P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
24回国会衆議院1956/10/12

地方行政委員会 第60号

発言数
143
登壇者
10
会派数
2
開催日
1956/10/12

会議録

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 ではこれより会議を開きます。  本日は警察に関する件について調査を進めます。なお説明員として、調達庁長官今井久君、次長の丸山佶君、連絡調査官磯淳璽君、警察庁は、長官が病気で出席できないそうですから、刑事部長中川董治君、警備部長山口喜雄君が出席しております。  亀山君。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 昨日私は自治庁当局に地方債の限度の問題について質疑をいたしまして、きょうその御答弁をいただくことにしておりましたが、だいぶあの問題は重要問題でありますので、きのうきょうだけで答弁されても困りますから、私の方からきょう答弁を求めずして、いましばらく自治庁当局において十分検討せられた上で、次の委員会に御報告願うということにいたしたいと思いますので、その点御了承願いたいと思います。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 よくわかりました。  それでは発言の通告がございますから、順次これを許します。北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 きょうは警察の問題、特に今重要な問題になっておる砂川の基地、飛行場の敷地の接収にからむ問題につきまして、警察並びに調達庁に対して二、三お伺いをしておきたいと思うのです。ところがこの問題の責任者である国家公安委員長の大麻国務大臣が御出席になっておりません。やはり私どもとしては大事な警察行政の運営について最高責任者の御意見を聞かなければならぬ。大麻国務大臣はきょうは消防の大会があるのでその方へ参る都合で、三時まではだめだという話でありますが、なお一つ委員長の方でもお考えを願って、あとででも大麻国務大臣に当委員会に出席をしていただくということを、あらかじめお願いを申し上げておきます。  そこで最初にお伺いするのですが、きょうの情報によりますと、砂川の問題について、いよいよ警官の出動の指令が下ったというふうに伺っております。警察庁としては、きょう出動するような問題についてどういうふうな御指示を警視総監の方になすっておられるか、この状況をまずお伺いしたいと思います。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 警察といたしましては、現地でいろいろなトラブルが起り、混乱が生ずるおそれがあります場合には、やむを得ず必要な措置をとらざるを得ないのであります。別にきょう何時から出動するようにというような指示はいたしておりません。今日までもまた今後におきましても、もしそういう不法な事態が起る場合あるいは起るおそれが非常にあるというような場合には、警察の判断に基きまして出動することはあり得ると思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 先ほどの情報では、きょうから出動するということで現地にも四、五十人もう行っておるというような話を聞いたのでありますが、昨日あたり警察庁は警視庁並びに調達庁といろいろお打ち合せをしたようであります。その結果今日の出動ということになっておるのじゃないかと想像されるのですが、しかし、石井警察庁長官は、一昨日でありましたか、今までの状態であれば、まだ警官が出動するような段階ではないような印象を受ける見解を発表されておる。そういう見解に違いが出てきたのかどうか、こういう点をなおお伺いしておきたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 これは一に現地の模様いかんによることでありまして、ここで私から何とも申し上げかねますが、先ほどから申しましたように、現地で何かトラブルが起るおそれが非常にあります場合には、やむを得ず出動することもあり得る、かように考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 もちろんそれは現地の事態でありましょうが、その従来までの現地の事態を、石井長官は——小さな違反は、道路交通取締りにしても、違反があるといえば、そこら近所すべて法律違反ばかりあるわけなんですが、まだ今までの程度ではそういう段階ではないというようなことを言っておられるので、その点は警察庁としてはやはり変りはないのかどうか、今日になって状況が変ったのかどうか、この点を一つ明らかにしてもらいたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 何も今日出動するという方針をきめておるわけではないのであります。先ほどから申しますように、現地の模様が非常に切迫して参るようでありますれば、やむを得ず出動することもある。しかし、今日別に出るということをきめておるわけでもございません。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 これは警察としての総合判断なんですが、砂川の問題は、昨年も同じような事件があって、そして一つの教訓というか経験をわれわれは受けておるわけです。それで見ると、現地のトラブルが、血を見るような、たくさんの負傷者が出るような事態になったというのは、警察権が発動されて、実力の援護をもって強制的な測量をやろうとする、そうすれば血を見る、ということになって、昨年もたしか百名くらいの負傷者が出たわけなんですが、警察の基本的な任務は、法律の違反なりあるいは公共の秩序、特に個人の自由と権利を守ることだと思うのです。そういう点からすれば、警察が出ると血を見ていろいろな問題でトラブルがもっともっとひどくなる、こういう昨年の経験を経ているわけなんで、この点については警察庁としては一体どうお考えになっておるか。ちょっとした違反事件のためにたくさんの警察官を動員をして、その結果また同じように多数の負傷者なりあるいは死者も出るかもしれぬ事態を招くかもしれぬということは、だれが見ても十分予想がつく、こういう点について警察庁としてはどういうお考えでおるか、私は、前に石井長官にもお会いをして、石井長官の見解——そういうものは避けたいというようなお考えを聞いて、実は感服をしておるのです。そういう態度であくまで進むお考えであるかどうか、一つ最近における、きのうきょうあたりの警察庁の考え方というものをお聞きしておきたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 警察といたしまして、負傷者とかそういうような不祥事が起ることは毛頭希望も、もちろんいたしませんし、そういうことのないように願っておるのであります。ただ現地でいろいろな紛争が起りました場合には、これは警察として必要な制止その他の措置をとらざるを得ないことは、御了承願えることと思うのであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 警察としては犯罪を予防、鎮圧をするという建前からそういう理屈でもって、そういう立場で行動をしなければならぬという点があるでしょうが、この事件は昨年の例でもわかる通りで、実際に警察権を発動してみると、何のことはない、警察の実力を背景にして強制測量をやる、測量の援助をする、協力をするという結果に、だれが見ても、そうなってしまう。警察はただ法の秩序を守るという立場で行動すると言っても、実態はそういう結果になってしまう。結局測量隊というものが警察の援護を受けて、国家権力によって、警察の実力によって強制的に住民の反対を押し切ってやってしまう。こういうふうな結果にならざるを得ないのであって、一つ私は石井長官のこの前の考え方、これを貫いてもらいたいと思う。警察というものは、単に事務的に行動すればいいのではなくて、警察の運営というものが社会の秩序、あとの影響というものをよく考えて、逆に法秩序を守るために行動した結果が、社会の不安なりあるいはいろいろな紛争を大きくするということでは何にもならない。こういう考えで石井長官もおられると私は思うのだが、そういう考えを守っていただきたいと思います。  そこで一つ率直にお伺いしますけれども、警察としてはどうでしょう、大麻国務大臣にあとでお伺いしたいのですが、こういう問題は警察の力によって解決をしてもらいたくない、別にどこかでもっとこの問題を解決するところがあるはずなのだから、そういう政治的な上層部のところで、この問題を解決してもらいたい、警察にしりを持ってきてもらっては困る、こういうお考えでおられると思うのですが、それはどうなのでしょうか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 警察といたしましては、この問題が円満に話し合いの上、解決することを衷心から希望いたしております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 これは長官あるいは大麻国務大臣にお伺いしなければわからぬのですが、今まで調達庁と警視庁といろいろ話をして、そういう線で警察庁長官はどういう措置をおとりになったのであるか。これはやはり政治的な問題です。どういう意見を述べて、どういう要望をしておるのであるか、その点も事情がわかっておりましたならばお伺いをしておきたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 問題の解決のために警察が積極的にイニシアチブをとるといいますか、そういうことは警察としては差し控えているのであります。しかし問題が円満に解決をして測量が円滑に行われるということは、われわれこいねがっているのであります。別に警察が出ていろいろな問題が起るということは、われわれとしてはもちろん考えておらないのであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 測量が正しいという前提に立って行動するならばそういうことになると思うのですが、しかしこの測量あるいはその土地収用そのものがわれわれの見解からするならば、そこに法律的な正当さを持っておらないというふうに考えるわけでありまして、そういう例はたくさんあると思うのです。一応そういう権利があり、正しいものとして警察がこれを援護したあとで、ひっつくり返されたというような場合が私はあると思う。そういうこともやはり考慮の上で行動すべきだと思うのですが、ここで調達庁にお伺いしておきたいのですが、昨年来の砂川における土地収用、家屋の収用、そういうものの手続の経過というものを概略でもいいですが、お話を願いたい。どうも土地収用法あるいは例の特別措置法のごときは法律のことでありますから、非常にむずかしい。そこで大体の概念を入れておきたいと思いますから、一つ概要を調達庁の長官からでも次長からでもいいですが、説明して下さい。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 それでは昨年から今日までに経たる経過の概略を申し上げます。  飛行場拡充という問題が政府の意思として決定されまして、米側との話がなりましたのが昨年の春でございました。これに基きまして昨年度に飛行場拡張の予算等を組み、国会の承認を得まして執行するような段階になり、昨年のたしか五月以降と思いますが、調達庁ではおのおのの担当の調達局が地元に参ったのでございます。砂川に関しましては当初から実は遺憾ながら話が円滑に進まない。そのために立ち入り準備のための調査と申しますか、拡張区域そのものを具体的にきめるための調査等を八月ごろからいたすにつきましても、いろいろ地元との衝突がございまして、円滑に行かず、結局閣議で区域をはっきりきめましたのが九月と存じます。そうしてその九月以降、その区域内のうち最も速急に必要とする滑走路部面並びに誘導路部面というものを、ぜひ精密な測量をしていかなければならないという状況から、十一月に滑走路の部分の測量がようやく済みました。しかしそれがいわゆる昨年の砂川事件ということで、世間をお騒がせしましたような状況でありますので、その後これを収用委員会に持ち出して、いわゆる法的措置によって土地を取得する。これに関しましても当時国会でいろいろ議論もございましたし、また政府の方針といたしましてもできる限り話し合いを円滑に進めるということで、測量は十一月に済みましたが、それまでに至る間の諸手続等は延ばしまして、その間東京都知事さんがあっせんに立たれ、あるいは担当の大臣がいろいろ努力をされてきました。従いまして、関係者のうちのある数の方々については話がついて契約がなっていくということもございましたが、最終的には、どうしても話のつかない方の部面はやむを得ずということで、ことしの六月、七月にかけまして収用委員会に申請をいたしてあるわけでございます。この収用委員会に申請いたしましたにつきまして、収用委員会が法に基いて審議を継続するについては、地元に通知し、地元の町長が公告縦覧をする、こういう手続がございます。その手続に関しまして町長の拒否に会いました。従いまして収用委員会といたしましては、その事務を担当いたします都庁の方でかわって措置するための訴訟というようなことが起っておるのは、御存じだと存じます。一方、今申し上げました滑走路部分のもの、通常私ども第一次収用認定分と申しておりますが、それに同一の効用を発揮する密接不可分の関係のありますところの誘導路部分というものの測量がまだ残っておりまして、これが同時に同一の手続で進んで行かないというと、結局において支障を来たすというところから、その部分について、やはりどうしても話し合いがつかないというものに関しまして第二次の収用認定がございまして、これに関しまして実は所要の手続すべてを経まして今回測量をいたしたい、かようなことが概略の経過でございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 これは昨年のことなんですが、そうすると、昨年の十一月のいわゆる特別措置法による収用認定が済んだあとの測量は別として、それ以前の六月とか七月とか八月とかには立ち入り測量はやらなかったのですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 先ほども申し上げましたように、当初は話し合い、御了解のもとに外郭等を定めるために五日市街道等に出ばりましたのでございますが、それすらもできずにおりましたので、やむを得ずにその区域決定のために立ち入り準備のための測量をいたしました。これがたしか九月だと存じております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 九月には所有者の土地の中に入って調査をした、測量をした、こういうことなんですが、それはいわゆる準備測量ということでおやりになったと思うのです。そうすると、やはり町長さんにも通知をして、そういう手続でおやりになったわけですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 もちろん町長にも通知いたしたわけでございます。しかしこの通知に関しましては、この通知に基く町長さんの処置と、その測量に関しましても御異議がございました。従ってこれに関しましてはやはり都庁の方にお願いしてそれにかわるべき処置を講じてやったわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 その都庁でこれにかわる措置をやるというのは、どういう規定に基いてやったのてでか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 立ち入り調査の場合にはまず所有者の方の立ち会いを要するわけでございます。それから立ち会いが得られない場合には地元の町村の方の立ち会いを要する。これが得られない場合には知事の命ずる吏員の立ち会いを要する、こういうのが土地収用法の規定にございますので、その手続を踏んだのでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 ただその地域の収用認定の前でありますと、いわゆる収用法の十一条による準備調査の立ち入りだと思うのです。そうしますと、これはやはり市町村長の方に通知をし、また町長の方から通知あるいは公示をしてやらなければ、その土地には立ち入れないのですが、何か知事がかわってやれるというような規定がどこにあるか教えていただきたいのです。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 十一条の事業の準備のための立ち入りでございますが、これに関しましては、起業者すなわち調達局長が都知事に通知すれば、それをもって立ち入りの権利と申しますか、権限はできる、こういう解釈でございまして、これに基いて局長から各人に通知すればよろしい、このように解釈しておりまして、その措置をとっておるわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 その解釈は間違いじゃないでしょうか。私も法律のことはよくわからぬけれども、事業準備のための立ち入りは第十一条にもあり第十二条にもある通りで、やはり十二条の手続を経ておらなければならぬ。第十三条に「土地の占有者は、正当な理由がない限り、第十一条第三項の規定による立入を拒み、又は妨げてはならない。」とあるのですが、町長の通知がないじゃないですか。土地の占有者に対する通知または公告がなければ立ち入ることができないのじゃないですか。従ってそういう手続を踏んでおらない以上は、土地の占有者は拒んでもいい正当な理由がある。また逆を言えば、調達局がこの十一条の準備調査の立ち入りをするについては、やはり町長のそういう措置がなければその土地の中に立ち入ることはできない。収用認定後であれば、それは別な三十五条とかそういうものでできるかもしれませんが、少くとも収用認定以前の準備調査はできないのじゃないか、そういうように解釈するのですが、何かできるような規定がございますか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 事業の準備の立ち入りに関する十一条、十二条等の関係におきまして、町長の行為という問題に対する解釈がいろいろございまして、われわれといたしましても政府部内の関係各省、法制局等の意見を聞きましたが、その効力においてはおのおのの所有者に通知をすることをもって足る、こういう解釈をとっておるのでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 今でもそういうことは正しいとお思いですか。それならば第十二条の第二項の「市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、直ちに、その旨を土地の占有者に通知し、又は公告しなければならない。」ということなんですが、それは一般的な知事の公告なり通知というものとは別なんですよ、市町村長の場合は……。というのは、府県知事はただその土地の区域、期間というような一般的な通知をするのですけれども、ほんとうに現実に立ち入るというような場合には、その五日前までにその市町村長に通知をし、町長からやらなければならぬという、その行為がなければ正当な立ち入りはできないのですよ。そうじゃないのですか。それでなければこんな規定を設けるということはナンセンスなんです。知事の通告だけでいいのですよ。ダブってここにあるということは、大体この期間にこの区域に入るのだという公告は知事の公示でもいいかもしれぬ、しかし現実に今行くのだという通知は五日前までに町長のところに通知をし、その町長が手続をとらなければ土地の占有者は反対してもいいのですよ。第十三条によって正当な理由がある。だから今度の問題じゃないけれども、去年の問題だけれども、私は第十一条あるいは十二条の違反だと思う。そういう立ち入り調査をやるということはどうですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 その点は先ほども申し上げました通り、当時議論もございましたので、関係各省の意見並びに法制局の意見によりまして、その点は町村長のかかるものがなくても法律的な効果においては有効である、かような解釈が得られましたので、そのようにいたしたのであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 法律というものはむだに規定を作っているのじゃないのですよ。だからそれで有効だと言うなら十二条なんか要らないのですよ、めんどうくさいことは……。やはりそういう規定をして、現実にいつ行きますというその日を指定して、そういう手続をしていかなければ、占有者に対してその日に調査をするという権利は出ないと思う。そのための十二条なんです。だから今のような解釈なら十二条はあってもなくても同じじゃないですか。何のために十二条はあるのです。法制局というのはだれだか知りませんが、一つこの委員会でもはっきりさせる必要がある。一体法律というものは、あってもなくても意味が同じだというような規定をなぜ置いておくか。そんな便宜的な解釈が許されるものじゃない。私は明らかに昨年の収用認定以前の立ち入り調査というものがその十二条の手続を踏んでおらないとするならば、これは違法である、こういうふうに思うのです。何のために第十二条があるのですか。委員長、これは一つ法制局にも来てもらって、その点をもう少し明らかにしてもらいたい。  それではその問題はさらに聞くとしまして次に移ります。同じ収用法の問題ですが、今のようなことは去年のことなんですけれども、これは住民にとっては死活問題、また日本国民全体にとっても重大な問題なんです。そういう規定を無視するような措置を便宜的な解釈でもってやっておる。こういうやり方をやっておる調達庁の調査測量というものを警察官が千人も動員して援護していいものかどうか、そういう御確信があるのか、自信があるのかどうか、これを一つ警察庁警備部長からお答え願いたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 その問題につきましては、昨年の測量の際にも議員の方から御質問があったと思うのであります。それに対しまして、政府当局といたしまして、私の記憶ではいろいろと法律の解釈について慎重に検討しまして、法制局の正式の見解が、たしかこの委員会で表明されたと私は記憶いたしておるのであります。従いまして政府といたしましてはその見解のもとに処置をいたしておるもの、私はかように思っております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 それと、こういうことがあるのですよ。私、速記録を調べてみると、昨年七月一日の内閣委員会でこの立ち入り調査の質問が出たわけなんです。ところがたしか調達庁の長官だったと思いますが、道路だけの調査だから知事に通知すればこれで十分なんだというような解釈なんですね。だから道路だけならいい、ほかならだめだ、逆に言えば……、そういうことを内閣委員会で答弁しておるのですよ。今の答弁とは違うのです。道路以外はだめだということを裏書きしておるのですよ、この七月一日の内閣委員会で。それ以外は知事だけに対する通知ではだめなんだ、こういう答弁をしておるのですから、今のような答弁とはまるで違うのです。どうなんですか、その点は。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 法律解釈につきましては私から申し上げることを御遠慮いたしたいと思いますが、当時御質問に対しまして疑義を残さないように慎重に検討いたしまして、そういう法制局としての正式の答弁が委員会でなされたと私は記憶いたしておるのであります。従って政府といたしましては、その解釈に従って措置をとっておると思うのであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今の質問に関連して警備部長にお尋ねいたしますが、実は先ほど十二時に私は警視総監に会いに行ったのです。それは現地の今日の警察官の出動の問題に関連して行ったわけなんですが、あなたの方では昨晩中に、きょうじゅうに強制測量をやる、しかも警察庁を千人動員して、あくまでも実力の行使をやるのだ、こういうように昨夜のうちに方針をきめられて、どんなことでもきょうやるようにおきめになったのかどうか、その点をお尋ねしたい。今のようになおここには法制局長官に来てもらって、今の疑義のある点についてたださなければならない点等があるのですが、しかし現地の警視総監自身なんかそういうような話で、あなたの方の了解を得たというお話なんです。そういう了解を昨晩じゅうに与えてあるのか、その点をまず第一番目にお尋ねしたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 測量をきょうじゅうに強行するとかしないとかいう問題は、これは警察としては関係しない点であります。ただ警察としましては測量に関係して紛争が起りますような場合には必要な措置をやむを得ずとらざるを得ない。警視総監がどういうように言われましたか私聞いておりませんが、紛争が起ればやむを得ず必要な措置をとらざるを得ない。そのための必要な準備的な措置は警察といたしましては今日までとって参っております。従いまして先ほどもお話いたしましたが、一に現地の模様によるわけでありまして、きょう別にぜひ強行するとかなんとか、そういう方針をあらかじめきめるというようなことはあり得ないことと私は考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 実はきょう午前十一時に調達庁の方の測量班が参りまして、現地でいろいろ話し合いをして、一応なお一つ話し合いを続けようではないか、そういう話が一応終ったころに制服の警察官が六十名出動しまして、しかも何か非常に興奮した面持で出られまして、そして実力行使はやむを得ないんだ、こういうような何か口吻をいろいろ漏らしていられた。そこで現地における諸君もいろいろ話をしまして、その話は警察官との間には三十分ぐらいも続いたようですけれども、十一時半ごろに一応お帰りをいただいた、こういうわけなんです。しかしこれは現地側におきましても、大体午後の二時ごろにはあなたの方で待機されている千人ほどの警察官をきょうは動員させるのではないか、こういう非常に逼迫した気持なんです。きのうまでは、社会党の国会議員との間に話し合いはしているのだ、こういうようにあなたの方でもお認めになっているのに、なぜきょうになって突然そういうように事態が変ってきたものだろうか。警視総監は政府委員でないから、ここに呼んでお尋ねするというわけには参りませんが、この点はもう十分警察庁との間には了解済みなんだ、こう言うんです。そこでこれはあとで今井長官に私の方から言いますが、実は三日ほど前に警備部長も御存じの通り、社会党の淺沼書記長以下われわれとの間に船田防衛庁長官は、鳩山総理の訪ソ中は測量は一時中止してもよい。なお淺沼書記長から裁判確定の後においてという話があった際に、あわせて一月待てというならば待ってもよろしい。もちろん防衛庁長官としては、鳩山総理の訪ソの目的が達成し、一月の期間を置いた後においては、自分たちの方としては従前の方針で測量はしたいのだ、この点についてはどうですかという話があった。そこで私の方はいろいろ帰って検討して、実は一昨日も私の方では午後の二時、午後の四時と両回にわたって防衛庁長官と折衝を持つべく交渉し、きのうの午前十時には防衛庁長官の秘書官から、きのうの午後には必ず会います、こういうことであった。これがなぜそういう問題になったかというと、きのう根本官房長官のところに行った際に船田防衛庁長官は、そういうことを言った覚えはないということになった。これは重大な問題なんです。そこできょう閣議が終りましてからさらに折衝しまして、きょうの午後五時に防衛庁長官室で私たちは会うことになっている。これは新しく防衛庁の長官からそういう提案がなされた。これは重大問題です。そういう段階で、われわれも一昨日からその回答されたものをもとにして、ぜひ交渉を続けようとして、きょうの午後五時にはその点で話し合いをすることになった。ところがき、きょう江口警視総監は、もうすでに昨夜じゅうに、きょうはいわゆる警察官の出動やむを得ない、そういう措置で私は総監室を一歩も離れることはできないという。現地からの話では、十一時半に制服の警察官六十名がそういう格好で一応は帰ったけれども、午後の二時ごろには大挙出動されるのではないか、こういうんです。これはこの間私ども参りました際に、あなたも御同席のように、野党であるわれわれと与党並びに政府首脳部との間に、できれば円満に解決をしてもらいたい、こういう話もあって、われわれはやっているわけなんです。それがどうしてきょう突然そういうふうに事態が逼迫してきているのか。そういう点について警察庁としては警視庁の現場に対しては何らそういうことはさしていないということになれば、われわれとしてはさっそく現場の警視総監に対して、あなたはそういうふうにおっしゃったが、正式の委員会ではきょうは長官がおいでになりませんから、あなたからぜひ御援助いただいて、われわれはさっそくお伝えしなければ、午後の二時には現場においてはそういう状態になっている。これは私たち政治的に午後五時に折衝しようという段階において非常にふに落ちない。ぜひそういう点でどうしてそういうふうになられているのか、なおそれが私の間違いであり、江口警視総監の話が非常に思いつきであるというなら、そういうふうに一つここでお話をしていただきたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 警察の方針としまして、今までと変った方針を別に今日になって立てたわけではございません。今までの方針通り、これはたびたび申し上げておりますような気持でやっておるのであります。おそらく警視総監が言われましたのは、もし現地で何か紛争が起るような場合、あるいは起るような危険が非常にあるというような場合には、警察はやむを得ず必要な措置をとらざるを得ないということをおっしゃったものと私は思っております。従いまして別に何月何日の何時を期して警察が出るというようなことは毛頭考えておりません。ただ現地で私どもは紛争が起らないことを心から祈っておる次第であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは私はあなたにお尋ねをするのですが、今までは制服の警察官が出たことはないのです。これは私どもお伺いしました際にも、あなたの方から現場の状況を見るためには私服の刑事を出してある、われわれの方でも、私服の刑事に出られて一つ現場を詳細に見てもらいたいということで、その点は了解している。それがきょうになって制服の警察官が六十名出られているということは、何か逆な見方からすると、制服の警察官が出て事態がそこで紛糾してくる、それをもってさらにたくさんの方が出られるというのではないのでしょうか。なぜ一体きょうになってそういうように制服の警察官を六十名出されるような事態になったのか。この点はあなたの方では、警視総監との間にはそういう話は全然なさっていないのですか。これは非常に重大なんです。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 署長が現地の模様を見ます場合、あるいは現地でいろいろとお話し合いをするような場合に、警察官を出すか出さないかということは、これは一に現地の状況によってきまるのであります。別に私の方であらかじめ六十名の警察官を連れて行くようにということについて了解もいたしておりません。これは現地の指揮者の判断によって処置がとられるものと私は考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 この問題は警備部長一つよくお聞きいただきたいのです。この問題はあなたの方でも、これは現地で解決のできる問題ではないんだ、ですから当然これは政治的な配慮とか政治的な折衝によって、これが円満に解決をされなければならないんだ、こういうようにあなたの方でもお話がある。また私は警察当局としてはそうあるべきだと思う。ただ現地の状況だけで、ちょっと何か押し合いがあったというだけで待機されている千人からの警察官を入れる、それがさらにより大きな問題に発展することはお互いに避けるべきだ。そこで私から先ほど申し上げましたように、あなたの方でもこの事態を円満に解決するように希望している。それで私の方でもその三日前に話がありました。これは船田防衛庁長官の談なんです、これは非常に重大なんです。測量を一時中止してもよろしいということで、そこで私どもやっときょうですが、向うの方でもその点について話し合いをすることになったんです。あなたはそう言わないけれども警視総監はそう言われている。どうしてもその点がはっきりしなければ委員長にお願いして参考人として警視総監にここに来ていただいて——重大な問題なんですから、そういうことになっておりますので重ねてあなたに御答弁を願いたいのですが、今政治的な解決の方向に向いつつある、期待している通りになるかならないかはそれは話をしてみなければわかりませんが、きょうの午後五時ときまったんです。それであるのにきょうそういうような現場において逼迫した事態だということは非常に遺憾なんです。そこで山口さん、あなたの方でそういうことを絶対言うてないということになるならば、恐縮だけれどもここに重ねて警視総監に来てもらって、さらにその事態について話をしなければならぬ、何とかして避けるようにしたいという気持があるので私は話をしているのです。整備部長一つ御答弁を願います。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 警視庁との間では、要するに紛争が起れば警察としてはやむを得ず出動しなければならない、この点については前々から意見はお互いに一致しておるのであります。警視総監が言われましたのはどういう意味か私もはっきり存じませんが、おそらく現地でそういうトラブルが起れば警視庁としては出ざるを得ない、そのために必要な措置は取らざるを得ないということを申されたのだと思います。先ほどからお話のように別に何時に何名の警察官を出して、何時からどうやるというような、あらかじめ警察がそういう計画を立てて事を進めるべき筋合いのものではない、一に現地の模様によるわけであります。私は現地で紛争の起らないことを心から希望いたしております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それではもう一度重ねてお伺いをいたしますが、きのうまでは話し合いをやったんだが、それはいわゆる合法的な手段だ、それがきょうになったらその同じ状態の話い合いが今度は合法でないのだ、これは一体どういう解釈からくるんでしょうか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 昨日までの状態が全部が全部合法的であるとは私どもは考えておりません。中にはそのワクを越えておるような事態もあったように思うのであります。ただしかし警察としては御協力いたしまして、慎重に事を処理して参った次第でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そうすると、きのうまではまあ全部が全部合法であるとは言えないにしても大部分は合法で、一部は何かあなたの方で言う道路取締法とかあるいは軽犯罪法というようなものにかかるおそれがあるのではないか、そういうことであるが、しかし円満に解決したいということできのうまではがまんをしていた、ところがきょうになってそのがまんができないというのは私はおかしいと思う。さらに今申し上げましたように、われわれの方としては五時にそういう会談を持つことになっているので、この点は警備部長から警視総監との間にはそういう話がないようなお話でございますが、これはぜひ一つ警視総監を参考人として呼んでいただきたいと思います。  なお今井長官に私どもからお話ししますが、あなたは船田長官が一時測量を中止してもよろしい。それから一ヵ月延期してもよろしい、それはもちろん自分たちの方針は、後においても変えてないのですよという長官の意味でありますね。日ソ交渉のさなかにおいては一時測量を中止してもよろしいのだ、あるいは一ヵ月間延期してもよろしい、こういう話は聞いておりませんか。

今井久調達庁長官

○今井説明員 お答え申し上げます。この測量の実施につきましては、船田長官から測量を中止するというようなことについては全然聞いておりません。私は船田長官と昨日もお会いしました。そして私どもの所管事務についていろいろお話したのでございますが、測量につきましては、もうすでに政府の方針も閣議で決定した、その方針通りすみやかに実施してもらいたいというお話はございました。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それはいつですか。

今井久調達庁長官

○今井説明員 昨日でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それじゃ私から長官に申し上げますが、実はきょうの五時にその問題で会うのです。御承知のように新聞の朝刊にも夕刊にも測量は一時中止してもよろしいということが出たわけですね。それには二つ問題がありまして、鳩山総理の訪ソ中は測量を中止してもよろしい、あるいは一ヵ月というなら一ヵ月待ってもよろしい、しかしそのあとは既定方針通りにやらしてもらいたい。このことは長官からお話がありましたが、その前段についてはそういうお話があった。それできのう官房長官にお会いしましたところ、先ほどお話したように、船田長官もどういうように考えられたのか、わざわざ根本官房長官のところへその翌日行って、自分はそういうことを言ったことはないということを言っている。これは非常に重大な問題なんで、私らはきのうから折衝してきょうの五時に会う、これは私たち全体に対して、とりわけ内閣委員の諸君も多くいられた席で言っているのですから、この問題は長官としてもそう簡単に取り消しはできないと思う。  そこであなたの方では、それはあくまでもやりたいという方針には変りはないのだが、あなた自身は、鳩山さんの行っている間は一時待ってはどうかなんということについては、毛頭考えていないのですか、あるいはまた裁判が行われる、それを待ってからやろうというような意思はあなたには全然ないわけですか、それはどうなのですか。

今井久調達庁長官

○今井説明員 測量の実施につきましては、これは調達庁が実施いたしますことでございますが、実は基地の問題全体を通じまして、これは関係各庁にも関係のあることでありますし、政府全体の方針としてきめていく問題であるというような方針から、私がちょうど着任いたします少し前に、この基地の問題につきまして基地閣僚協議会というものができました。そしてこの実施方針等、そこですべて政府の方針としてきめてやっていく、こういう建前に実はなっておるのでございます。従って砂川の基地の問題のみならず、その他の基地の問題につきましても、この閣僚協議会できめまして、その下の幹事会で細目の点を協議するということでございまして、今回の測量の実施につきましても、この閣僚協議会でこれらの点がきまりまして、その方針のもとに実施していくということに相なっております。私どもはその政府の方針に基きまして、測量を実施するという段階になっております。従って測量はすみやかに終えたいという気持でおりますが、できるだけ円滑にしたいということで、実は一日からやります測量が、今日までなかなか実行できない状況でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 委員長にお願いしたいのですが、今の警察官の出動の問題は、やはり現場担当の警視総監においでいただかなければなりません。この点は一つ委員長の方からお諮りいただいて、この際自由民主党の諸君も、この点についてはぜひ委員長から御提案のあったときには、同意せられて、やはりいたずらな紛争は避けるべきだと思いますので、この点はぜひそういうような取扱いをしていただきたい。警視総監の出席を得られてから、その際私からお話ししたいと思っております。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それから先ほどの法制局の解釈の問題について連絡いたしましたところ、法制局第二部長野木新一さんが今出席されました。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 ちょっと関連して。山口警備部長にお伺いしたいのですが、必要な措置ということを再三言われるわけですが、ただいま横路委員の言われたような船田長官とのいきさつその他で五時に対決をする。それから調達庁のこの立ち入りの問題についても収用法上非常に疑義がある。こういうような場合においては、警察官の措置というのは、測量をやめさせるようにするのが私は適法な措置だと思うのです。はっきりした線で、そうして待ったけれどもどうしてもできないという切迫した事情ならば、これはやむを得ないけれども、今のような切迫した事情は、われわれも法律家でもあり、法律的に判断しまして、こういうような場合は、測量しようとするのを、お前たちまあちょっとやめろというのが、警察官としてのやるべき措置だと思うのです。それを逆に、社会党国会議員も排除するし、ほかの者も排除して強制測量をさせるというのは、起業者を援助することになるのです。ですから今日の現在の状態では、私はこの測量を強行しようとするのをやめさせて、そうして治安を確保するというのが警察のほんとうと行き方であり、使命でないかと思うのですが、いかがでございますか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 お話ではございますが、政府の方針として測量を十六日までに完了されるという方針がきまっておるようであります。警察といたしまして、その測量をおやめになった方がよろしいというようなことを申すべき筋合いのものではなかろう。警察としましては、ただ紛争の起らないように望みます。まことに残念でありますが、もし紛争が起るような場合には、それをうまくおさめるということを考えているだけであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 警察の使命は紛争を起させないようにしなければならない。今山口警備部長のお話によると、測量を強行しようとするから、それに反対する土地の所有者、農民を排除して測量をさせるのが紛争を起させないことだ、そういう考えのようですが、それがそもそも私は間違いじゃないかと思うのです。そういう疑義があって、また政治問題になって、とにかく船田長官と五時に会われるようになっている。そういうようなときに、強制測量をきょう二時なら二時にやろうという場合に、警察官がそれを援助して測量をさせるというのは、これは警察官がみずから事を紛争させるのであって、もしここに血の雨が降るということになったら、私はそれは警察官のやり方のせいになると思うのです。私は、あしたもあることだから測量はもうちょっと待って、そうして事を円満に解決する、これが治安に当る警察官の使命であり、当面の問題としては私はそうすべきが至当だと思うのですが、それでも、やはりそうじゃない、測量を援助して、そうして測量させまいとする農民を排除する、それがやはり警察の使命だ、またそうすると、そうおっしゃるのですか、重ねてお伺いします。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 警察としましては、測量をやめなさいということを申したり、あるいは測量を援助したりする立場でないということをさっきから申し上げておるのであります。警察としましては、紛争が起るのを防ぐのをもって使命といたしておるのであります。ただそれだけ考えてやっておるのであります。測量をおやりなさい、あるいはおやめなさいというような問題については、われわれとしましてはあまり立ち入らない気持でやっておるのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 測量を強行しようとする、農民はこれに反対する、そこで治安が乱れそうだからそれをやめさせる、取り静めるというのが警察の使命でしょう。そこでそれを取り静めるには、今大きい政治問題が起っているから、測量隊が強行しようとするのを警察官は阻止して、二時なら二時に強行しようというのをやめさせるのが、私はこの治安を保つ唯一のゆえんだと思うのです。それを逆にあなたは、測量するのをやめろということは言えぬから、測量はやれやれといって、そうしてそれに農民が反対するなら農民を押えてやるということは、公平な警察の行き方でない。農民の財産権は保護されておる。やはり憲法上同じような基本的人権を持っているのを、警察官みずからがじゅうりんする、こういうように考えられるのです。紛争が起きようとするから、農民の方を排除して測量をさせるか、測量をもう少し、船田長官との会見が済むまで、あしたまで待たせるか、どっちかによって治安を保たねばならぬでしょう。その場合私は、やはり測量をもうちっと待ったらどうだというのが、公平な警察の処置だと思うのですが、その点の御見解はいかがですか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 先ほどから申し上げておりますように、測量の問題につきましては、調達庁の方からお考えをお述べになるのが私は適当であろうと思うのであります。警察としましては、測量の問題自体についてどうこうということを申し上げることは御遠慮いたしたいと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 ちょっと、あなた、頭がいい人だと思うけれども、それじゃ困るんだ。測量を強行しようとするだろう、だからそれを阻止しようとしているだろう。ここに治安の維持が必要なんだ。私は測量を全然やめいというのではない。一日ぐらい待った方が治安がおさまるだろうと思うのです。それをあなた方よく考えればいいと思うのです。その点について、どうも私は警察の使命を無視しているように思う。その点、どうだ、もう少し慎重に考えたら——事は国民か批判するよ。少くともここに国会議員が質問をしており、速記をとっているでしょう。それで、今強制測量を強行するか、あるいはこれに反撃するのをどうおさめるかという場面にきているわけでしょう。だから大きい政治問題であるから、測量をちょっと待った、あしたもあるわけだから、その点はどうかということを私は聞いている。とにかく現場の当面している切実な問題を聞いている。測量をやめさせる権限があるかないかというようなことは聞いていない。治安をどうして保つか、治安を保って血の雨を降らせぬようにするには、測量を一時中止させるか、農民を排除して測量を強行させるか、どっちかだ。私は、警察としては測量を一時やめさしたらどうかとお伺いしている。その点はどうですか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 先ほどからお答えいたしておりますように、測量の問題につきましては、警察といたしましてはお答えをいたすことを差し控えたいと思います。ただ現地で紛争が起らないことを念願といたしておるだけであります。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 門司君。

門司亮日本社会党

○門司委員 この機会に現実の問題として、調達庁の長官と、さらに警察の両方にお聞きしておきますが、調達庁の長官は、今この問題について、立ち入りが不当であるかないかということについての訴訟が起っておることは確認されるでございましょうね。まずそれから先に聞いておきたい。

今井久調達庁長官

○今井説明員 お答え申し上げます。この第一次の認定いたしましたところにつきまして、東京都知事が町長を相手どりまして縦覧の公告をするようにという訴訟が起きていることは存じております。

門司亮日本社会党

○門司委員 そうしますと、その判決が出なければ実際上の土地の収用ができないということも、大体長官は御了承でございましょうね。

今井久調達庁長官

○今井説明員 この点につきましては、地方自治法の規定によりまして律せられる問題であると思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 自治法には明確にそういうものが書いてあります。ここで条文を読む必要はございません。私は今その点をお聞きしたのですが、そういたしますとこの問題の解決は、きょうあしたと急ぐ問題ではないというように考えても、行政上の取扱いとしては大して差しつかえないというように私は考えるのだが、長官はどういうようにお考えになりますか。

今井久調達庁長官

○今井説明員 お答え申し上げます。第一次の認定をいたしまして昨年測量いたしましたところは、御承知のごとく滑走路に当るところでございます。今回第二次の認定をいたしまして測量をいたさんといたしております地域は、誘導路に当る地域でございます。それで実はこれは私が着任いたします前のことでございまするが、砂川基地の拡張につきましては、この滑走路と誘導路と両方相まって、その効用を達するのでございまするので、できることであれば両方の地域を合せまして測量もいたし、諸般の手続を進めていくのが至当であるということでやっておったのでございまするが、昨年の測量その他の実際におきまして、第一次の滑走路の延長だけで実はとどめたのでございます。従いましてなるべくすみやかな機会に、この誘導路の地域につきましても測量をする必要があったのでございます。この点につきましては、すでにもうずっと前に、あるいは同時にもこれをやる必要がございましたのですけれども、できることであれば地元側の提供をしていただく方々とよく話し合いをいたしまして、円満にこれを運びたいというような趣旨から、第一次の測量をいたしましたものにつきましても、先ほど次長が御説明申し上げました通りに、その後の行政手続は非常におくれておりまして、本年の六月、七月ということになって終了手続をとったような次第でございます。従いまして第二の点についても早くそれをしなければならぬということになって、延び延びになっておりました。どうしてもそれらの点を考えまして、もう今回の機会に測量をするというのが、これはやむを得ざることであるということにつきましては、すでに先ほど御説明申し上げました通りに、関係各庁の協議会、閣僚協議会等の方針によりまして、そういうことに相なった次第でございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 それは政府の方針だという話でありますが、私がさっき質問いたしておりますのは、事態はこういうことなので一つ考えていただきたい。今すでに現地の報告は、警察官が出ているという報告を受けております。こういう問題が法的に十分の根拠がない。いわゆる内閣は法制局でこうきめたといいまするが、法制局は国の法律全体を律するところではございません。国の法律全体を律するのは、やはり裁判所である。その裁判所の手続が完了して後に初めて言えることであって、今の法制局の解釈は単なる解釈であります。解釈で国民の権利義務というものが蹂躙されてはかなわぬです。従って今行なっておりまするこの訴訟が、十分目鼻がついて、そうして十分なる法的根拠の上に立って、手続の上にも実際上の上にも遺漏のない手続がとられてからでもこの問題はおそくないのであります。私が杞憂いたしますのは、今すでに警察官の出動があるといわれておりますが、こういうものが確定的にきまっていないうちに、国民の権利が一方には侵犯され、一方には不祥事が起っている。その責任を一体だれが負うかということである。この責任は調達庁の長官が負われるのか、警察当局が負うのか。その点は両方の担当者からはっきりこの機会に御答弁を願いたい。

今井久調達庁長官

○今井説明員 お答え申し上げます。ただいま御説明申し上げました通りに、基地の拡張またそれに伴います測量の実施その他は、すべて政府の方針のきめられたところによって、私ども実施官庁がこれを実行しておる次第でございます。従いましてこれらのことはすべて政府の責任において実行されることでございますから、私どもはこれを実施いたしますにつきましては、できる限り円滑に摩擦の少いように実行されることを希望いたし切望しまして、今日まで第一線の測量班に測量をやらしておる次第でございます。むろん私の所管といたしまして、私自身もその結果起ることにつきましては、十分責任があると感じておる次第でございます。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 もし不幸にして警察で実力を行使しなければならないというような場合におきましては、その実力の行使につきましては、これは警察として全部責任を持ちます。その実力の行使が法令に違反するというような場合には、これは警察の責任だと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 その点さっきから山口君は非常に逃げて問題を話しているようであるが、政府と警察は一体ではございませんよ。ようございますか。今日本で残っている行政委員会は、行政委員会としては多少曲げられた形にはなっておりますが、警察法は多少曲げられておりますが、しかし政府と一体のものではないことは警察法をごらんになれば私はわかると思う。そういたしますと、政府のやっておること、政府の機関できめたものが正しいものなりと断定して、あなた方が間違った行為を行なっていたら、一体どういう結果になるか。警察法をよく読んでごらんなさい。どう書いてあるか。私が読むよりもあなた方は商売なんでしょう。政府の一体の機関であるというならば、これはまた別の問題です。しかしあなた方の立場は政府と一体ではないはずである。憲法で定められた国民の権利義務をあくまでも守らなければならない。そのためには職権の乱用をしてはならないと書いてあるのじゃございませんか。だからあなた方の考え方、今の山口君のような答弁で、ただ警察の任務がこうだからといっても、それは警察の任務だけだ。警察の任務といってもそこにはおのずから経過的な問題もあるし、考えなければならぬこともあるでしょう。けんかをしておって、それを無理にやることがわかっておって、それをそのまま見ておいて、事犯が起ったから取り締るという、そんなものは警察ではありはしない。もしさっきのような答弁をするなら警察と今日の政府は一体であるかどうかということを、先に聞いておきたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 先ほど私が申し上げましたのは、測量をするしないについての責任は、これは政府でお持ちになる。警察としての責任はどうだという御質問ですから、警察権の行使につきましては、それが法令に違反するような場合には警察で責任を持ちます。かように申し上げております。

門司亮日本社会党

○門司委員 問題はそこにあるのです。政府の行う行為でありましても、その行為自身が誤まりであるということが考えられるなら、誤まりである行為を抑圧する、押えつけるのがあなた方の仕事でしょう。警察とは犯罪の予防でしょう。警察法には犯罪の予防ということが先に書いてある。相手方の理不尽なものを、これを認めて、そしてその上で起った事犯を押えればいいというのは、これは警察ではないでしょう。警察を今日政府の機構から離したというのは、そこに原因があるでしょう。警察本来の使命を考えてごらんなさい。政府でやっておることが完全に法律的に見てもどこから見ても完全なものとはいえない。それを強行することによって起る事犯というものは、いわゆるその責任は政府にある。そうするならあなた方の立場から、こういうものには協力ができないのだということをいえるじゃありませんか、調達庁に対してはどうなんです。これはあなた方の立場を、もう少しはっきり考えておいてもらいたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 政府と警察の関係につきましては、私どもも十分承知いたしておりますし、また今日までの砂川の問題に関係します警察の方針なり、態度をごらんいただければ、私どもの気持も十分におわかり願えると思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 そういうことでは納得ができない。それから調達庁長官はさっき責任を負うと言われたが、ただ単に責任を負うということだけで事件は片づきません。もしあなたが責任を負われるというなら、不祥事件が起らないように責任を持ってやるというのがあなた方の立場だと思う。これを強行して不祥事が起っても知らないというのは、きわめておかしな答弁だ。正しいあなた方の答弁ではない。従ってここで議論申し上げませんが、率直に聞いておきたいと思いますことは、すでに現地では問題が起ろうとしておることが今報告されております。警察官の出動があったと言われておる。その場合には必ず問題が起る。そういう場合に、基礎のあいまいな上に立って、しかもまたあなたの上司の船田長官が、さっきの横路君の発言によりますと、きょうの五時にこういう問題をきめよう、話し合いをしようと言われている段階において、そういう不祥事が起った場合の責任というものは、一体どこにいくかということである。これは国民にとって、日本のこれから先の政治の上にも非常に大きな問題であると思う。上司の意見と下の者の意見が違っておって問題を起したということがあってはならないと私は思う。従って警察当局、自治庁当局、調達庁当局にもお聞きしておきますが、事態はそういう事態にきておる。そして円満に話し合いをしようという上司の中で、まだ話し合いの進められておる過程においては、お互いがそういう事件が起らぬようにするということを、ここで一つはっきり御発言を願いたいと思う。

今井久調達庁長官

○今井説明員 お答え申し上げます。先ほど横路さんからの御質問にお答え申し上げたのでございますが、実は船田大臣と皆さん方とのお会いになりました事柄につきましては、私は実は存じておらないのでございますが、その後二、三の新聞に船田大臣の談というようなことが出ておりました。私船田大臣に聞きましたところが、閣議できめた方針というものは少しも変りはないのであるということを、私に確言されておりまして、測量をなるべくすみやかに実施するようにというお話を私は受けておるのでございます。私はただいまの段階におきましてはその閣議決定に基きまして、できることであるならば円滑にはいたしたいと思いますが、少くとも命令を受けます立場の、実施をいたします責任の者といたしましては、その方針でやらざるを得ないのじゃないか、こういうふうに考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今の長官の答弁、きょう五時からの交渉で非常に重大だと思って、私あなたのお話を聞いておったが、船田長官は十六日中には測量を完了するという方針については断じて変更してない、こういうふうにあなたに話されたのですか、そのことについては、絶対他のものについても十六日中には測量は完了するのだということから一歩も出ていないのだ、そのことをあなたにゆうべ話されたのですか。

今井久調達庁長官

○今井説明員 お答え申し上げます。十六日までに測量を完了するという政府の方針はきまっておりまして、船田長官はその政府の方針通りやるということについて間違いないということは私に話されておる次第でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今あなたの話で円満にできれば解決したいというのは、また聞きようによっては円満な解決であるならばあえて十六日は問わない、二十日でも二十五日であっても、現地側との話ができればそうしたいのだという意味なのでしょうか、それともどんなことがあっても十六日中にはやるというのであれば、これは円満な話し合いではない。円満に話し合いして向うさえ納得してくれれば、十七日でも十八日でもいいというのか、あなたの方で十六日限り絶対に終えるというのであれば、これは円満な話し合いではないわけで、今あなたが門司委員に円満な解決をはかりたいと言われたのは、話し合いさえうまくいけば一日か二日延びてもさしつかえないというのか、その点を明らかにしてもらいたい。

今井久調達庁長官

○今井説明員 私が先ほど申し上げましたのは、十六日までに測量を完了するという政府の方針はきまっておりまして、政府はその方針のもとに測量を実施するようにということにはきまっておる次第でございます。ただ測量の実施のやり方につきましては、できる限り摩擦の少いように円滑にやるようにということでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 摩擦の少いようにということになると、それは半日でもできるという意味ですか、一日でもできるという意味ですか、最低限四日はどうしても必要だというのですか。その点は私ども新聞を通してしかわからないので、ここで一つ明らかにしてもらいたい。あなたの方で言う円満に測量をおさめたい、しかも摩擦を少くしてやりたいというためには、最低限何日、日にちがあればいいのか。その点を一つ明らかにしてもらいたい。

今井久調達庁長官

○今井説明員 その点は、測量の実施につきましては現地の東京調達局長が指揮をとっております。抽象的に円満にということで従来話し合いを相当いたしておりますけれども、どのくらいの日数でそれができるかということは、そのときのいろいろの状況によるのではないかと思うのでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それはあなた、長官としては僕はちょっとおかしいと思う。なぜおかしいかというと、そのときの状況で違うのだということは——僕があなたに聞いているのは円満に測量が進められるとすれば何日あればいいのか聞いているのですよ。いわゆる警察官ともみ合いしながらやるということを聞いているのではない。円満にあなたの方で測量するとすれば、何日あればいいのかということを聞いているのです。何日間あれまいいのです。

今井久調達庁長官

○今井説明員 その点につきましては今日もうすでに十六日という日は相当切迫しておりますので、もうその点につきましては、逼迫して、調査を全部完了するというのには相当の努力を要するのではないかと思っております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 どうも私はあなたの答弁はおかしいと思うのですよ。これはだれが聞いたっておかしい。円満に測量していく場合何日かかるか聞いておる。あなたの方では、あなたじゃないだろうけれども、現地の方では、新聞にまあ三日あればできるとも言っている。一体この国会の委員会で、円満な遂行であれば測量が何日でできるのかまだ見当がつかない。これは初めからトラブルを予想して、片方においては警察官を入れて大混乱に陥っておりながら、片方は測量をやる、そのためには五日間ということになって、まさかそういう計算でやっているのではないと思う。もしもそういう計算であなたの方でやっているとすれば、門司委員から警察庁の方に言っているように、これは明らかに警察官の介入というものを考えた上の行動だということになる。だからあなたの方で立ててしる日にちは、当然警察官が入らない、あくまでも話し合いで、その既定方針通り円満に進む場合には、何日あればいいかということを聞いている。一週間なのか十日なのか、二日あればいいのか、三日あればいいのか、一日あればいいのか、半日あればいいのか、その辺のところを国会で答弁できないわけがない。

今井久調達庁長官

○今井説明員 その点につきましては、三、四日はかかると思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 しかし東京調達局長は何と言ったか、三日だと言っている。あなたの方では一体この段階にきて、あくまでも警察官の——これは山口さん、あなたも一緒に聞いてもらいたい、なぜ私はその点を聞いておるかというと、やはり円満な話し合いで測量が終る場合には二日でできる、それができない場合においては何日かかるかわからない、これならわかる。ところが円満に話し合いができる場合においても三日かかるか四日かかるかわからぬ、そういう話はないと思う。測量の坪数なり、くいの打ち方なり、その他について検討して何日ということはまだきまっていないのですか。もう十六日といえばきょうを入れてまだ五日ある。これは一体何日です。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 測量に要する日にちのことでございますが、ただいま長官も言われましたように、現場の局長の計算を見まして、私どもも三日または四日かかると考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そうすると、前に新聞にも発表になりましたが、三日かかるということなんですね。それを十六日までまだ間があるのに、なぜあれを政治的に解決しようとしないのか。三日ならば、十四日の日曜日から始めてもいいのです。それを三日ないし四日というのは、どこから出るのか。三日でできるかもしれない、あるいは四日かかるかもしれないと言う。一日違うということは——日の出から日没までなんだし、時間も八時間も九時間もあるのだから、ずいぶん違うのです。一体三日でできるか、四日でできるか、一日も違うというのは、あなたの方で詳細にやったことがないのか、一体何日かかるのですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 三日で十分にできると考えましても、若干でも残りますれば四日目にかかります。そこで、三日または四日ということに申し上げたのです。特に今回は、御承知のように家屋等もございますので、その点若干予定においても余裕を見る。並びに、なおそれを何で急ぐのか、十六日までにはまだ日があるというお話ですが、御承知のように天候状態がかようなことでございますので、雨のことを考えますと、われわれの方ではできる限り期日が切迫せざるように早く済ませたいと考えておるのであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そこで次長にお伺いしますが、最低三日ですね。雨が降ろうがどうしようが、それは別のことです。それは三日かかるのですね。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 先ほど御答弁申し上げた通りでございます。三日で完全に済ませるつもりでありますが、若干でも残れば四日にかかる、この程度と心得ております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 警備部長にお伺いします。今の話で三日ということです。これは何も今ここでだいぶもたもたして三日と答弁をいたしましたが、新聞にも三日となっている。現地側と本庁の方と、さっぱり連絡してないのかもしれない。そこで私はあなたにお尋ねしたいのは、とにかく話し合いがつけば三日でもできる。きょうからまだ五日あるのに、なぜ政府は警官——おそらく制服の警官だから、相当いかめしい格好をしていると思うけれども、その警官を出されるのか。どういう判断なのですか。もう少し話し合いを続けたらいいじゃないか。山口さん、どうですか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 これは先ほどから申しましたように、現地で紛争が起る心配があれば、警察としては必要な措置をとらざるを得ないのであります。それで出ておるとしますれば、われわれ聞いておりませんが、そういう関係だろうと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 私どもこの砂川の問題は、実にしゃくにさわってしょうがないのです。与党の方々も同じようにしゃくにさわって差しつかえない問題だと思います。私はあの去年のように、国が警察権を使って、そうして日本の国民の生活、権利、自由を守らなければならない警察官が、おそらく私はいやいやながら活動して、測量して、その飛行基地がアメリカの用に提供される。しかもおそらく鳩山内閣だって、これはアメリカの要請に押し切られたわけです。昨年の四月十九日の例の共同声明、あの交渉によって、こちらの方が防衛分担金を減らそうとかかったところが、やぶをつついてヘビを出したように、あの飛行基地の拡張というものを押しつけられたのではないか。だからこれは政府与党といえども、この問題についてはほんとうに残念だという気持でいなければならぬ。できるならこういう事態を避けたいという気持でなくてはならぬと思う。ことにわれわれがこうしてこの問題を追及していくということは、今の政府のとっておる飛行基地の拡張という問題は、世界の大勢にまるっきり逆行しておるのじゃないか。たとえば今度アメリカの大統領選挙が十一月にありますけれども、もしもあれで民主党のスチーヴンソンが勝ったとする。そうすると、伝えられるようにジョージ・ケナンか国務長官になれば、ケナンははっきりと演説の中で、今までの日本に対するアメリカの政策は間違っておる、日本は中立国にしなければならぬ、軍隊も撤退するというようなことを、その民主党の国務長官の候補者が言っておるのです。それほどまでにアメリカ自体の考え方も移動しつつあるときに、鳩山内閣が血の雨を降らしてまでもあの測量をやらなければならぬ、こういうやり方に対して、私ども国会議員としては、与党も野党も心から遺憾の気持をもってこの問題を扱わなければならぬと思う。だからわれわれはこれを何とか避けたいという気持で努力しておるのであって、その点は十分了承していただきたいと思う。  それで次に、今私は第十一条、第十二条の問題を申し上げましたが、これは昨年の内閣委員会でも七月に問題になった。法制局は単に、十二条の市町村長が通知告示をするということは、これは市町村長がやるべき義務を規定しただけである、こういうふうな非常に便宜的な解釈なんです。しかし実際は私はそうじゃないと思う。やはり立ち入りについて府県知事なり市町村長のいわゆる手続をきめておるということは、これは立ち入られる土地の占有者、その住民の権利というものを大事にする趣旨からきておる規定であって、単に市町村長という機関の義務を規定したのではない。これは国民との権利義務を規定する規定だ。第十一条もそうだと思う。少くともこの問題は、住民の方から訴えれば訴えられる問題だと思う。政府は内閣法制局の一方的な解釈で、法律をかってに都合のいいように解釈してやってきておりますが、少くともこれは問題のある規定である。もし政府の言うような解釈で行くならば、十二条の第二項などというものはあってもなくてもいい、そういう規定になるわけです。そんなことはないと思う。この点はまたいずれお伺いします。  次に、一体調達庁はこの前去年の強制測量でやった例の滑走路の方の実測というものは、全部済んでおるのですか。何か二ヵ所ほど残っておる、それを今度やるのだ、こういう話を聞いておるのですが、全部済んでおるのですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 大部分もう済んでおりますが、二ヵ所確かに残っております。そのうちの一ヵ所は、今回第二次といたします誘導路にかかるところの部分が一カ所残っております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 昨年の調査された分ですが、今度の土地収用委員会に裁決の申請をしておるのはどの区域ですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 ただいま裁決に出しておりますのは、滑走路部分の敷地になりますうち、円満な話し合いで契約ができましたもの以外のもの、つまり契約のできないもの、すなわち坪数にいたしまして約一万三千坪ほどでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 その裁決申請を出した今お話の中には、この前の測量で残った分は含まれておるのですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 残っておる分は含まれておりません。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 それで裁決の申請は、先ほども御説明があったように町長の縦覧公告という手続がとられないので、今ストップされておるわけです。これは町長の縦覧公告手続が済まないうちは、収用委員会では審理を始めることができない、こういうふうに解釈されるのですが、それでいいですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 その町長の縦覧公告に関しまして、お話の通り今訴訟になっております。それが済みましてから収用委員会にかかる、その上で収用委員会の裁決があったときに、土地の取得ができるものと考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 そうすると、今の職務執行命令の裁判ですね、その訴訟の結論が出ないうちは、縦覧公告が済んだという効果が発生しないし、従ってそれまでは収用委員会は審理を開始することができない、こういうふうなことになると思うのです。それで、この収用委員会に裁決申請をする前に協議をしなければならぬという規定があるわけですね。その協議については一体どういうふうなことをおやりになったか。協議の手続を十分とられないで、すぐ裁決申請を委員会に持っていかれるということでは困るので、どういうふうな順序を経て、どういうふうな努力をされたのか、これを一つ伺っておきたい。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 収用委員会に出しました分につきましては、協議が済んでおります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 協議は済んでおるというのは、どういうふうに済んでおるのですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 法に規定する協議をいたしましたが、協議ととのわざるものでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 協議は具体的にどういう順序でおとりになったか、それをお伺いしておきたい。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 第一次収用認定分のただいま申請に出しました分は、たしか六月、七月に委員会に持ち出しましたが、その持ち出す前に協議をいたしまして、協議不調ということになっております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 今お伺いした問題の中で、裁判をやっておるのですが、これが済まないと収用委員会も審理を始めることができない。大体どのくらいかかるお見通しですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 その点私ども専門の者ではございませんので、確たる見通しを申し上げかねますが、専門の法務省等の意見も承わりますと、この裁判関係にはなお一、二ヵ月はかかるであろう、それから裁判の一審が出れば直ちに審理にはかかれるということでありますので、収用委員会の審理になりますと、それがまた一、二ヵ月を要するかと、かように見ております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 それが済まないと審理が始まらぬ。一体審理はどのくらいかかるのですか、大体今までの状況で。収用委員会の審理手続というのは、ずいぶんいろいろなことをやらなければならぬのですが、大体今までの例でどのくらいかかるのですか。

丸山佶調達庁次長

○丸山説明員 いろいろの事例がございますが、特に現在関係がありますのは東京都の収用委員会でございますが、最近の事例で私覚えておりますのは、この一月にありましたので約ニヵ月以内で済んだ例を承知しております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 法制局来ておりますか。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 来ております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 先ほど問題にしたのですけれども、去年の内閣委員会でもこれは問題になったのですが、例の準備立ち入り調査の場合の市町村長の通知並びに公告の問題なんです。これは単に市町村長のその際における義務を課してあるだけであって、便宜的な規定だ。これがなくても効力には関係ないのだというようなことですが、そういうふうでいいのですか。

野木新一検事(法制局第二部長)

○野木説明員 御質問の点は、昨年たしか今の法制局長官から国会でも御答弁を申し上げたことがあると存じておりますが、起業者の事業準備のための立入権は、土地収用法の十一条の一項、三項等によりまして、国の場合におきましては、法律の所定の事項を都道府県知事にあらかじめ通知すれば、その起業者は、土地にみずから立ち入り、または起業者が命じた者もしくは委任した者を立ち入らせることができるという、いわゆる立入権というものはそれによって発生し、成立するものと今でも考えております。そうして第十二条の規定は、もとより法律に定めてあるものでありまして、この手続が履践されることは法の予期するところでありますが、十二条第二項の市町村長の義務といいましょうか、市町村長が起業者から一定の通知を受けた場合には、その旨を土地の占有者に通知し、または公告しなければならないということは、それは市町村長がその市町村の住民の利益を代表いたしております関係上、一そうその土地の占有者等にこういう事項を通知し、手続を慎重に丁寧にするという趣旨のものであります。しかしながらこの手続をすることによって、土地の立入権が発生するという趣旨の規定ではないと解釈しております。十三条に「土地の占有者は、正当な理由がない限り、第十一条第三項の規定による立入を拒み、又は妨げてはならに。」という規定がありますが、正当な理由があるやいなやは、それぞれ具体的の場合において判断されるのでありまして、御指摘の十二条第二項による市町村長の通知がなかったというその一事だけで、直ちに正当な理由があるということにもならないのではないかと、そういうふうに解釈しております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 それは同一な内容、同一な事項を通知するということであれば、一応知事が通知してしまえば、あと市町村長がやることは蛇足だということになる。しかし内容は非常に違うのです。府県知事がやることはその立ち入りの区域とその期間をきめる。市町村長の場合には日時と場所を通知する。違うのです。もしも府県知事の通知だけでいいということになると、極端にいえば、向う一年の間地域をもう少し広くして通知する。いつ幾日来るかわからぬ。それでもその不便を忍ばなければならないという住民の利害関係に非常に関係がある。それをいつ幾日何時県日時場所ということになれば、その区域の中できょうはここをやるのだ、あしたはどこをやるのだというふうな、実際そこの人がいわば待っておるということもあるでしょう。住民の方からいえばいろいろ都合があるはずなんです。だからこの通知、公示も同じ内容のものでないのです。従って一方的に調査をする、測量する方から見れば、その区域なり期間なりを広くとって通知して、おけば間に合うのだということの方が、解釈上都合がいいかもしれないが、しかし法の建前はそうじ心、なく、やはり住民の便宜というものを考えて、その具体的な日にち、時間、場所を通知するということによって、住民の利害と国民の利益というものを守っている、そういう規定だと思う。しかもその際の市町村長というのは、自治体の長である市町村長ではなく、あくまで国の機関としての市町村長でしょう。それに義務を課している。義務を課しているということは、裏からいえば住民にそういうことを期待する、それだけの権利を与えているということも言える。それは府県知事についての第十一条と同じようなことなんです。内容が違うのです。一体そういう解釈でもいいのですか。

野木新一検事(法制局第二部長)

○野木説明員 その点は私らも研究してみましたが、なるほど十二条は、土地の収用は突然来られたら困るというので、あらかじめその具体的な日時などを通知するという趣旨も入っていることは間違いないと思います。しかしながら十一条ないし十三条を見ますと、この土地収用法の十二条二項という規定は、先ほど申し上げましたように、法としてはこういうことがされるということは予想されますが、これがされなかったということだけで、立ち入り権はなくなってしまって、立ち入り権は行使できないということにはならない。十一条ないし十三条あたりが、全体の具体的の規定の立て方からそういうふうに解釈されると考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 それは調査する、測量する方の立場に立てばそういう解釈になる。しかし土地収用法は、あくまで土地収用の目的にかなうように土地なり物件なりを使うと同時に、それが住民の権利、利益を阻害しないように考慮を払った法律だと思います。そんな一方的な解釈をするところはどこにもない。今のような御解釈であれば、法律は厳密を要しますから、この十二条第二項なんかない方がいい。あるということは、国家機関としての市町村長にそういう義務を命じ、そういうことを期待させておる住民から見れば、町長さんから通知がない、そうしてこれを拒むことはできる、そういうふうに解釈する方が正しいと思う。少くともこの問題について、この点の解釈について、何も政府なり法制局の解釈が一番権威があるとは言えないから、裁判を起せば起せるでしょう。裁判所の決定で、これはどういう訴えをするかわかりませんが、訴えて、立ち入られた損害賠償の請求をする。そういう訴えをする余地は少くともあるでしょう。どうですか。

野木新一検事(法制局第二部長)

○野木説明員 おそらくおっしゃったような見解のもとに立脚して事を考えていきますならば、それによって権利が侵害される、従って損害賠償というような訴えも、あるいは成り立つか成り立たないかは別問題として、起し得るかとも存ぜられますが、なお具体的な点は専門にわたりますので研究を要するかとも思います。しかしおそらくはおっしゃったような見解のもとに立てば、訴えは起せるのではないかと存じます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 そうすると、訴えを起して、もしも裁判所が法制局、政府の解釈と別な解釈をすれば、この全体の収用なり測量はひっくり返ってしまう。そういう欠陥を持っておる。そのことだけは認めますね。

野木新一検事(法制局第二部長)

○野木説明員 裁判所がどういう判決をいたしますか、その判決の結果によらなければわかりませんが、これは御承知のように十二条二項の手続をしなければ立ち入り権が生じないというならば、損害賠償ということは起るかもしれません。しかしながらその立ち入り権が生じなかったために、立ち入ったということから、あとの土地収用手続が全部無効になるかどうかという点は別問題でありまして、これは必ずしも立ち入り権が違法で無効だから、損害賠償の請求が成り立つという場合でも、別途進められた土地収用それ自体が違法になって当然無効である、あるいは取り消しになる、直ちにそういう結論になるかどうかは非常にむずかしい問題で、必ずしもそうなるものでもないのではないかと存じております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 法制局の専門家がむずかしいというのですから、私にはよくわからない。しかし少くとも訴えを起して、そういうような判決が出ると、この土地収用全体に重大な影響を及ぼすということだけは明らかだと思います。それだけは認めなければならぬ。少くともこの土地収用法の第十二条の規定がある。これは死文ではない。ここにはっきりとあるのですよ。それがある以上は、これを無視するようなことは許されない。住民の立場からすれば、この十二条を基礎にして、自分の利益を主張するのは当然で、十分の理屈があるのですよ。おそらく裁判しても勝つのではないかと思う。そういう欠陥を持っておる。こういう欠陥の上に積み重ねてきた今度の土地収用について、一体これをこのまま強行し、しかもその上に警察権、実力をもって——去年も百人くらいの負傷者が出たのですけれども、そういうものをどんどんやっていく。まことにばかばかしいと思うのですが、一体そういうような第十二条の欠陥の問題については、今井長官はどういう御自信を持っておやりになるか、伺っておきたい。

今井久調達庁長官

○今井説明員 お答え申し上げます。ただいま御質疑の問題は、昨年の立ち入り調査の点だと思います。この点につきましては、政府部内が法律の解釈をただいまのように統一いたしまして、そのもとにやることが合法的であると考えて、当時立ち入り調査をいたしたものであると私は考えておる次第でございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 長官も今の法制局の人の答弁の通りで、裁判をしてひっくり返し得る場合も出てくるということは予想しておられるのでしょう。政府は戦うでしょうけれども……。

今井久調達庁長官

○今井説明員 その点につきましては、ただいま法制局から御答弁のあった通りでございまして、裁判が行われるということはあり得る、そういうふうに考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 さっき警察に聞いたことで、まだ答弁が残っていることを、こういう機会にはっきちしておいてもらいたい。さっき今井長官の方からは事態の責任云々についていろいろ問題がありましたが、今実際われわれが心配しているのは現地の今の問題であります。ここで議論していることも一つの必要かと思いますが、現地をどうするかということが一つの方法なんです。それで問題になりますのは、現地の事態というものがどうであるかということを、一応平穏にするためには、先ほど今井長官に聞きましたように、きわめてはっきりした根拠がない。同時に今井長官の話を聞いてみましても、そう大して急がなくてもいい。十六日一ぱいに行うということは一つの予定であって、十六日一ぱいに行わなければこれの施行ができないというものではないと思う。手続はいつでもできると思う。そうむずかしい手続ではないはずである。であるから一つの目標のために、しかも今訴訟されている事件で、今の北山君の質問に対する答弁を聞いてみても、政府はいろいろその効力についてはどうかわからぬ、損害賠償等は起り得るかもしれないが、それ以外の効力についてははっきり言えないという、専門家さえそういうお話をされている。従ってそういう事態のあるうちに事件が起って、そうしてその事件の責任は、今今井さんは責任をとると言われるのですが、今井長官が責任をとるということはどういうことかわからぬが、事件が起って巻き添えを食ってけがをした人は、今井長官がここでおれが責任を負うからと言ったって、きずがなおるものでもなければ、そういう不祥事が歴史の上から消えるわけでもない。従って問題は、そういう問題がある一方には、きょう五時からさらに長官とお話しがある。いわゆる担当大臣との話を進められておるという事態にある限りにおいては、事件の発生を見たくないというのが警察庁も同じだと私は思う。それから調達庁も同じだと思う。従ってさっき質問申し上げましたように、これらの点について警察側は、きょう事態がもしかりに起るということになれば、その事態を避けるということのための責任ある御答弁がここでできますか。私はぜひその答弁をしてもらいたいと思う。同時にその処置をとってもらいたいと思う。それを一応警察側からお話を承わっておきます。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 警察といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、測量の問題につきましていろいろ立ち入ることは控えたいと思います。ただ現地で不祥事態が起らないように十分に力を尽して参りたい、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 さっきから警察がそういう答弁ばかりしているから、いつまでもその問題の解決はつかぬのです。そ、れでは起らぬようにするにはどうすればいいのか、その解決策を一つ教えてくれ。片方が強行すれば必ずそういう問題は私は起ると思う。今言うように起らぬことを念願するなら、起らぬようにするにはどうすればいいか、それを一つ言ってくれ。どうすれば起らぬのですか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 これは現場におきまして、現場におる人々が冷静を失わずに、そして落ちついて行動していただけば、私は問題は起らぬと思う。

門司亮日本社会党

○門司委員 落ちついて行動すると言うけれども、それはおかしい。国民の持っている権利を主張する場合に、一方でその権利を侵害しようとするときに、落ちついていると言ったって落ちついていられない。だから国民の権利を侵害しようとするものについての警告なり、あるいはこれが困るというようなことは私は話ができると思う。もし警察がそういうことができないというのなら、一体警察は何のための警察か。事犯が起って取り締まるだけなら、警察官をたくさん雇っておく必要は毛頭ない。警察法を読んでごらんになれば防犯が一番先にある。警察法の二条だか、三条だか一番初めの任務のところに、はっきりと犯罪の予防ということが書いてある。それからあとに犯罪の取締りということが書いてある。だから私が今警察当局に聞いているのは、どういう処置をとればそういう事態が起らぬようにでき得るかということです。われわれが考えるのは、少くとも調達庁の長官が、問題がはっきりしないうちに事件が起るということはきわめてお互いの不本意だと思う。そういうお互いの不本意を知りながらそういう事態を起していることは、国民に対しあるいは同時にそこにおる人たちに対してきわめて不幸なことである。それを避けるためにお互いが話し合いを続けているのである。従ってその話し合いの過程の上においてそういう事件が起り、そうしてもうすでに問題が既成の事実となって現われるようなことは、私はこの際避けなければならぬと思う。だからそういう意味における警察側の意見を聞いているのであって、どこまでも事件が起ればそれを取り締るのだということであるのか、それをもう少しはっきり警察側から説明をしてくれぬか。どうも今の答弁だけではわれわれ納得するわけにいかない。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 はなはだ恐縮でございますが、警察といたしましてはそれ以上の答弁をいたすわけには参らないのであります。測量をするしないというような問題につきまして、警察が見解を述べるべきでもありませんから、ただ現地におきまして紛争が起らないように、その一事のために警察としては全力を尽して参りたい、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 警察が現地において問題が起らぬように全力を尽すということは、警察の威力いわゆる国家権力というかそういうもので、国民の正しい主張する権利というものを抑圧しようということで、事件が起らぬということは正しい意味の事件が起らぬではないのです。私は正しい意味の事件を起らないようにするためには、やはりそこに今話し合いが続けられておる限りにおいては不祥事を起さぬという方針を、警察はこの際はっきりここで言ってもらいたい。そういう方針を立てられるはずだ。話し合いがどんなであろうとこんなであろうと、事件が起ったって、それは調達庁が測量をやめなかったから、こういう問題になったのだというような、責任を他に転嫁するようなことがあっては、私はそれでは警察の立場というものは立たないと思う。だからその点をもう少しはっきりしてもらいたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 どうも御希望に沿わない、ような答弁をして、はなはだ申しわけないのでありますが、警察といたしましては、何回も申し上げておりますように、紛争が起らないようにできるだけ力を尽して参る以外にはない、かように考えております。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 坂本君。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 さっき調達庁の次長は、今起されておる砂川町長の事件が、あと二ヵ月くらいで片づくというようなことを言ったが、私はその被告の町長の代理の一人ですが、提訴後すでに三ヵ月になって、そうして今月の二十七日、そのとき証人申請をして、被告が予定している証人だけでも百人近くあるのです。だからいかにやっても六ヵ月、一年くらいかかるわけであります。この訴訟が片づかなければこの収用の進行はできないと思います。ですから、今行われておる測量、これは何も十六日までにやる必要はないと思うのです。ただ政府が決定したのだから政府が面子上やるといったら、これは国民の政府ではないと思うのです。国民のための政府はやはり面子は捨ててでもやらなければならぬのではないか。従って技術上六ヵ月以上も先にならなければ、この収用の委員会の審査は進められない。だから何も今もってそういう十六日までに強行する必要はないと思うのです。その点は一つ調達庁はもう少し認識を改めてもらわなければ、そういうような考えではいかぬのです。そこで山口警備部長にさらにお聞きしたいのですが、そういうような情勢で技術的の点から考えても、収用の進行ができないような立場にある。ただ十六日までにしなければならぬという調達庁の面子を立てるだけの測量なんですね。そういう点が一つと、さらにこの問題については別な訴訟も起って、収用認定の無効確認の訴訟も起っておるわけなのです。それともう一つは、先ほど来いろいろ質問もありましたように、収用の前提としても、先ほど北山委員が言われたように、十一条、十二条の関係でこの手続自体についても違法の点があるわけです。従ってその違法について、それがただ損害賠償の点だけか、あるいは今まで行われた収用委員会の手続自体が全部無効になるかというような大きい問題も、ここにあるわけです。そこで当面の問題として、警察官の使命は防犯にあり、国民の生命財産を守るという点にあるわけですから、さような測量の強行をする必要はないと思うのです。従って当面の問題として防犯、治安の関係から行けば、警察官が必要な措置をとるということは、測量に反対する者を排除して測量をさせようというのが必要な措置だ、とこういうふうに言われるから、私はさいぜんは、そうでなくて必要な措置というのは、こういう状態にあるから無理に測量をしようとすればここに血の雨が降って、傷害その他の事件が起るから、これはちょっとやめたらいいんぢゃないかというのが、治安を保つ警察権の発動としては最善の方法じゃないか、こういうふうに考えるのです。そこでこの測量をやめろとかなんとかいうことは、私なんか決して警察に要望しません。ただ、今強制測量という事態に対して農民が、いろんな手続上の関係その他法律上の関係もあって、法廷で判断を求めている途中ですから、その農民を押しのけて測量させることは、公平な警察権の措置じゃなかろう。まだ六ヵ月か一年先にもかかるような進行状態です。それから先まだいろいろありますけれども、そういう手続上、技術上の問題でひっかかっておりますから、この際私はやはり、あれだけ反対しておるのだから、もう少ししっかりした判断ができるまで測量はやめさして、そしてけが人が出ないようにするのが警察の問題だと思います。やっぱり十六日までとは言わぬけれども、きょうは五十数名の制服の警官が出ておるし、さらにまたきょう夕方まで測量に、もう一ぺん来たならばどこかで待機している千名以上の警官が出て、農民の反抗を排除して測量をやらせる、というような段階じゃない。私はやはり警察法を作り、忠実にそれを執行する立場に立てばそういうふうになるんじゃないかと思うのですが、その点について一つ警備課長に防犯の立場から御答弁を願いたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 お話の点はよく了承いたしたのであります。測量を十六日までにするかしないかというような問題につきましては、これは政府でお考えの上おきめになることと思うのであります。われわれとしましてはそれに関連して不祥な事態の起らないように、今日まで力を尽して参ったつもりであります。今後もそのつもりでやって参りたいと思っておるのであります。もちろん土地を収用される側の方々から見ますれば、非常に御不満もあると思います。またいろいろと法律上の意見の相違もおありになると思うのであります。それはそれとして、やはりきまりましたいろいろの手続に従って反対を続けられるということは、私は当然なことだと思うのであります。反対であるからといって何か実力をもってもそれを阻止しなければならないというような考えに直ちに向われることは、私どもとしてはいかがかと存ずるのであります。私どもは両者の間に立ちまして、極力不祥事件の起らないように今後も力を尽して参りたい。ただ、いまお話しになりましたことはよく了承いたしたつもりでございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 それで調達庁にお聞きしたいのですが、先ほど来の審査の過程からいたしましても十一条、十二条の関係で違法の問題がここにもあるし、さらに船田長官との政治折衝の問題も、きょうの午後五時にかかっておるわけですが、なお訴訟の点について、今申し上げましたように私なんか直接法廷に出てやっているわけですが、そういう点の見通しについても不十分な点があると思う。さらにまた収用を推進される上においても、幾多の欠陥があるわけなんですから、必ず十六日までにやらなければならないという政府の方針は——それは政府には方針がありましょうが、調達庁長官以下やはり国民の公僕であるし、みずからの判断と責任において問題を遂行しなければならぬと思う。ですからまだ六ヵ月か一年先になるようなのに、今無理をして多数のけが人を出すことが予定されておるのに強行する必要はないと思うのですが、この点について長官の考えをさらに伺っておきたい。

今井久調達庁長官

○今井説明員 お答え申し上げます。今回十六日までに測量を実施することになりました経過は、先ほど私申し上げたような次第でございます。また訴訟の関係その他のあるということもわれわれ承知いたします。今回測量を十六日までに実施することを政府がきめましたにつきましては、諸般の事情も十分考慮しまして、先ほど申し上げましたような、むしろ第一次の認定の滑走路の面と一緒にやっていかなければならなかったのが、その後いろいろと円滑に進めていきたいということでおくれて参っておりまして、今日まできました事情は、申し上げたような事情でございまして、それらのすべてのことを考慮しまして、そして政府において十六日ということが決定になりまして、私どもに命令されたような次第でございます。ただ一日から測量を実施するについては、でき得る限りこれを円滑にやっていきたいということで、今日まできておるような次第でございまして、その点につきましては御了承を願いたいと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 そういう点、今の長官のあれなんかを聞いて私一番不審にたえないのは、船田長官にはきのう会われたんですね。そうして何も話がなかったから十六日までに強行する、——この点ですが、あれだけ新聞にも出ておるし、先ほど横路さんの言うたように、船田長官とのいきさつがあるから、やはり当面の責任者としての長官は、向うから言わぬにしても、新聞に出ているがどうですかということくらい聞いて、そうしてやるのが、私はやはりみずからの判断と責任において誠実に職務を執行するゆえんであろうと思う。その点どうもふに落ちぬのですが、あなたから聞いたこともないし、言われたこともないから、閣議決定通り十六日までやる、こういうお考えですか。その点を伺いたい。

今井久調達庁長官

○今井説明員 お答え申し上げます。先ほど私横路さんからの御質問がありましたときにお答え申し上げたのでございますが、実は一部の新聞に船田長官談として延期する云々というようなことの記事がございました。この点につきましては、私船田長官に聞きましたところが、全然そういうことではない、やはり閣議できめました政府の方針通り測量はすみやかに実施していくべきだということを述べられておるのでございます。私昨日も船田長官にお会いしましたが、やはりその点についての政府の方針通り測量を実施していくということにつきましてのお話はあった次第でございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 最後ですが、そうすると、やはりきょうあしたに強行する方針ですか。その方針は全然変えられないんですか。その点を伺いたい。

今井久調達庁長官

○今井説明員 この点につきましては、測量の実施につきましては、措置法の規定によりまして、東京調達局長が測量の権限を持っておる次第でございまして、東京調達局長に測量をなるべくすみやかに実施するということの方針を与えております。東京調達局長は、この政府の方針に基きまして、そうしてなるたけ早い機会に測量を終りたいということを言っておるわけであります。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 私最後に警察庁の長官がお見えになっておりませんから、中川、山口両君から一つ、長官にお伝えをお願い申し上げたい。  長時間にわたってお聞きの通り、各方面では円満に遂行したい、こう言っており、それから円満にいくというこの事態が非常に急迫しておりまして、先ほど来特に横路君からお話のようにせっかくの話があるということですから、だれもが想像するように警察官が実力行使をすれば、これは重大問題になるということは、もう従来の経験で明らかになっておるわけです。そういうことを予想しながら実力行使をやる。それから調達庁の調査とは関係ないんだと言うけれども、結果からすれば十六日までにやろうとすることを援助した結果になるのですから、これは将来の警察のあり方、一般国民大衆から警察を見る目というものと非常に重大な関係を持っておりますから、警察が実力をもってこれを援助し、これらを行使するということは重大な問題になるということを十分御考慮願って、現地における警視総監あるいはその他の関係の人は、時間も延びてくる、あるいは現場で非常に感情的にもなりましょうが、上にいる冷静な立場にある方は、努めてほかの考慮をされて、慎重な態度をとっていただくように、特に石井長官にこの委員会なり私の希望だということを申し上げていただきたいと思います。  だいぶ時間も経過いたしましたので、この際休憩をいたしたいと思いますが、直ちに理事会を開きます。なお先ほど来理事会におきまして、こういう急迫した現地を視察したいという希望もありましたが、そういう決定に対しては反対だという理事会における与党の意思表示もありましたから、ここで採決はいたしませんが、急迫した状態で非常に憂慮しておりますから、御希望の方がありますならば、委員会としてでなしに、各委員が随時、あるいは希望によっては明日、視察をしたいと私は考えておりますから、委員会の決定としてでなく、希望によって有志の方が調査をされることを——私自身も行って実際を見たいと思いますので、そういうこともあわせて皆さんに希望しておきます。  それでは暫時休憩いたします。     午後二時五十六分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかった。〕

国会会議録検索システムで原文を見る ↗