内閣委員会 第60号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/10/26
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 駐留軍立川基地拡張問題の経緯について船田国務大臣より説明を求めます。船田国務大臣。
○船田国務大臣 立川基地の拡張の問題につきましては、すでに各報道機関によって報道されておりますので皆さん方十分御承知のことと思いますが、なお一通り私から申し上げたいと存じます。 実は本日の委員会につきまして、今委員長から今日の御要求を伺ったものですから十分用意をいたしておりませんので、事実についての経緯につきましては、私の申し足らないことは丸山次長から十分御説明をしてもらうことにいたします。 そもそもこの基地の拡張の問題につきましては、すでに二十九年の三月、アメリカ側からの要求がありまして、自来それにつきまして日米間において折衝の結果、最小限度のものを提供しようということで話し合いがまとまりました。 その経過を申し上げますと、大体昭和二十九年三月十五日に施設委員会において米側から新潟、小牧、横田、伊丹、立川の五つの飛行場拡張用地の提供の要求がございました。それから三十年一月十二日施設委員会において米側から木更津飛行場拡張用地提供の要求があり、また三十年八月五日、閣議におきまして、新潟、小牧、横田、立川、木更津の五つの飛行場の拡張に関する方針を決定いたし、政府声明を発表いたしたのであります。昭和三十年九月十五日、立川、小牧両飛行場拡張用地提供について、施設委員会の合意が成立をいたしております。それから昭和三十年九月十六日になりまして、前記施設委員会の合意を、合同委員会において承認をいたしました。次いで九月二十日、小牧、立川両飛行場拡張用地提供について閣議の決定をいたし、十二月二十九日に官報の告示をいたしております。三十年九月二十八日、横田飛行場拡張用地提供について、施設委員会の合意が成立をいたしております。次いで九月二十九日、前記施設委員会の合意を合同委員会において承認いたしております。三十年十月四日に横田飛行場拡張用地提供について閣議の決定をし、三十一年二月九日、官報告示をいたしておる、こういうような手続を経ております。 本年に入りまして、横田の飛行場の拡張につきましては、地元の者と調達庁との間において数次の折衝をいたしまして、ことに東京都知事に仲介の労をとっていただきまして、これは八月初めに円満に妥結ができまして、すでに測量をいたし、米軍に提供いたしまして、米側において近く工事の氏名をするというところまで進んでおります。 小牧の飛行場につきましては、私も現地に参りまして地元の方々とも十分お話し合いをいたし、なお桑原愛知県知事の仲介によりまして、これまた地元と円満に話し合いができております。もっともそのうちに多少残っておるところがございまして、その者とは引き続き円満に話し合いを進めるように今いたしておる次第でございます。これは近く解決に至るものと期待いたしておる次第でございます。 立川の基地につきましては、現在あの滑走路がわずかに五千五百フィートしかございません。あの飛行場を十分に活用するためには、これをどうしても千五百フィート延ばしまして、約七千フィートにする必要があるということで、この滑走路の拡張及びその滑走路を活用するについて必要なる誘導路の拡張ということも必要になって参ります。そこで昨年も、御承知の通り、現地において不祥事件が起ったのでございますが、本年はできるだけ地元の方々と円満に話し合いを進めていきたいということで、累次折衝をいたしましたが、遺憾ながら町長初め反対をせられる諸君は、法律上の手続をも拒否せられるということになりましたので、やむを得ず十月一日から十六日の間法律の命ずる測量をするということで、東京都の立会人の立ち会いを求めて、先方にも利害関係者に通告をいたしまして、一日から十六日の間に測量を実施するということにいたしたのであります。 最初の一週間余は、毎日測量隊が出ましたけれども、御承知のような社会党議員の諸君の立ちふさがりがありまして、とうとうこれが実施できません。そこで最後には、十二日になりましてついに警察官の出動を見るということになりました。しかしそのときには、地元の者もありますが、むしろ第三勢力の者が立ちふさがりまして、とうてい測量の実施ができません。そこでやむを得ず日没になりまして警察官の出動も中止をし、測量も中止されることになりました。その間にもしばしば社会党の代表の諸君とも折衝をいたし、私もみずから淺沼書記長初め社会党議員の諸君のお話も伺いまして、できるだけ円満に事を処理して参りたいと考えましたが、何分にも測量の期日は切迫をいたしておりまするし、また具体的に話し合いを進める何らのめども見出されないということになりましたので、十三日の早朝から測量を実施したいということで準備を進めておりましたが、不幸にしてそのときには警察の出動が非常におくれまして、従って第三者の立ちふさがりが非常に強力に行われ、その結果あとから出ました警察官との間に、まことに不祥な事態を引き起すことになりましたことは、返す返すも遺憾に存じます。しかしあの場合測量をやるためにはやむを得ざる手段でございまして、この点はどうぞあしからず御了承をいただきたいと思います。 ことに十三日測量を実施いたしました結果について十分検討いたしましたところが、とにもかくにも必要な最小限度の測量は終了することができました。そこで十三日の晩に関係者を集めまして善後措置を講じました結果、私が担当大臣として全責任をまかされておりましたので、私の判断において、十四日以後の測量を中止いたしまして、あの事態の収拾をはかった次第でございます。なお翌日も再び関係者を集めまして十分に検討を加えた結果、十三日に実施いたしました測量によりまして、誘導路部分の測量は終ったということで、これを東京都の土地収用委員会の方に持ち込むことができるという最小限度の必要事項を満たすことができました。従いまして諸般の情勢を勘案いたしまして、十五日、十六日の二日まだ測量の予定期日が残っておりましたが、測量を中止するということにいたしました。残余の測量を全然放棄したわけではございません、今後機会を見て測量をいたしたい。ことに地元の諸君の十分なる理解と協力を求めて測量を実施いたしまして、最小限度のこの基地拡張の法律上の手続を十分に円満裏にやって参りたいという考えを持っておりますが、あの際におきましては、諸般の情勢を判断をいたしまして、中止することが穏当であろうということで、一時測量を中止することにいたした次第でございます。 これが大体基地問題についての最近の経過の概要でございます。なお事務手続等につきましては、丸山次長その他の者から十分御説明をさせたいと思いますが、その点を十分御了承をいただき、今後基地拡張についてああいう不祥事の起らないようにいたしまして、円満に話が進むように皆さん方の御協力を切にお願いいたす次第でございます。
○山本委員長 これにて一応説明は終りました。本問題に対する質疑は、理事会の申し合せに基きまして、次会三十一日に行うことといたしますが、ただいまの説明のうち御不明の点がありましたら、その釈明を求める程度において質疑を許します。
○細田委員 私は釈明を求めるのじゃなくて、なお資料の要求をしたいのです。その前にちょっと長官にお伺いしたいのだが、長官のただいまの説明によりますると、社会党議員が立ちふさがったために、不幸にして警官の出動を求める結果になったという御説明だった。社会党の議員が多く行っても三十人か五十人です。毎日のことですから。そこでそういう三十人や五十人の議員が行っておって、二千人も三千人も警官を動員するような不穏な行動が社会党議員によってどういうふうにして起きたか、その点少し私説明が納得いかないものですから、資料の要求の前にちょっとその点を伺いたい。
○船田国務大臣 社会党議員の諸君が妨害したから警察官が出たということを私は申したのではありません。一日から十六日の間に測量をするということを通告をいたし、立会人も求めておったわけでありますが、測量を実施せんといたしました東京調達局の測量隊が出ますときに、社会党議員の諸君がそこに立ちふさがられた。そうして話し合いをしようじゃないかというお話がありまして、そういうことが約一週間続いておった。その後におきましても相当続いており、さらに私の先ほど申し上げたのは、地元の方々とばかりではなくて第三勢力の方々、これは全学連とか総評とかいう方々だろうと思いますが、そういうものが事実上立ちふさがって、とうてい測量が実施できない、そうしてしかもかなりその第三勢力として集められた中には、業務の執行をじゃまをするというようなこともありましたので、警察官が出動して、いわゆる強制測量というようなことになった。かような不祥事を引き起したことはまことに遺憾でございますが、事実はそういう、ほんとうに地元の方々と話し合うということ以外に、第三勢力の者がそこに大ぜい立ちふさがられたという事実があったということを申したわけでございます。
○細田委員 それでは資料の要求をいたします。まず第一に、ただいま長官からも一応の御説明がありましたが、さらに米軍の基地拡張の要求に対して、日本政府との間において今までの対米折衝関係の記録と申しましょうか、特に合同委員会及び施設委員会の記録、これを一つ御提出願いたい。それから立川基地拡張の予定関係文書とでも申しましょうか、特に図面等を添えて拡張予定の資料を御提出願いたい。なおこれについては、第一次収用認定土地、第二次収用認定土地等についても、特に御配慮を願いたい、その次に、ただいま大臣のおっしゃった一応現在までの測量の完了したところがどれだけかということ、これは色でも何でもよいのですが、図面の中で特に明瞭にしていただきたい。それから立川基地におけるいわゆる条件派の土地、物件等の売買契約並びに賃貸借契約についての個人的な明細書、それから告示請求の訴訟が都庁あてに起されておるようでありますが、これの訴状並びにその後の法廷弁論記述の記録の写し、こういうものを当委員会に御提出願いたい。以上であります。
○船田国務大臣 今の細田委員の資料要求につきましては、私どもとしてはできるだけのものは出してお目にかけたいと思いますが、ただ日米間で折衝をいたしました文書につきましては、これは相手のあることでございますから、その了解を得なければ、全部を出すというわけには参りません。従いまして、できるだけのものを提出をいたしまして、お目にかけたいと思いますが、中にはできないものもございますから、その点はあしからず御了承を願います。
○山本委員長 茜ケ久保君。
○茜ケ久保委員 船田国務大臣の御説明に対する現地のいろいろな状態については、委員長の計らいで三十一日にいたしますが、ただいまの御説明の中で私どもちょっと了解に苦しむことは、船田国務大臣が円満に事を運ぶために党の淺沼書記長初め党の諸君と話し合った。一度は私自身もその席に連なっておりましたが、残念ながら事が円満に運ばなかったという御釈明でありました。国務大臣のその釈明だけを聞いておりますと、何か逆に政府が社会党に対して積極的に話しかけをしたのであるが、遺憾ながらその成果が得られない。どうも聞きようによっては、政府が積極的なそういった話し合いの場面を持とうとしたのであるが、社会党の諸君の了解が得にくくて不幸にしてああいう事態に到達したというようにとれるのであります。これは話は逆でありまして、私どもは、あの事態を昨年の例から見ましてこのまま推移したならば、おそらく非常にいまわしい事件に到達する可能性があるから、何とか政府当局はここで考えていただいて、とるべき方法を講じ、ただ単に強行するというのではなく、話し合いをする、あるいはまたここにわれわれは特に日ソ交渉という点も取り上げて、こういった事態でもあるから、円満に事を運ぶために、政府としてはできるだけの考慮をしてほしいということを船田長官にも申し上げるし、その他政府の諸君にもたびたび言っておるにもかかわらず、政府当局はただ強行する強行するの一点張りで、何らわれわれと誠意ある話し合いをする場面を持たなかった。私は船田国務大臣とお会いしたのでありますが、あなたは、あのときにも、とにかくまあ何か一時、間に合ったら、その次に必ず測量させるという条件なら話し合いをする——必ず測量させるという条件をつけるつけぬは私どもの権限ではありませんが、ただ不慮の事態を防ぐためにはもう少し政府はお考え願いたいということを私どもは数次言っておる。それに対して船田国務大臣は、やはり既定方針通り強行するということをおっしゃっておる。この点はっきりしてもらわぬと、先ほどの御説明では逆な意味にとられる。同時に私どもは、あれほど口をきわめて不祥事を起してはならぬということを言っておったにもかかわらず、強行するの一点張りで、ついに十二、十三日のあのような全く戦後見なかった流血を招いた。この件に関して船田国務大臣は、最高責任者としてああいう事態が起ることはないというお考えを持たれたのか。もしそんな事態が起らないというお考えを持っておったとするならば、私は少し政治的には無能力ではないかと思う。ああいう緊迫した情勢で、武装した警官を二千名もあそこに送り込んで、しかもこん棒を振り上げることもよろしい、鉄かぶとで相手の胸にぶつかってもよろしいといったような状態の中で、ああいう不祥事が起ることがないとお考えになったとすれば、私は船田国務大臣は政治的な無能力者といわざるを得ないと思う。もしああいう混乱が起ることを予期しておやりになったならば、これはまことに大臣としては無責任きわまりないと思うのであります。そのことを私はおそれたから再三言っておる。従って御弁明をお願いするのは、私どもが時をかし、しかも礼を尽して再三再四政府側に、ああいう事態の起ることを心配をして、何とか御考慮を願いたいと言ったことに対して政府は一顧も与えなかった。この点に対して国務大臣の今の御弁明では少し不足だからもう少し釈明してもらいたい、これが第一点。 第二点は、いわゆる武装警官をあそこにお出しになっても不祥事件が起らぬという確信によってなされたのか。あるいはまたアメリカの要請にこたえるためには、善良なる国民に対してある程度のああいう悲惨事が起ってもこれまたやむを得ぬという覚悟を持ってなさったのか、私にはどうも了解ができない。この二つの点をぜひ補足して御弁明願いたいと思う。
○船田国務大臣 私が淺沼書記長初めことに社会党議員の諸君と話し合いをしたということは、政府が要請したという意味に申しておるのじゃございません。ただいま質問者のおっしゃる通りに、社会党議員の諸君からぜひ会いたいというお話でございますから、私はもちろん快くお目にかかりまして、そして御主張の点を十分伺ったのであります。そのときにも淺沼書記長その他の諸君と二回会っております。そのときに私の申したのは、社会党議員の諸君がクッションの役割をするというお話でございますから、しからば、政府の方に譲歩を迫る以上においては、地元の人を何とか納得させるという具体的な何か方法がございますか、もし具体的にこういうことをすれば、あるいは幾日か待ったならば、必ずやるというような、何か具体的の対案をお示し下さるならばそれについて十分話し合いましょう、こういうことを申し上げたのであります。ところが不幸にしてその具体的にどうしたらどうなるかということの対案のお示しがなかったのでありますから、そこで私どもは所定の測量をやったというだけのことであります。元来この問題は大きな政治問題というよりは、もうすでにきまっておる方針に従って、計画に従ってその一部を執行する行政上の措置にすぎないのであります。それで私はたびたびそのことを申し上げたのでございまして、その行政措置をとるについては、法と秩序を守るということは私はどこまでもやりますよということは申し上げておるのでありまして、私がああいう不祥事態が起るということを予想しなかったという、また予想しなければならないと言われれば、今御批評は十分受けますけれども、しかし私は初めからこれは単なる行政措置の問題であるから、これは法と秩序に従ってやるのが当然だということを申し上げておったわけであります。またこの問題については何も米軍側から強要されたという問題じゃございません。このこともはっきり私は申し上げておるのであります。すなわち八月、九月にわたって駐留軍労務者のストライキの問題がありました。これは米軍側と折衝をし、また米軍側にも了解をさせなければならぬ問題でありますから、これは私は無理だと思いましたけれども、皆さん方から強い御要望もありましたし、私も米軍に折衝するのはよかろうと考えて最善の努力をして、幸いにして九月のストライキは回避することができた。その例も私は詳しく申し上げまして、淺沼書記長初め皆さんがいらっしゃったときにそのことを申し上げまして、何か具体的の案があるならそれを伺いましょうということをたびたび申し上げておったのでありますが、不幸にしてその具体的な対案のお示しがなかった。そして今度の問題は、米軍の使っておる基地ではありますけれども、これは日本の防衛上絶対に必要な最小限度のものでありまして、どうしても最小限度千五百フィートを拡張することが必要である、こういうことで、最初の問題は、もちろん日米間において話し合ったことでありますけれども、あの測量をする、あるいは基地を拡張するための行政上の手続をするということは、これは日本政府の問題でありますから、日本政府独自の考え方で進んでおるのでありまして、これは米軍と折衝する問題じゃないのであります。駐留軍労務者の問題とは性質が全く違っております。そのことも私は再三皆さんには申し上げておるのでありまして、私の今御説明申し上げたことは何ら偽わりを申しておるのじゃございません。
○茜ケ久保委員 まあ今の釈明にも私どもいろいろ意見もあり、また質問する点もございますが、それは三十一日に譲りまして、一点だけ伺いたいのは、国務大臣並びに関係者は、口を開くと法的措置、並びに自分たちが一方的におきめになって、住民の土地の取り上げあるいは家屋敷の取り上げを御通告なすって、それを承知しないというといわゆる措置法なりあるいは強制収用の手段をおかけになる。これは一応法的な面からだけ考えれば——それは当然そういった手続が完了しておりますからそれはよろしいでしょう。しかし私たちが常に言っておることは、あなた方は初めから住民の意思なり住民の意向を全然無視して、一方的におきめになってそのことをまた押しつけていって、住民が聞かなければこれに法的措置をもって臨んでいらっしゃる。これは今言うように、いわゆる法的な面からだけ考えれば、そこにいわゆる手落ちもなければ落度もないでしょう。しかし少くとも住民の意向を最初から無視して、これは政府に必要なんだ、最小限度必要なんだといって押しかぶせていって、聞かなければ法的措置をする。しかも終いには、私どもいつも言っておる、国民の税金で養っておる警察官が——これは人民保護の機関である、人民保護の機関である警察官を武装させて、自分の土地を守り、自分の家を守るために立っておる住民をなぐる、ける、あるいは瀕死の重傷を与えるというようなことをさしてまでなさることは、私はどうにも納得できぬと思う。私はこの間からも言ったが、あなた方は法的措置として間違いないとおっしゃるかもしれないけれども、まずおきめになるときの態度が、少くとも日本の国民を無視しておる。居住権も土地の所有権も、あらゆる点を無視してかかっていらっしゃる。そこに思いをいたさないで手続だけ問題になさるところに私どもの納得のいかない点があるし、多くの基地関係の諸君が問題にしておるのであります。従って船田国務大臣が防衛庁の担当大臣として最高責任を負っていらっしゃる。今度の問題は、あなたが担当大臣になられる前の問題であるけれども、あなたが新しく責任を負った以上は、そこまで問題を掘り下げて考えて処置してもらわぬことには一あなた方はあの測量を阻止する姿が、法を無視し、法治国の姿ではないということを何度もおっしゃる。それが起る原因はどこから生まれたか。その原因を考えないで、姿だけをながめて言うことは、私はまことに遺憾千万だと思う。 そこで国務大臣に伺いたい。あなた方は、今後のこともあるが、今後もやはりああいうふうに一方的に政府の意思を押しつけておいて、それに対して国民が家を守り、土地を守り、生活権を守るために、小さい力を発揮した場合には、国民の生命、財産を守るべき警察官をあくまでも武装させてやるだけの決意を持っていらっしゃるのか、今度の問題についても、あなたはこうしたことが起る根本的な原因にさかのぼってお考え直しになる意思はないのか、この点を最後に一言お伺いして私の弁明要求を終ります。
○辻委員 関連して。基地問題の根本については次会に質問をいたしますが、十月の四日測量予定日第一日に、長官の命令を実行するために、現場に行った東京調達局の局員が、現場においてだれかになぐられてけがをしたということを聞いておりますが、そういう事実があったかどうか。あったならば、だれがだれになぐられて、いかなるけがをしたか、はっきりお答え願いたいと思います。
○丸山説明員 十月四日の測量に際しましての調達庁職員の負傷の状況でございますが、特に報告を受けておりますものは、私どもの立川事務所の有馬君という職員が、午後四時ごろ議員団を先頭とする大ぜいの者との間に測量隊員がもみ合いになりまして、その際に自分の持っておるところの手帳を奪われた私どもの調査によりますと、はなはだ失礼ながら、そこにおられる茜ケ久保先生だというふうに私は報告を受けております。これを取り返さんということで、またももみ合いをいたしましたときに、左のまぶたの上をなぐられて傷を負った。なぐった人がだれであるか、その際の状況等から大体の見当はつくのであろうということではありますが、この点はっきり確認して申し上げることは私今ちょっとできないと存じております。その他、当日職員が二、三名足その他に打撲傷を負った。また当日立ち合いにきておりました東京都の外務室の松井さんも、その際足で下腿部をけられた。また測量のために使用しております八洲測量会社の戸村測量隊員も、当日同様に負傷を受けた。しかしながらこの辺の具体的なだれにどうされた、あるいはどういうあれであるかということは、混乱状況でありますので、明確にはこの際いたしかねます。
○辻委員 ただいまの説明を聞きますと、十月の四日に国家の公務員が防衛庁長官の命令を受けて公務に従事しようというのに対して、国会議員ともあろうものが手帳を取り上げる、あるいはぶんなぐっておる、そうして目に裂傷を負わしておるという事実がある。しかもこれは反対しようとする者が激高してやるのならまだわかるが、一体国会議員が現場へ出て行って、そうして国家の公務員の正当の行動に対して暴力をふるうとは何事か。(「何を舌うか」と呼び、その他発言する者多し)これは盗人たけだけしいというものであります。一体政府はこの職員を調査して、だれになぐられたか、はっきりこの点を明確にしてもらいたい。 〔「関連々々」「興奮するなよ」と呼び、その他発言する者多し〕
○山本委員長 まず、茜ケ久保君の質問に対して国務大臣より説明がございます。
○船田国務大臣 元来砂川基地の問題は、根本の基地拡張がいいか悪いかというような問題にさかのぼって論議をすれば、それはいろいろ御議論はあると思います。しかし私が先ほど来経過を率直に説明いたしておりますように、今回のこの問題は、昨年すでにきまった方針計画に従いまして、どうしても最小限度の居地拡張を認めた以上においては、それに必要なる手続をとらなければならぬということで、その手続を十月一日から十月十六日までの間に測量をする、しかもそれには立会人を置いてやらなければなりませんので、あらかじめその期日をきめ、利害関係者にも通告をいたしたのであります。しかし何分にも先ほど申し上げますように、町長初め反対をされる諸君、これは全部が反対ではございません。もう七割ぐらい賛成しております。その残った反対をしておられる諸君は、当然の手続として書面を出しても、その書面を拒否するとか、あるいは面会を求めても面会を拒絶するということで、全然相手になりません。そこでやむを得ずして、法の許す範囲内においてあの測量を強行せざるを得なくなった、こういう事実でありますので、今後におきましても、かようなことの起ることはなるべく避けなければなりません。法の執行は円満に相手方の十分なる理解と協力を求めてやることは当然でありますけれども、やはり公益が私益に優先する場合もあり得るのでありまして、憲法及びその他の諸法規の許す範囲内において行政執行をやるということは、これは今後においてもやむを得ない場合があり得ると考えます。
○西村(力)委員 私は十月四日、現場におりましたのでそのことを申し上げます。 今指摘された茜ケ久保君自身が申したいところでございましょうけれども、私ははっきりあの事実を申し上げますが、調達庁は土地、物件の調査に来たはずなんです。そのものが、私たちの話し合いの中において人物を記録し、話の内容を記録するという必要がどこにあるのか。しかも写真班を連れて、米軍のゲートの上に乗っかって、われわれの人物厚真を撮っている。あなた方は土地収用をするためにわれわれの人物写真が何で必要なのか。そうして八ミリの映写機をもってわれわれと調達庁の職員との話し合いを記録した。こういうことは調達庁の職務内容にあるのかどうか。そんなばかな話があるものですか。そういう状態になりますると……。(「なぐるのが国会議員の特権か」と呼び、その他発言する者あり)あのなぐった云々は……。(発言する者多し)
○山本委員長 お静かに願います。
○西村(力)委員 茜ケ久保君がやったというような工合に報告がいっていると今言いましたが、事実は全く違うのです。あのときには相当のもみ合いがあって、そのもみ合いはわれわれの意図したところではない、明らかに調達庁側の挑発的な行為に基くものだ。そういうもみ合いの最中に新聞社の脚立が倒れた。それで報道班の人は非常に憤慨をして、その脚立を少し振り回すような格好をした。調達庁の測量班の諸君はそれを避けるためにちょっと下った。下った際にどこかにひっかけた。おそらくそういう工合になっていると思う。(笑声)私はこの目ではっきりそう見ておる。それはひっかけたということはわかりませんが、なぐった人はだれもいない。あった事実は、報道班が脚立を振り回したという、そういう事態だけはあるのです。ですからその際にこれを避けようとしてどこかにぶつかるなり、ひっかかったりかしたのじゃないかと思う。しかもその傷は、立川病院ですか代々木でしたか、どちらかはっきりしませんが、病院の診察カルテを私たちは見ましたが、打撲のあとは認めず、傷一センチ、深さ真皮に及ぶ、出血少量、処置ばんそうこう貼付、こうなっているのです。よろしいですか。そんな傷はその辺のススキにひっかかってもできますよ、真皮に達する傷は……。真皮というのは一番上が表皮、表皮のすぐ下が真皮、その下が脂肪、だれでもおわかりのことと思う。長さ一センチ、深さ真皮に達す、処置ばんそうこうという傷なんだ。そういう傷をとらえて、これを大げさにあなた方は唱えるならば、船田大臣に私は言うが、眼球がひん曲ったり、腹部をけられて瀕死の重傷になったことに対して、このことはやむを得ない、私は今後とも断固としてやるというような言い方はやめてもらいたい。そういうことを言うならば、深さ真皮に達する傷をとらえて、いかにもわれわれに反撃をしようとするような態度は、少し慎しみが薄いのではないかと私は思う。そういう事情です……。(発言する者多し)
○山本委員長 お静かに願います。
○西村(力)委員 私はこの問題が問題になったから、あらためて船田大臣に念を押したい。あの負傷が続発した。一千名以上の負傷者があった。深さ真皮に達する傷を数えたら、それは千名どころの騒ぎじゃない、おびただしい数になるだろうと私は思う。それでもやはりこのことはやむを得なかりたことだとあなたは仰せられるか。今まで地方行政委員会において、江口警視総監も石井警察庁長官も、まことに遺憾であったというまじめな態度を表明されておる。あなたはこのことはやむを得なかった、こういう言葉を先ほどはかれましたが、このことはやはりその通りに仰せられるか、念のためにもう一度私はお聞きしたい。
○船田国務大臣 砂川の問題について、警察官が出動しなければならないような事態が起ったということはまことに遺憾でございます。法治国において、法の執行を無秩序に暴力をもって阻止するというようなことの起るということは、私はまことに遺憾だと思います。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)従いまして法と秩序を守るために警察官が出動したということは、これは私はやむを得ないと思います。今後絶対にそういうことがないということを期したいけれども、事実は私は公益が私益に優先するという場合もありますから、従って私は先ほど申し上げたことを取り消す意思はございません。
○西村(力)委員 あのような重傷者のたくさん出たということ——警察権の執行の仕方はいろいろあるはずです。出たことはやむを得ないとあなたは逃げられるが、あのような血傷者が出たことに対しても、やはりやむを得ない、かように先ほどは発言された。その通りであるかどうか。
○船田国務大臣 警察官の執行について、もし行き過ぎがあったならば、それについては十分に責任をただすということは、先般の地方行政委員会においても警察当局が申しておることであります。私はそれを決して否認いたしておりません。
○西村(力)委員 それでは次にお尋ねしますが、先ほどの大臣の説明には、そのあとのことがちょっと抜けておると私は思う。それは何であるかというと、一昨日の新聞でもおわかりの通り、条件派の宮岡広なる者の所有地であった約二反歩の土地に、米軍が鉄線を張った。そのことについて私はあなたとも会いました。そうして直ちに処置すべきことを要求しました。丸山次長とも会って、直ちに処置すべきことを要求した。それはなぜかといいますると、あの一個所をやったことによって、米軍の使用の目的は何ら達せられないで、われわれが受ける印象は、単にその刺激を増すだけであります。しかも基地の拡張に賛成しようと反対しようと、このように国土が切り売りされることは、われわれのはずかしみだ、国の恥辱である、こういう工合に私は考えてお二人に抗議要求したわけなんですが、そのことに対して大臣は、私は小細工はやらない、やるならば営々とやる、こういうことを私に言われました。そのことはああいう措置というものは自分の意思に反するのだという御発言だったろうと私は思うのですが、そういう発言をなさったあと、直ちに丸山次長に連絡はなさったようでございまするが、その後あの問題について、大臣はその堂々たる所信をもって、どういう処置をされたかということ、そのことについての——これは立川基地拡張の問題と関連のある問題でございまして、そのことに対する政府側の努力、見解というものが示されていない。この根本は、政府当局が条件派と賃貸借契約あるいは売買契約ができたところを、個々ばらばらに、あるいは二反歩、あるいは百坪、あるいは三百坪とアメリカ軍に引き渡しをして、国土の切り売りをやっているから、こういう事態が起きておる。その一カ所、百坪、二百坪をやったために、どれほどあなたがいう公益上の利益になるのですか。残るのは単に国土の切り売りをやっておるというはずかしみだけなんだ。私はまことにこの点は遺憾に思っておるのです。で、その件に関する努力をどういうようになさったか、その点を一つこの報告の最後にあなたはやはりつけ加えるべきであったろうと私は思うのであります。そのことを一つ御答弁をお願い申し上げたい。
○丸山説明員 ただいまのことについて、私が詳しく事情を存じておりますから、大臣にかわってお答え申し上げます。今お話がありました宮岡さんの土地約二反歩というものは、すでに調達庁が賃貸借契約済みのものでございまして、またこれを米軍側に引き渡し済みのものでございます。これの使用につきましては、あそこの第四ゲートの出入路を改造いたしまして、出入の便宜を大いにはかるという必要、それからその付近のところを物置場等の建設に値おうという理由がありましたので、すでに賃貸借済みであり、引き渡し済みでありますから、そこにさくを設けることは差しつかえない、これによって付近のいわゆる賃貸借の済まない土地等の出入その他も何ら不便を与えることはない、かようなことであれを容認した次第でございます。なおこの問題を全般的に申しますと、お説の通り一部分々々々というものをやりましても、飛行場全体の利用価値——特に飛行場の拡張目的は、滑走路を延長し、誘導路を設けるということでありますので、その滑走路を延長し、誘導路を設ける全体の部分というものが一団としてそろわなければ終局目的は達せられないことは事実でございます。現在のところは、何と申しますか、あの区域のうち、いわゆる協力派の方で賃貸借契約を願っておるところがおそらく七、八千坪あろうかと思いますが、その間に反対派の土地が介入しております。まあいわばトラ刈り状況にある。従ってそのトラ刈り状況では終局目的は達し得ない。でありますので、そのトラ刈り状況で残っておりますところを測量もいたし、収用委員会の認定も得て、一団の国のものとして活用しよう、こういうつもりであります。しかしながら調達庁が賃貸借契約をしております目的は、御承知の通り単に使わせるためであります。従ってトラ刈りの部分といえども立ち入って今後の計画等について調査測量する程度のことは必要である。その程度にとどめておくという方針には、現在も今後も変りはないつもりでございます。
○西村(力)委員 ……。
○山本委員長 もうあなたのは質問のようですから、次回にお譲りを願います。
○西村(力)委員 資料要求です。
○山本委員長 資料要求なら許します。
○西村(力)委員 それはあとでやりますが、大臣は堂々とやるということを私に回答をなさっておる。そのことに対して、今回答はありませんが、また丸山次長はその際それを初めて聞いた、そういうことを私に言ったにもかかわらず、今はこういうわけで容認した、こういうことを言っておる。こういう行き違いが、次から次へと自分たちの立場を擁護するためにごまかされてくることは、まことに責任ある行政官の立場として遺憾であると思う。それは後にしまして、それでは今トラ刈りのように個々ばらばらに引き渡している個所、それを一つ資料として地図の上において出してもらいたい。それからあなたの方と米軍の基地司令官と、そのトラ刈りをした場所に立てるべく予定して打ち合せをしておる立て札の文句があるはずであります。日本国民の所有地のまん中に、ポツっと百坪ある。これをあなた方が米軍に渡してしまう、そこに米軍が立てる立て札に書く文句もあな六方は打ち合せをしておる。その合意の成立した立て札の文句もどうぞ一つ資料として出してもらいたい。その二つを要求しておきます。
○山本委員長 島上君。
○島上委員 私も本格的な質問は三十一日以降にいたしますが、先ほどの長官のお言葉の中に第三勢力、第三勢力ということを数回使われました。私は言葉じりをとらえるわけではもちろんありません。この砂川基地を拡張するかしないかという問題は、もとより直接農地を取り上げられる農民も大きな問題でありまするけれども、この問題に対して全国民が非常に大きな関心を払っていることは事実であります。私は、長官が第三勢力という言葉を使ったのは、直接農地を取り上げられる農民と調達庁とそれ以外のことを指しているのだと思う。すなわち、あそこへ関心を持って行っている社会党の議員をも含めて労組や全労連その他の関心を持って来ている人々、さらにはあの問題の成り行きに大きな関心を持っている全国民がすなわち第三勢力である、こういう解釈を持っているのじゃないかと思う。私は、この砂川基地拡張は、単に農地を取り上げられる農民と調達庁あるいは政府との問題、こういうふうに限定して解釈さるべき問題ではなくて、非常に重大な全国民的な問題だと思う。今まで政府は日本を防衛するために最小限度必要だと称して、アメリカに基地を無制限に許して参りましたが、その基地を許したことを、日本の防御のために必要だという政府の宣伝をある程度信じておった国民の中にも、砂川外五カ所の今回の基地拡張は、原子力戦争に利用されるのじゃないか、原爆搭載機の発着のために拡張されるのではないかという疑いを多分に持っている。そういう基地の性格が大きく変ってきているので、防衛のためではなくて、アメリカがどこかを侵略するための最前線の基地にする、そういうふうに変ってきたのではないかという疑いを多分に持っている。そういう問題についてはあとで質問するとしましても、そうだとするならば、この基地に対して国民が関心を示すのは当然だと思う。国民が関心を示して、その関心の度合いによって、あるいは現地へ来て現場を見ようとする者もありましょうし、いろいろあろうと思うのですが、そういうような直接の利害関係者以外に、国民が、社会党議員をも含めて関心を示していることを、第三勢力であって、よけいのことであるというふうにお考えになっているのか。第三勢力という言葉をしばしばお使いになっているので、それについてお伺いしたい。
○船田国務大臣 地元のほんとうの土地所有者あるいは利害関係者と調達庁と十分に話し合いましたならばもっといい結果を得られたと私は思います。しかし事実はこれに反して、いわゆる第三者がたくさんあそこにおられたということを私は申したのでありまして、第三勢力ということは特殊の意味を持って私は申したのじゃありません。土地の利害関係者、政府、それ以外の第三者がたくさんあそこにおったということ、その事実を申しただけであります。
○山本委員長 茜ケ久保君より一身上の弁明を求められております。これを許します。 〔飛鳥田委員「委員長」と呼ぶ〕
○山本委員長 釈明ですか。——それなら許します。
○飛鳥田委員 さっきから時間がたっているのでもう辻さんも冷静になったと思いますので、前言を取り消していただくように委員長に取り計らいをしていただきたいと思います。先ほどの丸山次長の答弁によっても、茜ケ久保君がメモを取り上げたということは言っております。だがしかし、なぐられたのはかりに事実だとして、それがたれによってなされたかは述べておられません。しかもかりになぐられた、あるいは傷ついた、真皮が傷ついた程度のものだとしても、その原因は今西村君から述べられたところであります。ところが辻さんは茜ケ久保君がメモを取ったという事実と、次長が何人によってなぐられたかわかりませんと言っておったその事呉とを結びつけて、茜ケ久保君を指さしながら国会議員がそんなことをする権利がどこにあるのだ、こういうことを言われました。あたかもなぐったのは茜ケ久保君であるかのごとく断定せられた。しかもそれを非常に感情的な言動において述べられた。このことは私はいささか軽率のきらいなきにしもあらずと考えるのであります。かりに辻さんがそのことを確信せられる根拠がおありならば、その根拠を立証せられた後にそのことを言われるべきであります。私はそう思います。しかるにもかかわらず、この段階において単にここに述べられた証言はだれによってなぐられたかわかりませんという証言にしかすぎないものを、非常に感情的な言動において茜ケ久保君を指さしつつ、あたかも彼の名誉を傷つけるがごときことをなさったことについてははなはだ遺憾であります。この点については委員長から辻さんに十分お話しいただいて取り消していただきたい、こういうことを私は求めます。
○辻委員 それでは私は申し上げましょう。私が言ったのは不確実な情景じゃない。これははっきり出ております。警備第一部と第二部が立川基地測量に伴う警備の各種の資料というものを持ってきております。これを読んでみます。このような状態は四日から十一日までの間、連日にわたり多い日は一日数回も調達局員が砂川町に入るごとに繰り返されていた。その過程において、測量予定日の第一日目である十月四日午後三時三十分ごろ立川基地第四ゲート公道上において、ゲートから出た測量隊員が測量予定地方向へ進出しようとした際、これを実力を持って阻止せんとした社会党議員団の中の一人茜ケ久保重光代議士は東京調達局員有馬純徳君に暴行を加え、同人に対し全治十日間を要する左眼瞼裂傷の傷害を与え、かつ同人のメモ帳を強奪する等の暴力行為を行なったと出ております。これは警察の報告であり、今丸山次長に聞いたのは、調達庁の主任者としてこういうことがあったかどうかというのを確かめて、それからその後のこの問題の審議の資料にしようという意味であって、その間には何ら不確実なものもなければ、私の感情も交えておらない。
○飛鳥田委員 はなはだ申しわけないことですが、辻さんは採証の原則というものを御存じない。ただ単に一方的なこうした報告というものがそのまま常に正しいという断定を下し得るものだとはお考えにならないはずです。言ってみれば今お読み上げになったのはただ一方的な報告にしかすぎないわけです。これを単に信ぜられる個人的な段階にとどまられるならばそれは御自由です。だがしかしこれをもって公然と人を非難するがごときことをなさる場合には、当然採証の原則というものを御存じにならなければならないわけです。一体この場合に辻君は茜ケ久保君の弁明を一回たりとも聞かれたかどうか。お聞きにならぬはずです。それにもかかわらず、単に文書の上のかくのごとき報告をもって断定をせられることはますます私は軽率のそしりを免れないと思う。かりにこのことが真実だとお信じになるならば、その事実をこの委員会に提出せられた後に言わるべきである。ところが丸山次長は何人になぐられたかわからぬと御報告になっておるにもかかわらず、それだけですぐそのような断定をなさることは軽率です。これは辻君といえどもお認めにならなければならぬはずだと私は思います。どうぞそういう点も十分御検討になって委員長から御善処あられんことを望みます。また茜ケ久保君の一身上の弁明といいますか、いわゆる説明を十分お聞き願いたいと思います。
○辻委員 私はこれは警察から出た資料でありますから、これが絶対確実だとは思わない。従いまして丸山次長に対してその被害者を調べてこれが確実かどうかという資料を要求したのであります。その上で社会党諮れの弁明を聞こうと思う。
○山本委員長 茜ケ久保君。
○茜ケ久保委員 私の名前が出ましたので一応一身上の弁明をいたします。 十月四日に私は第四ゲートの正面におりました。丸山次長は有馬君の手帳とおっしゃいましたが、手帳じゃございません。確実には新聞記者の持っておるあのざら紙でございます。私はなぜそれを拝借したかということは、先ほど西村君が申しましたように測量隊が測量に参ったのであります。ところが当日の事情を申しますと、測量隊員は全然測量用具を持っておりません。測量用具を持たないで、ボールをたった二本持っただけで全部隊伍を組んでばっと押しかけてくる。その中に写真班がいる。情報収集班がいる。私どもは非常に不愉快に思ったのは、測量隊が何で西村君が言ったように写真が必要か。さらにメモを取っておる。私がメモを拝借したのは、一人の測量隊員がくつを落して逃げ帰った。その者に対して持っておるくつを返そうとしたところが、盛んにメモをしておる。私はちょっと拝借して見たところが測量のことが書いてない。社会党員の服装と人相を書いてある。そこで私はこれは測量に必要ないと言って、見ましてすぐこれは返しておいた。その後のことは私は全然わからない。そうしたら同僚の松井政吉議員がゲートの中に引きずり込まれて測量隊員にえらい暴力を食らっておる。これは事実だ。新聞記者がちゃんと知っておる。そうしたことがあった。私は人に対して全然手も触れなければ何もしない。ところがそのあくる日の新聞に何か茜ケ久保代議士がなぐったような記事が出ましたので、さっそく私は弁証士と同僚と立川の調達事務所に行った。重野次長がおりましていろいろ話をしたら、重野次長の言うには、非常に犯意がうやむやである、そこで一つ本人と会いましょう、本人と会って聞きましょう、私も少くとも国会議員として一調達庁の職員をなぐったということは非常に名誉に関する。そこで事実を判明さすために私は重野さんに話したところが、あしたの午後五時に会おうということになった。そこで私は時間をさいて行ったのです。ところが重野君もいない。本人もいない。どうしたと言ったら重野君は本庁に帰ったという。本人はと言ったら本人は議員に会うのはいやだと言って帰ったという。そこで話がわからないから、仕方がない。どこで診察したと言ったら立川病院というので、立川病院に行って主治医に会い、診断吉を拝見した。診断吾の結果は今西村さんが言ったように全然打撲傷でないということが書いてある。打撲のあとはないとはっきり書いてある。ただ一点、長さ一センチ深さが表皮をけずっただけで血が少々。どこになぐった痕跡があるというのだ。なぐった痕跡がないと医師が証明している。それをいかにも茜ケ久保代議士がやったかのごときようなことを言う。それが新聞の報道であり一部調達庁職員の言動ならまだ私は了承しておった。しかし本日の、委員会で辻君からそういう発言があって、いかにも社会党の談員団が暴力したかのような言動が自民党の諸君からあることはもってのほかである。絶対に許せない。従って私ども日本社会党は調達庁と政府に向って名誉棄損の告訴をやっている。これははっきりする。新聞記者諸君はみな承知している。例を申し上げると、当日の第四ゲートの実況がテレビに映ったそうです。私はあとで怒られた。何と怒られたか。茜ケ久保君、何であんな所へ立っていてにこにこ笑っている、もっと怒れというのです。そういう場面におっても私の顔は、どういうのですか常に笑ってる。怒れないのですよ。そういうところが出ている。そこでこの私の問題は、私は絶対に手も触れなければ、なぐってもいない。これは証明できる。従って、具体的にこの事実が判明したならば、辻君もこの点重大な決意をしていただきたい。調達庁もそうです。今また警察が一方的なこういう資料を出したことは不届きである。私は最後にこの資料を要求する。これは今後のあれだから……。従って、このことは自民党諸君もよほど考えてもらいたいと思う。以上弁明いたします。
○山本委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来る三十一日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二分散会