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24回国会衆議院1956/02/09

逓信委員会 第4号

発言数
87
登壇者
11
会派数
2
開催日
1956/02/09

会議録

松前重義日本社会党

○松前委員長 これより会議を開きます。  郵政事業に関する件、電気通信に関する件及び電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。森本靖君。

森本靖日本社会党

○森本委員 この間同僚松井委員の方から質問がありましたが、郵便貯金について今年度の純増の目標額は幾らになっておりますか。それから昨年度の目標額と一緒にお尋ねいたします。

成松馨郵政事務官(貯金局長)

○成松政府委員 三十一年度は九百九十億でございます。三十年度は一千百億でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それでこの目標額が、昨年度よりも今年度百十億減ったということについての理由はどういうところにありますか。

成松馨郵政事務官(貯金局長)

○成松政府委員 目標を策定いたします場合に考えなければならぬ要素は非常に多うございますが、やはり前年度の実績等も十分勘案しなければいけないという考えを持っております。三十年度におきましては千百億の目標でございましたが、今までの達成状況から見まして、千百億の目標を達成することは非常に困難ではなかろうか、このように考えておりまして、この点から三十一年度の目標を九百九十億といたした次第でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それではこの目標額が減ったというのは、昨年の実績から見た場合にこれだけは困難であるという、その理由だけによって九百九十億円になったわけですか。

成松馨郵政事務官(貯金局長)

○成松政府委員 貯金事業の面から見まして、まず第一に、達成不可能な目標を達成目標として策定することも困難でありますが、片面財政投融資面から見ましても九百九十億の数字もできないだろうかというお話もありまして、私どももいろいろ勘案しました結果、九百九十億を何とかしてやってみたいということで立てたわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、この九百九十億円に目標額を設定したというのは二つの理由があるわけですね。その一つの理由は、前年度の実績からした場合には困難である、だから九百九十億円程度が正しいということ、もう一つの理由は、財政投融資の見地から見て、九百九十億円の純増目標が大体のところであるというところからこの目標額が設定された、こういうことですか。

成松馨郵政事務官(貯金局長)

○成松政府委員 大体その二つの理由から策定いたしたわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、昨年度の一千百億円の目標というものは、確かにこれは私たちが前の委員会でも非常に追及しましたが、この目標額は絶対間違いがない、この目標額につい(は絶対できる自信がある、こういうような答弁をせられたわけでありますが、今になってみると、昨年度の一千百億円というのは政府当局の見込み違いであって、明らかに誤まりであった、こういうことになるわけですね。これは事務当局ということでなしに、私はやはり最高責任者としての大臣からお聞きしたいと思いますが、これは前の郵政大臣にも私たちはしつこくこの問題をついたわけです。郵政当局と大蔵当局との五十億円の食い違いがあったけれども、特に郵政省の望みによって一千百億円になった。そこでこれは絶対にできる自信があるというような答弁もあったわけでありますが、今になつてみると、三十一年度の目標額を設定するに際して、去年度の実績に徴して今年度は九百九十億円が妥当である、こういうことになったということになりますると、三十年度の一千百億円という目標額については、明らかに政府当局の見込み違いであって、誤まりであった、こういうことになるわけですね。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 大体三十年度の目標額を決定する際には、その前年度の実績を勘案して、そして目標額を決定した、その金額が千百億、これは大体そのときの様子によってきめられたのであったのでありますが、従業員の非常な熱心な努力にもかかわらず、この前私が申しましたような、昨年の国会における市中金融に対する利子課税免除とかいうような法的措置がこのように大きな食い違いを生じるということを、われわれとしては予想していなかったのであります。その見込み違いということは私は言い得ると思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、昨年度の一千百億円というのは、私たちが前の委員会で、この目標額というのは非常に過大ではないか、財政投融資の要求があるにしても、今日の段階においては無理ではないか、こういうように質問をしたわけです。それに対して大臣の方は、いや絶対に大丈夫でございます、こういう回答を何回もせられたわけでありますが、今になってみると、私たちの言ったことが正しくて、その当時大臣が答弁をしたことが間違っておったということになるわけですね。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 見込みが違ったことは、確かにこれは率直に認めます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それで私はこれから先もいろいろの質疑応答が出てくると思いますが、この実績を見ても明らかなように、私たちの言うことが、政府当局の考えておることよりもずっと正しいことがたびたびこれから先出てくると思いますので、あなた方も自分の意見を固執をせずに、私たちの正しい意見というものもくみ入れるということを十分にこの際御記憶を願っておきたいと思う。あなた方は確信のある答弁をしても、結果的には私たちの言うことが正しいということになってくることが往々にしてあるわけですから、将来一つ十分にその点は御記憶にとどめてもらいたいと思います。  そこでこの郵便貯金の問題でありますが、昨年度の実績を勘案してきめるということと、もう一つは、財政投融資の計画の面からこの目標額についてはきめる、この二つの条件があるわけでありますが、この際その目標額を財政投融資と見計らって九百九十億にきめたということについての、最大の理由はどこにあるわけですか。

成松馨郵政事務官(貯金局長)

○成松政府委員 財政投融資のワクをきめます場合には、いろいろ一般会計の問題、あるいは民間金融機関の資金の集まり工合というような面から、財政投融資のワクをきめるものと思うのでありますが、財政投融資の原資につきましても、郵便貯金の原資もございますし、簡易保険の原資もある、その他の原資もあるというようなことから、割り当ててみて、郵便貯金の方に財政投融資のワクを必要とするだけの額をきめる場合に、郵便貯金ではこれくらいできないだろうか、こういう相談があったわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 それではこれから先は大臣になりますが、いわゆる郵便貯金の目標額を設定する際には、大蔵当局なりその他の方から、財政投融資計画については、郵便貯金の預金部資金からこれだけ出してもらいたい、それがために郵便貯金の目標額はこれこれにしてもらいたい、こういうことの要請が大半を占めてこの目標額が決定される、こういうことですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 大体その通りであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういうことになると、郵便貯金法の第一条にあるところの郵便貯金の実際の目的というものがどこにあるかということについて大臣はよく御承知ですか。郵便貯金というものはどういうために今日こしらえているかということについての、本来の目的というものを御承知ですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 それはもう一般地方の公共的な方面にこれを貸し付けていくということが主眼になっていると思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうではないのです。それは簡易保険なら簡易保険の、いわゆる地方に融資をする場合のことであって、郵便貯金の本来の目的というものは、郵便貯金法の第一条にもありますように、「郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用させることによって、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」というのが郵便貯金の一番の目的である。ところが大臣の今の答弁からいたしますと、今日の郵便貯金の本来のあり方を忘れて、そのときどきのいわゆる政府の施策による財政投融資というものによって、郵便貯金事業というものが左右されるということになってくると思うのですが、この辺の緩急の度合いというものを大臣はどのようにお考えですか。もともと郵便貿金の本来の目的というものは、確実な貯金ができる、そういう貯蓄手段というものを国民に公平に利用させることによって国民の福祉の増進をはかるというのが、郵便貯金の目的なんです。ところが、そういう目的を遠く離れて、そのときどきの政府当局の財政投融資計画によって、郵便貯金事業が右にも左にも行くというような格好の、その今日の郵便貯金事業のあり方をどうお考えになっておるかということを大臣にお聞きするわけです。先ほど地方公共団体に融資をするのが最大の目的であるというようなことを大臣は答弁せられましたけれども、貯金法にはそういうことはない。その点を一つ御回答願いたいと思います。

成松馨郵政事務官(貯金局長)

○成松政府委員 郵便貯金は一般の利用者に安全でかつ確実な利用を提供するということが目的ではございますが、そのようにして経営して参ります場合に、大体年間どのくらい集まるかということは、おのずとある程度想像はつくわけでございまして、その想像の上に、集まりました金をいかに運用するかということが、財政投融資の問題になるわけでございます。ただ財政投融資の面からいろいろ資金のワクがほしい場合に、郵便貯金の方では一体どのくらい集まるであろうかというような話し合いを進めて、今まで目標がある程度定まってきたわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは事務当局ではなしに、私はやはり大臣にお聞きしたいのですが、今の事務当局の答弁を聞いてもはっきりしておるのは、郵便貯金というものは、国民に確実な、安易な、簡単な貯蓄の方法としてこれを奨励するというのが、貯金法第一条の目的なんです。ところがこのごろの貯金の目標額を設定をするのは、そういう全般的な国民経済を見詰めて、それがどのくらい入ってくるという、いわゆる郵政事務当局の見込みよりも、時の政府の政治的な要請のあるところの財政投融資の金額によってその目標額がきまってくるというのが、今日の郵便貯金の目標額の設定のあり方じゃないのですか。そういうことをずっとやっておるということは、郵便貯金の本来の意味からしてちょっとおかしいのではないか。やはり今日の段階においては、郵便貯金は貯便貯金としての本来の使命に戻るようなあり方に変えていくべきじゃないか。それがそのときどきの政府の財政投融資計画によって左右せられていくというようなあり方は、ちょっとおかしいのではないかということを聞いておるわけです。これは大臣からお回答を願いたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 郵便貯金を公平にかつ確実に国民に回すためには、やはり財政投融資で回すことが一番公平に回るとわれわれは思っておりますが、これはまあいろいろ御意見もありましょうけれども、これを一々一般からの申し込みによって貸し与えるというようなことにすればいろいろな弊害もありますので、どうしてもこういう資金運用部資金にこれを回すということが適正ではないかと私どもは思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 あとに質問者がありますので、私はこれ以上は深く追いたくないのですが、どうも大臣は、私の質問にちょっとピントがはずれておると思うのですよ。私の言っておるのは、この郵便貯金法の目的というものは、いわゆる簡易なしかも確実な貯蓄手段としての郵便貯金ということがまず第一番にうたわれておるわけです。とこころが今日は、そういうことよりも、郵便貯金でどのくらい金が集まってくるか、それをどういうふうに財政投融資をするかということの計画がまず先行しているわけですよ。その財政投融資の計画の先行によって、この郵便貯金の目標額が設定せられるということは、逆ではないかということを私は言っておるわけです。だから、郵便貯金法の本来の使命からいくと、郵便貯金というもののあり方については、年々そのときの政府の財政投融資計画によって、郵便貯金の事業というものが左右せられるというようなぐらぐらするような方法を、今日の段階においてはいま少し郵便貯金の本来の使命に返って考えてみる必要がありはせぬかということを私は言っているわけであります。そういうふうに郵便貯金を直接そのたびに郵政省が融資する云々ということを言っているわけではなく、郵便貯金本来の使命の方向にもう少し目標額の設定等においても考えるべきじゃないか、こういうことを言っているわけであります。

上林山榮吉自由民主党郵政政務次官

○上林山政府委員 森本委員の御質問になった郵便貯金法の第一条の法律の目的は、お示しの通りでございますが、言うまでもなくこの法の示すように、郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段として奨励しなければならぬということは当然であると思います。しかしこの場合、国民の経済生活の安定をはかり、あるいは福祉を増進する方法としては、個人の場合もあるいは団体の場合もこれに含むものである。だから財政融投資の問題をきめる場合も、おっしゃるように基礎的には郵政大臣が大蔵省に対して、われわれの努力目標はこの程度であるということを当然主張されるべきであり、また主張してきたのであります。しかしながら一方また、財政融投資が国民の経済生活もしくは福祉を増進する一つの方法でもありますので、国全体の金融政策と申しまするか、そういうものに郵政省としても話し合いの上で、この目標額をきめていかなければならぬということもこれまた当然でありますが、その線によって大臣は努力をされたのであります。ただおっしゃるように、今までの実績から見て、それならばこの目標額は果して適当であるかどうかということになりますと、これには多少の疑問ももちろん見ようによってはあるだろうと私は率直に考えるのでありますが、何分にも国全体の財政政策、あるいは金融全体の問題、あるいはわれわれがなし得る一つの努力目標、そういうものを総合して、なるほど一から十まで最善なものではないかもしれませんが、そういうような気持で努力をしたということだけをつけ加えて申し上げておきたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 私はこれ以外にまだいろいろな問題の質問があります。この前の特定局の問題についてもありますが、まだあとに質問者があるようでありますから、本日はこの程度で私の質問は打ち切りたいと思います。   〔委員長退席、森本委員長代理着   席〕

森本靖日本社会党

○森本委員長代理 松前委員。

松前重義日本社会党

○松前委員 二、三の点についてお伺いしたいと思います。  まず第一に、簡易保険の契約高の最高金額をお引き上げになる御意図があるかどうか伺いたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 でき得ればもう少し引き上げることが適切ではないかと私は思っております。

松前重義日本社会党

○松前委員 簡易保険の契約高の問題は非常に重要な問題でありまして、地方に行ってもほとんど最高金額の引き上げを要望しております。これはできるなら本国会に御提出いただきたいと要望いたしておきます。  それから第二の問題は、ただいま森本委員から御質問がありました内容でありますが、第一この貯金関係の事業というものは国民から吸い上げるだけの仕事をしております。そうしてこれを吐き出すのは、郵政省は本省だけでは関与しているが、地元では全然関与していないということになりますと、吸い上げるときにはやはり吐き出すことも考えなければならないのでありまして、従って貯金の吸い上げたるものの運用、すなわちこれらの資金運用部資金等に対しまして、財政投融資等に融資するというお話が今ありましたけれども、こういうふうな場合に、やはり郵政省がもっと深く関与する必要があるということであります。わけても現地において、吸い上げた場所において、その窓口がある程度貸付の窓口になる、こういう考え方を持つならば、貯金はもっと増進する、こういうような意見を私ども地方を回って聞くのであります。少くとも窓口だけでもそういうふうにしたらどうだろうか。現在のところは、先ほど来上林山さんの御答弁がありましたけれども、吸い上げばかりであって、貸付に対して地方においては何らの発言権がない、こういうことを認める立場での御答弁でありました。同じような見解を持っておられると思うのでありますが、とにかく貸付の窓口、いわゆる吸い上げるだけでなくて、吐き出すことも、一応事務だけでもここでやる、こういうことが要望されております。大蔵省との問題で多少トラブルはありましょうが、しかし貯金の増進をはかろうとすれば、このことは非常に妥当な方法ではなかろうかと思うのですけれども、大臣はどういうふうなお考えをお持ちであるか、お伺いいたします。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 まことに適切な御質問であろうと思います。私も同感でありますが、これは非常に複雑な面もあるかと思います。何とか簡易な方法でそういうふうなことができるならば、大蔵省その他関係方面とも相談してやってみたいと思っております。なおこれは郵便貯金だけでなく、簡易保険につきましても、私としては、郵政省として、せっかく全従業員の努力によって集めた金がどういうふうにまかなわれておるか、使用されておるかというような点について、適当な方法によってその行く先等についても十分認識でき得るような、納得のいくような方法も講じていけるようにもしたい、かように思っております。

松前重義日本社会党

○松前委員 これは大臣御答弁は要りませんけれども、抽象的でなく一つ具体的にお考え願いたいと思うのですが、いかがでありましょう。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 私も具体的にその交渉を始めようと思って、目下研究いたしております。またこれに対して適切な御意見がありますれば、私は喜んで拝聴いたします。

松前重義日本社会党

○松前委員 これは今後も私ども問題として残しておきますので、どうぞ熱心にこの問題の実現に御努力を願いたいと思うのであります。  次は、電電公社の事業に関する問題であります。相次ぐ五カ年計画等によりまして、電信電話事業がある程度整備されつつあることは、まことにけっこうなことでございます。また五カ年やそこらでこれらの非常に貧困なわが国の通信網が完備することはできることではございません。でありますから、それだけで歴史的な途上においてこれに批判を加えることが酷であるくらいのことは知っております。けれども、少くとも現段階においてどういう状態にあるかということは、地方を回ってみますと明瞭にわかるのでありまして、まず第一に来たるべき五カ年計画の設定あるいはその他の計画の設定に際して、現在の非常に手薄のように思われます地方の通信網——どうも現在までのところは都市が重点的に拡充されて、それで地方では非常に手薄な感じがいたすのであります。もちろん施設その他の関係から、あるいは収入等の関係から、都市から始めて地方に及ぼすという過程にあるかとも思うのでありますが、しかしこの地方に対する通信網の充実に関しまして、何も私は町村合併に伴う通信網の整備ばかりを言うのではありません。こういう地方の拡充に対しまして、今後の御計画の中にどういうふうな施策をお持ちであるかをお伺いいたしたいと思います。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○梶井説明員 当初五カ年計画を立てます際には、わが国の電信電話事業はあらゆる面において欠陥を包蔵いたしておりまして、これを一挙に解決することはきわめて困難であります。従って最も切実に感じられておるところの大都市に重点を置きまして、過去約三年近くを施策して参ったのであります。しかし都市も、全部というわけではありませんが、その中心地は漸次解決がついて参りましたので、次には中小都市に重点を移行して三十一年度から施策をしていきたいという考えでおります。しかし今松前委員のお話の通りに、この五カ年間に五カ年計画によって全部の解決がつくわけでは毛頭ありません。従って私らは第二次五カ年計画を続いて目下研究中であります。第一次が終りましたら引き続いて第二次計画工事の実行に移って参りたい。その際にわれわれはどういう方針を持ってやっていくかというお尋ねと存じますが、電話の本来の使命として、できるだけ早く用を弁ずるということが必要なのでありまして、現状のごとく至るところ相当の待ち合せ時間があるような市外通話ではいけない。でありますからわれわれといたしましては、まず第一次の五カ年計画の終りごろまでには、少くとも県庁所在地間におきましては即時に通話ができるようにしたいと考えております。従って第二次五カ年計画におきましては、各県庁所在地を中心として、そうしてその県下の各市町村との連絡をもっと緊密に完成していきたいという考えであります。また現在電話につきましては、私どもは一般の加入者に短期社債等も持っていただいておりますので、従って今後におきましては、できればなるべくかような負担につきましても機会があれば軽減して、そうしてできるだけ多くの人が電話の利用をなさるようにしていきたいという考えを持っております。このことにつきまして、第二次五カ年計画がまだ完成しておりませんので、今確実なことについて申し上げることはできないのでありますが、心持といたしましてはそういう考えでおります。現在の日本の電信電話というものは、諸外国に比べましていわゆる自動化というものが非常におくれております。でありますから、この自動化を促進することによって事業の能率を上げ、利便を増していくという考えを、第二次五カ年計画においてはぜひとも実現していきたいという考えであります。大体その大きな方針だけでございまして、具体的な案はまだできておりませんので、ここで確実なお答えはできませんけれども、心持といたしましては、市外通話をできるだけ広い範囲に即時通話にしていきたい、そして、中小都市も含んでの話でありますが、できるだけ各都市における自動化をしていって、今後の拡充を容易ならしめたい、そしてまた加入者の人々に対する申請する場合の負担等をもあわせて軽減する方法はないだろうかというような考えのもとに進めたいと思っております。

松前重義日本社会党

○松前委員 大体の御構想はわかりましたけれども、地方に対する考え方が、収入本位の立場から見ますといつも薄くなりまして、地方が常に最も要望しておる通信の拡充というものがおくれていく。あまり採算ばかりとっておれば、これが陥りやすい大体の結論であると思うのであります。私がお尋ね申し上げた一つの目標というものは、採算だけで一体通信の計画をお立てになるのであるかどうか。採算だけでやると、都市重点になります。ですから、根本問題として、いわゆる電電公社の独占事業の国家的な使命としてこれを達成するためには、やはり地方に対しても相当な施設をしなければならないのでありまして、その辺に対しましてどういうふうなお考えであるか。私どもが今まで多少見受けておりますることの中には、採算本位というような考え方が——これは総裁のお気持にはないようでありますけれども、多少そういうふうな考え方があるのではなかろうかということも推察をいたしておるのでありまして、その辺に対しましてどういうふうなお考えをお持ちであるか、伺いたいと思います。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○梶井説明員 ただいまの御質問に対しては、まことに私どもが行き届かなかったと思うのであります。それは、公社ができたときにわれわれが強く印象づけらましたことは独立採算制であります。従ってできるだけ自己の力によって拡充をしていかなければならない。また官業から公社に移ったのでありますから、いわゆる経済的な観念というものを無視して独立採算制の実現は困難であるという考えから、私どもは公社の人々に対して強く経済的観念ということを吹き込みまして、それが誤りまして、いわゆる収支率というものからいいまして、利益のあるところしか拡充はしないというような考えが多少起ったかもしれないという懸念を持ったのであります。でありまするから最近におきましては、私はもちろん経済を度外視するわけではありませんけれども、本来公共事業の性質として国民全般に電信電話の利便を公平に分つべきものであると考えますので、過去において重点的には施策をいたしましたけれども、現にそれは普遍的に普及していくというのが一番いいのだ、でありますから今日におきましても、やはりまだ一応中小都市をやりまして、続いて農村をやっていくという方針を持っておるわけであります。この順序という問題につきましては、決して採算本位でやっておるのではありませんで、仕事をやりますときに予算の幅がきまっておりますから、これを有効適切に使うためには、どうしてもある程度重点的に仕事をしていきませんと、まんべんなくやりますと、どこもここも解決がつかないといううらみがありますので、今日におきましては中小都市の問題を解決し、引き続いて農村方面もやっていこう。三十一年度におきましてはもちろん町村合併の通信施設の整備というもの以外にも、いわゆる電話のない部落の解消もしていきたいというので、特に無電話部落の解消という問題を掲げておる次第であります。決してその仕事の中には単に収益本位でものを考えておるのではありませんで、われわれは公共事業の性格というものを十分了承しまして、国民全般に利便が普及いたすようにいたしたいと考えております。

松前重義日本社会党

○松前委員 大体了承いたしました。ただ問題は、固定資産税を政府がかけるというようなことになりますと、勢い公社の経営は採算本位にならざるを得ないと私は思うのです。今のところ、いろいろな御理想や御計画は伺いましたけれども、やむにやまれず必要なところでも採算に合わないところはやれない、まあやらない方がよろしい、経営上いたし方なくそうなる、こういうような傾向を持つものであります。こういうふうな傾向に対しまして、少くとも固定資産税のごときものはいわゆる事業体にかけられるものであって、採算本位な経営をやれという至上命令を出しておるかのごとくに私どもは一応解釈するのでありますが、これに対して郵政大臣はどういうお考えをお持ちでありますか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 固定資産税ということでありますれば、全くお説の通りだと思います。しかし私どもとしては国定資産税というのではなくて、交付金という形で——まあ金を出すことは同じでありますけれども、少くとも交付金という形で出すということになると——まだなったわけではないのでありますが、なると思います。しかしこれにいたしましても、公社のごとき性格の事業に対してこういうことはでき得る限り避けるべきだと思っております。ただ国全体の財政からいかんともなしがたい状態でありますので、貧窮市町村を救済する意味において、こういう交付金の形をとるということもまたやむを得ないのじゃないかと思いまして、一応ある線までは持ってきておるのであります。まだ決定したというわけではないのでありますが、いずれにしてもそのような状態になることはまことに感心すべきことではないと思います。これが時限的な措置になればわれわれとしては非常に喜ばしいと思っておりますが、ともかくお説の通り今建設の途上にあるこの種の事業からこういう金を吸い上げるということは、必ずしも私の気持としては同感ではないのであります。

松前重義日本社会党

○松前委員 大臣の良心的な御答弁に非常に満足いたしますが、ただ私ども多少これに批判を加えてみるといたしますれば、片や減税を唱えて、片や公社にそれらの責任をつけていくというようなやり方は——どうも減税ということは非常に派手でありますが、公社から巻き上げるということはちょっと国民はわからない。結局はやはり国民全体から巻き上げていることになるのであります。どうもその辺に、はなはだ失礼でありますが、現在の政策のごまかしがあるのじゃないかと私は思う。おそらく大臣も、今の正直な御答弁からすると、そういう感懐をお持ちで、多少遺憾の意をお持ちであろうと思いますが、どうか郵政当局としては、事業の本体を守るために、堂々とそういうごまかしの課税方式に対して徹底的な戦いをやっていただきたいと思うのでありまして、これ以上私は追及はいたさないつもりであります。  そこでもう一つ御質問申し上げたいのは、料金政策であります。先ほど申しました都市重点の傾向が見えるというのには、建設だけを申しておるのではございません。たとえば東京なら東京の通話は、大体どこも七円で参ります。ところが地方は同じ面積の範囲内においても、いわゆる市外通話として高い料金を払い、しかもなかなか電話がかからない、こういうことになっているのです。従って都市は通信だけの立場から見ても、非常に住みやすいところになっております。いなかはまことに住みにくいところになっておりますので、日本の人口の分布は日を追うて都市に集中いたしまして、東京なども世界で指を屈する大きな都市になってしまった。これは日本のためにまことに不幸であると私どもは思うのであります。国の不健全性を現わすもののような感じがするのであります。こういう点から見ても、料金政策は都市において非常に寛大であり、たとえば荒川区から世田谷区に電話をかけても、七円でいくのでありますが、地方ならば、これだけの距離であったら大へんな料金になります。しかもなかなかかかりません。こういうことでありまして、料金そのものが都市に非常に都合よくできている、恵まれている、こういうふうに私どもは感ずるのであります。これは前からの伝統として、こういうしきたりでやって参っておりますので、今日のような状態をかもしているかとも存じますが、とにかく何らかのこれにもう少し公平な手段はないだろうかということを考えざるを得ないのであります。専門的な言葉ではゾーン・メータリング、すなわちゾーンをきめて、ゾーン間通話制度も考え得るのでありますが、こういう基本的な計画が、料金と市外通信網の拡充に対して、相関関係を持つようになっていると思うがどうか。ことに計画当局においても、そういうことをお考えになっておられるかどうか伺いたいと思います。事務当局からこれは伺いたいと思います。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 ごもっともな御質問でございまして、私どもその点については目下詳細検討を加えております。ただ全般的に申しまして、都市におきまする電話料金制度、これはわが国においても諸外国の例を基準として考えて参っているのでありますが、大体において世界におきまする利用度数、それから収益というものは、何と申しましても地方における通信料の少いところに比べますと多いのであります。収益だけを考えてみますと、現在におきましては都会における産業の非常に活溌な市外通話の利用、市内電話の利用度数というようなことから見まして、大都市等におきましては明らかに黒字を出している。地方におきましては遺憾ながらその点はずっと減っているのでありまして、これを原価計算的に考えて参りますれば、ただいま松前委員の御指摘のように地方においては割高であるが、コスト的には必ずしもそうでないというような考え方もとられるわけでございますが、すでに東京のごとく非常に加入区域が膨大になって参りますと、果して現在の基本料と度数料の合理的な点があくまで主張し得るかどうかという点についてはわれわれも疑問に持って、すでにニューヨーク、東京等におきまして単位制をとっているという点については、こちらの方が合理的ではないかというような考えで、第二次五カ年計画までにはこれに対する措置をとらなければならぬという考えで、目下検討中でございます。と同時に地方におきます電話加入区域の問題が相当問題でございまして、最も具体的に例を取りますと、最近町村合併の問題で同一行政区内に五つ六つの電話局がある。それがそれぞれ独立の加入区域になっている。その間市外通話ということになっているのでありますが、私ども一定の距離につきましては電話局が独立していようといまいと、これを一つの市内サービス区域にする、すなわち市内電話料金でこれを解決していくというように一方においては措置しますし、また非常に加入区域の広いものにつきましては、どうしてもこれに帯域制的なものを考えていかなければならぬ。度数料につきましてはいろいろ加入者ダイヤル方式というようなものが当然発達して参りますので、度数料金が区々まちまちでありますと、その間市外通話の計算が非常にめんどうになるということでありますので、度数料金はできるだけ一通話幾ら、一度数幾ら、七円なら七円ということで、市外通話料金の算定方式につきましてもそういう方式が便宜である。従いまして基本料あるいは距離の問題というような点について考えていかなければならぬ。それでは加入区域をどういうふうにして設定するかというような問題で、私ども負担の公平を考えまして、非常な不合理を来たさないように計画している、こういう考えに立っております。

松前重義日本社会党

○松前委員 この問題は非常に困難な問題であると私ども思いますけれども、放置しておきますと不公平の度をますます加えるばかりでありまして、すみやかに基本的な方針を設定されまして、具体的な成案を得られんことを希望するわけであります。  その次にお尋ねいたしたいのは自動化と労働条件の問題でございますけれども、これは後日に譲ることにいたします。  次には放送に関する問題を御質問いたします。日本の現在の中波放送が当面しております問題は周波数の再配置、それとともに大陸より受ける中波の妨害であります。現在北京放送は相当なパワーをもってわが国にその電波を送り込んでおります。聞くところによると李承晩政府は、京城かどこか存じませんが、あの辺に二百キロの中波放送をやりまして、日本語放送をやるそうであります。近くこの電波は出てくるそうであります。このようにいたしまして、大電力による中波放送、しかもそれが外国語でなく、日本語の放送がわが国にどんどんぶち込まれて参っておることは、これは大体各方面を回ってみまして、各地の放送局が非常に迷惑をしておるところであります。このような状態の中にありますアジアの現状に対しまして、わが国の中波放送に対する政策は、せっかく百キロの大電力放送局を作っても、これを五十キロに制限しております。どういうわけで制限なすっておられるか、これを伺いたいのであります。五十キロに制限しておる、しかもパワーは百キロ出る。至るところにそういうのはございます。わざわざ遠慮しておるために、よそからどんどん入ってくるというようなことになっております。しかもアジアにおきましては戦争前から戦争中にかけまして日本人が相当に向うへ参りましたために、中国にしても朝鮮にしても、あるいはフィリピンにいたしましても、あるいは沖繩はもちろんのこと、すべてのアジアの諸地点に日本語というものは普及されておるのであります。日本の中波大電力放送なるものがここに実現いたしまして、そうしてアジア全体にこの電波を打ち出すといたしますならば、これは少くともわが国のアジアにおける地位を保たしめる有力なる手段として私はとり得ると思うのであります。日本放送協会が百キロの放送設備を持ちながらも、それを五十キロに制限されておる、しかも外国の放送は、日本語の放送がどんどん日本に入り込んできておる、こういう矛盾した状態の中に、しかも大電力放送がわが国からアジア全体に対して打ち出されなければならないときであるにもかかわらず、これを制限しておる、こういう総合的な放送政策に対しまして、郵政大臣はどういうお考えをお持ちであるか、なぜ五十キロにこれを制限なすっておられるのか。この辺のところを郵政大臣において御答弁できない資料がありましたら、事務当局からも伺いたい。全般的な政策に対しましては郵政大臣より伺いたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 基本的な問題につきましては、非常に技術的な意味も含まれておりますので、事務当局から御説明申し上げます。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 大陸または朝鮮等から強力な電波発射がありまして、そのために受信障害を起しておりますことは、われわれもよく知っていることでございます。受信者の保護をし、また日本の対外政策の有力な方法としまして強力な電波を出すことは、きわめて重大なことだと考えておるのであります。日本放送協会におきましては、すでに百キロの電波を出すことに、札幌あるいは大阪、福岡等において用意ができております。東京は百五十キロを出してもいいようになっておるのでありますけれども、国際条約等によりまして現在ではそれぞれ五十キロワットに制限しているのであります。これは一般商業放送とのバランスの問題もあり、混信等の問題も勘案して、その他財政上の問題もありまして、今日では五十キロにとどめておるのでありますけれども、なるべく近い将来におきましてこれを百キロないし百五十キロに増力し、ただいま松前委員から御注意がありました点を改善したい、そういうふうに考えております。

松前重義日本社会党

○松前委員 国際条約とはどういうものでございましょうか。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 国際条約と申しますのは、ちょっと私の言い方がまずかったのでありますが、五十キロは札幌、東京、大阪、福岡の四カ所に制限されておるのでありまして、五十キロ以上ではいけないというのではありません。でありますから、いろいろな状況を勘案して、なるべく早くそれを増力するということは可能なわけであります。

松前重義日本社会党

○松前委員 国際条約が制限されて可能でありますか。

西崎太郎郵政技官(電波監理局次長)

○西崎説明員 ただいまの松前委員の御質問に対しまして、技術的にお答えしたいと思います。国際条約と申し上げましたのは、御承知のように電波の国際性から申しまして、国際的な割当機構がございます。ここで割当を受けますれば、その電波は保護されるという体制になっております。それで国際的ないわゆるプランニングがございまして、それによりますと、日本の大電力の波長の割当といたしましては、現在のところは東京は百五十キロが二波、それから札幌、大阪、福岡、この三カ所に百キロの電波がそれぞれ二波ずつ割当になっております。それでそれ以上は御承知のように大電力の波を使いますと、非常に国際的な混信がひどくなりますので、大電力の電波の割当を国際的に確保するということは非常にむずかしいわけであります。従いましてそれだけの割当を受けたものをできるだけ有効に使うということが必要なんでございますが、従来なぜそれではその百キロなり百五十キロをフルに使わなかったかと申しますと、これはその当時といたしましては、ただいま御指摘のような国際的な混信問題も比較的少なかった。それからまた民間放送とのいろいろな均衡の問題、そういったような点もございましたので、現在のような割当の状況になっておるわけでございます。ただいまもだんだん海外からの攻勢が激しくなるというようなことになりますと、当然またこの点を検討しなければならぬということで、現在検討を進めておるわけでございます。従いましてわれわれとしましては、そういう海外の情勢に対処しまして、大電力化の——少くともNHKにつきましては大電力化の方向へ進めて参りたい、こういうふうに考えております。

松前重義日本社会党

○松前委員 大体了承しました。ただしあなたの方には設置基準というものをお作りになっておられるらしいのです。この設置基準なるものは、大体国内のことだけ考えての設置基準らしい。これに対して今日のような国際的な非常に重要な段階に来ておりますので、これを改めて、この設置基準のような狭い日本の国土内の電波のことだけを考えてのことでなくて、アジア全体のことを考えるばかりでなく、多少まだ国交の回復していない国もありますので、これらのいわゆる多少不規則な状態をも勘案いたしまして、ここにわれわれの積極的な立場を確保しなければならないと思うのです。この設置基準を郵政省はお変えになる気持があるかどうか、お伺いいたします。

西崎太郎郵政技官(電波監理局次長)

○西崎説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、先ほどちょっと申し落したのでございますが、われわれといたしましては現在海外向けに、いわゆる積極的な中波による海外放送をやるという意図はないのでございまして、どちらかと申しますれば外国からの混信に対する保護という点から、できるだけ大電力化の方向をとって参りたい。ただもちろん強い電波を出しますと、当然その作用といたしまして海外にも電波が届くということになるわけであります。消極的な意味の海外放送ということにはなるわけでございますが、別にそれを目的にして中波の大電力化をやろうということは現在考えておらない。それで現在設置基準と申されたのは、おそらく放送局開設の根本基準のことでございましょうと思いますが、それは御承知のように国内放送あるいは国際放送、こういったものに対する設置基準があるわけでございますが、確かにその国内放送のための標準放送に対しましては、一応五十キロが限度であるというふうに規定はされております。しかしこれも例外を認めないというわけではございませんで、その後段の方に例外規定がございます。現在の規定によりましても五十キロ以上にできないことはないわけでございます。しかしいろいろその後における先ほど御指摘の情勢の変化に照らしまして、その点はさらに再検討を加えて参りたい、こういうふうに存じております。

松前重義日本社会党

○松前委員 今度の放送協会の予算の中には、具体的にただいま御答弁のような内容が盛られておりますか。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 福岡と札幌につきましてはそのことが盛られておると思います。

松前重義日本社会党

○松前委員 これは非常に重大な問題であります。何も積極的によその国を電波で侵略するというようなことを私は言っておるわけではもちろんございません。大電力放送を国内に放送さえするなら、空は共通でありますので、どこにでも飛んでいくというのでありますから、自然にその効果を発揮するという意味で申し上げておるのです。またやるときにはそうでなければならないと思うのであります。すみやかにこの中波の大電力放送に関しまして、多少国内的にトラブルがありましても、これは私は絶対的に必要なことだと思いますので、具体的に放送協会をして実行せしめるようにされんことを希望いたすのであります。  その次にお伺いしたいのは、いわゆる行政協定による駐留軍との関係であります。特に周波数の割当の問題であります。わが国の周波数の割当が大体駐留軍の周波数の割当と、聞くところによると半々ぐらいだという話でありますが、言いかえると日本に国際条約によって割り当てられた周波数の半分を駐留軍が使っておる。駐留軍なるものは、わが国の全通信施設の持っている周波数だけの周波数を向う様はお使いになっていらっしゃる。しかもそれは日本が割り当てられた周波数である、こういうことを聞くのでありますが、どういうものでございましょうか、教えていただきたいと思います。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 御指摘のごとく駐留軍は、ある波長につきましてはわが国が使っていると同数の波長を使っている場合もあろうと思うのであります。あるいはもっと多いかもしれません。しかし波長によってはもっと少いところもあるのでありまして、私どもといたしましては日本の現状をよく説明いたしまして、なるべく早く必要な波長の返還を要求するようにいろいろ折衝を進めております。

松前重義日本社会党

○松前委員 だいぶ努力しておられる話は伺っております。ことに現電波監理局長においては非常に努力しておられるということを聞くのでありますが、その折衝の模様と見通しはいかがでございますか。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 昨年私が就任いたしまして間もなく、周波数分科会というのができまして、その分科会にお誉まして米軍が使用せんとする波長について提案をする。これは当然でありますけれども、同時に日本政府が国内に免許するというような場合においても、米軍に対して提案をしてもらいたい。そうして両者において相談の上きめようじゃないかというふうな話がありましたにつきまして、わが方からは米軍が提案するのは当然であるけれども、日本政府としては米軍に対して使用の可否について、これを聞き合わす必要はなかろうというふうな意味の話を持ち込みました。大体においてそのことは了承を得ました。わが国が使います電波につきましては、その独自の立場においてこれを処理していく、これは当然のことでありますけれども、そういうことすらも従来はできなかった状態であります。今日ではかように自主独立の態勢を電波についてはとる原則が確立した、そう考えていいと思っております。今後もますますこの方針を強く進めまして、逐時必要な電波の返還を実行したい、こういう考えでございます。

松前重義日本社会党

○松前委員 電波は一つの目に見えない領土でありまするので、なかなか普通の人ではわからないのでありますが、新しい領土の確保という方向に進んでおられる現在の行き方に対して、非常に共鳴をいたします。ただし今後においてもどうかこの電波の自主権の確保、これにつきまして行政協定内における独立性の確保ということに対しまして、御努力願いたいと思うのであります。  その次にお尋ねいたしたいのは、テレビの放送局設置に関する問題であります。現在のところ東京には、そこにも見えますが、大きな塔が一つあります。あと二つありまして、三つ並んでおります。大体世界中で三つ塔が並んでいる国は日本だけであり、まことにこれは誇るべき現象であるか、悲しむべき現象であるか、浪費であるかあるいは節約であるか、その辺のことは人によって違うであろうと思いますけれども、とにかく心ある人から見るならば、まことに不経済なことをやったものだ、こういう感じをまず第一に持たざるを得ないのであります。すなわちテレビ放送に関する認可を与えるときに、これらの施設の共用であるとか、あるいはまた国家全体としての浪費を節約するとか、こういう意味においての観念をテレビの認可のときにお持ちになったかどうか。これは浜田監理局長の時代ではないのでありまするから、その前からおいでになる次長その他によって御答弁を願いたいと思うのであります。

西崎太郎郵政技官(電波監理局次長)

○西崎説明員 実は私もその当時は責任の衝にあったわけでないので、はっきりお答えできるかどうかわかりませんが、確かに御指摘のように、東京に三本の塔が立ったということは、われわれとしても悲しむべき事実であるということを率直に認めております。できるだけ経済的に置局をしていくということは、今後十分考えていかなければならないと思います。ただ従来電波法というものの解釈の点から、果してそういう点まで介入できるかどうか、電波法上そういう権限が与えられているかどうかという点に非常に問題がございまして、従来の考え方では、そこまで行くのは行き過ぎであろうというような考え方から、こういうような事態になったように承知いたしております。ただ法律的な権限はなくても、いろいろ実行上の指導によりまして、こういう事態が再現しないようにすることは今後必要であろう、こういうふうに考えます。

松前重義日本社会党

○松前委員 ただいまの問題も、いわゆる不経済施設を節約いたしまして、できるだけ共同設備にするということは、非常に重大であると思うのであります。簡単なことであります。けれども、貧乏国日本としてこれは非常に大事であります。これについての御答弁は、あとでほかの質問と一緒に総合的に大臣からお願いしたいと思います。  テレビ放送局の設置場所の問題でありますが、私は電波配分計画というものと国の地勢というもの、すなわち国家の地理的な地勢というものとは、いわゆるテレビに関する波長の特性といたしまして、当然考えなければならぬ点であると思うのであります。ずっと通覧してみますると、今日まで許可されたテレビ局というものはみんな町のまん中にあります。でありますから、至るところにテレビ局の申請をしてきておるような状況でありまして、山の多い日本といたしましては、ほかの国々、すなわちアメリカや英国のように険阻な山の少いところとは、だいぶ考え方を変えなければならないと私は思う。ああいうところでは町のまん中へ作りましても、ずっといなかの方まで電波は到達いたします。モスクワ、レニングラードのようなところでも、やはり町のまん中にございましたが、その地域からほとんどさえぎるものなく遠いところまで電波は到達いたします。これは必ずしも町のまん中に作ってはいかぬということではないと思うのですけれども、ただこれは地勢によって考えなければならないと思います。そういう意味からいたしまして、たとえば東北地方に行ってみますると、仙台にはやはり二つのテレビ塔ができそうなのであります。うっかりすると、今御答弁があったけれども、できます。作りかかっておる。しかも仙台の裏のちっぽけな山の上に作りつつある。その放送の到達範囲というものは非常に限定されたところで、山があるとその裏の方はだめだ、こういうことになります。福島は福島でテレビを作りたいと言っておる。また福島では郡山がだめだから郡山にしてくれとか、若松は若松で別にしてくれとか言っておる。この起伏自在な日本の地勢の中において、テレビ局の設置のごときは思い切って山の上に作るべきではないか。正力さんはマウンテン・トップ、マウンテン・トップということを、それだけを一つ覚えというわけじやありませんが、しょっちゅういろいろ言っておられるようでありますが、少くともマウンテン・トップということは、正力原子力委員長ならずとも常識なのでありまして、テレビ放送局のごときは、どうしても少し高い山の上に作るべきである。そうしてたとえば富士山の上に作れば、関東地方から、東海地方から、伊豆半島から、あるいは長野県から、相当な範囲まで一つのテレビ放送局でカバーできる。富士山の頂上あたりなら、二、三本鉄塔が建ってもあまりじゃまになりません。とにかくそのような計画を根本的に立てて、民間からここへ作りたいという、そこを受動的に認可するということではなくて、政府としてここにテレビ放送局を作るのだ、希望者があるならばここに設置する申請をしろ、こういうくらいの政策は今後あってもしかるべきではないかと思うのであります。これらに対しまして政府当局の御意見を伺いたいと思います。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 テレビジョンをあまねく日本全国に普及せしめるために、ただいま松前委員から非常に有益なる御議論を拝聴いたしました。私といたしましても山の上に建てる方針につきましては、前から考えていたことでございまして、全く同感に思う次第であります。アンテナが山の上に建ちますと、電波が非常に遠くまで延びる、先ほどお話がありました都会のみならず農村、漁村等まで広くカバーして、テレビジョンを享受せしめることが可能になるのでありまして、非常に名案であります。けれどもこれには欠点もございます。たとえば人の住まない山の中、僻遠の地に電波が強く、これを聞こうとする都会、または農村、漁村でもそうでありますけれども、聞こうとするところでは弱くなるといろ欠点があります。その他これを操作する人間を住ますために、山の中では不便であるという点もございます。それから混信の問題から申しますと、チャンネルの数の少いわが国におきましては、山の上に建てる方式は、聴視者の数を増す上において必ずしもいいとも言えない理由があるのでございまして、さらにわが国の今までの情勢では、最初に東京、名古屋、大阪等にテレビ局が設置せられ、その次に位する地方の中心都市、たとえば福岡とか広島とかあるいは仙台というところに局が設けられるような情勢に今日なっております。そういう意味におきまして都市あるいは人口密集地帯にまずテレビジョンを普及せしめるというふうに今まで方策がとられましたために、今日急にいわゆるマウンテン・トップを全国的に採用するのだということにつきましては、いろいろ問題があるのでありまして、私どもといたしましては従来の都市中心主義と申しますか、その従来の方式と今お話の山の上式と、両方を適宜に併用をして、全国あまねくテレビジョンの普及目的達成に努力いたしたい、こういう考えを持っておるわけであります。先ほどもお話しになりましたところのアンテナが三本建っているという問題につきましても、私どもは決して名誉と思っていないのであります。できますならば日本放送協会と民間放送会社が一緒になって共用のアンテナを建て、そして一人でも多くの人に安くテレビジョンを見せるように努力したい、そういう念願を持っておりまして、山の上式あるいは日本の地勢を考えたところの方式に対して、無関心であるというわけでは絶対ありませんということをこの際お答え申しておきます。

松前重義日本社会党

○松前委員 大体御意見はわかりましたが、何しろこのテレビというものは、都会では、たとえば大相撲があるといえば、見に行けば見られますが、いなかでは、大相撲なんといったって薬にしたくも見られません。だから文化の普及、すなわち国というものをできるだけ文化に均霑せしめるという意味では、それが採算的に成り立とうと成り立たないとにかかわらず、もつといなかにこういうものを普及するのが、まず第一の国家的な必要性であると思う。採算だけの点から言いますと、それは採算に合わないかもしれないが、幸いにして電波は、電話と違いまして飛んで行きますので、多少の弱さ強さはありましても、都会でもちゃんと見えます。従って私は何もマウンテン・トップだけを主張するわけでありませんけれども、しかしあまりにも都会ばかりに偏在して、いなかにはなるべく見えないようにしてやる。そういうつもりでなくてもそうなるのでありますから、そうならないようにして、歌舞伎の芝居でも、いなかでもちゃんと見られる。農場に行って疲れたからだでテレビを見れば、歌舞伎座の芝居が見られるといって、喜んでその日の仕事をする、こういうあり方に日本を作るのが、いわゆる国作りのあり方であると思うのであります。おそらく浜田政府委員はこのことは十分御承知でありまして御答弁になったと思うのでありますが、どうかこの点につきましては、今までやってきたそのままの姿で許認可をなさらないように、できるだけこれに条件その他をつけて、そうして国全体の国民生活の文化的向上をはかるために、特に地方に対してそれらの関心を持たれるようにお願いをしたいと思うのでありますが、これに対しましては、あとで総括的に大臣から一言御答弁を願えればけっこうであります。  もう一つ質問申し上げたいのは天然色テレビの将来、私どもから見れば、天然色テレビの時代は非常に近いような感じがいたします。いろいろ経済的条件その他もありますけれども、これに対しましてどういうふうなお考えをお持ちであるかを伺いたいと思います。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 日本は白黒式テレビジョンにつきましても、研究につきましては、諸外国に、特にアメリカから比べますれば非常なおくれをとりまして、今日私どもが見まするテレビジョンの受像機につきまして多額の特許料を支払わされるということは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。同様あるいはもっともっと懸念すべき事情が、天然色テレビジョンにつきましても起るだろうということを私どもはふだん心配しておりまして、一日も早く、日本放送協会または電子工業関係会社によりまして、天然色テレビジョンの開発、研究が進められるように絶えず念願し、また関係者には注意を喚起しておる次第であります。今日アメリカでは、RCAの全電子式の天然色テレビジョンがほぼ完成の域に達しまして、この三月から五月にはニューヨークにおきましてデモンストレーションが行われます。それからオランダのフイリップス会社におきましても着々進められております。オランダの方式は、アメリカの例のサイクロトロンを作ったローレンス氏の発明をフイリップスが買いまして、それを工業化するように聞いております。イギリスはEMIその他の諸会社が非常に熱心にやっております。ひとりわが国において天然色テレビジョンの開発、研究がおくれをとっている状況であります。私はNHK当局に対しましても、最大の努力をこれに対して払うべきであるということをふだん申し上げているのです。そういうわけでありまして、もう天然色テレビジョンの普及は二、三年後に迫っている。アメリカではもう今年の終りくらいに始まるのではなかろうか。従いましてわが国におきましても、おそくも二、三年後には天然色テレビの試験発射その他に着手を迫られる形勢になろうと観測いたします。そういう意味におきまして、郵政省といたしましては各方面の注意を喚起するように、いろいろな機会を通し、いろいろな人々にこの考えを申し上げている次第でございます。決してあるがままにまかせているというわけではありません。

松前重義日本社会党

○松前委員 大体伺いたいと思いましたことは伺いました。まだ一番大事な問題を残しております。けれども、時間もたちましたのでこの辺にとどめます。それはすなわち放送法の改正に関する御構想であります。これにつきましては政府御当局も御研究中であろうと思いますので、もうちょっと時間がたってから、おまとめになった大体の思想につきまして質問をしたいと思いまずから、御改正になるならばできるだけ早くなるように、これらの思想をおまとめ願いたいと思うのであります。  ただいままで質問いたしました事柄を総括いたしますれば、まずもって放送関係といたしましては、中波の大電力放送に関して具体的にどのような施策をお持ちであるかという点につきましては伺いましたが、ただいま政府委員から答弁されましたこれらの施策に対しまして、大臣はどういうお考えをお持ちであるかを第一の問題として伺いたいのであります。  第二の問題は、テレビ放送局の設置等に関して、今までのような、ただなすがままの方針をある程度是正されるつもりであるか、このことを第二に伺いたいのであります。それに対しましては、いろいろな設置に関する内規とか規則というようなものがあるかもしれませんが、一切のものを一つ新しい基準の上にお立てになる気持があるかどうか、これが第二の問題であります。この二つの点につきまして特に大臣から電波政策に対しての基本問題について伺いたいのであります。  第三は、電波法の改正について現在どういう段階にあるかをごく簡単に御説明願い、また御提出その他どういうお見込みであるか、伺いたいと思うのであります。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 松前委員の専門的な立場からのまことに有益な御質疑をいただきまして、私は感謝いたしております。私は電波に関しましては特にしろうとでありますけれども、ただいままでの御質疑ごもっともと思っておりますので、中波に対しましては各専門の人たちとよく相談いたしまして、この国の目的に沿うよう邁進して参りたいと思います。  テレビジョンの問題につきましても全く同感であります。この点に関しましても私はどこまでもこの研究を続け、そうしてでき得る限り御意思に沿って参りたい、かように思っております。特にこの文化の恩恵を農村、漁村、全国民が受けるように可及的すみやかに取り運びたい、かように思っておる次第であります。  なお、放送法の改正につきましての御質疑でありますが、これはいろいろと問題がありまして、目下鋭意省内における審議を進めておりますので、ただいまのところそのどの点をとってここにお答え申し上げるというところまで行っておりませんが、不日なるべく早くこの成案を得まして、各方面とも連絡をとり、各方面の御検討を願った上で、一刻もすみやかに成案を得次第国会に提出いたしたい、かように思っております。

松前重義日本社会党

○松前委員 大体のところはお伺いいたしましたが、ただいまの御答弁の通りこれらの問題を御推進願えれば幸いだと思うのであります。また電電公社にお願いいたしますが、将来自動化の進行とともに、労働関係の問題は非常に重大な問題になると思います。これは何も一電信電話事業のみならず、わが国の今後における企業というものがすべてこのような性格を持ち、これに対してどのようにわれわれが対処していくかということは、今後の国民生活の安定の上からいっても重要な問題であると思うのであります。自動化と労働条件の問題につきましては、いずれ本質的な見解を御発表願いたいと思うのであります。ただいま急にここで御質問申し上げて返答を得たいとは思っておりませんが、これは一つじっくりとこれらの問題を解決しておかなければ、民族の悲劇を生むと私どもは思うのでありまして、この点につきましては特に将来の問題として近くまた御質問を申し上げたいと思うのであります。  そこで、これはつまらぬ話でございますけれども、最後に一つ伺いたいことがありますが、上林山政務次官に特に伺いたい。いろいろ方々を旅行してみますると、上林山さんの御声明が非常な影響を与えております。ある郵政局をあるところに移すというような声明を新聞に発表しておられるようでありまするが、こういう事実がございましょうか。

上林山榮吉自由民主党郵政政務次官

○上林山政府委員 そういう事実はございません。ただそういう方面の陳情を受けたことがございます。それに対しては財政の都合その他から簡単にいかない、こういう話をしたことはございます。

松前重義日本社会党

○松前委員 大体了承いたします。しかしだいぶ具体的に出ておりましたので……。これ以上は追及いたしません。どうか政府当局におかれましてもただいまいろいろ御質問申し上げました内容につきまして十分御検討になりまして、円滑な前進に努力されんことを希望いたしまして私の質問を終ります。

森本靖日本社会党

○森本委員長代理 他に御質問はございませんか。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 資料要求をいたします。当委員会の今後の審議の必要等もありますので、資料の要求をいたします。   〔森本委員長代理退席、委員長着席〕  本日いただいたものの中で拾ってみればわかる資料でありますが、それを拾うことは大へんでありますから、現在使われている放送の周波数の割当を、周波数から見た表を出していただきたい。局別にこれを拾い上げるとわかるのですが、大へんめんどうですから、駐留軍使用のものも加えて一覧表にしていただきたい。  それから今松前委員長の御質問にありました点に関係する資料が多いのでありますが、国際放送についての大臣の所管事項の説明では、十三方向一日十三時間として、七方向に対しては百キロワットに増力したので、海外における受信状況は大いに改善せられたとおっしゃっておられますが、私の見るところでは、必ずしも大いに改善せられてはおりません。ことしもまた一千四百万円増額をしてこれを増強するということには賛成でありますが、必ずしもそういっていないように思いますので、海外放送を、地域別にその受信状況の現在のものを御提出願いたいと思います。  それから近くチャンネル・プランの改訂があるわけでありますが、ただいまの松前委員長の御質問にもありましたけれども、これは日本の放送の重大な再出発と申してもよいのであります。これについての資料として昨年も求めたのでありますが、国内放送局、日本放送協会、民間放送を加えて混信状況の最近のものを一つ御提出願いたい。昨年の資料では、日本放送協会では混信で困っているのは十一局しかない、民間放送は四局しかないという資料をいただいたのでありますが、これはわれわれの常識とはかなりかけ離れた資料であります。その後一年たっておりますので、いろいろ御調査をされているようでありますから、どうぞ最近の資料を出してほしい。  それからこれも今の松前委員長の御質問に関連する問題でありますが、テレビの普及に関しまして、さきの電波局長の御説明では、放送法第七条の、あまねく日本に放送を普及するという日本放送協会に関する義務は、これはテレビにも及ぶものなりという御見解を明答されたのでありますが、私は、法的に解釈して、その通りであるとしても、これはきわめて困難なことであると思う。しかしながらそうだとするならば、大衆から強く要望されているこのテレビ普及について、郵政当局はいかなる計画を持っているか、また日本放送協会はどういう具体的計画を持ってこれに臨んでおられるのか。もはやテレビが普及されて数年になりましたが、その具体的計画を持って国民に臨むべきところの政治的責任があるので、この点を明らかにしてほしい。どこどこという地域を発表することは多少差しつかえがあろうかと思いますが、ことしはこれだけやるとか、来年はこうしたいとか、これは電電公社のマイクロウェーブのテレビ中継計画とも関連があることでありますから、これらを総合した政府の計画を資料として御提出願いたい。もし日本放送協会に具体的計画があるならば、これもあわせて一つ御提出願いたいと思います。  それから今の白黒とカラー・テレビの問題も出ましたが、日本におけるテレビ受信セットの生産状況の最近状況を一つ資料でいただ巻たいと思います。  以上資料としてなるべく早い機会に御提出願いたいと思います。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 いろいろ重要な資料の御提出の御要求がありましたので、政府としては鋭意収集いたしまして、なるべく御期待に沿うようにいたします。  それからテレビジョンのあまねき普及につきましての資料を出せというお話でありますけれども、これにつきましては、先ほどの松前委員の山の上方式との関連もあります。またテレビジョンのチャンネル・プランの全体がきまっておりません。これをどういう方法をもって現在の放送法の解釈が律し得るかということにつきましては、なかなかむずかしい問題であります。資料だけではおそらく御満足できまいと思います。鋭意研究いたしまして、一ペんにお答えできないかもしれませんけれども、逐次お答えができるように努力いたしますことを念のために申し上げます。

松前重義日本社会党

○松前委員長 原茂君。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 時間がないそうですから簡潔に、一、二点大臣にお伺いしたいと思います。  一昨日の大臣の松井委員に対する答弁の中に、放送法の改正に関して、占領下にできたものだから、断固改正する、こういうお答えがあったわけですが、占領下にできたからこの放送法が改正されなければいけないという理由を、一つ具体的に御説明願いたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 現行放送法は、占領下であった昭和二十五年の二月かに制定されたものであります。当時は御承知のように商業放送とか、また今日のテレビなんというものがなかったときでありまして、いろいろな面で適切でない点も多少ありますので、そういうような意味で、現行法を制定した当時と今日との事情は非常に違ってきておるという点で、私は松井委員に申し上げたつもりであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 大臣のこの委員会最初のときの説明書を見ますと、占領下にあった時期においてと、あとは、商業放送及びテレビの発足を見ない時期においてと、こう書いてあるわけですが、やはり憲法改正に関する自民党の一貫したいわゆる占領下にできたものだからという態度、それをそのままこの放送法に当てはめるということは妥当じゃないと私は思うのです。ですからもしそれが妥当だとするならば、占領下にあったためにどういうところが現在と合わないのかを御答弁願わなくてはならない。そうでなくて、当時から見ると今日商業放送等が非常な発達を見たから、従ってそれが主で改正をしていきたいのだ、こういうふうに御訂正になるか、どちらかをはっきりお伺いしたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 この点は憲法改正とかなんとかいうような問題とは全然違っております。私としては、ともかく作られた当時は商業放送もないし、テレビジョンなんかも全然夢のようなころでありましたので、いろいろな点から勘案して当時と今日とは相当様子が変っておるので、この放送法の改正を必要とする、こう思っております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 大臣の御答弁は大体わかるわけですが、放送法等は超党派で制定されたものですから、私どもは占領下においても当時の実情に即して最も妥当なものを作ったという確信を持っていますから、占領下にできたものだから改正をするのだということはないのだというふうに解釈いたします。そういうふうな御答弁だったと思います。  ついでに浜田さんに一点お伺いしたいのですが、今のことに関連いたしまして、今日商業放送が非常に発達してきたわけですが、放送法の第一条と第四十四条とに照らし合して、今日商業放送の放送内容等に関する指導あるいはこれに対する監視といったような面からは、どういうような処置を講じておられるのか。しかも、もし四十四条等に違反するということがあった場合には、どういうふうな処置をとろうとなさっているのか、その二点に関して御説明をいただきたいと思います。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 放送法には民間放送につきましてはあまりたくさんの条項がないことは御承知の通りであります。四十四条というのは、日本放送協会の番組編集について規定してあるのですね。それでもし民間放送がこれに違反した場合にはどうするかということなんでありますけれども、それにつきましては、今日では何らの規定もないわけで、自戒自粛によって四十四条に従うようにやっていただくより手がないわけです。この方針は、今後放送法がどういうふうに改正されるかということに関連しますけれども、放送協会はむろん、民間放送につきましても、やはり罰則とか規制方法とかいうものは、必ずしも放送法で規定しないでやっていくのがいいのだろうと目下は考えておるわけであります。なお皆様方とか多くの方々の御意見を拝聴いたしまして考えていきたいと思っておるわけであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 そこで大臣にお伺いしたいのですが、実は私ゆうべ久しぶりでラジオを聞いたのです。民間放送の十時からのニュース解説を聞きました。その中に、総評の今回の三月の春闘を取り上げまして、このねらいとする主目的は大企業の賃上げにあるのだ、総評の打ち出しは中小企業の賃上げ等も含めて打ち出しておるけれども、実際には大企業の賃上げがおもなんだ、こういうことを断定的にはっきりとニュース解説でやっていたわけですが、同僚に聞いてみますと、こういうようなことが再々行われているらしい。私はゆうべ初めて聞いたのです。従って、こういうような問題に関しては、第四十四条の条文に照らしても、その見解が非常に片寄っている、こういうことがはっきり言えるわけです。民間放送に対しては四十四条の適用ができないというようなことを浜田さんはおっしゃっておりました。その通り私も承知しております。そこで大臣は放送法の改正をはっきりと言明されていますが、この点に関して、一部だけでけっこうですが、その放送法の改正に一体これらの問題をどのように処置しようとお考えになっているのか、民間放送に対してこういう規制をしようというようなお考えでもあるのかどうか、放送法改正の一部の、この問題に関してだけの御構想を今からお伺いしておきたい、こう思うわけであります。

村上勇自由民主党郵政大臣

○村上国務大臣 私は原委員のただいま御指摘の昨晩の放送がどういう放送であったか、全然知りませんが、これとは私何ら関係がないのですけれども、私が今放送法の改正をしようという中に、そういう点についてどう考えるかという御質問のようでありますが、私としてはそういう点についても慎重に研究して参りたい。いかような結論が出るかまだ決定的なものはありませんけれども、少くとも言論を圧迫するとか、あるいはまたある特殊な意味を持った一派に偏した放送をするというようなことについては、十分注意しているつもりであります。しかし現在の民放においてどういう放送をしているかということについては、私は全然関知しておりません。その点御了承願います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 まだ焦点がはっきりしていない放送法の改正を断固やるとおっしゃっておるわけですが、さきに委員長の質問の中にあったように、放送法の改正の大体の構想をしぼった焦点ぐらいは早期に大臣からお出し願って、そこで一つ逐条的にこの問題を取り上げてみたいと思います。  そこで、中間的な措置として濱田さんにお伺いしたいのですが、こういうような問題であまりにも片寄った見解が民間放送から逐次出されるということは、社会の混乱を来たすおそれがあると私は思いますので、これに対して手をこまぬいて見ている以外にない現在の放送法によっては処置しようがないのだ、こういう御見解であるのか、ないしは再免許等のときにおいてこういうことを考慮できるのか、考慮しようというお考えであるのか、この点を一つ伺いたい。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 先ほどの御質問にちょっと付言したいことがありますが、四十四条の三項というのは一般放送事業者にも準用されるというのは、五十三条によりまして規制を受けるわけであります。その次の、もし民間放送が先ほどのお話のような不適切な放送をした場合に対してどうするかというお話でありますが、それは免許というような場合において政府当局は事業全体について勘案しまして、財政あるいはその業務のやり方とかいろいろな面を見て、それが免許をする資料になるわけでございますから、もしそういう場合がありました場合には、それも参考資料につけ加えられるものと考えていいかと思います。

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員 関連して。ただいまの御答弁は、私はきわめて重要だと思う。そうするとあなたは、言論の内容についてまで業務の免許、不免許の条件にするとおっしゃるのでありますか。そこを明瞭にしていただきたい。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 言論の自由を今お話しになった点によって制肘しようとは考えていない。明瞭に法律に違反したという場合にはこれは考慮さるべきものであろう、そう考えたわけであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 時間がないようでありますからあと一問だけでけっこうでありますが、今の問題で違反するしないという、第三項に違反しているかどうかというようなことを判定しようとする何か機関があるのか。あるいは常時そういうものをチエツクするような立場をとられているのか、そういう点をはっきりしておきたい。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 そういう機関は目下のところございません。またそういうことをしようとは目下は考えておりません。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 言論の自由に関係して非常に重要な問題なのですが、確かに言論の自由は尊重さるべきで、尊重されなければならないが、非常にデリケートな問題になると思いますが、少くともあまりに放任するということは非常に大きく社会の混乱を起す原因になりますから、何も今手段を講じていない、その機関がないとおっしゃったのでありますが、これに対してもある程度考慮を払われ、私どもには一案がありますが、次の委員会で具体的にこの問題では御意見を伺いたいと思いますが、次会までに何かこういうことに対して何ら手をこまぬいているような現状でなく、何かの方法があるかどうかを御考慮願いたい。そうして次会の委員会ではこれを中心に私の御回答を伺いたいと思います。

松前重義日本社会党

○松前委員長 他に御質疑はありませんか。  他に御質疑はないようでありまするので、次会は公報をもってお知らせいたすことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十五分散会

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