地方行政委員会 第43号
- 発言数
- 198 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/04/27
会議録
○大矢委員長 これより会議を開きます。 本日は、地方自治法の一部を改正する法律案及び同整理法案について、参考人より意見を聴取することといたします。 本日御出席の参考人は、ただいま委員各位のお手元に配付いたしました名簿の通りでございます。午後の分は、松崎権四郎君は都合により小暮藤三郎君に変更になりましたので、訂正いたします。小暮参考人は、神奈川県選挙管理委員長でございます。 では参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ各位には本委員会のために御出席下さいましたことに対し、委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。各位には、それぞれ地方自治行政の実際の体験者であり、地方自治のあり方について率直な御意見をお伺いしたいと存じます。各位の発言時間は、時間の都合もありまするので、大体十五分ないし二十分程度にお願いして、あとは委員各位の質問にお答え願うことにいたしたいと存じます。 それでは順次御意見を承わることといたします。配付いたしました順序を変更しまして、四宮参考人。
○四宮参考人 きょうは、地方自治法の一部を改正する法律案に対して、私ども全国都道府県議会議長会の意見を述べる機会をお与え下さいまして、まことに感謝にたえない次第であります。つつしんで御礼を申し上げます。 きょう私が述べますことは、全国都道府県議会議長会の代表者という立場において、今次国会に政府から提出になっておりまする地方自治法の一部を改正する法律案について意見を申し述べたいと思うのでございます。 地方自治法の改正法案は、昨年第二十二特別国会にも政府より提案されたのでありますが、当時の改正内容は、あまりにも地方議会の権限を縮小し、議会政治の後退をも思わしめるものがありましたので、本会及び友誼団体におきましては、あくまで地方自治を擁護する大局的見地より、この改正法案に絶対反対の意思を表明したのであります。幸いにして、当時国会特に地方行政委員各位の深い御理解と御協力によりまして、右改正案は遂に審議未了、廃案となったのでございます。 しかしながら本会といたしましては、その直後声明書を発表いたしました通り、真に地方自治を尊重し、その行政を簡素合理化して能率的運営を企図する本法の改正については、あえてやみくも的に反対するものではなく、将来このような意味における改正には進んで協力するものであり、かかる場合、政府はその立案に当って地方側と十分連絡協調して、双方納得する線を打ち出すべきである旨を公表したような次第であります。 今回政府によって提案されました改正法案は、大体以上のような本会側の要望をも取り入れて下さいまして、実に熱心にわれわれとの間に意見の交換をしていただきましたことは——ちょうど私は欧米外遊中でありましたので、そり留守にいろいろ情報を聞きまして、非常に自治庁並びに関係方面が御親切にいろいろとこの問題に対して主張して下さったということに対しては、非常に感謝をしておる次第であります。従ってこの政府の法案作成までの過程において、いろいろな意見の交換を行いましたことは、全国都道府県議会議長会としても非常に敬意を払っておりますが、法案はこの趣旨によって立案されたのであります。 このような結果から見て、まず法案全体に対する結論的な意見を申し上げますと、一部を除いてはこれに賛意を表するものであります。ただ隴を得て蜀を望むというおしかりを受けるかもしれませんが、本会側が今まで主張しておりました部面が、まだ全面的に入れられないので、この点については、会長として私から一つ皆さんに特にお願いを申し上げてくれという趣旨でございますので、この問題について一言申し上げておきたいと思います。 以下修正を要望する事項のおもなるものを申し上げてみますと、第一は、改正法案第二条第四項ないし第六項におきます都道府県と市町村の地位権能を分けて、その処理する事務を法定しようとする改正についてでありますが、これについては、このような改正は今日これをなすべきでないとするものであります。 この理由といたしましては、現在都道府県と市町村はともに完全自治体として存立し、相互に協力しつつそれぞれの事務を分担執行しておるのでありまして、改正案のように、しいてこの両者を法律で性格づけたり、その事務を区分する何らの積極的理由がなく、何ゆえにこのような改正を行わんとするかの真意を疑わざるを得ないのであります。特に市町村は、都道府県の行う事務の中でも、その規模能力に応じてはこれを行うことができる旨を規定しようとしているのでありまして、こういうことを法律で定めることは、現在都道府県と市町村が円満協調してそれぞれ分担処理している事務を、ことさらに分離し、あるいはまた何かこの両者の対抗意識を助長するかのような感じを抱かせ、その結果は、両者間に、事務処理区分を通じ、いたずらな紛争を引き起す原因ともなりかねないと思うのであります。 また特にわれわれとして申し上げたいことは、以上のように、この改正は何ら積極的理由のないばかりでなく、さらに都道府県の処理する事務は、あたかも国の出先機関的な事務のみを掲げ、そこに都道府県が完全自治体として自治本来の事務を処理することから後退せしめる危険が多分にあるということであります。 本条の改正については、大体以上の理由をもってその改正はなすべきでないとするものであり、しいて改正の必要がありとすれば、まず地方制度調査会の第一次答申にあるよう、まずもって国の出先機関の統廃合や、国、地方を通ずる事務の適正配分のような根本的事項と並行して考えらるべきであり、しかも現在地方制度調査会が地方制度の根本的改革問題について検討を行なって、いまだその結論の出ていない今日、なおさらこの改正に賛成できないのであります。 次に、百九条の常任委員会の改正についてであります。今回の改正案によりますと、地方議会におきます常任委員会は、都を除いては、人口段階に応じて設置の数を法定しようとしております。元来地方議会における常任委員会の設置数のごときは、法律において画一的にすべきものではなく、各その議会の実情に応じて自主的に考慮すべきものと思うのでありますが、一面全国的に規制する意味において一応人口段階別に定めることもやむを得ないのではないかと考えるのであります。しかしながら今次の改正案によりますと、都道府県の常任委員会数を人口二百五十万以上に八、百万以上に六、百万未満に四と法定しようとしておるのでありますが、この人口区分による委員会の数を昨年五月現在における全国の実情に比較してみますと、平均において四割の減少となるのであります。今日の都道府県の常任委員会は各府県の行政と議会運営の実情に沿うて設置し、運営しておるのでありまして、この改正のように、一挙にこれを四割減少はあまり実情を無視するものであって、結果において円滑なる議会運営を阻害するおそれがあるのであります。 この点に関しまして、本会はその修正として、人口三段階別の区分を二段階とし、人口百五十万を境として、その上にあるところは八以内、それより下のところは六以内とするよう要望するものであります。要は、常任委員会の数は、一定標準を法定し、この標準以内において議会の自主的判断によるよう若干の幅を持たせることの修正要望であります。なおこの修正と現状を比較いたしますと、全国平均においては約二割七分の減少となるものであり、議会の能率的運営を期し得るものと存ずる次第であります。 これはただ、特に皆さんに例をもって申し上げますならば、かりに京都府のようなところは、御承知の通り、現在二百五十万にならないので、六ということになります。そうして市の方では、百万以上になりますから、八ということになります。そうすると、事務的な実際面にも、その管轄範囲においても府の方が広いのであります。こういう点から考えて、府が六で市が八というような矛盾が現在起っております。しかも全国では、もう京都と言えば三府四十三県と昔から言っているように、日本ではただ二つしかないその府においてこれが六になり、市が八になるというような状況は、全国都道府県議会にもこういう問題が大きく取り上げられておるのでございます。どうか一つこの点に対しての特段の御配慮をいただきたいと思うのでありますが、そういう意味から私が今申したような趣旨に相なるのであります。 次に、改正案第二百四条の二の給与に関する規定についてであります。この規定によりまして、地方公共団体は職員に対し、いかなる給与その他の給付も法律またはこれに基く条例によらなければ、支給できないと規定しようとしているのであります。もとより本会といたしましても、この趣旨の規定については原則的にはあえて反対するものではないのでありますが、条文中「法律又はこれに基く条例」とあるところの「これに基く」の字句は削除すべきであると考えるのであります。すなわち地方公共団体におきます給与または給付の支給は、法律に基くものは当然であります。しかもその給与また給付の中には、それぞれその団体の実情により異なるものがありますので、これは必ずしも法律に基かなくとも、当該地方公共団体の議会の議決を経て、一般に公布する条例で定めることをもって足れりと信ずるのであります。改正案はこれを画一的に法定しようというのでありますが、あまりにも地方自治体の自主性を拘束するものであるという点から、ぜひとも以上のように「これに基く」という文字を消していただきたいというのでございます。 以上申し上げましたほかに、本会として改正案に対してなお修正を要望しております事項につきましては、さきに皆さんのお手元に御送付を申し上げておきましたので、どうかその文書をごらんの上、それぞれその理由等をごらん願って、十分御審議をお願い申し上げたいと思います。 きょうは以上をもって私の意見といたしまするが、この機会に皆さん地方行政委員会がわれわれ地方議会の上に大へん何かと深い御理解と御協力を下さいまして、今日われわれ地方議会といたしまして非常に感謝をいたしておりますので、皆さんに対して厚く敬意を表するとともに、どうか要望の趣旨も十分御参酌下さいまして、この法案が一日も早く成立できますように、一つお願いを申し上げたいと思います。 簡単でございますが、これで終ります。(拍手)
○大矢委員長 四宮参考人は非常にお忙しいそうですから、四宮参考人に対する質疑な簡単に願います。中井君。
○中井委員 一点だけお尋ねいたします。さっき御説明の中の給付関係で、「法律又はこれに基く」という文句の「これに基く」というのをとれとおっしゃいましたが、これは具体的に言いますと、どういうことになりましょうか。
○四宮参考人 それは要するに、「基く」というのでなく、法律によるものまたは条例を自主的にきめるというある程度の権限を地方自治体におまかせ願って、その実情に応じてきめられるような機会をお願いしたい、こういうわけであります。
○中井委員 最近話題になっております東京都内のある区で、退職金条例かなんかで非常に問題になりましたが、やはりああいうことがあるものだから、政府としてはこんな考え方をいたしたのではないか、私どもは政府案に対してそういうふうな解釈をしているのでありますが、実は二、三日前の委員会におきましても、私の持論といたしましては、全国何千とある自治体の中で一つや二つ非常に行き過ぎをしたことがあるために、あとの何千の自治体の自主的な、健全な判断まで法でもって押えてしまうということは、非常に行き過ぎではないかというような意見も言うたのであります。しかしながらまた一方ああいう事件が起りますると、それは理屈であるが、現実はやはりここまでやっておかないと、現在の地方団体の、特に議会あたりにおいてはとかく行き過ぎがあるので、事例かくかくのごとしとこう言われますと、私どもはちょっと実は判断に迷います。そこでこの点ですが、ちょうどうしろにおりますが、小林君どうですか、今のあなた方の改正案によれば、たとえば議会の議員の退職金なんというものは、一応出せないというふうなことになってくるのでしょうか、この基く条例というのはどういう解釈ですか。
○小林(與)政府委員 今の議員の退職金は、この原案によりますと出せなくなると思います。退職金の問題はいろいろ議論がありまして、国会法にも退職金に関する規定がございますが、別に今法律に定まっておりません。それでわれわれといたしましては、やはり国の制度に準じた方がいいのであって、制度をおきめになれば、もちろんそれに伴いまして自治法に書きますが、国で出さないものは地方でも出さないでおいた方がいいのではないか。実際の給与の額その他は、もちろん自主的に団体の実情に応じておきめ願った方がよかろう、こういうような考えであります。
○中井委員 一応そういうことはわからないわけではないので、私ども社会党としては党議をきめますときに、まだ決定はいたしておりませんのでお伺いするのでありますが、政府のその気持がわからぬわけではないのだが、そういう行き過ぎた団体もたくさんありましょうが、中には議会の報酬といいますか、手当といいますか、歳費といいますか、そのようなものについては、やはり昔同様名誉職的な考え方によって、非常に平生は少い。しかし任期がくれば記念品として鉄びんの一つもあげるとかいうようなことが、これまた事実非常に行われておるし、それは日本のこれまでの慣習から考えても行き過ぎではないというふうな面も私は考えねばならぬと思うのです。そこでそういう記念品とかいうような名目であればいいのであるかどうか。その辺のところについて、もう少しやわらかい解釈ができるものであるかどうか。金ではいかぬが、品物ならどうだとか、これは非常にデリケートなことでありますが、今の政府としての解釈を、ちょうど四宮さんもお見えですから一つお聞かせいただければ、私どもの審議にも非常にこれは参考になりますので、その辺のところはどうでしょうか。
○小林(與)政府委員 退職金の問題になりますと、これはいろいろ議論はあると思います。しかしこれは常識的にいろいろな行事があったり、その他何かのときに記念品を贈ったりするということはあり得るわけでありまして、これは常識的に許されるか、許されぬかという問題でございまして、これは一般の常識で判断をしていいのじゃないかと思います。それに現金に全く肩がわりするような特殊なものをやるということになれば、これは当然にいわば脱法という問題が起ると思いますが、そうでないものは常識的な判断で、普通の世間づき合いと申しますか、そういうもので考えていい問題はあり得ると思うのでございます。
○中井委員 あなたは常識と言われるが、その常識を逸脱するからこのようなものを出さねばならぬようになったのじゃありませんでしょうか。そこで今のあなた方の気持はわかりますが、いよいよこれがそれじゃ施行されるということになると、そういうことについてやはり自治庁としてはある一定の基準というわけじゃないが、そういった法の解釈といいますか、そういうものを、この法令がもし通るということになれば、同時に何らか解釈的なものを流されるお考えがあるかどうか。今の回答が常識的なものならいいというのは、ちょっとどうも私は自治庁がお出しになる標準、あるいは国会の答弁としては、はっきり言いますと、まだそれだけでは抜け道が幾らでもできる、そういうふうに考えるのでありますが、この点はどうですか。もう少し基準的なものをお示しになる考えがあるかどうか、それをちょっと伺っておきます。
○小林(與)政府委員 今度の改正の基本は要するに給与というものを、種類だけは国に準じようというのが基本の精神でございます。それでありますから、給与とみなされるべきようなものがほかの形で行われるならば、これは私はやはりできない。しかしながら、そうでなしに常識的に何かいろいろな行事のときに記念品をやったって、それは給付じゃないかという議論があり得るとすれば、これは世間の常識でそういうものが何人も非とせずに、怪しまれずに行われている程度のものは、普通のものとしてこれは考えてよかろう、そういうふうに考えております。そこでこの条文の解釈問題になってきていろいろ疑義があるとすれば、そういうものにつきましてのこちらとしての立案の趣旨、精神だけは明らかにするようにいたしたいというふうに考えております。
○大矢委員長 参考人に対して一つ質疑をして下さい。
○中井委員 今政府が答弁なさいましたような程度らしゅうございますが、それでもやはり四宮さんとされましては、もう少し自主的な判断をさしてもらいたい。基くという字をとって条例できめていきたい、こういうお考えですか。
○四宮参考人 私どもでいつも墨田の例が取り上げられて非常に話になりまするが、これは中にはああいう問題が起るでありましょうが、しかしながら今もお話しのように、もし退職金という名前で支給をすることがいけないというなら、これをまた禁ずることもいいが、すべてこれで自主的に条例でなるべく法定して退職金はいかぬ、あるいは退職金またはその記念品に類するようなものを支給することがいかぬというなら、それはまた私どもの方はあえて異論は申しませんが、その他のいかなる問題でも縛られることのないように、なるべく自主的に諸般の情勢をおいて、できる範囲のものはやらしていただきたい。それはほかでもありませんが、かりに国会で給与を値上げしたことがございます。東京都議会はやはりそれの給与の値上げに応ずるか、国会が上げたから応ずるかどうかという論議があったときにも、今の時局ならなるべくそのままにした方がよかろうということで、その給与も値上げせずにいるという実情もあるのであります。決して自主的だからというて国会で上げたからといってわれわれもやらなければならぬというような建前にとらわれずに、国会が上げたからといって東京都の今の諸般の事情からこれは適当でないという論が出れば、それはやはり私はそれに準じて地方の自治の基本的な線に立って、できるだけ自治の範囲を広げてもらいたい。もし給与がああいう墨田の例によっていかぬということがあれば、これは最後の退職金の、名目の何たるとを問わず退職金に類するものの給与はいかぬということにこれを限定されても、これは決してどうこうというわけではありません。ただその他の全体に関する限り、自主的にこれを何とかお願いができることなら御配慮願いたいということであります。
○亀山委員 私は四宮参考人にちょっと一点お伺いしたいのですが、先ほどの第二条の改正の問題についていろいろ御意見がありましたが、結局は都道府県の権限を強化するというか、これによって市町村を監督するようなにおいのするような趣旨の御説明があったのですが、どうも伺うところによると、その裏には知事官選のにおいがするから、これに反対をするというような空気があるやに伺うのですが、そういう趣旨で知事官選のにおいがあるからこれに対して異論をおっしゃるのか、この改正案自体は異論はないけれども、今の点だけでやや反対をされるのか、その点御明確に願いたい。
○四宮参考人 知事官選云々という問題はお互いに主観的の見方だけでございます。官選の見込みがあるといえばそうかなというし、そんなことはないというたら、それはいかにも官選の見込みがないのだということになります。しかし現段階のこの自治法改正は、少くとも民主的にわれわれの議会の意思を十分に話し合って、そしてわれわれの立場も十分感得されてこの議案が作られており、各地方行政委員諸君もあらゆる角度から私らの立場を御支援いただいているので、現在の段階ではこの案に対して、さような考え方は持っておりません、御了承願いたいと思います。
○亀山委員 次にもう一点お伺いしたいと思いますが、先ほど常任委員会の数の問題で、人口百五十万で切る。例証に京都市と京都府のことをおあげになりました。その理由で今のようなことをおっしゃるのか、それとも全般的に人口百五十万で切るのがいいという趣旨か、京都府だけの救済の意味か、お答え願いたい。
○四宮参考人 それは京都府だけというのでなく、私は一つの事例を引いたのです。こういう不均衡な問題も起きてくる。今までの極端に少くされるということも、今言う四割も一ぺんに区切ってしまう。これではちょっとひど過ぎるじゃないか。二割七、八分でとめてくれたらということがねらいでございますから、どうか一つ御了承下さい。
○大矢委員長 私から関連して——委員会の問題ですが、今度の改正によると、各議員は委員会は一つでなければならぬということと、任期中初めからおしまいまで委員会は一つだけしか関係できないということを規定づけておる。これは実際問題として議員は困りはせぬかと思うのです。この点について特に議長として経験があられる四宮さんにお伺いします。
○四宮参考人 委員会を一人が途中でかわれないというのですか。
○大矢委員長 一箇ということになっておりますが……。
○四宮参考人 それは私の方の解釈とちょっと違うのですが、一箇であっても、途中で他の委員会にかわることはできるのです。私はそういう解釈に立っておる。今条例で私の方は委員会は一年ときまっておる。従って他の委員会にかわることができないということになると、これまた大へんな問題が起ってくるので、委員会は一年でも、とにかく一つの委員会を担当することができるという意味に解釈しておるので、改正法はそういうふうな趣旨であろうと思います。
○大矢委員長 やはり都のことを申し上げると、都には十二委員会があっても、議員がその任期中かわることができるという条例があればだけれども、一つということを限られておる。だから十二も委員会があって、教育をやりたい、土木もやりたいというときに一つしか入れない、そういうことの不便があるのじゃないか、そういうことでいいのか、不便がないかどうか。
○四宮参考人 それは今までの制度で置いてくれればいいのですが、政府並びに政党方面の御意見も聞き、この常任委員会の空気も察知いたしまして、私もできるだけこの御趣旨に沿ってやってみたい、そして改正したらなるべく実情に沿って努力してみたいと思いますが、いずれこの経験によってはなはだしい不便があるとするならば、将来常任委員会の方に御了解を得て改正するが、一応折衝段階ではこの程度で一つやってみたい、こういう考え方でございます。御了承願います。
○大矢委員長 他に御質疑はございませんか。——どうも御苦労さんでごさいました。 それでは次に全国知事会代表友末洋治君。
○友末参考人 今回、政府が国会に提出いたしました地方自治法の一部を改正する法律案及び同法施行に伴う関係法律の整理に関する法律案に対しまして、都道府県の執行機関である知事としての立場から意見を申し述べます。 結論から先に申し上げますと、本法案はもとより地方自治の根本的改革に資するものではないのでありますが、過去の経緯もあり、また地方自治の実情にかんがみ少くともその進展に若干寄与する点もあるものと認められますので、ひとまずこれを成立せしめ、不十分の点は実際の運営と今後の改革とによってこれを補正することが妥当ではないかと存じます。すなわち、本法案の立案に当っては政府が、第二十二国会において論議の末審議未了となったさきの法案につきまして、率直に各方面の意見を参酌して再検討の上修正を加えられておりますること、また第一次地方制度調査会の、とりあえず当面とるべき措置に関する答申の線におおむね沿うておるものと認められますこと、さらに、全国知事会が地方自治の運営上急速に改善すべきものとして多年強く要望して参りましたところの、地方行政の総合性確保のため、知事に各種委員会または委員の事務局またはその管理に属する機関に対する調整的機能を付与いたしますこと、国、都道府県の公務員並びに義務教育職員の間における人事の円滑なる交流をはかるための恩給等の支給の基礎となる在職期間の通算措置等の事項が取り入れられ、実質的に地方自治の進展に役立つ面もありますこと等の関係もあり、従来の行きがかりにこの際一応の終止符を打つことが諸般の情勢上適当であるかと考えるからであります。 しかしながら、これを個々の条項につきしさいに検討いたしますると、地方自治の実情とその本旨の実現に顧み、不適当ではないか、また再考を要すと認められるものもありますので、以下その主要な点につき若干意見を申し上げたいと存じます。 まず第一に、都道府県及び市町村は、その事務を処理するに当りましては、相互に競合しないようにしなければならない旨の規定が新たに加えられておりますが、両者の間における事務競合によって支障を生じた事例はほとんどなく、また将来頻発することも事実上考えられないので、今日新たに明文化する何らの積極的な理由が見出せないのであります。しかして、かかる規定をしいて明文化する以上、競合が生じた場合における調整の方法についても定めるべきが至当なのでありますが、その調整の適当な方法は理論上考えられません。従って事務競合の調整は両者の事実上の話し合いにゆだねる以外に道はないのでありますから、本条項は理論上も実際上も明文化する必要を認めないのであります。 次に第二に都道府県の局部に関する規定についての改正に関して申し上げたいと存じます。都道府県の機構につきましては、もとよりできるだけ縮小すべきことは言うまでもないことでありまして、各都道府県といたしましては、中央の指示を待つまでもなく、常にその簡素、合理化について努力いたしておるのでありますが、従来、これがややもすると、中央各省の不当、執拗な干渉によって複雑化され、簡素化を阻害されたうらみがあります。よってまず政府みずからがこれら地方に対する干渉を絶無ならしめることが最重要問題であり、これさえ完全に実行されれば、現行法のもとにおいても、都道府県の機構の簡素化は地方の実情に即応するよう円滑に進捗するものと考えます。しかるに、都道府県の局部の数を法定し、それを越えて置こうとする場合には、あらかじめ内閣総理大臣に協議しなければならないことにしようとしておるのでありますが、これはまさに地方自治への不当な干渉とも考えられ、不適当な措置であります。従って、都道府県の局部の数は、現行法通り標準数を規定することが適当であり、かつそれで十分であると考えます。 第三に特別市制度の廃止と、大都市に関する特例の新設について申し上げます。地方自治法に特別市の制度を設けておりますために、大都市とその所在府県との間に従来激烈な抗争が行われてきたことは争えない事実であると思うのであります。従って、このような激烈な抗争の原因をなしておる特別市制度の規定を温存しておくことは、大都市と所在府県との抗争をいたずらに将来にわたって激化させ、地方自治の円滑な運営を著しく妨げるものでありますので、ひとまずその禍根を絶つ意味におきまして、今回の改正案においてこの規定を削除しておりますことは、きわめて適切な措置であると考えます。しかしながら、地方自治法中に大都市に関する特例として新たに一章までを設けて、これを特別に取り扱わんとしておりますことに対しましては、いささか疑問があるのであります。もし必要があれば、その事務に関係のあるそれぞれの法律の中において、大都市の能力に応じて事務を移譲することがより適切ではないかと考えておるのであります。 さらにこの事務の移譲の具体的内容につきまして、本改正案では、すべてこれを政令に委任しておりますが、いやしくも広域的、統一的または連絡調整的事務等その事務の性格上都道府県が当然処理すべき事務は、大都市に対しても移譲すべきではないのでありまして、この点については政令の制定に当ってあくまでも慎重を期し、誤まりなきように措置すべきであると考えます。 なお本法案と密接な関連を持っております地方公務員法の一部を改正する法律案につきましては、いずれ当委員会において審議されることと存じますが、本改正案は、かねてから全国知事会が強く要望しておりました停年制及び臨時待命制度等を規定いたしておりますので、これが早急に成立実施せられますことを期待いたします。 以上をもちまして、私の地方自治法の一部を改正する法律案及び同法施行に伴う関係法律の整理に関する法律案に対する公述を終ります。(拍手)
○大矢委員長 それでは参考人に対する質疑がありますればこれを許します。ございませんか。
○五島委員 一点、お尋ねしたいと思います。局部の問題について述べられたのでありますが、その公述の中に、局部は今度法律によって法定数をきめておられる、こういうことは自由に反するのじゃないか。従って各地方団体にこれをまかしておいた方がいいんだ。そしてこれらは、もうすでに各地方団体がそれぞれ行なっていることなんだというような説明がある。そしてこれを法定化するということは、今まで中央がいたずらな干渉をやっておった事実があるというように抽象的に述べられておるわけです。それで、これを排除し、地方自治体の自由の意味においてこれをまかせた方がいいということについては、私も同感を感ずるわけです。ところが、「これがややもすると、中央各省の不当、執拗な干渉によって複雑化され、簡素化を阻害されたうらみがあります。」というようなことも述べられておるわけです。それでこの「干渉を絶無ならしめることが最重要問題であり、」と強調されておるわけです。いたずらな干渉の事実、そういうようなことがあれば一、二例示をして説明をお願いしたい。
○友末参考人 ある県におきまして、衛生部と民生部とを一緒にいたしまして厚生部というふうな一つの部にしたいということで条例案を作り、県会に提案をいたそうといたしました県があるのでありますが、その際に、特に厚生省方面におきましては猛烈な反対が起って参りまして、知事に直接本省から電話でとりやめるように、また係官を現地に派遣いたしまして、そうしてぜひそういうことはとりやめていただくようにという強硬な交渉があったのでございます。知事といたしましても非常に苦しい立場になり、また今後本省にいろいろ補助その他の依頼をしなければならないということにかんがみて、これらに影響があってはというふうなことで、その実現ができなかった事例があるわけでございます。これは一県にとどまらず他の県にもちょいちょいあった事例でございます。
○五島委員 非常にその説明は私たちに大きな参考となります。次に特別市制の条項を削っておることは非常に時宜を得た処置であるというように述べておられるわけです。この特別市制の問題はずいぶん因果関係がございまして、従来五大都市の所在府県との抗争といいますか、ずいぶん世間を騒がせた問題であるわけです。しかし今回の法律改正によってこれが削除されたことは、いたずらな当該府県と当該市の抗争を排除したことにおいて適宜な措置であるというように賛成の意味を述べられておるわけですけれども、そうすると私たちは今までの審議において——憲法九十二条には、自治の本旨に従ってということがうたってある。そして憲法の九十五条においては、住民の投票というものもうたってある。そうしてその自治の本旨にのっとって、特別市というものが、第三編の十七カ条に規定されたわけです。そうすると、ただ単に当該府県と当該市が感情的な対立等々があるということは、現実に非常に困った問題ではありまするけれども、これがやはり自治の本旨にのっとったところの大都市の、将来発展していくべき、自治の精神の拡大であるというように私は考えておるわけなんですが、友末さんは、自治の能力の十分あるというような、人口の多い大都市の将来発展していく姿に対して、特別市の制度というようなものは必要でないと思われますか、どうですか。
○友末参考人 地方自治法に特別市の制度を設けましたゆえんのものは、ただいまお述べになりました地方自治の本旨の実現に適合するという意味で、この制度ができたのではなかろうか、かように実は考えるのであります。しかしながら理論的にさような考え、理想を持った制度といたしましても、実行におきましてなかなかその実現ができにくい。すなわち制度そのものが、実際よりも行き過ぎておった制度ではなかろうか。そこで両者の間にはいろんな紛争が起って、なかなか実現できないということに従来なっていたと思うのであります。これをこのままにいたしておきますると、いたずらに紛争を激化せしめるばかりでございますから、理論上は若干矛盾があるといたしましても、一応これを廃止いたしますことが、実際の状況からいいますと適当である、かように実は判断をいたすのであります。 そこで、今後大都市の制度をどう持っていくかという一つの問題があることは事実でございます。これは府県制度との関連もございまするので、これらと総合的にあわせまして根本的に再検討を要すべきものであろう、かように考えておる次第でございます。
○北山委員 関連。今の問題でちょっとお伺いしますが、友末さんは、ただいまのお話にもありました通り、やはり大都市というものは相当な能力を持っておるし、また自主的にその行政を——大体府県と同じくらいな程度の仕事はやり得る方向へ持っていくという点については、反対がないようなんです。ただそれについて行き過ぎておるというのは、よく言われておるように、今の府県の中から大都市だけを独立させることにすれば、残存部分に対する処理の方法がきまっていない、この一点にあるとお考えになっておるかどうか、またそう考えるとするならば、その残存部分に対する処置ができるならば、特別市の制度はこれを容認されるのであるか、これをお伺いしておきたい。
○友末参考人 大都市の実態が生々発展いたしており、その線に沿うて、大都市の特別な権限を拡充強化いたしますることには私は賛意を表するのであります。御説の通りこれを独立せしめますことは、残存地域との関係もございまするので、その取扱いが決定いたさなければ、そう軽々になすべきではなかろう、かように考えるわけでございます。従いまして府県制度の根本的な改革という一つの目安がつき、それと関連してこれらの大都市の取扱いをどうするかという問題をあわせ同時に解決すべきことが最も適当である、かように考えます。
○中井委員 ちょっと一点だけお伺いします。今の大都市問答とも多少関連するのですが、知事さんの代表として御説明なすったうちの第一に、都道府県と市町村との仕事の区別を第二条に今度は長々と書いております。それに対するあなたの公述は、私どもも賛成でございます。そこで総合的に、ずっと判断しますと、どうもなくもがなのこういうものを今度法案の中に入れて参ったということ、それからさらに非常に議論になっておりまする大都市問題、第三にまた昨日に至りまして、衆議院の方に自治庁と建設省とを総合して内政省を作るというような案が出て参りました。こういうものを判断をいたしまするというと、私どもはどうも政府がこの次の手を何か考えておりはせぬかというふうな感じがするのであります。すなわち府県制度の問題その他について大へんなことを考えておりはせぬか、——今ちょっと私は退席をいたしましたので、亀山委員の四宮さんに対する質問をちょっと聞き落したのでございますが、どうも今の保守党内閣が続きます限りは、私はこの次に府県制度あるいは知事の公選廃止その他の問題について、あるいは地域の問題、府県の統合であるとか、道州制であるとかというようなことを考えておるに違いないというふうに総合的な判断をしておるわけであります。こういう点につきまして、三期にわたって茨城県でもって現実に知事として大いに手腕をふるわれた友末さんの、今の総合的な判断に対する御見解を、今の府県制度そのものについて、大へん大きな問題でありますが、伺っておきたいと思います。
○友末参考人 従来地方制度調査会その他の機会を通じて、府県制度の改革について自治庁ともいろいろ意見を戦わしたことがあるのであります。自治庁のこの次の手とおっしゃるのは、府県の自治行政を廃止して知事まで官選するというふうな意味におけるお話ではなかったかと思いますが、ただいままでのところそこまで突き進んで自治庁は考えられておる模様はございません。自治庁が考えておらない以上、政府そのものがこの次の手を考えておると私は考えないのであります。さように考えますることは、おそらくちょっと邪推ではなかろうか。また自治庁がそれだけの信念と理想を持つだけの力のある組織では私はない、かように判断をいたしております。(笑声)
○中井委員 自治庁がどうもそういう力を持っておらぬということで、そこでその内政省というふうなものが出て参ります。私どもはこうやって地方行政でもって日本の内政を審議いたしておりますと、率直に申し上げて私ども何も邪推をしておるわけでもないし、反対のための反対でもありませんが、どうも何だかはっきりしない、すっきりしないところがあります。もっと端的に言えば、現在の日本の経済情勢とか交通通信の実情とか、特にまたラジオ、新聞等の発達、そういうものから見まして、どうもこういう四つの島に四十五、六もあって、そうしてお互いに角突き合しておる。道路にしても河川にしても、日本の国民生活に直結する問題を取り扱うにしても、この府県の範囲というものについては狭過ぎやせぬかとか、いろいろな議論がこれはだれでも起るのでございます。九千万国民だれでも私は起るだろうと思う。そこで後日内政省ができれば、こういうふうに第二条において府県と市町村との間において一応の区別をはっきりさせる。一つは基礎的な自治体である、一つは広域的なものであるというふうに始まって参りますと、その次の段階としては、私はそうならざるを得ないと思うし、そうなるのがまた自然の流れのように思いますので、これはそういう意味で私はお尋ねをしたのであります。 そこで第二にお尋ねしますが、それでは友末さんが現在の府県の単位、あの地域なんというものはあれでいいか、たとえばあなたの方ではもう関東一円として考えるとか、群馬県とか千葉県とかあるいは埼玉県とか、そういうものとの関連において、どういうふうに考えていくか、四つも五つもああいうところに県があってやっていくのがほんとうに妥当であるかどうか、そういうことについて私は率直な見解を伺いたい。これは地方制度調査会あたりでも、ずいぶん論議をされておることも承知をいたしておりますが、きょうはちょうどいい機会でありますのでお尋ねをいたした次第でございます。従いまして別にそのことは直ちにそれだからどうこうというふうな、見解に対していろんな意見を率直にわれわれの方で申し述べて、この法案をどうこうしようという直接的なものではありませんから、どうぞ率直に私は伺わせていただきたい、かように思うのであります。
○友末参考人 現在の府県の区域でよろしいかどうかということにつきましては、よろしいとは考えておらないのであります。社会、経済その他の発展に伴いまして、区域の再検討をいたしまする時期に入っておると思います。しかしながらこの問題はきわめて重要な問題でありまして、二つの県をあわせて一つの県にするとか、あるいは一つのブロックをすべてあわせて県にするとか、そういうように簡単に実は参らないのでございます。従いまして相当時間をかけて科学的に十分な調査をいたし、そうして関係住民の十分な理解と納得の上にこれが実現さるべき手段と方法を検討すべきである、私はかように考えております。そこで今後の地方自治の上におきまして一つの重要な問題が区域の問題ではございまするが、むしろ実質的にもっと重要な問題は、ほんとうに地方自治を確立する内容を整備いたしますることではなかろうか。すなわち国と地方との権限の適正配分ということが先決問題でございます。今日の状況からいたしますると、名は地方自治ではございますが、予算の面におきましても人の面におきましても大部分が中央集権でございまして、実権は中央に握られておるのであります。この姿をもっと改めませんと国の能率的な運営にも支障がございまするし、また地方自治の本旨の実現におきましても非能率的である、かように考えますので、実質的には思い切って地方に権限を委譲するという意味におきますところの内容の改革が、まず先でなければならないのでなかろうか。これをやりますがためには中央各省の調整、地方との調整というものが、非常に大きな問題になります。そこで私どもといたしましては、中央と地方との調整、すなわち各省の地方に対しまするばらばらなやり方をもっと調整をいたし、権限を移すべきものはどんどん権限を移していくという意味におけるところの内政省の設置に賛意を表しておるわけでございます。
○中井委員 御意見よくわかりましたが、今おっしゃったうちの中央と地方の事務の権限といいますか、なわ張りといいますか、そういうものの調整、それと同時に私は根本的には財源の問題であろうかと思いますが、この財源の問題一つにいたしましても、現在の府県があるものといたしますならば現状ではいけない。従って自己財源をうんと与えなくちゃいけないという、このことさえこの四、五年われわれは熱心に討議したが行われませんでした。また第二の事務の配分ですか、これは理論的にはおっしゃる通りであるが、現実的にはなかなかできにくい話である。これもずいぶんやかましく言いますが、つまらぬことはみんな府県市町村にまかしたらどうだと言いますが、現実にはなかなか行われないというこの現実的な観点から立って、現状のままではどうもいけない、何とかしなくちゃいかぬというふうには考えるのですが、そうなりますと、やはり私先ほど一般的にお尋ねしたようなことにならざるを得ないようにも思いまするので、事務配分なんということは、私どもは非常に現実の面からむずかしいと思いますが、どうですか、できますか。事務配分を適正にやるということは現実においてできるとお考えになりますか。
○友末参考人 事務の再配分、また税財源の再配分は非常にむずかしい問題であることはよく承知いたしております。このむずかしい問題を気長に一歩一歩と解決いたしますために、急速に手をつけなければならない問題は、地方自治のほんとうのめんどうを見る中央の機関というものが強力になってもらうということが一番先決じゃないかというふうに考えるのであります。各省に対して相当に強力な権限と実際の力を持ち得る内政省が設置され、また、その内政省に有力なる大臣を持って参りますれば、若干解決の方向に向うんじゃなかろうか、それが一番早い近道だ、かように考えておるのであります。
○中井委員 よくわかりましたが、現実は内政省ができただけではなかなかいきませんよ。農林省もあるし、厚生省もあるし、労働省もあるし、これはなかなかいけないと思いますが、御意見のほどは承わりました。
○五島委員 地方自治法に直接関係ないが、密接な関係があるということで、地方公務員法の改正について知事会が多年要望し続けてきたところの停年制の問題、これは非常にいいことだと言われたわけですが、労働人口、稼働人口の問題と失業者の問題という関係が、今後政府に課せられた非常に大きな経済問題として発展していくのじゃなかろうかと思うわけです。地方公務員法の改正によって停年制が実施されると、政府の考えるところによると、大体五十五才ぐらいを基準として退職してもらいたいというようなことを、条例でまかせるのだということが、法の内容だと思うのです。打ち続くところの地方財政の逼迫の中から、できるだけたくさんの職員にやめてもらうことが、地方財政を救う一つの道であるというようなことが大きな意味になっていたと思われるわけです。ところが全国の日本の人口を考え、そして人口の増大の中から考えて、そしてまた稼働人口の趨勢から考えると、昭和三十五、六年がその稼働人口の一番ピークの最下位にあるのではないかといわれておるわけですね。そうしておまけに一方では非常な医療、衛生の発展によって日本人口は人生五十年ということではなくて、もうすでに六十四才、六十八才というふうに平均年令が伸びてきている。にもかかわらず、日本は経済再建の基盤を着々として拡大していかなければならぬ。従って現政府は経済六カ年計画を策定されたわけです。そうしてあらゆる鉱工業の生産とか、あるいは農業の生産とかいうふうな中から、産業六カ年経済政策を樹立されて、そういう目標に応じていけばだんだん失業者はなくなるのだと政府は説いておるわけです。ところがここに停年制の問題が取り上げられて、その五十五才以上の人たちの該当者は七万人といわれておるわけです。こういうような状態は産業六カ年経済政策と人口動態の中からいって非常に矛盾する法律じゃないかと思うのです。これは特別地方自治の問題ではないですから、またこの法案自体のときに承わりますが、そうすると一方では首切り待命制度を謳歌し、停年制を謳歌して、そうして失業者を現実に作っていく、そうして片方では労働力を必要とする行政が政府において始まる。そうすると全国知事は各都道府県において大きな労働問題をかかえ込むわけなんです。今でも工場労働、農村労働において大きな問題として悩まされているのではないかと思うのです。そうして一方においては職員の首切りを謳歌していくということは、全国都道府県知事会としては非常に矛盾があるのじゃなかろうか。そこでただ単に地方財政の面からいうならば、地方財政が少しでも節約ができるという意味の一つの面からいえば、それは一つのよすがにもなろうと思われるわけです。やはり一都一道一府県の労働力の問題、労働問題を考えるとき、ただに一部面にのみとらわれて、これを謳歌することはどうかというふうに思われるわけです。そうすると今後各府県における失業問題等を考えていかれる場合、地方公務員法の改正によるこの停年制の問題等について、首切ったのはいいが、一体あとの失業問題をどうするか。五十五才といったらまだ壮年だと思うのです。ですからこういう問題をいかに解決していったら、地方自治の、人情、風俗、労働問題、そういう社会問題が解決していくとお思いになりますか。
○友末参考人 非常にむずかしい御質問を拝承いたしたのでありますが、実は停年制、それから臨時待命制度の問題は、地方財政の面からは若干の利益もございまするが、それよりもむしろ公務運営を活発化する、あるいは能率化するという意味における新陳代謝に大きな期待を持っておるわけでございます。 そこで一面におきましては、古い者がやめて参る反面、新しい者をやはり採用しなければならないのであります。一方に失業者を出しますけれども、一方には職のない人また新しい者を入れてくるというのでございますから、その点におきましてはプラス、マイナスじゃなかろうかと実は考えておるわけでございます。 なお、停年に達しましても、直ちに採用のできない特殊なものもございますので、それらの点を考えまして停年制の実施には慎重を期する必要があると考えます。
○加賀田委員 ちょっと御質問いたしますが、参考人の意見の中にはあまり含まれてなかったのですが、今度の改正案の第二条で従来なかった「市町村は、基礎的な地方公共団体として、」こう規定してある。これは非常に重要な内容を含んでいると思うのです。「市町村は、基礎的な地方公共団体」と規定いたしますと、府県側は公共団体の基礎的な地位じゃないという逆論が、この法律の規定からいきますと言い得ると思うのです。そういたしますと、今まで平面的に、府県と市町村はただ事務の配分が変っていただけであって、公共団体としての性格は同じだ、こういうようにわれわれは考えておったのですが、こうなって参りますと、市町村の基礎的な団体と国との中間に位するような性格の府県という形が生まれてくるわけですが、そういう考え方の変更に基いて、地方公共団体の事務の配分とかいろいろな問題が将来起ってくるだろうと思うのです。こういう考え方の相違に対して、参考人としてはどうお考えか、お伺いいたしたいと思います。
○友末参考人 府県も市町村も完全自治体であるということには変りはない。また地方自治法も同じ公共団体として認めておるのでございます。ここに市町村に限り基礎的という文句を入れられておるのでありまするが、これは私は大した意味はない、まあなくもがなの文字である、かような程度に実は軽く考えておる次第であります。
○加賀田委員 アクセサリーのような意味だという見方だったらそれでいいのですが、もう一つ参考人の賛成意見の中で、各委員会との調整的な機能を与えられたということと関連して、今問題になっているのは、人事委員あるいは労働委員、選挙管理委員等で、日当制の問題が相当やかましく言われているわけです。いわゆる日割勘定でわれわれはまた今後ニコヨン的な扱いをされて困るではないか、やはりわれわれは相当の経験と誠意を持って与えられた仕事をしておるにかかわらず、ということで、いろいろ反対されておるわけですが、日当制にして実際問題として従来と変らざる機能が発揮できるかどうか、これは参考人として経験上から御意見をお伺いいたしたい。
○友末参考人 国の方におきましても、かかる委員会の非常勤には日当制をとられておりまするので、それに調和をとってそのような規定を設けられたんじゃないかと思います。そこで日当でもって足を出すというふうなことでは、実際仕事の能率に関係いたしまするので、さようなことのないように実費弁償の上におきまして調和をはかっていく道があるだろう、かように考えております。
○大矢委員長 私からもちょっと。これは公述人が第三の重要問題として大都市に関する特例の問題について御意見があったのでありますが、御説の通りに、長年関係府県と大都市の間に抗争のあったことは非常に遺憾なことでありますが、それにはそれの理由があって抗争しておった。そこで今回はこういう大都市に対しての特別市制を廃止するかわりに、その能力に応じて十六項目の事務配分をやろうというのがこの特例なんです。そこで参考人は府県知事の代表であるから、一応事情はよくわかるのですが、しかしながら今公述の中に、特に国の事務、権限というものを、もっと地方に委譲したいという強い意見、それと同様に、二重監督、二重行政を持っておるところの府県の事務というものを能力に応じてその地方の市町村がほしいというこの希望は、ちょうど国に対する府県の要求は、府県に対する地方自治団体の要求と同一だと思う。そこで私の尋ねたいことは、そういう抗争をなくするかわりに、とりあえず事務からいえば、ごく一部であるが府県の事務を、いわゆる大都市に対して十六項目の事務を配分しょう、これは能力があるから配分するという法律を今度制定するということに原案が出ている。その大都市、あなたの所属しておる県からいけば数倍大きい——一つの例を申しますと、大大阪なんか二百五十万、あなたの県の三倍か四倍くらいある。それが一体どうして能力がないというのか、渡すことがけしからぬというのか。能力の問題、それから二重監督を廃止したいというのが、あるいは複雑な権限を委譲してもらいたいという希望と同様な強い要望が、単に大都市だけでなくて市町村の間にある。あるからこそ今度の第一条にいわゆる市町村は基礎的団体であるとして、その能力に応じて配分するということになって、ことに大都市に対してこれこれのもの、こう規定してあるのです。もしこれを渡せばどういう弊害があるのか。あるいは能力があるのかないのか。能力があるから、この程度にものを渡して二重監督、二重行政というものを少しでも廃して住民の福祉にしようというのがねらいであって、不完全ではあってもねらいどころはそこにある。それで参考人として、そのことの能力あるいはよしあし、どういうことのために府県におけるいろいろな不都合が生じてくるかということも、もしおわかりでしたら一つこの際述べてもらいたいと思います。
○友末参考人 大都市に対しまして、普通一般の都市と異なって現在府県で行なっておりますところの事務、事業を、その能力に応じまた大都市の実情に応じて委譲いたしますことは賛成でございます。さような意味におきまして原則的に十六項目について異論を持っておるものではございません。しかしながらこれら各項目の事務につきましては、中央の各省に関係を有するものがかなりありますると同時に、その執行におきましては広い範囲で調整、統一しなければならないというものも確かにあるわけでございます。そこでおそらくその具体的な範囲は政令で定めるほかはないという建前になっておるのではないかと考えます。そこでこれから自治庁が中心となられて各省とも十分連絡の上、これらの具体的な範囲を決定されると思うのでございます。その際に私どもといたしましては、できるだけ一つ広範囲におきまして調整をとらなければならない、あるいは全体の統一をはかっていかなければならないというもの以外は、この大都市に委譲する方向をとると同時に、どうしても国家的立場、あるいはまた広い区域における立場から、府県をしてやらせなければならないものは、はっきり府県の方に残しておくというふうに取り扱っていただきたい、かように考えておるものでございます。
○大矢委員長 他にございませんか。——それでは、どうも御苦労さまでした。午前の会議はこの程度にいたしまして、午後一時半から再開することにいたします。参考人も見えておりますから、どうぞ一つ時間の励行をお願いいたします。 それでは一時休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ————◇————— 午後一時四十三分開議
○大矢委員長 それではこれより地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方自治法の一部を改正する法律案及び同整理法案について参考人より意見を聴取いたします。ただいま御出席になっております参考人は、全国市長会代表鷹野啓次郎君、都道府県選挙管理委員会連合会代表小暮藤三郎君、全国人事委員会連合会代表大野木克彦君、全国市議会議長会代表迫政男君、全国町村議会議長会代表岡田徳輔君及び全国町村会代表川村衛君の方々でございます。 参考人の各位に一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多忙の中を、各位には本委員会のために御出席下さいましたことに対して、委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。各位はそれぞれ地方自治行政の実際の体験者でありますので、地方自治のあり方について率直な御意見をお伺いしたいと存じます。各位の発言時間は、時間の関係もありますので大体十五分程度に願い、あとは委員各位の質問にお答えを願いたいと存じます。それでは順次意見を承わることにいたします。大野木参考人。
○大野木参考人 全国人事委員会連合会代表東京都人事委員長の大野木でございます。 本日は地方自治法の一部を改正する法律案の御審議に当りまして、私どもの意見をお聞き下さいますことをまことにありがたくお礼申し上げます。ただ私は先ほど御紹介いただきましたように人事委員会連合会の代表でございまして、同連合会で問題といたしております点につきまして意見を申し上げますので、本改正案の百八十条の二、三、四条及び二百三条の二項その他に関しまして意見を申し上げます。ただ先般本委員会に陳情を申し上げました点もございますので、それらと若干重複いたす点がございますことをどうぞ御了承願いたいと存じます。 御承知の通りに、人事委員会は近代的な公務員制度の実施を確保し、推進することによりまして、地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営を保障し、もって地方自治の本旨の実現に資することを目的として、地方公務員法によって二十六年に設置されたものでございますが、この目的達成のためには人事制度全般にわたります絶えざる研究と努力が必要であり、なかんずく試験任用制度、給与の実態の調査に基く報告書作成でありますとか、あるいは不利益処分、行政措置の要求に対する審査判定その他臨時職員の処遇問題等、またこのたび地方公務員法の改正が出ておりますが、その中に定員制の問題でありますとか、あるいはまた市町村の公平委員会の移管というような問題がございまして、それらが御議決になりますと、職務遂行は一そう複雑になって参るわけでございまして、長期にわたる研究を必要といたすのでございます。こういうわけでございますので、人事委員は単に委員会開催の日ばかりでなく、ただいま申し上げましたような問題と取り組みまして、また理事者及び職員団体の間に立ちまして、中立性を保持しながら両者の間の調整に当るようなこともしばしばございまして、不断に活動いたしておるのでざいます。それで単なる調査、審議あるいは立ち会い等の機関とはその性格や使命を異にいたしておりまして常勤的な色彩が強いのでございます。このために地方公務員法におきましても、人事委員会の委員は常勤または非常勤とするということになっており、また服務につきましても一般の職員に準ずるような制限が設けられておるわけでございます。ところが、問題はこれらに対する報酬のことになりますので申しにくいのでございますけれども、ただいまの法律ではそれらの者に対する報酬の額並びにその支給方法は条例でこれを定めるということになっておりますのを、このたび二百三条の二項が新設せられまして、「前項の」と申しますのは、議員とか委員会の委員とか選挙の立会人とかいう非常勤の職員でございますが、「職員の中議会の議員以外の者に対する報酬は、その勤務日数に応じてこれを支給する。」というふうに改正せられようといたしておるのであります。これは前述のような執行機関である人事委員会の性格、責務または勤務の実態とはなはだ合わない立て方であると申さなければならぬと思います。報酬は勤務に対するものでございますから、勤務内容によって区別さるべきものと考えるのでございますが、単に常勤、非常勤ということで一律に区別するのはいかがかと思うのでございます。勤務の内容が常勤に近いものにつきましては、そのような考慮が払われてしかるべきであろうと存ずるのでございます。また日当というふうなことに対しまして、感情的にも無視できないものがありまして、委員といたしましては給与の額の問題ではなく、われわれは実は誇りを持って仕事をいたしているので、労務の切り売りのような形になることははなはだ心外であるということを申しております。ことに委員の中には非常勤ではありますが、実際の必要もありまして、定例日以外にも進んで勤務いたしている人たちが少くありません。それが日当ということになりますと、日当かせぎに出るというような気持の上の拘束も受けることになりまして、せっかく自由な御奉公をしていくことがやりにくくなるという結果も生じます。また他のことを申すのはいかがかと存じますが、議員だけが除外されておるということも一貫性を欠いておりまして、割り切れない気持を持っておる次第でございます。どうか現行法のような、報酬及び費用弁償の額並びにその支給方法は条例で定めるという行き方が最も妥当だと考えますので、現状のままにお願いをしたいと思いますが、しいて改めますならば、法案の、「前項の職員の中議会の議員以外の者」とありますところを、議会の議員及び執行機関たる委員会の委員以外の者に対する報酬はその勤務日数に応じて支給するというように御修正を願いたいと存ずる次第でございます。このことはあるいは最近の給与の体系の根本に触れる問題であるかとも存じますが、どうか勤務の実態を御賢察下さいまして御考慮をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。 また百八十条の二及び三の改正並びに四の新設等につきましては、現行法で別に運営上支障はないように存じますし、ことに百八十条の三で現在、普通地方公共団体の長は、委員会または委員の申し出があるときは、吏員その他の職員を、当該執行機関の事務を補助する職員と兼ねさせ、もしくはこれに充て、またはその事務に従事させることができるというのを、協議してということに改められようとしておりますが、それでいきますと、積極的にそういうことを長の方から申し出ることができるようになります。このことはもとより協議はされるのでありますが、人事委員会のように長のやりました処分その他を審査する必要のある場合もございますので、そういう場合に独立の事務職員でございませんと、公平な取扱いができにくくなるような場合もあると考えますので、組織の簡素化はもちろん必要と存じますが、角をためて牛を殺さないような御注意が必要であると存ずる次第であります。 右に申し上げました諸点は人事行政の円滑な運営に支障を来たし、ひいては地方行政の健全な発達を阻害する結果を来たし、地方自治の本旨にもとるおそれがございますので、何とぞ御賢察をいただきたいと存じます。 なおこのたびの改正の二百五十二条の十八等の新設によりまして、国の公務員と都道府県の公務員または義務教育職員との間において恩給等の支給の基礎となる在職期間の通算の措置が講ぜられることとなり、また都道府県の公務員と市町村の公務員との間においても、これに準じた処置が講ぜられるように努むべきものであるとされますことは、かねて人事の交流その他に関しまして人事委員会におきましても要望いたして参った次第でありまして、はなはだけっこうな改正であると存じます。 以上をもって私の陳述を終ります。(拍手)
○大矢委員長 大野木参考人は非常にお急ぎでありますから、何か御質疑がございましたら許します。——ございませんか。——それでは大野木さんにはどうも御苦労さまでした。 では次に川村参考人。
○川村参考人 私、全国町村会代表、牛久町長の川村であります。われわれ全国町村会は、ここ数年来市町村優先の原則に基くところの地方制度の改革につきまして要望して参ったところでございます。すなわち市町村を名実ともに基礎的地方公共団体といたしまして、その機能を発揮し得るよう、その態様を整備し、もって地方行政を自治の本旨に即し、かつ能率的に執行し得るよう、地方制度の抜本的改革を提唱いたして参ったのであります。さきに第二十二国会に提案せられましたときに一大期待をかけたのでありましたが、遺憾ながら審議未了になりました地方自治法の一部を改正する法律案、また今国会に提案を見ました地方自治法の一部を改正する法律案、いずれもわれわれ庶幾するところに非常に遠い感があるのでございます。しかし全国町村会といたしましては、今次の改正案はなすはなさざるにまさるの感を持ちまして、成立を期待いたす次第であります。 以下項を追って、私どもに最も関係の深い主要な事項について意見を申し述べたいと存じます。 第一に市町村を基礎的公共団体といたしまして、一般的事務を処理するものであるとし、都道府県を広域団体として、広域行政事務、統一的処理を要する事務、連絡調整に関する事務、補完行政事務を行うものである性格を明らかになされましたことは、適切なる改正と存ずるのであります。 議会制度の簡素合理化については、私どもの立場からいたしますれば、いまだ徹底したものであるとは申しかねるのでございますが、若干にせよその企図が見えておりますので、賛意を表するものであります。 ここで私一例を申し上げたいのでありますが、条例によって設けられておる委員会の制度が、さらに四部門の委員会制度を設けることも差しつかえないというような改正に思われますが、私の方ではすでに委員会制度は廃止して既往一カ年間円滑に行なっております。しかもその審議たるものが委員会制度を持つよりも、むしろ民主的で、総合的行政であるということが言い得ると存じます。 第三に教育委員会を初め各種行政委員会の廃止は、地方行財政の総合運営の見地から、私どもが比年強く要望いたして参ったものであります。教育委員会につきましては、その改正が衆議院におかれましてすでに成立を見、参議院において御審議中のことでございますが、これが成立を期待いたしておりますると同時に、今回の地方自治法の改正を見まするに、各種委員会、委員の事務部局の組織、職員の定数、身分取扱いについて長が必要な措置を講ずべきことを勧告し、規則、規程の制定変更についてあらかじめ長に協議すること、委員会等の財産または営造物に関する行為について長が必要な措置を求め、事前協議を要することとしたこと。また予算執行について長が必要な措置を求める等の規定を設けられましたことは、地方行財政運営の総合運営につき理解ある配慮がなされたことで、廃止を主張いたしております私どもとしましても、経過措置との観点からでも、この改正を願うものであります。 第四に、地方公共団体またはその長が事務処理に違法、不当または義務懈怠ある場合、内閣総理大臣または府県知事が必要な措置を講ずべきことを求めることにはやや問題がありますが、代執行または取り消しの措置をとるほどのものではありませんし、おそらくこれとても伝家の宝刀的規定でありましょうから、この程度の規定はやむを得ない必要かと存じます。 第五に、その他経費節約の意図をもってする給与その他の給付に関する事項、争訟手続における訴願前置主義の採用、恩給、退職年金の通算等いずれも適当なる規定と存ずるのであります。この恩給退職年金の通算につきましては、国といたしまして将来予算措置を考慮していただかなければ、町村といたしまして財政面に苦しむような場合が生ずるのではないかというような懸念を持つものでございます。 さらに監査制度の整備拡充の点もうたわれておるようでございますが、これはわれわれ町村の為政者といたしまして、町村行政の正確さを住民に知ってもらう意味におきましても、しごくけっこうであると賛意を表するものでありますが、反面国や県の監査制度の簡素化というものを要望してやまないものであります。かりに一例をあげますれば、監察局の監査、財務局の監査、さらに会計検査院の監査、さらにはこの農業関係の補助等に対しましては農林省の監査というように、町村役場において一つの事業をやりますと、ややもすると監査攻めにあうというようなきらいがあります。よって国の監査組織というものの簡素化を要望してやまないのであります。 なお、全国町村会といたしましては、さきに都道府県が市町村の総合的性格を有することにかんがみ、都道府県行政と市町村行政の連繋を考慮し、都道府県議会議員に市町村の長及び議会の議員が兼職し得るよう改正を要望いたしました。 またきわめて事務的なことではありますが、地方公共団体の組合が、これを組織する地方公共団体の数を増減し、また共同処理する事務を変更し、また組合の規約を変更するとき、一々全部の地方公共団体の議会の同意を要することとなっている現行法は、加入町村が五十にも百にも及ぶ場合のごとき煩瑣にたえませんので、組合議会の議決をもって足るよう改正を要望いたしましたが、今回の法案において改正を見るに至りませんでした。しかし今次改正案が、以上のごとく局部的ではありますが、改善の措置が講ぜられておりますので、今国会において成立を見まするようお願い申し上げまして私の意見といたします。
○大矢委員長 参考人に対して何か御質疑はございませんか。
○亀山委員 一点だけお伺いしたいと思います。監査委員の任期が、今度の改正案では、一年延長になっておりますことは御承知の通りです。これに対しまして都道府県議会議長会では、この任期を現行法通りというような希望があるやに伺っております。町村会では、この点どうお考えになりますか。
○川村参考人 議会選出並びに民間の監査委員ともに、これは地方公共団体の長の推薦によって、同意を求めてきめている制度でございますので、その監査委員を選任いたしますときに、われわれ為政者とし、議会として中正厳正なる委員の人選、同意をしますれば、私は、現行法の二年より、一年延長して三年にいたして、監査事務に経験を持たせて、この監査を執行せしめるようにした方が、むしろ便宜ではないか、こういう感じを持っております。
○亀山委員 私は、今の任期の問題は小さいようでありますけれども、都道府県議会議長会の御意見と町村会の御意見と多少違うことは、非常に不思議に思うわけであります。ただこの点は今後の問題もありますので、よく利害得失を御研究願いたいと思いますから、一応希望だけ申し上げておきます。
○大矢委員長 他に御質疑ありませんか。——御苦労さ歩てごさいました。 次に岡田参考人にお願いいたします。
○岡田参考人 全国町村議会議長会を代表いたしまして、意見を開陳いたします。 今回の地方自治法の一部改正につきましては、昨年夏の特別国会の場合と違いまして、私ども地方団体の意見の調整をもいたしております。改正原案の作成に当っても、私どもの意見をある程度取り入れていただいた点は、前回の場合と違っているような次第で、もちろん全部が意見の一致を見たわけではありません、この案を全面的に賛成するという意味でもございませんが、少くともある程度の相違はあるのでございます。ただ、はなはだ遺憾なことには、世論の一部の意見として、今回の自治法の改正をもって後退であるというようなことが言われております。特にわれわれ地方議会の権限縮小の条項が取りやめになった、こういうことは大いに期待を裏切られたといわれておるのでございます。これはしかしながら地方自治の上に占める地方議会の役割というものを過小評価する、地方自治を育成することを考えないで、たまたま現われた運営上の欠点をとらえ、またあたかも地方議会をもって放慢財政の原因であるかのごとくに考えられておるようでございます。もちろん私どもといたしましても、その運営の面に改善すべき余地のあることは十分に自覚いたしておるのでございまして、お互いに相戒めて自粛の実をあげつつあるのでございますが、それはあくまでも運営をどう改善するかという問題であって、制度そのものを改正すべきものではないと考えるのであります。この点は地方制度調査会の答申にもはっきり現われておるところでございまして、私は国会の審議に当りまして、諸先生方が何よりもまずこのことをぜひお聞き取り下さるようお願い申し上げる次第であります。 法案の内容について私の意見を簡単に申し上げてみますが、第一に地方公共団体の権能に関する事項につきましては、府県と市町村の性格を明確にいたし、市町村をもって基礎的な地方公共団体としておる点は、まことにけっこうなことと存ずるのでございますが、このことは同時にこれに必要な財源措置が十分に講ぜられることを前提とするのでありまして、基礎的な地方公共団体としての自主財源についての措置が十分に講ぜられていない。これをはなはだ遺憾に考えるのでございます。 第二は議会に関する事項につきましては、定例会の回数、これはただいまの町村会の代表の方と少々考え方が違っておるのでございまするが、定例会の回数が「四回以内において条例で定める」ということに、今度なっておるのでございますが、この点はこれでけっこうだと存じます。それとともに議員から請求して臨時会の招集を求めるという場合に、招集期限が明確に規定せられていないのでございまするが、この点をはっきりと規定していただきたいと考えるのでございます。町村議会の実情は、これは私ども町村議会議長会として実態を全国からとっておりますが、それによりますと定例会、臨時会を合せて、二十九年度においては九回以上開催しておるのでございまして町村行政に民意を反映するという必要上、どういたしましてもそのくらいな回数が、全国的に平均に開催せられているというのでございます。現行法に臨時議会招集の期限が規定せられていないために、臨時会を招集しない事例が往々あるのでございます。私は埼玉県でございますが、埼玉県にもそういう事例があって、議員の方から招集を請求しても、市長が臨時会を招集せぬという事例がございまして、この点はぜひそういう規定を入れていただきたいということをお願いする次第でございます。定例会をやめるならばとにかく、定例会がある限りは、三カ月に一回あるから期限をつけなくとも、その間に三カ月目がくるからいいのではないか、そういうお考え方の方もあるようでありますが、定例会と臨時会は申すまでもなく性格も違うし、臨時会は定例会を待っておられぬという急施の必要な場合に開くのでございますので、期限をつけるべきであると考えます。期限は私どもの考えといたしましては、都道府県の場合は二十日くらいがよろしいではないか、市町村の場合は十日くらいが適当ではないかと考えております。 次に現行の地方自治法第百三十八条第二項では、市の議会に事務局を置くことができるとなっております。この規定を市及び町村の議会に事務局を置くことができるということに改正をしていただきたいのでございます。ただいまのところでは市の議会ということになっておりまして、町村の議会には事務局を置くという規定がないのでございます。町村は市とともに基礎的地方公共団体であり、しかも町村合併によりまして町村の規模、能力ともに拡大されておりまして、ますます議会活動が期待せられるに至っておりますので、事務局設定については市と区別する必要が今日ではないのではないかと考えられるのでございます。全国町村議会議長会においては、町村規模、能力の拡大に即応して町村議会の機能の強化をはかるため、議会に専任書記を設置しろということに全力を目下あげておるわけでございますが、県によってはすでに九〇%以上各町村議会に専任書記がおるところもございまするが、実は大部分の県ではまだ兼任であり、これを推進するためにはぜひとも自治法の百三十八条第二項の改正を必要とするものでございます。今回の改正案の中で、ぜひとも御考慮をいただきたいと存ずるのでございます。 次に国と地方公共団体との関係及び地方公共団体相互間の関係に関する事項でございまするが、内閣総理大臣または都道府県知事の監督権の強化の条項がございまするが、この点は中央集権への逆行であり、また国家統制の強化というふうに考えられまして、私どもの常に主張して参りました地方自治権の侵害の方に導くものであるという考えを持っておりますので、監督権の問題は削除していただきたいと考えるのでございます。 ほかになおこまかいことにつきましてはいろいろと考え方もございまするが、大体以上の点につきまして私どもの考えを入れていただきました上で、この法案ができるだけ早く今国会で成立するように希望いたす次第であります。 以上をもって町村議会側を代表した意見といたします。
○中井委員 岡田さんの御意見を拝聴いたしまして、議会の招集について期限をつけろ、こういう御意見につきましては、私どもまことにいい御意見だと思います。こうしなければ非常な紛争の場合に、往々にして議会の招集の要求があって、それを理事者が故意にやらないというふうなこともありましょうから、この点は非常に重要な問題だろうと思いまして拝聴をいたしました。同感であります。 第二の事務局設置の件でございます。この件は、全国の町村でありまするから、大小さまざまで、三万をこえるような町もたくさんありましょうから、そういうところでは事務局を作る必要もあるやに私どもは感ずるのであります。しかし一般的な人口八千ぐらいの町村でありますと、大てい役場の書記が兼務している。経費節約の折でもありますから、そういうことでやっていく方がかえって妥当ではないか。そこで直すということになるにしましても、一般的に置くことができるというのではなくて、特にその必要の場合には置くことができるというふうな条件をつけて、法案の修正をやるというふうな考え方も出てくるのじゃないかと思いまするが、どうでございましょうか。そういう点についてさらに率直な御意見を伺いたいと思います。
○岡田参考人 ただいまのことですが、町村議会というものは、小さい二千何百程度のものから、私どもの町は未合併でありながら三万六千持っておるのですが、そういうようにだいぶ開きが多いので、今のお説のような問題がほかにもいろいろと出てくるから、はなはだ全般的には言いにくいのでございますが、市の場合もたしか市に置くことができるとなっておるので、そのところに市及び町村、こういうふうに入れていただいたら、必置機関でなくて、置きたいところは置くし、今のお説のような小さい町村では、適当にそこで処理するということにしてよろしいと私は考えております。
○中井委員 これは私ども党が違いますのですが、政府のお考えになったことは、おそらく置くことができるということになれば、置く必要もないようなところまでどんどん置くようになる、それでは困るから、下の町村でもってこの辺で目をつぶって線を引けというふうな考え方ではないかと思うのです。大へん乱暴な考え方だと思うのでありますが、しかしいかに小さいところでも置くことができるということになれば、先ほどの公述にもありましたが、ある府県では九割まで置いておるというふうなことになると、これは少し行き過ぎのようにも思います。そこで置くことができるということじゃなくて、町村の場合には何か一つの基準的なものをきめておいた方がいいようにも思いまするので、お尋ねをいたした次第であります。その点は私どもも今後研究さしてもらいますが、町村の議会におかれても何かそういうことでいい案がありましたら、あとでもけっこうでございますから、お示しをいただきたい、かように存じます。
○岡田参考人 ただいま申しました九〇%というのは鹿児島県の例でございます。北海道が五〇%、ほかは専任書記というのはりょうりょうたるもので、兼任が多い。私どもとしては、事務局はとにかくとして、専任書記を置くということを全国でやかましく言うておるのです。そんな程度のものであります。
○中井委員 よくわかりました。
○亀山委員 岡田参考人にお伺いしたいと思います。今度の自治法の改正で、地方議会の議案の提出、それから議案修正の発議及び懲罰の動議は議員定員の八分の一となっております。従来は十分の一であった。これに対して都道府県議長会では従来通りがよい、こういうことを言っておるのですが、あなたの方ではどういうようにお考えになりますか。
○岡田参考人 私どももやはり従来通りという考え方でおります。
○亀山委員 従来通りでありますと、町村、ことに小さな村会あたり二十人くらいで、たった二人くらいの議員の発議によりいろいろこういう問題が提出されるので、そこで今の八分の一ということになったと思いますが、そういう点はどうお考えになりますか。
○岡田参考人 その問題は一応考えてみたのでございますが、地方議会にもいろいろの党派があるのでございます。それがきわめて少数の党派はそういう発議ができなくなりはせぬかという意味で従来通りでよくはないか、こう考えております。
○大矢委員長 他にございませんか。——では御苦労さまでした。 次に、全国市長会代表鷹野参考人。
○鷹野参考人 私は、先に一言各位に感謝をいたしたいと思うわけであります。 地方自治体は理想的な運営ができないほどいろいろな制約を受けておりますが、昨年来各位におかれましては非常に深い御関心のもとに御研究の歩を進められまして、たとえば赤字処理について地方財政再建特別措置法が出ましたような工合に、順次同情ある御理解をいただきまして、地方自治体の健全なる運営に御同調いただきますことを感謝しておる次第でございます。ことに今回の地方自治法の一部を改正する法律案の審議の過程等を拝承いたしましてその感を特に深くするわけであります。何とぞ健全なる地方自治体の運営がわが国の政治基盤をなすということに思いをいたされまして、今後とも一そうの御援助をいただきたいと、感謝と要望とを申し上げる次第でございます。 総括的にこの地方自治法の問題につきまして意見を申し上げますと、地方制度、特に府県制度の根本的改革を断行しなければならない今の世論の一致した動向を考えるときに、今回の地方制度調査会において審議過程にある現段階においては、本法律案に盛られました程度の改正というものは、私どもといたしましてはやむを得ないものと認められまして、すみやかにこの法律案の成立を望む次第でございます。 われわれ市長会としまして切実に考えさせられますことは、制度の徹底的な簡素化、合理化をせずには、われわれの努力のみをもってしましてとうてい今日の市政の健全化、住民の福祉増進を期し得ない段階に達しているということが言えるわけであります。 以上の観点に立ちまして、市長会としましてはかねてから現行府県制度の検討、基礎的団体たる市町村の育成強化を地方自治の根本義といたしまして、すみやかに抜本的改革を断行すべきことを強く御期待申し上げる次第でございます。 当面の改正点につきましての意見といたしましては、以上のごとく、本法律案に盛られました程度の改正をもってしましては、とうてい満足すべき成果は期待できないといたしましても、現行を一歩前進する意味におきましては、まことにけっこうでございまして、内容的にも本会従来の主張に沿うものが相当多いわけでありまして、本会としましてはすみやかにこれが成立を望み、各位の御同情ある御審議を進められますようにお願い申し上げる次第でございますが、それにいたしましても、次の各事項につきましては適当に御修正を加えられますことを望む次第であります。監査委員の任期は現行通りぜひ二年にそのままおいていただきたいと思います。 次に、事務の処理が法令違反の場合は格別、財政等の事務処理について義務の懈怠等不当、不適正の事案に対しまして、内閣総理大臣が市町村に対し改善措置を求めることは、自治に対する不当な侵害、介入となるおそれがありますので、これを削除していただきたいと思います。 次に、市における事務の処理が法令に違反した場合といえども、都道府県知事にこれが是正措置を行わしめることは地方の実情にかんがみまして適当でないので、この権限はあくまでも内閣総理大臣が持っておいていただきたいと思うわけであります。 次に、内閣総理大臣または自治庁長官は、市に対する地方自治法中に定める勧告等の権限を行使するために、都道府県知事をして特に指定する事項の調査に当らせることができることとするのは、地方自治法の根本精神に反する次第でございますので、これは削除していただきたいと思います。 大都市の特例につきましては、十六項目がそのまま大都市に行われますようにお願いいたしますが、指定都市の人口要件を五十万といたしてありますが、五十万以下の都市といえどもその能力に応じまして、これらの事務の委譲ができますように緩和をしていただきたいと思うわけでありまして、さらに特別市の廃止ということにつきましては、これはそのまま存置せられますよう強く要請いたします。 結論といたしまして、全国市長会といたしましては、右の諸点を修正の上すみやかに本法案の成立を希望するものでございますが、これと関連いたしまして、今期国会に提出せられておりまするところの地方教育行政の組織及び運営に関する法律案、地方公務員法等の一部を改正する法律案、新市町村建設促進法案等につきましても何とぞ急速に成立せられますように御要請申し上げる次第でございます。 以上市長会の考え方を申し上げました。(拍手)
○大矢委員長 質問ございませんか。
○亀山委員 先ほども町村会の参考人の方に監査委員の任期のことをお伺いしたのですが、ただいま非常に強くぜひとも現行通りというようなお言葉がありましたが、どういうわけで現行通り二年でなければならないのか、自治法改正で三年にしたらどうして悪いのか、その点をちょっとお聞きしたい。
○鷹野参考人 現在の二年の制度はすでに過去数年の経験がありまして、私ども過去の経験に徴しましてこれがよろしいと考えております。ことにこの監査委員は単に査察監査ということのみに終始することなく、地方自治体の会計、経理の面につきましては非常に広い視野のもとにおきまして指導育成する面も相当強く働いておるわけでありまして、こういう面から考えますときには、二年ごとぐらいに新しい感覚を持った監査委員の御選任が望ましいと考えております。
○北山委員 ただいまのお話はいろいろな点で、私どもも同感の点がございますが、ただ最後にお話がありました町村合併促進法の延長としての新市町村建設促進法、これのすみやかなる成立を希望されておるのですが、どういう意味で促進法がいいとお思いになるか、これをお伺いしたい。
○鷹野参考人 お答え申し上げます。この特例が九月に失効になりますので、それ以後におきまして新しく発生しました市というもの、あるいは町村というものが、このままの形で置きますならば、強い援助がないならば単に幾つかの村落、町村が合併したということのみの形に長い間終るのではないかと思います。これによりましていろいろの援助、指導が加わりますならば、すみやかにこういう段階を脱却することができまして、真にりっぱな市、真に運営の理想的に行く町村としての期待をかけることができるわけであります。小さな問題一つを考えてみましても、一つの市のうちに郵便局が三つも、四つもありまして、これによる運営等に困っておる。ただわずかこの一つの現実を見ましても、あるいはまた教員の地域給等に対しまして、これらを是正しないために、合併をしても旧市域と新市域との教員の交流ができないような情勢が現実に発生しておる点を考えて申し上げておるわけであります。
○北山委員 合併した市町村の育成を続けていくという必要についてはお話の通りでございます。ただ私どもから見ると、今お話になったような点については、従来の合併促進法と今度の建設促進法と条文の方ではそれほどの違いがないと思うので、前の合併促進法の方が建設を推進していくという意味においては、むしろまさっておるような感じもするわけであります。従って従来の合併促進法がことしの九月の末で期限が切れるので、これをむしろ延ばしていく方が望ましいのではないか、今度の新市町村建設促進法の方は、名前は建設促進で大へんいいのですが、よくお読みになればおわかりの通りでございまして、むしろ促進法に従来の合併促進法によって作った建設計画というものを調整していくというところに力点が置かれておる。調整ということは、要するに現実的なものにしていくということですが、縮小していくということであります。このせっかく作った建設計画を実行していくために、国の方でいろいろめんどうを見るという面よりも、むしろ建設計画を再検討していくというところに今度の促進法のねらいがある。もう一つは未合併町村の合併を半強制的に推進していく、ここに今度の建設促進法のねらいがあるわけなんです。ですから、そういう点で御説のような意味であるならば、むしろ従来の合併促進法の延長の方が好ましいんじゃないか、こういうふうに思うのですが、そういうことをよく御了解の上で、やはり今度の促進法の方がいい、こういうふうにお考えになっておるかどうか、これをお伺いしたい。
○鷹野参考人 合併促進法と今回の建設促進法との二つの法律の比較につきましては、御意見のような点が多々あるわけでございまして、個々につきましてはそれぞれの意見等もありますが、現在の段階におきまして私ども市長会としては、新市が三百近くも新設されたわけでありますが、新市の運営等から考えまして、新市の市長の要望等もこの促進法案のうちには幾分盛り込まれておりますので、この法案の一そう適正なる御研究によりまして、新市の育成のできますことを私ども望んでおる次第でございます。
○加賀田委員 ちょっとお尋ねしますが、今の御意見の中になかったのですが、この改正案の中で、議会側で動議を提出する、あるいは条例を改正する要求をされる場合は、八分の一以上という一つの規定を設けられることになったわけです。従って、今後八分の一以上の賛成がなければ、動議あるいは条例の改正等の要求が議会側としてはできないことになる。これに対しましては、懲罰動議とか予算を相当必要とする改正というものに対しては、相当慎重に考慮しなければならないと思いますが、総括して八分の一以上ということに規定されておる。これは自治法にもある通り、その住民の人口に基いて議員の定数がきまっておるわけでありまして、これを一括して八分の一以上ということに規定されておることに対して、議会側としては何か御意見があったか、なかったか、それをお伺いしたい。
○鷹野参考人 執行機関たる市長会等におきましては、議決機関の健全なる御運営を原則的に望んでおります。ただし市長部局においても、行政の簡素化によりまして経費の縮減をはかろうという現段階でありますから、こういう意味においては、工夫と創意によりまして経費がかからぬようには望んでおるのでありますが、議会みずからの御執行につきましては意見を申し上げたくないと存じます。
○大矢委員長 よろしゅうございますか。——ではどうも御苦労さんでございました。 それでは次に、小暮参考人。
○小暮参考人 私は、都道府県の選挙管理委員会の連合会というのができておりますが、これは都道府県選挙管理委員会委員長以下全部を包含しております会でありますが、この会を代表いたしまして以下陳述をいたしたいと思います。 御承知の通り、選挙管理委員会は、もつぱら中立的立場で、かつてありましたような選挙干渉のような忌まわしいことを排除しまして、各種の選挙を管理して、そうして真に民主政治の母体としての任務を完全に果さなければならない、また果しつつあると確信いたしておるものであります。特に都道府県知事並びに市町村長の公選制がとられて以来、選挙管理委員会の制度の独立というものが絶対に必要であることは各位のよく御承知のことと存じておるのでございます。しかるに政府は、今回の地方自治法の改正で、その長が容喙のできるような変更を加えようとしておりまするのは御承知の通りでございます。もしそれが自治庁で期待するようなことになりました暁には、この選挙の根幹が根底からくつがえるようなことになり、幾多の弊害を来たしまして、かつてわれわれが選挙干渉の忌まわしい風聞を、もう昔物語として夢のように思っておる、それがあるいは実現されるのではないかということを強くおそれておるのでございます。さようでありまするがゆえに、この点の改正は全く改悪であって、改悪というような言葉は世にあるべきはずでないものが、今度の自治法の改正に現われてきたことは、時代錯誤もはなはだしいものだということを痛感しておるのでございます。 さらに政府はこの自治法の一部を改正いたしまして、そうして日給制をとろう、こういうようなことを考えておるようでありまするが、その根拠がどこにあるかということを発見するのに苦しむのであります。御承知のように、現在の選挙の実情を見てみまするときに、全国にわたりまして幾多の違反が出ております。たくさんの違反が出ておる。それを処理するものが御承知の通り選挙管理委員会であります。そうでありまするから、現在都道府県の選挙管理委員会を初め、市町村の選挙管理委員会でもそうでありまするが、ほとんど委員長は毎日出てこの処理に当っておる。委員会のごときもその回数がはなはだしきものがある。私は神奈川県でありまするから、神奈川県の実例を申し上げてみまするなれば、神奈川県は昨年の地方選挙の跡始末をようやく去る四月十七日に片づけた。それまでほとんど一年間かかった。一つの事件につきまして、私は横須賀でありますが、横須賀の市会の選挙訴願が県に出まして、それを調べるために二十七回会議を開いております。二十七回開いてようやく解決した、さような次第でございまして、この日当制にしましたら——自治庁が見積っておる日当が幾らであるかわかりませんけれども、おそらくこれは現在の制度よりも支出が増額すること莫大なるものがあると信ずるのであります。 さらに全国の選挙管理委員会は、かくのごとき重大な職責に当っておりまする関係上、経費を度外視して、私費をもってこの職責に当っているということは、これは昨日ちょうど選挙法の一部改正法律案のときに、この地区の選挙管理委員長が供述いたしましたところは、一致してその点にあるのであります。さようでありまするがゆえに、以上の二点をぜひ改悪いたしませんで、私ども委員会が十分に職責を果し得まするようお願いいたす次第でございます。 以上をもって公述を終ります。(拍手)
○大矢委員長 何か質疑ございますか。門司君。
○門司委員 小暮さんに聞くわけではないんだが、自治庁にこのことについて資料を要求していたんだが、どうして出してくれないのか。
○小林(與)政府委員 すぐ差し上げます。今印刷しておりますのでちょっとおくれました。
○門司委員 自治庁は今小暮参考人からお話しのあったようなことはよく知っているのか知っていないのか、そういう点一つはっきりしておいてもらいたい。
○小林(與)政府委員 今おっしゃいましたことは、当然よく知っております。訴願の裁決などの事件がかりにあれば、裁決のためにいろいろお忙しい仕事があることは当然だろうと思います。
○五島委員 一つでいいですから、はっきり教えて下さい。 日当制改悪といわれたのですが、改悪が非常に多いのです。(「みんな改悪だ」と呼ぶ者あり)みんな改悪だ。ところが日当制になることは改悪だが、日当制というのは地方財政を節約するという意味において非常に効果があるんじゃないかというように言われておるわけです。しかし今の公述によりましても、ずいぶん選挙管理委員会の仕事は忙しいし、なお選挙についての公正なる発展のために常時教育するという任務もあると思うのです。ところが選挙のたびごとに全国で投票名簿の記載漏れ等々もありますね。それほど忙しい。忙しいから記載漏れなんかも出てくるんじゃないかと思う。ところが今まさに施行されようとしているところの公職選挙法、いわゆるハトマンダーかゲリマンダーかわかりませんが、そういうようなことになって、一地区が三つとか四つとか、そこの町が二つに切られたり、あるいは同じ丁目が一丁目と二丁目と変っていくということになりますると、選挙管理委員の仕事は非常に閑散になるんじゃないかということは、これは皮肉なんですけれども、これと逆に非常にその事務の分量が当面ふえてくる。ただ一つの訴願の問題にしても二十七回も会議を持たなければならぬというような状態のとき、こういうように一大変動の選挙法に改革されますると、選挙管理委員会の仕事というものは山積して、委員長だけが日常出勤されるというようなことでなくて、選挙管理の委員会に所属するところの事務員ももっとふやさなければならぬ現状が起きてくるのじゃないか、この際こういうとき日当制にしてしまうというようなことは、非常に改悪もはなはだしい。改悪どころの騒ぎじゃないというようにも思われるのですけれども、この事務の分量が小選挙区制が実施されたならば——されるかされぬかわかりませんけれども、されたならばどういうようにふえるとお思いになりますか。
○小暮参考人 今の小選挙区制度が実施されました暁には、おそらく倍加するのではないかと考えております。これはほかに地方行政部長に対して意見もありますけれども、この場合控えておきます。
○中井委員 小暮さんの切実な公述を承わりました。それで一、二お尋ねしたいのでありますが、今は俗にいえば月給制度である、それが日当制になると、ニコヨンのような気分になって、まことにどうも気持が悪いという御意見はあるのです。しかしこのことは理論的にいえばどうだということになれば、月給は偉いので目当はだめだというような考え方はいけないと思います。ただ今承わりますと、出勤した日だけというようないわゆる日当になりますると、いつが選挙管理委員の各位が出勤をされた日であって、いつがそうでない日であるかという区別が、現実の問題として非常につけにくい事情があるのではないか。たとえば委員おのおのお仕事を持っておられると思うのであります。一日一回役所に出られたときには日当が出る、それから出られてもそのときは各委員がおそろいにならぬで、またあした集まろうというふうなこともありましょう。またお宅におられてもいろいろ電話がかかってきたり、あるいは法の解釈について意見を聞かれたりするようなことが非常にあろうと私は思うのであります。そういう意味において、理論は理論として、現実の面として日当でもってやり得ないように私は考えるのです。その点は先ほど人事委員の方にも私はお尋ねしようと思ったのですが、さっき御退席になったのでありますが、こういう委員会制度というものはそういうところに妙味がある、毎日一定の時刻にきちっと参集をして、はい、さようならということがないところに妙味があるやにも考えるのであります。そういう点で私は実際問題としてやれないのじゃないかというふうにも考えます。なおその点で、それは費用弁償その他でもってやれるというふうな友末さんの御意見も先ほどありましたが、こういう点について実情をちょっとお聞かせをいただきたいと思います。実情はどうでありますか。現実にそういうことになれば、逆の場合で予算がないから、もうことしは集まってもらいたくても集まってもらえないというふうな話もありましょうし、どういうことになりましょうか。私は委員会の内容は多少は存じておりまするが、全国たくさんあります。 それからもう一つお尋ねをいたしたいのは、小暮さんは横須賀というお話でございましたが、これは地区によって非常に相違があろうかと思います。先ほど町村長の会長さんにも私は伺ったのでありまするが、たとえば全国町村議会の会長さんにも伺ったのですが、事務局の問題、そういうことについても選挙管理委員会の府県の管理委員あるいは市町村の管理委員、その中にありまして大都市と中小都市、こういうことになって参りますと、私は今の政府の改悪のようなわけには、具体的にも実施不可能じゃないかということさえ考えるわけであります。そういう点についてもう少し詳しくお話がいただきたいと思います。
○小暮参考人 大へんこまかいところまでお尋ねでありまして、お尋ねの御趣意に対して敬意を表します。御承知の通り公職選挙法の第六条に、選挙管理委員会は常時啓発するということになっておりまして、それをまた実行いたしております。しからば現在の費用でそれができ得るか、これはできてもできなくてもやらざるを得ない。そこに選挙管理委員会に携わっている者の真剣さがある。従って大衆は、国民一般は選挙管理委員会がかくのごとく真剣になってやっているのだ、国民がそれに共鳴している。そこに御承知の通り今日までの選挙管理委員会の任務は遂行されている。これを知らない人がある。これを最も知っていなければならぬ関係の者で、これを知らない者がある。実にふんまんにたえない。さようでありますがゆえに、選挙管理委員会は物質にあらず、精神的に日本をよくするには選挙よりほかないのだ、われわれはその陣頭に立って、そうして国家のために公明な選挙を行なって、皆さんに公明な政治を打ち立ててもらいたいのだ、その一心に燃えている。それを最も知らなければならない者がそのことを知らない。幾ら言ってもわからない。私ども深く申し上げますることは遠慮いたしまして申し上げませんが、一に皆様の御良識に訴えて適正な御判断をいただきたいと思います。
○加賀田委員 ちょっとお伺いいたしますが、実は午前中、全国知事会の代表の方にこういう問題をお尋ねしたところが、そういう日当制のいろいろの矛盾をカバーするためには、実費弁償に基いて何とか考慮したいという答弁があったのです。実費弁償というと弁当代とか、交通代とかいう形になると思いますが、やはり日割りはそのまま実施されてそういう形になっていくと思いますが、そういう実費弁償というような技術的な方法で今の日割り、日当制をカバーできるものかどうか。それは双方とも精神的な問題もあるでしょうし、実質的な問題もあるでしょうし、こういう問題をカバーできるかどうかということをちょっとお尋ねいたしたいことと、今自治庁の方では、大体そういう参考人の御意見の中にあった実情をよく知っている、こういう意見でありますけれども、知っているとするならば、知っていながらもなお日当制のこの法案を出してきたということは、この法案を出す前に選管の方々と自治庁は相談があったかどうか、この点をちょっとお伺いいたしたいと思います。
○小暮参考人 お答えいたします。むろん自治庁へ参りまして陳情もいたしました。自治庁の——名前をあげましょう。行政部長とも折衝したのです。全国の代表が去る十五日に集まって、そうして長時間にわたり詳細にわたってその実情を話した。話したがわからない。それは行政部長の説明によってよく御了解のことと存じます。選挙管理委員会の一同は物質で動いているのではないのです。ほんとうに全力をあげて公明政治の実現を選挙によってその任に着かれる各位のお力によって進めていただきたい、その一点に燃えているその者が、あれは日当だ、そこのどぶさらいに日当をやるというような気持に、もしそれ一般の人の誤解を受けたときには、この選挙の実態がどうなるかということを心配している。そのためにずいぶん行政部長にも言ったが、少しもわからない。わからないから皆さんの前でどういう説明をしたかということも大よそ想像がつくのです。名前はあげたくないのですけれども、国家のためにあげざるを得ない。なおいろいろな表を持って参りましたから、どんな説明でもできますけれども、しかし貴重な時間を大へんおじゃまいたしまして済みませんから、この辺でとめておきます。(拍手)
○大矢委員長 よろしゅうございますね。——どうも御苦労さまでした。 次に全国市議会議長会迫参考人。
○迫参考人 全国の市の議長会を代表いたしまして公述申し上げます。鎌倉の市会議長であります。ちょうど関東で議長会の総会を栃木の方でいたしておりまして、急拠帰りましたので、五大市との詳細な打ち合せを聞きませんでしたが、かねての理事会において検討された問題について公述いたしたいと思います。 この改正案につきましては、法案の作成前に自治庁長官とわれわれ地方団体との意見を開陳をする機会を与えられましたので、われわれの意見がある程度反映をいたしまして、二十二国会に提案されました改正案に比較をして、相当意見が取り入れられているということにつきましては、一応敬意を表する次第であります。しかしながら、われわれ全国の市の議長会としては、これをもって全面的に賛成の意を表することはできないのであります。この改正案について賛意を表しがたい点につきましては、きょうまでしばしば政府並びに国会に対しまして、また皆様に対しまして要望書を提出してございますので、御承知のことと思います。 まず第一に、二十二国会に提案をされました改正案以来今次の改正案の作成に至るその過程を観察いたしますと、地方議会に関する事項において経費の節減ということに名をかりて、地方議会の権限を圧縮せんとする思想の底流があるやに感ぜられますことは、まことに遺憾に考えておるところでございます。もしさようであるといたしましたならば、これはわが国の民主政治の発達を阻害するもので、重大な問題と言わざるを得ないのであります。もとより地方議会において自粛すべきことは大いに自粛をいたしております。昨年の二十二国会のころも地方議会のあり方について、新聞で相当の批判をいたされましたけれども、現にわれわれといたしましてはできるだけ自粛をいたしました。その一例を申し上げますならば、議員定数を自発的に減少した市の議会が現在六十七ございます。大阪府下の布施市の議会におきましては本来四十名の議員定数を持つものを二十名に減じておるのであります。その他の市におきましても五名ないし十名を減員して予算の縮減をはかっておるのでありますが、さらにまた市の議会の経費を見ますと、昭和二十九年度において四十六億円、総予算に対する比率は一・七%でございます。昭和三十年度におきましては三十九億円でございまして、総予算に対する比率は一・五%になっております。かような状況から見ましても、この改正案のねらいが経費の節減であるというならば、議会に関する限り納得し得ないところでございます。それはむしろ議会政治発達のために惜しむことであると考えております。 この改正案中地方議会に関する改正の事項につきまして反対いたしております主要な事項を申し上げますと、その第一は常任委員会に関する件でございます。改正案では常任委員会の数を人口段階別に細分いたしまして法定することになっておりますが、これは当を得ないから八以内で、条例で地方団体の実情に即して定めるように改正を要望しております。また議員は一箇の常任委員となるというふうに制限されておりますが、これは議員の議会活動を制限するものであるということから、地方の実情に適合しないのであります。よってかかる制限を廃しまして二箇までは兼務ができるというふうに御訂正を願いたい、かように要望いたしております。 次に市町村に対する府県知事の監督権の問題でございますが、これは最近市町村に事務の再配分を行なって、その自主性を確立していこうという場合におきまして逆行するものでございます。この改正案においてわれわれはこれを特に強く反対をいたしたのでありますが、新たに二百四十六条におきまして二、三の規定が設けられまして、これが監督権を有することに相なっておるのであります。総理大臣の委任事務でございましても、府県知事の市町村に対する監督権、これでなくて、やはり万やむを得ないときには総理大臣の監督権で修正を願いたい、かように要望いたしております。自治庁におきましても、かようなことはめつたにないのだというようなことを言っておられますけれども、もし府県知事の監督権の発動を要するようなことが数多くないとするならば、自治庁も手足をたくさん持っておられますから、自治庁において監督をするというようなことに御修正を願いたいと思うのであります。 次に大都市に関する事務委譲の点でございますが、都市の自治権の拡充の面におきましてもこれには賛意を表しております。将来ともに逐次その他の都市へもかような事務の再配分を要望いたしておるのであります。それから大都市の制度を確立しようという現在におきまして、今回の改正案に特別市制に関する条文が削除されたことは、まことに遺憾と考えておる次第であります。 以上簡単でございましたが、全国市議会議長会の基本的な態度を申し述べた次第でございます。
○川村(継)委員 一つお尋ねいたしたいと思いますが、実は本日たくさんの参考人の方からいろいろ御意見を承わりましたが、今度の自治法の改正については、どなたも万やむを得ないものだとして一応肯定されているようであります。それは市長さんのような理事者の立場から見られた場合に賛成される条項もある。市議会の立場からすれば、どうもそのままでは納得できないとお考えになっておる条項もあるのじゃないかと思われる。先ほどの選挙管理委員会、公平委員会等の立場からは、今度の改正をめぐっていろいろと反対の意見等も申し述べられております。ただ今あなたのお話にもありましたように、この委員会で最も大きな問題となって論議されましたのは、今お話の二百四十六条に関係する問題、それから第二条に関係する問題であるわけです。第二条に関係する問題は御承知の通りだと思いますけれども、いろいろわが党の委員から自治庁の長官あるいは行政部長に対して質疑を行なったのでありまして、相当疑問点を残しておるわけです。特に二百四十六条については最も大きな問題だと考えねばなりません。それで万やむを得ないものだというふうには言われておりますけれども、地方自治体の自主的な自治の本旨に基いた運営というようなことを考えてみたり、それから将来の民主主義の基盤である地方自治体の健全な発達ということになりますと、私たちといたしましてもその点憂慮しなければならぬ問題が非常に含まれているんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。そこでこの第二条関係あるいは二百四十六条関係について、全国の市会議長の代表とされまして、これをどういうふうにお考えになっておられますか、いま一度お聞かせいただいたらいいんじゃないかと思います。
○迫参考人 この都道府県の市町村に対する監督権でございますが、ただいまお説の通りわれわれは府県と市町村というものは対等の立場である、府県の監督を受けるというようなものではないと考えておりまして、さきに教育委員会法の改正がございましたが、これなんかも市町村の教育長は府県の教育長の承認を得なくてはならぬというようなことに、市の議会としては反対をいたしておるのであります。結局かようなことがだんだん中央集権になる形である。すなわち大阪城の外堀をだんだん埋めてきて、いよいよ中心に迫ってきたんだ。これではわれわれ地方自治を守る者としては何としても阻止しなければならぬということから、この条項につきましてはわれわれ市議会は全面的に強く反対をしてきたのでありますが、現在かような条項がうたわれておるのでありまして、この点は特に地方自治体に明るい地方行政委員会の皆様におかれまして、一つ十分阻止をしていただきたい、かように考える次第であります。
○川村(継)委員 重ねて、次のようなことを申し上げて大へん失礼かと思いますけれども、今ちょっとここに漫画的な姿を考えてみたのです。ここに兵隊さんが二人おる。府県という形を持った兵隊と市町村という形を持った兵隊の姿を考えてみるわけです。今まではこの二人の兵隊は両方とも同じ三つ星の、上等兵と昔呼んでおったような三つ星の肩章をつけている。ただ府県の兵隊さんは背が高い。少し肥えておる。市町村の兵隊の方は少し背が低い兵隊さんです。法令によって権限の違いはあったでしょうから、幾分そういう差異はありましょうけれども、そういういわゆる地方自治体として同等な権限を認められておった。ところが、今度の自治法の改正によりまして、府県の上等兵であった、三つの星をつけておった兵隊さんが、突然金筋三本はめた方に昇格させられた。そして国という力によってこの将校となった兵隊を動かして、次の上等兵であるところの市町村の兵隊さんを指図をしていくというような形になってくるのじゃないか。そういうような方に政府としても自治法の改正をやった方がやりやすい、そういうようなねらいが出てきているのじゃないか。非常に失礼なたとえですけれども、漫画的に考えておそれているわけです。これがこれぎりで終るならよろしゅうございますけれども、また一年二年となりますと、もっともっとそれがひどくなるような、今あなたのお言葉にあったような、いわゆる中央集権的な政治というものが浮び上ってくる。強化されてくる。そういう方向に進んでいるのじゃないかということを憂慮するわけなんですけれども、どうでございましょう、そういうような考え方は的をはずれておるということになりましょうか。そういう危険が多分にあるというようなお考えをお持ちでございましょうか。その辺のところをお聞かせ願いたいと思うのです。
○迫参考人 さきに二十二国会に提案をされました自治法の改正のときには、非常な地方議会の権限の縮小あるいは地方自治体に対する相当の監督というようなことで、私たちは全国の市の議長をあげて反対をいたしたのであります。今回は先ほど申しましたように、若干は修正をされてきましたが、結局この辺で少しずつ改正をされて、今お話のように、将来地方自治体が、市町村が手も足も動けなくなるような状態になることを、実は私たちもおそれております。府県の方がいらっしゃいませんので、こういうことを申し上げてどうかと思いますが、われわれの考え方といたしましては、市町村というものの、ほんとうの地方自治の充実をはかるには府県というものをある程度統合、改廃しなければいかぬ。府県が力を相当持ってきて、市町村に監督をだんだんしてくるというようなこと、これは非常にわれわれとしては反対をいたしておるのであります。地方制度の改正という問題は、今いろいろ取り上げておられますが、実際に市町村が十分充実をするというためには、府県というもののある程度の統合が必要ではないか、かように考えております。
○亀山委員 迫参考人にお伺いしたいと思いますが、御案内のように、今度の自治法の改正には、九十二条の二という規定がございまして、地方議会の議員はその地方公共団体の請負をするということは禁止されておるわけです。これについてどういう御意見をお持ちか、ちょっと拝聴したいと思います。
○迫参考人 この議員の請負禁止でございますが、これは実は議長会においても相当もめた問題であります。一部の地方議員が市の請負をしたということにおいて、何か不正があったのかどうかわかりません。自治庁あたりにおいてさような実証を握っておるかどうかわかりませんけれども、いやしくも憲法できめられました職業の自由というものが、これによって制約をされる。また土建業者である者が、将来議員として立候補が制限される、こういうようなこと。それと、ひとり請負業者だけがかような制限がされまして、そのほかに現在市に納入をする、市といろいろ交渉を持っておる職業があるわけでございます。たとえばガソリンを納入しておる、あるいは消耗品を納入してる文房具屋、あるいは薬品を納入をする、かような場合に、請負業者以上の、相当の額に上る業者もあるわけです。ただひとり土建業者だけに請負をこれから締め出すということは不公平である。しかも二万人近くの市会議員がございますが、一部の、過去においてわずかの不正があったというようなことにおいて、かような条項を加えることには、非常に反対をいたしておるのであります。一部賛成の意見が二人くらいございましたが、それは全国の監査委員会がこれを法文化せよという要望をしておるから賛成すべきだということでございましたけれども、監査委員というものは、御承知の通り、議会側から一名と、学識経験の方から一名出ております。全体の議員の良識に待って、しかも議会というものは合議制でございます。相互の牽制ができるのであります。全体の議員のために、かような条項をあらためて入れるということには反対をいたしておるのであります。
○中井委員 今の問題に関連してもう一点伺いたいのですが、これは市議会の議長さんではちょっと範囲が広くなるかと思いますが、関連的にお尋ねいたします。今の請負禁止その他の問題ですが、これは私ども社会党といたしましては、理論的にはけっこうだというふうな考え方もいたしております。しかし現実の面となりますと、国会議員にはないんですよ。これが一つ。それから鎌倉などは大きいでしょうから、いろいろ業者もたくさんおありでしょうが、いなかの、人口一万程度の町村に参りますと、たとえば、そういう禁止をやると、その村では請負人がおらぬ。たまたま村会議員なり町会議員以外には請負業者がおらぬということになると、必ずほかの村から連れてこなければならぬというようなことで、現実の面で私はこの問題は多少割り切れぬような感じもいたしております。そこでどうでございましょうか。こういうことについて一応私どもは、やるのならば国会もやれ。それからまた逆に考えると、抜け道は幾らでもある。たとえば市会に当選したから土建の社長はやめておこう、その代りちょっと子分にやらしておけというようなことになれば、何にもならないという面もありまして、実はこの法案の審議について、基本的にはわれわれは賛成なんでありますが、実質という面を考えますとちょっと疑問が起りますので、その辺のところを一つお尋ねいたしたい、かように存じます。
○迫参考人 鎌倉も大して大きな市ではございませんで、人口わずか九万そこそこでございます。現在の私の議会の状況を申し上げますと、請負業者が議員になっておる者が四名おります。ほかにも議員以外の請負業者はおりますけれども、努めて議員は市の請負はしないというような議員自身の良識で、現在やっておりません。もちろんこの前の議長会総会におきましても、国会議員にはそういう制限がないのだから、地方議員だけそういう制限をつけることはどうかという意見も強くございました。これはどこまでも議員の良識に待つということにして、特に法文化しなくちゃならぬということはどうかというふうに考えておりまして反対をいたしておるのであります。
○中井委員 もう一点、それと多少関連して常任委員会の制度でありますが、今一つでは困るというふうなお話であります。これについてもいろいろと考え方があろうと思いますが、私、この点も一つ疑問にしておるのです。筋といたしましては議会は執行機関でなく議決機関でありますから、市政その他実施の面においてくちばしを入れるべきではない、これはその通りであります。その通りであるが、現実にたとえば鎌倉市において道路の拡張をやる、そこで市長及び市の土木課長にまかしておくとなかなかできない。やはり地元出身の市会議員とか常任委員の人たちに話をしてもらうと、不正も何もなしに案外話がうまくいく、こういうことが現実の政治としては、日本においては間々行われていると私は思うのであります。そういう面からいたしますと、あなたの御意見の一つでは足らぬというふうなことも、なるほどもっともだと思うのでありますが、どうでございましょう、鎌倉といえば日本の方々の方が集まっておられて、いわゆる地方の都市ではありません、多少近代都市的な性格を持っておりますので、事情も大都市並みのこともあろうかと思いますが、今お尋ねいたしましたように、議会の議員さんが厳格に法の命ずるところによって議決機関としてだけの仕事をしていらっしゃるのか、現実には陰では市の執行機関のお手伝いをして、市政の円満な運営をはかっておられるのか、その辺の実情を伺っておきたいと思うのであります。
○迫参考人 一委員会一人ということに反対をいたしておりますのは——実際の布施市あたりの実情をまず申し上げますが、布施市では四十名の議員定数を持っておるのであります。それを自発的に二十名にした。二十名の場合に、常任委員会が今度の改正で四以下ということになりますと、一委員会が五名になります。一委員会が五名で過半数をもって成立をするということになりますと、三名で大体市政の専門的な部門の結論が出るわけであります。もちろんこの常任委員会というものは少数の意見でありますから、本会議で結論を出すのでありますが、専門委員会の常任委員会の結論を尊重するという議会の行き方があるのでありまして、さようにしますと、市の現在の非常に複雑多岐にわたる行政を、三名の議員の結論において大体承認していくということは審議に非常に無理がある。だから布施市のような場合には少くとも一人で二つの委員会を兼務してもらって、なるべく多数の意見を戦わして結論に持っていくということにしませんと、三人で鼻つき合わしておって話をしましても、一人が強い反対をいたしましたら二人の意見は出てこないという場合が往々にしてあるのでありまして、かような意味から一議員一常任委員会という受け持ちは二以上にしてもらいたい。鎌倉の場合は現在六委員会ございます。しかも二つの常任を兼務いたしておりますから、多いところは一委員会が十二名、これで論議しておりますので、大体公平な意見が出るようであります。
○川村(継)委員 さきに亀山委員の方からお尋ねのありました議員の請負の問題、これは今参考人がお話になりましたように、鎌倉市の実例からすると実際りっぱなことで問題はないと思います。議員の中に四名さんがおられる。しかし市の直接関係の請負はなるべくこれはやらないようにしておる。良識的にしていただけば問題は起らないと思うわけです。ところが実際私たち実情を知っておる者からすると、やはりどうもこのままではという気持が起るわけなのであります。一例を申し上げますれば、二、三年前に大水害を受けた市があります。ところがこの復旧工事に相当な経費が要る大事業なのであります。それでにわかに土建業の請負登録をされて、これは市会議員さんたちが中心になって復旧工事をやられた。復旧事業に精魂を尽して下さったことはよいけれども、その結果は市民の実にひんしゅくを買って、とんでもない問題を巻き起した事実があるわけです。そうして現在はどうかと申しますと、過去はよく知りませんけれども、たとえばその市の予算を三億といたしますと、大体二億くらいがそういうような事業関係に使われる。その中のほとんど大部分の建設関係、土建関係の仕事は、みなその市の市会議員さんたちが請け負ってやっておるというような実情を見るときには、やはりわれわれといたしましてはこのままでいいのか、市民のためにりっぱな明朗な市政を行なうためにはこのままでいいのかという考え方が出てくるわけです。鎌倉市のようなお考えで良識でやって下さっておるところは問題はないとして、そういうものまで禁止するということは、これは原則として考えますと、よくないことだということはわかりますけれども、実際としてはそういう見方も出てくるわけです。一方では少しでも市あるいは町村の財政をりっぱに運営するために市民が納めたところの税金というものは正しく使うためにやっていかなければならぬという考え方が中心になって、あるいはいろいろの経費を節減していこう、今度の改正案に出て参りますように、委員会の方々の手当も日当にしようというような、こういうときに、今の市会議員さんの請負業というような問題をこのままで、あなたがおっしゃるようなそういう良識に立った考え方だけでよいかという疑問が出てくるわけなのであります。そういうことを考え合せてみて、どういうふうにお考えになるか、ちょっとお考えを聞かせていただきたいと思います。
○迫参考人 ただいまの御説は非常にもっともだと思いますが、これは非常に特殊な例じゃないかと思うのであります。三鷹の一例を申し上げますと、三鷹の市会議員がやはり請負業者でございまして、入札の指名権を得るためには、税金の完納の証明書を出さなければならぬ。この場合に議員自身は完納していないのに、市長に頼んで完納の証明書をもらって指名権を得た。だから、かようなことがあるからこの請負制度は禁止をしていかなければならぬという意見がありましたけれども、これも私はきわめて少い特例であろうと思います。かようなために、全体の議員の職業というものをばある程度制限し、また土建業者というものが、将来市会議員に立候補が相当制限されるということになりますと、これは重大な問題であって、どこまでも選良として議員は良識を持つべきである、国会議員の方でもかような特例はないのでございますから、地方議員におきましても良識に訴えて善処するようにこれを特に禁止する法文化は必要じゃないのじゃないか、こういうことであります。
○川村(継)委員 どうもありがとうございました。
○大矢委員長 他にございませんか——それではこれをもって参考人の意見の開陳は終りました。どうも御苦労様でした。 —————————————
○大矢委員長 それでは引き続き地方自治法の一部を改正する法律案、地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の二法案を一括議題として質疑を行うことといたします。
○川村(継)委員 行政部長さんに一つ御意見を聞きたいのですが、きょうの参考人の方々からいろいろ御意見を聞いたわけですが、その中で先ほど行政部長もお聞きになったと思うのですが、小暮さんだと思いますが、選挙管理委員会の方からいろいろ御意見がございましたが、選挙管理委員会その他の委員会の報酬というものは、結局日割り計算で出して日当にする、こういう点について自治庁として考えておられます考え方を、詳細にお語いただきたいと思います。
○小林(與)政府委員 非常勤の職員に対する報酬、給与をどうするか、こういう問題でございまして、これは先ほど大野木参考人も言っておりましたが、給与の根本的な性質にかんがみて、それはもっともなところがあるということを言っておられるはずでございまして、給与というものは、常勤の職員に対する給与と非常勤の職員に対する給与というものはおのずから違う。勤務に対する対価と申しますか報酬というものが給与の本質でございます。それでございますから、一定の日にち、一定の時間他の勤務を全然放擲して兼職が禁じられて、専心その職務に尽すべきものに対する給与と、そうでなしに他に職業を持つことは自由であってしかも勤務の態様が時間的にきわめて限られており、その限られた時間で専心職務に熱中していただくことは当然でございますが、そういうものとはこれはおのずから違うだろうと思うのでございます。それで国の給与制度におきましても、国家公務員全般に通ずる原則といたしまして非常勤に対する勤務につきましては、勤務日数に応じて給与を支給する、その金額は一日幾ら以内とする、こういう式に実は給与法でなっておるのであります。給与の本質というものは、中央の公務員であると地方の公務員であると選ぶところはないのでございまして、そうした本質的なものはやはり一致させておくべきものだと考えるのでございます。そういう意味においてその建前を今度明らかにすることにいたしたのでございます。行政委員会は他の審議機関や調査機関とは違うのではないか、この機関の権限、地位というものが単なる審議機関と違うことはきわめて明瞭でございます。しかしながら行政委員会であるからといって、常に常勤であるべきかといえば、それは行政委員会の仕事の性質によっておのずから違うのでございまして、常勤でなくてはならない勤務のものもあれば、そうでなくてもいいものも現にあるわけでございます。この前の委員会でも申しましたが、国にもいろいろ行政委員会がございますが、国の行政委員会でも常勤のものと非常勤のものとがある。非常勤のものについては常に勤務日数に応ずる建前をとっておるのでございまして、文化財保護委員会の委員にしろ、首都建設委員会の委員にしろ、あるいは中央の選挙管理委員会の委員にしろ、その点はみな同じことでございます。最近できました原子力委員会の委員にしろ、常勤の委員と非常勤の委員が現にあるのでございまして、そういう意味の給与の基本的な建前というものにのっとって給与制度というものが確立さるべきではないか、こういうのがわれわれの根本の考え方でございます。しかしながらそうしたら日割りにした場合に日割りの金額をどうするかという問題は、おのずから委員会の職責の重要性なり委員として選ばるべき人の地位なりにかんがみまして、それぞれ適当に処遇せらるべきであって、この点は当然な話だと私は考えておるわけでございます。今度の給与の制度の改正は、今の日割りの原則を明らかにすることと、もう一つは給与の種類というものを国の公務員と一緒にすべきではないか、これは御承知の通り地方の公務員の給与についてはいろいろと問題が各方面にわたって多いのでありますが、われわれといたしましても、国家公務員に準ずる必要な給与を保障し、必要な財源を見てやる必要はあるのでございまして、そういう点は財政上の問題としても考えなくてはいかぬ、そうすれば給与の基本的な建前だけは一致させまして、そうしてそれに応ずる措置をすべきではないか、あとの実際上の額とかなんとかいうものはもちろん自主的に決定さるべし、こういう基本的な考え方に立ってこの問題を考えたのでございまして、特別に委員会の職責を日割りにするからどうこうする、そういうことはあり得べからざることでございます。日割りだから卑しい、月割りならば尊い、そんなことはあり得るはずがないのでありまして、もっぱらそうした給与制度の基本的な立場に立って問題を考えまして、あとは実情に応じて適宜自治体があんばいをしていただきたい、こういうのが私たちの希望でございます。
○川村(継)委員 給与の本質問題はわかるわけですね、それならば今まで現行法のような給与支給の方法をとってきて、今度急に改正しなければならぬ——行政部長あたりがそういう考えを持っておられるならば、なぜずっと前にこの自治法を制定するときに、そういうことをちゃんと実施しなかったのかという疑問が出てくる。それを今日急にこういうふうにやろうとすることは、そのような給与本質の問題はもちろん存在するでしょうけれども、やはり昨年あたりから問題になってきておるように、地方財政の問題から、こういう委員会あたりのものを、そういうふうに日割り計算にでもすると、相当財政上の余裕が出てくるのではないかというような考え方が突然飛び出してきて、手をつけられたのではないかという疑問も出るわけですが、その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○小林(與)政府委員 現在の制度は何もそういう制限がないのじゃないかということはその通りでございます。しかしながらこの報酬につきましては条例できめることになっておりまして、条例ではそれぞれ報酬の性質に応じてきめてしかるべきものでありまして、必ずしも全部月割りでやっておるわけではない。日割りで標準をきめておるところも現にあるのでございます。それでございますから、そうした性質をはっきりさして筋を立ててやってもらいたい。条例で自主的にやっていただいておるところもありますが、制度の基本だけはきちんとしたいというわけでございます。 なお、今の財政上の困難のためにやるんじゃないかということでございますが、それはそういう面も考慮いたしております。行財政をできるだけ合理的に組み立てて、合理的に運営するのが筋でございますから、そういう意味で制度の合理的な運営をはっきりさせたいという気持ももちろんございますが、それはあくまでそうした報酬というものの根本的な性格にかんがみまして、その性格をこの際はっきりさせたい、こういうことでございます。
○川村(継)委員 それは給与の本質から考えていけば、行政部長が言っておる通りだと思うのです。ところが何も条例にまかせても違反となる問題じゃないと思いますから、こういうようなものはある程度条例にまかせておいても、そう何も一々縛り上げる必要はないんじゃないか。ただ現在われわれが問題としたいのは、こういう給与の本質論ではなくて、選挙管理の実態、人事院の実態から考えましても、やはり地方財政にどれくらい影響を与えているかということを考えてみる必要がある。そうなると、この前から、門司委員からでしたか、要求しておりますそういうものの実態調査が、一つの大きなサンプルにならなければ結論は出ないのじゃないかと私は考えるわけです。
○小林(與)政府委員 その資料はすぐに差し上げたいと思います。われわれの方で見ておるところの資料も差し上げたいと思います。これはその通りでございまして、条例にこういう問題をどれだけまかせるか、こういう判断の問題だろうと思います。それで、やはり財政上のいろいろな問題につきまして、国と同じ問題をめんどうを見なくちゃならぬとすれば、大筋の原則だけは国の制度と一緒にさせておくべきであって、あとは自治体の自主性にまかせる、こういう建前をはっきりさせた方がいいじゃないかというのが基本的な感じでございます。
○川村(継)委員 もう一つ明らかにお聞かせ願いたいと思いますが、この改正案に恩給通算の問題が出てきますね。たとえば私立の高等学校職員の恩給というものはこれに含まれていないと私は解釈するのですが、その辺のところはどうなっておりますか。
○小林(與)政府委員 市町村立の職員は当然には含まれておりません。当然に恩給の通算をいたすように義務づけましたのは、つまり都道府県の職員とそれから義務教育職員だけでございます。市町村の職員でも義務教育職員だけにつきまして、当然国の恩給の通算の規定を入れたのでございます。それ以外の市町村の職員につきましては、高等学校の職員も含めまして、当然にこれは入っておりません。これはこの前もちょっと申し上げたつもりでございますが、この恩給の通算の問題は多年の大きな問題でございまして、われわれといたしましても、国家公務員に準じ、国家公務員と交流の多い、あるいは相互に交流の多いものは、ぜひ実現したいというので今日まで努力して参って、どうにか問題の解決に到達したのでございます。その際に問題は、市町村の職員についてどうするかということが一般的に問題になりまして、特にそのうちでも今お話しの高等学校の教員につきましては、これは強い要望が現にわれわれのところへも参っておりまして、われわれといたしましても、この問題を合理的にどう解決するかということはいろいろ考えたのでございます。ところが市町村立の職員になれば、やはり市町村の職員一般の問題として考えなくちゃいかぬじゃないか。義務教育職員は御承知の通り県費負担でありまして、定数とか給与の基準などはみな県でまかなっておりますから、これは当然に県と一緒にやらなければおかしいということで県と一緒にしましたが、市町村の職員になってきますと、市町村の職員全般の通算をどうするかという問題になりまして、これは県ほど異動はありませんが、ある程度あるのも事実でございます。しかしながらこれは、市町村によりまして給与の条件も非常に違いますし、退職金の取扱いも、長いのもあれば短いのもあり、非常にちぐはぐがございまして、これを法律で当然に恩給と通算をしたりするということには少しく無理がある、こういうのがわれわれの判断ですが、しかしながら実態に沿った市町村同士あるいは府県との間ならば、できるだけそれをさせたいというのがわれわれの念願でございます。そういう意味で、法律で一律にやるということには行き過ぎがあるが、自主的にそれをやらしたい、またそういう方向に指導したい、それがためには給与の条件とか退職金の条件をある程度歩調を合せるという問題はありましょうが、ぜひその方向に持っていきたい、そういう気持だけは法律の上ではっきり強く出そうじゃないか、こういうことで特にこの三項を入れまして、通算する措置を講ずるように努めなくちゃならぬという規定を入れたのでございます。この規定は、この前の国会で提案した案には入っておりませんでしたが、その後特にいろいろ考えましてこの規定を入れまして、この規定の運用で、実際必要のあるものはぜひ合理的に解決をいたしたい、そうして自主的な足場をまず固めて、足場ができれば、それからさらに一歩進んで、国家公務員との当然の恩給通算というものをさらに考えたい、こういう含みをもちましてこの規定を入れたのでございまして、まずまず大ていの場合は運用で話がつくのじゃないだろうかと思いますし、そういう方向にわれわれといたしましても指導いたしたいというふうに考えております。
○川村(継)委員 よくわかりました。前にもいろいろ質疑があったそうですが、何も分け隔てをして申すわけではありませんけれども、特に私立関係の高等学校の教職員というのは、私がくどくど申すまでもなく、御承知の通り身分関係は一応私立高等学校の職員になっておりますけれども、人事交流等は、県立や公立の高等学校あるいは市町村の義務制側の職員と常に異動が行われている。そういう関係でありまして、勤務地は私立の高等学校でありましても、実際は、身分の上におきましても、また職員としての職責を果していく上から考えても、何も相違がないわけですね。その点は、今何か足がかりはあるようでありますが、できたらぜひとも将来明確にするようにしなければならぬと考えるわけですが、その点を自治庁としてはよく含んでおいていただきたいと思います。
○北山委員 この前の続きですが、先ほど来給与についての質疑が行われましたが、一般職員の給与について、法定種類といいますか、法律でその種類を今度は限定したわけなんですね。そこで、どうしてこういうふうにやったかということが一つ。それからもう一つは、給与の種類というものは、法律できめた以外のものは出せぬということにしておく以上は、逆に言えば、法律できめたものは、やはり国家公務員と同じように出すべきであるという保証がなければおかしいじゃないかと思うのですが、その辺のお考えはどうでしょうか。
○小林(與)政府委員 給与の種類を法律できめましたのは、先ほど申しましたような趣旨でございまして、国家公務員の給与の基本の体系と一致させよう、またそれに必要な財源的な措置も当然考えなくてはいかぬということで、従来も考える建前で苦労して参っておるわけでございます。そこで、国におきましてもこの手当以外のものは出すことができないという規定が給与法にございまして、その規定に準ずる規定を入れたのでございます。しかしながら、実際の具体的の金額は、団体によって事情も違えば、財政力も違う場合もあり得るし、必ずしもぴしっとやる必要がない。それだからそこまでは国家公務員通りにやれというのは、自治法の建前から見て行き過ぎであろう、こういう考え方でございます。しかしながらわれわれといたしましては、国家公務員に準じて必要とされるような財源措置というものは、当然に財政上一般的に保障する建前でございますから、その趣旨に準じてそれぞれの団体に給与を現実に支給することは、もちろんこれは期待いたしておる次第でございます。
○北山委員 ただ今までは地方公務員の給与については、公務員法に一般的な原則に従っていろいろな規定が置かれておるわけなんです。ですから国家公務員との権衡を失しないようにするのだという一般的な原則のもとに、個々の団体の自主性を尊重しておる。ところがこのように種類を限定する以上は、また同じようにやるべきであるというような具体的な統制ですか、そういうものをやるのですから、やはりその給与の内容についてもそれに伴わなければおかしいのじゃないかと思うのですよ。自主性というものを、こういう種類の範囲においては、種類の点ではこれを制限しておいて、あとはやってもやらなくてもよろしいというようなことはおかしいのじゃないですか、どうでしょう。
○小林(與)政府委員 そこはどの程度まできめるかという問題でございまして、府県市町村の職員の給与の全部を国が統制する気ならば、それはもちろん北山委員のおっしゃいましたようにしなければいけませんが、統制するということは金額も押える、そのかわりに金額は国が必ずやるという建前になるわけでございますが、そこまでいけばこれは地方自治法というものの根本から考えて、私はやはり行き過ぎだろうと思います。これは国が給与の発令まで押えなかったら、ほんとうの統制はできないわけでございまして、そこでわれわれの考え方は、給与の種類はきめまして、そして国がやるのは当然地方もやらせることを期待する。それでやらせるのに必要な財源も当然考える。その財源のそれぞれの範囲内において、自治体が自主的に個々の決定をやる、こういう建前が自治法の基本の建前から申しましても、また国がいろいろ財政上めんどうを見るという建前から申しましても、最も適当な措置ではないだろうか、この程度でとどめるべきものではないかと考えるのでございます。
○北山委員 しかしともかく地方団体が自分の公務員に対して給与を与えるということは、これは本来団体の自主性からいえば、ある程度の自主性がなければならぬので、それを国の法律で種類を限定してしまうという以上は、やはり一定の給与の内容についても、国の方では責任を持たなければならぬということなんだと思う。種類だけは限定しておいて、あとはやってもやらなくてもいいぞというようなことは、これは当然統制から起ってくる責任というものを負わない。都合のいい部分だけ国の方で地方団体の問題を制限しておいて、あとはやろうとやるまいとかまわないというようなことでは困るのであって、従ってこれをやる以上はやはり国の公務員に準じて、それを基準としてやるのだというようなことを裏づけなければ片手落ちじゃないかと思うのです。従ってこういう規定ができる以上は、今までの地方公務員の中の給与条件等に関する規定も一歩踏み出したわけなんですから、もう少しこれを裏づける点についても踏み出さなければおかしいじゃないか、そういう点については何かお考えがありますか。
○小林(與)政府委員 結局この種類をやるのに対して国がどれだけ保障するか、こういう問題で国家公務員に準ずる、給与の額はもう財政上全般的に保障する、これは従来もその建前をとっておるわけでございます。そのあと具体的の額の決定というものを個々の団体についてどれだけ保障するか、保障するということになれば統制する、こういう問題に別の意味でいえばなるわけでございますが、これは今の地方公務員法で従来からやっております通り、国家公務員の給与をその他ほかの団体との間に権衡を保つという基本原則を基礎にして問題を考えていきたいと思うのでございます。国が給与のいろいろな人事院規則や何か作れば、もちろんそれに準ずる準則というものが地方に行われることを期待しておるわけでございまして、われわれといたしましても従来そういう指導はやってきておるわけでございます。
○北山委員 それからもう一つ、これは地方公務員の側からいえば、自分たちの給与条件について折衝する相手というものは、地方団体じゃなくて——地方団体もあるけれども、法律で限定するから国を相手にしなければならぬ場合が当然反射的に出てくる。従って、こういうふうに国の法律で地方公務員の給与の種類を限定する以上は、国が地方公務員を相手として交渉するような道をそこに開かなければ、今の労働関係といいますか、そういうような関係を律する原則からして、これは不当じゃないか、そういう道を開かなければおかしいのじゃないか。国は自分で地方公務員の給与について法律でもってこれを縛っておきながら、直接には相手にしないというのはおかしいのじゃないか。私はやはり公務員に対して、国として人事院が国家公務員に関してやるのみならず、地方公務員についても、窓口を開かなければならぬような規定じゃないかと思うのです。そうでなければおかしいのじゃないですか。
○小林(與)政府委員 これは市町村の公務員が、国に対して何か給与について交渉と申しますか、折衝と申しますか、そういうことをするかしないかという問題だろうと思いますが、国の給与の基本というものは、国家公務員につきましても法律で作っておるわけでございまして、最高の国会において給与の基本原則というものは定まり、その範囲内においてそれぞれの任命権者との間におきまして、いろいろ交渉が行われて、予算の範囲内においてさばきがついておるわけだと思うのであります。法律できめますことは、国の最高統制という問題になりましょうが、国会の判断できまるわけでございます。個々の給与の決定は任命権者の問題でありますから、そこでそれぞれの所属する団体における任命権者の問題として事が行われてよいのでありまして、この点はたとえば退職金の問題でありましても、恩給の通算でありましても、恩給法できまって通算が現に行われておる、そういう場合の関係と私は選ぶところがない、こういうふうに考えております。
○北山委員 たとえば地方団体について、地方公務員がその団体の理事者とかあるいは議会に対して、かりに薪炭手当というものを出してくれという交渉をする。ところがこういうものは法律で認めていない。だから折衝する理事者においても、任命権者であろうが何であろうが、議会であろうが、条例できめることもできない。これは国の方にいってくれ、こういうことになるのです。だから折衝の相手が国の方になってくる。一般的な基準を法律できめる、そしてその範囲で条例できめるというならいいのです。だけれどもここでは厳格に法定主義なんです。法律で種類をきめておるでしょう。それ以上にはみ出せない。もしも国家公務員について、薪炭手当というものが今度できるとすれば、また今度法律で地方自治法の改正をしなければいけないということになるわけです。従って国が地方公務員のお相手をしなければ、そういう窓口を作らなければいけないのじゃないですか。今非公式に団体交渉みたいな形でやっておるが、今は一応責任のがれをすることはできるのです。地方団体に対してはそういう期待をするとかいうことはできるが、少くとも法律できめる以上は、国がやはり相手になる窓口を作らなければいけないのじゃないか。たとえば人事院の中に地方公務員についての仲裁調停の機関を作るとか、そういうことにして地方公務員のそういう問題をそこに持ち込む。その機関は地方団体並びに国に対して勧告をするということができるような道を作らなければ、これは地方公務員が労働者としての権利を要求してこれを達成する道がふさがれてしまっておる。だから片手落ちだといわざるを得ない。こういうことをあわせてやらなければ、ただ給与の法定だけをするのでは無責任だと私は思うのですが、どうですか。
○小林(與)政府委員 これは給与だけですが、恩給とかいろいろな制度、勤務条件全部につきまして、法律ではいろいろきめておる原則があるわけであります。法律できめておる問題がたくさんありますが、その立法の基本につきまして全部いわゆる交渉と申しますか、そういうものを法律上認めるか認めぬか、こういう議論になるだろうと思います。今日におきましても、地方公務員法ではそういう建前ではないのでありまして、法律の範囲内においてそれぞれ許容された問題につきまして、その任命権者の持っておる権限の範囲内において交渉があるわけでございます。人事院につきまして、われわれ国家公務員といえども交渉権というものはないわけでございまして、それはそれぞれ任命権者がやる。人事委員会は、これに対して全体に対しての勧告権というものは中立的な立場において持っておるにすぎないのでございます。要するに国家公務員につきまして基本的な問題が定まって、そうして給与の問題は法律を改正しなければ、国家公務員につきましても改正が行われないのでございまして、そういう場合には当然地方公務員につきましても右へならえで、必要な立法的改正並びに財政的な考慮を払うべきものと考えておるのでございます。
○北山委員 現在までの公務員制度の、やはり一定の制限のもとではあるが、労働者としての権利を守る原則から行くならば、ただいまのお答えはどうもおかしいと私は思います。何となしに法律できめてあれば、それでいいのだというようなお考えのようでございまして、この点はまことに遺憾でございます。 それからほかの問題に移ります。これは字句の問題ですけれども鈴木さんにお伺いします。職員という言葉が第二百三条に使ってありますが、職員というのは私どもは普通の場合には、地方公務員法等の用語で言えば一般職の公務員になっておる、こう考えておったわけです。従って議員とか委員というものは職員でない、議員、委員、職員ということに考えておったのですが、この二百三条の二項の規定によると、職員という使い方は、地方議会の議員も、委員も、それからその他の非常勤の者も、そして一般職の職員ももちろん職員というような用語を使っておられるようですが、これが普通使う用語例として適当であるかどうか伺いたい。
○小林(與)政府委員 失礼ですが私から申し上げます。これは職員のうちには普通の吏員も入っておれば、その他のいろいろな公務員、立会人その他の職員、いやしくも地方公共団体に属する公務員である者はみんな入っておる、こういう解釈でございます。
○北山委員 それは確かにそういう広義の解釈もあるようですが、通常使う場合には、地方公務員法等でいっておる職員というのは、たしか一般職の常勤職員というような意味で、職員という用語を使っておるように私どもは考えております。だから議員、委員というものは、小林さんの解釈によると職員の中に含まれるということですが、そういう用語の使い方も確かにあるようですが、やはりその内容については、あまり食い違いがないようにしなければならぬのじゃないかと思うのです。地方公務員法でいう職員と、この自治法の職員とはどうも違うらしい。この二百三条には「前項の職員の中議会の議員以外の者に対する報酬」というように書いてある。従って議会の議員もこの場合には職員なんです。明らかにそうです。ところが地方公務員法の何条かの職員というのはそうじゃなくて、そういう特別職の者は含まれておらないで一般職の者です。そういうように書いておるのです。同じ職員という言葉の内容について、まるで違った解釈を自治法と地方公務員法で別々に使うということは、法律を扱います方としては適当でないのじゃないかというように思うのです。これは一つ鈴木次長にお伺いしたい。
○鈴木(俊)政府委員 御指摘のように、ただいまの自治法の二百三条、二百四条に書いてあります職員というのは、これは一般職も特別職も含めましたすべての地方公務員ということでございまして、広い意味に使っておるわけでございます。言いかえれば、地方公務員法において地方公務員という表現で表わしておる言葉と同じ内容の用い方をしておるわけでありまして、地方公務員法はその中でさらに一般職と特別職というふうに分けて一般職の地方公務員を職員といっておりますから、地方公務員法では一般職の職員だけをいわゆる職員と申し、自治法ではすべての地方公務員を一般職特別職を含めて職員といっておる点があるわけでございます。この点はなるほど統一するならばした方がよかったかと思いますが、何分立法の沿革時期等が違いますので、そこで単なる字句の手直しをやるということも、いたずらにめんどうになるだけでございますので、実体にさえ間違いがなければよろしかろうということでやっておるわけであります。
○北山委員 僕らの法律解釈というか、用語の使い方というものは、自治庁の人たちの言うように専門的でなく通俗解釈でやっておるので、職員というのは従来議員とか委員とかいうものは含まれていないというように、われわれ実は知らないので通俗的な解釈をしておったのですが、今初めて二つの使い方があるということで新しい知識を得て、まことに仕合せだと思うのでありますが、それならば、職員という一つの言葉で、そういうように内容的に違う意味を持っておるということは、法律用語として通俗にいうならばよいと思いますが、少くとも厳格な法律用語としては適当でない、これだけは明らかだと思います。従って自治庁としてはどっちの方を今後お使いになるつもりなのか。今お直しになるというお考えはないようでありますが、将来は広義の意味において職員という言葉をお使いになるか、あるいは狭義の意味でお使いになるか、どっちの御方針であるか、その御方針を承わっておきたい。
○小林(與)政府委員 おしかりを受けて恐縮ですが、今の自治法で常勤の職員とか非常勤の職員という字句は、数カ所に使っておりまして、そこで職員には常勤の職員もあれば非常勤の職員もある。たとえばそのあとに出てきます二百四条と二百五条をごらん願いますが、「前条第一項の職員は、退職年金又は退職一時金を受ける。」こういう場合に、第一項の職員というのは二百四条一項に書いてある職員全部でございまして、委員会の委員なども、これは当然に入っています。監査委員ももちろん入っておる。要するに、自治法では職員というものはすべての職員で、地方公共団体の職員と、普通の用語例でこれは書いておるのでございます。公務員法は御承知の通り、特別職と一般職に分けまして、そして一般職に属する公務員について規律することを根本の建前にいたしておるのでございます。そこで一般職の範囲をきめて、一般職の職員というのを地方公務員法上一々引くのは大へんだから、何か簡単な表現はないかといって、実は職員ということを、わざわざ以下職員ということで定義づけてしまっておるのであります。このときの職員というのを、地方自治法との関係もあるから、もうちょっと特別な言葉を考えた方がむしろよかった、こういうことになるかと思うのでありますが、おそらくは、ただここで公務員と書いてもうまくいかぬ、いろいろ考えた結果、いい言葉もなかったからこういう言葉を使って、そうして誤解のないように、わざわざ以下職員というので、定義をいたしたのだろうと思います。今後こういう問題が起きて紛淆を生じて危なくなれば、何か調整することを知恵をしぼって考えたいと思っております。
○北山委員 私は小林さんにそのようにがんばることを要求しておるんじゃないのです。要は今申し上げた通りなんで、やはり私どもは通俗解釈でいっておるので、非常勤の職員といっても、その中には議員とか委員というのは、特別に何か名前をあげてワク外にしておるわけです。だから広義でいえばそういう解釈が成り立つということは私も認めておるのです。だけれども、それじゃやっぱり用語として適当でないんじゃないかと思うので申し上げたのであって、そういう理屈をくっつけて、どっちも正しいということを言われる必要はないと思う。私はそのことを要求はいたしません。 それで、ちょっとまた問題が違ってきて、元へ戻るようでございますが、この市という問題と郡という問題は、今後の問題としていろいろな問題を残しておると思うのです。町村合併の結果、郡と市の区別がちょっとつきにくくなったという問題もあるでしょう。それからもう一つは、郡の中で大半は市の地域になってしまって、あと少しばかりの郡が残っておるというようなことで、この郡がどこへいったらいいか、こういう問題もあると思うのです。郡と市の関係ですね。それから郡というものは将来どういうふうに持っていくつもりであるか、これを一つお伺いしておきたい。
○小林(與)政府委員 郡は現行法におきましても、市町村と全然法律上の性格が違いまして、市町村は申すまでもなく公共団体としての、自治体としての性格を持っておるわけですが、郡は単に地名という扱いを受けておるわけでございます。しかしながらこの郡の区域がいろいろほかの行政区画の基礎になったりなんかしておりますので、郡の区域とか名称等につきましても、何か自治法上規正の必要があるというので、この二百五十九条ですかに、実は規定があるわけでございます。それで事実上郡というのは歴史的な地名としてありますが、今度の市町村合併の結果、郡の区域というものに非常な変革が生じたのはこれは事実でございます。町村合併がなくても、新しい市の設置によってそういう問題が従来も起っておったわけでございまして、そこでこの郡をどうするか、単なる地名だからこれをほっておいてもいいじゃないかという考え方も実は一つございます。しかしながら、この郡はいろいろな役所その他各団体の地方における活動の基盤になっておるから、やっぱり郡も再編成と申しますか、何か再調整をする必要がないかという問題も実は一つございまして、これはわれわれといたしましても、この問題をどう扱うかということを、もう少し検討いたして、何らかのめどをつけたい。しかしながら、これは何分にも歴史的な地名でございますので、そう簡単に、一方的にどうこうというわけにも参りませんが、今実情も調査をいたしておりまして、ぜひこれは各方面の御意見も聞きまして、再調整と申しますか再編成と申しますか、そういうような問題につきまして検討を進めたい、こういうふうに存じております。
○北山委員 もう少し聞いておきたいのですが、第二条でどなたか御質問せられたようですが、第二条の改正の部分について、この規定の印象からすると、府県の仕事の中で、ある種のものは市町村の段階におろしていきたいという気持が、この規定の中にあるわけですね。その第五項の四号の仕事は、市町村でやれるものはやる、こういうのですから。それで一方においては町村合併等が進んで参って、そうして市町村の規模が大きくなって、その能力が高まった、こういうふうなことが通説のようであります。それならば、現在の府県の仕事の中で、いわゆる補完行政の中で、どういう種類の仕事を市町村の段階におろすと予定しておられるか、あるいはまた現状ではこれは無理だというお考えであるか、あるいは将来どうする気持であるか、これをお伺いしておきたい。
○小林(與)政府委員 市町村の合併も終りに近づきますと、そういう市町村と府県との間において、事務あるいはこれに関する財源の再調整という問題は、ぜひ考えなければならぬ余地があるのでございまして、われわれの方でも今いろいろ研究をしておるのでございます。その仕事につきましては、つまり法令に基いて県がやっておる仕事と、それから今申されました自主的に、補完行政と申しますか、どちらがやってもよく、事実上県がたくさんやっておる仕事と両方あるわけでございまして、制度上の問題につきましては、なお制度の改廃を必要とするものはあるわけでありますが、われわれといたしましては、そういう問題につきましても、もう少し根本的に検討を進めまして、おろせるものはおろしたいという考えを基本的に持っておるのでございます。その場合には、ある程度合併ができましても、要するに合併が事実上不可能な小規模の町村というものは、これは当然残るわけでございまして、そういう問題との間に、制度を変えるとなれば、どうするかという問題も考えなくちゃならない相当困難な問題もあろうと思います。そういう問題になってきますと、われわれはやはり地方制度調査会あたりにも十分御意見を聞いて、問題をきめなくてはいけないんじゃないかという気はいたしております。なおもう一つは、そうでなしに、今おっしゃいました補完行政というような意味の事務につきましては、これは団体の規模、能力が千差万別でありますから、その規模、能力のある限りは、当該団体に個別的な委譲という問題が起りましょうが、そういうところにできるだけおろす考えで、事をはかっていきたいというのが基本的な考えでございます。どの施設とどの事務というほど、まだ具体的な案を今持っておりませんが、そういう方向で、ぜひものを考えたいと存じております。
○北山委員 事務配分について、もう一点お伺いしておきますが、地方大学といいますか、大学ですね、一時大学かはやりまして、地方公共団体が、府県なりあるいは大きな市などで、大いに大学を作ったわけです。それが今非常に困っておるところがあるようでありますが、やはり大学というものは普通の府県等では——ほんとうの大きな、東京みたいなところは別でしょうが、そうでなければ、やはり大学というものは、本来国の仕事ではないかと思うので、現在地方団体で大学をやって、その維持費に非常に苦しんでおるというようなところは、財政的に救うという意味もございますが、事務配分の建前として、将来大学は国の方に返上するというか、移管をするというふうなお考えをお持ちではないか、これは一つ鈴木さんどうでしょう。
○鈴木(俊)政府委員 地方の大学につきまして、御指摘のように最近財政が非常に不如意になりましたような関係から、これを国に移管をするというような例が少からずあるのであります。そういう例を見てみますと、財政上の力がそれほど強くないのに、一つの県で数個の大学を維持していかなければならないというようなことで、非常に困っておるような例があるわけでございまして、やはり大都市あるいは大都道府県というようなところが、その能力に応じた大学を維持経営いたしますことはけっこうと思うのでございます。ことに小さい県等におきまして大学を維持していきますことは、今日の地方財政の能力をもっていたしましては、相当困難があろうというふうに考えておるのであります。さりとて一律に国がすべて大学をやって、地方団体には大学の設置を認めないようにするという行き方は、行き過ぎであろうと考えております。
○北山委員 大体の今度の自治法の改正の大ざっぱなところをお伺いしたのですが、だれかか改悪ばかりというように言われましたが、私は必ずしもそうは思いません。どうも好ましい点がきわめて少いように思うのであります。その中でこれは非常にいい改正であると御自慢にしておられる恩給の通算でありますが、恩給の通算については確かに一つの改善であろうと思います。ただしこれはそれぞれの団体の経費負担関係が、これに伴うのではないかと思うのでありますが、これについてはどういうふうな御用意を持っておられるか、これをお伺いしたい。
○小林(與)政府委員 恩給を通算すれば本人にとって有利であることは、結局金額がふえるということに、もちろんなるわけでございまして、そういう結果が起ってくるだろうと思います。しかしこれは通算したからといって、とたんに起るものではなく、やめた場合に起ってくるわけでありますが、恩給費は当然義務費でありますから、恩給費として必要なものは当然財政計画で、それぞれ必要に応じて計上すべきものだと考えております。
○川村(継)委員 さっきの関連になりますが、職員の問題で私は何か聞き落したのですが、自治法の解釈でいけば、議会の議員も職員に含まれるという解釈が成り立ったのですが、そうですが。
○鈴木(俊)政府委員 そうです。
○川村(継)委員 どうもそれははっきりしないのですが、小林さんの説明によりますと、元の自治法でも大体そうなっておるような説明でしたけれども、見てみますと、ほんとうは別にしておるのではないですか。たとえば二百三条の第一項に「普通地方公共団体は、その議会の議員、委員会の委員」云々と書きまして、「報酬を支給しなければならない。」第二項に「前項の者は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる。」と書いてある。そこには職員という言葉を使っておりません。ところが今度の改正の「前項の職員の中議会の議員以外の者に対する報酬は、」というところを読んで行きますと、今度の二百三条は結局「議会の議員」というものが新しい二項を受けて職員の中に入ってしまう、そういうふうに私は見て、これは急に飛び出してきたような解釈じゃないかと思うのです。そうすると元の現行法で行きますと、二百四条になりまして給料及び旅費という項で、かくかくの者は給料及び旅費を支給しなければならないと書いてある。そこの中のところにはいわゆる常勤の職員、非常勤の職員という公務員全体をさしているわけですね。現行のこれで行きましても議員というのは、どこにも職員というあれがないのです。今度の新しい改正の二項で突然議員を職員の中にひっくるめるような表現になってきておると私は思うのです。そうでしょう。それはちょっとおかしいと思いますが……。
○鈴木(俊)政府委員 この点は私はこう考えておるのであります。最初に御指摘になりましたように、二百三条の第二項に、現行法で「前項の者は、職務を行うため」云々と書いてございますが、これはあるいは前項の職員はと規定した方がはっきりするのかもしれませんが、なぜこうなっておるかと申しますと、自治法の当初におきましては、地方公務員法ができます前におきましては、知事なり市町村長が任命します職員がすなわち吏員であって、地方団体の職員といいますと、大体吏員とあとは行政委員会の書記と、こういうような書き方になっておった。特に統一的に職員という言葉は使ってなかったのであります。ところが地方公務員法がたしかできまするときに常勤、非常勤という考え方が出て参りまして、そこで二百三条と二百四条においては、それぞれ常勤の職員、非常勤の職員という表現がたしか地方公務員法制定の際に出てきたように記憶しておるのであります。現行法の二百三条においては、「普通地方公共団体は、その議会の議員」その他ずっと書きましてしまいのところに「その他普通地方公共団体の非常勤の職員に対し」というので、やはり議員というものを、その他非常勤の職員、要するに非常勤の職員の一種としてこれは受けておるのであります。ですから最初に御指摘になりましたように、むしろ第二項で職員と書くべきでありますが、これは手直しで漏れたといいますか、そういうことかもしれません。そこで私どもは、今日地方自治法の中で職員といいます場合には、二百三条では非常勤の職員、二百四条では常勤の職員、それらを主として職員、こういうことと考えておるのであります。たしか地方公務員法の方は、先ほど申し上げましたようなことで非常勤、常勤すべての職員に当る者は地方公務員と、こういうふうに言っておるわけでございまして、その点表現が違うのでございますが、地方公務員法の方は、より多く国家公務員法の影響を受けておるような関係もございまして、確かにこれは御指摘のように全部一貫をした表現を自治法、地方公務員法でとるのが一番上々と思いますけれども、私どもは十分その点の区別をしながら間違いなく、今使っておるつもりでございます。
○川村(継)委員 どうもちょっとおかしい。二百三条は議会の議員、委員会の委員とずっと並べておるでしょう。その並びの中に「選挙立会人その他普通地方公共団体の非常勤の職員」この職員とはまだほかにあるかしれません。この職員が私は議員を含んでおるとは解釈できないと思うのです。だから第二項で「前項の者は」と書いてある。議員を含めておるならば、今度の新しい法案のように「前項の職員」云々と書いてもいいはずです。私はその中には議員は含まっていないと解釈するのです。だからしてもちろん前項のやつがちゃんとはっきりして職員といえば、常勤、非常勤のいわゆる公務員をさしておって、議員は取り上げていない、含んでいないと解釈するのです。ところが今度改正で出てくるやつは、今の議員を完全に含ませてしまった、こう見られるんじゃないですか。今の次長の解釈はどうも……。
○鈴木(俊)政府委員 いささか技術的な問題でございますが、先ほど申し上げましたように、当初の地方自治法におきましては、二百三条は、たしか第一項のその他普通地方公共団体の非常勤の職員という言葉はなかったのであります。一つ一つ新しい職ができまする際に、たとえば専門委員というものができれば、専門委員というものを二百三条に書き加えまして、こういう者に対しては報酬を支給しなければならない——者ということで表現しておったのであります。それを地方公務員法ができましたときに書き方を改めまして、者という表現をとって、職員ということを使うようにしたのであります。ですから、二百三条の第二項の者というのは、者で間違いではないのでありますが、むしろ職員というふうに書いてございますれば、御疑問のようなことが起らなかったのではないかと思います。しかしこれは地方公務員法のときから、こういう建前に変ってきているのでありまして、今度の改正案でそういうことをいきなり持ち出してきたということではありません。
○中井委員 今のような非常にこまかい問題やら、大きな問題やら、ここ一週間ほど熱心にやったわけですが、やはり冒頭に私が申し上げたように、今度の二案は玉石混淆だと思います。初めはそうではないと思いましたが、石も相当あります。ことにけさから私参考人の意見を拝聴しておりまして、その中で、二条の問題についてありがとうございましたという人もあれば、非常に困るという人もありました。特に例の委員の報酬の問題で、一番最初に参考人として供述をされた大野木さんの意見の中に、執行委員たる委員は、やはり月給制度を残しておいてもらいたいということがありましたが、これは私非常にいい意見だったと思うのであります。そこでどうですか、自治庁の皆さん、これは修正をするお考えはありませんか。それを鈴木さんに率直に伺いたい。御答弁によっては、またお尋ねをいたします。
○鈴木(俊)政府委員 今の委員の出席日数、勤務日数に応じての報酬の制度につきましては、午前中の参考人の御陳述の中に、行政委員会の委員に対してだけは、議員と同じように出席日数ということでないように除外したらどうかという御意見があったということを伺っております。これも一つの御意見かと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、委員につきましては、常勤、非常勤という建前を、国家公務員法あるいは国家公務員の特別職に関する給与法におきましても、とっておるわけでございまして、そういう原則を地方公務員の常勤、非常勤の職員に対する給与上の基本原則として持ってこようというのが、今回の改正の趣旨でございます。そこでそういうことはやらないでいったらどうかという御見解で、少くとも行政委員会の委員についてだけは、別扱いにしたらどうかという点は、議員について一つの例外を設けておりますから、それとの関係では御議論も一理あると存ずるのでございますが、行政委員会でございましょうとも、あるいは他の諮問機関等の委員でございましょうとも、やはり常勤、非常勤という給与上の建前におきましては、同一原則で律していいのではないか。国の場合もそうなっておるのでございますし、その点は、給与の支給の方法において特に区分する必要はないのではないか。行政委員会の方がもちろん重要な職務を行い、また勤務日数も多いわけでございまして、それらの点を考えて、給与の基準としては相当の額を考え、単なる諮問機関の委員とは異ならしめて適当だと思うのでございますが、給与の支給の方法については、そうおこだわりになる必要がないのではないかというのが、各種行政委員会の委員の反対陳情に対する場合に、私どもが申し上げている意見なのでございます。
○中井委員 非常に苦しい御答弁のように私は思うのですが、実情はわかっておりながらがんばっておる。それでもう一つだけ申し上げたいのだが、国家公務員と序列をそろえたという、先ほどそのことについて原則的に北山さんから御質問がありました。まことに適切な御質問であったと思うのでありますが、そのことについては大問題でありますから、この次の機会にでもお直しになるであろうと思いますが、執行委員たる委員ということについては今修正をしても、政府がそう面子にこだわることではなかろうというふうに思う。あなたは国でも非常勤はそうなっておるといいますが、私は例外を知っております。国家公安委員は大へんな給料ですよ、これは大臣と同格だ、これは非常勤ですよ、どうです。そういうように特別法か何かわざわざ出して、大へんな優遇をしておる。理由としては、国家公安委員は重要であって、常時そういうことを考えなければいかぬ、委員長の部屋かどこかに集まること以外に仕事があるからであろうと思う。先ほどの、特に選挙管理委員会の小暮さんの切々たる陳情、公述、あれには私ども実際胸を打たれたのであります。この間もちょっと申し上げたのですが、何でも日本では非常に選挙が多いのです、日本全国で一カ月に百五十やっておるそうであります。これは確かめてみましたら、確かに百五十やっておる、一日どこかで五つ選挙が行われる。そういうことになれば、大都市の選挙管理委員なんというものは、不在投票やいろいろな証明書の発行等で、全く非常勤とはいいながらほとんど出ておられる。そうして家へ帰っても電話がかかってくる、きょうは忙しいから君かわりに投票箱を僕の机の上に置いてくれというような——これは違法でありますが、そういうことさえあえてしておるというのであります。それでもなお修正せぬということになれば、われわれは非常にさびしいのですが、どうですか。これは自民党の皆さん修正の御意思がおありかどうか、ちょっとこの点で委員にお尋ねいたします。
○鈴木(直)委員 実は私はその問題に二つあると思うのです。いわゆる常勤の地方公務員、非常勤の地方公務員というふうに分けて、そうして常勤の者については給料をやる、非常勤の者については勤務日数に応じた報酬をやる、こういうような原則を打ち立てたことだろうと思うのです。従って職員というのも、そういう点から地方公務員法における一般職、特別職というような、任命を中心とした考え方によらないで、地方自治法に規定してあるのは、むしろ常勤の地方公務員、非常勤の地方公務員というふうに分けて、その報酬も支給の仕方を個々にきめたために、職員という名前になったのだろうと思うのです。 そこで今問題になっております非常勤の職員に対しての問題ですが、常勤の委員に対しては二百四条で月給をやるということをはっきりしておりますから、かりに選挙管理委員会の委員にしましても、常勤であれば二百四条で月給はもらえることになると思うのです。そこでそうじゃなくて、非常勤の委員という場合に、それでもやはり出勤日数に応じて支給すべきものではない、額の高い低いは別として、その報酬は月給制なり年俸制にすべきものであろう、こういうことになると思うのです。そこで質問したいのですが、それぞれの行政委員会の規定が別途にあると思うのですが、その委員会においては条例の中で非常勤とする、いわゆる常勤とすることができないという規定があるものがあるのじゃないか。たとえば地方選挙管理委員会におきましては、委員はこれを非常勤とするという規定がありますから、従って実質的に三十日間出勤しても、それは法律的には非常勤の委員ということになる。先ほど中井さんも言われましたが、選挙管理委員会はほとんど一日も欠かさぬぐらいに出ているということは、これは常勤の委員として取り扱うことができるのじゃないか。しかし実際において常勤しておりましても、その法律の中で選挙管理委員会の委員は非常勤とする、こういうことになっておるならばこれはできないと言うと思うのです。ところが選挙管理委員会の場合においては、別個の条例でもって常勤にすることができるというふうに規定があったように思うのです。そうすれば、各府県の条例で常勤とする条例を作れば、この二百三条の適用はないということになると思うのです。そこで次に考えるのは、選挙管理委員長だけを常勤にするという条例を作れば作ることができます。そうすると、それ以外の委員は非常勤になりますから、いわゆる日当制になってしまって、それは実際において体面上困る、こういう問題が出てくると思うのです。そこで先ほど小暮さんが言われましたように、実際上常勤しているというものだけに適用するならば易々たるものじゃないか。建前上できるようにさえすればいいと思うのですが、そうではなく、多くの委員会の委員は実際は非常勤なんだ、教育委員会にしてもほかの委員会にしても三十日間は出ていない、一カ月に一週間くらいしか出ないというような勤務の体制をとっているのだ、そういう場合に勤務日数に応じて報酬をするか、その場合にもやはり月給として報酬を差し上げるかという問題が、終局的には考慮されるべき問題になってくるのじゃないかと思うのです。それでお聞きしますが、条例で常勤とすることができるという規定のあるところの行政委員会は何々であるか、全然常勤とすることができないという行政委員会もあると思うのですが、その点をちょっとお聞きしておきたい。
○小林(與)政府委員 今お尋ねの点はごもっともでございまして、この自治法の百八十条の四に執行機関としての委員会の委員が列挙してございます。教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、公平委員会、公安委員会、地方労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会、監査委員、これが現行法上の行政委員会たる委員であります。その五項をごらん願いますと、「普通地方公共団体の委員会の委員又は委員は、法律に特別の定があるものを除く外、非常勤とする。」こういうことになっておるわけでございます。そこで、常勤というのは特別の法律の規定が要るのでありまして、それが現在あるのは監査委員と人事委員会の委員です。監査委員は学識経験あるものは常勤にできるという規定がありますし、人事委員会の委員は常勤または非常勤とするという規定がございまして、そのうちの一部を常勤とすることができるのでありまして、常勤にしておるところもありますが、大ていは非常勤が多いようです。それは自主的にできるようになっております。
○鈴木(直)委員 そうしますと、監査委員と人事委員以外は条例でもって常勤のものを作ろうとしても基礎的法律があるからできないということになり、結局選挙管理委員会において委員長だけでも常勤にする条例を作ろうと県がしてもできない、従ってこの日当制を適用される、こういうことになりますか。
○小林(與)政府委員 その通りでございます。
○門司委員 ただいまの問題ですけれども、これは自治庁も一つ考え直した方がいいですよ。こういうものは通常の仕事でなくて、訴願というものがあるのです。ことに選挙管理委員会に一つ訴願があったらえらいことになる。それを普通の事務と考えておったら大きな間違いです。人事委員会も同じことです。不測のそういう事態が出てくる、そういう仕事をしたものが、これは非常勤であるから日当制でいいということは、実際上の問題として成り立たぬのじゃないか、その委員会の権威にも関することです、これは自治庁にこの法案を早く修正するなら修正するで出してもらって、それは体裁のいいものに一応しておきたいと思う。何も政府だってそんなにこだわる必要はない。悪いところは直した方がいい。悪いところを直さないで通らなければなお悪いから、できるだけ通る方に努力した方がいいと私は思う。 それで一応この機会に私は聞いておきたいと思います。大臣がおいでになりませんから、一応ずっと一わたり聞いてみたいことがあるのであります。第二条の事務の配分をした字句の中に広域行政だけしか書いてない。今日の府県の存在価値というものが地方の自治体であるという定義の上で最も大きな要素をなすものは、いわゆる今日の市町村がいまだ十分な機能を発揮することができないのであります。従って補完的業務が残っておるということは、府県が住民と直接つながっておる一つの大きな問題であると思う。もし今日の府県が住民とつながっておらなくて、いわゆる今日の市町村の当然行わなければならないすべての仕事が、十分に行い得ない状態というのがなくなって、全部がこの広域行政だけにということになって参りますと、実際の自治体の仕事としては縁の遠いものになってくる。そうすると府県を自治体というということについての考え方が、おのずから変ってきはしないかと思う。われわれの考え方からいえば、補完行政がまだ残っておる、住民と直結をするものがあるというようなことで、今日都道府県は、やはり自治体というということにしておいたらどうかという考え方は、これは地方制度調査会の答申案の中に、はっきり書いてある。ややともすると、地方制度調査会の答申案々々々というけれども、こういう大事なことが抜けておる。これは将来府県知事を官選に持っていこうという意図からだと思う。いわゆる市町村の当然行うべき業務を補完してやるということを抜いておいて、広域行政というだけでは、知事は住民とつながらなくなってくるから、これは知事を官選にするための伏線だと思う。そういう考えでお書きになっているのではないですか。地方制度調査会の答申を読んでごらんなさい、ちゃんと補完行政ということが書いてある。
○鈴木(俊)政府委員 今回の改正が、何か知事官選というものに関連があるような意味のお尋ねのようでございましたが、私どもは全然そういうものとは関係がないということを強く申し上げておきたいと思うのでございます。これは一応地方制度調査会の答申にあります通りの趣旨を、この第二条は書き表わしたわけでございまして、ただいま門司さんの仰せになりましたような補完的事務というものも、もちろん府県の仕事としてあるものと私どもは考えております。
○門司委員 あるものとすれば、ここではっきり一条の二に従来書いてあった、都道府県あるいは市町村あるいは特別区さらに財産区というようにわけて、そしてそのあとに多少の字句を使っている。そして今度は、二条にこういうことをずっと書いてあるこの行き方については、どう考えても、これは知事の官選がこの間に含まれているという以外にないのでありまして、自治庁としては、そういうことがあると今言ったら大へんなことになるから言わないのだろう。大体それに間違いないと思う その次に聞いておきたいことは、第二条の五項の三の中に、国と市町村との間の連絡という文字を使っておりますが、この連絡については、ほとんど何らの規定をしておらない。従ってこの連絡という字は何のために使ってあるのか。どういう事務をここでやるのか。その点を明らかにしてほしい。
○小林(與)政府委員 これは各省がかりに市町村にいろいろな通諜を流したり、それから報告を求めたりする場合に、一応県を通じまして、県からもう一ぺんやる、その中継ぎの仕事を主としてやっているわけであります。
○門司委員 その次に聞いておきたいことは、法の百七十九条の今度の改正の関係であります。この関係は今度の法律には実は何も出ておりません。しかし私が聞いておきたいと思いますことは、自治法を改正しようとして、今一つの大きな問題として考えなければならないのは、この百七十九条の問題が一つある。それはいわゆる長の専決処分と議会との関係であります。実例をいうと、たとえば福岡県の場合は三月三十一日に予算が議決されなかったというので、予算全体を知事が専決処分をしている。これは実に大きな問題です。ところが、これについて何らの規定がない。そこで知事は次の議会に報告すればいいということになるのだが、予算の執行を一年じゅう全部しているわけじゃない。ただ予算の執行をしたものを報告している。そこで次の議会に報告しようとすれば、おそらく予算執行が終らなければ、報告ができないのじゃないかと思う。この関係について、自治庁はどうお考えですか。
○小林(與)政府委員 百七十九条の問題は、議決すべき事件を議決しなかったら、今仰せられました通り、専決をする権限がございます。それで福岡の問題は、今までもあまり例のない問題でありまして、予算が通らなくても、四月一日にすぐ支払い義務があるとすれば、何らかの処置を責任上とらざるを得ないと思います。そういう場合には、普通暫定予算と申しますか、数カ月の予算を作って専決処分をするか、あるいは今のような異例のように一年分全部やるか、こういう問題だろうと思います。それで普通の場合なら、暫定予算を作ってやるのが常識的じゃないかと思うのでありまして、一年分全部やるということについては、いろいろ意見があろうと思います。ただあのときに、客観的な事情はよく存じませんが、そういう時間的な余裕がなかったとか、あるいはまた主としてその予算についての論議が、全般の予算については議論がなかったが、その上にプラス教育費をどうするかという問題で論議があったというような、いろいろな事情があって、あれは知事としてはその責任をとって専決処分をしたのじゃないかと存ぜられるのでございます。それであとは次の議会でその責任を明らかにするよりしようがないのじゃないかと存じます。
○門司委員 だから責任を明らかにするその責任は、一体何を明らかにするか。予算の執行が全部終らなければ、責任が明らかにならない。ただこの専決処分の規定は、要するに予算の執行あるいは業務を遂行した場合は専決処分ができる。議会が通らなかったからといって、何も仕事をしないで何を専決したか、そこに疑いがある。だから、来年の三月三十一日にならなければ、結局報告ができないという議論が成り立ちはしないかと思う。こうなると、これはえらいことになる。だから、そういうものについての自治庁の解釈はどうなんですか。
○小林(與)政府委員 その専決処分の問題は、予算の編成、決定そのものを専決したわけであります。議会の議決を経ずに総予算そのものをきめちゃった、こういうのが福岡の事態だろうと思います。
○門司委員 私は百七十九条の専決処分と意味が違うと思う。予算だけが通ればそれでいいというのじゃない。その専決処分というのは、ここにいう議会で議決すべきものを議決しなかったということは、一つの事態、一つの案件について当然執行を迫られているものについてのみ、こういう条文が適用されるのが法律の解釈上正しいと思う。何でもかんでも専決処分ができるという理屈には私はならぬと思う。
○小林(與)政府委員 それはそういうことではないようにわれわれは解釈しております。要するに個々の処分で、議決事項については、やはり処分につきまして専決処分ということは当然あり得ると思います。しかしながら予算の問題は、申すまでもなく長は議会の議決を経て定めなくちゃならぬという意味で、議会の議決を要するのでございまして、議決を経なかったのでやむを得ず専決処分を経て予算を編成してしまった、これが福岡の事態だろうと思います。そうすれば自分できめた予算の執行をさらに個々にやる、こういうことになるだろうと思います。
○門司委員 私はこの規定はそういう漠然とした規定ではないと思うのです。専決処分というものを個々に設けたということは、予算を全部ひっくるめてそれを専決したということにならぬと思う。この専決というのは、さっき言ったように、個々の問題についての専決をすべきものが専決が与えられていると思う。これはこの法律の大きな盲点ですけれども、従来知事の原案執行権というものがあったからそれでよかった。原案執行権がないためにこういうことができた。従って予算が成立しなかった場合の知事のとるべき態度というものは、やはり私は暫定予算を組むべきであると思う。いわゆる三月三十一日までに成立しなければ、四月一日に予算を編成してもよろしいと思う。部分的予算ならちっとも差しつかえないと思う。四月分の予算を四月一日にきめても差しつかえない。ところが会期が切れている。会期が切れているから機会が開けない。議員が開会を要求しても何日以内に開かなければならないという規定がない。従って知事は開かない。この二角になっているか四角になっているかわからぬが、とにかく関連性を自治庁はどういうふうに考えているか。従って今度のこの改正案の中にも、議会を議員の要求によって開かなければならぬということはあっても、何日以内に開くということを書いておらない。そこにそういう問題が私は出てくると思う。従って議員の要求のあった場合は、やはり長は日限を切ってこれを開会しなければならないというような規定を設けておかぬと、そういうものにぶつかると思う。これはあまりに知事の一方的な権限と、法律の解釈が私は広くなり過ぎていると思う。この点に対して自治庁はどう考えておられるか。
○小林(與)政府委員 重ねて予算の専決問題を申し上げますが、今仰せられました通り暫定予算を四月分なり何なりを組んでやるというのが、普通の常識的な処置であろうと思います。それにいたしましても暫定予算の専決処分という問題に場合によってはなり得るのでありまして、暫定予算でも議会の議決を経なければならぬ。その余裕がなければ暫定予算を知事が専決するということになりまして、この場合は結局、問題は予算の専決にならざるを得ないと思うのでございます。要するに一切の経費を支出する場合は、まず予算が前提でございますから、まず予算をきめちゃって個々の執行行為をやる、こういうことになるだろうと思います。福岡の場合が政治的に議論があり得るのは、そういう暫定予算を作って専決処分をせずに、年間予算を全部専決処分をしてしまった。それがそもそも適当であるかどうかという、そうした判断の問題じゃないか、こういうふうに考えられるのでございます。 それからなお議会の開会を議員側から要求した場合に、知事が何日以内に招集しなくちゃいかぬという規定は現在ありません。先ほどの公述人のうちにもそういう意見が出ておった方もございます。これはわれわれこの法案を作るときにいろいろ考えた問題の一つでございまして、この前二十二国会に提案いたしましたときは、御承知の通りそういう規定を入れておったのでございます。しかしあのときは会期の制度を変えまして、定例会年四回のを通常会と臨時会の制度に改めることにいたしましたから、それに伴いまして年一回の通常会のほかは、必要な場合に臨時会を置く必要がある。そこでその議員側の要求も保障する必要がある、こういう前提でこの規定を入れたのでございます。現在の通り年四回定例会を開くということにしておきますれば、当然四回は定例会が開かれるのでございますから、その中間においてそういう規定は要らないのじゃないかというのでやめたのであります。
○門司委員 どうも自治庁の答弁は少しおかしいと思う。議案を専決したというのでなく、この場合の専決というのはいわゆる議案に基く執行だと思う。従って次の議会に報告しなければならぬ。この場合は、だから執行の部分については、あるいは専決ができるかも知らぬ。しかし一年分の執行を報告するということはとうていできないと思う。そこが非常にあいまいな規定になっている。同時にこういうところは知事の原案執行権を認めたと大して違わない。もし曲った知事がおって、三月三十一日あたりに議案を提案して——これは現実にあるのであります。こないだの柳生村なんかでも大体そういうことをやっているらしい。三月三十一日に原案を出してきて、さあ一日で採決しなさいと言ったって、できやしない、できなければ議会が議決しなかったからといって原案を執行する、こういうことになりはしないか、そういうおそれがないということを言い切れますか。
○小林(與)政府委員 予算の審議に相当期間がかかるのは明瞭でございますので、それで自治法の二百三十四条にもわざわざ、予算は年度開始前に議会の議決を経なくちゃならぬ。そしてその場合には三十日前とか二十日前までに当該予算を議会に提出するようにしろという趣旨の規定がございまして、この法律の運用によって適切に行われることを法律は期待しておるわけでございます。
○門司委員 今の規定は罰則も何もついていない規定であって、三月三十一日に出したからといって大して異議がない。要するに執行の前日ですから、前に出せばいい。そういうような不合理がありますが、この不合理については事態を明快にするために、私は委員長にお願いをしておきたいのは、いずれ機会があれば当事者を呼んでもらって、一つ事情を聞いてみたいと思う。そうしないとこの法律はこういう穴ができて、将来大きな問題を起すと思う。同時に私は今の小林君の答弁については承服しがたい。結局議員が要求した場合は理事者に責任を負わせる、そうして何日以内にこれを開かなければならないというような規定をして、議会と理事者と対等の立場に置くということが、今日の自治庁の建前だと思うが、議会と理事者との間は、今日は対等の立場に立っておらない。こういうことをすることは、悪く言えばやはり官僚行政の一つの行き方である。民主行政だというのなら、やはり議会と長との権限というものを相対立した形に置いた方がスムーズにいくと思う、こういうふうに考えるわけです。この点についてはどういうお考えですか、これでもいいというお考えですか。
○小林(與)政府委員 議員側からの開会の請求に対してどうするかという問題で、これは国会におきましても似たような問題があるわけでございますが、国会でも特にそういう規定がないはずだと了解しております。地方にいたしましても、今門司委員のおっしゃいましたように、議会と長と相対峠さして、それぞれ権限を牽制しながら円満に執行していくことは当然期待すべきであります。そこで今の問題になりますと、結局定例会の問題をどういうふうに考えるか、こういうことに私は制度としては帰着するのではないかと思うのでございまして、定例会が当然に年四回開くという建前になっておれば、その間になおかつそうした規定が特別に要るだろうか、こういういうところがわれわれとしての考え方でございまして、県会ぐらいになれば、まさか招集があったからあすというわけに行きません。やはり二十日とか何日とか招集予定期間が要ります。そうすればやはりすぐ次の定例会にも当然なるじゃないかということで、そこまで規定を設ける必要がないのじゃないか。通常会と、かりに臨時会というような制度にすれば、一年十二カ月というものはどうなるかわからぬという懸念があり得ますから、そこでそういう制度はきちっとしておく必要があろう、こういうのが私どもの考えであります。
○門司委員 その考え方がおかしいのですよ。対等にするというなら対等にしておいたらいい。対等であるべき姿が正しいということならば対等にして、あとは良識にまかせたらいい。自治庁が何でもかんでも法律で縛って、長を優位に置くという物の考え方は、かつての官僚の考え方です。どこまでもこういう点は明らかにしておいて、そして議会と対等の立場において、円満な運営をして行くということが正しい姿だと思う。こういうことになると結局あつれきのもとをこしらえる。要求したって定例会は開かなくたっていいということになる。あるいは定例会の一日前に開けばいい、これで要求に応じたことになる。そうすれば議員の要求する権利というものは一体何が残るか。字に書いただけであります。何にもならぬ。今度の改正の中にもそういう理事者の優位になっていることがたくさんある。従ってこれは改めるべきだと考えるので、この点について自治庁の今のような答弁では私は満足するわけに参りません。これ以上聞く必要もないかと思いますが、われわれは理事者だけにこういう権限を多く与えるというような、自治の原則に反した自治法の制定には賛成しがたい。 その次に聞いておきたいと思うことは、「地方公共団体の議会は、条例で、都にあっては十二以内、道及び人口二百五十万以上の府県並びに人口百万以上の市にあっては八以内、」こういうふうにずうっと書いてある。ところがこの中で問題になるのは、これは地方の公共団体の規模を一応考えてこういう条文を入れたと思う、それは今日の地方自治体の規模というものは、この法律によってはこういうことを一応の目安に置いて考えている。ところが例の交付税の算定の基礎になる標準の府県というものは、府県は百七十万、市は十万を単位にして今日考えている。そうすると同じ自治庁の中にあって、地方自治法におきましては一応算定の基礎を、市は三十万を基礎にしている、そして議会の運営その他が考えられる、県は二百五十万というものを出している。ところがさっき申し上げましたように交付税の方は大体府県は百七十万が平均で、市にあっては十万を基礎的なものとして算定している。この行政と財政との食い違いは、一体どういう考え方で出てきておるのか。やはり行財政というものは相一致した方向であるべきだと思う。行政の方ではこうだ、財政の方ではこうだというようなことでは、私は賛成ができない。その間がこういうふうに食い違っておるのはどういうわけか。その行政部と財政部との食い違いです。
○鈴木(俊)政府委員 この点は門司さんの仰せになりましたように、議員の定数に区別を設けるような程度の規模というものを、どういうふうに区分したらよろしいかということで、これはとってきたわけでありまして、現在執行機関の部制につきまして人口段階によって一応都道府県の規模を分けておりますが、その方式を議会の場合にも持ってきたにすぎないのであります。地方交付税の方では、市の場合には人口十万、県の場合には百七十万、こういうものを一つの標準団体として財政需要の計算、基準財政収入の算定をするわけでありますが、それらとの関係は制度上、常任委員会がどういう人口段階のものに幾つ置かれるか、こういうことになりますれば、これは当然交付税の算定の方におきましても、県の方面におきまして現われてくるわけでございまして、財政需要の算定においてはこれに即したものが行われることになると考えております。
○門司委員 今の答弁は一向わからぬです。これは一応地方の規模というものを規定しているのです。規模を規定した上に立って議員の定数だとか、あるいはここに書いておる部というものを設けることができるというようなことに常任委員会の制度ができておる。そうすると自治体の規模というものが財政上も行政上も大体相一致したものでなければ、これはびっこなものができるにきまっている。自治庁の考え方が、行政の考え方と財政の考え方で違っておるということで、一体正しい行政が運営できますか。これは大臣が見えたらよく聞いておこうと思ったのですけれども、一体びっこのげたをはいて満足に歩けると思っておるのですか。どうにもならないのです。どっちが間違っているのですか。
○鈴木(俊)政府委員 これはやはりいろいろの法律によってそれぞれ地方団体の段階別の区分をいたそうという場合におきましては、その法律が定めようとする必要に基いてある程度の区分をしていく、こういうことになっておると思うのであります。たとえば保健所を置く市は人口十五万、あるいは地方自治法でも監査委員を置くような市は、大体人口十万以上の市というふうに設置の場合の基準を定めております。あるいは税法におきましては、人口五万以上の市とそれに達しない市というようなことで区分をしておりますし、これはそれぞれやはりその法律の必要とする要求に即した地方団体の区分をする、こういうことであろうと思うのであります。もちろん人口五十万以上の市というものを、一つの指定の都市といたしまして、今回事務の委譲を行うということをいっておりますが、要するにこれはそれぞれの法律の要求に基いて区分をする、もちろん何らかの一定の段階で市町村に段階を設けて、行政でありましょうと、財政でありましょうと、すべての衛生行政あるいはいろんな行政を通じて人口段階によってすべて事務の配分をやれ、こういうような割り切った意見を言われる方もあるのであります。しかし今日の実情におきましては、一切のものを一律の人口基準で律して振り分けをするということは困難かと私どもは考えております。
○門司委員 今の鈴木君のせっかくの答弁だけれども、これもおかしいのですよ。要するに政令で市と称されるところはおのおの行政上の必要があって、別々の要求に基いてああいう段階ができております。労働省は労働の事務というものが大体このくらいでよかろうということでできているのであります。これとは違うのです。これは大体行政上の基礎をここに求めている。大体三十万ぐらいの市には委員会が幾つあればいい。これは一つの基礎なんです。従ってこの行政上の基礎となるべきものと、財政上の基礎となるべきものの数字が違っているということは、これは市町村財政が満足にやっていけない原因です。なぜこれを合せないのか。行政と財政というものは事務配分とは違うのです。労働省の事務がどうだとか、保健所の事務がどうだとかいうようなものとは違うのです。事実上ここに基礎を求める、こういう形で基礎を求めようとすれば、やはり行政と財政というものは同じように並行していって、これだけの行政上の人口を持つものにはこれだけの財政が必要だということで見ていかないと、今日の地方財政に及ぼす影響はかなり大きなものになってくる。どうもその点が今の鈴木君の答弁ではこれを承知するわけには参りません。どうしてもこういうものはやはり合せておいて、そうして自治の運営の上に間違いないようにしていかないと問題が起りはしないかというように考えられるわけです。財政と行政と切り離して仕事ができるならばけっこうです。絶対にこれを切り離すわけには参りません。そこで交付税を算定する基礎は三十万が正しい、私どもは今日の市において実際において十万ということは考えられないのです。大体政令の市というものを見ていけば、十万か十五万ぐらいになる。しかし事実上の行政事務は十五万から三十万の段階で、非常に大きな開きを持っておるという場合があるのです。それを何でも十万で規制しておるところに財政上の欠陥が生まれてくる。従ってこれは財政関係になるかもしれないが、しかし自治庁としてはこういうものをまとめておいてもらいたい。そうして行政と財政とが一つの規格の上に立って行われるように法律はしておかないと、やはり運営上の欠陥が出てくるのじゃないかということも考えられる。従って、まあ大臣でないので鈴木さんに小言を言っても始まらぬと思うのだが、一つ次長である鈴木さんが大臣にかわって、将来こういうことのないように気をつけておいてもらいたい。 それからその次に聞いておきたいと思うことは、問題になるのは、先ほど盛んに委員会の給与の問題が問題になっておりましたが、これらについても、私は法律で設けるということは、これはほんとうに行き過ぎだと思うのです。今でも地方の自治体は、小さいところへ行けば日当制のところがたくさんあります。これはやれるのですよ。だからやはりこれは条例でこういうふうに処置ができるのだということにしておけば、何も私は問題は起らないと思う。そうすれば実質的にやっていけると思う。これを法律で縛ってしまうからいろいろな問題が起きてくる。だからそういうことはできないのですか。何でもかんでも法律で縛っておかなければ、これは工合が悪いのですか。
○小林(與)政府委員 不必要なことは縛る必要はないと思いますが、必要最小限度のことは、ある程度縛ってもやむを得ないと思うのでございます。今の問題は先ほど来だんだん申しました通り、要するに国の公務員に準ずる最小限度の基礎的なものだけを合せよう、こういうことでございますので、御了承を得たいのでございます。
○門司委員 それでは改正法律の中で、やはり議会とそれから執行機関との間における一つの問題ですが、この場合に議案の提出あるいは修正というようないろいろな動議について、八分の一という数字を出しております。そうすると、これは今日の社会情勢からいうと八分の一という数字はかなり窮屈なものになりはしないか、四十名の中でかりに八分の一ということになると、五名の議員を持たなければ動議も何も出せないことになる。地方自治体というものは、そういう窮屈なものであってはならないと私は思うのです、やはりもう少し緩和された議員の行動というものが必要ではないかというふうに考える。それではこれは一体どうしてこういうことにされようとするのか、この点も一応聞いておきたいと思います。
○小林(與)政府委員 この改正は大体国会法の改正を基礎にして考えたのでございまして、ただこうした動議は議会の合議制の運用上ある程度の数がまとまってやるということが適当であろうと思うわけでございます。結局その数字をどこできめるかという問題になるだろうと思いまして、国会のように議員の定数がきまっておるところは、きちっときめることはできますけれども、地方公共団体は人口段階によって数が違っております。そうしてそこをかれこれ国会との均衡その他総合的に考えまして、この程度ならば適当ではないか。四十人の議員の定数のところでは、これは五人であることは間違いありません。いやしくも個人がそれぞれ発言をし、質問をすることは、もちろん自由でありますが、議会の問題に取り上げて合議制の運営をはかる問題である以上は、この程度の数がそろうということはこれは適当ではなかろうか、こういうことで考えたのでございます。
○門司委員 国会の構成と地方議会の構成、さらに本質的に地方議会と国会との違いというものがあることは、あなたも御存じの通りであります。国会は法律をこしらえております。従ってできた法律はかなり国民に大きな影響を持つ。どんな法律ができても、法律ができれば必ず国民の自由と権利というものを、ある程度束縛するようになっている大きな問題を持っておる。しかし地方議会はそれとは違って、個々の地方的の利害というものが考えられる。そうなって参りますと、ことに最近のように町村合併等がだんだん行われてきて、議員の定数も正常に戻っていくというようなことになって参りますと、結局小さな部落というものは、そこから出る地域代表というものが少ければ永久に議案一つ出せないことになると思うので、私は地方議会についてはこういう縛り方をするものではないと考えている。同時にこういうことは、さっき申し上げましたようなある程度の地域代表的な利害を、ことさらに多く持っておる地方団体というものが、そういう形でますます抑圧されるものであると考える。その次には今日の地方議会においてやはり何といっても政党の違った小会派というものが私はたくさんできると思う。従って小会派の意見というものが、四十人のところでは五人そろわなければ結局動議も出せなければ何も出せないという結果が出てくる。従ってこれは小会派を弾圧する一つのものの考え方だ、こういうふうに思います。あなたは国の議会のことを言われますけれども、国の議会と地方の議会とは違う、だからこういうものについては、もう少し緩和する必要があるのじゃないか。それではお聞きしておきますが、今までのように制限を設けなくて、どんな弊害がありましたか。議員さんがむやみやたらに動議を出したり議案を出したりして困ったという弊害がありましたか、そういう弊害があったなら、ここではっきり言って下さい。弊害がないものを、何も自治庁がおせっかいして制限を加える必要は、私は毛頭ないと思う。
○小林(與)政府委員 これは合議体の運営で現に地方議会の各議長会あたりの御意見を伺いましても、それを幾らにするかにつきましてはいろいろ御意見がございますが、何らかの形でこれを制限されるということにつきましては私は反対がない、むしろみな賛成しておられると思うのでございます。ただ今何分の一にするか、何人にするかということでいろいろ御議論がございます。場合によりましては懲罰の場合は六分の一にしろという御意見もあるくらいであります。これは私は何もそれぞれの議員の個人的な審議権、発言権というものを押えるわけではないのでありまして、議案として提出して、ほんとうに合議体として取り上げて審議してきめるところに問題があるわけでございまして、そういうようになるためには、やはりある程度のまとまりがなくては意味がないのでありまして、それがためには幾らにするかというのでいろいろ論議もあり、研究もしたのでございますが、まあこの程度が適当であろうという考え方に立ったのでございます。
○門司委員 それからこの改正案の中で、もう一つお聞きしたいと思うのは、内閣総理大臣並びに知事が監査をすべき事項のあった場合には、その監査委員は知事の配下に属するように字句が解釈できるようになっております。これは私は非常に大きな問題だと思う。市町村の監査委員が知事の指揮命令を受けてやるということは、これは少し行き過ぎじゃないかと思う。二つの相拮抗した団体がこういうことになると、やはり知事が市町村の吏員を使うことができるという——ここに規定してあるのは監査事項だと書いてあるけれども、監査事項にしろ何にしろ、知事が市町村の職員を使用することができるという思想につながるものだと思う、これはどういうわけですか。
○小林(與)政府委員 これは実は先ほど公述人の方のうちにも意見が出ておりまして、自主的な監査機構を強化するのはよろしい、むしろ府県とか国の監査をなるべく制限しなければ意味がないという御意見がありましたが、われわれも全くその考えでおるのでございます。中央からあまりにも出過ぎて、一々監査や検査で非常に苦労いたしておるのでありますが、これをなるべく排除させたい、そこでできるだけ自治的な監査に責任を持たして、能力を充実させたい、こういうのが基本の考え方で、今度の監査の規定を改正したのでございます。そこで中央がそれぞれ権限に基きまして監査し得る場合におきましても、できるだけ監査委員を使って監査をしたらどうだ、一々出面いて行く必要が、どうしてもあればもちろんやむを得ませんが、地方に監査委員があって責任を持って監査をやるのですから、そういう場合に自分がやるかわりに監査委員に監査の結果を報告さした方が適当でもあるし、監査委員としてもほんとうの責任が果せる、こういう考え方に立っておるのでございます。それでございますから、監査を頼む場合にはその頼む範囲内において、こういう事項をこう監査しろというような注文をつけることは当然でありまして、その意味のことを実はここに書いたのでありまして、一般的に監査委員の活動をとやかく言うわけではもちろんございません。そういうことは当然考えるべからざることだと考えております。
○門司委員 この二百四十六条の四の規定は、今小林行政部長の答弁ではいろいろ言われておりますが、少くともこの字句をこのまま読んでごらんなさい、どうなっておるか。「当該普通地方公共団体の監査委員は、主務大臣又は都道府県知事の指揮監督を受けるものとする。」と書いてある。明らかにこの条項は「指揮監督を受ける」ということになっておって、依頼するということじゃないのであります。指揮監督を受けるのであります。
○小林(與)政府委員 それはこの場合においては以下もちろんその通り書いてあるのでございますが、その前段がごらんの通り「主務大臣又は都道府県知事は、その担任する事務に関し、普通地方公共団体の処理する事務又はその長、委員会その他の機関の管理し及び執行する事務について検査又は監査する権限を有する場合においては、自ら当該検査又は監査を行わないで、当該普通地方公共団体の監査委員をして検査又は監査を行わせることができる。」、これを受けておるわけでございまして、その検査をするかわりにこの仕事を検査してくれというのでありますから、その検査につきましては主務大臣が必要なさしずをすることは、私は当然考えていい問題だろうと思うのでございます。そのことを書いたわけでございます。
○門司委員 いわゆる指示をするということと、ここに書いてある指導監督ということは非常に意味が異なります。直属の者でなければそう簡単に他人の雇っておる者を指揮監督するわけにはいかないと私は思う。ほかにこういう文字を使っているところは、警察法その他の場合には往々にしてこういう言葉を使っておる。国家警察と地方自治警察の間において、これがどうなったかというと、統合されたときの権限は国家警察が指揮監督するということが考えられる。しかしこの場合は別個の団体の持っておる監査委員を指揮監督するというのであって、依頼するとは書いてない。これはさせることができるという文字ではないのであります。依頼させることができるという程度のものなら、あるいは依頼してやらせることができる。この場合は指揮監督するというのであって、市町村の公務員を、これは特別職であろうと公務員であろうと職員であることに間違いないのだから、府県知事が指揮監督するというものの考え方がいいか悪いか、自分のかわりに仕事をやらせるという必要がもしあるとするなら、依頼することができるという規定が私はこの場合は正しいと思う。ところがこの場合には明らかに指揮監督するということであって、もしこの指揮監督に従わなかった場合に、罰則が書いてないが、一体どうなりますか。
○小林(與)政府委員 これは現在でもたとえば機関委任事務につきましては主務大臣、市町村については都道府県知事及び主務大臣の指揮監督を受けるという規定が自治法にございますが、要するに主務大臣または知事が自分の権限で当然監査ができる、そういう事務につきましてなるべく監査委員を使った方が実情にも合うし、自治体としてもそれは適当な措置だろうと思うのであります。しかしながら監査権を持っておる以上は、どういう監査をしようが、知事なり主務大臣の権限に属することでありますから、その範囲内のことの指図ができなければ監査委員を使って十分な自分の監査を遂げさせることはできません。その意味でこの規定をこれには入れたのであります。監査させる事務につきまして監査権を有する範囲内において指揮ができる、こういう趣旨でございます。
○門司委員 私は今の小林さんのせっかくのお言葉ですが、どうも考えておることと字句に現われておるものが非常に違うので、さっきから何度も申し上げているように、この場合はやはり少くとも市町村の監査委員で監査せしめることができるという規定ならば、これは大した問題は起らぬと思う。しかしここに指揮監督すると書いてある。もし指揮監督に従わなければこれは罰則があるのですか、ないのですか、どうですか。
○小林(與)政府委員 そういう罰則などはございません。
○門司委員 そうすると、ただ例示だけであって、従わなくてもいいということですか。
○小林(與)政府委員 罰則がなければ従わなくてもいいということには一向にならぬと思います。
○門司委員 それはそうなんです。私はその通りだと思う。そこで指揮監督というものが問題になってくる。従わなくてもいいというなら指揮監督があっても何もならない。従わなくてはいかぬというなら指揮監督が大きな意味をなしてくる。これは今度の地方自治法の改正を通じた一貫した自治庁のものの考え方だと思う。さっきも申し上げましたように、地方自治法で自治体のあり方というものをきめようとする以上は、地方制度調査会では、補完的業務がある、従って地方の自治体というものは、やはり府県と市町村とを置いておく方がいい。なお府県は広域行政を行うものであるから、府県の廃止統合というようなことが考えられるという、これは今日の常識だと私は思う。それをことさらに補完行政という字句を抜いて、広域行政だけにこれを法律の上で現わしてきているというものの考え方は、やはり将来の知事官選への一つの布石である。いわゆる地方の住民との直接関係のある仕事ではないのだということに持っていこうとする考え方だと私は思う。市町村が基礎的団体であるとするならば、その基礎的団体であるべき市町村にその権利を私は委譲すべきだと思う。しかし委譲してもなおかつやれない分がある。その分を府県が補完する、だから市町村は基礎的団体であるが、しかし府県も地方自治体と言えるのだ、これは地方自治の本旨という憲法九十二条の言葉と私は通ずる言葉だと思う。いわゆる住民が直接自分たちの行政を行える範囲において行なっていくというものの考え方に通ずると思う。しかしその字句をことさらに抜いておるということ、それからその次には今申し上げましたように、長と議会の権限を対等の立場に置かないでいるということ、対等の立場に置くならば、やはり議会を開けという要求をしたという場合には、それを受けて立つ理事者側にも責任を持たせて、議員の要求というものが満足に執行できるようにすることが私は正しいと思う。年四回でありますから、三カ月に一回しか開かないというような規定になってきますと、要求しても結局八十九日目、三カ月目に、開く前日に、要求があるからといって一日開けば、一日開いたからといって言いわけは立ちます。要求に応じて開いたと言えます。これでは何もならぬ。従って定例会以外にはほとんど議員の要求にあるいは議会の要求に応じては長は開かなくてもいいということができ上って参ります。これはこの自治法という法律をこしらえます場合には——私はこういうことはあなた方に言う必要はないと思う、特に私は自治庁や大臣には聞いておいてもらいたいと思うのだが、法律をこしらえる場合に自治法なんという法律をこしらえる場合と、刑法などをこしらえる場合は非常に違うと思う。刑法などをわれわれが考えた場合には、少くとも犯罪というものを中心に考えるから、網の目のように考えなければならぬ、悪いことをする者が対象なんだから。ところが自治法なんという法律は、およそ良識ある者が執行する法律です。だからある程度は良識にまかしていいのではないかという考え方が出てくるのであります。これは法律をこしらえる場合の概念がそういうことになっておる、ところが往々にして間違って福岡の知事さんのような人が出てくる、あるいは柳生村の村長さんのような人が出てくる、そうなって参りますと、どうも知事さんも村長さんもあるいは議員の中にも良識を欠いたものが出てくるということになると、法律をこしらえる概念を変えなければならぬ。この概念を変えていくということになれば大へんなことになる。一切がんじがらめに縛っておかなければ、良識ではものが解決できないということになる。私はこの自治法という法律は、地方の理事者あるいは議員を対象にして、行政を執行する良識ある者が適用を受ける法律だと考えておる。従って良識ある者の考え方ですべてが律せられておるのである。そう考えて参りますと、今の小林さんのような意見であればいいかもしれない、何もそうやかましいことを言わなくたって、議員だって知事だって市町村長だって良識があるので、議員から正式の手続があれば、やるというのであればいいかもしれぬ。しかし現実にはそういうことをやらぬ者がある。三月三十一日でなければ予算委員会は開かぬというような者が出てくるかもしれない。福岡の場合でも少くとも知事ともあろうものが良識がない。今夜通らないと思えば暫定予算を組んで、会議を一日でも延ばしていく、これは暫定予算でやることは当然なんです。ところがそういう良識が忘れられて行われるということになると、私はこういう場合にはできるだけ対等の立場におく規定が今日必要だということが考えられる。ところがこの対等に立つべき考え方もこの中に織り込まれておらない。 それから今申し上げましたようなことの、やはり都道府県知事の権限の中に指揮監督をすることができるというような条文が、この中に併記して考えられておる。従ってこの法律全体を通じてみると、さっき申し上げましたように、どう考えても官僚的のものの考え方で、そうして昔の府県政というようなものに戻そうとする行き方に行こうとする考え方に間違いない考え方である。ですから自治庁はできればしておいてもらいたいのだが、そういう考え方があるのかないのか。どう考えても将来知事官選に持っていこうとする考え方だと私は思うのです。そういう考え方があるかないか。大臣はそんなことはないと言っておったけれども、条文をずっと読んでごらんなさい、それ以外に考えられない。
○小林(與)政府委員 その第二条の問題で、地方制度調査会の答申との関係の発言がございましたが、その点だけはちょっと申し上げたいと思います。地方制度調査会の答申は、御承知の通り府県は本来その自治事務を処理すると同時に、市町村とは異なり、市町村を包括し、市町村と国との中間に位する広域自治体として、国家的性格を有する事務を処理することをも、その任務とすることというようなことになっており、実はわれわれは、第二条を考えましたのは、この趣旨をそのまま具体化しようというのでございまして、この範囲より少しも逸脱していないどころか、むしろこの調査会の答申には、たとえば国は国家的性格を有する事務の遂行に必要な限りにおいて、指揮監督権の行使その他の関与を行うことができるとか、地方事務官の制度をとれるというような趣旨を入れたのでありますが、ここらはむしろ行き過ぎではないか、こういうのでその限度にとどめることにしたのであります。そこでこの都道府県の仕事に補完的な事務の面が出ていないというような御趣旨でございますが、そうじゃないのでございまして、つまり一項、二項、三項、四項を掲げましたが、結局四項はいわゆる補完行政といわれておるものを、われわれとしては書いたつもりでございまして、補完的という字句がなかなかいい字句とも思えなかったものですから、こういう一般の市町村が処理することは不適当だという趣旨の表現を使ったのでございまして、気持は全く調査会の答申の趣旨にのっとりまして、現在の府県、市町村相並んで地方自治の本旨を実現すべき憲法の趣旨に従って、その事務の配分についての規制を考えようという考え方から、実は一歩も出ていないつもりでございます。こういうふうに二条を変えたから、これで府県の性格が変って、これが当然に特別地方公共団体につながって、さらに知事の任命方法につながるということには私は絶対になりっこない、こういうふうに考えておるのでございます。 それから今の議会と長との問題につきましても、われわれといたしましてはやはり議会と長との立場をそれぞれ尊重して、権衡のとれた規定を設ける必要があろうというのが根本の考え方で、いろいろ考えたのでございまして、その両者の間の問題につきましては、なるべくそれは良識のある運営を期待するという趣旨でできておりまして、住民との関係とかあるいは負担との関係とかそういうものに触れるものにつきましては、ある程度の規制もやむを得ないんじゃないかという実は基本的な考え方に立っているわけでございます。それ以上の気持は全然ございません。積極的に、今の現行法にございませんが、議会側からの開会の請求があったときに、長に招集の義務をある一定の期間内にくぎづけにするということは、これは私は一つの考え方だろうと思います。それで、それはやはり十分に考えたことは先ほど申し上げました通りでありまして、定例会の制度でもやめれば当然にこれは私は考えるべき制度だと思います。国会法ではそういう制度はそこまで規定がございませんけれども、国会につきましても、実はやはり同じ問題があるのでございます。地方につきましては、そういう制度がなければ当然考えるべきだったろうと思います。しかし現実に四回の定例会があれば、その間に招集の請求がありましても、それはいろいろ議案の準備とかそういう問題もありまして、必ずしもくぎつけができるかできないかということも懸念がある。くぎづけにすればある程度の期間が必要になりまして、そうすれば年三回あればまず必要にして十分じゃないか、こういう考え方に立ったのでございます。それ以上の特別の気持は全然ございませんので、一つ御了承願いたいと思います。
○門司委員 最後に聞いておきたいと思いますが、これは資料を要求しておりますので、資料をもらってから資料を見ればわかるのでありますが、いわゆる特定の市であります。ここに書いてある政令で指定する市に対する事務委譲についての予算の裏づけというものが、財政計画の中にないのですよ。それで、法律だけはできてしまって、そして財政計画がないということになると、これはまたそれだけ貧乏することになるのですが、一体財政部と行政部というものは、何か連絡をしてやっているのですか。鈴木さん、これはどうなのですか。さっきからどう考えても、財政部と行政部とは別個にものを考えてやっているように考えられるのですが、これは連絡をとっているのですか。
○小林(與)政府委員 これは私から申し上げますが、この事務配分の伴うものは実際の実施は、法令の施行が三カ月、それからまた六カ月の問題がありまして、ほとんど年度末になるのでございまして、本年度中の金の動きは、きわめて少いという前提でものを考えております。しかし財政計画には一応計算をいたしてありまして、本年度は幾らでしたか、七千万でしたか六千万でしたか、その程度の数字は一応組んでございます。そういうものもあわせて資料として差し上げたいと思います。緊密な連絡をとってやっておりますから、一つ御安心願いたいと思います。
○門司委員 あまり緊密な連絡をとってないらしいですがね。(笑声)私ども今専門調査員からもらった資料の神戸の例を見ても、大体一億五千万ぐらいで、神戸だけで九千九百万違うという高い数字が出てきている。だからやはり財政計画というものとこれとは、もう少し緊密な連絡があってしかるべきものである。裏づけというものがほとんどなされていない。また同時に資料がなければならない。ところが財政計画のときの話の中では、そんなことは話さない。五大市の分はどうなっているかはちっとも考えられていない。だから私はこういう点をずって考えてみると、この法案というものは中には多少いいところもあるかもしれませんが、問題としては、流れている一貫した思想というのは、明らかに官僚統制を復活しようという一つのものの考え方に間違いない。従って今指摘いたしましたようなことを、もしあなたの方で——私はこの法律で少くとも改正すべき部分というのは、議会と長との権限を対等な立場に置くということ、それから知事の権限をそれだけ強くしないということ、それらの点は当然地方自治法のこの法案の中で修正がさるべき部分だと考えておるが、自治庁はこれをどう考えておるか。修正しなくてもいいというふうに考えておるのかどうか。
○鈴木(俊)政府委員 執行機関と議決機関、長と議会との間に、両者の権衡の十分保てるような配慮を加えるべきであるという考え方の基本につきましては、私どもは全く同感でございます。私どもも実はそういう考え方で今までも、地方自治法の運用なりあるいはその立案につきましては当ってきたつもりでございますし、今回の改正につきましても、同様の考え方を基本にして進んで参ったものでございます。ただ先ほど来御指摘の臨時会の招集については、現行法では単に四分の一以上の議員から臨時会招集の請求があった場合は長はこれを招集しなければならぬ、こう書いてあるだけではなお不十分である、一定の期間内に必ず招集するようにせよというふうに書けというのが、どうも御議論の基本のようでありますが、そういう御議論も立つと思いますけれども、私どもはとにかく長に、招集しなければならないということを義務づけることによって、あとは先ほどお話のございましたような、両者間の良識に基いて適切なる運営が行われることを、いましばらく期待して見てみたい、どうしてもそれではいかぬということでございまするならば、その際にまた立法上の措置をお願いするようにいたしたいというふうに考えておるのでございます。
○大矢委員長 他にございませんか。——他にないようでしたら、この両案に対する質疑はこれをもって終了いたします。 それではちょうど六時になっておりますから、これで暫時休憩いたします。 午後五時五十八分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕