逓信委員会 第25号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/08/27
会議録
○松前委員長 これより会議を開きます。 まず理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。去る二十三日、理事森本靖君の委員辞任に伴い理事が一名欠員となっておりますが、同君が翌二十四日再び本委員となられましたので、同君を再び理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松前委員長 御異議なしと認め、森本靖君を理事に指名いたします。 —————————————
○松前委員長 この際お諮りいたします。閉会中本委員会におきましては、さきに議長の承認を得まして、実情調査のため閉会中各地方に委員を派遣いたしたのでありますが、ただいま各派遣の委員より報告書が委員長の手元に提出されております。これをすべて本委員会議事録の末尾に参照として掲載するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松前委員長 御異議ないものと認め、さよう取り計らうことにいたします。 —————————————
○松前委員長 次に郵政事業に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 先ほどの小委員会で質問をいたしました例の経営委員長の件についての御回答ができますか。
○莊説明員 ただいままでにわかりましたところをお答え申し上げます。やがて人事部長が参りますので、その上でさらに詳しいことを御回答申し上げ得るかと存じますが、とりあえずお答えいたします。阿部真之助氏は毎日新聞の社友という名誉称号を持っておられます。しかし役員でもなく職員でもございません。それから給料報酬に関しましては、固定給は全然ない、こういうことでございます。とりあえずお答えいたします。
○森本委員 社友であってこれは名誉称号である、それでそれに対する固定給はない、こういう回答でありますが、この固定給がないということについては間違いないのですね。
○莊説明員 ただいま聞きましたところでは間違いはございません。
○森本委員 聞きましたところではない。これはあなた方が調査したところによれば、確信を持ってそういうことがないと言えるか。だれから聞きましたからこういうことでございますということでなしに、郵政省が大臣の命令に基いて調査をした結果、これははっきりそういう報酬なんかもらっていることはないということは言える、こういうことですね。
○村上国務大臣 阿部氏につきましては、当時長い間新聞社に関係がありましたので、特に十二分に調査いたしたのでありますが、当時の衆参両院の運営委員会におきましてもこの点を十分御審議願った次第でありますから、その点についての御心配は絶対にないと確信いたしております。
○森本委員 衆参両院で審査したというのは、おそらく議院運営委員会で審査したという建前だろうと思いますが、議運の方ではそういう問題についてまで詳細に質疑応答を行なっていないのだろうと私は思います。それはそれとして、報酬については一銭も固定給としてはもらっておらない、そういうことは事実であるというふうに受け取ってよろしゅうございますか。くどく念を押すようでありますけれども、あなた方がもしかりに間違った回答をしておったら、あとでその責任をとっていただく意味において、私はくどく念を押しておるのであります。これは社友というのは名誉称号であって、固定給ははっきりともらっておらない、こういうふうにあなた方は調査をした結果認定をしておる、こういうことですね。
○莊説明員 さようでございます。人事部の調査におきまして固定給はなし、こういうことでございます。
○森本委員 社友であるということは名誉称号であって、別に職員でも役員でもないということはわかりますけれども、ただこの放送法においては、いかなる名称であろうとも職権もしくは支配力を有する者を含むということになっておるわけであります。ここで阿部氏が前の地位からいたしまして、その考え方、意思がどれほどこの新聞社に対して影響力を及ぼすかということが問題になってくるわけでありますが、しかしあなた方の答弁はおそらくそういう影響はないというふうに言い切るだろうと思いますので、これはコンニャク問答になると思いますが、それはそれとして、たとえばサンデー毎日に週間時評として、毎週相当論評を載せておる。あれは阿部氏のページとして、サンデー毎日が半ページ抜いておるわけですか。それともあのページには他の評論家でもかわって書けるということになっておるのですか。そういうことの調査をしたことはないのですか。ただ私たちが通常この週刊誌をずっと見てみるに、サンデー毎日のあの時評というところは、一度も阿部氏以外の方は書いたことがないわけであって、これはいわゆる阿部さんのページであるというふうに解釈しても差しつかえないようなページがあるわけでありますが、その辺の調査はおそらくしていないと言われるかもしれません。そこまで調べておったかどうか。
○村上国務大臣 そこまではどうも常識的に人事部でも調査していなかったのじゃないかと私は思います。いずれ人事部長が参りましたら、その点をもう一応確かめますが、私の常識的な考えでは、それまでは調査はしていない、かように思っております。
○森本委員 この第十六条の問題は、そういうことになって、私の方もはっきりした資料を出して、あなたの方のはっきりした回答によって対決していかなければコンニャク問答になると思いますので、その点はやめにいたしますが、この放送法の第一条の建前からいっても、放送の不偏不党、真実云々という文句があるわけであります。私たちが非常に気にかかることは、日本でも名の売れた評論家である、そういう方が一定の評論を週間ごとに出していかれる。そういうことになると、御本人もこれは不偏不党で絶対に中立であって、真実の論評をしておるものなりと解釈をして書いておると考えます。しかしこれまた見方によってはそれぞれ違ってくると思うのですが、ただ経営委員長という責任ある立場にある方が、一方ではそういうふうに評論家としての評論を発表していかれて、その評論の内容が、やはりNHKの従業員あるいはNHKの番組編成、そういうようなあらゆる方面に、直接の影響はなくても、かなり広範囲な間接的な影響はあるのではないかということが非常に心配せられるわけです。たまたまある一つの問題について、たとえば今度の映画の問題についても一つの批評をしておられる。そのときどきの問題について時々批評をしておられるが、そういう問題について御本人は公平妥当な論評をしておると考えても、見よう見方によっては違うと思う。そういう場合に経営委員長という職にある人が、そういう論評をしておって、その論評が日本放送協会に対して何ら法的な拘束はしないけれども、間接的にも精神的にも相当束縛を与えるものがありはせぬか、そういう点を郵政大臣としてはどうお考えになるかということをちょっとお聞きしたいと思うのです。
○村上国務大臣 阿部氏が経営委員長としての立場からいろいろな論評を加えて、それがNHKに対して、そういう森本委員の御心配になるような方向にいくということになれば、これは感心すべきことではないと思いますが、阿部氏として従来の評論家であるその立場をそのまま——今日も評論家として別にそういう非常な強圧を加えるようなことのない評論をしていく上においては、これはどうも私は、法的に言うても阻止することはできないのじゃないか、こう思っております。
○森本委員 だから私は法的に云々ということを言っておるわけではないのですよ。今までの安倍氏の評論が公正妥当な評論であるという解釈をする方もあろうし、またそうであるというふうに御本人も考えておられるであろうし、また真実中立性をもってやっておられるということを認める人もおるだろう。しかしその反面見よう見方によっては、違った考え方をしてあの評論を読む方もおられるだろう。そういう場合に、この経営委員長という一つの公職につく方が、そういう評論家というものを兼ねて、しかもその評論が毎週どんどん発表していかれる。その人の考え方、その評論というものによって、日本放送協会の業務の運営そのものが、やはりある程度影響せられていくというふうに考えないかということを聞いておるわけです。だからそれが正しいとか正しくないとか、その人の評論がいいとか悪いとかということを私は言っておるわけではない、それはその人の見よう見方によって違うと思うから……。ただ道義的に考えて、そういうふうな二つの道をやるということが妥当であるかどうかということです。
○村上国務大臣 阿部氏が従来通り評論をしていくことが妥当であるかないかというような御質疑のように私承わりましたが、御承知の通り経営委員というものは何ら報酬も受けておりませんし、阿部氏の職業が従来評論家であるならば、その評論を生活のかてとしてやっていくということについては、私は差しつかえないと思っております。
○森本委員 これは非常に重要な問題です。その職業云々ということについては、それは当然大臣が言う通りでありますけれども、ただ放送法によって経営委員の任命の範囲というものをここに限定をした趣旨は、放送法の第一条の放送の不偏不党であるという建前からこれをやったわけです。その中で、あなたも御承知のように、第十六条においては、特に放送事業者もしくは新聞社、通信社その他ニュースもしくは情報の頒布を業とする事業者、もしくはその職員はいけない、こういう条項を入れておるわけですね。そうすると、その影響力によって左右するところの云々というものは、やはりこの日本放送協会の経営委員というものについてはふさわしくないという精神なんです。その法の表面的な形式上については確かに触れない。それは事実大臣の言う通り、法的には今の答弁では触れないと思う。しかし実際にそれが間違っておったら触れると思う。今の答弁では触れないと思いますけれども、それを道義的に考えた場合、この放送法の建前、精神からいった場合に、一方では評論を行なって、かなり一つの限定された新聞によってその意見を発表する、そうしてそのことによってかなりの人間に大きな影響力を及ぼす人が、一方においてこの日本放送協会の中立性を保たなければならぬところの重要な職分である経営委員長というものをとっておった場合、果して放送法の建前の基本的精神が侵される懸念はないかということを言っておるわけです。私は形式上の法的な問題を一つも言っておるわけじゃない。
○村上国務大臣 それは見方によってはいろいろ解釈が違うかもしれませんが、少くとも法的に差しつかえないということになりますれば、結局その法的に差しつかえない人であっても、そういうような見ようでよくないということで、その人を除外するということについては、やはり基本人権というような上からも、私どもはどうかと思う点もありますし、また阿部氏につきましては、特に他の委員以上にこの方が多年新聞界に関係のある方でありますので、その点を十二分に私ども検討いたし、また衆参両院の先ほど申しました運営委員会におきましても、非常にこれについて慎重に御検討を願った次第でありまして、今後阿部氏の論評が、その経営委員長という立場を利用して、そうして中立をどこまでも保つべきはずの日本の放送界を左右するがごときことがありとすれば、これは私ども考えざるを得ないのでありますが、とにかく現在の場合では、阿部氏が従来の御自分の立場をとっておるというだけでありまして、これに対しましては、われわれとして今それは間違っておったとは思っていない次第であります。
○森本委員 これ以上やっておってもなかなかこの問題についてはらちがあかないと思いますが、ただ私はそういう法の形式上の問題ではなくて、この放送法というものを一貫して流れているところの精神からして、大臣としてはそういう際に対して道義的な一つの責任というものを感じないか、こういうことを聞いているのです。あなたがそういうことについてはてんたんとして、道義的にも別に政治的な責任を考えないというなら別ですけれども、片方では、若干でもこういうふうな重要な公職の一つにあり、一方では、これは従来評論が公正妥当であったものにしても、かりにまたそれは見よう見方によっては違うわけですから、そういう一方では相当の新聞あるいは雑誌というものを通じて影響力を持つ方が、こういうふうな二つのいわば二足のわらじですね、そういうふうな格好で運営をしていくのがいいのか悪いのか、ということを道義的な問題としてお聞きしているのです。それが道義的にも何ら差しつかえないものである、こういうように言われるのならそれまでですけれども、その点を聞いているわけです。
○村上国務大臣 これはその事柄が非常に重要な点でありまして、阿部氏ただ一人に限るものではなく、現在の多くのいわゆる新聞に関係のあった人たちにも言われる言葉でありますので、私はこの場合道義的に責任を痛感するとかしないというようなことは、ちょっと申し上げかねるのであります。少くとも阿部氏の論評が、非常に放送協会を刺激して、そのために放送協会の番組編成等に動揺を来たすような論評があれば、その際に初めて私どもは慎重にこれを検討してみる必要があろうと思います。
○森本委員 私はこの問題をこれで一応打ち切って、他の問題についての質問を試みたいと思いますが、もしこの問題について、他の委員において関連質問をされる場合においては、一応その方にお譲りしたいと思います。
○松前委員長 他に御質問の方はございませんか。——ございませんければ、私が簡単に伺います。 ただいまの質疑応答を承わっておりますと、大臣としては法律的には一応差しつかえないというような御答弁であります。森本委員からの御発言は、少くとも番組の編成に影響を及ぼしはしないか。その評論によって——最高責任者の言論の方向というものが、NHKの編成局の編成方針に対して、ある程度の影響を及ぼす可能性があり得るのだ、この点を一体どう考えるのかという質問でありますが、大臣としてはそれに対して明確な御答弁がないようであります。この点はある部局、あるいはある会社にしても、どこにしても、団体の長、最高の一責任にある人の言論が発表されたときに、その言論によってその組織が影響を受けるということは、これはあり得るどころでなくて、影響を受けるはずなのであります。これが大体の仕組みでありますが、こういう現象に対して大臣はどういうふうにお考えになっておるかという点の質問であったと私は思いますが、これをもう一ぺん私から承わっておきたいと思います。
○村上国務大臣 お答えいたします。私は阿部氏の論評が直接NHKの番組編成等に非常な脅威を与えるようなものでありますならば、これは相当検討する必要があろうかと思いますが、阿部氏の従来通り来たった論評、それはこんなことを申し上げてどうかと思いますが、阿部氏の一つの職業であっただろうと思います。その従来の職業を続けていく上においてこの阿部氏の論評の態度というものについて、今私どもはこれに対して道義的な責任をとるというようなことは言い得ないと思います。それば今後万一NHKの番組編成を非常に痛撃するとか、あるいは何とかいう場合に考えるべきことでありまして、今日の場合は私は法的に差しつかえないものは、やはり常識的にもまあこれは見のがしていくべきものではないか、こう思っておる次第であります。
○松前委員長 NHKの番組を阿部さんが痛撃されるというようなことはあり得ないことであります。何となればみずからが最高責任者であります。そういう非常識なことは阿部さん自身が自殺されることである、こういうふうに思うのです。ですから自殺されるときにはこの問題は起らないわけであります。とにかく彼の言論によって、最高責任者の言論によって、その編成方針がある程度影響を受けるであろうということだけは、これは常識的にあり得ると思いますが、いかがでしょう。
○村上国務大臣 私は阿部氏が従来の論評を、経営委員長になったがゆえに急激に変えてきたという場合には、これはただいまの委員長の御意見の通り考えられると思いますが、従来の阿部氏の思想あるいは論評というものが、今日もまた将来も同じであるということでありますならば、世間もまたそういうふうに認めましょうし、またそれによって特に放送の番組その他がゆがめられるというようなことはないと思います。
○松前委員長 阿部氏の評論の方向が変らない限りにおいては、その影響はないという御意見のようでありますが、現在までの阿部さんの評論の方向に対して、その方向が変らないにしましても、その方向による影響というものが、以心伝心その組織内においてあり得ると認めるのが常識であると思うのですが、いかがでしょう。
○村上国務大臣 これはどうも非常にむずかしい御質問でありまして、阿部真之助という人はこういう人であるということを世間の人は大体常識的にすでに知っておりますので、急に、特に阿部氏の論評がゆがめられない限りは、私は差しつかえないのではないか、かように思っております。
○松前委員長 電波審議会というのがありますね。その電波審議会の会長ですか、やっておられた野村秀雄さんはやはり新聞社の出身で、評論家であったわけです。あの方の話を聞いて私は非常に感激したのですが、自分は評論家として立っておったが、あの審議会の会長になった後においては、その評論は差し控えるのが電波法の精神であるということで、評論を書かなかった、あまり評論を書かないのは言論人として立っておる自分として非常に苦しいから、それであの電波審議会の会長をやめて、自由な評論を書くようにしたのだという話であります。私は電波法の中に放送協会の経営委員長のような条項はなく、しかもこの審議会の会長として、そういう規定もないだろうと思う。これほど明確な規定はないと思う。にもかかわらず評論家としての良心の立場から、このような態度をとられたことに、私は非常な敬意を表しておるのです。これに対しまして大臣は私と同じような考えを持っておられるかどうか、承わりたいと思う。
○村上国務大臣 委員長の御意見は非常に傾聴に値するものがありますが、ただその人その人の立場でありまして、結局その生活と切り離すことのできないその人の立場というものも十分考えなければならないと思いますので、野村さんの場合にそうであったから、他の人の場合にも必ずそうしなくてはならないということは言い得ないと思います。ただ野村さんのような立場の人が一人でも多かれと祈ることには、私は委員長と同じ気持であります。
○松前委員長 これはまた後日に残しまして、ほかに御質問はございませんか。——御質問がなければ、通告がありますので、マス・コミュニケーションについて橋本登美三郎委員から御質問を願います。
○橋本(登)委員 きょうは用意しておりませんから、簡単に当局の見解だけをお聞きします。 最近、御承知のように太陽族映画といってだいぶ問題になっておりますが、ラジオ、新聞、テレビ並びに映画業者など各団体が集まって、せんだって来二、三回マス・コミュニケーション運営の社会的影響について研究しておるようであります。それについて、テレビ、ラジオについては監督官庁であります郵政省としてはどういう考えを持っておられるか、御意見を伺いたいと思います。——それではもう少し補足します。というのは、たとえばテレビのごときは全く映画と効果は同じである。映画だけが決してマス・コミュニケーションの影響を受けるのじゃなくして、テレビのごときは全く映画と同じで、かつまた各家庭に入り込んでおる。しかも最近のテレビというと、これはNHKと民放とを問わず、かなり映画等も映しておる。あるいは予告篇として太陽族映画も出ておる。そういう工合に、マス・コミュニケーションとしてのテレビ、ラジオ、これなどは非常に影響を各家庭に与えておるのであって、最近アメリカにおいてもこれはだいぶ問題になった。日本においてはテレビはできましてからまだ日が浅いのでありますが、ラジオ等は相当の年月を経ておるのであります。こういうような家庭、社会に影響する問題について、郵政省当局、電波監理局当局は調査したことがありかつ研究したことがあるか、これをお伺いしたい。
○上林山説明員 太陽族映画を中心にして、各民間の関係団体が自粛していこうという意図を示されておることは、私は郵政省としても歓迎すべき状態である、こういうふうに考えております。確かに御指摘の通りラジオにしても、特にテレビのごときは、そういう悪影響なしとせざるものも時には散見されますけれども、これは経営者の良識にあくまで訴えて自粛していっていただくということを根幹にしていくべきものであって、郵政省が何か具体的に成案をもってこれを規制していこうということまでには、ただいまのところまだ至っていない、具体的にもそういう成案をいまだ持っていない、もう少し事態を見た上で、おっしゃるような線に沿って善処していきたい、こういうようにただいまのところ考えております。
○橋本(登)委員 もちろん民間業者が自粛して、その自粛の力によってこれが社会的な悪影響を除いていくという考え方については、私も賛成であります。そうあってほしいと思います。ただ先ほど来政務次官のお話がありましたが、郵政当局ではテレビがどういう工合に見られておるのか、どういう工合にラジオが放送されておるのか、そういう問題を具体的に研究したことがおそらくないのじゃないか、放送法なりあるいは電波法で考えるところの監督権というものは——もちろん番組については監督権は持っておりません。しかし法律の上において、番組のことについて具体化された条項があるのですが、そういう番組の編成方針については法律にまかされておるのであって、直接に郵政省当局は監督する権限は持っておらないのでありますが、ただ従来の放送法の番組編成方針、これだけでもって今日起きつつあるところの弊害を除去することができるかどうか、それに関連して郵政当局が勉強なり研究したことがあるかどうか、それを一つお伺いしたい。
○上林山説明員 相当関心を持って注意をしておるのでありますが、ただいまのところ具体的に悪影響のあるものがそうたくさんあるとは思っていない、しかし太陽族映画を中心にして、もっと具体的に注意を払って、郵政省としても善処しなければならぬという考えを持っておるということをお答えいたしたいと存じます。 なお事務的に、今御指摘の点について補足して説明することがあれば説明してもらいたいと考えております。
○橋本(登)委員 実際の問題としては、たまたま個人の資格においてテレビを見たり、ラジオを聞いたりする程度であって、おそらく郵政省当局としてはそういう建前でテレビを見たりあるいはラジオを聞いたりすることはないだろうと思います。従来の放送法の扱い方なり電波法の扱い方は技術面にのみ考えられておって、どういうチャンネルをどうするというようなことは重要視せられておるが、そういう社会的な影響というものについては全く無関心であったということだろうと思うのです。そこで政務次官はせんだって地方においでになって、次の通常国会において放送法の改正も考えておるというお話でありますが、これは成案ができるかできないかの問題はありましようが、放送法の改正の場合に、今日社会で大きな問題になっておるマス・コミュニケーションの社会的な影響というものを、放送法の一部改正の中に考えられるかどうか。それともその問題はなお重大問題であって、なかなか結論が出にくいので、こういう問題に触れずして放送法の一部改正にとどめる方針であるかどうか、この点を一つお知らせ願いたい。
○村上国務大臣 この問題は非常にめんどうな問題でありまして、今回の放送法の改正につきまして、それまで進んでいくかどうかということについては、ただいまのところいっておりません。しかし御意見の通りそういう点につきましても、十分検討はいたして参りたいと存じております。
○橋本(登)委員 時間もありませんから、簡単に注文のようなことを一つ申し上げたいのです。これは前から放送法改正の問題に関連して、われわれは当時放送法を制定いたしました際に、テレビの将来の発達というものが考えられなかった。どの程度発達するのか予測がつかないということから一もちろんテレビをやることができるように放送法はできておりますけれども、その内容としては、テレビの番組がどういう社会的な影響あるいは効果があるかという予測については、全く当時は皆無であった。その後テレビが実施せられてすでに二年以上も経過しておる。そしていろいろの面から考えて相当に効果もあり、かつ悪影響もあるということも事実であります。こういう点を考えまして、もし放送法を改正するならば、この点にまで触れなければ放送法改正の意味がない。単なるNHKの一部の機構の改正にとどまるというだけならば、かつてしばしば言明したごとくに、根本的な改正をするのだという従来の建前は全然くずれてしまう。こういうことになるのですが、いろいろの順序もありましょうから、必ずしもわれわれが考えておるような工合に根本的な改正まではいかないにいたしましても、この点について政府としては重要なる関心とまた研究を進められんことを特にお願いしておきます。
○森本委員 私は放送法の改正に関する答申案の問題については、いずれ日を改めてゆっくり質問をしたいと思いますので、きょうはその他の問題でごく緊急の問題だけを一つ質問しておきたいと思います。 それはもう大臣にも報告があったと思いますが、例の福井県の片上の郵便局において笠島すずえさんという従業員が、夜間無集配局において一人で交換要員として宿直をしておって、たまたま強盗に絞殺させられたという事件がありまして、これに該当する全国の郵便局では非常に大きな不安を来たしておるわけであります。この問題については私が二十二国会以来口をすっぱくして質問をしてきたわけであります。そのつど切手、現金、金庫等の問題については、その場その場における回答があったわけでありますが、私が忠告をしたように、ついに最終的には人命を損ずることになったわけであります。このできた問題については、個人に対してはまことにお気の毒でありますけれども、この過ぎ去った問題をとやかく言うよりも、これから先こういう女子従業員の宿直者の場合にどういう措置をおとりになるのか。それから無集配局の宿直者の問題についてもどういう措置をおとりになるのか。この問題があったのを契機として、本来ならばこういう問題がなくても十分な措置をとらなければならぬはずでありますけれども、今後の問題についてどういう措置をとるのかということを、本日ははっきり御答弁を願いたいと思います。 そこでまず最初にこの福井県の片上郵便局と同じような状態にある郵便局が全国で一体幾らあるのか、事務的に御回答願いたいと思います。
○村上国務大臣 お答えいたします。福井県の片上郵便局におきまして、不慮の災難とは申しながら、一局員が絞殺されましたことについては、衷心より私どもはお気の毒に思っておる次第であります。われわれ郵政当局におきましては、直ちにその報告を手にいたしまして省議を開き、この種の災害を再び起らないようにするのについてはどうすればよいかということについて、あらゆる角度から検討いたした次第であります。その詳細なことにつきましては関係政府委員よりお答えさせたいと思いますが、御指摘の通り今後十分かようなことのないように、あらゆる角度から検討いたして参りたいと思います。
○松井説明員 お尋ねの点大体数字的にお答えいたしたいと思います。現在夜間業務を取り扱っておる局で、その要員の配置上夜間が一人だけになるというような局数は、これを単独局舎と俗に申しますが、局舎だけが別に切り離されておる場合と、最初から郵便局長の私宅と接続しておるような場合と両方あるわけであります。単独局舎について申し上げれば、夜間の配置が男子のみというところが二千七十一局あります。それから女子だけというのが七百五十二局、男子、女子がそれぞれ交代でやっておるというのが一千二百十一局ございます。共用局舎の場合については、男子のみ宿直と申しますか、夜間業務をやっておるのが八百三十局女子のみが六百九十二局、男女交代でそれぞれやっておるというものが八百七十六局、大体かような数字になっております。
○森本委員 単独局舎の女子の七百五十二名というのが、当面一番物騒な局であります。それから男女交代でやるという局についても千二百十一局ということになりますと、約半数が女性の場合が出てくるということは当然であります。それから共用局舎と申しましても、これは局舎の構造によってそれぞれ違うので、一がいに共用局舎だから単独局舎とは別であるという考え方はおかしいのであって、共用局舎でもかなり危険なところがあるわけであります。そこでこの問題について、将来郵政省としては一体どういう方法でこういうことを防止するのか、そういうことを具体的に取りきめた内容について御説明を願いたいと思う。
○松井説明員 お尋ねの点については、すでに森本委員十分御承知のことだろうと思いますが、小さな局における夜間の業務のあり方といったようなものについては、かねがね郵政省における宿直制度というものの施行と並んで、いろいろ全逓信従業員組合との間にも私たちは話し合いを進めて参っております。ただこれを宿直という制度一般で割り切るという問題につきましては、そこに予算上あるいは定員法上の問題のほかにも、小さな局における従業員に幾度かの宿直をしてもらわなければならぬといったような面からきた、一つの労働者保護の立場といったような面、あるいはまた二人やらすといたしましても、そこにまた従業員構成から見たわれわれとして考えなければならぬ一つの男女の風紀問題といった面、あるいは小局において具体的な従業員構成が男と女といろいろ場合によって違っておる関係上、そういうものを制度一般としていく場合の男女の職場のあり方といったようなデリケートな問題がありまして、全逓との間にいろいろと話し合いを進めて参っておりますが、これを制度一般論として割り切るには、そこになかなか簡単にいかない問題がある。そこで現在までのところ全逓との話し合いはともかく、そういう夜間の、わずかな人が泊って仕事をするというところには、従来公衆の出入というものが割合に容易に外部からどういう人でも入れる。そういうことはやはり夜間においては好ましくないから、少くとも夜間サービスにおいては、外部と内部との間を隔離するような物的な措置を講じなければならぬ。またそこに非常ベルその他の設備も整えていきたいといったような点、それから男子と女子の従業員がおる場合においては、何らか服務上のやりくりをして、夜間業務はできるだけ男子が当り得るような形にやっていきたいといった問題、そのほかに具体的な場所、具体的なところによって、どうしてもそうした形だけでは社会常識上無理であるというような点については、またこれは具体的な問題として、その局に必要な施策を話し合おうじゃないかというところで、まだ目下全逓信従業員組合との間において、そうしたラインにおいて解決していきたいということで、話を進めておる最中でございます。
○森本委員 今お聞きした問題については、一つも新しい内容はなくて、これは従来もやっておった問題でありますが、ただ私がここでほんとうに声を大にして叫びたいのは、この単独局舎の女子七百五十二名、交代の千二百十一名の半分の約六百名、それから共用局舎のうちの六百九十二名、合計いたしますとこれは大体二千局程度になると思いますが、これに対する緊急な措置を、これはやはり理屈でなしに、たとえば私が聞いたところによると、この福井県の片上の郵便局では、ちょうどこの女性は満十九才になる方でありますが、今まで半年か一年か知りませんけれども、お母さんがずっと来て泊っておったそうであります。そういうことの例が全国にたまたまあるわけでありますが、女子を一人で宿直さすということは、どういうふうに戸締りを厳重にしても、非常ベルをつけても、こういう事件が二度と起らぬということは保証できないと思う。だから随伴宿直という問題がありますが、そういう問題をせめてたちまち今直ぐにでも金ででも片をつけるというふうな、緊急な措置をとってもらいたいということを私は要望しておるわけであって、今の事務当局の措置では、第二、第三の片上事件が起らぬとは限らないわけである。起ったときにこの委員会で私が声を大にして大臣を追及したところで、その人命は帰ってこぬわけであります。だから私の言っておるのは、とりあえず緊急に措置をしなければならぬところについては、何といっても定員と予算上の措置を早急にとってもらいたい。これは一つ大臣はっきりと御回答願いたいと思う。そうしないと、今の回答では、第二、第三の片上事件が起きたときにあわてたところで何にもならぬわけです。
○村上国務大臣 随伴宿直につきましては、その省議の際にも、私どももそれを十分検討いたしたのであります。予算としてはそんなに莫大な費用は要しないようにも考えられますが、定員との関係もありますので、そういう点でそれが非常に困難な面もありますが、もう少し十分検討さしてもらって、何とか将来再びかようなことのないように私どもも善処いたしたいと思っております。
○森本委員 私は昔郵政省におった者でありますが、大体官庁の癖として、ああでもないこうでもない、規則がこうなっている、こうやったらできるというようなことをいつも討論をしているので、その施策がおくれるのは当然であります。これはやろうと思ったらすぐできるのですよ。たとえば特定郵便局の渡し切り経費にこの経費を若干ふやしてそのまま流すということは、具体的にほんとうにあすからやろうと思えばできるわけが、いつでも、ああでもないこうでもない、規則がああだこうだとやっておると、こういう事件がもう一回起る。起きたときにわれわれが幾らここで追及したって何にもならぬ。緊急の措置を要するということです。やはり一番の問題は定員の問題を根本的に解決つけなければならぬけれども、これは今言ったところで解決つかないことは当然なことです。だから今直ちに解決をつけなければならないのは、これは予算上の非常勤賃金でも、場合によっては渡し切り経費を増額してでも、とりあえず下の郵便局がやりよいような格好に予算上の措置を講じろということです。大臣がほんとうにやる気になって、何が何でもこのことはやれと命令すれば、これは今の規則の範囲内においてもできますよ。そのことを、ああでもないこうでもないと討議しておったのでは、あっちもこっちもひっかかって、できやせぬ。これははっきりと、やらなければならぬ問題だから、大臣は、責任をもってやります、そうして事務当局の方には、この問題は何が何でもとにかくはっきりしてもらいたいというように命令をすればいいのです。そのことを私は大臣にはっきり聞いておるわけです。事務的な問題を大臣に聞いたところでわかるはずはないのだから、これは女子が一人で宿直をしておって人が殺された、こういう局がなお二千局ある。その二千局に対しては予算上の措置を講じて、そういうことが起きないようにしなければならぬということははっきりしておるわけです。だからそういうことをやりますということを大臣にここではっきり回答してもらって、事務当局にはそれができるようにしろということで、あとは事務当局がいろいろ考えてその方法を講ずるわけです。
○村上国務大臣 まあその点をわれわれも検討いたしておるのですが、まだ結論を出していないのです。ただ一方には戸締りを厳重にするとかなんとかいうような意見もありますし、それから森本委員は、定員とは関係ないのだというような御意見もありますが、やはりわれわれの方とすれば、定員等も勘案してやりたい、そうして徹底的に将来永続できるような方法をとっていきたい、こう思って、目下慎重に検討いたしておりますので、もうしばらく時間をお願いしたいと思います。
○森本委員 大臣の常識論でいけばその通りかもわかりませんが、戸締りの問題でも、戸締りを厳重にすればそれだけ予防せられるということは事実だけれども、それによって完全になることはないわけです。それから定員上の問題について、これは定員の問題ということは十分考えてみなければならぬことです。しかしさしあたってとりあえずやってもらわなければならぬことは、一名でおいたら危いということは事実ですから、随伴宿直で、だれでもとりあえず来て泊ってもらいたいと言えば、その措置はあると思う。そういう場合には、一晩泊ってもらったら幾らという正式の宿直料でなくとも、出せる方法は金銭的にあるわけです。そういうことを今検討し、考えておる時期ではないというのです。この事件があったばかりで考えておる間に、もう一回事件があったらまた一人の人が死んでしまうということになる。とりあえずこういうことを防ぐ緊急措置をとってもらいたい。とりあえず緊急措置をとっておいて、あとからゆっくり法的の問題を検討してもらいたい、こういうことなのです。何もむずかしいことではない。だから、予算上の措置は大した金額でないと思うから、とりあえずそういう措置をとっておいて、定員上、予算上の問題については十分に研究をしていただいてけっこうだけれども、とりあえずの措置としては、今言った随伴宿直といったような問題については直ちに解決をつけてもらいたい。その金の出し方については、またこれはどうだこうだという論議が出ると思うけれども、金の出し方についても出そうと思えば、今私が言ったような方法で十分出せるわけです。だから、大臣が慎重に検討しておる間に人がもう一人殺されたら何にもならないのだから、殺されぬうちに直ちに解決をつけてもらいたい、こういうことです。これは政治家の良心として、直ちにやらなければならぬ義務があると思う。
○村上国務大臣 随伴宿直をつけるといたしましても、やはりいろいろな予算の関係等もありまして、千何百というものに全部つけることが可能かどうかということも検討しなければなりませんし、また具体的にはその場所によっては、町のまん中にあれして、両方に呼べばすぐ答えるというようなところ、あるいは一軒家で全然幾ら呼んでも隣がないというような今回の片上郵便局のような、地理的に危険な場所というようなことも私どもはこれを検討して、そういう点についても相当勘案していくことが忠実ではないか、こう思っておりまして、目下十分研究いたしておりますので、一つしばらく御猶予願いたいと思います。
○森本委員 ほかのことなら私は十分大臣が検討する間待ってもいいのですけれども、これは事人命に関する問題ですから、検討する間待てないのです。それがために私は緊急質問をしているわけです。片上郵便局なども確かに野中の一軒家みたいな格好になっておって、非常ベルがついておったはずです。非常ベルがついておって、ちょっと気をきかせればできるかもしれない。しかしたまたま入ってきた強盗が、またいとこの前科四犯という男であるから、安心して話をしておった。そこで殺されてしまった。これは町のまん中であってもこういう人物が入ってくれば、非常ベルをやらないうちに殺される。たとえば片側に家があって前が繁華街で、一軒家でなくてもこういう場面に直面したら、殺されることは十分にあるのです。だから、私は一人で泊らすということは非常に危険であるから、とりあえずの措置として、応急措置としては予算上随伴宿直というような形で、へんちくりんであってもそれを認めて、とりあえず緊急措置をやってもらいたい。それをやってもらって、将来の問題としては十分に検討して、ここはこうやってこうすれば随伴宿直の方法でやらなくてもよろしいということの見当がつけば、個々の局別に検討して省いていってもよろしい。しかしとりあえず今日の段階において、全局にそういう措置をとる必要があるのです。あなたがそこで答弁している間に、今晩でも殺されたら困るから言っているのです。また殺される可能性は十分にあるのです。だから大臣に、とりあえず緊急に絶対にこういうことが起らないような措置をとります、こういうことをはっきり答弁してもらいたいと思う。
○村上国務大臣 われわれとしてもそういうことの絶対に起らないように、緊急の措置をいずれの方法によってとるかということについては、十分に検討さしてもらいたいと思います。いずれにしてもそういうことを未然に防がなければなりませんから、その点は今回の事件を契機としてでなく、従来も十分検討しておったのでありまして、今回こういうことが突発いたしましたことはまことに遺憾であり、またこれに対して将来こういうことがないように十分検討をいたして参りたいと思いますが、ただ、今すぐ今夜からでも随伴宿直をつけいというようなことについては、これはもう少しわれわれにも検討の時間を与えてもらいたいと思います。
○森本委員 私は随伴宿直が一番いい方法だとは言っていないのです。それ以外にいい方法がそれそれの局にあればいい。しかし何といっても予算上の裏づけがある程度なければ、いい方法はとれないのです。だから、予算上の措置としてはある程度それをやって、とりあえずこういう措置をやっておけ、十分検討したあとにおいて成規の通達を流す、こういうことをやってもらいたいというのです。今までも検討しておって殺された、また検討している間に殺される、それでは何にもならぬのです。だから、とりあえずの措置としてこうやれ、そのとりあえずの措置は非常ベルをつけるとか、部内と部外を隔離するとかいうようなことでは、とりあえずの措置にならないのです。とりあえず緊急の措置として随伴宿直なり、あるいはその局におるその他の者がおれば泊ってもらって、それに対してはある程度の金を出すとか、そういうことをとりあえずの措置としてやって、恒久の措置は十分検討してやってもらいたい、こういうことを言っておるのです。あなたの答弁では、そのとりあえずやるということを十分検討してやっていきたい、そういうことを検討することにまた時間をかけたのでは何にもならぬから、その措置は直ちに緊急にやってもらいたい。それで恒久的な問題については十分研究をしてやってもらいたい。これははっきり答弁をしてもらうまで、事人命に関する問題ですから、コンニャク問答でもやります。
○村上国務大臣 それは御指摘になるまでもなく、私どもとしては直ちに省議を開いて、そうしてそのとりあえずの措置が随伴宿直かどうか、あるいはどちらがいいかどうかというような点について、その意見の一致をみようとしたのでありますが、やはり定員法その他にも影響のあることだし、この方がいいのじゃないかという意見もありますし、またそれよりも随伴宿直の方がいいではないかというような意見で、まだもう一応検討を要するところがあるのであります。これは森本委員の御指摘の点はよく私もわかるのでありますが、この間あったから今夜もあるかもしれない、それはあるいは今夜もあるかもしれませんが、やはり予算が伴い、また定員に関係のあることは、ただ私がこれが一番いいのだと言ってすぐそれをそうしようということは、ちょっとできかねる点もあります。それで、われわれとしてはできる限り緊急にもう一応省議を開いて、そして最後の線を決定したい、かように思っておりますから、どうぞそれまで一つ御猶予願いたいと思います。
○森本委員 それではもうやめますが、一体緊急の省議はいつ開いていつ通達を流されますか、それをはっきり言明しておいてもらわぬと、あなた方の言うのはいつやるのかさっぱりわからぬ、はっきりしてもらいたいのです。
○松井説明員 先ほど私お話し申し上げましたように、いろいろ局情によって一律にはいかない場合もあります。男女の構成状況その他の問題もありますので、この問題については私ども内部ではもちろん話し合いを進めますが、同時に全逓とも話し合いをしていかなければ、いろいろ運用上、かりにいわゆる随伴宿直をやらすにいたしましても、これは両者が一致して労働基準法上の例外を認めてもらうとかなんとか、いろいろ問題が入ってくるわけでありますから、もちろん全逓側としてもこの問題について至急交渉を持ちたいと言っておりますので、そういう交渉の内部においてできるだけすみやかにこの問題の解決をはかりたい、かように考えます。
○森本委員 私はその点、そういう回答は非常におかしいと思うのです。全逓と話し合いをするということは当然でありますけれども、しかしその全逓と話し合いをする前に、郵政省としては緊急にこういう措置をとらなければならぬ、とりあえずの臨時措置としてこういう措置をとった、しかし恒久的な問題についてはどういうふうに相談をしていこうということを全逓とはかるべきであって、私は緊急の措置を郵政省としてとるべきだと思う。その緊急な措置をとって全逓信の組合と話し合いをして、それでそれはいい、それはまずいということになれば、恒久的な問題は話し合ってもらってけっこうだけれども、とりあえずやってもらわなければならぬ措置を急いでおるわけです。私が言っておる問題については、おそらく従業員諸君も反対はなかろうと思う。とりあえずどういう緊急の措置をとらなければならぬかということは、郵政省としてはすぐに検討して、直ちに方策をとってもらって、その上においてこういう緊急な措置をとったけれども、将来の問題についてはお互いに話し合いをしていこうじゃないかということによって、労働組合に話し合いをすべきであって、私はやはりとりあえずの緊急な措置をとってもらいたい。あなたはさっきから省議を開いてきめると言っておるけれども、もし緊急の措置をとるということなら、その省議をいつ開いて、いっそういう通達を下部の方に流してくれるか、こういうことを聞いておる。私帰ったらそういうことを報告しなければならぬ義務があるわけです。これは四国関係なんかについては、いなかの方に行けば特にこういう局が多いのです。あの事件があってから、郵政省がどういう措置をとってくれるかということで、私の手元には全国から二十通以上の手紙が来ているのです。だからその点はいつどういう措置をとるという、その内容は別として、いつ省議を開いてそのとりあえずの措置を下部に通達するか、それをお伺いいたします。
○村上国務大臣 今明日中には私省議を開いて、そしてもう一ぺん検討して参りたいと思っております。
○原(茂)委員 関連して。今の森本委員の言われた人命に関する事故、これは重大なんですが、こういうことを考えるのに、さっきの阿部さんの論評の問題、最後に大臣が答弁されたその答弁とも関連があるわけなんですが、こういう事故の起きる前に、すでに二十二国会以来森本委員からはこれらを類推した措置を要求して参ったのに、いまだにその適切な措置が講ぜられていなかった。人が殺されたからここで初めて何とか緊急に省議を開いて、措置を講ずるということに今なりそうになってきたわけなんですが、阿部さんの論評の問題でも、最後に大臣はあの論評そのものがもし番組編成等に影響を及ぼした場合には、一つ慎重に考慮をする、こう言って答弁を終られたわけですが、一体ああいう天下の公器に対してもし悪影響があったら処置を講ずるということでいいのかどうか。違った角度から二つお伺いしてみるとわかるのですが、ああいった阿部さんの今後も続ける職業としての評論というものが、番組編成に関して何か悪影響を及ぼすかどうか。及ぼすようにお考えになるかどうか。及ぼすおそれがあるかどうか。そういうことはどうでしょう。今お考えになって、将来番組編成等に関して何か一つの圧力を加えるという悪影響が及ぼされることがあると大臣考えるかどうか、それを一つ伺っておきたい。
○村上国務大臣 阿部委員長の問題につきましては、私はそういうことがないことを望んでおります。これはこの問題とは実は関連のないことだと思っております。そういうことに影響を及ぼすことのないことを望んでおりますし、またそういうことがあってはならない、こう思っております。それはその際にまた十分検討して参りたいと思っております。 ただいまの森本委員の御指摘の点、二十二国会のときから森本委員がこのことを盛んに叫んで参ったように聞き及んでおりますが、その際にも直ちに戸締りを厳重にするとか、あるいは非常ベルをつけるとかいうような、その当時としてはそれが最善なりというような方法を講じてきたように聞き及んでおります。従いまして今回はこういうまことに気の毒な事態が発生いたしたのでありますから、なおそれだけでは間に合わない。従って随伴宿直でもつけた方が最も機宜を得た処置ではないかというようにわれわれも考えております。しかしながら何と申しましても予算の伴うことでもありますし、これが予算の検討もいたした上で、すみやかに最善の方法を緊急にとっていきたい、こういうような気持でおることは森本委員も私も同じことであります。 これは余談になりますが、今ここで一人の小学生があやまって踏み切りで危禍にあった、だからといってすぐその踏み切りを鉄道省が地下道に改めるというようなことも鉄道の方でもできないように、私どもの方としてもやはりこういうことがあってまことに遺憾なことだ、しかし直ちに何千万かかるか何億かかるか知りませんが、すぐそこでそれだけの処置をその数日後にはできるかどうか。私どもは少くとも直ちに省議を開いて、そうして随伴宿直をつけた場合にはこれこれの金がかかる、同時に定員についてはこういうふうになってくる、しかし定員ということは現在の情勢ではとうてい不可能であるから、先ほど森本委員御指摘のように、部外者にいささかの金を出してそれを随伴宿直としてつけてみよう、そうして一応こういうことの起らないように措置してみたいという意見が省内では最も強かったのでありますが、また一面からいえば、そういう際にはこういうふうな処置をとることもいいのではないか、隣に非常ベルを置いておく、隣で非常ベルが鳴ると、すぐ隣から応援に飛んできてもらえるということも必要でなかろうか、随伴宿直がかりに二人おっても、女子の場合には、女の人が二人そこにおって男が侵入した際に、果してそれに抵抗していけるかどうか、これもただ単にそこに寝泊りしている安心感はあって、にぎやかではあっても、非常に不安な点もあるではないか、こういうふうにしたが最もいいのではないか、いろいろと意見に花が咲きまして結論を見るに至らなかったのであります。私どもは決してこういう事態を漫々と放置しているわけではないのでありまして、私どものいわゆる郵政省の職員であるだけに、われわれ郵政省当局が最もこの点については真剣に心配いたしておりまして、ただいまの委員会の皆様方の御配慮とあわせて、緊急にこの問題は処置いたしたいと思っております。
○原(茂)委員 これからお伺いしようという結論まで先に御答弁があったわけですが、今私の質問しましたのは、第一点は、阿部さんの論評が悪影響を及ぼすことがないか、ないことを希望する、ないだろうとおっしゃった。では逆に、阿部さんが今後職業としてやるそういう論評が、番組編成等に絶対に悪影響を及ぼすことはないという保証ができるかどうか、これはどうでしょう。
○村上国務大臣 これはどうも私の常識では、経営委員長になったから、阿部さんの筆がより以上に、NHKの番組等に悪影響を及ぼすような筆に変ろうとは思っていないのであります。もしもそれが変った場合のことでありまして、それでは変ることが想定できるかと申しますと、これもなかなか、変るのだということも申されないように、これが変らないということも、私は断言はできないと思います。しかしこれは阿部氏個人の良識に待つ以外ないのでありまして、今からこれを私どもが憶測していろいろと論議することはどうかと思いますが、むしろこれは御本人に会って、そういう点について十分話してみた方がいいのじゃないかと私は思います。阿部さんの気持を私に判断せいと申されましても、私としては阿部さんの気持を判断することはできません。ただ従来の阿部さんのあり方と今日のあり方が別に変っていないのじゃないか、この点だけは私は言い得ると思います。
○原(茂)委員 ですから、大臣は保証はできないわけです。絶対に番組編成等に悪影響を及ぼすことがない、そういう保証はできないという結論になる。当然だと思います。阿部さんにお会いになってお聞きになるのは、大臣の勉強の意味でいいと思いますが、おそらく保証はできないと思います。保証ができないということになると、きょうの森本委員の、質問というよりは、相対的にこれを言うと、やはりちょうど今日事故が起きる前に、こういったことのないようにいろいろな手当等を要求したのと同じ立場です。阿部さんの論評というものが、今後もし不測の筆の回り方があって、番組編成等に悪影響を及ぼしてはいけないから、今から何か郵政当局としては考慮すべきではないか、こういった、ある意味では非常に先をおもんばかった親切な一つのサゼスチョンといいますか、アドヴァイスといいますか、こういうことになると私は思います。森本委員などのこういうアドヴァイスを郵政当局がお聞きになったときに、大臣の最後に答弁されたような、もしそういう事実があったときになったら慎重に考慮する、こういうのでなくて、そういったせっかくの親切な、先を考慮しての示唆があったので、何とかそういうことの起きないように、今から一つ当局として考うべき余地があるかどうかを考えてみるという謙虚な態度で、問題が起きてから考慮するのでなくて、起きないという保証ができない以上は起きるかもしれないという立場に立って、今から何とかこれに対処する道があるかないかを考慮します、研究して後刻答える、そういった気持にならないと、今の福井における事故と同じ結果になると私は思います。事は同じものじゃないですが、こういうものと、阿部さんの論評に対する当局としての考え方は、やはり同じ筋で考えるべきだ。こういう人命に関する事故が起きたから緊急に何か手当をする、阿部さんの論評で番組編成等に悪影響を及ぼした、その事実が出てきたからそこで慎重に考慮するということでは、当局としての、ほんとうの政治をやろうとする立場ではないと思う。やはりその前から推察し得るあらゆる事態に目を向けて、それに対処する道を謙虚な気持で事前に考えていく、より少く事故を防いでいくという態度が必要じゃないか。そういう態度、考え方からいうと、さっきの大臣の、阿部さんの論評が悪影響を及ぼしたら、その事実が起きたときには慎重に考慮していきたいという立場はいけない。今の宿直が絞殺されたという事故が起る前に、森本委員などの示唆によって何がしかの手当はしたが、まだ不十分だったということが殺されてからわかった、わかったからこれからやるというのではなくて、こういう事例が出た以上は、今言った阿部さんの論評等も同じですが、事が起きてからそれに対処するという今までの官僚的なこういう考え方は捨てて、もっと突っ込んで、事前に向け得べき目を方々に向けて、対処できるものは十分に対処しようという心がまえで事に当る、あるいはこういうものの審議に当るということに切りかえていただく、考え方を変えていただく必要はないかということを、二つの問題をお聞きしておるうちに私は痛感したのですが、こういうふうな考え方に立ってやろうというお考えがあるかどうか。
○村上国務大臣 阿部さんの問題については先ほどお答えした通りであります。阿部さんの問題は、これは仮定のもとに今御質疑が行われておるように私は考えましたから、これはそういうことがあるかもしれないが、ないかもしれぬ。それをないように気をつけてもらいたいというような注意を与えることができる権限がもしも私にあるならば、十分注意いたします。しかし経営委員会の委員の発言あるいは行動に対して、郵政大臣がそれを制約させるようなことができるかどうかについては、私検討してみなければ今直ちにお答えできません。ただしかし御意見の点は十分私承知いたしましたから、個人的に機会を得て私がそういうことを話をする機会がありましたならば、そういう点については十分話をしてみたいと思います。 森本委員の御指摘の今回の問題については、具体的に実際問題としてこの問題がありましたので、私どもとしては従業員に対する生命の保障、身体の安全については十分考えなければならないことでありまして、二十二国会における森本委員の御忠告に対しましての措置は、一応とられたように聞き及んでおりますけれども、それがなお十分でなかったということは私遺憾に思っております。この点は御意見を十分尊重して、何らかの方法で将来不安のないように取り計らいたい、かように思っております。
○原(茂)委員 だいぶわかりかかってきたのですが、まだ大臣のおっしゃる観点は、私の言っておることがびんときていないらしい。阿部さんの問題は仮定の問題だ、単なる推論だ、福井の問題は現実の問題である、だから違うという前提でお話になった。あとの方は大体私納得できるのですが、その前提がいけないと思う。まだ私の申し上げていることがびんときていないのじゃないかと思う。こういう事態の考え方が——仮定の問題と現実の問題といって切り離していますけれども、これが一つの原因と結果という考え方で進むべきだと思うのです。仮定の問題のうちに、推論であるといううちに、私どものやるべき大きな仕事があると思う。むしろ現実の事態が現われてきて、現実の問題になってからはもうわれわれの考える余地というものは非常に少い、手を加える余地、仕事というものはうんと少くなってくる。むしろ一〇〇%のうち九九%は仮定だ、推論だというときにわれわれのなすべき仕事がある。結果が出てしまってからそれに対処する道あるいは仕事をするというのは一%しかない。ウエートはその推論、仮定のもとに大きく置かるべきだ。それが今後の私どもの考え方でなければいけないのだというふうに私は申し上げているわけです。そういう観点から、阿部さんに個人的にお会いになってどうしよう、あるいはそのほかの方法もあるかもしれません。ないしは、この委員会のこういった論議等を聞いたり記録等で見て、阿部さん自身が御自分で何か反省なさる機会があるかもしれない、自然に道が開けるかもしれない。しかしながら他力本願で自然に道が開けるのを待つよりは、先ほど申し上げたように九九%、推論である仮定であるという前段のときに一つの大きな私どもとしてなすべき仕事があるのだ、こういうように考えていかないと、せっかく森本委員などのこうした貴重な意見が、一つもこの委員会を通じて生きてこない。こういうような考え方で私は心配している。せっかくのこういう貴重な意見ですから、よりよく生かして、一つの仕事に対処する考え方をこういう考え方に変えていくべきではないか、こういう意見ですから、これもよく翫味していただきたい、もう少しあとで大臣自身の頭を整理していただきたい、だんだんそういうように考え方を切りかえていっていただきたいということを一つお願いしたいと思います。
○松前委員長 私も、先ほどいろいろ承わったことから、ただいま原委員に対する御説明等を聞いて、今の大臣の答弁にやはり同じような感じを持ちます。と申しますのは、経営委員長が盛んに評論をお書きになる。その組織における最大の発言権を持っている方のその評論の方向が、その編成局の番組の編成方針に以心伝心の影響を与えることは大体間違いないと私は思っている。与えるはずなのです。ですから、それは過去の仮定の問題、将来の仮定の問題でもなくて、現実の問題だと私は見ております。どこをどうしたというようなことは、具体的に証拠をあげて指摘はできないと思います。けれども、ある組織の最高責任者が評論を書いた、その政治的な方向が番組の編成の方向に対してある程度影響を与えることは——組織内における構成分子に対して相当な影響を与える、そうしてその影響によってその編成方針がだんだん変ってくるというか、ある程度の目には見えないけれども以心伝心の影響を及ぼしてくる、このことは私は否定できないと思うのです。放送法の内容に、新聞社の社員だとかあるいはその他新聞社に禄をはんだような人たちは、これに入ってはいけないということを書いた精神は、私はそこにあると思う。新聞社の方向がNHKの方向になってはいけないと思うのです。ですから、いわゆる新聞社の方々がこれを兼務して、そして新聞の方向とNHKの方向と同じようにするならば、これはもう何をかいわんで、一新聞社の一つの放送機関になってしまう。これをおそれて私は書いたものだと思う。それと同じように、今度は最高責任者の評論の方向が——これをどんどんお書きになれば、結局それと反対のような編成方針をとればしかられはせぬか、またおめでたくないのじゃないか、人事的にやられはせぬかというような気持を持つことは当然であると思う。放送協会の諸君は非常に独立心が強くて、経営委員長なんか断じておそれない、おれはおれでやるのだ、首にせられてもかまわぬ、こういう気持でおられるならば別ですが、なかなかそうはいかない。そういうところにこの問題の中心があるのであって、大体あの方を経営委員長にするときの条件があるべきであったと私は思う。これは私どもの意見でありますが、だから、大臣の答弁にはどうも私は不満でありまして、野村さんが電波監理審議会の会長をやめられたときに、これには敬意を表するといわれた気持は、そういうことを仮定しての話じゃないかと思うのです。一つ大臣は慎重にこれはお考え願って、今答弁は原委員と同じように要求いたしませんが、今後に対処していただきたい、こう思うのであります。——ほかに御質疑ありませんか。
○森本委員 今日は時間が参りましたので、明日また小委員会なり委員会なりがありますから、その場で今残っている電電公社の問題からいろいろやりたいと思いますが、ただ郵政当局にお願いしておきたいのは、あしたの委員会で私はさらにその他の問題として、今日の世界の中において日本との郵便物の交換がまだできておらない国との問題についてちょっと質問したいと思いますので、その質問が出た場合に、資料を十分用意しておいていただきたいと思います。
○松前委員長 私も一つ資料を要求します。日本に割り当てられたる電波の周波数の中で米軍がどの程度使っておるか、この資料を御提出願いたいと思います。沖繩におきまする二百キロの放送があるそうでありますが、その周波数は日本に割り当てられた周波数であるか、アメリカに割り当てられた周波数であるか、あるいは沖繩や小笠原等における無線局の周波数は、米国プロパーのものであるか、日本に割り当てられたものを活用しておるのであるか、この辺についての周波数別の資料を一つちょうだいしたいと思うのです。これは当然あると思いますから、明日御提出願いたいと思います。 だいぶ時間も経過いたしましたので、本日はこれにて散会いたします。明日午前十一時より委員会を開会いたします。 午後一時十九分散会 ————◇—————