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24回国会衆議院1956/07/10

内閣委員会 第55号

発言数
4
登壇者
2
会派数
1
開催日
1956/07/10

会議録

山本粂吉自由民主党

○山本委員長 これより会議を開きます。  南方連絡事務局に関する件について調査を進めます。この際石井南方連絡事務局長より沖繩の土地問題等について説明を求めます。石井説明員。

石井通則総理府事務官(南方連絡事務局長)

○石井説明員 沖繩の土地問題について一応経過を御説明申し上げたいと思います。沖繩の土地問題は、終戦以来いろいろ軍の使用、接収等のために、現地の人口は非常に多いし、土地面積が少い上に広大な土地が収用されて参りまして非常に従来からも問題であったのでございますが、特にこの接収の過程がだんだん発展いたしまして、今日御承知のように、あるいは土地の長期使用権といいますか、所有権といいますか、そういう種類のものをアメリカ側が取得する。そうしてこれにつきまして一括払いという方式をとるというようなことになりまして、現地が非常にこれに対して反対いたしておるのでございます。そこでこの長期使用権の設定とかあるいは一括払いというような問題がいつごろから発生したかということから御説明申し上げたいと思います。  まず一九五四年、昭和二十九年でございますが、その一月二十九日に米国下院東南アジア及び太平洋派遣特別調査団が参りまして、これがアメリカの下院の外務委員会に視察報告書を提出いたしたのでございます。それは、現在り土地賃借制度にかえて現金支払い決済を勧告するというふうなことでございましたが、これに土地賃貸料の一括払いを示唆いたしたのでございます。その後同年三月十七日に米国の沖繩おける民政府民間情報教育部の方かり、米軍当局は四万五千エーカーに上る沖繩の土地を購入し、三千五百名の沖繩住民を八重山に移住させる資金を獲得するであろうというような方針を明らかにしたのでございます。これに刑しまして比嘉主席は、米軍が引き揚げるときには無償で地主に返還するという条件で契約するとのことであったというように、軍の意向を説明いたしておるのでございますが、これに対しよして各政党、各新聞等は強い反対の態度を示してきたのでございます。こういうように、一般の世論の反対が強固であることがわかりましたのと、琉球政府のブラムリー民政官は三月二十四日に記者会見を行いまして、陸軍省は議会に軍使用地料資金の割当要求を行うことを決定したこと、所有権は地主に残る方法で、収用するものであること、及び右は沖繩土地委員会の委員の進言や専門家の意見を参考としてオグデン副長官が陸軍省に進言したものであることを明らかにいたしたのであります。そうして所有権が地主に残る方法での収用については、土地供用の期限が定められないから、地料の全額を一時に使用料として支払うことで、買い上げるのではないことを説明して、地主が決定を見た地料額に同意しない場合には、布告、布令等によって収用するというような趣旨の説明をいたしたのであります。また一方米国議会では一九五四年四月九日に沖繩の借地四万五千エーカーを現金で買い上げるということについて討議をいたした模様でございます。  こういうことになりましたので、沖繩の立法院では軍用地問題の重大化にかんがみまして、軍使用地特別委員会を設置いたしまして、一九五四年四月三十日に軍用地処理に関する請願、決議をいたしたのでございます。その内容は、アメリカ合衆国政府による土地の買い上げ、または永久使用地料の一括払いは絶対に行わないこと、現在使用中の土地については、適正にして完全な補償がなされること、使用料の決定は、住民の合理的算定に基く要求額に基いてなされ、かつ評価及び支払いは一年ごとになされなければならないこと、アメリカ合衆国の軍隊が加えた一切の損害については、住民の要求する適正補償額をすみやかに支払うこと、現在アメリカ合衆国軍隊の占有する土地で、不要な土地は早急に解放し、かつ新たな土地の収用は絶対に避けること、こういう請願決議をいたし、民政府あるいはアメリカ本国に対して要請をいたしたのでございます。これらの状況に関しまして、外務省では在米大使館から米国側の考え方、あるいは米国議会の審議ぶり等について照会をいたしたのでございますが、国防省としては、特に本件解決のためのみの特別立法の要請の計画は行わないこと、あるいは沖繩における施設については、一般に軍用施設建設権限法案というものが出されておったようでございますが、そのものには沖繩のものは含まないであろうというような、向うの情報があったようでございます。その後昨年の四月十三日ごろに、国防省が沖繩の土地問題解決のために、軍用地使用料の一括払いを行うような法案の提出を準備しておるような模様が報道されたのでございまして、これに関しましても、アメリカの日本大使館からいろいろ米国政府に照会いたしましたところ、国防省当局といたしましては、沖繩の地主が希望すれば、現行賃貸料制度にかえて土地の現実価格を一括払いし、一種の期限のない地上権を設定するような考えであるが、この場合においても、土地所有権は依然として地主に存続するような説明があった模様でございます。  こういうように、昨年の四月ごろからそういう法案が提出されるような状況の報道が参ったのでありますので、沖繩といたしましては、これに関しましていろいろ検討の結果、前に申し上げましたいわゆる一括払い反対、新規接収反対、あるいは完全なる補償を行なってもらいたい等の要求をいろいろ検討いたしましてそうしてこの問題が、結局沖繩の現地において民政府と交渉いたしても、なかなかその沖繩側の要望が達せられないというように考えまして、昨年代表団を米国に派遣して直接ワシントン政府並びに国会に訴えることといたしたのでございまして、その際比嘉主席以下六名を選定いたしまして、昨年の五月二十三日に沖繩を出発して渡米いたしたのでございます。ワシントンにおきましては、これらの比嘉主席以下の代表団が、あるいは国防省当局に訴え、あるいはまた議会等にも訴えたのでございますが、六月八日に下院軍事委員会におきまして、沖繩側の代表者の証言を求められまして、その際、先ほど申し上げました趣旨の、いわゆるこの四原則を強く要望いたしたのでございます。その結果といたしまして、一応同委員会におきましては、沖繩の土地使用に関しましては、さしあたり従来通りの方法で行い、今のところ長期地上権を決定しないこと、及び適当に組織された分科委員会を、秋ごろに沖繩に派遣いたしまして、十分現地事情を調査視察の上に、その委員会において勧告を行わしめるというような決定をいたしたのでございます。その決定の結果といたしまして、昨年十月下院軍事委員会はメルビン・プライス氏を団長とする七名の調査団を現地に派遣いたしまして現地におきましても、二十四日、二十五日の両月公聴会を開き、また現場の視察等をいたしまして、帰国いたしたのでございます。  比嘉主席一行が渡米いたしました帰りに、私ども比嘉主席のアメリカにおける状況等の報告を聞いたのでございまするが、その報告では、沖繩側の四原則が十分に聴取せられ、おそらく調査団が派遣せられて視察調査の結果は、そのいわゆる一括買い上げ、あるいは長期使用権の設定については再考慮されるであろうというような、相当希望的な報告を聞きまして、一応われわれといたしましても、その成り行きを観察いたしておったのでございます。ところが沖繩側あるいはまた本土側におきましても、二月、三月ごろからいつプライス報告が出るか、非常にその結果を期待いたしておったのでございまするが、プライス団長が現地に参って調査いたしましたあと、約七カ月あとの六月八百に至りまして、正式に調査報告がなされて、十一項目にわたる勧告が行われ、その勧告の要旨が沖繩側において発表されたのでございます。右のように、従来相当以前から一括払いあるいは長期使用権に対する非常に強い反対をいたしており、またプライス団長の報告にはある程度是正される勧告がなされるのではないかというような期待も持っておりましたので、この報告書の現地に与えた影響というものは非常に大きかったことは、皆さん方の御承知の通りでございます。  そこで、このプライス報告が公表せられましてから現地におきましては、いろいろこれが対策を検討されたのでございますが、特に立法院におきましては、緊急本会を開きまして、比嘉主席等の出席も求め、また比嘉主席から特にこの問題解決のための立法院の協力の要請がありましたので、いわゆる立法院あるいは行政府その他関係団体が一体になってこれに反対するということに相なり、まずその中心となっていろいろ対策を立てる組織といたしまして、立法院、行政府、軍用土地連合会、市町村会の四者会談を設けましてこの問題の対策、運動その他一切の方針をここで相談するということにいたしたのでございます。なお立法院におきましては、従来掲げておりました四原則の貫徹のために、あるいは大統領、国防省その他アメリカ側に対する要請状、あるいは日本政府に対するこれが解決のための努力方の要請等について決議を行い、また比嘉主席自身も電報、書簡等によってアメリカ大統領その他関係方面にプライス勧告の撤廃を要求いたしたのでございます。  こういうように現地の状況は、プライス勧告の発表以来非常に強固な態度をもってこれに対する反対表明をいたし、御承知のごとく日本政府が直接アメリカに交渉するように、あるいはまた日本の国民があげてこの沖繩側の反対方針に協力してもらうための国民運動といいますか、国民に訴えるために、御承知のように、今回四名の代表が来ていろいろ関係方面の陳情あるいはわれわれとの会談等もいたしておるような次第でございます。  この土地問題は、私ども思いますのに、終戦後長い間軍用土地によって苦しめられて、ことにその間にあるいは伊佐浜、あるいは伊江村、その他の軍用地の強制接収が、非常に苛酷な取り扱われ方をいたしたようなこと等もあるようでありますので、現地の反対は非常に強いわけでございます。われわれ特に南方連絡事務局といたしましては、できるだけこれらの実情を把握し、調査いたしまして外務省にも十分に資料を提供し、また説明をいたしまして、外務省から特にアメリカ側と折衝していただくように依頼をいたしたような状況でございます。  非常に概略でございますが、なお不足の点等につきましては御質問によってまた御説明を申し上げたいと思います。

山本粂吉自由民主党

○山本委員長 この際お諮りいたします。本問題に関し、外務委員会に連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本粂吉自由民主党

○山本委員長 御異議なければさよう決します。連合審査会は明後十二日午後一時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時十九分散会

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