内閣委員会 第58号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/09/07
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 一般職の職員の給与に関する人事院勧告及び報告について質疑を行います。通告がありますので、順次これを許します。受田君。
○受田委員 今回人事院より勧告された案の内書を拝見しますと、昨日人事院総裁より御説明のあった通り、いろいろな情勢の変化に伴うて勧告するに至った点を示されておるのでありますが、まず人事院が勧告された根拠として、国家公務員法の二十八条の一項の規定による純然たる勧告であるかどうかをお尋ね申し上げてみたいと思うのであります。
○浅井説明員 お尋ねの通り、あの勧告文の冒頭にも書きましたように、国家公務員法二十八条並びに給与法による勧告でございます。
○受田委員 勧告の内応を拝見しますと、従来勧告された人事院の精神というものよりは内容が非常にぼかされてきておる。ことにベース・アップを伴わない勧告案になっておるということは、本質的に第二十八条第一項の精神を踏襲したものであるかどうかを疑わざるを得ないと思うのでありますが、御見解はいかがでございましょうか。
○浅井説明員 国家公務員法、十八条は、なるほど第二項においてベース・アップの形式のことが書いてございますけれども、決して同条は給与改善の方法をベース・アップ一本にしぼっておるとはわれわれは解釈いたしておりません。
○受田委員 報告書を拝見いたしますと、すでに人事院自身において民間給与との差において、学歴別勤続年数別給与との比較におきまして一一%民間給与総額の方が上回っておるという結論を出しておられるわけです。この一一%の上回った給与差というものが民間に与えられているということは、原則的にはベース・アップすべき段階に来ていることを示すものと思いますが、御見解はいかがでございましょうか。
○浅井説明員 一一%を上回っておるということは、ただその事実を職種別賃金の比較によって示しただけでございまして、それが当然にベース・アップの必要があるとはわれわれは認めていない。ただ今回の勧告におきましては、給与改善の必要はあると考えておりますので、われわれといたしましてはベース・アップが唯一の給与勧告だとは思っておりませんし、最近民間企業の趨勢を見ましても、ベース・アップ方式をとらずに他の方式をとっているところが逐次傾向を増しておるということも報告書に書いた通りでございます。
○受田委員 職種別、学歴別の給与差というものが一一%以上になっておる。従って民間給与は公務員の給与よりはそうした面においては、もうはっきり数字が出ておる。この数字が出ているということは、これは厳粛な事実であって、民間がベース・アップ方式を改めて昇給本位論の方に転換しているので、その方式をこちらでもとりたいという考え方は、人事院として給与体系を作る上においては、何だか骨が抜かれたような感じがするのであります。ベース・アップ方式をとる方が、民間が昇給方式をとっているからというだけでそれになびくというよりは、はるかに人事院としての給与体系を打ち立てる上で筋が通ったやり方ではないかと思うのであります。何もかも民間の方式に準じて特にこの重要な批判の多いベース・アップ方式を抜きにしたということは、私としては了解に苦しむ点があるのであります。今申し上げた民間給与の実態というものを常に学んで公務員の給与方式を考えていくという行き方は、この際はとるべきではない、かように考えるのでありますが、御見解をもう一度確かめておきたい。
○浅井説明員 お言葉ではございますが、受田さんの御論拠の最初になるものは、やはり民間が高いということでございますが、この点に関する限り受田さんもやはり民間の方を基礎にしてものをおっしゃっておられるのではないかと考えております。なるほど一一%の差はございますけれども、公務員の仲には水準差等の問題がございまして、民間より広い給与をとっておる者もあるのでございます。それらを比較いたしますれば一一%でなくて、約六%くらい民間の方が高いと思っております。今回の人事院勧告の通りの措置がもしできるといたしますれば、実質的にはおよそ六%のベース・アップになるのでございますから、われわれといたしましては、ほぼ見合うものではなかろうかと考えて勧告いたしております。
○受田委員 総裁の御見解は非常に融通性に富んだ方式をおとりになったように解釈できるのであります。それはなぜかというと、民間給与というものは、各会社その他の労務者たちが、与えられた争議権その他を行使してかち得る場合もあるのだし、また業績が非常に好転をした会社においては、経営者みずからが進んで給与改善をする場合もあるのだから、これは争議権もなく、団体交渉権もない公務員の場合とは比較してはならない面があるわけです。従ってその民間の給与方式が、ベース・アップ方式より昇給方式に変ってきたからといって直ちにこれを公務員の給与方式に取り入れるということは、公務員制度、ことに給与を考えていかなければならない人事院としてははなはだ不親切なやり方ではないか。なぜかというと、公務員の場合は、特に人事院の勧告が基調になって、それが政府の予算に計上せられ、待遇改善に変っていくという従来の慣例になっておる。従ってあなたの方で出された結論は政治的に非常に重大な結論であって、その結論が即給与の改善といってもよいくらいになっておる。従って総裁として人事院の意見をまとめられ場合に、すでに昭和二十九年一月一日より実施された現行給与体系を、あらゆる世論機関あるいはあなた自身が利用されている調査機関等を通じて見ても、ベース・アップを行う段階にきていると判定する部面の方が非常に大きい。これは一一%の民間給与との差があるという問題のみでなくして、そうした経済情勢、社会情勢が勧告を要求するに至るということになるならば、第二十八条第二項の原則からいっても、当然ベース ・アップをする、段階にきておる。そうした給与体系の上における恩典がもう、一年以上何ら与えられてない際であるので、それを考えなければならぬ。もう一つは、期末手当の増額とか特別手当とかいうようなものは傍系的な給与体系であって、こういうものによって給与の改善をしたように、恩恵を与えるように見せつけるということは、公務員の将来において 特に共済組合あるいは恩給法等の算定基礎にもなる本法の上における基礎を築いてやるという心からいっても、とるべきでない、こういうふうに考えるのでありますが、以上申しあげたような諸理由に上る私の見解に対して、もう一度御意見を承わりたいと思います。
○浅井説明員 お言葉でございますけれども、なるほど一般職公務員には争議権もなければ団交権もないから、人事院においてその利益を守るべしという御趣旨はわれわれもよく服膺いたしてやっておるのでございます。しかしながら、それだから給与改善の方法がベース・アップ一本でいかなければならめということは、少し飛躍じゃなかろうかと考えております。ですから、われわれは給与改善はいたすべしと考えて給与改善の勧告をいたしておるのでごさいますが、決してそれはべース・アップだけによらなければならないとは考えておりません。なるほど公務員法二十八条二項は、俸給表の改正を前面に押し出してはおりますけれども、これはやはり歴史的に見まして、昭和二十一年-三年ごろのインフレの進行時代にこういう形の法律が出たことと切り離せない関係もごらんを願いたいと思っております。現在の状態においては、決してベース・アップのみが唯一の給与改善ではない、さいぜんからも申し上げましたように、民間との職種別賃金の差は一一%、これを修正いたしますれば六%の差である、今回の勧告によってやられるところの実質的べース・アップは六%である。しからばわれわれとしては最善を尽くしたものと考えておる次第でございます。
○受田委員 私はこれに関連してもう一つ根本的な問題をただしたいのでありますが、この勧告の内容を見ますと、俸給表のいろいろな一覧表など案を拝見しましても、等級が従来の十五等級が七等級に縮減されておる。そして厳密に言うならば、いわゆる職階制を非常に強化したような形で、格づけを厳重にしたような印象を与える表が出ているわけです。かつて人事院は給与準則の勧告をしておられるのだし、すでにその御出があって以来三年以上もたっておるのでありますが、この給与準則というものは果して今どういう方向にいっておるのか、政府も国会もこれを取り上げていない。その給与準則一部分のようなものがここへ現われて出たような印象をうけるのでありますが、こうした俸給表の作成をされた根拠は、かってあなたの方で考えられた公務員法の二十九条三項の考え方というものはどういうふうに考えられておるか、給与準則そのものはどういうふうにこれを措置しようとしておられるのか、御意見を伺いたいと思います。
○浅井説明員 第一に職階制の強化というお話でございましたけれども、これは強化いたすも弱化いたすも、ともかく現行の国家公務員法じゃ職階制を基礎といたしておるのでありますから、この職階制のもとにおいて人事院が勧告をいたすことは、やむを得ぬと思っております。われわれは今度の七等級において特に職階制を強化したとは考えていないのでございまして、この七等級の俸給表はすなわち給与準則において人事院が行なったものと原則として同じものであると考えておきます。でございまするが、給与準則と申しませんで現行給与法の改正の形をとりましたことは、給与準則の問題がちょっとたな上げになっている形でございまするので、われわれとしては一日も早く給与改善の実をあげたいと思いまして、現行給与法の改正の形で、給与準則の精神ともいうべきものを内容として勧告したわけでございます。
○受田委員 人事院の意図する、ところは、給与準則の体系が早く実現することを期待しているのだというところにはっきり示されておりますので、あなたの今回打ち出された案のある程度の裏づけをされたと思います。そこで、この給与準則というものがあなたの方で勧告されながらたなざらしにされている理由は、どこにあるとお考えでございましょうか。
○浅井説明員 それはどうも人事院として申すべきことじゃないので、一つ内閣の方から答弁を求めていただきたいと思います。
○受田委員 内閣の側のどなたでもいいですから一つ御答弁を願います。
○大山説明員 御承知のように、先年公務員制度調査会を設けまして、政府が公務員制度の前面的な改正を諮問いたしたのでありますが、その理由はいろいろあるかと思いますが、私の承知しておりますところでは、ただいまお話にありました給与準則の勧告、それから退職年金の勧告、それらの処理をいかにすべきかということにつきまして政府がこの調査会に諮問したものである、かように考えております。
○受田委員 大山さんの御見解に対してう一度伺いますが、政府として給与準則そのものはどう考えておられるか、給与準則の内容そのものをどう考えておるか、もう一度お願いします。
○大山説明員 給与準則の内容につきましては、当時特に問題と考えられましたのは、この給与準則を勧告通り実施いたしますことは、現在行われております現行の国家公務員法を全面的に発動する、単に給与の点のみならず、任用その他の面におきましても全面的に発動するこになるわけでございますが、当時政府当局といたしましては、今日の国家公務員法を現在の形のままで全面的に発動することが必ずしも妥当ではない、かように考えたために調査会を設けて諮問した、かように考えております。
○受田委員 そうすると、国家公務員法の改正と相待って給与準則の取扱いをしたいという御意思のようでありますが、私はちょっと横やりを入れてお尋ねしたい点があるのですが、公路員制度調査室なるものができてすでに一年に近い日を迎えようとしておるのです。ところが、現在室長をやっておられるあなたの傘下の機関を動員して、人事院に対抗できるだけのりっぱな検討ができるとお考えでございましょうか。
○大山説明員 公務員制度調査室は、御承知のように昨年の十一月に設置せられまして、主としてその任務は公務員制度調査会の答申のありました内容を具現するということにあろうかと思いまして、その点につきまししはなはだ微力でありますが、鋭意検討いたしておるような次第でございます。まだ成案を得るに至っておりませんので、具体的な内容について御説明申し上げる段階ではございませんが、何らかの機会にもしも成案を得まして、国会で御審議を願う機会があれば幸いである、かように考えておる次第であります。
○受田委員 大山さんは人事院の任用局長をしておられた方であって、人事院に非常に深いつながりを持っておられる方であることは、もう天下周知の事実であります。そうしてあなたの配下におられる職員の方がごく少数であることも、これはきわめて明瞭なので、ありますが、現にあなたの方で調査を進めていかれるのに人事院の協力を求めざるを得ないような事態はないでございましょうか、率直に御答弁願いたいと思います。
○大山説明員 私どもがいろいろ立案いたしますにつきましては、自分でいいろいろな資料を求めるというような権限、能力はございませんので、、結局各省庁の資料あるいは意見というものをとりまとめて立案することになると存ずるのでありますが、その際に現に一般職の国家公務員に関する制度を所管し実施いたしております人事院の十分な協力を得ればならぬということは、仰せの通りかと存じします。
○受田委員 人事院は給与準則を早く実現したい、実現すべきであるという前提のもしとに今回の勧告案中には給与準則の本質的なものを盛り込んでおる、今そういう答弁をされた。なお人事院は地域給についても現に国会並びに政府に勧告をしておられるものが、すでに二年ばかりも実現を見ていない。人事院は勧告を常に政府国会においてたなざらしにしていただいておるという幾つかの実例をいま見せつけられておるのでありますが、そうしたときに公務員制度調査室は、今人事院が強硬に願っておって、しかもそのやむにやまれぬ願いが、給与準則本質的に同じようなものが、ここに出た、これが発言ともなって現われておるのでありますが、人事院のこの願いを押えるような形に現在政府としてはなっておるのです。たとえば今の国家公務員全体の改正にも照し合せてみなければならぬというお言葉があったのでありますが、人事院の願いを押えざるを得ないことは、今の給与準則にもあるし、地域給も人事院が勧告し国会が修正をしてもなおこれが実現していない。いやそれどころではない。さらに新しい検討を公務員制度調査会の答申に基いてなさっておるという実情を見ますと、人事院のすっきりした線で考えた問題と政府の政治的措置との大きな食い違いのような印象を受けるのであります。いかがでございましょうか。
○大山説明員 今回の人事院勧告に関しましては、政府としてはまだ懸度を決定しておりません。事務的にいろいろ検討しておるという段階でございまして、ただいまお話のようにあるいはこれを抑えるとか、あるいは実施するとかいずれとも決定しておらないような実情でございます。
○受田委員 お話を本筋へ戻します。私はこの勧告の基本的な問題二、三に触れたわけでありますが、さらに具体的に内容に入った質問を進めさしていただきたいと思います。この勧告の俸給表を一、二拾って人事院の意図するところを伺いたいのでありますが、この俸給表は行政職技能職といろいろあげられてはおりますが、最後的な確定的な俸給表でないという印象を受けるのは、技能職のごとくには俸給表が作ってない。これは私が今持っているような疑いが人事院にあったからでございましょうか。
○浅井説明員 人事院の考えに関しまする限り、この技能職俸給表に取り入れられる職種は非常に多いのでございます。従いまして人事院といたしましては、どうしても七月十六日をこえて期限を延ばすわけには参りません。そこでこの技能職俸給表は追って適当の態度を示すということにして、これは俸給表として勧告の中に入れていなかったのでございます。これはつまりこの技能職俸給表に繰り入れられる職種が非常に多い、そのためにこの作成は非常に困難であって、相当の時日を要する、こういうところからでございます。
○受田委員 相当の時日を要するというのは、現行人事院の機構、人員をもってしてどのくらい考えたらよいのでございましょうか。
○浅井説明員 その点ございますが、実はこの勧告だけではまだわからないところがたくさんあるのでございます。それは決して技能職俸給表、労務職俸給表の問題だけではございません。他の方面にもいろいろございまするが、受田さんもよく御存じの通り、人事院といたしましてはまず最初に勧告をする、次いで一定期間にもっと具体的な意見の申し出をする、こういうことをやるのが通例でございまして、今回も確定的には申し上げかねますが、その意見の申し出ということをやるのではないかと、これはまだきめておりませんがさように考えております。その時節に至りますればこれは明白になると思いますが、ただいまのとこるまだおよそどれほどと申されましても申し上げる段階になっておりません。
○受田委員 相次いで申し出等の方法を通じて漸次本来の目的に到達するようにしたいという御意見のようでありますが、まだその段階ではない、こういうことでありますが、私今この非常にはっきり数字の出た俸給表を拝見しましても、幾多の検討を要するものがひそんでおると思うのです。たとえば医療職俸給表、一、二とあって一がお医者さん、二が看護婦さん、こういうような体系ができておるようでありますが、この医療職の俸給表の一の中にある俸給月額と等級を一応拝見しましても、これはお医者さんの場合、ここに現在の俸給表で十一級職に当るくらいの年齢の三十九才から四十才ぐらいの一番実の入ったお医者さんの国家公務員の俸給月額は、現在二万三千円見当であると私たちは計算を踏んでいるのであります。その三十九才から四十才ぐらいの年配のあぶらの乗り切った国家公務員であるお医者さんが二万三千円にもかかわらず民間経営の病院のお医者さん三十九才の平均年齢によるところの俸給を示されたものを見ると、三万二千五百円、約一万円違っているのです。民間の病院に勤務しているお次者さんは国家公務員、である国立病院その他のお医者さんに比べて、同年齢で、一万円も高い給料をもらっているという事実がここに示されておるのであります。加うるにこの俸給表では、俸給の切りかえ等に当って直近上位の俸給月額に該当するものが、次の低いところに該当する場合には、かえってその現在の俸給表より下回るような場合が起ると思うのでありますが、国家公務員であるお医者さんと民間の病院のお医者さんの待遇差というものを実情に即して是正する御用意はなかったのかどうかお伺いしたいと思います。
○浅井説明員 これは現在の俸給を基礎にいたしておりますので、いわゆるベース・アップ形式をとりませんから俸給表はかように相なるのございますが、この点ちょっと技術的な問題がございますから給与局長から評しく御説明申し上げます。
○滝本説明員 ただいまの医務職につきまして民間とバランスをとる用意はないかという問題でございますが、その点につきましては、ただいま総裁から申し上げましたように、今回の俸給表の改正におきましては、水準は現在の俸給表と変りない。従いまいして初任給等はそのままである。昇給の速度等につきましても、大体現在行われておりますものをそのまま平均化して合理化するというようなことが根本になっておるのでございます。従いまして、現在のお医者の段階におきまして、たとえば医長ならばの程度の級が該当するというようなことで許されております標準給と申しますか、人事院の承認を求めませんで、その範囲において任命権者が上げ得る級というのがあるわけでありますが、そういう級におきます平均昇給卒というものを根本にいたしましてこの俸給表を作ってございます。従いましてそういう意味において、今回の俸給表においては特にお医者だけを民間とバランスをとるということは原則としてできなかったわけでございます。国家公務員の中におきましてもいろいろな職種もございますし、また民間と比較のできないような職種もあるわけであります。仰せのようにお医者は民間におきまして非常に高いのでございますが、国家公務員の体系の中におきましてお医者だけを特段に高くするということができるかどうか。従いましてそういう面は別の面から考慮するということが現在あり得るのでありますが、そういう意味におきまして今後の問題にはなろうかと思いますけれども、今回の俸給表作成におきましては、その点の考慮というものは従来通りの方法によったために、俸給表を現在お医者が給与を受けておる状況をそのまま合理化するという点に重点が置かれて作成いたしたのでございます。
○山本委員長 野澤君。
○野澤委員 医療職の問題が出たので関連して二、三伺いたいのですが、医療職の第一表を見ますと医師と歯科医師の職種が載っております。第二表には栄養士とか看護婦等の職種が栽っておるのですが、職種選定の途上において薬剤師職は一体どこにとられたのですか、この点明らかにしていただきたいと思います。
○滝本説明員 ただいまの薬剤師の問題でございますが、今回のわれわれが勧告いたしまた俸給表は表面はあくまで給与法におきまし俸給表でございます。従いまして全体の体系といたしまして職群を分けたりいたしておりますので、多少職務給的なといいますか、職階的なにおいは出ておりますけれども、問題はあくまで給与法におきます俸給表でございます。従って職階制におきましては、薬剤師は明らかに医療職群に入れておりますが、現在の給与法におきまして、医療職の中において、お医者と業剤師を見てみますと、最近は学制の変更等とございまして多少変化いたしておるのでありますが、現在大多数の薬剤師の方々はお医者に比べますと、学歴あるいはその就学年数の点におきまして同様に扱うのが必ずしも適当であるというふうには考えられないのでございます。従いまして、現在の状況のもとにおきましては、われわれの俸給表を作成いたします原則は、先ほど申しあげましたように、現在医療職である薬剤師に適用されております各種の基準を全体として合理化していき、薬剤師に適当な俸給表にするということが原則であったのであります。言葉の上で言いますと、行政職といいますと多少耳ざわりになるのでありますけれども、行政職の中にはいわゆる技術職員が多数いるわけであります。いわゆる事務的な業務に従事いたしております者以外の技術的管職にある者が非常に多い。こういう方々の給与の処遇の問題と、それから薬剤師の給与の処遇の問題とは、現在われわれの取扱いとして非常に似ているところがあるわけでありますので、便宜行政職の方におきましてはそういう処遇をすることが現在の場合適当ではなかろうかということでこの俸給表はできておるのであります。これは今回の俸給表が職階制をもとにしていない表面的な理由でありますけれども、あくまでも給与法上の問題でありますので、無理をして、たとえば薬剤師を医療職の二に入れるというようなことをいたしますと、これは薬剤師にとりまして非常に不利な処遇をいたすことになりますし、また医療職の一に入れますと現在よりかけ離れた処遇をいたすことになる。こういうことは今回の俸給表作成に当りましては現在の状況を合理化するという点が主でありますので、ちょっと工合の悪い点があります。それで実情に沿わせますためには、行政職俸給表を適用することが一番好ましいと考えたのでありますが、一般的にそういうやり方が、医療職である薬剤師が医療職からはずれたような印象を受けるのは困るじゃないかというようないろいろなお話を承わっておりますが、それもごもっともであろうというふうに考えております。
○浅井説明員 ただいまの御質問まことにごもっともでありまして、この医師と薬剤師との問題というものは医療薬分業以来非常に重大な問題になっている。これはまた政治問題でもあるわけであります。ただいま給与局長が申しましたのは、まず一応薬剤師というものを一般行政職の俸給表に入れるという構想でできておるのでありますが、この問題は人事院としてよく考えさせていただきたいと思っております。
○野澤委員 総裁の方々からのお話で、考えておくということですが、これは今回の勧告で薬剤師職というものを一般行政職から引き抜いて医療職の中にお入れになるお考えがあるという御発言でございますか。それとも現状のままで今回はこれを通すのだというお考えですか。
○浅井説明員 その点は国会のこの席上でまだ申し上げる段階ではございませんが、いずれ意見の申し入れをいたしますときまでには何とかきめなければならぬ。実は薬剤師の各位から非常な陳情も受けておりますので、この点はまた白紙でございますけれども、一体どうするのかということは一つ考えさせていただきたいと思います。
○野澤委員 今お話があったように全国の公務員としての薬剤師からほうはいとして起っておりますことは、われわれ薬剤師を事務職に仕上げておる、こういう侮べつ的な待遇をすることが果して正しい行き方かどうか、こういう論が非常に強くなってきております。しかも看護婦や栄養師まできちんと医療職として二表に、掲示しておきながら、医薬分業の法律がすでに通って実施されている今日、薬剤師だけを行政職に持っていくということは、明らかに事務職としての待遇で、技術職としての待遇をしておらぬ。しかも昭和二十七年四月二十三日に日本薬剤師協会長から人事院総裁に対して、薬剤員の職級明細書についてという意見書を出しております。これに対してあなたの方から御回答があったのが昭和二十七年九月二十二日、人事院事務総局の文書番号四十-五十によりますと、人事院事務総局給与局長の名前で回答が出ておりますが、その回答を見ますと、三つの要素について一応詳細に述べられ、しかもその結論としてこういうふうにはっきりと意思表示をされています。「薬剤職の職区分を若干変更し医療職基本給表にわずかの修正を加えることによって、薬剤職職種に医療職基本給表の適用が可能であるということは、つかむ事が出来ました。また御意見にもありましたように薬剤師の仕事として単に調剤、製薬ばかりでなく、薬剤学に関する研究が重きをなすということは、薬剤師の職務は相当の独創性が必要とされるということ即ち医療職基本給表の考え方に近いということも判明いたしました。そこでこの際御要望に従って薬剤職職種に医療職基本給表を適用することにしました。」こういう回答をはっきり公文でお出しになっておる。しかも今日薬剤士だけを一般行政職に持っていかれたというために、大体国立病院等における薬剤師の業務というものは事務屋としてあげている。これだけ危険なな薬物を扱い、しかもその保管、性状の変化等をながめるという重要な職にあって、さなきだに医師から特別な待遇を受けやすい立場におる者を、ことさらに給与面でこれをワク外にした。これは要するに、医師、薬剤師という分業以来のお話がありましたが、全くその通りであります。こういう実情に即さないような給与の体系では、果たして公務員に対して忠誠が誓わせられるかどうか。これらについて今総裁の言われたように、前に出したものは全くうそなんだ、今度は新たな観点から出発したのだ、こういうことであるならば、委員の納得のいくように説明してほしい。二十七年にははっきりとこうした見解を示して全公務員が、承知しております。それをなぜこの際にことさらこれを改正しようとするのか、その趣旨がきわめて不鮮明であります。むしろこうした問題がこのまま放任されるということになりますと、薬剤師諸君の中には、一部の団体の圧力によって薬剤師職というものを行政職に持っていったかのごとき言辞を弄する者さえ出てきております。これらに対して直ちにこれを修正する御意思があるのか。どうしてもこの際は言い出したのだから二十七年のはほごにしてこれを強行するというのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○浅井説明員 お話はよくわかっております。それで私は給与局長の説明のあとですぐ立ちまして、この点は考慮いたしますと申し上げた次第でございます。どのようにいたしますかはまだ申し上げることはできませんが、一つ考えさせていただきたいと思います。
○野澤委員 しつこいようですが、もう一点お聞きします。これはおそらくこの前の文書にも厚生省、文部省等との連絡もあったと思いますが、現在の教育課程から見て、薬学教育というものをよく御検討願うということが一つ。それから厚生省の実態に即した意見を徴してもらうということが必要だと思います。そこで今直ちにこれについては検討を加えますというが、その検討は、この改正に当って、今度のこの勧告に基いて、少くともこの際に急遽手を入れるというお考えなのか。ただ考えますというて、三年も五年もほおっておかれたのでは何もなりません。そこのところを念のためにはっきりさせていただきたい。
○浅井説明員 私が考慮いたしますと申し上げたのは、いずれ具体的な意見の申し出をすることに相なろうかと思いますが、その点そのと七までに考慮するという意味であって決して、三年も五年もという意味でけございません。
○受田委員 今の薬剤師の問題に似通ったような問題は、さらに看護婦にも出てくると思います。看護婦で大きな病院などで総婦長の地位にあるような人ば、相当高給になっておると思います。こういう人々は、今度の俸給表では、等級の中に入れて適当なところにはめる用意をしておるということになるのですか、あるいは何かほかにいい便法を考えておられるのか、切りかえの措置をなされる方法を伺いたいと思います。
○滝本説明員 総婦長の問題でございますが、これもわれわれ俸給表を作りますときに、現在総婦長という方がどういう給与の分布をされておるかという点を十分検討して作成いたしたものでございます。しかしながら総婦長の組合の方からもいろいろ陳情がございまして、従来であるならば、総婦長の処遇というものが給与法においてワク外昇給というようなことも希望としてあり得た。ところが今回のように、俸給表をそこでちょん切られる、さしあたり総婦長というものが給与が切り下げられるというようなことはもちろんないわけでありますけれども、将来の希望という点においてどうも多少希望が薄くなる点があるので、考えてもらいたいというようなお話があったのであります。そういう点につきましても、またそのほかの点につきましても、若干小さいそういう問題についてはいろいろ御意見の出ておる向きもございます。従いましてそういう点につきましては、ただいま総裁から申されましたように、いずれ意見の申し出をするというような機会があって、より確定的なものをいたす場合におきましては、そういう御意見等もその際に反映し得るようにいたしたいというふうにわれわれ考えております。
○受田委員 人事院は個々の職種についての検討を加える余裕がまだないのだということになるようでありますが、それぞれの職種の人々に満足が平均して与えられるような努力はされなければならぬと思います。従って人事院の公平な結論にひびの入らぬように常に留意をせられて、漏れなく職種の対象になる人々の意見も聴取して結論をお出しになるのが妥当であったと思うのでありますが、そこにまだこれから残された問題をはらんでおられるという点においてはなはだまだ遺憾な点があったと思います。けれどもそれは個々の問題であります。根本的な問題として私さらにお尋ねを申し上げなければならぬ俸給表の問題がある。人事院勧告のおしまいの五項に「以上の改正に伴い、別記(2)の「新俸給への切替要領」により、新俸給への切替措置を行うとともにおおむね一号俸の俸給の調整を行う。」というところがあるのですが、非常に根本的な問題でありますのでお尋ねしますが、「おおむね」とは何か、お尋ねします。
○滝本説明員 今回の俸給表におきましては、先ほども申し上げましたように、水準は現行水準でやるということをいたしたわけであります。ところが二十六年以降のワク外者を今回は解消するというようなこともございますし、また場合によっては、今度の俸給表に示されておる最低俸以下の者が多少は切り上がる問題もあるわけでございます。そういう人につきましてはこの是正の措置をいたすことになるのでございますが、それに伴いまして、ワク内におります者もやはり調整をなす必要があるであろうというなようなことを考えまして、その調整の限度といりものをおおむね一号ということに置いておるのでありますから、上から下まではっきり一号ということを申しておるのではないのでありまして、大体の基準というものをおおむね一号の線に置きまして、そういうことにことさらにつけ加えて次期昇給問題の操作ということをいたしまして、全体として上下バランスのとれるような措置をいたしたい、このようにえております。
○受田委員 そのおおむね一号の調整をする際に、非常に高給者の場合と低給者の場合では、一号の俸給額の差が相当あるのです。その差は下の者に薄く、上の者に、厚いような結果になってはきませんか。
○滝本説明員 われわれが切りかえ措置等についてまだ十分具体的なやり方を示しておりませんために、現在までのところそういうふうな誤解が相当あるわけでございます。御承知のように、昇給の期間を、たとえば二等級におきましては一年半ということにいたしております。三等級ならば一年、そうすると、七等級あたりになって参りますと六ヵ月ということになっております。それで先ほど私が御説明申し上げましたように、従来の平均昇給率を維持するということを申し上げたのでありますから、従いまして六ヵ月のところは半年分の昇給しかない、上の方は一年半分の昇給がある、それで一号といえば、上の方はべらぼうによくなりはしないかとい御指摘があるのであろうと思います。その点はわれわれも十分承知しておりまして、そういう昇給期間の差異を設けましたのは、上の方ならば一年半ぐらいで昇給するのもいいであろうが、下の力はそうはいかぬからちょこちょこ早く昇給さす必要があるであろう、現在の給与におきましても、そういう措置がとられておりますために、そういう昇影期間の差をとったわけでありまして、御承知のように、上の方をよくするためにとったわけではないのであります。従って この切りかのときとに当ましては、上の方が厚く下の方が薄ならない方法というものを、今われわれのところで十分研究いたしております。そのためにこのやり方等をわれわれとしてはなるべく早く発表したいと思ったのでありまするが、より慎重をきわめまして、上厚下薄にならないためにはどういう措置をしたらいいかということを十分検討いたしておりますので、そういうことのないように十分上下バランスをとりたい、このように考えております。
○受田委員 そういうふうにならない努力をされても、結果的にはなる可能性が大へん多いと思うのです。大体昇給期間が来たら上ってくる、そのときに昇給期間は今度の表では長くして俸結額を高くするという形になっておりまずので、上の方の高級者の方は非常に額の多い昇給を一定期間のうちにする、下の方は一定期間のうちに非常に少い給しかできないという、今までのような比率でなくしてぐっと上のがぐんぐん伸びて、下の方の者が少いという問題が今度の昇給においても起ってくる可能性が非常に多いと思うのです。これは俸給表を作られるときにそういものを全部計算をして、昇給期間と昇給率というようなものを検討してやられたんでしょうか。私は何だか今までよりも職階制を強化して、七等級に分けたというようなところを見ると、もう階段がきわめて厳重になってそれぞれの職階で権能を発揮する人々が羽ぶりをきかせるおそれが多分にありそうな気がするですが、私の心配は杞憂であると断定する御発言があれば幸いです。
○滝本説明員 今おっしゃったようなことを意図して作ったものではございませんので、先ほど私が御説明いたした通りでございます。従いまして結果においてなるではないかというお話があるのでありますけれども結果においてなさせないようにいたしたいというので、現在いろいろ研究いたしております。切りかえの際の一号調整の問題おおむね一号やるのでありますから、従いましてやり方等についてもいろいろあるわけでありますけれども、たとえばごく上級の方についてはそういうことをする必要があるのかないのか。こういうことも問題になる可能性のある一つの場面であります。いろいろのことを考えまして、上厚下薄にならないようにいたしたいというので現在いろいろ研究をいたしております。
○受田委員 研究するうちにこの勧告を政府がこのまま実施するという場合はどういうふうになりますか。
○滝本説明員 この切りかえの方法の中にも人事院の権限として残しておるのでございますが、それは昇給期間を調整する、昇給期間を必要がある場合に早めたりおそめたりする権限を人事院の権限として残しておりますので、そういうことを通じてやり得るというように考えております。
○受田委員 もう一つこれに関連する根本的な問題があるのですが、それはこの表の中にある特別俸給表の問題でありますが、この特別俸給表の水準差が落されておる。なぜこれを落されたのかお尋ねいたしたい。
○滝本説明員 これは勧告の中にも申しておるのでありますが、水準差は落したわけではないのでございます。ただ俸給表上見かけにおきましては、行政職の俸給表と同じ水準の俸給表にいたしたのであります。現在特別俸給表等につきましては、職務の級によりまして水準差というものの違いがあります。そういうことが現在の給与法運営の上に非常に大きな支障を来たしておるのでありまして、たとえば下の級で二号くらいの調整を持っておった者が、ある一つの特別俸給表で、上の級で三号の調整を持つことに規定上はなっておるという場合に、たとえばこの上の級と下の級と号俸がオーバー・ラップしておるようなところで昇格いたしますと、直近上位にしかいかないのであります。その結果は上の級の水準差が一号高いということが実態的には出てこないというような場面も出て参ります。こういうことは給与行政上非常におかしな問題でございますので、そういう点をはっきりする必要があるのではないかということで、この水準差というものを全体を通じましてはっきりする必要がある。そのために特別俸給表の形の上の水準は行政職俸給表と同じにいたしますけれども、特別俸給表の水準差というものは全体を合理化いたしましてそれだけは乗っける。しかもそれは現在の一般俸給表の適用者で調整額が適用されております者と同様の扱いにする。すなわちこの調整額までも含めましたものが俸給として扱われますから退職給与の基礎にもなる。これは合理化するという考えでございして、特別俸給表の水準差を落すという考えではないのであります。しかも現在職務の級によりましていろいろ水準差が違っておるというようなことがありますために、切りかえの際にやはり卒然としてやりますと問題が起って参ります。そういうこともあまり混乱を起さないようにするためにはどういうふうにやったらいいかということを、より詳細に現在われわれのところで研究いたしておるわけであります。
○受田委員 今のあなたの御答弁で私が心配していた点の解決をされたのが一つある。それは今ここで示された調整額というものは、例の給与法の十条に指摘された調整額とみなす、本俸へもそれを全部含むのだという今の御発言でありますから、それがどうであろうかと私の心配した点が御発言で一つ解決したのです。この特別調整の問題は、切りかえの方法論などでいろいろ問題も起ると思いますけれども、私たちは公務員に実質的な損害を与えないということが前提であると思いますし、この運用の方法のどこかにひびが入ると、こういう問題は差し繰られてごまかされてくるというおそれもありますので、あなたの方でいずれ人事院規則等によってその欠を補っていきたいという御意図もあるようでありますから、その点は後の委員会の機会にその後の計画をお尋ねすることとして、お昼も近づいておるようでありますから、大事な問題を一、二点お尋ねして質問を終りたいと思います。 私は今度の人事院の御意図がベース・アッブでなくて昇給体系を整備するように努めたという点にあることを前提とするならば、初任給というものは当然ベース・アップという形になるおそれがあるので、手を入れるべきでないという結論を持って初任給に触れられなかったのかどうかをお確かめ申し上げたい。
○浅井説明員 御説の通りでございますが、今回の勧告はベース・アップ形式をとっておりません。そこで初任給には触れておりません。
○受田委員 現に国家公務員の試験に合格した大学を出た青年たちが、公務員になるよりは公務員試験にパスして民間会社に勤める方がいいという傾向を多分に持っておるという実情などを考えて、初任給を今後このまま放置して差しつかえないものかどうか、公務員の人材を得るという立場から初任給を考える段階が来ると考えられないか、お尋ねします。
○浅井説明員 初任給の引き上げは、同時に全体の号俸の引き上げをやりませんといけないので、結局これは受田さんの最初の御所説のベース・アップをやれということに帰するのであってこれはどうも御意見の相違であろうと考えております。
○受田委員 私はベース・アップをやれという前提で最初からおるのでありまして、現行のやり方をもってしても初任給に手がつけられないとなれば、当然これは民間会社がそういうところへまで初任給を考えてきておる。従って民間の給与が一一%高いという結論が出てきている以上は、その現実の民間の給与実態をつかんで、国家公務員を律する人事院としては、むしろ給与改訂の方にはっきりした線を打ち出した方が政府らしい態度だと思う。大体民間の資本家のお先棒をかつぐような形で昇給制度を尊重するような形に行くような印象を受けてしょうがないのであります。少くとも公務員の給与体系をきぜんとした態度をもって打ち立てるというう熱意があるならば、民間が昇給制度に重点を置こうとあるいは期末手当の増額等に重点を置こうと、本俸中心主義の態度をこの給与体系の上に打ち立てる方がむしろ政府としては資本家攻勢に屈せずして、すっきりした線で結論を出したという印象を国家大衆に与えるのではないかと思います。私の見解は、政府があまりにも民間資本家に気がねをなさったりしたような勧告案になっているような印象を受けてしょうがないので、この点を御指摘申し上げておるわけでありますが、ゆめさようなことはないと断言できますか。
○浅井説明員 お説は、ごもっともでございまするけれども、ベース・アップ方式をとらなかったことは、最初に私がお答えいたしましたように、それが給与改善の唯一の方法でないと思っておるからでございます。それからこの勧告案が昇給制度であると仰せられることはちょっと心外でございまして、これは決して昇給ではないのであって、一種のベース・アップなのでございます。ただ厳格な人事院の言っております俸給表の金額そのものを変える、受田さんのいわゆるベース・アップでなくて、必ずこういうふうにやれば、昇給と離れて平均給与が上昇するのでございますから、結果においてはベース・アップになる、かように考えておりまふす。
○受田委員 それに伴うて予算額を出されておるわけです。今あなたがおっしゃった号俸調整などには四十億といろいろ案が出ているのですが、この案は非常に厳格な算定基礎の上に出された案でございますか。今あなたは昇給予算特に昇給原資とかいうようなものは、これに考えないで予算が立てられてるのだという御悦だったのですが。
○浅井説明員 予算のことにつきましては、人事院は予算担当局ではございまんので、ここではっきりとこれ以上の金が要らぬかと仰せられると、ちょっと答弁に困るのでありますが、大体人事院の持っておりまする資料において、このくらい金は要ると見てもいいのじゃないかという自信は持っております。給与局長からの点について御説明をさせます。
○滝本説明員 ここで六十九億ということを申しておりますが、これは給与法な改正いたしまして、給与法の範囲内だけでこれだけかかるということを申しておるのでありまして、たとえば退職給与等にどういうふうに響くとか、あるいは国家公務員災害補償法等の関係でどうなるというような別の問題が多少残っております。しかしわれわれはそこまで計算るほど自身がないものでありまするから、少くも給与法の範囲内だけではこれだけかかるであろう、この計算につきましては、仰せのように十二分にはっきりした資料というのはないわけでありまして、推算を加えているところが相当ございます。ただわれわれここで申しておりますように、おおむね一号程度の調整を行う。一号といいます。と俸給の三・五%ないし三・八%ぐらいになりますが、そういう問題と、それからたとえ水準は現在の俸給表の水準と変らなくても、俸給表を変えまするとどうしても多少上るのであります。切下げになるようなことをしないためには、たとえば一・二、三%ないし一・五%くらいはどうしても同じ水準で俸給表を変えましても上るでありましょう。そういう問題と、現存頭打ちあるいはワク外になっておりまするものが、その期間の、長短に応じまして多少の調整を加えまするので、その辺の推算があるわけであります。そういう人をワク内におりまする者より多少違った調整をいたすわけでありまするので、そういうものの推計額がどれくらいになるか。また現在ある俸給のワクのもとにおる者であって、既存の職務の関係から上る者が若干はございますので、そういうことに要するお金がどれくらいであるということをいろいろと推算いたしましてここに出しておるわけなのです。なお〇・一号につきましては別途計算いたしてこれが約十億円、こういう計算をいたしておるわけであります。
○受田委員 倉石給与担当国務大臣の御出席をお願いしてあるし、昨晩了解を待ておるのでありますが、この予算関係について、これを実施する責任者として見解を表明してもらいたいのですけれども、閣議の途中ででも出てくると言われておりますか。
○山本委員長 まだ見えない。
○受田委員 では人事院にお尋ねしますが、この人事院の数字というものは非常に不安な数字になってきたのではす。人事院としては地方公務員の給与と三公社五現案の給与と比較しても、国家公務員は低いのだという結論を一応出しておられますね。そういうものがどれだけどれが低いのか、これに関係がありますので、あなたの方の資料をちょっと示していただきたいのです。不安な理由を明らかにさしてもらいたいのです。
○滝本説明員 今おっしった問題は、予算の問題とょっと関係がないように思うのでありますが、われわれの方でここに示しておりまする予算は、一般職の国家公務員に要しまする予算だけでございます。
○受田委員 もちろんそうですが、人事院の最初の報告の中に、三公社五現業及び地方公務員よりも国家公務員の方の給与が低いのだという意味のことが書いてある、そういうところはどこに根拠があるか。
○浅井説明員 三公社五現業につきましては、国会にお示しするような資料を実は持つておりません。これは内閣側にはあるかもしれませんが、人事院としては持っていないのでございます。でありまするから、この報告の中でも決して三公社五現業につきましては断定的な言葉は一つも用いておりません。地方公務員につきましては、総理府の指定統計として自治庁で調べたものがございます。現在中間報告の段階になっておりますから、それを利用いたておりますので、これは受田さんのお手元にあるのじゃないかと思っております。
○受田委員 たとえば今の地方公務員の場合でも、自治庁の調査というのが三十年一月十日の公務員給与実態調査を元にしているわけです。それからあとに、地方公務員の方は昇給ストップをやっておる府県がたくさんあるのです。事実上もそのときから一つも上らぬ県さえあるのです。こういうような昇給が延期されたりあるいは停止されたりしたような県の実態ということを考えるというと、昨年の一月十日現在の自治庁の調査というものはこれを勧告する場合においての基準としてははなはだあいまいなものだと思うのでありますが、そういうところはいかがでしょうか。
○滝本説明員 われわれも地方公務員の給与につきましては人事院が権限がない関係で十分のことは知り得ないのであります。幸いにして自治庁から中間発表が出ましたのでそれを見たのでありまするけれども、今回の勧告の根拠というものが地方公務員との比較によっておるというわけではないのでありまして、ただ参考までに申しただけのごとでございまするので、しかもわれわれはこの自治庁の発表の時期というものを申しておりまして、もちろん事の性質上その後の状況はわからないのでありまするから、その時点近傍において比較してみるという程度のことをわれわれは報告で申したつもりであります。
○受田委員 あとに同志がたくさん控えておりますから、私これで質問を終りますが、私は今回の報告及び報告的勧告案といいますか、それを拝見しておると、何だかまだ十分はっきりした結論の出ていないようなものが示されておるような気がして仕方がない。俸給表の作成に当ってもその通りだし、実際にベース・アップしなきゃならないような段階になっておるにもかかわらずそれができないというような、私がさっき示したようなことを論駁する資料も十分ないということから考えてもそう思うのでありますが、いわんや地方公務員と公社五現業の公務員との比較検討などに当ってはどうも実態に即しないような資料を検討の資料としておられるということ、おまけにこの別添え資料などを拝見してみると、民間の俸給というのは上に薄く下に厚いような昇給がされておる。ところがこの表を見ると、さっき私が指摘したように、下の者に非常にきびしく、上の方に非常に厚いような昇給がされるおそれがある。そういうふうに民間と反対になっておる。こういうふうな問題を考えてみると、今回の勧告は人事院としては総知をしぼられて、ことに五月の何日でしたか、私総裁をお訪ねしたのでありますが、総裁はどちらへかおいでになられて三日間かしらお姿が見えなかったことがある。管理局長さえ行方がわからぬ、だれも総裁がどこへ行かれたか、人事官がどこへ行かれたか所在がわからぬ。公式の訪問者に対しても所在がわからないようにまで姿を隠されて、それほど慎重に熱心に検討された勧告案としてはこれはやはり雲の上にあまり上り過ぎた案になった、かような印象を受けるのでありますが、いずれ私この問題を個々具体的に次の機会にお尋ねすることとして、六十九億の財源の問題を政府に一応ただす機会をきょう中に残さしていただいて、人事院に対する質問を一応終りたいと思います。どうも失糺しました。
○山本委員長 西村君。
○西村(力)委員 基本的な問題についてはひとますおきまして、簡単に不明な点についてお尋ねをしたいと思うのです。まず最初に、今度の勧告をずっと見ますと、いろいろ工夫せられた点もありますが、この勧告の一つの目標として公務員の停年をある程度最高に見込んでこの勧告をやっているじゃないか、こういう懸念を持たれるわけなんでございます。ワク外の昇給やなんかは一切ないようにするといいますが、将来はそれは出るだろう、出た場合にそれがその職にとどまる限界になるというような工合に、その職に応じての停年をある程度見込んでおるのではないか、こういう懸念を持たれるのでありますが、その点については人事院はほんとうのところ考慮がどういう工合になされているか、お伺いしたい。
○浅井説明員 この勧告は停年を見込んで、いわゆる停年制を同時に実施するというような考え方では考えてございません。しかしながら俸給表が持ちこたえていく年限というものにはおのずから限界があるだろうと思います。もう永久的にこれでいいという俸給表の幅はないように思いますので、この勧告いたしました俸給表が何年か実施されましたならば、問題はまたそのときの改正になるだろう思いますので、われわれといたしましてはこの俸給長というものを永久に固定するというよう考え方は持っておりません。それをひっくり返して考えますれば、われわれは停年制というものはこの勧告の中で見込んでやってはおりません。
○西村(力)委員 そうしますと、ある職種には最高の級等に達した場合ワク外にいる者は認められないということになるわけで、自然そこにストップするか退職するか以外にないということになるのですが、そういう事態が発生することが予想される、そういう事態の発生をみた場合、やはりそこに解決策というものは現行のような方法で考えられるかどうかをお尋ねしたいと思うのです。
○浅井説明員 等級制度をとりますれば、また言葉をかえていいますれば、職階制をとりますれば必ず頭打ちはできてくるのでございます。これはどのようなものをやりましても必ず頭打ちができてくるので、これはもうやむを得ない制度上の問題だろうと思っております。もしこれがいか-こいうのならぱもう等級制はとれないということになるから、職務の級による分類というものはとれない、こういうことになるのでございますが、現行の十五級の職務の級による俸給表が一部に頭打ちワク外があまりに異常に出ておりますので、それを救済するために今度の方法をとった、この方法で頭打ちができてこないかというと、それは必ずできてくる、それはやむ得ないのでございますけれども、ただ現在のところは当分の間よほどそれが緩和されている、かように考えております。
○西村(力)委員 そういう工合に頭打ちが出た場合にはそれをはずす考慮をまた払うということを人事院としては当然お考えになっていらっしゃるただいまの御答弁であると思うわけなんでありますが、それは差しつかえないと思うのです。 次に調整号俸というものが、職種によっていろいろ今まであった、これが調整額という工合に切りかえられましたが、この調整額は一体どういう工合に取り扱われるか、この点が非常に不明なのであります。手当的なものであるか、そのほか恩給には関係あるようにするとか、さまざまな扱いがあると思う。これはどういう工合になさろうと考えていらっしやるか、その点についてお尋ねしたいと思います。
○滝本説明員 調整額は現在の調整額の運用と同じに見るわけであります。すなわち、それがその人の号俸に加えられまして、それが本俸となる、従いまして、現在俸給が計算の基礎になっているような手当の計算の基礎にはもちろんなりますし、それからまた退職後の給与の計算の基礎にもなりまするし、本俸と同様に扱われる問題でございます。
○西村(力)委員 次にちょっと調べてみますと、教職員の場合、高等学校勤務の職員と小中学校勤務の職員の俸給は、体系が今まで違っておるが、それについてなお一段と強化されるというか、そういう部面が一つ出ておるという工合に見える。それは六ヵ月昇給の場合において、その昇給額が、高等学校の方は今までは六ヵ月昇給の場合にその金額は同じに見込んだのが、その額が三十円ばかりよけいプラスになっていくようにも私は見えるのですが、その点は私の研究不足なのか、事実その通りであろうか、その点についてお答え願いたい。
○浅井説明員 現在の教職員の俸給表はすでに三本立になっておる。これはやむを得ないことでありまして、人事院の今度の勧告は、その三木立の俸給表を基礎にしてやっておるのでありますが、特にこれを強化するというような意図を持っておりません。そこでただいま尋ねのことは技術的な問題でございまするから、給与局長からお答えをさせます。
○滝本説明員 教育職俸給表の問題でございまするが、これは今回の俸給表を作りまする全体的な原則と申しますか、それとちっとも違っていないのであります。ただ教育職の場合におきましては、教員というものはずっと初めからしまいまで教諭でおられる方もおるわけでございまして、その期間が非常に長くなりまするので、従いまして全体を平均して昇給率を出すというようなことにしますと、現在と比べまして相当の混乱を起すおそれがございますので、便宜現在のくくられておりまする職務の級、その職務の級の間では自由に昇格できるという規定がございまするが、そのくくられている辺を一応の目安といたしまして、そのくくられておる範囲内で平均的な昇給率を出すということをやったのであります。中学校と高等学校と違っているではないかという御指摘がありましたか、その通り違っているわけであります。しかしこれは意図を持ってやったのではないのでありまして、あくまで原則に従ってやった、というわけは、中小学校におきましては、短大卒業者あるいはそれと相当する資格を有する方も二級教員になられるわけであります。そういう方の入ってくる職務の級というものがあるわけでありますので、そういうものを平均いたしますると、平均金額が高等学校の方より落ちる場合があり得ます。しかしそれは高等学校の教員の方が新制大学を卒業しなければなれないのに、中学校の方は短大相当でもなり得るという点がございまするので、その違いが出てきたものでございます。今回は、でき得ることならば、もう一つの職務についてから後にまでその人がおさめた学歴がつきまとわない方がいいのではないか、現在の給与法の運用におきましてはそういう面があるのであります。このことは単に入るときの初任給の問題としては理解できるのでありますけれども、もう職務について何年かやっておるのにかかわらず、なおかつその人が高等学校程度の卒業であるか、大学卒業であるかということによって、上の級に昇格する状況が違ってくるというのはおかしいじゃないかということを原則的に考えたわけであります。今度の教育職俸給表についてもそういうことが入っている。従って現在中小学校の先生で、大体短大程度の学歴を持っておられる方も、また新大程度の学歴を持っておられる方も、別に異なった処遇をしないというようなことになっておるのであります。そういうことの結果御指摘のような違いが確かに出ております。
○西村(力)委員 この点はただいまいろいろ御説明がございましたが、初任給が違ってもその後の昇給について有利、不利ということがあってはならないだろうという基本的な考え方には、私たちも賛成でありますが、ただ私が指摘しました問題についての御答弁としては、私はまだ十分なる理解をいたしません。もっと研究をなすっていただきたいと思うのでございます。次に、ちょっと変りますが、今問題になっておる薪炭手当につきまして、人事院の準備作業はいかように進捗しておられるか、一つお話し願いたい。
○浅井説明員 薪炭手当の法律は公布されておりますが、まだ施行されておりません。これはたしか来年三月三十一日までの間において政令の定めるときに施行、されるようになっております。これが施行されませんと人事院の勧告権はないのでございます。従いまして人事院としての準備は、すでに勧告準備は完了いたしておりますので、いつでも――もしも明日にでも政令が出ますれば、その日のうちにおいても人事院は勧告し得る用意を持っております。
○西村(力)委員 勧告の内容については、その輪廓だけでもここでお示しを願えませんか。
○浅井説明員 それはお言葉ではございますけれども、勧告の内容を事前に発表するということは差し控えたいと思います。
○西村(力)委員 その通りだと思うのです。ただ考え方の方向だけでも示されればと思って申し上げたのですが、これは公式の場においての御答弁はできないということは了承いたします。 次に公務員制度調査室長にお尋ねしますが、ただいまの薪炭手当につきましては、あなた方の方において公務員給与の一本化というか、そういう大きい方向をとっていらっしやる立場から、薪炭手当について何か押えたいというような、そういう方向をとっていられるかどうか。そういうことはどうも政府側の方向を見ますと、議員立法であるから責任を持たぬという工合に、なかなか熱意を示さない状態を見るのですが、われわれとしましては、議員立法軽視の日本の国会また政府の方向というものをいつも感ぜられて遺憾に思う。調査室長の方で今のような考え方を指示された、あるいはとった、あるいは政府の担当方面にサゼスチョンをするとか、そういうようなことをなしておられるかどうか、そういう方面の事情を一つ御説明願いたい。
○大山説明員 御承知のように、先国会で議員立法で薪炭手当に関する改正法律案が成立し、公布になっておるわけでございますが、それにつきまして関係事務当局においてそれぞれ検討準備をいたしておるような次第であります。ただ御承知のように、来年の三月三十一日までに施行するわけでございますが、いつ施行するかということにつきましては、今年度の当初予算には御承知のように予算が計上されておりませんために、財源の見通し難等から、まだいつ施行するということが、政府として態度が決定しておらないような状況でございます。ただいま御指摘になりましたような、寒冷地手当その他の諸手当制度の整備簡素化あるいは一本化というようなことにつきましては、公務員制度調査会の答申ももございますので、別途検討いたしておりますが、先般成立いたしました薪炭手当の実施時期というものは、一応それとはまた別に切り離して考えるべきものだ、かように考えております。
○茜ケ久保委員 給与担当の倉石労働大臣が来るのを待っておったのですが、来ないようですから人事院の方に聞きたいと思いましたが、委員長がだいぶ時間を気にしているようでありますから、委員長の意を体して質問しませんが、一つ早い機会に給与問題について倉石担当大臣の御出席を願います。他に防衛庁あるいは調達庁の問題もありますので早い機会に委員会を開くことをよろしくお取り計らいを願いたいと思います。
○山本委員長 お答えいたします。給与問題に関する人事院勧告並びに報告に対しては、政府側としてまだ何の決定もしておらないために、委員会に出席しても、御意見を拝聴するだけでお答えができないから、しばらく時間をかしてもらいたいとの話がありますので、適当の機会に委員会を開いて御期待に沿うように取り計らいいたしますから御了承願います。
○細田委員 本職員という形でなくして、いわゆる臨時職員、これは地方は別としまして、たとえて言うなら建設省方面の現場では非常に多い。しかも臨時なら三カ月なり、半年なり、一年なんというようなことは別ですけれども、三年も五年も引きが悪いとかいうようなことで、実に長い間臨時職と申しましょうか、そのままで放置されている数が非常に多い。特に現場官庁では多いのだが、こういうのはあなたの調査室ではどういうふうにお考えになっておりますか。これは内閣の室長に一つ御答弁を願いたい。
○大山説明員 ただいま御質問のありました点に常勤労務者あるいは常動的になっている非常勤職員の問題のように承知するのでありますが、この問題は、御承知のように、現在の公務員制度上非常にめんどうな複雑な問題になっておりまして、解決に関係当局いずれも頭を悩ましているところであります。調査室の当面の問題といたしましては、調査会の答申を具体化したいと考えておるのでありますが、調査会の答申によりますと、単純な労務に従事する職員あるいは臨時職員は、現在の国家公務員法ではすべて一般職の公務員てありますが、むしろ公務員というワクからはずして別の扱いにした方がいいのではないかという答申になっておることは御承知のことと存ずるのであります。これの具体化につきましては、実はいろいろな問題とあわせて目下検討いたしておりますが、一概に公務員の外に出して別の扱いをすると申しましても、しからばどのような範囲のものについてそういう別扱いをするのか、あるいは別扱いというのは一体どういう内容の扱いになるのか、なかなか検討を要する問題が多いので、現在まだ検討中という段階でございまして、具体的に申し上げるような段階に至っておりません。
○細田委員 あなたの今の御答弁は労務者というか、その方面のことをおっしゃったのだが、実際普通の職員と同じように詰所というか事務所で事務をとって、しかもそれが臨時のままに置かれているという、この人たちをどういうふうにお考えになりますか。
○大山説明員 実際は一般の行政事務に携わりながら、定員が足りないために常勤労務者あるいは非常勤職員の形で雇用されているものが現実にあるというように私どもも承知いたしております。この問題はやはり定員法の問題にもつながる問題でございまして、一概に結論を申し上げかねるのでありますが、理想論を申し上げますれば、やはり定員化すべきものではなかろうか、かように考えております。
○細田委員 あなたは理想論とおっしゃるのでありますが、これはあなたは内閣の室長なんという立場に置かれているので、あまり痛切に感じないのかもしれないが、実際あなたもその立場に立って、建設者なら建設省の詰所にあなたも同じような形で五年も八年も勤めたとする、つまりこれは理想論でなくて、現実にもうこの人たちは当然受けるべきいろいろな共済金制度とかその他の問題、恩給等のワク外にほうり出されている、この問題は私はむずかしくないと思う。定員法による。定員をふやしてそうして予算をふやせばいいのです。実際出ているのです。給与も出ているのです。これはどういう名目で出ているかわかりませんが、とにかくただで働いているのじゃない、給与を払っている。ただそれを組みかえるだけなんです。答申に待つというような、来たるものを持つというような態度でなくて、もう少し積極的にこの問題を解決すべきではないかと思うのですが、人事院はどういうふうにお考えですか。
○浅井説明員 これは帰するところは定員の問題になってきますが、定員の問題は行政管理庁の所管で、人事院の所管ではありませんが、ただ人事院としては現実にただいまおっしゃったような状態があり、その職員がいろいろ人事院にも訴えて参ります。そこで人事院といたしましてはできるだけこれが定員の中へ入り得るように努力はいたしております。最近にも人事院規則の一部を改正して、入りやすいようにしたのであります。ただ入りやすいようにしたとは申しますけれども、定員そのものには現在ワクがはまっておるのでありまして、これはそのままであるが、この定院で入りやすいように努力はいたしております。
○細田委員 この点は内閣の調査室長に強く要望しておくのですが、総体の予算では変らないのです。ただ少しおっくうというか、不精というか、政府の方で定員のワクをふやさないというだけの話で、給与の点においては本職員に採用しても同じことなんです。その人たちは職員になったら別に給料が倍になるというのではなくして、現状そのままである。これをいつまでも臨時にしておくというようなことは実に気の毒である。答申を待つまでもなく、あなたの方でもどういう官制になっているのか知りませんが、答申のあった問題の範囲内おいてのみあなたの方では処理できるのだというならしょうがないが、おそらく私はそうではないと思う。一つ積極的に願いたい。 ―――――――――――――
○山本委員長 林防衛局長が見えましたから、石橋君。
○石橋(政)委員 船田大臣に直接来ていただいて答弁を願いたかったのでありますが、事情があるようでございますので、まず局長にお尋ねをいたしたいと思います。 駐留軍の労働者が制裁規定の反対闘争という目標を掲げて、先月の二十六日から二十七日にかけて第一波二十四時間ストをやったことは、すでに御承知のことと思います。そのストライキの最中に、航空自衛隊の一部が妙な動きをしたという情報を私入手したわけでございますが、これは奇怪なことでございまして、重大な問題ではなかろうかと思いますので、ただしたいわけでございますが、朝お知らせしておきましたように、場所は福岡県の板付基地に近接する背振山の米軍レーダー基地であった事件でございます。事件の概略を申し上げますと、この地区では八月、二十六日の二十二時から翌日二十二時まで、二十四時間ストに入ったわけでございますが、二十六日の二十一時半ごろ、すなわちストライキに入る三十分前ごろに、このレーダー基地に航空自衛隊の背振山先遣隊長坂井一尉が部下十名を引率してやって参りました。ストライキで引き揚げた駐留軍労働者のあとに交代して配置されたということを聞いたわけであります。これはまことにふかしぎなことでございまして、一つには自衛隊の隊員がいかなる法律根拠に基いて米軍の基地の中に入り、米軍の指揮のもとにこういう勤務に出たのか。もう一つは日本の国内法において、労働争議が行われている事業場には職業安定機関といえども労務を供給してはならないという明確な法律がございます。職業安定法の二十条も御承知と思いますが、にもかかわらず、なぜ自衛隊がかかるスキャップ行為をやったのか。この二つの点からいってどうしても了解に苦しむところでございますので、この点まず明快に答弁を願いたいと思います。
○林説明員 この新聞に報道された事柄はただいまおっしゃったようなことであると思うのでありますが、このことにつきまして現地部隊から報告がありまして、新聞に報道されたような事実はない、それは新聞の誤報であるということを言ってきております。さらに防衛庁といたしましては、詳細を知るためにただいま調査をいたしております。詳細調査をいたしました結果につきましてはまた後刻報告いたしたいと思いますが、昨日の現地からの報告によりますとそういうようなことであります。
○石橋(政)委員 新聞記事というのは、おそらく西日本新聞のことだろうと思いますが、私は組合関係から情報を入手しているわけであります。これによると、明からに人名まで記載されている。指揮者は先ほど申し上げた坂井一尉、そのほかの隊員といたしましては、オペレーション・ゲートに鳥越和夫士長、福山博一士、メイン・ゲートに後藤猛彦二曹、荒木忠敏二曹、オペレーションに松山薫士長、下釜勝二曹、トランス・ミッターに永江輝雄二曹、レシーバー・サイトに向輝和三層、ラジオ・メンテナンスに山本邦夫三曹、岩永徳美二層と明確に人名まで付されてきております。どういうことが事実と異なるというのか、それでは防衛庁で調査いたしました範囲において一つ詳しく当時のいきさつを説明していただきたいと思います。
○林説明員 昨日現地から来ました報告によりますと、地方の新聞にそういうような事実が報道されているけれども、その報道のような事実はない、これは新聞による誤報であるというような報告があったわけであります。詳細がわかりませんからただいま詳細を調査しております。また調査の結果は後刻詳しく御報告申し上げたいと思います。
○石橋(政)委員 調査の結果は後刻大至急書類で報告していただきたいと思います。しかし私は新聞は知らないのです。西日本新聞に出たということは聞いておりますが、新聞は私も読んでおりません。従って新聞の記事がどういうものであって、どういう誤報をやっておったのかどうかということは、私は今のところ関知しておらない。独自の資料を私としては持ってきておるわけです。今申し上げたように、明らかに配置された自衛隊員の名前までも入手しておるわけなんです。駐留軍労働者が引き掲げたそのあとに、今申し上げた航空自衛隊の隊員が配置に着いたという事実はもう明確なんです。そうするとこれが事実であったかどうかということは、しからば防衛庁の調査の結果を持つといたしましても、もうこういう情報がきている以上おそらくそういうことをやったんだろう。そうすれば法律的にそういうことができるのかどうか。かりにやろうと思えばできるのかどうか。少くとも自衛隊の出動ということに関しては非常に慎重な考慮が払われておるはずです。これはわれわれがあの軍国主義時代を経験して敗戦といううき目を味わっておるだけに、兵を一兵たりとも動かすということには慎重な考慮を払わなくちゃならぬというので、自衛隊法でもいろいろと制限を付しております。今まで委員会の論議でもこの点はつぶさに論議されておる。決して心配は要りません、制服が勝手に動くようなことはございません。政治優先の原則は法律的にも確立されておるし、制度的にも確立されておるというのが。大臣以下あなた方の常になされる答弁の概要であったと私は思う。そうなくちゃならないと思う。一体こういうことをやることが法律的にできるのか、自衛隊は法令に基いて行動しなくちゃならぬはずです。一体こういうことを制服が勝手にできるのか、それとも長官が許可をしあるいは命令してそういうことをさせたのかどうか、私は非常に問題だと思う。あなたはまだ疑心暗鬼でおるのかどうか知りませんけれども、私は、もうこういうような、配置された兵隊の名前までわかっておる以上、おそらくやっておると思う。そうすると、もしやったとすれば一体どういう法律に基いてやったんだろうか。いかに自衛隊の制服の隊長といえども、こういう勝手に兵隊を動かす、しかも米軍の指揮下に持っていくなどということが許されているはずがない。そんなことをすればますます傭兵だと言われておる性格をむき出しにしてくることになる。また防衛庁がこういう指示を出した、許可をしたということになる。それは私は常識的にも考えられないけれども、まさかそういうことがあったとも思えない。防衛出動なんという大げさなものでもないであろうし、命令による治安出動でもなかろうし、災害派遣でもないだろうと思う。調査された報告は待つとしても、法律的にこういうケースの場合に一体兵隊を派遣することができるのかできないのか、その点をそれじゃお尋ねいたします。
○林説明員 まあ石橋委員がおっしゃるように、ストのために職場放棄したその職場の仕事をかわって行わしめるために自衛隊員の出勤を命ずるというようなことは、法律的にはできないと存じます。また防衛庁がそのような命令を今回出したかということについては、もちろんそういうような命令は全然出しておりません。
○石橋(政)委員 法律的にできないということは、はっきりいたしました。従って私が冒頭に申し上げたように、法律的に何ら根拠なくして、制服が勝手にこういう行動をやったということになると、もしそういう事実があなたの調査された結果明確になったら、いかなる処置をとられますか。その決意のほどをそれじゃお伺いいたしましょう。
○林説明員 昨日の部隊からの報告によりますと、そういうような事実はない、こういうふうに参っております。いかなる措置をとるかというようなことも、まだ考えておりません。適切妥当な措置をとりたいと思います。
○石橋(政)委員 これはちっぽけな、自衛隊がストライキ破りをやった、スキャップをやったというような問題だけにとどまらないということを、私はさっきから言っている。これはもうスキャップ行為そのものも許されないことなんです。けしからぬことです。この点においても明確に法律にも違反している。道義的にいったって許された行為じゃない。政府は特に争議に関しては中立的な立場をとるということが大原則になっている。しかもとかくの批判の的にある自衛隊がそういう行為をやるなどということは国民の不信を招く原因になるということは、私申し上げておる通りなんですが、それよりもあなた方が常日ごろ政治優先ということを唱えておる。それが単なる名目でないということを私はどうしてもここで証拠立ててもらわなければならない。かって内閣委員会で大村の航空自衛隊の基地問題を私が質問いたしましたときも、大臣や局長からいろいろ答弁をいただきました。その速記録を地元に送ってやって大臣がこう言っているからあなたの言うことは違うじゃありませんか、局長もこう言っているじゃありませんかと言うときに、制服は何と言ったか、連中にはわかりませんよ、こういうことを放言しているということをかっても私が言ったことがある。このような制服の僭越的な言動というものを、こういう問題のときにこそ押えなければ、再びかっての軍部のような横暴さをどんどん持ってこなという断言はできないと思う。従って調査の結果もしこういう問題があったら、断固としてこういう処分をいたしますというくらいの腹がまえを内局で持っておらなければ、あなた方が常日ごろ政治優先だなんと言っていることが単なるお題目だと言われてもしようがないと思う。法律で許されない行為をもしやっておったら、処置はきまっておるじゃありませんか。それくらいの決意があなたたちになくして、政治優先などということを幾らお題目で唱えてもだめです。制服になめられますよ。私はそういう大局に立って、内局の決断をここで示していただきたいと思う。それが今後自衛隊をあやまらしめない一番いい、何といいますか、ここでくぎを打っておくことになるのではないか、かように考えますから、そういうあいまいなことでなしに、明快な答弁をお願いします。
○林説明員 現地からの報告によりまして詳細調査します。その結果かりに法律的に違反した行為をやっておったという場合においては、防衛庁といたしましては、十分相談の上遺憾のないように厳重な措置を講じたいと思っております。
○石橋(政)委員 すでに前々から報告も受けておられると思う。組合の方でも坂井一尉とやらに、ストライキ介入についての申し入れをして、返答してくれということを九月四日付で申し入れておるはずです。その内容は、一、駐留軍労務者のストライキに際して、ストライキ参加の駐留軍労務者の離脱した職場に航空自衛隊員を配置することは、通常航空自衛隊員に与えられた任務であるかどうか。二、今次の全国一斉駐留軍労務者のストライキに対して、航空自衛隊員をして駐留軍労務者のストライキ参加職場に配置するように指令または指示が上部よりあったのかどうか。三、右のほか特に航空自衛隊員をストライキ参加者と交代せしめて配置につけねばならない理由があったとすれば、その理由。こういうふうな申し入れを、至急回答してくれというので背振山先遣対象の坂井一尉に対して福岡地区板付支部から出されておるわけです。この回答も昨夜までの情報ではまだきておらないということです。そんなに自信があるならさっさと返事ができるはずですが、この返事もまだきておらないということだと、今申し上げたことも事実であろうと思う。一体だれくらい待てば調査が完了するものか、何日ごろまでに文書で御報告いただけますか、そこのところを一つお約束願いたい。
○林説明員 昨日先ほど申し上げましたような現地からの報告がありましたのに引き続いて、詳細至急報告するようにと、折り返し連絡をいたしておきましたから、数日中には詳細なる事情がわかると思います。ここ五、六日の猶予をいただきたいと思います。
○石橋(政)委員 最後に、これは委員長に対するお願いでございますが、お聞きの通り非常に重要な問題だということは委員長もおわかり願えたと思うのです。われわれが国会といたしまして、議員といたしまして一番念頭に置いて論議を続けて参りました政治優先という問題、こういうある意味ではスケールの小さい問題で明快な処理をしていかなければ、千載に悔いを残す結果になる、こういううちに制服の横暴、独断行動というものをつんでいく必要があると考えて私は今質問したわけです。防衛庁といたしましても、ここ四、五日のうちに明快な調査の結果を報告するということでございましたので、その時期をもにらみ合わせまして、ぜひ委員会の問題としてこれを取り上げていくためにも、先ほどの給与の問題とからみ合せて、なるべく早い機会に委員会を開いていただきますよう委員長にお願いいたしまして、本日の質問を終ります。
○山本委員長 御期待に沿うように努力いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十八分散会