内閣委員会 第53号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/06/01
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 閉会中審査に関する件について、お諮りいたします。御承知の通り、国会法第四十七条第二項の規定によりまして、委員会は議院より付託されました案件については、閉会中もなお審査することができることになっております。当委員会といたしましては、会期中法律案並びに所管事項について、国政に関する調査を行なって参ったのでありますが、閉会中もその審査を進めて参りたいと存じますので、閉会中審査案件を議長に申し出ることとし、その案件は国家行政組織法の一部を改正する法律案、大蔵省設置法の一部を改正する法律案、栄典法案、内閣法等の一部を改正する法律案、国家公務員法の一部を改正する法律案、事務次官補を設置するための外務省設置法等の一部を改正する法律案、内政省設置法案、内政省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案及び国務大臣の私企業等への関与の制限に関する法律案、行政機構並びにその運営に関する件、恩給及び法制一般に関する件、自衛隊に関する件、調達庁に関する件、公務員の制度及び給与に関する件及び南方連絡事務局に関する件等といたしたいと存じますが、御異議ありませんか、 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なければさよう取り計らいます。 —————————————
○山本委員長 次に委員派遣に関する件についてお諮りいたします。ただいま決定いたしました閉会中の審査案件が院議により付正されました際は、各地に委員を派遣しましてその実情を調査いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なければ、さよう決します。 なお、派遣委員の氏名、派遣地名、派遣期間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なければ、さよう決します。 —————————————
○山本委員長 この際御報告申し上げます。本会期中におきまして本委員会に参考送付となりました陳情書は、ただいまお手元に配付いたしました通り五十一件であります。その内容等につきましては、本書により御承知置きを願います。 —————————————
○山本委員長 次に南方連絡事務局に関する件について調査を進めます。本件について、床次委員より発言を求められております。この際、これを許します。床次君。
○床次委員 私は沖縄におけるところの米軍の土地使用に関しまして、その損失補償の措置について政府はいかに考えておられるか、もし政府においてその対策がなければ適当な措置をすみやかにとるべきであるという意味におきまして質疑をいたしたいと思うものであります。 昭和二十年八月の終戦から昭和二十七年四月の講和条約発効までの七年の間に、米軍が駐留しておりますのに対して、軍事的目的による強制収用によってこうむったところの沖縄住民の財産上の損害はいまだ補償せられておらないのでありまして、この関係の住民は十四万三千世帯であり、関係人員の数は六十三万余人に上っておるのであります。この影響を受けまして、更生の余力もなく、その生活は非常に低下しておるのであります。一部におきましては、今日沖縄は、いわゆる駐留軍の関係により非常にいんしんをきわめておるというような説もあり、また一部特殊産業に関ましては相当の復興を見ておるのでありまするが、その背後におりまして、ただいま申し上げますような非常な苦痛があるのであります。 少し詳しく申し上げますと、今日米軍の軍事基地として使用されておりますのは、総面積の一二・七%が軍用地でありまして、約五十六万坪ばかりであります。しかもその四四%が農地でありますので、関係農民が非常な苦痛をなめておりますことは申すまでもありません。しこうしてこれらの土地に対して補償が行われておるかという点に関しましては、しばしば問題となっておるのでありまするが、米軍の補償額はまことに少いのでありまして、この点問題を惹起しております。しかしながら講和条約発効後の問題に関しましては米国との関係でありますので、外交的な処置によりまして処理すべく、今日におきましてもいろいろと努力をしておるのでありますが、私が本委員会において特に御考慮願いたい、また政府に対して善処を求めたいのは、講和条約発効前の問題なのであります。この発効前の七年間の土地の補償に関しましては、実は平和条約の第四条の(b)、第十九条によりますると、日本の上請求権放棄の理由をもちまして、これはアメリカが負担すべきものでないということを、アメリカ側でははっきりとした意思表示をいたしておるのであります。従ってこれに対する補償は、結局母国でありまするわれわれが処理すべきより道は残されておらないのであります。しこうしてこの沖縄における事実と同じような事実が、もしも内地の各地にありましたならば、これはすでに制定されておりますところの昭和二十年勅令第六三五号並びに進駐軍の用に供する土地の損失補てんに対す要綱によりまして、当然損失補償が行われなければならないものであります。もしもこの損失補償が適用せられるとすれば、約百七十億円に達する計算が出ておるのであります。この機会に私は政府に対して、今日までいかようにこの問題を考えて処理して参ったかということについてまず伺って、今後の措置に対して考究を進めたいと思うのであります。この際政府のこの問題に対してとりました処置またその所見を伺いたいのであります。
○石井(通)政府委員 沖縄の軍用地の問題につきましては、南方連絡事務局といたしましては、たえず現地の状況について、あるいは情報あるいはまた資料を集めまして検討して参ったのでございますが、講和発効前におきましては、極東軍の指令によりまして補償をする建前になっておったのでございます。そこでいろいろアメリカの民政部におきましても、土地の調査等をやっておられたのでありますが、若干の補償が調和発効前に行われたが全般に及ばなかったということを聞いておったのでございます。その後沖縄における関係者が、いろいろ自発的に調査されまして、この三月に陳情を受けたのであります。その内容は非常に複雑膨大なものになっております。従いまして政府といたしまして、これをできるだけ調査いたしまして、その内容も検討しなければならぬと考えておるのでございますが、その具体的な措置につきましては、それら調査検討をいたした上で、関係各省と協議いたしたい、こういうふうに考えております。
○床次委員 ただいまの御答弁によりますると、一応政府も考究しておられるようでありますが、今日までのところの政府の御意見といたしましては、沖縄に対しましては内地諸地域に対するごとき法律的の処置を講ずべき手続がなっていない。従ってこれが放任してあるんだと思うのでありますが、さようでございますか。
○石井(通)政府委員 沖縄における軍用地の補償に関しましては、本土の法律が及んでいないわけでございます。そこで講和発効前の補償をどうするかという問題に関しましては、現在のところ法律的な基礎がないわけでございまして、関係当事者も、アメリカからこの補償を受くべきではないかということで、アメリカ側にも相当陳情されておったと聞くのであります。それがアメリカ側では補償すべきでないという意向もあるようでございますので、それらの点をいろいろ検討いたしました上で今後研究していきたい、こういうように考えております。
○床次委員 内地において適用せられたごとく沖縄にはそのまま適用することができないという法律の解釈は、一応考えられるのでありますが、しかしそれだからといって補償しなくてもいいものだとは考えられない。ただいまの御答弁も大体そういう含みだと思うのでありますが、われわれ母国といたしまして、従来の日本の立場におきまして、日本の旧領土ありましたところが占領地になっておるという状態でありますので、内地の各府県に適用せらるるがごとき規則は適用せられないにいたしましても、これに匹敵するがごときことは考慮すべきものであると思うのでありますが、この点に対しましては、やはり何か補償をすべきものではないかということについて、政府も考えておられるように思うのでありますが、その点をあらためて御答弁をいただきたいと思います。
○石井(通)政府委員 御承知のように、現在の法律は沖縄に適用されておりません関係から、沖縄にはその法律をそのまま実施するということは困難であろうと思いますが、沖縄の現状がまことに気の毒な状況にあるということは、私どもとして十分承知いたしておりますので、これらの点も考慮して、今後関係各省とその措置について研究をいたしたいと考えております。
○床次委員 私はこの問題は、わが国といたしましても当然必要な措置を講じなければならぬものと考えておるのでありまして、この点さらに委員各位にも御協力を仰がなければならぬと思うのでありますが、一応お聞きしたいのは、今日におきまして、内地においてはこの問題の処理に対しましては調達庁が当っておるのでありますが、沖縄に関しまして考慮するといたしますと、調達庁の所管ではないということは一応言えると思います。従ってわが国の今の官制から申しますと、南練がこれに当るべきものと思いますが、所管についてはさように考えてよろしゅうございますか。
○石井(通)政府委員 南方連絡事務局の所管といたしまして、南方と南西諸島との各種の懸案事項を処理あるいは推進するということになっておりますので、お説のように当然南方連絡事務局は中心になってこの問題を検討すべきものと考えております。
○床次委員 内地においてはすでに措置要綱によりまして、それぞれ調達庁において処理しておるのでありますが、南洋に対する考え方といたしましては、これに準じた処置が必要なんではないかと思うのであります。この点先ほど申し上げましたように、内地の補償の計算を準用して地元で調査したところによりますと、百七十億ばかりになる。相当の金額になるのでありますが、この点政府といたしましても、よほどの努力をしなければならないと思うのであります。それだけに、反面におきまして、地元では苦痛が大きいということが明らかであります。従って今後政府に対しましてできるだけの処置を要望いたしたいと思っておるのであります。この際、地元から幸いにして代表者が見えておりますので、委員会の終了後におきまして、特に地元の実情を御聴取いただくように、委員長においてお取り計らい願いたいということをこの機会に申し上げておきます。次に私は、今の事情が大体おわかりになったと思いますから、委員各位におかれましても、大体の今後の措置についてはお考えをいただけると思いますが、私はこの社会に当委員会におきましても、この問題をやはり積極的に取り上げてぜひ妥当な結論を出すように、一つ処置せられんことを要望いたしたいのであります。またこの処理のためには、当然現地の調査ということも必要になって参りますので、現地を調査するところの措置を講ぜられたいのであります。沖縄に関しましては、単にただいま取り上げましたところの講和発効前の軍用地に対する補償の問題のみならず、講和発効後におけるところの米軍の使用地に対する補償問題に関しまして、別途アメリカ側に対しましてもいろいろの問題が発生しておるのでございます。この点わが国といたしましては、いろいろと現地に対して十分な認識を持つことが必要だと思います。このためには、国会より議員団を派遣いたしまして、この二つの問題並びに関連した問題を調査することが、非常に適切だと思っておるのであります。当委員会におきましては、かって沖縄におけるころの恩給問題等の処理のために委員を派遣したことがあるわけでありまするが、この問題に関しましては全く事実をよくつまびらかにしていないという状態でありますので、国会において議員を派遣し、そうしてこの問題が調査せられて、適当なる結論が得られるように、当委員会として一つお計らいを願いたいと思うのであります。 この点に対して特に委員長に対してお願いをいたしたいと思うのであります。皆様の御賛同を得まするならば、ただいまの二つの問題を一つ当委員会の決議として、取り上げていただきたいと思うのであります。委員の各位にお諮りをいただきたいと思います。委員長におかれまして御要望をお認めいただけますならば、一応私の手元に準備いたしました決議案とでも申しますか、案文を朗読いたしまして、御参考に供したいと思います。
○山本委員長 さように願います。
○床次委員 それでは案文を朗読いたします。なおこの案文は多少不備なところがあるかと思いますので、後刻必要があれば御訂正を願いますが、その意味においてお聞きを願いたいと思います。 沖縄は平和条約発効後、その行政が分離され、アメリカの管理下におかれざるを得なかった結果、終戦以後今日すでに 十年を経過しているにも拘らず、平和条約発効前アメリカ軍に接収された土地の補償、元県吏員の恩給等各性の懸案が殆ど未解決のまま放置されている。ために沖縄八十万の同胞は物心両面において苦難に喘いでいる。 ついては政府はこの実情に鑑み、平和条約発効前における接収地等の補償につき、速かに必要な国内的措置を講ずるとともに、元沖縄県有給吏員の恩給に関する懸案等その解決につき善処すべきである。 なお当委員会としては右の事項調査のため国会より議員団を派遣して実情をつぶさに調査し、現地の泣訴を親しくきき、もって同胞の熱願にこたえうるよう処置すべきであることを認める。 右決議する。 ただいま申し上げましたような趣旨であります。委員各位の御賛成を得まして、これが実現できまするならば、幸いと存じます。
○山本委員長 ただいまの床次君の動議についてお諮りいたしますが、床次君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。
○西村(力)委員 その趣旨に反対ではございませんけれども、一番大きく打ち出すの、主権の回復をやはりわれわれとしては打ち出さなければならぬ。沖縄のわれわれの同胞諸君も日本の主権下に生活したいというのが、一番大きい願いなのです。それを抜いてはこれは意味がない。単なる平和条約以前の補償措置というようなところに限定してでは——これももちろん必要でございます。誠意をもってやらなければならぬ。そうでございますけれども、それを抜いては意味がない。だからぜひそれをやっていただくことも必要であると思います。講和条約後、一定の限界を引かれて、南方は信託統括のような形に一応なりましたけれども、奄美大島はその限界に入っていたが、これが今返っている。だからこれは不可能ではないし、また不可能と言わせない民族の一つの希望というものがあるわけです。だからそれをやはり大きく入れて、そうして今のような床次さんの趣旨を生かしてもらう、こうしていくのが正しいと私は思います。ぜひそういう工合にお願いいたします。
○床次委員 ただいま御意見がございましたが、この点に関しましても私も十分考えてみたのであります。しかしながら主権回復は当然でありますが、当委員会でもって今の問題と一緒にやることがいいかどうかということにつきましては、多少研究の余地があるのではないか。すなわち今日沖縄及び小笠原島の問題に関しましては、決議案を別途用意せられておるかのように聞いておるのであります。また外務委員会におきしては、いわゆる平和条約発効後の土地収用問題に関しまして問題を取り上げまして、すでにこれは昨日決議をいたしておられます。どういうものかということをちょっと御参考のために読みますと、 沖縄の軍用地接収問題等に関する決議案 終戦後すでに十年を経過した今日、沖縄はなおアメリカの管理下におかれ、八十万同胞は物心両面の苦難に喘いでいる。すなわち人権が軽視され勝ちであるのみならず、軍用地接収についても遺憾の点が少なくない。政府は平和条約発効前の土地等の補償についてはすみやかに実情調査のうえ必要な国内的措置を講ずるとともに、アメリカに対しては沖縄及び小笠原諸島の施政権回復のため折衝を進むべきである。 右決議する。 昭和三十一年五月三十一日 こういう外務委員会の決議もあるのでありまして、これらの措置を御参酌していただきますならば、当委員会におきましては、さしあたり当委員会の目的としておりまするところの平和条約発効前における問題、あるいはその他旧県の吏員の恩給問題等、当委員会の所管問題に関しまして要望いたしますことによって、一応よろしいのではないか、ただ本来の問題につきましては、ただいま御提案になりましたようなことは十分われわれも考慮いたしまして、全体としてはそれを解決するということは、もちろん考えておることを私は申し上げたいと思います。
○山本委員長 ただいま西村君の御発言はきわめて適切な御発言ではありますが、事きわめて重大であり、なお検討を要する問題だと思いますので、さしあたり床次君の動議についてお諮りいたします。床次君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 なければさよう決します。 なお本決議の取扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 なければさよう決し ます。
○高橋(等)委員 この際政府に対する資料の提出の要求をいたしたいと存じます。すなわち昨年度の予算におきまして、旧軍人に対しまする恩給加算の調査費を組みまして、その加算調査の結果につきましては、先般私より当委員会において質疑をいたしたのでございますが、的確なる数字がまだできていないということで、後日に譲る旨の政府の答弁を了承いたしたのであります。しかし本国会も余すところ会期がわずかになっております。もし全般的な統計資料、その調査資料ができておらないにいたしましても、少くとも推定し得る、報告し得る範囲内の報告を資料によって本委員会に提出を求めたいと思います。それとともに、その機会に政府当局よりこれが説明を聴取いたす、こういう取り運びをぜひとも最近の委員会の機会にお願いをいたしたい。承わるところによりますれば、相当この事務は進捗いたしておるように考えますので、ぜひさように委員長においてお取り計らい下さることを要求いたしますとともに、この資料要求を政府に対していたすものでございます。
○山本委員長 ただいま高橋君の資料要求につきましては、委員長もこれを必要と存じますので、関係方面において早急に取り計らい願いたいと存じます。次に茜ケ久保君。
○茜ケ久保委員 南方連絡事務局に今の床次君の質問に関連してちょっとお伺いしたい。講和発効前の問題については、私ども非常に不満でありますけれども、今の御答弁を了承はできませんが一応聞きおく程度にいたします。 そこでこれは局長くに申し上げてもしょがありませんけれども、一応せっかですかり申し上げますが、政府の沖縄に対する処置はなまぬるいというか、誠意がないと私は思う。お互いに日本人であり、しかも主権があるといいながら、何ら日本政府の権限が及ばないということは言語道断と思います。それに対して日政府はアメリカに対して何ら強硬な主張もできなければ、沖縄の同胞の窮状に対して誠意ある手を打っていない。何と弁解しても私どもは承服できない。それはそれとして、講和発効後において沖縄に対するどのような誠意ある手を政府は打ったか。現政府は沖縄に対して政府の責任者を派遣しあるいは常駐させて、沖縄の県民の窮状を実際に見ておるかどうか。その程度に動いて実際調査しておるのか。しかも起った事態に対して適正な処置をしているかどうか。こういう点に対して私は非常に不満がある。講和発効後において沖縄の問題に対して政府はどういう誠意ある態度をとったか、一つ具体的な例をあげて南方連絡事務局長に御説明願いたい。
○石井(通)政府委員 南方連絡事務局は昭和二十年七月に設置されたのでございますが、この設置に関しましては、アメリカ側の要請がありまして、たとえば、恩給、給与とか、渡航の問題その他各種の本土と南西諸島との連絡事項について事務を処理するために、那覇に事務所を設けることを要請されたのであります。その事務所には沖縄における政治または行政については関与すべきものでないというようなことが規定されておるのでございます。その制約がありまするので、南方連絡事務所の実施すべき事務に関しまして、外務省とアメリカ大使館と協議をいたしまして、那覇南方連絡事務所の所掌事務を詳細規定いたしたのでございます。これに基きまして現在各種の仕事をやっておるのでございますが、今日まで、事務的にまたその現地の状況等を勘案いたしまして、さしあたり最も必要と考えられましたことは、沖縄における住民の方々は日本国籍を失っていないという建前から、沖縄に移住する人々は日本の本土の恩給法あるいは軍人遺家族援護法等の適用を受くべきものである、そういうことから諸般の法制的並びに予算的な措置を講じまして、今日恩給、給与あるいは軍人遺家族援護、復員事務その他の給与的な事項を進めて参っておるのでございます。これも相当多数の戦没者等がおります関係と、現地の資料等が非常に散逸しておる関係から、非常な苦心をいたしてその処置を講じてきております。現在はっきりした数字も持ち合せませんが、おおよそ十三億ぐらいの金額に上る恩給、遺家族年金あるいは国債等を支給いたしておるのでございます。これは、なお多数残っておりまするので、鋭意それらの事項を処理いたしております。 そのほか、戦前の郵便貯金の問題あるいは銀行預金の問題等もございますが、これも現地の要望を十分間き、またできる範囲で調査いたしまして、これは特に広く関係者の所管になっておりますので、関係省と鋭意至急な解決について協議をいたしておるような次第であります。 なおまた教育あるいは貿易の交流に関しましても、たとえば現地の要望の面を考えますれば、現地におきましては農産物の第一に重要なものとして黒糖があげられるでありますが、黒糖の輸入等につきましては、関係省と協議をいたしまして、これらのものを無条件に輸入するような方向で、現地の生産物の本土輸入を生産物の本土輸入をできるだけ容易ならしめるような措置を講じて参っております。 なお教育関係に関しましても、文部省と協議をいたしまして、沖縄における高等学校卒業生の本土大学の入学に関しまして、政府の資金をもって国立大学等に入学せしめる道を講じております。また私立大学等に関しましても、文部省と協議をいたしまして、できるだけ入学のあっせんをいたしておる次第であります。 沖縄の内政の問題に関しましては、那覇の事務の所掌事務でございませんが、前方連絡事務局といたしまして、絶えず現地からの上京者あるいはまた各種の印刷物、資料等を取り寄せまして、できるだけ内政問題についても現状を把握するように努めておるのでございまして、講和発効後の土地の補償が非常に少いというような事情につきましても、われわれとしてできる範囲の調査をいたして、外務省を通じてアメリカ側にも、沖縄の現地の要望がいれられまするように、要請をしてもらっておるような次第でございます。特にその現地の非常に気の毒な状況、しかもその現地の三権の範囲内における問題につきましては、前方連絡事務局としては直接に関与いたしておりませんが、外交的な折衝をしてもらうように、外務省に絶えず情報も送っておりますし、また必要な手も打ってもらっておるような次第でございます。
○茜ケ久保委員 事務局長の御答弁としてはそれ以外にできないと思いますので、官房長官に対する質問を保留しておきたいと思います。 —————————————
○山本委員長 この際調達庁長官より発言を求められております。これを許します。今井久君。
○今井政府委員 私去る五月二十三日に調達庁長官を拝命いたしました。まことに微力な者でございますが、皆さんの御指導によりましてこの職責を果したいと思います。よろしくお願いいたします。
○茜ケ久保委員 新任調達庁長官に二、三お尋ねしたいと、思います。調達庁長官はいろいろな報道によりますと、若かりしころは警察関係の仕事をなされて、その方面では堪能の士のように伺っておりますが、さらにある一定の時期、いわゆる浪人という生活もなされております。現在日本の置かれている立場については、私どもが申し上げるまでもなくよく御承知と思います。特に今度あなたが長官になられました調達調というものは、日本の内地におけるアメリカ軍の接収地である軍事基地を管轄と申しますか、むしろはっきり申し上げますと、日本の所有する土地や家屋、そういったものをアメリカのために使わせるような仕事をされる、これも御承知であります。これについては私いろいろ話し合いたいことがありますけれども、時間がありませんから端的に二、三点伺います。 今問題になっております立川飛行場など五つの飛行場拡張はここ二、三年来の懸案となっており、政府はアメリカの要請に対して非常な努力をした——私どもは努力しているとは考えませんが、政府は努力していると称しておるにもかかわらず、依然としてアメリカ並びに政府の思うような進捗をしないというと言に、あなたは調達庁長官になられた。もちん何か期するところがあってなられたと思います。が、この五つの飛行場の拡張に対して新任長官としてどのような考え方を持っておられるか。やはり今まで政府がしばしば答弁している日米安保条約、行政協定による約束であるから何が何でも、現地の諸君の承知不承知はかまわずに、やろうという態度をそのまま引き継いでやられるのか。あいは新長官はそこに何か別個な、いわゆる日本人今井久としての見地から特殊な対策を持って長官にならたのか。政府の意図するところはおそらくこの五つの飛行場の拡張を完成することであろうし、それはあなたも御承知であります。今までのように政府のあるいはアメリカの意図するところをそのまま職権と権力とをもって断行しようとされるのか、この点を素直に新しい抱負を持ってなられた調達庁長官にお伺いしたいと思う。 もう一ぺん申し上げますが、あなたは調達庁長官として、機械的にアメリカ並びに政府の意図する、いわゆる強制収用もあえて辞さないで、日本人の生活あるいは人権を無視してあの飛行場問題を強行される決意で、新任されたか。あるいは何かそこに別な一つの方途を考えて、今までのようにただ一方的にこれを押えつけて、しゃにむに通そうとする立場とは別に——実際最後的にはかりに飛行場品題が完成するとしましても、その間に今まで政府あるいは調達庁がとった道とは別の方途を講ずるだけの用意と決意を持っておられるか、この点について一つ端的な御答弁を願いたいと思う。
○今井政府委員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。このたび私が調達庁長官を拝命いたしました。調達庁の仕事は今さら申し上げるまでもなく重要であり困難な問題を持っておるのでございます。ことにただいま御質疑のありました基地提供の問題がございます。さしあたってこの問題が調達庁の所管の中でも最も重要な問題となっておるのでございます。この問題についてどう考えておるかという御質問でございます。この基地の問題はもちろん従来政府がしばしば声明をしております基本方針の通りに、わが国が条約上の義務を履行するために必要な最小限度の基地を提供するというところに政府の方針があるのでございまして、私どもといたしましても、この方針に基きまして私どもの職務を遂行するわけでございます。ただ実際の実地に当りましては、できる限りの方途を講じまして、基地提供に直接関係のあります地元の方々にはもちろんのこと、広く一般の方々にもこの問題を十分理解していただき、十分協力していただくように最前の配慮をいたしますことはもちろんでございます。ことに直接の関係者の方々に対しましてはできるだけ協議をいたし、できるだけの話し会いをし、その間に双方の協力と理解しのもとにこの問題の解決をはかりたという、実は気持を持っておる次第でございます。しこうしてその上においてやむを得ないものに対しましては、補償等の措置についても十分これを講じて、円満に解決をはかりたい、こういう考えを持っておる次第でございます。
○茜ケ久保委員 あなたの御答弁としてはそれ以上出ることはできないと思うのでございますが、あなたは調達庁長官として——私どもはあくまでも基地の反対を続けて参ります。あなたに幾ら反対をなさいと言ってもされるわけはございません。それはわかるのです。ただ基地を提供するにしても、少くとも今まで政府のとってきた態度は一方的過ぎる。それは努力したとおっしゃる。どんな努力をしたかといちと、何も努力してない。私は倉石君にもたびたび言っておる。ほんとうに用当大臣としてこの五つの飛行場をアメリカの用に供さなければならぬというならば——政府が口を開けば言うように、この基地提供が日本防衛のためにほんとうに必要であるとするならば、日本政府は責任を持ってこれを遂行する義務があるにもかかわらず、政府のとっている態度はただ単におどかしとかあるいは買収的な行為とか、そういう市井のブローカーのやるようなことをやっておいて、そうして事足れりとしておる。私はこれではならぬと思う。もしほんとうに日本を防衛するために必要ならば、その担当大臣なりあるいは政府の責任者は直接その現地にたびたび乗り込んで、その誠意のあるところを示してやるべきでありますが、それをやらない。やらずにおいて言葉の上で濁しておる。そういうことではならぬと思う。これは逆にいうと、あまりそうされてろうらくされても困りますが、それをやらずにおいてただ日にちをかせいでおいて、反対であるから強制収用するということはいかぬと思うのです。そこで私が今井新長官に申し上げたいのは、あなたに反対であるということを言ってもむだである。むだであるけれども、私が先ほどちょっと触れたように、あなたは十年間浪人された。私どもから言えば浪人であることは当然だ。官にもつかず、そういった立場に立たないで士に親しみ漁に親しんできた人間に、私はある程度期待を持てると思う。あなたは今いわゆる官庁的な御答弁をなさった。これは一応やむを得ぬでしょう。それはそれとして、政府においては、幾らあなたがそういった努力をしようとしても、ある程度強力な措置をとることがあると思う。そういう場合でもあなたはなお現地の諸君と話し合って、それを解決していくだけの確信と信念を持っておられるかどうか。このことは私はやっぱり大事だと思う。こういうことをあなたに御質問申し上げて、りっぱな答弁をされると逆効果になる危険もある。これはある程度やむを得ないと思う。そこで私どもは、あくまでも反対であるけれども、あなた方の誠意によって現地の諸君が了解することができるならば、われわれも納得できる。政府が何ら努力をしないで、誠意を示さないで、一方的に強制収用するということは絶対に私は承服できない。そういう点で、あなたは人間今井として今まで政府のとってきたことを見ていらっしゃって——前の長官は自分が長官になってから起った問題である。あなたは現にこうした事態が起っておるときにその街に直接乗り込まれた。そこにあなたは何らかの決意と信心があると思う。その点ここで紋切り型の御答弁は期待いたしませんが、一つ人間今井のそれに対する決意をちょっぴりでもいいからここではっきりお聞きしたいと思う。
○今井政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。お話の通りに、私は終戦を境といたしまして辞任いたしまして、今日まで野にあった次第でございます。その間野におりまして、いろいろな生活を通じまして、政府なりあるいは役所のやり方が、民衆に及ぼします影響がどういうものであるかということを親しく経験いたしました。私がかつて役所におりましたときにやりましたやり方が、さらに反省を要するのではないかという点について痛感いたした点が少くないのでございます。この点につきましては、今後、単に基地の問題だけでなく、私の所管いたしまする諸般の行政を遂行いたします点においても、この体験に基く反省を十分基礎といたしましてやっていきたい、こういう考えを持っております。
○西村(力)委員 関連して……。今井長官ときょうは二度目のお会いです。一度目は、あなたは御承知ないと思うのですが、建設次官室にあなたがごあいさつに参りましたときちょうど私がおった。石破次官はあなたを非常にほめておりました。私があなたのお姿を見ての感じは、一番最初の福島長官は外剛的な太っ腹な態度でやられた。次の安田さんは事務的に、相当良心的に、いわゆば小心翼々というような立場でやられた。あなたは相当強引なことをやるではなかろうか、こういう印象を受けたのです。その印象は別としまして、私はあなたの役所に参ったのです。砂川の諸君と一緒に参りまして、そこにいらっしゃる矢崎さんとお会いしましたが、同行しました山花秀雄委員の秘書井上健吉、この者の話によれば、電話連絡であなたと係の人か話をした。そうしてあなたのこれに対する指示というか返答というか、そういうものは、砂川の諸君が折れてくるならば会ってもよいが、それ以外は絶対に会わない、こういう話であった。これは井上健吉君がはっきり言うのです。今の御答弁によりますと、地元の人々と十分に話し合ってというおきまりの言葉を使っていらっしゃるけれども、私にはそれは言い逃げ的な言葉にしか聞えないのです。そういう事実はないことを望むのですが、いかがでございますか。
○今井政府委員 ただいまの御質問の点につきましては、実は私は承知しておりません。何かの間違いではないかと存じます。ことに立川基地の方がどうだとか、おいでになるとかおいでにならないとかいうことは実は私は聞いておりません。何かほかの者との話か何かで間違ったではないかと存じます。実は私拝命しましてからいろいろな問題が錯綜いたしまして、あいさつ回り等もそこそこにいたしまして対軍の折衝等にかけ回りました。きのうまでそれをやっておりましたような次第で、役所にも落ちつかなかったような次第でありますので、そういうことを全然記憶しておりません。何かの間違いではないかと存じます。
○西村(力)委員 その点は電話であなたの方の係の人との通話を盗み聞きしたようなことなんであまり好ましくないことですが、私としてはあなたの御答弁了承します。 ついでですが、あなたはお役人でございますから、政府の方針に忠実になさるでしょうけれども、一個の長官として総合的に行政をやる場合には、見識をもってなさると思う。その見識の最も大事なものは国際情勢に対する認識だと思うが、現在の国際情勢をどう把握せられておるか。具体的に言いますと、アイスランドの決議の問題、ノルウェーのソ連との共同声明の問題、セイロンのバンダラナイケの勝利あるいは英海軍基地の撤去を要求するという問題、フィリピンの飛行場基地土地所有権復活を要求するフィリピン下院の決議、そういう一連の基地に対する動き、ことに大国の世界政策の犠牲のために基地を提供し、自己の意思によらず戦争の危険にいつでもさらされる小国は、基地と自国の平和との関連性が深く、基地のあることがわれわれを常に不安ならしめるという立場に立ってだんだんとそういう動きをしているが、そういう状態を長官はどういう工合に把握せられておるか。こういう点の認識を持っておられないと、なすことが単なるめくらの役員となって、下っ端の役人のやる仕事と何ら変りがないではないかと思うのですが、御見解を示していただきたいと思うのです。
○今井政府委員 ただいまのお話の通りに、国際認識を十分持ちまして私の職責を果す必要のあることは痛感しておりますので、今後十分その点について努力いたす考えであります。
○西村(力)委員 先ほどあらゆる手段を尽して地元の人の納得をいただいて基地拡張をやるのだ、こういうお話でございましたが、それは当然のことだと思うのですが、あらゆる手段の中に今まであなたの前任者がやられたことはまことに私たちとしては納得のいかない、また奇異な手段が弄せられておる。一つは協力謝金の問題です。これは下僚の方々からもお聞きになっていらっしゃるかとも思うのですが、条件的に賛成をする諸君には、補償費のほかに市井ブローカーのやるような、博労のやるような包み金をやるということなのです。国費がそういうものに使われていいものかどうか。これは悪い。また国という権力が公共のために基地をとるのだ、米軍の基地としてとるのだという意思があってもその意思のもとに国民の権利というものはすべて屈服しなければならぬということは、民主主義国家においてはない。反対することも国民の基本的な最高の権利です。だから反対する、賛成する、これは差があるはずはない。それにかかわらず賛成派に対しては包み金をやる、他の者にはやらないという差別待遇をする、こうなってくれば、あなたによく考えてもらいたいのだが、国の権力の意思というものがすべて優先する、こういうことになるとファッショ国家になるのです。国民が自分の土地の私有権というものを主張するということは、権力の前にはそれは悪だということになるのです、いけないということなのです。それがファッショ国家になるのです。今までこういうことをやられて、われわれの追及に対しても口を濁して、ただいたずらに基地拡張の必要経費であると言う。必要経費であるならば個人配分ができないはずだ、それを個人配分をやる、私たちはこれをやめていただかなければならぬ。やめる意思はあるかどうかということが一点。 それから愛知県の小牧の飛行場においては三月十五日に賃貸借契約を和んだわけです。十二月にさかのぼって賃貸借料を払うということを愛知の調達局はやっておる。これは背任です。 それから第三点は、立川と小牧においてはこの契約が完了した土地を、百五十坪あるいは二百坪と小刻みに米軍に仮受け渡しをやっておる。これは国土の切り売りです。拡張予定地全部が政府のものというか、賃貸借契約あるいは買い上げあるいは強制収容というものと、政府の権利下にあるもの、それを一括して米軍に渡すならば、国際信義に基くものだという理屈も立つでしょう。ぽつりぽつりと飛び地をアメリカ軍に引き渡すということは国土の切り売りです。もしその引き渡したところにおいて不祥事が起きた場合に、日本の国民の生命、身体、財産というものは一体だれが守るのだ。これはアメリカ軍もむちゃは言わないからそんなことは起きないかもしれません。けれども厳密に言うて起きた場合には、こちらで米軍の所有地内に無断闖入したから、あるいは警鐘を聞かずに逃げようとしたから射撃をしたとかなんとかが起った場合には、日本の国民というものを一体だれが守ることになるのか、こういうむちゃなやり方をやられておる。そうして既成事実を次から次へ積み上げて、もうこうなったのだから往生するよりほかあるまい、こういう工合に追い込もうとしておるのです。私たちはそういうやり方に対しては、日本国民として憤激を感ぜざるを得ないのです。 その三点が、あらゆる手段というものの、われわれとしては一番承認しかねる問題であります。その点については新長官としてどういう工合に考えられるか、これを一つ御答弁願いたいと思います。
○今井政府委員 第一に協力謝金の問題についての御質問でございます。私も最近参りまして、基地の問題についての従来のいろいろな問題を聞きましたと遂に、協力謝金という問題があることを聞きました。これは政府の施策に協力したという意味での謝金ということで、閣議の決定をして出しておるというように聞いております。これはほかの場合にもあるいはあるのじゃないかと思いますので、この点のことにつきましては今後研究してみたいと思います。 第二の小牧飛行場の問題につきましては、非常に具体的な問題でございまして、実は私まだ報告を聞いておりませんものですから、さらに報告をとりまして調査いたしてみたいと存じております。 第三は、小刻みに土地を米軍に賃貸しておるという問題についての御質問のように承わりました。これらの問題もどういう経過でこういうことになっておるのかということは私まだよく存じません。今お話のありました点を十分くみまして、調査して考えてみたいと思います。
○茜ケ久保委員 長官でなくてもよろしいのですが、今後の国会審査について参考になりますのでお伺いしたいのです。先ほど床次委員から沖縄におけるいわゆる敗戦時から講和発効に至る土地あるいはその他損害に対する国家補償の問題を、南方連絡事務局にいろいろ質問があったのですが、これと同じケースが内地にもあります。それはおもに人命の問題でありますが、講和発効後における行政協定十八条に該当する事案が相当あるわけであります。占領中に占領軍の兵隊にある者は虐殺され、ある者は自動車にひき殺された、ある者は凌辱されることをおそれてみずから自分の命を断つといったようなもの、いわゆる占領下において日本人が占領のためにたくさんの人命を損傷させられた。ところがそれが占領下でありますので、アメリカの占領軍がこれを何らかの形で補償するのが当然であったでありましょうが、占領下という特殊事態において日本人がそれに対する正当な要求もできなかった。それが講和発効と前後して、多くて六万円前後、少いものは二千円から三千円といったような見舞金で、ほとんど泣き寝入りになっておったという状態であります。しかも講和条約において日本はアメリカに対して、占領中におけるそういった一切の損害の要求はしないという補償要求の放擲をしている。政府はそういった要求の放擲をしておりますが、具体的に個々にそうした人命損傷の重大な損害を受けた日本人は、依然として今日不満と、それに対する正当な要求を持っておる。先般ラジオ東京が朝の八時二十分からのラジオ・スケッチに、高橋法務委員長をたずねたこういった代表の諸君の声を放送しましたが、私もそれを聞いたし、聞いたいろいろな人から私のところに相当多数の投書も参っております。これは調達庁の所管事項でございません。日本の政府としても法的には今何ら要求の根拠もありませんけれども、こういった事態は現存をしておる。そこで私がお尋ねしたいのは、これは私どもとしても重大な関心を持っておりますし、来国会においてこれを何らかの形で法制化するように努力したいと思っております。にもかかわらず、行政協定十八条の関係と関連するのでありますが、調達庁としてそれに対してどのような見解をお持ちか。あるいはまたこれが何らかの形において、いわゆる沖縄のそういった事案とともに、これは日本政府がアメリカに対して要求権を放擲をしたのでありますから、当然日本政府がこれに対して適正な補償をする義務があると考えるのでありますが、財政上のことに籍口して何ら努力しませんけれども、私はそう思っておる。そこで、もし長官がこれに対して何かお考えがあるならば長官のお考えでもよし、もし長官が、これは突然の問いでありますから御答弁をお渋りになるならば、どなたか適当な方でもけっこうでありますが、このいわゆる占領下において損傷を受けた者に対して、現在政府はどのようなお考えを持ち、また将来これに対して何らかの処置をするだけの御用意があるかどうか。この点を一つお伺いしたいと思います。
○眞子政府委員 お尋ねの占領期間中における進駐軍による被害者に対する見舞金の支給につきまして、関連をいたしましてお答えを申し上げます。 本件につきましては、さきに本年一月三十日衆議院におきまして請願が受理せられ、法務委員会に付託されましたことがございまして、その請願第三六八号、進駐軍による被害者遺家族の補償に関する件に関する問題でございまして、本年五月二十八日同委員会において審議されました際に、松原法務政務次官からこういう答弁がございました。占領期間中におけるかかる被害者の方々に対しては、当時は政府に法律上の賠償義務がなかったので、政府よりすでに見舞金が支給されております。従って、本請願の趣旨である特別立法措置をとるとすれば、戦時中ないし占領期間中に生じた有形無形の各種損害にも影響することとなりますの、で、慎重に対処すべきものと考えますという要旨の答弁がなされております。その請願につきましては、衆議院の本会議において採択された次第でありまして、内閣から所管官庁に対してこれが意見を求められました際、ただいま申し上げましたような趣旨の意見を内閣に報告するものとなると考えます。その所管官庁は、私も断定的に申しかねますが、一応法務省ではないかと考えております。
○茜ケ久保委員 その問題は、これは後刻当委員会においても検討していきたいと思うのでありますが、調達庁関係のことについては、いろいろ新長官に御意見を承わり、またわれわれもいろいろ申し上げることがあるのです。時間もありませんが、幸い先ほど本委員会において閉会中のいわゆる国政審査をすることを決定しましたから、また閉会中も幾たびか委員会を開き、一つ出席を求めて、逐次起った問題に対して意見を徴し、あるいは質問をし、また具体的な事例に対して検討していきたいと思います。新長官の先ほどの答弁を私ども一応これを新任長官としての立場から了承しておきますが、どうか一つ今後起るいろいろな問題に対して、誠意のある態度と真剣な気持で処理していただきたいと思います。少くとも事務的な遂行においていろいろよけいなトラブルが起らぬように、ぜひ長官の人間的な処置を私は要望して、私の質問を終ります。
○山本委員長 茜ケ久保君の御要望はまことにけっこうでありますから、新長官においても御善処をお願い申し上げます。
○受田委員 長官に一言だけお尋ねしておきますが、国会の意思を尊重したとえばこれは基地としていろいろな事情で不適格であるとか、あるいはこういうふうにしてはどうかというようなそういう国会の意思については、十分これを尊重される用意がありますか。
○今井政府委員 その点は十分尊重いたしたいと思いますが、ただ私どもといたしましては、あくまで政府の命令のもとに動くことでございますから、政府と国会との話し合いによってきまりましたことにつきましては、十分やっていきたいと考えております。
○受田委員 閉会中にわれわれ国会議員は、党派を越えて、全国のいろいろの基地あるいは自衛隊の実態調査等に乗り出すことにしております。たとえば山口県の秋吉台の問題などにつきましても、九州の自衛隊の基地視察にあわせて秋吉台を調査するということを、すでに当委員会におきまして計画が立てられております。そういうものが十分尊重されるように措置されるということについては、長官において確言できますか。
○今井政府委員 それらの点につきましては、十分尊重いたしたいと思います。 —————————————
○山本委員長 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。通告がありますので、これを許します。受田君。
○受田委員 私はこの問題についてはごく簡単にお尋ねしておいて、午後あらためて詳細なる質疑をするということにして、さしあたりきょう竹尾政務次官がおいでいただいておりますので、政府首脳部に対する質問を一言だけさせていただきます。私は、竹尾さんは文部委員長として多年文教行政の政策をお進めになった方であるし、現に文部政務次官としてきわめて適切な御措置をされておる方であると思いますので、この際、現に提出されておりまする一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に関連したお尋ねをぜひしたいと思うのであります。 昭和二十九年一月一日、例のいわゆる給与三本建法が施行されましてから後は、高等学校の職員の給与が特に四級一号のところから高くなっておることは御承知の通りです。この三つの給与の体系ができたときに、高等学校だけを優遇することは、同じ立場で、同じ資格を持ち、同じ学歴を持った者で中学校や小学校に勤務する人に、非常な失望と不安を与えやしないかといういろいろな批判があって、人事院におきましても、当時は同じ学歴、同じ資格というものについては同じ待遇をするという基準を、一応立てておったと思います。しかしとにかく法律ができたということは、これは厳粛なる事実になっておるわけです。しかしその際問題になるのは、当時高等学校の高等科の教員の有資格者、旧教員免許令による中学校、高等女学校の教員の免許状を有しておったそういう人々は、この法律ができることを知らないで、高等学校におった先生も、まあ新制中学校へ出て校長か教頭になってみないか、あるいは教員になってみないかというので、とにかく待遇が同じだというので高等学校から中小学校に転じた人もたくさんある、また三本建の給与ができることを知らないで、最初から高等学校へ出ることを誘われた人が中学校あるいは小学校へ出た人もあるのです、こういう人々はこの法律の誕生とともに非常な差別待遇を受けて、いわば人権の上にも侵害を受けたということにもなるような結果になったわけなんです。法律ができて給与が三本建になった後に就職した人は、それは差があるということを承知して出たと言えないことはないわけでありまするけれども、それ以前の人はその差がないことを確認して学校別の区別なく就職した、あるいは転職した。文部省とせられましては、少くともあの法律ができたときに、今申し上げたような意味で、高等学校の教員資格を有する人がたまたま中、小学校に勤務していたという場合の人々を、この際何かの形で救済する必要はないか、かように考えておるのでありますが、竹尾さんいかがお考えでしょうか。
○竹尾政府委員 今のお尋ねの点につきましては、私も当博文教関係の委員をいたしておりまするし、あの立法につきましては、当時の文部委員会にはもちろんかかりませんで、お宅さんの方の内閣委員会にかかったと思いますけれども、あのときは人事委員会でございましたが、そういういきさつはよく存じ上げておるつもりでございます。そこでお尋ねの点でございますが、二十九年一月一日の実施当時に何も御存じがなくて転任になった、こういうお尋ねでございます。そういうことを私どもも考慮いたして、高学歴者で中学校、小学校に勤務されておるあなたの御質問のような立場のような方に対して、何か優遇の道を講ずる必要があるのじゃないか、こういう考えに立ちまして、これは今おっしゃられるいわゆる給与三本建を是正する、こういう意味ではなく、今おっしゃられた方々に対する優遇の措置を講じたい、こういうことで私どもはこれを特別昇給というような言葉で呼んでおりますが、高学歴、永年の勤続、それから成績の優良な人たち、こういう方々に対して、これは松村文相の当時に——まだ文部委員会で文教委員会にならないときでありましたか、今の自民党の並木委員からも当時の松村文相に御質問がありまして、これは善処をするということでありまして、善処をするために三十一年度の予算要求では一億三千万の、それらの方々に対する特別昇給の道を講ずるための予算要求をいたしました。ところがこれが財政の関係や何かで削られてしまいましたが、しかしその趣旨はこれは生かしていかなければならぬ、こういう工合に考えておりますので、予算のことですからはっきりただいまお約束というわけにもあるいは参らないかもしれませんが、骨格予算を作ると遂に、それらに対する額はちょっとわからぬと思いますけれども、とにかく前の趣旨を体しまして予算の要求をしたい、こう考えておる次第でございます。
○受田委員 竹尾さんのきわめて公正な御意見を伺ったのでありますが、私は今この給与三本建法案をくずすという意味でお尋ねしておるわけではなく、現在の法律体系、給与体系を生かした立場で、しかも今政務次官も御指摘になりましたような高学歴、高資格を持った人で、たまたま当時法律のあることを知らずして中小学校に勤務していた人を同様に救済する、こういうことを私は今お尋ねしたのに、全く意見が一致しておるわけなのであります。一億三千万という数字は、これはわれわれとしても大差がないと思って今計算をしておりまするし、しかもその後やめられた人も相当出ておりまするし、昭和二十八年に初めて新制大学の卒業生が出たのですが、新制大学の卒業生は昭和二十九年一月一日現在ではこの給与の恩典に浴することが、今度改められるとしても該当者がないわけで、結局当時限られた高学歴、高資格の者だけが救われるという措置をわれわれは要求してきておるわけなのです。文部大臣の御意思と一体となってすでに予算要求もされた現実を伺って、文部省の意とするところをはっきり知ることができて喜ばしく思っております。従って今政務次官の御指摘の問題は、来年度予算にはこの問題を重ねて要求する、そういうことを約束できますか。
○竹尾政府委員 そういう趣旨で三十一年度の予算要求をやりましたので、事務当局にもいろいろ事情もあるかもしれませんが、私としてはぜひこれはやりたい、こういう気持に実は燃えております。ただここで約束をしろということになりますとどうかと思いますけれども、すでに予算の要求をしたのですから、そうして極力この獲得のために、大げさな表現をすれば皆さん徹夜いたしまして、ずいぶん激しくわたり合ったのですが、とうとう落ちてしまいました。そういういきさつもございますので、ぜひ要求はしたい、こういう固い信念——と言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、そういう気持でおります。
○受田委員 政務次官の非常に誠意ある信念をお示しいただいて、公平な御判断を持っておられることに感謝して、政務次官に対する質問はまた後日あらためてお伺いすることにします。 —————————————
○山本委員長 これより請願の審査に入ります。本委員会に付託となりました請願は、本日の請願日程にあります通り二百件であります。この際、本日の請願の日程全部を一括議題といたします。 お諮りいたします。これら各請願の趣旨は、すでに配付せられております文書表により御承知のことと思いますので、紹介議員の説明並びに政府の意見聴取を省略し、直ちにその採否を決定いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なければさよう決します。 これより採否の決定をいたします。先ほどの理事会で決定いたしました通り、本日の請願日程中第一、第四ないし第六、第八及び第九、第一二ないし第一四、第一六ないし第二五、第三〇、第三二、第三五、第四三及び第四四、第五五及び第五六、第五八、第六九、第七一、第七六及び第七七、第八〇ないし第八四、第八八ないし第九一、第九五、第一一一ないし第一一四、第一二四ないし第一二六、第一三〇、第一三二、第一三六及び第一三七、第一四〇、第一四三及び第一四四、第一四七、第一四九、第一六一ないし第一七〇、第一七九ないし第一八一及び第一九三ないし第一九七の各請願は、いずれも議院の会議に付して採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なければさよう決します。 次に日程中第二八、第四〇ないし第四二、第五一ないし第五四、第六四ないし第六六、第七五、第八五及び第八六、第九四、第九六、第九九ないし第一一〇、第一一八ないし第一二〇、第一二八、第一三一及び第一四五の各請願は、いずれも議院の議決を要しないものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なければさよう決します。 ただいま議決いたしました各請願の報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なければさよう決します。 —————————————
○山本委員長 この際受田君より、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対し、修正案が提出されておりますので、その趣旨説明を求めます。受田君。
○受田委員 お手元に配りました修正案を提出いたします。朗読いたします。一般職の職員の給与に関する法律の一 部を改正する法律の一部を改正する 法律案の一部を次のように修正する。 附則に次の二項を加える部分中 「次の二項」を「次の三項」に改め、 附則第八項の改正規定の次に次の一 項を加える。 昭和二十九年一月一日において中 学校、小学校等教育職員級別俸給衣 の四級から九級までの職務の級に属す ることとなった教育職員のうち、旧 教員免許令による中学校高等女学校 教員免許状若しくは高等学校高等科 教員免許状を有する者又はこれらの 者と同等以上の資格を有すると認め られる者で人事院の指定するものに ついて附則第七項の規定を適用する 場合においては、同項中「二号俸を こえない範囲内の号俸」とあるの は、「三号俸をこえない範囲内の号 俸」とする。 この修正案提出の趣旨は、ただいま竹尾文部政務次官が御答弁相なりましたごとく、今回提出されておりますこの法案の改正趣旨に当然加え入れるべき性格のものでありまして、すなわち昭和二十九年一月一日現在、中学校、小学校に勤務しておりました四級から九級までの先生、高等学校の教員の資格を有する人で、この際当時三本建給与の成立を知らずして就職していた人々をお救いしようという、すなわち一号の調整をしようという修正案でありまして、政府当局においては全幅の支持をされている修正点でありますので、各委員よろしくこの修正案に御賛同あらんことをお願い申し上げて、私の提案理由の説明を終りたいと思います。
○茜ケ久保委員 先ほどちょっと質問しました占領中の人命損傷に関する全国的な資料がいろいろありますので、その資料を委員長において調達庁に御要求願いたい。
○山本委員長 ただいま茜ケ久保君の御要求は善処することといたします。 暫時休憩いたします。 午後一時五分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕 ————◇—————