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24回国会衆議院1956/10/11

地方行政委員会 第59号

発言数
57
登壇者
13
会派数
2
開催日
1956/10/11

会議録

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それではこれから会議を開きます。  本日の議題は、地方自治及び財政に関する件について調査を進めます。大蔵省説明員として相澤主計官、宮崎主計官補佐、吉國税制第二課長が出席されております。それでは質疑の通告がありますので、これを順次許します。門司亮君。

門司亮日本社会党

○門司委員 この機会に大蔵省の諸君に一応聞いておきたいと思いますことは、地方財政が非常に行き詰まっておりますことは御承知の通りでありますが、その中で現在特に聞いておきたいと思いますことは、かつて国会で特別法として設定されておりまするたとえば広島平和記念都市建設法、長崎国際文化都市建設法、いずれも昭和二十四年に法律ができております。それから二十五年に首都建設法、同じように旧軍港市転換法、それからあと、いろいろ二十五年にたくさんの法律ができております。これらの問題は、いずれも地方の都市の特異性を認めたもので、いわゆる別府国際観光温泉文化都市建設法というようなものもございましょうし、それからさらに横浜あるいは神戸の国際港都建設法、京都の国際文化観光都市というようなもの、松江、芦屋、松山、軽井沢、奈良、伊東というように、同じような法律が大体ずっと二十六年まで続いてできておりまして、これらの適用を受けておりまする都市が大体十八ばかりあるわけであります。この特別法を設定いたしました法律の内容を見てみますると、さらに提出いたしました当時の速記録を読んでみますると、いずれもこれらの都市に対しましては助成をして、こういう都市の建設が必要であるということを認められて、そうして国会を通過しておる。法の内容は、広島、長崎あるいは旧軍港、さらに横浜、神戸というようなところに対しましても、国有財産の払い下げ等について単価を安くするとか、あるいは無償で払い下げるというようなことが書いてある。さらに財政的に、どれだけ援助するとは書いてないが、国はあとう限り援助を行うということが書いてある。それでこの目的を達成することが法律の内容になっておる。ところがその後これらの都市の財政状態をずっと見てみますると、いずれの都市におきましても財政的には非常に大きな赤字を持っておるということが言える。その中で京都のようなところはすでに再建整備法の適用を受けておる、あるいは松山もそうではないかと私は思う。それから呉を初めとする四つの軍港に対しましても、いずれも財政的には大きな赤字を持って弱っておる。これらの問題に対して大蔵省はあの法律通りに、一体ものを進めていこうとされるのか、あの法律はただ単に一片のあの当時の法律であったんだから、今日これに対しては何らの援助もしなければ、顧みるところがないというようにお考えになっているか、その点のお考えをまず先に大蔵当局に伺っておきたいと思います。

相澤英之大蔵事務官(主計官)

○相澤説明員 今お話がございましたようにこういう特別法の対象となっている事業が十七、八ございます。それで何分相当数も多くございますし、それからその他の都市とのバランス等もございますので、なかなか予期する通りには進んでいないのでありますが、従前たとえば広島、長崎につきましては戦災復興区画整理事業あるいは道路整備事業、港湾修築事業その他の事業を行なっておりますし、また旧軍港、たとえば呉につきましては同様戦災復興、港湾修築、道路整備等の事業を行なっており、また国有財産の払い下げによる工場誘致ということも推進してきておるわけであります。また横須賀、舞鶴、佐世保に関しましても今申し上げましたと同様の措置をしております。また首都建設法その他の対象となる都市につきましてもあるいは都市計画事業、道路整備事業等を推進して参っておるのでありますが、なかなか金のワクもつらいので十分には行っておりませんが、もちろんこの特別立法の趣旨は十分尊重いたしまして今後も本省でよく検討してやっていきたい、そういうふうに考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 今の御答弁ですが、きわめて抽象的であって、ほとんど何もなされていないのじゃないか、私は旧軍港に対しては多少の効能が見えたと思いますが、その他の都市に対してはほとんどやっていないと思う。またやっておったとしても、いろいろな問題がありますからこれから先御質問いたしますが、まず前提として聞いておきたいと思いますことは、それらの都市に今日まで大蔵省から特別に、他の戦災都市と違った形において援助したというもののリストがございますならば、それを一つお示しを願いたいと思います。

宮崎仁大蔵事務官

○宮崎説明員 ただいま手元に全部のものは持っておりませんけれども、特別の方策をいたしましたことといたしましては、まず広島、長崎の両市につきましては普通の戦災復興土地区画整理事業のほかに、平和記念館あるいは戦災の記念館というような建物の施設を建てることにいたしまして、その分については高率の援助をいたしております。それから旧軍港の港湾修築事業につきましては、通常の重要港湾以上の負担率をいたすことになっておりますが、この分につきましては、呉その他一部のものについて高率の適用をいたしております。その他のところにつきましては、特に負担率等についてほかの都市よりも上げておるという事例はないのでありますけれども、事業の執行に当りましては、たとえば別府でありますと、旅客船の桟橋をこの計画に従って整備していくとか、あるいは横浜、神戸等につきましてはもちろん、その港湾の事業につきまして大体こういうような計画に定められておりまずものを、特に重点的に推進することになっております。もちろんこの計画、各法律に定められております内容というのは、非常に法律そのものがばく然たるものでありまして、それをさらに建設省とかあるいは運輸省、その他の事業の執行の責任に当ります各官庁において、それぞれの事業の計画を立てまするので、そのときにこういった法律に従ってやっていくということになります。それをわれわれの方といたしましてはできるだけその線に沿って予算化の点を努力する、こういうふうにいたしておりますので、大体計画に従って事業が行われているという点では、やはりほかの一般的な都市とは違っておるかと考えております。そのリストにつきましては後ほど正式のものを差し上げるようにいたしたいと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 リストはあとでよろしゅうございます。  次に聞いておきたいと思いますことは、特に戦災の非常に大きな痛手を受けておりまする広島の実際上の問題について、それからその他の都市についても一、二聞いておきたいと思います。御承知のように広島の問題については、当時益谷さんが建設大臣であったかと考えておりますが、その当時特別の法に基く一つの処置だと私は考えておりますが、政府等の間には五カ年計画が一応立てられて、そしてその五カ年計画の復興事業に対する補助金額としては大体三分の二十されておった。その後これが二分の一に減らされております。この減らされたときの理由がもし大蔵省側にあるとするならば、どういう理由でこういうふうに途中で減らされたか。私がこのことを聞いておりますのは、市はこの五カ年計画を立てて大体三分の二特別法の補助があるものとしてずっと計画を立てておった。そうして仕事をしてきておる。これが途中で二分の一に削られたことのために、この事業を遂行しようとすると、その差額だけは市の負担になる。これは法律の建前からいって、やはりそういうふうに変更する場合等については十分地元の了解と納得がなければ、地元によけいな負担というと語弊があるかもしれませんが、思わざる負担をかけることになる。この点についての大蔵省の見解がもしございますならば、一つこの際お聞かせ願いたいと思います。

宮崎仁大蔵事務官

○宮崎説明員 ただいまの広島の戦災復興事業に対する国庫負担率の御質問でありまするが、これは当初から平和記念館並びにその公園につきましては三分の二、それ以外の区画整理事業については二分の一ということで出発しております。広島の平和記念館は三十年度において竣工いたしましたので、以後二分の一に負担率が変っておるわけでありまして、特にこの負担率を三分の二から二分の一に切り下げたということにはなっておりません。従いまして当初出発いたしますとき、五カ年計画でやるということは当時経済安定本部の計画として、そういうふうになったのでありますけれども、戦災復興の事業につきましては御承知のように事業の執行途中におきまして約七割程度の事業費の増加を来たしております。これは補償費の増加並びに単価の増加でありまするけれども、そういった事情がございましたので予定通りに工事が進捗することができませんで現在に至っておりまするが、大体現在の進捗状況をもっていたしますと三十三年度には完成する、こういうふうに考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 私が聞いておるのは事業が完成するというのではないのだ。今最初からそうだったというのだけれども、そうでないでしよう。それなら市との間にどうして五カ年計画というようなものがはっきり最初からきめられておったかということだ。市は三分の二の補助金があるものとして五カ年計画をちゃんと立てております。それが二十九年で打ち切られておる。そうするとその後の事業の遂行をしていこうとすれば、そういうものが赤字、いわゆる負担超過にならなければ事業ができないということである。この点を聞いておるのである。最初からあなたのお話のようなことがあるなら私はそれでいいと思う。ここに市会の速記録があるが、何も変らないとはっきり書いてある。市長の言ったことがうそなのか、君の言っておることがうそなのか、一体どうです。最初からそうだというが、この速記録を読んで見ると市長はそうは言っていない。私はそのことを聞いているのである。その後五カ年計画でどうしてもやれないから新たに三年計画を市が立て直す、そうすると今までのやりかけていた仕事をやらないわけにはいかない、どうしてもそこに負担の過重が出てくるのである。いわゆる政府の施策に基いて、政府の変更に基いてそういう負担を市にかけておるのである。そのいきさつを私は聞いておるのである。最初からそういう計画であったのかどうかということです。五カ年計画というものがそういう形でなかったということを市長ははっきりここで言っておるのだ。一体その点はどうなのです。ほんとうにそうならそれでまた考えようもあるが、これは他の都市もみな同じことですよ。その点について一体どっちがほんとうなのか、はっきりしたことを言っておいて下さい。

宮崎仁大蔵事務官

○宮崎説明員 ただいま説明が不十分な点がございまして恐縮でございましたが、大蔵省が公共事業の予算の内容にタッチするようになりましたのは二十七年度の予算からでございます。その前に経済安定本部当時に五カ年計画というものができたわけでございますから、そのときに三分の二で全部やるというようなお約束があったかどうか、その点の実情は私もつまびらかにいたしておりません。後ほど調査いたしましてその点はなお資料として差し上げるようにいたしたいと思いますが、私どもがこの事業の内容を引き受けましてやるようになりました後においては今申しましたようでありまして、特に補助率の点を変えるというようなことはいたしておりません。それから五カ年計画の問題は総体の事業費、経済安定本部において当時定めた額は二十九年にはその程度にまでいっておるのでございますけれども、事業費が非常にふえました関係で、実際工事としてはおくれております。

門司亮日本社会党

○門司委員 今のせっかくの御答弁でありますが、こういうことが市側の計画に十分の了解を得てなかった。あるいは政府がもう少し言いのがれを言えば、それが市役所には通知がしてあるはずだ、市長は知っているはずだということになるかもしれない。しかし実際上の今の状況を考えてみますと、市議会等のこういう事業計画については速記録を読んでもどこにも報告されておらない。そうして市議会の方はやはり五カ年計画というものが、そういう財政援助のあるものとして仕事をしておる。そして援助がなくなったからさっき申し上げましたようなことで、赤字をこしらえる一つの大きな原因ができておる。これらに対してはやはり私は大蔵省としては、市の特別法を設定いたしておりまする限りにおいては責任のある処置をこの際とることがいいのではないか。これは先ほど私がリストを出してもらいたいと言いましたが、大体私の調査した範囲におきましては、ほとんど何もやっていないというくらいです。都市においては何らのこの法律に基く恩恵というものはなかったというくらいに何もやっておりません。たとえばさっきお話の中にありました国有財産等の払い下げもありますが、広島の例だけを見ましても、国有財産がどういう形で払い下げられたか。国有財産はあそこにたくさんあったはずであります。いわゆる五師団の跡でありますから、陸軍の持っておったものがたくさんある。呉にも海軍の持っておったものがたくさんある。これが一体どういう形で払い下げを受けておるかということになって参りますと、私は当然の結果かと思いますが、大体市街地で最もいろいろなものについての都合のいいようなところは、政府機関がほとんどこれを使用しておる。そうして残りの部分が市に払い下げられておるということが、これが実情であります。これは政府から言わせれば、自分たちの財産だから自分たちの都合のいいところを先にとったということが私は言えるかと思う。しかし、市側の方から見ると、そう簡単にいかない。特別のこういう法律ができて、そうして払い下げをするということなら、市に都合のいいところをくれという欲が出てくると思う。この辺の調和というものが今日はっきりついていないように考える。従って次に聞いておきたいと思いますことは、十八のこれらの都市に対する国有財産の処置について、大蔵省はこの法律の趣旨を生かして地元の都市並びにそれに関連のある都道府県の要求というものを優先的にいれられるかどうかということ。そうじゃなくて、いいものは国が先にとる、そうして残りのものを市にやるならやるというふうにお一考えになっているのか、その点をもう一つ聞かしておいていただきたい。

相澤英之大蔵事務官(主計官)

○相澤説明員 国有財産の処分に関しまして、私担当でございませんので、この席で詳しく申し上げることができないのを遺憾に思います。後ほど御要望がございますならば管財局に連絡いたしまして、この点は答弁に当らせたいと思っておりますが、何分こういう都市につきましても、同時に国の、たとえば国立学校であるとか、あるいは諸官署が同様に戦災をこうむっておりますので、そういうところの早急の場所を与えるために、あるいは国におきまして優先的に使用するということがあったかと存じますが、御要望がございますれば、後ほど説明に参らせたいと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 私がこういう問題を聞いておりますのは、これは管財局であれば局長は正示さんだと思いますが、あそこの問題でもございましょうけれども、一応大蔵省側でよく検討してもらいたいと思うことは、私の住んでいる横浜は、この法律を見ますと、国際港都、こう書いてある。そこにあった昔の市有財産ですよ。今でもあるいは市有財産になるかもしれない。昔は市有地であったものを戦争中陸軍がここを高射砲陣地としてとっておった。そのあとにアメリカ軍隊が入って、そうして高射砲陣地に使っておった。アメリカ軍隊が引き揚げた後に、その敷地を市に返してもらいたいと幾ら言っても、返してくれない。そして現在自衛隊が高射砲陣地に使っておる。これは四つもある。これは法律がちゃんとあるのですよ。国際港都に高射砲陣地が要るということは、われわれは実際は考えておらない。ところがこの国有財産の処置については、こういうことを政府は平気でやる。行ってごらんなさい。横浜にちゃんと四つある。昔は市有地なんだ。市の所有地です。それを戦争中に陸軍が取り上げて、アメリカ軍が使っておったものを、そのあとまた自衛隊が使っている。市がどんなに陳情しても自衛隊に必要だといって返してくれない。この法律とは全く逆な行き方です。この法律には国があとう限りの援助をすると書いてある。何の援助をしているか。国有財産等については財産法の二十八条にかかわらずと書いてある。こういう法律がありながら、現実に市の財政が非常に行き詰まっているときにこういうことを平気でやる。私はこの点について大蔵省のほんとうの意見を聞いておきたいと思う。具体的にもしここであなたが御答弁ができないというならばそれでもよろしゅうございますが、あとで管財局に聞くことも必要だと思いますが、今現在起っている問題の中に別府の問題がある。別府に駐留軍の宿舎がたくさんある。これを駐留軍の引き揚げに伴ってあき家になるあと、やはりこれも自衛隊が使うと言っている。別府はどうなっているか。これは戒名の長い特別め名がちゃんとつけてある。別府国際観光温泉文化都市建設法と書いてある。国際観光温泉文化都市と書いてある。こういう特定の法律のあるところに、今までもアメリカ軍が勝手に来て占領してそこに宿舎を建てておったのは、敗戦国の一つの悲劇として、いまさらわれわれこれをどうこう言う必要はないと思う。しかし彼らが引き揚げた後、また同じように自衛隊に使おうということを今現実に考えている。こういうことがこれらの特別法に対する大蔵省の考え方であるかどうかということを、私はこの際はっきり大蔵省の態度を示しておいてもらいたいと思う。こういう特別法ができておって、そうしてこの特別法の精神というものは全くじゅうりんされている。さっき申しましたように、広島の例にいたしましても、政府の都合もあるだろう、あるいはいろいろ物価の高騰その他の問題もあるでしょうが、少くともこういう法律ができて政府がこれにのっとって三分の二の補助をしていこうということをきめて、五カ年計画が立てられて市はそれで遂行している。その五カ年計画の終りが二十九年度になるわけでありましょうが、これが途中で打ち切られたために、また広島市としては三カ年の継続された新しい計画を立てなければならぬようになっている。こういうことが市財政を非常に圧迫しているのである。広島の赤字の原因はこれだと市長は言っている。今日地方財政の非常に逼迫しているときに、こういう特別法のあるそれらの特定の市に対する大蔵省の考え方が、今横浜の例を申し上げましたように、広島の例を申し上げましたように、これが大蔵省の考え方だとすると、これは少し法の精神に反したものの考え方として、実は大蔵省の意見をただすつもりなのであります。御答弁ができなければ別でありますが、もしお答えができるなら別府等の問題に対しても十分考慮してもらいたいと考えている。横浜の問題もそうですよ。一つこの点に対する大蔵省側の見解をこの際聞かしておいていただきたいと思います。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 門司君、あとから管財局から来るそうですから、管財課の方でその取扱いについて説明することにいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

門司亮日本社会党

○門司委員 それではあとで伺うことにします。  その次にもう一つこの際聞いておきたいと思いますことは、これは今おいでになっている方で答弁ができるかどうかと思いますが、今政府の考えております税制調査会の今日までの経過の御報告を、この際願えれば非常にけっこうだと思います。それは国税については何か一応きまったように聞いておりますが、地方税は今審議をされている途中だという話も聞いていますが、われわれもそれらの問題についての今後の行き方等について多少参考にしたいと思いますので、もしおわかりならこれらの審議会の現在までの経過を一応報告願いたいと思います。

吉國二郎大蔵事務官(主税局税制第二課長)

○吉國説明員 臨時税制調査会の地方税関係の審議経過を簡単に御説明申し上げます。実は自治庁の税務部長が見えておりますので、内容の詳しい点は自治庁からお話があると思いますので、私は大体の今までの経過だけをお話申し上げたいと思います。  臨時税制調査会は昨年の十二月に中間答申をいたしましてから二月に再開をいたしまして、その後直接税分科会、間接税分科会、地方税分科会の三つの分科会に分れまして、それぞれの担当の分野を検討することにいたしたわけでございます。直接税分科会は現在までに十八回の分科会をやっておりまして、間接税分科会はただいままでに十二回の会合を重ねております。地方税分科会におきましては、その内容が国税の改正の推移に依存する点がかなりございます。そういう観点から若干時期をおくらせまして、直接税、間接税が三月に部会を始めましたのに対しまして、地方税分科会は第一回の会合を六月二十日にやっております。六月二十日以来十月五日まで前後六回の分科会を持っております。その間に、別に茨城県、千葉県、神奈川県並びに東京都は、三回にわたって地方実情調査を加えております。それを加えますと前後九回の会合が行われておるわけでございます。地方税分科会の詳しい内容は後ほど御説明があると思いますが、概括的に申しますと、これらの三つの分科会の審議経過を取りまとめまして、今後の運営について一昨九日に全員懇談会をいたしたのでありますが、その際におきまして、直接税分科会の内容につきましては、直接税ことに所得税を軽減するという点において意見が一致いたしております。それから間接税分科会におきましても、これに対応してある程度の財源の検討をするという点が、抽象的には大体結論を得たわけでございますが、地方税分科会におきましてはかなり大きな部面で意見の相違がございます。従いまして九日の懇談会におきましても主としてその問題が論議されたわけでございます。その点についてはその際も結論を得られないので、さらにもう一度地方税分科会を開きまして検討を続けるということになっております。直接税、間接税の分科会もなお一、二回開催をいたします。これはある程度懇談会の線に沿って内容を固めていくという作業をいたすわけでございますが、地方税分科会は、この次は十月二十二日になりますけれども、その際にこの基本的な問題をさらに検討するという点で若干審議がおくれておるわけであります。その審議の内容は、自治庁から詳しい問題点というものが出ておりまして、これについて逐次検討をいたしましたのでありますが、その点は後ほど御説明があると思いますので省略いたします。  主として問題になりました点と申しますのは、国税の減税が行われる場合に、これが地方税の関係をいかに見るかという問題でございます。かりに現在仮定的に言われております所得税を中心とする一千億の減税が行われるということを想定いたしますと、まずその結果が地方財政に響いて参りますのは、第一点としては地方交付税が減税がなかった場合に比べれば減少するという問題でございます。第二点は、所得税の税額に課税標準をとっておりますところの住民税つまり道府県民税と市町村民税における第一課税方式を採用しておる場合、この二つはそのままに据え置けば直ちに所得税の減税効果がそのまま反映されるということになりまして、これまた減収が生ずるという問題があります。第三番目といたしましては、所得税を減税いたしますと、この効果は給与所得、事業所得ともにこうむるわけであります。その結果両方の負担が減りますけれども、個人の事業税がそのまま据え置かれておりますと、その個人事業税が加わるだけ総体的には事業所得者の負担が重くなる結果になるわけでございましてそれをいかに考えるべきかという問題がございます。  それから、直接税分科会におきまして論議に上っております法人税、所得税におきまする各種の特別措置を整理するという問題、これはいずれ多少にかかわらず行われるわけでございますが、これが行われますれば当然法人税が増加いたします。しかもその特別措置の中には、法人税率をかつて引き上げました際に、いわばそれと見合いに設けられたものがございます。従いまして、特別措置を整理すれば、その内容によっては法人負担を若干それに応じて軽減しなくちゃならないという問題が起るかもしれません。その場合におきまして、これを法人税の上で軽減するか、あるいは、現在非常に事業税に対しまして中小企業方面からの軽減要望が強いので、この際これを事業税で軽減するか、ことに個人の事業税に手をつければ法人の事業税に手をつけざるを得ないので、この三つの問題がいわば問題の中心になったわけでございます。  交付税の点につきましては、二つの考え方がかなりはっきりと対立をしたと申して差しつかえないと思いますが、一つの考え方は、国税の改正によって地方財政は影響を受くべきでない、従って、現在の地方交付税率は、もし所得税、法人税が改正によって増減したならば、その増減がなかったと同様の結果を得るように機械的に改算さるべきだという考え方でございます。もう一方の考え方は、現在の国税の軽減、ことに所得税、法人税の軽減は、一応財源が何に引き当てられるかわかりませんけれども、現在かなりの自然増収が出るであろうということは予測されるわけでございまして、その場合には、もしその自然増収をそのまま財政支出に充てるならば、国民所得の増加の割合よりも相対的に大きい財政支出が行われる。ことに所得税のような極度の税率をとっております場合には、国民所得以上に伸びますので、国民所得が五%伸びれば税収が一〇%伸びる、それを据え置けば国民所得の増加よりも大きくなる。現在国民所得に対する財政支出の規模がまだ戦前に比べてかなり重いといわれておりますので、そういう部面を軽減しようという面がかなり強く出て参ります。その場合に、交付税の税率を今のように逆比例で戻しますと、自然増収として軽減すべき部分が二五%だけ減るわけでございます。それだけの財源が減る、従って自然増収のうちの国民所得に見合う以上の部分をまけようということが十分できなくなる。たとえそれに応じてやったとしても、ほかの税で増税を埋め合せるということになって、結果としては自然増収排除の目的が達せられない。従って、この際地方にもかなりの自然増収が出るのだから、交付税の計算を機械的にやらずに、さらにもう一回地方財政の内容を、地方財政も苦しいのだから、考え直して、その上で交付税率をきめたらいいのじゃないか、こういう考え方でございます。この二つの考え方がかなり対立をいたしまして、この点はさらに検討を要するということになったわけでございます。同じ問題がオプション・ワンを採用しております市町村民税、それから道府県民税にも起ったわけでございます。所得税を大幅に軽減をいたしますと、それに対応いたしまして、たとえば東京都の現行法で参りますと、両方合せての百分の二十一の住民税がかかるわけでございますが、これをかりに何%まで上げなければ従来通りの税収は得られない、これを機械的に上げていくべきであるという考え方と、オプション・ワンの採用団体は、もちろんかなり赤字の団体が多いのでございますが、比較的にオプション・ツーの採用団体に比べれば余裕がある。従って国民負担を軽減する際に、市町村民税をそのまま元の通りに据え置くということでは実際上十分でないじゃないか。従ってこの際機械的にオプション・ワンの税率を引き上げるということはどうかという考え方、これは交付税と同じような考え方の違いでございます。それから事業税につきましては、個人の事業税について若干の引き下げが必要かどうかという点が、これも必ずしも意見の一致を見ておりません。それから法人の事業税につきましても、これについては若干ニュアンスの差があるのでありまして、中小企業方面の要望からいうと、事業税を下げてもいいのではないかという考え方、しかしその場合その下げた減収はどこが補てんするかという考え方、それは国が補てんすべきであるという考え方と、全額を国が負担するということか、あるいは若干地方に余裕——余裕という言葉は適当じゃございませんが、地方にも自然増収は必ず出ておるので、それで若干はカバーできる面があるんじゃないかという考え方、これは事業税を全然負けるべきじゃないという考え方、こまかく分ければ三つになるかと思いますが、こういう考え方の相違がございます。最後に所得税の減税を確定いたします際の財源問題として非常に大きな影響がございますので、地方税分科会がこの点についてさらに慎重に検討した結果出た結論によっては、減税の形を再び調整し直さなければならぬという問題もあるわけでございます。それだけに地方税分科会におきましては、主要な問題が現在実は懸案になっておるというのが実情でございます。あと個々の税につきましての問題点は、自治庁の税務部長からお話があると思いますので、私の説明はこれで終らしていただきます。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 厚生省から楠本環境衛生部長、それから財政課から横田事務官が出席されております。亀山孝一君。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 前国会でありましたか、地方債の最低限の制限についてたしか七十万円以下の起債は認めぬという政府、つまり自治庁と大蔵省の方針に対して簡易水道のごとく、どっちかと申しますと今の七十万円以下の起債であるけれども、これの及ぼす効果から見て、それの除外例を一つ認めてはどうかという質問を申し上げましたところが、時の後藤財政部長はその通りである。一応は七十万円以下の起債は認めぬということであるけれども、簡易水道のごときものに対しては、これを認めるという御答弁があった。そこで私は折り返して、しからばその趣旨を各地方団体に通牒されてはどうかということをさらに追及しましたところが、通牒するには及ばぬ、十分その趣旨は伝達してあるということでありました。ところがその後のいろいろの状況を聞きますと、当時の自治庁当局の御答弁通りではない。しかも聞くところによりますと、今年度はこれを百万円に上げられた、地方債の最低限を百万円にきめて、それ以下の起債は認めぬという御方針だと伺ったが、そうしますと、前国会で答弁された自治庁の御趣旨というものはどういう意味であるか、まことに私どもは疑いなきを得ないのでありまして、この際自治庁当局のこの問題に対するもう一度はっきりした御答弁、あわせて厚生省の環境衛生部長も見えておりますから、今の七十万円以下の起債を認められた例があるかどうか、それはどういう場合か、またそういう趣旨が徹底しておるかどうかという点について、両当局からこの際一応御答弁を願いたいと思います。  簡易水道の問題につきましては、これはおそらく同僚各委員もこれが普及に対しては非常に力を入れておられる、しかもこの簡易水道の性質上、七十万円以下の起債による場合が私は相当多いと思う。この起債の制限のために、せっかくの簡易水道の補助も活用できず、しかも簡易水道の恩沢に浴し得ないということは、まことに遺憾千万、この際もう一度私ははっきりした御方針をお伺いしたいと思いまして、ここに質問を申し上げるわけであります。

山野幸吉総理府事務官(自治庁財政部理財課長)

○山野説明員 御案内の通り簡易水道は五千人以下の給水人口の場合には一般の補助事業の中で起債の発行をやる。従って今年度は御指摘の通り七十万から百万にいたしまして、その限度以下のものについては認めておりません。また給水人口からいいましても百万円に達しないような簡易水道は、例としては、私はまだ詳細の数字は知りませんが、あまり多くないのではないか。それからまた給水人口自体が、百万円にならない場合は大体百五十人とか二百人程度のごく少いものが多いわけでありまして、なるべく補助をつけていただく場合は、千人以上とか、まとまった簡易水道に補助をつけていただいて、そうして簡易水道の中のごく大きなものを重点的にやりたい。御案内の通り、ことし起債で充当いたしましたのは、地方団体の三十四億に対しまして十億でございます。そういう起債のワクの問題がございまして、この限度外ということについては今のところ考慮を払っていないわけであります。ただ明年度は私どももこの簡易水道というものは、今の現状のやり方で十分だとは思っておりませんので、明年度は地方債の中でもこの簡易水道を収益的な建設事業という中に取り上げて、充当の起債のワクも大幅に広げたいという考え方を持っておりますので、そういう際にあらためて検討してみたいと考えております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 どうも今の御答弁は前の後藤財政部長の答弁と全然違いますが、そうですか。それは速記録を調べればわかるのだ。はっきりおっしゃっているのですよ。だから七十万円以下の場合も簡易水道等についてはよく実情を調査の上例外として認めます。その通牒は出さぬけれども、各関係地方団体には周知せしめるという御答弁であった。今の御答弁では全然認めないという御答弁、そうするとわれわれは信用できない。まあ財政部長がかわったからと言われるけれども、それはまことに異なことを承わるがそういうことなんですか。もう一ぺん念を押して聞きますが、前の速記録を調べて下さい。

山野幸吉総理府事務官(自治庁財政部理財課長)

○山野説明員 私もかわったばかりでございまして、従来の経緯等については確実にここで言明するわけにはいきませんが、私の承知いたしております範囲では、従来限度内のものについて起債をつけた例はないように聞いております。なおよく調べまして御答弁申し上げます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 それはまことに変なことで、私はあなたが知らないからあえて追及しませんけれども、各同僚ははっきり知っている。私はその点をはっきり伺った。そうしたらあなたの方は七十万円以下のものでありましても認める。それをあなたの方の事務の引き継ぎかどうか知りませんが、それは認めない、そういう白々しいたんかを切ることは、私は非常に変だと思うのだ。それはきょうあえてそう追及しませんけれども、よく速記録をお調べ願って、前の引き継ぎ等もお調べ願って——あなたのような解釈だから、あれだけ財政部長に私が念を押したにかかわらず、まだ一つも認めていない。今お話を伺ったように、簡易水道のごときは非常に小さな部落等であって、そうしてある程度以上でなければ認めぬ、そういうことでは簡易水道は普及できませんよ。小さな部落で、貧弱な財政であるから、ある程度町のわずかな起債を認めて初めてできる。そこで昨年は厚生当局では例の水道金融公庫ということも考えた。自治庁のお考えはそうだろう、ところが大蔵省は自治庁のあれを途中でつぶしちゃった、それで今度は何とか金庫を作る、おもなものは水道等の事業起債を考える、今の御答弁だとどうも自治庁の御意見に対しては非常に不安を持つのです。明日は警察ですが、明日でも冒頭に財政部長から、前の速記録をお調べになってはっきりした御答弁を願いたい。

山野幸吉総理府事務官(自治庁財政部理財課長)

○山野説明員 よく経緯を聞いてきまして、そしてあらためてお答えしたいと思います。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 そこで自治庁の御方針は前には七十万円は認めると言われました。今は認めないと、こう言われるんだが、そうなれば先ほどあなたに御質問申し上げた七十万円以下の起債は認められていないのは当然だと思います。それによって起る不便は相当あると思う。そこで昨年七十万円以下の起債、あるいは今年度もし上がればそうですが、七十万円以下の起債を申請しておる件数なり大体の金額を、もしも御存じならばお示しを願いたい。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 お答え申し上げます。昨年七十万円以下の起債は認めないという御方針によりまして、やむを得ず昨年は一部は事業を中止し、一部は起債なしで地元負担をその分だけ多くいたしまして実施したところもございます。それらのこまかい数字については手元にございませんが、なお本年百万以下は認めないということにいたしますと、これは三様の見方がございまして、現実に起債額百万円ということになりますと、起債は地方負担分の全額をとうてい見られません。百万円の大体五〇%というような程度しか見られません。そのことから五〇%充当率を百万円というふうに考えますと、現在継続事業で百十四か所、それから新規事業の要望で九百八十カ所、合計千九十四カ所になりまして目下これらの処置に非常に困窮をいたしております。特に継続事業はすでに昨年来約束をしておる事業でもある関係から、それが百十四カ所どう処置するかということを苦慮いたしてりおりますが、もちろん私どももきわめて小規模の起債というようなものについては、できるだけ自治庁の御方針に沿って善処をいたしたい考えであることは当然でございます。従いまして何とか小規模水道というようなものを整理いたしまして、比較的大規模のものにもっていきたいという努力は十分いたしまして御協力いたしたいと思っておりますが、ただ地域の関係等によりまして、どうしても山の中の部落、あるいは特別な地勢的関係から大規模にすることができないところがたくさんございます。かような点をどう処置するかということを目下心配いたしておるわけでございますが、なお起債充当率を見ずに起債を当然受ける権利のあるものと申しますか、こういうところは事実充当率がきまっておりますからいたしませんけれども、地方負担分が百万円以下のもの、これはかなり多いんでございまして、現在継続事業で三十三カ所、それから新規事業で百五十七カ所になっております。これらのものは地方負担が百万円以下ということになりまして、まるまる起債をもらっても百万円にならないというものもございまして、いずれにいたしましてもこの点はなお私どもといたしましては地方の地理的条件等をも十分に検討をいたしまして、整理のできるものは整理をするという方法で進めたいと思っております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 ただいま楠本環境衛生部長の御説明で大体わかりましたけれども、今お話になったように簡易水道と一般水道の区別というものは、私から申し上げるまでもなく小部落、あるいは主として中小町村に簡易水道を引こう、こういうことなのですから、大水道にまとめるなら別に何も簡易水道を別個に認める必要はない。だから方針はいわゆる本水道と簡易水道との間の区別をはっきりとされて、そして今の難点である起債の問題を解決すれば私は遠慮なさる必要はないと思う。問題は起債の制限なんです。先ほど理財課長もワクの関係とか何とか言われたけれども、それは一般の国民の人たちは簡易水道というものをどれくらい喜んでおるかわからない。現にある地方によれば、水道がないために、婦人が井戸まで往復した距離を直せば、私は岡山県ですけれども、東京に八へん往復できるほど、嫁に行ってから今日まで井戸との間を往復したと言っているくらいです。そこへ水道を引いたらどのくらい喜ぶかわからない。みな山間部落ですよ。そういうものをあなたの方でただ起債のワクを七十万、百万円と勝手にきめて、その除外を認めないというのは一体御趣旨がわからない。私はこれ以上は追及しませんけれども、あしたでもいいから——私の第一に不愉快なのは、方針が、この前の政府委員の答弁と今かわってきている。はっきり言っているのに実行していない、われわれにうそをついたということになる。それは実に不都合千万だと思う。その答弁はみんな聞いておられるのです。しかも私どもが地方へ行って、起債のワクというものは七十万円以下であっても、それは簡易水道等の、ほんとうに住民の苦心のある場合には除外例が認められると言って説明してきた。そして厚生省に行って聞いてみるとだめだという。それは一体自治庁の見解ですか、大蔵省の見解ですか、両方の一致した見解を伺いたい。もう一度解釈を伺いたい。

山野幸吉総理府事務官(自治庁財政部理財課長)

○山野説明員 お答え申し上げます。私も従来の経緯をまだ勉強しておりませんので申し上げられないのですが、今とっておりますのは大蔵省と話し合った一致した見解をとっております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 これは私は非常に重大問題だと思うのですよ。明日は警察ですけれども、一応冒頭に政務次官なり財政部長からはっきりした説明を伺いたい。ちょうど幸いに奥野税務部長が見えておりますから、ちょっとつけ加えさせていただいて、観光税の問題が幸いにと申しますか、何か妥協したようなんですが、一応観光税の始末の御報告を願い、今後の自治庁の観光税に関する御方針を簡単でけっこうですから、お伺いしたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野説明員 観光施設税設定の問題につきましては、いろいろ御心配をおかけして恐縮に存じております。例の問題につきましては、その後文部省とも話し合いをいたしまして、大体文部省としての考え方も承知したわけであります。さらに全日本仏教会と神社本庁の間の幹部の方々と話し合いをいたしたわけであります。社寺側といたしましては、観光のために社寺に参詣してくる人に、直接課税するというような形になることは、宗教上からまたとうてい承服できない、こういう御意見がございまして、この点につきましては私たちももっともなことだと思うのであります。  そこでどういう場合には課税しないというようにすれば、社寺側の方でも納得されるだろうというようなことで、具体的の話し合いをいたしたのであります。その結果、特定の事例を列挙いたしまして、この場合には京都市においても文化観光施設税を課さないという条件をつけて、法定外普通税の設定をいたすようにしたわけであります。またそういう条件をつけていただくならば、全日本仏教会あるいは神社本庁の方々も社寺側をして文化観光施設税の施行について、京都市に協力させるように努力をしよう、こういう約束もしていただいたわけであります。これらの結果によりまして京都市ではさらに社寺側とこまかな施行についての打ち合せをしながら、たしか十三日から施行することにしておるのじゃないかというふうに存じております。私たちは円満に施行されるというふうに考えておるわけであります。社寺側で反対されました方々からも、その後そういう形でまとめてもらったということで感謝の言葉もいただいておりますので、必ず円満にいくものだというふうに存じておるわけでございます。  なお今後の問題といたしましては、現に奈良市と奈良県から文化観光施設税の設定許可申請が出て参っております。これにつきましても許可をいたしたいという考え方を持っておるわけでございますが、まだ手続中でありまして、許可指令は出しておりません。大体私どもは京都市と奈良市くらいのものではなかろうかというふうに存じておるわけでありまして、今後なおどういう団体から許可申請があるかわかりませんので、決定的なことを申し上げるわけではございませんけれども、だれが見ても京都や奈良であれば、ぜひ文化観光施設を整備してもらいたいという強い希望を持つだろうと思うのでありますが、そういう要請の非常に強い団体に特に限って、こういう税もあえて認めざるを得ないのじゃないか。それ以外の団体についてはあとう限りこういう処置は避けてもらいたいという考え方を持っております。今津どういう団体が出てくるかわかりませんので、その際によく検討をすべきことでありましょうけれども、非常に私たちは消極的な考え方を持っておるわけでありまして、こういう税をどんどんどの団体でもとっていくというふうには存じていないわけでございまして、そういうような方向で指導して参りたいというふうに考えております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 大体了承いたしましたが、私どもが観光施設税で耳にすることは、今お話のありました京都、奈良のほかに、長野で何か善光寺にかけるようなうわさを耳にいたしますが、今税務部長の御説明によると、善光寺だけの文化観光施設税というようなものは消極的だというような御説明でありましたが、大体そういうようにわれわれは了解してけっこうですか。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野説明員 長野市のお話は聞いておりませんので、どんな事情があるかわかりません。従ってまだ決定的なことを申し上げるわけではございませんが、気持としてはおっしゃる通りでございます。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 関連して。さっきの簡易水道の問題ですが、自治庁とか大蔵省はこれの起債をつける場合に、金を貸す立場から非常に手続が煩瑣にならないように、すなわち零細な起債ということになると非常にめんどうくさいという考え方が起債をつける場合に作用しておりやしないかということを憂えるわけです。簡易水道の場合には、先ほどのお話のように金を借りる立場になった場合に、この簡易水道によってその地域社会が非常な恩典を受けるのだということになりまして、その場所によっては零細な金でもやれる、大きな施設は要らない、零細な金でも借りれば、それでもって地域の人たちは簡易水道を引いて、その恩典を受けることができるのだというものが、全国を通じて具体的に相当あるということを、お互いは知っているわけです。だから借す立場だけでなく、それは厚生省等においても検討すると思いますが、具体的な問題によって、その地方に少しでも金を倍してやれば、非常に喜ばれるというようなものをピック・アップして優先的にそれを借し、そしてそれに起債をつけていくという方向をとるべきであるというのが、われわれの考え方なのであります。ところが今日の自治庁の答弁によりますと、百万円未満程度の簡易水道というものはあんまり役に立たないものである、百万円以上の水道ならばそれは地方の役に立つけれども、それ以下のものはあまり考える必要のないものであるというような話しっぷりであったのですが、実際そういうものであるかどうか、これは厚生省の簡易水道をやっている方面にもお聞きしたいと思うのですが、百万円未満程度でやるような簡易水道というものは、作っても大して役に立たないものであるかどうか、そういうような言いっぷりが自治庁にありましたけれども、そういうものであるかどうかという点を一応はっきりお聞きしたいと思います。そうして百万円未満程度のものは申請があまりないと思うような課長のお話でありました。それが先ほどの亀山君の厚生省に対する質問については何だか全般的なことの答弁であって、具体的なものをわれわれはくみ取ることができなかった。百万円未満のもので、そしてどうしても幾らかでも金を借りるならば助かるのだという強い要望のものがどの程度あるのか、そうしてそれにはやはり起債をやってもらわなければいかぬという考え方を、厚生当局が持っているのかどうか、その点を一応はっきり聞いておきたいと思います。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 お答え申し上げます。簡易水道の布設に当りましても比較的規模の大きいものが望ましいということは、あるいは言えるかもしれません。しかしながら実際に私どもが現場に当ってみますと、簡易水道の対象は主として農山漁村等の部落的な水道でございますので、地理的関係等もございまして、他の部落と一つの系統の水道にして一定規模以上にすることがきわめて困難な場合が多いのであります。従ってさような地理的条件のもとにおいては小規模の水道でもやむを得ないということになります。しからば小規模の水道は効果がないかと申しますと、これは規模が小さくても大きくても水道としての機能を発揮し、その効果の上ることは同様でございます。従って現在厚生省で助成規則を省令で定めておりますが、この場合には私どもは給水人口二百人以上という一つの規定を置いてございます。二百人と申しますと大体総事業費で約八十万円程度でございます。従って私どもはぜひその程度までで、あまり小さいものはやらぬ、しかし給水人口二百人以上の程度のものは簡易水道として扱うことが地方の実情から適当であろうというふうに考えております。先ほどもお答え申し上げましたように、簡易水道で現在のままで参りますと百万円以下の起債充当になってしまうという町村の要望が全国的新規事業で九百八十カ所に及んでおります。継続事業で百十四カ所に及んでおります。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 そうしますと、全国的に大小を加えて非常に簡易水道の起債要望が多い。ところがワクが非常に少い。そうするとその要望の多いうちにも、種類が継続事業としてやらなければならないものと、新しくやりたいものとあると思います。そこで厚生省としてはまず継続事業の方に重点を置かなくちゃならぬということであるために、新規事業の方面には少し力が弱くなりがちだ。また大きい簡易水道と小さい簡易水道とが、やはり全国的に非常に多い。起債のワクが少いために、まず大きい方面にその少い起債をつけたい、大きいやつを継続事業の方面にやりたいために、自然小さいものの新規事業というようなものには、まあ当らないような結果になっているんだ。必要とは考えるけれどもワクが足りないために、そういうことになって、ことしはやむを得ず百万円ということにしたんだということであるのか、自治庁としては、何か百万円以下のものは必要であるというような話しぶりでありましたが、厚生省は、零細なものでも必要である、こういうことなんですが、起債をつける人たちの考え方はどういう考え方でその七十万円を百万円にしたか。この前は七十万円をもっと下げるということで行ったのが、逆に百万円にした、こういうところに自治庁の考え方がどうも少しはっきりしないように思うのですがね。いわゆる官僚的というか、金貸し的というか、そういうような感じがするんだが、その点もう少し説明して下さい。

山野幸吉総理府事務官(自治庁財政部理財課長)

○山野説明員 今御指摘のように地方負担百万円以下のものが三十三カ所というお話がございましたが、私のさっきの表現がまずかったかもしれませんが、別に小規模の簡易水道だから重要性が少いのだというわけではございません。現在の起債は二十四億の地方負担に対して簡易水道で四〇%の充当率になっておりますので約十億程度でございます。従いまして四〇%の充当率で十億になりますので、なるべく簡易水道の中でも大規模のものを選んで優先的にやっていく、これは当然起債のワクとも関係がありますが、そういう趣旨で今申し上げたわけでございまして、緊急度というような問題では小規模のものでも緊急度の高いものもあると思いますが、ただこの百万円ときめましたのは、別に水道だけを取り上げて考えておるわけでございませんで、あらゆる補助事業、単独事業全部につきまして、町村合併その他もありまして従前は三十万円でございましたが、それが七十万、百万になってきた。従いまして、これは火事で焼けたというような気の毒な例がありますけれども、決して水道だけ今のように百万円の限度をきめたわけではございません。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 ただいまの起債の許可方針なんですが、先般再建債の許可の場合においても五十万で切ってしまって、百万、百五十万、二百万、二百五十万というような方針をとった。たとえば百三十万なら、あるいは百四十万なら非常に助かるという団体が、百万円で切られてしまった。結局四捨五入じゃなくて全部——たとえば百四十九万円のものも百万円に切られてしまっておるというような状態なんです。実際に私はその例にぶつかったのでありますが、とにかく五十万円で切ってしまったのです。係に聞いてみると、大蔵省が強いんだ、とてもそんなこまかなことでは金貸としてはやり切れない。それで五十万単位に切れという強い要求があってやったんだというのです。これは責任者でない係員の話だから、責任を追及するというわけじゃないけれども、そういう話だった。もう少し血も涙もあるやり方をやれないものかということを、そのときに痛切に感じたのです。ところが今の話によると、あらゆる起債について今般は五十万単位をさらに百万円単位に引き上げた。こういう根本的許可方針によって七十万が百万になったという。起債は百万円以下はやらないのだという考え方は、どういうことが基礎となってそういうような方針をとられたのか。これは大蔵省が納得したのじゃなくて大蔵省に服従したのじゃないかと思うけれども、どういう理由でそういうことになったのか、その点をお伺いしておきたい。

山野幸吉総理府事務官(自治庁財政部理財課長)

○山野説明員 年度償還額は、たとえば百万の起債でございますと十年になれば毎年の償還額は非常に小さく感じられます。従いまして毎年度の償還額も考えてやっておるわけでございます。それからまた町村合併等の進行によりまして、団体の規模も大きくなっていくというような面から、さらにまた国庫補助事業全体についてなるべく重点的にやっていきたいという趣旨等を合せまして、現在の年度額の引き上げをやっておるわけでございます。

西村彰一日本社会党

○西村(彰)委員 観光税の問題ですが、ただいま部長が、仏教会が間に入っていろいろあっせんをして、お寺の側も感謝をしておる、こういうお話がありましたが、私二、三日前に京都の大学に講義に参りましていろいろ聞いたところによりますと、一つも円満に解決しておりませんし感謝もしていない。自治庁はそういうこまかい事情はお調べになっていないのでありましょうけれども、現在京都のお寺十九カ寺が対策委員会を開いてまっこうから反対をしております。それが中央におきまして、仏教会その他が調停に入ったということですけれども、十九カ寺のものは別に仏教会に調停を頼んでいないのです。仏教会の人たちは、自治庁が自分らの言い分を聞いてくれればお寺の方を説き伏せるようにするということを言ったように——部長の答弁もそうだろうと思うのですが、そういうことで現在四カ寺は市長のいろいろな切りくずしによって応じておるようでございますが、あとのものは市のやり方が非常に何だからということで、もっと初めから話し合いの余地があれば自分らもそれぞれ応ずるのに、強引に自治庁の許可を得たからやっておるということで非常にごたごたしておると思うのです。部長は消極的にほかの府県のことも考えておられると言っておられますけれども、これは各地方にも非常に影響があるのです。長野県の善光寺の問題については、現在そういう問題はないようでありますが、奈良県の問題もあるようなわけでありますし、大体神社仏閣というものは非常に保守的であって、ほかからさわられるということをきらうということもあると思いますけれども、それだけにやはり徴税の場合においては、よくそこで話し合ってやる必要が絶対にあるのじゃないか。この前の委員会においても、同僚亀山委員などから、もっと市やお寺の方とが話し合ってやらなければならぬということを強く要求されたのでありますが、自治庁の方では申請してくるならば許可をせざるを得ないというので、きょうの答弁では消極的であるというような——抽象的な消極的でありますけれども、決して京都の問題は円満には解決しておりませんし、それから決して寺社側の方も感謝はしていないようでありますから、その認識だけは一つ改めていただきたい。自治庁はそうこまかいところまではタッチできないかもしれませんが、将来許可するような場合においては慎重にできるだけ指導をしてやっていただかなければいかぬじゃないかと思いますが、そういう誤まった認識のもとにむぞうさに許可されると、方々に問題が出てくると思いますので、念のためその点は強く事実に基いて申し上げておきます。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 門司君、先ほどの、大蔵省管財局の国有財産第二課長市瀬さんが出席しておりますので……。

門司亮日本社会党

○門司委員 第二課長がお見えになりましたから、先ほどの質問の続きを申し上げたいと思います。先ほど御質問申し上げましたのは、特別都市の建設のために法律ができておることは大蔵省も御存じだと思います。この法律によりますと、国はこれにできる限り援助をする、同時に国有財産法の二十八条にかかわらず国有財産を処分することができるということが書いてあります。その後における大蔵省の行き方というものはこれに反した行き方がかなりあると思う、だから大蔵省の所信をこの際はっきりしてもらいたい、こういうことなんです。一つの実例は、たとえば横浜であります。横浜は御承知のように横浜国際港都建設法が昭和二十五年の十月二十一日に公布になっております。ところがこの横浜における一つの問題としてありましたのは、御承知のように陸軍の所有地になっておった、あるいは市が貸し与えておりましたいわゆる旧陸軍の使っておった高射砲陣地、これを継続して駐留軍が依然として使っておった。その駐留軍が撤退したのに、これに対する国の処置としては依然として自衛隊に現在使わせております。これは市との間にいろいろ問題になったことは大蔵省も御存じだと思いまする。しかもこの中には学校の敷地がある。公園の敷地ではなくて学校の敷地である。従って学校の敷地は返してくれと幾らやかましく言っても——一応これは国の財産ではございません。これは国に貸しておったのであります。ところがこれを横浜市に返さないで、今日自衛隊が高射砲陣地として使っておる。従ってこれは国際港都建設法の建前からいうと実におかしな話であります。国際港都の横浜に高射砲陣地を四つも作って守らなければならないということは私には一向了解ができない。たまたまアメリカが使っておったあとだから自衛隊が使うことが簡単だ、あとで敷地を求めることはなかなか困難だから、国が借り上げておったのだから、これは使ったらよろしいというような考えは安易な考え方であります。それでは横浜市が迷惑する。それと同じような問題が起りつつあるのは、御承知でありましょうが、別府であります。別府に駐留軍の宿舎がたくさんありますが、その宿舎に彼らの撤退に伴いまして、これは大蔵省に移管されると思いますが、また大蔵省のものだと思いますが、あと自衛隊の諸君がこれに入ろうと考えておるということをわれわれは聞いております。別府も同じように、これは御念が入っておりまして、別府国際観光温泉文化都市建設法というようなやかましい名前になっておる。これらのものはいずれも法律で保護されておる。のみならずこの法律のできましたのは単に国会で決議されたのではないのである。この法律のできておりますのは、憲法第九十五条に基いて、いわゆる住民投票によってできておるのである。従って国会における決議だからといって済まされない。この憲法に基いて、住民投票によって施行されております法律の趣旨が、どうも大蔵省にははっきりわかっていないらしい。そのことのために自分たちの持っておる財産あるいは自分たちの借り上げておる財産のあとの使用が、この法律の趣旨と全く異なった行き方でされておりますので、このことについて大蔵省はどういうように考えておられるか、この機会にはっきり御答弁を願っておきたいと思います。

市瀬泰藏大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○市瀬説明員 ただいま門司先生から御質問がありました横浜国際港都建設法を初めとしまして、かなりの特別法がありまして、たとえば横浜国際港都建設法におきましては、五条に、ただいま御指摘のありましたように「国は、横浜国際港都建設事業の用に供するため、必要があると認める場合においては、国有財産法第二十八条の規定にかかわらず、その事業の執行に要する費用を負担する公共団体に対し、普通財産を譲渡することができる。」こういうふうになっておりまして、これの典型的な、と申しますか、非常に前から活用されておりますのが旧軍港市転換法でございます。この旧軍港市転換法におきましては、横須賀、呉、舞鶴、佐世保の四軍港市に対しまして国有財産の譲与をすでに数多くやっておりまして、その金額は五十億円をこえております。そのほかの、ただいま御指摘のありました横浜国際港都建設法を初めとしまして、もう一つ御指摘のありました別府国際観光温泉文化都市建設法にも同じ譲与の規定がありますが、今までこの法律の適用を受けたものは数少いのでございます。広島市にありましたが、私どもの方ではこの法律の精神を全く尊重しておるのでございますが、今まで譲与の申請の出てきた案件が少い。この法律の精神に照らして譲与する、こういうふうになりましたのが少かっただけでございまして、私どもといたしましては、この法律の各単行法の趣旨にのっとりまして、譲与すべき財産の申請がありましたならば十分考慮いたさなければならない、事務当局といたしまして、そう考えておる次第でございます。  それで具体的に申しますと、ただいま御指摘のありました横浜市の問題でございますが、これは私どもの調べたところによりますと、元の高樹砲陣地は民有地、横浜市有地だけでございまして、国有地がないのでございます。それで米軍が接収しておりまして、その返還を受けたものを防衛庁が一時的に使っておるという事情がありましたとしましても、これは調達庁の方で民有地及び私有地との借料の関係その他でやっておる問題でございまして、私どももそういう問題がありましたことは承知しておりますけれども、国有地ではありませんので、何ともならない次第でございます。  それから第二の御質問のありました別府の日出生台の演習場あるいは十文字の演習場などがありますが、これは今に至るまで駐留軍が使っておりまして、これが返還になったときはどう取り扱うか、これは今後の問題として検討いたすべきものとなっております。

門司亮日本社会党

○門司委員 今の御答弁ですが、私が聞いておりますのは、法の精神からくる大蔵省のものの考え方でありまして、国がこれを借り上げて、少くとも防衛庁が借りておる、あるいは調達庁が借りておるというかもしれませんが、横浜の場合でも国が借り上げておることは事実なんです。これはさっき申し上げたように、みな学校敷地であり、公園であることは間違いありません。そういうものに対する国の取扱いの方針なんですけれども、今申し上げましたように、これを直ちに軍に使わせる、これを横浜市から考えて参りますと、あの四つの陣地というのは一つは学校敷地で、あとは大体公園なんですが、横浜に公園らしい公園は一つもない。だから返すんなら早く返してもらって、やはり国際港都らしいものをこしらえた方がいい。今までこういう問題はたくさん問題になっておりますが、横浜で一番いい公園であったといわれておる山下公園も返してくれない。今でもアメリカさんが接収しているという話をいろいろ聞いております。従ってそれらの問題は、この法律のできております精神からいいますと、国がその前に直ちに二十八条の国有財産をどうするというのではなくて、あとう限りの援助をすると書いてある。あとう限りの援助ということは特別法にみんな同じことが書いてあるが、そういう援助は全然してないと思う。別府の問題につきましても、日出生台の問題だけではございません。別府の市内に現在アメリカ軍の持っている宿舎がある、この宿舎の問題であります。これらはいずれもだれのものでもない、国有財産であることに私は間違いないと思う。それらの問題に対する取扱いについて、今申請がなかったからというお話がございましたが、そうするとあげ足をとるようなんだが、申請をすれば、大蔵省は大体その申請の精神に従って処置をされるものだと解釈してよろしゅうございますか。

市瀬泰藏大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○市瀬説明員 お答えいたします。前段の御質問でございますが、各特別法によりまして国があとう限りの援助をしなければならない、まさにこの条文の通りでございますが、大へん申しわけないのでございますけれども、私、管財局国有二課長としまして、所掌の仕事の限りでは、現在私どもの管理しております国有財産の譲与とか処分、こういうものを担当しておりますので、ただいま先生の御質問のように、大蔵省としてどう考えるか、こういう御質問に対しましてお答えできないのでございます。その点おわび申し上げます。  それから後段の問題でございますが、先ほどの私の言葉が足りませんために先生のただいまの御質問をいただいたと思いますけれども、たとえば別府の市内にある現在米軍が使っている宿舎に対しまして、譲与ないし処分の申請を市側がしたならばすぐ応ずるかどうか、こういうような御質問でございましたけれども、返還という問題は実は相手のあることでございまして、米軍が返還しなければ問題にならない。それから返還になりました場合に、実はこの問題につきましては、防衛庁と市側とですでにいろいろ検討しておる問題でございまして最近の情勢におきましては、別府市におきましては防衛庁がこの宿舎を——法律用語でいいますと所管がえを受けるということについて異議がないんだというような意思表示をされたように聞いておるのでございます。しかしながらまだ中央の段階へははっきり申しておりませんので、ただいま情勢と申し上げたことを付言させていただきます。

門司亮日本社会党

○門司委員 これはあなたにあまりやかましく聞いても無理だと思うが、実際問題として取り扱っているあなた方に考えてもらいたいのは、ここにもう一つややこしい法律があるのです。行政協定の中に、駐留軍が使っておる施設については、日本の自衛隊が一部を使用してもいいというようなことが書いてある。従って軍が立ちのかないうちに日本の自衛隊が入ってきて、既成事実を作るという一つの問題がある。だから問題は既成事実を作って、そうして使用するんだということが考えられるし、また事実上それが実施されていると思う。ぐずぐず言っているうちに自衛隊が入ってきてしまって、けしからぬといっても、これはまだ返還をしてないんだ、しかし行政協定に基いて借りているんだということになる。そういう実際上の取扱いとしては非常にめんどうな問題がある。ところが地方自治体側としては、やはりそういうものが来るよりもない方がいいのであって、やはり市の面目上、国際都市は国際都市として、観光都市は観光都市として、兵隊さんが来ても実際はあまり観光都市にはならないのです。だから市側としては何とかしたいという気持を持っておる。そういうものについては大蔵省としても、そういういきさつがあるということだけは十分知っていただいて、一つ十分の処置をしていただきたいと思います。  最後に、今の税制審議会あるいは調査会の中間報告に基いての考え方を大蔵省にいま一応聞いておきたいと思います。大蔵省の考えております考え方の中に、国税が減っていけば、当然今お話しのように地方税に影響が起ってくることは事実であります。しかし今の地方財政というものを、それだからといって縮めるわけにもいかぬと私は思う。結局地方財政というのは何らかの形において、地方住民からよけいな負担を取り得るように税率を上げて取るか、あるいは国の方で交付税をふやしていくか、あるいは財源の減った部分をタバコ消費税のようなものに求めるか、こういう以外に私は方法はないと思う。従って大蔵省にこの際もう一度念を押して聞いておきたいと思うことは、それらの問題に対して大蔵省は三十二年度の地方財政計画に対する考え方があるとするなら、この際お聞かせ願っておきたいと思います。今お話のありましたようなことで、地方財政に影響を持っておるものについては、大蔵省としてのものの考え方——今は各種の税制調査会その他の御報告でありましたが、大蔵省としてはどういうふうに考えておるか、発表できるならこの機会に一つ聞かしておいていただきたいと思います。

吉國二郎大蔵事務官(主税局税制第二課長)

○吉國説明員 ただいま国税減税の結果の地方財政への影響を大蔵省はどう考えるかというお話でありましたが、私が大蔵省の意見を述べるのはいささか僭越なのでございますが、ただいままで大蔵省が税制調査会に対して望んでおりました行き方は、大蔵省としては税制調査会の自由なと申しますか自主的な審議を特に期待する意味におきまして、税制調査会の審議にあらゆる資料を提供いたしまして、それによって妥当な結論が出てくるのを待っておる段階でございます。従いまして大蔵省としての見解というものをあまり表立って出しておりません関係で、私自身からここで申し上げるまでにはなっておらないということを御了承願いたいと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 これ以上聞くことも実際はむずかしいかと思いますが、われわれがこういうことを聞きますのは、こういう形でずっと出てきますと、国が一つの施策として行なった減税が、地方財政にそれだけ財政的にも影響を持ってくる。その穴埋めを地方住民の負担の増加によってやられてはかなわぬということです。国の方はこれでよろしいかもしれないが、国税が下ったからといって地方税がふやされてくるということになると、結局地方住民の負担は同じことですからね。従ってもし国が減税をすれば減税するで私はけっこうだと思いますが、そのしわ寄せが地方住民の負担にならないように、いわば国がその責任を負うという態度をこの際とってもらいたい。これはなかなかむずかしいことかと思いますが、そういう考え方でないと、地方財政だけに国の減税のしわ寄せが来る。最後にはやはり地方住民の負担になって現われてくるということになりますと、事実上の減税にならなくなってくる。だから事実上の減税をするとするならば、やはり国がそういう形で正しい意味の減税を行なってもらいた、こういうことをわれわれは希望するのでありますが、これについて御答弁できれば御答弁願いたいと思います。

吉國二郎大蔵事務官(主税局税制第二課長)

○吉國説明員 ただいまの仰せの通り、国税だけの立場で減税をいたしましてそれを地方税にはね返すということになれば、確かに地方住民の負担がふえるわけです。従いまして先ほど御紹介申し上げましたような議論が行われておりますのも、結局調査会において国税の減税、ことに直接税、所得税系統の減税をいたします場合に、国税というものだけのバランスあるいは国の財政だけのバランスを考えてやってはいけないのでありまして、国税地方税、従ってそれを通じての国民の総合負担を前提にして減税をしなくてはならぬ、そういう意味で、その場合にどういうバランスをとるべきかということから、先ほどのような議論が起つてきておるわけでございますので、その点でただいま御指摘のございましたような国の立場だけに片寄って、地方を見ないで減税をしてしまうということを避けるための議論が現在中心問題になっておるというように私、了解しております。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 北山君。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 いろいろ今の問答をお伺いしておって——私もたくさん聞きたいことが税法なんかについてあるのですが、ただ事務的なことが答弁されるだけで、どうもお話を聞いておると質問する意欲がなくなってしまうのですが……。  それでは一言だけちょっと伺います。先ほど来地方債の簡易水道のお話があったのですが、あの簡易水道というものは、いわば準公営事業的な性格を持っておるのです。同じような屠場であるとかあるいはその他上水道、電気事業あるいは病院みたいな純粋な今の公営企業として認められたものでない、しかし収益事業というものはある、だから今の地方債の配分について一つ考慮してもらって、いわゆる一般単独事業と公営企業、それからもう一つ中間に準公営企業というものを設けてみて、その中で今の簡易水道のようなものを配分したらどうかという考えを持つのですが、大蔵省の理財局の方は来ていませんか。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 理財局はきょうは見えていません。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 自治庁は帰りましたか。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 自治庁は帰られました。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 それではこれはあとにします。  それからもう一点。今度の税制調査会でいろいろ地方税についても問題になっているようですが、ことしの国税の自然増というものは六百億くらいあると言われておるのですが、正確というか、大体正確に近いところはどの程度に見積られているか、それに伴ってもしも補正予算を組めば——組めばというよりも、それを来年度の減税に使うというようなお話もあるようですが、大蔵省内の御意向は一体どういうふうに進んでおるか。ことしの自然増というものを本年の補正予算で一部使うでしょうが、あるいは来年に繰り越して、これを来年の減税に使うのだというような考え方もある。その辺のところを、省内における話の進行状況を参考にお伺いしたい。  それから今、自治庁からの税制調査会の方に出された問題点を拝見しましたが、これはすでにわれわれがこの委員会でいろいろな機会に指摘をした問題が非常に多いわけです。ですから今の自治庁としても、委員会で問題になった地方税の制度の中での不合理、不均衡な点は認めておられるわけです。それを調査会に出されたと思うのです。しかし不合理があるとすれば何も調査会に出す必要はないので、一つ自治庁で自主的に改正案なり何なりをお出しになったらよさそうなもので、私はその点大へん不可解なんです。自分で思いまた大体世論というか、多数の人がそう思っていることで、特に住民税等においては数年来懸案になっております。こういう問題を特別に聞く必要はないので、適切なる改正案をお出しになうたらいいではないか、こう思うのですが、それは別として、この中に電気税の非課税の問題は入っておらぬようですが、二十何種類かの事業が原料として使う電気税の減免、これは相当な金額に上っておるし、制度的に見ても従来の統制時代。遺物であるということを、はっきりと自治庁が明言しておるのですよ。それを非課税規定を整理するといいながら入っておらぬようですが、その点は一体どういうわけなんでしょう。以上の点について自治庁と大蔵省からお伺いしたい。

吉國二郎大蔵事務官(主税局税制第二課長)

○吉國説明員 ただいまことしの自然増が相当出るのじゃないかというお話がございました。一時、七月末当時、昨年に比べてかなり税収が多いという状況が見られまして、そのためにことしの自然増が相当多くなるのじゃないかということが言われたのであります。これは実は昨年の所得税の予定納税につきまして特例が認められましたため、昨年は八月に所得税の第一期の申告が行われた、そういう関係で昨年に比しますと、ことしは七月に予定通り、法令通り申告が行われましたので、七月まではかなり多く入っておるという実情があるわけです。そこで八月末になりまして、昨年の同期と収入を比べますと、大体四百億程度の増収額という形になっておりますが、この中にはかなり一時的な要素が入っております。徴収率が向上したとかあるいは法人税の延納が、金利が低下した関係で、従来は四割程度の延納が行われたのが、二割五分程度に減った、それだけ早期に収納が行われておるといったような一時的要因がございまして、それを計算から除外いたしますと、予想されるほど大きな自然増ではなかったようでございます。将来の見通しはこの九月の決算による法人税の数字というものが非常に影響いたします。まだ九月決算の状況は十一月までわかりませんので、今のところはなかなかはっきりした見通しが得られないということで、主税局といたしましてもまだ確定的な見積りをいたしておるわけではございません。もちろんいろいろと検討はいたしておりますが、幾ら本年度自然増が出るかということを、今はっきり申し切れる段階じゃないというところなのでございます。従いましてことしの自然増を早期の減税に使うとかあるいはどうするかといったような問題も、従いましてまだ省内において特に一つの方向への論議が行われておるということは私も存じておりません。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野説明員 税制調査会に出しました問題点は、当委員会にいろいろ議論になっております点を一応網羅するつもりで掲げたのであります。なおそのほかにも各方面からいわれておる問題も一応拾ったつもりでありますが、中には漏れておるものもあるようでございます。電気ガス税の問題などは、北山さんからたびたび御意見がございますし、またこの問題についての自治庁の考え方も当委員会でたびたび申し上げて参ったのであります。いろいろ御論議いただいておりますのに問題点からはずしております点は恐縮に存じております。ただそこにあげました問題点につきまして、それを不合理と考えるか考えないかという問題、もう一つは不合理と考えた場合に、それをどう調整するかという問題、両方ございまして、そういう意味で税制調査会の御意見を徴したいというふうに存じておるわけでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 自然増の見積りについては、やはり大蔵省としては今年は少くとも正直な態度でやってほしいと思うのです。昨年は十一月から十二月にかけて、自然増が幾らかということを再三各委員会で聞いたときに、ほとんど出ないのだというようなことを言っておったでしょう。それが例の補正予算の財源になり、またその上に超過する自然増が出ておるのです。だから大蔵省というのは、相当正確な数字をいじっておるはずだけれども、どうも信用がおけぬということになる。ですからこの点はあまりかけ引きをしないでやってもらいたいと思うのです。  それから奥野さんにもう一点。公給領収証の問題は、今度の答申の問題点にもあるわけですが、これは自治庁としてはどうなのですか。やはり同じ問題が今度の国会でも出るのじゃないかと思うので、いわば政治的には、もう次の国会では廃止を予定されておるようにも見えますし、そうしますと、今の政府としては、そういうような公約に、理屈はともかくとして従わざるを得ないのかどうか、こういう疑問点があるわけなんです。自治庁税務部としては、税務行政上からどう考えるか、これをお伺いしたい。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野説明員 納税秩序を確立していくという見地から考えますと、やはり公給領収証制度というものは重要な役割を果しているものであります。しかしこれ以外に非常にりっぱな制度がありますならば、あえてこれに固執する必要はないだろうと思います。しかし現在のところ他に納税秩序を確立する最もよい方法があるかと考えますと、私どもは今のところそういう名案は持っておりません。従いまして事務当局としては公給領収証制度を廃止しようという考え方は持ち合せていないわけであります。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それでは本日はこの程度にして散会します。次会は明十二日午前十時半から開会いたします。     午後一時三分散会

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