内閣委員会 第46号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/05/15
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 特定郵便局長の任免等に関する特別措置法案及び国家公務員法等の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、提出者より提案理由の説明を求めます。赤城宗徳君。
○赤城宗徳君 ただいま議題となりました国家公務員法等の一部を改正する法律案及び特定郵便局長の任免等に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。 まず、国家公務員法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 現在特定郵便局長といわれております官職は、明治の初め、全国津々浦々に郵便取扱役が置かれましてから、郵便局制度の発展とともに、三等郵便局長、さらに特定郵便局長と変遷して参ったものでありまして、郵便取扱役あるいはその後の三等郵便局長と称していた当時から、自由任用制をとり、地力の有力者などの人材を任用し、局舎を提供せしめ、その能力を能率的に活用することによって郵政事業の発展に寄与するところが大であったことは、すでに御承知の通りであります。すなわち、特定郵便局は、その当事から、他の官吏と異なる特別の官吏であったわけであります。 この特定郵便局長を長とする郵便局は、昭和十二年から集配局について人件費を直轄化し、終戦後の占領下におきして無集配局についても人件費を直轄化し、請負制度を廃止し、その経費をすべて直轄化する方向に進んで参りましたが 特定郵便局長は、依然地方の有力者などから任用される官制上の特別の官職として存続して参ったのであります。 その後国家公務員法が施行されましたが、同法におきましては、公務員の任用は、同法第三十三条に「すべて職員の任用は、この法律及び人事院規則の定めるところにより、その者の受験成績、勤務成績又はその他の能力の実証に基いて、これを行う。」という根本基準を定め、第三十六条の「職員の採用は、競争試験によるものとする。」という原則に対し、特定郵便局長については同条ただし書きにおいて、例外として選考任用を認めています。 しかして同条第二項によりこの選考は「人事院の定める基準により、人事院又はその定める選考機関が、これを行う。」ということになっておるのであります。 ここに特定郵便局長は、国家公務員法の一般職の職員となってはいますが、その任用は、国家公務員法第三十六条第一項ただし書きの選考によっているのでありまして、その選考基準としては、大正九年勅令第三百五十八号特定郵便局長等の任用に関する件の例にならって明治以来の任用の原則を踏襲してこれを任用し、いわゆる自由任用によっているのであります。 このように、明治以来伝統的に築き上げられました特定郵便局長の任用その他の特殊性を生かし、地方の有力者などを任用し、郵便局を民衆に親しみやすいものとして、その持つ人格才能を十分に活用するという特定郵便局運営の妙味を発揮させるべきであると考えるのであります。 また特定郵便局長は、その多くが土地の有力者であり、その土地に定着する関係上、その任務を畢生の事業として、終身その官にとどまり、年功あるいは勤務成績によって昇進、転任していくというものではなく、この点全く一般の公務員と異なるものであります。 さきに行われた公務員制度調査会の答申におきましても、国家公務員の職のうち、適正の実証によって任用され、勤務成績に応じて昇任させられる職業的公務員をもって充てることが適当とされる職を常則として一般職とし、その他の職を特別職とすることとしているのでありまして、特定郵便局長の職が、この一般職としての基準に合致しないことは明らかであるといわなければなりません。 これらの観点から、特定郵便局長は、法律的には一般職の範疇に入れることが不適当でありますので、特別職の国家公務員とすべきであります。 さらに、特定郵便局長は、明治以来その地位の特殊性により町村の議員を兼ねることを認められておりましたが、国家公務員法施行後は、同法によりこれを禁止されて今日に至っております。特定郵便局長が従前のように、その地域における市町村の議会の議員に立候補し、これを兼ねることを認めますことは、郵政事業の上に地方の人材を吸収し、あるいはその能力を能率的に活用する意味におきましても、必要かつ適切なことと考えるのであります。 この法案は、以上のような理由から、特定郵便局長を特別職の職員とし、市町村の議会の議員の候補者となることができるよう関係法律の整備をはかったものであります。 次にその内容について申し上げますと、第一に特定郵便局長を特別職の職員とするため、国家公務員法を改正する規定を置いたことであります。 第二は、特定郵便局長の給与についての根拠を定めるため特別職の職員の給与の基本法たる特別職の職員の給与に関する法律を改正する規定を置いたことであります。ただ、特別職の職員の給与に関する法律を改正いたしましても、その給与の内容はまた別に法律で定めることといたしました。 第三に特定郵便局長の定員につきまして、行政機関定員法を改正する規定を置いたことであります。すなわち、特定郵便局長が特別職の職員となりますと、その定員につきましては、一般職の職員の定員について定めております行政機関職員定員法の適用を受けないこととなりますので、当分の間、従来通り行政機関職員定員法に定める郵政省の職員の定員の中に含ましめることといたしました。 第四に、特定郵便局長が市町村の議会の議員等に立候補できることとするため、公職選挙法を改正する規定をおくことといたしました。 次に、特定郵便局長の任免等に関する特別措置法案について申し上げます。 この法律案は、特定郵便局長を特別職の職員とすることによりまして、国家公務員法が、適用されないこととなります結果、その任用、服務、懲戒、休職等につきましてその準拠すべき規定を失うことになりますので、これらの事項につき、所要の規定を定めようとするものであります。 その内容について申し上げますと、まず第一に、任用は、学識才幹のある年令二十五才以上の者のうちから郵政大臣が任用することといたしました。この措置は、特定郵便局長の自由任用制を確保するためのもので、従来の特定郵便局長等の任用に関する件及びこれに基く郵政省の公達と何ら変りございません。しかし、全国一万数千の特定郵便局長を郵政大臣が任用することは不便がありますので、現行通りその任命権は部内の上級の職員に委任することができることといたしました。 第二は、特定郵便局長の服務、懲戒、休職等につきまして所要の規定を置いたことであります。 特定郵便局長を特別職の職員といたしましても、これは、国家の公務を担当する者であり、本来の職務を忠実に遂行すべきことは申すまでもありません。そこで、服務、懲戒、休職等につきましては、政治的行為の制限及び非営利企業への関与制限に関する規定を除いては、国家公務員法の規定の大部分を準用することとして、一般職の職員とほぼ同様な取扱いをすることといたしたのであります。 第三は、給与につきましては、現行通り、因の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法を適用し、公務上の災害に対する補償及び福祉施設につきましても、現行通り、国家公務員災害補償法を適用することといたしました。 第四に、特定郵便局長に国家公務員法が適用されないこととなりますと、その職員団体の免税などの根拠規定が失われることとなりますので、これを現行通りとするため、関係法律を改正する規定を置くことといたしました。 以上が、国家公務員法等の一部を改正する法律案及び特定郵便局長の任免等に関する特別措置法案の提案理由と内容の概略でございます。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんこと御願いいたす次第であります。
○山本委員長 両案の質疑は後日に譲ります。 ―――――――――――――
○山本委員長 次に栄典法案を議題とし、補充説明を求めます。村田政府委員。
○村田政府委員 栄典については、日本国憲法にその基本的規定が設けられておりまして、これに基いて、栄典制度を整備し運用すべきことは、もとより当然のことと考えられます。そこで政府は二十三年の第二国会及び二十七年の第十五国会の二度にわたって、栄典法案を提出し、御審議を願ったのでありますが、二度とも審議未了となりました。その後同法案について、さらに検討を加えておりましたが、ここに成案を得ましたので、御審議をお願いいたしたのであります。 法案は、今後の栄典制度の根幹として勲章を予定しております。勲章は、現在ほとんど世界各国に共通の制度で、国内的に功労者の表彰に用いるほかに、多くの国々では、外国人に贈与し国際親善に利用する国際慣行に従っております。現に自国人に勲章を授与する制度を停止しているのにかかわらず、外国人に贈与する勲章制度を持っている国すらあります。わが国におきましては、申し上げるまでもなく明治以後の制度でありますが、すでに八十年の沿革を持っており、前述のような谷川の例に照らし勲章を栄典の根幹とした次第であります。 現行の勲章は、菊花章、旭日章、宝冠竜、瑠宝章及び文化勲章の五種類に分れておりまして、このうち文化勲章はその名の如く文化上の功労に限って授与されるものですが、その他は授与の対象となる功労の種類を限定しておりません。このうち旭日、宝冠、瑞宝の三章は八等級こまかく申しますと旭日章の一等は旭日桐花章と旭日大綬章とにさらに細分されています。八等級に分れ、旭日章は男子に限り、宝冠章は婦人に限り授与し、瑞宝章は男女共通となっております。 このような現行勲章制度に対し、法案は、功労の種類を特定の種類に限定することなく授与する勲章といたしまして、菊花勲章と新しい旭日勲章の二種といたしました。菊花勲章は、現行の菊花章を踏襲しようとするものであります。現行菊花章は、特別に大きな功労のあった者と皇族等に授与し、また外国の元首等に贈与する勲章で、現に本章を受有している者は、皇族、旧皇族及び外国の君主等の少数に限られております。この種の勲章は、今後も存置することが必要と考えられます。しかも、意匠等に変更を加えて今後授与するものと従来のものとを区別しなくても支障がないと認めますので、名称を菊花勲章として存続することにいたしたのであります。ただし現行の菊花章の授与にあわせて大勲位という称号を授与することになっている点は、今後の菊花勲章については、廃止いたしました。その理由は勲等の廃止と同じで後ほど申し上げたいと存じます。 新しい旭日勲章は、現行の旭日章、宝冠章及び瑞勲章にかわるものでありまして、七等級に分け、各等級別名称は、上級より順次旭日大勲章、旭日章光勲章、旭日金光勲章、旭日双光勲章、旭日銀光勲章、旭日金勲章、旭日銀勲章といたしました。以下本勲章について問題点を分けて少しくこまかく申し上げます。 現行の旭日章、宝冠章及び端宝章の授与は、今後後廃止し、新勲章で、これにかえることにいたしましたのは、これらの勲章の授与方針を時勢に沿って一新するためには、勲章自体も新たにし、従前の勲章と対比されることがない方が望ましいと考えたからであります。 次に新勲章を一種七等級といたしましたのは、現行の制度を簡素化し、小異をせんさくして表彰の区分を繁雑にしない方が、時勢に適合すると考えたからであります。この方針によりましてまず、種類を一種とし、男子と婦人による区別も廃しました。次に等級の問題であります。元来勲章で表彰すべき功労にも大小の等差が考えられますし、また、同一人が勲章を授与されるべき功労を再三立てることも予測されるのであります。そこで諸外国では、勲章に若干の等級区分を設け、一方において功労の大小に応じて適当な等級の勲章を授与するとともに、他方において、功を重ねた者に対しては、その者がすでに有する勲章より上級の勲章を授与し、着用はその上級勲章に限るという制度を採用しております。しかもその等級区分の数は、勲章として五等級のほかに、その下級に記章の名で二等級または三等級を付加しているのが通例であります。わが国の現行の旭日章等は、八等級に分けておりますが、その体裁から見ますと、六等勲章以上は、請外国の勲章に、七等勲章と八等勲章は、諸外国における勲章の下級の勲章に相当するのであります。以上のような諸外国の実情とわが現行制度とを参酌して七等級といたしたのであります。 次に新勲章の意匠と名称の問題については現行の勲章と全く異なるものを研究したのでありますが、わが国の勲章としてふさわしい意匠を求めがたいこと、新勲章制定の目的はそれが現行旭日、宝冠、瑞宝と対比して体裁上区分できるものであればよいと考えられること、現行旭日章は、わが国で最初に制定された勲章であり、意匠が優秀でかつ国旗との関連もあり捨てがたいことなどから、りぼんの色などで現行旭日章と区分される新しい旭日勲章を最適と考えたのであります。なお各等級の名称は、数字を用いる表現を避けた方がよいと考え、さきに申し上げたようにいたしました。 次に法案では附則に規定してありますが、今申しました事項との関連上従前の旭日、宝冠及び瑞宝の三賞の効力の問題を申し述べます。これらの勲章を受有している人々の現状を申しますと、その総数は大体二百五十万人、その受有勲章数は二百八十万程度と推定せられます。これらの受有勲章の八割以上は戦役または事変の功労によって授与されたものであります、第二次世界戦争の功による前堂は生存者は授与しておりませんから、今度の戦争関係は入っておりません。残りの大部分は多年官公職にあった功労に対し授与されたものでありますが、その他に少数ながら民間の各種功労に対して授与された勲章もあるのであります。以上のうち少くとも最後に申しました勲章は、これを無効とする理由はないと考えられますが、このほか多年官公職にあったことに対し授与した勲章についても無効とすることは適当でないと認められるようなものが相当多数存するのであります。次に満州事変や日華事変の功によって授与した勲章だけを無効とする案について検討いたしますと、もしこのような措置をとるなれば、これらの事変の遂行に関与した官公職在職期間をも含めて、多年官公職にあったものとして授与された勲章も無効としなければ権衡を失することになります。しかもこのような場合には各人ごとに当該勲章を授与した対象の功労より事変関係を除いた残りの功労を調べ、それが下級勲章を授与する程度であれば、その下級の勲章は着用できることにしなければ公平を失すると考えられるのであります。しかしてこのような措置をいたしますことは、今となりまして相当に困難でありまして、不可能ではありませんが、相当の経費を必要とし、労多くして果してそれに相応する効果があるか疑われるのであります。この問題について、さきに昭和二十七年に世論調査をいたしましたとき、有効としてよいとする説が絶対多数でありましたし、また本年政府に設けました臨時栄典制度者議会でも同様でありました。これらの結果を参考といたしまして、次のような理由で本案では有効論をとりました。すなわち、その一は、今後授与する勲章は別個のものとし、新旧の区別をすれば、従前の勲章を有効としておいても、今後新しい方針で授与される勲章と混同されることがないということであります。その二は、無効としてもその着用を禁ずるのは酷に失するから、その着用を認めることになって、有効とするも事実上大差かないことになるので、無効の宣言をして勲章授与者を刺激するよりも、有効とし今後の勲章を別種とする方が、妥当な措置と認められることであります。 次に特定の種類の功労に対して授与する勲章としては、現行の文化勲章を存続するだけといたしました。文化勲章は、従来主として学術芸術上きわめて高い価値を創造した功労に授与されています。この種の功労については、その大小を社会公共に対し直接及ぼした影響という方からはかるわけに参らないので、これに普通勲章を授与するとすれば、何等級にすべきか実際上きわめて困難なことが多いのであります。従ってむしろ単一級の特別勲章を授与するようにする方が有効適切と考えられるのであります。このような理由で文化勲章が創設されたのでありますが、この点は今後とも同様と認め、存続することにいたしました。ただしその運用にあたりましては、従来よりさらに広く各方面の文化功労者を対象として審査いたす考えでおります。 褒章の制度は、明治十四年に関係法令を公布いたしまして、翌十五年から施行したのに始まります。これは、当時人命を救助した者に対し外国人の場合は百円内外、邦人の場合は五円以内の賞金を授与していたのを統一し、諸外国の例にならって一種の章を授与することに改め、あわせて篤行者や公共のために尽力した民間人に対し賞金または賞品を授与していた在来の慣行を者にならって切りかえることを目的としたものであります。従って、当初は人命救助者に授与するもの、篤行者に授与するもの及び公共のため尽瘁した者に授与するものの三種で、章をつるりぼんの色を右の区分に従って紅緑藍の三通りとし、それぞれ紅綬褒章、緑綬褒章、藍綬褒章章と称することにしておりました。その後たびたび改正があり、種類としては大正七年に公益のため私財を寄付した者に授与するものとして、新たに紺綬褒章が追加され、さらに昨年緑綬褒章の授与範囲より一部を分離しかつその範囲を拡張して黄綬褒章を新設し、同様藍綬より紫綬を分離独立させました。次にその運用の実績を申しますと、創設以来の授与数は、紅綬褒章約六百、緑綬褒褒章約九百、黄綬褒章軍約四百、紫綬褒章約七十、藍綬褒章約二千三百、紺綬褒章約八千三百にすぎません。なお褒章には飾版の制度があって、すでに褒章を受有する者について、重ねて同種の褒章を授与されるべき事績があるときは、褒章にかえて飾版を授与することになっており、この飾版の授与数は約三千四百で、その大部分は紅綬褒章に関するものであります。以上のような制定の趣旨と運用の実績にかんがみ、章の体裁が現行制度では銀製、円形で、記章と同様のものにすぎない点を改善することにいたしましたほかは、大体現行の褒章制度をそのまま受け継ぐことにしているのであります。 勲章等栄典の内容がいかに整備されましても、その運用においてその趣旨を遺憾なく発揮し、民主的でかつ厳正公平でなければ、まさに画龍点睛を欠くもので、栄典起用の機構の問題は、栄典の内容以上の重要性を有しているといえるのであります。この点につきましてさきに賞勲会議というものが設けられていました。これは賞勲局総裁を議長とし、勅任官で勲一等以上の者十五人に皇族を加えて構成され、勲章を授与しまたは剥奪するためには、その八人以上の議を経ねばならないことになっていたのでありまして、これが勲章が初めて制定された翌年の明治九年に早くも設置されております。今や憲法が改められて、栄典の授与は内閣の助言と承認によって行われることになっておりますが、個々の案件について一々しさいに慎重検討し公正な結論を行るために、法案は、総理府に栄典審議会を置くことを定め、菊花勲章、旭日銀光勲章以上の旭日勲章または文化勲章の授与またはその失効に関する案件を、内閣総理大臣が閣議にかけるには、事前に栄典審議会に付議しなければならないことといたしました。栄典審議会は、このほか勲章での他の栄典授与の内規、栄典制度の改正など栄典に関する重要事項について、内閣総理大臣の諮問に応じ調査審議に当るものとし、公正で識見のある者のうちから内閣総理大臣が選んだ十五人の委員員で構成されることに定められています。この委員は、賞勲会議と全く逆に大体現官者以外すなわち民間から選ばれることになるものと考えております。 現行の位階及び勲位勲等の制度は、ともに功労者に授与する称号制度でありますが、これらの制度は今後廃止することにいたしました。その理由は、第一に、今後の栄典制度をできるだけ簡素ですっきりしたものとすることを目標としておりますが、勲章のほかに位階や勲位勲等を存置する必要性が、この目標を犠牲とするほどでないと考えたことであります。また功労のある者に特定の称号を与えること自体は、必ずしも排斥する必要はないのでありますが、位階や勲位勲等を存続するとすれば、今後の運用は、従来のそれを全く一新しなければならず、この場合に新旧が混同して不都合を来たすと考えられることが、その廃止の第二の理由であります、 以上のほか、法案は、勲章等の着用、その授与の失効、外国勲章等の着用等について規定しておりますが、これらは大体従来の制度を踏襲したものであります。また本法施行の機会に、総理大臣官房賞勲部を総州府栄典局に改めたく考えておりますが、これらについてのこまかい説明は、後の機会に謙らせていただきます。 以上をもって終ります。
○山本委員長 質疑の通告がありますので順次これを許します。井手君。
○井手委員 私は栄典法案の質問に先だちまして、委員長に一言所見をただしたいのであります。 ただいま説明がありました栄典法案は、これは申すまでもなく憲法の規定によって制定されようとする法律であります。その急、不急の点については別にいたしましても、いやしくも憲法の条章に基く重要法案でありますならば、当局の態度にいささか私は不審なものがあると思うのであります。先般の説明においては、官房長官から提案の趣旨説明を伺いました。本日は賞勲部長から補足説明があったのでありますが、本来ならば国務大臣が行うのが当然であると考えております。第一回国会において、また第十五国会においても、その答弁の衝には、ほとんど当時の緒方副総理が当ったのであります。従来法案の審議に当っては、最初国務大臣より説明があり、重要法案については総理に質問をいたして、そのあとで国務大臣あるいは政府委員に対して内容の質問をいたし、最後に国務大臣に対してあるいは総理に対して一括質問をしたのが国会の慣例であります。ところが今般は今どなたがお見えになっておるか知りませんけれども、国務大臣は見えていないようであります。いやしくも当初から補助機関をもって国会に説明するということは、私は国会を軽視するものと思うのであります。堪能の委員長においてはすでにそのことは十分御承知であろうと存じますので、この機会に適当に御処置下さることを私は特にお願い申し上げます。実は先般これを申し上げるつもりでありましたが、急の場合でもありましたから説明だけを承わりました。この栄典制度のあり方について、基本的にまず私は総理の意見を聞かなくちゃらぬ。もし総理が来られないとするならば副総理を出席さして答弁に当らせていただきたい。これを切に私は要求いたします。
○山本委員長 ただいま井手委員の御展望は、全く委員長においても同感でありますので、御要望に沿うよう適当に処置いたしたいと思います。特に明後日の栄典法案の審議には総理大臣の出席を要望しております。それ以外の審議の際における総理大臣またはそれにかわるべき国務大臣の出席を御要望でありますが、できるだけ御期待に沿うように善処いたしたいと存じます。
○井手委員 大体の御方針は承わりましたが、私はまず発言を通告をしておるわけであります。どうしても栄典制度のあり方、基本的な問題から入りたい。きょうはほかの問題からという意見があるかもしれませんけれども、私は国会の権威のためにまずそうであらなくてはならぬと思うのです。せっかく私は発言を求めましたから、もし十何分かのあとに適当な国務大臣か出席なされるならば、このままお持ちをいたします。そうでなければ、このままどなたの審議に入ることも私は賛成しかねるのであります。いかがでありましょう。
○山本委員長 井手君の御発言について御相談をいたしたいと思いますから、暫時休憩いたしまして、直ちに理事会を開きます。 午前十一時五分休憩 ――――◇――――― 午前十一時二十一分開議
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際お諮りいたします。昨十四日、石橋政嗣君理事辞任につき、その補欠選任を行いたいと存じますが、委員長より指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なければ、石橋政嗣君を理事に指名いたします。 午後一時再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時二十二分休憩 ――――◇――――― 午後二時五十五分開議
○山本委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 駐留軍の基地問題等に関し、発言を求められておりますので、この際順次これを許します。福井君。
○福井(順)委員 基地問題が重大な段階に突入せんとして、国民の注視を浴びておりますが、またこの基地問題は、国際的な関連がありまするので、今のままで推移していったならば、これから先の段階においては、国際的な信義にももとるというような事態が起きてきはしないかということを憂慮するものであります。こういう段階になってきたということにつきましては、これは敗戦日本の苦悶の表情だということも言えると思うのでありますけれども、一つには今までの政府の施策が当を得ていなかったということもいえると思うのであります。すなわち一貫した方針が立てられておったかどうかということになりますと、はなはだこれは疑問なきを得ないのであります。第二十二国会におきましては、十月までにはこの五カ所の航空基地拡張問題も全部解決をするという話でありましたが、また本年三月にはこれを全部解決する、もし三月で解決がつかないときには、話し合いをやめて強制収用をするということも流布されたのであります。これはあとで倉石労働大臣にお伺いしたいと思うところでありまするが、そういうように一つの方針が一貫していない、これが今日のような事態になってきた一つの大きな原因ではないかと思うのであります。それともう一つは、何がゆえにこの基地の拡張が必要であるかというようなことを国民が認識をしていないということであります。アメリカの要請によって、ただ米軍のために基地の拡張が必要であるというようなことが、国民に信じられており、そこであの無用な妨害といいましょうか、無用な反対が各所に起きておるというようなことではないかとも思うのであります。もう少し、日本防衛のためにはどうしても基地の拡張が必要だということを、国民に認識させる措置がとられたならば、日本国民たるもの一人といえども、どうしても日本の防衛上最小限度の基地の拡張であるならば、だれもこれは反対するものはなかったと私は思うのであります。この点の方途が何も講ぜられていなかった。 先般、私はこの内閣委員会から福岡の板付航空基地の調査に参りましたときに、板付の航空司令官が、日本の地区を五地区に分けて、そうして日夜日本防衛のために奮闘しておるのだということを、るる詳細にわたって説明してくれましたときに、私は日本防衛というものに対しまして新しい認識に立ったのであります。しかもこの司令官が申しますには、もし米軍の航空基地が日夜哨戒をしなかったならば、この日本を防衛する措置をとらなかったならば、おそらく数十回にわたって戦後日本はある国の航空機の侵犯を受けたに違いない、こういうことを確言いたしております。こういうことを聞きますと、日本防衛のためには、この航空基地というものがいかに必要であるかということも、私は痛切に感じたのであります。こういうことが国民全般に認識させられたならば、私はこの基地反対の様相というものは、今よりもっともっと変っていたのではないかと思うのでありますけれども、残念ながら政府にはそういう一貫した方針がなくて、そういう措置もとられなかった。そこでこういう重大な段階に立ち至ったのではないかと思います。かかるときに、五月十一日に基地問題閣僚協議会が設置されましたことは、まことに時宜を得たことだと思うのでありますが、この内容につきまして、一体どういうことを協議されるのか、またどういうやり方でやられるのか、できる限りこれは簡単に要領よく官房長官から御説明願いたいと思います。
○根本政府委員 基地問題は、ただいま福井委員から申された通り非常に重大な問題でございまして、従来とも関係各省が随時連絡協議してやって参ったのでありますが、この際むしろ積極的に関係閣僚が協議体を設けまして、迅速かつ円滑なる連絡をして進めることが適当である、かような観点からいたしまして、閣議決定に基く閣僚協議会というものを設けたいと考えている次第でございます。これは日米安全保障条約第三条に基く行政協定の、施設及び区域に関する諸問題について協議するという目的のものでございまして、この構成員は、外務大臣、大蔵大臣、農林大臣、建設大臣それから調達庁の事務を担当する国務大臣、それに自治庁長官、防衛庁長官、内閣官房長官ということになっております。なおこれを事務的に補佐して、十分にその目的を達成するために幹事会を設けるのでございますが、この構成員は、内閣官房副長官のうち一名を指名したいと思っております。それから法制局次長、調達庁長官、自治庁次長、防衛庁次長、法務事務官、外務事務官、大蔵事務官、農林事務官、運輸事務官、建設事務官ということになっております。そういたしまして、幹事会の議長は調達庁長官をもってこれに充てるようにいたしておる次第でございます。なお幹事会の議長は、必要に応じて構成員以外の関係行政機関の職員を幹事会に出席させて意見を述べさせるようにいたしておる次第でございます。なお幹事会の運営に関し必要な事項は、幹事会の議を経て議長が定めることにいたしております。なお幹事会の庶務は調整庁においてこれを処理するということにいたした次第でございます。
○福井(順)委員 大体の構想がわかりましたが、そこで私がお伺いしたいのは、五飛行場の拡張について、大体いつごろまでにこれを完了しようとお思いになられるか。また話し合いでこれを解決しようと思われているのか。もう一定の期限を切ってその期限内に話し合いがつかなければ強制収用もやむを得ないという方針でおられるのか、お伺いしたいと思います。
○根本政府委員 飛行場の拡張の目標は、先ほど福井委員からお示しになった通り、実は昨年末までにこの問題を解決いたしたいと思って鋭意努力したのでありますが、なかなかその運びに至らないことは遺憾に存じております。五飛行場のうち三つの飛行場、横田の問題と小牧、立川、この面がまず緊急を要することでございますので、これを先にいたして、それから木更津と新潟、こういう順序でやりたいと思っております。もとよりこういう問題は、国民の理解、特に関係町村並びに関係住民の御理解のもとにやっていきたいということのために、実は政府の所定の目標の時期より若干おくれましても、できるだけ理解と協力によってやりたいという趣旨に基くものでございます。しからばどうしてもその話ができなければ強制収用するか、その時期はいつかというような御質問でございますが、強制収用ということは最後の最後でなければいたしたくない。できるだけ理解と御協力によってやりたいと思っておりますので、強制収用をいつやるかということは、今あらかじめ指定してはいないのであります。強制収用なくできるだけやりたいということのために、最大限度の努力を傾けている次第でありまして、なお飛行場の拡張、基地の問題は、御承知のように、日本の安全保障のための問題でございまして、日米安全保障条約も要は日本の国土の防衛という観点に立って作られたものでございますので、当然これは日本国土の安全保障のためでございまして、決してアメリカの一方的な要求だけでこの問題を推進しているのではございません。その点については防衛長官からもお話があると思いますけれども、どこまでも日本の安全保障のために必要やむを得ない最小限度の基地を整備し、両国の協力によってその目的を達成したい、かように考えている次第でございます。
○福井(順)委員 そういたしますと五飛行場の拡張というものは、すでにすべて決定をいたしておりまして着々政府の方針通りにこれを実行する、こういうことは決定しているということですね。
○根本政府委員 さようでございます。
○福井(順)委員 それでは先ほど来申し上げましたように、十分に国民が納得するような措置を講ぜられ、でき得る限り話し合いによって事を進めるということにいたしていただきたいと思います。
○根本政府委員 先ほどお答え申し上げました通り、最初政府の予定した時期よりは相当延びておりますけれども、この点はでき得るだけ日本の国民感情に対する理解を得てからやるたいために、アメリカ側についても十分その点を交渉しつつ今日に至っておりますので、なるべく早くは結論を出したいのでありますけれども、それと同時に関係利害辛あるいは関係自治体との間の了解と協力を得ることが最大の問題でありますがゆえに、若干おくれているのもやむを得ないということで、向うの了承を求めつつやっている次第でありまして、お示しの通りにいたしたいと考えている次第であります。
○福井(順)委員 労働大臣がおられませんが、あとでお見えになったら御質問することにいたしまして、防衛庁長官に質問したいのでございます。終戦直後千葉県の九十九里海岸難海に米軍が突如参りまして、そうして豊海地区を接収して高射砲の実弾射撃場として今回に至っていることはすでに御承知の通りであります。独立後ならばむろんこういうことはできなかったと思うのでありますけれども、当時は占領直後でございましたので、有無を言わさずというような状態で、高射砲の射撃場にして今日に至ったのでございますが、その間幾多の問題が起きております。特に最近におきましては、この数年間九十九里沿岸は不漁でありまして、漁民はほとんどもう生活ができないというようなどん底の状態にたたき落されている。そこでいろいろ研究してみました結果、どうも実弾射撃の発射音、炸裂音等によって魚族が回遊してこないのではないかというような結論に達しまして、東大の末広恭雄博士に調査を依頼して、二十二日から五日間水中の科学的な調査をすることになっておるのであります。まことに漁民の生活は貧困をきわめまして、いま一歩で餓死寸前ということになっており、いろいろこれが対策を協議しておりますけれども、魚がとれる以外にどうにもしようがないというような状態であります。 それからまた民家に非常に近接したところに砲座が据えられております。これも、その当時米軍がしゃにむにやってきて砲座を据えつけてしまったのでそのままになっておるのでありますが、再々事故が起きております。あるいは無人機の標的機が民家に突入して二人も人が死んだり、高射砲の断片がばらばら頭の上から落ちてくる。まるで戦場にいるような状態であるというようなことだとか、その他砲爆音、発射音あるいは炸裂音によって、妊産婦が非常な影響を受けておる。あるいはまた付近の震動によって家屋に相当損害を生じておるというような、枚挙にいとまのないところの被害が続出しておるのでありますけれども、特に私が再々本委員会でも訴えておりますことは、危険防止をどうしてくれるかということであります。私は何回も危険防止について本委員会でも質問をいたしまして、そのたびに、米軍からも調達庁からもあるいはまた自衛隊からも、こういう危険防止の措置を請じたから今後は絶対に危険でないという確約を得たのでありまするけれども、この危険防止は言うべくしてなかなか行われにくいということでありまして、あとからあとから危険な状態が続出してきております。これは、考えてみますと、こういう民家に近いところに射撃場があるということが間違いでありまして、射撃場がある以上はある程度の危険は防止できないという結論に私は達しております。そこで何としてもこの射撃場をもっと安全なところに移転をしなければならないということを絶えず考えておりまして、先般来私は再々どこか適地はないものかということで、神奈川県の茅ケ崎の米軍の射撃場、演習場が大へん適地だということも聞きましたので、数回にわたって個人的に調査に参りましたところ、ほとんどあそこでは演習をやっていない。しかも豊海の海岸から見ますると、人家も非常に離れたところにありまして、茅ケ崎の演習地でならば、実弾射撃場にしても豊海の射撃場よりも危険防止という点については数等まさっておるのではないかと考えております。またその他の漁民に対する不漁対策だとか立地条件からいきましても、これは数十段まさっておると思うのでありますけれども、防衛庁長官はここで一つ豊海の射撃場を移転してくれる気持はないかどうか。また射撃場の移転ということは、米軍との関係もありますので、その点につきましては米軍の意向もたださなければならないことでなかなかむずかしいことかとも思いますが、豊海の射撃場などはとうてい危険で続けられるわけのところではないのでありますから、少くとも米軍撤退後は、自衛隊の射撃場としては豊海を移転する、一つの候補地としては茅ケ崎の射撃場のようなところがあるのでありますから、そういうところへ移転するということを二つお考え願いたい。この点につきまして防衛庁長官の御見解を一つ承わりたいと思います。
○船田国務大臣 九十九里の片貝の米軍射撃場につきましては、ただいま福井委員がおっしゃられたように、いろいろ地元に被害があるために御非難があるようでございます。これも福井委員からもたびたび当委員会においてお話がございました。しかし、これは直接は米軍がやっておるのでありまして、ただ米軍の使用の合間に自衛隊が使わせてもらっておるという程度のものでございます。従いまして、米軍の意向を無視してこれをどこに移転するということも今ここにお約束はできませんが、ただいまいろいろ被害の問題についてのお話もございましたし、また候補地についても具体的におあげになりましたから、それらの御意向を十分承わりまして、今後機会がありますれば十分それらのことを取り入れまして米軍とも交渉をし、また米軍が撤退した後の射撃場ということについても、地元の方々に御迷惑のないように計画を立てるようにいたしたいと存じます。
○福井(順)委員 私が数回個人的に調査をいたしましたところでは、あらゆる点におきまして、豊海の射撃場よりも茅ケ崎の米軍演習場の方が、数十等立地条件がまさっていると思いますから、ぜひこれは一つ早急に調査をして何らかの結論を出していただきたい、こう私はお願いする次第であります。何にいたしましても、豊海射撃場は、とにかく砲座からわずか二百メートルくらいのところにもう民家がたくさんあるわけでございますから、これはどんなに危険防止の対策を講ずるといっても、なかなか言うべくして行われない、次々と事故が発生するのじゃないかということをおそれておるのであります。私はここで会申し上げるように、おそらく日ならずしてまた事故が起るような場合があるということが想像されます。こういうところに射撃場があるということは、人道上の見地からも、あるいはまた広く申しますなら憲法上の解釈からいいましても、とうてい許さるべきところでない。そういうところに敗戦の結果偶然にも射撃場ができたわけでありますから、防衛庁長官といたしましては、よく一つ調査をされまして、ぜひとも可及的すみやかに移転をしていただきますようにお願いいたします。その一つの候補地といたしましては、東京から近いことが一つの条件のようでありまするから、現在、茅ケ崎の海岸あたりは最も適地だと思います。どうも、私の地元にそういう射撃場があって大へん苦労しているので、それをほかへおっつけるように考える方もあるかもわかりませんが、私は決してそういうさもしい根性でなく、私の調査しました結果はその方が数等まさっているように思うので、そうお願いする次第です。どうぞ一つ可及的すみやかに御調査願って、何らかの措置を講ぜられんことをお願いいたします。 私は、労働大臣が来られましたらまた質問いたしたいと思います。
○船田国務大臣 ただいま福井委員の仰せられたこと、十分研究いたしまして善処して参りたいと思います。
○山本委員長 赤松君。
○赤松委員 理事会の御決定によりまして、ごく簡単に一点だけお伺いしたいと思います。なお同僚議員が基地問題等重要問題につきまして質問することになっておりますので、できる限り簡単に申しますから、誠意を持ってお答え願いたいと思います。 私のお聞きしたいのは、潜水艦の侵入を阻止するために水中防備施設をば戦前持っておったわけです。これは津軽海峡、東京湾、紀伊水道、豊後水道、佐世保湾、下関海峡、こういうところにあったわけでございますけれども、現在防衛庁がこの施設をばすでに行なっておりまするのは、津軽海峡、それから三浦半島、この二カ所であると承わっておるのでございますが、防衛庁の全国的な潜水艦侵入に対する水中防備の計画をこの際詳細にお示しを願いたいと思います。
○船田国務大臣 ただいまの問題は防衛局長から御説明申し上げることにいたします。
○林(一)政府委員 私からお答え申し上げます。ただいま御質問の対潜哨戒機具の設置の計画でございますが、現在計画予定いたしておりまするのは、大阪湾の南口の淡路寄り、関門海峡の西口にあります六連島、伊勢湾の南口にあります伊良湖岬、この突端の水中にこのような対潜哨戒機具を設置いたしまして訓練いたしたい、このように考えておるのであります。
○赤松委員 それはどれくらいな期間でその御計画をば完了しようとなさるのですか。
○林(一)政府委員 この対潜哨戒機具の設置は、ただいま申しましたように訓練のため行うものでありまして、これらの訓練の成果を上げるためには、設置される海面につきましてその海底の状況の変化とか、あるいは海潮流の変化、こういうようなものに対応して操作訓練してその資料を得なければならないので、このような訓練の成果を上げるために、その必要な期間このような設置をいたすのでございます。もちろんそのような訓練の成果を得ました暁においては撤去したい、こういうふうに考えておるのであります。
○赤松委員 潜水艦に対する侵入阻止の施設だというお話でございますけれども、その潜水艦は言いかえますならば、仮想敵国と申しますと語弊がございますけれども、一体どこの国の潜水艦をば阻止するためにそういう訓練なり施設なりが行われるのでございますか。と申しますのは、私の手元に参っております、あとで申し上げますが陳情の二節にこういうのがあります。これ第三点になっておりますが「世界平和の達成のため各国とも緊張緩和の方向に努めている現段階において、果してこれに逆行するような施設が必要かどうか。また原子兵器時代の今日かかる施設が役立つものであるか、我等の常識をもってしては疑わざるを得ないのである。もし演練のためなれば、比較的漁業の被害の軽少であったという既設場所で行なって欲しい。」こういう陳情書が参っておりますが、この点についていかがでございますか。
○林(一)政府委員 どこの国の潜水艦を相手としてその訓練を行うかというようなお話でございますが、これは長官からたびたびお話し申し上げておるように、仮想敵国というものは考えていないのであります。このような対潜哨戒機の必要なことは、世界各国ともこれを認めておるのでありまして、そのために訓練いたすのであります。このような場所をどうして選んだかと申しますと、このような場所は海底の状況あるいは潮流の変化、こういうようなものが複雑でございまして、変化に富んでおる、このような機具の訓練をするのには非常に適質な場所である、こう考えましたので、このような場所を訓練のために選んだのでございます。
○赤松委員 船出さんは防衛庁長であると同心に国務大臣であります。従って国民生活の面とそれから防衛の面と二つの面を考えなければならぬ。その際言うまでもなく重点を置いて考えなければならぬことは、国民生活の問題です。国民生活のために防備ということをあなたたちは考えておる。こういうような施設を施すことによって魚族が全滅する、あるいは沿岸漁業が壊滅に瀕するというようなことが現に起りつつあるわけです。私の手元に詳細図解をいたしまして、魚の通る道、ここにいろいろな施設が行われるのでございますけれども、これではもう沿岸漁業が絶滅をするというようなことが具体的に起きてきているわけです。そういうような沿岸漁業が全滅をする、あるいは漁民の生活に、あるいはその漁民を中心とした周辺の農村等に著しい経済的な変化が起きた、このため国民生活に非常な危機をもたらすというような場合におきましては、その計画をば当然中止さるべきであると思うのですが、これに対しまして長官は防衛を重点に考えるのか、国民生活を重点に考えるのか、これた二つお伺いしたいと思います。
○船田国務大臣 もちろん国民生活を無視して防衛施設をするというようなことはございません。ただいま赤松委員が御指摘になりましたような点につきましては、多少地元の方々の誤解があるのじゃないかとも思います。それはこの対潜哨戒機具の設置ということは、漁族の繁殖とかあるいは漁獲ということにそれほど大きな影響を与えるものではないと存じます。具体的の事実について十分調査してやらなければなりませんけれども、しかしきわめて施設は小規模なものでありまして、東京湾に設けられた防潜網のような大きな施設でなく、そうしてしかも広い地域にわたって魚族の通行を阻止するといったようなものではございませんから、この対潜哨戒機具の設置及びそれを使いまして訓練をするということによりまして、ただいま御指摘のような、そういう大きな影響があると私は考えませんが、しかし具体的にもしそういう事実がありといたしますれば、 その点は十分考慮いたしまして、漁民の方々、関係の地元の漁獲等に影響のないように、十分考えて参らなければならぬと思います。決して国民生活を無視して、ただ防衛目的を達すればいいというようなことを考えておるものではございません。
○赤松委員 誤解というのは事実に反する認識をすることなんです。ところが実際にその業に携わっておる人は長い間の経験から、そしてまた水産関係の権威ある方面からもそういうことが指摘をされておるわけでございます。防衛庁の立場から申しますならば、おそらく潜水艦をば防ぐという施設なり訓練なりをするということに重点が置かれまして、割合にこういう問題につきましては従的に考えられておると思うのでございますけれども、しかしながらここに現に、たとえば被害地の一つでございまする愛知県の水産試験所が公けに発表しているのです。魚に低周波は絶対だめだ、全然魚は入ってこないということをここへ公然と発表しております。そしてその当該県といたしましては、これでは困るということでもって意思表示をしております。あなたの力の係官が参りまして、そこで県と懇談会を開きまして、その懇談会の席上におきましても、公然とこういうような科学的調査なりあるいは科学的測定の上に立って、こういう結論が出ておる。ところが防衛庁の方としましては、やはり一定の計画がございまして、たとえば八月までに何とか完了したい、こういうことで一切を八月を目標に強行されておるという事実があるわけでございますけれども、重ねて私は長官に尋ねをいたしまするが、さような場合、たとえば防衛庁が逆に誤解をしておる場合、あるいは事実に対する認識が欠けておる場合、漁民が非常な損害を受け、その漁獲の上に決定的な、致命的な痛手を受けるということが、科学的に立証されるという場合におきましては、その計画をば御変更なさる用意があるのかどうか、これをお聞きしておきたいと思います。
○船田国務大臣 地元の漁民の方々の十分な御了解を得てやるように努めて参りたいと思います。
○赤松委員 御了解を十分に得るということは、要するに強制的な手段、権力的な手段、そういうものをとらないで、あくまでも納得の上で話し合いをきめていく、こういうふうに理解しておいてよろしゅうございますね。これは当然のことなんです。
○船田国務大臣 十分御理解を得、御協力の得られるような方法をとって参りたい。そのために最善の努力をして参りたいと考えます。
○赤松委員 たとえば私の手元に来ておりまする陳情等について申し上げまするならば、この計画はほとんど地元の諸君が知らない間に進められておる。たまたま県庁に防衛庁の方からそういう連絡がありまして、初めてこの問題が公けになっておるという事実が、ここに日町を付してずっと記述をされておるわけです。なおただいますでに設置をされました場所は、津軽海峡それから三浦半島ということになっておりまするが、大阪湾、これは裏側にある播磨灘、それから関門海峡、それから今育った伊勢湾、こういうことになっておりまするけれども、これらの点につきましては、先ほど長官のお話のように、強制的な手段をとらない、あくまでも話し合いでもって進めていく、こういうお話で、私は大へんけっこうだと思います。ぜひとも砂川のような事態が起らないように、一つそのような方法で進めていただきたい、こう思います。ただしこの補償につきましては、政府はどういう法的根拠に基いて補償されるのであるか、念のためこの際お伺いしておきたいと思います。
○林(一)政府委員 このような機具を設置する場合におきましては、場所によっては、おっしゃるよう操業の制限または禁止の措置を講じなければならないということになりますので、その場合には必要最小限度の範囲で行う予定でございますが、その場合は、自衛隊法百五条の規定によりまして、この区域なりあるいは期限を定めまして、これに対する漁業補償を行うということになると思います。その補償額の決定等については、関係者と十分協議の上適正に行いたい、こういうふうに考えております。
○赤松委員 ただいま御答弁のように、自衛隊法第百五条によりますと、「内閣総理大臣は、自衛隊の行う訓練のため水面を使用する必要があるときは、農林大臣及び関係都府県知事の意見を聞き、一定の区域及び期間を定めて、漁船の操業を制限し、又は禁止することができる。」「国は、前項の規定による制限又は禁止により、当該区域において従来適法に漁業を営んでいた者が漁業経営上こうむった損失を補償する。」こういうことになっております。これは私はよく承知しておりますが、この補償につきましては、これは前例があると思うのでございます。この前例と申しますのは、東京湾における補償、これなども一つの前例ですが、他の今予定されております三つの区域に対する補償――むろん補償の額をここで示せということを申し上げるわけではないのでございますが、補償の基準につきまして、一体何を基準にするのであるか、この際重ねてお伺いしておきたいと思います。
○林(一)政府委員 補償の基準は、大体現在調整庁で行なっております補償の基準によってやっておるのであります。
○赤松委員 調達庁によって行なっておるその補償の基準は、どの法律によりますか。
○林(一)政府委員 この基準は、私が聞いているところによりますと、大体こういうことになっていると存じます。漁業経営者に対しましては、漁業所得に対する補償額は、当該制限期間に対応する期間の平年漁業所得額から、当該制限川間の所得額を差し引いた額の八〇%となっております。さらに漁業に従事する経営者以外の個人につきましては、前年の収入に対して八〇%以下に下った場合においては、その差額を補償するというような基準になっていると開いております。
○赤松委員 それは政令ですか。あるいは法律ですか。法律であれは何という法律ですか、お示し願いたい。
○林(一)政府委員 閣議の了解と聞いております。
○赤松委員 これは重大です。閣議の了解とは一体何ですか。
○鈴木説明員 調達庁の方からお答え申し上げます。漁船の操業制限によります損失額の算定の基準は、昭和二十七年の七月四日の閣議決定に基きます駐留軍の用に供する土地等損失補償要綱、この中に漁業の損失の補償の算定の基準がきまっておりますので、その要綱によってやっております。
○赤松委員 そんな説明は無理なんです。実はこれは法律はないのですよ、それで今までは閣議了解事項でもって適当にやっておったのです。それで民事特別法によれば、国原賠償法に準ずるということになっているのですけれども、実際はこれから問題になる基地にいたしましても、これは当事者と調達庁との間に、今の開帳了解事項が基準になって進められている。一方が言うことを聞かなければ、それを救済する手段というものは、裁判所に訴える以外にないのです。ところが実際に被害を受けている者は、裁判所に訴えて便々として訴訟を起していく時間も余裕もないということから、いつも負けているのです。このことにつきましては、ただいま私どもの手元で法律を立案中でございまするけれども、とにかく今度のこのような潜水艦侵入に対する水中防備施設及び訓練が行われる、これによって生ずる被害というものは、相当甚大なものがございます。追って明日これは国会対策委員会にかけまして、党といたしましてもこれに対する全山的な対策、さらにこれに対する補償等の問題につきましても、党の態度をきめまして、そして内閣委員の皆さんの手によりまして、ぜひこれらの漁民を救うために努力していただきたい、こう考えております。私は重ねて政府に強く要望しておきまするが、先ほど船田長官がおっしゃいましたように、われわれは無理押ししないんだ、あくまで漁民と話し合いでもって進める、強制手段はとらないんだ、この原則をぜひ一つ守っていただきたいということ。それからもう一つは、たとえば愛知県においてはこういうことが行われておる。これは奄美大島への移住の問題とからみまして、奄美大島に新しい漁港基地を作る、こういうことから、今度伊良湖から神島までこういう施設ができる、そうすると全部沿岸漁業はだめになる、だめになった漁民は奄美大島に持っていって、そこに愛知村という基地を作って、そこでやるという計画が現に県会におきましても、県当局におきましても具体的に進められようとしておるのです。こういうようなばかげた、愛知県の人間をば奄美大島に持っていって、その犠牲を転嫁するというようなことでなくて、考え直すべき点は率直に考え直してもらって、そうしていやしくもこういう問題のために国民生活が危機に瀕することのないように、万全の措置をとってもらいたいと思います。 私なお質問したいのでございますけれども、茜ケ久保君がまだ行っておりますし、また同僚成員諸君も待っておりますので、私の緊急の質問はこの程度にしておきまして、後日内閣委員の皆さんの手によりまして、この問題を徹底的に追及し、かつ、取り上げていただきたいと思います。
○西村(力)委員 関連して……。ただいま船出長官から地元との完全なる話し合いという御答弁がありましたけれども、大臣その他本省にいられる方々はそういう工合に考えておられるに違いないのですが、出先の係官は相当行き過ぎ、あるいは違法と言われる行為に出ている事例が非常に多いのです。その一つは、夜間でもよその関係の家に乗り込んで、そして君とは話し合う必要はないので帰ってもらいたい、こういうことを言っても、上り込んで長々と談じ込む。帰って下さいと言っても帰らない。こういう事例がたくさんあります。このことは不法なる家宅侵入という形にもなるんではないだろうかということが一つ。 その次は、反対を唱えておる人々にそうやって話をして、おやじこういうことだから何とか協力をと、こう言ったときに、そこのおやじなりだれかが、いやそういうことは私はとても引き受けられないという言葉を言ったのでも、話をしたこと自体を承認をしたという工合にとって、口頭承諾書というものを作っておる。これは現に茨城県の神ノ池飛行基地にあるのです。そうして口頭承諾書と書いて、だれそれは話をした、承諾をした、それを分厚くとじて、そうしてだれそれはもう承認したんだ、だれそれも承認をしたんだと、そういう口頭承諾書なるものを見せびらかして他の人を眩惑しておる、こういうことがあるのです。 もう一つは、私ではないのですが、現在の衆議院議員某氏を誹謗して、あの代議士は現在反対をしておるけれども、あの人は戦時中どうであった、そういうことから言うて、情勢が変ればあの人だってどうなるかわからぬのだから、そういう人々の言うことを聞いて君が反対を唱えたって、それはあとになって損をするだけだ。こういうような工合に国会議員を侮辱する侮辱罪を構成するような発言をやっておる。 こういう事例があるんです。それでは円満なる話し合いという工合にはいかずに、ますます地元の反感をあおり、硬化させる、こういうことになってくるのではないかと思う。今私があげました例につきまして、船田長官はどういう工合に考えられるか、そしてまたその後の処置をどうとられるか、御答弁をお願いしたいと思います。
○船田国務大臣 ただいま西村委員のおっしゃられた問題でございますが、これは先ほど来答弁申し上げておりますように、自衛隊あるいは防衛庁が施設をいたしますときには、十分地元の方々、関係町村等の御理解を得、御支援を得られるようにして進めて参りた いと考えております。もしその趣旨が現場の者に徹底しませんで、今お示しのような間迷った手段を講じておる者がありといたしますれば、それはまことに遺憾でございますから、もしそういう具体的の事例がございましたならば、十分当方に御連絡をいただきまして、地元の方々の反感を買ったり、あるいは誤解を生じたりということのないように、今後努めて参りたいと存じます。
○赤松委員 最後に希望しておきまするが、今も長官から、あるいは誤解ではないかというお言葉があったのです。あるいは誤解をしておる面があるかもわかりません。また被害の実情等につきまして、あるいはその防備施設がどんなに漁業に影響を与えるかというような点につきましても、やはりこれを被害者直接から聞く必要があると思うんです。従いまして適当なる時期におきまして、各地から参考人を呼んで、ぜひ意見を聞いていただきますよう、理事会におきまして御相談をしていただきますことを私から希望しておきます。
○山本委員長 了承いたしました。茜ケ久保君。
○茜ケ久保委員 今船田長官に対する質問が出ていますので、関連して申しますが、その前に、調達庁の担当大臣である倉石労働大臣に、もうすでに先週から出席を求めて了承を得たにもかかわらず、いまだ出席がないことはまことに遺憾であります。しかもこれはたびたびの要請でありまして、倉石国務大臣も承知しているはずでありますが、これは委員長の責任において、早急に当委員会に出席されるよう処置をしていただきたい、こう思うのであります。 ただいま西村委員から質問いたしました神ノ池の問題でありますが、私の手元にその書類が参っております。それによりますと、こういう紙切れに口頭承諾受理票というものを作って、こう書いてある。 こういう口答承諾書なるものを、本人の承諾なしに一方的に作って、そして判コを押して、いわゆる土地立ち入りの条件としてそういうことをやっている。しかも、そのことを本人の承諾なしにやっておきながら、土地の新聞には、一方的に作ってしまった口頭承諾書なるものを提示して、このように鹿島地区においてはもうすでにみんなが承諾しているんだ、従って大部分の関係者が防衛庁の航空基地設定について承諾を与えたかのような新聞発表等をいたし、土地の関係者に非常な不安としかも動揺を与えて、そして内部的な抗争を激化するようなことをやっている。このことは、今防衛庁長官が責任を持って御答弁になったその長官のお考えのように、地元の者と納得ずくで、話し合いで物事を解決したいという御趣旨とこれは明らかに相反したものである。しかもこれをなさしめるものは、防衛庁の関係者が明らかにこれを一緒にやっておる。こうなりますと、ここで長官にいかに今のようなりっぱな御答弁をしていただきましても、具体的に末端の土地の者と折衝する場面において、こういうことが白昼公然となされておりますと、われわれは簡単に、長官のここだけの答弁では信頼できないわけです。しかもこういうことは過去にもたびたびあったし、今も現に行われておりながら、その当事者である防衛庁において何らの処置もされないで、しかもなおこういうことを具体的に続行しておる。こういう事態に対して私はただ単なる御答弁だけでは了承できないのであります。 私はこの元鹿島航空隊、今の神ノ池基地に対してはいろいろ御質問する点もありますけれども、今西村委員が申しましたからこのことをお尋ねしているのですが、私はこれに関係するいろいろな証拠書類を打っておりますから、この件に対しては長官の責任において一つ早急に現地の実態を御調査になって、そうして適当な処置をとってもらいたい。もし何かある場合には、私の手元にある証拠書類をお見せしてもよろしゅうございますが、私どもがこういうことを出す前に防衛庁当局として神ノ池に対しては一つ至急調査をされ、しかもその調査の結果について私は適切なる御処置を願いたい、こう思うのでありますが、長官の御答弁を願いたいと思います。
○船田国務大臣 ただいまおあげになりました神ノ池演習場の土地の獲得についての処置が、出先の者において間違ってやられておるものがあるという御指摘でございますが、その具体的の事実について、実は私、承知いたしておりませんので、ただいまの点は十分調査いたしまして、不都合がありましたならば、そういう不都合なことをやらさぬように十分戒節して参りたいと思います。原則としてはどこまでも地元の方々の御了解を得て、土地の獲得をすることに最善の努力をして参りたいと思っております。
○茜ケ久保委員 神ノ池基地の問題について質問があるのですが、防衛庁長官には他に御用件があれば、あらためて次の機会に御出席をお願いすることにしておきます。 では、根本長官にお伺いいたしますが、先ほど福井委員の御質問に対して、基地対策に対する御所信のほどは承わったのでありますが、その前に調達庁が政府部内で非常に厄介者にされて、現在まで労働大臣が担当大臣として参っておりますけれども、何回か労働大臣の所管から防衛庁に移管するようなこともたびたび新聞等にも散見しますし、あるいはまた防衛庁ではこれを拒否されて、どうしても受け入れることはできないということで、また労働大臣の所管になったというようなことで、政府部内でも調達庁の担当大臣たることに非常に難点があるやに承わったのであります。今回の基地対策の閣僚協議会ができますまでに、調達庁に対する所管の問題がたびたび取り上げられて、いろいろ変遷があったようでありますが、こういったことに対する実際の様子がお伺いできれば、私どもの今後の軍事基地問題あるいは調達庁に対するいろいろな取扱いについて大へん便宜が多いのでありますから、長官から一つざっくばらんのところをお伺いしたいと思うのであります。
○根本政府委員 調達庁の制度ができましたのは、御承知のように、当初は連合軍の物資調達、労務調達がおもな任務でございました。その当時は、経緯から申しますと、一番大きな仕事の量が労働大臣が多くなっておりましたので、労働大臣がそれを担当する慣例になっておったのでございます。ところがだんだん時代が変りまして、現在はむしろ基地とかそういう方面が大きな問題になって参りましたので、自然従来の考え方からもう一つ新たなる観点で検討すべきではないかという意見が出ておったことは事実でございます。そうなりますと、実は渉外事項であるから、これは日米合同委員会等の関係があるとするならば、外務省がやってはどうかという意見もあったことは事実です。ところで実態は、いわば日本の防衛のために必要な施設としてこれが考えられるということであるならば、防衛庁につけた方がいいではないかという議論も成り立つわけでございます。ところで、この所属がいつもそういうような形で結論に達しないままで今日まで参っておるのでありますが、実は今回の行政機構の改革に当りまして、私一つの私見といたしまして、いつでも国会で問題となります防衛庁の施設の問題と、米軍の基地の問題は最も密接に関係があるから、この際はむしろ防衛庁の外郭としてはどうか、こういう意見を私から出したことは事実でございます。これには賛否両論がございまして、まだ議決しておりません。しかしすみやかにこの問題を解決いたさないといけないということで、現在その調整の途中にあるのでございまして、近き将来には防衛庁の一外局にするような方向にだんだん話が進んでおるというのが、現在の実情でございます。
○茜ケ久保委員 大体今までの調達庁の担当大臣のいきさつについてはわかりましたが、その間に今官房長官がおっしゃったような、いわゆる最初労務提供が非常に大きなウエートを持っておったから労働大臣が持った。現在では防衛庁という話もあるということですが、その間基地問題が非常にむずかしくなると申しますか、やかましくなりまして、調達庁というものが政治土非常にやっかいな存在であるような立場になりまして、これをいわゆる自分の所管行政機関である担当部面のほかに持つことは、そういう意味では非常に煩雑と申しますか、あるいは非常にうるさい状態になって参りましたので、そういった表面上のいわゆる行政的な面は別としても、実際にこれを担当することが、やはりそれぞれの国務大臣として非常に容易ならぬ事態に陥る、あるいはまた自分の正常な所管事項のほかに、そういったやっかいなものを背負い込んで、またこれが容易ならぬ事態を起すというような、そういった内面的な問題も相当あるのではないかということは、世間が一応考えるわけです。私ども基地問題に直接取っ組んである者としては、やはりこれは一応想像し得るのでありますが、こういった面のある調達庁の所管が問題になるという点に関係があるのじゃないか。たとえば今根本長官のお話では、防衛庁に今後移管するということは大体決定的のようでありますが、防衛庁としてもなかなか簡単にこれを引き受けるあれがない。やはり何とかできれば防衛庁の一つ所管に入れない力がよろしいといったような空気が濃厚だと承わるのでありますが、私が今指摘したような点も、根本長官としてはその過程においてお気づきになったようなことはないかどうか、承わっておきたいと思います。
○根本政府委員 ただいま私が申し上げたのが実相でございまして、それは関係職員としては、いろいろのいわゆる役人によくある積極的な権限抗争と、消極的な権限抗争があるいはあったかもしれません。しかしながらそういうことを主題としてこの問題はきめるべきでない。どこまでもやはりその行政の運営に当って筋が通るということが必要だということで、今研究を進めておる次第でございます。
○茜ケ久保委員 それでは一応現在労働大臣が所管しておる調達庁は、近き相当早い機会に防衛庁に移管せられるものというふうに了解しても間違いないのでございますか。
○根本政府委員 ただいま明確にそこまで私割り切っては申し上げかねますけれども、大体その方向に向って研究を進めておりますし、関係事務当局もその方針に従って現在協議研究を進めておるということは申し上げることができます。
○茜ケ久保委員 先ほど基地対策閣僚協議会でございますか、これの構成と、事務を担当する幹事会についての御説明を承わったのでありますが、これができますその一つの過程と申しますか、現在倉石労働大臣が調達庁を担当して、この基地問題と取っ組んでおられるのでありますが、この問題がこのように取り上げられたのは、一面から考えると倉石労働大臣が国務大臣として調達事務を担当されながら、その実績が上らぬ。従ってこれは倉石国務大臣にまかしておいたのでは基地問題は解決できないという結論から、これは関係閣僚の協議会になったと思うのでありますが、この点いかがでしょう。そうなりますと倉石国務大臣のいわゆる調達担当大臣としての責任の所在が問題になると私は思うのですが、根本長官はどのようにお考えになりますか。
○根本政府委員 御承知のように、基地問題の対策は非常に広範でございます。たとえば調達する場合におきましても、それにかえ地をどうするとか、あるいはその基地を拡張することに伴いまして道路のつけかえをしなければならぬ。また農地の関係におきましては、あるいは水利の事業を付帯してやらなければならぬとか、いろいろの関係事項が多いのでございます。ところがこれは従来もその都度やっておりまするけれども、それよりもやはり常置機関として関係閣僚間において話し合いをして、その間が常時連絡しておく形の方が今後の推移のためにもよろしい。また事務当局におきましても、これはやはりおのおのの立場がございまして、個々に調達庁の事務当局が折衝しておると、時間的にも非常にむだな時間もあるし、それからまた円滑を欠くという点がありまするので、一つの機構をもって、そうして総合的に、能率的にやる方が至当である、こういう観点からこういうような閣僚協議会並びにそれに協力するところの幹事の事務機構を作った、これが実相でございます。
○茜ケ久保委員 その御説明は一応表面から考えるとわかるのでありますが、しかし基地問題は今に始まったことでなく、相当前からありまするし、さらに深刻な問題となったのでありますが、特に今度閣僚協議会をお作りになったことは、当面する五つの飛行場の拡張がアメリカの要請になかなかこたえ得ない。ところがアメリカとしては非常な日ごとの催促があるようでありますけれども、なかなか思うようにいかぬ。そこで私は急遽今度の閣僚協議会が生れたものと思うのでありますが、そういたしますと、今根本長官の御答弁では一応これは表面の理由として決して理由にならぬわけではございませんけれども、やはり実際をいうと、これは水かけ論になるかもしれませんが、私どもから考えると、やはり倉石担当大臣のいわゆる調達事務に対する手腕が欠けておるというふうに指摘せざるを得ない。それは所管大臣として私の質問に対して何回も何月までにはやる、完成するということをたびたび答弁せられておる。しかもたびたびそれに対する万全の措置をすると言いながらなお今日できない。しかもできない上にさすがに政府が業をにやしてそうした協議会を作らざるを得ないということは、これは倉石国務大臣の、いわゆる労働大臣としては私はまだ何も申しませんが、少くとも調達庁担当大臣としては完全に失格である。これは失敗であるということは、私は言えると思う。これは私は根本長官としては、今度この協議会を一応主宰せられる方としては、同僚大臣のことはとてもお話になれないだろうが、われわれ野党としてはそういった観点に立たざるを得ないと思うのでございます。そこでこれに対する根本長官の御答弁は、とてもあなたに要求してもできないでありましょうから、要求しませんが、今度の協議会のいわゆる主宰者としての根本長官は、そうでございましょう、この閣僚協議会はあなたが主宰せられるのでしょう。そう承わってよろしゅうございますか。だれが主宰になるか、その点を一つ承わっておきたい。
○根本政府委員 これは協議会でございまするから、幹事会の方は相当事務的なことをやりますので、議長をきめておりますけれども、閣僚協議会においては成長とか、主宰者をきめておりません。これは協議体でございます。従いましてだれが主宰ということはございませんが、やはりこの性質上は調達庁を担当される国務大臣が主としてお世話するという形になるのが一つの方針でございます。
○茜ケ久保委員 そこで協議会がさしあたって五つの飛行場が主体なのであります。五つの飛行場の今後の取扱いをこの閣僚協議会はどのような点で推進をされるお考えであるか、あるいはまだ一四も協議会は開かれていないかもしれませんが、やはり少くともお作りになる以上は一つの方針というか、具体的な対策をお待ちになると思うのでございますが、さしあたってこの五つの飛行場の拡張に対してこの閣僚協議会はどのような具体的な推進方法を考えていらっしゃるか承わりたい。
○倉石国務大臣 私の方でもっぱら資料を整えまして、それぞれ関係閣僚に協議すべき事項があればそれをそれぞれ関係閣僚に持ち出して協議をするということで今いろいろ案を練っているところでございます。
○茜ケ久保委員 閣僚協議会をお作りになった主眼点は、新聞紙の報道するところによりますと、今まで五つの飛行場の拡張に対してそれぞれの立場から努力はされたようでありますけれども、その努力が実際的に現われないで思うような進捗をしない。そこでこれをどうしても進捗させるためには、今申しましたように、倉石国務大臣だけではやはり困難である。これはいわゆる政治上の問題は別として、たとえば土地の問題あるいは建物の問題、あるいは道路、いろいろな関係の閣僚があるので、そういった閣僚と協議体を作って推進するということでありますが、おそらくその陰には今まで話し合いをしようとか、納得すくでいこうとかいう立場をとっておったけれども、それでいかない。そこでこれはどうしても相当強力な手段方法を講じて、早急に解決しなければならぬという一つの前提があると思うのであります。そこで先ほど福井君の質問に対して官房長官は、まだ具体的にいつ強制収用の処置をとるということは考えておらぬとおっしゃったけれども、しかし先般の倉石労働大臣の御答弁では、いわゆるアメリカの会計年度の終りである六月中には何とか処置をしたいという御答弁もありましたことから考えまして、おそらくこの協議会の生まれました根底には、やがていわゆる強制的な手段をもっても、五飛行場を完成さしたいという意向があるように私どもは考えるのでありますが、これに対する根本長官の答弁がありましたので、今度のこの協議会を作られた底にはそういった一つの意図があるということを私どもは考えるのでありますが、倉石国務大臣はどのような観点をお持ちか、再度ここに御答弁を求めます。
○倉石国務大臣 連絡協議会を作っていただきました趣旨は、お話があったと思いますが、第一には防衛上わが国においてもこの拡張がぜひ必要であみ、なるべく早い機会にやりたいといり促進の意味もございますし、もう一つはいろいろ拡張その他のことについて、折衝いたしてみますと、たとえば飛行場の拡張をして参る途中に水路がある、この川水路は何とかしてあげなければいけない、暗渠のようなものでは不安定だから外部に回さなければならないといったようないろいろな問題が出て参りますから、そういう問題についてすみやかに話ができますように、関係閣僚において連絡協議会を持っておれば非常に促進されるだろう、こういうことでいたしたわけでありまして、その両面の意味があるわけであります。私が無能であるということについては、これは今度の理由にあったかこうか表向きになっておりませんが、無能であることはもう事実でございますけれども、今申し上げたような趣旨で地元の方も非常に希望しておられることであります。地元でもこの連絡会議というものを設けて、そういう趣旨と促進していくのだということを開いて非常に喜んでおる地方もあるのでありまして、そういう趣旨で設けられたわけであります。
○茜ケ久保委員 協力謝礼金についてはたびたび質問いたしましたし、また他の同僚委員からもあるいは質問があったと思うのでありますが、その性格その他については私は触れません。倉石担当大臣あるいは根本官房長官等がたびたびの御答弁に、地元と話し合いをするということ、さらにいろいろと納得をさして物事を進めたいということをおっしゃるのでありますけれども、私どもの見ただけでは、政府がどのような誠意をもって具体的に地元と真剣な話し合いを進め、またはほんとうに納得できるような措置をしたかということについては、まことに遺憾ながら了承する域に達しておらぬのであります。たとえば立川に倉石国務大臣が一度いらっしゃったように伺っておりますが、それはもちろん忙しい国務大臣でありますから、たびたびいらっしゃることはできませんでしょうけれども、少くともこのような、重大な問題であるから、ほんとうに政府が地元民を納得させ、しかも先ほど来たびたびおっしゃるように、この基地の設定が日本防衛上ほんとうに不可欠の問題であるという確信に基いてなさるならば、私はいま少し熱心な、しかも地元に対する政府としての必要な対策があってもよいではないか、こう思う。ところが遺憾ながら私どもの見たところでは、そうした具体的なしかも懇切、しかも必要な説得などはないといっても過言でないと思うのであります。ただ出先の諸君がたまたま行って現地の者と紛争を来たすようなことはありますけれども、ほんとうに政府として親心と申しますか、そういった立場からなされたことはないと私は思う。そうしておいて、ただ日だけを過してしまって、どうしても政府の言うことを聞かぬから、この辺でもう強制収用する以外に方法がないのだといったようなことは、私どもには納得ができない。私はここで根本長官に、この五つの飛行場に対してどれだけ具体的に政府が誠意と、しかも熱意と、しかも地元民に対して親切、懇切な話し合いと納得のいく一つの説得をなさったか、との点をお聞きしたいと思う。具体的な事例をあげて御説明願いたい。単に言葉の上でやったとかやらぬとかいうことではない。でなければ、私は次に皆さん方の抜こうとするいわゆる強制収用の手段をとうてい了承するわけにいかないと思う。私は倉石国務大臣にはたびたびお伺いしておるから、一つ政府側の根本長官から、政府のとった処置を一つはっきり御説明願いたいと思う。
○倉石国務大臣 政府を代表して基地の問題に当っておるのは、無能でありますが、担当大臣でございますから、私から代表して答弁をいたしますが、立川の問題につきましては、これはもう去年の夏ごろから東京都知事も中に入ってくれまして、しばしば東京都知事が地元とあっせんをされております。その中間に私と会見することがわかってはいろいろ新聞関係の方などもにぎやかになるだろうからといって、先方の御希望でひそかに代表者数名の方に知事と一緒にお目にかかりまして、数時間にわたっていろいろ懇談をいたしました。そのときには政府はこれどうしてもやらなければいけないのかということを熱心に質問されておりました。まだお互いがそういうところにあるかということについては、私どもは非常に意外に感じたのでありますが、政府はこういう事情で国防上やむを得ないことである。そこで東京都知事が中に入ってくれましたのは、つまり地元にいろいろな御迷惑をかけるのですから、国と都が協力して一つできるだけのことをしてあげたいと思うが、それについて一つ検討しようじゃないかという話でありました。都知事の方からもいろいろお話があり、地元からも話がありましたが、一ぺんともかく現地を拝見しましょうということで私が行ったわけであります。長時間にわたって立川及び横田の飛行場については現地を視察して参りまして、その後もしばしば会見をすることになっておりましたが、先方の御都合で中絶いたしておりました。しかし遂に今日に至りまして、立川においてはやむを得ないということで協議の書面を出したということであります。その他の基地につきましても私自身が地元のいろいろな方にお目にかかりまして折衝はいたしておりますが、茜ケ久保さんのようにこの基地の問題が早く成功することを期待して下さる方は別といたしまして、いろいろ表向きに発表申し上げることのできない事柄もございますので、そのことはどうかしばらくの間御猶予をお願いいたしたい。ただ最終的に政府はあらゆる努力を尽して地元の方々とも熱心に御協議を申し上げておる、こういうことは申し上げて差しつかえないと思います。
○茜ケ久保委員 立川については、先ほど私も申しましたように、倉石国務大臣が現地にいらっしゃったことは承知しておりますが、その他の、たとえば小牧あるいは新潟、木更津という飛行場に対しては、具体的に政府がどのような責任を持って地元と話し合いのできるような処置をとられたか。もちろん現地の調達局の職員等が行っておることはもう当然でありますが、これは政府の代表として現地の諸君と話し合い、あるいは政府の立場を現地の諸君に了解させるような対策でないと思う。ただ単なる事務的な折衝にすぎないと思う。政府として責任を持って横田、立川以外の三基地に対してどのような積極的な対策をなさったか、この点について一つ御所見を伺いたい。
○倉石国務大臣 その点について詳しく経過を申し上げることは、先方の御迷惑にもなることと存じますし、申し上げかねる点が多いのでありますが、実はせんだっての日曜日に私の方の党の大野伴睦民のお母さんの御不幸ということで参りまして、名古屋に降りたら十数名の新聞記者の方が来られまして、小牧の基地の問題でだれに会うのかというふうなことで、一日じゅうつけ回されたような次第でございますので、みんないろいろ敏感に考えておられることもあるようでありますから、具体的にどういうことをしておるかということについて、現在こういうところで申し上げる時期になっておりませんが、私どもとしては万全の対策を講じて地元の方々のできるだけのことをお手伝いして、この基地拡張に協力をしていただくようにやっておるわけであります。
○茜ケ久保委員 先般の当委員会の倉石国務大臣の御答弁によりますと、先ほどもちょっと指摘いたしましたが、アメリカの会計年度の終りである六月一ぱいにはこの五つの飛行場を、全部とは言わないが、少くとも急を要するものは処置したいという御答弁でありましたが、今日でもそのような御意向であるか。もし御意向であるならば、何らかの手段によって六月末の期日内に政府としては基地の設定が完了するような御自信をお持ちであるかどうか、この点を一つもう一回念のためにお聞きいたします。
○倉石国務大臣 私の力の希望は、今もあなたが御指摘のように、また前会御答弁申し上げた通りでありますが、いろいろな事情で若干のずれはあるかもしれませんが、極力推進をいたしておる最中であります。
○茜ケ久保委員 この問題に対しまして、私はいろいろただしたい点を持っておりますが、本日は閣僚協議会ができましたことを契機に、他の面について二、三お伺いしたい点があるのであります。この点をお聞きすれば根本官房長官は御退席してもいいと思います。それは政府としてはどのような表面の理由をおっしゃっても、私どもからすればとにかく今度の閣僚協議会というものは、強力な力によって政府が全力をあげて五つの飛行場をすみやかに設定したいという御意思であることは当然であります。その理由にはいろいろございましょうが、とにかくアメリカ駐留軍の用に供して、表面の理由は日本を防衛するという立場でありましょうけれども、私どもはこれもなかなかその通りには了解できない。特に先般の当委員会における重光国務大臣の御答弁の中にも、アメリカが日本に基地を作ることは日本のためばかりではない、アメリカに利益があるからやるのだ、従って日米安保条約も日本をただ単に守ってくれるということだけじゃなくて、アメリカにとって非常な利益があるから結ぶのだということを、はっきりおっしゃったわけです。そのような見地から私どもはむしろアメリカの利益があるからこそこうした ことをすると思うのでありますが、その見解は別といたしまして、このように政府が基地設定に強力な措置をなさる反面には、これに対する補償あるいはその他の具体的な国民保護の処置が当然なさるべきだ。土地を取られあるいは家を取り払われる補償についてももちろんでありますが、私のここで指摘したいことは、日本がアメリカに占領され、さらに一応講和条約が発効しまして形の上では独立した今日、アメリカ駐留軍による日本人の人命損傷が非常に大きいのであります。倉石労働大臣あるいは根本長官は占領以来今日までアメリカ駐留軍のために日本人のあたら尊い主命を落した者が幾人あるか御承知かどうか、御承知ならここで一つ御発表願いたいと思う。
○根本政府委員 その調査資料は私ただいま持っておりませんから明確なお答えを申し上げることはできません。
○倉石国務大臣 調達関係で調べたものがあればただいま今日までのところをお答えできると思います。
○茜ケ久保委員 まことに遺憾千万であります。調達専務の担当大臣である倉石国務大臣並びに根本官房長官が、アメリカの駐留軍のために日本人が尊い命を落した人数をお知りにならぬということは私は非常な怠慢だと思う。皆さん方はアメリカ駐留軍のために日本人の家屋、土地といったものを強制的にも取ろうとなさる、そういった反面そのことから起る重大な日本人の生命を落すような問題を知らぬということは、私は重大な責任だと思う。私が指摘したいことは、あなた方が日本防衛のためという見地から、アメリカに日本人の土地や財産その他のものを提供されるならば、そのために起る日本人のあらゆる損傷に対しては責任ある処置をなされなければならぬと思う。片方においてはいわゆる日本防衛という立場から駐留軍に日本人が自分たちの土地や家屋を提供させられながら、そのためにまたさらに一方においてはそのアメリカ駐留軍によって尊い人命が次々に失われていくということは、私はまことに大きなものだと思う。それに対して適切な処置ができるかできぬかは、政府がそういったことに対してちゃんと把握をしておって、随時その解決に当ってこそできることだと思う。私はここに的確な資料を持っておりますが、まことに莫大な人命が損傷されておる、しかも損傷された人命の補償というものはまことにささいであり、しかも長い期間放置をされておる。そうして一方的なアメリカの意思によって決定されておる、こういったことをどのように考えるか。私はただ単に誠意をもって解決するとか、あるいは適当な補償をするというだけでは済まぬと思う。皆さん方がアメリカのために提供されるそうした施設によって、いわゆる駐留するアメリカ軍が、日本人を犬、ネコのように殺傷しておる。私今から幾らでも事例をあげて申し上げることができる。こういったことがある。これに対して私は適切な措置があまりにもなされておらぬと思うが、こういうことをどう考えるか。あなた方は今一方においては強力な閣僚協議会を作って、基地の設定をしゃにむにしようとする反面においては、そういったことから起るいわゆるアメリカ軍の日本人の人命軽視というか、日本人を犬、ネコのような扱いをするこの状態、これは私は幾ら政府、与党といえども、こういった事態に対しては無関心であってはならぬと思う。これに対するあとから私は具体的な事例を申し上げていきますが、一つ抽象内にこういった事態に対する政府の所信をはっきり表明願いたい。
○倉石国務大臣 占領以来しばしば事故によって日本人が傷害を受けておることはたくさんございます。また独立後もそういう事故がございます。政府といたしましては、できるだけのそれに対する処置を今までやって参っておりますが、なお未解決の問題も礼来ただいま残っておりますが、私どもの方では先方との間に鋭意交渉をいたしまして、できるだけのことをいたすつもりでやっております。まことに遺憾なことには違いございませんから、われわれとしてはその点についても全力をあげて先方との交渉を続けておるわけであります。ただいま犬、ネコのように殺戮をしておるという話でありますが、それはたとえば今の飛行機が墜落をした、突然な事故でございますから悲惨な傷害もございましょう、そういうことについて、私どもは先方の過失であるかあるいはどういう事態であるかということを、調達庁でもきわめて詳しい調査をいたしました上で、こちらの方からできるだけの努力をして要求をいたし、解決に努力をしておるという次第であります。
○茜ケ久保委員 私はアメリカ兵が日本人を犬、ネコのようにと申しますのは、御承知のように、アメリカ人は非常に人命を尊重します。日本の内地におきましても、アメリカ兵があるいは飛行機によって墜落し、あるいは自動車事故によってがけ下に落ちたというような場合に、それこそ彼らはあらゆる努力とあらゆる資材を投入して、ある場合にはわれわれの公道である国道なり、県道の日本人の通行を、一日も二日も全く遮断して、自分たちの目的を進ずるためにはあらゆる方策を講じ、どんなことでもやっております。ところがそれほどアメリカ人の人命を尊重するアメリカ兵が、一たん日本人を自動車によってひき殺した場合、一応形式的には病院にかつぎ込みますが、あとの処置ときたら全くなっちゃない。これは具体的な事例は幾らでもある。こういうところに日本の政府のこういう事件に対するアメリカへの弱腰というか、日本人の人命を尊重する立場からは、ほんとうになくなった品本人や、あるいは大きな傷害を受けた日本人のために、何ら物事が運んでおらない。ということは、今度できました自動車の損害保険によりますと、だれの過失にかかわらず、日本人の自動車によって死んだ者には最低三十万円の補償がなされる。これは運転手の事故であれ、あるいはなくなった者の過失であれを問わず、最低三十万円が補償される。ところがアメリカ兵がひいた場合には、以前は見舞金でしたが、最近は一応労働者災害補償保険法の基準でやっておりますけれども、これすら裁定になりますと、アメリカは一方的に自由にこれを取捨いたしまして――これは具体的な法令上の問題についても私はお聞きしたいと思いますが、押しつけて、日本の調達庁はただアメリカの言いなりほうだいになって、向う様の言いなりになって事を処理しておる。従ってあたら尊い人命が次々に損傷されながらその補償たるや、全く現在の金の価値からいえばスズメの涙くらいにしかならぬと思う。こういったことを私は指摘しておる。従って今私が申し上げた犬、ネコのようにというのは、犬、ネコのように殺すのではない。いわゆる事故を起したあとの事態が、アメリカ兵のためには全く私ども考えると想像以上のことをやりながら、日本人を殺傷した場合には、あとの処置が全く犬、ネコを扱うような扱いしかされておらぬ。こういったことに対して、倉石国務大臣はただ万全の処置をするとか、努力をするとかおっしゃるけれども、具体的に解決される問題はみなそういった印象しかわれわれが受けないような処置がなされておる。これではいかぬと思う。私がたびたび指摘することは、あなた方が責任をもって基地をお作りになるならば、その基地によって起る、こういったような付帯的な問題も責任をもってできるだけの努力をしていかなくちゃならぬと思う。現実にはそれがなされておらぬ。一つ今までは今までとして、今後具体的に起っておる問題に対して、倉石労働大臣はアメリカ当局に対して、そういう日本人の人命損傷の場合に、アメリカがアメリカ人のために行なっておるような処置をされるような努力をされ、そうした結果を得るだけの確信と、努力をされる決心があるか、承わりたい。
○倉石国務大臣 従来の経過は一応事務当局から御説明いたしますが、将来のことはもちろん努力するつもりでございます。
○真子政府委員 私から少しく説明させていただきたいと思います。 先ほど数字をお尋ねになりましたが、占領期間中におきまする死亡事故――人命数ははっきりいたしませんが、件数にいたしまして四千三百二十九件であります。これは件数でありまして、人命はもっと少いのでありますが、なぜそうなるかというと、占領期間中都道府県で取り扱ったり、あるいは厚生省で取り扱ったりいたしまして、統計がはっきりしておりません。あとから何回も追及いたしたりしたものでございますので、件数におきまして増加しております。講和発効後における死亡事故件数は三百八十二名でございまして、未解決が四十一件でございます。 それから全般的に申しまして、いろいろ今お尋ねになりましたことについて一応御答弁申し上げます。お尋ねのようにいろいろな形で事件が起きております。大体毎年二千二、三百件くらいの事件が発生しておりまして、その年度末までに大体は片づきますが、約一割くらい残るという順序で進んでおります。そこで私どもといたしましては、できるだけ敏速処理ということと、被害者に対してできるだけの慰謝の措置、損害補償の措置をとりたいという方計で参っておるのでございまして、今もその努力を重ねておりますが、本国会におきましても何回かお尋ねをこうむりましたわけで、先月二十六回全国の調達局の補償担当業務の課長会議を開きまして、この点を強く強調いたしまして、今後の努力を職員にも要求しておるところでございます。しかしながら事柄の性質が、御承知のように、故意にやったものはとにかく、過失に基くものは、なかなか過失の程度とか、あるいは過失の有無とか、それから被害者側に過失があれば過失相殺になりますから、被害者側の過失も調べなければならぬというわけで、人命ばかりでなく、われわれは財産に対しても十分適切なる補償をしたいがために、それといろいろからまりますし、種々問題になっておりますが、たとえば骨董品のようなものにおきましては、非常に査定がむずかしいというようなことで、ころいろ双方間に話し合いがうまくつきませんためにおくれておるようなこともございますし、また補償基準が一応ございまして、その補償基準によってわれわれやっておりますけれども、これを実施いたしておりますといろいろ妥当でない点もあるように思いますので、米側と補償基準の改訂についてもせっかく努力いたしておるところでございます。人命等の場合には無収入者と収入のある人と、それから収入のある人でもその収入金額によって補償の程度が違いますので、そういったことについても、米側とわれわれ側との話し合いがつかないでおくれるというようなこともございますし、これは千態万様でございます。 御承知のように、過失事件は、国内的な処置におきましても非常にむずかしいのであります。裁判所におきましても、過失事件となると非常にむずかしく、その解決がおくれておるという状況でございます。私どももほんとは、これはむずかしいから、いっそもう裁判所に持ち込んでもらった方がいいと考える場合もありますけれども、それでは被害者の救済が非常におくれますから、鋭意各方して米側を納得させる、またわれわれとしてもできるだけ工夫して、なるべくよけいに出せるように努力する、こういうようにいたしておるところでありますけれども、先ほどから御質問の通り、十分なる処置というものが完遂いたしませんことは、まことに私ども取扱者としても遺憾に思っております。しかしながら私どもは、自分が手を切られ足を切られたようなつもりでやるという心がまえでおりますから、そういう点を一つ御了解願いまして、犬ネコのようにわが国民を粗末にしておるという点は、先ほどから誤解という文句についてのいろいろのあれがありましたが、誤解じゃないかと思いますから、御了承願いたいと思います。
○茜ケ久保委員 答弁を聞いておりますと、なかなか調達庁の皆さんも一生懸命やっていただいておるようでありますが、具体的な問題となるとそういっていないのであります。時間も大分過ぎておりますから、あらためて調達事務については機会を作らなくちゃならぬと思いますが、十八条の問題で、アメリカのいわゆる負担する部面、それから日本の調達庁が独自でなさる部面、さらに法的な関係についてアメリカが日本側の処置に対して容喙できない面とできる面と、いろいろあるので、そういった面が、私が最近具体的な事例に当面した場合に、どうも一方的に――あなた方どんな努力をなすったか知らぬけれども、具体的にはアメリカの意によってみんな決定されておる。日本側が当然やるべきことまでもアメリカの示唆によってこれがなされる。たとえば私の当面した問題にしても、これは明らかに警察当局も第三者も、被害者はちゃんと交通法規にのっとっていたにもかかわらず、アメリカ軍の自動車がえらいスピードで飛んできてひき殺したことが明らかだと認めているにもかかわらず、決定の内容をお伺いすると、双方に責任がある、しかも半分々々の責任があるというようなことを言っておる。とんでもない話なんです。えらいスピードで飛んできて、日本の交通規則によって歩いている者をひき殺しておいて、これは被害者にも責任があるんだ、半分の責任だということを言ったり、さらにその補償基準であるところの収入等の点についても、アメリカ軍が容喙し得ざるところの点にまでも立ち入って文句を言ってきておる。これに対して調達庁は、当然法規に基いて主張すべき点も主張し得ないで、アメリカ軍の言う通り処置をされておる。まだ決定はしておらぬようでありますが、どうも私はそういう点は納得できない。これは私の関係した事件だから具体的に知っておる。私はただ単に自分の関係した事件だから言うのではなく、前橋市において宮口という人が、首のところの脊髄を切られて、首から下は感覚不能で死にましたが、死ぬときまったときに、私の手を握りながらこう言った。私は残念ながら死にます。私は死ぬけれども、おそらく日本国中にはこんなで事故死ぬ人はたくさんおるだろう。たくさんおりながら、みな相手がアメリカ軍だからというので泣き寝入りになったり、あるいはわずかな補償で泣いているに違いない。だから先生、私の遺言として申し上げますから、私の問題をぜひ聞いてくれ。こういった問題は、死んだ者に非常な不利を与えて、死んだ者が死んでもいけないようなことにならないように一つ御処置を願いたい、と言って私の手を握ってそんな遺言を言って死んでいった。私はこの死んだ人が、自分の関係者であるなしにかかわらず、こういった事態がたくさんある。皆さん方は責任を持つとか努力をしたとかおっしゃるけれども、結果みなそうなっておる。そうなりますと、私が先ほど申しましたように、基地を責任をもって作る政府が、作った基地によって起るこういった問題も、責任をもって解決する責任があると思う。基地を作るために土地は取り上げられ、次は追っ払われる、いろいろ国民に損害を与えながら、それに付随した問題は国民の泣き寝入りでは困る。私どもはむろん基地は反対だから、基地を作ることにも反対しておることは御承知の通りである。皆さん方は責任をもって作っていらっしゃるのだから、作った基地から起るこういった問題は、私は国民に最大限の弔慰と補償をすべき義務があると思う。それが実際においてはなされておらぬ。私が犬ネコと言ったのは、命をとっておきながら五万や十万の補償金で弔慰ができるか、犬でも死んだら――りっぱな犬は五十万や百方の補償をとられておる。私の知っておる運転手は、犬をひき殺して相当とられた経験を持っておる。私の言うのはそこなんです。しかもたびたび指摘しているように、アメリカ人がアメリカ兵やアメリカ人の人命損傷に対して、日本人に対するような処置をとるならまた何をか言わんや。あなた方はよく知っておる。どのようにアメリカ兵の人命損傷に対して彼らがやっておるか。これを比較対照すると、私はこれは黙っておれぬと思う。従っていい例であるから、前橋の宮口某の問題を例にしてもいい。この例は今言ったようなことで死んだ。ところがアメリカ側は過失が宮口にあるからということ、さらに何か申請をした、それによって収入の点が違うとか違わぬとか言って、えらい文句を言っているそうだ。法的に見ると、死んだ者の三月前の収入の平均が当然これは基礎になるわけだと聞いておる。ところがアメリカ軍はどういう手段を講じたか、一年か二年の収入の表を持ってきて文句を言っている。これに対して、何ら調進庁は具体的に処置がなされておらない。こういうことは、私は偶然私の関係者に起ったからわかったのだが、おそらく未処理の件数あるいはすでに処理された件数にも、こういった事例があって、みな泣き寝入りしていると思う。今も赤松委員が言ったように、何か裁判をすれば時日を要し、結局うやむやになるので、残念ながら泣き寝入りをしているのが多いと思う。これではいかぬと思う。あなた方もただ事務的に処理している。それだけじゃ困ると思う。私が先ほどからたびたび指摘することは、倉石国務大臣は今度も閣僚協議会の中の一人として、この基地の設定を推進されるならば、その反面に起るこういった問題を、ただ単に言葉の上で努力するとか、あるいはこうするというだけでは私は困ると思う。これに対して、一つ倉石国務大臣は、具体的にあなたが責任を持ってこういった事例に対して、アメリカ当局に責任ある折衝をして、日本人の死んだ者に対する――たといその過失が日本人にあったと百歩譲っても、そういって死んでいく場合、私はもしアメリカ軍がとやかく言って補償しないならば、政府として特別の措置をする責任があると思う。もし不幸にしてアメリカ軍の立場からできぬとするならば、私は政府がこれは責任を持ってやるべきだと思う。アメリカの駐留軍がいなければ、そんな事故は起らない。たとい日本人に過失があったといたしましても、これはアメリカの駐留軍がいるという事態から起る事件である。従って私に言わせれば、今申しますように、もしアメリカ軍が何らかの関係でできないといった場合には、日本の政府ができるだけの誠意のある解決をすべきではないかと思う。一つ倉石国務大臣はこういった問題に対して、あなた自身がアメリカにかけ合って、しかも法の上において当然主張すべき点が主張されないで、アメリカの一方的な処置によってすべての物がきめられておる、このことに対して、一つはっきりとした処置をおとりになる決意と、さらにどうしてもいかぬ場合に対して日本の政府が、政府自体の責任において作った基地から起る問題に対して、独自の解決の方法を講ずる用意があるかどうか。この点を一つ簡潔にお答え願いたいと思います。
○倉石国務大臣 日本人の保護に当るのは政府として当然やらなければならないことでございますから、今のような具体的な事例について、一々私は存じませんが、将来もなおそういう点については、日本人の保護のために力を入れることは当然であります。
○茜ケ久保委員 アメリカと折衝した場合に、どうしてもいけないような場合、日本政府独自で何か特別の処置をされる用意があるかどうか。
○倉石国務大臣 米国軍隊が日本においてただいまお尋ねのような事件がありましたときのことについては、行政協定によって詳細な取りきめがございます。それによって日本政府はいたしておるのでありまして、そのことが不可能な場合に日本政府が責任を負うということについては、私どもは、現在の行政協定によってやはり米人の行為については外国が責任を負うべきでありますから、それ以上のことを政府でどういうふうにしようという考えはありません。
○真子政府委員 あとの方の御質問から先にお答えするようなことになりますけれども、御承知のように事故につきましては、行政協定十八条によりまして、公務上の向う側の事故については、七割五分をアメリカが負担し、日本側が二割五分負担するということでやっているのであります。しかしながらこれは米側に故意、過失のあった場合のあれでありまして、そういう点で被害が相当額に上るというような場合には、いかにも被害者側に気の毒である。何とか見舞なり被害者を救済する処置が必要だということは考えられておりまして、そのために見舞金制度というものが閣議決定に基いて了解事項としてあるのでございます。それによりまして補償をいたしております。たとえば先ほども豊海のお話が出願した。九十九里沿岸の豊海における実弾射撃場の周辺に与えた損害に対して、先般払ったのでありますが、これは長年にわたって米側の過失だから七割五分補償しろということをしきりに要求したのでありますが、まだそのことが結論に達しませんで、わが方としましては、日米合同委員会の民事裁判権分科委員会にかけて、なおこれをわからすべく努力中であります。けれども、それが解決するまで便々と被害者をそのままに置くということは、非常にかわいそうだから、何とか一つこれをしようじゃないかということで、これの被害の実態調査が、何百戸にわたりまして、それもまたいろいろ程度の差がありまして、むずかしかったのでありますが、大体東大の先生方の調べとか、またわれわれ調達庁の調べとか、いろいろな被害者の申し出等を参酌いたしまして、大蔵と折衝をいたしまして、千八百余万円を支払っているのであります。しかしながらこれはどこまでも本省もがんばると言っております。私どももがんばって、米側からこれは補償を取る、そして大蔵の収入にしなければならぬ、こういうふうに考えております。これが一例でございますが、そういったふうに見舞金措置で片づけているのもございます。 その次にも、これは千葉県でございますが、木更津の廃油流出の問題というのがございます。これも土地の方の主張は非常に大きかったのでありますが、一応米側と折衝いたしまして、これは米側も承知しまして、三百万円であったと思う、払っております。そういった措置がありまして、一種の便法でありますが、そういうことをやっておりますから、そういうことを一つ御了承願いたいと思います。 それから、アメリカの言うことばかり聞いてお前たちはけしからぬというお話でございますが、一応ごもっともに聞えます。と申しますのは、法律上の建前といたしましては、行政協定に基いてわが方で被害その他の調査をして、その認定に基いて公務上であるかどうかの認定は向うに待って弁償すれば一応いいわけのもので、そして弁償しておいて米側から償還を受けるということでもいいわけですけれども、実際そういう措置をしておりますると、あとになって米側がその損害の賠償をしてこないということになる場合に、非常に日本政府として困ることになります。そしてできるだけ双方協議をして調査も十分に――われわれの方で責任を持って調査するが、向うにも一応調査をさせて、そして納得のいくところで解決しようということでわれわれの主張を努力して通そうとしておるところであります。ジェット機の墜落その他航空機市政については向う側はほとんどこっちの注文通りに文句なしによくやってくれますけれども、事柄が自動車事故となりますと非常にむずかしくなって参ります。被害者の過失が全然ないという場合ももちろんありますけれども、往来で出会いがしらにぶつかったとかいうようなことになりますと、やはり被害者側にも一端の過失がございます。しかしながら財産上の損害というものは一応そろばんずくで計算がつきますけれども、過失の相殺とかいうようなことになりますと、これはそろばんでいかない。非常に理屈にわたりまして事実の認定が困難でございまして、過失の相殺をどうする九ということが非常にむずかしくなりますので、簡単に参らないのであります。また大体人命を金ではかってどうこうするということは非常にどうかと思われますけれども、どうしても人命、身体の損害についてはこれまでの長い間の裁判の慣例とか、あるいはいろいろの生命保険会社の取扱い方とか、そういう慣例を参酌して一応基準を作って、その基準によってやって参っておるのであります。しかしながらさきに申しましたように、この基準は非常にまだ足らぬところがありますので、米側と折衝いたしまして、現在補償金の改訂について立案中でございます。 先ほど、人が死んでも五万、十万でというお話でございましたが、私どもの基準では二十万が最低でございまして、それはどういうことか、ずっと前のことじゃなかろうかと思っておりますが、二十万から最高百万の範囲内でいろいろこの基準によって、事実に照らしてやることにいたしておりますが、これも無収入者の場合に、小さい子供でほんとうに無収入というようなものはとにかく、おとなであって、そして相当家庭の重要な役割をしておるような人の場合に、無収入だからお前は二十万円だということは非常に不合理を感ずるのでありまして、こういう点については一つ新しい基準を作って見舞金をよけい出そうというように努力いたしております。往々にして今まで私どもはそういう基準によってやっておりましたので、裁判所に訴える場合に裁判所の判決とわれわれの取扱いと違った場合、裁判所に訴えた方がよけいもらえるといった場面にぶつかっておる場合もございます。こういうことについては、われわれはやはり裁判所がやる程度の補償に持っていきたいと考えております。 それから先にお示しの宮口氏の場合におきましては、半々の過失ということはなしに、大体米側の過失が大きいということを極力主張いたしまして、大体そのような線に従って話し合いが進行しておりますし、また宮口氏の収入の問題についても、調査上いろいろ向う側とこちら側と食い違った点があり、金額の違った点がありましたが、これもだんだん向うにわが方の主張を通さすようにいたしておりますから、遠からず満足とはもちろんいきませんけれども、あるいは従来お考えになったより以上の補償が払えるようになるかと考えておりますから、この点も御了承願いたいと思います。
○茜ケ久保委員 今総務部長のお話で、先ほど倉石国務大臣の御答弁の中で、アメリカから補償が出る場合には、日本政府として独自の措置はできぬということをおっしゃったのですが、総務部長の答弁の中にはいわゆる閣議決定による見舞金というものが存在しておる。それが現在取り扱われている事案としては生命財産でなくて、たとえば千葉県の魚族の関係等でありますが、こういった処置をいわゆる人命損傷の場合にも適用することができないのか、当然そういったいわゆる魚族の問題等についてできるものであれば、それは私は人命損傷の場合でも当然適用してもよいものだと思う。片方にはいわゆる日本政府の責任において見舞金が出される、片方においては同じ駐留軍の事案でありながら出せぬということは、これは非常に私は不合理だと思う。今の倉石国務大臣の答弁と総務部長の答弁との食い違いはどういう工合に調整されるか、私は当然人命損傷の場合にもそうであってしかりと思うがいかがですか。
○真子政府委員 私の申し上げました見舞金の問題について、これは十八条にはっきり該当していればとにかく、行政協定十八条にはっきり該当しないけれども、とにかく米側の故意過失に基く日本人に対する損害について、閣議決定に基く補償金について見舞金を出すというものでございまして、魚族の力だとかあるいは農業被害だとか、そういうことについては別に御承知のように補償がございまして、それによるのでございます。そういった十八条関係の補償と、今申します漁業補償、農業補償というのとは性質が別個のものでございますから、その点御了承願いたいと思います。
○茜ケ久保委員 人命損傷の場合の補償について今いろいろと御答弁がありましたが、私が最初から指摘しておる点は、もちろん人命の補償標準がただ単に金銭だけでいくものとは考えません。ただ私はその取り扱いの過程において、先ほどたびたび申し上げるように、どうもこの件についてアメリカ人は日本人を非常に蔑視しておる態度が出ておる、もう指摘しませんが、とにかく私どもは具体的な当面した問題で、アメリカ人に対する態度と日本人に対する態度と非常に違うのです、政府はアメリカに対して、アメリカ人の人命尊重をあのようにするならば、当然日本人にもすべきであると考えますが、そういう点が私は非常に重大だと思う。それがたびたび言うように、これは倉石国務大臣ぜひ御記憶願いたいのは、近く立川ほか五つの飛行場の問題は、あなた方はおそらくは強制的な手段に出るより方法がないと思う。私どもはこれに対していろいろの措置を打っておりますが、強制的な手段においてさえもなさるのでありますから、それから起るいろいろな損傷は、ただ政府としては日米行政協定による解決のほかに道がないというようなことでなくて、これはやはり私は当然これに対する万全の措置をこの際立てる必要があると考える。これはもう幾ら押しても、あなたの答弁はこれ以上は進展しないと思うからあえて答弁は要求しませんけれども、やはり私は政府としては慎重に、しかも真剣に考えるべきだと思う。きょうは与党の諸君はあまりおりませんが、与党の諸君だって、この問題については異論がないと思う。特に北先生なんか、当然強く主張されるべき案件だと思う。従って政府としては、ぜひこの点についてはもっと適切な処置を講じてもらいたい。 その他まだいろいろ質問する点がありますが、同僚議員にもほかに質問がありますので私はきょうはこの辺で質問を留保しておきます。
○山本委員長 北君。
○北委員 私の選挙区の新潟県の飛行場の拡張問題ですが、これは県会と市会で満場一致で反対決議をしておるが、知事がまだ公示をいたしません。ところが強制になれば知事が公示するだろうと思いますが、私がちょうど昨年の今ごろでしたが、真崎君やこちらの方、芦田君を初めジョンソン基地を拝見したことがあります。そうしたらその司令官が言うには、ジョンソン基地もそれから新潟の飛行場も二年もたてば日本に返す、日本で用いてもらうんだ、それだからあなたその選挙区から出ておるならどうか反対してくれるな、こう言った。別に私は反対しておりませんが、松ケ崎というのはもと村でありましたが、それが今新潟の一部になっておる。これが新潟市の工場誘致地帯になってちょっと重要な土地だというので、この前稲村君もちょっと申し上げた通り、基地を移転してくれというてアリソン大使にお願いをしたら、アリソンがやはり国に照会したらしい、考えてもよろしいと言ったことになっております。ことに学生が非常に反対しておるのは、農学部の試験場がこの付近にあって、やかましくて困るというので学生が反対いたしております。それでもう二年もたてば返すというのはほんとうであるかうそであるか、それがほんとうであったならそれを公けにしたならば基地反対の声も小さくなると思うのですが、いかがでございますか。ジョンソン基地も、これは今飛行基地の中心地帯でありますが、それも二年たてば返すということです。私がちょっとそれを言うたら、社会党の賛成しておる諸君はアメリカの言うことはあてにならぬ、こう言うて一笑に付しておるのだが、二年もたつと返す、こう言ったのです。ジョンソンの基地を返す、新潟の飛行場も返すから反対してくれるな、どうせ日本の手に戻って防衛してもらうんだからアメリカのときにやってくれ、拡張してくれ、どうしてもジェット戦闘機やジェット爆撃機を置くには今の場所では狭い、こう言っておるのです。ジョンソン基地も新潟の基地も二年後に返すつもりですか。
○倉石国務大臣 ただいまのようなお話は、うわさではちょくちょく承わっておりましたが、アメリカ側と日本政府側とは大使館を通じての公式の申し入れ以外には相手にしてくれるなということでございまして、正式の方向からはただいまのようなお話を承わっておりません。
○北委員 もう一つ、松ケ崎というところに飛行場があるのですが、これは非常に貧弱な土地で、土地が砂だらけで、タバコを作ってようやく食べている。昨年はタバコがふできで非常に困っておられる。沿岸漁業がふるわず、みなロシヤの方に出漁して出かせぎに行っておるところでありますが、これも大砲のために魚族の寄り方が少い。調達庁に百万円頼んだら三十万円だけいただいておるという話ですが、ほんとうですか。飛行場がある、そしてこれの音でもって――どれくらい損害があるということは、具体的にはわからぬというのが名義だそうですが……。
○丸山政府委員 ただいまの数字は私ちょっと頭にありませんが、松ケ崎の海岸地帯が今の飛行場における発着のために漁業に非常に制限を受けておる、こういう事情から補償措置をとっておることは事実であります。
○北委員 百万円申し込んだけれども三十万円しかいただいておらぬ、これを取ってくれと頼まれておる。私は別に申し上げませんでしたが、新潟の飛行場は移してもいい、考慮するとアリソン氏が答えたそうですが、私はこれは移せないと思う。御承知のごとく佐渡には東洋一というようなレーダーの基地があります。佐渡一の高い四千尺くらいの山がある、その上に完成いたしました。私は調達庁に交渉して、土地の買収から何から、みな骨を折ってやってもらいました。そして円満にでき上った。このレーダーはウラジオストックで飛行機が一つ動いても、潜水艦一そう動いてもすぐに映像する。しかし佐渡には飛行場がないから役に立たぬじゃないかと言ったら、いや佐渡のレーダー基地で言えばすぐ新潟の飛行場から来るからよろしい、こういう答えだから、私は新潟の飛行場は佐渡のレーダー基地と関連しておるから移れないと思うのです。そうすれば、もう二年間で日本へ返してくれるとジョンソン飛行基地の司令官は言いましたが、それはほんとうのものであるかうそのものであるか、そう言えば私は地元でなだめやすいと思う、賛成させやすいと思う。私はまあ賛成も反対もしておりません、二年じゃ返さぬと思うのですが、アリソンの去年の話ですからもう一年たちました。
○西村(力)委員 先ほどの茜ケ久保委員の質問に関連して、一点だけ倉石労働大臣にお尋ねしたいのですが、真子政府委員の答弁で、アメリカの言いなり放題になっておるのではなく、こちらの主張すべき点は十分主張してやっておるんだ、ただ法制的な問題でお見舞を出せない、こういうことでございました、ここで私が今思い起すことは、この前小岩の町にジェット機が落ちた場合に私質問申し上げておきましたが、その際の真子政府委員の答弁が思い出される。政府委員はその際にこういうことを言っていらっしゃった。その墜落の翌日には、「厚木航空隊航空司令官、米海軍基地司令官、海軍航空隊第一軍司令官、おのおの少将二人、大佐一人の方、それから厚木基地のリーガル・オフィサーの少佐の方が見舞に行かれ、そうしてそれぞれお見舞申し上げられまして、さしあたりこれも軍の規則ではありませんが、向うのお気持だと思いますが、見舞金として百ドル、毛布七十四枚、マット二十五枚をお貸し下げ下さいました。」 このお貸し下げ下さいましたという、言葉なんですが、そういう言葉を思い出すのです。こういう気持がある限りにおいては、やはりどうも立ち向う基本的な心がまえが、もうできていないのではないかと思われる。そのことは結局政府側の感度がいけないのじゃないかと思うのです。きょう私は新しい知識を得たのですが、栄典法案の提案理由の説明がありました。褒章制度は明治十四年にできて、十五年から実施した。その際に人命救助をやる場合には、外人がやった場合には百円、日本人が人命救助したときには五円褒章をやる、こういう規定であった。それは明治十五年です。これは私には新しい知識として驚いたのでありまするが、どうも今の真子政府委員のお言葉やら、それから種々のそういう対米関係における政府の態度を見ますると、明治十四年ごろの実情にあるのじゃないか、こういう気持がいたすのです、この際一つ政府側においては、望み得ないことであるかもしれませんけれども、いやしくも日本の政府なんですからもう少しきぜんとした態度に出て、調達庁の関係係官においても対米折衝の際に強く出られていいのじゃないか。それはやはり政府の責任ではないか、こう思うのです。われわれ明治十四年ごろの欧米崇拝の状況の、そういうところまでなり下るというようなことはどうも好ましいことではない、非常に嫌悪を感ずるのです。この点に対して倉石大臣は、もっときぜんとした態度に出られるように、政府自体の態度をもっと建て直すという方向に向うという工合にいきませんですか、そういう点に関する所見を一つ伺いたいと思います。
○倉石国務大臣 御趣意は全く同感でありますが、今までの政府もアメリカ側に対して、あるいはその他の外国に対して卑屈であったとは存じません。私どもは卑屈な態度はとっておらないつもりであります。
○山本委員長 床次君。
○床次委員 私は海軍の演習場についてお尋ねしたいと思うのです。九州の西方に鳥島の海軍の演習場があるわけでありますが、この海域は非常に魚族豊富でありまして、九州沿岸の漁業者が出漁しておったわけでありますが、これが米海軍の演習場になったわけであります。そのために非常に支障があったので、しばしばその移転を要求しておったことは御承知の通りでありまするが、結局移転が困難だというので済州島付近に転換漁場が設けられまして、そちらに出ていくことになったのでありますが、御承知の通り、李承晩ラインの設定によりまして、この方面の漁場も非常に不自由を感ずるに至っておったわけであります。そのうち李承晩ラインの問題が解決するかというような立場から、長い間、不自由を忍んでおったわけでありまするが、今日のような状態になっておりますので、でき得べくんば従来の鳥島漁場へ復帰したい、すなわち米海軍の演習場をしかるべきところに移転してもらうことができないであろうかという議論が重ねて起って参ったのでありまして、これに対しましてしばしば政府に交渉方を要望しておるのでありますが、今日この問題はいかがになっておるか、お尋ねいたしたいと思います。
○丸山政府委員 今お話の九州の鳥島演習場のことにつきましては、実は私どもの役所といたしましても、熊本県、鹿児島県、大分県、九州一体の漁業の支障ということから、従来とも何とか移転あるいは変更ということができないものかというお話を受けておりまして、米軍側ともこの話を進めて折衝をしてみたのでございまするが、あの演習場は飛行機からその付近に射撃をするという種類のあの方面の唯一の演習場でありまして、事実百パーセントにこれを使用しておる現況でありますので、返還等の状況全く困難でございます。そこでこれに対する方策としまして、あの付近を使用される漁業組合の目的とこれをいかにして両立させていくか、この調整をはかることが最も実効的な方法だろうと考えして、各地組合の最も必要とする漁業の種類、漁業の時期等を各県にお願いしましていろいろ取りまとめ、これによりまして漁業の最盛期の時期を演習の期間から避けさせる、この交渉を現在やっておるのが現状でございます。
○床次委員 お話のように御努力のことを承わっておるわけでありますが、ただ期間を変更いたしまして、漁業に差しつかえないときに演習に使うということも考えられるわけでありまするが、実際におきましては、やはり演習のあと相当漁場を荒して、そのために魚が寄ってこないということを強く近ごろ考えておる、実際そういうような調子であります。すなわちかなり演習の度が激しい、従って十分無が寄ってくるというところまでいかないというふうになって、最近はだんだんあの近在には寄ってこなくなったということが言われるのであります。元来非常に有数ないい漁場でありますので、これは陸上の基地とは違って他にしかるべきものを見つけるということは、私は比較的海軍の演習場としては可能なのじゃないかと思うので、陸上の基地とはだいぶ問題が違うと思うのでありまして、この点積極的に他に移転方について特に要望いたしたいと思います。
○丸山政府委員 お話の点よくわかりますので、十分に検討はいたしてみたいと思います。ただ実は先ほど申し上げましたように、相当困難だと感じますけれども、なお研究いたしたいと思います。
○床次委員 あそこの演習場が非常にいい演習場だということでございます。しかしこれは陸上とはだいぶ違うのですから、多少不備でもほかの海面に持っていく、御承知の通り、沿岸漁業というものは非常に表徴しておるし、李承晩ライン設定以後は、四海岸の海岸一帯は非常な影響を受けており示す。最近はその苦境が深刻になってきておるということを特に留意されまして、この交渉についてはさらに一層の効果を上げられるように、特に重ねてお願いしておきます。
○丸山政府委員 そのように努力いたす考えでおります。
○古屋委員 私は同僚勝間田君が先日だいぶ質問をしてきましたが、協力謝金についてもう少し掘り下げて疑義を明らかにしたいと思うのです。 そこでまず第一にお伺いしたいのは、小牧飛行場拡張について協力謝金をお払いになっておる事実があるかどうか。払われておるとすればどこにどのくらい払われておるか一応最初に明らかにしておきたいと思うのです。
○丸山政府委員 支出しております。小牧の飛行場関係で件数二百二十八件、金額にいたしまして二千二百八十五万円というものがこれまでに支払われております。
○古屋委員 そこでお尋ねいたしたいのですが、この協力謝金というものは、謝金を受けまするものが、拡張に努力いたして協力いたしたというその行為に対する謝金でしょうか。それともそれ以外にさらに何らかの施設並びに土地を提供する、こういうような行為が伴った場合に払っておられるのか。協力謝金と申しますると、普通われわれの社会通念から考えますると、努力して進んで協力をしたという行為に対する褒賞としての金品の授与ということが考えられるのですが、政府が今協力謝金として支払われておる基本的な具体的な問題についての、謝金を支払う条件はどういう条件なのでしょうか。
○丸山政府委員 拡張地域の提供に御協力を願うために考えた処置でございますが、その協力の意味は、その提供を実効あらしめた行為、つまりその土地を売って下さるなり、あるいは貸して下さるなり、実際の面においてこちらの希望に応じて下さった方に謝金を支給する、こういうことでございます。
○古屋委員 そうすると、たとえば土地の所有者とその所有しておる土地の上に家屋を打っておりまする人々と、いわゆる賃借権に基いて家屋を持っておる方と土地の所有者と同一人でない場合に、賃借権者が家をつぶして提供をいたしますような協力をいたした場合、しかしながら土地の所有者はこれに反対をしておるという場合、そうしますと、賃借権者が家をつぶして、そうしてその家をどこかへ持っていってしまった、こういう場合でも、今の御説明では協力謝金を支払わなければならぬと思うのですが、そういう場合はお支払いになっておりますか。それとも土地と両方一緒に履行しなければ払ってないのでしょうか、その点どうでしょうか。
○丸山政府委員 原則的には土地がほしいわけでございますので、土地と、その上に建物がある、その所有関係が別々である、かような場合には、両方ともに御同意を得た場合に支払うことにいたしております。しかしながら、その地上物件と土地の所有者が異なる場合に、地上物件の貸借権者の方々も、家屋等を取り払うことによりまして、またたとえば航空障害制限等で、そこに建物があっては困るというような場合には、その家屋の所有者にも、建物を取り払う場合には謝金を支給しております。
○古屋委員 私がなぜそういうことを承わったかと申しますると、現実に砂川では、土地の方の明け渡しがないのは払っていないのです。そうしますと、それは謝金にあらずして報奨金じゃないのでしょうか。その土地の提供をさしてしまわなければならない――私は、この法律上の問題について、服奨金と考えるか、御答弁のように謝金として考えるかという問題は、もっと掘り下げてあとで承わりますが、重要な前提になるので承わっているのですが、土地を提供しているということに対する報奨金ということになりませんか。そして、目的を達しなければだめなんです。ただいまの賃借権者が建物をつぶしている、しかし土地の明け渡しがないから拡張協力にならないというので、これに対して謝金を払ってないというのが現実の事実なんです。そうしますと報奨金じゃないでしょうか。実際に土地と家と、一切の明け渡しを受けて拡張ができ得る状況にならなければ謝金が払えない、謝金にあらずして報奨金じゃないでしょうか。謝金という名目をもって反対者の関心を買うという、法律的な関係でなくて、政治的な陰謀というふうに考えられるのです。これは同僚委員からしばしば質問があったのですが、私ども、切りくずしに使っているのだ、そういうことが通念的に考えられるのですが、その点はいかがでしょうか。
○丸山政府委員 たびたび当委員会でも申し上げたと思いますが、報奨金とは別なものと考えております。ただいまお話の場合でも、建物がそこにあってはやはり拡張に支障になるのでございます。従って建物を移転下さるということは、それだけで非常な御協力を得ておることでございますので、その意味におきまして、報奨金ということではなくて、やはり謝金として支出をいたしておるわけでございます。
○古屋委員 そこで倉石大臣に承わりたいのですが、私どもは、国の予算を使いまする場合においては、法令の裏づけがあるか、しからざれば契約上の義務を負担した場合でなければ、金は支払うことができない、こうかたく原則としては信じておりますが、ただいまのようなことになりますと――今までの御答弁によると、行政処置である、防衛支出金の中の飛行場拡張費である、こういうことでありますが、それは法令の裏づけに基くいわゆる支出か、少くとも支出の裏づけは合理的でなければならない。御答弁のように、防衛支出金のうちの飛行場拡張費だから出した、こうおっしゃられても、その裏づけには法令の裏づけがなくちゃいけない、契約上の義務づけられた裏づけがなくちゃならない。いわゆる合法的な裏づけがなくちゃならない。単に人にやってしまったり、捨ててしまったりということでは私は違法になると思います。従ってこれは法令の裏づけがあるのか、契約上の裏づけがあるのか、この二つ以外にはないと思う。それ以外のものは、会計検査院の検査に基いて不当、不正な支出になると私は思うのですが、その点は倉石大臣いかがですか。
○倉石国務大臣 政府はただいまお話しのように、防衛支出金のうちから、飛行場拡張費というものを出して、それによって拡張するつもりでございますから、飛行場を拡張するすべての経費を防衛支出金のうちから出すことは差しつかえない、こういう考え方でございます。
○古屋委員 その裏づけは法令に基く裏づけでありましょうか、それとも契約に基く裏づけでありましょうか。その裏づけが合理化されなければ、私は不当な支出であると思う。いかに政府がさように考えても……。これははっきりと会計法に基き、財政法に基いて縛られておるのですから、この二つ以外に私は支出はできないと思う。ただ漠然と行政処置なんだ、そうして飛行場拡張費の費目に基いておるんだ、こうおっしゃられても、この反面に合法的裏づけがなくちゃいけないと私は思う。だから、ただ概念的に行政処置で支払っておるからそれでかまわないということは、いかに政府が閣議で決定されようと、無派な考え方だと思う。しかも閣議で決定されたる謝金の基準などを見ますと、まことに不公平な、でたらめな基準になっておるのでありますが、一体そういうふうな御説明で足れりとお信じになるのかどうか。はっきりと会計検査院の御協力を願って、それによって違法でないというような御確信のもとにやられておるのかどうか。会計検査院は、それに対して不当不正の支出にならないという確認をされておるかどうか、この点も承わりたい。
○丸山政府委員 政府の金を支出する場合に、法令または契約というものがなければ、一切のものは出せないというお話でございますが、もちろんこの謝金につきましては、これを支給すべしという法律またはその法律に基く政令はございません。しかしこれが飛行場拡張のために必要な経費であるということに予算で認められておりますので、その予算の支出に当りまして、行政措置として、行政機関の最高の内閣、閣議の決定に基き、基準を定めて支出することは、何ら差しつかえないと私は考えております。 なおこれらに関する例は、格別法令その他なくても、あるいは補助金あるいは奨励金等、ほかにもこういう例があるのではないかと思っております。 なお契約関係でございますが、もちろんこれを支出して、向うさんが受け取る場合には、これによってこれこれの土地の提供を願う等のものの契約書、あるいは契約書と同様の効力を生ずるような誓約書のようなものをいただいておるわけでございます。 それから会計検査院の関係でございますが、検査院は御承知の通りの性格でありますので、支出後に検査をしていろいろ当、不当を述べられる、かような関係でありますので、ただいままでのところ検査院からこの支出は不当であるという御意向あるいは、正式の何は受けておりません。
○古屋委員 会計検査院に御相談をすれば、おそらく不当不正支出だととめられるのでお話もなさらぬのだろうと思うが、ただ私ども承わるのは、毎年毎年年度末に決算をいたしますと、二十八年度においては百五十億、二十九年度においては七十四億、こういう不当不正の支出があるということを会計検査院がはっきりと国会に報告をされてますので、不当不正の支出をしてから後にああでもない、こうでもないと言っても仕方がないので、私どもはもっと忠実に最初からこういうものをはっきりしたい、こういうのでお尋ねしておるのですが、小牧の問題の二百三十八件、二千二百八十五万円ということになりますと、これは膨大な金なんです。この謝金を出しました土地は一体完全にあなたの方の占有に移っておるのですか、その点どうでしょう。
○丸山政府委員 もちろんわれわれの占有に移っておると考えております。
○古屋委員 ここに耕作されておる品物はたくさん果樹があるのですが、それもあなたの方の占有に移ったとおっしゃるのですか。私は占有というものは実力の問題あって、いつでも明け渡されるということで、これは占有に移っているとは思わない。耕作物件がここにたくさんあるでしょう。ないですか。その中に金をもらった人が入って耕作しているのです。そうなればこれは法律的にどなたが解釈しても、法律家のほの字のわかる人なら、これは占有に移っていないと考える。それでもあなたは移ったとおっしゃるのですか。
○丸山政府委員 調達庁が土地の提供を受けますのは、御承知の通り軍に使用させる目的でございます。従って所有者の方たちの御同意を得ましたならば、それを軍の方に引き渡す時期をもって土地の提供の御同意があった、かように見ておるわけでございます。軍がわれわれから引き渡しを受けたものについて、自分の都合上――現在のところ一時従来の者が耕作しておる、あるいは従来のものの作物の取り入れ等が必要である、こういうものは、まだその辺の土地はよろしいということであって、現実にあるいは耕作されておる状況がありましも、調達庁と所有者との関係におきましては、その土地はこちらに引き渡されておる、かように解釈しております。
○古屋委員 そういうでたらめをやりますから、他の同僚議員から、政策的にあれをやっておるのだ、誘い水だとおっしゃられるのは当りまえだと思うのです。それならあなたは、賃借している家を、まだ家の明け渡しがない先に、もう前にいついつかに明け渡しをするという約束をしたということで、占有権が移ったとおっしゃるのでしょうか。移らないから裁判所は仮処分して、占有を移していけないぞ、その占有は執達吏が保管しておるのだということにして仮処分をやっておるんですよ。今あなた方が謝金を払いましたところに小作人がおります。小作人は賃借権に基いているのです。いよいよあなたのおっしゃるような時期がきても、がんとして私は実力で引き渡さぬと言われたらどうなりますか。占有権というものはそんなものじゃない。占有権は事実なんです。土地に対する支配権が事実移らなければ占有権じゃないのです。そういう不確定なものに莫大な金を払っておるから私は伺っておる。大臣いかがですか、これは不確定なもので、きまっておりませんよ、占有権は移っていませんよ。耕作人が耕作しているのですから、これをしも占有と言えないでしょう。そうして途中から、こういう謝金をもらってから後にけつをまくられたときにどうなりますか。そういう責任を私どもは追及したくないけれども、そういう不確定なものに金を払っているところにこれは問題がある。そうじゃないですか。しかもあそこはまだ終りの方の、大事なところの連中が反対しているから、この土地はまだ使えませんよ。飛行場として拡張に協力したとまだ完全には言えない、それに金を払っておる、こういう不当な金の支払いだと私は思う。法律上の裏づけのある契約に基く義務履行ではない。こうなれば当然に私は、国の予算、国の金というものは項目に載せられてあっても、閣議の決定がございましても、その裏づけとなる合法性がなければこれは不当不正の支出だ、そう言わざるを得ない。従って、不当不正の支出をいたしましても、拡張のためにある一部のものの団結を鈍らしてくさびを打ち込んで、早くこれをやろうという政策にお使いになっているというならまだ話は済む、私が申し上げたように、補償の前渡金だというなら話がわかる。ところがこの金については合法性が何もない。現に立川では、今そういう御答弁がありますけれども、土地の所有者は反対しておる。賃借権者が家をつぶして、そうして他へ移っていく。しかしながらあなたの方ではこれに対して協力謝金を払っていない。これは非常におやりになったことに矛盾があるのです。従いましてこういう問題はあとになって、それはけしからぬ、不正不当の支出だとおっしゃって、私どもがやかましく言ったところがそれは問題にならない。もう支出された、血の出るような国の税金がむだに使われたということになってしまう。それはやはり最初から慎重審議いたしまして、合法的な裏づけのある支払い方法をしなければならぬ。倉石大臣いかがでございましょう、この点を御答弁願いたい。
○倉石国務大臣 基本的なことについて私どもはよく相談を受けてやっておりますが、ただいま御指摘のような問題があるとすれば、それはきわめて重要な問題でございますので、事務局よりなおよく事情を聴取いたしまして、御心配になるような、会計検査院の比難事項になるようなことのないように、万全の措置を講じていくつもりであります。
○西村(力)委員 先ほど丸山次長の答弁で、もう協力謝金を払って、はっきり引き渡しということが確定したものは直ちに米軍に明き渡すのだと言っているのですが、事実そのようにやっているのですか。そうなれば、砂川ですとだれのところですか、二カ所そういう個所が出てくるわけですが、その所はそうすると一小区画が米軍の管轄に入ってしまうのですか。あれは相当重要な問題になる。そこは日本の警察権もその中には及ばない。これは事実その通りやっているのかどうか、やったらばどういう手続になっておるか、それを二つはっきりしてもらいたい。
○丸山政府委員 協力謝金を支払われましたものはすでに賃貸契約等が済んでおる土地でございます。従ってその土地は軍の方へ引き渡してございます。
○西村(力)委員 従ってというようなことは僕はわからないと思う。賃貸契約は日本の国民とあなた方とやる、政府とやる。それがすなわち米軍に引き渡すことになっているということはだれも考えていない。そういうことは思想の混淆だろうと思う。その人々ははっきり政府との契約なんです。それが直ちに米軍に引き渡すとなっているのは、それだから日本の政府は独立性を持っていないということを言われるのだと思う。その手続はどうやっているか、これだけの賃貸契約を結んだなら、米軍に提供したという契約がはっきりできておるか、その使用目的は何である、期限はどうであるというような契約が、はっきり一筆々々についてできておるか、できておれば見せてもらいたい。
○丸山政府委員 小牧、立川等につきましては、日本政府といたしましてすでに米軍と区域を決定して、これを飛行場拡張用地として提供するという協定がなされておるわけでございます。それを現実に日本政府といたしましては、土地の所有者その他の権利者の方方から、貸借なりあるいは売買なりの契約によりまして日本政府が権利を取得して、その上で米側へ、すでに区域となっておるその区域の中の土地の所有者の御同意を得た分を、引き渡すわけでございまして、その引き渡しの手続はいろいろこまかい手続がございますけれども、所要の手続に従って引き渡しておるわけでございます。
○古屋委員 それは済んでいないでしょう。私はあとから質問いたしますが、倉石大臣が善処していただく、研究されるというから、この点はぜひ誠意を持って至急に御調査されて、事務当局と御相談の上で万全を期して御答弁を願いたいと思います。 そこでもう一つ、今のに関連しまして丸山さんにお尋ねいたしますが、小牧市の春日井の問題について賃貸契約をなさいましたね。賃貸料をお払いになりましたでしょうか、それをまずお伺いいたします。
○丸山政府委員 賃貸料の支払いを手続中と存じます。
○古屋委員 私どもは現地に参りまして承わって参りましたが、賃貸料を支払ったのがありますね。しかもその賃貸料は契約期間の前にさかのぼって支払っておるという不実がある。この点はいかがですか、はっきりして下さい。
○丸山政府委員 契約の書類が最近出ましたものにつきましても、あるいは日付が先のものがあると存じます。これらはすでに実質的にその時期において御同意のお話がありまして、従ってその事実に基いて一致のみがあとからおくれて出ておる、かような次第だと考えます。
○古屋委員 そこで賃貸契約の内容については、いろいろなことを申し上げるのは省きますが、賃貸料をお払いになりますには完全に賃貸料の契約を――土地の賃貸契約というのは双務契約ですから、あなた方の方で賃貸人から土地の占有の引き渡しを受け、建物の引き渡しを受けた後でなければ、賃貸料を払う義務もないし払ってもいけない。ところがこの土地はただいまも申し上げましたように、いまだに所有者並びに耕作人が耕作しておる。それにもかかわらず賃貸料を払うということは不当な支出になりませんか。その点は問題だと思う。家を借りて家賃を払うのに、家の引き渡しを受けない、そこへ移転もしないのに賃貸料を払っちまったということになれば、これは合法性を失った不当な支払いじゃないでしょうか。
○丸山政府委員 賃貸契約の時期に、すでに所有者の方から、これをその日以後調達庁側で使ってよろしいという事実に基きまして、調達庁は軍側に引き渡して、それ以後土地の使用は差しつかえない、かようになっておるはずでございます。ただ、現実問題において、現在なお耕作されておるこの実情は、先ほども申し上げましたけれども、軍が直ちに工事の段取りにならず、調査、測量継続の期間においては、従来の所有者あるいは耕作人の方が耕作等をいたしても差しつかえない、こういうことで事実問題としてはやっておるのでございます。
○古屋委員 時間がございませんから後日に譲れという委員長のお言葉でありますので、最後に一言だけ倉石大臣に申し上げて、お考え願いたいと思うのですが、問題は今のように賃貸借契約なんですから、現実に引き渡さなければ賃貸料を払うことは不当なんです。しかも念書というものをとられておる。私どもその念書を見まして驚いたのです。この問題についてはあとから質問いたしますが、事実は春日井の市長が白紙委任状で契約をされたらしいのです。果してこういう内容の契約をする権限が春日井の市長にあったのかどうか。実際の土地の所有者や耕作人は、そういうような権限を与えたことはないと騒ぎ出した。今大臣は所有者、耕作人等利害関係人をなるべく納得させて、その上でこれを拡張するのだ、こういう原則的な御答弁をなさっておるけれども、これではけんかをしろというような契約なんです。しかも契約以外に念書というものが別にある。そこで利害関係の反対者がこれに不平を言い出してきたのです。これは問題になろうと思う。従いましてこれが問題になって争ってきますと、結局今まで出した二千数百万円という金はどぶに捨てたことになると思うのです。これは責任問題です。あなたが何ぼがんばったって、これらの人々は今現に占有しておるのですから、耕作人は自分で現に耕作しておるのですから、わしは春日井の市長にそんな権限をゆだねなかったと言ってけつをまくれば、その金はどぶに捨てたことになる。こういう契約はかえってけんかをする材料になってしまう。これではただいま政府の御答弁の、納得をさせて、少くとも了承のもとで拡張するという方針が根本からくずれてしまうのですが、この点につきましては、どうかよく事実を大臣もお調べ願い、丸山さんもお調べ願って、次会に具体的な御答弁を願いたい。かように保留をいたしまして、せっかく委員長からこれで打ち切って次会にしたらということでありますので、本日はこれでやめておきます。
○山本委員長 西村君。
○西村(力)委員 先ほどの次長の御答弁で私はまだはっきりしないのですが、飛行場拡張予定地全般については政府と米側とにおいて協定して、それをやらないと国際的な信用にかかわる、こう思って目の色を変えていらっしゃるが、そういう契約は一応あるかもしれませんが、個々の二百坪とか、そんなところを小刻みに引き渡すようなことが決してその協定の注意ではないと思うのです。いろいろめんどうくさい手続があるというように言われますが、その手続を発明して下さい。どういう手続をして今米軍に引き渡しておられるのか、賃貸借契約あるいは買い上げの契約の完了したところはどういう手続で、米軍に一筆々々を手渡しておられるのか、それを少しめんどうでも説明して下さい。
○丸山政府委員 お説の通り、原則的には全般を一括引き渡すことが最も望ましいのでございますが、場合によりましては、そのうちの一部分々々々について引き渡しを受ければ、軍側でもそれらについての地質調査その他ができるので、ぜひそうしてほしい、こういう事情のもとに部分的な引き渡しの行為をしておるのでございます。これも別に差しつかえないことでございまして、それらがどういう書類、どういう手続によってなされておるか、この実物その他につきましては、ただいま手元にございませんが、後ほどまたごらんをいただきたいと思うのでございます。
○西村(力)委員 そうしますと、これは米軍がボーリングをやったり、さまざまやる自由を持つようになるわけですが、反面日本の主権というものはその一線から一歩も入れない、こういう関係は、どういう工合に打ち合せがついておるのですか。知らずにそこの所有者が耕作をやっておる、また周辺の人もあるいは旅の人も知らずにその区域の中に入ってくる。そのときに、あれは政府から引き渡しを受けた土地、米軍の管轄の基地という工合にして、引き渡しを受けていると言って、米軍がこれを逮捕するあるいは銃撃する、こういうようなことが起きても、これは異議が言えないということになるのじゃないか、そういう点はどういう工合にしておるのですか。
○丸山政府委員 現実の処置といたしましては、一般的な区域の引き渡しが済むまでは、日本側においてやはり立ち入りその他、冠側の調査測量等に支障のない限り、差しつかえないという取りきめでいたしております。
○西村(力)委員 そうすると、米軍側がむしろ日本の管轄にゆだねて、必要最小限の場合においてそこに立ち入る、こういうことになるので、その関係はやはりまだ実質的には引き渡しをしないという形になるんではないか、こういうことが考えられる。そのことは、結局、春日井市において賃貸借契約の料金を払う、ところが事実は受け渡しは進んでおるとはだれも思っていない、そこで平気で耕作しておる、こういうようなことは米側が見のがしておるということよりも、日本政府自体が見のがしておる。また反面引き渡しが実質的に済まないのに、その料金を払っておる、国費を払っておる、こういうことになって不当支出だ、こういう工合に私たちは考える。その考え方が正しいように思えるのです。その点はどうでございましょうか。
○大石(孝)政府委員 西村委員の御質問の内容は、行政協定第二条に申しますところの、施設及び区域のこの米軍側の管理権の態様の問題に関連いたしますので、一般問題といたしまして私からお答えさせていただきます。 なるほど、施設区域の中には、御承知のように、米軍側が行政協定に基きまして権利、権力、権能を有しまして、いわば排他的な管理権を持って米軍以外には管理させないというような態様をとっておるのが事実でございます。しかしながら、御承知のように、日米間に協定ができたといたしましても、先ほどから御答弁申し上げましたように、その財産は結局所有権及び権利者のその権利が日本政府との管に評価されるといいますか、日本政府がその使用権を確保しないうちは、たとい米軍との間に約束があっても、それは米軍側には全然管理権はないわけでございますから、その管理権を移す手続上において、全般的にこれを移した場合は、米軍が必要な工事その他をやる、あるいは工事の実施を終ったあとは、先ほど申し上げたように、排他的な権利、権力でもって管理するということになります。その一部分々々々の場合は、今西村委員の御質問のありましたように、米軍側が調査その他の管理権を持ってやりながら、なおかつ従前からの権利者には、具体的に工事を開始するまでは、そういういろいろな耕作なりなんなりをやらしておるというような態様のあることは事実でございます。しかしながらその場合、完全に米軍に管理権を田の方が与えたんだという態様には、いささかも変りはないのでございます。その場合、権利者が従前通り、自分の権利を行使できる、農地等の場合、一応使用、収益ができるという態様のあることも事実でございます。
○西村(力)委員 態様は事実としていろいろあるでしょうが、私たちとしては、その関係が実に不明瞭なんです。やはり全体として、彼らが必要とするその必要条件を満たした、そういう場合において初めて彼らが管轄権を欲するだろうし、そうでないと、この問題については余分なことは考えない、むしろ彼らにとっては迷惑しごくだというふうな工合になるのではないかと思う。そういう場合には、政府とその契約に同意をした人たちとの関係において、米軍がボーリングをやる必要があるという場合には、むしろ日本政府に頼んでやらしてもらうというような形になっているのがほんとうではないかと思う。この点は、明日私はあなたの役所に参りますから、いろいろ引き渡した現物の書類を見せてもらいたい。どういうことで、どういう手続で引き渡しになっておるかということをはっきり申してもらいたい。 それから、協力謝礼金なる関越について、前々から私たちそれは不当なる処置であるという立場で質問いたして参ったのでございますが、これは基地拡張に必要なる経費だという答弁、あるいは法的な根拠に立つものでない、行政的な必要措置である、こういうような答弁に終始されておるのでありまするが、先ほど古屋委員からもちょっと触れられましたけれども、いかなる協力に対する謝金であるか、この点が私たちまだ明確でないんです。すなわち政府の意思というものに協力した、そういう精神的な面に対する補償であるのかどうか、報奨的な性質のものであるかどうかというようなこと、あるいはある程度の財産というものを犠牲にしたこと、そういう協力に対する謝金であるかどうか、この点があまり明確でないのでございまするが、その点はっきりとしていただきたいと思う。なんだかはっきりしない、言いのがれ的な答弁に終始しておったんでは、これは政府の行政措置としては決して当を得たものではない、こう思われますので、その点を一つ明確にしていただきたいと思うのであります。
○丸山政府委員 たびたび申し上げたと思いますが、土地を提供していただくことが最も政府の希望するところでございますが、その提供していただくにつきまして、いろいろの御希望、要望等もあるものと考えられますが、その土地提供の御意思決定を願うために、最も必要な指措置、この御意思決定を願ったことについての謝金を提供する、こういうふうに考えておるのでございます。
○西村(力)委員 どうもこれは私にはわからない、もう少し明確にすることが必要だと思う。そういう工合に、政府の政策に協力したという、そういう心ばえに対する報奨だという意味だとすると、反別制なんか出てくるはずはないじゃないか。ところが、事実は反別割で一反歩まではなんぼ、なんぼまでは幾らというふうに段階側をしておる。そうすると、どうも協力したところに対する報奨というような工合にはいかなくなってくる。反別割にすれば、やはり提供した土地、そういうものに対する補償の一部であるんだ、こういう工合に言わざるを得ない。そうでなければ、日本に昔からあるように、貧者の一燈というような工合に、幾ら少しでも、現在耕地面積の狭い、営農計画の非常に困難な時代においては、やはり幾らかでも取られるということの苦痛は同じことなんです。それに協力したことに対する報奨であるとするならば、やはりこれは一律均等にやるべきだ、こう考えざるを得ない。あなた方のではやはり余計出した方には余計やるということで段階をつけておるが、その点一体どっちなのかということ、そういう点を一つもう少し明確にしてもらいたいと思うのです。
○丸山政府委員 政府の施策に協力して下さったことに対する謝金、これに反別割の段階がついております。なるほど若干反別割の基準をつけておりますが、その考えられました理由は、その施策に対する協力の程度、度合いというものにも若干思いをいたすことが必要である、かように考えた次第でございます。
○西村(力)委員 そういう工合になると、どうしてもやはり補償費の一部だ、こういう工合に解釈をせざるを得ないことになってくるんじゃないか。それは余計出したって少し出したって、それから受ける精神上の、生活上の、あるいは実際の営農上の影響も個個によって違いますし、また日本の農業の実態から言うて、多い、少いにかかわらずその影響するところは相当大である。まず同じだと踏んでくるのが当り前じゃないか。何十町歩というような広い面積で営農をやっておる農業国ならばいざ知らず、私たちは日本の農業の実態から言うて、少しばかりの広狭の差によって受ける生活上あるいは精神上の被害というものは同じだ、こういう把握をするのです。そうすれば、今のような段階というのはつけるべきじゃない、つけるとすればやはりこれは補償費の一部だ、こういう工合に受け取らざるを得ないと思うのです。そういうことを言っても、あなたの方は一つ覚えのように同じことばかり言って、何でもかでもインチキでもこれをやるのだ、不法ではないけれども不当なことは承知の上でほおかぶりでやるというように私には聞こえるのですよ。事実そういうような不当支出であると思うのです。もし今ある地域に協力謝礼金まで払って、米軍に引き渡した、これがかりに米軍の戦略変更――NATOの状況を見ましても、相当アメリカの恐怖政策というものが後退しておる。今世界の情勢を見まするとどういう工合に変化するかわかりゃしない。それに砂川の諸君が強く反対するので、官憲の力をもってしても取れなかったということになっておる。時期を過している間にあの基地拡張はやめた、こういうことになった場合に、協力謝礼金あるいは補償額というものは一体どういう工合に処置されるのか、これは妙義山の場合においても同じことなのです。そういう金は必要が満たされた場合に初めて支払うべきものなんだ。必要が満たされるというのは、一局長が約束されて米軍に引渡されたからといって決して必要は満たされるはずはない。あそこにグローブ・マスターを飛ばすといって一方フィートの滑走路を作るという可能性が出てこなければ必要が満たされたということにはならない。いつなるかということは、それはあなた方のやり方一つ、またこちらの出方によってできるかもしれないということになるのです。そういう工合に考えてみると、必要が満たされたときにそういう国費は出さなければならないのであって、あわてふためいて支出をやったならば、あとになってとんでもないことになるのではないかと考えられる。一部の人が契約をしたのですが、必要が満たされていない、支払いの要件、その決定的な根本的な要件は満たされていない。二百坪ぐらい売ったってそんなものは模型飛行機ぐらいしか飛びやしない。絶対にその必要は満たされていない。必要が満たされていないときに大事な国費を支出するなどというのは、大臣許せないじゃないですか。私はそう思うのですよ。完全にその計画地域が掌中におさまってすぐ滑走路が拡張できるというように、必要な条件が完全に満たされたというときに初めて国費というものは支払うべきだと思うのです。この点について大臣に答弁を願いたいのであります。
○倉石国務大臣 いろいろごもっともなお話がたくさんございましたが、政府といたしましてはやはり日米安全保障条約に基く行政協定の義務を履行すると同時に、私ども、自分の足りない防衛力を、行政協定に基いて他国の軍隊に一部、になってもらう、これは御意見が違うかもしれませんが、そういう考え方でありますので、ことに御承知のように、このごろはプロペラ式でなくて、ジェット戦闘機みたいなものは、やはりお話にありましたように、九千フィートくらいのものが必要だ。現在は滑走路が短かいために搭載量をわざと減らして走らなければならないといった状態でありまして、これは早く国防上やりたいというのが私どもの考え方であります。なお、だんだん日本が防御力を増強する段階になりますれば、わが国の自衛隊もこれを使用することになるでございましょう。そういう場合にはやはり進歩いたしました、今日の航空技術の面からいえばジェット機を使用するでありましょうから、当然これは防御上将来とも必要なものである、こういうことでやっております。 また、これから拡張いたしていくであろう地域に対して、資金を渡すことは、その目的が完全に到達されていないから不当ではないかというお話でございますが、最終的に拡張をする計画地を全部完了するという目標でやっておるのであります。たとえばここにあります油絵でも、完成して初めて一つの肖像画になりまして、頭だけ書いたのでは、この人の人間としての肖像画は完成していないではないか、こう言われても、やはりこれからからだや肩の方を書くところでありますから、書き終るまでお待ちを願いたい、そして御協力をぜひお願いしたい、こういうふうに考えております。
○西村(力)委員 肖像画のたとえ話はやめてもらいたいと思うのです。しからばあの妙義の場合なんかも相当お金を払っておるように私は聞いておりますが、実際あれは必要条件を満たしてよかったといって、そのあと米軍から入ったのではなく、やっぱり必要条件が全面的に満たされない場合において、補償額をずっと払っておった。ところが結局全然使用しないうちにそれがおしまいになった、こういうことになっておるのです。ああいう支出に対しては、政府は相当重大なる責任を感じなければならないと思う。だから私は、ほんとうに最終的に必要が満たされた場合において初めて国費というものは支出されるべきだ、こういう考え方に立つのです。丸山次長にお聞きしますが、妙義の場合の既支出の補償願の取扱いについては、その後どういう処置をされておるか。
○丸山政府委員 妙義の場合は、お説の通り最終段階に至らずして中止になったものでございますが、これは御存じの通りの演習場、それから今回謝金の問題になりましたのは飛行場飛行場関係におきましては、先ほど大臣からもお話した通り、将来とも絶対変更のない必要のものということで努力いたしておるわけであります。妙義に関しては、いろいろな御協力のために個人的に差し上げた協力謝金のようなものはございませんが、道路の改良その他水道等諸種の施設にやってございます。これらの道路、水道等はいずれも一般公共事業あるいは風力の振興事業ということに切りかえまして、それぞれ適当な処置を講じている次第でございます。
○西村(力)委員 道路を作ったりする公共事業なんかはこれはないよりましだ。あとに残ってもじゃまにはならぬでしょう。ただぺんぺん草がはえているかもしれませんよ。山奥にアスファルトのすばらしい道路ができたかどうか私は知りませんが、全然山には必要のない大きい道ができて、草がはえているかもしれません。それにしてもないよりはいいのでありますが、個人的な支払いをどうしたかというのです。協力謝礼金は出さないにしても、補償額とか買上金というものは出したはずなんです。そういうものはどうしたかというのです。一ぺんでも全体的な必要が満されたならば支出は認められるでしょうけれども、そういう工合にいかなる過払において払った金は、全く意味のないむだな支出だということに結果的になる。そういうことを考えるときにおいて、砂川の場合あるいは小牧の場合、これは絶対に変更はないだろう、こう確信をしておられるが、僕らは米軍の戦略からいっておそらく一ぺんやったら返さないだろうと思っている。しかもあすこを拡張して五日市街道をぶん抜いていったら、これからの飛行機、誘導弾の発達からいって滑走路は四千メートルくらいまで伸びるだろう。あんな狭いところではだめだ。そうでなければ近代的な戦争はできないという段階に来ている。だからどんどんどんどん拡張されるであろうと思うのです。おそらく変更することはなく、永久接収されるだろうと考える、だからわれわれは重要だ、こう考えている。だから私たちはやはり反対せざるを得ない。世界のさまざまな情勢から見まして、絶対にそういうことがあり得ないということもない。確率の問題からいうと、むしろ変更はないということが多いでしょうけれども、しかしそれはゼロだということはないと思う。だからそういうゼロでない、ある事情によって完全に返った場合、よた日本民族の独立の戦いが強くなって、日本国中全部が条約の改正なりあるいは民族の独立の戦いを進めてきたならば、アメリカ軍だっておられないだろうと思う。日本の人々はへいこらへいこらしている。それはわれわれだけである、アイスランドの国会さえも米軍の撤退を決議している。いやしくも神様の子孫だといわれる民族だから、遠からずやると思う。私どもはやろうと思う。そのときは、日本の大臣である限り賛成するだろうと思う。そういうことになったら米軍はやはり撤退するであろうと考える。そうすれば、小きざみの目がくらんだ金とか、あるいは何かの事情によって払った補償金とか謝礼金はむだの上塗りになるではないかと思う。私の言いたいのは、必要が完全に満たされたときに国費は出すべきだということなんです。そうでなければいけない。大臣は肖像画の話をいたしますが、それでは鼻一つ書いたら一部の書き料を払おうなどという篤志家がおりますか。今度は口がついたから口の分を払いましょう、耳がついたから耳の分を払いましょうという揮毫料を払うばかがおりましょうか。(「前金だ」と呼ぶ者あり)国費はそういう不規則の発言のようなことはできないのです。完全に必要の要件が満たされた場合にだけ国費の支出は許されるのだ。かりに協力謝礼金というものはむだにしても、そういうことを私は言わざるを得ないわけです。大臣はそんな事務的な米軍の要請にきゅうきゅうとしないで、ああいうむちゃな、国民の納得のいかない支出なんかはやめるのだ、こういう態度にどうしてもなってもらいたいと思う。これは一国の大臣の見識であると私は思う。理屈もなくただ一つ覚えの答弁をしながら、何でもかんでもとにかくやっていくのだというようなやり方では、男が下る、こう私は思うのです、大臣、少し骨のある答弁をしてもらえませんか。
○倉石国務大臣 いろいろ御見解は承わりましたが、私どもは将来これは日本の防衛力の一翼をになうべき基地であると存じておりますし、また現在は強要されてやっておるのではないと信じでおります。つまり日米安全保障条約というものをこちらから希望して締結いたしたのでありまして、それに基く行政協定の義務でありますから、将来の防衛ということもあり、今の行政協定上の義務という見地で、私どもとしては独自の意思でこれはぜひやらなければならないと考えてやっておるわけであります。
○西村(力)委員 それでは、協力謝礼金を出したのは必要な経費だ、そうでなければ拡張できない、こういう観点から協力謝礼金を出したのだ、こういうことになっておりますから、協力謝礼金を十倍ぐらいふっかけて、向うからそういう要求が出たら、そうでなければ拡張ができない、これは拡張の必要経費だ、こういうようなことになったらば、やはり今の反対派の人々に協力謝礼金を十倍も出すかどうか。こちらがうんと要求すれば、その要求に基いて協力謝礼金を出すのだ、出しているのだと、あなたの方ではこの前答弁しているのだから、そういうことも私たちには考えられるのです。しかしこの点に関しては先ほど古屋委員が後日また留保しておいて質問を継続するということでございましたので、どうも私たち納得いかないままで残念でありますから、この次また継続してこの点はやっていきたいと思います。 次に、この次には会計検査院の人も来ていただきたい、こう思いますが、なおもう一点伺いたいのは、会計検査院の審査規則による砂川の宮岡政雄君の請求が調達庁に到達したはずであります。それを添書を付して会計検査院に送ったはずであります。そのような手続は済まれたかどうか。それからその添書の内容はどういう趣旨のものを書かれたか、この点だけ最後にお尋ねしておきます。
○丸山政府委員 お話の宮岡氏よりの書類は会計検査院の方へ送還してございます。これに関しましては二回ほどあったと思いますが、最初はまだ支出前でございますので、あるいは支出前のものは受理すべきものではないのではないかという見解を付したと覚えております。二回目の点につきましては、ほんとうに事務的と申しますか、その検査要求書の中の文句に関しまして十分利害関係人であるかどうか等を明確にされておるかとか、あるいは訴訟その他の有無というところに行政協定に基く大臣の収用認定処分に関するものというようなことがありますが、これが審査要求書にあるべきものに妥当するかどうかというような程度のことについて若干の疑念を持ったというようなことを付しただけで送達してございます。
○山本委員長 受田君。
○受田委員 時間も迫っておりますし、大臣も非常に御疲労しておられま すから、私ごく簡単にお尋ねして有終美を発揮しておきたいと思います。私きょう急いで質問申し上げたいのは、今秋吉台の演習場に銃爆撃の目的をもって使用目的を追加しようとする御意図があるようでありますが、この問題に関して日米合同委員会等においては、特に秋吉台の文化的価値、産業的価値を十分検討された結果かどうか。秋吉台が文化的にどういう方を持っており、産業的にどういう力を持っておるかということを、実態調査をされた結果結論を出されたのかどうか、お伺いしたいのであります。
○丸山政府委員 秋吉台の演習場の使用条件の変更でございますが、お尋ねの文化的価値の問題、あそこには有名な鍾乳洞あるいはその他の天然記念物があるという事情の存することは十分に存じております。これらの地帯につきまして、あすこは約五百二十万坪ほどあるのでございますが、従来全般的に被弾地区という使用条件で支障のないような条件になっております。今回はそのうちの約二十万坪程度に被弾地区と申しますか目標の三カ所を設置する、しかも飛行機からの演習でございますが、飛行機から落す模擬弾は砂を詰めたもので実弾ではない、かような状況から、地域的に見ましても、それからその演習の実態から見ましても、従来の使用条件よりははるかにしぼったものであります。従って文化財等に対する損害、被害の状況は従来よりもはるかにないような処置を進めまして、この程度ならばということにして現在まで来ております。
○受田委員 秋吉の文化的価値、産業的価値については御認識のようでありまするが、現地に行って見てこられて、その価値の偉大さを確認された方がきょう出た方々の中に何人おられましょうか。
○丸山政府委員 最近二、三名参っておるのでございますが、あいにくきょうは来ておりません。
○受田委員 おいでになっておる人の中には、秋吉の価値の偉大さを確認されておる人がおられない。その方々がこの秋吉台の価値を論ぜられるのは机上の空論になるおそれがありますので、遺憾でありますが、アメリカという国は文化を非常に愛する国であって、戦争中でも文化的価値の高い所は攻撃を避けたというりっぱな国です。かつて京都、奈良の両都市を攻撃しようとしたマッカーサーの意図に対して、ハーバード大学のウォーナー博士は、日本の文化価値は京都、奈良にあるのだ。この文化都市を攻撃してはならぬと懇請して、ついに爆撃を免れしめた。そのウォーナー博士が、私は覚えておりまするが、昭和二十四年一月二十六日午前七時奈良の法隆寺が焼けたことがある、玉虫の厨子とかあるいは天国曼陀羅の十二面の壁画がみな焼けて、一挙にして日本の重要文化財が烏有に帰した事件がありますが、そのときにウォーナーは、日本人はなんと文化を粗末にする国民かと言って、テーブルをたたいて嘆いたことをあなた方も御承知であろうと思う。それほど彼らは日本の文化的要素を、世界に誇るものを確認しておるのです。ところがこの秋吉台は世界的に有名なカルスト地帯であって、またあの鍾乳洞は秋芳洞といって、これは大正十五年今の天皇が皇太子殿下の時分においでになられて、これは天下の絶景だといって、皇太子の柳命名によるところの鍾乳洞といわれておる所なんです。そうしてあの今度演習目的に供せられ、銃爆撃の場に供せられるカルスト地帯は、非常にきれいな台地であって、いろいろな小さな花も咲くし、秋にはススキの穂波がゆれて、高原の旅愁を思わせる地域なんです。そういう地域が観光地として各地からたくさんの客が来て天下の絶景を賞美しておる。何を好んでこんなに美しい地域を銃爆撃の地に供するかと私は思うのですが、もし銃爆撃の地に供したいならば、従来瀬戸内海に姫小島という小さな島があるのですが、これを引き続き目的にすればいいのであって、なぜかかるりっぱな文化財を攻撃の材料にするのか。ことに最近は単発ダグラスAD型が試験演習をやってカルストの上へ撃ち込んだたまが付近の開拓民の家へ六発も飛び込んで、まさに人命を損傷しようとした事件もあるのです。平和な天下の名勝、天然記念物、国定公園が驚くべき悪魔に荒されようとしておるのです。私はアメリカ自身はこの文化的に見て世界的な地域を好んで銃爆撃の演習地にしようという意図はないと思うのでありますが、こういう場合には強い立場でアメリカ軍の使用目的に供しようとする地域に対して反省を加え、日本自身において適当な代地を考えていくという、そういう考えを持って政府はお当りにならなかったのでしょうか、この点を一つお伺いしたいのであります。
○丸山政府委員 お説ごもっともでございまして、私どももその辺にはずいぶん思いをいたしたのでございますが、先ほども申し上げましたように、あそこは実は従来から演習区域として使用いたしておるものでございました。(「単なる演習区域だ」と呼ぶ者あり)しかしその単なる演習区域と申しましても、今の全面的な五百数十万坪にわたる被弾地区でもよろしいというような条件でございます。これにつきまして今回飛行機からということが新たなるものとして地元の皆さんに心配をかけておるわけでございますが、これの被弾地区を約十九万坪の範囲にしぼりまして、しかもそこに目標を置く、その目標に対する爆弾――と申しますのは実際の爆弾ではなくて、砂を詰めた模擬弾である、それも大きさは三ポンド及び二五ポンド、おそらく三百目あるいは三貫目のものかと存じます。その程度のものであり、それからその飛行機の侵入路等も秋芳洞あるいはその他重要な施設に影響ない方向をとる、それからなおそれを落す角度云云はかくするのである、いろいろ被害の及ぶ範囲、程度というものを最も縮めたものでございますので、さようにいたしますならば、従来の使用状況よりははるかに全般的に、また文化財に対する影響も少い、かように考えておるので、ぜひ地元の皆さん並びに先生方の御理解をいただきたいと考えておる次第であります。
○受田委員 飛行機で機銃掃射をやるような訓練をやられたら、せっかくの観光地も文化財も台なしになるのです。普通の演習場であれば、見物するのには演習だから見ようかというので軽い気持で見られるのです。むしろ観光目的を達成するにはある程度プラスになる面もある。ところが飛行機でぼんぼんたまを撃ち込んできたのでは、砂の爆弾であったにせよこれは容易ならぬ脅威でありまして、悪魔の荒ワシがおり立って天国の花園を荒すようなもので、非常に問題があると思うので、一つ文化価値を特に高度に評価するアメリカに対して、使用目的の変更あるいは他に代替を求めるという努力を今からするお見通しはないかどうかお伺いを申し上げます。
○丸山政府委員 代替地につきまして先ほど姫小島等のお話もありましたが、実はいろいろ検討の結果、結局従来からあったあの演習をそういう工合に使用の条件を検討するのが最も影響も少いであろうと考えておる次第なので、これに対する変更その他は相当困難と考えております。
○受田委員 倉石大臣は政治的な努力をもってこの国際的な文化地域を擁護する、日本の名誉にかけて、文化を愛する祖国の名誉にかけてこれを守るという決意ありやなしや、お伺い申し上げます。
○倉石国務大臣 このことが問題になりましてから、さっそく調達庁から人をやりましてつぶさにこのことについて検討いたしましたり、地元の方々ともいろいろ御懇談をいたしました。その上なお米軍側とも政府はいろいろ話したのでございますが、現在のところどうか一つ今政府委員から申し上げましたようなことで――なるほど今までと違うのは飛行機を使うということでありますが、当初地元で取りざたされたように、実際の爆弾を使うのではなく、砂袋を落していくだけだというようなことであるから、一つ何とかして地元の方に納得していただきたい、こういう要請でありまして、私どもとしても事情やむを御ない、こういうふうに考えましたが、地元の方にももう一度考え直してもらえないかということで苦慮いたしておる最中であります。
○受田委員 大底も苦慮していただいておるようでありますから、この問題は遠からず平和的に解決して、文化を守るという線で落着するように御努力願えると私は確信しております。ここの委員の一人である大坪保雄君はかつて山口県の学務部長をしておられた当時、このカルスト地帯に来て、このような美しいところが日本にあったかと言って賛嘆久しゅうしたということであられる。さっきもここでそれはおれも協力すると言ってくれたくらいです。そういう意味で与党内においても協力してくれる、党派を越えてこれを守っていかなければならぬと思うのです。幾らでも代替地はあるのです。 最後にもう一つ私お尋ねしておきたいことは、調達庁の仕事を防衛庁長官に兼務せしめるという意見が閣内にいろいろあったようでありますが、これはどうなっているか、お漏しいただけませんか。
○倉石国務大臣 調達庁の仕事は、占領中は御承知のように、特別調達庁でございましたが、だんだん今日のように推移して参りまして、先ほどのいろいろお話の中にもございましたその一部の皆様方の御意見の中には、私と見解を異にされる方があるかもしれませんが、私どもといたしましてはやはり日本の防衛は、財政が許す限りはだんだん自衛力を増強していきたい。しかしそれが所期の目的に律するまではとにかく行政協定でアメリカに駐留してもらう、こういうわけでございますので、防衛という立場に立ちますと、防衛庁の主たる目的と調達庁の目的とが非常に接近いたしておるわけでありますし、またやがていろいろなただいまの基地などを調達庁が引き継ぐためにも、今からそういうふうにやっていく方がいいのではないか、こう考えまして、むしろ防衛庁に移管すべきである、調進庁を防衛庁の一部につけるべきであるという考え方になりまして、一応行政機構改革にもそういう原案が出たこともありますが、いろいろ事情でまだその段階ではないということでありますが、将来これを移す目的のためにどういうふうに事務的に運ぶべきかということで、ただいま政府部内において担当関係省の事務官の手において検討を進めておる、こういう段階であります。
○受田委員 大臣は調達庁の担当大臣として今回防衛二法案関係であなたのお仕事の一部が防衛庁に移されたことを御存じであろうと思います。御存じないとすれば私お教え申し上げますが、防衛庁設置法の今回の改正法律の第五項の中に「調達庁設置法(昭和二十四年法律第百二十九号)第三条第四号の規定にかかわらず、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定附属書G第二項の規定によりアメリカ合衆国政府の使用に供せられる不動産、備品、需品及び役務(労務を除く。以下同じ。)の調達、提供及び管理に関する事務を行う。」ということになっておるのであります。こうして調達庁と防衛庁との関係は非常に深い関係になっておる。しかしこれはこういうことが言えるわけです。防衛庁の方には職員の組合組織ができないが、調達庁には組合の組織ができる。そういうことになって、組合運動ができる、できないによってこれはおれの方へほしくないのだと船田さんは言うておられるようであります。ところが、私は防衛庁といえども、これは自衛隊は別としましても、防衛庁のシビリアンは、これは文官としての純粋な事務をとるのでありますから、当然そうした組合を組織せしめてけっこうなものだ、ことに先般メーデーの際には、防衛庁は一部の窓を閉ざして下を通り行く勤労大衆の打ち振る旗を目をおおしめて絶対に見せなかった。こういう事実を私お伺いしてみてまことに寂蓼を感じたのでありますが、防衛庁と調達庁という関係が密接になっている現状においては、少くとも防衛庁の文民の諸君、直接自衛隊の隊員でない諸君には勇敢にここに組合を結成せしめて、お互いの立場を十分尊重できるような活動をせしむべきであると思うのでありますが、倉石大臣の御意見はいかがでございましょうか。
○倉石国務大臣 このことにつきましては、今のお話の一般の公務員とそこに働く労務者とにやはり区別されるだろうと思うのでありますが、一般の公務員については、特に防衛庁は独特のものでありますから、その防衛庁に入れば防衛庁の官吏としての規制を受けるでありましょうが、労務者のことにつきましては、いろいろ研究すべき余地が十分あると思うのでありまして、私どももその点については目下検討中でございます。
○受田委員 防衛庁の長官及び内局の諸君は全部文民です。従って、この文民の諸君は政治的には軍に優先する立場で動いているのでありまして、この防衛庁の内局の文民の諸君を他の官庁と同等に取り扱わしめるということは、私は当然の措置であると思うのであります。今御研究の由でありまするが、純理論からいっても、また現実の問題からいっても、自衛隊でない防衛庁の職員を一般の官庁の職員と同じような官公職員としての組合結成を認めていいじゃないか、こう考えまするが、御見解をもう一度お伺いします。
○倉石国務大臣 そのことは防衛庁に関することでございますから、私からとやこう御返事を申し上げることはいかがかと思いますが、そういう問題については目下慎重に検討中でございます。
○受田委員 これで終ります。
○山本委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十五分散会