内閣委員会 第57号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/09/06
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 一般職の職員の給与に関する人事院勧告及び報告について説明を求めます。浅井人事院総裁。
○浅井説明員 人事院は去る七月十六日国会及び内閣に対しまして給与に関する報告及び勧告をいたしたのでございますが、これはすでにお手元にあると思いますので、そのきわめて概略についてこの席上で申し上げたいと存じます。 まず報告についてでございますが、それは官民給与の比較を行なっておりますが、昨年一カ年の平均べースの上昇率は、民間は約六・六%、一般職公務員は約五%でありましたので、若干民間の方が高いようでありますけれども、現行の給与法が実施されました昭和二十九年一月以降の上昇率についてみますと、民間は一〇・八%、一般職公務員は一一・一%とほぼ同等の上昇率となっておるように思われます。第二といたしましては、民間給与改善の状況を見ますと、本院の調査事業所の過半数はベース・アップによる給与改善よりも、定期的な昇給方式によって給与を改善する傾向が顕著であると認めております。第三に、本院が本年三月に行いました職種別民間給与調査によってみますと、各職務の給与の段階を通じまして一般職公務員に比べまして、民間給与はおおむね一一%ほど上回っておることが認められます。第四に、しかしながら職員構成の相違を考慮に入れまして、いわゆるフィッシャー方式によって比較いたしますと、一般職公務員は民間よりも約六%低くなっておることが認められます。第五に、五現業三公社の給与は団体交渉権の復活後一般的には相当改善された模様でございまして、また地方公務員の平均給与額は自治庁発表の資料によりますと、一般職公務員のそれに比して相当高くなっているのでございます。さらに五現業三公社の職員の奨励手当及びいわゆる業績手当と期末手当及び勤勉手当等を比較いたしますと、民間給与額において相当の不均衡が生じておるものと思われます。第六に、一般消費者物価の動きを見ますと、昭和二十九年以降ほぼ横ばいの状態にあることが認められます。以上の諸条件を総合勘案いたしますると、この際一般職公務員の給与を、いわゆる従来のベース・アップ方式により一律に引き上げますことは適当でないと考えましたけれども、上記のごとく一般職公務員の給与は民間給与よりも低位にあり、また五現業三公社の職員及び地方公務員の給与に比べましても、なお低位にあることが認められますので、ある程度実情に即した給与改善を行う必要があるものという結論に達したのでございます。また現行の一般職公務員の給与制度には、それが運営の実績に照らしまして多くの不合理があり、かつ不均衡も生じておりますので、俸給制度の根本的改正を、この際あわせてはかることが適当と考えた次第でございます。 以上が報告の大要でございますが、以上の報告を基礎といたしまして、今回行いました勧告の要旨は、要するに三点に帰するのでありますが、第一は、一律ベース・アップ方式はとっていないということ。第二は、一般職国家公務員の給与の合理化及び不均衡是正のために俸給表の種類及び等級の改正、面打ち、ワク外の是正、切りかえ、号俸調整等の方法により給与の改善をはかるということ。第三には、一般職公務員と五現業三公社職員との給与の均衡をはかるために〇・一五分の特別手当を毎年三月に支給することを適当と認める。これが勧告の要点でございます。 なお詳細につきましては御質疑において給与局長からも御説明を申し上げまするが、なおこの勧告に要しまする経費として人事院の計算をいたしましたところでは、国家公務員に関する限り約六十九億の予算を要することと相なっております。 以上、簡単でございまするが御説明を申し上げました。
○山本委員長 ただいまの人事院勧告及び報告に対する質疑は明日行うこととし、暫時休憩いたします。 午後一時より船田国務大臣の出席を求めて駐留軍労務関係についての質疑を行うことといたします。 午前十一時一分休憩 ————◇————— 午後一時五十三分開議
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 駐留軍の労務問題について石橋委員より発言を求められております。これを許します。石橋君。
○石橋(政)委員 御足労を願っております駐留軍の労働問題について、大臣に若干質問をしてみたいと思っております。私が今さらあらためて説明するまでもないと思うのですが、八月の二十六日の夕方から二十七日の朝六時にかけまして、全国の駐留軍・労働者十五万人といわれておりますが、大量の労働者が二十四時間ストライキに入ったわけであります。その後も防衛庁の前で代表の人たちがすわり込みをやって、きょうまでたしかやっておったかと思いますが、ついには今月中旬を期して第二波のストライキに入るということも伝えられておるわけです。日米友好ということを最大の外交の基調としております鳩山内閣にとって、決して好ましい状態ではないのじゃないかと思うわけでございます。この問題を円満に処理するために、どういう対策を持っておられるのかというようなことを中心にお尋ねするわけでございますが、それを知るためにも、やはり原因になっている面について一応ただしてみる必要があると私は考えるわけです。 争議の原因というものが結局解決のかぎになる、このように私としては考えるわけですが、問題は制裁規程というものにあるわけです。この制裁規程を労働者あるいはこれを代表する労働組合の同意なしに、一方的に政府と米軍の間で調印して実施しようとしたところに、この問題紛争の根本の原因があるというふうに考えるわけでございますが、一体この調印をするときに、こういう事態を招来することを一応懸念されたのかどうかという点で、多大の疑問を私としては持っておるわけです。この調印は米軍の担当官と調達庁の今井長官との間で行われておるわけでございますが、調印する前に一体担当大臣としてこの問題についての報告を受けたか、あるいはまた承認を求められたかというようなことから、一つお伺いしてみたいと思います。
○船田国務大臣 駐留軍労務者の、ゼネラル・ストライキが八月末に行われたということは、担当大臣といたしましてはまことに遺憾に存じます。ことに私は同時に防衛庁長官をやっておりますから、その点におきましても日米間においてかような事態の起こるということは、はなはだ好ましくないと考えまして、私はこのゼネラル・ストライキの起らぬように、米軍側ともしばしば折衝をいたしまして最善の努力をいたしたのでありますが、ついに労務者諸君の了解を得るに至らすしてかような事態になったということは、まことに遺憾に存じます。ただいま御質問のありました制裁規程につきましては、後に今井長官から詳細な報告を受けまして、あの当時の今井長官があの調印をしたということは私も了承いたしました。やむを得ないことと考えた次第であります。ことに石橋委員は御承知の通りに、従来各米軍の部隊におきましててんでんばらばらにやっておりました制裁規程の適用を一本化し、合理化し、ことに駐留軍労務者にも苦情を申し出て、そうして十分不正不当のないように、合理的に労務管理の行われるようにいたしたのがあの制裁規程の問題でございまして、これはむしろ駐密軍労務者にとりましても決して不当な扱いをするというもの、ではないと私は考えまして、今井長官のかような調印をされたということに対しましては了承を与えた次第であります。
○石橋(政)委員 質問以外のことについても早々見解を述べられているわけですが、そういう見解で今後もこの問題に臨んでいかれると私は円満な解決ということは絶対にないといってもいいんじゃないかとすら思うわけです。その点についての質問はあとですることにいたしまして今私が尋ねましたように、調印する前にこの制裁規定その他いろいろ規定があるわけですが、この問題について事前につぶさに意見を聞かれたとか、あるいは承認を求められたとかいうことはないというふうに聞いたわけですが、間違いございませんね。
○船田国務大臣 事前に詳細な打ち合せをしたという記憶は持っておりませんが、後に報告を受けまして適当なことであると考えまして承認を与えておりました。
○石橋(政)委員 おそらく事前に大臣まで問題を説明したりするようなことは調達庁としてはやらなかったろうと私も思うのです。というのは調達庁としてはこの問題を非常に簡単に扱っておったということです。これはその後の組合と調達庁長官あるいは次長との話し合いの席上でも丸山次長あたりが漏らしておることでございますが、こんなにまで紛糾するとは思わなかったと言っておる。これは私は本音ではないかと思う。その証拠の一つとして今井長官は、みずから第と折衝するというようなことを全然やっておらない。簡単に下の事務的な話し合いの上に乗っかって、調印を承認してしまったというふうに私としては聞いておるわけです。この点についてきょうは今井長官に直接尋ねようと思ったのですが、何か日米合同委員会が引き続いて行われておるので来れなかったという釈明が先ほどありましたが、労務部長が知っておると思うので、長官が調印の前にみずから対軍交渉を買って出たというようなことがあったかどうか、この点だけお尋ねいたします。
○小里説明員 ただいまのお尋ねの点でありますが、今井長官の指示を受けまして、丸山次長が最初に折衝をやったわけでございます。
○石橋(政)委員 長官は就任間もないということもあったかもしれないけれども、みずから対軍交渉に臨むということのなかったことは、今の部長の答弁でも明らかでございます。それほど問題を簡単に考えておった。これがやはりこういった紛争を題す原因になつておると私は思うわけです。丸山次長にいたしましても、これは長官の話だったと思いますが、軍が、早く調印をしなければ一方的に実施するぞと言ったので、一方的にやられると困ると思って調印した、こういうようなことを言っておる。自分は全然交渉にも臨まないで、軍が一方的にやるぞと脅迫したからしょうがないから契約に調印したんだ、こういうようなことを言っておるのです。これから見てもいかに日本政府として自主性のない、情ない態度で軍に臨んだかということは明々白々だと思うのです。私ここで申し上げておきたいと思うのですが、追随ということは決して友好の基礎にならないということです。日米友好を最大の基調とするという鳩山内閣が、その友好というものをはき違えて、米軍の言うことならば何でも追随するという態度で臨もうとしている。あなた方の事務的な処理もそういうような線で進められようとしている。追随ということは決して友好の基礎にならないということは、こういうところに一番大きな例として現われていると思う。あのときもう少し自主性を持って軍に自分で正しいと思う線で折衝していればここまで紛争をこじらせるようなことはなかったんじゃないかと私思うわけです。少くとも日本政府として自主性のある態度でもう少し押す根拠というものがあったわけです。その最大の根拠は何かといえば、三年前に当時の調達庁長官の福島さんと参謀次長のハンロン少将との間で協定が調印されている。この協定の基本的な精神というものは御承知の通りの共同管理の原則というもの、日本政府というものと米軍というものが同等の立場に立って、同等の拒否権を持って共同の立場で一労務管理をやろうという大原則を打ち立っておる。それをはっきり調印しておりながら、実行させようとしなかった。三年間もたな上げさしておる。そこへもってきてこの共同管理の原則を踏みにじり、一方的な制裁規定というものを突きつけられて、しかものまなければ勝手に実施するぞとおどされてそれで調印をして、一回調印したんだからしょうがない。今さら米軍に何とも言われないというようなへっぴり腰の態度でこの問題に臨んだって解決しっこないのです。しかもそれだけじゃない、国内法からいっても、この規定というものが明らかに国内法に違反しておる事実もあなた方は知っておるはずである。一つの見解としてこの制裁規定は日本政府とアメリカとの国家間に行われたものであっても、私的の契約に過ぎぬ、そういう結局法令でもない、労働協約でもない、就業規則でもないものを、自分たちの国の間で契約して、それを何で駐留軍労務者に適用させられるか、そういう法理論すら掲げる人もおる。現に駐留軍関係の組合はそういう根拠の上に立って訴訟を起しておることを知っておるはずだ。私は法理論についても一応政府の見解を聞いておきたいと思うのですが、一体この制裁規定というものは法的にどういう根拠を持っておるのか。法令でないことは確実、労働協約でないことも確実、就業規則の一部を構成するものであっても、就業規則そのものでないことも確実である。そういうあいまいなもの、両国の私的な契約を一体どういう根拠で労務者に押しつけようとするのか、そこの法律的な見解を一つお伺いしたい。
○小里説明員 今回調印されました新制裁規定は、これは就業規則の一部であるという見解をとっております。全般的に通ずる就業規則を作成したいと いうことで二、三年前より調達庁といたしましては、たとえば中央基準案というようなものを作りまして、あるいは軍、あるいは組合とも協議いたしたような次第もございますが、なかなか三者間の意見の調整ができず、現在まだ全般的な就業規則の作成を見ておらない状態でございますが、今回のこの制裁規定は当然ただいまお話のございました新契約が発効いたしますれば、それに基いた全体的な規定ができるわけでございますが、現在まだ発効の状態になっておりません。従いまして現在の労務基本契約に基きましてこの制裁規定を就業規則の一部としてアメリカ軍と日本側において調印をしてこれを全体の労務者に適用する、こういうことになっておるわけでございます。
○石橋(政)委員 制裁規定は就業規則そのものではなくても、その中の一部だという理屈も立てられると思うのです。しかしそういう理屈を立てていくとするならば、これは国内法で規定された手続が省略されておりはせぬか。就業規則そのものを作るとするならば、あるいは就業規則の一部を制定するとなるならば、どういう手続が要るかは十分御承知のはずです。駐留軍関係労働者を代表する労働組合と日本政府との間には、御承知の通り労働協約というものが作られている。その労働協約の第十五条には、就業規則に関する事項は両者の協議会で協議決定しなくてはならぬという規定があるはずなんです。ところが協議決定に至らす・して一方的に軍と政府の間だけで勝手に調印をしてこれを押しつけてくるなどというやり方は明らかに労働協約に違反している。それだけではない、労働基準法にも明確な規定があるわけだ。基準法の九十二条には、「就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。」と明確に書いてある。第二項には「行政官庁は、法令又は労働協約に抵触する就業規則の変更を命ずることができる。」こういうふうにも書いてある。これは労働省の基準局長が来ておれば、私はこの手続を経ておらないこんなものをもし実施するというならば、あらためてやり直せという勧告を、あるいはこの第二項によって変更を命ずる意思があるかどうかということも聞きたいと思ったのですが、この基準法にも示されているように、協約というものにはっきり違反してやっておる。またこのほかに八十九条なり九十条なりの基準法の手続があるわけですが、これはいわゆる労働者の過半数で組織する労働組合がある場合には、その労働組合なり、ない場合にはその代表者なりの意見を聞かなくてはならぬ、就業規則を作るときには……。そうしてこの届出をするときにこの意見を証した書町を添付しなくてはならぬ、こういうふうに明確に法律で規定してある。駐留軍の雇用労働者の問題について、日米行政協定には明らかに国内法を適用すると書いてある以上、米軍だからといって日本の法律、基準法を無視していいというはずはないと私は思っている。しかも法律的には雇用主は米軍ではない。日本政府そのものなんだ。その日本政府が国内法を無視して就業規則の一部でございますと言って押しつけていい道理がないと私は思うのですが、あなたたちはこの労働協約なり基準法なりについて、この制裁規定は的確な条件を具備しておるというふうにお考えになって実施させようとしておられるのかどうか、この点についての御説明を願いたい。
○小里説明員 調達庁と労働組合との間に結びました労働協約には、ただいま御指摘のように第十五条に就業規則を作る場合には両者の協議会で協議決定する、こういう文句があるわけでございますが、この規定に基きまして調達庁といたしましては、五月の初めから七月の初旬にかけまして、あらゆる努力を払って組合側と協議をいたしたのでございます。もちろん就業規則の一部でございますから両者の意見が完全に一致をして、そうして制定されるということが最も望ましいところでありまして、私どもといたしましてもそれを期して協議をいたしたのでございまするが、遂に両者の完全な意見の一致ということが見られなかったのであります。ただいま御指摘の、だから十五条違反ではないかというお話でございますが、私どもといたしましては十分協議を遂げてそれでどうしても意見の合致を見ない場合に、就業規則の一部である制裁規定がどうしても制定されないというような見解を持っておらないのでありまして、十分協議をいたしました末意見の一致を見ない場合には、やむを得ず管理者側といたしましてこの就業規則の一部である制裁規定を制定するということにいたしたわけでございます。意見の一致を見なかったことにつきましてはまことに遺憾に存じまするが、その当時の情勢からいたしまして、私どもとしましては意見の一致を見ないままに米軍と契約の締結をいたさざるを得たかったのでございます。こういう経過を一経まして現在制定されたわけでございまするが、労働協約に違反をしておる就業規則は基準法違反だ、官庁がこれを変更命令をすることができるというお話でございますが、ただいま申しましたように、意見の一致を見なかったけれども一応十分協議をいたしました末制定いたしましたのでございまするから、労働協約に違反しておるとは私ども考えておらないのでございます。次に基準法の八十九条以下の条文で、労働組合の意見を聞いて、その意見を添付して届け出よ、これに違反し、ておるではないかというお話でございまするが、この点につきましては、確かに意見をつけて労働基準監督署に届け出はいたしておりません。私どもといたしましては、やはり福島・ハンロン協定によりますところの新契約が発効いたしまして、それに基いて全般的な就業規則が作成できる段階になり、そういうときにりっぱな就業規則を作って、軍も政府も労働者もみんなが喜んでその就業規則に従えるようなものを作りたい、こういう気持を持っておるわけでございまして、この制裁規定はほんの一部分でございまして、基準法で労働基準監督署に届け出まするその届出の要件が幾つかございまするが、単に制裁規定だけで届け出るということもいかがかと存じまして、この点につきましては届け出るのが当然ではございまするけれども、今のところどうせ届け出るならば、全体を通じて法律要件を満たすものを届け出たいという気持を持っておりまして 一方を立てればこちらが立たず、こちらを立てれば一方が立たずというジレンマの状態にありましてこの点ははなはだ遺憾に思いまするけれども、現在の実情からいたしましてこうせざるを得なかったということを御了承いただきたいと思うのでございます。
○石橋(政)委員 労働協約十五条で規定された協議はやっておるとおっしゃいますが、単なる協議をしろというふうな規定になっておらぬと私は思う。協議決定しなくちゃならないという明確な言葉が使われておる。協議しなければならないというならば、あなたのおっしゃる理屈も成り立つかもしれない。話し合いがつかない場合にはしょうがないじゃないか、協議したのだからいいじゃないかという理屈も成り立つかもしれないけれども、協議決定しなくてはならないという、この決定という言葉が使われておる場合にも、話し合いがつかなければしょうがないじゃないかという理屈が果して成り立つものかどうか、私は非常に疑問に思う。 それから基準法上の問題もいよいよ矛盾が出てきたわけなんです。先ほど私は法令でも労働協約でも、あるいはこの就業規則でもないものを、雇用労働者に一方的に押しつけることはできないのではないか、こう聞いたら、いや就業規則の一部だという。就業規則の一部ならば、就業規則制定と同じ手続を私は必要とすると思う。一部だから就業規則の手続を要する。法律で定められた手続を省略したい、完全になるときに一緒にやりたい、こういう理屈が果して成り立つものでしょうか。私に御了解願いたいと言われたが、私は法律ではございません。法律はそういうふうな了解を私はしないだろうと思う。あなた方が就業規則の一部だと考えるならば、やはり就業規則制定の手続というものがとられなくちゃならぬと思う。省略されて就業規則の一部でございますなんという理屈は成り立たないと思う。この二点について御答弁願います。
○小里説明員 労働協約には確かに協議決定という文字になっておりまして、この協議決定ということがどういうことであるかということにつきましては、いろいろ判例、学説等もあるようでございますが、私どもといたしましては、協議決定ということは完全に意見が一致しなければ制定ができないという意味ではないと存じております。そうしてこの問題につきましては、ただいま東京地方裁判所に訴訟が提起されておりまして、その結果いかがになりまするか、その結果によってもはっきり結論が出ると思っております。 次に、第二点の基準法の手続を踏んでいないではないかというお話でございますが、先ほど申し上げましたように、この点につきましては形式的には確かに手続が踏んでいないので、私どもとしましては、先ほど申しましたように、全体の就業規則を作りましたときにそういう手続をとりたい、こう考えております。
○石橋(政)委員 最初の方ですが、今組合側から裁判所に問題が提起されている、その判決を待つのだというお言葉でございましたが、しからば裁判所において明確にこれは協約違反である、あるいは基準法違反であるというような判決が下った場合、日本政府としてはどういう立場に立つのか。結局国内法で認められない、否定されたからというので撤回についての話し合いを米軍とするものかどうか、この点について大臣の答弁をお願いいたします。
○船田国務大臣 裁判所の最終判決がありましたならば、その判決には政府も従うことにいたします。
○石橋(政)委員 協議決定という言葉は必ずしも話し合いがついたときのみをさすのではないと労働部長は言いますけれども、私はそれに賛成ではない。しかし一歩譲っても、しからばこの問題について十分な話し合いが行われたかどうか。あなたは、五月上旬から七月の上旬まで十分に話し合いをやったとおっしゃいますけれども、私が調査してみたら、五月の四日の第三十七回中央労働協議会に初めて政府側が制裁規程の原案を組合側に提示した。そのときに組合側は反対の意思表示をし、あわせて政府、組合との協議続行を申し合せたということを聞いております。その次は五月の二十四日、そうして六月の十四日に三回目が開かれて、そのときには制裁規程のほかの苦情処理手続と新規考案奨励規程の原案提示が初めてなされた。これについても組合側は反対の意思表示をして、あわせて協議続行を申し合せたということを聞いている。七月の六日に至って、次の協議会はいっ開こうかという話し合いになったけれども、この日取りが話し合いがつかなかった。こういうふうに私は報告を用いている。そうすると、制裁規程が提示されてわずかに三回苦情処理手続、新規考案奨励規程に至ってはわずかに一回しか会合が開かれておらないというふうに私は認識しておるのですが、これでも十分に話し合をやったとおっしゃるのですか。その点についてお答えを願います。
○小里説明員 二カ月間の協議が不十分ではなかったかというお話でございまするが、調達庁といたしましては、会合の開かれましたのはただいま御指摘のような回数のように存じておりますけれども、その間、お互いに案について十分検討を加え、その会合で十分意見を戦わせたということで、二ヵ月間の期間お互いに協議が十分行われたということが言えると私は考えております。
○門司委員 ちょっと委員長に頼みがあるのだが、今石橋君との間の話を聞いておるのですが、この問題に関して政府で一番よく知っている次長がここに来ておらない。船田大臣が来ておっても、責任者ではあるがあまり事情はお知りにならない。部長はおいでになっておっても、かわられたばかりであって、その当事者ではなかった。こういうことでは幾ら問題を片づけようと思ってもなかなか片づかない。丸山次長か、それでなければ他の次長か、あるいは長官はどうしても来られないというのですか。これを一つ委員長から確かめておいてもらいたい。焦点になっている問題を知っている人が来ていないのだから始末が悪い。
○山本委員長 きょうは出られません。
○石橋(政)委員 それでは明日にでも出てもらえますか。
○山本委員長 交渉はしてみます。
○石橋(政)委員 どうせ一回で済むとは思っていませんから、長官にも次長にも再々来てもらおうと思っておりますが、さらに質問を続けます。 今私が申し上げたように、協約からいっても、正式な話し合いというものは協議会の席だろうと思う。協議会で協議決定しなければならぬということになっている。肝心の協議会というものが、制裁規程については二回、それから三回、その他の規程についてはわずかに一回しか開かれていない。それにもかかわらず、十分にその他の機会にも話し合いはできておるというような理屈は通らないと思う。そんな話し合いができておるならば、ある程度の了解ができておるものならば、経済的には一銭のもうけにもならないこういう問題で何もストライキなんかをやるはずはない。しかも十五万人というたくさんの人が参加しているというこの事実をもう少し考えてもらわなくちゃならぬと思う。時間的にいったって苦情処理手続、新規考案奨励規程が提示されてから調印されるまでに一ヵ月もたっておらないじゃないですか。ほかの機会で話し合いがなされておったにしても一ヵ月も期間はない。そういう逃げ口上をおっしゃっては工合が悪かろうと私は思う。少くとも日本政府、特にこの衝に当った調達庁はもっと真剣にこういう紛争を起さないようにという配慮が十分に払われて、問題の処理が行われておったというふうには、今の私の質問、あなたのお答えの中からも、だれだってくみ取れないだろうと思う。一体なぜそういうことになったか。一つわれわれが了解とはいかないまでも、ある片面から見た場合に同情する余地がある、そういう理由があるとするならば、それは先ほど申し上げたように、軍がどうしてもやれ、日本政府が早く調印に応じなければ、一方的に実施するぞ、こういうふうなおどかしをもって政府に臨んだ場合、そういう場合に了解はしないけれども、哀れなことよと同情ぐらいはします。今井長官は組合側にそういうことを言っておる、軍が一方的にやっては困ると思ったのでしょうがないから調印したということを組合との話し合いのときに言っておりますけれども、軍はそういう態度でこの問題に臨んできたのかどうか、一つお答えを願います。
○小里説明員 この制裁規程の問題につきましては、問題の起ったとき、ことし初めからでございますけれども、労務者にとって非常に重要な関係のございまするこういう制裁規程というものが、統一的な、合理的なものがないということにつきましては、労務管理上も非常に困るという見解を持ちまして、一昨年、昨年あたりから調達庁におきまして制裁規程を制定するというような考えを持って研究を続けておったのでございます。そうして去年の六月でございますが、調達庁案というようなものを作って労働組合にも提示をいたしまして意見を求めたようないきさつもあったのであります。調達庁といたしましては、各施設ごとにまちまちな制裁が、しかも軍が一方的な規定に基いてあるいは何かに基いて行われておるということは、雇用主の立場であります日本政府としましても、非常に困るということで、何とか合理的な規定を設けたいという趣旨で研究もし、討議も重ねてきたのでございますが、たまたま米軍側におきましてもそういう意向をもちまして、そうして具体的には今年の二月の二十三日に、向うから制裁規定の制定についての話し合いがあったのでございます。そういう経過でございまして、日本側といたしましても、何らか合理的な、労働者のためになるような制裁規定、しかも一方的でなしに、日米間の合意の上ではっきりした制裁規定を作るということにつきまして関心を持っておったわけでございますから、たまたまそういうときにこの問題が起ったのであります。先ほど御指摘になりましたように、新労務基本契約というものが昭和二十八年の十月に調印をされておりますが、その付属書等がまだ完成をしておりませんので、それが発効するまでにはなっておりません。日本側といたしましても新制裁規定を作ります場合には、新労務基本契、約の線に沿ってすなわち共同管理の原則というようなことで制裁規定を作りたいという気持は時っておったのでございますか、 〔委員長退席、大平委員長代理着席〕 まだ新労務基本契約が発効を見ておらない。現行の労務基本契約に基いて制裁規定を作らざるを得ないということから、今度の制裁規定が新労務基本契約の共同管理原則を採用せずに成立をしたような次第でございます。ただ今度の制裁規定にいたしましても、従来まちまちでありましたのを全体的に統一的に作り、しかも両政府間のはっきりした契約という形で成立を見、その手続、内容につきましては、十分な証拠がなければ制裁ができない、あるいは労務者に十分な答弁の機会を与えるあるいはその制裁の決定をする人以外に調査をするとかあるいは制裁が決定しました暁において労務者に、定の手続によって苦情を述べさせるというような非常な合理的な規定になっておるのでありまして、調達庁といたしましては、軍の圧力によってやむを行ず調印したというようなことではないのでございまして、わが方といたしましても、従来各車ごとにまちまちであった規定を統一をして合理的なものにする。そうして労働者を保護するという立場から制定をいたしたのでございます。私どもはこの規定が制定され、実施されましても、この規定によって従来よりも異常に苛酷な制裁が労務者に対して行われるというようなことは絶対にないと確信をいたしております。
○石橋(政)委員 まことにおかしな理屈だと思うのです。この問題は前々から出ておったんだとおっしゃいますが、確かに労務基本契約は占領中に作られたので改訂しなくちゃならぬという声が労働者の間からもずっと前から出ておった。そうして四十八時間ストライキをかけてやっとかちとって昭和二十八年の十月九日に福島長官とハンロン少将の間で基本協定について調印がなされた。しかし付属書あるいは労働政策指令がまだできないので発効しないこういう事情にあることは私どもよく知っております。しかしこの制裁規定というのはこの四付属書、七労働政策指令の一つにすぎないのです。その中の制裁規定だけを急がなくちゃならない理屈が一体どこにありますか。しかもあなたや大臣の言葉をかりて言えば、労働者に不利にならないような制裁規定だというが、労働者が制裁されるということにどの程度の利益、不利益があるか。全然ないとは私言いませんけれども、制裁されないのが一番いいんだ、少くとも他の付属書や労働政策指令に比すればそう取り急いでもらわなくたって労働者にとってそうマイナスになるようなことはない。そんな情ないことをあなたおっしゃるなら、法律上の雇用主として明確な間接雇用がとられておる現在の日本の駐留軍の労務問題について、雇用主たる日本政府はこういう制裁規定を作らなければ労働者を保護することができなかったというのですか。今までケース・バイ・ケースでそのつど公正な取扱いをやっておらなかったというのですか。私はそんな自信のないもんじゃないと思う。ほかの付属書やあるいは労働政策指令はたな上げにしておいて、この制裁規定だけを急がなくちゃならない理屈なんというものは私は成り立たぬと思う。何か特に必要な理屈がありますか。ほかのものが、できなくてもこれだけを早く作ってやらなければ、労働者に困るとかそういうことがありますか。
○小里説明員 制裁規定は労務者にとっては、非常な重要な規定でございまするので、私どもとしては、はっきりした統一的な規定があって軍の方で独断的なことができないようにするということは、労務管理上の建前からいたしましても、調達庁として当然考えるべきことだと思うのであります。従いましてこういう規定ができまして、これによって労務者を休ませるということは、私はできるだけ早い機会にやった方がいい、こういう考えでございます。
○石橋(政)委員 筋が通らないのですよ。あなたがおっしゃるような建前でいくならば、共同管理の原則というものを確立しなくちゃいかぬということじゃないですか。今度実施された制裁規定というのは、この共同管理の原則にのっとった、福島・ハンロン協定の線にのっとった線で作られたものじゃないじゃないですか。あなたがおっしゃったそういう建前から、労働者の利益保護のために制裁規定を急ぐという論がかりに成り立つとしても、 その場合には大同管理の原則というものが確立し、確認され、福島・ハンロン協定が発効した暁に初めて言えることなのです。それがたな上げされておる。今度の制裁規定は軍が一方的にやろうというのです。そういうものが何の労働者の保護になりますか。日本政府が共同管理の原理に立って雇用主としての権威をもって、そうしてこの制裁の手続の中にもはっきり入り込んでいって労働者を守ろうというなら、私はわかる。それを軍が一方的にやるような規定を作っておいてそうして今までまちまちであったのが統一されたのですから、労働者に有利でございます。日本政府がタッチしない方が有利だというようなばかなことがありますか。私たちは幾らだらしがなくても、日本政府は日本国民の利益を守ってくれると考えておるから、軍だけにまかせないで、一つ日本政府も軍と対等の立場で入り込んできて下さい、そういうことを要求しておる。制裁規定を作るにしても、そういった立場で日本政府が親身に労働者を見てやるという立場に立って、そういう線にのっとった協定を作ってくれ、それなら甘んじようと言っておる。あなたが言っておることはちょっと私は筋違いだと思うのですが、どうですか。
○小里説明員 新労務基本契約の共同管理の原則を貫いて制裁規定を作るということは、お話の通りでございまして、その点そういう制裁規定を作ることを私ども望んでおるわけであります。従いまして新労務基本契約の発効ということにつきましては、ここ二年有余の間ほとんど交渉がとだえておりましたのを、何とかものにしたいということで、今年の最初から具体的にこの新労務基本契約の発効について軍側にも申し入れをいたしまして、それがだんだん実を結んで最近この件に関しまして数回にわたって日米間の協議が行われておるのであります。私どもはこの新労務基本契約が発効してそれにあります共同管理の原則ということに基いて制裁規定が作られるということについては、今後の問題としてあらゆる努力を払って参りたい、かように考えておるわけでございますが、ただいま御説明いたしましたように、何分にも相当長期の間いろいろな事情からとだえておりましたのを、ここに問題を提起して急速に進めよう、こういう段階でございますので、すぐに右から左にこの共同管理原則に基いた新制裁規定を作るということは、なかなか困難な事情にあったのでございます。従いましてこの問題になっております制裁規定は、新労務基本契約ではなしに、現在の労務基本契約のもとでこの制裁規定が調印されたわけでございます。この制裁規定の実施に当りまして日本政府が全然介入できないじゃないかというお話がございましたが、この点につきましても米軍側と十分意見の交換をいたしまして、しかも交換公文というようなものをとりかわしまして、日本側の政府の機関で、第一線において問題がございました場合には、それを軍側に話し、現地の第一線で解決がつかなかった場合には司令官、司令部というふうにだんだんとその問題を上げていって解決をしよう、こういうようなことにもなっておりまして、私どもとしましては、この交換公文の精神に基いて、問題がございました場合には十分協議を遂げて、日本側の意向を向うに伝え、協議を遂げつつやっていきたい、こういうように考えております。
○石橋(政)委員 その交換公文というものも、実際には制裁規定を調印してしまって、労働者や労働組合がわぁわぁ言い出して、あわてふためいてやったものじゃありませんか、これは何を物語ってるんですか。しまったということを物語ってるじゃありませんか。しまったと思ったなら思ったように、率直に表明してもらえば、この紛争の解決は早いと私は考える。腹の中ではしまったと思いながら、一旦調印してしまった手前、どうもそれは言いにくい。そういう気持はわかりますよ。わかりますけれども、ことさらに何かかんとか、言いのがれしようという態度で臨んでおったんじゃ、今の紛争は解決しないということを私は言いたい。大臣に特に言いたいことは、今の問答の中でわかってもらえたと思う。あなたは調達庁の首脳の人たちに仕事をまかせておると思う。しかしこの人たちの言うことをただ事務的に聞いて、それを百パーセント正しいと思っておられたんじゃ最高の責任者として、担当大臣としてこの問題解決に当ってもらうのに、どうも安心ができない。だから今の問答を黙って聞いておっていただいた。今までばらばらだった。この間あなたは記者団に発表された。「制裁規定の撤回、延期できぬ」という見出しで新聞に発表が出ておりました。私はこれがあなたの真意だとは思わない。こんなことであったら、問題の解決はできないのです。そこで一応新聞記事を引用すれば、「駐留軍労務者の制裁は今まで各部隊ごとにマチマチに行われ不公平な点があったのでこれを是正するために制裁規定が設けられた。内容を見ればよく判るように労務者にとって利益になるように作られており組合がナンといおうとこれを撤回または延期することはできしない。」真意がどうであのったか知らぬが、こういうふうな記事になっておる、こういうことから駐留軍関係労働者は非常に憤激し、新たな気持を起してるわけですが、私はこういう気持じゃなかろうと思う。これは結局調達庁の言葉をそのままうのみにした発表にすぎないと私は思う。担当大臣がこういう調達庁の言いのがれをそのまま信用されたんじゃしょうがないと思う。調達庁としては明らかに、調印してしまったんだから、どうにもこうにもならぬ、これを撤回しろとか、実施の延期や中止をしろということは軍に言えないという立場に立っておるわけです。そういうものかもしれません。少くとも今井長官が責任をとってやめでもしない限り、そういうものかもしれません。だからといって、担当大臣としてもその事務措置の上に安閑と乗っておったら、この問題は解決しないですよ。間違いは間違いで訂正させる必要があるじゃありませんか。大臣がこの間何気なしにしゃべられた、何ら不利益のものでない——そんなものなら何で十五万人という駐留軍労働者が立ち上って、何千万円という莫大な損害を覚悟してストライキをやるんですか。そんなありがたいものなら、だれがストライキをやりますか。あなた方がよく使われる幹部の扇動というようなことがかりにあったとしても、もうけにも何にもならないそういうもので、だれが立ち上ってストライキをやりますか。新聞もラジオも読み、聞き、十分にそういう世論に、耳を傾けておられると思いますけれども、新聞記事にしても、論調にしても、ラジオの放送にしても、みんな労働者を支持しておるじゃありませんか。これは私、政治家である大臣の耳に入らないとは思わない。漫画までが支持しております。あなたは不利益じゃないと言うけれども、一体何をもって不利益じゃないというのか。ばらばらの規定が今まで適用されておった。それが統一されたから不利益でないのだ。そんな理屈は通りません。そういう不利益がかりにあったとすれば、日本政府がなぜ是正させなかったか。私の知っている限りでは、労管なり県なりを使って、あるいは調達庁を使って、そういう不合理な制裁は是正させてきております。今後だって、そういう自信をもって臨んでいっていいはずであります。それが間接雇用主としての、法律上の雇用主としての日本の政府の責任だと思う。ここに私は「エコノミスト」を持ってきておりますが。この中にも明確に書いてあります。ちょっと引用してみましよう。「しかし、新考案報奨規程はともかくとして、他の二規程特に制裁規程を一見すれば、だれしも余りにも日本の一般的慣行とかけ離れたきびしい規程になっていることに気づくであろう。 制裁規程によると、理由なく遅刻すれば、一回目は戒告、二回目は戒告か一日の出勤停止、三回は一日から七日までの出勤停止である。欠勤も事前に承認を得ず、監督者の満足する理由がなかったら、三回目で、三日の出勤停止から解雇となっている。二十一種目の違反行為の最高制裁は一回やっても解雇処分が十三種類、二回目で十七種類、三回目では遅刻以外の全部である。米軍の交通規制や日本の交通取締り法規に違反したり禁煙場所で喫煙したり、防火規則に違反したりすれば、一回で解雇することもでき、労務者としての地位や仕事によっては、居眠り一回でも解雇になる。 このような常識はずれの制裁規定で制裁を受けた者は一応苦情を申し立てることができるが、苦情処理規程によって、調査認定権も、処分決定権も米軍側に握られているので、その判定はまず米軍に不利な結果にはならないであろう。」これが、一番要約してあったと思ったので引用したのです。すべての新聞論調になり、記事の扱い方なり、ラジオの報道なり、漫画の取り扱いに至るまで全部この線で労働者なり労働組合を支持しておる。私はその世論があなたの耳に入らないとは思わない。それを調達庁が調印した手前の、私から言えば責任のがれです。責任のがれからあなたに進言し、助言する、その言葉をまるまるのみ込んで、そういう思想の上に立って今後米軍と交渉されるとするならば、私は絶対に問題の解決はあり得ないと思うから、特に大臣にお願いしているわけです。決してそんな調達庁の言うような甘いものではない。こんな制裁規程というもので労働者に対する不利な制裁から守ってやろう、ばらばらな、不公平なものを統一ある公平なものにしてやろうという、あなたがこの間おっしゃったような、調達庁がいうようなものをほんとうに取り入れる腹があるならば、軍が一方的にやるものではなくして、共同管理の原則にのっとったものでなければならぬはずだ。それをせっかく調印までされておる、共同管理の原則を確認した福島ハンロン協定をたな上げした現在、取り急いで制裁規程だけ作っておいて、やれ公平になった、統一されて、よかったというような理屈は成り立たないということを、十分に頭に置いていただきたい。今後も交渉のあり方について見ましても、調達庁は調印した当事者です。今さら米軍に、しまったとか間違ったとか、なかなか言えない立場にある。そうだとすれば最終的にこの問題を処理するのは、やはり担当大臣である船田国務大臣でなくちゃならぬ。最後には最高のレベルで、大臣とレムニッツアー司令官との間でこの問題の解決に当らなければならぬと思う。今までのいきさつからいっても必然的にそうならざるを得ないと私は考える。そういう重大な地位にあられる大臣にしてみれば、私はこういう軽々な声明はしていただきたくない。調達庁の契約調印当事者の、責任のがれの言葉の上にあぐらをかいていただきたくないということを、特に強調しておくわけであります。 事態はますます急迫してきております。第一波のストライキは終った。すわり込みも本日解きました。しかしこれは解決されそうだからではないのです。次の第二波に備える態勢整備のためであると私は思います。そうすれば当面何とかして話し合いをつけて、この第二波を回避しなくちゃならない。そこにあなた方の主力を全部集中しなくちゃならぬと思うわけです。そうしてみれば、そういうふうにするためには一体どうしなくちゃならないかという対策というものが立てられなくちゃならないと思う。この明確な対策が今日本政府にあるかという点について私はお伺いしたいと思うのです。幸いに労務特別委員会の開かれておることも知っております。軍をまじえた三者会談、三者交渉というものが開かれておることも知っております。やや情勢がいい方向に進展しておることも私は知っておるわけですが、その中にあってやはりかぎを握っておるのは日本政府です。このかぎを握っておる日本政府の当面の責任者としての大臣が、円満解決のための対策をどういうふうに持っておるのか、私はそれを知りたい。でき得べくんばこの間の八月二十八日に開かれた労務特別委員会で話された点、あるいは三十一日に話された点で、その円満解決のためにプラスになるような話し合いがなされたものであるかどうか。できればその話し行いについてこの席上で御説明を願ってわれわれが安心のいくようにしていただきたいと思うのです。お願いいたします。
○船田国務大臣 米軍駐軍労働者諸君が近い将来に、また再び第二波のストライキをやるというような計画のあるということは、まことに遺憾に存じますので、ただいまよ石橋委員がいろいろおあげになりましたようなことは、十分これについて考慮をいたし、そのうちでできる最大の努力をいたしまして、ストライキの回避に努めたいと考えており、現に努めております。そのために日米合同委員会の下にさらに専門委員会を開きましてすでに数回にわたって労務担当者同士の間におきまして、労務の基本問題及び個々の具体的な問題について十分審議を進めており、なおただいまもお話がありましたように、一昨日は三者会談を開くということもいたしまして、最善の努力をいたし、また米軍側といたしましても、決してこちらの希望をいれないというのではないのでありまして、十分意見を聞き、合理的な理屈のあるものはこれを取り入れて、そして三者が納得して労務の管理をするようにしたいという希望をもって、幸いに具体的の問題を進めておるわけです。ただしかしその内容についてはここに申し上げるわけにはいきません。昨日も駐留軍労務者の代表の諸君に私直接会いましていろいろ御希望も聞いておりますが、それは私の腹に入れて、私のできる限りの最善の努力をするということを、労務者の代表の諸君にも申し上げたのでありますが、それと同じことをここで申し上げる以上に、その内容について、詳細に申し上げるわけにはいきません。しかし私としては第二波、第三波等のストライキの起らぬように最善の努力をして参りたいと思つております。
○石橋(政)委員 問題解決のために大臣に特に御努力願いたいわけでございますが、結局、このかぎといたしましては、先ほども申し上げているように、共同管理の、上に立った制裁規定にしなくてはならないわけなんです。一番いいのはその原則が確認され、実際に生きてくるまでストップする、そのためにこの制裁規程を撤回するということができれば一番いいのですが、それはなかなかむずかしいでしょう。そうすればどうしてもこの共同管理の原則が生きてくるまでストップという形が 名目は問わない、実質的にストップになればいい、そこまで現段階において労働者側は譲歩しておる。そこまでは持っていってやるべきだ、と私は思うのです。共同管理の原則が生きてくればしょうがない、のもう、そこまで折れている以上、日本政府は軍を動かしてその線まで一歩下らせる、それくらいの気持をもって臨んでいただかなければ、撤回もできぬ、中止も延期もできぬ、そういう態度じゃ、絶対にこの問題は解決しないのです。聞くところによると、調印はした、しかし実際にまだ生きてきておらぬからいいじゃないかとおっしゃいますけれども、もう各部隊ではどんどん啓蒙活動と申しますか広報活動を開始している。こういうりっぱなビラまで刷って周知徹底をやっている。制裁規程がなぜ必要か、どんなりっぱな制裁規程かというようなことを、こういうりっぱな印刷をしてまで現場で配っている。これは何を物語っているか。今こそ駐留軍労働者がスト態勢をとってしっかりと団結しているから実際にこれを適用しないというだけであって、このまま一ヵ月二ヵ月ずるずる引き延ばしていけば、そうそういつまでもスト態勢はとれるものじゃない、そのすきをねらってさっと実行しょう、そういう気持じゃなかろうかと疑うのが私は当然だと思う。疑うなという方が私はおかしいと思う。現にこの共同管理の原則というものは三年制に調印されている福島・ハンロン協定、それが三年間たな上げされたという、この過去の実績が労働者に不信の念を抱かせるのは当然だと思う。ほんとうに軍が共同管理、政府と一緒になって労務管理をやろう、そう考えておるならば、三年間もたな上げするはずがない。それからいっても、今実施されてないからいいじゃないかという理屈は通らない、不信を持つ労働者の方が私は正しいと思う。しかも片一方ではこういうりっぱなビラを刷ってどんどん広報活動をやっている、これからいっても安心しろという方が私は無理だと思う。そこでやはり共同管理の原則が生きてくるまでは、実質的に制裁規程がストップになる——手段、方法は問いません。その保証がとれるような形に持っていかない限り問題解決はあり得ないということを、十分顧に置いて今後の折衝に臨んでいただきたいということを、強く私は要望しておきます。労務委員会で話しせられた内容というようなことは、申し合せの結果発表できないということであればやむを得ません。私が今意見として述べておりますような線で一つ今後の交渉をやっていただくということを確認いたしたいと思いますが、その点についての大臣の御答弁をお願いいたします。
○船田国務大臣 先ほど申し上げましたように、第二波、第三波のストライキの起こらぬように最善の努力をして参ります。
○石橋(政)委員 この問題が起きまして、、第一波のストライキが行われる前、八月二十四日の毎日新聞の夕刊だったと思いますが、ストライキなんということが起きてくると、重大な事態が発生するかもしれぬというようなことを、船田長官が述べたということが、新聞記事に出ておったように思うわけです。これは一体何を物語っておるのか、私は当時の情勢から一種の弾圧的な雰囲気を感じたわけなんです。ストライキなんかやったら承知せぬぞと何か強圧的な態度に出たような感じを当時持ったわけですが、この重大な事態というのは一体何をさしておられたのか、この点について大臣の等分を願います。
○船田国務大臣 その当時どういう言葉で言ったかは、私記憶しておりませんが、ストライキはぜひ避けたい、ストライキをやるということは決して日本政府にとってもまた米駐留軍にとっても、それから駐留軍労務者にとっても利益ではないと思う、こういう趣旨を私は強調したと記憶しております。
○石橋(政)委員 それに関連してお尋ねしたいのですが、調達庁は従来倉石労働大臣の担当になっておりました。それが労働大臣がILOの総会に出席する際に船田大臣に担当を譲って行った。ところが帰ってからもそのまま船田大臣が担当することに七月十三日の閣議で決定したというふうに了承して、おるのですけれども、これは調達庁の防衛庁移管の前ぶれではないかというふうにわれわれとしては考えておるのです。さきの国会の開会中ににも、この点について根元官房長官答弁を願ったところ、やや肯定的な答弁があったわけですけれども、その後この問題がどういうふうに進展しておるか、事務的に準備が進められておるものかどうか、この点についての御説明を願います。
○船田国務大臣 防衛庁長官が国務大臣として調達庁の担当大臣を引き受けておるということは、必ずしも調達庁と防衛庁を統合するということの前提とは考えておりません。政府部内におきまして行政機構の改革のときに、ある過程においてこういう問題が起りましたが、しかしその問題はその当時立ち消えになりまして、現在は統合するとかあるいはどういうふうに改革するとかいうことについては、今の段階においてはただ部内において研究しておるというだけのことでありまして、私が調達庁を担当しておるということが、今御指摘のように調達庁を防衛庁に統合する前提となるものであるというふうには、われわれは考えておりません。
○石橋(政)委員 実は私はその問題と重大なな事態というものとの結びつきをちょっとそのとき考えたわけです。それは何かというと、新聞情報あたりにもあったと思うのですが、外務省、大蔵省、防衛庁、調達庁といったような関係各省庁が寄って、その連絡会議の席上で、調進庁を防衛庁に移管させるためにはどうしても駐留軍労務者からストライキ権を剥奪しなくちゃならぬ、こういうことが議題に供せられたというようなことを聞いたわけです。そのことを船田発言は意味しておるではないかというふうに当時考えたわけなんです。たしか防衛庁の内部で、調達庁をその中にに引き受けるということは、ますますもってアメリカの傭兵的な性格を強くしていかぬといったような反対論があったということを聞いております。それと同時に、ストライキ権あお持った駐留軍労務者をそのままかかえ込んでいくというようなことになりますと、自衛隊の兵隊士気に影響してくる。現に今赤旗が防衛庁の内外に林立していることについてしきりにそういうことを言われる防衛庁首脳の人がおることを私知っておるわけなんですが、こういう調達庁の防衛庁移管の反対の理由ということをつらつら考えてみると、単なるデマ情報として受け取れない。どうも調達庁を引き受ける気運が現に進んできておる。ところがその条件としては、駐留軍労務者からストライキ権を剥奪しければなならぬ、こういうことが前提になっておりはしないかということを大いに心配するわけなんです。そういうことは絶対にないかどうか、大臣からしからば答弁を願いたい。
○船田国務大臣 先ほど申し上げましたような実情でございまして、今その労務管理をどういうふうにするかというようなことについては何ら研究は進めておりません。
○石橋(政)委員 しからば今度のストライキを期して、それの前後においてアメリカの方からスト規制といったような面で何らかの手を打ってくれというような要請が日本政府になされたことはないかどうか、その点についてのお答えを願いたい。
○船田国務大臣 さようなことも聞いておりません。
○石橋(政)委員 駐留軍労務者というものは、ストライキ権を持った現在でも、なお国内にあっては哀れな労働者であろうと私は考えております。日本の法律からも完全には守られていない、どちらかといえば暗い谷間に残された人たちなんです。そういうストライキ権を与えられてなお完全に保護されておらない駐留軍労務者からスト権を剥奪するというようなことを、かりそめにも考えないように特にお願いしておきたいと思います。 なお防衛庁移管というような問題について現在の担当大臣が防衛庁長官になったという点についても私は危惧を持っておる。それはなぜかといえば、現在の日本の自衛隊、防衛庁というものは、アメリカの莫大な援助の上に乗っかっている。アメリカの援助抜きにして現在の日本の軍事力の増強ということは考えられない立場にある。そういう直接アメリカの最大の援助を仰ぐ日本の役所が、そこの長官が、労務管理を扱うというようなことになると、当然言うべきことも言えないような立場になりはしないか。片方で今も増原さんがアメリカまで出かけて、やれ誘導弾を下さいな、軍艦を下さいなと頭を下げておる、その反面労務管理についてはきぜんたる態度をとって労働者の立場に立って要求するというようなことは非常に困難なことじゃなかろうか。船田大臣ならやり切るかもしれぬけれども、大臣が交代したらいよいよもって危ないかもしれない、そういうことは絶対ないとあなたは自信を持ってここで答弁されるか。あなたでなくなってもそういうことは大丈夫、二またかけてやれるという自信があるかどうか、最後に承わっておきたい。
○船田国務大臣 調達庁の仕事は原則として調達庁長官の責任においてやっておることは御承知の通りでありまして、ただ担当大臣として私がその上にあって国会あるいは政治上の責任を負うということになっておるのが従来担当大臣の置かれておるゆえんでありまして、私が調達庁の担当であるがために、ただいま石橋委員の御懸念になるような労務管理について将来心配があるというようなことは毛頭起って参らぬと思います。もちろん防衛庁といたしましては、日米安保条約によりましてアメリカ軍と共同で日本の国土の防衛に当るということであり、かつアメリカからは莫大な軍事的の援助を受けておることは事実であります。しかしその問題と労務管理の問題とは全然別個の問題でございますから、十分そこには区別をして、そうして適正なる労務管理を将来も続けていくということにいたしたいと考えております。それは私がかわろうとかわるまいとその点において政府の方針は変らないと思います。
○石橋(政)委員 調達庁がきぜんとしておれば私もそう心配しないのです。ところがここにも書いてあります。このような冷遇と酷使を可能にしたのは調達庁の占領時代の情性からくる屈従的な態度にもよるとエコノミストに書いてあります。確かにそういう一面がある。だから私は先ほども申し上げた、今度のようなああいうだらしのない調印をしてしまつてにっちもさっちもいかなくなったような調達庁が、この問題の最終的な処理ができるはずはない。もう一つ上のレべルで、結局は担当大臣である船田大臣とレムニッツアー司令官の間で解決しなければならないような状態になるのではなかろうか。その担当大臣が、これがまたアメリカの援助を、ほとんど全部といっていいほど受けておる防衛庁の長官じゃおぼつかないという心配をしてちょっとお尋ねをしたわけですが、そういうことはないということでございますので、一つ十分に、正しいことは正しいとして、自主性をもって交渉していただきたいと思います。 特に最後に長官並びに調達庁当局に私申し上げておきたいことは、今度の制裁規程反対というこの組合の闘争は、労務基本契約発効を促進するための手段として行われているものじゃないということ、ここのところを錯覚に陥って、契約促進の一つの手段として制裁規程反対が使われているのだという甘い分析をされると、今後あやまちを犯しますので私は特にこの点を強調しておきたいと思います。 それから労働省の方にちょっとお尋ねしますが、さっき調達庁に尋ねましたときに、この制裁規程は就業規則の一部をなすものだと考えておる、しかし就業規則の全部じゃない、現在すぐに法令で定められた手続をしようという考えはない、全部整って就業規則が一つの体裁を整えたときに初めて届出もしよう、意見も付そう、こういうようなことを言っておりますが、一体そういうようなことが法令として許されるものかどうか。手続が完了しない以上私は就業規則の一部を構成する理屈は成り立たぬと考えますが、いかがですか。
○東村説明員 ただいまの御質問でありますが、私どもの方の労働基準法の関係でいきますと、労働基準法は就業規則というものを八十九条に規定して、細部について全面的に規定する要項を盛っております。従いましてその一部だけが就業規則であるといって届け出られましても、全部届け出られなければ就業規則が届け出られたものではないというふうに原則としては了解しております。しかし今回の問題に関しましては、全面的な就業規則を目下検討中であるという理由と、並びにこれが暫定的であり、新しい正規の就業規則を作るという前提、それからこの就業規則ができましても、いわゆる即時解雇等の問題につきましては、この制裁規程の内容に拘束されることなく労働基準局独自の立場で認定をするというふうに考えております。
○石橋(政)委員 どうもわかったようなわからぬような説明ですが、結論だけ言っていただきたい。結局制裁規程は就業規則の一部として労働者に適用しようと考えているのだ、しかし就業規則全部ではない、だから法令に定められた手続はまだしていない、調達庁はこう言う。そうすればこれは、完全に体裁を整えて手続が終るまでは就業規則とはいえないのではないか、こういう質問です。就業規則といえるかいえないかということだけ一つお答えを願いたい。
○東村説明員 ただいまの問題は、それは就業規則の一部であるということはいえる。ということで、もちろんその制裁規程だけが就業規則の全部であるということはいえないのは当然であります。
○石橋(政)委員 ということは、就業規則としての体裁を整えて完全に法令で定められた手続を終るまでは、法令に準拠した就業規則とはいえないということなんですね。
○東村説明員 法令の要請しておりますのは、就業規則としての必要記載事項というものがありまして、それを全部記載した就業規則でなければ瑕疵のある就業規則であるということになります。
○石橋(政)委員 労働省がそういう明確な判断を下したら私はもう裁判所の判決を待つまでもないと思う。結局この制裁規程というものは法令ではない、労働協約ではない、就業規則でもないということがはっきりした、そういう幽霊を日本政府と米軍との間に——国の間ではあっても私的な契約として調印しておって、それを勝手に駐留軍労働者に適用しようなんという理屈は成り立たぬというふうに私は理解いたします。最終的には裁判所が判決をすることと思いますので、それまで留保したいと思いますが、私の質問はこれで一応打ち切ります。
○大平委員長代理 門司君。
○門司委員 一つだけ大臣にお聞きするというより大臣の気持を聞いておきたいと思います。今まで石橋君が長い間いろいろの角度から質問を申し上げまして、質問の中に今日までの過程は大体おわかりになったと思います。そこで問題になりますのは、大臣も一つの行政庁の長でありまして、行政の執行をいたします場合の法律の取扱いについては十分私は御承知だと思います。この問題は、三年前、昭和二十八年にすでに新しい労務基本契約に基いてこういう規定が設けられなければならないというということは一応事実として現われているわけです。そういたしますと、法律の制定から、あるいは効果から考えて参りますと、この新しい労務基本契約に基いて諸般の規則なり、あるいは定めが行われるということが当然であってこれが新しい基本契約の前にあった占領中の規則に基いてこういうものが制定されるということは、法律を取り扱うものの行政上の処置としてはきわめてまずい行き方だと思う。こう私は考えざるを得ないのであります。大臣はこの点をそういうふうに率直にお認めになるかどうかということをこの機会に開いておきたいと思います。
○船田国務大臣 労務についての新協定というものができておって、それが適用されない、効力を発生しておらないということはまことに遺憾でございまして、それを発効さすべく現在努力をしているわけであります。しかし先般来労務部長が御説明申し上げたような事情によりましてその制裁規程を七月九日調印をしたということでありますので、これは基本協定が発効をして、そしてその一部としてその新基本協定に基いて制裁規程も制定され、効力を生ずるということになることが原則でなければならぬ、それが望ましいことであると考えております。
○門司委員 今の大臣の答弁では大体私たちの考え方とそう違わぬと思います。行政上の取扱いとしてはまずい、しかしやむを得ぬ事情があったということがそれにつけ加えられる大臣の答弁だと思います。問題は行政上の取扱いがはなはだまずい、処置としては不適当であったという大臣のお考えがあるなら、この問題の撤回も、あるいは今労働組合が要求しておりますようなことが、私は容易に行われなければならぬと思う。法の取扱いにつきましては非常にむずかしいのでありまして、ことにこういう問題を起す一つの原因がどこにあったかということも、この新しい労務基本協定というものがやはり災いをしている、これが一つのもとであります。この新しい労務基本契約というものができたということも、いわゆる講和条約発効後における行政協定の十二条に基く日本の労働者の当然の権利として要求されるものが二十八年のストライキによって獲得されておるのである。従って今日労働者の側から考えて参りますならば、このアメリカとの協定の上における基本の条約に基いた基本的権利というものが、新しい労務基本契約というような形で当然発効さるべきである。そのことを政府が今日まで怠っておる。そうして旧契約というか、いわゆる占領中の——私はこのことは厳密に法律的に解釈をしていくならば無効だと考える。講和条約も発効した今日まで占領中に取りかわされた協約というものが生きていようとは考えられない。今度の制裁規程の根幹をなしているのは、占領中の協約の七条に基いたものであることに間違いはない、いわゆる一方的に軍が労務の管理権を持っておったときと同じような形において、あるいは同じ考え方で、これができている。それならば法律的に考えて参りましても一つの疑義がある。こういう疑義のあるもの、と同時に、今大臣がお考えになっておりますように、行政上の処置としてはあまりいい処置ではなかったというお考えができるならば、法律を取り扱う行政庁の責任者としては、この点は十分大臣みずから考慮さるべきだ。今井長官や部長との間でこういう話があり、いろいろな問題がございましても、法律を忠実に守り、法律を忠実に執行しなければならない行政府の長であります大臣としては、この点十分考慮さるべきであったと考えております。大臣の見解をもう一度聞いておきたいと思いますことは、占領中のそうした協約が講和条約発効後の今日まで十分に生きて効力のあるものと一体大臣は断定されておるかどうかということを、この機会にあわせて聞いておきたいと思います。
○船田国務大臣 ただいま御質問の、この調印された制裁規程が有効か無効かというようなことについては、私法律的な研究をいたしておりませんから、この点は事務当局から答弁してもらうことにいたします。しかしその解釈は別といたしましても、新労務基本協定に基く制裁規程が行われるようにする、少くとも日米共同管理という原則を持って、そうして合理的な労務管理をするという方向に進めるべく、今せっかく努力をいたしておるのでありまして、米軍側としてもわが方の主張をいれて、そうして先ほど来御説明申し上げたように、日米合同委員会のもとに、専門委員会を開き、もうすでに数回もやっておるし、また労務代表を加えた三者会談も近い将来に開いてもいいというところまできておりますから、あらゆる努力をいたしまして労務者諸君の納得のいくように労務管理を進めるようにいたしたい、かように考えて、今後におきましてもその方向に向ってせっかく努力をいたして参りたいと思います。
○門司委員 もう一つだけこの際政治的なことを聞いておきたいと思います。それは今の大臣のお話でございますが、せっかく努力中であるということであってこれは月並みな御答弁でありまして、別にわれわれこれをありがたくちょうだいするわけには参らぬかと思いますが、努力はお願いしたいと思います。 もう一つ次に聞いておきたいと思いますことは、国内法として当然適用を受けなければならない日本の労働者、これはさっき申し上げましたように、行政協定の十二条にもはっきりそう書いてある。ことに保護という文字を入れておる。それから同時に国内法であります例の労働基準監督署の所管になっております労働条件に対する問題等も、先ほどからいろいろ質問もあった通りでありますが、この機会に私は労働省に一応聞いておきたいと思う。労働省はこの規定を手続をしなかったというから、おそらく御存じなかったということに答弁があるかと思いまするが、内容を十分検討されたことがあるかないかということをこの際明らかにしておきたいと思います。
○東村説明員 制裁規程そのものにつきましては私の方、つまり本省の方へ参っておりまして、一応内容は検討しております。各監督署の方へは参っておりませんが、本省の方へ来ておりますので検討しております。
○門司委員 その場合に、この労働基準法に違反した個所はなかったというように解釈されておりますか。
○東村説明員 手続的なことは別といたしまして、内容につきましては労働基準法に直接触れる——制裁規程の問題につきまして直接触れるというのは現在のところ見当っておりません。
○門司委員 現在のところは見当っていない、こういう答弁ですが、個々の問題をずっと検討していく場合において、労働基準法に必ずしも抵触していないという部面がないというわけにはいかないんじゃないか、これは今ここで個々のこまかい問題を議論する必要はないと思いすが、そういたしますと、労働省としては先ほどの質問の内容、あるいは答弁から聞きましても、これは不問に付しておく、いわゆる全体が出てきたときに初めて就業規則であって、その一部であるとするならば、何も届出の必要はないのだ、許可の必要はないのだというようにお考えになっているように私拝聴したのだが、その通りに解釈しておいてよろしゅうございますか。
○東村説明員 不問に付しておくという——一部であることは事実でありまして、それが就業規則としての事実上の効力を持つということは間違いないと思うのです。ただその一部で現在の問題を打ち切るということではなくて、近い将来私どもといたしましては正規の就業規則が出るであろうということを御期待申し上げるわけであります。 それからもう一つ個々の問題について労働基準法と抵触する点でありますけれども、制裁規定自体の建前が労働基準法に触れるということはないわけでありますが、具体的にこのケースを当りまして具体的に事案が発生した場合に、私どもの方の労働基準法の解雇の仕方があるわけですが、その解雇の仕方に具体的ケースといたしまして抵触すれば、そこに労働基準法の問題が起る、そういうふうに了解しております。
○門司委員 これはこの問題と別になるかもしれないが、念の一ために聞いておきたいと思うのだが、今のような労働基準法の解釈であるとすると、この場合でも同じことですが、非常にずるい考え方を持って、全体の届出をしない。これは一部でございますからといって届出をして、しかもそれは効力があるということになると、これは非常に大きな問題を私は起してくると思う。この場合もこれは完全に当てはまっておるのである。少くとも制裁規定を含んでおりまする、労働者に対して就業規則の中で、最も重要な制裁規定でありますものが、一部であるからこれは届出をしなくてもいいのだ、しかしこれは生きているのだというような解釈をもし労働省がしておるということになれば、これはえらいことになりはしませんか。将来あまりたちのよくない資本家は、これをまねて、これもあれも就業規則の一部だからといって労働省に届け出ないでおいて、正式の手続をしないで、しかもその規定は生きているということになったら、これは労働者は助からぬでしょう。この場合もそういうことなんですよ。労働者にとって最も悪い規定ですよ、制裁規定といっても解雇規定ですから。しかも最も悪い規定が、しかも正式の手続が踏まれていない。いずれ近いうちに全部お出しになるからそのときでいい。しかも効力は発生しておる。こういう労働省の解釈は基準法自身の精神を踏みにじってはおりませんか。労働三法自体は労働者の保護法ですよ。保護法であることは間違いないのですよ。法の精神が保護法であるというような立場に立ってものを解釈していけば今のような答弁はできないはずです。だから私はあなたの方の東野さんでなくて局長か大臣に出てきてもらいたいと言ったのだが、文字通りに解釈して文字通りに仕事をしていけばそういうことが出てくるかもしれない。しかしそのこと自体が労働者に及ぼす影響は非常に大きなものだ。今度の場合も成規の手続をしなければ——もしこの制裁規定というようなもの、あるいは就業規則というようなものが完全でなければ、労働省がこれを適用してはならないというはっきりした立場をとっておれば、こういうものが直接労働者の頭には振りかかってこない。しかし労働省が全部の手続をしていない。しかも調達庁は手続をしていないと言っておる。にもかかわらず労働省が部分的に効力を発生しておるという解釈をするにおいては言語道断である。それが政府の統一した意見ですか。この点を一つはっきりしておいてもらいたい。
○東村説明員 一つ先ほどの問題に関連してお答えしておきますけれども、制裁規定自体と労働基準法という問題につきましては、労働基準法九十一条に制裁規定に関する規定が一ケ条あるだけであります。 それからただいまの届出がしてない場合にそういう就業規則なり制裁規定なりの効力はどうなるかという御質問でありますが、届出は効力発生の要件ではないということが学説、判例、私どもの解釈であります。つまり就業規則の制定権は一応使用者側にあるというような解釈でありますし、学説、判例であります。ただし実際問題といたしましては、労働者側の意見を聞くという点で一つのチェックをいたしますし、そういう手続がなければ刑事上の責任を負うという点で、われわれの方の監督の対象になるわけであります。
○門司委員 そういう条文だけをあなたがお読みになればそういうふうに書いてあるかもしれない。またそういう取扱いをされておるかもしれない。しかし問題はさっき申し上げましたように、この法律が労働者の保護法であるという一つの観点と、就業規則についてもそうした労働者の意見を聞かなければならないという一つの法則、これらのものを法を施行する場合に具備しておるということが正しい法の解釈であり、法の運用上の一つの条件でなければならない。運用上の条件ということを、許可とか認可とかあるいは権限がどちらにあるということでなくて、運用上の条件が具備していないものを労働省が認めてそれていいのだということになれば、これはおそらく完全な法が守られない一つの大きな原因になりはせぬか。制裁規定が一方的に使用者側の権利であるという解釈についても、われわれは必ずしもそれをそのまま受け取るわけには参りません。一体どこにそれが権利として認められた法律があるのか、今慣例上だとか判例上だとかいうことがいろいろ言われておりますが、そういうことがあるから、この中に労働者の意見を聞くということをはっきり書いておるのである。同時に就業規則自体についてはおのおのの立場から、これは労働者と使用者側との間における協約に基く一つの条項であります。これはあなたも御存じでありましょう。従って協約に基く一つの条項であるとするならば、その協約に基いて労働者の同意がなければならないということは、先ほど石橋君が言った通りである。しかも調達庁と労働組合側との間の協約には書かれておる。十五条にはっきり書いてある。これが単に使用者側の権利であるというようなことでないということは、今申し上げましたように、少くとも就業規則である限りにおいては、いわゆる労働協約の中にこれが織り込まるべき問題である。その労働協約の中に労働者との合意の上でこれをきめるということが明確になっておる。しかもそのことが十分に行われておらないということは事実である。そういうものが部分的に発効してもそれは差しつかえないのだ。労働省は、全体のものの一部であるからそういうものも差しつかえないのだということになって参りますと、個々の組合と使用者側との間において取りきめた協約が全く無視されることになる。従ってもう一応この際聞いておきたいと思うことは、この就業規則をきめる場合には——むろん制裁規定も就業規則の一環に違いない。従って、就業規則をきめる場合には、労働組合との間に取りかわされたこの協約の効力というものは、これを拘束するかしないか、今の労働省の意見では拘束しないという意見に聞えるが、われわれはこれを拘束するものと考える。その点の見解をもう少しはっきりしておいていただきたい。
○東村説明員 私ただいま申し上げましたのは、労働基準法の九十条の法律について申し上げました。つまり法律では就業規則を制定する場合に労働者の意見を聞かなければならないということになっておるけれども、その意味は必ずしも同意という意味ではないということを申し上げたわけであります。今御指摘のように、それとは別個に、労働協約等において協議ないしは同意を要するということになっておる場合は問題は別であります。その協約に縛られて協議をするという形をとることは、労働基準法の問題を離れて、これは当然約束でありますからやられると思います。ただ手続上の問題といたしまして、労働者側の意見を聞けば、労働基準法上は、われわれ行政官としては、それ以上同意を得なければならないという法的な論拠はないのだというような意味のことを申し上げたわけであります。労働協約に協議約款、いわゆる同意約款というようなことがいわれておりますが、そういうようなものがある場合に、われわれの方の法律の関係といたしましては、九十二条というのがありまして労働協約や法令に就業規則は抵触してはならないということが明示されております。ただしその場合に協議約款ないし同意約款に違反するということは、この労働基準法でいう労働協約に違反してはならないという問題とは別個である。つまり労働協約に就業規則が違反してはならないという意味は、労働協約の規範的部分に就業規則が違反してはならないという意味であるとわれわれは解釈しております。同意約款、協議約款は規範的部分とは考えられない、こういうことであります。
○門司委員 そういう回りくどい説明を聞いてもわからない。これば一つの部分発効である。全体的の就業規則ではない。さっき申し上げましたように、協約の中には合意でなければならないということが書いてある。とすれば、合意でなければならないということは——部分発効がやれるのだということは労働基準法の形からいけば、あなたの今言うように言えるかもしれない。しかし労使の間で取りかわした労働協約はそれを拘束するかしないかということである。あなたの言うようなことだけを言っておれば、拘束しないということになる。拘束しなということになれば協約は何もならぬということになるでしょう。一体これはどっちに重点を置くつもりなんですか。今の労働省のような答弁なら協約なんて幾らしたって何にもなりやしませんよ。
○東村説明員 労働協約において協議約款なり同意約款がある場合に、それに拘束されるということは当然だと思います。労働基準法でいう問題ではなくて、その約束に拘束されるということは当然だと思います。ただその場合に具体的な問題といたしまして、協議するということが実態判断としてどの辺までやられた場合には協議するということになるか、あるいはどの辺までやられなければ協議したということにならないかということはありますが、たとえばそういうことが要求されておるのにそれを経ないとしたならば、その就業規則の効力はないということが判例等では現われておるわけです。
○門司委員 大体問題ははっきりしてきました。今の答弁からいえば、過程に多少のいざこざはあっても、協定が無視されておる場合には無効だというなら、私はこの規定は無効だという解釈をする。従って調達庁に、今の労働省の答弁がその通りであるとするならば、われわれとの間の協約上の違反であるからこれは無効であるという立場に立ってもらいたい。そうして大臣ももう一応その根本のことを考え直してもらいたい。 それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、この機会だから一応解釈を聞いておくのでありますが、これは大臣でなくて、部長さんから答弁を瀬いたいと思います。米軍との間におけるいわゆる使用者と雇用主との関係、この場合正しい理論的の労務管理の権限はどちらが持っておるかということです。これは雇用主と使用者です。いわゆる米軍が使用者であって、日本政府は雇用主である。労働者に対する権限というものは一体どちらが持っておるのか、この点調達庁はどう判断されるか。私がこういうことを聞いておりますのは、軍が一方的に強制的にやるという強い意思表示をしておるからやむを得ず判を押したのだということがしばしば言われる。そうすると雇用主である日本政府は、使用者の言うがままに動く使用者のかいらいみたいなものであって、あまり権限のないものだとわれわれは解釈しないわけにいかぬ。一体その権限はどちらが持っておるのか。使用者はむろん使用者としての立場から意見はあるでしょう。しかしそれは意見であって、われわれの解釈では、使用者の労働者に対する権限とは考えていない。少くとも労使間の問題は、雇用主であるものに権限があると私は思う。そうわれわれは解釈をいたしておりますので、この場合一体どっちが権限を持っておるか、これは旧契約の占領中の時代は明らかに軍が持っておったかもしれない、占領軍という特殊の立場がありましたから。しかし講和条約発効後における今日の状態では、その関係は非常に大きく変らなければならぬ。だから、同じようなものの考え方で今度の規定もされておるようですが、その考え方に対する、解釈に対する調達庁の意見は一体どうなんですか。どっちにウェートを置いて始末をすればいいかということです。
○小里説明員 調達庁は法律上の雇用主という立場に立っております。ただいま労務管理上の責任をどっちが持つかというようなお話でございますが、労務管理ということは、これは労働者に十分その能力を発揮させて目的とするところを完遂するということでございますので、日本政府が雇用主としての立場からそういう労務管理上の責任を持ち、米軍は実際に使用しておるという立場から、いかにすれば労働者が十分能力を発揮して目的とするところを遂行するかという意味で、実際上の労務管理上の責任と言うとちょっと語弊がございますけれども、そういう意味の労務管理をやる立場にございます。
○門司委員 私これ以上質問をしてもおそらく答弁は非常に困難だと思いますから、あまりこの問題をしつこく申し上げませんけれども、われわれの考えておることは、少くとも使用者である米軍は、直接仕事をしておる関係から、労務管理については希望を申し述べることはできるでありましょう、また言わなければならない立場にあるでありましょう。しかしその場合においても、これは当然、いかなる事態があっても日本政府の意向というものがその中に必ず出てこなければならぬ。雇い主はあなた方でありますから、首を切る権限というものは軍にはないと私は思う。解雇の権限はあなた方がお持ちになっておると思う。彼らは、希望するかもしれない、こういう者については解雇をすることがいいと考えておる、こういうものについてはこうすることがいいと考えておる、彼らは業務上の立場からこれを希望するかもしれない。しかし労務者に対する権限というものはあなた方がお持ちになっておる。そうするならば、この制裁規定の中心も当然の法律上の雇い主である調達庁にその中心が置かれなければならぬ。その中心である調達庁が、使用者である米軍が一方的にやると困るから、一つこれは何とか判を押したらよかろうというばかばかしいことでこれに調印されたということ自体について、一つの誤まりがなかったかどうか。私はこれが一つの大きな誤まりであったと思う。調達庁は雇用主ですよ。軍は使用者である。使用者の意見は即雇用主の意見を代表しないということである。これは労働省も認めると思う。労務管理上当然そうでなければならない。たとえば人入れ稼業をする仲介人があっても、使用しておる一つの会社は、どうもあの労務者はよくない、これは何とかしてくれといってくるかもしれない。しかしそれは使用者である会社が直接その本人に申し渡しても、それが有効であるか無効であるか、私は無効であると考える。やはり雇い主から宣告することが当然だと思う。この場合の調達庁のものの考え方はおかしいと思う。ことに講和条約発効後における今日の状態になって、調達庁が依然として今のようなちっともわからぬ答弁をされるようでは困る。ここで議論をしても果てしがないから、これ以上私はいたしませんが、少くとも日本の調達庁は、労働者に対しては、自分たちが全責任を持った雇い主である、軍は使用者としての希望は言うであろう、しかし雇い主としての立場は厳に保つべきであるということは、これは行政協定の十二条にはっきり書いてある。行政協定を守ったらどうなんです、あなた方は。日本の政府はむやみやたらに行政協定、安保条約は守りたがるが、このことだけにあまり協約を守りたがらぬということはよくないと思います。これは私の意見として申し上げておきますから、一つ大臣もその辺は十分御了承願いまして、この事態の収拾と解決のために最大の努力をしていただきたいことをこの機会に申し添えまして私の質問を終ります。
○大平委員長代理 残余の質疑は後日に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十三分散会