逓信委員会 第19号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/05/15
会議録
○松前委員長 これより会議を開きます。 まず理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。理事森本靖君が去る八日委員を辞任せられましたのに伴い、理事が一名欠員になっております。昨十四日同君が再び本委員に選任されましたので、森本靖君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松前委員長 御異議ないものと認め、森本靖君を理事に指名いたします。 ―――――――――――――
○松前委員長 次に日本放送協会昭和二十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題として、前会に引き続き質疑を続行いたします。小泉純也君。
○小泉委員 放送協会の決算を議するに当りまして、当委員会といたしましても、また私ども委員の立場からいたしましても捨ておきがたいことがありますので、一言NHK当局にこの真相をただしておきたいと思うのであります。 問題は四月二十九日号のサンデー毎日の誌上に、「放送法にゆらぐNHK」と題しまして、日本放送協会を中心としていろいろの真偽取りまぜての記事が載っておるのであります。この全体を通観いたしますときにだれしも考えることは、最近における新聞雑誌の低劣なる記事ということでありまして、最近における記者の良心と申しますか、全く一部の者が相手方の名誉を棄損してもはばからない、興味本位を通り越して、ある二者は初めから悪意を持って問題を誹謗するということが、最近の新聞、雑誌に表われる一つの大きな欠陥ではないかと思うのであります。現にこのサンデー毎日のNHKを中心とする記事のごときは、古垣会長をいたずらに誹謗し、当逓信委員会のわれわれ委員の名誉をいたずらに棄損して、誹謗してはばからないというがごときことでありまして、権威あるサンデー毎日のためにも私はまことに遺憾とするのであります。また他の新聞にもあったのでありますが、この逓信委員会の誹謗というものには一連のつながりがあるのであります。現に日本電信電話公社が国際電電の株をば保有するという問題がこの委員会に取り上げられておりましたが、そのときにも当委員会の国家的見地からの方針をば全然問題外として、まるで国際電電の一方的な悪意に満ちた回し者というような記事が新聞に表われておったことも各委員御承知の通りでありまして、われわれそのときも、非常に真実をば曲げていたずらに誹謗する記者のやり方に憤慨を禁ずることができなかったのであります。ちょうどこのサンデー毎日の記事は、それらと一連の関係を持って書かれた記事であることは容易にうなずけるのであります。そこでこの一部をば引き出しまして、われわれ委員会の名誉のために、またわれわれ委員の正当なる立場を主張するために、私はこれは黙過すべきではないと考えましたので、ここに関連質問をするのであります。 まずNHK当局がわれわれ委員会に対しまして、物質をもって委員をばろうらくをするというような意味のことが露骨にここに書かれておるのであります。かようなことはあるべきはずのものでもなく、また委員一同全く寝耳に水と申しますか、どういうところからこういう記事が出、どういう考えを持ってこの記者が書いたか、記者の良心をわれわれははかり切れないものがあるのであります。この中から拾い上げまして、一つ一つ質問をいたしまして、NHK当局の責任ある答弁を得ておきたいと思うのであります。 「NHKの予算決定に関係のある国会の逓信委員を優遇するのは当然としても、逓信委員が外遊するときには、一人当り五十万円をつかませる」、こういう記事が載っておるのであります。逓信委員としていまだこういう話を聞いたこともなく、そういう事実があろうとはわれわれは夢想だもできないのでありますが、この記事には、逓信委員が外遊するときには、NHKが一人当り委員に五十万円をつかませて、いわゆる委員をろうらくしているというようなことが明記してあるのでありますが、NHK当局においてかような事実が過去にあったのであるか、また事実あるのであるか、明らかにせられたいのであります。
○岡部参考人 お答え申し上げます。ただいま逓信委員が外遊するときには一人当り五十万円をつかませる云々ということでございますが、右の事実は全くございません。
○小泉委員 さらにこの記事では、「国会開会中は自動車を無料提供するほどのまめまめしさ。まして毎年の予算をきめるときにばらまく金などは莫大なものといわれている。」実に私どもは、この記者の書いた記事にただあきれてものが言えないという一言以外にないのであります。私自身も久しく逓信委員をしておりますが、いまだNHKから自動車を提供されて国会に通ったことは一度もない。また予算をきめるときに委員会に金をばらまくと書いたこの実に低劣なる記者に対して、私は人間的な侮蔑さえ感ずるのでありまして、申し上げるだにばかばかしさを感ずるのでありますけれども、こうしてたくさんの部数を持っておる権威あるサンデー毎日の誌上に活字となって大衆の目にさらされた以上は、これを黙過することができないのでありますが、自動車の件と、予算をきめるときに委員会に金をばらまいておるということについて、当局の御説明をいただきたいのであります。
○岡部参考人 ただいまのお尋ねにつきましては、さような事実はございません。
○小泉委員 なおこれに続いてこの記事は、「NHKテレビ開局のときは、NHKのテレビ研究所で組み立てたテレビを一台ずつ各逓信委員に贈りものとしている。もっともこのときは一台につき三万円ずつ金はとっているが、当時のテレビ値段から考えれば、ただみたいな安いもの。」こういう記事が明らかに載っておるのでありますが、このことにつきまして当局の説明をば承わりたいのであります。
○岡部参考人 ただいまお尋ねのテレビジョンの受像機につきましては、一台につきまして六万円で購入のあっせんをいたしたことはございます。NHKといたしましては、月賦のような制度もできませんし、財団法人の電波技術協会におきまして技術講習会用として組み立てたものを、一台六万円ということであっせんしたわけでございます。なお、そのあっせんをいたしました国会議員の方々からは、全部お金をちょうだい済みになっておるということでございます。
○小泉委員 ただいまのお答えで、一台三万円ではなくて、実費六万円で組み立ててあっせんをしてやった、その金は全部徴収済みであるということで、この記事がいかにでたらめであるかということが明白になったのでありますが、この記事の中の各逓信委員に贈りものとしておるということは、おそらくほかの委員でも非常に迷惑にせられる方があると思うのでありまして、私の聞き及んでおるところでは、ごく少数の希望者のみにそういうあっせんをしたことがあるけれども、逓信委員全員にこういうあっせんをしたことはないと承わっておるのでありますが、その点も明らかにせられることが、全逓信委員の御迷惑にならないと思いますので、この点をさらに明らかにせられたいのであります。
○岡部参考人 私お答えがいささか粗雑でございまして、ただいまおっしゃる通り、全逓信委員の方々に対していたしたものではございません。
○小泉委員 明白にわれわれ委員会並びに委員を誹謗しておる点だけは、ここに質問をして大体明らかになりましたので、私はこの程度で質問を打ち切りますが、記事全体を通じて、非常に遺憾を禁ずることができないのであります。ただ最近こういう記事が跳梁ばっこをする、人の名誉を棄損してはばからざる言論暴力が一部に行われておるということは、まことに御同様遺憾にたえないところであります。なお記事全体について、私個人としての幾多申し上げる意見もございますが、ただいま申し上げましたような、具体的に、的確に明らかに書かれておる点だけをここに解明をいたしまして、一応この問題に対する私の質問を打ち切ります。
○松前委員長 松井政吉君。
○松井委員 同僚小泉委員の質問で、逓信委員会の委員諸君に関する問題が明らかになりましたけれども、私どもは再度はっきりしておいていただきたいのは、この記事は国会議員という言葉を使っておらないのです。逓信委員会という言葉を使っておるのです。そこに私は大きな問題があろうと思うのです。たとえば私も断続ではありますけれども、六年間も当委員会に関係をしておるのです。不幸にして、国会開会中に自動車一台回してもらった経験はございません。それからテレビ受像機の問題にいたしましても、私テレビ受像機はあっせんしていただいておりません。それから外国にも行って参りましたけれども、五十万円いただいておりません。そういたしますると、逓信委員会の委員全体を、特に逓信委員会という名において誹謗しておるのでありますから、これははなはだもって私はけしからぬと思いますが、そういう記事を書かれた善後処置について、処置をおとりになりましたか、処置をとらなかったか。この点について、その善後処置の問題について説明をしていただきたいと思います。
○岡部参考人 このサンデー毎日の記事に対して、どういう処置を考え、またとったかというようなお話でございますが、先ほどの御質問にもありましたが、この記事全体として、うわさはいろいろあるがとか、あるいは真偽のほどはつかみようがないとか、といわれておるというような書き方でございますので、それに対して、私どもの方として一々どうというようなこともいかがかと思いまして、この記事に対して措置をとったことはございません。
○松井委員 私の措置というのは、たとえばいろいろあると思うのです。要するにNHK当局は、毎年予算の審議は国会の当委員会でやる、決算の承認は毎年国会の当委員会でやる、これは衆参両院とも同じ委員会でやるわけです。そこで、決算の審議まっ最中にこの記事が書かれておるのです。だから、サンデー毎日当局に対する措置と、三つありますよ。今われわれが質問しておるのは、その記事の中の一部分なんです。記事全体を流れる構想というものは、要するに放送協会の古垣会長並びに内部の業務運用の面、それから会長の更迭期にかかっての記事だと私は解釈をせざるを得ないのです。その中で迷惑をこうむっている一部分の内容の質疑を、今同僚小泉委員はやっておるのです。従ってこの記事に現われた協会内部の措置を、一体この記事と対照してとられたかどうかという処置が一つあります。これは記事を提供したサンデー毎日当局に対する措置と、その記事の中に現われておる内部がそれほど乱脈になっておるかどうかという内部に対する措置が一つあります。それからもう一つは、当逓信委員会とその名称をはっきりと指定して誹謗しているのでありますから、協会側から当委員会の委員諸君全体が迷惑をこうむっておるのであります。その迷惑をこうむっておる委員会の委員諸君が予算を審議し、決算を審議するのです。そうして承認を与えるかどうかということが、最終的に国会の議決となって出るわけであります。そういう重要な職責を国会運営の上で担当しておる当委員会に対する措置と、三つあります。その措置のいずれもとらなかったというのか、その措置について考慮したことがあるのか、ここは協会の業務運用と、協会と国会、協会と対社会的な問題として大きな問題になりますから、この三つの処置について考えたこともなかったか。いわばほったらかしておけばよいという態度でいたのか。それとも理事会なり経営委員会で相当深刻な論議をいたしましたけれども、サンデー毎日の記事にこだわって取り扱う必要はなかろうという結論に達したのか。その間の事情をつまびらかに一つ説明をしていただきたいと思います。
○岡部参考人 ただいま松井さんのおっしゃる通り、この時期的の問題――時期的の問題と申しますのは、申し上げるまでもなく放送法の改正の議の起っておるときであり、また決算が国会において御審議をいただいておるときであります。改選期になっておるというようなときに、こういう記事が出たというわけでございます。新聞社に対しては、先ほど申し上げたような考え方でおったのであります。それから部内につきましては、全部この記事につきましては、もちろん洗ってみたわけでございます。それについて、今お尋ねの点については考えたわけであります。なおかかる風説といいますか、記事といいますか、そういうものに対して動揺したり疑惑を持つことのないように、部内にはさようなうわついたことのないように、迷わされることのないように、通牒を出した次第であります。なお逓信委員の方々に対しましては、本日お尋ねがあって、初めてお答えするようなことでなく、私の方から先にお答えするのがあるいはよかったかとも存じますが、その点について私の方が後手になりまして、皆さんに御迷惑をかけたことが大いにあるとすれば、その点は申しわけなく存ずる次第でございます。
○松井委員 これは関連して質問を発展していけば、たとえば古垣会長の満期をめぐって次期会長の問題について、いろいろ新聞なり、週刊雑誌あるいは月刊雑誌等に書かれて、今話題の焦点になっていることは、当局はよく御承知だと思います。しかも中における部課長会議有志なるものの怪文書をわれわれは入手している。こういうことについては当然協会の当局に対するわれわれがただすべき点と、同時に直接チャンネル・プランその他の問題も含めて、協会全体の問題については政府当局にもわれわれはたださなければならない問題が幾多あります。これは今の決算の審議に関連をして全部ただせばただすこともできるのだが、直接決算には関係がないという御議論もあろうかと思いますから、私は別の機会にこの問題を全部ただしたいのでありますが、一応御忠告を申し上げておきたいのは、毎年われわれは協会の予算を審議するときに、冗談半分に審議をしていることは一ぺんもございません。ほんとうに真剣に日本の放送そのものの大切なこと、それから波を大切に使わなければならないこと、そうして日本の民間放送と公共放送の二本立を全部生かしながら発展させるにはどうしなければならないかということ、その上に立って予算の審議をいたしております。われわれが審議をし承認をした予算の使い方、決算についても、そういう角度から、会計検査院が毎年その決算についての検査をするのでありますが、その中身について会計検査院の気のつかないところまで委員諸君が審議をして、毎年承認を与え、あるいは附帯決議をつけて承認をしたり、いろいろ忠告を申し上げてきているのであります。そのやさきにこういうことが出たのでありますから、協会と国会の当逓信委員会との連絡、それからこういう記事を書かれなければならない原因がどこにあったかということは、みずから進んで当委員会に、業務運用の自己批判とともに親切丁寧に、われわれから質問されないうちにやるべきなんです。そういうことについて、やはり協会当局は反省すべきものがあろうと思います。こういうことを考えると、今後の業務運用と内部の問題については、世間に話題を提供しないように十分注意をしてほしいと思う。私はきつい忠告を申し上げて質問を終ります。
○松前委員長 森本靖君。
○森本委員 私は、この問題については今まで二人の方から質問がありましたので、多くは申し上げません。ただ会長交際費七千万円程度のうわさがあるというような問題についても、時間があれば聞いておきたい点もありますが、この点はきょうはやめます。ただ一点だけ申し上げておきたいことは、この記事の中に非常に誤解のある記事がありまして、NHKの従業員として迷惑をするだろうと思いますので、この点を協会当局から明らかにしてもらいたいと思います。と申しますのは、「八千五百人の職員のうち二割にあたる千七百人ちかくが、例の聴取料集金人で、これに要する人件費が年間ざっと二十億円というから驚くほかはない。」これで見ると、千七百人という従業員が二十億円からの人件費云々という説明であって、この文章を見ると、ベースがよくてこんなばかげた集金方法をとっているかということをこの点では考えるわけでありますが、この点は協会当局も十分に今まで答弁をせられたように、この千七百人というのはNHK当局の実際の集金人であって、あとはほとんど委託業務において郵政省の従業員がやっているというのが今の実情であって、この集金に要するところの総額の経費が何ぼであって、そのうちの実際の直属の集金人に使っているところの人件費がどのくらいであって、委託集金料が総額でどのくらいであるということを明らかにしておいてもらいたい。従業員にとってはこんなことを書かれたのでははなはだ迷惑しごくであると考えますので、この点を一つ明らかにしておいてもらいたいと思います。
○岡部参考人 二十九年度の決算の数字で、ただいまお尋ねの事柄につきましてお答え申し上げますと、おっしゃる通り集金の制度といたしましては、直接集金する分野と郵政省にお願いして集金する分野とありますが、ただいまの経費といたしましては、一カ月料金は六十七円でございますが、直接集金に要している経費は六円四十三銭ほどでございます。その経費の総額から申し上げますと、人件費が四億、収納費が一億一千万、一般管理費が五千五百万というので、総計におきまして五億七千四百万円の決算の数字でございます。なお集金につきましては、人数につきましては一千人ほどございます。
○森本委員 それでこの記事にあるところの二十億円というのが五億七千四百万円だということで明らかになりましたが、私の言っているのは、だからそういう直属集金人に関する経費が五億幾ら、それから委託に要するところの経費が二十九年度で幾らになっている、だから集金に要する総経費はこれこれである、このいわゆる二十億円という数字を明らかにしておいてもらいたい、こういうことです。だからあと郵政省に対する委託料というものは何ぼである、それによって総額の集金料というものは出てくるわけです。 〔委員長退席、松井委員長代理着席〕
○岡部参考人 総体の経費といたしましては九億六千九百万円でございます。それで直接の集金につきましては今申し上げた通りでございまして、委託している集金の経費につきましては三億九千五百万ほどでございます。
○森本委員 その点で一応経緯が明らかになりましたが、二十九年度でもNHKの従業員に対する直接の経費が五億幾ら、それから郵政省の委託の分が三億幾らということになると、この千七百人で二十億円という数字が、どこからこういう記事が出てきたか、私は非常に不可解に思うわけでありますが、こういう点だけでもただいま松井委員が言われたように、十分に真偽のほどを相手方にただす必要もあろうと考える。明白にこういう数字が出てくるならば、この点はNHK当局としても、十分に相手方に対してこの真偽を詰問するという措置をとってもいいのじゃないか、こう考えるわけであります。これ以外にいろいろ聞きたいことがありますけれども、本日はこの程度で私はおいておきたいと思います。
○小泉委員 先ほど私が取り上げましたサンデー毎日の記事の件は、ただいままでの質問応答によっても、事実われわれ逓信委員に関することは事実無根であることはさらに明らかにせられたのであります。そこで私は委員長にお願いをしたいのは、これをこのまま黙過すべきではない。われわれ委員の権威、名誉のためにも黙過すべきではない。また今日一部の悪徳記事、悪徳記者をば日本の言論界からなくすというためにも、これは黙過すべき事柄ではないと思いますので、サンデー毎日に対して委員長からしかるべく申し出をしていただいて、この事実無根なることをば明らかにしていただきたいと思いますので、この点について委員長においてしかるべくお取り計らいを希望いたしておきます。
○松井委員長代理 ただいまの小泉委員の希望につきましては、委員長において理事諸君と御相談の上、措置の方法等を講じまして取り計らいたいと思いますから、さよう御了承を願いたいと思います。 他に質疑はございませんか。――御質疑がなければ、本件についての質疑はこれにて終了いたします。 これより本件について討論に入りたいと存じます。討論の通告がありませんので、本件については討論を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井委員長代理 御異議なきものと認め、討論を省略して直ちに採決いたします。日本放送協会昭和二十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書について異議なきものと決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔総員起立〕
○松井委員長代理 起立総員。よって本件は異議なきものと決しました。 なお本件に関する委員会の報告書の作成並びに提出手続等につきましては、委員長に御一任願います。
○松井委員長代理 次に電気通信事業に関する件並びに電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。この際質疑の通告がありますので、これを許します。竹内俊吉君。
○竹内委員 標準放送の周波数の割当、いわゆるチャンネル・プランについては郵政省で最近案を作成して、目下公聴会を開いておるようでありますから、詳しいことはこの公聴会の結果、その資料をもらった上でいたしたいと思いますが、ここで原則になっております事柄を二、三お尋ねしたいと思います。 これは委員長に希望を申し上げておきますが、チャンネル・プランについての質問は、きょうは原則を二、三申上げて、詳しいことは公聴会の資料をもらってからいたしたいと思いますから、そのための委員会をさらに開いていただくように要望しておきます。この郵政省からわれわれが配付を受けました「標準放送用周波数割当計画の修正方針」、つまり今度のチャンネル・プラン更新期に当っての原則の方針をいただいたのであります。それによると原則として昭和二十八年の周波数の割当と、今度の場合とはいろいろの条件を勘案した結果、その基本的方針を変更する必要はなかった、そこに基本を置いていろいろの組み合せを策定した、こういうふうに説明しておるのであります。しかしながら実際の案そのものについて検討をしてみますと、私の考えではこの基本的方針に相当の変更があつた、こう思うのであります。しかしながら当局の方で書いておる考え方もあり得るとは思います。たとえば基本的方針の一つである対象受信機を昭和二十八年度と今回とでは何らの変更がなかったかという点が一つ。それから保護区域の電界強度の基準を二十八年度の場合と今回とでは相当に開きがあったと思うのに、この重大な基本的方針に変更がなかった、こううたうのは何ゆえであるかという点が一つ。それからあとで国際条約上の立場から日本放送協会の主要な放送局に百キロの増力を考慮したということは、これは重大なる基本的方針の変更であると考えております。こういうものを含めてなおかつ変更がなかった、こううたっておるゆえんはどこにあるのか。まずその原則を御説明願いたい。
○上林山政府委員 非常に技術的、事務的にわたっておりますので、事務当局から御説明させます。
○荘説明員 二十八年の五月に作りました基本方針は、その後のNHK、民放に対する割当の原則的なことを掲げたのでございまして、NHKについては第一、第二の二つのネット・ワークを全国的に引けるようにいたしております。また一般放送、いわゆる民間放送については、その健全なる発達をはかり、全国の主要な地域において聴取が可能になるようにする、こういうことが骨になっておるようでございます。その考え方については今回も踏襲すべきであるというのが、従来の方針を土台にして今回もやろう、こういうことになったわけでございます。 それから先ほどお話のございました受信機の問題でございますが、確かに受信機はお話のごとく相当スーパーが多くなっておることは事実でございます。しかし現在ではまだまだスーパーでないものも最近の調査によりましてもかなりございますので、一挙に全部を、スーパーを基準に置きかえてやりかえるという時期ではまだないように考えておる次第でございます。従いまして周波数間隔――同じ土地に二つないし二つ以上の局を置く場合の各局の波の間の開きでございますが、この周波数間隔についての基準は従来の基準を維持しております。 〔松井委員長代理退席、委員長着席〕 ただ場合によりましては、若干スーパーの多くなった事実も考慮して、具体的な割当を考えておる場合もございます。 それから保護区域の点でございますが、従来の基準といたしましては、夜間一ないし二ミリボルトということにいたしまして割当案を作っておったわけでございますが、局が非常に多数あります関係上、実際的には相当二ミリボルトに近いというのが実情となっておるわけでございます。今回におきましても、大体二ミリボルト程度ということにして割当案を作って、今一般の御意見を承わっておるというところでございます。
○竹内委員 ただいまの次長の説明によると、この保護区域の電界強度の基準に関して昭和二十八年度には、昼間〇・二五、夜間一ミリないし二ミリとこうお答えになったが、あなたの方の森本放送技術課長が二十八年度の割当基準というものを公表いたしております。それによりますと、明らかに一ミリと書いてある。一ミリを基準にして行なったのだ、将来はこれでいいかどうかということはともかくとして、今回はそれでやった、こう二十八年度の基本方針で明らかにしておる。これは私が申し上げるまでもなく、放送周波数の割当としては基準中のきわめて重要な条件であります。それを今度は二ミリにした、そこに基準を置いたということになると、サービス・エリアに非常に関連のある変更をしたことと相なるのであります。そういう点が多々あるにもかかわらず、基本的方針を変えなかったということはあなたは、先ほど申し上げたNHKと民放との建前のことを変えなかった、こういう意味であううと思う。それはその通りです。出てきたものを見ますと、われわれがしばしば今まで要請しておった通り、日本の放送全体は二十八年度と今度は非常に事情が変ってきておる。であるから、NHKを優先するといっても、NHKと民間放送とを合させて一つのものとして日本の全体の放送を考えて、そこらを勘案して波を割り当てることを要望しておったのであります。しかしながら今回はそうやらずに、NHK優先を強く打ち出して、その二十八年度の方針そのままに踏襲した、その限りにおいてはこれは基本的方針に変りはなかったのだ、私はそう解釈する。しかし内容においては非常に変更があったのでありますが、今公聴会を開いてそれによって修正をするというおつもりのようでございますから、これはまだ案であって、決定までに時間のあることでありますから、その点はあらためて公聴会の資料をいただいた上でまたお尋ねをいたします。 この原則の中の第五項に、「一般放送事業の改善に資する措置を講ずる。」こういうことがあって、そうして「既設各社の主たる局であって、一KW(夜間五〇〇W)のもの及びこれに満たないものは、できる限り昼夜間とも一KWとする。」その次の「中継局用チャンネル(PRチャンネル)について、日本放送協会のそれとの調整を行い、使用効率の改善を図る。」こういう原則をきめておられる。これは非常にけっこうだと思いますが、実際に出てきたものはこれとは全くうらはらのものが出てきておる。というのは、PRチャンネルは以前は御承知の通り、千六十、千二百二十、千四百六十と民放に三波を割り当てておったのを、今度はその一波を削って、従来使っておった千六十に加えて、最も効率が悪いと称せられる、あるいは受信機によってはそのダイヤルがないといわれておる千五百六十の二波だけにとどめて、波を減じて、しかも効率の悪い千五百六十の波を割り当てておる。この効率の悪い波を割り当てられると、エリアが狭くなることは説明するまでもございません。そこにおいて「日本放送協会のそれとの調整を行い、使用効率の改善を図る。」こういう原則をうたっていることと現われてきたものとあまりに違うので、その点この原則とできました案との関係はどういうことになっておりますか、その御説明を承わりたい。
○荘説明員 ただいまお話のございました中継局用チャンネルと日本放送協会の中継局用チャンネルとの調整を行なって、使用効率の改善をはかる、この考えはよろしいとおっしゃって下すったわけでございますが、私どもの考えは、これはもう先生おわかりでそれでよろしいとおっしゃって下すったので、あらためて申し上げる必要もないかもわかりませんが、一応述べさしていただきますと、従来はNHKの中継局用チャンネルと民放の中継局用チャンネル、これが非常に狭い間隔で、隣合せのような格好になって作られておったわけであります。従いましてある土地、この中継局を設けるような土地におきまして、NHKでもって第一、第二の二局を作るといたしますと、民放の局は周波数間隔の関係でどうしても置けない。せっかく波を予定しておってもその波は遺憾ながら使えない、こういうようところがあったわけでございます。そういうところでせっかく中継局用のチャンネルを作っても十分に使いこなせないということで、それではまずいというわけで、今回はNHKの中継局用の波と民放の中継局用の波とを相当間隔を離しまして置きかえた、それが調整を行なって使用効率の改善をはかるというくだりになるわけでございます。 それで、その点はいいのだけれども、高い波、千五百六十なんというものを民放の中継局用チャンネルに割り当てているのはけしからぬ、こういうお話でございますが、その点につきましては、この案は、現在電波監理局の案ということで今一般の方々の御意見をきょうも役所で伺っておるわけでございまして、確かに若干周波数としては高いきらいはございますけれども、電波監理局といたしましては、この程度のところなら十分実用になるもの、かように考えて案を作り、公表いたしたようなわけでございます。ただ先生がおっしゃいましたように、昨日来の公聴会におきましても、それと同様な御意見は多数出ておりました。十分検討をいたしたい、かように考えております。
○竹内委員 このPRチャンネルの件は、これは日本の放送全体から考えて、NHK第二放送の聴取率と、いわゆるPRチャンネルによって放送しているものの聴取率を考えてみると、これは当然千五百六十なんという波は、聴取率の低い特殊な放送というべきNHK第二放送だけに使用するなら私はこれで用に立つと思うが、一般放送では役に立たぬのでありますから、この点はぜひとも考え直すべきだと考えます。 もう一つ大きい問題は、国際条約上の立場から日本放送協会に百キロの局を四局許可するのだという方針でありますが、これにもいろいろ問題はあろうとは思います。思いますが、話がこまかくなるから、これは公聴会の資料をもらった上でまたいずれかの機会にいたしたいと思いますが、原則としては、それではこの日本における新たなる局というべきところの百キロ局というようなものを、将来民間放送にも許すことありという考えのもとにこういう措置をしたのか。今許しました百キロ局の電波の中には、国際条約上からすれば、現に民放が使っておる波が百キロに指定されておって、今あなたの方で指定せんとするNHKの局には条約上には指定されていない波があるのであります。そういうことまでして今百キロ局を四局許すというのでありますから、将来そういう含みを持っているのか。これは日本の民間商業放送にとってきわめて重大な影響を持つものである、そういう点を勘案して方針をきめなければならぬと考えるのであります。その点どういう含みを持っておりますか。それを一応お伺いしておく次第であります。
○荘説明員 民放局の大電力局を現在以上に将来ふやす考えがあるかどうかというお尋ねでございますが、それにつきましては私どもといたしましては現在そういうものを作ろうという考えは持っておりません。
○竹内委員 詳しいことばいずれかの機会にいたしたいと思いますが、この全体の今度の割当方針を一貫して流れておるものは、やはり日本の放送におけるNHKの地位というものを非常に高く評価しておるのであります。私は一応それは認めてよろしい。しかしながら日本の放送全体から考えると、今日NHKだけ聞いておる人もないし、商業放送だけ聞いておる人もないのであります。この二つを一つにした実態が日本の放送の今日のほんとうの姿である、そういうところに頭を置いて考えますならば、国内混信等も、現在あなたの方で作りました案ではとうてい除去できがたい。これはどう考えてみても、NHK第二放送から幾つかの波をひねり出して、波の絶対数を幾らかふやして操作しなければ、全然操作がつかない問題だ。やりくりはしておりますが、たとえば福井と三重の関係等もあれほど問題になったのが、私は今度の案でもやはり解消できないと思う。そういう個々の問題がたくさんありますので、いずれお尋ねいたしたいと思いますが、そういう一貫した考え方、つまり日本におけるNHKと民放と一つのものとして考えるというところに頭を置いて、もう一度チャンネル・プランについての詳しい検討をしてほしいことを希望しておきます。チャンネル・プランについてはこの程度にしたいと思います。 次に上林山次官が見えていますから、特にお聞きしたいのでありますが、テレビジョンの国内普及について、郵政省は何か考えておるかということを聞きたいわけです。と申しますことは、御承知の通りテレビジョン普及の条件としては、マイクロ・ウェーブの建設、それから今のチャンネル・プランの策定、それから受信機の工業的量産、こういうものが絶対条件である。この三つの条件は満足とは申しがたいが、現に相当に進んでおるわけであります。もう一つ重大な問題は、受信者側の受け入れ態勢と申しますか、その方であります。何としても今日の受信機の値段というものは、まだ相当高いのであって、大衆的値段とは申しがたい。また現にテレビジョン工業協会が最近発表したものによりますと、テレビジョンの生産コストを今日以下に引き下げることは、当分の間きわめて困難だということを明らかにしております。そういう点から考えて、テレビ普及と考え合せますときに、ことし現に電波監理局に地方のテレビ局の申請が三十幾つ出ている。いずれこれらのものは順次マイクロ・ウェーブの建設等に順応して建設されていくものだと考えますが、その場合に、特に地方における受信状態、受け入れ態勢というものは、経済的な条件からきわめて悪いと申さなければなりません。でありますから、このままに放置しておくと、私は妙なことになると思う。金持ちはテレビを見、貧乏者はラジオを聞けといったような状態が、日本の地方に出て参るわけであります。これは文化国家というものをうたっておる日本の文化政策としてきわめてまずいのであって、どんないなかに行っても、どんな貧乏な部落に行っても、公共的な施設の中には必ずテレビがあるという状態を国の力で作ってやることが、日本の文化政策として、今日の現状、テレビに対する国民の要望から考えて、これは考えなければならぬことではないか。結局これは経済的な国の助成を何らかの方針でするということだと思う。けれども、個人々々のテレビを買う者に助成をするというわけには参らないでしょうから、公共的な施設にそういう助成をして、テレビの普及をはかるということを考えるべき時期に来ておるのではないかと考えておりますが、当局はどうお考えになりますか。
○上林山政府委員 きわめて適切な、しかも大きな理想を含んでの御意見を拝聴したわけでございますが、ラジオの普及に比べてテレビジョンの普及が非常におくれておる、しかも基礎的な、たとえばチャンネル・プランにしても、マイクロウエーブの建設にしても、受像機の量産にしても、ほとんど完成に近づきつつあるのに、経済的に恵まれない地方等が特に受像を見ることができない、これは困るじゃないか、何か根本的な対策はないかということで、まことに大事な問題でありますが、具体的に即答せよといいますと、これまた非常に考えなければならぬ点が多いかと思うのであります。しかしながら先般当委員会においても非常に御理解のある協力を願い、大蔵省方面においても幾らか認識を深めたのは例の物品税の問題でございましたが、私どもの立場からいいますと、ラジオはやや頂点に達したが、テレビはこれから三年、五年間が普及時代である、こういう意味からいいまして、結局受像機の値段を安くすることが、まず根本的に考えなければならぬ問題である。これについてはテレビを作るメーカーにおいても、さらに努力をしてもらうと同時に、物品税のごときは、私のあるいは郵政省の考えを率直に言いますならば、私はこの物品税は当分廃止すべきものであるとすら考えておるのでございますが、諸般の情勢上これも十分にできないとするならば、これは軽減の方向に一つは持っていかなければならぬのではないだろうか。第二には、たとえば小学校や中学校あるいは公民館、あるいは公共的施設と認められるような集会所、こういうような方面に、かりに一台ずつ半額ぐらいの国庫補助をもって希望するものにこれを設置せしめるとするならば、予算としまして一年間に二十億から三十億ぐらいはかかるのじゃないだろうか。(「大したことはない」と呼ぶ者あり)こういうようなこともございますので、これ自体を考えると、大した予算ではないわけでございますけれども、財政全般から申しますと、一つの大きな問題であると考えるのであります。しかし私どもは文化政策の一端として、特に恵まれない地方の方々に文化の普及を急いでやりたいという意図を十分に持っておりますので、来たるべき予算等の折衝につきましては、皆様方の御協力を得まして、十二分にこの目的を達するように努力をするという今下準備をいたしておるところでございますので、この上とも皆様方の御協力を得たいということを本日は申し上げて、私どもの方針を申し上げておきたいと思います。
○竹内委員 ただいま次官から非常に将来望みのあるお答えを得て意を強うした次第でありますが、これはもう説明するまでもなく、いなかへ行きますと、何かの国の助成を与えなければなかなか普及しません。そこで、映画とか、そういうものに恵まれない土地ほどテレビジョンがほしいのであります。そういうところカら、政府は文化施策の重要なものの一つとして十分予算措置を考えて、なるべく早い機会にその方策を実現すべく努力されるように要望して質問を打ち切ります。
○上林山政府委員 ただいまの御趣旨に十分沿うように努力をいたします。
○松前委員長 本日はこの程度にいたしまして、次会は公報をもってお知らせいたすことにいたします。 これにて散会いたします。 午後零時二十二分散会 ――――◇―――――