逓信委員会電波及び放送に関する小委員会 第5号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1956/03/14
会議録
○早稻田小委員長 これより電波及び放送に関する小委員会を開会いたします。 放送事業に関する件について調査を進めます。この際質疑の通告がありますので、これを許します。竹内俊吉君。
○竹内小委員 前回の当小委員会において、来たるべき六月の周波数の割当についての基準対策について若干お尋ねをいたしたのでありますが、それに対する当局の御答弁は、ほとんどが目下検討中、調査中ということで要領を得なかったのであります。申し上げるまでもなく国会の審議は、審議の対象になっておる立法事項を決定するということは言うまでもないが、その過程において行政の対策なり責任なりを明確にするということも、また重要な事項であることは言うまでもないのであります。その点から考えますると、郵政当局の国会に対する準備というか、態度というものは、満足すべきものでないということを指摘せざるを得ないのであります。たとえて申すならば、来たるべき周波数の対策というものは、電波行政のうちの最も重大なものの一つであります。その基本的な方針くらいは、今日もう確定していなければならぬ時期である。中にも先般お尋ねをした、たとえば周波数の割当の重要な基準であるところの保護区域の電界強度をどうするかということ、あるいはチャンネル・プランの対象である受信機はどこへ置くか、スーパーに置くか、従前通り高一段に置くのか、もし置くとすればその説明が十分に解明せられて、われわれが、国民がそれに納得し得るだけのことを今日与えておくことが、行政としてしかるべきであると考えておるのであります。この点もう資料がまとまってここで御答弁できるならば、御答弁を願いたいと思うのでありますが、いずれにしても、今日のあの混信対策に対する根本的なものを策定せずに、周波数の割当ができないはずであります。またいよいよ電波の需要が多くなってきて、複雑化した状態に対する対策としても、抜本的に考えなければ、おそらく波のやりくりがつかないところに当面しておると思う。にもかかわらず、今までの答弁に現われた限りにおいては、どうにかなるだろうといったふうな態度のようにさえ見えることを、私は遺憾に考えます。 そこで二、三お尋ねをしたいのでありますが、先般お尋ねをしたもので、速記録を読んでみまして答弁のなかったものだけを二、三お尋ねをして、あとで放送法に関する参考資料の説明があるそうですから、あまり時間をとらないように二、三お尋ねしたいと思いますが、先般お尋ねした点で、昭和二十八年度の周波数割当の結果として、今日現われておるところの重要なものの一つは、同一周波数の混信が非常に多いということであります。これは二十八年度の周波数割当の際に、何か基本的な大きい誤算があったのではないか、この点についての当局の見解はどうかということをお尋ねしておったのでありますが、これに対して御答弁がなかったので、まずこの点から一つお聞きしたい。
○濱田政府委員 本件につきましては、放送技術課長に答弁させます。
○香西説明員 かわりましてお答えさせていただきます。前回二十八年の再編成に際しましては、その当時いろいろありました資料を検討いたしまして、その結果に基いて割り当てたわけでございますが、その三年間の経過を見まして大体原則的には誤まりはなかったと存じております。ただ中波の電波につきましては、現在もなお世界的な宿題でもございまして、私どもにおきましてもこの三年間相当程度その調査はやったつもりでございまして、今回の再編成に際しましてはそれを参照いたしまして、現在の国内中波の混信につきましては少しでもこれを防ぎたいつもりで、いろいろ計画を練っております。問題となります点は、必ずしも遠くで弱くなるとも限りませんし、また強くなるとも限らない。周波数によりまして、また空中線の構造によりまして、離れる距離によりまして、大体電波の強さというものは波を打つ傾向があるのでございます。これが日本の土地の特殊事情とから見まして、非常に複雑な様相を呈しておる次第でございますので、実地について調査した結果に基きまして、目下修正作業をやっております。
○竹内小委員 ただいまのお答えでは、二十八年度に考えた考え方は結果においてそう大きい誤まりはなかったということですが、あなたの方からお出しになった資料によりますと、同一混信は非常に多い。最初それを予想してやったものとは思われない。ということは、あなたの前任者の森本氏の公表されておる二十八年度の周波数割当の根本対策を読んでみますと、これでそう混信は起らないはずだ、今の状態では十分放送の目的を達し得るという確信のもとにやっておるように説明を加えておるわけであります。ところが結果から見ると、同一周波数の混信が非常に多い。それは周波数の割当と置局方針が一致しなかったということを具体的に証拠立てるものだと私は思います。であるから、これを資料としてお考えになるということは妥当だと思いますが、誤まりがなかったということは言えないと思います。むしろ誤まりがあった、あったが、草創のときでいたし方なかったということがほんとうじゃないのですか。誤まりがなかったとするならば、その点からまたさらに質問しなければならぬのでありますが、現状を考えてみますと、当時はよいと思ってやったが、結果から見るとやはり相当な誤算があった。たとえば電界強度のとり方、その他対象とする条件にもあるいは誤算があったということになりませんか、もう一度お答え願いたいと思います。
○香西説明員 先ほども申し上げました通り、大体において誤まりがなかったと申し上げましたので、あれで完全に大丈夫だという自信は私どもも今もって持っておりません。中波の電波につきましては、これは今もって世界的の宿題になっている点もございますので、今後も続けていきまして完全に自信の持てる線までは持っていきたいと思っております。重ねて申し上げますが、大体において誤まりはなかったと感ずるのでございますが、こまかい点につきまましては御指摘の通り予想よりも違った結果も出ております。 なお、民放の同一周波の混信につきましては、先ほど提出いたしました資料に書いてございますのは民放連から提出されたものでございまして、全部録音がついております。その録音につきましては、私どもも一通り全部聞かせていただきまして、現在もその実情を調査いたしております。それにつきまして、ちょっと技術的な点になりましておそれ入りますが、電波の強さが一ミリボルトの点でとったような録音もございます。しかし技術基準のところでは、大体二ミリボルトと一ミリボルトを問題にしておりますが、一ミリないし二ミリということでこまかく計算してみませんと、一つの町の中で一ミリの場所が出てきたり、二ミリの場所が出てきたりするものでございまして、一つの地点だけの測定では多少不十分かと思われます。また地域的にもいろいろ違いがございますので、ここ一年間にわたりまして私どもの方も測定をやっております。最近そのデータがまとまって参りましたので、それと、各民放からの御提出によります証拠物件と申しますか、そのテープ・レコーダーとを比較して十分検討させていただきまして、われわれの基準を割っているもの——確かに割っているものもございますが、そういうものは極力救済させていただきたいと思っております。
○竹内小委員 それではお尋ねしますが、今度のチャンネル・プランの場合も、今日程度の混信はやむを得ない、大体あの程度でいかなければならぬというふうな実情であるかどうかということが一点。もう一つは、今のあなたの御説明で、混信のテープを聞いてみると、一ミリボルトでとったところもあるし、二ミリボルトでとったところもあるとおっしゃった意味は、二ミリボルトの場合は保護区域外であるからいたし方がないのだ、こういう御見解でありますか。その二点をお尋ねいたしたいと思います。
○香西説明員 今の保護区域については、これがさらに軽減されるものならば軽減したいと思っております。二番目の点につきましては、われわれとしても理想的には全然混信がないという状況に持っていきたいと思っております。ただ御承知のように、周波の数がだんだん少くなっていきます現状において、それを理想的の線にまで持っていけるかという点につきましては今回も検討いたしております。
○竹内小委員 一ミリボルトでいくのか、二ミリボルトでいくのか、あなたの方はどちらが正しいと思いますか。
○香西説明員 できるだけ少い方に、理想としてはゼロのところまで持っていきたいと思います。
○竹内小委員 私は理想論を聞いているのではないのであります。あなたの方で、今度のチャンネル・プランの場合にどこを基準にしてチャンネル・プランをお考えになるかということを前の委員会からお尋ねしているのだが、局長は、まだ検討中だということで明答がない。前には一ミリボルトで保護区域として基本条件をきめて割り当てた、その結果もあろうと思いますが、混信が非常に多い。この混信が非常に多いということを直すことが、今回の目的でなければならぬのであります。たとえばNHKにしても民放にしても、今日NHKだけを聞いている国民もいないし、民放だけ聞いている国民もいない。民放とNHKと合せて、国民側から見ると放送文化は一本であります。そのいずれを聞くかということは国民の自由であって、この自由は侵害してはならない。でありますから、民放もNHKもどちらも十分に聞けるという態勢が電波行政の根本でなければならぬ、それはもう言わなくてもわかっている点であります。そういう点から考えて、最初一ミリボルトを基準にして周波数を割り当てたものが、今日いけないならばいけないということを解明して、われわれが納得するような方針を出さなければならぬ、そこで聞いているわけであります。あなたの答弁は理想というか、理想までいければそれに越したことはないが、現状はそうできていない。今の実情から考えて、どういう程度にして基準を定めていかなければならぬということをもうきめなければならぬときであるのに、きまっていないとおっしゃるから、今いろいろの角度からあなた方の気持を打診しているわけであります。理想論を吐いたのでは答弁になりません。
○香西説明員 何ミリボルトにするかということにつきましては、それが実現し得るという確信を持たなければ私どもとしては申し上げられないわけでございまして、二ミリでする場合にはこういう組み合せになる、一ミリにすればこういう組み合せになる、〇・五ミリにすればこういう組み合せになるというような、いろいろな案について検討中でございますので、今何ミリボルトで考えておるかと言われても御返答に苦しむわけでございます。そのいろいろな標準につきまして、われわれとしては二ミリボルト、一ミリボルトといわず、ゼロでできる組み合せがあれば、そのゼロまで考えたいという気持を申し上げたつもりでございます。
○竹内小委員 あなたの方からお出しになっている昨年十一月の資料ですが、その場合に、各民放やNHKから全部テープをとって録音を聞いて、まだ態度がきまらないということはどういうことですか。
○香西説明員 十一月にいただきましたテープと、それから今回一月にとっていただいたテープとは、また状況が変ってきております。従いまして全般的なことにつきましては、相当長期間の記録を必要とするものでございます。
○竹内小委員 そうなりますと、六月にやるのですから、四月の最近のデータをとって、それをまた組み合せて考える、こういうことですか。それも一つの方法だと思います。いい悪いを私は言っているのではないのですよ。どこかに基準を定めて電波の割当をして、それがどうなるかということは非常に重大な問題で、非常に関心の高い問題ですから、電波行政としてはなるべく態度を明らかにすべきときが来たと思うからお聞きしているのです。それを技術的にいって最も近いデータでなければやれないというならば、やれないという理由を御説明になればわれわれは納得できるかもしれない、そういうことをお聞きしているのであります。
○香西説明員 われわれとしましては、現在までにすでに数年にわたって機会あるごとにデータをとっておりまして、また今後もとっていくつもりでございます。しかし再編成というものは時期がきめられておりまして、五月一ぱいまでには作らなければならない。ですから、片一方の測定の方は今後とも休むことなしに、時期を切らずに年じゅう継続していくつもりでおります。その間におきまして、再編成をやるについて、それまでに集まったデータを基礎にして再編成をするつもりでございまして、この三月やらなければできないとか、四月にやらなければできないということを申し上げるつもりはございません。三月に作りますときには、現在手元に持っております過去のデータによって再編成を行なっていくのでありますが、その作業の途中において、四月のデータが入りましたら、またそれも採用して変更を加えるつもりでおります。
○濱田政府委員 ちょっと香西技術課長の説明につけ加えさせていただきたいと思います。先般来竹内委員から態度を明白にせよというしばしばなる御質問がありました。それにつきまして私の考えを申し述べますが、電波の伝播は御承知のごとくなかなかむずかしいのであります。中波の電波といえどもわからない点がたくさんございます。しかも時間によって非常に変る。今の資料が去年の資料と必ずしも一致しないということもございます。種類によっても違う。そういうわけで、この割当基準の基本方針をきめるときには、当局は非常に頭を悩ましておりました。なるべく早く態度を決定したいりでありますけれども、なかなか最後的な段階に参りませんことを遺憾に存じております。しかしごく最近、四月の中旬くらいにはともかく決定したいと存じますので、その点御了承願いたいと存じます。 なお、昭和二十八年の割当計画が誤まりでなかったかというような御質問がありましたけれども、先ほど香西君が申されましたように、必ずしも誤まりとは言えないのであります。電波の伝播は、計算やあるいは理論的な計画が必ずしも実際の場合には実現しない、それが電波の性質でございます。これの解明につきましては、われわれ研究者も、あるいは実地の担当者も絶えず努力を払っておりますけれども、なおまだ明瞭を技術計画ができない状態にありますことを遺憾に思っております。それにつきましても、いろいろな資料をなるべく各方面から集めて、電波監理当局はもちろん、民放連その他からもなるべくたくさんの資料をいただきまして、それに十分検討を加え、今度の割当に際しましては、なるべく各方面の御満足のいくように、言いかえまするならば公平なる電波の割当、合理的、能率的なる電波の割当ができますように、最善の努力をいたしたい所存でございますから、どうぞその点御了承願いたいと思います。
○竹内小委員 データはどこかで一本線を引いて、そのデータでやるよりいたし方がないと私は思う。ですからそういう意味では、今局長の言われるように四月の半ばごろまでに原案を決定されるとすると、大体三月あるいは二月になりましょうが、そういうところでおきめになるよりいたし方がない。私は冒頭に申し上げた通り、この重大な問題は、国政の審議の過程において、そういう行政対策なり責任なりを明確にしたいと思うからくどくどとお尋ねしているわけであって、それは電波行政であって国政のそれとは直接関係ないのだ、それはわれわれがやるのだというようなおつもりならば、私はきわめて遺憾だと思います。そこで、国会が開かれてどの問題が出るかということは、大体わかっておるはずであります。そういう場合においては、そういう資料を準備されて、あるいは三月に資料が集まっておるならばなぜそれをお出しにならぬのか、十一月の資料をわれわれに与えて、こういう問題を審議させているということはおかしい。ですからそういう点については、ある資料をお出しになって明瞭にして、こういう資料によってやるのだということにしなければならぬと思います。それはそれといたしまして、それではこの複雑化してきた、そして波の需要の非常に多いチャンネル・プランの場合には、自由になるといいますか、動かせる波を、五波なり六波なり絶対数をどこからかひねり出してこなければ、思うように操作できないように考えられるわけであります。そういう対策についてどうお考えになっておりますか。
○濱田政府委員 この問題はこの前にも御質問がありましたが、明瞭な御答弁を申し上げませんでした。本日も、目下いろいろな方法を考えてよい措置ができるように、その方法を見出そうと努力中であると言う以外に申し上げかねます。たとえばこの前申しましたが、駐留軍の電波の活用の問題もあります。あるいは民放といわずNHKといわず、合理的でない個所がありましたら、それらのやり直しをいたしまして、何とか合理化が実現できるようにひねり出しをやろう、こういう考えを持って目下検討中である次第でございます。
○竹内小委員 これは昨日の部外の一意見でありますが、放送革新に関する放送白書というものを送ってもらって読んでみましたところ、その中に周波数の問題が取り扱ってあって、それにはNHKの第二放送の電波を、なるべく単一周波数の割当あるいはブロック別の同一周波数の割当にして、そこで周波数の余裕を捻出すべきであるという意見が書いてありました。これはたまたま私の考えておったことと一致いたしますので、私は非常に賛意を表するわけでありますが、そういう考え方を今日しなければならぬときにきておる。これにはいろいろ困難もありましょう。それは日本放送協会としてはいやに相違ございません。ございませんが、先ほど申し述べた通り、今は日本放送協会の放送と一般事業者の放送と合せて、国民の側から見ると一本であります。いずれの放送もあまねく聞かれることが、電波行政の根本でなければならぬという立場に立つとすると、そういう点が強く考えられなければ、周波数の割当のやりくりがきわめて困難な頭打ちになってしまうという状態にあると考えております。具体的にNHKの第二放送の周波数に関して、何らかの操作をしなければならぬというような実情であるようにお感じになっておりませんか。
○濱田政府委員 御指摘の何らかの新構想を持って、その電波の割当の困難を打開していかなければならぬということにつきましては、全く御同感でございます。今までの行きがかりであるとか、あるいは惰性とかいうものにとらわれることなく、思い切った方策を考えるということにつきましては、私も全く同じように考えております。ただいまお話の同一周波数放送の問題についても、私自身いろいろ考えをめぐらしまして、その実現の可能性につきまして当局においても調査研究を命じてございます。いろいろなそういう問題については多分四月の半ばごろまでには明瞭にして、完全でありませんでも、ともかく皆さんの御意見を伺えるようにいろいろな準備が整うものと考えておりますので、いま暫く御猶予を願いたいと思います。
○竹内小委員 それでは四月半ばということになりますが、なるべくそれをもっと早くしていただくように要望申し上げておきます。あとで放送法改正に関する参考資料として提出になったものに対する御説明を聞くそうでありますから、個々に現われたものについては、そのあとでいろいろ皆さんからも御質問があろうと思いますし、私もまた二、三尋ねたいことがあるのでありますが、この参考資料の要綱に全然出てこないもので不思議に思いますことを一点だけ伺っておきたいと思います。 今度の放送法改正は全然テレビジョンに触れておらない。わずかにテレビジョンの共同聴視施設を云々するということがありますが、テレビジョンそのものの根本的のものに一つも触れていない、これは現在の放送法の一番大きい欠陥である。これから発達しようとするテレビジョンに関して、予想しなかった放送法によってテレビジョンを規制しているわけであります。これは実情にきわめて当らないことは言うまでもないことであります。ことにテレビジョンは今後ますます急激にふえることはこれまた贅言を要しない。そうなってきますとたとえば教育に関すること、あるいは映画、演劇とテレビジョンとの関係、これはアメリカにおいては非常に大きい問題になって発展しましたことは御承知の通りであります。こういう点においても何らか法的規制を私は必要とすると思う。あるいは著作権あるいは商標権の問題が当然出て参ります。これらの点に関して一つも触れないということは、触れないでもやっていけるという何かのそういう自信があって、こういう態度でおられるのでありますか。それとも近いうちにこれを加えて放送法の根本的な改正をする、今のはきわめて暫定的な改正だからやむを得ぬ、こういうのでありますか。その点だけ解明願いたいと思います。
○濱田政府委員 この参考資料で放送と申します言葉の中には、ラジオ及びアレビジョンを包含して考える、こういう思想があるのでございます。しかしながらただいま御指摘のごとく、テレビジョンは放送におけるきわめて重大な要素を占めておることは申し上げるまでもありません。のみならず今後テレビジョンが、非常に重要性の比重を増していくということはむろんであります。しかしながら基本的な方針あるいは概念等につきましては、この参考資料に盛りましたことで一応包含し得るだろう、そういう考えでこれは作ったものでございます。しかしながらもちろんテレビジョンにつきまして絶えず思いをいたさなかったことはなかったわけでありまして、これにつきましてのいろいろの具体的な個々の問題等につきましては、この放送法によらなくても他のいろいろな政令だとかあるいは規則だとか、そういうものによって規制し得るものだろう、そう考えましてこの参考資料の中には、特別にテレビジョンだけについてうたうことはなかったものと考えるのでございます。しかしながらこの参考資料が最善のものでないことは言うまでもございません。大方の御意見をたくさんに伺いまして、テレビジョンのこういう部分は絶対に入れるがよろしいというふうなお考えがありましたならば、この中に入れることにやぶさかでは絶対にないのでございます。
○竹内小委員 それは局長の御意見でありますが、テレビジョンはなるほど放送には相違ありませんが、これは映像を伴う放送でありますから、ラジオとはかなり質的に違う条件が幾多あることは御承知の通りだと思う。それをラジオとテレビジョンを一つの放送という文字で法律化した場合に、相矛盾することが幾多指摘できると思う。そういう点について今の御説明、しかも政令や規則でそういうものは調整できるというお考えは非常に間違いである。法律にそういうものをうたっておればこそ、そこから政令、規則が出てくるのであって、それがなければそういうものを政令、規則でやることは、もちろん法律の見解としては成り立たない問題である。そういうことで今これを論争しょうとは思いませんが、今の考え方は私はあまり妥当ではないと思いますが、この問題は別として、放送法改正に関して今当局から参考資料の御説明を聞くそうでありますから、時間がないようですから一応私はここで質問を打ち切ります。
○早稻田小委員長 次に先般本委員会に提示せられました放送法改正の基本方針に関する参考資料について、政府当局より説明を求めます。電波監理局長。
○濱田政府委員 先般お手元にお配り申し上げました放送法改正につきましての基本方針と称する参考資料につきまして、概略を御説明申し上げたいと存じます。 ただいま竹内委員のお話にもございましたが、放送法は根本的にこれを検討して改正すべきか、あるいは国民の各方面において早く放送法を改正すべきである、すでに時期に来ておるという声に応じまして、当座考え得るところの諸点をなるべく網羅して、いわば部分的にこれを改正するがよろしい、そういう考え方もあるのでございます。この参考資料の作成に当りましては、この根本的に考えるということは将来相当な時間をかけ、長期にわたって考えるべきものと一応いたしまして、ただいま申し上げました当座のなるべく早く実施した方がよいだろうと思うものを網羅するように、なるべくこれを含ませるように、そういう考えでこの参考資料を作成したものでございます。しかしながらその全面的か部分的かということはなかなか議論のあるところでございまして、線を引くことは相当むずかしいと考えております。すなわち日本の放送事業を行なっておるものは言うまでもなくNHKと民間放送でございます。この両者は相寄り相助け唇歯輔車の関係で、これが無益なる競争をすることなく、日本放送協会は国民の放送としての公益性を大いに発揮するように事業を行われるべきものであるし、民間放送は商業として行い、しかしながら同時に国民の電波を使用する特権を与えられたのでありますから、やはり公益性を十分に発揮しなければならぬことは言うまでもないことでありまして、そういう意味においてこのNHKと民放の両方が一緒になって日本の放送文化の向上に協力し、従いまして日本国民の福祉に寄与するようにやらなければならないという考えが、この基本方針の精神でございます。この内容はNHKのことが大部分のように見えますけれども、しかしながら必ずしもNHKだけを考えたものではないのでありまして、NHKに対する考え方ができますれば、従って民間放送の方もこれによって考え方がきまってくる、そういう考え方に基きまして作られたものと考えるのであります。 この参考書につきまして御説明を申し上げます。第一番に日本放送協会の業務に追加事項を行おうというくだりがあります。これは「日本放送協会の公的使命にかんがみ、協会の行う業務に次の事項を追加する。」というのでありまして、放送法第九条にありますところの各項にプラスこういうことをつけ加えたならば、さらに放送協会が国民の福祉に寄与するだろう、国民と日本放送協会とのつながりを濃くし得ることになるだろう、公的使命の達成にますます貢献するだろう、そういう考えがこの業務の追加であります。 この第一番目に「放送のため作成した放送番組及び放送素材を一般放送事業者の利用に供すること。」というのがございます。これはNHKがいろいろ苦心して作りました番組、テープだとか、その他の放送の素材を一般の放送事業者がもし希望いたしますならば、実費をもって提供してその便に供するがよかろう、そういう考えでございます。これが今日のところでは、そういうことがなし得ないことになっております。それを実行するようにしたらばどうだろうというのが一番でございます。政府の意向によって放送協会が一般の放送事業者にそういう素材を押しつけるようになるおそれがありはしないか、そういうような新聞の報道記事がありましたけれども、そういう考えでは毛頭ないのでありまして、NHKが独占でなしに、民放も恩典に浴し得るようにさせたいものだというのがこの考えであります。日本放送協会は国民から受信料を徴収している。これは国民の放送協会でありますから、民放もさような意味において国民とつながりが深いものでありますがゆえに、民放も恩恵を分ち合うようにしたいというのが第一条項の節の考えでございます。 次に第二番、「外国の放送局に放送番組及び放送素材を提供すること。」これは国際放送の場合、ただいまでも多少やっておるのでありますが、電波を直接に諸外国に送るということのみならず、その放送番組や素材を外国の適当な放送局に提供しまして、電波を外国の放送局から出してもらう、そしてそこで国際放送の効果を強くしたいというのがこの条項であります。これは今日でも幾らか実行はしていることでございます。 第三、「郵政大臣の認可を得て、放送設備の建設その他放送及びその受信の進歩発達のため特に必要と認める事業に出資すること。」、この問題は、たとえばこの間も本委員会において問題となりましたが、アンテナの共用というような問題がある場合に、放送協会と民間放送会社とは協力出資して、そうして不合理のないように、不経済のないように、そういう手が打てるようにその道を開こうというのが、第三番目の必要と認めることに出資ができるようにしたいということでございます。 それから第四番目、「放送及びその受信の進歩発達に必要な研究を委託すること。」これは今まで放送協会のお金の使い方には除外されておった事項でありまして、たとえば放送協会が自分の持っておる研究施設等ではできないことを、大学その他の他の研究機関に委託しようという場合のことでありまして、そのことが今日の段階では非常に必要と認められますので、こういう事項をつけ加えたいというのであります。実際には大学等に幾らかこれを、特別の場合に限って依頼しておる例もあるようでございますが、日本の技術を早く発達させるために大っぴらにこれをやるようにしたいということでございます。 それから第五番目の「委託により、次の業務を行うこと。」「(一)放送文化及び放送技術に関する研究調査及び技術援助を行うこと。」「(二)放送に従事する者の訓練を行うこと。」であります。これは四番目とは逆でありまして、外部の機関から、たとえば民間放送会社等から委託があった場合には、その放送文化や放送技術に関する研究調査や技術援助が行えるようにすること、そうしまして放送協会が自分の放送事業のみならず、他の事業にも貢献ができるように、それからこの放送に関する問題が全部でしょうが、他の事業にも貢献することができるようにしようということが第一番目であります。第二番目には放送に従事する者の訓練を行う、これは技術及び業務に関する訓練と申しますか、訓練というのは言葉が多少耳ざわりでありますが、養成、今まで経験のない者に放送技術、放送業務についての知識経験を与えるようにNHKは尽力をする。たとえば新たに民間放送会社がここに生まれました際に、それはテレビジョンの場合には多分行われることと思うのであります。テレビジョンの技術あるいは放送の業務等について、自分のところでは養成し得ない場合に、放送協会にお願いしまして養成してもらう、そういう道を開くことが、日本の放送文化を進めるのに必要なことであろうというのがこの二番目でございます。この訓練と申しますのは、何やら神経質に考えますと思想訓練をやるのじゃないか、政府がNHKにかこつけて民間放送等の人を集めて、そうして思想訓練等をやるのではないかというふうにお考えになりますと、これは間違いなのであります。そういう考えでは毛頭ございません。 それから六番目、「放送文化研究所及び放送技術研究所(その設置を法定する。)により、広くわが国の放送の進歩発展並びに放送文化及び放送技術の水準の向上に寄与すること。」、これはただいまの第五項に該当する裏づけでありまして、今日NHKにございますところの二つの研究所を法定いたしまして、こういうものを置かなければならない、そして第五項のようなことを行うことができるように明確にするということでございます。そのことがわが国の放送の進歩発達並びに放送文化及び放送技術の水準の向上に寄与することになるということの大きな要素であるというように考えるわけでございます。これは今日でもNHKはこのことを実行しておるわけでありますけれども、これを法律で定めまして、はっきりさすというのがこの六項でございます。 次に第七番目は、「その他郵政大臣の認可を得て、放送及びその受信の進歩発達のために必要な業務を行うこと。」、そのほか以上述べました六項以外の必要なことがございましたならば、郵政大臣の認可を得てその必要な事業を行えるようにしておくことがよろしいというのが七番目であります。 これが第一でありまして先ほど申し上げましたように、放送協会をより多く国民の福祉のために使えるようにしたいというのが、この第一段の精神でございます。 次に第二段、「協会の公的使命にかんがみ、教育放送等を充実するよう努力しなければならないよう放送番組の準則を整備する。」これは少し表現がおかしいと申しますか、あまり適当ではないかもしれません。この精神は、NHKの放送番組は、民間放送と競争して国民におもしろおかしい番組を提供するというようなことをやめて、できるだけ国民の教養が上り、人格の養成に資することができ、国民の科学的な知識が普及せられるようにというふうな、社会的な教育に重点を置くようにしてもらいたいというのが、このくだりの精神であります。これは現行の放送法第四十四条に、「協会は、放送番組の編集について、公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するように、最大の努力を払わなければならない。」というところがございます。この文化水準の向上に寄与するという表現をもう少し強めて教育、教養等の放送番組を充実するように努力しなければならない、そういう精神をここに表わすのがいいのではなかろうかというのが、この第二段の考えでございます。ここに放送番組の準則を整備するというふうな、何と申しますか、官庁文学の用語が使ってありますので、少し妙な印象を与えると思いますけれども、そういう番組についての規制をするような考えは毛頭ないのであります。そういう精神を、第四十四条だけでは足りないと思われますので、これにつけ加えをしたらどうだろうというのが、この考えでございます。 次に第三に、受信料に関する規定を改め、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会と放送の受信についての契約をしたものとみなすこととする。」これは非常に問題なところでございます。現行の放送法によりますと、「協会の放送を受信ずることのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」というのがあります。契約をしない者はどうするかというのに、これに対して強制的にこれを徴収するようなことは事実困難であるのであります。罰則はございませんし、そういうわけでこの受信料徴収の問題は、ただいまではさほど問題はございませんけれども、だんだんこういうことが起ってくる傾向があるように思われますので、国民とNHKとの関係をより密接にし、濃厚にするためには、このくらいな、税金のような考えに持っていかないで、協会と放送の受信についての契約をしたものとみなす、契約をしないものでも契約をしたものとみなして、納めてもらうようにしたらよかろうという考えが、この第三の受信料に関する考えであります。これにつきましてはたくさんの議論がありましょう。事実NHKに対する受信料の徴収率と申しますか、収納率と申しますか、それは九八・何%にも上っておるのでありまして、正直な善良な日本人は、強制的な方策をとらなくても自発的に進んで納めておる状態にあるのに、こういうものを作るのはどうだろうという考えもございますけれども、ともかくこの受信料の問題は、今日やはり考えておくべき問題であろうと考えまして、こういう一つの考え方を、ここに表現をやってみたわけでございます。参考までに申し上げますと、今後超短波放送だとか、あるいは周波数変調放送、FMでありますとか、あるいはいろいろな新しい放送の方式が考えられまして、今日の中波の標準放送以外のものが出てこないとも限らないのであります。そういう場合にNHKが、今日の受信料の徴収状態で、安定状態に保ち得るかどうか、これは問題でありまして、それでもって国民の放送、国民の電波を安心して思う存分、受信料を納める者が減りはしないかという心配をしないで、安心して公共放送に邁進できる、NHKが今後もずっと継続できるかどうかということについて心配いたしますために、かような受信料についての規則を定めようというのがこの精神でございます。 次に第四段、「協会の業務運営の合理化及び責任の所在の明確化を図るため、次のとおり措置する。」これはかような精神に基きまして公的使命を存分に果し得るために、今日のNHKの組織及び業務のやり方はこれでいいかということにつきまして、現行法では満足でございませんので、これについてかような改良を行なったならばいかがであろうというのが、この四段の内容でございます。 第一番目、「意思決定及び業務の執行は、会長及び理事六人以内をもって構成する理事機関に行わせる。会長は、次にかかげる放送審議会の推薦に基き内閣が任命する。理事は、放送審議会の同意を得て、会長が任命する。会長及び理事の任期は、三年とする。理事のうち一人を専務理事とする。」現在のNHKのやり方は、経営委員会というのが最高機関として設置されておりまして、これが意思の決定及びその指導統制機関である、最高のものであるというふうにきめられております。そうしてその下に業務の執行機関であるところの会長、理事、局長その他の組織があるわけであります。その意思及び指導統制機関でありますところの経営委員会は、業務の執行をやっておりませんために、詳しい業務の実態あるいは方針等について的確なる判定を下し得るかどうかという点につきましては、いろいろ議論のあるところであります。それによりまして意思の決定及び業務の執行は同一の機関がいいだろうというのが、この理事会を作ったらいかがかという考えでありまして、その理事会の代表者が会長であります。ちょうど株式会社の社長みたいなものであります。これが取締役会みたいなものに該当するわけであります。この会長は次に掲げますところの放送審議会という諮問機関と申しますか、審議機関、審議ばかりでなしに重大なことの諮問を受けて理事会に意見を言い、また重大なる勧告を行うところの権限を持っている、しかも国民の意思が反映しているところの放送審議会というものを作りまして、その放送審議会が会長についての推薦を行う、そういう放送審議会の推薦に基いて内閣が会長を任命する、そういうふうにしたらばいかがでありましょうかというのが、この協会の組織についての変更のくだりでございます。この会長の下に、ここにありますように、「理事は、放送審議会の同意を得て、会長が任命する。会長及び理事の任期は、三年とする。」そして理事のうちの一人を、この業務の責任を持つところの六人以内の理事の締めくくりをするための専務理事としようというわけであります。これらの役員の任期は三年とする、こういうわけでございます。 次に二項、経営委員会はただいま申し上げましたようなものがNHKにあるわけでありますが、これをやめまして、放送審議会を置きます。放送審議会は委員九名をもって構成いたします。「委員は両議院の同意を得て内閣が任命する。」ついでに申し上げますと、ただいまの経営委員会も両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命するということになっております。「委員の任期は、三年とし、毎年三人づつ交代する。」最初の年は九人について三人ずつ一年、二年、三年という特別な任期を設定するのであります。そうしまして三人ずつ毎年かわっていくようにします。「放送審議会は、会長の推薦を行うとともに、協会の業務のうち主要事項について審議を行い、」たとえば収支予算であるとか事業計画であるとか資金計画であるとか、こういう問題につきまして審議をして、そうしてこれを理事会にこたえる。理事会はこの審議会の考えを十分尊重して実行しなければならないというふうに定めたいという考えでございます。「また、会長に対する勧告権をもつものとする。」新たなる事業をしたらばよかろうとか、重大なる変更をやったらよかろうという場合においては、あるいは必要な事項が考えられた場合には、会長に対して勧告をして実行させる、変更させることが可能なふうにしておく、これがこの審議会の任務であります。こう申しますと、単なる審議会でないように見えます。また単なる審議会でない方がいいだろうというのがこの精神でありまして、何と申しますか、もっと強い考えであります。単なる諮問機関ではございませんで、審議して、国民の意思を反映して、なるべく多くの人の意見を取り入れまして、そうして理事会に行わせるようにしようという考えでございます。これが放送審議会であります。今日のNHKの経営委員会につきましては、幾多の議論がございますことは皆様方もすでに御承知と思うのであります。先ほど申し上げましたように、全国の八地区から一名ずつ選出せられまして、一カ月に一ぺんずつ東京に集まりまして、いろいろなことの相談を受けるという仕組みで、果してこの最高意思の決定及び業務執行についての責任を持てるだろうかということにつきまして、疑問がたくさんありますために、かような仕組みにいたしましたらばいかがであろうかというのがこの考えであります。 その次、三号に「協会に郵政大臣の任命する監事三人以内を置く。監事の任期は、三年とする。監事は、協会の業務を監査する外、協会の業務に関する苦情を処理する。」というのがあります。今日NHKには経営委員会の任命する二名の監事が置かれておりまして、この監事がここにありますと同様に協会の業務までも監査する、会計ばかりではなくて、業務までも監査するようになっております。この考えは放送審議会ではなく、郵政大臣が任命するようにしたらばいかがかという考えであります。これは今日のNHKの場合には、経営委員会が任命したのでは、経営委員会の批判等が行われないような監事になるのではないか、それでは監事という任務が発揮できないではなかろうか、従いましてこの会長を任命する政府がやったらいかがだろうか、この場合は郵政大臣でありますが、郵政大臣の任命する監事が監査業務をやったらばどうだろうかというのがこの考えであります。自分で自分を批判するようになるから、第三者である郵政大臣がやった方がいいのではないかというのが、この精神であります。「協会の業務に関する苦情を処理する。」これもなかなか刺激的な表現であります。これはたとえば放送番組等につきましていろいろな苦情があろうと思うのであります。あるいは不適当な放送が行われたという場合の苦情もございましょう。これらにつきましての業務を処理できるように、あるいはこの処理と申しますのは、監事が処理するのではなくて、そういう考えをまとめて、執行機関に対して命令して処理を行わせるというのがこの考えであります。以上が第四段の組織業務運営についての変更のくだりでございます。 次に第五段に参りまして、「協会の収支予算、事業計画及び資金計画は、国会の承認を要するものとするが、協会よりその提出を受けた郵政大臣は、これを適当と認めたときに国会に提出することとし、また受信料の額及び会計規程中重要な事項は、郵政大臣の認可にかからせることとする。」これはただいまも御審議を願っております予算等の問題であります。政府にも国会にも調整権等はないというふうな考えもあります。それからそうではないという考えもございましょうが、この際におきまして「国会の承認を要するもの」これは現行と同じにいたしますが、協会より提出を受けた郵政大臣は、これを検討しまして、適当と認めた場合には国会に出すようにしたらどうであろうか。すなわちこの協会と郵政大臣との間におきまして、これにつきましての検討、調整等を行いまして、それで何べんかやりかえも行いまして、そうしてこれで妥当であるとなったときにこれを国会に提出しまして、御意見を伺い、また認識をしていただく。それで国会のオーソリゼーションをいただくようにしたならばどうであろうかという考えでございます。この法律案の線は、今日でも電波監理局とNHKの間においては非公式に行なっておるわけであります。これは一案でありますが、これを法律で明確にしたならばどうかというのがこのくだりでございます。それで受信料の額及び会計規程中重要な事項は、郵政大臣の認可によって行えるようにしたならばいかがかというのであります。このくだりは、収支予算の承認を得るというところと多少関係がはっきりしないように思われるところがあるのでございますが、承認を得たならば自動的に受信料はきまってしまうわけであります。それを郵政大臣の認可にかからせるというのは、どういうことかというような御質問を先日も受けたのであります。ここら辺は問題でありましょうが、しかしながら精神は、政府とNHKとの間において検討し調整して、そうしてこれでいいとなったならば国会に出すようにしたならばどうであろうか、単に意見を付して国会に提案するのでなくしたならばいかがかというのが、この第五段の精神でございます。 第六、「一般放送事業の健全な発達を図るため、会社合併による放送局の免許人たる地位の承継を政府の認可事項とし、及び、事業譲渡の道をひらく。」これは放送法ではなくて、電波法の第二十条にあるところなのであります。これは民間放送のA会社とB会社が合併いたしますと、放送局の免許は自然に合併した会社に帰属する、そうなるのが現行であります。そういうことが今後多数に行われますと、たとえばある財閥がありまして、自分のお金の力にまかせてたくさんの放送会社を合併するというようなことが起らぬとも限りません。そういうことにつきまして日本国民のためにこれがいいかどうか、大いに疑問でございますから、そういう場合に地位の承継を政府の認可事項とする、それが自然に行われないようにしておくのが大事なことであろうというのが前段であります。「及び、事業譲渡の道をひらく。」これは反対でありまして、大いに御議論のあるところでありますが、民間放送会社がたくさんにできまして、場合によりますと合併した方がいいという場合もございましょう。そういうようにA会社とB会社がある場合に、そのBをAに合併ができるという道を開くのが必要であろうというのが後段でありまして、一般放送事業の健全な発達をはかるために、かような方策をこの際において立てる必要があるだろうというのが、第六段の精神でございます。 第七、「テレビジョン共同聴取事業の健全な発達を図る措置を講ずる。」これは今後諸方で起る問題だろうと思いますが、テレビジョンが電波が弱くて聞えない場合、しかも聞きたい人が大勢いる場合に、共同聴取という装置が作られ得る場合でございまして、それは弱い電波を受けて、たとえば山の上で受けまして、それを強めましてその電波を加入者の集団地域に送ってやる。ちょうど空中から電波が伝わるように、簡単にいえば針金か何かで送ってやって、それを各戸で受けて聴取するようにする。今日ならばNHKもNTVもラジオ東京も一緒に同じ電波で受けて、それを強めてその波長のまま引っぱっていく、そうしてやるというのが共同聴取であります。そういうのが諸方で起る可能性があります。これはやはり適当な規則等を作りませんと、加入者に不利益なことになるおそれがありましょうと考えられますので、何か規則を作っておくというのがこの精神であります。これを認可事項にしようなんというのでは、これは小さい放送局ができるようなものであります。そういうのについて何か適切なる措置を講ずる、措置というのは規則とか基準みたいなものを作りまして、勝手にこういうものを作って混乱の生じないようにするというのが精神でございます。 第八、「放送その他電波の利用を真に公共の福祉に適合させるため、放送局その他無線局の免許に当っての審査基準に、公益に適合するか否かを加える。」これは当りまえじゃないかといえばそれまでであります。これは電波法の第七条に、無線局を作ろうという者は郵政大臣に認可申請を行う、こういう条件があれば郵政大臣は認可しなければいけないというくだりがございます。申請者には郵政大臣は認可しなければいかぬという義務があるようになっております。そうしますと、電波の波の数が少いというだけでなしに、たくさん無線局ができまして有効なる電波の利用ができない、そういう意味で単に条件に合格したものは認可しなければいけないというのでなくて、条件が整いましても、真に公益に適合しているかどうかということを勘案して、この認可をきめるようにしたらどうかというのがこの趣旨であります。今日でも電波行政はこの精神でやっておりますけれども、さらにこの考え方を法律をもって規定いたしたらいかがかというのが第八番の考え方であります。 大体基本方針と申しまするものの考え方は以上でございますが、さらに重ねて申し上げますが、NHKに関することが大部分で、民間放送のことがほとんどないではないかというお話もございましたけれども、この精神はあくまでNHKと一般放送事業者とが相寄り相助けて日本の放送事業の発展に寄与し、国民の福祉に貢献し得るように、当面考えられる重要問題は以上ではなかろうかという考えに基きまして、これは作ったものでございます。大体以上でございます。
○早稻田小委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○早稻田小委員長 それでは速記を始めて。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後零時三十七分散会