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24回国会衆議院1956/09/13

地方行政委員会 第58号

発言数
107
登壇者
18
会派数
2
開催日
1956/09/13

会議録

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 これより会議を開きます。  本日は消防に関する件について調査を進めます。まず当局より九月十日富山県魚津市における大火についての報告を聴取いたします。鈴木本部長。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 九月十日の魚津市の大火につきましてその状況をお手元に差し上げてあります資料に基きまして御報告申し上げます。  ちょうど先月八月十八日に秋田県の大館市に大火がありまして二十日ばかりしかたちません九月十日に、同じ日本海沿岸の魚津市に同じような条件のもとに、台風下に大火がありましたことは、まことに残念しごくに存ずる次第でございます。出火の時間が、そこにありますように大体午後の七時四十五分ごろと見られております。それから発見しまして消防が出動いたしました時間が、午後八時二分ということになっております。この間十五分という非常に長い時間がたっておりますので、どうしてこんなに発見がおそかったか、一応疑問が持たれるわけでございますが、現在係官を現地に派遣いたしまして、実情調査をいたしておりますので、その調査員の帰京報告がありましたならば、これらの理由もはっきりすることと存じております。それで気象条件は台風十二号の大体通過のあとでございましていわゆる日本海沿岸の通常フェーン現象と申しております非常に湿度が低く、しかも温度が高い、風速十一メートル内外の非常に気象の悪条件下に発生いたしました火災でございます。  その当時の消防の警戒態勢は、当日の午前十一時四十分ごろに特別火災警報を発令いたしまして、非番吏員及び消防団員を招集いたしまして、それぞれ屯所に配置いたしまして、警戒態勢をとっておった模様でございます。市民に対しましても火の用心を十分喚起いたしておった模様でございますし、また私どもの国家消防本部といたしましても台風下の火災警戒のためにNHK等にお願いいたしまして、台風通過の影響のある地方に対しまして、十分な火の用心の注意を喚起いたしておったのでございますが、不幸にしてこういう事態になりましたのは、あるいはこの魚津市の警戒態勢が不十分であったのか、あるいは十分やっておったけれども、一人の不心得者のためにこういうことになったのか、それらの事情も現地調査員が帰って参りましたらはっきりいたすことと考えております。  損害額は棟数にいたしまして大体二千棟でございます。この町は人口は四万六千余り、戸数にいたしまして九千戸程度でございますので、連檐地区と申しますか、市街繁華地区のおよそ三分の二くらいに当る戸数が消失いたしたことになります。世帯数から言いますと一千四百八十三世帯。最近の新潟市の大火以来、大火は数回ありましたが、戸数から申しますと、今回の火災が戸数におきましては一番上回っております。ただ町の形態が新潟とは違います小都市なものですから、損害見積額はそこにも書いてありますように十五億と推定されております。この損害に対しまして損害保険をかけておる額は、大体支払い推定額が六億と見積られております。  出火後の消防の活動状況は、出火と同時に待機姿勢にありました消防隊は直ちに出動消火に従事いたしましたが、すでに発見がおそかったために火が燃え広がっておったということ、それから先ほど申し上げました異常気象下であったこと、さらに水利が非常に悪かったこと、それから都市の構成が非常に悪いために、道路が非常に狭くて消防活動の自由を阻害したというようなために、十分な消火活動ができません。出動しました消防は初期に五十台、中期には応援もだんだん入りまして八十一台、最後には九十五台くらいになって相当な消防ポンプが集まったのでありますが、道路が狭いことと水利が不十分でありましたために、遂にこういう大事に至った次第であります。  この町の消防態勢について申し上げますと、消防態勢は非常に劣弱と申しても差しつかえない非常に悪い状態でございます。常設の消防は署が一つありますが、署員は全部で十四名という程度の、まことにわずかの陣容でございまして、中型ポンプ二台、可搬動力ポンプ一台、合せて三台という、まことに微々たる常備消防の態勢であります。消防団は五百名余りの相当な数がおりますし、また消防団の所有しておりますポンプも相当ございますが、初期消火に当ります消防署の保有台数並びに人員が非常に少かった。この消防態勢につきましては、従来から市に対して消防態勢を充実するようにわれわれの方からも勧告いたしておりましたし、またその上過去三カ年ばかり続けましてポンプの購入につきましてあるいは貯水槽の設置について、並びに無電の設置等について補助をいたして、この消防態勢の充実を推進して参っておったのでございますが、まだまだ消防態勢は劣弱という状態でございます。そういう状態でありますので、実は先月都市等級決定のために防火診断をいたすべく国家消防本部の技官を派遣いたしまして、魚津市の消防態勢、火災に対する危険度の状況というものをつぶさに調査いたしまして、ちょうど今月の初めにその技官が帰って参ったのでございまして、そういう状況から申しましても魚津市の市当局は十分自分の町の消防態勢の欠陥がどこにあるかということがはっきりいたしておったはずでございますがそういう状態におりながらこういう大火に立ち至ったということは、まことに返す返すも残念なことに存じておるような次第でございます。  そこに十七番目に、大火になった理由をまとめてしるしてございますが、第一に強風、低湿さらに高温といういわゆるフェーン現象下の出火であったこと、通報連絡が非常におそかったこと、火元付近の水利——これは火元付近ばかりではございませんが一般的に水利が非常に悪かったこと、道路が非常に狭くて消防活動が十分に行われなかったこと等か、主たるこの大火になった理由として掲げられるところでございます。  ごく概要でございますが、以上をもちまして状況の御報告といたします。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それでは通告順によりまして発言を許します。鈴木君。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 私は他のことについても質問いたしたいと思っておるのでありますが、最近中小都市にあまりに大火が頻発し過ぎるように感ずるのであります。記憶するところを拾ってみましても、秋田県に能代がありましたし、大館がありましたし、また新潟市にもありました。それから福井の芦原にもありました。また富山の魚津と、ほとんど日本海沿岸に沿うておる中小の都市でありますが、最近その方面に次々といわゆる大火が発生しておるというようなことでありまして、どういうことでこういうふうになるのかという点を真剣になって追究し、研究し、対策を講ずる必要があるのではないかというふうに痛感しているものなのであります。今魚津市の説明を聞いたのでありますが、その原因があげられておるのでありますけれども、もちろん台風であるというので、それは当然であると思いますが、他の都市の場合においては、必ずしも台風ではなかった。火事がだんだん広がって、そうしてその火事によって風が巻き起ったということはありますけれども、最初から強風というものがあったわけではないというようなことでございまして、これはおそらく初期消火というものが完全でなかったごとから起るのではないかというふうに考えます。きのうの新聞でしたか、消防本部長の書かれた記事を見たのですが、富山に起った場合にも東京に十三件とかやはり火事が起った。しかしながら初期消火が非常に完備しておるので大火に至らずして済んでおるというようなことが新聞に載っておったのでありますが、この富山によりますと、出火しましてから放水開始までの間二十一分かかったというようなことになっているのですが、東京などにおきましてはどの程度の時間で放水開始になっておるか。この二十一分というものは、火事の大勢から見ますと相当の時間がおくれて、おそらくそこに行った場合においては消防ポンプでは手がつけられない程度に火の勢いが発展した後ではないかというように考える。そこにやはり原因があり、それはまた台風であったかもしれませんが、今消防本部長の説明によりますと、これを知ったのが十五分後であったというようなことで、それが原因であるというような話でありますが、また別の資料によりますと、これは消防本部が設けられた。その消防本部においては待機しておる。そういう台風下でありますから、火事があったら大へんだというので、おそらく待機しているような状態になったのではないかと思うのでありますが、それにもかかわらず十五分間も出火してからそれを知らなかったというのは、やはり怠慢ではなかったか。待機していたという姿がなかったのではないかということも考えられるわけであります。私は中小都市においてはぜひ消防本部が必要である。単なる消防団ではいけない。消防団は畑や田の方に行って働いておる。それから今度上ってきてそうしてポンプに行くというような態勢でありますからこれではいけない。少くともそこに消防本部を置く必要があるという主張をしてきているのですが、この市においては常備消防があった。しかも台風のもとに待機をしておったというような状態でありながら、出火してから十五分間もこれを知らなかったというようなことになっているのですが、そして出動いたした後はあと六分くらいで放水開始をしているというふうになっておるわけです。こういう出火してから十五分も知らなかったというのは、調査の結果どういう原因になっておるのか。常備消防としてはあまりに怠慢ではないかというふうに思われますし、十五分間というものは、東京あたりの例によってどの程度まで火の勢いが進むものであるか。一分おくれても相当いくはずなのですが、十五分間しかも放水まで二十一分間ということになっておりますから、このときにはすでに消防の能力はなくなっておるというような状態になっておるのではないか、こういうふうに感ずるのですが、こういう点から見まして初期消火というものが非常に重要でありますが、この点がうかつではなかったかというふうに考えるのですが、調査の結果どんなふうになっていますか。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 御指摘のように出火から発見及び放水までの時間が二十分余りたっておるということは、想像のできないようなうかつなことのように思われるのでございますが、東京の消防庁等大都会の消防におきましては、火が出た場合にさっそく消防署に連絡をとる。電話なり、火災報知機なり、あるいは近いところならかけつけるなり、すぐに報告する、連絡するということを常日ごろ市民に対して注意をいたしております。消防の生命は早く発見することと、早く出動すること、早く放水する。つまり早く発見して初期のうちにこれを鎮圧するということが消防活動の生命でございますので、発見、通報の迅速ということがボヤでとどまるか、あるいはこういう大火になるかの境目になるわけでございます。普通東京消防庁等ではそういった迅速な通報ということをもとにしまして、放水までに五分ないし七分ということを標準にいたしております。それから見ますと、これが二十分余りもたっておるということは、もう全然初期消火の態勢からすでに過ぎ去っておる状態でございまして、すでに火陷が家の外に出ておったということだろうと想像いたされます。そうなりますと、この気象下におきまして、この風速におきましてはよほどすぐれた消防態勢がなければ、とうてい防ぎきれないような状態になっておると考えられるわけでございます。それらの状況は現在派遣いたしております派遣員が帰ってきて、調査報告をしさいに検討いたしてからはっきりした結論を得まして、今後の対策の資料にいたしたい、さように考えております。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 この消防ポンプの活動は出動いたしましてから放水までの間というものは四分間ということになっております。従いましてこの点はまずいいといたしましても、出火してから火事があるということを知るまで十五分間かかったという点でありますが、これは大体常備消防というものは高いところにおりまして、そうしてどこに火事があるかというようなことがわかるはずでありますし、午後七時四十五分ごろ出火しておるのですから、相当暗くなっておるわけであります。従って火があれば大体わかるように考えられるわけです。従って電話等において消防署に連絡なくしても、消防署自身がはしごの上でそれを見ることができるというふうに考えるのですが、そういう点についてやはり消防署がはしごの上でそれを見ていたという事実があったのでしょうか。消防署としては使命ですから、台風下に当然待機しておったと思うのですが、それにもかかわらず十五分間も知らないでおったというのが非常に不思議でしようがないのですが、その点の真相はどうなのですか。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 現地の報告には警戒態勢をとっておった。それから市民に対して火の用心の喚起に努めておったというふうに報告されておりますが、結果から見ますと、ただいま御指摘のように非常に発見まで長い時間かかっておるということは、結局これらの警防態勢が十分でなかったと判断されます。なお消防署がありながら、どうして発見がおくれたかという問題につきましては、見張り勤務が十分徹底しておらなかった、あるいはその当時ちょうど見張り勤務がなかったのじゃないかというふうにも考えられます。それらの点も現在はっきり正確なところを調べてくるように調査員に指示いたしております。おそらく警戒態勢が十分でなかったということと、見振り勤務が欠けておったのじゃなかったかというふうに想像はしておりますが、的確なところは調査員をして調査させておりますから、帰って参りましたらはっきりいたすであろうと思います。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 警察などにおきましては府県単位の警察をやっておりますし、中央では警察庁があるわけでありますが、常に警察署員の訓練等をいたしまして、お互いに連絡をとって警察の心がまえ等について全体的な訓練をいたしておるようでありますが、消防は市町村がその責任を持つようになりまして、市町村同士におけるあるいは県単位における組織と責任態勢が行われていない。それぞれの町村なり市が責任の主体でありますから、役場吏員と同じような考え方のもとにお互いに教養訓練するということが少いのではないか。これを一つの県単位くらいに——常に消防吏員に対して持つべき心がまえとか、そういう点を訓練し合うということが、法制的には必要がないし、またやらなければならぬということにはなっておらないのでありますが、一体現在の消防団員は別としまして、各町村にある消防吏員に対して県などにおいて一括して、常にこういうことを考えてやらなければならぬというような教養訓練のようなことはやっておるものですかどうですか。その点は重要だと思うのですが、どうですか。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 お話の消防吏員の教養訓練は非常に重大だと思っております。現在富山県は県に消防学校がありまして消防吏員並びに団員に対しまして初任教養あるいは現任教養をいたしております。しかし何分こも財政が窮屈でありますことと、消防吏員等の数が少いために、思うように派遣して教養を受けさせるということがなかなか十分できませんので、徹底した教養訓練を施すというまでにはまだ至っておりません。今日全国で三十一の都道府県が都道府県立の消防学校を持っております。それぞれ訓練教養に努力いたしておるのでございますが、いろいろの点でまだ十分というまでには至っておらない状況でございます。なお国におきましては消防講習所がございまして、高等の教育をいたして教養訓練をいたしておるのでございます。魚津市などにも講習所を卒業いたしました者が幹部に一人おるのでございますが、まだまだその教養訓練が全面的に行われておらないような実情でございます。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 魚津以外の各都市において最近頻発しました大火についてその原因が、やはり初期消火が不完全であったために、そういうふうになったということになっておりますか。あるいはその他の原因がいろいろに作用して大火になったのか。今までの他の中小都市における大火になった原因を調査しておられたらお知らせ願いたいと思います。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 最近の大火の原因は、大部分が過失による出火でございます。しかも気象条件が悪いときで、相当警戒態勢をしておったときに一部の者の不注意のために火を出したというのが大部分でございます。今度の魚津市も、まだはっきりした原因は断定を下すに至っておりませんが、おそらく過失による出火と想像されます。先ほどもお話がありましたように同じ十日に東京都では十三件も火事があったのに全部ぼやあるいは小規模の火災でとめております。それから同じ十日のお昼に秋田県の土崎に火災炉ありましたが、これも中学校を燃しただけで食いとめております。それらの点と比較して考えてみますると、やはり消防態勢が非常に劣弱であるということ、それから都市構成が非常に悪いということ、これが客観的な、通じての一つの原因と考えられます。しかし結局そういう警戒態勢をしいておるような気象条件のもとにおいて、火の用心が市民の一人々々に十分徹底しておらなかったということがまた一つの大きな原因だ、こういうふうに考えております。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 消防に関しては別としまして、一般の人たちがそういう場合に火の用心をするという考え方を持つようにする方策でありますが、もちろん失火をするというような者が一人もおらなかったならば、火の元がないのですから火事にはならない。失火をいたしましてもそれを初期防火なりその他の方法によって消せば、消防の力によってこれを消すことができるわけですが、この大部分は失火によって火事の原因ができたのだというようなお話であります。その一般の人が消防に対する考え方、そういう場合に各個々々が十分心して火の用心をするという考え方を持たせるという方法なのですが、それらに対しては何らかの考え方を持っておられますか。  私の郷里に消防に二十数年間気違いのような人がおります。先般黄綬褒章ですかを県を代表してもらって非常に感激いたしておりましたが、それはもう気違いのような人ですから自分で声が大きくなるようなラッパを持って、朝晩各戸々々に火は大丈夫かというようなことを言って回ります。もちろん風なんかありますとすぐ自分から出て、これは無料奉仕ですけれども、大きい声が出るようなラッパを持っておりまして、各戸冷々をずっと歩きます。もちろん夜中にはどろぼうの用心なんかもいたしますが、そういうような特殊な人がおるのであります。これは一生自分がそれでやるのだ、自分は気違いで、そうしなければ飯が食えないのだという人なんですが、そういうような人がおりまして、その人の話を聞くと、みんな喜んで、そうだなというので、あらゆる注意をするというしきたりになっております。そういう人がおりますと、それによって不注意の人もまた注意するということで、全然まだ火事というものは何十年もありません。そういうようなことは別といたしまして、何か方策としてそういうことをやるような方法がないものか。  先ほど、実は同僚の徳田代議士とここへ来るときに話したのですが、金沢市においては社会党も考えておられるということでありますけれども、市において火災保険事業を行うというようなことをやっておる。従って火災保険というようなものに市民が加盟をするということになっておりまするから、その市においては相当財政的なゆとりも出てくる。そこに何人かの人を置くこともできる。常時消防の財源の出る可能性もある。そうしてそういうような余裕ある財源を見つけて、常に防火思想の普及に専念する人を置くこともできる。こういうようなことで、これはやはり都市消防というものを強化するためには、都市の火災保険をやった方がいいのではないか。金沢市の例によっても、どうもその方がいいように思うというような話もあったのでありますが、この点についてはもちろん大蔵省が反対でありますし、われわれといたしましてもどうしようかというような点については結論は得ていないのでありますが、消防施設に対するところの余裕の財源が非常に少いということがいつも言われておる。従って、それを国が補助すべきであるということであるけれども、国の補助も非常に少い。そこで消防施設税というようなものを案出して、それによって消防施設を強化整備しようという考え方も持っていないわけではないのでありまするけれども、まだその点については実現するに至っておらないというような現段階でおるわけでありまするけれども、それとは別個に、市等におけるところの火災保険事業というようなものを法律化してその再保険制度というようなものを考えまして、これをやるという考え方も考えられないわけではないというふうに思うのでありますが、それに対してはどんなふうに考えておられますか。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 強風の場合あるいは乾燥がひどい場合等は、先ほども最初にお話し申し上げましたように、特別火災警報とか、あるいは強風警報とか、あるいは異常乾燥警報というようなものを出しまして、それぞれ消防署でサイレンを鳴らすというような方法によりまして、市民に徹底をはかる、あるいはさらに宣伝車のあるところは宣伝車を回して連呼して歩くとか、あるいは消防団が手分けしてどなって歩くというようなことで、市民の最後の一人にまでも火の用心の気持を徹底させるように努めておるのでございますが、たまたまこれを聞き流したり、あるいはうっかりして聞かなかったりというような不注意者のあるために、こういう大火を引き起すという結果になりますので、もちろんその方法によって一人々々が全部火に注意いたせばいいのでございますが、そういう抜ける者、聞きのがす不心得者が出たりいたしますので、これをどこまでも徹底させる、個人々々の胸の奥に火の用心をたたき込むというためには、何らか組織の力によって徹底させるということをやったならば徹底するのじゃないか、こういうふうに考えまして、いろいろ研究いたしておるのでございます。たとえばこれは全国一斉にやるとか、あるいは一つの市全体に一斉にやることはなかなかむずかしいこととは思いますが、町の何個所かに町内会単位でもよろしゅうございますし、あるいは小学校の単位でもよろしいと思うのでございますが、防火モデル地区を作って、お互いにその地区内の者が戒め合って、火に対して注意をする、またこういった異常気象下においてはことさらにお互いに戒め合うということで、その組織があるために、ぼんやりしておる者でも注意を喚起される、あるいはルーズな者でもついまわりから言われるために、火の取扱いを厳重にするということで、そういった組織を通じて徹底させれば、最後の一人まで火の用心が徹底するのじゃないか、さように考えております。これは名古屋市あるいは京都市等で一部これを行なって、非常に効果を上げておると聞いております。最近大館市の火災の直後におきましても、秋田県の知事さん並びに大館の市長さんが上京されました折に、そのお話をいたしまして、ああいった災害の直後にやれば非常に効果もあろうし、結成も楽にいくだろうから、一つ研究してみようじゃないかということで、お話しいたしたのでございますが、全国に、たとい一つの市に一個所でも二個所でもけっこうだと思います。それが刺激になりますから、そういった方途を講じまして、お互いにぼんやりしておるものでも、まわりから刺激されて、火に対して深い注意を払うというような組織の活用によって、火の用心の徹底ということを期していったらいいじゃないか。ただこの問題は町の中の、町内の組織でございますので、作り方、運用の仕方等をよほど注意いたしませんと、弊害を起すおそれがございますので、弊害の起らないような組織並びに運営方法というものを考えまして、自発的にそういった方向に向うように勧奨いたしたい、かように考えております。  それから公営火災保険の問題につきましては、これは事業自体は私どもの方の所管ではございませんが、ただいまお話のありましたように、消防財源不足の折から、消防財源の一助になるようなものでもありますし、そういう面から私どもとしましては賛成いたしておるような次第でございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 今の問題にちょっと関連して。これは自治庁に聞きたいのですが、幸い自治庁の財政部長さんがお見えになっておりますから、聞いておきたいのです。  秋田県の能代並びに大館、それからもう一個所たしかあったと思いますが、これらの火災について、今御説明のありました、また御質問のありました火災共済が、協同組合その他で行われております。ここでも行われております。詳細のデータはきょうここへ私持ってきておりませんが、きのう現地から届いた詳細のデータを調べてみますと、三つの市で契約された総額と積み立てた金と、さらに自治体が補償しておる一千万円の補償を入れても、なおかつ四千三百万円ばかり不足を生じておる。従って現地ではこれの支払いができないという形になっておる。こういうものに対して自治庁はどうお考えになったでしょうか。財政的に何らかの援助をしてやらなければ、結局共済組合にかけた人のところにはいわゆる保険金額が返ってこないという形が出てくる。これをもし県費の負担あるいは自治体の負担にしましても、先ほど申し上げましたように、一千万円の損害補償はしてある、その一千万円を出してもなおかつ四千三百万円足りないというのですから……。これは協同組合による火災共済ができて非常に日が浅いので、徴収した掛金が非常に少かったということ、同時に補償された額もわずか一千万円であった、こういうのが原因しているのでありますが、しかしいずれのものが原因しておっても、実際上の問題としては、さっき申し上げました約四千二、三百万円の不足を生じておる。従って何らかの方法でこれらの救済が行われるものであるのか、あるいは不足を生じたものはそれだけ罹災者の損害ということになってしまうのか、この点を自治庁はどうお考えになるか、この機会に一応聞かしておいていただきたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 今お尋ねの問題は、われわれも精細な報告は持っておりませんけれども、話は聞いております。その公営火災保険にも関連する問題だろうと思いますが、地方でそれぞれ協同組合、共済組合法で火災事業をやっておるのがあるわけです。その事柄につきましても、いろんな方面で賛否両方の意見がもちろんあるのでございまして、自治体がそれについて債務補償をやった例も知っております。われわれといたしましては、自治体として必要だと思えば大いに債務補償をやってかまわぬ、これを否定する理由も必要もあるまいと存じてはおります。ただその場合に、それでなおかつ足りなかったものについてさらに自治体がどうこうするか、こういうことになりますと、その上にまで自治体がさらに自主的に、問題が特殊だからといって考えれば、これは大いに考えられることもかまわぬと思いますが、当然そうしなくてはいかぬということまでは言い切れぬ問題だろうと思います。もともと協同組合でどういう規約で作っておりますか、おそらくは資金の蓄積が少いときに大火事になれば、むしろその限度内で支払い得る、あるいは債務補償の限度内で支払い得るという段階的な扱いをするのが、組合規約である以上は一番穏当な方法じゃないかと思っております。現にどこかの市でも似たようなことをやっております場合は、蓄積の模様を見ながら支払額をだんだん上げていこう、こういう運用もやっておりまして、大火の場合は当然そういう方法を考えなければ、一つの市だけで火災保険が十分にできるはずがないのであります。そういう工夫もやる必要がある。  それからさらに、どうしてもそういうものをやる以上は、やっぱり連合組織を考えて共同で問題を扱う方式も考えなければ、なかなか単独の一団体の、おまけに市町村の一商工業者だけとか、そういう形でできた組織では、火災保険のようなものがうまくいくはずはないのでありまして、そういう面の配慮も別途しなくては、やっていけないのじゃないかという問題がございまして、この問題は協同組合がやっておるものですから、直接自治庁といたしまして今まで乗り出してどうこうということは考えておりません。それぞれ主管省である厚生省なり通産省なりが、今まで協同組合関係の運用として扱っておる問題でございますが、そういう問題につきましてはやはりそういう面もあわせて考慮しなければ、加入者に対して非常な迷惑を与える、あるいは場合によっては加入者の期待に全く反する結果にもなって不都合なことがあるのでありまして、やる以上はやり方を合理的に考えながら事を進める必要があろうと思っておるのでございます。それで今の場合は、団体の債務補償以上の問題になれば、結局組合員で負担せざるを得ないというか、がまんせざるを得ないということになるのじゃないか、かように感じておるわけでございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 もう一つ聞いておきたいと思いますが、さっき私がお聞きしましたのは、少くとも自治体が約一千万円ばかりの補償をしておるのです。それを出しても足りないということです。それで問題になりますのは、補償していなければ今のようなお話で話は簡単に済みますが、少くとも自治体が補償しております限りにおいては、自治体に全然責任がないとはいえない。そこで自治体がかりに責任をより以上遂行しようとすれば、そこに出てくるのは、新たに借金するか、あるいは自治体の費用から実質的の財源が出されるかということです。こういう二つの財源を捻出する方法についての自治庁の考え方をもう一応聞いておきたい。起債に求めてくるか、あるいは自主財源を出すか、二つの方法しかないと思う。いずれにしても借金をして、さらに被害者個人々々に分けると、大した金額じゃない、大体七万五千円くらい、個人々々の支払いの済んだものと済まないものをずっと区分けしたものを会館に持っておりますが、こういうものに対してかりに県なら県がめんどうを見るという裏書きがしてあると、一つの市は早く焼けたから一千万円金が使えた、その次の市は県の方が出してしまったから結局使えないということが出てくる。そういう場合に自治体のとるべき態度は、やはり何らかの形でこれを補償してやるということです。今の部長のお話でも、財源がなくなったら、あとはあるだけ分け合って泣き寝入りしておけばいいということでは、自治体としては済まされないような気がするのですが、それらに対する財源補てんの関係から、共済が許されるかどうかという点ですが、こういう点はどう考えるか。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 自治体との関係は、結局自治体がどれだけ組合に対して責任を負うかという問題で、それで債務補償という形をとっておるのだろうと思います。結局債務補償の限度で自治体としてはめんどうを見てやろうというわけだから、債務補償した以上は、補償額だけはめんどうを見る責任は自治体にあろうと思います。しかしそれ以上の問題になれば、当然自治体がどうこうすべきだということは、むしろ自治体に対して少し苛酷な要求になりはしないか。と申しますのは、これは結局税金でしりをぬぐうという問題になりますので、そういう特殊な人たちの特殊な保険制度について、自治体全体としてどの程度責任を負担するか、こういう自治体の自主的な判断の問題でありますから、やっていかぬというわけではもちろんありませんが、おのずから限度があるのじゃないかと思うのであります。  それでさらにそれをかりにやるとしてどうするか、起債などは性質上やるべき問題でもないのでありまして、自治体としてゆとりがあり、もしその意思があれば、しかるべく見舞金とか適当な方法をおとりになるほかはないのではないかと思っております。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 先ほどの質問に、もう少し付加して質問したいと思うのですが、初期防火が非常に完全であっても、出動した後に消防ポンプがその場所に行けない。ここにも道路が非常に狭かったということが書いてありますが、中小都市においてはそういう傾向が非常に多い。能代の話をその当時聞いたのを記憶しておりますが、あそこは昔からの町であってこの前も焼けたことがあったそうですが、そのままやはり家が建ってしまったというようなことで、火事があってもポンプがあそこに行けないというような狭い道であったというようなことを聞いたのでありますが、こういう大火の後におきましては、また昔と同じようにもとのところに家を建てるというようなことでなくして徹底的な都市計画をして、将来のために完全な消防態勢を都市計画の上からも立てる、あるいは貯水槽の方からも考えるというようなことを徹底して都市の再建をすることが必要だと思うのですけれども、今まで火事がありました数都市におきましては、その後の復興状況と都市計画との関係はどんなふうに進んでおられますか。もちろんこれは消防本部の主管ではないかもしれませんが、非常に重要な点でありまするので関心を持って調査しておられると思いますが、その点お聞きをしておきたいと思います。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 お話のごとく道路の広いこと、あるいは水道その他の水利の設備がよくできておるということが消防活動の前提条件になるわけでございまして、常に各都市の都市計画につきましては、私どもの方から建設省の方に折衝いたしまして、消防的見地からも十分考えてもらうように努力いたしております。最近の例を申し上げますと、昨年十月大火にあいました新潟市の都市計画は、地方の都市計画の委員の方々が審査いたし、また建設省で指導いたしておりました都市計画の状況をわれわれが見ましたときに、水利計画が十分考慮されておりませんでしたために、市内を流れておる川を埋め立てるとかあるいは暗渠にしてしまうとかいうような計画が、最初立てられておったのでございますが、消防上それは困るということで、一本はそのまま表に出して流すこととし、一本は暗渠にいたしまして、ところどころにマンホールを作る、そのマンホールだけでは足りないような場合におきましては、その間に貯水槽を設けるという計画に変更いたしてもらいました。最近私の方の消防研究所の所長が新潟に視察に参ったのでありますが、そういう点が非常によく都市計画の上に実行されておるということを見て参った次第であります。また先月火災にあいました大館市の場合におきましても、たまたま内閣に災害対策の連絡会議が設けられましたので、これに私どもの方からも出席いたしまして、応急の対策ばかりでなしに将来の都市計画等につきましても話し合いまして、われわれの消防の見地から見ました都市計画というものについて、十分にこちらの意向もしんしゃくしてもらうように話を進めておる次第でございます。今後も強力に建設省と連絡をとりまして、今後の都市計画に消防の見地からの諸施設を十分考慮に入れてもらうようにお願いいたしたい。かように考えております。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 次に、この数カ都市におけるところの消防吏員並びに消防団員の活動中における負傷その他の災害の点でありますが、ほとんど吏員なり消防隊員においては死傷者が出ていないと聞いておるわけです。これは幸いなことではありますが、職務に熱心でないという裏書きでもないと思いますが、これは非常に熱心であったけれども負傷がなかったと考えるが、ただ全国の消防団員のために、非常に職務熱心のために死傷者が出たという場合に、これらの方々に対して安んじて将来のことを考える余裕を持たせたいということで、先般の国会において消防団員等の災害補償に関する法律が成立してあるわけであります。法律の内容は、基金を作る、そしてそれは政令等において詳細に規定することになっておるのでありますが、その後この基金なり政令なりがどのように進んでおるかという点を聞いておきたいと思います。またその当時問題になりましたのは、同じような制度が各府県に自治法による一部事務組合としてできておる。それを解消しなければならぬということになる。そして全国的な基金一本になるということになるのであるが、その解消というものは非常に困難性があるという考え方もその当時ありました。それとの調和なり関連がどんなふうに今度の基金との間において行われておるのか、そういう現在までの法律の実施状況の経過を報告していただきたいと思います。

横山和夫総理府事務官(国家消防本部総務課長)

○横山説明員 御指摘の、先般御審議いただきましてすでに公布になっております消防団員等公務災害償補責任共済基金法、この法律のその後の進行状況につきまして簡単に御説明申し上げます。法律の附則の定むるところによりますと、公布後六カ月以内に法を施行し、従って基金を発足せしめることに相なりますので、十一月二十五日が期限になるときなのでありますが、これはせっかくできる制度でありますので、なるべく早い機会に発足せしめたいということで、一応十一月一日を目標にして作業いたしております。本来ならばもう少し早くと思って急いだのでありますが、地方の今度の法改正によります基準政令に基く条例の制定の問題、さらには今御指摘の現に存するものとの関係、なおまた新法に基きます施行令の中における細部の規定等におきまして大蔵省を中心といたしました関係方面との折衝が予想外に手間取りました関係等もありましてわれわれが当初に予想いたしましたよりは、少し発足がおくれることになるのでありますが、おそくも十一月一日には発足せしめたい、このように思っております。基準の施行令及び施行期日を定むる施行令、さらに登記に関する施行令等は、関係各方面との折衝は全部完了いたしまして、いつでも出し得る段階に相なっております。肝心の施行令の内容につきましては、昭和三十二年度以降における掛金等の問題につきまして、若干まだ大蔵省との話し合いが最終的結論に達しないという面もありますので、この点で少しおくれておるのでありますが、近日中に結論を得ると思いますので、得次第すみやかに施行令を出すように進めて参りたい、このように存じておるわけであります。  なお御指摘の第二の、府県に存する既存の一部事務組合あるいは任意団体によりますところの災害補償会というようなものとこの基金との関係でございますが、当初、基金設立後においてはこれらを一応解消して一本化したらどうかというような意見もありますし、あるいはそう簡単にもいかないという種々の意見があったのでありますが、その後の地方における一部事務組合の動きあるいは補償会等の動きを、それぞれの団体、あるいは連合体につきまして、数回にわたりいろいろ討議を遂げて参ったのでありますが、県によってはこの際解散していきたいという県もありますし、なおまたすでに財産を持っておる関係等もあり、あるいは若干人員をかかえておる等の県もございまして一部事務組合としては市町村にかわる契約対象になりますので、一括して市町村にかわる契約対象になりたい。あるいは行く行く従たる事務所になりたいというような動き等もありまして、これらは発足時における摩擦をなくしてスムースに基金が発展していくという方向において、合理的な運用をはかりたいということで、現在各団体ごとにそのあり方というようなものを検討しておるような状況であります。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 なお本年度といたしましては、大蔵省の方面において、予備金より四千万円程度のものをこの基金に組み入れるというような了解事項になっておるのですが、その点はその後どういうふうに結末がついておりますか。その点をお聞きしておきたいと思います。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 大蔵省は前国会におきまして、四千万円程度の国庫補助を何らか予算措置するということを明言いたしておったわけでございます。その後もその考え方で事務的に折衝いたしておるわけでございますが、大蔵省としまして補正予算の問題その他、現在どういう方法でやるかということは、具体的に論議の対象になっておらないような状況でございます。しかし何らかの予算措置をするということは現在でも申しておりますし、またその考え方のもとに政令等の審査をやっておるような状況でございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 大火のたびに同じようなことを問題にするわけですが、こういう火災の性質がどうであるかというような問題、これはおそらく政府においてもあるいは国会としても大体もうわかっておるのじゃないかと思うのです。魚津における不幸な出火と、消防の出動が非常におくれて二十分もかかったというようなことも問題でございますが、しかしもしも国の防火対策が、論議ばかりして一向実際の対策がとられておらないということであれば、これは魚津の失策というようなものを責めることはできないのじゃないか。同じようなことだと思うのです。火事はどんどん燃え広がっておるのに、適切な総合的な対策がとられておらない。こういうところに私は問題があろうと思うのです。現在の日本の火災というのは、今回の問題のみならず、消防力の限界、一般国民の注意力の限界があってそれはその方を強化することによっては防げない。都市、農村においてもたき木を並べているようなものですから、非常に延焼度の早い家屋になっておりますので、そういう脆弱な状態にしておいて火災が起きてから火を消すとかあるいは起きないように注意をするとか、そういうような方法でなく、やはりもっと積極的に燃えない建築にする。あるいは水利なり通信なりの施設を充実するという有効な対策を、国、地方団体が一緒になってとるということが、当面一番必要なことだと思うのです。  そこで一体こういうような一連の能代なり新潟なり大館なりあるいは今度の火災、こういうものを通じて消防本部としては一体どういう組織的な対策を今後立てるつもりであるか、どういう対策を考えているか、新聞等によりますと若干その見解が出ているようでありますが、その対策を一つ組織的にお述べを願いたい。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 防火の徹底的な対策と申しますと、お話のありましたように、都市計画を完全に行うこともその一つでございますが、防火建築帯を作る、あるいは不燃建築物を作る、それに消防力を強化するということでございますが、都市計画あるいは防火建築帯といったような問題は、主管は建設省でございますので、建設省と十分連絡をとりまして、ことに最近のようにたびたび大火が続発いたしますので、建設省の方でも何とか対策を具体化したいというふうに言っておられますので、今後十分連絡をとりたいと思っております。私どもの方の所管といたしましては、消防施設の強化——消防施設と申しますとポンプと水と通信施設、この三つでございますが、この消防施設を充実すること、それから消防法によりましてバラック建て等の半不燃化の防火改修をする、この問題が私どもの所管になるわけでございまして、消防施設の強化につきましては、国庫補助もお願いいたしまして、だんだんとその額も増額していただいておるわけでございますが、まだまだ現消防施設の現状から申しますと、現在程度の補助金をもってしては、並びに今日の市町村の財政状況をもってしましては、いつ完全な満足すべき消防施設の状態になるか、まことにおぼつかないような状況であります。それから防火改修の問題につきましては、一応法律では防火改修を命ずるようにはなっておりますが、これもやはり先立つものは金でございまして、個人的負担がそう簡単には参りません。何らかの、国なり都道府県で財政的な援助なり措置をしてやらなければ十分これが効果をあげるということはできないわけでございます。いずれにいたしましても、結局先立つものは金ということになりまして、まず永続的な財政措置を何か確立しなければとうてい急速な消防力の強化ということは望めないような状況でございます。現在消防に関しましては、国庫補助とかあるいは政府資金による起債あるいはまた損害保険協会からの、これは僅かでございますが援助とか、あるいは公債の引受けというようないろいろな財政措置がされておるわけでございます。いずれもまことに現状から見ますと微々たるものでございます。何か総合的にこれらの各種の基金をまとめてしかもそれをもう少し充実した額にいたしまして、それをもとにして何らか恒久的な消防施設、消防力強化の財源措置をいたしたい、どういう機構にし、どういう組織にし、またどういう運用の仕方をしたら、それが徹底的にいくかということは、いまだお話し申し上げるまでの結論に到達するまでには至っておりませんが、何らかそういう従来ありました各種の基金を利用しつつそれを拡大し、しかも将来に向って永続性のある機構なり組織というものを考えて、それを通じて計画的にたとえば五カ年間くらいの短かい期間で消防を相当な程度の内容にまで充実させるというようなことを目標にいたしまして、何らかの機構なり組織を考えたいということで、いろいろと検討を加えておるような状況でございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 何らかではどうもまことに心細い御答弁なんですが、私どもが要望しておるのは、単に消防を担当するという、非常に狭い範囲の消防ということを事務的にお考えになるというのではなくて、国家消防本部においては、やはり火災に対して防ぐ対策を広く、水道なら水道についてこれこれの都市の水道は何カ年に整備を要望するという水道の整備計画を作る、あるいは都市計画についても——何でも今の都市計画の防火帯を作るのには、現在の計画ですらも五十年もかかる。建設省にまかしておけば五十年かかってしまうのですよ。ですからこれは防火の立場から、この防火帯の計画を何カ年でやるようにという、あなた方の方の計画をお作りになり、それから消防の施設の拡充なり、そういうものを五カ年計画でもいいですから計画的に立てていただいて、その線に沿うて資金を動員させるということにしていかないと、いつまでたっても計画は実施できないですよ。建設省は自分のいろいろなことを考えている、厚生省は別のことを考えている、自治庁は自治庁で赤字財政を克服するということだけ考えて、事業は低下してもよろしいというようなことになってしまう。これではてんでんばらばらで、その何らかの方法が具体化しないわけなんです。そういう点を私は要望しておったのですが、なかなか具体的になっておりません。  それで、いろいろな問題がありますが、たとえば現在の消防団を中心とする地方団体の市町村消防を常設消防化するという計画、こういうものはお持ちでないかどうか。たとえば人口がこれこれの団体、それから裏日本の地域のこういう都市、この都市においては常備消防化せられたいという計画、こういうものはないのかどうか。それから新聞にあります消防施設公団というようなものはどういう構想であるか。資金はどこから持ってくるお考えであるのか、そういうようなことを一つお伺いしたい。  それから消防の強化というと、とかく消防の機械力の強化に堕してしまうのです。今度の魚津の火災でも、ポンプの台数は九十五台も出動しているのですが、これが有効に働いておらない。私は、消防施設拡充と称して消防ポンプばかりふやして、そうしてそれがさっぱり働かないということでは困ると思うのです。ですからそれ以外の、消防機械力というものが有効に活動し得るような条件を作ることが国家消防本部の今後の方向でなければならぬ。そういう今お尋ねした問題について、何らかでなくて、もう少し具体的にお話を願いたいのです。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 防火のためには都市計画その他の施設を総合的にやらなければならないというお話、ごもっともでございまして、私どもの方で従来やっております都市等級決定のための防火診断と申しますのは、その土地の地形とかあるいは気象状況等も合せまして、町の構成、建物の状況、それから道路の状況という各方面から見まして、その上に、それに対する消防施設が、ポンプの点、水の点、陣容の点がどういうふうになっておるかという、あらゆる方面から観察いたしまして、点数をつけて等級をきめまして、一級から十級まで、数が少い方がいいのでございますが、現在まで三百余りの都市をやっております、これに基きまして、水道につきましては厚生省の方、都市計画あるいは防火帯の設定等につきましては建設省、それぞれと連絡をとりまして、その方向に向って各関係各省に施策を進めてもらうようにお願いいたしておるような次第でございます。今後も一応都市等級決定のための防火診断というものを徹底的に広く行いまして、これを一つのよりどころにして各種の施策を各省にとっていただくということに進めていきたいと考えております。  それから常設消防の設置の問題でございますが、国家消防本部といたしましては、ある程度市街地の構成をいたしておる所は、町であっても村であっても、なるべく常設を作るように、もし消防職員を置けない場合には消防団の常備をつとめて設置するようにということで、積極的に勧奨いたしております。ただ消防団の常備を作るにいたしましても、あるいは消防署の設置に関しましてはなおさらでございますが、相当経費のかかることでございますので、今日の市町村の財政状況から見まして、私どもが勧奨いたしておりましても直ちにその通り実行されてないというようなところが現状でございます。今後は従来と同様、つとめてこの常設を設置いたすように勧奨していきたい、さように考えておる次第でございます。  それから消防施設公団ということが、昨日新聞に出ておったのでございますが、さきにも申し上げましたように、政府の資金あるいはそれに加えて民間の資金をも活用して一つの機構を設けて、永続的な消防施設強化のための財源を確保いたしたいということを考えまして、どういう——まあこれが公団というものになるのかあるいは金庫という性質を持つものか、まだ具体的にはっきりと申し上げるまでには案が練れておらないのでございますが特に私どもは公団という名のものを作るということで進めておるわけではございませんので、名前あるいは組織はどういう形になるかは、それぞれ関係方面とも折衝いたし、相当研究いたさなければならない問題と考えておりますが、要するに政府資金と民間の資金も集め、さらに公債を発行するというようなことまでできれば、なおさらけっこうだと思うのでございますが、何らかそういった資金を集めて、速急に消防施設を強化するための財源を確保したいということを考え、それについて具体的な案をいろいろと検討いたしておるような段階でございます。  それから最近地方の消防がポンプばかりを作る——これは一つのみえ、隣りの町あるいは隣の部落に対するみえで、ポンプだけりっぱなものを作る、それに伴うべき水利とかあるいはその消防ポンプを操作する消防団員の訓練とかということをあわせて考えずに、またその力がなくてポンプだけをりっぱにするという傾向が一部にございますので、これは従来から十分戒めておりまして、消防施設強化促進法に基く国庫補助を出す場合におきましても、ことに最近は水利不定が非常に多い状況でございますので、なるべく水和というものに重点を置いて、水利とポンプと、それを運用する陣容すべてがマッチするような形において、ポンプの数なり、あるいはポンプの大きさなりを考えさせるように極力指導をいたしておるような次第でございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 ちょっとこの際今の北山君の問題に関連して聞いておきたいと思いますことは、今の話は大体了承をするのでありますが、具体的に現われておりません。私がここでお願いをしておきたいと思いますことは、それからもう一つ聞いておきたいことは、今述べられたようなことを徹底的にやることのために、消防組織法並びに消防法の改正が必要だというような話を聞いておりますが、これに対する何か構想がございますか。もしお考えがあるならば、文書で発表してもらいたい。それから今の資金関係の問題等についても構想があるなら、これもやはり何らかの形で文書で、ただ聞きっぱなし、言いっぱなしというようなことではなくて、十分検討のできるような資料をぜひ出してもらいたいと思います。  それからもの一つは、いろいろ消防施設に対する今のお話は、一つは現在あります二つの法律の改正と、それから資金に関する考え方でありますが、これだけでは十分でない。従って今お述べになりましたような建設省関係あるいは厚生省関係等に対する国家消防本部としての忌憚のない意見、これはいろいろ相談されて、まとまったものというものは各方面から制肘をかなり加えられておりますから、満足なものではないと思います。従って、独自の立場に立った国家消防本部のいわゆる防火のための市街地の建設はかくあるべきであるというようなことについても、もしまとまったものでもありますならば、あるいは今診断されておりまするものを基礎としてかくあるべきであるということが基準としてきまっておりましたならば、これもやはり文書で出していただきたいと思います。そして私どももこれを要求いたしますのは、非常に火事の頻発いたしておりますとき、国土の保全を考えて参りますときに、単に考え方と構想と、それから国家組織の中できわめて力の弱い消防本部だけにこれをまかせておくわけにいかぬと思います。やはり国会もあなた方に協力して一つのものをこしらえるという態勢を整えていきたい。それにはあなた方のお考えになっていることを、率直に委員会の各位に御披瀝を願いまして、お互いに協力のもとに、強い日本の防火に関する市街地の建設をやる、あるいは消火に関する消防施設というようなことの検討をいたしたいと考えておりますので、ごめんどうでございましょうが、一つ以上申し上げましたようなものをぜひごく近い機会にまとまったものがあれば文書で各委員に配付ができるだけ用意を願いまして、そして御相談をしていただきたいと思います。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 ただいまの門司さんの御要望ですが、これは非常に大事なことだと思います。私は新潟ですが、新潟の大火の跡始末の問題について非常に問題点として残っておることを御参考までに申し上げたい。  新潟の場合においては、台風のもとにおける大火であった。ああいうものは、先ほど鈴木さんの方からも御質疑がありましたように、まず火事を出さないということが一番の要件であります。ああいうふうに風速二十メートルあるいは十メートルという強風下における火災は、私も実際に経験したわけですが、とにかくポンプが何十台あってもこれを消火することができない。炎が道路の下の方をすうっとはっていって、向うの大きな建物に燃え移る、ポンプだけではどうにもならない。従ってやはり不燃都市の実現ということが大きな問題になってくるわけですが、大火にあった都市は独自の立場から不燃都市を実現させようという計画を立てておられると思うのですが、その場合一番問題になるのは都市計画の場合です。都市計画の場合には各都市計画委員会等が設けられて、その市町村で都市計画を立てるわけです。その場合一番問題になるのはやはり土地の問題です。かりにりっぱな理想的な道路を策定しても、そこの所有者ががんとしてどうしても応じないというようなことになると、それを接収する何らの権限もない。従ってこういう問題がやはり新潟の場合も残っております。またどうしてもそこの土地所有者が自分の土地に道路を作ること、あるいは道路が変ってくることに反対である。あくまでもこれに反対する場合に、この計画そのものがとりやめになるというようなこともある。こういう問題をどうするか、これが一つの問題点であろうと思います。それから水利の状況ももちろんでありますが、あとの防火地帯の設定でありますが、この地帯は防火の面から重要だから防火地帯というふうに指定なさっても、燃えない建物を作るのはそこの住民でありますから、その指定された人がかりに防火建築を個人の資力によって建てようと思っても、防火建築ができない。そういう場合があるわけです。そのような場合は、やはり金融公庫とか、日本住宅公団の力を借りるわけでありますが、そこで問題になるのは、やはりその個人の担保能力であるとかそういう問題で、非常に難関に逢着しておる。防火地帯を設定しても、そこに燃えない建物が実現するというまでには、非常な困難がある。設定された防火地帯の中で、資力のある人は鉄筋なり防火建築を建てていきますが、資力のない人はくしの歯のように残っていく、こういう問題もやはり大きな問題点として残っていく。これはやはりもう少し高い立場から、消防本部の権限外、建設省の問題にもなると思いますけれども、十分連絡をとられて−各省まちまちでは、被害者としては非常に困ります。その陳情のために大部分の時間をさいて、いつまでも理想の実現ができない、こういう事態があるわけですから、一つ先ほどの北山委員の質疑、あるいは門司さんの今の要望、あるいは鈴木さんからもいろいろ発言があったようですが、こういうものを御参考にされまして、早期にこれは研究をしていただきたい。私ども台風が来るたびに、今度はどこに大火があるだろうかということを懸念するわけです。一度ああいう大火にあった都市では必ずそういう懸念を持っておる。ところが台風が来ると、必ず申し合せたように、どこかに新潟と同じような災害を起しておる。これをいつまでも放置しておくわけにはいかない。消防本部としてはそういう大火を起さないという立場からもっと十分の御指導をお願いしたい、ぜひその点を御要望申し上げます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 時間がないようですから簡単にあと二点だけお伺いしておきます。  一つは、今門司さんのお話の中にもありましたが、消防法とか消防組織法を改正して、そうして消防を市町村だけにまかせておく今の態勢は不十分であるから、県とか国がこれに対して指揮監督といいますか、そういう権限を与えよう、たとえば応援について応援命令を出すとか、何かそういうことを考えているように聞いておりますが、そういうお考えがあるのかどうか。県なんかに応援態勢についての指揮命令を与えても、これは実際には何の役にも立たない、かえってじゃまになるくらいのものだと私は思うのです。応援というのは、市町村が協力的に実際やっておるので、応援という点においては別段欠けるところはないと思うし、また今の県に、その集まってくる消防隊を組織的に統一指揮ができる能力があるかどうか、こういうことも私は疑問に思っておるのです。こういうような消防態勢を強化するという名前のもとに市町村がやっておる消防に対して県なり国なりが監督あるいは指揮するという方面を強化されない方がよろしいんじゃなかろうか、国なり県なりがやることはもっと別の方面にあるのじゃないかと思いますので、そういうお考えがあるかどうかをお伺いしておきたい。  もう一つは財政の問題でありますが、これは地方財政に関係があるので財政部長にお伺いしたいのですが、こういうように防火というものは非常に重要な市町村の仕事なんですが、これを今のような赤字再建ということで赤字の解消だけに重点を置いていけば、赤字は消えるかもしれぬけれども、火事の方は消えないわけです。そこで地方財政再建、あるいは赤字団体以外の団体についても、いろいろ消防費等については特別の考慮を払う考え方を持っておるかどうか、起債とかいろいろありますが、そのお考えを聞きたい。  なお、三十一年度においては、御承知のように消防施設税というものを一応自治庁としては計画された、途中でこれはやめになりましたが、三十二年度で消防施設税を出す考えを持っておるかどうか。これは消防財政に関係がありますから、この点をお伺いしておきたい。  以上二点であります。

小林與三次総理府事務官(自治庁財政部長)

○小林説明員 防火の問題につきまして、自治庁といたしましても、これは非常に重要な問題でありますから、できるだけの考えで協力はいたしておるのでございます。赤字団体であろうが何であろうが、要るものは要るのでございまして、そういうものにつきましては許す限りの協力はしなくちゃならぬという考えでおります。  それから今の消防施設税の問題でございますが、これは今お話の通り、去年自治庁として考えまして、途中政府として決定に至らなかったのでありますが、来年の問題につきましても、自治庁といたしましては全体の問題を一つとして、積極的に研究を進めております。できるものならそういうものも考える必要があるんじゃなかろうかというふうに、部内で考えを進めておるところでございます。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 消防法並びに消防組織法の改正の問題でございますが、御承知のように今日の消防法、消防組織法の構成は、大きな都市も小さな町村もみな画一的な法律のもとに規制されておるわけでございます。その関係で、東京のような大都会の消防のあり方も、ごくいなかの町村の消防の運営の仕方も、全く同一の法律のもとに同一の方法で規定されているわけでございまして、そこにいろいろな矛盾が出てきているような状況でございます。と申しますのは、ことに消防法におきまする予防消防の問題でございますが、たとえば危険物の取締りの問題につきましても、あるいは特殊な建築物の同意権の問題につきましても、それから危険物取扱い主任者の試験の問題、映写技術者の試験の問題も同様でございますが、こういった相当技術を要するところの、専門家が当らなければできないような仕事までが、その取扱いを東京、大阪等の大都会の消防が責任を持って自分でやる。それから、小さな町で、そんな技術者もその能力のある者もおらないところでも、町村長が消防長の任務を果さなければならないので、試験もしなければならない、及第の免状もくれてやらなければならない、あるいは危険物の取扱いの標準もきめなければならないということで、大都会も中小都市や町村も同じ法律で規制されてほとんど全部が市町村の条例に委任されておるような状況でございます。従いまして今申し上げたような危険物の取扱い等につきましては、私どもの方でいろいろ干渉いたしましても条例を作れない町村が相当ございます。全くブランクになっている町村が相当あるわけでございます。それから、隣の町と全然違った規定をしておりますために、隣の町へ行っては役に立たない、適用できないというような場合も出てきます。ことに危険物につきましては、北海道から九州に運搬するというような場合に、もしも取締りの条例が違っておれば、そこで宙に迷うというような状態も極端なことを申し上げますと現出するわけでございます。そういった矛盾が、ございまして、そういった特殊なものにつきましては、むしろ今日ではそういう力のない自治体消防の方が音を上げておるという状況でございまして、そういったものはあるいは県で統一するなり、あるいは国で政令で一本にきめてもらうなりしてもらいたいという希望がむしろ自治体から出ておりまして、一つ県ではっきり言ってくれとか、あるいは国から命令してくれというような希望もある部面もあるわけであります。そういう点を検討いたしまして、一線における実情も調査いたしまして、具体的の例をそれぞれ項目別にただいま拾い上げて作業をしておりますが、それらを具体的にどういうふうに政令にしたらいいか、あるいは各県でまとめたらいいか、そういうことを具体的な結論を早く得たいと考えまして、だんだん研究いたしておるような次第でございます。  なお、さっきの知事の指揮権という問題につきましても、今度魚津の火事の場合にもそういう話を聞いておるのでございますが、たとえば富山の市から相当有力な消防が魚津にかけつけた場合に、それを魚津の市の消防長あるいは消防団長がなかなか指図ができない、場合によると、機材が違った場合には能力がない場合もございます。いろいろな状態が考えられますので、現在の法律でも相互援助につきましては、知事が大災害の場合には援助、勧告をするような権限を持っておりますが、さらにこれを効果が上るような形で、知事にある程度強い権限を持たせた方が実際に適合するのじゃないかと考えまして、そういうことも現在具体的に検討中でございます。  それからそれらの法律——これは消防法並びに消防組織法にまたがるわけでございますが、それらの法律の改正の案がだんだん固まって参りましたら、一つ御審議も願い、また御援助もお願いいたしたい、さように考えてせっかく努力中であるわけでございます。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 纐纈君。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 魚津の火災につきましては、先ほど鈴木委員から御指摘になったように、どうも発見が非常におそかったという点については、消防本部があるにもかかわらず、そういう何らかの署員に対する怠慢があったのじゃないかと私は考えておるのでありますが、ことに先般本部の方から防火診断のために魚津に係官を派遣されまして、その結果を近く整備して勧告する段階であったということが書いてありますが、これにつきまして一応魚津に対する係官の調査の概要を参考に聞かしていただきたいと思うのであります。  それからもう一つ、防火診断というのはどの程度の都市に行なっておられるか、それもあわせてお聞かせ願いたい。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 最近の魚津市の防火診断の結果がもし御必要でございましたら、その結果を御参考のためにお届けいたしたいと存じます。  なお、今日まで防火診断いたしました都市は、約三百都市になっております。ただこの防火診断は、外国の例等を見ますと、消防施設にしても、町の都市計画にしてもだんだん進んで参りますので、でき得れば五年に一ぺんくらいずつ、あらためて再調査をいたしていかなければならないものなのでございますが、相当これは人も要りますし、また金もかかります。基礎調査は相当各都市にやってもらって、ある程度の基礎調査をもとにして、こちらから出かけて参りまして、技術官が各方面から検討してデータを集めるわけでございますが、それにしましても相当な旅費、陣容が要るわけでございます。遺憾ながら現在私どもの満足するだけの予算と陣容を持っておりませんので、私どもが理想的に考えておるような工合には参りません。しかし現地の調査をなるべく活用するように、今後各都市にお骨折りを願って、こちらがあまり経費を使わないで結論が出るというような方法を考えまして、なるべく早急に数多い都市の防火診断をいたしたいというように考えておる次第でございます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 今の防火診断の結果で、勧告をもう少し早く魚津市にやられたならば、今度の火災はあるいはもう少し小さく防ぐことができたのじゃないかというような条項がありませんでしたかどうか。もしそういう条項でもあったならば伺わしていただきたい。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 魚津市につきましては、防火診断をいたしまして係官が帰庁しまして、大体結論がまとまる段階にまで参った、ちょうどその時期に火災が起ったわけでございますが、防火診断で調査いたしますときには、市の関係者と一緒に車で回り、また実地に見まして一緒に調査をいたしますので、すでに調査の過程において、どこに欠陥があるかということは市の理事者、ことに消防当局はわかっておるわけでございまして、たとえば八級とか七級とかいう結論が出なくても、すでにその内容は市の理事者にしましても、消防当局ならことさらですが、十分わかっておるのであります。それがおくれたからどうということでなく、むしろ一番現場がなまなましく頭に入っている時期じゃなかったかというふうに考えるわけであります。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 中井君。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 途中から入りまして重複するかもしれませんが、簡単に一、二点だけ伺いたい。  先ほどからいろいろ伺っておりますが、どうも話を聞いておりますと、まとまりがありません。あれもやりたい、これもやりたい、あれも工合が悪い、これも言うてはおるが、できないというようなことばかりで、私はこういう話を前の国会においても二、三度皆さんに来ていただいて伺ったのでありますが、やはり同じようなことでありました。そんなことでは、皆さんは国家公安委員会に属しておられると思うのだが、おそらく公安委員会に出られても今のような話をしておられるのじゃないかと思うのです。どうなんですか、日本のような火災の多い国を何とかしておさめるために長期計画、あるいはそこに至るまでの、まずできることからやる短期計画、こういうようにでも分けてそういう計画を作っておらぬのでありますか。どうもわれわれが聞くとそれに対して答えるだけで、全体の構想としてはっきりいたしません。その辺のところを私は最後に伺っておきたい。建設省との関係であるとか、あるいは水道の関係で厚生省とも関係があるというようなくらいのことはわれわれだって知っておりますが、それをきちっとまとめて、長期計画としてはこういう対策を持っておる、短期としてはこうだ。そうして、伺っておりますと、法制をいじられるようでありますが、問題は今の消防法だって、これはずっと読んでみますと、なかなかよくできている。これをやらない。できない。実際わかっておってもやらないというふうなことで、あなたの言うように先だつものは金であるというならば、その金をどうしてどうするかという具体的なものが出てきませんことには、今のような皆さんの話を伺っていると、昭和三十二年度においても相も変らぬ消防対策、こういうことになろうと思うのでありますが、この点について最後にだめを押しておきたいのでありますが、どうでございますか。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 国家消防本部といたしましては、消防強化五カ年計画を立てておりまして、これに基いて諸般の消防施策を行なっております。必ずしも予算面等でその通り参らないのでございますが、しかし目標をあくまでも強化五カ年計画というものを立てて、なおさらに相当資金を要する問題につきましては十カ年計画というものを立てましてそれぞれ計画を持っております。その計画に基いて建設省あるいは厚生省とそれぞれ連絡をとって進めているような次第であります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 その計画はどんな計画ですか。あるなら私どもも見せてもらいたい。そうして、私は予想するのでありますが、ポンプの台数を何台にするとか、あるいはどこをどうするのだという非常にこそくなものじゃないかと思う。何ですか、日本では出火率は世界で一番低いけれども、類焼率は一番高いというようなこと、こういう基本的な——何か私は二、三日前に新聞で拝見しますと、あなたの方の資料でありましょう、出火率はアメリカの二十分の一である、ところが類焼損害率はうんと多いというふうなところに根本的な欠陥があるのですから、それを突かないことには意味がないと私は思うのですが、その五カ年計画ないし十カ年計画はどういうものであるか、これをひとつぜひお示しがいただきたい。きょうは時間がありませんから、もしまだわれわれに発表するほど自信がないのならば、あとでもけっこうであります。さっきの門司さんの質問にも関連するのでありますが、もっと雄大なものを立ててもらいたい。事務的なものではだめだと私は思います。公安委員会がそれをもっと閣議に乗り込んで大いにやれるというふうなものでないと、四千万円の借入金が、あれほどわれわれ委員会がやかましく言うたものが、済んでから四月もたつのにまだちっとも解決しておらぬというような気魄では、日本の消防はとうていできないと思うのですが、どうですか、その辺のところを最後に一つはっきりとした答弁を願いたい。

鈴木琢二国家消防本部長

○鈴木説明員 十分御忠告を承わって、今後努力いたしていきたいと思います。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それでは午前中の会議はこの程度にして、午後は二時の予定です。暫時休憩いたします。    午後一時休憩寺      ————◇—————    午後二時五十二分開議

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  委員長所用でありますので、私かわりましてこの席をけがします。  警察に関する件について調査を進めます。発言の申し出がございますので、順次これを許します。中井君。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 警察の問題につきましては、いろいろお尋ねしたいことがあるのであります。特にまた最近行われました参議院の選挙に対する警察の取締りその他についても、問題はたくさんあるのでありますが、本日はまず私はその前に、去年の国会でありましたか、時の国警長官あるいは警視総監にお越しをいただきまして、ヒロポンの青少年に及ぼしまする害毒あるいはそれの取締り等について、お尋ねしたことがございます。それについて当時長官以下あるいは参考人の警視総監等も大いに積極的な対策を立てたいというふうなお話でありまして、それが原因でありますか、あるいは世論の大きな関係で、最近に至りましては、だいぶヒロポン禍の問題が下火になってきておるように思いますが、その後の経過を一つこの際ちょっと伺っておきたいと思うのであります。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 ただいまお尋ねの覚醒剤の取締りにつきましては、一昨年の秋つまり現在の警察制度に改正になりました直後におきまして、警察としまして当面取り上げるべき取締りの重点事項の一つとして取り上げました。自来強力に取締りを継続して参ったのであります。幸いにいたしましてただいまお話にもありました通り、関係各方面の御協力を得まして、取締りの成果見るべきものがあったと思うのであります。ただいま数字を手元に持っておりませんので、統計的数字を申し上げることはできませんが、かなり成果をあげて参ったのでございます。しこうして今日におきましても、決してこの問題は等閑視しておらないのでありまして、引き続き取締りを継続してやっておるのでございます。今までの取締りの結果に基きますれば、最近におきましては数的にはある程度減って参ったかと思います。それだけにまたきわめてこうした事犯を犯す者が巧妙化してくる、潜在化してくる、こういう傾向がうかがえるのであります。それだけにわれわれ取締りの立場にある者としては、従来以上に取締りしにくいという面がうかがえるのであります。しかし問題が問題でございますので、さらに工夫をこらしまして、一そう取締りに努力して参りたい、かように考えておる次第であります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 これに関連しまして、どういいますか、あの当時も問題になったのでありますが、警察の横の連絡といいますか、機構の問題でありますが、税関関係の警察権の問題、あるいはまた鉄道関係の公安官といいますか、そういうものとの関係、あれも非常にばらばらでありまして、工合の悪いもののように伺っておったのですが、こういうヒロポンその他に関連してそのような取締りの実際状況をどういうふうにやっておられるか。  それからまた今お答えはありませんでしたが、非常に減ったということでありますが、そういうものの統計でもありましたら、一つさっそく出していただきたい、こう思います。  この最初の他の警察機構といいまするか、そういうものとの連絡は、その後どういうふうにやっておるか。警察法の改正の場合にこれをうまく大いにやるのだというようなお話でありました。それの結果がどうなっておるか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 統計的な数字はただいまさっそく取り寄せまして、後刻御報告ざしていただきたいと存じます。  関係各方面の協力を得てと先ほど申しましたのは、今お話にありました関係各機関相互の緊密なる連繋、こういう意味を含めて申し上げたつもりでございます。ただいま御指摘のありましたような機関とも緊密な連繋をとりまして、その取締りの実績をあげるように努力をいたして参っているのでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 こういうものが問題になりましたときもずいぶん議論をいたしたのでありますが、最近新聞紙上その他世間で大きく騒がれておりますところのいわゆる暴力団の問題、あるいは愚連隊と言われております、こういうものについての最近の警察の立場、これを一般的に長官からお話を願いたいと思います。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 先ほど御指摘のありました覚醒剤の取締りと同時に、暴力団取締りというものをやはり一昨年の制度改正直後、つまり一昨年の秋以来われわれの取締りの重点目標の一つとして取り上げました。自来継続してこの問題には取り組んでおるのでございます。しかしながら今日までの成果必ずしも十分でないという面もありまして、また最近暴力団同士の間の乱闘事あるいはいわゆる町の愚連隊の目に余る横行というようなことにかんがみまして、最近、具体的にはこの夏、七月以来強力に全国的に一斉に足並みをそろえて、暴力事犯の一掃ということに警察といたしましてはとっ組んでおるような次第でございまして、一昨年以来の取締りの状況を御参考までに申し上げますと、制度改正前の、つまり二十八年の統計によりますと、年間約一万一千人検挙をいたしておるのでございますが、二十九年には約三万四千人検挙を見ております。さらに昨年三十年一カ年間におきましては約五万五千人の検挙を見ておるのでございます。この数字によってごらんいただいてもわかりますように、一昨年以来私どもがこの問題と取っ組み強力に取締りの態度に出た結果がかように数字として現われておるのであります。にもかかわらず暴力団は依然として街頭から影をひそめない。われわれの周辺に絶えず善良な市民がこれらの者によって平穏なる生活を脅かされるという事案が依然として頻発しておる。こういう現況にかんがみまして警察としましてはまだ努力の足りない点が多分にあるというふうに反省をいたしまして、先ほど申します通り本年の七月以降管区の局長会議を通じ、あるいは管区の公安部長会議を通じ、各府県の本部長に指示をいたしまして全国一斉に足並みをそろえて取締りを強化することにいたしたのであります。この種の事案は御承知のようにある特定の地域だけで取締りをいたしましてその隣接したところが比較的手ぬるい取締りをしておりますと、その地域に一時逃避をいたしまして厳重に取り締っておるところが手をゆるめる時期を待ってまた舞い戻ってくる、こういう傾向が過去においてあったのでございます。その点に着目をいたしまして、全国至るところ、どこの地域に行っても強力な取締りをしているという態勢をとらなければ、彼らが一時逃避してまた舞い戻ってくるということを防ぎ得ないという点に思いをいたしまして、全国一斉に取締りという態勢をとったのでございます。同時にまたこれを単なる一時的な取締り月間あるいは取締り週間といったような限られたる短かい期間で手を引きますと、またその期間を過ぎますと必ず頭をもたげてくるというのが、われわれの過去の苦い経験であるのでございます。そこで今回は長期継続してこの取締り態勢を強化して参る、こういうふうに考えまして現在その方針にのっとりまして、全国各都道府県がそれぞれ府県の実情に即しまして、人的、物的に態勢を整備いたしまして、この問題に取り組んでおるような次第でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今のお話で、非常な意気込みでやっておられるようでございますが、この問題は何も今に始まったことではございません。過去明治時代からしばしば言われましたが、現実にはかななか効果が上っておらぬ。それについてはもちろん単に警察だけの問題だけではないでありましょう。社会全般の機構あるいは経済の組み立て方、そういうものに大きく影響があろうと思いますが、こういうことは三年に一度か五年に一度大きく新聞をにぎわしますけれども、いつの間にか元のままになってくる。それで今長期継続的にやるというふうなお話でありましたが、こういうもので長期継続的というのは具体的にどういう方法でおやりになるつもりであるか、あるいはまたこれにつきまして特別の法制化を必要とするんじゃないかというふうな話も承わっておりますが、法制化をやるということになれば警察の立場としてどのようなことを要望したいのであるか、こういう点についてさらに一つお尋ねをいたしたい。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 長期継続と申しますのは、現在各都道府県におきまして、それぞれ暴力事犯対策本部というふうに銘打って態勢をとっておるところもあります。またそうした看板は必ずも掲げておらないが、実質的にそういった問題の取締りの中心になる係を設け、またそれに必要な人員を専従的に配置いたしまして、この問題に取り組んでおるという状況なのでございます。この態勢を一時的なものにしないで今後継続してやっていきたい、こういうことを意味するのでございます。  なおこの取締りに関連して新しい立法問題云々の御意見でございますが、今まで現行法令によっての取締りで欠陥があるのじゃないか、何か新しい法律を作らなければいけないじゃないかというふうな意見も確かにあります。私どもも現在の法令が、必ずしも理想的で何ら一点の欠けるところがないというふうに考えられない節は確かにあるのでございます。しかしながら取締りの便宜のために新たなる立法をするということはよほど慎重に考えなければならぬと思うのであります。私どもはさしあたりは現在与えられたる法令を十分に活用することによって、われわれの使命を全うすべくさらに最善の努力をいたしていく、こういうふうに考えておるのであります。今日までの過去の取締りの経験に徴し、また現に全国的に展開しております取締りの実績にかんがみまして、どうしてもこれでは取締りの限界がある。あとどうしても問題が残る。法の改正にまたなければ、どうしても問題が解決しないという点に思い至るならば、そのときにはあるいは法の改正ということもお願いしなければならぬかと思うのであります。今日ただいまのところそういう点につきましては慎重研究中という言葉に尽きるかと思うのであります。この点はどうしてもこうしなければならぬという結論的なものはまだ持っておらないのでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今長期継続的というお話を伺いましたが、その対策本部というふうな形でやるというようなことでありまするが、私どもの印象からいたしますると、そういうことではどうも手ぬるいように思うのであります。ただ看板をかけてやっている。むしろ長期的な機構でも作られて、そうしてこっちは専門で一つがっちりやろうというふうな考え方はないのでありますか。  それと最後の法制化の問題でありまするが、何でも法務省あたりではこの暴力団の取締りについて一つ法制化を具体的に研究していこうというので、かなり進んでおるやに伺っておるのであります。これは大臣どうでございますか。牧野法務大臣などはそういうふうなことをはっきり言っておられるのであるが、今警察長官は、まあそこに行くまで一つ今の警察力でがんばってみたい、こういうことでありまするが、閣議などでこの問題は取り上げられておらないのでございますか。この暴力団の取締りに対して新しい立法をするかどうかの問題、これについて一つ伺いたい。

大麻唯男自由民主党国家公安委員会委員長

○大麻国務大臣 牧野君はどういうことを申しましたか存じませんけれども、この問題につきましては今石井長官が申しました通りで、ひたすら研究中というほかはないので、まだ具体的にどうというようなところまで参っておらないのであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 その点でちょっと念を押しておきますが、そういう問題については警察御当局としては消極的なのですか、積極的に考えておられるか。その段階に至らぬという今の御答弁でありますが、必要ならばどうしてもやらなければいかぬのだ、とにかくこの問題を片づけるまではがんばっていくのだ、こういう考え方なのでありまするか。どうせこれは浜の真砂というふうなもので、いつまでも尽きはせぬのだ、いいかげんなところでまあだんだん減ればいいのだ、こういう考え方なのですか。この点は非常に重要だと思います。今の日本の社会機構からいいまして、最も取り残された社会だと思うのであります。これはいかに保守的なお考えの方であっても積極的にやられるのが当然のように思いまするので、お二人の御答弁は私率直にいうと、不満足というか、さびしいのであります。そういう点でどうでございますか。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 私はかなり強い決意を持ってこの問題に取っ組んでいるつもりでございます。私の表現ではあるいはまだ迫力が足りないというふうにお受け取りになったようでございますが、長期継続してこの取締り態勢を続けて参りまして、この問題の解決のために最善を尽したいと思っておるのでございます。  それでは現在の法令でどうかという先ほど来のお尋ねでございますが、私は現在の法令を今まで十分に活用をしてわれわれが取締りをしたかどうか、その反省をまずしてみるべきだと思うのでありまして現在の法令をフルに活用していってみたが、どうしても問題が未解決で残るというものがあり、しかも世論が、問題をそのままに放置してはならない、法律を改正してでもぜひ取り締ってもらいたいというように、国民の強い要望ということになってくるならば、法改正もまさに時期であろうと思うのであります。そういう考え方から、ただ単に取締りの便宜のために、われわれが取り締りしやすくさせるために、法律を改正するというイージー・ゴーイングな考え方はやめたい、もう少し慎重に検討すべきである、こういう意味で現在は研究の段階である、こういうふうに私は申し上げたのでありましてどこまでも暴力事犯をわれわれの周辺から一掃するという熱意においては、決して人後に落ちないつもりであります。そのために現在与えられたる法令をフルに活用してやってみようじゃないか、やってみた結果どうしても問題が解決できないという点があるときに、初めて考えようじゃないか、そのためには実際に取締りの経験に徴して、いろいろな資料を収集して、こういう状況だからこの点をどうしても法を改正しなければ問題が解決しないという結論に到達したときに、初めて具体化してしかるべきものである、こういう考え方をいたしております。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 関連して。警察は非常な決意をもって取り締っていかれる、現在の法令通りに強くそれを執行しているかどうかということを反省しつつ、まず現在の法令で万全を期する、そしてさらに必要なものについては別途措置を研究するということのようでありますが、私は実は暴力団というものの実態を知らないのです。ところが最近新聞等によって見ますと 暴力団はあるにはあるが、最近太陽族映画というようなものが映画界においてどんどん出てきた。実はその映画もまだ見ておらないということで、はなはだ済まないのですが、太陽族映画のようなものが映画会社の営利主義からどんどん出て来て そしてそれが青少年に影響して暴力団のようなものがだんだん多くなってきておる傾向にある。従って警察が法の適用によって非常な決意をもって取り締ることはいいけれども、それと何らの関係もなく太陽族映画のようなものが別個にどんどんと——最近はあまり出ないようですけれども、出てきて暴力団発生のもとを作りつつある、こういうふうに新聞なんかに書かれておるわけであります。  そこで、その太陽族映画のようなものによって、いわゆるそういう傾向の暴力団が新しく発生をしてきておるかどうか、警察は取締りであるが、一方そういうものがどんどん発生するような原因を作りつつある。こういうことではまた別途の、警察の取締り以外の対策もやはり講じなければならぬわけで、そういうようなことで、そうした社会的な運動によって、太陽族映画のようなものも自主的にこれを映画会社においても自粛していくというような傾向もあるようでありますし あるいは文部省や法務省あたりでは、法律的な措置によって検閲制度のようなものが必要であるというような考え方も、ちらほら現われておるようでありますが、その太陽族映画というようなものと現在の暴力団というものとの関連を、どんなふうに警察は見ておられますか、そうしてそういう映画に対して警察当局としてはどういうふうな見解を持っておられるかという点をお聞きしておきたいと思います。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 暴力団問題の解決は、警察の取締りのみをもって解決し得る問題でないことは、申すまでもないところであります。しかしわれわれはわれわれの与えられたる職責にかんがみまして、最善を尽さなければならぬので、先ほど申し上げました通り、現行法令に基いてわれわれのなすべき使命を果したい、かように考えておる次第でございます。暴力事犯の撲滅のためには、国民のすべてが自分たちの権利と自由を守るために、自分たちの周辺から暴力を一掃するという強いきぜんたる態度をお持ちになることが、最も望ましいのであります。今日幸いにしまして、そうした機運が漸次盛り上ってきておることは、まことに喜ばしいことと思うのでありまして、それが警察べの協力となって現われ、警察取締りのささえとなっておることを私どもは非常に心強く考えておる次第でございます。従来はとかく被害を受けた方々がいわゆるお礼参り等の後難をおそれて、警察に連絡をしていただけないというような事例がかなりあったのでありますが、最近に至りましては、警察が強力な取締り態勢に出たということに即応されまして、被害の申告もきわめて活発になりまして、それだけわれわれの方も取締りの実績を上げることが容易になった、これはまことに喜ばしいことであると思うのであります。同時に警察としましては、それだけ被害者がいわゆるお礼参り等を受ける後難をおそれることのないように、被害者の保護ということにつきましては、従来とも気をつけて参りましたが、従来のやり方等を反省しますと、必ずしも十分でない点等があったように思いますので、そうした点は十分反省いたしまして今後被害者その他の関係の方々の保護ということにつきましては、最善を尽して参りたいと思うのであります。  なお、先ほど鈴木委員のお尋ねのありました、いわゆる太陽族映画、そうしたものがこの暴力団の発生、横行にいかなる関係を持っておるかというお尋ねでございますが、確かに不良映画、出版物、こういったものが青少年の精神を毒して、その結果悪の道に走るというものが、具体的な事例としてかなり多いのでございます。しからば、そうした問題になるような映画をいかにすべきかという点は、これは私ども警察の直接の手の及ぶ問題ではないのでございます。現在ただいまわれわれの立場で考えておりますことは、映画を製作される者、映画を上映する者、つまり映画関係の業者の自粛を待つ、不良映画を作らない、見せないという自粛的な態度に出ていただくことが最も望ましいと同時に、また青少年を指導する立場にある各種団体、その他教育者、父兄等が、青少年に不良映画を観覧せしめないように善導していただく、こういった措置が必要ではなかろうかと思うのでありまして、こうした各方面の方々の御協力によりまして、そうした問題が解決されることが望ましいのではないかと思います。法的規制を加えるということになると、これはいわゆる検閲の問題、憲法との関連等においてはなはだむずかしい問題が起るのではないか、かように考えますので、法的規制ということは今直ちに考えることはどうか、かように考えておるわけであります。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 今私の申し上げたのは、太陽族映画というようなものが出てきてから、その影響によって暴力団の数が非常にふえてきているかどうか、そういう暴力団に対する太陽族映画の影響はどんなふうになっておるかということで、警察取締り当局から見た観点を一応お話ししていただきたいのであります。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 太陽族映画のようなものが、もしなかったならばどうであるかとの比較は、ちょっとできません。現にそうしたものがあっての今の状態でございますので、その比較はそのものずばりにはできないのでございますが、われわれが実際に取り扱いました青少年犯罪の実態を追及して参りますと、この種の映画を見て、衝動にかられてこういう事犯を犯したというものがかなり多いのであります。そういう点から考えましてこの種の映画が青少年の非行にかなり影響を及ぼしておる、かように考えておるのでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 だんだんとお話を伺っておるわけでありますが、先ほどからの御説明では、今の法制でもってがんばってみたい、警察としては非常に良心的なお考えだろうと思います。その意味で私は敬意を表しますが、現実はしかしそれでもって果して暴力団狩が徹底的に行われるかどうかというところに、私は問題があろうと思うのであります。そういうことで十分な自信を持っておられるかどうか。こんなところであなた方に申し上げるのははなはだ言いにくいことであるけれども、世上往々にしてそういう暴力団というふうな目で見られておる人たち、自分は暴力団と考えてはおらぬかもしれませんが、そういう親分たちと警察とは裏に回って非常な関係があるというふうなことを、これは警察の方からは言いませんが、そういう親分衆からはしばしばそのような公言がある。そういうことのために善良なる市民は非常に迷惑をして、そうかいな、警察へ一度呼ばれるだけで、もう非常に気も転倒するといった人たちが多いのが現状でございまするが、そういう面からいいまして、私は現行法でもって、しかも臨時にそういう看板を掲げてやる程度で、これが徹底的に行われるかどうかということについて非常な疑問を持っておるのであります。  そこで、法制問題は現在のものでやるというならば、せめて機構でも恒久的なものにしまして、県単位あるいは地方におきましても、愚連隊あるいは今鈴木さんがお話になりましたようなものを含めて一つおやりになる必要があるのではないかと考えるのでございます。特に私が指摘をいたしたいのは、そういうことをいたしませんことには、やはり私どもはしろうとで第三者で、まあとにかく国民の代表としてこう見ておるわけでありまするが、先ほど言いましたように、何といいましても長年警察官をやっておりますると、そういう前科を持っておる人、あるいはそういう性格の人とはしょっちゅう行き来がある。行き来しなくちゃ取締りになりませんから……。それから逆に今度は酒でも一緒に飲もうというふうなことにもなり、そうして一たび警察官をやめますると、たとえば。パチンコ会社の顧問になるとか、あるいは映画会社の顧問になりまして、用心棒の親分というか一番上になって、ときどき行ってやる。それは警察の側から見れば非常に便利な場合も多いと思うのでありますが、一般大衆はそういうことはわかりませんから、あんな人が入っておるのじゃ、あの人の周囲の人だからということが実際はしばしばあるのであります。このことは私はお認め願えると思います。そういうことになって参ると、よほど機構もしっかりし、さらに——これはちょっと脱線のようでありまするが、私は警察法の改正のときにも非常に問題にいたしましたが、警察官の身分法というようなものは今ないのであります。非常に簡単な昔のものがあって、それ以外は国家公務員法の適用を受ける。こういうものとまた別に出所進退を非常にきれいにしなくちゃならぬ。あるいは退職後の仕事といえどもやはり十分考えてもらわねばいかぬ、こういうことのために身分法というふうなものまで私は一応考えを及ぼしていったらどうか、かように考えたりいたしておるのでありまするが、こういう面について率直な御意見を一つ伺いたいと思うのであります。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 ただいままことに痛いところを突かれたと申しますか、私ども、確かに過去におきまして、警察官が暴力団のボスたちと情実因縁関係にあるために取締りが不徹底になるのではないかという一部不信の声を耳にいたしておるのでございます。その点はまことに遺憾であります。過去においては例外的にあるいはそういう点があったかもしれません。そうしたことがあっては、良心的な強い取締りは絶対にできないのでありまして、今回、先ほど来申し上げます通り、全国一斉に強い取締り態勢をとる以上は、まず身みずからを清くしてみずからを戒め、みずからそうしたくされ因縁を断ち切って、この問題に取りかからなければできないということを私は強く申しておるのであります。従いましてそういう見地から各府県の本部長におきましては、人的配置等においても十分考慮をめぐらしてくれるものと思っておるのでありましてある土地のあるボスと関連があるというような者は、その土地からはずして、他の地域へ勤務せしめるというようなことも、一つの措置であろうかと思います。そういうふうに警察自身の態勢をまずきれいにしまして、自信をもって良心的に取締りのできるように仕組んでいかなければならぬ、こういうこともこの問題と取っ組むわれわれの側の態勢強化の一つの方法であろう、かように考えて、全国各府県ともそういう線に沿って態勢の整備をせしめつつある状況でございます。  なおもっと大きな新しい機構というようなものを考えるべきではないかという点、確かに傾聴に値する点でありますが、先ほども申しました通り、各府県の実情は必ずしも画一でございません。暴力事犯取締り対策本部というような大きな線の取締り機構を考える必要のある府県もありましょうし、またそれほどまでにしなくとも、対象の少いところで十分やっていけるというところもありましょうから、私どもといたしましては各府県の本部長に実情に即した取締り態勢機構を考えるように指示をいたしておるのでありまして、御意見の点は十分に拝聴いたしまして今後さらに各府県の実態をわれわれ十分見きわめまして、もし足らざる点がありますならば、さらに研究を加えるように督促し、指導いたしたい、かように考えております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 機構の問題ですが、今警察庁ではどういう機構のもとに、何部の何課がやっておるのでございますか、それをちょっと伺いたい。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 警察庁におきましては、刑事部の捜査課、防犯課が共同いたしまして取り扱っております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 私はそういう捜査課とか防犯課が共同するというようなことでは、なかなかやりにくいように思うのであります。一般事犯ということじゃございません。何といいますか、思想は、表は非常に右翼のような思想を出して参っておりますから、おそらく政治家と関係があるなどということも新聞などは書いておりますが、それは現実の問題としてはそこまでは私は行っていないというように思うのであります。しかしもらい下げの事件などがあると、ときどき顔を出してくる。この間も尼崎でそういう事件があったようでありますが、そういうものを取捨選択して、そうしてきれいにやるためには、私はやはり一つの課を持ってやっていかないことには、そんないいかげんなことでは、そういう面から逃げられてしまうというふうに考えております。全くの思想団体であれば自由でございますが、それとの区別をはっきりつけないでやるところに、これのなかなか上手な行き方がある。最近皆さんが大上段に振りかぶって、愚連隊、暴力団を一掃すると、たちまちどっかに行ってしまって、近ごろは非常にもの当りがやわらかである。しかしこんなことで喜んでおれば、一年たてばまたもとに返って参ります。この辺のところを私は心配いたしますので、さらにこの点について御解明がいただきたい。  それから警察官の身分の問題でございますが、こういうものに私は非常に関係があると思う。これまでの警察官は何といっても明治以来陛下の警察官というわけで、薄給で甘んじておる。そのために、また地方に行けば逆に大根を持ってきたり卵を届けたりする。これは非常に醇風美俗であると言われておったのですが、これが変ってしまったのでありますから、それに即応したものが出てこないことには、どうもはっきりしないように思うのです。これは警察法の改正の場合に私どもはやかましく申しまして、その当時十分研究をするということでありました。何もあなた方をこわすために私はこういうお尋ねをしているわけでは決してありません。早くそういうものを確立しまして、日本の治安警察というものの機構を整えていきませんことには、ただ権限争いや何かばかりいたしてあるいは自治体警察をとって国警になって喜んでおって、二、三年たったら三万人人員整理するというのを、今度は交通整理が忙しくなったので人員整理はことしからやめだ、そういうことではなしに、もっと深いところで一つぜひ御判断が願いたいように思いますので、身分法のことについて今お答えがありませんでしたから、この二点についてさらに重ねてお尋ねをいたします。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 警察官の任務の特殊性につきまして、身分的にも一般国家公務員あるいは地方公務員並みの扱いになっておる現状を再検討したらどうかという御質疑だと思うのであります。まことに私ども警察官の立場を深く御理解いただいたありがたい御忠告と拝承いたし、十分研究をさせていただきたいと存じておるのでございます。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 関連してちょっとお伺いしたい。  暴力団の機構の問題ですが、一口に暴力団といってもいろいろに内容と性格あるいは組織が違っていると思うのですけれども、青少年の場合には経済的な要素はあまりないので、同じ学校とかあるいは同じ町内にいて偶然そういう人たちが集まって罪を犯すということがあると思う。それ以外に成年の暴力団と一般に従来言われていたそういう人々は、経済的な基礎に基いて集団して、なわ張り争いとかいろいろな問題が起ってくるのだと思います。たとえばパチンコの景品を買う団体があるとか、映画の切符を買い占めてプレミアムつきで売るというような仕事もあるということを聞いておりますし、さらに高度なことになると、各会社へ定期的に寄付を仰いで、その経済的な要素から一つの団体ができる、いろいろな要素があると思うのですが、現在までに検挙された暴力的事犯の中でどういう要素が一番多いかということ、さらに、詳しいことは私知りませんが、そういう経済的な要素の中で、どういう団体が多いか、それから警察としてはその要素に対してのいろいろな取締りの方法が変っているだろうと思いますが、そういう問題に対して少し御説明を願いたいと思います。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川説明員 お尋ねの点は、大体時期によってずっと動いて参るのが実情でございます。ずっと前はばくちなどに関連しての団体が相当ばっこしておったのであります。ところがこういった団体は最近は比較的減少したように見受けられます。その後出て参りましたのが、風俗ことにパチンコその他の景品買い関係が比較的多かった。これは御案内のごとく連発式の問題を公安委員会等が規制いたしましたので、その関係が若干減って参りました。今度はそれが町場に出て、終夜喫茶とかそういった飲食店関係に客引きなどの方向で比較的多く出て参ったのであります。それも相当規制を受けまして、最近は場所を取るショバ屋、切符を買い占めるタフ屋、そういった関係に比較的多く出てきておるという現状であります。これは、長官からもお話がございましたように、厳重な取締りをいたしておりますので、だんだんそういう方面も減って参っております。それで現在は壊滅はしておりませんが、そういうものももうからぬからだんだん正業に行こうじゃないか、日雇いに雇ってもらいたいために職業安定所に出ていく、こういう人間も若干出て参っておりますので、ここ一両日中に減少することは非常に困難でございますが、方向としては、そういうやくぎをやっておっても食えないからというので、だんだん正業に行こうじゃないか、こういう空気が出つつあるのじゃなかろうか、こう想像いたしておるのでございます。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 そうしますと、昔は夜店などで場代とかそういうものをとって、一つの団体を作って、親分が支配しておったというようなこともわれわれとしては聞いておりましたが、現在は暴力団の取締りの対象となるのは、暴力事犯があったときにそれを取り締る以外に方法がない、そういう要素の団体に対しては警察としては取締りの方法がないというのが現状の法律の立場でございますか。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川説明員 御案内のごとく、犯罪行為は具体的に刑罰法令に触れなければ警察は措置しようがないという意味においてはお話の通りでございますけれども、そういうことをぼつぼつやっておりまして一それだけやっておりますと徹底的な究明ができませんから、とかくそういうことをやりそうな組織、やりそうな人、そういった点の資料を収集いたしましてそういう行為を掃滅する目的をもっていろいろなデータを集めて——データというのは、犯罪を疑うに足る事情をずっと集めて参る。それが、明確な資料が出てこない場合がございますが、そういうことをずっと内偵しているという状況に置いておきます。内偵を強化しておきますと、当該人物がたとえば恐喝する、そういう場合に直ちに摘発ができる、こういう仕組みで取締りの徹底をやっておるのであります。今申しましたように、何か具体的の犯罪がなければ取締りができないという意味におきましてはお説の通りでございますけれども、それを待っているだけでは目的が達成できませんので、そういう内偵を強化する、これも長官のお話になった要点だろうと思います。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 よくわかりましたが、そうしますと消極的な面が相当あるのじゃないか。今中井さんが言われた通り、そういう暴力事犯が具体的に起ったときに早急にそれを検挙する一つの手段として準備調査を個人的にやっておく、こういうことはあっても、そういう暴力事犯を行う要素のある団体に対して手を下すことは現在のところできないわけですね。今長官がお話されたように、今まではお礼参り等があって、一般住民はおそろしくて警察にも報告しなかった。警察も最近はそういうことに対して力を入れるということで、協力体制はありますが、まだお礼参りとかそういうことで十分警察の方に報告されない住民の方々が相当あるだろうと思うのです。そういうことになりますと、消極的な取締りということでその根を刈り取ることはできないので、伸びてくる葉っぱを取るくらいのことで、いつも根があって時期さえあれば伸びる要素があるということが従来もずっとあったのじゃないかと思いますが、そういう点を根こそぎ刈り取ってしまう方法を警察としてはとれないものかどうか、この点一つ御答弁願います。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 そうした団体を根こそぎつぶすという問題になりますと、現行法令ではいささか困難であると思うのであります。そういう意味におきまして新立法が必要であるかどうかという点も確かに研究問題であろうと思うのです。そこで私どもは、先ほど来申し上げました通り、いきなりそこまでの手はつけられなくとも、その組織のメンバーである末端の分子を次々に具体的犯罪の行為に基いて検挙取締りをしていく、それが相当数になるならばおのずからその組織は壊滅状態に近いものになるのじゃないか。こういうことによってその組織を壊滅させたと同じ結果が生まれるのではないか。現行法令では、回りくどく時間はかかるけれども、そういう行き方をやる以外に方法がない、かように考えておるのであります。それを一気に組織を根本からつぶしてしまえということでありますなら、それがまた国民の一致した強い要望でありますならば、そうした目的を達成するための新たなる法律が必要になってこようかと思いますが、今直ちにそういう立法を考えることはいかがか、むしろそれよりも一歩前に、われわれは現在与えられた法令に基いて、われわれの努力によって解決すべき問題が残されておる。われわれも今まで十分に努力しなかった点があるのではないかという点を反省しまして、警察としましては最善を尽す、かように考え、かように申し上げておるのであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 いろいろお伺いをいたしましたが、大体皆さん、御熱心に愚連隊、暴力団に対する対策を考えておられることについては敬意を表しますが、今も加賀田さんのお話にありましたように、どうも積極性という面において私どももう一つ食い足りないように思うのであります。恒久的長期防止対策を立てるといいますが、それをぐんぐんやるという、あなた方十分自信をお持ちでございましょうか。私の言うように一つ機構でも変えて、どっしりと落ちついてやらなければ、これはまたまた頭を持ち出してくるというきらいがあるわけです。というのは、今の日本の社会不安のうちで、考えようによっては軽いものかもしれませんが、一番一般的に不安なのはこの暴力団に対することであろうと思います。特に町の善良な人たちにとりましては、これが一番いやなことであろうと思うのであります。従ってそういう面に対する対策としまして警察がこうやって暴力団狩に乗り出されたことについては、百人が百人とも大賛成で、大いにやってくれと言っておるのでありますから、この勢いに乗ってさらに積極的に進んでやるというお気持がないのでございますか。その点どうも少し、あなた方の説明があるいは不十分であるかもしれぬと思いますが、なくなるまで何回でもやるんだという積極的な御発言を最後にいただきたいものである。そうでないことには、どうもまたいいかげんなもので終るんじゃないかという考え方が今でも横行いたしておりますから、その点をもう一度念を押してお尋ねいたしておきます。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 長期継続してやると申しますのは、私どものねらいはなくなるまでやるという意味でございます。ここ一月や二月でやめる、そういう意味では決してないのでございます。若干時間はかかるかもしれませんが、国民の皆さんの御協力を得まして、どこまでも粘り強くこの問題と取り組んで、相手方がへこたれるまで根比べでやるつもりでございます。そのためにはどうしても国民各階層の方々の御協力をいただかなければ、警察の力にはおのずから限界があるのでございます。先ほど来、新たなるそのための機構を考えたらどうかというようなお話も出ましたけれども、限られたる人員でそうしたはでな新しい機構というようなものも、なかなか考えにくい現状にもありますので、われわれとしましては、部内で事情の許す限りこの問題に重点を置いて、できるだけ取締りの実を上げていくように工夫をし、努力を続けていきたい、かように思うのであります。われわれが根気強く繰り返し繰り返し、同じ人間が、一度つかまって軽い刑で出てきても、また犯せばまたつかまえる、こういうふうにやっていくならば、その連中も、こうした商売ではとても飯が食っていけない、警察も一時的じゃなくて、これは案外本腰で永久に取り締る態度であるらしいということがわかれば、必ず彼らも考え直すであろうと思うのであります。あるいは数多い中には、それこそ病膏肓に入っておって、どうしても正道に立ち返らない者も例外的にはあるかもしれませんが、大多数の者は正道に立ち返り得るのではないか、かように思うのであります。さようなためには、そうした保護更生の面を担当する関係機関にも十分御協力をいただきまして解決していきたいと思うのであります。特に若い青少年で、ほんの一時の衝動にかられ、あるいは周囲の悪友等に誘惑されて、その道に入ったばかりというようなものは、一度警察の手にかかったことによって改化遷善された事例も多々あるのであります。われわれがたえずこの種の対象に対しまして監視の目を光らせ、継続して取締りをやって参りますならば、大部分の問題は解決するのではないか、かように考えておる次第であります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 最後にちょっとお尋ねしますが、先ほどもちょっと申し上げた警察と暴力団の関係であります。この関係においての事態がはっきりして処分を受けたとか、懲戒免職を食ったとか、転勤を命じられたとか、そういうものの資料はございますか。同時に、これは参考までに伺っておきますが、単に暴力団だけではなくて、ここ一、二年の間に警察官が自分の行為によって処罰を受ける、減俸とか戒飭とか、こういうものの統計でもあったら、一つお示しをいただきたいと思います。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 ただいま私残念ながら数字を記憶いたしておりませんので、後ほど調査いたしまして御報告いたしたいと思います。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 その点について希望を申し上げておくのでありますが、こういうことはなかなかわかりにくいことだろうと思いますが、根本はどうしてもここまで行かないことには、そういうくされ縁のある者で証拠の上った者は、ぴしぴしやっていくようにせぬと、この問題はなかなか——あなたは大いに国民の御支援を仰ぐ。けっこうでございます。そういう空気は十分あろうと思いますが、それを全からしめるためには、やはりあなた方の内部の警察官自体の中のそういう間違った考え方を持っておる者の処分をはっきりしないことには、私はわき上ってこないし、しかも長期にはならないと思いますので、その点についてこの際に一つ、何らか全警察に通牒でも出されて、その点は十分慎しむように指令を出されるというようなお気持はありませんか、どうでありますか。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 先ほどもお答えの中にその点に触れたと思うのでございます。繰り返すことになりますが、われわれがこの暴力事犯取締りに対して強い態度で臨むためには、まず身みずからをきれいにしなければならぬ。今まで一部の声ではございますが、警察官の中には暴力団のボス等とくされ縁があるために、そうした方面への取締りが徹底を欠いておる、被害者が申告しても、警察はどうせボスと関連があるんだからやってくれないだろうというので、控え目にする、こういった傾向がたしかに一部においてあったということは、残念ながら私どもも認めておるのでございます。そうした点をなくしなければ、暴力事犯の徹底的な取締りということは、とうていできないものであるということを、私は先般来全国の各都道府県にみずから直接申しておるのであります。そうした点は機会あるごとに強調しておるのでございます。あるいは管区の局長会議あるいは管区の公安部長会議——本日も実は六大府県の刑事部長をその問題のために集めて、会議をやっておるさなかでございます。そうしたあらゆる機会をとらえて反復強調をいたしておるのでございます。本日六大府県の刑事部長を昼食のときに私の部屋に呼びまして、私からこの点については、先ほど来申しましたようなことを繰り返し強調、指示しておいたような次第でございます。今後さらに必要がありますならば、通牒その他の形式をとって、さらに反復徹底せしめても差しつかえないと思っておるのであります。いいことはどこまでも十分末端まで徹底せしめる方法を考えてしかるべきだと思いますので、せっかくの御忠告の点はありがたく拝聴いたします。今後十分その線に沿って実を上げて参りたい、かように考えております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 先ほどの資料は、中川君、この次の委員会まででいいからできるだけ詳細に内訳を一つ示していただきたいと思います。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川説明員 ただいまの懲戒関係のやつは資料をととのえまして急速にいたしたいと思います。  覚醒剤の御質問がありましたが、それはただいまわかっておりますので、この席上御報告さしていただきたいと思います。覚醒剤取締法に基く犯罪の取締りにつきましては、徹底的にやって参ったつもりでございます。その数字を申し上げますが、昭和二十六年からずっと数字が出ておりますが、逐次ふえて参りました。二十六年は一万七千余、二十七年は一万八千余、二十八年は三万八千余、二十九年は五万五千余の人数を覚醒剤取締法違反で検挙いたしたのであります。二十九年が一番多かったのでございますが、その成果が逐次出て参りまして、三十年に至りましては減少いたしました。三十年は三万二千人、こういうふうに検挙された人間は減少しております。本年に入りまして、一月から七月までの合計でございますが、これは四千四百十四人、こういうふうに減少しております。従いまして二十六年以来逐次違反者を多く検挙して参ったのでございますが、二十九年を最頂点といたしまして、三十年から減少し始めたという傾向でございます。実態は皆様を初め各方面の御協力の結果、取締りの協力のためにもよりまして、こういう悪質な違反を行うものは減少して参った、それで今日は、そういうことをやっておれば直ちに警察に見つかるという気風が関係者の中にびまんしておりまして、取引が困難であって、地下にもぐってやろうという傾向が現在ありますので、今後地下にもぐった者をさらに徹底的に究明することによって、覚醒剤の問題はだんだん平静になってくるのじゃなかろうか。こういうふうに統計数字上から私どもは判断いたしておるのであります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 刑事部長に伺いますが、今お話のようにヒロポンは皆さん方の御努力で非常に減少しておる。しかし相当潜在的になっておるということを伺いましたので、この点は一つぬかりなくお取締り願いたいと思うのだが、これにかわって、最近チクロパン、麻薬の方の中毒というか、不正取引が相当深刻になってきておるということを聞いておるのですが、ヒロポンにかわっておるものであり、その害は相当激甚だと聞いておるが、いかがですか。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川説明員 お説のように覚醒剤事犯は、件数としては減って参っておるのですが、特に中毒患者のごときは、何とかして入手したいというので、地下にもぐっての取引があるという現状でありますので、覚醒剤事犯の取締りについても厳重な取締りをしなければ、ほんとうの成果が上らないという態度で、各府県とも現在覚醒剤事犯も厳重に取り締っております。  さらに委員長から今御指摘がございましたように、覚醒剤事犯の取締りを強化いたしますと、これにかわるべきチクロパンとか、あるいははなはだしきに至っては麻薬とか、こういった犯罪を犯そうという傾向が見受けられます。そこでこの際こういう点もあわせて徹底的に取締りをしないと、皆さんの御趣旨に基く取締りが有終の成果を収めない、こういう考えのもとに、全国の警察を動員いたしまして、覚醒剤事犯はもちろんのこと、麻薬事犯、さらにはチクロパンとか、こういった他のこれにかわるべきような事犯の視察、取締りを徹底して参る、こういうことによって本件取締りの有終の成果を収めたい、こういう念願で努力しておるのでございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 今お話のようにだいぶ注意していただいておることはけっこうですが、どうも覚醒剤というと、すぐヒロポンだけを連想する。今申し上げたようなチクロパンあるいは麻薬というものがこれにかわってかなり代用されておると聞いておるので、この上ともあわせてこれら中毒症状の犯罪行為に関連するもの及びこれらの不正取引者、これらに対して一つ十分ヒロポン以上のお取締りを願いたい、希望を申し上げておきます。五島委員。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 私は三点について質問したいと思います。第一点は先月末に神田の中央大学講堂で開かれました母親大会の問題に関連性があります。第二点は自動車運転手のスピード違反検挙の問題について第三点は八月一日に政令が改正になったとか、運用の改正になりました自動車運転手の免許制度の問題、以上の三点について質問したいと思います。  第一点の母親大会に関連して茨城県の県警が東京母親大会に出席する婦人の姓名を調査した事件を茨城県議会で県会議員が質問をして、それが明るみに出たという問題、これは私は朝日新聞の八月三十一日の記事で知ったわけですけれども、たとえば警察関係が、従来地方の警察が思想の調査をやったり、あるいは労働組合関係の運動を非常に調査してあまりに深入りし過ぎたゆえに、いろいろ問題が起きたという事件があったのです。ところがこの茨城県警察が、八月二十七日、八日、九日の三日間東京で母親大会をやった。そこで母親大会にだれが出るかということを調査したというような問題は、憲法の集会の自由に違反するのじゃないかという一県会議員の質問から新聞記事になったと思いますが、この母親大会は中央大学の講堂において四千人から五千人全国の代表といわれる婦人が集まって、次の世代の子供を平和に育てるために、平和を守ろうという趣旨のために大会が去年から行われているわけですけれども、公安委員会の方では、この母親大会の性格をどう解釈されているか。それから茨城県に起きた事実はあるかどうか、あるいは本部から全国に対して母親大会に出席する者の姓名を調査しろというような指令を出したのかどうかということについてまず質問いたします。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 母親大会に出席する者を調査したか、そういう指令を中央の警察庁から全国に指令したかというお尋ねでございますが、そういうことは全然ございません。私どもから各都道府県にこの種の指示をいたしたことはございません。またただいま具体的に御指摘のありました、茨城県でそういうことがあったようだということでございます。私どもも新聞で拝見したのでございまして、さっそく現地の方に照会をいたしたのでございます。茨城県本部におきましても、県下の各警察署に対してそういう調査を命令していることは何らありません。こういう事実がはっきりいたしております。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 指令を全国的に行なったことはないし、また茨城県警察本部からも各警察あるいはその他各部の機関に調査せよという指令を出したことはない、その通りそうあるべきだと思うわけですけれども、新聞の記事によると、たとえばこれは土浦市と石岡市で調べられた。そこで母親大会に上京する者の氏名が大体わかっていたのだけれども、当日になるとだれも出席しない。ところがおくれてたった一人出席した。これはおかしいなと思って、なぜ出席しないかと聞いたら、氏名を調べられた。従って母親大会の性格が非常にゆがめられて解釈されているのじゃないかというように考える。  ところがこの新聞記事によると、調査しろという指令をしたことはないけれども、職責の遂行上そういうことをしたのかもしれないというように発表しておるわけですれ。茨城県警察警備課次席小室次男という名前で、その職責を遂行する意味で調べたのかもしれな。そうすると、いつも指令は出さないが、上部の意向をそんたくして、そしてこのくらいを果さなければ自分の責任ではないんだ、もしも果しておらない場合はあとで点数を落す、そういうように現場の直接関係のある警察官が思うならば、警察の教育が那辺にあるかということも疑われるし、常時そういうことはしちゃならぬと教育をしておられないように考えられるのです。そして逆に職責を遂行する余りにということになると、これをやったからお前はなかなかまじめだというように逆にほめなければならぬような場合が出てくると思う。その後調査をされたら、こういうようなことは県本部は指令していないというが、そうすると、こういうことが現場でもしも行われておる——これは行われていることが事実だと思うのですけれども、これについてどういうように考えられ、どういうように今後のことを処置されるか。まあ指令をしたことはないんだから、そのままほっとけというように考えられているかどうかということをお伺いしたい。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 平穏に行われる集会に何人が出席するか、警察としては何ら知る必要がないのでございまして、そういう調査をするはずがないのでございます。ただいま御指摘の茨城県の問題につきましては、私の聞いている限りにおきましては、石岡警察署、土浦警察署、いずれも巡査でありますが、たまたまかねてじっこんの人と会って世間話をしているときに、談たまたま母親大会が近く東京にあるので、それに本県からもだれだれが出席するというような話が相手の方から出たのを聞いたというふうに承知をいたしておるのでございまして、警察側が母親大会に茨城県からだれが出るかを必要のため調査をしたものでもなく、またそれが職責遂行の一端であるとも、決してその当該巡査も考えてはおらなかったというふうに承知をいたしておるのでございます。ただし世間話といえども、そういう誤解を招くようなことは今後は十分に注意する方がよかろうということを、茨城県はもとよりのこと、他の県に対しても他山の石として、私どもは今後十分自重するようには言っております。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 どういう機関を通じて自重するように言われるかわかりませんが、今後十分注意をしておいてもらいたいと思います。こういうようなことがたびたび新聞に載ったり何かすると、あたかも警察は集会の自由を抑圧するように世間は受け取るだろうと思います。  次に、自動車のスピード違反、いわゆる交通事犯の問題についてでありますが、これはずいぶん件数が多いだろうと思うのです。それで昨年でしたか、警視庁管下のスピード違反は何件ぐらい出ているだろうか、そしてそのスピード違反の件数が交通違反の件数全体の上において占める割合は、どれくらいあるだろうかというようなことについて、私も交通課を通じて資料をいただいたことがあるわけですが、最近の資料はもらえなかったわけです。しかしスピード違反の件数はずいぶん多いだろうと思います。ところが私が聞こうと思うのは、その取締りの件数が多い少いというような問題ではなくて、自動車運転手がスピード違反で検挙された場合の二軍の処罰の問題であります。これは問題が生活と関係しますから、ちょっと聞いておきたいのです。たとえば四十キロのスピードを出した場合、直ちに運転手は免許証を取り上げられる場合があるでしょう。そうしてそれに就業停止を食わせる。制限スピード以外に十キロ以上出しておれば十日間、あるいは五キロ以上出したら七日間とか、十五キロ以上出したら十五日間とかいうようにそれぞれ段階を設けて就業停止を食わせるわけなんです。そうしておまけに今度は裁判所に行って簡易裁判をやられて、お前は何月何日にどこという場所でスピード違反で検挙されたことがあるかというように裁判所では聞くわけです。運転手がその通りですと言うと、よし、それではこれに印をつけ、帰ってよろしい、金は幾らというふうに、まことに簡素で非常に円滑な裁判が行われる。そうして一回五キロあるいは十キロのスピード違反をした場合、千五百円とか二千円取られる。そこで自動車の運転手はまたやられたというようなことになるのだが、いかにしてそれを検挙するか、白バイの優秀な人たちがあたかも暴力団を検挙するがごとく大量に検挙している事実が非常に東京では多い。あるいは地方の都市部においても多い。そうしてそれが所々方々でその検挙をし、行政処罰あるいは刑事罰を課する上において非常に統一されていないのじゃないかと私は思うわけです。たとえばある市のある警察においては、一回スピード違反をした場合は理由のいかんを問わず二重処罰を行われる。あるいはあるところにおいては、二回ばかり検挙しても、十分言って聞かせて刑事罰等々を課さないという場合があるということです。もちろん、自動車とかあるいは電車とかの交通機関は、一たんまかり間違えば人命に関係するのですから、十分な注意をもってこれを防備しなければならないわけですので、いつも指導的役割を果さなければならぬと思いますが、これが行き過ぎるの余りに全国の自動車運転手が泣いている事実が非常にある。私もよくタクシーを拾うわけですけれども、私はタクシー運転手の生活状況とか水揚げの状況等々について、いつもよく話しかけて聞くのですが、運転手として何が一番困っておるかというような問題については、これはあなたたちが聞かれてもわかるのですけれども、二重処罰の問題が一番困るという。たとえば一回やれば十日間の就業禁止だったなら三分の一は給与がなくなる。十五キロやれば十五日間というようにやられるならば、月給の二分の一はなくなってしまってその月の生活が非常に困ってくる。おまけに刑事罰、こういうふうに二重にも三重にも処罰されるということは、自動車の運転手よりほかにないということは、やはり昔の雲助というような考えで、かごかきと同じように考えられておるのじゃなかろうかというわけなんです。そこで、この交通違反の問題は十分取り締らなければならないけれども、取り締るに急過ぎて、重過ぎて、その弊害が非常に逆に出てくる。私が観察するに、大体こういうような交通の問題は、非常に自動車の多い東京都内においては——水の流れのように自動車が動く。そうしてその中で、たとえばタクシーの運転手ならば、八万円まで月に水揚げをすれば、一割二分の割増金をつける、それが九万円になったならば、一割五分の割増金をつけよう、それが十万円になったら二割の割増金をつけようというような給与規定が多いんじゃなかろうかと思うのです。そうすると、運転手は一方では生活をしなければなりませんから、事故というような問題よりも、できるだけ八万円を今度は九万円にしよう、九万円を十万円にしようといったような競争心理がそこに生ずるのじゃなかろうかと思います。それからまた勤務時間の問題で、労働省あたりでは、自動車運転手の八時間勤務の問題等々がまだ解決していないような状況だということを知っておるんですけれども、一昼夜交代とか何かやりますから、非常に睡眠不足になる。夜中の一時、二時ごろになると、自動車の上で眠っているというような問題がある、そうすると睡眠運転も行われるでしょうし、そのうちに事故が発生するだろうとも思われます。そういうような生活状況の中にうんと競争さしている。ほとんど全国の自動車経営者は、基本給料というものは三〇%くらいしかやっていないでしょう。そうすると、休んでも、水揚げをそうしなくても——三〇%といえば、二万円の収入があれば六、七千円が基本給料だ。三十にも三十五才にもなって、家族を五人持っておってもやはり六、七千円だ。そうすると、やはり生活をしていくためには、うんと水揚げしなければならぬという競争心理が行われる。競争すればそこに事故の発生件数が非常に多くなっていく。それにつけ込んで白バイがだあっと、時計を見て、そうしてお前は四十五キロ、スピードを出しておったぞ、異議ないか。出しておりませんと言ったって、こちらは時計で調べている。そうして一週間とか十日間とか、あるいは十五日間とか就業停止を食らって、今度は簡易裁判で刑事罰が行われる。こういうように、罰が二重にも三重にも行われるということです。全国の自動車運転手は、あるいは自家用車の運転手でも、この問題は非常に重大なる関心を持っておるわけです。そこでこういうような問題——白バイの任務は一体何だろうか。補導の役割を果すのか、検挙の役割を果すのか。何だかわれわれが見ていると、一生懸命町の陰に隠れていて、そうして走ってくる自動車を見つけたら、徹底的に追いかけて行ってやっている。それは任務ですから、やらなければいけないのでしょうけれども、そうすると今度は白バイと警察と協力して、そして木陰あるいは軒陰にいて、来る自動車、来る自動車をとめてほとんどスピード違反だ。それを十台も二十台もとめてずっとこっちに来てそして簡単にスピード違反の決定をするというような事態が非常に多いんじゃなかろうか。そこで二十七年、八年、九年、三十年、三十一年、現在は白バイの活動によってその件数が下ったかどうかということも聞いておきたいと思います。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 交通事故が逐年増加しておりますことは、まことに残念な傾向だと思います。特に自動車の事故が非常に多いわけですが、先ほどお話のありました自動車運転手の労働条件あるいは賃金体系の改善といったような問題に待たなければならぬところも確かにあると思うのです。私どもといたしましては、関係の各機関にはそういう点の御研究は十分願っているのであります。われわれ警察の立場といたしましては、交通事故防止の見地から取締りをしているのでございます。決して検挙第一主義をとっているわけではありません。どこまでも指導的取締りという態度をとっているのでございます。従いまして、軽微な事故違反を起した者を直ちに厳罰をもって処するという態度、方針は決してとっておらないのであります。初めて軽微な法令違反を犯した者に対しましては、将来を警告するということにとどめているはずでございます。第一線においてそれぞれ違った措置をとっておりましてあるいはその間に若干御指摘のようにきつ過ぎるというところがあるかもしれません。そういう点は私どもといたしましても十分注意を喚起いたしまして、適正な取締りをさせるようにいたしたいと考えております。  同法処分と行政処分が併課されるということは、これは自動車運転手にはまことにお気の毒ではありますが、宿命と申しますか、現在の法令の建前上いたし方ないのでございまして、法令違反によって刑罰を受けるということは、法に明記されている以上、それは受けていただかなければなりません。また行政処分につきましても、これまた法令に基いて行われるのでありまして、ただその行政処分が酷に失しては、御指摘のように気の毒なことになろうかと思いますので、その辺は十分実情を見きわめまして、違反の状況に相応した処分をしなければならぬことは、申すまでもないところでございます。行政処分の件数は、交通事故を起した者、法令違反者の全部についてことごとく行なっているのではないのでありまして、件数的に見ますならば、そのうちのきわめて一部分のものにしか行なっておらない、こういう状況でございます。ただいま御指摘になりました点は、今後とも十分考慮いたしまして、処罰につきましても、行政処分につきましても過酷にわたらないように、十分第一線にも注意を喚起いたしておきたいと思います。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 過酷にわたらないようにお願いしておきます。  それから次に、八月一日から改正された運転者の免許制度の問題について、この目的は何ですか。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 先ほども申しました通り、交通事故が非常にふえております。その原因を調べてみますと、五島委員が先ほどお話になりましたように、自動車事故が非常に多い。そのまた原因をさらに調べてみますと、かくかくというお話があったのでありますが、私どもいろいろ調査研究いたしました結果、自動車の運転手の未熟であるために事故が起ったということが、統計的に言えるのではないかと思うのであります。そういう見地から、自動車事故の防止のために、運転者の年令なり経験年数なりをある程度しぼってみたら、事故の防止に役立つのではないか、こういう考え方に立ちまして各国の例等もよく比較研究いたしました結果、年令二十一才、経験年数三年以上というくらいのところが大体適当でなかろうか、こういう結論に到達いたしまして、所要の政令の改正をいたしたような次第でございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 自動車の数と、自動車行政の問題と、それから運転手の免許証を下付する人員的なバランスとか、将来についての計画とかいうような問題に関連して免許制度が考えられますか。

山口喜雄警視長(警察庁警備部長)

○山口説明員 今回とりました制度の改正につきましては、別段そういう見地からは考えておりません。ただバスとか、あるいはいわゆる円タクそういう自動車に非常に事故が多い。そこで調べてみますと、年令的に若い運転手の場合に非常に事故が多い。ある程度以上の年の者であれば、自然に運転も慎重になりますし、各国の実情を調べてみましても、二十一才以上というところに基準が置かれているわけであります。そこで二十一才以上という基準を一つ設けました。それから事故を起した場合を調べてみますと、運転を始めてから三年未満の者のところに非常に多。そこで同じセダンならセダンにつきましても、三年以上の経験年数を持つ者でなければ、円タクや何かの運転ができないように、経験年数の要件を設けたわけであります。従って二十一才以上、三年以上の運転の経験がなければ、バスや円タクの運転は今後はできない、こういうふうにいたしたのであります。ただしこれを一挙にことしからでも実施いたしますと、いろいろ問題がありますので、現在運転免許証を持っております者については、これはそのまま認める。今後につきましても、一年あるいは二年というように経過的に所要の経験年数を低く下げまして、段階的に漸進的に実施するように取り計らってはおります。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 改正内容はわかりました。そうすると、若い者がやっぱり血気にはやっているし、バランスの上からは違反の事故を起す数も多いかもしれません。諸外国は二十一才になっているということです。そこで従来までの人たちは、たとえばタクシーの運転免状を持ってタクシーに乗っている。そうすると、十九才でも二十才でも就業できるわけですね。ところが今度は、バスの会社に十八才で入社し、そして運転手と車掌の関係でいつもいろいろ聞いて、運転手の免状を車掌の時代に下付されるわけです。そうすると、経験年数との関係上、なかなか運転手になれないわけです。車掌は車掌の仕事しかないのですから。運転手の経験年数はどこから判断して計算されるかという問題も出てくるんじゃなかろうかと思います。たとえば三年の経験の内容、あるいは一年、二年、三年の経験の内容をどう解釈するかという問題があるんじゃなかろうかと思うのです。車掌時代に免許証をもらっても試験を受けることができないのです。経験三年しなければ、あるいは一年しなければ、実際の仕事につくことができないならば、たとえば今度の改正でお客の乗ってないところのバスを運転することはできると書いてありますね、そうすると、車掌ですから、運転手が便所に行ったり何かしていないときに、車庫に帰る、あるところまでお客を乗せないで車を運行させる。年に数回こういうことをやっておれば、その時間が一年たてば、一年間の経験とみなされるのかどうか。そういうような経験がなかりせば運転手という職につけない。そのように一年、二年、三年の経験年数を必要とするならば、運転手にならざる限り、いつまでも経験は進行しないということになってしまう。そうすると、バス会社の車掌は運転手になるがためにわざわざ退職金等々を放棄して、よそに行って何とか経験を積まなければならない。非常に経験年数の問題で問題があるのじゃなかろうか。そうすると今度はそれから逆に来て、これから先の若い者には免状を与えないというようなことになるのじゃなかろうか。たとえば二十一才で免状を取った人でも、三年間経験が要るならば二十五才でなければ運転手ができないというようなわけで、なかなか就職の機会がないというように考えます。自動車運転手で身を立てようと目的を立てて、二十一才で免許を取ったのに二十五才でなければ就職ができない、というような問題があるのでしょうけれども、そういう問題をいかに解決されるお気持があるか。

山口喜雄警視長(警察庁警備部長)

○山口説明員 二点お答えいたします。第一点は、今までもバスにつきましては二十才以上で一年の要件がついております。それから円タクについては半年という要件がついております。従って今後も、十九才ではやはり今まで免状を持っておりました者も、円タクやバスは運転できません。やはり二十一才になることを要件といたします。年令の点はそういうわけですから、十九才で直ちにバスや円タクが運転できるというようにはなりません。  それからもう一点は、なるほどバスや円タクの運転免許を受ける経験年数を三年と定めておりますが、この経験年数というものは、必ずしもバスそのものあるいはいわゆる大型のセダンのようなものの運転の経験年数であることを要件とはいたしておらない。たとえば円タク等につきましては小型の運転の経験年数でよろしい、バスにつきましてはいわゆるバスでなくて、普通の自動車の経験年数があればよろしい、こういうようになっております。従って御指摘の点は、そういう意味におきまして経験年数の内容の幅を相当広く持っておりますから、その点はきちっとワクにはめて非常に窮屈になるという御心配はない、かように存じます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 そうすると、スピード違反の検挙、二重処罰の問題なんかでぎゅうぎゅうやられる。今度は運転手の免許の問題でまたやられる。これが二重になる。こういうように自動車の運転手などは今度の改正や何かそれから今後の問題について非常に怨嗟の声が高い。これははっきり言っておきます。全国で二重処罰反対の運動がある。しかし一方にはやはり事故の件数は縮小しなければならない。従って警察が事故防止のために非常に取り締られるということは承認しながらも、非常にぎゅうぎゅう——さっき言われたように自動車の運転手は宿命だというように言われたわけなんですけれども、そのように自動車の運転手は二重三重の問題について、ひしひしと身に痛感しているわけです。それがどんどん改正されていくというようなことについては今後より一層研究されて、あらためて私質問してみたいと思いますので、本日はこれで終ります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 川村君。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 大へん時間もたちましたのでごく簡単にお尋ねいたします。今まで各委員からいろいろありましたのに関連することにもなると思いますが、率直に御意見を聞かせておいていただきたい。  私といたしましてはこの点は十分御配慮願いたい、御注意願いたいということでお尋ねをするわけですが、先ほどから暴力団取締りの問題等いろいろ長時間にわたって御意見等があったわけでありますが、今回警察が全国的に暴力団取締りを実施されていることは、われわれとしても大へん敬意を表しております。ただ暴力団取締りに関係して一切の暴力行為というものを、おそらく取り締っていかれると思いますが、ただこれがこのまま強い指示でもってやられますと、末端では行き過ぎの状態が起るのではないかということを懸念するわけです。いなかあたりに参りますと、日常茶飯事にけんかをしたりする事態がたくさんあるわけです。そういう事態に対してどうも前よりも手きびしいという事例がありますが、そういう問題について、長官とされましては特別の配慮をするようにとか、あるいは注意をするようにという何か指示みたいなことを与えておられますか。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 取締りの行き過ぎのないようにしてもらいたいことは、私今日までしばしば機会あるごとに申し上げておるのであります。いわゆる捜査の行き過ぎのないように、捜査の適正化という言葉で私は現わしておりますが、これにつきましては、私今日まで機会あるごとに反復強調いたしております。捜査のあり方はどこまでも人権を尊重しつつ、真実の究明に努める、そして法令に違反するはっきりした証拠を把握してこれを処罰する、こういうことでなければならぬのであります。またその状況のいかんによっては、いわゆる情状を酌量しなければならぬ場合もあります。何でもかんでも厳重に取締りをすればもって終れりという態度であってはならないことは申すまでもないことであります。この点はしばしば機会あるごとに強調いたしておりますが、今後ともさらに重ねて注意を喚起するようにいたしたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 長官の今のお話でわれわれとしては意を強ういたしますが、そのようなお考えが末端によく浸透しておればいいのであります。私は国会閉会になりまして郷里に帰ったのでありますが、私のごく近隣にこういうことがあったわけです。ちょっと大ざっぱに例を申し上げますと、夏祭の夜二人の男がけんかした。一人の男はその日暮しのみじめな生活をしておる男なのです。一人の男は露天商を細々とやっておるというような男なのです。ところが子供を五人もかかえておる、ニコヨン生活をしておるようなおっさんですが、ちょうど祭でふるまい酒をもらって表に出ていった。たまたま露天商を開いておったのがおりましたので、ひやかすか何かちょっとしたことを言った。そこで露天商をやっておった男が何を言っておるかと言ったところが、何が何だということで、そこでなぐり合いをやった。少し取っ組み合いをやりましたので、けがをした。実際は顔をすりむいたというような程度なのです。そこでこれはごく近隣に住んでおります同士でありますし、一方の方は酒も飲んでおったのですから、事後けんかをしないように仲良くして、一生懸命働かなければならないというのが私たちの気持なのです。ところが警察の方で二人を検挙された。そして終夜とめ置かれていろいろと非常に手きびしい調査があった。相当大きな調書ができた。結局検察庁に送るというわけです。二人が、自分たちはこういうことでやったのだからかんべんしてもらいたい、三拝九拝して検察庁に送らぬでくれ、検察庁に送られると、結局何べんか呼び出されるだろう、家に残しておる子供が困るということで頼みましたけれども、なかなか納得してくれないというようなことがあったわけです。そこで私はそういうことに手をつけるのはいいかどうかわかりませんけれども、これを聞きまして、ごく近隣の者ですから、警察に参りまして、こういう事態があったならば警察当局として二人を呼んで、これからけんかするな、仲良くして一生懸命正業に精出すようにやらなければいかぬと善導していただくのが、この際あなた方のおとりになる唯一の方法ではないか、それを検察庁に送る、検察庁で罰金になるかどうか勝負がきまるのだ、そういうことでやられることはちょっと私には納得できないところがある。もちろんけんかしたのだから、当然警察としてやれるだろうけれども、そこまで行かないで、ここで二人の反省を求めて善導されるということがいいことではないか、できたらそういうふうに考えてやって下さいと私からも言っておきましたが、とにかくそこに至るまでなかなかきびしいんですね。今警察は暴力は徹底的に取り締るということでやってきていますから、ちょっとやそっとで見のがすわけにはいかないということなんです。これには私もちょっと驚いたのです。今私が申し述べたくらいの事件で警察が検察庁に送ることなく善導していただくのがいいのか、あるいは警察はその場合にあくまでも一つの暴力事件として検察庁に送られるのがいいのか、私はそこまでやらなくてもいいと思うのですが、長官のお考えはどうですか。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 私どもが現在取り組んでおります暴力団取締りは、その名の示すごとく組織を背景として、組織を持って暴力を常習的に行う者を最も重点としてねらっているわけです。しかしそうしたはっきりした組織がなくとも、何となく一連の関連を持っているというか、同士的なグループであるというような場合もありましょう。昔かられっきとした何々一家といった者だけがいゆわる暴力団の範疇に入るというように狭く解してはおりませんが、そういう意味でとにかくあるグループ組織、力を背景として暴力を常習的に行うというような者を、まず何といっても主たる対象として取締りを厳重にやっていきたいというように考えておるのでありましてただいまお話のありました事例のような過去においても全くそうした間違いを起したこともなし、たまたまお祭の酒の上で、わずかのことからいさかいを生じてお互いになぐり合ったという程度であるならば、お話のように今後十分戒めるということで、目的は十分達せられるものと私も考えます。従いまして、今おあげになりました例がお話の通りでありますならば、私もそう考えるのでございますが、あるいは警察には何か特殊の事情があったかどうか、その辺のところは調べてみませんとわかりませんが、そのような場合の事例は今後においてもままあろうかと思いますが、その場合にとるべき警察の態度といたしまして行き過ぎのないように、要するに問題は関係者をして将来間違いを起さしめないようにすることが目的でございますので、将来をたしなめて説諭することによって目的が達成されるような状況でありますれば、そういう措置をとることが適当であろうと考えます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 今の問題にいたしましても、数日いたしましてから二人の和解書を持ってこいというようなことで和解書をとられたそうですが、おそらくそのまま将来を戒めてもらったものだと私は思っております。  もう一つの例は、戦争未亡人の方が四人の子供をかかえて生業をやっておられる。働き手がおりませんから若い二十になる青年が奉公に来ているわけです。一生懸命働いておりまして、そのお母さんも非常にお気に入りで子供のようにかわいがられて商売をしていた。ところがそこの年とったおじいさんがなかなかがんこなおじいさんで、毎日々々その若い青年の奉公人を口ぎたなくののしったり、しかりつけるのでありまして、それが長い期間のものが爆発して、あるときおじいさんがしかったときに、作業をしておった何か金具を投げた、それがおじいさんに当ったわけではないが、しかられた際に投げた。そうしておじいさんに手を出して何かおじいさんをたたいた。おじいさんが警察に持ってきた。おじいさんが、おれのうちの奉公人はおれをたたいたと言って、警察へ持っていった。これも付近では大騒ぎになった。さきにだんだん話がありましたように、警察となりますと、いなかの小さい町や村では大問題になるわけであります。警察に呼ばれたということで大きな問題になったわけでありますが、その場合でもいろいろ取り調べて、いわゆる検察庁に調書を送るという段階までいったわけですね。そこで私がおじいさんに聞くと、それはこうこうした事情だ。そんな家庭内のちょっとしたことをあなたが大体警察に持っていくということが行き過ぎじゃないか、あなた行って断わってきなさいと、おじいさんをやりまして、そうして警察の方でよく話してもらってそれは悪いと、警察の方も了解してもらった。そうして検察庁に調書が送られることはとどまったわけですがね。その場合でもいろいろその調書をとって検察庁に送るぞ、そこでお前の罪は決定をするというような出方をされるということが、私としては大へんまずいのじゃないか。そのときにはやはりよく事情を取り調べられて、警察がおじいさんの方をなだめて、そんな家庭がこわされないように指導してもらう、善導してもらうということも警察の一つの任務じゃないかとつくづく考えたわけです。そこでさっき五島君から傷害の事件問題等が出ておりましたが、長官が何も検挙第一主義じゃない、こういって大へん嬉しい言葉を聞いたわけですが、ややともすると地方に参りますと私が今お話しておりますような、ちょっとしたそういうささいな事件でも非常に手きびしい。そうしてそれが調書となって送られる。いわゆる検挙々々というような出方をされる節がある。どうも何か点数でもかせいでおられるのじゃないかと思われる節があるわけです。この際冷静に警察官として考えていただいたら、ほんとうに人の家庭をこわしたりすることなく、あるいはちょっとしたけんかを仲直りをさせるというようなことで善導してもらう機会がたくさんあるのに、そこまで考えてもらえぬで、法律にこだわっておられるというのかしらぬ、検挙数を上げるということが先になっておるのかもしれぬ、そういうような節々が非常にあるわけです。首脳部の方々はそういう末端のことをよく御存じないかもしれませんけれども、そういう事態がおそらく数限りなくあるはずです。そこで私はさっき長官の御見解も聞いて、こういう点については特に御注意を願いたいものだと思ってお尋ねしたわけなんですが、御説のように今度警察のやっておられますのは暴力団ということで、組織で社会の秩序を乱しておるというものについてやっておられますけれども、結局それらが暴力行為、ちょっとしたけんかということまでやはり取り締らなければならぬということになると、うっかりすると末端ではそれを大きく受け取って行き過ぎが出てくるのじゃないか、こういうことを考えるのです。その点につきましては、さっき長官のお気持がわかりましたから、やはりこの際あらゆる警察官の教育機関とかあるいは一般行政機関等を通じて、そのようなことがありませんように、特に国家警察となりましたら、やはり何かしらぬ昔のような一般の世人に親しみの薄らいでいく感じがまた盛り上ってきつつあるのじゃないかというふうに思われるところもありまして、問題が残りますので、その点は一つぜひともお願い申し上げておきたい。  それからもう一つの問題は、選挙等の違反なんかの捜査に関係するわけですが、小学校や中学校の生徒児童についての取り調べ、そういうことについて何か一定方針を持って臨んでおられますかしら、その点をお聞かせ願いたい。個人々々の生徒を対象にするということばかりでなく、学校あたりへ立ち入って調べるという場合には、どういうふうな注意が必要であるなどというようなことを、警察の方では指示か何かしておりますか。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川説明員 犯罪、ことに御質問は公職選挙法違反事件のことでございますが、公職選挙法違反の事実を証明しているという点では、大へん苦心するわけでございますが、教育関係者、ことにいろいろそういうことについてたとえば教育者の地位利用の罪あるいは教育者の戸別訪問の罪、こういった事案が各地にありますが、真実を発見するためにやむを得ず学校生徒について事情を聞かなければならぬ、こういう場合が確かにございます。そのときにつきましては学校生徒に与える影響を考えまして、できるだけ学校生徒の心理を考えながらよく調べる、こういう立場をとっておるのでございますが、教育者の地位利用の罪とか教育者に関係する罪とかにつきましては、どうしても学校の生徒等において事情を聞かなければならぬ、こういう場合がございますので、ことに少年に与える影響も十分考慮いたしまして、なるべく多数の面前でわからぬようにする。それで教育者の生徒の家へ行って事情を聞く、場合によっては父兄とかと一緒に事情を聞く、こういうことに工夫いたしておるのでありますが、状況等によって、あるいは父兄との場合には、共犯関係等がある場合におきましては単独で聞くということもあろうかと思いますが、なるべく学校の生徒が多数の面前で警察に調べられるという印象を与えないように工夫するという点は、各地に徹底して参っております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 今度の七月にございました参議院選挙で、公安委員長であられる大麻国務大臣が長官としておられるというようなことで、手柄を立てたいという意味ではなかったでありましょうけれども、熊本県では終盤戦から社会党の候補者に対する問題が毎日、新聞に疑惑の点が出てきた。だれだれが戸別訪問の疑いで逮捕された、だれだれが名刺を配った疑いで逮捕された、これが連日出てきて、県民の人でも、社会党ばかりつかまえぬでもいいだろうというような印象さえ口ばしることがあったわけです。それは今検察庁でずっと事後処理いたしておりますから黒白が明らかになると思いますが、私が今お尋ねしたいと思っておりますことは、郵便局関係で貯蓄奨励ということから、前々から奨励のために鉛筆か何かを配っておるそうです。ところがたまたまそれが選挙前に配ったのか、選挙中に配ったのか、はっきり私は聞いておりませんが、そのことで警察のいわゆる駐在所の警官が学校に行きまして生徒を呼び出して、そこでもらったか、何本もらったかということを調べておりますね。当然調べなければならない問題ではありましょうが、警察官が学校に行って、しかも先生には無断でその生徒を呼び出して調べるということは、ちょっとそのまま合点がいかないことじゃないか。学校に行って生徒を調べる必要があったら、やはり先生に断わって、かくかくのことであの子供をちょっと調べさしてくれというように断わるか、あるいは生徒が自宅に帰った場合に父兄の了解を得て生徒からその事情を聞くとかいうようなことがとらるべき方法ではないかと思うのに、学校に行って学校の職員もおるのに生徒を廊下に呼び出して、その実際を調べたということがありまして、熊本の県議会でも実は大きな問題になったのですが、こういう点について何か選挙関係の場合にいろいろ指示なりあるいは注意なりがあっておるのか。あるいは私が今申し上げたことが、そのままそっくりであれば、それは一体いいのか悪いのか、その辺の見解はどうでございましょう。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 今御指摘になりました熊本県にいける具体的な事案がどういう状況であったものか、私ただいま初めて伺ったことで承知をいたしておりませんので、はっきりそのことについて見解を申し上げることはできませんが、通常の場合の態度につきましては、先ほど刑事部長がお答えした通りでありまして、小学校の児童を参考人として事情を聞かなければならぬ場合には、それは自宅で父兄の立ち会いのもとでやる。少くとも学校でやるような場合には、大ぜいの他の児童の目に触れるようなところを避けて、しかも校長その他教員の了解を得て、しかるべき場所で聞くとかいうような配慮がなければならぬと思います。ただ例外としてそういうやり方をしたのでは通謀されるようなおそれがある、あるいは急を要するというようなことで、例外的なやり方をとるということがあるいはあるかとも思います。今申し上げますのは、すべて熊本の場合にそうだとは言わないのでありまして先ほどお答えした通り、熊本に起りました事例がどういう状況にあったかということを私存じておりませんので、熊本県の警察のとりました措置が適当であるかどうかということについては、なお十分実情を確かめまして、もしわれわれが日ごろ指導教養しておる方針に背馳するような点がありますならば、今後は十分改めさせるようにいたしたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 ぜひ長官のお考え通りに一つ御指導願いたいと思いますが、今の場合でも子供を、やはりそれは時によっては調べていただかなければならぬと思いますが、そういう場合にはやはり自宅では父兄の了承を得得るとか、あるいは学校では先生の了解を得てほかの児童に影響を及ぼさない場所等を考慮されて、そして調べるというような配慮が必要だと私も思うわけです。問題はそういうことを第一のきっかけにして、そして今度はほかの子供が調べられる。そうしてそこの部落ほとんど数十人というものが、大人も全部調べられたというようなえらい大がかりなことになったようでありますが、これらのこともやはり実際そういうのを、お母さんからお父さんまで調べ上げる。警察に呼び出すだけの問題であるかということも問題として残るわけです。そういうこともありましたので、先の問題と同様に長官とされましてはだんだんお聞きいたしました通りに、非常にりっぱな御方針のもとに指導しておられるようでございますけれども、末端に参りますと、往々にしてそういうようなことにもなりかねない事態が起って参りますから、十分その点は御配慮おきを願いたいということをお願い申し上げておきます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十四分散会

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