地方行政委員会 第22号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/03/14
会議録
○大矢委員長 これより会議を開きます。 本日は、過般本委員会を通過いたしました、選挙の執行経費に関する問題について調査を進めます。発言の申し出がありますので、順次これを許します。門司君。
○門司委員 この機会に大臣に最初お伺いしておきたいと思いますことは、過般政府提案として、選挙の費用その他に関します法律案の提案がございまして、本委員会ではこれをすでに議決いたしております。ところが突如として出たというわけではございませんが、最近の政府の意向は、選挙法の改正を行われるやにわれわれ聞いております。そうなって参りますと、当然選挙の基準に対します費用というようなものが、私は変ってこなければならぬと考えられる。このことは、政府内部におられて、当然予測されておったことだと私は考えております。そういたしますと、この会議で一たん議決いたしましたものを、またこの会議にかけられてこれが変更を見るというようなことのあるものを予測しながら、大臣は一体ああいう法律案を出されたかどうか。今回政府が行おうとする選挙法改正と、選挙の費用の基準に関する法律案との関連を、この際一応明確に)ておいていただきたいと思います。
○太田国務大臣 門司君にお答え申し上げます。先般御審議を仰ぎ可決いたしました選挙等の執行経費の基準に関する法律と、政府が小選挙区案を出す場合に、前に可決した法律案をどうするかという関連でございます。申し上げるまでもなく、先般御審議を願いました法案は、最近行われます参議院議員の選挙費用の基本の問題及び事務費の基本の問題を定めたもので、いずれも事務的な、ポスターがどうとかいうようなことを定めておるのでございます。参議院議員の選挙に関して定めたものでございます。もちろん小選挙区法案を出しましてこれが成立した場合に、かくのごとき事務費等に関係する場合は法律を改正しなければなりませんが、その可決されたる参議院の問題と小選挙区問題とは別に取り扱う考えでございます。小選挙区制度が成立いたしましたときにおいて、事務費をどうするという問題はむろん起ることと思いますが、今日参議院議員選挙に関しましてかような改正をいたし、またそれを可決願った次第でございます。別個の問題でございます。
○門司委員 大臣はこれを別個の問題だというお考えでございますが、もちろん参議院議員選挙に対する個々の問題、ポスターあるいはその他の問題については、一応そういうことは考えられます。今大臣がお話しになりましたように、個々の自治体が負担しなければならない、また準備をしなければならない事務費等については、非常に大きな関連性を持っておると私は思います。従って政府は、もし十分に用意があって考えるとするならば、当然政府の考えておる小選挙区制の問題の推移が十分見きわめられたときに、総合して選挙の費用に関する問題等は議会に提出されることがよかったと私は思う。参議院の選挙にいたしましても何もこの会期中やるわけでございません。おそらく参議院の選挙は法律の通りに行われるとするならば、両院が開かれておりまするので、この議会が終って三十五日以内に参議院の選挙を、行うことができるという規定にのっとって当然行われなければならないと私は思う。そういたしまするとこの議会の終了後、参議院の選挙というものが行われるのである。同時に選挙法の改正はこの会期中に行われるものと一応私は考えなければならぬ。従って全然関係はないというような話でございまするが、私は、事務費には関係がないどころではない、非常に大きな関係を 持っておると思う。もしこれが小選挙区になって各地でこまかく分けられる ことになりますると、選挙に備える名簿、あるいは選挙の準備等については地方の自治体は非常に大きな迷惑をすると同時に、いろいろな事務手続上の煩瑣が出てきて、選挙費用というものは今きめられておるようなものではとうてい間に合わないし、またそういうものはできなくなってくる可能性が非常に強いのであります。だからもう一応お聞きをいたしますが、一体そういう場合にはこれを出されるお考えであるかどうか。この議会に選挙に関する単位費用の改正を行われるという意思があるかどうか。
○太田国務大臣 私が関係がないと言ったのは少し言葉が足らなかったと思います。参議院選挙の問題と小選挙区の問題と私は別に考えたというだけでございます。関係がないというわけではございません。しからば小選挙区制度にした場合にこの事務費がどうなるか。申し上げるまでもなく、選挙制度調査会で答申を得たばかりでございまして、これを正式に出すには閣議にかけなければなりません。突如として起った問題でなく、すでに総理大臣の施政方針以来政府として発表したことでございまするから、小選挙区制度をしこうということはきまっておりますが、その内容等につきまして、法案全体につきましてもまだ近く閣議を開いてきめるという段どりに進んでおるわけでございまして、ただいまこの点の内容を申し上げるところまで進んでおりません。
○門司委員 私、ここで無理に内容を聞こうとは考えておりません。しかし内容のいかんにかかわらず、従来の選挙区が非常にたくさんなものになって参ります。それからもう一つは、議員の定数をふやそうとしておる一つのものの考え方であります。このことについての根本の問題に触れることは他の同僚に譲るといたしましても、少くとも、私どもから考えて参りますると、何の必要があって議員をふやさなけれ、はならなかったかの解釈に非常に苦しむのであります。そういうことがありまするので、勢い地方の自治体の、この選挙に対処、する態度というものは、財政的にも行政的にも非常に大きな影響を持って参ります。このことが十分わかっておりながら、1ある程度了承しておったと思う、了承しておりながら、ああいう法律案を出されて、まず財政的の面を一応規制されたということは、議会の運営の面から見ましても、あまりにも政府のものの考え方というものが行き当りばったり式のものの考え方ではないか。もう少し政府が考えて法案を出していただかないと、無理に言えば、これは一事不再議の原則にひっかかりはしないか。選挙の単位費用に関する法律案は出て可決されております。それと同じ表題のものがまた今度の議会に出るというようなことが、あるいはあなたは内容が違うからといって逃げられるかもしれません。内容が違おうと違うまいと、地方の自治体に対する影響というものは同じであります。大臣はそういうことをお考えになってあの法律案を出されたかどうか。もう一応聞いておきたいと思います。
○太田国務大臣 この法案は、最初にも申しました通り、参議院議員の選挙に関連してまずやっておこうという意味で、事務費だのあるいは選挙費用の基本の問題を出したのでありまして、小選挙区制度に伴うそれらの事務費につきましては、ただいまのところ法案の中に入れるか入れぬかも閣議できめる問題になっておるので、法律ができるのを予定しているよりも、すでにきまっておる参議院議員の選挙、しかも目睫に迫っておると言ってもいいこの状況に対して法案を出したわけでござい失して、二つに分げるという意味は決して関連のないことではございませんけれども、片一方の方はまだこれから実行に移すべき法律案を作る問題でございますので、二つに分けたのでございます。しこうして事務費がどういうふうになるかというような問題につきましては、今御説明申し上げる段に至っておりません。
○門司委員 私が聞いておりますのはそういうことではありませんので、すでに議会に出て議決されておりまするのと同じようなというよりも、むしろ同じ表題の法案でなければならぬと思いますが、同じ表題の法案がこの議会にもう一ぺん出されなければならないと私は思う。選挙法とは別でありますから費用その他に関する法律案の取扱いというものは従来別に扱ってきております。従って同じ議会に同じ表題のものがまた出されなければ小選挙区制というものの実施は困難だと私は考える。従ってこれが一事不再議の原則に反しないかどうかということを聞いておるのであります。その点をもう少し明確に聞いておきたいと思います。
○太田国務大臣 もちろんこの経費の問題は、主体が公営関係が広がるか、現状でやっていけるかという問題になりますので、その点が広がるようになれば出されなければなりますまい。広がらないで済めば出さないで済むことでございまして、今度の選挙法改正の中にその点について入れるか入れないかという問題をきめてからでないと何とも申し上げかねる、公営関係が広がればもちろん直さなければならないと思っております。
○門司委員 私は今の大臣の答弁はおかしいと思う。公営関係だけじゃない、選挙区が分れれば選挙を行います場合のおのおのの選挙人の名簿をどうするか、これを分けなけれ、はなりません。それを今の選挙区の単位で一体よいのかどうか。これは私は一つの大きな問題だと思う。今の選挙区の単位でありますと、たとえば私どものおります神奈川県の場合でも、横浜は横浜の一つの単位でありますから、横浜の市役所に選挙管理委員会というものがあってこれが大体行なっていく、各区にあります選挙管理委員会は単なる一つの事務の取扱いをしておって、横浜市にも選挙管理委員会というものを持っておる、今度はこれが分割されて参りますと、同じような選挙管理委員会があるといたしましても、各区の選挙管理委員会の性格というものはおのずから変って参ります。同時に郡部において今まで何にもそんなことの管轄をしておらない場所の総括的のものを、一体どこでやっていくのかというようなことになって参りますと、非常に大きな問題が出てくると思います。開票あるいは選挙会というようなものもおのおのの選挙区が非常に大きな関連性を持っておりますので、地方の負担というものは公営の演説会だけではございませんで、選挙事務すべてについて今までの様子と変ってこなければなりません。それらに対する経費というものは当然当該市町村の負担になるにきまっております。これが負担がないとは私は断じて言えないと思う。これらの負担に関係いたし、まするものとしては、当然私は法律の改正をすべきであると考える、法律の改正をしようとすればさっき申し上げておりますように、一事不再議の問題が出てくると私は思う。ですからこの間の大臣の責任を一応聞いておきたいのであります。そういうことは絶対にないと大臣はこの場合に言い切れるかどうか。
○太田国務大臣 申し上げるまでもなくまだ法案も出ておらぬような状況でありまして、いろいろ御注意の点は考えなければなりませんが、名簿の作成費の関係等、私詳しいことを存じませんので、事務当局より一応御説明申し上げて、さらに御返事申し上げたいと思います。
○兼子政府委員 小選挙区が実施されました場合に選挙の執行経費はどう変ってくるか、これは事務的にさらに検討いたさなければならぬ問題だと思うわけでございますが、おっしゃる通りに選挙区が従来の選挙区より小さくなりまして、選挙事務のセンターは違ってくると思います。しかしながら経費面で見ますと、投票の経費とか開票の経費とか、それぞれの計算によって出しているものが、従来これだけの大きさのものが小さくなる、こういう建前でございます。もちろんそれに伴ってセンターとなるべきところの事務費が若干増加するということは考えられるわけでございますが、なおそういう点については、小選挙区制をとるという方針がきまりましたなら、は、執行経費等につきまして検討いたしました上で、必要がありますれば改正案を提案するということになろうかと存じます、
○門司委員 今、必要があれは改正をするというお話でございますが、そうなって参りますと、この前出された法律案というものを、もう一ぺんあれと同じ表題のものを出してこの議会でやるということは、きわめて政府にとっては不見識な話だと思う。少くとも政府が責任を持って法律を通そうとして、その会期中に成立するであろうと政府が考えておる法律案との関連性を考えないで提案するということは、政府の不見識であるかあるいは大臣の責任であるか。一体そういう不見識なことでいいか悪いかということの責任について、大臣はどういうお考えをお持ちになっておるか、もう一応この機会に聞いておきたい。
○太田国務大臣 ただいま事務当局も申しました通り、また門司委員もお言葉の上に繰り返されておる通り、必要あればという問題でございますので、その条件が必要であるときめたときに問題がきまることと思います。
○門司委員 必要があると思われるときと言われておるのですが、これは必要があるのです。どんなことがあってもこれは変ってくるにきまっておる。もし政府がそういう態度でおられるならば、地方の自治体の負担は軽減できない。少くとも国の法律が変ってきて、それが地方の財政にどう影響するかということを考えないで、法律をむやみにこしらえられるということは、非常に地方財政の今日の問題を窮迫にしている一つの大きな原因です。たとえば三十年度の補正予算のときにも私は申し上げましたが、無定見と言うと怒られるかもしれませんが、今日の与党、当時の自由党、民主党両党の修正案によって国の予算が修正された。ところがその予算に関連する地方財政に対しては何らの考慮が払われておらなかったということが、三十年度における地方財政を非常に窮屈にした問題であることは大臣もよく御承知だと思う。政府が不見識にただ中央における法律だけを改正することによって、地方の自治体は財政上どれだけ迷惑しておるかということである。今のお話のように、必要があればそのときに変えるのだというお考えでは、自治庁の長官としては地方の自治体に対しては少し不誠実過ぎやしないか。もう少し地方「日給体に対しては親切心と財政に対する大臣の真剣味がなければならないと思う。こういう点に対して今大臣の御答弁がございましたが、私は断じてこれはある、ないとは言えない。もしそれをごまかそうとして、大した数字ではなしからというようなお考えであるとするならば、依然として地方財政に対する政府のものの考え方はきわめて冷淡であると言う以外に批評の方法はないと私は思う。幸いにして地方財政再建をはかろうとされる現在の内閣であり、長官はこういうことであってはならないと思いますが、やはり今までと同じような考え方で、地方の財政についてはそういう点はただ必要があれば変えるというだけでなく、必ず必要があるという断定をされるということが、この場合に大臣の態度として望ましいと思う。そうしてこれは改正をすると言われることの方が望ましいと思う。必要があればということは一応官僚の逃げ言葉ではあります。だれでも一応そういうことを言うのであります。しかしそれではあまりにも責任がなさ過ぎると思う。よく吉田さんが言ったように、仮定のことだから返答ができないと逃げられましたけれども、これは官僚の逃げ道でありまして、実際負担が増加し、負担の費用の単位も変ってくるということはわかり切ったことである。わかり切ったことであるなら、そういう政治的の逃げ口上でなくて、変えますということをこの機会にはっきり言われなければならないと私は思うのです。そうしないと、さっき決議した法案というものは、われわれも一体何のために議決したんだかわからなくなってくる。同じ国会でまた同じような表題の法案が出てきて、またこれを変えるというような不見識なことはできないと私は思う。この点に対する大臣の責任をもう一応この機会にはっきりしておきたい。
○太田国務大臣 申し上げるまでもなく、国の選挙の経費は委託費でまかなうことになっておりますので、御心配願い、私もまた日夜心配しております地方財政に関連いたしましては、地方財政を圧迫することのないようやっていく考えでございます。
○門司委員 私はその言葉が信じられぬのです。なぜ信じられぬかというと、二十六年でありましたか二十七年でありましたかはっきり記憶しておりませんが、今から二、三回前の総選挙の場合に選挙の費用が足りなかった。そこで地方の自治体は中央の選挙管理委員会に向って、この費用では足りないから、費用を増額してもらいたいという要請をしたときに、政府はこれに答えて、とにかく選挙をやってもらいたい。あとで費用の点については十分考慮するからということで選挙が行われた。行われた結果、大した金額ではありませんが、一億数千万だったと思いますが、この選挙に関する地方自治体の負担の増加か出てきた。これを政府に向って出してもらいたいと言ったときに、政府は何と答えたか。これをどう処置したか。選挙の際には十分の金を出さないでおいて、そうして選挙をやってもらいたい、やってくれと頼んでおいて、その結末というものは政府はつけなかったでしょう。大蔵省に聞けば、実地を調査して、ほんとうにそれだけよけい要ったか要らなかったかわからぬから、とにかくその数字をうのみにするわけにいかない。実地に調査して、現実に要ったならば支払いましょうなどとばかばかしいことを言って、地方の自治体に迷惑をかけている。だから今の大臣のようなお考えだと、まごまごしておると、選挙費用の単位というものを変えないで選挙が行われて、よけい要っただけは地方の自治体の負担にならざるを得ない。費用がないからといって、地方の自治体は選挙をしないで済めばよろしゅうございますよ。一切の手続もしないでほっておけばいいかもしれない。しかし選挙に関する限りは、地方の自治体は費用があろうとなかろうと、足りようと足りまいと、やはり厳正公平に行うべきものは行わなけれ、はならない。そして行なった結果は、今申し上げましたように、政府にこれを請求、すると、それだけ使ったか使わないかわからぬから厳重に調査して、その後においてというようなばか、ばかしいことを政府は言った。そうしてあの問題も十分解決しておらない。こういう前例を考えてみますと、今の大臣のような言葉を今日このまま見のがすわけには参りません。そのときに考えるというようなことではどうしても考えられない。少くとも選挙法を変えようとされるならば、やはり以前出されたものと同じような形で出して、審議を願うということをこの際大臣は言わなければならないと私は思う。必要があればということだけでなくして、もう一つはっきりと答弁を願いたい。
○太田国務大臣 大へんいい御忠告を承わりました。私は過去の詳しいことを存じない——というと勉強が足らぬようでございますが、私がこの席にある限りにおきまして、今後の問題といたしましては、決してかかることのないことをお誓い申し上げたいと存じます。
○門司委員 そうすると、今の言葉は、どうせ費用の異同があるにきまっておりまするし、従ってこの国会に同じものをまた出されるというお考えでございますか。
○太田国務大臣 法案が出ましたときにとくとごらんを願いたい。今ここで私が先ほど事務当局の言った通りの必要であるやいなやと言い切るところまで来ておりませんので、門司委員が必要ありと御断定になることと、私が法案を出してからごらんを願いたいということとは二律的に分れておりますが、私といたしましては今申し上げました以上のことは法案を出したときにとくとごらんを願いたいと思います。
○門司委員 法案を出したときと言いますけれども、法案はもう大体きまつておる……。
○太田国務大臣 法案はまだ閣議を通っておりませんし、一般に世間で言う別表等につきましても、まだ閣議を経ておりませんので、今ここで法案がどうとか別表がどうとか申す段階に参っておりません。どうぞその点あしからず御了承願いたい一思います。
○門司委員 その大臣の答弁はきわめて常識的というよりも、むしろしゃくし定木のものであって、むろん法案が出てきてそれが通過しなければ、私どもは単位を変えるということもどうかということは、一応それは言えるのであります。それはその通りであります。大臣の今のお言葉の通りです。しかし問題はそういうことで解決のつく問題ではございますまい。少くとも政府は、選挙法を改正しようという考え一方の上に立って、閣議を開こうという一段階に来ております。調査会はすでに答申をいたしております。またあなた方の与党もこれに対する考え方をはっきりきめております。従って選挙法が改正されるということは既定の構想であり、既定の方針に基くものであって、必ず現実の問題として私は出てくると思う。これだけはっきりした問題を今の大臣のように、まだ閣議がきまっておらぬからどうなるかわからぬというようなことでは、一体政府の態度はどういうことになるかということであります。閣議できめられて法案が出てこなければ審議ができない、考えられないということになって参りますると、私どもは先ほどから申し上げておりますように、この議会で一応審議したものを再び同じ表題のものをまた繰り返さなければならないというような不体裁のものが出てくると思う。あるいは形が変ってくるかもしれないが、趣旨が同じものをここでやらなければならない。そうすると念を押して聞いておきまするが、今政府は小選挙区制にする、いわゆる選挙法の改正を行なって、さらに別表までを改正するかしないかということは、十分確信を持っていないということに解釈しておいてよろしゅうございますか。
○太田国務大臣 はなはだ形式的な紋切り型の御返事をするようでございますが、政府が選挙法を改正しようとすることは、施政方針演説にも明らかでございます。しかしこれを実際に移すに当って法案をどうするか、別表をどうするかということはまだきまっておらないという、あまりに絞切り型の文句でございますが、ここ一日、二日のうちにきまることと思いますので、その点はさよう御了承願いたいと思います。
○門司委員 あまりにも形式的で、その政治性といいまするか、私は話にならぬと思う。そういう議論になって参りますると、問題は非常に重大になって参ります。政府は一体小選挙区制というものを実施するかしないか、選挙法の改正をするかしないかということの問題が生まれて参ります。そうしてこれは非常に緊急性を持って参ります。そうなって参りますると、ここで聞くよりも総理大臣に出てもらいまして、一応総理大臣に、施政演説の中にもありましたが、今非常に社会の大きな問題になっておりまする小選挙区制に対して、この議会に出されるか出されないかということを、内閣の責任者としてこの委員会に総理大臣に出ていただいて聞く以外にないと思いますので、従って委員長に、総理大臣にここに出てもらうことを私から要求いたします。
○太田国務大臣 出すことはさまっておりますが、内容がきまっておりませんからという段階を申し上げたので、出す出さぬという問題は、政府としては出すことにきまっております。しからばいかなる形式の法律案になるのか、またいかなる内容を持った別表になるのかというこのことを今申し上げることはできないというので、総理をわずらわすまでもなく、政府といたしましては出すということに変りはございません。ただし出すという形がいかなる方法で出るかということが今問題になっておるので、その内容を今御説明することは閣議を経ない今日私は言えない、これだけのことであります。さよう御了承願いたいと思います。
○門司委員 せっかくの大臣の御答弁でございますけれども、少くとも政府が出すという腹をきめて、ここ二、三日のうちに閣議を通そうというからには、何らかの構想がないはずはございません。条文のこまかいところまで聞こうとはいたしておりません。出されれば、必ずさっき申したようにいろいろな問題が出てくるのでありますから、従って出されるか出されないかということ、同時にその内容のごく要綱的なものくらいは、これは総理大臣に一応来てもらいまして、ここではっきり確かめる必要があります。従ってこれ以上大臣に質問いたしません。一つ委員長から、総理大臣に出てもらって、ぜひ御答弁を願うよう取り計らっていただきたいと思います。
○中村(高)委員 あまり固くならないで、一つ私も今門司君が質問されたことについて、もう少しお聞きしたいのであります。大体政府で提出するという予定が三月十五日ごろだと承わっておるものでありますが、日を断定しろなどというようなことを私は言おうと思っておるのではなくて、政府にもむろんいろいろ都合もありましょうし、日が違う場合もありましょうから、幾日と言っておったのが違ったからといって、それを責めようとは思っておりませんが、審議の期間というものには大体の目安を置かれて、衆議院は大体いつごろ通して、いつごろまでに参議院に送ればいいかというようなことは、法案をお出しになるときには政府当局ではお考えになるはずであります。提出を三月十五日というところにめどをきめておられるやに承わっておるのでありますが、大体御提出になるのは幾日ごろを予定しておられますか、その点をお聞きしたいと思います。
○太田国務大臣 まだ手続の上で官房長官等との交渉が済んでおりませんが、私の考えでは、肩を軽くして申しますが、明日閣議にかけまして、それが済みましたあとで進みたいと思っております。私も国会で申しましたか、よそで申しましたか、十五日ということを申しましたが、この十五日というのはあるいは一日くらいおくれるのではないかと思います。今のは私のもくろみで、大体間違いはなかろうと思いますが、向うの都合がありますから——向うというのは閣議をする手続なんでございますが、大体さよう御了承願いたいと思います。
○中村(高)委員 大体十五日ごろということでありましょうが、一体政府で今度お考えになっておりますこの小選挙区を中心とする選挙関係の法律は、一つは内閣の選挙制度調査会に諮問せられた行き方と、もう一つは新聞紙上などで発表されております自民党の案というものがあるのでありますが、一体政府で提出されます案というものは、調査会の答申をもととしておやりになるのか、それとも与党の案を中心にして考えられるのか、政府案ではありましょうけれども、どちらかをお考えになっておられると思うのでありますが、あるいは折衷しておやりになるのか、そういうところはどういう構想でお作りになられますか。
○太田国務大臣 ごもっともな御質問でございますが、申し上げるまでもなく、選挙制度調査会に諮問いたしたので、その答申が総理大臣の手元へ参りまして、形式ばってそれを今から研究するということは申し上げる必要はありませんが、その趣意は十分私は取り入れなければならぬと思っております。しかし政党内閣でありまするし、世間にいわゆる党利党略でない範囲におきまして、何といっても長い経験を持って選挙場裏に臨んでおるのでありますから、山を見、川を見、人を見て区域を分けるという問題と、政治の経験は十分考えなければなりませんので、私は主として答申案をもってし、これにわれわれの見たところの、またいろいろな御意見を聞いたところの区割り制度を政府案として出したい、こう考えております。
○中村(高)委員 いろいろの案をしんしゃくせられてお出しになるということでありますが、そのうちの一つの土台になっておりまする内閣の選挙制度調査会の結末でありますが、太田長官も委員の一人でありまして、この審議には参加しておられたのであります。あの答申案を採決されましてできたということになっておるのでありますが、あの最終の決定の際にとられました議事の運営について、長官としてはどういうふうに御観察になりましたか。長官自身も調査会の総会に列席しておられて——私たちはりっぱな答申案を作って政府に答申すべきものだと思っておりますので、私たちは満足しておらぬのでありますが、長官として、委員としてあの総会に臨んでおられて、答申案を作られたあれに対して、率直な御意見を一つ述べていただきたいと思うのであります。
○太田国務大臣 お言葉の通り、当日の委員会に、私はあまり長くはありませんでしたが、今取り上げられた採決の当時におきましては出席しておりました。申すまでもなく、選挙制度調査会の運営は、選挙制度調査会会議規則によって運営されておるもので、あるいはそのときに騒ぎがあったとかいろいろな事実はかりにあったといたしましても、私としては有効に答申案が成立したもの、こう考えております。
○中村(高)委員 採決のときに長官もおられて見ておったというのでありますが、あのときには社会党の方から出ておりまする鈴木義男君が質問をいたしておりまして、その質問中に突如として討論を打ち切るという動議を小林委員から提出されまして、喧騒のうち に採決をしようといたしましたときに島上委員から、まだ質問中に討論打ち切りの動議というようなことは議事規則にも違うということで不信任案を、さらに青山委員その他からも小委員会の案に対して別個の動議が議案としても提出されておったのでありました。あの会長が議事を打ち切って採決をしよう、」いたしましたこきに、不信任案を提出いたしましたのであります。議事規則によって運営をしておるというのでありますが、そんなことまで議事規則には書いてないのであります。一般に議長が不信任案を出されたときには、他の人がかわって、そうして不信任案を採決してから、再び信任を受けて議長の席に着くということが、すべての会議の運営の仕方でありまして、これは小さな村の会合などにいたしましても、座長が不信任案を出された場合は、他の人がかわるというのが会議「の常識であります。ところがいやしくもあの内閣の官邸で開かれました調査会で、議長が不信任案を出されて、長官もごらんの通り、自分でおれは却下するなんという、全く前代未聞の議事の運営をやっておったのでありますが、政府の大臣として、法務大臣もおられたし、警察担当の大麻大臣もおられたし、太田長官もおられたし、三人もあの席におられて、ああいう非常識な会議の運営をして、それでもりっぱに答申案が決定をしたものだとお考えになりますかどうですか。この点は大臣としてまた委員の一人としても御意見を拝聴いたしたいと思うのであります。
○太田国務大臣 中村委員の言われる通り、あのときの騒ぎがありましたことは、まことに遺憾なことでございました。御指摘の通り、会議規則ですべてを行うというワクが入っておりまして、これが有効であるかどうかということは会長みずからがきめるべき問題であろうと思います。私自身といたしましては、会議規則によって運営されており、会長がされたことにつきまして有効か無効かということにつきましては、会長のやったことが会議規則に沿っておるもの、こう考えております。これはそうじゃないということで、昨日社会党の勝間田さん、中村さん、島上さんのお三方がおいでになりまして、これはいけないということの趣意を書いたのを会長に届けてくれということでございましたから、私が判断する立場でないことはもちろんでございますが、さっそく会長の方へそれを向けた次第でございます。私自身といたしましては、当時の状況も知っておりますが、会長は会議規則によってすべてを処理されたことと思っております。
○中村(高)委員 会議規則に従っておやりになったというのでありますが、会議規則に、不信任案を出された座長が、おれが自分で却下するというようなことはないと思うのであります。規則を直接作られた選挙部長もそこにおられるのでありますが、一体座長が不信任案を食ったときには、座長これを却下すべしという規則があるのかどうか、その点を選挙部長とも一つ御相談の上に答弁をしていただきたい。
○太田国務大臣 その点につきまして先ほど申し上げたのでございますが、一般の会議の原則というものは、先ほどお示しの通り、国会でやっておるようなやり方がすべて行われております。しかし会議規則そのものは別にあの会を始めるときに作りましたので、すべて定められざることは会長の決するところによるという文句があったと思います。おそらくその条項によって処理されたのであろうと私は思っております。
○中村(高)委員 不信任案を出されてそれを却下するなどということは、全く会長の決するというものの中には該当しないことは明らかでありまして、これは会議の常識であります。むしろああいう場合に大臣が三人もおられたのでありますから、あるいは政府の自治庁の役人もおられたのでありますから、ちょっと待てと言うて、そうして議事の運営を諮るというようなことも、当然私はやらなければ、調査会の権威のためにも惜しむのでありますが、そういうことさえ行なっておらぬのであります。会議規則々々々と言われますから、もう一度念のために選挙部長から会議規則を説明して、一つ速記録に残しておいていただきたいと思います。
○兼子政府委員 選挙制度調査会の会議規則の第十一条に、「この規則に規定のない事項は、会長がこれを決する。」こういう規定がございます。選挙制度調査会はおっしゃるような会長不信任というような事態は、あるいは予想してない規則かもしれませんが、この会議規則の構成から行きますと、規定のない事項に該当いたしますので、この規定で会長が措置をされた、かように解釈をいたしております。
○中村(高)委員 全く牽強付会でありまして、規則の中に、そんな不信任案を出された場合など全然予想しておらないのがほんとうであり、前半の兼子部長の答弁は、その点においては正しいのでありまして、そういう場合には議事の一般の運営の方針に基くということは、常識であります。いやしくも会議に出るものとしてあんな運営の仕方はないのでありますが、その点は規則にないのでありますから、むしろそういう会議規則にないことであるということがはっきりいたしましたから、あとはわれわれの方で善処をいたします。 もう一つお尋ねしておきたいのは、この選挙制度の調査会の答申についてであります。初めからこの答申が小選挙区制を作るという前提の上に議事の運営をしむけていったとしまするならば、これは調査会の本来の趣旨に反するとわれわれは思うのでありますが、事実は、諮問をいたしましたときには、区制並びに選挙制度の一般について調査研究をして報告をしろということが、総理大臣の諮問になったときには明確になっておるのであります。ところが議事の運営の状況を見まするというと、小選挙区の区割りを作るということだけを前提にいたして進行をしてきたことも、これは明らかでありまして、当初の諮問をされた当時の状況とは違った運営をされて、そのつど早く区割りを作ろうということに終始をいたして参りましたことは、あの運営の仕方でもわかるのであります。大体政府が三月の十五日ごろをめどといたしておったのでありますからして、調査会の運営も三月十五日ごろをめどとして追い込んで参りまして、ほかの問題に手をつけるというと、どうしても十五日には終らないというようなことから、ワクを作って進んできておったということも、これは明らかであります。でありまするからして、あの総会の際におきましても、蝋山委員や、あるいは慶応大学の中村菊男委員から小選挙区制だけをこの選挙制度の調査会が答申をするということは間違いではないかという提案をされまして、青山委員の原案に説明をされたところを見ますると小選挙区制を強行すると非常にたくさんの死票が出る。この死票をなくするためには一面において小選挙区を実施すると同時に、西ドイツで行なっておりまするような比例代表制を加味するということが、死票を少くする上において、多数の国民の意思を反映する上において適切ではないかということで、具体的提案もされたのであります。これは選挙制度調査会の運営の仕方といたしましては当然取り上げて、小選挙区の区割りも一つの答申案でありましょうし、またこういうような小選挙区に加味するに比例代表制ということも一つの案であり、またわれわれの主張しておりまする中選挙区というような少数意見についても、これはそれぞれの案を提示させて、これを審議し、その上にそれらの各般の案を調査検討をいたして答申案を作るということが、調査会に諮問をせられました最初の趣旨であったのであります。ところが結果においては無理をしてまでも小選挙区制を答申させようというところにブレーキをかけてきたように思われるのでありまするが、政府はこの答申の結果をごらんになって、ああいう一方的な答申だけで終ってしまったような形にするのか。それともどうもこの間の採決では小選挙区の区割りというものは採決されたけれども、まだ少数意見で出ておりまする中選挙区で人口の増減だけをあんばいし直した選挙法の答申、あるいは青山委員等から出された比例代表制を加味するもの、こういうようなものに対して今後とも調査会を開いて調査研究をさせる御意思があるかどうか。こういうことに対して長官としてはどういうふうにお考えになっておるか、今後の運営等についての意見をお聞きいたしたいと思うのであります。
○太田国務大臣 選挙区制につきましては、いろいろな御意見があることは申し上げるまでもございません。社会党の中選挙区論、及び蝋山君はかねてから私よく知っておるので比例代表論を加味した議論も承わっております。比例代表をすれば死票が少くなっていく。しかしその比例代表をやった国の結果はどうであったか、フランスやいろいろな国の例をここに申し上げるまでもございません。これら根本論は別といたしまして、政局の安定というような点を考え、二大政党ができたという点を考え、これは総理が国会において説明した言葉そのものを申し上げたのでございますが、かような意味におきましてわれわれの案をすぐ出そうとするところでございます。比例代表制につきましてのことを今後調査の眼目にするか、またそれを調査会に諮問するか、こういうお言葉でございますが、ただいまのところさような考えを持っておりません。
○中村(高)委員 総理大臣が諮問をしたときには、小選挙区だけを答申しろという諮問をしておらぬのであります。区制の問題並びに選挙制度全般に対して調査研究をして答申をしろということになって、そのうちの一つが——われわれはあれは無効だと思っていますが、長官はあれが有効だというのでありまするが、一つだけが答申をされて、あとの選挙制度全般、これは最初の総会のときにも川島長官から、明確に速記に残っておるのでありまして、これは決して区制に関するものだけではなくして、選挙制度全般に対する調査研究を十分にしてもらって、日時も、この次の国会に出せ、急いで答申をしろという日限も決して申しません。全般について答申をしろという趣旨であったのでありますが、あなたの御意見を聞くと、あとは調査する意思がないということであると、初めから小選挙区の区割りを作るためにあの調査会を作ったようにとられても仕方がないのであります。そうするとあなたは総理大臣の意思とは違って、あるいは総理大臣が諮問した案とは違って区割りだけがきまれば調査会の目的を達したというふうに考えておられるのかどうか。そうすると総理大臣の考えと自治庁長官の考えとは違うように思われるけれども、どちらが正しいと見てよろしいでしょうか。
○太田国務大臣 私の言葉が足りなかったのでございましょう。私は今ここで政府からさらに比例代表等について諮問を出すという考えはない、むろん会長には今中村さんのおっしゃった意味のことを申し上げて1会長がまだずっと続いているわけでございますから、こういう問題があったかということだけ伝え、開くか開かないかということは会長の方で決するようにしよう。もちろん最初の諮問ということの中で今回の答申になったわけでございますが、私自身が比例代表をすぐ排撃しようというのじゃございませんし、会長自体がこのことを研究しようというのを抑えようという考えは毛頭ございませんので、御趣意の点をよく会長に伝えることにいたしたいと思います。区制制度に対する諮問の考え方は総理の言われた通りでありまして、何も私がこれを押えるとかいう考えは持ってをりません。しかし私自身としてはさらに新たな項目を出して比例代表を研究していただきたいというようなことは言わなくて、会長にこの旨を伝えて会長にやっていただけばいいと思うわけであります。決してそれを押えるような意味ではございません。
○中村(高)委員 最初諮問されたときには各般の事情を調査しろといってきたのに、区割りだけできて、あなた自身はもうそれで用が済んだようなことを言われておるのでありますが、この点は諮問をした当時の趣旨に従って政府としては調査会の運営について協力をし、あるいは調査会の再開を発動すべきだとわれわれは思っておりまして要求書を出したのでありまするから、その趣旨に行なってもらいたいと思うのであります。 もう一つあの総会のときの速記録をごらんになったかわかりませんが、われわれがあの総会のときに速記録を見ようとしたところが、速記がとれないで結局採決したかどうかというようなこともわからないということを、はっきり速記者も言うておったのでありますが、あの日の速記録というようなものを一つ至急に審議の資料として、この委員会に出してもらいたいと思うのでありますが、速記録をごらんになっておりますかどうですか。
○兼子政府委員 過般の選挙制度調査会の総会の速記録はまだ翻訳が完了しておりません。近日中にできる予定であります。
○中村(高)委員 これはあの日に速記者から名前もちゃんと調査してありまするし、速記の最終にわれわれの方でサインもいたしておって、速記者は速記がとれなかった、採決をいたしておることも全然速記に載っておらぬのでありまするが、この点はわれわれの方ではっきりいたしておりますから、あとで速記を作り直すというようなことが万々あろうとは考えませんけれども、ありのままの速記を作ってそのままの状態で提出してもらいたいと思う。もしそれを作り変えたりなどするというようなことになれば、大へんな問題になることをあらかじめ御注意を申し上げておきたいのであります。 なおもう二、三お尋ねしておきたいのは、今長官はあの採決で有効だということでありますけれども、一体あの答申案が採決されておるかどうか再度御調査を願いたいのであります。政府で調査会にいろいろの案を約一年にわたって諮問をいたしておったのでありますが、諮問の最中に一度調査会の案が外部に漏れまして、読売新聞にこれが出されたことがあるのであります。あの当時委員会で追及をいたしましたときには、決して外部の者と相談などをいたした結果できたものではない、厳重に金庫に入れて番人を置いて外部に漏れないようにしたというのでありましたが、それが外部に漏れて新聞に出たのであります。あの当時だれが漏らしたかわからぬというようなことを言われておったのでありますが、その後自治庁ではあの問題について御調査になったかどうか、この点だけを一つお答え願いたいと思います。
○兼子政府委員 読売新聞に選挙制度調査会の起草委員長が案を発表する前に出たという問題でございますが、調査会の起草委員でもいろいろとその点の話が出まして、われわれといたしましては何分にも重要な問題でありますので、普通の会議でありますならば委員さん方の審議の資料と申しますか、そういうものもできるだけお持ち帰りを願って御研究をいただくという方が、審議の促進にはいいのでございますが、選挙区というようなデリケートな問題でございますので、原則としてそれぞれ会議が済みますと、みな置いていっていただくということにいたしておったのでございます。それで案を作っていただくわけでございますから、大体別表と同じような、たとえば全国の市とか郡とかいう構成要素を並べました資料をまず作りまして、この団体とこの団体はどれを結びつけてどういう選挙区を作るかということは各委員さん方にやっていただくわけであります。その一番初めのデータは委員さん方がお待ち帰りになっておられるわけでございます。でございましてわれわれといたしましてはそういう点は十分注意をいたしたのでございます。新聞にどういう経路で出たかということはわれわれ事務当局といたしましても非常に不思議に思い、厳重に仕事をしておりましたそういう点から言いますと、はなはだ遺憾なことであったと思っておる次第でございます。
○中村(高)委員 あとは私速記録を一つ提出していただいて、速記録に基いてその後質問をいたしたいのでありますが、さきに門司委員からも総理大臣の出席を求めると言われましたが、私もやはり鳩山総理大臣に来ていただいて聞きたいと思いまするのは、せっかく総理大臣が内閣の調査会に諮問をしておるのであります、ところが諮問の最中に自由民主党ではその諮問されて漏れた案を士台にして、あちらからいろいろの意見を入れて、これを傷だらけにして直し回っておるのであります。一体総理大臣としてはああいう調査会に諮問するというようなことは世間に対する言いわけのためにやったものなのか、おそらくそんなことはないと思うのでありますが、調査会を作って一年間も審議させておいて、そしてずたずた切り回されてわけのわからぬものになるというようなことを総理大臣としてどう考えておるのか。われわれは総理大臣に対する質問によってその信念も聞いてみたいと思う。今後も内閣にたくさんのいろいろな調査会というものができますが、こういう諮問というような委員会がただ単に世間に対する一般の学識経験者の意見を聞いたという言いわけのためにやったのだとするならば、今後そういう調査会の設置というようなことに対して、われわれも考えなければならぬと思います。いやしくも一年間にわたって大学の先生や何かを連れてきて、学識経験者を集めて国費を使って審議をして、それが何にもならぬという調査会であるとするならば問題であると思いますので、これは総理大臣にも聞きたいと思いますから、それだけを私はつけ加えておきたいと思います。
○大矢委員長 井上君。
○井上委員 この際太田自治庁長官に、ただいま質疑が続けられております選挙法の改正法案に関連をいたしまして、一応あなたの御所見を伺いたい。今度政府が選挙制度調査会の議を経て新しく選挙法の改正案を本国会に出すという準備を進めておることは明確でございますが、政府がこの法案を国会に出そうというためには、かつて各委員会において、選挙制度調査会の答申を待ってやるということを明確にされております。ところがただいま中村委員から御質疑のように、選挙制度調査会は御承知の通り調査会の正当の結論を得て答申がされておりません。それをあなたは正当な議によって答申がされておる、こう解釈しておるようですが、その理由を明確にされたいと思います。
○太田国務大臣 井上委員にお答え申し上げますが、先ほどそのことを申し上げた通り、会長が運営の法則としての選挙制度調査会会議規則というものによってやっております以上、私としてはその会長のやった措置を有効であったと認めてこれを取り上げた次第でございます。
○井上委員 現にあなたはその会議場に列席されておったでしょう。そして他の委員の小委員長報告に対する質疑が続行中に、討論打ち切りの動議を出しておるのです。これは明らかに会議規則としては相反しておるのです。他人の質疑続行中に、まだ議題が討論に入る段階に行っていないのに、討論打ち切りの動議を出して採決をしようというような会議規則は一体どこにありますか。太田博士も長い間政治家としてわれわれ尊敬しておる一人でございますが、あなたはこの会議におらなければ仕方がないですよ。現実にあなたはおって、会議の運営をごらんになっておる。一体そういう採決のやり方が妥当なやり方とお思いになりますか。これはあなたが政治家として一国の国務大臣としてこの姿が民主主義的なやり方で妥当なやり方なりと解釈される根拠をお示し願いたい。
○太田国務大臣 当時その状況につきましては、先ほど速記録をという言葉がありましたが、大分混乱した状況でございまして、いろいろ見る人があろうと思います。私は有馬会長が規則によってやっておる、こういう判断をいたしたのでございまして、この判断は私は変えておりません。もちろんお言葉の通り私も政治家としていろいろな場合にも出つくわしましたが、あのときの混雑した状況は一方的にのみ判断できないので、私の見たことにも落ちがあるかもしれませんが、どうしてああ騒いだか、どういうふうにして速記ができたかあるいは速記に載らなかったというような事実は、今日におきましてはやはりあのときにおった人それぞれの判断があろうと思います。私は委員の一人として有馬会長のやったことは規則に準じてやられたことで有効なり、こういうふうに考えております。
○井上委員 そんな規則はどこにあるのです。人の質疑続行中に討論を打ち切っていいという規則がどこにあります。さらに議題に供されておりません。議題に供せられてその議題に対する採決として行われたらいいのです。討論終結の動議を出しておるので、その動議に対する採決やら議題に対する採決やらわからぬじゃありませんか。そんなべらぼうな会議規則が一体どこにありますか。ちゃんちゃらおかしくなる。
○太田国務大臣 井上さんにお答え申し上げますが、一般の会議規則の原則と慣習というものは私も承知しております。もちろんそう四角張った意味においてできた諮問会ではございませんが、一番初めに会議規則を会員がきめて、その会議規則もこまかいことはやらず、しまいの第十一条の、先ほど事務当局が言った通りそういうここにないすべてのことは、会長の決するところによると書いてあるので、一般の会議原則というものと、こういう会議の本質というものを考えますと、私はその規則によってやったことと思うのでございます。
○井上委員 そういう解釈は大臣むちゃくちゃですよ。正当な議事運営が行われておる、それが議事規則にない逸脱したことが起って、それに対して良識ある判断のもとに会長が議事を運営したというのならいいのです。それなら私はあなたの主張通り納得します。どこに一体質疑続行中に討論終結の動議を出して、しかも採決する議題が供せられてないのですよ。問題はここなんです。そういうものが正当な採決が行われ、答申が行われたということになって、それを根拠にして政府案を作るというようなことになりますならば、これは明らかに国費をむだに使い、いたずらに混乱をまき起し、いたずらに不安定な選挙法を作ったことにしかなりません。そういうものを国会へ政府案として出されたのではたまったものではありません。それだから混乱したのなら一時休憩をして、各委員の冷静な判断によって議事を再開して、正々堂々と議題を供して討論採決を行うべきだ。その手続を何ゆえに自治庁はとらさなかったのです。そこに問題があるのです。ただ一方が騒いだから片方は仕方がないやってやろう、けんかだと言ってしまうようなむちゃくちゃな話を、政府が片棒かついだのではたまったものではありません。そうでしょう。私の理屈はそう間違っていないはずだ。それからあなた方がそこにおらずに、有馬会長以下委員の審議に全幅の信頼をしてまかしておったということならともかく、そこにお並びの方々はみな列席しておったようだから、そういうむちゃなことをやってきたそれが正当な結論を得た答申案なりとして、それを根拠に選挙法の改正案を出されたのでは、たまったものではないというのがわれわれの主張なんです。それでもかまわぬとあなたは思っておいでになるのか、そんなことはないでしょう。
○太田国務大臣 いろいろ御忠告ありがとうございますが、有効なりや無効一なりやという問題になりますので、私としては有効と見ている、こうお答えするよりほかはないのであります。
○井上委員 御存じの通り当時会議に列席しておりましたこの会長さんの強引なやり方に反対した委員の方も、多数おいでになります。そういう混乱した事態においてきめられたことを、正当な審議の運営なりと解釈するということはあなた方大へん苦しいでしょう。実際は大臣も腹の底ではそう思っておるに違いない。ただ国会へ提出してこなければならぬ時期に迫られて、もう一ぺん開いたら日がかかるよって、そうなると国会への提案がおくれるし、与野党の調整も困難になってくるし、仕方がないわ、ほおかむりでいけというむちゃくちゃを、あなた方が考えてやろうとしておるが、わしら国民から考えると国費を使ってやっているのですよ。これは鳩山さんの一つの私的ブレーンとして、鳩山さんのポケットマネーでやっておるならいい。勝手にやったらいい。われわれの税金で持たれておる調査会が、正当な常識ある妥当な結論を出さずに、その妥当でない結論に基いて政府が選挙法という国民全般と国の運命に関する大事な法案を国会に出そうとすることを、われわれ国会の者が黙って見ておられますか。そんなことを国会はあなた方に委任しておりませんよ。国会はそんな調査会の運営をあなた方自治庁にまかしておりませんぞ。もう少し責任ある運営をしてもらわなければなりませんぞ。何も調査会にまかせっ切りだから自治庁長官は知らぬというわけに行きませんぞ。あなた方はこの運営に対しては重大な関心を払い、円滑なる良識のある答申案が出ることに全幅の協力をしなければならぬ立場に置かれておるのである。その立場を忘れてしもうてはしようがない。早いことやらなおそうなる、このことばかり先にきよってむちゃくちゃがな。(笑声)それは断じていけませんぞ。そういうことによって国会へそういう法案が出されてさましたら国会はもめるもとですぞ。この紛争してくる原因をあなた方みずから拡大していこうとしておるのだが、それで責任が果されるとお思いになりますか。その点を明確に御答弁を願いたい。
○太田国務大臣 私は繰り返し申し上げる通り、答案は有効でありまして、答案を得た今日われわれは政府案を作りまして、慎重に御審議あそばされんことをお願いするほかありません。これがまた国会が言論の府であり、むやみ、に先は混乱するとかいう予定のもとに私は毛頭考えておりません。皆様方の公正なる御批判をいただきまして、審議していただきたい、これのみ祈っておる次第でございます。
○井上委員 それではあなたはあまりにもひとり合点ですよ。私が今じゅんじゅんとして説明をいたしております通り、人の質疑中に討論打ち切りというようなそんなべらぼうな議事進行の方法がありますか。それで具体的にこれこれの小委員長報告を本調査会の議題に供します、討論を省略して採決をいたしますから、賛成の人は起立を願います——これによって初めて正規な採決が行われ、答申案がそこできまるのです。その手続がとられてないじゃありませんか。あなたがごめんどうを見ておられる。この選挙制度調査会はそういう正当、良識ある手続がとられてないじゃないですか。そういう正当、良識ある手続のとられてない答申を、あなた、万は土台にして政府案を作ろうとするから、それは国費をむだずかいするもはなはだしい、国費を党利党略のために使うこともはなはだしいということを、私どもは糺問しなければなりません。そう解釈してもやむを得ないじゃありませんか。そう解釈されてもかまわんとあなたはお考えになりますか。そこまであなた方が一党の利益のために選挙法を改正しようというのならば、これは全くわれわれとしては何をか言わんやですが、少くとも一国の国務大臣として国の重大な運命をきめようとする選挙法の改正をお考えになります場合は、もう少し慎重に、もう少し広く国民の良識をまとめて、ものを運んでいくべき筋合いじゃないかと私は考えておる。あなたはそうお考えになりませんか。あなたのような円満な常識家がそんなむちゃくちゃなことを言われては、どだい審議は進みませんぞ。これでは太田自治庁長官の不信任案を出さなければなりませんよ。
○早川政府委員 私も当日委員として出ておりましたが、少し井上さんには誤解があるかと思うのです。あの総会は二日にわたりまして十時間になんなんとする質疑をいたしました。そこで午後六時ごろ、ちょうど鈴木義男委員の質問がとだえたときに、緑風会の小林委員から質疑打ち切りの動議が出ました。そこで会長はこれを諮ったので、多数でこれが認められまして、そのあと会長が小委員長案というものを採決に付したのでございます。これまた多数の挙手できまったのであります。ただ青山委員の修正意見がございましたが、正式の動議としての手続が出ておりませんでしたので、会長はそれを諮らなかった、こういうように、私は当日委員として出席しておりまして——これをどう見るかという問題は別にいたしまして、正規の多数決に従う運営はされたと記憶しております。
○井上委員 それはあなたの方の立場から見ればそうに違いない。(「だから見解の相違だ」「速記録を見ろ」)だからこういう場合の判断は、現実に速記録なら速記録を調べて、速記録にその証拠があって、はっきり採決はこうこうで行われた、こういうものを議題に供した、そして討論が行われ採決をしたということが明確にならなければ何をもってそう言いますか。私の方では正当な採決じゃないと思います。あなたの方は正当な採決であるということを証拠立てるものがないじゃありませんか。何をもってそういうことを言うのですか。その具体的な証拠をお示し願いたい。
○太田国務大臣 再三申し上げました通りでございまして、私どもは有効と信じております。
○井上委員 あなたが有効と信ずることはあなたの自由です。あなたの自由だが、有効と信ずる具体的な証拠をお出し下さい。(「水かけ論だ」「ここは調査会じゃない」)ここは調査会じゃありませんが、政府が委託した選挙制度調査会が正当な手続による採決を行い、答申をやってない。その答申に基いて政府は選挙法の改正案を本国会に出そうということでありますから、出してしまった後に、これは下行き届きだ、どうだと言って議論をするよりも、まだ出されておりませんから、何も選挙制度調査会を開くことにおっくうがることはありません。われわれの方で異議があり不確定のものであるからと言うておる以上は、もう一応選挙制度調査会を開かれて、正当な手続によって正当な答申を得られるようにされたらどうか。そうした上に確固たる自信のある答申案に基く改正案を国会に出される方が国会の運営も円満に行くんじゃないか、私どもはこういう考え方に立っておる。そこであなた方の方では、もう調査会を再びこの問題について開く必要はない、こういうあなたは考えのようでございますけれども、少くとも、これはあなた方もお調べになりましたでしょうが、あなたが正当な採決であり、答申が行われたとする最後の根拠になる証拠が何もありません。一1われわれの方は、はなはだ不確定のものであると言うと、あなたの方では確定のものである、こう言う。両方で正当性を主張するだけで、こうなっておるという速記その他の証拠書類はないじゃありませんか。だからそれはやはり今後の国の運営に関する大事な選挙法の問題ですから、私ども頃重に扱うていかなければなりませんので、はなはだしつこいようでありますけれども、もう一応長官の政治的な配慮をめぐらした御答弁を願います。
○太田国務大臣 私は再三有効論を唱えましたが、しかし社会党の方々がおいでになりまして、有馬会長にもう一ぺんあの会合を開いてくれというお盲葉でございましたので、そのことを正直に、また早く昨日通達いたしたような次第でございます。従って今の規則におきましても、会長これを召集するとなっておりますので、会を開く、開かぬという問題は、私の手から離れておる次第でございます。
○井上委員 私昨日この事態を知りまして、党を代表いたしまして、この調査会に諮問をいたしましたのは内閣総理大臣ですから、そこで鳩山首相に会見を申し込みました。ところが総理の御都合がございまして、政府を代表して根本官房長官がわれわれの代表に会っていただきまして、ただいま社会党から自治庁長官を通して有馬会長に申し入れたと同様な趣旨を政府に正式に申し入れをいたしました。その際根本官房長官は、太田自治庁長官が当面のこの会運営の産婆役といいますか、世話役であるから、太田自治庁長官によく一つ連絡をとります、こういう話でございまして、まだ何ともそり結論についての返事がございません。あなたの方に政府の根本官房長官の方から具体的こ相談がありましたか。それを伺いたい。
○太田国務大臣 根本君からそのお話がございました。しかして私が今日答弁中申し上げたと同じ意見を申し上げました。またこの公開の席において申し上げた通りでございます。
○井上委員 最後に申し上げますが、私はあなたの今までの御答弁は、あなたの良心のある答弁とは考えません。またわれわれが今まであらゆる会議の運営をやってきまして、かような非合法的な運営に基く答申を正当なりと判「断を下すに至りましては、自治庁長官としての責任は重大であります。私ははっきり申し上げておきます。その処置につきましては、私どもいずれ党議をきめまして、正当な手続をとるつもりでありますから、さよう御了承を願いたい。
○門司委員 先ほど私は総理大臣の出席を要求したのですが、このことについて委員長からどういう処置がとられているか、聞いておきたいと思います。
○大矢委員長 いずれ理事会にかけて相談します。向うの都合もあると思いますから、よく相談します。 それじゃこれにて散会をいたします。なお次会は公報をもってお知らせいたします。 午後一時十五分散会