逓信委員会閉会中審査小委員会 第6号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/10/10
会議録
○松井小委員長代理 これより逓信委員会閉会中審査小委員会を開会いたします。 郵政事業に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。発言の申し出がありますので順次これを許します。橋本登美三郎君。
○橋本(登)小委員 まだ政務次官が出席にならぬようでありますが、直接電波関係でありますから、とりあえず濱田電波監理局長からお答えを願います。実はせんだって国政調査に参りました際に、各班とも各地において、放送事業者から減価償却に関する陳情を受けたのであります。内容はあるいは当局においても御承知かもしれませんが、減価償却の率の問題並びに耐用年限の問題、これを中心にして陳情を再三再四にわたって受けたのであります。これについて、一応当局において関係者からお聞きになっていることもありましょうし、現在行われている定額法あるいは定率法について調査もしておありになると思いますから、その問題について御説明を願いたいと思います。
○濱田説明員 今までの調査の経過につきましては次長の荘君から説明していただきます。
○莊説明員 ただいまお話のございました民間放送の固定資産の減価償却につきましては、先生のお話のごとく、民間放送会社及び連盟の方から私どももいろいろ事情を聞きまして、ただいま検討をいたしておるのでございます。 内容をかいつまんで申し上げますと、問題は結局法人税の問題になるわけでございます。法人税は総益金から総損金を控除したものが、課税額を算定するもとになるわけでございます。その場合損金の中に法が認めた減価償却の額は算入されるということになっておりますので、減価償却の額が、どこまで損金の中に算入されるものであるかということが定まることによって、会社の法人税も変化して参るということになる次第でございます。それで法人税法の上では減価償却の方法、損金に算入すべき固定資産の償却額の算定の方法、これにつきまして命令に委任をいたしております。そして命令が出ておりまして、さらに固定資産の耐用年数については省令に委任するという定めがございまして、それに基いて省令が出ておるわけでございます。そして耐用年数につきまして表が作られておるわけでございます。この中で放送関係で特に問題となると考えられますものは、また民間放送会社において特に問題とされておるように私ども伺っておりますところは、ラジオ放送に用います集音、録音設備とされておるもの、それからスタジオ調整及び送信設備とされておるもの、前者につきましてはただいま申し上げました省令の別表によりますと、耐用年限七年、後者につきましては十二年ということになっておりまして、その他送信所設備十一年、ほか以上のものに含まれない放送関係のものは十年というようになりまして、全体をひっくるめまして総合耐用年数というものを十年ということにいたしております。この耐用年数は、ラジオ東京が設立ざれたころ、当時たしか昭和二十六年ごろにでき上った耐用年限の定めでございまして、その後の実績から考えまして、現在再検討を要する時期にきておるのではないかと考えられる次第でございます。実情を見まするに、放送に用います集音、録音設備でありますとか、スタジオ調整、送信設備といったようなものは、使用の回数と申しますか、頻度が非常に高いものが多いわけでございます。従いまして物理的な命数も、ただいま申し上げました省令に掲げてあるものよりももっと実際上短かいというものが多数あるわけでございます。またよしんば機械設備としては、まだ命があるものでありましても、機能的にいいまして、これは日進月歩の世界に属する品物でございますので、次々といいものが出て参り、前のものを使っておったのでは商売にならないということになりまして、機能的に沈下してしまっておる。従って命としては物理的な命はあるけれども、もう倉庫に入れてしまって現用していないというようなものもいろいろあるわけでございます。そういうようなことを考えますと、現在の耐用年数というものは長きに過ぎるのではないかということが問題となるわけでございまして、民間放送連盟等の御意見もただいまいろいろ伺っておるわけでございますが、連盟の方の御研究によりますと、総合で申しますれば十年というのを五年余り、五、六年のところに改正することが事業の実情に即するという御意見でございます。私どもといたしましてもただいまこの御意見についていろいろ検討をいたしておるわけでございますが、考え方の方向といたしましては、民放の企業財政を健全化し、設備改善を促進するということは、これは大切なことでございますので、いかにも現在の総合十年ということはどうも長いのではないか、その見地から見て長いのではないか。これをもっと合理的に短かくするようにすべきである、かように考えまして、現在いろいろと検討をいたしておるのでございます。
○橋本(登)小委員 荘次長の説明で現在の経過等については大体明らかになりましたが、われわれがこの問題を取り上げてお聞きしまする根本原因は、最後にちょっと御説明があったように、ラジオ、テレビ等の電波事業というものは非常に新しい事業であると同時に、それだけに日進月歩といいますか、寸刻もゆるがせにできないような変化及び進歩を持っておる、こういうことが一つの事情、それからもう一つは最近ラジオ事業というものが、放送事業の方は比較的に順調に発達をしておるようであります。われわれがこの放送法で民間放送を認めたとき考えたよりも、時間的に非常に短かく成長しつつあるようであります。まことにこれは同慶にたえないのでありますが、しかし間もなくテレビ事業が始まりまして、そうして大体のおもなるラジオ事業者がやはりテレビ事業を兼務する傾向を持ってきておる。いい悪いは別問題ですが、許可の結果を見ますと、そういう傾向を持ってきています。現在ラジオだけで考えれば比較的健全に発達をしてきておるのでありまするが、われわれ国政調査で参りまして、そうして各地を見ましても、ラジオ放送事業者というものは大部分がいわゆる建物等は借家をもって行われておる。小さい放送会社はみずから建物を持っているものもありますが、大部分のものは人の建物を借りて、それを改装して借家の形でやっているところが多い。東京ではラジオ東京も同様、あるいは日本放送も同様であります。そういう傾向にありますので、なるほどこの事業の経過から見れば相当に利益があがっておることになるけれども、もし今後のラジオ事業及びテレビ事業の発展のために、そうした大きな意味での固定資産に類する建物等を自己の力で建設しようということになれば、これは相当の赤字を計上しなければならぬだろうと思う、建設資金を要するだろうと思う。これにまたテレビ事業のようなものを今後やって参りまするということにつきましては、現在のところ見通しは非常に明るいようではありますけれども、現状はなかなか苦しい経営状態が考えられる。これらを総会品的に育成するためには、現在のラジオ事業者というものの健全なる育成といいますか、これはどうしても必要な状態にあるのではなかろうか、こういう意味から一つは考えなければならぬように考えるわけであります。 第二には今内容的に説明がありましたが、たとえば鉄塔、円筒空中線式のもの、その他、こうなっていますが、この鉄塔、円筒空中線式のものは三十年、その他が四十年、こういう総合耐用年数になっておるようですが、これなども専門家に聞きますと、なるほど鉄塔それ自体は二十年も三十年も五十年も、あるいはもっと持つかもしれませんが、それにつけてある施設になりますと、これなどは実際的にはもっと早く時代の変化、新しい発明等によって変ってくる、こういうことで、たとえば国際電信電話会社のごときは必ずしも将来鉄塔でなく、木塔でやって、そうして常に時代の変化というか、新しい発明にこたえるようにした方がいいのではないか、こういう意見を持っている人があるようであります。同様にまたラジオ及びテレビ等の場合におきましても、こういう点については相当に変化がくるというような場合には、果して三十年なり四十年という耐用年数が合理的であろうかということも一つの問題であろうと思います。なお最も至難な点は、先ほど莊次長から説明がありましたように、集音及び録音設備に関するものが大部分だろうと思うのです。これなどにつきましても、先ほど来説明がありましたように、あるいは機械それ自体はもちろん生きておるけれども、時代の進運に従って、科学の進歩に従って、それらの性能あるいはまた利用価値、こういうような点から見て、ことに非常に迅速を要する仕事であったり、あるいは感度を非常に強く要求するような仕事でありまするために、機械自身は生きておるけれども、これを変えていかなければならぬという例が非常に多いようであります。従ってこういう点も一つ十分に勘案願って、少くとも新しい文化のセンターであり、かつまたマスコミニュケーシヨンの最も先端をいくラジオ、テレビ事業に対して、できるだけ健全なる育成を進めるようにしたい、そうしてそれから得た利益というものがもしありとするならば、それらをできるだけ番組の編成に対して十分なる内容を盛るようにしていくということが、少くともラジオ、テレビ事業における最も重要な問題ではなかろうかと思います。NHKに対しましてはもちろん所得税法によるところの制限税率は適用されておりませんけれども、しかしこれに準じて特別積立金等によっての償却は――予算のお話し合いはできておるようですが、最近御承知のようにマイクロウエーブが非常に進んで参っております。全国的にほとんどマイクロ網というものが敷かれつつある。すでにマイクロウェーブができ、あるいはできつつあるにかかわらず、いつテレビジョンが見られるのかという声が非常に地方で高いのであります。これに対しては、もちろんこれと直接関係はありませんけれども、問題は予算を編成する上においてのテレビの建設勘定の問題だろうと思う。この建設勘定について、もちろんラジオ及びテレビジョンのこうした減価償却のみによっては解決できませんけれども、しかしこの点もある程度は関連があるのでありまして、いずれ別の機会においていわゆるNHKテレビジョンの全国普及をどうするかという問題をお聞きしたいと思っておりまするが、関連事項としてお聞きしますれば、そういう問題もあるわけであつてこういう点からも、必ずしも民放だけでなく、NHKにおいてもこれらの問題が――法律的には立場を異にしておりますけれども、やはり同じような内容的な問題がからんでおる、こういうことをわれわれは考えるのですが、この関連について、一つ荘次長の御意見を承わりたい。
○莊説明員 ただいま橋本先生から、私どもがいろいろ考えなければならない問題点をお教えいただいて、まことにありがとうございました。私どもといたしましては確かに先生の御指摘のような点は、今後十分研究をしなければならないところだと考えておりますので、民間放送方面あるいは大蔵省方面と連絡いたしまして、研究を進めさせていただきたいと思います。あるいはまたNHKにつきましてはNHKと相談をいたしていきたい、かように考えております。
○橋本(登)小委員 まだ具体的な案がまとまっておらないようでありますから、それ以上詳しくお聞きすることもできないようですが、聞くところによりますれば、大蔵省当局と民放関係との間で、この問題については好意ある交渉が進められておるようでありまして大へんにけつこうであると思います。われわれが心配しておるゆえんのものは、会社によってはいろいろ立場が異なり、従ってわれわれの考えておる点とは多少違う点もあろうと思いますので、こまかい具体的な点までわれわれはどうこう言う考えは持っておりませんが、最初申しましたように、原則的にラジオ及びテレビ事業というものは近代事業であり、かつまたこれは国民の多数に影響のある公共的な仕事でありますからして、この点一つ十分電波監理当局においても認識されて、民放あるいはNHK並びに大蔵省当局と緊密なる御連絡を願って、合理的な解決をせられるように希望するわけであります。 続いてFM放送について御意見を承わりたいのですが、FM放送の問題は、最近ようやく民間等においても大きな問題になってきておるようであります。御承知のようにこのFM放送のいわゆる聴取範囲というものは、大体テレビの聴視範囲と似たような点があり、中波放送とはだいぶ趣きを異にしておるわけであります。かつまたFM放送は音質等においては中波と断然比べものにならぬようないい質を出すのであって特殊な一つのバンドを持っており、中波放送あるいは短波放送とはその性格を異にしておる。かつまた日本としては初めて新しく設定せられる許可バンドになるわけでありますが、中波放送及び短波放送等に占めておる現在のラジオ事業、あるいはテレビ事業も同様ですが、われわれが考えておった以上に民間の企業として、非常な勢いでその方面の事業が進められてきておる現状から考えると、あるいは考えようによっては、あまりに企業山に、すなわち娯楽本位、利益追求的にいっていはしないか、こういうような危険すらあると思われるくらいに、中波放送あるいは短波放送等が利用せられて、全く繚乱のような状態を呈しておるわけであります。われわれ各地を見て参りまして、あるいは諸外国の例等を考えましても、日本のごとくにこうした限られたるバンドなりあるいは波長なりが、いわゆる娯楽方面、消費方面にのみ――のみといっては少し極端ですが、その方面に中心が置かれて利用せられておる国は非常に少いのではないか。最近電波監理局長も向うを回りましたから、最近の事情をお聞きしたいと思いますが、そういう点から考えて、FM放送というものを国策としてどういう工合に原則を立てていくか、こういう問題が当然あるべきだろうと思います。あるいはまたそこまで徹底的な論議が尽されてないかもしれませんが、この問題について一応私見なりあるいは将来の見通しなりをお聞かせ願えたらけつこうだろうと思います。
○濱田説明員 今の問題につきましてお答えいたします。超短波放送は、技術的に申しますならば、現在の中波よりも進歩したものであることは申すまでもありません。そういう意味で、私どもは非常な興味を持っております。その次に、今日の放送界の現状に照らしまして、中波の割当が極端に窮屈になっておるときにおいて、超短波放送は必然的に私どもが採用しなければならないところのものであろうと思うのであります。そういう次第でありまして、私はこの超短波放送につきましては非常な興味とまた熱意とを持っていろいろ研究をしております。先般私欧米を大急ぎで回りました。特にFM超短波放送に目を向けて、きわめて短かい時間でありましたけれども見たのであります。ドイツでもフランスでも、あるいはイギリスでもイタリアでも、どこでもだんだん中波に置きかえつつある状況であります。イタリアのごときは、日本と同じように非常に長い国で、両面が海でございます。そういう意味で、大電力よりもむしろFMの方がいいのではないかという見方もございます。いろいろ参考になった点がございました。そういうわけで私は、日本ではなるべく早くFM放送をスタートする必要があるという信念を、今回外国をざつと見てさらに固めた次第でございまして、これにつきましては橋本委員がおっしゃるように、日本としてはこの新しい方式の放送を開始するに当って、従来ややもすれば漫然と一と申しては語弊がありますが、ややもすれば野放しのような傾向に見られた、中波についてのわれわれの考えの足りなかったところを補うようにいろいろなことを考えております。決して政府が統制するという意味ではなくて、何とかいい結果が生まれるように、電波がさらに国民のために、国民の福祉に貢献するように配慮しなければならないという考えを強く持っております。さて、これは一般的な考え方ですが、どういうチャンネルをこれに割り当てたらいいかということにつきまして寄り寄り研究いたしておりますが、これにつきましてはまだ最後的な結論は得ませんけれども、なるべく早く成案を得たいと考えております。大体そういう考えを持っております。
○橋本(登)小委員 今のは大様的なお話でしたが、まだ研究途上で十分でありますまいから、見通しとして考えられる点は、こう申されたからどうこうということではありませんが、たとえば現在のテレビ・チャンネルのうち、あるいは現在のFMバンドのうち、そういうものを総合した場合に、どれくらいのチャンネルがとれるか、こうした場合においては最大限これくらいのものがとれる、しかしこういう点をもし生かさなければならぬということになれば、どうしてもこれくらいになってくる、こういう大体の見通しはあるだろうと思う。しかし断わっておきますが、ここであなたが申されたことが、将来言質として、あのときあれだけのバンドがあると言ったではないかということは、これはまだ研究途上でありますから、この点は各員も御了承願えると思います。今後の新しい研究題目でありますから、われわれも一日も早く大体の見当を知っておきたい。まずその内容といいますか、チャンネルの数等についての大体の見通し――研究中でありますが、こういうことも言い得るという程度のものがお話し願えればけつこうであります。
○濱田説明員 超短波放送は申すまでもなく、いわゆるVHFの領域であります。数十メガサイクルから現在使つておりますテレビジヨンのバンドの下くらいまで、どこを使うかということでありますが、たとえばその間で、あるところに三メガサイクルくらいのバンドの幅をとるといたしますと、一つの放送、その周波数と周波数の間隔は二百キロサイクルくらいと考えていいわけでありますから、三メガサイクルとしますと十五とれる。そういうのをかりに九十メガサイクル、八十メガサイクルの間くらいをとるといたします。そうなると十五の放送がとれる。またもう少し下の方とか、あるいはどこかよくわかりませんけれども、そこら辺でまた三メガサイクルくらいとりますと、全部で三十くらいはとれるわけです。そういうわけで、技術的に見て空電だとかあるいは太陽の影響とか、そういうものがないような、なるべく工合のいいようなバンドを探して、そのほかの通信とかいろいろな方面にも悪い影響のないようなところを選んで、六メガサイクルくらいはまずとれるというふうに考えております。しかしたとえば三十の放送会社が一ぺんにできることは、急にはそうしない方がいいだろうと考えております。従って初めは数個の周波数を考え、だんだんこれをふやしていって、日本においてはFM放送はまことに理想的な経営で、健全な発達を遂げていったということにしたいと考えております。
○橋本(登)小委員 バンドのとれる数量は、そうしますと大体において十五から三十くらいということになりそうですが、しかしながら経営が健全な発達をするためには五、六個くらいでやっていこう、こういうお考えのようです。 そこで内容の問題ですが、これは国の方針にも関係するのですが、今の電波法ではあまりそういう点には触れておりません。技術的に、かつまた経常的に可能である場合においては、これを許可しなければならぬという建前になっております。この点この前松前委員長が質疑をしたときにも問題があったようですが、ラジオ、テレビの現状から考えて、その点において多少考え直すといいますか、方針を与える必要がありはしないか。ことにFM放送のごときものは受信機の値段から考えても、中波放送の長い将来を考え、十年、二十年先を考えれば、あるいは将来中波放送をやれるだけの受信機もでき、値段もそうなるかもしれませんが、当分の間、やはりわれわれの調査では、少くとも一台三万円前後かかるのではないかというふうに見ております。そうしますと、長いことをいえば相当の普及率が見られるでしようが、当分の間なかなかそういかないと思います。そういう点から考えるごとと、もう一つは、FM放送の持っておる優秀な技術から考えて、事業内容といいますか、これは番組内容ですが、番組内容がもちろん今のように相当数できるということになれば、もちろん全部それにかける必要はありませんけれども、特に諸外国の例から考えて、日本においては純教育放送というものが非常に少いのではないか。ほとんどやってない。多少NHKでやっておりますけれども非常に少い。非常に雑音がない、あるいは他から妨害されないというような特質から考えても、少くともその一部は純然たる教育放送に利用せらるべきではなかろうか。そういうことに考えますと、これはなかなか営利的にやることも実際上困難でありましようけれども、これは東京、大阪だけが教育放送をやったのでは意味がないのであって、やることになれば、もちろん全国至るところでだれでも大体聞かれる状態にFM放送、教育放送というものが普及といいますか、整備せられなければ意味がない。東京や大阪だけがそういうものが聞かれる、ところが青森県のいなかとか福島県のいなかでは聞かれないということでは意味がないのであって、少くとも営利を度外視して、全国的にこれが行われるような組織が必要ではないか。大きな大学が通信大学をやっておるのと同じような工合に、文部省がおやりになるのもけつこうであろうし、あるいは文部省自体がそういうものを持つことが困難であれば、全国教育委員会がお持ちになるのもけつこうであろう。そういう機関ができなければ、NHKあるいはNHKに準ずるような公共的な機関ができて、そうしてある意味においては国家の補助を与えても、純教育放送のようなことが行わるべき性質をもっていはしないか、こういうふうに考えるのですが、もちろんこれはFM放送の全部をそれにするというのではありません。少くとも東京でいえば、今の話でいえば、少くとも幾つかのFM放送が許可できるわけであります。従って少くともその一つはそういう方面に限定せられて考えるべき余地がありはしないか、こういうふうに思うのですが、その点に関する電波監理局長なり、大臣代理ですからして、政務次官からお答えしてもらってもけつこうですが、十分なる打ち合せがなければ、いずれの機会でもけつこうですが、一応御意見を承わりたいと思います。
○濱田説明員 大へん示唆の深いお話を承わりまして、私自身全く同感に思っております。FM放送は日本の全体的に及ぼすべき性質のものであります。そういう性質の事業だけに使えという考え方、たとえば教育放送のような全体的に及ぼすような、国民全体の利益になるような、教養を向上するような、そういう目的に使われたいという念願は私全く同感であります。しかし果してこれがどういう運営形態で実現可能であるかということにつきましては、非常に考えさせられるのであります。従いましてこれを日本放送協会にやらせるとか、あるいは別個の法人を作ってやるのがいいとか、いろいろあると思います。これにつきましてはいろいろな角度から研究をいたしたいと考えております。しかしただいま申されましたように、経営は広告ではありません。やはり国または公益法人等からの寄付によってでないとこの経営は困難であります。これにつきまして、さて日本のような国柄では、果してそれがどのように発展し得るであろうかということを非常に考えております。アメリカの場合を御参考に申しますと、アメリカにはただいまラジオでは百五十の放送局が教育放送をやっております。テレビジョンでは二十三、四ぐらいのものが教育放送専門である。これらは営利会社ではありません。利益を求めない法人であります。これについては従来大学、教会等が相当なる寄付をしてそれによって行われておる、そういう形であります。アメリカの放送番組の内容が、私どもの観察では数年前は非常に悪かった。私五年ぐらい前に行ったのですが、非常に悪かった。ことにテレビジヨンは実に見るにたえないという感じだったのですけれども、今度行ってざつと見ますと、テレビもラジオも相当プログラムは改善されているように思います。ニューヨークへ着いて直ちにテレビを見たときの感じはそうなんです。これはなかなかいいじゃないかという感じがいたしました。その影響は一体那辺からきたのかという考えで見てみますと、やはりアメリカでは教育放送がこの二、三年だんだん盛んになってきた、これはやはりアメリカ人の反省であるかもしれない、その影響がかくあらしめた一つの理由であろう、そう私は考えたのであります。そういうわけで法律とか何かで番組の規制をするという考えではなくて、自然にこれを見る者、聞く者の反省によって、その影響が商業放送にも及んできたというのがアメリカの実態ではなかろうかと思うのであります。そういう意味で、今日のアメリカでは、アメリカは商業放送一点ばりだという考えは必ずしも当らない、教育放送というものが大きな分野を占めつつあるということは事実であろうと思うのであります。そういう次第でありまして、このFM放送の実施につきましてはいろいろな角度から長い目をもって、国民全体が電波の恩恵に浴するようにしようというふうに考えて多くの人に御意見を承わって、あわてずにこれをきめたいということを希望しております。
○橋本(登)小委員 大体の考え方として大へんけつこうだと思います。私はFM放送を公共的な機関なり、あるいはそれに準ずる機関だけでやれという意味は毛頭ありません。今電波監理局長は、アメリカの事情をごらんになって、商業放送がそういうような方向に行きつつあるというお話でしたが、私もそういう意味で日本の商業放送がそうなることを希望し、かつなるであろうと思います。ただ申し上げたいのは、こういう重要な波であるから、従って今後これが許可、認可の問題が起きてくるでありましょうが、その場合、技術的あるいは経常的ということのみをまず第一条件として考える前に、政府としてはこういう放送を国としてどういう工合に持っていくことが、全国民のための利益になるかどうかということをまず根本的に考えてもらいたいと思う。漫然と技術的に見て、これは幾つのチャンネルがある、あるいは経営形態あるいは経営内容が、これならば心配がないということのみで許可、認可を考えずに、その放送がどういう目的で行われるか、また政府としても国としてもこの問題を、全国民の公共的福祉に合うように考えていこう、こういうことをまず研究せられて、そうしてそれによって一つの方針が打ち出されれば――電波監理事業、ことにテレビ、ラジオ等の電波事業というものは、国民に対して非常に重大な関係を持つものであります。ある意味においてはわれわれの主食である米に匹敵する、あるいはそれ以上の影響力を持っておる、従ってこういう問題でありますから、あるいはそういう基本方針がもし郵政省当局においてまとまるようなことがありますれば、それを閣議決定くらいに持っていく、公共放送というものは閣議決定くらいに持っていく。政党としても政党の重要な政策として規定をして、その範囲内と申しましょうか、その前提条件の上に立ってこれらの許可、認可の基準を持っていく、こういうことであるべきであると思います。従来は何せ倉卒の間にラジオ、テレビ事業というものが一般に開放されましたから、その点に関する思慮というものが国策としてはあまり十分ではなかったように思います。民間にこれを開放するという点では大きな国策でありますけれども、それにしても、どういう工合にそれを持っていくかということについては、必ずしも十分ではなかったと思います。しかし今までにおいても国民の福祉あるいは健全娯楽の面においての貢献は民間放送も十分に果しておられますが、そういう外国の例から考えましても、今後のFM放送については、もちろん健全娯楽に使われることもけつこうでありましょうが、しかしながらいわゆる幾つかの面があるわけでありますから、その中にはもっと積極的な、あるいは狭い意味での純教育的な放送あるいは純教養的な放送が出てきても何ら差しつかえないのでありますから、こういう点については、やはり政府としても根本的な考えを持つ。それには郵政省だけできめるのではなしに、郵政省できめました一つの考え方というものを少くとも閣議決定に持っていく、その線において将来の許認可基準というものを考えていく、これくらいに大きく国策的に考えるべき性質のものだと考えるのでありまして、その点について政務次官あるいは管理局長においても十分に研究されて、善処せられんことを希望いたします。
○松井小委員長代理 他に質疑はございませんか。 それでは本日はこれにて散会いたします。次会は明十一日午後一時、明後十二日の午前十時から開会をいたしますので、さよう御了承を願います。 午後零時一分散会