい状況にあるものと存じます。これらに関しまする措置といたしましても、調達庁といたしましては何らかの手段を講じてその苦境を脱せられるように努力いたしたいと考えております。
○床次委員 すでに土地を必要とする以上におきましては、明け渡しを受けなければなりませんが、明け渡しに対しましては、政府は最善の措置を講ぜらるべきでありまして、それに対しましては地主に対して十分説明、説明を加えまして、後顧の憂いがないということをわからせるべきだと思うのでありますが、この二つに対しましては、すでに昨年の基地問題以来かなり時間がたっておるのでありまして、地主は相当知っておるはずだと考えておるのでありますが、この点政府の処置としていかがであったか、あらためて伺いたいと思います。
○丸山説明員 この関係者は、私どもの調べでは総数約百三十名ほどの方々がおられるわけでございますが、昨年来東京都庁を初め調達庁の者と地元の方々との話し合いのもとに、約半数の六十数名の方は政府の施策に協力しよう、こういう状況にあられます。なお本年に至りましても、逐次政府の意図のあるところを御了解なさって、それに従おう、政府の施策に協力していこうという方々の数もその後進んでおる、このような状況にあると見ております。すなわち直接の土地の関係者等は、今のこの問題に対する政府の考え等を十分理解されておるものと考えております。
○床次委員 従って今日土地の明け渡しに対して反対をしておられる地主の方々はすでに土地収用法あるいは特別措置法というものの取扱いに対する手続は十分知っておる。しかしそれ以外に、単に土地を渡したくない、家屋を渡したくないという感情的なもの並びに安全保障条約あるいは行政協定の趣旨そのものに反対する立場、また同時に、先ほども長官からお話がありましたが、立川の基地がジェット基地になりさらに原水爆の基地になるのではないというようなことを、すでに説明されておったということを聞いておるのでありますが、それにもかかわらず、なお平和的運動と申しますか、それにのっとりまして反対をしておるものというふうに考えていいかということを承わりたいのであります。一言で申しまするならば、地主の人たちは、やはり一つの政治的な反対運動として、今日の段階においては行動しているのではないか、特に今度の事件として特色のありますのは、地主以外のいわゆる応援的な立場、反対運動に対する協力的な立場をとられる人が一つの団体を作って反対をされておる段階である。すなわち単なる土地収容法あるいは特別措置法による取扱いを離れまして、多分に政治的な意味を持っておると考えるのでありますが、これはさように解釈してよろしいか、特にこれは大臣に伺いたい。
○船田国務大臣 先ほど丸山次長から御説明申し上げましたように、土地の所有者直接の利害関係の大半は、大体政府の施策に協力しよう、してもよろしいというところまでいっておりますが、残余のものにつきましては調達庁の方から話し合いをしたい、また東京都知事を仲介として話し合いに応じてもらいたいということを申しましても、これもかつて御報告申し上げましたように、手紙を受け付けないとか、あるいは門前払いを食わすというようなことで、話し合いに応じようとしていないというようなことがだいぶあるようでございまして、率直に申しますと、そういう利害関係者がほんとうに自分だけの考え方で判断しておられるのか、あるいは第三者によって動かされておるのか、まことに不明なものが多いように思います。そして多分にこの立川基地の問題が政治的問題として扱われたということは、私はまことに遺憾千万に存じておる次第でございます。
○床次委員 社会党の方々が先ほど現地の話し合いということを非常に言われたのでありますが、現在の段階におきましては、現地の話し合いは単に法律施行による方法の程度の問題ではなくして、社会党自体の考えておられるのは、政治的な問題を多分に話し合いの対象として考えられておる。一口に話し合いとは申しますけれども、社会党の方々のいわゆる現地の話し合いは、国会においてなすべき段階でありまして、現地においてはなすべきものではない。現地で話し合いをいたしましても、すでに十分手段を尽してあって、それ以上やっても効果のない時期になっていたのだと私どもは考えておるのでありますけれども、さよう解してよろしゅうございますか。
○船田国務大臣 これも先ほど茜ケ久保委員の御質問にお答え申したように、あの立川基地の問題は、政策の問題としてはすでに、国会で論議を尽し、そして予算的措置も講ぜられておりまして、これをいかに拡張し、その拡張するために必要な行政措置をいかなる時期、いかなる方法によって実行するかということだけが残されておる問題でございます。結局執行部の政府の仕事でありまして、しかもこれはもちろん地元の方々の理解と協力を得なければなりませんので、その測量の方法、時期、範囲等につきまして、地元の方々の御希望がありますれば、それは十分に聞いて参るつもりでおりました。ところが先ほど来申し上げましたように、地元の方々とはどうしても話し合いができないという状況になっておりましたので、行政措置として測量を強行するという手段をとらざるを得なかった次第でございまして、その結果不祥事が出たということは返す返すも私は遺憾に存じます。今後はそういうことのないように万全の措置を講じていくつもりでございますが、しかし論議して変えられる問題と、それからもう論議を離れてすでに決定したことを実行する段階に進んだものとはおのずからそこにはっきり区別していかなければならぬことであると存じます。
○床次委員 従ってそのような状態において測量を実地において強行いたします場合に、反対派の者は妨害するかもしれぬと思われるのでありますが、その測量妨害に対しまして、これをやってはいけない、やることは無意味だということに対して十分警告されておったと思うのでありますが、この方法に対しましてはどういう宣伝方法をとっておられたか伺いたい。
○丸山説明員 土地収用法に基く測量の手続等は、実は昨年の九月並びに十一月にございましたことで、地元の方は十二分に御承知のはずでございます。今回のことにつきましても、土地収用法の手続上の、特に測量ということの必要な事情、またそれを行います諸種なる手続、これらのことは、私どもの役所の現場事務所も立川にございまして、それらを通じましても、昨年以来十分に直接の所有者、関係の方にはお話し申し上げ、御了解を得てあるものだと存じております。
○床次委員 かような措置を当局においてとっておられるとしますと、今回のいわゆる基地反対運動、それぞれ組織を作りまして、そうして団体的な行動をしておったように思うのでありますが、その団体の責任者というもの、指導者というものの立場を検討してみますると、きわめてこれは責任の大きなものであったと思うのであります。その反対運動の目的そのものが多分に政治的なものであり、しかもその反対運動がいわゆる測量妨害行為となって現われて参りますと、これが場合によりましたならば、あるいは公務執行妨害ということに当然なります。あるいは騒擾という問題になり、またその他幾多の法律に違反するという事態になるということはいろいろ予想されるわけでありますが、首謀者の人々はあえてかかることを顧みずに行動したのではないか。遂に反対運動を実際に行なって、そうして遺憾な状態を来したのではないかというふうに考えられるのでありますが、この点に関する判断については大臣の御意見を伺いたい。
○船田国務大臣 あの反対を身をもって実行された者に対しての措置のことは、他の所管大臣から答弁を申し上げることが適当であると存じますが、政府としては、先ほど来申し上げておりますように、法と秩序を守るということのために、もしこれを実力を持ってじゃまをするという者がありますならば、今後におきましても断固そういうじゃまは排除して、適正なる合法的な措置を講ずるように、またそれが円満に実行のできるようにしていかなければならぬということを考えております。
○床次委員 砂川の残された土地に対しまして、さらに実地測量の必要がまだあると思うのでありますが、その場合におきましては当然強制測量をやられて一向差しつかえない。過日においてこれを中断したのは一時の都合によりまして中断した。何も先ほど茜ケ久保委員が言われたように、政府が責任を感じてやめたとかなんとかいうものではないのだ。必要がありますならばやはりどんどんと実行せられてよろしいと思うし、政府もその覚悟を持っておられるのだと思うのでありますが、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○船田国務大臣 政府といたしましては、所要の行政措置は合法的に今後進めて参りたいと考えております。ただできるだけ地元の理解と協力を得るように、摩擦のないように最善の努力をして実行いたしたいと考えております。
○床次委員 総括して伺いますと、われわれは法と秩序を守り、今後適正適法にそれぞれの行政措置が行われるということは、今日の国家の法秩序上きわめて大事だと思っておるのであります。今回の砂川事件において反対派のとられました行動が、刑法上いかなるものになるかどうかという検討につきましては、別の機会に譲りたいと思うのでありますが、しかしながらあの応対派のとりました活動は、著しく反朴会的であるということを私ども考えるのであります。さらに公共の目的にも反しておる、すなわち国家の目的にも反する行為であったと思いまして、まことに遺憾にたえないものであると考えておるのであります。このことに関しましては、政府におきましても私は同感であろうと思っておるのでありますが、この点の見解を明らかにしていただきたい。
○船田国務大臣 それもたびたび申し上げておるところでございまして、結論におきましては、床次委員のおっしゃった通りであると存じます。すなわち国会なりあるいは地方議会において問題を十分討議し、論議を尽すということは必要であり、またやらなければならぬことであると存じますが、しかし一たんきまったことを合法的な手段によってこれを実行するという場合において、それを妨げる者に対しましては、やはりこれは国家の秩序を守り、法生活を円満にやっていくためには、多少の抵抗がありましても、その暴力は排除していかなければならぬということにつきましては、政府は決してそういう手段を講ずるにやぶさかなるものではないのでございます。
○床次委員 しかも今回の場合におきましては、直接地主が団結いたして庁対運動をいたしましたこと自体に対しましては、いろいろ同情する余地もふるかと思うのでありますが、第三者が加わりまして、あるいはことさら虚偽の前提のもとに多数を扇動するというふうな状態があったということは、これは反社会性が非常に大きいものではないか、法の秩序を守るという立場から申しましても、まことに遺憾なことであったと思っておるのであります。 この機会にさらに伺ってみたいのでありますが、私は今回の反対運動の中に多数の第三者的なものが加わっておったと思うのでありますが、その中には各種労働団体あるいは公務員団体、学生等もあったのじゃないかと思いますが、どの程度のものが公務員として加わっておったかおわかりでありますれば伺いたいと思います。
○丸山説明員 私ども調達庁といたしましては、直接それらのことを詳しく調べる何もございませんが、現場からの情報によりますと、大体一週間以上にわたりまして二千名、三千名から、多いときには四、五千名のいわゆる第三者、反対勢力と申しますかが出ておったそうでございます。そのうち特に全学連という学生団体は約三千名ほどと新聞その他で称しております。それ以外には各労働組合の者が多いときには二千、三千、少いときにも千名くらいという状況、その他は社会党の先生方が四、五十名くらいかと称しております。肝心の地元の方は大体百名ないし二百名くらいだとかように存じております。
○床次委員 労働組合の中におきましては、各職員組合等の種類の者も、その中に有志が入っておったかどうかということをお伺いいたしておきます。
○丸山説明員 職員組合というお尋ねは、いわゆる政府の職員組合の意味と公務員の職員組合の意味とありますが、正確な数字はございませんが、若干それに属するものも入っておると称しております。
○床次委員 この問題に関しましては、さらに十分いわゆる警察的な見地においても検討を要したいと思っておるのでありますが、本日は時間もありませんので、これに関する質問は別の機会にいたします。
○山本委員長 暫時休憩いたします。 午後一時二十五分休憩 ————◇————— 午後三時二十九分開議
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山花君。
○山花委員 先ほど船田大臣は、独立国について、大平委員の質問にいろいろ応答されておりましたが、私はこの解釈を正当にしないと、今度の砂川問題について異なった意見が出てくると思うのであります。私は率直に申し上げますと、日本は完全なる独立国家になっていないというふうに解釈しておりますが、この点もう一度大臣の方から日本が果してほんとうに独立国家になっているかどうか、あるいは形式的な独立国家であるかどうかというような点について、所信のほどを聞かしていただきたいと思うのであります。
○船田国務大臣 私は、日本はりっぱな独立国になっていると信じております。
○山花委員 それではお尋ねしたいと思いますが、りっぱな独立国家になっているという認識で、あらゆる行政を担当しておられると、私は確信したいと思うのでありますが、一、二の例をあげまして大臣の所見を再びお聞きしたいと思うのであります。たとえばこれは一例であります。日米安全保障条約でアメリカ軍隊が日本に駐屯しておるということは、私もよく知っておりますけれども、特にこのアメリカ軍隊側の意向によって日本の定められたる法律が左右されておる。これに対して政府はどういう処置をとられておるかという点であります。私は先ほど一例を申し上げると申しましたが、出入国管理の法律に反するような行為をたびたびアメリカ軍隊は行なっておるのであります。それは政府当面においても十分御承知だろうと思いますが、韓国の軍隊の責任者がちょいちょい日本へ来たり帰ったりしておるのであります。この問題は、ほんとうに日本が独立しておるという形を、私は政府が実際的処置としてとっておられないような気がするのでありますが、この問題について政府の知っておられること、またその具体的事実に対してどういう処置をとられたかという点について、重てお尋ねをしたいと思うのであります。
○船田国務大臣 ただいま山花委員の御質問の出入国管理に関する問題は、法務大臣の所管の問題でございますが、私はその内容について詳細を承知いたしておりません。従いましてここに今直ちにこれについての所信を申し上げるわけには参りませんが、十分調査いたしましてお答えをいたしたいと思います。
○山花委員 ただいま大臣の答弁によりますと、事の管轄は法務大臣関係の管轄であって、私はよく知らない、こういう御答弁でございましたが、これはおそらく私は一つの遁辞であろうと考えておるのであります。事はアメリカの基地内に起きた問題であり、法律の形の上においてはあるいは法務関係に所属するかもわかりませんが、あなたは今防衛庁の担当大臣として日本の自衛軍の関係をやられておられるのであります。特にアメリカの駐留軍を一日も早く帰していきたい、そのためには日本の自衛力を固めていきたいということを、あなたはしばしば言われておるのであります。事はアメリカの軍隊内に起きた問題でありまして、日本の防衛庁長官がそれを詳しく知らないというようなことは、私は一つの遁辞であろうと思うのであります。さようなことは私はないと考えておりますが、なおあなたはこの問題について詳細を知らないとおっしやるのかどうか、もう一度お聞かせを願いたいと思います。
○船田国務大臣 ただいま御質問のような事実を私は具体的に承知いたしておりませんから、決してそれを逃げ口上にいたしておるものではございません。十分調査をいたしまして適当な時期に御返事を申し上げることにいたします。
○山花委員 完全なるりっぱな独立国家になっておると自分は認識すると、かようにあなたはおっしゃっておられるのでありますが、われわれは日米安全保障条約、それに伴うところの行政協定、もろもろのこの協定は不平等条約というふうに解釈しておりますが、あなたはこれは独立国家と独立国家の間における正常なる条約であるとお考えになっておるかどうか、この点もう一度お聞かせ願いたいと思います。
○船田国務大臣 日米安保条約は、御承知の通り昭和二十六年九月初めに日米両国間において調印をされ、その後批准を得て効力を発生しておるものでございまして、あの条約が締結せられますときの両国の関係また両国の国内情勢、それらを通観いたしまして、日本がアメリカの圧力のもとにやむを得ずあの条約を結んだというふうには、私は決して考えません。十分国会において論議の末あれが条約として批准をされておるのでございまして、いわゆる主権国と保護国との関係というようなものでは絶対にないと私は信じております。
○山花委員 あのときの国際間の情勢のもとにおいて、今船田長官は、これは国会でも承認されておるから決して不平等の条約でない、こう言われましたが、あれから後に国際情勢もずいぶん変って参りました。今日なおあの条約は不平等とお考えになっておられないか、それともなっておられるか、この点もう一度お答え願いたい。
○船田国務大臣 独立国ということと、その国の実力がいかなるものであるかということは、これはおのずから区別をして考えなければならぬと存じます。今日独立国と申せば、八十数カ国独立国もしくは独立国に近いと申すべきものがございましょうが、そのうちほんとうに自力をもってすべてのことを処置していくことのできる国といえば、結局東の方においてソ連、西の力においてアメリカ合衆国というくらいのものでございましょう。しかしその他の国々がしからばすべて独立国でないというべきかどうかということになりますと、私はこれは明らかに独立国であると申して差しつかえないと存じます。その国の実力の問題と独立国であるかということとは、必ずしも一緒に考えるべきものではなくて、おのずからそこは区別して考えるべきものでありまして、日本の実力がアメリカやあるいはソ連邦に及ばないと申しましても、しかしそれは日本の独立国であるということを裏切るものではないと存じます。
○山花委員 今船田大臣の言われましたことは、強力なる国がすなわち一応の独立国である——たとえばという例を出されてソビエトであるとかあるいはアメリカであるとかというような国はもう名実ともにりっぱな独立国である、他の国はその国の実力によって若干の差異があるように私どもは承わったのでありまするが、私はその解釈は成り立たないと思うのであります。たとえば経済的に貧弱ではございましても、実力的には劣るところがございましても、独立国というのはその主権がいずれの国においても侵すことのできないきぜんたる主権を持っておる、これが名実ともにりっぱな独立国家、こう私は考えておるのであります。今日本の進むべき道は、やはりこの主権をいずれの国においても侵されないりっぱな主権に築き上げていきたい、これを日本の多くの国民は念願しておると私は思うのであります。ただいま敗戦国家と戦勝国との間に行われました講和会議による例の条約、これは批准を国会でやり、二十七年の四月から発効したことは、もう皆さんが十分御承知の通りであります。われわれは、今日五年、六年たった後においても、同じような形であの条約があるということは、日本がだんだんと力をつけ、世間に広く交際するようになってきた今日においては、不平等な条約である、かよう考えておる。あなたは今日の段階に至っても不平等ではない、これは正しい条約であると考えておるが、この解釈の相違が立川基地の拡張問題についてもおのずから違った見解が私は出てくると思うのであります。先ほど同僚茜ケ久保委員から大臣に対していろいろ質問しておりました。その答弁の中に、日米間において契約をしたから、この国際信義は守らなくてはいけない。そして飛行場の拡張の問題も国内の行政問題になってきておる、しばしばそういう答弁をなすっておられるのであります。私は政府のすることははっきりここで申し上げたいと思いますが、神さんでないから全部あやまちない、りっぱな行為を行なっておるとうぬぼれておりますと、事と次第によっては大へんな問題が生ずると私は思うのであります。十が十間違っておるとは私は申しません。十のうち一つでも重大な点が間違っておれば、その間違いを改めるだけの謙虚なる気持が今日の政府にあってほしいと思うのであります。世論を一つお聞きになったらいかがですか。立川軍事基地の拡大の問題について、ごうごうたる国内世論の反対があるというこのことは、あなたの耳に達しないのじゃなかろうかと私は推測するのでありますが、こういう点でやはり誤まっておると気づかれたならば、面子にかかわらず謙譲な気持で端的にこれを改めるというような考えを一つ持っていただきたいと私は思うのであります。今日のアメリカと日本との関係は、何といっても不平等の条約である。これを正しい条約と解釈するというのは、私は言語道断だと考えております。これを正しい条約に改正をしていくという努力が、今日の政府においても国民においても政党においても協力一致してやっていかなければならない重大な問題だと私は考えております。なおあなたはこの段階に至っても、今アメリカと日本と結んでおる条約が改正の必要のない正しい条約として確信をしておられるかどうか、もう一度御答弁を願いたいと思います。
○船田国務大臣 わが国の現状におきましては、日米安保条約というものは必要であり、適当なものであるという考え方を私は持っております。
○山花委員 私はたとえば一歩譲って、政府当局としてはそういう考えを持っておられるという答弁、それはそのままで聞きましょう。しかしそこから生ずるもろもろの日米間における行政協定の問題であります。私は二、三例を——これはちょっと基地の問題とは離れますが、ちょうど幸い調達庁の責任者の方もきておられますから、二、三ちょっと例を申し上げましょう。これは私の選挙の地区でございますが、やはり立川基地と同じ三多摩地区でありますが、調布に調布飛行場というのがございます。これは三年ほど前に民間飛行場としてこれを開設したいという話でございました。当時三鷹市にある天文台は、観測に大へん妨害になるといって、三鷹市、調布市付近の町村はこぞって反対をやっておられました。これは運輸省の大体管轄区域になると思いますが、そのときの約束は、一日に四十回、そしてこれは軍事基地としては使用しない。夜間飛行は絶対やらない、こういうことをはっきり確言されて、反対意見を押えて一応調布飛行場が開設されたのであります。ところが今日では夜間飛行はどんどんやって、そして一日四十回の発着陸は、もうそんな約束はどこかにふっ飛んでしまうという状態です。それはそれといたしまして、調布市で衛生設備の問題で、塵芥焼却所を設けるために、建設省関係の許可をとって、東京都の方も話がつき、また日本の航空庁の方とも話がつき、いよいよ建築をやるという段階になりましたときに、アメリカ軍当局の方から計器飛行をやるのだから、百三十フィートの煙突はまかりならぬ。よってこの建築許可を中止せらるべしということを調達庁に申し入れがあり、調達庁から建設省の方へその申し入れを行なって、せっかくの公衆衛生の立場に立っておる塵芥焼却所が、あらゆる法規の手続をし、合法的にすべての手続が終って、ただもう建設当局から許可の出る段階になって、そういうことで今日許可がおりない。調達庁の方はたびたびこれは不当な問題であるから、日米の話し合いによって解決をつける、つけるといって、なお今日つけないという点であります。これは私は独立国家の姿ではないと思います。やはり考え方が従属的な考え方に立っておるから、こういう問題が起きておると思うのです。日本の国内の公衆衛生の問題に、しかも三年前の飛行場の開設のときにそういうりっぱな約束があり、すべての官庁の許可を得ておるのにもかかわらず、駐留軍関係から一片の指令をもってこの日本の行政行為をも阻止するような形が現われておる。この点は調達庁の長官もおいでになっておりますし、御説明を願いたいし、なお船田大臣から、これでも独立国家の姿かどうかという点を一つ明らかにしていただきたいと思うのであります。
○丸山説明員 ただいまのお話で例に取り上げられました調布の飛行場に関する煙突の問題、私ただいま存じておるところを申し上げますれば、確かにその飛行場の飛行機発着に、煙突が高いとひっかかるおそれがある、そういうことで合同委員会を通じて煙突を低くできないものかという要請はございます。しかしながらそれは何もアメリカ軍から日本政府に対する命令あるいは指令というようなものではございませんで、事実上飛行機の発着に支障があると思われるので、煙突の高さの制限はできないものかという向うからの要請であります。こちら側といたしましてはその要請を受けて、それで地元の町の塵芥焼却に支障があるのかどうか。それを受けたのでは絶対に町が困るのかどうかという点で、地元の町あるいは関係の建設省等に協議をしておることは事実でございますが、何も向うの指令あるいは命令で絶対にそれに従わなければ何もできないというものではないと私は考えております。
○山花委員 遁辞はよしていただきたいと思うのであります。あなたは詳しくその事情を知らずにただ単なる国会答弁として便宜的答弁をしておるのじゃないですか。この建設の許可は航空庁の関係からはっきり飛行機の発着に支障ないという、そういう点も十分手続をとって、東京都の関係も手続が終り、建設省においても計画課長からすぐに建築許可がおりるところまで事務的に問題は進んでおるのであります。これは日本の国内の行政的なあらゆる手続は全部完了しておるのであります。たまたまこの段階になりまして百三十フィートの煙突がアメリカ軍当局の使う飛行機の発着に支障を来たすという申し入れがあなたのところを通じて参っております。そうしてあなたの役所から建設省に許可を出すことを待ってもらいたい、こういう意向が伝わっておるのであります。だから、問題はあなたのところがそういう意向を建設当局の方に伝えなかったらもう許可がおりて、塵芥焼却所はぼちぼち建築が始まっておるのであります。これは国内の公衆衛生上最も適切な問題であります。アメリカ軍がこういうようなことを言ってきたという程度のものじゃないのです。あるいは形式的には命令の形でないかもわかりません。しかし日本側の役所として受ける考え方が命令のごとき錯覚を持つというところに私は日本の主権がはっきり確立していないという点があると思います。この点は日米合同委員会で一体どういう折衝をされておるかという点であります。これは外務省の関係だからおれにはわからない、こう言われるかもしれませんが、調達庁の演じておる役割は全くアメリカ軍当局の出先機関たる役割をしておるのです。日本の役所の役割はしていないと思うのです。もう一度その点をはっきり御答弁を願いたいのです。
○丸山説明員 先ほども申しましたように、確かにその要請が委員会にあったことを承知しております。しかしながらこれに関しては、私の知る限りにおきましては、その要請を日本政府として受くべきかどうかということを関係省と協議しておる段階だと存じております。何もその通りにすぐやる、あるいは事実上命令行為と見るべきものであるという考えは持っておりません。
○山花委員 現実の問題は、建築許可が出ないのです。今調達庁側と私の質疑応答は船田大臣も十分おわかりになっておると思いますが、どういう感じがいたしますか。一つ大臣の御所見を承わりたいと思います。
○船田国務大臣 今あげられました事実だけをとらえて日本が主権国でないというような結論には私は達しません。
○山花委員 私は今卑近な例として、申し上げておるのです。そうして日本の国内の行政的手続は全部終って、日本の公衆衛生のために必要であるところの塵芥焼却所を設けるというのに、これが飛行機の点も十分考慮に入れて、日本の航空関係取締りの役所と飛行機に対する問題をも十分話し合いをして許可をとっておる問題であります。それをアメリカ軍当局から一片の横やりが入ったということで建築の許可が出ないという。がれはささいなる付近町村あわせて人口二十万か三十万の塵芥焼却の問題かもわかりませんが、この一片の事実をもってみて日本の主権が侵されてないという大臣の感覚は、事の大きい小さいの問題ではなく、その本質を論じておるのであります。実にけしからぬ大臣の考え方だと思うのです。そのようなことで、ほんとうに日本の主権を確立するようなことはあなたの手元の行政においては、行われないというように断定せざるを得ぬと思うのであります。 もう一つ、お伺いしたいと思いますのは、ただいま床次委員の質問に対して、あなたは地元において大半の者が賛成をし、残余の者が反対をしておる、こういう答弁がございましたが、床次委員の質問の内容には単なる大型飛行機だとかあるいは輸送機が大きくなったからという問題でなくして、原水爆基地としてこの問題が扱われておる。従って反対しておるのは、これは単なる経済的な問題というよりは政治的に反対をしておる、こういう意味の質問が行われましたときに、大臣はこの原水爆基地としてという点については、何らの御答弁がなかったのでありますが、私は新聞紙上その他においても立川飛行基地が原水爆基地になるというようなことが、日本の信用すべき新聞にも報道されております。政府当局といたしましては、この点に関して一体どうお考えになっておるか。床次委員が質問されましたように、原水爆基地として立川基地が、将来処置されるべき飛行場であるかどうかという点、防衛庁のあらゆる仕事の長に立っておられる方でございますから、よくおわかりになっておると思いますので、この点は一つ明らかにしていただきたいと思うのであります。
○船田国務大臣 立川の基地は、先ほど御説明申し上げましたように、補給と修繕の基地として使っておるのでありまして、今後におきましても、同様の使用の目的をもって使われることと存じます。決して原水爆の基地になるものではございません、原水爆につきましては従来もあらゆる機会にはっきり申し上げておりますように、米軍側がこれを日本の防衛のために持ってくるというようなことを考えられました場合におきましても、事前に必ず日本政府と十分に話し合って、日本政府の同意なしには原水爆を持ち込まない、こういう取りきめができておりますから、日本政府の知らないうちに原水爆が持ち込まれることは絶対にございません。わが政府としては、原水爆を使用するという考えも、またその目的のためにこれを研究するということも現在やっておりません。いわんや立川の基地が原水爆の基地になるなどということは全くございません。
○山花委員 私は先ほど韓国の士官が日本政府の何らの許可なしで出入りをしておるという点を指摘して大臣の御答弁を促したのでありますが、これは事の大小はあろうと思います。しかし日本の約束を裏切っておるということは事の大小にかかわらずアメリカ軍当局がやっておることであります。ただいま原水爆の持ち込みに関しては事前に日本政府と話し合いをして、日本政府の許可なしにはアメリカはやらないだろうと思う、こういう大臣の答弁でございました。ところが先ほど事の大小と申しましたが、小さい問題は日本政府に何ら諮ることなく日本の国内法をじゅうりんしてたびたび法律違反を軍当局が行なっておることは、もう世間周知の問題であります。韓国士官の出入りも一回か二回にとどまらず、新聞紙上にも発表されております。再三日本政府から抗議を申し込んでいてもなお態度を改めないというのがアメリカ軍当局のあり方であります。こういう問題に対してへっぴり腰で何ら厳重な抗議もできないという日本政府が、果してこの原水爆の持ち込みの相談にあずかるとかあずからないという問題が起きるかどうかという点に、私は若干の疑いを持つのであります。それはともあれ、原水爆を日本に絶対持ち込まないという確信を政府は持っておられるかどうか。そして原水爆を使用しない飛行機の発着、単に大型輸送機の発着という点について、果して九千フィートないし一万フィート——立川の場合には拡張いたしましても七千五百フィートでありますが、さらに第二段階の拡張が軍当局では考えられておるというように聞いておるのでありますが、その点いかがなものでしょうか。私は大型飛行機であるならば、七千五百フィート程度で大体間に合うと思うのであります。やはり九千フィート、一万フィートを各地の飛行場で要求しておることは、将来原水爆を持ち込むことをあらかじめ予期して、アメリカ軍当局が日本政府に要求しておるのではなかろうか、かように私は考えておりますが、防衛大臣のお考えを聞かしていただきたい。
○船田国務大臣 立川の基地は原水爆の基地には絶対になりません。また原水爆を日本国内に持ってくる場合には、事前に日本政府の了解なしにはアメリカはやらないことになっておりますし、また必ずそれは実行されることと信じております。立川の基地は、重ねて申し上げますが、原水爆の基地には絶対になりません。立川の基地は先ほど来御説明申し上げておりますように、補給、修繕がおもなる使用目的でございまして、そのために現在五千五百フィートしか滑走路がないのでありまして、それではどうしても今日の飛行機の操作に不便を感ずる、現に積み込みます荷物も四分の三以下に減らしておりますし、その他の場合においても相当ガソリンの積み込み量を減らして使っておるようなことでございまして、これは最小限度千五百フィート延ばし七千フィートにしなければ十分使用目的を達することができない、そしてまた安全に使用させることができない、こういうようなことからこれを七千フィートに延ばすということで、その措置を今講じつつある、こういうことでございます。
○山花委員 立川基地は絶対に原水爆基地にはなり得ないという船田大臣の答弁でございましたが、その他の基地はいかがしょうか。たとえば今拡張を目されておる横山あるいは木更津、小牧、新潟等々、現にアメリカ軍当局が使用して、大型飛行機の発着に不便を感じていないといわれている板付、三沢あるいは北海道の千歳等々も、これは原水爆基地でないと防衛庁長官はお考えになっておられるかどうか。
○船田国務大臣 結論から申し上げますと、ただいまお示しになりましたような飛行場はいずれも原水爆の基地にはなりません。またしないつもりで、政府はその方針をもって進んで参ります。
○山本委員長 時間が約束の三十分になりましたから御注意願います。
○山花委員 ただいま絶対に政府としてはしないという非常にはっきりした御答弁を得まして、これは必ず一つ責任の範囲において実行していただきたいということを要望しておきたいと思います。 それからもう一つは、話し合いをわれわれとしてはしたいのだが、なかなか相手が受けつけない、こういう話が大臣の方からも調達庁の方からもございましたが、私はほんとうに誠意があるかどうか、ちょっと疑う一点があるのであります。これは調達庁長官の方にお伺いしたいと思いますが、せんだって砂川で非常に乱闘事件がございましたときに、わが党といたしましては憂慮いたしまして、わが党のこの問題を担当しておる加藤勘十君を初め、二、三の国会議員が調達庁を訪れました。ちょうどあなたの部下の河崎東京調達局長ですか、お客さんがおってしばらくお待ち下さいというので待っていましたところが、一目散随徳寺をきめこんでどっかへ逃げちゃった、そして待ちぼうけを食わした、こういうような態度で果して地元の人とほんとうに誠意をもって折衝しておられるかどうかという点であります。いやしくも社会党を代表いたしまして、たとい人数は少数ではございますが、国民の選良たる国会議員が同道いたしまして正式に会見を申し込んだのに、しばらくお待ち下さい、来客中でございますと待ちぼうけを食わして、裏門から逃げ去ったということ、この事実は一体どういうことであるか、これは日本の公務員として正しいあり方であるかどうか、直接の責任者である長官に一つ御意見を承わって、それが事実とすれば、一体長官としてはどういう処置をとられるか、この際明らかにしていただきたいと思います。
○今井説明員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。皆さんの方で面会においでになった際の河崎局長の行動ということについて今お話がございました。この点につきましては私、今初めてお伺いをいたすような次第でございまして、なおよく調査いたしまして、河崎局長がどういう状況で、どういうことをしたかということにつきまして、十分一つ調査いたしました上で適当なる処置をいたしたいと思います。
○山花委員 これは事態明白なんです。そこで私は、そういう場合には上役としてのあなたは部下を処するにどういう処置をとられるかということを聞いておるのです。なお私のこの質問に疑点を持たれて、一応本人の河崎局長と会って調査する、それはけっこうでございますが、しかし私は、この処置はやはり公務員のあり方として、上役のあなたは十分考えていただきたいということをお願いいたします。 最後に、もう時間も参っておりますので、一点、私は船田大臣にお聞きしたいと思いますが、先ほど船田大臣はたびたび四年前のアメリカとの条約は正しい条約であり、相当国際情勢も変化している今日の段階においても正しい条約である、こういうようにはっきり御回答をなされました。私は今日の条約はやはり日本にとっては不平等の条約で、これを改訂していきたいと考えておりますが、なお改訂の要なしとお考えになっておられるかどうか、この一点だけを一つお伺いして私の質問をやめたいと思います。
○船田国務大臣 現在の段階におきましては、日米安保条約及び行政協定を改訂するという考え方は持っておりません。
○山本委員長 保科君。
○保科委員 ただいま砂川基地問題と原水爆の基地に関連する質問応答がございましたが、この問題は砂川問題の非常に重要な点でもあると存じます。また新聞紙によりましても、社会党、共産党それから総評、全学連等も、やはりこれは原水爆基地反対ということで反政府行動をとった、こう言われております。また、ただいまもそうおっしゃっております。特に日本共産党は、砂川基地問題について全国の皆さんに訴えるという声名の中で、政府と自民党はアメリカに協力し、ソ同盟や中国を仮想敵国とする原水爆戦争を始めています。砂川基地拡張はその第一歩ですと言うております。そこで私は、私の専門的立場からこの問題を解明いたして、長官に御所信を伺いたいと存ずるのであります。(「二十年前の専門じゃだめだぞ」と呼ぶ者あり)黙って聞いていなさい。 立川基地は、安全保障条約によりまして日本の安全保障に協力するための米海軍の補給並びに修理基地であるということは、しばしば長官が申されました。私もその通りと考えるのであります。なぜかと申し上げますると、立川基地の滑走路は毎々何回も申されております通り、現在五千五百フィートであります。これを七千フィートに延長ずる計画であると聞いておるのでありますが、これは輸送機の主力をなしておるグローブ・マスターが全装備電量でようやく発着ができる最小限度であるばかりでなく、修理用ジェット機は軽装備でなければ、とうていこの七千フィートでは安全に発着することができないのであります。従って、ジェット戦闘機でも最新式のF100というのがありますが、これは全装備では九千フィートを要する、こういう状況であります。ことに夏季三十二度以上の温度では一万フィートでなければ安全に発着ができないのです。そこで社会党の諸君が言うように、原水爆基地とするとせば、戦略爆撃機であるB47の発着に支障ないようにせねばならないから、少くとも一万フィートは必要ある、こういうことになるのでありまして、七千フィートでは全然役に立たないという結論であります。 さらに皆さんにもう一つ新しいことを実は申し上げたいと思うのであります。アメリカではすでに燃料の空中補給をやっておる。これはKC97という従来の給油機でもB47に十分利用されておるのででありますけれども、最近はさらにKC135というのができておる。この最新式のジェット型の給油機を配をすると、これが今続々生産されておりますが、途中で燃料の空中補給を行うことによって、現在アメリカの原水爆戦略攻撃部隊の主力をなしておるB47は海外基地を使わなくても、B36とかB52のような大型長路離爆撃機と同じ行動力を持つようになっておるのであります。つまりアメリカがかりに共産圏に対する侵略爆撃を行なったとしましても、無理に海外基地に依存しなければならぬという必要は現在はもうなくなっておる。そこで極東方面ではマリアナや沖縄にアメリカの空軍が安心して自由に使えるところの多数の飛行場があるので、日本に原爆基地を持ち込む必要があるなんてことを考えておると、これはよほど旧式な頭の考え方で、最新式のこの原水爆機の性能なり、そういうものがどのようにやるかということを御研究になっておらぬところからそういうことが出ておると思います。たとえばグアムを基地といたしますB47は、途中の燃料の補給などは全然やらなくてもバイカル湖付近までゆうゆうと往復ができるのです。これは日本の基地なんか使わなくても十分にできる。それから重慶や蘭州に対しても、沖縄を使わなくても、グアム基地から、途中無補給でゆうゆうと原水爆機が往復できる能力があるのです。そこで途中給油機を使って空中で燃料補給でもやることになりますれば、グアムからモスクワまで往復できる。今の航空機はそういう状態になっているのです。こういう最近における飛躍的なアメリカの爆撃機の能力というものを誤算して、皆さんがしょっちゅう言われる古い頭で、アメリカが日本をアメリカの空軍の原爆機の基地にしなければならないということを本気で言うているのは、まことに世界の文明国に対して恥かしい次第です。実にこっけいといわなければならぬと私は考える。 日本における米空軍基地の滑走路の延長計画は、毎々言われております通り、一番長いものでも九千フィートです。九千フィート程度の滑走路では、F36が、先ほど申し上げました通りに、夏季気温が三十二度というときに、ようやく発着できる程度の長さなんです。F86というのは、皆さんこれは御承知でしょう、侵略爆撃機の侵入を迎え撃つ純防空用の戦闘機でありまして、いわゆる原爆機ではないのです。そこでもしこれをすら原爆基地であるということにして皆さんが排撃しようとするならば、およそ飛行場と名のつくものは、現在のような航空時代では世界から取り残されてしまう結果になると、私はその方がすこぶる心配になるのであります。つまり日本における飛行場の拡張計画というものは、純然たる防空用の航空機の使用のためのものであって、これが日本の防空威力を強化して、侵略野心国として対日爆撃が容易にはできない、犠牲が多くてとうてい引き合わないと思わせるためのものなんです。そこをようくお考え下さい。このようにして、侵略野心国が容易に日本に戦争をしかけてこないようにすること、そのことが戦争防止上最も大事なんである。これがわれわれが自衛力をたくわえているほんとうの気持なんです。そこでこれらの飛行場は、日本自体の防衛の建設育成ができましたならば、日本に返されることは当然のことである。これは毎毎防衛庁長官が言われておるのですから、私もそう考えます。それはわかり切ったことなんです。 そこで立川飛行場の砂川に対する拡張は、前々から言われております通り、七千フィートまでのものであって、これは戦闘用の飛行場の役に立たない。全く軍用の輸送機とか修理用のジェット機を発着させるだけのものであります。 そこで私はちょっと所見を申し上げたいのでありますが、輸送機も今ではジェット機になっております。おそらく一、二年たつと、東京とサンフランシスコの間をノン・ストップで往復できる旅客機が現われることは当然であります。そうすると、滑走路は一万フィートが必要になる、こういうように私は承知しております。実はこの航空交通時代において、日本が世界の経済や文化の進展におくれをとらないというためにも、東京が世界の中心諸都市と直接航空連絡ができるように、新型のジェット輸送機の発着可能な空港を羽田のほかにもう一つくらいは持った方がいいという工合に考えております。むしろ世界は軍用機も民間機も日進月歩の進展を遂げつつあるのである。こうした発展に取り残されては、日本はあらゆる面で国際競争に負けてしまうと私は考えます。そこで砂川事件の扇動者たちも、こういう見地からいえば、実は日本国民の繁栄に対する反逆者であると私は考えます。また文化に背を向けた無知のやからであるといわざるを得ないと考えます。しかし一方また政府もこういうような航空の現状並びに将来の趨勢を十分に国民に納得させるだけの点において努力が足りなかったのじゃないかということについて、私は反省していただきたいというような感じをいたしております。こういうようにして世界の急激なる発展進歩に対し、国民に新しい知識の窓を開いて啓発することに政府がなお一そうの努力を払うことが必要であると考えるのであります。こういうことをやっておったならば、国民環境の中で、ああしたばかげた砂川騒動のごときものは発展せずに済んでおったと私は考えております。こういう点について私は防衛庁長官の所信を伺いたいと思います。
○船田国務大臣 立川の基地につきましては、先ほど来私からも累次御説明申し上げましたように、これは輸送と補給及び修繕の基地でありまして、ただいま保科委員のおあげになりましたように、五千五百フィートではどうしても滑走路の長さが足りない。そこで最小限千五百フィートを拡張いたしまして、これを七千フィートにする。もしあの地勢が許せば九千あるいは一万フィートに延ばすことが、安全率を見ました場合においては適当であると存じますけれども、しかしそれはとうていあの地勢から申しましてむずかしいのであります。そこで昨年以来日米間において十分その点を話し合いまして、そうして最小限度の拡張でがまんをするということになって、今回の測量の実施も行われたような次第でございます。あれが原水爆の基地になるなどということは今後決してあり得ないことでございます。ただ、ただいま保科委員もあげられましたように、PR活動がきわめて手ぬるかったということにつきましては、政府といたしましてもその点を十分反省いたしまして、今後国民諸君の御理解と御協力を得るためには最善の努力をいたし、ことにPR活動につきましても十分注意をして参りまして、誤解を生じ、また誤解から生ずるところの無益な抵抗あるいは暴力的な妨害というようなことの起りませんように最善の努力を尽して参りたいと考えております。
○保科委員 先ほど社会党の諸君からもいろいろな御質問がありましたが、長官に私は重ねて一つだけ最後にお伺いしたいと思うのであります。 御承知の通り、日本における米軍の基地というものは、日米安全保障条約によってこれは日本の防衛、日本の自衛力が日本を防衛できる程度にいくまで日本の防衛に協力する建前になっておる。従ってグアムから直接行けるんだったら日本に何もそういう基地は要らないじゃないかというような御意見もあるようでありますが、日本の基地というものは日本の防空用の基地であって、これはやはり必要である、アメリカが日本にかわって日本の安全保障を負っているのである、私はそう信じるのでありますが、この点に関する長官の所見をもう一度お伺いしたいと思う。
○船田国務大臣 わが国の平和と独立を守っていくために、国土の防衛ということの必要なことは申すまでもありません。その国土の防衛につきましては、現在日本の防衛力がきわめて不足でございまするから、従ってなお当分の間は日米安保条約によりまして、日米共同して日本の国土の防衛に当るというこの建前をくずすわけには参らぬと存じます。なるべく早い機会に日本の自衛力を増強いたしまして、それも国力、国情に沿うように増強いたしまして、外国駐留軍の撤退に備えていくという方針においては、今後においてもここ当分は、その方針を続けていかなければならぬことと存じます。ただ日本の国土の防衛ということは、日米の共同でこれに当ることでありまして、その根本はやはり日米両国間の信頼ということに基礎を置いてやって参りまするので、先ほど来いろいろ御懸念の点もございましたが、その点につきましては、お互いに十分わが方の主張も申し、また先方の要望も聞きまして、そして日本の国情に沿うように、また地勢の許す限り、また財政の点から見ましても、決して不均衡にならないような考え方をもちまして、アメリカ側の最小限度の要望にはわれわれも十分喜んでこたえる。そして相ともに信頼して日本の国土の防衛に当る、こういう態度をもって進んできております。今後におきましても、その方針、そのやり方においては、変りなくやって参りたいと考えております。
○保科委員 長官の御答弁を了としまして、これにて私の質問を終ります。
○山本委員長 西村君。
○西村(力)委員 日米安全保障条約が日本の安全のために不可欠のものであるという信頼をおいておられるのでありまするが、私が調べた範囲では、一九五二年だと思ったのですが、米国の外交雑誌にダレス長官がこういうことを言っておる。日米安全保障条約は、日本の安全のためというようなことは考えないのであって、明らかにアメリカの安全のためである。そうしてアメリカ軍が日本に駐留することによって、もし日本が変な動きをした場合においては、永久占領を可能ならしめるものである、こういうことを言っている。そういうことを抜け抜けと言っておる。にもかかわらず、あの条約がいかにも相互信頼に立つ日本の絶対的な防衛条件である、こう信用してかかっておるところに、まず大きな誤算があると私は思うのです。こういう点について長官はどういうふうにお考えになるか。これはアメリカのフォーリン・アフェアーズとか、多分そうだったと思うのですが、そういうものに書いてある。こういうことでありましたが、そういう点についてはいかがお考えになられますか。
○船田国務大臣 今西村委員のおあげになりました、ダレス米国務長官がフォーリン・アフェアーズにどういうことを論じたかということの内容は、私存じません。従いましてそれに対する批評はここに差し控えたいと存じますが、しかし先般来申し上げておりますように、日本の防衛は日米安保条約、行政協定によりまして、日米が共同で、その信頼感に立って日本の防衛に当っておる。この点においては何ら疑問を持つ必要もなし、またそれに不審を抱く必要は、私はないと存じます。
○西村(力)委員 そういう工合に固く妄執されて進まれる、まあ現在の政府の立場としてやむを得ないと思うのですが、日本国全体の真の愛情に立つ場合においては、もう少し現政府が、基本方針をそうするとしても、やはり謙虚に考えて対処していかなければならないのじゃないか。これはわれわれの愛する祖国の将来のために、私は切にそれを要望してやまないのです。もっと真実を見抜いていく——日本の国民が今までそういうことにならされていないために、あなた方の言うことをそのまま受け取っておるかもしれませんけれども、もっとほんとうに政府も真摯に、また国民全体も真実を見抜くという立場に立っていかなければ、われわれのお互いの日本国の将来というものは決して安きに置くわけにはいかぬじゃないかと、強く私は考えるわけなんです。そしてただいまは保科議員から、原爆基地でないというようなことについて、専門的なうんちくをお聞かせいただきましたけれども、アメリカの戦略が一昨年ごろからはっきり声明せられて、原子戦争能勢に全部が入っておるという。これはおそらく否定なさらないだろうと思うのです。アメリカでははっきりそういうことを言明しておる。そういう言明のもとに、そういう方向で進んでおる日本におけるアメリカの戦略配置というものは、原爆戦というものと無関係だというような工合に固く信じられても、それはただおのれ一人が信じられておるということになるのではないか、こう私は思うのです。その点についてはいかがお考えでございましょうか。
○船田国務大臣 国際情勢をきわめて冷厳な事実について検討をし、分析をし、観察をしなければならぬということにつきましては、ただいま西村委員のおあげになりました要旨を私は了承いたします。常に謙虚な気持をもって、この国際情勢を見ていかなければならないことは言うまでもありません。また政府はそうやっておるのであります。さればこそ、今日私は自衛体制を整備することが必要なりという結論に達するのであり、ます。現に二十四国会におきましても、皆さんから御論議がありまして、平和の風が吹いておるときに、なぜ自衛隊を増強しなければならぬか、こういう御質問がありましたときに、私は、なるほど東西の対立ということの緩和に向かって進んでおる、いわゆるゼネバ精神といいますか、平和の風が吹いておるということは事実認めます。従って原水爆をもってする第三次世界大戦が、今直ちに起るであろうということは考えません。しかしながその当時も申したことでありますが、北アフリカの諸国の状況、中近東における事態、また台湾海峡におけるあの対立抗争、これは決していわゆる冷戦として簡単に片づける問題ではない、すでにシューティング・ウォーにまで進み、あるいは進まんとしておる形勢である、こういう事態が今直ちに改善されるという見込みもない、そうしてしかもわれわれの過去の歴史を見ましたときにおいて、私の申しておることが決して架空なものではない。こういう現実の観察の上に立ちましたときにおいて、部分戦争なり冷戦が全く終息したと手放しの楽観はできないという現状に即しましたときにおいて、国力、国情に相応する防衛体制を整備するということは絶対に必要であるということを、私は繰り返し申し上げたのであります。私は決して先見の明があったといって誇るわけじゃありませんけれども、最近のスエズの問題を中心としたあの争い、及び東ヨーロッパにおける事態、また中東方面におけるあの紛争、これらを目のあたり見ました場合におきまして、私どもの考えておったことが決して間違っておらなかった。また自衛隊を漸次国力、国情に相応する程度において増強するという政策は、決して間違っておらなかったということを、私は確信いたします。
○西村(力)委員 御所見をただ拝聴しただけで、アメリカが一九五三年以降原子戦争体制にすべてを切りかえたということに対して、御承知になっていらっしゃるかという質問には何らお答えにならずに、ただスエズ問題あるいはハンガリア、ポーランドの問題、そういうことをとらえて、わが意を得たり、こういうことを言われますが、しかしああいう問題は、まだそう決定的な批判を下すということは早いと思う。あまりにうちょうてんになり過ぎるじゃないか。しいて言うならば、ハンガリアにせよ、ポーランドにせよ、ソビエトの軍支配に置かれたからこそああいう問題が出て、またその支配を排除しようとする民族運動に対して、あなた方は喝采される。だとするならば、砂川基地反対にその民族的な情熱を沸かしている人々に対して、それではほんとうになお一そうの後援をすべきじゃないか、そういう結論にもなる、あまり簡単に出せば……。だからそういう問題は、もう少し歴史の推移ということを見てやらなければならない。あまり軽々にやってはいけない。歴史の推移には一進一退がある。そういうことを簡単に御自分の方の御都合にだけ解釈されるということは、まことに危険しごくだ、私はそういう工合に考えておるのです。 それで先ほど御答弁漏れになったが、原子力戦争の体制にアメリカが全部を切りかえた。空軍もみなそうだ。これは戦略空軍だけでなく、戦術空軍もはっきり原子力戦争体制に変えておる。大きいB47とか52とか、そういうものを使わないでも、みなそこに原水爆を搭載して局地的な原子戦争を可能ならしめる。そういう工合にやるということをはっきり彼らは言明して、そういうことをやっておる。その一環として日本の軍事基地が置かれている。その大綱をごまかして、砂川は原子基地にならないのだ、こういうようなことを言っておるということは、まことにあまりにごまかしか、浅薄な、狭小な見方ではないかと思う。そうしてアメリカとの共同作戦をする限り、アメリカの仮想敵国がソ連であり、中国であることは間違いない。それと共同するんだから、われわれの方の仮想敵国もソ連であり、中国である。これは言えといったってなかなか言わないですが、同一目標に向うんですから、日本の仮想敵国は明らかにソ連と中国だ。そうすると、こういうことは憲法第九条に違反する、はっきりそうなるだろうと思う。いずれにしても、原子力体制に切りかえておるという事実、現実をどうお考えになるか、それについて一つ御答弁が願いたい。
○船田国務大臣 アメリカ合衆国が防衛の手段として原水爆兵器に重点を置いてきておるということは、これは西村委員がおあげになった通りに私も考えます。しかし原水爆兵器が発達をしたからといって、しからば軍艦や大砲や機関銃は全く要らないかといえば、決してそれはそういうことはございません。現に現在行われておる中近東あるいは東欧におけるあの戦闘の状態を見ましても、やはり地上軍なり、あるいは小火器なり、ジープなり、歩兵なりというものが、きわめて大切な役割をやっておることは、これは間違いのない事実でございますから、私はそういう事実に目をおおうわけに参らぬと存じます。
○西村(力)委員 それでB47というのは、これは原子戦争の戦略空軍であって、それは日本に相当入ってきておる、こういう工合に思うんですが、B52とか、あるいは使用禁止に今なっておるようですが、そういう47とか52は、日本にどのくらい入っておりますか。
○船田国務大臣 現在私ここに空に覚えておりませんが、B57中距離爆撃機は約三十機経度日本に入ってきておると考えております。
○西村(力)委員 47というのはどれくらい入っておりますか。今57とおっしゃいましたが……。
○船田国務大臣 B47というものについては、聞いておりません。おそらくC47、これは輸送機でございまして、C46のさらに一段改善されたものです。このC47は米軍が輸送機に使っておりますが、B47というのは、これは大型のジェット・エンジンの爆撃機でありまして、それは日本にはまだ来ておらないと信じております。
○西村(力)委員 B57にしろ47にしろ、そういう原子戦争を遂行する戦略空軍というものが置かれるということは、その飛行機だけぽつんと置かれるはずがない。それが一つ活動するには、いろいろな補助的な要素がたくさん一緒に仕組まれている。連隊として仕組まれている。その構成は一体どういう形で日本に入ってきておりますか。
○船田国務大臣 今の御質問の御趣旨が十分私に了解しかねたのでありますが、中型爆撃機、ことにジェット・エンジンの中型爆撃機B57というようなものが日本に持ち込まれたからといって、それがすなわち原水爆を日本に持ち込むことになるというふうな結論にはなりません。原水爆につきましては、先般来申し上げておりますように、これを持ち込む場合に、たとい米軍が使うものとして持ち込む場合におきましても、必ず事前に日本政府の了解を得なければならない、こういうことになっております。日本政府といたしましては、たびたび言明申し上げておりますように、原水爆兵器を使う、使う目的をもってこれを研究するというようなことは、絶対にやらない方針をとっておるわけであります。
○西村(力)委員 出かけなければなりませんので、時間がありません。それでまた後日に譲ることにしまして、そういう戦略爆撃機隊というのが日本に入る。日本に限らずどこでもそうですが、それが一つの能力を発揮するためには、護衛戦闘機も要るでしょうし、あるいは貨物の補給機も要るでしょう、あるいは給油機も要るでしょうから、そういうのが一つの組になって連隊を組む。そうでなければとうてい機能を発揮することができない。だから、日本にもそういう形で必ず入ってきている。だから砂川というのがそういう原爆戦争の飛行機が日本に入ってきて、その貨物の輸送機の発着なら発着、こういう役割を果すという工合にいった場合には、これは原爆機の基地じゃないというようなことは言えるはずがない。明らかにそれは原爆基地なんだ。あそこからは原爆を積む飛行機が発着しないということだけで、原爆基地でないということは言えない。そういうごまかしを言って国民に正確な認識を与えないということは、僕はいかぬと思う。それで何べんも、アメリカが紳士的に日本の了解を得てからでなければ原爆は入れない、しかし絶対に入れないということは言わない、日本の了解を得たら入れるということなんです。そういう場合に、現在の原爆戦争において一体何時間の余裕があると思う。日本の原爆基地なんというものは五時間とか十時間というような運命だといわれておる。それほどスピードを要求せられておる。飛行機に乗るまでは大体五分間、離陸するまでは三十分、こういうような短時間にやらなければ敵に先制攻撃を加えることはできない、これは絶対的なものです。それを、日本にのうのうと要求して、一月も二月もかかってそれからやろうなんということは絶対にあり得ない。だから日本の政府の了解を得ない限りは原爆は絶対に入れさせないんだといってどのように頑張っても、原爆基地を日本に置く限りにおいては、原子戦争に巻き込まれる。それはさっと飛び出して先制攻撃を加えたら、あとは日本の基地には帰らないでどこかにいくでしょう。そのために極東軍の戦略基地がちゃんとハワイに移動しているじゃないですか。そういう点からいうて、原爆基地でないということをいかにあなた方が言おうとも、現代の近代戦争の様相を考えるとぎにおいて、保科さんがいろいろ言われたけれども、私たちはとうてい納得できない。アメリカのあれを聞いてみますと、五分間以内で搭乗する、三十分間以内において離陸する、それが絶対の問題になっている。そうでなければ現在の航空戦においては勝てないということになっている。しかもこの間トワイニングという人がソ連に行って、ソ連の飛行機が進んでいることに驚いて、アメリカに帰って盛んに議会で報告しているようなことをちょこちょこ私たち見かけておる。そうなってくると、ますます日本の基地が五時間基地なら五時間基地、先制攻撃の基地という工合になってくると思う。向うの優秀な飛行機に対抗するためには先制攻撃以外にないということになって、アメリカはそういう工合にして確保するということを考えておるに速いない。そんなことを私たちはよく考えて、そううして原爆基地でないというような、そういう言葉を言われないで、正直に、日本がアメリカの原子戦争体制に切りかえられた戦略上の基地として、原子戦争体制下の中に今組み込まれつつあるんだという実想をそのまま見詰めて、これに対して、なおかつアメリカ空軍の日本駐留を認めて、そうして守ってもらうことが日本の安全であるかどうかということを国民に判断させることが必要ではないかと常に私たちは考えているのです。私はぜひとも用事があって直ちに行かなければなりませんので、後日いろいろそういう問題について、ほんとうに、お互い敵味方というような敵対意識でなく、一つやっていきたい。私たちがこういう工合に真剣に言うことがあなたに気に入らないとすれば、まことに遺憾である。そうするならば、あなた方は九千万国民を敵にしていることになる。敵にするのだと私は断言したいと思う。どうしてもあなた方がわからないとすれば、そういう工合に言いたい、こういう気持でいるわけなんです。時間でありますので、非常になんですが失礼いたします。
○船田国務大臣 ただいま御質問のありました原水爆基地にするということは絶対にございません。この点は重ねて申し上げておきます。
○飛鳥田委員 関連して。今の西村君の質問に対してまっ正面からお答えになっていない。そこで西村君の引き継ぎとして伺いたいと思うのですが、今後起るであろう原子戦争、これは堂々と事前通告をして、今までのような開戦の宣言をして行われるものだと大臣は思っていらっしゃるのかどうか。
○船田国務大臣 このことにつきましても、あらゆる機会に私は所信を申し上げておるのでございますが、原水爆をもってする第三次世界大戦というようなものが今直ちに起るというふうには考えておりません。しかし部分戦争なり冷戦が全く終息したと楽観することはできない。国際情勢を見ました場合におきまして、政府が従来とっておりまするところの防衛についての基本政策、すなわち国力、国情に相応する最小限度の自衛軍備を整えて、できるだけすみやかに外国駐留軍の撤退に備えることが必要である、その方針は今後も続けていくことが必要なりと考えておる次第であります。
○飛鳥田委員 私の伺っておるのは、原子戦争というものが今のような戦争の形で行われるものかどうか、このことを伺っておるわけです、少くとも私たちの考え方では、もし起るとすれば、来たるべき原子戦争はごく短期間に終るだろう、ある軍事評論家などによれば、四十八時間くらいで終るだろうという意見もあります、まさかそれほど早く終らないにしても数弔問を要するような形では続かないだろう、もしそうした場合には、当然先制攻撃を加えた側が非常に大きな利益を得る、このことも世界の常識だと思います。そうだとすれば、いわゆる奇襲攻撃というものをもって原子戦争の幕は切って落されるだろう、こういうことを私たちは考え、これが原子戦争のノーマルな形態だと考えておるのですが、この点について長官のお考えはどうかということをお伺いしたわけです。日本の防衛がどうとかいうことは順々に伺います。
○船田国務大臣 ただいま御指摘の問題は、第三次世界大戦ともいうべきものでありますが、そういうものがどういう形において口火を切られるかということについては、責任を持ってどういう形で行われるかということを御説明申し上げるだけの十分な資料を持っておりません。しかし日本としては、そういうことはとにかくとして、現在起りつつあるようなああいう部分戦争、不意の侵略に対しては十分に備えを持たなければならぬという建前に立っておる次第でございます。
○飛鳥田委員 そういうふうに問題をぼかすことはかえっていけないと思います。少くともあなたは、もし日本に原子兵器を持ってくる場合には、日本の政府とアメリカの政府とが事前交渉をしてその上で持ってくるということになるのだ、日本はこれに対して断わる余裕があるのだ、こういうことを再再繰り返しておられる。だがしかし来たるべき原子戦争というものが、パール・ハーバーのような奇襲戦法をもって始まるのが通常だということは、世界の軍事評論家の大体の通説であるとするならば、当然そのことは今おっしゃった言明に関連して考えていかなければならないはずでしょう、もし早く先制攻撃を加えたものに勝利があるとするならば、何でアメリカが日本の政府に、原子兵器をお宅の国土の上に持って行ってよろしゅうございますか、こんなことを交渉してくるでありましょう。日本の政府にそういう交渉をするということは、たちまち相手の側に知れるということでございます。それでは、これから攻撃を加えようという国に対して、行きますよということを予告するようなことじゃないですか、そういう形態をとり得るはずがないのであります。原子兵器を日本の国土へ持ってくるか持ってこないかについて、アメリカは日本と交渉をする、こういうことをおっしゃるからには、原子戦争が起り得べき形態というものを十分に考えて、そういう奇襲先制をもって始まろうという公算が大であるとするならば、そういう交渉をアメリカが日本にしてくれる余裕があるだろうかどうか、こういうことも当然考えてそういう約束をいたしましたというのでない限り、軽率ではないでしょうか。そういう意味で、あなたは原子戦争の勃発に当って、アメリカが日本に相談をしてくれる余裕ありとお考えでしょうか。もしありとお考えだとするならば、世界の軍事評論家の通説にあなたはそむくわけです。そのそむく理由を明白に述べない限り国民に対して不忠実だといわざるを得ない。先ほど保科先生は専門的な議論ということを言っておられたが、これは当然専門的な立場に立ってあなたは御説明になる義務があるのです。
○船田国務大臣 私はただいまの飛鳥田委員の御質問は少し被害妄想狂になられるのじゃないかと思います。もしその言葉が悪かったら取り消しますが、もし今おあげになったような原子戦争が起るといたしますれば、これはモスクワとワシントンとの間において行われることだろうと思います。そう想像されます。そういう場合に日本の基地をいきなりソ連がたたいてくるというようなことは私は想像してもおりませんし、したくもございません。
○飛鳥田委員 それでは申し上げましょう。私はこの前も申し上げたと思いますが、アメリカの軍事評論家でハンソン・ボールドウィンという人がおります。この人は今あなたがおっしゃったモスクワとワシントンとの間の原子戦争を想定して、一つの重要な提言をしております。アメリカは日本を一刻も早く原水爆の基地に変えなければならない。そしてもし第三次世界大戦が始った場合には、ソ連や中国の原水爆攻撃を日本に磁石のように吸い寄せてしまわなければならない。日本に中国及びソビエトの原水爆攻撃が吸い寄せられているそのひまに、アメリカ側からソ連を打つ準備をするのだ、こういうことを述べております。これは私の想像ではありません。ニューヨーク・タイムスに掲載せられておるところであります。この事実をあなたは全然御存じないのか。少くともハンソン・ボールドウィンというのはアメリカでは相当権威のある軍事評論家です。この軍事評論家の評論ついて、日本の防御をつかさどるとおっしゃるあなたが全然御存じないはずはありません。あなたのおっしゃるような、ワシントンとモスクワとの間にという一つの項をちゃんと入れておることを、あなたは御存じないはずはありません。原子戦争がもし起るとすれば——起らないと思いますし、起らないようにわれわれは努力すべきですが、しかしそうした場合における日本の役割というものはちゃんとここに規定をされておる、こういう事実をあなたは御存じないのかどうか。
○船田国務大臣 ハンソン・ボールドウィンがどういう戦略評論をしておるか私は詳細を存じません。しかしながら日本政府といたしましては、日本が原水爆の基地になるということには賛成をいたしません。立川の基地を初め、日本にある米軍の使用しております飛行場その他の軍事基地が、原水爆の基地になることは絶対にさせない方針で進んで参ります。
○飛鳥田委員 これ以上長く述べてもしかたがありませんから一つだけ申し上げます。とにかくあなたは日本の国の防衛をつかさどるとおっしゃっているのです。もしそうだとするならば、だれが何と言おうとおれはこう思うのだということだけでは済まないはずです。人はそう言うけれどもおれはそうは思わないのだ、これだけでやってよいとは私には思えません。あなたもきつとお思いにならぬはずです。ボールドウィン氏だけのことを言うわけではありませんが、少くとも世界の相当著名な、しかも権威あるといわれている評論家の議論くらいは、あなたは研究をしお考えをいただかたければならぬはずです。あなたの立場からいっても、日本の防衛は科学的でなければならないと私は思っております。ところが世界の著名なる評論衣あるいはいろいろの学者の言葉、あるいは政治家の言説、こういうものをわれわれが聞きますと、よく知らぬ、そんなものはだれが何と言おうとおれはこう思うのだ、こういうことではちょっと困りますね。先ほどもダレス氏がフォーリン・アフェアーズにこういうことを書いておったという話がたしか西村君から出たと思いますが、これも知らぬ、こうおっしゃる。しかしダレス氏はあなたと始終交渉をしておる相手のはずです、この人が責任を持って雑誌に論説を響いている以上、このくらいは研究になるべきだと思います。ダレスが言ったのも知らぬ、ボールドウィンが言ったのも知らぬ、だれが言ったのも知らぬ、だれの言ったのも知らぬ、しかしおれはこう思うのだ、これでよろしいでしょうか。私はこのことについてお答えをいただこうとは思いません。とにかくあなたは明敏な頭脳を持ってやっているはずです。当然知らぬ知らぬとおっしゃる腹の底では知っているはずなんです。もっと十分に国民を納得させることを、この国会で答弁せられることを私は望みます。まだたくさん伺いたいことがありますが、委員長もだいぶんお急ぎのようですから切り上げます。
○船田国務大臣 一言だけ申し上げておきますが、私は雑誌にどう書いてあるか、新聞がどう報道したかということよりも、両国政府がはっきり締結をした条約あるいは約束をした交換公文、あるいはお互いに話し合って了解に達した、合意に達した問題、そういうものを権威あるものとして政府の政策を、施策を進めて参るつもりでございます。 —————————————
○山本委員長 次に前から要望がありました防衛庁化学学校の問題について、茜ケ久保委員から質疑の申し入れがありますので、短時間これを許します。茜ケ久保委員。
○茜ケ久保委員 時間がございませんから端的にお伺いします。従って防衛庁当局も端的な御答弁を願いたいと思います。 最初に船田防衛庁長官にお伺いいたしますが、長官は二、三回前橋に見においでになって、その際に新聞記者会見をなされた際に——これは相当前でありますが、化学学校を前橋市に持っていきたいというようなことをおっしゃったのであります。このことはその後たびたび前橋に化学学校ができるかのような新聞報道がなされておりましたが、最近に至って何か確定したような報道もございます。それはそれとして、前橋に化学学校を持ってくるとおっしゃった防衛庁長官は、どのような基礎と申しますか、持ってこようとされた根底はどのような観点からそういった見解を持ち、また前橋市に置こうとされる意見を発表せられましたのか、一つ科学的な御説明をお願いしたいと思うのであります。
○船田国務大臣 化学学校と申しますのは、防衛の見地から、あるいは原水爆なり、あるいはその他の化学兵器を侵略者が使った場合に、その惨害を防除し、また惨害がありましても、それを最小限度にとどめる、そういう具体的な方法、化学的な研究をするために化学学校を設けるわけでありまして、その適当な場所が前橋に得られそうであるという現地の調査の結果、大体それがよかろうということになりましたので、今その方針に従って進めておるという次第でございます。別にそれ以外に深い根拠をもってどうということを考えておるわけではございません。
○茜ケ久保委員 化学学校の内容については後ほどお伺いしますが、そういった相当近代科学戦に対処する内容を持った学校のようでございますが、それには何かやはりその学校が置かれるという立地条件なりあるいはまたそういった研究をするについての必要な条件等もあろうかと思いますが、そういった条件がありましたら、その条件をお答え願いたいし、その条件がいかような観点から前橋市の現在想定される土地と合致するのか、この点は担当者からでもけっこうでありますが、伺いたいと思います。いわゆる化学学校の要請する立地条件並びにそれと前橋市に現在予定される土地との合致条件について御説明を願いたいと思います。
○船田国務大臣 化学学校を東京に近いところに置くことがよかろう、東京に近いところということで探しますと、なかなか適当なところはございません。幸いに前橋市内にわれわれが考えて適当だと考えられるところがあるものですから、それでそれを目当てにして交渉を進めておる、こういう次第でございます。
○茜ケ久保委員 政府委員に伺いますが、前橋市にお作りになろうとする化学学校の内容について、いわゆる人数とかあるいは対象になる階級とか、さらに最小限必要な建物あるいは敷地、さらに将来どのようなふうにこれを考えておられるか、こういった点を具体的に御説明を願いたいと思います。
○都村説明員 お答えいたします。ただいま長官から概略御説明ございましたけれども、化学学校につきましては、本年度の予算におきまして化学学校を設立する予定になっておりまして、ただいまは化学教育隊といたしまして富士の駐屯地にございます。この化学教育隊におきましては、先ほど御説明があった通りでありますが、万一化学兵器を使用された場合にこれを防衛する必要がある、すなわち化学兵器によって汚染せられました地物の識別、あるいは応急手当あるいは化学装備品の整備、補給、こういったようなことに関します、いわゆる対化学防御に関します知識技能について必要な教育訓練を行なっておるわけであります。実はこの化学教育隊は、場所としては必ずしも富士が適当ではないのであります。御承知のように、富士は約八百メートルの高地にございまして、湿気といいますか、気候の関係上訓練に適しないというような消極的な条件がございます。また富士学校が充実して参りますにつれまして、あそこの敷地では非常に狭くなってきたというようなこともございます。それからさらに化学教育隊といたしましては、いろいろと防護マスクだとか、あるいは除毒衣だとか、そういった装備品の関係上、補給処になるべく近いところが望ましいわけでございまして、ただいま補給処は土浦にございますが、この補給処も前橋の方に移転する予定になっております。そこに一緒になりたい、なった方が好都合であるというようなことから、前橋市ということになったわけであります。ただいま教育いたしております人員はちょっとはっきりいたしませんが、昨年度は延べ六百人であります。そうして組織といたしましては、たしか幹部自衛官全部入れまして、約八十人で構成しております。
○茜ケ久保委員 化学学校の性質が、近代化学戦争に対する一応当面の防御と申しますか、あるいはその起った現象に対する消毒あるいは汚染の検量というようなことであったようでありますが、これがそういった研究過程を通じて学校所在地の住民に危険を及ぼすことは絶対にないか。よく皆様方は、当面は危険がない、あるいはそういったことはないとおっしゃるけれども、一つの具体的な事実をお作りになると、自然にそれが私どもの心配するような方向へ行く可能性が強いのであります。私はもちろん自衛隊の設置に反対でありますから、この化学学校の設置にも反対であります。しかしいろいろ問題もございますし、これで私が反対をするということでなくて、土地においてもいろいろな情勢があると思います。そこで一番大事なことは、そういう性格を持った学校が市中にできるということは、やはり現在はそういった危険がないということが予想されましても、将来化学兵器の進展と自衛隊のそういった意味における拡充がなされる過程において、その化学学校がそういった状態を招来する危険か多分にあると考えられるということがあるのであります。その点について、私は一つ船田長官から、現在においても、さらに今後においても、そういった付近の住民に不慮の災害を及ぼすようなことがあり得ないのかどうか、これは長官として絶対の責任をもってはっきりここに言明できるものであるかどうか、一つここで特に承わっておきたいと思うのであります。
○船田国務大臣 前橋市に化学学校を持って参りましても、付近の住民の方々に非常な御迷惑を及ぼす、ことに今、茜ケ久保委員から御指摘になりましたような御心配の点は、今後起らないと私は信じております。またそういうことについて万全の処置を講じて参りたいと思います。
○茜ケ久保委員 政府委員にお聞きしますが、私はごく最近市当局から伺ったところによりますと、今候補地になっている土地に化学学校を作ると、現に同じ前橋市内に駐留軍が使っている同じ系統の土地がありますが、その駐留軍が近く引き揚げた場合に、その駐留軍の現在使っている地点を市に譲渡する、その中には野球場、プールあるいはその他の施設がございますが、市にこういった利益を与えるかわりに、現在問題になっている土地を自衛隊に提供するようにという話で、この話が相当進んでいるというふうに伺ったのでありますが、そういう事実があるのかどうか、一つ御説明願います。
○都村説明員 そのようなことはございません。
○茜ケ久保委員 これは私は伺いたいのでありますが、巷間に、市の責任者並びに市会の議長等が流布しておりますことは、具体的に申し上げますが、旧富士産業の中島飛行機の工場跡であります利根川ベリにある現在の予定地に、富士機械という工場がございます。その付近をお使いになるという予定でありますが、市の当局は民間に流している情報では、そこを化学学校に提供すれば、元富士産業の第二工場といった天川原にあります現在米駐留軍が使っておるこれが元の富士産業の土地でありますが、これを今言ったように市に譲渡してプールもそのまま使える、野球場も使える、さらに現在駐留軍の使っている兵舎であるものを、今市が非常に要望している第五中学校の校舎にも使えるということで、一般市民に化学学校の前橋設置を大きく宣伝しているのであります。私はいかなる観点からそういう論が出たのか知りませんけれども、防衛庁が自分のそういう施設をお作りになるときに、何か交換条件なりあるいは利益を与えて、市にとってこんなに有利なんだから、一般の市民に一応の不安があっても、あるいはいやであっても、これを受け入れなければ市として不利だという宣伝の仕方をなさることは、私はまことにけしからぬと思う。今説明員のお話では絶対ないという話でありますが、これは私本人が聞いているのでありますから間違いありません。市の議長あるいは相当の職にある諸君が、そういったことをはっきり言うのであります。これはないならないで了承しますが、新聞等にも掲載されるような形で出ているので、もう一ぺん具体的な形で、私は名前まで出してお聞きしたわけですが、やはりそんなことは絶対ないのか、はっきり伺いたいと思います。
○都村説明員 お答えいたします。防衛庁といたしましてはそのようなことはございません。
○茜ケ久保委員 そうしますと現在利根川の付近の敷地が予定になっているようでありますが、どのような折衝過程を経て——その前に伺いたいことは、一時尾島の、現在駐留軍の使っている施設があくので尾島の方がいいのだから尾島にしたいというので、尾鳥と折衝したところが尾島町の町会が満場一致反対を決議したので、さらにまた前橋に持ってきたといういきさつも、新聞の報道でありますが、あったようでありますけれども、そういった点があったのかどうか、なければないでけっこうであります。それから今申しました天川原の利根川べりの敷地に決定されるいきさつ、だれとどのような折衝をなさって、現在どのような結果になっているか、一つこれを具体的にお教え願いたいと思います。
○都村説明員 お答えいたします。防衛庁といたしましては、たまたま前橋にございます米軍の施設でありますキャンプ・スティルウェルが解除になるということを聞きましたので、そこに移したいということであったのでありますが、たまたまその敷地にもとありました富士機械が来たいという希望を強く表明いたしましたので、現在富士機械がおります場所と交換するということで話がまとまりつつあるわけでございます。それからたまたま尾島市にございますこれも米軍駐留の施設でございますが、それも近く移る、接収解除になるというような話がありましたので、その方の関係はどうだろうかということを研究いたしましたところ、これは地元の方といたしましてはむしろ工場を誘致したいという強い希望もありますので、その方の関係は全然断念いたしまして、今のところでは前橋市にありますキャンプ・スティルウェルの接収解除を待っておるわけであります。
○茜ケ久保委員 大体のいきさつがわかりましたが、最初予定された天川原の現在キャンプに使っている場所が候補地になっている。それが富士機械が使いたいというので、現在富士機械が使っている場所ということでありますが、現地を御承知かどうか知りませんが、現在富士機械が使っている場所は、かっての富士産業の工場の相当広い面積の中で、一番南の方を現在工業高等学校が使っているわけであります。その次のその北を富士機械が使い、さらにその次を現在工業短期大学が使っておりまして、中断されておる。さらにその北にあき地があるという状況でありまして、いわゆる工業高等学校と、工業短期大学とがその端とまん中にあるのでありますが、こういった環境にある場所が、将来そこに学校を持ってきて、この二つの学校に非常な影響を与えるということも考えられるのでありますが、そういった点についての御検討は十二分になされておるのかどうか、これを伺いたい。
○都村説明員 お答えいたします。防衛庁といたしまして、前橋市に化学教育隊を移し、化学学校を作るということに関しましては、地元の関係方面と十分相談いたしまして、関係者の納得の上でこれを移すようにいたしたいと思っております。ただいま御指摘のありました点につきましても、富士機械の方で関係者とも十分連絡いたしてくれることになっております。
○茜ケ久保委員 前橋市の地元の関係者という言葉が出ましたが、その関係者を例をあげておっしゃっていただきたい。
○都村説明員 お答えいたします。私どもの折衝いたしておりますものといたしまして、富士機械、それからそのほか直接間接に——特に富士機械の方を通しまして意見を聞いておるのであります。
○茜ケ久保委員 その説明では納得できませんが、関係者という以上は、いろいろあるわけであります。市当局もありましょうし、先ほど言った市議会もありましょうし、いろいろな関係があると思うのでありますが、これは一つ御注意申し上げますが、先ほど申したように、私は基本的に反対であります。反対でありますが、何もあなた方がなさることに一々けちをつけるわけではありませんから、はっきりおっしゃっていただかないと、今後仕事をなさっていただくについて、不都合な点があると思う。それで私はお聞きするのでありますから、その点は十分了承してお答えにならぬと、あとに問題を起してはかえってあなた方が困ることになると思います。もう一ぺん重ねて伺いますが、関係者を——富士機械だけでなくて、おそらく相当の関係者の発言があろうかと思いますから、遠慮なくおっしゃっていただきたい。もし大臣から御答弁があるなら承わりたい。
○船田国務大臣 ただいま茜ケ久保委員のおっしゃられた、ことに御注意の点は十分了承いたしまして、交渉に万全を期して間違いのないようにして参りたいと思います。ことに化学学校ということで地元の方々が非常に心配せられるといけませんから、それらの点はただいま都村教育局長から御説明申し上げましたように、十分内容を御説明申し上げ、市当局を初め地元の関係の方々にも、十分御理解を得るようにいたし、円満に解決するように努めて参りたいと思います。
○茜ケ久保委員 先ほど都村局長の言葉の中に補給処のことが出ましたが、先般私はこれは別な問題で吉井の弾薬庫に参りまして、いろいろお伺いしたときに、吉井の弾薬庫を補給処として独立させるような話も聞いたのでありますが、そのほかに今教育局長の説明を聞くと、前橋に補給処をお移しになるという話でありますが、その補給処というものは大体化学学校と併設されるのか、補給処のいわゆる補給武器の内容は何か、これなども一つ承わっておきたいと思います。併設するのかどうか、また作るとすればその補給処の内容、弾薬かあるいはその他の機械か、これを一つ伺いたい。
○都村説明員 ただいまの予定といたしましては、補給処の中の化学部を、前橋に移しまして、その化学部と併置する予定でございます。
○茜ケ久保委員 時間がございませんから、もうこれ以上お聞きしませんが、最後に伺いたいのは、大体防衛庁としては前橋市を絶対の場所として、そこにお作りになる準備と用意をお進めになっており、さらに現地でも今教育局長のおっしゃった富士機械の関係者と話が進んで、大体において今日の状況としては、もう前橋市に移るということに決定しておるというふうに伺っていいのか、またあるいは地元のいろいろな関係等によっては、前橋市も万やむを得ずあきらめて、他に土地を物色しなければならぬというふうにお考えか、この点を一つさらにお聞きしたい。
○船田国務大臣 これは大体前橋市ということで御了承を得たいと思っております。
○茜ケ久保委員 そこでちょっと今井長官に伺いたいのですが、これは新聞報道でありますから私は決して無理は申しませんが、この化学学校の敷地の問題について、前橋市の調達事務所長が何か折衝しておるような報道を聞きましたが、調達庁は、いわゆる防衛庁長官である船田大臣が調達庁の担当大臣になられたのを機会に、調達庁が防衛庁のそういった仕事までなさることになったのかどうか。これは新聞報道でありますから、私はあまり強く追及しませんが、そういった報道が——いわゆる地元において新井君がこの件について折衝したという報道が出ておりますので、一応念のためにお聞きしたい。
○今井説明員 その点につきましては、ただいま初めて私は伺うのであります。今の問題については、全然私どもは承知しておりません。
○茜ケ久保委員 だからそれと同時に調達庁が防衛庁の関係の仕事をおやりになることがあるのかどうか、この点も一つあわせて聞いておきたいと思います。
○今井説明員 調達庁といたし決しては、御承知の通り行政協定に基きます諸般の事務を大体処理しております。今のような問題について防衛庁の仕事を調達庁がやるということはないと思います。
○茜ケ久保委員 そこで最後に申し上げます。長官も地元との折衝をスムーズにやってトラブルを起さないようにと言いますが、私どもも私どもの立場から相当にこれに関心を持っております。そこでそれはおやりになることもけっこうでありましょうし、地元との折衝が済んだことはけっこうでありますが、もう少し内容なりあるいは今後の構想等を具体的に一つお示しいただかぬと、やはりこれは私はそう簡単にはいかぬ、たとえおきめになってもやはりまだまだ地元が納得いたしませんから、一応学校が建つことによって利益を受ける——そこの市が敷地をもらうとかあるいはそれによっていろいろな業者がもうけ口を考えるということはあり得ます、あり得ますが、一般の市民は決してあなた方のお考えほどそのことについては楽観的ではございませんから、私どももそれ相当の対処をしたいと考えております。それも十分御了承の上事を運んでいただきまして、処理されんこことをお願いいたします。
○山本委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十五分散会