逓信委員会 第16号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/04/13
会議録
○松前委員長 これより会議を開きます。 郵政事業に関する件及び電気通信事業に関する件について調査を進めます。 この際お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の改正問題について、森本委員より発言を求められておりますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 このお年玉はがきについては今国会当初、それから前の二十三国会、二十二国会においても、この改正法案の提案をしたいというふうな答弁があったわけでありますが、その後新聞等で見ると、与党の政調会内部においてこれの意見がまとまらないというところで、今国会にこの法案の提案を見合したというような記事が載っておりますが、大臣としては、今国会にこの改正案の成案を得て、すみやかに提案をして御審議を願いたい、こういうふうな冒頭にいわゆる大臣のごあいさつがありましたので、その後の経過について大臣の方から一応の説明を願いたいと思います。
○村上国務大臣 郵政当局といたしましては、このお年玉に対する諸般の事情がよく精通するようにという趣旨で、この法案の提出を急いでおるのでありますが、ただいま御指摘のように与党の政調会等におきましては、郵政当局の希望するようなことが果して適当であるかどうかということを、慎重に検討いたしておる次第であります。この法案の提出を全然あきらめてしまったという段階ではまだないのでありますが、ともかく各関係方面におきまして非常に慎重な取扱いをいたしておりますために、私どもの希望しておるように急速にこの法案がまだまとめることのできないことをまことに遺憾といたします。しかしながらそれぞれの関係者に対しましては、これの了解を願うように努力を続けておる次第であります。ただこの国会にこれらの了解ができますれば、郵政当局としては何とかしてこの法案の提出を見たいと思っておる次第であります。
○森本委員 私どもの方に社会福祉新聞という新聞を、各逓信委員には全部——無料かどうか知りませんが、送ってくれておるわけであります。その福祉新聞を見ますと、政府与党はお年玉つきはがきについては、もう今国会には提案しないということに決定した、われわれの大勝利であるというふうな記事が載っておるわけであります。それに加えまして、今後は積極的に攻勢をかけなければならぬ、今日お年玉つきはがきに郵政省のテーのマークがあるが、このマークものけてしまえというような極論も出ておるような記事が出ておるわけであります。そこで私たちといたしましては、一般の新聞記事を見ましても、これを全然あきらめたというふうに了解をするわけでありますけれども、今の大臣の答弁では、そうではなしに、いまだこの法案の提出については望みを持っておる。まだ現在の段階においては与党、さらに政府内部の意見の調整に努めておる、こう解釈してよろしゅうございますか。
○村上国務大臣 新聞にどういうふうに報道されておるか知りませんが、私といたしましては当初の考えの通りにいまだに進んでおる次第であります。
○森本委員 そうすると、これは去年であったと思いますが、わが党の井手以誠君から、これは質問趣意書によって質問をお年玉はがきについて行なっております。これに対して一応総理大臣の名前によっての回答が出ておりまするが、この回答については、大体第一項、第二項、第三項というふうな回答が具体的になされておりますけれども、今大臣の答弁では、この回答の通りを将来も実行していきたい、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○村上国務大臣 私といたしましては、その回答のような趣旨で参りたいと思っております。
○森本委員 現実の問題と大臣の答弁とは食い違いがあるようでありますけれども、しかし大臣が大臣の責任においてそういう御答弁であるとするならば、私ども一応この問題については了解しますが、その回答の通りであるということにしますと、昨年の七月に将来改正いたしたい、こういうことを出しておりますので、あれから大体一年近くとなりますので、将来においてもそれは大臣の方としてはできる限りこの改正をしたいということについては変りがない、こう解釈してよろしゅうございますか。
○村上国務大臣 よく関係方面の了解を得て、その趣旨に沿って参りたいと思っております。
○森本委員 それでは郵政関係について、実は佐賀県の相知郵便局ですが、相知郵便局長の佐伯玄洞という方がおりまして、この方が全国の特定郵便局会長をしておるようでありますが、この佐賀県の地元の佐賀新聞の三十一年三月六日付によりますと、この方が年間三百六十五日のうちの、わずか百日間程度しか出勤をしておらないというふうな状況であるということが、この新聞に載っておりまするが、一応これについての新聞の真偽のほどについては私も明確にまだ把握しておりませんので、これは資料として要求したいのでありまするが、この佐伯玄洞氏の昨年じゅうの出勤日数と休暇日数と出張発令、いわゆる出勤簿によるところのその具体的の内容について、一つ資料として三百六十五日間の内容を御提出願いたいと思いますが、これはできるでしょうか。
○松井政府委員 ただいま人事部長がおりませんが、ただいま森本委員からのお話は後刻資料として提出できると思っております。
○森本委員 それからもう一つですが、何か聞いたところによりますると、郵便友の会がこのごろ財団法人という形になっておるようでありまするが、これの機構と内容、それからその財団法人の人的な配置、そういうものについて、これを一応資料として御提出を願いたいと思いますが、この点はどうですか。
○松井政府委員 承知いたしました。
○森本委員 次に郵政関係の保険の問題でありますが、保険関係の契約額が毎年々々減ってきておりますが、今年度さらに相当額減っていると聞いております。この真相はどうですか。——いなければ、次の委員会のときに、この点は資料を持ってきてもらいたい。 それでは電通関係について一応お聞きしたいと思います。それは例の大蔵省印刷局の疑獄事件に端を発しまして、わが委員会にも関係がありますのは、国際電信電話株式会社の嶋田調査役がこの問題に触れて逮捕をせられたということが、ずっと前の新聞記事に載っておりますが、その真相を御説明願いたい。
○松田政府委員 お答え申し上げます。その問題につきましては、いつかそのことが新聞に載りまして、私どもも国際電電会社の経理部長から話を聞いたわけでありますが、大体私どもがそのときに聞いております話では、今ちょっと手元に資料を持ちませんので、はっきり確定した数字は申し上げられないのでございますけれども、大体国際電電の本社の建物を建てますときに、あの土地が印刷局の所有している土地でございましたので、それとほかの土地と交換するということで、土地を国際電電が入手したわけでございます。そのために国際電電会社は確か七ヵ所くらいだったかと思いますが、あちらこちらの土地を買収いたしまして、それを大蔵省の評価によりまして、現在国際電電の本社の建っております土地の評価も、それから一方国際電電会社の方が求めました土地の評価も行いまして、それを評価交換をするということで、あの土地を手に入れたわけでございます。そのときに、これはこの前にも国会で質問がございまして、大体状況を御報告しているはずでございますが、国際電電会社としましては、あの建物のための建設委員会といいますか、そういうものを作って、その進捗に努めておりますので、その建設委員会の方の仕事をその嶋田という人が大体やっておった。そこでその土地を国際電電が買収するときにも、主としてその嶋田という調査役が担当しておって、その間に土地の買収について何か収賄をしたのではないかというふうな嫌疑で取り調べられているという話を聞きまして、そのときは取調べ中でございましたので、はっきりした結論的にどうこうということは判明いたしませんでした。その後私ども検察庁方面の捜査がどう進展したかということについて報告に接しておりませんので、現在まだその程度以上にははっきりしていないのであります。
○森本委員 本人の身分は、今どうなっておりますか。
○松田政府委員 まだ調査役のままで、別に退職とかなんとかいうことはやっていないようであります。
○森本委員 現在釈放されておるわけですか。会社に出ておるわけですか。
○松田政府委員 その点つまびらかにしないのでございますけれども、ちょっと聞いた話では、先週末か今週初めごろに保釈になったという話を聞きましたが、まだ確認しておりません。
○森本委員 これ以上監理官に聞いても、監理官の方では内容をあまり御承知ないようでございますので聞きませんけれども、この国際電電のビルを建設する内容については、いろいろの疑惑もあって、当委員会も追及をしかけて国会が閉会になりましたので、そのままになったわけでありますが、その問題と関連して、ここに嶋田調査役の収賄事件が出てきたということについては、前にこの委員会で要求をいたしましたあの資料を見てみますと、この建設委員会というのは、重役会議が主になってやっておったというように考えるわけでありますが、そうなってくると、単に嶋田調査役個人の問題ではないというふうに私たちは考えるわけであります。その辺の事情について、もう少し詳しく監理官の方から報告をとるというようなことはできぬのですか。今度の疑獄事件についての報告を詳しくあなたの方がとって、一応この内容については、てきぱきと答弁ができるような権限は監理官の方にはないのですか。
○松田政府委員 現在の国際電電会社法の法律規定の解釈になってくると思うのでございますが、会社法の中にもちろん郵政大臣は会社を監督するということが載ってございますので、その監督権の作用として、どの程度のことがやれるかということがデリケートな問題になってくると思うのですが、ただおそらく私ども考えますのに、事実上いろいろ説明を聴取したり何かすることは可能だと思うのでございますけれども、たとえばそのために必要な帳簿を調べるとか、そういうふうな工合に実力というような式のものを用いるということは、ちょっと会社法だけでは私ども権限がないのではないかというふうに考えております。
○森本委員 しかし監督をする立場にある郵政省の監理官としては、あの事件があれだけ新聞に強く報道されたら、当然国会なんかにおいてこの問題についての質問があるということは想像されるわけですよ。そうすると監理官としては、一応この問題については詳細なる報告をとって、いつでもこの委員会あたりにおいて答弁ができるようにするのが至当じゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
○松田政府委員 御趣旨まことにごもっともだと思います。実は私どもそういうようなことを考えまして、先般ある程度の話は聞いておったわけであります。保釈になって出てきたというようなことも、ついきのうだかそういう話をちらっと耳にしておりまして、まだそれ以後の詳しい状況を、聞いていないことはまことに申しわけありませんが、御要望によりましてさっそく調べることにしたいと思います。
○森本委員 それではこの問題は次回の委員会において、さらにこの前の資料とも照らし合せましてあなたの方に御質問をしたいと思いますので、あなたの方でもそれに対する報告は十分にとって、十分にお答えができるように御用意を願っておきたいと思います。この問題については、私はこれで終りたいと思います。
○八木(昇)委員 先ほど来の森本委員の質問に関連いたしまして、二、三お伺いをしたいと思います。最初にお年玉郵便はがきの問題です。大体大ざっぱな現在の状況というのは、いろいろな報道機関その他を通じてわれわれも大よそは承知いたしておりますが、今この法案が大臣の当初の御計画通りに進まないで、とうとう今日に至るまで提案ができなくなっております。これの一番の具体的なネックとなっている点は、どの点かということを明らかにしてほしいと思います。
○松井政府委員 これは私の方からどのようにお答えしていいか迷うのでございますが、当初私どもとして考えられる一応の試案を作って与党の政調会に御審議を願ったが、与党の政調会内部においては、いろいろな問題については考え方が一致しないというのが、今日までの現状でございます。どこが一体対立点であるか、私がここで責任をもってお答えするのは適切ではないと思います。
○八木(昇)委員 いまだにそういうような御答弁であるということからすれば、相当練りに練っていろいろ話し合いを進めてみたが、どうもこの点について折り合うというところまできていないような感じがするわけです。それで結局そういうことであれば、いずれにしても今国会は法案提出はむずかしいということでしょうか。
○村上国務大臣 問題が与党内部の問題でありますので、御了解がいただければ急転直下することも考えられるのであります。私どもといたしましては、各関係者に誠意をもってその御説明を申し上げて、御了解を得るように努力を続けている次第でありますが、ただいまの段階では、これが困難であるとか、スムーズにいくとかいうようなことについての、はっきりした御返事を申し上げる段階でないことを遺憾といたします。
○八木(昇)委員 それではごく最近に、関係する厚生省方面あるいは与党内部のいろいろな関係方面との間に、何か折衝されたことはありませんか。
○村上国務大臣 ごく最近と申しましても約一週間くらい前でありますが、政調会長と親しくこの点に関して懇談いたしたのであります。事務当局との折衝はあるところまで進んでおるのでありますから、これからは政治折衝とでも申すような段階で、それぞれの幹部に私は話を申し上げておるのであります。あるところまでうまく参りますけれども、また途中で考え方の違った人たちの意見でまたもとに戻っていく、またあるところまで積み上げて参りますが、どうももとへあと戻りするというようなことで、一進一退の状態でありまして、政調会長等の党の幹部に私どもの目的を強く要望しておる段階であります。
○八木(昇)委員 私の方の質問も抽象的でありますので、お答えも抽象的なんだろうと思いますけれども、どうもさっぱりチンプンカンプンであるわけです。それで昨年の九月あたりは、総理大臣名をもってあれだけ明確な政府の態度表明をやっておるし、それからこれだけ世間でも物議をかもした問題でありますので、今後とも具体的な話し合いをされて、法案を出せないなら出せないで、かくかくしかじか、こういう経過をたどってこうなったので出せない、今後についてはこうする方針だというようなことについて、郵政御当局側としての態度というものを、いずれにしてもこの問題については明確にしてほしい。うやむやにして何が何やらわからぬような格好で消えてしまったということにならぬようにお願いしたい、こう思います。 もう一つは、ごく最近に郵政省関係の各種委員の補充その他がなされて、国会の承認を求めておられるはずです。その個々の人選については、私ども詳しくわかりもしませんし、云々するつもりはないのでございますが、実はその一部が議院運営委員会で論議になった。と申しますのは、その中の一例をとりますと、電電公社の経営委員の補充に当って、国会の承認を要するような政府機関の、あるいはそれに準ずるような機関の委員を五つも兼ねておるというような人があるわけです。こういうことは私はどうも実際的でない、こういうふうに考えるわけです。それでそういうことについて、一般論として大臣はどういうお考えでそういう人選をされておるかということをお伺いしたい。 それからもう一つは、これは政府委員の方でも電電公社の方でもけっこうですが、電電公社の経営委員会というのは、月に何回くらい開かれるのか、そして会議というのは一日も二日も続けてやるのか、あるいは何時間くらいで済むものか、どういう運営をしておられるかを簡単に御説明いただきたい。
○村上国務大臣 前段の御質問に対してお答えいたします。最近任期の参りました人に対して、その後任を求めたのでありますが、私どもとしては別にだれでなくてならないというようなことはないのでありまして、その人がその立場に置かれた際に非常に有能な士であって、社会的にもまたいろいろな経験の上にも非常に適当な人物を探したのであります。ところがその際にたまたまそういう人は非常に兼職が多かった次第であります。私どももうっかりした点があるのでありますが、すでに他の審議会委員に任命され、御了承いただく際に、この人はこれだけで、他の委員は絶対に許さぬぞというような運営委員会における御発言等もあったということでありましたことを、不用意なということでおしかりを受けるかもしれませんが、そういうことを見落しておった次第でありまして、たまたま非常に有能な人を推薦いたしたのでありますが、その方が幾つかの審議会の委員を兼ねておった、それではいかに有能であろうとも、時間的にそういう余裕がないはずだという御意見で強く反対されましたので、これはもうすなおに私は引き取りまして、現在他に適当な人を求める気持でおるのでありますが、そういう点は決して他意はないのでありまして、その方がその立場において最も適当な人であるというような点で国会の御了承をいただこうと思ったのでありますが、それがそういう関係でありましたので、今後よくそういうことを注意いたしまして、スムーズに議会の御承認をいただくような人を選出いたしたいと思っております。
○松田政府委員 先ほどのあとの方の御質問に一応私からお答え申し上げます。大体月に二回は定例的に経営委員会を開いておるようでございます。そのほかに特別に議題などがございましたときに臨時に開くこともございますので、大体年間に二十七、八回くらいになる模様でございます。それからそのときの経営委員会といたしましては、ときによりいろいろありますけれども、大体二時間ないし三時間くらいで終っているようでございます。
○八木(昇)委員 御説明で一応は納得いたしておきますが、議院運営委員会あたりで、ちょっと履歴なんかの書類をぺらぺらとめくられて、これはどうもおかしいじゃないかなんというふうにすぐやられるような格好はあまり好ましくないので、非常にずさんという感じがあると私は思いますので、そういう点は、経営委員会というものは非常な権限を持っておるのでありますから、実際に即して運営ができるように、細心の注意をもってやっていただきたいと思うわけであります。 それからもう一つは、先ほど森本委員の質問にありました特定郵便局長の追放云々の騒ぎの問題、これは地元の新聞では相当大きく書き立てておる。これは単に今回だけに見られる事例ではなくて、特定郵便局長と職員間の紛争並びに地元住民との間におけるいざこざというようなことを、私ども外から見ておりまして、たびたび見受けるわけであります。そういうことの根源についてお伺いしたいのですが、昔からありました三等郵便局というようなやり方が漸次全国的に一本化され、そして今日のような事態になってきておるのは当然だと思います。特定郵便局長というのはほとんどやはり地元で、極端にいえば親代々相当有力な人たちであって、土着の有力者であるというような関係もあって、なかなか異動がない。従って一般職員との間に、いろいろな形での円滑を欠く姿というものがよく見受けられるのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。そこで今後特定郵便局、特に局長の地位というようなものについてどういうお考えを持っておられるか。従来のいきさつ、行きがかり、経過、こういうものをできるだけ払拭して、そうして一般職員と同じような扱い方に漸次これを切りかえていくような方向をとるのが正しいのじゃないか。こういうふうに考えるのですが、その点の御見解をお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 お答えいたします。特定郵便局長の従来の伝統は、私はこれをそのまま運用して差しつかえないと思うのであります。
○八木(昇)委員 深くは追及をいたしませんが、もう一点お伺いしますと、やはりそういう今までの伝統があるために、ともすれば特定郵便局長というようなのは、いわゆる特定であって、勤務ぶりも比較的ルーズのきらいがありはしないか。そしてまたどうも地元とのつながりが深過ぎて、かえって阻害をしておる面がありはしないか。そうして一般職員に対しても、やや言葉が過ぎるかもわかりませんが、特権的な立場というようなものをとるような傾向がありはしないか。こういうことについて私はお伺いをしておるのです。そういうことは非常に好ましくないのであって、こういう特定郵便局長を特別の扱いをするところに、今日の郵政事業の一つの欠陥が存在しはしないかという点であります。
○村上国務大臣 特定郵便局長が、その土地の出身であるだけに、地元との交渉等が一般の人よりも多少多くなるということについては、私はこれはさほど追及すべきことではないと思います。ただしかし、そのためにその業務を非常に停滞するようなことがあってはならぬとは思っておりますが、地元の人だけに地元とのいろいろな交渉が多少あることは、一面また貯金や保険というような方面にいい影響を及ぼすとも思いますので、多少のことは考えられますが、しかしそのために、ただいま申しましたような郵政業務を非常に怠るというようなことがあってはならないと思っております。
○竹内委員 お年玉の寄付加算のはがきの問題について、二、三お尋ねしておきたいと思うのでありますが、この法案はいずれあとで出てくることがあると思いますので、詳しいことはその節にお尋ねいたすのはもとよりでありますが、年賀郵便の全数量における寄付加算のお年玉のはがきのパーセンテージは、どのくらいになっておりますか。
○松井政府委員 この暮れの計算で見ますと、全年賀郵便を一体私どもは七億三千万通と推定しております。これは一通々々を必ずしも厳密な計算はできませんが、いろいろな差し出しの状況、はがきの売れ行きその他全部を総合してみれば、大体誤差はないと見ております。その内訳といたしまして、寄付金をつけて発行いたしましたのは五億二千万枚、つまり五億二千万枚にそれぞれ一円ずつを加算したわけであります。
○竹内委員 七億三千万のうち五億二千万が寄付加算のものであるとすれば、そのパーセントは非常に高いわけでありますが、次に、昭和三十二年度も発行されるものと思うのでありますが、これがふえるお見込みですか。それともこの辺が天井でふえないというお見込みでありますか。またこの企画はいつされて、印刷などはいつごろになさるのか、その点……。
○松井政府委員 これがふえるかふえないかということは、一般の年賀はがきの現在の状況から申し上げれば、もう大体において頂上へ来てはしないか。しかし若干のふえというものは、まだ見込んでもいいのではないかということが、一般論として年賀状については言えると思います。その場合、一体寄付金をつけたものをどのようなやり方でやるかということについては、これはその具体的なやり方いかんによっては、ふやす方法も必ずしも不可能でもないが、あるいはまたやり方いかんによっては、非常にむずかしくなるというような点がありますので、簡単に必ずふえるということをここでお約束いたすのは、いろいろ前提があるので、むずかしいと思います。 次に、このはがきを具体的に印刷いたしますのは、大体七月ごろには印刷にかからないと、暮れの配給に間に合わない、かような状況であります。
○竹内委員 今あの法案で問題になっている点を、私多少承知しておりますのでお聞きいたしますが、三十一年度に売り出したお年玉年賀はがきの寄付金については、すでに郵政審議会の審議を経て、その行き先がきまっているのじゃないですか。この点を伺いたい。
○松井政府委員 後に追加いたしました分については、ここ一両日のうちにきめたいと思っておりますが、当初計画の五億枚については、計画はすでにきまっております。
○竹内委員 さらにもう一点伺っておきますが、五億枚の当初計画のことですけれども、われわれが買ったはがきには、ちゃんとこう書いてある。寄付金額は一円、寄付を受ける団体として中央共同募金会及び日本赤十字社、こう明記してある。国民はこのお年玉はがきを買う場合に、何もこの寄付約定というものがあるかないかも知らないし、ただ四円のものを五円で買ったら、その一円はまっすぐに寄付団体へいくのだ、こういう理解だろうと思う。お年玉に関する法律があるということを知っている者は、ごく少数だと思います。でありますから、きわめて常識的にすなおに考えると、この寄付金の中から、郵政省がこれに関する費用を差っ引くんだということも、おそらく国民はそういうことも考えていない。一円はこのまま向うへいくのだという認識で買っているのだと思うのですが、その認識の通りにすなおにいけば、これはきわめて問題は簡単だと思う。ところがそういかないいろいろな問題がある。実際に汗を流してこれを売りさばくために苦労している人たちに対する部内的ないろいろなこともありましょうし、郵政省としての企画通りに実際に寄付金の使途が行われていないとか、交付団体からの報告がないとか、いろいろの点もあって、問題は多少複雑とは思いますが、それをきわめて簡単に、常識的にこの通り考えておやりになれないとすれば、そういう点はどういうふうになるのか、その点を一点伺います。
○松井政府委員 おっしゃるような形で私ども当初出発したわけであります。もちろん郵政省がこのはがきを印刷するために特に必要とした費用というものは、法律上当然郵政省がある限度においていただきます。これは実費をいただくだけの話であります。このはがきの表面に書いてあるような形で一応当切やったわけでありますが、そのやった過去の実績から見て、いろいろそれが細分化されていく結果、どういうふうに使われたかということがよくわからなくなってきたというので、数年の経過を経て、やはりあらかじめ何に使うのだということをきめてやろうじゃないかというような形に移ってきたわけであります。これは実行上やはりそういうようにせざるを得ないということで、現在はそういう形で運営しておる、かような格好になっております。
○竹内委員 私はお年玉のはがきに関してはもっと根本的な問題があろうと思う。これはあとでお尋ねしたいと思います。この寄付金を両団体に交付したその配分先及びその使途に関して、明確を欠くものが多々あるというふうな資料を、実際に郵政省がわかったのはいつごろからですか。
○松井政府委員 一昨年あたりに、過去において使われた金についてどういうふうに使われたかという資料を一つほしいという話が出て参りまして、もっともだというので実はそれを集めにかかったわけでありますが、今までそういうことについては、最初に竹内委員からおっしゃったように、われわれはきわめてフランクにそのものをやっておった結果、あとからそれを言ってみてもいろいろな理由からそれがよくつかめなくなっていた、これが一昨年あたりの状況です。こういう形では困るじゃないかというので、一昨年あたりから一つの計画書を出してもらって、その計画に基いて配分しようじゃないか、かような行き方にせざるを得なくなったわけであります。
○竹内委員 これはちょっとおかしいと思うのですが、一昨年にそういう資料がわかっておったら、昨年七月にこれを印刷しておるのでしょう。そのときに問題になるべきはずです。そのときには両団体へやるのだ、寄付金の交付団体は二つきりだということを国民に約束しておるわけです。それからあとに今おっしゃったような問題を提起してきたわけであります。そうしますと、あの法案がかりにそのまま通ったとすると、三十一年度の寄付金から、今郵政省が意図されておると伝えられるあの案で処分されるつもりですか。
○松井政府委員 それは困難だと思います。法案を作りましても、法案ができて以後の分にしかこれは適用できませんから、かりに当初意図した法案が今国会において成立を見ましたといたしましても、それは三十二年度以降にしか適用されないものだろうと思います。
○竹内委員 それではあれだけの問題があって、今主して厚生省と郵政省の関係でありましょうが、世論においてもいろいろあるのですから、そう急いで今国会に提案するという筋合いのものじゃないように私は思う。むしろもう少し根本的にこのことを考えて、さらに根本的な点において検討した上で、しかるべきものを出してくるのがほんとうじゃないかと思います。 そこでお尋ねしたいのでありますが、これは私の意見になって恐縮でありますが、私はこう考えている。このお年玉の寄付加算のはがきというものは、おそらく思いつきは歳末救助の意味のようなものから出発されたものだと思う。そこでそういう意味ではあったが、今日あれだけの金額になり、逐年増加しており、長年継続しており、また法律的にこれを見れば時限法でもなく、臨時措置法でもなく、郵政行政の一つの制度として確立したものを打ち出した法律になっておるわけであります。けれども、やってみて今日まできてみると、今郵政省がいろいろな点で悩んでおるように、何かしら年賀寄付加算のはがきには、郵政行政としてはその本質に異なるものを感じつつあるのだ、私はこう判断する。つまり郵政行政としての本質から考えると、その本質にないものというか、違った条件を含んだものになりつつあるということじゃないかと思う。でありますから動機や目的がいいとしても、行政としてはその行政の範囲内で行われるものが、おのずから限定さるべき性質のものだと思う。そういう点から考えて、郵政行政としてこれを扱う場合に、そういう異質的なものを郵政省は今日感じていないかどうか、この点が一つ。またこれは法律的には恒久的な制度の一つになっておるが、これを恒久的な制度として持続してしかるべきものかどうか、その点に対して疑問を感じていないかという点が一つ。その二点についてお尋ねしておきたい。
○松井政府委員 ただいまお尋ねの点でございますが、もとより郵政省は寄付を集めるということは、本来の目的としてやるというほどのことではございません。これはどこまでも一つの仕事の運営上の片手間として、お役に立てばそれでいいのではないかということは、これは申し上げて差しつかえないと思います。寄付を集めるために、本来の仕事に非常な犠牲を払わなければならぬというようなことは、これはどこまでも本筋じゃない。しかし非常な犠牲を払う必要もなくして社会のお役に立つならば、その程度のことはやってもいいのじゃないかということが、基本的なこういう寄付集めということに対する私どもの考え方であります。従ってわれわれが寄付を集めることが一種の責任になる、どうしてもどんな犠牲を払ってもそれだけしていかなければならぬというふうに問題がなるということは、これは郵政行政のあり方としては好ましいことではない。どこまでもわれわれの持っておる余力でもって、無理をせずして集められるということが、寄付のあり方としての限界ではないか、かように考えております。
○竹内委員 七億三千万枚の年賀はがきの中で、五億二千万枚が寄付加算のはがきであるわけであります。しかも年賀郵便という国民の生活慣習としては最大なものに便乗しておる——というと言葉が過ぎますが、こういうように広範に国民から寄付を集めるということは、行政の本質から考えて、そこに私が申し上げたような異質的な疑問を感じないかということをお尋ねしておるわけであります。その点はいかがですか。
○松井政府委員 これは先ほど申し上げましたように、どういうふうにして寄付を集めるかということは、私どもの方の仕事の便宜問題でありまして、このためにわれわれのところの本来の仕事の運行上に支障があればともかく、なければ集めて差し上げるということも、まあいいのじゃないかという程度に考えております。
○竹内委員 私の聞き方がきわめて常識的だから、きわめて常識的なお答えで、あまり犠牲を払わないでやれるならばやってよろしいのだ、そういうすなおな考え方であれば、今日問題が起らないと私は思う。これは郵政行政としては相当な犠牲と申しますか、相当な苦労をしておるのだ、その苦労しておる金がそういうふうに使われておることは残念だというところから出発して、今度の改正案なるものが出てきたと私は思う。そこに問題が存在するのであります。これは恒久的な制度として今までやってきたので、今急に廃止はできないと思いますし、これだけ大きい金額になり、これだけ日本の社会事業の一つのおもなるものになっておりますから、急には廃止できないと思うが、行く行くはこうしたいのだというふうな考え方が、郵政行政の本質から考えて出てきませんか、そこを聞いておきたい。今これを急にやめろという意味ではないのですよ。あなた方郵政行政の専門家が多年経験されてきたところから考えて、これはいつかは法律を改正しなければならないのだというふうな感じを持っていないか、そこをお尋ねしておきたい。
○松井政府委員 先ほども私申し上げましたように、そういうことのために郵政省自身があまりに深入りし過ぎるということについては、やはり反省しなければならぬものがあろうと思います。
○竹内委員 それではもう一点だけきわめて機械的なことをお聞きするのですが、この寄付金の保管の責任者はだれなんですか。
○松井政府委員 現在は法律上もまた実際上も、はがきに書いてありますように、中央共同募金会並びに日本赤十字社が金の所有権を持っておるわけであります。国民がそのはがきを買ったときに、その中の一円が所有権として両方に帰属するわけであります。ただ実際上それが集まってから末端において必要とする間に、いろいろ時間的な差異があるというので、両者が申し合せて、一応その必要な時期がくるまでの間、かりに中央において保管はしております。これは単に出納上の保管にすぎないのであります。所有権の帰属のあり方としては、両者の共同責任ということになります。
○竹内委員 そうしますと、集まった寄付金が一応全部両団体の所有に帰属する、その帰属するものを郵政省は預かっておるのだ、こういうことですね。それでは重ねてお聞きしますが、こうなってくると問題はきわめて明瞭だと思う。本来は向うに、いくべき性質のものだ、それを預かっておるのだ、こういうことだと思います。あとから追加した分だけは当然そういうことでしょう。そうなると問題は、三十一年度に関する限りは非常に明瞭だと思うのですが、その通りに理解してよろしゅうございますか。
○松井政府委員 三十一年度については、先ほど来申し上げましたように、金の入ってくる時期と使われる時期に誤差があるというので、具体的に必要な時期がくるまでの間中央において——中央というのは日赤、共募の両方の団体の中央部においてこれを保管しておる、こういう格好をとっております。
○竹内委員 もう一点伺っておきたいのです。そうなりますと、これはもとより公金というものじゃないのですね。
○松井政府委員 おっしゃる通り、全然公金ではございません。
○松前委員長 ほかに質問ございませんか。——なければ私も二つばかり簡単にお尋ねいたします。電電公社並びに日本放送協会というものは、できるだけ超党派的存在でなければならない。政党が変ってもそのやり方において変るようなことのないというようなことを、今日まで大臣から述べられております。この点につきましてもう一ぺん大臣からお答えを願いたい。
○村上国務大臣 ただいまの委員長の御趣旨の通りに運営いたしておるわけであります。
○松前委員長 この二つは公社的性格の公共企業体でありますので、この公共企業体を運営いたします運営委員並びに経営委員なるものの人選は、まずもってその中立性を保たなければならないと思うのであります。今日までの委員任命の大体の傾向を見てみますと、非常に偏しているような感じがいたします。従って国民全体の代表として経営の任に当るような人を選ぶということになりますれば、どうしても各界の代弁者を選んで経営の責任を持たせる必要がある、こういうふうに考えるのでありますが、大臣の御意見はいかがでしょうか。
○村上国務大臣 そういうあり方が最も好ましいことでありますが、しかし電電公社等の性格から、電電公社の経営に対して全然認識のないような人であってはならないのでありまして、わずかな時間で公社の経営について基本的なものをきめていくのには、相当の学識経験者あるいはまた各方面の知識を網羅して選ぶことが、従来の慣習から言いましても適当でないかと思っている次第であります。
○松前委員長 学識経験者を選ぶことはもちろんのことでございますが、この事業に相当の経験と造詣を持ったる各界の代表を選ぶ、そうして事業の運行を円滑ならしめる、こういうことが必要かと思うのでありますが、これについては大臣御異議ございませんでしょうか。
○村上国務大臣 異議ございません。
○松前委員長 最後に一言、意見がましいことでありますが申し上げて、御意見を承わりたいのであります。先ほど来八木委員からお話のありました方は、どうも銀行関係の方であったと私は記憶しております。大体銀行とかあるいは有力なる資本家とか、そういうふうな筋だけが経営委員としてこれに参画しておりますれば、結局その団体なり公社なりは資本主義的な経営に堕するおそれがある。そうしてもうかるところだけやって、もうからないところはやらない、こういうような傾向に堕するきらいがあると思う。国民全体に利益を供与するための公共企業体が、こういうような方向に偏していくことは、厳に慎しまなければならないと思うのであります。現在電電公社がそのような傾向をたどっておるとここで申し上げるわけではございません。一般論としてこういう傾向を持つものである。そういう場合においては、どうしても経営委員を、その道において相当な造詣と経験を持っておるような人の中から、しかも各界階層の中から選ぶべきものではないだろうか、こういうふうに私は思うのであります。放送協会の場合においても同じであります。これにつきまして大臣の御意見を承わりたいと思います。
○村上国務大臣 ただいまの場合は電電公社の経営委員のことでありますが、利潤の上るところはその設備をするとかいうように、利潤を追求することにのみ経営委員会が走るようなことは私はないと思いますし、またその点に関しましては電電公社の直接責任者の考えることであり、国会等におきましても、また政府も、これに対してはどこまでも監視し、またかようなことのないように強く要望しなければならないところであります。ただ銀行関係等の代表が入っておりますことは、これは公社がその経営の上におきましていわゆる公社債を発行した場合、それらの金利その他の関係から、また経理の面についてもそれらの人の意見等も相当参考になるとも思いますし、そういう関係で金融関係からとっております。しかし金融関係と申しましても、一般の私企業の市中銀行の関係者はいろいろな関係で遠慮いたしておりまして、あくまでも国の関係ある公的に近い銀行からその適任者を従来も見出してこれを選任し、また今後もそういうような考え方に持って参りたいと思っております。
○松前委員長 私の言わんとするところをまだ最後の点まで申し上げておりませんので、答弁は多少不満足でありますが、ただ申し上げたいことは各界階層ということを申し上げましたことは、必ずしもそういう銀行関係の人を排除するということではございません。これは当然必要なことであろうと思う。今回のことだけを申し上げておるつもりではございません。一般論としまして、たとえば運営というものに対しましては、電電公社を構成するあらゆる管理者層もありましょうし、あるいは労働階級もありましょうし、いろいろからなっております。それともう一つは、これは農村にもあるいは工業都市にもあらゆる方面に関連をした事業でございます。また生産工業自体が直接の関連性を電気通信の場合においては持っております。こういう点を考慮して、あらゆる面から見て一方的に偏しないような人事をやっていただく。 最後に結論と申しまするか、一点だけ申し上げておきたいことは、もしも今後において経営委員をお選びになりまするときに、ちょうど原子力委員会を作りましたときに、原子力委員会の中には国民全体の意思が反映して、ほとんど——ある特定の危険分子は別といたしまして、それ以外のものは大体国民の全体がこれに賛成する形を持つ必要があるというので、原子力基本法ができました。それで原子力委員会なるものが構成されました。それであの中には社会党の推選による人も入って参りました。政府は非常にフェアな態度で出られるようになりました。今回の放送法の改正に関する審議会に関しましても、郵政大臣は特にその党を考慮されて、社会党の推選として一人の委員を入れていただいたのであります。私はこういう中立的な機関には、そういう態度が必要ではないだろうかという感じを持っておりますので、今まで放送法の改正に対して村上郵政大臣がとられたような非常にフェアな態度、そのおつもりを持ってこの経営委員の人選等をお考え願うのかどうか、何も今回の銀行関係のを排除するとかいうことを申し上げておるわけではございません。将来の理想としてそういうことをお考えであるかどうか、これを伺いたい。
○村上国務大臣 御趣旨の点は私も全く同感であります。将来はでき得る限りそういう考え方で、そのことがむしろ電電公社のためにもなることでもありますし、一般国民の希望するところでもあろうと思いますので、できる限り御趣旨に沿ってやりたいと思っております。
○松前委員長 もう一つ、これは電電公社でありますか政府でありますか、事務的に御答弁願いたいと思います。それは電話加入者の電話の担保権の設定の問題でありますが、私はあまり詳しくこの辺を聞いておりませんけれども、電話は今は担保にならないそうであります。これらの点につきましてしかるべき御説明を願いたいと思います。
○松田政府委員 現在の公衆電気通信法の三十八条の四項に「電話加入権は、質権の目的とすることができない。」というふうにございますので、電話加入権を質権の目的とすることはできないということは、法律の明文上明らかなことであります。どういうわけでここでこういうふうになったかということは、むしろ国会の先生方の方がよく御存じだと思いますが、要するに普通の場合の質権ですと、質に置くものの占有権といいますか、それがかわりまして、つまり金を貸す人の方にそのものが押えられるということによって、貸した金を取り立てる一つの担保になるというふうなことになっておりますが、電話の場合には、それが金を貸した人の方に行ってしまったのでは、電話の加入権というものを担保に供するという目的が失われてしまいますので、電話を使いながら金を借りる担保に供したいというところがねらいだと思うのであります。そういう場合に一体質権というものが成立し得るかどうかということ。もちろん加入権は一つの債権でございますので、債権、質というものがある以上は、加入権にも質権があるという議論もあります。と同時に、事実上今申しましたような場合に、金を借りた人がやはり電話を使っていなければならぬという点から、かなり疑問な点がございましたものですから、質権の目的とはし得ないということを法律でも明らかにしたものだろうと思うわけでございます。そこで一方、それまでもそのことが問題になっておりますと同時に、譲渡担保と申しますか、他人に電話の加入権を譲り渡しておいて、そうして事実上使っていくという格好での方法があったわけですが、その場合には大体他人方の設置というふうな結果に終りますので、それは電話事業を行なっていく上から見れば、やはり自分の電話を自分が使うということで、それを他人に使わせるということは、電話事業の性質上あるいは発展の上から好ましきものではないという点で、法律上他人方の設置を認めない格好になっておりますので、そういう点や何かといろいろからみ合いまして、電話を金融の担保にするという点が現在ある意味で困難になっておるというふうになっておるわけであります。
○松前委員長 ある意味で困難になっているというのはどういうことですか。
○松田政府委員 そういう趣旨からいきますと、金融の担保として全然扱われていないかといいますと、事実上は若干そういう現象があるようにも伺っておりますので、それが従来よりはおそらく制限された格好で金融の担保に事実上供されているだろうというふうな意味であります。
○松前委員長 電話を金融の担保の対象にしてはいけない、あるいはまたすべきである、この二つに利害得失が相当にあると思います。本質論といたしましても相当に理由があると思います。しかし加入者の側から言うと、多少お金を借りるときに便利であるという意味から、質権を確保するような格好を希望するだろうと思う。その点に対する利害得失に関しまして、どっちがいいかわかりませんので、郵政省の御見解を個条書きでけっこうですから伺いたいと思います。
○松田政府委員 その問題は従来、この法律の制定のときにも問題になっておりましたが、現在も相当電話事業の本来のあり方というもの、特に電話というものをこれからどんどんふやして、いわば電話の市価と申しますか、そういうものをなくして、どんどん電話がついていくというふうなことを理想にしておりますような関係上から考えまして、かなり微妙なむずかしい問題もあると思います。一面において、また先般この国会を通して作っていただきました電話の架設の場合の負担に関する法律で、事実上ある程度のお金を納めなければ電話がつかないという点とのからみ合いから、非常に微妙な問題があると思いますので、私ども慎重に検討いたしまして、ただいま委員長のおっしゃいましたものを提出いたしたいと思います。 —————————————
○松前委員長 次に日本放送協会昭和二十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題として、前回に引き続き質疑を続行いたします。森本靖君。
○森本委員 先ほど質問しかけてやめましたが、もう一回言いますと、四月の十二日の毎日新聞にNHKの後任会長についての記事が載っておりますが、この新聞に載っておることは事実かどうかということを、まず最初に大臣にお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 御承知のようにNHKの会長の任命は、郵政大臣も総理大臣も、政府もどこも全然関係ないのでありまして、そういう権能のないものであります。従って権能のないものがだれをきめるということは、むしろ噴飯ものであると思います。従いまして、そういう協会の会長をきめるというような話し合いをしたことはいまだかつてございません。
○森本委員 そういう大臣の答弁でありますと、この新聞記事は全くデマであるということになるわけでありますが、大臣も今おっしゃられましたように、NHKの会長については、当然経営委員会がきめるべきものであって、政府がとやかく言うべき問題ではないわけでありますが、ただ、今放送法の改正に関する審議会でもいろいろ問題になっておるような状況でありますので、今後も一つこういう問題については慎重なる態度を御表明願いたい。むろん大臣はこの問題はデマであるということを言われましたので、それでけっこうでありますが、しかし新聞記事になるということは、何かそこに根拠もあって書いただろうと考えますので、こういう点については十分に注意をせられて、慎重に扱うようにお願いしたいと思います。
○八木(昇)委員 今のに関連してお伺いいたします。放送法改正の審議会は新聞報道によると、すでに二、三度会合が行われておる。その中で、政府の考え方に対して一番非難が強い点は、NHKの会長を政府が任命することは納得ができないという点で、これは各委員から一斉に述べられておるということが新聞には書いてある。それは事実でございましょうか。
○村上国務大臣 ただいま放送法の審議会の様子がどうなっておるか、私はその後まだ一度も傍聴にも参っておりませんので存じません。しかしすでにお示しいたしました政府の参考案の中には、会長を政府が直接任命するというのでなくて、いわゆる経営委員会に相当する経営審議会の推薦に対して内閣がこれを任命するというようになっておると私は記憶いたしております。そういうことでありまして、これは今審議会の委員さん方に御審議を願っておるところでありますから、これがどうとかこうとかいうことは私は差し控えたいと思っております。
○八木(昇)委員 これは少し蛇足かもしれませんが、もう一点お伺いをいたしておきたいと思いますのは、今森本委員も御質問いたしましたように、少くとも新聞にはNHKの会長問題をめぐって、政府の方でいろいろやられておるというふうに公然と報ぜられて、世間では非常に疑惑を感じておるような次第でありますが、先ほどの大臣の御答弁をすなおに一応受け取っておるわけですけれども、ただNHKのような機関の会長というものは、たとえばある営利会社の社長であるとか、あるいは極端に言うとある労働団体の代表であるとか、こういうふうな立場の者は好ましくないのであります。やはりどこのたれの目から見ても、公平な公益的立場、きわめて中立的立場に立っておる者、こういうのが好ましいのじゃないか、こう思うわけです。これはもちろん現行法上は経営委員会の方で選定をせられるわけでしょうけれども、新聞にいろいろな雑音が報道せられておりますので、この機会に大臣の御見解を確かめておきたい。
○村上国務大臣 先ほどお答え申しましたように、経営委員会が、しかもそれが過半数というようなことでなくて、経営委員会の六名以上が承認した場合というような、非常に厳格な会長任命の法規になっておりますので、これは何人も第三者がこの会長をきめるというようなことはできないのであります。従いましてだれがよかろう、かれがよかろうというようないろいろな取りざたは、あなた御自身もまた周囲の人も、そういう話は出ると思いますけれども、そういうことは単なる町のうわさで、そういうことを特に責任監督の立場にある私がだれかれとかいうようなことは絶対に戒めておりますから、その点一つ御安心願いたいと思います。今後もいろいろなうわさが次々と出ると思いますけれども、それは決して私の意思でないということだけは御了承願いたいと思います。
○橋本(登)委員 八木君と森本君の質問に関連して、一、二の法の運用の問題についてお聞きしたいのですが、先ほど来お話がありました日本電信電話公社の経営委員、もしくは国鉄の経営委員の任命について、これは放送法と実は少し違うのですが、当局の解釈を聞きたいのです。放送法の第十六条では、「両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」こうなっております。それから国鉄法と電電公社法は、「両議院の同意を得て、内閣が任命する。」ということになっておるのです。これは国鉄も電電公社もどっちも同じようであります。この場合に、「内閣総理大臣が任命する。」ということと、内閣が任命するということの違いを一つお話し願いたい。
○荘説明員 NHKの場合について申し上げます。実はこの放送法ができましたときは、御承知の電波三法というものができまして、そして行政機関として独立規制委員会の電波監理委員会が、総理府の外局として設けられたわけでございます。従いまして内部の長は内閣総理大臣であったわけでございます。そういうわけで、総理府の外局として、内閣総理大臣が任命の発令権者になっているということで、条文はでき上ったわけでございます。従いまして電波監理委員会が廃止されて郵政省に事務が統合されました際に、いろいろ法律の整理をいたしました。その際に他の条文との関連において、本来は、この内閣総理大臣というのは、電監委を所轄している総理府の外局ということでできたものでありますから、郵政大臣と改めれば他の法律の整理と足並みが合うわけでございます。それを実はミスをいたしまして、その部分の改正を漏らしておったというわけであります。従いまして立法論といたしましては、その場合に郵政大臣にしないで内閣とするという考えもあり得たかと思いますが、その場合にはとにもかくにも整理漏れで、昔のまま残ったというのが現在の姿でございます。
○橋本(登)委員 整理の点は少しわかりましたが、今荘説明員のお話によりますと、当時郵政大臣というふうに整理すべきであったということでしたが、国鉄法並びに日本電信電話公社法では、第十二条に「両議院の同意を得て、内閣が任命する。」ということになっている。運輸大臣が任命するとか、郵政大臣が任命するというのでなくして、「両議院の同意を得て、内閣が任命する。」となっている。あなたがおっしゃる郵政大臣が任命するという根拠はどこにあるのですか。
○荘説明員 先ほどお答え申し上げましたのは、言葉が足らなくて工合が悪かったようでございますが、他の条文の整理と足並みをそろえれば郵政大臣となった、しかし立法論としては内閣とすることも考えられたでありましょうということを申し上げたわけでございます。それで第十六回国会におきまして、政府で放送法の一部改正案を提案いたしたことがございます。その際にはこの整理漏れを直しまして、たしか内閣ということで御提案申し上げたことがあると記憶しております。
○橋本(登)委員 それで大体わかりました。そこで現在まだ直っておりませんから、直っておらない以上はこの法律によって整理をしなくちゃなりませんが、実際上経営委員の更改期において、この手続はこの法律によると、郵政大臣が内閣に提案をするのではなくて、官房長官が内閣に人事を提案する形になりますが、実際問題はどうやっておりますか。
○村上国務大臣 その通りであります。官房長官が国会に提出してやっております。ただ郵政大臣に対しては、多少の意見を求めるということはありますが、正式には官房長官から提出いたしております。
○橋本(登)委員 まことに法律が整理漏れとは言いながら、これは重要な結果を招来しておるのであって、郵政大臣は一応監督の立場にいながら、実際上は郵政大臣がその人事についても全然タッチはできない、こういうふうになっておる。これは非常に不都合なミスだろうと思うのです。そこでその点についてはこれは「両議院の同意を得て、内閣が任命する。」とあれば、当然これは当該大臣が提案をすべきものであると解釈しますが、この通り解釈してよろしいのですか。
○村上国務大臣 お答えします。すべて内閣がその具体的な点までも調べ上げて、内閣が提出してその任に当っております。
○橋本(登)委員 ちょっと私の質問がはっきりしなかったかもしれませんが、日本電信電話公社の場合には「内閣が任命」となっております。内閣の例で申し上げるのですが、その場合には郵政大臣が内閣にこういう人を経営委員に任命したいといって提案するのか。それとも内閣であるから形式上の提案者は官房長官になっているのか。その事務上の手続をお聞きしたい。
○村上国務大臣 それは正式な手続は官房長官になっております。
○橋本(登)委員 そうしますと、郵政大臣がこういう人を経営委員に選びたい、こういうことを官房長官に出して、官房長官の手で出すというのではなく、一切がっさい形式上も官房長官が直ちに内閣に出す、こういう実際上のやり方をしておるのですか。
○村上国務大臣 一応内面的には郵政大臣が官房長官に出す、正式に国会に提出する際には、官房長官が提出して、官房長官が説明しておる次第であります。
○橋本(登)委員 そこでこれはちょっと研究の題目で、大臣から答弁をいただくことは差しつかえがありますから、答弁は差し控えるのが適当かと思いますが、これはわれわれの国会の問題であります。この法律の解釈をお聞きしたい点は、「両議院の同意を得て、」ということになっておりますが、この同意の中には、その審議というものが含まれているかどうかということが一つ。もう一つはもし審議、審査というものが含まれているとするならば、実際上の問題としては法律の上からは必ずしも当該委員会に相談する必要もないと思うのですけれども、実際問題の運用上としてはその点については研究すべき余地があろうと思います。この運用方法についてでありますからして、当該委員会にかけることがいいか悪いかとか、相談すべきかどうかということについては、御返事願わないでもけっこうであります。ただ両議院が同意を与えるという場合の同意とは、私はその内容についてある程度の審査権を両院においては持っておる、こういうふうに解釈すべきものと考えておりますが、その点が一つ。もう一つは、少くとも国会の責任においてこれを選ぶということであれば、形式上は議運を通りましょうけれども、実際上の問題としては当該委員会の意向を聞く必要があるのではなかろうか、こういうことを考えるのでありますが、これらの点は御答弁を要しません。私の意見として申し上げておくのでありますが、こういうような問題のときに、これは法律の上においてはもちろんどこにかける必要があるか、必要がないかということには触れておりませんからして、従来のやり方において何ら差しつかえないと思うのであります。実際問題としては、その責任は両議院にあるという重大なことを持っておるにかかわらず、従来のようなやり方で果して万全を期せられるかどうか、こういうことを考えますと、私はかなり問題であろうと考えます。この点は政府当局において、及び国会当局において研究すべき問題でありますから、その点についての御答弁は求めません。最初の同意の内容とはすなわち審査、あるいは審議といいましょうか、それを含めておるのかどうか。これは法律上の解釈ですが、その点の御答弁だけを承われればけっこうであります。
○松田政府委員 これも確定的にどうというふうに私たちも結論を下し得ないのでございますけれども、常識的に考えまして、同意不同意をきめられる以上は、当然この人がその委員となるに対して国会として賛成し得るかどうかということでございますから、その事情といいますか、本人の適格性といいますか、そういう問題は当然お調べになって、同意不同意をきめられるものと私は考えております。
○橋本(登)委員 今の松田監理官の説明でありますと、同意の内容には審査が含まれておる、大体これは法制局長官に聞く方がいいのですが、われわれも常識的にはそう解釈いたします。これは電電公社法の問題に触れますが、電電公社法の中で、委員の任命は両議院の同意を得て内閣が任命することになっておる。国有鉄道の方はその前の方に、「運輸業、工業、商業又は金融業について、広い経験と知識とを有する年齢三十五年以上の者のうちから、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」こうなっております。ところが公社法の方におきましては同じく第十二条でありますが、「委員は、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」国鉄の場合に比べるとその前段の条件が入っておりません。入っておらないということは、私の解釈としては、その経営のそのときの状況あるいは経営の必要上必ずしも——あるときには金融業中心の人をよけいに入れて経営の打開をはかるとか、あるいはあるときには技術的な面において欠けておるからしてそういう面の人を集めて、全部ではありませんが、主力を置いていかれる。いろいろな事情からして特殊条件をつけないで、単に「委員は、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」この法の精神がこういう工合にしたと考えるのであります。これに対して郵政大臣はどういうようにお考えになっておりますか。
○村上国務大臣 先ほど委員長にお答えいたしましたように、通常の場合にはやはり各階層と申しますか、各事業の中から適当な人を選ぶということが入って、あらゆる角度から電電公社の経営に参加する、経営を指導するというふうなのがいいと思います。しかしただいま御指摘のように、金融関係が非常に電電公社に重きをなしている際には、金融関係の人を多くとるというようなことも、これは私は事実であろうと思います。
○橋本(登)委員 ちょっと私に対する答えがぴったり合っておりませんが、要するに私は条件がないということは、常に任命に対しては自由に選任ができる、こういう建前であろうということでありますが、この問題は重要問題でありませんからこの程度にしておきたいと思います。それから先ほどちょっと森本委員から質疑がありして、大臣はもちろんそういうことは考えておりませんし、全く新聞のあやまちと申しましょうか、新聞が自由に勝手に書いたものだ、こういうお話がありましたから、この問題に関しては聞く必要がないのでありまするが、一応世間でもあるいは新聞等にも出ますと政府当局に対する誤解がありますからして、念のためこの点についてお聞きしておきます。御承知のように放送法第十六条で、経営委員会の経営委員は内閣が任命するのですが、両議院の同意を得て任命することになっております。今の放送法によりますと、第二十七条で会長は経営委員会がこれを任命する、こういう形になっておるわけなんです。従って新聞等で書かれるようなことがあり得るはずがないのであって、そういうことが書かれたということは何かの聞き違いか、あるいは一部のうわさがそういうような工合になったのだろうと思うのでありますが、いやしくも放送法というものはそういうようなことがないように、いわゆる言論の中立性といいますか、そういうことがないための一つの法規としてこういう法律ができておるのでありますからして、どうか大臣においてもこの点は十分留意せられて、御処理願うことをお願いしておきます。簡単でありますが以上で終ります。 —————————————
○松前委員長 ほかに御質問もないようでありますからお諮りいたします。 この際、小委員の補欠選任の件についてお諮りいたします。電波及び放送に関する小委員八木昇君の委員辞任に伴い、小委員が一名欠員になっておりますが、同君が本日再び本委員になられましたので、八木昇君を再び電波及び放送に関する小委員に指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松前委員長 御異議ないものと認め、八木昇君を電波及び放送に関する小委員に指名いたします。 本日はこの程度にとどめ散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。 午後零時二十九分散会